区分
専門科目-成人・老年看護学-老年看護学
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力
倫理観
専門性探求
地域社会貢献
グローバル性
自己研鑽力
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性
広い視野
知識・技術
判断力
探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
専門科目の「成人・老年看護学」に位置づけ、専門基礎科目や基盤看護学の知識をもとに、老年期の対象への看護に必要な専門的知識を習得する。本科目は、その後に続く「老年看護援助論」「老年看護演習」「老年看護学実習」に応用的に関連する。
科目の目的
本科目では、老年看護の対象である高齢者を理解するため、日本の高齢化の現状を踏まえて、高齢者を取り巻く社会背景を理解するとともに、加齢に伴う身体・生理的、心理・社会的側面の変化について学ぶ。さらに、高齢者のアセスメントや看護実践に活用するために必要な理論・概念、高齢者を支える保健医療福祉システムについても学修する。これらをもとに、老年看護の基礎となる知識および、老年看護実践に必要な倫理的思考、態度を修得する。
到達目標
1.老年看護が発展した社会背景と老年看護の基本姿勢を説明できる。
2.老年期にある対象の特徴を、加齢に伴う身体・生理的側面の変化から説明できる。
3.老年期にある対象の特徴を、加齢に伴う心理・社会的側面の変化から説明できる。
4.老年看護に用いられる理論・概念を理解し、その活用場面を説明できる。
5.高齢者を支える保健医療福祉システムの仕組みを説明できる。
6.老年看護において直面しやすい倫理的課題と高齢者の権利擁護について説明できる。
科目の概要
本科目の第1回では、日本の高齢化の現状を踏まえ、高齢者を取り巻く社会背景とそれに伴って発展してきた老年看護の歴史について学ぶ。第2回、第3回では、現在提唱されている老化のメカニズムについて学修し、それによって起こる身体・生理的、心理・社会的側面の変化を理解する。さらに、第4回では高齢者のアセスメントや看護実践に活用できる理論・概念を学び、実践での活用について理解する。第5回、第6回は高齢者を支える保健医療福祉システムについて、高齢者医療制度や介護保険制度、地域包括ケアシステムを中心に学ぶ。第7回では、老年看護実践に必要な倫理的思考、態度を養うため、老年看護において直面しやすい課題として、高齢者虐待や身体拘束を取り上げる。第8回はこれまでの学修内容のまとめを行い、老年看護に求められる役割を思考する。
科目のキーワード
①老年看護 ②高齢者 ③加齢変化 ④生きがい ⑤高齢者医療制度 ⑥介護保険制度 ⑦サクセスフルエイジング ⑧高齢者虐待 ⑨権利擁護 ⑩高齢者のための国連原則
授業の展開方法
指定テキスト、パワーポイント、各コマで配布するオリジナル配布資料を用いて講義を行う。講義終了時には小テストを行い、次回講義の始めに正答率が低かった問題の復習と、前回講義での重要な内容の振り返りを行う。学生の理解度を確認しつつ講義を進めていく。担当教員は、病院や在宅、施設での老年看護の実務経験を有しているため、講義全体を通して、これまでの経験で得た高齢者への支援に関する具体的な事例を提示し、わかりやすく解説する。
オフィス・アワー
(準備中)
科目コード
BJ30
学年・期
2年・前期
科目名
老年看護学概論
単位数
1
授業形態
講義
必修・選択
必修
学習時間
【授業】15h 【予習・復習】30h
前提とする科目
看護学原論
展開科目
老年看護援助論、老年看護演習、老年看護学実習、認知症高齢者と家族の看護援助論、認知症高齢者と家族の看護学外演習、認知症高齢者と家族の看護演習、統合実習、看護研究
関連資格
看護師,保健師,養護教諭
担当教員名
山根友絵
回
主題
コマシラバス項目
内容
教材・教具
1
高齢者を取り巻く社会と老年看護の発展
科目の中での位置付け
本科目では、高齢者を取り巻く社会背景とそれに伴って発展してきた老年看護の歴史および、老化のメカニズムと、それによって起こる加齢変化を理解する。さらに、高齢者のアセスメントや看護実践に活用できる理論・概念、高齢者を支える保健医療福祉システムについて理解を深める。加えて、老年看護実践に必要な倫理的思考、態度を養うため、老年看護における倫理的課題、権利擁護について学び、これらを踏まえて、老年看護の特徴を理解し、老年看護に求められる役割を思考する。
本科目の第1回では、老年看護を学ぶための導入として、高齢者と接する機会が少ないと考えられる学生の高齢者に対するイメージを確認し、老年看護の対象となる高齢者の定義を理解する。さらに、日本の高齢化がどのように進展してきたのか、諸外国との比較をしながらデータをもとに説明し、高齢化の進展に伴って日本の社会制度がどのように変化し、それに伴って老年看護がどのように発展してきたのかを学ぶ。これらを踏まえて老年看護を学ぶことの重要性について理解し、今後の学修への動機づけとする。
①テキスト:老年看護学 概論と看護の実践 第2章 老年期を生きる人の理解「Ⅰ老化とは」p28-29
②テキスト:老年看護学 概論と看護の実践 第1章 老年看護学序説「Ⅰ高齢者を取り巻く社会」p2-11
③テキスト:老年看護学 概論と看護の実践 第1章 老年看護学序説「Ⅰ高齢者を取り巻く社会」p2-11、「Ⅲ高齢者のQOLと老年看護」p24-26(老年看護の発展と学際的アプローチ)
コマ主題細目
① 老いのイメージ ② 高齢者の定義 ③ 高齢化の進展と老年看護の発展
細目レベル
① 老年看護の対象となる高齢者とは、どのような人々なのか。さまざまな状況にある高齢者の例(元気に働く高齢者、孫の世話をする高齢者、障害を持つ高齢者、介護を受ける高齢者、病院に入院している高齢者等)を挙げ、学生の持つ高齢者に対するイメージと比較しながら、理解を深め、高齢者に対する見方を広げる。そして高齢者を年齢だけで理解することは難しいこと、老化には個体差・個人差があり、高齢者には多様性があることを理解する。さらに、高齢者に対して行った意識調査の結果を示すことで、高齢者自身が持つ高齢者に対するイメージを知り、若い年代の学生の認識との違いについても理解することで、老年看護の対象である高齢者を具体的にイメージする。
