区分
フィールド生態科目 フィールド生態共通科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
専門性
理解力
実践力
カリキュラム・ポリシーとの関係
専門知識
教養知識
思考力
実行力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
個人・社会・自然が直面する課題に対して専門的な理解を深めると共に、学際的な柔軟性を有し、実践的な能力を有する。
科目の目的
人は、実世界空間において、いろいろな記憶や行動の手がかりを位置や場所(地理空間情報)に関連づけ、その情報を整理し、生活コミュニティーの中で有効活用している。つまり、物事を地理空間的に捉え、情報を理解し、可視化するなどして活用することは、これからの社会において必要不可欠な要素であると言えよう。本科目では、地理情報システム(GIS)に関する基礎的知識と一般社会における活用事例、関連する技術を学ぶと共に,PCによる演習を通して実践的な操作技能を習得する。展開科目や卒業研究、就職後の地理情報システムの利活用も見据え、地理空間データを自発的に扱うことができる操作技能と地理空間情報に関する素養を供与する。
到達目標
地理空間情報、GIS(地理情報システム)とは何かを理解し、GISアプリケーション(QGIS)を用いて、取得した地理空間データからイメージ通りの綺麗な地図の作成・印刷ができること。また、卒業論文等で利用可能な簡単な空間情報解析ができることを目標とする。
科目の概要
身近に利用している情報のほとんどは、「地理空間情報」を含んでいる。この地理空間情報の理解には、やや専門的な知識が必要であるが、地図による店舗検索やカーナビゲーションなどを例に、現代の実社会生活と切っても切れないほど身近な存在となっている。本科目では地理空間情報の定義や存在意義、身近な活用事例等に関する基礎的な知識と素養を供与すると共に、地理空間情報に関する取り扱い方や可視化手法、解析手法など実践的な操作技法をパソコンを利用した演習形式で学ぶ。演習では、GIS(地理情報システム)アプリケーション「QGIS」を用いて、地理空間データの入手や処理方法、可視化を中心に、地図データやオープンデータを活用した空間情報解析手法を学び、今後の卒業研究等で役立つ知識と技術を習得する。
科目のキーワード
①GIS(地理情報システム)、②地理空間情報、③QGIS、④位置情報、⑤空間参照系、⑥オープンデータ、⑦地形図、⑧アドレスマッチング、⑨空間情報解析
授業の展開方法
本講義では、教科書を中心に、各回の冒頭に配布するハンドアウト(パワーポイントによるコマ用オリジナル配布資料)による補足資料も使って講義を進める。各回の講義は、①前回の復習、②当該回の学習内容(本コマシラバス記載のもの)、③当該回のGIS演習内容(本コマシラバス記載のもの)から構成され、教員による講義と、教科書に沿ったQGISアプリケーションの演習を中心に講義を進める。教科書中心の講義演習のため、教科書は必ず購入し、予習復習に役立てる。また、参考文献は、最低限必要な箇所はこちらで解説をするため購入は必須ではないが、参考対象となる回には図書館等で内容を確認して講義に臨むことをお勧めする。なお、履修人数を把握しPC席数を確保するために、履修したいあるいは履修を検討しているものは第1回目の講義は必ず出席すること。
オフィス・アワー
横家将納:【木曜日】昼休み・3・4・5時限目(前期のみ)、【火曜日】昼休み・3・4・5時限目(後期のみ)
岡久雄二:【火曜日】昼休み、3時限目(前期のみ)、【水曜日】昼休み・3時限目、【木曜日】昼休み
科目コード
ENS220
学年・期
3年・前期
科目名
地理情報処理法
単位数
2
授業形態
講義
必修・選択
必修
学習時間
【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目
情報処理実習Ⅱ、自然地理学、基礎数学
展開科目
フィールド生態学演習Ⅱ、フィールド生態学演習Ⅲ、フィールド生態学演習Ⅳ
関連資格
なし
担当教員名
横家将納・岡久雄二
回
主題
コマシラバス項目
内容
教材・教具
1
地図から分かること ~地図のお話~
科目の中での位置付け
人間の活動はほとんどすべての事象が地理情報に紐付いており、我々の周辺においても地理情報で溢れかえっている。一方、「地理情報」という用語が、やや専門的な知識と技能が必要で理解が困難である印象を与えている。本講義では、地理情報とは何か、またそのような地理情報をわかりやすく可視化する技術(処理方法)の習得を目指している。第1回では本講義を進めるにあたっての注意事項や最終的な評価方法について説明するとともに、地図から分かること、地理情報システム(GIS)とは何かについて理解する。第2回では地理情報と地理空間データの構造について学び、地理情報を可視化するシステム「QGIS」の基本操作を理解する。第3回は地理情報に関するデータフォーマットやデータの加工について学び、第4回は、地理空間情報を取り扱う上で重要となる空間参照系を理解する。第5回では身近な地図を取り上げ、国土地理院が整備している基盤地図データを用いて、岡崎キャンパス周辺の地図の表示とGISから様々な情報を読み取る技術を修得する。第6回では防災・減災を考える上で役に立つ避難所マップの作成を学び、第7回は、位置情報の活用とGPS、準天頂衛星みちびきについて学ぶ。第8回は国勢調査データを用いた年齢別人口分布図の作成方法について学び、第9回では地形図を用いた山岳マップの作成方法を学習する。第10〜11回はジオリファレンス機能、衛星画像解析法について学び、第12〜14回はQGISのプラグイン機能を用いたカッパの出没マップの作成方法を学ぶ。最終回の第15回は、これまでの総復習を行うとともに、試験に向けた演習問題を行う。このような流れの中、第1回では、本授業のガイダンスを行い、地図や地理情報を活用することで何が分かるのかについて学ぶ。
【コマ主題細目①】
本講義のコマシラバス
【コマ主題細目②】
資料:コマ用オリジナル配付資料
参考文献:「GISを使った主題図作成講座」,P1~37
【コマ主題細目③】
【資料】コマ用オリジナル配付資料
【 教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」,第1章P14~16、P194〜P222
コマ主題細目
① 授業ガイダンス ② GISとは何か ③ GISの起動
細目レベル
① 本講義では、コマシラバスを用いて授業の進め方や評価方法について詳細に説明する。本講義は全15回の講義から構成されており、毎回の授業を欠かさず受講することが学習の効果を高めるために重要である。授業を通して得られる知識や技術は、今後の研究活動や卒業論文制作において不可欠なものであり、受講生がGISを活用できるようになることが求められる。特に、本講義は講義形式とPCを用いた実習を組み合わせた内容となっており、地理情報システム(GIS)の操作スキルを習得することが、研究の質や信頼性を向上させるために大きく貢献する。本講義では、地図の基本的な概念やその活用方法について学ぶとともに、予習・復習の進め方、教科書・参考書の適切な活用方法、授業の最終評価基準についても詳しく説明する。受講生は15回の授業を通じてGISの基礎を確実に身につけ、卒業研究や将来の専門分野におけるGISの応用に備える。
② 情報通信技術の発展により、スマートフォンや携帯電話で位置情報を活用する機会が増え、地図を使う頻度が高くなっている。本講義では、地図を単なる道案内のために使用するのではなく、そこから読み取れる情報を最大限活用する方法について考察する。特に、異なる種類の地図を重ねることで、従来見えなかった情報が見えてくることに着目し、実際の事例を通して学ぶ。また、異なる空間・時間スケールの地図を利用することで、新たな発見や未解決の問題に取り組む可能性についても考える。私たちの身の回りには多くの地図が存在するが、同じ「地図」という言葉を聞いても、人それぞれ異なる認識を持っている。この認識の違いが地図の設計や活用方法に影響を与えてきた。本講義では、GIS(地理情報システム)とは何かを定義し、その基本概念を概説する。さらに、GISを活用することで可能となること、地理空間データとの関係、データの作成方法、社会的利用事例について説明する。また、GIS技術の進展が従来の地図表現をどのように変化させたのか、今後どのような発展が期待されるのかについても具体的な事例を交えながら解説する。
③ 地理情報システム(GIS)アプリケーションの一つであるQGISをセットアップし、起動と終了、画面構成や基本操作について操作しながら理解する。まずは、授業で使用するための専用フォルダをCドライブなど適切な場所に作成し、授業で配布される資料やデータセットをダウンロードし整理する。次に、QGISの最新バージョンを公式サイトからダウンロードし、適切なインストール方法を確認しながらセットアップを行う。インストール後、環境設定を調整し、デフォルトの作業ディレクトリを指定することで、作業の効率を向上させる。さらに、QGISで利用可能なプラグインの一つであるSAGANGを設定する。SAGANGのインストール方法を学び、プロセシングツールボックスから適切な設定を行うことで、追加の解析機能を活用できるようにする。プラグインのインストールと設定を行うことで、より高度な空間解析が可能となり、GISの応用範囲が広がる。GISのセットアップが完了した後、ナビゲーションツールを活用し、地図の拡大・縮小・移動などの基本操作を実際に体験する。地図データの表示方法や属性テーブルの閲覧方法も学び、GISを用いた地理空間情報の管理や解析の基礎を習得する。
キーワード
① ガイダンス ② 地図 ③ 地理情報システム ④ GIS ⑤ 位置情報
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【予習】該当する参考文献を読み、分からない内容ならびに興味のある内容について事前に把握する。また、教科書に掲載されているGISアプリケーションの操作についても確認し、教科書にある操作方法に従って実行してみることをお勧めする。【復習】自身のPCにQGISをダウンロードし、起動させる。インストールに当たってはスタンドアロンインストーラーの最新版の利用を推奨する。ダウンロードに当たってはコマ用オリジナル配付資料とともに「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」194ページから197ページを参照すること。そのうえで、コマ用オリジナル配付資料を読み返し、本日学んだ操作について、再度実施することで技術・操作の定着を図ることを勧める。特に本コマでは、地理情報システムの起動と基本操作を復習することが望ましい。
2
地理空間情報とは ~地理空間情報と地理空間データ~
科目の中での位置付け
人間の活動はほとんどすべての事象が地理情報に紐付いており、我々の周辺においても地理情報で溢れかえっている。一方、「地理情報」という用語が、やや専門的な知識と技能が必要で理解が困難である印象を与えている。本講義では、地理情報とは何か、またそのような地理情報をわかりやすく可視化する技術(処理方法)の習得を目指している。第1回では本講義を進めるにあたっての注意事項や最終的な評価方法について説明するとともに、地図から分かること、地理情報システム(GIS)とは何かについて理解する。第2回では地理情報と地理空間データの構造について学び、地理情報を可視化するシステム「QGIS」の基本操作を理解する。第3回は地理情報に関するデータフォーマットやデータの加工について学び、第4回は、地理空間情報を取り扱う上で重要となる空間参照系を理解する。第5回では身近な地図を取り上げ、国土地理院が整備している基盤地図データを用いて、岡崎キャンパス周辺の地図の表示とGISから様々な情報を読み取る技術を修得する。第6回では防災・減災を考える上で役に立つ避難所マップの作成を学び、第7回は、位置情報の活用とGPS、準天頂衛星みちびきについて学ぶ。第8回は国勢調査データを用いた年齢別人口分布図の作成方法について学び、第9回では地形図を用いた山岳マップの作成方法を学習する。第10〜11回はジオリファレンス機能、衛星画像解析法について学び、第12〜14回はQGISのプラグイン機能を用いたカッパの出没マップの作成方法を学ぶ。最終回の第15回は、これまでの総復習を行うとともに、試験に向けた演習問題を行う。このような流れの中、第2回では、地理空間情報とはどのようなものなのか、地理空間データの特徴等について学ぶ。
【コマ主題細目①】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、
【 教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」,第1章P14~15、P194〜P222、
【参考書籍】橋本雄一編、「QGISの基本と防災活用(二訂版)」古今書院,P2~4
【コマ主題細目②】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、
【 教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」,第1章P14~16、P194〜P222
【参考書籍】橋本雄一編、「QGISの基本と防災活用(二訂版)」古今書院,P4~6
【コマ主題細目③】
【資料】コマ用オリジナル配付資料
【 教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」,第1章P14~16、P194〜P222
コマ主題細目
① 地理空間情報と地理空間データ ② 地理空間データの構造 ③ 地理情報システムの基本操作
細目レベル
① 地理空間情報とは、地球上の特定の地点や区域の位置を示す情報のことであり、これをデジタル化したものが地理空間データである。たとえば、「岡崎公園の位置(緯度34.956, 経度137.159)」のように、位置と関連する情報がセットになったものが地理空間データとなる。地理空間情報の活用により、環境調査、防災計画、都市計画などにおいて、データを視覚的に把握しやすくなる。また、GIS(地理情報システム)を用いることで、地理空間データを効率的に分析・活用できる。地理空間データの利点として、空間的な分布を直感的に理解しやすい点、異なる情報を地図上で統合できる点、さらには空間解析が可能となる点が挙げられる。例えば、災害時の避難経路の設計では、避難施設の位置や浸水リスクなどの情報を統合し、安全な経路を導き出すことができる。
