区分 (環)環境データサイエンス科目 環境データサイエンス共通科目 (生)環境データサイエンス科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
専門性 理解力 実践力
カリキュラム・ポリシーとの関係
専門知識 教養知識 思考力
実行力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
個人・社会・自然が直面する課題に対して専門的な理解を深めると共に、学際的な柔軟性を有し、実践的な能力を有する。
企業・地域社会などのあらゆるコミュニティに寄与する組織的な活動能力を有する。

科目の目的
本科目では、社会調査の中でも質的調査を扱う。アンケート調査などの量的調査を扱う科目「社会調査法Ⅱ」に対して、本科目では統計や数字では表せない質的なデータを収集・分析するための方法論・技法を学ぶ。特に、質的調査でよく用いられるインタビュー調査を取り上げ、調査内容や実施に至るまでの準備、インタビュー・データ取得後の分析などの調査手法を学ぶ。手足を動かし実際に質的調査手法を習得することにより、卒業研究などで実践できるレベルの質的調査を習得することを目的としている。
到達目標
社会調査の質的調査に関する方法論・技法を習得し、卒業論文でインタビュー調査や参与観察を実施できる力を身につける。
科目の概要
社会調査は人を対象に行う調査である。調査によって聞き取れる情報は、時に主観的・個人的な情報にあふれている。このような一人称の語りから社会を科学していく一つの方法論が「質的調査」である。授業では、質的調査の手法(個人インタビュー、非構造化インタビュー、参与観察法など)を学ぶと共に、質的データの分析技術(KJ法、KHコーディングなど)を身につける。授業の進行は、講義だけでなく実技も並行して行い、実践を通して理解を深める。また各自で調査のテーマを立て、実際に調査を企画してもらう作業を通じて、質的調査の手順や研究計画の立て方も身につける。なお本実習は座学と実技の両方を習得するものであるため、履修者数を40名以内とする。
科目のキーワード
①質的、②定性、③社会科学、④インタビュー、⑤フィールドワーク、⑤会話分析、⑥参与観察
授業の展開方法
授業では、グループワークや発表、ロール・プレイングなども行う。そのため、積極的な授業への参加だけでなく、十分な予習・復習が求められる。
また教科書と教員が作成した資料に沿って授業を展開する。教科書と資料を参照し、知識を蓄積した後、実践的に質的調査の手法と分析技術を習得することを目指す。本科目では、グループワークを行うコマがあるため、グループ内の履修学生と協調し協力して授業に参加することが求められる。

オフィス・アワー
【月曜日】3時限目(前期のみ)、【水曜日】1時限目・昼休み、【金曜日】昼休み、3時限目(前期のみ)
科目コード ENS406
学年・期 2年・前期
科目名 社会環境調査法Ⅰ
単位数 1
授業形態 講義
必修・選択 選択
学習時間 【授業】90分×15 【予習】30分以上×15 【復習】30分以上×15
前提とする科目 環境リサーチ&プランニング
展開科目 社会環境調査法Ⅱ
関連資格 社会調査士
担当教員名 小谷博光
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 イントロダクション―質的調査とは何か 科目の中での位置付け 本科目は、質的調査の考え方や調査計画立案、調査手法、分析までの質的調査の一連の工程を学ぶ実践する講義である。まず質的調査とは、統計や数字では表せない質的なデータを収集・分析するための方法論・技法のことである。
授業では、質的調査と量的調査の違いから、一次資料と二次資料の扱い方、調査を実施する際に欠かすことのできない倫理的配慮、先行研究の分析、調査対象者の選定のコツ、インタビュー調査の種類と手順、効果的な質問内容の作成、非構造化インタビューや参与観察法などのインタビューの種類などのインタビューを実施するまでに必要な知識を学ぶ。その後、実際にインタビュー調査の練習を行う。また調査データの分析方法として、KJ法やKHコーディング、グランデッド・セオリ―・アプローチなどを習得し、各自で調査のテーマを立て、実際に調査を企画する。これらの作業を通じて、卒業論文でインタビュー調査や参与観察を実施できる力を身につける。
本コマ(第一回)では、質的調査とその研究手法、また質的調査の進め方を理解する。

(1)中嶌洋「研究とは問うこと」『初学者のための質的研究26の教え』、医学書院、2015年、1-7項。
(2)中嶌洋「一次資料と二次資料」『初学者のための質的研究26の教え』、医学書院、2015年、8-14項。
(3)中嶌洋「質的調査(定性的調査)と量的調査(定量的調査)」『初学者のための質的研究26の教え』、医学書院、2015年、14-16項。

【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』

主題細目② 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』

主題細目③ 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』、

主題細目④ 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』、教材(2)『初学者のための質的研究26の教え』、教材(3)『初学者のための質的研究26の教え』
コマ主題細目 ① 社会科学とは ② 研究手法の分類 ③ 質的調査の進め方 ④ 質的調査と量的調査 ⑤
細目レベル ① 社会を「科学する」とはどのようなことかについて、質的調査の先行研究紹介を通じて理解する。「社会とは」と聞かれると、なかなか一言で言い表すのは難しいでしょう。一見すると、実態が掴めにくく複雑な存在である社会を取り上げ、それを科学的な視点からみつめる社会科学について言及する。本科目の担当教員が研究対象とするパラグアイ共和国や、他の質的調査を用いた研究を事例とし、質的な視点から複雑で捉えにくい社会を科学的に説明する。
また「研究する」とはいうことを問い直すことから始める。研究とは「研究者の独自の興味・関心にもとづき、ある現象の実態や機序を明らかにするために、さまざまな手法を用いてアプローチする知的行為のすべて」(中蔦 2015:2)であるとされる。

② 研究は、問いに応じて多様なアプローチがあることを理解すると共に、質的調査の有効射程を確認する。研究は、理論研究と実証研究に分けることができる。前者は、ある現象の記述・説明・予測が可能であるという条件を満たすものであるという考えから出発し、理論の構築やモデル化を目指すことが多い。一方、後者は、事象を基に調査を進め知識の獲得へと発展させることが多い。主に文章や文字などの質的データの分析からある事柄を解明しようする質的研究、さらに数値や数式を用いて計量的に現象を捉える量的研究、過去の事柄に対して時代ごとに分析し歴史的事実に迫る歴史研究がある。さらに細分化すると、理論研究には、仮設構築型と仮説検証型があり、実証研究には実態解明型と実体検証型などがある。

③ 質的研究のフローをテキスト(5~6ページ参照)に沿って理解する。質的研究は、研究テーマの設定から、研究の準備、インタビュー調査と得られた質的データの分析、そして考察へと展開していく。研究テーマの設定では、研究の第一歩として①キーワードを抽出することから出発し、②研究計画を作成する。次に、研究の準備として、③文献のレビューをした上で、④先行研究の分析と研究テーマを決め、⑤研究方法を検討していく。実際のインタビュー調査では、⑥質問票を作成してから⑦インタビュー調査を依頼し⑧倫理的配慮を伴った⑨インタビューを実施しデータを収集する。その際、⑩インタビュー・ノートを作成することを忘れないようにする。また文字越しを行い、⑪逐語録を作成する。さらに、⑫データの分析へと移るが、様々な方法があるため、研究目的や調査手法などに合わせて選択する。最後に、まとめとして得られた分析結果を⑬図式化した上で、⑭質的データを評価する。⑮結果は論文や学会発表などで、まとめられ公表される。
④ 質的調査は、全体の傾向を把握できる量的調査に対し、動機や理由など数で表現が難しいデータを取ることができることを理解する。また質的調査には、観察やインタビューを基にした日記や手紙、新聞記事などが用いられる。個別性や特殊性を重視し、上記で挙げた数値化しにくいテキストや文章などの質的データを収集した上で、データにみられる語り手や記録者の思想・哲学・信条などをくみ取ることが重要である。
また量的調査とは、全体性や客観性を重視し、質問紙を回答者に記入(アンケート調査)してもらい、それを分析するものである。明確に数値で示せることや、全体像を見やすくするというメリットはあるものの、それはある特定の方向から切り取った一面にすぎないため、物事の事象そのものを語るには限界があることにも留意しなければいけない。


キーワード ① 科学性 ② 実態解明と実態検証 ③ 尺度 ④ 質的調査 ⑤ 量的調査
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:授業で参照したテキストの内容を、再確認する。また社会調査法Ⅰでは、座学だけでなく実際に質的調査の計画を立て実践する科目であるだけでなく、授業ではエスノグラフィーやコーディング、トライアンギュレーション、KJ法などの専門用語を使う場合もある。授業内の説明では、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモしておくことが重要である。本科目は実際に質的調査を実践するため、理解不足のままだと実践的な調査を行う際に支障がでる。授業後に、理解できなかった説明や用語を教員に伝えると、次回の授業では教員から全員に対して改めて詳しく説明する。
予習:シラバスに目を通し、気になった単語や事柄を各自で調べる。またシラバスに記載されている次回授業で参照するテキストを一読しておくとよい。一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。

2 エスノグラフィーと参与観察 科目の中での位置付け 本科目は、質的調査の考え方や調査計画立案、調査手法、分析までの質的調査の一連の工程を学ぶ実践する講義である。まず質的調査とは、統計や数字では表せない質的なデータを収集・分析するための方法論・技法のことである。
授業では、質的調査と量的調査の違いから、一次資料と二次資料の扱い方、調査を実施する際に欠かすことのできない倫理的配慮、先行研究の分析、調査対象者の選定のコツ、インタビュー調査の種類と手順、効果的な質問内容の作成、非構造化インタビューや参与観察法などのインタビューの種類などのインタビューを実施するまでに必要な知識を学ぶ。その後、実際にインタビュー調査の練習を行う。また調査データの分析方法として、KJ法やKHコーディング、グランデッド・セオリ―・アプローチなどを習得し、各自で調査のテーマを立て、実際に調査を企画する。これらの作業を通じて、卒業論文でインタビュー調査や参与観察を実施できる力を身につける。
本コマ(第二回)では、参与観察法の方法を学ぶと共に実践を行う。

