区分
環境データサイエンス科目 環境データサイエンス共通科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
専門性
理解力
実践力
カリキュラム・ポリシーとの関係
専門知識
教養知識
思考力
実行力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
個人・社会・自然が直面する課題に対して専門的な理解を深めると共に、学際的な柔軟性を有し、実践的な能力を有する。グローバルな視野を持ち、国際社会に貢献できる力を有する。
科目の目的
岡崎キャンパスのある三河地方では、どの様な課題を抱え、また、課題解決に取り組む人々・団体が存在し、どの様な想いで取り組んでいるのかを知ることを通し、地域の経済的・文化的・社会的特徴などを学ぶ。そのため、地域活性化や地方創生などに取り組む個人や団体を直に訪問し、座学だけでは得られない知識・経験を修得する(訪問日時ならびに訪問先は予定であり、訪問先の都合等により変更される可能性もある)。
加えて、三河地方の地理的な特性や地場産業、特産品、文化・歴史などの知識も吸収し、三河地方も含む日本各地で見られる過疎化や少子化などの解決策を検討する。
到達目標
三河地方を事例として、様々な知識を深め体験を積むことにより、三河地方における課題の解決に向けて、現地の生活に基づいた現実的な議論ができるようになる。
科目の概要
日本の農村地域では、過疎化や少子化が急速に進んでおり、地域活性化や地方創生は避けては通れない課題となっている。本科目では、まず日本全国の農村地域が直面する諸問題ならびに本学科のキャンパスがある三河地方の地理的な特性や地場産業、特産品などについて学び、基礎知識を習得する。その上で、地域資源をうまく活用し地域活性化に取り組む個人や団体を訪問し、座学だけでは得られない生きた経験から、三河地方の地方活性化について議論する。キャンパスを出て、実際に人々や団体、場所を訪問するため、座学で得た知識を具体的に経験として吸収し、岡崎キャンパスが立地する三河地方に対する知識を深め、同時に関心や愛着を高める。
また、訪問する際には、それぞれの地域や団体が置かれている現状や取り組みに対して、履修学生は積極的に質問し見学をすることで、各地や各団体に適した課題の解決策に考えを巡らす。
科目のキーワード
①三河地方、②伝統産業、③過疎化、④地方創生、⑤地域資源、➅まちおこし
授業の展開方法
学内での講義では、Power Pointやビデオ、写真などの映像資料を用いつつ、具体的な説明を行い、三河地方に関する理解を深める。一方、キャンパスを離れ、自然豊かな岡崎市内の宮崎学区でまちづくりや自然保護活動などを学び、また、本宿駅周辺の史跡を巡り歴史的知識を深化させ、東岡崎駅周辺では史跡に加え味噌づくりなどを見学する。その後、学外で習得した知識や経験をグループ毎にまとめ・分析し、地域の課題解決に向けた議論を展開する。
オフィス・アワー
【月曜日】昼休み、【火曜日】昼休み・3時限目(前期のみ)、【木曜日】2・昼休み・3時限目(前期のみ)、【金曜日】昼休み、3時限目(前期のみ)
科目コード
ENS401
学年・期
1年・前期
科目名
三河に学ぶ
単位数
1
授業形態
実習
必修・選択
必修
学習時間
【授業】90分×15 【予習】30分以上×15 【復習】30分以上×15
前提とする科目
なし
展開科目
農業・情報キャリア論、エコツーリズム入門、国際協力論
関連資格
なし
担当教員名
小谷博光
回
主題
コマシラバス項目
内容
教材・教具
1
イントロダクション、農山村地域の諸問題
科目の中での位置付け
本科目では、三河地方の地理的な特性や経済、歴史、文化、地場産業、特産品などについて知識を深める。その後、学外に出て、五感をフルに活かして三河地域の実態を感じ取り、三河地方が直面する課題の解決に向けて議論する。本科目では、学外に出る際、三河地域の中でも特に岡崎市内に地域を限定し、活動する個人や団体を訪問する予定である。
まず、第1回から2回目講義までは、日本全国で見られる過疎化などの諸問題の概要と、三河地域の行政区分や地理的特徴、三河地域の歴史などについて説明する。第3回と第4回は、本宿駅周辺の史跡を巡り歴史的な観点から三河地域の歴史を学ぶ(4月23日を予定)。
第5回は、前回の訪問先で得られたことなどを各グループでまとめた後、三河地域の経済などについて説明する。第6回と第7回は、経済的な観点から、岡崎城や味噌づくりの現場を訪問して、働いている人々から話を聞く(5月14日を予定)。第8回は、前回の訪問先での学びをグループ毎にまとめ、三河地域の社会や文化などについて説明する。第9回と第10回(5月21日)と第12回と第13回(6月4日を予定)では、岡崎市のくらがり渓谷に近い、万足平の猪垣と奥平氏の歴史、絆の森の散策、ビオトープの取り組みと生態調査などを計画している。第11回と第14回では、これまでと同様に、グループ毎に訪問先で得られた学びを整理した後、日本各地で見られる過疎化や少子化などの諸問題の解決策や地域活性化について発表準備を進める。第15回では、各グループによる発表と質疑応答、全体の発表に対して教員からのアドバイス、授業のまとめと振り返りを行う。
本コマ(第1回)では、シラバスを参照して本科目のねらいを押さえた後、日本全国で見られる過疎化などの諸問題について解説する。
【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 「三河に学ぶ」のシラバス、第1回講義レジュメ
主題細目② 「三河に学ぶ」のシラバス、第1回講義レジュメ
主題細目③ 第1回講義レジュメ
コマ主題細目
① 本科目の概要説明 ② 講義のスケジュール ③ 日本の農山村地域が直面する諸問題
細目レベル
① 本コマでは、まず授業の概要や到達目標、15回分の授業の計画、到達目標、展開方法、評価などを説明する。本科目は筆記試験での評価が行われるので、シラバスに記載した履修判定指標について理解する。次に、また本科目は到達目標として、履修学生が「三河地方を事例として、様々な知識を深め体験を積むことにより、三河地方における課題の解決策に向けて議論できるようになる」ことを掲げている。そのためには、学内での講義形式の授業だけでなく、学外での授業でも積極的に発言・行動することが求められる。併せて、本科目ではグループ単位で活動する場面が多いことから、協調性も求められる。履修学生と協力し、到達目標に掲げた、課題の解決策を議論できる学生となれるよう期待したい。
② 本科目は、教室での講義と学外での学びが、おおよそ半々の割合で構成されている。第1回から2回目講義までは、日本全国で見られる過疎化などの諸問題の概要と、三河地域の行政区分や地理的特徴、三河地域の歴史などについて説明する。第3回と第4回は、本宿駅周辺の史跡を巡り歴史的な観点から三河地域の歴史を学ぶ。第5回は、前回の訪問先で得られたことなどを各グループでまとめた後、三河地域の経済などについて説明する。第6回と第7回は、経済的な観点から、岡崎城や味噌づくりの現場を訪問して、働いている人々から話を聞く。第8回は、前回の訪問先での学びをグループ毎にまとめ、三河地域の社会や文化などについて説明する。第9回と第10回と第12回と第13回では、岡崎市のくらがり渓谷に近い、万足平の猪垣と奥平氏の歴史、絆の森の散策、ビオトープの取り組みと生態調査などを計画している。第11回と第14回では、これまでと同様に、グループ毎に訪問先で得られた学びを整理した後、日本各地で見られる過疎化や少子化などの諸問題の解決策や地域活性化について発表準備を進める。第15回では、各グループによる発表と質疑応答、全体の発表に対して教員からのアドバイス、授業のまとめと振り返りを行う。授業のスケジュールを説明した後、グループ分けと他己紹介を行う。
③ 日本の農山村地域では、少子高齢化や地域資源の荒廃、経済的な停滞など、様々な問題が堆積し、農山村地域の再生が一筋縄ではいかないことは容易に想像できる。2013年の日本の総人口(1憶2730万人)に占める65歳以上の高齢者人口(3190万人)の割合は、25.1%にも上り総人口の4人に1人は高齢者であるという時代となった。また2060年には、総人口の約40%が高齢者となると推計されている。
加えて、農山村地域では、耕作放棄地や野生動物による獣害、多くの産業における働き手の減少、人口減少に伴う地域の祭りや行事などの実施・運営の困難さなど、生活を送る上で様々な側面において問題が散見される。一方、その様な問題や課題に対して、解決を図ろうと積極的に活動する個人や団体もみられる。
キーワード
① シラバス ② 地理的特徴 ③ 史跡 ④ 少子高齢化 ⑤ 耕作放棄地
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【復習】配布資料およびノートを確認し、質問を質問シートにまとめる。また、三河に学ぶでは、社会問題・経済・歴史・文化・伝統産業などの話をすることも多い。これらのテーマは、これまでの三河地域と現在、そしてこれからの三河地域の発展を検討する際、重要なテーマである。それゆえ、講義では専門用語を使う場合もあるが、講義内の説明だけでは、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモし、復習することが重要である。
【予習】シラバスに目を通し、気になったキーワードや事柄を各自で調べる。本科目では、様々なテーマや事例を取り上げるため、一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。
2
三河地域の特徴と歴史的側面
科目の中での位置付け
本科目では、三河地方の地理的な特性や経済、歴史、文化、地場産業、特産品などについて知識を深める。その後、学外に出て、五感をフルに活かして三河地域の実態を感じ取り、三河地方が直面する課題の解決に向けて議論する。本科目では、学外に出る際、三河地域の中でも特に岡崎市内に地域を限定し、活動する個人や団体を訪問する予定である。
まず、第1回から2回目講義までは、日本全国で見られる過疎化などの諸問題の概要と、三河地域の行政区分や地理的特徴、三河地域の歴史などについて説明する。第3回と第4回は、本宿駅周辺の史跡を巡り歴史的な観点から三河地域の歴史を学ぶ(4月23日を予定)。
第5回は、前回の訪問先で得られたことなどを各グループでまとめた後、三河地域の経済などについて説明する。第6回と第7回は、経済的な観点から、岡崎城や味噌づくりの現場を訪問して、働いている人々から話を聞く(5月14日を予定)。第8回は、前回の訪問先での学びをグループ毎にまとめ、三河地域の社会や文化などについて説明する。第9回と第10回(5月21日)と第12回と第13回(6月4日を予定)では、岡崎市のくらがり渓谷に近い、万足平の猪垣と奥平氏の歴史、絆の森の散策、ビオトープの取り組みと生態調査などを計画している。第11回と第14回では、これまでと同様に、グループ毎に訪問先で得られた学びを整理した後、日本各地で見られる過疎化や少子化などの諸問題の解決策や地域活性化について発表準備を進める。第15回では、各グループによる発表と質疑応答、全体の発表に対して教員からのアドバイス、授業のまとめと振り返りを行う。
本コマ(第2回)では、三河地域の行政区分や地理的特徴などを解説した後、三河地域(特に岡崎市)の歴史について説明する。
(1)藤田佳久「東三河圏の歴史地理的成立」『年報・中部の経済と社会 2010年版』、愛知大学中部地方産業研究所、2011年、3-23項。
(2)愛知県「県内の市町村」閲覧日2022年2月21日 URL:https://www.pref.aichi.jp/site/userguide/link-citytown.html
(3)岡崎市「三河国の歴史」、岡崎市教育ポータルサイト OKリンク、閲覧日2022年2月22日 URL:http://cms.oklab.ed.jp/el/nanbu/index.cfm/7,239,c,html/239/20190304-161713.pdf
(4)愛知県高等学校郷土史研究会編『愛知県の歴史散歩 下 三河』、愛知大学中部地方産業研究所、2005年、17項。
【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)「東三河圏の歴史地理的成立」、教材(2)「県内の市町村」、第2回講義レジュメ
主題細目② 教材(3)「三河国の歴史」、第2回講義レジュメ
主題細目③ 教材(4)「愛知県の歴史散歩 下 三河」、第2回講義レジュメ
コマ主題細目
① 三河地域の行政区分や地理的特徴 ② 中世から近世にかけての三河地域 ③ 城下町岡崎の特徴
細目レベル
