区分 資格科目-教職関連科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力 倫理観 専門性探求
地域社会貢献 グローバル性
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性 広い視野 知識・技術
判断力 探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
心の問題に対応する工夫と模索を進める上で必要な理論的・実際的な基本を修得する。
科目の目的
教育相談の諸理論について、単に単に知識を習得するだけでなく、生徒指導において活かすことができることをめざす。そのために、幼児、児童及び生徒の心身の発達の過程及び特徴について理解し、教育相談の核となるカウンセリングの理論的な基礎を身につけるとともに、教育、発達、医療、司法、地域支援などの各分野についての支援活動について理解する。そして、教育相談に必要な技能の意味や組織的な取組みや連携の必要性について理解する。
到達目標
学校における教育相談の意義と理論について理解できる。
・教育相談を進める際に必要な基礎的知識(カウンセリングに関する基礎的事柄を含む)について理解できる。
・教育相談の具体的な進め方やそのポイント、組織的な取組みや連携の必要性について理解できる

科目の概要
今日、不登校やいじめ、自殺、あるいは、学級崩壊などの問題は、学級担任教師にも養護教諭にも共通しており、実践の転換を迫っている。ここで求められるのは、心の問題への適切な対応と当事者への共感的支援、そして、教育相談の基礎理論やカウンセリングマインドである。この科目では、教育現場において心の問題に対応する工夫と模索を進める上で必要な生徒指導における教育相談の基礎な考え方やカウンセリングの技法を学ぶ。そして、障害児に関する問題事例や不登校、いじめ、非行などの不適応に関する問題事例、また、相談対象となる保護者との相談事例について検討していく。これらの授業をとおして、児童生徒との信頼関係を築きながら教育相談を進めていく態度やそのあり方についても学ぶ。
科目のキーワード
教育相談、カウンセリング技法、
授業の展開方法
教育現場での教育相談担当やスクールカウンセラーの実務経験から、第1回から第6回までの中で教育相談をどのように役立てたか、あるいは、カウンセラーとして経験したエピソードなどを適宜述べていく。また、第8回から第14回までの内容は、事例検討が中心であるため、学校現場で見てきた問題発生の状況や背景について言及していく。授業の提示では、パワーポイントを使用し、必要に応じて視聴覚教材を取り入れて進めていく。配布資料は、基本的には書き込み式のノートである。教科書も使用して補足説明をしていくので余白や欄外にメモをしてもらいたい。また、カウンセリング技法の演習や模擬面接などを行い、また、学生が中心となって事例検討会を開き、事例に対する積極的な議論を期待する。
オフィス・アワー
(準備中)
科目コード BD07
学年・期 3年・前期
科目名 教育相談
単位数 2
授業形態 講義
必修・選択 選択(養護教諭は必修)
学習時間 【授業】30h 【予習・復習】60h
前提とする科目 教育原理,教職論,生徒指導論
展開科目 教職実践演習(養護教諭)
関連資格 養護教諭
担当教員名 宮田延実
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 教育相談の歴史・役割・意義 科目の中での位置付け 科目の目的は、教育相談の核となるカウンセリングの理論的な基礎を身につけるとともに、教育相談に必要な技能の意味を理解し、組織的な取組みや連携の必要性について理解することである。教育相談と聞けば生徒と保護者の心の問題に対応する教師やカウンセラーの活動をイメージする人が多い。だがそれは教育相談の歴史にとってはきわめて新しい出来事である。ポストモダンともいわれる今日の教育相談は、目標の喪失と競争による強いストレスにさらされ、心に傷を負って苦しむ生徒へのケアと支援が中心になってきている。苦悩をシグナルとして表出する生徒に教師がかかわるとき、進路指導や生徒指導の方法は無力である。シグナルとしての生徒の言動に対しては、それを評価し適応に向けて指導するのではなく、生徒の話に耳を傾け、その苦しみを理解することが必要になるからである。このコマでは、以上のように展開してきた教育相談の歴史と教育におけるその意義をやや詳しく見ていくが、それによって本章以下の各章で取り上げた今日の教育相談の諸側面がより深く理解できるようにしたい。
①『生徒指導提要』p92
②『生徒指導提要』p92~93
③『生徒指導提要』p98
④『生徒指導提要』p92
コマ主題細目 ① 教育相談の歴史 ② 学校における教育相談の位置と役割 ③ 教育相談の対象と方法 ④ 教育相談の意義
細目レベル ① 日本における教育相談は各地の職業相談所において職業指導の傍ら行われていた。1960年代後半から70年代にかけての日本の学校現場では、教育相談は非行や校内暴力等の問題を起こす児童•生徒たちを外面的に沈静化させる生徒指導の方法として日常的に用いられるようになっていた。それは日本の伝統的な集団的生活指導とも異なる管理的生徒指導というべきものであった。こうした状況が続く中で1970年代後半から80年代にかけて、いじめ、自殺、登校拒否(不登校)など内向的、非社会的行動が目立つようになる。そこで新たに「カウンセリングマインド」提起された。しかし多くの教師たちは、「治療的カウンセリング」に際してカウンセラーに求められる姿勢や、来談者にかかわるための特殊な方法として受けとめる傾向があった。このズレや誤解は21世紀の今日もなお埋められたわけではない。ここでは、教育相談の歴史について理解する。
② 教育相談は生徒指導のなかのひとつの機能である。一般的にはそれを消極的な指導の側面をもっぱら担う機能であると理解する人が多い。だが 実際はそうではなく、教育相談は生徒指導における積極的な指導にも生かされるものであり、生徒指導の前提であり目的でもある人間関係を豊かにさせる重 要な機能を併せ持つものと考えられている。そのような教育相談の役割を分析して、今日ではそれをさらに3つの機能に 分けて説明することが多い。そのうちの2つは「開発的な機能」と「予防的な機能」と呼ばれ、教育相談において主に積極的な指導を支えるものである。他の1つは主に消極的な指導を支えるもので「治療的な機能」と呼ばれるものである。ここでは、教育相談の位置と役割について理解する。
③ 教育相談の目的は、「一人一人の子供の教育上の諸問題について、本人またはその親、教師などに、その望ましいあり方について援助、指導する」ことである。それぞれの対象に対する相談活動の方法は、学校における生活や学習の目標と子ども個々人の特性とのマッチンダをはかり、学びの活動を主体的で意欲的なものにするためにすベての教師に求められる指導方法であるガイダンス(指示的カウンセリング)、予防の機能や治療の機能を必要とする子どもに対する相談活動の方法であるカウンセリング(非指示的カウンセリング)、そして、子どもにかかわるすべての者が集まって話し合う方法、相談担当教師かスクールカウンセラーあるいは養護教諭などとともに 担任教師が保護者と面談し、親の不安や要望を受けとめながら必要不可欠な助 言を行うカンファレンス(相談•協議)があることを理解する。
困難をかかえた子どもの援助者である親に対して行う相談活動であるコンサルテーシヨン(相談.助言)がある。ここでは、教育相談の対象と方法について理解する。

④ 教育相談の視点を身につけた教師が増えることで、学校には苦悩やストレスをかかえる子どもが自らの力で心の問題を乗り越えるのを援助する可能性が開かれる。それは生徒指導と教育相談とを対立してとらえて教師たちが反発し合い、教育相談は「甘やかし」だと公言して保健室や相談室の利用を制限するような学校とは本質的に異なる学校になることを意味する。そのような学校では子どもたちだけでなくその親の気持ちをも理解し支えることが可能となり、さらに外部の専門機関と連携することでより効果的に子どもの苦しみの克服を援助することが可能になる。ここでは、教育相談の意義について理解する。
キーワード ① 教育相談の歴史 ② 生徒指導 ③ 自己実現 ④ カウンセリング ⑤ 教育相談の機能
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習(60分):本コマで学修した教科書の該当箇所を通読するのはもちろん、今回の授業の要点整理とするために本コマのシラバスを読んでおくこと。また、本講義で出てきた、教育相談に自ら足が向かない生徒が多いことを理解しておく。教育相談の歴史において、教育相談は生徒指導の一つの機能として位置づけられていたことを押さえておく。また、興味をもった事柄についてChatGPTを活用して調べ、小テストを作成し、進んで学修をすること。予習(30分):第2回のシラバスをよく読んでおくこと。特に、教育相談で扱う対象、教育相談の機能、教育相談の場面について、『生徒指導提要』第5章第1節で述べられているので読んでおくこと。特に、教育相談と生徒指導との関係、教師がカウンセリングをする難しさについてはよく読み、様々な教育相談の形態や方法については目を通しておくこと。

2 教育相談の基礎知識 科目の中での位置付け 中学校学習指導要領解説(特別活動編)によれば、「教育相談は、一人一人の生徒の教育上の問題について、本人又はその親などに、その望ましい在り方を助言することである。その方法としては、1対1の相談活動に限定することなく、すべての教師が生徒に接するあらゆる機会をとらえ、あらゆる教育活動の実践の中に生かし、教育相談的な配慮をすることが大切である。」とされています。すなわち、教育相談は、児童生徒それぞれの発達に即して、好ましい人間関係を育て、生活によく適応させ、自己理解を深めさせ、人格の成長への援助を図るものであり、決して特定の教員だけが行う性質のものではなく、相談室だけで行われるものでもありません。これら教育相談の目的を実現するためには、発達心理学や認知心理学、学校心理学などの理論と実践に学ぶことも大切です。また、学校は教育相談の実施に際して、計画的、組織的に情報提供や案内、説明を行い、実践することが必要となります。
