区分 フィールド生態科目 植物生態科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
専門性 理解力 実践力
カリキュラム・ポリシーとの関係
専門知識 教養知識 思考力
実行力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
個人・社会・自然が直面する課題に対して専門的な理解を深めると共に、学際的な柔軟性を有し、実践的な能力を有する。
科目の目的
ニッチと放散的種分化を材料として植物の適応進化を紹介する.固有種における二つの概念である遺存固有と新固有について,それぞれの概念と具体的事例を紹介する.日本列島における気候特性,地形特性,地質特性,地史についての知識を学び,それらの特性に応じた満鮮要素,ファッサマグナ地域,日本海地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域の各地域における植物群の特性を紹介する.生物の分布についてその規定要因の面から解説する.季節適応としての休眠戦略および休眠に入る前に繁殖活動を終えるための開花戦略を紹介する.種概念について紹介し,生物特有の種内変異について解説する.種内分類群と高次分類群について解説する.学名の意義について解説する.タイプ標本の意味を紹介する.学名とタイプ標本の関係について,記載,異名,組み替え,自動名について解説する.

到達目標
ニッチと放散的種分化について具体例を挙げて解説できる.固有種における二つの概念である遺存固有と新固有を理解しており,それぞれの固有種の具体的な事例を紹介できる.日本列島における気候,地質,地史の各特性を理解している.ファッサマグナ地域,日本海地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域の各地域における植物群の特徴を解説できる.それらの植物群と各地域の気候,地質,地史との関係を説明できる.生物の分布規定要因について,地理的・地形的障壁,物理化学的環境要因,移動・分散能力,生物間相互作用,歴史的経過などの具体例を挙げて説明できる.進化的・系統的制約のあることを生物特有の種内変異について説明できる.種概念について説明すると学名の意義を理解している.学名とタイプ標本の相互関係を理解している.
科目の概要
ニッチと放散的種分化を材料として植物の適応進化を紹介する.固有種における二つの概念である遺存固有と新固有について,それぞれの概念と具体的事例を紹介する.日本列島における気候特性,地質特性,地史についての知識を学び,それらの特性に応じたファッサマグナ地域,日本海地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域の各地域における植物群の特性を紹介する.さらに大陸との関係を示唆する満鮮要素についても紹介する.生物の分布についてその規定要因の面から解説する.季節適応としての休眠戦略および休眠に入る前に繁殖活動を終えるための開花戦略を紹介する.種概念について紹介し,生物特有の種内変異について解説する.種内分類群と高次分類群について解説し,学名の意義,タイプ標本の意味を紹介する.
科目のキーワード
遺存固有,新固有,地域植物相,分布の規定要因,生物学的種概念,種分化,分類群,学名,タイプ標本
授業の展開方法
第1回は,ニッチに対応した進化と適応放散の観点から植物の種分化について学ぶ.第2−3回は,遺存固有と新固有の概念の違いとを解説し,それぞれの具体的事例を照会する.第4-8回は,日本列島の各地域のフロラの概要とそれぞれの特徴を解説する.すなわち,第4回は,日本列島の気候,第5回は日本列島の地形,地質,地史を雁関するとともに大陸との関係を示唆する満鮮要素について紹介し,第6-8回はファッサマグナ地域,日本海側地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域の各地域における植物群の特性を紹介する.第9回は,生物の分布について,とくにその規定要因の面から解説する.第10-11回は,季節適応としての休眠戦略を学習し,休眠に入る前に繁殖活動を終えるための開花戦略を学習する.第12-15回は,個体変異,種概念,種内分類群,高次分類群,学名の意義,命名規約,タイプ標本について解説する.
オフィス・アワー
【月曜日】2限目(後期のみ)・昼休み,【火曜日】1限目・昼休み(前期のみ),【水曜日】昼休み・3限目(会議日は除く),【金曜日】1限目(後期のみ)・昼休み
科目コード ENS360
学年・期 2年・後期
科目名 植物分類学
単位数 2
授業形態 講義
必修・選択 選択
学習時間 【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目 環境と生物の進化、自然地理学
展開科目 なし
関連資格 なし
担当教員名 藤井伸二
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 固有植物 科目の中での位置付け 本コマでは,一つの祖先種から熱帯雨林から高山環境まで幅広い環境に放散的種分化を行ったハワイの銀剣草類を例にニッチと植物の種分化について学ぶ.ニッチについては環境と生物の進化で既習である.第1回は,ニッチに対応した進化と適応放散の観点から植物の種分化について学ぶ.第2−3回は,遺存固有と新固有の概念の違いとを解説し,それぞれの具体的事例を照会する.第4-8回は,日本列島の各地域のフロラの概要とそれぞれの特徴を解説する.すなわち,第4回は,日本列島の気候,第5回は日本列島の地形,地質,地史を雁関するとともに大陸との関係を示唆する満鮮要素について紹介し,第6-8回はファッサマグナ地域,日本海側地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域の各地域における植物群の特性を紹介する.第9回は,生物の分布について,とくにその規定要因の面から解説する.第10-11回は,季節適応としての休眠戦略を学習し,休眠に入る前に繁殖活動を終えるための開花戦略を学習する.第12-15回は,個体変異,種概念,種内分類群,高次分類群,学名の意義,命名規約,タイプ標本について解説する.
①D.J.フチーマ『進化生物学第3版』Sinauer Associates Inc.,1998年発行,221pp, Plate9.井上健・湯本貴和『昆虫を誘い寄せる戦略』平凡社,1992年発行,96-98pp.

②D.J.フチーマ『進化生物学第3版』Sinauer Associates Inc.,1998年発行,118-119.

③村田源.1987.固有植物を手がかりに.日本の生物 1(1):17-21
コマ主題細目 ① 放散的種分化 ② 銀剣草 ③ 固有種
細目レベル ① 一つの生物が種々の異なった環境に適応した分化を起こし,多数の異なる系統に分岐すること.多数の種が形成される放散的種分化の概念について紹介する.放散的種分化は,空きニッチが多数存在する場合に起こりやすく,海洋島などではよく知られていることを紹介する.ダーウィンが進化論の着想に至ったガラパゴス諸島も海洋等の一つであり,十数個の島からなる群島のそれぞれに島において様々な種分化を起こしていることにも触れる.ダーウィンフィンチは13種に種分化しているが,それは各島における餌資源と密接に関係している.それぞれの島に存在する乏しい資源対応して嘴の形を様々に適応させた結果が,現在のガラパゴス島の放散的種分化を産み出したと考えられる.
② 放散的種分化の代表例として,ハワイの銀剣草類を紹介する.銀剣草類はArgyroxiphium, Dubautia, Wilkesiaの3属からなる単系統群で,熱帯雨林から高山までの様々な環境において種分化し,高い繁殖型多年生草本,一回繁殖型多年生草本,ツル植物,木本植物などの多様な生育型を獲得していることを紹介する.銀剣草類に見られる適応放散は,生物種の少ない海洋島において多くの空きニッチが存在しておりそこに銀剣草の曽選手が偶然に侵入してそのような空きニッチに進出していった結果であると考えられる.このような適応放散が起こるには,多数のニッチが空いていたことに加えて競争相手に乏しかったことも関係しているであろう.
③ 限られた範囲の地域に生息・生育する生物種のことを固有種と呼ぶが,固有種には遺存固有と新固有という全く異なる二つの素性のものが含まれていることを解説する.ここでは,その一つの遺存固有についてどのようなものなのかを具体的に解説する.遺存固有のなかには生きた化石と称されるものが多く含まれていることについて解説する.遺存固有植物の具体例を紹介する.イチョウ科イチョウ属イチョウ,スギ科メタセコイア属メタセコイア,マツ科コウヤマキ属コウヤマキ,ヤマグルマ科ヤマグルマ属ヤマグルマ,フサザクラ科フサザクラ属フサザクラ,カツラ科カツラ属カツラなどを紹介する.これらの過去の分布について,化石記録から得られる情報を紹介する.
キーワード ① 放散的種分化 ② 生態分化 ③ 銀剣草 ④ ニッチ ⑤ 固有種
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 一つの生物が種々の異なった環境に適応した分化を起こし,多数の異なる系統に分岐すること.多数の種が形成される放散的種分化の概念について復習する.放散的種分化は,空きニッチが多数存在する場合に起こりやすく,海洋島などではよく知られていることを復習する.ダーウィンが進化論の着想に至ったガラパゴス諸島も海洋等の一つであり,十数個の島からなる群島のそれぞれに島において様々な種分化を起こしていることにも復習する.放散的種分化の代表例として,ハワイの銀剣草類を復習する.銀剣草類はArgyroxiphium, Dubautia, Wilkesiaの3属からなる単系統群で,熱帯雨林から高山までの様々な環境において種分化し,高い繁殖型多年生草本,一回繁殖型多年生草本,ツル植物,木本植物などの多様な生育型を獲得していることを復習する.復習にあたっては,Robert H. Robichaux, Gerald D. Carr, Matt Liebman and Robert W. Pearcy. 1990. Adaptive Radiation of the Hawaiian Silversword Alliance (Compositae- Madiinae): Ecological, Morphological, and Physiological Diversity. Annals of the Missouri Botanical Garden Vol. 77(1):64-72を参照してもよい.試験時の参照物持ち込みは不可なので,普段からの復習をしっかりしておくこと.配布プリントについて,シラバスの細目レベルの内容をよく参照しながら予習する.
2 新固有と遺存固有 科目の中での位置付け 本コマでは,固有種には遺存固有と新固有という全く異なる二つの素性のものが含まれていることを解説し,遺存固有植物の具体例としてイチョウ,メタセコイア,コウヤマキを紹介する.第1回は,ニッチに対応した進化と適応放散の観点から植物の種分化について学ぶ.第2−3回は,遺存固有と新固有の概念の違いとを解説し,それぞれの具体的事例を照会する.第4-8回は,日本列島の各地域のフロラの概要とそれぞれの特徴を解説する.すなわち,第4回は,日本列島の気候,第5回は日本列島の地形,地質,地史を雁関するとともに大陸との関係を示唆する満鮮要素について紹介し,第6-8回はファッサマグナ地域,日本海側地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域の各地域における植物群の特性を紹介する.第9回は,生物の分布について,とくにその規定要因の面から解説する.第10-11回は,季節適応としての休眠戦略を学習し,休眠に入る前に繁殖活動を終えるための開花戦略を学習する.第12-15回は,個体変異,種概念,種内分類群,高次分類群,学名の意義,命名規約,タイプ標本について解説する.
①村田源.1987.固有植物を手がかりに.日本の生物 1(1):17-21

②1987.蛇紋岩地と固有植物.日本の生物 1:17-21.

②村田源.1987.固有植物を手がかりに.日本の生物 1(2):17-21.

