区分 (環)環境データサイエンス科目 社会環境科目 社会環境基本科目 (生)環境データサイエンス科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
専門性 理解力 実践力
カリキュラム・ポリシーとの関係
専門知識 教養知識 思考力
実行力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
多様化する環境問題や地域社会の諸問題に関心を持ち、環境・情報・社会に関連する幅広い基礎知識と専門的な理解を深めると共に、学際的な柔軟性を有し、実践的な能力を有する。グローバルな視野と研究調査力を持ち、昨今の情報社会に貢献できる力を有する。企業・地域社会などのあらゆるコミュニティに寄与する組織的な活動能力を有する。
科目の目的
なぜ環境について学ぶのかについて環境問題とそれに対処する環境行政の歴史・今後の課題から学ぶ。次いで、身近な生活環境から地球環境問題まで広い内容の環境問題、これに対処するための環境基本計画をはじめとした国、自治体の政策の動きや、行政と市民との協働が求められる中での個別テーマでの取組みについて学ぶ。環境問題は一人ひとりの生活にもかかわることであると理解して、政策の動きを踏まえた地方行政や企業のあり方を考えるとともに、若者が持続性の高い社会づくりに向けて[自分事」として行動すべきことについて考える機会とする。

到達目標
環境問題へ対処するための政策の意図について理解するとともに、関心を持つ分野について情報を主体的に集めて学び、一人の市民としての行動や社会に出てからの事業等の活動の中で環境配慮について問題意識を養うことを目標とする。
科目の概要
大きくは2つのステップの内容構成である。
(1)ステップ1
 環境政策について、水俣病をはじめとする深刻な公害問題などの我が国の過去の歴史や国際的な動向を環境問題、2015 年に国際的に合意されたSDGsやその前後の環境政策上の文脈などを含めて講義を行い、各自が特に関心を持つ環境問題等についてどのような環境政策がこれまで実施されてきたのか、理解を深める。
(2)ステップ2
 個別の環境政策・取組みと関連する政策について、環境保全の国際的な枠組み、環境基本計画、我が国の環境政策の見取り図、公害問題と対策の歩み、都市政策、エネルギー政策、農業政策、ごみ問題、気候変動の科学と政策などについて事例を交えて学ぶ。

科目のキーワード
①経済成長 ②ライフスタイル ③持続可能性 ④地球環境問題 ⑤低炭素社会 ⑥環境基本計画 ⑦SDGs ⑧環境教育 ⑨資源循環・地域内循環 ⑩マルチステークホルダー
授業の展開方法
本講義では、パワーポイントやワードで作成した資料を用いる。パワーポイントとワード資料は併用されることもあるし、どちらかだけを使用することもありえる。授業内では、メモを取れるように筆記用具を準備しておくこと。実際の授業進度にもよるが、第8回と第15回の「まとめ」の授業では、小テストを実施する予定である。これは各自が授業の理解度を測るためにおこなうものであり、履修判定には利用しない。予習や復習を前提とするため、毎回必ずコマシラバスを読んでくること。
オフィス・アワー
【月曜日】4限(後期のみ)、【木曜日】3限(前期のみ)、【金曜日】3限(前・後期共通)
科目コード ENS604
学年・期 2年・前期
科目名 環境政策
単位数 2
授業形態 講義
必修・選択 選択
学習時間 【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目 環境倫理
展開科目 環境法制
関連資格 なし
担当教員名 谷川彩月
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 第1回:最近の環境トピックスから 科目の中での位置付け この授業では、環境政策について、国際的な条約および国内の法律がどのような経緯をもとに制定されたのか、そうした条約・法律が制定されるうえでどのような問題が発生してきたのかを具体的な事例をふまえながら学んでいく。第1回では、イントロダクションとして、近年の環境政策にかかわるトピックスを解説していく。第2回では、環境政策が制定される際の背景を、経験を通じた気づきと科学的推論による気づきに分けて理解する。第3回では、地球と人類の歴史から持続可能な開発の理念的な発達までをふりかえる。第4回では、エコロジカル・フットプリントをはじめとする環境政策に関する基本的な用語を学ぶ。第5回では、日本の環境政策の制定にかかわる経緯を学ぶ。第6回および第7回では、公害問題と対策の歩みとして水俣病を取り上げる。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、化学物質の環境安全管理について学ぶ。第10回では、農業政策における環境対策について学ぶ。第11回では、エネルギー政策の変遷について学ぶ。第12回では、廃棄物関連の法律について学ぶ。第13回では、循環型社会に関連する法体系について学ぶ。第14回では、気候変動の科学と政策について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
このような流れの中で、第1回では、近年の環境政策にかかわるトピックスを具体的な事例をあげながら解説する。

① 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp1-pp4
② 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp4-pp5
③ 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp5-pp8
コマ主題細目 ① 地球温暖化対策をめぐる国際的枠組み ② 都市開発における環境リスク管理 ③ 自然共生社会の構築と生物多様性
細目レベル ① 2015年に採択されたパリ協定は、地球温暖化対策における歴史的な転換点となった。これまでの京都議定書との最大の違いは、先進国・途上国の区別なく、すべての締約国が自主的な削減目標(NDC)を策定・提出し、国内対策を講じる仕組みに移行した点にある。本講義では、パリ協定が掲げる「世界の平均気温上昇を1.5℃に抑える努力」という長期目標が、現代の環境政策やエネルギー戦略にどのような影響を与えているかを俯瞰する。また、協定の採択から異例の速さでの発効に至るまでの国際政治の動向を辿りながら、脱炭素社会の実現に向けた世界的な潮流と、それに対する各国の政策的な対応、および進捗確認の仕組みであるグローバル・ストックテイク等の課題について整理を行う。国際協力の重要性と、それに対応する各国内政策のあり方をマクロな視点から考察するための導入とする。
② 大規模な都市開発や再開発において、過去の産業活動に由来する土壌や地下水の汚染は、避けて通れない重大な環境リスクである。本講義では、豊洲市場への移転をめぐって生じた一連の騒動を事例として取り上げ、環境政策における「科学的な安全」と「社会的な安心」という二つの概念の相違を検討する。行政が実施する環境調査の仕組みや、汚染対策技術の選定プロセスが社会的にどのように受け止められるのか、情報の透明性やリスクコミュニケーションの役割に焦点を当てる。科学的な基準値の遵守という技術論に加え、市民の合意形成や政治的・行政的判断が環境問題の解決にいかに関与するかという、環境政策特有の複雑な構造について、具体的な論点の対立を交えながら整理を行う。技術的な正解と社会的な受容性のギャップをどう埋めるべきか、その政策的な示唆を探る。
③ 私たちの生存基盤である生態系を維持するために、生物多様性の保全は現代環境政策の不可欠な柱となっている。本講義では、現在地球規模で進行している種の絶滅や生態系の劣化という現状を俯瞰し、それに対する国際的な保全目標や枠組みがどのように変遷してきたかを辿る。生物多様性がもたらす「生態系サービス」の多様な恵みと、その損失が人間社会や経済活動にもたらす潜在的なリスクについて、近年の国際的な議論のトレンドを交えて概説する。自然保護という限定的な枠組みを超え、持続可能な開発やビジネスの中にいかに生物多様性の視点を統合していくか、日本国内の里山保全や外来種対策、さらには「ネイチャーポジティブ(自然再興)」という新たな概念も踏まえながら、自然と共生する社会に向けた政策パラダイムの転換点について考察を深める。
キーワード ① パリ協定 ② 脱炭素 ③ 環境リスク ④ 生物多様性 ⑤ 生態系サービス
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:近年報じられた気候変動、都市環境、自然保護に関するニュースを複数収集し、それぞれのトピックが社会にどのような影響を与えているか自分なりに整理しておく。環境問題が政治、経済、市民生活と密接に関連している点に注目し、具体的な紛争事例や国際的な合意形成の事例について、その発生原因を概略的に把握しておくことが望ましい。また、それらの問題に対してどのような政策的な解決策が模索されているか、予備的な関心を持って臨むこと。

復習:各事例を通じ、環境政策が単なる法律や技術の運用だけでなく、人々の生活や社会の価値観といかに関わっているかを検討する。特に、科学的な根拠に基づく政策立案と、社会的な納得感や信頼の間に生じる課題について、自身の視点を設定して考察を深めること。国際的な動向が日本国内の具体的な施策や個人の意識にいかなる変化を及ぼしているかについて、関心を持ったトピックから関連性を見出し、その意義と今後の展望を400字程度でまとめておく。

2 環境問題への気づきと環境政策の形成 科目の中での位置付け この授業では、環境政策について、国際的な条約および国内の法律がどのような経緯をもとに制定されたのか、そうした条約・法律が制定されるうえでどのような問題が発生してきたのかを具体的な事例をふまえながら学んでいく。第1回では、イントロダクションとして、近年の環境政策にかかわるトピックスを解説していく。第2回では、環境政策が制定される際の背景を、経験を通じた気づきと科学的推論による気づきに分けて理解する。第3回では、地球と人類の歴史から持続可能な開発の理念的な発達までをふりかえる。第4回では、エコロジカル・フットプリントをはじめとする環境政策に関する基本的な用語を学ぶ。第5回では、日本の環境政策の制定にかかわる経緯を学ぶ。第6回および第7回では、公害問題と対策の歩みとして水俣病を取り上げる。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、化学物質の環境安全管理について学ぶ。第10回では、農業政策における環境対策について学ぶ。第11回では、エネルギー政策の変遷について学ぶ。第12回では、廃棄物関連の法律について学ぶ。第13回では、循環型社会に関連する法体系について学ぶ。第14回では、気候変動の科学と政策について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
このような流れの中で、第2回では、環境政策が制定される際の背景を2つの観点から学ぶ。

