区分 専門科目-基盤看護学-地域・在宅看護学
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力 倫理観 専門性探求
地域社会貢献 グローバル性
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性 広い視野 知識・技術
判断力 探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
在宅終末期に関する終末期ケア制度や背景を理解し、病状、苦痛や苦悩、生活背景、生きる価値や希望、他者との関係の築き方等の個別性・多様性の理解を深め、全人的・個別的ケアを導く学びができる。そして終末期に携わる各専門職の連携および訪問看護のケア体制、終末期における倫理的配慮に基づく看護の姿勢を修得する。
科目の目的
在宅終末期に関する終末期ケア制度や背景を理解するとともに、加齢や疾患によって終末期に至る経過を一連のものとして理解する。また在宅終末期における病状、苦痛や苦悩、生活背景、生きる価値や希望、他者との関係の築き方等の個別性・多様性の理解を深め、全人的・個別的ケアを導く学びができる。そして終末期に携わる各専門職の連携および訪問看護のケア体制、終末期における倫理的配慮に基づく看護の姿勢を修得する。また、自分や身近な人の人生の最終章についても考えを深め、看護師として多様な職場で働くときの指標の一つとする。我が国の現状を把握しながら、日常生活の援助者としての看護師の専門性を追及し、よりよい社会の構築に貢献できる人材を目指す
到達目標
1. 在宅終末期における病状、苦痛や苦悩、生活背景、生きる価値や希望等の個別性・多様性の理解を深め、全人的・個別的ケアを導く学びができる。
2. 在宅における看取りに必要な多職種とのチームケアおよび訪問看護のケア体制について理解することができる。
3. 終末期における倫理的配慮に基づく看護の姿勢を修得することができる。

科目の概要
終末期ケアの制度や背景を理解し、日本における終末期ケアの現状について考え、終末期に携わる専門職の連携を通して人生の終焉について学ぶ。また、総合的に終末期にある人の身体的・社会的・心理的・霊的苦痛の特徴を理解し、各々の看護介入を通して、各専門職の連携および訪問看護のケア体制について理論・知識を統合して学ぶ。
教員の病院での終末期、訪問看護における終末期に関わった実務経験から、在宅における制度や背景の理解、生きる価値や希望等全人的・個別的ケア等々について学ぶ。終末期における身体的、精神的、社会的ケアに加え、スピリチュアルけケアと家族ケアについても多様な情報から学ぶ。また、在宅での臨死期のケアの実際を動画教材などから体験する。

科目のキーワード
全人的ケア、チームケア、価値と希望、倫理的配慮、人生の終焉
授業の展開方法
在宅看護論で学んだ基本的な概念や技術を十分に復習したうえで、自ら様々な文献検索を行い、自主的な意志ある学びを深める授業を展開する。基本的には毎回の主題やコマ主題について自分の意見をそれぞれ持って講義に参加し、教員と意見交換をできるようにしておく。また、終末期看護の領域に限らず、広い視野で看護師の役割について再考し、将来の所運につなげる。少人数の授業の特色を生かし、将来の研究につながる知へのステップとなるような積極的な学びを支援する。
オフィス・アワー
研究室711:メールで予約の上お越しください。
Email:m-aoi@uhe.ac.jp

科目コード ERH04
学年・期 3年・後期
科目名 在宅・終末期看護援助論
単位数 1
授業形態 講義
必修・選択 選択
学習時間 【講義】16h
【予習・復習】29h
前提とする科目 在宅看護学概論、在宅看護援助論Ⅰ・Ⅱ、終末期看護学
展開科目 在宅・終末期看護技術論、在宅・終末期看護学外演習、在宅・終末期看護演習
関連資格 看護師資格 保健師資格
担当教員名 青井みどり
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 終末期医療野歴史と制度 看護の役割 科目の中での位置付け 人の生老病死は誰もが遭遇する出来事であり、人生の終焉をいかに迎えるかが当事者にとっての人生を物語る。看護職として、終末期における在宅療養者の生活に重点を置き、地域で暮らす療養者の多様な状況・生活の場等に合わせて、QOLを最後まで最大限に保持し、尊厳ある穏やかな死を迎えられるように援助することが重要である。そのためにはチーム医療が重要となり、在宅療養者・家族の望む生活に沿って支援ができるよう多職種間の連携・情報共有が必須である。訪問看護師は医療・福祉等の知識があり、在宅療養者・家族の本音を聞き出しやすく、多職種間の橋渡し・マネージメント力を発揮して必要とされる社会資源やサービスに繋ぐことができ、チーム医療の重要な役割を担っている。第1回は終末期医療に関する歴史制度、看護の役割、第2回は終末期における看護の機能・役割 、訪問看護におけるケア体制、第3回は終末期における身体的ケア、第4回は終末期における精神的ケア、第5回は終末期における社会的ケア・スピリチュアルケア、 家族への緩和ケア、第6回は終末期における退院支援、退院調整における看護の実際、第7回は在宅における臨死期の看護、第8回は終末期ケアとエンド・オブ・ライフケアについて学ぶ。
第1回目は、日本の終末期医療の歴史や制度および終末期における医療について理解するとともに、終末期医療を提供する場の特性を学ぶ。そして様々なタイミングで訪れる終末期における看護のかかわりは幅広く多岐にわたり、それらのかかわりから終末期看護における機能と役割について理解を深める。

