| 回 | 主題 | コマシラバス項目 | 内容 | 教材・教具 |
|
1
|
在宅における援助技術/医療的ケア(服薬管理、インスリン自己注射、疼痛コントロールの支援)
|
科目の中での位置付け
|
本科目では、地域・在宅看護学概論Ⅰで学修した在宅ケアおよび在宅看護の概念・理念・目的の理解を基盤とし、地域・在宅看護学で用いられる重要概念、わが国における社会資源と地域包括ケアシステム、在宅療養者に対する生活援助の学びを踏まえて発展的に学修する。 具体的には、在宅療養者の生活状況や健康状態に応じた医療的ケアの実際に加え、認知症や精神疾患を有する療養者と家族への支援のあり方についても学ぶ。あわせて、各ライフステージ(小児期・終末期)にある療養者と家族のわが国における現状と課題、支援の取り組み、さらに地域・在宅看護における危機管理(災害看護を含む)について理解を深める。また、在宅看護過程の特徴とその展開方法の概要を学ぶ。 これらの学びを通して、地域・在宅看護学概論Ⅰ・Ⅱを総合的に捉え、近年の在宅療養者の特徴や動向への理解を深めるとともに、在宅療養上の課題を見出す基礎的思考力を養う。さらに、家族を含めた対象者の生活とニーズ、身体的・心理的・社会的特徴、在宅で提供される日常生活支援および医療的ケアの内容、そして地域包括ケアシステムにおける看護職の役割について理解を深める。 以上の本科目全体の位置づけの中で、本コマでは、地域・在宅看護の対象となる療養者と家族への「医療的ケア」および認知症・精神看護の具体的内容を学習する。在宅における服薬管理、インスリン自己注射の支援、疼痛コントロールへの援助について、生活者としての視点をもって理解を深める。
|
地域・在宅看護の実践 第2章 暮らしを支える看護技術、E 地域における暮らしを支える看護実践、9与薬に関する地域・在宅看護技術 p219-226p186-205 河原加代子他,地域・在宅看護論2 地域・在宅看護の実践,医学書院,¥2,750 授業資料
|
|
コマ主題細目
|
① 在宅看護における服薬管理 ② インスリン自己注射の管理 ③ 疼痛コントロール
|
|
細目レベル
|
① 医療的ケアの原理原則(セルフマネジメント、リスクマネジメント、多職種との連携など)を踏まえ、医療的ケアが必要な療養者および家族への支援方法を事例と共に理解する。 在宅療養において服薬管理は、治療の継続と身体状況の維持のために重要である。看護師は専門職者と連携しながら、療養者本人や家族と協働して持続可能な服薬管理の方法を工夫することが求められる。そのためには、服薬アドヒアランスの維持が不可欠となる。服薬アドヒアランスとは、患者が病気を受け入れ、薬の効果や副作用を理解した上で、処方に従って正しく服薬することである。看護師は服薬アドヒアランスを維持・向上させるために、包括的な服薬アセスメントを実施し、個別の状況に応じた適切な看護介入を提供する必要がある。
|
② 糖尿病の在宅療養者においては、良好な血糖コントロールを維持し、合併症の発症および進行を予防するために自己管理能力の向上と日常的な自己観察が重要である。看護師は療養者および家族の理解力、心身の状況、生活環境、社会的背景を包括的にアセスメントし、個々のセルフケア能力に応じた具体的な支援を行うことが在宅看護では必要である。さらに、長期的な療養生活を支えるためには、療養者のモチベーション維持と生活の質を考慮した援助が求められる。
|
③ 在宅におけるがん療養者などに対しては、在宅での疼痛コントロールや副作用に対するセルフモニタリングが行えるように支援することが重要である。こうした医学的管理の支援に加え、住み慣れた自宅でこれまでと変わらない社会生活を送ることができることで療養者は精神的安堵感を得られ、療養者や家族全体のQOL向上につながる。このような包括的な支援を実現するためには、医療・介護などのフォーマルなサービスだけでなく、地域住民やボランティアなどによるインフォーマルなサポートネットワークの構築が不可欠であることを理解する必要がある。
|
|
キーワード
|
① アドヒアランス ② インスリン自己注射 ③ 服薬管理 ④ 疼痛コントロール ⑤ 多機関・多職種との連携
|
|
コマの展開方法
|
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
|
|
小テスト
|
「小テスト」については、毎回の授業終了時、8問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
|
|
復習・予習課題
|
地域・在宅看護論2 地域・在宅看護の実践,医学書院,p219-226 と ヨリソルにアップした授業資料を熟読し、医療ケアの原理原則を理解して授業に臨む。また服薬アドヒアランスの概念、加齢に伴う薬物動態の変化、糖尿病の病態・治療、がん治療、について予習する。 《復習》 在宅における服薬管理のための看護のポイント、服薬支援における多職種との連携、糖尿病の自己管理の支援のポイント(インスリン自己注射を含む、低血糖・高血糖症状の観察方法、疼痛コントロール(WHO方式3段階疼痛ラダー、WHO方式がん疼痛治療法の5原則)について復習しておく。 ChatGPTを活用して、「在宅における服薬管理」に関するテスト問題を作成し、理解を深める
|
|
2
|
在宅における援助技術/医療的ケア(在宅経管栄養法、在宅中心静脈栄養法、褥瘡予防)
|
科目の中での位置付け
|
本科目では、地域・在宅看護学概論Ⅰで学修した在宅ケアおよび在宅看護の概念・理念・目的の理解を基盤とし、地域・在宅看護学で用いられる重要概念、わが国における社会資源と地域包括ケアシステム、在宅療養者に対する生活援助の学びを踏まえて発展的に学修する。 具体的には、在宅療養者の生活状況や健康状態に応じた医療的ケアの実際に加え、認知症や精神疾患を有する療養者と家族への支援のあり方についても学ぶ。あわせて、各ライフステージ(小児期・終末期)にある療養者と家族のわが国における現状と課題、支援の取り組み、さらに地域・在宅看護における危機管理(災害看護を含む)について理解を深める。また、在宅看護過程の特徴とその展開方法の概要を学ぶ。 これらの学びを通して、地域・在宅看護学概論Ⅰ・Ⅱを総合的に捉え、近年の在宅療養者の特徴や動向への理解を深めるとともに、在宅療養上の課題を見出す基礎的思考力を養う。さらに、家族を含めた対象者の生活とニーズ、身体的・心理的・社会的特徴、在宅で提供される日常生活支援および医療的ケアの内容、そして地域包括ケアシステムにおける看護職の役割について理解を深める。 以上の本科目全体の位置づけの中で、本コマでは、在宅看護の対象となる療養者と家族への「医療的ケア」の具体的な内容を学習する。在宅における経管栄養法の管理、胃瘻の管理・ケア、在宅中心静脈栄養法(皮下埋め込み式/ポート)の特徴をふまえた上での管理・ケア、褥瘡予防のケアについて学び、生活者としての視点を以て理解を深める。