① 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp9-pp19
② 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp19-pp27
③ 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp28-pp38
コマ主題細目 ① 経験を通じた環境問題への気づき ② 科学的推論による環境問題への気づき ③ 環境政策の形成プロセス
細目レベル ① 人類が環境問題の深刻さを認識する契機となったのは、その多くが身体的被害や生態系の目に見える異変といった「直接的な経験」であった。高度経済成長期の日本における公害病は、健康被害という痛烈な経験を通じて社会に強い警鐘を鳴らし、日本の環境行政の原点となった。本細目では、大気汚染や水質汚濁、さらには長期的な潜伏期間を経て問題化したアスベスト被害、生活圏に浸透した化学物質による健康影響などを通じ、社会がいかにして問題を「発見」し、その重大性を認識してきたかを考察する。また、大規模な生態系破壊や海洋汚染といった空間的・時間的に広がりを持つ現象が、どのように政策課題へと昇華されたかを概観する。被害という経験が、その後の法規制や被害者救済制度、企業の社会的責任の構築に果たしてきた役割を体系的に整理する。
② 現代の環境政策においては、被害が顕在化する前に科学的な知見に基づきリスクを予見し、事態を未然に防ぐアプローチが不可欠となっている。気候変動やオゾン層破壊といった地球規模の課題は、個人の五感による直接的な経験を超えており、シミュレーションや観測データによる科学的推論によって初めて「政策課題」として定義された。本細目では、科学的な予測や理論がいかにして国際政治を動かし、具体的な法整備へと繋がったかを辿る。特に、遺伝子組み換え作物などの生物多様性への影響を防止するための「カルタヘナ法」を取り上げ、科学的な不確実性を伴う新たな技術に対し、どのような枠組みで安全性を確保し、リスクを管理していくべきかを概説する。目に見えないリスクを社会がどう定義し、政策的な優先順位を決定していくのか、科学と政策の接点に注目して考察を行う。
③ 特定の環境現象が認識されてから、実際に政策として結実し、社会の中で運用されるまでには複雑なプロセスが存在する。本細目では、ある事象が「環境問題」として社会的に定義される段階から、政策立案、決定、実施、そして事後評価に至る一連のライフサイクルを検討する。この過程において、科学적知見をいかに社会に伝え、政治的な動機付けを行うかが鍵となる。事例として、アル・ゴアが果たした気候変動問題への啓発活動を取り上げ、特定の影響力ある情報発信がいかに国際的な世論を形成し、具体的な政策形成の加速に寄与したかを概観する。行政、企業、専門家、そして市民といった多様な主体が、それぞれの立場からどのように政策形成に関与し、合意形成がなされるのか、その動的なプロセスを環境政策の構造的な特徴として理解する。
キーワード ① 公害 ② カルタヘナ法 ③ アル・ゴア ④ 気候変動
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:本テーマに関連し、自身が関心を持つ環境問題(公害、アスベスト、気候変動など)を一つ選び、その問題が社会に広く認知されるきっかけとなった出来事や当時の状況について調べておく。特に、その問題が「人々の経験」から始まったのか、それとも「科学的な予測」から始まったのかという点に着目し、それぞれの認知パターンの違いが社会の反応にどのような差異をもたらしているかについて、予備的な関心を持って臨むことが望ましい。

復習:環境問題が政策として制度化される過程において、どのような要素が重要であったかを整理する。特に、目に見える被害が生じる問題と、将来の予測に基づく問題を比較し、それぞれの合意形成のあり方について検討を深める。また、アル・ゴアのような特定の発信者が社会の意識をいかに変容させ、政策形成に影響を与えたかについて考え、現代において最も優先的に取り組むべき環境課題とその理由を、今回学んだ視点から400字程度でまとめておくことが期待される。

3 持続可能な開発の理念と環境保全の国際枠組 科目の中での位置付け この授業では、環境政策について、国際的な条約および国内の法律がどのような経緯をもとに制定されたのか、そうした条約・法律が制定されるうえでどのような問題が発生してきたのかを具体的な事例をふまえながら学んでいく。第1回では、イントロダクションとして、近年の環境政策にかかわるトピックスを解説していく。第2回では、環境政策が制定される際の背景を、経験を通じた気づきと科学的推論による気づきに分けて理解する。第3回では、地球と人類の歴史から持続可能な開発の理念的な発達までをふりかえる。第4回では、エコロジカル・フットプリントをはじめとする環境政策に関する基本的な用語を学ぶ。第5回では、日本の環境政策の制定にかかわる経緯を学ぶ。第6回および第7回では、公害問題と対策の歩みとして水俣病を取り上げる。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、化学物質の環境安全管理について学ぶ。第10回では、農業政策における環境対策について学ぶ。第11回では、エネルギー政策の変遷について学ぶ。第12回では、廃棄物関連の法律について学ぶ。第13回では、循環型社会に関連する法体系について学ぶ。第14回では、気候変動の科学と政策について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
このような流れの中で、第3回では、持続可能な開発の理念や環境保全の国際枠組について学ぶ。

① 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp39-pp42
② 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp42-pp64
③ 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp64-pp68
コマ主題細目 ① 地球と人類の歴史 ② 持続可能な開発の理念的な発達 ③ 持続可能な開発の解釈とOur Common Future
細目レベル ① 138億年前のビッグバンに始まる宇宙の誕生から、地球という惑星が形成され、生命を育むシステムへと進化を遂げた過程を概観する。特に、数十億年前に出現したシアノバクテリアが光合成によって大気中に酸素を供給し、地球全体の環境を劇的に変革した事実は、生物が環境を作り上げ、またその環境が新たな生命の進化を規定するという動的な相互作用の象徴である。本細目では、こうした地球規模の環境変遷の歴史を背景に、人類が文明を築き上げる過程で自然環境をいかに利用・変容させてきたかを整理する。かつての自然は、人類にとって適応の対象であり、無限の資源供給源であったが、産業革命以降の急速な技術発展は、地球全体のシステムに無視できない影響を及ぼすに至った。人類史のタイムスケールの中で現代の環境問題が持つ特異性を浮き彫りにし、持続可能な未来に向けた教訓を、地球と人類のダイナミックな相互作用の歴史から考察するための導入とする。
② 環境保全を国際的な政治課題へと押し上げた、重要な規範と理念の変遷を辿る。1972年の国連人間環境会議で採択された「人間環境宣言(ストックホルム宣言)」は、環境問題を国家間の協力が必要な全人類的課題として初めて位置づけた画期的な合意であった。その後、1992年の地球サミットにおける「環境と開発に関するリオ宣言」に至るまでの過程で、環境保護は単独のテーマではなく、開発や経済格差の問題と切り離せないものとして認識されるようになった。本細目では、これらの宣言が掲げた主要な原則を整理し、国際社会がどのような合意形成を経て「持続可能性」という共通認識を構築してきたかを概説する。これらの国際的な合意がいかに各国の国内法や環境政策の指針となり、現代の環境基本法などの理念形成に多大な影響を与えてきたか、その歴史的な意義を体系的に理解する。公害対策中心の視点から、資源の有限性や世代間の公平性を考慮した包括的な政策枠組みへと発展してきたプロセスに注目する。
③ 「持続可能な開発」という概念を世界的に定着させた1987年のブルントラント委員会報告書『Our Common Future(我ら共有の未来)』の定義を深く検討する。この報告書が示した「将来世代のニーズを損なうことなく、現代世代のニーズを満たす」という基本理念を出発点とし、その具体的な実現をめぐる二つの主要な解釈について学ぶ。一つは、技術やインフラ等の人工資本が自然資本を代替できると考える「弱い持続可能性」であり、もう一つは、自然資本には代替不可能な価値があり、その一定量を維持することを最優先とする「強い持続可能性」である。本細目では、これら二つの視点が環境政策の優先順位や目標設定にいかなる違いをもたらすかを議論する。私たちがどちらの解釈に立つかによって導き出される政策的結論が異なることを理解し、現代社会における持続可能な開発のあり方について、経済成長と環境保全の優先順位をどう設定するかという、環境政策の根源的な問いを整理する。
キーワード ① ビッグバン ② ストックホルム宣言 ③ リオ宣言 ④ Our Common Future
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習: 1970年代から90年代にかけての国際環境会議の歴史を概略的に調べておく。特に、1972年の国連人間環境会議(ストックホルム)や1992年の地球サミット(リオ)でどのような議論がなされたか、主要な宣言の名称と理念を把握しておくことが望ましい。また、地球の誕生から現在に至るまでの長い歴史の中で、シアノバクテリアのような生物が地球環境にいかなる劇的な変化をもたらしたのか、その役割について関心を持ち、地球という限られたシステムのなかで人間活動がいかなる影響を及ぼしているかについて自分なりの視点を持っておく。
復習: 講義で扱った「Our Common Future」の定義を振り返り、現代の社会問題と照らし合わせてその意義を再確認する。特に、持続可能性に関する「二つの解釈(弱い持続可能性と強い持続可能性)」を比較し、それぞれのアプローチが現実の環境政策(例:資源管理、エネルギー政策、都市開発など)にどのような影響を与えるかについて検討を深める。自身が重要だと考える持続可能性のあり方について理由とともに考え、その意義と今後の展望について400字程度でまとめておくと、次回の学びがより深まる。単なる理念の暗記にとどまらず、地球と人類の長い歴史の延長線上に現代の政策課題を位置づけて考える視点を持つことが期待される。

4 環境指標と持続可能性:地球の容量をいかに測るか 科目の中での位置付け この授業では、環境政策について、国際的な条約および国内の法律がどのような経緯をもとに制定されたのか、そうした条約・法律が制定されるうえでどのような問題が発生してきたのかを具体的な事例をふまえながら学んでいく。第1回では、イントロダクションとして、近年の環境政策にかかわるトピックスを解説していく。第2回では、環境政策が制定される際の背景を、経験を通じた気づきと科学的推論による気づきに分けて理解する。第3回では、地球と人類の歴史から持続可能な開発の理念的な発達までをふりかえる。第4回では、エコロジカル・フットプリントをはじめとする環境政策に関する基本的な用語を学ぶ。第5回では、日本の環境政策の制定にかかわる経緯を学ぶ。第6回および第7回では、公害問題と対策の歩みとして水俣病を取り上げる。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、化学物質の環境安全管理について学ぶ。第10回では、農業政策における環境対策について学ぶ。第11回では、エネルギー政策の変遷について学ぶ。第12回では、廃棄物関連の法律について学ぶ。第13回では、循環型社会に関連する法体系について学ぶ。第14回では、気候変動の科学と政策について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
このような流れの中で、第4回では、環境政策に関する基本的な用語を学ぶ。