「終末期看護;エンド・オブ・ライフ・ケア」新体系看護学全書―経過別成人看護学; 田村恵子編集,メヂカルフレンド社、2019,p2~18
コマ主題細目 ① 終末期医療の歴史 ② 終末期に関連する制度と医療 ③ 終末期における医療の目的と場の特性
細目レベル ① 日本では臨終に医療がかかわるようになったのは明治以降である。明治時代はまだ医療施設が少なく(1877年159施設)、医師が往診し在宅で見取りや死亡診断が行われるが一般的であった。第2次世界大戦後の1950年代から1990年代は、病院死の増加と延命治療重視の時代であった。この背景には、医療技術の進歩と病院の増加、国民皆保険の導入、核家族化があった。この時代には、患者への病名告知も十分行われておらず、患者本人や家族は病状を理解できないまま、最期をどう迎えるかは、医療者にコントロールされていた。1960年代のアメリカでは、人種差別撤廃運動やパターナリズムへの反発から、ホスピス運動が世界に広がった。患者が、自分の治療を自己決定できる権利を重視し、人間的で「その人らしい」終末期医療が強調されるようになった。
② 終末期医療関連の法制度は、安楽死に関するものと事前支持に関するものに大きく分けられる。ここでいう安楽死とは、積極的安楽死と医師による自殺幇助の2つを指す。積極的安楽死が合法化されているのは、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグの3国のみである。日本においてはまだ立法化には至っておらず、「人生最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」(2007)、「終末期医療に関するガイドライン」(2007)、「高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン」(2012)のガイドラインが示されている。日本の病院では、蘇生不要指示(DNAR:Do Not Attempt Resuscitation)が広く使われているが、日本臨床倫理学会では、心肺蘇生以外の医療処置についての取りき目をしておくPOLSTの日本版の検討を行っている。
③ 終末期では画一的な医療が実施されるのではなく、医療職者が患者や家族の価値観・希望等を汲み取り、それらの意向に応じて医療や看護を提供することが重要である。終末期であっても病状や状況によって患者の望む医療や療養場所は異なることが厚生労働省の行った終末期医療に関する調査(2013)で明らかになっている。これらのことから、患者の意向を一度確認して終わりではなく、症状や状況の変化によって、患者の意向は変わりうることを念頭に置き、患者が求める終末期医療・看護を提供することが大切である。終末期医療の場所は、一般病棟、ホスピス・緩和ケア病棟、在宅、高齢者施設等があり、それぞれ、時間の制限、衣食住に関すること、対象者、関わる医療スタッフ、医療内容、家族の介護負担などで特徴がある。病院での死亡は、全死亡の8割を占める。
キーワード ① 終末期医療 ② 延命治療 ③ 病院死と在宅死 ④ DNAR ⑤ POLST
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習: 一般的には、死を①生物学的な死、②法律上の死、③文化的な死、④社会的な死の4つの観点でまとめておく。個体の死をどのように判定するか(死の判定)について、死の3兆候(心肺停止、呼吸停止、対光反射の消失と瞳孔拡大)と脳の不可逆的停止の関係をまとめてくる。また、臓器移植法、脳死判定、改正臓器移植法について、今までに学習した他の領域の講義の復習も含めて、まとめておく。
予習:第2次世界大戦後の1950年代から1990年代は、病院死の増加と延命死重視の終末期医療の時代であった。この背景には、医療技術の進歩と病院の増加、国民皆保険の導入、核家族化があるが、日本と世界の歴史を並行して年表にまとめることで時代の変化と終末期医療の歴史的な流れを理解しておく。


2 終末期における看護の機能・役割 、訪問看護におけるケア体制 科目の中での位置付け 人の生老病死は誰もが遭遇する出来事であり、人生の終焉をいかに迎えるかが当事者にとっての人生を物語る。看護職として、終末期における在宅療養者の生活に重点を置き、地域で暮らす療養者の多様な状況・生活の場等に合わせて、QOLを最後まで最大限に保持し、尊厳ある穏やかな死を迎えられるように援助することが重要である。そのためにはチーム医療が重要となり、在宅療養者・家族の望む生活に沿って支援ができるよう多職種間の連携・情報共有が必須である。訪問看護師は医療・福祉等の知識があり、在宅療養者・家族の本音を聞き出しやすく、多職種間の橋渡し・マネージメント力を発揮して必要とされる社会資源やサービスに繋ぐことができ、チーム医療の重要な役割を担っている。第1回は終末期医療に関する歴史制度、看護の役割、第2回は終末期における看護の機能・役割 、訪問看護におけるケア体制、第3回は終末期における身体的ケア、第4回は終末期における精神的ケア、第5回は終末期における社会的ケア・スピリチュアルケア、 家族への緩和ケア、第6回は終末期における退院支援、退院調整における看護の実際、第7回は在宅における臨死期の看護、第8回は終末期ケアとエンド・オブ・ライフケアについて学ぶ。
第2回目は、終末期における看護の機能・役割、終末期にある人の二-ズの特徴、看護の成果、多職種連携に基づくチーム医療と看護の役割について学習する。終末期に携わる各専門職の連携および訪問看護のケア体制、終末期における倫理的配慮に基づく看護の姿勢を修得する。

「終末期看護;エンド・オブ・ライフ・ケア」新体系看護学全書―経過別成人看護学; 田村恵子編集,メヂカルフレンド社,2019,p72~87
コマ主題細目 ① 終末期における看護の機能・役割 ② 多職種連携によるケア体制 ③ 終末期医療における倫理的課題
細目レベル ① 終末期医療における看護では、身体的・精神的・社会的・スピリチュアルな全人的存在として対象をとらえることが重要である。自律した存在としてかかわり、その場の環境を整え、不快な症状を緩和できるように生活支援する。対象者の尊厳を守り、人生の最終段階までその人らしく生きることを支えることは、終末期の看護だけに限られた機能ではなく、予防や治療段階でも重要である。様々な場面で機能する看護の延長線上に、終末期の看護の役割がある。終末期における看護は患者の全人的苦痛の緩和を目指すものである。老いによる生活を阻害する身体的・精神的な症状による苦痛、社会活動や家族関係の師匠による社会的苦痛、自身の存在が問われる価値観の揺らぎによるスピリチュアルな苦痛に対して全人的ケアを模索することから看護は始まる。
② 終末期において、患者と家族は様々な苦悩(全人的苦痛)を抱える。また、医療やケアに対しても多様なニーズを持っている。多様なニーズに対応するためには医師、看護師だけでは困難である。薬剤師、栄養士、ソーシャルワーカー、歯科医師、歯科衛生士、理学療法士、作業療法士、臨床心理士、言語聴覚士、宗教家、ボランティアなど、様々な専門的技術や経験を持った人たちがチームでケアをしていく必要がある。在宅においては、訪問看護師がチーム医療の中核を担うことが多く、多職種のマネージメントや療養者・家族の代弁者としての役割を持つ。療養者・家族が望んでいることを察知し、その時々によって必要なサービスに結び付けたり、寄り添いながら支援する。そして療養者の病状や思い、家族の思い等々を勘案し、必要なケア体制を構築する。
③ 終末期医療における倫理的課題とは、終末期医療を受ける患者、家族、医療スタッフなどの間で、それぞれの価値観や価値判断の違いから生じる課題である。看護師が自分自身の価値について、意識に上らせ、理解しておくことは、倫理的課題を考える際の重要な準備である。様々な行動の選択の背景にある価値は、あまり意識しないでいるものであるが、看護師は自分自身を治療やケアの道具として存在する側面を持つので、自分の価値観を知り自己解、自己理解をしておく必要がある。チームでの話し合いでの意見の相違をいかに折り合いをつけてより良い医療につなげるかは、学生時代から、考える習慣を持つことが求められる。倫理具体的な倫理的として①患者の自律②尊厳死③鎮静④身体拘束⑤ACPなどについて学ぶ。
キーワード ① 全人的苦痛 ② チーム医療 ③ 多様なニーズ ④ ACP ⑤ 尊厳死
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習: 日本では臨終に医療がかかわるようになったのは明治以降である。明治時代はまだ医療施設が少なく(1877年159施設)、医師が往診し在宅で見取りや死亡診断が行われるが一般的であった。第2次世界大戦後の1950年代から1990年代は、病院死の増加と延命治療重視の時代であった。この背景には、医療技術の進歩と病院の増加、国民皆保険の導入、核家族化があった。このことを日本の歴史と諸外国の歴史を合わせて復習しておく。
予習:終末期医療における看護では、身体的・精神的・社会的・スピリチュアルな全人的存在として対象をとらえることが重要であり、自律した存在としてかかわり、その場の環境を整え、不快な症状を緩和できるように生活支援する。このことに関する具体的なイメージをテキストを読んで描いておく。

