区分
環境データサイエンス科目 社会環境科目 社会環境展開科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
専門性
理解力
実践力
カリキュラム・ポリシーとの関係
専門知識
教養知識
思考力
実行力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
多様化する環境問題や地域社会の諸問題に関心を持ち、環境・情報・社会に関連する幅広い基礎知識と専門的な理解を深めると共に、学際的な柔軟性を有し、実践的な能力を有する。グローバルな視野と研究調査力を持ち、昨今の情報社会に貢献できる力を有する。企業・地域社会などのあらゆるコミュニティに寄与する組織的な活動能力を有する。
科目の目的
近年、エネルギーの選択に関する議論が盛んになってきているが、特定の形態のエネルギーの長所や短所をことさらに強調する議論や、太陽光発電設備や電気自動車など、個別の機器の開発に携わる研究者や技術者の視点でのみ語られる議論が大多数を占めている。そこで本講義では、バイオマス時代や化石燃料時代など、エネルギーの歴史をふまえつつ、多様な観点から、これからの日本のエネルギー移行について考えるための知識を学ぶ。
到達目標
現代人のエネルギー消費とエネルギー供給の構成の起源を歴史的に理解することで、これからのエネルギー選択や経済規模を考える際にどのような視点で議論すれば良いかを理解できる。
科目の概要
はじめに、①文系の学生でも知っておくべきエネルギーに関する知識(エネルギーとパワーの違い、エネルギー変換効率など)を身につけた後、②日本のエネルギー消費とエネルギー供給の現状を資源エネルギー庁などの政府刊行物の資料で確認する。次に、③エネルギーの移行(バイオマス時代→化石燃料時代)の歴史を概観し、そうした移行がなぜ起こったのかを④パワー密度(単位面積あたりのパワーの生産または消費、単位はW/㎡)という概念で解き明かす。⑤さらに今後のエネルギーの移行(化石燃料時代→○○時代、○○に何が入るかは未知)を考えるために例えば火力発電や太陽光発電などのパワー密度も計算し比較する。また、⑥電気自動車の長所短所を学び、それがどこまで利用できるかについても考える。
科目のキーワード
①エネルギー②パワー③パワー密度④エネルギー密度⑤バイオマス時代⑥化石燃料時代⑦再生可能エネルギー⑧電気自動車⑨エネルギーの移行
授業の展開方法
パワーポイント(スライド資料も紙で配付する)を用いながら講義を進める。受講生は講義を聴きながら適宜鉛筆でメモを取ったりマーカーで印をつけたりする。毎回、理解度チェックのための演習問題を配布し、授業の中間や終わりに解き、その後解説をする。
オフィス・アワー
【火曜日】2時限目、【木曜日】3・4時限目、【金曜日】2時限目(後期のみ)、昼休み、3・4時限目
科目コード
ENS609
学年・期
3年・後期
科目名
環境エネルギー論
単位数
2
授業形態
講義
必修・選択
選択
学習時間
【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目
なし
展開科目
なし
関連資格
担当教員名
山根卓二
回
主題
コマシラバス項目
内容
教材・教具
1
イントロダクション
科目の中での位置付け
人一人あたりのW数や、一件当たりの家庭の電力消費などを手がかりにして、まずはエネルギーを量的に理解する。本講義では、はじめに、①文系の学生でも知っておくべきエネルギーに関する知識(エネルギーとパワーの違い、エネルギー変換効率など)を身につけた後、②日本のエネルギー消費とエネルギー供給の現状を資源エネルギー庁などの政府刊行物の資料で確認する。次に、③エネルギーの移行(バイオマス時代→化石燃料時代)の歴史を概観し、そうした移行がなぜ起こったのかを④パワー密度(単位面積あたりのパワーの生産または消費、単位はW/㎡)という概念で解き明かす。⑤さらに今後のエネルギーの移行(化石燃料時代→○○時代、○○に何が入るかは未知)を考えるために例えば火力発電や太陽光発電などのパワー密度も計算し比較する。また、⑥電気自動車の長所短所を学び、それがどこまで利用できるかについても考える。今回は基本の①について学ぶ。
細目レベル①
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、2026年、1-8
細目レベル②
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、2026年、8⁻10
細目レベル③
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、2026年、10-12
コマ主題細目
① パワーとエネルギーの区別 ② 人体のエネルギー事情 ③ 家電製品の場合
細目レベル
① バターと火薬とでは、どちらが同じ重量当たりのエネルギーの含有量が大きいだろうか?この問題に答えるためには、「エネルギー」と「パワー」の違いについて知っておかなければならない。パワーの概念とエネルギーの概念は互いに関連するが、別物であることをまずは理解する。すなわち、「パワー」とは1秒間で使用される「エネルギー」のことである。エネルギーはパワーを累積したものである。エネルギーとパワーの関係は、距離と速さの関係と同様である。ちなみに、電力(W)はパワーの概念であり、電力量(Wh)はエネルギーの概念である。これをふまえて、マラソン競技と100m競技とでは、どちらがエネルギー消費量が大きいだろうか?
② 「エネルギー」と「パワー」は関係しつつも別の概念であることを理解した上で、実際にそれらを計算してみる。「エネルギー」の単位はJ(「ジュール」)であり、パワーの単位はW(「ワット」)である。パワーとは、一秒あたり何ジュールのエネルギーを使っているかである。つまりWとはJ/sのこと(Jを秒で割ったもの)である。人体に関係するエネルギーとパワーを量的に知る。日本人の平均的な女性が一日に使うエネルギーは約8,400kJである。ではパワーに換算するといくらだろうか?つまり、1秒あたりに換算するといくらだろうか?1日は24時間で1時間は3,600秒である。1日は何秒か?一日のエネルギー消費量と一日の秒数がわかれば、後は計算すればわかる。
③ 実際の家電製品のカタログを見て、蛍光灯や電球などの消費電力がどれくらいかを知る。蛍光灯はおよそ30W、洗濯機は300Wである。電力とはelectric powerの訳である。つまり、電力とは「電気のパワー」という意味である。したがって、電力の単位もW(ワット)である。電力量は「電気のエネルギー」である。電力量はエネルギーであるから、単位はJ(ジュール)であるが、電気の場合、通常はJを用いず、Wh(ワットアワー)を用いる(この単位にはパワー×時間がエネルギーであることが表れている)。扇風機の説明書には消費電力が記載されている。○時間使うと消費電力量はいくらか?冷蔵庫の説明書には年間消費電力量が記載されている。平均的なパワーはいくらか?
キーワード
① エネルギー ② パワー ③ 電力 ④ 電力量 ⑤ ジュール、ワット
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:教科書の第1章をもう一度見直し、以下の点を確認する。パワーとエネルギーは互いに関連するが、別物であること。電力(W)はパワーの概念であり、電力量(Wh)はエネルギーの概念である。エネルギーの単位はJ、パワーの単位はWである。WとはJ/sである。日本人の平均的な女性が一日に使うエネルギーはどれくらいか。パワーに換算するといくらか? 蛍光灯や電球などの消費電力はどれくらいか。電力の単位もWである。電力量は「電気のエネルギー」であるので単位はJであるが、電気の場合、通常はJを用いず、Whを用いる。予習課題:『入門 エネルギーと環境』第2章を読み、自分の日常感覚と科学的知識とのずれを確認する。
2
エネルギーの保存と変換
科目の中での位置付け
エネルギーの基本である、エネルギーの保存と変換について理解する。ここで学ばれる知識は今後の議論を理解する上で重要であるから必ず習得すること。本講義では、はじめに、①文系の学生でも知っておくべきエネルギーに関する知識(エネルギーとパワーの違い、エネルギー変換効率など)を身につけた後、②日本のエネルギー消費とエネルギー供給の現状を資源エネルギー庁などの政府刊行物の資料で確認する。次に、③エネルギーの移行(バイオマス時代→化石燃料時代)の歴史を概観し、そうした移行がなぜ起こったのかを④パワー密度(単位面積あたりのパワーの生産または消費、単位はW/㎡)という概念で解き明かす。⑤さらに今後のエネルギーの移行(化石燃料時代→○○時代、○○に何が入るかは未知)を考えるために例えば火力発電や太陽光発電などのパワー密度も計算し比較する。また、⑥電気自動車の長所短所を学び、それがどこまで利用できるかについても考える。今回も引き続き①について学ぶ。
細目レベル①
山根卓二『入門エネルギーと環境』化学同人、2026年、13-17
細目レベル②
山根卓二『入門エネルギーと環境』化学同人、2026年、17⁻20
細目レベル③
山根卓二『入門エネルギーと環境』化学同人、2026年、20-22
コマ主題細目
① エネルギー ② エネルギー変換効率 ③ 自動車の変換効率
細目レベル
① エネルギーにはさまざまな形態がある(力学的エネルギー、化学エネルギー、電気エネルギー、波エネルギー、熱エネルギーなど)。エネルギーは様々に形を変える(筋肉で化学エネルギーを力学エネルギーに変換される。光合成により光エネルギーが化学エネルギーに変換される。電気ストーブにより電気エネルギーが熱エネルギーに変換される、などなど)。エネルギーは形態を変えてもその合計量は変わらない(エネルギー保存の法則)。例えば、ある高さのボールを落とすと、位置エネルギーが運動エネルギーや音のエネルギー、熱エネルギー等に変換されるが、それらの合計量は元の位置エネルギーの大きさと変わらない。さらに、すべてのエネルギーの最終的な形は熱エネルギーである。
② エネルギーの変換効率とは、装置が受け取ったエネルギーの何%を人間にとっての有用なエネルギーに変換できるかを表した数字のことである。例えば、電球が光るとき、電気エネルギーが光エネルギーと熱エネルギーに変換される。電球は暗がりを照らすためにあると考えると、エネルギーの変換効率は(光エネルギー/電気エネルギー)で表される。個別の装置においても変換効率は重要であるが、たとえば、日本全体においてもこの概念を用いて議論することが可能である。たとえば、日本全体で使用される化石燃料に含まれるエネルギーが、全て有用であるわけではなく、かなりの部分は有用でない熱に変換されることになる。このことは、今後のエネルギー政策を考える上で重要となる。
③ ガソリン車と電気自動車の変換効率を比べると、電気自動車の変換効率の方が断然大きい。しかしながら、現在の日本の電源のほとんどが火力発電であるため注意が必要である。同じ化石燃料を出発点とし、ガソリン車(化学エネルギー→運動エネルギー)と電気自動車(化学エネルギー→電気エネルギー→運動エネルギー)を比較しなおすと、依然として電気自動車が変換効率が高いものの、格差は意外と小さなものとなる。その後、SI接頭語について学ぶ。この授業では桁数の大きな数字を頻繁に扱う。桁数を省略する記号としてSI接頭語は非常に役に立つ。
キーワード
① エネルギー ② エネルギー変換効率 ③ 化学エネルギー ④ 電気エネルギー ⑤ SI接頭語
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:教科書の第2章をもう一度見直し、以下の点を確認する。エネルギーにはさまざまな形態があること。エネルギーは様々に形を変えること。エネルギーは形態を変えてもその合計量は変わらないこと。すべてのエネルギーの最終的な形は熱エネルギーであること。エネルギーの変換効率とは何か。例えば、電球が光るとき、電気エネルギーが光エネルギーと熱エネルギーに変換されるが、エネルギーの変換効率はどのように計算されるか。ガソリン車のエネルギー変換効率と電気自動車のエネルギー変換効率とではどちらが大きいか。風力発電、太陽光発電、水力発電の変換効率はどれくらいか。予習課題:『入門 エネルギーと環境』第3章を読み、自分の日常感覚と科学的知識とのずれを確認する。
3
私たちはどんなエネルギーをどのように利用しているか?