① 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp69-pp72
② 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp69-pp72
③ 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp68-pp72
コマ主題細目 ① エコロジカル・フットプリント:人類の消費活動が地球に残す「足跡」 ② プラネタリー・バウンダリー:地球システムが維持されるための「境界線」 ③ 新国富指標(IWI):自然資本を組み込んだ新しい「豊かさ」の評価 ④ 温暖化への対応 ⑤ 個人ワーク
細目レベル ① エコロジカル・フットプリント(EF)は、人間活動を維持するために必要な「生物生産力のある土地面積」を算出する指標である。1990年代に提唱されて以来、地球の有限性を直感的な単位で可視化するツールとして広く普及した。本細目では、EFの算出根拠となる炭素吸収地、耕地、森林、漁場といった項目の歴史的背景を整理し、なぜ「面積」という指標が選ばれたのかを解説する。また、世界各国のEFを比較し、高所得国がいかに他国の資源や地球全体の吸収源に依存しているかという「生態学的赤字」の実態を概観する。地球1個分の容量を使い果たす日を指す「アース・オーバーシュート・デイ」の推移を確認し、現代の消費型社会が抱える構造的な課題を最新の統計データに基づき検討する。
② EFが需要側の指標であるのに対し、供給側(地球環境)の限界を科学的に定義したのが「プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)」である。2009年にヨハン・ロックストロームらによって提唱されたこの概念は、地球システムが安定して機能し続けるための9つのプロセスに対し、人類がその範囲内で活動すべき「安全な運用領域」を定義した。本細目では、すでに生物多様性の損失や窒素・リンの循環など複数の項目で、不可逆的な変化を引き起こす危険域(レッドゾーン)に達している現状を把握する。単一の課題解決だけでなく、地球システム全体のレジリエンス(回復力)をいかに維持すべきかという科学的知見に基づいた政策立案の重要性を考察する。
③ 従来のGDP(国内総生産)はフロー(一定期間の経済活動量)のみを測るものであり、資源の枯渇や環境破壊が「豊かさ」の損失として反映されない欠点がある。これに対し、国連が推奨する「新国富指標(IWI)」は、人工資本(インフラ等)、人的資本(教育・健康等)、そして自然資本(森林・地下資源等)の合計を「ストック」として測定する。本細目では、第3回で扱った「持続可能な開発」を具体的に評価する手法として、この指標の意義を検討する。特に、経済成長の裏で自然資本が減少している現状を数値化し、将来世代への資産を維持できているかを評価する「包括的な富」という考え方を学ぶ。GDP成長を超えた新しい政策評価のあり方について、日本や各国の事例を交えて概説する。
キーワード ① エコロジカル・フットプリント ② プラネタリー・バウンダリー ③ 新国富指標 ④ 自然資本
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習: グローバル・フットプリント・ネットワーク(GFN)等のウェブサイトを参照し、日本のエコロジカル・フットプリントが世界平均と比較してどの程度の水準にあるか、また例年何月頃に「アース・オーバーシュート・デイ」を迎えているかを調べておく。併せて、プラネタリー・バウンダリーにおける9つのプロセスの名称を把握し、現在どのような項目が「限界」を越えているとされているかについて予備的な関心を持って資料に当たっておくこと。
復習: 講義で紹介した3つの指標(EF、プラネタリー・バウンダリー、新国富指標)の関連性を整理し、それぞれの指標が環境政策の立案や評価においてどのような役割を果たすべきかを検討する。特に、経済成長を示すGDPと、環境負荷や資本のストックを測るこれらの指標をどのように組み合わせて政策を評価すべきか、自身の意見をまとめる。また、将来世代に豊かな自然資本を引き継ぐために、現在の社会システムにどのような変革が必要かを考え、その意義と展望について400字程度でまとめておくことが期待される。

5 わが国の環境政策の見取り図 科目の中での位置付け この授業では、環境政策について、国際的な条約および国内の法律がどのような経緯をもとに制定されたのか、そうした条約・法律が制定されるうえでどのような問題が発生してきたのかを具体的な事例をふまえながら学んでいく。第1回では、イントロダクションとして、近年の環境政策にかかわるトピックスを解説していく。第2回では、環境政策が制定される際の背景を、経験を通じた気づきと科学的推論による気づきに分けて理解する。第3回では、地球と人類の歴史から持続可能な開発の理念的な発達までをふりかえる。第4回では、エコロジカル・フットプリントをはじめとする環境政策に関する基本的な用語を学ぶ。第5回では、日本の環境政策の制定にかかわる経緯を学ぶ。第6回および第7回では、公害問題と対策の歩みとして水俣病を取り上げる。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、化学物質の環境安全管理について学ぶ。第10回では、農業政策における環境対策について学ぶ。第11回では、エネルギー政策の変遷について学ぶ。第12回では、廃棄物関連の法律について学ぶ。第13回では、循環型社会に関連する法体系について学ぶ。第14回では、気候変動の科学と政策について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
このような流れの中で、第5回では、日本国内の環境政策の変遷について学ぶ。

① 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp73-pp94
② 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp94-pp107
③ 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp107-pp122
コマ主題細目 ① 日本における環境政策の変遷:激甚公害から地球環境問題への拡大 ② 環境保全の「3つの基本法」:環境行政を支えるピラミッド構造 ③ 環境基本計画等に見る環境政策:ウェルビーイングを核とした新たな統合
細目レベル ① わが国の環境政策は、高度経済成長期に発生した四大公害病をはじめとする深刻な産業公害への対応から始まった。1967年の「公害対策基本法」の制定や1971年の環境庁設置を経て、規制的手法を中心とした公害対策が整備され、工場等の固定発生源に対する厳しい排出規制が成果を上げた。しかし、1980年代以降、都市型・生活型公害や、地球温暖化、生物多様性の損失といった、原因と被害の因果関係が複雑で広範な「地球環境問題」が浮上する。これに伴い、政策の対象は「汚染の浄化」から「環境への負荷が少ない社会の構築」へと大きくシフトした。本細目では、これら一連の歴史的経緯を辿りながら、環境行政のパラダイムがどのように変化してきたかを概観し、現代の環境政策が抱える重層的な課題について整理を行う。
② 現代のわが国の環境行政は、1993年に制定された「環境基本法」を頂点とする体系的な法制度によって運営されている。本細目では、この環境基本法に加え、資源の有効利用と廃棄物対策を定めた「循環型社会形成推進基本法(2000年)」、および自然との共生を目的とした「生物多様性基本法(2008年)」の3つを、日本の環境政策を支える「3つの基本法」として詳しく検討する。これら3つの法律は互いに密接に関連しており、気候変動、資源循環、自然共生の3分野を統合的に扱うためのフレームワークを提供している。各基本法の目的や基本理念を整理し、それらが個別の規制法(大気汚染防止法、廃棄物処理法など)といかなる関係にあり、わが国の環境保全のグランドデザインを描いているかを理解する。
③ 環境基本法に基づき政府が策定する「環境基本計画」は、わが国の環境施策の最も上位に位置する長期的な指針である。本細目では、2024年に閣議決定された「第6次環境基本計画」を中心に、2026年現在の政策動向を詳述する。第6次計画では、「現在及び将来の国民一人一人のウェルビーイング(高い生活の質)」の実現が最上位の目標として掲げられ、気候変動、生物多様性の損失、汚染という「3つの世界的危機」に対して、環境・経済・社会の課題を統合的に解決していく方針が示されている。従来の環境保護という枠組みを超え、ネイチャーポジティブやカーボンニュートラル、循環経済といった新たなパラダイムがいかに社会変革を促すのか、地方自治体の施策や地域循環共生圏の事例も交えながら、最新の政策手法とその展望について議論する。




キーワード ① 循環型社会形成推進基本法 ② 生物多様性基本法 ③ 第6次環境基本計画
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習: 環境省のウェブサイト等で「環境白書」の最新版(または概要)に目を通し、日本が現在直面している主要な環境課題が何であるかを把握しておく。特に、かつての公害問題と現在の地球規模の環境問題とで、行政の役割や求められる対策がどのように異なっているかについて、自分なりの予備的な関心を持って資料を整理しておくことが望ましい。また、「環境基本法」の第3条〜第5条に記されている基本理念を一読しておく。
復習: 講義で扱った「環境行政の変遷」を振り返り、なぜ一つの基本法だけでなく、循環型社会や生物多様性に関する基本法が追加的に制定される必要があったのか、その政策的な背景を検討する。また、第6次環境基本計画で掲げられた「ウェルビーイング」と「環境保全」の関係について、自身の生活実感を踏まえて考察し、環境政策が私たちの幸福度にどのような影響を与え得るかについて400字程度でまとめておく。単なる制度の暗記にとどまらず、政策が目指すべき社会像を批判的に検討する視点を持つことが期待される。

6 公害問題と対策の歩み(1):環境保全の変遷と現状 科目の中での位置付け この授業では、環境政策について、国際的な条約および国内の法律がどのような経緯をもとに制定されたのか、そうした条約・法律が制定されるうえでどのような問題が発生してきたのかを具体的な事例をふまえながら学んでいく。第1回では、イントロダクションとして、近年の環境政策にかかわるトピックスを解説していく。第2回では、環境政策が制定される際の背景を、経験を通じた気づきと科学的推論による気づきに分けて理解する。第3回では、地球と人類の歴史から持続可能な開発の理念的な発達までをふりかえる。第4回では、エコロジカル・フットプリントをはじめとする環境政策に関する基本的な用語を学ぶ。第5回では、日本の環境政策の制定にかかわる経緯を学ぶ。第6回および第7回では、公害問題と対策の歩みとして水俣病を取り上げる。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、化学物質の環境安全管理について学ぶ。第10回では、農業政策における環境対策について学ぶ。第11回では、エネルギー政策の変遷について学ぶ。第12回では、廃棄物関連の法律について学ぶ。第13回では、循環型社会に関連する法体系について学ぶ。第14回では、気候変動の科学と政策について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
このような流れの中で、第6回および第7回では、公害問題について水俣病を取り上げる。