③河野昭一監修『植物の世界第2号』教育社,1987年発行,66-71pp.
コマ主題細目 ① 固有種 ② 遺存固有 ③ 新固有
細目レベル ① 限られた範囲の地域に生息・生育する生物種のことを固有種と呼ぶが,固有種には遺存固有と新固有という全く異なる二つの素性のものが含まれていることを解説する.遺存固有のなかには生きた化石と称されるものが多く含まれていることについて解説する.例えば動物の例では,シーラカンス,カブトガニ,ハイギョなどは,それらの化石が世界各地から見つかっている.つまり,化石で見つかるほどかつては普遍的勝豊富に生息していたのであり,繁栄していた生物群である.しかし,これらの生物は今では地球上のごく限られた場所でしか見ることができない.一方,新固有はその場所で新しく産まれた種類のことで,先に紹介したダーウィンフィンチや銀剣草がその例である.
② 遺存固有植物の具体例を紹介する.イチョウ科イチョウ属イチョウ,スギ科メタセコイア属メタセコイア,マツ科コウヤマキ属コウヤマキ,ヤマグルマ科ヤマグルマ属ヤマグルマ,フサザクラ科フサザクラ属フサザクラ,カツラ科カツラ属カツラなどを紹介するこれらの過去の分布について,化石記録から得られる情報を紹介する.メタセコイアは化石で発見され,その数年後に中国の四川省で現生が確認されたことからたいへん有名になった植物である.アメリカのハーバード大が調査隊を現地に派遣し,採集・増殖された苗木が世界に広く配布された.現在の日本各地で植栽されているメタセコイアは配布木あるいはそれらの子孫である.なお,生きた化石と言われる植物のかなりの種類が日本列島に生き残っており,そのことは過去の大量絶滅や何度も繰り返された氷期を乗り切っていることを示している.
③ 新固有植物の具体例を紹介する.キク科タンポポ属のエゾタンポポ,シナノタンポポ,カントウタンポポ,トウカイタンポポ,セイタカタンポポ,カンサイタンポポを紹介する.サトイモ科テンナンショウ属コウライテンナンショウ,オオマムシグサ,スルガテンナンショウ,ヤマトテンナンショウ,キシダマムシグサ,ムロウテンナンショウ等について紹介する.ウマノスズクサ科カンアオイ属カンアオイ,イセノカンアオイ,サンインカンアオイ,ヒメカンアオイ,キナンカンアオイ,ズソウカンアオイ,オトメアオイ,アツミカンアオイ,ミヤコアオイ等について紹介する.これらの種群はその分類がとくに難しく,そのことは今現在も新しい種分化が起こりつつあることを示唆している.
キーワード ① 遺存固有 ② メタセコイア ③ イチョウ ④ コウヤマキ ⑤ 新固有
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 限られた範囲の地域に生息・生育する生物種のことを固有種と呼ぶが,固有種には遺存固有と新固有という全く異なる二つの素性のものが含まれていることを復習する.ここでは,その一つの遺存固有についてどのようなものなのかを具体的に復習する.遺存固有のなかには生きた化石と称されるものが多く含まれていることについて復習する.遺存固有植物の具体例を復習する.イチョウ科イチョウ属イチョウ,スギ科メタセコイア属メタセコイア,マツ科コウヤマキ属コウヤマキ,ヤマグルマ科ヤマグルマ属ヤマグルマ,フサザクラ科フサザクラ属フサザクラ,カツラ科カツラ属カツラなどを復習する.これらの過去の分布について,化石記録から得られる情報を復習する.復習にあたっては加藤雅啓・海老原淳(編)「国立科学博物館叢書日本の固有植物」(東海大学出版会),前川文夫(著)「玉川選書日本固有の植物」(玉川大学出版会)を利用しても良い.試験時の参照物持ち込みは不可なので,普段からの復習をしっかりしておくこと.配布プリントについて,シラバスの細目レベルの内容をよく参照しながら予習する.
3 日本の植物区系:気候と地形 科目の中での位置付け 本コマでは,日本列島の気候について解説する.日本列島は南北に長大であるために冷帯〜亜熱帯気候が存在すること,モンスーンの存在によって夏と冬で大きく異なる気候であること,脊梁山脈の存在によって平洋側と日本海側の気候に明瞭な違いのあることを解説する.第1回は,ニッチに対応した進化と適応放散の観点から植物の種分化について学ぶ.第2−3回は,遺存固有と新固有の概念の違いとを解説し,それぞれの具体的事例を照会する.第4-8回は,日本列島の各地域のフロラの概要とそれぞれの特徴を解説する.すなわち,第4回は,日本列島の気候,第5回は日本列島の地形,地質,地史を雁関するとともに大陸との関係を示唆する満鮮要素について紹介し,第6-8回はファッサマグナ地域,日本海側地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域の各地域における植物群の特性を紹介する.第9回は,生物の分布について,とくにその規定要因の面から解説する.第10-11回は,季節適応としての休眠戦略を学習し,休眠に入る前に繁殖活動を終えるための開花戦略を学習する.第12-15回は,個体変異,種概念,種内分類群,高次分類群,学名の意義,命名規約,タイプ標本について解説する.
①和田清夫『日本の気候』東京堂出版,1958年発行,167-170pp.帝国書院『図解地図資料八丁版』帝国書院,2002年発行,72,86-87pp

②倉嶋厚『日本の気候』古今書院,1966年発行,14-30pp.

③帝国書院『図解地図資料八丁版』帝国書院,2002年発行,5-9,84-86pp.太田陽子ほか『日本列島の地形学』東京大学出版会,2010年出版,13-22pp.
コマ主題細目 ① 気候 ② モンスーン ③ 地形
細目レベル ① 日本列島の気候について解説する.日本列島は南北に長大な列島であるために亜寒帯(冷帯),冷温帯,暖温帯,亜熱帯気候,高山気候といった多様な気候が存在することを紹介する.日本列島は基本的に多雨気候で,どの地域においても年降水量はほぼ1000mm以上である.季節風や地形による地域的な違いが大きく,太平洋側に位置する紀伊半島,四国南部,九州南部,南西諸島では梅雨と台風によって夏季に多量の降雨がもたらされる.3000mmを超える年降水量のある都市,年降水量5000mmに達する観測地点もある.日本海側では多雪がもたらす冬季の降水量の多さが特徴である.一方,瀬戸内地域は年間を通じて小雨で,年降水量は1000mmほどである.信州や東北の内陸盆地では夏高温,冬低温となり,夏冬の気温較差が大きい.近江盆地は中央に琵琶湖が存在するために比較的温暖な気候となっている.信州では3000mに達する山脈が連なり,高山気候となっている.
② 日本列島の気候はアジアモンスーンであることを特徴とする.モンスーンの存在によって,夏と冬で大きく異なる気候であることを解説する.また,モンスーンは脊梁山脈の存在によって,平洋側と日本海側の気候に明瞭な違いのあることを解説する.夏のモンスーンは太平洋側から吹き,日本列島の太平洋側に湿った暖かい風をもたらす.このため,太平洋側は夏に多雨となる.一方,冬のモンスーンは大陸から吹き,日本列島にたどり着く際には上空を吹いてくる冷たい風と日本海上で多量の水分を供給された湿った風との二つに分かれており,これら二つの風が日本列島の上空で合流する.その際,日本海側に大量の降雪をもたらす.降雪後の風は乾いた風となって日本列島の脊梁山脈を越えて太平洋側に空っ風として吹き下ろす.このため,冬季の太平洋側は乾燥した気候となる.
③ 日本列島の地形について解説する.日本列島が南北に長く,多くの島々から成ることを解説する.日本列島は,北海道,本州,四国,九州の大きな4島が主要部分を構成し,北方4島の他に,沖縄島,佐渡島,奄美大島,対馬,淡路島,屋久島,種子島,福江島,西表島などが代表的な島々である.また,日本列島には,北海道の日高山脈,東北地方の奥羽山脈,中部地方の飛騨山脈,木曽,赤石山脈,紀伊半島の台高山脈,大峰山脈,四国の四国山地などの多数の山地が卓越していることを解説する.日本列島には南北方向に伸びる脊梁山脈が特徴的であることを解説する.さらに日本列島には蔵王山,鳥海山,三原山,白根山,浅間山,乗鞍岳,雲仙,阿蘇山,霧島山,桜島などの多数の火山が存在することを解説する.
キーワード ① 日本列島 ② 気候 ③ モンスーン ④ 地形 ⑤ 環境
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 日本列島の気候について復習する.南北に長大な列島であるために冷帯〜亜熱帯気候が存在することを復習する.モンスーンの存在によって,夏と冬で大きく異なる気候であることを復習する.脊梁山脈の存在によって,平洋側と日本海側の気候に明瞭な違いのあることを復習する.日本海側気候の特徴,太平洋側の気候(南海気候)について復習する.日本列島の地形について復習する.日本列島が南北に長く,多くの島々から成ることを復習する.日本列島には中部地方の山岳地(飛騨,木曽,赤石山脈)をはじめとする山地が卓越していることを復習する.日本列島には南北方向に伸びる脊梁山脈が特徴的であることを復習する.日本列島には多数の火山が存在することを復習する.復習にあたっては,木村富士男・日下博幸・藤部文昭ほか(編)「日本気候百科」(丸善),太田陽子・鎮西清高・野上道男ほか(著)「日本列島の地形学」(東京大学出版会)を利用してもよい.試験時の参照物持ち込みは不可なので,普段からの復習をしっかりしておくこと.配布プリントについて,シラバスの細目レベルの内容をよく参照しながら予習する.
4 日本の植物区系:地形と地質 科目の中での位置付け 本コマでは,日本列島の地形,地質,地史および満鮮要素について解説する.中部地方の山岳地をはじめとする山地が卓越していること,南北方向に伸びる脊梁山脈の存在,多数の火山の存在が特徴であることを解説する.プレート運動によって付加体が形成されることによって海洋起源の岩石が卓越すること活発な火山活動による火成岩の多産することを解説する.とくに深海底で形成されたチャートや地下深部からの噴出物であるかんらん岩およびその変成岩である蛇紋岩が見られることを紹介する.日本列島形成史において,中央構造線の存在,フォッサマグナの形成,丹沢山地と伊豆半島の衝突と付加について解説する.氷期間氷期の気候変動に伴う海水準面の変動によって,日本列島と大陸が過去に何度も陸続きになったり分断されたことを解説する.第1回は,ニッチに対応した進化と適応放散の観点から植物の種分化について学ぶ.第2−3回は,遺存固有と新固有の概念の違いとを解説し,それぞれの具体的事例を照会する.第4-8回は,日本列島の各地域のフロラの概要とそれぞれの特徴を解説する.すなわち,第4回は,日本列島の気候,第5回は日本列島の地形,地質,地史を雁関するとともに大陸との関係を示唆する満鮮要素について紹介し,第6-8回はファッサマグナ地域,日本海側地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域の各地域における植物群の特性を紹介する.第9回は,生物の分布について,とくにその規定要因の面から解説する.第10-11回は,季節適応としての休眠戦略を学習し,休眠に入る前に繁殖活動を終えるための開花戦略を学習する.第12-15回は,個体変異,種概念,種内分類群,高次分類群,学名の意義,命名規約,タイプ標本について解説する.
①太田陽子ほか『日本列島の地形学』東京大学出版会,2010年出版,2-3,86-98pp.