② 国連の定義では、65歳以上が高齢者とされ、全人口に占める65歳以上人口の割合によって高齢化率が算出されていることを理解する。また、日本では65歳から74歳を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と区分していることを学ぶ。さらに、日本では平均寿命が男女とも80歳を超えていること、高齢者の加齢による身体・心理機能の変化の出現がこれまでよりも遅くなっており、高齢者(特に前期高齢者)の若返り現象がみられている現状から、日本老年学会・日本老年医学会の「高齢者に関する定義検討ワーキンググループ」より、新たな高齢者の定義が提言されていることを知り、高齢者の定義や区分はその時の社会情勢や高齢化率などによって変わる可能性があることを理解する。
③ 老年看護学は高齢化の進展とともに発展している。まずは日本の高齢化がどのように進展してきたかについて理解する。日本は1970年に高齢化率が7%を超えて高齢化社会となったが、2007年には高齢化率が21%を超え、世界に類をみないスピードで高齢化が進展したこと、それに伴って社会制度が変化してきたことを学ぶ。そして老年看護学は、急速な高齢化の進展に伴って、高齢者の健康上の課題に対する人材育成やケアの質の確保、ケア体制の強化などの必要性に迫られて誕生し、看護師養成カリキュラムの中に成人看護学から独立して位置づけられたことを理解する。さらなる高齢化の進展により、老年看護に期待される役割は拡大し、老年看護の重要性が増していることを理解する。
キーワード
① 高齢者の多様性 ② 高齢者の定義 ③ 前期高齢者 ④ 後期高齢者 ⑤ 高齢化率
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
予習:テキスト 老年看護学 概論と看護の実践(ヌーヴェルヒロカワ)第1章 老年看護序説「Ⅰ高齢者を取り巻く社会」p2-11、「Ⅲ高齢者のQOLと老年看護」p24-26(老年看護の発展と学際的アプローチ)を熟読してから授業に参加する。最近の高齢者に関するニュースなどを調べておく。
復習:講義中に配布した資料の復習のポイントに基づいて講義内容を自分自身の言葉でまとめ整理しておく。シラバスに示したキーワードは重要なワードであるため、それぞれをきちんと説明できるようにしておく。授業終了時に行う小テストについて、理解が不十分であった問題を復習し、確実に理解できるようにする。ChatGPTを活用して、授業内容に関するテスト問題を各自で作成し理解を深める。
予習復習には4時間の学習時間が必要であることを理解して学習に臨むこと。
2
老化の概念と加齢変化①(身体・生理的側面)
科目の中での位置付け
本科目では、高齢者を取り巻く社会背景とそれに伴って発展してきた老年看護の歴史および、老化のメカニズムと、それによって起こる加齢変化を理解する。さらに、高齢者のアセスメントや看護実践に活用できる理論・概念、高齢者を支える保健医療福祉システムについて理解を深める。加えて、老年看護実践に必要な倫理的思考、態度を養うため、老年看護における倫理的課題、権利擁護について学び、これらを踏まえて、老年看護の特徴を理解し、老年看護に求められる役割を思考する。
本科目の第2回では、老年看護の対象である高齢者を理解するため、まずは老化の概念について理解する。老化のメカニズムとしてさまざまな学説があるが、主要なものを紹介する。さらに、老化によって起こる高齢者の身体・生理的側面の変化について、まずは、恒常性を維持するための4つの力とその変化、さらに各器官の加齢変化とそれによって起こる症状を関連づけて整理する。各器官の加齢変化は、この後に続く老年看護援助論の講義を理解するためにも重要な内容である。
①テキスト:老年看護学 概論と看護の実践 第2章 老年期を生きる人の理解「Ⅰ老化とは」p28-29、「Ⅲ身体的・生理的側面」p35(老化の学説)
②テキスト:老年看護学 概論と看護の実践 第2章 老年期を生きる人の理解「Ⅲ身体的・生理的側面」p35-50
③テキスト:老年看護学 概論と看護の実践 第2章 老年期を生きる人の理解「Ⅲ身体的・生理的側面」p35-50
コマ主題細目
① 加齢・老化の概念 ② 恒常性と4つの力の変化 ③ 各器官における加齢変化
細目レベル
① 加齢(aging)は「生物体が年齢をとる過程で自然に起こるすべての変化の総体である」として定義され、老化(senescence)は「年をとるにつれて生理機能が衰えること」と定義される。さらに老化には生理的現象である一次的老化と、病的現象である二次的老化がある。加齢と老化の違いや、一次的老化と二次的老化の違いを理解する。老化の進行は遺伝や環境からの影響を受けるため、個体差・個人差があることを理解する。また、老化のメカニズムは非常に複雑で、300以上の学説があると言われる。その中でも主要な学説を学ぶ。さらに、加齢によってすべての生理機能が同じスピードで低下するのではなく、機能によって低下のスピードが違うことも理解する。
② からだには、くずれたバランスをもとに戻し、常に安定した状態に保とうとするはたらきがあり、それを恒常性(ホメオスタシス:homeostasis)という。恒常性を維持するためには、「防衛力(ストレッサーに打ち勝つ力)」、「予備力(ゆとりをもってストレッサーに対処する力)」、「適応力(ストレッサーに慣れて順応する力)」、「回復力(ストレッサーによるダメージを修復し、元に戻ろうとする力)」の4つの力が安定して機能していなければならないが、高齢者は加齢により、この4つの力が十分に機能しにくくなることを理解する。その結果、高齢者は恒常性を維持するための機能が弱まるため、若年者にとってはささいなできごとであっても、健康を損ねやすく、また、いったん健康を損ねると回復しづらいという身体的特徴があることを理解する。