① 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp123-pp131
② 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp131-pp161
③ 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp161-pp179
コマ主題細目 ① 「公害」は終わったのか:産業公害から都市・生活型公害への構造変化 ② 大気環境保全の歩み:産業由来の汚染克服と新たな課題 ③ 水環境保全の歩み:公共用水域の質的改善と閉鎖性海域の課題
細目レベル ① 日本の環境政策の出発点は、高度経済成長期に深刻化した公害問題への対応にある。本細目では、かつての激甚な産業公害が、法整備や技術革新によってどのように「克服」されてきたのかを概観する。しかし、汚染源が特定しやすい工場から、自動車排出ガスや生活排水といった都市・生活型公害、さらには微小粒子状物質(PM2.5)やマイクロプラスチックといった現代的課題へとシフトした現状を踏まえ、「公害は本当に終わったのか」という問いを立てる。被害の構造が「加害者と被害者の明確な対立」から「誰もが加害者であり被害者になり得る社会構造」へと変化したプロセスを整理し、現代における公害概念の再定義と環境政策の役割を検討する。
② 日本の大気汚染対策は、四日市ぜんそくをはじめとする深刻な健康被害への反省から、厳しい排出規制と脱硫・脱硝技術の普及によって進展してきた。本細目では、大気汚染防止法の制定と強化の歴史を辿り、二酸化硫黄(SO2)などの典型的な汚染物質がいかに削減されたかを体系的に理解する。一方で、窒素酸化物(NOx)や光化学オキシダント、浮遊粒子状物質といった、依然として環境基準の達成が困難な物質の存在や、越境汚染といった国際的な視点についても概説する。大気環境保全が、単なる汚染物質の除去から、エネルギー政策や都市交通政策といかに密接に関連し、統合的な政策が求められるようになったのかを考察する。
③ 水質汚濁防止法を軸とした日本の水環境政策の歩みを概観する。かつての重金属による毒性汚染から、有機物(BOD/COD)による汚濁、そして生活排水対策へと重点が移ってきた経緯を整理する。本細目では、工場排水規制や下水道整備といったハード・ソフト両面の施策が、河川や海域の質的改善に果たした役割を検討する。また、東京湾や伊勢湾、瀬戸内海といった閉鎖性海域における富栄養化対策の困難さや、近年注目されている「きれいすぎる海(栄養塩不足)」の問題についても触れる。水環境の保全が、単なる水質の数値管理に留まらず、健全な水循環の維持や、生態系としての豊かさをいかに保全するかという新しい政策ステージにあることを学ぶ。
キーワード ① 産業公害 ② 大気汚染防止法 ③ 水質汚濁防止法
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習: 自身の居住地域や出身地において、かつてどのような公害問題が発生していたか、あるいは現在どのような環境課題(騒音、大気、水質など)が指摘されているか、地方自治体のウェブサイト等を用いて調べておく。特に、環境基準という言葉が具体的に何を指し、生活の中でどのように機能しているのかについて、自分なりの関心を持って資料に当たっておくことが望ましい。
復習: 講義で扱った公害問題の変遷を整理し、それぞれの対策において行政や市民、企業に求められる役割がどのように変化してきたかを検討する。また、大気や水の汚染対策が成功した要因と、現在も残る課題を比較し、現代社会において新たな公害を防ぐために必要な政策的視点は何かを考察する。講義の内容を踏まえ、自身の日常生活がいかなる形で環境負荷を与えているか、その具体的な要因と改善の可能性について400字程度でまとめておく。

7 公害問題と対策の歩み(2):クロニクルとしての水俣病問題 科目の中での位置付け この授業では、環境政策について、国際的な条約および国内の法律がどのような経緯をもとに制定されたのか、そうした条約・法律が制定されるうえでどのような問題が発生してきたのかを具体的な事例をふまえながら学んでいく。第1回では、イントロダクションとして、近年の環境政策にかかわるトピックスを解説していく。第2回では、環境政策が制定される際の背景を、経験を通じた気づきと科学的推論による気づきに分けて理解する。第3回では、地球と人類の歴史から持続可能な開発の理念的な発達までをふりかえる。第4回では、エコロジカル・フットプリントをはじめとする環境政策に関する基本的な用語を学ぶ。第5回では、日本の環境政策の制定にかかわる経緯を学ぶ。第6回および第7回では、公害問題と対策の歩みとして水俣病を取り上げる。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、化学物質の環境安全管理について学ぶ。第10回では、農業政策における環境対策について学ぶ。第11回では、エネルギー政策の変遷について学ぶ。第12回では、廃棄物関連の法律について学ぶ。第13回では、循環型社会に関連する法体系について学ぶ。第14回では、気候変動の科学と政策について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
このような流れの中で、第6回および第7回では、公害問題について水俣病を取り上げる。

① 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp179-pp187
② 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp179-pp187
③ 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp187-pp188
コマ主題細目 ① 水俣病の発生メカニズムと初期対応:企業・行政・科学の責任 ② 水俣病をめぐる闘争の歴史:裁判と社会的補償のプロセス ③ 「クロニクル(年代記)」としての水俣病:もやい直しと国際的教訓
細目レベル ① 日本公害史において最も重い教訓を残した水俣病について、その発生原因と初期の対応過程を詳しく説明する。チッソ水俣工場から排出されたメチル水銀が、食物連鎖を通じて人体に蓄積され、中枢神経系に深刻な障害をもたらしたメカニズムを整理する。本細目では、原因が科学的に推定されていたにもかかわらず、経済発展を優先する社会的背景の中でなぜ排水が止められなかったのか、企業、国、熊本県、そして当時の科学者コミュニティが果たした役割と責任について検討する。環境政策において「予防的原則」がいかに重要であるか、また情報の隠蔽や遅延が被害をいかに拡大させたかという、環境行政の失敗の本質を深く考察する。
② 水俣病は単なる過去の医学的事象ではなく、認定をめぐる法的な争いや社会的な差別、地域コミュニティの分断を含む、長期にわたる「闘争の歴史」である。本細目では、1960年代の第一次訴訟から、認定基準をめぐる近年の最高裁判決に至るまでの司法判断の推移と、それに対する行政の対応を辿る。公害健康被害補償法に基づく制度の限界や、政治解決の試みが繰り返されてきた背景を整理する。被害者が直面した身体的苦痛に加え、経済的困窮や社会的な孤立、さらには認定をめぐる被害者同士の対立といった多層的な被害構造を理解し、環境政策が単なる金銭的な補償を超えて、いかに被害者の尊厳や権利を回復すべきかという重い課題について検討を行う。
③ 水俣病を終わったこととせず、現在も続く物語(クロニクル)として捉える視点を学ぶ。地域社会の絆を取り戻そうとする「もやい直し」の取り組みや、水俣市が「環境首都」を目指し、廃棄物の高度な分別や環境学習を推進してきたプロセスを詳述する。また、水俣の経験が国際社会に与えた影響として、水銀による環境汚染と健康被害の防止を目指す「水銀に関する水俣条約」の意義を解説する。水俣病の歴史を語り継ぐことが、開発途上国における公害の未然防止や、環境破壊が人権にいかなる侵害をもたらすかという普遍的な問いにどう答えているかを考える。公害の原点を見つめ直すことが、現代の持続可能な社会を構想する上で欠かせない倫理的基盤であることを理解する。
キーワード ① 水俣病 ② メチル水銀 ③ もやい直し ④ 水銀に関する水俣条約
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習: 水俣病の歴史について、公的な資料や報道、映像作品等を通じて事前学習を行い、発生から現在に至るまでのおおまかな時系列を把握しておく。特に、原因企業であるチッソと行政の対応が、当時の社会状況の中でどのように正当化、あるいは批判されてきたのかという点に関心を持って調べておく。また、水俣病に関する基本的な用語(有機水銀、食物連鎖、認定患者など)について意味を確認しておく。
復習: 水俣病を「現在も続く歴史(クロニクル)」として捉えることの意義を、講義で紹介された「もやい直し」や国際条約の事例を交えて整理する。環境政策において、科学的な不確実性がある中でいかに迅速な意思決定がなされるべきか、水俣病の教訓から導き出される具体的な教訓について自身の意見をまとめる。また、公害の歴史を語り継ぐことが現代の環境課題に対処する上でどのような示唆を与えるか、400字程度で考察し、環境倫理の観点から今後の社会のあり方を考えておく。

8 まとめ① 科目の中での位置付け この授業では、環境政策について、国際的な条約および国内の法律がどのような経緯をもとに制定されたのか、そうした条約・法律が制定されるうえでどのような問題が発生してきたのかを具体的な事例をふまえながら学んでいく。第1回では、イントロダクションとして、近年の環境政策にかかわるトピックスを解説していく。第2回では、環境政策が制定される際の背景を、経験を通じた気づきと科学的推論による気づきに分けて理解する。第3回では、地球と人類の歴史から持続可能な開発の理念的な発達までをふりかえる。第4回では、エコロジカル・フットプリントをはじめとする環境政策に関する基本的な用語を学ぶ。第5回では、日本の環境政策の制定にかかわる経緯を学ぶ。第6回および第7回では、公害問題と対策の歩みとして水俣病を取り上げる。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、化学物質の環境安全管理について学ぶ。第10回では、農業政策における環境対策について学ぶ。第11回では、エネルギー政策の変遷について学ぶ。第12回では、廃棄物関連の法律について学ぶ。第13回では、循環型社会に関連する法体系について学ぶ。第14回では、気候変動の科学と政策について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
このような流れの中で、第8回では、ここまでの講義内容を総括する。

① 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp4-pp72
② 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp73-pp122
③ 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp123-pp188
コマ主題細目 ① 環境問題の認識と国際的理念 ② 日本の環境行政の法的枠組み ③ 公害の歴史が問い続けるもの ④ 都市政策 ⑤ 環境配慮
細目レベル ① 第1回から第4回までで扱った、環境問題の認知と国際的な規範形成について総括する。1972年のストックホルム宣言からリオ宣言、そして『Our Common Future』を経て確立された「持続可能な開発」の理念がいかに現代のパリ協定や生物多様性枠組の基礎となっているかを整理する。環境問題の認識が、身体的被害という「経験」から、気候変動やオゾン層破壊といった「科学的推論」へと移行してきたプロセスを振り返り、その不確実性を管理するための指標(エコロジカル・フットプリント、プラネタリー・バウンダリー、新国富指標)の役割を再検討する。「強い持続可能性」と「弱い持続可能性」の対立軸を軸に、人類活動が地球の限界(バウンダリー)内でいかに豊かさを追求できるか、国際社会が築いてきた思想的・科学的基盤を体系的に理解する。
② 第5回で学んだ日本の環境政策の全体像を、法的構造の観点から圧縮して整理する。1993年制定の環境基本法を頂点とし、循環型社会形成推進基本法、生物多様性基本法という「3つの基本法」が、現代日本の環境政策においてどのようなピラミッド構造を形成しているかを概観する。特に、高度経済成長期の公害対策基本法から環境基本法への移行が、単なる法律の掛け替えではなく、政策対象を産業公害から都市・生活型公害、さらには地球規模の環境問題へと拡大させたパラダイムシフトであったことを再確認する。2024年に閣議決定された第6次環境基本計画が掲げる「ウェルビーイング」の実現という目標が、環境・経済・社会の統合的解決をいかに目指しているか、最新の政策動向も含めてそのグランドデザインを構造的に把握する。
③ 第6回・第7回で扱った日本の公害問題の歩みと、その現代的な意義を総括する。大気汚染や水質汚濁といった産業公害の克服過程で培われた規制的手法や技術開発の意義を整理すると同時に、それらが「都市・生活型公害」へと変質していった構造を理解する。特に水俣病の事例を、単なる過去の出来事ではなく、現在も被害の救済や地域再生(もやい直し)が続く「クロニクル(年代記)」として捉え直す。原因の究明、企業の責任、行政の不作為、そして科学的知見の限界といった多層的な教訓を抽出し、それらが現代の化学物質管理やグローバルな水銀規制にいかに結実したかを概説する。公害の原点を見つめることが、科学的根拠に基づく迅速な意思決定と、社会的信頼の構築という現代環境政策の核心的な課題にどう繋がるかを深く考察する。
キーワード ① 持続可能な開発 ② プラネタリー・バウンダリー ③ 環境基本法 ④ 水俣病
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習: これまでの第1回から第7回までの講義ノートや配布資料を読み返し、各回で登場した主要なキーワードとその定義を整理しておく。特に、自分自身が最も関心を持ったテーマや、理解が不十分だと感じている箇所を明確にしておくことが望ましい。また、国際的な理念(例:持続可能な開発)と国内の法制度(例:環境基本法)が、具体的な事例(例:公害対策や気候変動)においてどのように接続されているか、自分なりに共通項を探しておく。
復習: 講義で整理した3つの軸(理念・法体系・公害の教訓)を相互に関連付け、環境政策という学問領域がどのような一貫性を持っているかを検討する。特に、「公害の教訓」が現代の「持続可能な開発」の理念や日本の「環境基本計画」にどのように反映されているか、具体的なキーワードを用いて自身の言葉で説明できるようにしておく。これまでの学びを通じて、環境政策が社会のどのような課題を解決しようとしているのか、その意義と今後の展望について400字程度でまとめておくことが推奨される。

