区分
専門基礎科目-人体の構造と機能
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力
倫理観
専門性探求
地域社会貢献
グローバル性
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性
広い視野
知識・技術
判断力
探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
看護の対象となる患者さんの病気を理解するための基礎知識を学ぶ
科目の目的
生体を構成する各臓器について、その構造とはたらきに関する基礎的な知識を習得する。臓器の正常の構造と機能を正しく理解することにより、機能障害や疾病と関連づけて、臨床で必要とされる基本的な知識を身につける。国家試験で要求される水準の知識を、1年生から確実に学習する。この科目では、解剖生理学のうち、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。看護学とは病的状態のヒトとの関わりかたを学ぶ学問であり、まずは臓器の正常の構造と機能を十分に理解してこそどこが病的なのかを知ることが出来るので、この科目はすべての基礎となる内容を含んでいて極めて重要である。
到達目標
人体を構成する各々の臓器の構造とはたらきを説明できる。各臓器の代表的な疾病と関連づけて、臓器の正常なはたらきと機能不全の状態との違いを理解する。人体の解剖と生理に関する看護師国家試験問題レベルの基本的な知識を身につける。具体的項目については、履修判定指標を参照。
科目の概要
内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)について、各々の構造と機能について学習する。ここでは、同じ働きを持つ人体の各部分をまとめて機能別に学ぶ系統解剖学の考え方から、それぞれの臓器について、構造(解剖学)と機能(生理学)を同時に並行して学習する。それぞれの項目に関連する臨床的に頻度の高い代表的な疾病を例示し、各々の病態、発病のしくみ、治療法と関連づけながら、臓器の正常な構造・はたらきと機能不全状態(病気)のちがいを理解する。科目担当教員は、京都大学医学部附属病院及び愛媛大学医学部附属病院で医学教育、外科医として手術・術後管理を担当した。
科目のキーワード
ホルモン、受容体(レセプター)、卵子、精子、受精、生体防御、抗体、リンパ球、骨格、関節、筋、中枢神経、末梢神経、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、体性感覚、内臓感覚
授業の展開方法
解剖生理学は人体の構造と機能を学ぶ学問であるが、構造については、教科書の図に示された体のさまざまな部位の名称を新たに覚える必要がある。たとえば「おしり→臀部」のように日常では使用しない医学用語、胸鎖乳突筋のようにどこにあるのかわからない筋肉の名前などを正しく漢字で看護記録に記載できるようにならなければならない。また機能については、様々な臓器のはたらきが模式的に教科書の図表に説明されている。そこで、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の本文の記述を忠実にたどりながら、掲載されている図表の解説をすすめる。また必要に応じて理解を深めるための参考資料を配付する。また講義の理解度を自己点検するため「manaba」を用いた小テストを実施する。
オフィス・アワー
研究室704:火曜2限
E-mail:k-honda@uhe.ac.jp
科目コード
ERD02
学年・期
1年・後期
科目名
解剖生理学Ⅱ
単位数
2
授業形態
講義
必修・選択
必修
学習時間
【講義】60h
【予習・復習】30h
前提とする科目
高校の生物
展開科目
病理学、疾病・治療論Ⅰ、疾病・治療論Ⅱ、疾病・治療論Ⅲ
関連資格
看護師資格 保健師資格
担当教員名
本田和男・松山キャンパス教務課
回
主題
コマシラバス項目
内容
教材・教具
1
ホルモンとフィードバック
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。内分泌系では内分泌系とホルモン(内分泌系、ホルモンの化学的性質と作用機序)、脳にあるホルモン分泌器官(視床下部、下垂体、松果体)、甲状腺(甲状腺ホルモン、カルシトニン)、上皮小体、膵臓(膵島の働き、血糖の調節、糖尿病)、副腎(副腎皮質、副腎髄質)、性腺(卵巣、精巣)、古典的内分泌器官以外のホルモン分泌器官(消化管、腎臓、胸腺、心臓、脂肪)、内分泌系の成長と老化)について学習する。このコマでは、ホルモンの概念とその変遷、フィードバック機構ついて学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」218頁~223頁
コマ主題細目
① 古典的概念と現在の概念 ② フィードバック機序 ③ ホルモンの化学的性質と作用機序
細目レベル
① 内分泌とは特定の導管を持たず,ホルモンという情報伝達物質を調節血液中に分泌する形式をいう。内分泌器官から分泌されたホルモンは、標的細胞に作用して体内の種々の生理状態を調節制御する。ホルモンが内分泌器官から血流を介して離れた臓器に運ばれ、このホルモンを受け取ることが出来る装置(受容体)を持った標的細胞だけに作用するものが古典的概念である。現在では、神経細胞から分泌されるもの(神経内分泌系:視床下部のソマトスタチン)、血液中に分泌せず周囲の細胞に作用するもの(傍分泌系:ライディッヒ細胞のテストステロン)、いったん分泌されて自分自身に作用するもの(自己分泌系:消化管ホルモンのガストリンやセクレチン)などが発見され、細胞同士の間で刺激や情報を伝える物質をホルモンと呼んでいる。
② 下垂体から出る多くのホルモンは、他の内分泌器官に対してホルモンを出させるように作用する(上位ホルモン)。一方その内分泌器官から分泌されたホルモン(下位ホルモン)の一部は上位ホルモン器官に帰って、上位ホルモンの分泌を制御する。このとき、上位ホルモンの分泌を増加させるように作用する場合を正のフィードバックといい、上位ホルモンの分泌を減少させるように働く場合を負のフィードバックという。生体内での大部分のフィードバックは負のフィードバックで、正のフィードバックは特種な場合にみられ、分娩時の下垂体後葉からのオキシトシン、排卵時の視床下部からの黄体形成ホルモン分泌ホルモン(ゴナドトロピン)、胎生期の性決定時のアンドロゲンシャワーなどがあげられる。
③ ホルモンをその化学構造で分類すると、ステロイドホルモン、ペプチド(アミノ酸誘導体)ホルモン、アミン(1個のアミノ酸)に分けられる。ステロイドホルモンはコレステロールから作られ、脂溶性なので細胞膜を通過して、細胞核にある受容体(核受容体)に直接結合する。ペプチドホルモンは水溶性のアミノ酸誘導体で、数個以上のアミノ酸が鎖状につながっている。ステロイドホルモンとペプチドホルモンは古典的内分泌器官から分泌される。アミンは1個のアミノ酸から内分泌パラニューロンで作られ、水溶性である。ペプチドホルモンとアミンは細胞膜を通過できないので、細胞膜上の受容体(レセプター)に結合し生理活性を示す。
キーワード
① 内分泌腺、標的細胞、受容体、自己分泌、傍分泌(パラクリン)、神経分泌 ② フィードバック、正のフィードバック、負のフィードバック ③ ステロイドホルモン、ペプチドホルモン、アミン
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」218頁~223頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
2
視床下部と脳下垂体
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。内分泌系では内分泌系とホルモン(内分泌系、ホルモンの化学的性質と作用機序)、脳にあるホルモン分泌器官(視床下部、下垂体、松果体)、甲状腺(甲状腺ホルモン、カルシトニン)、上皮小体、膵臓(膵島の働き、血糖の調節、糖尿病)、副腎(副腎皮質、副腎髄質)、性腺(卵巣、精巣)、古典的内分泌器官以外のホルモン分泌器官(消化管、腎臓、胸腺、心臓、脂肪)、内分泌系の成長と老化について学習する。このコマでは、視床下部、脳下垂体、松果体から分泌されるホルモンとその働きについて学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」223頁~228頁
コマ主題細目
① 視床下部 ② 下垂体前葉、下垂体後葉 ③ 松果体
細目レベル
① 間脳の一部である視床下部は、視床の下部に位置し、第三脳室の底部と側壁下部にあたり、脳下垂体に連続している。内部には視索前核(性腺刺激ホルモン制御)、視索上核(バゾプレシン産生)、室傍核(オキシトシン産生)、漏斗核(弓状核)(下垂体前葉ホルモン調節因子)があり、神経細胞と内分泌細胞の両方の形態と構造を持つ神経内分泌細胞からなる。視床下部からは、各種下垂体ホルモンの放出因子と、逆の作用をする抑制因子としてプロラクチン抑制(PIH)、甲状腺刺激ホルモン・成長ホルモン抑制(ソマトスタチン)の抑制因子、また下垂体後葉ホルモン(バゾプレシン、オキシトシン)は、視床下部の神経内分泌細胞で産生され、軸索を通って下垂体後葉に運ばれ貯蔵される。
② 視床下部から分泌されるホルモン放出因子の作用を受けて、成長ホルモン、プロラクチン(乳汁分泌促進)、副腎皮質刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)を分泌する。成長ホルモンは、直接作用としては脂肪細胞と肝細胞と筋肉細胞に抗インスリン作用をおよぼす(血糖を上昇)。一方、間接作用として肝臓に作用しインスリン用成長因子Ⅰ(IGF-I)を分泌させ、これが筋肉、骨、線維芽細胞、脂肪細胞に働いて成長がおこる。バゾプレシンとオキシトシンは視床下部の神経細胞内でつくられ、神経軸索が下垂体後葉まで伸びてきて後葉に貯蔵されている。バゾプレシンは抗利尿ホルモン(ADH)であり、腎臓の集合管細胞の水の再吸収を促進する。末梢血管を収縮させ収縮期血圧を上昇させる働きもあるので、脱水や出血時に働く。オキシトシンは授乳時に乳頭を吸啜されると分泌され母乳を出し(射乳)、分娩時には子宮を収縮させる。
③ 松果体は視床上部にあり、第三脳室後端・正中部に位置する8x5mm程度の円錐形の小さい腺である。メラトニンを分泌する松果体細胞と支持組織(神経膠細胞由来)からなり、ヒトでは脳砂と呼ばれるカルシウムを含む沈殿物がみられるため、頭部単純X腺撮影で観察されることがある。メラトニンは、脳神経伝達物質セロトニンから作られ、体内時計の役割を果たし、太陽の光りが減少すると分泌が増加し、体温を下げたり活動を低下して眠りの態勢に入るといわれている。また視床下部に作用して性腺刺激ホルモン分泌ホルモンの分泌を抑制し、性腺の発育を抑える。メラトニン受容体アゴニスト(メラトニン受容体に結合してメラトニンと同じように作用をする薬剤)が、新しいタイプの不眠症治療薬として開発された。
キーワード
① 下垂体ホルモン放出因子、ソマトスタチン、プロラクチン放出ホルモン、プロラクチン抑制ホルモン ② 副腎皮質刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン、プロラクチンと成長ホルモンバゾプレシン、抗利尿ホルモン、ADH、オキシトシン、子宮収縮、授乳作用 ③ 視床下部、メラトニン、体内時計、不眠症治療薬
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」223頁~228頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
3
甲状腺と上皮小体
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。内分泌系では内分泌系とホルモン(内分泌系、ホルモンの化学的性質と作用機序)、脳にあるホルモン分泌器官(視床下部、下垂体、松果体)、甲状腺(甲状腺ホルモン、カルシトニン)、上皮小体、膵臓(膵島の働き、血糖の調節、糖尿病)、副腎(副腎皮質、副腎髄質)、性腺(卵巣、精巣)、古典的内分泌器官以外のホルモン分泌器官(消化管、腎臓、胸腺、心臓、脂肪)、内分泌系の成長と老化について学習する。このコマでは、甲状腺と上皮小体から分泌されるホルモンとその働きについて学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」229頁~233頁
コマ主題細目
① 甲状腺ホルモン ② カルシトニン ③ 上皮小体ホルモン
細目レベル
① 甲状腺は、頸部前面の甲状軟骨の下に位置する蝶形の器官で、嚥下とともに上下する。蝶の羽にあたる部分を右葉・左葉、そのあいだだをつなぐ銅にあたる部分を峡部とよぶ。両葉の後面の上下に1個ずつ、合計4個の米粒大の上皮小体(副甲状腺)が付属している。甲状腺ホルモンはヨードを含みその合成には食物から摂取されたヨードが必要である。生理活性のある甲状腺ホルモンはサイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)の2種類があり、サイログロブリンに1個のヨードが結合したモノヨードチロシン(MIT)と2個結合したジヨードチロシン(DIT)から、サイロキシン(T4)は2個のDTI、トリヨードサイロニン(T3)はMTYとDTIの結合により作られる。甲状腺ホルモンは、甲状腺刺激ホルモンの作用で合成が促進され、多くの臓器で代謝を亢進し熱を発生し、タンパク質、核酸合成を促進するので体の成長に不可欠である。また血糖値を上昇させ、コレステロール分解を促進する。
② カルシトニンは甲状腺の濾胞傍細胞で合成分泌される。血中のカルシウムイオン濃度が増加すると分泌が亢進し、骨組織からのカルシウム放出を抑制し骨形成を高めて、カルシウム濃度を低下させる。カルシトニンは上皮小体ホルモン(副甲状腺ホルモン)と逆の作用を有し、両者で血中のカルシウムイオン濃度を一定に保っている。またカルシトニンは腎臓では尿細管からのカルシウムイオン・リン酸・ナトリウムイオン・カリウムイオンの尿中への排出を促進する。臨床的には、カルシトニンは骨のカルシウム量を増加させるので、骨粗鬆症の治療薬として用いられている。
③ 上皮小体は甲状腺の左右の裏の上下に4個存在する米粒大(30mg~40mg)の黄褐色の器官で、甲状腺の皮膜の中に(時には甲状腺実質内)埋まった形で存在する。主細胞と好酸性細胞からなり、主細胞が上皮小体ホルモン(パラソルモン:PTH)を分泌する。骨吸収を促進して、骨からのカルシウムの遊離を促し、血中のカルシウム濃度を上昇させる。腎臓の近位尿細管から無機リンや水酸化イオンのは移出を促進し、遠位尿細管でのカルシウムの再吸収を促す。上皮小体からのホルモン分泌は、血中のカルシウムイオン濃度によって調節されていて、血中のカルシウムイオンの濃度が低下すれば分泌が増加し、カルシウム濃度が上昇すれば分泌が抑制される。血中のカルシウム濃度はビタミンD(腸からの吸収促進)の影響も受ける。
キーワード
① サイログロブリン、T4、T3、ヨード、代謝亢進 ② 濾胞傍細胞、血中カルシウム濃度、骨形成、骨粗鬆症 ③ パラソルモン、骨吸収、遠位尿細管再吸収、無機リン排泄
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」229頁~233頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
4
膵臓と副腎
