区分
環境データサイエンス科目 社会環境科目 社会環境基本科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
専門性
理解力
実践力
カリキュラム・ポリシーとの関係
専門知識
教養知識
思考力
実行力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
多様化する環境問題や地域社会の諸問題に関心を持ち、環境・情報・社会に関連する幅広い基礎知識と専門的な理解を深めると共に、学際的な柔軟性を有し、実践的な能力を有する。グローバルな視野と研究調査力を持ち、昨今の情報社会に貢献できる力を有する。企業・地域社会などのあらゆるコミュニティに寄与する組織的な活動能力を有する。
科目の目的
環境社会学の観点から環境問題および環境保全について検討する。具体的には社会学的な問いの立て方を学ぶと共に、環境社会学で発展をみた理論枠組みを学ぶ。社会科学も科学である以上、理系科目でいう公式のように、ものごとの「証明の仕方」を持っている。こうした公式にあたるものを社会科学では「理論枠組み(もしくは分析枠組み)」と呼ぶ。したがって、授業では数学の公式を繰り返し反復練習したように、理論の「使い方」を覚えるために、各理論に事例を当てはめながら繰り返し練習を行う。
到達目標
環境社会学の中で使用されてきた理論枠組みを理解するとともに、使いこなすことができる。
科目の概要
環境問題は単に自然環境にかかわる問題ではない。環境問題を「問題だ」とするのも、守ろうとするのも社会の側だからだ。環境社会学では、社会問題としての環境問題を扱う。講義では、環境問題がどのように「問題化」され、どのような性質の被害がでたのか。環境保全(自然を守るための仕組み)は社会をどのように変えたのか。そもそも人は自然とどのように付き合ってきたのか、といった問いを環境社会学で議論されてきた理論枠組みを学びながら検討していく。なお、理論は使いこなしてこそ意味を持つものである。そのため、授業では多くのディスカッション、グループワークを取り入れる。
科目のキーワード
① 社会化された自然 ②生活環境主義 ③社会的リンク論 ④コモンズ論 ⑤ 受益圏―苦益圏論 ⑥ リスク社会論 ⑦環境的公正 ⑧エコツーリズム ⑨NIMBY ⑩社会的ジレンマ ⑪食と農 ⑫コミュニティパワー ⑬環境運動 ⑭ボランティア ⑮歴史的環境 ⑮環境保全政策
授業の展開方法
本科目は、環境社会学の理論を「使いこなす」力を身につけることを目標としている。その訓練として、授業ではディスカッションを多く取り入れる。履修にあたっては、その旨も理解した上で登録を行うこと。なお、ディスカッションは苦手だが、克服するために挑戦したい人のエントリーも歓迎する。他方、理論を学ぶにあたっては、難易度の高い学術書の通読も必要である。授業内で多数文献を紹介するので、指定された文献を通読した上で授業に臨むこと。
オフィス・アワー
【月曜日】4限(後期のみ)、【木曜日】3限(前期のみ)、【金曜日】3限(前・後期共通)
科目コード
ENS608
学年・期
3年・後期
科目名
環境社会学
単位数
2
授業形態
講義
必修・選択
選択
学習時間
【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目
なし
展開科目
なし
関連資格
なし
担当教員名
谷川彩月
回
主題
コマシラバス項目
内容
教材・教具
1
環境社会学の基本的視座①―環境社会学で扱う「自然環境」とは?
科目の中での位置付け
この授業では、環境社会学の観点から環境問題および環境保全について検討する。具体的には社会学的な問いの立て方を学ぶと共に、環境社会学で発展をみた理論枠組みを学ぶ。第1回では、そもそも環境社会学とはどのような学問なのかを確認し、社会と自然の境界が実は非常にあいまいであるということを理解する。第2回では、環境思想史を概観したのちに、「社会的リンク論」を学ぶ。第3回では、暮らしの変化による自然観の変容について学び、「生活環境主義論」について理解する。第4回では、「被害構造論」と「受益圏-受苦圏論」を学ぶ。第5回では、世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第6回では、「コモンズ論」について学ぶ。第7回では、NIMBYと「社会的ジレンマ論」について学ぶ。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、「リスク社会論」と「環境的公正論」について学ぶ。第10回では、農と食の環境問題について学ぶ。第11回では、再生可能エネルギーとまちづくりについて学ぶ。第12回では、環境運動や環境ボランティアについて学ぶ。
世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第13回では、歴史的環境保全について学ぶ。第14回では、環境保全政策と統治の関係性について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
このような流れの中で、第1回では、そもそも環境社会学とはどのような学問なのかを確認し、社会と自然の境界が実は非常にあいまいであるということを理解する。
【細目レベル①】
鳥越皓之・帯谷博明編著『よくわかる環境社会学 第2版』ミネルヴァ書房、2017年、p2-8。
【細目レベル②】
鳥越皓之・帯谷博明編著『よくわかる環境社会学 第2版』ミネルヴァ書房、2017年、p2-8。
【細目レベル③】
配布プリント。
コマ主題細目
① 環境社会学の成立 ② どこまでが「自然」なのか? ③ 社会と自然の事例検討
細目レベル
① まずは、そもそも環境社会学とはどのような学問なのか理解する。環境社会学の射程は、自然環境、日常生活環境、歴史的環境、産業公害、環境運動など多岐にわたるが、他の社会学と異なる特徴は、「自然」という視点が入ることを理解する。環境社会学の系譜として、高度経済成長期の公害や大規模開発を扱った「環境問題の社会学」と農村における人間社会と自然環境との多面的な関係性を分析する「環境共存の社会学」があることを理解する。他の社会学と異なる特徴は、「自然」という視点が入ることを理解する。環境社会学が対象とする自然は、破壊された自然や人為的に手入れがなされた自然などの「文化としての自然」であることを理解する。ここでは、環境社会学が人間社会と自然環境との相互作用を対象とする学問であることまで理解する。
② 環境社会学では、人類(とくに近代以降)が認識する自然とは、社会的に認識された自然、つまり「社会化された自然」である、という立場をとる。こうした認識論は、環境社会学にかぎらず、環境倫理学、文化人類学といった人文社会科学の領域に共通するが、環境社会学では特に社会と自然との関係性や相互作用が研究対象となる。そこで、ここでは、社会と自然の合間に位置するような「自然」をいくつか取り上げ、「どこまでが自然なのか?」を考えてみたい。一般的に、「自然環境」「社会環境」といった表現をする場合があるが、「自然環境」と「社会環境」を厳密に区分して考えるのは、挑戦してみると思っていた以上に難しい。これは、人間が自然と共に生きてきたから、自然を利用、その一部を改変しながら生きてきたからである。
③ 細目①および②で学習した理論枠組みや実際の事例に関して、さらに一歩踏み込んだ検討をおこなう。具体的には、理論枠組みであればその理論枠組みがどのような事例をどのように分析できるのかを理解する。実際の事例については、何が問題として取り上げられてきたのか、そしてそれはどのように解決されたのか(いまだ解決されていないのか)を理解する。また、それらの理論枠組みや実際の事例に関して、受講生同士で議論をおこなったり、その内容を発表したりする。くわえて、実施回によっては映像資料を視聴したり、グループディスカッションを実施する場合がある。以上のアクティブラーニング的な実践を通して、この授業で得た知識をさらに確固たるものにしていく。
キーワード
① 連字符社会学 ② 環境問題の社会学 ③ 環境共存の社会学 ④ 社会化された自然
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:コマシラバスを参照し、授業ノートを整理する。まず、手元の授業ノートを確認し、自分なりに授業の内容を確認する。次に、コマシラバスを開き、シラバスを参照しながら授業の論点を改めて確認する。そのうえで、授業ノートを加筆・修正しながら復習を行う。なお、復習をしながら質問が湧いた際には、質問項目をまとめメールなどで質問をする。予習:次週のコマシラバスを開き、内容を確認する。特に、文中で良く分からない単語がある場合には、辞書などで確認をすること。また、特定の書籍名などが挙げられている場合には、事前に書籍を手に入れ関連箇所を通読すること。なお、通読にあたっては原著が望ましいが、リーダー本などを駆使してもよい。
2
環境社会学の基本的視座②―社会的リンク論
科目の中での位置付け
この授業では、環境社会学の観点から環境問題および環境保全について検討する。具体的には社会学的な問いの立て方を学ぶと共に、環境社会学で発展をみた理論枠組みを学ぶ。第1回では、そもそも環境社会学とはどのような学問なのかを確認し、社会と自然の境界が実は非常にあいまいであるということを理解する。第2回では、環境思想史を概観したのちに、「社会的リンク論」を学ぶ。第3回では、暮らしの変化による自然観の変容について学び、「生活環境主義論」について理解する。第4回では、「被害構造論」と「受益圏-受苦圏論」を学ぶ。第5回では、世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第6回では、「コモンズ論」について学ぶ。第7回では、NIMBYと「社会的ジレンマ論」について学ぶ。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、「リスク社会論」と「環境的公正論」について学ぶ。第10回では、農と食の環境問題について学ぶ。第11回では、再生可能エネルギーとまちづくりについて学ぶ。第12回では、環境運動や環境ボランティアについて学ぶ。
世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第13回では、歴史的環境保全について学ぶ。第14回では、環境保全政策と統治の関係性について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
このような流れの中で、第2回では、環境思想史を概観したのちに、「社会的リンク論」を学ぶ。
【細目レベル①】
鬼頭秀一著『自然保護を問いなおす』第1章「環境倫理思想の系譜」、ちくま新書、1996年。
【細目レベル②】
鬼頭秀一著『自然保護を問いなおす』第2章「新しい環境倫理を求めて」、ちくま新書、1996年。
【細目レベル③】
配布プリント。
コマ主題細目
① 環境思想史の概要 ② 社会的リンク論の概要 ③ 社会的リンク論の事例検討
細目レベル