3 終末期における身体的ケア 科目の中での位置付け 人の生老病死は誰もが遭遇する出来事であり、人生の終焉をいかに迎えるかが当事者にとっての人生を物語る。看護職として、終末期における在宅療養者の生活に重点を置き、地域で暮らす療養者の多様な状況・生活の場等に合わせて、QOLを最後まで最大限に保持し、尊厳ある穏やかな死を迎えられるように援助することが重要である。そのためにはチーム医療が重要となり、在宅療養者・家族の望む生活に沿って支援ができるよう多職種間の連携・情報共有が必須である。訪問看護師は医療・福祉等の知識があり、在宅療養者・家族の本音を聞き出しやすく、多職種間の橋渡し・マネージメント力を発揮して必要とされる社会資源やサービスに繋ぐことができ、チーム医療の重要な役割を担っている。第1回は終末期医療に関する歴史制度、看護の役割、第2回は終末期における看護の機能・役割 、訪問看護におけるケア体制、第3回は終末期における身体的ケア、第4回は終末期における精神的ケア、第5回は終末期における社会的ケア・スピリチュアルケア、 家族への緩和ケア、第6回は終末期における退院支援、退院調整における看護の実際、第7回は在宅における臨死期の看護、第8回は終末期ケアとエンド・オブ・ライフケアについて学ぶ。
第3回目は、終末期に出現する様々な身体症状について学ぶ。終末期に生じる身体症状は、がん終末期と非がん・老化に伴う終末期により多少異なるが、身体症状が続くことにより、心理的・社会的・スピリチュアルな側面にも影響を及す。そのために身体症状のマネージメントは重要であり、疼痛、倦怠感、食欲不振、呼吸困難、悪心・嘔吐等各々の症状の概要および終末期における身体的ケアについて理解し看護ケアに活かすことができる。

「終末期看護;エンド・オブ・ライフ・ケア」新体系看護学全書―経過別成人看護学; 田村恵子編集,メヂカルフレンド社,,2019,154~209
コマ主題細目 ① 疼痛・倦怠感の症状マネージメントおよび看護 ② 食欲不振、悪心・嘔吐の症状マネージメントおよび看護 ③ 呼吸困難の症状マネジメント及び看護
細目レベル ① 痛みを感じることで人は体の異変に気付き、危険を察知して回避することができるが、痛みが持続すると日常生活に支障をきたし、生命力を消耗する。痛みは性質により体制痛、内臓痛、神経障害性疼痛に分けられる。痛みの原因をアセスメントし、治療法を検討するために痛みの分類を理解することは大切である。看護師の役割として、痛みのアセスメントを適切に繰り返し行うこと、薬剤の適切な投与と観察、有害反応対策、対象者への説明、教育等が重要となる。倦怠感については、倦怠感を引き起こしていると考えられる原因を十分に検討し、改善できる病態であればその治療を行う。対象者の全身状態、希望、予後等をよく吟味し、メリットとデメリットを検討することが重要である。倦怠感のコントロールを行うためには、医療者が対象者の倦怠感に関心を寄せ、倦怠感の症状を聞き出すことが大切である。倦怠感は主観的であり、複数の原因が絡み合って出現するため、客観的な評価が困難であるが、対象者にあった尺度を用いて客観的に評価する。
② 食欲は視床下部にある摂食中枢と満腹中枢のバランスで調整されている。食欲不振の原因には疾患、治療に伴う有害反応、疼痛、便秘などの身体的原因や不安や不眠などの精神的原因、療養環境などの社会的・環境的原因があげられる。食欲不振の症状マネージメントに伴う看護では、食欲不振のアセスメントをし、食事・栄養面の工夫をしたり口腔ケア、排便コントロール、精神的ケア、環境調整、家族ケア等を試みる。また、また、日本老年医学会の発表している「高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン;人工的水分、栄養頬級の導入を中心として」は、人工的な水分・栄養補給の導入を考えるようになった状況で、チーム医療のメンバーが、本人・家族とのコミュニケーションを通して、適切な意思決定を支援するものである。
③ 呼吸困難は「息が詰まる」「呼吸がしにくい」「胸が苦しい」と感じる自覚的な体験であり、その強さは様々である。生理的・心理的・社会的・環境的など、いくつもの因子の相互的な影響を受け、症状そのものによる苦痛がADLやQOLの低下に大きな影響を及ぼす。呼吸困難の症状マネージメントでは、呼吸困難のアセスメントや治療(酸素療法、薬物療法、呼吸リハビリテーション等)をする。看護では身体的苦痛を和らげ安楽に過ごすための支援や日常生活を心地よく過ごすための支援を心がける。特に、日用生活を心地よく過ごすための支援は欠かせない。訪問看護を行った際の環境調整は重要なケアの一つである。さらに患者の呼吸苦を傍で見ている家族への支援も、患者の苦痛を軽減する。
キーワード ① 身体症状に対する緩和ケア ② 症状マネージメント ③ 疼痛 ④ 食欲不振 ⑤ 呼吸困難
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:基礎看護学で学んだ身体的な基本的なケアの復習を行っておく。特に、呼吸困難の看護、食欲不振の看護、倦怠感の看護、疼痛の看護について具体的に在宅で可能なものをまとめる。
予習:がん終末期の身体症状、非がん・老化に伴う終末期の身体症状を、テキストを読み、まとめておく。また、日用生活を心地よく過ごすための支援は欠かせないこと、訪問看護を行った際の環境調整は重要なケアの一つであることについて、どのようなケアか具体的に考えてくる。さらに患者の呼吸苦を傍で見ている家族への支援も、患者の苦痛を軽減することの具体例を考えてくる。ガイドラインWHO方式がん疼痛治療法について調べてくる。また、WHO方式鎮痛薬使用の5原則を調べ、プレゼンテーションできるようにしておく。

