区分
専門基礎科目-人体の構造と機能
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力
倫理観
専門性探求
地域社会貢献
グローバル性
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性
広い視野
知識・技術
判断力
探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
看護の対象となる患者さんの病気を理解するための基礎知識を学ぶ
科目の目的
生体を構成する各臓器について、その構造とはたらきに関する基礎的な知識を習得する。臓器の正常の構造と機能を正しく理解することにより、機能障害や疾病と関連づけて、臨床で必要とされる基本的な知識を身につける。国家試験で要求される水準の知識を、1年生から確実に学習する。この科目では、解剖生理学のうち、看護の土台となる解剖生理学、細胞と組織、皮膚と膜、血液(赤血球、白血球、血小板と凝固機能)、循環器系(心臓、動脈、静脈、門脈、リンパ管)呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。看護学とは病的状態のヒトとの関わりかたを学ぶ学問であり、まずは臓器の正常の構造と機能を十分に理解してこそどこが病的なのかを知ることが出来るので、この科目はすべての基礎となる内容を含んでいて極めて重要である。
到達目標
人体を構成する各々の臓器の構造とはたらきを説明できる。各臓器の代表的な疾病と関連づけて、臓器の正常なはたらきと機能不全の状態との違いを理解する。人体の解剖と生理に関する看護師国家試験問題レベルの基本的な知識を身につける。具体的項目については、履修判定指標を参照。
科目の概要
看護の土台となる解剖生理学、細胞と組織、皮膚と膜、血液(赤血球、白血球、血小板と血液凝固、血液型と輸血)、循環器系(心臓、血管、リンパ系)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)について、各々の構造と機能について学習する。ここでは、同じ働きを持つ人体の各部分をまとめて機能別に学ぶ系統解剖学の考え方から、それぞれの臓器について、構造(解剖学)と機能(生理学)を同時に並行して学習する。それぞれの項目に関連する臨床的に頻度の高い代表的な疾病を例示し、各々の病態、発病のしくみ、治療法と関連づけながら、臓器の正常な構造・はたらきと機能不全状態(病気)のちがいを理解する。科目担当教員は、京都大学医学部附属病院及び愛媛大学医学部附属病院で医学教育、外科医として手術・術後管理を担当した。
科目のキーワード
解剖学、生理学、ホメオスタシス、フィードバック、細胞、組織、膜、体温、血球、血液凝固、心臓、動脈、静脈、門脈、リンパ管、呼吸、ガス交換、⾷物、栄養素、消化酵素、排泄、⾎液濾過、濃縮
授業の展開方法
解剖生理学は人体の構造と機能を学ぶ学問であるが、構造については、教科書の図に示された体のさまざまな部位の名称を新たに覚える必要がある。たとえば「おしり→臀部」のように日常では使用しない医学用語、胸鎖乳突筋のようにどこにあるのかわからない筋肉の名前などを正しく漢字で看護記録に記載できるようにならなければならない。また機能については、様々な臓器のはたらきが模式的に教科書の図表に説明されている。そこで、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の本文の記述を忠実にたどりながら、掲載されている図表の解説をすすめる。また必要に応じて理解を深めるための参考資料を配付する。また講義の理解度を自己点検するため「manaba」を用いた小テストを実施する。
オフィス・アワー
研究室704:火曜2限
E-mail:k-honda@uhe.ac.jp
科目コード
ERD01
学年・期
1年・前期
科目名
解剖生理学Ⅰ
単位数
2
授業形態
講義
必修・選択
必修
学習時間
【講義】60h
【予習・復習】30h
前提とする科目
高校の生物
展開科目
病理学、疾病・治療論Ⅰ、疾病・治療論Ⅱ、疾病・治療論Ⅲ
関連資格
看護師資格 保健師資格
担当教員名
本田和男・松山キャンパス教務課
回
主題
コマシラバス項目
内容
教材・教具
1
看護の土台となる解剖生理学
科目の中での位置付け
この科目では、看護の土台となる解剖生理学、細胞と組織、皮膚と膜、血液(赤血球、白血球、血小板と凝固機能)、循環器系(心臓、動脈、静脈、門脈、リンパ管)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。看護の土台となる解剖生理学では、解剖学・生理学の基本的概念、解剖学的用語、ホメオスタシス、フィードバック機構について学習する。細胞と組織(体を構成するしくみ)では、細胞の構造、細胞の機能、細胞の分化と成長、老化、上皮組織、支持組織、筋組織、神経組織について学数する。皮膚と膜(体や臓器を守るしくみ)では体内の膜、皮膚、体熱産生と体温について学習する。このコマでは、解剖学、生理学、解剖生理学と看護、解剖学的用語、ホメオスタシス、フィードバック機構について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」12頁~27頁
コマ主題細目
① 解剖学、生理学とは ② 解剖学的用語 ③ ホメオスタシスとフィードバック
細目レベル
① 解剖学には、系統解剖学(同じ機能を持つ人体の部分をまとめて学ぶ。呼吸器系、循環器系などの分けて学ぶ)、局所解剖学(人体のある部分(例えば頭部)に何があるか学ぶ。外科手術と関連が深い)、肉眼解剖学(メスやピンセットを用い肉眼で人体の構造を観察する)、顕微鏡解剖学(光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いて体の微細構造を調べる方法をいい、組織学とも呼ばれる)がある。生理学は人体の構成要素(細胞、組織、器官、器官系)の固有の働き(機能)を学ぶ学問で、各構成要素の機能とともに構成要素相互の作用も重要である。実際の看護の現場では、経験的に良いとわかっている看護行為にはそれを証明する科学的事実があり、解剖生理学の知識はそれらの事実を理解する助けになる。この科目では生理学と同時に学ぶので系統解剖学の方法で講義をすすめる。
② 人体のどこに何があるかを理解するためには、人体を小さく区切ると便利である。解剖学的正常位は基本となる姿勢で、両足を前に向けて直立し、上肢をわきに垂らし手掌を前に向け手指を伸ばした状態である。臨床で用いる良肢位の元となる。上肢は手と前腕と上腕、下肢は足と下腿と大腿を意味する。解剖学では手は手首から先だけ、足は足首から先だけを意味するので注意が必要である。人体の断面を示す用語として、矢状面(人体を左右に分ける面で、左右対称に分ける面は正中矢状面)、前頭面(人体を前後に分ける面)、水平面(人体を水平に上下に分ける面)がある。これらの面は、CT(コンピューター断層撮影)やMRI(核磁気共鳴画像撮影法)の画像を読影するときに重要である。体幹は、頭、頸(前面は頸、後面は項)、胸(前面)、腹(前面)、背(胸腹部の後面)、骨盤(後面上方が腰、後面下方が臀部)からなる。体腔としては胸腔と腹腔があり、それぞれ胸部内臓(心臓や肺など)腹部内臓(消化管や肝臓膵臓など)を収める。
③ 生体では、絶えず変化する外界の刺激に対して、体内環境を限られた一定の範囲内に保とうとするしくみがあり、これをホメオスタシス(恒常性)と呼ぶ。生体には環境の変化を感知するセンサー(受容器)の情報を元に調節中枢が指示を出し、エフェクター(効果器)により恒常性が保たれている。外部からの入力があるシステムで変換されて出力される場合に、その出力が入力にもどされて入力を調節することをフィードバックとよぶ。生体内で見られるフィードバックは、ほとんどが負のフィードバック(出力が多くなると入力を少なくして安定させる)である。生体内で正のフィードバック(出力が増加するとさらに出力を増大させるように制御する)がおこるのは、分娩時のホルモン制御(オキシトシンによる子宮の収縮が始まるとさらにオキシトシンの分泌量を増やして分娩を促進する)など限られた場合である。
キーワード
① 系統解剖学、生理学 ② 解剖学的正常位、矢状面、前頭面、水平面 ③ 恒常性、受容器、効果器、負のフィードバック、正のフィードバック
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」12頁~27頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
2
細胞の構造
科目の中での位置付け
この科目では、看護の土台となる解剖生理学、細胞と組織、皮膚と膜、血液(赤血球、白血球、血小板と凝固機能)、循環器系(心臓、動脈、静脈、門脈、リンパ管)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。看護の土台となる解剖生理学では、解剖学・生理学の基本的概念、解剖学的用語、ホメオスタシス、フィードバック機構について学習する。細胞と組織(体を構成するしくみ)では、細胞の構造、細胞の機能、細胞の分化と成長、老化、上皮組織、支持組織、筋組織、神経組織について学数する。皮膚と膜(体や臓器を守るしくみ)では体内の膜、皮膚、体熱産生と体温について学習する。このコマでは、細胞の大きさ、成り立ち、核、細胞膜、細胞質ゾル、細胞内小器官ついて学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」28頁~39頁
コマ主題細目
① 細胞の大きさ、成り立ち ② 核 ③ 細胞膜、細胞質、細胞内小器官
細目レベル
① 細胞は直径10~30マイクロメーターのものが多い。形態は、球形、立方形、柱状、紡錘形、星形など多種多様である。細胞は半透膜である細胞膜に包まれで外界と境されている。内部は、核と細胞質に分けられる。細胞質には、一定の形態を持ち特有の機能を営む構造物があり、これを細胞内小器官という。細胞は、元素に分解すると炭素、酸素、水素、窒素の4種類が最もが多く含まれていてこれらの元素を元にして有機化合物がくくられる。主な有機化合物は、糖質(単糖類、二糖類、多糖類)、脂質(脂肪酸、中性脂肪、リン脂質、コレステロール、プロスタグランディン)、アミノ酸とアミノポリマー(ペプチド、タンパク質)、核酸(DNA、RNA)を作っている。その他は数種類の元素(カリウム、ナトリウム、カルシウム、鉄、要素、マグネシウム、亜鉛、塩素、硫黄、リン等)からなる。
② 核は細胞の構造と機能の遺伝的特性を決定する中枢である。核に含まれる遺伝子が細胞の代謝活性をコントロールし、生命現象を決定づける。遺伝子の本体はDNAで、いわば人体を作る設計図で生命活動に必要なすべての遺伝情報が含まれている。DNAには2つの役割があり、一つは細胞分裂の時にDNAが複製され遺伝情報を新しい細胞に伝える。またDNAは体を構成するタンパク質のアミノ酸配列情報をmRNAに伝え、mRNAは核から細胞質のリボソームに移動して、アミノ酸配列が規定されさまざまなタンパク質が作られる。核は核膜によって細胞質から隔てられ、核の内部は核質と呼ばれ染色質(クロマチン)と核小体、核液からなる。染色質は細胞分裂の時にらせん状に凝縮して光学顕微鏡で染色体として観察される。ヒトの染色体数は46本で、22対の常染色体と1対の性染色体からなる。
③ 細胞膜はリン脂質の二重層からなり、コレステロールやタンパク質が膜を貫通している。細胞膜のリン脂質は水をはじきほとんどの水溶性分枝を通さないため、細胞内の水溶性成分の流出を防ぐ。膜タンパク、はイオンチャンネルタンパク、膜ポンプタンパク、輸送タンパクなどで、水やイオン、水溶性分子を必要に応じて通過させる。又酵素やレセプターとしても働く。ミトコンドリアは細胞内エネルギー物質であるATPを作っている場である。小胞体はタンパク質や脂質の合成に関与し物質の細胞内輸送を行う。粗面小胞体は表面にリボソームが付着していて、タンパク質合成の盛んな分泌細胞で発達している。滑面小胞体はリボソームが付着していないもので、コレステロール、脂質の合成に関与する。ゴルジ装置はタンパク質を濃縮し、多糖類を付加したり一部を切り落としたりして修飾し膜で包装して分泌顆粒として送り出す。リボソームはタンパク質を合成する場である。リソソームは加水分解酵素を含み異物や老廃物を消化する。
キーワード
① 糖質、脂質、有機化合物、元素 ② DNA、mRNA、染色体 ③ リン脂質、二重層、ミトコンドリア、リボソーム、リソソーム
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」28頁~39頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
3
細胞の機能
科目の中での位置付け
この科目では、看護の土台となる解剖生理学、細胞と組織、皮膚と膜、血液(赤血球、白血球、血小板と凝固機能)、循環器系(心臓、動脈、静脈、門脈、リンパ管)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。看護の土台となる解剖生理学では、解剖学・生理学の基本的概念、解剖学的用語、ホメオスタシス、フィードバック機構について学習する。細胞と組織(体を構成するしくみ)では、細胞の構造、細胞の機能、細胞の分化と成長、老化、上皮組織、支持組織、筋組織、神経組織について学数する。皮膚と膜(体や臓器を守るしくみ)では体内の膜、皮膚、体熱産生と体温について学習する。このコマでは、細胞と間質との間の物質輸送、細胞分裂と遺伝情報細胞の分化と成長、細胞の老化について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」39頁~51頁
コマ主題細目
① 細胞と間質の間の物質輸送 ② 細胞分裂と遺伝情報 ③ 分化、成長、老化
細目レベル
① 細胞は細胞膜で外部から隔てられることによりきわめて特異性の高い内部環境を保っている。そのため細胞膜は物質の種類や状態によって通過させたりさせなかったりする選択的透過性を持っている。膜を通過しての物質輸送には、受動輸送と能動輸送がある。受動輸送は濃度勾配に従って物質が単純拡散することによっておこる。分子量の大きい物質が担体の助けを借りて拡散することを促進拡散という。半透膜を水が拡散することを浸透といい、水の浸透を防ぐ力を浸透圧という。細胞内液と同じ浸透圧であれば等張液、高ければ高張液、低ければ低張液という。能動輸送は、エネルギーを使って膜を通過する。溶質ポンプ輸送、エンドサイトーシス、エキソサイトーシスがある。
② 体細胞の分裂では1個の細胞から遺伝的に全く等しい2個の娘細胞が作られる。同じ遺伝情報を2個の娘細胞に渡すために、DNAの複製が行われて染色体数が2倍となり、次いで細胞質の分裂が行われて2個の娘細胞が生まれる。この過程は細胞周期と呼ばれ、DNA合成前期(G1)、DNA合成期(S)、DNA合成後期(G2),分裂期(M)にわけられる。受精は精子と卵子の合体によって起こり新しい個体が出来るが、精子と卵子はそれぞれ父由来と母由来の23本の染色体を持つ。このように生殖細胞の分裂では減数分裂という特殊な分裂が行われ、染色体の数は半減する。卵子や精子を作るため生殖細胞は2回の分裂を行うが、DNAの複製は1回しか行われない。第一分裂で父親由来のDNAと母親由来のDNAが複製され、それぞれの間で遺伝子の部分交換(交叉、組み換え、乗換え)が行われる。第二分裂でDNA量が半分で23本の染色体を持つ細胞が完成する。
③ 細胞の分化とは、何にでもなり得る細胞から、特定の機能と形態を持つ細胞に変化することをいう。細胞増殖には三通りのパターンがある、常に細胞の分裂増殖・細胞死が行われているのは皮膚や小腸上皮、造血細胞などである。普段は増殖を停止しているが必要に応じて増殖するのは肝細胞や血管内皮細胞などで、肝臓の一部が切除されると肝細胞が分裂増殖し肝臓はもとの大きさに回復する。成熟後は二度と分裂しないのは神経細胞や心筋細胞で、これらは障害を受けると再生しないため、さまざまな遺伝子工学を応用したいわゆる再生医療の対象となる。細胞の老化に対いては、染色体の末端にある特殊な構造物であるテロメアが分裂のたびに短くなり、最後には分裂できなくなる。このテロメアを修復する酵素テロメラーゼが関与しているという説もある。
