区分
専門科目-基盤看護学-地域・在宅看護学
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力
倫理観
専門性探求
地域社会貢献
グローバル性
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性
広い視野
知識・技術
判断力
探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
日常生活支援は、種々の工夫があることが理解でき、訪問看護計画の作成過程を学習し、模擬事例の看護計画を立案できる。介護保険のケアプランと医療保険等の看護計画の違いについて学習し、多職種連携の重要性を理解するために介護保険における模擬サービス担当者会議を実施する。また在宅生活のリスクについて学習し、災害時や実習等に活かすことができる。
科目の目的
在宅看護が対象とする在宅療養者とその家族は、疾病や障害による機能的な制約や困難がありながらも保健・医療・福祉の支援や地域社会の協力を得て、その人らしく社会生活を送っている。こうした療養者や家族の在宅療養を支援していくために必要となる在宅看護における看護過程の展開を学ぶことを目的とする。また、在宅看護におけるリスクの特徴を知り、事故防止と紛争防止の2つの視点からなるリスクマネジメントを学ぶことを目的とする。最後に在宅看護における権利保障における個人の尊厳、自己決定権、個人情報の保護について看護師としての基本的な倫理観と合わせて自己の考え方を再考することを目的とする。具体的な援助技術を習得することで、社会の大きなニーズである在宅医療の充実に貢献できる専門職業人が輩出される。
到達目標
1.在宅看護過程の展開を理解し、展開できる。
2.在宅看護におけるリスクマネジメントを理解する。
3.在宅看護の対象者の権利保障について理解する。
科目の概要
本科目は、在宅という環境で療養する利用者と家族に、いかに看護を実践していくかについて具体的な方法を学ぶ。療養者の多様な生活と価値観によって看護の展開は病院での看護以上に個別性と専門性を求められる。病院と在宅での看護目標や優先順位の違いなどを考えながら、対象者が暮らしてきた生活の多様性、療養生活に対する意向や価値観異配慮した看護過程の展開を学ぶ。また、療養生活を支える制度・支援体制を理解し、多職種によるチーム連携における看護師の役割を学ぶ。次に紙上事例を用いて具体的な看護過程の展開におけるアセスメント目標設定・計画、実施、評価を学ぶ。次に在宅看護におけるリスクの特徴を理解し、環境整備による安全の確保の方法を具体的に学びながらリスクマネジメントの視点を養う。最後に在宅看護を展開するにあたり、在宅看護に関係する法を理解し、対象者の権利保障を看護師としていかに行っていくかを学ぶ。
科目のキーワード
在宅看護過程 リスクマネジメント 多職種連携 権利擁護 自己決定権 個人情報保護
授業の展開方法
本講義は各回の冒頭にハンドアウトの配布をし、コマシラバスに沿って各回のキーワード、考え方のポイントを解説していく。同時に学生の予習・復習内容を含めて、グループワークを用いて、個人の学習がより多様で幅広い視野を持つことで深められるようにする。各講義の最後に、キーワードやポイントの理解を確認する小テストを実施するとともに、リフレクションペーパーを配布し疑問点や感想を書く。フィードバックコメントを次回の講義の冒頭で共有する。
オフィス・アワー
青井みどり:研究室711:メールで予約の上お越しください。
Email:m-aoi@uhe.ac.jp
永井康徳:E-mail:y-nagai@uhe.ac.jp
科目コード
ERH02
学年・期
2年・前期
科目名
地域・在宅看護援助論Ⅰ
単位数
1
授業形態
講義
必修・選択
必修
学習時間
【講義】16h
【予習・復習】29h
前提とする科目
看護学原論Ⅰ、Ⅱ、生活援助論
展開科目
在宅看護学実習、在宅・終末期看護援助論、在宅・終末期看護技術論、在宅・終末期看護学外演習、在宅・終末期看護演習
関連資格
看護師資格 保健師資格
担当教員名
青井みどり・永井康徳
回
主題
コマシラバス項目
内容
教材・教具
1
在宅看護過程展開の特徴
科目の中での位置付け
本科目は、在宅という環境で療養する利用者と家族に、いかに看護を実践していくかについて具体的な方法を学ぶ。療養者の多様な生活と価値観によって看護の展開は病院での看護以上に個別性と専門性を求められる。病院と在宅での看護目標や優先順位の違いなどを考えながら、対象者が暮らしてきた生活の多様性、療養生活に対する意向や価値観に配慮した看護過程の展開を学ぶ。また、療養生活を支える制度・支援体制を理解し、多職種によるチーム連携における看護師の役割を学ぶ。次に紙上事例を用いて具体的な看護過程の展開におけるアセスメント目標設定・計画、実施、評価を学ぶ。次に在宅看護におけるリスクの特徴を理解し、環境整備による安全の確保の方法を具体的に学びながらリスクマネジメントの視点を養う。最後に在宅看護を展開するにあたり、在宅看護に関係する法を理解し、対象者の権利保障を看護師としていかに行っていくかを学ぶ。第1回、第2回は在宅看護過程展開時の特徴、第3回は在宅看護過程展開方法の情報収集とアセスメント、第4回は、紙上事例を用いての情報収集とアセスメント、第5回は在宅看護過程展開方法の目標設定と計画、第6回は在宅看護過程展開方法の実施と評価、第7回は療養上ののリスクアセスメントの特徴、第8回は療養上のリスクアセスメントの環境整備による安全の確保、第9回は療養上のリスクマネジメントの薬物による事故の防止、第10回は在宅医療における災害に対する準備と対応、第11回は在宅看護における権利擁護の中の個人情報保護、第12回は在宅看護における権利擁護の中の守秘義務と成年後見、第13回は在宅看護における虐待防止とサービス提供者の権利擁護、第14回は在宅看護における法律問題の事例として契約時の説明不足、個人情報漏洩、第15回は在宅看護における法律問題の事例として医療事故で構成する。
第1回は、在宅看護過程展開のポイントの一つとして、療養者の多様な生活と価値観について学ぶ。病院と在宅での療養の違いを明らかにし、看護目標の違いを考察する。また、生活環境や家族への視点を生活環境の違い、地域社会による支え、生活者・介護者としての家族の存在等から理解する。
テキスト:医学書院 地域・在宅看護論2 序章、1章
永井康徳:在宅医療多職種連携たんぽぽ先生の実践 金芳堂 2019、p1~36
コマ主題細目
① 在宅看護過程の特徴 ② 療養者の多様な生活と価値観 ③ 生活環境や家族への視点
細目レベル
① 疾病や障害は死に至る場合を含め、人間とその家族の人生や生活の在り方に決定的な影響を与えることがある。在宅においても例外ではないが、在宅看護が対象とする在宅療養者とその家族は、疾病や障害による機能的な制約や困難がありながらも様々な支援を受けその人らしく社会生活を送っている。看護過程の展開は看護実践に共通の枠組みではあるが、情報収集やアセスメント、目標設定、看護実践、評価の一つ一つの過程に在宅看護特有のものが必要となる。その中で最も重要なのは療養者の多様な生活と価値観である。数十年にわたるこれまでの生活や人生経験、家族構成、価値観によって、看護する側から見れば同じように見える現象も、そらえかたは一人一人違うことを基本的な考え方として理解して行くことで、その人らしい生活の支援が可能となる。
② 病院では疾病の診断・治療や、障害の克服のためのリハビリテーションを受けることが、患者・家族と医療職の共通の目標として認識されている。しかし、在宅という療養の場においては、療養者が生活の中で目標とすることや大切にしていることは、治療やリハビリテーションだけではない。看護師が病院と同じように治療やリハビリテーションを優先した対応をとったり、個々の生活の実態をふまえていない療養指導を行うと、かえって療養者自身の生活を脅かしかねない。在宅看護では病院勤務で経験したことがそのまま活用されることはむしろ少なく、療養者の多様な生活そのものにいかに合った方法で行えるかがカギとなる。看護師が自分の持っている最善の医療を提供したいという専門家としてのこだわりが強く出ると誰のための支援なのかという大前提を見失うことになる。また、在宅看護における限界も理解し、療養者と家族を含めた多職種チームで丁寧な話し合いと同意のもと謙虚に受け止めていく必要がある。
③ 病院や施設における看護と在宅看護の大きな違いは環境である。病院は治療や看護が効果的かつ効率的にできるよ設計されているが在宅の場の住居は必ずしもそうではない。一方、住居は地域社会の中に存在になじみのある物的環境や、人的環境があることで、療養者は支えられている。在宅看護には、住居に関して住宅改修のような生活改善の視点も必要である。また、家族は療養者にとってかけがえのない存在で療養の支援の中心になっているが、家族の介護負担や高齢者虐待の問題も看過できない。在宅看護の対象は療養者とその家族であるので、家族を含めた存在を全体としてとらえ丁寧にアセスメントしていく必要がある。看護計画の立案にあたっては、療養者だけでなく家族の意向についても情報収集をするとともに、必要に応じて家族内での話し合いの調整をし、家族としての意思決定への支援をすることが重要である。
キーワード
① 在宅看護過程 ② 価値観 ③ 在宅環境 ④ 家族 ⑤ 意思決定
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習:在宅看護学概論で学習した在宅看護の目的と特徴、対象者を再度確認しておく。対象者に関しては年齢、疾患、障害の違いによる特徴を再確認しておく。家族に関しては家族システムの特徴と家族への支援の方法を再確認しておく。地域システムの中に家族を支援するためにどのようなものがあったかを再確認しておく。
予習:基礎看護実習や日常の中で見聞きした病院の環境と在宅の違いを考えてまとめておく。比較の視点は、対象者、契約、医療との関連、医療処置を行う人、看護者、介護者看護職のかかわり、医師との連携、他職種との連携、緊急時の対応、日常生活の支援、場の主導管理者等を整理しておく。また、もし自分や家族が在宅看護を受けると仮定したら、どのような看護師増を望むかを考えてくる。
2
在宅看護過程展開の特徴
科目の中での位置付け
本科目は、在宅という環境で療養する利用者と家族に、いかに看護を実践していくかについて具体的な方法を学ぶ。療養者の多様な生活と価値観によって看護の展開は病院での看護以上に個別性と専門性を求められる。病院と在宅での看護目標や優先順位の違いなどを考えながら、対象者が暮らしてきた生活の多様性、療養生活に対する意向や価値観に配慮した看護過程の展開を学ぶ。また、療養生活を支える制度・支援体制を理解し、多職種によるチーム連携における看護師の役割を学ぶ。次に紙上事例を用いて具体的な看護過程の展開におけるアセスメント目標設定・計画、実施、評価を学ぶ。次に在宅看護におけるリスクの特徴を理解し、環境整備による安全の確保の方法を具体的に学びながらリスクマネジメントの視点を養う。最後に在宅看護を展開するにあたり、在宅看護に関係する法を理解し、対象者の権利保障を看護師としていかに行っていくかを学ぶ。第1回、第2回は在宅看護過程展開時の特徴、第3回は在宅看護過程展開方法の情報収集とアセスメント、第4回は、紙上事例を用いての情報収集とアセスメント、第5回は在宅看護過程展開方法の目標設定と計画、第6回は在宅看護過程展開方法の実施と評価、第7回は療養上ののリスクアセスメントの特徴、第8回は療養上のリスクアセスメントの環境整備による安全の確保、第9回は療養上のリスクマネジメントの薬物による事故の防止、第10回は在宅医療における災害に対する準備と対応、第11回は在宅看護における権利擁護の中の個人情報保護、第12回は在宅看護における権利擁護の中の守秘義務と成年後見、第13回は在宅看護における虐待防止とサービス提供者の権利擁護、第14回は在宅看護における法律問題の事例として契約時の説明不足、個人情報漏洩、第15回は在宅看護における法律問題の事例として医療事故で構成する。
第2回は前回に引き続き、在宅看護過程の展開のポイントを学ぶ。ポイントは、療養の経過と対象者の強み(ストレングス)の重要性であり、訪問看護の実施頻度に合わせた先を予測した看護計画である。この予測は、数か月、数年の期間を視野に入れる必要性が出てくることもある。また、ポイントの一つとして、生活を支える制度・支援体制の理解がある。対象者の個別性に合わせた看護過程の展開に欠かせない社会福祉制度を理解し、チーム連携によるケアが必要である。
地域・在宅看護論2 医学書院1-3章
萱間真美:ストレングスモデル実践活用術 医学書院2016 p2-16
コマ主題細目
① 療養の経過と対象者の強み(ストレングス) ② 在宅における長期的なかかわり ③ 生活を支える制度・支援体制
細目レベル
① 在宅看護ではその開始時点で、すでに長期にわたって療養生活を送ってきた対象者もみられる。特に高齢者の場合、加齢による変化に複数の疾病や障害が加わることで、生活するうえで数多くの困難が生じている。このような状況の中で療養者と家族が長年自分たちで工夫して生活してきた体験に着目することは大変重要である。看護師は本来問題解決志向が強く、対象者の不足している部分、できない部分のみに着目しがちであるが、対象者のストレングスを探すことは対象者と家族の持てる力を十二分に発揮させる働きかけとなる。ストレングスモデルは、病気だけでなく、その人のやりたいこと(希望)や、健康的な面をケアの資源として活用する支援方法のことであり。当事者と支援者との関係性や相互作用の中で、その人の人生そのものを支えていく方法である。在宅看護において、看護師が上から知識を与える、ケアを与えるという図式ではないところがポイントである。
