区分 基礎科目-人間と生活の理解
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力 倫理観 専門性探求
地域社会貢献 グローバル性
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性 広い視野 知識・技術
判断力 探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
基礎科目の「人間と生活の理解」に位置づけ、将来社会人に必要な教養としての社会経済の基礎を習得する
科目の目的
家族社会学は本学1年後期の選択科目であり、家族は社会を構成する基本単位であり、家族社会学を修めることは家族や社会の一成員である学生にとって当事者研究としても意義がある。本講義の目的は、家族の成立と変遷を概観して家族の形態や機能、役割を理解するとともに、今日の多様化する家族が抱える生活・健康課題に保健・医療専門職としてどのような関りが可能なのか、その技術と方策をもっての関わりあいを、アクティブラーニングを通して主体的・対話的に学び深く考察することである。講義の流れは、家族とは?から始まり家族をめぐる社会制度(年金等)、家族間の親密圏、近代家族論を学び、次に家族の貧困問題と福祉レジーム、近代における結婚の問題を取り上げる。また、関連して、未婚率と離婚の問題を、さらに、妊娠・出産・子育てを、また、経済問題に関連した扶養の問題、近年、日本でも増加している国際結婚を取り上げ、日本の家族を概観していく視点を提供する。
到達目標
それぞれの対象、活動の場における動向・施策及び健康課題と支援策や社会資源について理解し、説明できる。
科目の概要
本科目は、家族社会学に関する基礎的な理解と実践的な能力を養うことを目的として実施する科目である。近年の家族社会学を巡る諸課題はグローバル化、複雑化している。地球環境の変動に伴う熱中症や豪雨災害、新型インフルエンザやCOVID-19などの感染症、食物アレルギーとアナフィラキシーへの対応など、家族社会学の対応も大きく変化せざるを得ない状況である。その為にも家族社会学の基本的な理解と、家族社会学で役に立つ実践力は重要である。主な内容は以下の通りである。1.「家族」の多様化と政治性、2.近代社会の編成原理とジェンダー、3.「近代家族」の成立、4.家族・貧困・福祉、5.福社レジーム類型と家族、6.結婚、7.未婚化という変化、8.就業と家族、9.私的領域における性別役割分業の実態、10.妊娠・出産・子育て、11.現代日本で子どもをもつということ一なぜ子どもをもつのか、12.親-成人子関係のゆくえ、13.成人子関係はどう変化したか、14.個人・家族・親密性のゆくえ、15.グローバル化と多民族・多国籍化する家族。
科目のキーワード
近代家族の成立、家族の形態・機能・役割、産業・人口・経済の変化と家族、多様化する家族の生活・健康課題、結婚・妊娠・出産・子育て・就業、生活・健康課題の援助、ジェンダー・セクシュアリティ、貧困・疾病・障害・高齢化、グローバル化と社会的孤立・社会的包摂

授業の展開方法
授業は以下の内容から構成し、課題別グループによる学習活動の後、全体で共有・深化させる方法で進める。
1.近代家族の成立(家族の形態・機能・役割、産業・人口・経済の変化と家族)  2.多様化する家族の生活・健康課題(結婚・妊娠・出産・子育て・就業)  3.生活・健康課題の援助(ジェンダー・セクシュアリティ・貧困・疾病・障害・高齢化・グローバル化と社会的孤立・社会的包摂) 4.アクティブラーニング活動とグループKJ法

オフィス・アワー
研究室712:月曜~金曜お昼休み
E-mail:t-oka@uhe.ac.jp

科目コード ERC08
学年・期 1年・後期
科目名 家族社会学
単位数 2
授業形態 講義
必修・選択 選択
学習時間 【講義】30h
【予習・復習】60h
前提とする科目 看護学の基礎をなすもので、他の科目の履修を前提としない。看護学の導入となる科目である。
展開科目 該当しない
関連資格 看護師,保健師,養護教諭
担当教員名 岡多枝子
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 「家族」の多様化と政治性 科目の中での位置付け 本科目は、家族社会学に関する基礎的な理解と実践的な能力を養うことを目的として実施する科目である。近年の家族社会学を巡る諸課題はグローバル化、複雑化している。地球環境の変動に伴う熱中症や豪雨災害、新型インフルエンザやCOVID-19などの感染症、食物アレルギーとアナフィラキシーへの対応など、家族社会学の対応も大きく変化せざるを得ない状況である。その為にも家族社会学の基本的な理解と、家族社会学で役に立つ実践力は重要である。主な内容は以下の通りである。1.「家族」の多様化と政治性、2.近代社会の編成原理とジェンダー、3.「近代家族」の成立、4.家族・貧困・福祉、5.福社レジーム類型と家族、6.結婚、7.未婚化という変化、8.就業と家族、9.私的領域における性別役割分業の実態、10.妊娠・出産・子育て、11.現代日本で子どもをもつということ一なぜ子どもをもつのか、12.親-成人子関係のゆくえ、13.成人子関係はどう変化したか、14.個人・家族・親密性のゆくえ、15.グローバル化と多民族・多国籍化する家族。1回目は、これらの中で「1.「家族」の多様化と政治性」を取り上げて具体的な課題とそれに対する多角的な検討を行い、家族社会学で役に立つ知識と技術を獲得することができる活動を行う。
「家族」を読み解くために
1 はじめに一「家族」の多様化と政治性 

多様化する家族一一晚婚化・未婚化・少子化の影響(2)
独身の子どもによる介護をめぐる間題(3)
夫婦別姓をめぐる動き(4)
「年金制度」と負担の不公正(5)
「寡婦控除」における未婚で出産した女性の扱い(6)

2 日本の家族の変化ー一世帯。ライフイベント,価値観に着目して
世帯構成の変化(7)
ライフイベントを経験する順序(8)
「家族が一番大切」と考える人の増加(11)
コマ主題細目 ① 「家族」の多様化と政治性 ② 夫婦別姓・年金制度・寡婦控除をめぐる動き ③ 日本の家族の変化―世帯・ライフイベント・価値観
細目レベル ① 「家族」の多様化と政治性は、以下の2点の細目レベルに大別される。(1) 多様化する家族―晩婚化・未婚化・少子化の影響:厚生労働省「人口動態統計」から初婚年齢の上昇データを分析して「子どもをもつなら結婚するのが当然」という価値観が根強く残る日本の結婚行動の変化(晩婚化や未婚化)が少子化につながっていることを理解して説明できる。(2)独身の子どもによる介護を巡る問題:家族形成をめぐる変化と密接に関わりながら,就業する女性の増加や女性の高学歴化,非正規雇用の増加,格差の拡大や貧困の深刻化なども「家族」のあり方に変化を迫っていること、また独身者の増加によって顕在化している介護問題をめぐる動きを理解して説明できる。
② 夫婦別姓・年金制度・寡婦控除をめぐる動きは、以下の4点の細目レベルに大別される。(1) 「夫婦別姓」は保守層を中心とした反対により実現していない。また「夫婦同姓」は日本国籍をもつ人同士の結婚だけに限定されていることなどの概要と社会・歴史的背景を考察、理解して説明できる。(2) 日本の年金制度ではサラリーマンが加入している「厚生年金」や公務員や教員などが加入する「共済年金」の場合,通常,自己負担は掛け金の半分であり,残りは勤務先が負担していることの概要と社会・歴史的背景を考察、理解して説明できる。(3) これに対し,自営業の妻は自分で保険料を負担しなければならないことの社会・歴史的背景を考察し理解する。 (4) 結婚せずに子どもを産んだ場合には,経済的な条件は同じであるにもかかわらず「募婦控除」は適用されず未婚で出産した女性の扱いが公平性を欠くことを考察する。
③ 日本の家族の変化―世帯・ライフイベント・価値観は、以下の4点の細目レベルに大別される。(1) 「世帯(household)」とは一般に「住居と生計を共にする人々の集団」を指す行政用語である。誰が世帯員なのかは基本的に明確なので,時代による変化をとらえるには都合がよいことが理解、説明できる。(2)「家族」は、「血縁関係と婚姻関係に基づく集団」を指すが、誰が家族なのかは複雑であることが理解、説明できる。(3) 人々が誰と暮らし,どのような順序で結婚などのライフイベントを経ていくのかという家族経験に着目してこの約1世紀を振り返ってみると,あまり変化していないようにみえるものの,その実態は大きく変化していることが理解、説明できる。(4) 高度経済成長から間もないころの調査「一番大切と思うものは何か」では、「生命・健康・自分」がもっとも多く「家族」と答えた人は約1割。ところが2008年にはほぼ5割に達している。「家族」の価値が上がる一方で「子ども」の価値が下がるという変化は矛盾しているようにも思われることを考察して説明することができる。
キーワード ① 多様化と政治性 ② 晚婚化・未婚化・少子化 ③ 夫婦別姓 ④ 年金制度 ⑤ 寡婦控除
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】本時のシラバスの内容とテキストの該当箇所を熟読し、特に前回までに学修した基本的な知識を再度確認し授業に臨むこと。また、ノートパソコンとスケジュールの記入できる媒体を持参する。本科目では「家族の成立と変遷を概観して家族の形態や機能、役割を理解するとともに、今日の多様化する家族が抱える生活・健康課題に保健・医療専門職としてどのような関りが可能なのか、その技術と方策をもっての関わりあい」を中心に理解・説明できることを目標としており、事前にメールで送付された課題に取り組んだ上で授業に臨むこと。
【復習】配布資料および講義内容について振り返りをする。特にシラバスの本時の目標を達成するための細目レベルの内容と、履修判定指標を参照しながら、授業中に重要だと確認した用語解説は記述できるようにすること。授業中に作成したフラッシュカードABCを用いて全てのカードがAになるように復習し、不明な点などは、担当教員(岡)のオフィスアワー及び授業前後に質問すること。