キーワード
① 受動輸送、能動輸送、浸透圧 ② DNA複製、細胞周期、減数分裂 ③ 分化、老化、テロメア
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」39頁~51頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
4
人体を構成する4種の組織
科目の中での位置付け
この科目では、看護の土台となる解剖生理学、細胞と組織、皮膚と膜、血液(赤血球、白血球、血小板と凝固機能)、循環器系(心臓、動脈、静脈、門脈、リンパ管)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。看護の土台となる解剖生理学では、解剖学・生理学の基本的概念、解剖学的用語、ホメオスタシス、フィードバック機構について学習する。細胞と組織(体を構成するしくみ)では、細胞の構造、細胞の機能、細胞の分化と成長、老化、上皮組織、支持組織、筋組織、神経組織について学数する。皮膚と膜(体や臓器を守るしくみ)では体内の膜、皮膚、体熱産生と体温について学習する。このコマでは、形態による上皮組織の分類、機能による上皮組織の分類、腺、結合組織、軟骨組織、骨組織、筋組織、神経組織について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」51頁~61頁
コマ主題細目
① 上皮組織 ② 支持組織 ③ 筋組織、神経組織
細目レベル
① 上皮組織は体の表面や管腔の体腔をおおう細胞集団で、分泌能力を持つようになったものを腺という。細胞の形から単層扁平上皮(血管内皮、肺胞上皮などの物質交換を行う場所、胸腔・腹腔壁や臓器をおおう漿膜の上皮(中膜))、単層立方上皮(甲状腺の濾胞上皮、腎臓の尿細管)、単層円柱上皮(胃・腸の粘膜上皮)、多列上皮(単層円柱上皮の不揃いのもの:多列線毛上皮は気道)重層扁平上皮(皮膚、口腔、膣)、重層円柱上皮(結膜円蓋、軟口蓋)、移行上皮(腎盂、尿管、膀胱)がある。腺には外分泌腺と内分泌腺がある。外分泌とは体表や管腔に分泌物が放出され、導管を通ることが多い。外分泌形式として、開口分泌(エキソサイトーシス:汗腺、唾液腺など)、離出分泌(アポクリン分泌:乳腺、腋窩線)、全分泌(皮脂腺、瞼板腺)がある。内分泌では血管内皮細胞を通過して血管内に放出される。
② 結合組織は上皮細胞を裏打ちしたり、細胞や組織器官を包んだり結合したりしてこれらを支持する。結合組織は線維芽細胞が各種の繊維やほとんどの細胞外成分を産生する。そのほかには形質細胞(抗体産生)、肥満細胞(ヒスタミン産生)、マクロファージ(異物貪食)、白血球(免疫や異物処理)などが存在する。線維成分には膠原線維(1型コラーゲン)、細網線維(Ⅲ型コラーゲン)があり、組成はグリコサミノグリカンとプロテオグリカン、糖タンパクと組織液からなる。疎性結合組織、密性結合組織、細網組織、脂肪組織、膠様組織等の種類がある。軟骨組織は、硝子軟骨、弾性軟骨、線維軟骨がある。骨組織は、骨新生には骨芽細胞、骨吸収には破骨細胞が働く。
③ 筋組織は収縮運動をする筋細胞が筋繊維を形成し、アクチンフィラメントとミオシンフィラメントの相互作用により収縮する。骨格筋は縞模様のある横紋筋で作られ、随意運動をするが再生能は低い。平滑筋は縞模様がなく内臓などの不随意筋にみられ再生能が高い。心筋は不随意筋で再生しないため、心筋梗塞などで壊死をおこすと瘢痕になる。神経細胞(ニューロン)は、刺激に反応して細胞膜が脱分極して活動電位を生じ、その活動電位を軸索で伝導し、軸索末端で化学物質により興奮を他の神経細胞に伝達する。複数の細胞間を神経伝達物質を介して刺激を伝達することにより、情報を伝達する。神経組織中で神経細胞を支える細胞を、中枢ではグリア細胞、末梢ではシュワン細胞と呼ぶ。
キーワード
① 扁平上皮、円柱上皮、移行上皮 ② 線維芽細胞、骨芽細胞、破骨細胞、 ③ アクチンフィラメント、ミオシンフィラメント、神経伝達物質、グリア細胞、シュワン細胞
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」51頁~61頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
5
体内の膜と皮膚
科目の中での位置付け
この科目では、看護の土台となる解剖生理学、細胞と組織、皮膚と膜、血液(赤血球、白血球、血小板と凝固機能)、循環器系(心臓、動脈、静脈、門脈、リンパ管)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。看護の土台となる解剖生理学では、解剖学・生理学の基本的概念、解剖学的用語、ホメオスタシス、フィードバック機構について学習する。細胞と組織(体を構成するしくみ)では、細胞の構造、細胞の機能、細胞の分化と成長、老化、上皮組織、支持組織、筋組織、神経組織について学数する。皮膚と膜(体や臓器を守るしくみ)では体内の膜、皮膚、体熱産生と体温について学習する。このコマでは、漿膜、粘膜、結合組織性の膜、皮膚の構造、皮膚の機能、皮膚の付属器について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」62頁~76頁
コマ主題細目
① 体内の膜 ② 皮膚の構造と機能 ③ 皮膚の付属器、皮膚の成長と老化
細目レベル
① 漿膜とは、体腔(腹腔、胸腔、心嚢)の表面(壁側漿膜)や、それらの中の臓器の表面をおおう膜(臓側漿膜)で、漿膜で囲まれた漿膜腔は、外界と交通しておらず、漿膜には皮膚や粘膜との連続もない。漿膜腔には潤滑のため少量の漿液が分泌され、これらは腹水、胸水、心嚢液などである。粘膜は外海と交通のある臓器(眼・中耳・呼吸器・消化器・泌尿器・生殖器)の内面をおおう細胞集団で、潤滑な膜である。口腔や食道は扁平上皮、胃や腸では円柱上皮、泌尿器系では移行上皮である。粘膜は器官の表面を保護し、粘液を分泌して表面を粘稠に保ち、水・電解質・栄養などを吸収・分泌して粘膜下組織の環境を維持する。関節腔の内側は滑膜、脳脊髄は髄膜でおおわれる。
② 皮膚は表皮と真皮の2層でできていて、表皮には角質層と表皮細胞(重層扁平上皮)があり、ケラチンを形成して徐々に扁平となり角化がおこる。真皮は繊維性結合組織でできていて、血管・汗腺・脂腺・毛根・立毛筋・圧受容体などが存在する。その下に皮下組織があり疎性結合組織や脂肪組織で出来ている。皮膚の色素はメラニンで表皮の基底層にあるメラニン細胞で作られ、その量と存在部位、蓄積の様子によって、見かけの色が決まる。又血液の色調の影響も受け、真皮の毛細血管が拡張すると赤くなり、血量の減少や貧血で蒼白になる。ヘモグロビンの酸素飽和度が低下すると口唇が紫色となりチアノーゼと呼ばれる。皮膚の役割は、外力や温度変化、紫外線や酸、アルカリ、病原微生物などからの体の保護である。また体組織を支持したり、血流の調節による体温の調節、発汗による体温の調節を行っている。
③ 付属器として、毛、爪、皮脂腺、汗腺がある。毛は毛包から生えていてその内部の部分は毛根と呼ばれ、下部の毛球で表皮細胞が分裂して1日に約0.2 mm 伸びる。毛には脂腺・立毛筋・毛包受容器が付属している。爪は表皮細胞が角化してケラチンを産生し、1日に約 0.1 mm のびる。酸素飽和度の低下や末梢循環不全で爪のチアノーゼが観察される。肝線維はエクリン腺とアポクリン腺があり、エクリン腺は全身に分布し汗を分泌する。アポクリン腺は眼瞼・腋窩・乳房・会陰部に存在し、毛包に開口して脂肪酸やタンパク質を多く含むため細菌により異臭を発生することがある。新生児の皮膚は薄く、低体温になりやすい。加齢とともに血流が低下し、高齢者では薄くなり乾燥する。
キーワード
① 扁平上皮、円柱上皮、移行上皮,滑膜、髄膜 ② 表皮、真皮、皮下組織、保護、体温調節 ③ 毛、爪、皮脂腺、汗腺、新生児、低体温
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」76頁~81頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
6
体熱産生と体温
科目の中での位置付け
この科目では、看護の土台となる解剖生理学、細胞と組織、皮膚と膜、血液(赤血球、白血球、血小板と凝固機能)、循環器系(心臓、動脈、静脈、門脈、リンパ管)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。看護の土台となる解剖生理学では、解剖学・生理学の基本的概念、解剖学的用語、ホメオスタシス、フィードバック機構について学習する。細胞と組織(体を構成するしくみ)では、細胞の構造、細胞の機能、細胞の分化と成長、老化、上皮組織、支持組織、筋組織、神経組織について学数する。皮膚と膜(体や臓器を守るしくみ)では体内の膜、皮膚、体熱産生と体温について学習する。このコマでは、体温の核心温度、体温測定、核心温度の周期的変動、熱産生、熱放散、体温調節について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」76頁~81頁
コマ主題細目
① 体温の分布 ② 熱の出納 ③ 体温調節
細目レベル
① 核心温度は人体内部の恒温部の温度で、直腸温・鼓膜温・食道温などが用いられる。臨床的には腋窩温・直腸温・口腔温が用いられることが多い。口腔温は腋窩温より約0.5 ℃低く、腋窩温は直腸温より約 0.8 ℃低い。核心温度には日内変動があり、概日リズム(サーカディアンリズム:circadian rhythm)とよばれ、午前2時から4時が最低で、午後の夕方にかけてが最高である。体温に伴い血中ホルモン濃度も同じように周期的に変化する。早朝起床前の体温を基礎体温と呼び、成人女性では月経周期と関連して変動する。排卵日に最低となり、その後高温相に移行する。その後月経開始とともに排卵前の体温に低下する。排卵及び黄体期に分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響によって代謝が亢進し、体温が上昇する。
② 熱の産生には、身体活動(運動や労働による代謝亢進)、食事誘発性熱反応(食事後の代謝亢進:特にタンパク質摂取)、ふるえ:shivering(骨格筋の収縮で発熱)、非ふるえ熱産生(褐色脂肪組織:肩甲骨の間・腋窩・頸部・胸腹部大血管周囲のミトコンドリアの多い褐色の脂肪組織で行われる)がある。熱の放散は、物理的には放射(radiation)、伝導(conduction)、対流(convection)、蒸発性熱放散によっておきる。不感蒸泄は、皮膚、肺・気道粘膜からの呼気として1日に約800 ~ 1000mL放出され、500 kcalの熱が放散される。外気温の上昇や運動による熱産生でエクリン腺から発汗がおこる。温熱性発汗は全身で生じる。精神性発汗は精神的な緊張でおこり手掌・測定・腋窩・額・鼻におこる。味覚性発汗は、刺激性の食品により顔面におこる。
③ 温度受容器は、皮膚と中枢の視床下部にある。皮膚には温点と冷点が存在し、温繊維と冷繊維が自由神経終末として存在し、中枢に伝えられる。中枢温度受容器は視床下部の視索前野に温度感受性ニューロンが存在する。温度調節中枢は視床下部の視索前核にあり、体温上昇時は皮膚血管を拡張させ血流を増加させ、発汗を増やす。体温低下時は代謝を亢進させ熱産生を増大し、皮膚血流量を低下させて熱放散を減少させる。発熱は体温調節中枢への機械的刺激(脳出血・脳腫瘍・頭蓋骨骨折)と、化学的刺激:細菌感染による外因性発熱物質や内因性発熱物質(インターロイキン1やインターロイキン6などのサイトカイン)が脳内でプロスタグランジンE2を産生させこれが体温調節中枢に作用することによりおこる。精神的刺激はヒステリーや神経症に見られ大脳皮質からの影響による。
キーワード
① 核心温度、直腸温、基礎体温 ② 食事誘発性熱反応、不感蒸泄、発汗 ③ 温点、冷点、視床下部、視索前核
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」76頁~81頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
7
血液の機能と成分
科目の中での位置付け
この科目では、看護の土台となる解剖生理学、細胞と組織、皮膚と膜、血液(赤血球、白血球、血小板と凝固機能)、循環器系(心臓、動脈、静脈、門脈、リンパ管)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。血液(物質を運搬するしくみ)では、血液の機能と成分(血液の働き、血液の成分)、血球とその機能(赤血球、白血球、血小板と血液凝固および血栓の線溶(繊維素溶解))、血液型と輸血(ABO式血液型、Rh式血液型、輸血に際しての交叉適合試験、ヒト組織適合性白血球抗原:HLA)、血液の発生ついて学習する。このコマでは、血液の働き、血液の組成と成分、血漿と血漿分画、細胞成分の種類について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」82頁~87頁
コマ主題細目
① 血液の働き ② 血液の組成と成分、血漿と血漿分画、 ③ 細胞成分
細目レベル
① 血液は全身を循環することによって、物質の輸送を担っている。ガス交換については、末梢組織への酸素の配布と二酸化炭素の回収、肺での二酸化炭疽の放出と酸素の取り込みを行っている。また物質代謝に関しては、栄養分(糖質・脂質・タンパク質)の消化管からの回収と肝臓への移送、全身組織への配布を行っている。一方不要な代謝産物は組織から回収して、肝臓へ届けて分解させたり、腎臓へ届け体外へ排出している。又体内のホメオスタシスを保つため下垂体、甲状腺、副腎、性腺などから分泌されるホルモンの輸送し、白血球や抗体や補体などの生体防御因子、血液凝固因子の輸送や異物処理の助けを行っている。また血管の拡張・収縮により、全身の体温を一定に保つ役割をはたしている。
② 血液は液体成分である血漿と、細胞成分の赤血球、白血球、血小板からなる。血液をそのまま放置すると、血餅が出来、その上清が血清である。血清は血漿から凝固因子(フィブリノゲンなど)を除いたものである。血漿はほとんどが水で、糖質、タンパク質、脂質、電解質、各種のホルモン、ビタミンなどが存在する。血漿に含まれるタンパク質はゲル電気泳動により分子量の大きさで分画することが出来る。アルブミンとグロブリンがほとんどをしめ、分子量が小さい方からアルブミン、α1グロブリン、α2グロブリン、βグロブリン、γグロブリンに分類される。γグロブリンに属する免疫グロブリンは補体とともに生体防御の液性因子として重要である。
③ 血球は、赤血球と白血球と血小板であるが、それらはすべて造血幹細胞から作られる。まず造血幹細胞にインターロイキンが作用すると骨髄系幹細胞とリンパ系幹細胞にわかれる。骨髄系幹細胞にエリスロポエチンが作用すると赤芽球系幹細胞に変化する。さらにエリスロポエチンの作用で骨髄内で前赤芽球、好塩基性赤芽球、多染性赤芽球、正染性赤芽球となり、脱核して網赤血球の形で末梢血に移行して成熟した赤血球となる。骨髄性赤芽球にコロニー刺激因子(CFS:colony stimulating factor)が作用すると顆粒球系幹細胞に変化する。さらにCFSにより骨髄芽球と単芽球に変化し、骨髄芽球は前骨髄球、骨髄球、後骨髄球となって桿状核球の形で末梢血に移行し成熟して多核球となる。単芽球は前単球となり末梢血に移行して単球となる。骨髄系幹細胞にトロンボポエチンが作用すると巨核球系幹細胞となりインターロイキンの作用で巨核芽球、前巨核球、巨核球となり、これが細かく分かれて血小板となる。リンパ系幹細胞は骨髄で前Tリンパ球と前Bリンパ球に分かれ、前Tリンパ球は胸腺へ移動してTリンパ球に成熟し、前Bリンパ球はそのまま骨髄にとどまりBリンパ球となる。
キーワード
① 物質輸送、体温調節、生体防御 ② 血漿、血清、血漿分画、電気泳動 ③ 造血幹細胞、骨髄系幹細胞、リンパ系幹細胞
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」82頁~87頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
8
血球とその機能
科目の中での位置付け