② 地理空間データは、実世界のさまざまな地物や事象をコンピュータで扱いやすい形式で記録したものであり、「幾何データ」と「属性データ」から構成される。幾何データは、地物の位置や形状を示す情報であり、点、線、面で表現されるベクターデータと、セル単位で表現されるラスターデータがある。ベクターデータは道路や河川などの線的な特徴を表現するのに適し、一方、ラスターデータは標高や気温などの連続するデータの表現に適している。一方、属性データは地物の特徴を示す情報であり、例えば、鳥類の調査データでは、観察地点の緯度・経度が幾何データとなり、観察日時や鳥の種類などが属性データとなる。地理空間データの適切な構造化により、GISを活用した詳細な空間分析や可視化が可能となる。
③ 地理情報システム(GIS)は、地理空間データの管理、分析、視覚化を行うためのシステムであり、さまざまな分野で利用されている。GISの基本操作には、データのインポート、レイヤー管理、シンボロジー設定、空間解析などが含まれる。例えば、ベクターデータをGISに読み込む際には、シェープファイル(Shapefile)形式のデータを追加し、地物情報を属性テーブルとして表示できる。また、レイヤーを管理し、特定の情報(例えば、県ごとの分類)を色分けして表示することも可能である。さらに、ラスターデータ(例:標高データ)とベクターデータ(例:道路網)を重ね合わせることで、より詳細な地理解析が行える。GISの活用により、都市計画、環境保護、交通管理などの分野でデータに基づいた意思決定が可能となる。ベクターデータとラスターデータの利用方法習得のために、地球地図日本からデータをダウンロードして閲覧する演習を実施する。
キーワード
① 地理空間情報 ② 地理空間データ ③ 地理情報システム ④ GIS ⑤ 地球地図日本
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【予習】該当する教科書・参考書籍の内容をよく読み、分からない内容ならびに興味のある内容について事前に把握する。また、教科書に掲載されているP194〜P222までを読み、自宅PCへのインストールや大学のPC教室などを利用して実行してみることをお勧めする。【復習】該当する参考資料の内容、コマ用オリジナル配付資料を読み返し、理解できていない内容について確認しておく。特に、専門用語や特殊な機能については、参考文献を参照したり、インターネットで調べるなど、自身で解説できるよう理解を深めておく。また本日学んだQGIS操作についても、PC教室にて再度実施することで技術・操作の定着を図ることを勧める。特に本コマでは、地理情報システムQGISの起動と基本操作を復習することが望ましい。
3
データフォーマットとファイル形式
科目の中での位置付け
人間の活動はほとんどすべての事象が地理情報に紐付いており、我々の周辺においても地理情報で溢れかえっている。一方、「地理情報」という用語が、やや専門的な知識と技能が必要で理解が困難である印象を与えている。本講義では、地理情報とは何か、またそのような地理情報をわかりやすく可視化する技術(処理方法)の習得を目指している。第1回では本講義を進めるにあたっての注意事項や最終的な評価方法について説明するとともに、地図から分かること、地理情報システム(GIS)とは何かについて理解する。第2回では地理情報と地理空間データの構造について学び、地理情報を可視化するシステム「QGIS」の基本操作を理解する。第3回は地理情報に関するデータフォーマットやデータの加工について学び、第4回は、地理空間情報を取り扱う上で重要となる空間参照系を理解する。第5回では身近な地図を取り上げ、国土地理院が整備している基盤地図データを用いて、岡崎キャンパス周辺の地図の表示とGISから様々な情報を読み取る技術を修得する。第6回では防災・減災を考える上で役に立つ避難所マップの作成を学び、第7回は、位置情報の活用とGPS、準天頂衛星みちびきについて学ぶ。第8回は国勢調査データを用いた年齢別人口分布図の作成方法について学び、第9回では地形図を用いた山岳マップの作成方法を学習する。第10〜11回はジオリファレンス機能、衛星画像解析法について学び、第12〜14回はQGISのプラグイン機能を用いたカッパの出没マップの作成方法を学ぶ。最終回の第15回は、これまでの総復習を行うとともに、試験に向けた演習問題を行う。このような流れの中、第3回では、地理空間データのフォーマットやファイル形式などのデータの詳細について学ぶ。
【コマ主題細目①】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、【 教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」、第5章P46~57、P204~206
【コマ主題細目②】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、【 教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」、第2章P27〜35、P204~206
【コマ主題細目③】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、【 教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」、第5章P57~60、P204~206
コマ主題細目
① 地理空間データのフォーマット ② 地理空間データの入手 ③ タイル地図の活用
細目レベル
① 地理空間データには、ベクタデータとラスタデータの2種類があり、それぞれ異なるファイル形式で保存される。ベクタデータは、地物の位置や形状を点(ポイント)、線(ライン)、面(ポリゴン)で表現する形式であり、最も一般的なのがシェープファイル(.shp)である。シェープファイルは、幾何データを格納する**.shp、属性データを記録する**.dbf、幾何データのインデックスを管理する**.shx、座標系を定義する**.prjの4つのファイルで構成される。他にもKML(.kml)やGeoJSON(.geojson)などのフォーマットがある。一方、ラスタデータは画像データとして表現され、一般的な形式にはGeoTIFF(.tif)やJPEG(.jpg)、PNG(.png)がある。GeoTIFFは、座標情報を含んだラスタデータの代表的な形式であり、リモートセンシングや標高データなどによく用いられる。これらのフォーマットを理解し、適切に使い分けることが、GISを活用する上で重要となる。
② 地理空間データは、インターネットを通じて無料で取得できるものが多く、用途に応じたデータを選択できる。代表的なデータ提供サイトとして、国土地理院の電子国土基本図(日本の基本的な地図情報)、基盤地図情報(地図の骨格となる情報)、国土交通省の国土数値情報(行政区域、交通網、土地利用など)、総務省のe-Stat(政府統計データ)がある。また、環境省の生物多様性センターでは、全国の植生分布データを取得できる。さらに、JAXAの高解像度土地被覆図、NASAのLandsat画像(地球観測衛星データ)など、グローバルなデータも入手可能である。これらのデータはシェープファイルやGeoTIFF形式で提供され、GISソフトで直接利用できる。また、スマートフォンのGPS機能を活用して自らデータを収集し、CSVやKML形式で保存することも可能である。適切なデータの選定と取得が、地理空間情報の活用の第一歩となる。
③ タイル地図とは、インターネット上で提供される地図画像を、小さなタイル状に分割して表示する技術であり、地図の描画速度を向上させる。特にXYZタイルは、あらかじめ分割された地図タイルを配信する形式であり、国土地理院の「地理院タイル」やOpenStreetMapなどで利用されている。授業の演習では、QGISを用いてXYZタイルを活用する手順を実践する。まず、QGISの「XYZ Tiles」を右クリックし、新規接続を選択する。次に、国土地理院のタイルサービスのURL(例:https://cyberjapandata.gsi.go.jp/xyz/std/{z}/{x}/{y}.png)を入力し、地図を表示する。その後、ポイントデータを追加し、特定の地点をマーキングする。また、OpenStreetMapのタイルと比較しながら、異なる地図データの特性を学ぶ。タイル地図の活用により、オンライン環境下でリアルタイムに地理情報を取得し、視覚的に理解しやすい地図を作成できる。
キーワード
① 地理空間データ ② フォーマット ③ オープンデータ ④ タイル地図 ⑤ WMS
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【予習】教科書に掲載されているP46〜P60までを読み、自宅PCや大学のPC教室などを利用して、csvファイルの作成とXYZタイルの表示を実行してみることをお勧めする。【復習】国土地理院のXYZタイル一覧へアクセスし、「標準地図」のXYZタイルをQGISで表示すること。国土地理院のXYZタイル一覧のURLをコピーし、XYZタイルの新たな接続に加えることで実行できる。作業ができない場合は、「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」の57ページおよびコマ用オリジナル配付資料を読み返し、自身で実施できるよう理解を深めておく。またその他のファイル形式についても、コマ用オリジナル配付資料を読み返すことで知識の定着を図ることを勧める。
4
空間参照系と測地系 〜地理空間データのトリセツ〜
科目の中での位置付け
人間の活動はほとんどすべての事象が地理情報に紐付いており、我々の周辺においても地理情報で溢れかえっている。一方、「地理情報」という用語が、やや専門的な知識と技能が必要で理解が困難である印象を与えている。本講義では、地理情報とは何か、またそのような地理情報をわかりやすく可視化する技術(処理方法)の習得を目指している。第1回では本講義を進めるにあたっての注意事項や最終的な評価方法について説明するとともに、地図から分かること、地理情報システム(GIS)とは何かについて理解する。第2回では地理情報と地理空間データの構造について学び、地理情報を可視化するシステム「QGIS」の基本操作を理解する。第3回は地理情報に関するデータフォーマットやデータの加工について学び、第4回は、地理空間情報を取り扱う上で重要となる空間参照系を理解する。第5回では身近な地図を取り上げ、国土地理院が整備している基盤地図データを用いて、岡崎キャンパス周辺の地図の表示とGISから様々な情報を読み取る技術を修得する。第6回では防災・減災を考える上で役に立つ避難所マップの作成を学び、第7回は、位置情報の活用とGPS、準天頂衛星みちびきについて学ぶ。第8回は国勢調査データを用いた年齢別人口分布図の作成方法について学び、第9回では地形図を用いた山岳マップの作成方法を学習する。第10〜11回はジオリファレンス機能、衛星画像解析法について学び、第12〜14回はQGISのプラグイン機能を用いたカッパの出没マップの作成方法を学ぶ。最終回の第15回は、これまでの総復習を行うとともに、試験に向けた演習問題を行う。このような流れの中、第4回では、空間参照系の直接参照方式と間接参照方式の詳細について学ぶ。
【コマ主題細目①】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、【 教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」、P15~22
【コマ主題細目②】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、【 教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」、P22~24
【コマ主題細目③】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、【 教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」、P24~26
コマ主題細目
① 地図の表現方法 ② 空間参照系と直接参照方式 ③ 間接参照方式
細目レベル
① 地図の表現には、正確さ(Science)と美しさ(Art)の両面が求められる。正確さの観点では、距離・方位・面積が適切に表現されていることが重要であり、適切な地図投影法や縮尺の選択が不可欠である。例えば、広域地図ではメルカトル図法(正角図法)が一般的だが、極域の面積が極端に誇張される欠点があるため、面積比較を重視する場合はモルワイデ図法(正積図法)が適している。一方、美しさの観点では、地図記号の配置や線の太さ、色の選択など、視覚的なバランスが重要となる。特に、利用者にとって情報が直感的に理解しやすいよう、地図のデザインが工夫される。地球は完全な球体ではなく、回転楕円体であるため、正確に平面へ投影することは困難であり、投影法によってひずみが生じる。このため、地図の用途に応じた投影法の選択が必要であり、航海用では進行方向が正確に表示されるメルカトル図法が、地図全体のバランスを重視する場合はランベルト正積円筒図法や正距方位図法が利用される。地図の表現方法は、地理学、測量学、視覚デザインなど多方面の研究を踏まえて進化しており、GISを活用する際にはこれらの基本概念を理解することが重要である。
② 空間参照系とは、地理空間データを地球上の正確な位置と関連付けるための仕組みであり、測地系と座標系から構成される。測地系には、地球楕円体の種類、座標軸の定義、標高の基準面(ジオイド)が含まれる。例えば、日本では従来Tokyo Datum(旧日本測地系)が用いられていたが、現在はJGD2000やJGD2011(世界測地系)が標準とされている。空間参照系には、地理座標系(緯度・経度を基にした座標系)と投影座標系(平面直角座標系やUTM座標系など)があり、地物の位置を表現する方法として利用される。直接参照方式とは、緯度・経度や投影座標系を用いて、位置を数値的に表現する方法であり、GPSやGISでは標準的に用いられる。たとえば、緯度34.956、経度137.159のように座標値で位置を指定することで、正確な位置情報を記録・分析できる。投影座標系では、UTM座標系(6度の経度帯ごとに分割)や日本独自の平面直角座標系(19の座標系に区分)を用いることで、地域ごとの誤差を最小限に抑えることが可能である。直接参照方式は、測量、地図作成、ナビゲーションなどの分野で幅広く活用されており、GISでは異なる座標系の変換機能を用いることで、異なる測地系間の統合が可能となる。