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。内分泌系では内分泌系とホルモン(内分泌系、ホルモンの化学的性質と作用機序)、脳にあるホルモン分泌器官(視床下部、下垂体、松果体)、甲状腺(甲状腺ホルモン、カルシトニン)、上皮小体、膵臓(膵島の働き、血糖の調節、糖尿病)、副腎(副腎皮質、副腎髄質)、性腺(卵巣、精巣)、古典的内分泌器官以外のホルモン分泌器官(消化管、腎臓、胸腺、心臓、脂肪)、内分泌系の成長と老化について学習する。このコマでは、膵臓と副腎から分泌されるホルモンとその働きについて学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」233頁~241頁
コマ主題細目
① 膵島の働き ② 血糖の調節と糖尿病 ③ 副腎皮質、副腎髄質
細目レベル
① 膵臓は胃の後方の後腹膜腔にあり、頭部を十二指腸側、尾部を脾臓側にして横にのびる膵液を分泌する外分泌臓器である。その実質内に0.1mm程度の内分泌細胞群の膵島(ランゲルハンス島)が、約100万個から160万個存在する。膵島には4種類の細胞が存在し約20%がグルカゴンを分泌するA(α)細胞、約70%がインスリンを分泌するB(β)細胞、5~10%ソマトスタチンを分泌するD(δ)細胞、1~2%が膵ポリペプチドを分泌する膵ポリペプチド(PP)細胞である。インスリンは血液中のグルコースを取り込みグリコーゲン合成を促すので、血糖を低下させる。グルカゴンはインスリンの逆の作用を持ち異化作用を有する。ソマトスタチンはD細胞から分泌されるホルモンで視床下部から分泌されるものと同じである。インスリンやグルカゴンの分泌を抑制する。PP細胞からは膵ペプチドが分泌され、膵臓の外分泌を抑制する。
② 血糖値は、血中に入るグルコース(消化管からの吸収、肝臓でのグリコーゲン分解による放出)と血中から出るグルコース(筋肉や脂肪組織への取り込み、肝臓でのグリコーゲンの合成)のバランスによって決定される。血糖を低下させるホルモンはインスリンのみ、上昇させるホルモンはグルカゴン、アドレナリン、甲状腺ホルモン、成長ホルモン、糖質コルチコイドなどである。内臓神経(肝臓の交感神経)はグリコーゲンを分解して血糖を上昇させ、迷走神経(副交感神経)はグリコーゲン合成を高め血糖を下げる。Ⅰ型糖尿病は、B細胞に対する自己抗体などでB細胞が破壊され、インスリン欠乏状態でおこる。Ⅱ型糖尿病はインスリン分泌の減少やインスリン抵抗性によりおこり、臨床では生活習慣病であるⅡ型糖尿病がほとんどである。
③ 鉱質コルチコイドはアルドステロンで、遠位尿細管でナトリウムの再吸収を促進し循環血液量を増加させる。糖質コルチコイドはコルチゾールがほとんどで、糖質、タンパク質、脂肪、水・電解質代謝に影響し、抗炎症作用を持つ。分泌量には日内変動があり、朝最も多く分泌されるがストレスによっても分泌量が増加しストレスホルモンともいわれる。強力な抗炎症作用を持つので、臨床でも治療薬として多用される。性ホルモンである副腎性アンドロゲンも分泌される。カテコールアミンを生成分泌し、アドレナリン(エピネフリン)分泌細胞とノルアドレナリン(ノルエピネフリン)分泌細胞がある。カテコールアミンは心臓、血管、肝臓、呼吸器、代謝などに影響をおよぼす。
キーワード
① ランゲルハンス島、B細胞、A細胞、D細胞、PP細胞 ② インスリン、グルカゴン、ソマトスタチン、Ⅰ型、Ⅱ型 ③ 糖質コルチコイド、鉱質コルチコイド、性ホルモン、アドレナリン、ノルアドレナリン、交感神経、副交感神経
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」233頁~241頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
5
卵巣と精巣のホルモン、古典的内分泌腺以外のホルモン分泌器官
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。内分泌系では内分泌系とホルモン(内分泌系、ホルモンの化学的性質と作用機序)、脳にあるホルモン分泌器官(視床下部、下垂体、松果体)、甲状腺(甲状腺ホルモン、カルシトニン)、上皮小体、膵臓(膵島の働き、血糖の調節、糖尿病)、副腎(副腎皮質、副腎髄質)、性腺(卵巣、精巣)、古典的内分泌器官以外のホルモン分泌器官(消化管、腎臓、胸腺、心臓、脂肪)、内分泌系の成長と老化について学習する。このコマでは、卵巣と精巣から分泌されるホルモンとその働きについて学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」241頁~249頁
コマ主題細目
① 卵巣 ② 精巣 ③ 新定義のホルモン
細目レベル
① 卵巣は親指の頭程度の大きさの卵円形扁平な臓器で、骨盤内の左右に1個ずつあり、成熟卵の放出と女性ホルモンの分泌を行う。卵巣内部では卵胞が発育し、成熟卵が放出されると(排卵)、破裂した卵胞は黄体となり、次いで白体となる。視床下部からの性腺刺激ホルモン放出ホルモンが脳下垂体に働き、黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンが分泌され、それらが卵巣にはたらいて、卵胞からはエストロゲン(卵胞ホルモン)が、黄体からはプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌される。エストロゲンは、思春期には第二次性徴、乳房・子宮の発達、皮下脂肪の発達、骨端閉鎖に働き、成人では月経周期に関係する。また妊婦では妊娠の維持に必要である。老化によりエストロゲン濃度が低下すると、閉経、排卵停止、骨粗鬆症、乳病や膣の萎縮がおこる。
② 精巣は左右1対の臓器(約10g)で陰嚢内にあり、精子形成に必要な体温やり2~3度低い温度に保たれている。精巣の間質にあるライディッヒ細胞(間質細胞)は、下垂体前葉から分泌される黄体形成ホルモン(LH)の作用を受けて、テストステロンを合成分泌する。テストステロンは全身の臓器に作用するが、主に精巣・前立腺・精嚢に働く。筋肉や骨では成長や発育を促進する。思春期では骨格筋の成長、骨端閉鎖、声変わり、毛髪成長、陰茎と陰嚢の成長、精子産生開始に働く。一方、卵胞刺激ホルモン(FSH)は、セルトリ細胞に働いて精子の成長を助ける。セルトリ細胞は,精細胞の指示、栄養供給、アンドロゲン結合タンパクの合成・分泌、インヒビン分泌をおこなう。
③ 消化管ホルモンとしては、ガストリン(壁細胞胃酸分泌)、コレシストキニン(胆嚢収縮)、セクレチン(膵液分泌)、胃抑制ペプチド(胃液分泌抑制)、ソマトスタチン(ガストリン・セクレチン・バゾプレシン・胃抑制ペプチド・インスリン・グルカゴンなどの分泌抑制)など20種類以上が確認されている。腎臓からは、レニン(昇圧)、カリクレイン(降圧)、プロスタグランジン(降圧)、エリスロポエチン(造血)が分泌される。胸腺からはチモシン(T前駆細胞からT細胞への分化)が分泌される。心臓からはナトリウム利尿ペプチド(ナトリウム利尿作用、降圧作用)が分泌される。脂肪からはレプチン(視床下部の満腹中枢に作用して食欲抑制)、アディポネクチン(インスリン抵抗性改善、血管壁修復、生活習慣病リスク低減)が分泌される。血管内皮からはエンドセリン(血管平滑筋収縮)が分泌される。
キーワード
① 視床下部、LH-RH、LH、FSH、エストロゲン、プロゲステロン ② LH、ライディッヒ細胞、テストステロン、FSH、セルトリ細胞 ③ 消化管ホルモン、エリスロポエチン、レニン、レプチン、アディポネクチン
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」241頁~249頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
6
卵巣の構造と機能
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。生殖器系では女性生殖器(卵巣、管腔系の構造、女性外生殖器の構造、性周期、妊娠と出産、乳腺、女性生殖器の成長と老化)、男性生殖器(男性生殖器の構造、男性外生殖器の構造、男性の生殖機能、男性生殖器の成長と老化)について学習する。このコマでは、卵巣の構造、機能として卵子の発育、思春期開始のメカニズム、性成長とホルモン分泌、更年期について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」250頁~254頁
コマ主題細目
① 構造 ② 機能 ③ 更年期
細目レベル
① 卵巣は子宮の左右に一つずつある器官で、子宮とは固有卵巣索で、腹壁とは卵巣提索でつながっている。12~14歳ころの思春期になると活発に発育して、生殖可能年齢では3.5x2.0x1.0cmの球状扁平で約7gとなる。閉経後は急速に萎縮して約半分になる。子宮・卵管・卵巣への血液の供給は、腹部大動脈が左右にわかれた総腸骨動脈の分枝である内腸骨動脈から出る子宮動脈と、左右腎動脈から分枝して下降してきた卵巣動脈によって行われる。卵管漏斗部に接していて、排卵がおこると、卵子はいったん腹腔内へ出てから卵管に入る。
② 出生後には新しい卵子は形成されない。胎児では700万個以上存在するが、出生時には200万個となり半分はさらに発育停止し、100万個が減数分裂の前期で停止したままで思春期をむかえ30万個まで減少する。思春期とは、ホルモン分泌がおこる内分泌機能と排卵がおこる配偶子形成機能が発達し、生殖可能となった時期を意味する。副腎から分泌されるアンドロゲンと下垂体から分泌されるヒト成長ホルモン、エストロゲンが性成長に影響する。
③ 女性は40歳頃(前後約5年間)になると、卵巣の卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)に対する反応が低下し始める。閉経前後の数年間は更年期と呼ばれ、この時期に卵胞が卵巣から消失しエストロゲン濃度は急速に低下する。この変化に伴ってFSHやLHは上昇し、閉経直後にピークに達する。閉経後はエストロゲンの一種であるエストロンが末梢の脂肪組織の中で合成される。低エストロゲンから来る2つの主要な更年期症状は顔や体が突然熱く感じるホットフラッシュと、膣の焼け付くような乾燥感や性交痛である。またさまざまな更年期症状(関節痛、めまい、頭痛、動悸、うつ症状など)が出現する。
キーワード
① 固有卵巣索、卵巣堤索、卵巣動脈、卵巣静脈 ② 原始卵胞、卵子、減数分裂、排卵、初潮、ゴナドトロピン放出ホルモン ③ ホットフラッシュ、膣乾燥、関節痛、めまい、頭痛、動悸、うつ症状
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」250頁~254頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
7
卵管・子宮・膣
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。生殖器系では女性生殖器(卵巣、管腔系の構造、女性外生殖器の構造、性周期、妊娠と出産、乳腺、女性生殖器の成長と老化)、男性生殖器(男性生殖器の構造、男性外生殖器の構造、男性の生殖機能、男性生殖器の成長と老化)について学習する。このコマでは、卵管、子宮の子宮体部、子宮峡部、子宮頸部(頸管)、血管とリンパ管、膣、外生殖器の構成器官と腺、血管、リンパ管について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」254頁~258頁
コマ主題細目
① 卵管 ② 子宮 ③ 膣、外生殖器
細目レベル
① 子宮底部の左右から骨盤壁に向かって伸びる約10cmの筋性の環状構造をもった器官で、腹腔内は卵管采を通じて子宮、膣へとつながっている。卵巣に近い約3分の2が卵管膨大部で,通常受精はこの膨大部で行われる。通常着床は子宮内膜でおこるが、それ以外の場所に着床した場合を子宮外妊娠(異所性妊娠)と呼び、95~98%は卵管に着床する。卵管漏斗部は、排卵されいったん腹腔内に出た卵子を受け取る場所で卵管采ともいわれる。ついで卵管膨大部、卵管峡部、卵管間質部からなる。臨床的な卵巣癌の多くは卵管から発生する。
② 子宮は、約9x4cmの洋梨型をしていて、子宮体部、子宮峡部、子宮頚部に分けられる。子宮壁は内膜・筋層(子宮筋層)・外膜の三層で、筋層は外側の縦走筋と内側の輪状筋の間に最も発達した斜めに走行する厚い筋層がある。子宮体部は子宮角部と子宮底部からなり内層は子宮内膜でおおわれ腺組織を含む粘膜で覆われていて筋層からのよく発達した血管が分布している。子宮峡部は子宮体部と子宮峡部の間で約5mmである。子宮体部と子宮峡部の境目を解剖学的子宮口とよび、これより1cm下で子宮内膜が子宮頚部内膜に変わるところを組織学的子宮口と呼ぶ。子宮頸部(頸管)は約3cmで、排卵期には粘性の分泌液(子宮頚管粘液)が増加する。
③ 膣は内生殖器と外生殖器をつなぐ約7~9cmの管状器官である。後壁上部は後膣円蓋と呼ばれ、腹腔側ではダグラス窩と接している。膣粘膜は重層扁平上皮でおおわれ、上皮細胞はグリコーゲンを蓄えており、デーデルライン桿菌という常在菌の炭水化物代謝に使用されて乳酸を産生し、膣内のpHは酸性に保たれているので(pH3.5~ 4.5)、外部からの雑菌に対する生体防御機構としてはたらいている。外陰部は、膣前庭、陰核、会陰、小陰唇、大陰唇で構成される。処女膜と後陰唇交連の内側の粘膜壁に開口部のある分泌腺がバルトリン腺で、性的興奮で分泌液を排出するが、感染などで管が詰まった場合バルトリン腺腫となる。さらに感染が進むとバルトリン腺膿瘍となる。
キーワード
① 卵管漏斗部、卵管膨大部、卵管峡部、卵管間質部、受精 ② 体部、頸部、子宮体癌、子宮頸癌、子宮口 ③ 膣円蓋、ダグラス窩、デーデルライン桿菌、乳酸、感染防御、会陰、バルトリン腺
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」254頁~258頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
8
性周期と妊娠・出産
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。生殖器系では女性生殖器(卵巣、管腔系の構造、女性外生殖器の構造、性周期、妊娠と出産、乳腺、女性生殖器の成長と老化)、男性生殖器(男性生殖器の構造、男性外生殖器の構造、男性の生殖機能、男性生殖器の成長と老化)について学習する。このコマでは、卵子発生と卵巣周期(月経周期)、月経とホルモン、卵巣によるホルモン分泌、卵巣ホルモンのさまざまな作用、更年期症状と乳癌と合成エストロゲン、プロゲステロン、受精・着床と胎児、不妊、出産、乳腺について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」258頁~269頁
コマ主題細目
① 性周期 ② 妊娠、出産 ③ 乳腺
細目レベル
① 子宮粘膜は、増殖期、排卵、分泌期で28日の周期を構成する。増殖期にはまず複数の卵母細胞が大きくなり始め、6日目頃に1個の卵胞が急に成長を始めて内卵胞膜層(内莢膜層)からエストロゲンを分泌する。排卵は14日目におこり、卵胞は破れて卵子は腹腔内へでる。卵子は卵管采に拾い上げられ卵管に入る。受精がおこらなければ膣を経て排出される。排卵後に卵胞の顆粒膜細胞と卵胞膜層は急速に増殖して黄体に変化しプロゲステロンを分泌する。この時期を黄体期という。卵母細胞は、排卵のおきる直前に第一分裂の減数分裂を行ったあと第二分裂中期で停止し、精子が貫通した時点で第二分裂が終了し卵子となる。プロゲステロンは乳腺の発達を刺激し、子宮筋細胞の興奮を低下させオキシトシンの感受性を低下させ抗エストロゲン作用がある。