③ 高齢者は身体の各器官において、加齢に伴う変化が生じる。この変化を理解することが、今後、高齢者のアセスメントを行う上で重要になる。そのため、呼吸器系、心・血管系、神経系、筋・骨格系、消化器系、泌尿・生殖器系、内分泌系、免疫系、外皮系、感覚器系の各器官で起こる加齢変化について学修する。加齢による変化を理解するためには、それぞれの器官の正常な生理機能を理解していることが必須であるため、まずは、正常な生理機能についてこれまでの学修内容を想起したうえで、加齢によってその機能がどのように変化するのかを学修する。さらに、加齢によって各器官に起こる変化が高齢者の身体にどのような影響をもたらすのか、高齢者に特有な疾患・症状とも関連させて理解する。
キーワード
① 加齢 ② 一次的老化 ③ 二次的老化 ④ 恒常性 ⑤ 加齢変化
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
予習:テキスト 老年看護学 概論と看護の実践 第2章 老年期を生きる人の理解「Ⅰ老化とは」p28-29、「Ⅲ身体的・生理的側面」p35-50を熟読してから授業に参加する。各器官の正常な生理機能について事前学修しておく。
復習:講義中に配布した資料の復習のポイントに基づいて講義内容を自分自身の言葉でまとめ整理しておく。特に各器官の加齢変化については、講義中に配布した資料を用いて再度整理しておく。シラバスに示したキーワードは重要なワードであるため、それぞれをきちんと説明できるようにしておく。授業終了時に行う小テストについて、理解が不十分であった問題を復習し、確実に理解できるようにする。ChatGPTを活用して、授業内容に関するテスト問題を各自で作成し理解を深める。
予習復習には4時間の学習時間が必要であることを理解して学習に臨むこと。
3
老化の概念と加齢変化②(心理・社会的側面)
科目の中での位置付け
本科目では、高齢者を取り巻く社会背景とそれに伴って発展してきた老年看護の歴史および、老化のメカニズムと、それによって起こる加齢変化を理解する。さらに、高齢者のアセスメントや看護実践に活用できる理論・概念、高齢者を支える保健医療福祉システムについて理解を深める。加えて、老年看護実践に必要な倫理的思考、態度を養うため、老年看護における倫理的課題、権利擁護について学び、これらを踏まえて、老年看護の特徴を理解し、老年看護に求められる役割を思考する。
本科目の第3回では、第2回で学んだ身体・生理的側面の加齢変化を踏まえて、高齢者の心理・社会的側面の変化を理解する。高齢者は加齢に伴う身体・生理的側面の機能低下を経験するが、それは心理的側面や社会的側面にも影響を及ぼす。そのため、高齢者の心理的側面や社会的側面にどのような変化が起こるのか理解する必要がある。さらに加齢に伴って起こる高齢者の生活上の課題についても思考し、理解を深める。
①テキスト:老年看護学 概論と看護の実践 第2章 老年期を生きる人の理解「Ⅳ心理・精神・スピリチュアル的側面」p51(老性の自覚)、「Ⅴ発達段階的側面(ライフステージ)」59-60(生きがい)
②テキスト:老年看護学 概論と看護の実践 第1章 老年看護学序説「Ⅰ高齢者を取り巻く社会」p2-11、第4章 高齢者と家族への看護:家族形態と社会問題「Ⅰ高齢者を取り巻く家族形態の変化」p94-95、「Ⅱ高齢者を介護する家族への支援」p97-99(在宅介護を必要とする高齢者の増加、誰が介護を担っているか、介護家族の抱える問題)
③テキスト:老年看護学 概論と看護の実践 第2章 老年期を生きる人の理解「Ⅵ長寿を生きる生活と社会的(環境的)側面」p61-76
コマ主題細目
① 老性自覚と高齢者の生きがい ② 高齢者の世帯と家族 ③ 高齢者の生活
細目レベル
① 高齢者の心理的側面の変化には、加齢に伴う身体機能の低下や定年退職等による社会的役割の喪失、身近な人の死など、さまざまな喪失体験が影響する。「老性自覚」は自らの老いを自覚することであるが、老いの自覚は主観的なものであり個人差があることを理解する。また、高齢者の人格の特性についても理解する。さらに、高齢者における生きがいの重要性について学ぶ。生きがいは「生きがいの対象となるもの」や「生きがいを感じている精神状態、感情、情動」をさすが、老年期にはさまざまな喪失を体験し、それが生きがいの喪失につながる。高齢者は何に対して生きがいを感じているのか、また生きがいの喪失が心理的側面にどのように影響するのかについて思考する。
② 核家族化に伴い高齢者の世帯構造は変化しており、1980年に約5割を占めていた三世代世帯は減少し、近年では夫婦のみの世帯や単独世帯の割合が高くなっている。特に一人暮らし高齢者の増加は顕著であり、そのなかでも男性の一人暮らし高齢者の増加が大きいことを理解する。また、世帯構造の変化に伴い、介護の状況も変化している。夫婦のみの世帯や単独世帯の増加は、家族介護力の低下につながる要因にもなっていることから、高齢者の介護の現状を理解する。在宅で高齢者の介護を担うのは、多くが同居の家族であり、続柄は配偶者が最も多い。高齢者が高齢者を介護する老々介護等、介護家族の抱える負担を理解したうえで、家族を含めた支援の重要性を認識する。
③ 高齢者の暮らしがどのように変化するのかを学ぶ。具体的には、高齢者の就業状況や経済状況の変化、社会参加の状況、性生活等について取り上げる。データを踏まえて高齢者の就業状況の変化とその背景となる要因、それに伴う経済状況の変化、社会参加へのニーズと実際の社会参加の状況、高齢者の性生活の現状と男女による認識の違いについて理解する。こういった生活の現状を理解することで、高齢者の暮らしぶりをイメージし、高齢者の生活上の課題について思考する。また、日本の高齢者の生活満足度は欧米と比較して低いことが報告されている。日本の高齢者の生活満足度がなぜ低いのか、高齢者の生活満足度にどのようなことが影響しているのかについても思考する。
キーワード
① 老性自覚 ② 生きがい ③ 世帯構造の変化 ④ 高齢者の生活 ⑤ 生活満足度
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
