区分
専門科目-成人・高齢者看護学-成人看護学
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力
倫理観
専門性探求
地域社会貢献
グローバル性
自己研鑽力
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性
広い視野
知識・技術
判断力
探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
専門科目の「成人・高齢者看護学」に位置づけ、専門基礎科目や基盤看護学の知識をもとに、成人期の対象への看護に必要な専門的知識を習得する。本科目は、その後に続く「慢性期看護援助論Ⅰ」「慢性期看護援助論Ⅱ」「慢性期看護学実習」「急性期看護援助論Ⅰ」「急性期看護援助論Ⅱ」「急性期看護学実習」に応用的に関連する。
科目の目的
成人期にある人々について、ライフサイクルの視点から捉えた発達課題や身体的特徴、心理・社会的特徴について理解する。また、成人期に特有の健康問題(感染に関連する健康障害、リウマチ・アレルギーに関連する健康障害、職業に関連する健康障害、生活習慣・ストレスに関連する健康障害、セクシャリティ・更年期に関連する健康障害など)と健康上のニーズ及び各健康レベルや病期に応じた看護について理解するとともに、成人期にある患者や家族を取り巻く医療システムについて知識を習得する。
到達目標
1)成人各期の発達段階を解説し、成人各期の身体的特徴、心理・社会的特徴、家族・社会的役割を理解できる。 2)日本の成人保険の動向を知り、成人各期に関連する急性期疾患とヘルスプロモーションを理解できる。 3)急性期各期にある患者とその家族の身体的および心理的特徴を理解し、急性期にある患者の看護援助に必要な概念(権利擁護など)を理解できる。
4)日本の救急医療の歴史・体制および救急患者の特徴を理解することができる。 5) 慢性的な病気を持つ人々とその家族の身体的および心理的特徴を理解し、慢性期にある患者の看護援助に必要な概念や理論を理解できる。
6) 慢性的な病気を持つ人々の発達課題や健康問題の特徴を踏まえた看護を提供することの意義とその方法を考察することができる。
7) 成人期にある患者や家族を取り巻く医療システムと看護について理解することができる。
科目の概要
成人各期の発達段階を解説し、成人各期の身体的特徴、心理・社会的特徴、家族・社会的役割を学習する。日本の成人保健の動向(平均寿命、主要死因別死亡率、部位別・疾患別・年齢階級別の死亡率など)を知り、成人各期に関連する急性期疾患(感染症、リウマチアレルギー疾患、職業に関連する健康障害、生活習慣病、セクシャリティ・更年期に関連する健康障害)とヘルスプロモーションを理解できる。急性期各期にある患者とその家族の身体的および心理的特徴について基礎理論(生体侵襲理論、危機理論など)を用いて習得する。急性期にある患者の看護援助に必要な概念(権利擁護など)および日本の救急医療の歴史・体制および救急患者の特徴を理解することができる。慢性期看護にある人およびその家族の身体的・心理的特徴、病気からの回復過程にある人の特徴と看護について理解できる。慢性疾患を持つ人々への健康促進や教育、健康行動を促す支援において活用できる理論(アンドラゴジー、アドヒアランス、セルフケア論、自己効力理論、適応モデル、エンパワーメント、病みの軌跡、ケアリング)を用いて慢性期看護に必要な支援について理解することができる。人生の最期のときを支える看護について理解することができる。成人期にある人々を取り巻く医療システムについて理解することができる。
科目のキーワード
発達段階、成人保健、急性期、生体侵襲理論、危機理論、救急医療、慢性期、ヘルスプロモーション、アンドラゴジーモデル、自己効力理論、変化のステージモデル
授業の展開方法
全授業は講義を中心に行う。毎回事前に指定した教科書の該当ページを熟読して臨むことが受講の前提である。授業は、教科書、パワーポイント、レジュメ、復習用の小テストなどの課題を基に進めていく。2~8回では、授業の中で小グループによる議論や意見の発表を行うことで主体的な授業への参加を促し、授業の途中または最後に関連する国家試験問題に取り組み、復習の機会とし知識の定着を図る。1・9~15回では、学生が学修目的を意識し主体的に学修に臨むことを促進し、各授業回の主題に関連した内容の知識を教授するとともに、双方向による意見交換や発表を通して主題に関する思考を深められるようにする。第14回は、チーム医療について理解を深められるように講義する。授業の最後に、授業で学んだ知識を確認するための国家試験関連問題を提示し復習につなげるようにする。特に、第4、5、7、8回目の講義において、急性期看護学領域の臨床経験に基づく看護実践について具体的に教授する。第9~13、15回目の講義において、がん・慢性看護学領域の臨床経験に基づく看護実践について教授する。第14回は、臨床経験に基づきチーム医療について、講義を展開する。
オフィス・アワー
(準備中)
科目コード
BJ01
学年・期
2年・前期
科目名
成人看護学概論
単位数
2
授業形態
講義
必修・選択
必修
学習時間
【授業】30h 【予習・復習】60h
前提とする科目
看護学概論Ⅰ、看護学概論Ⅱ
展開科目
慢性期看護援助論Ⅰ、慢性期看護援助論Ⅱ、慢性期看護学実習、急性期看護援助論Ⅰ、急性期看護援助論Ⅱ、急性期看護学実習、統合実習、ヘルスアセスメントⅡ、看護研究
関連資格
看護師,保健師,養護教諭
担当教員名
中神友子
回
主題
コマシラバス項目
内容
教材・教具
1
成人期にある人の理解1 1)ライフサイクルと発達課題から捉える成人の位置づけ2)成人の特徴3)成人を取り巻く環境4)成人の健康レベル
科目の中での位置付け
この授業は、ライフサイクルと発達課題から成人の位置づけについて理解するとともに、今後のすべての回に関連する基礎的な知識について理解する。成人期は、青年期、壮年期、向老期と3段階に分かれており、ライフサイクルの中で最も長い時期である。これらの各期にある対象の身体・生理機能側面、心理・社会・経済的側面、知的・認知側面、スピリチュアル側面から、その特徴について理解する。また、ライフサイクルにおける各段階にある人々の発達課題と、成人を取り巻く環境としての家族、各段階に起こりやすい健康問題や必要とされる看護について理解する。さらに、成人の健康レベルとして、ヘルスプロモーション(健康保持・増進)にある人、疾病予防と早期発見を必要とする人、治療を必要とする人、健康・生活の再構築を必要とする人、ターミナルケアを必要とする人などあらゆる健康レベルの特徴について理解する。本講義を通して、社会の中で様々な責任や役割を担う成人期にある人々をどのように捉え、健康問題を解決するために必要な看護について概要を理解する。
1.成人看護学 成人看護学概論:大西和子他編、ヌーベルヒロカワ第3版、第Ⅰ章、第Ⅳ章pp.296—302
2.配布資料
コマ主題細目
① 成人看護学の位置づけとは ② 成人の特徴と成人を取り巻く環境とは ③ 成人期にある人々の健康レベルの特徴
細目レベル
① ライフサイクルと発達課題から成人の位置づけについて理解す津。成人期は、青年期、壮年期、向老期と3段階に分かれている。これらの成人各期にある人々の身体・生理機能側面、心理・社会・経済的側面、知的・認知側面、スピリチュアル側面からの特徴と、発達課題、起こりやすい健康問題について理解する。青年期は、子ども時代からおとなへの移行期にあたる。この時期は心身の成熟を目指し身体的機能が急速に発達する。特に、二次性徴の発現もあり性的成熟は著しい。心理・社会的な発達もみられ、大人になる基礎が作られる時期であり、アイデンティティの確立に関連する健康問題等がみられる。壮年期は、最も安定した時期で心身ともに充実し、家庭でも社会でも中核となる存在として活躍する時期である。一方で40歳代から視力の衰えなどの身体機能の低下がみられ、生活習慣病が発症する時期であり有病率や受療率が加齢とともに増加する。向老期は、社会的に定年を迎えて引退する時期である。これに伴い役割の変化を強いられるなど様々な危機を迎えることとなる。また、加齢により身体の各臓器・器官の機能が低下する。これらの各期における身体的・心理社会的な特徴と起こりやすい健康問題について理解する。
② 成人を取り巻く環境として主に、家族の形態と機能の変化について理解する。家族の定義、現代家族の特徴家族の形態・世帯構造・機能の変化、家族についての考え方、家族周期の特徴、家族看護理論について理解する。家族は、人が社会生活を営む上で最も基本的な小集団である。特に成人してからは、配偶者を得て自分の家族を形成することもあり、家族形態・機能は多様になっていく。現代社会では、家族の小規模化、核家族化、共働き世帯の増加、離婚の増加、地域社会との繋がりの希薄化、価値観やライフスタイルの多様化も相まって成人をとりまく家族のあり様と機能は大きく変化している。個人と個人を取り巻く家族は相互に影響し合うため、成人看護学においても、家族を一つのシステムとして捉え、健康問題を抱える個人と家族全体を理解し、支援していくことが求められる。
③ 成人の健康レベルについて理解する。具体的に、成人看護学では、ヘルスプロモーション(健康保持・増進)にある人、疾病予防と早期発見を必要とする人、治療を必要とする人、健康・生活の再構築を必要とする人、ターミナルケアを必要とする人など様々な健康レベルにある人々を対象とする。ヘルスプロモーションは健康状態にある人に対して行う看護援助である。疾病予防・早期発見は、疾患への危険因子を持っている人を対象とする。治療を必要とする人は、急性期、慢性期、回復期・リハビリテーション期まで様々な健康レベルがあり、健康レベルによって看護の目的や援助方法が異なる。健康レベルのどの状況にあるかによって対象の心理的な状況もことなる。これらの各健康レベルにおける対象の身体的・心理社会的特徴と、必要な看護について理解することができる。
キーワード
① ライフサイクル ② 発達課題 ③ 成人の特徴 ④ 家族 ⑤ 成人の健康レベル
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習;『成人看護学 成人看護学概論 第3版』第Ⅰ章、第Ⅳ章pp.296—302を読んでおくこと。復習;授業資料を中心に振り返りを行い、下記の内容についてまとめておく。青年期、壮年期、向老期のライフサイクルにある対象の身体・生理機能側面、心理・社会・経済的側面、知的・認知側面、スピリチュアル側面の特徴、ライフサイクルにおける各段階にある人々の発達課題、家族看護理論、各段階に起こりやすい健康問題や必要とされる看護、成人の健康レベルとして、ヘルスプロモーション(健康保持・増進)にある人、疾病予防と早期発見を必要とする人、治療を必要とする人、健康・生活の再構築を必要とする人、ターミナルケアを必要とする人などあらゆる健康レベルの特徴についてまとめておく。また、授業内で重要と伝えた内容についても確認をしておく。授業で教授した主題に関連した内容について、自分なりの言葉で表現できることが重要になります。授業終了時の国家試験の問題については、不明なところは調べるなどして理解をしておく。ChatGPTを活用して、発達課題や成人期の特徴など該当コマの内容に関するテスト問題を作成し、取り組むことを推奨する。予習に2時間、復習に2時間必要です。
2
