区分
(生)フィールド生態科目 フィールド生態共通科目 (環)フィールド生態科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
専門性
理解力
実践力
カリキュラム・ポリシーとの関係
専門知識
教養知識
思考力
実行力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
科目の目的
人間が生きていく上で開発事業は避けて通れないが,その事業に伴う環境への影響を可能な限り低減することで,環境保全と社会発展の調和を図ることが求められる.環境アセスメントはそのための考え方と手法が整理されたものであり,環境保全を目指す上で学ぶべき事が多い.事実,環境系の資格である環境アセスメント士や技術士の過去問でも取り上げられることの多い内容である.本講義では,手戻りの少ないよう設計された,環境アセスメントの手順や手法を理解する.さらに.環境問題を科学的かつ社会的な視点から総合的に理解し,持続可能な社会の実現に向けた意思決定に必要な基礎知識と考え方を身につけることを目的とする.
到達目標
環境アセスメント制度の目的や手続きの流れを把握できるようになる.また,各手続きや関連図書(配慮書・方法書・準備書・評価書・追跡調査報告書)の内容等について習得する.さらに,環境アセスメント制度の抱える課題やそれに対する改善点についても理解できるようになる.環境アセスメント制度は法律的な規定が多くを占めるため暗記重視と勘違いされやすいが,上記の目的・手続きの流れや内容・課題などについて,自分の言葉で説明できるようになることが望ましい.
科目の概要
本講義では,①環境アセスメント制度の概要,②各手続きの内容,③環境アセスメントの事例を学ぶことで,環境アセスメント制度に対する理解を深める.
①に関する第1~3回目の講義では,環境アセスメント制度が持続可能な開発と関連深く環境と開発の両方を視野に入れた現実的な制度であることや,手戻りの少ない手順が考慮されている制度であることを紹介する.
②に関する第4~11回目の講義では,各手続によって作成される図書(配慮書,方法書,準備書,評価書,追跡調査報告書)の内容や位置づけを紹介するとともに,実際の調査内容についても触れる.
③に関する第12~14回目の講義では,環境アセスメントの事例として藤前干潟や海上の森の事例を紹介する.具体的な事例を紹介する中で,環境アセスメントの効果や課題に触れるとともに,参加する多様な主体(事業主,実務者,行政,専門家,市民…)の役割などについても解説する.
最後の第15回目は上記内容を総括する時間とし,内容理解の深化を図る.
科目のキーワード
①環境アセスメント、②配慮書、③方法書、④準備書、⑤評価書、⑥追跡調査報告書
授業の展開方法
主たる参考図書として「環境アセスメント学入門―環境アセスメントを活かそう―(環境アセスメント学会編,恒星社厚生閣)」の内容を基に,環境アセスメント制度の概要,各手続きの流れとその内容,事例紹介を行うことで,環境アセスメント制度の目的や実際の運用や課題などについて理解できるような講義を行う.また,環境アセスメントや影響予測や評価の方法に関する学術文献等の知見の紹介も併せて行い,環境アセスメントの実態についても理解できる講義を行う.以下の講義の予定は聴講者の理解度によって変更がありうる.
オフィス・アワー
【月曜日】2時限目,昼休み,【金曜日】2時限目,昼休み
科目コード
ENS240
学年・期
3年・前期
科目名
環境アセスメント論
単位数
2
授業形態
講義
必修・選択
選択
学習時間
【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目
なし
展開科目
環境センシング実習
関連資格
なし
担当教員名
小野田幸生
回
主題
コマシラバス項目
内容
教材・教具
1
環境アセスメントとは?
科目の中での位置付け
本講義では,①環境アセスメント制度の概要,②各手続きの内容,③環境アセスメントの事例を学ぶことで,環境アセスメント制度に対する理解を深める.
①に関する第1~3回目の講義では,環境アセスメント制度が持続可能な開発と関連深く環境と開発の両方を視野に入れた現実的な制度であることや,手戻りの少ない手順が考慮されている制度であることを紹介する.
②に関する第4~11回目の講義では,各手続によって作成される図書(配慮書,方法書,準備書,評価書,追跡調査報告書)の内容や位置づけを紹介するとともに,実際の調査内容についても触れる.
③に関する第12~14回目の講義では,環境アセスメントの事例として藤前干潟や海上の森の事例を紹介する.具体的な事例を紹介する中で,環境アセスメントの効果や課題に触れるとともに,参加する多様な主体(事業主,実務者,行政,専門家,市民…)の役割などについても解説する.
最後の第15回目は上記内容を総括する時間とし,内容理解の深化を図る.
上記の全体計画の中,第1回目の講義では.環境アセスメントの枠組みの概要について扱うとともに,持続可能な開発との関連についても紹介する.
コマ主題細目①~③:
・配布資料
参考資料:「環境アセスメント学入門―環境アセスメントを活かそう―(環境アセスメント学会編,恒星社厚生閣)」P.9~21
コマ主題細目
① 環境アセスメント ② 予防原則 ③ 持続可能な開発
細目レベル
① 環境アセスメント(環境影響評価)が,開発事業が自然環境や生活環境等に与える影響を事前に調査・予測・評価し,その結果を事業計画に反映させる制度であることを解説する.効率的に評価を行うために手順が規定されており,配慮書,方法書,準備書,評価書,追跡調査報告書の順で図書が作成されることについても触れる.また,最近の環境保護・保全をめぐる社会情勢を紹介し,環境アセスメントを行うことの有利性についても触れる.
② 環境政策全体の基礎理念である「予防原則」について解説する.予防原則とは,環境への重大な影響が予測される場合,科学的な完全証明がなくても事前に対策を講じるべきであるという考え方である.環境問題は一度発生すると回復が困難な場合が多く,後から対処するよりも未然防止が重要となる.環境アセスメント制度もこの予防原則に基づいて構築されており,計画段階から環境への配慮を検討することで効率的で実効性のある制度となっていることを解説する.
③ 環境アセスメントは環境影響評価を行う点で研究と似た側面を持つが,現実的な判断を合理的に進めるためのものである点で研究とは異なる.「持続可能な開発」は重要な目標であるが,将来世代のニーズを損なうことなく現在の世代の発展を実現するという概念であり,開発による経済的利益と環境保全のバランスをとることが重要視される.環境アセスメントは、開発計画が地域の自然環境や社会環境にどのような影響を及ぼすかを評価し,持続可能な形での開発を促す制度として機能することを紹介する.
キーワード
① 環境アセスメントの機能 ② 環境アセスメントの流れ ③ 持続可能な開発との親和性
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
講義内容に対する理解の確認のため,キーワードなどに関する簡単な小テストを実施する.
復習・予習課題
予習:「環境アセスメント」についてWEB検索を行い,多くの手順があることを調べておく.
復習:講義内容を基に,持続可能な開発やSDGsとの類似点を整理し,環境アセスメントの意義について,自分の言葉で説明できるようにしておく.
2
環境アセスメントの対象事業
科目の中での位置付け
本講義では,①環境アセスメント制度の概要,②各手続きの内容,③環境アセスメントの事例を学ぶことで,環境アセスメント制度に対する理解を深める.
①に関する第1~3回目の講義では,環境アセスメント制度が持続可能な開発と関連深く環境と開発の両方を視野に入れた現実的な制度であることや,手戻りの少ない手順が考慮されている制度であることを紹介する.
②に関する第4~11回目の講義では,各手続によって作成される図書(配慮書,方法書,準備書,評価書,追跡調査報告書)の内容や位置づけを紹介するとともに,実際の調査内容についても触れる.
③に関する第12~14回目の講義では,環境アセスメントの事例として藤前干潟や海上の森の事例を紹介する.具体的な事例を紹介する中で,環境アセスメントの効果や課題に触れるとともに,参加する多様な主体(事業主,実務者,行政,専門家,市民…)の役割などについても解説する.