② 1回の射精で数千万の精子が腟内に放出されるが、50~100の精子が卵子の誘因物質に引き寄せられ透明帯に付着する。精子はタンパク分解酵素(アクロシン)により卵子の透明膜を貫通し、核の融合がおこる。受精は一般に卵管膨大部でおこる。受精卵は分裂をくりかえしながら桑実胚、胚盤胞となり子宮に達し、子宮内膜に着床する。着床部位からはヒト絨毛ゴナドトロピンが大量に分泌される。受精後黄体は肥大化して妊娠黄体となり、エストロゲンプロゲステロン、リラキシンを分泌する。妊娠6週以降は胎盤から、エストロゲンとプロゲステロンが分泌される。分娩開始時には下垂体後葉からのオキシトシン分泌が正のフィードバックにより急上昇し、子宮が収縮し分娩が始まる。第1期(開口期)、第2期(娩出期)、第3期(後産期)にわけられる。
③ 乳腺では、乳管の増殖と発達にはエストロゲンが関与し、乳腺小葉と腺房の発達にはプロゲステロンが関与する。妊娠中は、エストロゲン、プロゲステロンが乳腺小葉の発達を促す。プロラクチン濃度は分娩まで上昇し続ける。胎盤が排出されるとエストロゲンとプロゲステロン濃度は急速に低下し、血中エストロゲン濃度の低下により乳汁分泌が始まる。授乳時には乳頭の吸啜により下垂体後葉からオキシトシンが分泌され、乳汁が体外に排出される(射乳)。授乳行動はプロラクチン分泌を刺激し、乳汁分泌を維持増進すると考えられている。
キーワード
① 卵胞、黄体、エストロゲン、プロゲステロン、排卵 ② 受精、卵管膨大部、着床、ヒト絨毛ゴナドトロピン、子宮口開大、オキシトシン、陣痛 ③ 乳管、乳腺小葉、腺房、プロラクチン、射乳
コマの展開方法
社会人講師
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PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」258頁~269頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
9
男性生殖器
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。生殖器系では女性生殖器(卵巣、管腔系の構造、女性外生殖器の構造、性周期、妊娠と出産、乳腺、女性生殖器の成長と老化)、男性生殖器(男性生殖器の構造、男性外生殖器の構造、男性の生殖機能、男性生殖器の成長と老化)について学習する。このコマでは、精巣、精巣上体、精管(輸精管)と精索、精嚢、前立腺、尿道球腺(カウバー腺)、精液、陰嚢、陰茎について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」270頁~272頁
コマ主題細目
① 精巣 ② 付属生殖腺と精液 ③ 外生殖器
細目レベル
① 精巣には、精子を作る外分泌腺としての働きと、男性ホルモンを産生する内分泌腺としての、二つの機能がある。精巣は陰嚢内にある左右一対の楕円形の臓器で、表面に白膜という強靱な線維性結合組織で包まれ薄膜から入り込んでいる精巣縦隔という結合組織によって、内部が沢山の小葉に分かれている。各小葉には複雑に折れ曲がった精細管があり、この中で精子が作られる。精子は精巣網に集められ精巣輸出管を通って精巣上体に入る。精細管の間質には、テストステロンを分泌する間質細胞(ライディッヒ細胞)がある。精巣上体を通過する間に(約6m)、未熟な精子が成熟する。精管は精子を輸送し、鼠径管から骨盤腔に入り精嚢と合流し射精管となる。
② 精嚢は膀胱の後にある一対の分泌器官で、果糖やビタミンC、プロスタグランディンを射精時に射精管に分泌し、精子に栄養を与え活性化する。前立腺は、膀胱頚の直下にあるクリのような形をした1個の腺で、尿道前立腺部を取り囲む。射精時にはクリの花の臭いのアルカリ性の液体を分泌し精子を活性化する。前立腺には内腺と外腺があり、前立腺癌は外腺から発生し、前立腺肥大症は内腺の肥大である。尿道球腺(カウバー腺)は、前立腺の下方にあり、性的興奮時に粘液を分泌する。精液は、精子と精嚢・前立腺・尿道球腺からの分泌物を含み、外尿道口から射出される(射精)。pHは7.5で、酸性の子宮内で精子を保護する。正常精液の基準は、量2ml以上、精子濃度2000万/ml以上、運動率50%以上である。
③ 陰嚢は陰嚢縫線で左右に分かれ精巣、精巣上体、精索の下部を包み込む袋状の皮膚で、下垂することにより体温より低温に保たれている。真皮の直下に平滑筋があり通常は垂れ下がり、外気温が下がると収縮する。陰茎は陰茎体の先端部を陰茎亀頭、皮膚で覆う部分を包皮とよぶ。陰茎下部に尿道を取り囲む尿道海綿体があり、その上に左右の陰茎海綿体がある。海綿体は白膜という厚い結合織で包まれ性的に興奮すると、陰茎背動脈から陰茎海綿体に血液が充満し陰茎背静脈が圧迫されて血流が停止し、陰茎は硬く太くなる。この状態を勃起とよぶ。
キーワード
① 精巣、睾丸、外分泌、内分泌、精管 ② 精嚢、前立腺、内腺、外腺、前立腺分泌液 ③ 低温保持、海綿体、勃起
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」270頁~272頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
10
精子形成と男性二次性徴
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。生殖器系では女性生殖器(卵巣、管腔系の構造、女性外生殖器の構造、性周期、妊娠と出産、乳腺、女性生殖器の成長と老化)、男性生殖器(男性生殖器の構造、男性外生殖器の構造、男性の生殖機能、男性生殖器の成長と老化)について学習する。このコマでは、精子形成と精子の構造、テストステロンの分泌、第二次性徴(思春期の男性にみられる変化)について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」272頁~275頁
コマ主題細目
① 精子形成 ② テストステロンの分泌 ③ 男性生殖器の成長と老化
細目レベル
① 精粗細胞から成熟精子になるまでの過程を精子形成という。精細管の基底膜に接して存在する精母細胞は、思春期になると成熟分裂してA型娘細胞とB型娘細胞になる。B型娘細胞が一次精母細胞となるが、一次精母細胞から二次精母細胞になる第一減数分裂のときに染色体数が半減する(減数分裂)。二時精母細胞が第二減数分裂をおこして2個の精子細胞ができる。精子細胞はセルトリ細胞のヒダの中で成熟して精子になる、さらに精巣上体の中で成長し精巣上体尾部にいたる頃にようやく運動能と受精能を得る。精子は運動性細胞で、頭部・中部・尾部の三つに分かれ、頭部はほとんどがDNAを含む核で構成され、これを囲む先体はリゾソーム様の器官で、大量の酵素をフック未、精子が卵子内に侵入し受精するのを助ける。中部はミトコンドリアを含み、尾部の鞭毛運動に必要なATPを供給する。
② 精巣のライディッヒ細胞は、脳下垂体前葉から分泌されるLH(黄体形成ホルモン)の刺激を受けて、コレステロールからテストステロンを合成する。テストステロンは、第一次性徴期の性腺の発育を促し、第二次性徴期を生じる。テストステロンは、FSH(卵胞刺激ホルモン)に刺激されたセルトリ細胞と共働して精子形成を促進し、タンパク同化作用と成長を促進する。第二次性徴期では、陰茎(太く長くなる)・陰嚢(増大、色素沈着、ヒダの形成)、精嚢(増大と分泌開始、果糖生成開始)・前立腺(増大分泌開始)、尿道球腺(分泌開始)、喉頭増大、声帯の伸張・肥厚、体毛の増加、皮脂腺の発達、筋肉増量、精神的に攻撃的・活動的になり異性に興味を持つようになる。
③ 精巣は胎生3~4週頃に形成され、胎生8週頃から精巣の間質細胞からテストステロンの分泌が始まり、外生殖器の男性化分化を誘導する。男子の内生殖器は、ウオルフ管と尿生殖銅から形成される。ウオルフ管の大部分は精管となり頭側端部が精巣上体になる。尾側短から射精管が、尿生殖洞から前立腺が形成される。胎児精巣から分泌されるテストステロンにより、包皮、陰茎海綿体が形成さえ胎生15~16週に陰茎が形成される。テストステロンの血中濃度の上昇とともに、二次性徴が始まり勃起や夢精を経験する。テストステロンの分泌は加齢とともに減少するが個人差が大きく、女子の閉経期に相当する状態は判然としない。テストステロンの低下による男性更年期障害の症状は、うつ、不安神経症、筋肉体毛の減少、性欲低下、勃起障害などである。
キーワード
① 精粗細胞、一次精母細胞、二次精母細胞、精子細胞、精子、減数分裂 ② テストステロン、コレステロール、ライディッヒ細胞、第二次性徴 ③ 精巣、間質細胞、テストステロン、思春期、老化
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」272頁~275頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
11
免疫系のしくみ
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。免疫系では、免疫系の大まかなしくみ、獲得免疫系のしくみとして、抗原特異性、自己寛容、免疫記憶、抗体の産生と働き、抗体の構造、抗体のクラスとクラススイッチ、キラーT細胞による反応、自然免疫系の攻撃のしくみ、自然免疫系から獲得免疫系への情報伝達、液性免疫と細胞性免疫、免疫系と感染症、アレルギーと自己免疫疾患について学習する。このコマでは、自己免疫系と獲得免疫系、免疫反応に関わる細胞、免疫系の細胞が体を守る方法、免疫系の細胞が存在する場所について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」392頁~395頁
コマ主題細目
① 自然免疫系と獲得免疫系 ② 免疫反応に関わる細胞 ③ 免疫系の細胞が体を守る方法と存在する場所
細目レベル
① 生まれつき自然に備わっている自然免疫(先天性免疫)は、1回目の細菌やウイルスの侵入に対して素早く反応するが、反応自体は弱い。細胞性因子としては病原体を貪食するマクロファージや好中球、液性因子としては補体があげられる。感染を経験した後に獲得する生体防御反応を獲得免疫(適応免疫または後天性免疫)という。その主体はTリンパ球とBリンパ球で、Tリンパ球はウイルスなどの感染細胞を殺し、ウイルスのそれ以上の増殖を阻止する。Bリンパ球は、形質細胞に変化して侵入物の抗原を特異的に認識する抗体を産生し、抗原抗体反応によって無毒化する。これらの獲得免疫系は、反応に時間がかかるが、自然免疫系に比較して強い反応がおこる。
② 白血球を形態で分けると、顆粒球・単球・リンパ球の3種類に分けられる。白血球のうち顆粒球は、好中球、好酸球、好塩基球の3種類があり、単球は組織でマクロファージとなる。リンパ球にはT細胞(Tリンパ球)とB細胞(Bリンパ球)があり、いずれも獲得免疫系で働く。T細胞にはキラーT細胞(CD8陽性細胞:細胞性免疫のエフェクター)とヘルパーT細胞(CD4陽性細胞:細胞性免疫の補助役)がある。B細胞は抗原刺激によって活性化されると分化して形質細胞(プラズマ細胞)となり抗体を産生する。リンパ球にはT細胞とB細胞以外に、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)があり、自然免疫系で働く。
③ 貪食は細菌などを直接食べる自然免疫系の反応で、マクロファージや好中球などの食細胞がこれにあたる。これらの食細胞は、細菌などを貪食した後その働きを終え死に到る。化膿した際に見られる膿は、貪食後に死んだ細胞の残骸である。二つ目は病原体に感染した細胞を見つけその細胞を殺す作用でキラーT細胞の働きによる。三つ目はB細胞が分化した形質細胞が産生する特別なタンパク質である抗体が、細菌などの侵入物の抗原と反応しておこる。二つ目と三つ目は獲得免疫系の反応で、働き始めるまでに時間がかかる。免疫系の細胞が多いのは、骨髄、胸腺、リンパ節、脾臓である。骨髄と胸腺はリンパ球が最初に分化する場所で、一次リンパ組織と呼ばれる。リンパ球が移動して免疫反応が開始される場所を二次リンパ組織と呼ぶ。
キーワード
① 非自己、感染、自然免疫、獲得免疫 ② 好中球、マクロファージ、T細胞、B細胞、NK細胞 ③ 貪食、マクロファージ、好中球、細胞性免疫、抗体、骨髄、胸腺、リンパ節、脾臓
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」392頁~395頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
12
獲得免疫系
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。免疫系では、免疫系の大まかなしくみ、獲得免疫系のしくみとして、抗原特異性、自己寛容、免疫記憶、抗体の産生と働き、抗体の構造、抗体のクラスとクラススイッチ、キラーT細胞による反応、自然免疫系の攻撃のしくみ、自然免疫系から獲得免疫系への情報伝達、液性免疫と細胞性免疫、免疫系と感染症、アレルギーと自己免疫疾患について学習する。このコマでは、抗原特異性と多様性、T細胞とB細胞、自己抗原、自己寛容、免疫記憶、抗体の産生、抗体の働き、抗体の構造、抗体のクラス、抗体のクラススイッチ、キラーT細胞による反応について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」395頁~403頁
コマ主題細目
① 抗原特異性、自己寛容 ② 抗体産生、抗体の構造 ③ キラーT細胞による反応
細目レベル
① 獲得免疫系で働く細胞は主にB細胞とT細胞であるが、抗原を認識して特異的に結合するレセプターを持っている。一個の細胞には多数のレセプターが存在するが、結合するのは一種類の抗原のみである。この抗原の情報をキラーT細胞やヘルパーT細胞に提示する細胞として、樹状細胞がある。樹状細胞は、T細胞に病原体の情報を伝える(抗原提示)作業を専門とする特種な食細胞で、体内に広く分布する。自分自身の成分が抗原として働くことを自己抗原という。動物の細胞には、MHC(主要組織適合性遺伝子複合体)クラスIというその個体特有の抗原がある。ヒトではHLA(ヒト組織適合性白血球抗原:human histocompatibility leukocyte antigen)がこれにあたる。免疫系が自己に反応しない様に抑制されている状態を自己寛容という。
② 一回目の感染の抗原を記憶していることを免疫記憶という。抗体が毒素やウイルスに直性結合して無力化することを抗原抗体反応という。抗体が細菌などに結合すると食細胞により貪食されやすくなり、オプソニン効果という。補体は生体防御に関わるタンパク質であるが、抗体は補体の結合を促進する。抗体はYの形をしており、抗体のクラスでその構造をみると、IgG、IgEは一量体、IgAは二量体、IgMは五量体である。感染初期にはIgMがいち早く産生され、次いでIgGが多量に産生される。これを抗体のクラススイッチと呼ぶ。IgAは分泌型で分泌液(乳汁、唾液など)に存在する。IgEは組織の肥満細胞や血中の好塩基球に結合して、抗原を認識するとヒスタミンを放出させ即時型アレルギーがおこる。
③ キラーT細胞は、異物や病原体を直接殺したり排除したりすることはできない。主にウイルスなどに感染した自己の細胞の細胞膜に穴を開け、細胞死を誘導する物質を流入させて感染した細胞を攻撃し殺す。感染した細胞は病原体の一部(抗原)をMHC分子と一緒に細胞表面に提示し、キラーT細胞表面のレセプターはその標的を特異的に認識して、感染した脂肪のみを殺す。ウイルスは自分自身単独では自己再生できず、生きている細胞のタンパク合成システムを利用して自己複製し増殖しているので、ウイルス感染している細胞が死んでしまうとウイルスの増殖も停止する。
キーワード