このコマでは、教育相談の基礎知識におけるその意義をやや詳しく見ていくが、それによって本章以下の各章で取り上げた今日の教育相談の諸側面がより深く理解できるようにしたい。

①『生徒指導提要』p98
②『生徒指導提要』p99
③『生徒指導提要』p98~99
コマ主題細目 ① 教育相談で何を扱うか ② 教育相談の機能 ③ 教育相談の場面
細目レベル ① 教育相談は、一人一人の生徒の教育上の問題について、本人又はその親などに、その望ましい在り方を助言することである。児童生徒それぞれの発達に即して、好ましい人間関係を育て、生活によく適応させ、自己理解を深めさせ、人格の成長への援助を図るものである。端的に言うなら、悩みや問題を解決する手助けをし、課題に直面した時の問題解決の力を育て、個々人の良さをさらにのばし、自己実現へつなげるための支援をするものである。決して特定の教員だけが行う性質のものではなく、相談室だけで行われるものでもない。そのために学校は、教育相談の実施に際して、計画的、組織的に情報提供や案内、説明を行い、実践することが必要となる。ここでは、こういった教育相談の目的や内容について理解する。
② 教育相談の機能は、まずは開発的(発達促進的)教育相談である。対象者はすべての児童生徒であり、彼らの自己肯定感を高める活動である。そして、互いに支え合う人間関係を築くための活動。次は予防的教育相談である。問題を未然に防ぐ教育相談の活動である。そのために、学習のつまずきや家庭の問題、ストレスの高い状態にある子どもたちのSOSに気づき、早めの対応をする必要がある。そして、教育相談の機能が発揮されている状態とは、例えば、教員が 児童生徒に寄り添い、向き合い、その個性を生かす関係が保たれている状態は、その一つといえる。ここでは、こうした機能が発揮されるためには、生徒指導体制の中での教育相談の体制づくりの前提として、教員が児童生徒一人一人と向き合うことが可能となるような時間の確保とそのための条件整備が求められることについて理解する。
③ 相談にやってくるところから始まるわけではないので、あらゆる教育機会を利用する。例えば、日誌の交換、アンケート、短時間の面接を定期的に行うことが考えられる。まずはラポールを形成し信頼関係を築くことが必要である。そして、次の3つの視点から理解することが重要である。一つめは言葉を理解すること。話に関心を寄せる、内容を正確に理解する、適切な質問をする、それは普段からのやり取り、見守りの姿勢が大切である。2つめは、気持ちを理解することである。言葉で十分に表現できていない可能性も考慮する。表情、声の変化、姿勢や態度から推測もする。感情に共感する。適切な言葉で表現することである。3つ目は、隠されたメッセージを理解することである。試し行動があることも考慮し、言動が一致していないことがあることも理解する。さらに「理解したい」というメッセージを伝えることも教育相談の場面では重要である。ここでは、これらの視点について理解する。
キーワード ① 自己理解 ② 人間関係 ③ 傾聴 ④ 開発的 ⑤ 面接
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習(60分):本コマで学修した教科書の該当箇所を通読するのはもちろん、今回の授業の要点整理とするために本コマのシラバスを読んでおくこと。また、本講義で出てきた、教育相談に自ら生徒がやってこない理由から対策や方法について考えておく。また、聴いた言葉がすべてではないことについても押さえておく。さらに、興味をもった事柄についてChatGPTを活用して調べ、小テストを作成し、進んで学修をすること。予習(30分):第3回のシラバスをよく読んでおくこと。教育心理学とのかかわりがある箇所もあるので、子どもの発達や発達障害については、教育心理学の教科書の該当箇所を見ておくこと。また、『生徒指導提要』第5章から、自己制御能力について調べ、その内容や発達や性差について理解しておくこと。また、仲間関係の発達についても同様に調べて理解しておく。
3 子どもたちの発達の多様性と教師の役割 科目の中での位置付け 教育相談においては、児童生徒の発達段階を把握した上で、個々の発達の違いがあることを理解していくことが重要である。児童期とは主として小学生の時期を指す。その前の時期が幼児期です。青年期とは主に中高生ないし大学生くらいの年齢を指し、思春期は小学校高学年から中学校年齢の性的成熟が始まり、おおむね完了するくらいの時期を指す。幼児期から児童期にかけて、自分を統制する力が高まり、学習を意図的・意識的に遂行することが可能になる。幼児期はむしろ遊びという楽しさの中で学ぶ時期です。中学生くらいになると、学んでいることへの自覚が高まり、自己像をめぐっての悩みが起こると同時に、学習は自己像に支えられた高度なものへと発展します。 他方、近年、学校内外において児童生徒による暴力行為などが多数発生しており、その要因の一つとして、自分の感情をコントロールすることができず、「キレやすい」児童生徒が増加していることが指摘されている。こうした児童生徒を含めて一人一人を理解するためには客観的・専門的な知識が不可欠である。そこで、このコマでは、発達心理学・教育心理学の知見を基に、児童期の子どもの指導に必要な心理学的な事柄を整理して示し、知的な発達、情動的な発達及び社会性の発達が学校という制度の中でどのような影響を受けるかについて学ぶ。
①『生徒指導提要』p43~44
②『生徒指導提要』p44~48
③『生徒指導提要』p49~50
コマ主題細目 ① 発達の個体差 ② 自己制御と感情制御の発達 ③ 仲間関係の発達 ④ 発達障害
細目レベル ① 集団の中では一人一人の違いがわかりやすい。それがいじめや差別を産むこともある。また、教師は子どもの発達の違いや個性をきちんと理解した上で児童生徒の指導をしていく必要がある。周りと比較するのではなく個々の子どもの発達の個体差や取り巻く社会環境を考慮した対応が求められる。では、子どもたちの発達の多様性にはどのようなものがあるのだろう。ピアジェの認知発達理論は感覚運動期(誕生~2歳)、前操作期(2歳~7歳)具体的操作期(7歳~12 歳)形式的操作期(12 歳以降)に分けられているが、最近の研究では、発達の時期と年齢の対応は明確なものではなく、同学年でも発達に違いがあり、認知能力以外でも様々な発達差があることを理解する。ここでは、個体差について理解する。
② 第一次反抗期とは1歳半ごろ~2歳代で顕著になる自己主張である。自己主張や反抗を通して自分の意思を通せることと通せないことがあることに気付く。この時期は自己主張が中心で、自己制御は難しい。しかし、自己制御の発達は、他者とのかかわりの経験や言語の発達などにより自己制御が発達する。たとえば、友達への配慮や連帯意識が生まれる、他の子どもとのいざこざを通じて自分を抑えることができるようになる。この自己制御は自己主張と自己抑制の二つの側面がある。それは、自己主張とは、嫌なことや他と違う意見をはっきり言える、やりたい遊びに他の子を誘って遊べるといったことである。自己抑制とは、欲しいものを待てる、人に譲れる、きまり、ルールを守る・悔しさ、悲しさに感情を爆発させないといったことである。ここでは、自己主張と自己抑制のバランスの視点から児童生徒を見ていく必要があることを学ぶ。
③ 集団を構成している児童生徒個人を理解する必要があるが、さらに集団の構造や性格そのものを理解することが大切であり、ここでは、集団を構成する年齢に応じて仲間集団も発達することを理解する。幼児期は、仲の良い友達とその他の仲間を区別し、仲良しの友達と互恵的な関係を形成する。年長児はお互いに仲間という意識を持ってかかわるようになる。児童期においては、低中学年は同性同年齢の仲間集団であるギャンググループ:結束が強く一緒に遊ぶ仲間、高学年~中学生では「親友」という存在ができるチャムグループ:同質を確認し合う仲間集団で興味関心を共有して結びつき、親に言えない秘密を分かち合うこともある。高校生の友人関係では異質を認め合う仲間集団ピア・グープ:個性が違うことが一緒に居る意義。個人の目的により出入り自由になっていく。ここでは、このような仲間集団の発達を理解し、個々の発達差と合わせて理解する必要があることを学ぶ。 
④ 確定診断が難しい障害である。児童生徒自身の資質や性格、心理状態なども含めて総合的にとらえる必要がある。教育関係者が安易に障害名を挙げ、判断すべきではないことを留意したい。その時の精神状態や状況によっても障害特性に似たような症状もある。また、二次的障害も扱う。不登校や引きこもり、暴力や家出、反社会的行動、うつ病や統合失調症などの心の病気になったり、虐待の原因になったりする場合もあることを理解する。保護者との相談では、大きな不安を抱え、わが子への期待感や気持ちの焦りからできないところにばかり目がいく。苦手なことを無理強い、注意や叱責が多くなる。このような誤った対応が続くことも少なくないことを理解していく必要がある。つまり、「困った子は困っている子」であるという認識を教師がもち、相談活動をしていくことを理解する。
キーワード ① 発達障害 ② 適応 ③ 困り感 ④ 反抗期 ⑤ 自己制御能力
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習(60分):本コマで学修した教科書の該当箇所を通読するのはもちろん、今回の授業の要点整理とするために、本コマのシラバスを読んでおくこと。また、本講義で出てきた、自己制御能力、発達障害などの理解を深めることはもちろんだが、それぞれの子どもに発達差や個性があることを理解し、押さえておくことが必要である。さらに、興味をもった事柄についてChatGPTを活用して調べ、小テストを作成し、進んで学修をすること。予習(30分):第4回のシラバスをよく読んでおくこと。教育相談の対象と形態、教育相談を進めるための留意事項、守秘義務においては、『生徒指導提要』第5章第3節を中心に記載してあるので調べておくこと。特に、守秘義務については、学校での集団守秘という手法は、病院やその他の機関と異なるので、どんな違いがあるのか調べておくこと。