② 在院日数の短縮化が進んだ現在、患者は数週間で退院していくが、在宅では10年以上にわたる長期的なかかわりも珍しくない。神経難病などで数年後に会話が不能になることを予測されている場合には、将来に備えて機能低下に伴う意思伝達装置などの代替的なコミュニケーションツールを修得する必要がある。しかし、療養者と家族にとって病気の進行、機能低下の予測は過酷な将来の提示となるため、看護師は療養者と加須z区の不安や苦悩、様々な葛藤をしっかり受け止め、多職種と連携しながら適切な支援をしていくことが袋瀬悦である。看護師はこれまでの療養生活を理解したうえで、訪問時に実施すること、次回・次々回の訪問までに対応すべきこと、さらに数か月・数年の期間を視野に入れる必要性が出てくることを理解する必要がある。ここに、病棟での看護にはない重要な看護過程の展開のポイントがある。
③ 在宅における看護師の役割や看護の提供時間、開始までの手続き、サービスの自己負担額などは、介護保険、健康保険制度、障害者福祉や生活保護のような社会福祉制度と密接に関連している。よって、これらの制度をよく理解したうえで療養者と家族の個別性に合わせた看護を提供する必要がある。また、対象者の在宅療養を支援する保健・医療・福祉の専門家や、家族地域のメンバーを加えたチームにおいて看護師の果たす役割は大きく、個別性に合わせて変化する。看護師は医師の包括的指示を受け医療処置やリハビリテーションを行うだけでなく、日常生活上のケアや介護指導など幅広いサービスを提供する。チーム連携の中で十分な情報交換や問題提起を行い、多職種がそれぞれの専門性や強みを最大限に発揮できるよう相補的・自立性ある関係構築が必要である。そのためのさまざまなコミュニケーション技術が重要になる。
キーワード
① 在宅看護過程 ② ストレングス ③ 社会福祉制度 ④ チーム連携 ⑤ 訪問看護師
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習:本科目の第1回目の在宅看護過程展開のポイントを再学習しておく。特に療養者の多様な生活の具体的なイメージから病院と在宅の違いをまとめておく。また、在宅における家族の存在の意味と、看護の対象としての家族の位置づけを再確認しておく。また、一般的な看護過程の展開の要素(アセスメント、目標設定、計画、実施、評価)と一連の流れを復習しておく。
予習:近年の病院の在院日数の短縮の目的とその影響を既習の科目や厚労省の統計等で予習しておく。療養生活を支える制度の中で介護保険、健康保険制度について概要を把握しておく。在宅看護を実施する訪問看護師としてどのような技術が必要か、今考えられるものをまとめておき、グループのメンバーで共有できるようにしておく。
3
在宅看護過程の展開方法 情報収集とアセスメント
科目の中での位置付け
本科目は、在宅という環境で療養する利用者と家族に、いかに看護を実践していくかについて具体的な方法を学ぶ。療養者の多様な生活と価値観によって看護の展開は病院での看護以上に個別性と専門性を求められる。病院と在宅での看護目標や優先順位の違いなどを考えながら、対象者が暮らしてきた生活の多様性、療養生活に対する意向や価値観に配慮した看護過程の展開を学ぶ。また、療養生活を支える制度・支援体制を理解し、多職種によるチーム連携における看護師の役割を学ぶ。次に紙上事例を用いて具体的な看護過程の展開におけるアセスメント目標設定・計画、実施、評価を学ぶ。次に在宅看護におけるリスクの特徴を理解し、環境整備による安全の確保の方法を具体的に学びながらリスクマネジメントの視点を養う。最後に在宅看護を展開するにあたり、在宅看護に関係する法を理解し、対象者の権利保障を看護師としていかに行っていくかを学ぶ。第1回、第2回は在宅看護過程展開時の特徴、第3回は在宅看護過程展開方法の情報収集とアセスメント、第4回は、紙上事例を用いての情報収集とアセスメント、第5回は在宅看護過程展開方法の目標設定と計画、第6回は在宅看護過程展開方法の実施と評価、第7回は療養上ののリスクアセスメントの特徴、第8回は療養上のリスクアセスメントの環境整備による安全の確保、第9回は療養上のリスクマネジメントの薬物による事故の防止、第10回は在宅医療における災害に対する準備と対応、第11回は在宅看護における権利擁護の中の個人情報保護、第12回は在宅看護における権利擁護の中の守秘義務と成年後見、第13回は在宅看護における虐待防止とサービス提供者の権利擁護、第14回は在宅看護における法律問題の事例として契約時の説明不足、個人情報漏洩、第15回は在宅看護における法律問題の事例として医療事故で構成する。
第3回は在宅看護過程の展開方法の情報収集とアセスメントについて学ぶ。医療機関における看護過程とは違い、在宅での看護過程は、在宅で医療を行うことや、障害を持ちながら必要な医療を継続していくという医療の側面と、療養者の生活や、家庭、生き方、考え方などを重視し、広く長期的な視点でその人の看護師支援を考えていくという生活の側面の両方を目的とするという特徴を学ぶ。
地域・在宅看護論2 1~4章
コマ主題細目
① 在宅看護過程の特徴 ② 基本的情報収集項目とアセスメント ③ 家族の介護力のアセスメント
細目レベル
① 医療機関における看護過程は、治療を主にして展開されている。一方在宅看護における看護過程は必要な医療の在宅での継続という側面と療養者の生活を重視し、広く長期的な視野を持った展開が必要という特徴を持つ。在宅看護では、療養者のおかれた状況も含めた全体を把握し、療養者のニーズに沿ったアセスメントが行われる。在宅看護過程は、医療機関で行う看護過程と同じ構成要素を持ち、情報収集、アセスメント、看護問題の明確化、目標設定、実施、評価を繰り返す。この中で情報収集の項目と範囲や、目標設定の仕方、だれが何をするのかという計画に、医療機関での看護過程の展開との違いがある。在宅看護での情報収集は範囲が広くかつ、情報を収集できるタイミングも限られている。看護師が訪問した際に短時間で必要な情報を効率よく収集するには、基本的な情報収集の項目を把握して置く必要がある。
② 在宅療養者の療養生活には疾病や心身の状態のみでなく、家族、家庭環境、経済状況、介護者の状況、療養に対する考え方、これまでの生き方、楽しみや趣味在宅量療養に希望することなどが相互に関連し、提供する看護の内容に影響する。特に在宅看護過程の目標設定で重要となってくる在宅療養生活への希望は必ず療養者自身や家族から丁寧に聞き取る必要がある。また、在宅看護では積極的に情報収集しなければ得ることのできない情報が多い。情報源源は療養者、同居している家族、介護者、キーパーソン、主治医、家庭医、介護保険制度の福祉サービスのスタッフ、ケアマネージャーなど多岐にわたり、チーム連携による在宅療養の最も基盤となる情報共有なしには、本当にその人らしい療養生活が送れない。
③ 近年の少子高齢社会の中で、家庭の平均世帯人数は2.5人を下回っている。(2018)家庭内で介護を担う人が少なく、高齢者が高齢者を介護している現状がある。また、介護に取り組みにくい職場環境や、女性の社会進出に伴う介護の役割の意識変化も存在する。家族に疾病や障害が発生すると、家族の役割変化がおき、役割の再構築が必要となる。役割には家事、育児、介護、経済的基盤、情緒的関係、意思決定等様々なものがあり、役割分担や役割負担の調整が、家族の生活の維持を左右する。介護力のアセスメントは多岐にわたるが、介護者の身体的負担、精神的負担、経済的負担社会的負担の4領域に関する情報収集を行う。経済的負担のアセスメントでは、医療保険や介護保険制度の受給資格や、年金、生活保護、地域で支給される手当、成年後見制度などの社会資源活用の情報の必要である。
キーワード
① 療養者の概要 ② 介護力 ③ 環境 ④ 経済状況 ⑤ 心身の健康問題
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習:第1回第2回で学習した在宅看護看護過程のポイントを再確認しておく。家族成因の役割とは何か、家族を支援するにあたって必要な家族への働きかけとして、看護師は看護計画を立てる際どのような役割があるかを復習しておく。また、家族周期段階別に見た、基本的発達課題をテキストの表から復習しておく。特に高齢社会の中での在宅医療を考える機会が多いので老年期の家族の発達課題は必須である。
予習:家族の介護力をアセスメントするにはどのような項目があるか、テキストのアセスメント要素の表を確認しておく。また、介護者の経済力のアセスメントに必要な医療保険や介護保険制度の概要、生活保護の仕組み、成年後見制度の仕組みの概要をまとめておく。
4
在宅看護過程展開方法 紙上事例を用いての情報収集とアセスメント
科目の中での位置付け
本科目は、在宅という環境で療養する利用者と家族に、いかに看護を実践していくかについて具体的な方法を学ぶ。療養者の多様な生活と価値観によって看護の展開は病院での看護以上に個別性と専門性を求められる。病院と在宅での看護目標や優先順位の違いなどを考えながら、対象者が暮らしてきた生活の多様性、療養生活に対する意向や価値観に配慮した看護過程の展開を学ぶ。また、療養生活を支える制度・支援体制を理解し、多職種によるチーム連携における看護師の役割を学ぶ。次に紙上事例を用いて具体的な看護過程の展開におけるアセスメント目標設定・計画、実施、評価を学ぶ。次に在宅看護におけるリスクの特徴を理解し、環境整備による安全の確保の方法を具体的に学びながらリスクマネジメントの視点を養う。最後に在宅看護を展開するにあたり、在宅看護に関係する法を理解し、対象者の権利保障を看護師としていかに行っていくかを学ぶ。第1回、第2回は在宅看護過程展開時の特徴、第3回は在宅看護過程展開方法の情報収集とアセスメント、第4回は、紙上事例を用いての情報収集とアセスメント、第5回は在宅看護過程展開方法の目標設定と計画、第6回は在宅看護過程展開方法の実施と評価、第7回は療養上ののリスクアセスメントの特徴、第8回は療養上のリスクアセスメントの環境整備による安全の確保、第9回は療養上のリスクマネジメントの薬物による事故の防止、第10回は在宅医療における災害に対する準備と対応、第11回は在宅看護における権利擁護の中の個人情報保護、第12回は在宅看護における権利擁護の中の守秘義務と成年後見、第13回は在宅看護における虐待防止とサービス提供者の権利擁護、第14回は在宅看護における法律問題の事例として契約時の説明不足、個人情報漏洩、第15回は在宅看護における法律問題の事例として医療事故で構成する。
第4回は、第3回で学んだ情報収集の項目を理解したうえで紙上事例をアセスメントしていく。紙上事例の療養者は75歳男性慢性閉塞性肺疾患(COPD)で、酸素療法を開始し在宅療養中。介護者は同世代の妻である。酸素療法中も息切れを感じ、ADLの低下がみられる。この事例の詳細な情報を学修した枠組みで情報整理し、アセスメントしていく。まずは個人作業でまとめ、4人のグループで共有し、多様な意見からアセスメントを学ぶ。
地域・在宅看護論 1~4章
在宅看護実習様式4-1,4-2.5のシート
コマ主題細目
① 紙上事例説明 ② 個人ワークとグループ討議 ③ 情報収集とアセスメントの実際
細目レベル
① 紙上事例は、Aさん、75歳男性、慢性閉塞性肺疾患(COPD)で、酸素療法を開始し在宅療養中。介護者は同世代の妻である。酸素療法中も息切れを感じ、ADLの低下がみられる。入院前は家に帰ったら、毎週通っていた公民館の将棋倶楽部に通うことを楽しみにしていた。家出の生活は酸素吸入していても息切れを感じ、ADLが低下していた。また、酸素療法に関する教育も入院中に受けはしたが十分には理解しておらず、介護者の妻に任せっきりである。最近息切れから食事摂取量が減少して体重減少につながっている。息苦しさから、楽しみだった将棋からも遠ざかり、家にこもることが多くなり、気分が落ち込むことが多い。住居は2階建ての自宅で、畳に布団を敷いて寝ている。経済的には本院と妻の年金で何とか暮らしてきた。本人はこの疾患の背景に長年の喫煙があったことを自覚し、現在は禁煙をしており、頑張って孫の成長も見たいから、あと10年は長生きしたいと強く考えている。
② 在宅看護学実習で使用する様式を基に情報収集の整理をしていく。様式4-1のフェイスシートには氏名、年齢、年代、保険の種類、主な疾患、治療経過、既往歴、発達課題、成育歴、価値観、生活習慣身長、体重、公費負担制度、各種手当の種類、障害者手帳の有無、要介護度区分、日常生活自立度、認知症の日常生活自立度、家族と介護者、キーパーソン、介護意欲、介護力、日常生活(食事、栄養、排泄、移動動作、姿勢保持、運動、睡眠、休息、衣服着脱、整容、身体の清潔、入浴、コミュニケーション、生活意欲、趣味、関心、家事、財産管理、経済状況等)、社会生活について整理する。様式4-2には、生活リズム、スケジュール、介護保険のケアプラン、保健福祉サービスの利用、療養者の居室環境、住居環境、近所付き合い、インフォーマルサポート、使用中の社会資源などを整理する。これらをまとめて様式5に療養者の望みを中心にアセスメントをまとめる。
③ 本事例の男性の家族周期段階別に見た基本的発達課題は老年期であり、安定した老後のための生活設計と老後の生きがい、楽しみの設計がある。この課題を達成するためにはまず、健康維持への配慮が必要であり、COPDを抱えての在宅療養を快適にAさんらしく送るための看護過程が必要である。情報収集とアセスメントは多岐にわたるが、実習時に用いる様式に沿って情報の整理をすることが思考の整理につながる。特に療養者の療養に対する願いや強みは、在宅看護の目的や特徴をふまえた看護を展開する重要な情報である。紙上で表記された情報には限界はあるが、在宅療養者の全体像をとらえる訓練として繰り返し紙上事例を使ってアセスメントしていく必要がある。
キーワード
① 在宅療養生活の希望 ② 療養者の強み ③ 生活上の困難 ④ サービス導入 ⑤ マズローのニード階層