① 抗原、レセプター、T細胞、B細胞、樹状細胞、自己抗原、MHC、HLA、自己寛容 ② 免疫記憶細胞(メモリー細胞)、B細胞、形質細胞、IgG、IgA、IgM、IgE、クラススイッチ ③ キラーT細胞、MHC、感染細胞
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」395頁~403頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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自然免疫系
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。免疫系では、免疫系の大まかなしくみ、獲得免疫系のしくみとして、抗原特異性、自己寛容、免疫記憶、抗体の産生と働き、抗体の構造、抗体のクラスとクラススイッチ、キラーT細胞による反応、自然免疫系の攻撃のしくみ、自然免疫系から獲得免疫系への情報伝達、液性免疫と細胞性免疫、免疫系と感染症、アレルギーと自己免疫疾患について学習する。このコマでは、異物を直接攻撃する、異物を感知し警報を出す、樹状細胞の情報提示、T細胞の認識について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」403頁~405頁
コマ主題細目
① 自然免疫系の攻撃のしくみ ② 自然免疫系から獲得免疫系への情報伝達 ③ 液性免疫と細胞性免疫
細目レベル
① 自然免疫系は、体内に侵入した病原体などの非自己を感知してえ素早い生体防御反応をおこす。獲得免疫系ではある1個の細胞が反応できる抗原は1種類のみだが、自然免疫系の細胞は数十個のレセプターを持っていて、それらはトル様レセプターのように細菌に共通する抗原を認識するレセプターであるため、体内に侵入した細菌にいち早く反応できる。食細胞は、抗菌ペプチド(分子量の小さいタンパク質)を分泌したり、貪食したりして病原体を殺す。食細胞は直接攻撃する以外に、活性化してサイトカインを分泌することにより周囲の免疫担当細胞に、異物が侵入したことを伝達する。補体とは血液中に含まれ、生体防御機構に関わるさまざまなタンパク質分子群である。抗体が病原体に結合するとさまざまな種類の補体がその周囲に集合し活性化して細胞膜を破壊する。
② 皮膚や粘膜には樹状細胞が存在し、樹状細胞はさまざまな病原体に対するレセプターを持っているので、病原体の侵入により活性化される。これは特異的な反応ではないので、ここまでは自然免疫系の反応と言える。活性化された樹状細胞はリンパ管に入り、リンパ液の流れに乗ってリンパ節へ移動し、キラーT細胞やヘルパーT細胞にMHC(HLA)分子とともに抗原情報を提示する。自分自身である印(MHC)と一緒に抗原(非自己)を提示することにより、異物の侵入をT細胞に知らせる。ここから獲得免疫系の反応が始まる。T細胞は自分自身では抗原を認識することができないので、抗原提示能力のある細胞の関与が必要で、これが獲得免疫系の反応時間がかかる原因となっている。
③ 体内に異物が侵入したとき、つまり感染が起こったときまず食細胞が病原体などの異物を貪食するのは自然免疫系の反応である。その後抗原を食べた食細胞が特異的に刺激され得活発に働く過程は獲得免疫の反応に含まれる。獲得免疫系の反応では、抗体による反応を液性免疫、キラーT細胞と食細胞による反応を細胞性免疫と呼ぶ。液性免疫では樹状細胞からヘルパーT細胞に病原体の抗原の情報が伝わり、ヘルパーT細胞はB細胞に情報を伝え活性化する。するとB細胞は形質細胞に変化して、抗体の産生が始まる。細胞性免疫では、樹状細胞から直接抗原情報を伝えられたキラーT細胞が、病原体に感染した自己細胞を攻撃する他に、樹状細胞から抗原情報を伝えられたヘルパーT細胞がマクロファージに抗原情報を伝え活性化し、マクロファージが直接病原体を貪食する。
キーワード
① トル様レセプター、細菌共通抗原、抗菌ペプチド、貪食、サイトカイン ② 樹状細胞、キラーT細胞、ヘルパーT細胞、抗原提示 ③ 抗体、液性免疫、キラーT細胞、食細胞、細胞性免疫
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」403頁~405頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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感染症とアレルギー
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。免疫系では、免疫系の大まかなしくみ、獲得免疫系のしくみとして、抗原特異性、自己寛容、免疫記憶、抗体の産生と働き、抗体の構造、抗体のクラスとクラススイッチ、キラーT細胞による反応、自然免疫系の攻撃のしくみ、自然免疫系から獲得免疫系への情報伝達、液性免疫と細胞性免疫、免疫系と感染症、アレルギーと自己免疫疾患について学習する。このコマでは、感染症の原因となる病原体の種類、ヘルパーT細胞の種類と感染症への対応、免疫細胞の数の減少と機能の低下、獲得した免疫能力の差、MHC(HLA)の差、IgEが関与するアレルギー、IgEが関与しないアレルギーについて学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」405頁~408頁
コマ主題細目
① 免疫系と感染症 ② IgEが関与するアレルギー ③ IgEが関与しないアレルギー
細目レベル
① 感染症とは、病原微生物がヒトの体に侵入し定着し,増殖を開始することによっておこる。感染症の原因となる病原体には、細菌、ウイルス、真菌(カビ)、寄生虫がある。ヘルパーT細胞にはさまざまな種類があり、Th1細胞はキラーT細胞やマクロファージに働きかける。寄生虫には、Th2細胞が反応し、好酸球、好塩基球、肥満細胞、マクロファージに働きかける。易感染性(感染症へのかかりやすさ:免疫能力の強弱)に影響する因子として、免疫細胞の数と機能の低下がある。高齢者では免疫細胞の数が減少するので免疫能力が低下する。ストレスが存在すると交感神経系が優位になって、ステロイドホルモンの分泌が増え免疫能力を抑制する。栄養状態が悪化すれば細胞や抗体を作る材料が不足するので、免疫能力が低下する。今までに獲得免疫の差として、前回の感染を記憶している免疫記憶細胞があれば速やかに免疫反応が立ち上がる、また、ワクチン接種によりあらかじめ抗体産生を促していれば、その感染症にかかりにくくなる。HLAの差としては、T細胞の抗原提示の時にMHCとともに抗原提示するので、HLAは多くの種類があり、特定の抗原に対しての抗原提示能力に差が生じる。
② 日常的な抗原に対するアレルギーはほとんどこの1型アレルギーで、Ⅰ型アレルギーは即時型過敏症やアナフィラキシー型と呼ばれ、IgEが関与する。花粉症、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、食物アレルギー、じんま疹などがある。樹状細胞が抗原を取り込むとヘルパーT細胞に抗原提示し、ヘルパーT細胞はB細胞を活性化して形質細胞となり大量のIgEを産生する。IgEは肥満細胞に結合し、このIgEが抗原と結合すると肥満細胞が活性化され、大量のヒスタミンやロイコトリエンを放出させる。ヒスタミンの作用が全身に及ぶと、気管の収縮や浮腫を起こし呼吸困難となり、血管拡張と血中から組織への体液流出から、ショック症状や肺水腫をおこし、これをアナフィラキシーショックとよぶ。花粉症もⅠ型アレルギーのメカニズムでおこり、減感作療法が行われる。
③ Ⅱ型アレルギーは、IgGが自己抗体として自己の細胞上に付着した自己抗原と反応し細胞障害するもので、自己免疫性溶血性貧血やバセドウ病(甲状腺機能亢進症)などである。Ⅲ型アレルギーは、抗原・抗体・補体による免疫複合体が血流にのって組織にいたり毛細血管に沈着して組織を傷害するもので、免疫複合体アレルギーともよばれ、全身性エリテマトーデス(SLE)や関節リウマチがこれにあたる。Ⅳ型アレルギーは、T細胞による免疫応答で、発症までに48~72時間かかるので、遅延型アレルギーともよばれる。代表的なものは、金属アレルギーやウルシかぶれなどである。肺結核の感染を調べるツベルクリン反応もこのメカニズムで、移植片対宿主病(GVHD:graft versus host disease)IV型反応による。
キーワード
① ヘルパーT細胞、Th1細胞、Th2細胞、易感染性 ② IgE、樹状細胞、ヘルパーT細胞、肥満細胞、ヒスタミン、アナフィラキシー ③ 自己抗体、補体、免疫複合体、遅延型、T細胞
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」405頁~408頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
15
自己免疫
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。免疫系では、免疫系の大まかなしくみ、獲得免疫系のしくみとして、抗原特異性、自己寛容、免疫記憶、抗体の産生と働き、抗体の構造、抗体のクラスとクラススイッチ、キラーT細胞による反応、自然免疫系の攻撃のしくみ、自然免疫系から獲得免疫系への情報伝達、液性免疫と細胞性免疫、免疫系と感染症、アレルギーと自己免疫疾患について学習する。このコマでは、自己免疫疾患の発症機序、遺伝的要因、全身性自己免疫疾患(関節リウマチ、全身性エリテマトーデス)、臓器特異的自己免疫疾患(Ⅰ型糖尿病、重症筋無力症、バセドウ病)について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」408頁~411頁
コマ主題細目
① 自己免疫疾患の発症機序 ② 全身性自己免疫疾患 ③ 臓器特異的自己免疫疾患
細目レベル
① 自己免疫疾患は、自己寛容が破綻することによっておこる。ヒトの体は、抗原に対して反応する多様な免疫細胞をつくりだすと同時に、自分の成分と反応する有害な細胞も作るが、この自己反応性細胞は、通常は働きが抑えられている。しかし外界からの異物によって感染が起こると,それがきっかけで活性化されてしまうことがある。活性化された自己反応性T細胞が出現するとそれによって自己抗体を産生するB細胞から形質細胞が出現する。また感染した病原体の抗原が自己抗原に似ていれば、自分自身を攻撃する抗体が産生される。また遺伝的要因も自己免疫疾患の発症には大きく関与している。特定のHLAを持つヒトは、あるタイプの自己免疫疾患なりやすい。
② 全身性自己免疫疾患の代表例は、関節リウマチと全身性エリテマトーデス(SLE)である。関節リウマチは、関節内の滑膜細胞に対する自己抗体により関節内に炎症が生じ、滑膜細胞が異常増殖し関節が破壊される。自己免疫疾患の中で最も発生の頻度が高く、女性に多い。SLEは細胞の核の成分に対する抗体が出現し(抗核抗体)、抗原抗体複合体が全身の組織に沈着し組織を障害する。皮膚症状など多彩な症状があるが、両頬の蝶形紅斑、関節炎・関節痛が多く見られるが、重症例では、ループス腎炎、中枢神経、血管病変が見られる。長期の免疫抑制治療で、日和見感染のリスクも増加するが、ループス腎炎による腎障害が予後決定因子である。
③ 1型糖尿病は、膵臓のランゲルハンス島のインシュリン分泌するB細胞に対する自己抗体により、B細胞が破壊されインスリン欠乏がおこり発症する。インシュリンが産生できないため、インシュリン投与が必要である。重症筋無力症は、神経筋接合部のアセチルコリン受容体に対する自己抗体ができて、神経末端で分泌されたアセチルコリンが筋肉のレセプターに刺激を伝達できなくなって(刺激伝達をブロック)発症し筋肉を動かせなくなる。バセドウ病(甲状腺機能亢進症、グレーブス病)は、逆に甲状腺の甲状腺刺激ホルモンレセプターに対する抗体が、レセプターを過剰に刺激して(抗体による過剰刺激の入力)、甲状腺ホルモンが大量に分泌されるため発症する。
キーワード
① 自己寛容、自己抗体、自己反応性T細胞、HLA ② 関節炎、滑膜細胞、抗核抗体、ループス腎炎 ③ 自己抗体、インスリン産生細胞、アセチルコリン受容体、甲状腺刺激ホルモンレセプター
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」408頁~411頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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骨と骨格
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。骨格系では、骨の働き、骨の組成、骨の形態、骨の構造、骨組織、骨の成長、骨の形成と改変、骨の老化、頭蓋、脊柱、胸郭、上肢帯の骨格、上肢の骨、骨盤、下肢の骨、関節の構造、関節の種類、関節の運動、関節の変形、骨格系の成長と老化ついて学習する。このコマでは、骨の働き、骨の組成、骨の形態、骨膜、骨質、骨組織(長骨の構造)、骨の成長、骨の形成と改変、骨の老化について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」276頁~283頁
コマ主題細目
① 骨の働き ② 骨の組成・形態 ③ 骨の構造、成長、形成と改変、老化
細目レベル
① 骨は体の基本構造を形成しているが,体を支えるだけでなく、造血作用を初めとしたさまざまな働きをしている。変化の少ない外観とは逆に常に新陳代謝をくりかえし,成長し老化してゆく。骨は支柱のように体を支える働きがあり、軟らかい体をしっかりとささえている。内蔵の保護機能としては、生命を維持するために重要な脳、肺、心臓、脊髄などを頭蓋骨、肋骨、椎骨などによって保護している。また、骨髄では赤血球、白血球、血小板など血液細胞の造血が行われる。骨には全身のカルシウムの97%が貯蔵され、必要に応じて血中カルシウム濃度を調節する。カルシウムの代謝を促進させるのは上皮小体ホルモン(パラソルモン:PTH)、抑制させるのは甲状腺から分泌されるカルシトニンである。
② 骨は歯のエナメル質に次いで硬く,軟骨や血液と同じ結合組織の仲間であり、骨細胞と骨基質からできている。骨基質は有機質(コラーゲンやムコ多糖)が約25%、ミネラル(カルシウム、リンなど)が約50%、約25%の水分からできていて、カルシウムの貯蔵場所としての役割を持つ。その形態から長骨(上腕骨)、短骨(手根骨)、扁平骨(頭蓋骨)、不規則骨(椎骨)、種子骨(膝蓋骨)、含気骨(上顎骨)に分類される。骨膜は結合組織の膜で、痛みを感じる部分である。骨質は緻密質と海綿質からなる。骨髄には、赤色骨髄と黄色骨髄があり、赤色骨髄は造血作用が盛んで、血液が豊富なため赤く見える。成人では椎骨、胸骨、肋骨、腸骨にみられる。黄色骨髄は脂肪に富み造血機能が無い。
③ 骨組織は肉眼で見ると緻密質は均一で海綿質は隙間が多いが,緻密質を顕微鏡で見ると無数の穴があいている。骨小腔は中心管(ハバース管)を囲む年輪状のハバース層板の間に配置されている。中心管と年輪状の基質から構成される個々の複合体を骨単位(オステオン)とよぶ。骨の内部と外部を結ぶ通路としてフォルクマン管がある。骨の長さの成長は骨端軟骨で行われ、太さの成長は骨膜で行われる。骨組織は形成された後も、常に骨改変(リモデリング)が行われている。骨形成には骨芽細胞がコラーゲンを形成しコラーゲンが集合して膠原線維ができ、さらにヒドロキシアパタイトの結晶が形成されて骨芽できる。骨改変には破骨細胞が関わりミネラルとコラーゲンを吸収する。骨が老化すると骨粗鬆症になる。
キーワード
① 内臓保護、造血、カルシウム代謝 ② 骨基質、赤色骨髄、黄色骨髄 ③ 骨端軟骨、骨膜、骨芽細胞、破骨細胞