成人期にある人の理解2 1)成人保健の動向 2)成人期における健康障害(感染症・自己免疫疾患・難病)
科目の中での位置付け
成人期における人々の健康問題の現状や課題を総合的に理解するために、様々な成人の健康問題を統計学的視点から概観する。人口構造、平均寿命、有病率、受療率、死亡率など生物学的指標を学ぶことは、将来の成人保健や医療の方針を決定するのに重要な指針となる。我が国における平均寿命の延長や健康障害と疾病の概況(主要死因別死亡率、部位別・疾患別・年齢階級別の死亡率、など)を学び、我が国の成人期における健康問題の特徴について理解する。また、既習(第一回)のライフサイクルの中での社会的責任や身体的・経済的自立、自律の獲得などといった成人期の特長や、青年期から壮年期、向老期における成人の発達段階を理解した上で、成人期における健康障害の特徴を学ぶ。本項では、感染に関連する健康障害(クラミジア、AIDS)と看護、自己免疫に関連する健康障害(免疫機能とストレス要因)と看護、難病(難病の定義、難病の特徴)と看護、その特徴を理解する。
成人看護学 成人看護学概論:大西和子他編、ヌーベルヒロカワ、第2版 p40-55、131-136
配布資料
コマ主題細目
① 我が国の人口構成の変化、平均寿命 ② 成人期の健康障害と疾病の概況 ③ 成人期における健康障害(感染症・自己免疫に関連する健康障害・難病)
細目レベル
① 成人保健の動向について平均寿命の延長や有訴率、受療率などの推移を統計学的視点から理解する。人口ピラミッドでは第二次世界大戦後の第1次ベビーブームとその世代が出産年齢に達した頃の第2次ベビーブームの2つのふくらみがあるつぼ型となっている特長を理解する。年齢3区分別人口構成割合の推移から、年少人口の減少、老年人口の増加、生産年齢人口の減少など人口の高齢化が進んでいることを理解する。同時に、平均寿命の延長が顕著であり、世界有数の長寿国となっている我が国の現状についても理解する。平均寿命の延長が認められる中、老年期の生活がQOLの高い健康な生活となるよう成人期から健康の保持・増進に努め、健康寿命の延伸を図ることの重要性を理解する。
② 成人期の健康障害と疾病の概況として、死亡の動向、特に死因別死亡率や性別・年齢別の死亡者数などを理解することで、成人期の健康障害や疾病の特徴を理解する。主要死因別に見た死亡率の年次推移からは死因構造の中心が感染症から生活習慣病に変化していることを理解する。悪性新生物、心疾患、肺炎、脳血管疾患による死亡率の推移から、人口動態統計で3大死因といわれていた悪性新生物、心疾患、脳血管疾患の死亡率の推移や肺炎による死亡の増加といった変化を理解する。さらに悪性新生物の中でも部位別の年齢調整死亡率の推移や外因死の内訳、近年増加傾向にある自殺の年齢階級別死亡率を理解することで、我が国の健康障害と疾病の特徴を理解する。
③ 国内における成人期に問題となる感染症として、性感染症があげられる。性交渉により感染する疾患であり、わが国でも増加傾向にある。クラミジア感染症やAIDSの国内の発生状況を理解する。感染症に対しては、スタンダードプリコーションや感染経路別予防策の重要性、ワクチン接種、予防啓発など、感染管理看護認定看護師の存在など感染予防における看護の役割を理解する。自己免疫疾患とは、免疫反応が自分自身の正常な細胞や組織に対して過剰に反応し攻撃を与え、免疫機能が正常に働かないことによる疾患の総称である。自己免疫疾患の代表的疾患や、臓器非特異的自己免疫疾患の1つである膠原病は難病でもあり、難病の特徴と合わせて理解する。
キーワード
① 人口構造 ② 死亡率 ③ 成人期の感染症 ④ 自己免疫疾患 ⑤ 難病
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習として『成人看護学 成人看護学概論第2版』の第Ⅱ章1、第Ⅲ章1を熟読し、意味の分からない語句については調べておく。復習;講義資料を見直し、講義中に書き留められなかった重要語句については教科書『成人看護学 成人看護学概論第2版』第Ⅱ章1、第Ⅲ章1を読み返し、記載しておく。必要時解説を追加記載する。教科書『成人看護学 成人看護学概論第2版』第Ⅱ章1、第Ⅲ章1の重要な部分にラインを引く等、内容をまとめる。講義中に小グループで議論した内容について、他者の意見と自己の意見を振返りまとめる。講義中に出題した看護師国家試験過去問題を解き直した上で解説を熟読し、正解できなかった問題については関連する講義資料の確認を行う。ChatGPTを活用して、成人保険の動向など該当コマの内容に関するテスト問題を作成し、取り組むことを推奨する。予習に2時間、復習に2時間必要です。
3
成人期にある人の理解3 1)成人期における健康障害(難病・生活習慣・ストレス・がん疾患) 2)科学的根拠に基づく看護
科目の中での位置付け
既習(第一回)のライフサイクルの中での社会的責任や身体的・経済的自立、自律の獲得などといった成人期の特長や、青年期から壮年期、向老期における成人の発達段階を理解した上で、成人期における健康障害の特徴を学ぶ。成人期の健康障害を理解することで、成人の健康増進の必要性とその方法を理解し、我が国における健康増進政策を理解することにつながる。本項では、難病(難病の定義、難病の特徴)と看護、生活習慣・ストレスに関連する健康障害について理解する。生活習慣・ストレスに関連する健康障害として、その要因である食習慣や行動パターン、ストレス因子などについて学修する。疾患としては、がん疾患、心疾患、脳血管疾患、糖尿病、高血圧症、脂質異常症などがあげられ、それらの概要について理解する。特に死因1位であるがん疾患に関する国の対策を理解する。看護を展開するうえで重要となる、ヘルスアセスメントについて成人で用いられる主な看護理論の概要を理解する。
成人看護学 成人看護学概論:大西和子他編、ヌーベルヒロカワ、第2版 p120-131、157-172
配布資料
コマ主題細目
① 成人期における健康障害(難病・生活習慣・ストレスに関連する健康障害) ② 成人期における健康障害(がん疾患と我が国の対策) ③ 科学的根拠に基づく看護(成人のヘルスアセスメントと看護理論)
細目レベル
① 難病とは原因不明で、治療法が未確立であり、後遺症を残す恐れの少なくない疾患であり、慢性疾患患者としての特徴を理解し、疾患の受容や通院・在宅療養継続の困難、成人期の人々の特徴として多くの者が労働を通じて社会に貢献しており、成人期に発症した場合は就労との両立の困難など、特徴を理解する。生活習慣・ストレスに関連する健康障害として、その要因である食習慣や行動パターン、ストレス因子などについて学修する。疾患としては、がん疾患、心疾患、脳血管疾患、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、ストレス病(うつ病、自殺)などがあげられ、それらの我が国における年齢階級別受療率や死亡率の推移、リスクファクターや対策などの概要について理解する。
② がん疾患は昭和56年から死因別死亡率で死因の1位であり、対策が求められている疾患の一つである。遺伝やウイルス感染、化学物質、生活習慣などのリスクファクター理解し、我が国におけるがん疾患の対策を理解する。がん10か年総合戦略やがん対策推進アクションプラン、がん対策基本法など予防・診断・治療分野での研究促進や地域におけるがん医療の均てん化を目指し、がん診療連携拠点病院の指定などが行われている。がん看護においては、望む将来の医療について本人・家族と医療者が理解・共有することを支援するアドバンスド・ケア・プランニング(Advance Care Planning:ACP)が重要視されていることなどを理解する。
③ 看護過程の科目でも学習中であるヘルスアセスメント・看護過程について、アセスメントとは何かを理解し、第1回でも既習の成人の特徴を想起しつつ、成人を対象にしたヘルスアセスメントで用いる看護理論の枠組み(ヘンダーソン・オレム・ゴードン)の概要について理解する。成人期で治療を要する場合のヘルスアセスメントが用いられる場面(初期アセスメント・焦点アセスメント・緊急時のアセスメント・健康問題の経過を把握するアセスメント・長期の経過を把握するアセスメント)とそのプロセス、またヘルスアセスメントに必要な要件としての成人期の身体的特徴・心理的特徴、倫理的配慮、信頼関係の形成などに科学的根拠に基づきアセスメントすることについて理解する。
キーワード
① 生活習慣病 ② がん疾患 ③ 難病 ④ ヘルスアセスメント ⑤ 看護理論
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習として『成人看護学 成人看護学概論第2版』の第Ⅲ章1①⑤、第Ⅲ章2②を熟読し、意味の分からない語句については調べておく。復習としては、講義資料を見直し、講義中に書き留められなかった重要語句については教科書『成人看護学 成人看護学概論第2版』第Ⅲ章1①⑤、2②を読み返し、記載しておく。必要時解説を追加記載する。教科書『成人看護学 成人看護学概論第2版』第Ⅲ章1①⑤、2②の重要な部分にラインを引く等、内容をまとめる。講義中に小グループで議論した内容について、他者の意見と自己の意見を振返りまとめる。講義中に出題した看護師国家試験過去問題を解き直した上で解説を熟読し、正解できなかった問題については関連する講義資料の確認を行う。ChatGPTを活用して、成人期の健康障害など該当コマの講義内容に関するテスト問題を作成し、取り組むことを推奨する。予習に2時間、復習に2時間必要です。
4
成人期にある人の理解3 1)健康の定義 急性期の理解と特徴1 1)治療を必要とする対象:急性期の患者
科目の中での位置付け
成人期にある人々のライフサイクルの特徴や発達課題(第一回)や、成人保健の動向(第二回)、成人期の健康障害(第三回)については既に学修している。それらをふまえた上で、本項では改めて「健康」とは何かという事を様々な視点から考え、健康の定義と治療を必要とする対象について学修する。成人期における健康に関して、一般的に使用されることの多い世界保健機構の健康の定義と、個人や集団、地域、国といった様々なレベルで用いられる健康の指標について理解する。心身の調和としての健康、ウェルネス状態としての健康、看護の視点からの健康について学修する。また治療を必要とする対象として、急性期にある患者の特徴を理解する。成人が遭遇する急激な身体侵襲として、侵襲的治療による侵襲、物理的・科学的・生物学的刺激による侵襲、急性疾患による侵襲などがあり、それらの要因によって様々な症状が出現することや急激な侵襲下にある急性期患者の健康状態の特徴を捉える。
成人看護学 成人看護学概論:大西和子他編、ヌーベルヒロカワ、第2版 p55-59、90-98
配布資料
コマ主題細目
① 健康の定義 ② 侵襲・急性期とは ③ 治療を必要とする対象:急性期にある患者
細目レベル
① 成人期における健康に関して、まず「健康」とは何かという事を様々な視点から考え、健康の定義や、健康の指標、健康観などについて理解する。成人期における健康に関して、一般的に使用されることの多い世界保健機構(World Health Organization:WHO)の設立時に採択された世界保健期間憲章で示される健康の定義や成人の健康レベルについて理解する。看護に対象となる成人の健康レベルとして、看護の対象となるのは、ヘルス・プロモーション(健康保持・増進)、疾病予防、早期発見、治療を必要とする状態(急性期から回復期)、回復後の健康状態の再構築、ターミナル状態である。これらの状態にある成人の特徴を理解する。