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習:慢性閉塞性肺疾患(COPD)の病態と治療、在宅酸素療法、看護の概要を復習してくる。老年期の発達課題や、家族の課題をまとめ、在宅療養の視点から、何が問題となるか考えてくる。在宅看護学実習の記録様式4-14-2,5の項目を確認しておく。
予習:在宅酸素療法の実際を見学したことがない場合は、イメージつくりのために動画等での在宅酸素療法の実際(例:日本呼吸器情報センター「星になったおじいちゃん」約30分)等を視聴しておく。視聴のポイントは療養者や家族の心理や在宅酸素療法の器具はどんなものを使用して、どのように暮らせるのかという点である。また、医師の指示による在宅酸素療法がどのようにして実際に導入されるのか手続きをまとめておく。他のサービス導入の可能性も考え、居宅サービス等の介護給付をまとめておく。
5
在宅看護過程展開方法 目標の設定・計画
科目の中での位置付け
本科目は、在宅という環境で療養する利用者と家族に、いかに看護を実践していくかについて具体的な方法を学ぶ。療養者の多様な生活と価値観によって看護の展開は病院での看護以上に個別性と専門性を求められる。病院と在宅での看護目標や優先順位の違いなどを考えながら、対象者が暮らしてきた生活の多様性、療養生活に対する意向や価値観に配慮した看護過程の展開を学ぶ。また、療養生活を支える制度・支援体制を理解し、多職種によるチーム連携における看護師の役割を学ぶ。次に紙上事例を用いて具体的な看護過程の展開におけるアセスメント目標設定・計画、実施、評価を学ぶ。次に在宅看護におけるリスクの特徴を理解し、環境整備による安全の確保の方法を具体的に学びながらリスクマネジメントの視点を養う。最後に在宅看護を展開するにあたり、在宅看護に関係する法を理解し、対象者の権利保障を看護師としていかに行っていくかを学ぶ。第1回、第2回は在宅看護過程展開時の特徴、第3回は在宅看護過程展開方法の情報収集とアセスメント、第4回は、紙上事例を用いての情報収集とアセスメント、第5回は在宅看護過程展開方法の目標設定と計画、第6回は在宅看護過程展開方法の実施と評価、第7回は療養上ののリスクアセスメントの特徴、第8回は療養上のリスクアセスメントの環境整備による安全の確保、第9回は療養上のリスクマネジメントの薬物による事故の防止、第10回は在宅医療における災害に対する準備と対応、第11回は在宅看護における権利擁護の中の個人情報保護、第12回は在宅看護における権利擁護の中の守秘義務と成年後見、第13回は在宅看護における虐待防止とサービス提供者の権利擁護、第14回は在宅看護における法律問題の事例として契約時の説明不足、個人情報漏洩、第15回は在宅看護における法律問題の事例として医療事故で構成する
第5回では在宅看護過程の目標設定・計画について学ぶ。在宅看護における目標には、長期目標と短期目標がある。長期目標は、療養者・家族の在宅療養への希望に沿うものであり、数か月から数年にわたることもある。短期目標は長期目標達成のための目標で数週間から、数か月で達成できるものである。第4回の紙上事例をもとに具体的に目標と計画を展開していく。
地域・在宅看護論 第1~4章
コマ主題細目
① 目標設定のポイント ② 紙上事例の目標設定 ③ 在宅看護計画の立案のポイント
細目レベル
① 在宅療養者は完治しない疾患や障害を持っていることが多い。国際生活機能分類(ICF)の考え方も取り入れ、いかに強みを生かして療養者、家族が大事にしている暮らしに近づけることができるかという視点での計画立案が重要である。看護過程の基本的な優先順位は、病院と同様に生命にかかわる問題に注目するが、在宅医療を支える看護では、「安らかな看取り」を目指すこともある。「家で死にたい」「できる限り孫の成長を見届けたい」といった思いがある場合は、「療養生活や、介護の継続を困難にする要素」が解決する問題となる。一方「、家族に負担をかけたくない」という療養者本人の思いがあり、家族も施設への入所を希望している場合などは、柔軟な目標設定の見直しが必要である。計画は療養者と家族が納得した具体的なものを、在宅療養の多職種チームが共有し、連携しながら、実施できるようにすることが重要である。
② 紙上事例のAさんの長期目標は、呼吸困難による苦痛がなく、日常生活を送り、好きな将棋クラブに行くことである。これは療養者のAさんの願い、希望であり、生命の維持と同時に最も重要視するべき目標の一つである。療養者の希望の実現には生きる喜びや免疫力の向上など、疾患の経過に大きく影響するものであり、1人の人間としての尊厳を維持していく要である。この長期目標を達成するためのスモールステップとしての短期目標には、まず酸素療法をしながら日常生活が整えられること、次に外出ができるようになることという風に小さな段階を重ねていく必要がある。この中でも呼吸という生理的ニードが満たされることは、短期目標の最優先目標となる。
③ 在宅看護計画は、まず長期目標で目指す報告を決めてから、より具体的な短期目標を立てていく。計画には、①どんな職種のだれが、②いつ、③なにを、④どのように、⑤いつまでに行うか明記する。目標達成時期が設定されていない計画は評価ができないため、療養者・家族にとって無理がなく達成可能な時期を設定する。事例のAさんが「家庭内でのADLを呼吸困難なくできるようになる」ことを短期目標にすると、まず、なぜADLで呼吸困難が生じているのかを把握する必要がある。入院時と違った在宅生活でのADLの負荷を見極め呼吸困難の状態の把握をする。そしてより具体的に①訪問看護師が②週2回の訪問時に、③ADLと呼吸状態を④呼吸困難感、経皮的動脈血酸素飽和度等の観察を行いながら、本人と介護者の話からも情報を得る。⑤2周回以内、と内容を検討していく。
キーワード
① 療養者の願い ② 療養者の強み ③ 長期目標 ④ 短期目標 ⑤ マズローのニード階層
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習:第4回で学習した紙上事例のAさんのアセスメント内容を復習しておく。在宅看護学実習で使用する様式を基に情報収集の整理をしたものを再度読み込んでおく。特に、様式4-1のフェイスシートの年齢、保険の種類、主な疾患、治療経過、既往歴、発達課題、成育歴、価値観、生活習慣身長、体重、公費負担制度、各種手当の種類、障害者手帳の有無、要介護度区分、日常生活自立度、認知症の日常生活自立度、家族と介護者、キーパーソン、介護意欲、介護力、日常生活(食事、栄養、排泄、移動動作、姿勢保持、運動、睡眠、休息、衣服着脱、整容、身体の清潔、入浴、コミュニケーション、生活意欲、趣味、関心、家事、財産管理、経済状況等)から、在宅療養のイメージをつかんでおく。また、様式4-2の生活リズム、スケジュール、介護保険のケアプラン、保健福祉サービスの利用、療養者の居室環境、住居環境、近所付き合い、インフォーマルサポート、使用中の社会資源、様式5の療養者の望みを中心にアセスメントの全容を把握しておく。
予習:居宅サービス等の介護給付・予防給付について予習しておく。テキストP126~127
6
在宅医療について なぜ今在宅医療か?
科目の中での位置付け
日本は平均寿命、健康寿命共に延伸し超高齢社会となり、多死社会を迎えようとしている。政策的にも在宅医療の推進とともに、介護保険の導入、地域包括ケアシステム構築の推進等が図られ、2019年4月には『人生会議』が提唱された。在宅看護は自宅やそれに準じた環境で療養生活している新生児から高齢者までを対象に、生活の質quality of life(QOL)を高めるため、療養者及び家族に対し看護を提供しているが、今後益々在宅看護の需要が高まっている。在宅看護は統合科目として位置づけられ、地域で生活する生活者としての視点から、多様な考え方、長年住み慣れた在宅療養環境や生活史を踏まえたうえでの多様なニーズを理解でき、マネージメントできる基本的な姿勢を養う基盤となるものである。第1回は在宅看護の目的と特徴、看護師の役割、第2回は在宅看護の対象、第3回は日本の訪問看護制度の創設と発展、諸外国の動向、第4回は在宅ケアシステムを支える制度、第5回は在宅看護にかかわる法令・制度、第6回はなぜ今在宅医療か。第7回は在宅ケアの連携とマネジメント、第8回は住み慣れた場所での看取り、第9回は在宅ケアにおける看護技術、第10回は在宅ケアにおける医療技術、第11回は在宅医療で地域を変える、第12回は在宅看護介入時の特徴、脳途中療養者の在宅看護、第13回は小児療養者の在宅看護、第14回は医療依存度の高い療養者の在宅看護、第15回は認知症療養者の在宅看護によって構成されている。
6回目は、在宅医療の現状について日本における在宅医療の先駆者である医師から講義を受け、在宅療養の実事例を紹介していただきながら、在宅医療を支える保険・医療・福祉チーム員の機能と専門性、対象者を中心とするチームの構築方法について学ぶ。
"永井康徳・永吉裕子:在宅医療を始めよう!非がん患者の自宅での看取り、南山堂、2016、p9~22
永井康徳・永吉裕子:宅医療を始めよう!医療を変える、地域を変える、文化を変える南山堂、2016、p7~18
永井康徳・永吉裕子:在宅医療たんぽぽ先生多職種連携、金芳堂、2020、p2~36
コマ主題細目
① 在宅医療とは ② 在宅医療を支える各チーム員の専門性と多職種連携 ③ 超高齢多死社会
細目レベル
① 1947~1949年生まれの団塊の世代が後期高齢者になる2025年前後は、医療や介護の費用など社会保障費が増大するために社会保障制度自体の危機が予測され、「2025年問題」と言われている。それに加え、病院が高齢者であふれ、治療が必要な急性期でも入院ができなくなるのではないか等々、医療体制の崩壊、医療従事者の疲弊も危惧されている。しかし、24時間体制でしっかり対応する質の高い在宅医療が各地域に普及することで解決できる。病気や障害で地域やコミュニティと分断されることなく、住み慣れた場所で最後までその人らしく暮らし、亡くなっていく…、そのような生き方を選べるようになる。在宅医療は、日本人の生き方や文化さえ変える可能性を秘めている。在宅医療は「Doingの医療とBeingの医療」に表現できる。Doingの医療は、治し、施す医療である。Beingの医療は療養者を支え、療養者に寄り添う医療であり、これこそが在宅医療だと考えている。
② Beingの医療は、病気や老化は治せなくても、痛みを取り除いて、身体を楽にすることはできる。療養者は身体が楽になると、「あれが食べたい」、「あそこに行きたい」と、いろいろな意欲がわいてくる。そのような希望が出てきたときには、多職種で連携して、その希望をかなえていく。それが在宅医療の醍醐味であり、在宅医療でしかできない在宅ケアではないかと考えている。Beingの医療は医師をはじめ、ケアマネジャー、訪問看護師、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士等のリハビリスタッフ、訪問ヘルパーなど、多くの専門職が一つのチームになって、療養者・家族に関わる必要がある。それぞれがバラバラにかかわるのではなく、「チーム」になることが肝要である。チームになるには、理念や方針等の情報を共有する必要がある。病院と違い、在宅医療の場合、他職種は他事業所に所属していることが多いため、カンファレンスを充実させることが重要である。カンファレンスを通して、地域の中の事業所スタッフとも共感しあえる関係ができてくる。さまざまな症例を通して地域の事業所スタッフも在宅療養者をどのようにみていけるのかイメージできるようになり、引き出しが少しづつ増えていく。そして新しい事業所スタッフも引き入れていき、信頼できる地域の仲間を増やしていく。
③ "超高齢社会の次にやって来る社会は何か?それは「多死社会」と言われている。「多死社会」という言葉から受けるイメージは暗く不吉なものであるが、 私達はこの問題にしっかりと向き合っていかなければならない。終戦前までは死亡数は高いレベルであったが、その後死亡率は低下している。1980年くらいまでは 人口が増加しても死亡数は増加していなかったが、それ以降死亡数が増加している。何故か?医療の進歩はめざましく、日本の医療レベルはどんどん高くなっているのに、どうして死亡数が増加しているのか。80才未満の死亡数は増加しておらず、 増加しているのは80才以上の高齢者の世代のみである。これはすなわち、治せる病気は医療により治しているということで、治せない病気や寿命で亡くなる人が 増加しているために死亡数が増えているということである。多死社会が意味するもの、それは医療ではどうしようもない「寿命」の問題である。多死社会に求められる医療は、医学がいくら発達しても治せないものがあり、「人は必ず死ぬ」ということを念頭に置いて、 老いや死にしっかりと向き合っていくことが求められている。
⑤
キーワード
① 超高齢多死社会 ② 在宅医療 ③ 地域包括ケア ④ 介護保険と医療保険 ⑤ 多職種連携と訪問看護、訪問リハビリ
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習:在宅看護に携わる者が心得ておくべき倫理的課題について復習しておく。倫理的課題とは、「日ごろの活動の中で、正しいか、間違っているか、よいか悪いか、個人の権利と義務などに関して、判断に困ること」とされるが、看護職の倫理的ジレンマの事例にはどのような事例があったかテキストp23から復習しておく。
予習:在宅看護は、乳幼児から高齢者までのすべての世代が対象となる。また、急性期の治療を終えた退院患者、慢性期にある在宅療養者、要介護状態の高齢者、終末期にある人々が対象になる。さらに、看護師は療養者だけでなく家族や周囲の人々も含む。在宅看護の対象者の、年齢、疾患、障害、療養状態、住まい、家族についてテキストから予習しておく。テキスト(p27図2-1、図2-2)
7
療養上のリスの特徴
科目の中での位置付け