① 日本の環境社会学の歴史において、「社会的リンク論」を提起した鬼頭秀一は、環境倫理学者でありながら、環境社会学に多大な影響を与えた人物である。次の細目レベルで学ぶ「社会的リンク論」がどんな意義があったのかをより深く理解するために、ここでは一度、環境思想史をおさらいする。なお、環境思想史に関しては、他の講義で詳しく扱われているため、重要な転換点、人物、その人物の思想について概観する程度にとどめる。ピンショーやミューアによる初期の自然保護思想の萌芽、ネスのディープエコロジー、カーソンの『沈黙の春』などを概観する。ここでは、以上のような環境思想について、全体的な流れを理解する。そして、次の細目レベルでは、「社会的リンク論」が、これまでの環境思想とどのように違っているのかを整理する。
② この回では「社会的リンク論」を学ぶ。社会的リンク論とは、例えば、「前近代社会と比べて現代社会は人と自然のつながりが薄くなった」などの説明をしたいときに使える理論である。まずは、社会的リンク論の概要として、元来、人間と自然は分離できるものではなく、「社会的・経済的リンク」と「文化的・宗教的リンク」のネットワークの中で連続してつながっていたことを「かかわりの全体性」をキーワードに理解する。元来、人間と自然は分離できるものではなく、「社会的・経済的リンク」と「文化的・宗教的リンク」のネットワークの中で連続してつながっていたことを「かかわりの全体性」をキーワードに理解する。なおかかわりの部分性について、食肉加工を事例に検討する。
③ 細目①および②で学習した理論枠組みや実際の事例に関して、さらに一歩踏み込んだ検討をおこなう。具体的には、理論枠組みであればその理論枠組みがどのような事例をどのように分析できるのかを理解する。実際の事例については、何が問題として取り上げられてきたのか、そしてそれはどのように解決されたのか(いまだ解決されていないのか)を理解する。また、それらの理論枠組みや実際の事例に関して、受講生同士で議論をおこなったり、その内容を発表したりする。くわえて、実施回によっては映像資料を視聴したり、グループディスカッションを実施する場合がある。以上のアクティブラーニング的な実践を通して、この授業で得た知識をさらに確固たるものにしていく。
キーワード
① 「生身」の自然 ② 科学技術 ③ 「いきもの」と「たべもの」 ④ かかわりの全体性 ⑤ かかわりの部分性
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:コマシラバスを参照し、授業ノートを整理する。まず、手元の授業ノートを確認し、自分なりに授業の内容を確認する。次に、コマシラバスを開き、シラバスを参照しながら授業の論点を改めて確認する。そのうえで、授業ノートを加筆・修正しながら復習を行う。なお、復習をしながら質問が湧いた際には、質問項目をまとめメールなどで質問をする。予習:次週のコマシラバスを開き、内容を確認する。特に、文中で良く分からない単語がある場合には、辞書などで確認をすること。また、特定の書籍名などが挙げられている場合には、事前に書籍を手に入れ関連個所を通読すること。なお、通読にあたっては原著が望ましいが、リーダー本などを駆使してもよい。
3
環境社会学の基本的視座③―生活環境主義
科目の中での位置付け
この授業では、環境社会学の観点から環境問題および環境保全について検討する。具体的には社会学的な問いの立て方を学ぶと共に、環境社会学で発展をみた理論枠組みを学ぶ。第1回では、そもそも環境社会学とはどのような学問なのかを確認し、社会と自然の境界が実は非常にあいまいであるということを理解する。第2回では、環境思想史を概観したのちに、「社会的リンク論」を学ぶ。第3回では、暮らしの変化による自然観の変容について学び、「生活環境主義論」について理解する。第4回では、「被害構造論」と「受益圏-受苦圏論」を学ぶ。第5回では、世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第6回では、「コモンズ論」について学ぶ。第7回では、NIMBYと「社会的ジレンマ論」について学ぶ。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、「リスク社会論」と「環境的公正論」について学ぶ。第10回では、農と食の環境問題について学ぶ。第11回では、再生可能エネルギーとまちづくりについて学ぶ。第12回では、環境運動や環境ボランティアについて学ぶ。
世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第13回では、歴史的環境保全について学ぶ。第14回では、環境保全政策と統治の関係性について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
このような流れの中で、第3回では、暮らしの変化による自然観の変容について学び、「生活環境主義論」について理解する。
配布資料
コマ主題細目
① 暮らしの変化と自然観 ② 生活環境主義の概要 ③ 生活環境主義の事例検討
細目レベル
① 日本のほとんどの地域では、高度経済成長が始まった頃から生活は飛躍的に便利になった。だが、生活が便利になった一方で、経済成長が一段落する1980年代頃には、生態系を著しく変えるような乱開発、田畑や山の管理放棄など、周囲の自然に対する無関心が 引き起こす弊害が大きく問題視されるようになってきた。そして、その背景には経済成長中心の政策や生活スタイルの変化だけではなく人々の自然に対する感じ方や考え方の変化、すなわち自然観の変化があると考えられ、 かつての自然との関わりを見直そうとする活動が、市民や行政のレベルで活発に行われるようになってきた。 ここでは、この自然観について、自然への働きかけ、自然とのせめぎ合い、自然からの働きかけと言う3つの視点から見ておきたい。
② 生活環境主義は、初期の環境社会学で提唱された視点であり、非エリート的な一般の人々の生活を「経験論」から捉える発想である。そしてそれは、自然環境主義や近代技術主義とも一線を画すものであることを理解する。このような理由から、生活環境主義では「『環境問題』の状況下で生きる人」の観点を重要視し、人々の語りから問を見出していく論理であることを理解する。 生活環境主義は、高度成長期の公害問題とともに発展してきた。そこで公害を振り返りつつ、とりわけ議論の中心となった琵琶湖における水質悪化問題(嘉田らの議論)から生活環境主義の重要性を理解する。そのうえで、各受講生の「経験論」から見た自然の例を理論の当てはめとして検討する。
③ 細目①および②で学習した理論枠組みや実際の事例に関して、さらに一歩踏み込んだ検討をおこなう。具体的には、理論枠組みであればその理論枠組みがどのような事例をどのように分析できるのかを理解する。実際の事例については、何が問題として取り上げられてきたのか、そしてそれはどのように解決されたのか(いまだ解決されていないのか)を理解する。また、それらの理論枠組みや実際の事例に関して、受講生同士で議論をおこなったり、その内容を発表したりする。くわえて、実施回によっては映像資料を視聴したり、グループディスカッションを実施する場合がある。以上のアクティブラーニング的な実践を通して、この授業で得た知識をさらに確固たるものにしていく。
キーワード
① 自然観 ② 近代技術主義 ③ 自然環境主義 ④ 生活環境主義
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:コマシラバスを参照し、授業ノートを整理する。まず、手元の授業ノートを確認し、自分なりに授業の内容を確認する。次に、コマシラバスを開き、シラバスを参照しながら授業の論点を改めて確認する。そのうえで、授業ノートを加筆・修正しながら復習を行う。なお、復習をしながら質問が湧いた際には、質問項目をまとめメールなどで質問をする。予習:次週のコマシラバスを開き、内容を確認する。特に、文中で良く分からない単語がある場合には、辞書などで確認をすること。また、特定の書籍名などが挙げられている場合には、事前に書籍を手に入れ関連個所を通読すること。なお、通読にあたっては原著が望ましいが、リーダー本などを駆使してもよい。
4
環境社会学の基本的視座④―「受益圏―苦益圏」論
科目の中での位置付け
この授業では、環境社会学の観点から環境問題および環境保全について検討する。具体的には社会学的な問いの立て方を学ぶと共に、環境社会学で発展をみた理論枠組みを学ぶ。第1回では、そもそも環境社会学とはどのような学問なのかを確認し、社会と自然の境界が実は非常にあいまいであるということを理解する。第2回では、環境思想史を概観したのちに、「社会的リンク論」を学ぶ。第3回では、暮らしの変化による自然観の変容について学び、「生活環境主義論」について理解する。第4回では、「被害構造論」と「受益圏-受苦圏論」を学ぶ。第5回では、世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第6回では、「コモンズ論」について学ぶ。第7回では、NIMBYと「社会的ジレンマ論」について学ぶ。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、「リスク社会論」と「環境的公正論」について学ぶ。第10回では、農と食の環境問題について学ぶ。第11回では、再生可能エネルギーとまちづくりについて学ぶ。第12回では、環境運動や環境ボランティアについて学ぶ。
世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第13回では、歴史的環境保全について学ぶ。第14回では、環境保全政策と統治の関係性について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
このような流れの中で、第4回では、「被害構造論」と「受益圏-受苦圏論」を学ぶ。
【細目レベル①】
鳥越皓之・帯谷博明編著『よくわかる環境社会学 第2版』ミネルヴァ書房、2017年、p154-155。
【細目レベル②】
鳥越皓之・帯谷博明編著『よくわかる環境社会学 第2版』ミネルヴァ書房、2017年、p155-156。
【細目レベル③】
配布プリント。
コマ主題細目
① 被害構造論 ② 「受益圏―苦益圏」論の概要 ③ 「受益圏―苦益圏」論の事例検討
細目レベル
① 日本の環境社会学は、社会全体における公害の経験とそうした社会的課題の解決に取り組もうとした社会学者らによって学問的に大きく成長した。とくに、被害構造論と「受益圏―苦益圏」論は、公害の経験から生成された理論である。 一般に公害被害とは、健康が損なわれ、ときには死まで至らしめるといった身体上の悪影響として認識されている。このような健康不良・身体障害が、大変な苦しみであるのは言うまでもない。しかし、公害被害はそれだけに終わらない。現実には、健康不良・身体障害を出発点として、家計が苦しくなる、将来の夢が奪われる、地域住民同士がいがみあうといった現象が、次々とドミノ倒しのように起こるのである。それ故公害被害を理解するためには、医学的な診断だけでなく、社会学的な把握も必要になってくる。ここでは、以上のレベルまで理解する。
② 「受益圏―苦益圏」論について学ぶ。「受益圏―苦益圏」の議論は、新幹線公害の事例から発生したことを理解すると共に、その背景には「公共性と対立した場合、被害者は我慢しなければならないのか」という問いから出発していることを理解する。受益圏とは、開発行為によって便益を受ける範囲のことで、公共事業の場合その範囲は「拡散した受益圏」を作り出すことを理解する。受苦圏とは、開発行為によって被害を受ける範囲のことで、受益圏に対して苦益圏は局地的に集中することを理解する。特に、貧困層や社会的マイノリティほど受苦圏に含まれやすいことを理解する。以上を踏まえたうえで、何らかの環境問題を取り上げ、受益圏ー受苦圏の当てはめを行う。