この科目では、看護の土台となる解剖生理学、細胞と組織、皮膚と膜、血液(赤血球、白血球、血小板と凝固機能)、循環器系(心臓、動脈、静脈、門脈、リンパ管)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。看護の土台となる解剖生理学では、解剖学・生理学の基本的概念、解剖学的用語、ホメオスタシス、フィードバック機構について学習する。血液(物質を運搬するしくみ)では、血液の機能と成分(血液の働き、血液の成分)、血球とその機能(赤血球、白血球、血小板と血液凝固および血栓の線溶(繊維素溶解))、血液型と輸血(ABO式血液型、Rh式血液型、輸血に際しての交叉適合試験、ヒト組織適合性白血球抗原:HLA)、血液の発生ついて学習する。このコマでは、赤血球の産生、赤血球とヘモグロビン、ヘモグロビンと酸素の結合・解離、赤血球の寿命と死、白血球の産生と分化、白血球の形態と機能について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」88頁~93頁
コマ主題細目
① 赤血球 ② ヘモグロビン ③ 白血球
細目レベル
① 赤血球は、核を持たず細胞内小器官も無い。胎生3~4ヶ月では肝臓と脾臓で造血が行われ、4ヶ月以後乳幼児までは全身の骨髄で造血される。成人では椎骨、骨盤、胸骨などの骨髄で造血が行われる。骨髄系幹細胞が赤芽球系になるには腎臓から分泌されるエリスロポエチンが必要である。また赤芽球系の分化・成熟にはビタミンB12と葉酸が必要で、これらが不足すると貧血となる。正染性赤芽球の細胞核が脱落し(脱核)し網赤血球となり末梢血にでる(約0.2 ~2%)。赤血球の産生が亢進していると網赤血球の割合が増加する。赤血球は直径7~8マイクロメーターで、産生されてから約120日間循環したのち、脾臓などのの網内系で破壊されて間接ビリルビンとなり、肝臓に運ばれて直接ビリルビンとなり胆汁に排泄される。
② ヘモグロビンは、鉄を含む赤い色素のヘムとグロビンが合体した構造で、鉄に酸素が可逆的に結合することで酸素を運搬する。ヘモグロビンに酸素が結合すると鮮紅色(動脈血の色)となり、離れると暗赤色(静脈血の色)となる。酸素分圧とは血液中にどのくらい酸素が溶けているかを血液中の圧力として示したもので、単位はTorr (mmHg) で表す。酸素飽和度は酸素と結合した状態のヘモグロビンの割合で、0 ~100%で表す。酸素分圧と酸素飽和度の関係が酸素解離曲線で、酸素の多い組織(肺胞)では酸素が結合され、酸素の少ない組織(末梢の組織)では酸素が離れやすくなる。酸素解離曲線はS字型で、pHの低下、CO2分圧の上昇、体温の上昇で右方移動し、その逆の条件で左方移動する。
③ 白血球は血液1μL中に、3500~9000個含まれ、形態から顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)、単球、リンパ球に分類される。骨髄芽球は前骨髄球、骨髄球、後骨髄球となって桿状核球の形で末梢血に移行し成熟して分葉核球(多核白血球)になる。桿状核球と分葉核球、単球をあわせて顆粒球と呼ぶ。骨髄芽球が腫瘍化すると急性骨髄性白血病、前骨髄球が腫瘍化すると急性前骨髄性白血病となる。好中球は最も多く、貪食作用により細菌や真菌を貪食する。病原体に抗体や補体が結合すると、貪食能が亢進する(オプソニン効果)。好酸球はアレルギーや寄生虫感染で増加する。好塩基球はヒスタミン顆粒をもち、Ⅰ型アレルギーに関与する。単球は組織でマクロファージとなり、食細胞として働く。リンパ球はT細胞とB細胞に分かれ獲得免疫系で働く。
キーワード
① エリスロポエチン、B12、葉酸 ② 鉄、ヘムタンパク、酸素解離曲線 ③ 好中球、単球、リンパ球
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」88頁~93頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
9
凝固系
科目の中での位置付け
この科目では、看護の土台となる解剖生理学、細胞と組織、皮膚と膜、血液(赤血球、白血球、血小板と凝固機能)、循環器系(心臓、動脈、静脈、門脈、リンパ管)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。看護の土台となる解剖生理学では、解剖学・生理学の基本的概念、解剖学的用語、ホメオスタシス、フィードバック機構について学習する。血液(物質を運搬するしくみ)では、血液の機能と成分(血液の働き、血液の成分)、血球とその機能(赤血球、白血球、血小板と血液凝固および血栓の線溶(繊維素溶解))、血液型と輸血(ABO式血液型、Rh式血液型、輸血に際しての交叉適合試験、ヒト組織適合性白血球抗原:HLA)、血液の発生ついて学習する。このコマでは、一次止血、二次止血、止血と凝固因子の関係、線溶系について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」93頁~95頁
コマ主題細目
① 一次止血 ② 二次止血 ③ 線溶
細目レベル
① 血小板は、骨髄系幹細胞にトロンボポエチンが作用してできた巨核球系幹細胞から分化した巨核球が細かくちぎれて作られ、2~4マイクロメートルの不整円盤状の無核細胞である。正常では血液1μLあたり15万~40万個含まれる。一次止血とは、外傷などで血管が破綻して内皮細胞が傷つき内皮細胞の下のコラーゲンが露出すると、血小板が活性化してフォン・ウイレブランド因子(von Willebrand factor)を介して血小板がコラーゲンに粘着する。次に周囲の活性化した血小板同士でも凝集し、破綻した血管壁を緩く覆う。このように血小板血栓を形成して出血を防ぐことを一次止血というが、このままでは脆弱なので、次のステップの二次止血に進み永久止血となる。
② 血小板血栓にさらに凝固因子が作用して、フィブリンが形成され永久血栓となる。凝固因子は内因子と外因子とで第Ⅰから第ⅩⅢまである。フィブリンは血液中のフィブリノゲンⅠに第Ⅱ凝固因子(プロトロンビン)が活性化されたトロンビンが作用することにより出来る。プロトロンビンの活性化には第Ⅴ因子と第Ⅹ因子が必要で、第Ⅹ因子は内因子(第ⅩⅡ因子、第ⅩⅠ因子、第Ⅸ因子、第Ⅷ因子)と外因子(第Ⅲ因子(組織トロンボプラスチン)、第Ⅶ因子)及び第Ⅳ因子が必要で、これらの連続した反応を凝固反応カスケードと呼ぶ。凝固因子の大部分は肝臓で作られるので、肝障害では凝固障害からの出血傾向が見られる。また、第Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ因子の産生にはビタミンKが必要で、これが不足すると出血傾向となる。
③ 血管内に出来た血栓は血管修復とともに除去される必要があり、この反応を線溶という。フィブリンのことを繊維素と呼びこれを溶解するので線維素溶解から線溶と呼ばれる。血液中のプラスミノーゲンというタンパク質に、組織プラスミノゲンアクチベーター(プラスミノゲン活性化因子)が作用して、プラスミンというタンパク質分解酵素となり、血栓のフィブリンを分解する。プラスミノゲン活性化因子は血管内皮細胞やほとんどの分泌液中(汗以外)、子宮壁や肺組織などに存在している。尿中のものはウロキナーゼと呼ばれ、血管内皮細胞の組織プラスミン活性化因子:t-PA)とともに、臨床的に血栓症の治療によく用いられる。
キーワード
① トロンボポエチン、フォン・ウイレブランド因子、血小板凝集 ② フィブリン、内因子、外因子 ③ プラスミン分解、プラスミン、プラスミノーゲンアクティベーター
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」93頁~95頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
10
血液型と輸血
科目の中での位置付け
この科目では、看護の土台となる解剖生理学、細胞と組織、皮膚と膜、血液(赤血球、白血球、血小板と凝固機能)、循環器系(心臓、動脈、静脈、門脈、リンパ管)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。看護の土台となる解剖生理学では、解剖学・生理学の基本的概念、解剖学的用語、ホメオスタシス、フィードバック機構について学習する。血液(物質を運搬するしくみ)では、血液の機能と成分(血液の働き、血液の成分)、血球とその機能(赤血球、白血球、血小板と血液凝固および血栓の線溶(繊維素溶解))、血液型と輸血(ABO式血液型、Rh式血液型、輸血に際しての交叉適合試験、ヒト組織適合性白血球抗原:HLA)、血液の発生ついて学習する。このコマでは、ABO式血液型、Rh式血液型、輸血に際しての交叉試験、ヒト組織適合性白血球抗原(HLA)、血液の発生について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」95頁~99頁
コマ主題細目
① ABO式血液型、Rh式血液型 ② 輸血の交叉適合試験 ③ ヒト組織適合性白血球抗原(HLA)
細目レベル
① A型の赤血球にはA抗原のみ、B型の赤血球にはB抗原のみ、AB型の赤血球にはA抗原とB抗原の両方がある。O型の赤血球には抗原が無い。A型の血漿には抗B抗体、B型の血漿には抗A抗体、AB型の血漿には抗体が無く、O型の血漿には抗A抗体、抗B抗体がある。血液型の判定にはオモテ試験とウラ試験があり、オモテ試験は被験者の血球を使用し、ウラ試験は被験者の血漿を使用する。Rh式にはいくつかの型があるが、D型を持つものをRh(+)、持たないものをRh(-)と呼ぶ。Rh(-)の頻度は0.5%で、Rh(-)の女性がRh(+)の男性との間で妊娠すると胎児はRh(+)となることが多く、第1子の出産時に抗D抗体が出来てしまい第2子の妊娠時に胎児死亡等がおこる。
② 輸血時には、供給された血液製剤と輸血を受ける人(受血者)の、ABO式とRh式の血液型を一致させるのはもちろんのこと、万が一のその他の血液型不一致の輸血を防止するために、供血された血液製剤と受血者の血液を体外で混合してみて凝集しないことを実際に確認する必要がある。これを交差適合試験という。交差適合試験には主試験と副試験があり、供血者血球と受血者血清を混合し凝血の有無を調べるのが主試験、受血者血球と供血者血清を混合し凝血の有無を調べるのが副試験である。両方とも陰性、つまり凝集しないことを確認して初めてその血液製剤が輸血可能となる。
③ HLA(ヒト組織適合性白血球抗原:human histocompatibility antigen)は、白血球だけではなくほとんどの体細胞に発現している抗原である。遺伝子座としてA座、B座、C座、DR座、DQ座、DP座の6種類があり、それぞれの座に数十種類の型があって、父親由来の染色体上に一セット、母親由来の染色体上に一セット持っている。その一セットの6種類の組み合わせ自体が非常に多くあり、さらにこれが父由来と母由来で二セットあるので、これらが完全に一致する確率は10万分の一といわれる。HLAは組織適合性抗原の名のとおり、臓器移植、特に骨髄移植の場合に重要な役割を果たし、一致する確率が非常に少ないので、骨髄移植ドナー登録が呼びかけられている。また、不一致の程度によって、GVHD(移植片対宿主病:graft versus host disease)をおこす確率が高くなる。
キーワード
① A抗原、B抗原、D抗原 ② 交差適合試験、主試験、副試験 ③ A、B、C、DR、DQ、DP
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」95頁~99頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
11
心臓の構造
科目の中での位置付け
この科目では、看護の土台となる解剖生理学、細胞と組織、皮膚と膜、血液(赤血球、白血球、血小板と凝固機能)、循環器系(心臓、動脈、静脈、門脈、リンパ管)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。看護の土台となる解剖生理学では、解剖学・生理学の基本的概念、解剖学的用語、ホメオスタシス、フィードバック機構について学習する。循環器系(体のすみずみまで血液を送るしくみ)では、心臓の構造、心臓の機能、血管の形態、主要な動脈、主要な静脈と門脈系、胎児循環、結果の機能、心臓血管の成長と老化、リンパ系について学習する。このコマでは、心臓の大きさと位置、被膜、心房・心室と大血管、心臓に分布する血管について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」100頁~107頁
コマ主題細目
① 大きさと位置、皮膜 ② 心房・心室と大血管 ③ 心臓に分布する血管
細目レベル
① 心臓は円錐形をしていて、心筋という特殊な筋肉からなる中空の器官である。大きさは握りこぶしくらいで、横隔膜の上に位置し縦隔のやや左にある。心臓の下端の心尖部は第5肋間の鎖骨中線上にある。心臓は心内膜、心筋層、心外膜の3層からなる。心内膜は薄い内皮細胞からなる膜で、大血管の内膜と連続する。心筋層は厚く心臓の大部分を占め、心筋細胞からなり線維性の強い結合組織で補給されている。また心筋層内には心臓の収縮に関わる刺激伝導系を有する。心外膜は心臓を包んでいる漿膜で、肋骨に接する壁側心膜を心嚢と呼び、両者で心膜腔(心嚢)を形成する。心嚢内には漿液が分泌され、心臓の動きをなめらかにするが、心嚢液が病的に増加すると心臓タンポナーデになる。
② 左心房と左心室、右心房と右心室があり、両者は心房中隔、心室中隔で左右に区切られている。肺循環とは、右心室・肺動脈・肺・肺静脈・左心房で、肺動脈には全身から帰ってきた静脈血が流れるので動脈という名称につられて間違えないようにすること。逆に肺静脈には肺で二酸化炭素を放出し酸素を取りこんだ動脈血が流れる。体循環は左室・大動脈・全身・大静脈・右心房である。房室弁は心房と心室の間にあり、右は三尖弁、左は僧帽弁(二尖弁)である。房室弁は検索により心室内の乳頭につなぎ止められているため、弁が心房側に反転することがない。右室から拍出されるときは肺動脈弁、左室から拍出されるときは大動脈弁を通過する。
③ 心臓そのものを栄養する冠状動脈は左右1本で、右冠状動脈と左冠状動脈は大動脈弁の基部から 1 cm の所で大動脈から直接分岐する。右冠状動脈は、右心房と右心室、および左心室後壁を灌流する。左冠状動脈はすぐに前下行枝と左回旋枝にわかれ、心室中隔の2/3 、鎖陰質の前壁と心尖部、右心室の中隔よりを灌流する。静脈は冠状静脈洞へ集合して右心房へ流入する他、テベシウス静脈と呼ばれる多数の直接心内腔へ流入する細い静脈がある。狭心症や心筋梗塞はこれらの冠状動脈の狭窄や閉塞によっておこる。冠状動脈を流れる血液量は、心拍出量の約5%で安静時には 100mL/min/100g である。左心室では収縮期内圧が高いため、拡張期にのみ動脈血が流れる。
キーワード
① 心尖部、心外膜、心嚢 ② 肺循環、僧帽弁、大動脈弁 ③ 右冠状動脈、左冠状動脈、心筋梗塞
コマの展開方法
社会人講師
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教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」100頁~107頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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心臓の機能
科目の中での位置付け
この科目では、看護の土台となる解剖生理学、細胞と組織、皮膚と膜、血液(赤血球、白血球、血小板と凝固機能)、循環器系(心臓、動脈、静脈、門脈、リンパ管)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。看護の土台となる解剖生理学では、解剖学・生理学の基本的概念、解剖学的用語、ホメオスタシス、フィードバック機構について学習する。循環器系(体のすみずみまで血液を送るしくみ)では、心臓の構造、心臓の機能、血管の形態、主要な動脈、主要な静脈と門脈系、胎児循環、結果の機能、心臓血管の成長と老化、リンパ系について学習する。このコマでは、脈拍と刺激伝導系、心周期と心音、心拍出量について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」107頁~110頁