① ヤマト王権(紀元後500年頃)の国造制では、愛知県は尾張と三河、穂に分かれていた。大宝律令(701年)では、体系的な法律が整備され、二官八省の行政区分や道路の整備、また、国郡里制(全国を国・郡・里の三段階の行政区画に編成)が作られた。おそらく、長い時間をかけて、穂と三河に住んでいた人々は領域に関する認識を持ち、国郡制の制定というタイミングで、穂と三河が一つとされ三河国となり、国司が任命され三河国の国府(国の役所のこと)を、現在の国府駅近くの三河総社周辺においたと考えられる。三河の名称は、矢作川と菅生川、豊川の三つの河という説が古い文献にもあるが、美河や御川と書いたりするので矢作川のことではないかという説もある(藤田 2011)。愛知県庁のHPをみると、三河地域は西三河と東三河に分かれており、西三河は、岡崎市、碧南市、刈谷市、豊田市、安城市、西尾市、知立市、高浜市、みよし市、幸田町が含まれ、東三河は、豊橋市、豊川市、蒲郡市、新城市、田原市、設楽町、東栄町、豊根村が含まれる。
② 中世の終わりにあたる戦国時代では、三河では今川氏と織田氏に挟まれ苦しんだ松平氏であったが、永禄3年(1560年)の桶狭間の戦いを経て、永禄6年(1563年)の三河一向一揆を制圧したことにより、徳川家康による領国支配が安定したとされる。安土桃山時代も同様に、三河の支配は徳川家康により安定的に行われた。
近世になると、江戸幕府が成立し、より一層の安定した領国支配が続けられた。江戸時代になると、三河国は19の藩があったとされている。明治時代になると、三河では、明治元年(1868年)に三河県を設けたが、翌年には三河県が廃止され伊奈県と合併した。明治4年(1872年)には、県や郡の制度が確立し、現在の愛知県には、額田県と名古屋県が設けられ、明治5年(1872年)になると、額田県が名古屋県に合併され、愛知県に改めた(岡崎市)。
③ 天正18年(1590年)に、徳川家康は関東地方に転封となった。その後、岡崎城主になった田中吉政は、関東の家康への備えとして城下町を造り変えるに注力した。岡崎城の備えを万全にするだけでなく、吉政は東海道を城下町に引き入れ、防衛力をあげる目的から、わざとジグザグに曲がりくねった街道に造り変えた。これにより、東海道の宿場町の中で最も長い街道となり、岡崎二十七曲がりと呼ばれるようになった。東海道による陸運と矢作川による舟運により物流が盛んとなり、岡崎の宿場町は大きな賑わいをみせるようになった(愛知県高等学校郷土史研究会 2005)。また、岡崎城と言うと岡崎公園周辺を思い浮かべると思われるが、当時の岡崎城は、城下町を堀で囲む総構えの城で、近世城郭では日本屈指の広さを誇りました。
キーワード
① 西三河 ② 東三河 ③ 三河県 ④ 額田県 ⑤ 岡崎二十七曲がり
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【復習】配布資料およびノートを確認し、質問を質問シートにまとめる。また、三河に学ぶでは、社会問題・経済・歴史・文化・伝統産業などの話をすることも多い。これらのテーマは、これまでの三河地域と現在、そしてこれからの三河地域の発展を検討する際、重要なテーマである。それゆえ、講義では専門用語を使う場合もあるが、講義内の説明だけでは、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモし、復習することが重要である。
【予習】シラバスに目を通し、気になったキーワードや事柄を各自で調べる。本科目では、様々なテーマや事例を取り上げるため、一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。
3
学外授業①(三河地域の歴史を探求)
科目の中での位置付け
本科目では、三河地方の地理的な特性や経済、歴史、文化、地場産業、特産品などについて知識を深める。その後、学外に出て、五感をフルに活かして三河地域の実態を感じ取り、三河地方が直面する課題の解決に向けて議論する。本科目では、学外に出る際、三河地域の中でも特に岡崎市内に地域を限定し、活動する個人や団体を訪問する予定である。
まず、第1回から2回目講義までは、日本全国で見られる過疎化などの諸問題の概要と、三河地域の行政区分や地理的特徴、三河地域の歴史などについて説明する。第3回と第4回は、本宿駅周辺の史跡を巡り歴史的な観点から三河地域の歴史を学ぶ(4月23日を予定)。
第5回は、前回の訪問先で得られたことなどを各グループでまとめた後、三河地域の経済などについて説明する。第6回と第7回は、経済的な観点から、岡崎城や味噌づくりの現場を訪問して、働いている人々から話を聞く(5月14日を予定)。第8回は、前回の訪問先での学びをグループ毎にまとめ、三河地域の社会や文化などについて説明する。第9回と第10回(5月21日)と第12回と第13回(6月4日を予定)では、岡崎市のくらがり渓谷に近い、万足平の猪垣と奥平氏の歴史、絆の森の散策、ビオトープの取り組みと生態調査などを計画している。第11回と第14回では、これまでと同様に、グループ毎に訪問先で得られた学びを整理した後、日本各地で見られる過疎化や少子化などの諸問題の解決策や地域活性化について発表準備を進める。第15回では、各グループによる発表と質疑応答、全体の発表に対して教員からのアドバイス、授業のまとめと振り返りを行う。
本コマ(第3回・第4回)では、本宿駅周辺の歴史的史跡などを巡り、岡崎キャンパスのある本宿駅周辺への理解を深める。
(1)「東海道 :本宿(岡崎市)」閲覧日2022年2月21日 URL:https://www.aichitabi.com/kaidou/toukaidou/hon.html
(2)日本レトルトフーズ株式会社「我が社が位置する本宿の歴史」閲覧日2022年2月21日 URL:https://www.nichireto.com/
(3)花井しおり「岡崎に伝わる三つの「万葉」伝承」『地域活性化研究』第16号、岡崎大学懇話会、2017年、33-42項。
(4)法蔵寺「法蔵寺ご案内」
(5)人間環境大学ものづくり研究会『ものけんの記録 二〇〇四-二〇〇九:西三河のものづくりに携わる人々』、人間環境大学ものづくり研究会、2010年、88-91項。
【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)「東海道 :本宿(岡崎市)」、教材(2)「我が社が位置する本宿の歴史」、教材(3)花井しおり「岡崎に伝わる三つの「万葉」伝承」、第3回講義レジュメ
主題細目② (4)法蔵寺「法蔵寺ご案内」、第3回講義レジュメ
主題細目③ 教材(1)「東海道 :本宿(岡崎市)」、(5)人間環境大学ものづくり研究会『ものけんの記録 二〇〇四-二〇〇九:西三河のものづくりに携わる人々』、第3回講義レジュメ
コマ主題細目
① 本宿駅周辺の歴史 ② 家康が学んだ法蔵寺 ③ 旧代官屋敷
細目レベル
① 本宿(岡崎市)は古くから法蔵寺の門前町として発展してきた。徳川家康が東海道の伝馬の制を確立さて以降、街道沿いの町として賑わいをみせた。藤川宿と赤坂宿の間に設けられた間の宿で、本陣や脇本陣、旅籠などの施設は置かれなかった。明治中期になると、人力車が営業し、明治末期から大正にかけて乗合バスの発着地点(本宿ー岡崎間)となっていた。昭和2年には、愛知電機鉄道が全線開通し本宿駅が設置されました。現在、本宿駅の敷地内には、万葉歌人額田姫王のレリーフが掲げられている(花井 2017)。岡崎市内には旧額田町があったが、そこと直接的な関係は確認されていないものの、まちづくりの一環として、額田姫王をPRに起用したという経緯がある。
② 法蔵寺は、大宝元年(701年)に行基菩薩を開山として開創した由緒正しき寺院(浄土宗西山深草派)である。古くから徳川家と縁が深く、幼少の頃の徳川家康が手習いや読書などに励んだと伝えられている。江戸時代以降は、東海道に接した立地であり、また幕府の庇護も厚かったため、多くの参拝者が訪れた。境内には、家康が出陣の際に開運戦勝の祈願に訪れたとされる六角堂開運勝利観音像が祭られており、東照宮や徳川(松平)家霊廟、武田信玄と徳川家康らが戦った三方ヶ原合戦で家康の代わりとなって戦死した合戦忠死者の墓、六角堂観音、新選組組長の近藤勇の首塚などがある。また、市の天然記念物とされている槙(まき)の木(本殿左側)があり、行基菩薩が開山のときに植えられたとされている。
③ 本宿駅から岡崎キャンパス方面に歩いて10分程のところにある冨田病院の敷地内には、陣屋として旧代官屋敷が残されています。日本大百科全書によると、江戸時代の陣屋とは、「無城の大名や交替寄合の館舎をよぶようになり、一般には代官や旗本の支配地における役宅や屋敷、用水方の御普請詰所をさすようになった。そのため軍事上よりも、民政の拠点を意味するようになった。(中略)代官陣屋は幕府の地方行政の拠点であり、代官の官舎の本陣、公用を執務する役所、米蔵、運上蔵、手付や手代の官舎である小屋や長屋、牢屋を総称する」建物群である。
柴田家の養子となった勝政の子である勝重は、後に徳川家康に使え旗本になりました。その勝重の孫にあたる勝門は、元禄11年(1698年)に三河国本宿村に移封され陣屋を設け、冨田家が陣屋代官職を明治まで世襲してきた。
キーワード
① 額田姫王 ② 法蔵寺 ③ 行基菩薩 ④ 陣屋 ⑤ 旧代官屋敷
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【復習】配布資料およびノートを確認し、質問を質問シートにまとめる。また、三河に学ぶでは、社会問題・経済・歴史・文化・伝統産業などの話をすることも多い。これらのテーマは、これまでの三河地域と現在、そしてこれからの三河地域の発展を検討する際、重要なテーマである。それゆえ、講義では専門用語を使う場合もあるが、講義内の説明だけでは、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモし、復習することが重要である。
【予習】シラバスに目を通し、気になったキーワードや事柄を各自で調べる。本科目では、様々なテーマや事例を取り上げるため、一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。
4
学外授業①(三河地域の歴史を探求)
科目の中での位置付け
本科目では、三河地方の地理的な特性や経済、歴史、文化、地場産業、特産品などについて知識を深める。その後、学外に出て、五感をフルに活かして三河地域の実態を感じ取り、三河地方が直面する課題の解決に向けて議論する。本科目では、学外に出る際、三河地域の中でも特に岡崎市内に地域を限定し、活動する個人や団体を訪問する予定である。
まず、第1回から2回目講義までは、日本全国で見られる過疎化などの諸問題の概要と、三河地域の行政区分や地理的特徴、三河地域の歴史などについて説明する。第3回と第4回は、本宿駅周辺の史跡を巡り歴史的な観点から三河地域の歴史を学ぶ(4月23日を予定)。
第5回は、前回の訪問先で得られたことなどを各グループでまとめた後、三河地域の経済などについて説明する。第6回と第7回は、経済的な観点から、岡崎城や味噌づくりの現場を訪問して、働いている人々から話を聞く(5月14日を予定)。第8回は、前回の訪問先での学びをグループ毎にまとめ、三河地域の社会や文化などについて説明する。第9回と第10回(5月21日)と第12回と第13回(6月4日を予定)では、岡崎市のくらがり渓谷に近い、万足平の猪垣と奥平氏の歴史、絆の森の散策、ビオトープの取り組みと生態調査などを計画している。第11回と第14回では、これまでと同様に、グループ毎に訪問先で得られた学びを整理した後、日本各地で見られる過疎化や少子化などの諸問題の解決策や地域活性化について発表準備を進める。第15回では、各グループによる発表と質疑応答、全体の発表に対して教員からのアドバイス、授業のまとめと振り返りを行う。
本コマ(第3回・第4回)では、本宿駅周辺の歴史的史跡などを巡り、岡崎キャンパスのある本宿駅周辺への理解を深める。
(1)「東海道 :本宿(岡崎市)」閲覧日2022年2月21日 URL:https://www.aichitabi.com/kaidou/toukaidou/hon.html
(2)日本レトルトフーズ株式会社「我が社が位置する本宿の歴史」閲覧日2022年2月21日 URL https://www.nichireto.com/
(3)花井しおり「岡崎に伝わる三つの「万葉」伝承」『地域活性化研究』第16号、岡崎大学懇話会、2017年、33-42項。
(4)法蔵寺「法蔵寺ご案内」
(5)人間環境大学ものづくり研究会『ものけんの記録 二〇〇四-二〇〇九:西三河のものづくりに携わる人々』、人間環境大学ものづくり研究会、2010年、88-91項。
【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)「東海道 :本宿(岡崎市)」、教材(2)「我が社が位置する本宿の歴史」、教材(3)花井しおり「岡崎に伝わる三つの「万葉」伝承」、第3回講義レジュメ
主題細目② (4)法蔵寺「法蔵寺ご案内」、第3回講義レジュメ
主題細目③ 教材(1)「東海道 :本宿(岡崎市)」、(5)人間環境大学ものづくり研究会『ものけんの記録 二〇〇四-二〇〇九:西三河のものづくりに携わる人々』、第3回講義レジュメ