最後の第15回目は上記内容を総括する時間とし,内容理解の深化を図る.
上記の全体計画の中,第2回目の講義では.環境アセスメント事業の対象事業について扱い,主に大規模事業で環境への大きな影響が懸念されるものが対象となっていることを紹介するとともに,対象外の事業でもアセスメントが実施されている現状について触れる.
コマ主題細目①~③:
・配布資料
参考資料:「環境アセスメント学入門―環境アセスメントを活かそう―(環境アセスメント学会編,恒星社厚生閣)」P.44~61
コマ主題細目
① 対象事業 ② 第一種事業と第二種事業 ③ 条例アセスメント(地方自治体版の環境アセスメント)
細目レベル
① 環境アセスメントは,環境への影響が大きいと考えられる大規模事業を対象として実施されることを紹介する.対象事業の例としては,道路・空港・ダム・発電所・埋立事業・大規模開発などが代表的である.これらの事業は地域環境に対して大規模かつ長期的な影響を及ぼす可能性があるため,事前に(計画段階から)環境への影響を検討する必要がある.ただし,環境影響評価法に規定された丁寧な手続きに基づいた環境アセスメント(法アセス)の実施は,より大規模な事業が対象となっており,現実性も加味されていることを解説する.
② 第一種事業とは,規模が大きく環境への影響が大きいと想定されるため,必ず法アセスを実施しなければならない事業のことである.例えば,大規模高速道路や大規模発電所などが該当する.法律で規模の基準が定められており,その基準を超える場合は必ず法アセスに基づく評価手続を実施する必要があることを解説する.
一方,第二種事業とは,規模が第一種事業より小さいが,立地条件などによっては環境影響が生じる可能性がある事業のことである.これらの事業では、行政が個別に判断し環境アセスメントの必要性を決定する.この判断過程をスクリーニングと呼び,環境影響の可能性を踏まえて実施の要否が決められることを紹介する.
③ 条例アセスメントとは,地方自治体が条例に基づいて実施する環境影響評価制度であり,国の制度を補完し,地域の実情に応じた環境配慮を行うことを目的としている.国の環境影響評価制度は主に大規模事業を対象としているが,条例アセスメントではそれより規模の小さい事業や地域特有の環境問題にも対応できるよう対象事業や評価項目が定められていることが特徴的である.また,自治体ごとの自然環境や土地利用の状況を踏まえた独自の基準や手続きが設けられている場合も多い.これにより,地域住民の意見を反映しながら,地域環境の保全と適切な開発の両立を図る役割を果たしていることを解説する.
キーワード
① 対象事業 ② 第一種事業と第二種事業 ③ 法アセスと条例アセス
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
講義内容に対する理解の確認のため,キーワードなどに関する簡単な小テストを実施する.
復習・予習課題
予習:「第一種事業」と「第二種事業」についてWEB検索を行い,規模や影響度によって整理されていることを調べておく.
復習:「法アセス」と「条例アセス」について,実施主体の違いや規模の違いなどを整理し,それぞれの環境アセスメントの意義について,自分の言葉で説明できるようにしておく.
3
環境アセスメント手続きの流れ
科目の中での位置付け
本講義では,①環境アセスメント制度の概要,②各手続きの内容,③環境アセスメントの事例を学ぶことで,環境アセスメント制度に対する理解を深める.
①に関する第1~3回目の講義では,環境アセスメント制度が持続可能な開発と関連深く環境と開発の両方を視野に入れた現実的な制度であることや,手戻りの少ない手順が考慮されている制度であることを紹介する.
②に関する第4~11回目の講義では,各手続によって作成される図書(配慮書,方法書,準備書,評価書,追跡調査報告書)の内容や位置づけを紹介するとともに,実際の調査内容についても触れる.
③に関する第12~14回目の講義では,環境アセスメントの事例として藤前干潟や海上の森の事例を紹介する.具体的な事例を紹介する中で,環境アセスメントの効果や課題に触れるとともに,参加する多様な主体(事業主,実務者,行政,専門家,市民…)の役割などについても解説する.
最後の第15回目は上記内容を総括する時間とし,内容理解の深化を図る.
上記の全体計画の中,第3回目の講義では.環境アセスメントの手続きの流れについて扱い,手戻りが少なくなるように配慮された手順となっていることを紹介する.
コマ主題細目①~③:
・配布資料
参考資料:「環境アセスメント学入門―環境アセスメントを活かそう―(環境アセスメント学会編,恒星社厚生閣)」P.9~21,44~52
コマ主題細目
① 手続きの流れ ② 方法書 ③ 準備書・評価書
細目レベル
① 環境アセスメントの手続きを関連図書の順序(例:配慮書→方法書→準備書→評価書→報告書)で整理することで概説する.まず,配慮書において計画段階の配慮事項について検討した結果をまとめ,対象事業に関する計画を策定する.次に,方法書において環境アセスメントの方法の案をまとめる.準備書において,環境アセスメントの実施内容に基づいて環境影響予測や評価,及び環境保全対策を検討する.その後,意見聴取やその反映を経て報告書が完成する.これらの手続きの流れと検討内容に対応する図書の順序が,手戻りの少ない効率的な環境影響評価につながっていることも解説する.
② 方法書とは,どのような環境項目を対象として,どのような調査や予測を行うかを示した文書である.事業者はこの段階で評価方法を公開し,住民や専門家の意見を受けながら評価の範囲を決定する.環境アセスメントが現実的かつ効率的に行われるためには,対象事業の地域特性などを踏まえたメリハリのある調査方法の選択が大切となる.そのため,適切な調査計画を立てることは,その後の評価の質を大きく左右する重要な段階であることを解説する.
③ 準備書は報告書に向けた準備段階の文書であり,方法書に基づく現地調査や予測結果をまとめ,環境への影響とその対策を具体的に示すものである.住民や自治体はこの内容を閲覧し,意見を提出することができる.それらの意見を踏まえて最終的に作成される文書が評価書である.行政の意見や住民意見を反映したうえで,事業者が最終的な環境配慮措置を整理する.評価書の作成によって環境アセスメント手続きは一応完了することを解説する.なお,影響予測の不確実性等を踏まえて,実際には事業実施後のフォローアップも重要であることも補足する.
キーワード
① 配慮書 ② 方法書 ③ 準備書 ④ 評価書
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
講義内容に対する理解の確認のため,キーワードなどに関する簡単な小テストを実施する.
復習・予習課題
予習:環境アセスメントの手続きについてWEB検索を行い,作成される図書の順序を調べておく.
復習:作成される図書の順序とその内容について整理し,自分の言葉で説明できるようにする.
4
方法書におけるスコーピング
科目の中での位置付け
本講義では,①環境アセスメント制度の概要,②各手続きの内容,③環境アセスメントの事例を学ぶことで,環境アセスメント制度に対する理解を深める.
①に関する第1~3回目の講義では,環境アセスメント制度が持続可能な開発と関連深く環境と開発の両方を視野に入れた現実的な制度であることや,手戻りの少ない手順が考慮されている制度であることを紹介する.
②に関する第4~11回目の講義では,各手続によって作成される図書(配慮書,方法書,準備書,評価書,追跡調査報告書)の内容や位置づけを紹介するとともに,実際の調査内容についても触れる.
③に関する第12~14回目の講義では,環境アセスメントの事例として藤前干潟や海上の森の事例を紹介する.具体的な事例を紹介する中で,環境アセスメントの効果や課題に触れるとともに,参加する多様な主体(事業主,実務者,行政,専門家,市民…)の役割などについても解説する.
最後の第15回目は上記内容を総括する時間とし,内容理解の深化を図る.