9 化学物質の環境安全管理 科目の中での位置付け この授業では、環境政策について、国際的な条約および国内の法律がどのような経緯をもとに制定されたのか、そうした条約・法律が制定されるうえでどのような問題が発生してきたのかを具体的な事例をふまえながら学んでいく。第1回では、イントロダクションとして、近年の環境政策にかかわるトピックスを解説していく。第2回では、環境政策が制定される際の背景を、経験を通じた気づきと科学的推論による気づきに分けて理解する。第3回では、地球と人類の歴史から持続可能な開発の理念的な発達までをふりかえる。第4回では、エコロジカル・フットプリントをはじめとする環境政策に関する基本的な用語を学ぶ。第5回では、日本の環境政策の制定にかかわる経緯を学ぶ。第6回および第7回では、公害問題と対策の歩みとして水俣病を取り上げる。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、化学物質の環境安全管理について学ぶ。第10回では、農業政策における環境対策について学ぶ。第11回では、エネルギー政策の変遷について学ぶ。第12回では、廃棄物関連の法律について学ぶ。第13回では、循環型社会に関連する法体系について学ぶ。第14回では、気候変動の科学と政策について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
このような流れの中で、第9回では、化学物質の環境安全管理について学ぶ。

① 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp189-pp198
② 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp212-pp227
③ 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp198-pp231
コマ主題細目 ① 化学物質の環境安全管理のポイント ② 環境安全管理の発達 ③ 化学物質の環境安全管理の法体系: ④ 生態系 ⑤ 生物多様性
細目レベル ① 現代社会において化学物質は利便性を提供する不可欠な存在であるが、その多くは環境中に放出された際、意図しない影響を及ぼす可能性がある。管理の核心は、物質が持つ毒性の強さ(ハザード)だけでなく、実際に人間や生態系がどれだけの量に曝露するかという「リスク(ハザード×曝露量)」の概念で捉える点にある。本細目では、個別の物質を禁止するだけでなく、そのライフサイクル全体を通じて環境負荷を最小化するためのリスク評価の手法について概説する。また、化学物質の影響は蓄積性や遅延性を伴うことが多いため、科学的な不確実性が残る段階でも対策を講じる「予防的視点」がいかに重要であるかを整理する。環境政策が技術的な安全基準の設定と、社会的な安心の確保をいかに両立させるべきか、その基本的な考え方を学ぶための導入とする。
② 化学物質に対する社会の認識は、象徴的な著作や事件を通じて大きく変化してきた。1962年のレイチェル・カーソンによる『沈黙の春』は、DDTなどの農薬による生態系破壊を告発し、現代環境運動の端緒となった。その後、1990年代には『奪われし未来』によって、微量な化学物質がホルモンの働きを攪乱する「内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)」の疑いが浮上し、管理の対象は急性毒性から次世代への影響へと拡大した。日本国内では、廃棄物焼却等に伴い発生するダイオキシン類が大きな社会問題となり、1999年の「ダイオキシン類対策特別措置法」制定へと繋がった。本細目では、これら一連の科学的知見の蓄積と社会的要請が、いかに管理のパラダイムを「直接的な被害の防止」から「広範な環境リスクの抑制」へと進化させてきたのか、その歴史的変遷を辿る。
③ わが国の化学物質管理を支える柱は、1973年に制定された「化学物質審査製造等取扱法(化審法)」と、1999年に導入された「PRTR制度(化学物質排出把握管理促進法)」である。化審法は、新規化学物質が市場に出る前に、難分解性、蓄積性、毒性の有無を事前に審査する「水際対策」の役割を担っており、PCB(ポリ塩化ビフェニル)によるカネミ油症事件を教訓に誕生した経緯がある。一方、PRTR制度は、事業者が自ら環境中への排出量や移動量を把握・届け出し、国がそれを集計・公表することで、自主的な管理を促す「情報の公開」を主眼としている。本細目では、これら二つの制度がどのように連携し、製造、使用、廃棄という各段階での安全性を確保しているかを体系的に整理する。また、国際的なSAICM(国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ)等の動向が国内法にいかに反映されているかを概観する。
キーワード ① リスク評価 ② 沈黙の春 ③ 環境ホルモン ④ PRTR制度
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習: レイチェル・カーソン著『沈黙の春』の要約や背景を調べ、化学物質が環境に与える影響が当時どのように社会に衝撃を与えたかを把握しておく。また、身近な製品(洗剤、プラスチック容器、防虫剤など)に含まれる化学物質について関心を持ち、それらがどのように管理されているか、製品のラベルや企業のウェブサイト等で確認しておくことが望ましい。特に「リスク」と「ハザード」という言葉の違いについて、自分なりに予備的な理解を持っておくことが求められる。
復習: 講義で扱った『沈黙の春』から『奪われし未来』への変遷を振り返り、化学物質に求められる「安全」の定義が時代とともにいかに拡大してきたかを整理する。また、化審法とPRTR制度という二つの法的枠組みが、リスクを低減するためにそれぞれどのような役割を果たしているかについて検討を深める。ダイオキシン類のような特定の物質が社会問題化した際に、環境政策がどのようなプロセスで制度化されたかを再確認し、現代の複雑な化学物質環境において、私たちがどのような姿勢で情報(PRTRデータなど)に向き合うべきか、その意義を400字程度でまとめておく。

10 農業・食料生産と環境政策 科目の中での位置付け この授業では、環境政策について、国際的な条約および国内の法律がどのような経緯をもとに制定されたのか、そうした条約・法律が制定されるうえでどのような問題が発生してきたのかを具体的な事例をふまえながら学んでいく。第1回では、イントロダクションとして、近年の環境政策にかかわるトピックスを解説していく。第2回では、環境政策が制定される際の背景を、経験を通じた気づきと科学的推論による気づきに分けて理解する。第3回では、地球と人類の歴史から持続可能な開発の理念的な発達までをふりかえる。第4回では、エコロジカル・フットプリントをはじめとする環境政策に関する基本的な用語を学ぶ。第5回では、日本の環境政策の制定にかかわる経緯を学ぶ。第6回および第7回では、公害問題と対策の歩みとして水俣病を取り上げる。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、化学物質の環境安全管理について学ぶ。第10回では、農業政策における環境対策について学ぶ。第11回では、エネルギー政策の変遷について学ぶ。第12回では、廃棄物関連の法律について学ぶ。第13回では、循環型社会に関連する法体系について学ぶ。第14回では、気候変動の科学と政策について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
このような流れの中で、第10回では、農業政策における環境対策について学ぶ。


・岸康彦「食と農の戦後史 第6版」日本経済新聞社,2005年, pp 308-336
・NHK食糧危機取材班「ランドラッシュ」新潮社,2010, pp 71-86
・柴田明夫「食糧危機にどう備えるか 求められる日本農業の転換点」日本経済新聞社,2012年, pp 174-187


・安井孝「地産地消と学校給食」コモンズ,2010,pp 73-99


・田代洋一「地域農業の持続システム 48の事例に探る世代継承性」農産漁村文化協会,2016年,pp 247-259
・農事組合法人和郷園HP(「事業内容」)
・小桝屋グループHP https://komasuya.com/(「コンセプト」)
・サラダコスモHP(「企業情報」)など

・慶應義塾大学日吉キャンパス学習相談員 (著)「学生による学生のための ダメレポート脱出法 (アカデミック・スキルズ) 」慶應義塾大学出版会2014
:レポート提出まで参考になる分かりやすい書籍
コマ主題細目 ① 食料安全保障と多面的機能 ② 環境リスクの管理と持続的生産 ③ 資源循環と食料システムの高度化
細目レベル ① 農業は自然環境に依存する産業である一方、食料増産のための土地改変や資源消費が環境負荷を与えるという「トレードオフ」の関係にある。わが国の農政は、1999年に制定された「食料・農業・農村基本法」により、食料の安定供給(安全保障)と並んで、農業が持つ「多面的機能」の維持・発揮を大きな柱として掲げた。農地は単なる生産の場ではなく、水源涵養、洪水防止、生物多様性の保全、良好な景観形成など、社会に対して多様な外部経済効果を提供している。本細目では、2015年施行の「農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律」に基づき、中山間地域等直接支払制度や多面的機能支払交付金がいかに機能し、自然資源の枯渇を防ぎながら地域環境を維持しているか、その政策的な枠組みを理解する。
② わが国の農業環境政策は、生産効率の追求に伴うリスクへの対処と、持続的な生産方式の普及という両面で展開されてきた。かつての農薬大量使用による被害の教訓から「農薬取締法」による厳格な管理が進められる一方、1993年の「環境保全型農業」の提唱、1999年の「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律(持続農業法)」制定により、土づくりと化学肥料・農薬の低減を一体的に行う「エコファーマー」の育成が図られた。本細目では、これら一連の歩みを踏まえ、2021年に策定された「みどりの食料システム戦略」がいかにパラダイムを転換させたかを検討する。2050年までのカーボンニュートラル実現や有機農業の取組面積拡大(25%・100万ha)といった野心的な目標を掲げ、資材調達から生産、流通、消費に至る各段階での環境負荷低減を加速させる最新の政策動向を詳述する。
③ 環境負荷を最小化し、資源を有効活用する「食料システム」の構築に向けた法的手法と生産工程管理の役割を学ぶ。本細目では、「食品リサイクル法(食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律)」に基づき、食品廃棄物を肥料や飼料として農業生産に還元する「再生利用事業計画(リサイクルループ)」の仕組みと、その政策的意義を検討する。また、2011年度から開始された「環境保全型農業直接支払交付金」が、地球温暖化防止や生物多様性保全に資する営農活動(有機農業、冬期湛水管理等)をいかに支援しているかを概説する。さらに、JAS法に基づく「有機JAS」制度や、農産物の安全と環境保全を確保する「GAP(農業生産工程管理)」の普及が、国際的な持続可能性の要請にいかに応え、環境に配慮した農業経営の自立を促しているか、その動的なプロセスを議論する。
キーワード ① 食料・農業・農村基本法 ② 多面的機能発揮促進法 ③ みどりの食料システム戦略 ④ 環境保全型農業直接支払交付金
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習: 農林水産省が公表している「みどりの食料システム戦略」の概要資料に目を通し、日本が2050年に向けて農業分野でどのような具体的数値目標(有機農業の割合や化学農薬の低減率など)を掲げているか確認しておく。また、これまでの講義で扱った「環境基本法」の理念が、農業分野の基本法である「食料・農業・農村基本法」においてどのように具体化されているか、特に「多面的機能」という言葉に注目して予備的な関心を持って調べておく。
復習: 講義で扱った「農業の多面的機能」と「環境への負の影響」のバランスについて、わが国の食料自給率の低さと関連付けて自分なりの見解を整理する。特に、「持続農業法」から「みどりの食料システム戦略」へと至る流れの中で、環境政策としての農業政策がどのように深化してきたかを検討する。また、今回学んだ「食品リサイクル法」や「環境保全型農業直接支払交付金」といった制度が、将来の持続可能な農業のあり方にいかなる役割を果たすべきか、自身の考えを400字程度でまとめておく。単なる生産の問題としてではなく、環境政策の重要な一翼として食と農を捉える視点を持つことが期待される。