科目の中での位置付け
エネルギーの基本について理解する。今回は、主に宇宙から入ってきたエネルギーがどんな形のエネルギーに変換されているか、その流れについて学ぶ。本講義では、はじめに、①文系の学生でも知っておくべきエネルギーに関する知識(エネルギーとパワーの違い、エネルギー変換効率など)を身につけた後、②日本のエネルギー消費とエネルギー供給の現状を資源エネルギー庁などの政府刊行物の資料で確認する。次に、③エネルギーの移行(バイオマス時代→化石燃料時代)の歴史を概観し、そうした移行がなぜ起こったのかを④パワー密度(単位面積あたりのパワーの生産または消費、単位はW/㎡)という概念で解き明かす。⑤さらに今後のエネルギーの移行(化石燃料時代→○○時代、○○に何が入るかは未知)を考えるために例えば火力発電や太陽光発電などのパワー密度も計算し比較する。また、⑥電気自動車の長所短所を学び、それがどこまで利用できるかについても考える。今回も引き続き①について学ぶ。
細目レベル①
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、2026年、23⁻25
細目レベル②
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、2026年、25⁻32
細目レベル③
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、2026年、32⁻36
コマ主題細目
① 自然界のエネルギーの流れ ② 一次エネルギー ③ 二次エネルギー
細目レベル
① 自然界におけるエネルギーの大部分は、太陽エネルギーを起源とし(地球が大気圏の一番外側で受け取る1㎡あたりの太陽のパワーは1361W/㎡(これを太陽定数という)である)、光合成によって化学エネルギーに変換されて貯えられたり、大気や水の循環を通じて風力や水力として現れたりする。また、地域内部の熱や月の重力に由来する潮汐エネルギーも存在するが、その規模は太陽エネルギーに比べると小さい。
② 自然界のエネルギーの流れを人間がどう利用しているかの話に移る。自然界に存在する原油や石炭、天然ガス、ウラン、風や水の流れ、地熱などの未加工のエネルギーを一次エネルギーという。統計上は太陽光も一次エネルギーに含める場合もある。一次エネルギーは直接利用されることもあるが、多くの場合は石油精製工場や発電所などで二次エネルギー(電力、ガソリン、都市ガスなど)に変換されて利用される。
③ 近年では、太陽光発電や風力発電などによって得られた電力のことを「自然エネルギー」と呼ぶ場合があるが、この呼称は誤解を招きやすい。太陽光や風力と同様に、原油やウランも加工されない状態で自然界に存在しているし、逆に、太陽光発電や風力発電で生じた電力は加工された二次エネルギーである。そこで、②で紹介された一次エネルギーを加工して利用する段階について解説する。一次エネルギーとしての太陽光は、その加工段階である太陽光発電とは区別して説明する。
キーワード
① 太陽エネルギー ② 化石燃料 ③ 原子力発電 ④ 太陽光発電 ⑤ 風力発電
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:教科書の第3章をもう一度見直し、以下の点を確認する。原子力と地熱と潮汐以外の地球上のエネルギーは太陽エネルギーが起源であること。地球に入ってきた太陽エネルギーの一部は植物が行う光合成によって化学エネルギーとして植物体内に蓄えられること。それを他の生物が利用する。動植物の死骸が積み重なり、数億年の時間をかけて化石燃料となること。石炭の用途は何か。石油の用途は何か。火力発電、水力発電、原子力発電、太陽光発電、風力発電は何をどのように電気エネルギーに変換するしくみであるか。太陽光発電、風力発電が有利な地域はどこか。バイオマスによる発電の特徴は何か。『入門 エネルギーと環境』第4章を読み、自分の日常感覚と科学的知識とのずれを確認する。
4
一次エネルギー国内供給と最終エネルギー消費
科目の中での位置付け
政府刊行物からエネルギー消費量の実態を知る。この回では、第2回や第3回で学んだエネルギー変換の知識が生かされることになる。本講義では、はじめに、①文系の学生でも知っておくべきエネルギーに関する知識(エネルギーとパワーの違い、エネルギー変換効率など)を身につけた後、②日本のエネルギー消費とエネルギー供給の現状を資源エネルギー庁などの政府刊行物の資料で確認する。次に、③エネルギーの移行(バイオマス時代→化石燃料時代)の歴史を概観し、そうした移行がなぜ起こったのかを④パワー密度(単位面積あたりのパワーの生産または消費、単位はW/㎡)という概念で解き明かす。⑤さらに今後のエネルギーの移行(化石燃料時代→○○時代、○○に何が入るかは未知)を考えるために例えば火力発電や太陽光発電などのパワー密度も計算し比較する。また、⑥電気自動車の長所短所を学び、それがどこまで利用できるかについても考える。今回は②について学ぶ。
細目レベル①
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、2026年、37-42
細目レベル②
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、2026年、42⁻45
細目レベル③
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、2026年、45⁻49
コマ主題細目
① 1次エネルギー国内供給と最終エネルギー消費 ② 部門別のエネルギー消費量(1) ③ 部門別のエネルギー消費量(2)
細目レベル
① 資源エネルギー庁のエネルギー白書におけるエネルギーの「需要」と「供給」は、経済学の用法とは異なるので注意が必要である。1次エネルギー国内供給とは原油や原子力燃料などの投入する元のエネルギーのことであり、最終エネルギー消費とは電気やガソリンなど利用者が実際に利用するエネルギーのことである。1次エネルギー総供給と最終エネルギー消費は絶対に一致しない(経済学においては、価格メカニズムが働いて需要と供給が一致する、といわれる)。というのは、エネルギーが変換される過程で、必ず使えない熱エネルギーが発生するからである(変換ロス)。最終エネルギー消費は産業部門、民生部門(業務部門、家庭部門)、運輸部門(旅客部門、貨物部門)に分類される。
② 最終エネルギー消費は産業部門、民生部門(業務部門、家庭部門)、運輸部門(旅客部門、貨物部門)に分類される。最終エネルギー消費の中で最も大きな比率を占めるのが産業部門である(工場などで使われるエネルギーを思い浮かべると良いだろう)。これまで、日本の産業はエネルギー効率を高める努力を行ってきたため、ここ20年間では、毎年エネルギー消費量を減少させてきている。製造業を業種別に分けてそれぞれエネルギー消費を見てみると、素材系(鉄鋼、化学など)のエネルギー消費がかなり大きくなっている。次に、民生部門は、業務部門と家庭部門から成り立っている。業務部門には飲食店や小売業、病院、学校、ホテル、デパートなどが含まれる。業務部門でも、エネルギー効率を高める努力が行われてきている。
③ 家庭部門におけるエネルギー消費は、生活の利便性・快適性を追求する国民のライフスタイルの変化、世帯数増加などの社会構造変化の影響を受けて、個人消費の伸びとともに、著しく増加してきている。家庭部門のエネルギー消費量は、「世帯当たり消費量×世帯数」で表すことができる。したがって、世帯当たり消費量の増減、世帯数の増減(世帯数要因)が、家庭部門のエネルギー消費の増減に影響を与えることになる。旅客部門のエネルギー消費量は、自動車の保有台数の増加もあり、GDPの伸び率を上回る伸びで増加してきたが、21世紀初頭をピークに減少傾向に転じている。貨物部門のエネルギー消費の内訳を見ると、そのほとんどが自動車で占められている。
キーワード
① 1次エネルギー国内供給 ② 最終エネルギー消費 ③ 産業部門 ④ 民生部門(業務部門・家庭部門) ⑤ 運輸部門(旅客部門・貨物部門)
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:教科書の第4章をもう一度見直し、以下の点を確認する。資源エネルギー庁のエネルギー白書におけるエネルギーの「需要」と「供給」は、経済学の用法とは異なること。1次エネルギー総供給とは何か。最終エネルギー消費とは何か。1次エネルギー総供給と最終エネルギー消費は絶対に一致しないのはなぜか。最終エネルギー消費はどんな部門に分類されるか。最終エネルギー消費の中で最も大きな比率を占めるのが産業部門であること。産業部門のエネルギー消費量の動向は?業務部門と家庭部門のエネルギー消費の動向は?旅客部門、貨物部門のエネルギー消費の動向は?予習課題:『入門 エネルギーと環境』第5章を読み、エネルギーを選択する際の基準としてどんなものがあるか自分なりに考えておく。
5
エネルギー論に必要な多様な視点
科目の中での位置付け
