区分 専門科目-基礎看護学-地域・在宅看護学
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力 倫理観 専門性探求
地域社会貢献 グローバル性 自己研鑽力
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性 広い視野 知識・技術
判断力 探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ

科目の目的
本科目では、自宅で生活する在宅療養者に対する看護実践について学修する。
少子高齢化を背景に地域包括ケアシステムの構築が進められ、療養の場は病院から地域へと移行している。地域の多様な生活の場において、安全かつ継続的な看護を提供するためには、在宅療養者の生活を基盤とした看護技術が求められる。
本科目では、地域包括ケアシステムの一端を担う訪問看護の場面を想定し、在宅看護技術の特徴と実践方法について理解を深める。在宅看護技術の特徴として、療養者の価値観や生活リズムを尊重したケア、家族を含めた支援、物品や環境の制約を踏まえた工夫、多職種との連携を前提とした実践などが挙げられる。
講義および演習を通して、事例や具体的な場面に基づき、在宅療養者の状況に応じた援助計画(手順書)を作成する。これにより、在宅という生活の場に適した看護技術を構造的に理解し、次学年で学修する看護過程の展開において活用できる基礎的能力を養うことを目的とする。

到達目標
1.在宅看護技術の特徴(生活重視、家族支援、環境制約、多職種連携など)を説明できる。
2.在宅療養者の事例や場面に基づき、必要な観察項目、アセスメント内容を説明できる。
3.在宅療養者の事例や場面に基づき、生活状況を踏まえた適切な援助内容を選択できる。
4.在宅の場に適した援助方法を、具体的かつ実践可能な手順書として作成できる。
5.作成した手順書について、その必要性と安全性の根拠を説明できる。

科目の概要
本科目では、在宅療養者を対象とした看護技術について、具体的な事例や場面を基にアセスメントおよび援助計画(手順書)の作成を通して学修する。取り上げる主なテーマは、①初回訪問、②療養環境調整、活動・休息(移動など)、リハビリテーションおよび福祉用具、③保清、④嚥下・食事(経管栄養を含む)・栄養評価、⑤排泄(ストーマ・膀胱留置カテーテルを含む)、⑥呼吸・循環(在宅酸素療法を含む)、⑦精神障害(認知症および統合失調症)である。基本的な授業の流れとして、各テーマについて、講義1回、演習1回の計2回で構成し、講義では在宅看護技術の特徴と留意点を学び、演習では事例に基づき具体的な援助計画(手順書)を作成する。演習では個人ワークやグループワーク、発表を取り入れ、実践的な理解を深める。最終回には、各テーマの学修内容を総括し、在宅看護技術の共通する特徴と実践上の課題について振り返る。なお、本科目は事前の自己学修を前提とし、地域・在宅看護学概論Ⅰ・Ⅱおよび基礎看護技術の内容を復習した上で受講することが望ましい。
科目のキーワード
療養者・家族への看護、初回訪問、在宅看護における療養環境調整や活動の援助、在宅看護における保清、在宅看護における食事・嚥下の援助、在宅看護における排泄援助、精神訪問看護、在宅酸素療法
授業の展開方法
それぞれのテーマの授業において、観察項目やアセスメントの視点、テーマに関連する在宅看護技術の特徴について講義を行う。その後、提示する事例や場面に対して、個人またはグループでアセスメント、援助計画(手順書)作成を行い、取り組んだ内容の発表を行う。担当教員は、在宅関連施設での看護実務経験を有しており、これまでの経験で得た在宅療養者への支援に関する具体的な事例を提示し、授業を行う。

オフィス・アワー
(準備中)
科目コード BH33
学年・期 2年・後期
科目名 地域・在宅看護援助論
単位数 2
授業形態 講義
必修・選択 必修
学習時間 【授業】30h 【予習・復習】60h
前提とする科目 地域・在宅看護学概論Ⅰ・Ⅱ
展開科目 地域・在宅看護演習、地域・在宅看護学実習、統合実習、看護研究
関連資格 看護師,保健師,養護教諭
担当教員名 為永義憲・佐々木詩子
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 本科目の概要と高齢化社会における在宅看護の基本概念、療養者・家族の理解、臨床判断および援助支援計画の基礎。 科目の中での位置付け 本科目では、在宅療養者を対象とした看護技術について、具体的な事例や場面を基にアセスメントおよび援助計画(手順書)の作成を通して学修する。取り上げる主なテーマは、「初回訪問」、「療養環境調整、活動・休息(移動など)、リハビリテーションおよび福祉用具」、「保清」、「嚥下・食事(経管栄養を含む)・栄養評価」、「排泄(ストーマ・膀胱留置カテーテルを含む)」、「呼吸・循環(在宅酸素療法を含む)」、「精神障害(認知症および統合失調症)」である。講義および演習を通して、事例や具体的な場面に基づき、在宅療養者の状況に応じた援助計画(手順書)を作成する。これにより、在宅という生活の場に適した看護技術を構造的に理解し、次学年で学修する看護過程の展開において活用できる基礎的能力を養うことを目的とする。
 本科目の導入となる第1回講義では、「地域・在宅看護援助論」の序章として、在宅看護および訪問看護の基本概念とその重要性について学ぶ。在宅看護の役割や機能を理解するとともに、高齢化社会の進展および地域包括ケアシステムにおける訪問看護の位置づけを捉える。
 また、療養者とその家族が生活の場で直面する多様なニーズや課題を理解し、それらに対応する訪問看護の実際について考察する。特に、生活の場という限られた時間・環境・情報の中で状況を総合的に把握し、優先順位を判断する訪問看護における臨床判断の特徴について学修する。
 さらに、訪問看護において重要な意味をもつ「初回訪問」に焦点を当て、信頼関係の構築、全体像の包括的アセスメント、今後の援助方針の方向性づけという観点から、その意義を理解する。初回訪問は、その後の支援の質や療養者・家族との協働関係を左右する重要な機会であることを学ぶ。
 加えて、本科目全体の目的・学修内容・評価方法についてオリエンテーションを行い、今後扱う事例分析や援助・支援計画の立案、評価方法の概要について説明する。在宅看護サービスが療養者の生活をどのように支え、病院から在宅への円滑な移行を促進するのかを理解し、本科目での学修の見通しをもつことを目指す。
本講義を通して、在宅看護における基礎的知識と理解の土台を形成し、次回以降の具体的な援助支援計画の作成および評価へとつなげる。

① 医学書院 『専門分野 地域・在宅看護の実践』 第1章 地域・在宅看護の展開 p.12-48
② ヨリソルにアップロードされた講義資料
コマ主題細目 ① 在宅看護・訪問看護の基本概念と役割 ② 生活の場における療養者・家族のニーズと課題 ③ 訪問看護における臨床判断の特徴 ④ 初回訪問の意義と役割 ⑤ 援助支援計画
細目レベル ① 在宅看護・訪問看護の基本概念と役割
在宅看護とは、療養者が生活する場において、その人らしい生活の継続を支えることを目的とした看護実践である。医療機関とは異なり、生活の場で行われる看護であるため、疾病の管理だけでなく、生活全体を視野に入れた包括的支援が求められる。訪問看護はその中核を担い、看護師が療養者の自宅を訪問し、医療的ケアの提供、病状の観察、日常生活支援、家族支援、多職種との連携調整などを行う。
超高齢社会の進展や医療の高度化に伴い、医療依存度の高い療養者が在宅で生活する機会は増加している。地域包括ケアシステムにおいて、訪問看護は医療と生活をつなぐ重要な役割を担っており、入院から在宅への円滑な移行や再入院の予防、看取りの支援などにも大きく関与している。在宅看護は「治療の継続」ではなく、「生活を基盤とした療養支援」であることがその本質である。

② 生活の場における療養者・家族のニーズと課題
在宅療養者は、疾患や障害を抱えながら日常生活を送っている。そこには身体的ニーズ(症状管理、医療的処置)、心理的ニーズ(不安、孤立感)、社会的ニーズ(経済的問題、社会参加)、生活ニーズ(食事、排泄、安全確保)など、多様で複雑な課題が存在する。
また、在宅療養は家族の支えによって成り立つことが多く、家族介護者の身体的・精神的負担、役割葛藤、将来への不安といった課題も無視できない。家族は支援対象であると同時に、ケアの担い手でもあるため、訪問看護では療養者と家族を一体として捉える視点が重要である。
さらに、住環境や家族関係、地域資源の利用状況などが療養生活に大きく影響する。在宅看護では、医療的側面だけでなく、生活背景を含めた包括的なアセスメントが不可欠である。

③ 訪問看護における臨床判断の特徴
訪問看護における臨床判断は、病院とは異なる特徴をもつ。訪問は限られた時間で行われ、常時観察ができる環境ではない。そのため、短時間で療養者の全体像を把握し、必要な情報を選択的に収集し、優先順位を判断する力が求められる。
また、生活環境の中で生じるリスクを予測し、症状の悪化を未然に防ぐ視点も重要である。わずかな変化から異常の兆候を察知し、必要に応じて医師や多職種と連携する判断力が必要となる。
訪問看護の臨床判断は、単に症状を評価するだけでなく、「その人の生活にどのような影響を与えているか」「生活の中で実行可能か」といった視点を含んだ総合的判断である点に特徴がある。

④ 初回訪問の意義と役割
初回訪問は、その後の支援の質を左右する重要な機会である。初回訪問では、療養者および家族との信頼関係を構築するとともに、身体状況だけでなく、生活背景、家族関係、価値観、希望などを含めた包括的アセスメントを行う。
この段階で療養者・家族が抱える課題や強みを把握し、今後の支援の方向性を見極めることが重要である。また、潜在的なリスクの予測や緊急時対応の確認なども初回訪問で行われる。
初回訪問は単なる情報収集の場ではなく、協働関係の出発点であり、継続的支援の基盤を形成する場である。そのため、コミュニケーション能力や観察力、判断力が特に求められる。

⑤ 援助支援計画
在宅看護における援助支援計画は、療養者および家族のニーズと生活背景を踏まえた上で立案される。計画は、単に医療的課題を解決するためのものではなく、療養者がその人らしく生活を継続できることを目標とする。
計画立案の過程では、アセスメント結果を基に優先順位を明確にし、具体的で実行可能な援助内容を設定する。また、療養者・家族の意向を尊重し、共有目標を設定することが重要である。
さらに、在宅看護では状況の変化が生じやすいため、計画は固定的なものではなく、評価と修正を繰り返しながら柔軟に見直される。援助支援計画は、訪問看護実践を体系化し、継続的かつ質の高い支援を提供するための重要な基盤である。

キーワード ① 生活を基盤とした療養支援 ② 療養者・家族のニーズ ③ 臨床判断 ④ 初回訪問 ⑤ 援助支援計画
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ■ 予習
テキスト『専門分野 地域・在宅看護の実践』(医学書院)第1章「地域・在宅看護の展開」(p.12-48)を熟読し、以下の点を整理しておくこと。
1.在宅看護および訪問看護の基本概念
2.訪問看護師の役割と機能
3.地域包括ケアシステムにおける訪問看護の位置づけ
4.訪問看護の支援の流れ(導入から継続支援まで)
5.多職種連携の実際
特に、在宅看護が「生活の場」で展開されることの意味や、病院看護との違いに着目して読むこと。また、訪問看護師に求められる判断力や調整機能についても整理しておくとよい。
重要だと感じた箇所にはマーカーを引き、不明な用語や理解が曖昧な点は書き出しておくこと。あわせて、「初回訪問では何が重要だと思うか」「訪問看護における臨床判断とはどのようなものか」について、自分なりの考えを簡単にまとめておくと、講義理解が深まる。

■ 復習
講義内容を振り返り、以下の視点で整理すること。
1.在宅看護・訪問看護の基本概念を、自分の言葉で説明できるか
2.療養者と家族のニーズを、身体・心理・社会・生活の側面から整理できるか
3.訪問看護における臨床判断の特徴を、病院看護と比較して説明できるか
4.初回訪問の意義と役割を理解できているか
5.援助支援計画の立案プロセスを説明できるか
在宅看護では、療養者の生活環境や価値観を踏まえた包括的アセスメントが重要となる。講義内容をもとに、自分なりに「在宅看護におけるアセスメントの視点」を整理し、ノートにまとめておくこと。
不明点があればテキストや参考資料で補完し、次回の事例検討や援助支援計画の立案につなげられるようにしておくこと。