本科目は、在宅という環境で療養する利用者と家族に、いかに看護を実践していくかについて具体的な方法を学ぶ。療養者の多様な生活と価値観によって看護の展開は病院での看護以上に個別性と専門性を求められる。病院と在宅での看護目標や優先順位の違いなどを考えながら、対象者が暮らしてきた生活の多様性、療養生活に対する意向や価値観に配慮した看護過程の展開を学ぶ。また、療養生活を支える制度・支援体制を理解し、多職種によるチーム連携における看護師の役割を学ぶ。次に紙上事例を用いて具体的な看護過程の展開におけるアセスメント目標設定・計画、実施、評価を学ぶ。次に在宅看護におけるリスクの特徴を理解し、環境整備による安全の確保の方法を具体的に学びながらリスクマネジメントの視点を養う。最後に在宅看護を展開するにあたり、在宅看護に関係する法を理解し、対象者の権利保障を看護師としていかに行っていくかを学ぶ。第1回、第2回は在宅看護過程展開時の特徴、第3回は在宅看護過程展開方法の情報収集とアセスメント、第4回は、紙上事例を用いての情報収集とアセスメント、第5回は在宅看護過程展開方法の目標設定と計画、第6回は在宅看護過程展開方法の実施と評価、第7回は療養上ののリスクアセスメントの特徴、第8回は療養上のリスクアセスメントの環境整備による安全の確保、第9回は療養上のリスクマネジメントの薬物による事故の防止、第10回は在宅医療における災害に対する準備と対応、第11回は在宅看護における権利擁護の中の個人情報保護、第12回は在宅看護における権利擁護の中の守秘義務と成年後見、第13回は在宅看護における虐待防止とサービス提供者の権利擁護、第14回は在宅看護における法律問題の事例として契約時の説明不足、個人情報漏洩、第15回は在宅看護における法律問題の事例として医療事故で構成する。
第7回は、在宅看護におけるリスクマネジメントについて学ぶ。在宅において訪問看護師が実施する行為は、医療処置に限らず様々である。それらの看護行為に伴って起こりうる事故やリスクも多様であり、病院での事故やリスクにはない特有の現象に対して最大の予防と対処が必要である。
地域・在宅看護論、第2章
コマ主題細目
① 在宅看護におけるリスクの特徴 ② リスクマネジメントの考え方 ③ 事故の背景要因
細目レベル
① 在宅看護におけるリスクの特徴には以下の6点がある。①「医療上のリスク」と同じくらい「生活上のリスク」が高い②「療養者と看護師間」あるいは「医師と看護師間」の物理的距離があることで、処置などの報告や確認の時間的ずれが生じ、リスクが高まりやすい。③一人の療養者への訪問回数が週に1~3回であるため、次の訪問までに予測したリスク管理が必要。④医療処置やケアにかかわる中心は介護者という非専門職である。⑤看護師が一人の療養者と長期にわたるかかわりを持つため、慣れが生じやすい。⑥在宅生活は多くの職種によるチームケアによって支えられているため、リスクマネジメントもチーム共有される必要がある。在宅看護におけるリスクマネジメントは、病院での治療中と違い、同じ年齢や病気であっても、療養環境の違いから、療養者ごとに考えた個別性の高い対策が必要である。
② リスクマネジメントの基本的な考え方は、事故発生の予防と、事故発生後の紛争予防である。1件の重大事故の陰には300件のインシデントが潜んであるという考え方(ハインリッヒの法則)に基づき、インシデントの中に含まれる、原因を除去していくことが事故防止につながる。これは病院であっても在宅であっても共通した概念である。また、人間が行う医療は事故は避けられないものであるという考え方のもと、事故発生後の対処について事前に準備し、二次的被害を最小化し、紛争や訴訟を避けることが重要である。在宅における事故の原因には看護行為そのものだけではなく、事故を引き起こす背景要因が必ず存在する。療養者の個性、生活環境の違い、看護師の技術、知識の差療養者にかかわる人々の種類や人数など様々な要因がある。これらの療養者ごとに異なる背景要因を事前に分析し、予防策を作成し、実践することが必要である。
③ 近年の高齢化により、独居や介護者の高齢化のため、在宅での転倒事故は大変多い。転倒予防に関する療養者と介護者への教育は大変重要である。在宅療養中の転倒は断然屋内で起こる割合が多く、発生場所は、階段、ドア、敷居、柱、床、抑室等である。高齢者は筋力低下、視力低下、視野狭窄等で障害物が見えにくく「滑る」「躓く」「バランスを崩す」ことで転倒事故を起こしやすくなる。日常生活の中での環境調整は在宅看護のかなめであり、これらのリスク予防のためのさまざまな視点が看護のアセスメントに必要である。今回は転倒事故の紙上事例から背景要因と対策を考えていく。転倒事故を起こす背景要因には大きく分けて3点ある。①本人の身体的・精神的な特徴(認知機能、体格、身体機能)の問題②介護環境(人、モノ、空間)の問題③介護方法(技術、手順、人手)の問題である。これらの視点から具体的な予防のための対策を立て実行する。
キーワード
① リスクマネジメント ② 事故防止 ③ 紛争防止 ④ 転倒予防 ⑤ 背景要因
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習:リスクマネジメントの基本である「一つの重大な事故の背景には300のインシデントが存在する」というハインリッヒの法則を復習しておく。医療事故防止の基本的な考え方として事故防止、紛争防止の2点を復習しておく。
予習:在宅におけるリスクの分類テキストp138表5-11からどのようなリスクがあるが概要をつかんでおく。分類の転倒・転落、誤嚥・異食、誤薬、チューブトラブル、外傷・感染、脱水・熱中症、徘徊の中で、今回学ぶ転倒・転落について、高齢者や介護者に対してどのような啓発活動がなされているかを新聞等のメディアから調べておく。また、今まで経験した病院実習などでの転倒予防と比べて、どこがどのように違いがあるか、それはなぜなのかについて考えをまとめてくる。
8
在宅医療について 住み慣れた場所での看取り
科目の中での位置付け
日本は平均寿命、健康寿命共に延伸し超高齢社会となり、多死社会を迎えようとしている。政策的にも在宅医療の推進とともに、介護保険の導入、地域包括ケアシステム構築の推進等が図られ、2019年4月には『人生会議』が提唱された。在宅看護は自宅やそれに準じた環境で療養生活している新生児から高齢者までを対象に、生活の質quality of life(QOL)を高めるため、療養者及び家族に対し看護を提供しているが、今後益々在宅看護の需要が高まっている。在宅看護は統合科目として位置づけられ、地域で生活する生活者としての視点から、多様な考え方、長年住み慣れた在宅療養環境や生活史を踏まえたうえでの多様なニーズを理解でき、マネージメントできる基本的な姿勢を養う基盤となるものである。第1回は在宅看護の目的と特徴、看護師の役割、第2回は在宅看護の対象、第3回は日本の訪問看護制度の創設と発展、諸外国の動向、第4回は在宅ケアシステムを支える制度、第5回は在宅看護にかかわる法令・制度、第6回はなぜ今在宅医療か。第7回は在宅ケアの連携とマネジメント、第8回は住み慣れた場所での看取り、第9回は在宅ケアにおける看護技術、第10回は在宅ケアにおける医療技術、第11回は在宅医療で地域を変える、第12回は在宅看護介入時の特徴、脳途中療養者の在宅看護、第13回は小児療養者の在宅看護、第14回は医療依存度の高い療養者の在宅看護、第15回は認知症療養者の在宅看護によって構成されている。
第8回は、「住み慣れた場所で最期を迎えたい」と望む人のために、「自宅での看取り」の質を高める方法を学ぶ。
「在宅医療を始めよう!非がん患者の自宅での看取り」;永井康徳・永吉裕子著、南山堂、2016、p2~38 「在宅医療を始めよう!医療を変える、地域を変える、文化を変える」;永井康徳・永吉裕子著、南山堂、2016、p93~115
コマ主題細目
① 看取りの場所について ② 住み慣れた自宅での看取り ③ 終末期の点滴の悪循環と自然な看取 ④ 食支援の実際及び重要性について
細目レベル
① 2005年以降、日本では死亡数が出生数を上回り、人口は減り続けている。そして、2030年代にはわが国の死亡数はピークに達すると考えられている。第1次ベビーブームの世代は「団塊の世代」と呼ばれ、 現在、この団塊の世代が65才を迎えて介護保険の第1号被保険者となり、介護保険の利用増が見込まれ見直しが迫られている。さらに10年後の2025年には、団塊の世代が後期高齢者となる。介護が必要となり、 寿命で亡くなる時代に入るわけである。2025年以降の死亡数のピークは、その団塊の世代の方々が亡くなる時代なのである。死亡数が増えた時、今のままでは病院のベッド数はまったく足りない。日本の医療計画では、 病床数は減少することはあっても増加することはないので、2030年には約60万人の方に看取りの場所がない計算になる。そうなると、これからは自宅や多様な施設などの住み慣れた場所で、 看取りを行っていく必要があると思う。しかし、「介護や住まい、病状など条件さえ揃えば、最期は自宅で」と考える人が多いことは、様々なアンケート調査で明らかになっている。その希望を叶えるためには、 社会環境の整備と、「自宅での看取り」という選択肢があることを医療従事者が伝えることが必要である。
② 沖縄のある離島でのお話。沖縄は日本でも有数の長寿県。その島の高齢者は、病院ではなく、大抵自宅で看取られるそうだ。「この島では、老衰で亡くなると、大往生できたと言って赤飯を炊いてお祝いするんですよ」と住民の方から伺った。在宅医療が普及しているわけでもないのに自宅での看取りが根付いている理由の一つは、この島の「大往生なら、お祝いする」、すなわち「天寿を全うした死を肯定的に受け入れる」という住民の意識ではないかと考える。超高齢化が進み、死亡者が増加する多死社会を迎える日本では、このような住民の意識改革が必要になってくるのではないかと思っている。「治すこと」を目指して発展してきた日本の医療では、「自然のままに看取る」という選択肢をほとんど提示してこなかったのが実情である。治せる病気には、当然、治療が必要だ。しかし、老化やまもなく訪れようとしている死と正面から向き合わず、本人にとってつらい治療を続けてしまうということがある。亡くなる最後の瞬間まで点滴を続けるのは、「また元気になるのではないか、生き続けてほしい」という家族の思いと、「何もしないのは医療の敗北だ」と考える医療者の意識の双方のなせる結果とも言えるだろう。
③ 老衰とは、「老いて心身が衰えること」とされている。老衰死とは、高齢の方で死因と特定できる病気がなく、加齢に伴って自然に生を閉じることである。現在は、食事を摂れなくなったら病院で検査をして、がんなどの病気が見つかることが多い。病気が見つかると、手術や抗がん剤などの治療の選択肢を提示されることが多いと思う。しかし、在宅医療では、無理に積極的な治療を行わず、楽になる治療を優先し、出来る限り輸液を減らしていくので、老衰死の確率は高くなる。在宅医療では、無理な延命措置を行わず、あくまで自然に看ていくので、苦痛を伴わず、呼吸も穏やかに枯れるように亡くなる老衰死に出会うことが多い。映画『おくりびと』誕生のきっかけとなった、青木新門の著書『納棺夫日記』1)にはこう書かれている。青木さんが納棺の仕事を始めた1970年代前半は、自宅で亡くなる人が半数以上で、「枯れ枝のような死体によく出会った」そうである。ところがその後、病院死が大半になり、「点滴の針跡が痛々しい黒ずんだ両腕のぶよぶよ死体」が増え、「生木を裂いたような不自然なイメージがつきまとう。晩秋に枯れ葉が散るような、そんな自然な感じを与えないのである」と記している。一時的な 脱水を改善したり、口から食べる量が少ないときに補助的に点滴を行う事は非常に有効であるが、全く口から食べられなくなった時に、この末梢輸液だけでは、必要なカロリーが身体に入らない。カロリーが少ない点滴をずっと続けていると 低栄養となり、水分だけが身体に入ることになり、身体で処理できなくなり、身体のむくみがひどくなったり、胸やお腹に水がたまったり、痰が多くなって吸引が必要になるなど 身体のしんどさばかりが目立つようになってくる。また、認知症の患者さんや不穏が強い方は持続的に点滴をすること自体が難しく、点滴をするために拘束をしたりすることもあり、亡くなる前に点滴をするために手などをしばって、動かないようにするのは忍びない。安易に食べられないからといって、点滴をするのではなく、食べられないことが不可逆性の変化であれば、結果を先延ばしするのではなく、何がその方にとって一 番楽な方法なのかを優先して考えてあげることが必要なのではないだろうか。
死も人の大切な営みの一つである。その時が来たら、人の身体は楽に逝けるよう、死の準備をはじめる。身体はどうすれば楽に逝けるのかを知っている。それは、草や木と同じ、枯れるように逝くことである。前と同じように食べられなくなったからといって、無理に食べなくてもいい。身体は楽に逝くために体内の水分をできるだけ減らそうとしていく。そんなとき、無理に水分や栄養を入れると、体に負担をかけることになる。むくみが出たり腹水がたまったり、痰も多くなってしまうのである。死は人の最後の営みであり、その時が近づいたら、体が求めるままにうとうとと眠り、食べたいものを食べたいだけ口にしてほしい。その穏やかな寝息を聞きながら、家族はお別れのときが近づいていることを静かに覚悟することであろう。