2 近代社会の編成原理とジェンダー 科目の中での位置付け 本科目は、家族社会学に関する基礎的な理解と実践的な能力を養うことを目的として実施する科目である。近年の家族社会学を巡る諸課題はグローバル化、複雑化している。地球環境の変動に伴う熱中症や豪雨災害、新型インフルエンザやCOVID-19などの感染症、食物アレルギーとアナフィラキシーへの対応など、家族社会学の対応も大きく変化せざるを得ない状況である。その為にも家族社会学の基本的な理解と、家族社会学で役に立つ実践力は重要である。主な内容は以下の通りである。1.「家族」の多様化と政治性、2.近代社会の編成原理とジェンダー、3.「近代家族」の成立、4.家族・貧困・福祉、5.福社レジーム類型と家族、6.結婚、7.未婚化という変化、8.就業と家族、9.私的領域における性別役割分業の実態、10.妊娠・出産・子育て、11.現代日本で子どもをもつということ一なぜ子どもをもつのか、12.親-成人子関係のゆくえ、13.成人子関係はどう変化したか、14.個人・家族・親密性のゆくえ、15.グローバル化と多民族・多国籍化する家族。2回目は、これらの中で「2.近代社会の編成原理とジェンダー」を取り上げて具体的な課題とそれに対する多角的な検討を行い、家族社会学で役に立つ知識と技術を獲得することができる活動を行う。
3 近代社会の編成原理とジェンダー
公的領城と私的領域(12)
セックスとジェンダー(15)
4 本書の視角
5 本書の構成
コマ主題細目 ① 近代社会の編成原理とジェンダー ② セックスとジェンダー ③ 科目・教科書の視角と構成
細目レベル ① 近代社会の編成原理とジェンダーは、以下の3点の細目レベルに大別される。(1) 有償労働と再生産領域:中心産業が農業であった前近代では、「有償労働」を行う場と家族が暮らす場である「再生産領域」の区別や境界は、現代社会のようにはっきりと分離していなかったことの概要と時代背景を理解して説明できる。(2) 公的領域と私的領域:近代以降、労働などが「公的領域」として位置付けられた一方、「ヒトの生産」を行う「私的領域」として位置づけられるようになったのは家事であることの概要と時代背景を理解して説明できる。(3) セックスとジェンダー:「生物的な性差」を表すセックスと「社会的・文化的な要因によって規定される」ジェンダーの社会的背景と課題を考察できる。
② セックスとジェンダーは、近代以降の社会秩序を理解する上で重要な概念である。その細目レベルは以下の4点に大別される。(1) セックスとジェンダーの定義:「セックスは生物学的な性差」を意味するのに対し,「ジェンダーは社会的・文化的な要因によって規定される性差」と理解されていることを理解して、その社会的背景と課題を考察できる。(2) 日本の現状:日本では依然として性別役割分業が根強く残っているため,日本の「家族」を読み解く際には、ジェンダーの視点が欠かせないことを理解してその社会的背景と課題を考察することができる。 (3) ジェンダー研究の歴史:欧米や日本の研究史とその概要を分析して考察できる。(4) 性別役割分業:日本では、男性は有償労働、女性は無償労働に主たる責任を負う分業体制としての「性別役割分業」が根強く残っていることの概要とその社会的背景と課題を考察できる。
③ 本書の視角と構成は、以下の4点の細目レベルに大別される。(1) 家族社会学の研究動向:個人や家族のあり方,変化や多様化を、社会学の視点で読み解くのが「家族社会学」という領域である。戦後の日本の家族社会学の研究動向について、岩間(2010)の整理によれば、戦前から1960年前後までは「家」および親族組織に関する制度的・理論的研究が主流だったが,それ以降,アメリカ社会学の影響を受け始めた流れの概要を理解して説明できる。(2)歴史社会学的アプローチによる実証研究:日本の大正期には「専業主婦」の誕生や、戦後の高度経済成長期に「大衆化」「中流」などが出現したことの社会的背景と課題を考察できる。(3)本書の視点:比較の視点、ジェンダーの視点、家族の多様性、家族の政治性、理論と実証のバランス等の視点に関してその概要を理解して活用できる。(4)本書の構成:第1章「家族を読み解くための本書の視角と構成」、第2章「近代家族の成立」から第8章「個人・家族・親密性のゆくえ」までの概要を理解して取り組むことができる。
キーワード ① 近代社会の編成 ② ジェンダー ③ 公的領城 ④ 私的領域 ⑤ セックスとジェンダー
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】本時のシラバスの内容とテキストの該当箇所を熟読し、特に前回までに学修した基本的な知識を再度確認し授業に臨むこと。また、ノートパソコンとスケジュールの記入できる媒体を持参する。本科目では「家族の成立と変遷を概観して家族の形態や機能、役割を理解するとともに、今日の多様化する家族が抱える生活・健康課題に保健・医療専門職としてどのような関りが可能なのか、その技術と方策をもっての関わりあい」を中心に理解・説明できることを目標としており、事前にメールで送付された課題に取り組んだ上で授業に臨むこと。
【復習】配布資料および講義内容について振り返りをする。特にシラバスの本時の目標を達成するための細目レベルの内容と、履修判定指標を参照しながら、授業中に重要だと確認した用語解説は記述できるようにすること。授業中に作成したフラッシュカードABCを用いて全てのカードがAになるように復習し、不明な点などは、担当教員(岡)のオフィスアワー及び授業前後に質問すること。

3 「近代家族」の成立 科目の中での位置付け 本科目は、家族社会学に関する基礎的な理解と実践的な能力を養うことを目的として実施する科目である。近年の家族社会学を巡る諸課題はグローバル化、複雑化している。地球環境の変動に伴う熱中症や豪雨災害、新型インフルエンザやCOVID-19などの感染症、食物アレルギーとアナフィラキシーへの対応など、家族社会学の対応も大きく変化せざるを得ない状況である。その為にも家族社会学の基本的な理解と、家族社会学で役に立つ実践力は重要である。主な内容は以下の通りである。1.「家族」の多様化と政治性、2.近代社会の編成原理とジェンダー、3.「近代家族」の成立、4.家族・貧困・福祉、5.福社レジーム類型と家族、6.結婚、7.未婚化という変化、8.就業と家族、9.私的領域における性別役割分業の実態、10.妊娠・出産・子育て、11.現代日本で子どもをもつということ一なぜ子どもをもつのか、12.親-成人子関係のゆくえ、13.成人子関係はどう変化したか、14.個人・家族・親密性のゆくえ、15.グローバル化と多民族・多国籍化する家族。3回目は、これらの中で「3.「近代家族」の成立」を取り上げて具体的な課題とそれに対する多角的な検討を行い、家族社会学で役に立つ知識と技術を獲得することができる活動を行う。
「近代家族」の成立
1 はじめに一一現代家族を理解するために
2 家族は歴史的に変化するか
核家族普遍説(25)
核家族=近代家族論(27)
まとめと課題の確認(30)

3 家族の地域的多様性と歴史的変化
母子関係中心説/ネットワーク論的家族論(30)
日本の村落社会研究(32)
歴史人口学(33)
家族の近代化と地域差(36)

4,家族をめぐる社会状況の近代化
家族制度の近代化(38)
近代家族に残された不平等(41)
産業の近代化と家族(41)
家族と社会状況の近代化(43)

5 近代家族と近代化
コマ主題細目 ① 現代家族を理解するために ② 家族の地域的多様性と歴史的変化 ③ 家族をめぐる社会状況の近代化
細目レベル ① 現代家族を理解するためには、以下の4点の細目レベルに大別される。(1)核家族普遍説:「夫婦と未婚の子ども」から構成される核家族という家族形態は、あらゆる社会の家族のかたちに「核」として普遍的にみられる(米国の人類学者マードック2001)という主張の概要を理解して説明できる。(2) 核家族=近代家族論 :社会の近代化(産業・国家・宗教など)に伴う家族のあり方として核家族をとらえる近代家族論の概要を理解して説明できる。(3) ロマンティック・ラブ・イデオロギー:異性愛の男女の恋愛・結婚・子育てが家族という形態で行われることを理想とする概要とその社会的背景と課題を考察できる。(4)まとめと課題の確認:近代以降、労働などが「公的領域」として位置付けられた一方、「ヒトの生産」を行う「私的領域」として位置づけられるようになったのは家事であることが理解できる。
② 家族の地域的多様性と歴史的変化は、以下の7点の細目レベルに大別される。(1)母子関係中心説・ネットワーク論的家族論:インド・ケララ州のナヤール族のように子供が母方親族と生活する母系社会の研究や、北極圏のヘアーインディアンのような家族の緩やかな関係性の研究(原ひろ子1989)など、人類学分野での研究の概要を理解して説明できる。(2) 日本の村落社会研究:長男継承による直系制家族などの実証研究の概要を理解して説明できる。(3) 歴史人口学:教会の記録分析からライフヒストリーを復元(仏ルイ・アンリ1950年代)したことから発展し、世帯構造の分類基準を提唱した研究などの概要を理解して説明できる。(4) 家族の近代化と地域差:近代化に伴う家族の変化や、日本の家族構成の地域差や初婚年齢の地域差などの概要を理解して説明できる。
③ 家族をめぐる社会状況の近代化は、以下の4点の細目レベルに大別される。(1) 家族制度の近代化:個人や家族のあり方,変化や多様化を、社会学の視点で読み解く「家族社会学」領域とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2)近代家族に残された不平等:戦後の日本の家族社会学の研究動向について、戦前から1960年前後までは「家」および親族組織に関する制度的・理論的研究が主流だったが,それ以降,アメリカ社会学の影響を受け始めた近代家族に残された不平等として、「婚姻時の氏の選択」や婚姻年齢の男女差別、離婚後300日以内に生まれた子の嫡出子問題の概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3)産業の近代化と家族:産業構造や働き方の変化に伴う社会保障制度の問題点の概要を理解して説明できる。(4) 家族と社会状況の近代化:戦後に近代家族が社会の基礎単位となり、産業構造は戦後に急激な変化があったことの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。
キーワード ① 近代家族 ② 核家族 ③ 母子関係中心説 ④ 産業の近代化 ⑤ 近代家族と近代化
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】本時のシラバスの内容とテキストの該当箇所を熟読し、特に前回までに学修した基本的な知識を再度確認し授業に臨むこと。また、ノートパソコンとスケジュールの記入できる媒体を持参する。本科目では「家族の成立と変遷を概観して家族の形態や機能、役割を理解するとともに、今日の多様化する家族が抱える生活・健康課題に保健・医療専門職としてどのような関りが可能なのか、その技術と方策をもっての関わりあい」を中心に理解・説明できることを目標としており、事前にメールで送付された課題に取り組んだ上で授業に臨むこと。
【復習】配布資料および講義内容について振り返りをする。特にシラバスの本時の目標を達成するための細目レベルの内容と、履修判定指標を参照しながら、授業中に重要だと確認した用語解説は記述できるようにすること。授業中に作成したフラッシュカードABCを用いて全てのカードがAになるように復習し、不明な点などは、担当教員(岡)のオフィスアワー及び授業前後に質問すること。