2 訪問看護初回訪問における臨床判断と援助支援計画の作成 科目の中での位置付け 本科目では、在宅療養者を対象とした看護技術について、具体的な事例や場面を基にアセスメントおよび援助計画(手順書)の作成を通して学修する。取り上げる主なテーマは、「初回訪問」、「療養環境調整、活動・休息(移動など)、リハビリテーションおよび福祉用具」、「保清」、「嚥下・食事(経管栄養を含む)・栄養評価」、「排泄(ストーマ・膀胱留置カテーテルを含む)」、「呼吸・循環(在宅酸素療法を含む)」、「精神障害(認知症および統合失調症)」である。講義および演習を通して、事例や具体的な場面に基づき、在宅療養者の状況に応じた援助計画(手順書)を作成する。これにより、在宅という生活の場に適した看護技術を構造的に理解し、次学年で学修する看護過程の展開において活用できる基礎的能力を養うことを目的とする。

本科目の第2回講義では、第1回で学修した在宅看護の基本概念および初回訪問の意義を踏まえ、脳梗塞療養者の事例を用いて、初回訪問におけるアセスメントおよび臨床判断、援助支援計画の立案について学修する。
脳梗塞後遺症をもつ療養者の在宅生活を想定し、身体機能(麻痺、嚥下機能、移動能力など)、生活機能、既往歴、服薬状況、再発リスク、精神心理面の状態、家族の介護力、住環境など、多角的な視点から観察すべき事項を整理する。生活の場において限られた時間で何を優先的に観察し、どのように情報を統合して判断するのかについて具体的に検討する。
また、転倒・誤嚥・再発などのリスク予測を含めた臨床判断の過程を明確にし、療養者の生活背景や価値観を踏まえた包括的アセスメントの重要性を理解する。初回訪問においては、単なる情報収集にとどまらず、信頼関係の構築と今後の支援方針の方向性づけが重要であることを、事例を通して具体的に考察する。
さらに、得られたアセスメント結果を基に、優先順位を明確にし、実行可能な援助支援計画(手順書)を作成する。援助内容は、療養者の自立支援および家族支援の視点を含め、在宅という生活の場に適した具体的支援として整理する。
本講義では、事例分析を通して「何を観察するか」「どのように判断するか」「どのように計画へつなげるか」という思考過程を可視化し、在宅看護における臨床判断能力および援助支援計画立案の基礎的能力を養うことを目的とする。

① 医学書院 『専門分野 地域・在宅看護の実践』 第1章 地域・在宅看護の展開 p.12-48
② ヨリソルにアップロードされた講義資料
コマ主題細目 ① 初回訪問における包括的アセスメント ② 初回訪問における臨床判断と優先順位の決定 ③ 援助支援計画(手順書)の立案
細目レベル ① 脳梗塞療養者の初回訪問における包括的アセスメント
脳梗塞療養者の初回訪問では、後遺症の特徴を踏まえた包括的アセスメントが求められる。麻痺の程度や部位、嚥下機能の状態、高次脳機能障害の有無など、身体機能の評価を行うとともに、移動能力や日常生活動作(ADL)、生活リズムなどの生活機能を具体的に把握することが重要である。
さらに、既往歴や服薬状況、再発予防に関する理解度と自己管理能力を確認し、再発リスクの有無を評価する。また、意欲低下や抑うつ傾向、不安の有無など精神心理面の把握も欠かせない。加えて、家族の介護力や役割分担、介護負担の程度を確認し、支援体制の現状を把握する。
住環境については、転倒リスクや移動動線、福祉用具の活用状況などを評価し、安全性と生活のしやすさを検討する。これらを統合し、療養者の生活背景や価値観、今後の希望を含めた包括的視点から全体像を捉えることが、初回訪問における重要な課題である。

② 初回訪問における臨床判断と優先順位の決定
初回訪問では限られた時間の中で、多くの情報を効率的に収集し、焦点化して判断する力が求められる。すべてを網羅的に確認するのではなく、生命や生活に直結する問題を優先的に観察し、重要なリスクを見極めることが必要である。
特に脳梗塞療養者においては、転倒、誤嚥、再発といった重大なリスクの予測が重要となる。身体機能の状態や生活状況から潜在的な危険因子を読み取り、今後起こり得る問題を予測する臨床判断が求められる。また、その状態が療養者の生活にどのような影響を及ぼしているかという視点を持ち、生活との関連で問題を捉えることが重要である。
収集した情報を統合し、優先順位を明確にしたうえで、どの課題にまず対応すべきかを判断する。必要に応じて医師やリハビリ職種、ケアマネジャー等との連携を要する場面を見極めることも、訪問看護における重要な判断である。

③ アセスメントに基づく援助支援計画(手順書)の立案
包括的アセスメントおよび臨床判断を踏まえ、明確化された問題を構造的に整理し、援助支援計画を立案する。まず、優先度の高い問題を明らかにし、短期および中期の目標を具体的に設定することが重要である。
援助内容は、療養者の残存機能を活かした自立支援の視点を重視し、過度な代行ではなく能力の維持・向上を目指すものでなければならない。また、家族が無理なく継続できる支援方法を検討し、家族支援の具体化を図ることも不可欠である。
さらに、在宅という生活の場で実行可能であるかを十分に検討し、現実的かつ具体的な手順書として整理する。計画は固定的なものではなく、実践後の評価を通して修正・見直しを行うことを前提とする。こうした一連の過程を通して、在宅看護における思考と実践のつながりを理解する。

キーワード ① 信頼関係の構築 ② フィジカルアセスメント ③ 援助支援計画(手順書)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において10問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。(本コマは個人・グループワークのため実施せず。)
復習・予習課題 ■予習
テキストおよび関連資料を活用し、以下の内容を整理しておくこと。
1.脳梗塞の病態および主な後遺症(片麻痺、嚥下障害、高次脳機能障害など)
2.脳梗塞再発の危険因子および予防管理(血圧管理、服薬管理、生活習慣)
3.在宅療養における転倒・誤嚥リスクの評価視点
4.初回訪問時のアセスメント項目
5.訪問看護における支援計画立案の基本的流れ
特に、「初回訪問では何を優先して観察すべきか」「脳梗塞療養者の生活上のリスクには何があるか」を自分なりに整理しておくこと。
また、脳梗塞療養者の在宅生活を想像し、
・どのような困難が予測されるか
・家族はどのような不安を抱える可能性があるか
について簡単にメモしておくと、講義での事例分析が理解しやすくなる。

■ 復習
講義で扱った事例を振り返り、以下の視点で整理すること。
1.初回訪問で観察すべき内容を体系的に説明できるか
2.身体機能・生活機能・精神心理面・家族支援・住環境を統合して捉えられているか
3.転倒・誤嚥・再発リスクをどのような根拠で判断したか説明できるか
4.優先順位の決定理由を論理的に説明できるか
5.援助支援計画が「自立支援」「家族支援」「実行可能性」を踏まえた内容になっているか
自分が作成した援助支援計画(手順書)を見直し、
・援助内容は在宅で実行可能か
・評価の視点が明確か
を再確認すること。
さらに、「観察 → 判断 → 計画」という思考過程を振り返り、自分の判断の根拠を書き出して整理しておくことが重要である。

3 療養環境調整に関する地域・在宅看護技術、活動・休息に関する地域・在宅看護技術① 科目の中での位置付け 本科目では、在宅療養者を対象とした看護技術について、具体的な事例や場面を基にアセスメントおよび援助計画(手順書)の作成を通して学修する。取り上げる主なテーマは、「初回訪問」、「療養環境調整、活動・休息(移動など)、リハビリテーションおよび福祉用具」、「保清」、「嚥下・食事(経管栄養を含む)・栄養評価」、「排泄(ストーマ・膀胱留置カテーテルを含む)」、「呼吸・循環(在宅酸素療法を含む)」、「精神障害(認知症および統合失調症)」である。講義および演習を通して、事例や具体的な場面に基づき、在宅療養者の状況に応じた援助計画(手順書)を作成する。これにより、在宅という生活の場に適した看護技術を構造的に理解し、次学年で学修する看護過程の展開において活用できる基礎的能力を養うことを目的とする。
このような本科目全体の中で、第3・4回は在宅看護における療養環境調整と活動に関する療養者・家族のアセスメントと援助計画について理解する。在宅看護における環境調整では、室内外の生活範囲を把握し、快適・安全に生活できる療養環境整備が必要となる。活動(移動)も、室内外に多岐にわたり、安全に移動できるか等も環境に影響される。環境と活動の関連を考えながら支援の実際を学ぶ。


地域・在宅看護の実践 第2章 暮らしを支える看護技術、E 地域における暮らしを支える看護実践、①療養環境調整に関する地域・在宅看護技術(p.86~93)、②活動・休息に関する地域・在宅看護技術(p.93~104)
コマ主題細目 ① 地域・在宅看護における療養環境調整 ② 療養環境のアセスメントの視点 ③ 療養環境調整の実際
細目レベル ① 地域・在宅看護における療養環境調整は,病院などで行われるような「清潔で快適かつ安全な環境のなかで転倒などの事故防止を最優先の目標として行うもの」とは異なり,疾病や障害などをかかえながらその人が暮らす多様な生活の場を,その人の価値観や個別のルールを大切にしたうえで整えるものである。 
「散らかっている」「転倒のリスクがある」などの理由で一方的に除去したり整理したりするのではなく,まずその人や家族の暮らし方や思いを受けとめて,それを理解することから始める必要がある。また,療養環境調整によって対象者の自立を妨げないように支援することが重要である。転倒しないように動きを制限したり,行動範囲を狭くしたりすると,かえって対象者のフレイルを進行させたり,QOL の低下をまねいたりする。高齢者は,急な環境変化にとまどい,順応できない場合があるため,安全面には十分に配慮しながら,対象者の暮らし方と折り合いをつけ,療養環境を整えることが大切である。

② 住環境のアセスメントは,対象者の家の玄関に入る前から始まっている。
玄関のチャイムを押すまでに,対象者の移動手段(自力歩行,杖つえ歩行,要介助,車椅子など)を考えながら,家の周囲や玄関から外に出るまでの環境を観察する。家の周囲は,対象者の移動を具体的にイメージしながら観察する。たとえば「風の強い日はビル風になりそう」「横断歩道が長い」「信号の切りかわりが早い」など,生活の視点で観察していく。そして,対象者の機能障害,運動能力,判断能力などがアセスメントできたら,「マンションから道路を挟んで向こう側にあるスーパーに行くときは,風が強い日を避け,横断歩道を渡る際に中央分離帯で一度休憩する必要がある」などと,具体的にアセスメントしていく。家の玄関からの外への出入りについては,対象者の住居のタイプを考えながら実際の移動をイメージして,共同住宅のエントランス部分,廊下,玄関などについて,段差の有無,段差の高さ,階段の有無や段差の高さ,スロープの有無,エレベーターの有無,廊下の広さなどについて観察する。
室内環境について、光、温度、湿度など、対象者が快適に過ごせる環境かどうかアセスメントする。また、床の素材や手すりの有無など、転倒予防の視点をもつことも重要である。
これらの室内外の環境を、生活機能(ADL、IADL)と関連させてアセスメントする。たとえば、「入浴の一連の行動は安全に行えているか」などである。このように、療養者の療養環境のアセスメントは、「療養者が安全に生活できているか」という視点が必要である。

③ 対象者の意向にそった快適な生活環境を整えるために,対象者の自立を妨げない範囲で,掃除や洗濯,ゴミ捨て,買い物などを支援する。状況によっては,訪問介護の生活援助サービスの導入を考える。換気をして空気を清浄にする,室温を観察して調整するなどの支援も必要である。
機能障害やフレイルの進行,認知症の発症などにより,対象者の活動性が制限された場合,いままでの生活の工夫を大切にしながら障害した機能を補う方法として,福祉用具の活用が有効である。身体機能や認知機能,活動能力を観察し,生活動線を考慮しながら福祉用具を導入する。たとえば,玄関の段差が大きく外出に困難が伴うケースでは,上がり框の下に式台を置いたほうがよいか,靴を着脱するための椅子を置いたほうがよいか,手すりを設置したほうがよいか,それとも住宅改修をするかなど,対象者に最も適した方法を十分に検討して導入する必要がある。
また,下肢筋力の低下などの身体機能の問題が判明したら,リハビリテーションのメニューを立案するなどの支援を行う。

キーワード ① 療養環境 ② 生活機能(ADL,IADL) ③ 福祉用具 ④ 転倒予防 ⑤ リハビリテーション
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】地域・在宅看護の実践 第2章 暮らしを支える看護技術、E 地域における暮らしを支える看護実践、①療養環境調整に関する地域・在宅看護技術(p.86~93)、②活動・休息に関する地域・在宅看護技術(p.93~104)を熟読してから授業に参加する。
【復習】授業で配布したコマ用オリジナル配布資料と書き込みした内容を基に、授業の振り返りを行う。また、授業内で示した到達目標について、自身の言葉で説明できるように、文章でまとめる。
予習・復習に必要な時間:1時間

