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1
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気候変動問題を学ぶために(ガイダンスも行う)
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科目の中での位置付け
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本科目は、第Ⅰ部 概要編、第Ⅱ部 現象編、第Ⅲ部 影響編、第Ⅳ部 対応編の4つのパートからなる。概要編では、気候と気象の違いなどの基本概念、科学的コンセンサスの意味、気候科学史や気候変動問題の歴史的経緯などを学習し、気候変動問題に関するさまざまな主張の中から信頼できる主張を特定する力を養う。現象編では、長期的な気候変動や地史における気候の変化とその調査方法について学び、気候システムに関連する物理学の基本に触れたうえで、単純な気候モデルの仕組みを理解する。そして、炭素循環システム、放射強制力、フィードバック、気候感度など、気候変化のメカニズムへの理解を深める。さらに、さまざまな仮説を取り上げながら、気候が変化している要因について議論する。影響編では、未来の気候変化の予測や将来の排出シナリオの策定方法を学習し、気候の変化がもたらすさまざまな影響について議論する。対応編では、1) GHGの排出削減を目指す緩和策、2) 気候変動の悪影響を軽減する適応策、3) 適応策でも回避できない「損失と損害」への対応の3つのアプローチを学び、これらを踏まえた議論を展開する。 授業第1回(概要編)にあたる本コマでは、科目の概要、目的、到達目標、授業の展開方法、評価方法を確認し、今後の授業の意義を明確にする。また、授業計画の活用方法や参考文献の紹介、履修にあたっての注意事項やルールについて確認し、授業のスムーズな展開を図る。さらに、気候と気象の違い、気候変動の意味、科学的コンセンサスの形成プロセスについて学習し、気候変動問題における情報リテラシーを養う。
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コマ用オリジナル配布資料
Dessler, A. E., 石本美智, & 神沢博. (2023). 現代気候変動入門 : 地球温暖化のメカニズムから政策まで. 名古屋大学出版会. p.1-18
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コマ主題細目
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① ガイダンス ② 気候と気象 ③ 気候変動とは ④ 科学的コンセンサスとは
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細目レベル
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① ガイダンス 気候変動について学ぶこの科目は、理系科目なのだろうか、それとも文系科目なのだろうか。この科目での学習に必要な知識は、自然科学の知識なのだろうか、それとも社会科学の知識なのだろうか。なぜ私たちは気候変動について学ぶ必要があるのだろうか。細目➀では、このような問いを通じて、一般的な科目とは異なるこの科目の特徴について議論し、今後の学習の前提となる認識を醸成する。そして、シラバスに沿って「科目の目的」、「到達目標」、「概要」、「授業の展開方法」について説明を行い、「評価方法」や「履修判定指標」を確認することで、この科目のゴールを明確にする。また、この科目におけるコマシラバスの活用方法や参考文献の紹介、履修にあたっての注意事項やルールについても確認する。
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② 気候と気象 あなたは、気象と気候の違いについて説明できますか?気象(weather)は、ある時点から数日程度の特定の場所における大気の状態を指し、気候(climate)は、ある地域について長期間にわたる気象の平均状態や変動の統計的特徴を指す。気候を表す期間としては30年程度の平年値が広く用いられる。気候変動問題を学習するにあたり、気象と気候の違いを理解することは重要である。細目②では、両者がそれぞれどのような場面で用いられ、なぜ両者を使い分ける必要があるのかを学ぶことで、混同しやすい2つの言葉が示す概念を正確に把握する。また、摂氏(℃)と華氏(℉)の違い、それらの変換方法(C=(F-32)×5/9)、緯度と経度、熱帯域・中緯度域・極域など地球の座標系に関する基本事項についても確認し、この科目の学習の基礎とする。
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③ 気候変動とは 気候の変化を表す用語には、climate change(気候変動/気候変化)と climate variability(気候変動性)がある。IPCCでは、climate change は、平均状態や変動性の変化が数十年以上持続する気候状態の変化を指し、その原因は自然の内部過程、自然の外部強制、人為起源の変化のいずれも含み得る。一方、climate variability は、個々の気象現象を超える時間・空間スケールで生じる、気候の平均状態やその他の統計量の変動を指し、自然内部変動だけに限定される概念ではない。本科目では、近年の人為起源の温暖化を含む climate change を主に扱う。現在、日本語では climate change の訳語として「気候変動」が広く用いられているため、細目③では、climate variability と climate change の概念の違いを押さえ、「気候変動」という語を文脈に応じて慎重に解釈することの重要性を認識する。
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④ 科学的コンセンサスとは 現代を生きる私たちは「科学的な知見」に信頼を寄せている。そもそも科学的な知見とは何だろうか。細目④では、科学的知見の形成過程について学習し、気候変動問題に関するさまざまな主張の中から信頼できる主張を特定する力を高める。科学的知見は、研究者が仮説を立て、観測・実験・解析によって検証し、研究成果が査読を経て公表され、その後も独立した研究や異なるデータ・手法によって検討されるという過程を通して蓄積される。科学的コンセンサスは、ある一つの論文が繰り返し再現された時点で自動的に成立するものではなく、複数の独立した証拠や研究成果が長期的に蓄積され、専門家の間で広く支持されることによって形成される。専門家でない人が膨大な科学文献を直接評価することは容易ではないため、IPCC報告書のような科学的評価書は、多数の研究成果を専門家が体系的に評価し、現時点での知見の一致点や不確実性を整理する役割を持つ。ここでは、「科学的評価書」の作成過程についても学習する。
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キーワード
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① weather(気象) ② climate(気候) ③ climate variability(気候変動性) ④ climate change(気候変動/気候変化) ⑤ 科学的コンセンサス
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コマの展開方法
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社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
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小テスト
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「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
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復習・予習課題
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【復習】授業中に配布したコマ用オリジナル資料(講義スライド)、授業の最後に実施した小テストの内容を復習し、理解できなかった内容については、参考資料を使って調べておく。それでも分からない箇所については、インターネットを使って調べたり、教員に質問したりして、能動的に学習することが望ましい。特に、コマシラバスに記載されたキーワードについては覚え、その意味を自分自身の言葉で説明できるようにしておくことが望ましい。 【予習】該当するコマシラバスのコマ主題細目の細目レベルの内容に、事前に目を通し、理解が困難な箇所を事前に把握しておく。また、参考文献に目を通したり、キーワードや疑問を持った箇所について自身で調べたりして、授業に臨むことが望ましい。
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2
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気候科学と気候変動問題の小史
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科目の中での位置付け
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本科目は、第Ⅰ部 概要編、第Ⅱ部 現象編、第Ⅲ部 影響編、第Ⅳ部 対応編の4つのパートからなる。概要編では、気候と気象の違いといった基本概念、科学的コンセンサスの意味、気候科学史や気候変動問題の歴史的経緯などを学習することにより、気候変動問題に関するさまざまな主張の中から信頼できる主張を特定する力を養う。現象編では、近年や地史における気候の変化とその調査方法について学習したうえで、物理学の基本に触れ、単純な気候モデルの仕組みを理解する。そして、炭素循環システム、放射強制力、フィードバック、気候感度など、気候変化のメカニズムへの理解を深める。さらに、さまざまな仮説を取り上げながら、気候が変化している要因について議論する。影響編では、未来の気候変化の予測や将来の排出シナリオの策定方法を学習し、気候の変化がもたらすさまざまな影響について議論する。対応編では、1)GHGの排出の削減を目指す緩和、2)気候変動の悪影響を軽減する適応、3)適応策によっても回避できない「損失と損害」への対応の3つのアプローチとそれらを踏まえた議論を展開する。第2回にあたる本コマでは、国際的な動向、日本国内の動向、科学的根拠、国際協調といった複数の観点から、気候変動問題の発端から現在に至るまでの気候変動問題の経緯について学習したうえで、今後の課題と展望について議論する。
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コマ用オリジナル配布資料
Dessler, A. E., 石本美智, & 神沢博. (2023). 現代気候変動入門 : 地球温暖化のメカニズムから政策まで. 名古屋大学出版会. p.255-282
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コマ主題細目
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① 気候変動問題の初期の認識(1800~1950) ② 科学的な証拠の蓄積(1950~1980) ③ 国際社会における問題認知(1980~2000) ④ 21世紀における展開とパリ協定(2000~現在) ⑤ 現在の課題と展望
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細目レベル
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① 気候変動問題の初期の認識(1800~1950) ここでは、将来、グローバルな大問題に発展する現象が、科学者たちによって、どのように発見され、認識されていったのかについて学ぶ。歴史をたどるとはじまりは19世紀にさかのぼる。1824年、フランスの物理学者ジョゼフ・フーリエが、地球が予想よりも温暖であることを理由として、温室効果を提唱した。これに続いて、1856年、アメリカの科学者ユニス・ニュートン・フットが、二酸化炭素の入ったシリンダーは空気の入ったシリンダーよりもはるかに高温になったことから、二酸化炭素と温暖化の関連を発見し、二酸化炭素が大気中の熱を強く吸収することに気づいた。更に1896年、スウェーデンの化学者スヴァンテ・アレニウスが石炭の燃焼が二酸化炭素を増加させ、地球の気温を上昇させる可能性を指摘した。1900年、クヌート・オングストロームはCO₂の赤外線吸収が飽和していると解釈し、CO₂増加による温暖化効果に疑問を呈した。この解釈は後に不十分であることが明らかになった。1938年、イギリス人の技師ガイ・カレンダーが、世界147か所の気象観測所の記録から、前世紀に比べて気温が上昇していること、同時期のCO2濃度が上昇していたことを示し、CO2濃度上昇により温暖化が生じていることを示唆した。しかし、この主張は気象学者らによって否定された。
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② 科学的な証拠の蓄積(1950~1980) ここでは、地球温暖化が国際的に問題として認識されるに至るまでに、科学者たちが、どのように科学的な証拠を蓄積してきたかについて学習する。1955年、米国の研究者ギルバート・プラスが、新しい機器を使って、様々なガスの赤外線吸収を詳細に分析し、CO2濃度を2倍となると気温が3~4℃上昇すると結論づけた。そして、1957年、米国の海洋学者ロジャー・ルベールと化学者ハンス・スースは、大気中のCO2を海水がすべて吸収するわけではないことを示した。1958年、チャールズ・デイヴィッド・キーリングが、機器を開発し、ハワイのマウナロアと南極で大気中のCO2の系統的な測定をはじめ、その4年以内に、CO2濃度が上昇していることを初めて明確に証明した。ケリング博士がハワイのマウナロア天文台でCO2の測定を開始し、その濃度が上昇していることを明らかにした。1967年、真鍋淑郎らはCO2を2倍にすれば世界の気温が2~3度上昇するという計算結果を発表した。さらに、1976年、メタン、オゾンが温室効果に深刻な影響を与えることが示され、1975年には、米国の科学者ウォレス・ブロッカーが、科学論文においてはじめて「地球温暖化」という言葉を使用した。この間、1965年、アメリカ大統領諮問委員会は、温室効果は「真の懸念事項」であると警告した。
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③ 国際社会における問題認知(1980~2000) ここでは、科学者だけでなく国際社会が、気候変動問題の重要性を認識し対策に乗り出した過程、および、国際的な協調を困難にしていた原因等について学習する。1970年代には、科学者による議論は活発となっていたものの、1972年にストックホルムで行われた第1回 国連環境会議の段階では、未だ気候変動問題は殆どとりあげられなかった。その後、地球温暖化問題は、少しずつ国際社会でも話題に上るようになり、1988年、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が設立され、気候変動に関する証拠の照合と評価が行われ、1989年には、イギリスのマーガレット・サッチャー首相が国連演説で気候変動に関する世界的な条約の必要性を訴えた。その後、1992年、国連環境開発会議(地球サミット)で国連気候変動枠組条約(UNFCCC)が採択され、国際的な気候変動対策の枠組みが確立された。1997年、京都議定書が採択され、GHGの排出削減目標が設定され、参加国に対する具体的な義務が課された。これにより、国際社会は気候変動問題に取り組むための具体的な行動を始めることになった。
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④ 21世紀における展開とパリ協定(2000~現在) ここでは、科学的な評価が進展し、国際的な共通の目標が具体化した2000年代の国際社会の動向について学習する。2001年、IPCC第3次評価報告書において、20世紀後半に見られた温暖化の主な原因は、人類によるGHGの排出であるという結果が示される一方、米国は、京都議定書から離脱した。京都議定書が京都議定書締約国の国際法となった2005年、英国のトニー・ブレア首相が、G8議長およびEU議長としての任期中の優先課題に気候変動を選択した。アル・ゴア元アメリカ合衆国副大統領が主演するドキュメンタリー映画『不都合な真実』が公開された2006年、スターン・レビューが「気候変動を放置した場合、世界のGDPに最大20%の損害を与える可能性がある」と結論づけた。2007年、IPCCの第4次評価報告書で、現代の気候変動は人類のGHG排出が原因である可能性が90%以上とされ、同年、バリ島での国連交渉で各国政府が「バリ・ロードマップ」に合意した。キーリング・プロジェクトにより、CO2濃度が1958年の315ppmから2008年には380ppmに上昇したことが示された2008年、気候科学者らは、GHGの排出をすべて直ちに停止できたとしても、地球の気温は数千年にわたって上昇したままであることを指摘した。そして、バラク・オバマ次期米大統領が就任2ヶ月前に、気候変動に関して世界各国と「積極的に関与する」ことを約束した翌2009年、中国がアメリカを抜いて世界最大のGHG排出国となった。国連気候サミットがコペンハーゲンで開催されたこの年、クライメートゲート事件によって地球温暖化を人為だとするための国際的陰謀論が生じたが、2011年には、事件後の気温の再分析により、地球の地表面が過去100年間で温暖化していたことが示された。2012年、北極海の海氷域が最小の341万平方キロメートルに達した。翌2013年のIPCC第5次評価報告書では、1950年代以降の地球温暖化の「支配的な原因」は人類であると95%確信された。2015年、パリ協定が採択され、世界の平均気温上昇を産業革命前と比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力を追求することが合意された。米国は2016年にパリ協定を受諾し、2020年11月に一度離脱した後、2021年2月に復帰した。その後、2025年1月に再び離脱を通告し、2026年1月27日に離脱が発効した。
