区分 専門基礎科目-人体の構造と機能
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力 倫理観 専門性探求
地域社会貢献 グローバル性
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性 広い視野 知識・技術
判断力 探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
本科目は、専門基礎科目の「人体の構造と機能」に位置づき、あらゆる領域の科目の基礎となる科目である。1年次に既習した解剖生理学Ⅰ及び解剖生理学Ⅱを看護視点から学び直し理解を深めることを目指す。看護職としての知識・技術の土台となる科目として位置づき、看護活動の場において、様々な健康レベル・発達段階にある人々を理解するための看護技術の根拠(エビデンス)を獲得し、臨地実習へつなげるための基盤を形成する。
科目の目的
看護学において看護実践や看護技術開発には医学と共通の体の知識が不可欠であり、看護教育には解剖学や生理学が取り入れられている。しかし看護の目的は日常生活行動を支えることであり、日々の生活を支えるケアをするには、病気の解明を目的とする医学の枠組みだけで体を理解するだけでは不足である。どのような援助をすれば日常生活行動をうまくこなせるか、具体的に考えるためには日常生活行動そのものを理解している必要がある。そのため、日常生活行動に重点を置いた看護の枠組みで体を見直した知識の整理を行うことで、知識の定着につなげることを目的とする。
到達目標
・人体の構造(内臓の形、位置、名称)を説明することができる。
・各臓器の機能とメカニズムを説明することができる。
・日常生活行動を体の仕組みから説明することができる。

科目の概要
解剖生理学Ⅲは、既習の解剖生理学を看護的視点から学び直し理解を深めることで、それらの知識を看護実践のエビデンスとするための学習である。まず第1回目の導入として、本科目の位置づけや目的の説明と必要性について説明する。全15回の講義の組み立ては、日常生活動作を基本として看護的視点から既習の解剖生理についての学びを深める。毎回小テストとリアクションペーパーを用いて、学生の理解度を確認しつつ学習を進める。第8回目には復習回を設定し、そこまでの学生の理解度を確認しつつ、繰り返し知識を積み重ねその知識が定着するよう講義を進める。最終的に全体のまとめをする際には、看護師国家試験にも基づいた内容で確認テストを行い、学生自身が解剖生理学の理解度を把握し、不足部分を補えるよう可視化し、今後の看護専門領域での学習につなげる。
本科目は、総合病院で実務経験のある教員が、看護的視点である日常生活行動の枠組みで解剖生理の知識を整理し、看護実践のエビデンスにつながるよう教授する科目である。

科目のキーワード
日常生活行動、日常生活行動、消化・吸収、腹水、脳神経疾患、ガス交換、肺・体循環、心不全、腎不全、液性調整、ホルモン
授業の展開方法
本科目は白地図を用い体の器官、臓器を描くことから始める。講義はパワーポイントを使用した講義形式にグループディスカッションを組み込み、「人体の構造と機能」と日常生活動作が結びつくようイメージしながら知識が定着する授業展開とする。学生にはパワーポイントの講義内容にそった、穴埋め式の講義資料を配布する。学生はその配布資料を活用し、講義内容の把握だけではなく事後学習にも活用し、知識の定着に努める。講義終了時には前回の講義内容の復習として小テストを実施し、次回の講義内に解説とともに解答する。小テストを繰り返すことで、確実な知識の定着につなげる。また、小テストのほかにリアクションペーパーを用いて、学生から講義内容の質問があった場合には次回の講義でフィードバックする。本科目は臨床経験および看護教育の実務経験を有する教員3名で全15回を担当する。
オフィス・アワー
中島紀子:研究室716:月曜5限・火曜5限
Email:n-nakajima@uhe.ac.jp
(メールはいつでも受け付けます)
篠原幸恵:研究室715:月曜日の2~3限、木曜日の5限
E-mail:s-shinohara@uhe.ac.jp
(メールはいつでも受け付けます)

科目コード ERD03
学年・期 2年・前期
科目名 解剖生理学Ⅲ
単位数 2
授業形態 講義
必修・選択 必修
学習時間 【講義】30h
【予習・復習】60h
前提とする科目 解剖生理学Ⅰ、Ⅱ
展開科目 疾病・治療論Ⅰ、疾病・治療論Ⅱ、疾病・治療論Ⅲ、看護系専門科目の援助論
関連資格 看護師、保健師
担当教員名 中島紀子・篠原幸恵
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 解剖生理学の基礎/オリエンテーション 科目の中での位置付け 本科目では、既習の解剖生理学で修得した人体の構造と機能についての知識を、「生活を支える」という看護的視点で学び直すことで、人間の生活行動の枠組みで知識を整理し、看護とつなげて理解することが可能となり、さらにはそれらの知識を看護実践のためのエビデンスにすることができる。具体的には第1回目は「解剖生理学の基礎」として、本科目の導入を目的としたオリエンテーションと既習の解剖生理学の枠組みで学生の理解度を確認するための試験を実施する。また白地図を用いて体の構造や器官を書くことで、学生自身が現在理解している体の構造を可視化する。第2回目は「消化・吸収;食べる①」、第3回目「消化・吸収;食べる②」、第4回目「腹水;浮腫・黄疸①」、第5回目「腹水;浮腫・黄疸②」、第6回目「心不全;呼吸・ガス交換①」、第7回目「心不全;呼吸・ガス交換②」とし、日常生活動作や症状と解剖生理学をつなげて理解する。第8回目は復習回とし、ここまでの復習を行い知識の定着を図る。第9回目は「腎不全;排泄①」、第10回目「腎不全;排泄②」、第11回目「脳神経疾患;認知・移動・睡眠①」、第12回目「脳神経疾患;認知・移動、・睡眠②」、第13回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器①」、第14回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器②」として前半同様に生活行動あるいは症状にそった形で解剖生理科学の理解を深める。第15回目はそれまでの内容をまとめるための復習回とする。このような流れで、第1回目は「解剖生理学の基礎」として、解剖生理学Ⅲの目的を把握し、解剖生理を学ぶ必要性を理解する。まず人体の構造について白地図を用いて作成することで、自分が理解している人体の構造を可視化し今後の学修につなげる。
①解剖生理学Ⅰ・Ⅱの講義資料
  第1回講義資料

②解剖生理学Ⅰ・Ⅱの講義資料
 第1回講義資料

③解剖生理学Ⅰ・Ⅱの講義資料
 第1回講義資料
コマ主題細目 ① オリエンテーション ② 既習の知識の確認 ③ 人体の構造
細目レベル ① 看護実践や看護技術にはからだの知識が不可欠である。看護の主眼は病んだ時も健やかな時も、毎日繰り返される日常生活行動を支えることである。日常生活行動はすべてからだのはたらきの上に成り立っているため、それらを理解することは看護実践には必要である。看護的視点では、どんな援助をすれば日常生活動作をよりうまくこなせるかを具体的に考える必要があり、そのためには日常生活行動そのものの仕組みを理解している必要がある。これらを踏まえ解剖生理学Ⅲの講義目的や講義内容をしっかり把握し、なぜ解剖生理学を学ぶ必要があるのか、今解剖生理学Ⅲとして改めて学ぶ必要性は何かということを理解し、学生自身が解剖生理学に対し積極的に学習できるよう導入を図る。
② 看護師国家試験模試の中から抜粋した試験を実施する。試験を実施することで、1年次に履修した解剖生理学の知識がどれくらい定着しているか、学生自身が解剖生理学の理解度を把握することができ、今後の学習へのモチベーションの向上や復習箇所の把握にも役立つ。これまで学んだ解剖生理の知識が看護にどのように結びつくのか、まずは看護の仕事(暮らしを支える)をするには、人はどんなふうに体を使って暮らしているのかを知っている必要がある。治療や検査が必要であれば、それらがどのように体に影響するのか、からだの仕組みを理解し支援する必要があり、どんな健康状態でもその日の暮らしを構成する日常生活行動を支える技術を持っていることが看護の強みとなる。学生自身の現状を把握するとともに、これらを再度理解し学習のモチベーション向上を図る。
③ 人体の構造を理解するために、まず自分の体の中がどうなっているのか、白地図を用いて描いてみる。白地図を埋められるようになったら人体の構造を理解し知識が定着したことであると考えられるため、定期的に実施する。人体の構造と生活がつながるよう、学生自身の生活や体も教材にして理解を深める。例えば「食べる」ことの空腹感と食欲であれば、内分泌系や運動器系が関連する。見る・匂うであれば消化器系や神経系が関連する。細胞への配送であれば循環器系が関連する、というように、体のさまざまな機能が統合されて日常生活が成り立っており、その理解が看護技術の意味の理解につながることを学習する。そのために、看護につながる体の知識の枠組みとして、日常生活行動を踏まえた枠組みで人体の構造と機能を改めて学習し、知識の定着を図る。
キーワード ① 人体の構造 ② 日常生活行動 ③ 暮らし ④ 環境 ⑤ 白地図
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった個所を調べて配布資料に追記する。配布資料は講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった個所、自分で調べた箇所等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。第1回講義内で白地図を用いて人体の構造を描いているが、足りないところは教科書を活用ししっかりと記載する。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのかを事前に全体の流れを把握しておく。第1回は「解剖生理学の基礎」であり、これまで学んだ解剖生理学を復習し講義に臨むという積極的に学習する姿勢を形成する。

2 消化・吸収;食べる① 科目の中での位置付け 本科目では、既習の解剖生理学で修得した人体の構造と機能についての知識を、「生活を支える」という看護的視点で学び直すことで、人間の生活行動の枠組みで知識を整理し、看護とつなげて理解することが可能となり、さらにはそれらの知識を看護実践のためのエビデンスにすることができる。具体的には第1回目は「解剖生理学の基礎」として、本科目の導入を目的としたオリエンテーションと既習の解剖生理学の枠組みで学生の理解度を確認するための試験を実施する。また白地図を用いて体の構造や器官を書くことで、学生自身が現在理解している体の構造を可視化する。第2回目は「消化・吸収;食べる①」、第3回目「消化・吸収;食べる②」、第4回目「腹水;浮腫・黄疸①」、第5回目「腹水;浮腫・黄疸②」、第6回目「心不全;呼吸・ガス交換①」、第7回目「心不全;呼吸・ガス交換②」とし、日常生活動作や症状と解剖生理学をつなげて理解する。第8回目は復習回とし、ここまでの復習を行い知識の定着を図る。第9回目は「腎不全;排泄①」、第10回目「腎不全;排泄②」、第11回目「脳神経疾患;認知・移動・睡眠①」、第12回目「脳神経疾患;認知・移動、・睡眠②」、第13回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器①」、第14回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器②」として前半同様に生活行動あるいは症状にそった形で解剖生理科学の理解を深める。第15回目はそれまでの内容をまとめるための復習回とする。このような流れで、第2回目は「消化・吸収;食べる」という食行動から構造およびメカニズムを理解する。
①看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会 p109-111
ナーシンググラフィカ人体の構造と機能①解剖生理学 メディカ出版 p292-301
第2回講義資料

②看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会 p112-113
ナーシンググラフィカ人体の構造と機能①解剖生理学 メディカ出版 p304
第2回講義資料