(1)中嶌洋「エスノグラフィ」『初学者のための質的研究26の教え』、医学書院、2015年、50-52項。
(2)谷富夫・山本努編著「参与観察法」『よくわかる質的社会調査 プロセス編』、ミネルヴァ書房、2010年、46-53項。
(3)『精霊の馬』、川瀬慈撮影・編集・録音、28分、2012年。2021年2月26日閲覧http://www.itsushikawase.com/japanese/horses.html
(4)『Room 11 Ethiopia Hotel』(日本語字幕版)、川瀬慈撮影・編集・録音、23分、エチオピア連邦民主共和国、2006年。2021年2月26日閲覧 http://www.itsushikawase.com/japanese/room.html

【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』、教材(2)『よくわかる質的社会調査 プロセス編』

主題細目② 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』、教材(2)『よくわかる質的社会調査 プロセス編』

主題細目③ 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』、教材(2)『よくわかる質的社会調査 プロセス編』

主題細目④ 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』、教材(2)『よくわかる質的社会調査 プロセス編』

主題細目⑤ 教材(3)『精霊の馬』、教材(4)『Room 11 Ethiopia Hotel』
コマ主題細目 ① 参与観察法とは ② 参与観察法のデメリット ③ 参与観察実施時のポイント-1 ④ 参与観察実施時のポイント-2 ⑤ 参与観察の実践
細目レベル ① 参与観察法がエスノグラフィーを作成するための主要な手法であることを理解する。観察法は、対象者の活動への調査者の参加の度合いによって、参与観察と非参与観察に大別できる。参与観察とは、調査対象者の生活やその地域に密着し、その集団の一員として生活や行動をともにしながら、調査者が自身の五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を働かせつつ、調査対象者の言動や特徴を注意深く観察することである。参与観察は、対象者たちの活動に深くかかわるため、それについてかなり詳細かつ正確な情報が得られるという利点がある。
加えて、外部からは分からないまた当人たちも気づいていないような行動や意識や人間関係を捉えることができるとされる。

② 参与観察の問題点は、調査対象者の居住地に一定期間に渡り住み込んで観察することから、その民族や地方に限られた文化的特徴を見出すことが可能かもしれないが、その民族と地域に限られた情報であり。得られる情報の範囲や質が限定されてしまう点である。また、ある一定期間に渡り、調査対象者と生活や行動を共にしなければならず、時間と費用、労力、精神的な負担が大きいことがデメリットであるとされる。さらに、調査者のいる時といない時で、人々の示す態度や反応が異なることも散見される。
デメリットという訳ではないが、参与観察は、外側からは分からなかった部分について調査する方法であるため、その結果を公表する場合には注意を払わなければならない。調査を始める段階から、何を調査しその結果はどのように扱われるのかという基本的な手続きについては、十分に意思疎通を図り決めておくことが望ましい。

③ 実際に参与観察を行う際のポイントについて説明する。参与観察は、①対象集団と出会う、②現場に入る、③記録する、④終わるという段階を踏む。参与観察は、時間と労力がかかる調査法であるが、それでも調査したい対象とテーマがある場合に用いる手法である。まず、対象集団と出会うことから始まるが、興味・関心ないし問題意識などを持ち、資料や紹介者、新聞、テレビなどのメディアを介して、対象集団の候補を絞る。その後、「〇○○を知りたい」という素朴な問題意識を示して、対象者のコミュニティに入っていく。次に、現場に入ることがあげられるが、ただ単純に対象者の居住地に滞在するのではなく、接触する人たち全員と良好な人間関係を築き、何か問題が発生した際や行き詰った際には相談に乗ってもらえる人などとの関係性を強化しておくとよい。
④ 参与観察では、記録する作業も重要である。現場に滞在していると、次から次へと新しいことに触れる。したがって、自分が経験したことはできるだけ速やかにメモに詳細を記録する。このメモには、自分が目撃した出来事の描写、会話、メンバーの行動や表情などを記すことになるが、後にその場面を文章化するために、とりあえず重要な要点だけをメモすることが多い。できるだけ早くに、文章化しておいたほうがよい。時間の経過とともに、同じ出来事が繰り返され同一人物の行動や発言などが集まってくると、それまでのメモと照合することにより、調査者の中で立体的に捉えられるようになってくる。
また事実についてのメモと同時に、分からなかったことや疑問点、次に知りたいことなどを、自分の中での問題点を整理しておくことも大切である。
最後に、参与観察を終わるという段階に入る。対象とした集団の中の規則性や何らかのパターンを発見して、それを十分に確認することができれば調査の目的を達成したことになるため、参与観察を終わりにする。

⑤ グループを作り、実際に参与観察を体験する。受講生をいくつかのグループに分け、映像資料をみる。このビデオの制作者は現地コミュニティに入り、参与観察的な視点から、ビデオを回し現地住民と会話を交わしている。各グループの受講生それぞれが参与観察を行っている当事者であると仮定し、参与観察法を用いて映像から得られる情報を書き留める。その
情報を基にして、ビデオ内で起こっていた事象を記述(フィールドノートに書き取れた内容を文章化)するが、まずはビデオをみてメモを取る。ビデオは2つあり、ホテルの一室から街の様子を観察した「Room 11 Ethiopia Hotel」(日本語字幕版)と、エチオピアでみられた家庭内の内情を観察した「精霊の馬」を視聴する。

キーワード ① フィールドワーク ② エスノグラフィー」 ③ 行動観察 ④ 映像資料 ⑤ 現地コミュニティ
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:授業で参照したテキストの内容を、再確認する。また社会調査法Ⅰでは、座学だけでなく実際に質的調査の計画を立て実践する科目であるだけでなく、授業ではエスノグラフィーやコーディング、トライアンギュレーション、KJ法などの専門用語を使う場合もある。授業内の説明では、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモしておくことが重要である。本科目は実際に質的調査を実践するため、理解不足のままだと実践的な調査を行う際に支障がでる。授業後に、理解できなかった説明や用語を教員に伝えると、次回の授業では教員から全員に対して改めて詳しく説明する。
予習:シラバスに目を通し、気になった単語や事柄を各自で調べる。またシラバスに記載されている次回授業で参照するテキストを一読しておくとよい。一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。個人インタビューの実践へ向け、インタビューの目的と問題意識をまとめる。

3 エスノグラフィーとインタビュー法 科目の中での位置付け 本科目は、質的調査の考え方や調査計画立案、調査手法、分析までの質的調査の一連の工程を学ぶ実践する講義である。まず質的調査とは、統計や数字では表せない質的なデータを収集・分析するための方法論・技法のことである。
授業では、質的調査と量的調査の違いから、一次資料と二次資料の扱い方、調査を実施する際に欠かすことのできない倫理的配慮、先行研究の分析、調査対象者の選定のコツ、インタビュー調査の種類と手順、効果的な質問内容の作成、非構造化インタビューや参与観察法などのインタビューの種類などのインタビューを実施するまでに必要な知識を学ぶ。その後、実際にインタビュー調査の練習を行う。また調査データの分析方法として、KJ法やKHコーディング、グランデッド・セオリ―・アプローチなどを習得し、各自で調査のテーマを立て、実際に調査を企画する。これらの作業を通じて、卒業論文でインタビュー調査や参与観察を実施できる力を身につける。
本コマ(第三回)では、エスノグラフィーとインタビュー法について理解する。

(1)『精霊の馬』、川瀬慈撮影・編集・録音、28分、2012年。2021年2月26日閲覧http://www.itsushikawase.com/japanese/horses.html
(2)『Room 11 Ethiopia Hotel』(日本語字幕版)、川瀬慈撮影・編集・録音、23分、エチオピア連邦民主共和国、2006年。2021年2月26日閲覧 http://www.itsushikawase.com/japanese/room.html
(3)波平恵美子編著「質的研究とエスノグラフィー」『質的研究Step by Step:すぐれた論文作成をめざして』、医学書院、2016年、21-46項。
(4)波平恵美子編著「質的研究における口頭資料の収集と分析」『質的研究Step by Step:すぐれた論文作成をめざして』、医学書院、2016年、47-54項。

【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)『精霊の馬』、教材(2)『Room 11 Ethiopia Hotel』

主題細目② 教材(3)『質的研究Step by Step:すぐれた論文作成をめざして』

主題細目③ 教材(4)『質的研究Step by Step:すぐれた論文作成をめざして』
コマ主題細目 ① 事実関係の確認 ② エスノグラフィーの理解 ③ エスノグラフィーとインタビュー法 ④ ⑤
細目レベル ① 前回の授業の続きとして、ビデオをみて各受講生がメモを取ったが、その内容をグループ内で共有する。グループ内の他のメンバーは、特定の登場人物の行動が何を意味していたか、登場人物らの会話と実際の心情に違いはないのかなど、エチオピアの置かれた政治的・社会的な状況も踏まえ情報共有と議論を行う。
2本のビデオを見るが、それぞれを見終わった後にメモに基づいて情報共有を行い、ある程度の共通理解ができた状態になるか、もしくは意見の相違がある場合は、どの点が異なるのかを整理することができたら、次のビデオを視聴することにする。残りのビデオでも、視聴後に事実関係の確認と議論を行い、同じ映像をみていたとしても調査者が異なることを理解する。これは、すでに述べた参与観察の特殊性が影響しており、調査者自身の五感を働かせて調査対象者の言動や特徴を観察するということが関係している。

② エスノグラフィーとは、文化や日常生活の中の社会的規則性に焦点を当てるものである。その由来は、ある民族集団の人々とその文化について探求するエスノロジー(民俗学)の研究成果をまとめたエスノグラフィー(民族誌)という言葉とされる。そのため、エスノグラフィーとは本来、特定の民族の社会様式や文化を、研究者が細かく記した記録物のことである。そのため、結果的に豊かで厚みのある記述としてまとめやすいとされる。
民族誌または特定の民族集団に関する報告書を指すエスノグラフィーは、データ収集の方法が二次的であり、研究方法が恣意的になる可能性が高いという難点があるため、トライアンギュレーションにより、調査データの信用性や客観性を高めることが欠かせない。

③ エスノグラフィーの調査手法の一つとして、インタビュー調査がある。インタビュー調査では、人々の日常生活の中から行動・志向のパターンを読み取り、カテゴライズした上で、各々のカテゴリーの特性を明らかにすることで、法則や知見を見出すことが可能である。エスノグラフィーでは、他にもナラティブ分析や文書・記録などのドキュメント分析、参与観察などがある。これら個別の調査手法を単独や複数を組み合わせてフィールド調査を行うことで、エスノグラフィーが形作られていく。ナラティブ分析では、インタビューを通して調査対象者が語る単語や文章などの頻度や順列などに着目し、インタビュー内容を分析することで、調査対象者が気づいていない認識に光を当てるものである。


