区分 専門科目-統合看護学
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力 倫理観 専門性探求
地域社会貢献 グローバル性
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性 広い視野 知識・技術
判断力 探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
看護学の「統合科目」として位置づけ、災害時の看護について基本的な知識を学ぶ
科目の目的
「災害直後から支援できる看護の基礎的能力を養う」ことをねらいに2009年度から看護基礎教育に災害看護が導入された。この授業では、災害の種類や特徴を理解したうえで、災害が社会や地域の人々の暮らしと密接に関係しながら、人々の健康や生活に影響を及ぼすことを理解する。さらに災害サイクルにおける被災者の身体的・精神的・社会的な特徴をふまえて、被災者の健康や生活ニーズに応じた看護職の果たすべき役割について学ぶ。
到達目標
①災害および災害看護に関する基礎的知識を理解できる
②災害が人々の健康や生活に及ぼす影響を理解できる
③災害サイクルに応じた看護支援活動のあり方を理解できる
④災害時要配慮者をはじめ、支援が必要な対象への看護支援活動を理解できる

科目の概要
この科目では、「災害」「災害看護」とは何か、それぞれの災害の特徴と各災害による身体的・心理的影響について整理をしたうえで、具体的な看護支援と災害時の医療体制といった基本的な知識を学ぶ。
法制度に基づいて行われる災害時の医療や看護支援は、「災害サイクル」の各フェーズの理解が重要となる。そのために、「災害サイクル」の各期の特徴を理解することが重要となる。そして、各災害サイクルにおける被災者の身体的・精神的・社会的な影響を教授したうえで、経過とともに変化する症状や反応に対する支援を学習し、災害サイクル各期の支援についての理解を深める。 
また、災害時に配慮や支援が必要となる対象者に対する看護と、災害時の感染症・感染予防についても言及する。さらに、看護職者としての視点から災害支援に対する国内外の現状や課題について検討することで、災害看護への知見を深めるとともに、被災者の健康と生活ニーズに応じた看護職の役割を学ぶ。

科目のキーワード
①災害サイクル ②災害時の支援 ③法制度 ④トリアージ ⑤災害時要配慮者
授業の展開方法
前半の授業回では、災害看護に関する基礎的な知識として、自然災害のみならず人的災害や複合災害などの様々な災害の種類と特徴を解説したうえで、災害による身体的影響と精神的影響に基づいた看護支援について説明する。加えて、災害に対する支援体制と災害看護に必要な法制度についても解説を行う。災害看護を考えるにあたり重要となるのは、災害からの時間的経過に伴う被災者の身体的・精神的・社会的な特徴ならびに症状や反応の変化である。そのため、災害サイクルと災害サイクルに応じた看護支援について解説を行う。また、災害時に医療者によって行われるトリアージについて、具体的なトリアージの方法やトリアージタグの取り扱いの解説を行う。後半の授業回では、災害弱者と呼ばれる災害時要配慮者について解説を行い、普段からの患者への災害対策の必要性を理解する。また、災害時要配慮者以外にも援助が必要な対象への援助及び、災害時の感染症についても言及する。。第7・8回では、演習を通じて災害看護の実際を理解する。講義全体では、救急看護の経験をふまえ事例などを通じて理解を促し、新聞記事などを用いて近年の災害を紹介して振り返りながら、学生にとって災害は身近なものであることを実感し、看護師であり地域住民の一人としてどのように災害と向き合っていくのかについて理解を深める。また、国家試験対策としても活用できるように、講義と関連する国家試験問題を紹介して解説をする。特に、第2~6回では、救急看護領域での臨床経験に基づく看護実践について具体的に教授する。
オフィス・アワー
(準備中)
科目コード BL06
学年・期 4年・後期
科目名 災害看護学
単位数 1
授業形態 講義
必修・選択 必修
学習時間 【授業】15h 【予習・復習】30h
前提とする科目 全ての看護学が前提となる
展開科目 統合科目となるため該当しない
関連資格 看護師,保健師,養護教諭
担当教員名 中神友子
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 ガイダンス、災害看護に関する基礎的知識 科目の中での位置付け 第1回目は、看護学における災害看護学の位置づけ、学ぶ意義を導入とする。近年、わが国は地震や風雨による自然災害が頻発している。災害は自然災害のみならず、工場での爆発事故や列車事故など人的な災害も発生している。また、世界的にも大規模な自然災害や航空機事故や内戦などの人的災害、化学物質による爆発や石油流出などの特殊災害が後を絶たない。そこで、第1回の授業では、日頃使用している「災害」という用語に含まれる内容を整理し、それぞれの災害にはどのような特徴があり、人々はどのような被災を受けるのか、災害看護とは何かについて考える。
また国内外の災害時の看護や医療支援体制について学ぶ。災害時の医療支援体制については、国の支援体制及び災害現場の救急医療を支える組織について説明する。救急医療を支える組織では、主に災害拠点病院と地域災害拠点病院がある。講義では、学生が就職予定の病院は災害時にはどのような役割を持つ施設であるのかを確認する機会を持つ。各自が、就職する施設の災害時の役割を認識することで、災害時の看護者としての心構えを持つきっかけとする。また、災害派遣医療チーム(DMAT:Disaster Medical Assistant Team)についても役割や平常時の準備について説明する。
さらに、国外の災害支援に関心を持つ学生や、今まで国外の災害支援に関心がなかった学生も関心が持てるよう、各国の特徴や派遣された看護師の活動などを紹介し、幅広い視野で活動できる看護職を目指すことができる内容としている。内容としては、国際緊急援助隊医療チームの主な活動や、医療チーム登録者に求められる資質を紹介することで、各自のキャリアプランを考える機会としている。