③ 細目①および②で学習した理論枠組みや実際の事例に関して、さらに一歩踏み込んだ検討をおこなう。具体的には、理論枠組みであればその理論枠組みがどのような事例をどのように分析できるのかを理解する。実際の事例については、何が問題として取り上げられてきたのか、そしてそれはどのように解決されたのか(いまだ解決されていないのか)を理解する。また、それらの理論枠組みや実際の事例に関して、受講生同士で議論をおこなったり、その内容を発表したりする。くわえて、実施回によっては映像資料を視聴したり、グループディスカッションを実施する場合がある。以上のアクティブラーニング的な実践を通して、この授業で得た知識をさらに確固たるものにしていく。
キーワード
① 被害構造論 ② 拡散した受益圏 ③ 局地化した受苦圏 ④ 貧困
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:コマシラバスを参照し、授業ノートを整理する。まず、手元の授業ノートを確認し、自分なりに授業の内容を確認する。次に、コマシラバスを開き、シラバスを参照しながら授業の論点を改めて確認する。そのうえで、授業ノートを加筆・修正しながら復習を行う。なお、復習をしながら質問が湧いた際には、質問項目をまとめメールなどで質問をする。予習:次週のコマシラバスを開き、内容を確認する。特に、文中で良く分からない単語がある場合には、辞書などで確認をすること。また、特定の書籍名などが挙げられている場合には、事前に書籍を手に入れ関連個所を通読すること。なお、通読にあたっては原著が望ましいが、リーダー本などを駆使してもよい。
5
世界遺産とエコツーリズム
科目の中での位置付け
この授業では、環境社会学の観点から環境問題および環境保全について検討する。具体的には社会学的な問いの立て方を学ぶと共に、環境社会学で発展をみた理論枠組みを学ぶ。第1回では、そもそも環境社会学とはどのような学問なのかを確認し、社会と自然の境界が実は非常にあいまいであるということを理解する。第2回では、環境思想史を概観したのちに、「社会的リンク論」を学ぶ。第3回では、暮らしの変化による自然観の変容について学び、「生活環境主義論」について理解する。第4回では、「被害構造論」と「受益圏-受苦圏論」を学ぶ。第5回では、世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第6回では、「コモンズ論」について学ぶ。第7回では、NIMBYと「社会的ジレンマ論」について学ぶ。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、「リスク社会論」と「環境的公正論」について学ぶ。第10回では、農と食の環境問題について学ぶ。第11回では、再生可能エネルギーとまちづくりについて学ぶ。第12回では、環境運動や環境ボランティアについて学ぶ。
世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第13回では、歴史的環境保全について学ぶ。第14回では、環境保全政策と統治の関係性について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
このような流れの中で第5回では、世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。
【細目レベル①】
鳥越皓之・帯谷博明編著『よくわかる環境社会学 第2版』ミネルヴァ書房、2017年、p22-24。
【細目レベル②】
鳥越皓之・帯谷博明編著『よくわかる環境社会学 第2版』ミネルヴァ書房、2017年、p30-32。
【細目レベル③】
配布プリント。
コマ主題細目
① 世界遺産と観光 ② エコツーリズム ③ 世界遺産とエコツーリズムの事例検討
細目レベル
① 日本には4つの世界自然遺産がある。小笠原諸島を除く3カ所に共通するのは、第一に、対象地域が国有林であり、樹木の伐採や林道建設など国有林の開発に対して自然保護の観点から反対運動が展開されたことである。第二に都市部や幹線道路から離れている 地理的条件が構想して、結果的に貴重な自然生態系が残されていたと言うことである。第3は世界遺産登録の前後に程度の差はあるものの、保護政策をめぐって住民と国との間に摩擦や軋轢が生じたと言う点である。 世界遺産に登録されることによって観光客が押し寄せると言う自然のオーバーユースが大きな問題になっている。しかし観光業など周辺地域への経済効果や地域活性化を考えると悩ましい問題でもある。世界遺産登録による観光圧の高まりとその問題点について、以上のレベルまで理解する。
② エコツアーと言うのは、たとえば、「エコ+ツアー」と分解して、環境にやさしい観光旅行などと推測できるだろう。日常的には、このような理解で支障がない。 しかし、多少なりともエコツーリズムについて考えるならば、そうした理解では不足している。そこでまず、エコツアーとエコツーリズムの違いを確認すると、エコツアーとはエコツーリズムの考え方に基づいて実践される観光旅行を指す。 エコツーリズムを定義するのは簡単ではないが、①観光の効果によって地域の暮らしが豊かになる、②観光にとって不可欠な地域の資源が守られる、③観光客が地域の自然や文化を学び満足する機会を提供する、といった観光のあり方であるというのは、広く了解されている。ここまでの内容について、事例や現状を交えながら紹介する。
③ 細目①および②で学習した理論枠組みや実際の事例に関して、さらに一歩踏み込んだ検討をおこなう。具体的には、理論枠組みであればその理論枠組みがどのような事例をどのように分析できるのかを理解する。実際の事例については、何が問題として取り上げられてきたのか、そしてそれはどのように解決されたのか(いまだ解決されていないのか)を理解する。また、それらの理論枠組みや実際の事例に関して、受講生同士で議論をおこなったり、その内容を発表したりする。くわえて、実施回によっては映像資料を視聴したり、グループディスカッションを実施する場合がある。以上のアクティブラーニング的な実践を通して、この授業で得た知識をさらに確固たるものにしていく。
キーワード
① 世界自然遺産 ② 開発の圧力 ③ エコツーリズム ④ 地域振興
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:コマシラバスを参照し、授業ノートを整理する。まず、手元の授業ノートを確認し、自分なりに授業の内容を確認する。次に、コマシラバスを開き、シラバスを参照しながら授業の論点を改めて確認する。そのうえで、授業ノートを加筆・修正しながら復習を行う。なお、復習をしながら質問が湧いた際には、質問項目をまとめメールなどで質問をする。予習:次週のコマシラバスを開き、内容を確認する。特に、文中で良く分からない単語がある場合には、辞書などで確認をすること。また、特定の書籍名などが挙げられている場合には、事前に書籍を手に入れ関連個所を通読すること。なお、通読にあたっては原著が望ましいが、リーダー本などを駆使してもよい。
6
所有権とコモンズ
科目の中での位置付け
この授業では、環境社会学の観点から環境問題および環境保全について検討する。具体的には社会学的な問いの立て方を学ぶと共に、環境社会学で発展をみた理論枠組みを学ぶ。第1回では、そもそも環境社会学とはどのような学問なのかを確認し、社会と自然の境界が実は非常にあいまいであるということを理解する。第2回では、環境思想史を概観したのちに、「社会的リンク論」を学ぶ。第3回では、暮らしの変化による自然観の変容について学び、「生活環境主義論」について理解する。第4回では、「被害構造論」と「受益圏-受苦圏論」を学ぶ。第5回では、世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第6回では、「コモンズ論」について学ぶ。第7回では、NIMBYと「社会的ジレンマ論」について学ぶ。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、「リスク社会論」と「環境的公正論」について学ぶ。第10回では、農と食の環境問題について学ぶ。第11回では、再生可能エネルギーとまちづくりについて学ぶ。第12回では、環境運動や環境ボランティアについて学ぶ。
世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第13回では、歴史的環境保全について学ぶ。第14回では、環境保全政策と統治の関係性について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
第6回では、「コモンズ論」について学ぶ。
【細目レベル①】
鳥越皓之・帯谷博明編著『よくわかる環境社会学 第2版』ミネルヴァ書房、2017年、p48-50、。
【細目レベル②】
鳥越皓之・帯谷博明編著(2017)『よくわかる環境社会学 第2版』ミネルヴァ書房、2017年、p88-89。
【細目レベル③】
配布プリント。
コマ主題細目
① 所有と利用 ② コモンズ論とは ③ 土地所有とコンフリクトに関わる事例検討
細目レベル
① 近代的な所有権は、法令の制限内において、その所有物を自由に使用、収益、処分することができる権利のことである。たとえば、ある里山を開発業者が地主から買い取ったとする。その時点で所有権は開発業者に移る。そのため、地域住民が慣れ親しんでこれまで利用してきた里山であろうと、行政からの働きかけがあろうと、所有権を持っている業者による開発行為を止めることはできない。 こうした例からは、身近な自然をめぐる問題が、単に人と自然との関係と言う問題ではないことがわかる。つまり、それは人と自然の関係の問題と言うよりも、むしろ人と人との関係の問題なのだ。別の言い方をすれば、誰がその自然に関わるのかと言う問題、あるいは、 誰と誰がどういう仕組みで関わるのかと言う問題である。いっぽう、日本の農村地域では長らく、「入会地」のように、所有と利用がかならずしも一致しないような共同の資源利用のあり方がされてきた。以上のレベルまで理解する。
② 地域住民を中心とした人びとが共同で所有・利用・管理している自然環境のことをコモンズ(commons)という。所有しているのか、単に利用しているだけなのか、いろいろなコモンズのあり方がある。しかし、それらは全部含めてコモンズとされている。地域の海や川、森といったものは、世界のほとんどの地域で、本来、個人が所有するのでなく、それを利用する地域の人びとが共同で利用したり管理したりしてきた。また、住民主体なので外部の者の圧力で自然が破壊されることもない。かつて生物学者のギャレット・ハーディンは、「共有地の悲劇(The Tragedy of Commons)」という論文を発表し、共有地(コモンズ)は誰でも自由に使うことができるため、やがて消耗していくと論じた。このハーディンの指摘により、所有権の明確でない土地は環境が破壊されやすいという説が一般的になった。しかし、実際に研究者らが調査してみると、伝統的なコモンズにおける共同資源管理の場面では、むしろ環境が保全されている場合が多いことが明らかとなった。コモンズ論について、以上のレベルまで理解する。