4 療養環境調整に関する地域・在宅看護技術、活動・休息に関する地域・在宅看護技術② 科目の中での位置付け 本科目では、在宅療養者を対象とした看護技術について、具体的な事例や場面を基にアセスメントおよび援助計画(手順書)の作成を通して学修する。取り上げる主なテーマは、「初回訪問」、「療養環境調整、活動・休息(移動など)、リハビリテーションおよび福祉用具」、「保清」、「嚥下・食事(経管栄養を含む)・栄養評価」、「排泄(ストーマ・膀胱留置カテーテルを含む)」、「呼吸・循環(在宅酸素療法を含む)」、「精神障害(認知症および統合失調症)」である。講義および演習を通して、事例や具体的な場面に基づき、在宅療養者の状況に応じた援助計画(手順書)を作成する。これにより、在宅という生活の場に適した看護技術を構造的に理解し、次学年で学修する看護過程の展開において活用できる基礎的能力を養うことを目的とする。
このような本科目全体の中で、第3・4回は在宅看護における療養環境調整と活動に関する療養者・家族のアセスメントと援助計画について理解する。在宅看護における環境調整では、室内外の生活範囲を把握し、快適・安全に生活できる療養環境整備が必要となる。活動(移動)も、室内外に多岐にわたり、安全に移動できるか等も環境に影響される。環境と活動の関連を考えながら支援の実際を学ぶ。

地域・在宅看護の実践 第2章 暮らしを支える看護技術、E 地域における暮らしを支える看護実践、①療養環境調整に関する地域・在宅看護技術(p.86~93)、②活動・休息に関する地域・在宅看護技術(p.93~104)
コマ主題細目 ① 地域・在宅看護における活動・休息 ② 活動のアセスメントの視点 ③ 援助計画(手順書)の作成
細目レベル ① 活動や休息は,人がいきいきと暮らすために欠かせない行為である。活動には,食事や排泄などの日常生活活動,仕事や学習,コミュニティへの参加などの社会活動,余暇活動が含まれる。休息は,活動によって生じる心身の疲労を回復させる役割を果たす。活動や休息に関する看護技術は,看護を提供する場がどこであっても基本的には変わらない。しかし,病院では治療の優先や入院生活の管理のために活動が制限されることがあるのに対し,地域・在宅では対象者のニーズを中心に考え,多様な活動を支援する方向となる。対象者の身体状態や環境によって活動が困難に見える場合でも,本人や家族,支援者と話し合いを重ね,できる限り本人の意向に沿った支援を行うことが求められる。
② 活動や休息は,人がいきいきと暮らすために欠かせない行為である。地域・在宅における活動支援では,姿勢・体位・移動などの基本的な身体活動を中心に,対象者の身体能力だけでなく,「どのような工夫で補っているか」という視点をもってアセスメントすることが重要である。また,身体活動は生活環境の影響を大きく受けるため,住環境や動線が活動を妨げていないかを含めて評価する。支援にあたっては,本人の活動ニーズ,家族の意向,経済的条件などを踏まえ,残存能力を生かした方法を検討する。さらに,福祉用具の活用や外出支援を通して,身体活動の維持・向上だけでなく,社会活動への参加を支える視点も重要である。
③ 在宅看護における活動・休息および環境調整に関するアセスメントの視点が、どのような支援につながるのかを講義で説明し、在宅における活動支援の特徴について理解を深める。姿勢・体位・移動などの基本的な身体活動の評価に加え、対象者の工夫や生活環境との関連、家族の意向、社会資源の活用など、多面的な視点を確認する。その後、事例に対する環境調整および活動・休息に関する実施計画を立案する。事例の情報をアセスメントした結果から、療養者・家族に対して、訪問看護時に「何を観察・聴取する必要があるか」「どのような環境調整や活動支援を行うか」「福祉用具や社会資源をどのように活用するか」「療養者や家族にどのような提案・説明を行うか」等、在宅での実践を意識した具体的な実施計画(手順書)を検討する。
キーワード ① 療養環境 ② 生活機能(ADL,IADL) ③ 福祉用具 ④ 転倒予防 ⑤ リハビリテーション
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】地域・在宅看護の実践 第2章 暮らしを支える看護技術、E 地域における暮らしを支える看護実践、①療養環境調整に関する地域・在宅看護技術(p.86~93)、②活動・休息に関する地域・在宅看護技術(p.93~104)を熟読してから授業に参加する。
【復習】授業で配布したコマ用オリジナル配布資料と書き込みした内容を基に、授業の振り返りを行う。また、授業内で示した到達目標について、自身の言葉で説明できるように、文章でまとめる。授業終了後に、作成した実施計画の手順書について、学生の発表内容や教員からのフィードバックを踏まえて、十分に記載できていなかった箇所を追記・修正する。
予習・復習に必要な時間:1時間

5 清潔・衣生活に関する地域・在宅看護技術① 科目の中での位置付け 本科目では、在宅看護における諸概念、対象者の特徴を理解するとともに、在宅看護技術の提供のための事例のアセスメント、援助内容の計画、技術提供、評価、修正の一連の流れを体験・実施し、在宅看護の特徴をふまえた実践的な理解を深める。具体的には、在宅看護における初回訪問、食事・嚥下、保清、移動・移乗、経管栄養法(胃ろう)、ストマ管理、精神訪問看護、フィジカルアセスメント、在宅酸素療法について、各事例をもとに援助内容の計画、実施、援助内容の評価・修正を行い、在宅看護を提供する際の援助の実際とアセスメントの視点の醸成を図る。
このような本科目全体の中で、第5回は事例をもとに清潔・衣生活に関する地域・在宅看護技術について理解する。病院ではなく自宅でできるケアに着目し、療養者の自立を促す清潔援助の重要性を学ぶとともに、利用者の身体的特徴、及び療養者・家族の日常生活行動をふまえた清潔援助の視点と実際を学ぶ。


①地域・在宅看護の実践 第2章 暮らしを支える看護技術、E 地域における暮らしを支える看護実践、⑤清潔・衣生活に関する地域・在宅看護技術(p.160~171)

②清潔援助に関する基礎看護技術で使用したテキストや参考書
コマ主題細目 ① 在宅看護における清潔援助の意義 ② 在宅看護における保清に関するアセスメントの視点 ③ 在宅看護の特徴をふまえた保清に関する援助計画(手順書)の作成
細目レベル ① 清潔行為には、洗顔、歯磨き、手洗い、入浴、更衣などがある。療養者は体調の状態や気分により清潔行為を拒むこともある。清潔行為は生活リズムを保つ上でも重要であり、新陳代謝・血液循環の促進とともに全身状態の観察する機会でもあり、褥瘡など、皮膚トラブルの早期発見や感染予防の点からも有効であり、清潔援助の意義である。療養者の自宅で行う訪問看護の場合、療養者宅に行くのは週に数回であること、基本的には療養者・家族による保清が行われること、環境・物品が様々であること、このような特徴がある。そのため、24時間医療職者がそばにいる環境ではない在宅において、医療的な視点でアセスメントを行う看護師による清潔援助の意義の重要性を理解する。また、訪問看護師が清潔援助を実施することにより、家族のレスパイトや家族が行う清潔行為の助言の機会となることを理解する。
② 清潔援助を考えるための情報(アセスメントの視点)として、療養者の健康状態(皮膚の状態、病態・症状、加齢による変化等)、身体機能(関節可動域、筋力、体力等)、療養者の生活習慣、介護者の状況、環境・物品、社会資源の活用、これらが必要となる。ここで学修したい項目は、療養者の生活習慣、介護者の状況、環境・物品、社会資源の活用状況である。療養者の入浴頻度や時間、方法(「湯舟に肩まで入りたい」「お湯の温度は●℃がよい」等)等が大きく関係するため、療養者の生活習慣や意向を汲み取る必要がある。介護者の有無や介護の程度など、介護者の状況を把握する必要がある。これにより、介護者が療養者に実施できる保清方法を検討することができる。使用する物品は、自宅にある物や安価に購入できる物で代用・作成することが多い。また、入浴等において、病院や高齢者施設のような十分な広さや安全を考慮した手すり等が整備されているとは限らず、必要時は介護保険サービスによる福祉用具貸与・購入などの社会資源を活用する。このような環境や物品に関する情報も必要となる。このような、在宅看護における保清に関するアセスメントの視点を学ぶ。
③ 在宅看護における保清に関するアセスメントの視点がどのような清潔援助につながるのか、清潔援助の実際の様子を講義で説明し、在宅看護における保清に関するアセスメントの視点の理解を深める。また、自宅での清潔行為に活用できる社会資源について紹介する。その後、事例に対する保清に関する実施計画を立案する。事例の情報をアセスメントした結果から、療養者・家族に対して、訪問看護時に「何を観察・聴取する必要があるか」「どんな方法で清潔援助を実施するか」「療養者や家族にどんな提案・説明をするか」等、在宅で行うことを意識した具体的な実施計画(手順書)を検討する。
キーワード ① 価値観、習慣・文化 ② 生活リズム ③ 使用物品の工夫 ④ 安全安楽な方法
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】地域・在宅看護の実践 第2章 暮らしを支える看護技術、E 地域における暮らしを支える看護実践、⑤清潔・衣生活に関する地域・在宅看護技術(p.160-171)を熟読してから授業に参加する。清潔援助の手順書を作成するにあたり、基礎看護で学修した清潔・清潔援助(清拭、洗髪、更衣、入浴、陰部洗浄・オムツ交換、足浴等)の内容を復習しておくこと。
【復習】授業で配布したコマ用オリジナル配布資料と書き込みした内容を基に、授業の振り返りを行う。また、授業内で示した到達目標について、自身の言葉で説明できるように、文章でまとめる。また、次回の授業に向けて、清潔援助の援助計画(手順書)を作成できるように準備する。
予習・復習に必要な時間:1時間

6 清潔・衣生活に関する地域・在宅看護技術② 科目の中での位置付け 本科目では、在宅看護における諸概念、対象者の特徴を理解するとともに、在宅看護技術の提供のための事例のアセスメント、援助内容の計画、技術提供、評価、修正の一連の流れを体験・実施し、在宅看護の特徴をふまえた実践的な理解を深める。具体的には、在宅看護における初回訪問、食事・嚥下、保清、移動・移乗、経管栄養法(胃ろう)、ストマ管理、精神訪問看護、フィジカルアセスメント、在宅酸素療法について、各事例をもとに援助内容の計画、実施、援助内容の評価・修正を行い、在宅看護を提供する際の援助の実際とアセスメントの視点の醸成を図る。
この様な科目全体の中で、第5回は、第4回(清潔・衣生活に関する地域・在宅看護技術①)の内容を基に、事例に対する援助計画(手順書)を作成する。手順書作成の演習と発表を通して、在宅で行う清潔援助に関する自己の理解度や改善点を確認する。

①第5回の配布資料

②地域・在宅看護の実践 第2章 暮らしを支える看護技術、E 地域における暮らしを支える看護実践、⑤清潔・衣生活に関する地域・在宅看護技術(p.160~171)

