区分 専門科目-広域看護学-公衆衛生看護学
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力 倫理観 専門性探求
地域社会貢献 グローバル性 自己研鑽力
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性 広い視野 知識・技術
判断力 探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
専門科目の中の「広域看護学」に位置づけ、成人、産業保健などの対象別に健康問題の特徴を理解し、健康課題と支援策を学習する。
科目の目的
地域で生活する人々のライフサイクルにおける成人期及び産業分野の動向を把握しその分野の保健施策を理解する。また、地域で生活する成人期や働き人々の個人や家族、特定集団、組織を対象とした公衆衛生看護活動を行うために必要な知識を習得し、対象者への支援方法について理解を深める。これらの学習から公衆衛生看護として、保健師の役割や公衆衛生看護活動の展開方法の実践力を養い、今後の成人保健・産業保健の課題について考える。
到達目標
1)成人保健分野と産業保健分野の動向とそれに対応した保健施策について説明できる
2)成人保健分野と産業保健分野の健康問題とそれに対応した公衆衛生看護が活動を理解する
3)成人保健分野と産業保健分野の健康問題に対応した保健指導方法が理解できる
4)公衆衛生看護活動の役割と今後の課題について考察できる

科目の概要
「成人保健・産業保健」では、1年生後期に学修した「公衆衛生」の科目や2年生前期に学修した「地域看護・公衆衛生看護学概論」の知識を基に、成人期の人々や、働く人々に対する公衆衛生看護活動について学ぶ。地域や職域における成人期の人々や働き人々がかかえる健康課題を理解し、対象者に必要な支援を理解する。また、それぞれの対象者に向けて整備されている法令・制度やガイドラインなどを学び、個人・家族、集団、組織への支援の展開方法の基礎知識・技術を学ぶ。すなわち、対象者の健康問題の特徴と保健施策、公衆衛生看護活動について学習する。この科目においては地域において対象別の保健活動が具体的に展開できるよう基礎的能力を養う。
科目のキーワード
成人保健・産業保健・公衆衛生・公衆衛生看護活動
授業の展開方法
対象別公衆衛生看護活動のテキストでは「成人保健」について、産業保健のテキストでは産業保健と産業看護について使用する。また授業担当教員が作成するコマ用オリジナル配布資料を使用して講義を進める。講義にはそれぞれの保健活動の実例を含める。授業担当教員から指示があった回には、自分の居住地の成人に対する保健活動を調べる。働く人々の健康問題の特徴や産業保健看護の役割、課題について調べる。また、演習では問題解決技法やロールプレイの技法を学ぶ。
オフィス・アワー
窪田志穂:研究室711:月曜3.4限および金曜3.4限
E-mail:s-kubota@uhe.ac.jp(メールはいつでも受け付けます)
宮﨑博子:宮﨑博子:研究室706:月曜昼休み、水曜昼休み
E-Mail:h-miyazaki@uhe.ac.jpすぐにお返事できない事があります。

科目コード BK33
学年・期 2年・後期
科目名 成人保健・産業保健
単位数 2
授業形態 講義
必修・選択 選択(保健師は必修)
学習時間 【授業】30h 【予習・復習】60h
前提とする科目 公衆衛生学、地域看護・公衆衛生看護学概論
展開科目 公衆衛生看護援助論Ⅱ、地域診断論、健康教育論、公衆衛生看護援助論Ⅲ、公衆衛生看護学実習Ⅰ、公衆衛生看護学実習Ⅱ
関連資格 保健師
担当教員名 加藤まり・鍋田美咲・小島修子
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 成人保健の動向及び保健指導の基礎知識 科目の中での位置付け 「成人保健・産業保健」は、本学のカリキュラムの専門科目のなかの「広域看護学」に位置づけられる科目である。本科目では、公衆衛生看護の対象別に健康問題の特徴を理解し、健康課題と支援策を学習する。具体的には、第1回から第3回にかけては「成人保健活動」で講義と演習を行う。また、第4回から第15回までは「産業保健活動」について、それぞれ各分野の健康問題とそれに対応した公衆衛生看護活動について学ぶ。「産業保健活動」では、産業保健看護の定義や歴史、現状を理解し、衛生管理の3管理やストレス・メンタルヘルス対策などについての支援方法について学ぶ。
ここでは、成人期の特徴と保健施策、疾患や生活習慣に対する保健指導方法の概要を学ぶ。成人期は、自分自身の生活習慣を見直す時期であり、早世や障害を予防する時期でもある。保健活動は病気の早期発見、早期治療の二次予防と健康増進の一次予防を進める。成人期の保健活動はさまざまな部門との連携や住民を巻き込んで参加型で行う。保健師は保健活動の中で調整機能等、コーディネート機能を発揮することが重要である。

・配布資料、
・標準保健師講座3対象別公衆衛生看護活動p58-62、最新版(医学書院)3,400円+税
・国民衛生の動向p92(厚生労働統計協会)、2,450円+税
コマ主題細目 ① 成人期の定義 ② 成人期の保健動向と保健施策 ③ 成人期の保健活動 ④ ⑤
細目レベル ① 成人期の定義:成人期とはエリクソンやハヴィガーストにより、壮年期と中年期に分類され、心理・社会的側面の発達課題が示されている。壮年期は社会的に働く、子育てをするなど活動的な時期である。中年期は社会的な責任を持ちながら仕事をし、近づいてくる高齢期への準備をする時期でもある。身体的には壮年期は最も充実している時期であり、中年期は身体機能が徐々に低下する時期であることを確認しておこう。また、成人期は自分自身の生活習慣を見直す時期であり、早世や障害を予防する時期でもある。保健活動の最終目的は、個々の幸せのためであることを忘れてはならない。幸せな生活を営むために健康と言う資源を見直す視点が必要であることを学ぶ。
② 成人保健の動向と保健施策:成人期以降は3大死因(悪性新生物、心疾患、脳血管疾患)による死亡率が徐々に増加していく時期である。成人期の早世・障害を防ぎ健康寿命を延伸することが成人保健の目的である。健康増進法による健康日本21(第二次)計画では健康寿命の延伸と健康格差の縮小、生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(非感染性疾患(NCDs: Non-communicable diseases))の予防、社会生活を営むために必要な機能の維持および向上が提示されている。さらに、健康を支え、まもるための社会環境の整備、栄養・食生活、身体活動、休養等の生活習慣及び社会環境の改善が目標として示されている。その他、施策として、健康増進法、健康フロンティア戦略、がん対策、医療制度改革関連法、高齢者医療確保法などについて学ぶ
③ 成人期の健康課題と保健活動:①②から成人期の健康課題は早世と障害、がん、生活習慣病等である。成人期の保健活動は公衆衛生・地域保健活動として、病気の早期発見、早期治療の二次予防と健康増進の一次予防とを進めるものである。一次予防ではヘルスプロモーションの理念に沿ってポピュレーションアプローチを用いる。ハイリスクアプローチは特別の問題をもつ小数集団を正常で問題のないとみなされる多数集団から区別して支援する二次予防である。指導には変化のステージモデル、やマーケティングの理論を用いると効果的であることを学んでいく。成人期に起こりやすいたばこ、アルコール、食事のとり方、身体活動などの生活習慣および、がん、心血管疾患、慢性腎臓病、高血圧、脂質異常症、糖尿病、などの現状と対策についても詳細を学ぶ。


キーワード ① 成人保健の目的 ② 健康指標 ③ 健康寿命 ④ 生活習慣病 ⑤
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト
復習・予習課題 復習;、成人期は自分自身の生活習慣を見直す時期であり、早世や障害を予防する時期でもある。公衆衛生看護活動など保健活動の最終目的は、個々の幸せのためであることを忘れてはならない。成人期は自身でさまざまな判断をして行動できるステージであることから幸せな生活を営むために健康と言う資源を見直す視点が必要である。これらの事について講義の中で重要だと思うことをノートに記載しておくこと。予習:自分の居住地の健康日本21(第二次)計画について、自治体のHPを検索して自治体の主な成人期の健康課題が何か、またその健康課題を解決するための施策は具体的に何かについてわかる範囲でノートにまとめておこう。特に成人期の課題を中心にしてまとめておく。
2 成人保健指導 特定健康診査・特定保健指導(演習) 科目の中での位置付け 「成人保健・産業保健」は、本学のカリキュラムの専門科目のなかの「広域看護学」に位置づけられる科目である。本科目では、公衆衛生看護の対象別に健康問題の特徴を理解し、健康課題と支援策を学習する。具体的には、第1回から第3回にかけては「成人保健活動」で講義と演習を行う。また、第4回から第15回までは「産業保健活動」について、それぞれ各分野の健康問題とそれに対応した公衆衛生看護活動について学ぶ。「産業保健活動」では、産業保健看護の定義や歴史、現状を理解し、衛生管理の3管理やストレス・メンタルヘルス対策などについての支援方法について学ぶ。
成人期における保健施策、特定保健指導の具体的な方法について学ぶ。2008年から高齢者の医療の確保に関する法律に基き、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した生活習慣病予防のための健康診査(特定健康診査)および保健指導(特定保健指導)が実施されている。メタボリックシンドロームを階層化し、成果を評価するための実践的な保健指導方法である。行動変容を促進するための理論を組み合わせて行う。現在第3期に入った特定健康診査・保健指導であるがそのしくみと実態、課題について学ぶことが重要である。