②太田陽子ほか『日本列島の地形学』東京大学出版会,2010年出版,13-22pp.帝国書院『図解地図資料八丁版』帝国書院,2002年発行,5-9,84-86pp

③太田陽子ほか『日本列島の地形学』東京大学出版会,2010年出版,1-10pp.木村学『プレート収束帯のテクトニクス学』東京大学出版会,2002年出版,13-22,193-212pp.
コマ主題細目 ① 火山 ② 地形 ③ プレート
細目レベル ① 日本列島には多数の火山が存在することを解説する.蔵王山,鳥海山,三原山,白根山,浅間山,乗鞍岳,雲仙,阿蘇山,霧島山,桜島などの多数の火山が存在する.これらの火山は千島火山帯,鳥海火山帯,那須火山帯,富士火山帯,乗鞍火山帯,白山火山帯,霧島火山帯などの各火山帯列を形成しており,さながら火山銀座と言ってよい状況である.このように多数の火山列が存在する理由は,日本列島がプレート境界に位置しており,太平洋プレートの沈み込んだ先とフィリピン海プレートが沈み込んだ先に火山フロントが形成されるためである.阿蘇山,姶良カルデラ,海底火山の鬼界カルデラは,過去に破局的噴火を起こしており,生物の分布にも大きな影響を与えた可能性がある.なお,紀伊半島から四国にかけては火山の空白地帯が見られる.
② 日本列島の地形について引き続いて解説を続ける.日本列島が南北に長く,多くの島々から成ることを解説する.日本列島は,北海道,本州,四国,九州の大きな4島が主要部分を構成し,北方4島の他に,沖縄島,佐渡島,奄美大島,対馬,淡路島,屋久島,種子島,福江島,西表島などが代表的な島々である.また,日本列島には,北海道の日高山脈,東北地方の奥羽山脈,中部地方の飛騨山脈,木曽,赤石山脈,紀伊半島の台高山脈,大峰山脈,四国の四国山地などの多数の山地が卓越していることを解説する.日本列島には南北方向に伸びる脊梁山脈が特徴的であることを解説する.さらに日本列島には蔵王山,鳥海山,三原山,白根山,浅間山,乗鞍岳,雲仙,阿蘇山,霧島山,桜島などの多数の火山が存在することを解説する.
③ 日本列島周辺はユーラシアプレート,北米プレート,太平洋プレート,フィリピン海プレートの4つのプレートが交わる世界的にも希有な地殻構造を有している.太平洋プレートとフィリピン海プレートは年間数センチの速度で移動して日本列島の下に潜り込んでおり,この移動による歪みが開放される際にプレート型の巨大地震を引き起こしてきた.また,プレート運動にともなう活発な火山活動,そして隆起および隆起に連動した浸食など,激しい地形変化を経ているのが特徴である.この変動は現在も続いており,いくつかの火山は活発に活動を継続している.また,赤石山脈は年間数センチの速度で隆起を続けている.著しい隆起によって,高い山が形成される一方で,大きな高低差がもたらす活発な浸食作用によって紀伊半島や四国では深い渓谷地形が発達する.
キーワード ① 火山帯 ② 地形 ③ 大陸プレート ④ 海洋プレート ⑤ 地質
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 日本列島の地質について復習する.日本列島にはプレート運動によって付加体が形成されることによって海洋起源の岩石が卓越することを復習する.日本列島には活発な火山活動による火成岩の多産することを復習する.日本列島は中央構造線によって大きく地質の違う外帯と内帯に二分されることを復習する.日本列島には,深海底で形成されたチャートや地下深部からの噴出物であるかんらん岩およびその変成岩である蛇紋岩が見られることを復習する.日本列島には,海洋起源の丹沢山地と伊豆半島の衝突と付加があったことを復習する.日本列島形成以前に形成された中央構造線について復習する.日本列島形成時に形成された大地溝帯のフォッサマグナについて復習する.氷期間氷期の気候変動に伴う海水準面の変動によって,日本列島と大陸が過去に何度も陸続きになったり分断されたことを復習する.氷期間氷期サイクルの中で大陸と日本列島が陸続きになった際に大陸から日本列島に侵入してきたと考えられる植物群である満鮮要素について復習する.復習にあたっては,日本の地質編集委員会(編)「日本の地質」(共立出版),藤岡換太郎・平田大二ほか(編)「有隣新書75日本海の拡大と伊豆弧の衝突 ―神奈川の大地の生い立ち」を利用してもよい.試験時の参照物持ち込みは不可なので,普段からの復習をしっかりしておくこと.配布プリントについて,シラバスの細目レベルの内容をよく参照しながら予習する.
5 日本の植物区系:日本列島の地質構造 科目の中での位置付け 本コマでは,日本列島の地形,地質,地史および満鮮要素について解説する.中部地方の山岳地をはじめとする山地が卓越していること,南北方向に伸びる脊梁山脈の存在,多数の火山の存在が特徴であることを解説する.プレート運動によって付加体が形成されることによって海洋起源の岩石が卓越すること活発な火山活動による火成岩の多産することを解説する.とくに深海底で形成されたチャートや地下深部からの噴出物であるかんらん岩およびその変成岩である蛇紋岩が見られることを紹介する.日本列島形成史において,中央構造線の存在,フォッサマグナの形成,丹沢山地と伊豆半島の衝突と付加について解説する.氷期間氷期の気候変動に伴う海水準面の変動によって,日本列島と大陸が過去に何度も陸続きになったり分断されたことを解説する.第1回は,ニッチに対応した進化と適応放散の観点から植物の種分化について学ぶ.第2−3回は,遺存固有と新固有の概念の違いとを解説し,それぞれの具体的事例を照会する.第4-8回は,日本列島の各地域のフロラの概要とそれぞれの特徴を解説する.すなわち,第4回は,日本列島の気候,第5回は日本列島の地形,地質,地史を雁関するとともに大陸との関係を示唆する満鮮要素について紹介し,第6-8回はファッサマグナ地域,日本海側地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域の各地域における植物群の特性を紹介する.第9回は,生物の分布について,とくにその規定要因の面から解説する.第10-11回は,季節適応としての休眠戦略を学習し,休眠に入る前に繁殖活動を終えるための開花戦略を学習する.第12-15回は,個体変異,種概念,種内分類群,高次分類群,学名の意義,命名規約,タイプ標本について解説する.
①太田陽子ほか『日本列島の地形学』東京大学出版会,2010年出版,1-10pp.木村学『プレート収束帯のテクトニクス学』東京大学出版会,2002年出版,13-22,193-212pp.平朝彦ほか『日本列島の形成変動帯としての歴史と現在』岩波書店,1986年発行,3-11,139-148,309-316pp.

②太田陽子ほか『日本列島の地形学』東京大学出版会,2010年出版,1-10,86-98pp.平朝彦ほか『日本列島の形成変動帯としての歴史と現在』岩波書店,1986年発行,56-64pp.

③日本第四紀学会編『第四紀とは』日本第四紀学会,2015年出版,3p.
コマ主題細目 ① 地質1 ② 地質12 ③ 地史
細目レベル ① 日本列島の地質について解説する.日本列島にはプレート運動によって付加体が形成されることによって海洋起源の岩石が卓越することを解説する.このプレート運動は,太平洋から様々なものを運んできており,現在の丹沢山地と伊豆半島はプレートが運んできた巨大な島が日本列島に衝突して取り込まれたと考えられている.日本列島には深海底で形成されたチャートや浅海で形成されたサンゴ礁が化石となった石灰岩が豊富である.チャートは放散虫と呼ばれる海洋プランクトンの一種で,深海底において1mmの厚さに積もるのに1000年ほどかかると言われている.こうした海洋起源の岩石が日本列島に豊富に存在するのは,海洋プレートがこれらの岩石を運んできたためである.サンゴ礁起源の石灰岩は,海洋島や海底火山の頂上部に成立したサンゴ礁が海洋島や海底火山もろとも日本列島の地方の中に取り込まれ,比重の軽い石灰岩が浮き上がってき手いると考えられている.このように,日本列島の地質を考える際に,海洋プレートの働きは無視できない.
② 日本列島の地質の二つ目の特徴について解説する.日本列島には,火山活動に起因する岩石が豊富に存在しているが,なかでも地下深部からの噴出物であるかんらん岩およびその変成岩である蛇紋岩が見られることを紹介する.これらの岩石は通常は地表に現れることのないマントルの構成物質である.このような岩石が地表に出現するのは,近くに大きな裂け目が形成されたり,マグマの中に何らかの理由で地下深くのマントル構成物質が取り込まれてそれらがマグマと一緒に噴出してきた場合である.橄欖岩や蛇紋岩の多くは,貫入岩として見いだされるが,中央構造線の南側に沿って分布する三波川帯に多い.愛媛県の東赤石山,徳島県の笹峠,和歌山県の龍門岳,伊勢の朝熊山,鳥羽の菅島,三河湾の姫島,新城市の雨生山,赤石山脈の各地はすべてこの中央構造線に沿った蛇紋岩地である.
③ およそ2000万年前ごろから大陸の一部がちぎれ,急速に観音開き状に折れ曲がって移動することで日本海と日本列島が形成された.この日本列島および日本海形成時には大規模な火山活動が起き,その痕跡が日本海側の各地に存在するグリーンタフと呼ばれる緑色凝灰岩である.そして,この観音開きの開口部に沿って存在する大地溝帯がフォッサマグナである.現在は堆積物が埋めてしまっているが,その深さは6000mに達するとされている.富士山がすっぽりと隠れてしまう巨大な溝である.日本列島はおよそ1500万年前にほぼ現在の位置に落ち着いたが,当時は無数の島々から成り立つ多島海の状態であったと考えられている.現在の主な山脈が形成されたのは比較的最近の500万年くらいの出来事である.500万年前には東海地方には巨大な東海湖が存在していた.この湖に堆積した珪藻類の化石が瀬戸陶土層を形成し,現在は陶器の良質な原料として利用されている.東海湖とほぼ同じ時期に琵琶湖が誕生しているが,当時にお琵琶湖は現在に伊賀盆地あたりに位置していた.琵琶湖は500万年ほどかけて北に移動して現在の位置に存在している.
キーワード ① 地質 ② 海洋性岩石 ③ 火山性岩石 ④ プレート運動 ⑤ 氷期間氷期サイクル
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 日本列島の地質について復習する.日本列島にはプレート運動によって付加体が形成されることによって海洋起源の岩石が卓越することを復習する.日本列島には活発な火山活動による火成岩の多産することを復習する.日本列島は中央構造線によって大きく地質の違う外帯と内帯に二分されることを復習する.日本列島には,深海底で形成されたチャートや地下深部からの噴出物であるかんらん岩およびその変成岩である蛇紋岩が見られることを復習する.日本列島には,海洋起源の丹沢山地と伊豆半島の衝突と付加があったことを復習する.日本列島形成以前に形成された中央構造線について復習する.日本列島形成時に形成された大地溝帯のフォッサマグナについて復習する.氷期間氷期の気候変動に伴う海水準面の変動によって,日本列島と大陸が過去に何度も陸続きになったり分断されたことを復習する.氷期間氷期サイクルの中で大陸と日本列島が陸続きになった際に大陸から日本列島に侵入してきたと考えられる植物群である満鮮要素について復習する.復習にあたっては,日本の地質編集委員会(編)「日本の地質」(共立出版),藤岡換太郎・平田大二ほか(編)「有隣新書75日本海の拡大と伊豆弧の衝突 ―神奈川の大地の生い立ち」を利用してもよい.試験時の参照物持ち込みは不可なので,普段からの復習をしっかりしておくこと.配布プリントについて,シラバスの細目レベルの内容をよく参照しながら予習する.
6 日本の植物区系:フォッサマグナ 科目の中での位置付け 本コマでは,日本列島の植物区系について解説する.日本の植物区系は,そこに生育する植物の特徴から,蝦夷・陸奥地域,関東地域,フォッサマグナ地域,日本海側地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域などの各植物区系に区分されること,そしてそれぞれの地域の特徴的な植物群について具体例を挙げて紹介する.第1回は,ニッチに対応した進化と適応放散の観点から植物の種分化について学ぶ.第2−3回は,遺存固有と新固有の概念の違いとを解説し,それぞれの具体的事例を照会する.第4-8回は,日本列島の各地域のフロラの概要とそれぞれの特徴を解説する.すなわち,第4回は,日本列島の気候,第5回は日本列島の地形,地質,地史を雁関するとともに大陸との関係を示唆する満鮮要素について紹介し,第6-8回はファッサマグナ地域,日本海側地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域の各地域における植物群の特性を紹介する.第9回は,生物の分布について,とくにその規定要因の面から解説する.第10-11回は,季節適応としての休眠戦略を学習し,休眠に入る前に繁殖活動を終えるための開花戦略を学習する.第12-15回は,個体変異,種概念,種内分類群,高次分類群,学名の意義,命名規約,タイプ標本について解説する.
①堀田満『植物の分布と分化』三省堂,1974年発行,353-354pp.