予習:テキスト 老年看護学 概論と看護の実践 第1章 老年看護学序説「Ⅰ高齢者を取り巻く社会」p2-11、第2章 老年期を生きる人の理解「Ⅵ長寿を生きる生活と社会的(環境的)側面」p61-76、「Ⅳ心理・精神・スピリチュアル的側面」p51(老性の自覚)、「Ⅴ発達段階的側面(ライフステージ)」59-60(生きがい)、第4章 高齢者と家族への看護:家族形態と社会問題「Ⅰ高齢者を取り巻く家族形態の変化」p94-95、「Ⅱ高齢者を介護する家族への支援」p97-99(在宅介護を必要とする高齢者の増加、誰が介護を担っているか、介護家族の抱える問題)を熟読してから授業に参加する。
復習:講義中に配布した資料の復習のポイントに基づいて講義内容を自分自身の言葉でまとめ整理しておく。シラバスに示したキーワードは重要なワードであるため、それぞれをきちんと説明できるようにしておく。授業終了時に行う小テストについて、理解が不十分であった問題を復習し、確実に理解できるようにする。ChatGPTを活用して、授業内容に関するテスト問題を各自で作成し理解を深める。
予習復習には4時間の学習時間が必要であることを理解して学習に臨むこと。
4
老年看護に用いられる理論・概念
科目の中での位置付け
本科目では、高齢者を取り巻く社会背景とそれに伴って発展してきた老年看護の歴史および、老化のメカニズムと、それによって起こる加齢変化を理解する。さらに、高齢者のアセスメントや看護実践に活用できる理論・概念、高齢者を支える保健医療福祉システムについて理解を深める。加えて、老年看護実践に必要な倫理的思考、態度を養うため、老年看護における倫理的課題、権利擁護について学び、これらを踏まえて、老年看護の特徴を理解し、老年看護に求められる役割を思考する。
本科目の第4回では、第2回、第3回で学んだ高齢者の身体・生理的側面、心理・社会的側面の加齢変化を理解した上で、高齢者のアセスメントや看護実践に適用できる理論・概念について学修する。具体的には、老年期の発達課題および、老化に関する社会学的理論、老年看護に活用できる理論・モデルについて、その概要を学ぶ。この内容は、老年看護演習における看護過程や老年看護学実習で実際に活用していく内容である。
①テキスト:老年看護学 概論と看護の実践 第2章 老年期を生きる人の理解「Ⅴ発達段階的側面(ライフステージ)」p57-59(発達課題)
②テキスト:老年看護学 概論と看護の実践 第2章 老年期を生きる人の理解「Ⅳ心理・精神・スピリチュアル的側面」p53-55(老化に関する社会学的理論)
③テキスト:老年看護学 概論と看護の実践 第8章 老年看護に活用できる理論と事例「Ⅰ老年看護に活用できる理論」p396-404
コマ主題細目
① 老年期の発達課題 ② 老化に関する社会学的理論 ③ 老年看護に活用できる理論・モデル
細目レベル
① 高齢者の発達は、人は生涯にわたって発達し続けるという生涯発達の考え方に基づいて考えられることが多い。発達に関する理論はさまざまあるが、特にハヴィガースト、エリクソン、ペックによる老年期の発達課題について理解する。ハヴィガーストは、人生を6つの時期に分け、老年期の発達課題を6つあげている。エリクソンはライフサイクルを8つの段階に分けており、第Ⅷの段階である老年期の発達課題をあげ、さらに最終段階として第Ⅸの段階を示している。ペックはエリクソンの理論をベースに老年期をさらに3段階に分けて示している。老年期の発達課題は、さまざまな喪失への対処と適応が手となるが、それを乗り越えることで人生の統合に向かうことを理解する。
② 老年期の心理・社会的特徴については3つの考え方がよく知られている。老年期であっても中年期と同じような活動や態度を続けるのが望ましいとする「活動理論」、老年期になれば社会的な役割や活動から離れることが望ましいとする「疎隔理論/離脱理論」、老年期は生涯の一つの独立した時期ではなく、各個人の全生活の連続上に統合されてくる時期であるとする「連続理論」がある。これらはサクセスフルエイジングの考え方にも影響していることを理解する。さらに、加齢によって身体機能や認知機能が低下していく中でも高齢者のQOLを維持・向上するための考え方である「選択最適化補償理論(SOC理論)」についても学修する。これらの理論の概要を学んだうえで、それぞれの理論に対してどのような批判があるのかについても理解する。
③ 高齢者への支援に活用できる理論・モデルとして、エンパワメント、ストレングスモデルについて学ぶ。エンパワメントは、パワーの喪失した状態にあっても、自身の潜在能力に気づき、他者との関係性を通して自らの健康上、生活上の問題を主体的に解決できる力を獲得するプロセスであるとする考え方であり、高齢者のエンパワメントのプロセスを支援することの重要性を学ぶ。ストレングスモデルは、元々、精神障害者の支援技法として開発されたものであり、それが高齢者のケアマネジメントにも活用されるようになった。その人の欠陥(問題)ではなく強みに焦点を当てて、それを活用していくという考え方である。これらの理論・モデルの概要と活用できる場面について学修する。
キーワード
① 老年期の発達課題 ② サクセスフルエイジング ③ 選択最適化補償理論 ④ エンパワメント ⑤ ストレングスモデル
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
予習:テキスト 老年看護学 概論と看護の実践 第2章 老年期を生きる人の理解「Ⅳ心理・精神・スピリチュアル的側面」p53-55(老化に関する社会学的理論)、「Ⅴ発達段階的側面(ライフステージ)」p57-59(発達課題)、第8章 老年看護に活用できる理論と事例「Ⅰ老年看護に活用できる理論」p396-404を熟読してから授業に参加する。
復習:講義中に配布した資料の復習のポイントに基づいて講義内容を自分自身の言葉でまとめ整理しておく。シラバスに示したキーワードは重要なワードであるため、それぞれをきちんと説明できるようにしておく。授業終了時に行う小テストについて、理解が不十分であった問題を復習し、確実に理解できるようにする。ChatGPTを活用して、授業内容に関するテスト問題を各自で作成し理解を深める。
予習復習には4時間の学習時間が必要であることを理解して学習に臨むこと。
5
高齢者を支える保健医療福祉システム①(高齢者の保健・福祉対策の変遷と高齢者医療制度)
科目の中での位置付け