③ 細目①および②で学習した理論枠組みや実際の事例に関して、さらに一歩踏み込んだ検討をおこなう。具体的には、理論枠組みであればその理論枠組みがどのような事例をどのように分析できるのかを理解する。実際の事例については、何が問題として取り上げられてきたのか、そしてそれはどのように解決されたのか(いまだ解決されていないのか)を理解する。また、それらの理論枠組みや実際の事例に関して、受講生同士で議論をおこなったり、その内容を発表したりする。くわえて、実施回によっては映像資料を視聴したり、グループディスカッションを実施する場合がある。以上のアクティブラーニング的な実践を通して、この授業で得た知識をさらに確固たるものにしていく。
キーワード
① 所有権と利用権 ② 入会地 ③ コモンズ ④ 共有地の悲劇
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:コマシラバスを参照し、授業ノートを整理する。まず、手元の授業ノートを確認し、自分なりに授業の内容を確認する。次に、コマシラバスを開き、シラバスを参照しながら授業の論点を改めて確認する。そのうえで、授業ノートを加筆・修正しながら復習を行う。なお、復習をしながら質問が湧いた際には、質問項目をまとめメールなどで質問をする。予習:次週のコマシラバスを開き、内容を確認する。特に、文中で良く分からない単語がある場合には、辞書などで確認をすること。また、特定の書籍名などが挙げられている場合には、事前に書籍を手に入れ関連個所を通読すること。なお、通読にあたっては原著が望ましいが、リーダー本などを駆使してもよい。
7
NIMBYと社会的ジレンマ
科目の中での位置付け
この授業では、環境社会学の観点から環境問題および環境保全について検討する。具体的には社会学的な問いの立て方を学ぶと共に、環境社会学で発展をみた理論枠組みを学ぶ。第1回では、そもそも環境社会学とはどのような学問なのかを確認し、社会と自然の境界が実は非常にあいまいであるということを理解する。第2回では、環境思想史を概観したのちに、「社会的リンク論」を学ぶ。第3回では、暮らしの変化による自然観の変容について学び、「生活環境主義論」について理解する。第4回では、「被害構造論」と「受益圏-受苦圏論」を学ぶ。第5回では、世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第6回では、「コモンズ論」について学ぶ。第7回では、NIMBYと「社会的ジレンマ論」について学ぶ。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、「リスク社会論」と「環境的公正論」について学ぶ。第10回では、農と食の環境問題について学ぶ。第11回では、再生可能エネルギーとまちづくりについて学ぶ。第12回では、環境運動や環境ボランティアについて学ぶ。
世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第13回では、歴史的環境保全について学ぶ。第14回では、環境保全政策と統治の関係性について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
第7回では、NIMBYと「社会的ジレンマ論」について学ぶ。
【細目レベル①】
鳥越皓之・帯谷博明編著『よくわかる環境社会学 第2版』ミネルヴァ書房、2017年、p87。
【細目レベル②】
鳥越皓之・帯谷博明編著『よくわかる環境社会学 第2版』ミネルヴァ書房、2017年、p88-89。
【細目レベル③】
配布プリント。
コマ主題細目
① NIMBYとは ② 社会的ジレンマとは ③ NIMBYと社会的ジレンマ論の事例検討
細目レベル
① ゴミ焼却場や産業廃棄物の処理場は、 廃棄物行政の立場からは、産業活動と生活環境の保全を図っていくためには、処分場を適正に配置していかなければならないと言う主張が繰り返される一方、地域住民からは、処分場が地域社会にもたらす環境 影響への危惧や不十分な意思決定手続きへの批判が投げかけられてきた。このような産廃問題をめぐる紛争の原因が、「社会的に必要性はわかるが自分たちの裏庭には望まない」と言う考え方や態度にあると指摘する声は多い。こうした声は、“Not-In-My-Backyard”の頭文字をとって「NIMBY(ニンビィ)」と呼ぶが、 これを「住民エゴ」だと批判する側も、では「なぜこの場所なのか」と言う地域住民の素朴な問いかけに答える術を持ってはいない。ここでは、NIMBYをめぐる見解の違いを、立場の違いから理解する。
② 個別的で短期的には合理的な行為の集積結果が、環境に関わる集合財(皆が同時に使用し享受できる罪)の悪化を引き起こし、長期的には社会全体に望ましくない結果を生み出すようなメカニズムのことを社会的ジレンマと言う。 誰しもみんなの環境を破壊させようなどとは思っていないだろう。ただ単に自分にとっての利益を追求したに過ぎない。しかも、個別の利益を最大化したとしてもそれによって生じるマイナスの効果は全体に分散されてしまうため、環境負荷に対する自らの加害性への自覚が乏しい。利益の最大化を追求し続けることによって、その連鎖が、意図せざる結果としてシステム全体に破滅的な影響を及ぼしてしまう。社会的ジレンマの原理について、以上のレベルまで理解する。
③ 細目①および②で学習した理論枠組みや実際の事例に関して、さらに一歩踏み込んだ検討をおこなう。具体的には、理論枠組みであればその理論枠組みがどのような事例をどのように分析できるのかを理解する。実際の事例については、何が問題として取り上げられてきたのか、そしてそれはどのように解決されたのか(いまだ解決されていないのか)を理解する。また、それらの理論枠組みや実際の事例に関して、受講生同士で議論をおこなったり、その内容を発表したりする。くわえて、実施回によっては映像資料を視聴したり、グループディスカッションを実施する場合がある。以上のアクティブラーニング的な実践を通して、この授業で得た知識をさらに確固たるものにしていく。
キーワード
① NIMBY ② 住民エゴ ③ 集合財(公共財) ④ 社会的ジレンマ ⑤ 意図せざる結果
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:コマシラバスを参照し、授業ノートを整理する。まず、手元の授業ノートを確認し、自分なりに授業の内容を確認する。次に、コマシラバスを開き、シラバスを参照しながら授業の論点を改めて確認する。そのうえで、授業ノートを加筆・修正しながら復習を行う。なお、復習をしながら質問が湧いた際には、質問項目をまとめメールなどで質問をする。予習:次週のコマシラバスを開き、内容を確認する。特に、文中で良く分からない単語がある場合には、辞書などで確認をすること。また、特定の書籍名などが挙げられている場合には、事前に書籍を手に入れ関連個所を通読すること。なお、通読にあたっては原著が望ましいが、リーダー本などを駆使してもよい。
8
まとめ①
科目の中での位置付け
この授業では、環境社会学の観点から環境問題および環境保全について検討する。具体的には社会学的な問いの立て方を学ぶと共に、環境社会学で発展をみた理論枠組みを学ぶ。第1回では、そそもそも環境社会学とはどのような学問なのかを確認し、社会と自然の境界が実は非常にあいまいであるということを理解する。第2回では、環境思想史を概観したのちに、「社会的リンク論」を学ぶ。第3回では、暮らしの変化による自然観の変容について学び、「生活環境主義論」について理解する。第4回では、「被害構造論」と「受益圏-受苦圏論」を学ぶ。第5回では、世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第6回では、「コモンズ論」について学ぶ。第7回では、NIMBYと「社会的ジレンマ論」について学ぶ。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、「リスク社会論」と「環境的公正論」について学ぶ。第10回では、農と食の環境問題について学ぶ。第11回では、再生可能エネルギーとまちづくりについて学ぶ。第12回では、環境運動や環境ボランティアについて学ぶ。
世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第13回では、歴史的環境保全について学ぶ。第14回では、環境保全政策と統治の関係性について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。
1~7回に配布した資料およびシラバス
コマ主題細目
① 第1回・第2回の復習 ② 第3回・第4回の復習 ③ 第5回・第6回・第7回の復習
細目レベル
① 環境社会学の系譜として、高度経済成長期の公害や大規模開発を扱った「環境問題の社会学」と農村における人間社会と自然環境との多面的な関係性を分析する「環境共存の社会学」があることを理解する。他の社会学と異なる特徴は、「自然」という視点が入ることを理解する。環境社会学が対象とする自然は、破壊された自然や人為的に手入れがなされた自然などの「文化としての自然」であることを理解する。ここでは、環境社会学が人間社会と自然環境との相互作用を対象とする学問であることまで理解する。
社会的リンク論の概要として、元来、人間と自然は分離できるものではなく、「社会的・経済的リンク」と「文化的・宗教的リンク」のネットワークの中で連続してつながっていたことを「かかわりの全体性」をキーワードに理解する。元来、人間と自然は分離できるものではなく、「社会的・経済的リンク」と「文化的・宗教的リンク」のネットワークの中で連続してつながっていたことを「かかわりの全体性」をキーワードに理解する。
② 生活環境主義は、初期の環境社会学で提唱された視点であり、非エリート的な一般の人々の生活を「経験論」から捉える発想である。そしてそれは、自然環境主義や近代技術主義とも一線を画すものであることを理解する。このような理由から、生活環境主義では「『環境問題』の状況下で生きる人」の観点を重要視し、人々の語りから問を見出していく論理であることを理解する。
受益圏とは、開発行為によって便益を受ける範囲のことで、公共事業の場合その範囲は「拡散した受益圏」を作り出すことを理解する。受苦圏とは、開発行為によって被害を受ける範囲のことで、受益圏に対して苦益圏は局地的に集中することを理解する。特に、貧困層や社会的マイノリティほど受苦圏に含まれやすいことを理解する。
③ 世界遺産に登録されることによって観光客が押し寄せると言う自然のオーバーユースが大きな問題になっている。しかし観光業など周辺地域への経済効果や地域活性化を考えると悩ましい問題でもある。エコツアーとはエコツーリズムの考え方に基づいて実践される観光旅行を指す。 エコツーリズムを定義するのは簡単ではないが、①観光の効果によって地域の暮らしが豊かになる、②観光にとって不可欠な地域の資源が守られる、③観光客が地域の自然や文化を学び満足する機会を提供する、といった観光のあり方であるというのは、広く了解されている。
地域住民を中心とした人びとが共同で所有・利用・管理している自然環境のことをコモンズ(commons)という。地域の海や川、森といったものは、世界のほとんどの地域で、本来、個人が所有するのでなく、それを利用する地域の人びとが共同で利用したり管理したりしてきた。また、住民主体なので外部の者の圧力で自然が破壊されることもない。