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⑤ 現在の課題と展望 ここでは、細目①~④で学習した気候変動問題の歴史的経緯を踏まえて、今日、私たちが気候変動問題に向き合ううえで重要な点、気を付けるべきバイアス、新たに取り入れるべき観点等について議論する。現在、継続的な国際的な協力と地球規模での行動の必要性が世界的な共通認識となり、各国は化石燃料依存からの脱却、持続可能なエネルギーへの移行、気候変動への適応策の実施など、多岐にわたる対策を実行に移している。特に、再生可能エネルギーへの投資の増加、炭素排出量の削減、持続可能な都市計画、気候変動に関する教育と意識の向上、自然環境の保護と再生などが重要視されている。しかし、国際社会は依然として多くの課題に直面している。
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キーワード
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① CO2濃度上昇 ② 地球温暖化 ③ 国連気候変動枠組条約 ④ 京都議定書 ⑤ パリ協定
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コマの展開方法
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社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
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小テスト
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「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
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復習・予習課題
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【復習】授業中に配布したコマ用オリジナル資料(講義スライド)、授業の最後に実施した小テストの内容を復習し、理解できなかった内容については、参考資料を使って調べておく。それでも分からない箇所については、インターネットを使って調べたり、教員に質問したりして、能動的に学習することが望ましい。特に、コマシラバスに記載されたキーワードについては覚え、その意味を自分自身の言葉で説明できるようにしておくことが望ましい。 【予習】該当するコマシラバスのコマ主題細目の細目レベルの内容に、事前に目を通し、理解が困難な箇所を事前に把握しておく。また、参考文献に目を通したり、キーワードや疑問を持った箇所について自身で調べたりして、授業に臨むことが望ましい。
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3
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気候は変化しているのか
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科目の中での位置付け
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本科目は、第Ⅰ部 概要編、第Ⅱ部 現象編、第Ⅲ部 影響編、第Ⅳ部 対応編の4つのパートからなる。概要編では、気候と気象の違いといった基本概念、科学的コンセンサスの意味、気候科学史や気候変動問題の歴史的経緯などを学習することにより、気候変動問題に関するさまざまな主張の中から信頼できる主張を特定する力を養う。現象編では、近年や地史における気候の変化とその調査方法について学習したうえで、物理学の基本に触れ、単純な気候モデルの仕組みを理解する。そして、炭素循環システム、放射強制力、フィードバック、気候感度など、気候変化のメカニズムへの理解を深める。さらに、さまざまな仮説を取り上げながら、気候が変化している要因について議論する。影響編では、未来の気候変化の予測や将来の排出シナリオの策定方法を学習し、気候の変化がもたらすさまざまな影響について議論する。対応編では、1)GHGの排出の削減を目指す緩和、2)気候変動の悪影響を軽減する適応、3)適応策によっても回避できない「損失と損害」への対応の3つのアプローチとそれらを踏まえた議論を展開する。第3回にあたる本コマでは、主に全球平均気温に焦点をあて、近年の地球温暖化が、地質学的な長い歴史における気候の変動周期の文脈で、どのように位置づけられるのかを学習する。学習にあたっては、「気温偏差」の考え方や気温データの検証についても理解を深める。また、古気候プロキシなど、古気候の推定方法についても学習する。
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コマ用オリジナル配布資料
Dessler, A. E., 石本美智, & 神沢博. (2023). 現代気候変動入門 : 地球温暖化のメカニズムから政策まで. 名古屋大学出版会. p.19-57
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コマ主題細目
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① 気温偏差 ② 近年の気候の変化 ③ 地史にわたる気候の変化
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細目レベル
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① 気温偏差とは 地球の気候が変化しているかを知るためには、全球平均気温の時間的な変化を把握する必要がある。しかし、地球全体の温度を測定し、その時間的な変化を理解することは簡単ではない。例えば、晴れた日にアスファルトやコンクリートで囲まれた場所から緑地へ移動すると、気温差を感じることがある。これは、局所的な環境の違いによって気温が異なることを示しており、実際の気温データを正確に得るためには、高密度な温度計ネットワークが必要になることが理解できる。科学者たちは、高密度な温度計ネットワークを世界中に配置する代わりに、「気温偏差」を利用して地球全体の気温の時間的な変化を把握している。「気温偏差」とは、実際の気温と基準となる気温との差を指す。細目➀では、「気温偏差」の意味や特徴について学び、全球平均気温の時間的な変化がどのように特定されているかを理解する。
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② 近年における気候の変化 観測データによれば、2011~2020年の全球表面気温は1850~1900年平均より約1.1℃高く、地球が温暖化していることは疑う余地がない。この温暖化は地表温度計ネットワークだけでなく、海洋の昇温、氷河・氷床の減少、海面水位の上昇など、独立した複数の観測によって裏付けられている。科学においては、一つのデータに頼らず、異なる観測方法やデータセットで結果を検証することが重要である。細目②では、地表温度計ネットワークが示す温暖化が、衛星による観測、地球上の氷の量、海洋熱、海面水位などによってどのように裏付けられているのかを学び、観測された気候変化の確からしさについて議論する。
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③ 地史にわたる気候の変化 現在の温暖化を考えるには、地球が45億年にわたって経験してきた気候の大きな変化についても理解する必要がある。しかし、地表面温度の測定データは数世紀前までしか遡ることができない。そこで、地球の地質学的な気候の歴史を知るためには「古気候プロキシ(代替指標)」と呼ばれる、長期間の地質学的、化学的、生物学的なデータが必要になる。細目③では、古気候プロキシにより地球の長期的な気候変化を記録する方法について学ぶ。そして、地球の気候の長期的な変化を学習し、現在の温暖化をその中に位置づけて理解する。地球の気候には、長期的な「氷室期」と「温室期」のサイクルがあり、これに加えて、短期的な「氷期」と「間氷期」のサイクルが存在する。氷期は間氷期よりも気温が数度低く、現在の地球は間氷期にあり、最終氷期の終わりから始まった「完新世」に属している。約8,000~6,000年前にかけて気温がピークを迎えた後、地球の気温は200年前まで徐々に低下したが、その後、急激な温暖化が始まった。この急激な温度上昇は、人類が化石燃料を大量に使用し始めた時期と一致している。
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キーワード
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① 気温偏差 ② 地球温暖化 ③ データ検証 ④ エルニーニョ ⑤ 古気候プロキシ
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コマの展開方法
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社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
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小テスト
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「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
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復習・予習課題
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【復習】授業中に配布したコマ用オリジナル資料(講義スライド)、授業の最後に実施した小テストの内容を復習し、理解できなかった内容については、参考資料を使って調べておく。それでも分からない箇所については、インターネットを使って調べたり、教員に質問したりして、能動的に学習することが望ましい。特に、コマシラバスに記載されたキーワードについては覚え、その意味を自分自身の言葉で説明できるようにしておくことが望ましい。 【予習】該当するコマシラバスのコマ主題細目の細目レベルの内容に、事前に目を通し、理解が困難な箇所を事前に把握しておく。また、参考文献に目を通したり、キーワードや疑問を持った箇所について自身で調べたりして、授業に臨むことが望ましい。
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4
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エネルギー収支と気候モデル
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科目の中での位置付け
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本科目は、第Ⅰ部 概要編、第Ⅱ部 現象編、第Ⅲ部 影響編、第Ⅳ部 対応編の4つのパートからなる。概要編では、気候と気象の違いといった基本概念、科学的コンセンサスの意味、気候科学史や気候変動問題の歴史的経緯などを学習することにより、気候変動問題に関するさまざまな主張の中から信頼できる主張を特定する力を養う。現象編では、近年や地史における気候の変化とその調査方法について学習したうえで、物理学の基本に触れ、単純な気候モデルの仕組みを理解する。そして、炭素循環システム、放射強制力、フィードバック、気候感度など、気候変化のメカニズムへの理解を深める。さらに、さまざまな仮説を取り上げながら、気候が変化している要因について議論する。影響編では、未来の気候変化の予測や将来の排出シナリオの策定方法を学習し、気候の変化がもたらすさまざまな影響について議論する。対応編では、1)GHGの排出の削減を目指す緩和、2)気候変動の悪影響を軽減する適応、3)適応策によっても回避できない「損失と損害」への対応の3つのアプローチとそれらを踏まえた議論を展開する。地球の気候は、複雑な物理システムである。第4回にあたる本コマでは、基本的な物理学の知識について学習し、気候システムのエネルギー収支の考え方について学習したうえで、気候モデルが示す温室効果について学ぶ。
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コマ用オリジナル配布資料
Dessler, A. E., 石本美智, & 神沢博. (2023). 現代気候変動入門 : 地球温暖化のメカニズムから政策まで. 名古屋大学出版会. p.44-73
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コマ主題細目
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① 温度とエネルギー ② 電磁波・黒体放射 ③ 気候システムのエネルギー収支 ④ 温室効果
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細目レベル
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① 温度とエネルギー 地球の気候は複雑な物理システムである。そのため、気候変動問題を考えるうえで、基本的な気候の物理学について理解しておくことが重要である。細目①では、基本的な物理学の学習に取りかかる前に、まずエネルギーの概念について復習する。エネルギーは仕事をする能力として定義され、SI単位はジュール(J)である。1 Jは、1 Nの力で物体を力の向きに1 m動かすときの仕事に相当する。エネルギーが移動する速さは仕事率(power)であり、ワット(W)で表される(1 W = 1 J/s)。物体の内部エネルギーは構成粒子の運動や相互作用に関係するエネルギーの総体であり、温度は内部エネルギーそのものではなく、熱平衡や粒子の熱運動の状態を表す物理量である。気候科学では絶対温度を用いるため、ケルビン(K)と摂氏(℃)の関係(T[K] = t[℃] + 273.15)も確認する。
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② 電磁波・黒体放射 地球の暖かさは太陽によってもたらされるが、そのエネルギーがどのようにして地球に届くのだろう。地球を暖める太陽のエネルギーは「電磁波」によって伝えられる。電磁波には、可視光線、X線、マイクロ波、電波などが含まれる。電磁波は「光子」の流れとしてとらえられ、光子とは、離散的な小さなエネルギーの塊であり、「波長」と呼ばれる固有の大きさを持つ。波長は、光子が物質とどのように相互作用するかを決定する重要な要素だ。例えば、地球が主に放射する10 µm前後の電磁波は赤外線に含まれ、目には見えないが、地球のエネルギー収支を考えるうえで重要である。細目②では、身近な例を用いて、波長の違いによって様々な物理的特性を示す光子の性質を学ぶ。そのうえで、「黒体」の概念を学習し、光子の波長、物体の温度、仕事率の関係を理解する。黒体とは、あらゆる波長の電磁波を完全に吸収し、反射や透過を一切しない理想的な物体のことであり、多くの物体が近似的に黒体のように振る舞う。
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③ 気候システムのエネルギー収支 細目③では、まず身近な例を通して「エネルギー収支」について学び、次に、これを気候システムに当てはめて地球のエネルギー収支を理解する。「エネルギーは保存される」という熱力学の第一法則がある。光子は小さなエネルギーの塊なので、熱力学の第一法則によれば、物体が光子を放出すると、物体の内部エネルギーは減少し、その結果、物体の温度は下がる。同様に、光子が物体に当たって吸収されると、光子のエネルギーが物体の内部エネルギーに変換され、物体の温度は上がる。物体は常に光子を吸収し、放出しているので、物体の内部エネルギーの正味の変化は、光子の吸収による流入エネルギー(Ein)から、光子の放出による流出エネルギー(Eout)を差し引いたものとなる。EinがEoutを上回れば、物体の内部エネルギーは増加し、温度も上がる。逆の場合は、物体の内部エネルギーは減少し、温度も下がる。流入エネルギーと流出エネルギーが等しく、エネルギーや温度が変化しない状態を「平衡」と呼ぶ。