本科目では、高齢者を取り巻く社会背景とそれに伴って発展してきた老年看護の歴史および、老化のメカニズムと、それによって起こる加齢変化を理解する。さらに、高齢者のアセスメントや看護実践に活用できる理論・概念、高齢者を支える保健医療福祉システムについて理解を深める。加えて、老年看護実践に必要な倫理的思考、態度を養うため、老年看護における倫理的課題、権利擁護について学び、これらを踏まえて、老年看護の特徴を理解し、老年看護に求められる役割を思考する。
本科目の第5回、第6回では、第2回、第3回で学修した高齢者の加齢変化を踏まえ、高齢者を支える保健医療福祉システムについて学修する。第5回では、高齢者の保健・福祉対策の変遷と高齢者医療制度について取り上げ、高齢化の進展に伴って、日本の保健医療福祉システムがどのような変化をたどってきたか、さらに高齢者医療制度がどのような仕組みになっているのか、その概要を理解する。
①②③テキスト:老年看護学 概論と看護の実践 第3章 超高齢社会を支える高齢者ケアシステム「Ⅰ日本の老人保健・福祉対策の変遷」p78-85
コマ主題細目
① 高齢者の保健・福祉対策の変遷 ② 日本の医療制度 ③ 高齢者医療制度
細目レベル
① 日本の高齢者に対する保健・福祉対策は、老年人口の増加、核家族化の進行、住宅事情の問題など、戦後の社会経済状況の変化を受けて取り組みがはじめられたことを理解する。1961年に国民皆保険制度が実現したが、その後の「老人福祉法」の制定や改正、「老人保健法」の制定や改正について、高齢化の進行による高齢者の増加や、老人医療費の増大による国や地方自治体の財政圧迫などを背景に制度の変革が行われ、現在の制度になっていることを理解する。さらに高齢者の保健福祉サービスの基盤整備を推進するためのゴールドプラン・新ゴールドプラン・ゴールドプラン21について、どのような社会背景から策定され、どのようなことを目標に実施されたのかについても学ぶ。
② 日本の医療保険制度は、高齢化の進行による老人医療費の増大、それに伴う国民健康保険の財政圧迫などが背景となり制度が変化している。そのため、日本の医療保険制度の概要を理解した上で高齢者医療制度について学ぶ必要がある。日本の医療保険制度には被用者保険(健康保険、船員保険、各種共済)、国民健康保険、後期高齢者医療制度があることを理解し、それぞれ、どのような人が加入しているのか学ぶ。さらに医療費の一部負担(自己負担)割合が年齢や所得によって違うことと、その具体的な負担割合について理解する。また、高齢者の増加によって、医療保険制度にどのような問題が発生したのかについて学び、新たな高齢者医療制度が必要とされた背景を理解する。
③ 高齢者医療制度が創設された社会背景を理解したうえで、高齢者医療制度の仕組みについて学ぶ。前期高齢者の給付費にかかわる財政調整や後期高齢者医療制度は、高齢者の医療の確保に関する法律に基づいて実施されていることを理解する。保険者間の負担の不均衡を調整するための前期高齢者財政調整がどのように行われているのか、さらに後期高齢者医療制度の運営主体、被保険者、自己負担割合について理解する。加えて医療費の自己負担を軽減する仕組みとして、高額療養費制度、高額医療・高額介護合算療養費制度があることを学ぶ。現在の高齢者医療制度について理解した上で、その課題や、今後のさらなる高齢化の進展や人口減少に伴って起こりうる課題について検討する。
キーワード
① 老人福祉法 ② 老人保健法 ③ 国民健康保険 ④ 高齢者の医療の確保に関する法律 ⑤ 後期高齢者医療制度
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
予習:テキスト 老年看護学 概論と看護の実践 第3章 超高齢社会を支える高齢者ケアシステム「Ⅰ日本の老人保健・福祉対策の変遷」p78-85を熟読してから授業に参加する。日本の医療保険制度や社会福祉制度(社会福祉学の講義で学んだ内容を含む)の概要について事前学修しておく。
復習:講義中に配布した資料の復習のポイントに基づいて講義内容を自分自身の言葉でまとめ整理しておく。シラバスに示したキーワードは重要なワードであるため、それぞれをきちんと説明できるようにしておく。授業終了時に行う小テストについて、理解が不十分であった問題を復習し、確実に理解できるようにする。ChatGPTを活用して、授業内容に関するテスト問題を各自で作成し理解を深める。
予習復習には4時間の学習時間が必要であることを理解して学習に臨むこと。
6
高齢者を支える保健医療福祉システム②(介護保険制度と地域包括ケアシステム)
科目の中での位置付け
本科目では、高齢者を取り巻く社会背景とそれに伴って発展してきた老年看護の歴史および、老化のメカニズムと、それによって起こる加齢変化を理解する。さらに、高齢者のアセスメントや看護実践に活用できる理論・概念、高齢者を支える保健医療福祉システムについて理解を深める。加えて、老年看護実践に必要な倫理的思考、態度を養うため、老年看護における倫理的課題、権利擁護について学び、これらを踏まえて、老年看護の特徴を理解し、老年看護に求められる役割を思考する。
本科目の第5回、第6回では、第2回、第3回で学修した高齢者の加齢変化を踏まえ、高齢者を支える保健医療福祉システムについて学修する。第5回では主に高齢者医療制度について取り上げたため、第6回では、介護保険制度と地域包括ケアシステムについて取り上げ、高齢者を支える介護保険制度の概要について学修する。さらに、地域包括ケアシステムについて、定義や構成要素、地域における具体的な取り組みについて理解する。
①テキスト:老年看護学 概論と看護の実践 第3章 超高齢社会を支える高齢者ケアシステム「Ⅰ日本の老人保健・福祉対策の変遷」p80-85(老人福祉対策)
②テキスト:老年看護学 概論と看護の実践 第3章 超高齢社会を支える高齢者ケアシステム「Ⅰ日本の老人保健・福祉対策の変遷」p80-85(老人福祉対策)
③テキスト:老年看護学 概論と看護の実践 第3章 超高齢社会を支える高齢者ケアシステム「Ⅱ高齢者のための保健・福祉活動の現状と今後の課題」p87-89(地域包括ケアシステムの構築)
コマ主題細目
① 介護保険制度の目的・理念 ② 介護保険制度の仕組み ③ 地域包括ケアシステム