キーワード ① ダブルバーレル質問 ② オープンエンドな質問 ③ 誘導尋問 ④ キャリーオーバー効果 ⑤ 単一質問
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:授業で参照したテキストの内容を、再確認する。また社会調査法Ⅰでは、座学だけでなく実際に質的調査の計画を立て実践する科目であるだけでなく、授業ではエスノグラフィーやコーディング、トライアンギュレーション、KJ法などの専門用語を使う場合もある。授業内の説明では、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモしておくことが重要である。本科目は実際に質的調査を実践するため、理解不足のままだと実践的な調査を行う際に支障がでる。授業後に、理解できなかった説明や用語を教員に伝えると、次回の授業では教員から全員に対して改めて詳しく説明する。
予習:シラバスに目を通し、気になった単語や事柄を各自で調べる。またシラバスに記載されている次回授業で参照するテキストを一読しておくとよい。一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。

4 個人インタビュー①—質問の仕方— 科目の中での位置付け 本科目は、質的調査の考え方や調査計画立案、調査手法、分析までの質的調査の一連の工程を学ぶ実践する講義である。まず質的調査とは、統計や数字では表せない質的なデータを収集・分析するための方法論・技法のことである。
授業では、質的調査と量的調査の違いから、一次資料と二次資料の扱い方、調査を実施する際に欠かすことのできない倫理的配慮、先行研究の分析、調査対象者の選定のコツ、インタビュー調査の種類と手順、効果的な質問内容の作成、非構造化インタビューや参与観察法などのインタビューの種類などのインタビューを実施するまでに必要な知識を学ぶ。その後、実際にインタビュー調査の練習を行う。また調査データの分析方法として、KJ法やKHコーディング、グランデッド・セオリ―・アプローチなどを習得し、各自で調査のテーマを立て、実際に調査を企画する。これらの作業を通じて、卒業論文でインタビュー調査や参与観察を実施できる力を身につける。
本コマ(第四回)では、質問票の作り方とテーマの設定のポイントを理解する。

(1)中嶌洋「効果的なインタビューのための質問」『初学者のための質的研究26の教え』、医学書院、2015年、42-45項。

【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』

主題細目② 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』

主題細目③ 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』
コマ主題細目 ① 質問の仕方 ② テーマを決める ③ 質問票の作成 ④ ⑤
細目レベル ① インタビュー調査のよい質問と悪い質問のポイントを学ぶ。まず良い質問とは、仮説的質問や反対の立場からの質問、理想的な立場からの質問、解釈的な質問、過去を回想させる質問、キーワードを引き出す質問、価値観・信念を引き出す質問、会話・対話形式の質問がある。
一方、講師が示す悪い質問の例を修正しながら、質問票のポイントを理解する。悪い質問としては、ダブルハーレル質問(多重質問)、キャリーオーバー効果の質問、誘導質問、オープンエンドな質問、クローズドエンドな質問、単一質問、個人情報(フェイスシート)から尋ねる質問などがある。ただ、悪い質問の例で示したポイントであっても、質問者と回答者の関係性や調査の目的などが一般的でない場合、その限りではない。

② 個人インタビューの実践に向けて、グループでインタビューのテーマを決定する。まずグループ分けを行い、3~4名のグループを作る。そして、グループ毎に意見を出し合い、キーワードを出し先行研究にあたる。その際、グループ毎の問題意識とインタビュー調査の目的、明らかにしたいこと、調査テーマを決定する。グループ毎に前に出て、なぜその様な問題意識を持ち、何を明らかにしたいと思い、どの様な調査目的を設定したのかについて発表する。グループワークであるため、チームメンバーとなった履修学生と協力して議論を進める。また話し合うだけでは何も進展しないことから、話し合いをリードする学生と書記を担当する学生が積極的にグループワークを引っ張る。
③ テーマに即して質問項目を考え、質問票としてまとめる。質問内容は、すでに述べた良い質問と悪い質問の中で示した。特に気をつけて欲しいポイントは、回答を誘導する質問となってないかや、刺激の強い質問を最初にすることで後の質問に影響を与えていないかどうか、また漠然としすぎた質問と限定的な回答となってしまいがちな質問となっていないかどうか、あえて質問するまでもない調べればすぐに判明する内容を問う質問などがある。
またこれらの悪い質問を避けつつ、調査の目的と明らかにしたいことをしっかりと問える質問であるかも重要なポイントである。最終的に回答を得て分析・考察に進む際に、聞き逃したことがないようように、よく質問の構成を考え、聞く順番にも留意する必要がある。



キーワード ① ダブルバーレル質問 ② オープンエンドな質問 ③ 誘導尋問 ④ キャリーオーバー効果 ⑤ 単一質問
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:授業で参照したテキストの内容を、再確認する。また社会調査法Ⅰでは、座学だけでなく実際に質的調査の計画を立て実践する科目であるだけでなく、授業ではエスノグラフィーやコーディング、トライアンギュレーション、KJ法などの専門用語を使う場合もある。授業内の説明では、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモしておくことが重要である。本科目は実際に質的調査を実践するため、理解不足のままだと実践的な調査を行う際に支障がでる。授業後に、理解できなかった説明や用語を教員に伝えると、次回の授業では教員から全員に対して改めて詳しく説明する。
予習:シラバスに目を通し、気になった単語や事柄を各自で調べる。またシラバスに記載されている次回授業で参照するテキストを一読しておくとよい。一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。質問者は質問票の修正を行う。インタビュー対象者は回答への準備をする。

5 個人インタビュー②—サンプルの抽出— 科目の中での位置付け 本科目は、質的調査の考え方や調査計画立案、調査手法、分析までの質的調査の一連の工程を学ぶ実践する講義である。まず質的調査とは、統計や数字では表せない質的なデータを収集・分析するための方法論・技法のことである。
授業では、質的調査と量的調査の違いから、一次資料と二次資料の扱い方、調査を実施する際に欠かすことのできない倫理的配慮、先行研究の分析、調査対象者の選定のコツ、インタビュー調査の種類と手順、効果的な質問内容の作成、非構造化インタビューや参与観察法などのインタビューの種類などのインタビューを実施するまでに必要な知識を学ぶ。その後、実際にインタビュー調査の練習を行う。また調査データの分析方法として、KJ法やKHコーディング、グランデッド・セオリ―・アプローチなどを習得し、各自で調査のテーマを立て、実際に調査を企画する。これらの作業を通じて、卒業論文でインタビュー調査や参与観察を実施できる力を身につける。
本コマ(第五回)では、インタビューの調査を実施する際のサンプルの決め方を理解する。

(1)中嶌洋「研究参加者選び(サンプリング)」『初学者のための質的研究26の教え』、医学書院、2015年、32-35項。
(2)中嶌洋「インタビュー調査の種類と手順」『初学者のための質的研究26の教え』、医学書院、2015年、36-42項。

【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』

主題細目② 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』

主題細目③ 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』、教材(2)『初学者のための質的研究26の教え』
コマ主題細目 ① 質問票の共有と修正 ② サンプルの決め方 ③ サンプルの決定 ④ ⑤
細目レベル ① 予習課題である質問票の内容を発表し、他の受講生からアドバイスを受ける。グループ毎に作成した質問票の内容が記載された資料を用意し、受講生の前で発表する。調査の目的や明らかにしたいこと、また問題意識と関連づけられた質問が明記されているかどうかに加え、質問に答えることで十分に調査目的を果たすことができるかどうかを意識した発表が求められる。また、発表の順番に当たっていないグループは、上記の点を留意して活発な質問を行う。発表しないグループは、上記の因果関係をしっかりと確認した上で、発表しているグループに質問とアドバイスを送ることにより建設的な議論へと発展していく。
発表したグループは、受けた質問やアドバイスを基にして質問項目の修正を図る。

② サンプル(インタビュー対象者)の選定の仕方を理解する。テキストを参照(pp.32~35)すると、サンプリングとは母集団から標本(サンプル)を抜き出す作業のことを指す。またこのサンプリングは、無作為抽出法と有意抽出法に大別することが可能であり、無作為抽出法には、不特定多数の標本をくじ引きのように選ぶ単純無作為抽出法などの抽出法がある。
一方、有意抽出法とは、調査社が「このテーマについてはこのような集団を調べると明確な結果や典型事例が得られやすい」という主観にもとに標本を選ぶ抽出法である。試験調査やモニターなどの対象の条件が設定されている場合には使用できるが、極めて主観的なため、この手法を用いてある集団の全体的な傾向を述べることは難しいとされる。

③ テーマに沿ったインタビュー対象者を、受講生の中から選定する。本科目は、座学で学んだことを実践することで、質的調査の知識とスキルを身につけることを目標としている。後述するが、質的・量的調査を含む社会調査では調査を実施する際の倫理的配慮が重要視され、決して欠かすことはできない。卒業研究などでは、この倫理的配慮を十分考慮し様々な制約が課された状況下において、初めて調査を実施することが可能になる。
時間的な制約があることから、本科目では、倫理的配慮をした上で履修学生を調査対象者として選出したと仮定し、質的調査を実践する。各グループの調査結果に多少の影響を与えることになるかも知れないが、質的調査の知識とスキルを習得することが本科目の目的であることを考慮し、できるだけ実践に近づけた質的調査を行う。



キーワード ① 見直し ② 無作為抽出法と有意抽出法 ③ スノーボーリング ④ サンプリング ⑤ 母集団
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:授業で参照したテキストの内容を、再確認する。また社会調査法Ⅰでは、座学だけでなく実際に質的調査の計画を立て実践する科目であるだけでなく、授業ではエスノグラフィーやコーディング、トライアンギュレーション、KJ法などの専門用語を使う場合もある。授業内の説明では、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモしておくことが重要である。本科目は実際に質的調査を実践するため、理解不足のままだと実践的な調査を行う際に支障がでる。授業後に、理解できなかった説明や用語を教員に伝えると、次回の授業では教員から全員に対して改めて詳しく説明する。
予習:シラバスに目を通し、気になった単語や事柄を各自で調べる。またシラバスに記載されている次回授業で参照するテキストを一読しておくとよい。一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。フィールドノートのまとめを作成する