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④ 温室効果 「温室効果」とは、大気が地表からのエネルギーを宇宙空間に逃がしにくくすることで、地表を温める現象である。大気がなければ、地表から放出される光子はすべて宇宙空間に放出される。細目④では、簡単な気候モデルと温室効果の意味を学ぶ。地表が吸収する太陽放射を238W/m²とする単純モデルでは、大気がない場合、地表は同じ238W/m²を宇宙へ長波放射することで放射平衡となる。一方、赤外線を完全に吸収する大気層を1層仮定したモデルでは、地表からの長波放射を大気層が吸収し、その大気層が上向きと下向きの両方向に同量の長波放射を放出する。宇宙へ238W/m²を放出するため、大気層は上向きに238W/m²を放射すると同時に下向きにも238W/m²を放射する。そのため地表は、太陽から吸収する238W/m²と大気から受け取る238W/m²を合わせた476W/m²を放射する必要があり、大気がない場合より高温になる。大気が2層の場合には、大気が1層しかない惑星の表面よりも32℃、大気のない惑星よりも80℃も高い温度になる。地球の表面温度 T は、T = (((n + 1) * S * (1 - α)) / (4 * σ))^(1/4)と表すことができ、基本的に、地球の表面温度は、大気の層の数、太陽定数、アルベドという3つの変数で決まる。このn層モデルの「層」は実際の大気層が物理的に増えることを意味するものではなく、赤外線に対する大気の不透明さ(光学的厚さ)を単純化して表したものである。大気中の温室効果ガスが増えると赤外線が宇宙へ放出されにくくなり、放射平衡を回復するために地表・下層大気の温度が上昇する。
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キーワード
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① 電磁波 ② 黒体放射 ③ エネルギー収支 ④ 温室効果 ⑤ 気候モデル
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コマの展開方法
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社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
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小テスト
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「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
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復習・予習課題
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【復習】授業中に配布したコマ用オリジナル資料(講義スライド)、授業の最後に実施した小テストの内容を復習し、理解できなかった内容については、参考資料を使って調べておく。それでも分からない箇所については、インターネットを使って調べたり、教員に質問したりして、能動的に学習することが望ましい。特に、コマシラバスに記載されたキーワードについては覚え、その意味を自分自身の言葉で説明できるようにしておくことが望ましい。 【予習】該当するコマシラバスのコマ主題細目の細目レベルの内容に、事前に目を通し、理解が困難な箇所を事前に把握しておく。また、参考文献に目を通したり、キーワードや疑問を持った箇所について自身で調べたりして、授業に臨むことが望ましい。
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5
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炭素循環
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科目の中での位置付け
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本科目は、第Ⅰ部 概要編、第Ⅱ部 現象編、第Ⅲ部 影響編、第Ⅳ部 対応編の4つのパートからなる。概要編では、気候と気象の違いといった基本概念、科学的コンセンサスの意味、気候科学史や気候変動問題の歴史的経緯などを学習することにより、気候変動問題に関するさまざまな主張の中から信頼できる主張を特定する力を養う。現象編では、近年や地史における気候の変化とその調査方法について学習したうえで、物理学の基本に触れ、単純な気候モデルの仕組みを理解する。そして、炭素循環システム、放射強制力、フィードバック、気候感度など、気候変化のメカニズムへの理解を深める。さらに、さまざまな仮説を取り上げながら、気候が変化している要因について議論する。影響編では、未来の気候変化の予測や将来の排出シナリオの策定方法を学習し、気候の変化がもたらすさまざまな影響について議論する。対応編では、1)GHGの排出の削減を目指す緩和、2)気候変動の悪影響を軽減する適応、3)適応策によっても回避できない「損失と損害」への対応の3つのアプローチとそれらを踏まえた議論を展開する。前回(第4回)では、地球のエネルギー収支と温室効果を単純化した気候モデルを通して、温室効果ガスが地表温度に影響する基本的な仕組みを学んだ。第5回にあたる本コマでは、その温室効果ガス、特に二酸化炭素がなぜ大気中で増加しているのかを理解するために、現代の気候変化問題にとって鍵になる温室効果ガスや二酸化炭素について学ぶ。そして、炭素が大気圏、海洋圏、陸域生物圏、岩石圏の間をどのように行き来しているのか、すなわち「炭素循環」の仕組みを理解したうえで、人類が炭素循環に与える影響について議論する。
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コマ用オリジナル配布資料
Dessler, A. E., 石本美智, & 神沢博. (2023). 現代気候変動入門 : 地球温暖化のメカニズムから政策まで. 名古屋大学出版会. p.74-98
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コマ主題細目
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① 温室効果ガスと大気組成 ② 炭素交換・炭素循環 ③ 人間が炭素循環に及ぼす影響
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細目レベル
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① 温室効果ガスと大気組成 温暖化対策の議論では、人間の活動によって放出される二酸化炭素の削減に重点が置かれる。なぜ、二酸化炭素が注目されるのだろうか。細目①では、温室効果ガスと大気組成について学ぶ。温室効果ガスとは、地球の大気中に存在し、赤外線(熱)を吸収したり放射したりする特性を持つ気体のことである。温室効果をもたらすのは、主に水蒸気、二酸化炭素、メタンである。乾燥大気の約99.9%を占める窒素、酸素、アルゴンは温室効果ガスではない。水蒸気は地球の温室効果の重要な要素だが、その量は気温に依存して自然に調整されるため、人為的にコントロールすることは困難である。また、水蒸気の増加は、他の温室効果ガス(特にCO₂)の増加による温暖化の「増幅効果」として捉えられている。そのため、二酸化炭素の削減が地球温暖化対策の鍵とされている。
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② 炭素交換・炭素循環 「炭素循環」は、大気圏(864GtCを含む)、陸域生物圏(2,150GtC)、海洋圏(混合層で900GtC、深海で37,100GtC)、岩石圏(数十億GtC)という主要な貯蔵庫を通して炭素が循環することを示す言葉である。細目②では、「炭素循環」の仕組みを理解する。主に植物の光合成や生物の呼吸によって、炭素は大気圏と陸域生物圏の間で交換されている。また、二酸化炭素が大気圏から海に溶け込んだり、海から大気圏へ放出されたりすることで、大気圏と海洋圏の間でも炭素の交換が生じている。数世紀の間に、大気圏に追加された炭素原子は、他のすべての貯蔵庫を循環し、大気圏に戻る。また、ゆっくりとではあるが、火山活動や化学風化作用を通じて、岩石圏の貯蔵庫と大気圏、陸域生物圏、海洋圏の間でも炭素交換が行われている。
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③ 人間が炭素循環に及ぼす影響 細目③では、人間が炭素循環に及ぼす影響について学習する。人類は、主に化石燃料の採掘と燃焼、土地利用の改変によって、炭素循環に影響を与えている。人間の活動によって、産業革命前には約280ppmだった大気中の二酸化炭素濃度は大きく上昇し、2019年には約410ppmに達した。2008年から2017年の間に、化石燃料の燃焼により、岩石圏貯蔵庫から平均9.5GtCが大気圏に放出されており、これは岩石圏から自然に放出される量の約100倍である。また、土地利用の改変によって、同期間に、陸域生物圏から大気圏に年間1.5GtCが放出されている。人間が大気中に放った二酸化炭素の一部は陸域や海洋に吸収されるが、残りは大気中に蓄積する。人為起源のCO₂排出が正味ゼロに近づけば、大気中CO₂濃度は上昇を止め、その後は自然吸収によって徐々に低下するが、過去に排出されたCO₂の影響は長期間残る。二酸化炭素以外の温室効果ガスも重要である。例えば、メタンの100年地球温暖化係数(GWP100)は起源によって異なるが、IPCC AR6ではCO₂の約27~30倍と評価されている。メタンの大気寿命は約12年と比較的短いため、放出量を減らすことができれば、数十年以内にメタンの大気中の存在量は大きく減少すると考えられている。
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キーワード
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① 温室効果ガス ② 二酸化炭素 ③ メタン ④ 炭素循環 ⑤ 摂動
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コマの展開方法
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社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
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小テスト
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「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
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復習・予習課題
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【復習】授業中に配布したコマ用オリジナル資料(講義スライド)、授業の最後に実施した小テストの内容を復習し、理解できなかった内容については、参考資料を使って調べておく。それでも分からない箇所については、インターネットを使って調べたり、教員に質問したりして、能動的に学習することが望ましい。特に、コマシラバスに記載されたキーワードについては覚え、その意味を自分自身の言葉で説明できるようにしておくことが望ましい。 【予習】該当するコマシラバスのコマ主題細目の細目レベルの内容に、事前に目を通し、理解が困難な箇所を事前に把握しておく。また、参考文献に目を通したり、キーワードや疑問を持った箇所について自身で調べたりして、授業に臨むことが望ましい。
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6
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強制力・フィードバック・気候感度
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科目の中での位置付け
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本科目は、第Ⅰ部 概要編、第Ⅱ部 現象編、第Ⅲ部 影響編、第Ⅳ部 対応編の4つのパートからなる。概要編では、気候と気象の違いといった基本概念、科学的コンセンサスの意味、気候科学史や気候変動問題の歴史的経緯などを学習することにより、気候変動問題に関するさまざまな主張の中から信頼できる主張を特定する力を養う。現象編では、近年や地史における気候の変化とその調査方法について学習したうえで、物理学の基本に触れ、単純な気候モデルの仕組みを理解する。そして、炭素循環システム、放射強制力、フィードバック、気候感度など、気候変化のメカニズムへの理解を深める。さらに、さまざまな仮説を取り上げながら、気候が変化している要因について議論する。影響編では、未来の気候変化の予測や将来の排出シナリオの策定方法を学習し、気候の変化がもたらすさまざまな影響について議論する。対応編では、1)GHGの排出の削減を目指す緩和、2)気候変動の悪影響を軽減する適応、3)適応策によっても回避できない「損失と損害」への対応の3つのアプローチとそれらを踏まえた議論を展開する。第6回にあたる本コマでは、温室効果ガスなどの変化が地球の放射収支を変化させる仕組みを学習し、「放射強制力」の意味を理解する。そして、地球の気温が、二酸化炭素(CO₂)濃度の変化にどれだけ敏感に反応するかを示す指標である「気候感度」と「フィードバック」について学習し温暖化のメカニズムについての理解を深める。
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コマ用オリジナル配布資料
Dessler, A. E., 石本美智, & 神沢博. (2023). 現代気候変動入門 : 地球温暖化のメカニズムから政策まで. 名古屋大学出版会. p.99-121
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コマ主題細目
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① 気候システムにおける時間差 ② 放射強制力 ③ 気候感度とフィードバック
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細目レベル
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① 気候システムにおける時間差 第4回では、地球のエネルギー収支と温室効果を単純化した気候モデルについて学習し、第5回では、炭素循環と人間活動による大気中CO₂濃度の増加について学習した。しかし、実際の気候システムでは、放射収支が変化してから温度が新しい状態に調整されるまでに時間差がある。細目①では、エネルギー平衡にある地球に温室効果ガスの増加などの変化が加わった後、海洋などに熱が蓄えられながら地球の温度が調整され、新たなエネルギー平衡へ近づくプロセスを学習する。この考え方は、「放射強制力」、「気候感度」、「フィードバック」を理解するための基礎となる。
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② 放射強制力 細目②では、「放射強制力(RF)」の意味と、地球の放射強制力に関する現代気候科学の解釈を学習する。放射強制力は、惑星に課せられたエネルギー不均衡のことであり、惑星に何らかの変化が加わった直後、変化に応じて惑星の温度が調整される前の「Ein - Eout」の変化を指す。「RF = Δ(Ein - Eout) = ΔEin – ΔEout」と表現される。RFが正であれば気候を温める変化であり、負であれば気候を冷やす変化だと言える。放射強制力が加わってから最初の数十年は、海洋混合層を温めながら比較的急速に温暖化が進む。その後の温暖化のペースを決めるのは深海の温暖化であり、深海の熱容量は非常に大きいため、温暖化には数千年を要する。IPCC AR6では、1750年から2019年までの人為起源の有効放射強制力(ERF)は2.72 W/m²[1.96~3.48 W/m²]と評価されている。このうちCO₂によるERFは2.16 W/m²[1.90~2.41 W/m²]であり、温室効果ガスによる温暖化効果の一部はエアロゾルによる冷却効果によって相殺されている。全体として、産業化以降の人為起源の放射強制力は正であり、気候システムを温暖化させる方向に働いている。
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③ 気候感度とフィードバック 「気候感度(Climate Sensitivity)」とは、大気中の二酸化炭素(CO₂)濃度の変化に対する地球の気温の応答の度合いを示す指標である。地球の気候感度は、慣例的に二酸化炭素濃度が2倍になった時の平衡温度の増加量として定義されており、推定値はおおよそ2.5〜4.0Kで、最良推定値は3Kである。放射強制力で表現した気候感度は0.63〜1.0K/(W/m²)であり、最良推定値は0.75K/(W/m²)である。細目③では、気候感度を知るために不可欠な「フィードバック」について学習する。正のフィードバックは最初の温暖化を増幅し、負のフィードバックはそれを緩和する。「速いフィードバック」には、水蒸気、アイスアルベド、温度減率、雲などが含まれ、速いフィードバックにより最初の温暖化は2倍から4倍になるとされる。長期的には、氷床の破壊によるアルベドの変化、永久凍土の融解による二酸化炭素やメタンの放出、植生分布の大規模な変化などの「遅いフィードバック」が、「速いフィードバック」で予測される以上の著しい気温上昇を引き起こすと考えられている。
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キーワード
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① エアロゾル ② 雲凝結核 ③ 放射強制力 ④ 気候感度 ⑤ フィードバック