4 終末期における精神的ケア 科目の中での位置付け 人の生老病死は誰もが遭遇する出来事であり、人生の終焉をいかに迎えるかが当事者にとっての人生を物語る。看護職として、終末期における在宅療養者の生活に重点を置き、地域で暮らす療養者の多様な状況・生活の場等に合わせて、QOLを最後まで最大限に保持し、尊厳ある穏やかな死を迎えられるように援助することが重要である。そのためにはチーム医療が重要となり、在宅療養者・家族の望む生活に沿って支援ができるよう多職種間の連携・情報共有が必須である。訪問看護師は医療・福祉等の知識があり、在宅療養者・家族の本音を聞き出しやすく、多職種間の橋渡し・マネージメント力を発揮して必要とされる社会資源やサービスに繋ぐことができ、チーム医療の重要な役割を担っている。第1回は終末期医療に関する歴史制度、看護の役割、第2回は終末期における看護の機能・役割 、訪問看護におけるケア体制、第3回は終末期における身体的ケア、第4回は終末期における精神的ケア、第5回は終末期における社会的ケア・スピリチュアルケア、 家族への緩和ケア、第6回は終末期における退院支援、退院調整における看護の実際、第7回は在宅における臨死期の看護、第8回は終末期ケアとエンド・オブ・ライフケアについて学ぶ。
第4回目は、終末期には死と向き合う不安、大切な人との別離に伴う喪失、孤独感、家族や医療関係者などの心理社会的な要因によって精神機能に変化をきたし、不安、抑うつ、せん妄等の精神症状について学ぶ。精神症状はそれ自体が在宅療養者に強い苦悩をもたらし、無意識の防衛機制を発動させる。各々の精神症状の概要について理解し、症状マネージメント、看護等に活かすことができる。

「終末期看護;エンド・オブ・ライフ・ケア」新体系看護学全書―経過別成人看護学; 田村恵子編集,メヂカルフレンド社2019,209~241
コマ主題細目 ① 精神症状に対する緩和ケアの意義・ポイント ② 不安、抑うつの症状マネージメント・看護 ③ 不眠、せん妄の概要および症状マネージメント・看護
細目レベル ① 精神症状とは、「変化した精神機能が表す現象」を指す。がん、非がん、認知症の終末期には、全身状態の悪化や衰弱などの身体要因、中枢神経系に影響を与える薬物、死と向き合う不安、大切な人との別離に伴う喪失、孤独感、家族や医療者の関係性や療養環境などの心理社会的要因によって精神機能に変化をきたし、不安、抑うつ、せん妄などの精神症状が出現することが少なくない。精神症状の影響で、無意識の防衛機制を発動させ、治療やケアが進めにくくなることもある。精神症状に対する緩和ケアの意義は、全人的苦痛を可能な限り軽減すること、対象者の尊厳を保持し、その人らしく生きることを支えることである。また緩和ケアのポイントは、包括的なアセスメントに基づいたケア、身体的ケアや日常生活支援を通した心のケア、穏やかで安心できる環境の調整、多職種によるチームケア等である。
② 終末期に特有の不安は、身体症状から生じる不安、自己の生命危機に対する不安の2つに大別され、気分・身体・思考・行動の症状として現れる。症状マネージメントをするためには、不安に併存・類似する病態を鑑別し、包括的アセスメントを行っていくことが重要である。看護としては、ストレス源を把握し緩和すること、対処能力を高めること、心地よいケアの提供、そして最も大切なことは対象者を孤立させないで個別性を尊重したかかわり、傾聴・共感を主としたコミュニケーションが不可欠である。抑うつは正常反応を除き、適応障害とうつ病に大別され、抑うつ状態になると悲哀間、希望喪失、敗北感等が生じ身体症状が現れる。抑うつの成因は、反応性、身体因性、内因性うつ病があり、低活動性せん妄の鑑別を念頭に置き、抑うつの原因を十分にアセスメントすることが重要である。看護は身体症状のマネージメント、抑うつ状態の程度に応じた看護介入、薬物療法のモニタリング、支持的アプローチ、家族への支援が重要となる。
③ 終末期の不眠のマネジメントは、不眠の状況(入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害等)、不眠が及ぼす影響・原因等についてアセスメントすることから始まる。看護師は不眠のアセスメントにより、睡眠のメカニズムに働きかける、好みの環境を調整する、不安や恐怖を軽減できるよう共感・支持的態度で接する、リラクセーションを図る等が重要である。 せん妄の診断は状態診断と病態診断の2つに、状態診断は過活動型・低活動型・混合型の3つのサブタイプに分けられる。状態診断後にせん妄と診断された後はあらゆる因子を探ってアセスメントする。せん妄は準備因子に直接因子と間接因子が多層的に影響して発症閾値を越えた場合に発症する。それらの因子についてアセスメントし、状況に応じたケアを提供しなければならないが、終末期におけるせん妄は、苦痛を最小限に、残り時間を家族と共により安楽に過ごせるように配慮することが重要となる。
キーワード ① 不安 ② 抑うつ ③ 不眠 ④ せん妄 ⑤ 全人的苦痛
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習・予習課題 事前学習:テーマに関するテキストを読み、理解及び関心を深めておく。
事後学習:配布資料や紹介した書籍およびテーマに沿った内容を復習し振り返る。
復習:精神看護学概論で1年時に学習した精神症状のケアの復習をしておく。特に、不安、抑うつ、不眠、せん妄等の精神症状への具体的なケアをまとめておく。また、終末期の不安症状がある患者への言葉かけはどのように行われるのが良いか復習してくる。共感的コミュニケーションとはどのようなことをまとめてくる。また、精神看護学で学んだ、抑うつ状態の患者への看護を復習しておく。
予習:不安の病態把握の可視化できるスケール(エドモンド症状評価システム改訂版、つらさと支障の寒暖計)をテキストから予習しておく。