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」276頁~283頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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頭蓋、体幹、体肢の骨格
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。骨格系では、骨の働き、骨の組成、骨の形態、骨の構造、骨組織、骨の成長、骨の形成と改変、骨の老化、頭蓋、脊柱、胸郭、上肢帯の骨格、上肢の骨、骨盤、下肢の骨、関節の構造、関節の種類、関節の運動、関節の変形、骨格系の成長と老化ついて学習する。このコマでは、脳頭蓋、顔面頭蓋、舌骨、新生児の頭蓋、椎骨の基本構造、各椎骨の特徴、脊椎に見られる障害、胸郭の構造、肋骨骨折、上肢帯の骨格、上肢の骨、骨盤、下肢の骨について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」284頁~296頁
コマ主題細目
① 頭蓋、脊柱 ② 胸郭、上肢 ③ 骨盤と下肢
細目レベル
① 頭蓋は、脳を入れる脳頭蓋と顔面を形成する顔面頭蓋に分けられる。脳頭蓋は8個の扁平骨(前頭骨、頭頂骨、側頭骨、後頭骨、蝶形骨、篩骨)が縫合という骨の辺縁の咬み合わせで連結している。顔面頭蓋は14個で、下顎骨、上顎骨、左右口蓋骨、左右頬骨、左右涙骨、左右鼻骨、左右下鼻甲介骨、鋤骨よりなる。舌骨は頭蓋から離れて存在し、嚥下や発声時に働く。新生児の頭蓋の骨化していない部分を大泉門(前)、小泉門(後)と呼ぶ。椎骨は椎体と椎弓からなり、椎体と椎体の間には液体成分を多く含む椎間板が存在し、椎骨同士のクッションの役割をしている。左右に横突起、後方に棘突起、椎体と椎間板の前面に前縦靱帯、後面に後縦靱帯がある。脊柱は、頸椎が7個、胸椎が12個、腰椎が5個、仙骨は5個の仙椎が癒合し、尾骨は3から5個の尾椎の癒合で構成される。
② 胸郭は、後面の胸椎(12個)と左右の肋骨(12個)、前面の胸骨(1個)により構成される。第1から7肋骨は、肋軟骨を介して胸骨と関節を作る。肋骨下縁には、肋間神経および肋間動静脈が走る。胸骨は、胸骨柄、胸骨体、剣状突起からなり肋骨を前方でつないでいる。上肢帯とは上肢を支える骨格で、鎖骨、肩甲骨、肩関節である。肩関節は代表的な多軸性の球関節(3次元のあらゆる方向に動く)であるが、関節のはまりが浅く脱臼しやすい。上肢は、上腕骨、尺骨、橈骨、肘関節、手根骨、中手骨、指節骨よりなる。肘関節は、上腕骨、橈骨、尺骨から形成され、腕尺関節、腕橈関節、上橈尺関節からなり、屈曲と伸展を行う。手根骨は8個の骨からなり、舟状骨、月状骨、三角骨、豆状骨、大菱形骨、小菱形骨、有頭骨、有鉤骨である。
③ 骨盤は、左右の寛骨(腸骨・座骨・恥骨)と仙骨から構成される輪状の結合体で、腸や膀胱、子宮などを保護し、脊柱を支える。下方の筒状の部分を骨盤腔といい、女性は男性に比較して浅くて横に広い。これは出産に際して産道となるためである。下肢を支える下肢帯は左右の寛骨で、仙骨・尾骨とともに骨盤を形成する。下肢は、大腿骨、膝蓋骨、脛骨、腓骨、膝関節、足根骨、中足骨、趾節骨、足関節よりなる。大腿骨頸部は骨幹に対して125度の角度で内包に曲がっていて、高齢者の転倒でしばしば骨折を生じる。基部の外側が外転子、内側が内転子である。膝関節は,大腿骨、脛骨、膝蓋骨の3つの骨で構成される蝶番関節(1軸性の動き)である。関節の表面に硝子軟骨があり、損傷すると再生治癒するのが困難である。内側・外側側副靱帯と前・後縦靱帯で安定を保っている。
キーワード
① 脳頭蓋、顔面頭蓋、頸椎が7個、胸椎が12個、腰椎が5個 ② 胸椎、肋骨(12対)、胸骨、上肢帯 ③ 寛骨(腸骨・座骨・恥骨)、下肢帯、大腿骨頚部
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」284頁~293頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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関節の構造と種類
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。骨格系では、骨の働き、骨の組成、骨の形態、骨の構造、骨組織、骨の成長、骨の形成と改変、骨の老化、頭蓋、脊柱、胸郭、上肢帯の骨格、上肢の骨、骨盤、下肢の骨、関節の構造、関節の種類、関節の運動、関節の変形、骨格系の成長と老化ついて学習する。このコマでは、関節の構造、関節軟骨の再生、関節の種類、関節の運動、変形性関節症、関節リウマチ、関節に水がたまる、捻挫、脱臼、骨格系の成長と老化について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」296頁~301頁
コマ主題細目
① 関節の構造 ② 関節の種類、運動 ③ 関節の変形、骨格系の成長と老化
細目レベル
① 関節にはほとんど動きのない不動関節(頭蓋骨)、わずかに動きのある半関節(椎骨)、可動関節がある。可動性の関節には骨端同士の間に関節腔が存在し、関節面は関節軟骨でなめらかに覆われていて、関節包によって包まれている。関節包の内壁の滑膜は粘稠な滑液(関節液)を分泌し、関節を潤滑にするとともに軟骨に栄養を与えている。関節軟骨は、直接血液から酸素や栄養分を取り込むことができないため再生が困難である。外傷によって軟骨芽欠損したり、加齢によって軟骨が失われて関節炎や疼痛が起こると軟骨自体は再生しにくい。高齢者では膝関節炎や股関節炎などで、人工関節置換が必要であるため、軟骨は遺伝子操作などの技術を応用した再生医療の研究対象となっている。
② 関節の種類は、球関節(肩関節、股関節などの多軸性三次元運動)、蝶番関節(指節間関節、肘関節など一軸性)、楕円関節(橈骨手根関節などの二軸性運動)、鞍関節(母指の手根中手関節などで二軸性)、顆状関節(中手指節間瀬越などで二軸性)、車軸関節(肘関節の上橈尺関節などで一軸性回転)、平面関節(椎間関節などで可動性が少ない)、半関節(仙腸関節などかみ合っていて動かない)がある。関節の運動には、屈曲・進展(関節を曲げる,のばす)、外転・内転(正中線(体の中心線)から離す、近づける)、内旋・外旋(骨の軸に対し、内向き、外向きにねじる)、分まわし運動(近位端を支点として遠位端を円を描くように動かす)、回内・回外(手掌をひるがえす動き)、内反・外反(足の裏をひるがえす動き)、背屈・底屈(足の甲をすねは向かって挙げる動きとその反対)がある。
③ 変形性関節症は、骨折や加齢などの変化により関節軟骨が変性して、関節を形成する骨の変形が生じ、関節の動きが悪くなったり痛みを感じるようになる。末梢の骨軸が内側に変形したものを内反、外側に変形したものを外反という。関節リウマチは、関節包内の滑膜に対する自己抗体により関節炎を起こす自己免疫疾患で、関節包が緩んだり、関節軟骨や骨が障害を受けて、関節変形や腫脹、疼痛が生じる。膝関節などで関節炎を起こすと滑膜炎が発生して関節液が増大し関節に水がたまる。捻挫は関節周囲の靱帯や関節包が外傷によって引き延ばされたり断裂した状態である。脱臼は骨が関節腔内の清浄の位置から外されたときにおこり、亜脱臼では関節面同士の接触があり、完全脱臼では接触がない。骨は長軸方向へは骨端軟骨の増殖、太さは骨膜からでる骨芽細胞により成長する。加齢で、骨密度と骨量の低下、関節軟骨の変性がおこる。
キーワード
① 不動関節、半関節、可動関節 ② 球関節、蝶番関節、内旋・外旋 ③ 変形性関節症、関節リウマチ、骨端軟骨、骨芽細胞
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」296頁~301頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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筋の種類と機能
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。筋系では、骨格筋、心筋、平滑筋、筋の収縮機序、筋収縮のエネルギー代謝、刺激と活動電位の発生、筋収縮の種類、脊髄反射と運動単位、身体の運動と骨格筋、頭部の筋、頸部、背部の筋、胸部の筋、横隔膜、腹部の筋、上肢の筋、下肢の筋、筋の病気、筋系の成長と老化ついて学習する。このコマでは、骨格筋細胞の構造、骨格筋の構成、筋の補助装置、心筋、平滑筋の収縮機序、筋収縮のエネルギー代謝、刺激と活動電位の発生、筋収縮の種類、脊髄反射と運動単位、身体の運動と骨格筋について学習する
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」302頁~312頁
コマ主題細目
① 筋の種類 ② 筋の機能 ③ 身体運動と骨格筋
細目レベル
① 筋肉は,人体の運動、姿勢保持に重要な役割を果たし,収縮・短縮することにより骨格・関節を動かす。顕微鏡下での外観で,横紋筋と平滑筋に分けられ、ヒトの意思で動かすことができる随意筋と動かすことができない不随意筋に分けられる。骨格筋は、運動神経の支配を受ける随意筋で、構造は横紋筋である。骨格筋細胞は筋繊維といわれ筋鞘という細胞膜内に筋原線維が充満している。筋原線維は明調(I帯)と暗調(A帯)が交互に存在し横縞模様となる。ミオシンフィラメントとアクチンフィラメントの交互の重なり合いを観察していて、互いにすべるように動くことによって線維が収縮する。心筋は、横紋筋であるが不随意筋でその運動は自律神経の支配を受ける。平滑筋は、内臓や血管などにあり横紋を持たず自律神経の支配を受ける不随意筋である。
② 骨格筋細胞は、運動ニューロンが神経末端シナプスでアセチルコリンを放出し、それが筋細胞のレセプターに結合すると細胞膜の透過性が変わり、ナトリウムイオンが筋に侵入して活動電位が生じる。すると筋小胞体からカルシウムイオンを放出され、筋の収縮はカルシウムイオンがある限り続き、そのエネルギーはATPが供給する。筋の収縮には、等張性(筋が収縮して運動を生じる)と等尺性(筋は短縮せず緊張を増す)がある。エネルギー供給源としては、無酸素運動ではクレアチンリン酸がクレアチンになる時にADPがATPになる場合とグルコースが乳酸になりATPを生じる場合がある、有酸素運動では、酸素を使用してグルコースをクエン酸回路で分解し、炭酸ガスと水を生じる。
③ 骨格筋が収縮するには運動神経の電気信号により筋が刺激される必要がある。運動神経と筋細胞の全体を運動単位という。運動神経は神経筋接合部位で結合し神経終末と筋の間にはシナプス間隙という隙間が存在する。神経伝達物質アセチルコリンによって筋が刺激され興奮して活動電位を生じる。筋肉収縮の全か無かの法則とは、収縮にはある一定量以上の刺激(閾値)が必要だが、刺激が増加しても収縮の程度に変化はないことをいう。1回の刺激に対する収縮を単収縮といい、1回の収縮が終わらないうちに次々に刺激が来ると強い大きな収縮がおこり強縮という。関節の運動には中心的役割をする主動筋と逆の作用をする拮抗筋がある。肘の屈曲では上腕二頭筋が主動筋で,上腕断頭筋が拮抗筋である。
キーワード
① 随意筋、不随意筋、自律神経 ② アセチルコリン、カルシウムイオン、無酸素運動、有酸素運動 ③ 閾値、主動筋、拮抗筋
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」302頁~312頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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骨格筋の解剖生理(1)
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。筋系では、骨格筋、心筋、平滑筋、筋の収縮機序、筋収縮のエネルギー代謝、刺激と活動電位の発生、筋収縮の種類、脊髄反射と運動単位、身体の運動と骨格筋、頭部の筋、頸部、背部の筋、胸部の筋、横隔膜、腹部の筋、上肢の筋、下肢の筋、筋の病気、筋系の成長と老化について学習する。このコマでは、頭部の筋、頸部、背部の筋、胸部の筋、横隔膜、腹部の筋、上肢帯の筋、上腕の筋、前腕の筋群、手指の筋について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」312頁~318頁
コマ主題細目
① 頭部の筋、 ② 頸部、背部の筋 ③ 胸部の筋、横隔膜、腹部の筋
細目レベル
① 頭部の筋は,顔面の表情を作る顔面筋と食物を咀嚼する咀嚼筋の2群に分かれる。前頭筋、眼輪筋、口輪筋、頬筋、頬骨筋、咬筋、側頭筋がある。前頭筋は前頭骨を多い額の横皺を作る。眼輪筋は眼を閉じる筋肉で、内部の眼瞼部軽く閉じる際に、周りの眼窩部は強く閉じる際に働く。口輪筋は口を閉じる筋肉で,口を突き出す形を作る。頬筋は笛を吹くときなどに口角を外側に引く作用がある。乳児が吸啜するときに頬がへこまないようにする。頬骨筋は、笑うときなどに口角を横に引き上げる。咀嚼筋は咬筋、側頭筋、内翼突筋、外翼突筋で、三叉神経(第Ⅴ脳神経)の支配を受けている。咬筋は歯をかみ合わせる動き、側頭筋は側頭骨を覆うこめかみの筋で、咬み合わせに働く。
② 頸部の筋は頭や上肢を動かす働きをする。浅層の筋は上肢の運動、中層の筋は胸部の運動、深層の筋は脊柱の運動に関係する。浅層の筋の第1層は、広頚筋胸鎖乳突筋。僧帽筋広背筋で、第2層は菱形筋(大菱形筋、小菱形筋)、肩甲挙筋である。深層の筋の第1層は肋骨に関連する棘肋筋、第2層は脊柱に関係がある固有背筋、棘背筋、後頭下筋群である。広頸筋は側頭部の皮下に薄く広がる皮筋で、浅筋膜に含まれ、皮神経血管リンパ管もこの結合織鞘内に存在する。胸鎖乳突筋は頸部の浅層を斜めに走り、起始は胸骨・鎖骨で、停止は側頭骨の乳様突起である。筋性斜頚の原因となる。僧帽筋は後頭骨・椎骨の棘突起から起始し肩甲棘・肩峰・鎖骨に停止する。肩甲骨の挙上・内転に働き肩こりはここにおこる。
③ 胸部の筋は、浅筋群、深筋群,横隔膜に分けられる。浅筋群は胸郭からおこり上肢の骨について、上肢の運動に関係する(大胸筋、小胸筋、鎖骨下筋など)。深胸筋は胸壁の内外面または肋間隙にあり、肋骨を動かし呼吸運動(胸式呼吸)に関係する(外肋間筋、内肋間筋など)。横隔膜は胸腔と腹腔をさかいする膜状の筋で、呼吸運動(腹式呼吸)に関係する。腹部は前腹筋と側副筋、後腹筋に分けられ、前腹筋の腹直筋は脊椎を前屈させる他に、分娩や排便のとき腹圧をかけ、深呼吸時もはたらく。側副筋は、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋の3層よりなる。後腹筋は腰方形筋である。
キーワード
① 咬筋、咀嚼,顔面筋、表情 ② 胸鎖乳突筋,僧帽筋、広背筋 ③ 呼吸筋、肋間筋、腹直筋
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」312頁~318頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
21
骨格筋の解剖生理(2)
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。筋系では、骨格筋、心筋、平滑筋、筋の収縮機序、筋収縮のエネルギー代謝、刺激と活動電位の発生、筋収縮の種類、脊髄反射と運動単位、身体の運動と骨格筋、頭部の筋、頸部、背部の筋、胸部の筋、横隔膜、腹部の筋、上肢の筋、下肢の筋、筋の病気、筋系の成長と老化について学習する。このコマでは、下肢帯の筋、大腿の筋、下腿の筋、筋の病気、筋系の成長と老化について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」318頁~323頁