11 エネルギー政策の変遷と分散型社会の構築 科目の中での位置付け この授業では、環境政策について、国際的な条約および国内の法律がどのような経緯をもとに制定されたのか、そうした条約・法律が制定されるうえでどのような問題が発生してきたのかを具体的な事例をふまえながら学んでいく。第1回では、イントロダクションとして、近年の環境政策にかかわるトピックスを解説していく。第2回では、環境政策が制定される際の背景を、経験を通じた気づきと科学的推論による気づきに分けて理解する。第3回では、地球と人類の歴史から持続可能な開発の理念的な発達までをふりかえる。第4回では、エコロジカル・フットプリントをはじめとする環境政策に関する基本的な用語を学ぶ。第5回では、日本の環境政策の制定にかかわる経緯を学ぶ。第6回および第7回では、公害問題と対策の歩みとして水俣病を取り上げる。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、化学物質の環境安全管理について学ぶ。第10回では、農業政策における環境対策について学ぶ。第11回では、エネルギー政策の変遷について学ぶ。第12回では、廃棄物関連の法律について学ぶ。第13回では、循環型社会に関連する法体系について学ぶ。第14回では、気候変動の科学と政策について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
このような流れの中で、第11回では、エネルギー政策の変遷について学ぶ。


・資源エネルギー庁HP(「エネルギーに関する年次報告」、「エネルギー白書」)


・資源エネルギー庁HP(「エネルギーに関する年次報告」、「エネルギー白書」)
・橘川武郎「日本のエネルギー問題」NTT出版,2013,pp3-32


・NPO地域再生機構HP(「石徹白地域づくり活動支援」)
・おひさま進歩エネルギー株式会社HP(「おひさま0円システム」など)
・こなんウルトラパワーHP(トップページなど)
・真庭SDGs・バイオマスツアーHP(「バイオマス産業杜市真庭の歩み」)など
コマ主題細目 ① 経済成長とエネルギー消費の動向 ② 電源構成の多様化とエネルギー安全保障 ③ 分散型エネルギーシステムと地域活性化
細目レベル ① わが国のエネルギー消費は、高度経済成長期に国内総生産(GDP)を上回る勢いで増大したが、1970年代の2度にわたる石油ショックを契機に大きな転換点を迎えた。産業界を中心に徹底した省エネルギー化が推進され、GDPを伸ばしながらエネルギー消費を抑制する「デカップリング(切り離し)」が進んだことで、日本は世界有数の省エネ大国としての地位を確立した。本細目では、「エネルギー使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」等の法整備の歩みを整理するとともに、近年におけるエネルギー消費構造の変化を分析する。特に、ライフスタイルの変化に伴い家庭部門や業務部門でのエネルギー消費が底堅く推移し、そのエネルギー源の約5割を電気が占めるようになった現状を検討する。依然としてエネルギー自給率が低く、中東等の不安定な地域からの石油輸入に依存しているわが国において、省エネが持つ安全保障上の意義を再確認する。
② わが国の発電電力量は、石油ショック以降、石炭、天然ガス(LNG)、原子力へと電源を多様化することで石油依存度を下げてきた。本細目では、政府が策定する「エネルギー基本計画」の変遷と、環境政策の根幹である「3E+S(安定供給、経済効率、環境適合、安全性)」の理念を検討する。特に、2011年の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故や、近年の国際紛争による資源価格の高騰を踏まえ、原子力発電のあり方を多角的に考察する。原子力の活用については、地球温暖化対策としての有効性と、事故リスクや高レベル放射性廃棄物処理という課題の間で揺れている。本講義では、賛否の二元論に留まらず、現実性、総合性、国際性、地域性の観点から、次世代がいかにエネルギーの将来像を選択すべきかという重い課題について議論を深める。
③ 大規模・集中型の電源構成から、地域に根ざした「分散型エネルギーシステム」への移行が、災害時のレジリエンス強化と地域活性化の観点から注目されている。本細目では、2012年に導入された「再生可能エネルギー特別措置法(FIT法)」等の政策的背景を整理し、地域資源を活かした新エネルギー導入の先行事例を検討する。具体的には、市民が住宅の屋根を貸し出し太陽光発電を推進する長野県飯田市の取り組みや、豊富な雪解け水を利用した小水力発電で地域振興を図る岐阜県郡上市石徹白の事例を扱う。また、木質バイオマスを利活用する岡山県真庭市や、地域エネルギーシステムの構築を目指す滋賀県湖南市等の事例を通じ、売電収入を地域農業や教育、福祉等へ還元する循環型の仕組みを学ぶ。再生可能エネルギーを単なる電力供給手段としてではなく、地域の雇用創出や遊休資産の活用に繋げるための政策的手法と、その持続可能性について考察を行う。
キーワード ① エネルギー基本計画 ② 省エネ法 ③ FIT(固定価格買取制度) ④ 分散型エネルギーシステム
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習: 経済産業省資源エネルギー庁が公表している「エネルギー白書」の最新版を確認し、わが国の現在の電源構成(火力、水力、原子力、再生可能エネルギー等)の割合を把握しておく。また、自身の家庭で毎月どの程度の電気やガスを使用しているか、検針票等を確認して把握するとともに、そのエネルギーがどのような燃料から作られているかについて、予備的な関心を持って調べておく。特に「エネルギー自給率」という言葉の意味と、日本の現状について数値を把握しておくことが望ましい。
復習: 講義で扱った「大規模集中型」と「分散型」のエネルギーシステムそれぞれの長所と短所を整理し、災害に強い社会を構築するためにどのようなバランスが必要かを検討する。特に、原子力発電をめぐる議論について、講義で紹介された「現実性・総合性・国際性・地域性」の視点から自身の意見をまとめる。また、今回学んだ地域エネルギーの事例(飯田市、郡上市石徹白など)を参考に、自身の居住地域において活用可能な再生可能エネルギー資源(日光、風、水、木材など)があるかを考え、それを活用した地域活性化策について400字程度で考察し、記録しておくことが期待される。

12 廃棄物・リサイクル政策と循環型社会の構築 科目の中での位置付け この授業では、環境政策について、国際的な条約および国内の法律がどのような経緯をもとに制定されたのか、そうした条約・法律が制定されるうえでどのような問題が発生してきたのかを具体的な事例をふまえながら学んでいく。第1回では、イントロダクションとして、近年の環境政策にかかわるトピックスを解説していく。第2回では、環境政策が制定される際の背景を、経験を通じた気づきと科学的推論による気づきに分けて理解する。第3回では、地球と人類の歴史から持続可能な開発の理念的な発達までをふりかえる。第4回では、エコロジカル・フットプリントをはじめとする環境政策に関する基本的な用語を学ぶ。第5回では、日本の環境政策の制定にかかわる経緯を学ぶ。第6回および第7回では、公害問題と対策の歩みとして水俣病を取り上げる。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、化学物質の環境安全管理について学ぶ。第10回では、農業政策における環境対策について学ぶ。第11回では、エネルギー政策の変遷について学ぶ。第12回では、廃棄物関連の法律について学ぶ。第13回では、循環型社会に関連する法体系について学ぶ。第14回では、気候変動の科学と政策について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
このような流れの中で、第12回では、廃棄物関連の法律について学ぶ。


・山谷修作「ごみ有料化」丸善株式会社,2007年,pp1-24
・三橋規宏「環境経済入門<第4版>」日本経済新聞社,2013,pp138₋148


・環境省HP(「一般廃棄物処理実態調査結果報告」(環境・循環社会・生物多様性白書))