②前川文夫『日本の植物区系』玉川大学出版会,1977年発行,124-128pp.

③前川文夫『日本の植物区系』玉川大学出版会,1977年発行,120-124pp.
コマ主題細目 ① 日本列島の植物区系 ② フォッサマグナ地域 ③ 日本海側地域
細目レベル ① 日本列島の植物区系の各論について解説する.日本の植物区系は,それぞれの生育する植物の種類の特徴から,蝦夷・陸奥地域,関東地域,フォッサマグナ地域,日本海側地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域などの植物区系に区分されることを紹介する.ここで紹介する植物区系はあくまでも一つの例示であって必ずしも絶対的なものではない.過去の研究ではいくつかの異なる植物区系が提案されてきた.それは,生物の分布がそれぞれの種固有のものであり,すべての種が同じような分布をすることはあり得ないために,どの種群を重視するかあるいはどの種群を取り上げるかによって区分が変化してしまうからである.しかしながら,そのような区分を一切無視してしまって日本産6000種の分布を眺めるのはいささか無理がある.ここでは,例示としての一つの植物区系に従って議論を進めていくことにする.そして,これらの植物区系を理解するためには,これまでに解説してきたそれぞれの地域の気候の特徴,地形の特徴,地質の特徴,地史の特徴などの知識を統合的に用いて考察を進める必要がある.
② フォッサマグナ地域に特徴的な植物種について紹介する.ウマノスズクサ科カンアオイ属オトメアオイ,ウマノスズクサ科カンアオイ属カギガタアオイ,アジサイ科アジサイ属アマギアマチャ,アジサイ科アジサイ属ガクアジサイ,ツツジ科ツツジ属オオシマツツジ,バラ科サクラ属マメザクラ,リンドウ科センブリ属ソナレセンブリ,オトギリソウ科オトギリソウ属コオトギリを紹介する.富士火山帯に属するフォッサマグナ地域には火山が多く,そのために頻繁な噴火によって形成された裸地環境に適応したと考えられる植物群が見られる.また,伊豆諸島という離島環境に隔離されることで本州とは異なる種分化をしたと考えられる植物群がある.丹沢山系は古い時代に衝突した海洋島であるが,この地域にはその起源がよくわからないものの,特殊な植物群の生育が知られている
③ 日本海側地域に特徴的な植物種について紹介する.遺存固有のメギ科サンカヨウ属サンカヨウ,キンポウゲ科シラネアオイ属シラネアオイについて紹介する.ツバキ科ツバキ属ユキツバキ,ユズリハ科ユズリハ属エゾユズリハ,イヌガヤ科イヌガヤ属ハイイヌガヤ,カヤ科カヤ属チャボガヤ,クスノキ科クロモジ属オオバクロモジ,ニシキギ科マユミ属エゾツリバナ,カバノキ科ハンノキ属ミヤマカワラハンノキ,イワカガミ科イワカガミ属オオイワカガミについて紹介する.日本海地域においては,環境と生物の進化で解説した様に多雪環境に適応した植物群を見ることができる.植物体の矮性化や小形化,伏条枝や匍匐枝の発達,葉の大型化などがその例である.こうした多雪適応植物群は,太平洋側に対照的な形態の植物群が生育していることから,比較的新しい時代に分化したものと考えられる.
キーワード ① 日本列島 ② 植物区系 ③ フォッサマグナ ④ 日本海側 ⑤ 伊豆半島
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 日本列島の植物区系について復習する.日本の植物区系は,そこに生育する植物の特徴から,蝦夷.・陸奥地域,関東地域,フォッサマグナ地域,日本海側地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域などの植物区系に区分されることを復習する.フォッサマグナ地域に特徴的な植物種について復習する.ウマノスズクサ科カンアオイ属オトメアオイ,ウマノスズクサ科カンアオイ属カギガタアオイ,アジサイ科アジサイ属アマギアマチャ,アジサイ科アジサイ属ガクアジサイ,ツツジ科ツツジ属オオシマツツジ,バラ科サクラ属マメザクラ,リンドウ科センブリ属ソナレセンブリ,オトギリソウ科オトギリソウ属コオトギリを復習する.復習にあたっては,前川文夫(著)「玉川選書47日本の植物区系」(玉川大学出版会),堀田満(著)「カラー自然ガイド 11日本列島の植物」(保育社),堀田満(著)「植物の進化生物学3植物の分布と分化」(三省堂)を利用してもよい.試験時の参照物持ち込みは不可なので,普段からの復習をしっかりしておくこと.配布プリントについて,シラバスの細目レベルの内容をよく参照しながら予習する.
7 日本の植物区系:東海 科目の中での位置付け 本コマでは,日本列島の植物区系について解説する.日本の植物区系は,そこに生育する植物の特徴から,蝦夷・陸奥地域,関東地域,フォッサマグナ地域,日本海側地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域などの各植物区系に区分されること,そしてそれぞれの地域の特徴的な植物群について具体例を挙げて紹介する.第1回は,ニッチに対応した進化と適応放散の観点から植物の種分化について学ぶ.第2−3回は,遺存固有と新固有の概念の違いとを解説し,それぞれの具体的事例を照会する.第4-8回は,日本列島の各地域のフロラの概要とそれぞれの特徴を解説する.すなわち,第4回は,日本列島の気候,第5回は日本列島の地形,地質,地史を雁関するとともに大陸との関係を示唆する満鮮要素について紹介し,第6-8回はファッサマグナ地域,日本海側地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域の各地域における植物群の特性を紹介する.第9回は,生物の分布について,とくにその規定要因の面から解説する.第10-11回は,季節適応としての休眠戦略を学習し,休眠に入る前に繁殖活動を終えるための開花戦略を学習する.第12-15回は,個体変異,種概念,種内分類群,高次分類群,学名の意義,命名規約,タイプ標本について解説する.
①前川文夫『日本の植物区系』玉川大学出版会,1977年発行,3-18pp.

②植田邦彦編『植物の自然史』北海道大学出版会,1994年発行,37-55pp.

③前川文夫『日本の植物区系』玉川大学出版会,1977年発行,128-133pp.
コマ主題細目 ① 日本海側地域 ② 東海地域 ③ 襲速紀地域
細目レベル ① 日本海側地域に特徴的な植物種を引き続いて紹介する.遺存固有のメギ科サンカヨウ属サンカヨウ,キンポウゲ科シラネアオイ属シラネアオイについて紹介する.ツバキ科ツバキ属ユキツバキ,ユズリハ科ユズリハ属エゾユズリハ,イヌガヤ科イヌガヤ属ハイイヌガヤ,カヤ科カヤ属チャボガヤ,クスノキ科クロモジ属オオバクロモジ,ニシキギ科マユミ属エゾツリバナ,カバノキ科ハンノキ属ミヤマカワラハンノキ,イワカガミ科イワカガミ属オオイワカガミについて紹介する.日本海地域においては,環境と生物の進化で解説した様に多雪環境に適応した植物群を見ることができる.植物体の矮性化や小形化,伏条枝や匍匐枝の発達,葉の大型化などがその例である.こうした多雪適応植物群は,太平洋側に対照的な形態の植物群が生育していることから,比較的新しい時代に分化したものと考えられる.


② 東海地域に特徴的な植物種について紹介する.遺存固有であるカエデ科カエデ属ハナノキ,モクセイ科ヒトツバタゴ属ヒトツバタゴ,マンサク科マルバノキ属マルバノキ,メギ科メギ属ヘビノボラズについて紹介する.新固有であるモクレン科モクレン属シデコブシ,ナンバンギセル科シオガマ属ミカワシオガマ,バイケイソウ属ミカワバイケイソウ,シソ科アキノタムラソウ属シマジタムラソウ,キク科シオン属シブカワシロギク,ツツジ科ツツジ属ジングウツツジについて紹介する.500万年前の東海地方には東海湖が存在し,東海湖によって形成された東海層群が卓越している.東海層群は珪藻土などの不透水層を有するために,湿地環境を形成しやすい特徴を持っている.東海地域に特有な植物の多くは東海層群状に成立する貧栄養湿地に多産する.また,新城市周辺の蛇紋岩地域には,蛇紋岩特有の固有植物が生育する.
③ 襲速紀地域に特徴的な植物種について紹介する.遺存固有のユキノシタ科キレンゲショウマ属キレンゲショウマ,アジサイ科バイカアマチャ属バイカアマチャ,ユキノシタ科イワユキノシタ属イワユキノシタ,ケイビラン属ケイビラン,キク科モミジハグマ属クサヤツデについて紹介する.イネ科トダシバ属ミギワトダシバ,ユキノシタ科チダケサシ属アワモリショウマ,ツツジ科ツツジ属サツキ,ゼンマイ科ゼンマイ属ヤシャゼンマイ,キク科キク属ナカガワノギクについて紹介する.襲速紀地域を特徴づける植物群の一つに渓流沿い植物がある.これは,急峻で深い渓谷が卓越する紀伊半島や四国の地形的特徴に対応したものである.とくに,これらの地域ではプレート運動によって四万十帯と呼ばれる付加帯によって形成されており,深海底で形成されたチャートが多く含まれている.チャートは非常に硬い岩石で浸食がされにくいため,深い渓谷が形成されやすい.熊野川水系の瀞峡や七色峡,吉野川水系の大歩危小歩危はその代表例である.
キーワード ① 日本海地域 ② 東海地域 ③ 襲速紀地域 ④ 新固有 ⑤ 遺存固有
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 日本海側地域に特徴的な植物種について復習する.遺存固有のメギ科サンカヨウ属サンカヨウ,キンポウゲ科シラネアオイ属シラネアオイについて復習する.ツバキ科ツバキ属ユキツバキ,ユズリハ科ユズリハ属エゾユズリハ,イヌガヤ科イヌガヤ属ハイイヌガヤ,カヤ科カヤ属チャボガヤ,クスノキ科クロモジ属オオバクロモジ,ニシキギ科マユミ属エゾツリバナ,カバノキ科ハンノキ属ミヤマカワラハンノキ,イワカガミ科イワカガミ属オオイワカガミについて復習する.東海地域に特徴的な植物種について復習する.遺存固有であるカエデ科カエデ属ハナノキ,モクセイ科ヒトツバタゴ属ヒトツバタゴ,マンサク科マルバノキ属マルバノキ,メギ科メギ属ヘビノボラズについて復習する.新固有であるモクレン科モクレン属シデコブシ,ナンバンギセル科シオガマ属ミカワシオガマ,バイケイソウ属ミカワバイケイソウ,シソ科アキノタムラソウ属シマジタムラソウ,キク科シオン属シブカワシロギク,ツツジ科ツツジ属ジングウツツジについて復習する.復習にあたっては,前川文夫(著)「玉川選書47日本の植物区系」(玉川大学出版会),堀田満(著)「カラー自然ガイド 11日本列島の植物」(保育社),堀田満(著)「植物の進化生物学3植物の分布と分化」(三省堂)を利用してもよい.試験時の参照物持ち込みは不可なので,普段からの復習をしっかりしておくこと.配布プリントについて,シラバスの細目レベルの内容をよく参照しながら予習する.
8 日本の植物区系:襲速紀 科目の中での位置付け 本コマでは,日本列島の植物区系について解説する.日本の植物区系は,そこに生育する植物の特徴から,蝦夷・陸奥地域,関東地域,フォッサマグナ地域,日本海側地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域などの各植物区系に区分されること,そしてそれぞれの地域の特徴的な植物群について具体例を挙げて紹介する.第1回は,ニッチに対応した進化と適応放散の観点から植物の種分化について学ぶ.第2−3回は,遺存固有と新固有の概念の違いとを解説し,それぞれの具体的事例を照会する.第4-8回は,日本列島の各地域のフロラの概要とそれぞれの特徴を解説する.すなわち,第4回は,日本列島の気候,第5回は日本列島の地形,地質,地史を雁関するとともに大陸との関係を示唆する満鮮要素について紹介し,第6-8回はファッサマグナ地域,日本海側地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域の各地域における植物群の特性を紹介する.第9回は,生物の分布について,とくにその規定要因の面から解説する.第10-11回は,季節適応としての休眠戦略を学習し,休眠に入る前に繁殖活動を終えるための開花戦略を学習する.第12-15回は,個体変異,種概念,種内分類群,高次分類群,学名の意義,命名規約,タイプ標本について解説する.
①前川文夫『日本の植物区系』玉川大学出版会,1977年発行,128-133pp.