コマ主題細目
① 本宿駅周辺の歴史 ② 家康が学んだ法蔵寺 ③ 旧代官屋敷
細目レベル
① 本宿(岡崎市)は古くから法蔵寺の門前町として発展してきた。徳川家康が東海道の伝馬の制を確立さて以降、街道沿いの町として賑わいをみせた。藤川宿と赤坂宿の間に設けられた間の宿で、本陣や脇本陣、旅籠などの施設は置かれなかった。明治中期になると、人力車が営業し、明治末期から大正にかけて乗合バスの発着地点(本宿ー岡崎間)となっていた。昭和2年には、愛知電機鉄道が全線開通し本宿駅が設置されました。現在、本宿駅の敷地内には、万葉歌人額田姫王のレリーフが掲げられている(花井 2017)。岡崎市内には旧額田町があったが、そこと直接的な関係は確認されていないものの、まちづくりの一環として、額田姫王をPRに起用したという経緯がある。
② 法蔵寺は、大宝元年(701年)に行基菩薩を開山として開創した由緒正しき寺院(浄土宗西山深草派)である。古くから徳川家と縁が深く、幼少の頃の徳川家康が手習いや読書などに励んだと伝えられている。江戸時代以降は、東海道に接した立地であり、また幕府の庇護も厚かったため、多くの参拝者が訪れた。境内には、家康が出陣の際に開運戦勝の祈願に訪れたとされる六角堂開運勝利観音像が祭られており、東照宮や徳川(松平)家霊廟、武田信玄と徳川家康らが戦った三方ヶ原合戦で家康の代わりとなって戦死した合戦忠死者の墓、六角堂観音、新選組組長の近藤勇の首塚などがある。また、市の天然記念物とされている槙(まき)の木(本殿左側)があり、行基菩薩が開山のときに植えられたとされている。
③ 本宿駅から岡崎キャンパス方面に歩いて10分程のところにある冨田病院の敷地内には、陣屋として旧代官屋敷が残されています。日本大百科全書によると、江戸時代の陣屋とは、「無城の大名や交替寄合の館舎をよぶようになり、一般には代官や旗本の支配地における役宅や屋敷、用水方の御普請詰所をさすようになった。そのため軍事上よりも、民政の拠点を意味するようになった。(中略)代官陣屋は幕府の地方行政の拠点であり、代官の官舎の本陣、公用を執務する役所、米蔵、運上蔵、手付や手代の官舎である小屋や長屋、牢屋を総称する」建物群である。
柴田家の養子となった勝政の子である勝重は、後に徳川家康に使え旗本になりました。その勝重の孫にあたる勝門は、元禄11年(1698年)に三河国本宿村に移封され陣屋を設け、冨田家が陣屋代官職を明治まで世襲してきた。
キーワード
① 額田姫王 ② 法蔵寺 ③ 行基菩薩 ④ 陣屋 ⑤ 旧代官屋敷
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【復習】配布資料およびノートを確認し、質問を質問シートにまとめる。また、三河に学ぶでは、社会問題・経済・歴史・文化・伝統産業などの話をすることも多い。これらのテーマは、これまでの三河地域と現在、そしてこれからの三河地域の発展を検討する際、重要なテーマである。それゆえ、講義では専門用語を使う場合もあるが、講義内の説明だけでは、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモし、復習することが重要である。
【予習】シラバスに目を通し、気になったキーワードや事柄を各自で調べる。本科目では、様々なテーマや事例を取り上げるため、一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。
5
訪問先で得た情報・経験の整理①、愛知県の地域別経済構造
科目の中での位置付け
本科目では、三河地方の地理的な特性や経済、歴史、文化、地場産業、特産品などについて知識を深める。その後、学外に出て、五感をフルに活かして三河地域の実態を感じ取り、三河地方が直面する課題の解決に向けて議論する。本科目では、学外に出る際、三河地域の中でも特に岡崎市内に地域を限定し、活動する個人や団体を訪問する予定である。
まず、第1回から2回目講義までは、日本全国で見られる過疎化などの諸問題の概要と、三河地域の行政区分や地理的特徴、三河地域の歴史などについて説明する。第3回と第4回は、本宿駅周辺の史跡を巡り歴史的な観点から三河地域の歴史を学ぶ(4月23日を予定)。
第5回は、前回の訪問先で得られたことなどを各グループでまとめた後、三河地域の経済などについて説明する。第6回と第7回は、経済的な観点から、岡崎城や味噌づくりの現場を訪問して、働いている人々から話を聞く(5月14日を予定)。第8回は、前回の訪問先での学びをグループ毎にまとめ、三河地域の社会や文化などについて説明する。第9回と第10回(5月21日)と第12回と第13回(6月4日を予定)では、岡崎市のくらがり渓谷に近い、万足平の猪垣と奥平氏の歴史、絆の森の散策、ビオトープの取り組みと生態調査などを計画している。第11回と第14回では、これまでと同様に、グループ毎に訪問先で得られた学びを整理した後、日本各地で見られる過疎化や少子化などの諸問題の解決策や地域活性化について発表準備を進める。第15回では、各グループによる発表と質疑応答、全体の発表に対して教員からのアドバイス、授業のまとめと振り返りを行う。
本コマ(第5回)では、前回の訪問先で得られたことを各グループでまとめた後、三河地域の経済などについて解説する。
(1)愛知県「Ⅵ 地域別の取組方向」『あいちビジョン2030』、2021年、94-127項。閲覧日2022年2月22日 URL:https://www.pref.aichi.jp/kikaku/aichivision2030color/aichivision2030color.html
【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 第5回講義レジュメ、各グループの履修学生が書き留めたノート、訪問先で得た資料
主題細目② 第5回講義レジュメ、各グループの履修学生が書き留めたノート、訪問先で得た資料
主題細目③ 教材(1)「Ⅵ 地域別の取組方向」、第5回講義レジュメ
コマ主題細目
① 訪問先で得られた情報の共有と整理 ② 訪問時の聞き取った情報の整理 ③ 三河地域の経済的の特徴
細目レベル
① 前回の講義の訪問先は、①どの様な地理的・経済的・文化的・歴史的特性を有しており、②現在、どの様なことが課題とされていたのか、③その様な課題が生み出された要因(原因)について、まずは各履修者が意見をまとめ、その後、各グループ内で意見交換を行う。他の人の意見や視点を聞く中で、大切だと感じた際は必ず書き留めておくことを習慣づけること。また、訪問時に撮影した写真や自身で書いた図表、書き留めたメモなどを、グループ内の他のメンバーと共有することも重要である。積極的に情報を共有することにより、一人では見えてこなかった当該地域が抱える課題がリアルに浮かびあがることがある。これらの作業は、訪問した後すぐに行わないと記憶が曖昧になることがあるので、できるだけ早く行うことが望ましい。
② 訪問した際、いくつかの疑問が浮かび質問することはよくあることである。その際、メモに取った内容は、即座に文章として書き起こすことが求められる。また、質問に対して回答してくれた方の了解を取った上で、質疑の内容を音声データに記録することもある。その後、記録した音声データを一言一句漏らすことなく書き起こす「文字越し」という作業を行う。この文字起こしは、大変根気のいる作業であり、回答してくれた方の説明が長時間に渡る場合、皆さんは時間的余裕を持って文字越しに取り組む必要がある。また、文字起しの作業に際し、何度も聞き直しながら間違いがないように文字起しを進めなければいけない。最後に、よく見られる失敗談として、文字起こしが終わる前に記録したデータを誤って削除してしまうことがあるため、データ管理と録音機器の使い方はよく心得ておく必要がある。
③ 西三河地域は、自動車産業に関連する多種多様なサプライヤー企業が数多く立地しており、愛知県の製造品出荷額等の5割以上を稼ぎ出している。一方、穀物類(米・小麦・大豆)や野菜、果樹、てん茶、花き、畜産などの農業も盛んな地域である。山間地域では、林業が行われている。東三河地域は、自動車関連を中心に多くの製造業が集積しており、渥美半島では野菜や花き、畜産などの農業地帯となっている。また、水産業も盛んであり、底びき網や採貝、アユやマス類の養殖なども有名である。加えて、西三河地域と同様に、山間地域では植林が盛んある。愛知県は、歴史や産業等を活かした観光振興を目指しており、岡崎城や西尾城などの城郭・城址を活用した観光や、東海道や飯田街道といった歴史街道を活用した観光を積極的に推進する方針を示している(愛知県 2021)。
キーワード
① 情報共有 ② 文字お越し ③ 自動車産業 ④ 農林業 ⑤ 水産業
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【復習】配布資料およびノートを確認し、質問を質問シートにまとめる。また、三河に学ぶでは、社会問題・経済・歴史・文化・伝統産業などの話をすることも多い。これらのテーマは、これまでの三河地域と現在、そしてこれからの三河地域の発展を検討する際、重要なテーマである。それゆえ、講義では専門用語を使う場合もあるが、講義内の説明だけでは、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモし、復習することが重要である。
【予習】シラバスに目を通し、気になったキーワードや事柄を各自で調べる。本科目では、様々なテーマや事例を取り上げるため、一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。
6
学外授業②(三河地域の特産品と史跡岡崎城)
科目の中での位置付け
本科目では、三河地方の地理的な特性や経済、歴史、文化、地場産業、特産品などについて知識を深める。その後、学外に出て、五感をフルに活かして三河地域の実態を感じ取り、三河地方が直面する課題の解決に向けて議論する。本科目では、学外に出る際、三河地域の中でも特に岡崎市内に地域を限定し、活動する個人や団体を訪問する予定である。
まず、第1回から2回目講義までは、日本全国で見られる過疎化などの諸問題の概要と、三河地域の行政区分や地理的特徴、三河地域の歴史などについて説明する。第3回と第4回は、本宿駅周辺の史跡を巡り歴史的な観点から三河地域の歴史を学ぶ(4月23日を予定)。
第5回は、前回の訪問先で得られたことなどを各グループでまとめた後、三河地域の経済などについて説明する。第6回と第7回は、経済的な観点から、岡崎城や味噌づくりの現場を訪問して、働いている人々から話を聞く(5月14日を予定)。第8回は、前回の訪問先での学びをグループ毎にまとめ、三河地域の社会や文化などについて説明する。第9回と第10回(5月21日)と第12回と第13回(6月4日を予定)では、岡崎市のくらがり渓谷に近い、万足平の猪垣と奥平氏の歴史、絆の森の散策、ビオトープの取り組みと生態調査などを計画している。第11回と第14回では、これまでと同様に、グループ毎に訪問先で得られた学びを整理した後、日本各地で見られる過疎化や少子化などの諸問題の解決策や地域活性化について発表準備を進める。第15回では、各グループによる発表と質疑応答、全体の発表に対して教員からのアドバイス、授業のまとめと振り返りを行う。
本コマ(第6回・第7回)では、経済的な観点から、味噌づくりの現場や史跡岡崎城を訪問して、働いている人々から話を聞く。
(1)愛知県高等学校郷土史研究会編『愛知県の歴史散歩 下 三河』、愛知大学中部地方産業研究所、2005年、9-11項。
(2)愛知県高等学校郷土史研究会編『愛知県の歴史散歩 下 三河』、愛知大学中部地方産業研究所、2005年、4-8項。
【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)『愛知県の歴史散歩 下 三河』、第6回・第7回講義レジュメ
主題細目② 教材(2)『愛知県の歴史散歩 下 三河』、第6回・第7回講義レジュメ
主題細目③ 教材(2)『愛知県の歴史散歩 下 三河』、第6回・第7回講義レジュメ
コマ主題細目
① 岡崎市の特産品である八丁味噌 ② 岡崎城の歴史概説 ③ 岡崎城周辺の史跡
細目レベル
① 岡崎城の近くには、特産品である八丁味噌がつくられている。岡崎の八丁味噌は、矢作大豆と吉良の塩、矢作川の伏流水を使って作られた豆味噌が始まりとされている。江戸幕府が開かれた頃に、三河味噌(三州味噌)の名で全国的に知られるようになったが、現在の八丁味噌と呼ばれるようになった経緯は、中岡崎駅や岡崎公園前駅がある八丁村(現在の八帖町)で味噌が作られていたことに由来するとされる。味噌つくりは、ぐり石を積み上げた大きな仕込み桶(高さは2mと巨大な桶)で行われており、桶は100年近く使用されている。桶に入れた豆麹と塩、水を、2年間かけてじっくりと重みをかけて熟成し醸造する伝統の製法が江戸時代から受け継がれている(愛知県高等学校郷土史研究会 2005)。