5 終末期における社会的ケア・スピリチュアルケア、 家族への緩和ケア 科目の中での位置付け 人の生老病死は誰もが遭遇する出来事であり、人生の終焉をいかに迎えるかが当事者にとっての人生を物語る。看護職として、終末期における在宅療養者の生活に重点を置き、地域で暮らす療養者の多様な状況・生活の場等に合わせて、QOLを最後まで最大限に保持し、尊厳ある穏やかな死を迎えられるように援助することが重要である。そのためにはチーム医療が重要となり、在宅療養者・家族の望む生活に沿って支援ができるよう多職種間の連携・情報共有が必須である。訪問看護師は医療・福祉等の知識があり、在宅療養者・家族の本音を聞き出しやすく、多職種間の橋渡し・マネージメント力を発揮して必要とされる社会資源やサービスに繋ぐことができ、チーム医療の重要な役割を担っている。第1回は終末期医療に関する歴史制度、看護の役割、第2回は終末期における看護の機能・役割 、訪問看護におけるケア体制、第3回は終末期における身体的ケア、第4回は終末期における精神的ケア、第5回は終末期における社会的ケア・スピリチュアルケア、 家族への緩和ケア、第6回は終末期における退院支援、退院調整における看護の実際、第7回は在宅における臨死期の看護、第8回は終末期ケアとエンド・オブ・ライフケアについて学ぶ。
第5回目は、社会的苦痛について学ぶ。社会的苦痛は「Life(生命・人生・生活)」を基盤にした痛みである。人と環境が相互に影響を与え合いながら生活空間や時間的経過を重要視する。医療提供者には、多様な要素を含むスピリチュアリティの実態を捉え、対象者のスピリチュアルニーズに応じたケアが求められる。社会的苦痛およびスピリチュアルな苦痛のアセスメントとケアおよび終末期にある療養者の家族が抱える苦痛とケアについて理解することが重要である。

「終末期看護;エンド・オブ・ライフ・ケア」新体系看護学全書―経過別成人看護学; 田村恵子編集,メヂカルフレンド社2019,p241~274
コマ主題細目 ① 終末期における社会的ケア ② 終末期におけるスピリチュアルケア ③ 家族への緩和ケア
細目レベル ① 社会的苦痛は、生活者としての苦痛、家族や重要な他者とのつながりで生じる苦痛、経済的基盤の揺らぎによる苦痛、見取りや死別後の生活で生じる苦痛等がある。生活者としては、環境や社会的役割の多様性、ライフサイクル、単身生活者が抱える苦痛等について理解し、人と環境との相互作用、環境における社会的役割、終活への気がかり等の視点を持つことが重要である。患者を「環境」の視点からとらえると、様々な環境に見多く社会的存在であることがわかる。生産者、養育者、教育者、支援者、伴走者、指導者、パートナーなど一人の人間が複数の社会的役割を持ている。また、家族も、家族全体という一つの単位で、環境を形成している。終末期で生じる社会的課題には、これらの「人と環境との相互作用」の視点をもってケアしていく必要がある。
② 世界保健機構(WHO)は、緩和ケアについて身体的・心理社会的問題と同様にスピリチュアルな問題への対処も求めている。緩和ケアの普及とともに苦痛の一側面に「スピリチュアル」「スピリチュアリティ」が含まれることが理解されるようになった。スピリチュアリティは、自己、他者、超越者(物)、環境との調和のとれた関係性に対する欲求である。医療提供者には、多様な要素を含むスピリチュアリティの実態を捉え、在宅療養者のスピリチュアルニーズに応じたケアが求められている。スピリチュアルアセスメントは、人間存在の3次元である時間的存在、関係存在、自立存在からアセスメントする。患者のスピリチュアルペインの全体像をン把握とケアの目標の共有が可能になる。
③ 終末期における在宅療養者の家族は、療養者の死が避けられない事実を受け入れながら、眼前に起きる様々な問題に対処し続けなければならず、適切に対処できなければ療養者のケアの質低下、家族機能低下等で、死別後の家族の健康状態にも影響を及ぼす。そのため家族アセスメントを適切に行い、各々の家族に沿ったケアが重要である。家族アセスメントの項目は終末期だけに限られるものではないが以下項目を含む。1.家族構成、2.家族の発達段階、3.家族の役割関係や勢力関係、4.家族の人間関係や情緒的関係、5.家族のコミュニケーション、6.家族の対処方法、7.家族の適応力や問題解決能力、8.家族の資源、9.家族の価値観、10.家族の希望、期待、11.家族の地上生活エルフケア。
キーワード ① 社会的苦痛 ② スピリチュアルニーズ

キーワード ① 社会的苦痛 ② スピリチュアルアセスメント ③ 家族への全人的アプローチ ④ 家族アセスメント ⑤ 家族の発達課題
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:終末期に患者が体験している全人的苦痛とは何かをまとめてくる。身体的、精神的、社会的側面からの患者理解に加えて、スピリチュアルペインの重要性を復習しておく。今までの実習で体験した患者とのかかわりの中から、全人的苦痛の意味を振り返る。
予習:テキストを読んで、社会的苦痛について学ぶ。社会的苦痛は「Life(生命・人生・生活)」を基盤にした痛みであるることを理解しておく。また、人と環境が相互に影響を与え合いながら生活空間や時間的経過を重要視する医療提供者には、多様な要素を含むスピリチュアリティの実態を捉え、対象者のスピリチュアルニーズに応じたケアが求められ、社会的苦痛およびスピリチュアルな苦痛のアセスメントとケアが看護師の大きな役割であることをイメージしておく。

6 終末期における退院支援、退院調整における看護の実際 科目の中での位置付け 人の生老病死は誰もが遭遇する出来事であり、人生の終焉をいかに迎えるかが当事者にとっての人生を物語る。看護職として、終末期における在宅療養者の生活に重点を置き、地域で暮らす療養者の多様な状況・生活の場等に合わせて、QOLを最後まで最大限に保持し、尊厳ある穏やかな死を迎えられるように援助することが重要である。そのためにはチーム医療が重要となり、在宅療養者・家族の望む生活に沿って支援ができるよう多職種間の連携・情報共有が必須である。訪問看護師は医療・福祉等の知識があり、在宅療養者・家族の本音を聞き出しやすく、多職種間の橋渡し・マネージメント力を発揮して必要とされる社会資源やサービスに繋ぐことができ、チーム医療の重要な役割を担っている。第1回は終末期医療に関する歴史制度、看護の役割、第2回は終末期における看護の機能・役割 、訪問看護におけるケア体制、第3回は終末期における身体的ケア、第4回は終末期における精神的ケア、第5回は終末期における社会的ケア・スピリチュアルケア、 家族への緩和ケア、第6回は終末期における退院支援、退院調整における看護の実際、第7回は在宅における臨死期の看護、第8回は終末期ケアとエンド・オブ・ライフケアについて学ぶ。
第6回目は、退院支援が必要とされる背景と終末期における退院支援・退院調整における看護の実際について学習する。在宅療養者は、地域で暮らし家族や地域社会の中で生きている生活者である。病気や老化等に伴う変化を繰り返しながら、自分の望む場所で暮らし続け人生の最後を迎えたいと願っている。超高齢社会を迎えている日本では、地域包括システムの構築を推進し、住み慣れた地域での生活を継続できる社会を目指している。

