区分 専門科目-発達看護学-小児看護学
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力 倫理観 専門性探求
地域社会貢献 グローバル性
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性 広い視野 知識・技術
判断力 探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
専門科目の中の「発達看護学」に位置づけ、専門基礎科目や基盤看護学の知識をもとに、医療をはじめとする社会全体の責務である子どもの健やかな成長・発達の保障のために必要な小児看護の専門的知識を修得する。本科目は、小児と家族に対する理解と必要な関わりのための理論や基礎知識を修得できるよう、小児と家族に必要な看護実践を行う基盤となる科目である。本科目の後に続く小児と家族の状況をどのようにアセスメントし、看護援助を行えばよいかと発展する「小児看護援助論Ⅰ」「小児看護援助論Ⅱ」「小児看護学実習」のための基盤となる科目である。
科目の目的
1. 小児看護学概論では、小児看護の理念や特徴、歴史、理論を学び、各小児期における成長・発達過程を理解し、小児看護の基本を修得する。
2. 小児を家族の中の存在として位置づけ、小児と家族を中心とする看護を基本理念として、取り巻く社会や状況を理解し、子どもの権利を尊重した援助が考えられる基盤を修得する。
3. 小児を取り巻く生活環境や家族とのかかわりを学び、健康障害が小児とその家族に及ぼす影響について理解し、小児看護の対象者への最善の利益を考えた援助および小児看護の役割についての基本を修得する。

到達目標
1.小児と家族のおかれた環境を理解し、小児看護の理念や役割、各小児期における成長・発達過程を理解し、小児看護の基本を修得する。
2.小児を取り巻く生活環境や家族とのかかわりを学び、健康障害が小児とその家族に及ぼす影響について理解し、小児看護の対象者への最善の利益を考えた援助および小児看護の役割についての基本を修得する。
3.小児と家族への支援・アプローチの基本を理解する。

科目の概要
小児看護では、小児の成長・発達の理論や基本的知識を理解し、あらゆる健康レベルや発達段階に応じた小児と家族への看護援助について理解できることを目指す。第1回は小児看護を学ぶ上での対象の理解、子どもの人権を理解するとともに、小児看護における理論と法律、健康増進のための社会制度と環境対策を、諸統計資料や小児看護の変遷などから概観し、小児看護の目標や役割、課題について学ぶ。第2回は遊びと教育、小児の成長・発達のプロセスおよび評価方法を学ぶ。第3回から第6回は新生児期・乳児期・幼児期・学童期・思春期の小児看護に必要な形態的・機能的・心理・社会的発達を中心に学修する。第7回は、小児医療・看護の変遷、小児医療に必要な基礎的知識、第8回は身体障害・発達障害および児童虐待を受けた子どもと家族への看護について学修し、小児がひとりの人間として尊重され、その子らしく生活できるよう、小児の人権を考え配慮した援助のあり方について思考し、小児看護への関心意欲を高められる内容とする。
本科目は、総合病院で小児病棟での実務経験のある教員が担当し、小児看護の理念や特徴を学び、各小児期における成長・発達過程を理解し、小児看護の基本を教授する科目である。

科目のキーワード
①小児 ②成長・発達 ③子どもの最善の利益 ④家族 ⑤小児看護
授業の展開方法
本講義では、冒頭に教員が作成した資料を配布し、それに沿って講義を進める。学生は、配布された資料に重要事項を書き込んでいく。毎回、事前に指定した教科書の該当ページを熟読し(事前学習)講義に臨むことが受講の前提条件として求められる。各回の講義は、1)前回の小テストの解説を含めたフィードバックや学生からの質問への回答、2)当該回の学習内容の教授、3)学習内容に関連した小テスト(国家試験問題)の解答から構成される。 講義中は、ランダムに質問に対する返答を求める。講義終了時には、リアクションペーパーに講義に関する質問を記載し、次回の講義開始時に、教員からフィードバックを行う。
私語・携帯・途中退室はチェックし、注意喚起を促す。授業開始から10分以内のヨリソルでの出欠確認および小テスト・リアクションシートの3点の提出により出席とみなす。また、小テストの点数が60点未満の学生については、個別に再テストを課す可能性もある。
そのため、分からない部分は遠慮なく伝えてください。

オフィス・アワー
研究室709:木曜4・5限
E-mail:n-hato@uhe.ac.jp
(メールはいつでも受け付けます)