4 教育相談の進め方 科目の中での位置付け ここでは学校で行う教育相談の進め方について、学級担任・ホームルーム担任の立場、教育相談担当教員の立場、養護教諭の立場、管理職の立場に分けて考える。教育相談の対象
すべての児童生徒を対象である。つまり、いじめ、不登校、非行などの問題を抱える児童生徒、また、学習や対人関係、家庭の問題等で不適応感を持ち始めてきているが、まだ非行や欠席などの具体的な行動には表れていない児童生徒、さらには、表面上は特段の問題なく元気に学校生活を送っている多数の児童生徒を対象として、学校生活への適応とよりよい人格の向上を目指して行われる。このように、すべての児童生徒を対象にあらゆる教育活動を通して行うものである以上、すべての教員が、適時、適切に行うことが必要である。また、教育相談の場面としては、あらゆる教育活動を通して行われる。各教科、道徳、総合的な学習の時間及び特別活動の授業では、児童生徒の顔色や姿勢、学習態度などから、様々な情報をつかむことができ、児童生徒理解を深める大切な場面といえる。その他、定期面談や呼出し面談等についても議論し、基本的な教育相談の進め方について学ぶ。

①『生徒指導提要』p95~98
②『生徒指導提要』p100
③『生徒指導提要』p105
コマ主題細目 ① 教育相談の対象と形態 ② 教育相談を進めるための留意事項 ③ 重要な守秘義務
細目レベル ① 教育相談の対象は、いじめ、不登校、非行などの問題を抱える児童生徒、また、学習や対人関係、家庭の問題等で不適応感を持ち始めてきているが、まだ非行や欠席などの具体的な行動には表れていない児童生徒、さらには、表面上は特段の問題なく元気に学校生活を送っている多数の児童生徒などすべての児童生徒が対象である。教育相談の形態や方法としては、個別相談、グループ相談、チーム相談、呼出し相談、チャンス相談、定期相談、自発相談などがある。ここでは、これらの相談形態や方法のもつ意義や有効性について理解する。
② ここでは、関係者への連絡、連携や守秘義務など、教育相談を進める上でどのような留意点や配慮事項があるか議論する。たとえば、呼び出し相談は、呼出し=「罰」と、とらえがちで、心を閉ざし防衛的になる。不満や反発もある。また、問題解決しようという意欲に乏しい。問題発生直後に行われることが多いため、教員も説教的になりがちになる。そこで、呼出すときには理由を明確に告げる「~について、少し詳しく君の考えを聞きたいんだが」「どうしたらよいか、一緒に考えてみよう」「~のこと、心配しているんだ」これからの学校生活が少しでもよくなるために先生と話し合うのだ、と前向きな気持ちになるように投げかける。どうしても時間を延長する ときは「もう◯分、延長したいのだが、都合はどうだい」と許可を求めるくらいの気持ちが必要である。呼出しに応じて来た場合には「つながる言葉かけ」をまず行う。問題がどうであれ、こちらの要請に応じてくれたことに感謝する。
ここでは、このように最新の配慮について学ぶ。

③ 学校における守秘義務は、治療機関とは一部異なる。学校では、一人の児童生徒に複数の教員がかかわったり、チームとして対処したりすることが多い。そのために情報共有を行う必要がある。したがって、学校における守秘義務は、情報を「校外に洩らさない」という集団守秘という意味でとらえる。しかし、相談者しか知らない情報を他の先生が知っていると気づく行為は、どうしても避けなければならない。信用を失ってしまうからである。面接の中で緊急性や命にかかわる内容をつかんだとき、「この問題はどうしても他の先生方と協力して解決していく必要がある」と児童生徒の了解を得るのも一つの方法である。資料の管理と扱いにも十分に注意することについて理解する。
キーワード ① 呼び出し面接 ② 相談態度 ③ 集団守秘義務 ④ 連携 ⑤ 守秘義務
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習(60分):本コマで学修した教科書の該当箇所を通読するのはもちろん、今回の授業の要点整理とするために、本コマのシラバスを読んでおくこと。また、本講義で出てきた、教育相談の対象と形態、教育相談を進めるための留意事項、守秘義務においては、理解を深めることはもちろんだが、それぞれの子どもに実際場面で大切になる事項であることを理解し、押さえておくことが必要である。さらに、興味をもった事柄についてChatGPTを活用して調べ、小テストを作成し、進んで学修をすること。予習(30分):第5回のシラバスをよく読んでおくこと。カウンセリングの手法は様々あるが、教育相談では、ロジャースの来談者中心アプローチの手法を援用しているので、『生徒指導提要』第5章第3節を中心に記載してあるので読んでおくこと。特に、援助者の3原則について調べておくこと。
5 カウンセリングの技法 科目の中での位置付け 話し手と聴き手の間に築かれる信頼関係のことをラポール(Rapport)という。カウンセリングがうまくいくかどうかのかなりの部分は、ラポールの構築にかかっており、しっかりとしたラポールが築けると、話し手はカウンセリング関係の中で、安心して自由に振る舞え、素直な感情を表現できるようになる。ラポール構築のためには、カウンセリングの基本的態度(純粋性、受容的態度、共感的理解)が重要である。話し手に安心感を持ってもらい、心を開いて相談してもらうために、聴き手にはカウンセラーの基本的態度(積極的に聴く態度)が求められる。また、「相談したい、時間をとってほしい」と言っていたのに、いざ話を聞こうとすると沈黙が続く場合もある。話すための心のエネルギーが枯渇している場合や、教員に向かって話すことにためらいや抵抗が生じている場合などである。そうした場合にはカウンセリングの技法を援用するとよい。本コマでは、基本的なカウウンセリング技能を学び、教育相談に活用できるようにする。
①配布資料
②『生徒指導提要』p103
③配布資料
コマ主題細目 ① ロジャースの援助者の3原則 ② カウンセリング技法 ③ 演習
細目レベル ① 来談者中心アプローチの提唱者であるロジャース(Rogers.C.R.)は、カウンセリングの基本的態度として、次の3つを示している。①純粋性(自己一致):聴き手自身が心理的に安定していて、ありのままの自分を受け入れていること。防衛的になったり、虚勢的になったりせず、率直な気持ちと態度で話し手に向き合えていること。②受容的態度:批判や非難の目を向けることなく、受容的な態度で話し手に接すること。話し手をひとりの人間として大切に思いやること。③共感的理解:話し手がどのように感じているか、考えているかを、できる限り正確に知ろうとすること。カウンセラーが理解したことを相手に伝えること、表面的に同調や同感するのではなく、話し手の「ものの見方・考え方」にそって理解しようとすること。ここでは、ロジャースの援助者の3原則について理解する。
② 「つながる言葉かけ」技法は、心をほぐすような言葉かけである。「傾聴」技法は丁寧かつ積極的に相手の話に耳を傾け、よくうなずき、受け止めの言葉を発し、時にこちらから質問する。そして「受容」技法は、児童生徒のそうならざるを得ない気持ちを推し量りながら聞く。「繰り返し」技法は、児童生徒がかすかに言ったことでも、こちらが同じことを繰り返す。「感情の伝え返し」技法は、少しでも感情の表現が出てきたときには、同じ言葉を児童生徒に返し、感情表現を応援する。「明確化」技法は、うまく表現できないものを言語化して心の整理を手伝う。「質問」技法は、話を明確化する時、意味が定かでない時に確認する場合、より積極的に聞いているよということを伝える場合などに質問を行う。「自己解決を促す」技法は、本人の自己解決力を引き出す。以上の基本的な技法を学ぶ。
③ 2人組でカウンセリングの演習を行う。クライエント役とカウンセラー役を決めて、カウンセリングの技法を使ってみる。クライエント役は、事前に話す内容を考えてくる。カウンセラー役が演習で使うことを期待する技法は、「つながる言葉かけ」技法と「傾聴」技法、「繰り返し」技法、「感情の伝え返し」で、それができることを目標とする。演習で心掛けたいことは、何かを与えたり教えたりせず、相手の話にじっと耳を傾ける。そのために、相手の人格を尊重し、その世界に接近しようと試みること。傾聴することで相手が何かに気づいたり、新しい可能性を発見したりすることにつながる。自分自身の気づきや発見をもたらすことにつながる。ここでは、技法について理解する。
キーワード ① 来談者中心 ② クライエント ③ 傾聴 ④ 受容 ⑤ 共感
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習(60分):本コマで学修した教科書の該当箇所を通読するのはもちろん、今回の授業の要点整理とするために、本コマのシラバスを読んでおくこと。また、本講義で出てきた、ロジャースの来談者中心アプローチの援助者の3原則①純粋性(自己一致)②受容的態度③共感的理解の意味をよく理解し、押さえておくこと。また、カウンセリング技法は活用できるように各自で練習をしておくこと。さらに、興味をもった事柄についてChatGPTを活用して調べ、小テストを作成し、進んで学修をすること。予習(30分):第6回のシラバスをよく読んでおくこと。「教育相談システムとは」「システムづくりに必要なもの」「各ケースにおける連携」については、チームとなって教育相談を行う上での必須の知識である。テキスト『教育相談』第8章に記載してあるので読んでおくこと。