・配布資料、
・標準保健師講座3対象別公衆衛生看護活動p61.78.79.273、最新版(医学書院)3,400円+税
・国民衛生の動向p96.119.334、(厚生労働統計協会)、2,450円+税
コマ主題細目 ① メタボリックシンドロームの理解 ② 特定健康診査・保健指導の意義 ③ 特定保健指導の展開
細目レベル ① メタボリックシンドロームの理解:メタボリックシンドロームとは、「内臓脂肪の蓄積」に加えて、「脂質異常」「高血糖」「高血圧」を2つ以上該当した状態をいう。それにより動脈硬化を促進させ、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす危険性が高まる。日本では特定健康診査・保健指導の制度の中でこの考え方を取り入れている。内臓脂肪が減少することによって、高血圧や脂質異常などの生活習慣病を予防し、健康寿命を延伸できるようにする制度である。この制度は高い成果が認められており、本保健事業の仕組みを理解することが大切である。メタボリックシンドロームは生活習慣病であり、生活習慣を改善することにより、高血圧や高脂血症、高血糖などの症状が改善し、最終的に脳梗塞や脳出血糖尿病、腎不全などを予防することができる。
② 特定健康診査・保健指導とは:特定健康診査・特定保健指導は高齢者医療確保法を根拠に対象者を40歳-74歳のすべての被保険者・被扶養者としている。実施者は保険者である。メタボシックシンドロームの診断基準が決められており、特定健康診査を行うことによって、判断される。ウエスト周囲径、をはじめトリグリセライド、HDLコレステロール、血圧、血糖など各診断基準により判定される。保健指導は対象者が健診結果から自らの健康状態を正しく理解し、生活習慣改善のための行動目標を自ら設定・実施できるよう医師、保健師等により個々人の特性やリスクに応じた支援を行うことが重要である。今までの保健指導と異なるのは成果結果(アウトカム)を求めていることである。
③ 特定保健指導の展開:動機づけ支援、積極的支援等メタボリックシンドロームの重症度にあわせて保健指導が行われる。動機づけ支援は個別またはグループ支援を原則1回行い、対象者自らが生活習慣を振り返り行動目標を立て行動に移し、その生活が継続できることを目指した支援である。積極的支援は動機づけ支援に加えて3か月以上の定期的・継続的な支援(電話・面接,eメール、ファックス、手紙等)を行い、対象者自らが生活習慣を振り返り行動目標を立て行動に移し、その生活が継続できることを目指した支援である。実施主体である保険者は、実施後の評価によって、保険料等の増減があるなど保険者のペナルティが課されることもこの事業の実質的な評価につながっていることを学ぶ。
キーワード ① メタボリックシンドロームの理解 ② NDB,KDB ③ 積極的支援と指導 ④ 自己決定
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト
復習・予習課題 復習:本日行った事例を使用した特定健康診査の結果を根拠に行う特定保健指導の演習について、まず階層に分けて保健指導を実施することを理解しておこう。さらに動機づけ支援と積極的支援の違いについて整理してノートに整理しておこう。また、特定保健指導のロールプレイを体験して感じたことを自己評価表にまとめておく。特定健康診査・特定保健指導の意義と課題についてまとめておこう。メタボリックシンドロームとは何か。特定健康診査の検査項目を調べたり、特定保健指導の特徴について演習を通じて説明できるようにしておく。予習:成人保健の次回の講義は産業保健・産業看護であるので産業保健とは何か、産業看護とは何かについてテキストを読んでおく。
3 成人保健指導 特定健康診査・特定保健指導(演習) 科目の中での位置付け 「成人保健・産業保健」は、本学のカリキュラムの専門科目のなかの「広域看護学」に位置づけられる科目である。本科目では、公衆衛生看護の対象別に健康問題の特徴を理解し、健康課題と支援策を学習する。具体的には、第1回から第3回にかけては「成人保健活動」で講義と演習を行う。また、第4回から第15回までは「産業保健活動」について、それぞれ各分野の健康問題とそれに対応した公衆衛生看護活動について学ぶ。「産業保健活動」では、産業保健看護の定義や歴史、現状を理解し、衛生管理の3管理やストレス・メンタルヘルス対策などについての支援方法について学ぶ。
第3回のこのコマでは、第2回に引き続き、成人期における保健施策、特定保健指導の具体的な方法について学ぶ。2008年から高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した生活習慣病予防のための健康診査(特定健康診査)および保健指導(特定保健指導)が実施されている。メタボリックシンドロームを階層化し、成果を評価するための実践的な保健指導方法である。行動変容を促進するための理論を組み合わせて行う。現在第3期に入った特定健康診査・保健指導であるがそのしくみと実態、課題について学ぶことが重要である。※ここでは産業保健看護職と産業保健師は同義語である。

・配布資料、
・標準保健師講座3対象別公衆衛生看護活動p61.78.79.273、最新版(医学書院)3,400円+税
・国民衛生の動向p96.119.334.(厚生労働統計協会)、2,450円+税
コマ主題細目 ① メタボリックシンドロームの理解 ② 特定健康診査・保健指導の意義 ③ 特定保健指導の展開 ④ ⑤
細目レベル ① メタボリックシンドロームの理解:メタボリックシンドロームとは、「内臓脂肪の蓄積」に加えて、「脂質異常」「高血糖」「高血圧」を2つ以上該当した状態をいう。それにより動脈硬化を促進させ、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす危険性が高まる。日本では特定健康診査・保健指導の制度の中でこの考え方を取り入れている。内臓脂肪を減少することによって、高血圧や脂質異常などの生活習慣病を予防し、健康寿命を延伸できるようにする制度である。成果が認められており、本保健事業の仕組みを理解することが大切である。メタボリックシンドロームは生活習慣病であり、生活習慣を改善することにより、高血圧や高脂血症、高血糖などの症状が改善し、最終的に脳梗塞や脳出血糖尿病、腎不全などを予防することができる。
② 特定健康診査・保健指導とは:特定健康診査・特定保健指導は高齢者医療確保法を根拠に対象者を40歳-74歳のすべての被保険者・被扶養者としている。実施者は保険者である。メタボシックシンドロームの診断基準が決められており、特定健康診査を行うことによって、判断される。ウエスト周囲径、をはじめトリグリセライド、HDLコレステロール、血圧、血糖など各診断基準により判定される。保健指導は対象者が健診結果から自らの健康状態を正しく理解し、生活習慣改善のための行動目標を自ら設定・実施できるよう医師、保健師等により個々人の特性やリスクに応じた支援を行うことが重要である。今までの保健指導と異なるのは成果結果(アウトカム)を求めていることである。
③ 特定保健指導の展開:動機づけ支援、積極的支援等メタボリックシンドロームの重症度にあわせて保健指導が行われる。動機づけ支援は個別またはグループ支援を原則1回行い、対象者自らが生活習慣を振り返り行動目標を立て行動に移し、その生活が継続できることを目指した支援。積極的支援は動機づけ支援に加えて3か月以上の定期的・継続的な支援(電話・面接,eメール、ファックス、手紙等)を行い、対象者自らが生活習慣を振り返り行動目標を立て行動に移し、その生活が継続できることを目指した支援である。実施主体である保険者は、実施後の評価によって、保険料等の増減があるなど保険者のペナルティが課されることもこの事業の評価につながっていることを学ぶ。


キーワード ① メタボリックシンドローム ② NDB,KDB ③ 積極的支援 ④ 自己決定 ⑤
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト
復習・予習課題 復習:本日行った事例を使用した特定健康診査の結果を根拠に行う特定保健指導の演習について、まず階層に分けて保健指導を実施することを理解しておこう。さらに動機づけ支援と積極的支援の違いについて整理してノートに整理しておこう。また、自分がロールプレイを体験して感じたことを自己評価表にまとめておくこと。特定健康診査・特定保健指導の意義と課題についてまとめておこう。メタボリックシンドロームとは何か。特定健康診査の検査項目を調べたり、特定k保健指導の特徴について演習を通じて説明できるようにしておく。予習:成人保健の次の講義は産業保健・産業看護であるので産業保健とは何か、産業看護とは何かについてテキストを読んでおく。
4 産業保健の目的、産業保健の定義 科目の中での位置付け
「成人保健・産業保健」は、本学のカリキュラムの専門科目のなかの「広域看護学」に位置づけられる科目である。本科目では、公衆衛生看護の対象別に健康問題の特徴を理解し、健康課題と支援策を学習する。具体的には、第1回から第3回にかけては「成人保健活動」で講義と演習を行う。また、第4回から第15回までは「産業保健活動」について、それぞれ各分野の健康問題とそれに対応した公衆衛生看護活動について学ぶ。「産業保健活動」では、産業保健看護の定義や歴史、現状を理解し、衛生管理の3管理やストレス・メンタルヘルス対策などについての支援方法について学ぶ。
産業保健、産業看護の理念:産業保健とは労働者の健康対策を行う領域である。労働者以外の健康対策を行う領域としては、乳幼児や高齢者に対する行政保健、児童生徒に行う学校保健、公害等に対する環境保健などがある。産業保健は日本国憲法に基づき労働基準法のもと、主に労働安全衛生法によって法的に定められている。労働基準法は労働時間や休暇、休業補償など労働者の勤務条件を定めるのに対して労働安全衛生法は安全衛生管理、産業医、健康診断など被雇用労働者を対象に事業主に対する規定が定められている。関連する法律としてはじん肺法や作業環境測定法がある。雇う側と雇われる側の圧倒的に権力が違うことは明確であり、働くことによって、けがをしたり、病気になったりすることがないように法律に決め、労働者が健康で安全に働くことができるようにしている。ここではなぜ産業保健が必要なのか産業保健や看護の理念、目的について理解してもらいたい。産業保健分野の背景と変遷:産業保健が対象とする健康問題は労働の状態や生産手段の変遷とともに推移したが、現在の産業保健活動についての理解を深め、将来に向かっての方向性を確立するためにそして、産業の場における保健師の役割を効果的に果たすうえで必要な事項を知るために産業保健の歴史を振り返る。ここでは産業革命前、産業革命から第二次世界大戦まで、第二次世界大戦以降(世界発の労働者保護法、徒弟の健康と風紀に関する法律、我が国における工場法の成立、新たな職業病の発生、事業場における結核対策)、労働安全衛生法制定以降、労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針公表以降の5つの区分に分けて振り返り理解を深めていく。またそれに伴って現在につながる産業看護分野の歴史があり、産業保健師の役割について明確にしていく。

配布資料、産業看護学p2.3.10.11.152.河野啓子著、日本看護協会出版会(3,800円+税)
コマ主題細目 ① 産業保健の目的 ② 産業保健・看護の重要性 ③ 産業保健の歴史 ④ ⑤
細目レベル ① ① 産業保健の目的:産業保健の目的は1950年にILO(国際労働機関)とWHO(世界保健機構)の合同委員会で採択され、1995年4月の第12次総会で改訂された産業保健の目標に示されている。そこでは、あらゆる職業に従事する人々の身体的精神的および社会的福祉を最高度に増進し、かつこれを維持すること。作業条件に基づく疾病を防止すること。健康に不利な諸条件から雇用労働者を保護すること、作業者の生理的心理的特性に対する作業環境にその作業者を配置すること。以上を要約すれば、人間に対し仕事を適合させること、各人をして各自の仕事に対し適応させるようにすること、とされている。ILOはWHOより早く設立された国際機関である。労働によって人権が損なわれたり、事故や怪我、病気などから労働者を守るために重要な目的であることを理解する。