南江堂 災害看護第3版 第1部第Ⅰ章1-5、P3-51
配布資料
コマ主題細目 ① 災害看護とは ② 災害の種類と健康被害 ③ 災害における連携
細目レベル ① 看護学における災害看護学の位置づけ、学ぶ意義を導入とする。近年、わが国は地震や風雨による自然災害が頻発している。災害は自然災害のみならず、工場での爆発事故や列車事故など人的な災害も発生している。また、世界的にも大規模な自然災害や航空機事故や内戦などの人的災害、化学物質による爆発や石油流出などの特殊災害が後を絶たない。そこで、第1回の授業では、日頃使用している「災害」という用語に含まれる内容を整理し、それぞれの災害にはどのような特徴があり、人々はどのような被災を受けるのか、1995年1月の阪神・淡路大震災を機に1998年に発足した「日本災害看護学会」や「日本看護協会」の定義に基づき、災害看護とは何かについて考える。
② 我が国の災害看護の発展について、歴史的な災害と社会背景から理解する。特に、阪神淡路大震災や東日本大震災を通しての変化などを解説する。災害の種類については、発生原因による分類と発生場所による分類について理解する。発生原因の分類では、それぞれの自然災害(地震、津波、風水害、火山・噴火災害)による被害や健康障害の特徴を理解する。人為災害やその他の要因による災害の特徴と健康障害についても併せて理解する。また、災害による直接的外傷などではなく、災害による精神的ショックや厳しい環境などの間接的原因により死亡する災害関連死について、発生機序や東日本大震災における死者数の推移や発生場所などを学習し、災害関連死を減らす取り組みについて考える。
③ 災害時には、職種や組織を超えた連携が非常に重要になる。災害看護に視点から、連携の重要性と連携における組織の役割、コーディネーターの役割について理解する。また、地域防災の重要性や地域防災活動の意義について学習する。連携のために、活動目的が一致していることや互いの役割の認識、情報の共有、継続的な相互関係のプロセスの中で協力し合う事が必要となる。看護には、生活の視点から他職種をコーディネートする能力が求められ、阪神・淡路大震災後に被災地の医療を統括、調整するコーディネーター災害医療コーディネーターを全ての都道府県に配置している。加えて、地域住民とも連携し、住民が自主防災力を獲得できるように防災・減災の教育を行い、行政機能が低下した被災地での被災住民自身による自助とそのコミュニティーによる共助の力を高めることなど、連携の重要性を理解する。

キーワード ① 災害 ② 災害看護 ③ 災害の種類 ④ 災害時の疾病構造 ⑤ 連携
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題として、配布した資料に基づきキーワードの理解が必要である。講義資料を見直し、講義中に書き留められなかった重要語句については災害看護第3版 第1部第Ⅰ章1-5を読み返し、記載しておく。必要時解説を追加記載する。災害看護第3版 第1部第Ⅰ章1-5の重要な部分にラインを引く。「災害拠点病院」「災害支援」といったキーワードそのものを暗記するのではなく、それぞれの役割や特徴などを各自が解説でき、国家試験の過去問題が解けるようにする必要がある。第1回の授業内容を基盤にして、以降講義が進むために、災害看護の役割や特徴についても復習が重要である。ChatGPTを活用して、災害の種類などに関するテスト問題(記述形式や国試形式など)を作成し、理解を深める。復習時間:2時間程度
予習課題:災害看護第3版 第1部第Ⅱ章1-4を熟読し、意味の分からない語句については調べておく。予習時間:2時間程度

2 災害と看護の役割 科目の中での位置付け 第2回は、災害時に関する法制度、災害時の支援体制とボランティア活動について学ぶ。
災害看護の展開に基づく法制度として①総合的で計画的な防災体制の整備を目的とした「災害対策基本法」、②発災後の緊急時における応急救助に対応する主要な法律である「災害救助法」、③生活再建の支援と住民生活の安定及び被災地復興を目的とした「被災者生活再建支援法」などを理解することは看護職として重要であるため、解説をする。これらの法制度は、災害看護の視点ならびに社会保障制度の視点から、国家試験にも出題される内容である。
また、近年の国内の災害対策における問題点や課題などを話題提供し、知識として災害と災害看護を身につけるだけではなく、身近なものとして考える機会とする。たとえば、台風の常襲県とそうでない県の危機管理体制の課題や、災害時に国が被災府県からの具体的な要請を待たずに避難所避難者への支援を中心に必要不可欠と見込まれる物資を調達して速やかに被災地に物資を緊急輸送する「プッシュ型支援」の利点欠点などについて考える機会とする。