コマ主題細目
① 脈拍と刺激伝導系 ② 心周期と心音 ③ 心拍出量
細目レベル
① 心臓の収縮は、脳からの神経支配を受けず自動的に収縮するので骨格筋とは異なる。心臓の収縮をコントロールするのは、心臓にある特殊心筋からなる刺激伝導系と自律神経系である。刺激伝導系は神経組織ではなく特殊な心筋組織で出来ている。自律神経系では心拍を増加させる交感神経と減少させる副交感神経(迷走神経)がある。刺激伝導系は、右心房の上大静脈開口部知覚の洞房結節から房室結節、ヒス束(房室束)を経由して左右に分かれ、心室中隔の左脚と右脚、心筋層のプルキンエ線維からなる。洞房結節はペースメーカーで、律動的な刺激を発生してこれで心拍数が決まる。不整脈とは心拍数あるいは調律の障害であり、心筋の興奮の発生あるいは伝達の異常によるものである。
② 心臓はポンプとしての機能を持ち、左右の心房は同時に収縮する。心房が拡張し始めると左右の心室が同時に収縮し始める。異界の拍動で心臓が収縮して弛緩するまでのサイクルを心周期という。心室の拡張期では、心房から房室弁を通って血液が心室に流入する。洞房結節は左右の心房筋に収縮のインパルスを送り、心房はからになり心室は血液で充満する。収縮期では心室内圧が上昇し、肺動脈・大動脈へ血液が流出する。心音は、心臓弁が閉鎖するタイミングで発生する音で、第Ⅰ心音は房室弁である僧帽弁と三尖弁の閉鎖音で心尖部で聴取しやすい。第Ⅱ心音は大動脈弁と肺動脈弁の閉鎖により、心基部で聴取しやすい。成人の脈拍数は通常 60~100 回/分で、60以下は徐脈、100以上は頻脈とされる。
③ 心拍出量は、1分間あたりに心臓から拍出される血液の総量である(L/min)。1回拍出量(SV:stroke volume)は心臓が1回収縮するごとに拍出される血液量で、心拍出量は、1回拍出量×心拍数である。フランク・スターリング(Frank-Starling)の法則によると、心筋線維が収縮前により引き延ばされているほど心筋の収縮力は増大する。心臓は延髄の心臓中枢から心臓に至る交感神経と副交感神経(迷走神経)の影響を受けている心拍出量に影響を与えるのは、副交感神経(迷走神経)と交感神経である。副交感神経は、洞房結節と房室結節、心房筋に分布していて、インパルス発生の速度を減少させ、心拍数と拍動力を低下させる。交感神経は洞房結節と房室結節、心房筋、心室筋に分布し、心拍数と拍動力を上昇させる。
キーワード
① 刺激伝導系、洞房結節、房室結節 ② 拡張期、収縮期、心音 ③ 1回拍出量、心拍数、フランク・スターリング(Frank-Starling)の法則
コマの展開方法
社会人講師
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教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」107頁~110頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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動脈系
科目の中での位置付け
この科目では、看護の土台となる解剖生理学、細胞と組織、皮膚と膜、血液(赤血球、白血球、血小板と凝固機能)、循環器系(心臓、動脈、静脈、門脈、リンパ管)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。看護の土台となる解剖生理学では、解剖学・生理学の基本的概念、解剖学的用語、ホメオスタシス、フィードバック機構について学習する。循環器系(体のすみずみまで血液を送るしくみ)では、心臓の構造、心臓の機能、血管の形態、主要な動脈、主要な静脈と門脈系、胎児循環、結果の機能、心臓血管の成長と老化、リンパ系について学習する。このコマでは、血管の種類と構造、動脈・動脈血と静脈・静脈血の関係。吻合と終動脈、主要な動脈について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」111頁~118頁
コマ主題細目
① 血管の形態 ② 上肢・胸腔・腹膜腔・下肢の動脈 ③ 頭頸部の動脈、大脳動脈輪
細目レベル
① 血管は、血液を心臓から送り出す動脈と血液を末梢から心臓に送る静脈、動脈と静脈をつなぐ毛細血管の3種類に分けられ、内膜(1層の内皮細胞と少量の結合組織)、中膜(平滑筋と弾性繊維)、外膜(結合組織)からなる。動脈は高い血圧に対応するため、中膜が発育している。静脈は低圧なので、中膜は薄く血液の逆量を防ぐために静脈弁を有する。筋肉の運動(筋ポンプ)や呼吸運動(呼吸ポンプ)によって静脈血を環流する。大動脈では動脈血が流れるが、肺動脈では静脈血が流れる。動脈は末梢では、次第に細くなり細動脈となり毛細血管から細静脈となる。吻合が無い動脈を終動脈という。終動脈が閉塞すると、その栄養領域の血流がたたれるので組織は壊死に陥る(梗塞)。
② 大動脈から分枝する鎖骨下動脈は、腋窩動脈、上腕動脈となり、2本に分かれて橈骨動脈と尺骨動脈となる。下行大動脈のうち、横隔までを胸大動脈、それ以下を腹部大動脈という。胸部大動脈は胸腔内で肋間動脈をだし核肋骨に沿って後ろから前へ走る。腹部大動脈は、腹腔動脈、上腸間膜動脈、左右の腎動脈、下腸間膜動脈の枝を出したのち、第4腰椎の高さで左右の総腸骨動脈に分岐する。総腸骨動脈は内腸骨動脈と外腸骨動脈に分かれ、内腸骨動脈は骨盤内臓器や腰殿部に枝を出す。外腸骨動脈は鼠径靱帯の血管裂孔をとおり、大腿動脈、膝窩動脈となり、膝窩のすぐ下で3本の前脛骨動脈、腓骨動脈、後脛骨動脈となりこれらの動脈は下腿や足を栄養する。
③ 大動脈弓から3本の太い動脈が分岐する。まず始めに腕頭動脈がおこるが、2から3cm で右総頚動脈と右鎖骨下動脈に分かれる。次に分枝するのが左総頚動脈でその直後に左鎖骨下動脈が分枝する。このため腕頭動脈は右側にしか無い。総頚動脈は外頚動脈と内頸動脈に分かれ、外頸動脈は顔面などの表面、内頸動脈は眼球と脳の大部分を栄養する。左右の内頸動脈と左右の椎骨動脈により大脳動脈輪(ウイリス動脈輪:前交通動脈、前大脳動脈、後交通動脈、後大脳動脈)が形成され、構成する動脈の1本が傷害されたり、頭頸部が激しく動いた時にも他の動脈から血流が回り込むようになっていて、脳の血流を途絶させないため重要な役割を果たしている。
キーワード
① 内膜、中膜、外膜、静脈弁 ② 鎖骨下動脈、肺動脈、静脈血 ③ 腹腔動脈、上腸間膜動脈、下腸間膜動脈、大脳動脈輪(ウイリス動脈輪)
コマの展開方法
社会人講師
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PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」111頁~118頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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静脈と門脈系
科目の中での位置付け
この科目では、看護の土台となる解剖生理学、細胞と組織、皮膚と膜、血液(赤血球、白血球、血小板と凝固機能)、循環器系(心臓、動脈、静脈、門脈、リンパ管)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。看護の土台となる解剖生理学では、解剖学・生理学の基本的概念、解剖学的用語、ホメオスタシス、フィードバック機構について学習する。循環器系(体のすみずみまで血液を送るしくみ)では、心臓の構造、心臓の機能、血管の形態、主要な動脈、主要な静脈と門脈系、胎児循環、結果の機能、心臓血管の成長と老化、リンパ系について学習する。このコマでは、体静脈、肺静脈、門脈系、胎児循環の仕組み、成人循環への移行期の循環、血圧、血管の調節機構、脈拍、物質交換について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」118頁~125頁
コマ主題細目
① 主な静脈と門脈系 ② 胎児循環 ③ 血管の機能
細目レベル
① 体静脈系は、毛細血管で酸素を放出し二酸化炭素を取り込み静脈血を回収する。肺静脈系は、肺胞内で二酸化炭素を放出し酸素を取り込んだ動脈血を左心房へ運ぶ。門脈系は消化器系に広く分布する静脈からの血液を集め肝臓に運ぶ。食道から直腸に至るまでの消化管と肝臓、膵臓、脾臓などからの静脈血は、すべて門脈系にあつまり肝臓に流入する。門脈は消化管から吸収した栄養を肝臓に輸送し、そこで肝動脈の酸素に富んだ血液と混ざり、肝臓内では様々な生化学反応が行われ、有害物質を解毒したり消化管で吸収された多くの物質を変化させ体細胞に必要な物質を作っている。門脈と肝動脈の血液は肝臓を通過した後、肝静脈から下大静脈に合流し右心房に戻る。
② 胎児は必要とするすべての酸素や栄養を胎盤を通して母胎の血液から受け取り、排泄やガス交換も行う。胎児の心拍出量のうち55%は臍血管を流れる。胎盤とつながる臍帯には、1本の太い臍静脈と2本の細い臍動脈がある。臍静脈には胎盤で受け取った酸素と栄養に富む動脈血が流れ、臍動脈には胎児の全身から戻ってきた静脈血が流れる。臍静脈血は直接静脈管から下大静脈に合流し一部のみが門脈から未熟な肝臓に入る。胎児では肺循環の必要が無いため、右心房と左心房との間の卵円孔を通過して、直接左心系に血液が流入する。また、肺動脈と大動脈の間に大動脈管というバイパスが存在する。出生時には卵円孔の弁が閉鎖し、動脈管も収縮閉鎖する。
③ 血圧は、心臓の収縮によって血液が末梢の血管を押し広げる力でmmHg(水銀柱ミリメートル)で表す。血圧は心拍出量(CO:cardiac output)と全末梢血管抵抗(TPR:total peripheral vascular resistance)の積で表される。血圧を高める因子として、心拍出量では心機能の亢進と体液量の増加があり、末梢血管抵抗では末梢細動脈の収縮・緊張と血液の粘性の増加がある。血圧は圧受容器と化学受容器によりモニターされ高位中枢からの調節を受けている。圧受容器は大動脈弓と頚動脈洞にあり血圧が上昇すると受容器は引きのばされ中枢への刺激が増加する。化学受容器は頸動脈小体と大動脈小体にある神経終末で、動脈血中の二酸化炭素分圧の上昇、pHの低下、酸素分圧の低下を感知する。心臓血管中枢は延髄と橋の内部に存在し、自律神経の交感神経と副交感神経により血管平滑筋を収縮・弛緩させる。血圧は血液の量によっても影響を受け、副腎髄質ホルモン(ノルアドレナリン、アドレナリン)、腎臓のレニン-アンギオテンシン系、下垂体後葉のバゾプレシン等により調節される。
キーワード
① 肺静脈、動脈血、門脈血、消化器系 ② 臍静脈、動脈血、卵円孔、動脈管 ③ 心拍出量、末梢血管抵抗、圧受容器、化学受容器
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」118頁~125頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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リンパ系
科目の中での位置付け
この科目では、看護の土台となる解剖生理学、細胞と組織、皮膚と膜、血液(赤血球、白血球、血小板と凝固機能)、循環器系(心臓、動脈、静脈、門脈、リンパ管)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。看護の土台となる解剖生理学では、解剖学・生理学の基本的概念、解剖学的用語、ホメオスタシス、フィードバック機構について学習する。循環器系(体のすみずみまで血液を送るしくみ)では、心臓の構造、心臓の機能、血管の形態、主要な動脈、主要な静脈と門脈系、胎児循環、結果の機能、心臓血管の成長と老化、リンパ系について学習する。このコマでは、リンパ管、循環系におけるリンパ管・リンパの働き、リンパ、リンパ節について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」126頁~129頁
コマ主題細目
① リンパ管とリンパ ② リンパ節 ③ 胸腺とリンパ性器官
細目レベル
① リンパ管は毛細血管から漏れ出たリンパ液を運ぶ管で、末梢静脈と同じように内皮に弁があり逆流を防いでいる。リンパ管は集合して、左右の鎖骨下静脈・頸静脈の合流点(静脈角)にそそぐが、右側では右頭部と右上肢と右胸部のリンパ管が合流して右リンパ本幹となり右静脈角に合流する。それ以外の全身のリンパ管は左側にある胸管に集合し左静脈角に合流して全身循環に戻る。リンパ毛細管はあらゆる臓器に分布していて、次第に集合して平滑筋、弾性繊維を持つようになる。リンパ液の流量は1日に約2~4Lで、血液量と血管外体液量の調節に役立っている。また毛細血管壁を通過したタンパク質の大部分がリンパにより血液に回収され、血液と間質液との間の浸透圧較差を正常に保っている。
② リンパ管は毛細リンパ管の網に始まり、次第に集まっていくつかの本幹になり、静脈に合流する前に何回かリンパ節という濾過装置を通過する。異物や細菌が間質液からリンパ管に流れ込むと、この濾過装置に引っかかり、リンパ節炎をおこす。リンパ節の防衛力が勝れば、細菌や異物は免疫担当細胞(マクロファージや多核白血球など)の貪食作用で処理されたり、抗体の働きで無害化されるが、処理できないとさらに次の下流の二次リンパ節で同じようにリンパ節炎がおこる。この様子は癌がリンパ節転移をおこすときも同じで、まず一次リンパ節で癌をくいとめ防衛し、それが破られると二次リンパ節にさらに転移がひろがる。リンパ節には複数の細い輸入リンパ管が流入していて、リンパはリンパ節の細網組織の間を流れ濾過されてから、太い輸出リンパ管にまとめられて流出する。
③ 胸管は、両下肢、骨盤腔、腹腔、胸郭・頸の左半分と左上肢からのリンパ液を集合して、第1,2腰椎の前の乳び槽から始まり約40cmの長さで上行し左鎖骨下静脈に合流する。右頭頸部と右胸部、右上肢のリンパ液は右リンパ本幹に合流し、右鎖骨下静脈に流入する。リンパ節に似た構造で、明らかな輸入リンパ管や輸出リンパ管を持たない小型のものをリンパ小節と呼ぶ。腸管粘膜にはリンパ節の構造を持たないリンパ小節が多数存在する。扁桃・胸腺・脾臓・パイエル板をまとめて、リンパ性器官と呼ぶ。リンパ性器官で作られるリンパ球は抗体を産生する細胞で、抗体を血中に放出したり、リンパ球の活動する局所で抗体を作用させたりする。つまりリンパ性器官は、血中抗体による全身防御とリンパ球による局所防御の両方に貢献している。
キーワード
① 鎖骨下静脈、頸静脈、静脈角 ② リンパ節、輸入リンパ管、輸出リンパ管 ③ 胸管、右リンパ本幹、リンパ性器官
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」126頁~129頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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上気道の構造と機能
科目の中での位置付け
この科目では呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。呼吸器では、構造と機能として、呼吸器系の役割、鼻と鼻腔、咽頭、喉頭、気管と主気管支、肺について学習する。呼吸のプロセスとして、換気、外呼吸、ガスの運搬、内呼吸について学習する。呼吸の調節としては化学受容器と呼吸器系の受容器、呼吸中枢、呼吸調節の効果器である呼吸筋、呼吸のさまざまな異常、呼吸器系の成長と老化について学習する。このコマでは、鼻孔、鼻腔、上咽頭、中咽頭、下咽頭から構成される上気道の構造と機能を学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」130頁~140頁
コマ主題細目
① 呼吸器系の役割 ② 鼻と鼻腔 ③ 咽頭と喉頭
細目レベル