③看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会 p114-115
ナーシンググラフィカ人体の構造と機能①解剖生理学 メディカ出版 p305-309
第2回資料
コマ主題細目 ① 食欲と食行動 ② 咀嚼 ③ 嚥下
細目レベル ① 「食べる・飲む」は生理学的にいえば、個体の維持に必要不可欠なエネルギー源、蛋白質、水などを供給するものである。「食べる・飲む」はお腹がすいた、のどが渇いたという感覚によって生じる行動であり、摂食行動は食欲あるいは空腹感によって引き起こされ、満腹感によって中止される。空腹や乾きを感じない、あるいは食欲がなくて飲食行為がとられなければ、これは死に至る問題である。食欲にはさまざまなメカニズムがり、ひとつは脂肪細胞が分泌するレプチンである。レプチンが減少すると摂食の抑制が解除され、血液中のブドウ糖が低下すると、摂食の中枢が促進される。他にも食欲や摂食行動は、生理的な空腹感・満腹感だけではなく、精神状態、生活環境等、人々を取り巻く様々な状況によって影響を受ける。このような影響因子を含めた食欲に関するメカニズムを理解する。
② 咀嚼とは、摂食された食べ物が上下の歯によって細かくかみ砕かれ、唾液とよく混合する運動のことである。食行動は、まず食物を口に運び、食物の性質を判断する。口に入れる食物の性質を判断したら、それに合わせた口の開け方、舌の位置を瞬間的に準備する。空腹を感じ食べたいという情動が視床下部へ伝わると唾液分泌が促進され、口腔内の準備が整う。この口腔内の構造や咀嚼筋のはたらきについても学習する。さらに、唾液や唾液腺の構造や機能についても学習する。唾液は水分を加えるばかりではなく、唾液アミラーゼというでんぷん消化酵素を含んでおり、口の中でまずでんぷんの消化が始まる。この唾液のメカニズムや咀嚼と同時におこる味と香りを楽しむといった味覚についても理解する。
③ 嚥下とは、口腔内の食塊を咽頭、食道を経て胃に送り込む現象である。まず咽頭の構造と機能、食道の構造と機能について学習する。咀嚼された食べ物が食塊となって口腔から咽頭、食道へ送り込まれる際に、気管が食物の通路から遮断されて誤嚥性肺炎を防ぐことができるのはなぜか、どのように食塊が食道を通り胃まで運ばれるのかを理解する。また、嚥下は口腔相、咽頭相、食道相の3層に区別できる。日常生活行動としての食べる行為はここまでであるため、一連の食行動のメカニズムを理解する。日常生活行動としての食べる行為はここまでである。座位がとれなかったら、視覚が使えなかったら、味が分からなかったら、飲み込めなかったらどう言うことが起こるか、食べる過程を学修しながら、看護場面を想定し考え理解する。
キーワード ① 摂食行動 ② 咀嚼 ③ 嚥下 ④ 唾液アミラーゼ ⑤ 誤嚥性肺炎
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった個所を調べて配布資料に追記する。配布資料は講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった個所、自分で調べた箇所等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。第2回講義内で消化器系の臓器を描いているが、教科書を見て正しい臓器の位置を把握し、消化器の構造と「食べる」ことを関連づけて理解し今後の学習につなげる。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのかを事前に全体の流れを把握しておく。第2回は「食べる」という視点から解剖生理を理解できるよう、これまで学んだ解剖生理学を復習し講義に臨むという積極的に学習する姿勢を形成する。

3 消化・吸収;食べる② 科目の中での位置付け 本科目では、既習の解剖生理学で修得した人体の構造と機能についての知識を、「生活を支える」という看護的視点で学び直すことで、人間の生活行動の枠組みで知識を整理し、看護とつなげて理解することが可能となり、さらにはそれらの知識を看護実践のためのエビデンスにすることができる。具体的には第1回目は「解剖生理学の基礎」として、本科目の導入を目的としたオリエンテーションと既習の解剖生理学の枠組みで学生の理解度を確認するための試験を実施する。また白地図を用いて体の構造や器官を書くことで、学生自身が現在理解している体の構造を可視化する。第2回目は「消化・吸収;食べる①」、第3回目「消化・吸収;食べる②」、第4回目「腹水;浮腫・黄疸①」、第5回目「腹水;浮腫・黄疸②」、第6回目「心不全;呼吸・ガス交換①」、第7回目「心不全;呼吸・ガス交換②」とし、日常生活動作や症状と解剖生理学をつなげて理解する。第8回目は復習回とし、ここまでの復習を行い知識の定着を図る。第9回目は「腎不全;排泄①」、第10回目「腎不全;排泄②」、第11回目「脳神経疾患;認知・移動・睡眠①」、第12回目「脳神経疾患;認知・移動、・睡眠②」、第13回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器①」、第14回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器②」として前半同様に生活行動あるいは症状にそった形で解剖生理科学の理解を深める。第15回目はそれまでの内容をまとめるための復習回とする。このような流れで、第3回目は「消化・吸収;食べる」という食行動により体内に取り込まれた食物が、消化管のさまざまな働きによって、体内に吸収できるまで分解される消化と、消化管の粘膜細胞を通してその細胞内に取り入れられ、血行・リンパ行性に移行する吸収のメカニズムについて理解する。
①看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会 p116-117
ナーシンググラフィカ人体の構造と機能①解剖生理学 メディカ出版 p310-317
第3回講義資料

②看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会 p118-121
ナーシンググラフィカ人体の構造と機能①解剖生理学 メディカ出版 p312-313
愛3回講義資料

③看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会 p122-126
ナーシンググラフィカ人体の構造と機能①解剖生理学 メディカ出版 p314-317
第3回講義資料
コマ主題細目 ① 消化管の構造 ② 消化液の作用・分泌調整 ③ 栄養分の吸収
細目レベル ① 消化とは、摂取された食物が消化管と付属器のさまざまな働きによって体内に吸収できるような物質まで分解されることである。胃のつくり、胃壁の構成、胃液の分泌、胃の運動について学習し、合わせて胃下垂や胃の切除と吸収障害といった症状についても理解する。また、食道の長さ、十二指腸、空腸、回腸、小腸壁といった小腸のつくりを学習する。小腸には多数の細胞が常在しているので、小腸の生体防御機能についても合わせて理解する。さらに、小腸の運動や腸液の分泌についても学習する。腸液は1日に約2400mL分泌される。腸液は神経性・体液性の機序によって調節される。腸液の成分や機能だけではなく、小腸を切除した場合に起こる症状についても合わせて学び、看護につなげる。
② 胃に入った食物は本格的な消化作用を受ける。胃の構造、胃粘膜から分泌されるペプシノーゲン、消化液といわれる胃液と膵液には消化酵素が含まれる。消化酵素以外に、胃からは塩酸、肝臓からは胆汁酸が分泌される。肝臓・胆のう・膵臓の構造と機能やはたらきについても復習し、消化の一連の流れを理解する。また、消化液の分泌には自律神経とホルモンが関与している。消化器官がよく働くというのは、交感神経と副交感神経のどちらの支配が優位な時か、「食べる」という生活行動は生きるエネルギーを体内に取り込む作業であるため、副交感神経が優位な時によく機能する。「食べる」と記にいかに副交感神経が優位になるような状況を作り上げられるかが看護に求められるところであり、ホルモンが消化液の分泌にどのように関与しているかも学習する。
③ 消化によって生じた種々の物質は、消化の粘膜細胞の膜を通してその細胞内に取り入れられ、血行・リンパ行性に移行する。これを吸収といい、空腸と回腸では粘膜上皮に消化酵素があり、最後の消化が行われる。タンパク質はアミノ酸、炭水化物は単糖類(ブドウ糖、ガラクトース、果糖)、脂肪はモノグリセリド、脂肪酸、コレステロールになって吸収脂肪内に入る。このたんぱく質、脂肪、糖質の消化と吸収のメカニズムについても理解する。これら消化・吸収は、「食べる」ことの最終目的であり、これには生体の物流システムである循環系が深くかかわっているため、食事量といった視点だけではなく、栄養素が必要な細胞に行きつけるかどうかまでを理解する必要がある。個体の維持に必要な栄養分は、外部環境から何をどれくらい取り込めばよいかが重要な知識である。人々の食生活を考えるために重要な知識であるためしっかりとした知識の定着を図る。
キーワード ① 消化管 ② 消化作用 ③ 消化酵素 ④ 副交感神経 ⑤ 栄養
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった個所を調べて配布資料に追記する。配布資料は講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった個所、自分で調べた箇所等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。第3回講義は消化管各臓器の構造だけではなく、その機能と役割について理解を深め、「食べる」ことと栄養についてもつなげて理解する。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのかを事前に全体の流れを把握しておく。第3回講義は消化吸収のメカニズムの理解を深めるため、消化器系の臓器の位置や構造は理解して講義に臨む。看護の視点から解剖生理学を学ぶ第一歩として、これまで学んだ解剖生理学を復習し講義に臨むという積極的に学習する姿勢を形成する。

4  腹水;浮腫・黄疸① 科目の中での位置付け 本科目では、既習の解剖生理学で修得した人体の構造と機能についての知識を、「生活を支える」という看護的視点で学び直すことで、人間の生活行動の枠組みで知識を整理し、看護とつなげて理解することが可能となり、さらにはそれらの知識を看護実践のためのエビデンスにすることができる。具体的には第1回目は「解剖生理学の基礎」として、本科目の導入を目的としたオリエンテーションと既習の解剖生理学の枠組みで学生の理解度を確認するための試験を実施する。また白地図を用いて体の構造や器官を書くことで、学生自身が現在理解している体の構造を可視化する。第2回目は「消化・吸収;食べる①」、第3回目「消化・吸収;食べる②」、第4回目「腹水;浮腫・黄疸①」、第5回目「腹水;浮腫・黄疸②」、第6回目「心不全;呼吸・ガス交換①」、第7回目「心不全;呼吸・ガス交換②」とし、日常生活動作や症状と解剖生理学をつなげて理解する。第8回目は復習回とし、ここまでの復習を行い知識の定着を図る。第9回目は「腎不全;排泄①」、第10回目「腎不全;排泄②」、第11回目「脳神経疾患;認知・移動・睡眠①」、第12回目「脳神経疾患;認知・移動、・睡眠②」、第13回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器①」、第14回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器②」として前半同様に生活行動あるいは症状にそった形で解剖生理科学の理解を深める。第15回目はそれまでの内容をまとめるための復習回とする。このような流れで、第4回目は、消化器が吸収した栄養素を体に櫃世な物質に合成し、貯蔵する肝臓の構造およびメカニズムを理解する。その中で肝臓の機能が障害されて起こる浮腫、黄疸について理解する。
①看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会 p120-123
②ナーシンググラフィカ人体の構造と機能①解剖生理学 メディカ出版 p318-333
 第4回講義資料
③看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会 p125
コマ主題細目 ① 肝臓の構造 ② 肝臓の機能 ③ 腹水、黄疸
細目レベル ① 看護師は食事の摂取量を見るだけでなく、栄養素が必要な細胞に行きつけるかどうかまで考える必要がある。小腸で吸収された栄養分は、上腸間膜静脈に入り、門脈を経て肝臓へ行く。肝臓に入った門脈は、肝細胞の間を通り、肝細胞は栄養分を吸収する。肝臓は横隔膜のすぐ下に位置し、右葉と左葉に区分される。重さは成人で約1200gから1400gで、血液を多く含むため、暗赤色を帯びている。肝臓の基本機能単位は肝小葉であり、約50万個の肝細胞からなる。また、腹腔内の消化器器官、脾臓、膵臓からの静脈血をすべて集めて肝臓に運ぶ静脈血管を門脈という。肝臓、胆嚢、膵臓のどの部分の障害が、疾患を引き起こしているかを理解することが、日常生活の援助の根拠につながる。
② 肝臓の主な働きは①糖代謝②タンパク質代謝③脂肪代謝④ビリルビン代謝⑤鉄、ビタミン等の貯蔵⑥解毒作用⑦胆汁生成である。①の糖代謝とは、糖からグリコーゲンを生成、貯蔵すること、糖から脂肪を作り貯蔵すること、糖が不足した時、アミノ酸から糖を新生することである。②のタンパク質代謝とは、アルブミン、フィブリノーゲンを作ること、不要なアミノ酸を尿素にすること、GOT、GPTによってアミノ酸を合成することである。③の脂肪代謝とは、リポタンパク質を作り、中性脂肪、コレステロール、リン脂質を作ること、脂肪酸をケトン体へ分解することである。④のビリルビン代謝では、間接ビリルビンを直接ビリルビンに変えて胆汁中に放出することである。⑥の解毒作用とは、有害物、不要なホルモン、薬物を無毒化または不活化することである。看護師は、それぞれの機能が適切に行われているかどうかを、アセスメントし、様々な症状を予測したり、軽減する必要がある。
③ 肝臓は栄養代謝の中心となる臓器であるため、肝硬変などの肝機能障害によって、栄養素のさまざまな代謝異常を呈する。肝臓のアルブミン合成障害により低アルブミン血症になり浮腫、腹水、胸水の貯留を招く。血中ビリルビンの排泄障害により、皮膚や粘膜にビリルビン色素が着色し、黄色く見えることを黄疸という。肝臓の機能障害や、胆道閉鎖、溶血による黄疸がある。腹水、胸水は呼吸困難を引き起こし、黄疸は皮膚搔痒感を生じることが多いため、療養中の日常生活の援助によって少しでも安楽にする必要がある。さらに、それらの症状がが出現した際に、確認する客観的データとしての血液検査項目(GOP、GPT、γGT、ALP、PT、T-Bill、ALB、コレステロール、NH4など)についても理解する。
キーワード ① 門脈 ② 肝小葉 ③ 直接ビリルビン ④ アルブミン ⑤ 解毒作用
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:食物を接収し消化吸収する流れを図示できるようにしておく。
予習:肝臓、胆嚢、膵臓の構造と機能を図を用いて説明できるようにしておく。肝臓の機能障害から予想される症状をまとめておく。