② 岡崎城は、矢作川の支流の乙川と伊賀川に囲まれた段丘に築城されている。三河武士の形成から、松平氏の歴史、家康の生涯に焦点を当てた展示などが資料館でみることができる。また、近くにはと奥川家康像や本多忠勝像、家康産湯の井戸などがある。家康産湯の井戸は、天文11年(1542年)に、家康がこの城で産声をあげた時に、産湯の水を汲んだ井戸とされている。胎児を包む膜や胎盤などのことを胞衣(えな)というが、家康のえな塚も近くにある。一方、岡崎城の天守閣は、元和3年(1617年)に本多康紀により建てられたもので、3層3階地下1階の複合天守閣であったが、現在の天守閣は建て直されたものである(愛知県高等学校郷土史研究会 2005)。岡崎城のある岡崎公園一帯と伊賀川堤周辺は、約800本のソメイヨシノが咲き、桜の名所として知られている。
③ 岡崎城の天守閣の脇には、徳川家康と本多忠勝を祀った龍城神社がある。明治9年(1876年)に建てられたもので、岡崎城周辺には、徳川家康や徳川家に関連する多くの史跡が現在まで残されている。本丸跡から南に歩き乙川河畔にでると、五万石船の石像がみえる。この石像がある一帯は、かつての御用土場跡で城米や領主廻米の積み下ろしが行われていた場所である。また、大手門から北に行くと、明応2年(1493年)創建の大林寺がある。この寺院は、岡崎松平氏の菩提寺であり、境内には家康の祖父にあたる松平清康や父にあたる松平広忠らの墓がある。また、近くには広忠が岡崎城内で殺された後に密葬された場所である松応寺もある(愛知県高等学校郷土史研究会 2005)。
キーワード
① 八丁味噌 ② ぐり石 ③ 家康産湯の井戸 ④ 家康のえな塚 ⑤ 御用土場跡
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【復習】配布資料およびノートを確認し、質問を質問シートにまとめる。また、三河に学ぶでは、社会問題・経済・歴史・文化・伝統産業などの話をすることも多い。これらのテーマは、これまでの三河地域と現在、そしてこれからの三河地域の発展を検討する際、重要なテーマである。それゆえ、講義では専門用語を使う場合もあるが、講義内の説明だけでは、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモし、復習することが重要である。
【予習】シラバスに目を通し、気になったキーワードや事柄を各自で調べる。本科目では、様々なテーマや事例を取り上げるため、一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。
7
学外授業②(三河地域の特産品と史跡岡崎城)
科目の中での位置付け
本科目では、三河地方の地理的な特性や経済、歴史、文化、地場産業、特産品などについて知識を深める。その後、学外に出て、五感をフルに活かして三河地域の実態を感じ取り、三河地方が直面する課題の解決に向けて議論する。本科目では、学外に出る際、三河地域の中でも特に岡崎市内に地域を限定し、活動する個人や団体を訪問する予定である。
まず、第1回から2回目講義までは、日本全国で見られる過疎化などの諸問題の概要と、三河地域の行政区分や地理的特徴、三河地域の歴史などについて説明する。第3回と第4回は、本宿駅周辺の史跡を巡り歴史的な観点から三河地域の歴史を学ぶ(4月23日を予定)。
第5回は、前回の訪問先で得られたことなどを各グループでまとめた後、三河地域の経済などについて説明する。第6回と第7回は、経済的な観点から、岡崎城や味噌づくりの現場を訪問して、働いている人々から話を聞く(5月14日を予定)。第8回は、前回の訪問先での学びをグループ毎にまとめ、三河地域の社会や文化などについて説明する。第9回と第10回(5月21日)と第12回と第13回(6月4日を予定)では、岡崎市のくらがり渓谷に近い、万足平の猪垣と奥平氏の歴史、絆の森の散策、ビオトープの取り組みと生態調査などを計画している。第11回と第14回では、これまでと同様に、グループ毎に訪問先で得られた学びを整理した後、日本各地で見られる過疎化や少子化などの諸問題の解決策や地域活性化について発表準備を進める。第15回では、各グループによる発表と質疑応答、全体の発表に対して教員からのアドバイス、授業のまとめと振り返りを行う。
本コマ(第6回・第7回)では、経済的な観点から、味噌づくりの現場や史跡岡崎城を訪問して、働いている人々から話を聞く。
(1)愛知県高等学校郷土史研究会編『愛知県の歴史散歩 下 三河』、愛知大学中部地方産業研究所、2005年、9-11項。
(2)愛知県高等学校郷土史研究会編『愛知県の歴史散歩 下 三河』、愛知大学中部地方産業研究所、2005年、4-8項。
【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)『愛知県の歴史散歩 下 三河』、第6回・第7回講義レジュメ
主題細目② 教材(2)『愛知県の歴史散歩 下 三河』、第6回・第7回講義レジュメ
主題細目③ 教材(2)『愛知県の歴史散歩 下 三河』、第6回・第7回講義レジュメ
コマ主題細目
① 岡崎市の特産品である八丁味噌 ② 岡崎城の歴史概説 ③ 岡崎城周辺の史跡
細目レベル
① 岡崎城の近くには、特産品である八丁味噌がつくられている。岡崎の八丁味噌は、矢作大豆と吉良の塩、矢作川の伏流水を使って作られた豆味噌が始まりとされている。江戸幕府が開かれた頃に、三河味噌(三州味噌)の名で全国的に知られるようになったが、現在の八丁味噌と呼ばれるようになった経緯は、中岡崎駅や岡崎公園前駅がある八丁村(現在の八帖町)で味噌が作られていたことに由来するとされる。味噌つくりは、ぐり石を積み上げた大きな仕込み桶(高さは2mと巨大な桶)で行われており、桶は100年近く使用されている。桶に入れた豆麹と塩、水を、2年間かけてじっくりと重みをかけて熟成し醸造する伝統の製法が江戸時代から受け継がれている(愛知県高等学校郷土史研究会 2005)。
② 岡崎城は、矢作川の支流の乙川と伊賀川に囲まれた段丘に築城されている。三河武士の形成から、松平氏の歴史、家康の生涯に焦点を当てた展示などが資料館でみることができる。また、近くにはと奥川家康像や本多忠勝像、家康産湯の井戸などがある。家康産湯の井戸は、天文11年(1542年)に、家康がこの城で産声をあげた時に、産湯の水を汲んだ井戸とされている。胎児を包む膜や胎盤などのことを胞衣(えな)というが、家康のえな塚も近くにある。一方、岡崎城の天守閣は、元和3年(1617年)に本多康紀により建てられたもので、3層3階地下1階の複合天守閣であったが、現在の天守閣は建て直されたものである(愛知県高等学校郷土史研究会 2005)。岡崎城のある岡崎公園一帯と伊賀川堤周辺は、約800本のソメイヨシノが咲き、桜の名所として知られている。
③ 岡崎城の天守閣の脇には、徳川家康と本多忠勝を祀った龍城神社がある。明治9年(1876年)に建てられたもので、岡崎城周辺には、徳川家康や徳川家に関連する多くの史跡が現在まで残されている。本丸跡から南に歩き乙川河畔にでると、五万石船の石像がみえる。この石像がある一帯は、かつての御用土場跡で城米や領主廻米の積み下ろしが行われていた場所である。また、大手門から北に行くと、明応2年(1493年)創建の大林寺がある。この寺院は、岡崎松平氏の菩提寺であり、境内には家康の祖父にあたる松平清康や父にあたる松平広忠らの墓がある。また、近くには広忠が岡崎城内で殺された後に密葬された場所である松応寺もある(愛知県高等学校郷土史研究会 2005)。
キーワード
① 八丁味噌 ② ぐり石 ③ 家康産湯の井戸 ④ 家康のえな塚 ⑤ 御用土場跡
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【復習】配布資料およびノートを確認し、質問を質問シートにまとめる。また、三河に学ぶでは、社会問題・経済・歴史・文化・伝統産業などの話をすることも多い。これらのテーマは、これまでの三河地域と現在、そしてこれからの三河地域の発展を検討する際、重要なテーマである。それゆえ、講義では専門用語を使う場合もあるが、講義内の説明だけでは、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモし、復習することが重要である。
【予習】シラバスに目を通し、気になったキーワードや事柄を各自で調べる。本科目では、様々なテーマや事例を取り上げるため、一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。
8
訪問先で得た情報・経験の整理③、三河地方の社会や文化
科目の中での位置付け
本科目では、三河地方の地理的な特性や経済、歴史、文化、地場産業、特産品などについて知識を深める。その後、学外に出て、五感をフルに活かして三河地域の実態を感じ取り、三河地方が直面する課題の解決に向けて議論する。本科目では、学外に出る際、三河地域の中でも特に岡崎市内に地域を限定し、活動する個人や団体を訪問する予定である。
まず、第1回から2回目講義までは、日本全国で見られる過疎化などの諸問題の概要と、三河地域の行政区分や地理的特徴、三河地域の歴史などについて説明する。第3回と第4回は、本宿駅周辺の史跡を巡り歴史的な観点から三河地域の歴史を学ぶ(4月23日を予定)。
第5回は、前回の訪問先で得られたことなどを各グループでまとめた後、三河地域の経済などについて説明する。第6回と第7回は、経済的な観点から、岡崎城や味噌づくりの現場を訪問して、働いている人々から話を聞く(5月14日を予定)。第8回は、前回の訪問先での学びをグループ毎にまとめ、三河地域の社会や文化などについて説明する。第9回と第10回(5月21日)と第12回と第13回(6月4日を予定)では、岡崎市のくらがり渓谷に近い、万足平の猪垣と奥平氏の歴史、絆の森の散策、ビオトープの取り組みと生態調査などを計画している。第11回と第14回では、これまでと同様に、グループ毎に訪問先で得られた学びを整理した後、日本各地で見られる過疎化や少子化などの諸問題の解決策や地域活性化について発表準備を進める。第15回では、各グループによる発表と質疑応答、全体の発表に対して教員からのアドバイス、授業のまとめと振り返りを行う。
本コマ(第8回)では、前回の訪問先で得られたことを各グループでまとめた後、三河地域の社会や文化などについて解説する。
(1)愛知県「Ⅵ 地域別の取組方向」『あいちビジョン2030』、2021年、94-127項。閲覧日2022年2月22日 URL:https://www.pref.aichi.jp/kikaku/aichivision2030color/aichivision2030color.html
【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 第8回講義レジュメ、各グループの履修学生が書き留めたノート、訪問先で得た資料
主題細目② 第8回講義レジュメ、各グループの履修学生が書き留めたノート、訪問先で得た資料
主題細目③ 教材(1)「Ⅵ 地域別の取組方向」、第8回講義レジュメ
コマ主題細目
① 訪問先で得られた情報の共有と整理 ② 訪問時の聞き取った情報の整理 ③ 三河地域の社会構造と文化
細目レベル
① 前回の講義の訪問先は、①どの様な地理的・経済的・文化的・歴史的特性を有しており、②現在、どの様なことが課題とされていたのか、③その様な課題が生み出された要因(原因)について、まずは各履修者が意見をまとめ、その後、各グループ内で意見交換を行う。他の人の意見や視点を聞く中で、大切だと感じた際は必ず書き留めておくことを習慣づけること。また、訪問時に撮影した写真や自身で書いた図表、書き留めたメモなどを、グループ内の他のメンバーと共有することも重要である。積極的に情報を共有することにより、一人では見えてこなかった当該地域が抱える課題がリアルに浮かびあがることがある。これらの作業は、訪問した後すぐに行わないと記憶が曖昧になることがあるので、できるだけ早く行うことが望ましい。
② 訪問した際、いくつかの疑問が浮かび質問することはよくあることである。その際、メモに取った内容は、即座に文章として書き起こすことが求められる。また、質問に対して回答してくれた方の了解を取った上で、質疑の内容を音声データに記録することもある。その後、記録した音声データを一言一句漏らすことなく書き起こす「文字越し」という作業を行う。この文字起こしは、大変根気のいる作業であり、回答してくれた方の説明が長時間に渡る場合、皆さんは時間的余裕を持って文字越しに取り組む必要がある。また、文字起しの作業に際し、何度も聞き直しながら間違いがないように文字起しを進めなければいけない。最後に、よく見られる失敗談として、文字起こしが終わる前に記録したデータを誤って削除してしまうことがあるため、データ管理と録音機器の使い方はよく心得ておく必要がある。