① 酸素は鼻腔より肺胞に到り肺胞壁を通過して毛細血管内に取り込まれ、血液の流れにのって各組織・細胞に供給される。酸素を利用してエネルギーを産生する過程で生じた炭酸ガス(CO2)は、血液によってはこばれて肺胞から呼気として外界に排出される。酸素や二酸化炭素の運搬は血液によって行われ、その輸送路は循環器系がになうので、循環器系は呼吸器系と密接な関係にある。呼吸器系はまた二酸化端野を排出することで、血液のpH値(酸塩基平衡)の調節にも関与している。呼吸系は鼻、鼻腔、咽頭、喉頭、気管、主気管支、肺、胸膜、呼吸筋よりなり、鼻腔から喉頭までを上気道、器官から末梢の気道を下気道と呼ぶ。呼吸器としての働き以外に、肺は肺胞の表面活性物質を産生したり、肺血管内皮細胞でアンギオテンシン変換酵素を産生したりする。
② 鼻腔は鼻中隔で左右に区切られ血管の豊富な粘膜で覆われる。外側壁には鼻甲介があり、鼻粘膜は繊毛を持つ多列線毛上皮で粘液を分泌する杯細胞がある。鼻腔上部には嗅細胞があり臭いを感知する。鼻甲介が3段の突出しているため空気との接触面積がおおきくなり、しめった粘液上に地理や微生物などの小粒子が吸着されるため、吸気の加湿・加温・洗浄濾過機能も有する。口呼吸では加湿・加温・洗浄濾過が行われないまま空気が肺に入ることとなり、気道内線毛上皮の障害や喀痰の粘稠化、気道粘膜の刺激による気管支平滑筋の攣縮、微生物による感染などをおこしやすい。副鼻腔は鼻腔周囲の骨の内部にある空洞で、上顎洞、遠藤同、篩骨洞、蝶形骨洞の4つの腔からなる。鼻腔の炎症が副鼻腔に達すると、副鼻腔炎から蓄膿症の原因となる。
③ 咽頭は鼻腔の後方の後鼻孔からは自マリ食道の入り口まで続いている。上咽頭(咽頭鼻部)、中咽頭(咽頭口部)、下咽頭(咽頭喉頭部)により構成されていて、嚥下機能に重要な役割を果たす。機能不全では誤嚥性肺炎がおこる。咽頭は加湿・加温・濾過の機能の他に時間を通じて内耳との交通があることから鼓膜内外の圧較差の調節も行っている。喉頭は甲状軟骨、輪状軟骨、披裂軟骨、喉頭蓋により構成され、喉頭蓋は外気を肺へ導き、嚥下の際には気道を塞ぐはたらきをしている。喉頭には声門があり生体を閉じて空気で振動させることにより発声にも関与している。声帯粘膜に異常が生じると嗄声となる。思春期になると、甲状軟骨の発達に伴って声帯の長さや厚みが増すため、声が低くなる(声変わり)。
キーワード
① 酸素、二酸化炭素、ガス交換 ② 嗅細胞、涙管、副鼻腔 ③ 嚥下、軟口蓋、耳管、声帯、嗄声、声変わり
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」130頁~140頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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気管と気管支の構造
科目の中での位置付け
この科目では呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。呼吸器では、構造と機能として、呼吸器系の役割、鼻と鼻腔、咽頭、喉頭、気管と主気管支、肺について学習する。呼吸のプロセスとして、換気、外呼吸、ガスの運搬、内呼吸について学習する。呼吸の調節としては化学受容器と呼吸器系の受容器、呼吸中枢、呼吸調節の効果器である呼吸筋、呼吸のさまざまな異常、呼吸器系の成長と老化について学習する。このコマでは、気管と気管支から構成される下気道の構造と機能を学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」140頁~144頁
コマ主題細目
① 気管の位置と機能 ② 主気管支 ③ 肺内の気道
細目レベル
① 喉頭に続いて気管が始まる。気管は食道の前を通って縦隔を下行し、第5胸椎の高さで心臓の後方で左右の主気管支に分かれる。気管は馬蹄型をした気管軟骨が15~20個並んで気道が潰れないよう補給しているが、食道と接する後面は軟骨が無く結合織と平滑筋でできている。気管は加温・加湿・濾過の機能を持ち、気管に達した空気はほぼ100%の湿度となる。上皮は線毛上皮で、繊毛は喉頭の方向に向かって運動し、微生物や異物が付着した粘液を口腔など外部に排出する。気道粘膜には刺激受容器が存在し異物や煙などの機械的・化学的刺激に反応して迷走神経反射により積がおこり、これを咳嗽反射とよび生体防御反応の一種である。最も敏感なのは、喉頭と気管分岐部である。
② 気管分岐部で、気管は左右の主気管支に分かれる。左右主気管支の長さは約5cmで、主気管支は右が太く分岐角は25度で、左は細く分岐角は45度である(気管分岐角)。そのため誤って気管にはいった異物は、右の主気管支から右肺に入りやすい。誤嚥性肺炎が右下葉におこりやすいのは左右の解剖学的構造の違いによる。主気管支はそれぞれ左右の肺門から肺内にはいってすぐに分岐し、右は3本、左は2本の葉気管支となる。主気管支は他の気道部位と同様に、空気の移動路になるほか、空気の加湿、加温、清浄化(濾過)機能を有し、咳嗽反射もある。
③ 肺は胸腔の約80%をしめ、横隔膜に接する下面を肺底、上端部を肺尖とよぶ。内側面は縦隔に℃、中央部に肺門がある。主気管支は右は3本の葉気管支となり上葉、中葉、下葉に分かれ、左は2本で上葉と下葉にはいる。気管支は肺内で約20回分枝をくりかえし、4~6本の終末細気管支となり、呼吸細気管支から肺胞に到達する。葉気管支は内径7 mmで、右では上葉枝、中葉枝、下葉枝の3本に、左では上葉枝と下葉枝に分かれる。葉気管支はさらに2~3分して区域気管支(内径7mm)となり、この区域気管支により空気が送られる肺の部分を肺区域と呼ぶ。右肺は10区域、左肺は8区域に分かれる。区域気管支がさらに枝分かれして軟骨が存在しないほど細くなった膜性気管支を細気管支(内径0.5~2 mm)と呼ぶ。さらに終末細気管支(内径0.5 mm)、呼吸細気管支(内径0.3 mm)、肺胞管(内径0.1 mm)に分かれる。
キーワード
① 喉頭、気管、気管軟骨 ② 気管分岐角、右主気管支、左主気管支 ③ 上葉、中葉、下葉
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」140頁~144頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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肺
科目の中での位置付け
この科目では呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。呼吸器では、構造と機能として、呼吸器系の役割、鼻と鼻腔、咽頭、喉頭、気管と主気管支、肺について学習する。呼吸のプロセスとして、換気、外呼吸、ガスの運搬、内呼吸について学習する。呼吸の調節としては化学受容器と呼吸器系の受容器、呼吸中枢、呼吸調節の効果器である呼吸筋、呼吸のさまざまな異常、呼吸器系の成長と老化について学習する。このコマでは、肺胞上皮細胞と肺胞腔からなる肺胞と呼吸膜から構成される肺の構造と機能を学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」141頁~147頁
コマ主題細目
① 肺と胸膜・胸膜腔 ② 肺胞 ③ 呼吸膜
細目レベル
① 肺は左右一対で右は3葉、左は2葉である。肺門部には主気管支、肺動脈、肺静脈、気管支動脈、気管支静脈、リンパ管、交感神経、副交感神経がある、肺の表面は臓側胸膜(漿膜)でおおわれていて、一方胸壁・縦隔・横隔膜の内側は壁側胸膜(漿膜)でおおわれている。この臓側胸膜と壁側胸膜で囲まれた閉じた空間を胸膜腔とよび、胸膜腔には少量の漿液が分泌されていて、その潤滑作用により2つの胸膜はぴったりくっつきながら、なめらかに横隔膜や胸腔の動きに追従する。胸腔内は陰圧のため肺は胸壁に密着しているが、肺の一部が損傷して胸腔内に肺から空気が漏れたり、胸壁の外傷で外から胸腔内に空気が入ると、胸腔内圧は大気圧と等しくなるため、肺は小さく縮んでしまう。この状態を気胸という。
② 肺胞は直径250~300ミクロンで肺実質にびっしりと詰まっている。肺胞は空気で満たされているので、肺実質のほとんどは空気で、肺はふわふわしたスポンジのように軟らかい。肺胞の内面は肺胞上皮でその外側は肺胞中隔と呼ばれ基底膜下の薄い結合組織の中に毛細血管が網のように張り巡らされている。肺胞に到達した酸素は肺胞壁を通って毛細血管中の赤血球ヘモグロビンと結合する。末梢から運ばれてきた二酸化炭素も肺胞壁を通って呼気中に排出される。肺胞上皮細胞にはⅠ型とⅡ型があり、Ⅰ型は膜状、Ⅱ型は厚みがありサーファクタント(表面活性物質)を分泌する。肺胞腔内には肺胞マクロファージが存在し、吸気中の塵芥や病原微生物を貪食している。
③ 肺胞内の空気と肺胞毛細血管内の血液は肺胞壁によって隔てられている。肺胞腔内の酸素は毛細血管へ、毛細血管内の二酸化炭素は肺胞腔内へそれぞれの気体の濃度勾配差によって移動する(分圧差による単純拡散)。酸素と二酸化炭素が通過する呼吸膜は、肺胞上皮細胞と基底膜と毛細血管内皮細胞からなり、酸素と二酸化炭素はこの膜を分圧差によって単純拡散で移動する。呼吸膜は0.2~0.3ミクロンで、壁は薄ければ薄いほど気体が拡散しやすい。この呼吸膜が炎症・浮腫・繊維化などで厚みを増すと、ガス交換の能率が低下し呼吸機能の障害につながる。血中に入った酸素の大半は、赤血球膜を通過してヘモグロビンと結合する。
キーワード
① 臓側胸膜、壁側胸膜、胸膜腔 ② ガス交換、サーファクタント、肺胞マクロファージ ③ 肺胞上皮細胞、基底膜、毛細血管内皮細胞
コマの展開方法
社会人講師
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PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」141頁~147頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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呼吸の生理学
科目の中での位置付け
この科目では呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。呼吸器では、構造と機能として、呼吸器系の役割、鼻と鼻腔、咽頭、喉頭、気管と主気管支、肺について学習する。呼吸のプロセスとして、換気、外呼吸、ガスの運搬、内呼吸について学習する。呼吸の調節としては化学受容器と呼吸器系の受容器、呼吸中枢、呼吸調節の効果器である呼吸筋、呼吸のさまざまな異常、呼吸器系の成長と老化について学習する。このコマでは、吸気と呼気、胸腔内圧、肺気量分画、酸素と炭酸ガスの運搬、酸塩基平衡について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」147頁~155頁
コマ主題細目
① 換気 ② 外呼吸 ③ ガスの運搬
細目レベル
① 吸息は横隔膜(腹式呼吸)と外肋間筋(胸式呼吸)が収縮して胸腔の容積が増し胸腔内が陰圧になることによっておこる。呼息には通常は筋肉は関与せず、横隔膜や外肋間筋が弛緩することによって胸郭が元の位置に戻ることによって行われる。ただし努力性呼気の場合には内肋間筋と腹筋(腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋)が収縮して胸腔内圧を上げる。胸腔内圧は常に大気圧と比較して陰圧になっている。咳やくしゃみでは強制的な空気の排出がおこる。しゃっくりは横隔膜のけいれんによっておこる。呼吸状態の評価にはスパイログラムのフローボリューム曲線が使用される。一秒率と%肺活量の値で、拘束性換気障害(肺線維症:間質性肺炎)と閉塞性換気障害(気管支喘息、肺気腫、慢性気管支炎)が鑑別診断される。
② 大気中には酸素が21%含まれていて、換気により肺内に取り込まれる。組織で産生された二酸化炭素は静脈血によって肺に運ばれる。酸素と二酸化炭素は単純拡散により呼吸膜を通過し、酸素は毛細血管内へ移動し二酸化炭素は肺胞へ移動して、空気中のそれぞれの濃度とほぼ同じになる。血液と肺胞の間でガス交換が行われることを外呼吸と呼ぶ。運動時には多くの酸素を必要とするため、心拍出量が増え肺毛細血管内の流速が増えて、呼吸膜を介して肺胞内の酸素と血液が接する時間が短くなる。肺線維症などで呼吸膜の拡散能が落ちている場合には、運動に必要な酸素が供給されず低酸素血症になる。この場合、二酸化炭素は酸素に比較して拡散能が非常に高いため問題にならない。
③ 酸素は赤血球ヘモグロビンに結合して運ばれるが、ヘモグロビンが酸素に結合している割合を酸素飽和度という。酸素飽和度(Y軸:%)と血中の酸素分圧Po2(X軸:Torr)の関係を示すグラフを酸素解離曲線とよぶ。酸素解離曲線はSの字の形をしていて、酸素分圧の高い肺ではヘモグロビンがより多くの酸素と結合し、酸素分圧の低い末梢組織ではヘモグロビンから酸素が離れやすくなり組織に供給される。酸素解離曲線は血液のpH、二酸化炭素濃度、赤血球内の2,3-ジホスホグリセリン濃度、温度の影響を受ける。二酸化炭素は血漿への溶存(約10%)と、重炭酸イオン(約60%)と、タンパク質(ヘモグロビンのグロビンなど)と結合したカルバミノ化合物(約30%)の3通りの形で運ばれる。重炭酸イオンは、体液の水素イオンの濃度(pH)を一定に保つ酸塩基平衡の調節にも関わっている。
キーワード
① 横隔膜、外肋間筋、内肋間筋、腹筋 ② 酸素、二酸化炭素、ガス交換 ③ ヘモグロビン、重炭酸イオン、酸塩基平衡
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」147頁~155頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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呼吸の調節
科目の中での位置付け
この科目では呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。呼吸器では、構造と機能として、呼吸器系の役割、鼻と鼻腔、咽頭、喉頭、気管と主気管支、肺について学習する。呼吸のプロセスとして、換気、外呼吸、ガスの運搬、内呼吸について学習する。呼吸の調節としては化学受容器と呼吸器系の受容器、呼吸中枢、呼吸調節の効果器である呼吸筋、呼吸のさまざまな異常、呼吸器系の成長と老化について学習する。このコマでは、呼吸の調節の仕組みとして、中枢化学受容器、末梢化学受容器、呼吸器系の受容器、呼吸中枢について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」155頁~158頁
コマ主題細目
① 化学受容器と呼吸系の受容器 ② 呼吸中枢 ③ 呼吸筋と呼吸の異常
細目レベル
① 中枢化学受容器は延髄にあり脳脊髄液中の二酸化炭素分圧や水素イオン濃度の変化を呼吸中枢に伝えている。二酸化炭素分圧が上がると換気が促進され、肺からの二酸化炭素排出量が増加する。血中の二酸化炭素は容易に血液脳関門を通過し脳脊髄液の、水素イオンを放出しpHを下げる。一方二酸化炭素濃度が高くなりすぎると中枢に対して麻酔効果を生み呼吸が抑制される(CO2ナルコーシス)。末梢化学受容器は、頸動脈小体と大動脈小体で動脈血中の酸素分圧を検知している。頸動脈小体は舌咽神経、大動脈小体は迷走神経を介して延髄の呼吸中枢に情報を伝達する。気管支の平滑筋に肺伸展受容器があり、J受容器(肺毛細血管近傍受容器)は肺胞の毛細血管近くにある。気管の刺激受容器は咳嗽反射をおこす。
② 呼吸中枢は呼吸数と呼吸の深さを調節している。中枢と末梢にある化学受容器や肺にある各種受容器から送られてくる情報をもとに、呼吸の状態を認識し酸素分圧や二酸化炭素分圧を一定に保つよう呼吸筋へ指示を出し、呼吸を促進したり抑制したりする。呼吸中枢は脳幹部の延髄に存在し、吸気に関する背側呼吸ニューロン群と呼気に関する腹側呼吸ニューロン群からなる。橋上部にある呼吸調節中枢は主に呼吸のリズムを調節し、延髄呼吸中枢の背側呼吸ニューロン群に指示を出して吸息時間を短くするので、呼吸回数は増加する。橋下部には強い吸息をおこす持続性吸息中枢がある。呼吸運動は主に延髄と橋により調節されるが、間脳や視床下部、小脳などの影響を受ける他に、大脳皮質の随意制御も受けている。