・山谷修作「ごみ有料化」丸善株式会社,2007年,pp164-182


・瀬戸市HP(一般廃棄物処理費用有料化の導入に向けて)
コマ主題細目 ① ごみ問題の歴史と政策枠組み ② 「ごみ非常事態」の衝撃と市民行動 ③ 廃棄物処理の経済的手法
細目レベル ① わが国の廃棄物問題は、高度経済成長期の大量生産・大量消費に伴う排出量の増大と、それに伴う「ごみ戦争」を経て深刻化した。本細目では、埋立処分場の不足や不法投棄といった歴史的課題に対し、2000年に制定された「循環型社会形成推進基本法」を頂点とする法体系がいかに整備されてきたかを概観する。リデュース(発生抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)の3Rを優先順位とした政策への転換により、2000年頃を境にごみの総排出量は減少に転じ、リサイクル率は向上した。しかし、収集運搬に関わる自治体の財政負担や、リサイクル偽装、有害廃棄物の処理といった課題は依然として残されている。持続可能な廃棄物管理のために、市町村が策定する「一般廃棄物処理基本計画」等の役割と、現代的な資源循環のあり方を体系的に理解する。
② 廃棄物政策において市民の行動変容が劇的な成果を上げた象徴的事例が、1999年の名古屋市による「ごみ非常事態宣言」である。当時、ごみ埋立処分場の計画地であった藤前干潟の保全を求める声が高まり、市は埋立断念と同時に、市民に対して徹底した分別を求める非常事態を宣言した。本細目では、この決断がいかに資源の再構築を促し、ごみ減量を成功させたかというプロセスを詳述する。同様の危機感は現代の自治体にも引き継がれており、愛知県瀬戸市による「ごみ減量化」の模索を検討する。ミックスペーパーの分別強化や食品ロス削減を進めてもなお下げ止まる排出量に対し、自治体が直面する焼却施設の再整備コストや環境負荷の現状を、藤前干潟の教訓と照らし合わせながら考察する。単なる技術的な処理の問題ではなく、地域の自然保護とごみ処理のトレードオフをどう解くかを学ぶ。
③ ごみの減量をさらに進めるための有力な政策手法が、排出量に応じた手数料を課す「家庭ごみ有料化」である。本細目では、2023年9月から有料化を導入した瀬戸市や、2005年にいち早く導入した東京都町田市などの事例を取り上げ、政策導入に至るまでの市民説明会や合意形成のプロセスを学ぶ。有料化は単なる財源確保ではなく、市民の排出抑制を促すインセンティブ(動機付け)として機能する。しかし、導入にあたっては、市民の出費に対する反発やポイ捨ての増加への懸念、おむつ等の衛生ごみへの配慮など、多層的な課題が存在する。町田市等の先行事例に見られる、有料化で得られた財源の環境施策への還元や、減量効果が薄れる「リバウンド」防止のキャンペーンといった制度設計の工夫を検討する。経済的手法がいかに市民のライフスタイルに影響を与え、納得感のある合意形成にはどのような「市民との対話」が必要かを考察する。
キーワード ① 大量消費 ② ごみ非常事態宣言 ③ 藤前干潟 ④ 家庭ごみ有料化 ⑤ リサイクル
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習: 自身の居住する自治体の「ごみ出しルール」を再度確認し、何種類に分別されているか、またごみ処理費用が有料(指定袋制など)か無料かを調べておく。特に、新聞や段ボール以外の「ミックスペーパー(雑がみ)」がどのように扱われているかに注目すること。併せて、名古屋市の「藤前干潟」埋立断念の経緯を、環境保護とごみ減量の関連性から概略的に把握しておく。
復習: 講義で扱った藤前干潟の事例と瀬戸市の有料化検討の事例を比較し、自治体が「ごみ非常事態」を認識せざるを得ない背景にある構造的課題を整理する。また、ごみの有料化がもたらす減量効果と、導入に際して生じる社会的・経済的な摩擦について検討を深める。今回の講義を踏まえ、自身の生活におけるごみ排出量をさらに削減するために、具体的にどのような行動(3Rの実践)が可能か、またそれを社会全体で推進するために必要な政策とは何かについて400字程度でまとめておく。単なるマナーの問題としてではなく、自治体の財政や環境負荷を管理する「環境政策」の視点を持つことが期待される。

13 循環型社会の形成に向けた政策 科目の中での位置付け この授業では、環境政策について、国際的な条約および国内の法律がどのような経緯をもとに制定されたのか、そうした条約・法律が制定されるうえでどのような問題が発生してきたのかを具体的な事例をふまえながら学んでいく。第1回では、イントロダクションとして、近年の環境政策にかかわるトピックスを解説していく。第2回では、環境政策が制定される際の背景を、経験を通じた気づきと科学的推論による気づきに分けて理解する。第3回では、地球と人類の歴史から持続可能な開発の理念的な発達までをふりかえる。第4回では、エコロジカル・フットプリントをはじめとする環境政策に関する基本的な用語を学ぶ。第5回では、日本の環境政策の制定にかかわる経緯を学ぶ。第6回および第7回では、公害問題と対策の歩みとして水俣病を取り上げる。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、化学物質の環境安全管理について学ぶ。第10回では、農業政策における環境対策について学ぶ。第11回では、エネルギー政策の変遷について学ぶ。第12回では、廃棄物関連の法律について学ぶ。第13回では、循環型社会に関連する法体系について学ぶ。第14回では、気候変動の科学と政策について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
このような流れの中で、第13回では、循環型社会に関連する法体系について学ぶ。

① 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp233-pp238
② 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp238-pp260
③ 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp260-pp286
コマ主題細目 ① 循環型社会政策の誕生 ② 廃棄物行政の歩み ③ 3R政策の現状と課題 ④ 模造紙の整
細目レベル ① 2000年は「循環型社会元年」と呼ばれ、わが国の環境政策において極めて重要な転換点となった。本細目では、それまでの大量生産・大量消費・大量廃棄というリニア(線形)型経済の限界を整理し、資源の効率的な利用と環境負荷の低減を両立させる「循環型社会形成推進基本法」の制定背景を学ぶ。この法律は、廃棄物処理の優先順位を①発生抑制(リデュース)、②再使用(リユース)、③再生利用(リサイクル)、④熱回収、⑤適正処分と法的に順序付けた点に最大の特徴がある。単なるごみ処理の枠組みを超え、天然資源の消費を抑制し、環境への負荷を最小限に抑える「循環」の理念がいかに構築されたかを検討する。また、生産者に製品の廃棄後まで責任を負わせる「拡大生産者責任(EPR)」の概念が、政策の根底にどのように据えられたかを理解する。
② わが国の廃棄物行政は、明治期の公衆衛生の確保から始まり、高度経済成長期の公害防止を経て、現代の資源循環へとその目的を拡大させてきた。本細目では、1900年の「汚物掃除法」から1970年の「廃棄物処理法」制定、そして1990年代以降の各種リサイクル法の整備に至る歴史的プロセスを辿る。「容器包装リサイクル法」「家電リサイクル法」「自動車リサイクル法」など、製品の特性に応じた個別リサイクル法の体系が、どのような社会的問題(埋立地の不足や不法投棄など)を背景に誕生したのかを整理する。行政の役割が、単なる「ごみの適正処理」の監督から、経済システム全体を資源循環型へと誘導する「社会設計」へと進化してきた経緯を体系的に把握する。
③ 3R政策は一定の成果を上げ、ごみの排出量減少やリサイクル率の向上をもたらしたが、現代ではさらに高度な「サーキュラーエコノミー(循環経済)」への移行が求められている。本細目では、2022年施行の「プラスチック資源循環促進法」を中心に、海洋プラスチックごみ問題やカーボンニュートラル実現に向けた最新の政策動向を詳述する。単に捨てたものを再資源化するだけでなく、設計段階から再資源化しやすさを考慮する(環境配慮設計)ことや、製品を「所有」から「利用」へと変えるシェアリングサービスの意義を検討する。また、リサイクルに伴うエネルギー消費や、グローバルな資源争奪戦の中での重要資源(レアメタル等)の国内循環といった、技術的・経済的・国際的な課題についても考察を行う。
キーワード ① 循環型社会形成推進基本法 ② 拡大生産者責任(EPR) ③ 個別リサイクル法
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習: 環境省の「環境・循環型社会・生物多様性白書」の最新版から、わが国の「物質フロー(資源の入り口から出口までの流れ)」の図表を確認し、どれだけの資源が投入され、どれだけが循環利用されているかの概数をつかんでおく。また、自身が所有する家電製品やスマートフォン、ペットボトルなどが、どのリサイクル法に基づいて処理されるべきか、製品のマークや自治体の広報を参考に予備的な知識を整理しておくこと。
復習: 講義で扱った「廃棄物処理の優先順位」を振り返り、なぜリサイクルよりもリデュースやリユースが上位に置かれているのか、エネルギー消費や環境負荷の観点から自分なりの見解をまとめる。また、「拡大生産者責任(EPR)」という考え方が、メーカーの製品開発や消費者の購買行動をどのように変え得るかについて検討を深める。さらに、近年注目されている「サーキュラーエコノミー」と従来の「リサイクル」の違いについて、講義内容を踏まえて整理し、持続可能な社会に向けて私たちのライフスタイルをいかに変容させるべきか、400字程度で考察しておくことが期待される。

14 気候変動の科学と政策 科目の中での位置付け この授業では、環境政策について、国際的な条約および国内の法律がどのような経緯をもとに制定されたのか、そうした条約・法律が制定されるうえでどのような問題が発生してきたのかを具体的な事例をふまえながら学んでいく。第1回では、イントロダクションとして、近年の環境政策にかかわるトピックスを解説していく。第2回では、環境政策が制定される際の背景を、経験を通じた気づきと科学的推論による気づきに分けて理解する。第3回では、地球と人類の歴史から持続可能な開発の理念的な発達までをふりかえる。第4回では、エコロジカル・フットプリントをはじめとする環境政策に関する基本的な用語を学ぶ。第5回では、日本の環境政策の制定にかかわる経緯を学ぶ。第6回および第7回では、公害問題と対策の歩みとして水俣病を取り上げる。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、化学物質の環境安全管理について学ぶ。第10回では、農業政策における環境対策について学ぶ。第11回では、エネルギー政策の変遷について学ぶ。第12回では、廃棄物関連の法律について学ぶ。第13回では、循環型社会に関連する法体系について学ぶ。第14回では、気候変動の科学と政策について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
このような流れの中で、第14回では、気候変動の科学と政策について学ぶ。