細目レベル
① 介護保険制度は、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして創設された。そのため、介護保険制度創設の背景として、日本の高齢化、核家族化の進展について再度学修する。さらに、介護保険制度の目的を理解し、目的を踏まえた理念(利用者本位、自立支援、予防、国民の共同連帯等)について学修する。また、介護保険制度は、社会状況の変化に合わせ改正が行われている。そのため、介護保険制度改正の目的や主な内容について理解する。介護保険制度が2000年に施行されてから、要介護・要支援認定者数は大幅に増加している。具体的なデータをもとに、要介護等認定の状況や要介護認定者数の推移、介護が必要になった原因等について、その特徴を理解し、介護保険制度の課題について思考する。
② 介護保険制度の仕組みとして、保険者および被保険者(第1号被保険者、第2号被保険者の区分)、要介護認定の申請から認定までの流れと、サービスを利用するための手続き、サービスの種類(介護給付、予防給付、総合事業)、利用者負担、財源等について学修する。特に介護保険サービスについては、サービスの種類(施設サービス、居宅サービス、地域密着型サービス、介護予防サービス、介護予防・生活支援サービス事業)ごとに、具体的にどのようなサービスがあるのか、またその概要について学修する。介護保険制度は非常に複雑であるため、要介護状態にある高齢者の事例を用いて、要介護認定からサービス利用までの一連のプロセスをたどり、理解を深める。
③ 厚生労働省は、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、①住まい、②医療、③介護、➃予防、⑤生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を推進してきた。地域包括ケアシステムの定義および、5つの構成要素がどのように関連しているのかについて学ぶ。さらに、2040年頃には団塊ジュニア世代が高齢者になり高齢者人口がピークを迎えることが予測されている。2040年に向けて、地域包括ケアシステムのさらなる深化が求められている現状を理解し、地域包括ケアシステム構築のための地域における取り組みと課題について学ぶ。
キーワード
① 介護保険制度 ② 要介護認定 ③ 居宅サービス ④ 施設サービス ⑤ 地域包括ケアシステム
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
予習:テキスト 老年看護学 概論と看護の実践 第3章 超高齢社会を支える高齢者ケアシステム「Ⅰ日本の老人保健・福祉対策の変遷」p80-85、「Ⅱ高齢者のための保健・福祉活動の現状と今後の課題」p87-89(地域包括ケアシステムの構築)を熟読してから授業に参加する。
復習:講義中に配布した資料の復習のポイントに基づいて講義内容を自分自身の言葉でまとめ整理しておく。シラバスに示したキーワードは重要なワードであるため、それぞれをきちんと説明できるようにしておく。授業終了時に行う小テストについて、理解が不十分であった問題を復習し、確実に理解できるようにする。ChatGPTを活用して、授業内容に関するテスト問題を各自で作成し理解を深める。学生が住んでいる地域の地域包括ケアシステム構築に向けての取り組みを事後学修する。
予習復習には4時間の学習時間が必要であることを理解して学習に臨むこと。
7
老年看護における倫理的課題
科目の中での位置付け
本科目では、高齢者を取り巻く社会背景とそれに伴って発展してきた老年看護の歴史および、老化のメカニズムと、それによって起こる加齢変化を理解する。さらに、高齢者のアセスメントや看護実践に活用できる理論・概念、高齢者を支える保健医療福祉システムについて理解を深める。加えて、老年看護実践に必要な倫理的思考、態度を養うため、老年看護における倫理的課題、権利擁護について学び、これらを踏まえて、老年看護の特徴を理解し、老年看護に求められる役割を思考する。
本科目の第7回では、老年看護における倫理的課題を取り上げる。第1回で老いのイメージを学修したが、高齢者は加齢に伴う機能低下により否定的なイメージが持たれやすい。そのため、老年看護において起こりやすい倫理的課題として、高齢者虐待、身体拘束について学修し、老年看護実践に必要な倫理的思考、態度を修得する。これらは老年看護演習、老年看護学実習にもつながる内容である。
①テキスト:老年看護学 概論と看護の実践 第4章 高齢者と家族への看護:家族形態と社会問題「Ⅲ家族による高齢者虐待」p108-112
②テキスト:老年看護学 概論と看護の実践 第5章 老年看護学領域における倫理的課題と対応「Ⅲ老年看護学領域で遭遇する倫理的課題」p118-121
③テキスト:老年看護学 概論と看護の実践 第1章 老年看護学序説「Ⅱ老年看護の概念」p19-20(権利擁護)、第5章 老年看護学領域における倫理的課題と対応「Ⅱ高齢者の尊厳を守る看護支援」p116-117
コマ主題細目
① 高齢者虐待 ② 身体拘束 ③ 高齢者の権利擁護
細目レベル
① 高齢者を年齢によって差別することを高齢者差別という。高齢者は弱い立場とみなされやすく、差別の対象となりやすいことを理解する。高齢者虐待は社会問題となっており、高齢者虐待の防止と、高齢者の養護者の支援のため、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(高齢者虐待防止法)」が施行された。この法律における高齢者虐待の種類を理解する。さらに、調査データから養護者(家族等)による虐待の現状(件数や虐待の種別、虐待者の続柄等)、養介護施設従事者等による虐待の現状(件数や虐待の種別、施設の種別等)について把握し、その特徴を理解する。さらに虐待防止への取り組みや、発見したときの対応についても学修する。