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コマの展開方法
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社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
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小テスト
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「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
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復習・予習課題
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【復習】授業中に配布したコマ用オリジナル資料(講義スライド)、授業の最後に実施した小テストの内容を復習し、理解できなかった内容については、参考資料を使って調べておく。それでも分からない箇所については、インターネットを使って調べたり、教員に質問したりして、能動的に学習することが望ましい。特に、コマシラバスに記載されたキーワードについては覚え、その意味を自分自身の言葉で説明できるようにしておくことが望ましい。 【予習】該当するコマシラバスのコマ主題細目の細目レベルの内容に、事前に目を通し、理解が困難な箇所を事前に把握しておく。また、参考文献に目を通したり、キーワードや疑問を持った箇所について自身で調べたりして、授業に臨むことが望ましい。
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7
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なぜ気候は変化するのか
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科目の中での位置付け
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本科目は、第Ⅰ部 概要編、第Ⅱ部 現象編、第Ⅲ部 影響編、第Ⅳ部 対応編の4つのパートからなる。概要編では、気候と気象の違いといった基本概念、科学的コンセンサスの意味、気候科学史や気候変動問題の歴史的経緯などを学習することにより、気候変動問題に関するさまざまな主張の中から信頼できる主張を特定する力を養う。現象編では、近年や地史における気候の変化とその調査方法について学習したうえで、物理学の基本に触れ、単純な気候モデルの仕組みを理解する。そして、炭素循環システム、放射強制力、フィードバック、気候感度など、気候変化のメカニズムへの理解を深める。さらに、さまざまな仮説を取り上げながら、気候が変化している要因について議論する。影響編では、未来の気候変化の予測や将来の排出シナリオの策定方法を学習し、気候の変化がもたらすさまざまな影響について議論する。対応編では、1)GHGの排出の削減を目指す緩和、2)気候変動の悪影響を軽減する適応、3)適応策によっても回避できない「損失と損害」への対応の3つのアプローチとそれらを踏まえた議論を展開する。第3回で学習したように地球は温暖化している。IPCC AR6は、人間の影響が大気・海洋・陸域を温暖化させてきたことは「疑う余地がない」と評価している。第7回にあたる本コマでは、現在の温暖化の原因帰属に焦点をあて、自然要因と人為要因がそれぞれ観測された変化をどの程度説明できるのかを比較し、科学的な原因帰属の考え方を学ぶ。
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コマ用オリジナル配布資料
Dessler, A. E., 石本美智, & 神沢博. (2023). 現代気候変動入門 : 地球温暖化のメカニズムから政策まで. 名古屋大学出版会. p.122-140
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コマ主題細目
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① 地球温暖化の争点 ② 地球温暖化の“容疑者” ③ 科学コミュニティによるコンセンサス
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細目レベル
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① 地球温暖化の争点 ここまでの学習内容を振り返ると、気候の大きな変化を引き起こす自然のメカニズムが存在することは明白である。数億年前の寒冷な時代から、現在よりはるかに温暖だった時代まで、地球の長い歴史の中で気候は大きく変化してきたが、その多くは人間活動が存在する以前の変化である。一方、産業革命以降、人間は大量の二酸化炭素などの温室効果ガスを大気中に放出してきた。現在では、人間の影響が近年の温暖化の主因であることは科学的コンセンサスとなっている。細目①では、「自然にも気候を変える要因がある」という事実を踏まえたうえで、現在の温暖化を説明するためには自然要因と人為要因をどのように比較・検証する必要があるのかを整理する。
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② 地球温暖化の“容疑者” 細目②では、細目➀で整理した論争の答えを求めるため、気候を変化させる可能性のあるあらゆる自然現象を“容疑者”として、慎重に評価を行い温暖化の原因を探る。まず、プレートテクトニクスと軌道変動は、現在の温暖化の説明として決定的に排除できる。なぜなら、これらの変化はあまりに速度が遅いからである。また、太陽定数の変動も明白に否定できる。1970年代後半からの観測からは、太陽が明るくなっていないためである。さらに、エルニーニョ・サイクルのような内部変動(非強制変動)は、長期的な温暖化の重要な原因として決定的に排除はできない。しかし、非強制変動が気候システムで観測されているすべての変化を再現できるという理論はない。また、産業革命前の人間活動以前の気候記録には、そのような急激な変化の歴史はなく、気候のコンピュータ・シミュレーションもそれを再現することはできない。これらの理由から、科学コミュニティは、非強制変動が地球温暖化の原因ではありそうにないと結論づけている。
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③ 科学コミュニティによるコンセンサス 細目③では、現在の科学コミュニティのコンセンサスを整理する。IPCC AR6は、人間の影響が大気、海洋、陸域を温暖化させてきたことは疑う余地がないと評価している。この結論は、温室効果ガス濃度の上昇が人間活動によること、温室効果ガスが放射収支を変化させる物理的理解、観測された空間・鉛直パターン、自然要因のみを用いた場合と人為要因を含めた場合の気候モデル計算の比較など、複数の独立した証拠に基づいている。ここでは、単に結論を暗記するのではなく、どのような証拠の組み合わせから現在の温暖化が人為起源であると判断されているのかを理解する。
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キーワード
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① 内部変動(非強制変動) ② プレートテクトニクス ③ 軌道変動 ④ 太陽定数 ⑤ 科学的コンセンサス
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コマの展開方法
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社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
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小テスト
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「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
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復習・予習課題
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【復習】授業中に配布したコマ用オリジナル資料(講義スライド)、授業の最後に実施した小テストの内容を復習し、理解できなかった内容については、参考資料を使って調べておく。それでも分からない箇所については、インターネットを使って調べたり、教員に質問したりして、能動的に学習することが望ましい。特に、コマシラバスに記載されたキーワードについては覚え、その意味を自分自身の言葉で説明できるようにしておくことが望ましい。 【予習】該当するコマシラバスのコマ主題細目の細目レベルの内容に、事前に目を通し、理解が困難な箇所を事前に把握しておく。また、参考文献に目を通したり、キーワードや疑問を持った箇所について自身で調べたりして、授業に臨むことが望ましい。
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8
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気候変動の将来予測
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科目の中での位置付け
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本科目は、第Ⅰ部 概要編、第Ⅱ部 現象編、第Ⅲ部 影響編、第Ⅳ部 対応編の4つのパートからなる。概要編では、気候と気象の違いといった基本概念、科学的コンセンサスの意味、気候科学史や気候変動問題の歴史的経緯などを学習することにより、気候変動問題に関するさまざまな主張の中から信頼できる主張を特定する力を養う。現象編では、近年や地史における気候の変化とその調査方法について学習したうえで、物理学の基本に触れ、単純な気候モデルの仕組みを理解する。そして、炭素循環システム、放射強制力、フィードバック、気候感度など、気候変化のメカニズムへの理解を深める。さらに、さまざまな仮説を取り上げながら、気候が変化している要因について議論する。影響編では、未来の気候変化の予測や将来の排出シナリオの策定方法を学習し、気候の変化がもたらすさまざまな影響について議論する。対応編では、1)GHGの排出の削減を目指す緩和、2)気候変動の悪影響を軽減する適応、3)適応策によっても回避できない「損失と損害」への対応の3つのアプローチとそれらを踏まえた議論を展開する。地球温暖化に対応するためには、将来の気候を予測することが求められる。これには、物理学に基づく気候モデルだけでなく、人口や豊かさといった社会学的な要因を考慮する必要がある。第8回にあたる本コマでは、不確実な将来の気候を推定するために、どのようなアプローチがとられているかを学習する。
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コマ用オリジナル配布資料
Dessler, A. E., 石本美智, & 神沢博. (2023). 現代気候変動入門 : 地球温暖化のメカニズムから政策まで. 名古屋大学出版会. p.141-160
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コマ主題細目
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① 排出シナリオとは ② 排出量を左右する要素 ③ 共通社会経済経路(SSPs) ④ 気候の将来予測
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細目レベル
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① 排出シナリオとは 将来の気候を予測することができれば、気候変動による影響に備える方法を検討できる。第6回で学習したように、放射強制力は、惑星のエネルギー平衡に変化をもたらす要因の1つであり、これに対して、エネルギー平衡が回復するように惑星の温度は調整される。また、どの程度の温暖化が必要かは気候感度によって決まる。したがって、未来の気候を予測するには、1)放射強制力が将来どのように変化するかを予測することと、2)地球の気候感度を推定すること、が必要である。未来の放射強制力は、基本的には、人間活動によって毎年どれだけの温室効果ガスやエアロゾルが大気中に放出されるかを予測することになる。こういった予測は、「排出シナリオ」と呼ばれ、気候変化を予測する際の基幹となる。
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② 排出量を左右する要素 細目②では、排出量を左右する要素について整理し、それらの要素がこれまでにどのように変化してきたかを確認する。排出量を制御する要素は、人口(P)、豊かさ(A)、温室効果ガス強度(技術)(T)であり、二酸化炭素の排出量を表すIとこれらの要素との関係はIPAT関係(I = P × A × T)で示される。「豊かさ」は1人あたりのドル表示経済生産高を、「温室効果ガス強度」はドル表示経済生産高あたりの二酸化炭素排出量を単位に持ち、温室効果ガス強度は、「エネルギー強度」と「炭素強度」の積である。「エネルギー強度」は、社会におけるエネルギーの利用効率や経済活動の組み合わせを反映し、ドル表示経済生産高あたりのエネルギー消費量をジュール単位で表す。「炭素強度」は、社会がエネルギーを生産するために使用する技術を反映し、生産されたエネルギー1Jあたりに排出される二酸化炭素量を単位に持つ。過去数十年間、人口(P)と豊かさ(A)は、エネルギー強度(EI)と炭素強度(CI)が減少するよりも速く増加しており、これらの変化を組み合わせると、1960年から2018年にかけて、排出量は全体としてほぼ3倍に増加した。
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③ 共通社会経済経路(SSPs) 未来の気候を予測するには、人間社会が将来どれだけの温室効果ガスを排出するかを推定する必要がある。排出量の推定には、温室効果ガスの排出量を制御する要素、つまり人口、豊かさ、技術を予測することが必要だが、未来の状況は非常に不確実である。そこで、科学者たちは、今後、世界がどのように進んでいくかを検討し、あり得る経路を幅広い範囲で示した一連の「代替シナリオ」を構築してきた。それは「共通社会経済経路(SSPs)」と呼ばれ、それぞれの経路について「排出シナリオ」が推定されている。細目③では、SSPsの各シナリオの内容と、それぞれのSSPsによる排出シナリオを整理する。そして、シナリオごとの排出量、放射強制力、二酸化炭素濃度の推計結果について議論する。
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④ 気候の将来予測 細目④では、気候の将来予測について議論する。細目③で学習した排出シナリオを気候モデルに当てはめることで、将来の温暖化の幅を評価する。IPCC AR6では、1850~1900年を基準とした2081~2100年の全球平均気温上昇の最良推定値は、非常に低い排出シナリオ(SSP1-1.9)で1.4℃、中程度の排出シナリオ(SSP2-4.5)で2.7℃、非常に高い排出シナリオ(SSP5-8.5)で4.4℃と評価されている。将来の気温は、将来の排出量という社会的な不確実性と、同じ放射強制力に対して気候がどの程度応答するかという科学的な不確実性の両方に左右される。二酸化炭素による温暖化は累積排出量とおおむね比例するため、将来の温暖化を一定水準で止めるには、世界全体のCO₂排出を正味ゼロにする必要がある。多くの複雑なシステムでは、個々の時点の状態を正確に予測できない場合でも、長期的な統計的性質を予測することができる。この違いを通して、短期の「気象予報」と長期の「気候予測」が異なることも確認する。
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キーワード
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① 温室効果ガス強度 ② IPAT関係 ③ 炭素強度 ④ 共通社会経済経路(SSPs) ⑤ 排出シナリオ
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コマの展開方法
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社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
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小テスト
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「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
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復習・予習課題