南江堂 災害看護第3版 第1部第Ⅱ章1-4、P55-102
配布資料
コマ主題細目 ① 災害に関する法制度 ② 災害時の支援体制 ③ 災害時のボランティア活動
細目レベル ① 災害看護の展開に基づく法制度として1.総合的で計画的な防災体制の整備を目的とした「災害対策基本法」、2.発災後の緊急時における応急救助に対応する主要な法律である「災害救助法」、3.生活再建の支援と住民生活の安定及び被災地復興を目的とした「被災者生活再建支援法」を中心に解説する。災害対策基本法における基本理念や防災に関する責務、防災に関する常設の組織について理解する。災害救助法は、国民の協力のもとに、応急的に救助を行い、被災者の保護と社会の秩序の保全を図ることを目的に1974年に制定された。その法律の概要と適応基準を理解する。災害復旧と復興に関する法律としては、阪神・淡路大震災後の1998年に制定された被災者生活再建支援法についてその概要を理解する。
② 災害時の医療活動に必要な情報体制と災害時の情報伝達手段ついて学習し、その上で我が国における災害危機管理体制と災害時の組織的な支援体制について理解する。災害の規模が大きければ大きいほど混乱も大きく、医療に関する情報が適切に提供されなかったり、医療チームに的確に情報提供できない状況が生じる。災害対策基本法に基づく自治体の災害対策体制(防災会議、災害対策本部、医療情報センター)について理解する。広域的な災害における情報伝達は非常に重要で、その情報伝達の手段について理解する。その上で、我が国における災害危機管理体制と都道府県・市町村の支援体制(災害拠点病院、DMAT、他)について、平常時・災害発生時の支援体制を理解する。
③ 災害の復旧作業に大きく貢献するのが、災害時のボランティア活動である。ボランティア活動とは何か、ボランティア活動時の心構えや準備、今後の課題について理解する。1995年の阪神・淡路大震災において1年間で137万人を超えるボランティアが集まり、そのうちの約7割が初心者で、さらにその6割が若者であったことから、経験がなくてもボランティアは出来るという意識が高まり、ボランティア活動を身近なものにした。地震による被害と水害による被害に対するボランティアの活動の違いや活動前の準備、減災サイクルを生み出すボランティア活動について理解する。自然災害が頻発する我が国において、期待される新たなボランティアの活動や今後の課題について考える。
キーワード ① 災害に関する法制度 ② 災害情報と伝達 ③ 危機管理体制 ④ 都道府県・市町村の支援体制 ⑤ ボランティア活動
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題として、配布した資料に基づき重要となるワードの理解が必要である。第2回では、災害看護の展開に基づく法制度として「災害対策基本法」「災害救助法」「被災者生活再建支援法」は重要である。
それぞれの支援や支援が行われる場所は、どの法制度によって行われているのかを理解し、国家試験問題にも対応できる学習が必要である。また、災害サイクルの理解では、「超急性期」「急性期」「亜急性期」「慢性期」「静穏期」に大別されているが、災害によって、フェーズが異なっている。それぞれの災害に伴った各サイクルの理解と必要となる支援についての理解と復習が必須である。ChatGPTを活用して、災害サイクルなどに関するテスト問題(記述形式や国試形式など)を作成し、理解を深める。復習時間:2時間程度
第3回目は災害時のトリアージについての内容が含まれており、災害サイクルの理解は次の授業内容にもつながる重要な内容である。災害看護第3版 第1部第Ⅳ章1・2、第Ⅴ章1・2、第Ⅵ章1を熟読し、意味の分からない語句については調べておく。予習時間:2時間程度

3 災害による身体的影響と支援 科目の中での位置付け この回では、災害看護学を学ぶ上で重要となる「災害サイクル」、「災害による身体的影響に対する看護支援とトリアージ」、「病院における災害看護」を中心に授業を展開する。
「超急性期」「急性期」「亜急性期」「慢性期」「静穏期」の災害現場の特徴、被災者の身体的・精神的な特徴から、必要な支援について解説をする。災害時は、発災直後には社会の関心は向けられやすいが、徐々にその関心が薄れていく傾向が否めない。そのため、「慢性期」「静穏期」と言われる復旧復興期の支援の重要性についても言及する。
さらに、災害時に限られた人員で多く患者の身体的症状から重症度をトリアージするためには、トリアージの視点が必要となる。授業では、「一次トリアージ:多数の傷病者を数人の救助者が30秒以内にトリアージカテゴリーに分類する」「二次トリアージ:呼吸・循環・意識障害を定量的にスコアリングする」「トリアージタグの記載と優先順位およびつけ方」について学び、実践能力に必要な基礎的知識を養う。
第2回で学習した災害時の支援体制を想起しつつ、病院の災害への備えや初動体制について理解する。災害発生の初動時に効率的に活動するための基本原則「CSCATTT」の概念、災害への備えとして、災害対応マニュアルの策定、多数傷病者受入れの訓練などがあることを理解する。

南江堂 災害看護第3版 第1部第Ⅳ章1・2、第Ⅴ章1・2、第Ⅵ章1、P117-189
配布資料
コマ主題細目 ① 災害サイクル ② 災害による身体的影響に対する看護支援とトリアージ ③ 病院における災害看護
細目レベル ① 災害サイクルとは、災害発生直後だけではなく中長期の災害による影響、平常時も含めた状況の変化をいう。被災地において必要とされる物資も支援もその時期によって異なることから、各災害サイクルと災害サイクル各期における看護活動について理解する。災害サイクルについては、「超急性期」「急性期」「亜急性期」「慢性期」「静穏期」に大別されている。災害によって、フェーズが異なっていることから、各サイクルの理解とそれぞれのフェーズの特徴を学ぶ。災害の種類による身体的影響として、「自然災害」ならびに「人為災害」における疾病構造について理解する。これらの疾病構造は、発災直後から復興期まで変化する。すでに学んでいる疾患も多いため、既習学習を想起しながら災害時の身体的な影響を考える。
② 既習のトリアージの概念を想起しながら、災害時におけるトリアージの重要性とトリアージの方法を理解する。災害時に被災者を看護するうえでは、災害時に特有の患者の病態や症状に対する知識と、患者の症状に合わせた観察と介入が重要である。トリアージにおいて、最優先治療群(赤)、非緊急治療群(黄)、治療不要または軽傷群(緑)、救命困難又は死亡群(黒)について、その区分と該当する具体的疾患について理解する。トリアージの必要性から「一次トリアージ:多数の傷病者を数人の救助者が30秒以内にトリアージカテゴリーに分類する」「二次トリアージ:呼吸・循環・意識障害を定量的にスコアリングする」「トリアージタグの記載と優先順位およびつけ方」を理解する。
③ 第2回で学習した災害時の支援体制を想起しつつ、病院の災害への備えや初動体制について理解する。災害発生時、多数傷病者受け入れ先になるのが病院である。災害発生時には、既存部門における入院患者と外来患者の対応を行い、災害対応を行う。そのためには、災害サイクルの静穏期・準備期の準備が重要となる。災害への備えとして、ライフラインの確保、災害対応マニュアルの策定、多数傷病者受入れの訓練などがあることを理解する。災害発生の初動時に効率的に活動するための基本原則として「CSCATTT(指揮・統制、安全、情報伝達、評価、トリアージ、治療、搬送)」の概念があり、それぞれの内容と看護師の役割を理解し、病院における災害時の初動体制を理解する。