|
地域・在宅看護の実践 第2章 暮らしを支える看護技術、E 地域における暮らしを支える看護実践、②食生活・嚥下に関する地域・在宅看護技術(p.120~135)、⑧創傷管理に関する地域・在宅看護技術(p.209~216) 河原加代子,山田雅子, 地域・在宅看護の実践,¥2,750
|
|
コマ主題細目
|
① 在宅療養における経管栄養法 ② 在宅療養における中心静脈栄養法 ③ 在宅療養における褥瘡ケア
|
|
細目レベル
|
① 在宅経管栄養法とは、咀嚼や嚥下機能、消化器疾患による機能低下によって食物や水分の経口摂取が不可能な場合、鼻腔や口腔、または胃瘻や腸管からの管を通じて栄養を消化管に直接注入する方法であり、消化管を介した栄養法全般を指す。そのため、第一条件として、消化管が安全に利用可能であることが重要である。経管栄養法の中でも在宅で多く実施されているのは、胃瘻の造設による栄養法である。在宅における経管栄養法は療養者・家族の活動性が確保され、社会参加が可能となるなど生活の質(QOL)の向上が見込まれる。経管栄養法の中の胃瘻の管理、そして身体的アセスメントの視点としては、1)消化管に栄養剤が直接流入することによる身体的変化、2)嚥下困難・誤嚥に対する視点と理解が必要となる。医療的ケアの原理原則(セルフマネジメント、リスクマネジメント、多職種との連携など)を踏まえ、療養者および家族への支援方法を事例と共に理解する。
|
② 在宅中心静脈栄養法とは、栄養管理が経口・経腸栄養法では不十分な場合に、在宅で中心静脈栄養法(中心静脈を介して直接栄養を注入する栄養法)を行うことを指す。中心静脈栄養法には体外式カテーテル法(皮下固定式)、皮下埋め込み式カテーテル法(ポート)があり、それらの特徴(方法、利点、欠点)を理解する。在宅で輸液管理が行えることで、在宅への移行と在宅療養や社会復帰を可能にし、療養者・家族のQOLの向上を図ることができる。しかし、在宅での輸液管理においては、療養者および家族の安全で適切な自己管理や日常的なケア、合併症の予防と対処が必要となるため、療養者が安心して在宅療養生活が送れるよう家族も含めた支援が大切となる。医療的ケアの原理原則(セルフマネジメント、リスクマネジメント、多職種との連携など)を踏まえ、療養者および家族への支援方法を事例と共に理解する。
|
③ 在宅療養者には高齢者が多く、痩せ、基礎疾患などにより全身状態の悪化が起こりやすいため、褥瘡発生のリスクが高い。在宅における褥瘡ケアでは、褥瘡の発生の予防や、褥瘡の治癒を目指すだけでなく、悪化を予防し痛みや感染を軽減させることで生活の質(QOL)の向上を図ることが重要である。 在宅での褥瘡アセスメントでは、ケアに多職種が関わることが多く、本人の理解力や介護状況も異なるため、褥瘡のリスクや局所を科学的に評価するためにツールを活用する。褥瘡のアセスメントツール(ブレーデンスケール、OHスケール、在宅版K式スケール)、褥瘡のアセスメントスケール(NPUAP、DESIGN-R)があり、その特徴について理解する。これらのツールやスケールにより褥瘡の危険因子を評価し、褥瘡ケアの一貫性を図ることが必要である。在宅での褥瘡は予防することを最優先とし、発生した場合には早期に発見して治癒に導き再発予防に努めるケアが重要である。医療的ケアの原理原則(セルフマネジメント、リスクマネジメント、多職種との連携など)を踏まえ、療養者および家族への支援方法を事例と共に理解する。
|
|
キーワード
|
① 在宅経管栄養法 ② 胃ろう ③ 在宅中心静脈栄養法 ④ 褥瘡評価 アセスメントツール
|
|
コマの展開方法
|
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
|
|
小テスト
|
「小テスト」については、毎回の授業終了時、8問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
|
|
復習・予習課題
|
予習:テキスト「地域・在宅看護の実践」第2章 暮らしを支える看護技術、E 地域における暮らしを支える看護実践、②食生活・嚥下に関する地域・在宅看護技術(経管栄養法:p.120~130、在宅中心静脈栄養法:p.131~135)、⑧創傷管理に関する地域・在宅看護技術(p.209~216)を読み、地域・在宅看護における援助内容をイメージしてから授業に参加する。 復習:テキスト「地域・在宅看護の実践」第2章 暮らしを支える看護技術、E 地域における暮らしを支える看護実践、②食生活・嚥下に関する地域・在宅看護技術(経管栄養法:p.120~130、在宅中心静脈栄養法:p.131~135)、⑧創傷管理に関する地域・在宅看護技術(p.209~216)、授業で配布した配布資料と授業中に書き込みした内容を基に、授業の振り返りを行う。また、授業内で示した到達目標について、自身の言葉で説明できるように、文章でまとめる。 ChatGPTを活用して、「中心静脈栄養の管理」,「胃ろうの管理」,「褥瘡予防」に関するテスト問題を作成し、理解を深める。
|
|
3
|
在宅における援助技術/医療的ケア(膀胱留置カテーテル、ストーマ)
|
科目の中での位置付け
|