② 身体拘束は、「緊急やむを得ない場合」を除いて身体的虐待に該当することを理解する。高齢者の尊厳を損なう身体拘束については「身体拘束ゼロへの手引き」が作成され、身体拘束にあたる具体的な行為11項目が示されるとともに、「緊急やむを得ない場合」に該当する3要件として「切迫性」、「非代替性」、「一時性」が示されているため、その内容について理解する。介護保険施設等では「緊急やむを得ない場合」以外の身体拘束は禁止されており、医療施設においても診療報酬が改定され、身体拘束を最小化する取組の強化が求められていることから、身体拘束を廃止するための工夫について思考する。加えて、身体拘束の3ロック(フィジカルロック、スピーチロック、ドラッグロック)を学ぶ。
③ 高齢者の権利擁護のための制度として成年後見制度がある。成年後見制度は、「ノーマライゼーション」、「自己決定の尊重」の理念に基づいて制度化されたことを理解する。さらに、成年後見制度の種類「法定後見制度」、「任意後見制度」について、それぞれの制度の仕組みを理解する。加えて「法定後見制度」は本人の判断能力の程度に応じて「後見」、「保佐」、「補助」の3つがあるため、それぞれの対象者を理解する。その他に、認知症高齢者等の判断能力が不十分な人が地域で自立した生活を送れるように、福祉サービスの利用援助等を行う事業として日常生活自立支援事業がある。この事業の実施主体、対象者、サービス内容について学修する。これらを踏まえて、高齢者の尊厳を守る看護支援について思考する。
キーワード
① 高齢者差別 ② 高齢者虐待 ③ 身体拘束 ④ 成年後見制度 ⑤ 日常生活自立支援事業
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
予習:テキスト 老年看護学 概論と看護の実践 第1章 老年看護学序説「Ⅱ老年看護の概念」p19-20(権利擁護)、第4章 高齢者と家族への看護:家族形態と社会問題「Ⅲ家族による高齢者虐待」p108-112、第5章 老年看護学領域における倫理的課題と対応「Ⅱ高齢者の尊厳を守る看護支援」p116-117、「Ⅲ老年看護学領域で遭遇する倫理的課題」p118-121を熟読してから授業に参加する。
復習:講義中に配布した資料の復習のポイントに基づいて講義内容を自分自身の言葉でまとめ整理しておく。シラバスに示したキーワードは重要なワードであるため、それぞれをきちんと説明できるようにしておく。授業終了時に行う小テストについて、理解が不十分であった問題を復習し、確実に理解できるようにする。ChatGPTを活用して、授業内容に関するテスト問題を各自で作成し理解を深める。
予習復習には4時間の学習時間が必要であることを理解して学習に臨むこと。
8
老年看護の基本
科目の中での位置付け
本科目では、高齢者を取り巻く社会背景とそれに伴って発展してきた老年看護の歴史および、老化のメカニズムと、それによって起こる加齢変化を理解する。さらに、高齢者のアセスメントや看護実践に活用できる理論・概念、高齢者を支える保健医療福祉システムについて理解を深める。加えて、老年看護実践に必要な倫理的思考、態度を養うため、老年看護における倫理的課題、権利擁護について学び、これらを踏まえて、老年看護の特徴を理解し、老年看護に求められる役割を思考する。
本科目の第8回は、これまでの講義内容のまとめの回として位置づける。特に第2回で学修した身体・生理的側面の加齢変化、第3回の講義で学修した心理・社会的側面の加齢変化について再学修し、高齢者への理解を深めるとともに知識の定着をはかる。この内容は、老年看護援助論での学修内容を理解する上での基礎的知識となる。さらに、高齢者の特徴および社会背景を踏まえ、老年看護に求められる役割について思考する。
①②③テキスト:老年看護学 概論と看護の実践 第1章 老年看護学序説「Ⅱ老年看護の概念」p14(老年看護の基本的姿勢)、p14-21(老年看護に求められるもの、老年看護活動の特性)
コマ主題細目
① 老年看護の基本姿勢 ② 老年看護に求められる役割 ③ 老年看護活動の特性
細目レベル
① これまでの学修内容を踏まえ、加齢変化の個体差・個人差、高齢者の個別性について理解を深めたうえで、老年看護の基本的姿勢を理解する。高齢者のQOLを高めるためには、高齢者の個別性や生活史に基づいた支援が必要となる。高齢社会を考えるうえでの参考基準として、1991年に国連総会で決議された高齢者のための国連原則である「尊厳の原則」、「自己実現の原則」、「参加の原則」、「自立の原則」、「介護(ケア)の原則」について具体的な内容を学ぶ。これらの5原則から言えるように、高齢化が進行した社会では高齢者の尊厳の保持、自己実現や自立、社会参加への支援などが重要となる。そのことは老年看護の基本的姿勢にもつながることを理解する。
② 高齢化がさらに進行していくことが予測される日本において、老年看護の必要性はより高まっている。そういった背景の中で、社会から求められる老年看護の役割について理解する。老年看護に求められるものとして、「広い視野にもとづく理念」「社会構造の変革」「生理的・精神的・社会的なサポート」「全人的理解」「信頼関係の構築」「ケアの専門性」「個別性の重視」「コーディネーターとしての役割」「変化への柔軟性」があげられる。例えば、「生理的・精神的・社会的なサポート」においては、これまでに学修した身体・生理的側面の加齢変化や、心理・社会的側面の加齢変化をきちんと理解したうえで、求められる役割について思考する必要がある。
③ 細目②で学修した「広い視野にもとづく理念」「社会構造の変革」「生理的・精神的・社会的なサポート」「全人的理解」といった社会から求められる老年看護の役割をふまえ、老年看護活動の特性について理解する。老年看護活動においては、「日常生活能力の維持・改善」「予防への教育活動」「病気からの回復支援」「人生の終結へのケア」「権利擁護(アドボカシー)」「在宅生活における家族との協働」「独居高齢者、認知症高齢者への支援の必要性」「老年看護活動の場」といった特性がある。これらの特性の概要について理解する。これらについては、今後の老年看護援助論や老年看護演習において具体的な内容を学修し、老年看護学実習での学修内容につなげる。
キーワード
① 加齢変化 ② 高齢者のための国連原則 ③ 老年看護の基本姿勢 ④ 老年看護活動 ⑤ 老年看護の役割
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