上記の全体計画の中,第4回目の講義では.方法書について取り上げ,その作成の際に注意すべき点について解説する.
コマ主題細目①~③:
・配布資料
参考資料:「環境アセスメント学入門―環境アセスメントを活かそう―(環境アセスメント学会編,恒星社厚生閣)」P.14,22~41
コマ主題細目
① 評価項目の選定(スコーピング) ② 地域特性 ③ 事業特性
細目レベル
① スコーピングとは,環境アセスメントで重点的に評価すべき項目を選定する作業である(参考:英語のscope=プロジェクト等の範囲を計画設定する.の名詞形).環境アセスメントで列挙される全て環境要素を詳細に調査することは現実的ではないため,事業特性や地域特性を考慮して重要な項目を絞り込む作業が必要とされる.適切なスコーピングを行うことで,メリハリのある調査計画を立案でき,効率的かつ効果的な評価が可能となることを解説する.
② 地域特性とは,対象地域の自然環境や社会環境の特徴のことを指す.例えば,希少な動植物が生息する地域では,その動植物の個体群を維持するための調査計画が重要になるし,住宅地が近接する地域では,住環境への影響が許容されるものかを評価できるような調査が重要となる.つまり,対象事業に伴う環境改変による地域環境への影響を考え配慮するためには,その地域で特に配慮すべき項目が何かに着目することが重要となり,その基礎となるのが地域特性であることを解説する.
③ 環境アセスメントの方法書を作成する際には,対象となる事業の特性(事業特性)について理解することも大切になる.事業特性とは,事業の種類・規模・位置・構造・施工方法・運用方法など,事業そのものの性質や計画内容を指す.これらの特性によって発生する環境影響の種類や程度は大きく異なるため,適切な評価項目の選定や調査方法の設定において重要な判断材料となる.本講義では,いくつかの開発事例を取り上げながら,事業特性が大気環境,騒音,生態系などの環境要素にどのような影響を及ぼすかを学び,環境影響評価における基礎的な考え方を理解する.
キーワード
① スコーピング ② 地域特性と事業特性 ③ 調査項目の取捨選択
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
講義内容に対する理解の確認のため,キーワードなどに関する簡単な小テストを実施する.
復習・予習課題
予習:環境アセスメントにおいてスコーピングを導入する目的と効果について,WEB検索等を活用して自分なりにまとめておくとよい.
復習:大学周辺で第一種事業(具体的な内容は何でもよい)を行うと仮定し,その事業特性と地域特性から特に重要となる調査項目について考え,スコーピングをシミュレーションし,その意義や効果を自分の言葉で説明できるようにする.
5
環境アセスメントにおける調査内容
科目の中での位置付け
本講義では,①環境アセスメント制度の概要,②各手続きの内容,③環境アセスメントの事例を学ぶことで,環境アセスメント制度に対する理解を深める.
①に関する第1~3回目の講義では,環境アセスメント制度が持続可能な開発と関連深く環境と開発の両方を視野に入れた現実的な制度であることや,手戻りの少ない手順が考慮されている制度であることを紹介する.
②に関する第4~11回目の講義では,各手続によって作成される図書(配慮書,方法書,準備書,評価書,追跡調査報告書)の内容や位置づけを紹介するとともに,実際の調査内容についても触れる.
③に関する第12~14回目の講義では,環境アセスメントの事例として藤前干潟や海上の森の事例を紹介する.具体的な事例を紹介する中で,環境アセスメントの効果や課題に触れるとともに,参加する多様な主体(事業主,実務者,行政,専門家,市民…)の役割などについても解説する.
最後の第15回目は上記内容を総括する時間とし,内容理解の深化を図る.
上記の全体計画の中,第5回目の講義では.環境アセスメントにおける調査内容について紹介する.
教材・教具
コマ主題細目①~③:
・配布資料
参考資料:「環境アセスメント学入門―環境アセスメントを活かそう―(環境アセスメント学会編,恒星社厚生閣)」P.76~77
コマ主題細目
① 生活環境調査 ② 自然環境調査 ③ 社会環境調査
細目レベル
① 生活環境調査として,人の健康や生活の快適性に密接に関わる生活環境の調査項目について解説する.生活環境とは,騒音,振動,大気汚染,水質汚濁,悪臭,日照阻害等,人間の生活に直接的な影響を及ぼす環境要素を指す.道路建設や工場,発電所などの事業では,交通量の増加や施設の稼働により騒音や排出ガスが増加する可能性があるため,現況調査によって現在の環境状況を把握し,将来の影響を予測する必要がある.以上の背景を踏まえ,生活環境に関する代表的な評価項目と環境基準の役割,さらに環境影響を回避・低減するための基本的な対策の考え方について理解する.
② 自然環境とは,大気,水質,土壌,地形・地質や植生,動物,生態系など,自然の仕組みによって構成される環境要素を指す.開発事業は,森林の伐採や土地改変,水質の変化,生物の生息地の分断化などを引き起こす可能性があるため,事業実施前に地域の自然環境の現状を把握することが重要である.本講義では,水環境や生物多様性などを例として取りあげ,現況調査の方法や影響予測の考え方を学び,自然環境保全の視点から環境影響評価を行う基本的枠組みを理解する.
③ 社会環境とは,景観,交通量,文化財(歴史的・文化的遺産),レクリエーション環境,人と自然との触れ合い活動の場など,人間活動や地域社会の構造に関係する環境要素を指す.開発事業は地域の景観の変化や文化財への影響等をもたらす可能性が考えられるため,これらの要素も環境アセスメントの重要な評価対象となる.特に,地域の歴史や景観資源が重視される場所においては,その調査や影響予測の重要性が増す場合があることを学ぶ.
キーワード
① 生活環境調査 ② 自然環境調査 ③ 社会環境調査 ④ 環境基準
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
講義内容に対する理解の確認のため,キーワードなどに関する簡単な小テストを実施する.
復習・予習課題
予習:環境影響評価の項目を調べ,それぞれの項目が,生活環境,自然環境,社会環境のどれと関連深いかを調べておく.
復習:生活環境を守るために設定された調査項目に関連した環境基準を調べる.
6
影響予測
科目の中での位置付け
本講義では,①環境アセスメント制度の概要,②各手続きの内容,③環境アセスメントの事例を学ぶことで,環境アセスメント制度に対する理解を深める.
①に関する第1~3回目の講義では,環境アセスメント制度が持続可能な開発と関連深く環境と開発の両方を視野に入れた現実的な制度であることや,手戻りの少ない手順が考慮されている制度であることを紹介する.
②に関する第4~11回目の講義では,各手続によって作成される図書(配慮書,方法書,準備書,評価書,追跡調査報告書)の内容や位置づけを紹介するとともに,実際の調査内容についても触れる.
③に関する第12~14回目の講義では,環境アセスメントの事例として藤前干潟や海上の森の事例を紹介する.具体的な事例を紹介する中で,環境アセスメントの効果や課題に触れるとともに,参加する多様な主体(事業主,実務者,行政,専門家,市民…)の役割などについても解説する.
最後の第15回目は上記内容を総括する時間とし,内容理解の深化を図る.
上記の全体計画の中,第6回目の講義では.環境アセスメントの影響予測について,定量的な予測,定性的な予測について学ぶとともに,不確実性を考慮する重要性についても触れる.
教材・教具
コマ主題細目①~③:
・配布資料
参考資料:「環境アセスメント学入門―環境アセスメントを活かそう―(環境アセスメント学会編,恒星社厚生閣)」P.72~94
コマ主題細目
① 定量予測 ② 定性予測 ③ 不確実性
細目レベル
① 定量予測とは,数値モデルや計算式を用いて環境の変化を数値として予測する方法であり,環境アセスメントにおける影響予測の基本手法の一つである.物理化学的な環境要素は,モデルや計算式との親和性が高く,定量予測が用いられることが多い.例えば,大気汚染物質の拡散,騒音レベルの変化,水質の変動などは,物理的・統計的モデルを用いて将来の状況を推定することができる.定量的な結果は環境基準との比較や影響の程度の把握に有効であり,客観的な評価を行ううえで重要な手法となる.そこで,代表的な予測モデルの考え方とその適用条件や限界について解説する.