再生可能エネルギーは原子力や化石燃料に代わるクリーンなエネルギーというイメージがあるが、様々な基準から見ると必ずしもそうでないことを知る。本講義では、はじめに、①文系の学生でも知っておくべきエネルギーに関する知識(エネルギーとパワーの違い、エネルギー変換効率など)を身につけた後、②日本のエネルギー消費とエネルギー供給の現状を資源エネルギー庁などの政府刊行物の資料で確認する。次に、③エネルギーの移行(バイオマス時代→化石燃料時代)の歴史を概観し、そうした移行がなぜ起こったのかを④パワー密度(単位面積あたりのパワーの生産または消費、単位はW/㎡)という概念で解き明かす。⑤さらに今後のエネルギーの移行(化石燃料時代→○○時代、○○に何が入るかは未知)を考えるために例えば火力発電や太陽光発電などのパワー密度も計算し比較する。また、⑥電気自動車の長所短所を学び、それがどこまで利用できるかについても考える。今回は②から③への橋渡し的な内容になる。
細目レベル①
山根卓二『入門 エネルギーと環境問題』化学同人、2026年、51⁻54
細目レベル②
山根卓二『入門 エネルギーと環境問題』化学同人、2026年、54⁻56
細目レベル③
山根卓二『入門 エネルギーと環境問題』化学同人、2026年、56⁻63
コマ主題細目
① 気候変動対策の現状 ② 「長期戦略」は実行できるか ③ 10の基準
細目レベル
① まず、気候変動に関するIPCCの見解を確認する。第6次評価報告書によれば、世界平均気温は2011~2020年において1850~1900年に比べて1.09℃高かった。同報告の今後の予測では、最善のシナリオであっても2081~2100年の世界平均気温は1850~1900年と比べて1.4℃上昇すると見込まれている。2015年に採択されたパリ協定は、すべての国が参加し、自主的に温室効果ガス排出削減などの目標を定めて提出し、進捗を国際的に検証する新たな試みである。このパリ協定を踏まえて、日本政府は「地球温暖化再作計画」を策定した(目標はその後改定)。その中のと長期目標を実現するために、日本政府は「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」を立てている。
② 「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」を実行することはそれほど簡単ではないことを説明する。最終エネルギー消費のうち、電力の構成比率は30%弱に過ぎない。私たちはエネルギーというとすぐに電力を思い浮かべてしまうが、電力は全体のうちの小さな部分に過ぎないわけである。したがって、電力の部分をすべて再生可能エネルギーに置き換えてもそれだけでは解決にはならない。そこで、非電力部門の電化(ガソリン車の代わりに電気自動車、ガス炉や油炉の代わりに電気炉、ガス給湯器の代わりに電気給湯器など)が必要となるが、それらの新しい装置や脱炭素化された電源(太陽光発電や風力発電)の装置を生産するために化石燃料も使用されることになる。
③ いかなるエネルギー源にも長所と短所が併存するため、多面的基準から総合的に比較検討する姿勢が不可欠となる。エネルギー経済学者が挙げた10の基準(汎用性・量的柔軟性・貯蔵性と運搬性・即応性・エネルギー密度・パワー密度・安定性・環境負荷・エネルギー安全保障・エネルギー収支比)は、その代表例である。これらの指標は、互いに関連し、ときにトレードオフの関係にあるため、一基準のみに基づく評価は誤った対策の提言につながる。
キーワード
① パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略 ② 電力化率 ③ 汎用性・量的柔軟性・貯蔵性と運搬性・即応性 ④ エネルギー密度・パワー密度・安定性 ⑤ 環境負荷・エネルギー安全保障・エネルギー収支比
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:教科書の第5章をもう一度見直し、以下の点を確認する。再生可能エネルギーへの移行が叫ばれている理由の最も大きなものが、気候変動であること。これを放置できないと考えた国々が採択したパリ協定が掲げた目標について。日本では、電力として消費しているエネルギーの割合は全体のエネルギー消費の1/4程度であること。「再生可能エネルギー100%」という宣伝には今のところ注意が必要であること。エネルギーの選択を考える際、汎用性・量的柔軟性・貯蔵性と運搬性・即応性・エネルギー密度・パワー密度・安定性・環境負荷・エネルギー安全保障・エネルギー収支比の10基準があること。予習課題:『入門 エネルギーと環境問題』第6章を読み、化石燃料にはどんな特徴があるか自分なりに考えておく。
6
エネルギーの歴史―狩猟時代から19世紀まで
科目の中での位置付け
狩猟時代から19世紀までのエネルギーの歴史の流れを知ることで、エネルギー問題の本質を理解する。本講義では、はじめに、①文系の学生でも知っておくべきエネルギーに関する知識(エネルギーとパワーの違い、エネルギー変換効率など)を身につけた後、②日本のエネルギー消費とエネルギー供給の現状を資源エネルギー庁などの政府刊行物の資料で確認する。次に、③エネルギーの移行(バイオマス時代→化石燃料時代)の歴史を概観し、そうした移行がなぜ起こったのかを④パワー密度(単位面積あたりのパワーの生産または消費、単位はW/㎡)という概念で解き明かす。⑤さらに今後のエネルギーの移行(化石燃料時代→○○時代、○○に何が入るかは未知)を考えるために例えば火力発電や太陽光発電などのパワー密度も計算し比較する。また、⑥電気自動車の長所短所を学び、それがどこまで利用できるかについても考える。今回は③について学ぶ。
細目レベル①
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、2026年、65⁻68
細目レベル②
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、2026年、69⁻70
細目レベル③
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、2026年、70⁻74
コマ主題細目
① 狩猟採集・農耕・都市生活 ② バイオマスから化石燃料へのシフト(1) ③ バイオマスから化石燃料へのシフト(2)
細目レベル
① 人類の進化の過程の90%以上が狩猟採集生活であった。その頃、人類は、ほぼ体内エネルギーのみに依拠して生活していた。体内エネルギーの元となるのは、主に炭水化物、脂質、タンパク質である。狩猟採集生活において主食になりやすいのは何であるだろうか?エネルギー密度を考慮して考えてみる。動物が「投資対象」になりにくいのはなぜか?エネルギー収支比で考える。沿岸地域では消費のパワー密度(W/㎡)が高いのはなぜかも考える。農耕社会になると消費のパワー密度は大きくなっていった。都市生活における消費のパワー密度はさらに大きい。西暦300年頃の古代ローマのパワー密度を計算する。このパワー密度をどう説明したら良いか考える。体外のエネルギーも考慮した場合のパワー密度も計算する。中世のロンドンのパワー密度を計算する。このパワー密度をどう説明したら良いか考える(古代ローマと中世のロンドンの生活様式の違いを考慮する)。都市を支えていたのは実は郊外の地域である。18世紀の平均的な大都市の消費パワー密度を計算する(それ以前の都市の生活様式との違いを考える)。薪の供給のパワー密度と木炭の供給のパワー密度がどれくらいかを知る。消費のパワー密度と供給のパワー密度の差を知れば、なぜ都市が多くの人口を維持できるかが理解できる。
② バイオマスエネルギーから化石燃料へ移行した理由は、土地の制約である。産業革命が始まる以前から製鉄などで大量のバイオマス燃料が必要であった。このため深刻な森林破壊が生じるようになる。それまで石炭の存在が知られてはいたものの使用されなかった石炭がバイオマス燃料の代用として使用されるようになる。しかしながら、石炭の使用は、今度は深刻な大気汚染を引き起こした。石炭の使用だけでは土地の制約から逃れることはできなかった。石炭の採掘する場所が深くなるにつれ、排水が必要となるが、以前はこの排水を人力や畜力でまかなっていた。このため、それらのエネルギー源である食料を生産するための広大な土地が必要であった。排水に蒸気機関を使うようになった初めて土地の制約から逃れることができた。
③ 蒸気機関車が使われるようになると、遠くから密度の濃いエネルギーを運び込めるようになって、それが多くの人口を都市が抱えることを可能にした。19世紀中頃になると石油産業が始まった。初期の石油の用途は照明であったが、内燃機関(エンジン)の発明により、自動車の燃料として使用されるようになった。エネルギーの移行についての教訓がここでいくつか得られる。新しいエネルギーへの移行には既存のエネルギーが必要であるということである。バイオマスから石炭へ移行する際には人馬のエネルギーが必要であった。石油の開発には石炭が必要であった。これから化石燃料から新エネルギーへの移行の際にも同様に化石燃料が必要となることは間違いない。