③ 西三河地域は、県全体の約2割の人々が暮らす地域で、鉄道や幹線道路に沿って市街地が形成されており、地域の北部や東部は山村地域となっている。また、男性人口に比べて女性人口が少ないという特徴があり、特に20~30歳代で顕著となっている。さらに、外国人県民が増加してきており、多くの外国人が製造業に就いている。一方、自動車を中心とするモノづくり産業や、醸造業、窯業といった地場産業、和紙などの郷土工芸品等を活かした産業観光が盛んであるまた、食文化として、西尾の抹茶や醸造文化(味噌・みりん・白醤油)が全国的にも有名である(愛知県 2021)。
東三河地域は、県全体の約1割の人々が暮らす地域で、鉄道駅を中心として市街地が形成されている。山村地域である地域の北部では、高齢化率が特に高く、地域の南部を中心に外国人県民が増加してきている。愛知県は、愛知県交流居住センター等を中心とした都市住民と受入集落とのマッチングや、仕事(なりわい)づくりへの支援などにより、三河山間地域への移住・定住を促進している。三河の山里と関わりを持ち、ファン・サポーターとなる人(関係人口)を創出するための取り組みも、今後、本腰を入れて進められる(愛知県 2021)。
キーワード
① 情報共有 ② 文字お越し ③ 外国人県民 ④ 醸造文化 ⑤ 関係人口
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【復習】配布資料およびノートを確認し、質問を質問シートにまとめる。また、三河に学ぶでは、社会問題・経済・歴史・文化・伝統産業などの話をすることも多い。これらのテーマは、これまでの三河地域と現在、そしてこれからの三河地域の発展を検討する際、重要なテーマである。それゆえ、講義では専門用語を使う場合もあるが、講義内の説明だけでは、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモし、復習することが重要である。
【予習】シラバスに目を通し、気になったキーワードや事柄を各自で調べる。本科目では、様々なテーマや事例を取り上げるため、一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。
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学外授業③(万足平の猪垣と奥平氏の歴史、絆の森の散策)
科目の中での位置付け
本科目では、三河地方の地理的な特性や経済、歴史、文化、地場産業、特産品などについて知識を深める。その後、学外に出て、五感をフルに活かして三河地域の実態を感じ取り、三河地方が直面する課題の解決に向けて議論する。本科目では、学外に出る際、三河地域の中でも特に岡崎市内に地域を限定し、活動する個人や団体を訪問する予定である。
まず、第1回から2回目講義までは、日本全国で見られる過疎化などの諸問題の概要と、三河地域の行政区分や地理的特徴、三河地域の歴史などについて説明する。第3回と第4回は、本宿駅周辺の史跡を巡り歴史的な観点から三河地域の歴史を学ぶ(4月23日を予定)。
第5回は、前回の訪問先で得られたことなどを各グループでまとめた後、三河地域の経済などについて説明する。第6回と第7回は、経済的な観点から、岡崎城や味噌づくりの現場を訪問して、働いている人々から話を聞く(5月14日を予定)。第8回は、前回の訪問先での学びをグループ毎にまとめ、三河地域の社会や文化などについて説明する。第9回と第10回(5月21日)と第12回と第13回(6月4日を予定)では、岡崎市のくらがり渓谷に近い、万足平の猪垣と奥平氏の歴史、絆の森の散策、ビオトープの取り組みと生態調査などを計画している。第11回と第14回では、これまでと同様に、グループ毎に訪問先で得られた学びを整理した後、日本各地で見られる過疎化や少子化などの諸問題の解決策や地域活性化について発表準備を進める。第15回では、各グループによる発表と質疑応答、全体の発表に対して教員からのアドバイス、授業のまとめと振り返りを行う。
本コマ(第9回・第10回)では、岡崎市宮崎地区の万足平の猪垣と奥平氏の歴史を学び、絆の森の散策する。
(1)愛知県高等学校郷土史研究会編『愛知県の歴史散歩 下 三河』、愛知大学中部地方産業研究所、2005年、39項。
(2)「奥平貞能」みかわこまちHP 閲覧日2022年2月23日 URL:https://mikawa-komachi.jp/history/okuhirasadayoshi.html
(3)滝川元雄編「家康の長女を妻にした実力者-奥平信昌と新城城」『図解 東三河の歴史 豊橋市・蒲郡市・豊川市・新城市・渥美郡・宝飯郡・南設楽郡・北設楽郡』、太洋社、1997年、232-235項。
(4)岡崎市東部地域交流センター「むらさきかん」、第99号、2021年。
【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)「愛知県の歴史散歩 下 三河」、第9回・第10回講義レジュメ
主題細目② 教材(2)「奥平貞能」、教材(3)「家康の長女を妻にした実力者-奥平信昌と新城城」、第9回・第10回講義レジュメ
主題細目③ 教材(4)「むらさきかん」、第9回・第10回講義レジュメ
コマ主題細目
① 万足平の猪垣 ② 奥平氏の歴史 ③ 絆の森の散策
細目レベル
① 山中にあり限られた農耕地で農作物を育てていた宮崎地区では、野生動物による食害は死活問題であった。そこで、イノシシやシカなどの動物による食害から田畑に植えられた作物を守るため、男川流域で多く採れる領家片麻岩を1.5m~2mほど積み上げて猪垣(石垣)が作られた。その様な猪垣は、万足平の猪垣と呼ばれ、愛知県の有形民俗文化財に指定され保存されている。文化年間(1804年~1818年)と天保年間(1830年~1844年)の2度に渡って造られたとされ、岡崎市宮崎地区の各地では、この猪垣が散見される。猪に乗り越えられないよう、石垣の上部が山側へ反った、シシ返しがあるのが特徴とされる。男川流域の他の地区でも猪垣が造られ、総延長は60kmにもなるという。
② 新城市作手地区を本拠とした奥平氏は、武田方と徳川方に分かれました。天正元年(1573年)には、徳川方についた奥平貞能と信昌親子を追い、武田勢が滝山城(岡崎市宮崎町)に襲いかかりましたが、滝山合戦にて少数ながら奥平貞能と信昌親子が勝利しました。この時分から、奥平氏は当時の宮崎郷に根を張っていきます(みかわこまちHP)。
天正3年(1575年)の長篠の合戦において、徳川方の長篠城城主の奥平貞昌は織田信長より「信」の一字を受ける程の働きをみせ(貞昌から信昌に改名)、その後、新城付近で1万5千石の知行を得て、新城に城を築くことになりました。徳川家康は、正室築山御前の娘である亀姫を奥平信昌に嫁がせ、軍略上の最重要地点を守らせました(滝川 1997)。
③ 岡崎市東部地域交流センターが発行する情報誌「むらさきかん」(第99号/2021年1月発行)には、額田地区における地元の方々と域外から訪れる人々の交流を紹介している。
「地域とサイクリストの交流拠点 MTB(マウンテンバイク)コースづくり
岡崎市の額田地区では、この20年ほどで人口が約20%減少し、地域活動の担い手不足という課題が深刻になってきています。同様の課題を抱える全国の中山間地域において、地域継続的な関わりを持ちながら様々な形で支援する「関係人口」という考え方が注目されています。 宮崎学区のくらがり渓谷には、以前よりMTBの上級者向けコースがあり、3年ほど前から「参加者のすそ野を広げたい」との話が地元やサイクリストから持ち上がってきたそうです。そこで、サイクリストと地元との関わり、繋がりを深め、将来的にもお互いに接点を増やす「関係人口」創出の取り組みが進められています。11月1日には、石原町の「絆の森」にて、MTBのコース(トレイル)づくりを行う「MTBトレイルビルディングワークショップ」(岡崎市主催)が開催されました。宮崎まちづくり協議会、サイクリングの郷づくり実行委員会、岡崎市サイクリング協会の協力のもと、地元有志を含め50名ほどの参加者がトレイルビルディングのポイントを学び、森の中の木や石をどけ、土を盛り固め、3時間ほどで凹凸を形作るコブ、斜度を備えたバンク等を作り、試走を重ね初心者コースをつくりました。今後、このコースでの定期イベントを始め、サイクリストと地元の絆を深める取り組みも予定され、こうした地域資源を活かした「関係人口」拡大の取り組みが広がっていくことが期待されます。」
キーワード
① 猪垣 ② 食害 ③ 宮崎郷 ④ 奥平信昌 ⑤ 関係人口
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【復習】配布資料およびノートを確認し、質問を質問シートにまとめる。また、三河に学ぶでは、社会問題・経済・歴史・文化・伝統産業などの話をすることも多い。これらのテーマは、これまでの三河地域と現在、そしてこれからの三河地域の発展を検討する際、重要なテーマである。それゆえ、講義では専門用語を使う場合もあるが、講義内の説明だけでは、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモし、復習することが重要である。
【予習】シラバスに目を通し、気になったキーワードや事柄を各自で調べる。本科目では、様々なテーマや事例を取り上げるため、一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。
10
学外授業③(万足平の猪垣と奥平氏の歴史、絆の森の散策)
科目の中での位置付け
本科目では、三河地方の地理的な特性や経済、歴史、文化、地場産業、特産品などについて知識を深める。その後、学外に出て、五感をフルに活かして三河地域の実態を感じ取り、三河地方が直面する課題の解決に向けて議論する。本科目では、学外に出る際、三河地域の中でも特に岡崎市内に地域を限定し、活動する個人や団体を訪問する予定である。
まず、第1回から2回目講義までは、日本全国で見られる過疎化などの諸問題の概要と、三河地域の行政区分や地理的特徴、三河地域の歴史などについて説明する。第3回と第4回は、本宿駅周辺の史跡を巡り歴史的な観点から三河地域の歴史を学ぶ(4月23日を予定)。
第5回は、前回の訪問先で得られたことなどを各グループでまとめた後、三河地域の経済などについて説明する。第6回と第7回は、経済的な観点から、岡崎城や味噌づくりの現場を訪問して、働いている人々から話を聞く(5月14日を予定)。第8回は、前回の訪問先での学びをグループ毎にまとめ、三河地域の社会や文化などについて説明する。第9回と第10回(5月21日)と第12回と第13回(6月4日を予定)では、岡崎市のくらがり渓谷に近い、万足平の猪垣と奥平氏の歴史、絆の森の散策、ビオトープの取り組みと生態調査などを計画している。第11回と第14回では、これまでと同様に、グループ毎に訪問先で得られた学びを整理した後、日本各地で見られる過疎化や少子化などの諸問題の解決策や地域活性化について発表準備を進める。第15回では、各グループによる発表と質疑応答、全体の発表に対して教員からのアドバイス、授業のまとめと振り返りを行う。
本コマ(第9回・第10回)では、岡崎市宮崎地区の万足平の猪垣と奥平氏の歴史を学び、絆の森の散策する。
(1)愛知県高等学校郷土史研究会編『愛知県の歴史散歩 下 三河』、愛知大学中部地方産業研究所、2005年、39項。
(2)「奥平貞能」みかわこまちHP 閲覧日2022年2月23日 URL:https://mikawa-komachi.jp/history/okuhirasadayoshi.html
(3)滝川元雄編「家康の長女を妻にした実力者-奥平信昌と新城城」『図解 東三河の歴史 豊橋市・蒲郡市・豊川市・新城市・渥美郡・宝飯郡・南設楽郡・北設楽郡』、太洋社、1997年、232-235項。
(4)岡崎市東部地域交流センター「むらさきかん」、第99号、2021年。
【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)「愛知県の歴史散歩 下 三河」、第9回・第10回講義レジュメ
主題細目② 教材(2)「奥平貞能」、教材(3)「家康の長女を妻にした実力者-奥平信昌と新城城」、第9回・第10回講義レジュメ
主題細目③ 教材(4)「むらさきかん」、第9回・第10回講義レジュメ
コマ主題細目
① 万足平の猪垣 ② 奥平氏の歴史 ③ 絆の森の散策
細目レベル
① 山中にあり限られた農耕地で農作物を育てていた宮崎地区では、野生動物による食害は死活問題であった。そこで、イノシシやシカなどの動物による食害から田畑に植えられた作物を守るため、男川流域で多く採れる領家片麻岩を1.5m~2mほど積み上げて猪垣(石垣)が作られた。その様な猪垣は、万足平の猪垣と呼ばれ、愛知県の有形民俗文化財に指定され保存されている。文化年間(1804年~1818年)と天保年間(1830年~1844年)の2度に渡って造られたとされ、岡崎市宮崎地区の各地では、この猪垣が散見される。猪に乗り越えられないよう、石垣の上部が山側へ反った、シシ返しがあるのが特徴とされる。男川流域の他の地区でも猪垣が造られ、総延長は60kmにもなるという。