② 急激な身体侵襲により急性期にある人々は様々な症状が出現して重篤な状態であり、濃厚な医療のサポートを必要とする。そうした状態にある人々の特徴を理解するにあたり、侵襲とは何か、また急性期とは何かを理解する。侵襲とは、身体の平衡状態を乱し、破綻させる危険性のある内的・外的刺激である。侵襲下の生体が安定状態の境界を越えて、健康レベルが著しく低下し、症状が発現した状態を急性期という。侵襲に対する生体反応として、下垂体前葉への刺激によるホルモンの分泌、下垂体後葉への刺激によるホルモンの分泌、各臓器・組織の防御態勢を促す伝達物質であるサイトカインによる炎症反応など、急激な身体侵襲の要因がどのように身体に影響を与えて症状が出現するのかを理解する。
③ 治療を必要とする対象として、急性期にある患者の特徴を理解する。急激な侵襲下にある急性期患者の健康状態の特徴を捉えることで、急性期にある人への看護アプローチの基本を理解する。急激な侵襲下にある急性期患者、特に手術侵襲下の患者は、恒常性が維持できず、生理的欲求が充足されにくい状態にあり、生命の危機的状況にあることや治療環境の維持のためになどにより安全のニードや所属のニード、承認のニードの充足が阻害される状況にあることを理解する。急性期患者は、生命の危険、生体防御機能の活性化と合併症の危険性、不快症状の体験、不安や恐怖、コミュニケーションの不足、治療環境の非日常性、コントロール感覚の喪失といった様々な健康状態の特徴を持つことを理解する。
キーワード
① 健康の定義 ② WHO ③ 成人の健康レベル ④ 手術侵襲 ⑤ 急性期患者の特徴と看護
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習として『成人看護学 成人看護学概論第2版』の第Ⅴ章1、第Ⅴ章3①を熟読し、意味の分からない語句については調べておく。復習としては、講義資料を見直し、講義中に書き留められなかった重要語句については教科書『成人看護学 成人看護学概論第2版』第Ⅴ章1、第Ⅴ章3①を読み返し、記載しておく。必要時解説を追加記載する。教科書『成人看護学 成人看護学概論第2版』第Ⅴ章1、第Ⅴ章3①の重要な部分にラインを引く等、内容をまとめる。講義中に小グループで議論した内容について、他者の意見と自己の意見を振返りまとめる。講義中に出題した看護師国家試験過去問題を解き直した上で解説を熟読し、正解できなかった問題については関連する講義資料の確認を行う。ChatGPTを活用して、健康の定義や急性期の特徴など該当コマの講義内容に関するテスト問題を作成し、取り組むことを推奨する。予習に2時間、復習に2時間必要です。
5
急性期の理解と特徴2 1)急性期に使用する理論(生体侵襲理論・ストレスコーピング・危機理論)
科目の中での位置付け
成人期の人々にとっての健康や治療を受ける対象、その中でも急激な侵襲により治療を必要とする対象(第四回)について学修した。本項では、そういった急性期で使用される理論・モデルとして、生体侵襲理論、ストレスコーピング理論、危機理論について学修する。侵襲とは生体の恒常性を乱すものであり、生体はこれらの侵襲から生命機能を守るため、様々な防御作用が働く。健康問題を持つ成人の看護にあたっては、このような防御機構が効果的に働くよう調整するため、侵襲に対する反応を理解する。次いで、セリエによるストレス因子とストレスを定義づけた生物学的ストレス理論について学修する。ラザルスらにより、ストレス因子に対する対処は、認知的評価・コーピングを経て適応の結果に至ると定義しているストレスコーピング理論を理解する。ストレスの中でも緊急の対応が必要になるのが危機的状況である。危機理論(アギュレラ、フィンクの危機モデル)を学修し、患者や家族が置かれている状況と問題をより適切に理解し、関わり方の手掛かりを得る。
成人看護学 成人看護学概論:大西和子他編、ヌーベルヒロカワ、第2版 p237-255、
配布資料
コマ主題細目
① 生体侵襲理論 ② ストレスコーピング理論 ③ 危機理論
細目レベル
① 成人期において生体侵襲理論を使用する意味合いは、成人期の人々は侵襲に対する防御システムが成熟していることにより、特に激しい侵襲反応を起こす可能性が高く、健康問題を持つ成人の看護を行う上で侵襲に対する反応の機序を理解していることが非常に重要なためである。侵襲反応として、自律神経系の反応、内分泌系の反応、免疫系の反応の3つの系統で生じ、それぞれが関連していることを理解する。身体的侵襲や心理的侵襲による自律神経系の反応として、即時的な交感神経の活性化があげられる。内分泌系の反応として、ホルモンの分泌により水分の貯留や血糖の変動、タンパク異化などに影響を与える。免疫系の反応としては、炎症性サイトカインや抗炎症性サイトカインの働きにより、各臓器・組織の防御体制に作用している。
② 成人期にある人々が発達課題を達成する中でストレス状態に陥りやすいことは学修している。成長発達する成人期の人々を理解したうえで、ストレス因子や対処方法を把握したうえで適切な援助を選択する際に活用できる理論である。セリエの生物学的ストレス理論として、生体に加わる様々な刺激をストレス因子、ストレス因子により引き起こされる状態をストレス、また生体がストレスにより障害を受け反応を示す状態が全身適応症候群であることを理解する。ラザルスのストレスコーピング理論では、ストレス対処にはストレスの認知的評価、コーピングを経て結果に至るプロセスがあるとし、問題中心型コーピングと情動中心型コーピングについて理解する。
③ ストレスの中でも緊急の対応が必要になるのが危機的状況である。危機理論を理解することで患者や家族の置かれている状況と問題を適切に理解し、同時にかかわり方の手がかりをつかむ。本項では、危機理論(カプランの危機理論、アギュレラの危機理論、フィンクの危機モデル)を理解する。カプランによる危機の定義と、危機に対処・適応した人は危機に陥り前よりも人格の成長があり、発達的危機と状況的危機があること、危機の3つの特性について理解する。アギュレラの理論では、危機に至る過程があり、その過程に影響する3つの問題解決決定要因と危機の回避について理解する。フィンクの危機モデルでは衝撃の段階、防御的退行の段階、承認の段階、適応という4つの過程で表していることを理解する。
キーワード
① 生体侵襲理論 ② 生物学的ストレス理論 ③ ストレスコーピング理論 ④ アギュレラの危機モデル ⑤ フィンクの危機モデル
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習として『成人看護学 成人看護学概論第2版』の第Ⅵ章3・4を熟読し、意味の分からない語句については調べておく。復習としては、講義資料を見直し、講義中に書き留められなかった重要語句については教科書『成人看護学 成人看護学概論第2版』第Ⅵ章3・4を読み返し、記載しておく。必要時解説を追加記載する。教科書『成人看護学 成人看護学概論第2版』第Ⅵ章3・4の重要な部分にラインを引く等、内容をまとめる。講義中に小グループで議論した内容について、他者の意見と自己の意見を振返りまとめる。講義中に出題した看護師国家試験過去問題を解き直した上で解説を熟読し、正解できなかった問題については関連する講義資料の確認を行う。ChatGPTを活用して、急性期に使用する理論など該当コマの講義内容に関するテスト問題を作成し、取り組むことを推奨する。予習に2時間、復習に2時間必要です。
6
急性期の理解と特徴3 1)成人期における倫理的問題 2)倫理的意思決定と倫理的問題の解決過程
科目の中での位置付け
これまでに、成人期の健康障害(第三回)や成人期の人々にとっての健康、急激な侵襲により治療を必要とする対象(第四回)について学修した。本項では、成人期の健康障害や急性期という状態を理解したうえで、急性期にある患者の看護援助に必要な倫理的判断の重要性を理解し、倫理的問題における看護職の役割を学修する。看護倫理とは看護者によってなされる倫理的判断であり、多様な意思決定の場面に遭遇する看護者に必要な能力について学修する。成人看護急性期に関連する倫理的問題は、救急救命医療・臓器移植、新薬開発の臨床試験、遺伝子診断/治療、感染症など、多様である。それぞれの領域における倫理的問題について学修する。看護者が倫理的意思決定を下す際には、その判断形成の拠り所となる社会的判断基準が必要であり、それらのガイドラインについて学修する。看護者が直面する倫理的問題の解決について、看護者の役割や倫理的意思決定のプロセス、意思決定支援における看護者の働きについて理解する。
成人看護学 成人看護学概論:大西和子他編、ヌーベルヒロカワ、第2版 p62-79
配布資料
コマ主題細目
① 看護倫理と成人看護における倫理的問題 ② 看護者の倫理的意思決定の基準 ③ 倫理的問題の解決課程
細目レベル
① 看護倫理とは看護者によってなされる倫理的判断であり、多様な意思決定の場面に遭遇する看護者に必要な能力である。倫理的意思決定を下す際に、道徳的課題に適切かつ効果的に対応することができるためには、道徳的感受性、道徳的思考、道徳的動機、そして道徳的人間性が必要であることを理解する。近年の医療の中で、高齢化や医学の進歩に伴う生命操作の問題など、多様な倫理的問題が存在する。成人看護に関連する倫理的問題として、救命救急医療・臓器移植、新薬開発の臨床試験、遺伝子診断/治療など様々な場面において倫理的問題があることを理解する。 患者自身が自己決定できない状況がある救急医療では、治療の適性や継続などについて、看護者としての葛藤や戸惑いが生じることも理解する。
② 看護者が倫理的意思決定を下す際には、その判断形成の拠り所となる社会的判断基準が必要であり、それらのガイドラインについて学修する。社会的判断基準として活用されるのが「倫理上の基本原則」の中で重要とされる6つの倫理原則と、看護実践上の倫理的意思決定の基盤となる4つの倫理的概念を理解する。国際看護師協会では、「看護婦の規律」を制定し、日本看護協会は「看護者の倫理綱領」を示しており、その基本的考え方を理解する。また、看護は人々の生命にかかわる職業でもあり、その身分や業務は法律で規定されている。看護者はこの法律:看護師保健師助産師法に基づき業務を行うが、医療時事故を起こした場合には法的責任を追う立場であることを理解する。
③ 看護者が直面する様々な倫理的問題の解決について、看護者の役割や倫理的意思決定のプロセス、意思決定支援における看護者の働きについて理解する。救命救急医療や遺伝子診断/治療などについて事例を提示し、個人ワーク・グループワークにより、現在の自身の倫理的問題に対する思考の傾向を知り、他者の意見を聞くことで異なる思考のあり方に触れ、看護者としてあるべき倫理的判断を検討する。また、倫理的問題に関する看護者の役割は、日常業務における倫理的ジレンマを顕在化させることや、その問題について、思考・表現・検討する場を設けること、倫理的感受性の育成をはかること、などであることを理解する。また、日頃より倫理的感受性を高めるために、意思決定のための10のステップモデルや症例検討シートなどを参照し倫理的問題を明確化して分析することの重要性を理解する。
キーワード
① 倫理的意思決定 ② 救急・臓器移植に関連する倫理問題 ③ 新薬開発・遺伝子診断に関する倫理問題 ④ 看護者の倫理綱領 ⑤ 意思決定支援