5  腹水;浮腫・黄疸② 科目の中での位置付け 本科目では、既習の解剖生理学で修得した人体の構造と機能についての知識を、「生活を支える」という看護的視点で学び直すことで、人間の生活行動の枠組みで知識を整理し、看護とつなげて理解することが可能となり、さらにはそれらの知識を看護実践のためのエビデンスにすることができる。具体的には第1回目は「解剖生理学の基礎」として、本科目の導入を目的としたオリエンテーションと既習の解剖生理学の枠組みで学生の理解度を確認するための試験を実施する。また白地図を用いて体の構造や器官を書くことで、学生自身が現在理解している体の構造を可視化する。第2回目は「消化・吸収;食べる①」、第3回目「消化・吸収;食べる②」、第4回目「腹水;浮腫・黄疸①」、第5回目「腹水;浮腫・黄疸②」、第6回目「心不全;呼吸・ガス交換①」、第7回目「心不全;呼吸・ガス交換②」とし、日常生活動作や症状と解剖生理学をつなげて理解する。第8回目は復習回とし、ここまでの復習を行い知識の定着を図る。第9回目は「腎不全;排泄①」、第10回目「腎不全;排泄②」、第11回目「脳神経疾患;認知・移動・睡眠①」、第12回目「脳神経疾患;認知・移動、・睡眠②」、第13回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器①」、第14回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器②」として前半同様に生活行動あるいは症状にそった形で解剖生理科学の理解を深める。第15回目はそれまでの内容をまとめるための復習回とする。このような流れで、第5回目は、消化器が吸収した栄養素を体に必要な物質に合成し、貯蔵する肝臓の構造およびメカニズムを理解する。その中で肝臓の機能が障害されて起こる腹水、黄疸について4回目の内容をさらに深め、日常生活の援助のエビデンスを学ぶ。
①看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会 126
②ナーシンググラフィカ人体の構造と機能①解剖生理学 メディカ出版 p320-321
 第5回講義資料
③ナーシンググラフィカ人体の構造と機能①解剖生理学 メディカ出版 p322-323
コマ主題細目 ① 黄疸の要因と症状、日常生活への影響 ② 腹水の要因と症状、日常生活への影響 ③ 肝臓の解毒作用と日常生活への影響
細目レベル ① 黄疸とは、血中ビリルビン濃度が高くなった状態をいい、血清ビリルビン値が2mg/dL以上になると、皮膚や眼球結膜が黄染する。黄疸の原因には、➀溶血による大量のビリルビンを肝細胞で処理不能になった溶血性黄疸、②肝細胞の障害によるビリルビンの取り込み、輸送、排泄の障害による肝細胞性黄疸、③肝胆管の通過障害による閉塞性黄疸がある。いずれも血中に逆流した胆汁酸によって、掻痒感が出現し、食欲不振、不眠、イライラなど日常生活に大きく影響を与える。看護師は、掻痒感への看護の根拠を理解し、療養中の患者ができる限り安で効果的に治療を受けることができるように働きかける必要がある。看護援助の実践が根拠を持ってできるように肝臓でのビリルビン代謝について理解して、症状とむつびつける。
② 病的状態により腹腔内に大量の体液が貯留した状態を腹水という。腹水貯留は、様々な疾患によって起こるが、多くの原因は、肝硬変などの肝臓の循環障害による門脈圧亢進である。大量の腹水が貯留すると、横隔膜や腹壁を圧迫し、腹部膨満感や呼吸困難がおこる。腹水による患者の苦痛は著しく、体形の変化による活動制限やボディイメージの変化から精神的な苦痛も見逃せない。また肝臓の糖代謝やたんぱく代謝等を理解し、食事療法への援助が必要となる。さらに腹水の解剖学的な影響を、体位の工夫や、褥瘡や肺炎などの合併症がおこるメカニズムを理解したうえでの全身の清潔保持の重要性を理解する。さらに、客観的データとしての検査値(GOT、GPT、ALB、ビリルビン値などの)も理解して、症状緩和への援助の実践を理解する。
③ 通常、門脈から入った有害物質(未代謝物質)は肝臓で処理され無毒化されるが、肝不全では処理能力が極端に低下し、門脈血中の有害物質が代謝されないまま直接脳に達し、肝性脳症を引き起こす。肝不全でアンモニアを処理しきれず、血中アンモニア濃度が上昇し、直接脳に作用するためである。意識障害を中心とした精神神経症状を呈し、腹水、黄疸を伴うことが多い。看護師には、患者の普段の生活状況をよく観察し、前駆症状である気分の変動やだらしない態度といった前駆症状を早期に発見するこが求められる。また、症状悪化の予防を肝臓の構造と働きを理解したうえで、危険を予知し安全な療養環境を提供する役割がある。また、なぜ、肝性脳症予防には低たんぱく食、便秘予防が必要なのか、治療と看護の根拠を結びつけて理解する。
キーワード ① 黄疸 ② 腹水 ③ 解毒作用 ④ 門脈 ⑤ 代謝機能
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:肝臓の構造と働きについて図示して説明できるようにしておく。予習:肝臓の機能が障害された時の日常生活の影響を具体的に調べておく。
6 心不全;呼吸・ガス交換① 科目の中での位置付け 本科目では、既習の解剖生理学で修得した人体の構造と機能についての知識を、「生活を支える」という看護的視点で学び直すことで、人間の生活行動の枠組みで知識を整理し、看護とつなげて理解することが可能となり、さらにはそれらの知識を看護実践のためのエビデンスにすることができる。具体的には第1回目は「解剖生理学の基礎」として、本科目の導入を目的としたオリエンテーションと既習の解剖生理学の枠組みで学生の理解度を確認するための試験を実施する。また白地図を用いて体の構造や器官を書くことで、学生自身が現在理解している体の構造を可視化する。第2回目は「消化・吸収;食べる①」、第3回目「消化・吸収;食べる②」、第4回目「腹水;浮腫・黄疸①」、第5回目「腹水;浮腫・黄疸②」、第6回目「心不全;呼吸・ガス交換①」、第7回目「心不全;呼吸・ガス交換②」とし、日常生活動作や症状と解剖生理学をつなげて理解する。第8回目は復習回とし、ここまでの復習を行い知識の定着を図る。第9回目は「腎不全;排泄①」、第10回目「腎不全;排泄②」、第11回目「脳神経疾患;認知・移動・睡眠①」、第12回目「脳神経疾患;認知・移動、・睡眠②」、第13回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器①」、第14回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器②」として前半同様に生活行動あるいは症状にそった形で解剖生理科学の理解を深める。第15回目はそれまでの内容をまとめるための復習回とする。
このような流れで、第6回目は「心不全;呼吸・ガス交換①」の息をするという日常生活の中で最も意識されずに行われる動作であるが、この動作に関連する器官とメカニズムについて理解する。

看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会 
①p127-128
②p129-134
③p135-137
ナーシンググラフィカ人体の構造と機能①解剖生理学 メディカ出版
①p210-213
②214-225
③226-253
第6回講義資料
コマ主題細目 ① 息をする ② 息をすることに関連する器官 ③ ガス交換
細目レベル ① 「息をする」は、日常生活の中で最も意識せずに行われる行為である。食べようと思って食べる行動と違い、息をしようと思って息をすることは特別な事情がない限り起こらない。息は無意識のうちに調節(延髄の呼吸中枢によって調整)されており、眠っている間も一定のリズムで行われているが、同時に息は早くしたり遅くしたり、あるいは息をこらえてみたりと自分の意思で調節(大脳皮質を介して調整)することも可能である。からだにとって息をすることは、酸素を体細胞に取り入れて、エネルギーをつくりだすこと、その結果できた二酸化炭素を体外に捨てることであり、ただ単に鼻から息を吐いたり吸ったりすることだけではない。吸った息から酸素を吸収して赤血球に乗せて運び、末梢血管から間質液中に酸素を放し、さらに間質液から細胞内へ酸素が入ってはじめて意味をもつ。まずは、「息をする」ことについて、どのような器官で行われ、息ができないとどのような弊害が起きるのかについて理解する。
② 胎児は肺を使った呼吸をしていない。その胎児が生まれると、自分の肺を使って大気との間でガス交換を始める。膨らんでいなかった肺に空気が入ることから呼吸が始まる。呼気と吸気の入れ替えを換気という。呼吸運動は直接肺を動かしているのではなく、呼吸筋の運動により胸郭の容積を変化させ、胸郭の中に納まっている肺の容積を変化させている。このように息を吸ったり吐いたりするのは、肺の伸展性と弾力性にかかっている。次に呼気と吸気が出入りする道、つまり鼻腔から肺胞までを気道という。気道は消化管のような一方通行ではなく、1本の道で出入りが共通になっている。息を吐けなければ吸えない、吸えなければ吐けないことになる。まずは、息をすることに関連した器官およびメカニズムについて理解する。特に、空気を取り込み、加湿・温調・異物の除去を行う上気道(鼻・口・咽頭・喉頭)、空気を肺胞へ運ぶ下気道(気管・気管支・肺)、酸素と二酸化炭素のガス交換を行う肺胞、呼吸運動を司る筋肉としての横隔膜と肋間筋を押さえる。
③ ガス交換には、外呼吸と内呼吸がある。外呼吸(肺でのガス交換)とは、吸い込んだ空気が肺胞に届き、肺胞の毛細血管を通じて酸素が血液中に拡散する。そして、血液中の二酸化炭素は肺胞に移動し、呼気として排出されることをいう。一方、内呼吸(細胞レベルでのガス交換)とは、血液に乗った酸素が末梢組織へ運ばれ、細胞のミトコンドリアでエネルギー産生に利用されることをいう。その結果、二酸化炭素が発生し、再び血液によって肺へ運ばれる。ガス交換は、酸素は酸素同士、二酸化炭素は二酸化炭素同士で分圧の高い方から低い方へ移動することであり、酸素と二酸化炭素が入れ替わることではない。息をすることの最終目的は、細胞内での代謝活動に必要な酸素の供給と代謝活動の結果できる二酸化炭素のからだからの排出である。この一連の過程には呼吸器系ばかりではなく、酸素や二酸化炭素を運ぶ血液の循環が不可欠であるということを関連させて理解する。また、血液中のガスを運ぶのは赤血球であることを理解する。赤血球には赤い色素をもつヘモグロビンという蛋白がある。酸素がヘモグロビンの何%と結合しているかを示すのが酸素飽和度である。このメカニズムだけではなく性別による正常値も合わせて理解する。
キーワード ① 自発呼吸 ② 呼吸筋の運動 ③ 外呼吸 ④ 内呼吸 ⑤ 血液の流れ
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった個所を調べて配布資料に追記する。配布資料は講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった個所、自分で調べた箇所等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。第6回は「息をする」という視点から解剖生理を学ぶため、呼吸に関わる解剖生理学を押さえ、復習する。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのかを事前に全体の流れを把握しておく。看護の視点から解剖生理学を学ぶとはどういうことか、これまで学んだ解剖生理学を復習し講義に臨むという積極的に学習する姿勢を形成する。次は、循環器の血液の流れである。心臓の構造、血液の流れを予習しておく。