6 学校における教育相談システム 科目の中での位置付け 教育相談に対する理解において、本来の生徒指導は「指導と相談」は一体化しているはずであった。しかし近年では、「指導」と「相談」に分離、分担するようになっている。生徒指導においてどんな様相になったのだろうか。また、生徒指導にはどんな問題が生じたのだろうか。生徒指導主事の仕事について「生徒指導」ネットワーク主宰吉田さんの話の様子から見えることは、まず、指導的対応と相談的対応との対立や葛藤が生じたことが背景にある。また、従来の教育相談の「子どもについての共通理解」原則とカウンセリングの「守秘義務」原則との対立やズレや学校の相談活動の大部分を担っていた養護教諭諭との関係に若干の混乱があった。教育相談の連携がないと教育相談はすべての教職員によるので、それぞれのやり方によって行われ個々ばらばらで進められ、相談活動の場所や機会も多様である。しかし、難しいケースでは、個人では問題対応が困難になる。学校で生起する相談活動上の困難に対して、学校内で柔軟に有機的につながり、組織的集団的な力量で乗り越えられる相談活動のシステム化が必要とされるのである。そこで、本コマでは、教育相談システムの構築について考える。
①『生徒指導提要』p94~95
②『生徒指導提要』p95~96
③『生徒指導提要』p118~125
コマ主題細目 ① 教育相談システムとは ② システムづくりに必要なもの ③ 各ケースにおける連携
細目レベル ① 望ましい教育相談システムとは、学校の持つ相談機能が相互に関連づけながら編み上げられたもの、あるいは、学校内の相談活動に関わる人や学校外の専門機関と相互に連携しながら相談機能が全体として有効に発揮されるように編成された体制であるといえる。しかし、システムに定型はない。実際は、各学校の希望、教職員の経験と力量、保護者の理解や要望、地域の社会資源の存在、連携や協力あるいは活用の可能性に応じた構築をしていくことが大切になる。そのために、各学校に合うシステムを試行錯誤しながら必要な連携や体制を編み上げることが期待される。教職員間によって効果的な方法が伝達されることにより、不登校やいじめなどの深刻な心理的困難な問題の増加に対しても乗り越えられる。ここでは、教育相談システムについて理解する。
② システムづくりに必要なものは、相談活動を推進する核になる組織と相談ニーズである。そのために、教職員が力量を高める研修や条件整備など教育相談活動の土壌づくりが必要となる。学校現場では、校務分掌に設けられた教育相談係がとりあえず任務にあたっている状況である。近年のSCの配置、教育相談部の独立が契機となって整備が始まったが、さらに、キーパーソンの存在がシステムづくりに必要である。その役割は、職員間の連携や地域の専門家、専門機関等の必要な連携をコーディネートしたり、学校内の相談活動の組織化や計画立案を担当したりする。そのキーパーソンは、職場での信頼される教師(学級担任、不登校加配教員、養護教諭などのベテラン教師)の中から選ばれる。ここでは、システムに必要なものについて理解する。
③ 問題に対応するために連携は様々である。学級担任と養護教諭との連携では、子どもから保健室に持ち込まれる場合は、デリケートで慎重な連携をする必要がある。また、保健室登校においても連携が必要である。保護者との連携では、家庭の事情が影響しているケースが少なくない。子どもの状態についての保護者の理解が十分でなかったり、家族の問題が絡んでいたりする。また、学校への信頼が得られていないこともある。連携よりサポートや援助が必要な場合もある。専門家や専門機関との連携では、診断や助言により、相談援助活動が進むので、日頃からの個人的な信頼関係の構築しておくとよい。スクールカウンセラーとの連携については、その位置づけと役割を明確化する。困難なケースにはチーム会議で関係する教職員による相談援助チームを編成し、定期的にあるいは必要に応じて開くこと。ここでは、連携について理解する。
キーワード ① 役割と責任 ② 共通理解 ③ システム ④ 養護教諭 ⑤ 不登校
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習(60分):本コマで学修した教科書の該当箇所を通読するのはもちろん、今回の授業の要点整理とするために、本コマのシラバスを読んでおくこと。また、本講義で出てきた、教育相談システムづくりに向けて、学校現場ではどのような連携をしていくか、その判断が求められるようになるので、様々なケースを想定しつつ、これらの知識を押さえておくこと。さらに、興味をもった事柄についてChatGPTを活用して調べ、小テストを作成し、進んで学修をすること。予習(30分):第7回のシラバスをよく読んでおくこと。この中で、現代社会の歪みが最も守られる立場の児童生徒に向けられていることを理解する。そして、これらが少年問題の背景にあることや教育現場は難しい対応になってることについて、『生徒指導提要』の第1章第1~5節に記載してあるので調べて読んでおくこと。
7 現代社会の変貌と教育相談 科目の中での位置付け 中央教育審議会の第一次答申によると、現代は、生活水準が向上し、物質的な豊かさや便利さがある。しかし、忙しく、ゆとりがなく、睡眠時間も十分でなく、ストレスフルな子どもが少なくない。「夜、眠れない」「疲れやすい」「何となく大声を出したい」「何でもないのにイライラする」という子どもが見られるようになった。家庭生活も変化を遂げている。核家族化、少子化が進行し、親の仕事中心のライフスタイルになっている。職業生活を両立する条件の整備が進まない。親は家庭教育に対する親の自覚の不足や過保護や放任も目立ち、家庭の教育力は低下している。このような背景において、青少年の凶悪な事件が起きているといっても過言ではない。新聞報道では、事件を起こした少年らは日頃はおとなしく勉学にも熱心な、いわゆる「よい子」であった。少年らはいじめを受けた体験から不登校や目標を失って閉じこもりになったりしたこともあるという。本コマでは、社会の変貌と少年の問題行動について考え、教育相談の機能をどのように発揮していくとよいかを検討する。
①『生徒指導提要』p165~166
②『生徒指導提要』p166~167
③『生徒指導提要』p168~169
コマ主題細目 ① 少年問題の対応 ② 難しい教育現場 ③ 教師の悩み
細目レベル ① 反社会的な性格の子が反社会的な問題行動を起こすことは容易に想像がつくが、近年では非社会的な性格の子も反社会的な問題行動を起こす、「いきなり型」の様相をみせている。教育現場の危機対応は、予防的開発的な指導が大切である。そのために、まず、子どもを的確にみることが必要である。教師はカウンセリングの感覚と技法を身につけ、その子の気持ちや感情で応じたい。子どもに教えるのではなく、子どものことを分かることが大切になる。また、子どもは学校の全教育活動のなかでモラルやルールを身につけるという理解をする。子どもの社会規範や道徳性は、保護者の子育てや地域社会の風土が基盤となって育つので、保護者・地域社会の方々との連携のなかで進める。ここでは、地域連携について理解する。
② 学制の頃は、子どもは家業の手伝いで、学校は知的興奮の場や子どもの交流の場であった。
近代は、子どもの仕事は登校と勉強となり、現代は、知りたい知識はネットで手に入る。学校は出席して学歴をもらうだけになっている。親は教師を「ただの人」とみる。1970年代頃 教師に力があった時代、つまり、かつて持っていた「魔力」が喪失し、いわば、変身できないヒーローが生身で困難に立ち向かう時代になっている。教師個人で対処するのは難しい。教師のストレスは計り知れない。心の問題に苦しむのは児童生徒だけでない。教師も一人の人間として様々な問題に直面して悩み、苦しんでいる。教師が心の危機に陥ったとき、同僚として、上司として、どのように接するのだろうか議論する。ここでは、現場の難しさの背景について理解する。

③ ここでは、小学校の女性教員の事例と中学校男性教員の事例を検討する。ここから見えるのは、教師一人一人の悩みは異なるが、教師が背負っている共通のテーマがある。それは何であろうか。まず、「教師のペルソナ」である。聖職、特別な権威を帯びるが、倫理的義務が伴う。次に、「影」について考える。生徒を前にすると手本となるべき「よい人間」の仮面が強化される。反面、宴会や夜の歓楽街で羽目を外すこともある。意識を緩めると思いがけない形で出現する。また、有能な教員は、そうでない人に否定的な感情を引き起こすこともある。さらに、「教師の孤独」である。生徒との難局を同僚と共有する時間的余裕がない。教師は教えられることが苦手で、一人で悩みを抱え、理想の教師を生きていない不全感に苦しむ事態に耐え続けることもある。ここでは、教師の悩みについて理解する。
キーワード ① 現代社会の問題 ② 少年問題 ③ 非社会的 ④ 教師のメンタルヘルス ⑤ 反社会的
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習(60分):本コマで学修した教科書の該当箇所を通読するのはもちろん、今回の授業の要点整理とするために、本コマのシラバスを読んでおくこと。また、本講義で出てきた、現代社会が抱えている問題について理解し、児童生徒の問題行動となって学校現場に持ち込まれていることを押さえておく。さらに、興味をもった事柄についてChatGPTを活用して調べ、小テストを作成し、進んで学修をすること。予習(30分):第8回のシラバスをよく読んでおくこと。S子の問題事例ではないが、テキスト『教育相談」第5章には複数の児童生徒の複数の問題事例が記載されている。よく読んで、教師としてどのような教育相談的かかわりが望ましいか考えておくこと。また、開発的な学級づくりとは何か、それが学級経営や一人一人の子どもにどのような効果があるかについても読んで調べておくこと。
8 児童生徒の問題事例から見た教育相談 科目の中での位置付け 本コマは、へき地校•都市過密校•複式学級など多様な実践の場で、教育相談活動に携わってきた教師の事例をいくつか取り上げ、ある火遊び事件の相談事例や友達に暴力をふるうC君の母親との相談事例、児童の対教師暴力についての相談事例を適宜紹介していく。これらの相談事例から、どのような話し合いをしていくとよいか、学校全体、複数の教員で対応するが、それらの留意点について。本コマの中心事例としては、友達の文房具を盗んだ4年のS子の事例である。S子の気持ちにどう寄り添うのか、担任との関係、被害児童への指導、学級集団への指導、親への連絡と援助などについて議論する。このように、子どもたちの「新しい荒れ」や暴力の問題、不登校•登校拒否問題、いわゆる非行問題に焦点を当て、児童•生徒の具体的な声を紹介しながら、教育相談において 重視すべき問題を明らかにする。同時に子育てに悩む父母や生徒指導に悩む教師の教育相談についても注意すべき点を検討する。