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習として『成人看護学 成人看護学概論第2版』の第Ⅳ章1・2・3を熟読し、意味の分からない語句については調べておく。復習としては、講義資料を見直し、講義中に書き留められなかった重要語句については教科書『成人看護学 成人看護学概論第2版』第Ⅳ章1・2・3を読み返し、記載しておく。必要時解説を追加記載する。教科書『成人看護学 成人看護学概論第2版』第Ⅳ章1・2・3の重要な部分にラインを引く等、内容をまとめる。急性期看護において倫理的意思決定が必要な場面を考え、その時の看護者としての対応について自分なりの意見をまとめる。講義中に出題した看護師国家試験過去問題を解き直した上で解説を熟読し、正解できなかった問題については関連する講義資料の確認を行う。ChatGPTを活用して、成人期の倫理的問題など該当コマの講義内容に関するテスト問題を作成し、取り組むことを推奨する。予習に2時間、復習に2時間必要です。
7
日本の救急医療1 1)救急看護の定義と役割 2)日本における救急医療体制 3)救急看護と倫理的課題
科目の中での位置付け
本項では、急性期の特徴の一つでもある救急看護について学修する。救急看護の定義と特徴・役割、救急看護の専門性について学修する。救急看護とは急な身体の疾患又は損傷を受けた対象への医療の場における看護であり、救急看護の特徴である、緊急性・重症化の可能性・精神的な危機・限られた情報・様々な環境下での発生という事について学修する。救急看護の現場となる救急医療体制(救急医療の歴史、救急医療システム、救急医療施設:第一次救急医療施設・第二次救急医療施設・第三次救急医療施設、救急搬送システム、救急医療情報システム、トリアージ)についても理解する。また、救急医療では患者の命を救うことが第一の目的であり、そのような場面における法的根拠について学修する。救急医療は特殊な状況であり、倫理的側面についてもその特徴を理解する必要がある。救急看護におけるインフォームドコンセント、アドボカシー、プライバシーの保護といった特徴を理解する。
系統看護学講座 別巻 救急看護:山瀬博彰他、医学書院 P2-23、41-48
配布資料
コマ主題細目
① 救急看護とは ② 我が国の救急医療体制 ③ 救急看護と倫理的側面
細目レベル
① 救急看護の定義と特徴・役割、救急看護の専門性について学修する。救急看護とは急な身体の疾患又は損傷を受けた対象への医療の場における看護であり、これまでに学修した急激な身体侵襲により急性期状態にある患者が対象である。緊急性があること、重症化の可能性があること、精神的な危機に陥りやすいこと、情報が限られること、様々な環境下で発生するなどといった救急看護の特徴について理解する。また、救急看護の役割として、救急外来や入所者の急変時に対応する救急処置の実施やトリアージといった救急看護の実践はもちろんのこと、患者やその家族となりうる一般人々に対する救命・救急処置の指導を行うことも重要な役割であることを理解する。
② 救急看護の現場となる救急医療体制(救急医療の歴史、救急医療システム、救急医療施設:第一次救急医療施設・第二次救急医療施設・第三次救急医療施設、救急搬送システム、救急医療情報システム、トリアージ)について理解する。我が国の救急医療システムとして、医療施設、救急搬送システム、救急医療情報システムの3つが有効に連携することで成り立っている。その中で、救急医療施設には、初期救急医療施設、第二次救急医療施設、第三次救急医療施設というように患者の重症度により整備されていることを理解する。救急搬送システムには、最も一般的な救急車以外に、高規格救急車であるドクターカーや救急医療専用のヘリコプターで医師が同乗するドクターヘリなどがあることを理解する。
③ これまでの講義で、成人看護における倫理的問題を学修したが、特に救急看護の場面における法的側面について関係法規を含めて理解する。救急医療では患者の命を救うことが第一の目的であり、そのような場面における法的根拠について学修する。救急医療は特殊な状況であり、倫理的側面についてもその特徴を理解する必要がある。救急看護におけるインフォームドコンセント、アドボカシー、プライバシーの保護といった特徴を理解する。救急看護の対象となる患者や家族は、心身の危機的状態にあり自分自身や家族の権利を考える余裕がないことも多く、こうした状況で患者や家族に最も近い立場の看護師がアドボケーターの役割を発揮することの重要性を理解する。
キーワード
① 救急看護の特徴 ② 救急看護の専門性 ③ 救急医療施設 ④ 特定行為 ⑤ アドボカシー
コマの展開方法
社会人講師
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ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習として『系統看護学講座別巻 救急看護』の第1章A、B、Dを熟読し、意味の分からない語句については調べておく。復習としては、講義資料を見直し、講義中に書き留められなかった重要語句については教科書『系統看護学講座別巻 救急看護』の第1章A、B、Dを読み返し、記載しておく。必要時解説を追加記載する。教科書『系統看護学講座別巻 救急看護』の第1章A、B、Dの重要な部分にラインを引く等、内容をまとめる。講義中に小グループで議論した内容について、他者の意見と自己の意見を振返りまとめる。講義中に出題した看護師国家試験過去問題を解き直した上で解説を熟読し、正解できなかった問題については関連する講義資料の確認を行う。ChatGPTを活用して、救急看護の定義など該当コマの講義内容に関するテスト問題を作成し、取り組むことを推奨する。予習に2時間、復習に2時間必要です。
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日本の救急医療2 1)救急看護の特徴 2)救急患者とその家族 急性期にある人への看護・まとめ
科目の中での位置付け
本項では、救急看護の対象を理解する。救急患者には、背景的な特徴と発症様式、病態、心理面に特徴がある。患者層や情報が限られているなどの背景的特徴、突然の発症で緊急度が高く、重症度は様々等発症様式と病態の特徴を学修する。またコミュニケーションがとりづらく、不安や恐怖が強く、精神的な危機状態にあることなどが心理的特徴であることを学修する。家族の誰かが突然の疾病や外傷に見舞われた場合、家族同士で連絡を取ったり、受診やお見舞いに行ったり、家事を代わりにこなしたりと、患者のみならず家族機能にも揺らぎが生じる。このように救急の場面においては家族システムへの影響が起こることが救急患者家族の特徴であることを理解する。また、救急患者の家族はパニック状態に陥りやすく、限られた情報の中で不安や苛立ちを感じるなど身体的・心理的ストレスにさらされる。加えて高度な医療に伴う経済的負担といった社会的問題も抱えることを理解する。
系統看護学講座 別巻 救急看護:山瀬博彰他、医学書院 P52-63、66-79
配布資料
コマ主題細目
① 救急患者の患者背景と病態の特徴 ② 救急患者の心理的特徴 ③ 救急患者家族の特徴・成人急性期のまとめ
細目レベル
① 救急患者の特徴として、まずは患者層や情報が限られていることや社会情勢の影響を受けることなどの背景的特徴があることを理解する。発症様式や病態の特徴として、突然の発症で緊急度が高く、重症度は様々であること、発症原因は多様であり、様々な病態を呈すること、発症の時間と場所による特徴があることなどがあげられ、これらの特徴を理解する。救急疾患は突然の意識消失や疼痛によって発症し、外傷の場合は偶発的な出来事により生じる。多くの救急患者は、緊急度は高いが重症度は様々であり、救急患者の中でも最も多くを占めているのが初期救急の患者であり、第三次救急の患者は数は少ないが重症度は最も高いというように、緊急度は高いが重症度はさまざまである。
② また救急患者は、意識障害を伴う場合や気管挿管などの治療上の必要によってコミュニケーションがとりにくい場合も多い。そのような状況に加え、突然の発症によって多くの救急患者は不安や恐怖を感じ、心理的ストレス反応を示し、身体的危機状態にあるだけでなく精神的な危機状態にあること、精神症状が合併しやすいなどが心理的特徴であることを理解する。せん妄は入院中の重症救急患者にみられる意識障害に一つで、幻視や幻聴、妄想などが出現するが症状回復後に後遺症を残すことはない精神症状であることを理解する。人為災害、自然災害などの極度のストレスを体験した後にはフラッシュバックやパニック発作などが特徴でもあるPTSDについても理解する。
③ 家族の誰かが突然の疾病や外傷に見舞われた場合、家族同士で連絡を取ったり、受診やお見舞いに行ったり、家事を代わりにこなしたりと、患者のみならず家族機能にも揺らぎが生じる。このように救急の場面においては家族システムへの影響が起こることが救急患者家族の特徴であることを理解する。また、救急患者の家族はパニック状態に陥りやすく、限られた情報の中で不安や苛立ちを感じ、ストレス反応が生じる場合がある。重症患者の場合は、治療によっても死亡する患者もおり、患者家族は肉親の突然の死という現状に強い悲嘆を経験し、悲嘆作業を進めることで悲嘆反応が適切にすすむプロセスについて理解する。加えて高度な医療に伴う経済的負担といった社会的問題も抱えることを理解する。これまで学修した成人期にある人々の特徴、成人急性期の特徴と理論や倫理的課題、救急看護の特徴、救急看護の対象の特徴を振り返る。
キーワード
① 救急患者の背景的特徴 ② 救急患者の病態的特徴 ③ 救急患者の心理的特徴 ④ 救急患者家族の特徴 ⑤ 救急患者家族の社会的問題
コマの展開方法
社会人講師
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PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習として、『系統看護学講座別巻 救急看護』の第2章A、Bを熟読し、意味の分からない語句については調べておく。復習としては、講義資料を見直し、講義中に書き留められなかった重要語句については教科書『系統看護学講座別巻 救急看護』の第2章A、Bを読み返し、記載しておく。必要時解説を追加記載する。教科書『系統看護学講座別巻 救急看護』の第2章A、Bの重要な部分にラインを引く等、内容をまとめる。講義中に小グループで議論した内容について、他者の意見と自己の意見を振返りまとめる。講義中に出題した看護師国家試験過去問題を解き直した上で解説を熟読し、正解できなかった問題については関連する講義資料の確認を行う。ChatGPTを活用して、救急患者やその家族の特徴など該当コマの講義内容に関するテスト問題を作成し、取り組むことを推奨する。予習に2時間、復習に2時間必要です。
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慢性期の理解と特徴1 1)慢性疾患と共に生きる人の理解と看護2)リハビリテーションを必要とする人の理解と看護
科目の中での位置付け