7 心不全;呼吸・ガス交換② 科目の中での位置付け 本科目では、既習の解剖生理学で修得した人体の構造と機能についての知識を、「生活を支える」という看護的視点で学び直すことで、人間の生活行動の枠組みで知識を整理し、看護とつなげて理解することが可能となり、さらにはそれらの知識を看護実践のためのエビデンスにすることができる。具体的には第1回目は「解剖生理学の基礎」として、本科目の導入を目的としたオリエンテーションと既習の解剖生理学の枠組みで学生の理解度を確認するための試験を実施する。また白地図を用いて体の構造や器官を書くことで、学生自身が現在理解している体の構造を可視化する。第2回目は「消化・吸収;食べる①」、第3回目「消化・吸収;食べる②」、第4回目「腹水;浮腫・黄疸①」、第5回目「腹水;浮腫・黄疸②」、第6回目「心不全;呼吸・ガス交換①」、第7回目「心不全;呼吸・ガス交換②」とし、日常生活動作や症状と解剖生理学をつなげて理解する。第8回目は復習回とし、ここまでの復習を行い知識の定着を図る。
第9回目は「腎不全;排泄①」、第10回目「腎不全;排泄②」、第11回目「脳神経疾患;認知・移動・睡眠①」、第12回目「脳神経疾患;認知・移動、・睡眠②」、第13回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器①」、第14回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器②」として前半同様に生活行動あるいは症状にそった形で解剖生理科学の理解を深める。第15回目はそれまでの内容をまとめるための復習回とする。このような流れで、第6回目は「心不全;呼吸・ガス交換②」の心不全との関連を理解し、息ができないことで生じる症状や日常生活にどう影響し、どのような看護ケアにつなげていくのかを理解する。

看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会 
①p127-128
②p129-134
③p135-137
ナーシンググラフィカ人体の構造と機能①解剖生理学 メディカ出版
①p148-153
②173-179
③180-185
第7回講義資料
コマ主題細目 ① 心臓の構造  ② 心拍出量 ③ 心不全
細目レベル ① 息ができなくなると十分な酸素を取り入れることができない。酸欠(低酸素血症)にある。酸素は、血液のヘモグロビンと結びついて酸素飽和度が上昇し、酸素が全身に流れ、組織へと酸素を運ぶ。酸素を運んできた血液が末梢の毛細血管に到達すると、酸素は組織の間質液へ拡散し、細胞へ取り込まれる。そして、細胞は酸素を利用してエネルギーを産生する。しかし、組織が酸素不足に陥ると、細胞は酸素を利用してエネルギーを生産できなくなり、脳が酸素不足(虚血状態)になると意識障害、不穏、興奮等となる。この他以外にも肺胞での酸素不足による呼吸困難、息切れ、チアノーゼ(皮膚や粘膜が青紫色になる)を引き起こす。また、酸素を十分に組織へ取り込みたいために代償機能により不整脈(頻脈)といった症状も見られる。また、酸素は血液によって全身へ運ばれるが、全身に酸素を循環させるために重要な臓器は、心臓である。心臓は1分間に約60~80回、規則的に拍動を休むことなく繰り返し、血液を全身に巡らせている役割がある。心臓より絶え間なく送り出される血液が酸素を全身に行き渡らせ、全身の臓器から排出された二酸化炭素と老廃物も、血液によって運ばれて、再び心臓に戻り、そこから肺や肝臓に運ばれて処理している。まずは、心臓の構造を押さえ、肺循環と体循環について理解する。
② 血液を全身に運ぶためには、圧力をかけなければならない。この圧力のことをポンプといい、このポンプ機能が正常に働く必要がある。この働きは心臓が担っている。各細胞が代謝を続けられるかどうかは、心臓が有効に収縮して、全身に必要な血液を循環させられるかどうかにかかっている。また、心臓の機能は1分間に心臓から排出される血液量で測定される。これを心拍出量といい、成人の1回拍出量が約70mLであることを理解する。心拍出量のほかに血管内の血液が示す圧力を血圧という。全身のあらゆる物質の輸送路である血管を血液が流れていくためには、血圧の恒常性が保たれなければならない。この血圧の調節メカニズムも理解する。心臓のポンプ機能が低下すると血液の流れが弱くなり、血圧が低くなりやすい(低血圧)。低血圧は、酸素を運ぶ速度を低下させ、組織の酸素供給が遅れ、脳貧血(立ちくらみ)・手足の冷えなどの症状が出現することにつながる。血圧の維持する必要性も理解する。
③ 心拍出量が低下すると心臓は、全身に十分な酸素を運ぶことができず、心不全を引き起こす。心不全になると肺・体静脈系がうっ血し、血液循環が障害され、日常生活に障害を生じる。肺静脈圧が上昇すると肺うっ血をきたし、肺水腫(肺に水が溜まる)となり、肺胞でのガス交換が十分にできず、さらに息が苦しくなる。全身の静脈圧が上昇すると体静脈がうっ血し、浮腫は腹水等が生じる。そのため、思うように体を動かすこと、ご飯を食べること、お風呂に入ること等ができなくなることを理解する。出現している症状や心不全の重症度によって、看護ケアの方法も検討する必要がある。心不全の重症度を判断するためには、血液検査、心エコー、胸部X線写真、胸部CTなどがある。これらの検査で、心不全の重症度を判断し、治療の継続と症状のコントロールをしながら、日常生活が送ることができるように支援することを理解する。また、心不全は慢性疾患である。自宅での自己管理も課題となるため、自己管理に向けてどんな看護支援が必要かアセスメントできる。
キーワード ① 心臓の構造  ② 心拍出量  ③ 血圧の恒常性 ④ 心不全 ⑤ 肺・体循環
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった個所を調べて配布資料に追記する。配布資料は講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった個所、自分で調べた箇所等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。第6回は循環器の血液の流れである。心臓の構造、血液の流れ、心不全について復習しておく。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのかを事前に全体の流れを把握しておく。看護の視点から解剖生理学を学ぶ第一歩として、これまで学んだ解剖生理学を復習し講義に臨むという積極的に学習する姿勢を形成する。第8回は、第1回から第7回まで復習回である。講義資料やLMS上の小テストの見直しをする。

8  復習回 科目の中での位置付け 本科目では、既習の解剖生理学で修得した人体の構造と機能についての知識を、「生活を支える」という看護的視点で学び直すことで、人間の生活行動の枠組みで知識を整理し、看護とつなげて理解することが可能となり、さらにはそれらの知識を看護実践のためのエビデンスにすることができる。具体的には第1回目は「解剖生理学の基礎」として、本科目の導入を目的としたオリエンテーションと既習の解剖生理学の枠組みで学生の理解度を確認するための試験を実施する。また白地図を用いて体の構造や器官を書くことで、学生自身が現在理解している体の構造を可視化する。第2回目は「消化・吸収;食べる①」、第3回目「消化・吸収;食べる②」、第4回目「腹水;浮腫・黄疸①」、第5回目「腹水;浮腫・黄疸②」、第6回目「心不全;呼吸・ガス交換①」、第7回目「心不全;呼吸・ガス交換②」とし、日常生活動作や症状と解剖生理学をつなげて理解する。第8回目は復習回とし、ここまでの復習を行い知識の定着を図る。第9回目は「腎不全;排泄①」、第10回目「腎不全;排泄②」、第11回目「脳神経疾患;認知・移動・睡眠①」、第12回目「脳神経疾患;認知・移動、・睡眠②」、第13回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器①」、第14回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器②」として前半同様に生活行動あるいは症状にそった形で解剖生理科学の理解を深める。第15回目はそれまでの内容をまとめるための復習回とする。このような流れで、第8回目は復習回として、これまで学んだ解剖生理学の復習を行い知識の定着を図る。
①②③看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会 p1-36、109-136、171-177
第1回から第7回までの講義資料
コマ主題細目 ① 確認テスト ② 解答と解説 ③ 復習
細目レベル ① 第1回目「解剖生理学の基礎」、第2回目・第3回目「消化・吸収;食べる」、第4回目・第5回目「腹水;浮腫・黄疸」、第6回目・第7回目「心不全;呼吸・ガス交換」といったこれまでの講義内容を踏まえた確認テストを実施する。確認テストの内容は、教科書および講義内で説明した内容、配布資料をもとに作成し、基本的な知識を問う内容とする。まずは前半部分までの知識を確実に定着させるために確認テストを行い、学生の理解度を可視化する。学生自身が理解不十分なところを把握することで復習箇所が明確となり、今後の学習をスムーズに進行する。確認テストの内容は、各回の講義担当者だけではなく、科目担当者全員で検討し、さらに国家試験の内容を踏まえたものとする。
② 確認テストは45分程度で解答できる内容とする。確認テスト終了後、その講義時間内にすぐに解答する。解答の際には学生に答えを求め、必要に応じて講義資料を確認させる。確認テストを実施することで、これまでの講義内容の理解度を学生自身が意識できるようにする。不正解の項目については、なぜ不正解となったのか、自分自身で確認し、正しい解答を伝えそれを理解することで、正しい知識を確実に定着させることができる。解答については、これまでの講義内容をダイジェスト版として、パワーポイントを用いて、問題に合わせ1問ずつ講義形式で解説する。100点満点の試験として、その中でどれくらい理解しているか、総得点でも確認することとする。次回の講義では、全体の平均点や特典分布を提示し、自分自身の理解度の把握につなげる。
③ 解剖生理学は看護学を学ぶ中で専門基礎科目としては最初に学び始める科目であり、看護実践のエビデンスとなる科目である。まず、既習の解剖生理学を学び直し、確実な知識の定着につなげる。しかし解剖生理学は看護学の初学者である学生にとっては理解が困難な科目の一つであり、なかなか知識の定着につながりにくい科目の一つでもある。解剖生理学は看護師国家試験にも広く出題される科目であり、確実な知識の定着が求められる。今後の看護専門科目をスムーズに進め、理解を深めるために最初から解剖生理学を復習する。その際に本科目では日常生活動作に焦点をあて、看護的視点から解剖生理学を学ぶことで、解剖生理学と看護をつなげることが可能となる。そのために学生自身に復習だけではなく現在の理解度を認識させ、今後の学習への足がかりとする。
キーワード ① 消化・吸収 ② 腹水 ③ 浮腫 ④ 心不全 ⑤ 呼吸
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった個所を調べて配布資料に追記する。配布資料は講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった個所、自分で調べた箇所等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。第8回は復習回だったため、これまで7回の講義内容で理解できていなかったところを明らかにし、復習することで知識の定着を図る。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのかを事前に全体の流れを把握しておく。看護の視点から解剖生理学を学ぶとはどういうことか、これまで学んだ解剖生理学を復習し講義に臨むという積極的に学習する姿勢を形成する。

9  腎不全;排泄① 科目の中での位置付け 本科目では、既習の解剖生理学で修得した人体の構造と機能についての知識を、「生活を支える」という看護的視点で学び直すことで、人間の生活行動の枠組みで知識を整理し、看護とつなげて理解することが可能となり、さらにはそれらの知識を看護実践のためのエビデンスにすることができる。具体的には第1回目は「解剖生理学の基礎」として、本科目の導入を目的としたオリエンテーションと既習の解剖生理学の枠組みで学生の理解度を確認するための試験を実施する。また白地図を用いて体の構造や器官を書くことで、学生自身が現在理解している体の構造を可視化する。第2回目は「消化・吸収;食べる①」、第3回目「消化・吸収;食べる②」、第4回目「腹水;浮腫・黄疸①」、第5回目「腹水;浮腫・黄疸②」、第6回目「心不全;呼吸・ガス交換①」、第7回目「心不全;呼吸・ガス交換②」とし、日常生活動作や症状と解剖生理学をつなげて理解する。第8回目は復習回とし、ここまでの復習を行い知識の定着を図る。第9回目は「腎不全;排泄①」、第10回目「腎不全;排泄②」、第11回目「脳神経疾患;認知・移動・睡眠①」、第12回目「脳神経疾患;認知・移動、・睡眠②」、第13回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器①」、第14回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器②」として前半同様に生活行動あるいは症状にそった形で解剖生理科学の理解を深める。第15回目はそれまでの内容をまとめるための復習回とする。
このような流れで、第9回目は「腎不全;排泄①」の腎臓の機能と役割について理解し、「トイレにいく」としての排尿のメカニズム、排尿動作に関連する器官を理解できる。