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【復習】授業中に配布したコマ用オリジナル資料(講義スライド)、授業の最後に実施した小テストの内容を復習し、理解できなかった内容については、参考資料を使って調べておく。それでも分からない箇所については、インターネットを使って調べたり、教員に質問したりして、能動的に学習することが望ましい。特に、コマシラバスに記載されたキーワードについては覚え、その意味を自分自身の言葉で説明できるようにしておくことが望ましい。 【予習】該当するコマシラバスのコマ主題細目の細目レベルの内容に、事前に目を通し、理解が困難な箇所を事前に把握しておく。また、参考文献に目を通したり、キーワードや疑問を持った箇所について自身で調べたりして、授業に臨むことが望ましい。
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9
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気候変動の影響
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科目の中での位置付け
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本科目は、第Ⅰ部 概要編、第Ⅱ部 現象編、第Ⅲ部 影響編、第Ⅳ部 対応編の4つのパートからなる。概要編では、気候と気象の違いといった基本概念、科学的コンセンサスの意味、気候科学史や気候変動問題の歴史的経緯などを学習することにより、気候変動問題に関するさまざまな主張の中から信頼できる主張を特定する力を養う。現象編では、近年や地史における気候の変化とその調査方法について学習したうえで、物理学の基本に触れ、単純な気候モデルの仕組みを理解する。そして、炭素循環システム、放射強制力、フィードバック、気候感度など、気候変化のメカニズムへの理解を深める。さらに、さまざまな仮説を取り上げながら、気候が変化している要因について議論する。影響編では、未来の気候変化の予測や将来の排出シナリオの策定方法を学習し、気候の変化がもたらすさまざまな影響について議論する。対応編では、1)GHGの排出の削減を目指す緩和、2)気候変動の悪影響を軽減する適応、3)適応策によっても回避できない「損失と損害」への対応の3つのアプローチとそれらを踏まえた議論を展開する。そもそも、人間活動による気候変化はなぜそれほど大きな問題となるのだろう。第9回にあたる本コマでは、気候の変化が私たちにもたらす影響について議論する。
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コマ用オリジナル配布資料
Dessler, A. E., 石本美智, & 神沢博. (2023). 現代気候変動入門 : 地球温暖化のメカニズムから政策まで. 名古屋大学出版会. p.161-209
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コマ主題細目
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① 気候の変化はなぜ問題なのか ② 物理的な影響 ③ 人間社会への影響 ④ ティッピングポイント
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細目レベル
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① 気候の変化はなぜ問題なのか 21世紀中に全球の平均気温が数℃上昇することが問題視されている。しかし、なぜ数℃の上昇がそれほど大きな問題となるのだろうか。たとえば、寒冷な地域で作物の収量が増加したり、暖房の必要性が減少するなど、ポジティブな影響も考えられ、これが悪いことだとなぜ言えるのだろうか。細目➀では、なぜ温暖化が問題であるのかについて議論する。確かに、予想される影響の中には良いものもある。しかし、現在の社会・経済システムは気候条件に強く依存している。今後1〜2世紀で予想される温暖化(数℃)は、最終氷期以降の温暖化(約6℃)と同程度であり、このような急激な変化は、全体的に見ると多くの不利益をもたらす可能性が高い。地球環境と人類社会が持続可能で安定した状態を保つためには、気候の急激な変動を最小限に抑える必要がある。
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② 物理的な影響 気候変動の影響を正確に予測することは難しいが、科学コミュニティではいくつかの物理的影響が確実視されている。例えば、気温の上昇により猛暑や熱波の頻度が増加し、地球全体での平均気温が上がるとされている。また、降水パターンの変化により、地域ごとに豪雨や洪水、逆に干ばつが発生するリスクも高まる。海面上昇も懸念されており、これにより沿岸地域や島嶼部での浸水や土地の喪失が起こる可能性がある。さらに、台風やハリケーンの強度が増し、その破壊力が増大することで、災害の規模が拡大する恐れもある。加えて、海洋の酸性化はサンゴ礁や貝類などの海洋生態系に深刻な影響を与えるとされている。これらの物理的影響は、地球環境に広範な変化をもたらすと考えられている。細目②では、確実視されている物理的な影響について学習し、日々の生活への影響について議論する。
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③ 生態系サービスを介した影響 気候変動による影響は、気候システムの小さな変化が引き金となって突然現れることがある。これは、気候システムの閾値(しきいち)を超えることで生じる現象である。たとえば、ある気温の閾値を超えるとグリーンランド氷床の大規模な融解が始まり、海面上昇が加速する可能性が指摘されている。閾値以下では影響が小さいが、少しでも超えると被害が急激に拡大する。生態系は、このような影響の非線形性によって、大きく破壊される可能性がある。生態系は浄水、気候の調整、食料や薬の供給、土壌の維持といった多くの価値あるサービスを提供しており、その崩壊は、生態系サービスを享受する私たちの生活にも影響する。細目③では、生態系サービスを介した間接的な影響について議論を深める。
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④ ティッピングポイント システムがある許容限界(ティッピングポイント)を超えると、それまでの緩やかな変化とは異なり、突然大きな変化が起こり、元に戻ることができなくなる。これは「急激な気候変化(Abrupt climate changes)」と呼ばれる。たとえば、約1万2,000年前のヤンガードリアス期には、気候があるティッピングポイントを超えたため、海洋の循環が急に再編され、地球全体の気候が急激に変わった。今日の気候モデルによる予測では、今世紀中にこのような急激な気候変化が生じる可能性は低いとされているが、その可能性が全くないわけではなく、気候変動の影響を考える際には念頭に置くべき概念である。
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キーワード
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① 急激な気候変化(Abrupt climate changes) ② 極端現象の寄与特定(Extreme-event attribution) ③ 生態系サービス(Ecosystem services) ④ 全球気候モデル(Global climate model: GCM) ⑤ パラメータ化(Parameterizations)
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コマの展開方法
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社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
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小テスト
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「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
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復習・予習課題
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【復習】授業中に配布したコマ用オリジナル資料(講義スライド)、授業の最後に実施した小テストの内容を復習し、理解できなかった内容については、参考資料を使って調べておく。それでも分からない箇所については、インターネットを使って調べたり、教員に質問したりして、能動的に学習することが望ましい。特に、コマシラバスに記載されたキーワードについては覚え、その意味を自分自身の言葉で説明できるようにしておくことが望ましい。 【予習】該当するコマシラバスのコマ主題細目の細目レベルの内容に、事前に目を通し、理解が困難な箇所を事前に把握しておく。また、参考文献に目を通したり、キーワードや疑問を持った箇所について自身で調べたりして、授業に臨むことが望ましい。
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10
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気候変動対策_緩和策(目標と政策)
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科目の中での位置付け
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本科目は、第Ⅰ部 概要編、第Ⅱ部 現象編、第Ⅲ部 影響編、第Ⅳ部 対応編の4つのパートからなる。概要編では、気候と気象の違いといった基本概念、科学的コンセンサスの意味、気候科学史や気候変動問題の歴史的経緯などを学習することにより、気候変動問題に関するさまざまな主張の中から信頼できる主張を特定する力を養う。現象編では、近年や地史における気候の変化とその調査方法について学習したうえで、物理学の基本に触れ、単純な気候モデルの仕組みを理解する。そして、炭素循環システム、放射強制力、フィードバック、気候感度など、気候変化のメカニズムへの理解を深める。さらに、さまざまな仮説を取り上げながら、気候が変化している要因について議論する。影響編では、未来の気候変化の予測や将来の排出シナリオの策定方法を学習し、気候の変化がもたらすさまざまな影響について議論する。対応編では、1)GHGの排出の削減を目指す緩和、2)気候変動の悪影響を軽減する適応、3)適応策によっても回避できない「損失と損害」への対応の3つのアプローチとそれらを踏まえた議論を展開する。第10回にあたる今回は、気候変動対策の全体像を把握したうえで、世界共通の温室効果ガス削減目標、日本における排出状況と目標、目標を達成するための評価の仕組みについて学習する。
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コマ用オリジナル配布資料
Dessler, A. E., 石本美智, & 神沢博. (2023). 現代気候変動入門 : 地球温暖化のメカニズムから政策まで. 名古屋大学出版会. p.210-232
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コマ主題細目
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① 気候変動対策の概要 ② 世界共通のGHG削減目標 ③ 世界のGHG排出状況 ④ 目標達成状況の評価の枠組(GST) ⑤ 日本のGHG排出状況と削減目標
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細目レベル
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① 気候変動対策の概要 気候変動対策は、1)GHG排出削減を図る緩和(mitigation)、2)気候変動の影響を軽減する適応(adaptation)、3)適応策でも避けられない「損失と損害(loss and damage)」への対応、という3つのアプローチで構成される。細目①では、これら3つの対策の違いと発展の経緯を理解し、気候変動対策のフレームを把握する。緩和策はGHGの排出削減や大気中のCO2吸収を通じて気候変動の進行を遅らせるもので、再生可能エネルギーへの転換、エネルギー効率の向上、植林などを含む。適応策は、気候変動の影響に対して社会や生態系の脆弱性を減らし、回復力を高めるもので、水資源管理の改善、農業技術の革新、沿岸防護施設の強化などがある。損失と損害への対応は、自然災害による生命の喪失や生態系の破壊などに対処する措置であり、国際的な財政支援、技術移転、能力構築などが含まれる。これらの対策は、国際的な枠組みの中で発展してきた。初期は緩和策が中心だったが、影響の避けがたさが認識されるにつれ、適応策の重要性が高まり、さらに損失と損害への国際支援が求められるようになった。パリ協定では、緩和と適応が主要な気候変動対策に位置付けられ、損失と損害も第8条で独立して扱われている。各締約国は、主に緩和の取組を中心とする「国が決定する貢献」(NDC:Nationally Determined Contribution)を作成・通報し、5年ごとに更新する。一般に、緩和策の効果は広域的で部門横断的、適応策は地域限定的で個別的である。損失と損害への対応では、特に脆弱な地域(開発途上国、小島嶼国、沿岸地域、乾燥地帯など)への国際支援が重要である。これら3つの柱は、気候変動の多面的な影響に対応するための包括的な国際的取り組みである。
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② 世界共通のGHG削減目標 細目②では、気候変動対策の目標について学ぶ。国連気候変動枠組条約(UNFCCC)は、大気中のGHG濃度を安定化させ、生態系や人類に悪影響を与えないことを目的とした条約である。1992年にUNFCCCが採択されて以来、毎年開催される締約国会議(COP)で、締約国が対策を進めてきた。京都議定書(1997年採択、2005年発効)では、主に先進国に法的拘束力のあるGHG排出削減・抑制目標が設定された。一方、COP21(パリ、2015)で採択されたパリ協定(2016発効)により、「世界の平均気温上昇を産業革命前と比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力を追求する」という目標が掲げられ、各締約国は「国が決定する貢献」(NDC)を作成・通報し、5年ごとに更新する。また、各国はNDCとは別に、長期的な戦略を策定し提示するよう努力することも求められている。COPの枠組みのもと、各国は2030年や2035年等のNDCと長期的なネット・ゼロ目標の実現を目指して、地球温暖化の緩和に取り組んでいる。
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③ 世界のGHG排出状況 細目③では、各種レポートや統計資料に基づき、世界のGHG(温室効果ガス)排出量の現状を理解する。GHG排出量は、過去数十年で大幅に増加しており、特に新興国や発展途上国での経済成長が顕著な要因となっている。GHGの中では、CO2が大部分を占めており、その主な排出源は化石燃料の燃焼(電力・熱供給、交通、産業プロセス)と森林伐採である。近年の排出量では、中国、米国、インド、EUなどが世界のGHG排出量の大きな割合を占めている。ただし、総排出量、一人当たり排出量、歴史的累積排出量では国・地域の順位や見え方が異なるため、複数の指標を区別して考える必要がある。国際エネルギー機関(IEA)などの機関は、現在の傾向が続けば、今後も世界のGHG排出量が増加する可能性があると警告している。
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④ 目標達成状況の評価の枠組(GST) 細目④では、グローバル・ストックテイク(GST)について学ぶ。GSTは、パリ協定の目的達成に向け、IPCCの評価報告書(AR)などを基に世界全体の進捗を評価する仕組みである。各国は、GSTに基づき5年ごとにNDCを更新し、2年ごとに実施報告を行うサイクルを繰り返すことで、目標達成を目指す。2023年のCOP28(ドバイ)で初めてGSTが実施され、第1回の成果文書が提出された。文書では、1.5℃目標達成には行動と支援が必要と強調され、1)2030年までに再エネ発電容量を3倍、省エネ改善率を2倍にする、2)排出削減対策のない石炭火力のフェーズダウン加速、3)2050年までのネットゼロ達成のための化石燃料からの移行、4)再エネ、原子力、CCUSなどのゼロ・低排出技術の推進、5)ゼロ・低排出車の導入とインフラ整備による道路交通の排出削減の加速が明記された。第1回GSTの成果を踏まえ、各国は2035年を対象とする次期NDCの提出・更新を進めている。
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⑤ 日本のGHG削減目標 日本は、2030年度に2013年度比46%削減(さらに50%の高みに向けて挑戦を継続)、2035年度に60%削減、2040年度に73%削減を目標とし、2050年ネット・ゼロの実現を目指している。2035年度・2040年度の目標は、2025年2月18日に新たな日本のNDCとしてUNFCCC事務局へ提出された。「地球温暖化対策計画」では、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン(HFCs)、パーフルオロカーボン(PFCs)、六ふっ化硫黄(SF6)及び三ふっ化窒素(NF3)を対象に削減目標を設定している。特に、日本のGHG排出量の8割以上を占めるエネルギー起源のCO2排出量については、2030年度までに2013年度比45%減(約677百万t-CO2)、非エネルギー起源CO2は同15%減(約70百万t-CO2)を目標としている。エネルギー起源CO2の削減目安は、産業部門38%、業務部門51%、家庭部門66%、運輸部門35%、エネルギー転換部門47%である。メタンは11%減(約26.7百万tCO2)、一酸化二窒素は17%減(約17.8百万t-CO2)、代替フロン等(HFCs、PFCs、SF6、NF3)は44%減(約21.8百万t-CO2)が目標となっている。また、GHGの吸収についても、2030年度に森林で約38百万t-CO2、農地や都市緑化で約9.7百万t-CO2の吸収量確保が目標である。さらに、途上国への脱炭素技術やインフラの普及を通じて、二国間クレジット制度(JCM)により、2030年度までに累積で1億t-CO2程度の削減・吸収量を確保することも目指している。