6 個人インタビュー③—半構造化インタビューの実践— 科目の中での位置付け 本科目は、質的調査の考え方や調査計画立案、調査手法、分析までの質的調査の一連の工程を学ぶ実践する講義である。まず質的調査とは、統計や数字では表せない質的なデータを収集・分析するための方法論・技法のことである。
授業では、質的調査と量的調査の違いから、一次資料と二次資料の扱い方、調査を実施する際に欠かすことのできない倫理的配慮、先行研究の分析、調査対象者の選定のコツ、インタビュー調査の種類と手順、効果的な質問内容の作成、非構造化インタビューや参与観察法などのインタビューの種類などのインタビューを実施するまでに必要な知識を学ぶ。その後、実際にインタビュー調査の練習を行う。また調査データの分析方法として、KJ法やKHコーディング、グランデッド・セオリ―・アプローチなどを習得し、各自で調査のテーマを立て、実際に調査を企画する。これらの作業を通じて、卒業論文でインタビュー調査や参与観察を実施できる力を身につける。
本コマ(第六回)では、実践を通してフィールドノートの取り方を身につける。

(1)谷富夫・山本努編著「フィールドノートを作成する」『よくわかる質的社会調査 プロセス編』、ミネルヴァ書房、2010年、130-139項。
(2)中嶌洋「インタビューの種類」『初学者のための質的研究26の教え』、医学書院、2015年、46-49項。
(3)谷富夫・山本努編著「フィールドノートを作成する」『よくわかる質的社会調査 プロセス編』、ミネルヴァ書房、2010年、130-139項。

【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)『よくわかる質的社会調査 プロセス編』

主題細目② 教材(2)『初学者のための質的研究26の教え』

主題細目③ 教材(3)『よくわかる質的社会調査 プロセス編』
コマ主題細目 ① フィールドノートの取り方 ② 半構造化インタビューの実践 ③ フィールドノートのすり合わせ ④ ⑤
細目レベル ① インタビュー中の記録の付け方(フィールドノートの取り方)を理解し、フィールドノートの要点を押さえる。谷富夫・山本努著(2010)「フィールドノートを作成する」『よくわかる質的社会調査プロセス』(pp.130-139)沿い、ノートをとる調査者への警戒感や警戒を回避する方法、また調査目的を伝えることの重要性、さらにどの様に書くかを具体的に学ぶ。具体的には、何を使ってフィールドノートを書くか、いつ書くか、こまめに補足の記述をする補記を取り上げ、フィールドノートを取るタイミングについて言及する。フィールドノートに記述する内容は様々であるが、見取り図、流れ、人びとに注目して補記をすることと、会話や語りを書き留めることも重要である。
② 予習課題として課した質問票を基に、インタビューを実践する。まずは実際にインタビューを行うにあたり、再度、テキストを参照(pp. 46-49)する。聞きたいことをおおよそは整理しておくが、その聞き方や聞く順番はインタビューの流れや状況に合わせて柔軟に変化させていくという半構造化インタビューについて再確認する。
また実際にインタビューする際には、グループ内で役割を決めておく必要がある。一人で全ての役割ができるようになればよいが、まず初めは役割を分担して各役割の意味と効果を学び、スキルを習得することを目指す。さらに、実際にフィールドノートを取るので、経験した上で良かった点と改善点を明確にし、実践的なスキルの向上に結びつける。

③ グループ内でフィールドノートを共有する。フィールドノートは、メモ書きで書かれているケースや時間軸で記述しているケース、図や絵を描いて視覚化しているケース、それらが混合しているケースなど多様である。同じインタビュー対象者から話を聞いたとしても、フィールドノートは異なる。それは、インタビューした調査者の調査に関する経験やスキル、これまでの社会的な背景や属性など、ありとあらゆる事象が影響を与えていると考えられる。そのため、これら受取り手によって変わるフィールドノートを持ち寄り、情報の事実関係を確認する必要が出てくる。これは、人間の記憶は時間が経つと不明瞭となるため、インタビュー後にできるだけ時間をあけずに行うことが望ましい。


キーワード ① ノートテーキング ② 聞き取り ③ ダブルチェック ④ 半構造化インタビュー ⑤ 質問票
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:授業で参照した発表資料を、再確認する。また社会調査法Ⅰでは、座学だけでなく実際に質的調査の計画を立て実践する科目であるだけでなく、授業ではエスノグラフィーやコーディング、トライアンギュレーション、KJ法などの専門用語を使う場合もある。授業内の説明では、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモしておくことが重要である。本科目は実際に質的調査を実践するため、理解不足のままだと実践的な調査を行う際に支障がでる。授業後に、理解できなかった説明や用語を教員に伝えると、次回の授業では教員から全員に対して改めて詳しく説明する。
予習:シラバスに目を通し、気になった単語や事柄を各自で調べる。またシラバスに記載されている次回授業で参照するテキストを一読しておくとよい。一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。

7 個人インタビュー④—成果の共有— 科目の中での位置付け 本科目は、質的調査の考え方や調査計画立案、調査手法、分析までの質的調査の一連の工程を学ぶ実践する講義である。まず質的調査とは、統計や数字では表せない質的なデータを収集・分析するための方法論・技法のことである。
授業では、質的調査と量的調査の違いから、一次資料と二次資料の扱い方、調査を実施する際に欠かすことのできない倫理的配慮、先行研究の分析、調査対象者の選定のコツ、インタビュー調査の種類と手順、効果的な質問内容の作成、非構造化インタビューや参与観察法などのインタビューの種類などのインタビューを実施するまでに必要な知識を学ぶ。その後、実際にインタビュー調査の練習を行う。また調査データの分析方法として、KJ法やKHコーディング、グランデッド・セオリ―・アプローチなどを習得し、各自で調査のテーマを立て、実際に調査を企画する。これらの作業を通じて、卒業論文でインタビュー調査や参与観察を実施できる力を身につける。
本コマ(第七回)では、インタビューによる一次資料のまとめ方を学ぶ。

【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)受講生による発表資料

主題細目② 教材(2)受講生による発表資料

主題細目③ 教材(3)受講生による発表資料
コマ主題細目 ① インタビュー成果の共有 ② 事実関係の確認 ③ インタビュー調査の振り返り ④ ⑤
細目レベル ① フィールドノートのまとめを共有すると共に、成果を発表する。またインタビュー調査実施時に、どの様な調査の始め方をしたのかも共有するとよい。改めて自己紹介と謝意を述べた上で、調査テーマや目的、プライバシー保護、録音の許可などの研究の趣旨説明を、どの様に分かりやすく実施したのかについても情報を共有する。インタビュー対象者が緊張しないように、できる限り安心できる和やかな雰囲気作りを心掛けることは重要である。具体的には、共通の話題である天気や世間話、調査場所までの交通手段などの話題を展開することで、よい雰囲気でインタビュー調査を進めることができる。また状況を判断する力を養うことが大切であり、体調の良し悪しや仕事の忙しさなど、相手の状況を敏感に感じ取り、その場で良い雰囲気作りを工夫する必要がある。
② インタビューの情報提供者から事実関係の確認を行い、聞き取り調査の精度を確認する。フィールドノートに記入した語りやメモ、図などは、インタビューを聞きながら書くことから、勘違いや書き間違えなどが起こらないとも言えない。今回のインタビュー調査は、聞き取りをした調査対象者を本科目の受講生の中から選ぶため、聞き取り調査結果の発表時には、その内容を調査対象者も聞くことになる。調査対象者にも発表を聞いてもらい、聞き取り内容が正確であったかの確認を行う。
また実際の調査では、録音した会話データを聞き直したり、事実関係があやふやな場合には、再度、調査対象者にインタビュー調査などを行うこともある。しかし、調査の回数を重ね調査の精度をあげることで、これらは減っていくことが考えられる。

③ 最後に、インタビューの実践を振り返り、各受講生の課題を確認する。受講生にとっては、質的調査の実践はほぼ初めての経験であると思われる。実際にインタビュー調査を行う中で、フィールドノートや音声データを取り、それらの文字越しやフィールドノートを整理、そして、それからを分析ないし記述する作業となる。
他の受講生の前で発表することにより、自分自身で調査が不足していた点や記述が正確でない点などが見えてくる。また発表を聞いて他の受講生から質疑応答があるので、インタビュー内での質問が適切であったのかどうか、論理的かつ分かりやすい説明であったかどうかなどを再確認する場となり、発表内容の修正へとつながる。



キーワード ① プレゼンテーション ② 精度 ③ 今後の課題 ④ フィールドノート ⑤ メモ
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:授業で参照したテキストの内容を、再確認する。また社会調査法Ⅰでは、座学だけでなく実際に質的調査の計画を立て実践する科目であるだけでなく、授業ではエスノグラフィーやコーディング、トライアンギュレーション、KJ法などの専門用語を使う場合もある。授業内の説明では、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモしておくことが重要である。本科目は実際に質的調査を実践するため、理解不足のままだと実践的な調査を行う際に支障がでる。授業後に、理解できなかった説明や用語を教員に伝えると、次回の授業では教員から全員に対して改めて詳しく説明する。
予習:シラバスに目を通し、気になった単語や事柄を各自で調べる。またシラバスに記載されている次回授業で参照するテキストを一読しておくとよい。一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。

8 グラウンデット・セオリー・アプローチ①—GTAとは何か 科目の中での位置付け 本科目は、質的調査の考え方や調査計画立案、調査手法、分析までの質的調査の一連の工程を学ぶ実践する講義である。まず質的調査とは、統計や数字では表せない質的なデータを収集・分析するための方法論・技法のことである。
授業では、質的調査と量的調査の違いから、一次資料と二次資料の扱い方、調査を実施する際に欠かすことのできない倫理的配慮、先行研究の分析、調査対象者の選定のコツ、インタビュー調査の種類と手順、効果的な質問内容の作成、非構造化インタビューや参与観察法などのインタビューの種類などのインタビューを実施するまでに必要な知識を学ぶ。その後、実際にインタビュー調査の練習を行う。また調査データの分析方法として、KJ法やKHコーディング、グランデッド・セオリ―・アプローチなどを習得し、各自で調査のテーマを立て、実際に調査を企画する。これらの作業を通じて、卒業論文でインタビュー調査や参与観察を実施できる力を身につける。
本コマ(第八回)では、グラウンデット・セオリー・アプローチの研究手法を理解する。