看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会 
①p139-144
②p145-147
③p148-149
ナーシンググラフィカ人体の構造と機能①解剖生理学 メディカ出版 
①p268-271
②p272-277
③p278-289
第9回講義資料
コマ主題細目 ① トイレに行く ② 腎臓の構造と尿の生成 ③ 腎臓の役割
細目レベル ① 外部環境から取り入れた食物や水を体内で利用した後、不要なものを体外へ戻す行為が排泄(トイレに行く)であり、その代表的なものが排尿と排便である。排尿行動は、膀胱に尿が溜まってくると尿意を感じ始め(膀胱に約150㎖たまる)、膀胱壁(平滑筋・排尿筋とも呼ばれる)が急激に上昇(約400~500㎖たまる)し、強い尿意を感じる。排尿に関する神経支配の中枢は、脊髄(排尿中枢s2~s4)、橋、さらに高位の排尿中枢(大脳皮質)がある。副交感神経(骨盤内臓神経)による脊髄反射が中心的役割をもっているが、高位の排尿中枢の命令がないと排尿という行為は起こらない。この尿意が起こり排尿行為に至るのは、膀胱に腎臓でつくられた尿がたまるからである(蓄尿反射:下腹神経)。尿は血液である。不必要な水分と老廃物(水・塩分・尿素・クレアチニンなど)が、尿として体外に排出し、体液量を一定に保っている。からだの中の細胞の内部環境を整える役割を果たしている。このような尿の生成から排泄に至るまでに関連する器官とそのメカニズムについて理解する。
② 腎臓は、ソラマメのような形をした左右1対の臓器である。それぞれの長さは、約11cm、片方が約150g程度の握りこぶし大の大きさである。第12胸椎から第3腰椎に位置し、肝臓があるため、右腎は左腎よりも低くなっている特徴がある。腎臓はネフロンという構成単位でできている。このネフロンは、糸球体と尿細管でできており、その数は片方の腎臓だけで約100万個ある。それぞれのネフロンは、ほかのネフロンの助けを借りることなく、独立して機能している。ネフロンの一部である糸球体は、腎動脈から枝分かれした毛細血管のかたまりである。杯状に広がった尿細管の末端部分にあたる、ボーマン嚢が取り囲み、糸球体ともいう。この糸球体で血液をろ過し、尿が生成される。この生成された尿を原尿といい、この原尿の1%だけが尿管を通って膀胱に蓄積され、体外へ排尿される。このような腎臓の構造と尿の生成について理解できる。
③ 腎臓には、尿の生成以外に、老廃物の除去(水・塩分・尿素・クレアチニンなど)、ビタミンDの活性化、造血作用(エリスロポエチン)への関与、血圧と体液調整がある。この体液量調節には主に2つの機構がはたらいている。一つは、腎臓に入ってくる血液量を感知し、血液量が少ないと腎臓からレニンを分泌して尿量を抑える、液性の調節機構である。尿は血液からつくるので、腎臓に流れてくる血液量を確保することが、尿をつくる第1条件である。血圧が低い、すなわち血液量が少ないと、傍糸球体細胞からレニンという酵素が分泌される。血中に入ったレニンは肝臓で合成され血中を循環しているアンギオテンシノーゲンをアンギオテンシンⅠに変換する。アンギオテンシンⅠは、アンギオテンシン変換酵素の作用で生理活性のあるアンギオテンシンⅡになる。この一連のレニン‐アンギオテンシン‐アルドステロン系のはたらきで、腎血流量を維持させている。もう一つの機構は、細胞外液の浸透圧を視床下部で感知し、抗利尿ホルモン(脳下垂体後葉のADH:バソプレシン)の分泌によって、水の再吸収を調節するものである。例えば、体液が不足するとADHが分泌され、水の再吸収を増やし、尿量を減らす。一方、水分を取りすぎるとADH分泌が抑えられ、尿量が増えることである。この他にも、アルドステロン(副腎皮質ホルモン)の影響を受け、ナトリウムの再吸収を促し、体液量を調節している。このアルドステロンは、血圧維持にも関与(低血圧時にアルドステロンが増加し、体液量を確保する)している。このように、体液量を維持し、血圧を維持することによって、体液の循環の恒常性を保っている。これらの体液量を維持するメカニズムについて理解する。
キーワード ① トイレに行く  ② 腎臓の構造 ③ 尿の生成 ④ 尿意の知覚 ⑤ 体液の恒常性
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった個所を調べて配布資料に追記する。配布資料は講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった個所、自分で調べた箇所等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。第9回は腎臓の構造、役割について復習する。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのかを事前に全体の流れを把握しておく。看護の視点から解剖生理学を学ぶ第一歩として、これまで学んだ解剖生理学を復習し講義に臨むという積極的に学習する姿勢を形成する。第9回は、腎不全について再度、成り立ちや症状を予習する。

10  腎不全;排泄② 科目の中での位置付け 本科目では、既習の解剖生理学で修得した人体の構造と機能についての知識を、「生活を支える」という看護的視点で学び直すことで、人間の生活行動の枠組みで知識を整理し、看護とつなげて理解することが可能となり、さらにはそれらの知識を看護実践のためのエビデンスにすることができる。具体的には第1回目は「解剖生理学の基礎」として、本科目の導入を目的としたオリエンテーションと既習の解剖生理学の枠組みで学生の理解度を確認するための試験を実施する。また白地図を用いて体の構造や器官を書くことで、学生自身が現在理解している体の構造を可視化する。第2回目は「消化・吸収;食べる①」、第3回目「消化・吸収;食べる②」、第4回目「腹水;浮腫・黄疸①」、第5回目「腹水;浮腫・黄疸②」、第6回目「心不全;呼吸・ガス交換①」、第7回目「心不全;呼吸・ガス交換②」とし、日常生活動作や症状と解剖生理学をつなげて理解する。第8回目は復習回とし、ここまでの復習を行い知識の定着を図る。第9回目は「腎不全;排泄①」、第10回目「腎不全;排泄②」、第11回目「脳神経疾患;認知・移動・睡眠①」、第12回目「脳神経疾患;認知・移動、・睡眠②」、第13回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器①」、第14回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器②」として前半同様に生活行動あるいは症状にそった形で解剖生理科学の理解を深める。第15回目はそれまでの内容をまとめるための復習回とする。
このような流れで、第10回目は「腎不全;排泄②」は、「トイレにいく」ことができないことで生じる疾患の腎不全とその症状や日常生活にどう影響し、どのような看護ケアにつながるのかを理解する。

看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会 
①p139-144
②p145-147
③p148-149
ナーシンググラフィカ人体の構造と機能①解剖生理学 メディカ出版 
①p268-271
②p271-282
③p283-289
第10回講義資料
コマ主題細目 ① 腎不全 ② 腎不全の症状 ③ 血液透析
細目レベル ① 「トイレにいく」ことができないと排尿をすることができない。トイレにいくことができない原因として、尿が生成されていない、尿意を知覚できない、トイレに行きたくても体が動かない等さまざまな要因がある。尿の生成は腎臓が関係する。尿意の知覚は、脳神経系が関与する。トイレに行きたくても体が動かないは、運動器が影響する。今回は、尿の生成ができないことで、体にどう影響していくのかについて説明する。腎臓での尿の生成ができないとは、腎臓の機能が低下し、体液の調整ができない状態である。これを腎不全という。腎不全には、①腎前性、②腎性、③腎後性の3種類の原因がある。①の腎前性は、血液が腎動脈を経て糸球体に流入するまでに起こる障害のことである。出血や脱水、著しい心機能の低下により、腎臓への血流量が低下すると、十分な尿が生成されなくなることである。②腎性は、腎臓そのものの原因で、糸球体の障害と尿細管の障害がある。糸球体毛細血管の基底膜や内皮細胞の障害、尿細管の変性、壊死、閉塞等が原因で起こる。特に、腎性で問題となる疾患は、糖尿病性腎症と慢性糸球体腎炎である。③腎後性は、尿路の原因で、尿路結石、膀胱・尿道の閉塞が原因で起こる。これら3つのことが原因で腎不全になることを理解できる。
② 腎不全になると、尿量の減少(乏尿あるいは無尿)が数週間続く。そのため、本来なら尿中に排泄される窒素化合物(尿素、尿酸、クレアチニンなど)、電解質、水分が血中に貯留する。その結果、高窒素血症、高カリウム血症、代謝性アシドーシス、浮腫、高血圧、貧血が出現する。この代謝性アシドーシスとは、血液のpH(水素イオン濃度)が酸性(pH<7.40)に傾いた状態のことである。水素イオンの排泄低下と、重炭酸イオンの再吸収低下により起こり、重症になると意識を失うこともある。また、高窒素血症が続くと尿毒症となり、
消化器症状(食欲不振、悪心・嘔吐)、循環・呼吸器症状(高血圧、心不全、不整脈、呼吸困難)、精神・神経症状(全身倦怠感、意識障害、けいれん)の症状が出現する。これらの症状の原因は何か、メカニズムはどうなっているのか、押さえておく必要がある血液検査(BUN、血清クレアチニン、K、Na、ALB、Hb、WBC、尿酸、eGFR等)について理解できる。

③ 腎不全になり、尿毒症の症状が出現すると全身倦怠感のため、体を動かすことができず、ベッド上で安静に過ごすことが多く、活動量が低下する。清潔も自分自身で保持できないこともある。また、食欲不振や悪心・嘔吐の症状も見られ、食事を思うように摂取できず、栄養状態も悪化し、浮腫の増強、褥瘡ができることもある。他にも高血圧による頭痛もあるため、十分な観察が必要である。そして、腎機能の状態を見ながら、最終的な治療は、血液透析となる。血液透析とは、透析膜(半透膜)を介して血液と透析液を接触させることにより、腎臓の機能を代行する治療のことである。1回3~5時間程度を週3回実施する。透析導入期は、血圧の変動と、頭痛、悪心・嘔吐、脱力感、けいれんなどが生じる不均衡症候群に注意が必要である。また、血液透析をするにあたり、動脈と静脈を吻合したシャントの作成が必要である。シャント側での血圧測定や採血を行わないように注意し、シャントが閉塞しないように管理することも必要な看護である。このように、腎不全の症状がどのように日常生活に影響するのか、どのような看護ケアに結び付くのか理解できる。
キーワード ① 腎不全 ② 腎前性・腎性・腎後性 ③ 腎不全の症状 ④ 血液透析 ⑤ シャント
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった個所を調べて配布資料に追記する。配布資料は講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった個所、自分で調べた箇所等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。第10回の腎不全とその症状、血液透析について復習する。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのかを事前に全体の流れを把握しておく。看護の視点から解剖生理学を学ぶ第一歩として、これまで学んだ解剖生理学を復習し講義に臨むという積極的に学習する姿勢を形成する。第11回は、脳神経について予習する。