③ 間接参照方式とは、地理空間データを数値座標ではなく、住所や地域メッシュコードを用いて位置を表現する方法である。例えば、「愛知県岡崎市本宿町6-2」のような住所情報や、国勢調査で使用される「地域メッシュコード」が該当する。地域メッシュコードは、日本全国を一定の規則で分割した区画単位であり、1973年から行政管理庁によって利用されている。例えば、1次メッシュ(80km×80km)、2次メッシュ(10km×10km)、3次メッシュ(1km×1km)と階層的に細分化され、国勢調査や環境調査でデータを整理する際に利用される。メッシュコードを用いることで、統計データを空間的に管理しやすくなり、都市計画や環境分析、防災計画などに活用される。例えば、GIS上で特定の市区町村の統計データを地図上に表示する際、地域メッシュコードを用いることで、より詳細な空間分析が可能となる。間接参照方式は、データの管理や統計分析の際に有効な手法であり、特に行政機関が提供するデータセットに広く採用されている。GISでは、メッシュコードを緯度経度に変換することで、直接参照方式と組み合わせた活用も可能であり、地域ごとの統計情報を空間的に可視化するのに役立つ。2次メッシュを取り込み、空間参照系を変更することでどのように地図の形状が変化するのかを演習する。
キーワード
① 投影法 ② 空間参照系 ③ 直接参照方式 ④ 間接参照方式 ⑤ 地理識別子
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【予習】教科書P14〜26に掲載されている「測地系の違い」のコラムや「空間参照系」のコラムを読み、空間参照系と測地系に関する事前知識を習得することをお勧めする。【復習】該当する教科書の内容とコマ用オリジナル配付資料を読み返し、「空間参照系」を構成する要素である測地系と座標系について確認しておく。授業で示された重要な測地系、地理識別子などの重要なワードとともに、別途参考文献を参照したり、インターネットで調べることも推奨する。とくに、世界測地系のWGS84およびJGD2000、座標系(地理座標系、平面直角座標、UTM座標系)についてはそれぞれの名称を覚え、特性の違いを解説できるレベルまで理解を深めておくこと。あわせて、自身のパソコンでQGISを立ち上げ、プロジェクトCRSを変更することで表示される地図の形状がどのように変化するか確認すること。
5
身近な地図の作成~人間環境大学周辺地図の作成~
科目の中での位置付け
人間の活動はほとんどすべての事象が地理情報に紐付いており、我々の周辺においても地理情報で溢れかえっている。一方、「地理情報」という用語が、やや専門的な知識と技能が必要で理解が困難である印象を与えている。本講義では、地理情報とは何か、またそのような地理情報をわかりやすく可視化する技術(処理方法)の習得を目指している。第1回では本講義を進めるにあたっての注意事項や最終的な評価方法について説明するとともに、地図から分かること、地理情報システム(GIS)とは何かについて理解する。第2回では地理情報と地理空間データの構造について学び、地理情報を可視化するシステム「QGIS」の基本操作を理解する。第3回は地理情報に関するデータフォーマットやデータの加工について学び、第4回は、地理空間情報を取り扱う上で重要となる空間参照系を理解する。第5回では身近な地図を取り上げ、国土地理院が整備している基盤地図データを用いて、岡崎キャンパス周辺の地図の表示とGISから様々な情報を読み取る技術を修得する。第6回では防災・減災を考える上で役に立つ避難所マップの作成を学び、第7回は、位置情報の活用とGPS、準天頂衛星みちびきについて学ぶ。第8回は国勢調査データを用いた年齢別人口分布図の作成方法について学び、第9回では地形図を用いた山岳マップの作成方法を学習する。第10〜11回はジオリファレンス機能、衛星画像解析法について学び、第12〜14回はQGISのプラグイン機能を用いたカッパの出没マップの作成方法を学ぶ。最終回の第15回は、これまでの総復習を行うとともに、試験に向けた演習問題を行う。このような流れの中、第5回では、人間環境大学周辺の地図を作成する中で、基盤地図情報の使い方について学ぶ。
【コマ主題細目①】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、
【 教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」、P66~68
【コマ主題細目②】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、
【 教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」、P68~71
【コマ主題細目③】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、
【 教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」、P71~76
コマ主題細目
① 身近な地図のつくり方 ② 基盤地図情報を活用 ③ 大学周辺地図の作成
細目レベル
① 身近な地図を作成するためには、適切な地理空間データを取得し、それをGIS(地理情報システム)で処理する手順を理解する必要がある。まず、基盤地図情報(国土地理院が提供するデータ)をダウンロードし、GISで扱いやすい形式(シェープファイルなど)に変換する。QGISなどのオープンソースGISソフトウェアを使用する場合、基盤地図情報はXML形式で提供されるため、「FGDV」などの変換ツールを用いてシェープファイルに変換する。その後、QGISにデータを読み込み、建物、道路、水域などのレイヤーを適切に管理し、視覚的に分かりやすいようにシンボルや色を設定する。さらに、軌道の中心線や道路の表示方法を調整することで、地図の可読性を向上させる。作成した地図は、調査や研究、地域活動などに活用できる。最終的に、スケールバーやタイトルを追加し、印刷レイアウトを整えれば、実用的な地図として利用可能となる。GISを活用することで、一般的な地図よりも詳細かつ目的に応じた情報を含むオリジナルの地図を作成できる。
② 基盤地図情報とは、国土地理院が整備し、無料で提供している地理空間データであり、日本全国の地形やインフラ情報を網羅している。このデータは、「地理空間情報活用推進基本法」に基づき公開されており、公共測量の成果を元に作成されているため、精度が高く、多くのGISソフトウェアで利用可能である。基盤地図情報には、建物の外周線、道路構成線、軌道中心線、水涯線(川や湖の境界線)などの地理情報が含まれている。活用するためには、国土地理院のウェブサイトから該当する地域のデータを選択し、ダウンロードする。データはXML形式で提供されるため、「FGDV」などのツールを用いてシェープファイル(.shp)に変換し、QGISなどのGISソフトウェアに取り込む。取り込んだ後は、各レイヤーの色や線のスタイルを適切に調整し、見やすい地図を作成することができる。基盤地図情報の利点は、公式な測量データを元にしているため高精度であること、全国規模で統一された形式で提供されていること、そして研究や防災計画、都市計画など幅広い用途に活用できる点である。GISを活用すれば、これらのデータを基に分析や可視化が行え、より実践的な地図の作成が可能となる。
③ 大学周辺地図を作成するためには、基盤地図情報を活用し、対象地域の地図データを取得し、それをGISで加工・編集する必要がある。まず、国土地理院のウェブサイトから、大学の所在地に対応する二次メッシュを検索し、該当する基盤地図情報をダウンロードする。ダウンロードしたデータを「FGDV」などのツールでシェープファイル(.shp)に変換し、QGISに読み込む。その際、建物の外周線、道路構成線、鉄道中心線、水涯線などの主要なレイヤーを個別に管理し、適切な色や線種を設定する。例えば、建物の外周線をグレー、道路を黒、水域を青にすることで、視覚的に分かりやすい地図を作成できる。さらに、アイコンやラベルを配置することで、実用性を高める。また、QGISの「印刷レイアウト」機能を活用し、スケールバーや方位マーカー、タイトルを追加することで、正式な地図として仕上げることができる。この大学周辺地図は、学生向けの案内図や地域調査、フィールドワークの際に役立つだけでなく、施設管理や都市計画の基礎資料としても活用できる。GISを用いた大学周辺地図の作成は、実際の地理空間データを活用しながら、地図作成のスキルを実践的に学ぶ良い機会となる。
キーワード
① 基盤地図情報 ② 国土地理院 ③ XML ④ ポリゴン ⑤ スタイル
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【【予習】教科書P66〜76に掲載されている基盤地図情報に関する利用例やダウンロード方法などについて確認し、自治体データ提供の仕組みなどについて理解すること。【復習】コマ用オリジナル配付資料を読み返し、授業と同じ手順で自宅周辺の基盤地図を作成すること。基盤地図情報のダウンロードにアクセスし、自宅周辺のデータと基盤地図ビューアーをダウンロードし、ダウンロードしたXML形式の基盤地図ビューアーでshapeファイルへ変換したうえで、QGISで形式を整えて地図を作成するとよい。作業ができなかった点があった場合には教科書の該当箇所をよく読み作業手順を確認しておく。あわせてレイヤやスタイルの設定、保存までの一連の操作の流れをPC上で実行することで理解を深めることが望ましい。
6
防災・減災に役に立つ地図~避難所マップの作成~
科目の中での位置付け
人間の活動はほとんどすべての事象が地理情報に紐付いており、我々の周辺においても地理情報で溢れかえっている。一方、「地理情報」という用語が、やや専門的な知識と技能が必要で理解が困難である印象を与えている。本講義では、地理情報とは何か、またそのような地理情報をわかりやすく可視化する技術(処理方法)の習得を目指している。第1回では本講義を進めるにあたっての注意事項や最終的な評価方法について説明するとともに、地図から分かること、地理情報システム(GIS)とは何かについて理解する。第2回では地理情報と地理空間データの構造について学び、地理情報を可視化するシステム「QGIS」の基本操作を理解する。第3回は地理情報に関するデータフォーマットやデータの加工について学び、第4回は、地理空間情報を取り扱う上で重要となる空間参照系を理解する。第5回では身近な地図を取り上げ、国土地理院が整備している基盤地図データを用いて、岡崎キャンパス周辺の地図の表示とGISから様々な情報を読み取る技術を修得する。第6回では防災・減災を考える上で役に立つ避難所マップの作成を学び、第7回は、位置情報の活用とGPS、準天頂衛星みちびきについて学ぶ。第8回は国勢調査データを用いた年齢別人口分布図の作成方法について学び、第9回では地形図を用いた山岳マップの作成方法を学習する。第10〜11回はジオリファレンス機能、衛星画像解析法について学び、第12〜14回はQGISのプラグイン機能を用いたカッパの出没マップの作成方法を学ぶ。最終回の第15回は、これまでの総復習を行うとともに、試験に向けた演習問題を行う。このような流れの中、第6回では、自治体が持つ地理情報をベースとして防災・減災に役立つ地図の作成方法について学ぶ。
【コマ主題細目①】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、
【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」,第10章P98~99
【コマ主題細目②】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、
【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」,第10章P99~104
【コマ主題細目③】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、
【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」,第10章P104~109
コマ主題細目
① 自治体オープンデータとは ② レイヤスタイルの設定 ③ 防災/減災地図の作成
細目レベル
① 自治体オープンデータとは、地方自治体が公開しているデータのうち、自由に利用・加工・再配布が可能なデータを指す。これは、住民サービスの向上、地域活性化、災害対策、行政の透明性向上などを目的として提供されている。例えば、室蘭市のオープンデータライブラリでは、避難所の位置、土砂災害警戒区域、洪水浸水予測、AED設置場所などの地理空間データが公開されており、防災やまちづくりに活用できる。これらのデータは、主にCSV(表形式データ)、GeoJSON(地理情報データ)、Shapefile(GISデータ)などの形式で提供され、QGISのようなGISソフトウェアを用いて視覚化・解析できる。自治体オープンデータの利点は、誰でも無料で利用できる点にあり、研究やビジネス、防災計画など幅広い用途に適している。ただし、データの測地系(WGS84やJGD2000)や文字コード(UTF-8やShift-JIS)を適切に設定しないと、GIS上で正しく表示されないことがあるため、注意が必要である。今後、より多くの自治体がオープンデータを提供することで、地域課題の解決やデータ駆動型の政策決定が進むと期待されている。