①配布資料
②配布資料
③『生徒指導提要』p107~108
コマ主題細目 ① 児童生徒の問題事例 ② S子の教育相談事例 ③ 開発的な学級づくり
細目レベル ① まず、火遊び事件を起こしたAとBの親に対する相談事例を取り上げる。この逸脱行動は、非行ではないが、どんな話し合いにするとよいか。子どもの生活全体を見直す視点で検討する。次に、友達に暴力をふるうCの母親との相談事例では、子どもに反省させるだけの方法は無力で、なぜそのような行動をとるのか、子どもの内面と生活不安を理解することが大切であることを理解する。そして、児童の校内暴力、対教師暴力と相談事例では、学校、担任から親に要請して相談が始まることが多い。対教師暴力では、加害児童の親の態度は、担任の対応に問題があると思うこともあり、学校全体、複数の教員で対応する必要がある。そして、客観的に明らかにすることが大切であることを理解する。ここでは、児童生徒の問題がどこに存在するかについて理解する。
② 小学校4年の学級の数人から「先生、私の新しいサインペンがなくなりました」「この前お母さんに買ってもらった三角定規がなくなりました」「たしかロッカーにしまっておいたはずのハンカチが見つかりません」などの訴えが続き、三角定規がなくなったというK子から「先生、私のなくなった三角定規と同じのをS子ちゃんが理科のとき使っていたよ。だって、ケースのところにコアラのシールを貼ってあったから。あれはお母さんがつけてくれた」との話を聞く。これらの訴えについてどのように対処していくとよいか。検討事項は、1) S子との信頼関係、2) K子たちへの指導、3) 学級集団への指導、4) 母親への連絡と援助、5) その他、である。担任として具体的に考えてみよう。ここでは、教師の対応のよさについて理解する。
③ 子ども一人一人を育て、教師との関係を深めることが教育相談には大事である。たとえば、個々の子どもの言動を温かく見守り、強く叱責するだけでは問題解決にならない。問題が発生したとき、犯人探しにならないようにする。普段から、話しやすい雰囲気をつくり、安心して自分の内面を語れるように配慮することが望まれる。また、学級のなかで自分の居場所を失わないようにする。学級の子どもたちが自分の学級を心の拠り所として自由に振る舞えるようにする。子どものよさを認め、励ますことも大切である。このような子どもが過ごしやすい学級づくりをすることによって、子どもは、教師による温かい援助により学級生活の過ごし方に自信と勇気をもつものであることを理解する。
キーワード ① 教室 ② 子どもの立場 ③ 困り感 ④ 関係性 ⑤ 校内暴力
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習(60分):本コマで学修した教科書の該当箇所を通読するのはもちろん、今回の授業の要点整理とするために、本コマのシラバスを読んでおくこと。また、本講義で出てきた、子どもの問題事例に対して、教師としてどのような教育相談的かかわりが望ましいか、さらに、子育てに悩む親に対する支援の在り方についても理解しておくこと。また、興味をもった事柄についてChatGPTを活用して調べ、小テストを作成し、進んで学修をすること。予習(30分):第9回のシラバスをよく読んでおくこと。ここでは、障害をもつ子どもがいる学級担任への支援体制、障害をもつ子どもへの指導のポイントについて学ぶ。テキスト『教育相談」第6章をよく読んでおくこと。そして、特別支援教育について理解し、通常学級との違いやわが子を特別支援学級に通わせることに悩む親の存在について理解しておく。
9 障害児教育と教育相談(事例検討を含む) 科目の中での位置付け 2007年4月から新しい考え方での特別支援教育が始まった。また、発達障害についての概念や理念も変わり、知的障害を伴わないADHD (注意欠如•多動性障害)やLD (学習障害)、高機能自閉症(高機能広汎性発達障害、HFPDD)等に関する特別支援教育や発達支援の幅が広がってきた。16人に1人ともいわれる数値が示すように、発達障害をもつ子どもも通常学級で学ぶことができるようになってきた。しかし、障害のある子を受け持ったとき、その子をどのように理解するか、どのように指導していったらよいか。ひとり担任では悩みを抱え込むことが少なくない。そこで、本コマでは、障害児を担任して、その子自身やその保護者、そして、学級児童との関係において問題が発生したとき、どのように対処していくとよいか検討する。その鍵となるのは、全校的な支援体制や教育委員会の巡回相談、専門家チームの活用、医療や福祉、教育の関係機関との連携を図ることや、児童生徒の特性を多角的にとらえることが重要となる。
①配布資料
②配布資料
③『生徒指導提要』p160~162
コマ主題細目 ① 担任への支援体制 ② Kの教育相談事例 ③ 障害をもつ子どもへの指導のポイント
細目レベル ① 障害児を担任した教師には、全校的な支援体制が必要である。例えば、教育委員会の巡回相談や専門家チームの活用、医療や福祉、教育の関係機関と積極的に連携を図り、児童生徒の特性を多角的にとらえることが肝要である。また、地域の関係機関のリストを作成するなどネットワークを構築しておくとよい。関係機関との連携では、個別の教育支援計画の作成をすることによって、学校が主体となり児童生徒の教育的支援に必要な情報を収集する。また、学校や教員としての児童生徒のとらえ方や支援の方向性、具体的な手立てについて助言を求め個別の指導計画等に反映させることを理解する。また、担任が発達障害の子どもについての理解の仕方やさまざまなトラブルが生じたときの対処方法などの研修体制も望まれることを理解する。
② ここでは、授業中に落ちつかない小学2年男児の事例について検討する。Kは、授業が始まって10分ぐらいは席についている。しかし、しばらくすると立ち歩いたり寝ころがったりする。注意しても2〜3分するとまた動きだす。なかなか授業に集中しない。自分が気に入らないときは、友だちの頭をたたいたり、大声を出したりする。いきなりそのような行為をすることから、まわりの子どもたちも予測ができず、教室中がパニックに陥ることもある。Kをどのように指導し、かかわったらよいか。学級の子どもたちも落ちついて勉強もできないし、保護者への影響も気になっている。担任としてどうしたらよいのだろうか、Kにかかわるその時の状況、原因や背景、性格的な問題、器質的な問題について議論する。ここでは、事例について理解する。
③ 障害をもつ子と学級には、その子が本来のもっている力量を発揮できないこと、周りの子どもたちとその子にかかわる問題が起きやすいこと、その子だけでなくまわりの子どもたちの学習保障などの問題があるので、具体的に考えたい。そして、指導のポイントとしては、まず、周りにどのように受け入れられているかを理解し、その子との関係づくりを具体的な形でつくることが大事である。また、互いの学習活動を認め合い、協力し合う雰囲気づくりや話を最後まで聞くこと、一緒に活動すべきときはするなど学習ルールや習慣づくりも必要である。学校の対応としては、児童生徒の目先の問題にばかり気をとられないことや保護者も家族も問題を抱えているという視点で見守っていくことが大切である。しつけや養育の問題を指摘されて保護者自身も子育てに自信を失っていることも理解する。
キーワード ① 特別支援 ② 事例検討 ③ 教育相談の役割 ④ 発達障害 ⑤ 全校的支援
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習(60分):本コマで学修した教科書の該当箇所を通読するのはもちろん、今回の授業の要点整理とするために、本コマのシラバスを読んでおくこと。また、本講義で出てきた、問題事例で学んだことを整理しておくこと。また、特別支援教育について理解し、親への支援の方法について理解しておくこと。さらに、興味をもった事柄についてChatGPTを活用して調べ、小テストを作成し、進んで学修をすること。予習(30分):第10回のシラバスをよく読んでおくこと。ここでは、不登校に対する基本的な考え方を理解し、不登校児童生徒に対してどのような教育相談的なかかわりをしていくか、テキスト『教育相談』第5章を読み、彼らのこころの状況や背景を理解しておく。また、不登校の相談対象は誰なのか、また、支援対象やそのポイントについて考えておく。
10 不登校と教育相談(事例検討を含む) 科目の中での位置付け 不登校児童生徒が、主体的に社会的自立や学校復帰に向かうよう、児童生徒自身を見守りつつ、不登校のきっかけや継続理由に応じて、その環境づくりのために適切な支援や働き掛けを行う必要がある。家庭への支援においては、保護者の個々の状況に応じた働き掛けを行うことが重要である。また、不登校の要因・背景によっては、福祉や医療機関等と連携し、家庭の状況を正確に把握した上で適切な支援や働き掛けを行う必要があるため、家庭と学校、関係機関の連携を図ることが不可欠である。その際、保護者と課題意識を共有して一緒に取り組むという信頼関係をつくることや、訪問型支援による保護者への支援等、保護者が気軽に相談できる体制を整えることが重要である。このように教育相談が不登校児童生徒やその保護者にとって重要になっている。本コマでは、不登校の原因や基本的なタイプを理解し、不登校事例からどのようにして、不登校児童生徒やその保護者の支援をしていくか検討する。
①『生徒指導提要』p187~188
②『生徒指導提要』p188
③配布資料
コマ主題細目 ① 不登校の状況 ② 不登校に対する基本的な考え方 ③ 不登校の相談事例