11 脳神経疾患;認知・移動・睡眠① 科目の中での位置付け 本科目では、既習の解剖生理学で修得した人体の構造と機能についての知識を、「生活を支える」という看護的視点で学び直すことで、人間の生活行動の枠組みで知識を整理し、看護とつなげて理解することが可能となり、さらにはそれらの知識を看護実践のためのエビデンスにすることができる。具体的には第1回目は「解剖生理学の基礎」として、本科目の導入を目的としたオリエンテーションと既習の解剖生理学の枠組みで学生の理解度を確認するための試験を実施する。また白地図を用いて体の構造や器官を書くことで、学生自身が現在理解している体の構造を可視化する。第2回目は「消化・吸収;食べる①」、第3回目「消化・吸収;食べる②」、第4回目「腹水;浮腫・黄疸①」、第5回目「腹水;浮腫・黄疸②」、第6回目「心不全;呼吸・ガス交換①」、第7回目「心不全;呼吸・ガス交換②」とし、日常生活動作や症状と解剖生理学をつなげて理解する。第8回目は復習回とし、ここまでの復習を行い知識の定着を図る。第9回目は「腎不全;排泄①」、第10回目「腎不全;排泄②」、第11回目「脳神経疾患;認知・移動・睡眠①」、第12回目「脳神経疾患;認知・移動、・睡眠②」、第13回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器①」、第14回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器②」として前半同様に生活行動あるいは症状にそった形で解剖生理科学の理解を深める。第15回目はそれまでの内容をまとめるための復習回とする。このような流れで、第11回目は、外部環境からの刺激を認識し、判断、記憶する中枢神経の構造と機能について学ぶ。その中でも主に、コミュニケーションに必要な手段やそれにかかわる器官の仕組みについて学ぶ。
①看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会 p79-89
ナーシンググラフィカ人体の構造と機能①解剖生理学 メディカ出版 p342-347
②看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会 p54-62
ナーシンググラフィカ人体の構造と機能①解剖生理学 メディカ出版 p342-347、p384-389
③看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会 p155-161
ナーシンググラフィカ人体の構造と機能①解剖生理学 メディカ出版 p360-365
第11回講義資料
コマ主題細目 ① 中枢神経の構造と機能 ② 末梢神経の構造と機能 ③ コミュニケーションに必要な手段
細目レベル ① 人間は、内外の環境の変化に適応しながら、生命を維持している。環境の変化を情報として受け取り、適切に処理する役割を内分泌系とともに担うのが、神経系と骨格筋系の連動したシステムである。神経系は、中枢神経と末梢神経からなる。中枢神経は脳と脊髄からなり、中枢神経の組織は白質と灰白質である。中枢神経の脳は大脳、間脳、脳幹、小脳からなる。大脳は大脳縦裂によって左右2つの半球に分けられ、脳梁によって連絡しあっている。大脳皮質は機能局在といって部位によって機能が違う。末梢神経とは、脳や脊髄(中枢神経)から枝分かれし、脳の命令を手足の筋肉や臓器に伝達したり、皮膚感覚を脳に送信する体内の情報通信網の役割を果たしている。
② 末梢神経系は脳から出る脳神経と脊髄から出る脊髄神経から構成される。これらの神経は中枢神経系と身体の各器官・組織との連絡役としての働きがある。末梢神経系は、皮膚や筋肉を支配する体性神経と、中枢神経系と心臓や胃腸系などの内臓器官を結ぶ自律神経系からなる。脳からは12対の脳神経が起始しており、Ⅰ嗅神経、Ⅱ視神経、Ⅲ動眼神経、Ⅳ滑車神経、Ⅴ三叉神経、Ⅵ外転神経、Ⅶ顔面神経、Ⅷ内耳神経、Ⅸ舌咽神経、Ⅹ迷走神経、Ⅺ副神経、Ⅻ舌下神経は感覚や運動をつかさどる。脊髄からは31対の脊髄神経が起始しており、8対の頸神経、12対の胸神経、5対の腰神経、5対の仙骨神経、1対の尾骨神経からなる。自律神経は内臓を支配しており、内臓器官へ運動性インパルスを送っている遠心性神経と、内臓から脳に感覚情報を伝える求心性神経の両方を含む。多くの内臓器官は交感神経と副交感神経の両方に支配されており(2重支配)両者は拮抗的は働きによってホメオスタシスを維持している。
③ 人とのコミュニケーションでは言語が最も多く使われる。言語を介した会話は脳の発達と並行する。側頭葉の感覚性言語野(ウェルニッケ野)と発声器の筋運動をつかさどる運動性言語野(ブローカー野)の発達が必要である。発声に関わる器官は喉頭筋、口唇、舌、軟口蓋、咽頭、下顎であり、これらの器官が障害されたとき、コミュニケーションの障害として現れる。また、言葉によるコミュニケーションの成立のためには話を聴くことが不可欠である。感覚器としての耳、中枢神経には側頭葉の聴覚野がかかわっている。ウェルニッケ野は聴覚のみならず、視覚から入る言葉の意味も認識する。ウェルニッケ野が障害されると、音が聞こえ、目が見えていても、言葉の意味を了解できない(感覚性失語)。また、ブローカー野が障害されると、話したいと思う言葉を音声に変換できない(運動性失語)。看護師は障害されたコミュニケーション手段の代替を考え、患者の安心と安全を守る必要がある。
キーワード ① 中枢神経系 ② 末梢神経系 ③ 12対脳神経 ④ 交感神経と副交感神経 ⑤ ウェルニッケ野
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:全身の主な臓器を白地図に正確に書けるようにしておく。予習:人が話す、聞く、理解するときに使う器官とその働きについてまとめておく。12対の脳神経を図で説明できるようにしておく。
12  脳神経疾患;認知・移動・睡眠② 科目の中での位置付け 本科目では、既習の解剖生理学で修得した人体の構造と機能についての知識を、「生活を支える」という看護的視点で学び直すことで、人間の生活行動の枠組みで知識を整理し、看護とつなげて理解することが可能となり、さらにはそれらの知識を看護実践のためのエビデンスにすることができる。具体的には第1回目は「解剖生理学の基礎」として、本科目の導入を目的としたオリエンテーションと既習の解剖生理学の枠組みで学生の理解度を確認するための試験を実施する。また白地図を用いて体の構造や器官を書くことで、学生自身が現在理解している体の構造を可視化する。第2回目は「消化・吸収;食べる①」、第3回目「消化・吸収;食べる②」、第4回目「腹水;浮腫・黄疸①」、第5回目「腹水;浮腫・黄疸②」、第6回目「心不全;呼吸・ガス交換①」、第7回目「心不全;呼吸・ガス交換②」とし、日常生活動作や症状と解剖生理学をつなげて理解する。第8回目は復習回とし、ここまでの復習を行い知識の定着を図る。第9回目は「腎不全;排泄①」、第10回目「腎不全;排泄②」、第11回目「脳神経疾患;認知・移動・睡眠①」、第12回目「脳神経疾患;認知・移動、・睡眠②」、第13回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器①」、第14回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器②」として前半同様に生活行動あるいは症状にそった形で解剖生理科学の理解を深める。第15回目はそれまでの内容をまとめるための復習回とする。このような流れで、第12回目は、体のリズムであるサーカディアンリズムの仕組みと睡眠について、神経から筋への指令と筋肉の収縮による移動について学ぶ。
①看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会 p163-167
②看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会 p167-170
ナーシンググラフィカ人体の構造と機能①解剖生理学 メディカ出版 p376-378
③看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会 p63-65、80-89
ナーシンググラフィカ人体の構造と機能①解剖生理学 メディカ出版 p368、374-378
第12回講義資料
コマ主題細目 ① サーカディアンリズム ② 睡眠 ③ 移動に関する脳の機能
細目レベル ① 約1日の周期で繰り返される生体のリズムをサーカディアンリズム(概日周期)という。覚醒と睡眠のリズムだけでなく、体温や各種ホルモン分泌、自律神経活動にもサーカディアンリズムが認められる。体温は日中上昇し、夜間に低下する。成長ホルモンは夜間に多く分泌し、睡眠中にタンパク合成が進む。ストレスに対応するコルチゾールは夜半から上昇し明け方に最高値になる。松果体から分泌されるメラトニンは、光刺激で合成が抑制され、光刺激のないときに分泌が促進される。人間の環境への同調因子は光の明暗サイクルと他者との周期的接触である。サーカディアンリズムの乱れの代表である睡眠障害への看護を考える上で、患者の環境調整がいかに重要であるかを示している。
② 睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠がある。1回のノンレム睡眠と1回のレム睡眠のセットを睡眠周期(睡眠単位)という。一晩でこの周期が4~5回繰り返される。ノンレム睡眠は脳波の型によってステージ1~4に分けられ、脳の活動が少ない方が眠りの深度が深い。徐派の出るステージ3,4は徐波睡眠といい最も重要である。徐波睡眠の時に下垂体前葉から成長ホルモンが大量に排出され、成長のみでなく疲労回復にも役立っている。レム睡眠の脳波は覚醒に近く、急速な眼鏡運動が見られるが骨格筋は弛緩して体動は起こらない。睡眠パターンは年齢とともに変化し、子どもは徐波睡眠が多く、成人は睡眠同期は約90分で徐波睡眠が最初に多く、レム睡眠は明け方に多い。高齢者は徐波睡眠が減少し中途覚醒がみられる。療養中の睡眠の質を確保し、治癒力を高める働きは看護師の大きな役割である。
③ 人間が動くためにはまず姿勢を保つことが必要である。骨と骨格筋と中枢神経、体性神経が連携することで、体を支え、動くことができる。持続的に直立歩行できるには、神経と骨格筋の発達が必要であり、約1年半を要する。筋の収縮・弛緩に必要な運動ニューロンは脳幹と脊髄に細胞体があり、全身の骨格筋に張り巡らされている。横紋筋はアクチンとミオシンが規則的に配列され、カルシウムを用いながら、膜の電位変化によって収縮・弛緩を行っている。身体で生じた感覚情報は中枢神経を介して、様々な反応を引き起こすが、大脳皮質を経由せずに無意識に反応がおこることを反射という。この反射によって身を守る防衛行動がとれている。一方意図的な運動は随意運動といい、中枢は大脳の前頭葉の運動野である。また、円滑な随意運動には小脳の機能が必要である。様々な疾患による脳神経系の障害があると、姿勢の保持や運動が障害され、日常生活動作への影響が出てくる。看護師は障害の部位を理解し、効果的に様々な日常生活を援助していく役割がある。
キーワード ① サーカディアンリズム ② レム睡眠 ③ ノンレム睡眠 ④ 反射 ⑤ 随意運動
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:脳・脊髄とそれぞれの神経の名称を図示して説明できるようにしておく。予習:睡眠のリズムについて概要をテキストから読み込んでおく。
13  ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器① 科目の中での位置付け 本科目では、既習の解剖生理学で修得した人体の構造と機能についての知識を、「生活を支える」という看護的視点で学び直すことで、人間の生活行動の枠組みで知識を整理し、看護とつなげて理解することが可能となり、さらにはそれらの知識を看護実践のためのエビデンスにすることができる。具体的には第1回目は「解剖生理学の基礎」として、本科目の導入を目的としたオリエンテーションと既習の解剖生理学の枠組みで学生の理解度を確認するための試験を実施する。また白地図を用いて体の構造や器官を書くことで、学生自身が現在理解している体の構造を可視化する。第2回目は「消化・吸収;食べる①」、第3回目「消化・吸収;食べる②」、第4回目「腹水;浮腫・黄疸①」、第5回目「腹水;浮腫・黄疸②」、第6回目「心不全;呼吸・ガス交換①」、第7回目「心不全;呼吸・ガス交換②」とし、日常生活動作や症状と解剖生理学をつなげて理解する。第8回目は復習回とし、ここまでの復習を行い知識の定着を図る。第9回目は「腎不全;排泄①」、第10回目「腎不全;排泄②」、第11回目「脳神経疾患;認知・移動・睡眠①」、第12回目「脳神経疾患;認知・移動、・睡眠②」、第13回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器①」、第14回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器②」として前半同様に生活行動あるいは症状にそった形で解剖生理科学の理解を深める。第15回目はそれまでの内容をまとめるための復習回とする。
このような流れで、第13回目は「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器①」のホルモンのはたらき、甲状腺の解剖と機能について理解する。