本科目では、地域・在宅看護学概論Ⅰで学修した在宅ケアおよび在宅看護の概念・理念・目的の理解を基盤とし、地域・在宅看護学で用いられる重要概念、わが国における社会資源と地域包括ケアシステム、在宅療養者に対する生活援助の学びを踏まえて発展的に学修する。 具体的には、在宅療養者の生活状況や健康状態に応じた医療的ケアの実際に加え、認知症や精神疾患を有する療養者と家族への支援のあり方についても学ぶ。あわせて、各ライフステージ(小児期・終末期)にある療養者と家族のわが国における現状と課題、支援の取り組み、さらに地域・在宅看護における危機管理(災害看護を含む)について理解を深める。また、在宅看護過程の特徴とその展開方法の概要を学ぶ。 これらの学びを通して、地域・在宅看護学概論Ⅰ・Ⅱを総合的に捉え、近年の在宅療養者の特徴や動向への理解を深めるとともに、在宅療養上の課題を見出す基礎的思考力を養う。さらに、家族を含めた対象者の生活とニーズ、身体的・心理的・社会的特徴、在宅で提供される日常生活支援および医療的ケアの内容、そして地域包括ケアシステムにおける看護職の役割について理解を深める。 以上の本科目全体の位置づけの中で、本コマでは、在宅看護の対象となる療養者と家族への「医療的ケア」の具体的な内容を学習する。在宅における排尿障害をもつ療養者の膀胱留置カテーテルの管理、ストーマのある療養者のケアについて学び、生活者としての視点を以て理解を深める。
|
当日配布資料 ①河原加代子他,地域・在宅看護論1 地域・在宅看護の基盤 ,医学書院,¥2,200 ②河原加代子他,地域・在宅看護論2 地域・在宅看護の実践,医学書院,¥2,750
|
|
コマ主題細目
|
① 在宅療養者の膀胱留置カテーテルの特徴と適応 ② 在宅療養者の膀胱留置カテーテルの管理とケア ③ 在宅療養者のストーマの特徴と適応 ④ 在宅療養者のストーマの管理とケア
|
|
細目レベル
|
① 排尿障害を有している療養者で、加齢や認知機能低下などにより自己導尿が困難な場合 主治医の指示により膀胱留置カテーテルの適応となる。膀胱留置カテーテル法は、尿閉により自然排尿が困難な場合や、尿失禁があり褥瘡などの皮膚疾患を悪化させる恐れがある場合に使用される
|
② 在宅療養者では長期に膀胱留置カテーテルを使用している療養者は多いため、合併症(尿路感染、尿の流出不良・尿漏れ、カテーテルの閉塞・抜去、スキントラブル)の予防に努め、確実な管理が必要である。膀胱留置カテーテルを使用している療養者および家族に対して、日常的なケアの方法や観察ポイントの指導や合併症の予防・対処のための支援を行うことが重要であることを理解する。医療的ケアの原理原則(セルフマネジメント、リスクマネジメント、多職種との連携など)を踏まえ、療養者および家族への支援方法を事例と共に理解する。
|
③ ストーマとは手術によって体表面に造設された排泄口であり、人工肛門や人工膀胱(尿路ストーマ)がある。ストーマは大腸がんや膀胱がんなどの腫瘍疾患の手術に伴って、またクローン病、潰瘍性大腸炎や尿路結核などの炎症性疾患の治療の一環として造設される。ストーマ造設による排泄経路の変更は、療養者の日常生活に様々な影響を及ぼす。中でもストーマ装具の装着のトラブルによる排泄物のにおい・漏れは自尊心の低下をもたらし、療養者の社会的な活動を制限させてしまう恐れがある。QOLの向上を目指して支援する。
|
④ ストーマをもつ在宅療養者は、栄養・排泄やストーマの状況のモニタリングを行い、日常生活の工夫をして、合併症(皮膚障害、ストーマヘルニア、腸閉塞など)の予防と早期発見に努める必要がある。療養者や家族にストーマ管理の方法や日常生活上のストーマケアの方法の指導、合併症予防のための支援を行うことで、療養者のQOLの再獲得や維持・継続につながることを理解する。 医療的ケアの原理原則(セルフマネジメント、リスクマネジメント、多職種との連携など)を踏まえ、療養者および家族への支援方法を事例と共に理解する。
|
|
キーワード
|
① 膀胱留置カテーテル法 ② 尿路感染症 ③ ストーマ ④ 腸閉塞 ⑤ WOC
|
|
コマの展開方法
|
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
|
|
小テスト
|
小テスト」については、毎回の授業終了時、8問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
|
|
復習・予習課題
|
《予習》 ヨリソルにアップした授業資料など、医療的ケア(膀胱留置カテーテル法、ストーマ管理)についてイメージをして授業に臨む。また、排泄障害(排尿障害、ストーマ適応の疾患)について予習する。
《復習》 在宅における、膀胱留置カテーテルの適応例(意義と目的)、膀胱留置カテーテルの使用中の日常的なセルフケアの方法、膀胱留置カテーテル使用中のトラブル・合併症の予防と対処、ストーマ管理の意義・目的、療養生活上のストーマケアのポイント、ストーマのトラブル・合併症の予防と対処、QOL向上のための日常生活全般の指導、ストーマの種類と社会資源の活用について復習しておく。 ChatGPTを活用して、「膀胱留置カテーテルの管理」,「ストーマの管理」に関するテスト問題を作成し、理解を深める。
|
|
4
|
在宅における援助技術/医療的ケア(在宅酸素療法、在宅人工呼吸療法)
|
科目の中での位置付け
|
本科目では、地域・在宅看護学概論Ⅰで学修した在宅ケアおよび在宅看護の概念・理念・目的の理解を基盤とし、地域・在宅看護学で用いられる重要概念、わが国における社会資源と地域包括ケアシステム、在宅療養者に対する生活援助の学びを踏まえて発展的に学修する。 具体的には、在宅療養者の生活状況や健康状態に応じた医療的ケアの実際に加え、認知症や精神疾患を有する療養者と家族への支援のあり方についても学ぶ。あわせて、各ライフステージ(小児期・終末期)にある療養者と家族のわが国における現状と課題、支援の取り組み、さらに地域・在宅看護における危機管理(災害看護を含む)について理解を深める。また、在宅看護過程の特徴とその展開方法の概要を学ぶ。 これらの学びを通して、地域・在宅看護学概論Ⅰ・Ⅱを総合的に捉え、近年の在宅療養者の特徴や動向への理解を深めるとともに、在宅療養上の課題を見出す基礎的思考力を養う。さらに、家族を含めた対象者の生活とニーズ、身体的・心理的・社会的特徴、在宅で提供される日常生活支援および医療的ケアの内容、そして地域包括ケアシステムにおける看護職の役割について理解を深める。 以上の本科目全体の位置づけの中で、本コマでは、在宅看護の対象となる在宅酸素療法を実施している療養者と家族への「医療的ケア」の具体的な内容を学習する。在宅酸素療法と呼吸器リハビリテーション、及び在宅人工呼吸器の管理と気管カニューレ管理について学び、生活者としての視点を以て理解を深める。
|