細目レベル ① 不登校とは、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるため、年間30日以上欠席したもののうち、病気や経済的な理由によるものを除いたものと定義されている。文科省が実施した29年度の問題行動・不登校調査によれば、不登校児童生徒数は、小学校が前年度比15.1%増の3万5032人(千人当たり5.4人)。中学校は5.6%増の10万8999人(同32.5人)で、中学生全体の3.25%を占めた。不登校のタイプは次のように分けられる。「学校生活上の課題」に起因するタイプ、遊び・非行タイプ、無気力タイプ、不安など情緒的混乱のタイプ、意図的な拒否のタイプ、複合タイプなどである。ここでは、不登校児童生徒の状況や原因、背景など基本的なことを理解する。
② 不登校に対しては、将来の社会的自立に向けた支援の視点が大切である。学校に登校するという結果のみを最終目標にするのではなく、児童生徒が社会的に自立することを目指すことが必要である。児童生徒が主体的に社会的自立に向かうよう、環境づくりを支援することや個々の児童生徒の状況に応じた支援の一層の推進が求められる。個別の児童生徒に対する組織的・計画的支援では、関係機関が情報を共有し、組織的・計画的に実施していくことが必要である。このように、不登校の対応には、学校、家庭、社会が連携協力し、不登校児童生徒の状態を正しく見極め、適切な機関による支援と多様な学習の機会を提供することが重要であることを理解する。他方、既存の学校教育になじめない児童生徒については、場合によっては、様々なツールを活用した支援を検討する必要があることを理解する。
③ ここでは、学校や担任の対応がうまくいかず不登校が継続している事例を取り上げ、検討する。2年生男子生徒のDは、小学校時代は欠席することもなく、家族もDの学習成績には満足であり、今後に期待をしていた。しかし、中学校で定期試験の得点は期待していたものを大きく下回り、Dは大きなショックを受けた。この試験後、Dは、よく保健室に行くようになった。その後、Dは、学級担任に「自分はだめだ。みんなが僕をバカにしている」と訴えた。その翌日から、登校をしぶるようになったという事例である。この事例に対して、登校しぶりの背景や原因、Dをどのように理解するか、また、保護者との連携について検討し、Dに対して担任としての支援の方法について議論する。ここでは、担任の対応方法について理解する。
キーワード ① 不登校 ② 事例検討 ③ 教育相談の役割 ④ 自立支援 ⑤ 登校刺激
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習(60分):本コマで学修した教科書の該当箇所を通読するのはもちろん、今回の授業の要点整理とするために、本コマのシラバスを読んでおくこと。また、本講義で出てきた、不登校に対する基本的な考え方、教育相談的なかかわりについて押さえておくこと。また、不登校では保護者が相談対象になることが多く、その支援のポイントについても押さえておくこと。さらに、興味をもった事柄についてChatGPTを活用して調べ、小テストを作成し、進んで学修をすること。予習(30分):第11回のシラバスをよく読んでおくこと。テキスト『教育相談」第5章に非行について述べられているので読んでおくこと。また、非行少年の法的な用語やそれにかかわる法令について基本的なことは、インターネット等で調べておくこと。また、非行を心理学的な理解についても調べておくこと。
11 非行と教育相談(事例検討を含む) 科目の中での位置付け 少年非行という用語は、多様な意味に用いられる。学校では、服装の乱れや怠学などを非行と呼ぶこともある。学校にとっては、問題行動があれば不良行為に該当しなくても、教育上指導する必要がある。家庭においても同様で、こういったことまで非行と表現すると、混乱を招く可能性があり、慎重な配慮が求められる。その一方で、いじめや教員への暴力行為が、犯罪や触法に当たる場合も少なくないため、学校が非行として考える場合には、どの枠組みで非行とするのかを明らかにするようにして、誤解を生まないようにする必要がある。このように、少年非行には様々なものがあり、考えもなく児童生徒を罰し、保護者に指導の強化を促すだけで落ち着くとは限りません。適切な対応のためには、まずその非行の背景を発達的観点や家族関係的観点などを踏まえて理解する必要がある。本コマでは、少年非行にかかわるいくつかの定義を示し、少年非行の何が問題であるかを掘り下げ、非行少年の心性や背景、対応の仕方に検討していく。
①『生徒指導提要』p165
②配布資料
③『生徒指導提要』p166~169
コマ主題細目 ① 非行とは ② 事例検討 ③ 非行理解のために
細目レベル ① 非行は、個人の感情や価値観に流されやすいので、行動科学的な理解が必要である。非行のテーマとしては、①思春期心性、②家庭問題、③学業不振、④不良集団との関係は重要になってくる。非行少年(少年法1条「非行のある少年」も同義)とは、犯罪少年(罪を犯した14歳以上20歳未満の少年)、触法少年(14歳に満たないで、刑罰法令に触れる行為をした少年)、虞犯少年(将来、罪を犯し、または刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年)に分類される。少年犯罪に対する立場は異なる。世間では、「社会防衛」と「少年保護」の対立、司法では、検察官の立場と弁護士の立場、学校現場では、生徒指導、教育相談、担任、校長の立場で異なることもある。緊急措置の場合、まず「社会防衛」の措置を行い、そして、「少年保護」の措置をする。警察、家裁は「社会防衛」、学校は「少年保護」と役割を分担している。「社会防衛」と「少年保護」は両輪の輪と捉える。以上のことを把握する。
② 「非行少年」は、親の注意に耳を貸さず、家庭で威張るか親と接触しない。教師の問いは叱責や説教と思い、耳を貸さず反抗的な少年が多い。家庭とも学校ともうまくいっていない少年が多い。中でも、少年院に入院するような非行深度の進んだ少年たちの場合、家族内で複合的な問題を抱えている上、学校とのつながりも切れているケースが目立つ。さらに、雇用の減少のなかで立ち直りの機会を奪われ、貧困と犯罪・非行の再生産が進行しつつある。本事例の少年が求めているものは何か、またその行動化の背景を考え、非行における貧困を中核とした複合的諸問題の現状を検討するとともに、「非行少年」の更生にいかなる援助が求められているかを考える。ここでは、非行について理解する。
③ 非行少年は、親の注意に耳を貸さず、家庭で威張るか親と接触しない。わが子に対して無力さや苦しさを抱える親は学校に頼りたい。勉強がわからず、授業が退屈で苦痛。バカにされていないかと思う。その反動として自己回復の場が必要となり、それが非行に走ることにつながる。不良集団は、疎外感をもつ生徒の所属感や精神的な支えになっていく。集団の規範があり、教師の指導が届かない。そこでは、帰属感、連帯感、承認欲求、将来の自己像など彼らの欲しいものの多くを満たす。しかし、手足にされていじめ被害も受けたりして不良集団から抜けられない場合もある。外見でなく、個々の生徒の心を察知しながら、不良集団からの離脱を働きかけることが大切である。ここでは、非行少年のこころについて理解する。
キーワード ① 非行 ② 事例検討 ③ 教育相談の役割 ④ 無力さ ⑤ 少年問題
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習(60分):本コマで学修した教科書の該当箇所を通読するのはもちろん、今回の授業の要点整理とするために、本コマのシラバスを読んでおくこと。また、本講義で出てきた、非行少年の法的な種別や司法での処遇について押さえておくこと。また、彼らのこころをどのように理解するか、学校に姿を現さないので対応の難しさと他機関との連携についても押さえておくこと。さらに、興味をもった事柄についてChatGPTを活用して調べ、小テストを作成し、進んで学修をすること。予習(30分):第12回のシラバスをよく読んでおくこと。テキスト『教育相談』第5章にいじめについて述べられているので読んでおくこと。また、いじめの定義やいじめの構造については基本的な理解をしておくこと。また、担任となったら、どのような対処がよいか各自の考えをもっておくこと。
12 いじめと教育相談(事例検討を含む) 科目の中での位置付け 各学校でいじめの認知率は高く、いじめに悩んでいる子供たちが多いと捉えるべきである。冷やかしやからかい、悪口や脅し、文句、嫌なことを言われる。軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする。仲間はずれ、集団による無視をされる。嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする。ひどくぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする。さらには、金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりするなどが発生している。いじめの程度を考えるときに、いじめの軽重を一般論で論ずることはできない。たとえば、冷やかしやからかいが精神的に大きなダメージになることもあり、仲間外れが続いて孤立し不登校状態になった子どももいる。いじめられた子がどのように受け止めているかを十分に把握した指導援助が必要になる。本コマでは、いじめの事例検討を通して、いじめの関係構造やいじられた子どもの心情を理解し、いじめ問題にどう対応するか考える。
①『生徒指導提要』p173
②『生徒指導提要』p173~177
③配布資料
コマ主題細目 ① いじめの定義 ② いじめの構造 ③ 事例の検討
細目レベル ① 文部科学省ではいじめの定義を、「当該児童生徒が、一定の人間関係のあるものから、生理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。なお起こった場所は学校の内外を問わない」としているより広くいじめの問題を捉え、より適切に実態を把握できるように見直しを行った。平成6年から平成17年度までは、「自分より弱いものに対して一方的に、身体的、心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているもの。なお、起こった場所は学校の内外を問わないこととする」であった。平成5年度以前の調査における定義から、「学校としてその事実を確認しているもの」との文言を削除するとともに、「個々の行為がいじめに当たるか否かの判断を表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うよう事前指導の徹底を図っている。ここでは、いじめの定義について理解する。