「終末期看護;エンド・オブ・ライフ・ケア」新体系看護学全書―経過別成人看護学; 田村恵子編集,メヂカルフレンド社,2019,p278~290
コマ主題細目 ① 退院支援が求められる背景とケアシステムの構築 ② 退院支援・退院調整における看護の役割 ③ 終末期の退院支援・退院調整における看護の実際
細目レベル ① 患者は、地域で暮らし、家族や地域・社会とのつながりの中で、生きている「生活者」である。病気や老いによる暮らしにくさがあるにもかかわらず、本人にとって居心地の良い場所で人生の最期を迎えたいと願っている人が多い。超高齢社会・多死社会を迎えている日本において、住み慣れた地域での生活を継続し、人生の最終章まで生きれるような地域包括ケアシステムの構築が推進されている。地域包括ケアシステムは、本人の選択と本人・家族の心構え、住まいと住まい方、介護予防・生活支援、医療・看護、介護・リハビリテーション、保健・福祉における取り組みが包括的、継続的に行われるシステムである。入院環境から暮らしの場への移行支援、医療やケアが継続できるための看護ケアマネージメントを行い、病院内外を含めた多職種との連携、共同が重要となる。
② 退院支援は対象者がどこで療養するか、どのような生活を送るかを自己決定するための支援であり、退院調整は対象者の自己決定実現のために対象者・家族の意向を踏まえて制度や社会資源等を活用しマネージメントする過程である。退院支援における看護の役割として、対象者・家族が望む住み慣れた場所に戻れるよう、療養の目的を共有し、人生の再構築を支援することが重要となる。また、近年の考え方としてのアドバンスケアプランニングは、人生の最終段階で患者と家族と少し先を予測した準備や心構えの支援を行う意味で大変重要である。退院支援対象者のアセスメントは、病状・病態から考えられる医療上の課題と、ADl低下による生活・ケア上の課題の2つの視点で行う。
③ 終末期の退院支援・退院調整における看護師の役割は、対象者・家族の意思決定支援と自立支援について、対象者・家族とともに考え、構築していくことが重要となる。終末期の対象者が望む療養場所について院内チームで話し合い、対象者・家族に対して医師から病状・今後の見通しを説明し、病棟看護師・退院支援看護師とともに療養方法・療養場所に関する情報提供を行う。医療上の課題として緩和ケアの提供と最後の見取りをするためには在宅医療体制が必須であり、地域の支援者と共にサポート体制を整え在宅支援チームを形成することが重要である。チームでの様々な情報共有で大切なことは、患者と家族のニーズである。本当に何を望んでいるのかを適切にアセスメントし、チームで出しく共有される必要がある。ACPは患者と家族の気持ちの揺れやンかにも柔軟に対応し、繰り返し用法共有の場を持つことが大切である。
キーワード ① 退院支援 ② 退院調整 ③ 地域包括ケアシステム ④ ACP ⑤ 退院前カンファレンス
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:在宅看護学概論で学んだ地域包括ケアシステムの復習を行っておく。超高齢社会を迎えている日本では、地域包括システムの構築を推進し、住み慣れた地域での生活を継続できる社会を目指していることを再確認しておく。
予習:終末期の退院支援・退院調整における看護師の役割は、対象者・家族の意思決定支援と自立支援について、対象者・家族とともに考え、構築していくことが重要となる。終末期の対象者が望む療養場所について院内チームで話し合い、対象者・家族に対して医師から病状・今後の見通しを説明し、病棟看護師・退院支援看護師とともに療養方法・療養場所に関する情報提供を行う。、この実際を具体的な退院支援カンファレンス等のサポート検討内容として、イメージしておく。

7 在宅における臨死期の看護 科目の中での位置付け 人の生老病死は誰もが遭遇する出来事であり、人生の終焉をいかに迎えるかが当事者にとっての人生を物語る。看護職として、終末期における在宅療養者の生活に重点を置き、地域で暮らす療養者の多様な状況・生活の場等に合わせて、QOLを最後まで最大限に保持し、尊厳ある穏やかな死を迎えられるように援助することが重要である。そのためにはチーム医療が重要となり、在宅療養者・家族の望む生活に沿って支援ができるよう多職種間の連携・情報共有が必須である。訪問看護師は医療・福祉等の知識があり、在宅療養者・家族の本音を聞き出しやすく、多職種間の橋渡し・マネージメント力を発揮して必要とされる社会資源やサービスに繋ぐことができ、チーム医療の重要な役割を担っている。第1回は終末期医療に関する歴史制度、看護の役割、第2回は終末期における看護の機能・役割 、訪問看護におけるケア体制、第3回は終末期における身体的ケア、第4回は終末期における精神的ケア、第5回は終末期における社会的ケア・スピリチュアルケア、 家族への緩和ケア、第6回は終末期における退院支援、退院調整における看護の実際、第7回は在宅における臨死期の看護、第8回は終末期ケアとエンド・オブ・ライフケアについて学ぶ。
第7回目は、看取り場所の変化とマネージメント、看護の役割、見取りの実際について学ぶ。在宅での見取り場所について形態は多様化しており、長年住み慣れた居宅のみならず、特別老人ホームや有料老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者住宅等々様々である。看護師は臨死期における全身状態の変化、看護の役割、症状マネージメントとケア、臨終までの一般的な経過について、対象者・家族と共に考え寄り沿った支援が求められる。