③清潔援助に関する基礎看護技術で使用したテキストや参考書
コマ主題細目 ① 在宅看護における清潔援助の意義 ② 在宅看護における保清に関するアセスメントの視点 ③ 在宅看護の特徴をふまえた保清に関する援助計画(手順書)の作成
細目レベル ① 清潔行為には、洗顔、歯磨き、手洗い、入浴、更衣などがある。療養者は体調の状態や気分により清潔行為を拒むこともある。清潔行為は生活リズムを保つ上でも重要であり、新陳代謝・血液循環の促進とともに全身状態の観察する機会でもあり、褥瘡など、皮膚トラブルの早期発見や感染予防の点からも有効であり、清潔援助の意義である。療養者の自宅で行う訪問看護の場合、療養者宅に行くのは週に数回であること、基本的には療養者・家族による保清が行われること、環境・物品が様々であること、このような特徴がある。そのため、24時間医療職者がそばにいる環境ではない在宅において、医療的な視点でアセスメントを行う看護師による清潔援助の意義の重要性を理解する。また、訪問看護師が清潔援助を実施することにより、家族のレスパイトや家族が行う清潔行為の助言の機会となることを理解する。
② 清潔援助を考えるための情報(アセスメントの視点)として、療養者の健康状態(皮膚の状態、病態・症状、加齢による変化等)、身体機能(関節可動域、筋力、体力等)、療養者の生活習慣、介護者の状況、環境・物品、社会資源の活用、これらが必要となる。ここで学修したい項目は、療養者の生活習慣、介護者の状況、環境・物品、社会資源の活用状況である。療養者の入浴頻度や時間、方法(「湯舟に肩まで入りたい」「お湯の温度は●℃がよい」等)等が大きく関係するため、療養者の生活習慣や意向を汲み取る必要がある。介護者の有無や介護の程度など、介護者の状況を把握する必要がある。これにより、介護者が療養者に実施できる保清方法を検討することができる。使用する物品は、自宅にある物や安価に購入できる物で代用・作成することが多い。また、入浴等において、病院や高齢者施設のような十分な広さや安全を考慮した手すり等が整備されているとは限らず、必要時は介護保険サービスによる福祉用具貸与・購入などの社会資源を活用する。このような環境や物品に関する情報も必要となる。このような、在宅看護における保清に関するアセスメントの視点を学ぶ。
③ 在宅看護における保清に関するアセスメントの視点がどのような清潔援助につながるのか、清潔援助の実際の様子を講義で説明し、在宅看護における保清に関するアセスメントの視点の理解を深める。また、自宅での清潔行為に活用できる社会資源について紹介する。その後、事例に対する保清に関する実施計画を立案する。事例の情報をアセスメントした結果から、療養者・家族に対して、訪問看護時に「何を観察・聴取する必要があるか」「どんな方法で清潔援助を実施するか」「療養者や家族にどんな提案・説明をするか」等、在宅で行うことを意識した具体的な実施計画(手順書)を検討する。作成した手順書を発表し、学生間で共有し、自己の実施計画(手順書)の改善につなげる。
キーワード ① 価値観、習慣・文化 ② 生活リズム ③ 使用物品の工夫 ④ 安全安楽な方法
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】地域・在宅看護の実践 第2章 暮らしを支える看護技術、E 地域における暮らしを支える看護実践、⑤清潔・衣生活に関する地域・在宅看護技術(p.160-171)を熟読してから授業に参加する。清潔援助の手順書を作成するにあたり、基礎看護で学修した清潔・清潔援助(清拭、洗髪、更衣、入浴、陰部洗浄・オムツ交換、足浴等)の内容を復習しておくこと。
【復習】授業で配布したコマ用オリジナル配布資料と書き込みした内容を基に、授業の振り返りを行う。また、授業内で示した到達目標について、自身の言葉で説明できるように、文章でまとめる。授業終了後に、作成した実施計画の手順書について、学生の発表内容や教員からのフィードバックを踏まえて、十分に記載できていなかった箇所を追記・修正する。

7 食生活・嚥下に関する地域・在宅看護技術① 科目の中での位置付け 本科目では、在宅療養者を対象とした看護技術について、具体的な事例や場面を基にアセスメントおよび援助計画(手順書)の作成を通して学修する。取り上げる主なテーマは、「初回訪問」、「療養環境調整、活動・休息(移動など)、リハビリテーションおよび福祉用具」、「保清」、「嚥下・食事(経管栄養を含む)・栄養評価」、「排泄(ストーマ・膀胱留置カテーテルを含む)」、「呼吸・循環(在宅酸素療法を含む)」、「精神障害(認知症および統合失調症)」である。講義および演習を通して、事例や具体的な場面に基づき、在宅療養者の状況に応じた援助計画(手順書)を作成する。これにより、在宅という生活の場に適した看護技術を構造的に理解し、次学年で学修する看護過程の展開において活用できる基礎的能力を養うことを目的とする。
このような本科目全体の中で、第7・8回は在宅看護における食生活・嚥下に関する療養者・家族のアセスメントと援助計画(手順書)について理解する。食事は、楽しみや生きる意欲につながる。その食事を安全に行うために、どのような観察・アセスメントが必要か援助計画を作成し理解を深める。また、栄養状態評価や経口摂取以外の食事(経管栄養、在宅中心静脈栄養法)について学修する。

地域・在宅看護の実践 第2章 暮らしを支える看護技術、E 地域における暮らしを支える看護実践、③食生活・嚥下に関する地域・在宅看護技術(p.105~136)
コマ主題細目 ① 在宅での食生活の特徴 ② 食生活・嚥下に関するアセスメント ③ 経口摂取の援助
細目レベル ① 在宅における食生活は、生命維持のための栄養摂取にとどまらず、楽しみや生きる意欲、家族や他者との交流など心理・社会的側面を含む重要な生活行為である。在宅では、栄養管理から献立、買い物、調理、介助、後片づけまでを本人や家族が担うため、食生活全般を支える看護が求められる。看護師は、栄養面だけでなく、好みや食習慣、家族構成、介護者の力量を踏まえて支援を行う。また、誤嚥性肺炎の予防や嚥下機能の評価を通して安全な経口摂取を支え、経管栄養や中心静脈栄養を選択している場合でも、「口から食べる」機会の可能性を検討する。食を通じて生活活動や社会参加を広げ、療養者と家族のQOL向上につなげる視点を学ぶ。
② 在宅における食生活・嚥下のアセスメントでは、まず全身状態や栄養状態を把握し、体型、皮膚や口腔内の状態、食事・水分摂取量、排泄や睡眠状況などを総合的に評価する。サルコペニアや栄養過不足にも留意し、低栄養と身体機能低下の悪循環を予防する視点をもつ。あわせて、食事場面を観察し、覚醒状態、姿勢保持、咀嚼・嚥下機能、むせの有無などから誤嚥リスクを評価する。さらに、住環境や食事環境、社会資源の活用、家族の介護力や知識・意向を含めて多面的に把握し、安全な経口摂取の継続や再開の可能性を検討する。
③ 経口摂取の援助では、対象者の「食べたい」という意欲を尊重し、咀嚼・嚥下のどの段階に困難があるかを見きわめ、自立度に応じた支援を行う。食事時には覚醒状態や姿勢の安定、頸部前屈位の保持、ひと口量の調整、嚥下に集中できる環境づくりなどに留意する。食事中および食後のむせ、湿性嗄声の出現、咽頭残留感などを観察し、誤嚥の有無や危険性を評価する。食形態はなめらかで凝集性の高い食品やとろみ調整食品を活用し、安全に飲み込めるよう工夫する。さらに、食前・食後の口腔ケアを実施し、口腔内の清潔保持と誤嚥性肺炎の予防を図る。介護者に対しては、安全な介助方法や観察ポイントを共有し、他職種と連携しながら、負担軽減と安全な経口摂取の継続・再開を支援する。
キーワード ① 食事の意義 ② 摂食・嚥下機能のアセスメント ③ 誤嚥予防 ④ 栄養状態の評価
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】地域・在宅看護の実践 第2章 暮らしを支える看護技術、E 地域における暮らしを支える看護実践、③食生活・嚥下に関する地域・在宅看護技術(p.105~136)を熟読してから授業に参加する。解剖生理学等のテキストで、摂食嚥下のメカニズムについて復習してから授業に参加する。
【復習】授業で配布したコマ用オリジナル配布資料と書き込みした内容を基に、授業の振り返りを行う。また、授業内で示した到達目標について、自身の言葉で説明できるように、文章でまとめる。
予習・復習に必要な時間:1時間

8 食生活・嚥下に関する地域・在宅看護技術② 科目の中での位置付け 本科目では、在宅療養者を対象とした看護技術について、具体的な事例や場面を基にアセスメントおよび援助計画(手順書)の作成を通して学修する。取り上げる主なテーマは、「初回訪問」、「療養環境調整、活動・休息(移動など)、リハビリテーションおよび福祉用具」、「保清」、「嚥下・食事(経管栄養を含む)・栄養評価」、「排泄(ストーマ・膀胱留置カテーテルを含む)」、「呼吸・循環(在宅酸素療法を含む)」、「精神障害(認知症および統合失調症)」である。講義および演習を通して、事例や具体的な場面に基づき、在宅療養者の状況に応じた援助計画(手順書)を作成する。これにより、在宅という生活の場に適した看護技術を構造的に理解し、次学年で学修する看護過程の展開において活用できる基礎的能力を養うことを目的とする。
このような本科目全体の中で、第7・8回は在宅看護における食生活・嚥下に関する療養者・家族のアセスメントと援助計画(手順書)について理解する。食事は、楽しみや生きる意欲につながる。その食事を安全に行うために、どのような観察・アセスメントが必要か援助計画を作成し理解を深める。また、栄養状態評価や経口摂取以外の食事(経管栄養、在宅中心静脈栄養法)について学修する。

地域・在宅看護の実践 第2章 暮らしを支える看護技術、E 地域における暮らしを支える看護実践、③食生活・嚥下に関する地域・在宅看護技術(p.105~136)
コマ主題細目 ① 経管栄養法を受ける療養者の援助 ② 在宅中心静脈栄養法(HPN)を受ける療養者の援助 ③ 援助計画(手順書)の作成
細目レベル ① 経管栄養法は、嚥下障害などで経口摂取が困難な療養者に対し、胃や小腸へチューブを留置して栄養剤を投与する栄養管理法である。経鼻経管栄養(持続・間欠)と、胃瘻・腸瘻(PEG 等)を用いる瘻孔法があり、短期は経鼻、長期は胃瘻・腸瘻が適応となる。地域・在宅では、誤挿入や閉塞、自己抜去、感染、皮膚トラブル、逆流・嘔吐、下痢・便秘などの合併症予防と早期対応が重要であり、注入時の体位保持や注入速度・濃度の調整、白湯によるフラッシュ、口腔ケアの継続などを学ぶ。さらに、事故抜去や瘻孔部皮膚障害への対応、多職種連携と、家庭の生活リズムを踏まえた無理のない方法の工夫を理解する。
② 在宅中心静脈栄養法(HPN)は、経口・経管による栄養摂取が困難な療養者に対し、中心静脈から高カロリー輸液を投与する栄養管理法であり、在宅療養の継続やQOL向上を支える重要な手段である。本内容では、HPNの適応条件や体外式カテーテル・皮下埋め込み式ポートの特徴、輸液ポンプや関連機材の管理方法を学ぶ。あわせて、感染、閉塞、事故抜去、電解質異常などの合併症の予防と早期発見、バイタルサインや水分出納の観察、清潔操作の徹底など、安全管理の視点を理解する。
③ 在宅看護における食生活・嚥下に関するアセスメントの視点がどのような食事援助につながるのか、食生活支援や嚥下援助、栄養評価、経管栄養・在宅中心静脈栄養法(HPN)の実際について講義で説明し、在宅看護における食支援の特徴について理解を深める。また、誤嚥予防や栄養管理、社会資源の活用、多職種連携の視点についても確認する。その後、事例に対する食生活・嚥下に関する実施計画(手順書)を作成する。事例の情報をアセスメントした結果から、療養者・家族に対して、訪問看護時に「何を観察・聴取する必要があるか」「どのような方法で経口摂取や経管栄養の援助を行うか」「誤嚥予防や合併症予防のためにどのような工夫を行うか」「療養者や家族にどのような提案・説明を行うか」等、在宅での実践を意識した具体的な実施計画(手順書)を検討する。
キーワード ① 経鼻経管栄養 ② 胃瘻(PEG) ③ 中心静脈栄養
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】地域・在宅看護の実践 第2章 暮らしを支える看護技術、E 地域における暮らしを支える看護実践、③食生活・嚥下に関する地域・在宅看護技術(p.105~136)を熟読してから授業に参加する。解剖生理学等のテキストで、摂食嚥下のメカニズムについて復習してから授業に参加する。
【復習】授業で配布したコマ用オリジナル配布資料と書き込みした内容を基に、授業の振り返りを行う。また、授業内で示した到達目標について、自身の言葉で説明できるように、文章でまとめる。授業終了後に、作成した実施計画の手順書について、学生の発表内容や教員からのフィードバックを踏まえて、十分に記載できていなかった箇所を追記・修正する。
予習・復習に必要な時間:1時間

9 排泄に関する地域・在宅看護技術① 科目の中での位置付け 本科目では、在宅療養者を対象とした看護技術について、具体的な事例や場面を基にアセスメントおよび援助計画(手順書)の作成を通して学修する。取り上げる主なテーマは、「初回訪問」、「療養環境調整、活動・休息(移動など)、リハビリテーションおよび福祉用具」、「保清」、「嚥下・食事(経管栄養を含む)・栄養評価」、「排泄(ストーマ・膀胱留置カテーテルを含む)」、「呼吸・循環(在宅酸素療法を含む)」、「精神障害(認知症および統合失調症)」である。講義および演習を通して、事例や具体的な場面に基づき、在宅療養者の状況に応じた援助計画(手順書)を作成する。これにより、在宅という生活の場に適した看護技術を構造的に理解し、次学年で学修する看護過程の展開において活用できる基礎的能力を養うことを目的とする。
このような本科目全体の中で、第9・10回は在宅看護における排泄に関する療養者・家族のアセスメントと援助計画(手順書)について理解する。排泄は、毎日繰り返し生じる生理現象である。尿失禁や泌尿困難や頻尿、便失禁や便秘などの排泄障害は、QOLを著しく低下させる。また、訪問看護では、排泄に関する支援が多く、膀胱留置カテーテル管理や浣腸・摘便などの処置を伴うケアは頻度が高い。自然排泄を促しつつも、必要な医療的介入や福祉用具活用を検討できるよう、どのような観察・アセスメントが必要か援助計画を作成し理解を深める。