② 産業保健/看護の重要性:産業保健看護は働く人々を対象としている。総務省統計局が毎月実施している「労働力調査」によると、2021年の労働力人口(就業者+完全失業者)は6860万人、就業者は6667万人である。このうち労働基準法および労働安全衛生法の適用をうける雇用労働者は5973万人の多数にのぼっている。またこれらの人々の一生を保健活動の対象期間視点で見ると定年を65歳とすると、大学卒業では43年、高校卒業では47年、中学校卒業では50年もの長き期間にわたっている。このように多くの人々が長い期間にわたって関わる産業保健看護は私たちのライフステージで重要な位置づけをもつということを理解する必要がある。さらに近年は労働力不足から女性労働者の増加、労働者の高年齢化が進んでいることも労働者を支援する上で把握すべき重要な変化である。

③ 産業保健の歴史:産業革命前は16世紀頃から鉱夫や有害な作業に従事する労働者の疾病についての記録が見られるようになった。ここで労働者の職業関連疾病について挑戦したのがイタリアのラマッツィーニである。ラマッツィーニの著書「働く人々の病気」は職業病について述べている。産業革命から第二次世界大戦では労働者を守るための初めての法律が英国で制定され、日本でも同様の法律「工場法」が成立する。英国から100年遅れて日本の産業革命があり、職業病の発生、結核等の感染症が問題になった。対策として、第二次世界大戦以降、労働安全衛生法や労働安全衛生マネジメントシステムの指針により、労働災害が減少し、労働者の健康と安全が守られるようになってきた経緯がある。日本では労働者の死亡者数が年々減少す、毎年過去最少となっていることと歴史の流れを関連させて学ぶことが大切である。



キーワード ① ILO&WHO ② 労働者 ③ 労働安全衛生法 ④ 産業保健 ⑤ 健康と労働の調和
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト
復習・予習課題 復習:このコマから産業保健・産業看護について学んでいく。なぜ、産業保健看護を学ぶのかその重要性について講義をしているのでその理由について復習してほしい。長期間多くの対象者を支援できる分野であることを理解しておくこと。大学を卒業して定年退職になるまでの一般の社会人(自分が看護職として就職後の人生を歩む場合を推測して考えても良い)の人生のイベントと健康課題と活用できる施策など資源を整理してノートに記載してみよう。予習:次の時間は産業保健看護の定義や産業保健看護職の役割・職務、コンピテンシーについてである。このコマシラバスを熟読してくる。地域看護・公衆衛生看護学概論で学んだことを思い出して、教科書を参考にして重要なキーワードをノートに書きだしておこう。また保健師の役割や活動方法については行政保健師と考え方は同様であることを確認しておく。
5 産業保健看護の定義、保健師の役割・職務、コンピテンシー 科目の中での位置付け
「成人保健・産業保健」は、本学のカリキュラムの専門科目のなかの「広域看護学」に位置づけられる科目である。本科目では、公衆衛生看護の対象別に健康問題の特徴を理解し、健康課題と支援策を学習する。具体的には、第1回から第3回にかけては「成人保健活動」で講義と演習を行う。また、第4回から第15回までは「産業保健活動」について、それぞれ各分野の健康問題とそれに対応した公衆衛生看護活動について学ぶ。「産業保健活動」では、産業保健看護の定義や歴史、現状を理解し、衛生管理の3管理やストレス・メンタルヘルス対策などについての支援方法について学ぶ。
産業保健看護が行政看護とどう違うのかその特徴を学ぶ。また、2022年に「産業保健看護の定義」が改訂された。今までの定義との違いは定義の内容に産業保健師の役割や職務を入れ込んだことである。また、産業保健看護の定義から産業保健看護職の役割・職務、コンピテンシーについて詳細を学ぶ。

配布資料、産業看護学.河野啓子著、日本看護協会出版会p2~31
コマ主題細目 ① 産業保健の変遷 ② 産業看護の歴史 ③ 産業看護の定義、保健師のコンピテンシー ④ ⑤
細目レベル ① 公衆衛生看護と産業保健師:働く人々への健康支援の対象である「職域」は、公衆衛生看護でいう「地域」である。人々の生活の場としてのコミュニティを意味する。職場の人々の生活営みの中での生命や健康の脅かしの回避し、健康維持増進をはかり、必要な援助の提供システムの構築、生活環境の改善、健康施策の策定など体制づくりをおこなうなどの活動を理解する。2022年4月に産業保健看護の定義が改訂された。つまり、「産業保健看護の対象は、すべての労働者および事業者であり、個人のみならず集団・組織をも含む。その目的は、健康と労働の調和を保つことであり、ひいては労働生産性の向上および持続可能な社会を実現することである。これらの目的達成に向けて、看護学を基盤として、経営的視点を念頭に置き、かつ公平・公正な立場から事業者と労働者の自主的な取り組みを支援する。産業保健看護専門職は、系統的な情報収集およびアセスメントにより抽出された個人・集団・組織の健康課題を連動させながら、課題解決に向けて事業場内外と連携を図り、協働および仕組みづくりを行う。これらを通して、労働に関連する健康障害の予防、労働者の生涯にわたる自律的な健康行動の確立、労働者が健康で安全に働き続けることができる職場環境づくり、さらには職場風土の醸成に寄与するものである。」

② 産業保健看護の定義、産業保健師のコンピテンシー:産業看護の定義や産業保健師のコンピテンシーについて教授する。産業看護の定義は2005年に日本産業衛生学会産業看護部会で2022年に改訂された。2005年の定義は、産業看護とは事業者が労働者と協力して産業保健の目的を自主的に達成できるように、事業者・労働者の双方に対して、看護の理念に基づいて組織的に行う個人・集団・組織への健康支援活動である。前週の産業保健の定義で学んだ産業保健の目的を達成するために、看護の理念、つまりあらゆる人々に対して、その健康レベルに応じて、健康的にかつ自主的に生きていくことを支援することである。相手を全人的にとらえ、その自助力に働きかけ、気持ちや生きがいを尊重し、対象との人間関係を通じて生活適応への支援活動をすることを特徴とする。コンピテンシーについても教授する。


③ 産業保健看護職の職務、その展開方法:
生産年齢人口イコール働く人々である。その人口は全人口の中で占める割合が最も多い。また、長期間、近い距離で支援可能であることや、成人期と言う本人の意思で健康行動が決定できるという特徴から行動変容が起こしやすい。そのため、産業保健師は対象者の向老期を踏まえ、健康を自己コントロールできるように支援する重要な職務である。
職域では、所属する事業所、部署によって求められる内容が異なる(風土、企業文化も含め)
産業保健看護職の職務(5分野:3管理と総括管理・労働衛生教育)は基本的な内容であること
から働く人々の特徴を理解して支援することが必要である。
 さらに、健康と労働の調和への支援を軸に産業保健看護職の職務を展開する。



キーワード ① ILO&WHO ② 産業保健・看護 ③ 保健師活動 ④ コンピテンシー ⑤ 5分野・5管理
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト
復習・予習課題 復習:教科書「産業看護学」P10~の産業保健看護とは、講義で示した改訂された「産業保健看護の定義」について内容を理解しておく。特に講義中に示した産業保健看護職の役割、産業保健看護職の職務、産業保健看護のコンピテンシーは重要である。教科書で該当する個所を読み、講師が重要であると説明した内容について教科書に色のついたマーカーを塗り、大事なポイントが分かるようにしておこう。また、わが国における産業保健・産業看護の実態について産業保健師の役割についてまとめておこう。予習:このコマシラバスを熟読してくる。教科書「産業看護学」の第4章、「わが国における産業保健・産業看護の実態」、第5章「産業保健の基本と産業看護活動」について、P156までをよく読んでおく。
6 産業保健、産業看護の現状健康と労働の調和、労働生理等 科目の中での位置付け 「成人保健・産業保健」は、本学のカリキュラムの専門科目のなかの「広域看護学」に位置づけられる科目である。本科目では、公衆衛生看護の対象別に健康問題の特徴を理解し、健康課題と支援策を学習する。具体的には、第1回から第3回にかけては「成人保健活動」で講義と演習を行う。また、第4回から第15回までは「産業保健活動」について、それぞれ各分野の健康問題とそれに対応した公衆衛生看護活動について学ぶ。「産業保健活動」では、産業保健看護の定義や歴史、現状を理解し、衛生管理の3管理やストレス・メンタルヘルス対策などについての支援方法について学ぶ。
より良い産業保健産業看護活動のためには、産業保健および産業看護の実態を知ることが大切である。ここではまず産業保健の現状について、業務上疾病の推移、労働者の健康状態を概観する。また産業看護活動の実態調査をみることによって産業看護活動の現状がどうなっているかについて学ぶ。人々が働く中で怪我や病気になってはならない。そのために、行政の仕組みや法体制が整備されている。労働者の健康支援をするためには現在どのような疾病が多く発生し、それはなぜ起きているのか、予防したり改善したりするのはどうしたらよいかと言う知識や技術等を知っておく必要がある。ここでは以上のことについて教授する。

配布資料、産業看護学p79-93.p95-150.河野啓子著、日本看護協会出版会(3,800円+税)
コマ主題細目 ① 産業保健、産業看護の現状 ② 労働生理 ③ 職業性疾病と保健師の役割 ④ ⑤
細目レベル ① 産業保健、産業看護の現状:まず統計結果からみた産業保健の現状として、労働災害による死亡者数、死傷者数、業務上疾病の推移をみる。死亡者数は毎年減少しており、近年は過去最少となっている。仕事が理由で怪我や病気になる業務上疾病についても1972年には3万人を超えていたが2017年には7844人と減少してきている。なぜこのように減少してきたのか国の政策や現場の実践内容等を考えることが大切である。2020年以降は新型コロナウィルス感染症による件数が増加している。定期健康診断結果は50人以上の事業場が年に1回以上実施してその結果を基準監督署に報告する義務がある。また現在の業務上疾病の特徴を知ることや定期健康診断等の結果の変化との関連から問題点を考えてもらうことが重要である。これらの産業保健の現状、変化に合わせて産業看護活動はどのように支援していくのかを考える。
② 労働生理(労働と人体機能):働くことによる影響で人体内部にどのような変化が起こるのか、あるいは人体の機能がどのように変化して労働が営まれるのかを観察する生理学の一分野が労働生理学である。人間にとって好ましくない影響を排除したり、最小限にくいとめるために作業手順、作業量、作業姿勢などの作業条件を改善したりすることが大切であり、産業の場における産業保健師の役割は産業保健専門職の一員として働く人の労働と健康の調和を図るためにも労働生理学的視点を持つことが不可欠である。事例として看護師の針刺し事故を例に労働について考えていく。針刺しなどの失敗は自分の責任と考えがちであるが職場で起きる事故はその要因がさまざまである。自分のこととして労働生理について考えることが重要である。
③ 職業性疾病等と保健師の役割:職業性疾病は一時的な曝露あるいは負荷を受け、ただちに健康障害が現れる「災害性疾病」と、少量の曝露あるいは負荷をくりかえし受けることによって比較的長時間経過後に種々の健康障害が現れてくる「職業病」の両者を合わせたものをいう。また、業務上疾病であるかどうかの判定は労働基準監督署長によって行われる。近年の新規に導入される化学物質や中小企業などの環境が整備されていないことなどにより、職業病の発生リスクが高い職場もある。産業保健看護職はさまざまな職業性疾病とその予防対策の原則を知り、事業者が労働者の協力を得て行う職業病予防対策の支援を行うことが重要である。職業性疾病、労働災害など言葉の意味を整理して確実に覚えよう。