② 新城市作手地区を本拠とした奥平氏は、武田方と徳川方に分かれました。天正元年(1573年)には、徳川方についた奥平貞能と信昌親子を追い、武田勢が滝山城(岡崎市宮崎町)に襲いかかりましたが、滝山合戦にて少数ながら奥平貞能と信昌親子が勝利しました。この時分から、奥平氏は当時の宮崎郷に根を張っていきます(みかわこまちHP)。
天正3年(1575年)の長篠の合戦において、徳川方の長篠城城主の奥平貞昌は織田信長より「信」の一字を受ける程の働きをみせ(貞昌から信昌に改名)、その後、新城付近で1万5千石の知行を得て、新城に城を築くことになりました。徳川家康は、正室築山御前の娘である亀姫を奥平信昌に嫁がせ、軍略上の最重要地点を守らせました(滝川 1997)。
③ 岡崎市東部地域交流センターが発行する情報誌「むらさきかん」(第99号/2021年1月発行)には、額田地区における地元の方々と域外から訪れる人々の交流を紹介している。
「地域とサイクリストの交流拠点 MTB(マウンテンバイク)コースづくり
岡崎市の額田地区では、この20年ほどで人口が約20%減少し、地域活動の担い手不足という課題が深刻になってきています。同様の課題を抱える全国の中山間地域において、地域継続的な関わりを持ちながら様々な形で支援する「関係人口」という考え方が注目されています。 宮崎学区のくらがり渓谷には、以前よりMTBの上級者向けコースがあり、3年ほど前から「参加者のすそ野を広げたい」との話が地元やサイクリストから持ち上がってきたそうです。そこで、サイクリストと地元との関わり、繋がりを深め、将来的にもお互いに接点を増やす「関係人口」創出の取り組みが進められています。11月1日には、石原町の「絆の森」にて、MTBのコース(トレイル)づくりを行う「MTBトレイルビルディングワークショップ」(岡崎市主催)が開催されました。宮崎まちづくり協議会、サイクリングの郷づくり実行委員会、岡崎市サイクリング協会の協力のもと、地元有志を含め50名ほどの参加者がトレイルビルディングのポイントを学び、森の中の木や石をどけ、土を盛り固め、3時間ほどで凹凸を形作るコブ、斜度を備えたバンク等を作り、試走を重ね初心者コースをつくりました。今後、このコースでの定期イベントを始め、サイクリストと地元の絆を深める取り組みも予定され、こうした地域資源を活かした「関係人口」拡大の取り組みが広がっていくことが期待されます。」
キーワード
① 猪垣 ② 食害 ③ 宮崎郷 ④ 奥平信昌 ⑤ 関係人口
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【復習】配布資料およびノートを確認し、質問を質問シートにまとめる。また、三河に学ぶでは、社会問題・経済・歴史・文化・伝統産業などの話をすることも多い。これらのテーマは、これまでの三河地域と現在、そしてこれからの三河地域の発展を検討する際、重要なテーマである。それゆえ、講義では専門用語を使う場合もあるが、講義内の説明だけでは、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモし、復習することが重要である。
【予習】シラバスに目を通し、気になったキーワードや事柄を各自で調べる。本科目では、様々なテーマや事例を取り上げるため、一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。
11
訪問先で得た情報・経験の整理③、愛知県における地域別の自然環境
科目の中での位置付け
本科目では、三河地方の地理的な特性や経済、歴史、文化、地場産業、特産品などについて知識を深める。その後、学外に出て、五感をフルに活かして三河地域の実態を感じ取り、三河地方が直面する課題の解決に向けて議論する。本科目では、学外に出る際、三河地域の中でも特に岡崎市内に地域を限定し、活動する個人や団体を訪問する予定である。
まず、第1回から2回目講義までは、日本全国で見られる過疎化などの諸問題の概要と、三河地域の行政区分や地理的特徴、三河地域の歴史などについて説明する。第3回と第4回は、本宿駅周辺の史跡を巡り歴史的な観点から三河地域の歴史を学ぶ(4月23日を予定)。
第5回は、前回の訪問先で得られたことなどを各グループでまとめた後、三河地域の経済などについて説明する。第6回と第7回は、経済的な観点から、岡崎城や味噌づくりの現場を訪問して、働いている人々から話を聞く(5月14日を予定)。第8回は、前回の訪問先での学びをグループ毎にまとめ、三河地域の社会や文化などについて説明する。第9回と第10回(5月21日)と第12回と第13回(6月4日を予定)では、岡崎市のくらがり渓谷に近い、万足平の猪垣と奥平氏の歴史、絆の森の散策、ビオトープの取り組みと生態調査などを計画している。第11回と第14回では、これまでと同様に、グループ毎に訪問先で得られた学びを整理した後、日本各地で見られる過疎化や少子化などの諸問題の解決策や地域活性化について発表準備を進める。第15回では、各グループによる発表と質疑応答、全体の発表に対して教員からのアドバイス、授業のまとめと振り返りを行う。
本コマ(第11回)では、前回の訪問先で得られたことを各グループでまとめた後、三河地域の災害や自然環境などについて解説する。
(1)愛知県「Ⅵ 地域別の取組方向」『あいちビジョン2030』、2021年、94-127項。閲覧日2022年2月22日 URL:https://www.pref.aichi.jp/kikaku/aichivision2030color/aichivision2030color.html
【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 第11回講義レジュメ、各グループの履修学生が書き留めたノート、訪問先で得た資料
主題細目② 第11回講義レジュメ、各グループの履修学生が書き留めたノート、訪問先で得た資料
主題細目③ 教材(1)「Ⅵ 地域別の取組方向」、第11回講義レジュメ
コマ主題細目
① 訪問先で得られた情報の共有と整理 ② 訪問時の聞き取った情報の整理 ③ 三河地域の自然環境
細目レベル
① 前回の講義の訪問先は、①どの様な地理的・経済的・文化的・歴史的特性を有しており、②現在、どの様なことが課題とされていたのか、③その様な課題が生み出された要因(原因)について、まずは各履修者が意見をまとめ、その後、各グループ内で意見交換を行う。他の人の意見や視点を聞く中で、大切だと感じた際は必ず書き留めておくことを習慣づけること。また、訪問時に撮影した写真や自身で書いた図表、書き留めたメモなどを、グループ内の他のメンバーと共有することも重要である。積極的に情報を共有することにより、一人では見えてこなかった当該地域が抱える課題がリアルに浮かびあがることがある。これらの作業は、訪問した後すぐに行わないと記憶が曖昧になることがあるので、できるだけ早く行うことが望ましい。
② 訪問した際、いくつかの疑問が浮かび質問することはよくあることである。その際、メモに取った内容は、即座に文章として書き起こすことが求められる。また、質問に対して回答してくれた方の了解を取った上で、質疑の内容を音声データに記録することもある。その後、記録した音声データを一言一句漏らすことなく書き起こす「文字越し」という作業を行う。この文字起こしは、大変根気のいる作業であり、回答してくれた方の説明が長時間に渡る場合、皆さんは時間的余裕を持って文字越しに取り組む必要がある。また、文字起しの作業に際し、何度も聞き直しながら間違いがないように文字起しを進めなければいけない。最後に、よく見られる失敗談として、文字起こしが終わる前に記録したデータを誤って削除してしまうことがあるため、データ管理と録音機器の使い方はよく心得ておく必要がある。
③ 自然の影響を強く受ける災害状況をみてみると、西三河地域では、山間地域を中心に土砂災害警戒区域が数多く指定され土砂災害の危険性が高く、また、市街地においては、局地的な豪雨による浸水被害が発生している。東三河地域では、西三河市域と同様に、市街地における浸水被害の発生や山間地域の土砂災害だけでなく、台風による倒木などにより道路の通行止め豊川水系での渇水が見られる(愛知県 2021)。
一方、自然の豊かさに目を向けると、西三河地域は、南北に流れる矢作川を軸として、緑豊かな三河山地、愛知県唯一の天然湖沼である油ヶ淵、また海の恵み豊かな三河湾など、豊かな自然環境を有している。そのため、『あいちビジョン2030』では、三河湾や油ヶ淵を始めとする自然環境の保全・回復を進めていく必要性を指摘している。東三河地域では、北部に広がる森林や、豊川河口の六条潟、海の恵み豊かな三河湾、渥美半島の美しい海岸など、豊かな自然環境を有している(愛知県 2021)。
キーワード
① 情報共有 ② 文字お越し ③ 三河湾 ④ あいちビジョン2030 ⑤ 浸水被害
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【復習】配布資料およびノートを確認し、質問を質問シートにまとめる。また、三河に学ぶでは、社会問題・経済・歴史・文化・伝統産業などの話をすることも多い。これらのテーマは、これまでの三河地域と現在、そしてこれからの三河地域の発展を検討する際、重要なテーマである。それゆえ、講義では専門用語を使う場合もあるが、講義内の説明だけでは、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモし、復習することが重要である。
【予習】シラバスに目を通し、気になったキーワードや事柄を各自で調べる。本科目では、様々なテーマや事例を取り上げるため、一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。
12
学外授業④(宮崎学区の豊かな自然)
科目の中での位置付け
本科目では、三河地方の地理的な特性や経済、歴史、文化、地場産業、特産品などについて知識を深める。その後、学外に出て、五感をフルに活かして三河地域の実態を感じ取り、三河地方が直面する課題の解決に向けて議論する。本科目では、学外に出る際、三河地域の中でも特に岡崎市内に地域を限定し、活動する個人や団体を訪問する予定である。
まず、第1回から2回目講義までは、日本全国で見られる過疎化などの諸問題の概要と、三河地域の行政区分や地理的特徴、三河地域の歴史などについて説明する。第3回と第4回は、本宿駅周辺の史跡を巡り歴史的な観点から三河地域の歴史を学ぶ(4月23日を予定)。
第5回は、前回の訪問先で得られたことなどを各グループでまとめた後、三河地域の経済などについて説明する。第6回と第7回は、経済的な観点から、岡崎城や味噌づくりの現場を訪問して、働いている人々から話を聞く(5月14日を予定)。第8回は、前回の訪問先での学びをグループ毎にまとめ、三河地域の社会や文化などについて説明する。第9回と第10回(5月21日)と第12回と第13回(6月4日を予定)では、岡崎市のくらがり渓谷に近い、万足平の猪垣と奥平氏の歴史、絆の森の散策、ビオトープの取り組みと生態調査などを計画している。第11回と第14回では、これまでと同様に、グループ毎に訪問先で得られた学びを整理した後、日本各地で見られる過疎化や少子化などの諸問題の解決策や地域活性化について発表準備を進める。第15回では、各グループによる発表と質疑応答、全体の発表に対して教員からのアドバイス、授業のまとめと振り返りを行う。
本コマ(第12回・第13回)では、岡崎市宮崎学区におけるビオトープの取り組みと生態調査などを体験する。
(1)岡崎市「岡崎市森林整備ビジョン」、岡崎市、2021年、18項。閲覧日2022年2月23日 URL:https://www.city.okazaki.lg.jp/1300/1303/1324/p029025.html
(2)学区まちものがたり作成委員会編「宮崎学区 村じまんマップ」『岡崎まちものがたり』、2017年。閲覧日2022年2月23日 URL:https://www.city.okazaki.lg.jp/100th/topics/p020876.html
(3)岡崎市「⑩岡崎学区」『岡崎市中山間地域活性化計画~オクオカイノベーションプラン2030~』、岡崎市、2022年、33-37項。
【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)「岡崎市森林整備ビジョン」、第12回・第13回講義レジュメ
主題細目② 教材(2)「宮崎学区 村じまんマップ」、第12回・第13回講義レジュメ
主題細目③ 教材(3)「⑩岡崎学区」、第12回・第13回講義レジュメ
コマ主題細目
① 宮崎地区の森林生態系 ② くらがり渓谷の自然 ③ 宮崎学区のプラスとマイナスの側面
細目レベル