③ 呼吸中枢からの運動刺激は、横隔神経・肋間神経を通じて呼吸筋に伝えられ、安静時には吸気の時に横隔膜と外肋間筋が収縮する。安静時の呼気では呼吸筋は働かない。努力呼吸時には、吸気は胸鎖乳突筋や斜角筋、呼気時には内肋間筋、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋が関わる。努力性呼吸に関与する筋肉を呼吸補助筋と呼ぶ。異常呼吸としては、頻呼吸は24/分以上、徐呼吸は12/分以下、過呼吸は深さが増加する。リズムの異常をきたすものは主に3種類あり、チェーン・ストークス呼吸は無呼吸が10秒以上続いて、徐々に過呼吸となりまた無呼吸に戻るもので、呼吸中枢の二酸化炭素に対する反応が低下しているときにみられ、脳出血、脳外傷、尿毒症、アルコール中毒などがある。ビオー呼吸は不規則な呼吸で、髄膜炎、脳腫瘍、脳外傷、頭蓋内圧亢進でみられる。クスマウル呼吸は異常に大きい呼吸が規則的に継続する状態で、糖尿病性ケトアシドーシス、尿毒症性昏睡のときにみられる。
キーワード
① 延髄、頸動脈小体、大動脈小体、肺伸展受容器 ② 呼吸調節中枢、持続性吸息中枢、橋、延髄、背側呼吸ニューロン、腹側呼吸ニューロン ③ 横隔膜、外肋間筋、胸鎖乳突筋、内肋間筋、腹筋、頻呼吸、徐呼吸、過呼吸
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」155頁~158頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
21
咀嚼と嚥下
科目の中での位置付け
この科目では呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。消化器では、食欲と摂食行動、食欲の調節、口腔の構造と機能、歯、咀嚼、咽頭の構造と機能食堂の構造と機能、嚥下、胃の構造と機能、小腸の構造と機能、肝臓の構造と機能、胆嚢の構造と機能、膵臓の構造と機能、糖質の消化と吸収、脂肪の消化と吸収、タンパク質の消化と吸収、ビタミンの吸収、水の吸収、大腸の構造と機能、排便の機序、消化系の成長と老化について学習する。このコマでは、摂食中枢と満腹中枢、咀嚼を行うための口腔の構造と、嚥下を行うための咽頭から食道にかけての機能を学ぶ。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」160頁~171頁
コマ主題細目
① 食欲 ② 咀嚼 ③ 嚥下
細目レベル
① 摂食行動は、食欲や空腹感によって引き起こされ、満腹感によって中止される。摂食中枢は視床下部の外側核にあり、満腹中枢は視床下部の腹内側核にある。食欲中枢刺激物質としては、脂肪細胞から分泌されるレプチンは満腹中枢を刺激して摂食行動を抑制する。神経ペプチドのオレキシンと成長ホルモン分泌促進ペプチドのグレリンは摂食行動を亢進させる。体内の栄養状態も食欲に影響し、血中の糖やインスリン濃度の低下、遊離脂肪酸の上昇が空腹感を引き起こす。インスリン、グルカゴン、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニンなども県警する。胃が拡張すると摂食中枢を抑制し、逆に空になると刺激する。口腔にも受容体があり咀嚼運動は摂食中枢を抑制する。その他に視覚・嗅覚・聴覚・気温なども食欲に関係する。
② 口腔には舌があり表面には糸状乳頭(舌尖や舌体)、茸状乳頭、葉状乳頭などがあり、そこに味の受容体の味蕾がある。甘味、塩味、酸味、苦味、うまみに反応する。大きい唾液腺は3対あり耳下腺、顎下腺、舌下腺があるが、耳下腺が最も大きくムンプスウイルス感染で耳下腺炎をおこす。それ以外にも口唇腺,頬腺、舌腺、口蓋腺など小さい唾液腺がある。唾液にはプチアリン(αアミラーゼ:炭水化物の消化酵素)を含む漿液性の唾液と、ムチン(糖タンパク)を含む粘性の高い唾液の2種類がある。その他にリゾチーム(感染防御に働く酵素)や電解質なども含まれる。唾液の分泌は腹腔感神経により反射的に行われ、頭性分泌相、胃性分泌相、腸性分泌相がある。咀嚼は咬筋、側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋により行われる。
③ 咽頭は、口腔・咽頭・食道という消化器系の通路であると同時に、鼻腔・咽頭・喉頭・気管の呼吸系の通路ともなる。食物を食道へ、空気を気管へ導くためには、軟口蓋と喉頭蓋が協調して動き、気道への誤嚥をふせいでいる。咽頭を通過した食物は食道を通って胃に送り込まれる。食道は頚部食道、胸部食道、腹部食道に区分され、3箇所の生理的狭窄部(咽頭食道狭窄部、大動脈狭窄部、横隔膜狭窄部)がある。食道壁は粘膜、粘膜下組織、筋層、外膜で構成され、粘膜は重層扁平上皮である。上部食道括約筋(輪状咽頭筋)と下部食道括約筋(食道輪状筋)があり、食物の移送に関係している。嚥下の過程は、第1相(口腔咽頭相)、第2相(咽頭食道相)、第3相(食道相)がある。
キーワード
① 摂食中枢、満腹中枢、レプチン、オレキシン、グレリン ② 唾液、咬筋、側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋 ③ 軟口蓋、喉頭蓋、誤嚥
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」160頁~171頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
22
消化(胃・小腸)
科目の中での位置付け
この科目では呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。消化器では、食欲と摂食行動、食欲の調節、口腔の構造と機能、歯、咀嚼、咽頭の構造と機能食堂の構造と機能、嚥下、胃の構造と機能、小腸の構造と機能、肝臓の構造と機能、胆嚢の構造と機能、膵臓の構造と機能、糖質の消化と吸収、脂肪の消化と吸収、タンパク質の消化と吸収、ビタミンの吸収、水の吸収、大腸の構造と機能、排便の機序、消化系の成長と老化について学習する。このコマでは、胃の構造と胃液の分泌、胃の蠕動運動、小腸のつくりと腸液分泌について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」172頁~177頁
コマ主題細目
① 胃の構造 ② 胃液の分泌 ③ 小腸
細目レベル
① 胃の入り口は噴門で出口は幽門である。凸に弯曲した長い方を大弯、凹の短い方を小弯とよぶ。上部を胃底部、中央を胃体部、幽門付近を前庭部とよぶ。胃壁には胃底腺(胃底部と胃体部)と幽門腺(幽門前庭部)がある。胃底腺には、塩酸と内因子を分泌する壁細胞(傍細胞)とペプシノゲンを分泌する主細胞、主に粘液を分泌する副細胞(頸部粘液細胞)がある。幽門腺は大部分が粘液分泌細胞で、前庭部には消化管ホルモンとして壁細胞に働いて胃酸分泌を促進するガストリンを分泌するガストリン細胞と呼ばれる内分泌細胞がある。胃の筋層は平滑筋で、輪状筋と縦走筋がありその間に自律神経系の筋層間神経叢(アウエルバッハ神経叢)があり幽門括約筋を支配している。また粘膜下には粘膜下神経叢(マイスネル神経叢)があり胃腺を支配している。
② 胃液は1500ml/日分泌され、粘液、消化酵素、内因子、電解質を含む。塩酸を含むためpHは1.5~2.0の酸性である。胃液の分泌は頭性分泌相、胃性分泌相、腸性分泌相により調節される。頭性分泌相は、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、温覚冷覚により刺激され迷走神経により壁細胞に伝えられる。胃性分泌相は、食塊の壁細胞への直接刺激、胃の拡張による迷走神経反射、幽門前庭部のガストリン細胞からのガストリン分泌による。腸性分泌相は糜粥が十二指腸に入ると腸ホルモンが分泌され、セクレチン、胃抑制ペプチド(GIP)、ソマトスタチンは胃酸分泌を抑制する。食物が胃に入るとまず胃は弛緩して胃壁が進展すると胃液の分泌がおこり、蠕動運動が起こる。主細胞から分泌されるペプシノゲンはそのままでは活性がなく、塩酸と混じることによってペプシンとなり、タンパク質を低分子のペプチドに分解する。
③ 小腸は十二指腸、空腸、回腸よりなり、空腸はトライツ靱帯からの2/5で、その後の3/5が回腸である。小腸の粘膜面には輪状ヒダがあり、その上に絨毛、さらに微絨毛があることにより小腸粘膜の表面積を多くしている。絨毛と絨毛の間に腸陰窩があり腸腺から腸液を分泌する。腸液は2400mL/日分泌される。十二指腸腺からはアルカリの腸液が分泌され胃酸を中和する。腸管内に糜粥が達すると、粘膜下神経叢を刺激し腸液が分泌される。消化管ホルモンであるセクレチンやコレシストキニンは腸液の分泌を促進する。副交感神経は腸液の分泌を促進し,交感神経は抑制する。腸液内には消化酵素は含まれず、小腸の消化酵素は微絨毛の刷子縁に存在し、糖質を分解するサッカラーゼ、マルターゼ、ラクターゼ、脂肪を分解するリパーゼ、タンパク質を分解するペプチダーゼがある。
キーワード
① 噴門、幽門、胃底部、胃体部、前庭部 ② 迷走神経、ガストリン、塩酸、セクレチン、胃抑制ペプチド(GIP)、ソマトスタチン ③ トライツ靱帯、空調、回腸、輪状ヒダ、絨毛、微絨毛、セクレチン、コレシストキニン
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」172頁~177頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
23
消化(肝臓・胆嚢・膵臓)
科目の中での位置付け
この科目では呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。消化器では、食欲と摂食行動、食欲の調節、口腔の構造と機能、歯、咀嚼、咽頭の構造と機能食堂の構造と機能、嚥下、胃の構造と機能、小腸の構造と機能、肝臓の構造と機能、胆嚢の構造と機能、膵臓の構造と機能、糖質の消化と吸収、脂肪の消化と吸収、タンパク質の消化と吸収、ビタミンの吸収、水の吸収、大腸の構造と機能、排便の機序、消化系の成長と老化について学習する。このコマでは、肝臓の構造と代謝機能、胆汁の生成と分泌、血液の貯蔵と濾過、胆嚢のつくりと胆汁分泌、膵臓の構造と膵外分泌について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」178頁~185頁
コマ主題細目
① 肝臓 ② 胆嚢 ③ 膵臓
細目レベル
① 肝臓は肝鎌状間膜によって右葉と左葉に分けられ右葉が大きい。肝臓の下面には肝門とよばれる脈管の集合部位があり、固有肝動脈・門脈・総胆管・リンパ管・神経が含まれている。肝臓の後面上方には肝静脈が出ていて下大静脈に合流する。肝臓へ流入する血液は、固有肝動脈から酸素を含む動脈血、門脈から消化管からの栄養を含む静脈血で、流出する血管は静脈血が出て行く肝静脈である。肝臓の基本機能単位は肝小葉で、5万~10万個の肝小葉で構成されている。中心には中心静脈があり、1個の肝小葉には約50万個の肝細胞がある。肝臓は代謝機能として糖質代謝、脂肪代謝、タンパク代謝、ビタミン、鉄、凝固因子などの代謝、有害物質の無毒化などを行っている。血液から間接ビリルビンを取り込み直接ビリルビンに変換し胆汁として分泌している。
② 胆嚢は肝臓によりつくられた胆汁を貯蔵する袋で、胆嚢管により総胆管とつながっている。肝臓から分泌された胆汁の一部は総胆管からそのまま十二指腸に向かうが、半分以上は胆嚢管を通って胆嚢に貯留され、水分や電解質が吸収されて5~20倍に濃縮される。食物が十二指腸に入ると、十二指腸からコレシストキニンが分泌され、胆嚢に作用して収縮がおこり貯留されていた濃縮胆汁は、総胆管、十二指腸乳頭部を経て排出される。胆嚢からの胆汁排泄は、頭性分泌相と腸性分泌相によりコントロールされている。頭性分泌相では胃液の分泌と同様に迷走神経により胆嚢が収縮する。腸性分泌相では、食物中の脂質が十二指腸に達するとコレシストキニンが分泌され、血流に乗って胆嚢に達して収縮させる。
③ 膵臓は十二指腸に接して、膵頭部、膵体部、膵尾部よりなる。膵臓は消化酵素を分泌する外分泌腺がほとんどで、腺房細胞が集まって腺房を作り導管細胞で出来た導管が集合して太い膵管となる。膵管は総胆管と一緒に十二指腸乳頭に開口する。また膵臓の実質には、インスリン(B(β)細胞)やグルカゴン(A(α)細胞)、ソマトスタチン(D(δ)細胞)などのホルモンを分泌する内分泌細胞の集団である膵島(ランゲルハンス島)が点在する。膵液には糖質を消化する膵アミラーゼ、脂肪の消化に関係する膵リパーゼ、タンパク質の消化に関与するトリプシン、キモトリプシン、カルボキシペプチダーゼが含まれる。膵液の分泌もまた頭性分泌相、胃性分泌相、腸性分泌相によりコントロールされている。
キーワード
① 右葉、左葉、肝小葉、中心静脈、代謝機能、胆汁酸塩腸肝循環 ② 総胆管、胆嚢管、胆汁、コレシストキニン、十二指腸乳頭部 ③ ランゲルハンス島、インスリン、グルカゴン、膵アミラーゼ、膵リパーゼ、トリプシン
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」178頁~185頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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吸収
科目の中での位置付け
この科目では呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。消化器では、食欲と摂食行動、食欲の調節、口腔の構造と機能、歯、咀嚼、咽頭の構造と機能食堂の構造と機能、嚥下、胃の構造と機能、小腸の構造と機能、肝臓の構造と機能、胆嚢の構造と機能、膵臓の構造と機能、糖質の消化と吸収、脂肪の消化と吸収、タンパク質の消化と吸収、ビタミンの吸収、水の吸収、大腸の構造と機能、排便の機序、消化系の成長と老化について学習する。このコマでは、糖質、脂肪、タンパク質の消化と吸収、ビタミンの吸収、水の吸収について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」185頁~188頁
コマ主題細目
① 糖質の消化と吸収 ② 脂肪の消化と吸収 ③ タンパク質の消化とビタミンと水の吸収
細目レベル
① 食物の糖質は、デンプン、砂糖として使われるショ糖(スクロース)、乳汁中にある二糖類の乳糖(ラクトース)がある。デンプンは唾液アミラーゼと膵アミラーゼによりマルトース(麦芽糖)に変化する。マルトースは小腸上皮のマルターゼによりグルコースに分解される、ラクトースはラクターゼでガラクトースとグルコースに、スクロースはスクラーゼでフルクトースとグルコースになり吸収される。このように糖質は最終的には単糖類(グルコース、ガラクトース、フルクトース)となり、腸管粘膜細胞から速やかに吸収される。グルコースの吸収はナトリウムの能動輸送とともに行われる。ガラクトースも同様であるが,フルクトースはナトリウムとは関係せず、小腸上皮細胞を介して拡散により輸送される。
② 食物中の脂質はほとんど中性脂肪(トリグリセライド)で、その他にリン脂質、コレステロールなどがある。脂肪は胆汁中の胆汁酸とレシチンによって乳化がおきる。これによって脂肪の粒子が細かくなって水溶性の消化酵素が表面に作用できるようになる。胆汁酸塩によってミセルとなった脂肪を膵リパーゼがモノグリセリドと遊離脂肪酸に分解し一部はグリセロールと遊離脂肪酸となる。グリセロールは水溶性のため粘膜細胞から血液に移行し門脈血に入り肝臓へ輸送される。モノグリセリドと遊離脂肪酸は脂溶性のため血液に移行しないので、もう一度ミセルの形態をとり細胞内に移行してジグリセリドとトリグリセリドに再合成され、リポタンパクに包まれたキロミクロンになる。キロミクロンはリンパ管に入り胸管から左鎖骨下静脈に合流し全身循環にはいり肝臓へ輸送される。
③ 胃の主細胞が分泌するペプシノーゲンは胃酸の働きでペプシンとなり、タンパク質を分解してポリペプチドとする。次いで膵液中のトリプシン、キモトリプシン、カルボキシペプチダーゼの作用を受け、次に腸上皮のアミノペプチダーゼとペプチダーゼにより、トリペプチド、ジペプチド、アミノ酸とない吸収される。ビタミンA、D、E、Kは脂溶性で、脂肪とともに吸収される。水溶性ビタミンは受動的拡散で腸粘膜から吸収され、B1、B12、Cは特異的な担体による能動輸送で吸収される。B12の吸収には胃の壁細胞から分泌される内因子が必要である。水の摂取量は1500mlで、これに唾液(1500ml)、胃液(1500ml)、胆汁(600ml)、膵液(700ml)、腸液(2400ml)が加わるが、その約98%は再吸収されている。大部分が小腸で吸収され、最後に大腸で吸収される。