④ 終末期において、「食べる」ということと栄養経路の選択が非常に大きなテーマになっている。中でも、在宅医療の対象となる患者は、すでに食べることが困難か、近い将来食べられなくなる方がほとんどである。現在、日本で胃瘻栄養を行っている高齢者は40万人、毎年新たに胃瘻を造設する方は20万人と言われている。これは、世界でも類を見ない数のようで、日本は世界一、胃瘻患者の多い胃瘻大国と言われている。「あなたが将来、認知症が進行して寝たきりになり、食べられなくなった時、あなた自身は胃瘻栄養を行いたいか」と聞くと、多くの人が胃瘻栄養はしたくないと答える。自分自身は胃瘻栄養をしたくないと答える人も、「自分の家族が食べられなくなった時に胃瘻栄養をしますか」と問われると、言葉に詰まってしまう。それほどに、他者の生き方、死に方を判断することは困難であるが、現在、食べられなくなった時に胃瘻栄養をするかどうかを判断しているのは、家族と医療従事者であり、本人の意志がほとんど入っていないのが実情である。食べられなくなった時、胃瘻栄養という選択肢があるのはよいことであり、且つ機能回復のための胃瘻造設は大変有用であり、胃瘻栄養を続けて、ご本人もご家族も幸せな療養生活を維持している場合も多くある。ただ、本人の意思ではなく、家族と医療者だけで胃瘻造設を決定し、「栄養補給の方法があるのに選択しないのは忍びない」と、最期を先延ばしにするかたちで胃瘻栄養を選択する場合が多かったことも事実である。むしろ「胃瘻栄養をせず、自然に看取りたい」という家族は、医師から「見殺しにするのか」といった心ない批判を受けたという話を何度も聞く。現在の日本では、「胃瘻を選択する方が当たり前」という社会風潮がある。このように、「自然に看取る」という選択肢が提示されにくい現状をしっかり理解した上で、その選択肢もあることを示し、それを選択した家族が罪悪感を持たずに済むようなサポート体制が必要なのではないかと思う。さまざまな選択肢のメリット・デメリットを十分に説明した上で、個々にとっての最善の選択肢は何なのか、ご家族と十分に話し合った上で結論を出せばよい。十分に話し合い、共に考え、ご家族が重荷を感じながら出した結論を「それが正解だったんだ」と言って後押しすることが大切である。たんぽぽのおうちでは、「最期まで自分らしく生きたい」と願う方をサポートしている。やりたいことをするためにも、まずは痛みを取ることを何より優先して行い、ケアマネジャーや訪問看護等と連携して、外出や外泊のサポートもする。 「たんぽぽのおうちで過ごしながら、時々自宅に戻って家族と一緒に過ごす」、「自宅で療養をしていたけれど、最期はたんぽぽのおうちで…」といった、ご自宅とたんぽぽのおうちを行き来することも可能である。また噛む力や飲み込む力が弱ったために食べられなくなった方に、摂食・嚥下のための訓練を行っている。医師・看護師・言語聴覚士・管理栄養士による摂食・嚥下栄養チーム『ドルチェ』と管理栄養士・調理師による介護食研究チーム「たんぽぽクック・ラボ』が、患者様の「食べたい!」という気持ちに応える。 嚥下内視鏡による嚥下力検査の後、最適な食事形態を患者様の嗜好に合わせて作ったり、摂食・嚥下機能を高めるためのリハビリや介護補助具の利用も行っている。
キーワード
① 病院での看取り率 ② 意思決定支援 ③ 看取りの体制 ④ 終末期における食支援
コマの展開方法
社会人講師
AL
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PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習:ケアマネージメントの概念、看護職のマネージメントの重要性及び多職種連携、マネージメント等により療養者及び家族の生活支援の重要性を理解し、チーム医療の中での相互の尊重・連携・協働および効果的な話し合いをするための方法について復讐しておく。
予習:「住み慣れた場所で最期を迎えたい」と望む人のために、「自宅での看取り」の質を高める方についてテキスト、参考文献に目を通してくる。また、① 看取りの場所について ② 住み慣れた自宅での看取り ③ 終末期の点滴の悪循環と自然な看取り ④ 食支援の実際及び重要性について、厚労省のホームページ等で統計を調べ、自分ならば、または自分の家族を看取る際、どのような人生の最期を送りたいかを考えてくる。
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療養上のリスクマネジメント
科目の中での位置付け
本科目は、在宅という環境で療養する利用者と家族に、いかに看護を実践していくかについて具体的な方法を学ぶ。療養者の多様な生活と価値観によって看護の展開は病院での看護以上に個別性と専門性を求められる。病院と在宅での看護目標や優先順位の違いなどを考えながら、対象者が暮らしてきた生活の多様性、療養生活に対する意向や価値観に配慮した看護過程の展開を学ぶ。また、療養生活を支える制度・支援体制を理解し、多職種によるチーム連携における看護師の役割を学ぶ。次に紙上事例を用いて具体的な看護過程の展開におけるアセスメント目標設定・計画、実施、評価を学ぶ。次に在宅看護におけるリスクの特徴を理解し、環境整備による安全の確保の方法を具体的に学びながらリスクマネジメントの視点を養う。最後に在宅看護を展開するにあたり、在宅看護に関係する法を理解し、対象者の権利保障を看護師としていかに行っていくかを学ぶ。第1回、第2回は在宅看護過程展開時の特徴、第3回は在宅看護過程展開方法の情報収集とアセスメント、第4回は、紙上事例を用いての情報収集とアセスメント、第5回は在宅看護過程展開方法の目標設定と計画、第6回は在宅看護過程展開方法の実施と評価、第7回は療養上ののリスクアセスメントの特徴、第8回は療養上のリスクアセスメントの環境整備による安全の確保、第9回は療養上のリスクマネジメントの薬物による事故の防止、第10回は在宅医療における災害に対する準備と対応、第11回は在宅看護における権利擁護の中の個人情報保護、第12回は在宅看護における権利擁護の中の守秘義務と成年後見、第13回は在宅看護における虐待防止とサービス提供者の権利擁護、第14回は在宅看護における法律問題の事例として契約時の説明不足、個人情報漏洩、第15回は在宅看護における法律問題の事例として医療事故で構成する。
第9回では、療養上のリスクマネジメントの中でも、薬物による自己と感染の脳死について学ぶ。薬物による医療事故でもっと主多いリスクは誤薬である。医師による処方が行われてから、実際に予約されるまでの一連の流れの中で、多くの職種、療養者、家族などがかかわることから、様々なリスクがある。また、感染の防止については、在宅であっても病院と同様に標準予防策の徹底の重要性を学ぶ。
地域・在宅看護論 第2章
コマ主題細目
① 在宅における誤薬の防止 ② 服薬管理と残薬確認 ③ 感染防止のための標準予防策
細目レベル
① 在宅における誤薬事例には下記の者がある。①主治医の往診時、実施した注射を、報告がなかったため、もう一度訪問看護師が実施して過剰投与になった。②訪問看護師がその日に訪問する療養者全員の複数の転的役を持参していたため、対象者間違いをした。③口頭指示の聞き間違いで薬液量を間違えて投与した。④認知機能が低下している療養者が2週間分の処方薬を1日で内服してしまった。⑤療養者がインスリンの量を間違え過剰に注射し、低血糖を起こした。⑥視力低下している療養者が服用する薬を間違えた。これらの誤薬を引き起こす背景要因には、療養者の特性に背景要因には、認知機能や身体機能の低下による薬に対する誤認、疾患や服薬に関する理解不足、視力、聴力の低下、麻痺などによる不自由さがある。また、服薬状況の複雑さや、予約確認の不十分さなどがある。
② 在宅で療養する高齢者の多くは複数の疾患を抱えており、多種類の薬剤を服薬している。しかし、認知機能や身体機能の低下により、処方通りに内服できていないことが多い。そのような療養者に対しては、薬の説明や服薬方法の工夫、医師との連携による薬の調整などの服薬管理を行うことが訪問看護師の重要な役割になっている。看護師は訪問時に、服薬状況、残薬の確認と整理、服薬による症状改善状態や有害作用について観察し、タイムリーに医師に報告する。療養者に合った服薬方法を多職種で工夫し、正しい服用を促進していく。また、療養者や介護者がセルフケアできるための工夫の提案(服薬カレンダー、服薬ボックス、一包化等)も役割として大変重要である。近年は薬剤師が療養者宅を訪問し、残薬の把握や調整を行うことも可能になり、多職種でのケアは薬剤管理でも活用されている。多職種での情報共有を基に誤薬を少しでも予防することが在宅看護の重要課題である。
③ 医療依存度の高い療養者やターミナルの療養者など、尿道留置カテーテル、在宅中心静脈栄養、胃婁、気管切開、人工呼吸器装着などの医療処置が行われている在宅療養者は年々増加している。このような療養者は易感染状態にあり、在宅医療における感染防止策が特に重要である。標準予防策の構成要素には手指衛生、個人防護装備、汚染されたケア用品、環境制御、布地や洗濯もの、針やその他の鋭利なもの、患者への蘇生術、患者の配置、呼吸器衛生、咳エチケットがあるが、在宅看護で最も重要なものは手指衛生である。訪問時には石鹸、擦式手指消毒アルコール製剤、ペーパータオルを持参し、感染防止を常に心掛ける必要がある。初回訪問時に手洗いの必要性を説明したパンフレットを用いて、訪問先で手洗い場や水道を使用する許可を得、療養者と家族の協力を得ておくことは必須である。
キーワード
① 誤薬 ② 残薬 ③ 服薬援助 ④ 標準予防策 ⑤ 感染症
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習:正しい服薬についてどのような要素があったかを確認しておく。感染の防止については、基礎看護学の標準予防策を復習しておく。特に正しい手指衛生とはどのような内容化、具体的に方法を復習しておく。病院での医療廃棄物の処理はどのように行われていたかを実習等で経験したことを加味し、基礎看護学のテキストで復習しておく。
予習:医師が処方して在宅療養中の療養者が内服するまでの流れ路理解しておく。その際、どのような人々がどのようにかかわるかをテキストp146図5-8を見たイメージしておく。在宅で遭遇する感染症の代表的なものを5つテキストp151~152を読みまとめておく。また、もし、在宅で独居の高齢者が認知機能が低下した場合の服薬管理にはどのような工夫ができるか、訪問看護師として提案できるよう様々な参考書等から情報を得ておく。
10
在宅医療で地域を変える
科目の中での位置付け
日本は平均寿命、健康寿命共に延伸し超高齢社会となり、多死社会を迎えようとしている。政策的にも在宅医療の推進とともに、介護保険の導入、地域包括ケアシステム構築の推進等が図られ、2019年4月には『人生会議』が提唱された。在宅看護は自宅やそれに準じた環境で療養生活している新生児から高齢者までを対象に、生活の質quality of life(QOL)を高めるため、療養者及び家族に対し看護を提供しているが、今後益々在宅看護の需要が高まっている。在宅看護は統合科目として位置づけられ、地域で生活する生活者としての視点から、多様な考え方、長年住み慣れた在宅療養環境や生活史を踏まえたうえでの多様なニーズを理解でき、マネージメントできる基本的な姿勢を養う基盤となるものである。第1回は在宅看護の目的と特徴、看護師の役割、第2回は在宅看護の対象、第3回は日本の訪問看護制度の創設と発展、諸外国の動向、第4回は在宅ケアシステムを支える制度、第5回は在宅看護にかかわる法令・制度、第6回はなぜ今在宅医療か。第7回は在宅ケアの連携とマネジメント、第8回は住み慣れた場所での看取り、第9回は在宅ケアにおける看護技術、第10回は在宅ケアにおける医療技術、第11回は在宅医療で地域を変える、第12回は在宅看護介入時の特徴、脳途中療養者の在宅看護、第13回は小児療養者の在宅看護、第14回は医療依存度の高い療養者の在宅看護、第15回は認知症療養者の在宅看護によって構成されている。
11回では、地域に暮らす人や在宅療養者とその家族の状況について講義し、強みや主体性を引き出し、セルフケア力の発揮を促す支援について学ぶ。
「在宅医療を始めよう!非がん患者の自宅での看取り」;永井康徳・永吉裕子著、南山堂、2016、p-1~188 「在宅医療を始めよう!医療を変える、地域を変える、文化を変える」;永井康徳・永吉裕子著、南山堂、2016、p1~168
コマ主題細目
① 在宅療養生活を支えるサービスについて ② セルフケア力を高めるために ③ 地域医
細目レベル
① 地域で療養生活を送るためには、在宅医療制度の知識が重要となる。介護保険の適応の可否や介護度によって患者さんが利用できる医療サービスや介護サービスが異なってくる。介護保険の要介護認定を受けていても患者さんの疾患名によって、訪問看護が医療保険になる場合があり、患者さんが使える介護保険の枠(区分支給限度基準額)に訪問看護分だけの「空き」が出る。その「空き」を活用できるか?制度の知識が自在に使えるようになると患者さん・家族の思いに沿ったプランを提案できるようになる。介護保険適応者であれば、退院前の早い段階からケアマネジャーに関わってもらうことができる。退院後の介護保険のケアプラン相談の他に介護用品のレンタルや自宅改修等の準備も進めてもらえる。また介護者の負担軽減策(デイサービス・デイケア、ショートステイ等)について介護を始める前から提示しておくことが大切である。状態悪化時の対応については、入院先の主治医に確認し受け入れを了解してもらうことや24時間体制での訪問看護や医師の訪問が可能であること等十分に説明し、安心してもらうことが重要である。
② 在宅療養生活において、本人と家族で意思決定を重ねながらセルフケア力を高める意義について学ぶ。
誰でもいつでも、命に関わる大きな病気やケガをする可能性がある。命の危険が迫った状態になると、約7割の方が医療やケアなどについて、自分の意思を伝えることが出来なくなると言われている。希望する医療やケアを受けるためには、常日頃から自分が大切にしていることや、誰とどこでどのように暮らしたいかを考え、周囲の信頼する人たちと話し合っておくことが重要だ。このように本人・家族や友人等、医療・ケアチーム等と繰り返し話し合い共有する取組みを、厚生労働省は「人生会議」と名付けた。「2025年問題」を皆さんはご存知だろうか?今、日本で一番人口の多い団塊の世代の方たちが後期高齢者となるのが、これ以降である。それは日本の歴史上、最も死亡者が多くなる時代で、「多死社会」とも呼ばれている。「治す」ことを追求して発展してきた日本の医療だが、80歳以上の高齢者の死亡数が爆発的に増えていくこの「多死社会」を迎え、皆が亡くなるまで治し続ける最期で良いのかという命題が私たちに突きつけられている。