(1)中嶌洋「グランデッド・セオリー・アプローチ」『初学者のための質的研究26の教え』、医学書院、2015年、75-83項。
(2)谷富夫・芦田徹郎編著「コーディングのプロセス」『よくわかる質的社会調査 技法編』、ミネルヴァ書房、2009年、142-143項。

【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』

主題細目② 教材(2)『よくわかる質的社会調査 技法編』

主題細目③ 教材(2)『よくわかる質的社会調査 技法編』
コマ主題細目 ① グラウンデット・セオリー・アプローチとは ② グラウンデット・セオリーにおけるコーディング ③ 録音機材の使い方 ④ ⑤
細目レベル ① グラウンデット・セオリー・アプローチは、データを採集する調査者のバイアスを最小限にとどめ、 データの解釈を他者と共有する手法であることを理解する。またグラウンデット・セオリー・アプローチは、エスノグラフィーなどの質的研究と同様に、データ収集と分析の主体である調査者は、帰納的なスタンスのもとにデータから意味を引き出そうとする。これらの質的調査の結果は、データから創出されたあるいはデータに「根差した理論構築」にあるため、グラウンデット・セオリー・アプローチと呼ばれる。さらに、データ分析に重きを置くKJ法と比べると、グラウンデット・セオリー・アプローチはデータの分類と結合による概念生成という点で類似している。
② グラウンデット・セオリーでは、収集した質的データを用いて、まずコーディングという作業を行う。それは質的データを分割(切片化)し、言葉のラベルをつけ、再統合していくことである。
まず切片化するためにオープン・コーディングと呼ばれる方法を取り、バラバラにされたでデータをたくさん抽出することから始める。次に、質的データの出現度数や出現割合を比較し、パターン化していく軸足コーディングを行う。これまでの作業を通して、グラウンデッド・セオリーで用いられる質的データの水準である次元から特性、そしてカテゴリーへとまとめられた。最後に、カテゴリーとしてまとめられた質的データを、選択コーディングを用いてカテゴリー間を関連づける。

③ 語り分析に欠かせない音声記録をとるために、録音機の使い方を確認する。本科目では、各グループに録音機器を一つ貸与する。この録音機器を用いて、調査対象者の語りを記録する。その後、録音機器を再生し語られた内容を文字にする(文字起こし)。この文字起こしは、大変根気のいる作業であり、調査対象者が外国語で語る場合、調査者は時間的余裕を持って文字越しに取り組む必要がある。また文字起こしの作業に際し、何度も聞き直しながら間違いがないように文字起こしを進めなければいけない。最後に、よく見られる失敗談として、文字起こしが終わる前に記録したデータを誤って削除してしまうことがあるため、データ管理と録音機器の使い方はよく心得ておく必要がある。


キーワード ① B・グレイザー ② 断片化されたデータの統合 ③ コーディング ④ カテゴリー化 ⑤ 因果関係
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:授業で参照したテキストの内容を、再確認する。また社会調査法Ⅰでは、座学だけでなく実際に質的調査の計画を立て実践する科目であるだけでなく、授業ではエスノグラフィーやコーディング、トライアンギュレーション、KJ法などの専門用語を使う場合もある。授業内の説明では、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモしておくことが重要である。本科目は実際に質的調査を実践するため、理解不足のままだと実践的な調査を行う際に支障がでる。授業後に、理解できなかった説明や用語を教員に伝えると、次回の授業では教員から全員に対して改めて詳しく説明する。
予習:シラバスに目を通し、気になった単語や事柄を各自で調べる。またシラバスに記載されている次回授業で参照するテキストを一読しておくとよい。一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。

9 グラウンデット・セオリー・アプローチ②—非構造化インタビューの実践 科目の中での位置付け 本科目は、質的調査の考え方や調査計画立案、調査手法、分析までの質的調査の一連の工程を学ぶ実践する講義である。まず質的調査とは、統計や数字では表せない質的なデータを収集・分析するための方法論・技法のことである。
授業では、質的調査と量的調査の違いから、一次資料と二次資料の扱い方、調査を実施する際に欠かすことのできない倫理的配慮、先行研究の分析、調査対象者の選定のコツ、インタビュー調査の種類と手順、効果的な質問内容の作成、非構造化インタビューや参与観察法などのインタビューの種類などのインタビューを実施するまでに必要な知識を学ぶ。その後、実際にインタビュー調査の練習を行う。また調査データの分析方法として、KJ法やKHコーディング、グランデッド・セオリ―・アプローチなどを習得し、各自で調査のテーマを立て、実際に調査を企画する。これらの作業を通じて、卒業論文でインタビュー調査や参与観察を実施できる力を身につける。
本コマ(第九回)では、非構造化インタビューを理解し、実際に体験する。

(1)中嶌洋「インタビューの種類」『初学者のための質的研究26の教え』、医学書院、2015年、46-49項。
(2)谷富夫・山本努編著「フィールドノートを作成する」『よくわかる質的社会調査 プロセス編』、ミネルヴァ書房、2010年、218-239項。
(3)谷富夫・山本努編著「記述・表現方法:聞き取り調査」『よくわかる質的社会調査 プロセス編』、ミネルヴァ書房、2010年、210-211項。

【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』

主題細目② 教材(2)『よくわかる質的社会調査 プロセス編』

主題細目③ 教材(3)『よくわかる質的社会調査 プロセス編』
コマ主題細目 ① 非構造化インタビューとは ② インタビュー調査の実践 ③ 調査結果の共有と課題 ④ ⑤
細目レベル ① インタビューでは、構造化の度合い(発問の順序やインタビュー時の応答の柔軟性、質問の言い回しなど)によって、構造化インタビュー、非構造化インタビュー、半構造化インタビューに区別される。非構造化インタビューでは、前もって質問と順序が決まっている構造化インタビューとは異なり、インタビューの場において調査者の関心により、自由に話題を展開させながら質問を行う。また自然な会話が行われることが多いことから、形式ばった受け答えや「はい」「いいえ」で回答される場面はあまりみられない。また調査者が質問するだけではなく、被調査者から調査者が質問されることもある。この非構造化インタビューは、参与観察中のインタビューで用いられることが多い。
② インタビュー調査では、フィールドノートを取ることが重要であることを理解する。これまでの授業で習った、ノートをとる調査者への警戒感や警戒を回避する方法、また調査目的を伝えることの重要性、さらにどの様に書くか、フィールドノートを取るタイミング、半構造化インタビューについて再確認する。
またグループ内でフィールドノートを共有する重要性について考える。フィールドノートは、メモ書きで書かれているケースや時間軸で記述しているケース、図や絵を描いて視覚化しているケース、それらが混合しているケースなどがある。同じインタビュー対象者から話を聞いたとしても、フィールドノートは異なり、インタビューした調査者の経験やスキル、これまでの社会的な背景や属性など、ありとあらゆる事象が影響を与えている。そのため、これら受取り手によって変わるフィールドノートを持ち寄り、情報の事実関係を確認する必要性について理解を新たにする。

③ 調査成果やインタビュー調査の実施した際の様子について共有する。またインタビュー対象者が緊張しないように、できる限り安心できる和やかな雰囲気作りを心掛けることは重要であることを再確認する。
インタビューの実践を振り返り、各受講生の課題を確認する。他の受講生の前で発表することにより、自分自身で調査が不足していた点や記述が正確でない点などが見えてくる。また発表を聞いて他の受講生から質疑応答があるので、インタビュー内での質問が適切であったのかどうか、論理的かつ分かりやすい説明であったかどうかなどを再確認する場となり、発表内容の修正へとつながる。これら授業で学んだことを振り返り、実際に行ったインタビュー調査の課題を見つめ直す。



キーワード ① 構造化インタビュー ② 半構造化インタビュー ③ 構造化インタビュー ④ フィールドノート ⑤ ライフヒストリー・インタビュー
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:授業で参照したテキストの内容を、再確認する。また社会調査法Ⅰでは、座学だけでなく実際に質的調査の計画を立て実践する科目であるだけでなく、授業ではエスノグラフィーやコーディング、トライアンギュレーション、KJ法などの専門用語を使う場合もある。授業内の説明では、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモしておくことが重要である。本科目は実際に質的調査を実践するため、理解不足のままだと実践的な調査を行う際に支障がでる。授業後に、理解できなかった説明や用語を教員に伝えると、次回の授業では教員から全員に対して改めて詳しく説明する。
予習:シラバスに目を通し、気になった単語や事柄を各自で調べる。またシラバスに記載されている次回授業で参照するテキストを一読しておくとよい。一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。

10 グラウンデット・セオリー・アプローチ③—逐語記録の断片化とKJ法 科目の中での位置付け 本科目は、質的調査の考え方や調査計画立案、調査手法、分析までの質的調査の一連の工程を学ぶ実践する講義である。まず質的調査とは、統計や数字では表せない質的なデータを収集・分析するための方法論・技法のことである。
授業では、質的調査と量的調査の違いから、一次資料と二次資料の扱い方、調査を実施する際に欠かすことのできない倫理的配慮、先行研究の分析、調査対象者の選定のコツ、インタビュー調査の種類と手順、効果的な質問内容の作成、非構造化インタビューや参与観察法などのインタビューの種類などのインタビューを実施するまでに必要な知識を学ぶ。その後、実際にインタビュー調査の練習を行う。また調査データの分析方法として、KJ法やKHコーディング、グランデッド・セオリ―・アプローチなどを習得し、各自で調査のテーマを立て、実際に調査を企画する。これらの作業を通じて、卒業論文でインタビュー調査や参与観察を実施できる力を身につける。
本コマ(第十回)では、KJ法を理解し、カードの作成、グループ分け、関係の図式化を行う。