地域・在宅看護の実践 第2章 暮らしを支える看護技術、E 地域における暮らしを支える看護実践、7呼吸・循環に関する地域・在宅看護技術 e呼吸・循環における医療管理レベルの高い療養者の援助 p186-205 河原加代子他,地域・在宅看護論2 地域・在宅看護の実践,医学書院,¥2,750
|
|
コマ主題細目
|
① 在宅酸素療法の目的と適応 ② 在宅酸素療法の管理とケア、呼吸リハビリテーション ③ 在宅人工呼吸療法の目的と適応 ④ 在宅人工呼吸療法の管理とケア
|
|
細目レベル
|
① 在宅酸素療法の主な目的は、慢性呼吸不全患者の生命予後の延長とQOL(生活の質)の改善である。対象疾患としては、慢性閉塞性肺疾患(COPD)が最も多く、その他間質性肺疾患や肺高血圧症などにも適応される。在宅酸素療法を効果的かつ安全に実施するためには、療養者本人と家族の十分な理解と協力が不可欠であり、また酸素機器業者や緊急時に対応可能な医療機関との緊密な連携体制の構築が必要となる。このような包括的な支援システムの中で、訪問看護師は療養者の日常生活における酸素療法の適切な実施、呼吸状態の評価、機器の管理、緊急時の対応指導など多岐にわたる重要な役割を担っていることを理解することが重要である。
|
② 在宅酸素療法の導入により、慢性呼吸不全の療養者は入院を回避しながら家庭や地域社会での生活を継続することが可能となり、生活の質(QOL)の維持・向上につながる。看護師は酸素供給装置(固定式、携帯用など)の特性や操作方法、および効果的な呼吸ケア技術についての専門的知識を習得し、在宅酸素療法を受ける療養者の身体的・心理的状態を包括的にアセスメントする視点を養う必要がある。また、療養者と家族への日常生活指導、在宅酸素療法に伴うトラブル(機器の不具合、皮膚障害など)や合併症(低酸素血症の悪化、二次感染など)の予防と適切な対処法について理解することが重要である。さらに、医療的ケアの原理原則であるセルフマネジメント支援、リスクマネジメント、多職種連携の視点を踏まえ、具体的な事例を通して療養者および家族への効果的な支援方法を理解することで、質の高い在宅酸素療法の継続を支援する能力を養う。
|
③ 在宅人工呼吸療法は、気管切開を伴う侵襲的陽圧換気(TPPV)と、鼻マスクや顔マスクなどを用いる非侵襲的陽圧換気(NPPV)の2つに大別される。いずれの方法も陽圧換気法が主流である。在宅人工呼吸療法では、家族による気道内分泌物の吸引管理や人工呼吸器の定期的な動作点検、回路交換などの専門的な技術が必要となる。 在宅人工呼吸療法の実施条件としては、患者と家族に在宅療養の明確な希望があること、24時間対応可能な主治医や相談医療機関が確保されていること、急変時に速やかに受け入れ可能な緊急入院ベッドが確保されていること、病院から患者・家族に対して十分な退院前指導が行われていること、訪問看護や訪問リハビリテーションなどの在宅医療サービス体制が整備されていること、そして医療機器メーカーによる機器管理のサポート体制があることなどが重要である。これらの条件を満たすことで、在宅人工呼吸療法の安全性と継続性が確保され、療養者のQOL向上に寄与する。
|
④ 在宅人工呼吸療法を実施している療養者のほとんどは嚥下障害を併発しているため、家族をはじめとするケア提供者は適切な気道吸引の技術習得が不可欠となる。この点において看護職者は、家族や他の専門職者への指導者として高い専門性を発揮する役割を担う。具体的には、気管カニューレの構造と機能を十分に理解した上で、気管切開部の皮膚ケアと気管カニューレ挿入部の管理を適切に並行して行うことが求められる。また、在宅人工呼吸療法においては、家族が担う日常的な機器管理技術だけでなく、停電や機器トラブル、自然災害発生時など緊急時の対応方法についても習得しておく必要があることを理解することが重要である。医療的ケアの基本原則であるセルフマネジメント支援、リスクマネジメント、多職種との効果的な連携などの視点を踏まえ、実際の事例検討を通して療養者および家族への具体的な支援方法を理解することで、安全で効果的な在宅人工呼吸療法の継続を支援する能力を養うことが重要である。
|
|
キーワード
|
① 在宅酸素療法 ② 呼吸リハビリテーション ③ 酸素吸着器 ④ 在宅人工呼吸療法 ⑤ 気管カニューレ管理
|
|
コマの展開方法
|
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
|
|
小テスト
|
「小テスト」については、毎回の授業終了時、8問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
|
|
復習・予習課題
|
《予習》 ヨリソルにアップした授業資料、地域・在宅看護論2 地域・在宅看護の実践,p186-205を熟読し、呼吸機能について予習しておくとともに、在宅酸素療法に使用する酸素吸着器と酸素ボンベの仕組み、およびそれぞれの利点と欠点について予習をしておく。 《復習》 在宅酸素療法を実施する際の管理方法、医師や機器取り扱い業者、療養者・家族との連携について復習する。在宅酸素療法では機器の仕組みと概要、並びに管理方法について復習する。また、気管カニューレ挿入時の咽頭・喉頭部の解剖を復習し、呼吸ケアの基礎知識に活かす。在宅人工呼吸療法(HMV・NPPV)の特徴や安全管理のための援助について復習する。在宅酸素法における合併症とその予防方法、療養者・家族への支援方法について復習する。 ChatGPTを活用して、「在宅酸素療法の管理」,「人工呼吸器の管理」に関するテスト問題を作成し、理解を深める。
|
|
5
|
在宅におけるエンド・オブ・ライフ・ケア(終末期ケア)
|
科目の中での位置付け
|