キーワード ① 災害サイクル ② 身体的支援 ③ トリアージ ④ トリアージタグ ⑤ CSCATTT
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題として、配布した資料に基づき重要となるワードの理解が必要である。第3回では、「災害の種類による身体的影響」、「災害による身体的影響に対する看護支援とトリアージ」、「避難所における健康問題」を中心に展開された。
看護者は患者の疾患や症状に合わせて必要な看護を提供するために、各災害に特有の疾病と発災からの経過による疾病の変化の理解が必要であるために、復習が必要である。トリアージに関する方法やトリアージタグについても国家試験問題で出題されているために、十分な理解が必要である。ChatGPTを活用して、トリアージなど該当コマに関するテスト問題(記述形式や国試形式など)を作成し、理解を深める。復習時間:2時間程度
予習課題として、2年次の成人看護学概論で学習したストレスコーピング理論について復習する。災害看護第3版 第1部第Ⅲ章1を熟読し、意味の分からない語句については調べておく。予習時間:2時間程度

4 災害による心理的影響と支援 科目の中での位置付け この回では、災害看護学を学ぶ上で重要となる「災害によるストレス」、「ストレス反応に対する看護支援」、「援助者のストレス」を中心に授業を展開する。
災害によって人々が受ける影響は、身体的のみならず心理的にも大きな影響がある。この講義では、一般的に被災者がどのようなストレスを抱え、どのような反応を示すのかに基づき、必要な支援を理解する。具体的には、「被災者の心理過程とストレス」と、ストレス以外の心理的反応として「心理的トラウマ」「悲嘆」「喪失」「怒り」「罪責」、及び外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder: PTSD)について理解する。
被災者への心理的な援助としては、ストレス反応が正常な反応であることを被災者に伝えるほか、傾聴、そばにいる、スキンシップなどが必要となる。しかし、PTSDを示す場合には専門家の介入が必要であり、看護者は精神的な症状をトリアージするための知識が必要である。
さらに、災害時に援助する側もストレスを抱え、多様な反応を示すことが明らかになっている。ここでは、「外部からの支援であるのか、自らも被災しているのか、どのような立場で援助者として勤務するのか」で異なる援助者の心理過程、その対処方法について学ぶ。

南江堂 災害看護第3版 第1部第Ⅲ章1、P103-115
配布資料
コマ主題細目 ① 災害による心理的影響 ② 心理的支援 ③ 援助者のストレス
細目レベル ① 被災者のストレスとして「危機的ストレス:生命の危機にさらされる、大事な人を亡くすなど」「避難ストレス:食料や水、生活物資の不足やトイレの困難など」「生活再建ストレス:孤立感、取り残された感、不公平感など」が挙げられており、それぞれのストレスがどのようなものなのか理解する。災害で親しい人を失う遺族の心理的特徴として、「悲嘆」「喪失」「怒り」「罪責」、及びトラウマ的ストレス反応が1か月以上継続する外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder: PTSD)について解説する。
被災者への心理的な援助としては、ストレス反応が正常な反応であることを被災者に伝えるほか、傾聴、そばにいる、スキンシップなどが必要となる。しかし、PTSDを示す場合には専門家の介入が必要であり、看護者は精神的な症状をトリアージするための知識が必要である。

② 各ストレスに対する心理的な支援について、災害サイクルからそのポイントについて理解する。また、ストレス以外の心理的反応として「心的トラウマ」「悲嘆」「喪失」「怒り」「罪責」などがある。これらを解説し、看護支援を考える。超急性期・急性期(直後~7日間)は、危機的ストレス、避難ストレスが同時に存在し、適切で迅速な処置や対応が求められる。亜急性期(7日~1ヵ月間)は、不安定ながらもそれなりに秩序だった生活となっていく時期であり、疲れなどから身体症状が現れやすくなるが、身体症状だけでなく訴えに耳を傾け、被災者の活動に合わせた援助方法の工夫が必要となる。慢性期初期(1~6ヶ月)は、被災者が日常生活を営むようになり、被災体験を語る場合もあれば語らない事で自分を保っている場合もあり、各災害サイクルに合わせた支援を理解する。

③ 災害時は、被災地で援助する医療者もストレスを抱え、様々な反応を示すことが明らかになっている。看護職として色々な立場で災害に関与することを鑑みて、被災者のストレスのみならず援助者のストレスと支援についても理解する。援助者のおかれた立場や役割によって経験する内容が異なり、ストレッサーの種類として、危機(トラウマ)的ストレス、基礎的(生活)ストレス、累積的ストレスがある。また、援助者が経験する特有のストレス反応には、私にしかできない状態、燃え尽き症候群(バーンアウト)、被災者離れ困難症、元に戻れない状態、の4つがあり、自ら行える対処と他者からの支援が必要な対処があることや援助活動の時期によって異なるストレス処理方法があることを理解する。
キーワード ① 心理的影響 ② ストレス ③ 援助者のストレス ④ ストレス反応 ⑤ 心理的援助
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題として、配布した資料に基づき重要となるワードの理解が必要である。第4回では、「災害によるストレス」「ストレス反応に対する看護支援」「援助者のストレス」を中心に学習をした。
災害時に起こりうるストレスとその反応と、ストレス以外の心理的反応を時期や被災者の立場を前提にして具体的に理解することで、必要な支援を考えることができる。これは、国家試験対策のみならず、看護職者としていつどこで起こるかわからない災害時に役立つと考える。災害支援を目指す学生もいるが、支援者もストレスが生じることを理解したうえで支援に携わることは、自身を守ることになる。ChatGPTを活用して、災害時のストレスなど該当コマの講義内容に関するテスト問題(記述形式や国試形式など)を作成し、理解を深める。復習時間:2時間程度
予習課題として、3年次までに学習した疾病治療論や慢性期看護援助論Ⅰ、成人看護援助論Ⅱで学習した糖尿病や人工肛門造設患者の病態生理や看護について復習する。災害看護第3版 第2部第Ⅷ章1・5・6を熟読し、意味の分からない語句については調べておく。予習時間:2時間程度