「終末期看護;エンド・オブ・ライフ・ケア」新体系看護学全書―経過別成人看護学; 田村恵子編集,メヂカルフレンド社,304~316p,2019
「家(うち)で看取ると云うこと〜人生の旅立ちは家族の声に包まれて〜」、医療法人ゆうの森 看取りのパンフレット制作委員会2014年
コマ主題細目 ① 看取り場所の変化とマネージメント、多職種によるチームケア ② 在宅での看取りにおける看護の役割 ③ 在宅での看取りの実際
細目レベル ① 近年の社会情勢の変化で、医療費削減を目的とする用制度改革は、入院期間を短縮し、なるべく在宅で過ごせる体制を整えている。一言で在宅といっても患者によって状況が様々である。グループホーム、ケア付き高齢者住宅等々多様化している。療養者・家族の希望に沿って療養場所を自己決定できるよう、種々ある情報を整理し、伝えることが重要である。そして療養者・家族に必要なサービスや職種についてマネージメントし、在宅療養支援チームを形成することが求められる。看護師は、幅広く多くの知識と多くの職種との関係性を構築していく必要がある。在宅における看取りのチームケアでの看護師の役割は、ケアを取りまとめるリーダーシップであり、コミュニケーション力や様々な調整力を求められる。
② 在宅での見取りのケアにおいて、看護師は在宅支援チームの要となる場合が多い。病院等からの移行期には看護師は病院に出向き、退院前カンファレンスに参加し、予測される病状経過の把握、対象者・家族の理解力、対象者の希望、在宅療養に対する意見・希望、在宅支援チームの相互理解等々を確認し情報共有、役割確認をする。退院後は在宅療養状況・身体症状、服薬状況等々の把握をしながら、生活に寄り添った支援を心がける。終末期は安らかな最期が迎えられるよう、刻々変化する病態の説明や対処方法等家族を含め介護員等々にも指導しておかなければならない。在宅での看取りのケアは、入院から在宅への移行 期、在宅での安定期在宅での終末期に分かれる。在宅ケアおける看取りの看護は、患者への直接ケアだけでなく、そこにかかわる家族や多職種を含む多くの人々との間を取り持ち、調整する大きな役割がある。
③ 在宅での看取りの実際の事例から考え意見をまとめる。事例:Aさん、85歳。肺がん後の脳転移。慢性閉塞性肺疾患の既往がある。がんはステージ4であること、高齢であることから、治療の適応はなかった。本人にも病状の告知がされると、なるべく自宅で過ごしたいという希望があった。病院の地域連携室から、在宅医による訪問診療と訪問看護の導入が依頼された。同居の妻80歳と遠方に住む一人息子に、予後1~2か月程度と説明された。息子は、妻の介護負担を心配して、在宅医療には消極的であった。そこで、在宅医療をしながら、ホスピスへの入院待ちをすることになった。この事例の場合、看護師はどのような役割を担うかを考え、看護過程の展開をたどることで、自分の終末期看護に関する看護観を再確認する。
キーワード ① 看取り ② 在宅支援チーム ③ 意思決定支援 ④ 訪問看護師 ⑤ 在宅多職種チーム
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:1990年代後半頃から欧米でエンド・オブ・ライフケア(end of life care)」が提唱され始めた。超高齢社会を迎えている日本においても多死社会を見据え、より良い終末期医療の実現に向けて2007年に「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」が策定された。その後2015年には「終末期医療」という表記を「人生の最終段階における医療」へと名称変更した。2018年には「人生の最終段階における医療ケアの決定プロセスに関するガイドライン」へと改定されている。これらの歴史、制度の変化を既習の各領域の中からまとめておく。
予習:テキストp296の事例Aさんについて看護過程の展開をしておく。また、在宅における終末期看護に対する自分の意見をまとめておく。

8 終末期ケアとエンド・オブ・ライフケア 科目の中での位置付け 人の生老病死は誰もが遭遇する出来事であり、人生の終焉をいかに迎えるかが当事者にとっての人生を物語る。看護職として、終末期における在宅療養者の生活に重点を置き、地域で暮らす療養者の多様な状況・生活の場等に合わせて、QOLを最後まで最大限に保持し、尊厳ある穏やかな死を迎えられるように援助することが重要である。そのためにはチーム医療が重要となり、在宅療養者・家族の望む生活に沿って支援ができるよう多職種間の連携・情報共有が必須である。訪問看護師は医療・福祉等の知識があり、在宅療養者・家族の本音を聞き出しやすく、多職種間の橋渡し・マネージメント力を発揮して必要とされる社会資源やサービスに繋ぐことができ、チーム医療の重要な役割を担っている。第1回は終末期医療に関する歴史制度、看護の役割、第2回は終末期における看護の機能・役割 、訪問看護におけるケア体制、第3回は終末期における身体的ケア、第4回は終末期における精神的ケア、第5回は終末期における社会的ケア・スピリチュアルケア、 家族への緩和ケア、第6回は終末期における退院支援、退院調整における看護の実際、第7回は在宅における臨死期の看護、第8回は終末期ケアとエンド・オブ・ライフケアについて学ぶ。
第8回は、終末期ケアとエンド・オブ・ライフケアについて学習する。人生の終末について今まで「終末期「エンド・オブ・ライフケア」「ターミナルケア」「緩和ケア」という用語が多く用いられてきた。1990年代後半頃から欧米でエンド・オブ・ライフケア(end of life care)」が提唱され始め、超高齢社会を迎えている日本においても多死社会を見据え、より良い終末期医療の実現に向けてガイドライン策定が繰り返され、文言が「終末期医療」から「人生の最終段階における医療」という名称に変更された経緯がある。そして「エンド・オブ・ライフケア」という用語が様々な場面で用いられるようになった。エンド・オブ・ライフケアの目的・意義、アプローチ等々について理解を深めておくことが重要である。

「終末期看護;エンド・オブ・ライフ・ケア」新体系看護学全書―経過別成人看護学; 田村恵子編集、メヂカルフレンド社、2019,p15~16
「家(うち)で看取ると云うこと〜人生の旅立ちは家族の声に包まれて〜」、医療法人ゆうの森 看取りのパンフレット制作委員会2014年
コマ主題細目 ① 終末期からエンド・オブ・ライフケアへの変遷、目的・意義、定義 ② エンド・オブ・ライフケアのアプローチ(ACP)
細目レベル ① 1990年代後半頃から欧米でエンド・オブ・ライフケア(end of life care)」が提唱され始めた。超高齢社会を迎えている日本においても多死社会を見据え、より良い終末期医療の実現に向けて2007年に「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」が策定された。その後2015年には「終末期医療」という表記を「人生の最終段階における医療」へと名称変更した。2018年には「人生の最終段階における医療ケアの決定プロセスに関するガイドライン」へと改定されている。エンド・オブ・ライフケアの定義はまだ明確ではないが、日本においては、2012年に長江らが世界的な概念を概観して見出した概念が主流となっている。諸外国での実情と日本のそれを比較しながらEOLの全容を学ぶ。
② エンドオブライフケアの特徴は、その人の生活に焦点を当てる、患者、家族、医療スタッフが、死を意識した時から始まる、疾患を限定しない、高齢者も対象とする、QOLを最期まで最大限に保ち、その人にとって良い死を迎えられることを目標とする。エンド・オブ・ライフケアのアプローチとしてアドバンス・ケア・プランニング(ACP)が重要となる。アドバンス・ケア・プランニング(advance care planning)は「事前に医療・ケアに対する計画を立てること」であり、意識清明な時に療養者・家族と医療従事者が共に考え、そのプロセスを重要視している。支援療法は、EOLに含まれる一つの療法であり、がんの有害反応のマネジメントと治療をさす。リハビリテーション、サバイバーシップへの対応を含めたマネジメントである。
③ 「終末期医療」から「人生最終段階における医療」への切り替えにより、これまで以上に尊厳を尊重した人間の生き方が注目されている。次の事例から終末期医療における看護師の役割を考える。在宅での看取りの実際の事例から考え意見をまとめる。在宅での看取りの実際の事例から考え意見をまとめる。事例:Aさん、85歳。肺がん後の脳転移。慢性閉塞性肺疾患の既往がある。がんはステージ4であること、高齢であることから、治療の適応はなかった。本人にも病状の告知がされると、なるべく自宅で過ごしたいという希望があった。病院の地域連携室から、在宅医による訪問診療と訪問看護の導入が依頼された。同居の妻80歳と遠方に住む一人息子に、予後1~2か月程度と説明された。息子は、妻の介護負担を心配して、在宅医療には消極的であった。そこで、在宅医療をしながら、ホスピスへの入院待ちをすることになった。この事例の場合、看護師はどのような役割を担うかを考え、看護過程の展開をたどることで、自分の終末期看護に関する看護観を再確認する。