本科目では、地域・在宅看護学概論Ⅰで学修した在宅ケアおよび在宅看護の概念・理念・目的の理解を基盤とし、地域・在宅看護学で用いられる重要概念、わが国における社会資源と地域包括ケアシステム、在宅療養者に対する生活援助の学びを踏まえて発展的に学修する。 具体的には、在宅療養者の生活状況や健康状態に応じた医療的ケアの実際に加え、認知症や精神疾患を有する療養者と家族への支援のあり方についても学ぶ。あわせて、各ライフステージ(小児期・終末期)にある療養者と家族のわが国における現状と課題、支援の取り組み、さらに地域・在宅看護における危機管理(災害看護を含む)について理解を深める。また、在宅看護過程の特徴とその展開方法の概要を学ぶ。 これらの学びを通して、地域・在宅看護学概論Ⅰ・Ⅱを総合的に捉え、近年の在宅療養者の特徴や動向への理解を深めるとともに、在宅療養上の課題を見出す基礎的思考力を養う。さらに、家族を含めた対象者の生活とニーズ、身体的・心理的・社会的特徴、在宅で提供される日常生活支援および医療的ケアの内容、そして地域包括ケアシステムにおける看護職の役割について理解を深める。 以上の本科目全体の位置づけの中で、本コマでは、厚労省が「人生会議(アドバンス・ケア・プランニング)」として取り上げるようになった包括的概念であるエンド・オブ・ライフケア(以下、EOL)の意味や意義について学ぶ。具体的には、当事者と家族の意思決定支援とその実際について、ALS(筋萎縮性側索硬化症)への支援の経験をもとに示した事例から学ぶ。ALSの在宅看護では、延命治療の一つである人工呼吸器の装着は、家族への過度な介護負担が生じるなど多くの課題がある一方で熟達したケアによって当事者と家族にQOLをもたらす可能性があると述べる。人工呼吸器装着の決定について、何が課題となるのか、その様な支援の補填がなぜ必要と考えられるのか、療養者と家族の「本当の意思」について事例をもとに多面的に伝える。また、癌療養者に対し多くの看取りを行った実践者として事例を示し、エンド・オブ・ライフ・ケア(終末期ケア)と、当事者と家族の意思決定支援について理解するとともに、厚労省が「人生会議」と命名したアドバンス・ケア・プランニング(以下、ACP)にふれつつ学びを深め、わが国におけるEOLの現状と課題、ケアの実際について理解する。
|
河原加代子他,地域・在宅看護論2 地域・在宅看護の実践,医学書院,¥2,750 当日配付資料
|
|
コマ主題細目
|
① EOL(End of Life Care)におけるニーズ ② 意思決定支援と家族、専門職者の役割 ③ 終末期における全人的苦痛とニーズに対する看護
|
|
細目レベル
|
① EOL(End of Life Care)とは、人生の最後のケアである。この時期のニーズは、身体・心理・社会的ニーズに加え、医療費、生活費、介護に関わる費用といった経済的ニーズもある。そのような対象者を支えるケア体制としては、家族と専門職者によるものであり、看護師、医師、介護職、福祉職等の様々な専門職者による支援が必要となる。EOLでは、対象の全人的な痛み(精神的な悩み・負担感、身体的苦痛など)に対して集中的で幅広いトータルケアが必要となることを理解する。
|
② 厚生労働省「終末期医療の関する調査(2008年)」では、日本国民の60%が終末期を「住み慣れた家で迎えたい」と回答している。しかし、実際に在宅死を迎えた者は、全体の12.4%にとどまっており、先進国では最も低い順位となっている(アメリカ41.6%、スウェーデン51%、フランス24.4%(2007年))。他の先進諸国では、在宅生活のための支援体制により在宅ケアを最後まで継続しやすい条件がある。一方、わが国の在宅見取りでは、家族が介護することがほとんどの前提となっており、本人と家族にストレスや負担が強いられる。今後は、高齢化率の上昇と相関して死亡数が増加するため、多くの国民が在宅で最期を迎えられる体制の充実が課題である。
|
③ EOLの実際として、「ケアの時期別期間とケアの目標」では、EOLの開始期、小康期、臨死期、死別期によって、ケア目標が異なることを理解し、事例と照らし合わせながらケアの実際について理解を深める。がん事例のEOLの展開方法では、まず身体的苦痛、次に痛みのコントロール、その他の副作用(眠気、嘔吐、便秘、意識レベル低下等)、消火器や呼吸器の症状、食欲不振、発熱、嚥下障害、皮膚のかゆみ・浮腫、全身倦怠感があげられる。これらに加え、孤立感や自己価値観、死の受容、家族との別れといった精神的苦痛も伴うことを理解する。非がん事例のEOLの展開方法では、がん事例のような早い身体的変化は見られないが徐々に身体機能が低下し、ADL/IADL等の行動制限を伴う場合が多く、廃用性症候群の併発や、長期臥床による身体的苦痛が生じることを理解する。加えて、行動制限によるQOLの低下やコミュニケーション制限による孤立感、長期的に介護する家族の負担感があることを理解する。
|
|
キーワード
|
① 全人的痛み ② 在宅での看取り ③ 意思決定支援
|
|
コマの展開方法
|
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
|
|
小テスト
|
「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において8問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
|
|
復習・予習課題
|
テキストを熟読し、在宅で終末期を迎える療養者と家族について自分なりにイメージしておく。参考文献「在宅におけるエンドオブライフ・ケア」を熟読するとさらに理解が深まる。また、EOL(End of Life Care)、ACP(Advance care planning)の概念について予習しておくとともに、厚労省の行った「人生の最終段階における医療に関する意識調査(2017)https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/saisyuiryo_a_h29.pdf」の結果について予習しておく。 復習では、終末期のニーズについて、身体・心理・社会的ニーズとしてどのようなものがあったかを授業で学修した事例から復習する。また、経済的ニーズにはどのようなものがあったか復習する。加えて意思決定支援とは具体的にどのような支援であるのか復習する。 ChatGPTを活用して、「EOLの看護」,「がんと非がんの看護」に関するテスト問題を作成し、理解を深める。
|
|
6
|
在宅における認知症看護・精神看護
|
科目の中での位置付け
|