5 災害時要配慮者への支援 科目の中での位置付け この回では、「災害時要配慮者」への支援について学ぶ。「災害時要配慮者」とは、高齢者や障害者、外国人、乳幼児、妊婦などで、必要な情報を迅速かつ的確に把握し、災害から身を守るために安全な場所に避難するなどの一連の行動をとるのに支援を要する者である。災害時要配慮者の判断基準の目安は、自治体ごとに異なっている。災害時要配慮者のために特別な配慮がなされた避難所である福祉避難所についても説明をする。
福祉避難所の受入れ対象である高齢者、乳幼児・妊産婦については後述するが、ここでは障害者と医療的配慮を要する人、外国人についてその特徴や必要な支援について理解する。
さらに、高齢化社会を迎えている国内において、特に災害時に配慮が必要と考える患者への支援を考えるため、「在宅酸素療法の患者への支援」「糖尿病でインシュリンを使用している患者への支援」「透析患者への支援」「人工肛門造設患者への支援」について理解する。

南江堂 災害看護第3版 第2部第Ⅷ章1・5・6、P213-227、274-312
配布資料
コマ主題細目 ① 災害時要配慮者 ② 災害時要配慮者への支援 ③ 災害時要配慮者となる患者と支援
細目レベル ① 「災害時要配慮者」とは、災害対策基本法においては高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する物と定義されている。災害時要配慮者は、必要な情報を迅速かつ的確に把握し、災害から身を守るために安全な場所に避難するなどの一連の行動をとるのに支援を要する者である。一般的に、高齢者や障害者、外国人、乳幼児、妊婦などとされているが、がん患者や慢性疾患などで高度な医療の継続が必要な人なども含まれる。災害時用援助者対策として「災害時用援助者の避難支援ガイドライン」が示され、災害時要配慮者が安心して避難生活が送れるよう福祉避難所の必要性について、設置・活用の促進が進められている。福祉避難所について、福祉避難所の経緯と指定基準、またその設置・運営上の課題について理解する。
② 災害時要配慮者への支援:災害時要配慮者を支援するための法制度として「災害対策基本法」があり、この法律に基づいて災害時要配慮者と携わる部署や組織の紹介を行う。災害時要配慮者の中でも、障害者として、知的障害者、発達障害者、身体障害者、それぞれの特徴と必要な支援と看護について理解する。知的障害の程度や、発達障害のある人は、見た目では障害の有無やその程度がわからないことが多く、ひとり一人示す特徴が異なり、本人の事をよく理解した人から情報収集し関わる事が重要となる。また、災害時要配慮者である外国人に必要な支援と看護について理解する。外国人にとって避難生活において、言語や文化によるストレスが生じやすく、また安否確認や出国、在留に関する手続き、医療費などの問題があることを理解し、支援の在り方を考える。
③ 災害時に医療的支援が必要な患者の病状や生活への影響と、セルフケアを維持していくための援助方法を理解する。病院での入院や外来通院を通して、常に災害の備えが必要な患者である「在宅酸素療法の患者への支援」「糖尿病でインシュリンを使用している患者への支援」「透析患者への支援」「人工肛門造設患者への支援」について学習する。これらの患者は、平常時であれば疾患の自己管理や生活上のセルフケアをその人なりに自立して行っているが、災害時には生活基盤を失うことでのセルフケア能力の低下が生じるため、病院での入院や外来通院を通して、常に災害の備えが必要となる。そのためには、院内での継続的な患者と家族への指導が重要であり、看護職者として指導を行うことができるための知識が必要である。
キーワード ① 災害時要配慮者 ② 災害対策基本法 ③ 福祉避難所 ④ 災害に備えた患者指導 ⑤ 災害時要援護者への支援
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題として、配布した資料に基づき重要となるワードの理解が必要である。第5回では、「災害時要配慮者」「災害対策基本法」「災害時要配慮者への支援」について十分理解ができるような復習が必要である。
災害時要配慮者となる対象者は、病院のみならず地域で生活をする者であることを十分に認識し、幅広い視野で対象を見ることができるよう理解が必要である。また災害の備えとして、在宅酸素療法の患者、糖尿病でインシュリンを使用している患者、透析患者、人工肛門造設患者について、退院指導の際に知識が獲得できる指導についてまとめる。ChatGPTを活用して、災害時要配慮者など該当コマの講義内容に関するテスト問題(記述形式や国試形式など)を作成し、理解を深める。復習時間:2時間程度
予習課題として、3年次までに学習した高齢者看護学、母性看護学、小児看護学で学習した対象の発達課題や身体的・心理的特徴について復習する。災害看護第3版 第2部第Ⅷ章2-4を熟読し、意味の分からない語句については調べておく。予習時間:2時間程度