この授業では、急性期を脱し、慢性的な病いの経過を辿る人への看護を理解するために、慢性疾患の特徴と慢性疾患の経過プロセス、慢性疾患患者の治療の特徴(継続的なセルフケアを必要する、療養の場が病院から在宅に移行していく、保健・医療・福祉のチームアプローチが必要になる等)、慢性疾患と共に生きる人の身体的・心理・社会的特徴について理解する。慢性疾患と共に生きる人々についての理解を基盤に、その看護援助として、疾病のマネージメントと悪化予防、闘病意欲の維持とセルフケア継続を支援することについて理解する。さらに、この授業では、病気からの回復過程にあり、リハビリテーションを必要とする人の特徴と看護について理解する。リハビリテーションを必要とする人の概念的理解から、リハビリテーションの対象となる障害、障害の発生タイプや性質、患者と家族が直面する課題、リハビリテーションアプローチと経過別の看護の役割についても理解する。
1.成人看護学 成人看護学概論:大西和子他編、ヌーベルヒロカワ第3版 第Ⅱ章pp.90-110、pp.140-150、pp.153-156 2.配布資料
コマ主題細目
① 慢性疾患を人々と家族の身体的・心理的特徴 ② 慢性的な経過をたどる健康障害をもつ患者への看護援助 ③ リハビリテーション期にある人々と家族の特徴と看護
細目レベル
① 慢性疾患と共に生きる人、ならびにリハビリテーションを必要とする人について理解する。具体的には、慢性疾患の特徴と慢性疾患の経過プロセスの他、慢性疾患患者の治療(食事療法、運動療法、在宅酸素療法、透析療法等)とその特徴として、継続的なセルフケアを必要とし、療養の場が病院から在宅・通院治療・在宅治療に移行していくこと、保健・医療・福祉の専門職によるチームアプローチが必要になることについて学ぶ。さらに、慢性的な経過をたどる健康障害をもつ人とその家族の身体的な問題や心理的な特徴、家庭生活・社会生活上の特徴、患者を取り巻く社会環境の特徴について理解する。リハビリテーションを必要とする人については、概念的理解から、リハビリテーションの対象となる障害、障害の発生タイプや性質、患者と家族が直面する課題について理解する。
② ➀の慢性疾患と共に生きる人々についての理解を基盤に、その看護援助について理解する。慢性疾患と共に生きる人は病態や環境の変化に応じた疾病のマネジメントや合併症の予防が必要となる。そのため、主に4つの看護援助が必要である。1つ目は、「疾病のマネジメントと悪化予防に関する知識・技術の提供」である。2つ目は、患者の疾病受容の過程に応じた「闘病意欲の維持とセルフケア継続への援助」、3つ目は、患者自身が最大限セルフケア能力を発揮できるように「セルフケア能力拡大への援助」、4つ目は、社会視点の活用や役割の再獲得を促すといった「社会適応力の助長への援助」である。これらの4つの看護援助に関する具体的な視点について理解する。
③ リハビリテーションのチームアプローチと看護師の役割について理解する。リハビリテーションを必要とする人が抱える課題解決のためには、多領域の専門職による支援が必要となる。リハビリテーションによるチームアプローチで関わる職種について理解し、患者・家族を中心にどのように協働していくかについて学ぶ。また、リハビリテーション看護においては、急性期、回復期、維持期と経過していく中で、その健康レベルにあわせた支援をしていく必要がある。急性期では、病状の安定を図ると共に、回復の阻害因子となる関節拘縮や褥瘡予防あが重要となる。回復期では、生活の再構築に向け、地域連携支援室などと連携し退院後の生活に向けた調整が必要となるなど、様々な支援の特徴があることを理解する、
キーワード
① 慢性疾患 ② リハビリテーション ③ チームアプローチ ④ 健康レベル ⑤ 回復
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習;『成人看護学 成人看護学概論 第3版』第Ⅱ章pp.90-110、pp.140-150、pp.153-156を読んでおくこと。復習;授業資料を中心に振り返りを行い、下記の内容についてまとめておく。慢性疾患の特徴、慢性疾患の経過プロセス、慢性疾患患者の治療の特徴、慢性疾患と共に生きる人の身体的・心理・社会的特徴、疾病のマネージメントと悪化予防の看護、闘病意欲の維持とセルフケア継続支援、リハビリテーションを必要とする人の概念的理解から、リハビリテーションの対象となる障害、障害の発生タイプや性質、患者と家族が直面する課題、リハビリテーションアプローチと経過別の看護の役割。授業で教授した主題に関連した内容について、自分なりの言葉で表現できることが重要になる。授業終了時の国家試験の問題については、不明なところは調べるなどして理解をしておく。ChatGPTを活用して、慢性疾患と共に生きる人の特徴など該当コマの講義内容に関するテスト問題を作成し、取り組むことを推奨する。予習に2時間、復習に2時間必要です。
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慢性期の理解と特徴2 健康促進と成人教育で活用できる理論
科目の中での位置付け
この授業では、成人期にある人々の健康促進と成人教育で活用できる理論について理解する。成人期にある人々は、食生活の変化や飽食、運動不足などによる生活習慣病やストレスにより精神疾患やがん疾患、心疾患に罹患する人々が増えている。そのため、成人期において、生活習慣病の予防やストレスマネジメントについて学習してもらい、ヘルスプロモーションに積極的に取り組むこおは重要課題である。ヘルスプロモーションの定義や一次、二次、三次予防の取り組みについて理解する。また、慢性疾患を持つ人々は生活者でもあり、日常生活を送りながら病気とつきあっていく必要がある。そのため、適切な病気に関する知識やセルフマネジメントの方法について習得してもわなければならない。成人期にある人々への教育は、対象者の特性に関する4つの重要な考え方;1.学習者は自己決定的である、2.経験が学習の資源となる、3.発達課題の移行期が教育の適時期である、4.問題解決的な学習を志向する、の視点を取り入れて教育方法や内容を考えていかなければ、効果的な教育にはならない。成人教育に必要なアンドラゴジーの考え方について理解し、慢性疾患を持つ人々に対しどのような教育方法を行うことが重要であるか考える。
1.成人看護学 成人看護学概論:大西和子他編、ヌーベルヒロカワ第3版、第Ⅱ章pp.85-89、第Ⅴ章pp.273—280、pp.303—311 2.配布資料
コマ主題細目
① ヘルスプロモーション ② アンドラゴジー ③ アドヒアランスとコンプライアンス
細目レベル
① ヘルスプロモーションの定義と対象、活動について理解する。成人期における人々の健康に及ぼす環境は、社会の変化とともに複雑化し、生活習慣病、がん疾患、心疾患、精神障害など健康に影響をきたす病気を増加させている。このような現状のなかで、ヘルスプロテクション(健康保持)やヘルスプロモーション(健康増進)という視点はとても重要である。一次予防は、健康の保持・増進をはかり病気予防を行うことである。二次予防は、健診などにより病気の早期発見、早期治療をすることにより、病気が進行しないうちに治すことを目的としている。三次予防は、適切な治療により、病気や障害の進行を防止することを目的としている。リハビリテーションによる介入もこれに含まれている。これらのヘルスプロモーションの一、二、三次予防対策の目的、活動方法について理解する。また、ヘルスプロモーションの国の施策の変遷と対応策についても理解する。
② 学習理論であるアンドラゴジー(andragogy)について理解する。アンドラゴジーとは、成人教育学のことをいう。成人期の学習者の特性についてのアンドラゴジーは、成人期における対象理解を助けてくれる。成人期にある人々への教育では、ただ知識と技能を伝えるという方法では、必ずしも患者と家族のニーズに応えることは難しい。成人期にある人々に対する教育では、対象者の特性に関する4つの重要な考え方;1.学習者は自己決定的である、2.経験が学習の資源となる、3.発達課題の移行期が教育の適時期である、4.問題解決的な学習を志向する、に沿って行わなければ教育効果が期待できない。これらの4つの考え方の具体的な内容を学び、成人期にある人々に対する教育において重要なことについて理解する。
③ アドヒアランスとコンプライアンスの意味とアドヒアランスを支える看護について理解する。成人期にある人々は生活者であり、日常生活を送りながら自ら病気のマネジメントを行う必要がある。医学的な立場で必要と判断する養生法が何かという点が重視されるコンプライアンスという概念に対し、アドヒアランスは実際の生活者である対象が自分の日常生活に取り込むことができる養生法とは何かという視点が重視される。コンプライアンスは、指示された養生法に従う能力、他者に従う、あるいはいいなりになる傾向を意味するが、アドヒアランスは、自分自身を支えるために責任を自分自身が持つこと、自分を支えるためにたゆまず努力をすることという意味である。両者の違いを含めこれらの意味について理解する。また、患者がアドヒアランスを支えるために、アドヒアランスの障碍となるものを理解するとともに、どのような援助を行う必要があるのか理解する。
キーワード
① ヘルスプロモーション ② 成人教育学 ③ アンドラゴジー ④ アドヒアランス ⑤ コンプライアンス
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習;『成人看護学 成人看護学概論 第3版』第Ⅱ章pp.85-89、第Ⅴ章pp.273—280、pp.303—311を読んでおくこと。復習;授業資料を中心に振り返りを行い、下記の内容についてまとめておく。ヘルスプロモーションとは何か、一次予防、二次予防、三次予防の目的、アンドラゴジー論で述べられている成人教育における学習者の特性に関する4つの考え方とこれらをもとにした教育的実践への示唆、コンプライアンスとアドヒアランスの意味、アドヒアランスの障碍となる要因、アドヒアランスを支えるための看護援助。また、授業内で重要と伝えた内容についても確認をしておく。授業で教授した主題に関連した内容について、自分なりの言葉で表現できることが重要になる。授業終了時の国家試験の問題については、不明なところは調べるなどして理解をしておく。ChatGPTを活用して、健康促進と慢性期で使活用できる理論など該当コマの講義内容に関するテスト問題を作成し、取り組むことを推奨する。予習に2時間、復習に2時間必要です。
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慢性期の理解と特徴3 成人教育と健康行動理論
科目の中での位置付け
この授業では、成人看護や成人教育に活用できる概念や理論について理解する。近年、自分の病気やその治療を全面的に医療の専門家に任せるというあり方から、病気の予防や健康の維持・増進も含めて自分で自分を守るという自己管理へと変化してきている。慢性疾患を持つ人々は生活者であり、日々の生活を送りながら病気のマネジメントができるように支援することが重要である。そのための看護や教育を考えるうえで役立つ概念や理論;セルフケア論、自己効力理論、適応モデル等の枠組みについて理解する。セルフケア論を用いて、健康を取り戻すために必要な個人の顕在的・潜在的セルフケア能力を引き出し、患者が自ら自己管理ができるように支援するための視点について理解する。自己効力理論は、対象の動機付けや考え方、行為に関わる理論であり、成人看護においてケアの効果をあげたり、その効果を測定したりするのに有効な方法を導き出せるものである。成人期にある慢性疾患を持つ人々への看護に、これらの概念や理論をどのように活用できるかについて学ぶ。