本科目では、地域・在宅看護学概論Ⅰで学修した在宅ケアおよび在宅看護の概念・理念・目的の理解を基盤とし、地域・在宅看護学で用いられる重要概念、わが国における社会資源と地域包括ケアシステム、在宅療養者に対する生活援助の学びを踏まえて発展的に学修する。 具体的には、在宅療養者の生活状況や健康状態に応じた医療的ケアの実際に加え、認知症や精神疾患を有する療養者と家族への支援のあり方について学ぶ。あわせて、各ライフステージ(小児期・終末期)にある療養者と家族のわが国における現状と課題、支援の取り組み、さらに地域・在宅看護における危機管理(災害看護を含む)について理解を深める。また、在宅看護過程の特徴とその展開方法の概要を学ぶ。 これらの学びを通して、地域・在宅看護学概論Ⅰ・Ⅱを総合的に捉え、近年の在宅療養者の特徴や動向への理解を深めるとともに、在宅療養上の課題を見出す基礎的思考力を養う。さらに、家族を含めた対象者の生活とニーズ、身体的・心理的・社会的特徴、在宅で提供される日常生活支援および医療的ケアの内容、そして地域包括ケアシステムにおける看護職の役割について理解を深める。 以上の本科目全体の位置づけの中で、本コマでは、地域・在宅看護の対象となる認知症や精神疾患を有する療養者と家族への支援について学習する。認知症の行動・心理症状(BPSD)や精神症状の理解を基盤に、療養者の尊厳を守りながらその人らしい生活と自立を支える関わり方、家族の心理的負担への支援、多職種連携の在り方について、生活者としての視点をもって理解を深める。
|
河原加代子他,地域・在宅看護論2 地域・在宅看護の実践,医学書院,¥2,750 当日配付資料
|
|
コマ主題細目
|
① 在宅における認知症・精神疾患療養者の理解 ② 認知症・精神疾患を有する療養者と家族への支援 ③ 地域包括ケアシステムにおける多職種連携と看護の役割
|
|
細目レベル
|
① 認知症および主な精神疾患(うつ病、統合失調症など)の病態的特徴と症状、ならびに認知症に伴う行動・心理症状(BPSD)の特性を説明できる。また、それらが在宅療養生活(ADL・IADL、服薬管理、安全管理、対人関係、家族関係等)に及ぼす影響について、生活者の視点から具体的に述べることができる。
|
② 在宅療養者の尊厳と自己決定を尊重する看護の基本的視点を理解し、その人らしい生活と自立を支えるための支援方法(コミュニケーション技法、環境調整、症状悪化予防の視点、危機回避の支援など)を、在宅看護の特性を踏まえて体系的に説明できる。
|
③ 認知症・精神疾患を有する療養者を支える家族の心理的・身体的・社会的負担の特徴を理解し、家族支援の具体的方策(相談支援、レスパイトケアの活用、社会資源の調整、多職種連携の推進等)について説明できる。また、地域包括ケアシステムにおける看護職の役割と専門性について論理的に述べることができる。
|
|
キーワード
|
① 中核症状と周辺症状(BPSD) ② 統合失調症 ③ うつ病 ④ 服薬管理・服薬アドヒアランス支援 ⑤ 精神科訪問看護指示書
|
|
コマの展開方法
|
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
|
|
小テスト
|
「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において8問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
|
|
復習・予習課題
|
【予習】地域・在宅看護論2 地域・在宅看護の実践 第4章 G,Hを参照。 1.認知症および主な精神疾患(統合失調症、うつ病など)の病態・症状について、教科書該当箇所を読み、行動・心理症状(BPSD)の特徴を整理しておく。 2.精神訪問看護の目的・支援内容・多職種連携の役割について事前に確認し、地域生活支援の視点をまとめておく。 3.訪問看護指示書(特に精神科訪問看護指示書)の目的と記載内容を確認し、医師の指示と看護実践の関係について理解しておく。 【復習】 1.認知症および精神疾患が在宅療養生活に及ぼす影響について、生活者の視点から説明できるよう整理する。 2.療養者の尊厳を守りながら自立を支える看護の具体的方法を、事例を用いてまとめ直す。 3.家族支援の方法、多職種連携の意義、地域包括ケアシステムにおける看護職の役割について、自分の言葉で説明できるように整理する。 ChatGPTを活用して、「認知症の特徴」,「うつ病の看護」「統合失調症の看護」に関するテスト問題を作成し、理解を深める。
|
|
7
|
在宅ケアにおける災害看護/医療的ケア児への支援
|
科目の中での位置付け
|
本本科目では、地域・在宅看護学概論Ⅰで学修した在宅ケアおよび在宅看護の概念・理念・目的の理解を基盤とし、地域・在宅看護学で用いられる重要概念、わが国における社会資源と地域包括ケアシステム、在宅療養者に対する生活援助の学びを踏まえて発展的に学修する。 具体的には、在宅療養者の生活状況や健康状態に応じた医療的ケアの実際に加え、認知症や精神疾患を有する療養者と家族への支援のあり方についても学ぶ。あわせて、各ライフステージ(小児期・終末期)にある療養者と家族のわが国における現状と課題、支援の取り組み、さらに地域・在宅看護における危機管理(災害看護を含む)について理解を深める。また、在宅看護過程の特徴とその展開方法の概要を学ぶ。 これらの学びを通して、地域・在宅看護学概論Ⅰ・Ⅱを総合的に捉え、近年の在宅療養者の特徴や動向への理解を深めるとともに、在宅療養上の課題を見出す基礎的思考力を養う。さらに、家族を含めた対象者の生活とニーズ、身体的・心理的・社会的特徴、在宅で提供される日常生活支援および医療的ケアの内容、そして地域包括ケアシステムにおける看護職の役割について理解を深める。 以上の本科目全体の位置づけの中で、本コマでは、在宅看護における安全と危機管理の中でも、発災時における在宅療養と防災管理について学ぶ。また、小児の在宅ケア論として、医療的ケア児の現状と課題についても学ぶ。
|
地域・在宅看護論2 地域・在宅看護の実践 D 地域・在宅看護における安全をまもる看護 p70-85 第4章B医療的ケア児の事例展開p252-265 河原加代子他,地域・在宅看護論2 地域・在宅看護の実践,医学書院,¥2,750
|
|
コマ主題細目
|
① 災害時における在宅療養者と家族の健康危機管理 ② 医療依存度の高い在宅療養者への支援(災害への備えと災害後の支援) ③ 避難所に起こるリスクと在宅看護の役割 ④ 医療的ケア児の現状と課題
|
|
細目レベル
|