② GISにおけるレイヤスタイルの設定は、地図上の情報を見やすく整理し、分析しやすくするために重要な工程である。特に、防災や減災の地図を作成する際は、危険区域や避難所の位置などを視覚的に分かりやすくすることが求められる。例えば、QGISでオープンデータを読み込んだ後、レイヤプロパティを開き、スタイルを変更することで、地図の視認性を向上させることができる。避難所データをSVGマーカーとして表示し、アイコンを「家マーク」に設定すると、直感的に避難所の場所を認識できる。また、土砂災害警戒区域や洪水浸水深データは、カテゴリ値定義を用いて色分けすることで、危険度の違いを明確に表現できる。例えば、洪水浸水深さデータは「Blues」カラースキームを適用し、深さが増すほど濃い青色にすることで、一目で浸水リスクを把握できる。さらに、鉄道や道路を背景レイヤとして追加し、適切な透明度を設定することで、重要な情報を際立たせることが可能である。地図をより分かりやすくするためには、シンボルの統一や凡例の追加も重要であり、GISのカスタマイズ機能を活用することで、目的に応じた最適な表現が実現できる。
③ 防災・減災地図の作成は、地域住民が災害リスクを把握し、適切な避難行動を取るために重要な取り組みである。GISを活用することで、自治体オープンデータを用いて実践的な防災地図を作成できる。例えば、室蘭市のオープンデータを基に避難所マップを作成する場合、まず避難所データをQGISに取り込み、アイコンを家のマークに設定する。次に、土砂災害警戒区域や洪水浸水深データを追加し、浸水深の範囲を色分けすることで、視覚的にリスクを表現する。また、空間演算ツールを用いて、土砂災害警戒区域内にある道路を抽出し、危険な道路を赤色でハイライトすることで、避難経路の選定に役立つ情報を提供できる。さらに、スケールバーや方位マーカーを追加し、見やすいレイアウトに整えた後、PDF形式でエクスポートすれば、自治体や住民向けに配布可能な防災マップが完成する。このようなGISを活用した防災・減災マップは、行政の防災対策だけでなく、学校や地域コミュニティでの防災教育にも活用できる。定期的にデータを更新し、新たなリスク要因を反映することで、より実用的な防災情報を提供することが可能となる。
キーワード
① 自治体 ② オープンデータ ③ レイヤ ④ シンボル ⑤ 演算ツール
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【予習】教科書P98〜109に掲載されているオープンデータに関するダウンロード方法やデータの種類などについて確認し、本コマで利用するオープンデータについて理解しておくこと。愛知県防災学習システム(http://gis.quake-learning.pref.aichi.jp/)にアクセスしハザードマップがどのようなものか確認しておくこと【復習】愛知県防災学習システム(http://gis.quake-learning.pref.aichi.jp/)にアクセスし、
自宅周辺の津波浸水深、液状化危険度を具体的に確認すること。そのうえで、該当する教科書の内容やコマ用オリジナル配付資料を読み返し、ハザードマップの特性を十分に確認しておく。また、実際にPC上で防災に関するオープンデータをダウンロードし、QGISアプリケーション上で表示、レイヤやスタイルを設定し、空間演算ツールの利用方法までの操作を、再度PC上で実行することで理解を深めること。
7
位置情報と社会事例
科目の中での位置付け
人間の活動はほとんどすべての事象が地理情報に紐付いており、我々の周辺においても地理情報で溢れかえっている。一方、「地理情報」という用語が、やや専門的な知識と技能が必要で理解が困難である印象を与えている。本講義では、地理情報とは何か、またそのような地理情報をわかりやすく可視化する技術(処理方法)の習得を目指している。第1回では本講義を進めるにあたっての注意事項や最終的な評価方法について説明するとともに、地図から分かること、地理情報システム(GIS)とは何かについて理解する。第2回では地理情報と地理空間データの構造について学び、地理情報を可視化するシステム「QGIS」の基本操作を理解する。第3回は地理情報に関するデータフォーマットやデータの加工について学び、第4回は、地理空間情報を取り扱う上で重要となる空間参照系を理解する。第5回では身近な地図を取り上げ、国土地理院が整備している基盤地図データを用いて、岡崎キャンパス周辺の地図の表示とGISから様々な情報を読み取る技術を修得する。第6回では防災・減災を考える上で役に立つ避難所マップの作成を学び、第7回は、位置情報の活用とGPS、準天頂衛星みちびきについて学ぶ。第8回は国勢調査データを用いた年齢別人口分布図の作成方法について学び、第9回では地形図を用いた山岳マップの作成方法を学習する。第10〜11回はジオリファレンス機能、衛星画像解析法について学び、第12〜14回はQGISのプラグイン機能を用いたカッパの出没マップの作成方法を学ぶ。最終回の第15回は、これまでの総復習を行うとともに、試験に向けた演習問題を行う。このような流れの中、第7回では、GPSや準天頂衛星みちびきなどの位置情報の利活用について学ぶ。
【コマ主題細目①】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、
【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」,第3章P36~37
【コマ主題細目②】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、
【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」,第3章P38~39
【コマ主題細目③】
【資料】コマ用オリジナル配付資料
コマ主題細目
① 位置情報とGPS ② アドレスマッチングとは ③ 位置情報を活用した演習
細目レベル
① 位置情報とは、地球上の特定の地点を示す情報であり、GPS(Global Positioning System)などの測位技術を用いて取得される。GPSは、アメリカが運用する全地球測位システムであり、複数の衛星から発信される電波を受信し、三角測量法を用いて現在地を算出する仕組みである。これに加え、日本独自の測位システムである準天頂衛星システム「みちびき」(QZSS)がGPSを補完し、特に日本国内での位置精度向上に貢献している。GPSの活用は、カーナビゲーション、スマートフォンの位置情報サービス、物流管理、災害時の救助活動など、多岐にわたる。近年では、農業や自動運転技術にも応用され、ドローンや自律走行トラクターの精密な制御にも利用されている。GPS以外にも、ロシアのGLONASS、EUのGalileo、中国のBeiDouなど、各国が独自の測位システムを開発しており、現在では複数のシステムを併用することで、より高精度な位置情報の取得が可能となっている。今後、測位技術の発展により、都市計画や環境モニタリング、個人のライフログ管理など、新たな分野での活用が期待されている。
② アドレスマッチングとは、住所データを基に対応する緯度・経度を取得する技術であり、GISや地理空間分析で頻繁に利用される。これは、ジオコーディング(Geocoding)の一種であり、特に住所情報を座標に変換することを指す。例えば、「東京都千代田区丸の内1-1-1」という住所をアドレスマッチングシステムに入力すると、対応する緯度・経度(35.6812, 139.7671 など)が取得できる。日本国内では、東京大学 空間情報科学研究センター(CSIS)のアドレスマッチングサービスが提供されており、CSV形式の住所リストを一括して座標変換できる。これにより、地図上にデータをプロットし、視覚的に分析することが可能となる。活用例として、顧客データの空間分布分析、不動産物件の地図表示、災害時の避難施設の管理などが挙げられる。ただし、アドレスマッチングの精度は、入力した住所の詳細度やシステムのデータベースに依存するため、市区町村レベルではなく、丁目や番地まで正確に入力することが望ましい。また、緯度・経度データの測地系(WGS84やJGD2000など)を適切に設定することで、GISとの互換性を確保することが重要である。
③ 位置情報を活用した演習では、実際のデータを収集し、GIS(地理情報システム)を用いて可視化・分析することで、位置情報の実践的な利用方法を学ぶ。今回の演習では、オススメスポットマップの作成をテーマに、身近な場所の地理情報を収集し、それを地図上に表現するプロセスを体験する。まず、Excelを使用して「オススメスポットデータベース」を作成する。対象とする場所の名称(例:お気に入りのカフェ、観光地、歴史的建造物など)と所在地(住所)をリスト化し、それをCSV形式で保存する。次に、アドレスマッチング(ジオコーディング)を用いて、住所データを緯度・経度に変換する。東京大学 空間情報科学研究センター(CSIS)のアドレスマッチングサービスを利用し、住所情報を座標データに変換することで、GIS上でプロット可能なデータセットを作成する。このデータには、名称、住所、緯度(fY)、経度(fX)が含まれる。続いて、取得した座標データをQGISに取り込み、地図上にポイントとして表示する。視認性を向上させるため、レイヤースタイルを調整し、異なる種類のスポット(飲食店、観光地、交通機関など)に異なるアイコンや色を割り当てる。さらに、ラベル設定を行い、名称が地図上に表示されるようにすることで、わかりやすい地図を作成する。背景地図としてオープンストリートマップ(OSM)をQGISに追加し、作成したスポットデータと重ね合わせることで、実際の地図と照らし合わせながら位置情報を確認する。これにより、特定のエリアの特徴やアクセス方法などを視覚的に理解しやすくなる。
キーワード
① 位置情報 ② GPS ③ ジオコーディング ④ アドレスマッチング ⑤ オープンストリートマップ
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【予習】教科書P36〜39に掲載されている測位技術に関して、どのようなものがあるか、オープンソースのソフトウェアなどについて確認し、内容について理解しておくこと。【復習】愛知県オープンデータカタログ(https://www.pref.aichi.jp/soshiki/joho/0000069391.html)
から県庁・市区町村役場をダウンロードし、東京大学の「アドレスマッチングシステム」を用いて、住所を緯度経度へ変換したうえで、QGISに取り込む作業をPC上で実施すること。名称のラベルを表示して文字化けしていないことを確認する。作業についてわからない部分があった場合には、コマ用オリジナル配付資料を読み返し、手順を確認する。特に、東京大学空間情報科学研究センターが提供する、住所情報を経緯度情報に変換する「アドレスマッチングシステム」については、PC上でのデータの設定方法や使い方はもちろん、変換結果をどのようにQGIS上で表示するのかについてしっかりと理解を深めておくこと。
8
年齢別人口分布図の作成~コロプレスマップの作成~
科目の中での位置付け
人間の活動はほとんどすべての事象が地理情報に紐付いており、我々の周辺においても地理情報で溢れかえっている。一方、「地理情報」という用語が、やや専門的な知識と技能が必要で理解が困難である印象を与えている。本講義では、地理情報とは何か、またそのような地理情報をわかりやすく可視化する技術(処理方法)の習得を目指している。第1回では本講義を進めるにあたっての注意事項や最終的な評価方法について説明するとともに、地図から分かること、地理情報システム(GIS)とは何かについて理解する。第2回では地理情報と地理空間データの構造について学び、地理情報を可視化するシステム「QGIS」の基本操作を理解する。第3回は地理情報に関するデータフォーマットやデータの加工について学び、第4回は、地理空間情報を取り扱う上で重要となる空間参照系を理解する。第5回では身近な地図を取り上げ、国土地理院が整備している基盤地図データを用いて、岡崎キャンパス周辺の地図の表示とGISから様々な情報を読み取る技術を修得する。第6回では防災・減災を考える上で役に立つ避難所マップの作成を学び、第7回は、位置情報の活用とGPS、準天頂衛星みちびきについて学ぶ。第8回は国勢調査データを用いた年齢別人口分布図の作成方法について学び、第9回では地形図を用いた山岳マップの作成方法を学習する。第10〜11回はジオリファレンス機能、衛星画像解析法について学び、第12〜14回はQGISのプラグイン機能を用いたカッパの出没マップの作成方法を学ぶ。最終回の第15回は、これまでの総復習を行うとともに、試験に向けた演習問題を行う。このような流れの中、第8回では、「政府統計の総合窓口:e-Stat」からデータを入手し年齢別人口分布図の作成について学ぶ。
【コマ主題細目①】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」,P110~111
【コマ主題細目②】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」,P111~115
【コマ主題細目③】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」,P115~119
コマ主題細目
① 階数区分図とは ② 政府統計の総合窓口「e-Stat」の活用 ③ コロプレスマップの作成
細目レベル
① 階級区分図(コロプレスマップ)とは、地理空間データを統計的なカテゴリに分類し、それぞれの区分を異なる色や濃淡で表現する地図である。この手法は、人口密度、年齢構成、経済指標、環境データなど、地域ごとの統計情報を視覚的に分かりやすく表現するために使用される。コロプレスマップは、行政区画(市町村、都道府県、国など)を基にデータを集約し、それぞれの領域に適した色を割り当てることで、統計データの分布を直感的に理解できる特徴がある。例えば、日本の高齢者割合の分布図を作成する際、65歳以上の人口割合に応じて都道府県を色分けすることで、高齢化が進んでいる地域とそうでない地域を一目で把握できる。一般的に、色の選択には「低値を薄い色、高値を濃い色で表現するグラデーション」や「対照的な色を用いたクラス分け」などの手法がある。GISソフトウェア(QGISやArcGIS)を用いることで、統計データと地理情報(行政区画など)を結び付け、容易にコロプレスマップを作成できる。この手法は、都市計画、環境政策、防災計画など、幅広い分野で活用されている。