(1)中嶌洋「KJ法」『初学者のための質的研究26の教え』、医学書院、2015年、84-87項。

【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』

主題細目② 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』

主題細目③ 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』
コマ主題細目 ① KJ法について ② KJ法の実践―カード作成 ③ KJ法の実践―グループ編成・図解化 ④ ⑤
細目レベル ① KJ法は意見やデータの分類というよりも、分類と集約を通して分析前には気づかなかった知見を得ることを重要視している。つまり、得られたデータを分類することを通じて、研究課題へのアプローチの仕方を思いついたり、過去には誰も気づかなかった問題点・要点を見出したりと、新たなことに着眼し研究の道筋を明らかにしていく点に意義がある。
KJ法は、①カードの作成、②グループ編成(カード拡げ、カード集め、表札作り)、③図式化、④叙述化(文章化)が大きな流れである。
KJ法はデータをグループ化し、共通点、相違点、関連性などの観点から、グループの特徴やグループ間の関連性を観察し、そこから減速や本質を読み解こうとする調査法である。

② 水質汚染の現場ビデオ「毒を垂れ流すバングラデシュの皮革産業」を見ながら、自分自身が現場でフィールド調査を行っていると仮定し、KJ法を用いて意見や問題点の分類・整理を行う。このKJ法の実践を通して、調査者として現地の状況を目の当たりにした場合、そこからどの様な研究のアプローチができるか考えるきっかけにする。この調査は、第9回と第10回の授業にまたがって行い、最後には、模造紙に図式化したアイデアを披露し、グループ毎に3分程度の発表を行う。
まずグループに分かれ、ビデオみながらメモを行う。そのメモを基に、KJ法の①カード作成を行う。思いついたことやアイデアを一枚のカードに一つずつ短く書く。またアイデアを出す際は、ブレインストミーングを行うとよい。ブレインストミーングを行う際のルールとして、出たアイデアを批判しない、自由に発言、質よりも量が重要、アイデアを結合させることを留意することが重要である。

③ 類似のカードを集めてグループを編成する。カードをグループに分け、小グループを作る。グループ化できないアイデアであっても決して捨てない。小グループ毎にグループの表札(タイトル)をつける。「~~の△△」など内容が分かるレベルの表札をつけること。つぎに、似通ったいくつかの小グループから、大グループを編成する。
そして、グループの関係性を図式化する。グループ間の因果関係や相違点、共通点、時間軸などを書き込み、視覚的に分かりやすく整理する。その際、各カードの並び変えを行い、相互の関係性を示す線を書き込んで整理し分析する。線の種類としては、影響の順序、交換/往復、つながり、対立/強調、過去/予定、影響の強さなどがある。また線の書き方も工夫することが可能で、ツリー型、サテライト型、フロー型、サークル型に整理すると視覚的に分かりやすくなる。



キーワード ① 断片化されたデータの統合 ② コーディング ③ カテゴリー化 ④ アイデア ⑤ 因果関係
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:授業で参照したテキストの内容を、再確認する。また社会調査法Ⅰでは、座学だけでなく実際に質的調査の計画を立て実践する科目であるだけでなく、授業ではエスノグラフィーやコーディング、トライアンギュレーション、KJ法などの専門用語を使う場合もある。授業内の説明では、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモしておくことが重要である。本科目は実際に質的調査を実践するため、理解不足のままだと実践的な調査を行う際に支障がでる。授業後に、理解できなかった説明や用語を教員に伝えると、次回の授業では教員から全員に対して改めて詳しく説明する。
予習:シラバスに目を通し、気になった単語や事柄を各自で調べる。またシラバスに記載されている次回授業で参照するテキストを一読しておくとよい。一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。

11 グラウンデット・セオリー・アプローチ④—成果の共有 科目の中での位置付け 本科目は、質的調査の考え方や調査計画立案、調査手法、分析までの質的調査の一連の工程を学ぶ実践する講義である。まず質的調査とは、統計や数字では表せない質的なデータを収集・分析するための方法論・技法のことである。
授業では、質的調査と量的調査の違いから、一次資料と二次資料の扱い方、調査を実施する際に欠かすことのできない倫理的配慮、先行研究の分析、調査対象者の選定のコツ、インタビュー調査の種類と手順、効果的な質問内容の作成、非構造化インタビューや参与観察法などのインタビューの種類などのインタビューを実施するまでに必要な知識を学ぶ。その後、実際にインタビュー調査の練習を行う。また調査データの分析方法として、KJ法やKHコーディング、グランデッド・セオリ―・アプローチなどを習得し、各自で調査のテーマを立て、実際に調査を企画する。これらの作業を通じて、卒業論文でインタビュー調査や参与観察を実施できる力を身につける。
本コマ(第十一回)では、KJ法の分析結果を共有し、データの解釈を議論する。

(1)中嶌洋「KJ法」『初学者のための質的研究26の教え』、医学書院、2015年、84-87項。

【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』、受講生が準備した発表資料

主題細目② 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』、受講生が準備した発表資料

主題細目③ 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』
コマ主題細目 ① KJ法分析による成果の共有 ② 成果の発表 ③ KJ法分析の振り返り ④ ⑤
細目レベル ① カードに書かれたアイデアから、映像や調査から得られたデータを分類・整理し(データ、コード、サブカテゴリ―、カテゴリー)、そして図式化して因果関係などを確認した。次に、因果関係や相違点、時間軸などから、対象とする事象の本質を読み解き、グループ毎に発表する。このグループワークにおいても、グループ内での協調性やリーダー役の存在が重要になる。活発な議論を展開し、カードを適切な場所に移動させ図式化するには、遠慮ばかりしている訳にはいかないし、かといって議論をリードする役回りが必要である。必要であれば、その様な役を事前に決めておいてもよい。まずはメンバーそれぞれが意見を言い、何度もカードを移動させてより良いKJ法の分析ができるようにグループワークを展開してもらいたい。
② 水質汚染のビデオを課題として、KJ法を実践してきた。因果関係などを図式化して発表するにあたり、グループ毎に3分程度の発表を行う。発表後には、質疑応答の時間を設け、発表を聞いていた受講生から質問や意見などを受け付ける。発表するグループは、事前にどの様な質問が寄せられるかを予想し、それに対する論理的な回答を用意しておくことが望ましい。発表側と聞く側の両グループとも同じ映像を見た上で質疑応答を行っているため、発表者が聞く側と異なる図式や解釈を示した場合、非常に興味を掻き立てられることだろう。また発表者は受けた質問内容を詳細にメモしておくと、その後の文章化のプロセスにおいて効果的な修正へとつなげることが可能となる。
③ KJ法の実践を振り返り、各受講生の課題を確認する。各受講生は、質疑応答で指摘されたKJ法の適切な実施や分析内容について、よく課題を整理し改善につなげることが求められる。例えば、KJ法の行う最中にカードのグループ分けを行う際、主観や先入観が入りやすいので、データのトライアンギュレーションや研究者のトライアンギュレーションなどを行い、客観性を確保する必要がある。トライアンギュレーション(三角測量的方法、方法論的複眼)とは、ある対象を研究する時に、他の研究方法、理論的背景、データ源、研究者などを組み合わせて用い、トライアンギュレーションを経た分析結果であることを明示することで説得力が強化されると言われている。


キーワード ① 解説 ② 情報の確認 ③ 今後の課題 ④ 図式化 ⑤ 振り返り
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:授業で参照したテキストの内容を、再確認する。また社会調査法Ⅰでは、座学だけでなく実際に質的調査の計画を立て実践する科目であるだけでなく、授業ではエスノグラフィーやコーディング、トライアンギュレーション、KJ法などの専門用語を使う場合もある。授業内の説明では、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモしておくことが重要である。本科目は実際に質的調査を実践するため、理解不足のままだと実践的な調査を行う際に支障がでる。授業後に、理解できなかった説明や用語を教員に伝えると、次回の授業では教員から全員に対して改めて詳しく説明する。
予習:シラバスに目を通し、気になった単語や事柄を各自で調べる。またシラバスに記載されている次回授業で参照するテキストを一読しておくとよい。一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。

12 ライフヒストリー分析 科目の中での位置付け 本科目は、質的調査の考え方や調査計画立案、調査手法、分析までの質的調査の一連の工程を学ぶ実践する講義である。まず質的調査とは、統計や数字では表せない質的なデータを収集・分析するための方法論・技法のことである。
授業では、質的調査と量的調査の違いから、一次資料と二次資料の扱い方、調査を実施する際に欠かすことのできない倫理的配慮、先行研究の分析、調査対象者の選定のコツ、インタビュー調査の種類と手順、効果的な質問内容の作成、非構造化インタビューや参与観察法などのインタビューの種類などのインタビューを実施するまでに必要な知識を学ぶ。その後、実際にインタビュー調査の練習を行う。また調査データの分析方法として、KJ法やKHコーディング、グランデッド・セオリ―・アプローチなどを習得し、各自で調査のテーマを立て、実際に調査を企画する。これらの作業を通じて、卒業論文でインタビュー調査や参与観察を実施できる力を身につける。
本コマ(第十二回)では、ライフヒストリー分析を理解し、実際に使えるようになる。

(1)谷富夫・芦田徹郎編著「質的データの分析」『よくわかる質的社会調査 技法編』、ミネルヴァ書房、2009年、20項。
(2)谷富夫・芦田徹郎編著「ライフヒストリー分析」『よくわかる質的社会調査 技法編』、ミネルヴァ書房、2009年、100-103項(「分析を終えてインタビューの過程をふりかえる」と「どのようなテーマがライフヒストリー分析に向くのか」の部分)。
(3)谷富夫・芦田徹郎編著「インタビューデータからライフヒストリーへ」『よくわかる質的社会調査 技法編』、ミネルヴァ書房、2009年、134-135項。

【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)『よくわかる質的社会調査 技法編』

主題細目② 教材(2)『よくわかる質的社会調査 技法編』

主題細目③ 教材(3)『よくわかる質的社会調査 技法編』
コマ主題細目 ① ライフヒストリー分析とは ② ライフヒストリーの調査テーマと調査対象者 ③ 質的データを記述する ④ ⑤
細目レベル ① 個人の一生や生活の一部分の記録であるライフヒストリーを取り扱うライフヒストリー分析は、個人の生活に焦点を当てるため客観性や再現性などが不足しているとの指摘もある。しかし、人生の生きざまを通して社会事象を解読するため、社会学ではよく用いられる。
また、ライフヒストリー分析には三つの特性があると言われている。一つ目は、通時的な視点から分析することが可能であるため、対象を過程として把握することができる。また二つ目として全体関連的な対象把握を志向し、最後に主観的な現実に深くまで入り込むことにより、内面から意味を把握することが可能となる。ライフヒストリーを聞く際は、ナラティヴ・インタビュー法が用いられ、対象者が体験したことや思考したことを語ってもらうことになる。