② 定性予測とは,既存の研究成果や類似事例,専門家の知見などをもとに,環境影響の有無や傾向を総合的に判断する方法であり,数値化が技術的・コスト的に難しい環境影響を評価する方法として用いられる.例えば,景観の変化や生態系への影響,人と自然の触れ合い活動の場への影響などは,数値で表現することが難しい場合が多い.実際の評価事例における定性予測を紹介し,調査結果や地域特性を踏まえながら,影響の程度や可能性を論理的に整理して評価する手法などについて学ぶ.
③ 環境予測に伴う不確実性の認識も重要である.不確実性とは,将来の環境変化を完全かつ正確に予測することが困難であることに由来するものであり,交通量の変化,気象条件,社会経済状況等多くの要因によって生じる.そのため,環境アセスメントでは,予測の前提条件や使用したデータ,モデルの限界などを明確にし,不確実性を考慮した評価を行うことが求められる.また,必要に応じて事業実施後のモニタリング等によって予測結果を検証することの重要性についても解説する.
キーワード
① 定量予測 ② 環境基準 ③ 定性予測 ④ 不確実性
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
講義内容に対する理解の確認のため,キーワードなどに関する簡単な小テストを実施する.
復習・予習課題
【予習・復習】
予習:環境影響評価の項目のうち定量予測が可能な項目を選び,その予測手法について調べる.
復習:定量予測・定性予測の長所・短所を調べ,自分の言葉で説明できるように整理すること.
7
環境アセスメントにおける評価
科目の中での位置付け
本講義では,①環境アセスメント制度の概要,②各手続きの内容,③環境アセスメントの事例を学ぶことで,環境アセスメント制度に対する理解を深める.
①に関する第1~3回目の講義では,環境アセスメント制度が持続可能な開発と関連深く環境と開発の両方を視野に入れた現実的な制度であることや,手戻りの少ない手順が考慮されている制度であることを紹介する.
②に関する第4~11回目の講義では,各手続によって作成される図書(配慮書,方法書,準備書,評価書,追跡調査報告書)の内容や位置づけを紹介するとともに,実際の調査内容についても触れる.
③に関する第12~14回目の講義では,環境アセスメントの事例として藤前干潟や海上の森の事例を紹介する.具体的な事例を紹介する中で,環境アセスメントの効果や課題に触れるとともに,参加する多様な主体(事業主,実務者,行政,専門家,市民…)の役割などについても解説する.
最後の第15回目は上記内容を総括する時間とし,内容理解の深化を図る.
上記の全体計画の中,第7回目の講義では.環境アセスメントの評価の概要について,環境基準,比較評価,総合評価のキーワードを用いて解説する.
コマ主題細目①~③:
・配布資料
参考資料:「環境アセスメント学入門―環境アセスメントを活かそう―(環境アセスメント学会編,恒星社厚生閣)」P.16
コマ主題細目
① 環境基準 ② 比較評価 ③ 総合評価
細目レベル
① 環境基準とは,人の健康の保護や生活環境の保全を目的として国が定めた望ましい環境の水準であり,大気汚染,水質,騒音などの分野ごとに基準値が設定されている.環境アセスメントでは,事業による環境変化の予測結果をこれらの基準と比較することで,影響の程度や許容性を判断することになる.本講義では,環境基準の役割と評価における位置づけを理解するとともに,基準を用いた環境影響評価の基本的な考え方について解説する.
② 比較評価とは,事業を実施する場合と実施しない場合(ゼロ・オプションという),あるいは複数の事業計画や立地条件を比較することで,それぞれの環境影響を整理して評価する方法である.この方法により,環境負荷のより少ない計画を選択することが可能となる.環境アセスメントは単に影響の有無を確認するだけでなく,環境への影響をできるだけ小さくするための計画検討を行うことが重要である.本講義では,代替案の比較や評価の視点について具体例を通して理解する.
③ 総合評価とは,環境アセスメントの最終段階で行われる評価であり,大気環境,水環境,生態系,景観,生活環境など複数の環境項目について得られた評価結果を総合的に整理し,事業全体として環境への影響が許容できるかどうかを判断する過程である.個々の環境要素の評価だけでなく,環境保全措置の効果や地域特性も考慮しながら総合的な判断を行うことが求められる.以上を踏まえて,複数の評価結果を統合する考え方と,環境配慮を踏まえた意思決定の基本的枠組みについて理解する.
キーワード
① 環境基準値 ② ゼロ・オプション ③ 環境保全措置
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
講義内容に対する理解の確認のため,キーワードなどに関する簡単な小テストを実施する.
復習・予習課題
【予習・復習】
予習:環境基準値についてWEB検索などを活用して調べておく.
復習:環境アセスメントの立場として「環境保全と社会発展の調和」があることを踏まえ,ゼロ・オプションが採用されにくくなっている理由を,自分の言葉で説明できるように整理しておくことが望ましい.
8
環境保全措置
科目の中での位置付け
本講義では,①環境アセスメント制度の概要,②各手続きの内容,③環境アセスメントの事例を学ぶことで,環境アセスメント制度に対する理解を深める.
①に関する第1~3回目の講義では,環境アセスメント制度が持続可能な開発と関連深く環境と開発の両方を視野に入れた現実的な制度であることや,手戻りの少ない手順が考慮されている制度であることを紹介する.
②に関する第4~11回目の講義では,各手続によって作成される図書(配慮書,方法書,準備書,評価書,追跡調査報告書)の内容や位置づけを紹介するとともに,実際の調査内容についても触れる.
③に関する第12~14回目の講義では,環境アセスメントの事例として藤前干潟や海上の森の事例を紹介する.具体的な事例を紹介する中で,環境アセスメントの効果や課題に触れるとともに,参加する多様な主体(事業主,実務者,行政,専門家,市民…)の役割などについても解説する.
最後の第15回目は上記内容を総括する時間とし,内容理解の深化を図る.
上記の全体計画の中,第8回目の講義では.環境アセスメントにおける環境保全措置の考え方について,回避,低減,代償のキーワードを用いて解説する.
コマ主題細目①~③:
・配布資料
参考資料:「環境アセスメント学入門―環境アセスメントを活かそう―(環境アセスメント学会編,恒星社厚生閣)」P.17
コマ主題細目
① 回避 ② 低減 ③ 代償
細目レベル
① 回避とは,開発事業による環境への影響が生じないように,計画そのものを変更したり,立地や施設配置を見直したりすることで影響を避ける対策のことを指す.例えば,希少な動植物の生息地や重要な自然環境を避けるように施設の位置を変更することなどが挙げられる.環境保全措置の中でも最も効果的な方法とされ,まず優先的に検討されるべき措置である.このような回避の考え方と計画段階における環境配慮の重要性について解説する.
② 環境影響を完全に回避できない場合に実施される保全措置としての「低減」について解説する.低減とは,事業の実施に伴う環境影響の程度をできるだけ小さくするために,技術的・管理的な対策を講じることである.例えば,防音壁の設置による騒音対策,排出ガス処理装置による大気汚染対策,工事時間の調整などが挙げられ,環境への負荷を軽減することを目的に実施される.具体的な技術的対策の例を通して,低減措置の役割とその限界について解説する.