②前川文夫『日本の植物区系』玉川大学出版会,1977年発行,133-135pp.

③須賀丈ほか『日本列島草原1万年の旅草地と日本人』築地書館,2012年発行,56-62pp.
コマ主題細目 ① 襲速紀地域 ② 阿哲地域 ③ 満鮮要素
細目レベル ① 襲速紀地域に特徴的な植物種についての紹介を引き続き行う.遺存固有のユキノシタ科キレンゲショウマ属キレンゲショウマ,アジサイ科バイカアマチャ属バイカアマチャ,ユキノシタ科イワユキノシタ属イワユキノシタ,ケイビラン属ケイビラン,キク科モミジハグマ属クサヤツデについて紹介する.イネ科トダシバ属ミギワトダシバ,ユキノシタ科チダケサシ属アワモリショウマ,ツツジ科ツツジ属サツキ,ゼンマイ科ゼンマイ属ヤシャゼンマイ,キク科キク属ナカガワノギクについて紹介する.襲速紀地域を特徴づける植物群の一つに渓流沿い植物がある.これは,急峻で深い渓谷が卓越する紀伊半島や四国の地形的特徴に対応したものである.とくに,これらの地域ではプレート運動によって四万十帯と呼ばれる付加帯によって形成されており,深海底で形成されたチャートが多く含まれている.チャートは非常に硬い岩石で浸食がされにくいため,深い渓谷が形成されやすい.熊野川水系の瀞峡や七色峡,吉野川水系の大歩危小歩危はその代表例である.
② 阿哲地域に特徴的な植物種について紹介する.遺存固有のキビヒトリシズカ,バラ科シロヤマブキ属シロヤマブキ,ツユクサ科アオイカズラ属アオイカズラについて紹介する.モクセイ科レンギョウ属ヤマトレンギョウ,マンサク科マンサク属アテツマンサク,スイカズラ科イワツクバネウツギ属イワツクバネウツギ,バラ科キイチゴ属キビナワシロイチゴについて紹介する.阿哲地域には,似ん見氏を中心に新見市を中心に大規模な石灰岩地が広がっている.この石灰岩地には,大陸との共通性の高い様々な植物群を見ることができる.石灰岩地ではないが,小豆島の寒霞渓にも大陸との共通性が示唆される植物群が見られ,ショウドシマレンギョウが生育していることは興味深い.近年では植物区系として認める意見は少数だが,瀬戸内地域を含めた形での大陸系の植物との共通性を再検討する必要がある.
③ 地史における最近の数百万年は10万年から数十万年の周期で氷期・間氷期のサイクルが繰り返されてきた.寒冷な氷期には海水面が低下し,温暖な間氷期には海水面が上昇する.このため,間氷期の現在は朝鮮海峡と対馬海峡によって隔てられている朝鮮半島と日本列島が氷期には陸続きになる.そのため,氷期には大陸の様々な生物が日本列島に移動してきたと考えられている.植物においては,乾燥した草原環境に依存する大陸の植物が氷期の陸続きの時期に渡ってきたと考えられる種群があり,それらを満鮮要素と呼んでいる.オカオグルマ,マンセンカラマツ,ノカラマツ,クルマバアカネ,ヒメユリ,ゴマノハグサ,ヒメノダケ,ムラサキセンブリ,スズサイコ,ハナムグラ,オケラ,タカサゴソウなどがそのような例だと考えられる.
キーワード ① 襲速紀地域 ② 阿哲地域 ③ 遺存固有 ④ 新固有 ⑤ 満鮮要素
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 襲速紀地域に特徴的な植物種について復習する.遺存固有のユキノシタ科キレンゲショウマ属キレンゲショウマ,アジサイ科バイカアマチャ属バイカアマチャ,ユキノシタ科イワユキノシタ属イワユキノシタ,ケイビラン属ケイビラン,キク科モミジハグマ属クサヤツデについて復習する.イネ科トダシバ属ミギワトダシバ,ユキノシタ科チダケサシ属アワモリショウマ,ツツジ科ツツジ属サツキ,ゼンマイ科ゼンマイ属ヤシャゼンマイ,キク科キク属ナカガワノギクについて復習する.阿哲地域に特徴的な植物種について復習する.遺存固有のキビヒトリシズカ,バラ科シロヤマブキ属シロヤマブキ,ツユクサ科アオイカズラ属アオイカズラについて復習する.モクセイ科レンギョウ属ヤマトレンギョウ,マンサク科マンサク属アテツマンサク,スイカズラ科イワツクバネウツギ属イワツクバネウツギ,バラ科キイチゴ属キビナワシロイチゴについて復習する.復習にあたっては,前川文夫(著)「玉川選書47日本の植物区系」(玉川大学出版会),堀田満(著)「カラー自然ガイド 11日本列島の植物」(保育社),堀田満(著)「植物の進化生物学3植物の分布と分化」(三省堂)を利用してもよい.試験時の参照物持ち込みは不可なので,普段からの復習をしっかりしておくこと.配布プリントについて,シラバスの細目レベルの内容をよく参照しながら予習する.
9 分布 科目の中での位置付け 本コマでは,生物の分布を規定する要因についてそれらを類型化しつつ具体例とともに解説し,さらに生態系を脅かす存在としてクローズアップされることもある外来生物についても解説する.第1回は,ニッチに対応した進化と適応放散の観点から植物の種分化について学ぶ.第2−3回は,遺存固有と新固有の概念の違いとを解説し,それぞれの具体的事例を照会する.第4-8回は,日本列島の各地域のフロラの概要とそれぞれの特徴を解説する.すなわち,第4回は,日本列島の気候,第5回は日本列島の地形,地質,地史を雁関するとともに大陸との関係を示唆する満鮮要素について紹介し,第6-8回はファッサマグナ地域,日本海側地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域の各地域における植物群の特性を紹介する.第9回は,生物の分布について,とくにその規定要因の面から解説する.第10-11回は,季節適応としての休眠戦略を学習し,休眠に入る前に繁殖活動を終えるための開花戦略を学習する.第12-15回は,個体変異,種概念,種内分類群,高次分類群,学名の意義,命名規約,タイプ標本について解説する.
①堀田満『植物の分布と分化』三省堂,1974年発行,11-79pp.
コマ主題細目 ① 分布の規定要因 ② 生物区系 ③ 外来生物
細目レベル ① 生物分布の規定要因には,1)地理的・地形的障壁:海,川,山脈,砂漠,2)物理化学的環境要因:気候,地質,各種の微環境(温度,水分,光,土壌,養分),3)移動・分散能力(植物の種子散布例:海流散布>風散布>動物散布>自動散布),4)生物間相互作用:競合者,捕食者,共生者,病原性微生物,5)歴史的経過:地史(大陸移動,海峡の形成と消失,気候変化) ,進化的・系統的制約のあることを解説する.それぞれの生物は独自の分布域を持ち,さらに生物間相互作用を通してその場所の生態系を形成しているがこのような環境との相互作用は長期間の地史的・進化的な歴史を経た結果であることを解説する.
② 世界の生物地理区系について解説する.生物地理区系には,旧北区,新北区,東洋区,エチオピア区,オーストラリア区,オセアニア区,新熱帯区などがあり,それぞれの地域を特徴づける生物群が存在する.例えば,オーストラリア区にはカンガルーをはじめとした有袋類が分布する.新熱帯国は,ジャガー,アリクイ,ナマケモノなどの特有な動物が分布する.こうした生物の分布域の規定要因について解説する.生物の分布規定要因には,物理的なものと生物的なものがある.それらを具体的に例示して解説を行う.こうした生物の分布の規定要因によって,在来生物はそれぞれの独自の分布域を持ち,さらに生物間相互作用を通して,その場所の生態系を形成していることを解説する.このような環境との相互作用は,長期間の地史的・進化的な歴史を経た結果であることを解説する.
③ 外来生物とは,人間の意図的または非意図的な持ち込みによって本来の生息(生育)場所とは異なる場所に移動され,野生化する生物であることを解説する.人為活動によってもたらされる外来生物の野生化とその勢力拡大は,本来の生物分布と生物間相互関係を無視したものであることを解説する.「外来生物」の中には,在来生物の駆逐や在来生態系の崩壊をもたらすものが含まれていることを解説する.また,産業的にも多額の損失を引き起こす場合があることを解説する.各種の環境要因(在来生態系を含む)が原因となり,侵入先での定着と野生化の成功は難しい.それゆえ,国外から持ち込まれた生物のごく一部のみが外来生物となることを解説する.
キーワード ① 分布 ② 規定要因 ③ 生物区系 ④ 地史 ⑤ 外来生物
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 生物の分布域の規定要因について復習する.生物の分布規定要因には物理的なものと生物的なものがあり,次の5つに大別される:地理的・地形的障壁,物理化学的要因,移動・分散能力,生物間相互作用,歴史的経過.これらについて授業で紹介した具体的な事例とともに復習を行う.こうした生物の分布の規定要因によって,在来生物はそれぞれの生物は独自の分布域を持ち,さらに生物間相互作用を通して,その場所の生態系を形成していることを復習する.このような環境との相互作用は,長期間の地史的・進化的な歴史を経た結果であることを復習する.外来生物(移入生物)について復習する.外来生物は人の野生化とその勢力拡大は,本来の生物分布と生物間相互関係を無視したものであることを復習する.既に私の身の回りには多くの外来生物が損じ亜していることを復習する.試験時の参照物持ち込みは不可なので,普段からの復習をしっかりしておくこと.配布プリントについて,シラバスの細目レベルの内容をよく参照しながら予習する.
10 生物の季節適応 科目の中での位置付け 科目の中での位置付け 本コマでは,季節適応としての休眠戦略の具体的な適応戦略について学習し,休眠に入る前に繁殖活動を終えるための開花戦略を学習する.第1回は,ニッチに対応した進化と適応放散の観点から植物の種分化について学ぶ.第2−3回は,遺存固有と新固有の概念の違いとを解説し,それぞれの具体的事例を照会する.第4-8回は,日本列島の各地域のフロラの概要とそれぞれの特徴を解説する.すなわち,第4回は,日本列島の気候,第5回は日本列島の地形,地質,地史を雁関するとともに大陸との関係を示唆する満鮮要素について紹介し,第6-8回はファッサマグナ地域,日本海側地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域の各地域における植物群の特性を紹介する.第9回は,生物の分布について,とくにその規定要因の面から解説する.第10-11回は,季節適応としての休眠戦略を学習し,休眠に入る前に繁殖活動を終えるための開花戦略を学習する.第12-15回は,個体変異,種概念,種内分類群,高次分類群,学名の意義,命名規約,タイプ標本について解説する.
①A.H.Fitte&R.K.M.Hay『植物の環境と生理』養賢堂,1985年発行,1-24pp.