① 岡崎市宮崎地区は、木の生長に適した土地と言われ、早くから植林が行われてきました。一方、牛馬の飼料や肥料をとるために山焼きが行われ、私有地の多くが雑木林となっていました。明治半ば以降、山焼き廃止を実現させるため、植樹営林規定を設けて植林事業(杉や檜の苗の無料配布や補助金制度など)が積極的に行われました。額田地域自然環境保全基礎調査結果(2006年度~2007年度)により、額田地域には豊かな森林と林縁部が存在し、ササユリやシリブカガシなどの植物や、テンやカモシカなどの哺乳類、オオタカなどの猛禽類、鳥類ではコマドリやアカハラなども生息し、昆虫類ではオオゴキブリやミヤマカラスアゲハなどの多種多様な動植物が生息していることが確かめられた(岡崎市 2021:18)。
② 「宮崎学区 村じまんマップ」(学区まちものがたり作成委員会編 2017)には、宮崎学区の豊富な自然を満喫できるくらがり渓谷について、以下の通り、その魅力が解説されている。
「男川の源で本宮山の登山口でもあるくらがり渓谷は、宮崎学区の自然を象徴する場所。ここから山頂までは全て国有林で、針葉樹、広葉樹などの暖地性の天然林が貴重な植物群をなし、太古から変わらぬ豊かな自然が残されています。一帯は県立自然公園に指定されており、渓谷沿いの清流は西三河屈指の自然景観です。また、ハイキング、キャンプ、マス釣りなどを楽しむことができ、誰でも気軽に自然と触れ合えるのも魅力です。 ほかに国の天然記念物であるネコギギの生息地をはじめ、に黄色い花をつけるミツマタ群生地、2000kmを旅するアサギマダラ飛来地など、希少な自然のスポットが点在。山里の茶畑にウスバシロチョウが舞う光景も宮崎ならではの景観です。」
③ 現在策定中の『岡崎市中山間地域活性化計画~オクオカイノベーションプラン2030~』(2022)には、岡崎市宮崎町や石原町を含む宮崎学区について、「太古からの自然と整備された森林が共存する面積58.70 ㎢の地域。乙川と男川の水源の町。伝統ある宮崎村の森林整備が岡崎の水源をつくる役割を担っている」と記載されており、水源や森林など自然豊かな環境であることが指摘されている。同様に、住民を対象とした学区アンケートでは、宮崎学区の「内部環境」について、プラスとマイナスの側面から調査を行っている。自然環境やまちづくりに関連するプラスの側面として、「水源や豊富な森林資源がある」や「観光資源、自然体験資源が多い」、「地域活性化に取り組む人がいる。地域づくりの活動団体が多数ある」などのアンケート結果であった。一方、マイナスの側面として、「担い手不足により、地域の役が兼務となる」などが聞かれた。
キーワード
① 植樹営林規定 ② 多種多様な動植物 ③ くらがり渓谷 ④ 県立自然公園 ⑤ 地域づくりの活動団体
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【復習】配布資料およびノートを確認し、質問を質問シートにまとめる。また、三河に学ぶでは、社会問題・経済・歴史・文化・伝統産業などの話をすることも多い。これらのテーマは、これまでの三河地域と現在、そしてこれからの三河地域の発展を検討する際、重要なテーマである。それゆえ、講義では専門用語を使う場合もあるが、講義内の説明だけでは、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモし、復習することが重要である。
【予習】シラバスに目を通し、気になったキーワードや事柄を各自で調べる。本科目では、様々なテーマや事例を取り上げるため、一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。
13
学外授業④(宮崎学区の豊かな自然)
科目の中での位置付け
本科目では、三河地方の地理的な特性や経済、歴史、文化、地場産業、特産品などについて知識を深める。その後、学外に出て、五感をフルに活かして三河地域の実態を感じ取り、三河地方が直面する課題の解決に向けて議論する。本科目では、学外に出る際、三河地域の中でも特に岡崎市内に地域を限定し、活動する個人や団体を訪問する予定である。
まず、第1回から2回目講義までは、日本全国で見られる過疎化などの諸問題の概要と、三河地域の行政区分や地理的特徴、三河地域の歴史などについて説明する。第3回と第4回は、本宿駅周辺の史跡を巡り歴史的な観点から三河地域の歴史を学ぶ(4月23日を予定)。
第5回は、前回の訪問先で得られたことなどを各グループでまとめた後、三河地域の経済などについて説明する。第6回と第7回は、経済的な観点から、岡崎城や味噌づくりの現場を訪問して、働いている人々から話を聞く(5月14日を予定)。第8回は、前回の訪問先での学びをグループ毎にまとめ、三河地域の社会や文化などについて説明する。第9回と第10回(5月21日)と第12回と第13回(6月4日を予定)では、岡崎市のくらがり渓谷に近い、万足平の猪垣と奥平氏の歴史、絆の森の散策、ビオトープの取り組みと生態調査などを計画している。第11回と第14回では、これまでと同様に、グループ毎に訪問先で得られた学びを整理した後、日本各地で見られる過疎化や少子化などの諸問題の解決策や地域活性化について発表準備を進める。第15回では、各グループによる発表と質疑応答、全体の発表に対して教員からのアドバイス、授業のまとめと振り返りを行う。
本コマ(第12回・第13回)では、岡崎市宮崎学区におけるビオトープの取り組みと生態調査などを体験する。
(1)岡崎市「岡崎市森林整備ビジョン」、岡崎市、2021年、18項。閲覧日2022年2月23日 URL:https://www.city.okazaki.lg.jp/1300/1303/1324/p029025.html
(2)学区まちものがたり作成委員会編「宮崎学区 村じまんマップ」『岡崎まちものがたり』、2017年。閲覧日2022年2月23日 URL:https://www.city.okazaki.lg.jp/100th/topics/p020876.html
(3)岡崎市「⑩岡崎学区」『岡崎市中山間地域活性化計画~オクオカイノベーションプラン2030~』、岡崎市、2022年、33-37項。
【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)「岡崎市森林整備ビジョン」、第12回・第13回講義レジュメ
主題細目② 教材(2)「宮崎学区 村じまんマップ」、第12回・第13回講義レジュメ
主題細目③ 教材(3)「⑩岡崎学区」、第12回・第13回講義レジュメ
コマ主題細目
① 宮崎地区の森林生態系 ② くらがり渓谷の自然 ③ 宮崎学区のプラスとマイナスの側面
細目レベル
① 岡崎市宮崎地区は、木の生長に適した土地と言われ、早くから植林が行われてきました。一方、牛馬の飼料や肥料をとるために山焼きが行われ、私有地の多くが雑木林となっていました。明治半ば以降、山焼き廃止を実現させるため、植樹営林規定を設けて植林事業(杉や檜の苗の無料配布や補助金制度など)が積極的に行われました。額田地域自然環境保全基礎調査結果(2006年度~2007年度)により、額田地域には豊かな森林と林縁部が存在し、ササユリやシリブカガシなどの植物や、テンやカモシカなどの哺乳類、オオタカなどの猛禽類、鳥類ではコマドリやアカハラなども生息し、昆虫類ではオオゴキブリやミヤマカラスアゲハなどの多種多様な動植物が生息していることが確かめられた(岡崎市 2021:18)。
② 「宮崎学区 村じまんマップ」(学区まちものがたり作成委員会編 2017)には、宮崎学区の豊富な自然を満喫できるくらがり渓谷について、以下の通り、その魅力が解説されている。
「男川の源で本宮山の登山口でもあるくらがり渓谷は、宮崎学区の自然を象徴する場所。ここから山頂までは全て国有林で、針葉樹、広葉樹などの暖地性の天然林が貴重な植物群をなし、太古から変わらぬ豊かな自然が残されています。一帯は県立自然公園に指定されており、渓谷沿いの清流は西三河屈指の自然景観です。また、ハイキング、キャンプ、マス釣りなどを楽しむことができ、誰でも気軽に自然と触れ合えるのも魅力です。 ほかに国の天然記念物であるネコギギの生息地をはじめ、に黄色い花をつけるミツマタ群生地、2000kmを旅するアサギマダラ飛来地など、希少な自然のスポットが点在。山里の茶畑にウスバシロチョウが舞う光景も宮崎ならではの景観です。」
③ 現在策定中の『岡崎市中山間地域活性化計画~オクオカイノベーションプラン2030~』(2022)には、岡崎市宮崎町や石原町を含む宮崎学区について、「太古からの自然と整備された森林が共存する面積58.70 ㎢の地域。乙川と男川の水源の町。伝統ある宮崎村の森林整備が岡崎の水源をつくる役割を担っている」と記載されており、水源や森林など自然豊かな環境であることが指摘されている。同様に、住民を対象とした学区アンケートでは、宮崎学区の「内部環境」について、プラスとマイナスの側面から調査を行っている。自然環境やまちづくりに関連するプラスの側面として、「水源や豊富な森林資源がある」や「観光資源、自然体験資源が多い」、「地域活性化に取り組む人がいる。地域づくりの活動団体が多数ある」などのアンケート結果であった。一方、マイナスの側面として、「担い手不足により、地域の役が兼務となる」などが聞かれた。
キーワード
① 植樹営林規定 ② 多種多様な動植物 ③ くらがり渓谷 ④ 県立自然公園 ⑤ 地域づくりの活動団体
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【復習】配布資料およびノートを確認し、質問を質問シートにまとめる。また、三河に学ぶでは、社会問題・経済・歴史・文化・伝統産業などの話をすることも多い。これらのテーマは、これまでの三河地域と現在、そしてこれからの三河地域の発展を検討する際、重要なテーマである。それゆえ、講義では専門用語を使う場合もあるが、講義内の説明だけでは、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモし、復習することが重要である。
【予習】シラバスに目を通し、気になったキーワードや事柄を各自で調べる。本科目では、様々なテーマや事例を取り上げるため、一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。
14
訪問先で得た情報・経験の整理④、発表・発表資料の準備
科目の中での位置付け
本科目では、三河地方の地理的な特性や経済、歴史、文化、地場産業、特産品などについて知識を深める。その後、学外に出て、五感をフルに活かして三河地域の実態を感じ取り、三河地方が直面する課題の解決に向けて議論する。本科目では、学外に出る際、三河地域の中でも特に岡崎市内に地域を限定し、活動する個人や団体を訪問する予定である。
まず、第1回から2回目講義までは、日本全国で見られる過疎化などの諸問題の概要と、三河地域の行政区分や地理的特徴、三河地域の歴史などについて説明する。第3回と第4回は、本宿駅周辺の史跡を巡り歴史的な観点から三河地域の歴史を学ぶ(4月23日を予定)。
第5回は、前回の訪問先で得られたことなどを各グループでまとめた後、三河地域の経済などについて説明する。第6回と第7回は、経済的な観点から、岡崎城や味噌づくりの現場を訪問して、働いている人々から話を聞く(5月14日を予定)。第8回は、前回の訪問先での学びをグループ毎にまとめ、三河地域の社会や文化などについて説明する。第9回と第10回(5月21日)と第12回と第13回(6月4日を予定)では、岡崎市のくらがり渓谷に近い、万足平の猪垣と奥平氏の歴史、絆の森の散策、ビオトープの取り組みと生態調査などを計画している。第11回と第14回では、これまでと同様に、グループ毎に訪問先で得られた学びを整理した後、日本各地で見られる過疎化や少子化などの諸問題の解決策や地域活性化について発表準備を進める。第15回では、各グループによる発表と質疑応答、全体の発表に対して教員からのアドバイス、授業のまとめと振り返りを行う。
本コマ(第14回)では、前回訪問先で得られたことを整理・情報共有した後、発表の構想と発表資料の準備を行う。
【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 第14回講義レジュメ、各グループの履修学生が書き留めたノート、訪問先で得た資料
主題細目② 第14回講義レジュメ、各グループの履修学生が書き留めたノート、訪問先で得た資料
主題細目③ 第14回講義レジュメ、グループ毎の発表資料
コマ主題細目
① 訪問先で得られた情報の共有と整理 ② 訪問時の聞き取った情報の整理 ③ 発表の構想を練り発表資料を準備
細目レベル
① 前回の講義の訪問先は、①どの様な地理的・経済的・文化的・歴史的特性を有しており、②現在、どの様なことが課題とされていたのか、③その様な課題が生み出された要因(原因)について、まずは各履修者が意見をまとめ、その後、各グループ内で意見交換を行う。他の人の意見や視点を聞く中で、大切だと感じた際は必ず書き留めておくことを習慣づけること。また、訪問時に撮影した写真や自身で書いた図表、書き留めたメモなどを、グループ内の他のメンバーと共有することも重要である。積極的に情報を共有することにより、一人では見えてこなかった当該地域が抱える課題がリアルに浮かびあがることがある。これらの作業は、訪問した後すぐに行わないと記憶が曖昧になることがあるので、できるだけ早く行うことが望ましい。