③ 回避や低減によっても完全に防ぐことができない環境影響に対する対応として「代償措置」があることについて学ぶ.代償とは,失われる環境価値を別の場所や方法で補う対策を指す.例えば,開発によって失われる湿地や森林の代替地を整備することや,生物の生息環境を新たに創出することなどが挙げられる.ただし、代償措置は環境影響を直接なくすものではないため,回避や低減を十分に検討したうえで最後の手段として位置づけられる.以上のように,代償措置の考え方とその適用上の課題について解説する.
キーワード
① 優先順位(回避→低減→代償) ② 計画段階の対策 ③ 生息地保全・創出 ④ 環境モニタリング
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
講義内容に対する理解の確認のため,キーワードなどに関する簡単な小テストを実施する.
復習・予習課題
予習:保全措置の基本概念である「回避」「低減」「代償」という三つの考え方について資料などを調べ,それぞれの意味や違いを把握しておく.
復習:環境アセスメントの基本的な流れ(現況調査・影響予測・評価)を復習し、その中で保全措置がどの段階で検討されるのかを確認しておくことが望ましい.
9
評価対象種の選定
科目の中での位置付け
本講義では,①環境アセスメント制度の概要,②各手続きの内容,③環境アセスメントの事例を学ぶことで,環境アセスメント制度に対する理解を深める.
①に関する第1~3回目の講義では,環境アセスメント制度が持続可能な開発と関連深く環境と開発の両方を視野に入れた現実的な制度であることや,手戻りの少ない手順が考慮されている制度であることを紹介する.
②に関する第4~11回目の講義では,各手続によって作成される図書(配慮書,方法書,準備書,評価書,追跡調査報告書)の内容や位置づけを紹介するとともに,実際の調査内容についても触れる.
③に関する第12~14回目の講義では,環境アセスメントの事例として藤前干潟や海上の森の事例を紹介する.具体的な事例を紹介する中で,環境アセスメントの効果や課題に触れるとともに,参加する多様な主体(事業主,実務者,行政,専門家,市民…)の役割などについても解説する.
最後の第15回目は上記内容を総括する時間とし,内容理解の深化を図る.
上記の全体計画の中,第9回目の講義では.動植物の評価対象種の選定基準について,典型性,重要性,上位性等の重要なキーワードを用いて解説する.
コマ主題細目①~③:
・配布資料
コマ主題細目
① 典型性 ② 重要性 ③ 上位性
細目レベル
① 典型性とは,対象地域の生態系や自然環境を代表する種を指し,その地域に一般的に見られる生物や植生の特徴を示すものを意味する.環境アセスメントでは,地域の生態系の構造や機能を理解するために,その地域の自然環境を典型的に表す種を選定し,分布や生息状況を調査・評価することが重要である.本講義では,植生や動物群集などの特徴を踏まえながら典型種を選定する考え方を学び,地域の生態系の基本構造を把握する視点について理解する.
② 重要性とは,生物多様性の保全や自然環境の維持の観点から特に保護や配慮が必要とされる種を指す概念である.具体的には,絶滅のおそれのある希少種,地域固有種,分布が限られている種などが含まれる.これらの生物は環境変化の影響を受けやすく,開発事業による生息地の改変や環境条件の変化によって個体数の減少や生息域の縮小が生じる可能性がある.そのため環境アセスメントでは,これらの種を重点的に調査・評価することが求められる.重要種の選定にあたっては,国や自治体が作成するレッドデータブックや保護条例,天然記念物の指定などの情報が参考にされる.本講義では,こうした保全上の重要性の考え方を理解するとともに,開発と生物多様性保全の調和を図るための評価の視点について学ぶ.
③ 上位性とは,生態系の食物連鎖の上位に位置する生物,すなわち捕食者などの高次消費者を指す.これらの生物は広い範囲の生息環境を必要とし,食物連鎖全体の状態を反映することが多いため,生態系の健全性を示す指標種として利用される.環境アセスメントでは,上位捕食者の生息状況を把握することで,生態系全体への影響を総合的に評価することが可能となる.以上を踏まえて,本講義では,上位性の概念と生態系評価におけるその役割について解説する.
キーワード
① 分布域 ② 固有種 ③ 生物多様性 ④ 食物連鎖 ⑤ 高次消費者
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
講義内容に対する理解の確認のため,キーワードなどに関する簡単な小テストを実施する.
復習・予習課題
予習:生物多様性,食物連鎖,指標種,固有種などの基礎的な生態学用語を整理し,評価対象種の選定で用いられる「典型性」「重要性」「上位性」の意味を事前に把握しておくことで,講義内容を理解しやすくなる.
復習:評価対象種の選定に用いられる三つの視点である「典型性」「重要性」「上位性」の違いと役割を整理する.また,それぞれがどのような観点から生態系の状況を把握するために用いられるのかを説明できるようにする.
10
生態系の評価
科目の中での位置付け
本講義では,①環境アセスメント制度の概要,②各手続きの内容,③環境アセスメントの事例を学ぶことで,環境アセスメント制度に対する理解を深める.
①に関する第1~3回目の講義では,環境アセスメント制度が持続可能な開発と関連深く環境と開発の両方を視野に入れた現実的な制度であることや,手戻りの少ない手順が考慮されている制度であることを紹介する.
②に関する第4~11回目の講義では,各手続によって作成される図書(配慮書,方法書,準備書,評価書,追跡調査報告書)の内容や位置づけを紹介するとともに,実際の調査内容についても触れる.
③に関する第12~14回目の講義では,環境アセスメントの事例として藤前干潟や海上の森の事例を紹介する.具体的な事例を紹介する中で,環境アセスメントの効果や課題に触れるとともに,参加する多様な主体(事業主,実務者,行政,専門家,市民…)の役割などについても解説する.
最後の第15回目は上記内容を総括する時間とし,内容理解の深化を図る.
上記の全体計画の中,第10回目の講義では.環境アセスメントにおける生態系の評価について,重要種,生息地,生態系ネットワーク等のキーワードを用いて解説する.
コマ主題細目①~③:
・配布資料
コマ主題細目
① 重要種 ② 生息地・生息場所 ③ 生態系ネットワーク
細目レベル
① 重要種とは,絶滅のおそれのある希少種,地域固有種,保全上重要とされる動植物などを指し,地域の生物多様性を評価する上で重要な対象となるため,生態系評価において重要な指標となる.開発事業によりこれらの生物の生息環境が失われたり,個体数が減少したりする可能性があるため,環境アセスメントでは事前に分布状況や生息条件を調査し,影響の程度を予測・評価する必要がある.本講義では,レッドデータブックなどの保全指標を参考にしながら,重要種の選定方法と保全対策の基本的な考え方について理解する.
② 生息地・生息場所(ハビタット)とは,生物が生きるために必要な餌場,繁殖場所,隠れ場所などを含む環境のまとまりを指す.開発事業による土地改変や森林伐採,湿地の埋立てなどは,生息地の縮小や分断を引き起こす可能性がある.そのため環境アセスメントでは,対象地域における生息地の分布や質を把握し,事業による影響を評価することが重要となる.本講義では,生息地の調査方法や評価の視点を学び,生物多様性保全の観点から適切な環境配慮のあり方を理解する.
③ 生態系ネットワークとは,森林,河川,湿地,草地などの自然環境が連続してつながり,生物が移動・分散できる空間構造を指すもので,生態系を広域的に捉える視点である.開発事業によって道路化や都市化が進むと,生息地が分断され,生物の移動や遺伝的交流が妨げられる可能性がある.そのため環境アセスメントでは,個々の生息地だけでなく,地域全体の生態系のつながりを考慮した評価が求められる.本講義では、生態系ネットワークの重要性と保全・再生の基本的な考え方について理解する.
キーワード
① レッドリスト ② レッドデータブック ③ 分断化
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
講義内容に対する理解の確認のため,キーワードなどに関する簡単な小テストを実施する.