キーワード
① エネルギー収支比・エネルギー密度・パワー密度 ② 森林破壊 ③ 石炭 ④ 大気汚染 ⑤ 蒸気機関
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:教科書の第6章をもう一度見直し、以下の点を確認する。体内エネルギーの元となるのは主に炭水化物、脂質、タンパク質である。狩猟採集生活において主食になりやすいのは何であるか。動物が「投資対象」になりにくいのはなぜか。沿岸地域では消費のパワー密度(W/㎡)が高いのはなぜか。農耕社会になると消費のパワー密度は大きくなっていったこと。粗放農業と集約農業の違いとは。都市生活における消費のパワー密度はどれくらいか。薪の供給のパワー密度と木炭の供給のパワー密度がどれくらいか。なぜ都市が多くの人口を維持できるか。水車、風車の用途について。イギリスで森林が枯渇しそうになったのはなぜか。それを防いだのは何と何か。予習課題:山根卓二『入門 エネルギーと環境問題』第7章を読む。
7
エネルギーの歴史―19世紀から現代まで
科目の中での位置付け
19世紀から現代のエネルギーの歴史の流れを知ることで、エネルギー問題の本質を理解する。本講義では、はじめに、①文系の学生でも知っておくべきエネルギーに関する知識(エネルギーとパワーの違い、エネルギー変換効率など)を身につけた後、②日本のエネルギー消費とエネルギー供給の現状を資源エネルギー庁などの政府刊行物の資料で確認する。次に、③エネルギーの移行(バイオマス時代→化石燃料時代)の歴史を概観し、そうした移行がなぜ起こったのかを④パワー密度(単位面積あたりのパワーの生産または消費、単位はW/㎡)という概念で解き明かす。⑤さらに今後のエネルギーの移行(化石燃料時代→○○時代、○○に何が入るかは未知)を考えるために例えば火力発電や太陽光発電などのパワー密度も計算し比較する。また、⑥電気自動車の長所短所を学び、それがどこまで利用できるかについても考える。今回も③について学ぶ。
細目レベル①
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、75⁻77
細目レベル②
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、77⁻80
細目レベル③
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、80⁻85
コマ主題細目
① バイオマスから化石燃料へのシフト(1) ② バイオマスから化石燃料へのシフト(2) ③ 砂時計の比喩ーこれまでのまとめ
細目レベル
① 19世紀初頭に蒸気機関車や蒸気船が実用化され、石炭を動力とする輸送手段が確立されたことで、化石燃料を基盤とする「化石燃料時代」はいっそう強固となった。これにより森林資源や地理的条件に制約されない都市の発展や工業生産が可能となり、人口集中と国際交流が急速に進展した。さらに石炭は製鉄や都市ガス、照明にも用いられ、生活と産業の双方を支える基盤となったが、その採掘は粉塵や爆発といった深刻な労働災害を伴った。
② 19世紀後半には石油産業が勃興し、灯油やガソリンが新たな用途を切り拓き、内燃機関(エンジン)の普及によって輸送と工業の姿を大きく変容させた。しかしながら、蒸気機関の時代は完全に終わったのかというとそうではない。19世紀末には蒸気タービンが実用化された。また、電気に関する研究は19世紀に飛躍的に進み、電磁誘導の原理が発電技術に応用されるようになった。火力発電では、蒸気タービンと電磁誘導の原理が組み合わされて発電がおこなわれている。
③ この授業でこれまで学んできたエネルギーの性質、自然界でのエネルギーの流れ、人間によるエネルギーの利用、そしてその歴史を整理するのに便利なたとえがある。それが経済学者ジョージェスク=レーゲンが好んで用いた砂時計の比喩である。この砂時計の比喩を用いると、エネルギー保存の法則やエントロピー増大の法則を易しく理解することができる。生命や自動車、経済全体の自助く可能な動きを説明するためには、この砂時計に入り口と出口を付けてやる必要がある。この入り口と出口のついた砂時計を用いて、狩猟採集時代や化石燃料時代などの特徴を理解する。
キーワード
① 内燃機関 ② 蒸気タービン ③ 電磁誘導 ④ エネルギー保存の法則 ⑤ エントロピー増大の法則
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:教科書の第7章をもう一度見直し、以下の点を確認する。産業革命が始まる以前から大量のバイオマス燃料が必要であり、深刻な森林破壊が生じるようになったこと。それにより、石炭がバイオマス燃料の代用として使用されるようになったこと。石炭の使用が深刻な大気汚染を引き起こしたこと。石炭の使用だけでは土地の制約から逃れることはできないこと。石油が内燃機関の発明により燃料として使用されるようになったこと。新しいエネルギーへの移行には既存のエネルギーが必要であること。蒸気タービンの登場により電力産業が誕生したこと。電気は最も便利で、最も柔軟なエネルギーであること。予習課題:次回の復習に備えて、これまで配布された資料にもう一度目を通しておく。
予習課題:次回の前半の復習に備えて、これまで配付した資料を見直しておく。
8
前半の復習
科目の中での位置付け
今回は前半の復習である。本講義では、はじめに、①文系の学生でも知っておくべきエネルギーに関する知識(エネルギーとパワーの違い、エネルギー変換効率など)を身につけた後、②日本のエネルギー消費とエネルギー供給の現状を資源エネルギー庁などの政府刊行物の資料で確認する。次に、③エネルギーの移行(バイオマス時代→化石燃料時代)の歴史を概観し、そうした移行がなぜ起こったのかを④パワー密度(単位面積あたりのパワーの生産または消費、単位はW/㎡)という概念で解き明かす。⑤さらに今後のエネルギーの移行(化石燃料時代→○○時代、○○に何が入るかは未知)を考えるために例えば火力発電や太陽光発電などのパワー密度も計算し比較する。また、⑥電気自動車の長所短所を学び、それがどこまで利用できるかについても考える。今回は前半の復習(エネルギーの保存、変換、地球上でのエネルギーの流れ、日本人のエネルギー消費の実態、再生可能エネルギーは環境に優しいか、エネルギーの歴史、など)である。
細目レベル①②③
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、1⁻85
コマ主題細目
① 復習(第1・2・3回) ② 復習(第4・5回) ③ 復習(第6・7回)
細目レベル
① 前半の内容の中でも以下のことを確認する。エネルギーとパワーは別ものであるが、関係があること。エネルギーにはさまざまな形態があること。エネルギーは様々に形を変えること。エネルギーは形態を変えてもその合計量は変わらないこと。すべてのエネルギーの最終的な形は熱エネルギーであること。エネルギーの変換効率とは何か。風力発電、太陽光発電、水力発電の変換効率はどれくらいか。原子力と地熱と潮汐以外の地球上のエネルギーは太陽エネルギーが起源であること。地球に入ってきた太陽エネルギーの一部は植物が行う光合成によって化学エネルギーとして植物体内に蓄えられること。それを他の生物が利用する。石炭・石油の用途は何か。火力発電、水力発電、原子力発電、太陽光発電、風力発電のしくみについて。太陽光発電、風力発電が有利な地域はどこか。
② 前半の内容の中でも以下のことを確認する。資源エネルギー庁のエネルギー白書におけるエネルギーの「需要」と「供給」は、経済学の用法とは異なること。1次エネルギー総供給・最終エネルギー消費とは何か。1次エネルギー総供給と最終エネルギー消費は絶対に一致しないのはなぜか。産業部門、業務部門、家庭部門、旅客部門、貨物部門のエネルギー消費の動向は?再生可能エネルギーへの移行が叫ばれている理由の最も大きなものが、気候変動であること。パリ協定とは何か。日本では、電力化率が1/4程度であること。エネルギーの選択を考える際、汎用性・量的柔軟性・貯蔵性と運搬性・即応性・エネルギー密度・パワー密度・安定性・環境負荷・エネルギー安全保障・エネルギー収支比の10基準があること。
③ 前半の内容の中でも以下のことを確認する。沿岸地域では消費のパワー密度(W/㎡)が高いのはなぜか。農耕社会になると消費のパワー密度は大きくなっていったこと。都市生活における消費のパワー密度はどれくらいか。なぜ都市が多くの人口を維持できるか。水車、風車の用途について。産業革命が始まる以前から大量のバイオマス燃料が必要であり、深刻な森林破壊が生じるようになったこと。石炭がバイオマス燃料の代用として使用されるようになったこと。石炭の使用が深刻な大気汚染を引き起こしたこと。石炭の使用だけでは土地の制約から逃れることはできないこと。石油が内燃機関の発明により燃料として使用されるようになったこと。新しいエネルギーへの移行には既存のエネルギーが必要であること。