個別的で短期的には合理的な行為の集積結果が、環境に関わる集合財(皆が同時に使用し享受できる罪)の悪化を引き起こし、長期的には社会全体に望ましくない結果を生み出すようなメカニズムのことを社会的ジレンマと言う。
キーワード
① 社会化された自然 ② 社会的リンク論 ③ 生活環境主義 ④ 受益圏-受苦圏 ⑤ コモンズ
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:コマシラバスを参照し、授業ノートを整理する。まず、手元の授業ノートを確認し、自分なりに授業の内容を確認する。次に、コマシラバスを開き、シラバスを参照しながら授業の論点を改めて確認する。そのうえで、授業ノートを加筆・修正しながら復習を行う。なお、復習をしながら質問が湧いた際には、質問項目をまとめメールなどで質問をする。予習:次週のコマシラバスを開き、内容を確認する。特に、文中で良く分からない単語がある場合には、辞書などで確認をすること。また、特定の書籍名などが挙げられている場合には、事前に書籍を手に入れ関連個所を通読すること。なお、通読にあたっては原著が望ましいが、リーダー本などを駆使してもよい。
9
リスク社会と環境的公正
科目の中での位置付け
この授業では、環境社会学の観点から環境問題および環境保全について検討する。具体的には社会学的な問いの立て方を学ぶと共に、環境社会学で発展をみた理論枠組みを学ぶ。第1回では、そもそも環境社会学とはどのような学問なのかを確認し、社会と自然の境界が実は非常にあいまいであるということを理解する。第2回では、環境思想史を概観したのちに、「社会的リンク論」を学ぶ。第3回では、暮らしの変化による自然観の変容について学び、「生活環境主義論」について理解する。第4回では、「被害構造論」と「受益圏-受苦圏論」を学ぶ。第5回では、世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第6回では、「コモンズ論」について学ぶ。第7回では、NIMBYと「社会的ジレンマ論」について学ぶ。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、「リスク社会論」と「環境的公正論」について学ぶ。第10回では、農と食の環境問題について学ぶ。第11回では、再生可能エネルギーとまちづくりについて学ぶ。第12回では、環境運動や環境ボランティアについて学ぶ。
世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第13回では、歴史的環境保全について学ぶ。第14回では、環境保全政策と統治の関係性について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
第9回では、「リスク社会論」と「環境的公正論」について学ぶ。
【細目レベル①】
ウルリッヒ・ベック(1986=1998)『危険社会』、法政大学出版局、p1-30。
【細目レベル②】
鳥越皓之・帯谷博明編著『よくわかる環境社会学 第2版』ミネルヴァ書房、2017年、p9。
【細目レベル③】
配布プリント。
コマ主題細目
① リスク社会論の概要 ② 環境的公正論の概要 ③ リスク社会・環境的公正の事例検討
細目レベル
① ウルリッヒ・ベックの『リスク社会』を手がかりに「リスク社会論」を学ぶ。近代化にともなう科学技術の進展の帰結として、人間社会にリスクが降りかかる社会のことを「リスク社会」という。リスク社会が重要な概念となった契機としてのチェルノブイリ原発事故を振り返るとともに、リスクの性質から科学技術を考える。最後に、リスク社会において人の思考はどのように変化するのかについて考察を深める。具体的には、リスク社会は、時に人知で解決できなかった問題を「人災」とし、次に向けた被害軽減が議論される。このような「リスク回避」の思考を通して「リスク社会」は社会を支配する原理となる(「仕方ないこと」の領域が社会の中で縮小されていく)ことを理解する。
② 「環境正義および環境的公正」論について学ぶ。環境問題のリスクは、特定の人種や所得階層の人々に集中している。このような不平等を是正を求めるために環境正義/環境的公正の議論が生まれたことを理解する。環境リスクをめぐる不公平は、グローバルな経済構造における分配の不公正に大きく関連していることを、アメリカの環境社会学の発展の文脈から理解する。ここでの論点は、公害時代の環境社会学が対象としていたのは、都道府県レベルの比較的小規模なエリア内におけるリスクであったが、気候変動などのように現在の環境問題が抱えるリスクの範囲はグローバルに広がっていること、また、その背景に経済的問題(富の偏在)があることを理解する。
③ 細目①および②で学習した理論枠組みや実際の事例に関して、さらに一歩踏み込んだ検討をおこなう。具体的には、理論枠組みであればその理論枠組みがどのような事例をどのように分析できるのかを理解する。実際の事例については、何が問題として取り上げられてきたのか、そしてそれはどのように解決されたのか(いまだ解決されていないのか)を理解する。また、それらの理論枠組みや実際の事例に関して、受講生同士で議論をおこなったり、その内容を発表したりする。くわえて、実施回によっては映像資料を視聴したり、グループディスカッションを実施する場合がある。以上のアクティブラーニング的な実践を通して、この授業で得た知識をさらに確固たるものにしていく。
キーワード
① リスク社会 ② 「危険」と「リスク」 ③ 科学技術 ④ 貧困
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:コマシラバスを参照し、授業ノートを整理する。まず、手元の授業ノートを確認し、自分なりに授業の内容を確認する。次に、コマシラバスを開き、シラバスを参照しながら授業の論点を改めて確認する。そのうえで、授業ノートを加筆・修正しながら復習を行う。なお、復習をしながら質問が湧いた際には、質問項目をまとめメールなどで質問をする。予習:次週のコマシラバスを開き、内容を確認する。特に、文中で良く分からない単語がある場合には、辞書などで確認をすること。また、特定の書籍名などが挙げられている場合には、事前に書籍を手に入れ関連個所を通読すること。なお、通読にあたっては原著が望ましいが、リーダー本などを駆使してもよい。
10
農と食の環境問題
科目の中での位置付け
この授業では、環境社会学の観点から環境問題および環境保全について検討する。具体的には社会学的な問いの立て方を学ぶと共に、環境社会学で発展をみた理論枠組みを学ぶ。第1回では、そもそも環境社会学とはどのような学問なのかを確認し、社会と自然の境界が実は非常にあいまいであるということを理解する。第2回では、環境思想史を概観したのちに、「社会的リンク論」を学ぶ。第3回では、暮らしの変化による自然観の変容について学び、「生活環境主義論」について理解する。第4回では、「被害構造論」と「受益圏-受苦圏論」を学ぶ。第5回では、世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第6回では、「コモンズ論」について学ぶ。第7回では、NIMBYと「社会的ジレンマ論」について学ぶ。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、「リスク社会論」と「環境的公正論」について学ぶ。第10回では、農と食の環境問題について学ぶ。第11回では、再生可能エネルギーとまちづくりについて学ぶ。第12回では、環境運動や環境ボランティアについて学ぶ。
世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第13回では、歴史的環境保全について学ぶ。第14回では、環境保全政策と統治の関係性について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
第10回では、農と食の環境問題について学ぶ。
【細目レベル①】
鳥越皓之・帯谷博明編著『よくわかる環境社会学 第2版』ミネルヴァ書房、2017年、p72-74。
【細目レベル②】
配布プリント。
【細目レベル③】
配布プリント。
コマ主題細目
① 有機農業運動とは ② 有機農業の慣行農業化とは ③ 農と食の環境問題の事例検討
細目レベル
① 日本では、高度経済成長期後の1970年代から有機農業運動がさかんになった。都市部の消費者が「安全・安心」な農産物を求めて、農村部で有機農業を実践していた一部の有機農業者と提携し、産地直送の有機農産物を手に入れる独自のネットワークを形成した。有機農業運動における「提携」とは、単なる消費者と生産者との売買関係ではない。この「提携」関係の大きな特徴は「援農」にある。 援農とは都会の消費者は生産の現場を知らなくてはならないと言う原則のもと、年に1〜2回、生産者とともに農作業に従事することである。しかしながら、この「援農」は消費者に大変大きな負担を強いた。また、流通経路が整っていなかった当時、生産者は朝・昼で収穫した農産物を運ぶために夜通しでトラックを運転し、未明に消費者へ届けており、こちらは生産者にとって大きな負担となった。また、1980年代後半には、有名デパートに「有機野菜コーナー」が登場するようになり、生産者と消費者が「顔の見える関係」を構築する必然性は希薄化していった。
② 現在、有機農業運動が起こった頃に比べて、有機農業をめぐる状況は様変わりしつつある。コンビニでも有機農産物を使った商品が出回るようになった。大手スーパーに行けば有機農産物コーナーが設置されているだけでなく、置かれている農産物の種類も大変豊富になった。こうした有機農産物の流通の背景には、産業として成長した有機農業の姿がある。とくに、世界有数の有機農産物の産地である米国カリフォルニア州では、大規模な有機農業が台頭しつつある。しかし、単一作物を大規模に栽培し、大型の機械を導入し、大量の水資源を使った洗浄作業のあとにプラスチック包装され、空輸されていく有機農産物が生み出す環境負荷は、相当なものである。こうした点から2000年代前後より、アメリカの農村社会学者からは、「有機農業が慣行農業(農薬・化学肥料を用いる従来型の農業)と化しているのではないか」という指摘が出始めた。これを「有機農業の慣行農業化」仮説という。
③ 細目①および②で学習した理論枠組みや実際の事例に関して、さらに一歩踏み込んだ検討をおこなう。具体的には、理論枠組みであればその理論枠組みがどのような事例をどのように分析できるのかを理解する。実際の事例については、何が問題として取り上げられてきたのか、そしてそれはどのように解決されたのか(いまだ解決されていないのか)を理解する。また、それらの理論枠組みや実際の事例に関して、受講生同士で議論をおこなったり、その内容を発表したりする。くわえて、実施回によっては映像資料を視聴したり、グループディスカッションを実施する場合がある。以上のアクティブラーニング的な実践を通して、この授業で得た知識をさらに確固たるものにしていく。
キーワード
① 有機農業運動 ② 援農 ③ 提携 ④ 有機農業の慣行農業化