復習・予習課題
予習:生態系の基本概念(例:生態系とは、生物とそれを取り巻く環境が相互に関係しながら成り立つシステムであること)や,生物多様性や食物連鎖などのキーワードについて確認しておくことが望ましい.
復習:生態系評価における三つの重要な視点である「重要種」「生息地」「生態系ネットワーク」の意味とそれらの相互関係を整理しておく.
11
事後評価
科目の中での位置付け
本講義では,①環境アセスメント制度の概要,②各手続きの内容,③環境アセスメントの事例を学ぶことで,環境アセスメント制度に対する理解を深める.
①に関する第1~3回目の講義では,環境アセスメント制度が持続可能な開発と関連深く環境と開発の両方を視野に入れた現実的な制度であることや,手戻りの少ない手順が考慮されている制度であることを紹介する.
②に関する第4~11回目の講義では,各手続によって作成される図書(配慮書,方法書,準備書,評価書,追跡調査報告書)の内容や位置づけを紹介するとともに,実際の調査内容についても触れる.
③に関する第12~14回目の講義では,環境アセスメントの事例として藤前干潟や海上の森の事例を紹介する.具体的な事例を紹介する中で,環境アセスメントの効果や課題に触れるとともに,参加する多様な主体(事業主,実務者,行政,専門家,市民…)の役割などについても解説する.
最後の第15回目は上記内容を総括する時間とし,内容理解の深化を図る.
上記の全体計画の中,第11回目の講義では.環境アセスメントにおける事後評価について,モニタリング,予測検証,追加対策等のキーワードを用いて解説する.
教材・教具
コマ主題細目①~③:
・配布資料
参考資料:「環境アセスメント学入門―環境アセスメントを活かそう―(環境アセスメント学会編,恒星社厚生閣)」P86~94
コマ主題細目
① モニタリング ② 予測検証 ③ 追加対策
細目レベル
① モニタリングとは,開発事業の実施後に大気,水質,騒音,生態系などの環境状況を継続的に観測し,環境の変化を把握する活動を指す.環境アセスメントでは,事業実施前に環境影響の予測が行われるが,実際の環境変化が予測どおりであるかを確認するためには事後的な観測が不可欠である.モニタリングの結果は,環境影響の実態を把握するとともに,環境管理の改善や将来の環境アセスメントの精度向上にも役立つ.本講義では、モニタリングの目的,実施方法,評価への活用について理解する.
② 予測検証とは,事業実施後に得られた環境データと事前に行った予測結果を比較し,予測の正確性や妥当性を評価する作業である.環境影響の予測には将来の交通量や気象条件など多くの不確実性が含まれるため,実際の環境状況と予測結果の差異を確認することが重要となる.予測検証の結果は,環境影響評価の手法やモデルの改善につながり,今後の環境アセスメントの質の向上にも寄与する.本講義では,予測検証の意義と評価方法について理解する.
③ 追加対策とは,モニタリングや予測検証の結果を踏まえ,必要に応じて新たな環境保全措置を講じることである.例えば,騒音が想定より大きい場合には防音対策の強化を行う,生態系への影響が確認された場合には生息環境の保全措置を追加するなどの対応が考えられる.このように,環境管理を継続的に改善していく考え方は「適応的管理」とも呼ばれる.本講義では,事後評価の結果を環境保全に反映させる仕組みとその重要性について理解する.
キーワード
① 追跡調査 ② モニタリング ③ 継続性 ④ 不確実性 ⑤ 順応的管理
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
講義内容に対する理解の確認のため,キーワードなどに関する簡単な小テストを実施する.
復習・予習課題
予習:環境アセスメントの基本的な流れ(現況調査→影響予測→評価→保全措置)を確認し,その中で事後調査がどの段階に位置づけられるのかを理解しておく.
復習:事後調査の目的と役割を整理し,「モニタリング」「予測検証」「追加対策」の三つの要素の関係を理解する.また,事業実施後の環境管理や適応的管理の考え方について確認し,環境アセスメント全体の中での事後評価の重要性を復習する.
12
環境アセスメントに参加する多様な主体の役割
科目の中での位置付け
本講義では,①環境アセスメント制度の概要,②各手続きの内容,③環境アセスメントの事例を学ぶことで,環境アセスメント制度に対する理解を深める.
①に関する第1~3回目の講義では,環境アセスメント制度が持続可能な開発と関連深く環境と開発の両方を視野に入れた現実的な制度であることや,手戻りの少ない手順が考慮されている制度であることを紹介する.
②に関する第4~11回目の講義では,各手続によって作成される図書(配慮書,方法書,準備書,評価書,追跡調査報告書)の内容や位置づけを紹介するとともに,実際の調査内容についても触れる.
③に関する第12~14回目の講義では,環境アセスメントの事例として藤前干潟や海上の森の事例を紹介する.具体的な事例を紹介する中で,環境アセスメントの効果や課題に触れるとともに,参加する多様な主体(事業主,実務者,行政,専門家,市民…)の役割などについても解説する.
最後の第15回目は上記内容を総括する時間とし,内容理解の深化を図る.
上記の全体計画の中,第12回目の講義では.環境アセスメントに参加する多様な主体(事業主・実務者,行政,専門家,市民)について,立場や役割とその際の注意点を解説する.
コマ主題細目①~④:
・配布資料
参考資料:「環境アセスメント学入門―環境アセスメントを活かそう―(環境アセスメント学会編,恒星社厚生閣)」P.93
コマ主題細目
① 事業主・実務者 ② 行政 ③ 専門家 ④ 市民
細目レベル
① 事業者は開発事業を計画・実施する主体であり,環境影響評価を実施する責任を負う.実際の調査や予測・評価の作業は,環境コンサルタントなどの実務者によって行われることが多い.事業者は,環境への影響を適切に把握し,回避・低減などの環境保全措置を検討しながら,環境配慮型の事業計画を策定することが求められる.また,情報公開や住民説明などを通じて社会的な説明責任を果たすことも重要である.上記を踏まえて,事業者の責任と環境配慮の姿勢の重要性について理解する.
② 行政は,環境影響評価法や条例に基づき,事業者が作成した方法書や評価書を審査し,必要に応じて意見を述べるなど,環境アセスメント制度の適正な運用を担う.また,関係行政機関の意見を取りまとめ,環境保全の観点から事業計画に対する指導や助言を行う役割も持つ.行政は,公平・中立な立場から環境保全と地域社会の利益を考慮しながら判断することが求められる.本講義では,行政の審査機能と環境政策との関係について理解する.
③ 環境アセスメントにおいて科学的・技術的な知見を提供する専門家は,生態学,大気環境,水環境,景観など各分野の専門的知識をもとに調査や評価に関わり,環境影響の予測や保全措置の検討に貢献する役割を持つ.また,審査会や委員会の委員として評価内容を検討し,客観的な立場から助言を行うこともある.専門家には,科学的根拠に基づいた中立的な判断を行うことが求められる.本講義では,専門家の知見が環境アセスメントの質の向上に果たす役割とその責任について理解する.
④ 市民は地域環境の利用者であり,生活環境や地域の自然に関する重要な情報を持つ主体でもある.環境アセスメントでは,方法書や準備書の縦覧,意見書の提出,公聴会などを通じて市民が意見を表明する機会が設けられている.市民参加により,地域の実情を踏まえた環境配慮が進むことが期待される.一方で,意見を述べる際には客観的な情報や地域の状況を踏まえた建設的な議論が重要となる.本講義では、市民参加の意義と課題について理解する.
キーワード
① 公平性・中立性 ② 環境コンサルタント ③ 情報公開 ④ ステークホルダー ⑤ 市民参加
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
講義内容に対する理解の確認のため,キーワードなどに関する簡単な小テストを実施する.