看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会
①p66-69
②p75-77
③p70-74
ナーシンググラフィカ人体の構造と機能①解剖生理学 メディカ出版 
①p504-507
②p508-516
③p517-535
第13回講義資料
コマ主題細目 ① ホルモン  ② ストレスと恒常性の維持  ③ 甲状腺の解剖と機能
細目レベル ① ホルモンとは、細胞間で指令を伝達する物質のことである。一般的に、分泌細胞から分泌されたホルモンは、血流を介して標的細胞に作用したり、周囲の毛細血管中に入って運ばれる。これ以外にも近くの細胞に拡散して作用する(例:成長因子)や自分自身の細胞に作用する(例:免疫系のサイトカイン)こともあり、血液だけでなく、局所的な作用もあり。まず、ホルモンによる調節を液性調節という。ホルモンはそのホルモンに反応する受容体をもっている細胞にのみ作用する。ホルモンは微量で効果を発現する化学物質で、いくつかのホルモンは神経伝達物質と共通している。ホルモン分泌の調整の中枢は視床下部であり、視床下部は自律神経とホルモン分泌の両方の中枢であると考えられている。これらの調節機構を理解する。特に、視床下部-下垂体-末梢臓器の関係が重要である。視床下部は、最高指令センターとも呼び、放出したいホルモン(RH)・抑制したいホルモン(IH)が分泌される。次に、下垂体(前葉・後葉)に指令を出し、下垂体ホルモン(成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン など)を分泌する。そして、末梢の内分泌器官(ホルモンを出す臓器)といった甲状腺、副腎、性腺などが下垂体ホルモンの指令を受け、ホルモンを分泌する流れるがある。このように、ホルモンには、恒常性維持のための働きがある。体液量の調節、代謝速度の調節等といったホルモンの役割についても理解する。
② からだに対するあらゆる刺激がストレッサーになり、ストレッサーに対して体が反応し、引き起こされた状態をストレスという。ストレスという言葉を生理学で用いたのはセリエである。セリエはどんな病気であっても、病人に共通する元気のなさを「ストレス」によって説明し、その時副腎皮質ホルモン(副腎)の分泌に変化が起こっていることを見いだした。ストレッサーが加わると、副腎皮質ホルモンの分泌が増え、生体が反応しているとセリエはとらえ、これを全身適応症候群とよび、その過程を明らかにした。その時の病理的変化として、副腎皮質の肥大、胸腺の萎縮、胃の出血斑の3徴候を見いだした。これらを踏まえ、看護職者として患者のからだの中でストレス反応が起きると、自律神経系と内分泌系、免疫系に変化が生じ、気分が落ち込む、風邪を引きやすい、発熱や頻脈があるなどといった症状が出現するため、ストレスのコントロールについても理解する。
③ 甲状腺のホルモンにはいくつかの種類がある。代表的な種類が下垂体から分泌される成長ホルモン・副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)・バソプレシン、甲状腺から分泌される甲状腺ホルモン(サイロキシン:T4、トリヨードサイロニン:T3)、副腎皮質から分泌されるコルチゾール・アルドステロン、・男性であれば精巣から分泌されるテストステロン、女性であれば卵巣から分泌されるエストロゲン、プロゲステロン等がある。今回は、甲状腺に着眼する。甲状腺とは、気管の前面に位置する血管の豊富な内分泌腺である。肉眼的には、蝶のような形をしている。大きさは、縦横ともに4~5cmほどで、重さは15~20gほどである。甲状腺ホルモンは全身の代謝を高めたり、交感神経を興奮させたりする。また、胎児や小児の成長や発達にも関与する。甲状腺ホルモンは、視床下部(TRH)→ 下垂体(TSH)→ 甲状腺(T3・T4)といった流れで、ホルモンが分泌される。この甲状腺機能に異常があるとこのホルモンの調整ができず、様々な症状が出る。甲状腺機能異常には、甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症がある。甲状腺機能が亢進すると、イライラしやすくなる、頻脈、息切れ、体温の上昇(暑く感じる)、汗をかきやすくなる、下痢、体重減少などの症状が出る。一方、甲状腺機能が低下すると、抑うつ的になる、認知機能の低下、脈が遅くなる、体温の低下(寒く感じる)、便秘、体重増加などの症状が出る。これらの症状を呈する疾患として、バセドウ病、原発性甲状腺機能低下症、橋本病(慢性甲状腺炎)、甲状腺悪性腫瘍(例:甲状腺乳頭癌、悪性リンパ腫)などがある。これらの症状と疾患の関係について理解する。
キーワード ① ホルモン  ② 液性調整 ③ 視床下部 ④ ストレス ⑤ 甲状腺
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった個所を調べて配布資料に追記する。配布資料は講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった個所、自分で調べた箇所等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。第13回のホルモンの種類、中枢について復習する。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのかを事前に全体の流れを把握しておく。看護の視点から解剖生理学を学ぶ第一歩として、これまで学んだ解剖生理学を復習し講義に臨むという積極的に学習する姿勢を形成する。第14回は、甲状腺ホルモンに異常が生じた場合の症状や看護ケアについて考え、生殖器のホルモンについて予習する。

14  ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器② 科目の中での位置付け 本科目では、既習の解剖生理学で修得した人体の構造と機能についての知識を、「生活を支える」という看護的視点で学び直すことで、人間の生活行動の枠組みで知識を整理し、看護とつなげて理解することが可能となり、さらにはそれらの知識を看護実践のためのエビデンスにすることができる。具体的には第1回目は「解剖生理学の基礎」として、本科目の導入を目的としたオリエンテーションと既習の解剖生理学の枠組みで学生の理解度を確認するための試験を実施する。また白地図を用いて体の構造や器官を書くことで、学生自身が現在理解している体の構造を可視化する。第2回目は「消化・吸収;食べる①」、第3回目「消化・吸収;食べる②」、第4回目「腹水;浮腫・黄疸①」、第5回目「腹水;浮腫・黄疸②」、第6回目「心不全;呼吸・ガス交換①」、第7回目「心不全;呼吸・ガス交換②」とし、日常生活動作や症状と解剖生理学をつなげて理解する。第8回目は復習回とし、ここまでの復習を行い知識の定着を図る。第9回目は「腎不全;排泄①」、第10回目「腎不全;排泄②」、第11回目「脳神経疾患;認知・移動・睡眠①」、第12回目「脳神経疾患;認知・移動、・睡眠②」、第13回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器①」、第14回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器②」として前半同様に生活行動あるいは症状にそった形で解剖生理科学の理解を深める。第15回目はそれまでの内容をまとめるための復習回とする。
このような流れで、第14回目は「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器②」の甲状腺ホルモンの異常があると日常生活にどう影響し、どのような看護ケアにつながるのかを理解する。また、生殖器の解剖と機能についても理解する。

看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会
①p66-69
②p75-77
③p70-74
ナーシンググラフィカ人体の構造と機能①解剖生理学 メディカ出版 
①p504-507
②p508-516
③p517-535
第14回講義資料
コマ主題細目 ① 甲状腺  ② 生殖器 ③ 子どもを生む
細目レベル ① 甲状腺機能異常には、甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症がある。甲状腺機能が亢進すると、イライラしやすくなる、頻脈、息切れ、体温の上昇(暑く感じる)、汗をかきやすくなる、下痢、体重減少などの症状が出る。一方、甲状腺機能が低下すると、抑うつ的になる、認知機能の低下、脈が遅くなる、体温の低下(寒く感じる)、便秘、体重増加などの症状が出る。そのた、甲状腺機能が亢進している患者のケアとして、皮膚の清潔を保つこと、快適な衣類の選択が必要である。また、栄養状態が低下しない食事療法への指導も重要である。一方、甲状腺機能が低下している患者には、精神的な支援や保温対策の援助が必要である。また、活動量が低下するため、筋力の低下、転倒への注意が必要である。さらに、サイロキシン:T4、トリヨードサイロニン:T3、TSHの血液検査等の確認、ヨードを含む食品摂取を控えることの指導も必要である。これら甲状腺が障害された場合に出現する症状や看護ケアについて理解する。
② 人間は男と女の2つの性には、「遺伝的性」、「生物学的性」、「社会的性(ジェンダー)」 という異なる要素がある。遺伝的性(Genetic Sex)には、受精時に決定(XY=男性、XX=女性)するのと、SRY遺伝子(Sex-determining Region Y gene:Y染色体上にある性決定遺伝子 で、胎児の性分するもの(Y染色体上にある)が精巣の発達を促すことが関与している。生物学的性(Gonadal & Hormonal Sex)は、生殖腺(精巣・卵巣)の発達により、ホルモン(テストステロン、エストロゲン) により体の性が決定される。そして、社会的性(Gender Identity & Role)は、心理的な性(男らしさ・女らしさ)や社会的な役割に関わり、文化・環境・教育の影響も大きい。これらの影響を性が決定される。遺伝子をでは、卵子と精子が合体すると46本の染色体をもつ1個人ができる。卵子の染色体は22+Xであり、精子の染色体は22+Xまたは22+Yである。これらの組み合わせにより、男の子または女の子になる。しかし男と女は遺伝子だけでは決まらない。発生の基本型は女(男性ホルモンがなければ女性の体になる)である。具体的には、受精後6週までは、生殖器の発達は未分化(両性具有的な状態)であるが、それが受精後7~12週に、男性ホルモンの影響を受け、精巣が発達し、テストステロンが分泌され、精巣・精管・前立腺に分化し、男性へ。男性ホルモンがないとミュラー管が発達し、子宮・卵管が形成され、女性へなる。このように、男性ホルモンの影響を受ける。これ以外にも社会的な性としての男らしさや女らしさや性行動パターンは、脳の働きによる。その脳が男性型であれば男性の性行動をとり、女性型だと女らしさや女性の性行動をとる。遺伝的に男でも、脳の性分化の時に男性ホルモンにさらされるのが少ないと女性型に、逆に遺伝的な女がアンドロゲンにさらされると男性型に傾き、成熟後の性行動に影響するのではないかと推論されている。この遺伝子およびホルモンのメカニズムについて理解する。
③ 遺伝子を次世代に繋ぐ仕組みはホルモンが主役である。ホルモンの支配を受けて生殖細胞(ゴナドトロピンの作用により卵子・精子の形成を促す)ができ、受精・妊娠に対するからだの備えができる。思春期の第二次性徴も性ホルモンの発現によっておこる。体内に子どもを宿す女性では、生殖に関するからだの仕組みは男性に比べ複雑である。女性には4~5週ごとのホルモン周期がある。具体的な卵巣周期(約28日周期)は、卵胞期(1~14日目)と排卵期(14日目)、黄体期(15~28日目)に分かれる。卵胞期は、卵胞刺激ホルモン(FSH) により卵胞が成長し、エストロゲン(E2) を分泌する。排卵期はエストロゲンがピークに達し、下垂体から 黄体形成ホルモン(LH) が急上昇(LHサージ)することで、排卵が起こる(成熟した卵子が卵巣から放出される)。黄体期は、妊娠しなければ黄体が退縮し、ホルモンレベルが低下し、月経が始まる。このとき子宮は、増殖期(エストロゲンによる子宮内膜の増殖)、分泌期(プロゲステロンにより子宮内膜が着床に適した状態に)月経(妊娠しなければ内膜が剥がれて排出)と内膜が変化している。この女性の生殖機能は、ホルモン分泌がされている期間に限られ、更年期を経て閉経後は子どもを生む機能はなくなる。男性でも視床下部から分泌されるゴナドトロピン放出ホルモン、下垂体前葉から分泌されるホルモンは女性と同じである。女性ホルモンのような周期性はないが、テストステロンの血中濃度が上がると間質細胞刺激ホルモンの分泌が抑制され、セルトリ細胞から分泌されるインヒビンが精子形成ホルモンの分泌を抑制している。このような生殖に関するホルモンとその役割について理解する。
キーワード ① 甲状腺機能の異常  ② 遺伝子 ③ 生殖細胞   ④ 男性ホルモン ⑤ 女性ホルモン
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった個所を調べて配布資料に追記する。配布資料は講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった個所、自分で調べた箇所等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。第14回の甲状腺機能障害の成り立ち、症状、検査結果、看護ケア、生殖器について復習する。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのかを事前に全体の流れを把握しておく。看護の視点から解剖生理学を学ぶ第一歩として、これまで学んだ解剖生理学を復習し講義に臨むという積極的に学習する姿勢を形成する。第15回は、第1回から第14回までの復習回である。今までの講義資料のファイリング、LMS上の小テストの見直しをする。