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:コマシラバスを参照し、授業ノートを整理する。まず、手元の授業ノートを確認し、自分なりに授業の内容を確認する。次に、コマシラバスを開き、シラバスを参照しながら授業の論点を改めて確認する。そのうえで、授業ノートを加筆・修正しながら復習を行う。なお、復習をしながら質問が湧いた際には、質問項目をまとめメールなどで質問をする。予習:次週のコマシラバスを開き、内容を確認する。特に、文中で良く分からない単語がある場合には、辞書などで確認をすること。また、特定の書籍名などが挙げられている場合には、事前に書籍を手に入れ関連個所を通読すること。なお、通読にあたっては原著が望ましいが、リーダー本などを駆使してもよい。
11
再生可能エネルギーとまちづくり
科目の中での位置付け
この授業では、環境社会学の観点から環境問題および環境保全について検討する。具体的には社会学的な問いの立て方を学ぶと共に、環境社会学で発展をみた理論枠組みを学ぶ。第1回では、そもそも環境社会学とはどのような学問なのかを確認し、社会と自然の境界が実は非常にあいまいであるということを理解する。第2回では、環境思想史を概観したのちに、「社会的リンク論」を学ぶ。第3回では、暮らしの変化による自然観の変容について学び、「生活環境主義論」について理解する。第4回では、「被害構造論」と「受益圏-受苦圏論」を学ぶ。第5回では、世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第6回では、「コモンズ論」について学ぶ。第7回では、NIMBYと「社会的ジレンマ論」について学ぶ。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、「リスク社会論」と「環境的公正論」について学ぶ。第10回では、農と食の環境問題について学ぶ。第11回では、再生可能エネルギーとまちづくりについて学ぶ。第12回では、環境運動や環境ボランティアについて学ぶ。
世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第13回では、歴史的環境保全について学ぶ。第14回では、環境保全政策と統治の関係性について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
第11回では、再生可能エネルギーとまちづくりについて学ぶ。
【細目レベル①】
丸山康司(2015)『再生可能エネルギーの社会化』有斐閣、p1-21。
【細目レベル②】
鳥越皓之・帯谷博明編著『よくわかる環境社会学 第2版』ミネルヴァ書房、2017年、p114-115。
【細目レベル③】
配布プリント。
コマ主題細目
① コミュニティ・パワーとは ② 地域づくりは何をめざすのか ③ コミュニティ・パワーと地域づくりの事例検討
細目レベル
① 再生可能エネルギーの地域への導入が期待されているが、現実には、立地地域における反対運動が後をたたない(これは第7回授業で学んだ「NIMBY」の一類型である)。また、再生可能エネルギーを導入したものの、メンテナンスなどに費用がかかり、当初の想定よりも支出が多く、利益が出にくいといった話もある。いっぽうで、再生可能エネルギーの導入時期が早かった西欧では、地域振興と再生可能エネルギーを組み合わせた成功例がいくつか存在する。たとえば、デンマークでは、地域が所有する中小規模の再生可能エネルギーの普及が進んでいる。地域で所有する再生可能エネルギーにおいては、メンテナンスなども地域内の人手で行うため、地域に雇用が生まれる。しかも、資本の外部流出も少なくて済む。また、地域で所有されている再生可能エネルギーの場合、自分たちの電力を生み出してくれる施設であるためか、反対意見が少ない傾向にある。このように、地域において受容された(「社会的受容性」)再生可能エネルギーのことを、「コミュニティ・パワー」という。
② 「まちづくり」や「地域づくり」といった言葉は非常にあいまいに使われており、誰が何を目的としているかによってその内実が異なってくる。 個別の地域づくりは、それが必要とされるようになった理由と深く関係している。もしも暮らしを成り立たせている地域に問題がなく、みんなが満足していれば、地域を作り替える必要などない。この場合の地域とは、人々が暮らしていくときに形成する空間的・社会的まとまり、すなわち生活実感のおよぶ暮らしの拠点と言う意味である。 だから、地域には買い物、仕事、子育て、教育、福祉、文化などの様々な機能といろいろな人間関係、社会関係が重なり合っている。もちろん、景観や環境と言う側面も良い暮らしの追求には欠かせない。このように人々は、経済、社会、環境と言う暮らしの3層構造の中で生きている。
③ 細目①および②で学習した理論枠組みや実際の事例に関して、さらに一歩踏み込んだ検討をおこなう。具体的には、理論枠組みであればその理論枠組みがどのような事例をどのように分析できるのかを理解する。実際の事例については、何が問題として取り上げられてきたのか、そしてそれはどのように解決されたのか(いまだ解決されていないのか)を理解する。また、それらの理論枠組みや実際の事例に関して、受講生同士で議論をおこなったり、その内容を発表したりする。くわえて、実施回によっては映像資料を視聴したり、グループディスカッションを実施する場合がある。以上のアクティブラーニング的な実践を通して、この授業で得た知識をさらに確固たるものにしていく。
キーワード
① コミュニティ・パワー ② 社会的受容性 ③ NIMBY ④ 地域づくり
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:コマシラバスを参照し、授業ノートを整理する。まず、手元の授業ノートを確認し、自分なりに授業の内容を確認する。次に、コマシラバスを開き、シラバスを参照しながら授業の論点を改めて確認する。そのうえで、授業ノートを加筆・修正しながら復習を行う。なお、復習をしながら質問が湧いた際には、質問項目をまとめメールなどで質問をする。予習:次週のコマシラバスを開き、内容を確認する。特に、文中で良く分からない単語がある場合には、辞書などで確認をすること。また、特定の書籍名などが挙げられている場合には、事前に書籍を手に入れ関連個所を通読すること。なお、通読にあたっては原著が望ましいが、リーダー本などを駆使してもよい。
12
環境運動と環境ボランティア
科目の中での位置付け
この授業では、環境社会学の観点から環境問題および環境保全について検討する。具体的には社会学的な問いの立て方を学ぶと共に、環境社会学で発展をみた理論枠組みを学ぶ。第1回では、そもそも環境社会学とはどのような学問なのかを確認し、社会と自然の境界が実は非常にあいまいであるということを理解する。第2回では、環境思想史を概観したのちに、「社会的リンク論」を学ぶ。第3回では、暮らしの変化による自然観の変容について学び、「生活環境主義論」について理解する。第4回では、「被害構造論」と「受益圏-受苦圏論」を学ぶ。第5回では、世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第6回では、「コモンズ論」について学ぶ。第7回では、NIMBYと「社会的ジレンマ論」について学ぶ。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、「リスク社会論」と「環境的公正論」について学ぶ。第10回では、農と食の環境問題について学ぶ。第11回では、再生可能エネルギーとまちづくりについて学ぶ。第12回では、環境運動や環境ボランティアについて学ぶ。
第13回では、歴史的環境保全について学ぶ。第14回では、環境保全政策と統治の関係性について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
第12回では、環境運動や環境ボランティアについて学ぶ。
【細目レベル①】
鳥越皓之・帯谷博明編著『よくわかる環境社会学 第2版』ミネルヴァ書房、2017年、p102-104。
【細目レベル②】
鳥越皓之・帯谷博明編著『よくわかる環境社会学 第2版』ミネルヴァ書房、2017年、p106-108。
【細目レベル③】
配布プリント。
コマ主題細目
① 環境運動の概要 ② ボランティアとネオリベラリズム ③ 環境運動・環境ボランティアの事例検討
細目レベル
① 日本では、戦前からの農民運動や労働運動に関する研究の伝統があり、かつてはこの2つが社会運動の代名詞ともなっていた。その後、1968年をピークとする国際的な政治的潮流の中で、「新しい社会運動」と言う概念が登場した。それらは、環境・ジェンダー・マイノリティなど、課題の新しさ、そして担い手も学生を始めとする若年層や女性が中心になるなどの特徴があった。また、物質的な富以外の幸福あるいは従来省みられてこなかった差別の解消による社会的正義の実現などが目指されている点にも特色があった。環境問題に関する社会運動である環境運動は、こうした「新しい社会運動」の一種として注目されてきた。さて、社会運動を成功させる要因とは何だろうか。ここでは、資源動員論や新しい社会運動論の理論枠組みについて、概要を理解する。
② 環境保全は、市民の協力無くして成り立たない。このような状況が生まれた背景をネオリベラリズム(新自由主義)をキーワードに理解する。「市民活動」の主体は、NPOやNGOなどの非営利組織からボランティア団体、町内会、自治会、婦人会など多様であることを理解する。環境保全にも活動費はかかるため、市民活動を運営するためには資金の調達が問題になる。一方、NPOは日本に定着した感もあるが、その運営には大きな課題がいくつかある。例えば、収入の偏りと、それに起因する行政への「依存」の高まりである。最近、一部のNPOやボランティア における「ネオリベラリズムとの共鳴と共振」あるいは「行政の下請け化」と言われるような問題が指摘されている。
③ 細目①および②で学習した理論枠組みや実際の事例に関して、さらに一歩踏み込んだ検討をおこなう。具体的には、理論枠組みであればその理論枠組みがどのような事例をどのように分析できるのかを理解する。実際の事例については、何が問題として取り上げられてきたのか、そしてそれはどのように解決されたのか(いまだ解決されていないのか)を理解する。また、それらの理論枠組みや実際の事例に関して、受講生同士で議論をおこなったり、その内容を発表したりする。くわえて、実施回によっては映像資料を視聴したり、グループディスカッションを実施する場合がある。以上のアクティブラーニング的な実践を通して、この授業で得た知識をさらに確固たるものにしていく。
キーワード
① 新しい社会運動 ② 資源動員論 ③ 行政の下請け化 ④ 環境系市民活動の「事業化」 ⑤ 環境系市民活動の「制度化」
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:コマシラバスを参照し、授業ノートを整理する。まず、手元の授業ノートを確認し、自分なりに授業の内容を確認する。次に、コマシラバスを開き、シラバスを参照しながら授業の論点を改めて確認する。そのうえで、授業ノートを加筆・修正しながら復習を行う。なお、復習をしながら質問が湧いた際には、質問項目をまとめメールなどで質問をする。予習:次週のコマシラバスを開き、内容を確認する。特に、文中で良く分からない単語がある場合には、辞書などで確認をすること。また、特定の書籍名などが挙げられている場合には、事前に書籍を手に入れ関連個所を通読すること。なお、通読にあたっては原著が望ましいが、リーダー本などを駆使してもよい。