復習・予習課題
予習:環境アセスメントの基本的な流れのなかで,どのような主体が参加しているかを調べておく.
復習:各主体の役割において公平性,中立性,客観性の重要性が強調されているが,それが維持されないとどのようなことになりうるのかシミュレーションすることで,各主体が注意すべき点を説明できるようにする.
13
環境アセスメントの事例① 藤前干潟
科目の中での位置付け
本講義では,①環境アセスメント制度の概要,②各手続きの内容,③環境アセスメントの事例を学ぶことで,環境アセスメント制度に対する理解を深める.
①に関する第1~3回目の講義では,環境アセスメント制度が持続可能な開発と関連深く環境と開発の両方を視野に入れた現実的な制度であることや,手戻りの少ない手順が考慮されている制度であることを紹介する.
②に関する第4~11回目の講義では,各手続によって作成される図書(配慮書,方法書,準備書,評価書,追跡調査報告書)の内容や位置づけを紹介するとともに,実際の調査内容についても触れる.
③に関する第12~14回目の講義では,環境アセスメントの事例として藤前干潟や海上の森の事例を紹介する.具体的な事例を紹介する中で,環境アセスメントの効果や課題に触れるとともに,参加する多様な主体(事業主,実務者,行政,専門家,市民…)の役割などについても解説する.
最後の第15回目は上記内容を総括する時間とし,内容理解の深化を図る.
上記の全体計画の中,第13回目の講義では.事例として藤前干潟の環境アセスメントを取り上げ環境アセスメントの実態(効果や課題)について学ぶ.
コマ主題細目①~③:
・配布資料
参考資料:「環境アセスメント学入門―環境アセスメントを活かそう―(環境アセスメント学会編,恒星社厚生閣)」P.114~127
コマ主題細目
① 藤前干潟の重要性 ② 埋立計画と環境アセスメント ③ 市民参加と政策転換
細目レベル
① まず,藤前干潟が国際的に重要な渡り鳥の生息地であるという点に注目する.藤前干潟は伊勢湾奥部に位置する干潟であり,シギ・チドリ類をはじめとする多くの渡り鳥が渡来する場所として知られている.渡り鳥は渡りのルートの中で、餌をとり体力を回復する中継地として干潟を利用する.そのため,干潟の消失は地域だけでなく国際的な生物多様性にも影響を与える可能性がある.藤前干潟の埋立計画に対する環境アセスメントでは,干潟の生態系と渡り鳥の利用状況が重要な評価対象となった.本講義では、干潟生態系の特徴や渡り鳥の生息環境の重要性を理解するとともに,生態系評価における重要種・生息地の視点について学ぶ.
② 藤前干潟で計画された廃棄物処分場の埋立計画と,それに対して実施された環境アセスメントの過程について解説する.名古屋市では都市廃棄物の最終処分場を確保するため,藤前干潟の埋立計画が検討されたが,その計画は干潟の消失や生態系への影響が懸念された.環境アセスメントでは,渡り鳥や干潟生物の生息状況の調査,干潟環境の機能評価などが行われ,開発による影響が大きい可能性が指摘された.この事例は,開発と自然環境保全の対立が社会的議論を呼んだ代表的な環境アセスメント事例として知られている.本講義では,環境アセスメントが政策判断や事業計画の見直しにどのように関わるのかを具体的に理解する.
③ 藤前干潟の事例において重要な役割を果たした市民参加と政策転換についても学ぶ.藤前干潟の埋立計画に対しては,研究者や自然保護団体,市民などから干潟保全を求める意見が多く寄せられ,社会的な関心が高まった.環境アセスメントの過程では,調査結果や専門家の意見に加え,市民の意見提出や社会的議論が計画の検討に影響を与えた.その結果,最終的には埋立計画が中止され,藤前干潟は保全されることとなり,その後ラムサール条約湿地として登録された.この事例は,市民参加が環境政策や開発計画の見直しに影響を与えた重要な事例である.以上を踏まえて,環境アセスメントにおける社会的合意形成と市民参加の意義について理解する.
キーワード
① 干潟生態系 ② 政策転換 ③ 合意形成 ④ 市民参加
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
講義内容に対する理解の確認のため,キーワードなどに関する簡単な小テストを実施する.
復習・予習課題
予習:藤前干潟の位置や干潟の役割など,干潟生態系の基本的な特徴を確認しておく.
復習:藤前干潟の埋立計画と環境アセスメントの経緯を整理し,渡り鳥の重要生息地としての価値や,市民参加が政策決定に与えた影響について理解する.また,この事例が環境アセスメントの役割や自然環境保全の重要性を示す代表的事例であることを確認する.
14
環境アセスメントの事例② 海上の森(愛・地球博)
科目の中での位置付け
本講義では,①環境アセスメント制度の概要,②各手続きの内容,③環境アセスメントの事例を学ぶことで,環境アセスメント制度に対する理解を深める.
①に関する第1~3回目の講義では,環境アセスメント制度が持続可能な開発と関連深く環境と開発の両方を視野に入れた現実的な制度であることや,手戻りの少ない手順が考慮されている制度であることを紹介する.
②に関する第4~11回目の講義では,各手続によって作成される図書(配慮書,方法書,準備書,評価書,追跡調査報告書)の内容や位置づけを紹介するとともに,実際の調査内容についても触れる.
③に関する第12~14回目の講義では,環境アセスメントの事例として藤前干潟や海上の森の事例を紹介する.具体的な事例を紹介する中で,環境アセスメントの効果や課題に触れるとともに,参加する多様な主体(事業主,実務者,行政,専門家,市民…)の役割などについても解説する.
最後の第15回目は上記内容を総括する時間とし,内容理解の深化を図る.
上記の全体計画の中,第14回目の講義では.事例として海上の森(愛・地球博)の環境アセスメントを取り上げ環境アセスメントの実態(効果や課題)について学ぶ.
コマ主題細目①~③:
・配布資料
参考資料:「環境アセスメント学入門―環境アセスメントを活かそう―(環境アセスメント学会編,恒星社厚生閣)」P.128~139
コマ主題細目
① 里山生態系の価値と保全 ② 希少種(オオタカなど)と湿地環境 ③ 計画変更と環境配慮型開発
細目レベル
① まず,海上の森が有する里山生態系の価値について解説する.海上の森は,愛知県瀬戸市周辺に広がる森林・湿地・ため池などが複合した自然環境であり,人間の生活や農林業と関わりながら形成されてきた典型的な里山環境である.この地域には多様な動植物が生息しており,湿地植物や昆虫、鳥類など生物多様性の高い地域として知られている.愛・地球博の計画当初は,この地域に大規模な会場整備が検討されたが,里山生態系への影響が懸念された.本講義では,里山の生態系構造や人と自然の関係を理解するとともに,開発計画が地域の生態系に与える影響をどのように評価するのかを学ぶ.
② 猛禽類であるオオタカは,生態系の上位に位置する捕食者であり,広い森林環境を必要とする種として知られている.海上の森ではオオタカの営巣活動が確認されており,開発による森林の改変が生息環境に影響を与える可能性が指摘された.また,湿地環境には希少な植物や昆虫も生息しており,これらの生物の保全も重要な課題となった.環境アセスメントでは,こうした重要種や生息地の調査を通じて,生態系への影響を評価する必要がある.本講義では、重要種・上位種・生息地保全の観点から生態系評価の方法を理解する.
③ 海上の森の事例において特徴的であった計画変更と環境配慮型の事業計画についても学ぶ.愛・地球博の当初計画は,海上の森の大規模開発を含むものであったが,研究者や市民団体から自然環境への影響が懸念され,社会的議論が広がった.その結果,会場計画は見直され,海上の森の中心部の開発は回避されるなど,環境保全を重視した計画へと変更された.この事例は,環境アセスメントや社会的議論が事業計画の見直しに影響を与えた例として知られている.本講義では、開発と環境保全の調整過程を理解し,環境配慮型の計画づくりの重要性について学ぶ.