今、日本では医療者も国民も死に向き合いきれていないと言われている。最期まで治療を行うということは、その人に食べる力や水分を処理する力がなくなっても点滴を続けてしまうことになる。そうすることで体がむくみ、痰が増えて、つらい吸引が必要となり、ずっと絶飲食のまま亡くなっていくことになる。しかし、その人の命に向き合い、体が拒否をする点滴をしないという選択をすることで、吸引は必要なくなり、最期まで食べるというチャレンジや住み慣れた場所へ帰ることができるという希望も出てくる。死に向き合えば自分がどんな最期を迎えたいかを考えることができる。「逝き方」を考えることは、「生き方」を考えること。一度しかない人生をどう生きるか、そして、いつか亡くなる時に本人もご家族も「いろいろあったけど、ああ、いい人生だった」と納得できる最期を迎えることができればよいと思う。
病気や治療の話というと、「早く決めなければならない」と思いがちだが、この「人生会議」で大切なことは日々の会話だ。「決めなくてもいいからいっぱい話をしよう」ということである。どこで死にたいか、病気になった時どうしたいかなどの重い話ばかりしなくてもいい。あなたは何が好きですか、何を大切にしていますか?自分の思っていることを大切な人に伝えておく事が大事だ。笑顔でいろんな話をしてください。結論を急ぐことはありません。何回変わっても、迷っても良い。そうすることで、予期しないことや自分らしさを見失いそうな時に、みんなで納得しながら選択していくことができる。元気なうちから、いっぱい話をしていこう。それが「人生会議」だ。
③ へき地医療の現状について学ぶ。多死社会の切り札とされる在宅医療は、これまで大都市から普及していく傾向にあり、地方や僻地では、地域医療の疲弊と相まって多くの地域で在宅医療が未開拓となっている。今後、大都市で起こってくる団塊世代の高齢化により、高齢者や要介護者の療養場所がなくなる医療クライシス、地方での地域医療や救急医療の疲弊、僻地の無医地区化、被災地の医療復興などを解決していくためには、すべての地域で在宅医療が課題解決の鍵となるのではないかと考える。私たちの法人では、市町村合併の余波で余儀なく廃止された僻地診療所を市から民間委譲し、松山市の複数の医療スタッフとの連携で循環型の地域医療を行っている。人口が少なく交通の便が悪い僻地でも、24時間対応の質の高い在宅医療を行うことによって、経営は安定し、住民の診療所受診率も上がった。何より、住民が望む医療を医療者が疲弊せずに長続きできるシステムが出来上がった。医療者が、やりがいを持って疲弊せずに医療に打ち込める環境をシステムで解決していくことが求められている。近年の在宅医療は、大都市から地方へ広がってきた。全国の僻地診療所の多くは赤字経営で、一般会計からの繰り越しを続けており、地方自治体の財政の悪化に伴い、苦しい運営を強いられている。しかし、国の政策が在宅医療に大きくシフトしている今、在宅医療に積極的に取り組み、さまざまな工夫を行うことで、人口の少ない地域で経営も成立することが証明できれば、逆に、僻地から都市部、大都市へこの僻地モデルを適用して在宅医療を広げていくことができるのではないか。また、僻地での在宅医療の広域での展開は、在宅医療の地域間格差を埋める取り組みにもなる。さらに、僻地はこれから日本が迎える超高齢社会や多死社会の縮図でもあり、このような方法で在宅医療を広めて、自宅での看取りを増加していくことができれば、今後の多死社会における医療のあり方を指し示すモデルともなり得ると考える。
キーワード
① ケアマネジャー ケアプラン ② 意思決定支援 家族へのケア ③ 地域偏在 ④ 2025年問題 ⑤ 在宅医療
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習:在宅における医療処置や服薬管理の実際を復習しておく。特に多職種によるケアにはどのようなものがあったかまとめておく。
予習:療養者本人・家族や友人等、医療・ケアチーム等と繰り返し話し合い共有する取組みを、厚生労働省は「人生会議」と名付けた。「2025年問題」を皆さんはご存知だろうか?今、日本で一番人口の多い団塊の世代の方たちが後期高齢者となるのが、これ以降である。それは日本の歴史上、最も死亡者が多くなる時代で、「多死社会」とも呼ばれている。「治す」ことを追求して発展してきた日本の医療だが、80歳以上の高齢者の死亡数が爆発的に増えていくこの「多死社会」を迎え、皆が亡くなるまで治し続ける最期で良いのかという命題が私たちに突きつけられている。これらの内容について厚生労働省のホームページで情報を得ておく。
11
在宅看護における権利保障 個人情報保護
科目の中での位置付け
本科目は、在宅という環境で療養する利用者と家族に、いかに看護を実践していくかについて具体的な方法を学ぶ。療養者の多様な生活と価値観によって看護の展開は病院での看護以上に個別性と専門性を求められる。病院と在宅での看護目標や優先順位の違いなどを考えながら、対象者が暮らしてきた生活の多様性、療養生活に対する意向や価値観に配慮した看護過程の展開を学ぶ。また、療養生活を支える制度・支援体制を理解し、多職種によるチーム連携における看護師の役割を学ぶ。次に紙上事例を用いて具体的な看護過程の展開におけるアセスメント目標設定・計画、実施、評価を学ぶ。次に在宅看護におけるリスクの特徴を理解し、環境整備による安全の確保の方法を具体的に学びながらリスクマネジメントの視点を養う。最後に在宅看護を展開するにあたり、在宅看護に関係する法を理解し、対象者の権利保障を看護師としていかに行っていくかを学ぶ。第1回、第2回は在宅看護過程展開時の特徴、第3回は在宅看護過程展開方法の情報収集とアセスメント、第4回は、紙上事例を用いての情報収集とアセスメント、第5回は在宅看護過程展開方法の目標設定と計画、第6回は在宅看護過程展開方法の実施と評価、第7回は療養上ののリスクアセスメントの特徴、第8回は療養上のリスクアセスメントの環境整備による安全の確保、第9回は療養上のリスクマネジメントの薬物による事故の防止、第10回は在宅医療における災害に対する準備と対応、第11回は在宅看護における権利擁護の中の個人情報保護、第12回は在宅看護における権利擁護の中の守秘義務と成年後見、第13回は在宅看護における虐待防止とサービス提供者の権利擁護、第14回は在宅看護における法律問題の事例として契約時の説明不足、個人情報漏洩、第15回は在宅看護における法律問題の事例として医療事故で構成する。
第11回は在宅看護における権利保障について学ぶ。在宅看護を展開するにあたっては、在宅看護の理念、倫理、技術、関係する法律を理解し守っていくことは重要である。一人一人の権利を保障し、人間としての誇りをもってその人らしい生き方を最期までできるようにすることが法の究極の目的である。法の頂点である日本国憲法が保障する基本的人権を基盤とし、個人情報保護、成年後見制度、高齢者虐待などに関する法律と在宅看護の関連を学ぶ。
教科書:医学書院 在宅看護論、付章
コマ主題細目
① 個人の尊厳と自己決定権 ② 個人情報の定義 ③ 個人情報の取得と安全管理
細目レベル
① 人間はそれぞれ、性別、年齢健康状態、肉体的・精神的な能力などの点で様々な違いを持っている。しかしどのような違いがあっても、人間は、人間として存在そのものに侵すことのできない価値を等しく持っており、人間社会においては何よりも一人一人の人間を尊重しなければならない。この思想を個人の尊厳の原理という。日本国憲法はこの個人の尊厳に立脚し「生命、自由及び幸福追求」に対する権利」(第13条)、「法の下の平等」(第14条)、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(第25条)などの九品的人権を保障している。この個人の尊厳と原理と基本的人権の保障を受けて、医療法第1条の2第1項は、医療が、「生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨として」行われるべきことを定めている。
また、幸福追求権には自己決定権が含まれており、個人の人格にかかわる事柄について自ら決定することができる権利が保障されている。インフォームドコンセントの根底にもこの自己決定権があり、在宅看護においても、利用者の同意を得たうえでの医療行為が重要である。
② 在宅看護を効果的に実施していくためには、必要な療養者と家族の個人情報を得て病院、介護サービス事業者等での共有が必要である。しかし、自己決定権の観点からは、自己に関する情報は、他人によってみだりに取得井、利用されないようにしなければならない。2005年4月1日施行の個人情報の保護に関する法律も「個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護すること」をその目的として掲げている。個人情報とは、生存する個人に関する情報で、①氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの、または②個人識別符号が含まれるものとしている。個人識別符号とは、遺伝子情報や、健康保険法や介護保険法の被保険者証の記号、番号および保険者番号などである。また、要配慮個人情報として、身体障害、知的障害、精神障害などの障害や、診療に関する情報がある。訪問看護ステーションも個人情報保護法が適応される事業者であり、正確な知識と運用が求められる。
③ 個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うにあたり、その利用目的を特定して明示しなければならない。原則は本人の事前の同意を得ずに目的外の利用をしてはならない。例外は、①法律に基づく場合、②人の生命、身体または財産の保護のために必要がある場合で、本人の同意を得ることが困難な場合である。本人の同意が不要とされる例は、訪問看護師が業務中に高齢者が家族から虐待を受けていることを知ったとき、高齢者の同意を得ず、「高齢者虐待防止法」に基づく市町村などへ通報した場合などである。個人情報取扱事業者は、個人データの漏洩、滅失、毀損の防止などデータの安全管理を行い、従業者への適切な監督を行わなければならない。遺族への診療情報の提供については、死亡した患者に関する情報は個人情報に該当しないが、厚生労働省が規定している「診療情報の提供に関する指針」(2003年)により、遺族に対して記録の提供を行う。
キーワード
① 基本的人権 ② 自己決定権 ③ インフォームドコンセント ④ 個人情報保護法 ⑤ 診療情報
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習:日本国憲法第13条は日本国憲法第3章にある条文で、個人の尊厳、幸福追求権及び公共の福祉について規定しており、第11条(人権尊重主義)・第12条自由権及び人権保持の義務、濫用禁止)とともに人権保障の基本原則を定めていることを再認識できるよう条文を読んでおく。
予習:厚生労働省の診療情報の提供等に関する指針の目的、診療情報の定義、提供に関する一般原則、医療従事者の守秘義務、診療記録の正確性の確保、診療中の診療情報の提供診療記録の開示、診療情報の提供を拒み得る場合、遺族に対する診療情報の提供、他の医療従事者からの求めによる診療情報の提供、診療情報の提供に関する苦情処理飲料情報の提供に関する規定の整備について読んでくる。
12
在宅看護における権利保障 守秘義務
科目の中での位置付け
本科目は、在宅という環境で療養する利用者と家族に、いかに看護を実践していくかについて具体的な方法を学ぶ。療養者の多様な生活と価値観によって看護の展開は病院での看護以上に個別性と専門性を求められる。病院と在宅での看護目標や優先順位の違いなどを考えながら、対象者が暮らしてきた生活の多様性、療養生活に対する意向や価値観に配慮した看護過程の展開を学ぶ。また、療養生活を支える制度・支援体制を理解し、多職種によるチーム連携における看護師の役割を学ぶ。次に紙上事例を用いて具体的な看護過程の展開におけるアセスメント目標設定・計画、実施、評価を学ぶ。次に在宅看護におけるリスクの特徴を理解し、環境整備による安全の確保の方法を具体的に学びながらリスクマネジメントの視点を養う。最後に在宅看護を展開するにあたり、在宅看護に関係する法を理解し、対象者の権利保障を看護師としていかに行っていくかを学ぶ。第1回、第2回は在宅看護過程展開時の特徴、第3回は在宅看護過程展開方法の情報収集とアセスメント、第4回は、紙上事例を用いての情報収集とアセスメント、第5回は在宅看護過程展開方法の目標設定と計画、第6回は在宅看護過程展開方法の実施と評価、第7回は療養上ののリスクアセスメントの特徴、第8回は療養上のリスクアセスメントの環境整備による安全の確保、第9回は療養上のリスクマネジメントの薬物による事故の防止、第10回は在宅医療における災害に対する準備と対応、第11回は在宅看護における権利擁護の中の個人情報保護、第12回は在宅看護における権利擁護の中の守秘義務と成年後見、第13回は在宅看護における虐待防止とサービス提供者の権利擁護、第14回は在宅看護における法律問題の事例として契約時の説明不足、個人情報漏洩、第15回は在宅看護における法律問題の事例として医療事故で構成する。
第12回は、在宅看護における権利保障の中で、看護師の守秘義務について学ぶ。前回学習した個人情報保護法とは別に、保健師助産師看護師法は、「保健師、看護師または准看護師は、正当な理由がなく、その業務上知りえた人の秘密を漏らしてはならない。保健師、看護師または准看護師でなくなった後においても、同様とする」と規定し(第42条の2)、違反した場合の罰則を定めている(第44条の3)。在宅看護を展開するにあたり、この法律を理解し、守ることは、在宅療養者と家族の権利を保障することに他ならない。また、成年後見における看護師の役割についても学ぶ。