キーワード ① 産業保健の現状 ② 労働生理 ③ リスクアセスメント ④ 産業保健法体系 ⑤ 職業性疾病と保健師の役割
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト
復習・予習課題 復習:教科書「産業看護学」の第4章、「わが国における産業保健・産業看護の実態」、第5章「産業保健の基本と産業看護活動」について、P156までを再度よく読んでおく。講義中に重要であると説明した箇所について、教科書に色のついたマーカーを塗り、重要アポイントが分かるようにしておこう。雇用労働者を守るためにさまざまな法律や政令(施行令)、省令(規則)、告示(公示より権威が高い、指針またはガイドライン)、公示(指針またはガイドライン)、通達(基発第○○号など)どの法令によるものかについても確認しておくことが重要である。   予習:このコマシラバスを熟読してくること。また、産業保健、産業看護の実際として、作業環境管理、作業管理について関連する教科書の箇所を読んでおく。作業環境管理、作業管理はこの教科書「産業看護学」には系統的に記載されていないので、このコマシラバスをしっかり読んで確認しておくことをお勧めする。現状の中で述べたように、労働者の高齢年齢化に伴う作業環境管理はとても重要である。
7 産業保健・産業看護の実際          作業環境管理作業管理 科目の中での位置付け
「成人保健・産業保健」は、本学のカリキュラムの専門科目のなかの「広域看護学」に位置づけられる科目である。本科目では、公衆衛生看護の対象別に健康問題の特徴を理解し、健康課題と支援策を学習する。具体的には、第1回から第3回にかけては「成人保健活動」で講義と演習を行う。また、第4回から第15回までは「産業保健活動」について、それぞれ各分野の健康問題とそれに対応した公衆衛生看護活動について学ぶ。「産業保健活動」では、産業保健看護の定義や歴史、現状を理解し、衛生管理の3管理やストレス・メンタルヘルス対策などについての支援方法について学ぶ。
産業保健、産業看護の実際としてここでは作業環境管理と作業管理について教授する。産業保健師は健康管理に関する知識や活動については医療専門職として重要性を理解しているが、作業環境管理や作業管理については重要性の認識が薄い。しかし、働く人々の支援をするにあたっては対象者がどのような職場環境で働いているのかを知っておく必要がある。例えば腰痛を訴えている労働者に対して、整形外科に受診するよう勧めるだけでは解決しない。その労働者が重量物を移送する職場であったり、作業姿勢が悪かったりすれば、医療機関での治療だけでは不十分であり、再発したり重症化したりする可能性がある。予防や改善するためには特に3管理について深く理解しておくことが大切である。

配布資料、産業看護学p7.8.15.18.22573.河野啓子著、日本看護協会出版会(3,800円+税)
コマ主題細目 ① 作業環境管理の意義と目的 ② 産業管理の意義と目的 ③ 職場巡視 ④ ⑤
細目レベル ① 作業環境管理の意義と目的:作業環境管理の意義と目的は、①有害要因を工学的な対策によって作業環境から除去し、良好な作業環境を維持するための対策である。②有害要因を作業環境から除去しようとするものであるから、もっとも根本的な対策である。③環境の状態を目安とし(作業環境測定)、この結果によって改善を行うので、健康障害を未然に防止する、いわゆる先取りの管理である。ここでは、目安となる許容濃度や管理濃度についてしっかり学んでほしい。さらに作業環境改善をどのように実施するかについて学ぶ。事例として騒音の作業環境測定の方法であるA測定や、B測定、作業環境測定の評価(管理濃度)を学ぶ。作業環境測定結果の管理濃度と許容濃度の関係についても理解する。
② 作業管理の意義と目的:作業環境管理の意義と目的は作業に伴う有害要因の発生を防止・抑制するために作業手順や労働時間、休憩時間、作業方法、作業姿勢を改善したり、保護具を適切に使用したりすることが含まれる。国家試験問題では保護具の使用が作業管理であるかどうかを問う出題頻度が高いのでしっかり覚えてほしい。作業管理における産業保健師の役割として、労働負荷対策では実際に健康教育を行ったりする。また、作業方法の改善では作業の標準について協力する。保護具では保護具の使用方法の教育やメンテナンスについて参画する。特に看護師等に発生する腰痛の問題は自分のこととして学習すれば将来就業した場合に役立つ内容である。産業保健に関する支援内容は労働安全衛生法はじめさまざまな根拠法令のもとに定められている。協力、提言、参画の定義と保健師の役割について理解してい覚えること。
③ 職場巡視の実際:職場巡視の目的は①作業環境や作業そのものを観察し、そこに潜む危険有害要因を把握し、適切な措置を行う。②安全衛生計画の策定のための現状把握、計画の進捗状況等の確認。③法令や社内基準に対する適合状態の把握など。④労働災害や健康障害が発生している場合や発生が疑われる場合の措置。⑤健康管理、保健指導の対象者の作業状況などの確認がある。公衆衛生看護学実習Ⅱの産業保健看護実習では職場巡視は必修であるので、職場巡視の意義や注意事項などについては重要なポイントである。保健師の職場巡視は法的な規定はないが衛生管理者としての登録をされている保健師は週に1回の職場巡視が義務付けられているので、法令に沿った職場巡視を実施する必要がある。


キーワード ① 3管理の重要性 ② 作業環境管理 ③ 作業管理 ④ 職場巡視 ⑤
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト
復習・予習課題 復習:この講義で学んだ作業環境管理、作業管理、職場巡視については、保健師国家試験出題基準にある「衛生管理者一種」レベルの問題として、かなり頻出する。健康管理だけが産業保健師の役割ではない。この講義の中で重要だとしている「労働者が気を付けているだけでは労働者の生命や健康は守ることができない。教科書の作業環境管理、作業管理、職場巡視について講義で重要と指摘された点について色のついたマーカーを塗り、わかるようにしておき重要ポイントについてノートにまとめておこう。予習:コマシラバスを熟読する。次回は保健師コースとしては分かりやすい健康管理についてである。健康管理は行政の保健師同様、PDCAサイクルを回して行う。コミュニテイーアズパートナーモデルを活用した職場診断から始まり、計画、実施、評価、改善とスパライアルアップしていくので、関連する箇所の教科書を読んでおこう。
8 産業保健・看護の実際
健康管理
科目の中での位置付け
「成人保健・産業保健」は、本学のカリキュラムの専門科目のなかの「広域看護学」に位置づけられる科目である。本科目では、公衆衛生看護の対象別に健康問題の特徴を理解し、健康課題と支援策を学習する。具体的には、第1回から第3回にかけては「成人保健活動」で講義と演習を行う。また、第4回から第15回までは「産業保健活動」について、それぞれ各分野の健康問題とそれに対応した公衆衛生看護活動について学ぶ。「産業保健活動」では、産業保健看護の定義や歴史、現状を理解し、衛生管理の3管理やストレス・メンタルヘルス対策などについての支援方法について学ぶ。
産業保健、産業看護活動の実際:ここでは企業活動における産業保健、産業看護活動の位置づけや具体的な保健計画の立て方、健康診断、健康相談、健康教育等について教授する。このコマではかなり多くのことを教授するので予習、復習をしっかりしてほしい。既に地域診断を学んでいるので、地域診断の産業保健版と考えてもらえば取り組みやすいだろう。また健康診断結果については、集団をアセスメントする上で重要なデータとなることを知ってほしい。特に産業の場では、定期健康診断は法的に事業者の実施義務や労働者の受診義務があり、正確で継続したデータとなる。個別の健康相談や保健指導についてはもちろん指導の根拠とできるし、集団分析により、健康課題を抽出し、課題解決のための健康教育の企画立案の情報となる。公衆衛生看護学実習Ⅱでは事業場で健康教育を実施するのでその意義や方法についてしっかり学習することが大切である。

配布資料、産業看護学p15.17.83.157-180.河野啓子著、日本看護協会出版会(3,800円+税)
コマ主題細目 ① 保健計画 ② 健康診断と事後措置 ③ 健康相談、健康教育、健康づくり ④ ⑤
細目レベル ① 事業場のアセスメント・保健計画の立て方:企業活動は生産管理、人事管理、労務管理からなっている。保健師はこの3つの企業活動と関わりをもちながら活動する。保健計画は企業の理念や方針やを理解したうえで企画していく。したがって、事業場のアセスメントを行ううえで、コミュニティアズパートナーモデルを活用したアセスメントをすることが重要である。産業保健師は事業者が労働者の協力を得て産業保健の目的を達成できるように支援するために、限られた資源を上手に活用し、問題解決のための具体的な展開方法や手順などを創る。保健計画はただ単に年間スケジュール表を作成するだけのことではない。アセスメントし、産業保健チームと連携しながら活動するなど一連のプロセスがある。
② 健康診断と事後措置:健康診断の目的、結果、事後措置は産業保健師活動にとって重要な意味を持っている。なぜなら、「労働安全衛生法」第66条に基づき、定期健康診断は全従業員に対して1年に1回は実施されているので、少なくとも1年に1回は産業保健師にすべての従業員と個別に接触できるチャンスを与えてくれるものだからである。まずこのチャンスを問診やヘルスインタビューとして上手に活かして産業保健師としての役割を機能的に果たす。また、健康診断で果たすべき産業保健師の役割について述べていく。事業場で行われいる健康診断は労働安全衛生法第66条関連では、雇い入れ時、定期健康診断、特定業務従事者の健康診断、海外派遣労働者の健康診断、給食従業員の検便、自発的健康診断、労災保険制度による二次健康診断等給付があり、そのほか、有害業務に対する特殊健康診断(規則による)じん肺法関係、行政指導による健康診断、ヘルスニーズによる健康診断など多くの種類がある。その健康診断の種類やその意義についても学ぶ。
③ 健康相談、健康づくり、健康教育:効果的な健康相談をおこなうための条件整備や留意事項、健康づくりと産業保健師の役割について教授する。健康相談は問題意識を持った労働者が相談に来るということで、対応がしやすい。しかし、相談に来やすくする様々な工夫が必要であり、相談においてもプライバシーの保護や管理職に報告が必要な場合にどうするかなど難しい問題がある。また、健康づくりは労働安全衛生法にある努力義務ではあるが事業場における労働者の健康保持増進のための措置(Total Health Promotion Plan:THP)カタカナで書くとトータルヘルスプロモ―ションプランある。その内容についても、近年改訂されており、なぜこのTHPが必要であるのか、改訂された理由や内容について労働者の様々な側面から健康支援のありかたを考えながら学ぶ。