地域・在宅看護の実践 第2章 暮らしを支える看護技術、E 地域における暮らしを支える看護実践、④排泄に関する地域・在宅看護技術(p.136~160)
コマ主題細目 ① 排泄援助の方向性 ② 排泄のアセスメント ③ 排泄の援助
細目レベル ① 排泄は、毎日繰り返される生理現象であり、人が生きていくうえで欠かせない行為である。尿失禁、排尿困難、頻尿、便失禁、便秘、下痢などの排泄障害は、QOLを著しく低下させ、とくに失禁は外出の制限など社会活動の縮小につながる。排泄は人間の尊厳に関わるデリケートな問題であり、他者に援助を委ねることによる喪失感や羞恥心に配慮した看護が求められる。排泄障害は予防や改善が可能な場合も多く、適切な観察と家族への働きかけが重要である。セルフケアを目指しつつ、介護が必要な場合には双方が快適に生活できるよう支援することが地域・在宅看護の基本である。
② 排泄のアセスメントでは、感染予防や腎機能障害の予防を念頭に置きつつ、本人が「気持ちよく排泄できているか」という視点から総合的に評価する。排尿・排便機能だけでなく、食事・水分摂取、移動、更衣、保清など一連の生活動作を含めて観察し、残存能力を生かした支援を計画する。排尿では正常機能を踏まえ、回数や量、失禁状況、残尿の有無を把握し、必要に応じて専門医と連携する。排便では便性状や周期、姿勢や腹筋力などを確認する。さらに、住環境や福祉用具、介護力、本人と家族の関係性を含めて評価し、自立と負担軽減の両立を目指す。
③ 在宅看護における排泄援助では、セルフケアの実現を目標に、排泄のメカニズムや病態を理解し、生活の中で無理なく継続できる方法を共に検討する。排尿・排便は相互に関連するため両方を評価し、食事や水分摂取、移動、更衣など日常生活動作との関係を踏まえて支援する。おむつや留置カテーテルの使用は目的を明確にし、可能であれば離脱を検討する。トイレ環境の整備や福祉用具、ポータブルトイレの活用により自立を促す。排便ケアでは、排便周期や便性状を把握したうえで、下剤の適切な使用、浣腸や摘便を計画的に実施し、過度な依存や漫然とした介入とならないよう排便コントロールを行う。
キーワード ① 残存能力の活用 ② 環境調整・福祉用具の活用 ③ 排便コントロール ④ 尿路感染予防
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】地域・在宅看護の実践 第2章 暮らしを支える看護技術、E 地域における暮らしを支える看護実践、④排泄に関する地域・在宅看護技術(p.136~160)を熟読してから授業に参加する。解剖生理学等のテキストで、排尿・排便のメカニズムについて復習してから授業に参加する。
【復習】授業で配布したコマ用オリジナル配布資料と書き込みした内容を基に、授業の振り返りを行う。また、授業内で示した到達目標について、自身の言葉で説明できるように、文章でまとめる。
予習・復習に必要な時間:1時間

10 排泄に関する地域・在宅看護技術② 科目の中での位置付け 本科目では、在宅療養者を対象とした看護技術について、具体的な事例や場面を基にアセスメントおよび援助計画(手順書)の作成を通して学修する。取り上げる主なテーマは、「初回訪問」、「療養環境調整、活動・休息(移動など)、リハビリテーションおよび福祉用具」、「保清」、「嚥下・食事(経管栄養を含む)・栄養評価」、「排泄(ストーマ・膀胱留置カテーテルを含む)」、「呼吸・循環(在宅酸素療法を含む)」、「精神障害(認知症および統合失調症)」である。講義および演習を通して、事例や具体的な場面に基づき、在宅療養者の状況に応じた援助計画(手順書)を作成する。これにより、在宅という生活の場に適した看護技術を構造的に理解し、次学年で学修する看護過程の展開において活用できる基礎的能力を養うことを目的とする。
このような本科目全体の中で、第9・10回は在宅看護における排泄に関する療養者・家族のアセスメントと援助計画(手順書)について理解する。排泄は、毎日繰り返し生じる生理現象である。尿失禁や泌尿困難や頻尿、便失禁や便秘などの排泄障害は、QOLを著しく低下させる。また、訪問看護では、排泄に関する支援が多く、膀胱留置カテーテル管理や浣腸・摘便などの処置を伴うケアは頻度が高い。自然排泄を促しつつも、必要な医療的介入や福祉用具活用を検討できるよう、どのような観察・アセスメントが必要か援助計画を作成し理解を深める。

地域・在宅看護の実践 第2章 暮らしを支える看護技術、E 地域における暮らしを支える看護実践、④排泄に関する地域・在宅看護技術(p.136~160)
コマ主題細目 ① 膀胱留置カテーテルの管理とケア ② ストーマの管理とケア ③ 援助計画(手順書)の作成
細目レベル ① 地域・在宅看護では、尿道留置カテーテルを使用している療養者に多く関わる。導入理由は尿閉や排出障害だけでなく、夜間頻尿や褥瘡予防、介護負担軽減など多様であるが、生活制限や外観の変化によりQOLや意欲の低下を招く可能性があるため、挿入の要因を明らかにし、可能であれば離脱を検討する。管理では、医師の指示に基づく定期交換(一般的に2週ごと)を行い、感染や尿道損傷を防ぐため清潔保持と固定方法に留意する。カテーテルの屈曲や牽引を防ぎ、蓄尿バッグは膀胱より低い位置に保つなどの観察ポイントを本人・家族や関係職種と共有することが重要である。
② ストーマ管理では、基礎的手技に加え、在宅生活を前提とした包括的支援が重要となる。尿路ストーマや消化管ストーマの種類と特徴を理解し、排泄物の性状や皮膚トラブル、電解質異常などを観察する。入院期間の短縮によりセルフケアが不十分なまま退院する場合もあるため、装具交換や清潔保持、異常の早期発見を丁寧に支援する。脱出、狭窄、傍ストーマヘルニア、皮膚障害などの合併症への対応を理解するとともに、在宅生活では食事内容や水分摂取の工夫、入浴時の配慮、衣服や就寝時の管理、外出・旅行時の装具準備、運動や性生活への対応など、日常生活上の具体的注意点を共有することが重要である。臭いやガスへの不安に対しては食品の工夫も提案し、心理的負担やボディイメージの変化に配慮しながら、社会参加や福祉制度の活用を支援する。
③ 在宅看護における排泄に関するアセスメントの視点がどのような排泄援助につながるのか、排尿・排便の支援、尿道留置カテーテル管理、ストーマ管理の実際について講義で説明し、在宅における排泄支援の特徴について理解を深める。セルフケアの実現を目標に、残存能力の活用、排便コントロール、環境調整、合併症予防などの視点を整理する。その後、事例に対する排泄に関する実施計画を立案する。事例の情報をアセスメントした結果から、療養者・家族に対して、訪問看護時に「何を観察・聴取する必要があるか」「どのような排泄援助を実施するか」「排便コントロールや感染予防のためにどのような方法を用いるか」「療養者や家族にどのような提案・説明を行うか」等、在宅での実践を意識した具体的な実施計画(手順書)を検討する。
キーワード ① 尿路感染 ② 自己抜去予防 ③ ストーマ管理 ④ 合併症予防
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】地域・在宅看護の実践 第2章 暮らしを支える看護技術、E 地域における暮らしを支える看護実践、④排泄に関する地域・在宅看護技術(p.136~160)を熟読してから授業に参加する。解剖生理学等のテキストで、排尿・排便のメカニズムについて復習してから授業に参加する。
【復習】授業で配布したコマ用オリジナル配布資料と書き込みした内容を基に、授業の振り返りを行う。また、授業内で示した到達目標について、自身の言葉で説明できるように、文章でまとめる。授業終了後に、作成した実施計画の手順書について、学生の発表内容や教員からのフィードバックを踏まえて、十分に記載できていなかった箇所を追記・修正する。
予習・復習に必要な時間:1時間

11 在宅看護における在宅酸素療法を行う療養者と家族への訪問看護と支援 科目の中での位置付け 本科目では、在宅療養者を対象とした看護技術について、具体的な事例や場面を基にアセスメントおよび援助計画(手順書)の作成を通して学修する。取り上げる主なテーマは、「初回訪問」、「療養環境調整、活動・休息(移動など)、リハビリテーションおよび福祉用具」、「保清」、「嚥下・食事(経管栄養を含む)・栄養評価」、「排泄(ストーマ・膀胱留置カテーテルを含む)」、「呼吸・循環(在宅酸素療法を含む)」、「精神障害(認知症および統合失調症)」である。講義および演習を通して、事例や具体的な場面に基づき、在宅療養者の状況に応じた援助計画(手順書)を作成する。これにより、在宅という生活の場に適した看護技術を構造的に理解し、次学年で学修する看護過程の展開において活用できる基礎的能力を養うことを目的とする。
第11・12回の講義では、「呼吸・循環(在宅酸素療法を含む)」をテーマとし、在宅酸素療法(HOT)を行う療養者を対象としたアセスメントおよび援助支援計画(手順書)の作成に取り組む。本科目においては、これまで学修してきた初回訪問の視点、生活環境調整、活動・休息、栄養・排泄支援などの内容を統合し、呼吸機能障害を有する療養者の在宅生活を総合的に支える実践へと発展させる位置づけとなる。
在宅酸素療法は、医療機器を生活空間に導入する代表的な在宅医療の一つであり、病状管理のみならず、生活の質、安全管理、家族支援、多職種連携を含めた包括的支援が求められる。酸素流量の管理や機器の取り扱いといった技術的側面に加え、活動範囲の制限、火気管理、外出支援、緊急時対応など、生活全体への影響を踏まえたアセスメントが重要である。
第11回では、事例をもとに呼吸状態の評価、増悪リスクの予測、生活環境の安全確認、自己管理能力および家族の支援体制の把握を行い、観察項目と臨床判断の整理を中心に学修する。第12回では、それらのアセスメント結果を基に、優先順位を明確にした援助支援計画(手順書)を作成し、在宅という生活の場に適した具体的かつ実行可能な支援内容として構造化する。
本単元は、本科目の後半に位置づけられ、これまで各テーマで学んだ在宅看護技術および臨床判断の視点を統合し、より高度な医療依存度をもつ療養者への支援へと発展させる段階である。ここで培う思考過程と計画立案能力は、次学年で学修する看護過程の展開や臨地実習において活用される基礎的能力の深化につながるものである。

①河原加代子他,地域・在宅看護論2 地域・在宅看護の実践,第7章「呼吸・循環に関する地域・在宅看護技術」(p.174-205)医学書院
②授業資料

コマ主題細目 ① 在宅酸素療法(HOT)の基礎理解と科目内での位置づけ ② 在宅酸素療法療養者のニーズ ③ 在宅療養生活への影響と安全管理 ④ 臨床判断と優先順位の明確化 ⑤ 援助支援計画(手順書)の作成
細目レベル ① 在宅酸素療法(HOT)の基礎理解と科目内での位置づけ
在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy:HOT)は、慢性呼吸不全などにより持続的な酸素投与を必要とする療養者が、住み慣れた自宅で生活を継続するために行われる在宅医療の一つである。酸素療法の目的、適応、使用機器の種類や特徴、酸素流量管理の基本を理解することが前提となる。
本科目においては、これまで学修してきた初回訪問の視点や生活環境調整、活動・休息、栄養・排泄支援などの内容を統合し、医療機器を導入した療養者の生活支援へと発展させる段階に位置づけられる。HOTは単なる医療技術ではなく、「生活の中で安全に継続する医療」であるという視点から捉えることが重要である。

② 在宅酸素療法療養者のニーズ
在宅酸素療法療養者には、呼吸状態の安定化や増悪予防といった身体的ニーズに加え、活動制限や呼吸困難感による不安、社会的孤立への懸念など、多面的なニーズが存在する。酸素機器の装着により生活行動が制限されることもあり、心理的負担や自己効力感の低下が生じることも少なくない。
また、酸素流量の自己管理や機器の取り扱いに関する理解度、緊急時対応への不安なども重要な評価項目である。家族にとっても、火気管理や機器管理への責任、増悪時の対応などが負担となる場合があるため、療養者と家族双方のニーズを包括的に把握することが求められる。