① 在宅療養者のすべてが災害時要援護者・要配慮者であり、一部は避難行動要支援者であ る。それらの定義を確認し、訪問看護師として日頃から療養者・家族へのすべき指導内容や、関係機関との連携方法を理解する。また、事前検討事項を参考に訪問看護師事業所として準備期、災害急性期の対応を理解する。
|
② 近年は医療依存度の高い在宅療養者も少なくない。在宅療養では、被災によるライフラインの遮断は、在宅人工呼吸器療法や在宅酸素療法、CVポートの使用といった、医療依存度の高い療養者にとっては生命にかかわる事態と成り得ること、そのための具体的な備えと、東日本大震災にて設置された福祉避難所等の公的支援について理解を深める。
|
③ 避難所では不十分な生活環境、転倒リスク、不眠、食生活の偏りなどにより、健康への支障が生じることが考えられ、食生活・保清・精神面の援助を含め、避難所における健康管理が重要となる。在宅看護での支援方法を理解する。
|
④ 医療的ケア児とは、人工呼吸器管理、気管切開管理、喀痰吸引、経管栄養、酸素療法などの日常的な医療的ケアを必要としながら地域で生活する子どもを指す。近年、周産期医療の進歩により、重度の障がいや慢性疾患をもつ子どもが救命され在宅へ移行するケースが増加しており、医療的ケア児は全国で約2万人と推計され、年々増加傾向にある。 こうした状況を背景に、2021年には「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(医療的ケア児支援法)」が制定され、医療・福祉・教育の多分野連携による支援体制の整備が法的に位置づけられた。また、「小児等在宅医療連携拠点事業」などの取り組みにより、地域での受け入れ体制やコーディネーター機能の強化が進められている。 しかしながら、現状には多くの課題がある。 第一に、家族の負担が非常に大きいことである。身体的負担(慢性的な睡眠不足や腰痛)、心理的負担(急変への不安、孤立感)、社会的制約(就労困難、外出制限)、経済的負担(医療費や福祉機器の費用)など、多面的な困難を抱えている。また、きょうだい児への心理的影響にも配慮が必要である。 第二に、社会資源の地域格差や受け入れ体制の不足である。教育・保育施設での受け入れが十分でない地域もあり、医療機関や訪問看護ステーションの体制整備にも差がある。特に人工呼吸器装着児など医療依存度の高い小児では、支援体制の脆弱さが生活の継続に直結する。 第三に、成長発達段階に応じた支援の必要性である。乳幼児期の愛着形成、幼児期の自律性の育成、学童期の社会性の獲得、思春期のアイデンティティ形成など、医療的ケアを受けながらも発達課題を達成していくための支援が求められる。在宅ケアは、子どもが家族の一員として生活し、親やきょうだいと共に成長するという基本的権利を保障する営みでもある。 さらに、在宅療養を支える環境整備も重要である。安全性(医療機器配置や災害対策)、機能性(ケア動線の確保)、発達促進(遊びや感覚刺激の確保)、家族の生活の質(休息空間の確保)を総合的に考慮する必要がある。 以上のように、医療的ケア児を取り巻く現状は制度整備が進む一方で、家族負担、地域格差、発達支援、多職種連携など多くの課題を抱えている。そのため、訪問看護師をはじめとする看護専門職は、医療的管理のみならず、家族支援、社会資源の調整、連携の推進という調整機能を担う重要な役割を果たしている。
|
|
キーワード
|
① 災害サイクル ② 災害時要援護者 ③ 避難所における援助 ④ リスクマネジメント ⑤ 医療的ケア児
|
|
コマの展開方法
|
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
|
|
小テスト
|
「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において8問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
|
|
復習・予習課題
|
《予習》 『地域・在宅看護論Ⅱ 地域・在宅看護の実践』第2章D「地域・在宅看護における安全をまもる看護」(p70–85)を熟読し、在宅療養者におけるリスクマネジメントおよび災害時支援の基本的視点を整理しておく。 あわせて、医療依存度の高い療養者および医療的ケア児への災害時支援を考えるため、在宅における援助技術(医療的ケア)の授業内容および配付資料を復習し、人工呼吸器管理、経管栄養、喀痰吸引等を要する療養者の生活を具体的にイメージして授業に臨む。 さらに、第4章B「医療的ケア児の事例展開」を熟読し、医療的ケア児と家族の生活背景、発達段階、家族の負担、地域資源の活用状況を踏まえ、必要なケアおよび支援体制について事前に考察しておく。 《復習》 避難所における災害サイクル(急性期・亜急性期・慢性期)を踏まえた具体的支援内容について整理する。 医療的ケアを必要とする療養者への支援について授業内容を振り返り、医療機器(人工呼吸器、吸引器、経管栄養ポンプ、酸素機器等)を使用している療養者および医療的ケア児に対して、平時から準備すべき事項(個別避難計画、電源確保、予備バッテリー、物品備蓄、連絡体制の整備等、災害発生時に必要となる支援(安全確保、機器管理、感染予防、家族支援、関係機関との連携等)を具体的に整理する。 また、医療的ケア児の場合は、発達段階や心理的影響、きょうだい児への配慮、家族の意思決定支援といった視点も含め、在宅生活を継続するために看護職が果たす役割についてまとめる。 ChatGPTを活用して、「医療的ケア児の制度」,「災害時のケア(避難者への支援)」に関するテスト問題を作成し、理解を深める。
|
|
8
|
地域・在宅看護過程の特徴と展開方法、その概要
|
科目の中での位置付け
|
本科目では、地域・在宅看護学概論Ⅰで学修した在宅ケアおよび在宅看護の概念・理念・目的の理解を基盤とし、地域・在宅看護学で用いられる重要概念、わが国における社会資源と地域包括ケアシステム、在宅療養者に対する生活援助の学びを踏まえて発展的に学修する。 具体的には、在宅療養者の生活状況や健康状態に応じた医療的ケアの実際に加え、認知症や精神疾患を有する療養者と家族への支援のあり方についても学ぶ。あわせて、各ライフステージ(小児期・終末期)にある療養者と家族のわが国における現状と課題、支援の取り組み、さらに地域・在宅看護における危機管理(災害看護を含む)について理解を深める。また、在宅看護過程の特徴とその展開方法の概要を学ぶ。 これらの学びを通して、地域・在宅看護学概論Ⅰ・Ⅱを総合的に捉え、近年の在宅療養者の特徴や動向への理解を深めるとともに、在宅療養上の課題を見出す基礎的思考力を養う。さらに、家族を含めた対象者の生活とニーズ、身体的・心理的・社会的特徴、在宅で提供される日常生活支援および医療的ケアの内容、そして地域包括ケアシステムにおける看護職の役割について理解を深める。 以上の本科目全体の位置づけの中で、本コマでは、地域・在宅看護実習において実践する地域・在宅看護過程の特徴と展開方法の概要を学ぶ。