地域・在宅看護論、付章
コマ主題細目
① 保健師助産師看護師法の規定 ② 肖像権等の権利利益 ③ 成年後見
細目レベル
① 医療関係資格に関係する守秘義務にはそれぞれの職種に根拠法が存在し、医療を受ける対象者の権利擁護が規定されている。例えば、医師、歯科医師、薬剤師、助産師は刑法134条第1項に正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことによって知りえた秘密を洩らしたときは、6月以下の懲役または10万円以下の罰金に処す、とある。保健師、看護師、准看護師は保健師看護師助産師法の第42条の2に同様に規定されている。医療機関における業務に応じた主な守秘義務には、以下のものがある。①不妊手術または人工妊娠中絶(母体保護法)②精神保健に係る業務(精神保健及び精神障碍者福祉に関する法律)③結核予防法に基づく健康診断、ツベルクリン反応検査等(結核予防法)④治験(薬事法)⑤感染症患者の治療等(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)
② 在宅療養者またはその家族などに無断で写真を撮影することは、肖像権またはプライバシー侵害となりうる。個人や所属する事業所のブログやSNSなどを通じて、無断で、個人が特定できる写真やその他の個人情報を第三者に提供することは、個人情報または秘密の漏洩という問題を生じさせる他、肖像権、名誉またはプライバシーなどの権利利益の侵害となりうるため、行ってはならない。肖像権等の権利利益とは、他人から無断で写真や映像を撮られたり無断で公表されたりしないよう主張できる権利であり、人はだれでも、無断で他人から写真を撮られたり、過去の写真を勝手に他人の目にさらされるなどという精神的苦痛を受けることなく平穏な日々を送ることができるという人格的利益を指す。在宅看護実習で在宅療養中の有名芸能人宅への訪問をSNSに発信した学生の事例もあり、看護学生であっても看護師と同様に法律を守り療養者の人権擁護の基本的な姿勢が強く求められる。
③ 人が自己決定をするためには、決定する事柄の性質や内容に応じた判断能力が必要である。この判断能力が不十分なものを保護する制度が後見制度である。後見制度は未成年後見と成年後見に大きく分かれ、成年後見の法廷後見には後見、保佐、補助がある。成人後見には、認知症や知的障害、統合失調症などの精神上の障害により判断能力が不十分なものに変わって、またはこの者とともに、契約や財産管理などの事務を行ってその保護を図る制度である。在宅看護の過程においては、要介護認定や医療契約が必要な療養者が一人暮らしで、申し立てを行う親族がいない認知症高齢者を発見した場合は、市町村または地域包括支援センターに連絡して、市町村長が申し立てを行うようにする必要がある。また、医療行為への同意においてのインフォームドコンセントは前提として判断能力が十分あるというものがあるが、判断能力が不十分な場合の医療行為の決定に関する権限については、現在日本では法制度が未整備である。療養者にとって最善の医療とは何かをチームで繰り返し十分話し合う体制が必要である。
キーワード
① 保健師助産師看護師法 ② 守秘義務 ③ 肖像権 ④ 成年後見 ⑤ 医療行為決定の権限
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習:保健師助産師看護師法第42条、44条の条文を再読し、具体的な業務上の守秘義務をまとめておく。後見制度の概要を復習し、特に成人後見の対象となる疾患等について復習しておく。
予習:訪問看護契約の締結に必要な判断能力には何があるか、考えてくる。また、その際看護師の役割について療養者の権利保障の観点から考えてくる。
成年後見制度の課題と問題点を地域貢献推進プロジェクトのホームページから予習しておく。もし、自分が一人暮らしで認知症になった場合、どのようなことが支援されれば、安心して地域で暮らせるかを想像し、自分の意見をまとめてくる。また、裁判所のホームページから、成年後見関係事件の概要について近年の状況を調べておく。
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在宅看護における虐待防止とサービス提供者の権利擁護
科目の中での位置付け
本科目は、在宅という環境で療養する利用者と家族に、いかに看護を実践していくかについて具体的な方法を学ぶ。療養者の多様な生活と価値観によって看護の展開は病院での看護以上に個別性と専門性を求められる。病院と在宅での看護目標や優先順位の違いなどを考えながら、対象者が暮らしてきた生活の多様性、療養生活に対する意向や価値観に配慮した看護過程の展開を学ぶ。また、療養生活を支える制度・支援体制を理解し、多職種によるチーム連携における看護師の役割を学ぶ。次に紙上事例を用いて具体的な看護過程の展開におけるアセスメント目標設定・計画、実施、評価を学ぶ。次に在宅看護におけるリスクの特徴を理解し、環境整備による安全の確保の方法を具体的に学びながらリスクマネジメントの視点を養う。最後に在宅看護を展開するにあたり、在宅看護に関係する法を理解し、対象者の権利保障を看護師としていかに行っていくかを学ぶ。第1回、第2回は在宅看護過程展開時の特徴、第3回は在宅看護過程展開方法の情報収集とアセスメント、第4回は、紙上事例を用いての情報収集とアセスメント、第5回は在宅看護過程展開方法の目標設定と計画、第6回は在宅看護過程展開方法の実施と評価、第7回は療養上ののリスクアセスメントの特徴、第8回は療養上のリスクアセスメントの環境整備による安全の確保、第9回は療養上のリスクマネジメントの薬物による事故の防止、第10回は在宅医療における災害に対する準備と対応、第11回は在宅看護における権利擁護の中の個人情報保護、第12回は在宅看護における権利擁護の中の守秘義務と成年後見、第13回は在宅看護における虐待防止とサービス提供者の権利擁護、第14回は在宅看護における法律問題の事例として契約時の説明不足、個人情報漏洩、第15回は在宅看護における法律問題の事例として医療事故で構成する。
第13回では、在宅看護における権利擁護の一つとして、在宅看護で遭遇する高齢者虐待について学ぶ。在宅看護の過程では看護師がそれぞれの家族の抱えている問題に直面することが少なくない。その一つが虐待である。高齢者に対する虐待は2006年4月から「高齢者虐待防止、高齢者擁護者に対する支援等に関する法律」(高齢者虐待防止法)が施行されている。また、障碍者についても、2011年6月に「障害者虐待の防止、障害者擁護者に対する支援等に関する法律」(障害者虐待防止法)が成立し、2012年10月から施行されている。また、サービス提供者の権利擁護として、事業者の労働者に対する安全配慮義務について学び、将来心身の安全を確保しつつ、在宅看護の目的を果たしていく看護師としての在り方を学ぶ。
地域・在宅看護論、第5~7章
コマ主題細目
① 高齢者虐待の類型、現状 ② 高齢者虐待への対応 ③ サービス提供者の権利擁護
細目レベル
① 高齢者虐待防止法は、高齢者虐待として「養護者による高齢者虐待」「養介護施設従業者等による高齢者虐待」を規定している。前社は、家庭内での虐待であり、高齢者を介護したり世話したりして養護している(養護者)が高齢者(65歳以上の者)を虐待している場合である。後者は、老人福祉法及び介護保険法に規定された施設や事業の業務に従事しているもの(養介護施設従事者等)による虐待である。虐待の類型は、①身体に虐待を加える身体的虐待②養護を著しく怠るネグレクト③著しい心理的外傷を与える心理的虐待④性的自由を侵害する性的虐待⑤財産を侵害する経済的虐待の5類型である。厚生労働省による調査では、令和元年度は養護者による虐待判断数は、16,928件、通報は、34,057件、養介護施設従事者による虐待判断数は、644件、通報は2,267件であった。
② 高齢者虐待の対応の仕組みとして、在宅看護にかかわる看護師も含めて高齢者の福祉に職務上関係のあるものについて、高齢者虐待を発見する努力義務が規定されている。在宅看護を担うものとしては、高齢者虐待の発生の前段階で、異常を察知し、高齢者や養護者の相談に応じたり、助言を行い、虐待を未然に防止することが重要である。虐待の発生要因の上位には、介護疲れ・介護ストレス、虐待者の介護力の低下や不足、孤立、補助介護者の不在等、知識や情報の不足、理解力の低下や不足、養護者の性格や人格にもとづく言動、日虐待者との虐待発生までの人間関係などがある。看護師は看護の対象としての家族全体の力動も視野に入れ、アセスメントする必要がある。また、虐待を通報する最も多い職種は介護支援員であり、これらの職種等との連携を十分に取っておくことは虐待の早期発見早期対応につながる。
③ 在宅医療・介護を提供する事業者は、利用者に対して適切なサービスを提供する義務を負う一方で、労働者である看護師に対しては、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をする義務(安全配慮義務)を負っている。在宅看護特有の労働環境(単独訪問、夜間訪問等)に応じた安全配慮が求められる。事業者は、訪問する対象者の状況、訪問の時間帯、看護師の性別、経験、対象者や家族との関係などを考慮して訪問の可否や訪問担当者を決定する。また、複数の看護師による訪問も検討することがある。訪問看護師が療養者や家族から受ける身体的暴力(ひっかく、物を投げる、唾を吐きかける等)、心理的暴力(大声で怒鳴る、執拗に文句を言う、無視をする、睨む等)、性的暴力を予防するための対策について各都道府県の看護協会の取り組みから学ぶ。
キーワード
① 高齢者虐待防止法 ② 養護者 ③ 養介護施設従業者 ④ 安全配慮義務 ⑤ 通報義務
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習:高齢者虐待防止法、高齢者虐待の類型、背景などについて既習の領域の講義から復習しておく。
予習:厚生労働省、令和元年度「高齢者虐待の防止、高齢者養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況に関する調査結果から、概要、発生数、発生要因、通報者、通報後の対応等を読んでおく。また、前年度との比較等を通じて今後高齢者虐待はどう変化していくと考えられるか、まとめておく。また、在宅看護場面で看護師が受けるハラスメントに関する文献検索をしてくる。公益社団法人兵庫県看護協会作成平成29年度兵庫県訪問看護師・訪問介護職員安全確保・離職防止対策事業「訪問看護師・訪問介護員が受ける暴力等対策マニュアル」を読んで、将来看護師としてどうすることが大切かを考えてくる。
14
在宅看護における法律問題の事例
科目の中での位置付け
本科目は、在宅という環境で療養する利用者と家族に、いかに看護を実践していくかについて具体的な方法を学ぶ。療養者の多様な生活と価値観によって看護の展開は病院での看護以上に個別性と専門性を求められる。病院と在宅での看護目標や優先順位の違いなどを考えながら、対象者が暮らしてきた生活の多様性、療養生活に対する意向や価値観に配慮した看護過程の展開を学ぶ。また、療養生活を支える制度・支援体制を理解し、多職種によるチーム連携における看護師の役割を学ぶ。次に紙上事例を用いて具体的な看護過程の展開におけるアセスメント目標設定・計画、実施、評価を学ぶ。次に在宅看護におけるリスクの特徴を理解し、環境整備による安全の確保の方法を具体的に学びながらリスクマネジメントの視点を養う。最後に在宅看護を展開するにあたり、在宅看護に関係する法を理解し、対象者の権利保障を看護師としていかに行っていくかを学ぶ。第1回、第2回は在宅看護過程展開時の特徴、第3回は在宅看護過程展開方法の情報収集とアセスメント、第4回は、紙上事例を用いての情報収集とアセスメント、第5回は在宅看護過程展開方法の目標設定と計画、第6回は在宅看護過程展開方法の実施と評価、第7回は療養上ののリスクアセスメントの特徴、第8回は療養上のリスクアセスメントの環境整備による安全の確保、第9回は療養上のリスクマネジメントの薬物による事故の防止、第10回は在宅医療における災害に対する準備と対応、第11回は在宅看護における権利擁護の中の個人情報保護、第12回は在宅看護における権利擁護の中の守秘義務と成年後見、第13回は在宅看護における虐待防止とサービス提供者の権利擁護、第14回は在宅看護における法律問題の事例として契約時の説明不足、個人情報漏洩、第15回は在宅看護における法律問題の事例として医療事故で構成する。
第14回では、在宅看護において、対象者が持つ権利が損なわれることにより発生しうる法律問題を事例の中から学ぶ。以下の3つの事例から対象者の何の権利がどのように侵害されたのか、また、予防には何が必要かを考えていく。①契約に関する説明不足で、訪問看護サービスの費用をめぐるトラブルの事例②個人情報の漏洩で、訪問看護師が利用者と家族のデータを保存していたUSBメモリを扮した事例③虐待と成年後見で、息子による高齢の父親に対する経済的虐待の事例である。3例とも近年多数発生している事例であり、看護師としての知識と状況判断の能力を求められる事例である
地域・在宅看護論、第5~7章
コマ主題細目
① 契約に関する説明不足 ② 個人情報の漏洩 ③ 虐待と成年後見
細目レベル
① 事例:訪問看護ステーションが、介護保険法が適応される訪問看護サービスの費用として、「緊急時訪問看護加算」を算定したが、利用者は、その意味を理解していなかった。このため、訪問看護ステーションが、緊急時訪問をしたうえでサービス利用料を請求したところ、利用者から聞いていないと苦情が来た。