コマ主題細目
① 上肢の筋 ② 下肢の筋 ③ 筋の病気、筋系の成長と老化
細目レベル
① 上肢帯の筋として、三角筋と腱板がある。三角筋は肩関節を取り囲み桁の丸みを作り腕を外転する。腱板は、肩関節を構成し、棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋の4種の筋の腱によって構成される。上腕には、上腕二頭筋、上腕三頭筋がある。上腕二頭筋は肘関節を屈曲させ,上腕三頭筋は伸展し拮抗筋の関係にある。前腕の手掌側には手関節の掌屈、指の屈曲や前腕の回内に働く筋がある(尺側手根屈筋、長掌筋、浅指屈筋、円回内筋、長母指屈筋、方形回内筋など)。前腕の手背側には手関節のはいくつ、指の伸展や前腕の回内に働く筋がある(腕橈骨筋、長・短橈側手根伸筋、総指伸筋、尺側手根伸筋、長母指内転筋、回外筋など)。前腕には手関節や指を伸展する多くの筋がある。細かい指の運動は、手の中にある母指球菌や小指球筋、中手筋などの内在筋による。
② 下肢帯の筋として、腸腰筋、大臀筋、中臀筋、小臀筋,梨状筋、内閉鎖筋、上双子筋、下双子筋、大腿方形筋、外閉鎖筋がある。腸腰筋は第12胸椎~第5腰椎および腸骨に起始し、大腿骨の小転子に停止する。股関節の屈曲・外旋をおこない姿勢を保持する。大殿筋は股関節の強力な伸筋である。中殿筋・小殿筋は腸骨翼の外面に起こり、大腿を外転させる。歩行の細に体重を支え,骨盤を安定させる。中殿筋は筋腹が大きいため筋肉注射に使用されるが、内側には坐骨神経がはしるので注意が必要である。大腿の筋は、伸筋群は大腿四頭筋、内転筋群(長・短・大内転筋)、屈筋群は大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋がある。下腿の筋としては、下腿三頭筋、前脛骨筋などがある。
③ 筋肉疾患は、筋力低下、関節の拘縮、変形などを生じ,運動障害、発達障害の原因となる。筋炎、筋ジストロフィー、先天性ミオパシー、その他のミオパシー、重症筋無力症、周期性四肢麻痺、代謝性筋疾患がある。重症筋無力症は、骨格筋の神経筋接合部にあるシナプス後膜のアセチルコリン受容体タンパクに対する自己抗体により、神経刺激が筋肉に伝わらなくなっておこる。複視、眼瞼下垂からはじまり、午後になると呼吸筋、四肢筋の筋力低下が加わり症状が重くなる。筋ジストロフィーは特定の筋群が侵される遺伝的疾患で、脂肪と結合織がたまるので筋は大きく見えるが筋繊維は萎縮する(腓腹筋の仮性肥大)。筋の成長は20代がピークで、65歳以降は筋肉量が減少しサルコペニアといわれ、高齢者の身体機能の低下に関連することが示されている。ロコモーティブシンドロームは運動器の障害によって看護・介助が必要な状態をさす。
キーワード
① 上肢帯,上腕二頭筋、上腕三頭筋 ② 下肢帯、大腿四頭筋、大腿二頭筋 ③ ミオパシー、重症筋無力症、サルコペニア、ロコモーティブシンドローム
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」318頁~323頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
22
神経系の構造と機能
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。神経系では、神経系の構造に基づく分類、機能に基づく分類、神経膠細胞、ニューロン、反射、大脳、間脳、脳幹、小脳、脊髄、中枢神経系を保護する組織、伝道路、末梢神経の構造、末梢神経組織の伝導速度、脳神経、脊髄神経と神経叢、体性神経系、自立神経系、神経系の成長と老化、生体のリズムついて学習する。このコマでは、神経系の構造に基づく分類、機能に基づく分類、神経膠細胞、ニューロンの構造、情報の伝達、興奮の伝導、不応期、シナプス、反射について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」324頁~334頁
コマ主題細目
① 神経系の分類、神経膠細胞 ② ニューロン ③ 反射
細目レベル
① 神経系には感覚・統合・運動という三つの機能がある。感覚受容器は身体の内外で起こる変化:刺激を感受する働きがある。外部環境として温度・光・音など、内部環境として圧・pH・酸素濃度・二酸化炭素農道・電解質濃度などを感受する。感覚信号は神経インパルスという電気信号に変換され、脳に伝えられ、分析・解析が行われ次の反応が瞬時に決定される(統合機能ウ)。脳波末梢器官に信号を送り、筋肉を収縮させたり、腺組織からの分泌を調節する(運動機能)。神経の構造にもとづく分類では、中枢神経系と末梢神経系に分かれる。機能的分類では、体性神経系と自律神経系に分かれる。また刺激伝導の方向から、求心性神経と遠心性神経に分かれる。神経膠(グリア)細胞は、ニューロンの支持と血液脳関門の形成の役割があり、星状膠細胞(支持、栄養)、上衣細胞(脳脊髄液)、希突起膠細胞(髄鞘形成)、小膠細胞(貪食)がある。
② ニューロン(神経細胞)の機能は神経インパルスを伝えることである。ニューロンは分裂機能が無いため、神経組織は再生しない。ニューロンの形態は、有髄神経では、樹状突起を持つ細胞体から軸索が長く伸びて、髄鞘とよばれる希突起膠細胞が作る脂肪性物質の層に分節状に囲まれている。髄鞘と髄鞘の間のくびれはランヴィエの絞輪といわれる。静止電位は細胞内が陰性に保たれた状態で、興奮すると脱分極し再分極がおきて静止電位に戻る。この変化を活動電位という。髄鞘のある有髄神経では跳躍伝導がおこり、素早く刺激が伝わる。無髄神経では興奮が軸索を連続的に伝わるため、刺激伝導速度が遅い。シナプスは神経終末と次の神経との接合部で、神経伝達物質(アセチルコリンやノルアドレナリン)により刺激が伝わる。
③ 反射とは、刺激に対する不随意的な(無意識の)反応で、受容器、求心性(感覚)神経、反射中枢、遠心性(運動)神経、効果器の五つの要素が関与する。受容器は刺激を受容し電気信号に変換する。求心性神経は中枢神経系の外にある神経節内に細胞体があり、受容器からの感覚性インパルスを中枢神経系に伝達する。反射中枢は、中枢神経系に存在し、送られてきた感覚性インパルスを処理し、適切な運動神経に連絡する。遠心性神経は、中枢神経系にある細胞体から末梢に軸索を出し、効果器に運動性インパルスを送る。効果器は、中枢神経系の外にある筋や腺組織で、運動神経からの運動性インパルスに反応し、収縮や分泌などの作用をおこす。屈曲反射では皮膚に障害刺激が伝わると感覚神経が脊髄の反射中枢に伝え介在ニューロンを介して運動神経に伝わり筋肉が収縮する。
キーワード
① 体性神経、自律神経、星状膠細胞、希突起膠細胞 ② 髄鞘、跳躍伝導、神経伝達物質 ③ 受容器、反射中枢、効果器
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」324頁~334頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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中枢神経(1)
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。神経系では、神経系の構造に基づく分類、機能に基づく分類、神経膠細胞、ニューロン、反射、大脳、間脳、脳幹、小脳、脊髄、中枢神経系を保護する組織、伝道路、末梢神経の構造、末梢神経組織の伝導速度、脳神経、脊髄神経と神経叢、体性神経系、自立神経系、神経系の成長と老化、生体のリズムついて学習する。このコマでは、大脳皮質、大脳基底核、間脳(視床、視床下部、松果体、大脳辺縁系)について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」334頁~347頁
コマ主題細目
① 大脳 ② 間脳 ③ 脳幹、小脳
細目レベル
① 中枢神経系の組織は白質と灰白質からなり、白質は髄鞘のため白く見える部位で有髄神経線維の集まりで神経路を構成している、灰白質は細胞体・介在ニューロン・無髄神経で構成されている。中枢神経系で神経細胞体が集まって小さな集団を作ると神経核とよばれ(大脳基底核など)、末梢神経系で神経細胞体が集まって小さな集団を作ると神経節と呼ばれる(交感神経節など)。大脳は、大脳溝とよばれる溝によって、前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の四つの小葉に分けることができる。大脳皮質の前頭葉は、随意運動、感情、学習、思考などの高度な機能をになう。頭頂葉には体性感覚野がある。側頭葉には聴覚野がある。後頭葉には視覚野がある。連合野は認知機能をになう。大脳基底核は錐体外路系を形成している。
② 間脳は視床、視床下部、松果体、大脳辺縁系よりなり、視床は嗅覚以外の感覚インパルスを大脳皮質に投射する中継地点で、視床に届いた情報は大脳皮質の適切な領域(体性感覚野など)に送られ、そこで刺激が解釈される。また意識レベルを保つ働きをする上行性網様体賦活系があり、さまざまな感覚情報の入力が大脳全体を興奮させる。視床下部は下垂体とともに働きホルモン調節を通じて多くの内臓活動を調節しホメオスタシスの維持に関わっている。視床下部には、摂食調節中枢(空腹中枢、満腹中枢)、体温調節中枢、水分調節中枢、がある。松果体はメラトニン分泌を通じて体内リズム(サーカディアンリズム)、大脳辺縁系は帯状回・海馬・視床下部などで構成され、本能行動、自律機能などに関係する。
③ 脳幹は中脳、橋、延髄よりなり、中脳は感覚・運動経路の中継地点・通過部位となっていて、視覚反射、聴覚反射、姿勢反射の中枢でもある。橋は脳幹の真ん中に位置し、高位中枢と脊髄奈央間を走行する神経線維で構成される。橋には呼吸調節中枢があり、呼吸運動の調節を行っている。延髄は橋の下に位置し、脳と脊髄を結ぶすべての求心性・遠心性神経線維は延髄を通り、遠心性神経のほとんどは延髄錐体部で反対側に交叉し,反対側の運動機能を調節している(錐体路系)。延髄には循環、呼吸、自律神経機能に関する中枢がある。小脳は後頭葉の下に位置し二つの小脳半球からなり虫部でつながっている。小脳には特に意識していなくとも運動や姿勢のバランスを維持できるように調整する機能がある。小脳が傷害されると小脳運動失調となる。
キーワード
① 前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉 ② 視床下部、下垂体、松果体、大脳辺縁系 ③ 中脳、橋、呼吸調節中枢、延髄、呼吸中枢、小脳運動失調
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」334頁~347頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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中枢神経(2)
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。神経系では、神経系の構造に基づく分類、機能に基づく分類、神経膠細胞、ニューロン、反射、大脳、間脳、脳幹、小脳、脊髄、中枢神経系を保護する組織、伝道路、末梢神経の構造、末梢神経組織の伝導速度、脳神経、脊髄神経と神経叢、体性神経系、自立神経系、神経系の成長と老化、生体のリズムついて学習する。このコマでは、脊髄、中枢神経系を保護する組織、伝道路について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」343頁~347頁
コマ主題細目
① 脊髄 ② 中枢神経系を保護する組織 ③ 伝道路
細目レベル
① 脊髄は頭蓋骨基部から第1腰椎までの45cmの長さの神経組織で末端部には多くの脊髄神経がウマの尾の毛のように分かれていて、これを馬尾と呼ぶ。脊髄は脳と同じく骨・髄膜・脳脊髄液で保護されている。脊髄は白質の中に蝶の形をした灰白質があり、後角は感覚ニューロン軸索の終末、側角と前角には運動ニューロンの細胞体がある。白質は後索・側索・前索の三つに分かれ、縦方向に有髄神経が走行している。脊髄には二つの機能があり、一つは神経インパルスを脳から末梢へ,または末梢から脳へ伝導して情報を伝える。もう一つは反射中枢としての働きである。脊髄から起始する末梢神経を脊髄神経といい、頚神経は8対(注:頚椎は7個)、胸神経は12対、腰神経は5対、仙骨神経は5対、尾骨神経は1対である。
② 中枢神経系は骨、髄膜、脳脊髄液、血液脳関門などで保護されている。髄膜は外から、硬膜、くも膜、軟膜の三層で構成され、くも膜と軟膜の間がくも膜下腔で脳脊髄液や血管があり、この血管が破綻するとくも膜下出血がおこる。脳内の空間が脳室で、大脳半球に側脳室があり、間脳の正中に第三脳室、小脳・橋レベルに第四脳室があり、これは下方の脊髄の中心管に続いていて、いずれも脳脊髄液で満たされている。脳脊髄液は、脳室に存在する特殊な血管である脈絡叢の血液が濾過されできる透明な液体で、髄液ともよばれる。成分は結晶に類似し見ず・グルコース・タンパク質・電解質が含まれる。血液脳関門は、血管と星状膠細胞で形成され、有毒物質や薬剤は血液から脳神経系へ入れない。
③ 脊髄の白質には、上行路(感覚性)と下行路(運動性)がいくつも走行し、脊髄路とよばれている。上行路は身体各部からのインパルスを脳に運び、下行路は脳からの筋肉や腺組織への運動インパルスを運ぶ経路である。下行路は、延髄の錐体でほとんどが反対側に交叉する錐体路系と、それ以外の錐体外路系に分かれる。錐体路系は大脳皮質の神経細胞からの軸索が途中でシナプスを介さずに脊髄まで下降し、それぞれの運動神経に直接接続するため皮質脊髄路と呼ばれる。一方、錐体外路系は大脳皮質から途中で大脳基底核や視床、脳幹で中継されて下行する系で、姿勢やバランスの制御に関わる。上行路は、後索路(触覚圧覚、振動感覚、固有感覚)と脊髄視床路(痛覚、温度感覚)である。後索路は脊髄に入った後反対側にまわり視床で終わり、視床から大脳皮質感覚野に伝えられる。脊髄視床路は一部が延髄網様体で終わる。
キーワード
① 後角、前角、馬尾 ② 髄膜。硬膜、くも膜、軟膜、脳脊髄液 ③ 錐体路系、錐体外路系、後索路、脊髄視床路
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」343頁~347頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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末梢神経
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。神経系では、神経系の構造に基づく分類、機能に基づく分類、神経膠細胞、ニューロン、反射、大脳、間脳、脳幹、小脳、脊髄、中枢神経系を保護する組織、伝道路、末梢神経の構造、末梢神経組織の伝導速度、脳神経、脊髄神経と神経叢、体性神経系、自立神経系、神経系の成長と老化、生体のリズムついて学習する。このコマでは、末梢神経の構造、末梢神経組織の伝導速度、脳神経、脊髄神経の全体像、体性神経系(皮膚文節、膝蓋腱反射)、自律神経系の構造、神経伝達物質、交感神経系、副交感神経系、神経系の成長と老化、睡眠と覚醒、サーカディアンリズムについて学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」348頁~361頁
コマ主題細目
① 脳神経 ② 脊髄神経、体性神経系 ③ 自律神経、神経系の成長と老化、生体のリズム