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キーワード
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① 国連気候変動枠組条約(UNFCCC) ② 国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP) ③ 1.5℃目標 ④ カーボンニュートラル ⑤ グローバル・ストックテイク(GST)
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コマの展開方法
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社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
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小テスト
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「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
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復習・予習課題
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【復習】授業中に配布したコマ用オリジナル資料(講義スライド)、授業の最後に実施した小テストの内容を復習し、理解できなかった内容については、参考資料を使って調べておく。それでも分からない箇所については、インターネットを使って調べたり、教員に質問したりして、能動的に学習することが望ましい。特に、コマシラバスに記載されたキーワードについては覚え、その意味を自分自身の言葉で説明できるようにしておくことが望ましい。 【予習】該当するコマシラバスのコマ主題細目の細目レベルの内容に、事前に目を通し、理解が困難な箇所を事前に把握しておく。また、参考文献に目を通したり、キーワードや疑問を持った箇所について自身で調べたりして、授業に臨むことが望ましい。
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気候変動対策_緩和策(政策・経済的手法)
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科目の中での位置付け
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本科目は、第Ⅰ部 概要編、第Ⅱ部 現象編、第Ⅲ部 影響編、第Ⅳ部 対応編の4つのパートからなる。概要編では、気候と気象の違いといった基本概念、科学的コンセンサスの意味、気候科学史や気候変動問題の歴史的経緯などを学習することにより、気候変動問題に関するさまざまな主張の中から信頼できる主張を特定する力を養う。現象編では、近年や地史における気候の変化とその調査方法について学習したうえで、物理学の基本に触れ、単純な気候モデルの仕組みを理解する。そして、炭素循環システム、放射強制力、フィードバック、気候感度など、気候変化のメカニズムへの理解を深める。さらに、さまざまな仮説を取り上げながら、気候が変化している要因について議論する。影響編では、未来の気候変化の予測や将来の排出シナリオの策定方法を学習し、気候の変化がもたらすさまざまな影響について議論する。対応編では、1)GHGの排出の削減を目指す緩和、2)気候変動の悪影響を軽減する適応、3)適応策によっても回避できない「損失と損害」への対応の3つのアプローチとそれらを踏まえた議論を展開する。第10回では、パリ協定に基づく目標や日本・世界の排出削減目標を確認した。第11回にあたる本コマでは、それらの目標を実現するための緩和策のうち、政策・経済的手法に焦点をあて、外部性、カーボンプライシング、炭素税、排出量取引制度などの基本的な考え方について学ぶ。
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コマ用オリジナル配布資料
Dessler, A. E., 石本美智, & 神沢博. (2023). 現代気候変動入門 : 地球温暖化のメカニズムから政策まで. 名古屋大学出版会. p.233-254
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コマ主題細目
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① 経済学的手法 ② 炭素税 ③ キャップ・アンド・トレード ④ カーボンプライシングの効果 ⑤ トランジッションファイナンス
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細目レベル
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① 経済学的手法 緩和策には様々な手段があるが、経済学的手法は政策において特に重要な意味を持つ。細目①では、経済学的に気候変動問題を考えるための基礎的な知識を身につける。経済的な観点から見ると、気候問題は、大気中に温室効果ガスを自由に排出できることによって生じる。その結果、気候への影響によるコスト(必要な資源の消費や支出)は、排出者ではなく社会が負担することになる。そのため、排出者には削減しようとするインセンティブ(動機)が生まれにくい。経済学では、このようなコストを、社会に課される外部性(externality)と呼ぶ。外部性によって生じるコスト(必要な資源の消費や支出)を、その活動を行う者(ここでは排出者)が負担するようにすることを内部化(internalization)と呼ぶ。内部化の手段としては、温室効果ガスの排出に価格をつけるカーボンプライシング(Carbon Pricing)がある。
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② 炭素税 細目①で学習したカーボンプライシングには、主に「炭素税」と「キャップ・アンド・トレード(排出権取引制度)」の2種類がある。細目②では、「炭素税」について学習する。「炭素税」は、化石燃料の燃焼などによって発生する温室効果ガスの排出者が、排出量に応じた税金を支払う制度である。炭素税では、排出に価格を付けることで、排出量が多いほど負担が大きくなる。税率は政策目的に応じて設定・見直され、その価格シグナルによって、税負担の軽減がインセンティブとなり、企業や個人による排出削減の努力が促される。この方法は、比較的透明性が高く、実施しやすいため、多くの国で採用されている。
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③ キャップ・アンド・トレード 細目③では、「キャップ・アンド・トレード」について学習する。キャップ・アンド・トレードは、排出量取引制度(ETS:Emissions Trading System)としても知られる仕組みである。排出者は、政府が設定した排出量の上限(キャップ)内で、温室効果ガスの排出量に応じた許可証を保有し、その許可証を市場で売買(トレード)することができる。余った許可証を売ることでコストを回収でき、不足する場合には購入する必要がある。この制度は、排出削減を費用効率の高い方法で促進し、コストを最小限に抑えるという点において効果的である。
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④ カーボンプライシングの効果 カーボンプライシング(炭素税とETS)により、排出量の削減に経済的にインセンティブを持たせることで、気候に安全なエネルギー源の利用促進、エネルギー効率の向上、技術革新など、低炭素技術への投資やイノベーションを加速させることが期待されている。カーボンプライシングでは、排出者は限界費用(1単位の削減に必要なコスト)が炭素税または許可証の価格に等しくなるまで排出量を削減する。限界費用が異なるため、削減の負担は各排出者で異なり、最も安価に削減できる場所にシフトする。また、「オフセット」とは、自らの排出削減を行ったうえで、残る排出の全部または一部を、他の場所で生じた排出削減・回避または除去に由来するクレジット等で埋め合わせる考え方である。オフセットの実効性を確保するには、用いるクレジットが実際の追加的な排出削減・回避または除去を表しているかなど、その質を確認することが重要である。
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⑤ トランジションファイナンス トランジションファイナンス(Transition Finance)は、低炭素社会への移行を支援するための資金調達手段である。特に、化石燃料に依存する産業やセクターが持続可能な活動に移行する際に必要な資金の調達を目的とする。具体的な手段には、移行計画に基づく設備投資等を対象とするトランジション・ボンドやトランジション・ローンなどがある。また、グリーンボンドやサステナビリティ・リンク・ローンなどのサステナブルファイナンスと組み合わせて活用される場合もある。これにより、リスク管理や企業のイノベーションを促進し、持続可能な発展を支援する狙いがある。
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キーワード
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① 外部性 ② カーボンプライシング ③ 炭素税 ④ キャップ・アンド・トレード ⑤ オフセット
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コマの展開方法
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社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
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小テスト
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「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
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復習・予習課題
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【復習】授業中に配布したコマ用オリジナル資料(講義スライド)、授業の最後に実施した小テストの内容を復習し、理解できなかった内容については、参考資料を使って調べておく。それでも分からない箇所については、インターネットを使って調べたり、教員に質問したりして、能動的に学習することが望ましい。特に、コマシラバスに記載されたキーワードについては覚え、その意味を自分自身の言葉で説明できるようにしておくことが望ましい。 【予習】該当するコマシラバスのコマ主題細目の細目レベルの内容に、事前に目を通し、理解が困難な箇所を事前に把握しておく。また、参考文献に目を通したり、キーワードや疑問を持った箇所について自身で調べたりして、授業に臨むことが望ましい。
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気候変動対策_緩和策(技術)
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科目の中での位置付け
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本科目は、第Ⅰ部 概要編、第Ⅱ部 現象編、第Ⅲ部 影響編、第Ⅳ部 対応編の4つのパートからなる。概要編では、気候と気象の違いといった基本概念、科学的コンセンサスの意味、気候科学史や気候変動問題の歴史的経緯などを学習することにより、気候変動問題に関するさまざまな主張の中から信頼できる主張を特定する力を養う。現象編では、近年や地史における気候の変化とその調査方法について学習したうえで、物理学の基本に触れ、単純な気候モデルの仕組みを理解する。そして、炭素循環システム、放射強制力、フィードバック、気候感度など、気候変化のメカニズムへの理解を深める。さらに、さまざまな仮説を取り上げながら、気候が変化している要因について議論する。影響編では、未来の気候変化の予測や将来の排出シナリオの策定方法を学習し、気候の変化がもたらすさまざまな影響について議論する。対応編では、1)GHGの排出の削減を目指す緩和、2)気候変動の悪影響を軽減する適応、3)適応策によっても回避できない「損失と損害」への対応の3つのアプローチとそれらを踏まえた議論を展開する。第11回では、政策・経済的手法によって温室効果ガス排出を削減する考え方を学んだ。第12回にあたる本コマでは、再生可能エネルギー、二酸化炭素除去(CDR)、二酸化炭素回収・貯留(CCS・CCUS)など、技術面における緩和策について学習する。
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コマ用オリジナル配布資料
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コマ主題細目
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① 温暖化対策技術の全体像 ② 再生可能エネルギー関連技術 ③ 二酸化炭素除去(CDR) ④ 二酸化炭素回収・貯留(CCS・CCUS)
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細目レベル
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① 温暖化対策技術の全体像 第8回で学習したIPAT関係の考え方を発展させ、エネルギー起源CO₂排出量を左右する要素と、技術的な緩和策との関係を整理する。IPAT関係における技術(T)をエネルギー強度(EI)と炭素強度(CI)に分けて考えると、エネルギー起源CO₂排出量は、人口(P)、1人当たりGDPで表される豊かさ(A)、エネルギー強度(EI)、炭素強度(CI)の積として表すことができる。このうち、エネルギー強度(EI)を下げることは、同じ財やサービスをより少ないエネルギーで生み出すこと、炭素強度(CI)を下げることは、単位エネルギー当たりのCO₂排出量を減らすことを意味する。細目①では、人口(P)や1人当たりGDPで表される豊かさ(A)を、主要な気候変動対策として直接大幅に引き下げることには社会的・倫理的・政治的な制約が大きいことを踏まえ、エネルギー利用の効率化によるEIの低減と、エネルギー供給の低炭素化によるCIの低減が、技術面における重要な緩和策であることを整理する。また、EIの低減だけでは十分な排出削減は難しく、CIの大幅な低減も必要となる背景を理解する。さらに、排出源でCO₂を回収し、貯留・利用するCCS・CCUSと、大気中からCO₂を除去するCDRの役割を区別し、続く細目②~④で扱う技術が、温室効果ガス排出の削減やネットゼロの実現にどのように位置付けられるかを俯瞰する。
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② 再生可能エネルギー関連技術 新しい発電方法や、発電の効率化など、世界中で、再生可能エネルギーに関する様々な新技術開発が取り組まれている。細目②では、再生可能エネルギー全般について広く学習する。また、最近注目される「ペロブスカイト太陽電池」を例に、その普及可能性について議論する。太陽電池のシェアの95%は、発電層がシリコンでできている「シリコン系太陽電池」だが、近年注目されるペロブスカイト太陽電池は、薄く、軽く、柔軟であるという特性を持つため、多様な場所へ設置による発電量の増加が期待されている。この他、ペロブスカイト太陽電池は、製造工程が少なく大量生産でき低コスト化が見込めるという点、主な原料であるヨウ素が国内で生産できるという点においても注目されている。
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③ 二酸化炭素除去(CDR) 細目③では、二酸化炭素除去(CDR: carbon dioxide removal)について学習する。CO₂排出には、エネルギー利用に伴う排出に加えて、セメント製造などの産業プロセスに由来する排出もあり、すべての排出を完全にゼロにすることが難しい分野がある。減らすことができない排出は「残余排出」と呼ばれる。残余排出と同量のCO2を大気中から吸収・回収し、差し引きゼロ(ネットゼロ)にするためのCDRが重視されはじめた。CDRのための技術は「ネガティブエミッション技術(NETs)」と呼ばれ、NETsには1)自然プロセスを人為的に加速させる手法と、2)工学的プロセスがある。1)としては、植林のほか、海洋のCO2吸収を促進する技術や、岩石を粉砕・散布して人工的に風化させることでCO2吸収を促す風化促進技術などが研究されている。2)としては、大気中のCO2を直接回収し貯留する技術DACCS(direct air carbon dioxide capture and storage)や、バイオマスの燃焼により発生したCO2を回収・貯留するBECCS(bioenergy with carbon capture and storage)がある。2023年、G7気候・エネルギー・環境大臣会合の合意文書には、「DACCSやBECCS等の二酸化炭素除去(CDR)が、ネットゼロを目指す上で、完全な脱炭素化が困難なセクターにおける残余排出量を相殺するために不可欠な役割を担う」という内容が盛り込まれた。