② e-Statは、日本の各府省庁が公表する統計データを一元化し、誰でもアクセスできるように提供する政府統計のポータルサイトである。このサイトでは、人口統計、農業、環境、経済、医療など、さまざまな分野の統計データを検索・ダウンロードできる。GISを活用した地理空間分析を行う際、特に重要なデータとして国勢調査(Census)の人口分布データや、環境省の気象・生態系データがある。例えば、ある地域の年齢別人口分布を分析したい場合、e-Statで国勢調査データを検索し、該当する地域のデータをCSV形式でダウンロードする。次に、QGISなどのGISソフトに取り込み、行政区画データと統合することで、地域ごとの年齢構成を地図上に可視化できる。また、e-Statでは、「統計GIS」という機能を利用することで、特定の統計データを地図上で直接閲覧することも可能である。これにより、データの傾向を事前に確認し、必要な情報を効率よく抽出できる。e-Statのデータは、都市計画、地域政策、防災計画などの分野で広く活用されており、正確な統計情報を基にした意思決定を支援する重要なツールとなっている。
③ コロプレスマップの作成には、統計データと対応する地理空間データを統合し、視覚的に分かりやすく表現する手順が必要である。本演習では、岡崎市の年齢別人口分布図を作成することを目的とする。まず、政府統計の総合窓口「e-Stat」から国勢調査データを取得し、対象地域である愛知県の人口データをCSV形式でダウンロードする。あわせて、市町村境界データをShapefile形式で入手し、QGISで使用できる形式に整える。統計データはそのままでは利用できないため、不要な記号や文字列を削除し、数値データが正しく認識されるように加工する。特に、日本語の列名や空白、エラーデータ(「-」や「X」など)を取り除くことで、GISソフトウェアへの読み込みをスムーズに行うことができる。
次に、QGISを用いて市町村境界データを地図上に表示し、統計データを結合する。これにより、行政区ごとの人口情報を視覚化できるようになる。シンボロジ設定では、「連続値による定義」を選択し、人口データに応じた階級区分を設定する。例えば、「等間隔分類」や「分位数分類」を使用し、各区画の人口密度や年齢層別の分布を色の濃淡で表現する。若年層(5〜9歳)を青系、高齢者(75歳以上)を赤系で示すことで、世代別の人口の偏りが視覚的に把握しやすくなる。また、境界線を適度に強調し、各市町村の輪郭がはっきりと識別できるように調整する。
最終的に、ラベルを付与し、市区町村名を表示することで、地図の判読性を向上させる。さらに、凡例やスケールバーを追加し、適切なタイトルを設定することで、見やすい統計地図が完成する。作成したコロプレスマップは、PDFや画像ファイルとしてエクスポートし、レポートやプレゼンテーション資料として活用することができる。コロプレスマップは、都市計画、防災、環境分析などさまざまな分野で役立ち、統計データの空間的な傾向を直感的に理解するための有効な手法となる。
キーワード
① 階数区分図 ② コロプレスマップ ③ 政府統計e-Stat ④ 国勢調査 ⑤ 年齢別人口分布図
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【予習】教科書P110〜119に掲載されている「政府統計の総合窓口:e-Stat」で公開されている統計情報の概説や利用方法、データのフォーマットなどについて確認し、内容について理解しておくこと。【復習】該当する教科書の内容とコマ用オリジナル配付資料を読み返し、岡崎市の小学生低学年の人口分布図(コロプレスマップ)を作成すること。特に、統計データのダウンロード方法やデータ形式、拡張子やデータ型の指定、ファイルフォーマット、ファイル読み込み操作、レイヤのスタイル設定操作などについてしっかりと理解を深めておくこと。csvファイルおよびcsvtファイルを作成してテーブル結合を行う手順については繰り返し作業を行い、確実に身につけることが必要である。
9
地形図のお話~山岳マップの作成~
科目の中での位置付け
人間の活動はほとんどすべての事象が地理情報に紐付いており、我々の周辺においても地理情報で溢れかえっている。一方、「地理情報」という用語が、やや専門的な知識と技能が必要で理解が困難である印象を与えている。本講義では、地理情報とは何か、またそのような地理情報をわかりやすく可視化する技術(処理方法)の習得を目指している。第1回では本講義を進めるにあたっての注意事項や最終的な評価方法について説明するとともに、地図から分かること、地理情報システム(GIS)とは何かについて理解する。第2回では地理情報と地理空間データの構造について学び、地理情報を可視化するシステム「QGIS」の基本操作を理解する。第3回は地理情報に関するデータフォーマットやデータの加工について学び、第4回は、地理空間情報を取り扱う上で重要となる空間参照系を理解する。第5回では身近な地図を取り上げ、国土地理院が整備している基盤地図データを用いて、岡崎キャンパス周辺の地図の表示とGISから様々な情報を読み取る技術を修得する。第6回では防災・減災を考える上で役に立つ避難所マップの作成を学び、第7回は、位置情報の活用とGPS、準天頂衛星みちびきについて学ぶ。第8回は国勢調査データを用いた年齢別人口分布図の作成方法について学び、第9回では地形図を用いた山岳マップの作成方法を学習する。第10〜11回はジオリファレンス機能、衛星画像解析法について学び、第12〜14回はQGISのプラグイン機能を用いたカッパの出没マップの作成方法を学ぶ。最終回の第15回は、これまでの総復習を行うとともに、試験に向けた演習問題を行う。このような流れの中、第9回では、地形図について学ぶと共に、山岳マップの作成について演習を行う。
【コマ主題細目①】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」、第12章P123~124、【参考文献】「地形図を読む技術」、P10~31
【コマ主題細目②】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」、第12章P124~128
【コマ主題細目③】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」、第12章P128~130
コマ主題細目
① 数値標高モデルとは ② 地形図とは ③ 山岳マップ作成
細目レベル
① 数値標高モデル(DEM: Digital Elevation Model)とは、地表面を等間隔の正方形に区切り、各正方形の中心点の標高値を持たせたデータである。地形の起伏を数値データとして表現するため、GIS(地理情報システム)を活用して解析や可視化が可能となる。DEMの取得方法には、航空レーザー測量、写真測量、人工衛星搭載のレーダー観測などがあり、広域の標高データが取得できる。特に、NASAのスペースシャトル搭載レーダー(SRTM)は、世界全域の標高データを取得し、地形解析の基盤として利用されている。日本では国土地理院が1kmメッシュ、500mメッシュ、10mメッシュ、5mメッシュなどの異なる解像度の数値標高モデルを提供しており、都市計画や防災対策に役立てられている。DEMは、標高データを格子状に持つことで、連続的な地形解析を可能にし、様々な応用が考えられる。例えば、国土地理院の基盤地図情報からDEMデータをダウンロードし、GISソフトウェアに取り込むことで、標高分布の可視化や勾配の解析が可能となる。
② 地形図とは、地表の地形や標高の変化を詳細に示した地図であり、土地の起伏や自然地形、人工構造物を正確に表現するために用いられる。主に、等高線を用いて標高を表現し、山地、谷、丘陵、平野などの地形特徴を視覚的に把握できるようになっている。日本では、国土地理院が1/25,000や1/50,000の縮尺で発行する地形図が一般的に利用され、登山、防災、都市計画などさまざまな用途に活用されている。地形図には、標準地形図のほか、土地利用図、地質図、海図、火山基本図など、目的に応じた種類が存在する。また、近年では、紙の地形図だけでなく、地理院タイルを活用したオンライン地形図が提供されており、GISソフトウェアに取り込むことで、デジタル解析が可能となっている。地形図の特徴として、等高線の間隔が狭いほど急な斜面を示し、間隔が広いほど緩やかな地形であることが分かる。さらに、標高データと組み合わせることで、陰影図や3D表示を行い、より直感的に地形を把握できるようになる。
③ ネット上から入手したXML形式の数値標高モデル(DEM)は、そのままではGISソフトウェアで直接使用できないため、適切なフォーマットへの変換が必要となる。まず、「基盤地図情報ビューア」を用いてXML形式のデータをShapeファイル(Shapefile)に変換する。このShapeファイルはベクタデータとして扱われるが、標高データの解析や視覚化を行うためには、さらにGeoTIFF形式のラスタ画像に変換する必要がある。GeoTIFFは、地理情報を持つラスタ形式の画像であり、標高値をピクセル単位で格納できるため、標高データを地形図として扱うのに適している。次に、GeoTIFF形式に変換した標高データをもとに、標高ごとに色分けを行い、地形図の陰影図(ヒルシェード)を作成する。これにより、標高差が色のグラデーションとして視覚的に表現され、地形の起伏が直感的に把握しやすくなる。さらに、作成した陰影図に立体感を持たせるために、光源の方向を調整し、陰影の強調を行う。この陰影図と数値標高モデルのラスタ画像をGISの「混合モード(ブレンドモード)」機能を用いて乗算し、山岳地形のリアルな表現を完成させる。
キーワード
① 数値標高モデル ② 地形図 ③ DEM ④ XML形式 ⑤ GeoTIFF形式
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【予習】教科書P123〜130に掲載されている「数値標高モデル」とは何か、どこからダウンロードして、どう加工するのかなどについて確認し、「メッシュ」についても理解しておくこと。【復習】基盤地図情報のダウンロードより、富士山(メッシュ番号:533805)の10mDEMファイルをダウンロードし、標高図を作成せよ。作業手順についてわからない点がある場合には、該当する教科書の内容やコマ用オリジナル配付資料を読み返し、操作について確認しておく。特に、グリッドデータへの加工やラスタデータの色の付け方、乗算処理、標高データや陰影図などの作成について、授業中に思うような結果が出ていなかった人は、PC上のQGISアプリケーションを使ってもう一度演習を行い、しっかりと理解を深めておくこと。
10
ジオリファレンス ~画像を地図に重ねる~
科目の中での位置付け
人間の活動はほとんどすべての事象が地理情報に紐付いており、我々の周辺においても地理情報で溢れかえっている。一方、「地理情報」という用語が、やや専門的な知識と技能が必要で理解が困難である印象を与えている。本講義では、地理情報とは何か、またそのような地理情報をわかりやすく可視化する技術(処理方法)の習得を目指している。第1回では本講義を進めるにあたっての注意事項や最終的な評価方法について説明するとともに、地図から分かること、地理情報システム(GIS)とは何かについて理解する。第2回では地理情報と地理空間データの構造について学び、地理情報を可視化するシステム「QGIS」の基本操作を理解する。第3回は地理情報に関するデータフォーマットやデータの加工について学び、第4回は、地理空間情報を取り扱う上で重要となる空間参照系を理解する。第5回では身近な地図を取り上げ、国土地理院が整備している基盤地図データを用いて、岡崎キャンパス周辺の地図の表示とGISから様々な情報を読み取る技術を修得する。第6回では防災・減災を考える上で役に立つ避難所マップの作成を学び、第7回は、位置情報の活用とGPS、準天頂衛星みちびきについて学ぶ。第8回は国勢調査データを用いた年齢別人口分布図の作成方法について学び、第9回では地形図を用いた山岳マップの作成方法を学習する。第10〜11回はジオリファレンス機能、衛星画像解析法について学び、第12〜14回はQGISのプラグイン機能を用いたカッパの出没マップの作成方法を学ぶ。最終回の第15回は、これまでの総復習を行うとともに、試験に向けた演習問題を行う。このような流れの中、第10回では、ジオリファレンス機能についての演習を行う。
【コマ主題細目①②③】
【資料】コマ用オリジナル配付資料
【参考文献】
Georeferencing 実習編~画像を地図に重ねたい:ジオリファレンス~https://note.com/kinari_iro/n/na25ed8c3a3b6
GIS実習オープン教材 ジオリファレンス https://gis-oer.github.io/gitbook/book/materials/08/08.html#ジオリファレンス
コマ主題細目
① ジオリファレンスとは ② ジオリファレンサの起動 ③ ジオリファレンスの実行
細目レベル
① ジオリファレンス(Georeferencing)とは、位置情報を持たない画像データに対して、地理座標を付与する作業のことを指す。日本語では「幾何補正」とも呼ばれ、古地図や手書きの地図、航空写真などを現在の地図と重ね合わせる際に用いられる。例えば、豊橋の現在の地図上に過去の地形図を重ねることで、土地利用の変遷を視覚的に分析することができる。ジオリファレンスには、大きく分けて直接座標を指定する方法と、地図上の既存の点と対応させて座標値を取得する方法の2種類がある。直接座標を指定する方法では、画像の四隅に記載されている緯度・経度の情報を入力することで、地図の正確な位置を決定する。一方、対応関係を指定する方法では、既存のGISデータ(例:地理院地図)と比較しながら、共通の基準点を設定し、それに基づいて画像の位置を調整する。ジオリファレンスを適切に行うことで、過去の地図データや異なるソースから得られた画像データをGISで統合し、空間的な分析を行うことが可能になる。
② ジオリファレンスを行うためには、まずGISソフトウェア内で「ジオリファレンサ」ツールを起動する必要がある。QGISを使用する場合、「レイヤ」メニューから「ジオリファレンサ」を選択すると、専用のウィンドウが開く。このジオリファレンサウィンドウでは、ジオリファレンスを行うための各種ツールやオプションが用意されており、地図画像の読み込みや座標指定が可能となる。ジオリファレンスを実施するための第一歩として、対象となる地図画像をウィンドウ内に読み込む。例えば、明治時代に作成された藤川村の旧版地形図をジオリファレンサにインポートし、現代の地理院地図と比較することができる。次に、画像の四隅に記載されている緯度・経度を確認し、虫眼鏡ツールを使って拡大しながら、「点の追加」アイコンを用いて地図上の基準点を指定する。この基準点(GCP:Ground Control Point)は、最低でも4点以上設定する必要があり、広い範囲に分散して配置することでより精度の高いジオリファレンスが可能となる。基準点を設定した後、「変換の設定」を行うことで、次のジオリファレンス実行の準備が整う。