キーワード ① 保健計画 ② 健康診断と事後措置 ③ 保健指導 ④ 健康教育 ⑤ 健康づくり
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト
復習・予習課題 復習:事業場における健康課題のアセスメント、保健計画、実施、評価とPDCAをスパイラルアップさせていく産業保健師として重要な業務である。作業環境管理、作業管理に続いて今回の健康管理は3管理のうちの1つの重要な管理の「健康管理」である。各健康診断の種類と目的その目的にあった健康診断項目、年何回実施するか、がんの発生可能性がある職種に対する健康手帳の配布等について確認しておく。特に講義で重要であると学んだことを教科書を再度読んでマーカーで色づけして重要性が一目でわかるようにしておこう。また分からないことは調べてノートにまとめておくこと。予習:このコマシラバスを熟読してくる。また、地域・職域連携について教科書を読んでおく。自分の居住地の二次医療圏の地域・職域連携推進協議会について調査する。
9 産業保健の展開
地域・職域連携活動
科目の中での位置付け
「成人保健・産業保健」は、本学のカリキュラムの専門科目のなかの「広域看護学」に位置づけられる科目である。本科目では、公衆衛生看護の対象別に健康問題の特徴を理解し、健康課題と支援策を学習する。具体的には、第1回から第3回にかけては「成人保健活動」で講義と演習を行う。また、第4回から第15回までは「産業保健活動」について、それぞれ各分野の健康問題とそれに対応した公衆衛生看護活動について学ぶ。「産業保健活動」では、産業保健看護の定義や歴史、現状を理解し、衛生管理の3管理やストレス・メンタルヘルス対策などについての支援方法について学ぶ。
産業保健の展開:職域保健と地域保健の連携について、働く人々の健康問題は産業現場の中だけではなく、家庭を含む全生活場面でのさまざまな要因が絡み合って発生している。特に中小規模事業場等では産業保健専門職としての産業医や産業保健師等が雇用されていない場合には、地域の保健所や保健センターの保健師等との連携をすることで労働者の健康の保持・増進等を支援することが重要である。特に近年の高齢化は労働者の高齢化も進展しており、産業保健分野の労働者だけを切り離した支援が困難である。国の地域・職域連携推進事業は、二次医療圏の保健所が事務局となり、推進事業を進めるようになっている。しかし平成31年に実施された調査では地域・職域連携推進協議会の開催は年に1回の開催であり、保健事業が開催されている協議会は少ないことがわかった。令和元年に新たな地域・職域連携推進に関するガイドラインが制定された。その背景等や内容を学びながら連携の意義、ガイドラインについて深く理解していくことが必要である。

配布資料、産業看護学p225.河野啓子著、日本看護協会出版会(3,800円+税)      厚生労働省令和元年、新しい地域・職域連携ガイドライン
コマ主題細目 ① 地域・職域連携の意義 ② 新しいガイドラインのポイント ③ 地域・職域連携の具体的な進め方 ④ ⑤
細目レベル ① 地域・職域連携の意義:わが国では健康日本21(第二次)計画など生活習慣病予防や重症化予防として国として健康づくり計画を実施している。その計画を実施するために地域保健と職域保健の連携事業が推進されている。連携により、地域保健情報に職域保健情報を加えて検討することができ、地域全体の健康課題がより明確になる、また生涯を通じた継続的な健康支援を受けることができる、地域保健における保健事業の活用により、事業者による自主的な健康保持増進活動の推進がより容易になる、地域と職域が共通認識をもち、健康づくりを推進することは「健康日本21(第二次)」の推進に資するとともに、生活習慣病が予防できることにより、国民のQOLの向上と、将来的に医療費へのよい影響が考えられるなどがある。
② 新しいガイドラインのポイント:令和元年に新たな地域・職域連携推進ガイドラインが策定された。前回のガイドライン策定から14年(改定版以降は11年)が過ぎ、全国の地域職域連携に実態調査を実施した結果、課題が多くあった。まず実際に推進事業を実施している協議会が少ないこと、その理由として推進の仕方がわからない、専門家がいない、予算がないなどである。それらの課題を解決するために厚労省や平成31年3月から令和元年10月まで検討委員会を開催した。特に保健事業を実施する二次医療圏に関して情報収集、アセスメント地域の健康課題の明確化、計画、実施、評価が可能なように、県、市町村との関係、健康課題を抽出方法、実施、評価方法について具体的に示した。
③ 地域・職域連携の具体的な進め方:職域保健からみた地域・職域連携の具体的な進め方とすると、特に自営業者や小規模事業場への健康支援が重要である。二次医療圏内の保健所や市町村保健師等による出前講座や事業場と市町とのマッチングによる健康支援、保険者(協会けんぽ)などによる支援、産業保健総合支援センター(地域窓口)がある。地域で働く保健師も産業保健活動に関心を持ち、受け持ち地区の人々がどのような労働環境でどのような作業を行っているのか、あるいは行っていたのかを的確に把握して、保健活動を展開していくことが大切である。効果的な地域・職域連携を進めるための、新しいアプローチである「ナッジ」や「健康経営」についても教授する。


キーワード ① 地域・職域連携推進協議会 ② 事務局 ③ ガイドライン ④ 産業保健総合支援センター ⑤ 健康経営
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト
復習・予習課題 復習:この講義では、地域・職域連携がなぜ重要であるかを説明している。教科書はP257~261と範囲が少ない。したがって、厚生労働省が出している2019年に改訂された「地域・職域推進ガイドライン」の印刷したものを再度熟読してほしい。産業保健の立場からみると、小規模事業場で働く人々への健康支援が手薄になっており、その労働者は必要な健康支援を享受できない状況である。公衆衛生看護である公正と言う立場や健康格差の縮小という国の施策からも地域・職域連携推進事業は特に重要である。予習:このコマシラバスを熟読しておく。次回の講義である保健指導技術としてのカウンセリングマインドの講義資料を熟読しておく。予習:積極的傾聴の基本原則の理解:今までに看護学の分野で学んだコミュニケーションスキルの学習を思い出し、重要なポイントを押さえておこう。
10 産業保健・看護における保健指導技術(カウンセリングマインドを学ぶ積極的傾聴:演習) 科目の中での位置付け
「成人保健・産業保健」は、本学のカリキュラムの専門科目のなかの「広域看護学」に位置づけられる科目である。本科目では、公衆衛生看護の対象別に健康問題の特徴を理解し、健康課題と支援策を学習する。具体的には、第1回から第3回にかけては「成人保健活動」で講義と演習を行う。また、第4回から第15回までは「産業保健活動」について、それぞれ各分野の健康問題とそれに対応した公衆衛生看護活動について学ぶ。「産業保健活動」では、産業保健看護の定義や歴史、現状を理解し、衛生管理の3管理やストレス・メンタルヘルス対策などについての支援方法について学ぶ。
産業保健師は労働者との良い信頼関係になるために、カウンセリングマインドが重要である。ここでは、積極的傾聴として「発見的体験学習法」を活用してアクティブラーニングを用いて学ぶ。カウンセリングとは対象者が問題に直面して解決方法の糸口を見出せないときに支援者が問題解決へのさまざまな可能性を対象者とともに考え、その解決法をさぐることである。健康問題(課題)を解決するためにカウンセリング手法を用いる場合に、とくにヘルスカウンセリングと表現することもある。保健指導におけるカウンセリングの目的は対象者が保健師などの支援者とのコミュニケーションを通じて自分の健康問題に気づき、自身を見つめなおし、主体的に問題を解決し成長することである。対象者と支援者がコミュニケーションを深めていく中で対象者が自分は何がしたいのか何をしなければならないのかを気づき、主体的に必要な行動を起こすことにより課題解決につなぐことが重要である。

教科書:産業看護学、河野啓子著、日本看護協会出版会.3800円+税,配布資料、巽あさみ、積極的傾聴のすすめ方看護職のメンタルヘルスアプローチ.2019第2版
コマ主題細目 ① 保健指導技術 ② カウンセリングマインド ③ 積極的傾聴 ④ ⑤
細目レベル ① 保健指導技術:保健指導をする上での基本姿勢などを学ぶ。ここでは普段行っている保健指導に於いて、どのような対応が相談者の気持ちに沿って傾聴できているのか、発見的してもらう体験学習法(発見的体験学習法)であるために最初にカウンセリングマインドなどについては知ってもらうが、傾聴の意味とかどのようになると良いのかといった具合的な内容については詳細な説明はしない。実際にグループワークの中でそれぞれが気が付いてもらう、つまり「発見してもらう」ことが重要である。健康相談において、近年は労働や日常生活に関連するものが多くなってきている。働き甲斐の支援を目的とする健康相談で従業員が相談できるような人的、物的な環境条件づくりをすることが必要である。職域では管理職が部下の相談にのる際に必要な技術である。
② カウンセリングマインド:保健師は保健指導技術としてカウンセリングマインドを持つことが必要であるが、保健師=カウンセラーではないので、カウンセリングはしない。カウンセリングとは、相談者が抱える心理的・社会的な問題や悩みに対して、専門的な知識や技術を持つカウンセラーが対話を通じて支援することで、相談者が自分自身の問題を理解し、自己実現や問題解決をすることある。ここでは心理的な問題解決までを到達度とはしていない。傾聴をすることによって、積極的傾聴の3原則である、①共感的理解、②無条件の肯定的関心、③自己一致について学ぶことが大切である。保健指導(健康相談等)では従業員が自ら問題を解決できるように支援することが大切である。積極的に聴くことが課題を持った従業員と信頼関係を深く築くことが重要であることを学んでほしい。
③ 積極的傾聴:実際に積極的に傾聴をする3原則を頭に置きながら、グループ学習をする。そして、どんな聴き方をすれば傾聴することになるかをグループで検討しながら学ぶ。その時に話し手が気を使って無理に話を長く続ける必要はなく、話し手は自分らしく話すことが大事である。今回の演習の当事者は、聴き手である。聴き手が15分間聴いたあとで、振り返りを15分間行う。3~4人のグループなので全てのグループメンバーに役割があることで学びが深くなると考えられる。また、最後にグループ毎に発表することで多くの学びが共有できる。産業保健師は従業員の職場環境だけでなく、家族や友人等情報を広く収集できる立場である。従業員がどうしたいのかをよく理解するためにはこのカウンセリングマインドを持った保健指導技術を学ぶことが重要である。