6 災害時に援助が必要な対象者と支援 科目の中での位置付け この回では、3年次までに既習の母性看護学や小児看護学、高齢者看護学における各対象の特徴を想起しつつ、災害時に何等かの援助が必要な対象者である要配慮者の乳幼児と妊産婦、小児、高齢者に対する災害時支援について考える。
それぞれの対象に応じた発達段階や障害・症状から、災害時にどのような支援が必要になるかを考える。特に、近年の高齢化は自身で避難できない高齢者や、避難時には手助けが必要な場合も多い。
そのため、講義では「どのような対象者が避難時の手助けが必要となるのか」「どのような手助けが必要とされるのか」について、学生自身が考え、支援を考えることができるようにする。
前回の災害時要配慮者への授業内容ならびに災害時の身体的・精神的な影響の授業内容を基盤として、書籍や文献から「対象の特徴」、「災害時に対象者に生じやすい問題」、「必要な支援」、「周囲への配慮」の視点から、支援を考察する。
これまでの災害看護学の授業内容を包含して考察されたこの課題は、地域で生活する対象者の多くに該当する。つまり、災害看護の対象者は重症者のみならず、普段我々の周りで生活をする地域住民であることを認識し、対象に応じた支援を理解する。また、この回は文献を用いて文章の読解力が求められる。これは近年の国家試験問題の長文化と「何を問われているか」への対策の一つでもある。
また、

南江堂 災害看護第3版 第2部第Ⅷ章2-4、P228-273
配布資料
コマ主題細目 ① 乳幼児・妊産婦への災害時支援 ② 小児への災害時支援 ③ 高齢者への災害時支援
細目レベル ① 3年次までに学習した母性看護学の知識を想起し、妊娠期における母子について、妊娠初期、妊娠中期、妊娠末期、産婦、褥婦と新生児の身体的・心理的特徴について理解する。妊娠期では、妊娠経過やつわりや眠気などのマイナートラブル、不安や心配の程度といった心理社会的状態、栄養や休息などの生活状況などについてアセスメントを行う。褥婦の場合は、産褥経過に加え子育ての状況や周囲からのサポート、子育て環境についてもアセスメントする必要がある。乳幼児については、発達が著しい中で被災することになる。身体的・精神的な発達途中であるために、災害を受け止めることが難しく、反応も様々であることを理解した上での支援が必要となることを理解する。
② 幼児期、学童期、思春期の各発達段階に応じた反応を理解したうえで、学習面や遊びへの支援が必要となる。災害時に子どもが受ける心身への衝撃と、その後の成長発達へ及ぼす影響は大きく、要配慮者の中でも子どもは優先される存在である。災害による子どもの健康障害も大きいが、心理への影響は直後から長期的にも影響を及ぼし、心的外傷後ストレス障害として現れ、年齢や時間経過の長さなどによって様々に異なる現れ方をすることを理解する。災害時の子どもへの対応として、衛生的な環境の整備や遊びの空間を確保することに加え、子どもの能力に応じて手伝いの機会を与えることや思いを表出する場として作文や話を聞くことなどを通じて心のケアを行うことの必要性を理解する。
③ 高齢者は、避難が必要になった際に、身体的な不自由さに加えて、新しいことに適応しにくいことが問題になり、支援が必要になる。また、避難の際には人の手を借りなければ、自力で避難できない高齢者も多い。これらのことから、高齢者は要配慮者の筆頭に位置付けられており、避難時だけでなく、被災後の様々なストレスから生活・環境の変化によって健康障害・生活障害を起こしやすく、中・長期的な支援が求められる。災害後に生じる健康問題として、災害関連疾患と災害関連死が挙げられ、災害関連死における高齢者の占める割合は高い傾向にあり、災害後の避難所で生じる高齢者のケアニーズに焦点を当てる。災害時に高齢者に特有に生じる日常生活上の問題と健康問題を理解し、援助の方法を理解する。
キーワード ① 乳幼児・妊産婦の災害時支援 ② 高齢者の災害時支援 ③ 発達障害を持つ人への災害時支援 ④ 小児への災害時支援 ⑤ 発達課題
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題として、自身や家族の居住区域における福祉避難所について調べることを課す。理由として、我々は看護者であると共に地域で生活をする住人でもある。
災害時の傷病者への看護のみならず、馴染みのある地域において、福祉避難所としてどのような施設が使用され、対象者はどのように規定されているのかを知り、まずは家族への発信を行う。
さらに、調べた内容から課題を考えることは、看護者であり地域住民として必要な態度を養うと共に地域社会貢献となる。ChatGPTを活用して、該当コマの講義内容に関するテスト問題(記述形式や国試形式など)を作成し、理解を深める。復習時間:2時間程度
予習課題として、微生物学や基礎看護学で学習した感染経路やスタンダードプリコーションなど感染対策の基礎について復習する。災害看護第3版 第2部第Ⅷ章7を熟読し、意味の分からない語句については調べておく。復習時間:2時間程度

7 災害時のトリアージと課題 科目の中での位置付け この回では、「災害時のトリアージと課題」について考える実技的な演習を行う。
大規模災害が発生した際にトリアージを行うのは看護職の役割である。本講義では、第3回講義で学習したトリアージに関して、大府市消防署・東海警察署などと連携した多数傷病者対応訓練に参加し、トリアージの実際を学習する。災害時に限られた人員で多く患者の身体的症状から重症度をトリアージするためには、トリアージの視点が必要となる。「一次トリアージ:多数の傷病者を数人の救助者が30秒以内にトリアージカテゴリーに分類する」「二次トリアージ:呼吸・循環・意識障害を定量的にスコアリングする」「トリアージタグの記載と優先順位およびつけ方」について学習している。これらの知識を活用し、赤・黄色・緑のタグに分けられる傷病者として多数傷病者対応訓練に参加する。実際の救急隊・消防隊・警察官など他職種が参加し、それぞれの機能のもとに、二次災害を防ぎつつ、傷病者をトリアージし、優先的に治療を要す傷病者を迅速に搬送するまでの対応が行われる。実際の声掛け、判断のポイントを訓練に参加することで学び、看護者としてトリアージを行う際の自身の課題について検討する。(本演習は、大府市消防署との打合せにより、原則4年に1回、2コマ続きの学外演習となる)