4 家族・貧困・福祉 科目の中での位置付け 本科目は、家族社会学に関する基礎的な理解と実践的な能力を養うことを目的として実施する科目である。近年の家族社会学を巡る諸課題はグローバル化、複雑化している。地球環境の変動に伴う熱中症や豪雨災害、新型インフルエンザやCOVID-19などの感染症、食物アレルギーとアナフィラキシーへの対応など、家族社会学の対応も大きく変化せざるを得ない状況である。その為にも家族社会学の基本的な理解と、家族社会学で役に立つ実践力は重要である。主な内容は以下の通りである。1.「家族」の多様化と政治性、2.近代社会の編成原理とジェンダー、3.「近代家族」の成立、4.家族・貧困・福祉、5.福社レジーム類型と家族、6.結婚、7.未婚化という変化、8.就業と家族、9.私的領域における性別役割分業の実態、10.妊娠・出産・子育て、11.現代日本で子どもをもつということ一なぜ子どもをもつのか、12.親-成人子関係のゆくえ、13.成人子関係はどう変化したか、14.個人・家族・親密性のゆくえ、15.グローバル化と多民族・多国籍化する家族。4回目は、これらの中で「4.家族・貧困・福祉」を取り上げて具体的な課題とそれに対する多角的な検討を行い、家族社会学で役に立つ知識と技術を獲得することができる活動を行う。
家族・貧困·福祉
1はじめに一「一億総中流」から「格差」そして「貧困」へ⋯⋯(50)
2質困をめぐる議論⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯(52)
絶対的質困と相対的質困(52)
質困の原因に間する2つの見方ー個人?社会?(53)
3家族と質困一どのような家族が貧困状懸にあるのか⋯⋯⋯⋯55
女性の質困率
は男性よりも高い(55)
世帯類型と貧困
働いても質困からの脱出が難しい日本の母子世帯 (56)
質困の女性化(59)
コマ主題細目 ① 質困をめぐる議論 ② 質困の原因に間する2つの見方 ③ 世帯類型と貧困
細目レベル ① 質困をめぐる議論は、以下の7点の細目レベルに大別される。(1) 日本では1970年代後半以降,世論調査で「中流意識」をもつ人の割合が9割に達していることが明らかになり,日本社会を特徴づける重要なことばとして「一億総中流社会」が広く用いられるようになった。2.しかし,1990年代後半からは「格差社会」ということばが、さらに,200年代後半からはより深刻な「貧困」ということばで日本社会の問題がとらえられるようになっている。(2)絶対的貧困の概念:生命を維持するために必要な最低限の食料や安全が確保できない状況(一日1ドル以下で生活する人々を国際貧困基準by世界銀行)、貧困線などの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3)相対的貧困の概念:先進国の貧困問題として「所属する社会で通例となっていたり認められている食事や生活水準に必要な資源を欠いていたりする状態を相対的貧困とする(イギリスの社会学者タウンゼントTownsendによって提示された1979)。その社会的背景と課題を理解して説明できる。
② 質困の原因に関する2つの見方は、以下の7点の細目レベルに大別される。(1) 貧困問題の所在:貧困問題に対して政策的に解決をめざすためには,まず,どのような貧困がどこにどの程度あるのかなどについて現状把握をしなければならないこととその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 貧困調査:世界で最初に貧困調査を行ったイギリスのブース(Booth 1902-1903)の調査研究の概要とその結果が示す社会的課題を理解して説明できる。(3) 産業化による都市化:18世紀後半にもっとも早く産業化が始まったイギリスでは,仕事のために農村からロンドンに移り住んだ人々が急増したことを発端として発生した貧困の実相と国の制度と課題を理解して説明できる。(4) 深刻な貧困問題:急速な都市化に伴う人口急増にもかかわらず、社会インフラ等の整備が追いつかなかったため、ロンドンでは貧困問題が深刻となりスラムなど劣悪な環境が広がったことの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(5) 家族と質困:どのような家族が貧困状懸にあるのかの概要を把握し課題を理解して説明できる。
③ 世帯類型と貧困は、以下の3点の細目レベルに大別される。(1) 高齢者世帯:高齢者では単身世帯の貧困率は男性で約40%,女性では50%を突破している。すなわち1人で幕らす65歳以上の女性の2人に1人は貧困状態に置かれていることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 単身世帯:「単身世帯」が貧困に陥りやすい傾向は勤労世代(20~64歳)でも確認され、単身女性の3人に1人は貧困状態にあることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 母子世帯・貧困の女性化:注目されるのは勤労世代と子ども世代(20歳未満)のいずれにおいても「母子世帯」の約6割が貧困状態に置かれている点が理解できる。さらに女性の質困率の概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。
キーワード ① 一億総中流 ② 格差 ③ 貧困 ④ 母子世帯 ⑤ 質困の女性化
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】本時のシラバスの内容とテキストの該当箇所を熟読し、特に前回までに学修した基本的な知識を再度確認し授業に臨むこと。また、ノートパソコンとスケジュールの記入できる媒体を持参する。本科目では「家族の成立と変遷を概観して家族の形態や機能、役割を理解するとともに、今日の多様化する家族が抱える生活・健康課題に保健・医療専門職としてどのような関りが可能なのか、その技術と方策をもっての関わりあい」を中心に理解・説明できることを目標としており、事前にメールで送付された課題に取り組んだ上で授業に臨むこと。
【復習】配布資料および講義内容について振り返りをする。特にシラバスの本時の目標を達成するための細目レベルの内容と、履修判定指標を参照しながら、授業中に重要だと確認した用語解説は記述できるようにすること。授業中に作成したフラッシュカードABCを用いて全てのカードがAになるように復習し、不明な点などは、担当教員(岡)のオフィスアワー及び授業前後に質問すること。

5 福社レジーム類型と家族 科目の中での位置付け 本科目は、家族社会学に関する基礎的な理解と実践的な能力を養うことを目的として実施する科目である。近年の家族社会学を巡る諸課題はグローバル化、複雑化している。地球環境の変動に伴う熱中症や豪雨災害、新型インフルエンザやCOVID-19などの感染症、食物アレルギーとアナフィラキシーへの対応など、家族社会学の対応も大きく変化せざるを得ない状況である。その為にも家族社会学の基本的な理解と、家族社会学で役に立つ実践力は重要である。主な内容は以下の通りである。1.「家族」の多様化と政治性、2.近代社会の編成原理とジェンダー、3.「近代家族」の成立、4.家族・貧困・福祉、5.福社レジーム類型と家族、6.結婚、7.未婚化という変化、8.就業と家族、9.私的領域における性別役割分業の実態、10.妊娠・出産・子育て、11.現代日本で子どもをもつということ一なぜ子どもをもつのか、12.親-成人子関係のゆくえ、13.成人子関係はどう変化したか、14.個人・家族・親密性のゆくえ、15.グローバル化と多民族・多国籍化する家族。5回目は、これらの中で「5.福社レジーム類型と家族」を取り上げて具体的な課題とそれに対する多角的な検討を行い、家族社会学で役に立つ知識と技術を獲得することができる活動を行う。
1.教科書・国家試験問題の復習・予習、2.次時のフラッシュカード作成・本時のフラッシュカード復習、3.次時のリフレクションシートA作成
コマ主題細目 ① 福社レジーム類型と家族 ② 日本の生活保障システムの特微とその限界 ③ 社会的包摂に向けて⋯
細目レベル ① 福社レジーム類型と家族は、以下の5点の細目レベルに大別される。(1) リスク:私たちは人生を歩むうえで病気・けが,家族を失う,就職・解雇・倒産のリスクなど自分では基本的にコントロールできない点にリスクの特質があることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 階層的リスク:社会階層によってさらされる確率が異なるリスク(階層的リスク)があることを理解しその社会的背景と課題を考察して説明できる。(3) ライフコースにおけるリスク:ライフコースにおけるリスクを管理する中心的主体は、伝統的に家族とされてきたことの背景を考察、理解して説明できる。(4) 人生における貧困期:貧困は「子ども期」「子育て期」「高齢者期」に集中的に現れることの社会的背景と課題を理解して説明できる。(5)福社レジームの3類型:福社レジームの3類型は「自由主義」「社会民主主義」「保守主義」であることを把握してその社会的背景と課題を考察して説明できる。
② 日本の生活保障システムの特微とその限界は、以下の4点の細目レベルに大別される。(1) 福社レジーム3類型に対する批判:「自由主義」「社会民主主義」「保守主義」という福社レジーム3類型に対して、「労働市場の規制に関する考察の不十分さ」、「サードセクター役割の見落とし」などの批判があることを理解して考察できる。(2) 日本の福祉レジームはエスピンーアンデルセンの3類型のどれに該当するのだろうか(ヒントはグラデーション)。「男性稼ぎ主型」「両立支援型」「市場志向型」という生活保障システムの3類型 (大沢2007)の概要を把握してとその社会的背景を考察できる。(3) 生活保障システム:生活が持続的に保障され,社会参加の機会が確保されるために,家族や企業,コミュニティや協同組織,中央政府,地方政府などによって提供される財やサービス,政策などの全体を指す(大沢2007)ことを理解できる。(4) 「男性稼ぎ主型」では国家の役割が小さい一方,家族福祉と企業福祉が強固に相互補強しあっていることの概要とその社会的背景を説明できる。
③ 社会的包摂に向けては、以下の3点の細目レベルに大別される。(1) 貧困が経済的次元の資源欠如を問題とするのに対し,社会的排除は経済的要因,社会的要因,政治的要因が相互に絡み合いながら進行する累積的な不利益を指す概念であることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 「新しい社会的リスク」に対し日本ではもっぱら雇用や経済的苦境に焦点があてられているのに対し、EUでは移民やその子ども世代が「社会的包摂策」の主要な政策対象となっている貧困からの脱出のみならず,社会的・政治的活動への参加を通じて社会に統合していくことが目指されていることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 日本と関心のある複数の国を取り上げて、貧困率や離婚率、両性の賃金格差や教育費と、単親世帯への支援策の相関関係を調査・検討して、その社会的背景と課題を理解して説明できる。
キーワード ① 福社レジーム ② 3頼型 ③ 生活保障システム ④ 「男性稼ぎ主」型 ⑤ 社会的包摂
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】本時のシラバスの内容とテキストの該当箇所を熟読し、特に前回までに学修した基本的な知識を再度確認し授業に臨むこと。また、ノートパソコンとスケジュールの記入できる媒体を持参する。本科目では「家族の成立と変遷を概観して家族の形態や機能、役割を理解するとともに、今日の多様化する家族が抱える生活・健康課題に保健・医療専門職としてどのような関りが可能なのか、その技術と方策をもっての関わりあい」を中心に理解・説明できることを目標としており、事前にメールで送付された課題に取り組んだ上で授業に臨むこと。
【復習】配布資料および講義内容について振り返りをする。特にシラバスの本時の目標を達成するための細目レベルの内容と、履修判定指標を参照しながら、授業中に重要だと確認した用語解説は記述できるようにすること。授業中に作成したフラッシュカードABCを用いて全てのカードがAになるように復習し、不明な点などは、担当教員(岡)のオフィスアワー及び授業前後に質問すること。

6 結婚 科目の中での位置付け 本科目は、家族社会学に関する基礎的な理解と実践的な能力を養うことを目的として実施する科目である。近年の家族社会学を巡る諸課題はグローバル化、複雑化している。地球環境の変動に伴う熱中症や豪雨災害、新型インフルエンザやCOVID-19などの感染症、食物アレルギーとアナフィラキシーへの対応など、家族社会学の対応も大きく変化せざるを得ない状況である。その為にも家族社会学の基本的な理解と、家族社会学で役に立つ実践力は重要である。主な内容は以下の通りである。1.「家族」の多様化と政治性、2.近代社会の編成原理とジェンダー、3.「近代家族」の成立、4.家族・貧困・福祉、5.福社レジーム類型と家族、6.結婚、7.未婚化という変化、8.就業と家族、9.私的領域における性別役割分業の実態、10.妊娠・出産・子育て、11.現代日本で子どもをもつということ一なぜ子どもをもつのか、12.親-成人子関係のゆくえ、13.成人子関係はどう変化したか、14.個人・家族・親密性のゆくえ、15.グローバル化と多民族・多国籍化する家族。6回目は、これらの中で「6.結婚」を取り上げて具体的な課題とそれに対する多角的な検討を行い、家族社会学で役に立つ知識と技術を獲得することができる活動を行う。
4 結婚
1はじめに一一結婚は衰退しているのか,変化しているのか⋯⋯⋯(78)
マクロな視点とミクロな視点(78)
近代化と結婚一衰退論と適応論
本章の問い(80)
2結婚とは何か
結婚の機能(81)
制度としての結婚(84)
日本における結婚制度の変化一一明治民法の家制度から現行家族法へ86)
現行家族法における結婚制度の問題点(87)
社会の変化と結婚の変化(88)
コマ主題細目 ① 結婚は衰退しているのか ② 結婚とは何か ③ 日本における結婚制度の変化
細目レベル ① 結婚は衰退しているのかは、以下の4点の細目レベルに大別される。(1) ミクロとマクロ:結婚についての社会学的研究はミクロ(微視的)な視点からの研究とマクロ(巨視的な視点からの研究に大別できる。それぞれの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2):結婚衰退論:近代化によって「結婚は衰退している」という議論(結婚衰退論)の概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 結婚適応論:「社会に適応するために結婚は変化しているだけであり,衰退してはいない」という議論(結婚適応論)の概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(4) コントやル・プレーなど19世紀の社会学者は「家族(結婚)は衰退している」(Popenoe1988)と論じ、20世紀半ばになると社会学者たちは「家族(結婚)は衰退したのではなく,産業化・民主化した社会に適合するように変化したのだ」と論じた(ハワード1981)ことなどの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。
② 結婚とは何かは、以下の3点の細目レベルに大別される。(1) 結婚とは何か、をたとえば同棲と比較すれば,似ている点と異なる点の概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 家族には,「愛」「生殖」「生活保障(子どもの世話・教育も含む)」といった重要な機能があり、これらは家族にとって重要なだけでなく,社会にとっても人口の維持,労働力の再生産,文化の伝承と保持,社会の安定化などを意味し,家族がこのような機能を果たさないと社会は成り立たないことの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 結婚を国家に登録させる(たとえば戸籍登録)とともに,一定の権利や義務発生させ,一方的な離婚を否定して,結婚の安定化を図ろうとすることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。
③ 日本における結婚制度の変化は、以下の3点の細目レベルに大別される。(1) 結婚制度は時代や社会によっても変化する。なぜなら家族に期待される役割が変化するからであることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 第二次世界大戦後に家制度が廃止され現行家族法へ改正されるにともない,結婚制度も変化した。戦前は「家の問題」であった結婚は,「当事者個人の合意」に基く結婚へ,「不平等」な夫婦関係から,少なくとも形式的には「平等」の夫婦関係へと変化してきたことの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 現行家族法は実態として存在する夫婦間の不平等や性別分業(たとえぱ夫を家族の長とする意識や,女性より男性を優先する雇用慣行など)を是正する力 があっただろうかとの問いを立ててその社会的背景と課題を検討することができる。
キーワード ① 結婚 ② 衰退論 ③ 適応論 ④ 家制度 ⑤ 家族法
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】本時のシラバスの内容とテキストの該当箇所を熟読し、特に前回までに学修した基本的な知識を再度確認し授業に臨むこと。また、ノートパソコンとスケジュールの記入できる媒体を持参する。本科目では「家族の成立と変遷を概観して家族の形態や機能、役割を理解するとともに、今日の多様化する家族が抱える生活・健康課題に保健・医療専門職としてどのような関りが可能なのか、その技術と方策をもっての関わりあい」を中心に理解・説明できることを目標としており、事前にメールで送付された課題に取り組んだ上で授業に臨むこと。
【復習】配布資料および講義内容について振り返りをする。特にシラバスの本時の目標を達成するための細目レベルの内容と、履修判定指標を参照しながら、授業中に重要だと確認した用語解説は記述できるようにすること。授業中に作成したフラッシュカードABCを用いて全てのカードがAになるように復習し、不明な点などは、担当教員(岡)のオフィスアワー及び授業前後に質問すること。