キーワード ① 保健指導技術 ② 共感的理解 ③ 自己一致 ④ 肯定的関心 ⑤ カウンセリングマインド
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト
復習・予習課題 復習:積極的傾聴の実践を終えた後、どのような点で成功したか、どのような点で改善の余地があるかをグループワーク後の最終配布資料と照らし合わせて確認することが重要である。、相手の気持ちや考えに共感し、理解することができたか、同じグループのメンバーからフィードバックを受け取り、今後の実践に生かすことが必要である。これらの復習を通じて、積極的傾聴のスキルをより熟練させてほしい。予習:コマシラバスを熟読する。職場でのストレスの種類や原因は何か、ストレスがメンタルヘルスに与える影響やリスク要因と予防策は何か考えてみよう。また、職場でのストレスを軽減するためには、上司や同僚との良好なコミュニケーションをとるためにはどうすると良いのか考えてノートに書いてみよう。
11 産業保健・看護における保健指導技術(カウンセリングマインドを学ぶ積極的傾聴:演習) 科目の中での位置付け
「成人保健・産業保健」は、本学のカリキュラムの専門科目のなかの「広域看護学」に位置づけられる科目である。本科目では、公衆衛生看護の対象別に健康問題の特徴を理解し、健康課題と支援策を学習する。具体的には、第1回から第3回にかけては「成人保健活動」で講義と演習を行う。また、第4回から第15回までは「産業保健活動」について、それぞれ各分野の健康問題とそれに対応した公衆衛生看護活動について学ぶ。「産業保健活動」では、産業保健看護の定義や歴史、現状を理解し、衛生管理の3管理やストレス・メンタルヘルス対策などについての支援方法について学ぶ。
産業保健師は労働者との良い信頼関係になるために、カウンセリングマインドが重要である。ここでは、積極的傾聴として「発見的体験学習法」を活用してアクティブラーニングを用いて学ぶ。カウンセリングとは対象者が問題に直面して解決方法の糸口を見出せないときに支援者が問題解決へのさまざまな可能性を対象者とともに考え、その解決法をさぐることである。健康問題(課題)を解決するためにカウンセリング手法を用いる場合に、とくにヘルスカウンセリングと表現することもある。保健指導におけるカウンセリングの目的は対象者が保健師などの支援者とのコミュニケーションを通じて自分の健康問題に気づき、自身を見つめなおし、主体的に問題を解決し成長することである。対象者と支援者がコミュニケーションを深めていく中で対象者が自分は何がしたいのか何をしなければならないのかを気づき、主体的に必要な行動を起こすことにより課題解決につなぐことが重要である。

教科書:産業看護学p158、河野啓子著、日本看護協会出版会.3800円+税,配布資料、巽あさみ、積極的傾聴のすすめ方看護職のメンタルヘルスアプローチ.2019第2版
コマ主題細目 ① 保健指導技術 ② カウンセリングマインド ③ 積極的傾聴 ④ ⑤
細目レベル ① 保健指導技術:保健指導をする上での基本姿勢などを学ぶ。ここでは普段行っている保健指導に於いて、どのような対応が相談者の気持ちに沿って傾聴できているのか、発見的してもらう体験学習法(発見的体験学習法)であるために最初にカウンセリングマインドなどについては知ってもらうが、傾聴の意味とかどのようになると良いのかといった具合的な内容については詳細な説明はしない。実際にグループワークの中でそれぞれが気が付いてもらう、つまり「発見してもらう」ことが重要である。健康相談において、近年は労働や日常生活に関連するものが多くなってきている。働き甲斐の支援を目的とする健康相談で従業員が相談できるような人的、物的な環境条件づくりをすることが必要である。職域では管理職が部下の相談にのる際に必要な技術である。
② カウンセリングマインド:保健師は保健指導技術としてカウンセリングマインドを持つことが必要であるが、保健師=カウンセラーではないので、カウンセリングはしない。カウンセリングとは、相談者が抱える心理的・社会的な問題や悩みに対して、専門的な知識や技術を持つカウンセラーが対話を通じて支援することで、相談者が自分自身の問題を理解し、自己実現や問題解決をすることある。ここでは心理的な問題解決までを到達度とはしていない。傾聴をすることによって、積極的傾聴の3原則である、①共感的理解、②無条件の肯定的関心、③自己一致について学ぶことが大切である。保健指導(健康相談等)では従業員が自ら問題を解決できるように支援することが大切である。積極的に聴くことが課題を持った従業員と信頼関係を深く築くことが重要であることを学んでほしい。
③ 積極的傾聴:実際に積極的に傾聴をする3原則を頭に置きながら、グループ学習をする。そして、どんな聴き方をすれば傾聴することになるかをグループで検討しながら学ぶ。その時に話し手が気を使って無理に話を長く続ける必要はなく、話し手は自分らしく話すことが大事である。今回の演習の当事者は、聴き手である。聴き手が15分間聴いたあとで、振り返りを15分間行う。3~4人のグループなので全てのグループメンバーに役割があることで学びが深くなると考えられる。また、最後にグループ毎に発表することで多くの学びが共有できる。産業保健師は従業員の職場環境だけでなく、家族や友人等情報を広く収集できる立場である。従業員がどうしたいのかをよく理解するためにはこのカウンセリングマインドを持った保健指導技術を学ぶことが重要である。


キーワード ① 保健指導技術 ② 共感的理解 ③ 自己一致 ④ 肯定的関心 ⑤ カウンセリングマインド
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト
復習・予習課題 復習:積極的傾聴の実践を終えた後、どのような点で成功したか、どのような点で改善の余地があるかをグループワーク後の配布資料と照らし合わせて確認することが重要である。、相手の気持ちや考えに共感し、理解することができたか、同じグループのメンバーからフィードバックを受け取り、今後の実践に生かすことが必要である。これらの復習を通じて、積極的傾聴のスキルをより熟練させてほしい。予習:コマシラバスを熟読する。職場でのストレスの種類や原因は何か、ストレスがメンタルヘルスに与える影響やリスク要因と予防策は何か考えてみよう。また、職場でのストレスを軽減するためには、上司や同僚との良好なコミュニケーションをとるためにはどうすると良いのか考えてノートに書いてみよう。

12 産業保健における健康課題
職場のストレスの現状と対策
科目の中での位置付け 「成人保健・産業保健」は、本学のカリキュラムの専門科目のなかの「広域看護学」に位置づけられる科目である。本科目では、公衆衛生看護の対象別に健康問題の特徴を理解し、健康課題と支援策を学習する。具体的には、第1回から第3回にかけては「成人保健活動」で講義と演習を行う。また、第4回から第15回までは「産業保健活動」について、それぞれ各分野の健康問題とそれに対応した公衆衛生看護活動について学ぶ。「産業保健活動」では、産業保健看護の定義や歴史、現状を理解し、衛生管理の3管理やストレス・メンタルヘルス対策などについての支援方法について学ぶ。
急速な技術革新の進展や経済のグローバル化等により、職場環境や作業態様が大きく変化し、労働者のストレスが高まっている。近年の仕事上ストレスを感じているものは約60%と高止まりをしている。ここでは産業保健活動の中でも最近特に重要性を増しているメンタルヘルスケアについて学び、この分野でこそ看護の専門性を存分に発揮することが求められている産業保健師の役割について学修する。

配布資料、DVD、産業看護学p83.192-208.河野啓子著、日本看護協会出版会(3,800円+税)第6章の5、職場におけるメンタルヘルスケアと産業看護職の役割
コマ主題細目 ① メンタルヘルスの現状 ② メンタルヘルス瀬策 ③ ストレスチェック制度 ④ ⑤
細目レベル ① 働く人々の自殺やメンタルヘルス、ストレスの現状:現在の仕事や職業生活に関することで、強いストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合は2012年は60.9%であったが最新の調査では58.3%である。2017年の調査で強いストレスがある者の内容を見ると、「仕事の質・量」が62.6%とと最も多く、次いで「仕事の失敗、責任の発生」が34.8%。「対人関係(セクハラ、パワハラを含む)」ga30.6%となっており、多くの労働者がストレスを抱えていることが分かる。ここでは、職場でのストレスの種類や原因を学習し、ストレスを感じる人の心理的な状態や行動を理解することが必要である。 さらにメンタルヘルスの重要性と、ストレスがメンタルヘルスに与える影響について学ぶ。

② 国のメンタルヘルス施策:国は2006年に「労働者の心の健康の保持増進のための指針」により、事業場におけるメンタルヘルスケアの推進を図っている。衛生委員会などによる調査審議、心の健康づくり計画の作成、4つのケアの推進(セルフケア、ラインケア、事業場内産業保健スタッフによるケア、事業場外資源によるケア)している。労働者の自殺者数は近年は減少傾向である自殺者数全体に占める割合は約3割であり減ってはいない。また国は「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」を示し、具体的に、休職した労働者が復職できるようにしている。保健師の役割は指針に提示されており、教育研修から、実際の労働者支援、人事労務担当者や産業医、管理監督者、社外資源と調整・連携が重要であることを学んでもらいたい。
③ ストレスチェック制度について:「職業生活におけるストレスがある者」の労働者数が高止まりしていることから、一次予防としてのセルフケアと職場環境改善を目的に2015年12月にストレスチェック制度が施行された。労働者50人以上の事業者はストレスチェックを実施することが義務となった。調査の結果、高ストレス者と判定された者は産業医に希望すれば面談ができる。その場合は事業者に報告するという同意のもとで産業医面談をすることになる。個人情報が厳守されるようにストレスチェックの受検は労働者は義務ではなく任意である。定期健診の実施は事業者の義務、労働者の受診も義務であること区別して覚えてほしい。このように職場でのストレスやメンタルヘルスに関するリソースや支援を学び、必要な場合には利用できるようにすることを学ぶ。