キーワード
① エネルギー ② パワー ③ エネルギー変換効率 ④ 化石燃料 ⑤ 再生可能エネルギー
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:教科書の前半をもう一度見直し、以下の点を確認する。エネルギーは様々に形を変えること。エネルギーの保存について。すべてのエネルギーの最終的な形は熱エネルギーであること。エネルギーの変換効率とは何か。原子力と地熱と潮汐以外の地球上のエネルギーは太陽エネルギーが起源であること。火力発電、水力発電、原子力発電、太陽光発電、風力発電のしくみについて。太陽光発電、風力発電が有利な地域はどこか。1次エネルギー総供給・最終エネルギー消費とは何か。産業部門、業務部門、家庭部門、旅客部門、貨物部門のエネルギー消費の動向は?パリ協定とは何か。日本では、電力化率が1/4程度であること。エネルギーの選択を考える際9基準について。消費のパワー密度について。都市生活における消費のパワー密度はどれくらいか。なぜ都市が多くの人口を維持できるか。水車、風車の用途について。石炭がバイオマス燃料の代用として使用されるようになったが、それが大気汚染を引き起こしたこと。新しいエネルギーへの移行には既存のエネルギーが必要であること。予習課題:『入門 エネルギーと環境』第8章を読んでおく。
9
供給のパワー密度(1)
科目の中での位置付け
様々な発電方法のパワー密度を計算する。本講義では、はじめに、①文系の学生でも知っておくべきエネルギーに関する知識(エネルギーとパワーの違い、エネルギー変換効率など)を身につけた後、②日本のエネルギー消費とエネルギー供給の現状を資源エネルギー庁などの政府刊行物の資料で確認する。次に、③エネルギーの移行(バイオマス時代→化石燃料時代)の歴史を概観し、そうした移行がなぜ起こったのかを④パワー密度(単位面積あたりのパワーの生産または消費、単位はW/㎡)という概念で解き明かす。⑤さらに今後のエネルギーの移行(化石燃料時代→○○時代、○○に何が入るかは未知)を考えるために例えば火力発電や太陽光発電などのパワー密度も計算し比較する。また、⑥電気自動車の長所短所を学び、それがどこまで利用できるかについても考える。今回は④のうち、供給のパワー密度について学ぶ。
細目レベル①
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、87⁻88
細目レベル②
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、88⁻92
細目レベル③
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、92
コマ主題細目
① パワー密度の定義 ② 石炭火力発電のパワー密度 ③ コンバインドサイクル発電のパワー密度
細目レベル
① 「パワー密度」とは単位面積あたりのワット数(W/㎡)である。つまり、パワー密度はパワー(W)を面積(㎡)で割ったものである。パワー密度はごく最近までほとんど無視されてきた。パワー密度には、供給面から見たパワー密度と、消費面から見たパワー密度とがある。供給面からパワー密度とは、たとえば、発電する際に必要な面積1㎡あたり何W発電できるかを表す。それに対して、消費面から見たパワー密度とは、たとえば、家庭の電力消費を見る際に面積1㎡あたり何W消費しているかを表す。今回と次回は、供給面から見たパワー密度について議論する。今回と次回で、石炭火力発電、太陽光発電、風力発電などのパワー密度を計算して大小を比較する。
② 石炭火力発電のパワー密度(ただし、供給面から見たパワー密度)を、計算過程も含めて知る。ただし、今回は、パワー密度がかなり大きくなるような火力発電を想定する。まず、面積は発電所の面積と鉱山の面積のみを考慮する。発電所からは○MWの電力が生み出される(実際に計算する)。発電所の面積は求めやすいが、(1年あたりに)必要な鉱山の面積を計算するにはいくつかの手順を踏む必要がある。まず、1年間に生成される電力量を計算する。次に、その電力量を生み出すのに必要な石炭の量を計算する。そして最後に、その石炭の量を採掘するのに必要な鉱山の面積を計算する。これらの計算には設備利用率や発電の際のエネルギー変換効率が用いられる。
③ 石炭の火力発電の場合のパワー密度が計算できたところで、今度は、別のタイプの火力発電のパワー密度について見る。一般に、コンバインドサイクル発電は通常の火力発電よりもパワー密度が大きいとされている。理由の一つは、エネルギー変換効率が高い点にある。通常の石炭火力では、ボイラーで石炭を燃やし、高温高圧の蒸気を作って蒸気タービンを回す。一方、天然ガスを用いる最新式のコンバインドサイクル発電では、まず、蒸気ガスの圧力でガスタービンを回して発電し、その排熱を利用して蒸気を発生させ、蒸気タービンでも発電する。こうした2段階の利用により、燃料に含まれる化学エネルギーを電気エネルギーに変換する効率は石炭火力より高くなるため、同じ電力量を得るのに必要な燃料は少なくて済む。
キーワード
① パワー密度 ② エネルギー供給 ③ エネルギー需要 ④ 石炭火力発電 ⑤ コンバインドサイクル発電
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:教科書第8章の前半をもう一度見直し、以下の点を確認する。パワー密度とは単位面積あたりのワット数であること。石炭火力発電のパワー密度の計算について。面積は発電所の面積と鉱山の面積を考慮する。発電所からは何MWの電力が生み出されるか。必要な鉱山の面積を計算する手順について。まず、1年間に生成される電力量を計算する。次に、その電力量を生み出すのに必要な石炭の量を計算する。そして最後に、その石炭の量を採掘するのに必要な鉱山の面積を計算する。これらの計算には設備利用率や発電の際のエネルギー変換効率が用いられる。木質バイオマス火力発電のパワー密度の計算も同様である。予習課題:『入門 エネルギーと環境』第8章を読んでおく。
10
供給のパワー密度(2)
科目の中での位置付け
様々な発電方法のパワー密度を計算する。本講義では、はじめに、①文系の学生でも知っておくべきエネルギーに関する知識(エネルギーとパワーの違い、エネルギー変換効率など)を身につけた後、②日本のエネルギー消費とエネルギー供給の現状を資源エネルギー庁などの政府刊行物の資料で確認する。次に、③エネルギーの移行(バイオマス時代→化石燃料時代)の歴史を概観し、そうした移行がなぜ起こったのかを④パワー密度(単位面積あたりのパワーの生産または消費、単位はW/㎡)という概念で解き明かす。⑤さらに今後のエネルギーの移行(化石燃料時代→○○時代、○○に何が入るかは未知)を考えるために例えば火力発電や太陽光発電などのパワー密度も計算し比較する。また、⑥電気自動車の長所短所を学び、それがどこまで利用できるかについても考える。今回は④のうち、供給のパワー密度について学ぶ。
細目レベル①
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、92⁻96
細目レベル②
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、96⁻98
細目レベル③
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、98⁻99
コマ主題細目
① 木質バイオマス火力発電のパワー密度 ② 木質バイオマス発電をまかなうのに必要な森林面積 ③ 太陽光発電のパワー密度
細目レベル
① 火力発電のパワー密度が計算できたところで、今度は、木質バイオマス火力発電のパワー密度を計算過程も含めて知る。まず、面積は発電所の面積と鉱山の面積を考慮するが、後にわかるように、発電所の面積を無視しても結果にほとんど影響がない。発電所からは○MWの電力が生み出される。(1年あたりに)必要な森林の面積を計算するには、いくつかの手順を踏む必要がある。まず、1年間に生成される電力量を計算する。次に、その電力量を生み出すのに必要な木質バイオマスの量を計算する。そして最後に、その木質バイオマスの量を採取するのに必要な森林の面積を計算する。これらの計算には設備利用率や発電の際のエネルギー変換効率が用いられる。
② FIT(固定価格買取制度)の効果もあって、木質バイオマス発電はここ十数年で急速に普及した。それに伴い、燃料である木質ペレットの国内生産も一時的に増加したが、近年は横ばいとなっている。一方で木質ペレットの輸入量は国産を大きく上回っている。その背景には国産材のコスト高などの制約があり、結果としてカナダ、ベトナム、アメリカなどからの輸入が拡大している。先ほどの試算での想定と同じ「森林の年間収量が10t/ha」であるとして、日本国内の木質ペレット生産量を森林面積に換算する。輸入材の最大の供給国ベトナムについても、同様の計算を試みる。輸入量を森林面積に換算するとベトナムの国土面積の何%になるだろうか?