②畑野健一.佐々木恵彦『樹木の生長と環境』養賢堂,1987年発行,171-175pp.

③河野昭一『植物の世界第一号』教育社,1987年発行,60-89pp.
コマ主題細目 ① 季節と生長 ② 季節と休眠 ③ 早春植物
細目レベル ① 生物の生長が季節変化に大きく依存していることを解説する.生物の生長が温度条件と水分条件に大きく依存していることを解説する.生物の生長が温度条件と水分条件に大きく依存していることの理由が生化学反応(代謝活動=生命活動)に起因することを解説する.これは,生化学反応である代謝活動が酵素反応によって行われるからである.酵素反応には反応の場としての溶媒が必須であり,それが水である.また酵素反応はその反応を子なうための最適温度が存在する.つまり,細胞レベルで見た場合には生命活動は体内における生化学反応を基本としており,それには水が必須であることと温度条件が重要であることが理解できる.温度と気温は季節に大きく変化する.このため,季節によって生長好適間・不適期間の存在に依存し,不適期間においては代謝活動の遅延,停止(休眠),死亡などを生物にもたらすことを解説する.
② 高温期は温度が高く,雨季は水資源が豊富なため,この両方が同時であれば生物が代謝活動を行って生長することができる.その一方で,低温期は温度が低くて代謝活動は著しく制限されてしまう.また,乾季(過湿/乾燥)には水分が不足するため,やはり代謝活動が制限されてしまう.このため,生物は代謝活動が著しく制限されてしまう低温期や乾期に代謝活動を著しく停滞させてその期間をやり過ごす休眠と呼ばれる戦略を持つものがある.一部の生物にみられる冬眠は冬季の低温を回避するためであり,季節熱帯気候下の植物に見られる乾期の落葉は乾期における乾燥回避としての適応戦略であることを解説する.一方,低温に対してのひとつの対抗手段として,一部の動物群に見られる体温の恒温性がある.
③ 冷温帯地域の夏季はちょうど高温期と雨季が重なることで,多くの生物にとって生長の好適期となっている.その一方で,冷温帯植物の中には早春植物と呼ばれるカタクリ,セツブンソウ,各種のアネモネ類などに見られる春の一時期だけに出現してそれ以外の季節を地中で休眠して過ごすものが知られている.実際,カタクリは3月下旬〜5月上旬のせいぜい2ヶ月程度の期間に葉を広げて光合成を行い,それ以外の10ヶ月間は地中の鱗茎で休眠して過ごす.これは,多くの生物にとって生長の好適期である夏季の温度環境や光環境を利用しないたいへん特殊な生活史戦略である.この特殊な生活史戦略は,生長に好適な夏季に一斉に繁茂する他の植物との相互関係を考えると理解できることを解説する.
キーワード ① 季節変化 ② 生長適期 ③ 生長不適期 ④ 競争 ⑤ 休眠
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 生物の生長が季節変化に大きく依存していることを復習する.生物の生長が温度条件と水分条件に大きく依存していることを復習する.生物の生長が温度条件と水分条件に大きく依存していることの理由が生化学反応(代謝活動=生命活動)に起因することを復習する.きせつによって生長好適間・不適期間の存在に依存し,不適期間においては代謝活動の遅延,停止(休眠),死亡などを生物にもたらすことを復習する.高温期や雨季は生長好適期間であるが,低温期や乾季(過湿/乾燥)は生長好適期間であるため生物は休眠することを復習する.生物の休眠には低温回避や乾燥回避などのいくつかの適応戦略があることを復習する.復習にあたっては,A.H.Fitter& R.K.M.Ha(著))/太田安定・森下豊昭・橘泰憲・岩橋誠(訳)「植物の環境と生理」(学会出版センター),藤伊正(著)「UPバイオロジー植物の休眠と発芽」(東京大学出版会)を利用しても良い.試験時の参照物持ち込みは不可なので,普段からの復習をしっかりしておくこと.配布プリントについて,シラバスの細目レベルの内容をよく参照しながら予習する.
11 植物の季節適応戦略 科目の中での位置付け 本コマでは,季節適応としての休眠戦略の具体的な適応戦略について学習し,休眠に入る前に繁殖活動を終えるための開花戦略を学習する.第1回は,ニッチに対応した進化と適応放散の観点から植物の種分化について学ぶ.第2−3回は,遺存固有と新固有の概念の違いとを解説し,それぞれの具体的事例を照会する.第4-8回は,日本列島の各地域のフロラの概要とそれぞれの特徴を解説する.すなわち,第4回は,日本列島の気候,第5回は日本列島の地形,地質,地史を雁関するとともに大陸との関係を示唆する満鮮要素について紹介し,第6-8回はファッサマグナ地域,日本海側地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域の各地域における植物群の特性を紹介する.第9回は,生物の分布について,とくにその規定要因の面から解説する.第10-11回は,季節適応としての休眠戦略を学習し,休眠に入る前に繁殖活動を終えるための開花戦略を学習する.第12-15回は,個体変異,種概念,種内分類群,高次分類群,学名の意義,命名規約,タイプ標本について解説する.
①畑野健一.佐々木恵彦『樹木の生長と環境』養賢堂,1987年発行,171-173pp.

②畑野健一.佐々木恵彦『樹木の生長と環境』養賢堂,1987年発行,138-159pp.

③畑野健一.佐々木恵彦『樹木の生長と環境』養賢堂,1987年発行,162-168pp.
コマ主題細目 ① 休眠と休眠解除 ② 開花シグナルと日長 ③ 季節適応戦略
細目レベル ① 季節適応としての休眠とその解除には,繁殖戦略に起因する重要な制限があることを解説する.つまり,いつでも休眠に入れるわけではなく,1年間の繁殖スケジュールを全うすることを前提に休眠期間を決定しなければならない.これが繁殖戦略域印する休眠への制限である.植物では,種子の生産(花芽→開花→結実),地下貯蔵器官の形成などといった休眠前に行わなければならない繁殖活動があることを解説する.動物では,脂肪細胞への養分の貯蔵だけでなく産卵や育児といった休眠前に行わなければならない繁殖活動があることを解説する.これらのことをふまえて, 生長不適期を「事前に予測」して休眠することおよび生長適期を「事前に予測」して休眠解除・生長再開することが重要でることを解説する.
② 植物における開花を誘導するシグナルについて解説する.植物において最もよく知られている開花を誘導するシグナルは日長による反応(光周反応)っである.多くの秋咲き植物は短日植物であり,短日植物は1日の日長が短くなることに反応して花芽を形成する.代表的な短日植物には,キク科キク属キク,キク科コスモス属コスモス,ヒルガオ科サツマイモ属アサガオ,イネ科イネ属イネ,シソ科シソ属シソ,マメ科ダイズ属ダイズ,キク科オナモミ属オナモミ等があることを紹介する.長日植物と呼ばれる植物は1日の日長が長くなることに反応して花芽を形成する.春咲きの植物であるアカザ科ホウレンソウ,ナデシコ科ムシトリナデシコのような長日植物が知られていることを紹介する.
③ 植物の冬芽の休眠とその解除は実に巧妙に仕組まれている.春の高温期になって冬芽を開いて葉を展葉させるというごくあたりまえのプロセスではあるが,ここにも環境適応の進化を見て取ることができる.暖かい春になってから新葉を作って芽を開くのでは,他の植物の競争に敗れてしまう.植物にとって光りを巡る競争は最重要事項であり,他の植物が葉を広げた後ではその陰になってしまう.そして,そのような被陰は枯死を運命づけてしまう.そのため,植物は前年の秋までに翌年の葉をすべて作ってしまう.そして,秋に落葉するときには冬芽はすでに完成した小さな葉をその中にたたみ込んでいる.小春日和に間違えて展葉してしまえばその後の寒波で冬芽や新葉が凍死することになるので,そうならないように糾問解除は二段構えのシグナルに反応する戦略を採っているものが多い,この2段構えの巧妙な戦略について解説する.
キーワード ① 休眠 ② 日長 ③ 冬芽 ④ 開芽 ⑤ 休眠解除
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 季節適応としての休眠とその解除には,繁殖戦略に起因する制限があることを復習する.植物では,種子の生産(花芽→開花→結実),地下貯蔵器官の形成などといった休眠前に行わなければならない活動があることを復習する.動物では,脂肪細胞への養分の貯蔵,産卵といった休眠前に行わなければならない活動があることを復習する.これらのことをふまえて, 生長不適期を「事前に予測」して休眠することおよび生長適期を「事前に予測」して休眠解除・生長再開することが重要でることを復習する.植物における開花シグナルについて復習する.植物において最もよく知られている日長による反応(光周反応)について復習する.多くの秋咲き植物は短日植物であり,キク科きく属キク,キク科コスモス属コスモス,ヒルガオ科サツマイモ属アサガオ,イネ科イネ属イネ,シソ科シソ属シソ,マメ科ダイズ属ダイズ,キク科オナモミ属オナモミ等で知られていることを復習する.また春咲きの植物では,アカザ科ホウレンソウ,ナデシコ科ムシトリナデシコのような長日植物が知られていることを復習する.
12 分類:変異と種概念 科目の中での位置付け 本コマでは,種概念と種内分類群について解説する.種には様々な概念が提案されており,形態学的種概念,細胞学的種概念,化学的種概念,分子学的種概念などを紹介し,最も重要な種概念である生物学的種概念について解説する.命名規約に基づいた種内分類群の階級と名称について解説する. 1回は,ニッチと適応放散の観点から植物の種分化について学ぶ.1−2回は,遺存固有と新固有の概念の違いを紹介し,それぞれの具体的事例を解説する.3−8回は,日本列島の地域フロラの概要を解説する.すなわち,3回は日本列島の気候,4−5回は日本列島の地形,地質,地史を雁関するとともに大陸との関係を示唆する満鮮要素について紹介を紹介し,6-8回はファッサマグナ地域,日本海側地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域の各地域における植物群の特性とする.9回は,細胞共生による葉緑体のとりこみがもたらした藻類の多様性を解説する.10ー11回は,藻類から陸上植物の世代交代について概観し,陸上植物への進化における配偶体世代と胞子体世代の変化について紹介する.12ー15回は,個体変異,種概念,種内分類群,高次分類群,学名の意義,命名規約,タイプ標本について解説する.
①高橋昭ほか『カラー自然ガイド日本の蝶Ⅱ』保育社,1973年発行,14-15pp.黒沢良彦ほか『野外ハンドブック12甲虫』山と渓谷社,1985年発行,173-180pp.鈴木孝仁監修『視覚でとらえるフォトサイエンス生物図録三訂版』数研出版,2017年発行,210pp.

②鷲谷いづみ・矢原徹一『保全生態学入門』文一総合出版,42-44pp.エルンスト・マイア『これが生物学だマイアから21世紀の生物学者へ』スプリンガー.フェアラーク,1999年発行,149−176.