1.成人看護学 成人看護学概論:大西和子他編、ヌーベルヒロカワ第3版、第Ⅵ章pp.257-272、pp.281-295 2.配布資料
コマ主題細目
① セルフケア論 ② 自己効力理論 ③ 適応モデル ④ エンパワーメント
細目レベル
① セルフケア論の枠組みについて理解する。成人看護では、対象は本来高いセルフケア能力をもっている存在であることを十分に意識して関わる必要があり、セルフケアの概念を用いてアプローチすると、成人の健康問題の所在が明らかになり、個人を尊重した対処の方法が見出しやすい。世界保健機関(WHO)や看護診断(NANDA)やオレムが提唱したセルフケアの定義を学び、セルフケアとは何かについて理解する。また、普遍的セルフケア要件、発達的セルフケア要件、健康逸脱に対するセルフケア要件について理解する。また、セルフケア不足理論や看護システム理論を用いて、患者が本来持っている能力を活かしながらセルフケアを行うために、どのように看護を提供していくことが重要であるか理解する。
② 自己効力理論の枠組みについて理解する。健康管理の学習を促す成人教育では、現実的な課題に対して主体的な取り組みを促すことが学習効果を上げやすいという特徴がある。自己効力理論は、動機づけや考え方、行為の遂行にかかわる理論であり、学習の成果をめざしたり、その効果を予測する指標として用いられている。自己効力とは何か、個人が特定の行動に取り組むことに関わる効力予期と結果予期、自己効力を高める主要な4つの情報源;1.遂行行動の達成、2.代理的経験、3.言語的説得、4.情動的喚起と、それぞれの情報源に対する誘導様式について理解する。また、自己効力理論を、成人期にある慢性疾患を持つ患者への看護にどのように活用できるか理解する。
③ 適応モデルの枠組みについて理解する。成人期では個人が取り巻く環境とうまく調整して生活していくという特徴があり、適応理論を用いると、人と環境との調整について理解を深めることができる。いくつか理論から「適応」の定義や概念を学ぶ。ロイの適応モデルの枠組みでは、人間を全体的適応システムと捉えており、システムはいくつかの部分あるいは目的のために全体が一つのまとまりとして機能し、かつ各部は相互に依存しながら全体として機能する。環境から受ける刺激(インプット)を受けることで、環境に適応するために対処機制を働かせ、その結果として適応的あるいは非効果的な反応(行動:アウトプット)として表れる。この理論から、成人期にある慢性疾患をもつ人々が、病気をもちながら生活することを支えるためにどのような援助が必要かについて学ぶ。また、エンパワーメントについても学ぶ。
キーワード
① セルフケア理論 ② 自己効力理論 ③ 適応モデル ④ エンパワーメント ⑤ セルフマネージメント
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習;『成人看護学 成人看護学概論 第3版』第Ⅵ章pp.257-272、pp.281-295を読んでおくこと。復習;授業資料を中心に振り返りを行い、下記の内容についてまとめておく。セルフケアとは何か、オレムのセルフケア不足理論(3つのセルフケア要件、治療的セルフケアデマンド、セルフケアエージェンシー)、看護システム理論(全代償的システム、一部代償的システム、支持・教育的システム)自己効力理論(自己効力、効力予期と結果予期、自己効力を高める4つの主要な情報源と誘導様式)、適応理論(3つの刺激、対処機制、適応様式)、エンパワーメント。また、授業内で重要と伝えた内容についても確認をしておく。授業で教授した主題に関連した内容について、自分なりの言葉で表現できることが重要になる。授業終了時の国家試験の問題については、不明なところは調べるなどして理解をしておく。ChatGPTを活用して、成人教育と健康行動理論など該当コマの講義内容に関するテスト問題を作成し、取り組むことを推奨する。予習に2時間、復習に2時間必要です。
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慢性期の理解と特徴4 慢性的な経過をたどる健康障害を有する人の特徴と看護
科目の中での位置付け
この授業では、病みの軌跡の概念をもとに、慢性的な経過をたどる健康障害を持つ人の特徴と看護について理解する。病みの軌跡では、慢性の病気が長い時間をかけて多様に変化していく一つの行路(course)を持つよいう考え方がされている。病みの軌跡の諸概念の考え方について理解し、軌跡の局面;全軌跡期、軌跡発現期、安定期、不安定期、急性期、クライシス期、立ち直り期、下降期、臨死期の特徴について理解し、長期間にわたり療養生活を送らなければならない慢性疾患をもつ人々の軌跡の特徴について理解する。また、軌跡の予想や軌跡の管理に影響する条件について理解するとともに、事例を通して病みの軌跡の概念を活用した看護のプロセス;第1段階、個人と家族の位置づけおよび目標設定、第2段階、管理に影響を与える条件のアセスメント、第3段階、介入の焦点を定めること、第4段階、問題になっている条件を操作する、第5段階、介入の評価、について理解する。
1.成人看護学 成人看護学概論:大西和子他編、ヌーベルヒロカワ第3版、第Ⅵ章pp.312-320
2.配布資料
コマ主題細目
① 病みの軌跡の概念と9つの局面 ② 病みの軌跡の局面と管理に影響する要因 ③ 病みの軌跡の看護への応用
細目レベル
① 病みの軌跡の概念を用いて、慢性的な経過をたどる健康障害を持つ人の特徴について理解する。患者は「生活者」であり、ケアの中心は過程である。そのため患者の個々の状況に沿ったケアを構築する方向で看護を考えることが重要となる。病みの軌跡という概念は、慢性の病気が長い時間をかけて多様に変化していく一つの行路(course)を持つという考え方である。病みの軌跡の諸概念の考え方について理解する。また、9つの軌跡の局面;全軌跡期、軌跡発現期、安定期、不安定期、急性期、クライシス期、立ち直り期、下降期、臨死期の特徴と必要な看護援助について理解し、長期間にわたり療養生活を送らなければならない慢性疾患をもつ人々の軌跡の特徴について理解する。
② 病みの軌跡の概念では、9つ軌跡の局面;全軌跡期、軌跡発現期、安定期、不安定期、急性期、クライシス期、立ち直り期、下降期、臨死期がある。軌跡の予想は、病気の航路にかかわる見通しを意味し、これには病気の意味、症状、生活史および時間が含まれる。医療者と患者、家族が予測する軌跡は必ずしも一致していないことが多い。そのため、患者や家族、他の医療者がどのような軌跡のイメージを持っているかを把握することは重要である。また、病みの軌跡の管理に影響する条件として、資源、医学的状態とその管理に伴う過去の経験、必要なことを実施する動機づけ、ケア環境とその適切性、ライフスタイルや信念等がある。これらの条件により、病みの軌跡の管理を促進したり、妨害したり、管理が複雑になったりする。病みの軌跡の管理に影響する条件について理解する。
③ 病みの軌跡の概念をもとに慢性的な経過をたどる健康障害を持つ人への看護について理解できる。病みの軌跡の局面;全軌跡期、軌跡発現期、安定期、不安定期、急性期、クライシス期、立ち直り期、下降期、臨死期の特徴や、軌跡の予測、軌跡の管理に影響する条件について理解したうえで、教科書の糖尿病患者の事例(p255-259)をもとに、看護にどのように適用するのかについて学ぶ。事例をもとに、看護のプロセス;第1段階では、個人と家族の位置づけおよび目標設定、第2段階、管理に影響を与える条件のアセスメント、第3段階、介入の焦点を定めること、第4段階、問題になっている条件を操作する、第5段階、介入の評価、に沿って具体的にどのように介入をしていくのかについて学ぶ。
キーワード
① 病みの軌跡の概念 ② 病みの軌跡の9つの局面 ③ 病みの軌跡の予測 ④ 病みの軌跡の管理に影響する要因 ⑤ 病みの軌跡の概念の看護への適応
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習;『成人看護学 成人看護学概論 第3版』第Ⅵ章pp.312-320を読んでおくこと。復習;授業資料を中心に振り返りを行い、下記の内容についてまとめておく。看護の対象を生活者としてとらえる、病みの軌跡の概念、病みの軌跡の9つの局面;全軌跡期、軌跡発現期、安定期、不安定期、急性期、クライシス期、立ち直り期、下降期、臨死期の特徴と必要な看護援助、病みの軌跡の予測、病みの軌跡の管理に影響する条件、病みの軌跡を看護にどのように適用するか(看護のプロセスの第1~5段階)、糖尿病患者の事例で病みの軌跡の概念をどのように適用できるか復習を行う。また、授業内で重要と伝えた内容についても確認をしておく。授業で教授した主題に関連した内容について、自分なりの言葉で表現できることが重要になる。授業終了時の国家試験の問題については、不明なところは調べるなどして理解をしておく。ChatGPTを活用して、病みの軌跡の概念など該当コマの講義内容に関するテスト問題を作成し、取り組むことを推奨する。予習に2時間、復習に2時間必要です。
13
慢性期の理解と特徴5 がん治療を必要とする成人の看護、意思決定支援
科目の中での位置付け
この授業では、がん治療を受ける人への看護や慢性期にある人への意思決定支援について理解する。がん治療については、がんの集学的治療やがん治療に伴う副作用、副作用に対するケアの概要について理解する。慢性疾患を持つ人々は、長期間の療養生活において、治療方針や療養生活の場所などに関する様々な意思決定をしなければならない。患者の権利として、良質の医療を受ける権利、(病院や医師に関する)選択の自由の権利、自己決定の権利、守秘義務に対する権利、尊厳に関する権利などが掲げられている。患者の権利の中心的なものの一つは患者の意思決定権であり、様々な選択に関して患者自らが決めるという自己決定の権利が保証されている。意思決定とは何か、医療の場における意思決定の3つのタイプ、インフォームド・コンセントとは何か、インフォームド・コンセントにおける看護師の役割、意思決定支援モデル、アドバンス・ケア・プランニングについて理解する。
1.成人看護学 成人看護学概論:大西和子他編、ヌーベルヒロカワ第3版、第Ⅱ章pp.128-131 2.配布資料
コマ主題細目
① がんの治療の特徴 ② がん患者への看護 ③ 意思決定支援
細目レベル
① がんにおける集学的治療の特徴について理解する。近年、がん医療の分野における研究が発展し、様々な治療法が開発されている。その中でも、がん治療における3大療法は、手術療法、薬物(化学)療法、放射線療法であり、これらを組み合わせて行う集学的治療が行われる。手術療法は、がんによる病変部を切除することによって治療する局所療法である。薬物(化学)療法は、薬物による病気の治療法の総称である。がん治療においては、がん細胞に直接 あるいは間接的に作用し、がん細胞の増殖を抑制させるか破壊・死滅させる薬剤を用いた治療である。放射線療法は、病変部にX線、γ(ガンマ)線等の電離放射線を照射することによって細胞のDNA分子間の結合を破壊し、病巣を死滅させる局所療法である。これらの治療の特徴や適応となる条件、治療に伴う代表的な副作用、治療のプロセスについて理解し、がん治療を受ける人への理解を深める。