7 未婚化という変化 科目の中での位置付け 本科目は、家族社会学に関する基礎的な理解と実践的な能力を養うことを目的として実施する科目である。近年の家族社会学を巡る諸課題はグローバル化、複雑化している。地球環境の変動に伴う熱中症や豪雨災害、新型インフルエンザやCOVID-19などの感染症、食物アレルギーとアナフィラキシーへの対応など、家族社会学の対応も大きく変化せざるを得ない状況である。その為にも家族社会学の基本的な理解と、家族社会学で役に立つ実践力は重要である。主な内容は以下の通りである。1.「家族」の多様化と政治性、2.近代社会の編成原理とジェンダー、3.「近代家族」の成立、4.家族・貧困・福祉、5.福社レジーム類型と家族、6.結婚、7.未婚化という変化、8.就業と家族、9.私的領域における性別役割分業の実態、10.妊娠・出産・子育て、11.現代日本で子どもをもつということ一なぜ子どもをもつのか、12.親-成人子関係のゆくえ、13.成人子関係はどう変化したか、14.個人・家族・親密性のゆくえ、15.グローバル化と多民族・多国籍化する家族。7回目は、これらの中で「7.未婚化という変化」を取り上げて具体的な課題とそれに対する多角的な検討を行い、家族社会学で役に立つ知識と技術を獲得することができる活動を行う。
3 末婚化という変化
未婚化が社会に与える影署(91)
未婚化の要因に関するさまぎまな仮説(91)
未婚化の要因に対するデータでの検討(93)
未婚化への社会的対応(96)
4 離婚における変化⋯⋯⋯⋯⋯⋯
統計からみる離婚の概況(97)
離婚についての意識(98)
離婚制度(99)
5 パートナーシップの多様化⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯
欧米の状況(103)
日本の状況(104)
コマ主題細目 ① 末婚化という変化 ② 離婚における変化 ③ パートナーシップの多様化
細目レベル ① 末婚化という変化は、以下の3点の細目レベルに大別される。(1) 未婚化は直接的に出生率を低下させる。出生率の低下は,人口減少につながる。それだけでなく、現役世代が少なく高齢世代が多いという人口構造をもたらすため,労働力人口の減少や社会保障費の増大を通じて,経済成長を抑制することの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) なぜ、未婚化が進行しているのか。「自発的未婚」説と「非自発的未婚」説、その中には男女ともに近年の雇用不安定化による結婚確率の低下も挙げられたが,性別役割分業があるために,低下の道筋は男女で異なることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3)未婚が社会に与える影響や末婚化の要因に関する多様な仮説、末婚化の要因に対するデータでの検討、末婚化への社会的対応などの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。
② 離婚における変化は、以下の3点の細目レベルに大別される。(1) 特に不況が深刻化したゼロ成長期には離婚率は戦後最高を記録したことの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 離婚率の変化は,人々の意識だけでは説明できず,経済状況(たとえば景気がよい時期には離婚しにくく,悪い時期には離婚しやすいかもしれないと理解できる。3.戦後日本の主な離婚制度は,①協議離婚,②調停離婚,③審判離婚,④和解離婚,⑤認諾離婚,⑥判決離婚であることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 統計からみる離婚の概況や離婚に対する意識、離婚制度(協議離婚と調停離婚など、積極的破綻主義と消極的破綻主義)などの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。
③ パートナーシップの多様化は、以下の3点の細目レベルに大別される。(1) 欧米では同棲の経験者が多数派を占めている。しかもフランスやスウェーデンのように,同棲を経て結婚に進むつもりの人より,結婚せずに同棲を続けるつもりの人のほうが多い国もあることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 欧米では,「婚外子をもつ」=「結婚の外あるいは前に出産がある」=「同居一妊娠一出産(一その一部は結婚)」が通常のライフスタイルになっていることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 日本で増えているのは「妊娠先行型結婚」=「結婚の前に妊娠。後に出産がある」=「妊娠一結婚一同居一出産」というライフスタイルであることが理解できることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。
キーワード ① 末婚化 ② 未断化の要因 ③ 離婚 ④ 離婚制度 ⑤ バートナーシップ
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】本時のシラバスの内容とテキストの該当箇所を熟読し、特に前回までに学修した基本的な知識を再度確認し授業に臨むこと。また、ノートパソコンとスケジュールの記入できる媒体を持参する。本科目では「家族の成立と変遷を概観して家族の形態や機能、役割を理解するとともに、今日の多様化する家族が抱える生活・健康課題に保健・医療専門職としてどのような関りが可能なのか、その技術と方策をもっての関わりあい」を中心に理解・説明できることを目標としており、事前にメールで送付された課題に取り組んだ上で授業に臨むこと。
【復習】配布資料および講義内容について振り返りをする。特にシラバスの本時の目標を達成するための細目レベルの内容と、履修判定指標を参照しながら、授業中に重要だと確認した用語解説は記述できるようにすること。授業中に作成したフラッシュカードABCを用いて全てのカードがAになるように復習し、不明な点などは、担当教員(岡)のオフィスアワー及び授業前後に質問すること。

8 就業と家族 科目の中での位置付け 本科目は、家族社会学に関する基礎的な理解と実践的な能力を養うことを目的として実施する科目である。近年の家族社会学を巡る諸課題はグローバル化、複雑化している。地球環境の変動に伴う熱中症や豪雨災害、新型インフルエンザやCOVID-19などの感染症、食物アレルギーとアナフィラキシーへの対応など、家族社会学の対応も大きく変化せざるを得ない状況である。その為にも家族社会学の基本的な理解と、家族社会学で役に立つ実践力は重要である。主な内容は以下の通りである。1.「家族」の多様化と政治性、2.近代社会の編成原理とジェンダー、3.「近代家族」の成立、4.家族・貧困・福祉、5.福社レジーム類型と家族、6.結婚、7.未婚化という変化、8.就業と家族、9.私的領域における性別役割分業の実態、10.妊娠・出産・子育て、11.現代日本で子どもをもつということ一なぜ子どもをもつのか、12.親-成人子関係のゆくえ、13.成人子関係はどう変化したか、14.個人・家族・親密性のゆくえ、15.グローバル化と多民族・多国籍化する家族。8回目は、これらの中で「8.就業と家族」を取り上げて具体的な課題とそれに対する多角的な検討を行い、家族社会学で役に立つ知識と技術を獲得することができる活動を行う。
就業と家族
1はじめに一ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて⋯⋯⋯(110)
2男女で大きく異なる働き方⋯⋯
3男女格差の温存と女性労働者の二極化
 「男女雇用機会均等法」による変化(116)
 役職にみられる男女格差の温存(117)
 男女間の大きな質金格差(117)
 「子育て」という障壁(119)
 女性労働者の二極化(119)
コマ主題細目 ① ワーク・ライフ・バランス ② 男女で大きく異なる働き方 ③ 男女格差の温存と女性労働者の二極化
細目レベル ① ワーク・ライフ・バランスは、以下の3点の細目レベルに大別される。(1) 少子高齢化が進む日本では,近い将来,大幅な労働力不足が見込まれている。その対応策として「高齢者の活用」や「移民の受け入れ」と並んで,熱い視線を注がれているのが「女性労働者の活用」であることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 女性の就業を組み込んだ社会システムへの転換一一個人の立場から見た場合には「ワーク・ライフ・バランス(worklife balance:仕事と生活の調和)」の実現男性の就業率は各国とも70~90%の間にほぽ収まるのに対し,女性の就業率は30~80%まで国によるばらつきが大きいことがわかることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 性別による就業率の違いは,社会の変化の方向性をとらえようとする場合,男性よりも女性の働き方に着目することがより有効であると理解できることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。
② 男女で大きく異なる働き方は、以下の4点の細目レベルに大別される。(1) 実態としては結婚後も仕事を継続する女性が増加しているわけだが,意識はどの程度変化しているのだろうかとの意識を持って検討し、その概要と社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 2012年以降、「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」という考え方に対する「賛成」の割合が、すべての年齢層で増加したが,なかでも20代の伸びの大きさが目を引くことの社会的背景と課題を理解して説明できる。(3)スウェーデンやデンマークと日本の女性の就業率を比較してその異同の概要と社会的背景を理解して説明できる。(4) スウェーデンやドイツ、アメリカと日本の年齢別の女性の就業率を比較してその異同の概要と課題を理解して説明できる。
③ 男女格差の温存と女性労働者の二極化は、以下の6点の細目レベルに大別される。(1) 女性は「適齢期」に結婚しそれと同時に仕事を辞め,家事育児に専念するという前提で働き方が決められていた。の概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 状況が大きく変わるきっかけとなったのは,1985年成立,1986年施行の「男女雇用機会均等法(正式名称:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律)」であることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 「男女雇用機会均等法」によって四大卒女性のチャンスは広がった反面、それ以外の大半の女性は従来どおりの女性の働き方を踏襲した「一般職」として採用されたため,「雇用機会均等法」は女性労働者のなかに分断を生み出したという批判もあることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(4) 近年、大きな問題となっているのは女性労働者内の二極分化であることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(5) 正規雇用の割合は1985年の時点で男性よりも女性は2割ほど少ない約7割(67.9%)だったが1990年代後半以降,急速に減少しその割合は2005年には47.5%と半数を切ったことの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(6)の概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。
キーワード ① ワーク・ライフ・バランス ② 男女格差の温存 ③ 女性労働者の二極化 ④ 男女雇用機会均等法 ⑤ 子育て
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】本時のシラバスの内容とテキストの該当箇所を熟読し、特に前回までに学修した基本的な知識を再度確認し授業に臨むこと。また、ノートパソコンとスケジュールの記入できる媒体を持参する。本科目では「家族の成立と変遷を概観して家族の形態や機能、役割を理解するとともに、今日の多様化する家族が抱える生活・健康課題に保健・医療専門職としてどのような関りが可能なのか、その技術と方策をもっての関わりあい」を中心に理解・説明できることを目標としており、事前にメールで送付された課題に取り組んだ上で授業に臨むこと。
【復習】配布資料および講義内容について振り返りをする。特にシラバスの本時の目標を達成するための細目レベルの内容と、履修判定指標を参照しながら、授業中に重要だと確認した用語解説は記述できるようにすること。授業中に作成したフラッシュカードABCを用いて全てのカードがAになるように復習し、不明な点などは、担当教員(岡)のオフィスアワー及び授業前後に質問すること。