③平嶋義宏『生物学名概論』東京大学出版会,2002年出版,179-179pp.
コマ主題細目 ① 変異 ② 種概念 ③ 種内分類群 ④ ⑤
細目レベル ① 生物は様々な変異を有することが特徴である.生長・発達段階における変異,季節による変異(季節型),雌雄のちがいに変異(雌雄性),環境の違いによる変異(生態型など),個体の違いによる変異(個体変異),集団の違いによる変異(集団間変異),生育.生息地の地理的な違いによる変異(地理的変異)などが挙げられる.分類学では,このような違いから一定のまとまりを見いだしてグループ化を行う.もっとも一般的なグループ化は「種」のまとまりを認識することである.このような生物個体の持つ変異性を認識しながら,「種」をはじめとする一定のまとまりを分類群として認識してゆく分類学について解説する.分類学で最も重要な生物種のまとまりとしての概念とその認知手法について紹介する.
② 種概念について解説する.個体は実在するが,個体の集合体である種とは実在しないものであり,何らかの基準を設けて他の種と区別することによって認知する概念的なものであることを解説する.生物種を認知するために様々な概念が提案されており,形態によって認知される形態学的種概念,染色体形質によって認知される細胞学的種概念,化学成分によって認知される化学的種概念,DNAの塩基配列によって認知される分子学的種概念などを紹介し,さらに最も重要な種概念である生物学的種概念について解説する.生物学的種概念は非常に汎用性の高い種概念であるが,原核生物やなどの無性生殖生物群には適応できない欠点がある.植物では,ヤブマオ無性生殖種群やヒヨドリバナ無性生殖種群において様々な変異と多様性があり,多くの分類群が記載されているが統合的な解決には至っていない.
③ 種内分類群について解説する.命名規約に基づいた種内分類群の階級と名称について解説する.種内には様々な変異が内包されていることを解説する.一つの種内には,地域個体群間の変異,集団間の変異,そして集団内の変異が存在し,それらは連続的な変異であったり,不連続な変異であったりすることを紹介する.こうした種内変異には,これから種分化を起こすようなものやこれから消えていくようなものも含まれているだろう.いまだ進化の途上にあり,進化のプロセスが進行中であることを十分に理解しておくことを強調しておく.種内分類群については,動物では亜種のみを扱うが,植物では亜種とさらに下位ランクの変種を扱うことが慣例的に行われてきた.また,農学では変種のさらに下位ランクの品種が重要視される.


キーワード ① 変異 ② 種内変異 ③ 個体変異 ④ 種概念 ⑤ 種内分類群
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 種概念について復習する.個体は実在するが,個体の集合体である種とは実在しないものであり,何らかの基準を設けて他の種と区別することによって認知するものであることを復習する.種には様々な概念が提案されており,形態によって認知される形態学的種概念,染色体形質によって認知される細胞学的種概念,化学成分によって認知される化学的種概念,DNAに寄って認知される分子学的種概念などを紹介し,最も重要な種概念である生物学的種概念について復習する.種内分類群について復習する.命名規約に基づいた種内分類群の階級と名称について復習する.種内には様々な変異が内包されていることを復習する.一つの種内には,地域個体群間の変異,集団間の変異,そして集団内の変異が存在し,それらは連続的な変異であったり,不連続な変異であったりすることを復習する.こうした変異する個体の集合体としての種について復習する.復習にあたっては,エルンスト・マイア(著)/八杉貞雄・松田学(訳)「これが生物学だ―マイアから21世紀の生物学者へ」(丸善出版),鷲谷いづみ・矢原 徹一(著)「保全生態学入門―遺伝子から景観まで」(文一総合出版)を利用してもよい.試験時の参照物持ち込みは不可なので,普段からの復習をしっかりしておくこと.配布プリントについて,シラバスの細目レベルの内容をよく参照しながら予習する.
13 分類:学名 科目の中での位置付け 本コマでは,学術上で使用される生物群の名称である学名について解説する.学名の言語はラテン語であること,タイプ(標本)に基づいて与えられ,タイプ標本を含む分類群の名称であることを解説する. また,種の学名は二命名法と呼ばれている学名の構造について解説する. 学名は分類学的位置を明瞭に示すことを解説する.1回は,ニッチと適応放散の観点から植物の種分化について学ぶ.1−2回は,遺存固有と新固有の概念の違いを紹介し,それぞれの具体的事例を解説する.3−8回は,日本列島の地域フロラの概要を解説する.すなわち,3回は日本列島の気候,4−5回は日本列島の地形,地質,地史を雁関するとともに大陸との関係を示唆する満鮮要素について紹介を紹介し,6-8回はファッサマグナ地域,日本海側地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域の各地域における植物群の特性とする.9回は,細胞共生による葉緑体のとりこみがもたらした藻類の多様性を解説する.10ー11回は,藻類から陸上植物の世代交代について概観し,陸上植物への進化における配偶体世代と胞子体世代の変化について紹介する.12ー15回は,個体変異,種概念,種内分類群,高次分類群,学名の意義,命名規約,タイプ標本について解説する.
①平嶋義宏『生物学名概論』東京大学出版会,2002年出版,1-7pp.

②平嶋義宏『生物学名概論』東京大学出版会,2002年出版,126-139,163-172pp.

③平嶋義宏『生物学名概論』東京大学出版会,2002年出版,163-166
コマ主題細目 ① 学名 ② 学名の構造と高次分類群 ③ 学名は学説を担う ④ ⑤
細目レベル ① 学術上で使用される生物群の名称である学名について解説する.学名の言語はラテン語を使用することを解説する.学名は命名規約によって分類群に与えられることを解説する.学名は,タイプ(標本)に基づいて与えられ,タイプ標本を含む分類群の名称であることを解説する.命名規約に基づかない日常的に使われる生物群の名称は,俗称(俗名)と呼ばれることを解説する.和名は俗称のひとつであることを解説する.学名を使用することで,異なる言語と異なる文化の壁を取り払い,様々な国籍の人達が一つの生物種に対して同じアイデンテティを持つことが可能になる.例えば,和名でヨーロッパブナ,英名でeuropian beech,仏名でhetere europeen,独語でeuropaische Bucheとなり,言語が違うと同じものでもこのように名称が異なっている.科学での名称(学名)はFagus sylvaticaただ一つである.
② 学名の構造について解説する.種の学名は二命名法と呼ばれていることを解説する.種の学名は属名,種形容語,命名者名からなることを解説する.高次分類群の階級と学名について解説する:界kingdom,division(植物),綱class,目order,科family,連(族tribe),属genus,節section,種species.科以上の階級の学名には,それぞれの学三重医対応した語尾をつけなければならない.例えば,科では-ceae,目では-les,目では-opsida,綱では-phyta,界では-aeである.このことによって,どのランクの学名かが明瞭に認知できるしくみになっている.また,必要に応じて設けられるsuper-という上位グループや,sub-という下位グループについて解説する.
③ 学名は分類学的位置を明瞭に示すことを解説する.次の分類群が,学名によって類縁関係が明瞭に示されていることを解説する.シダレザクラ(イトザクラ)Prunus pendula var. pendula f. pendula,エドヒガンPrunus pendula var. pendula f. ascendens,マメザクラPrunus incisa subsp. incisa var. incise,ブコウマメザクラPrunus incisa subsp. incisa var. bukoensis,クモイザクラPrunus incisa subsp. incisa var. alpine,キンキマメザクラPrunus incisa subsp. kinkiensis.


キーワード ① 学名 ② 命名規約 ③ 高次分類群 ④ 種形容語 ⑤ 命名者
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 学術上で使用される生物群の名称である学名について復習する.学名の言語はラテン語を使用することを復習する.学名は命名規約によって分類群に与えられることを復習する.学名は,タイプ(標本)に基づいて与えられ,タイプ標本を含む分類群の名称であることを復習する.命名規約に基づかない日常的に使われる生物群の名称は,俗称(俗名)と呼ばれることを復習する.和名は俗称のひとつであることを復習する.学名の構造について復習する.種の学名は二命名法と呼ばれていることを復習する.種の学名は属名,種形容語,命名者名からなることを復習する.学名は分類学的位置を明瞭に示すことを復習する.次の分類群が,学名によって類縁関係が明瞭に示されていることを復習する.シダレザクラ(イトザクラ)Prunus pendula var. pendula f. pendula,エドヒガンPrunus pendula var. pendula f. ascendens,マメザクラPrunus incisa subsp. incisa var. incise,ブコウマメザクラPrunus incisa subsp. incisa var. bukoensis,クモイザクラPrunus incisa subsp. incisa var. alpine,キンキマメザクラPrunus incisa subsp. kinkiensisについて復習する.タイプ標本と既存学名および新学名について復習する.今まで1種と考えられていたものが,別の新種を含んでいたケース(ケンポナシHovenia dulcisととケケンポナシHovenia tomentella)を復習する.Hovenia dulcis ケンポナシは,Thunberg によって1781年に記載された植物であることを復習する.Siebold は日本で収集した植物をすべてこの H. dulcis としていたが,牧野富太郎は Hovenia に2種類含まれていることに気づき,H. dulcis var. tomentella ケケンポナシを1939年に記載したことを復習する.このときの学名とタイプ標本の取り扱いについて復習する.タイプ標本と自動名の関係について復習する.今まで1種と考えられていたものが,別の新種を含んでいたケース(ケンポナシHovenia dulcisととケケンポナシHovenia tomentella)を復習する.Hovenia dulcis ケンポナシは,Thunberg によって1781年に記載された植物であることを復習する.牧野富太郎は Hovenia に2種類含まれていることに気づき,H. dulcis var. tomentella ケケンポナシを1939年に記載したことを復習する.このときの自動名の取り扱いについて復習する.試験時の参照物持ち込みは不可なので,普段からの復習をしっかりしておくこと.配布プリントについて,シラバスの細目レベルの内容をよく参照しながら予習する.
14 分類:学名とタイプ標本 科目の中での位置付け 本コマでは,タイプ標本と学名の関係について解説する.今まで1種と考えられていたものが,別の新種を含んでいたケース(ケンポナシHovenia dulcisととケケンポナシHovenia tomentella)を例に,既存の学名と新しい学名がどのように取り扱われるかを解説する.1回は,ニッチと適応放散の観点から植物の種分化について学ぶ.1−2回は,遺存固有と新固有の概念の違いを紹介し,それぞれの具体的事例を解説する.3−8回は,日本列島の地域フロラの概要を解説する.すなわち,3回は日本列島の気候,4−5回は日本列島の地形,地質,地史を雁関するとともに大陸との関係を示唆する満鮮要素について紹介を紹介し,6-8回はファッサマグナ地域,日本海側地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域の各地域における植物群の特性とする.9回は,細胞共生による葉緑体のとりこみがもたらした藻類の多様性を解説する.10ー11回は,藻類から陸上植物の世代交代について概観し,陸上植物への進化における配偶体世代と胞子体世代の変化について紹介する.12ー15回は,個体変異,種概念,種内分類群,高次分類群,学名の意義,命名規約,タイプ標本について解説する.
①平嶋義宏『生物学名概論』東京大学出版会,2002年出版,1-7pp.

②平嶋義宏『生物学名概論』東京大学出版会,2002年出版,150-160pp.

③平嶋義宏『生物学名概論』東京大学出版会,2002年出版,145,179-183pp.
コマ主題細目 ① 学名の意義 ② タイプ標本の役割 ③ 自動名 ④ ⑤
細目レベル ① 学名の意義について,引き続き学習を進める.学名は分類学的位置を明瞭に示すことを解説する.次の分類群が,学名によって類縁関係が明瞭に示されていることを解説する.シダレザクラ(イトザクラ)Prunus pendula var. pendula f. pendula,エドヒガンPrunus pendula var. pendula f. ascendens,マメザクラPrunus incisa subsp. incisa var. incise,ブコウマメザクラPrunus incisa subsp. incisa var. bukoensis,クモイザクラPrunus incisa subsp. incisa var. alpine,キンキマメザクラPrunus incisa subsp. kinkiensis.
② タイプ標本と既存学名および新学名について解説する.今まで1種と考えられていたものが,別の新種を含んでいたケース(ケンポナシHovenia dulcisととケケンポナシHovenia tomentella)を紹介する.Hovenia dulcis ケンポナシは,Thunberg によって1781年に記載された植物であることを紹介する.Siebold は日本で収集した植物をすべてこの H. dulcis としていたが,牧野富太郎は Hovenia に2種類含まれていることに気づき,H. dulcis var. tomentella ケケンポナシを1939年に記載したことを解説する.このときの学名とタイプ標本の取り扱いについて解説する.
③ タイプ標本と自動名の関係について解説する.今まで1種と考えられていたものが,別の新種を含んでいたケース(ケンポナシHovenia dulcisととケケンポナシHovenia tomentella)を紹介する.Hovenia dulcis ケンポナシは,Thunberg によって1781年に記載された植物であることを紹介する.牧野富太郎は Hovenia に2種類含まれていることに気づき,H. dulcis var. tomentella ケケンポナシを1939年に記載したことを解説する.このとき,学名を決定する際のポインタとしてタイプ標本が重要であることを解説する.また,このときの自動名の取り扱いについて解説する.