② がん患者への看護について理解する。がん治療における3大療法は、手術療法、がん薬物療法、放射線療法であり、これらを組み合わせて行う集学的治療が行われる。これらの治療には必ず何らかの合併症や副作用がみられる。がん薬物療法では、血管外漏出、悪心・嘔吐、骨髄抑制、全身倦怠感、下痢・便秘、末梢神経障害、皮膚障害、味覚障害などの副作用がみられる。放射線療法では、放射線宿酔や、皮膚障害などの急性期有害事象や、晩期有害事象などの副作用がみられる。これらの副作用に対し、患者自身が対処できるように援助が必要である。がん薬物療法や放射線療法が進められるプロセスについて理解するとともに、これらの治療による代表的な副作用をマネジメントするためにどのようなケアが必要であるが、治療の各プロセスでどのような看護が必要かについて理解する。
③ 意思決定支援について理解する。意思決定(decision making)とは、一般的に「何らかの目的を達成するための行動の選択についての決定」を意味しているが、単に選択の部分のみを指すのではなく、問題を確認・分析すること、複数の選択肢をあげ、そのなかから最善の解決策を選択し、実施・評価するというプロセスから成り立っていることを理解する。医療の場における意思決定には、パターナリズム、協働的意思決定支援モデル、情報を得た意思決定支援モデル、について理解する。インフォームド・コンセントやインフォームド・コンセントにおける看護師の役割、意思決定のプロセスを示したモデルや意思決定支援のアプローチ、アドバンス・ケア・プランニングについて理解する。
キーワード
① がんの3大療法の特徴 ② がん治療のプロセス ③ がん患者への看護 ④ 意思決定支援 ⑤ 意思決定支援のプロセス
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習;『成人看護学 成人看護学概論 第3版』第Ⅱ章pp.128-131を読んでおくこと。復習;授業資料を中心に振り返りを行い、下記の内容についてまとめておく。意思決定、インフォームド・コンセントと看護師の役割、意思決定支援モデル、アドバンス・ケア・プランニング、がん薬物療法の副作用(血管外漏出、悪心・嘔吐、骨髄抑制、全身倦怠感、下痢・便秘、末梢神経障害、皮膚障害、味覚障害などの副作用)放射線療法の副作用(放射線宿酔や、皮膚障害などの急性期有害事象や、晩期有害事象などの副作用)。授業終了時の国家試験の問題については、不明なところは調べるなどして理解をしておく。授業で教授した主題に関連した内容について、自分なりの言葉で表現できることが重要になります。ChatGPTを活用して、がん患者への看護や意思決定支援など該当コマの講義内容に関するテスト問題を作成し、取り組むことを推奨する。予習に2時間、復習に2時間必要です。
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医療システムと成人看護 療養生活の支援とチーム医療における看護の役割
科目の中での位置付け
この授業では、チーム医療と看護師の役割、退院支援、地域で療養する人への支援について理解する。成人期にある人々を取り巻く医療体制では、専門職者の連携・協働しチーム医療が提供されている。専門職間の連携・協働(interprofessional work : IPW)の考え方について理解するとともに、チームアプローチが必要とされる背景やチームアプローチの目標、チームアプローチを効果的にするための方法について理解する。また、チームアプローチにおいて看護師がどのような役割を果たす必要があるのかについて理解する。また、地域での療養に向けた退院支援体制をどのように整備する必要があるかについて理解する。さらに、在宅療養を支援する時の在り方について理解する。国の施策により、地域包括ケアシステムの推進とともに在宅療養が推進されている。在宅療養を支援する訪問看護の特徴、在宅療養への移行支援や、在宅療養が安定するための支援、在宅療養が継続されるようにするための支援、在宅での看取りの支援、患者や家族が利用できる社会資源について理解する。
1.成人看護学 成人看護学概論:大西和子他編、ヌーベルヒロカワ第3版、第3章pp.189-217 2.配布資料
コマ主題細目
① チーム医療とは ② 地域療養を支える支援 ③ 地域での療養において活用できる社会資源
細目レベル
① チーム医療と看護師の役割について理解する。成人期にある人々を取り巻く医療体制では、専門職者の連携・協働しチーム医療が提供されている。専門職間の連携・協働(interprofessional work : IPW)の考え方について理解するとともに、よいチームや医療チームとは何か、チームアプローチが必要とされる背景やチームアプローチの目標、専門職間の連携・協働するために必要なグランドルールや、チーム医療の障壁になる要因、チームアプローチを効果的にするための方法について理解する。また、チームアプローチにおいて看護師がどのような役割を果たす必要があるのかについて理解する。また、保健・医療・福祉の場における様々なチームについても理解する。
② 退院調整・退院支援について理解できる。病院での在院日数が短縮化している現状において、地域での療養に向けた調整や支援は重要である。退院支援とは、個々の患者・家族の意向に沿った療養生活上のニーズを基盤とし、患者・家族へのケアと教育支援、社会資源の適切な活用への支援などの退院後の療養生活の安定を保障するために行う支援をいう。退院調整とは、退院支援と同義語として広義に用いられることもあるが、退院支援の中で行われる調整活動を指す用語である。これらをふまえ、退院支援体制をどのように整備する必要があるかについて理解する。また、近年病院の機能分化や在院日数短縮化と診療報酬の改定など退院支援が必要とされる背景についても理解する。患者や家族が退院後の安心して療養生活が送れるように支援するための退院支援の考え方、患者・家族への退院支援の必要性のアセスメント、退院支援が必要となる患者と家族の要件、実際の退院支援のプロセスにおける具体的な活動と支援について理解する。
③ 退院支援・退院調整について学んだことをふまえ、在宅療養を支援する時の在り方について理解する。国の施策により、地域包括ケアシステムの推進とともに在宅療養が推進されている。在宅療養を支援する訪問看護の特徴について理解し、在宅療養への移行支援や、在宅療養が安定するための支援、在宅療養が継続されるようにするための支援、在宅での看取りの支援について理解する。患者や家族が利用できる社会資源について理解する。また、在宅療養の推進を図るために、手順書に基づき診療の補助ができる特定行為看護師を養成する制度が開始されたことについて紹介し、今後の超高齢化社会における在宅療養等を支える国の施策や仕組みについて理解する。
キーワード
① チーム医療 ② 地域療養 ③ 退院調整 ④ 退院支援 ⑤ 在宅療養
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習;『成人看護学 成人看護学概論 第3版』第3章pp.189-217を読んでおくこと。復習;授業資料を中心に振り返りを行い、下記の内容についてまとめておく。専門職間の連携・協働(interprofessional work : IPW)の考え方、チームアプローチが必要とされる背景やチームアプローチの目標、専門職間の連携・協働におけるグランドルール、チーム医療の障壁になる要因、チームアプローチにおける看護師の役割、退院支援・退院調整、訪問看護の特徴、在宅療養への移行支援や、在宅療養が安定するための支援、在宅療養が継続されるようにするための支援、在宅での看取りの支援。また、授業内で重要と伝えた内容についても確認をしておく。授業で教授した主題に関連した内容について、自分なりの言葉で表現できることが重要になります。授業終了時の国家試験の問題については、不明なところは調べるなどして理解をしておく。ChatGPTを活用して、チーム医療など該当コマの講義内容に関するテスト問題を作成し、取り組むことを推奨する。予習に2時間、復習に2時間必要です。
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慢性期にある人への看護、まとめ 人生の最期のときを支える看護
科目の中での位置付け
この授業では、人生の最期のときを支える看護について理解する。近年、日本は少子化と超高齢化が進み、多死社会を迎えている。成人期にある人々が何らかの疾患に罹患し治療を繰り返しても病状が悪化し死を迎える患者は多い。人々の死の原因は、がん、老衰、慢性疾患、感染症などさまざである。終末期(ターミナル)とは、人生の終末期を意味し、近い将来死が避けられない人々への看護について理解する。終末期(ターミナル)にある成人の健康問題をめぐる状況、緩和ケアの定義(世界保健機関(WHO))や緩和ケアに関する日本と海外の歴史、がん対策基本法の取り組み、日本における緩和ケア政策の変遷、緩和ケアに類似する定義や概念について理解する。さらに、終末期(ターミナル)にある人々の身体的、精神的、社会的、スピリチュアルペインといった全人的苦痛について理解するとともに、終末期にある人々の身体的・心理社会的な特徴について理解する。また、これらの人々に必要なケアリングについても理解する。
1.成人看護学 成人看護学概論:大西和子他編、ヌーベルヒロカワ第3版、第Ⅱ章pp.111-119、第Ⅳ章pp.231-236 2.配布資料
コマ主題細目
① 終末期ケアの理念、歴史 ② 終末期にある人々の特徴 ③ ケアリング
細目レベル
① 終末期(ターミナル)ケアの理念と定義、歴史について理解する。日本人の死因の第1位は、1981年以降悪性新生物である。成人期の人々の死亡する割合は、病院が最も多い。1990年以降から緩和ケアが普及し、2002年の世界保健機関(WHO)の緩和ケアの定義では、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者・家族に対象とし、緩和ケアを早期から提供することや、死別後の遺族へのケアも含まれた。この緩和ケアの考え方について理解する。その緩和ケアの歴史は、1867年にシシリー・ソンダースがイギリスに聖クリストファーホスピスを設立した後海外で発展してきた。日本では、1970年代から終末期ケアの検討会が発足し、1980年代からホスピス病棟が開設された後、全国にホスピスや緩和ケア病棟が開設された。2008年にがん対策基本法が施行され、がん医療の発展につながっている。緩和ケアや終末期(ターミナル)ケア、ホスピスケア、エンドオブライフケアなど、類似する定義や言葉が多くみられている。これらの緩和ケアの歴史や類似する定義や概念について理解する。
② 終末期にある人々の特徴について理解する。終末期とは、「あらゆる手段を尽くして治療しても治癒に至らない状態で、患者にとって全人的にみて治療行為が不適切である時期」「一般的にあくまで医学的な予後予測として余命が6か月以内と考えられる状態」をいう。終末期(ターミナル)にある人々の身体的特徴について、がん患者のデータを示し、主要な身体症状出現から生存期間や日常生活動作の障害の出現時期からの生存期間の特徴について理解する。また、シシリー・ソンダースが提唱した全人的苦痛について学び、患者が体験する苦痛の特徴について理解する。心理的な特徴については、キューブラ・ロスによって示された「死の受容過程における5段階」から理解する。その他、社会的苦痛やスピリチュアルペインの特徴についても理解する。