9 私的領域における性別役割分業の実態 科目の中での位置付け 本科目は、家族社会学に関する基礎的な理解と実践的な能力を養うことを目的として実施する科目である。近年の家族社会学を巡る諸課題はグローバル化、複雑化している。地球環境の変動に伴う熱中症や豪雨災害、新型インフルエンザやCOVID-19などの感染症、食物アレルギーとアナフィラキシーへの対応など、家族社会学の対応も大きく変化せざるを得ない状況である。その為にも家族社会学の基本的な理解と、家族社会学で役に立つ実践力は重要である。主な内容は以下の通りである。1.「家族」の多様化と政治性、2.近代社会の編成原理とジェンダー、3.「近代家族」の成立、4.家族・貧困・福祉、5.福社レジーム類型と家族、6.結婚、7.未婚化という変化、8.就業と家族、9.私的領域における性別役割分業の実態、10.妊娠・出産・子育て、11.現代日本で子どもをもつということ一なぜ子どもをもつのか、12.親-成人子関係のゆくえ、13.成人子関係はどう変化したか、14.個人・家族・親密性のゆくえ、15.グローバル化と多民族・多国籍化する家族。9回目は、これらの中で「9.私的領域における性別役割分業の実態」を取り上げて具体的な課題とそれに対する多角的な検討を行い、家族社会学で役に立つ知識と技術を獲得することができる活動を行う。
4 私的領域における性別役割分業の実態⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯(123)
生活時間にみられるジェンダー差(123)
家事分担の規定
要因に関する仮説(125)
独身者やひとり親世帯の困難(128)
5 新たな家族モデル・社会保障の構築に向けて⋯⋯⋯(130)
コマ主題細目 ① 性別役割分業の実態 ② 家事分担の規定 ③ 新たな家族モデル・社会保障の構築
細目レベル ① 性別役割分業の実態は、以下の5点の細目レベルに大別される。(1) 生活時間にみられるジェンダー差の概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 日本女性の家事時間は、1日あたり199 分(約3時間強)であるのに対し、男性は 24分にすぎず、女性の6分の1程度にとどまる。子育てや介護といったケアの時間も女性 26分に対し,男性わずか7分であることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 国際的にみても日本男性の家事・育児関連時間の少なさはきわだっていることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(4) 男性には妻や子どもを経済的に支える「稼ぎ主役割」が期待されているからであることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(5) 夫の負担を軽減しようとすれば長時間あるいは正規雇用で働くことが求められる。しかし,その場合には家事・育児といったケア労働(無償労働)と,仕事(有償労働)の時間的両立といった問題がより大きく立ちはだかってくることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。
② 家事分担の規定は、以下の5点の細目レベルに大別される。(1) 日本では家庭内でも強固な性別役割分業が維持されているが,変化の兆しもみられることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 未婚化のさらなる進展や離婚率の上昇によって増加している独身者やひとり親世帯が、どのような問題を抱えているかを考えるとともにその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 女性独身者や母子世帯の母親の場合には、男性と比べて低い女性の賃金や、その結果としての低い年金額また、勤務先から得られる福利厚生の水準が一般的に低い(日本の企業では基本的に、男性を想定した「世帯主」に対して手厚い福利厚生が与えられているため)など、経済的問題が大きいことの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(4) 母子世帯や父子世帯といったひとり親世帯の場合には,1人で有償労働と無償労働の両方をこなさなければならないという問題も抱えていることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(5) 結婚していない男性については、親の介護のために仕事を辞めざるをえず、1人で介護を担うことによる社会的孤立や経済的困難の問題が最近,社会的関心を集めている。こうした厳しい状況が時には親への虐待につながってしまう問題も起きていることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。
③ 新たな家族モデル・社会保障の構築は、以下の5点の細目レベルに大別される。(1) 研究分野では、有償労働と無償労働を区別しつつ,日本的な働き方の特徴に焦点をあてて検討してきたことの社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 「女性には家事や育児などのケア役割の遂行の負担が重い一方,賃金や昇進,教育の機会などの男女格差が大きいため,仕事を続けることの時間的・経済的コストが高い状態が続いてきた。それが出産・育児をきっかけとして仕事を辞める女性の多さにつながっていることの社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 男性にとっても1人で「稼ぎ主役割」を担うことの負担は増している。第一子をもちたいという出生意欲は世帯年収が低い既婚男性で低く,また,フルタイムで働いている既婚女性では第二子出生意欲が低い(岩間2008)ことの社会的背景と課題を理解して説明できる。(4) 少子高齢化に起因する労働力不足うつ病などのメンタルヘルスの問題による休職者の増加,介護のために休職・離職する人の増加などを背景として,日本でも「ワーク・ライフ・バランス」の実現に向けての取り組みが始まっていることの社会的背景と課題を理解して説明できる。(5) 圧倒的多数を占める,中小企薬で働く労簡者や非正規雇用の労働者などの待週改善にはつながらない可能性が高いことの社会的背景と課題を理解して説明できる。
キーワード ① 私的領域 ② 性別役割分業 ③ ジェンダー差 ④ 新たな家族モデル ⑤ 社会保障の構築
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】本時のシラバスの内容とテキストの該当箇所を熟読し、特に前回までに学修した基本的な知識を再度確認し授業に臨むこと。また、ノートパソコンとスケジュールの記入できる媒体を持参する。本科目では「家族の成立と変遷を概観して家族の形態や機能、役割を理解するとともに、今日の多様化する家族が抱える生活・健康課題に保健・医療専門職としてどのような関りが可能なのか、その技術と方策をもっての関わりあい」を中心に理解・説明できることを目標としており、事前にメールで送付された課題に取り組んだ上で授業に臨むこと。
【復習】配布資料および講義内容について振り返りをする。特にシラバスの本時の目標を達成するための細目レベルの内容と、履修判定指標を参照しながら、授業中に重要だと確認した用語解説は記述できるようにすること。授業中に作成したフラッシュカードABCを用いて全てのカードがAになるように復習し、不明な点などは、担当教員(岡)のオフィスアワー及び授業前後に質問すること。

10 妊娠・出産・子育て 科目の中での位置付け 本科目は、家族社会学に関する基礎的な理解と実践的な能力を養うことを目的として実施する科目である。近年の家族社会学を巡る諸課題はグローバル化、複雑化している。地球環境の変動に伴う熱中症や豪雨災害、新型インフルエンザやCOVID-19などの感染症、食物アレルギーとアナフィラキシーへの対応など、家族社会学の対応も大きく変化せざるを得ない状況である。その為にも家族社会学の基本的な理解と、家族社会学で役に立つ実践力は重要である。主な内容は以下の通りである。1.「家族」の多様化と政治性、2.近代社会の編成原理とジェンダー、3.「近代家族」の成立、4.家族・貧困・福祉、5.福社レジーム類型と家族、6.結婚、7.未婚化という変化、8.就業と家族、9.私的領域における性別役割分業の実態、10.妊娠・出産・子育て、11.現代日本で子どもをもつということ一なぜ子どもをもつのか、12.親-成人子関係のゆくえ、13.成人子関係はどう変化したか、14.個人・家族・親密性のゆくえ、15.グローバル化と多民族・多国籍化する家族。10回目は、これらの中で「10.妊娠・出産・子育て」を取り上げて具体的な課題とそれに対する多角的な検討を行い、家族社会学で役に立つ知識と技術を獲得することができる活動を行う。
6 妊娠・出産・子育て
1はじめに一性・生殖と家族⋯⋯⋯⋯(138)
2少子化と戦後日本の家族⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯
 少子化の原因は何か?(140)
 ロマンティック・ラブ・イデオロギーと子どもを産むこと(143)
 少子化は続くのか?(146)
コマ主題細目 ① 性・生殖と家族 ② 少子化と戦後日本の家族 ③ ロマンティック・ラブ・イデオロギー
細目レベル ① 性・生殖と家族は、以下の4点の細目レベルに大別される。(1) 性と生殖は,家族的な関係をつくるための重要な契機であるという言説の社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 新生児は非常に無防備な状態で存在するので,なにがしかの信頼や契約といったものが前提とされなければ,生命の危険が生じうることを前提として、社会制度の状況や課題を考察し、理解して説明できる。(3) ロマンテイック・ラブ・イデオロギー(恋愛・性・結婚・妊娠・出産・子育ては家庭の中で行われるのが理想とする考え)はこれが婚姻関係のなかで生じることを理想とすることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(4)「日本はなぜ少子化しているのか?」、「他の先進諸国の状況や制度と何が違うのか?」、「日本で子育てをするときに生ずる困難にはどのようなものがあるのか?」などの問いを立ててグループディスカッションを行い、その社会的背景と課題を理解して説明できる。
② 少子化と戦後日本の家族は、以下の4点の細目レベルに大別される。(1) 少子化とは,出生率が人口の置換水準(ある社会の人口を,増減なく一定に保つことのできる水準)を下回ることであることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 人口の増減は,出生・死亡と人口移動によって決まり,少子化は人口減少をもたらすことの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 「働く女性説」「高学歴化説」などと,出生率との明らかな関係はみられないことの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(4) 出生率として女性1人が産む子ども数推計(合計特殊出生率:Total Fertility Rate(以下本講では「TFR」)とする。合計特殊出生率(TFR)が低下し続ける原因は何かを、その社会的背景と課題に整理して検討し説明できる。
③ ロマンティック・ラブ・イデオロギーは、以下の4点の細目レベルに大別される。(1) ロマンティック・ラブ・イデオロギーは欧米で成立した「愛・ 性・生殖の一致」を説く性規範であり、結婚した男女が愛のある性交渉を行なうことが正しいとする考え方であることを理解できる。(2) 現代の日本社会の性別役割分業を前提とする結婚観や家族観の優位性は、ロマンティック・ラブ・イデオロギーに強い影響を受けていることの社会的背景を考察して説明できる。(3)日本では、家族問題が頻出する一方で、社会システムは結婚・出産を前提とした生き方を拘束する社会制度となっていることの課題を理解して説明できる。(4) 性関係の帰結,つまり生殖もロマンティック・ラブ・イデオロギーに支配されているおり、戦後から現代まで,生殖は法的婚姻のなかで行われるべきという思想に支配されていることの課題を理解して説明できる。
キーワード ① 妊娠・出産 ② 子育て ③ 性・生殖と家族 ④ ロマンティック・ラブ・イデオロギー ⑤ 少子化
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】本時のシラバスの内容とテキストの該当箇所を熟読し、特に前回までに学修した基本的な知識を再度確認し授業に臨むこと。また、ノートパソコンとスケジュールの記入できる媒体を持参する。本科目では「家族の成立と変遷を概観して家族の形態や機能、役割を理解するとともに、今日の多様化する家族が抱える生活・健康課題に保健・医療専門職としてどのような関りが可能なのか、その技術と方策をもっての関わりあい」を中心に理解・説明できることを目標としており、事前にメールで送付された課題に取り組んだ上で授業に臨むこと。
【復習】配布資料および講義内容について振り返りをする。特にシラバスの本時の目標を達成するための細目レベルの内容と、履修判定指標を参照しながら、授業中に重要だと確認した用語解説は記述できるようにすること。授業中に作成したフラッシュカードABCを用いて全てのカードがAになるように復習し、不明な点などは、担当教員(岡)のオフィスアワー及び授業前後に質問すること。