細目レベル
① 脳底部から12対の脳神経がでている。第Ⅰ脳神経の嗅神経は感覚神経で,嗅覚を伝える。第Ⅱ脳神経である視神経は感覚神経で、眼球網膜から視覚情報を伝える。第Ⅲ脳神経である動眼神経は運動・副交感神経で、眼球運動と瞳孔・水晶体を調節する。第Ⅳ脳神経である滑車神経は運動神経で、眼球運動、第Ⅴ脳神経である三叉神経は感覚・運動神経で、顔面の感覚と咀嚼運動に関係する。第Ⅵ脳神経の外転神経は運動神経で眼球運動、第Ⅶ脳神経の顔面神経は感覚・運動・副交感神経で、味覚,顔面の表情、唾液・涙液の分泌に関する。第Ⅷ脳神経の内耳神経は聴覚、第Ⅸ脳神経の舌咽神経は、感覚・運動・副交感神経で、味覚、嚥下、唾液の分泌、第Ⅹ脳神経の迷走神経は感覚・運動・副交感神経で、咽頭から胸腹部の内臓感覚、嚥下・発声、内臓機能に関する。第ⅩⅠ脳神経の副神経は頸部の運動、第ⅩⅡ脳神経の舌下神経は,舌の運動に関する。
② 脊髄神経の頸神経は8対、胸神経は12対、腰神経は5対、仙骨神経は5対、尾骨神経は1対である。それぞれの脊髄神経は、後根と前根で脊髄に接続している。後根は感覚神経、前根は運動神経で、後根の一部に膨らんだ後根神経節があり、感覚神経の細胞体がここにある。脊髄神経が脊髄を出ると多くの繊維に分かれるが、さまざまな部位でひとまとまりになってネットワーク:神経叢を作る。主な神経叢には、頸神経叢、腕神経叢、腰神経叢、仙骨神経叢がある。胸部では神経叢を介さず直接胸壁へ向かう(肋間神経)。体性神経の感覚神経は決められた皮膚領域を支配していて皮膚分節という。体性神経反射の代表は膝蓋腱反射で、筋紡錘が受容器、大腿四頭筋が効果器となる。
③ 自律神経系は内臓を支配していて、交感神経系と副交感神経系があり、アセチルコリンが神経伝達物質で、その受容体にはニコチン受容体とムスカリン受容体があるが、ムスカリン受容体は副交感神経の節後ニューロンの効果器にある。交感神経系の節後ニューロンの神経終末と効果器の間はノルアドレナリンが神経伝達物質となり、この受容器にはα受容体とβ受容体がある。交感神経系はストレスや緊急事態に対応し、副交感神経はリラックスした状態で優位となる。神経系は12歳頃に完成する。加齢により高次機能が低下する。意識水準の分類はコーマスケールによる。睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠がある。体温やホルモンの分泌にはサーカディアンリズム(概日リズム)がある。
キーワード
① 12対、三叉神経、顔面神経、舌咽神経、迷走神経 ② 8対の頸神経、胸神経(12)、腰神経(12) ③ アセチルコリン、ノルアドレナリン,レム睡眠、サーカディアンリズム
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」348頁~361頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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視覚
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。感覚系では、適合刺激、刺激への順応、感覚情報の大脳への投射、感覚と反応、五感とは、視覚、聴覚と平衡覚、化学的感覚(嗅覚と味覚)、体性感覚、内臓感覚、感覚系の成長と老化について学習する。このコマでは、適合刺激、刺激への順応、感覚情報の大脳への投射、感覚と反応、五感とは、眼球外膜、眼球中膜、眼球内膜、眼球内部、眼球の血管系、眼球の付属器、視覚の伝道路、視覚の調節系、色覚とその異常について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」362頁~375頁
コマ主題細目
① 感覚の特徴 ② 眼球 ③ 付属器、伝道路、調節系、色覚
細目レベル
① それぞれの感覚器の受容器は,特定の刺激に反応する。これを適合刺激という、適合刺激でも一定の強さが無いと興奮を起こさず、興奮を生じるに必要な細小の刺激の強さを閾値という。また感覚の強さの変化を認識するのに必要な細小の刺激の差を弁別閾という。刺激の強さが限度を超えると侵害刺激となり痛みを生じる(爆音など)。一定時間同じ刺激が持続すると刺激として感じなくなり順応といわれる。刺激を本来のものと異なって感じることを錯覚、刺激が無いのに感じることを幻覚という。嗅覚(第Ⅰ脳神経)以外の感覚は知覚伝導路から視床に入り、大脳皮質の感覚中枢(一次感覚野)に伝えられる。五感とは視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚をいう。
② 眼球はカメラの構造に似て、虹彩は絞りに、脈絡膜・強膜はボディに、角膜や水晶体はレンズに、網膜はフィルム(光学センサー)に、眼瞼はシャッターにあたる。眼球外膜は角膜と強膜、眼球中膜は脈絡膜と毛様体と虹彩、眼球内膜は網膜で扞体細胞と錐体細胞がある。角膜は眼球前の1/6を占め、光を屈折する透明な組織で知覚線維が発達し角膜反射を生じる。強膜は後方5/6で強い膠原線維である。強膜から角膜への移行部にシュレム管があり、眼房水が静脈系に排出される。網膜には黄斑がありここには錐体細胞が多く、明るいところで色の違いや精密な像を認識する。黄斑部から離れると杆体細胞が多くなる。眼球内部には眼房水、水晶体、硝子体がある。網膜中心動脈は、相互の吻合の無い終動脈である。付属器には眼瞼、涙器、外眼筋がある。
③ 眼瞼は光を遮断し、傷害物から眼球を保護する。眼瞼内部の瞼板には,瞼板腺(マイボーム腺)があり皮脂を分泌する。涙腺は外側情報にあり、涙液は涙小管から涙嚢に貯められ鼻涙管から下鼻道に流れる。外眼筋は、内側・外側・上直・下直・上斜・下斜筋の6種類がある。視神経は視交叉で左右が交叉するが、視野の内側半分のみが対側にわたり、外側半分はそのまま同側の後頭葉の視覚野にいたる。視覚の調節には遠近調節は水晶体の弾力と毛様体筋の収縮によって行われる。屈折異常としては、近視・遠視・老視・乱視がある。眼球の反射には、対光反射、輻輳反射、角膜反射がある。色覚は赤・緑・青のそれぞれに反応する3種類の錐体で感受する。いずれかの錐体に異常があるとその色が識別できない。
キーワード
① 閾値、順応、錯覚、幻覚、一次感覚野 ② 扞体細胞、錐体細胞、網膜中心動脈 ③ 視交叉、対光反射、赤・緑・青
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」362頁~375頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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聴覚と平衡感覚
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。感覚系では、適合刺激、刺激への順応、感覚情報の大脳への投射、感覚と反応、五感とは、視覚、聴覚と平衡覚、化学的感覚(嗅覚と味覚)、体性感覚、内臓感覚、感覚系の成長と老化について学習する。このコマでは、外耳、中耳、内耳、蝸牛管、コルチ器、音の伝導と聴覚伝道路、難聴、平衡班、膨大部稜、平衡覚の伝道路と反射について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」376頁~381頁
コマ主題細目
① 耳の構造 ② 聴覚器 ③ 平衡覚器
細目レベル
① 外耳は耳介と外耳道からなり、外耳道には耳道腺(アポクリン腺)があり分泌物が耳垢となる。中耳は鼓膜、耳小骨(ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨)、鼓膜張筋、アブミ骨筋、耳管からなる。鼓膜で受けた振動は耳小骨で約20倍に拡大される。アブミ骨は前庭窓にはまり込んで、蝸牛の前庭階内の外リンパ液に振動を伝える。鼓膜張筋、アブミ骨筋は強い衝撃が内耳に伝わらないように反射的に収縮して内耳を保護する。耳管は鼓室の前壁から出て咽頭上壁に開く管で、鼓室と外界の圧差を等しくする。鼓室と外界に圧差があると、鼓膜が正常に振動できず難聴になる。咽頭の炎症が耳管経由で中耳に波及し、急性中耳炎を発症することがある。内耳は側頭骨の錐体にある骨迷路内にある。
② 蝸牛はらせん管腔の骨迷路で、その中に膜迷路である蝸牛管が2回半まいて収まっている。音の振動の伝達は、蝸牛管外の前庭階の外リンパにアブミ骨から振動が伝わり、蝸牛頂から鼓室階に伝わり蝸牛窓に到る。蝸牛管内には内リンパがあり、基底膜上に振動の受容器であるコルチ器がある。コルチ器には内・外有毛細胞があり、全体の振動によりこの聴毛に蓋膜が押し当てられることによって活動電位を発生する。有毛細胞から蝸牛神経に聴覚刺激が伝えられ、側頭葉の聴覚野にいたる。難聴には伝音性難聴と感音性難聴がある。伝音性難聴は、外耳から内耳の前庭窓までの機械的障害で生じる。感音性難聴は、内耳の感覚細胞の興奮を聴覚野に投射するまでの神経系の障害である。
③ 平衡覚は正しい姿勢の維持、立ち直り運動、眼の運動のために入力情報を与える感覚である。前庭機能と呼ばれる球形嚢・卵形嚢の平衡斑と、膜半規管の膨大部稜で感受される内耳の情報が最も重要で、その他に視覚・皮膚感覚・深部感覚も関与する。骨迷路の中央部の前庭には前下方に球形嚢、後方に卵形嚢があり互いに直角の一で平衡斑を形成する。平衡班では、平衡砂(耳石)が重力がかかる方向に偏位するため有毛細胞を刺激して前庭神経節の神経に伝達される。球形嚢は上下垂直方向、卵形嚢は前後水平方向の直線運動加速度を感知する。回転加速度は、膜半規管(前半規管・後半規管・外側半規管)内のリンパの動きが、内部の膨大部稜内の小帽を倒してその下の有毛細胞を興奮させる。平衡覚は意識の上ることは少ないが、前庭脊髄反射、前庭眼反射、前庭自律神経反射をひきおこす。
キーワード
① 中耳、鼓膜、耳管、 ② 蝸牛、コルチ器、伝音性難聴、感音性難聴 ③ 平衡班、膨大部稜、前庭脊髄反射、前庭眼反射、前庭自律神経系反射
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」376頁~381頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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化学的感覚(嗅覚、味覚)
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。感覚系では、適合刺激、刺激への順応、感覚情報の大脳への投射、感覚と反応、五感とは、視覚、聴覚と平衡覚、化学的感覚(嗅覚と味覚)、体性感覚、内臓感覚、感覚系の成長と老化について学習する。このコマでは、嗅覚と嗅覚受容器、嗅細胞、嗅覚伝道路、味蕾、味覚伝道路、味の種類、味覚異常について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」381頁~384頁
コマ主題細目
① 嗅細胞 ② 味蕾 ③ 味覚異常
細目レベル
① 嗅覚は、化学物質が感覚細胞を刺激して興奮を起こさせこれらの情報が、大脳皮質の感覚野に投射されるだけでなく、視床下部や大脳辺縁系にも伝わり、自律神経系の機能・情動・本能行動にも関係する。鼻腔上壁から鼻中隔や鼻甲介への粘膜は,肥厚した嗅上皮で覆われている。空中の揮発性物質が嗅腺から分泌される粘液に溶け、嗅細胞の嗅小毛を刺激すると嗅細胞が興奮する。嗅細胞の基底部から出る突起が無髄の嗅神経(第Ⅰ脳神経)で、嗅神経は篩骨の篩板を貫いて頭蓋腔に到り、嗅球の僧帽細胞とともに嗅糸球と呼ばれる複雑なシナプスを形成する。嗅覚情報は、脳底部の嗅索・嗅三角を経て側頭葉内側面にある一次嗅覚野に達する。嗅皮質は大脳辺縁系の一部で情緒や自律神経系の反応と深く関係する。
② 舌には有郭乳頭、茸状乳頭、葉状乳頭、糸状乳頭の4種類の乳頭がある。味覚の受容器である味蕾は、有郭乳頭に最も多く、茸状乳頭、葉状乳頭にはあるが、糸状乳頭にはない。舌尖には茸状乳頭、舌背には糸状乳頭、舌根部近くに有郭乳頭と葉状乳頭がある。口蓋・咽頭・喉頭蓋の粘膜にも散在している。味蕾には約30個の味細胞があり、味孔には味細胞の味毛が集まり、水に溶けた化学物質に反応し興奮する。味細胞は舌の重層扁平上皮から分化した細胞で、味毛とよばれる長い微繊毛を味孔に出す。このため細胞の表面積が拡大され水に溶けた微量の味物質と接触し刺激されやすい。舌の味覚は、顔面神経(前3/2)・舌咽神経(後1/3)・迷走神経の味覚繊維で延髄孤束核に伝わり、大脳皮質の味覚野に投射される。
③ 長い間、味覚は甘味、塩味、酸味、苦味の四つの基本味の混合で生じるとされてきたが、うま味成分の一つであるグルタミン酸の受容体が味細胞の膜に発見されたことで、うま味が5番目の基本味として認められ、味覚はこれらの五つの基本味で構成される。舌のどの部分の味蕾もこれらの五つの基本味に反応するため、舌の特定の部位と基本味との関連は認められない。高齢者では味蕾が減少し味覚が鈍くなる。苦味の標準液であるフェニールチオ尿素の味を感じることができない場合、味盲という。白人で30%、日本人で5~10%で劣性遺伝する。味覚低下が生じるのは、味覚伝導路の障害の他に、顔面神経麻痺、亜鉛欠乏症、インフルエンザ様症候群後、ある種の薬物使用後などがある。
キーワード
① 嗅腺、嗅細胞、嗅小毛 ② 味蕾、有郭乳頭、茸状乳頭、葉状乳頭、糸状乳頭、 ③ 甘味、塩味、酸味、苦味、うま味、味盲
コマの展開方法
社会人講師
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PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」381頁~384頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
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体性感覚
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。感覚系では、適合刺激、刺激への順応、感覚情報の大脳への投射、感覚と反応、五感とは、視覚、聴覚と平衡覚、化学的感覚(嗅覚と味覚)、体性感覚、内臓感覚、感覚系の成長と老化について学習する。このコマでは、皮膚感覚と皮膚分節、触覚・圧覚・振動覚、温度感覚、痛覚、深部感覚、位置覚、運動覚、深部痛覚、体性感覚の上行性伝道路について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」385頁~388頁
コマ主題細目
① 皮膚感覚と皮膚分節 ② 深部感覚 ③ 体性感覚の上行性伝道路
細目レベル
① 皮膚には触覚・圧覚・温覚・冷覚・痛覚がある。これらの感覚受容器は特種な構造で、表皮から皮下組織までの深さに点状に分布し、感覚点を形成する。感覚点の分布密度は体の部位により大きく異なっている。顔面の皮膚感覚受容器には第Ⅴ脳神経である三叉神経節の偽単極性細胞線維終末がはいるが、それ以外部位の皮膚感覚受容器には、脊髄神経節の偽単極性細胞線維終末がはいり刺激を受け取る。中枢への繊維は脊髄後根から脊髄後角に入るため、皮膚の感覚神経は分節的に配列していて、神経支配領域を皮膚分節という。内臓と皮膚の求心性神経が同じレベルで脊髄後角に入ると干渉がおこり、内臓の痛みが皮膚の痛みとして大脳皮質に伝わることを関連痛という。触覚・圧覚・振動覚は機械的刺激による組織の変形を感知している。触覚小体、層板小体、球状小体などで感知する。温度感覚には受容器は無く神経終末で感受される。痛覚は自由神経終末で感受される。