③ 終末期にある人々へのケアリングについて理解する。終末期にある人々への看護は、最期までの生がその人にとって意義深いものになるように、そしてその延長上にある死を尊厳あるものとして、その人らしく迎えることができるように援助することが目的である。ケアリングは、ケアの本質であるとされており、社会の中で人が生きていくときに、人と人との関係において必要不可欠である。ケアリングの理論として、ミルトン・メイヤロフ、パトリシア・ベナー、ジーン・ワトソンの理論、先行研究などを紹介し、ヒューマンケアリングの10のケア因子、カリタスプロセス。患者と看護師との相互作用のなかで生み出されるケアリングや人生の最終段階にある人へのケアへの適用について考えを深める機会とする。
キーワード
① 緩和ケア ② 終末期 ③ ケアリング ④ 全人的苦痛 ⑤ 死の受容過程における5段階
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習;『成人看護学 成人看護学概論 第3版』第Ⅱ章pp.111-119、第Ⅳ章pp.231-236を読んでおくこと。復習;授業資料を中心に振り返りを行い、下記の内容についてまとめておく。成人期の死因、死亡場所の特徴、緩和ケアの定義と具体的な内容、がん対策基本法(法ができた背景、重要な取り組み、緩和ケアをめぐる言葉(緩和ケア、終末期ケア、ホスピスケアなど)、終末期(ターミナル)にある人の身体的、心理社会的特徴、全人的苦痛、死にゆく患者たどる心理的な過程、終末期(ターミナル)にある人々への看護、終末期(ターミナル)医療および緩和ケアに関する倫理的課題。また、授業内で重要と伝えた内容についても確認をしておく。授業で教授した主題に関連した内容について、自分なりの言葉で表現できることが重要になります。授業終了時の国家試験の問題については、不明なところは調べるなどして理解をしておく。ChatGPTを活用して、終末期ケアなど該当コマの講義内容に関するテスト問題を作成し、取り組むことを推奨する。予習に2時間、復習に2時間必要です。
履修判定指標
履修指標
履修指標の水準
キーワード
配点
関連回
ライフサイクルと発達課題から捉える成人の位置づけ、成人の特徴、成人を取り巻く環境、成人の健康レベル、発達課題、身体・心理社会的特徴
成人看護学の目的と対象の特徴、成人看護学の対象となる人々のとらえ方、成人期にある人々の発達課題、青年期、壮年期、向老期における身体的・心理社会的特徴と成長・発達の特徴、ヘルスプロモーション(1次予防、二次予防、3次予防)の目的と援助、ヘルスプロテクションを必要とする人々の特徴と看護、急性期、慢性期、回復・リハビリテーション期、終末期の各健康レベルにある人々の特徴、これらの特徴に合わせた看護援助について学ぶことができる。★
成人看護学、対象の身体的・心理社会的特徴、発達課題、健康レベル
7
1
成人看護学の特性(成人保健の動向、感染症、自己免疫疾患、生活習慣病、がん・難病の特徴)
成人の特性として、成人保健の動向(人口構成、有訴率、受療率、平均寿命、主要死因別死亡率、部位別・疾患別・年齢階級別の死亡率などの年次推移)が理解できる。成人期における急性期的健康障害として、感染に関連する健康障害、自己免疫に関連する健康障害、生活習慣に関連する健康障害、がん・難病に関連する健康障害の特徴を理解できる。また、健康上のニーズや問題を把握する方法であるヘルスアセスメントと、ヘルスアセスメントに活用される代表的な看護理論(ヘンダーソン、オレム、ゴードン)の概要を理解する。★★
人口構成、有訴率、受療率、死因別死亡率、感染症、自己免疫疾患、生活習慣病、がん、難病、ヘルスアセスメント
10
2、3
成人期の急性期的健康障害(成人の健康レベル、侵襲、手術侵襲下の患者の特徴、侵襲下にある患者の看護の特徴)
WHOの健康の定義、成人の健康レベルとして、ヘルスプロモーション、疾病予防、早期発見、治療を要する状態、回復後、ターミナル状態について理解できる。治療の段階に応じた看護として、侵襲的治療による反応、主に手術侵襲がどのように身体に影響を与えて、生体反応としてどのような変化が出現するのかを理解できる。手術侵襲下にある患者の生命の危険、不安や恐怖、コミュニケーションの不足などといった健康状態の特徴、看護アプローチの基本が理解できる。★
健康の定義、成人の健康レベル、侵襲、手術侵襲下の患者の特徴、手術患者への看護アプローチの基本
10
4
急性期看護に活用できる理論・モデル(生体侵襲理論、ストレスコーピング、危機理論)、成人看護における倫理的問題、看護の役割
成人急性期で使用する理論・モデル、倫理的概念を理解できる。侵襲と侵襲に対する生体反応(自立神経系、内分泌系、免疫系)を理解できる。セリエによる生物学的ストレス理論、ラザルスらによるストレスコーピング理論を理解できる。危機理論(アギュレラ、フィンクの危機モデル)を理解し、患者や家族へのあるべき関わり方が理解できる。急性期にある患者の看護援助に必要な倫理的判断の重要性を理解し、倫理的問題における看護職の役割を理解できる。★★★
生体侵襲理論、ストレスコーピング理論、危機理論、権利擁護、アドボカシー
20
5、6
日本の救急医療(救急医療システム、救急看護の特徴、救急患者の特徴、救急患者家族の特徴)
我が国における救急看護と救急医療体制(救急医療の歴史、救急医療システム、救急医療施設:第一次救急医療施設・第二次救急医療施設・第三次救急医療施設、救急搬送システム:救急車・ドクターカー・ドクターヘリ、救急医療情報システム)、救急看護の対象である救急患者は突然の発症で緊急度が高く、重症度は様々等救急看護の対象の発症様式と病態の特徴があり、救急患者家族は家族システムへの影響、身体的・心理的ストレスにさらされ、経済的負担といった社会的問題も抱えることを理解できる。★★
救急看護、救急医療体制、救急患者、救急患者家族
10
7、8
慢性疾患と共に生きる人の理解と看護、リハビリテーションを必要とする人の理解と看護(慢性疾患、リハビリテーション、疾病のマネージメント、セルフケアの継続支援、看護の役割)
慢性疾患にはどのような特徴があるか、慢性疾患の経過プロセス、慢性疾患患者の治療の特徴、慢性疾患と共に生きる人の身体的・心理・社会的特徴について説明することができる。疾病のマネージメントと悪化予防の看護、闘病意欲の維持とセルフケア継続支援、リハビリテーションを必要とする人の概念的理解から、リハビリテーションの対象となる障害、障害の発生タイプや性質、患者と家族が直面する課題、リハビリテーションアプローチと経過別の看護の役割について説明することができる。★★
慢性疾患、疾病のマネージメントと悪化予防、セルフケア継続支援、リハビリテーション
8
9
慢性期看護に活用できる理論・モデル(アンドラゴジー、アドヒアランス、セルフケア論、適応モデル、学習理論、自己効力理論、エンパワメント、病みの軌跡)
慢性期看護に活用できる理論・モデルを学び、看護にどのように適用できるか理解する。アンドラゴジーの考え方とこれらをもとにした教育的実践への示唆から成人看護教育ではどのようなことが重要であるか、コンプライアンスとアドヒアランスの意味、アドヒアランスの障碍となる要因、アドヒアランスを支えるための看護援助。セルフケアとは何か、オレムのセルフケア不足理論(3つのセルフケア要件、治療的セルフケアデマンド、セルフケアエージェンシ-)、自己効力理論(自己効力、効力予期と結果予期、自己効力を高める4つの主要な情報源と誘導様式)、適応モデル、エンパワーメント、病みの軌跡、ケアリングの考え方を説明することができる。★★★
アンドラゴジー、アドヒアランス、セルフケア論、適応モデル、学習理論、自己効力理論、エンパワメント、病みの軌跡、ケアリング
15
10、11、12
がん治療を必要とする成人の看護、意思決定支援(がん薬物療法の副作用、放射線療法の副作用、インフォームド・コンセントと看護師の役割、意思決定支援モデル、アドバンス・ケア・プランニング)
がん薬物療法の副作用として、血管外漏出、悪心・嘔吐、骨髄抑制、全身倦怠感、下痢・便秘、末梢神経障害、皮膚障害、味覚障害などがあり、それに対する看護について説明することができる。また、放射線療法の副作用として、放射線宿酔や、皮膚障害などの急性期有害事象や、晩期有害事象などがあり、それらの副作用に対する看護について説明することができる。また、意思決定については、、インフォームド・コンセント、意思決定支援モデル、アドバンス・ケア・プランニングなどについて説明することができ、看護師の役割について説明することができる。★★
がん薬物療法の副作用、放射線療法の副作用、インフォームド・コンセントと看護師の役割、意思決定支援モデル、アドバンス・ケア・プランニング
10
13
成人期にある人々を取り巻く医療システム(IPW、チーム医療、退院支援、退院調整、在宅緩和ケア)
専門職間の連携・協働(interprofessional work : IPW)の考え方、チームアプローチが必要とされる背景やチームアプローチの目標、チームアプローチを効果的にするための方法、チームアプローチにおいて看護師がどのような役割を果たす必要があるのか、地域での療養に向けた退院支援体制、地域包括ケアシステム、在宅療養を支援する訪問看護の特徴、在宅療養への移行支援、在宅療養が安定するための支援、在宅療養が継続されるようにするための支援、在宅での看取りの支援、患者や家族が利用できる社会資源について説明することができる。★
チーム医療、外来看護、退院調整・退院支援、在宅療養支援
5
14
人生の最期のときを支える看護(終末期ケア、緩和ケアの定義と概念、緩和ケアの歴史、全人的苦痛、終末期ケア、ケアリング)
成人期の死因、死亡場所の特徴、緩和ケアの定義と具体的な内容について説明することが出来る、がん対策基本法ができた背景、重要な取り組み、緩和ケアをめぐる関連用語(緩和ケア、終末期ケア、ホスピスケアなど)、終末期(ターミナル)にある人の身体的、心理社会的特徴、全人的苦痛、死にゆく患者たどる心理的な過程、終末期(ターミナル)にある人々への看護、終末期(ターミナル)医療および緩和ケアに関する倫理的課題について説明することができる。★★
終末期ケア、緩和ケア、緩和ケアの歴史、全人的苦痛、終末期ケア、倫理的課題
5
15
評価方法
筆記試験100点満点とする。筆記試験の内訳は急性期50点、慢性期50点とする。
評価基準
評語
学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・
S (100~90点)
学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・
A (89~80点)
学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・
B (79~70点)
学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・
C (69~60点)
学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・
D (60点未満)
教科書
・成人看護学 成人看護学概論 第3版、大西和子 岡部聡子編、ヌーヴェルヒロカワ、2022、2200+税 円 ・系統看護学講座別巻 救急看護学、山勢博彰他、医学書院、2024、2600+税 円(電子テキスト)
参考文献
実験・実習・教材費