「緊急時訪問看護加算」は利用者が安心して在宅生活を送るために有用な仕組みである。しかし、利用者に事前に意味を説明し、同意を得ておく必要がある。介護保険法が適応される訪問看護サービスは、訪問看護事業所と利用者との間の契約に基づいて提供されるサービスである。このため、契約内容は、重要事項説明書を交付して説明し、利用者の同意を得ておくことが制度上必要である。
② 事例:訪問看護ステーションの看護師が、利用者約30名とその家族の個人データを保存していたUSBメモリをとパソコンを持参し、訪問していたが、USBメモリを紛失した。
個人情報保護法は、個人情報を取り扱う事業者に対し、個人データの漏洩の防止などの安全管理措置を求めている。安全管理を図るために、職員に対する監督も求めている。このため訪問看護事業者としては、利用者などの個人データを保存した記録媒体を事業所外に持ち出すことを禁止したり、制限して十分な対策を講じておく必要がある。また、紛失後の対応として個人情報保護委員会が定める、「個人データの漏洩等の事案が発生した場合等の対応」に基づいて、速やかに当該データで特定される利用者に個別で連絡をとり、事業所のホームページで公表すると同時に同委員会に報告が必要である。
③ 例:訪問看護ステーションの看護職のケアマネジャーが担当している認知症のある高齢の療養者は、週2回、介護保険による訪問介護サービスを受けている。療養者の状況から、本来は、訪問看護やデイサービスなどのサービスを利用する必要がある。しかし、同居の長男が療養者の年金に依存して生活しているため、利用料が増えることを嫌がり、サービスを増やさない。長男は介護や世話をほとんどしていない。
こうした事例では、介護保険制度の下では、ケアマネジャーが、主治医や訪問介護サービスの担当者とともにサービス担当者会議を開催し、療養者や、家族も参加し、居宅サービス計画を作成していく。しかしこの事例のように長男による経済的虐待と思われるケースはネグレクトに陥っていることも多い。高齢者虐待と思われるケースを発見した場合は、市町村または地域包括支援センターに通報する努力義務を負う。通報を受けた市町村等は療養者の安全や事実の確認を行うと同時に、療養者と家族を含めた話し合いで解決を図る。話し合いで解決が見込めない場合は、市町村長が家庭裁判所に後見等を申し立て、長男から療養者を安全に分離し保護することもある。
キーワード
① 契約時の説明不足 ② 緊急時訪問看護加算 ③ 個人情報漏洩 ④ 経済的虐待 ⑤ 成年後見
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習:第11回、第12回、13回で学習した個人情報保護法、成年後見制度、高齢者虐待について概要を復習しておく。個人情報保護法については、個人情報の定義、訪問看護事業所の義務、個人データの安全管理措置について個人情報保護委員会の「個人データの漏洩等の事案が発生した場合等の対応について」(平成29年個人情報保護委員会告示第1号)を読んでおく。また、成年後見については後見制度の種類、医療行為の決定に関する権限について、高齢者虐待については虐待の規定、虐待の背景、虐待への対応の流れを復習しておく。
予習:テキストにある事例以外に、在宅看護における契約時の説明不足、個人情報漏洩、虐待と成年後見、それぞれの利用者の権利が損なわれた他の事例を探し、予防策を考えてくる。
15
在宅看護における法律問題2
科目の中での位置付け
本科目は、在宅という環境で療養する利用者と家族に、いかに看護を実践していくかについて具体的な方法を学ぶ。療養者の多様な生活と価値観によって看護の展開は病院での看護以上に個別性と専門性を求められる。病院と在宅での看護目標や優先順位の違いなどを考えながら、対象者が暮らしてきた生活の多様性、療養生活に対する意向や価値観に配慮した看護過程の展開を学ぶ。また、療養生活を支える制度・支援体制を理解し、多職種によるチーム連携における看護師の役割を学ぶ。次に紙上事例を用いて具体的な看護過程の展開におけるアセスメント目標設定・計画、実施、評価を学ぶ。次に在宅看護におけるリスクの特徴を理解し、環境整備による安全の確保の方法を具体的に学びながらリスクマネジメントの視点を養う。最後に在宅看護を展開するにあたり、在宅看護に関係する法を理解し、対象者の権利保障を看護師としていかに行っていくかを学ぶ。第1回、第2回は在宅看護過程展開時の特徴、第3回は在宅看護過程展開方法の情報収集とアセスメント、第4回は、紙上事例を用いての情報収集とアセスメント、第5回は在宅看護過程展開方法の目標設定と計画、第6回は在宅看護過程展開方法の実施と評価、第7回は療養上ののリスクアセスメントの特徴、第8回は療養上のリスクアセスメントの環境整備による安全の確保、第9回は療養上のリスクマネジメントの薬物による事故の防止、第10回は在宅医療における災害に対する準備と対応、第11回は在宅看護における権利擁護の中の個人情報保護、第12回は在宅看護における権利擁護の中の守秘義務と成年後見、第13回は在宅看護における虐待防止とサービス提供者の権利擁護、第14回は在宅看護における法律問題の事例として契約時の説明不足、個人情報漏洩、第15回は在宅看護における法律問題の事例として医療事故で構成する。第15回は在宅看護における法律問題の中で不適合輸血の医療事故について学ぶ。
地域・在宅看護論、第5~7章
コマ主題細目
① 不適合輸血の事例 ② その他の事例の検索 ③ グループ発表
細目レベル
① 事例:医師が自宅療養中の療養者に輸血する際、診療録の確認を怠り、療養者のB型の血液を間違ってA型の血液を発注した。指示を受けた訪問看護師も届けられたA型の血液を療養者の血液型と思い込み、診療力で確認しないまま、輸血した。その結果不適合輸血によるショックで療養者が死亡した。このような事例が発生した場合、民事上の責任と刑事上の責任、行政上の責任の3つが生じる。民事上の責任としては、被害者の損害を回復するための損害賠償責任がある。また、看護師は、業務上過失致死を理由に刑事上の責任を問われることがある。看護師に対する行政上の責任としては、保健師助産師看護師法(第14条1項)に基づく、戒告、3年以内の業務停止、または免許取り消しの処分がある。
② 在宅看護における様々な医療事故を検索し、5人のグループで検索内容を発表する。検索する事例は法律問題になっていないいわゆるヒヤリハットも含めて、広く検索する。検索した事例を一つ取り上げ、自己の内容について、どのようにしたら防止できるかを話しあい、まとめる。1グループ3分のプレゼンテーションを行うための準備を協力して行う。医療事故は在宅看護においても療養者の人権を損なうものとして、専門職である看護師はどのように対処していくべきかを考察する必要がある。もし、自分が。医療事故を起こしたらと、むやみに怖がるだけでなく、どうしたら医療事故を最小限にできるかを考えていくことは、看護師として、働く場がどこであっても必要である。
③ 発表に際しては各グループの取り上げた事例を、既習の看護学の知識とすり合わせて、概要をイメージし、予防策について自己の意見をもって聞く姿勢を持つことが重要である。
人間は間違いを起こすものであると認識し、そのうえでヒューマンエラーを防止するための適切な対策を講じ、万が一怒ってしまった場合には被害を最小限に抑えて、拡大しないための手順を理解しておくことが不可欠である。また、ヒューマンエラーが起こってしまったときには、どうして起こったのか、原因を究明し、分析し再発防止策を講じることが重要である。また、自己を個人の問題ととらえるのではなく、組織の問題としてとらえなおし、相談しやすい環境づくり、業務量の見直し、ワークライフバランスへの配慮を行い、事故が起こりにくい職場を作り上げていく必要がある。今後さらに需要が増加する訪問看護師が医療事故によって離職してしまわない環境構築するよう国を始めとする行政も対策を講じていく必要がある。
キーワード
① 医療事故 ② ヒューマンエラー ③ 民事責任 ④ 刑事責任 ⑤ 行政責任
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習:在宅看護におけるリスクマネジメントで学んだ「在宅看護におけるリスクの分類」を復習しておく。テキストの不適合輸血の医療事故を理解するために、輸血時の看護の原理原則を復習しておく。また、医療事故における民事責任、刑事責任、行政責任の基本的な知識を整理しておく。保健師助産師看護師法第14条にある処分(開国、3年以内の業務停止、免許取り消し)ついて復習しておく。
予習:近年の厚生労働省の重要事例情報の分析集、公益財団法人日本医療機能評価機構 医療事故情報収集等事業報告書などを検索して在宅医療における医療事故をイメージしておく。また、在宅における医療事故防止のための取り組みについてどのような組織が取り組んでいるか調べてくる。
履修判定指標
履修指標
履修指標の水準
キーワード
配点
関連回
在宅看護過程のポイントを理解できる
在宅看護過程展開のポイントの一つとして、療養者の多様な生活と価値観について学ぶ。病院と在宅での療養の違いを明らかにし、看護目標の違いを考察する。また、生活環境や家族への視点を生活環境の違い、地域社会による支え、生活者・介護者としての家族の存在等から理解する。また、療養の経過と対象者の強み(ストレングス)の重要性であり、訪問看護の実施頻度に合わせた先を予測した看護計画である。この予測は、数か月、数年の期間を視野に入れる必要性が出てくることもある。また、ポイントのもう一つとして、生活を支える制度・支援体制の理解がある。対象者の個別性に合わせた看護過程の展開に欠かせない社会福祉制度を理解し、チーム連携によるケアが必要であることを理解できる。
多様な生活
療養の経過
予測
ストレングス
チーム連携
20
第1回、第2回
在宅看護過程の情報収集とアセスメントについて理解できる
医療機関における看護過程とは違い、在宅での看護過程は、在宅で医療を行うことや、障害を持ちながら必要な医療を継続していくという医療の側面と、療養者の生活や、家庭、生き方、考え方などを重視し、広く長期的な視点でその人の看護師支援を考えていくという生活の側面の両方を目的とするという特徴を理解できる。また、情報収集の項目を理解したうえで紙上事例をアセスメントできる。紙上事例の療養者は75歳男性慢性閉塞性肺疾患(COPD)で、酸素療法を開始し在宅療養中。介護者は同世代の妻である。酸素療法中も息切れを感じ、ADLの低下がみられる。この事例の詳細な情報を学修した枠組みで情報整理し、アセスメントできる。
情報収集
アセスメント
医療
療養者の生活
長期的支援
20
第3回・第4回
在宅看護過程の目標設定、計画、実施、評価について理解できる
在宅看護における目標には、長期目標と短期目標がある。長期目標は、療養者・家族の在宅療養への希望に沿うものであり、数か月から数年にわたることもある。短期目標は長期目標達成のための目標で数週間から、数か月で達成できるものである。これらを理解し、第4回の紙上事例をもとに具体的に目標と計画を展開できる。また、計画に沿って実施した内容は必ず記録に残す必要がある。これはこの記録が次のアセスメント情報になり、計画の追加・修正へとつながることを理解できる。在宅看護の標準化に向けた取り組みとして、クリティカルパス、看護プロトコールについて必要性を説明できる。
長期目標
短期目標
記録
看護の標準化
クリティカルパス
看護プロトコール
20
第5回・第6回
療養上のリスクマネジメントについて理解できる
在宅において訪問看護師が実施する行為は、医療処置に限らず様々である。それらの看護行為に伴って起こりうる事故やリスクも多様であり、病院での事故やリスクにはない特有の現象に対して最大の予防と対処が必要であることを理解できる。近年の高齢化により、独居や介護者の高齢化のため、在宅での転倒事故は大変多い。転倒予防に関する療養者と介護者への教育は大変重要である。また、熱中症、窒息、火災、身体損傷、薬物関連の事故と災害時の訪問看護の役割についても理解できる。
リスクマネジメント
転倒・転落
誤薬
熱中症
窒息
火災
災害
20
第7回、第8回、第9回、第10回
在宅看護における権利擁護について理解できる
在宅看護を展開するにあたっては、在宅看護の理念、倫理、技術、関係する法律を理解し守っていくことは重要である。一人一人の権利を保障し、人間としての誇りをもってその人らしい生き方を最期までできるようにすることが法の究極の目的である。法の頂点である日本国憲法が保障する基本的人権を基盤とし、個人情報保護、成年後見制度、高齢者虐待などに関する法律と在宅看護の関連を理解できる。
サービス提供者の権利擁護として、事業者の労働者に対する安全配慮義務について学び、将来心身の安全を確保しつつ、在宅看護の目的を果たしていく看護師としての在り方を理解できる。
基本的人権
個人情報保護法
成年後見制度
高齢者虐待
安全配慮義務
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第11回、第12回、第13回、第14回、第15回
評価方法
基本期末試験(100%)によって評価する。
評価基準
評語
学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・
S (100~90点)
学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・
A (89~80点)
学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・
B (79~70点)
学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・
C (69~60点)
学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・
D (60点未満)
教科書
「地域・在宅看護論 」医学書院、1:2200円2:2750円
参考文献
萱間真美:ストレングスモデル実践活用術 医学書院2016
実験・実習・教材費