② 深部感覚とは、目を閉じていても姿勢や上肢・下肢の状態がわかることで、筋・腱・関節包・靱帯・骨膜などの深部組織が自分の体の動きで刺激されるからである。深部感覚は筋紡錘や腱紡錘、腱や靱帯中の層板小体などの受容器で感受される。位置覚は、重力や筋、腱、靭帯などからの感覚で、視覚・平衡覚・小脳からの情報などを総合して体位が判定され、姿勢や運動が調節される。運動覚は、骨格筋の伸張状態を感受する受容器として筋紡錘と、腱には腱紡錘がある。筋紡錘が伸展されると、Ⅰa知覚線維終末から脊髄にインパルスが伝わり運動ニューロンを通じて引き延ばされた筋肉を収縮させる(伸張反射)。骨膜、靱帯、関節包にもルフィニ小体、層板小体などの受容器がある。深部痛覚は局在性に乏しい持続する痛みである。
③ 脊髄後根から脊髄に入った体性感覚の繊維は、脊髄視床路(温度覚・痛覚・触覚の一部)、捜索路(触覚の一部・深部感覚)などの上行性伝導路を通り、脊髄や延髄で交錯して視床に入る。視床で最終ニューロンに中継され、視床から大脳皮質感覚野へ投射される。一部の繊維は脊髄小脳路(筋・腱・関節からの深部感覚)により、小脳皮質に達する。顔面の体性感覚は、第Ⅴ脳神経である三叉神経の3枝(眼神経・上顎神経・下顎神経)により、橋や脊髄につたえられ、交叉して反対側の視床で中継され大脳皮質感覚野へ投射される。体性感覚情報は大脳皮質に送られ処理されて特定の効果器に反応を生じる。大脳皮質に達する前に,脊髄から効果器に反応をおこすのが脊髄反射である。例として伸張反射(膝蓋腱反射)と屈曲反射(皮膚の痛み刺激を回避する)がある。
キーワード
① 触覚小体、層板小体、球状小体、関連痛 ② 筋紡錘、腱紡錘、ルフィニ小体、層板小体 ③ 脊髄後根、脊髄視床路、後索路
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」385頁~388頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
30
内臓感覚と感覚系の成長と老化
科目の中での位置付け
この科目では、内分泌系(視床下部、脳下垂体、甲状腺、上皮小体、膵臓、副腎、卵巣、精巣)、生殖器系(卵巣、子宮、膣、精巣、外生殖器)、免疫系(獲得免疫、自然免疫、感染症、アレルギー、自己免疫)、骨格系(骨と骨格、頭蓋・体幹・体肢の骨格、関節の構造と種類)、筋系(種類、機能、身体運動、解剖生理、性徴と老化)、神経系(分類・構造・機能、中枢神経系、末梢神経系)、感覚系(視覚、聴覚、臭覚と味覚、体性感覚、内臓感覚、成長と老化)の解剖と生理について学習する。解剖では、マクロからミクロにいたるまでの臓器の構成要素の構造と、各々の部位の医学的名称、また互いに関連する臓器や構成要素の立体的な位置関係について学習する。生理では、細胞レベルから臓器レベルまでの生化学的・物理的なはたらきについて学習する。感覚系では、適合刺激、刺激への順応、感覚情報の大脳への投射、感覚と反応、五感とは、視覚、聴覚と平衡覚、化学的感覚(嗅覚と味覚)、体性感覚、内臓感覚、感覚系の成長と老化について学習する。このコマでは、内臓感覚の自律神経反射、臓器感覚、内臓痛覚、内臓感覚の上行性伝道路、視覚の変化、聴覚の変化について学習する。
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」389頁~391頁
コマ主題細目
① 臓器感覚 ② 内臓感覚の上行性伝道路 ③ 感覚系の成長と老化
細目レベル
① 内臓感覚は臓器感覚と内臓痛覚に大別される。内臓の働き・状態を中枢に伝え、大部分は脳幹や延髄で自律神経反射をおこす。自律神経反射とは、自律神経下位中枢(脊髄・延髄・中脳)に伝えられた内臓に関する情報をもとに、内臓の機能を反射的に調節することで、循環反射、排尿反射、排便反射、嘔吐反射などがある。臓器感覚を伝える求心性繊維は、自律神経の中に多数含まれ、交感神経や副交感神経と並行して走り、脊髄・脳幹から視床下部や大脳辺縁系にはいる。空腹感は胃壁の刺激や視床下部の摂食中枢が刺激されておこる。口渇は、体液浸透圧の上昇や体液量の減少、咽頭粘膜の乾燥によりおこる。尿意は膀胱壁の伸展による。便意は、直腸壁の伸展受容器による。内臓痛覚は、腹膜・胸膜の痛み、臓器自身の痛みで、持続せいのうずくような痛みが多く局在性が不明で自律神経反射を伴う。臓器からの求心性線維が入る脊髄分節に相当する皮膚分節に関連痛を生じる。
② 内臓の受容器や血管壁からの感覚情報は、自律神経を経由する求心性線維によって中枢に運ばれる。ほとんどの胸・腹部や骨盤内臓からの感覚情報は、交感神経から交感神経幹に達し脊髄神経の後根を経由して脊髄後角に入るか、迷走神経(副交感神経)を経由して延髄に入る。膀胱直腸内生殖器などの感覚情報は、内臓骨盤神経から仙髄の後根を経て仙髄後角に入る。ほとんどの内臓(胸部・腹部・骨盤内臓)の痛みは、主として交感神経を介して脊髄後角に入り、反対側の外側脊髄視床路から大脳皮質に伝えられる。腹部の迷走神経内の求心性線維は、意識にのぼる感覚よりも、内臓運動性・血管運動性・分泌性の自律神経反射に関わる。
③ 成長に伴って感覚受容器や神経系が発達して、刺激の分別能や閾値に対する感度は向上するが、加齢に伴ったこれらの組織の退行性変化により感覚の低下が生じる。老化には、生活環境が良好に保たれなかった中で生じる生理的な加齢変化と、疾病により機能低下が加速された病的変化が混在する。視覚の老化は、老視(近くに焦点を合わせにくくなる)で、40歳頃から始まる。水晶体の弾力性の低下と毛様体筋の衰えが原因である。水晶体の透明度が低下し白濁や黄変が生じると視野にかすみがかかり物の認識が困難となり白内障になる。シュレム管の狭窄で眼房水が流れにくくなると眼圧が上昇し、失明のリスクがある緑内障になる。70歳頃から、高音域が聞こえにくくなる老人性難聴が始まる。
キーワード
① 臓器感覚、自律神経反射、内臓痛、関連痛 ② 脊髄後角、交感神経幹、迷走神経 ③ 老視、白内障、緑内障、老人性難聴
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
予習方法:教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」389頁~391頁を熟読し、読み方のわからない医学用語に下線を引いておく。また医学用語についての説明が理解できない部分もチェックしておき、講義中に疑問が解消できなければ積極的に質問して疑問点を放置しないように準備する。掲載されている図表の説明文を確認し、本文の記述のどの部分と関連しているのかを確認しておく。
復習方法:教科書の該当部に目を通し、講義で示された重要なポイントを再確認する。また図表については、その表す意味が理解出来ているか再度チェックする。当日配布された資料については、それぞれの項目について講義で示された内容を試験問題として出題された場合に備えて、簡潔に記述し説明できるか確認しておく。理解が不十分な点を自己チェックし、再度、教科書「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」の該当する記述を復習する。
履修判定指標
履修指標
履修指標の水準
キーワード
配点
関連回
内分泌系の解剖
膵臓の外分泌機能と内分泌機能を、分泌細胞の存在部位と、消化酵素とホルモンのちがいに留意して説明できる。新しいホルモン概念についての3つの例を挙げることが出来る。視床下部と脳下垂体の関係を説明できる。甲状腺の存在部位を説明できる。上皮小体の存在部位を説明できる。ランゲルハンス島を構成する細胞を列挙できる。副腎皮質と副腎髄質から分泌されるホルモンを列挙できる。精巣の精細管の構造を、ライディッヒ細胞とセルトリ細胞の果たす役割に関連して説明できる。
ホルモンの概念、ホルモンレセプター、性ホルモン
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内分泌系の生理
3種類のホルモンの化学構造のちがいを述べることが出来る。下垂体前葉から分泌されるホルモンを列挙できる。成長ホルモンの作用を説明できる。甲状腺ホルモンの作用を説明できる。カルシトニンと上皮小体ホルモンと血中カルシウム濃度の関係を説明できる。糖質コルチコイドの作用を説明できる。脳下垂体前葉から分泌される黄体ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)の、男性の体内での作用について、標的細胞を明示して説明できる。消化管ホルモンを列挙しその作用を説明できる。脂肪細胞から分泌される2種類のホルモンを説明できる。
視床下部、脳下垂体前葉・後葉ランゲルハンス島、副腎、精巣・卵巣
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1,2,3,4,5
生殖器系の解剖と生理
卵管と卵巣の位置関係を正しく説明できる。子宮体部と子宮頸部のちがいを説明できる。膣内の常在菌とその生体防御での役割について説明できる。性周期での卵巣内の変化について分泌されるホルモンとの関連で説明できる。精細管でのライディッヒ細胞とセルトリ細胞の存在部位とその役割について説明できる。更年期について、ホルモン分泌と具体的症状を説明できる。精子と卵子の形成過程の減数分裂について説明できる。月経周期について、脳下垂体と卵巣からのホルモン分泌量と子宮内膜の状態を説明できる。
内性器、外性器、更年期
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免疫系の解剖
胸腺の部位とT細胞の関係を説明できる。骨髄とB細胞との関係を説明できる。リンパ節の二次リンパ組織としての働きを説明できる。顆粒球の種類を列挙できる。リンパ球の種類を列挙できる。NK細胞(ナチュラルキラー細胞)について自然免疫との関連でその役割を説明できる。B細胞と形質細胞の関係を説明できる。樹状細胞とT細胞の関係を説明できる。4種類の抗体の構造のちがいとそれぞれの働きを説明できる。抗体のFab部位とFc部位の役割を説明できる。
T細胞、B細胞、樹状細胞
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免疫系の生理
抗体の働きを、オプソニン効果との関連で説明できる。IgMとIgGのクラススイッチについて具体的に説明できる。感染細胞に対するキラーT細胞の作用を説明できる。トル様レセプターについて説明できる。易感染性の3つの要因について例を挙げて説明できる。アナフィラキシーショックの発生機序を、IgEの役割に言及して説明できる。Ⅳ型アレルギーに関与する因子と、代表的な疾患を例示できる。代表的な全身性自己免疫疾患を列挙できる。代表的な臓器特異的自己免疫疾患を列挙できる。
抗体クラス、アレルギー、自己免疫
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骨と筋の解剖
骨の4つの働きを列挙し、具体的に説明できる。骨に含まれる成分を列挙できる。赤色骨髄と黄色骨髄のちがいを述べることが出来る。脊椎の種類とその個数を説明できる。上肢帯を形成する骨を列挙できる。上肢を構成する骨を列挙できる。下肢を構成する骨を列挙できる。関節内の滑膜の存在部位を図示して、その役割を説明できる。肘関節の回外・回内と膝関節の外旋・内旋の動きを図示できる。上腕の筋を列挙できる、大腿の筋を列挙できる。
脊椎、上肢、下肢
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骨と筋の生理
骨の長軸方向の成長と太さの成長を担うそれぞれの組織を説明できる。骨改変(リモデリング)に関わる細胞と、その働きを説明できる。骨粗鬆症について述べることが出来る。関節の変形の例をあげて説明できる。骨格筋と心筋と平滑筋の存在部位とそれぞれの特徴を説明できる。筋収縮の等張性収縮と等尺性収縮をそれぞれ説明できる。筋収縮のエネルキーについて、無酸素運動の場合と、有酸素運動の場合に分けて説明できる。重症筋無力症と筋ジストロフィーの発生機序を述べることが出来る。
骨成長、骨改変(レモデリング)、筋収縮エネルギー
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神経の解剖
神経膠細胞の種類とその役割を述べることが出来る。大脳皮質の一次運動野の部位を説明できる。間脳の構成要素を列挙し、それぞれの働きを説明できる。脳幹の構成要素を列挙し、それぞれの働きを説明できる。くも膜の解剖学的存在部位を説明できる。ⅠからⅩⅡの脳神経を列挙し、その働きを説明できる。31対の脊髄神経の分節とそれぞれの個数を述べることが出来る。体性神経末端の筋接合部での神経伝達節物質とその受容器について説明できる。
間脳、脳幹、神経筋接合部
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神経の生理
ニューロン(神経細胞)の活動電位(分極→脱分極→再分極)のそれぞれのステージでの、ナトリウムイオンとカリウムイオンの動きを説明できる。ニューロンの軸索での跳躍伝導のしくみを説明できる。神経シナプスで分泌される神経伝達物質を列挙できる。神経反射を構成する5つの要素を列挙できる。小脳の障害でおこる病態を説明できる。錐体路系と錐体外路系のちがいを説明できる。交感神経と副交感神経の作用を、対比して述べることが出来る。
ニューロン、軸索、シナプス
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感覚器の解剖と生理
眼球中膜を構成する3つの要素、角膜と水晶体との関係を説明できる。眼球内部を満たす3つの物質を説明できる。眼球の神経支配を説明できる。網膜中心動脈と黄斑との位置関係を説明できる。眼球から後頭葉視覚野までの経路を説明できる。中耳を構成する4つの要素を説明できる。蝸牛管とコルチ器の役割を述べることが出来る。嗅細胞と大脳との位置関係を述べることが出来る。視覚の遠近調節のしくみを説明できる。対光反射の臨床的意義を説明できる。3原色を認識する細胞について説明出来る。鼓膜から聴神経までの音の刺激の伝達について説明できる。耳管の役割を述べることが出来る。5種類の味覚を列挙できる。筋紡錘と腱紡錘の役割を説明できる。白内障・緑内障の発症機序を説明できる。老人性難聴について説明できる。
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、体性感覚
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評価方法
期末試験の点数100点満点で評価する。
評価基準
評語
学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・
S (100~90点)
学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・
A (89~80点)
学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・
B (79~70点)
学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・
C (69~60点)
学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・
D (60点未満)
教科書
「ナーシング・グラフィカ 人体の構造と機能① 解剖生理学 第4版」:林健二 メディカ出版 ISBN978-4-8404-5374-5
参考文献
「人体の構造と機能 第4版」:内田さえ、佐伯由香、原田玲子編 医歯薬出版 ISBN978-4-263-23595-9
実験・実習・教材費
なし