③ 今回は岡崎市南部の旧版地形図(tiff画像:図書館にあるものをスキャナで取り込んだもの)に位置情報を与える。まず、ジオリファレンサウィンドウで最低4つの基準点を指定し、[歯車アイコン]をクリックして「変換の設定」画面を開く。この画面では、変換方法や座標系の指定を行う。例えば、「変換タイプ」は線形変換を選択し、リサンプリング法には最近傍補間法を設定することで、元の画像の精度を保ったまま変換を実施できる。また、出力する座標系は、使用する地図の座標系と一致させる必要があり、例えばEPSG:3857(Webメルカトル)やEPSG:4612(日本測地系)を選択する。次に、「ジオリファレンスの開始」ボタンを押すことで、変換が実行され、元の画像が座標情報を持つラスタファイルとして出力される。変換後、QGISのメインキャンバスに新たなレイヤーとして追加され、地理院地図(XYZタイル)と重ね合わせることで、位置の精度を確認する。不透過率を70%程度に設定することで、元の画像と背景地図の整合性を視覚的に判断しやすくなる。ジオリファレンスの成功を確認したら、エクスポート機能を利用して、最終的な地図データを保存・共有することができる。
キーワード
① 旧版地形図 ② ジオリファレンス ③ 日本測地系 ④ 世界測地系 ⑤ GCP(Ground Control Point)
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【【予習】参考文献に掲載されているデータのダウンロード方法や加工方法などについて確認し、ジオリファレンスについて理解しておくこと。【復習】地図の対応関係を指定して座標値を得るジオリファレンスの手順を自身のパソコンで実施する。標準地図のXYZタイルを表示、古地図の取り込み、ジオリファレンス、乗算の処理について、操作の習熟を図る。理解できない操作があった場合には授業で配布したオリジナル資料を読み返し、パソコンでの作業を確認しておく。また、参考文献に掲載されているQGISの実習関連サイトには、授業中には触れることのできなかった細かい情報や、QGISのその他の機能なども紹介されている。これらのサイトで練習、確認を行えば、さらに深い学びを習得することができる。
11
衛星画像解析 ~ランドサット8衛星画像の利用法~
科目の中での位置付け
人間の活動はほとんどすべての事象が地理情報に紐付いており、我々の周辺においても地理情報で溢れかえっている。一方、「地理情報」という用語が、やや専門的な知識と技能が必要で理解が困難である印象を与えている。本講義では、地理情報とは何か、またそのような地理情報をわかりやすく可視化する技術(処理方法)の習得を目指している。第1回では本講義を進めるにあたっての注意事項や最終的な評価方法について説明するとともに、地図から分かること、地理情報システム(GIS)とは何かについて理解する。第2回では地理情報と地理空間データの構造について学び、地理情報を可視化するシステム「QGIS」の基本操作を理解する。第3回は地理情報に関するデータフォーマットやデータの加工について学び、第4回は、地理空間情報を取り扱う上で重要となる空間参照系を理解する。第5回では身近な地図を取り上げ、国土地理院が整備している基盤地図データを用いて、岡崎キャンパス周辺の地図の表示とGISから様々な情報を読み取る技術を修得する。第6回では防災・減災を考える上で役に立つ避難所マップの作成を学び、第7回は、位置情報の活用とGPS、準天頂衛星みちびきについて学ぶ。第8回は国勢調査データを用いた年齢別人口分布図の作成方法について学び、第9回では地形図を用いた山岳マップの作成方法を学習する。第10〜11回はジオリファレンス機能、衛星画像解析法について学び、第12〜14回はQGISのプラグイン機能を用いたカッパの出没マップの作成方法を学ぶ。最終回の第15回は、これまでの総復習を行うとともに、試験に向けた演習問題を行う。このような流れの中、第11回では、衛星画像の利用法についての演習を行う。
【【コマ主題細目①②③】
【資料】コマ用オリジナル配付資料
【参考文献】
衛星画像解析 実習編~Landsat8衛星画像で植生を映えさせた地図を描こう~https://note.com/kinari_iro/n/nfc6ee22bcd11
GIS実習オープン教材 リモートセンシングとその解析 https://gis-oer.github.io/gitbook/book/materials/06/06
コマ主題細目
① 衛星画像の種類 ② 衛星画像の入手と表示 ③ 衛星画像の解析
細目レベル
① 衛星画像とは、人工衛星に搭載されたセンサーを用いて地球表面の様々な波長の光を捉えたデジタルデータである。一般的に可視光(赤、緑、青)に加え、近赤外線や中赤外線、熱赤外線など、人間の目では見えない波長域の情報を含んでいる。これにより、植生や水域、地表の温度分布などを解析することができる。衛星画像は主に解像度や取得する波長域の違いによって分類される。例えば、Landsat8は米国地質調査所(USGS)が運用する衛星で、解像度は30mと高精度ではないが、11の異なる波長バンドを利用できるため、様々な環境解析に適している。また、Sentinel-2(欧州宇宙機関)やASTER(NASAと日本の協力による)といった衛星も、無料で利用可能なデータを提供しており、農業、森林管理、災害監視など幅広い分野で活用されている。各衛星が取得するデータは、用途に応じて異なるバンドを使用し、例えば農業や植生解析では、近赤外線を用いることで作物の健康状態を評価することができる。
② 衛星画像は、無料のオープンデータとして提供されているものが多く、適切な手順を踏めば誰でも利用することができる。例えば、日本上空のLandsat画像は、産業総合研究所(産総研)が運営するLandBrowserというウェブサービスからダウンロードできる。このサービスを利用するには、まず検索ページにアクセスし、関心のある地域を指定する。次に、撮影日時、使用する衛星(例:Landsat8)、雲の覆われている割合(Cloud Cover)を設定し、適切なデータを選択する。Landsat8のデータを取得する際には、EPSGを4326(地理座標系)、画像形式をGeoTIFFに設定し、必要なバンド(例:バンド2、3、4、5)をダウンロードする。これらのバンドデータは、個別に白黒画像として提供されるため、GISソフトウェア(QGISなど)に読み込み、バンドを適切に組み合わせることで、視覚的なカラー画像を作成することができる。特に、青・緑・赤の波長を組み合わせることで、自然なトゥルーカラー画像を表示できるほか、近赤外線を加えることで植生の状態を強調したナチュラルカラー画像の作成が可能となる。
③ 衛星画像の解析では、バンド演算を用いた植生解析や地表の分類が行われる。例えば、正規化植生指数(NDVI: Normalized Difference Vegetation Index)は、植生の活性度を評価するための指標であり、次の式で算出される。
NDVI = (バンド4 - バンド3) / (バンド4 + バンド3)
ここで、バンド4(近赤外)とバンド3(赤の可視光)を用いる理由は、健康な植物は近赤外を強く反射し、赤の波長を吸収するためである。NDVIの値が1に近いほど植生の活性が高く、0に近いほど非植生地(都市部や水域など)であることを示す。この計算は、QGISの「ラスタ計算機」を使用して行い、結果を単バンド疑似カラーで可視化する。さらに、NDVIデータと地図データを重ね合わせることで、都市部や農地の植生状態を比較したり、季節ごとの変化を分析したりすることができる。衛星画像の解析は、農業、環境監視、災害評価など多くの分野で活用され、適切なバンドの選択と解析手法を組み合わせることで、より詳細な空間情報を得ることが可能となる。
キーワード
① Landsat ② バンド ③ トゥルーカラー ④ ラスタ計算機 ⑤ NDVI
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【【予習】衛星画像解析実習編~Landsat8衛星画像で植生を映えさせた地図を描こう~(https://note.com/kinari_iro/n/nfc6ee22bcd11)をよく読み、衛星画像の特性について事前に把握する。【復習】自身のPCを用いてLandBrowserから自宅周辺の衛星画像をダウンロードし、ナチュラルカラー画像を作成する。さらに、それをOpenStreetMapに乗算で重ね合わせた地図を作成すること。操作手順に不明な箇所があれば、参考文献とコマ用オリジナル配付資料を読み返し、授業中理解できていなかった操作などについて、自身のパソコンや、コンピュータ室のパソコンを使用し確認しておく。なお、参考文献に掲載されているQGISの実習関連サイトには、授業中には触れることのできなかった細かい情報も紹介されている。これらのサイトを活用してさらに深い学びを習得することを勧める。
12
QGISプラグインの活用~カッパはどこにいるのか?①~
科目の中での位置付け
人間の活動はほとんどすべての事象が地理情報に紐付いており、我々の周辺においても地理情報で溢れかえっている。一方、「地理情報」という用語が、やや専門的な知識と技能が必要で理解が困難である印象を与えている。本講義では、地理情報とは何か、またそのような地理情報をわかりやすく可視化する技術(処理方法)の習得を目指している。第1回では本講義を進めるにあたっての注意事項や最終的な評価方法について説明するとともに、地図から分かること、地理情報システム(GIS)とは何かについて理解する。第2回では地理情報と地理空間データの構造について学び、地理情報を可視化するシステム「QGIS」の基本操作を理解する。第3回は地理情報に関するデータフォーマットやデータの加工について学び、第4回は、地理空間情報を取り扱う上で重要となる空間参照系を理解する。第5回では身近な地図を取り上げ、国土地理院が整備している基盤地図データを用いて、岡崎キャンパス周辺の地図の表示とGISから様々な情報を読み取る技術を修得する。第6回では防災・減災を考える上で役に立つ避難所マップの作成を学び、第7回は、位置情報の活用とGPS、準天頂衛星みちびきについて学ぶ。第8回は国勢調査データを用いた年齢別人口分布図の作成方法について学び、第9回では地形図を用いた山岳マップの作成方法を学習する。第10〜11回はジオリファレンス機能、衛星画像解析法について学び、第12〜14回はQGISのプラグイン機能を用いたカッパの出没マップの作成方法を学ぶ。最終回の第15回は、これまでの総復習を行うとともに、試験に向けた演習問題を行う。このような流れの中、第12回では、QGISのプラグインを用いてカッパの出没マップを作成する。
【コマ主題細目①】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」,第14章P137~139
【コマ主題細目②】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」,第14章P139~141
【コマ主題細目③】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」,第14章P142~143
コマ主題細目
① カッパは本当にいるのか? ② オープンデータの利用にあたって考えるべきこと ③ 河川データの加工
細目レベル
① カッパは日本の伝承に登場する妖怪で、主に河川や池などの水辺に生息するとされている。一般的な特徴としては、緑色の体、背中の甲羅、そして頭の上にある「皿」が挙げられる。この皿には水が溜まっており、これが乾燥すると力を失うとされる。また、カッパはキュウリが好物で、人間を水中に引きずり込むという話も伝わっている。この伝説を地理空間情報として検証するため、QGISのプラグインを活用し、カッパの出没が予想される地点を特定する。具体的には、カッパが生息するとされる「河川周辺地域」をGISデータから抽出し、その周辺の環境要素を分析する。まず、国土数値情報から河川データを取得し、河川から一定距離内の領域を特定する。さらに、キュウリ畑の位置を植生データから抽出し、カッパが好む環境を推定する。最後に、標高データを用いて日射量の少ないエリアを特定し、カッパの生息に適した環境を地図上で可視化する。このように、伝説上の存在であるカッパを科学的な視点から分析し、地理空間データを活用して実際の分布を仮説的に推定する試みを行う。
② オープンデータとは、政府機関や研究機関が無料で公開しているデータのことであり、GISを活用した地理空間分析において重要な役割を果たす。しかし、オープンデータを使用する際にはいくつかの注意点がある。まず、空間参照系の統一が必要である。異なるデータセットを統合する際、各データの座標系が異なると、地図上で正確に重ね合わせることができない。例えば、日本国内では「JGD2000(EPSG:4612)」や「UTM Zone 53N(EPSG:3099)」などが一般的に使用されており、データの座標系を統一することで誤差を防ぐことができる。次に、データの正確性や信頼性の確認も重要である。オープンデータには、更新頻度が低いものや、測定精度が低いものも含まれている。そのため、データの出典を確認し、必要に応じて異なるソースと比較検証することが求められる。また、データの著作権やライセンスにも注意が必要である。例えば、国土地理院のデータは「クリエイティブ・コモンズ(CC BY 4.0)」のもとで公開されており、出典を明記すれば自由に利用できる。しかし、一部のデータは商用利用が制限されているため、事前にライセンス条件を確認することが不可欠である。このように、オープンデータを適切に活用するためには、座標系の統一、データの信頼性の確認、ライセンスの遵守といった点に留意する必要がある。適切に処理すれば、GISを用いた地理空間分析の精度を高め、研究や実務に役立てることができる。