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④ 二酸化炭素回収・貯留(CCS・CCUS) 細目④では、新しい技術である「CCS」と「CCUS」について学習する。CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)は、発電所や化学工場などから排出されたCO2を、他の気体から分離して集め、地中深くに貯留・圧入することを指し、CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)は、分離したCO2を利用することも含む。火力発電は、大量の化石燃料を燃焼させ、多くのCO2を排出する発電方法だが、天候に左右されないという長所もある。そのため、特に火力発電で発生したCO2を回収、利用、貯留することが注目されている。日本では2024年に「二酸化炭素の貯留事業に関する法律(CCS事業法)」が成立し、2026年5月22日に本格施行された。これにより、CCSの事業化に向けた制度整備が進められている。一方、CO₂の分離・回収や輸送に要するコスト、貯留適地の確保、長期的な貯留の安全性、輸送インフラの整備、CCUSにおけるCO₂利用先の確保などは引き続き重要な課題である。
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キーワード
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① 再生可能エネルギー ② 太陽光電池 ③ ネガティブエミッション技術(NETs) ④ 二酸化炭素除去(CDR) ⑤ 二酸化炭素回収・貯留(CCS・CCUS)
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コマの展開方法
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社会人講師
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ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
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小テスト
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「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
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復習・予習課題
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【復習】授業中に配布したコマ用オリジナル資料(講義スライド)、授業の最後に実施した小テストの内容を復習し、理解できなかった内容については、参考資料を使って調べておく。それでも分からない箇所については、インターネットを使って調べたり、教員に質問したりして、能動的に学習することが望ましい。特に、コマシラバスに記載されたキーワードについては覚え、その意味を自分自身の言葉で説明できるようにしておくことが望ましい。 【予習】該当するコマシラバスのコマ主題細目の細目レベルの内容に、事前に目を通し、理解が困難な箇所を事前に把握しておく。また、参考文献に目を通したり、キーワードや疑問を持った箇所について自身で調べたりして、授業に臨むことが望ましい。
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気候変動対策_適応策
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科目の中での位置付け
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本科目は、第Ⅰ部 概要編、第Ⅱ部 現象編、第Ⅲ部 影響編、第Ⅳ部 対応編の4つのパートからなる。概要編では、気候と気象の違いといった基本概念、科学的コンセンサスの意味、気候科学史や気候変動問題の歴史的経緯などを学習することにより、気候変動問題に関するさまざまな主張の中から信頼できる主張を特定する力を養う。現象編では、近年や地史における気候の変化とその調査方法について学習したうえで、物理学の基本に触れ、単純な気候モデルの仕組みを理解する。そして、炭素循環システム、放射強制力、フィードバック、気候感度など、気候変化のメカニズムへの理解を深める。さらに、さまざまな仮説を取り上げながら、気候が変化している要因について議論する。影響編では、未来の気候変化の予測や将来の排出シナリオの策定方法を学習し、気候の変化がもたらすさまざまな影響について議論する。対応編では、1)GHGの排出の削減を目指す緩和、2)気候変動の悪影響を軽減する適応、3)適応策によっても回避できない「損失と損害」への対応の3つのアプローチとそれらを踏まえた議論を展開する。第13回にあたる本コマでは、気候変動への適応策について学習する。最初に、適応策が重視されるようになった経緯、緩和策との違い、適応策の特徴を含め、適応策とは何かについて理解する。そのうえで、日本でどのような適応策が実施されているかを知り、適応策の最近の動向や課題についても学習する。
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コマ用オリジナル配布資料
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コマ主題細目
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① 気候変動への適応とは ② 適応策の特徴 ③ 日本における適応策 ④ 適応策における課題 ⑤ 適応策の事例
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細目レベル
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① 気候変動への適応とは 細目①では、適応策(adaptation)の考え方と、適応策が重視されるようになった経緯について学習する。適応策とは、人間社会や自然システムが気候変動の影響に対処し、そのリスクを最小限に抑え、社会や環境を保護するための対策や戦略である。地球温暖化の影響が国際社会に認識され始めた1980年代から1990年代初頭にかけては、議論の中心は緩和策(GHG排出の削減)であった。しかし、1992年の地球サミットで採択された国連気候変動枠組条約(UNFCCC)では、適応策も話題に上るようになった。その後、2000年代に入ると、IPCCの報告書やCOPを通じて、気候変動の影響の顕在化が指摘され、2000年代後半から2010年代には、極端な気象イベントの増加、海面上昇、生態系への影響など、気候変動の具体的な影響が世界各地で報告されるようになった。これらの影響が特に途上国や脆弱なコミュニティで深刻であることから、気候変動による悪影響を軽減する適応策の必要性が国際社会で強く認識されるようになった。2015年のパリ協定では、気候変動への適応を強化することが国際的な合意となり、すべての締約国に対して適応策の計画策定と実施が求められた。また、この年、国連では持続可能な開発目標(SDGs)が採択され、気候変動対策(目標13)においても気候変動への適応が不可欠な要素であるとされた。こうした経緯を通じて、適応策は国際社会において重要な課題として認められ、各国でそのための具体的な行動が進められている。
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② 適応策の特徴 細目②では、適応策の特徴について学習し、気候変動対策への理解を深める。適応策の主な目的は、気候変動による負の影響を軽減し、社会や環境システムの脆弱性を低減することである。そのため、幅広い分野(農業、水資源管理、沿岸地域保護、都市計画、公衆衛生等)において、地域ごとに異なる影響に対して、個別の目的(災害リスクの管理、生態系の保護と復元等)に取り組む必要がある。また、気候変動の影響は不確実であり、変化し続けるため、適応策には柔軟性が求められる。そのため、適応策においては、地域コミュニティ、政府、非政府組織、民間セクターを含む幅広いステークホルダーの参加が重要であり、在来知識(Indigenous Knowledge)と伝統知識(Traditional Knowledge)を統合し、特定の地域やコミュニティの脆弱性、ニーズ、能力に基づいたカスタマイズされた計画の策定が求められる。また、地域ごとに取り組まれる適応策の成功は、資金調達の可否に依存しており、国内外の資金源を活用することが広範な適応策の実施を可能にする。さらに、このような適応策に取り組むことで、科学的研究、技術革新、伝統的知識の統合を通じた新しいソリューションの開発も期待される。
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③ 日本における適応策 細目③では、日本の気候変動適応策に関わる法的・政策的枠組みについて知り、日本の適応策の全体像を理解する。日本における気候変動適応策は、「気候変動適応法」に基づいて進められている。この法律は、気候変動の影響に効果的に対応し、社会や自然環境の脆弱性を減少させることを目的としており、適応策の策定と実施、適応に関する情報の収集・提供、および適応策の評価と見直し等に関する事項が含まれている。気候変動適応法に基づき、政府が策定する「国家適応計画(NAP)」は、気候変動の影響に対する国全体としての対応方針を示し、具体的な適応策を定めるものであり、農業、林業、漁業、水資源、災害リスク管理、健康、生物多様性、観光など、複数のセクターにわたる適応策が盛り込まれている。この中では特に、地域特有の気候変動の影響に対応するため、国の適応計画を補完する形で、地方自治体も地方適応計画の策定と対策の実施を行うことが求められ、政府、研究機関、民間企業が協力し、気候変動適応に関する科学的知見の蓄積と技術開発、気候変動の影響予測、適応技術の開発、社会システムのレジリエンス向上を進めることも含まれている。さらに、日本は途上国の気候変動適応支援にも積極的に関与し、技術移転等を通じた国際協力を行っている。
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④ 適応策における課題 細目④では、適応策の課題をいくつか挙げ、その克服方策について議論する。具体的には、次の課題を取り上げる。1)資金の確保:適応策の実施には、しばしば莫大な資金が必要となり、特に開発途上国では資金調達が大きな障壁となる。そのため、国際的な支援や資金提供機関からの援助が不可欠だが、資金へのアクセスは十分ではない。2)データ・知見の不足:適応策の実施にあたっては、気候変動の影響、脆弱性、および地域の特性に関する正確で詳細なデータが必要だが、地域レベルでの信頼できるデータや長期的な気候予測は不足している。3)政策や計画との統合:適応策は既存の開発計画や政策と統合される必要があるが、気候変動適応策を経済開発、土地利用計画、災害リスク管理などの他の政策分野と統合することは容易ではない。4)多様な主体の参加:適応策の効果的な実施には地域の多様なステークホルダーの参加と協力が欠かせないが、ステークホルダー間での意見の相違、動機付け、情報共有などに課題がある。5)担い手と評価:適応策の実施には、適切な技術、専門知識、管理能力を持った専門家の参画や、モニタリングと評価のための仕組みが欠かせない。しかし、このような複雑な仕組みの設計や運用の実現、それを担う人材の確保は容易ではない。6)気候変動予測の不確実性:適応策の計画と実施にあたっては、気候変動とその影響を予測することが不可欠だが、これには多くの不確実性がある。適応策の実施においては、これらの課題を克服し、各地域に適した柔軟な対応を行う必要がある。
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⑤ 適応策の事例 現在、農業・林業・水産業、水環境・水資源、自然生態系、自然災害・沿岸域、人の健康、産業・経済活動、国民生活・都市生活など、様々な領域で適応策が取り組まれている。細目⑤では、いくつかの取り組み事例について学び、私たちの身の回りで生じ得る気候変動の影響と、その影響を低減するための適応策について議論する。具体的な事例として、「米国アラスカ州ニュートック村の移転」など洪水や土地浸食の脅威に対する適応、「工事現場における熱中症対策事例の収集」や「クールスポットの創出と活用促進」など健康被害の脅威に対する適応、「アマモ等の海草藻場の保全・再生」など生態系と漁業に対する脅威への適応、「温州ミカン栽培における気候変動適応策」など果樹の生産における適応を取り上げる。また、授業時点における最新の事例についても紹介する。
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キーワード
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① 適応策 ② 気候変動適応法 ③ 国家適応計画(NAP) ④ レジリエンス ⑤ 在来・伝統知識
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コマの展開方法
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社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
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小テスト
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「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
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復習・予習課題
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【復習】授業中に配布したコマ用オリジナル資料(講義スライド)、授業の最後に実施した小テストの内容を復習し、理解できなかった内容については、参考資料を使って調べておく。それでも分からない箇所については、インターネットを使って調べたり、教員に質問したりして、能動的に学習することが望ましい。特に、コマシラバスに記載されたキーワードについては覚え、その意味を自分自身の言葉で説明できるようにしておくことが望ましい。 【予習】該当するコマシラバスのコマ主題細目の細目レベルの内容に、事前に目を通し、理解が困難な箇所を事前に把握しておく。また、参考文献に目を通したり、キーワードや疑問を持った箇所について自身で調べたりして、授業に臨むことが望ましい。
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14
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損失と損害への対応・不確実性と意思決定
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科目の中での位置付け
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本科目は、第Ⅰ部 概要編、第Ⅱ部 現象編、第Ⅲ部 影響編、第Ⅳ部 対応編の4つのパートからなる。概要編では、気候と気象の違いといった基本概念、科学的コンセンサスの意味、気候科学史や気候変動問題の歴史的経緯などを学習することにより、気候変動問題に関するさまざまな主張の中から信頼できる主張を特定する力を養う。現象編では、近年や地史における気候の変化とその調査方法について学習したうえで、物理学の基本に触れ、単純な気候モデルの仕組みを理解する。そして、炭素循環システム、放射強制力、フィードバック、気候感度など、気候変化のメカニズムへの理解を深める。さらに、さまざまな仮説を取り上げながら、気候が変化している要因について議論する。影響編では、未来の気候変化の予測や将来の排出シナリオの策定方法を学習し、気候の変化がもたらすさまざまな影響について議論する。対応編では、1)GHGの排出の削減を目指す緩和、2)気候変動の悪影響を軽減する適応、3)適応策によっても回避できない「損失と損害」への対応の3つのアプローチとそれらを踏まえた議論を展開する。第14回にあたる本コマでは、「損失と損害への対応」について学習する。最初に、「損失と損害」の考え方、「損失と損害への対応」が注目を集めた経緯、基金を含む最近の国際的な取組について学ぶ。さらに、気候科学や影響評価に残る不確実性をどのように理解し、完全な確実性を待たずにどのように意思決定するかについて考える。
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コマ用オリジナル配布資料
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コマ主題細目