|
地域・在宅看護の実践 第1章 地域・在宅看護の展開(p.12~48) 河原加代子,山田雅子, 地域・在宅看護の実践,¥2,750
|
|
コマ主題細目
|
① 地域・在宅看護過程の特徴 ② 地域・在宅看護過程で活用される理論的枠組み ③ 地域・在宅看護過程の展開
|
|
細目レベル
|
① 地域・在宅看護における看護過程は、それ以外の領域における看護過程と基本的にはかわるものではない。しかし病院で展開される看護過程などと比べると、次のような特徴がある。対象や看護のかかわり方の多様性として、地域・在宅看護では、看護過程により対象者にどのようなニードがあり、看護が必要とされるのかを明らかにしたとしても、その展開は病院における看護よりもさまざまな要素が加わるため、複雑なものとなる。たとえば地域・在宅看護の現場では訪問看護だけでなく、外来部門や退院支援部門、地域包括支援センターなどのさまざまな部署や立場で看護師が対象者にかかわる。そのため、看護計画を立案する際は、自分がどの立場であるのかをふまえて具体的な支援内容を考えることが必要である。また、生活環境や家族への視点も必要となる。病院や施設などでは、治療や看護を効果的・効率的に行うために居住環境が設計されているが、在宅療養を行う住居は必ずしもそうではない。在宅療養を行うには不便であったり危険であったりするような場合がある。その一方で療養者にとって居宅などの住み慣れた環境には安心感があり、病院から自宅へ戻ってきたがん患者のがん疼痛が軽減する場合もみられる。家族への視点では、家族が療養者とのかかわりをどのように受けとめているかもさまざまである。介護を生きがいのように感じている場合もあれば、負担を重く感じている場合もある。またこれらは、その家族においてつねに一定というわけではなく、状況によって変化する場合がある。家族が過度に負担やストレスを感じていると、高齢者虐待につながる場合もある。そのため、看護過程においては、対象者本人だけでなく家族に対するアセスメントも重要となる。これらのような地域・在宅看護における看護過程の特徴を理解する。
|
② 看護のアセスメントの枠組みとして、ヘンダーソンによる「14 の基本的ニーズ」、オレムによる「セルフケア理論」、ロイによる「適応モデル」、ゴードンによる「機能的健康パターン」などが知られている。しかし、本授業では、世界保健機関(WHO)が 2001 年に発表した国際生活分類 international classi-fication of functioning, disability and health(ICF)の概念について説明する。ICFには「心身機能・身体構造」や「健康状態」以外に、「活動」「参加」「環境因子」「個人因子」といった項目が含まれている。ICF にもとづけば、たとえば「足の切断によって心身機能の低下がみられる」などの場合でも、本人の意思のもと、適切な義足や車椅子の使用、バリアフリーといった「環境」、それを支える社会保障制度が備わっていれば、アスリートとして「活動」し、パラリンピックなどの大会への「参加」も可能になりうることが理解しやすくなる。そのため、ICFの構成要素を理解する。
|
③ 地域・在宅看護過程の展開においては、療養者の心身の健康状態や、家族や介護の状況、暮らし方・価値観、居住地域の状況を考察することが必要である。療養者の現在の状況には、これまでの歴史(人生)が深くかかわっており、今後もその影響を受けながら生きていく。またその療養生活は、居住地域の影響も大きく受けている。それらを考察したうえで、在宅療養生活の希望を主におき、広い視野でその人の療養人生を支援する看護過程の展開が必要となる。地域・在宅看護過程は、医療機関で行う看護過程と同じ構成要素をもち、情報収集─アセスメント─看護問題の明確化(看護診断)─目標の設定─計画─実施─評価を繰り返し行う。地域・在宅看護における情報収集の範囲は広く、心身の健康問題などの基本的な項目に加えて、家族状況や介護状況、在宅療養生活への希望、住宅環境、経済状況、居住地域の情報なども加わる。また、目標の設定(長期目標・短期目標、優先順位)、計画(誰がなにをどのように行うか)にも特徴があり、これらの構成要素を理解する。
|
|
キーワード
|
① 看護過程 ② 多様性(療養者・家族のあり方、支援のあり方) ③ ストレングス ④ 目標志向型思考 ⑤ ICF
|
|
コマの展開方法
|
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
|
|
小テスト
|
「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において8問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
|
|
復習・予習課題
|
予習:テキスト地域・在宅看護の実践 第1章 地域・在宅看護の展開(p.12~48)を読み、地域・在宅看護における援助内容をイメージしてから授業に参加する。この中でp.22~45において、地域・在宅看護過程の展開に関する具体的な情報収集項目・アセスメント項目が示されているため、熟読すること。 復習:テキスト地域・在宅看護の実践 第1章 地域・在宅看護の展開(p.12~48)、授業で配布した配布資料と授業中に書き込みした内容を基に、授業の振り返りを行う。特に、テキスト地域・在宅看護の実践(地域・在宅看護過程の特徴 p.22~23、地域・在宅看護過程における情報収集とアセスメント p.24~29、地域・在宅看護過程における看護目標の設定・計画 p.41~44)の内容を理解すること。また、授業内で示した到達目標について、自身の言葉で説明できるように、文章でまとめる。
|