11 現代日本で子どもをもつということ一なぜ子どもをもつのか 科目の中での位置付け 本科目は、家族社会学に関する基礎的な理解と実践的な能力を養うことを目的として実施する科目である。近年の家族社会学を巡る諸課題はグローバル化、複雑化している。地球環境の変動に伴う熱中症や豪雨災害、新型インフルエンザやCOVID-19などの感染症、食物アレルギーとアナフィラキシーへの対応など、家族社会学の対応も大きく変化せざるを得ない状況である。その為にも家族社会学の基本的な理解と、家族社会学で役に立つ実践力は重要である。主な内容は以下の通りである。1.「家族」の多様化と政治性、2.近代社会の編成原理とジェンダー、3.「近代家族」の成立、4.家族・貧困・福祉、5.福社レジーム類型と家族、6.結婚、7.未婚化という変化、8.就業と家族、9.私的領域における性別役割分業の実態、10.妊娠・出産・子育て、11.現代日本で子どもをもつということ一なぜ子どもをもつのか、12.親-成人子関係のゆくえ、13.成人子関係はどう変化したか、14.個人・家族・親密性のゆくえ、15.グローバル化と多民族・多国籍化する家族。11回目は、これらの中で「11.現代日本で子どもをもつということ一なぜ子どもをもつのか」を取り上げて具体的な課題とそれに対する多角的な検討を行い、家族社会学で役に立つ知識と技術を獲得することができる活動を行う。
3 現代日本で子どもをもつということ一なぜ子どもをもつのか(147)
誰が子育てしているか(149)
子育てを支える社会とは (151)
4 親とは誰か、子とは誰か
生殖補助技術と親子関係(153)
養子と里子(158)
望ましい子育て/支援政策を考えよう(160)
コマ主題細目 ① 子どもをもつということ ② 親とは誰か ③ 望ましい子育て
細目レベル ① 子どもをもつということは、以下の3点の細目レベルに大別される。(1) 子どもをもつなら、夫婦そろった家庭によって実現されるべき、という規範意識(ロマンティック・ラブ・イデオロギー)が現代日本において,妊娠先行型結婚(おめでた婚。できちゃった婚)の原因になっているとの推測を考察できる。(2) この規範意識が,社会全体としては少子化を促進するよう作用し ている。また日本の特徴は、1歳から3歳までの育児は母親だけに大きく依存していることであることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3)「少子化傾向は続くのか」、「子育てを支える社会とは」、「なぜ子どもを持つのか」、「誰が子育てしているのか」などの問いを立てて考察できる。
② 親とは誰か、子とは誰かは、以下の4点の細目レベルに大別される。(1) 育児支援が不足する日本であっても,子どもをもちたい・育てたいと願う人々は多く,現代では,急速に発達する生殖補助技術が人々に子どもをもたらしていることの社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 親とは誰か、人工授精・体外受精・代理出産の概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 人工授精:性関係を介さない生殖補助技術の代表である。精子を、性関係を介さないで卵子に人為的に受精に利用する技術であり、配偶者間での精子と卵子の人工授精または、非配偶者の精子を用いた人工授精があることを理解して説明できる。(4) 体外受精:卵子を人為的に体外に出して人工的に授精し、受精卵を子宮に入れる性関係を介さない生殖補助技術であり、画期的に性と生殖を切り離すものであることを理解して説明できる。
③ 望ましい子育ては、以下の4点の細目レベルに大別される。(1) 養子は,前近代から戦前まで,日本でよく行われた慣行であったことの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 養子はいわゆる家族的な関係のなかで養育されることになるが、これは要保護児童のうちの約1割であることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 要保護児童の9割、2万人以上が見童養護施設で暮らしており、これが,諸外国と比較して日本の児童養護の大きな特徴である(厚生労働省大臣官房統計情報部 2012 : 津崎 2009)ことの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(4) 里子は民法による親子関係の位置づけはなく、児童福祉法の「養育里親」「専門里親」制度や、親族による「親族里親」などがあることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。
キーワード ① 子どもをもつということ ② 誰が子育てしているか ③ 親とは誰か、子とは誰か ④ 生殖補助技術 ⑤ 養子と里子
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】本時のシラバスの内容とテキストの該当箇所を熟読し、特に前回までに学修した基本的な知識を再度確認し授業に臨むこと。また、ノートパソコンとスケジュールの記入できる媒体を持参する。本科目では「家族の成立と変遷を概観して家族の形態や機能、役割を理解するとともに、今日の多様化する家族が抱える生活・健康課題に保健・医療専門職としてどのような関りが可能なのか、その技術と方策をもっての関わりあい」を中心に理解・説明できることを目標としており、事前にメールで送付された課題に取り組んだ上で授業に臨むこと。
【復習】配布資料および講義内容について振り返りをする。特にシラバスの本時の目標を達成するための細目レベルの内容と、履修判定指標を参照しながら、授業中に重要だと確認した用語解説は記述できるようにすること。授業中に作成したフラッシュカードABCを用いて全てのカードがAになるように復習し、不明な点などは、担当教員(岡)のオフィスアワー及び授業前後に質問すること。

12 親-成人子関係のゆくえ 科目の中での位置付け 本科目は、家族社会学に関する基礎的な理解と実践的な能力を養うことを目的として実施する科目である。近年の家族社会学を巡る諸課題はグローバル化、複雑化している。地球環境の変動に伴う熱中症や豪雨災害、新型インフルエンザやCOVID-19などの感染症、食物アレルギーとアナフィラキシーへの対応など、家族社会学の対応も大きく変化せざるを得ない状況である。その為にも家族社会学の基本的な理解と、家族社会学で役に立つ実践力は重要である。主な内容は以下の通りである。1.「家族」の多様化と政治性、2.近代社会の編成原理とジェンダー、3.「近代家族」の成立、4.家族・貧困・福祉、5.福社レジーム類型と家族、6.結婚、7.未婚化という変化、8.就業と家族、9.私的領域における性別役割分業の実態、10.妊娠・出産・子育て、11.現代日本で子どもをもつということ一なぜ子どもをもつのか、12.親-成人子関係のゆくえ、13.成人子関係はどう変化したか、14.個人・家族・親密性のゆくえ、15.グローバル化と多民族・多国籍化する家族。12回目は、これらの中で「12.親-成人子関係のゆくえ」を取り上げて具体的な課題とそれに対する多角的な検討を行い、家族社会学で役に立つ知識と技術を獲得することができる活動を行う。
7 親-成人子関係のゆくえ
1はじめに一変化する親一成人子関係⋯
2親-成人子関係についての理論枠組み
  核家族狐立化論(168)
  修正拡大家族論(169)
  文化的規範論(169)
  人口学的要因論(169)
  政策·制度論(170)
3親ー成人子関係を取り巻く社会環境の変化
 産業化(171)
 人口学的変化一一長寿化と少子化(171)
 政策・制度の変化(172)
コマ主題細目 ① 親-成人子関係のゆくえ ② 成人子関係についての理論枠組み ③ 成人子関係を取り巻く社会環境の変化
細目レベル ① 親-成人子関係のゆくえは、以下の5点の細目レベルに大別される。(1) 親子関係は前期・中期・後期の3期に分けることができることを理解して説明できる。(2) 親子関係前期は「未成人子と親」の関係であり,子が幼少期や青年期(学校教育終了まで)の親子関係であることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 親子関係中期は「成人子と壮年期の親」の関係であり,子が学校教育終了後に就職して経済的に自立してから,親が高齢期になるまでの親子関係であることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(4) 親子関係後期は「成人子と高齢期の親」の関係であることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(5)の概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。
② 成人子関係についての理論枠組みは、以下の4点の細目レベルに大別される。(1) 核家族孤立化論(たとえば Parsons 1949)は,産業化にともない親 - 成人子は弱化すると考えることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 核家族孤立化論によれば産業化が進む前の、第一次産業漁業など)や自営業が中心の社会では、成人子は親と同居し、生計を共に同じ仕事を一緒にすることが多かったことの社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 成人子は親と同居し、生計を共に同じ仕事を一緒にする家族では仕事を通じて結ばれた父子関係が,母-娘関係より優位に扱われたことの社会的背景と課題を理解して説明できる。(4) 修正拡大家族論」、「文化的規範論」、「人口学的要因論」、「政策・制度論」などの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。
③ 成人子関係を取り巻く社会環境の変化は、以下の4点の細目レベルに大別される。(1) 産業構造の変化は,人々の就業形態にも影響を及ぼしたことの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 被雇用者(雇われて働く人,つまりサラリーマンノサラリーウーマン)と自営業で働く人(自営葉主と家族従業者)の比率をみると,1950年代では自営業のほうが多数を占めていたことの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 1960年代には両者の比率は逆転し,1980年以降は被雇用者のほうが圧倒的多数派になることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(4) 専業主婦のいる家族を優遇する政策によってさらに強化され(たとえば税制においては、配偶者控除の拡大による税負担の軽減。医療・年金などの社会保険においては、保険料負担なしで被扶養の妻を保険に加入させるということの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。
キーワード ① 親-成人子関係 ② 核家族狐立化論 ③ 人口学的要因論 ④ 長寿化と少子化 ⑤ 政策・制度の変化
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】本時のシラバスの内容とテキストの該当箇所を熟読し、特に前回までに学修した基本的な知識を再度確認し授業に臨むこと。また、ノートパソコンとスケジュールの記入できる媒体を持参する。本科目では「家族の成立と変遷を概観して家族の形態や機能、役割を理解するとともに、今日の多様化する家族が抱える生活・健康課題に保健・医療専門職としてどのような関りが可能なのか、その技術と方策をもっての関わりあい」を中心に理解・説明できることを目標としており、事前にメールで送付された課題に取り組んだ上で授業に臨むこと。
【復習】配布資料および講義内容について振り返りをする。特にシラバスの本時の目標を達成するための細目レベルの内容と、履修判定指標を参照しながら、授業中に重要だと確認した用語解説は記述できるようにすること。授業中に作成したフラッシュカードABCを用いて全てのカードがAになるように復習し、不明な点などは、担当教員(岡)のオフィスアワー及び授業前後に質問すること。