③ 在宅療養生活への影響と安全管理
在宅酸素療法は、療養者の生活全体に影響を及ぼす。室内外での移動範囲、外出の可否、睡眠時の体位、家屋内の動線など、日常生活動作に直接関与する。したがって、呼吸リハビリテーションを行い、生活の質(QOL)を維持しながら安全に療養を継続できるよう支援することが重要である。
特に火気の使用や喫煙、調理環境などは重大な事故につながる可能性があるため、安全管理の徹底が必要である。また、停電時の対応や機器トラブルへの備えなど、緊急時対策も重要な観点となる。在宅酸素療法は医療的側面と生活的側面が密接に結びついているため、安全管理は生活支援の一環として位置づけられる。

④ 臨床判断と優先順位の明確化
在宅酸素療法療養者への訪問看護では、呼吸状態の変化を的確に捉える臨床判断が求められる。呼吸困難の程度、SpO₂値、痰の性状、活動耐容能などを総合的に評価し、増悪兆候の早期発見につなげることが重要である。
また、生活状況や自己管理能力を踏まえた上で、どの課題を優先的に支援すべきかを判断する必要がある。例えば、安全管理が不十分であれば事故予防を優先するなど、生命・安全・生活の維持という観点から優先順位を明確にする。必要に応じて医師や多職種との連携を図る判断も、訪問看護師の重要な役割である。

⑤ 援助支援計画(手順書)の作成
ニーズおよび臨床判断に基づき、在宅酸素療法療養者に対する援助支援計画を作成する。計画立案では、呼吸状態の安定化、安全管理の徹底、活動範囲の維持・拡大、自己管理能力の向上などを目標として設定する。
援助内容は、療養者の生活状況や家族の支援体制を踏まえ、在宅で実行可能な具体的手順として整理することが求められる。また、計画は固定的なものではなく、状態変化に応じて評価・修正を行う前提で作成する。
この過程を通して、医療的ケアと生活支援を統合した在宅看護実践の構造を理解し、より高度な医療依存度をもつ療養者への支援能力を養うことを目指す。

キーワード ① HOTとは ② QOLとリスク ③ フィジカルアセスメント ④ 呼吸リハビリテーション ⑤ 援助支援計画の作成
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において10問の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ■予習
ヨリソルに掲載した授業資料および『地域・在宅看護の実践』(医学書院)第7章「呼吸・循環に関する地域・在宅看護技術」(p.174-205)を熟読して臨むこと。
以下の点を整理しておくこと。
1.在宅酸素療法(HOT)の目的・適応・基本管理
2.呼吸状態の観察項目(呼吸数、呼吸様式、SpO₂、痰の性状、呼吸困難の程度など)
3.在宅における安全管理(火気管理、停電時対応、機器トラブル時対応)
4.増悪兆候および緊急受診の判断基準
5.療養者および家族のニーズ(自己管理能力・心理的負担)
あわせて、地域・在宅看護概論Ⅱで学修したHOTに関する留意点(事故予防、生活調整、家族指導など)を復習しておくこと。
また、フィジカルアセスメントの基礎技術(呼吸音聴取、バイタル測定、観察の視点)について、基本的看護技術の復習・自己訓練を行っておくこと。

■復習
以下のことを確認する。
① 在宅酸素療法の理解
HOTの目的と適応を、自分の言葉で説明できるか
酸素療法が「生活の中で継続される医療」であることの意味を理解できているか
医療管理と生活支援の両立という視点を整理できているか
② フィジカルアセスメントの妥当性の振り返り
呼吸状態の観察項目は適切であったか
増悪兆候をどのデータから判断したか
療養者・家族のニーズを身体・心理・生活の側面から把握できたか
安全管理上のリスクを具体的に指摘できたか
自分が行った観察・判断について、「その根拠は何か」を文章で整理すること。
③ 臨床判断と優先順位の妥当性の検討
なぜその問題を最優先としたのか
生命・安全・生活のどの観点から判断したのか
他に優先すべき課題はなかったか
多職種連携が必要な場面を適切に想定できたか
④ 援助支援計画(手順書)の再評価
作成した計画について以下を確認すること。
目標は具体的で測定可能か
在宅で実行可能な内容になっているか
自立支援の視点が含まれているか
家族支援が具体化されているか
評価方法が明確になっているか
必要に応じて修正し、より実践的な計画へとブラッシュアップすること。
⑤ 自己学習課題
事例中の疾患・データ値(SpO₂、呼吸数など)を再確認する
増悪時の対応基準を整理する
国家試験問題(呼吸不全・HOT関連)に取り組み、知識の定着を確認する
また、事例中のデータ値(SpO₂、血液ガス、呼吸数など)や疾患の理解が不十分な点については、自己学習を行い、病態と在宅支援の関連を整理しておくこと。
「観察 → 判断 → 優先順位決定 → 計画立案」という思考過程を振り返り、自分の判断の根拠を言語化しておくことが重要である。

12 在宅における在宅酸素療法を行う療養者・家族への訪問看護と支援計画 科目の中での位置付け 本科目では、在宅療養者を対象とした看護技術について、具体的な事例や場面を基にアセスメントおよび援助計画(手順書)の作成を通して学修する。取り上げる主なテーマは、「初回訪問」、「療養環境調整、活動・休息(移動など)、リハビリテーションおよび福祉用具」、「保清」、「嚥下・食事(経管栄養を含む)・栄養評価」、「排泄(ストーマ・膀胱留置カテーテルを含む)」、「呼吸・循環(在宅酸素療法を含む)」、「精神障害(認知症および統合失調症)」である。講義および演習を通して、事例や具体的な場面に基づき、在宅療養者の状況に応じた援助計画(手順書)を作成する。これにより、在宅という生活の場に適した看護技術を構造的に理解し、次学年で学修する看護過程の展開において活用できる基礎的能力を養うことを目的とする。
第11・12回の講義では、「呼吸・循環(在宅酸素療法を含む)」をテーマとし、在宅酸素療法(HOT)を行う療養者を対象としたアセスメントおよび援助支援計画(手順書)の作成に取り組む。本科目においては、これまで学修してきた初回訪問の視点、生活環境調整、活動・休息、栄養・排泄支援などの内容を統合し、呼吸機能障害を有する療養者の在宅生活を総合的に支える実践へと発展させる位置づけとなる。
在宅酸素療法は、医療機器を生活空間に導入する代表的な在宅医療の一つであり、病状管理のみならず、生活の質、安全管理、家族支援、多職種連携を含めた包括的支援が求められる。酸素流量の管理や機器の取り扱いといった技術的側面に加え、活動範囲の制限、火気管理、外出支援、緊急時対応など、生活全体への影響を踏まえたアセスメントが重要である。
第11回では、事例をもとに呼吸状態の評価、増悪リスクの予測、生活環境の安全確認、自己管理能力および家族の支援体制の把握を行い、観察項目と臨床判断の整理を中心に学修する。第12回では、それらのアセスメント結果を基に、優先順位を明確にした援助支援計画(手順書)を作成し、在宅という生活の場に適した具体的かつ実行可能な支援内容として構造化する。
本単元は、本科目の後半に位置づけられ、これまで各テーマで学んだ在宅看護技術および臨床判断の視点を統合し、より高度な医療依存度をもつ療養者への支援へと発展させる段階である。ここで培う思考過程と計画立案能力は、次学年で学修する看護過程の展開や臨地実習において活用される基礎的能力の深化につながるものである。

①河原加代子他,地域・在宅看護論2 地域・在宅看護の実践,第7章「呼吸・循環に関する地域・在宅看護技術」(p.174-205)医学書院
②授業資
コマ主題細目 ① 在宅酸素療法(HOT)の基礎理解と科目内での位置づけ ② 在宅酸素療法療養者・家族のニーズ ③ 座いたk療養生活への影響と安全管理 ④ 臨床判断と優先順位の明確化 ⑤ 援助支援計画(手順書)の作成
細目レベル ① 在宅酸素療法(HOT)の基礎理解と科目内での位置づけ
在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy:HOT)は、慢性呼吸不全などにより持続的な酸素投与を必要とする療養者が、住み慣れた自宅で生活を継続するために行われる在宅医療の一つである。酸素療法の目的、適応、使用機器の種類や特徴、酸素流量管理の基本を理解することが前提となる。
本科目においては、これまで学修してきた初回訪問の視点や生活環境調整、活動・休息、栄養・排泄支援などの内容を統合し、医療機器を導入した療養者の生活支援へと発展させる段階に位置づけられる。HOTは単なる医療技術ではなく、「生活の中で安全に継続する医療」であるという視点から捉えることが重要である。

② 在宅酸素療法療養者・家族のニーズ
在宅酸素療法療養者には、呼吸状態の安定化や増悪予防といった身体的ニーズに加え、活動制限や呼吸困難感による不安、社会的孤立への懸念など、多面的なニーズが存在する。酸素機器の装着により生活行動が制限されることもあり、心理的負担や自己効力感の低下が生じることも少なくない。
また、酸素流量の自己管理や機器の取り扱いに関する理解度、緊急時対応への不安なども重要な評価項目である。家族にとっても、火気管理や機器管理への責任、増悪時の対応などが負担となる場合があるため、療養者と家族双方のニーズを包括的に把握することが求められる。

③ 在宅療養生活への影響と安全管理
在宅酸素療法は、療養者の生活全体に影響を及ぼす。室内外での移動範囲、外出の可否、睡眠時の体位、家屋内の動線など、日常生活動作に直接関与する。したがって、呼吸リハビリテーションを行い、生活の質(QOL)を維持しながら安全に療養を継続できるよう支援することが重要である。
特に火気の使用や喫煙、調理環境などは重大な事故につながる可能性があるため、安全管理の徹底が必要である。また、停電時の対応や機器トラブルへの備えなど、緊急時対策も重要な観点となる。在宅酸素療法は医療的側面と生活的側面が密接に結びついているため、安全管理は生活支援の一環として位置づけられる。

④ 臨床判断と優先順位の明確化
在宅酸素療法療養者への訪問看護では、呼吸状態の変化を的確に捉える臨床判断が求められる。呼吸困難の程度、SpO₂値、痰の性状、活動耐容能などを総合的に評価し、増悪兆候の早期発見につなげることが重要である。
また、生活状況や自己管理能力を踏まえた上で、どの課題を優先的に支援すべきかを判断する必要がある。例えば、安全管理が不十分であれば事故予防を優先するなど、生命・安全・生活の維持という観点から優先順位を明確にする。必要に応じて医師や多職種との連携を図る判断も、訪問看護師の重要な役割である。

⑤ 援助支援計画(手順書)の作成
ニーズおよび臨床判断に基づき、在宅酸素療法療養者に対する援助支援計画を作成する。計画立案では、呼吸状態の安定化、安全管理の徹底、活動範囲の維持・拡大、自己管理能力の向上などを目標として設定する。
援助内容は、療養者の生活状況や家族の支援体制を踏まえ、在宅で実行可能な具体的手順として整理することが求められる。また、計画は固定的なものではなく、状態変化に応じて評価・修正を行う前提で作成する。
この過程を通して、医療的ケアと生活支援を統合した在宅看護実践の構造を理解し、より高度な医療依存度をもつ療養者への支援能力を養うことを目指す。

キーワード ① HOT ② QOLとリスク ③ フィジカルアセスメント ④ 呼吸リハビリテーション ⑤ 援助支援計画の作成
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において10問の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。(本コマは個人・グループワークのため実施せず。)
復習・予習課題 ■予習
ヨリソルに掲載した授業資料および『地域・在宅看護の実践』(医学書院)第7章「呼吸・循環に関する地域・在宅看護技術」(p.174-180)を熟読して臨むこと。
以下の点を整理しておくこと。
1.在宅酸素療法(HOT)の目的・適応・基本管理
2.呼吸状態の観察項目(呼吸数、呼吸様式、SpO₂、痰の性状、呼吸困難の程度など)
3.在宅における安全管理(火気管理、停電時対応、機器トラブル時対応)
4.増悪兆候および緊急受診の判断基準
5.療養者および家族のニーズ(自己管理能力・心理的負担)
あわせて、地域・在宅看護概論Ⅱで学修したHOTに関する留意点(事故予防、生活調整、家族指導など)を復習しておくこと。
また、フィジカルアセスメントの基礎技術(呼吸音聴取、バイタル測定、観察の視点)について、基本的看護技術の復習・自己訓練を行っておくこと。