南江堂 災害看護第3版 第2部第Ⅷ章7、P314-328
配布資料
コマ主題細目 ① 災害とトリアージ ② 災害の状況による疾患の特徴 ③ 災害による健康障害と対処
細目レベル ① これまでに学習したトリアージの概念を想起しながら、災害時におけるトリアージの重要性とトリアージの具体的方法を理解する。災害時に被災者を看護するうえでは、災害時に特有の患者の病態や症状に対する知識があることが前提となる。その上で、災害の状況と患者の症状に合わせた体系的で迅速な観察、観察結果を基にしたアセスメントと判断、アセスメント結果に基づく声掛けや体位の工夫などの介入が重要である。トリアージにおける、最優先治療群(赤)、非緊急治療群(黄)、治療不要または軽傷群(緑)、救命困難又は死亡群(黒)について、その区分と多重交通事故、震災、テロなどの化学物質災害等といった災害の状況(交通事故、震災、科学災害等)該当する具体的疾患、トリアージの方法について実践を通じて理解する
② 交通事故によって生じる可能性のある疾病は、外傷が主になる。交通事故では、高速での衝突や転倒によって骨折が生じやすく、特に四肢、肋骨、脊椎の骨折が多く見られる。骨折部位を固定し、医療機関に迅速に搬送することが重要となる。また、頭部への衝撃により脳震盪や頭蓋骨骨折、脳出血が生じることがあり、症状には意識障害、頭痛、吐き気などがあり、迅速な判断が必要とされる。震災で生じる可能性のある疾病として、圧迫症候群、感染症がある。建物の倒壊により骨折や、長時間圧迫されたことによる圧迫症候群が生じる。圧迫症候群は筋肉組織の壊死を引き起こし、腎不全などの重篤な状態に至ることがあるため、速やかに圧迫を取り除き、医療機関での治療が必要となる。
③ 化学物質災害で生じる可能性のある疾病・症状としては、化学物質吸入による呼吸器障害や皮膚接触による皮膚炎や火傷、中毒などがあげられる。有毒ガスや化学薬品を吸入することで呼吸困難、咳、喉の痛み、肺水腫などの呼吸器症状が発生する。その場合は、直ちに汚染区域から退避し、新鮮な空気を吸う場所に移動。必要に応じて酸素投与や医療機関での治療を受けることが重要となる。皮膚接触による皮膚炎や火傷は、化学物質が皮膚に接触することで、皮膚炎や化学熱傷が発生し、熱傷に準じた対応が求められるるが、速やかに大量の水で洗い流し、汚染物質を除去した後、医療機関での治療が必要となる。化学物質の摂取による中毒は、化学物質を飲み込むことで、胃腸障害、神経障害、全身性の中毒症状が生じる。速やかに水や牛乳を飲ませるなどの応急処置を行い、直ちに医療機関を受診することが推奨される。
キーワード ① 災害とトリアージ ② 災害の発生状況と健康障害 ③ 交通外傷 ④ 震災 ⑤ 化学物質災害
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題として、授業で解説した感染症について、原因となるウイルスや細菌、症状、対策、感染経路を復習すること。この回では、災害による感染を中心に解説を行ったが、国家試験対策として、感染症の類型と対応は重要であるため、関連して復習することが可能である。多くの学生が持つ参考書にも分類が書かれているために、授業内容と照らして復習する。また、看護を行う上では災害時に関らず、感染予防は重要なポイントである。自身を守るためのスタンダードプリコーションに加えて、住民指導ができる知識を備えるためにも、復習が重要である。
さらに、感染症における倫理的な問題やプライバシーについては、昨今問題になってきている。感染症の症状などの知識のみならず、倫理的問題やプライバシーの問題が生じる可能性を認識する必要がある。ChatGPTを活用して、該当コマの講義内容に関するテスト問題(記述形式や国試形式など)を作成し、理解を深める。復習時間:2時間程度
予習課題として、これまでの講義資料と災害看護第3版 第1・2部第Ⅰ-Ⅷ章を熟読し、講義内容を復習しておく。予習時間:2時間程度

8 避難所における支援と課題 科目の中での位置付け この回は最終回となるために、これまでの授業内容を踏まえて避難所運営のシミュレーション演習に取り組み、看護職者としての視点から「災害時支援の問題と課題」について考える。
具体的な方法としては、避難所HUGという机上シミュレーションキットを用いて、避難所運営のシミュレーションを机上で行う。グループで避難所を運営することを想定し、意見を出し合いながら様々な状況の被災者を振り分けて配置し、問題についても対処を検討する。日本で起きた大地震後に設置された避難所での生活の様子は、大きな体育館に大勢の被災者が集まり、プライバシーも守られにくい状態にある。これまでの講義で学習した要支援の被災者をについて、避難所とういう資源の限られた場所で、実際にはどのように工夫をして「配慮」すべきか、シミュレーションを通じて検討する。
被災者の不自由さに目を向け、看護職者としての視点から支援の必要性と支援内容をハード面とソフト面から考えることにより、受講者それぞれが、今後の災害支援や災害看護を発展させるきっかけになることに加えて、地域貢献への基盤となる。(本演習は、多数傷病者対応訓練の演習がない年に2コマ続きで実施するものとする)