キーワード ① 自殺 ② 過重労働 ③ 精神障害に関する労働災害 ④ ⑤
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト
復習・予習課題 復習:職場のストレスやメンタルヘルスの現状、最新の精神障害(メンタルヘルス不調による)の労災認定件数が過去最高となっている事や認定された事例の理由などについて教科書「産業看護学」の第6章の5、職場におけるメンタルヘルスケアと産業看護職の役割をよく読み、重要な点をマーカーで示しておこう。また、職場でのストレスの種類や原因を学習し、ストレスを感じる人の心理的な状態や行動を理解する。ストレスがメンタルヘルスに与える影響について学び、ストレスやメンタルヘルスに関連するリスク要因を学び、国が行っているメンタルヘルス対策を再確認しておく。予習:職場のメンタルヘルス不調で最も多い気分障害(うつ病)の発生機序やさまざまな症状を予習しておこう。

13 産業保健における健康課題
メンタルヘルス対策事例紹介 
科目の中での位置付け
「成人保健・産業保健」は、本学のカリキュラムの専門科目のなかの「広域看護学」に位置づけられる科目である。本科目では、公衆衛生看護の対象別に健康問題の特徴を理解し、健康課題と支援策を学習する。具体的には、第1回から第3回にかけては「成人保健活動」で講義と演習を行う。また、第4回から第15回までは「産業保健活動」について、それぞれ各分野の健康問題とそれに対応した公衆衛生看護活動について学ぶ。「産業保健活動」では、産業保健看護の定義や歴史、現状を理解し、衛生管理の3管理やストレス・メンタルヘルス対策などについての支援方法について学ぶ。
産業保健分野のメンタルヘルスに対応した支援方法を理解し、施策化など今後の課題について考察できる。事例は実際に教員が体験したものを使用している。演習は教員が独自に開発して方法であり、それらの教材を使用することで実践的に学ぶことが可能となる。学生には基本的な技術を学んでほしい。

配布資料、産業看護学p181-208.河野啓子著、日本看護協会出版会(3,800円+税)
コマ主題細目 ① 個人ワーク ② グループワーク ③ 産業保健師の役割・機能 ④ ⑤
細目レベル ① 事例について個人ワークをもとにグループワークをする.ねらいは事例の問題をシステム的に考え、解析によって問題を明確にして方策を立てる一連の作業を行い、保健師としての問題解決技能を身につけることである。目的は、1.知識を活用する技能の習得と論理的思考の開発を促進する、
2.断片的な社会事象を全体関連的、相互関連的にとらえ、合理的な問題把握と問題解決の手法を
身につける。3.個人が持っている知識、相互啓発(討議)に基づく累積効果によって、問題意識の向上をはかる。4.メンタルヘルスに対する現実的な問題中心志向の育成を促進する。とし、個人ワークで事例を検討する。この時、自身の今までの知識で熟考することが重要である。


② 事例について健康課題解決のための方法についてグループで検討する。その時、誰の立場で考えるかが重要である。①立場:誰の立場で考えるか。今回は保健師の視点で実施する。立場の違いによって役割も異なり、見方や捉え方が違ってくる。②背景:保健師はどのような状況におかれているか。背景としての所属、組織、活動舞台を確認する。おかれている環境とその変化を明らかにし、そこから受ける影響を感知する。ここでのコンセプトは対象を自分自身のものとして受け止める態度こそ事態を前進させる原動力である。③目標:状況がどうなればよいか。保健師の立場ではどうなればよいか。一般的に表現して、あるべき姿や望ましい状況など「どうなればよいか」をはっきりさせ、これ
らを達成すべき基準として客観化すること。つまり目標を明確化する。④現状:どうなっているか。何が起こっているか。何が起こりそうか。ここではすぐに問題としてあげるのではなく、現状をよく観察する。目標と現状とのギャップがわかると「問題は何か」がわかる⑤問題:目標と現状のズレは何か。顕在化している問題と潜在化している問題、現状では問題がないが将来起こってきそうな問題は何か。事例検討はこのような視点が重要であることが理解できる。



③ 検討した内容をまとめて模造紙に記載する。産業保健師の役割・機能について考察する。⑥きっかけ: 今回問題としたきっかけは何か。すでに行った手段は何か。
上記のコマ主題細目から引き続き、⑦真の原因:なぜそうなりましたか。今まで検討してきたことから考えて、原因は何か。*何が問題かをみんなで考える。①~⑤に出た全ての意見から似たような意見を集めてふるい分けをし、名前を付ける。(目標、現状、問題点など全てをシャッフルして、真の原因は何かを考える)*真の原因の中で「特に重要だ」と思われる項目を2~3項目程度決めて◎をつける。第三段階:方策の立案 意思決定を行う。真の原因に接近するために方策を考える。
⑧対象と方策:何に的をしぼればよいか。誰にどこにどう働き掛ければよいか。
*◎をつけた内容について、誰に、どこにどうすればよいかを意見を出し、ポストイットに書きだす。短期目標を掲げると今すぐ取りかかることが出来る方策が考えやすい。これらの学習を通して、特に保健師でできそうなレベルの対策を立てることができる。また、すぐに保健師にできないことであっても重要なことについては長期目標の方策とすることが重要であることが理解できる。



キーワード ① 事例検討 ② 真の問題 ③ 職場環境改善 ④ 保健師の役割 ⑤
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト
復習・予習課題 復習:まずは講義で得られたストレス・メンタルヘルスケアに関する知識を整理しておき、自分のこととして考えらえるようにする。個人ワークをしたときに、根拠を基にして健康課題を3つ出しているが、その根拠は適切であったのか、また別の健康課題はなかったのか、再度講義資料や教科書、参考図書等を読み、考えてみる。個人ワークでは根拠が明確しておくことでグループワーク時の意見として共有化しやすいので論理的に説明できるようにしておくと良い。予習:グループワークで取り扱う事例について、ケースの健康課題解決方法について、今までの産業保健看護の講義や演習内容から必要な資料や文献を調べておく。さらに産業保健師として、事例について、講義内容以外でも自身でもインターネット検索や図書館等で参考図書等を参考に考えてみる。
14 産業保健における健康課題
メンタルヘルス対策(演習)
科目の中での位置付け
「成人保健・産業保健」は、本学のカリキュラムの専門科目のなかの「広域看護学」に位置づけられる科目である。本科目では、公衆衛生看護の対象別に健康問題の特徴を理解し、健康課題と支援策を学習する。具体的には、第1回から第3回にかけては「成人保健活動」で講義と演習を行う。また、第4回から第15回までは「産業保健活動」について、それぞれ各分野の健康問題とそれに対応した公衆衛生看護活動について学ぶ。「産業保健活動」では、産業保健看護の定義や歴史、現状を理解し、衛生管理の3管理やストレス・メンタルヘルス対策などについての支援方法について学ぶ。
産業保健分野のメンタルヘルスに対応した支援方法を理解し、施策化など今後の課題について考察できる。事例を使った問題解決方法を学ぶ。事例は実際に教員が体験したものを使用している。演習は教員が独自に開発して方法であり、それらの教材を使用することで実践的に学ぶことが可能となる。学生には基本的な技術を学んでほしい。

配布資料、産業看護学p181-208.河野啓子著、日本看護協会出版会(3,800円+税)
コマ主題細目 ① 個人ワーク ② グループワーク ③ 産業保健師の役割・機能 ④ ⑤
細目レベル ① 事例について個人ワークをもとにグループワークをする.ねらいは事例の問題をシステム的に考え、解析によって問題を明確にして方策を立てる一連の作業を行い、保健師としての問題解決技能を身につけることである。目的は、1.知識を活用する技能の習得と論理的思考の開発を促進する、
2.断片的な社会事象を全体関連的、相互関連的にとらえ、合理的な問題把握と問題解決の手法を
身につける。3.個人が持っている知識、相互啓発(討議)に基づく累積効果によって、問題意識の向上をはかる。4.メンタルヘルスに対する現実的な問題中心志向の育成を促進する。とし、個人ワークで事例を検討する。この時、自身の今までの知識で熟考することが重要である。


② 事例について健康課題解決のための方法についてグループで検討する。その時、誰の立場で考えるかが重要である。①立場:誰の立場で考えるか。今回は保健師の視点で実施する。立場の違いによって役割も異なり、見方や捉え方が違ってくる。②背景:保健師はどのような状況におかれているか。背景としての所属、組織、活動舞台を確認する。おかれている環境とその変化を明らかにし、そこから受ける影響を感知する。ここでのコンセプトは対象を自分自身のものとして受け止める態度こそ事態を前進させる原動力である。③目標:状況がどうなればよいか。保健師の立場ではどうなればよいか。一般的に表現して、あるべき姿や望ましい状況など「どうなればよいか」をはっきりさせ、これ
らを達成すべき基準として客観化すること。つまり目標を明確化する。④現状:どうなっているか。何が起こっているか。何が起こりそうか。ここではすぐに問題としてあげるのではなく、現状をよく観察する。目標と現状とのギャップがわかると「問題は何か」がわかる⑤問題:目標と現状のズレは何か。顕在化している問題と潜在化している問題、現状では問題がないが将来起こってきそうな問題は何か。事例検討はこのような視点が重要であることを理解する。



③ 検討した内容をまとめて模造紙に記載する。産業保健師の役割・機能について考察する。⑥きっかけ: 今回問題としたきっかけは何か。すでに行った手段は何か。
上記のコマ主題細目から引き続き、⑦真の原因:なぜそうなりましたか。今まで検討してきたことから考えて、原因は何か。*何が問題かをみんなで考える。①~⑤に出た全ての意見から似たような意見を集めてふるい分けをし、名前を付ける。(目標、現状、問題点など全てをシャッフルして、真の原因は何かを考える)*真の原因の中で「特に重要だ」と思われる項目を2~3項目程度決めて◎をつける。第三段階:方策の立案 意思決定を行う。真の原因に接近するために方策を考える。
⑧対象と方策:何に的をしぼればよいか。誰にどこにどう働き掛ければよいか。
*◎をつけた内容について、誰に、どこにどうすればよいかを意見を出し、ポストイットに書きだす。短期目標を掲げると今すぐ取りかかることが出来る方策が考えやすい。これらの学習を通して、特に保健師でできそうなレベルの対策を立てることができる。また、すぐに保健師にできないことであっても重要なことについては長期目標の方策とすることが重要であることが理解する。