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① 「損失と損害」とは ② 「損失と損害への対応」が注目を集めた経緯 ③ 損失と損害に対応するための基金(COP28におけるプレッジ) ④ 不確実性 ⑤ 不確実性の下での意思決定
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細目レベル
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① 「損失と損害」とは 細目①では、緩和策と適応策に次ぐ第三の対策「損失と損害」(Loss and Damage)とは何かについて学ぶ。国際的に合意された「損失と損害」の定義はないが、一般に、気候変動の影響のうち、緩和策と適応策によって回避できない、または回避できなかった被害のことを指す。IPCCの第6次評価報告書第2作業部会では、「気候変動の(観測された)影響と(予測される)リスクによる被害を広く指し、経済的・非経済的なものを含む」とされている。損失と損害には、気候変動による直接的または間接的な影響、回復不可能な損失(文化遺産や生物多様性の喪失など)や、修復可能だがコストのかかる被害(農作物の損失、家屋の損害、インフラの破壊など)が含まれる。特に、災害リスクに脆弱な地域やコミュニティにおいて、人々の生計や生活基盤に深刻な「損失と損害」が生じることが懸念されている。このため、近年、技術的な支援や財政的な資源の提供、知識や情報の共有など、後発開発途上国や小島嶼国などの脆弱な国に対する支援の在り方が盛んに議論されている。
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② 「損失と損害への対応」が注目を集めた経緯 細目②では、気候変動対策として「損失と損害への対応」が注目を集めた経緯について学習する。1991年、島嶼国などの脆弱な国々が、気候変動枠組条約(UNFCCC)の交渉過程で、気候変動による影響への国際支援を求め、「損失と損害」の概念が初めて提起された。2007年の国連気候変動会議(COP13)で採択されたバリ行動計画は、適応だけでなく「損失と損害」に対処する必要性を国際的に認識する第一歩となった。2013年のCOP19では、「ワルソー国際メカニズム」が設立され、影響を受ける国々への技術的、金銭的支援を提供する枠組みが生まれた。2015年のパリ協定では、「損失と損害」が独自の条項(第8条)として重要な要素に位置付けられたが、資金提供や支援メカニズムの詳細には課題が残っていた。近年のCOPで進展が見られ、COP26(2021年)で「損失と損害」の脅威が強く認識され、続くCOP27(2022年)では、新たな資金措置の設置が決定された。COP28(2023年)では、その制度の大枠が採択され、「サンティアゴ・ネットワーク」(SN)の本格的運用に向けた取り決めも行われた。
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③ 損失と損害に対応するための基金(COP28におけるプレッジ) 細目③では、COP28の交渉結果の中でもGSTとともに注目された「損失と損害に対応するための基金」の内容を理解し、気候変動対策における資金措置について学習する。COP28(ドバイ、2023)では、損失と損害に対応するための新たな資金措置と基金が運用化され、その後「Fund for responding to Loss and Damage(損失と損害に対応するための基金)」として制度整備が進められている。この基金は、特定の目的やプロジェクトのための長期的な支出を賄うために設けられる資金プールである。COP28では、本基金について、1) 気候変動の影響に特に脆弱な途上国を支援の対象とすること、2) 世界銀行の下に設置すること、3) 先進国が立ち上げ経費の拠出を主導し、公的資金、民間資金、革新的資金源等から拠出を受けることが決定された。日本は基金の立ち上げ経費として1,000万米ドルのプレッジ(約束)を表明した。各国のプレッジ額は、米国が1,750万ドル、英国が4,000万ポンド、ドイツが1億ドル、UAEが1億ドル、EUが2億2,500万ユーロ(ドイツを含む)であり、12月4日時点でその合計は7億2,500万ドルとされている。途上国が長年求めてきた資金措置が、COP27で基金の設立が合意されてから約1年で運用開始に至ったことは異例であり、歴史的な転換点とされている。
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④ 不確実性 気候科学や気候変動影響評価においては、依然として多くの不確実性が残されている。ここでは、「不確実性」の概念を理解する。不確実性の定義は分野により異なるが、ここでは、将来の状態や結果を一意に特定できない状態を指し、その要因には知識の不完全さや本質的な変動性などがあるものとして捉える。一般に、リスク評価、工学、統計学、気候科学等の分野では、知識の不完全さによって生じる不確実性(エピステミック不確実性:epistemic uncertainty)と、本質的な変動性やランダム性に由来する不確実性(アレアトリック不確実性:aleatoric uncertainty)が区別される。前者は情報の追加や研究によって軽減できる場合がある一方、後者は原理的に完全には取り除けない。気候科学に関する不確実性としては、1) 大気、海洋、陸地、生物圏の相互作用が非常に複雑で予測が難しいために生じる「気候システムの理解における不確実性」、2) 未来のGHG排出量が世界の経済成長、人口動態、技術革新、政策決定などに依存するため、その予測が難しいことから生じる「GHG排出シナリオの不確実性」、3) 二酸化炭素濃度の増加に対する地球の気候システムの反応の程度に関する「気候感度の不確実性」などが挙げられる。また、社会・経済的な不確実性としては、1) 将来の経済成長率や技術革新の進展に関する「経済成長と技術革新の不確実性」、2) 気候変動に対する国際的および国内的な政策の策定と実施のタイミングに関する「政策とその実施の不確実性」もある。さらに、地域の気候特性、生態系の脆弱性、社会経済的条件、それらの相互作用に依存する影響の地域性、適応策の実施状況の違いによる影響評価の不確実性も存在する。細目④では、気候変動を取り巻くさまざまな不確実性について学び、気候変動問題では不確実性を完全に取り除くことが難しいことを理解する。
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⑤ 不確実性の下での意思決定 気候変動のように不確実性を伴う問題では、将来の状態を完全に予測できるようになるまで意思決定を先送りするのではなく、複数の可能性を考慮しながら対策を検討することが重要である。細目⑤では、不確実性の下で意思決定を行うための基本的な考え方について学ぶ。意思決定における不確実性への対処方法としては、不確実性に伴うリスクを評価して判断を行う「リスク評価」、複数の未来シナリオを考慮することで異なる可能性に対処しようとする「シナリオプランニング」や「シナリオ分析」、条件や情報の変化に応じて戦略や方針を柔軟に調整する「適応的管理」などがある。また、科学的知見を継続的に更新し判断の根拠とする「科学に基づくアプローチ」、不確実性が存在しても重大または不可逆的な損害のおそれがある場合に対策を先送りしない「予防原則」、対策の効果を継続的に確認し必要に応じて見直す「モニタリングと定期的なレビュー」も重要な考え方である。ここでは、これらの考え方を通じて、不確実性の存在を理由に何も決めないのではなく、得られている科学的知見を活用しながら柔軟に意思決定を行うことの重要性について学ぶ。
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キーワード
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① 損失と損害への対応 ② 損失と損害に対応するための基金(Fund for responding to Loss and Damage) ③ 不確実性 ④ 意思決定 ⑤ シナリオプランニング
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コマの展開方法
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社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
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小テスト
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「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
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復習・予習課題
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【復習】授業中に配布したコマ用オリジナル資料(講義スライド)、授業の最後に実施した小テストの内容を復習し、理解できなかった内容については、参考資料を使って調べておく。それでも分からない箇所については、インターネットを使って調べたり、教員に質問したりして、能動的に学習することが望ましい。特に、コマシラバスに記載されたキーワードについては覚え、その意味を自分自身の言葉で説明できるようにしておくことが望ましい。 【予習】該当するコマシラバスのコマ主題細目の細目レベルの内容に、事前に目を通し、理解が困難な箇所を事前に把握しておく。また、参考文献に目を通したり、キーワードや疑問を持った箇所について自身で調べたりして、授業に臨むことが望ましい。
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15
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科目全体の総復習
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科目の中での位置付け
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本科目は、第Ⅰ部 概要編、第Ⅱ部 現象編、第Ⅲ部 影響編、第Ⅳ部 対応編の4つのパートからなる。概要編では、気候と気象の違いといった基本概念、科学的コンセンサスの意味、気候科学史や気候変動問題の歴史的経緯などを学習することにより、気候変動問題に関するさまざまな主張の中から信頼できる主張を特定する力を養う。現象編では、近年や地史における気候の変化とその調査方法について学習したうえで、物理学の基本に触れ、単純な気候モデルの仕組みを理解する。そして、炭素循環システム、放射強制力、フィードバック、気候感度など、気候変化のメカニズムへの理解を深める。さらに、さまざまな仮説を取り上げながら、気候が変化している要因について議論する。影響編では、未来の気候変化の予測や将来の排出シナリオの策定方法を学習し、気候の変化がもたらすさまざまな影響について議論する。対応編では、1)GHGの排出の削減を目指す緩和、2)気候変動の悪影響を軽減する適応、3)適応策によっても回避できない「損失と損害」への対応の3つのアプローチとそれらを踏まえた議論を展開する。第15回(最終コマ)では新しい概念を導入せず、第1回から第14回までに学習した内容を振り返り、「観測された気候変化」「温暖化のメカニズムと原因」「将来予測と影響」「緩和・適応・損失と損害への対応」という科目全体のつながりを整理する。さらに、これまでの学習内容を踏まえ、大学生の立場で実行可能な緩和策と適応策を考える。
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コマ用オリジナル配布資料
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コマ主題細目
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① 気候変動問題の基礎と科学的な捉え方 ② 観測された気候変化と地球温暖化のメカニズム・原因 ③ 気候変動の将来予測と影響 ④ 気候変動への対応と意思決定 ⑤ 大学生の立場から考える緩和策・適応策
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細目レベル
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① 気候変動問題の基礎と科学的な捉え方 本科目の前半で学習した、気象と気候、climate changeとclimate variability、科学的コンセンサスなどの基本的な概念を振り返る。また、気候変動問題が科学的な研究の蓄積から国際的な環境問題として認識されるようになった経緯を確認する。特に、気候変動に関するさまざまな情報や主張について、一つの情報だけで判断するのではなく、観測、査読研究、科学的評価書など複数の科学的根拠に基づいて捉えることの重要性を再確認する。
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② 観測された気候変化と地球温暖化のメカニズム・原因 第3回から第7回までの内容を振り返り、現在の地球が温暖化していることを示す観測事実と、その原因を説明するために学習した基本的な仕組みを整理する。気温偏差、温室効果、エネルギー収支、炭素循環、放射強制力、フィードバック、気候感度などの概念が、それぞれどのようにつながって地球温暖化を説明しているのかを確認する。また、自然要因と人為要因を比較し、現在の温暖化が主として人間活動によって引き起こされていると判断される科学的根拠を振り返る。
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③ 気候変動の将来予測と影響 第8回および第9回で学習した内容を振り返り、将来の気候がどのように予測され、その結果としてどのような影響が生じる可能性があるのかを整理する。将来の人口、経済活動、技術、政策などによって温室効果ガス排出量が変化するため、複数の排出シナリオや共通社会経済経路(SSPs)を用いて将来予測が行われることを確認する。また、気温上昇、極端現象、海面上昇、生態系や人間社会への影響などを振り返り、将来予測や影響評価には不確実性が含まれることを再確認する。
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④ 気候変動への対応と意思決定 第10回から第14回までの内容を振り返り、気候変動への主要な対応を整理する。パリ協定、NDC、GSTなどの国際的な枠組みと目標を確認したうえで、気候変動対策における緩和策、適応策、損失と損害への対応の目的と違いを振り返る。また、炭素税や排出量取引制度、再生可能エネルギー、CDR、CCS・CCUS、地域における適応策など、授業で扱った代表的な対策を整理する。最後に、気候変動問題には不確実性が存在することを踏まえつつ、完全な確実性を待つのではなく、科学的知見を利用してどのように意思決定するかを考える。
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⑤ 大学生の立場から考える緩和策・適応策 これまでの学習内容を踏まえ、大学生の立場で実行可能な気候変動対策について考える。まず、温室効果ガスの排出削減や吸収の増加を通じて気候変動の進行を抑える「緩和策」と、現在または将来の気候変動による影響やリスクを小さくする「適応策」の違いを改めて確認する。そのうえで、自分自身の生活、大学での学習や活動、地域社会などの身近な場面を想定し、大学生として実行可能な緩和策と適応策をそれぞれ具体的に検討する。授業内では、各自が緩和策と適応策を別々に考え、その対策の目的、具体的な方法、期待される効果、実行上の課題を整理する。必要に応じて考えた内容を共有・議論し、単なる標語や一般論ではなく、授業で学んだ知識を根拠として、なぜその取組が緩和策または適応策に該当するのかを自分の言葉で説明する。
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キーワード
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① 気候変動 ② 地球温暖化 ③ 適応策 ④ 緩和策 ⑤ 知識の統合
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コマの展開方法
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社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
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小テスト
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「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
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復習・予習課題
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【復習】授業中に配布したコマ用オリジナル資料(講義スライド)、授業の最後に実施した小テストの内容を復習し、理解できなかった内容については、参考資料を使って調べておく。それでも分からない箇所については、インターネットを使って調べたり、教員に質問したりして、能動的に学習することが望ましい。特に、コマシラバスに記載されたキーワードについては覚え、その意味を自分自身の言葉で説明できるようにしておくことが望ましい。
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