南江堂 災害看護第3版 第1・2部第Ⅰ-Ⅷ章、P3-328
配布資料
コマ主題細目 ① 災害時の支援のハード面の課題 ② 災害時の支援のソフト面での課題 ③ 避難所運営
細目レベル ① 国内において災害後の避難所での生活の様子は、テレビで見られる光景である。大きな体育館に大勢の被災者が集まり、不自由な生活が強いられる。高齢者が「トイレが遠い」という理由で、飲水を我慢する現状も伝えられる。こういった問題を具体的にどのように解決するのか、これまでの授業で学習してきた災害時の基本的な考え方や具体的対処方法、課題となる事柄を想起しつつ、避難所運営の事例にについて、グループワークを通じて問題点や課題についてディスカッションする。少人数グループで事例に取り組み、グループでのディスカッションを通じて異なる価値観や主張があることを理解しながら、最善の避難所運営とは何かを考え、問題はどこにあるのか、今後の課題は何かを検討する。
② 避難所運営に必要な事として、運営組織づくりや避難スペースの割り振り、衛生面の管理、食事に関する管理、要配慮者への対応、ボランティアの受入れなどを学習してきた。これまでの学習の知識を統合し、限られた時間の中で、看護の視点を持ち優先すべき事柄を考え最善策を考えるためにディスカッションを行い、事例の課題を解決できるよう取組む。ライフラインが途絶又は制限がある避難所での衛生面での管理や、場所や設備が限られた避難所におけるスペースの確保・配置など、健康管理の視点で解決策を考える。また、避難所では、プライバシーも守られにくい状態にある。個々の身体的・精神的疾患や症状を抱えた人も多いはずである。また、被災者は被災後の心理的ストレスにより、様々な感情や反応が現れる。避難所のソフト面の課題についても考慮し、対応策を考える。ディスカッションで決定した対応は各グループで記録し、振り返ることができるようにする。
③ グループ内のディスカッションを通じて下した判断や対応の内容について、他のグループと意見交換を行い、なぜそのような判断や対応に至ったのか振り返る。他者の意見を聞き、判断の決め手とした情報の違いは何か、優先した事柄は何だったのか、自らのグループの具体的対応策に改善すべき点はなかったのか、具体的にどのように改善する事が可能であるか、また、判断しきれなかった状態は何か、なぜ判断に迷ったのか、これらの事柄についてディスカッションし、様々な意見や価値観がある事を理解し、現状を改善するには、何が問題でどうしたら課題が解決するのかを考える。ディスカッションを通じ、倫理的問題や被災地における医療者の直面するジレンマなどについても考える。
キーワード ① 災害時の支援のハード面での課題 ② 災害時の支援のソフト面の課題 ③ 避難所 ④ 要支援者 ⑤ 避難所運営
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題は、「災害時支援の問題と課題」で各自が出した考えについて、仲間や医療者と共有して考えを深め、ディスカッションで検討した意見・異なる対策も吟味し、自らの判断や対策を改めて振返り、どのような点に留意して災害看護を考えるべきか、まとめる。受講者は被災者になる可能性もあれば、看護職者として援助者になるかもしれない。そのため、看護職者としての視点から現状と課題を認識したうえで、災害にどのように向き合うのか、今後どのように災害看護を発展させるのかという立場で時事問題をとらえることが重要である。
国家試験に関する内容も各授業内で伝えてあるので、総まとめとして資料を参考にして復習を行い、知識を確実に定着させる必要がある。ChatGPTを活用して、該当コマの講義内容に関するテスト問題(記述形式や国試形式など)を作成し、理解を深める。復習時間:4時間程度

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
災害看護に関する基礎的知識、災害と看護の役割 災害看護の特徴、我が国における歴史的な災害と災害時の医療・看護活動、災害看護の定義、災害の種類と災害の種類別にみた健康被害とその特徴、我が国における災害に関する法制度や災害に対する危機管理体制や支援体制、災害時の情報と伝達の仕組み、災害時におけるボランティア活動などについて理解する。これらの事は、災害看護学を学ぶ上で前提となる知識である。そのため、授業で解説したこれらの用語について理解が必要である。★ 災害看護、災害の種類、健康被害、災害時の法制度、支援体制、連携 20 1-2
災害による影響と支援 各災害サイクル(急性期、亜急性期、慢性期、復旧復興期)と災害サイクルに応じた保健医療の役割、トリアージ、病院における災害看護の理解と、災害による身体的・心理的影響の理解は、災害看護を展開する上で重要である。トリアージについてはトリアージ区分の十分な理解と区分についての判断、身体的影響や心理的影響の具体的特徴と支援、病院における災害看護と災害発生時の基本原則などについても理解する。心理的影響については、被災者のみならず支援者に与える影響の理解も必要である。★★ 災害サイクル、身体的影響、心理的影響、トリアージ、災害初動時の基本原則 35 3-4
災害時に配慮や援助が必要な対象の特徴と支援、災害と感染症 災害時に援助が必要な対象は、乳幼児、妊婦・産婦、小児、高齢者、知的障害や発達障害・身体障害を持つ成人、精神疾患患者、外国人に加え、医療的支援が必要な疾患を持った患者などである。それぞれの対象に応じた発達段階の特徴や身体的・心理的影響の特徴をふまえ、対象者に生じやすい問題に基づき、災害時にどのような支援が必要になるかを理解する。具体的に問題となる健康への影響と支援、周囲への配慮として必要な援助の内容を理解する。それぞれの対象理解に基づいた看護支援と、福祉避難所の必要性について理解する。震災と津波、豪雨による災害後に注意すべき感染症と、その予防について理解する。★★ 災害時要配慮者、発達段階、アセスメント、セルフケア、災害時の援助、衛生管理、予防策、プライバシー 30 5-6
災害支援と看護 これまでの全ての領域の学習をふまえ、被災者の支援の方法や内容に関して、看護職者としての視点から災害支援の課題や具体的援助などを理解できる。これまでに得た災害サイクルや災害による影響、災害時の支援などの知識に基づきハード面のみならずソフト面からも、状況に応じてどのように解決していくことが望ましいと考えるのかを考える。★★★ 災害支援、避難所、災害時要配慮者、ハード面の課題、ソフト面の課題 15 1-8
評価方法 筆記試験100点、ただし課題提出を筆記試験の受験資格とする場合がある
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 災害看護 南江堂 2300円+税
参考文献 ナーシング・グラフィカ看護の統合と実践③災害看護 メディカ出版2800円+税 
実験・実習・教材費