② 被害者は、一人の場合が多い。加害者は、複数の場合が多い。以前、いじめられたことがあり、立場が逆転していることもある。観衆は、はやし立てたり面白がって見ていたりする子どもで、加害の中心の子どもに同調・追従し、いじめを助長する。傍観者は、見て見ぬふりをする。人がいじめられているのを無視することは、加害者側には暗黙の了解と解釈され、結果的にはいじめを促進する可能性がある。自分がいじめられたりすることを恐れて、一緒にはやし立てたりして、いじめ側につくこともある。周りの子供に対する指導援助がいじめの問題の解決にとっては絶対に必要なことである。自分たちの行動がいじめを防ぐことに気づかせ、いじめに対する判断力の育成と排他性やストレス感情を低くする学級経営に、教師は日頃の指導援助を積み重ねることが必要である。ここでは、いじめのメカニズムについて理解する。
③ いじめには、「死ね」「消えろ」「臭い」「汚い」「うざい」など言葉によるものから、無視、殴る蹴るなどの暴力行為、金銭のたかりなどがある。エスカレートすることによって、被害者は精神的にも肉体的にも深刻な傷を置くことになる。いじめを受けた多くの子供たちは、殴られる蹴られるの肉体的ないじめよりも、陰湿な集団からの無視の方が、より精神的にダメージが強いとも考えられる。この間、しばしば新聞で報道されたいじめのように、場合によっては自殺に追い込まれることもある。ここで扱うテキストの事例は、被害者が笑顔まで作っていじめでないことを装うのである。担任として、いじめ問題にどう対応するかさまざまな視点から議論したい。ここでは、いじめられる子どものこころについて理解する。
キーワード ① いじめ ② 事例検討 ③ 教育相談の役割 ④ 観衆 ⑤ 傍観者
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習(60分):本コマで学修した教科書の該当箇所を通読するのはもちろん、今回の授業の要点整理とするために、本コマのシラバスを読んでおくこと。また、本講義で出てきた、いじめの事例検討において出された考えを自分なりに整理しておくこと。また、いじめのない学級づくりをどのようにするか押さえておくこと。さらに、興味をもった事柄についてChatGPTを活用して調べ、小テストを作成し、進んで学修をすること。予習(30分):第13回のシラバスをよく読んでおくこと。保護者面接の進め方では、保護者と教員との間にしっかりした信頼関係が必要であること、そして、保護者をどのように支援するかなどの課題がある。テキスト『教育相談』第7章に述べられているのでよく読んでおくこと。虐待については、その種類や通報義務について基本的理解をしておくこと。
13 保護者への援助と教育相談(事例検討を含む) 科目の中での位置付け 児童生徒の教育は、家庭の状況と切り離すことはできない。教員が学級の児童生徒と
良い関係を形成しても保護者との関係がいまひとつであれば児童生徒への指導が実りにく
くなる。反対に、保護者と教員との間にしっかりした信頼関係が形成されていれば、学校で少々児童生徒の心とズレが生じても、家庭で保護者がそれをフォローし、教員と児童生徒の関係は修復される。しかし近年、学校教育に対する保護者の姿勢は様変わりし、様々な意味で教員との信頼関係や協力関係が作りにくくなっている。そればかりか、時には相互不信感や敵対感情すら漂うこともある。こうした状況においては、児童生徒の心を育成する教育相談の中でも保護者との面接が重要な位置を占める。本コマではかかわりが難しくなっている保護者との面接をどのようにしていくとよいか、問題の重さをどう伝えるか、保護者側の心や時間的な余裕のなさ、親行動を学び、身に付ける機会のなさ、価値観の多様化などの視点から検討する。

①配布資料
②『生徒指導提要』p110~112
③『生徒指導提要』p182~184
コマ主題細目 ① 保護者とのかかわり事例 ② 保護者面接の進め方 ③ 虐待
細目レベル ① ここでは、担任教師が保護者とのかかわった事例について考える。事例1では、小学校低学年の担任が、忘れ物の多い子どもの保護者に電話をかけて注意を促したが、ある配慮や工夫によって母親が協力的になった事例である。ここでは、担任のどんな配慮や工夫をしていたかを考える。事例2では、小学校1年の男児は些細なことに癇癪を起こし、授業中も落ち着かなかったが、母子家庭の母親は、夜遅くまで働き、朝起きられないといった背景があった。やがて、母親の子どもに対する変化が生じ、男児はしだいに落ち着いていった。この母親の変化を促す担任の配慮や工夫は、いったいどのような配慮や工夫があったのかを考える。その他の事例についても検討する。ここでは、保護者との様子を知ることについて理解する。
② 何事も生じていない時に保護者とよい関係を築くとよい。連絡の段階から相談は始まる。可能な限り直接会って話し合うようにする。問題は率直に伝え、児童生徒の問題解決が目的であることを伝えるようにする。そして、来校してくれた労をねぎらうことが必要である。面談の時間は長すぎないよう長くても1時間から2時間の範囲内にする。あらかじめ他の教員などからも児童生徒本人についてのプラスの情報を得ておく配慮も必要である。まずは保護者の話に耳を傾け、特に自発的に来校した場合には親の訴えにじっくり耳を傾ける。問題点を指摘するときは、学校としてはどのようにやっていこうと考えているか、家庭には何をしてもらいたいかも加えて、前向きの話になるように心がける。このような配慮事項を理解する。
③ 虐待の相談対応件数は年々増加し、平成29年度で13万件を越えている。児童虐待防止法は2000年に施行されているが、野田市の女児死亡事件など「しつけ」名目での虐待が後を絶たない現状がある。親権者らが体罰を行うことを禁止する改定案により、児童虐待防止法は2回改定され、2020年4月から適用される。児童相談所の体制強化では、子供の一時保護と保護者支援を行う職員を分け、迅速な子供の保護につなげることをねらった。虐待の態様は、児童の身体に外傷を生じ、又は生じる恐れのある暴行を加えること(身体的虐待)、児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと(心理的虐待)、児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をすること(性的虐待)、児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること(ネグレクト)である。このような虐待についての基礎的な理解をする。
キーワード ① 保護者 ② 事例検討 ③ 教育相談の役割 ④ 保護者支援 ⑤ 虐待
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習(60分):本コマで学修した教科書の該当箇所を通読するのはもちろん、今回の授業の要点整理とするために、本コマのシラバスを読んでおくこと。また、本講義で出てきた、親面接の事前の準備や支援が必要な場合が多いことなどをりかいし、教育相談的なかかわりについて押さえておく。また、年々増加していく虐待についてはよく理解し、押さえておくこと。さらに、興味をもった事柄についてChatGPTを活用して調べ、小テストを作成し、進んで学修をすること。予習(30分):第14回のシラバスをよく読んでおくこと。インシデント・プロセス法での事例検討会を行うので、その目的や方法についてインターネット等で調べておくこと。また、事例検討会(ケース・カンファレンス)については、テキスト『教育相談』P113、P124にも少し記載されているので、読んでおくこと。
14 学校における教育相談の実際 科目の中での位置付け 教育相談の充実を図るためには、専門家との日常的な連絡と協力関係が重要になる。連携とは何か問題があった場合に、対応のすべてを相手に委ねてしまうことではない。学校で「できること」「できないこと」を見極め、学校ができない点を外部の関係機関に援助してもらうことが連携である。その際、事例検討会が開かれる。「ケース会議」や「ケースカンファレンス」とも言われ、解決すべき問題や課題のある事例(事象)を個別に深く検討することによって、その状況の理解を深め対応策を考える方法。たとえば、担任等が提供した事例を、教育の専門家である教員が関係機関の専門家と一緒に検討し、理解し、問題の解決に向けて、今後の指導方針や具体的な支援策を考え出すこと。ケース会議の場では、対象となる児童生徒のアセスメント(見立て)やプランニング(手立て。ケースに応じた目標と計画を立てること)が行われる。事例の状況報告だけでは効果のあるものにはならないことに留意が必要である。本コマでは、事例検討会の方法を知り、模擬事例検討会を通して、その有効性を理解する。
①配布資料
②配布資料
③配布資料
コマ主題細目 ① 事例検討会とその方法 ② インシデント・プロセス法とその留意事項 ③ 模擬事例検討会
細目レベル ① 事例検討会の目的は、児童生徒の多面的な理解をし、これまでの支援等についての評価を行う。そして、今後の支援の方針を決定することである。校内コーディネーターの役割は、会議の参加者、会議の時間、進め方、記録方法を決定する。また、協議のまとめを行い、「個別の教育支援計画」や「個別の指導計画」に反映できるようにする。協議手順は次の通りである。① 事例提示:学習面、心理・社会面、進路面、健康面についての長所、気になるところ、現時点での目標やこれまでの指導について、支援の方針と具体的な対応について述べる。② 特徴的な行動の背景や指導について理解し、その支援について検討する。③ グループ協議:6名程度がよい。その中での役割を決める。④ アイデアや意見の整理と指導・支援に向けての行動計画の作成 ・学習面、言語・運動面、心理・社会面、生活進路面、健康面、・保護者や関係機関との連携等について・「いつ」「誰が」「どのような支援を行うか」を決定する。このような方法について理解する。