13
歴史的環境と景観
科目の中での位置付け
この授業では、環境社会学の観点から環境問題および環境保全について検討する。具体的には社会学的な問いの立て方を学ぶと共に、環境社会学で発展をみた理論枠組みを学ぶ。第1回では、そもそも環境社会学とはどのような学問なのかを確認し、社会と自然の境界が実は非常にあいまいであるということを理解する。第2回では、環境思想史を概観したのちに、「社会的リンク論」を学ぶ。第3回では、暮らしの変化による自然観の変容について学び、「生活環境主義論」について理解する。第4回では、「被害構造論」と「受益圏-受苦圏論」を学ぶ。第5回では、世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第6回では、「コモンズ論」について学ぶ。第7回では、NIMBYと「社会的ジレンマ論」について学ぶ。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、「リスク社会論」と「環境的公正論」について学ぶ。第10回では、農と食の環境問題について学ぶ。第11回では、再生可能エネルギーとまちづくりについて学ぶ。第12回では、環境運動や環境ボランティアについて学ぶ。
第13回では、歴史的環境保全について学ぶ。第14回では、環境保全政策と統治の関係性について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
このような流れの中で、第13回では、歴史的環境保全について学ぶ。
【細目レベル①】
鳥越皓之・帯谷博明編著『よくわかる環境社会学 第2版』ミネルヴァ書房、2017年、p130-133。
【細目レベル②】
鳥越皓之・帯谷博明編著『よくわかる環境社会学 第2版』ミネルヴァ書房、2017年、p134-137。
【細目レベル③】
配布プリント。
コマ主題細目
① 歴史的環境とは ② 町並み保存運動とまちづくり ③ 歴史的環境の事例検討
細目レベル
① 歴史的環境は、「歴史的遺産が集中して存在することで作り出されている一定の場」と、研究者によって定義されている。自分たちの国や地域に特徴的な農村の景観や建造物、遺跡などを保護する活動は、ユネスコによる世界遺産登録やイギリスのナショナル・トラストの活動のように、世界的に見ても珍しくはない。 日本の歴史的環境保全の研究は2つのケースに分けることができる。第一の系譜は開発から文化財をいかに守るか、と言う文化財保護を起点とする政策論的研究の系譜であり、第二の系譜は、自然環境を含む環境の歴史性大東文化論的研究である。また、イギリスではアメニティ(人間にとって美しさなどの価値を持つ快適な環境)保全の長い運動の歴史がある。ここでは、歴史的環境とは何か、どんな系譜によって研究されてきたか、アメニティとは何かについて理解する。
② 1960年代以降、日本各地で「町並み保存運動」が起こり、1974年には全国町並み保存連盟が設立されて保存を訴えた。高度経済成長期に急速に失われていった地域社会固有の景観を残さなければ、生まれ育った地域が忘れ去られてしまうと言うような危機感から 保存運動が起こったと考えられる。同時に、日本の都市計画が世界でも類を見ない成長促進型計画であり、また、計画が極めて強い力を持っていると言う意味で「計画高権」であることも、保存運動をもたらした要因として無視できない。しかし、保存のために、クーラーもアルミサッシも使ってはならないとしたら、保存運動への支持は集まりにくいだろう。だから、保存運動は、 歴史的町並みを最大限に尊重しながら、現代社会に適合的な形で生かしていこうとする「保全」と言う考え方を打ち出した。「町並み保存運動」について、以上のレベルまで理解する。
③ 細目①および②で学習した理論枠組みや実際の事例に関して、さらに一歩踏み込んだ検討をおこなう。具体的には、理論枠組みであればその理論枠組みがどのような事例をどのように分析できるのかを理解する。実際の事例については、何が問題として取り上げられてきたのか、そしてそれはどのように解決されたのか(いまだ解決されていないのか)を理解する。また、それらの理論枠組みや実際の事例に関して、受講生同士で議論をおこなったり、その内容を発表したりする。くわえて、実施回によっては映像資料を視聴したり、グループディスカッションを実施する場合がある。以上のアクティブラーニング的な実践を通して、この授業で得た知識をさらに確固たるものにしていく。
キーワード
① 歴史的環境 ② ナショナル・トラスト ③ アメニティ ④ 町並み保存運動 ⑤ 保存と保全
コマの展開方法
社会人講師
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コマ用オリジナル配布資料
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その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:コマシラバスを参照し、授業ノートを整理する。まず、手元の授業ノートを確認し、自分なりに授業の内容を確認する。次に、コマシラバスを開き、シラバスを参照しながら授業の論点を改めて確認する。そのうえで、授業ノートを加筆・修正しながら復習を行う。なお、復習をしながら質問が湧いた際には、質問項目をまとめメールなどで質問をする。予習:次週のコマシラバスを開き、内容を確認する。特に、文中で良く分からない単語がある場合には、辞書などで確認をすること。また、特定の書籍名などが挙げられている場合には、事前に書籍を手に入れ関連個所を通読すること。なお、通読にあたっては原著が望ましいが、リーダー本などを駆使してもよい。
14
環境保全政策と統治
科目の中での位置付け
この授業では、環境社会学の観点から環境問題および環境保全について検討する。具体的には社会学的な問いの立て方を学ぶと共に、環境社会学で発展をみた理論枠組みを学ぶ。第1回では、そもそも環境社会学とはどのような学問なのかを確認し、社会と自然の境界が実は非常にあいまいであるということを理解する。第2回では、環境思想史を概観したのちに、「社会的リンク論」を学ぶ。第3回では、暮らしの変化による自然観の変容について学び、「生活環境主義論」について理解する。第4回では、「被害構造論」と「受益圏-受苦圏論」を学ぶ。第5回では、世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第6回では、「コモンズ論」について学ぶ。第7回では、NIMBYと「社会的ジレンマ論」について学ぶ。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、「リスク社会論」と「環境的公正論」について学ぶ。第10回では、農と食の環境問題について学ぶ。第11回では、再生可能エネルギーとまちづくりについて学ぶ。第12回では、環境運動や環境ボランティアについて学ぶ。
第13回では、歴史的環境保全について学ぶ。第14回では、環境保全政策と統治の関係性について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
このような流れの中で、第14回では、環境保全政策と統治の関係性について学ぶ。
【細目レベル①】
鳥越皓之・帯谷博明編著『よくわかる環境社会学 第2版』ミネルヴァ書房、2017年、p196-197。
【細目レベル②】
椙本歩美『森を守るのは誰か』新泉社、2018年、p106-108。
【細目レベル③】
配布プリント。
コマ主題細目
① 先住民族の権利と環境正 ② 発展途上国における地域住民と環境保全政策の摩擦 ③ トップダウン型の環境保全政策の事例検討
細目レベル
① 先住民族とは、①その地域に長い間居住し、 その地域の自然環境によく適応した生活様式を発達させ、環境についての詳しい知識を持っている、②後からその地域に入ってきた別の民族に支配されているが、必ずしもその支配に同意していない、③支配人族との間に法律や政治、経済、社会面での差別がある、④社会・経済上の激しい変化にさらされているが、民族意識と文化を維持するという意志を強く持っている、といった特徴があるとされている。先住民族は、資源開発や有害物の廃棄などの問題において、土地を追われたり、ひどい場合には生命を奪われたりするケースが世界各地で後をたたない。こうした背景には、先住民族の暮らす土地がいわゆる「辺境」である場合が多いこと、政治的な権利が制限されているなどの理由がある。
② つぎに、発展途上国を事例として、地域住民と国による環境保全政策との間に生じている摩擦について理解する。発展途上国では、国による環境保全政策として、自然保護区を定めたり、中央から自然保護官を派遣したりするなどの、トップダウン的な施策がおこなわれてきた。こうした国による施策は、環境保全を行っているという対外的なアピールを目的としているが、自然保護区に定められた土地や、自然保護官が派遣されてきた土地に住んでいる地域住民との間で、さまざまな摩擦が起こっている。いっぽうで、わずかではあるが、地域住民がうまく協働している地域もみられ、そうした地域ではどのような政策運営がなされているのかということについても解明が待たれている。
③ 細目①および②で学習した理論枠組みや実際の事例に関して、さらに一歩踏み込んだ検討をおこなう。具体的には、理論枠組みであればその理論枠組みがどのような事例をどのように分析できるのかを理解する。実際の事例については、何が問題として取り上げられてきたのか、そしてそれはどのように解決されたのか(いまだ解決されていないのか)を理解する。また、それらの理論枠組みや実際の事例に関して、受講生同士で議論をおこなったり、その内容を発表したりする。くわえて、実施回によっては映像資料を視聴したり、グループディスカッションを実施する場合がある。以上のアクティブラーニング的な実践を通して、この授業で得た知識をさらに確固たるものにしていく。
キーワード
① 環境正義 ② トップダウン ③ 地域住民
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:コマシラバスを参照し、授業ノートを整理する。まず、手元の授業ノートを確認し、自分なりに授業の内容を確認する。次に、コマシラバスを開き、シラバスを参照しながら授業の論点を改めて確認する。そのうえで、授業ノートを加筆・修正しながら復習を行う。なお、復習をしながら質問が湧いた際には、質問項目をまとめメールなどで質問をする。予習:次週のコマシラバスを開き、内容を確認する。特に、文中で良く分からない単語がある場合には、辞書などで確認をすること。また、特定の書籍名などが挙げられている場合には、事前に書籍を手に入れ関連個所を通読すること。なお、通読にあたっては原著が望ましいが、リーダー本などを駆使してもよい。
15
まとめと総括
科目の中での位置付け