■復習
以下のことを確認する。
① 在宅酸素療法の理解
HOTの目的と適応を、自分の言葉で説明できるか
酸素療法が「生活の中で継続される医療」であることの意味を理解できているか
医療管理と生活支援の両立という視点を整理できているか
② フィジカルアセスメントの妥当性の振り返り
呼吸状態の観察項目は適切であったか
増悪兆候をどのデータから判断したか
療養者・家族のニーズを身体・心理・生活の側面から把握できたか
安全管理上のリスクを具体的に指摘できたか
自分が行った観察・判断について、「その根拠は何か」を文章で整理すること。
③ 臨床判断と優先順位の妥当性の検討
なぜその問題を最優先としたのか
生命・安全・生活のどの観点から判断したのか
他に優先すべき課題はなかったか
多職種連携が必要な場面を適切に想定できたか
④ 援助支援計画(手順書)の再評価
作成した計画について以下を確認すること。
目標は具体的で測定可能か
在宅で実行可能な内容になっているか
自立支援の視点が含まれているか
家族支援が具体化されているか
評価方法が明確になっているか
必要に応じて修正し、より実践的な計画へとブラッシュアップすること。
⑤ 自己学習課題
事例中の疾患・データ値(SpO₂、呼吸数など)を再確認する
増悪時の対応基準を整理する
国家試験問題(呼吸不全・HOT関連)に取り組み、知識の定着を確認する
また、事例中のデータ値(SpO₂、血液ガス、呼吸数など)や疾患の理解が不十分な点については、自己学習を行い、病態と在宅支援の関連を整理しておくこと。
「観察 → 判断 → 優先順位決定 → 計画立案」という思考過程を振り返り、自分の判断の根拠を言語化しておくことが重要である。

13 精神疾患・認知症を持つ療養者・家族への訪問看護と支援計画 科目の中での位置付け 本科目では、在宅療養者を対象とした看護技術について、具体的な事例や場面を基にアセスメントおよび援助計画(手順書)の作成を通して学修する。取り上げる主なテーマは、「初回訪問」、「療養環境調整、活動・休息(移動など)、リハビリテーションおよび福祉用具」、「保清」、「嚥下・食事(経管栄養を含む)・栄養評価」、「排泄(ストーマ・膀胱留置カテーテルを含む)」、「呼吸・循環(在宅酸素療法を含む)」、「精神障害(認知症および統合失調症)」である。講義および演習を通して、事例や具体的な場面に基づき、在宅療養者の状況に応じた援助計画(手順書)を作成する。これにより、在宅という生活の場に適した看護技術を構造的に理解し、次学年で学修する看護過程の展開において活用できる基礎的能力を養うことを目的とする。
第13・14回では、精神障害をテーマとして統合失調症および認知症の基本的理解を踏まえ、在宅療養生活における支援のあり方を学修する。事例としては認知症療養者を取り上げ、症状の理解から具体的なアセスメントおよび援助支援計画(手順書)の作成までを行う。
本科目においては、これまで身体的ケアを中心に、生活環境調整、活動・休息、栄養・排泄、呼吸・循環といった在宅看護技術を学修してきた。本コマはそれらの技術に加え、「認知機能の低下」や「精神症状」を有する療養者への支援へと発展させる位置づけとなる。身体的課題のみならず、判断力の低下、行動・心理症状(BPSD)、服薬管理の困難さ、家族の介護負担など、精神・心理・社会的側面を統合した支援が求められる点に特徴がある。特に認知症事例を通して、生活の安全確保、服薬管理、徘徊や転倒リスクへの対応、家族支援および地域資源の活用といった包括的アセスメントの視点を整理する。また、症状そのものを抑制するのではなく、療養者の尊厳やその人らしさを尊重しながら生活を支えるという在宅看護の理念を具体的に考察する。
本コマは、本科目後半において「身体中心の技術」から「認知・精神機能を含めた全人的支援」へと学修を深化させる段階に位置づけられる。ここで学ぶ思考過程と援助支援計画立案の経験は、次学年で展開する看護過程の学修や臨地実習において、複合的課題を有する療養者への支援へとつながる基盤となる。

①河原加代子他,地域・在宅看護論2 地域・在宅看護の実践, 第2章 暮らしを支える看護技術 p.309-330
②授業資料
コマ主題細目 ① 統合失調症および認知症の基礎理解と在宅看護の視点 ② 認知症療養者の包括的アセスメント ③ 家族支援と介護負担の評価 ④ 臨床判断と優先順位の明確化 ⑤ 援助支援計画(手順書)の作成
細目レベル ① 統合失調症および認知症の基礎理解と在宅看護の視点
まず統合失調症および認知症の基礎的理解を行う。統合失調症では、幻覚や妄想などの陽性症状、意欲低下や感情鈍麻などの陰性症状、さらに認知機能障害が生活機能に影響を及ぼすことを理解する。認知症では、記憶障害や見当識障害などの中核症状に加え、BPSD(行動・心理症状)が在宅生活の継続に大きく関与することを学ぶ。

これらの疾患は単なる医学的診断名ではなく、日常生活能力や対人関係、自己管理能力に直接影響する。したがって、疾患理解は生活支援の方向性を決定する基盤となる。在宅で支える意義は、住み慣れた環境でその人らしい生活を継続できる点にある一方、安全管理や家族負担の増大といった課題も伴う。その両面を踏まえた支援の視点を養うことが重要である。

② 認知症療養者の包括的アセスメント
認知症療養者への初回訪問では、認知機能の程度を把握することが重要である。記憶力、見当識、判断力の状態を確認し、それが日常生活にどのように影響しているかを具体的に評価する。また、ADLおよびIADLの実際を観察し、どの活動が自立して行えるのか、どの部分に支援が必要かを明確にする。

服薬管理能力の評価も不可欠であり、飲み忘れや重複内服の有無を確認する。さらに、転倒や徘徊、誤嚥といった安全面のリスクを評価し、住環境や生活動線との関連を整理する。加えて、生活歴や価値観を把握することは、その人らしさを尊重した支援につながる。身体・認知・生活・心理を統合した包括的アセスメントが求められる。

③ 家族支援と介護負担の評価
在宅療養は家族の支えによって成り立つことが多いため、家族の介護力を評価することが重要である。介護技術の習熟度や時間的余裕、健康状態を確認し、現実的な支援体制を把握する。
また、介護負担や心理的ストレス、将来への不安などを丁寧に聴取し、役割葛藤や孤立感の有無を確認する必要がある。必要に応じてレスパイトサービスや地域資源の活用を提案し、家族の負担軽減を図ることが在宅看護の重要な役割である。多職種との連携を視野に入れ、家族を支援対象として位置づける視点を養う。

④ 臨床判断と優先順位の明確化
認知症療養者への支援では、安全確保と尊厳保持をどのように両立させるかが重要な課題である。徘徊や転倒リスクへの対応を優先しつつも、過度な制限が本人の自立や尊厳を損なわないよう配慮する必要がある。
BPSDへの対応では、症状を抑えることのみを目的とせず、その背景要因を理解し、生活環境や関わり方を調整する視点が求められる。生活の継続を支えるために何を優先すべきかを判断し、緊急対応を要する状況(急激な行動変化、事故の危険など)を見極める力を養う。

⑤ 援助支援計画(手順書)の作成
包括的アセスメントおよび臨床判断を踏まえ、問題を構造化し、具体的な援助支援計画を作成する。目標は、生活の維持と安全確保を基本としながら、可能な限り自立を促進する内容とする。
援助内容には、環境調整、服薬支援、見守り体制の整備、家族への助言などを含め、在宅で実行可能な手順として明確化することが求められる。また、家族支援を計画に組み込み、継続可能な支援体制を構築する視点を持つ。

計画は固定的なものではなく、状態変化や家族状況の変化に応じて評価・見直しを行うことを前提とする。この過程を通して、認知症療養者に対する在宅看護の思考構造と実践力を養うことを目指す。

キーワード ① 統合失調症 ② 認知症 ③ BPSD ④ 家族支援 ⑤ 援助支援計画(手順書)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において10問の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ■予習
ヨリソルに掲載した授業資料およびテキスト該当箇所を熟読し、以下の点を整理して臨むこと。
① 疾患理解の整理
1.統合失調症の主症状(陽性症状・陰性症状・認知機能障害)
2.認知症の中核症状およびBPSD
3.症状が日常生活にどのような影響を及ぼすか
単に症状を覚えるのではなく、「その症状が生活のどの場面に困難をもたらすか」を考えておくこと。
② 在宅生活との関連の検討
認知機能低下が服薬管理に与える影響
徘徊・転倒・誤嚥のリスク
家族が抱える可能性のある負担
「在宅で支えるとはどういうことか」を自分なりにまとめておくこと。
③ フィジカルおよび生活アセスメントの準備
認知機能の評価視点
ADL・IADLの観察項目
生活歴・価値観を把握する意義
事例検討に備え、「初回訪問で何を観察するか」を箇条書きで整理しておくこと。

【復習】
授業および演習を振り返り、以下の観点で整理すること。
① 支援内容について
認知機能の評価は適切であったか
安全リスクを具体的に指摘できたか
生活歴や価値観を支援に反映できたか
自分の判断の根拠を文章でまとめること。
② 臨床判断と優先順位の振り返り
なぜその課題を最優先としたのか
安全と尊厳をどのように両立させたか
他に考慮すべき課題はなかったか
③ 援助支援計画の再検討
在宅で実行可能か
自立支援の視点が含まれているか
家族支援が具体化されているか
評価方法が明確か
必要に応じて修正し、より実践的な計画へとブラッシュアップすること。
事例形式問題に取り組み、「なぜその対応が適切か」を説明できるようにすること。
今回の復習の目的は、精神症状を“問題”として捉えるのではなく、“生活をどう支えるか”という視点で再構築することにある。

14 精神疾患・認知症を持つ療養者・家族への訪問看護と支援計画 科目の中での位置付け 本科目では、在宅療養者を対象とした看護技術について、具体的な事例や場面を基にアセスメントおよび援助計画(手順書)の作成を通して学修する。取り上げる主なテーマは、「初回訪問」、「療養環境調整、活動・休息(移動など)、リハビリテーションおよび福祉用具」、「保清」、「嚥下・食事(経管栄養を含む)・栄養評価」、「排泄(ストーマ・膀胱留置カテーテルを含む)」、「呼吸・循環(在宅酸素療法を含む)」、「精神障害(認知症および統合失調症)」である。講義および演習を通して、事例や具体的な場面に基づき、在宅療養者の状況に応じた援助計画(手順書)を作成する。これにより、在宅という生活の場に適した看護技術を構造的に理解し、次学年で学修する看護過程の展開において活用できる基礎的能力を養うことを目的とする。
第13・14回では、精神障害をテーマとして統合失調症および認知症の基本的理解を踏まえ、在宅療養生活における支援のあり方を学修する。事例としては認知症療養者を取り上げ、症状の理解から具体的なアセスメントおよび援助支援計画(手順書)の作成までを行う。
本科目においては、これまで身体的ケアを中心に、生活環境調整、活動・休息、栄養・排泄、呼吸・循環といった在宅看護技術を学修してきた。本コマはそれらの技術に加え、「認知機能の低下」や「精神症状」を有する療養者への支援へと発展させる位置づけとなる。身体的課題のみならず、判断力の低下、行動・心理症状(BPSD)、服薬管理の困難さ、家族の介護負担など、精神・心理・社会的側面を統合した支援が求められる点に特徴がある。特に認知症事例を通して、生活の安全確保、服薬管理、徘徊や転倒リスクへの対応、家族支援および地域資源の活用といった包括的アセスメントの視点を整理する。また、症状そのものを抑制するのではなく、療養者の尊厳やその人らしさを尊重しながら生活を支えるという在宅看護の理念を具体的に考察する。
本コマは、本科目後半において「身体中心の技術」から「認知・精神機能を含めた全人的支援」へと学修を深化させる段階に位置づけられる。ここで学ぶ思考過程と援助支援計画立案の経験は、次学年で展開する看護過程の学修や臨地実習において、複合的課題を有する療養者への支援へとつながる基盤となる。