③ 火力発電のパワー密度と木質バイオマス発電のパワー密度を計算したところで、今度は、太陽光発電のパワー密度を計算してみる。太陽光発電のパワー密度は石炭火力発電のパワー密度と比較すると桁違いに小さいことが判明する。太陽光発電の供給のパワー密度の瞬間的な最大値は200W/㎡である。実際には、太陽の高度が低い朝夕や夜間、また、曇天や雨天の日には発電量が大きく低下する。さらに、季節や緯度によっても日射量は変化する。したがって、単純に200W/㎡を太陽光発電のパワー密度とみなすことはできない。そこで、シュミル(2015)に基づき、あるメガソーラーの発電所の面積や年間発電量(実績)から、実際の太陽光発電のパワー密度を計算する。
キーワード
① パワー密度 ② エネルギー供給 ③ エネルギー需要 ④ 木質バイオマス発電 ⑤ 太陽光発電
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:教科書第8章の後半をもう一度見直し、以下の点を確認する。木質バイオマス火力発電のパワー密度の計算方法。必要な森林の面積を計算するにはいくつかの手順を踏む必要がある。まず、1年間に生成される電力量を計算する。次に、その電力量を生み出すのに必要な木質バイオマスの量を計算する。そして最後に、その木質バイオマスの量を採取するのに必要な森林の面積を計算する。太陽光発電のパワー密度はどれくらいか。アメリカと日本それぞれの電力量の10%を太陽光発電でまかなった場合、どれくらいの面積が必要か。風力発電のパワー密度はどれくらいか。風力発電にどれくらいの土地が必要か。予習課題:『入門 エネルギーと環境』第9章を読んでおく。
11
消費のパワー密度
科目の中での位置付け
さまざまな生活スタイルにおける、エネルギー消費のパワー密度(消費面から見たパワー密度)を計算する。本講義では、はじめに、①文系の学生でも知っておくべきエネルギーに関する知識(エネルギーとパワーの違い、エネルギー変換効率など)を身につけた後、②日本のエネルギー消費とエネルギー供給の現状を資源エネルギー庁などの政府刊行物の資料で確認する。次に、③エネルギーの移行(バイオマス時代→化石燃料時代)の歴史を概観し、そうした移行がなぜ起こったのかを④パワー密度(単位面積あたりのパワーの生産または消費、単位はW/㎡)という概念で解き明かす。⑤さらに今後のエネルギーの移行(化石燃料時代→○○時代、○○に何が入るかは未知)を考えるために例えば火力発電や太陽光発電などのパワー密度も計算し比較する。また、⑥電気自動車の長所短所を学び、それがどこまで利用できるかについても考える。今回は④のうち、消費のパワー密度について学ぶ。
細目レベル①
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、101⁻105
細目レベル②
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、105⁻106
細目レベル③
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、107⁻110
コマ主題細目
① エネルギー消費の階層 ② 工場の消費のパワー密度 ③ ヒートアイランド現象
細目レベル
① エネルギーの消費のパワー密度(消費面から見たパワー密度)には、さまざまな階層がある。地球規模の(グローバルな)パワー密度。都市のパワー密度。建物のパワー密度。輸送のパワー密度、などである。地球規模のパワー密度の計算は非常に小さい。地球上の多くの部分が人間の住めない土地であるからである。地球の表面のうち、人間が住める土地に限定して消費のパワー密度を求めると、そうでないものに比べて当然数字は大きくなる。さらに個別の都市のパワー密度を計算するとさらに数字は大きくなる。ニューヨークのマンハッタン中部にある地区は特に高い。その理由について考える。
② 工場の消費パワー密度も産業ごとに当然異なってくるが、19世紀の初頭においても概ね数十W/㎡であった。これを屋根上太陽光発電でまかなうことは、はたしてできるだろうか?できるとしたら/できないとしたら、その理由はいったい何であろうか?同じ消費のパワー密度の計算でも、面積を床面積でとるのか、それとも敷地全体の面積でとるのかによって、結果は異なってくる。当然、前者の方が、数値が大きいであろう。20世紀のフォード(自動車)工場の消費のパワー密度は、19世紀の工場の消費のパワー密度と比べると大きい。ではいったい、どれくらいの差があるだろうか?また、トヨタ自動車の工場の消費のパワー密度を同社が公開しているデータを基に計算する。20世紀のフォードの工場のパワー密度と比べるとどちらが大きいだろうか?
③ 消費のパワー密度を切り口に地球温暖化とヒートアイランド現象を比較する。両者のパワー密度はそのまま「人為的発熱密度」と解釈できる。自然に地球に入射する太陽エネルギーに比べると、地球規模で見た人為的発熱はけた違いに小さい。つまり、人為的発熱そのものが地球温暖化を引き起こしているわけではない。一方で、都市レベルで見ると、人為的発熱がヒートアイランド現象を引き起こしているといえる。また、ヒートアイランド現象の原因のうち、「緑地・水面の減少」や「地表面被覆の人工化」も重要である。これらの要因を考慮すれば、都市のビルの屋上などに太陽光パネルを設置するよりはそこを緑化することも必要かもしれない。
キーワード
① パワー密度 ② エネルギー消費 ③ エネルギー供給 ④ パワー密度の階層 ⑤ ヒートアイランド現象
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:教科書第9章をもう一度見直し、以下の点を確認する。エネルギーの消費のパワー密度には階層(地球規模、都市、建物、輸送など)があること。地球規模のパワー密度の計算は誤解を招きやすいこと。高速ビルのある地区は特に高いこと。建物によっても消費のパワー密度は異なってくること。住宅の消費パワー密度も、国や気候条件が異なると当然異なってくること。一般家庭の電力消費が、その家の屋根上太陽光発電でまかなえるか。工場の消費パワー密度はどれくらいか。これを屋根上太陽光発電でまかなうことはできるだろうか。なぜ自動車工場の消費のパワー密度は大きいのか。予習課題:『入門 エネルギーと環境』第10章を読んでおく。
12
パワー密度の比較
科目の中での位置付け
供給・消費のパワー密度をふまえた上で、現代の日本が「再生可能エネルギー100%」を実現するのにどれくらいの土地が必要かを知る。本講義では、はじめに、①文系の学生でも知っておくべきエネルギーに関する知識(エネルギーとパワーの違い、エネルギー変換効率など)を身につけた後、②日本のエネルギー消費とエネルギー供給の現状を資源エネルギー庁などの政府刊行物の資料で確認する。次に、③エネルギーの移行(バイオマス時代→化石燃料時代)の歴史を概観し、そうした移行がなぜ起こったのかを④パワー密度(単位面積あたりのパワーの生産または消費、単位はW/㎡)という概念で解き明かす。⑤さらに今後のエネルギーの移行(化石燃料時代→○○時代、○○に何が入るかは未知)を考えるために例えば火力発電や太陽光発電などのパワー密度も計算し比較する。また、⑥電気自動車の長所短所を学び、それがどこまで利用できるかについても考える。今回は⑤ついて学ぶ。
細目レベル①
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、113⁻119
細目レベル②
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、119⁻120
細目レベル③
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、121⁻123
コマ主題細目
① 建物・施設の場合 ② 都市の場合 ③ 愛知県の場合
細目レベル
① これまで学んだ供給のパワー密度と消費のパワー密度を比較し、その整合性を確かめる。第8章で学んだ供給側の特性と第9章で学んだ消費側の特性を比較することで、再生可能エネルギーが現実的にどこまで社会の需要を支えうるのかを検討する。まず、家庭を例に、屋根上太陽光発電がその家の電力消費を補える可能性を試算する。さらに大学キャンパスや自動車工場といった大規模施設を取り上げ、需要と供給のパワー密度の乖離を具体的に示す。
② まず、名古屋市について試算する。前章で見たように、2021年度の最終エネルギー消費を平均的なパワーに換算すると、約〇MWである。これを(現状では不可能な想定ではあるが)供給のパワー密度が10W/㎡の太陽光発電ですべて賄うとすると〇㎢が必要となる。これは名古屋市の面積の約〇%に相当する。同様に岡崎市の2019年度の最終エネルギー消費を年間平均消費パワーに換算すると〇MWである。これを(現状では不可能な想定であるが)供給のパワー密度が10W/㎡の太陽光発電ですべて賄おうとすると、〇㎢のパネル設置面積が必要となる。これは岡崎市の面積の約〇%に相当する。
③ ②では、「必要なエネルギーをすべて太陽光発電でまかなう」という現時点では不可能な想定で試算した。しかし、この授業で繰り返し確認したように、電力は最終エネルギー消費の一部にすぎない。そこで今度は、日本全体と愛知県について、最終エネルギー消費を部門別に分けて試算する。2021年の愛知県の最終エネルギー消費は〇TJである。これを年間の平均消費パワーに換算すると〇GWである。この消費を「電力」「石油」「石炭」「ガス・その他」に分類し、それぞれ太陽光発電(15W/㎡)、バイオ燃料(0.5W/㎡)、木炭(1W/㎡)、太陽熱(50W/㎡)で賄うとすると必要な面積はそれぞれ〇㎢、〇㎢、〇㎢、〇㎢である。その合計は愛知県の面積の約〇%に相当する。
キーワード
① パワー密度 ② 太陽光発電 ③ バイオ燃料 ④ 木炭 ⑤ 太陽熱
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:教科書第10章をもう一度見直し、以下の点を確認する。人間環境大学の消費電力を大学の屋上太陽光発電でまかなえるか。人間環境大学の建物の床面積(=屋上面積)は、およそ○○㎡である。供給のパワー密度が○W/㎡ の屋根上太陽光発電で屋上全体を覆い尽くした場合、人間環境大学の消費電力が何W以下なら、この太陽光発電ですべてまかなえるか?というのが問題となる。東京都が「再生可能エネルギー100%」を実現する場合に必要な土地面積を計算する。東京都の2011年度の最終エネルギー消費をパワーに換算すると○GW(ギガワット)である。これを太陽光発電とバイオ燃料と太陽熱でまかなうとして計算する。同様に、愛知県と岐阜県ではどれくらいか。予習課題:『入門 エネルギーと環境』第11章を読んでおく。