③ 河川データの加工は、地理空間解析において重要な手順であり、特にカッパの生息地を特定するためには、河川周辺の環境を適切に分析する必要がある。まず、国土数値情報の「河川」データをダウンロードし、QGISにインポートする。河川データはGML形式で提供されるため、QGISの「ベクタレイヤの追加」機能を使用して読み込む。この際、データに空間参照系が設定されていないことがあるため、「JGD2000(EPSG:4612)」や「UTM Zone 53N(EPSG:3099)」を適用することで、座標系の統一を行う。次に、河川データを解析しやすい形式に変換する。Shapeファイル(Shapefile)としてエクスポートすることで、他の地理空間データと統合しやすくなる。さらに、河川データをラスタ形式(GeoTIFF)に変換することで、距離解析や環境要因の分析を行いやすくなる。ラスタ化の際には、解像度を10mメッシュに設定し、各ピクセルに河川の存在を0(なし)または1(あり)として格納する。ラスタ化した河川データを用いて、「河川からの距離図」を作成する。これは、カッパの生息環境を推定するための重要なステップであり、QGISの「ラスタ解析」ツールを使用して、河川から1km以内の領域を抽出する。このように、河川データの加工には、座標系の統一、データ形式の変換、距離解析といった一連のプロセスが含まれる。適切な処理を行うことで、地理空間データを有効活用し、環境分析や生態研究、防災対策などに応用することが可能となる。
キーワード
① 河川データ ② 標高データ ③ 空間参照系 ④ UTM ⑤ ラスタ化
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【予習】教科書P137〜P142をよく読み、国土数値情報の河川データを加工して「河川からの距離図」を作成する方法について確認しておくこと。【復習】国土数値情報サイトから「河川」マップをダウンロードし、緯度経度座標系からUTM座標系へ河川データの投影方法を変換、その後ベクタデータからラスタデータへの変換、ラスタ解析による距離計算を行うという一連の手順を自身のパソコンで再度行う。得られた結果についてはGoogle satelliteのXYZと乗算処理で重ね合わせる。これらの手順について不明な箇所があれば、授業で配布したオリジナル資料を見返して、しっかりと操作方法を身につけておくこと。また、SAGA、GRASSというプログラムをインストールするとともにプラグインの追加方法についても再確認しておくこと。
13
QGISプラグインの活用~カッパはどこにいるのか?②~
科目の中での位置付け
人間の活動はほとんどすべての事象が地理情報に紐付いており、我々の周辺においても地理情報で溢れかえっている。一方、「地理情報」という用語が、やや専門的な知識と技能が必要で理解が困難である印象を与えている。本講義では、地理情報とは何か、またそのような地理情報をわかりやすく可視化する技術(処理方法)の習得を目指している。第1回では本講義を進めるにあたっての注意事項や最終的な評価方法について説明するとともに、地図から分かること、地理情報システム(GIS)とは何かについて理解する。第2回では地理情報と地理空間データの構造について学び、地理情報を可視化するシステム「QGIS」の基本操作を理解する。第3回は地理情報に関するデータフォーマットやデータの加工について学び、第4回は、地理空間情報を取り扱う上で重要となる空間参照系を理解する。第5回では身近な地図を取り上げ、国土地理院が整備している基盤地図データを用いて、岡崎キャンパス周辺の地図の表示とGISから様々な情報を読み取る技術を修得する。第6回では防災・減災を考える上で役に立つ避難所マップの作成を学び、第7回は、位置情報の活用とGPS、準天頂衛星みちびきについて学ぶ。第8回は国勢調査データを用いた年齢別人口分布図の作成方法について学び、第9回では地形図を用いた山岳マップの作成方法を学習する。第10〜11回はジオリファレンス機能、衛星画像解析法について学び、第12〜14回はQGISのプラグイン機能を用いたカッパの出没マップの作成方法を学ぶ。最終回の第15回は、これまでの総復習を行うとともに、試験に向けた演習問題を行う。このような流れの中、第14回では、前回に引き続いてQGISのプラグインを用いてカッパの出没マップを作成する。
【コマ主題細目①】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」,第14章P143~144
【コマ主題細目②】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」,第14章P143~149
【コマ主題細目③】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」,第14章P149~154
コマ主題細目
① カッパ出没マップ作成の方針 ② 畑地面積率の計算 ③ 日射量図の作成
細目レベル
① カッパ出没マップの作成では、カッパが生息するとされる条件を満たす地理的要素をGISを用いて抽出し、視覚的に分析する。カッパの生息地として考えられるのは、河川の周辺地域であり、さらにカッパの好物であるキュウリが栽培されている畑地が多い場所、そして頭の皿の乾燥を防ぐために日射量が少ない地域が適していると仮定する。まず、国土数値情報の河川データを使用し、河川からの距離解析を実施することで、カッパが生息する可能性の高い範囲を特定する。次に、環境省の植生調査データを利用し、畑地を抽出する。具体的には、GISソフトウェアで「畑雑草群落」と分類される領域を選択し、面積の大きい畑地を抽出する。最後に、標高データを基に日射量が少ないエリアを特定し、日射条件が適している地域を抽出する。これらの条件を組み合わせたマップを作成することで、カッパの出没が予測されるエリアを地図上で可視化することができる。
② 畑地面積率の計算は、GISを用いて特定の地域における畑地の割合を求める作業である。まず、環境省の自然環境調査Web-GISから提供される植生データをダウンロードし、QGISにインポートする。データはShapeファイル(Shapefile)形式で提供されており、読み込む際に空間参照系をJGD2000(EPSG:4612)に統一する。次に、植生データの属性テーブルを開き、「畑雑草群落」と分類されている地物のみを選択する。これは、QGISの「式を使った地物選択」ツールを利用し、フィールド名「Hanrei_N」から「畑雑草群落」を抽出することで実行できる。抽出後、選択した畑地データを新しいShapeファイルとしてエクスポートし、さらにラスタデータに変換する。QGISの「ベクタのラスタ化」機能を使用し、畑地エリアをラスタ画像として保存することで、面積の計算が可能になる。最後に、QGISの「ラスタ計算機」を使用し、畑地ピクセル数を全体のピクセル数で割ることで畑地面積率を求める。この計算結果を視覚化し、マップ上で色分けすることで、地域ごとの畑地の分布を明確に示すことができる。
③ 日射量図の作成では、標高データを活用して地表の日射条件を解析する。まず、国土地理院が提供する標高データ(GeoTIFF形式)をQGISに読み込み、空間参照系をJGD2000/UTM Zone 53N(EPSG:3099)に変換する。次に、日射量の解析に必要な傾斜(Slope)と傾斜方位(Aspect)のデータを作成する。傾斜データはQGISの「ラスタ解析」ツールを使用して生成し、地形の傾きが急な場所と緩やかな場所を区別することができる。同様に、傾斜方位データを作成し、南向き斜面や北向き斜面の違いを可視化する。これらのデータを基に、GRASS GISの「r.sun.insoltime」ツールを使用し、総日射量を計算する。日射量の計算には、標高データ(DEM)、傾斜データ、傾斜方位データを入力し、特定の日(例えば、夏至の日)の日射量をシミュレーションすることができる。出力された日射量データ(DEM-Irra.tif)は、日射量の多い場所を赤色、少ない場所を青色に設定し、視覚的に分かりやすいマップとして表示する。これにより、カッパの生息に適した「日射量の少ないエリア」を抽出し、最終的なカッパ出没マップの作成に活用することができる。
キーワード
① 畑地面積率 ② 植生データ ③ Simple Filter ④ 日射量図 ⑤ GRASS GIS
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【予習】教科書P143〜P154をよく読み、分からない箇所を事前に確認する。特に、「畑地面積率図」および「日射量図」の作成方法について予め確認しておくこと。【復習】教科書P143〜P154の内容やコマ用オリジナル配付資料を読み返し、授業中理解できていなかった操作などについて確認するとともに、自身のパソコンで再度演習を実施する。特に、環境省のホームページからの植生図のダウンロード、投影法の変換、属性選択による畑地の抽出、畑地面積率の計算、標高データから日射量の計算、傾斜データの作成、そして日射量図の作成などについて、一連の手順が身についていない場合には、コマ用オリジナル配付資料を読み返しながら、PC上のQGISアプリケーションを使ってもう一度演習を行い、しっかりと操作方法を身につけておくこと。
14
カッパはどこにいるのか?~QGISプラグインの活用③~
科目の中での位置付け
人間の活動はほとんどすべての事象が地理情報に紐付いており、我々の周辺においても地理情報で溢れかえっている。一方、「地理情報」という用語が、やや専門的な知識と技能が必要で理解が困難である印象を与えている。本講義では、地理情報とは何か、またそのような地理情報をわかりやすく可視化する技術(処理方法)の習得を目指している。第1回では本講義を進めるにあたっての注意事項や最終的な評価方法について説明するとともに、地図から分かること、地理情報システム(GIS)とは何かについて理解する。第2回では地理情報と地理空間データの構造について学び、地理情報を可視化するシステム「QGIS」の基本操作を理解する。第3回は地理情報に関するデータフォーマットやデータの加工について学び、第4回は、地理空間情報を取り扱う上で重要となる空間参照系を理解する。第5回では身近な地図を取り上げ、国土地理院が整備している基盤地図データを用いて、岡崎キャンパス周辺の地図の表示とGISから様々な情報を読み取る技術を修得する。第6回では防災・減災を考える上で役に立つ避難所マップの作成を学び、第7回は、位置情報の活用とGPS、準天頂衛星みちびきについて学ぶ。第8回は国勢調査データを用いた年齢別人口分布図の作成方法について学び、第9回では地形図を用いた山岳マップの作成方法を学習する。第10〜11回はジオリファレンス機能、衛星画像解析法について学び、第12〜14回はQGISのプラグイン機能を用いたカッパの出没マップの作成方法を学ぶ。最終回の第15回は、これまでの総復習を行うとともに、試験に向けた演習問題を行う。このような流れの中、第14回では、前回に引き続いてQGISをプラグインを用いてカッパの出没マップを作成する。
【コマ主題細目①】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」,P137~154
【コマ主題細目②】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」,P154~157
【コマ主題細目③】
【資料】コマ用オリジナル配付資料、【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」,P157~162
コマ主題細目
① 各種作成ファイルの確認 ② 3つのGISファイルの融合 ③ カッパ遭遇危険度マップの完成
細目レベル
① カッパ遭遇危険度マップを作成するためには、これまでに作成した各種GISファイルを適切に整理し、正しく読み込むことが重要である。本演習では、河川距離地図(KasenRasterDist.tif)、畑地面積率マップ(HatakeMenseki.tif)、日射量図(DEM-Irra.tif)の3つのラスタデータを使用する。これらのファイルは、それぞれ異なる解析過程で作成されているため、空間参照系が統一されているかを確認する必要がある。具体的には、各データの座標系がJGD2000/UTM Zone 53N(EPSG:3099)に統一されていることを確認し、もし異なっている場合はQGISの「再投影」ツールを使用して変換を行う。また、ラスタデータの解像度が一致していない場合は、「リサンプリング」機能を用いて統一し、データの空間的な整合性を確保する。さらに、各ラスタファイルのデータ範囲(最小値・最大値)を確認し、数値スケールが適切かをチェックする。これにより、最終的な融合プロセスでのエラーを防ぐことができる。
② GISデータの融合では、3つのラスタファイルをQGISの「ラスタ計算機」を用いて統合し、カッパ遭遇危険度を示す新しいラスタデータ(Kappa.tif)を作成する。まず、「ラスタ」メニューから「ラスタ計算機」を開き、それぞれのファイルを数値的に統合する数式を入力する。例えば、カッパの出没に影響を与える要因として、河川からの距離が短い(KasenRasterDistが小さい)、畑地面積率が高い(HatakeMensekiが大きい)、日射量が少ない(DEM-Irraが小さい)といった条件を加味し、式を用いて融合することができる。この式により、河川に近く、畑が多く、日射量が少ない地域ほど高い数値が得られるようになる。計算を実行すると、新しいラスタデータ(Kappa.tif)が出力され、これがカッパ遭遇危険度を示すマップの基礎となる。次に、「シンボロジ」設定を開き、カラーマップを適用して視覚的に分かりやすい配色を設定する。例えば、危険度の高いエリアを赤、低いエリアを青に設定することで、カッパの生息しやすい場所を直感的に把握できるようになる。
③ カッパ遭遇危険度マップの最終調整として、陰影図(DEM-kage)を背景に重ねることで、地形の特徴を強調する。まず、DEMファイルから陰影図を作成し、「ラスタ解析」ツールの「陰影図」機能を使用してDEM-kage.tifを作成する。これにより、標高や地形の影響を視覚的に表現できる。次に、Kappa.tifのレイヤー設定を変更し、シンボロジの「カラーレンダリング」を「乗算」に設定することで、陰影図と合成し、よりリアルな地図表現を実現する。最終的に、QGISの印刷レイアウト機能を活用し、タイトル、凡例、スケールバー、縮尺図を追加して、地図としての完成度を高める。さらに、適切な出力フォーマット(PDFやPNG)を選択し、プレゼンテーションやレポートに活用できる形に整える。これにより、GISを活用した環境分析のプロセスを学びつつ、伝説的な存在であるカッパの生息域を科学的に考察することが可能となる。