15  まとめ 科目の中での位置付け 本科目では、既習の解剖生理学で修得した人体の構造と機能についての知識を、「生活を支える」という看護的視点で学び直すことで、人間の生活行動の枠組みで知識を整理し、看護とつなげて理解することが可能となり、さらにはそれらの知識を看護実践のためのエビデンスにすることができる。具体的には第1回目は「解剖生理学の基礎」として、本科目の導入を目的としたオリエンテーションと既習の解剖生理学の枠組みで学生の理解度を確認するための試験を実施する。また白地図を用いて体の構造や器官を書くことで、学生自身が現在理解している体の構造を可視化する。第2回目は「消化・吸収;食べる①」、第3回目「消化・吸収;食べる②」、第4回目「腹水;浮腫・黄疸①」、第5回目「腹水;浮腫・黄疸②」、第6回目「心不全;呼吸・ガス交換①」、第7回目「心不全;呼吸・ガス交換②」とし、日常生活動作や症状と解剖生理学をつなげて理解する。第8回目は復習回とし、ここまでの復習を行い知識の定着を図る。第9回目は「腎不全;排泄①」、第10回目「腎不全;排泄②」、第11回目「脳神経疾患;認知・移動・睡眠①」、第12回目「脳神経疾患;認知・移動、・睡眠②」、第13回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器①」、第14回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器②」として前半同様に生活行動あるいは症状にそった形で解剖生理科学の理解を深める。第15回目はそれまでの内容をまとめるための復習回とする。このような流れで、第15回目はまとめとして、これまで学んだ解剖生理学の復習を行い知識の定着を図る。
①②③看護形態機能学 生活行動からみるからだ 日本看護協会出版会 p39-106、127-170、195-203、第9回から第14回までの講義資料
コマ主題細目 ① 確認テスト ② 解答と解説 ③ 復習
細目レベル ① 第9回目・第10回目「腎不全;排泄」、第11回目・第12回目「脳神経疾患;認知・移動・睡眠」、第13回目・第14回目「ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器」といったこれまでの講義内容を踏まえた確認テストを実施する。確認テストの内容は、教科書および講義内で説明した内容、配布資料をもとに作成し、基本的な知識を問う内容とする。まずは前半部分までの知識を確実に定着させるために確認テストを行い、学生の理解度を可視化する。学生自身が理解不十分なところを把握することで復習箇所が明確となり、今後の学習をスムーズに進行する。確認テストの内容は、各回の講義担当者だけではなく、科目担当者全員で検討し、さらに国家試験の内容を踏まえたものとする。
② 確認テストは45分程度で解答できる内容とする。確認テスト終了後、その講義時間内にすぐに解答する。解答の際には学生に答えを求め、必要に応じて講義資料を確認させる。確認テストを実施することで、これまでの講義内容の理解度を学生自身が意識できるようにする。不正解の項目については、なぜ不正解となったのか、自分自身で確認し、正しい解答を伝えそれを理解することで、正しい知識を確実に定着させることができる。解答については、これまでの講義内容をダイジェスト版として、パワーポイントを用いて、問題に合わせ1問ずつ講義形式で解説する。100点満点の試験として、その中でどれくらい理解しているか、総得点でも確認することとする。次回の講義では、全体の平均点や特典分布を提示し、自分自身の理解度の把握につなげる。
③ 解剖生理学は看護学を学ぶ中で専門基礎科目としては最初に学び始める科目であり、看護実践のエビデンスとなる科目である。まず、既習の解剖生理学を学び直し、確実な知識の定着につなげる。しかし解剖生理学は看護学の初学者である学生にとっては理解が困難な科目の一つであり、なかなか知識の定着につながりにくい科目の一つでもある。解剖生理学は看護師国家試験にも広く出題される科目であり、確実な知識の定着が求められる。今後の看護専門科目をスムーズに進め、理解を深めるために最初から解剖生理学を復習する。その際に本科目では日常生活動作に焦点をあて、看護的視点から解剖生理学を学ぶことで、解剖生理学と看護をつなげることが可能となる。そのために学生自身に復習だけではなく現在の理解度を認識させ、今後の学習への足がかりとする。
キーワード ① 排泄 ② 認知 ③ 移動 ④ 睡眠 ⑤ ホルモン
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった個所を調べて配布資料に追記する。配布資料は講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった個所、自分で調べた箇所等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。第8回は復習回だったため、これまで7回の講義内容で理解できていなかったところを明らかにし、復習することで知識の定着を図る。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのかを事前に全体の流れを把握しておく。看護の視点から解剖生理学を学ぶとはどういうことか、これまで学んだ解剖生理学を復習し講義に臨むという積極的に学習する姿勢を形成する。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
消化・吸収;食べる 摂食行動は視床下部の外側核にある摂食中枢と、腹内測核にある満福中枢によってコントロールされている。摂食の促進と抑制に関連するレプチンやオレキシンの作用といった食欲に関するメカニズムを述べることができる。また、摂食行動に影響する要因についても説明することができる。
食行動が始まる口腔の器官や咀嚼に関する器官と唾液のはたらきについて説明することができる。食塊が胃に送り込まれるまでの嚥下の3相のメカニズムや誤嚥性肺炎の機序についても説明することができる。
消化と吸収に関する臓器の構造や機能、消化液の作用や消化液分泌調整や吸収後の栄養分と肝臓の機能を説明することができる。
レプチン、オレキシン、摂食行動、咀嚼、嚥下、消化・吸収、副交感神経 15 第1回、第2回、第3回、第8回、第15回
腹水;浮腫・黄疸 肝臓は横隔膜のすぐ下に位置し、右葉と左葉に区分される。重さは成人で約1200gから1400gで、血液を多く含むため、暗赤色を帯びている。肝臓の基本機能単位は肝小葉であり、約50万個の肝細胞からなることを説明できる。腹腔内の消化器官、脾臓、膵臓からの静脈血をすべて集めて肝臓に運ぶ静脈血管の門脈を説明できる。肝臓の主な働きは①糖代謝②タンパク質代謝③脂肪代謝④ビリルビン代謝⑤鉄、ビタミン等の貯蔵⑥解毒作用⑦胆汁生成であり、①の糖代謝とは、糖からグリコーゲンを生成、貯蔵すること、糖から脂肪を作り貯蔵すること、糖が不足した時、アミノ酸から糖を新生することを説明できる。肝臓の機能障害や、胆道閉鎖、溶血による黄疸がある。腹水、胸水は呼吸困難を引き起こし、黄疸は皮膚搔痒感を生じることが多いため、療養中の日常生活の援助によって少しでも安楽にする必要があることを説明できる。 病的状態から腹腔内に大量の体液が貯留した状態を腹水という。腹水貯留は、様々な疾患によって起こるが、多くの原因は、肝硬変などの肝臓の循環障害による門脈圧亢進であることを説明できる。また、肝臓の機能が示す血液データについても理解できる 門脈 、 肝小葉 、 直接ビリルビン 、 アルブミン 、 解毒作用、黄疸(メカニズム) 、 腹水(メカニズム) 、解毒作用 、 門脈 、代謝機能、血液データ(GOT,GPT,ALB,ビリルビン,TPなど) 15 第1回、第4回、第5回、第8回、第15回
心不全;呼吸・ガス交換 息は無意識のうちに調節されている一方、自分の意思で調節することを説明できる。からだにとって息をすることの意味(酸素は、赤血球のヘモグロビンによって運ばれ、末梢血管から間質液中に酸素を放し、さらに間質液から細胞内へ酸素が入ってはじめて意味をもつ)を説明できる。呼吸には、呼吸中ス、呼吸筋の運動が関連していることや息をすることのメカニズムについて説明できる。ガス交換には、外呼吸と内呼吸がある。それぞれの特徴を説明できる。血液中のガス交換に関連した検査データの正常値も合わせて説明できる。組織が酸素不足に陥ると、呼吸困難、息切れ、倦怠感、チアノーゼ、不整脈(頻脈)、不穏、興奮等の症状が見られることを説明できる。心臓の構造、役割、体循環・肺循環、ポンプ機能(心拍出量)について説明できる。血圧の調節メカニズム、心拍出量が低下すると心臓は、全身に十分な酸素を運ぶことができず、心不全を引き起こすことを理解し、心不全の重症度を判断する検査データ、治療の継続と症状のコントロールをしながら、日常生活が送ることができるように支援することを説明できる。 呼吸中枢、呼吸筋の運動、ガス交換、ガス分圧、外呼吸、内呼吸、血液の流れ(体循環、肺循環)、ヘモグロビン、co2ナルコーシス、心臓の構造、心拍出量、冠状動脈、刺激伝導系、血圧の恒常性、心不全、肺・体循環 15 第6回、第7回、第8回
腎不全;排泄 尿意の知覚のメカニズム、排尿にすることに関連している器官(脊髄、橋、さらに高位の排尿中枢等)を説明できる。腎臓の構造と機能を理解し、尿の生成について説明できる。体液量調節に関与しているホルモンのレニン、抗利尿ホルモンついての役割、機能も説明できる。トイレにいくことができない原因について説明できる。腎不全には、①腎前性、②腎性、③腎後性の3種類の原因があり、それぞれの原因の根拠を説明できる。腎不全になると、尿量の減少(乏尿あるいは無尿)が数週間続き、その結果、高窒素血症、高カリウム血症、代謝性アシドーシス、浮腫、高血圧、貧血が出現すること、尿毒症の症状:消化器症状(食欲不振、悪心・嘔吐)、循環・呼吸器症状(高血圧、心不全、不整脈、呼吸困難)、精神・神経症状(全身倦怠感、意識障害、けいれん)も説明できる。血液検査(BUN、血清クレアチニン、K、Na、ALB、Hb、WBC、尿酸、eGFR等)について理解し、説明できる。腎不全になると全身倦怠感のため、体を動かすことができず、ベッド上で安静に過ごすことが多く、活動量が低下することや清潔も自分自身で保持できないこと、栄養状態が悪化することを理解し、どんな看護ケアが必要か説明できる。腎不全の最終的な治療である血液透析の原理も説明できる。 腎臓の構造と役割、尿の生成、ネフロン、尿意の知覚、排尿中枢、体液の恒常性、レニン、アルドステロン、エリスロポエチン、腎不全、腎前性・腎性・腎後性、尿毒症、血液透析、不均衡症候群、シャント、代謝性アシドーシス 15 第8回、第9回、第10回
脳神経疾患;認知・移動・睡眠 環境の変化を情報として受け取り、適切に処理する役割を内分泌系とともに担うのが、神経系と骨格筋系の連動したシステムであり、神経系は、中枢神経と末梢神経からなることを説明できる。末梢神経系は脳から出る脳神経と脊髄から出る脊髄神経から構成され、中枢神経系と身体の各器官・組織との連絡役としての働きがあることを説明できる。末梢神経系は、皮膚や筋肉を支配する体性神経と、中枢神経系と心臓や胃腸系などの内臓器官を結ぶ自律神経系からなる。脳からは12対の脳神経が起始していることを説明できる。 睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠があり、レム睡眠の脳波は覚醒に近く、急速な眼鏡運動が見られるが骨格筋は弛緩して体動は起こらないことを説明できる。身体で生じた感覚情報は中枢神経を介して、様々な反応を引き起こすが、大脳皮質を経由せずに無意識に反応がおこることを反射という。この反射によって身を守る防衛行動がとれている。一方意図的な運動は随意運動といい、中枢は大脳の前頭葉の運動野であることを説明できる。 中枢神経系 、 末梢神経系 、 12対脳神経 、 交感神経と副交感神経 、 ウェルニッケ野。サーカディアンリズム 、 レム睡眠 、 ノンレム睡眠 、反射 、 随意運動 20 第1回、第8回、第11回、第12回、第15回
ホルモンのはたらき;甲状腺・生殖器 ホルモンとは、細胞間で指令を伝達する物質のことを説明できる。ホルモンは、血流を介して標的細胞に作用したり、周囲の毛細血管中に入って運ばれ、体内の物流システムを使い、遠隔の効果器にも情報を伝えることができる液性調節も説明できる。ホルモン分泌の調整の中枢は視床下部であり、視床下部は自律神経とホルモン分泌の両方の中枢であることを説明できる。ホルモンの種類とその作用についても説明できる。ストレスを感じるとからだがどのように関係してくるのかも説明できる。甲状腺の構造とホルモンの種類、役割(全身の代謝を高めたり、交感神経を興奮させたりする。また、胎児や小児の成長や発達にも関与)について説明できる。甲状腺機能異常には、甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症がある。それぞれの症状や原因疾患、看護ケアとの関係についても説明できる。生殖器に関する遺伝子、ホルモン(男性ホルモン、女性ホルモン)について説明できる。
ホルモン、液性調整、視床下部、ストレス、甲状腺、甲状腺機能の異常、遺伝子、生殖細胞、男性ホルモン、女性ホルモン 20 第13回、第14回、第15回
評価方法 期末テスト100%
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 看護形態機能学 生活行動からみるからだ 第4版 菱沼典子著 日本看護協会出版会 2025                       ナーシンググラフィカ 人体の構造と機能➀解剖生理学 第5版 武田裕子著 2026
参考文献 つなげてみたらスルスルわかる!生化学・生理学・解剖学 橋本さとみ著 Gakken
実験・実習・教材費 なし