キーワード ① 事例検討 ② 真の問題 ③ 職場環境改善 ④ 保健師の役割 ⑤
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト
復習・予習課題 復習:最終的にグループで学んだこと、全体発表会で共有化する内容についてまとめておく。特に情報収集から、課題解決に向けて産業保健師の役割について、多職種との連携や産業医・人事労務との調整などコーディネーターとしての役割が説明できるようにする。産業医や缶セラーとの役割の違いを明確にしておく。予習:事例について健康課題解決方法について必要な資料や文献を調べる予習:このコマシラバスを熟読しておくこと。合わせて事前に配布した教材を読み、職場におけるメンタルヘルスケアのグループワークの方法やグループワーク時の重要な視点を考えておく。また。最後のグループ別の発表に向けてそれぞれの役割分担をして、時間内に発表できるように準備をしておく。
15 産業保健における健康課題
メンタルヘルス対策(演習)
科目の中での位置付け
「成人保健・産業保健」は、本学のカリキュラムの専門科目のなかの「広域看護学」に位置づけられる科目である。本科目では、公衆衛生看護の対象別に健康問題の特徴を理解し、健康課題と支援策を学習する。具体的には、第1回から第3回にかけては「成人保健活動」で講義と演習を行う。また、第4回から第15回までは「産業保健活動」について、それぞれ各分野の健康問題とそれに対応した公衆衛生看護活動について学ぶ。「産業保健活動」では、産業保健看護の定義や歴史、現状を理解し、衛生管理の3管理やストレス・メンタルヘルス対策などについての支援方法について学ぶ。
産業保健分野のメンタルヘルスに対応した支援方法を理解し、施策化など今後の課題について考察できる。事例を使った問題解決方法を学ぶ。事例は実際に教員が体験したものを使用している。演習は教員が独自に開発して方法であり、それらの教材を使用することで実践的に学ぶことが可能となる。学生には基本的な技術を学んでほしい。

配布資料、産業看護学p181-208.河野啓子著、日本看護協会出版会(3,800円+税)
コマ主題細目 ① グループ発表 ② 産業保健師の役割・機能 ③ 職場環境改善 ④ ⑤
細目レベル ① 事例について個人ワークをもとにグループワークをする.ねらいは事例の問題をシステム的に考え、解析によって問題を明確にして方策を立てる一連の作業を行い、保健師としての問題解決技能を身につけることである。目的は、1.知識を活用する技能の習得と論理的思考の開発を促進する、
2.断片的な社会事象を全体関連的、相互関連的にとらえ、合理的な問題把握と問題解決の手法を
身につける。3.個人が持っている知識、相互啓発(討議)に基づく累積効果によって、問題意識の向上をはかる。4.メンタルヘルスに対する現実的な問題中心志向の育成を促進する。とし、個人ワークで事例を検討する。この時、自身の今までの知識で熟考することが重要である。


② 事例について健康課題解決のための方法についてグループで検討する。その時、誰の立場で考えるかが重要である。①立場:誰の立場で考えるか。今回は保健師の視点で実施する。立場の違いによって役割も異なり、見方や捉え方が違ってくる。②背景:保健師はどのような状況におかれているか。背景としての所属、組織、活動舞台を確認する。おかれている環境とその変化を明らかにし、そこから受ける影響を感知する。ここでのコンセプトは対象を自分自身のものとして受け止める態度こそ事態を前進させる原動力である。③目標:状況がどうなればよいか。保健師の立場ではどうなればよいか。一般的に表現して、あるべき姿や望ましい状況など「どうなればよいか」をはっきりさせ、これ
らを達成すべき基準として客観化すること。つまり目標を明確化する。④現状:どうなっているか。何が起こっているか。何が起こりそうか。ここではすぐに問題としてあげるのではなく、現状をよく観察する。目標と現状とのギャップがわかると「問題は何か」がわかる⑤問題:目標と現状のズレは何か。顕在化している問題と潜在化している問題、現状では問題がないが将来起こってきそうな問題は何か。事例検討はこのような視点が重要であることが理解できる。



③ 検討した内容をまとめて模造紙に記載する。産業保健師の役割・機能について考察する。⑥きっかけ: 今回問題としたきっかけは何か。すでに行った手段は何か。
上記のコマ主題細目から引き続き、⑦真の原因:なぜそうなりましたか。今まで検討してきたことから考えて、原因は何か。*何が問題かをみんなで考える。①~⑤に出た全ての意見から似たような意見を集めてふるい分けをし、名前を付ける。(目標、現状、問題点など全てをシャッフルして、真の原因は何かを考える)*真の原因の中で「特に重要だ」と思われる項目を2~3項目程度決めて◎をつける。第三段階:方策の立案 意思決定を行う。真の原因に接近するために方策を考える。
⑧対象と方策:何に的をしぼればよいか。誰にどこにどう働き掛ければよいか。
*◎をつけた内容について、誰に、どこにどうすればよいかを意見を出し、ポストイットに書きだす。短期目標を掲げると今すぐ取りかかることが出来る方策が考えやすい。これらの学習を通して、特に保健師でできそうなレベルの対策を立てることができる。また、すぐに保健師にできないことであっても重要なことについては長期目標の方策とすることが重要であることが理解できる。



キーワード ① 事例検討 ② 真の問題 ③ 職場環境改善 ④ 保健師の役割 ⑤
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト
復習・予習課題 復習:発表会時にノートをとる:発表会中に話された重要なポイントやアイデアをノートに記録しておくことで、復習時に見直しやすくなる。また、自分なりに要約やまとめを書いておくことで、より深い理解が得られる。
再度事例検討で出た正解例や他のグループの問題解決方法を読み直すとより詳細な情報や理解が深まる。最後に事例検討に対する自己評価等について記載して教員に提出する。
最終的にグループで学んだこと、全体発表会で共有化できた内容(管理監督者のライン管理、事例性、疾病性)についてノートにまとめておく。特に情報収集から、課題解決に向けて産業保健師の役割について、多職種との連携や産業医・人事労務との調整などコーディネーターとしての役割が説明できるようにする。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
★★成人保健の動向及び成人期の健康課題と保健施策や保健指導 成人保健における現状や健康課題、健康日本21計画(第二次)、がん対策、生活習慣病対策などの保健施策を理解する。その中で使用されている健康指標、健康寿命、などを理解し説明できる。また、特定健康診査・特定保健指導について法的根拠、健康課題を抽出するためのKDB,NDB、実施方法、評価方法について説明することができる。メタボシックシンドロームの概念や積極的支援、動機付け支援方法の具体的な保健指導方法を説明することができる。 成人期の発達課題、各種国の調査・計画、健康指標、生活習慣病、健康日本21(二次)、メタボリックシンドローム、NBD・KDB、特定健康診査・保健指導、積極的支援 18 1.2.3
★産業保健の目的、歴史、産業保健看護の役割、・職務 なぜ産業保健が必要なのか産業保健や看護の理念、目的について理解する。産業保健の制度とシステムを理解し、産業保健分野の社会的背景や歴史について理解する。産業保健看護の定義や保健師の役割について理解する。雇う側と雇われる側の圧倒的に権力が違うことは明確であり、働くことによって、けがをしたり、病気になったりすることがないように法律(労働安全衛生法他)に決め、労働者が健康で安全に働くことができるようにしていることを理解する。 WHO,ILO,産業保健の目的、歴史、労働安全衛生マネジメントシステム、5管理、保健計画、産業保健看護の定義、コンピテンシー 12 4.5.
★★産業保健の現状、健康と労働の調和、作業環境管理、作業管理 産業保健における現状として、労働災害、職業性疾病、自殺、などの実際のデータから労働者の健康課題を考え、国や事業場などが行っている保健施策や事業を理解する。また労働することで人間の生理の変化や対策について理解することができる。作業環境管理、作業管理の定義を理解し、A測定やB測定などの作業環境測定やその評価(許容濃度、管理濃度)の仕方、作業管理(作業標準や保護具)の具体的な内容について理解する。またその中で保健師の職務について知る。 労働災害等の推移、産業保健の現状と課題、高年労働者、A測定・B測定、管理区分、保護具、リスクアセスメント・リスクマネジメント、感染症 20 6.7
★★★健康管理、メンタルヘルス対策、保健指導技術(積極的傾聴) 職域における保健計画、実施、評価について理解する。各種健康診断の種類と実施回数、報告の仕方などについて理解する。メンタルヘルスでは2006年のガイドラインを参考に保健師の役割について理解しておく。保健指導技術としての積極的傾聴では産業保健看護分野における応用について理解する。メンタルへルス対策では4つのケアについて説明できるようにしておく。ラインケアにおける管理監督者の役割は重要であることを理解する。 アスベスト、熱中症や腰痛など、メンタルへルスケアにおける保健師の役割、事例性、疾病性、管理監督者の4つの役割、積極的傾聴における重要なスキル、うつ病、ハラスメント、過重労働、 40 8.10.11.12.13.14.15.
★健康経営、地域・職域連携 事業場の支援に対するアプローチ方法で最近重要な健康経営やナッジについてその定義や内容を理解する。また、なぜそのような方法が重要であるのか、具体的な方法について理解する。地域・職域連携は2019年に新たなガイドラインが策定された。なぜ改訂されたのか、その社会背景についても理解する。さらに、どのような法的根拠や仕組みで行われているのか、活動を展開するにはどのようなことが必要でどのようなことを留意しなければならないのかについて理解する。 健康経営、ナッジ、地域・職域連携、協議会、産業保健総合支援センター、地域窓口 10 9
評価方法 定期試験の成績100点
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 〇標準保健師講座3「対象別公衆衛生看護活動」第5版(医学書院)3,850円(税込)(公衆衛生看護援助論Ⅰで保健師コース2年生購入)
〇河野啓子著「産業看護学」日本看護協会出版会、3,800円+税
〇厚生の指標「国民衛生の動向」2025/2026 厚生労働統計協会、2,970円(公衆衛生看護援助論Ⅰで保健師コース2年生購入)
参考文献
実験・実習・教材費 なし