13 成人子関係はどう変化したか 科目の中での位置付け 本科目は、家族社会学に関する基礎的な理解と実践的な能力を養うことを目的として実施する科目である。近年の家族社会学を巡る諸課題はグローバル化、複雑化している。地球環境の変動に伴う熱中症や豪雨災害、新型インフルエンザやCOVID-19などの感染症、食物アレルギーとアナフィラキシーへの対応など、家族社会学の対応も大きく変化せざるを得ない状況である。その為にも家族社会学の基本的な理解と、家族社会学で役に立つ実践力は重要である。主な内容は以下の通りである。1.「家族」の多様化と政治性、2.近代社会の編成原理とジェンダー、3.「近代家族」の成立、4.家族・貧困・福祉、5.福社レジーム類型と家族、6.結婚、7.未婚化という変化、8.就業と家族、9.私的領域における性別役割分業の実態、10.妊娠・出産・子育て、11.現代日本で子どもをもつということ一なぜ子どもをもつのか、12.親-成人子関係のゆくえ、13.親-成人子関係はどう変化したか、14.個人・家族・親密性のゆくえ、15.グローバル化と多民族・多国籍化する家族。13回目は、これらの中で「13.成人子関係はどう変化したか」を取り上げて具体的な課題とそれに対する多角的な検討を行い、家族社会学で役に立つ知識と技術を獲得することができる活動を行う。
4親ー成人子関係はどう変化したか
 同居(178)
 相続(182)
 経済的援助と世話的援助(183)
 親一成人子の援助関係における「3つの原則の並存」(187)
5 少子高齢化・経済のグローバル化の影響(191)
コマ主題細目 ① 親ー成人子関係はどう変化したか ② 経済的援助と世話的援助 ③ 少子高齢化・経済のグローバル化の影響
細目レベル ① 親ー成人子関係はどう変化したかは、以下の4点の細目レベルに大別される。(1) 2007年からは,既婚子との同居より,未婚子との同居のほうが多くなったことの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 子の経済力説によれば子が低所得の場合は,経済力のある親に頼る必要があるため、夫方・妻方どちらの親とも同居しやすいという説の概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) この背景には,子の場合と同様,雇用・所得保障が中高年には手厚く,若い成人子には乏しいという制度の影響があることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(4) 相続は同居と関連が深い。なぜなら家や土地など不動産は同居している子に相続されることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。
② 経済的援助と世話的援助は、以下の4点の細目レベルに大別される。(1) 経済も世話もすべて「父系優先」といった関係は弱まったことの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 父系優先」といった関係に代わって「性別分業型の双系」つまり経済的援助は息子-親関係が中心で,世話的援助(家・育児・介護など)は娘ー親関係が中心という傾向がみられることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 親―成人子の援助関係における3つの原則の併存」:性別分業型の双型」、「男性稼ぎ主型」、「経済平等主義」などの概念とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(4) 「高齢者と子の同居・別居についての国際比較」、「親―成人子の援助関係ついての国際比較」の概要とその社会的背景と課題を資料を検討しながら把握して説明できる。
③ 少子高齢化・経済のグローバル化の影響は、以下の4点の細目レベルに大別される。(1) 経済のグローバル化による国際競争によって男性の雇用が不安定化し、個々の家庭においても女性の就業の必要性が高まっていることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) (A) 少子高齢化と(B) 経済のグローバル化により,(I) 家族による私的援助の必要性が高まるにもかかわらず,(II) 性別分業型の家族資源は減少するというジレンマが生じていることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 「男性が扶養し女性がケアするという性別役割分業型の家族資源の減少・不足・枯渇」の概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(4) 「新しいジェンダー・世代関係とそれを支える制度を作り上げる必要」と課題を理解して説明できる。
キーワード ① 同居 ② 相続 ③ 世話的援助 ④ 少子高齢化 ⑤ 経済のグローバル化
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
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小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】本時のシラバスの内容とテキストの該当箇所を熟読し、特に前回までに学修した基本的な知識を再度確認し授業に臨むこと。また、ノートパソコンとスケジュールの記入できる媒体を持参する。本科目では「家族の成立と変遷を概観して家族の形態や機能、役割を理解するとともに、今日の多様化する家族が抱える生活・健康課題に保健・医療専門職としてどのような関りが可能なのか、その技術と方策をもっての関わりあい」を中心に理解・説明できることを目標としており、事前にメールで送付された課題に取り組んだ上で授業に臨むこと。
【復習】配布資料および講義内容について振り返りをする。特にシラバスの本時の目標を達成するための細目レベルの内容と、履修判定指標を参照しながら、授業中に重要だと確認した用語解説は記述できるようにすること。授業中に作成したフラッシュカードABCを用いて全てのカードがAになるように復習し、不明な点などは、担当教員(岡)のオフィスアワー及び授業前後に質問すること。

14 個人・家族・親密性のゆくえ 科目の中での位置付け 本科目は、家族社会学に関する基礎的な理解と実践的な能力を養うことを目的として実施する科目である。近年の家族社会学を巡る諸課題はグローバル化、複雑化している。地球環境の変動に伴う熱中症や豪雨災害、新型インフルエンザやCOVID-19などの感染症、食物アレルギーとアナフィラキシーへの対応など、家族社会学の対応も大きく変化せざるを得ない状況である。その為にも家族社会学の基本的な理解と、家族社会学で役に立つ実践力は重要である。主な内容は以下の通りである。1.「家族」の多様化と政治性、2.近代社会の編成原理とジェンダー、3.「近代家族」の成立、4.家族・貧困・福祉、5.福社レジーム類型と家族、6.結婚、7.未婚化という変化、8.就業と家族、9.私的領域における性別役割分業の実態、10.妊娠・出産・子育て、11.現代日本で子どもをもつということ一なぜ子どもをもつのか、12.親-成人子関係のゆくえ、13.成人子関係はどう変化したか、14.個人・家族・親密性のゆくえ、15.グローバル化と多民族・多国籍化する家族。14回目は、これらの中で「14.個人・家族・親密性のゆくえ」を取り上げて具体的な課題とそれに対する多角的な検討を行い、家族社会学で役に立つ知識と技術を獲得することができる活動を行う。
8 個人・家族・親密性のゆくえ
1はじめに一新たな家族像の模索(198)
2公共圏内と親密圏
 「親密性」と「親密性の変容」(199)
 日本社会における「親密性」概念
 「親密圏」の2つのタイプー一欧米型と日本・韓国型(203)
コマ主題細目 ① 新たな家族像の模索 ② 「親密性の変容」 ③ 「親密圏」の2つのタイプ
細目レベル ① 新たな家族像の模索は、以下の4点の細目レベルに大別される。(1) 「単一民族神話(日本には日本人以外の民族はいない)」というフィクションが政治家によって公言される事態が繰り返されてきたことの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) こうした土壌がある日本では,少子高齢化による労働力不足への対応策の1つとして移民の受け入れが検討されていることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 移民の受け入れにあたって,民族や宗教,言語,国によって異なるそれぞれの集団の独自性や多様性を尊重するための政策も重要であることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(4) 家族像の模索において「グローバル化」、「公的領域」、「私的領域」などの概念とその社会的背景と課題を理解して説明できる。
② 「親密性の変容」は、以下の3点の細目レベルに大別される。(1) 日本社会には性別役割分業が根強く残っており,欧米の「親密性の変容」を下支えしたジェンダー平等のこの点に関わって,欧米と日本では「親密性」の定義や特徴が異なるという状況があることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) リスク回避的個人化とはひとりで生きる期間を延長するまたはそれに戻ることによって、近代生活における家族関連リスクを最小化しようとする諸個人の社会的傾向と定義されていることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 欧米のように何らかの「積極的な個人主義」が文化として確立されているわけではないことの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。
③ 「親密圏」の2つのタイプは、以下の4点の細目レベルに大別される。(1) 脱家族化とは家族生活の有効範囲や期間を意図的にコントロールすることによって,社会を再生産するために家族にかかる負担を減らそうとすることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 親密圏には欧米型の「性関係の中の関係性」というスタイルがあることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 親密圏には日本・韓国型の「共同性に依拠したケア中心の関係性」というスタイルもあることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(4) 「性関係の中の関係性」と「共同性に依拠したケア中心の関係性」という親密圏として異なる関係性の両方を含んでいるが,いずれも「再生産」機能を維持するにあたって必要な関係性であることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。
キーワード ① 親密性 ② 家族像 ③ 公共圏 ④ 日本社会における「親密性」 ⑤ 「親密圏」の2つのタイプ
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】本時のシラバスの内容とテキストの該当箇所を熟読し、特に前回までに学修した基本的な知識を再度確認し授業に臨むこと。また、ノートパソコンとスケジュールの記入できる媒体を持参する。本科目では「家族の成立と変遷を概観して家族の形態や機能、役割を理解するとともに、今日の多様化する家族が抱える生活・健康課題に保健・医療専門職としてどのような関りが可能なのか、その技術と方策をもっての関わりあい」を中心に理解・説明できることを目標としており、事前にメールで送付された課題に取り組んだ上で授業に臨むこと。
【復習】配布資料および講義内容について振り返りをする。特にシラバスの本時の目標を達成するための細目レベルの内容と、履修判定指標を参照しながら、授業中に重要だと確認した用語解説は記述できるようにすること。授業中に作成したフラッシュカードABCを用いて全てのカードがAになるように復習し、不明な点などは、担当教員(岡)のオフィスアワー及び授業前後に質問すること。