キーワード
① 里山生態系 ② オオタカ ③ 上位性 ④ シデコブシ ⑤ 遺伝的多様性
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
講義内容に対する理解の確認のため,キーワードなどに関する簡単な小テストを実施する.
復習・予習課題
予習:愛・地球博の開催目的や会場計画の概要を確認し,海上の森がどのような自然環境(里山・湿地など)を持つ地域であるかを調べておく。
復習:海上の森の里山生態系や希少種の生息状況を整理し,環境アセスメントや社会的議論がどのように会場計画の変更につながったのかを理解する.
15
まとめと振り返り
科目の中での位置付け
本講義では,①環境アセスメント制度の概要,②各手続きの内容,③環境アセスメントの事例を学ぶことで,環境アセスメント制度に対する理解を深める.
①に関する第1~3回目の講義では,環境アセスメント制度が持続可能な開発と関連深く環境と開発の両方を視野に入れた現実的な制度であることや,手戻りの少ない手順が考慮されている制度であることを紹介する.
②に関する第4~11回目の講義では,各手続によって作成される図書(配慮書,方法書,準備書,評価書,追跡調査報告書)の内容や位置づけを紹介するとともに,実際の調査内容についても触れる.
③に関する第12~14回目の講義では,環境アセスメントの事例として藤前干潟や海上の森の事例を紹介する.具体的な事例を紹介する中で,環境アセスメントの効果や課題に触れるとともに,参加する多様な主体(事業主,実務者,行政,専門家,市民…)の役割などについても解説する.
最後の第15回目は上記内容を総括する時間とし,内容理解の深化を図る.
上記の全体計画の中,第15回目の講義では.総括して環境アセスメント制度の意義,課題についてまとめ,将来展望についても学ぶ.
コマ主題細目①~③:
・配布資料
参考資料:「環境アセスメント学入門―環境アセスメントを活かそう―(環境アセスメント学会編,恒星社厚生閣)」P.155~188
コマ主題細目
① 制度の意義 ② 制度の課題 ③ 将来展望
細目レベル
① 環境アセスメント制度の意義について総括する.環境アセスメントとは,大規模な開発事業を実施する前に,その事業が自然環境や生活環境に与える影響を調査・予測・評価し,必要な環境保全措置を検討する制度である.この制度の目的は,開発による環境への影響を未然に防止し,持続可能な社会の実現に寄与することである.環境アセスメントは,事業の実施前に環境への配慮を組み込む「予防的アプローチ」に基づいており,問題が発生してから対応するのではなく,計画段階から環境配慮を行う点に特徴がある.また、調査結果の公開や意見提出などを通じて市民参加の機会が確保されることにより,透明性の高い意思決定が促進される.本講義では,環境保全と社会経済活動の調和を図る制度としての環境アセスメントの役割について理解する.
② 環境アセスメント制度が抱える課題についても検討する.環境アセスメントは事業計画がある程度具体化した段階で実施されることが多く,計画の根本的な見直しにつながりにくいという指摘がある.また,調査や予測には不確実性が伴うため,環境影響を完全に正確に把握することは難しい.さらに,手続きが形式的になりやすいという問題や,評価結果が意思決定にどの程度反映されているのかが不明確であるという指摘もある.市民参加の機会は制度上確保されているものの,情報の理解の難しさや参加の実効性などの課題も存在する.このような課題を整理し,制度の改善に向けた視点について考察する.
③ 近年では,個別事業の評価だけでなく,政策や計画段階から環境配慮を行う「戦略的環境アセスメント(SEA)」の導入が国際的に進められている.また,生物多様性の保全や気候変動への対応など,新たな環境課題への対応も重要となっている.さらに,GISやリモートセンシングなどの新しい技術を活用した環境情報の分析や,地域住民や専門家との協働による合意形成の重要性も高まっている.今後は、より早い段階での環境配慮,透明性の高い意思決定,市民参加の充実などを通じて,持続可能な社会の実現に貢献する制度として環境アセスメントを発展させていくことが求められる.こうした制度の発展方向についても理解する.
キーワード
① 戦略的環境アセスメント(SEA) ② SDGs ③ スモールアセス ④ 情報公開 ⑤ 新技術の活用
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
講義内容に対する理解の確認のため,キーワードなどに関する簡単な小テストを実施する.
復習・予習課題
予習:これまでの講義内容を振り返り,環境アセスメントの基本的な流れ(調査・予測・評価・保全措置・事後評価)を整理しておく.また,講義で扱った主要なキーワード(環境基準,生態系評価,市民参加など)を確認し,制度の目的や役割について簡単にまとめておく.
復習:講義で示された環境アセスメント制度の意義・課題・将来展望を整理し,制度がどのように環境保全と開発の調整に関わっているのかを理解する.また,事例講義(藤前干潟や海上の森など)を振り返り,環境アセスメントの実際の役割について確認し説明できるようにする.
履修判定指標
履修指標
履修指標の水準
キーワード
配点
関連回
環境アセスメント制度の概要
環境アセスメント制度の基本的な枠組みと目的を理解する.開発事業が環境に及ぼす影響を事前に把握し環境保全と社会発展との調和を図ることが目的であり,効率的な影響評価のために,配慮書→方法書→準備書→評価書→追跡調査報告書の順序で図書が作成される.上記の枠組みや目的とそれらに関するキーワードに対する理解度を確認する.
予防原則,持続可能な開発,対象事業(第一種事業,第二種事業),作成図書
25
1~3
各手続きの内容
環境アセスメントの具体的な手続きの流れとその内容を理解する.方法書の作成,現況調査,環境影響の予測・評価,準備書・評価書の作成,意見聴取,保全措置の検討,事後調査といった一連のプロセスについて理解するとともに,各手続きにおける目的や手法,関係主体の役割を理解し,環境配慮が実現される仕組みを把握することが求められる.以上に基づき,環境アセスメントの実務的な流れに対する理解度を確認する.
配慮書,方法書,準備書,評価書,追跡調査報告書,地域特性,調査項目,環境基準
20
4~11
環境アセスメントにおける具体的な調査や評価
環境アセスメントにおける影響評価の内容を左右する重要なポイントである調査や評価について,調査内容項目やそれに対する評価基準の考え方を理解する.本学科の特性を踏まえ,動物,生態系を対象とした調査・影響評価を中心に,具体的な調査・評価方法,種の選定や環境保全措置の考え方への理解度を確認する.
種の選定(代表性,重要性,上位性),生態系ネットワーク,保全措置(回避,低減,代償)不確実性,
30
7~11
環境アセスメントに参加する多様な主体と環境アセスメントの事例
環境アセスメントには様々な主体が参加し,それぞれの手続きで役割を果たすことで,環境保全が実現されていることを理解する.また,具体例として取り上げた藤前干潟,海上の森に対する環境アセスメントについて,その工夫点や課題などの把握も重要である.上記を踏まえ,環境アセスメント制度が開発事業にどのように影響を与えるのか,また環境保全と開発の調整がどのように行われるのか,環境アセスメントの意義・課題・展望についての理解度を確認する.
多様な主体,市民参加,藤前干潟,海上の森,戦略的環境アセスメント(SEA)
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12~15
評価方法
期末試験(100%)によって評価する。
評価基準
評語
学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・
S (100~90点)
学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・
A (89~80点)
学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・
B (79~70点)
学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・
C (69~60点)
学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・
D (60点未満)
教科書
環境アセスメント学会編,『環境アセスメント学入門』,恒星社厚生閣,2700+税
参考文献
実験・実習・教材費
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