キーワード
① デンプン、スクロース、ラクトース、ガラクトース、フルクトース ② 胆汁酸、ミセル、リパーゼ、遊離脂肪酸、グリセロール、キロミクロン ③ アミノ酸、ペプシン、キモトリプシン、トリペプチド、ジペプチド、脂溶性ビタミン、水溶性ビタミン、B12、内因子
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」185頁~188頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
25
排泄
科目の中での位置付け
この科目では呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。消化器では、食欲と摂食行動、食欲の調節、口腔の構造と機能、歯、咀嚼、咽頭の構造と機能食堂の構造と機能、嚥下、胃の構造と機能、小腸の構造と機能、肝臓の構造と機能、胆嚢の構造と機能、膵臓の構造と機能、糖質の消化と吸収、脂肪の消化と吸収、タンパク質の消化と吸収、ビタミンの吸収、水の吸収、大腸の構造と機能、排便の機序、消化系の成長と老化について学習する。このコマでは、大腸のつくりと働き、排便の機序、消化器系の成長と老化について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」189頁~193頁
コマ主題細目
① 大腸の構造と機能 ② 排便の機序 ③ 消化器系の成長と老化
細目レベル
① 大腸は回盲弁から肛門まででの長さ1.5 m の管状の器官で、右下腹部から体の右側を上行し、上腹部を左に横断してから左側腹部を下降して骨盤内に到り、順に、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸、肛門からなる。盲腸は回盲弁以下の大腸の袋状の部分で、医学用語では盲腸から下垂している虫垂が一般に”盲腸で手術した”と言われる部位にあたり、感染が起こると虫垂炎をおこす。上行結腸と、下行結腸は後腹膜に覆われて固定されているが、横行結腸とS状結腸は腹腔内に自由に存在する。肛門管の外側には内肛門括約筋(不随意筋)と外肛門括約筋(随意筋)がある。大腸は小腸で十分吸収されなかった水分を吸収し食物残渣を便とする。大腸は消化酵素を産生しないが、大腸内の細菌はビタミンKや各種のビタミンB複合体を合成するので、腸内細菌叢は重要である。
② 直腸へ便が移動すると排便反射がおこる。直腸には通常は弁が滞留していないが、結腸の蠕動運動で弁が直腸に移動し,内圧が40~50 mmHgになると、直腸壁内の受容器が反応して直腸内反射がおきる。この反射は筋層内神経叢を通じて結腸全体に蠕動運動が広がり内肛門括約筋が弛緩するが、この反射は弱い排便反射である。もう一つの強い排便反射である脊髄排便反射では、インパルスが第2~4仙髄に伝わり骨盤神経を通って反射的に下行結腸・S状結腸・直腸に蠕動波をおこす。排便反射中枢は脳幹の橋にもあり大脳へ便意を伝えるので、大脳は排便行動を始める。内肛門括約筋は骨盤神経の支配を受ける。一方、外肛門括約筋は陰部神経の支配を受ける。脊髄反射で伝えられたシグナルは大脳皮質に達し、便意がおこると随意的に外肛門括約筋を弛緩させ、さらに腹筋の収縮や努責により便が排出される。
③ 歯の萌出は生後6~8ヶ月頃始まり、乳歯は2歳半~3歳ころに生えそろい、永久歯は12~13歳ころまでに生える。高齢者は歯を喪失する場合が多いが、不十分なメインテナンスによるもので、老化により唾液の分泌が減少するため、口腔内乾燥や味覚低下、歯周病の発生などを招くので、高齢者の口腔ケアは重要である。胃は新生児では球形で、2~3歳で釣鐘状になり、10~12歳で成人の形となる。老化により胃や小腸の消化酵素分泌、蠕動運動も低下する。肝臓は老化によって肝細胞数の減少や代謝能の低下をきたし、アルブミン産生や胆道系酵素の活性も影響を受ける。胆嚢は弛緩して、容積の拡大や収縮能の低下をきたす。膵臓も重量の低下や萎縮をきたす。
キーワード
① 回盲弁、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸、肛門 ② 仙髄排便反射中枢、橋排便反射中枢、大脳、内肛門括約筋、外肛門括約筋 ③ 乳歯、永久歯、蠕動運動低下、消化酵素分泌低下
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」189頁~193頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
26
腎臓の構造
科目の中での位置付け
この科目では呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。泌尿器系では腎臓(腎臓の構造と機能、尿の生成、血液成分の調節)、尿管の構造と機能、膀胱の構造と機能、尿道の構造と機能、排尿の生理(蓄尿の機構、排尿の機構、骨盤底筋群の役割)、泌尿系の成長と老化について学習する。このコマでは、腎臓の形状と出入りする脈管、ネフロンを構成する糸球体、ボーマン嚢、近位尿細管、遠位尿細管、傍糸球体細胞とメサンギウム細胞の機能、レニンとエリスロポエチンの分泌について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」194頁~200頁
コマ主題細目
① 腎臓 ② ネフロン ③ 腎の機能
細目レベル
① 腎臓は左右1対存在し、壁側腹膜の後方で脊柱の両側に位置する(後腹膜臓器)。大きさは縦12cm、横6cm、厚さ3cmのソラマメ状で、腰部背側の第11胸椎と第3腰椎の間の高さにある。中央の久保雲だ部分を腎門と呼び、腎門部には、尿管、腎動脈、腎静脈、神経が出入りする。腎臓の表面は線維性の腎被膜がおおい、その周囲を脂肪組織が取り囲んで衝撃から保護している。大きくは皮質と髄質、腎盂からなり、尿を集める腎杯は集合して腎盂となり、尿管へ移行する。腎臓には循環血液量の約25%が常に流れている血液の豊富な臓器である。腹部大動脈から直接分枝した腎動脈は葉間動脈、弓状動脈、小葉間動脈となり糸球体に到る。糸球体を出た静脈は小葉間静脈、弓状静脈、葉間静脈となり腎静脈となって下大静脈へ合流する。
② 尿を産生する最小の単位がネフロンとよばれ、腎小体と尿細管からなり、一側腎に100万個あり、出生後は再生することはないので、ネフロンがひとたび傷害されると再生せず数がどんどん減少して腎不全となる。腎小体は毛細血管の集合である糸球体とそれを包み込む糸球体囊(ボーマン囊)よりなる。糸球体で濾過された原尿は、ボーマン囊から尿細管へと送られる。近位尿細管から腎髄質に向かって伸びた部分をヘンレ係蹄とよび、その後は遠位尿細管、集合管となり腎杯に達する。糸球体への輸入細動脈の細胞内にレニンの顆粒を含む傍糸球体細胞があり、流入する動脈血流が低下すると(血圧が下がると)レニンを放出する。糸球体の毛細血管を支えるのがメサンギウム細胞である。
③ 腎臓は尿の生成により、体液の量と浸透圧を一定に保ち、血液のpHを一定に保ち、不要な代謝産物(尿素、尿酸)や薬物を体外に排泄する。傍糸球体細胞から分泌されるレニンは、出血などによる血圧の低下やナトリウムの喪失により分泌される。レニンは、肝臓で生成され血液中に放出されているアンジオテンシノゲンをアンジオテンシンⅠに変換する。アンジオテンシンⅠは肺にあるアンジオテンシンⅠ変換酵素の働きで、アンジオテンシンⅡに変化する。アンジオテンシンⅡは直接に細動脈を収縮させて血圧を上昇させる他に、副腎皮質に作用してアルドステロンを分泌させる。アルドステロンは遠位尿細管や集合管にはたらいてナトリウムイオンの再吸収を促進する。低酸素血症になると尿細管周囲の間質線維芽細胞からエリスロポエチンが分泌され骨髄に作用して赤血球数を増加させる。
キーワード
① 腎門部、腎杯、腎盂、腎動脈、腎静脈、尿管 ② 腎小体、糸球体、ボーマン囊、尿細管、傍糸球体細胞、メサンギウム細胞 ③ 浸透圧、pH、尿素、尿酸、レニン、エリスロポエチン
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」194頁~1200頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
27
尿の生成
科目の中での位置付け
この科目では呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。泌尿器系では腎臓(腎臓の構造と機能、尿の生成、血液成分の調節)、尿管の構造と機能、膀胱の構造と機能、尿道の構造と機能、排尿の生理(蓄尿の機構、排尿の機構、骨盤底筋群の役割)、泌尿系の成長と老化について学習する。このコマでは、糸球体濾過と原尿の生成、近位尿細管と遠位尿細管での再吸収、近位尿細管と遠位尿細管での分泌、Na+、K+、Cl-、重炭酸イオンの役割、尿の組成として尿素、尿酸、アンモニアの代謝、一日の尿量について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」200頁~202頁
コマ主題細目
① 糸球体濾過 ② 尿細管の再吸収・分泌 ③ 尿細の組成と尿量
細目レベル
① 尿は糸球体で血管内の水と溶質が濾過されて原尿となった後、尿細管により再吸収と分泌を受けて完成する。そして集合管に集まり腎乳頭から腎杯・腎盂・尿管へ流れてゆく。糸球体の輸出細動脈は輸入細動脈より内径が小さく、糸球体毛細血管の血管内圧は一般の毛細血管より高いので、水と溶質(タンパク質よりも分子量の小さい物質はすべて)が血管外に移動しボーマン囊に受け取られる。このようにして濾過された液体を原尿と呼ぶが、原尿の99%は尿細管で再吸収される。血圧が60mmHg以下になると濾過圧が0となり、尿の生成は停止する:急性循環不全(ショック状態)での無尿。病変によって糸球体毛細血管の構造が変化すると、タンパク質が原尿中に移動するため、タンパク尿となる。
② 原尿には、血球成分と分子量の大きいタンパク質以外の成分がすべて含まれるので、水、ブドウ糖、アミノ酸、電解質など体に必要な物質を再吸収して血液中に回収する必要がある。水は浸透圧によって受動的に再吸収されるが、その他の物質はATPのエネルギーを利用して能動輸送で再吸収される。近位尿細管ではブドウ糖、アミノ酸、水の65%、Na+、K+、Ca2+、HCO3-、Cl-、無機リンが吸収される。ヘンレ係蹄では15%の水が吸収される。遠位尿細管では残りの水とNa+、Ca2+、HCO3-が吸収される。水素イオン(H+)は近位尿細管から分泌され血液のpHを一定にたもつ。逆に重炭酸イオン(HCO3-)は近位尿細管と遠位尿細管で再吸収されることによってpHの調節に関わっている。アンモニアは尿細管で分泌される。またペニシリンなどの薬物は近位尿細管から分泌排出される。
③ 尿の95%は水で、固形成分はクレアチニン、尿素、尿酸などの窒素代謝最終産物を多く含む。淡黄色の成分はウロクロムで、Na+、K+、Cl-を含む。タンパク質代謝の過程で発生するアンモニアは、大部分が肝臓で尿素に変換されて排出されるため尿細管から分泌されるアンモニアは少量である。アンモニア自体は毒性が高いが、水素イオン(H+)と結合したアンモニウムイオン(NH4+)は毒性が低い。無尿とは一日尿量が100 ml以下、乏尿とは一日尿量が400 ml以下で腎機能障害の指標となる。膀胱内に尿が充満しているが排尿できない状態を尿閉といい、導尿すると多量の尿が排出されるが、これは尿の生成には異常が無く尿道の閉塞による。一日尿量が3000 ml以上を多尿と呼ぶ。通常は600 ml~2000mlである。
キーワード
① 輸入細動脈、糸球体毛細血管、濾過、原尿 ② ブドウ糖、アミノ酸、電解質、重炭酸イオン、Na+、K+、Cl- ③ 水素イオン、重炭酸イオン、アンモニア、カリウムイオン ④ 尿素、クレアチニン、尿酸、アンモニア、無尿、乏尿、多尿
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」200頁~202頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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血液成分の調節
科目の中での位置付け
この科目では呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。泌尿器系では腎臓(腎臓の構造と機能、尿の生成、血液成分の調節)、尿管の構造と機能、膀胱の構造と機能、尿道の構造と機能、排尿の生理(蓄尿の機構、排尿の機構、骨盤底筋群の役割)、泌尿系の成長と老化について学習する。このコマでは、水分と電解質平衡、細胞内液と細胞外液、水の出納、電解質濃度、抗利尿ホルモン(ADH)とレニンとアルドステロンによる循環血液量と血圧の調節、様々な原因でおこる脱水・浮腫、アルカローシスとアシドーシスについて学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」202頁~210頁
コマ主題細目
① 水分と電解質平衡 ② 水と電解質の調節 ③ 酸・塩基平衡
細目レベル
① 体液は細胞外液と細胞内液に分かれる。あらゆる体細胞は皮膚という袋の中の細胞外液に浸っていて,その細胞の細胞膜の内側の液を細胞内液という。細胞外液は血管内の血漿と血管外の組織細胞間にある間質液に分かれる。細胞外液にはナトリウムが多く含まれ、カリウムは少量である。一方細胞内液には多量のカリウムが含まれる。細胞外液のカリウムが上昇すると不整脈が生じて心停止をきたす。健康な成人では細胞外液は体重の20%、細胞内液は40%をしめる。経口摂取する水以外に代謝の過程で産生される水が代謝水である。ブドウ糖の酸化でATPが産生される場合には、二酸化炭素と水が生じる。体内の主な電解質は、Na+、K+、Cl-、Ca2+、HCO3-などでこれらは浸透圧とpHを一定に保つ役割をしている。
② 溶液中で正(+)または負(-)のイオンとなり、電気的性質を持つ物質を電解質という。腎臓の傍糸球体細胞から分泌されるレニン、副腎皮質から分泌されるアルドステロン、脳下垂体後葉から分泌される抗利尿ホルモン(ADH)により、循環血液量と血圧が一定に調節されている。レニンはアンギオテンシンⅡを活性化して直接血管を収縮させ、一方アンギオテンシンⅡは副腎皮質を刺激してアルドステロンの分泌を促す。アルドステロンは尿細管に作用してナトリウムイオンの再吸収を促進するので同時に水も再吸収される。一方、抗利尿ホルモン(ADH)は、同じく尿細管に作用して水の再吸収を促進する。アンギオテンシンによる血管収縮と、水の再吸収による循環血液量の増大で血圧が上昇する。
③ 動脈血のpHが、7.35 以下の場合をアシドーシス、7.45以上をアルカローシスと呼ぶ。動脈血のpHはきわめて狭い範囲のなかで維持調節されている。血漿には炭酸、タンパク質、ヘモグロビン、リン酸の4種類の緩衝物質(バッファー)が存在する。呼吸器では、呼気中に二酸化炭素を排出することにより結果的に水素イオンの濃度を低下させる。腎臓では尿細管で水素イオンを排出し、重炭酸イオンを再吸収することによりpHを調節する。臨床で見られる代謝性アシドーシスは糖尿病や腎不全、下痢などで重炭酸イオンが減少し体液が酸性になるので、呼吸を促進しCO2を排泄する。代謝性アルカローシスは胃液の嘔吐などで酸が失われた場合で、呼吸が抑制されCO2の排出を減らす。呼吸性アシドーシスは呼吸不全などでPaCO2が上昇した場合で腎臓でのHCO3-の再吸収が促進される。呼吸性アルカローシスは過呼吸発作などでPaCO2が低下した場合で、尿へのHCO3-の排出が増加する。
キーワード
① 細胞外液、細胞内液、ナトリウムカリウム、代謝水 ② レニン、アンギオテンシンⅡ、アルドステロン、抗利尿ホルモン(ADH)、脱水 ③ 重炭酸イオン、水素イオン、代謝性アシドーシス、代謝性アルカローシス、呼吸性アシドーシス、呼吸性アルカローシス
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」202頁~210頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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尿管・膀胱・尿道