① 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp287-pp303
② 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp303-pp327
③ 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp327-pp355
コマ主題細目 ① 気候変動の科学と政策議論のフレーム ② 国際枠組みの変遷 ③ わが国の地球温暖化対策の歩み
細目レベル ① 気候変動政策は、科学的知見と政治的合意が最も密接に連動する領域である。本細目では、温室効果ガス(GHG)による地球温暖化のメカニズムを解説し、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が果たしてきた役割を整理する。特に最新の第6次評価報告書(AR6)が示す「人類の影響による温暖化には疑う余地がない」という科学的合意が、いかにして政策上の「1.5℃目標」や「カーボン予算(排出許容量)」の議論を規定しているかを検討する。気候変動を単なる環境問題ではなく、経済、安全保障、倫理を含む重層的な課題として捉える政策フレームワークを学び、不確実性を伴う科学的知見に基づき、いかに迅速かつ衡平な意思決定を行うべきかという環境政策の核心的な論点を整理する。
② 1992年の気候変動枠組条約(UNFCCC)採択以降、国際社会が歩んできた交渉の歴史を辿る。1997年の「京都議定書」は先進国にのみ義務を課すトップダウン方式であったが、2015年の「パリ協定」は途上国を含むすべての国が削減目標(NDC)を自ら設定し、5年ごとに更新するボトムアップ方式へと転換した。本細目では、この歴史的な枠組みの変化が、世界の排出構造の変化や南北問題にいかに対応してきたかを概説する。また、平均気温上昇を工業化以前比で1.5℃に抑えるという長期目標がいかに野心的なものであるか、さらに進捗を評価する「グローバル・ストックテイク」の仕組みなど、国際合意が各国の国内政策をいかに誘導し、世界の経済構造を脱炭素化へと動かしているかを体系的に把握する。
③ わが国の温暖化対策は、1998年の「地球温暖化対策推進法(温対法)」制定を起点に、段階的に強化されてきた。本細目では、京都議定書の目標達成に向けた「京都議定書目標達成計画」から、現在の「地球温暖化対策計画」に至るまでの政策変遷を辿る。特に、2020年の「2050年カーボンニュートラル」宣言と、それに続く2030年度の46%削減目標(2013年度比)がいかに日本の産業・エネルギー政策のパラダイムを転換させたかを詳述する。再生可能エネルギーの主力電源化、省エネの徹底、排出量取引やカーボンプライシング等の経済的手法の導入、さらに「グリーントランスフォーメーション(GX)」推進に向けた投資戦略など、最新の国内政策の構造を整理する。科学的根拠に基づく目標設定が、いかに社会全体の変革(システムチェンジ)を求めているかを考察する。
キーワード ① IPCC ② 1.5℃目標 ③ パリ協定
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習: IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の最新の報告書の概要(政策決定者向け要約など)を確認し、地球温暖化が将来の人間社会や生態系に及ぼすと予測されているリスクについて整理しておく。また、日本政府が掲げている「2050年カーボンニュートラル」という目標が、自身の将来の職業選択やライフスタイルにどのような影響を与える可能性があるか、予備的な関心を持って考えておく。併せて、環境省のウェブサイト等で日本の温室効果ガス排出量の推移と、主な排出源の構成を把握しておくことが望ましい。
復習: 講義で扱った「京都議定書」と「パリ協定」の違いを整理し、なぜ現在のボトムアップ方式が国際社会で採用されるに至ったのか、その背景にある国際政治の動向を検討する。また、1.5℃目標を達成するために必要とされる社会変革の規模について、エネルギー、交通、産業、消費の各側面から考察を深める。講義内容を踏まえ、日本が2050年にカーボンニュートラルを実現するために最も大きな課題となるのは何か、またそれを克服するためにどのような政策的手法が有効であるかについて、自身の考えを400字程度でまとめておくことが期待される。

15 まとめ② 科目の中での位置付け この授業では、環境政策について、国際的な条約および国内の法律がどのような経緯をもとに制定されたのか、そうした条約・法律が制定されるうえでどのような問題が発生してきたのかを具体的な事例をふまえながら学んでいく。第1回では、イントロダクションとして、近年の環境政策にかかわるトピックスを解説していく。第2回では、環境政策が制定される際の背景を、経験を通じた気づきと科学的推論による気づきに分けて理解する。第3回では、地球と人類の歴史から持続可能な開発の理念的な発達までをふりかえる。第4回では、エコロジカル・フットプリントをはじめとする環境政策に関する基本的な用語を学ぶ。第5回では、日本の環境政策の制定にかかわる経緯を学ぶ。第6回および第7回では、公害問題と対策の歩みとして水俣病を取り上げる。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、化学物質の環境安全管理について学ぶ。第10回では、農業政策における環境対策について学ぶ。第11回では、エネルギー政策の変遷について学ぶ。第12回では、廃棄物関連の法律について学ぶ。第13回では、循環型社会に関連する法体系について学ぶ。第14回では、気候変動の科学と政策について学ぶ。
最終コマである第15回では、後半の講義を総括する。

① 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp189-pp238
② 資源エネルギー庁HP(「エネルギーに関する年次報告」、「エネルギー白書」)、田代洋一「地域農業の持続システム 48の事例に探る世代継承性」農産漁村文化協会,2016年,pp 247-259
③ 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年pp238-pp286
コマ主題細目 ① 化学物質と資源の統合管理 ② 地域資源の再発見と自立 ③ 気候変動と社会のシステムチェンジ
細目レベル ① 第9回、第12回、第13回で扱った化学物質管理と廃棄物・リサイクル政策について総括する。レイチェル・カーソンの警告から始まった化学物質管理が、急性毒性から「内分泌攪乱化学物質」や「リスク評価」へと深化し、化審法やPRTR制度といった法体系にいかに結実したかを振り返る。また、名古屋の藤前干潟の事例に見る「ごみ非常事態」が、単なる処分場の問題を超え、資源循環のパラダイムシフトをいかに促したかを再確認する。大量廃棄社会から「循環型社会形成推進基本法」に基づく3Rの徹底、そして現代の「サーキュラーエコノミー(循環経済)」への進化を辿ることで、製品の設計段階から廃棄・再資源化までをライフサイクルで捉える「拡大生産者責任(EPR)」の重要性と、環境安全管理の統合的な意義を体系的に理解する。
② 第10回と第11回で学んだ、私たちの生存基盤である「食」と「エネルギー」の各論を整理する。農業が持つ「多面的機能」と環境負荷のトレードオフを検討し、「みどりの食料システム戦略」がいかに有機農業や脱炭素化を通じた持続可能な食料システムの構築を目指しているかを概観する。また、エネルギー政策の変遷において、石油ショック以降の「省エネ大国」としての歩みと、福島第一原発事故や国際情勢の変化を受けた「3E+S」の理念の重みを再考する。特に、長野県飯田市や岐阜県郡上市石徹白などの事例を通じ、地域資源を活かした「分散型エネルギーシステム」が、地域のレジリエンス強化と経済活性化にいかに寄与するかを考察する。地域に根ざした第一次産業とエネルギーの自立が、環境政策の「地方展開」において果たす役割を構造的に把握する。
③ 第14回で扱った気候変動政策を核に、本講義後半のすべてのトピックが「脱炭素社会」という一つのゴールにいかに収束するかを総括する。IPCCの科学的知見が導き出した「1.5℃目標」の重みと、パリ協定以降の国際枠組みの転換を整理し、日本の「2050年カーボンニュートラル」宣言が単なる環境目標ではなく、産業、エネルギー、ライフスタイルを含む「社会全体のシステムチェンジ」を求めていることを理解する。第9回からの各論(化学物質、農業、エネルギー、廃棄物)が、いずれも気候変動対策と密接に連動しており、環境・経済・社会の統合的解決を目指す「グリーントランスフォーメーション(GX)」の基盤となっていることを概説する。これまでの学びを通じて、環境政策が描く未来の社会像と、受講生一人ひとりがその変革にいかに関与できるかについて、最終的な展望を提示する。
キーワード ① リスクコミュニケーション ② 分散型社会 ③ みどりの食料システム戦略
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 仮レポートを改善するための方針、必要な資料を調べる方針を立てて、期末レポートを作成する。
履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
地球システムと持続可能な開発の理念 【指標】 地球システムの進化を踏まえ、国際社会における環境理念の変遷を体系的に理解している。
【水準】 そのためには、人類文明が地球の資源供給能力に及ぼしている歴史的影響を把握していることが前提となる。そのうえで、持続可能な開発、ストックホルム宣言、リオ宣言、Our Common Future、強い持続可能性といった、第1回から第3回の講義で学んだ専門用語について説明ができること。さらに、それらの概念が提唱された国際的な背景を理解し、身近な事例や教員に与えられた事例に対して、自らの見解を述べることができること。
持続可能な開発、ストックホルム宣言、リオ宣言、Our Common Future、強い持続可能性 20点 1,2,3
環境指標と国内政策の法的基盤 【指標】 環境負荷を可視化する科学的指標の意義と、わが国の環境政策の根幹をなす法体系を理解している。
【水準】 そのためには、地球の有限性を定量化する手法や、日本の環境行政を支えるピラミッド構造を把握していることが前提となる。そのうえで、エコロジカル・フットプリント、プラネタリー・バウンダリー、新国富指標(IWI)、環境基本法、環境基本計画といった、第4回・第5回の講義で学んだ専門用語について説明ができること。さらに、それらの指標や法律が日本の環境政策において果たす役割を理解し、身近な事例や教員に与えられた事例に対して、自らの見解を述べることができること。
エコロジカル・フットプリント、プラネタリー・バウンダリー、新国富指標(IWI)、環境基本法、環境基本計画 20点 4,5,8
公害の歴史的教訓と地域社会の再生 【指標】 わが国の公害問題が残した社会的教訓と、被害救済から地域再生に至るプロセスを理解している。
【水準】 そのためには、深刻な産業公害が発生したメカニズムと、それに対する法的な規制の強化、および地域コミュニティの再建の歩みを把握していることが前提となる。そのうえで、産業公害、公害対策基本法、水俣病、もやい直し、水銀に関する水俣条約といった、第6回から第8回の講義で学んだ専門用語について説明ができること。さらに、これらの教訓が現代の環境政策にどのように継承されているかを理解し、身近な事例や教員に与えられた事例に対して、自らの見解を述べることができること。
産業公害、公害対策基本法、水俣病、もやい直し、水銀に関する水俣条約 10点 6,7,8
化学物質と農業分野の安全管理 【指標】 化学物質が環境に与える負の影響と、持続可能な食料生産に向けた最新の政策展開を理解している。
【水準】 そのためには、化学物質の「毒性」と「量」の関係や、農業が持つ多面的な価値を把握していることが前提となる。そのうえで、予防的原則、PRTR制度、内分泌攪乱化学物質、みどりの食料システム戦略、**GAP(農業生産工程管理)**といった、第9回・第10回の講義で学んだ専門用語について説明ができること。さらに、食と環境の安全を確保するための仕組みを理解し、身近な事例や教員に与えられた事例に対して、自らの見解を述べることができること。
予防的原則、PRTR制度、内分泌攪乱化学物質、みどりの食料システム戦略、GAP(農業生産工程管理) 20点 9,10,15
資源・エネルギー・気候変動の政策転換 【指標】 エネルギー供給の多様化、廃棄物リサイクル、および気候変動対策という現代の主要な政策課題を理解している。
【水準】 そのためには、大規模集中型から分散型社会への移行、および脱炭素に向けた国際的な義務を把握していることが前提となる。そのうえで、分散型エネルギーシステム、3R、拡大生産者責任(EPR)、パリ協定、1.5℃目標といった、第11回から第15回の講義で学んだ専門用語について説明ができること。さらに、これらが私たちのライフスタイルや社会構造をいかに変容させるかを理解し、身近な事例や教員に与えられた事例に対して、自らの見解を述べることができること。
分散型エネルギーシステム、3R、拡大生産者責任(EPR)、パリ協定、1.5℃目標 30点 11,12,13,14
評価方法 筆記試験
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 なし
参考文献 吉田徳久『環境政策のクロニクル:水俣病問題からパリ協定まで[新装版]』早稲田大学出版部2021年
実験・実習・教材費 なし