キーワード ① エンド・オブ・ライフケア ② アドバンス・ケア・プランニング(ACP) ③ 支持療法 ④ 人生最終段階における医療 ⑤ 尊厳
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:1990年代後半頃から欧米でエンド・オブ・ライフケア(end of life care)」が提唱され始めた。超高齢社会を迎えている日本においても多死社会を見据え、より良い終末期医療の実現に向けて2007年に「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」が策定された。その後2015年には「終末期医療」という表記を「人生の最終段階における医療」へと名称変更した。2018年には「人生の最終段階における医療ケアの決定プロセスに関するガイドライン」へと改定されている。これらの歴史、制度の変化を既習の各領域の中からまとめておく。
予習:テキストp296の事例について看護過程の展開をしておく。また、在宅における終末期看護に対する自分の意見をまとめておく。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
終末期における看護の機能・役割と多職種連携 在宅においては、訪問看護師がチーム医療の中核を担うことが多く、多職種のマネージメントや療養者・家族の代弁者としての役割を持つ。療養者・家族のニーズを察知し、必要なサービスに結び付け寄り添いながら支援する。そして療養者の病状や思い、家族の思い等々を勘案し、必要なケア体制を構築する。終末期における看護の機能・役割、多職種連携に基づくチーム医療と看護の役割について理解できる。終末期医療の場所は、一般病棟、ホスピス・緩和ケア病棟、在宅、高齢者施設等があり、それぞれ、時間の制限、衣食住に関すること、対象者、関わる医療スタッフ、医療内容、家族の介護負担などで特徴がある。病院での死亡は、全死亡の8割を占めることなどを理解する。 ニーズ、マネージメント、チーム医療、看護の役割 20 第2回
終末期における身体的・精神的・社会的・スピリチュアルケア 終末期医療における看護では、身体的・精神的・社会的・スピリチュアルな全人的存在として対象をとらえることが重要である。身体的・精神的症状の概要、マネージメント、看護等について理解できる。社会的苦痛およびスピリチュアルな苦痛のアセスメントとケアについて理解できる。家族アセスメントの項目は終末期だけに限られるものではないが以下項目を含む。1.家族構成、2.家族の発達段階、3.家族の役割関係や勢力関係、4.家族の人間関係や情緒的関係、5.家族のコミュニケーション、6.家族の対処方法、7.家族の適応力や問題解決能力、8.家族の資源、9.家族の価値観、10.家族の希望、期待、11.家族の地上生活エルフケア。これらの項目の意味を理解する。
身体的・精神的・社会的・スピリチュアルケア、苦痛のアセスメント 20 第3・4・5回
終末期の退院支援・退院調整における看護の実際 退院支援は対象者がどこで療養するか、どのような生活を送るかを自己決定するための支援であり、退院調整は対象者の自己決定実現のために対象者・家族の意向を踏まえて制度や社会資源等を活用しマネージメントする過程である。退院支援における看護の役割として、対象者・家族が望む住み慣れた場所に戻れるよう、療養の目的を共有し、人生の再構築を支援することが重要となる。終末期における退院支援・退院調整における看護の実際について理解できる。終末期の退院支援・退院調整における看護師の役割は、対象者・家族の意思決定支援と自立支援について、対象者・家族とともに考え、構築していくことが重要であることを理解する。 退院支援・調整、地域包括ケアシステム 20 第6回
終末期における医療の目的と場の特性 終末期では画一的な医療が実施されるのではなく、医療職者が患者や家族の価値観・希望等を汲み取り、それらの意向に応じて医療や看護を提供することが重要である。終末期であっても病状や状況によって、療養者の望む医療や療養場所は異なり変わり得るため、療養者が求める終末期医療・看護を提供することが大切である。「終末期医療」から「人生最終段階における医療」への切り替えにより、これまで以上に尊厳を尊重した人間の生き方が注目されていることを理解する。 終末期の場の特徴、在宅療養者の価値観・希望、エンド・オブ・ライフケア 20 第1・8回
在宅における臨死期の看護
と家族の苦痛
終末期は安らかな最期が迎えられるよう、臨終までの一般的な経過や刻々変化する病態の説明、対処方法等家族にも指導しておかなければならない。臨死期における全身状態の変化、看護の役割、症状マネージメントとケア、臨終までの一般的な経過、終末期にある療養者の家族が抱える苦痛とケアを理解できる。エンド・オブ・ライフケアのアプローチとしてアドバンス・ケア・プランニング(ACP)が重要となる。アドバンス・ケア・プランニング(advance care planning)は「事前に医療・ケアに対する計画を立てること」であることを理解できる。 臨死期、臨終経過、家族の苦痛、ビリーフケア、ACP 20 第7回
評価方法 期末試験100%で評価する
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 「終末期看護;エンド・オブ・ライフ・ケア」新体系看護学全書―経過別成人看護学; 田村恵子編集、メヂカルフレンド社、2018年
参考文献 「家(うち)で看取ると云うこと?人生の旅立ちは家族の声に包まれて?」、医療法人ゆうの森 看取りのパンフレット制作委員会2014年
実験・実習・教材費