科目の中での位置付け
この科目では呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。泌尿器系では腎臓(腎臓の構造と機能、尿の生成、血液成分の調節)、尿管の構造と機能、膀胱の構造と機能、尿道の構造と機能、排尿の生理(蓄尿の機構、排尿の機構、骨盤底筋群の役割)、泌尿系の成長と老化について学習する。このコマでは、尿管の構造と機能、尿管の生理的狭窄部位、尿管膀胱移行部の逆流防止機構、尿管結石による疝痛発作、膀胱の構造と膀胱三角、膀胱内腔の移行上皮、尿道の構造と機能について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」211頁~213頁
コマ主題細目
① 尿管 ② 膀胱 ③ 尿道
細目レベル
① 尿管は腎臓でつくられた尿を膀胱に輸送する導管で吸収や分泌は行わない。全長は約25cm、内腔は移行上皮でおおわれ、その外側を平滑筋、繊維皮膜がつつむ。る上端を腎盂尿管移行部、下端を尿管膀胱移行部という。周期的に腎盂で生じる蠕動運動により下方へ尿を輸送するため、重力の影響を受けない。尿管膀胱移行部では尿管は膀胱壁を斜めに通過し、特殊な弁構造となっているため、排尿時には尿管口は閉鎖され逆流を防止する。尿管には3つの生理的狭窄部がある。腎盂尿管移行部と総腸骨動脈交叉部と尿管膀胱移行部である。尿管膀胱移行部には、膀胱内圧が上昇しても尿の尿管への逆流を防ぐ構造となっている。尿管が尿路結石で閉塞されると、疝痛発作をおこす。
② 膀胱は恥骨後部、直腸の前部にある3層の平滑筋(排尿筋)でできた袋状の器官で、上方と後面が腹膜と接している。女性では後上方に子宮がある。内腔は移行上皮でおおわれ、尿がない場合には4~6層で重層円柱上皮のような外見だが、尿がたまるにつれて伸展し薄く1~2層に変化するので移行上皮とよばれる。容量は約400mlである。尿管の膀胱内開口部を尿道口とよび、底部正中より約1.5cm外側に開口する。両側の尿管口と内尿道口で形成される3角を膀胱3角とよぶ。尿を貯留する蓄尿と、尿を排出する排尿という二つの相反する機能を持つ。
③ 尿の最終通路である尿道は、男女差がきわめて大きい。男性の尿道は泌尿器(尿の通路)と生殖器(精子の通路)を兼ねる。男性は約15~20 cm、女性は約3cmと短い。膀胱の出口を内尿道口と呼び前立腺部尿道となり、この部位は前立腺が周囲を取り巻いている。中央部に精丘という小突起があり、左右に射精管が開口している。精丘を過ぎると尿道は急に狭くなり,隔膜部尿道といい周囲を横紋筋(外尿道括約筋)が取り囲む。ここを過ぎると広くなり(海綿体部尿道)、陰茎の先端の外尿道口に開口する。女性では腟前庭部で陰核の下、腟口の上に開口する。女性の尿道の中央部1/3の外側は外尿道括約筋(横紋筋)により囲まれていて、蓄尿と排尿に関与している。
キーワード
① 腎盂尿管移行部、総腸骨動脈交叉部、尿管膀胱移行部、蠕動運動、逆流防止 ② 平滑筋、移行上皮、尿管口、内尿道口、膀胱三角 ③ 、内尿道口、前立腺、泌尿器、生殖器、外尿道括約筋
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」211頁~213頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
30
排尿の生理
科目の中での位置付け
この科目では呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)、呼吸器(上気道、気管、肺)、消化器(口腔、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓)、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。泌尿器系では腎臓(腎臓の構造と機能、尿の生成、血液成分の調節)、尿管の構造と機能、膀胱の構造と機能、尿道の構造と機能、排尿の生理(蓄尿の機構、排尿の機構、骨盤底筋群の役割)、泌尿系の成長と老化について学習する。このコマでは、排尿をコントロールする神経としての骨盤神経(副交感神経)と下腹神経(交感神経)と陰部神経(体性神経)、蓄尿反射、排尿反射と排尿中枢、禁制と失禁、骨盤底筋群の役割、泌尿器系の成長と老化について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」214頁~217頁
コマ主題細目
① 排尿の神経支配と蓄尿 ② 排尿 ③ 骨盤底筋群の役割
細目レベル
① 排尿に関与する神経は、副交感神経として骨盤神経(膀胱排尿筋収縮)でその中枢は仙髄副交感神経中枢(S2~S4)にある。遠心性神経は、交感神経・副交感神経・体性神経の3種類あり、交感神経としては下腹神経(膀胱排尿筋弛緩、内尿道括約筋弛緩)で中枢は胸髄腰髄(Th11~L2)、体性神経としては陰部神経(外尿道括約筋収縮、骨盤底筋群収縮)で中枢は仙髄陰部神経核(S2からS4)が関与する。求心性神経は骨盤神経から潜水後根に入り脊髄を上行する。膀胱内に尿がたまると、膀胱内圧は上昇し膀胱平滑筋は弛緩する。胸腰髄の交感神経中枢と仙髄に伝わり蓄尿反射がおこる。膀胱内に尿がたまると、交感神経と陰部神経は自動的に興奮し尿は漏れない。橋排尿中枢と大脳皮質に伝わった刺激は尿意となる。
② 排尿するときには、大脳皮質による橋排尿中枢への抑制が解除され、次に橋排尿中枢を中枢とする排尿反射がおきる。橋排尿中枢から出る遠心路は、仙髄の副交感神経中枢(S2~S4)を興奮させ、膀胱排尿筋の収縮をおこし、さらに交感神経核と腺仙髄陰部神経核(オヌフ核)を興奮させて、内尿道括約筋と外尿道括約筋を弛緩させ排尿が始まる。尿意が生じても我慢できる(禁制の保持)のは、大脳が皮質脊髄路により仙髄の排尿反射中枢を抑制できるからである。この調節が出来るようになるのは、生後2から3年でおむつが取れる時期である。それでも睡眠中に制御不能となってしまうのが夜尿症である。
③ 肛門と外陰部(男性は陰茎根、女性は膣)の間を会陰という。尿道、会陰、肛門をその周囲を骨盤内から見下ろした部位を骨盤底という。この部位には骨盤隔膜(肛門挙筋など)や尿生殖隔膜(尿道括約筋など)からなる複数の筋肉が存在する。骨盤底筋群は陰部神経の支配を受け、随意的に収縮する。特に女性では、外尿道括約筋とともに禁制の保持に重要な役割を果たす。禁制とは本来は抑止するという意味であるが、尿意や便意が生じても我慢する場合に用いられる。禁制の保持が出来ない状態を失禁という。加齢や出産、体重増加などで骨盤底筋群が弛緩すると、咳やくしゃみなどで腹圧が増大したとき、尿が不随意的に外尿道口から漏れ出す尿失禁がおこる。
キーワード
① 骨盤神経、副交感神経、下腹神経、交感神経、陰部神経、体性神経 ② 膀胱内圧、胸腰髄、交感神経中枢、蓄尿反射、橋排尿中枢 ③ 橋排尿中枢、排尿反射、仙髄、副交感神経中枢、禁制、失禁 ④ 会陰、骨盤底、骨盤隔膜、尿生殖隔膜、陰部神経
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」214頁~217頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
履修判定指標
履修指標
履修指標の水準
キーワード
配点
関連回
細胞と組織の解剖と生理
上肢と下肢の構成要素の解剖学的名称を列挙できる。胸腔、腹腔、心膜腔を説明できる。細胞膜の構造、細胞核と染色体との関係を述べることが出来る。細胞内小器官を列挙できる。細胞分裂の細胞周期を説明出来る。体細胞分裂と減数分裂のちがいを説明できる。人体を構成する4種の組織について、それぞれの種類と特徴を述べることが出来る。滑膜の存在部位を説明できる。ミトコンドリア、リボソーム、リソソームの働きを説明できる。細胞膜での能動輸送のうちエンドサイトーシスとエクソサイトーシスのちがいを述べることが出来る。DNAの複製とセントロメアの関係を説明出来る。細胞分化の意味を説明できる。体内で見られる粘膜上皮を3種類列挙し特徴を説明できる。体温調節での皮膚の役割を説明できる。
解剖学的名称、細胞内小器官、漿膜、粘膜、体温調節
10
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血液の解剖
赤血球と血小板の大きさと形状を説明できる。造血幹細胞と骨髄系幹細胞のちがいを説明できる。ヘモグロビンの立体構造の中で鉄の占める位置とその役割を説明できる。好中球と単球・リンパ球の顕微鏡的形態のちがいを述べることが出来る。Tリンパ球とBリンパ球が産生される部位と成熟する部位を述べることが出来る。マクロファージの働きを説明できる。破綻した血管壁での、血小板による一次止血と、フィブリン析出による二次止血で形成される血栓の構造上のちがいを説明できる。
造血幹細胞、ヘモグロビン、血栓
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血液の生理
血漿と血清のちがいを説明できる。赤血球の増殖に必要な腎臓から分泌されるホルモンと、造血に必要なビタミン類を列挙できる。ヘモグロビンの酸素解離曲線のグラフで、X軸とY軸に何が示されているか説明できる。好塩基球の細胞質内顆粒に含まれている物質の名称と生理活性を説明できる。13種類の凝固因子の中で、ビタミンK依存性の因子を列挙できる。輸血に際しての交叉適合試験で、主試験と副試験の説明ができる。ヒト組織適合性白血球抗原(HLA)の6種類の遺伝子座の名称を列挙できる。Rh式血液型不適合妊娠で、第二子の妊娠中におこることを説明できる。
血漿の成分、血小板、凝固因子
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7,8,9,10
心血管系の解剖
心膜腔の存在部位を説明できる。心臓の心尖部の解剖学的位置を述べることができる。肺循環とはなにか説明できる。心臓の右と左の房室弁のそれぞれの特徴を説明できる。心筋そのものを栄養する2本の動脈について説明できる。心臓の刺激伝導系で、それぞれの部位に刺激が伝わる順番を説明できる。動脈と静脈の解剖学的なちがいを説明できる。終動脈について述べることが出来る。胎児循環における卵円孔と動脈管の役割を説明できる。頸動脈小体と大動脈小体の存在部位とその働きを述べることができる。
冠状動脈、刺激伝導系、胎児循環
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心血管系の解剖
第一心音と第二心音の発生部位を説明できる。心拍出量の定義を説明できる。心拍出量に対する迷走神経と、交感神経の作用を述べることが出来る。下肢の静脈での筋ポンプの作用を説明できる。大脳動脈輪(ウイリス動脈輪)の生理学的意義を述べることが出来る。臍静脈を流れる血液の種類を述べることが出来る。血圧と全末梢血管抵抗の関係を説明出来る。血圧の調節に関与する2箇所の圧受容器を説明できる。右リンパ本幹と胸管との、全身のリンパ管支配領域を明示出来る。
心拍出量、臍帯血、血圧
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呼吸器の解剖
鼻孔、鼻腔の構造を説明できる。上咽頭(咽頭鼻部)、中咽頭(咽頭口部)、下咽頭(咽頭喉頭部)を構成する各臓器の名称を正しく記述できる。4つの副鼻腔の部位を示すことができる。耳管と鼓膜との関係を説明できる。声門の構造を説明できる。気管の横断面と食道の関係を説明できる。肺門部を出入りする主気管支、肺動脈、肺静脈、気管支動脈、気管支静脈、リンパ管、交感神経、副交感神経を列挙できる。右主気管支と左主気管支の違いを述べることが出来る。右肺と左肺のちがいを説明できる。肺胞の構造とサーファクタントの重要性を説明できる。
気道、軟口蓋、喉頭蓋、気管支、肺胞
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呼吸器の生理
吸気時には横隔膜と肋間筋が収縮し、通常の呼気時には筋肉は関与しないことを説明できる。拘束性換気障害と閉塞性換気障害の定義を説明できる。1秒率と%肺活量の定義を述べることが出来る。ヘモグロビンの酸素飽和度と酸素解離曲線の偏位について説明できる。血液中の二酸化炭素の運搬について3通りの状態を説明できる。末梢化学受容器としての頸動脈小体と大動脈小体の働きを説明できる。頻呼吸は1分間何回以上か、徐呼吸は1分間何回以下か述べることが出来る。呼吸中枢の存在部位を述べることが出来る。
呼吸運動、一秒率、%肺活量
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消化器の解剖
摂食中枢と満腹中枢の存在部位を述べることが出来る。3対の唾液腺の存在部位を示すことが出来る。食道の3つの生理的狭窄部位を列挙出来る。嚥下の第1相、第2相、第3相を説明できる。蠕動運動について説明できる。胃の噴門と幽門の機能について説明できる。胃底腺の壁細胞と主細胞の分泌する物質を説明できる。小腸から分泌される腸液の成分を説明できる。肝小葉の構造を示すことができる。胆嚢、総胆管、十二指腸の位置関係を説明できる。膵臓の外分泌と内分泌について説明できる。
胃底腺、蠕動運動、外分泌
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消化器の生理
胃液の分泌について、頭性分泌相、胃性分泌相、腸性分泌相に分けて説明できる。間接ビリルビンと直接ビリルビンの腸肝循環について説明できる。糖質の消化に関係する消化酵素を列挙できる。脂肪の消化に関与する消化酵素を列挙できる。タンパク質の消化に関与する消化酵素を列挙できる。消化された脂質のリンパ系への移行と肝臓への輸送を説明できる。大腸の部位の名称と位置関係を示すことが出来る。排便中枢の存在部位とその働きを述べることが出来る。外肛門括約筋と内肛門括約筋の機能を説明できる。
頭性分泌相、胃性分泌相、腸性分泌相、消化酵素
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泌尿器の解剖と生理
腎門部の脈管を列挙できる。尿路の臓器を列挙できる。ネフロンの糸球体・ボーマン嚢・尿細管の構造を説明出来る。傍糸球体細胞、糸球体のメサンギウム細胞の役割を説明できる。近位尿細管と遠位尿細管のちがいを述べることが出来る。尿管の3箇所の生理的狭窄部位を列挙できる。レニン・アンギオテンシン系と血圧の関係を説明できる。近位尿細管と遠位尿細管で吸収・分泌される物質を列挙できる。細胞内液・外液の電解質組成を述べることが出来る。傍糸球体細胞から分泌されるレニン、副腎皮質から分泌されるアルドステロン、下垂体後葉から分泌されるADHの相互作用について説明できる。アシドーシスとアルカローシスの種類を述べることが出来る。体液の酸・塩基平衡を維持する仕組みを説明できる。
糸球体、ボーマン嚢、尿細管、アシドーシス、アルカローシス
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評価方法
期末試験の点数100点満点で評価する。
評価基準
評語
学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・
S (100~90点)
学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・
A (89~80点)
学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・
B (79~70点)
学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・
C (69~60点)
学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・
D (60点未満)
教科書
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」:林健二 メディカ出版 ISBN978-4-8404-5374-5
参考文献
「人体の構造と機能 第4版」:内田さえ、佐伯由香、原田玲子編 医歯薬出版 ISBN978-4-263-23595-9
実験・実習・教材費
なし