② ライフヒストリーとライフストーリーは、似通った響きと意味合いを持つ。しかし、その違いを確認すると、ライフヒストリーは、個人の人生や伝記的に記録したライフストーリーを含んだ概念であり、ライフヒストリーはライフストーリーの上位概念であるとされる。
またライフヒストリー調査は、苦難や困難にぶち当たり壮絶な人生を送ってきた人々を対象としていることが多く、差別や貧困、孤立、病い、略奪などを体験した人々を取り上げている。またライフヒストリー調査では、それらの体験が文字で説明されるだけではなく、調査対象者がそれらの体験をどの様に受容し、人生の歩みを進めてきたのかという調査対象者の内面に迫り、人生の長い過程でそれらの変遷を描くものである。

③ 谷(2008)によると、質的データからライフヒストリーを記述する際には、代表的な事例よりもできるだけたくさんの要因を示す複数の事例を取り上げ、その中からまず主要な要因を分析することを推奨している。次に、主要な要因を特定した上で、それらの有無により類型を構築し、ライフヒストリーから導き出せそうな現象を証明できると思われる仮説を類型で検討する。この様なライフヒストリー分析の進め方は、質的データを科学的に分析することにつながり、ナラティヴ・インタビューなどの質的データから客観的かつ信頼性のある特定の事象を導き出すことにつながると言えるだろう。
加えて、ライフヒストリーなどの質的データとアンケートなどの量的データを組み合わせることで、より明らかにしたい事象に迫ることにもつながる。



キーワード ① テキストマイニング ② ナラティヴ・インタビュー法 ③ ライフストーリー ④ 要因 ⑤ 類型
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:授業で参照したテキストの内容を、再確認する。また社会調査法Ⅰでは、座学だけでなく実際に質的調査の計画を立て実践する科目であるだけでなく、授業ではエスノグラフィーやコーディング、トライアンギュレーション、KJ法などの専門用語を使う場合もある。授業内の説明では、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモしておくことが重要である。本科目は実際に質的調査を実践するため、理解不足のままだと実践的な調査を行う際に支障がでる。授業後に、理解できなかった説明や用語を教員に伝えると、次回の授業では教員から全員に対して改めて詳しく説明する。
予習:シラバスに目を通し、気になった単語や事柄を各自で調べる。またシラバスに記載されている次回授業で参照するテキストを一読しておくとよい。一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。

13 計量テキスト分析―KHコーディングの理解と実践 科目の中での位置付け 本科目は、質的調査の考え方や調査計画立案、調査手法、分析までの質的調査の一連の工程を学ぶ実践する講義である。まず質的調査とは、統計や数字では表せない質的なデータを収集・分析するための方法論・技法のことである。
授業では、質的調査と量的調査の違いから、一次資料と二次資料の扱い方、調査を実施する際に欠かすことのできない倫理的配慮、先行研究の分析、調査対象者の選定のコツ、インタビュー調査の種類と手順、効果的な質問内容の作成、非構造化インタビューや参与観察法などのインタビューの種類などのインタビューを実施するまでに必要な知識を学ぶ。その後、実際にインタビュー調査の練習を行う。また調査データの分析方法として、KJ法やKHコーディング、グランデッド・セオリ―・アプローチなどを習得し、各自で調査のテーマを立て、実際に調査を企画する。これらの作業を通じて、卒業論文でインタビュー調査や参与観察を実施できる力を身につける。
本コマ(第十三回)では、逐語分析を分析ソフトウェアを使って行う技術を身につける。

(1)中嶌洋「KH Corderによる分析」『初学者のための質的研究26の教え』、医学書院、2015年、90-96項。

【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』

主題細目② 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』

主題細目③ 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』
コマ主題細目 ① 計量テキスト分析とは ② KH Coderの解説 ③ KH Coderの起動 ④ ⑤
細目レベル ① 計量テキスト分析とは、データを科学的に分類することで、回答者の言葉(テキスト)に含まれる本質や特徴を捉えることができるテキストマイニングを活用した技術であり、内容分析の考え方を基にしている。また、膨大なテキストデータの内容分析を行う際に有効なツールであることを理解する。
樋口によると、計量テキスト分析とは、機械的に言葉を数えるため、客観的に特定の言葉が多く使われていたことに気づくことが可能となる。そのため、後述するKH Coderが開発されたが、KH Coderのみで質的研究を行うと、質的研究に特有な語のニュアンスや文脈、論理展開など、KH Coderの表には表れない部分が抜け落ちる可能性があることを留意する。起きている事実をリアルに表現するためには、質的研究と量的研究の視点をバランスよく配置して研究を進める必要がある。

② テキスト分析ソフトである「KH Coder」の機能として、抽出語リスト、階層的クラスター分析、共起ネットワーク、対応分析などを行うことができることを理解する。またKH Coderでは、文章型データの中に多く出現した言葉を機械的に取り出して集計・可視化する。
さらに、ある言葉と一緒に使われることが多い共起語をリストアップし、言葉の使われ方に隠された規則性や言葉同士のつながりをみつけることにつながる共起ネットワークという方法がある。また品詞ごとに多く出現した順で示される抽出語リストや、最も似ている組み合わせから順番にまとまりにし途中過程を階層のように表し樹形図を作る階層的クラスター分析、クロス集計結果を散布図にして示す対応分析などがあることを理解する。

③ パソコンを使い、KH Coderを起動する。パソコン内に保存されているデモ素材を使って、抽出語リスト、階層的クラスター分析、共起ネットワーク、対応分析の操作を行う。これまで何度か組織されたグループに分かれ、実際にKH Coderを使い分析をしてみる。特定の学生ばかりがパソコンを作動させて分析をするのではなく、各グループ内の受講生は、役割を変えながら必ず一回は分析をするように調整する。
また実際に分析したことにより、調査結果が得られるようになったが、得られた調査結果をどのように解釈し文章化するかについては、これまで習ってきた文章化のスキルと経験の蓄積に左右される。これまでの講義を思い出し、どうすれば調査結果から効果的な考察へとつなげられるかについてグループ内で議論しグループワークを進める。



キーワード ① テキストマイニング ② コーディング ③ 集計 ④ KH Coder ⑤ 共起語
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:授業で参照したテキストの内容を、再確認する。また社会調査法Ⅰでは、座学だけでなく実際に質的調査の計画を立て実践する科目であるだけでなく、授業ではエスノグラフィーやコーディング、トライアンギュレーション、KJ法などの専門用語を使う場合もある。授業内の説明では、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモしておくことが重要である。本科目は実際に質的調査を実践するため、理解不足のままだと実践的な調査を行う際に支障がでる。授業後に、理解できなかった説明や用語を教員に伝えると、次回の授業では教員から全員に対して改めて詳しく説明する。
予習:シラバスに目を通し、気になった単語や事柄を各自で調べる。またシラバスに記載されている次回授業で参照するテキストを一読しておくとよい。一方的に聞くだけでなく、興味・関心を持って予習すると、授業内容の理解が進む。

14 ビジュアル・データ分析 科目の中での位置付け 本科目は、質的調査の考え方や調査計画立案、調査手法、分析までの質的調査の一連の工程を学ぶ実践する講義である。まず質的調査とは、統計や数字では表せない質的なデータを収集・分析するための方法論・技法のことである。
授業では、質的調査と量的調査の違いから、一次資料と二次資料の扱い方、調査を実施する際に欠かすことのできない倫理的配慮、先行研究の分析、調査対象者の選定のコツ、インタビュー調査の種類と手順、効果的な質問内容の作成、非構造化インタビューや参与観察法などのインタビューの種類などのインタビューを実施するまでに必要な知識を学ぶ。その後、実際にインタビュー調査の練習を行う。また調査データの分析方法として、KJ法やKHコーディング、グランデッド・セオリ―・アプローチなどを習得し、各自で調査のテーマを立て、実際に調査を企画する。これらの作業を通じて、卒業論文でインタビュー調査や参与観察を実施できる力を身につける。
本コマ(第十四回)では、ビジュアル・データの収集と分析手法について理解する。

(1)谷富夫・山本努編著「ビジュアルとは?:ビジュアル素材とビジュアル調査法」『よくわかる質的社会調査法 プロセス編』、ミネルヴァ書房、2010年、186-187項。
(2)谷富夫・山本努編著「ビジュアル素材の利用法:現地調査(実査)の場面で」『よくわかる質的社会調査法 プロセス編』、ミネルヴァ書房、2010年、188-191項。
(3)谷富夫・山本努編著「ビジュアル・データの分析/解釈①:主なアプローチ」『よくわかる質的社会調査法 プロセス編』、ミネルヴァ書房、2010年、194-196項。

【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)『よくわかる質的社会調査法 プロセス編』

主題細目② 教材(2)『よくわかる質的社会調査法 プロセス編』

主題細目③ 教材(3)『よくわかる質的社会調査法 プロセス編』
コマ主題細目 ① ビジュアル・データ調査法とは ② ビジュアル・データの収集方法 ③ ビジュアル・データのデータ化と分析手法 ④ ⑤
細目レベル ① まず、「ビジュアル」には視覚と映像の両方のニュアンスを包含していることを前提とし、社会調査では調査者がフィールド調査において撮影した写真とビデオを指すことが多い。谷によれば、ビジュアル調査法とは、フィールドワークを通してビジュアル素材を収集し、分析・解釈するプロセスを経て、意味世界としての社会的世界を探求し、新しい知見を提示する手法であるとされる。換言すると、主に写真やビデオなどのビジュアル・データを用いた上で、ビジュアル・データを見ることにより分析し解釈することと、また調査結果をビジュアルデータの形にして示すことなどである。簡潔に述べると、ビジュアル素材の生成ないし活用する調査法であるとされる。
② ビジュアル・データの取集は、様々な方法により行われる。一般的なビジュアル調査法を用いた社会調査では、まずフィールド調査で訪れた地域住民との交流を通して、調査の目的や進め方などを説明し協力を仰ぐ。できれば、その場で調査テーマと合致した調査対象者を特定し、自宅への訪問を依頼し具体的な訪問日時なども、決めることができればなおよい。各自宅への訪問する際は、調査テーマに関する写真や動画をみせてもらいつつ、関連する事象について、インタビューもしくはアンケート調査を行う。またスノーボール・サンプリングにより、訪問した調査者から別の調査者を紹介してもらい、順次、ビジュアル・データの収集と関連する質的・量的調査を実施する。
③ 写真や動画などのビジュアル・データを社会調査で用いるためにデータ化するには、あるデータに関連もしくは付随する情報をメタデータとして追加する。例えば、1枚の画像にキーワードやラベルなどをつけたり、インタビュー内容を書き起こしてテキスト化することなどがあり、これにより整理・分類、計測・解析、読解・解釈などが可能となる。
この様にデータ化されたビジュアル・データを分析する際、データの内容をカテゴリーに分類し・またコード化して数えることで結果を分析する内容分析がある。また記号論的分析では、様々なビジュアル・データから記号の意味作用を読み込んで分析し、意味世界を読解・理解・解釈する。さらに、図解解釈学的分析では、芸術作品の目にみえているものの忠実な把握から、作品に描き込まれている物語や寓意の理解、そして作品の背後になる観念的な意味を理解するという分析手法である。