この授業では、環境社会学の観点から環境問題および環境保全について検討する。具体的には社会学的な問いの立て方を学ぶと共に、環境社会学で発展をみた理論枠組みを学ぶ。第1回では、そもそも環境社会学とはどのような学問なのかを確認し、社会と自然の境界が実は非常にあいまいであるということを理解する。第2回では、環境思想史を概観したのちに、「社会的リンク論」を学ぶ。第3回では、暮らしの変化による自然観の変容について学び、「生活環境主義論」について理解する。第4回では、「被害構造論」と「受益圏-受苦圏論」を学ぶ。第5回では、世界遺産とエコツーリズムについて学ぶ。第6回では、「コモンズ論」について学ぶ。第7回では、NIMBYと「社会的ジレンマ論」について学ぶ。第8回では、前半で学んできた内容をまとめる。第9回では、「リスク社会論」と「環境的公正論」について学ぶ。第10回では、農と食の環境問題について学ぶ。第11回では、再生可能エネルギーとまちづくりについて学ぶ。第12回では、環境運動や環境ボランティアについて学ぶ。
第13回では、歴史的環境保全について学ぶ。第14回では、環境保全政策と統治の関係性について学ぶ。第15回では、講義全体を総括する。
このような流れの中で、第15回では、講義全体を総括する。
第9~14回に配布した資料およびシラバス
コマ主題細目
① 第9回・第10回の復習 ② 第11回・第12回の復習 ③ 第13回・第14回の復習
細目レベル
① 第9回では、ウルリッヒ・ベックの『リスク社会』を手がかりに「リスク社会論」を学んだ。近代化にともなう科学技術の進展の帰結として、人間社会にリスクが降りかかる社会のことを「リスク社会」という。また、「環境正義および環境的公正」論についても履修した。環境問題のリスクは、特定の人種や所得階層の人々に集中している。このような不平等を是正を求めるために環境正義/環境的公正の議論が生まれたことを理解した。
第10回では、日本の有機農業運動の歴史を学んだ。日本では、高度経済成長期後の1970年代から有機農業運動がさかんになった。都市部の消費者が「安全・安心」な農産物を求めて、農村部で有機農業を実践していた一部の有機農業者と提携し、産地直送の有機農産物を手に入れる独自のネットワークを形成したことを理解した。また、現在の有機農業に関する問題点も指摘した。現在では、大手スーパーに行けば有機農産物コーナーが設置されているだけでなく、置かれている農産物の種類も大変豊富になった。こうした有機農産物の流通の背景には、産業として成長した有機農業の姿があり、そのことが「有機農業の慣行農業化」を招いていることを理解した。
② 第11回では、再生可能エネルギーについて学んだ。再生可能エネルギーの地域への導入が期待されているが、現実には、立地地域における反対運動が後をたたない(これは第7回授業で学んだ「NIMBY」の一類型である)。また、再生可能エネルギーを導入したものの、メンテナンスなどに費用がかかり、当初の想定よりも支出が多く、利益が出にくいといった話もある。いっぽうで、再生可能エネルギーの導入時期が早かった西欧では、地域振興と再生可能エネルギーを組み合わせた成功例がいくつか存在した。
第12回では、環境運動と環境ボランティアについて学んだ。日本では、戦前からの農民運動や労働運動に関する研究の伝統があり、かつてはこの2つが社会運動の代名詞ともなっていた。その後、1968年をピークとする国際的な政治的潮流の中で、「新しい社会運動」と言う概念が登場した。それらは、環境・ジェンダー・マイノリティなど、課題の新しさ、そして担い手も学生を始めとする若年層や女性が中心になるなどの特徴があった。環境保全は、市民の協力無くして成り立たない。また、このような状況が生まれた背景をネオリベラリズム(新自由主義)をキーワードに理解した。「市民活動」の主体は、NPOやNGOなどの非営利組織からボランティア団体、町内会、自治会、婦人会など多様であった。環境保全にも活動費はかかるため、市民活動を運営するためには資金の調達が問題になり、NPOは日本に定着した感もあるが、その運営には大きな課題がいくつか存在することを理解した。
③ 第13回では、歴史的環境について学んだ。 歴史的環境は、「歴史的遺産が集中して存在することで作り出されている一定の場」と、研究者によって定義されている。自分たちの国や地域に特徴的な農村の景観や建造物、遺跡などを保護する活動は、ユネスコによる世界遺産登録やイギリスのナショナル・トラストといった例があった。
第14回では、環境保全政策と統治について学んだ。発展途上国では、地域住民と国による環境保全政策との間に摩擦が生じていた。発展途上国では、国による環境保全政策として、自然保護区を定めたり、中央から自然保護官を派遣したりするなどの、トップダウン的な施策がおこなわれてきた。こうした国による施策は、環境保全を行っているという対外的なアピールを目的としているが、自然保護区に定められた土地や、自然保護官が派遣されてきた土地に住んでいる地域住民との間で、さまざまな摩擦が起こっている。いっぽうで、わずかではあるが、地域住民がうまく協働している地域もみられ、そうした地域ではどのような政策運営がなされているのかということについても解明が待たれていることを理解した。
キーワード
① リスク社会 ② 有機農業運動 ③ 新しい社会運動 ④ 歴史的環境 ⑤ 先住民族
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:コマシラバスを参照し、授業ノートを整理する。まず、手元の授業ノートを確認し、自分なりに授業の内容を確認する。次に、コマシラバスを開き、シラバスを参照しながら授業の論点を改めて確認する。そのうえで、授業ノートを加筆・修正しながら復習を行う。なお、復習をしながら質問が湧いた際には、質問項目をまとめメールなどで質問をする。また、これまでのすべてのコマシラバスを開き、内容を再度確認する。特に、文中で良く分からない単語がある場合には、授業資料に戻って確認をすること。また、特定の書籍名などが挙げられている場合には、事前に書籍を手に入れ関連個所を通読すること。なお、通読にあたっては原著が望ましいが、リーダー本などを駆使してもよい。
履修判定指標
履修指標
履修指標の水準
キーワード
配点
関連回
環境社会学の基本的視座1・2の理解
【指標】環境社会学で扱う「環境問題」および「自然」とは何か理解している。【水準】そのためには、環境社会学が対象とする「社会化された自然」とは何かを理解していることが前提となる。そのうえで、環境問題の社会学、環境共存の社会学、環境思想、社会的リンク論といった、第1回・第2回の講義で学んだ専門用語について説明ができること。さらに、それらの専門用語がつくられた背景を理解し、身近な事例や教員に与えられた事例に対して、自らの見解を述べることができること。
社会化された自然、環境問題の社会学、環境共存の社会学、環境思想、社会的リンク論、切り身と生身、かかわりの全体性
20
1,2,8,15
環境社会学の基本的視座3・4の理解
【指標】環境社会学で扱う「生活環境主義」および「受益圏-受苦圏」とは何か理解している。【水準】そのためには、環境社会学がどんな社会経済的な事情を対象としてきたのかを理解していることが前提となる。そのうえで、自然観、生活環境主義、被害構造論、受益圏、受苦圏といった、第3回・第4回の講義で学んだ専門用語について説明ができること。さらに、それらの専門用語がつくられた背景を理解し、身近な事例や教員に与えられた事例に対して、自らの見解を述べることができること。
自然観、生活環境主義、被害構造論、受益圏、受苦圏
15
3,4,8,15
エコツーリズム・コモンズ
【指標】環境社会学におけるエコツーリズム論やコモンズ論について概要を理解している。【水準】そのためには、環境社会学がどんな事例を対象としてエコツーリズム論やコモンズ論を考えてきたのかを理解していることが前提となる。そのうえで、世界遺産、エコツーリズム、コモンズ、共有地の悲劇といった、第5回・第6回の講義で学んだ専門用語について説明ができること。さらに、それらの専門用語がつくられた背景を理解し、身近な事例や教員に与えられた事例に対して、自らの見解を述べることができること。
世界遺産、エコツーリズム、地域振興、コモンズ、共有地の悲劇、里山(里川、里海)
15
5,6,8,15
NIMBY・社会的ジレンマ・リスク社会
【指標】環境社会学におけるNIMBY論や社会的ジレンマ論、リスク社会論について概要を理解している。【水準】そのためには、環境社会学がどんな事例を対象としてNIMBY論や社会的ジレンマ論、リスク社会論を考えてきたのかを理解していることが前提となる。そのうえで、NIMBY、社会的ジレンマ、リスク社会、生産の踏み車、環境的公正といった、第7回・第9回の講義で学んだ専門用語について説明ができること。さらに、それらの専門用語がつくられた背景を理解し、身近な事例や教員に与えられた事例に対して、自らの見解を述べることができること。
NIMBY、社会的ジレンマ、リスク社会、科学技術、環境的公正
15
7,8,9,15
農と食、再生可能エネルギーの社会化
【指標】環境社会学における農と食に関する有機農業論、再生可能エネルギー論について概要を理解している。【水準】そのためには、環境社会学がどんな事例を対象として農と食に関する有機農業論、再生可能エネルギー論を考えてきたのかを理解していることが前提となる。そのうえで、有機農業の慣行農業化、コミュニティ・パワー、社会的受容性、NIMBYといった、第10回・第11回の講義で学んだ専門用語について説明ができること。さらに、それらの専門用語がつくられた背景を理解し、身近な事例や教員に与えられた事例に対して、自らの見解を述べることができること。
農と食、有機農業、有機農業の慣行農業化、再生可能エネルギー、コミュニティ・パワー、社会的受容性、地域振興、NIMBY
15
10,11,15
市民参加と歴史的環境、環境保全政策と統治
【指標】環境社会学における市民参加論、社会運動論、歴史的環境論、環境保全政策論について概要を理解している。【水準】そのためには、環境社会学がどんな事例を対象として市民参加論、社会運動論、歴史的環境論、環境保全政策論を考えてきたのかを理解していることが前提となる。そのうえで、新しい社会運動、資源動員論、歴史的環境、ナショナル・トラスト、アメニティ、「行政の下請け化」、ネオリベラリズム、といった、第12回・第13回・第14回の講義で学んだ専門用語について説明ができること。さらに、それらの専門用語がつくられた背景を理解し、身近な事例や教員に与えられた事例に対して、自らの見解を述べることができること。
新しい社会運動、資源動員論、歴史的環境、町並み保存運動、ナショナル・トラスト、アメニティ、「行政の下請け化」、ネオリベラリズム、環境正義、トップダウン
20
12,13,14,15
評価方法
期末試験100%
評価基準
評語
学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・
S (100~90点)
学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・
A (89~80点)
学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・
B (79~70点)
学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・
C (69~60点)
学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・
D (60点未満)
教科書
なし
参考文献
鳥越晧之・帯谷博明編『よくわかる環境社会学 第2版』ミネルヴァ書房、2017年。
実験・実習・教材費
なし