② 事例検討会の方法の一つにインシデント・プロセス法がある。それは次の通りである。まず、事例提供者からの短い象徴的な出来事(インシデント)に、参加者の質問により事例の概要を明らかにする。それは、具体的な指導・支援を導き出すのに有効である。参加者全員で担任を支えようとする態度が必要である。特徴としては、事前に詳しい資料を用意する必要がなく、事例提供者の負担を軽減できる。参加者は事例提供者に質問しなければならないので、積極的な参加が期待できる。問題解決の当時者の立場に立てるので、主体的な研修となる。視点を絞りながら必要な情報を収集できるため、情報収集力を培うことができる。事例検討会後の参加者の実践に結びつきやすい。以上の方法と留意事項を理解する。
③ 事例検討会の進め方は次の通りである。①事例提供者が事例を発表する(5分)。②参加者が質問する(事例の背景の明確化)(20分)。③指導や支援を考え、提案する(グループ協議)(30分)。④指導や支援をまとめる(5分)。それは、当面の指導や支援について(事例提供者)と今後の指導や支援について(指導助言者)である。時間配分は全体で60分であるが、弾力的に行うことも可能である。ここでは、受講生から架空事例を募り、検討を行う。会議後には、シェアリングを行い、事例検討会の目的が果たせたか、また、それぞれが獲得できたものがあったかなどの効果を話し合う。そして、各自が事例検討会を実際に進めることができることを期待したい。ここでは、事例検討会の進め方について理解する。
キーワード ① コーディネーター ② 事例検討会 ③ 保護者との協力 ④ インシデント ⑤ 担任支援
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習(60分):本コマで学修した教科書の該当箇所を通読するのはもちろん、今回の授業の要点整理とするために、本コマのシラバスを読んでおくこと。また、本講義で行ったインシデント・プロセス法での模擬事例検討会で学んだことを自分なりに整理し、理解しておくこと。また、インシデント・プロセス法の長所や短所についても押さえておくこと。さらに、興味をもった事柄についてChatGPTを活用して調べ、小テストを作成し、進んで学修をすること。予習(30分):第15回のシラバスをよく読んでおくこと。テキスト『教育相談」第8章に記載されている内容を読んでくること。特に、学校ではどのような場合にどのような専門機関と連携するとよいか調べておくこと。また、身近な地域にある諸機関をインターネット等で調べ、その業務内容を発表できるようにしておくこと。
15 教育相談活動における地域諸機関との連携 科目の中での位置付け これまで、テキスト『教育相談」第8章の連携の重要性は言うまでもない。たとえば、医療機関との連携では中心になるのは心と体の「病気」にかかった児童生徒の医療機関への紹介である。教員が最初に相談するのは、学校医が多いと考えられる。その学校医の診断から他の専門医を紹介する例もみられる。医療機関との連携先としては、精神病院、精神科クリニック、心療内科、保健所、精神保健福祉センターなどがある。医療機関に紹介する場合は、日常のつながりが重要になる。その際、地域の医療機関の特徴を理解しておくことも必要であるし、学校での日常の様子を伝え、今後の指導の仕方について助言をもらうこともある。精神科医を学校医とし、日常の連携に成果を挙げた学校もある。本コマでは、連携先について概観し、実際に連携することによって、児童生徒だけでなく保護者にとっても有効であった事例を取り上げて検討し、その重要性を理解する。
①『生徒指導提要』p118~121
②『生徒指導提要』p123~126
③配布資料
コマ主題細目 ① 地域諸機関との連携が求められる背景 ② 連携可能な各種専門機関 ③ 連携事例
細目レベル ① 近年、児童生徒の問題は多様さと深刻さが増している。教師の専門性だけでは対応が難しく、効果をあげるためには 関連の専門家との連携が有効である。
連携とは、学校だけでは対応しきれない児童生徒の問題行動に対して、関係者や関係機関と協力し合い、問題解決のために相互支援をすることである。また、学校ができない点を外部の専門機関などに援助をしてもらうことである。不登校の多様化、いじめ問題の複雑化、発達障害、非行問題など、問題の種別による連携が考えられる。ここでは、連携の大切さについて理解する。

② ここでは学校が連携できる専門機関について調べていく。まず、スクールカウンセラーとの連携である。臨床心理的視点が教員の児童生徒理解の幅を広げ、スクールソーシャルワーカーとの連携では、社会福祉の専門的な知識、技術をもっているので、児童生徒の複雑な環境に働きかけ、関係機関をつなぐことができる。医療機関は、精神病院・精神科クリニック・心療内科・保健所・精神保健福祉センターなどがあり、心と体の「病気」にかかった児童生徒が対象である。児童福祉機関との連携では、児童自立支援施設は、環境上の理由により生活の指導し、児童委員は、希薄になっている地域の子育て支援機能を補う。児童相談所との連携は、児童虐待だけでなく、両親不在、障害相談、養育困難などのケースでも連携できる。刑事司法関係の機関には、少年補導センター、少年サポートセンターがある。ここでは、各種専門機関の存在について理解する。
③ ここでは連携がうまく機能した事例だけでなく、連携が十分に機能しなかった事例についてもいくつか見ていく。たとえば、A子がリストカットを繰り返し、その背景に両親の不仲や母親の不安定な精神状態があり、アルコール依存、飲酒時に刃物を持ち出すといった事例。また、乱暴でトラブルが絶えない男児の家庭に連絡するが、親は反論し、同僚や校長と相談し、カウンセラーのセラピーに頼るが、悪戦苦闘が続き、担任はしだいに自信喪失するといった十分に機能しなかった連携事例。これらの事例を通して、他の教員や専門機関との連携するためのコミュニケーション能力の大切さも理解したい。特に、養護教諭は、学校における教育相談の中心的存在であるので、この科目を通して教育相談の知識、カウンセリングの技能、事例の見立てる力を身につけたい。ここでは、連携の仕方について理解する。
キーワード ① 連携 ② 抱え込み ③ 連携の留意事項 ④ 地域 ⑤ 専門機関
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習(90分):本コマで学修した教科書の該当箇所を通読するのはもちろん、今回の授業の要点整理とするために、本コマのシラバスを読んでおくこと。また、本講義で行った学校における専門機関との連携の重要さを理解するとともに、有事にはどのような連携機関と連携が可能であるかを調べておくことが大切であることを押さえておくこと。さらに、興味をもった事柄についてChatGPTを活用して調べ、小テストを作成し、進んで学修をすること。予習:定期試験に向けて、第1回から第15回までのシラバスをよく読み、教育相談の概要を理解しておくこと。特に、教育相談的なかかわり方、カウンセリング技法、困っている問題をどう捉えるかといったことは基本であるが、これまで扱った問題事例においても教育現場に出たときに役立つので、学んだことを整理しておくこと。
履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
教育相談の役割★ 教育相談の視点を身につけた教師が増えることで、学校には苦悩やストレスをかかえる子どもが自らの力で心の問題を乗り越えるのを援助する可能性が開かれる。子どもの抱える諸問題やその背景を理解するといった態度も必要である。これらの教育相談を果たす役割について押さえておく。 役割、機能、カウンセリングマインド 10 1、2、7、15
基本技能★★ 教育相談の基本的な理論を理解し、傾聴技能を使うことができるようになることを目指す。その技法は一連のカウンセリングにおいて使われるへきものであるが、それぞれの技法の意味や効果について理解することを求める。それは、「つながる言葉かけ」、「傾聴」、「受容」、「繰り返し」、「感情の伝え返し」、「明確化」、「質問」などである。これらの技法について押さえておくこと。 傾聴、受容、共感的理解 20 4、5、14
事例検討★★★ 事例検討会は児童生徒だけでなく保護者の支援に対して、関係ある教職員、場合によっては、連携する専門機関からも参加者を募り、開催していく。しかし、同時に問題対象を抱える担任教師をメンバーで支えるという機能もある。その機能を含めて、事例検討会に参加して、ケースに対してどのように考えるかを問う。 連携、協力、支援 40 8、9、10,11
不適応行動★★ 不登校・いじめ・非行など学校になじめない児童生徒やその保護者にどのような支援をしていくかが基本であるが、その背景となる家庭環境やその子自身の問題、集団における関係などについて捉える視点をもつことが大切である。ケースによって様々であるが、不適応の背景を理解していくことを押さえておくこと。 不登校、いじめ、非行 20 10,11,12、13
守秘義務★ 学校における守秘義務は、治療機関とは一部異なる。学校では、一人の児童生徒に複数の教員がかかわったり、チームとして対処したりすることが多い。そのために情報共有を行う必要がある。また、面接の中で緊急性や命にかかわる内容をつかんだときの対応はどうしたらよいかを理解することが大切である。学校の教育相談では守秘義務をどのように捉えたらよいのか押さえておくこと。 連携、情報共有、守秘 10 3, 4, 6
評価方法 期末試験(100%)によって評価する。
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 文部科学省著、『生徒指導提要』、文部科学省、298円
参考文献 広木克行編『教師教育シリーズ教育相談』学文社,1,980円
実験・実習・教材費