キーワード
① 河川距離図 ② 畑地面積率図 ③ 日射量図 ④ バッファ ⑤ 危険度マップ
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【予習】教科書P154〜P162の内容をよく読み、理解が難しい箇所について事前に把握する。特に、「ラスタ計算機」および「空間演算ツールのバッファ」について予め確認しておくこと。【復習】教科書P154〜P162および今回の授業オリジナル資料だけでなく、第12回および第13回の授業該当する教科書の内容とオリジナル配付資料もあわせて読み返し、授業中理解できていなかった操作などについて確認しておく。特に、植生データからの畑地面積率の計算、標高データから日射量の計算、傾斜データの作成、そして日射量図の作成、そしてそれらの情報の統合方法について、PC上のQGISアプリケーションを使ってもう一度演習を行い、しっかりと操作方法を身につけておくこと。
15
地理情報処理に関する総復習
科目の中での位置付け
人間の活動はほとんどすべての事象が地理情報に紐付いており、我々の周辺においても地理情報で溢れかえっている。一方、「地理情報」という用語が、やや専門的な知識と技能が必要で理解が困難である印象を与えている。本講義では、地理情報とは何か、またそのような地理情報をわかりやすく可視化する技術(処理方法)の習得を目指している。第1回では本講義を進めるにあたっての注意事項や最終的な評価方法について説明するとともに、地図から分かること、地理情報システム(GIS)とは何かについて理解する。第2回では地理情報と地理空間データの構造について学び、地理情報を可視化するシステム「QGIS」の基本操作を理解する。第3回は地理情報に関するデータフォーマットやデータの加工について学び、第4回は、地理空間情報を取り扱う上で重要となる空間参照系を理解する。第5回では身近な地図を取り上げ、国土地理院が整備している基盤地図データを用いて、岡崎キャンパス周辺の地図の表示とGISから様々な情報を読み取る技術を修得する。第6回では防災・減災を考える上で役に立つ避難所マップの作成を学び、第7回は、位置情報の活用とGPS、準天頂衛星みちびきについて学ぶ。第8回は国勢調査データを用いた年齢別人口分布図の作成方法について学び、第9回では地形図を用いた山岳マップの作成方法を学習する。第10〜11回はジオリファレンス機能、衛星画像解析法について学び、第12〜14回はQGISのプラグイン機能を用いたカッパの出没マップの作成方法を学ぶ。最終回の第15回は、これまでの総復習を行うとともに、試験に向けた演習問題を行う。このような流れの中、第15回では、これまで学んだ内容の総復習をする。
【コマ主題細目①】
【資料】これまで配布したコマ用オリジナル配付資料すべて、【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」P14〜26
【コマ主題細目②】
【資料】これまで配布したコマ用オリジナル配付資料すべて、【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」P24
【コマ主題細目③】
【資料】これまで配布したコマ用オリジナル配付資料すべて、【教科書】「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」P163〜173
コマ主題細目
① 総復習①(GISファイルの読み込み) ② 総復習②(レイヤオブジェクトの設定) ③ 総復習③(プリントレイアウトの設定)
細目レベル
① これまで学んだ内容に関して、理解が追いついていない内容や足りない内容、重要で理解が必須の内容について復習を行う。特に、ファイル読み込み時のファイルフォーマットや文字エンコーディング、空間参照系について理解していない場合は、GISアプリケーションで該当ファイルを読み込んだ際に表示されないことが多々ある。データの中身をまずは把握し、どういったファイル形式のものを、どういう設定で読み込み、どのような空間参照系(直接参照方式/間接参照方式、測地系/地理識別子など)により変換すべきか、本コマでしっかりと復習し、入手した地理情報データファイルをイメージ通り表示できるところまで、操作方法を理解することが望まれる。
② 読み込んだ地理情報データを可視化する際のレイヤの種類や取り扱い、色や線、ポリゴン、テキストなどの表示スタイル、重ね合わせ時の前後の配置や見え方など、GISアプリケーションの操作に関して、演習を通して復習する。また、間接参照方式である住所情報から、直接参照方式の緯度経度情報への変換について、東京大学空間情報科学研究センターが提供するアドレスマッチングサービスを利用する方法について、今後、GISを使う上で必要性の高い操作方法であるため、しっかり理解しておく必要がある。本コマでは、講義で学んだジオコーディング操作について復習を行い、自分の知識・技術として定着するよう本コマで最低限押さえておく。
③ 本講義で使用しているQGISは、Officeや他のアプリケーション同様に印刷機能(プリントレイアウト機能)があるが、地図の配置や重ね合わせなどにコツが必要である。本コマでは、地図を見やすく分かりやすく印刷する方法を説明する。マップキャンパスに可視化した地図を紙の地図や画像データとして保存するためには「レイアウト」機能を使用するが、レイアウト上にマップキャンパスに可視化された「地図」「タイトル」「スケール」「画像」などを配置することで、最終的な出力イメージを作成する。期末の演習試験においては、演習結果をプリンタで出力し提出するため、本コマで学ぶ操作は、必ず理解し、自分一人で正しく印刷ができるよう練習することが重要である。
キーワード
① レイヤ ② 空間参照系 ③ アドレスマッチング ④ プリントレイアウト ⑤ 演習問題
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【予習】これまで授業で配布したコマ用オリジナル配付資料や教科書、復習課題をよく読み、分からない箇所について事前に把握する。また、理解ができていないQGISアプリケーションの操作については、教科書や配付資料をもとに、独自にもう一度演習しておくこと。【復習】本日の授業の復習内容について、該当する教科書の内容やコマ用オリジナル配付資料を読み返し、操作方法については何の資料を見ずとも実行できるよう十分に復習しておくこと。特に、地図を複数読み込む、空間参照系を変更する、アドレスマッチングをする、乗算処理により重ね表示する、空間結合する、プラグインを利用する、プリントレイアウトの使い方などについては、PC上のQGISアプリケーションを使ってもう一度演習を行い、確実に操作方法を身につけておくこと。
履修判定指標
履修指標
履修指標の水準
キーワード
配点
関連回
QGISの基本的な操作に習熟している
GISアプリケーションの基本操作を理解していること。例えば、アプリケーションの起動、終了、新規プロジェクトの作成、複数ファイルの読み込み、レイヤオプションの使い方、画面上のアイコンや機能の説明が出来ること。また、基本的なフォーマットであるShapeファイルについての構成を理解し、地図上に可視化できること。読み込む際には、ベクターデータとラスターデータの使い分けについて、しっかり理解した上で利用出来ることが重要である。
GIS、地理空間データ、ファイル、開く、レイヤー、ラスタ、ベクタ、読み込み
20
第1回、第2回
空間参照系(測地系、座標系)を理解し、ファイルを開くことができる
既存の地理空間データファイルを読み込む際には、空間参照系(直接参照方式/間接参照方式、測地系、投影法、地理識別子など)を意識して地図ファイルを開く必要がある。これらを意識せずに読み込んだ場合、ファイルの重ね合わせのミスや空間情報解析、空間結合、位置精度の保証が困難になる。これら空間参照系とは何か、空間参照系の重要性を理解しつつ、PCのGISアプリ上で、適切な空間参照系にファイルを変換し、地理空間データが利用できるようにすること。
空間参照系、測位系、緯度経度、位置情報、直接参照方式、間接参照方式、CRS、WGS84、地理座標系、地理識別子、ジオリファレンス
10
第4回、第10回
エンコードを理解し、ファイルを開くことができる
既存の地理空間データファイルを読み込む際には、そのファイルのエンコードを意識してファイルを開く必要がある。これらを意識せずにファイルを読み込んだ場合、ファイル内のテキストデータに文字化けが起こることや、異なる数値やテキスト情報に置き換えられるなど、地理空間データとしての精度が担保できなくなる。これらエンコードの重要性を意識して、PCのQGISアプリケーション上で、正しくエンコーディングを行い、地理空間データが利用できるようにする。
SJIS、ファイル、エンコーディング、UTF、ESC、KML
5
第3回
データフォーマットを理解し、ファイルを開くことができる
既存の地理空間データファイルを読み込む際には、そのファイルのデータ形式やデータフォーマットを意識してファイルを開く必要がある。これらを意識せずにファイルを読み込んだ場合、数値やテキスト情報が意図しない情報に変換されていたり、文字化けして無意味な記号に変換されていたり、他の項目として扱われたり、地理空間データとしての精度が担保できなくなる。これらデータフォーマットの重要性を意識して、地理空間データが利用できるようにする。
CSV、XML、XLSX、フォーマット、JSON、GeoTIFF、KML、タイル地図
5
第3回
地図中のオブジェクトの色やパターン、大きさなどのスタイルを変更できる
QGISアプリケーションの応用操作を理解していること。例えば、表示している地図のレイヤプロパティを開き、地図上の対象となるオブジェクト(ポリゴンやライン、テキストなど全て)に対して、オブジェクトの色や線種、線の太さ、塗りつぶし、表示パターンなど、地図や凡例のスタイル(見え方)を自由に設定できるようにすること。また、地図を乗算処理したり、半透明にするなどの方法を用いて適切に重ね合わせ、目的とする主題図の作成が可能であること。
レイヤ、シンボル、色、スタイル、罫線、ライン、SVG、アイコン、カラム、分類数、ヒストグラム
30
第5回、第8回
衛星画像の取り扱いができる(表示、バンドの指定、ラスタ解析)
衛星画像解析の際に必要となる知識とQGISの操作を身につけていること。例えば、衛星画像にはどのような種類があるか、それらをダウンロードする方法、衛星画像のバンドの種類、ラスター画像としての表示の方法、バンドを組み合わせてラスタデータを作成する方法などの基本的な操作に加えて、NDVI(正規化植生指標)などを算出するためのラスタ演算(ラスタ計算機の使用)が行えること。特に、ラスタ解析は重要な解析手法なので、必ず理解し、操作をマスターしておくこと。
Landsat、バンド、トゥルーカラー、ラスター計算機、NDVI
5
第11回
プラグインツールを利用することができる
GRASS GISおよびプラグインツールについてその特性を理解し、実際に利用できること。とくに、ラスタデータに対しては、ラスタ計算機を用いた分析の実施とともに、ラスタスタイルを変更して適切な可視化が実行できること。その他、ベクタのラスタ化、ラスタ解析ツールであるProximityや傾斜、ツールボックス内のプロセッシングツールを用いて、GRASS GISが使えること。OpenLayerプラグインやSimple Filterなど、教科書範囲内に出てくる機能について理解していること。
ツールボックス、GRASS、OpenLayer、傾斜、ラスタ解析ツール、ラスタ計算機、ラスタスタイル
5
第10回、第13回、第14回
住所から緯度経度に座標変換ができる
東京大学空間情報科学研究センターが提供する「アドレスマッチング」の仕組みと使い方を理解していること。このマッチングを行うにあたっては、元データであるcsvファイルフォーマット、住所の表記方法、文字列情報のエンコード、空間参照系などを考慮する必要がある。また変換後のデータの理解も重要である。本指標では、アドレスマッチングを用いてジオコーディングを実施し、変換後のデータを地図上に可視化できるかどうかまでを指標とする。
アドレスマッチング、ジオコーディング、変換、位置情報、直接参照方式、間接参照方式、緯度経度、住所
10
第6回,第7回
地図の印刷ができる
QGISの印刷レイアウト作成機能を自由に使えること。紙上への印刷のためのプリントレイアウト機能の使い方や、アイテムプロパティの使い方、枠線の入力、縮尺表示やタイトルおよび氏名、学籍番号の配置、スケールバーや方位記号、全体図、凡例、縮小図などを指定された位置に設定できることが望まれる。また、印刷にあたっては、A4横一枚に綺麗に収まるように調整ができ、指示どおりの結果で印刷を完了させることができることが重要である。
印刷、プリントレイアウト、タイトル、縮尺、レイアウト、スケールバー、方位記号、凡例
10
第15回
評価方法
持ち込み不可の期末試験(100%)により評価する。
評価基準
評語
学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・
S (100~90点)
学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・
A (89~80点)
学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・
B (79~70点)
学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・
C (69~60点)
学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・
D (60点未満)
教科書
朝日孝輔他、「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」技術評論社、3,580円
参考文献
①橋本雄一編、「QGISの基本と防災活用」古今書院、3,000円、 ②今木洋大他、「QGIS入門【第2版】」古今書院、3,300円、③山岡光治、「地図を読む技術」サイエンス・アイ新書、1,200円
実験・実習・教材費
適宜、プリントを配布する