13
電気自動車(EV)の可能性
科目の中での位置付け
この授業で学んだ知識をふまえれば、電気自動車(EV)はいわれているほどには環境にやさしい乗り物であるとは言えないことを知る。本講義では、はじめに、①文系の学生でも知っておくべきエネルギーに関する知識(エネルギーとパワーの違い、エネルギー変換効率など)を身につけた後、②日本のエネルギー消費とエネルギー供給の現状を資源エネルギー庁などの政府刊行物の資料で確認する。次に、③エネルギーの移行(バイオマス時代→化石燃料時代)の歴史を概観し、そうした移行がなぜ起こったのかを④パワー密度(単位面積あたりのパワーの生産または消費、単位はW/㎡)という概念で解き明かす。⑤さらに今後のエネルギーの移行(化石燃料時代→○○時代、○○に何が入るかは未知)を考えるために例えば火力発電や太陽光発電などのパワー密度も計算し比較する。また、⑥電気自動車の長所短所を学び、それがどこまで利用できるかについても考える。今回は⑥ついて学ぶ。
細目レベル①
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、128⁻133
細目レベル②
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、133⁻134
細目レベル③
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、134⁻136
コマ主題細目
① EVのLCA(ライフサイクルアセスメント) ② EV充電用の発電に必要な面積 ③ そのほかの制約
細目レベル
① 一般に電気自動車は環境に優しい車であると言われている。というのは、電気自動車は走行時にはCO2を全く排出しないからである。しかしながら、電気自動車にも克服が必ずしも容易ではない弱点がいくつかある。まず、充電池の製造時には大量のCO2が発生する、というものがある。また、火力発電で作られた電気を充電すると、発電時にCO2が発生する。そこで、EVとガソリン車を対象にライフサイクルアセスメント(LCA)を用いた比較研究を紹介する。国によって電源構成が異なるため、走行距離にかかわらずガソリン車の方がCO2排出量が少ない国もあれば、ある距離以上を走行すればEVの方がCO2排出量が少なくなる国もあることが分かる。走行距離が長くなりすぎると充電池の交換が必要となることも見逃せない事実である。
② 2021年3月末現在の愛知県の自動車保有台数は約531万台であるEVの走行に必要な電力量を1㎞あたり150Whと仮定する。自家用車・事業用車を区別せず(これはかなり無理な仮定である)、1台当たりの年間走行距離を仮に10,000㎞とすると、もしも愛知県の自動車がすべてEV化した場合に必要となる年間電力量は〇Gwhとなる。これを平均の電力に換算すると〇MWである。これを太陽光の平均パワー15W/㎡で賄うとすると〇㎢の設置面積が必要となり、これは愛知県の面積の約〇%である。
③ EVには、土地の制約の問題はクリアできても、ほかにもいくつかの制約がある。まずは電池のエネルギー密度の制約である。リチウムイオン電池は体積エネルギー密度で見ても重量エネルギー密度で見てもガソリンよりも桁違いで小さい。同じ車格で比較すると、これが意味するのは「1回の充電で走行できる距離(航続距離)がガソリン車と比べて短くなりやすい」ということである。電池を多く積むと車体重量が増え、走行時の消費電力も増えてしまう。航続距離を大幅に伸ばそうとすると、リチウムやコバルトニッケルといった金属の需要が急増することになる。
キーワード
① 電気自動車(EV) ② ライフサイクルアセスメント(LCA) ③ エネルギー密度 ④ 航続距離 ⑤ 金属資源(リチウムなど)
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:教科書の第11章をもう一度見直し、以下の点を確認する。充電池の製造時には大量のCO2が発生すること。また、火力発電で作られた電気を充電すると当然発電時にCO2が発生すること。太陽光発電や風力発電で発電した電気を充電して走らせれば、これまで見てきたような土地の制約問題が生じてくること。愛知県の電気自動車を駆動させるために必要な電気を太陽光発電で発電するのに必要な土地の面積はどれくらいか。電気自動車のリチウムイオン電池のエネルギー密度はガソリンエンジンと比べて桁違いに小さいこと。電気自動車のリチウムイオン電池の製造のためには大量のリチウム資源が必要であること。予習課題:『入門 エネルギーと環境』第12章を読んでおく。
14
エネルギーの移行
科目の中での位置付け
この授業で学んだ知識をふまえれば、エネルギーの移行についてどのような提言が可能であるかを確認する。本講義では、はじめに、①文系の学生でも知っておくべきエネルギーに関する知識(エネルギーとパワーの違い、エネルギー変換効率など)を身につけた後、②日本のエネルギー消費とエネルギー供給の現状を資源エネルギー庁などの政府刊行物の資料で確認する。次に、③エネルギーの移行(バイオマス時代→化石燃料時代)の歴史を概観し、そうした移行がなぜ起こったのかを④パワー密度(単位面積あたりのパワーの生産または消費、単位はW/㎡)という概念で解き明かす。⑤さらに今後のエネルギーの移行(化石燃料時代→○○時代、○○に何が入るかは未知)を考えるために例えば火力発電や太陽光発電などのパワー密度も計算し比較する。また、⑥電気自動車の長所短所を学び、それがどこまで利用できるかについても考える。今回は⑥ついて学ぶ。
細目レベル①
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、137⁻140
細目レベル②
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、140⁻141
細目レベル③
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、141⁻146
コマ主題細目
① 候補A:天然ガスを「つなぎ」として使用しながら再生可能エネルギーへ移行する ② 候補B:原発を「つなぎ」として使用しながら脱炭素へ ③ 候補C:どのエネルギー源にも欠点があるから、経済を減速/定常化/縮小させる
細目レベル
① 移行期のエネルギーミックスに関する提言は以下のようにまとめられる。すなわち、「移行期には石炭や石油よりCO2の排出の少ない天然ガスを活用しつつ、再生可能エネルギーの技術革新と普及を待つ」というものである。この移行期の低炭素電源として有力視されているのが天然ガスコンバインドサイクル発電である。天然ガスはコストが高いのではないかという懸念があるかもしれないが、発電コスト全体で見ると、天然ガス火力発電は石炭火力発電と同程度か場合によっては安価になることもある。というのは、天然ガス火力発電はCO2の排出が比較的少ないため社会的コストが小さいうえに、発電設備が小規模であるため資本費(設備建設コスト)が安いからである。
② 原子力発電は発電所の稼働中にはCO2を発生しないため、脱炭素という観点からは天然ガスよりも有力な電源である。しかしながら、天然ガスと違って原子力は発電にしか利用できないため、有力な電源であったとしても有力なエネルギー源とまではいえない可能性がある。また、日本では放射性廃棄物の最終処理の問題はいまだに解決のめどが立っていないために、原子力に依存するエネルギー構成にするのであれば、この点をクリアしなければならない。
③ エネルギーフロー(再生可能エネルギー)に依存すれば土地やバイオマス資源の制約に直面し、エネルギーストック(化石燃料や核燃料)に依存すれば資源の有限性や廃棄物蓄積の問題に直面する。このジレンマをどう乗り越えるかについては、技術革新を推進しながらも、人間活動の在り方そのものを見直し、土地の枯渇や資源の枯渇のような制約が問題にならない程度にまで経済を減速/定常化/縮小すべきだと考える人々もいる。経済成長とは、一定額が毎年増える直線的な増加ではなく、〇%成長という形の指数関数的な増加である。例えば、2%成長の場合、およそ35年ごとに経済規模が倍増する。このようなことは物理的に無理であるから減速/定常化/縮小しようというわけである。しかしながら、やみくもに経済を縮小しようとすると餓死や失業を招く可能性もあるから慎重に考えなければならない。
キーワード
① エネルギー移行 ② エネルギーミックス ③ 天然ガス ④ 原子力発電 ⑤ 経済成長
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:教科書第12章をもう一度見直し、以下の点を確認する。「移行期には石炭や石油よりCO2の排出の少ない天然ガスを活用しつつ、再生可能エネルギーの技術革新と普及を待つ」という考え方について。この移行期の低炭素電源として有力視されているのが天然ガスコンバインドサイクル発電であること。原子力発電は発電所の稼働中にはCO2を発生しないため、脱炭素という観点からは天然ガスよりも有力な電源であるが、天然ガスと違って原子力は発電にしか利用できないため、有力な電源であったとしても有力なエネルギー源とまではいえない可能性があること。また、日本では放射性廃棄物の最終処理の問題はいまだに解決のめどが立っていないために、原子力に依存するエネルギー構成にするのであれば、この点をクリアしなければならないこと。経済成長とは、一定額が毎年増える直線的な増加ではなく、〇%成長という形の指数関数的な増加であること。例えば、2%成長の場合、およそ35年ごとに経済規模が倍増すること。このようなことは物理的に無理であるから減速/定常化/縮小しようという考えについて。やみくもに経済を縮小しようとすると餓死や失業を招く可能性もあるから慎重に考えなければならないこと。
15
後半の復習
科目の中での位置付け
今回は後半の復習である。本講義では、はじめに、①文系の学生でも知っておくべきエネルギーに関する知識(エネルギーとパワーの違い、エネルギー変換効率など)を身につけた後、②日本のエネルギー消費とエネルギー供給の現状を資源エネルギー庁などの政府刊行物の資料で確認する。次に、③エネルギーの移行(バイオマス時代→化石燃料時代)の歴史を概観し、そうした移行がなぜ起こったのかを④パワー密度(単位面積あたりのパワーの生産または消費、単位はW/㎡)という概念で解き明かす。⑤さらに今後のエネルギーの移行(化石燃料時代→○○時代、○○に何が入るかは未知)を考えるために例えば火力発電や太陽光発電などのパワー密度も計算し比較する。また、⑥電気自動車の長所短所を学び、それがどこまで利用できるかについても考える。今回は後半の復習(エネルギー供給のパワー密度、エネルギー消費のパワー密度、パワー密度の比較、エネルギーの移行、電気自動車など)である。