予習:テキスト 老年看護学 概論と看護の実践 第1章 老年看護学序説「Ⅱ老年看護の概念」p14(老年看護の基本的姿勢)、p14-21(老年看護に求められるもの、老年看護活動の特性)を熟読してから授業に参加する。これまでに配布した講義資料の内容を再学修しておく。特に第2回、第3回で取り上げた加齢変化に関する内容は、自分の言葉で整理しておく。
復習:講義中に配布した資料の復習のポイントに基づいて講義内容を自分自身の言葉でまとめ整理しておく。シラバスに示したキーワードは重要なワードであるため、それぞれをきちんと説明できるようにしておく。授業終了時に行う小テストについて、理解が不十分であった問題を復習し、確実に理解できるようにする。ChatGPTを活用して、授業内容に関するテスト問題を各自で作成し理解を深める。
予習復習には4時間の学習時間が必要であることを理解して学習に臨むこと。
履修判定指標
履修指標
履修指標の水準
キーワード
配点
関連回
1.老年看護が発展した社会背景と老年看護の基本姿勢を説明できる★
高齢者の定義について、前期高齢者および後期高齢者の区分まで述べることができる。
日本の高齢化率を述べることができる。
日本の高齢化率の推移について、諸外国との比較からその特徴を説明できる。
老年看護の発展について、日本の高齢化の進展とあわせて説明できる。
老年看護の対象である高齢者の多様性を理解したうえで、老年看護の基本姿勢を述べることができる。
高齢者のための国連原則で述べられている内容をすべて説明できる。
①高齢者の定義
②高齢化率
③老年看護の基本的姿勢
④高齢者のための国連原則
12
第1回、第8回
2.老年期にある対象の特徴を、加齢に伴う身体・生理的側面の変化から説明できる★★
「加齢」と「老化」の概念について説明できる。
一次的老化と二次的老化の違いについて説明できる。
恒常性を維持するために必要な4つの力(防衛力、予備力、適応力、回復力)の内容と、加齢によってそれらがどのように変化するか説明できる。
各器官(呼吸器系、心・血管系、神経系、筋・骨格系、消化器系、泌尿・生殖器系、内分泌系、免疫系、外皮系、感覚器系)における主な加齢変化と、それによって起こる症状を説明できる。
①加齢
②老化
③恒常性を維持するための4つの力
④各器官の加齢変化
24
第2回
3.老年期にある対象の特徴を、加齢に伴う心理・社会的側面の変化から説明できる★
老性自覚について説明できる。
高齢者の人格特性を述べることができる。
高齢者の生きがいの現状と心理的側面への影響を説明できる。
高齢者の世帯構造の変化と、それによって起こっている問題について説明できる。
高齢者の介護の状況について、社会背景と関連付けて説明できる。
高齢者の生活(就業状況、経済状況、社会参加、性生活)の特徴と、加齢に伴って起こる生活上の課題について述べることができる。
高齢者の生活満足度の特徴を諸外国との比較から説明できる。
①老性自覚
②人格特性
③生きがい
④世帯構造の変化
⑤高齢者の介護
⑥高齢者の生活
⑦生活満足度
10
第3回
4.老年看護に用いられる理論・概念を理解し、その活用場面を説明できる★★
生涯発達の考え方について説明できる。
老年期の発達課題としてハヴィガースト、エリクソン、ペックが述べている内容と、その共通性・相違性について説明できる。
サクセスフルエイジングについて説明できる。
活動理論、疎隔理論/離脱理論、連続理論、選択最適化補償理論(SOC理論)の考え方を理解し、サクセスフルエイジングとの関連について説明できる。
エンパワメント、ストレングスモデルの考え方と、高齢者の看護において適用できる場面を説明できる。
①老年期の発達課題
②活動理論
③疎隔理論/離脱理論
④連続理論
⑤サクセスフルエイジング
⑥エンパワメント
⑦ストレングスモデル
12
第4回
5.高齢者を支える保健医療福祉システムの仕組みを説明できる★★★
日本の高齢者に対する保健・福祉対策の変遷(老人福祉法、老人保健法、高齢者の医療の確保に関する法律、介護保険法)について説明できる。
高齢者医療制度の仕組みと、創設された背景について説明できる。
介護保険制度の目的・理念、仕組み(保険者、被保険者、要介護認定、サービス利用の流れ)を説明できる。
介護保険サービスの種類を述べることができる。
地域包括ケアシステムの目的、定義、構成要素を述べることができる。
①老人福祉法
②老人保健法
③高齢者医療制度
④介護保険制度
⑤介護保険サービス
⑥地域包括ケアシステム
28
第5回、第6回
6.老年看護において直面しやすい倫理的課題と高齢者の権利擁護について説明できる★★
高齢者差別について説明できる。
高齢者虐待の種類を述べることができる。
高齢者虐待の現状と虐待の要因、虐待を予防するための対策、虐待を発見したときの対応について説明できる。
身体拘束にあたる具体的な行為11項目と、「緊急やむを得ない場合」に該当する3要件を述べることができる。
成年後見制度の理念、種類(法定後見制度、任意後見制度)、制度の仕組みを説明できる。
日常生活自立支援事業の実施主体、対象者、サービス内容を述べることができる。
①高齢者差別
②高齢者虐待
③身体拘束
④成年後見制度
⑤日常生活自立支援事業
14
第7回
評価方法
期末試験100%
評価基準
評語
学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・
S (100~90点)
学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・
A (89~80点)
学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・
B (79~70点)
学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・
C (69~60点)
学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・
D (60点未満)
教科書
奥野茂代、大西和子監修 百瀬由美子編集 『老年看護学 概論と看護の実践(第6版)』ヌーヴェルヒロカワ 3300円
参考文献
実験・実習・教材費