② 訪問した際、いくつかの疑問が浮かび質問することはよくあることである。その際、メモに取った内容は、即座に文章として書き起こすことが求められる。また、質問に対して回答してくれた方の了解を取った上で、質疑の内容を音声データに記録することもある。その後、記録した音声データを一言一句漏らすことなく書き起こす「文字越し」という作業を行う。この文字起こしは、大変根気のいる作業であり、回答してくれた方の説明が長時間に渡る場合、皆さんは時間的余裕を持って文字越しに取り組む必要がある。また、文字起しの作業に際し、何度も聞き直しながら間違いがないように文字起しを進めなければいけない。最後に、よく見られる失敗談として、文字起こしが終わる前に記録したデータを誤って削除してしまうことがあるため、データ管理と録音機器の使い方はよく心得ておく必要がある。
③ これまで、岡崎市内の各地を訪問し、地域の諸問題に対して地域活性化を図ることで解決に導こうとする活動に接してきた。同様に、日本各地では過疎化や少子化、高齢化などの諸問題に対して地域活性化にから解決を模索する動きがみられる。本コマでは、これまでの訪問やグループ内で調べた内容をまとめ、次回の授業での発表に備えた準備を行う。具体的には、三河地域の現況分析、問題点の抽出、何が問題点の原因となっているのか、それを解決するための方法を検討することを軸に、発表内容を検討する。また、発表当日の口頭発表の割り振り(全員が発表)やパワーポイントなどでの発表資料の作成、スムーズかつ分かりやすい発表とするための発表練習などを行う。
キーワード
① 情報共有 ② 文字お越し ③ 発表資料 ④ パワーポイント ⑤ 口頭発表
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【復習】配布資料およびノートを確認し、質問を質問シートにまとめる。また、三河に学ぶでは、社会問題・経済・歴史・文化・伝統産業などの話をすることも多い。これらのテーマは、これまでの三河地域と現在、そしてこれからの三河地域の発展を検討する際、重要なテーマである。それゆえ、講義では専門用語を使う場合もあるが、講義内の説明だけでは、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモし、復習することが重要である。
【予習】シラバスに目を通し、気になったキーワードや事柄を各自で調べる。本科目では、様々なテーマや事例を取り上げるため、一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。
15
グループ毎の発表、授業のまとめと振り返り
科目の中での位置付け
本科目では、三河地方の地理的な特性や経済、歴史、文化、地場産業、特産品などについて知識を深める。その後、学外に出て、五感をフルに活かして三河地域の実態を感じ取り、三河地方が直面する課題の解決に向けて議論する。本科目では、学外に出る際、三河地域の中でも特に岡崎市内に地域を限定し、活動する個人や団体を訪問する予定である。
まず、第1回から2回目講義までは、日本全国で見られる過疎化などの諸問題の概要と、三河地域の行政区分や地理的特徴、三河地域の歴史などについて説明する。第3回と第4回は、本宿駅周辺の史跡を巡り歴史的な観点から三河地域の歴史を学ぶ(4月23日を予定)。
第5回は、前回の訪問先で得られたことなどを各グループでまとめた後、三河地域の経済などについて説明する。第6回と第7回は、経済的な観点から、岡崎城や味噌づくりの現場を訪問して、働いている人々から話を聞く(5月14日を予定)。第8回は、前回の訪問先での学びをグループ毎にまとめ、三河地域の社会や文化などについて説明する。第9回と第10回(5月21日)と第12回と第13回(6月4日を予定)では、岡崎市のくらがり渓谷に近い、万足平の猪垣と奥平氏の歴史、絆の森の散策、ビオトープの取り組みと生態調査などを計画している。第11回と第14回では、これまでと同様に、グループ毎に訪問先で得られた学びを整理した後、日本各地で見られる過疎化や少子化などの諸問題の解決策や地域活性化について発表準備を進める。第15回では、各グループによる発表と質疑応答、全体の発表に対して教員からのアドバイス、授業のまとめと振り返りを行う。
本コマ(第15回)では、各グループによる発表ならびに質疑応答、全体の発表を通しての教員からのアドバイス、授業のまとめと振り返りを行う。
【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 第15回講義レジュメ、グループ毎の発表資料
主題細目② 第15回講義レジュメ、グループ毎の発表資料
主題細目③ 第15回講義レジュメ
コマ主題細目
① 農山村地域の課題解決策を発表する ② 発表に対する質疑応答やアドバイスの注意点 ③ 講義の振り返りとまとめ
細目レベル
① 農山村地域の課題解決に必要とされる解決策をグループ毎に発表する。事前に、各グループで発表の役割を決めておき、履修者の誰もが発表することが求められる。農山村地域では、どの様な問題を抱え、どの様な解決策を、居住者と非居住者の誰が誰を巻き込み、どの様に行うのかなど、具体的な解決策を示すことが重要である。
他の受講生は、発表を聞く際には積極的に質疑応答などを行うよう心掛ける。その際、発表者の発表内容がより良くなるような批評を行い、決して、発表者個人に対する批判とならないよう気をつけてもらいたい。発表に対する質疑応答は、「アドバイス形式」で返すことが重要である。質疑応答時の指摘により、不十分な点が克服されればその人の発表は、より良くなるので、発表に際してはアドバイス形式で応答することを心掛けてほしい。
② 農山村地域が抱える課題の解決について、各グループが発表した後、参加学生や教員からも質問やアドバイスがもらえる。アドバイスを受けた時点で、発表したグループは、どの様な改善策を練ることができるのか、アドバイスの内容を実現する際にネック(障害)となることはあるのかなど、質疑応答の場で返答し議論まで昇華できるように、想定される質問やアドバイスに対して、しっかりと準備をしておいてもらいたい。
また、発表した学生が質問やアドバイスを受け取るだけでなく、発表を聞く際には、履修学生は積極的に質問やアドバイスなどを行うよう心掛ける。その際、発表者の発表内容などがより良くなるような批評を行い、決して、発表者個人に対する批判とならないよう気をつけてもらいたい。
③ これまでの講義の内容を振り返り、本科目のまとめを行う。本科目では、まず、日本の農山村地域の抱える課題とそれらが生み出された経緯を解説した。その後、三河地方の地理的な特性や経済や文化、地場産業、特産品などについて知識を深めると同時に、学外に出て地域活性化に取り組む個人や団体を訪問した。実際に活動している人たちの話を聞くだけでなく、活動拠点や活動場所などを見学することで、座学だけでは得られない具体的な活動のイメージが湧いたと思われる。また、第15回のグループ毎の発表に向け、グループ単位で内容を議論し、発表資料の作成、発表練習などを行った。最終回の発表では、三河地方の課題解決について発表し、他のグループの発表に対して質疑応答を行うなど議論を重ねた。
キーワード
① 課題解決 ② 質疑応答 ③ 批判的アドバイス ④ 口頭発表 ⑤ 地域資源
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【復習】配布資料およびノートを確認し、質問を質問シートにまとめる。また、三河に学ぶでは、社会問題・経済・歴史・文化・伝統産業などの話をすることも多い。これらのテーマは、これまでの三河地域と現在、そしてこれからの三河地域の発展を検討する際、重要なテーマである。それゆえ、講義では専門用語を使う場合もあるが、講義内の説明だけでは、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモし、復習することが重要である。
また、今回の講義で議論した少子化や過疎化などの諸問題に対する解決策、ならびに他の受講生と共有した解決策は、本講義に参加した各受講生が得た知識・経験の集大成となる。
履修判定指標
履修指標
履修指標の水準
キーワード
配点
関連回
専門用語の整理
日本全国の農村地域が直面する諸問題(諸課題)ならびに三河地方の地理的な特性や地場産業、特産品、経済、文化、歴史、社会、自然環境などに関連する専門用語について、意味や定義を整理し正確な理解することができるようになる。例えば、講義で説明した、地方活性化、少子高齢化、耕作放棄地、岡崎二十七曲がり、三河国、醸造文化などの用語である。これらの専門用語の意味の違いや名称、定義なども正確に理解することが求められる。
植樹営林規定、浸水被害、関係人口
20
第1回~第14回
訪問先での作法と音声データなどの管理・文字越しについての理解
本科目では、4回に渡り学外に出て様々な人々からお話を伺った。授業で説明したが、訪問先で話を伺ったり、質疑応答やインタビューをする場合、注意すべき点やどの様にするべきであるかを説明することができる。また、インタビューを行う際、よい質問と悪い質問とはどの様なものであったかなどを説明することができる。さらに、伺ったお話の記録方法として、ノートを取ることや録音機器を使って音声データを録音するなどが紹介されたが、記録の取り方について理解する。
フィールドノート、ボイスレコーダー、文字越し
20
第2回、第5回、第8回、第11回、第14回
三河地域の経済と産業構造、歴史などに関する理解
三河地域に焦点を絞り、経済や産業構造、歴史などについて、講義ならびに学外において実践者のお話を聞いて、学びを深めた。そこで、三河地域の成立の過程を歴史的観点から理解しているだけでなく、城郭や城址などの歴史遺産ならびに歴史街道を活用した観光の推進なども説明することができる。また、三河地域は自動車産業に代表されるものづくり関連の企業が多く、農業や林業、水産業などの産業も盛んであることから、これらの産業や三河地域の経済についても説明することができる。
法蔵寺、ものづくり、東海道
20
第2回~第8回
三河地域の社会と文化、自然環境などに関する理解
本科目では、三河地域の社会や文化、伝統工芸品、自然環境に焦点などについて、講義ならびに学外において実践者のお話を聞いて、学びを深めた。そこで、三河地域の人口動態や形成された街の特徴、地場産業、郷土工芸品、食文化、醸造文化、移住と定住、関係人口の創出などについて説明することができる。また、自然の影響を強く受ける三河地域の災害や、三河山地や三河湾などに代表される豊かな自然環境など、自然環境と三河地域の関係性などについて理解することができる。
万足平の猪垣、奥平氏、浸水被害、六条潟
20
第8回~第14回
日本の農山村地域が抱える課題の解決
農山村地域の少子高齢化や過疎化問題、人手不足による村のコミュニティ運営の崩壊、産業が創出されずに働き口が減少するなど、日本社会には多くの問題が散見される。それぞれの問題が生み出される社会・経済・文化的な背景をよく理解しているかどうかを評価する。また、様々な活動を実践する個人や団体を訪問してきたが、どの様にすれば、まちおこしや地域活性化、地方創生がうまく機能し運営されていくのか、その要因について説明できるかどうかを評価する。
まちおこし、地域活性化、地方創生
20
第1回~第15回
評価方法
筆記試験(100%)により評価する。 *成績発表後、教務課にて試験・レポートに関する総評が閲覧できます。
評価基準
評語
学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・
S (100~90点)
学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・
A (89~80点)
学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・
B (79~70点)
学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・
C (69~60点)
学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・
D (60点未満)
教科書
なし
参考文献
・宮内泰介編(2017)『どうすれば環境保全はうまくいくのか―現場から考える「順応的ガバナンス」の進め方」新泉社、2,400円+税
実験・実習・教材費
実習費:500円 別途、現地にて交通費(本宿駅-くらがり渓谷方面/往復)1,120円~1,240円×2回(5/21と6/4)と入場料(岡崎市内の施設2ヶ所程度)410円(5/14)、その他食事代など 【参考額】3,000円程度