キーワード ① ビジュアル・データ ② 写真と動画 ③ ラベル ④ メタデータ ⑤ 芸術作品
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:授業で参照したテキストの内容を、再確認する。また社会調査法Ⅰでは、座学だけでなく実際に質的調査の計画を立て実践する科目であるだけでなく、授業ではエスノグラフィーやコーディング、トライアンギュレーション、KJ法などの専門用語を使う場合もある。授業内の説明では、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモしておくことが重要である。本科目は実際に質的調査を実践するため、理解不足のままだと実践的な調査を行う際に支障がでる。授業後に、理解できなかった説明や用語を教員に伝えると、次回の授業では教員から全員に対して改めて詳しく説明する。
予習:期末試験へ向けた準備を行う。

15 調査計画と記述、まとめと振り返り 科目の中での位置付け 本科目は、質的調査の考え方や調査計画立案、調査手法、分析までの質的調査の一連の工程を学ぶ実践する講義である。まず質的調査とは、統計や数字では表せない質的なデータを収集・分析するための方法論・技法のことである。
授業では、質的調査と量的調査の違いから、一次資料と二次資料の扱い方、調査を実施する際に欠かすことのできない倫理的配慮、先行研究の分析、調査対象者の選定のコツ、インタビュー調査の種類と手順、効果的な質問内容の作成、非構造化インタビューや参与観察法などのインタビューの種類などのインタビューを実施するまでに必要な知識を学ぶ。その後、実際にインタビュー調査の練習を行う。また調査データの分析方法として、KJ法やKHコーディング、グランデッド・セオリ―・アプローチなどを習得し、各自で調査のテーマを立て、実際に調査を企画する。これらの作業を通じて、卒業論文でインタビュー調査や参与観察を実施できる力を身につける。
本コマ(第十五回)では、社会調査の基本となる調査計画と調査結果の記述を復習した後、本科目全体の振り返りとまとめを行う。

(1)中嶌洋「研究とは「問う」こと」『初学者のための質的研究26の教え』、医学書院、2015年、2-7項。
(2)中嶌洋「質的研究の論文執筆と発表」『初学者のための質的研究26の教え』、医学書院、2015年、98-105項(「論文執筆」と「厚い記述」の部分)。
(3)中嶌洋「データ収集の方法」『初学者のための質的研究26の教え』、医学書院、2015年、32-64項。

【教材・講義レジュメとコマ主題細目との対応】
主題細目① 教材(1)『初学者のための質的研究26の教え』

主題細目② 教材(2)『初学者のための質的研究26の教え』

主題細目③ 教材(3)『初学者のための質的研究26の教え』、これまでの授業で配布した資料
コマ主題細目 ① 調査計画 ② 調査結果の記述 ③ 授業の振り返り ④ ⑤
細目レベル ① 調査のフロー図に沿って、調査の計画を立ててみる。質的調査の第一歩は、調査テーマを決めることであるが、まずはキーワードを挙げ調査テーマを絞る作業を行う。調査テーマは、各自の体験や問題意識、興味・関心などに基づき設定することができるが、興味があるから調査したいというのではなく、すでに研究や調査がされていないかどうか、調査をするだけの学術的な価値があるのかどうかなどを見極めながら、調査テーマを決めることになる。卒業論文レベルの先行研究の調査は求めないが、実践的な質的調査を行う授業であるため、実際に先行研究を調べ、調査テーマの決定プロセスを習得する。ここでは、質的調査を用いた先行研究の調べ方についても、振り返る。
② 調査結果を記述するという作業を振り返る。これまでいくつものビデオをみてきたが、その中から1つを選び、参与観察で得られた調査結果を文章化する。その際、参与観察を文章化するポイントとして、現場の状況を中心にまとめる体験中心の方法、一般的なテーマの事例をしてまとめる観察中心の方法、それらを多面的また総合的にまとめる方法について、改めて講師から説明がある。
またまとめ方として、少なくとも「はじめに」、「調査手法」、「調査結果」、「考察」「引用・参考文献」の項目を設けて、論理的にまとめることが重要である。「はじめに」では、調査の目的や、調査結果と関わりのあるエチオピアの政治、経済、社会、文化などに言及するとよい。

③ 全体の授業を振り返り、期末試験の諸注意を行う。
本科目は、まず質的調査の基礎的な知識の習得から開始した。キーワードの選定や調査テーマの決定、調査票の作成、フィールドノートの取り方、インタビュー調査の実施、情報の事実関係の確認などを学び、実践することで質的調査の基礎的スキルを習得した。
次に、グラウンデット・セオリー・アプローチの基礎的知識を理解した上で、KJ法についても概要を習得した。また実際に、水質汚染の現場ビデオを教材として、カードの作成、類似したカードのグループ化、グループの関係性を図式化、因果関係や相違点、時間軸などの確認を通して、KJ法を実践した。
最後に、参与観察について学び、ビデオ教材を用いて登場人物の言動を分析し発表と調査成果を文章化した。



キーワード ① 調査計画 ② 先行研究 ③ KJ法 ④ 記述 ⑤ 総括
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:授業で参照したテキストの内容ならびに本科目で習得した知識とスキルを、再確認する。また社会調査法Ⅰでは、座学だけでなく実際に質的調査の計画を立て実践する科目であるだけでなく、授業ではエスノグラフィーやコーディング、トライアンギュレーション、KJ法などの専門用語を使う場合もある。授業内の説明では、予習をしていないと十分理解できないこともあるかも知れない。そこで、授業中、理解が難しかった説明や用語をノートにメモしておくことが重要である。本科目は実際に質的調査を実践するため、理解不足のままだと実践的な調査を行う際に支障がでる。授業後に、理解できなかった説明や用語を教員に伝えると、折をみて教員から改めて詳しく説明する。
履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
質的調査の特性と目的 社会調査を行うには、明らかにしたいことを絞り調査テーマを決めることから始まる。調査テーマの決定に必要な事項を整理し、量的調査と質的調査の違いと質的調査の詳細な特徴、また質的調査を実施する際の基本的な事項について理解する。また調査対象者のプライバシー保護や社会調査を行う上でのトライアンギュレーションの効果などについても、説明することができる。さらに、半構造化インタビューの特徴について十分に理解する。 プライバシー保護、トライアンギュレーション、半構造化インタビュー 10 1~7
質的調査の手法と調査対象の抽出 調査の目的に対し、適当な調査対象者の抽出方法などを十分に理解し、さらに実際のインタビューを通して聞き取った情報を漏れなく記述するには、どうするべきかを説明することができる。また調査票を作成するにあたり、インタビュー調査のよい質問と悪い質問とはどの様なものであったかなどを説明することができる。さらに、エスノグラフィーやライフヒストリー分析について、どの様なものであるかなどを説明できる。
調査の記録方法として、フィールドノートを取ることや録音機器を使って音声データを録音するなどが紹介されたが、記録の取り方について理解する。
調査対象者、調査票、フィールドノート、エスノグラフィー 35 1~7、12
分析方法(グラウンデット・セオリー・アプローチなど) 社会調査手法としてのグラウンデット・セオリー・アプローチの特徴と社会調査ではどの様に用いられるのかなどについて、整理し説明することができる。またエスノグラフィーやKJ法の特徴に加え、それらとグラウンデット・セオリー・アプローチとの違いについて、よく理解することができる。さらに、授業ではKJ法を実践したが、KJ法の進め方(カード作成、類似のカードをグループ化、図式化、関係性の書き込み、文章化など)を整理し説明することができる。 KJ法、グラウンデット・セオリー・アプローチ、図式化 20 8~11
分析方法(計量テキスト分析やKHコーディング、ビジュアル・データ分析など) 計量テキスト分析やKHコーディング、ビジュアル・データ分析の特徴について、整理し理解することができる。またKH Coderのみで質的研究を行うと、どの様な弊害が起こりうるのか、社会調査を行う上で留意しておくべきことなどを説明することができる。さらに、テキスト分析ソフトであるKH Coderが備えている機能と調査結果の文章化について、各機能の特徴と適切な機能の利用方法、さらに客観的で信用が置ける調査結果として記述するには、どうすればよいのかについて説明することができる。 計量テキスト分析、KHコーディング、客観性 20 13~14
調査手法(参与観察法など) 授業で取り扱った内容を中心に参与観察法の特徴ならびにメリット・デメリットについて、説明することができる。また参与観察で得られた調査結果の公表に関して、いくつかの注意を払わなければならない点があるが、それらを整理し説明することができる。さらに、実際に参与観察を行う際のポイントについて理解できる。加えて、参与観察で得られた調査結果を文章化する段階では、文章化するポイントと文章構成について説明することができる。 参与観察法、文章化、文章構成 15 2~3
評価方法 筆記試験(100%)で評価する。
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 中嶌洋『初学者のための質的研究26の教え』、医学書院、2015年。 1,800円+税
参考文献 ・谷富夫・芦田徹郎編著『よくわかる質的社会調査 技法編』、ミネルヴァ書房、2009年。・谷富夫・山本努著『よくわかる質的社会調査 プロセス編』、ミネルヴァ書房、2010年。・波平恵美子編著『質的研究Step by Step:すぐれた論文作成をめざして』、医学書院、2016年。
実験・実習・教材費 実習費なし 各自、フィールドノートを準備すること(詳細は授業内で指示する)。