細目レベル①②③
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、87⁻146
コマ主題細目
① 復習(第9・10回) ② 復習(第11・12回) ③ 復習(第13・14回)
細目レベル
① 後半の内容の中でも以下のことを確認する。パワー密度とは何か。石炭火力発電のパワー密度の計算について。必要な鉱山の面積を計算する手順について。まず、1年間に生成される電力量を計算する。次に、その電力量を生み出すのに必要な石炭の量を計算する。そして最後に、その石炭の量を採掘するのに必要な鉱山の面積を計算する。これらの計算には設備利用率や発電の際のエネルギー変換効率が用いられる。木質バイオマス火力発電のパワー密度の計算も同様である。太陽光発電のパワー密度はどれくらいか。アメリカと日本それぞれの電力量の10%を太陽光発電でまかなった場合、どれくらいの面積が必要か。風力発電のパワー密度はどれくらいか。風力発電にどれくらいの土地が必要か。
② 後半の内容の中でも以下のことを確認する。エネルギーの消費のパワー密度には階層があること。高速ビルのある地区は特に高いこと。建物によっても消費のパワー密度は異なってくること。一般家庭の電力消費が、その家の屋根上太陽光発電でまかなえるか。工場の消費パワー密度はどれくらいか。これを屋根上太陽光発電でまかなうことはできるだろうか。人間環境大学の消費電力を大学の屋上太陽光発電でまかなえるか。東京都が「再生可能エネルギー100%」を実現する場合に必要な土地面積を計算する。東京都の2011年度の最終エネルギー消費をパワーに換算すると○GW(ギガワット)である。これを太陽光発電とバイオ燃料と太陽熱でまかなうとして計算する。
③ 後半の内容の中でも以下のことを確認する。再生可能エネルギー100%は全く無理であること。したがって、エネルギーミックスで最適なコスト・パフォーマンスを得ることが重要であること。エネルギー消費側の省エネ、エネルギー供給側の省エネとしてはどんなものがあるか。充電池の製造時には大量のCO2が発生すること。また、火力発電で作られた電気を充電すると当然発電時にCO2が発生すること。太陽光発電や風力発電で発電した電気を充電して走らせれば、これまで見てきたような土地の制約問題が生じてくること。電気自動車のリチウムイオン電池のエネルギー密度は小さいこと。電気自動車のリチウムイオン電池の製造のためには大量のリチウム資源が必要であること。
キーワード
① パワー密度 ② エネルギー密度 ③ エネルギーの移行 ④ 再生可能エネルギー ⑤ 化石燃料
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:教科書の第8章以降をもう一度見直し、以下の点を確認する。パワー密度とは何か。石炭火力発電のパワー密度の計算について。木質バイオマス火力発電のパワー密度の計算について。太陽光発電のパワー密度はどれくらいか。風力発電のパワー密度はどれくらいか。エネルギーの消費のパワー密度には階層があること。一般家庭の電力消費が、その家の屋根上太陽光発電でまかなえるか。人間環境大学の消費電力を大学の屋上太陽光発電でまかなえるか。東京都が「再生可能エネルギー100%」を実現する場合に必要な土地面積を計算する。再生可能エネルギー100%は全く無理であること。したがって、エネルギーミックスで最適なコスト・パフォーマンスを得ることが重要であること。充電池の製造時には大量のCO2が発生すること。また、火力発電で作られた電気を充電すると当然発電時にCO2が発生すること。太陽光発電や風力発電で発電した電気を充電して走らせれば、土地の制約問題が生じてくること。電気自動車のリチウムイオン電池のエネルギー密度は小さいこと。電気自動車のリチウムイオン電池の製造のためには大量のリチウム資源が必要であること。
履修判定指標
履修指標
履修指標の水準
キーワード
配点
関連回
エネルギーの基礎知識
パワーとエネルギーは互いに関連するが、別物であると理解している。人一人のパワーがどれくらいかを知っている。家電製品の消費電力や電力量を計算できる。エネルギーにはさまざまな形態があり、それらは様々に形を変えるが、その合計量は保存されることを理解している。すべてのエネルギーの最終的な形は熱エネルギーであることを理解している。エネルギーの変換効率を計算できる。ガソリン車と電気自動車のエネルギー変換効率についての議論ができる。原子力と地熱と潮汐以外の地球上のエネルギーは太陽エネルギーが起源であることを理解している。地球に入ってきた太陽エネルギーの一部は植物が行う光合成によって化学エネルギーとして植物体内に蓄えられることを理解している。一次エネルギーと二次エネルギーの違いを理解している。石炭・石油の起源、用途について知っている。火力発電、水力発電、原子力発電、太陽光発電、風力発電などのしくみを理解している。太陽光発電、風力発電が有利な地域はどこかを理解している。
第1・2・3回のキーワード
22
1・2・3
エネルギー消費とエネルギー供給
1次エネルギー総供給、最終エネルギー消費とは何かを理解している。1次エネルギー総供給と最終エネルギー消費は絶対に一致しないのはなぜかを理解している。最終エネルギー消費がどんな部門から構成されるか知っている。それぞれの部門の特徴を理解している。再生可能エネルギーへの移行が叫ばれている理由の最も大きなものが、気候変動であることを理解している。パリ協定について理解している。日本政府の「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」について理解できる。その「長期戦略」が実行できるかについて議論できる。電力化率とは何であるか、日本では何%くらいかを理解している。エネルギーの選択を考える際の10基準をそれぞれ理解している。
第4・5回のキーワード
16
4・5
エネルギー環境史
狩猟採集生活において主食になりやすいのは何であるか、動物が投資対象になりにくいのはなぜか、沿岸地域では消費のパワー密度が高いのはなぜか、などを理解している。農耕社会、都市生活における消費のパワー密度はどれくらいかを知っている。薪や木炭の供給のパワー密度がどれくらいかを知っている。なぜ都市が多くの人口を維持できるかを理解している。水車、風車の用途について知っている。産業革命が始まる以前から大量のバイオマス燃料が必要であり、深刻な森林破壊が生じるようになったこと、それにより、石炭がバイオマス燃料の代用として使用されるようになったこと、石炭の使用が深刻な大気汚染を引き起こしたこと、などを理解している。石炭の使用だけでは土地の制約から逃れることはできないこと、石油が内燃機関の発明により燃料として使用されるようになったこと、新しいエネルギーへの移行には既存のエネルギーが必要であること、などを理解している蒸気タービンの登場により電力産業が誕生したこと、電気は最も便利で、最も柔軟なエネルギーであること、などを理解している。「砂時計の比喩」を用いてエネルギー環境史を総括できる。
第6・7回のキーワード
16
6・7
パワー密度
パワー密度とは何かを理解している。石炭火力発電のパワー密度の計算過程を理解している。木質バイオマス火力発電のパワー密度の計算過程を理解している。木質バイオマス発電が環境に負荷を与える可能性について理解している。太陽光発電、風力発電のパワー密度はどれくらいかを知っている。発電方式による供給のパワー密度の格差は何に起因するかを理解している。エネルギーの消費のパワー密度には階層があることを知っている。一般家庭や工場の電力消費が、その建物の屋根上太陽光発電でまかなえるかどうかを計算で確かめることができる。大学や工場の消費電力を大学や工場の敷地内の太陽光発電でまかなえるかどうかを計算で確かめることができる。国や自治体などが「再生可能エネルギー100%」を実現する場合に必要な土地面積を計算することができる。地球温暖化とヒートアイランド現象の違いを消費のパワー密度を用いて説明できる。ヒートアイランド現象の原因を理解している。
第9・10・11・12回のキーワード
30
9・10・11・12
電気自動車
ライフサイクルアセスメントについて理解している。充電池の製造時や充電する電気を(化石燃料を用いた火力発電で)発電する際にCO2が発生することを理解している。太陽光発電や風力発電で発電した電気を充電して走らせれば、土地の制約問題が生じることを理解している。電気自動車のリチウムイオン電池のエネルギー密度はガソリンエンジンと比べて桁違いに小さいことを理解している。電気自動車のリチウムイオン電池の製造のためには大量のリチウム資源が必要であることを理解している。
第13回のキーワード
8
13
エネルギーの移行
移行の方法の「候補A:天然ガスをつなぎとして使用しながら再生可能エネルギーへ移行する」の利点と欠点について理解している。「候補B:原発をつなぎとして使用しながら脱炭素へ」の利点と欠点について理解している。「候補C:どのエネルギー源にも欠点があるから、経済を減速/定常化/縮小させる」の利点と欠点を理解している。
第14回のキーワード
8
14
評価方法
期末試験100%
評価基準
評語
学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・
S (100~90点)
学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・
A (89~80点)
学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・
B (79~70点)
学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・
C (69~60点)
学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・
D (60点未満)
教科書
山根卓二『入門 エネルギーと環境』化学同人、2026年.
参考文献
V.Smil(2015), Power Density, The MIT Press. 田中紀夫『エネルギー環境史Ⅱ・Ⅲ』ERC出版、2002年.石井彰『エネルギー論争の盲点』NHK出版新書、2011年.小池康郎『文系人のためのエネルギー入門』勁草書房、2011年.
実験・実習・教材費
なし