キーワード ① 学名 ② 命名規約 ③ タイプ標本 ④ 自動名 ⑤ ポインタ
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 学術上で使用される生物群の名称である学名について復習する.学名の言語はラテン語を使用することを復習する.学名は命名規約によって分類群に与えられることを復習する.学名は,タイプ(標本)に基づいて与えられ,タイプ標本を含む分類群の名称であることを復習する.命名規約に基づかない日常的に使われる生物群の名称は,俗称(俗名)と呼ばれることを復習する.和名は俗称のひとつであることを復習する.学名の構造について復習する.種の学名は二命名法と呼ばれていることを復習する.種の学名は属名,種形容語,命名者名からなることを復習する.学名は分類学的位置を明瞭に示すことを復習する.次の分類群が,学名によって類縁関係が明瞭に示されていることを復習する.シダレザクラ(イトザクラ)Prunus pendula var. pendula f. pendula,エドヒガンPrunus pendula var. pendula f. ascendens,マメザクラPrunus incisa subsp. incisa var. incise,ブコウマメザクラPrunus incisa subsp. incisa var. bukoensis,クモイザクラPrunus incisa subsp. incisa var. alpine,キンキマメザクラPrunus incisa subsp. kinkiensisについて復習する.タイプ標本と既存学名および新学名について復習する.今まで1種と考えられていたものが,別の新種を含んでいたケース(ケンポナシHovenia dulcisととケケンポナシHovenia tomentella)を復習する.Hovenia dulcis ケンポナシは,Thunberg によって1781年に記載された植物であることを復習する.Siebold は日本で収集した植物をすべてこの H. dulcis としていたが,牧野富太郎は Hovenia に2種類含まれていることに気づき,H. dulcis var. tomentella ケケンポナシを1939年に記載したことを復習する.このときの学名とタイプ標本の取り扱いについて復習する.タイプ標本と自動名の関係について復習する.今まで1種と考えられていたものが,別の新種を含んでいたケース(ケンポナシHovenia dulcisととケケンポナシHovenia tomentella)を復習する.Hovenia dulcis ケンポナシは,Thunberg によって1781年に記載された植物であることを復習する.牧野富太郎は Hovenia に2種類含まれていることに気づき,H. dulcis var. tomentella ケケンポナシを1939年に記載したことを復習する.このときの自動名の取り扱いについて復習する.試験時の参照物持ち込みは不可なので,普段からの復習をしっかりしておくこと.配布プリントについて,シラバスの細目レベルの内容をよく参照しながら予習する.
15 分類:タイプ標本と学名の扱い 科目の中での位置付け 本コマでは,シリブカガシLithocarpus glaber (Thunberg ex Murray) Nakaiを例に,基礎異名と組み替えについて解説する.シリブカガシは1784年にMurray によってQuercus glabra Thunberg ex Murray年に記載されたが, 1849年にHanceがQuercus thalassica Hanceの学名を与え,1849年にBlumeがQuercus sieboldiana Blumeの学名を与えたため,3つの学名が存在する.これらの学名の取り扱いを解説する.1回は,ニッチと適応放散の観点から植物の種分化について学ぶ.1−2回は,遺存固有と新固有の概念の違いを紹介し,それぞれの具体的事例を解説する.3−8回は,日本列島の地域フロラの概要を解説する.すなわち,3回は日本列島の気候,4−5回は日本列島の地形,地質,地史を雁関するとともに大陸との関係を示唆する満鮮要素について紹介を紹介し,6-8回はファッサマグナ地域,日本海側地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域の各地域における植物群の特性とする.9回は,細胞共生による葉緑体のとりこみがもたらした藻類の多様性を解説する.10ー11回は,藻類から陸上植物の世代交代について概観し,陸上植物への進化における配偶体世代と胞子体世代の変化について紹介する.12ー15回は,個体変異,種概念,種内分類群,高次分類群,学名の意義,命名規約,タイプ標本について解説する.


①平嶋義宏『生物学名概論』東京大学出版会,2002年出版,145pp.

②平嶋義宏『生物学名概論』東京大学出版会,2002年出版,152-160pp.

③平嶋義宏『生物学名概論』東京大学出版会,2002年出版,163-166pp.
コマ主題細目 ① 自動名 ② 異名と組み替え ③ 学名は学説を担う ④ ⑤
細目レベル ① 自動名についての学名の取り扱いについて,引き続き学習を進める.タイプ標本と自動名の関係について解説する.今まで1種と考えられていたものが,別の新種を含んでいたケース(ケンポナシHovenia dulcisととケケンポナシHovenia tomentella)を紹介する.Hovenia dulcis ケンポナシは,Thunberg によって1781年に記載された植物であることを紹介する.牧野富太郎は Hovenia に2種類含まれていることに気づき,H. dulcis var. tomentella ケケンポナシを1939年に記載したことを解説する.このときの自動名の取り扱いについて解説する.自動名は命名規約で定められており,命名者名を表示することはない.
② 異名と組み替えについて解説する.シリブカガシLithocarpus glaber (Thunberg ex Murray) Nakaiを例に,基礎異名と組み替えについて解説する.シリブカガシは1784年にMurray によってQuercus glabra Thunberg ex Murray年に記載されたことを解説する.一方で,シリブカガシには1849年にHanceがQuercus thalassica Hanceの学名を与え,1849年にBlumeがQuercus sieboldiana Blumeの学名を与えたこと,つまりシリブカガシには3つの学名が与えられたことを解説する.これらの学名の取り扱いを解説する.Quercus glabra Thunberg ex Murrayはコナラ属Quercusではなく,シリブカガシ属Lithocarpusであることがわかり,属名がLithocarpusに修正されたことを解説する.
③ 学名は単なる名称ではなく,当該分類群に関する概念(学説)を担っていることをセキショウモを例に解説する.セキショウモにはこれまでVallisneria spiralis,Vallisneria gigantia,Vallisneria natans,Vallisneria asiaticaの4つの学名が用いられてきた. Vallisneria spiralisは日本のセキショウモとヨーロッパ産植物と同一種とする見解,Vallisneria gigantiaは日本のセキショウモとニューギニア産植物と同一種とする見解,Vallisneria natansは日本のセキショウモとヒマラヤ産植物と同一種とする見解,Vallisneria asiaticaは日本のセキショウモと日本の固有植物とする見解であることを解説する.セキショウモの例で見るように,どの学名を採用するかはどの学説を採用するかと言うことと同義である.このため,学名を使用することによって,それの担う学説をも理解することが可能である.学名の持つ意義とその有用性について解説する.


キーワード ① 学名 ② 命名規約 ③ 自動名 ④ タイプ標本 ⑤ 分類群の分割
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 異名と組み替えについて復習する.シリブカガシLithocarpus glaber (Thunberg ex Murray) Nakaiを例に,基礎異名と組み替えについて復習する.シリブカガシは1784年にMurray によってQuercus glabra Thunberg ex Murray年に記載されたことを復習する.一方で,シリブカガシには1849年にHanceがQuercus thalassica Hanceの学名を与え,1849年にBlumeがQuercus sieboldiana Blumeの学名を与えたこと,つまりシリブカガシには3つの学名が与えられたことを復習する.これらの学名の取り扱いを復習する.Quercus glabra Thunberg ex Murrayはコナラ属Quercusではなく,シリブカガシ属Lithocarpusであることがわかり,属名がLithocarpusに修正されたことを復習する.試験時の参照物持ち込みは不可なので,普段からの復習をしっかりしておくこと.
履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
固有種と地域フロラ ニッチと放散的種分化について具体例を挙げて解説できる.固有種における二つの概念である遺存固有と新固有を説明できる.また,それぞれの固有種の具体的な事例を紹介できる.日本列島における気候,地質,地史の各特性を解説できる.ファッサマグナ地域,日本海地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域の各地域における植物群の特徴を解説できる.それらの植物群と各地域の気候,地質,地史との関係を説明できる.満鮮要素を説明できる. 固有種,ファッサマグナ地域,日本海地域,東海地域,襲速紀地域,阿哲地域分布の規定要因 30 1-9
季節適応 適応戦略としての休眠を具体例を挙げて説明できる.生物の生長と休眠が環境によって支配されていることを説明できる.ブナ,ミズナラ,イタヤカエデなどの冷温帯性落葉樹林の代表樹種が冬季休眠することの理由を説明できる.タンポポ,ヒガンバナ,キツネノカミソリ,オオイヌノフグリ,キツネノボタンなどの冬緑性の植物が夏期休眠することの理由を説明できる.カタクリやアネモネ類などの植物が春の短い期間のみに出現して光合成を行う理由を説明できる.植物の開花誘導には日長が最もよく利用されていることの理由を説明できる. 日長,休眠,早春植物,生長適期,生長不適期 20 10-11
分類と種概念 生物特有の種内変異について説明できる.種概念について説明することができる.種内分類群と高次分類群の各階級を例示して説明することができる.種の学名の構造について解説することができる.命名者名の記述様式を理解している.学名の意義について解説することができる.学名とタイプ標本の相互関係を理解しており,その意味を説明することができる.種内分類群の階級と学名の対応について解説することができる.正名と異名の関係を理解している. 種概念,学名,階級,タイプ標本 30 12-15
日本の気候と地形 日本列島の気候がアジアモンスーンによって支配されており,夏と冬の季節によって気候が大きく変化することを説明できる.日本列島の気候は,脊梁山脈を境に太平洋側と日本海側において明瞭な背腹性を示すことを説明できる.太平洋側と日本海側の季節による気候の違いの特徴を説明できる.日本列島の地形の特徴を火山,多島,山地等の面から説明することができる.日本列島には4つのプレートの境界が存在し,その境界には火山フロントが成立することを説明できる.日本列島の主な火山隊列の名称を列記することができる.日本列島の主な島々の名称を列記することができる.日本列島の代表的な諸島・群島の名称を列記できる. モンスーン,背腹性,火山,多島,山地 10 3-8
日本列島の地質 日本列島は4つのプレートの境界に位置しており,そのうちの二つが大陸プレート,残りの二つが海洋プレートであることを理解している.これら4つのプレートの名称を列記することができる.海洋プレートが海洋性起原の岩石を運んでくることを理解している.プレート境界に成立する火山帯地の活動によって火山性の岩石が形成.供給されることを理解している.代表的な海洋性岩石の名称を列記できる.代表的な火山性岩石の名称を列記できる.氷期間氷期サイクルの地質について理解している. プレート,地史,海洋性岩石,火山性岩石,氷期間氷期サイクル 10 4-8
評価方法 試験による.試験時の参照物の持ち込みは不可。
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 使用しない.適宜配布プリントを使用する.
参考文献 新しい植物分類学I・II(講談社,2800円,2600円),系統分類学入門(文一総合出版,2500円),自然を名づける(NTT出版,3200円),乾燥標本収蔵1号室(NHK出版,2500円)
実験・実習・教材費 不要