15 グローバル化と多民族・多国籍化する家族⋯ 科目の中での位置付け 本科目は、家族社会学に関する基礎的な理解と実践的な能力を養うことを目的として実施する科目である。近年の家族社会学を巡る諸課題はグローバル化、複雑化している。地球環境の変動に伴う熱中症や豪雨災害、新型インフルエンザやCOVID-19などの感染症、食物アレルギーとアナフィラキシーへの対応など、家族社会学の対応も大きく変化せざるを得ない状況である。その為にも家族社会学の基本的な理解と、家族社会学で役に立つ実践力は重要である。主な内容は以下の通りである。1.「家族」の多様化と政治性、2.近代社会の編成原理とジェンダー、3.「近代家族」の成立、4.家族・貧困・福祉、5.福社レジーム類型と家族、6.結婚、7.未婚化という変化、8.就業と家族、9.私的領域における性別役割分業の実態、10.妊娠・出産・子育て、11.現代日本で子どもをもつということ一なぜ子どもをもつのか、12.親-成人子関係のゆくえ、13.成人子関係はどう変化したか、14.個人・家族・親密性のゆくえ、15.グローバル化と多民族・多国籍化する家族。15回目は、これらの中で「15.グローバル化と多民族・多国籍化する家族」を取り上げて具体的な課題とそれに対する多角的な検討を行い、家族社会学で役に立つ知識と技術を獲得することができる活動を行う。
3グローバル化と多民族・多国籍化する家族⋯⋯
 日本における国際結婚の増加(205)
 韓国の「多文化家族支援法」(207)
4セクシュアル・マイノリティ(LGBT)
5多様化する家族の承認・包摂に向けて(211)
コマ主題細目 ① グローバル化と多民族・多国籍化する家族 ② セクシュアル・マイノリティ(LGBT) ③ 多様化する家族の承認・包摂に向けて
細目レベル ① グローバル化と多民族・多国籍化する家族は、以下の4点の細目レベルに大別される。(1) 日本における国際結婚の割合は 1965年にはわずか0.4%。しかし、1981年に1%に達し、6年後の1987年に2%を突破。その2年後の1989年には3%を突破したことの概要とその社会的背景と課題を理解できる。(2) 日本における国際結婚の中で、コミュニケーションがとれず,また,夫や義理の両親が外国人妻の存在そのものを隠す、また家庭内暴力を受ける女性の問題も深刻であることの社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 一方韓国では1990年には1.2%にすぎなかった国際結婚の割合は,2005年には13.6%まで増加し,8組に1組が国際結婚となった(櫻井2011) ことの概要とその社会的背景を理解できる。(4) 韓国では顕在化した子どもの教育問題などの解決をめざして2008年に制定されたのが「多文化家族支援法」である(櫻井2011:朴・坪田201) ことの概要とその社会的背景を理解できる。
② セクシュアル・マイノリティ(LGBT)は、以下の4点の細目レベルに大別される。(1) 異性愛に基づく結婚と血縁によって結ばれた家族を前提とする近代社会では、LGBTの人々の存在は不可視化され、認められない存在とされてきたことの概要とその社会的背景を理解できる。(2) 最近では当事者を中心に LGBTということばが用いられるようになってきたことの社会的背景を理解できる。(3) 同性愛に基づく親密な関係性,異性愛以外のさまざまな性的指向性や多様な性的アイデンティティといった性的多様性にも社会的・公的な承認が与えられるようになってきたことの社会的背景と課題を理解して説明できる。(4) スウェーデンにおいては出生率が上昇したといわれる「サンボ法(同棲法)」(1987年に成立し、翌1988年に施行された同棲者に対して、婚姻している夫婦同様の権利や保護を与える法律。結婚せずに別れた場合でも、この法律に従い住居・家財は平等に分け、父親には子の養育費を支払う義務が生じることの社会的背景と課題を説明できる。
③ 多様化する家族の承認・包摂に向けては、以下の3点の細目レベルに大別される。(1) 法制度,雇用・労働慣行,社会保障制度などは依然として性別役割分業型の家族を前提としていることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(2) 性別役割分業型の家族形態をとらないひとり親世帯や単身世帯,独身者,夫婦のみ世帯で暮らす高齢者といった人々が社会保障の網の目からこぼれおちており,社会保障制度の有効性が低下していることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。(3) 多様化する家族を承認・包摂する「中立的な」社会保障制度への転換を図ることが,結果として少子化対策にもつながることの概要とその社会的背景と課題を理解して説明できる。
キーワード ① 多民族・多国籍 ② 国際結婚 ③ 多文化家族支援法 ④ セクシュアル・マイノリティ(LGBT). ⑤ 承認・包摂
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習】本時のシラバスの内容とテキストの該当箇所を熟読し、特に前回までに学修した基本的な知識を再度確認し授業に臨むこと。また、ノートパソコンとスケジュールの記入できる媒体を持参する。本科目では「家族の成立と変遷を概観して家族の形態や機能、役割を理解するとともに、今日の多様化する家族が抱える生活・健康課題に保健・医療専門職としてどのような関りが可能なのか、その技術と方策をもっての関わりあい」を中心に理解・説明できることを目標としており、事前にメールで送付された課題に取り組んだ上で授業に臨むこと。
【復習】配布資料および講義内容について振り返りをする。特にシラバスの本時の目標を達成するための細目レベルの内容と、履修判定指標を参照しながら、授業中に重要だと確認した用語解説は記述できるようにすること。授業中に作成したフラッシュカードABCを用いて全てのカードがAになるように復習し、不明な点などは、担当教員(岡)のオフィスアワー及び授業前後に質問すること。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
家族の多様化と政治 保健・医療職に求められる家族社会学に関する基本的知識を学ぶ。具体的には、明治期以降の日本近代の家族は非民主主義的な家制度に基づき、情緒的「家庭」イメージを形成し、近代国民国家の形成・確立に連動させるという政治性をもつことを理解する。そこには、女性は妻・母、「家庭」の主役として、自己形成を促がされ、夫婦別姓はもちろん、個人としてのライフイベントは否定された。現代の家族形態の変化やライフスタイルの多様化は、家族の構成員たる個人の生活、制度、文化等への意識変化を促した。家族や世帯の中の個人が今をより意識的に、創造的に生きることは、とりもなおさず、その集団としての家族、世帯の幸福度をより増していくことは理解に難くない。夫婦・家族制度のより幸福的、創造的発展への布石と言えることを理解・説明できる。
多様化と政治性、夫婦別姓、ライフイベント 10 1
近代社会とジェンダー 保健・医療職に求められる家族社会学に関する基本的知識を修得する。具体的には、近代社会の産業構造の再編成と重化学工業に代表される近代化政策によって、戦後日本の経済と産業は、大きく変貌を遂げる。「集団としての家族」は資本の吸引力によって首都圏に寄せ集められるか、あるいは自らの生活手段確保の必要性から社会的生産過程、つまり資本主義的商品生産過程に組み入れられる。これは必然的に、血縁的・地縁的共同体関係あるいは、共同体的相互扶助機能からも解放される。労働者家族はだから共同体的「自助」機能を喪失して、家族自身が孤立化せざるをえない、いわゆる核家族の成立である。一方、職場にあっては「公的領域:労働」は男性稼ぎ手、家庭にあっては「私的領域:家事」は女性の無償労働、という役割の固定化が進んだ。ジェンダー論(固定的性役割否定論)は職場から家庭へと徐々に浸透しつつあることを説明・理解できる。
近代社会の編成、産業の近代化、核家族 10 2.3
家族・貧困・福祉 保健・医療職に求められる家族社会学に関する基本的知識を修得する。具体的には、日本は戦後、総中流社会から格差社会を経て深刻な貧困社会に変化し、社会的排除が経済的,社会的,政治的に累積的な不利益を生んでいることが理解できる。さらに、「絶対的貧困」と「相対的貧困」概念の視点から、「新しい社会的リスク」に対して現代の日本は生殖と婚姻が不可分とされる一方、独居高齢女性の半数や母子世帯の6割が貧困に陥り、「社会的包摂」と対極の「社会的排除」が経済・社会・政治的に累積的不利益を生んでいる状況を考察し、説明することができる。
格差、質困の女性化、生活保障システム 10 4.5.6.10
結婚・妊娠・出産・育児 保健・医療職に求められる家族社会学に関する基本的知識を修得する。具体的には、結婚のミクロ及びマクロ的な社会学的研究や、衰退論と適応論を概観して、家族が「愛」「生殖」「生活保障(子どもの世話・教育などを含む)」だけでなく、人口維持や労働力の再生産、文化の伝承・保存や社会の安定などの機能を果たしていることを理解できる。さらに、合意に基づく夫婦間の平等を定めた現行家族法にもかかわらず、日本では今なお、性別役割分業意識や女性より男性を優先する雇用慣行などが根強い現状への問いを立て、解決に向けた官民による方策を考察することができる。
結婚・出産、家族法、子育て 10 6.10
就業・未婚化・晩婚化 保健・医療職に求められる家族社会学に関する基本的知識を修得する。具体的には、不況の深刻化による未婚化、出生率低下、労働力減少と社会保障費増大が経済成長を抑制する負のスパイラルを概観し、大幅な労働力不足の対応策に女性労働者の活用を組み込んだ社会システム転換「ワーク・ライフ・バランス(work life balance:仕事と生活の調和)」の流れに着目する。1985年「男女雇用機会均等法「男女雇用機会均等法」が女性のキャリアをサポートした反面、女性労働者内の二極分化が進み正規雇用率が2005年は半数を切ったことの背景を考察し説明することができる。 就業と家族、末婚化、ワーク・ライフ・バランス 10 7.8
性別役割分業 保健・医療職に求められる家族社会学に関する基本的知識を修得する。具体的には、産業構造が農業中心の前近代では「有償労働」と「再生産領域」が分離していなかったが、近代以降、労働などが「公的領域」として位置付けられ、「ヒトの生産」を行う「私的領域」として位置づけられるようになったのは家事であることが理解できる。また、一般に「セックスは生物学的な性差」を意味するのに対し,「ジェンダーは社会的・文化的な要因によって規定される性差」と理解されることや、日本では依然として性別役割分業が根強く残っているため,日本の「家族」を読み解く際には、ジェンダーの視点が欠かせないことを理解できる。 セックスとジェンダー、性別役割分業、新たな家族モデル 10 2.9
現代日本と家族 保健・医療職に求められる家族社会学に関する基本的知識を修得する。具体的には、日本の特徴は戦後から現代まで婚姻関係での「性と生殖」を理想とするロマンティック・ラブ・イデオロギーに支配され、妊娠先行型結婚(おめでた婚)の原因にもなり、全体としては少子化を促進している。さらに3歳までの育児は母親だけに大きく依存している。一方、合計特殊出生率:Total Fertility Rate(TFR)と「働く女性説」「高学歴化説」の明らかな関係はみられず、育児支援不足の日本でも子どもを産み育てたい人は多く、生殖補助技術がそれを助けている。また、養子は要保護児童の約1割で残り9割(2万人以上)が児童養護施設で暮らしていることも諸外国に比して日本の大きな特徴であることが理解できる。 性・生殖と家族、ロマンティック・ラブ・イデオロギー、養子と里子 10 10.11
親-成人子関係 保健・医療職に求められる家族社会学に関する基本的知識を修得する。具体的には、成人子・親が同居、生計・仕事を一にした第一次産業社会は、仕事を通じた父子関係が母-娘関係より優位に扱われた。しかし産業構造の変化で被雇用者が圧倒的多数になり、専業主婦優遇政策(配偶者控除拡大による税負担軽減、医療・年金など社会保険は保険料負担なしで被扶養の妻を保険に加入させるなど)でさらに強化されたことを理解できる。2007年以降、「子の経済力説:親と未婚子の同居が多くなった」背景は雇用・所得保障が中高年に手厚く若い成人子に乏しい制度の影響がある。家や土地など不動産の相続は同居している子に相続されることが多い。経済も世話も「父系優先」から、経済援助は息子-親関係、世話的援助(家・育児・介護など)は娘-親関係の「性別分業型双系」傾向がみられる。経済のグローバル化・国際競争による男性雇用の不安定化で女性就業の必要性が高まっている。少子高齢化と経済のグローバル化で私的援助の必要性が高まるにもかかわらず性別分業型の家族資源は減少するジレンマが生じていることが理解でき説明することができる。 親-成人子関係、長寿化と少子化、世話的援助 10 12.13
個人・家族・親密性 保健・医療職に求められる家族社会学に関する基本的知識を修得する。具体的には、「日本には日本人以外の民族はいない」という単一民族神話が政治的に喧伝されてきた日本で、少子高齢化対応策の移民受け入れには、民族・宗教・言語など独自性・多様性を尊重する政策が重要である。性別役割分業が強く、欧米のジェンダー平等性・「親密性の変容」と異なる日本は、欧米のような「積極的個人主義」も確立していない。性関係の親密圏(欧米型)やケア中心の親密圏(日本・韓国型)がいずれも「再生産」に必要であるが、家族生活の範囲や期間をコントロールして社会の「再生産」に必要な家族負担を減らす「脱家族化」ことが理解できて説明することができる。 家族像、公共圏、親密性 10 14
グローバル化と多国籍化 保健・医療職に求められる家族社会学に関する基本的知識を修得する。具体的には、政策的に増加してきた日本の国際結婚は、言語コミュニケーションの壁や夫や義理の両親が外国人妻の存在を隠す、家庭内暴力を受けるなど深刻化している。韓国では、国際結婚による子どもの教育問題解決などのために「多文化家族支援法」が制定された。一方、異性愛に基づく結婚と血縁家族を前提とする近代社会で、LGBTの存在は不可視化されてきた。また、ひとり親世帯や単身世帯、夫婦のみ高齢者世帯なども社会保障のセーフティーネットから落ちて社会保障制度の有効性が低下している。多様化する家族を承認・包摂する「中立的」社会保障制度への転換を図ることが少子化対策にもつながることが理解でき、説明できる。 多民族・多国籍、国際結婚、承認・包摂 10 15
評価方法 定期試験 100%
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 「問いからはじめる家族社会学―多様化する家族の包摂に向けて―」、有斐閣ストゥディア、2022、ISBN:978-4-641-15093-5、1,800円+税
参考文献 国民衛生の動向2020/2021 (厚生労働統計協会)2,450円+税
実験・実習・教材費