①河原加代子他,地域・在宅看護論2 地域・在宅看護の実践, 第2章 暮らしを支える看護技術 p.309-330
②授業資料
コマ主題細目 ① 統合失調症および認知症の基礎理解と在宅看護の視点 ② 認知症療養者の包括的アセスメント ③ 家族支援と介護負担の評価 ④ 臨床判断と優先順位の明確化 ⑤ 援助支援計画(手順書)の作成
細目レベル ① 統合失調症および認知症の基礎理解と在宅看護の視点
まず統合失調症および認知症の基礎的理解を行う。統合失調症では、幻覚や妄想などの陽性症状、意欲低下や感情鈍麻などの陰性症状、さらに認知機能障害が生活機能に影響を及ぼすことを理解する。認知症では、記憶障害や見当識障害などの中核症状に加え、BPSD(行動・心理症状)が在宅生活の継続に大きく関与することを学ぶ。
これらの疾患は単なる医学的診断名ではなく、日常生活能力や対人関係、自己管理能力に直接影響する。したがって、疾患理解は生活支援の方向性を決定する基盤となる。在宅で支える意義は、住み慣れた環境でその人らしい生活を継続できる点にある一方、安全管理や家族負担の増大といった課題も伴う。その両面を踏まえた支援の視点を養うことが重要である。

② 認知症療養者の包括的アセスメント
認知症療養者への初回訪問では、認知機能の程度を把握することが重要である。記憶力、見当識、判断力の状態を確認し、それが日常生活にどのように影響しているかを具体的に評価する。また、ADLおよびIADLの実際を観察し、どの活動が自立して行えるのか、どの部分に支援が必要かを明確にする。
服薬管理能力の評価も不可欠であり、飲み忘れや重複内服の有無を確認する。さらに、転倒や徘徊、誤嚥といった安全面のリスクを評価し、住環境や生活動線との関連を整理する。加えて、生活歴や価値観を把握することは、その人らしさを尊重した支援につながる。身体・認知・生活・心理を統合した包括的アセスメントが求められる。

③ 家族支援と介護負担の評価
在宅療養は家族の支えによって成り立つことが多いため、家族の介護力を評価することが重要である。介護技術の習熟度や時間的余裕、健康状態を確認し、現実的な支援体制を把握する。
また、介護負担や心理的ストレス、将来への不安などを丁寧に聴取し、役割葛藤や孤立感の有無を確認する必要がある。必要に応じてレスパイトサービスや地域資源の活用を提案し、家族の負担軽減を図ることが在宅看護の重要な役割である。多職種との連携を視野に入れ、家族を支援対象として位置づける視点を養う。

④ 臨床判断と優先順位の明確化
認知症療養者への支援では、安全確保と尊厳保持をどのように両立させるかが重要な課題である。徘徊や転倒リスクへの対応を優先しつつも、過度な制限が本人の自立や尊厳を損なわないよう配慮する必要がある。
BPSDへの対応では、症状を抑えることのみを目的とせず、その背景要因を理解し、生活環境や関わり方を調整する視点が求められる。生活の継続を支えるために何を優先すべきかを判断し、緊急対応を要する状況(急激な行動変化、事故の危険など)を見極める力を養う。

⑤ 援助支援計画(手順書)の作成
包括的アセスメントおよび臨床判断を踏まえ、問題を構造化し、具体的な援助支援計画を作成する。目標は、生活の維持と安全確保を基本としながら、可能な限り自立を促進する内容とする。
援助内容には、環境調整、服薬支援、見守り体制の整備、家族への助言などを含め、在宅で実行可能な手順として明確化することが求められる。また、家族支援を計画に組み込み、継続可能な支援体制を構築する視点を持つ。
計画は固定的なものではなく、状態変化や家族状況の変化に応じて評価・見直しを行うことを前提とする。この過程を通して、認知症療養者に対する在宅看護の思考構造と実践力を養うことを目指す。

キーワード ① 統合失調症 ② 認知症 ③ BPSD ④ 家族支援 ⑤ 援助支援計画(手順書)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において10問の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。(今コマは個人・グループワークにて実施せず)
復習・予習課題 ■予習
ヨリソルに掲載した授業資料およびテキスト該当箇所を熟読し、以下の点を整理して臨むこと。
① 疾患理解の整理
1.統合失調症の主症状(陽性症状・陰性症状・認知機能障害)
2.認知症の中核症状およびBPSD
3.症状が日常生活にどのような影響を及ぼすか
単に症状を覚えるのではなく、「その症状が生活のどの場面に困難をもたらすか」を考えておくこと。
② 在宅生活との関連の検討
認知機能低下が服薬管理に与える影響
徘徊・転倒・誤嚥のリスク
家族が抱える可能性のある負担
「在宅で支えるとはどういうことか」を自分なりにまとめておくこと。
③ フィジカルおよび生活アセスメントの準備
認知機能の評価視点
ADL・IADLの観察項目
生活歴・価値観を把握する意義
事例検討に備え、「初回訪問で何を観察するか」を箇条書きで整理しておくこと。

【復習】
授業および演習を振り返り、以下の観点で整理すること。
① 支援内容について
認知機能の評価は適切であったか
安全リスクを具体的に指摘できたか
生活歴や価値観を支援に反映できたか
自分の判断の根拠を文章でまとめること。
② 臨床判断と優先順位の振り返り
なぜその課題を最優先としたのか
安全と尊厳をどのように両立させたか
他に考慮すべき課題はなかったか
③ 援助支援計画の再検討
在宅で実行可能か
自立支援の視点が含まれているか
家族支援が具体化されているか
評価方法が明確か
必要に応じて修正し、より実践的な計画へとブラッシュアップすること。
事例形式問題に取り組み、「なぜその対応が適切か」を説明できるようにすること。
今回の復習の目的は、精神症状を“問題”として捉えるのではなく、“生活をどう支えるか”という視点で再構築することにある。

15 科目のまとめ 科目の中での位置付け 本科目では、在宅療養者を対象とした看護技術について、具体的な事例や場面を基にアセスメントおよび援助計画(手順書)の作成を通して学修する。取り上げる主なテーマは、「初回訪問」、「療養環境調整、活動・休息(移動など)、リハビリテーションおよび福祉用具」、「保清」、「嚥下・食事(経管栄養を含む)・栄養評価」、「排泄(ストーマ・膀胱留置カテーテルを含む)」、「呼吸・循環(在宅酸素療法を含む)」、「精神障害(認知症および統合失調症)」である。講義および演習を通して、事例や具体的な場面に基づき、在宅療養者の状況に応じた援助計画(手順書)を作成する。これにより、在宅という生活の場に適した看護技術を構造的に理解し、次学年で学修する看護過程の展開において活用できる基礎的能力を養うことを目的とする。
第15回は、これまでに学修した各テーマの内容を総括し、在宅看護技術に共通する視点や特徴を整理する。活動・休息、療養環境調整、食事・嚥下、排泄などの援助計画を振り返り、アセスメントと援助内容を関連づける考え方を再確認することで、在宅看護実践の理解を深める。

①各授業回の資料
②河原加代子,他 系統看護学講座専門分野 地域・在宅看護の基盤(医学書院)
③河原加代子,他 系統看護学講座専門分野 地域・在宅看護の実践(医学書院)
コマ主題細目 ① 生活を基盤とした在宅看護技術 ② アセスメントと援助計画の関連 ③ 在宅看護に関連する重要語句
細目レベル ① 本科目では、療養環境調整、活動・休息、保清、食事・嚥下、排泄、呼吸・循環、精神障害など、在宅療養者の生活を支える看護技術を学修してきた。第15回では、それぞれの援助が療養者の生活、家族関係、住環境、社会資源とどのように結びついているかを整理する。病院看護との違いを再確認し、「生活を整える」「生活を支える」という在宅看護の基本的な視点を統合的に理解する。
② 各テーマの内容を振り返り、アセスメントのどの情報が具体的な援助内容に反映されているのかを整理する。残存能力の活用、安全性の確保、QOLの維持・向上といった視点が、どのように援助方法へと展開されているかを確認する。アセスメントと援助を関連づけて考える力を再確認し、在宅看護技術を明文化できるよう理解を深める。
③ 本科目で扱ってきた重要語句(生活重視、セルフケア支援、環境調整、誤嚥予防、排便コントロール、感染予防、多職種連携など)を整理し、それらが具体的な援助内容にどのように反映されているかを振り返る。本科目では、アセスメントの結果を踏まえて援助計画(手順書)を構造的に組み立てることを中心に学修してきた。最終回では、これまでの学修内容を統合し、在宅看護実践に共通する視点を再確認することで、次学年で学ぶ看護過程につながる基礎的理解を深める。
キーワード ① ② ③ ④ ⑤
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:授業前に熟読しておく内容は指定しない。本コマでは、科目のまとめを行うため、復習に時間をかけて学習することが望ましい。
復習:授業で配布したコマ用オリジナル配布資料と書き込みした内容を基に、授業の振り返りを行い、自分の言葉で説明できるようにする。授業内で説明した在宅看護技術の特徴・重要語句や、各テーマにおけるアセスメント・技術のポイント・手順書について、疑問点・不明点があれば、該当の授業回の資料、「河原加代子,他 系統看護学講座専門分野 地域・在宅看護の基盤(医学書院)」、「河原加代子,他 系統看護学講座専門分野 地域・在宅看護の実践(医学書院)」の該当ページで復習する。
復習に必要な時間:1時間

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
在宅看護技術の特徴(生活重視、家族支援、環境制約、多職種連携など)を説明できる。 地域で生活する療養者に提供する在宅看護は、療養者・家族の価値観や習慣・文化、生活リズムなどをアセスメントしながら実践する。また、自宅という環境で物品の工夫や福祉用具の有効活用が重要となる。加えて、看護師のみでなく、様々なサービス・職種と連携し、療養生活を支える。このような在宅看護技術の特徴を説明できる(★★) 価値観、習慣・文化、生活リズム、家族支援、物品、福祉用具、多職種連携 10 1.15
初回訪問の目的の理解、訪問看護における臨床判断の特徴 地域で生活する療養者への地域在宅ケアサービスの一環としての訪問看護の機能と役割を理解し(★)、療養者に対して倫理的態度の重要性を学ぶ(★★).また、地域で療養生活している人々とそれを支える家族の生活実態、並びにそこで展開されている看護実践を知り、在宅における看護支援のあり方を学ぶ(★★).さらに、病院・施設から在宅・施設療養への移行、施設・在宅から入院などのプロセスを通して看護職間や多職種間の連携及び地域包括ケアシステムの関連性などについて理解できる(★★)。加えて、訪問看護における臨床判断の特徴を理解し、限られた訪問時間の中で療養者・家族の全体像を統合的に捉え、生活への影響や潜在的リスクを踏まえて優先順位を判断する重要性を説明できる(★★)。初回訪問の意義を理解し、療養者および家族の顕在的・潜在的ニーズを的確に把握するとともに、アセスメントに基づいた看護計画を立案し、訪問看護師としての初回訪問実践を振り返ることができる(★★)。 在宅看護、初回訪問の目的、訪問看護の導入、療養方針 臨床判断 10 1-2
在宅療養者の事例や場面に基づき、必要な観察項目、アセスメント内容を説明できる。それらに基づいた適切な援助内容を説明できる。 授業内で取り上げたテーマ、「初回訪問」、「療養環境調整、活動・休息(移動など)、リハビリテーションおよび福祉用具」、「保清」、「嚥下・食事(経管栄養を含む)・栄養評価」、「排泄(ストーマ・膀胱留置カテーテルを含む)」、「呼吸・循環(在宅酸素療法を含む)」、「精神障害(認知症および統合失調症)」である。これらの事例や場面において、その時々に必要な観察項目やアセスメント内容を説明できる(★★★)。それに基づいた適切な援助内容を説明できる(★★)。 観察項目、アセスメント、援助計画(手順書) 70 1~14.15
援助内容や援助計画(手順書)について、その必要性と安全性の根拠を説明できる。 授業内で取り上げたテーマ、「初回訪問」、「療養環境調整、活動・休息(移動など)、リハビリテーションおよび福祉用具」、「保清」、「嚥下・食事(経管栄養を含む)・栄養評価」、「排泄(ストーマ・膀胱留置カテーテルを含む)」、「呼吸・循環(在宅酸素療法を含む)」、「精神障害(認知症および統合失調症)」である。これらの事例や場面において、適切と選択した援助内容の根拠を説明できる(★★★)。また、援助を実施する上での留意点や工夫について述べることができる(★★★) ケアの根拠、ケアの留意点、安全性、ケアの工夫 10 1~14.15

評価方法 期末試験100%
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 ①河原加代子他,地域・在宅看護論1 地域・在宅看護の基盤 ,医学書院,¥2,200/②河原加代子他,地域・在宅看護論2 地域・在宅看護の実践,医学書院,¥2,750
参考文献 ①篠崎惠美子・藤井徹也,事例から学ぶ地域・在宅看護論-訪問時のお作法から実習のポイントまで,医学書院,¥2,420/②秋山正子,小倉朗子他著,在宅看護論第5版,医学書院,\2,808/③地域・在宅看護過程+総合的機能関連図(医学書院)4180円
実験・実習・教材費