科目コード ERJ01
学年・期 2年・前期
科目名 小児看護学概論
単位数 1
授業形態 講義
必修・選択 必修
学習時間 【講義】16h
【予習・復習】29h
前提とする科目 看護学概論Ⅰ、看護学概論Ⅱ
展開科目 本科目は、小児看護学を展開するための基礎となるものである。特に小児看護援助論Ⅰ、Ⅱ、Ⅲへの展開科目の主要科目として位置づく。
関連資格 看護師資格 保健師資格、助産師資格、養護教諭
担当教員名 羽藤典子
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 小児看護学概論オリエンテーション  小児看護の対象と子どもの健康な生活を支える法・制度の理解 科目の中での位置付け 小児看護学概論では、小児の成長・発達の理論や基本的知識を理解し、あらゆる健康レベルや発達段階に応じた小児と家族への看護援助について理解できることを目指す。小児を取り巻く社会制度や社会情勢の変化を知るとともに、統計データや関連法規、国の施策等を概観し、小児の発達段階、家族との関係について理解を促し、セルフケア能力に応じた必要な援助を行うことにより、小児の成長・発達を促進することの重要性を学ぶ。また、家族看護の視点で家族全体を1つのシステムとして捉えられるよう、多様化した家族の在り方について理解を促す。さらに、小児は常に成長発達していく存在であること、年齢や健康レベルに関わらず健やかに育っていく権利いわゆる「子どもの権利」を学ぶことで、小児看護に携わる看護者の責務である、1人の人として小児を尊重すること、社会の中で健やかに成長し生きていくことができるような看護を提供することの重要性を理解する。具体的には、第1回では、小児看護の対象や子どもの人権やそれを取り巻く家族を理解し、子どもに関する保健統計を概観する。第2回は1回目の講義の続きおよび遊びと教育、小児の成長・発達のプロセスおよび評価方法を学ぶ。第3回から第6回は、新生児期・乳児期・幼児期・学童期・思春期の小児看護に必要な形態的・機能的・心理・社会的発達を中心に具体的に学修する。第7回は、小児医療・看護の変遷、小児医療に必要な基礎的知識、第8回は、身体障害・発達障害および児童虐待を受けた子どもと家族への看護について学修していく。
第1回目では、小児看護の対象および子どもの人権とそれを取り巻く家族を理解し、子どもに関する保健統計を概観することで小児看護の動向を学ぶ。

教科書:二宮啓子・今野美紀編 小児看護学Ⅰ 小児看護学概論 子どもと家族を理解し力を引き出す 改訂第4版、南江堂、ISBN978-4-524-22756-3、
細目レベル①P4~8
細目レベル②P10~12
細目レベル③P24~29
コマ主題細目 ① 小児看護の対象の理解と小児看護の役割 ② 子どもの権利に関する条約の意義や子どもにとっての遊びや教育の意義  ③ 子どもの健康な生活を支える法・制度
細目レベル ① 小児看護の対象は、健康、不健康を問わず全ての子どもであることを理解する。すなわち、入院している子ども、外来通院している子ども、自己管理しながら通学している慢性疾患をもつ子ども、在宅で療養生活を送っている障害をもつこども、そして保育所や学校に通う健康な子どもなど、あらゆる健康状態にある子どもが対象であることを理解する。また、小児看護を対象年齢でとらえる際、慢性的な経過をたどる疾患や障害をもつ子どもの増加に伴い,すでに成人となった人の診療を小児科医が継続的に行っている現状から,15歳以上の人でも対象と考える。一方、児童福祉法や児童の権利に関する条約においては,18歳未満を児童とよび,小児の期間を提示することなどから、小児看護の対象は,おおむね受精から20歳未満までと捉えることを理解する。
また、小児看護の役割には、子どもの成長・発達の促進、子どもの健康増進、子どもの苦痛緩和、子どもの疾患管理、家族の支援、多職種との連携などの視点を理解する。

② 1947年に制定された「児童福祉法」による児童の基本的権利を尊重し,国民が活動する際の一規範として1951年に「児童憲章」が制定された.これは,「人として尊ばれる」という「独立した人格主体」としての子ども観を, 日本で初めて打ち出した文書であること,そしてすべての児童の幸福とよりよい環境のなかで健全な成長を図るために定められたものであることを理解する。一方,これらは法律でないことから,国民や国家機関を直接拘束する力はもたないことを理解する。
児童福祉法(昭和22年1947年に制定)では、「18歳未満の者」を「児童」と定義している。全ての子供が心身ともに健やかに生き、生活できることを保障する理念と同時に、国や地方公共団体が育成する責任を示している。
 子どもにとっての遊びとは、「子どもの心と身体の成長にとって必要不可欠な楽しい自発的な活動」と定義され、遊びは生活そのものであることを理解する。また、遊びの発達と分類については、ビューラー(Buhler C)の子どもの興味の変化による遊びの発達とパーテン(Parten M)の社会性の発達の視点からの遊びの発達を、例を用いながら理解を深める。さらに子どもの学びの意義について、自我発達理論および社会的学習理論の視点から理解を深めるとともに、現代における学びの現状と課題についても説明する。

③ 子どもに関する保健統計の現況を学ぶ上で、出生や世帯に関する統計とくに合計特殊出生率について、出生数と合わせて年次推移を理解していく。子どもの死亡に関する統計としては、乳児死亡と新生児死亡の違いや我が国の乳児死亡率が世界的にも有数の低率水準を維持できている理由なども併せて理解する。一方で、子どもの死因には、年齢により特徴があること(不慮の事故、自殺など)を理解し、その予防に対する取り組みを理解していく。
 子どもと家族を支援するための法律の概要と施策について、とくに母子保健施策のあゆみをはじめ、児童福祉法や母子保健法の概要、児童虐待防止法、成育基本法について理解をしていく。また、子どものヘルスプロモーションに関する法や制度としての「健やか親子21」「食育基本法」「少子化社会対策基本法」「次世代育成支援対策推進法」の概要について触れていく。
 最後に、子どもの健康増進のための社会資源を理解するために、医療に関する公的な社会資源としての小児慢性特定疾病医療費助成や自立支援医療、子育て支援サービスとしての乳幼児健康診査や予防接種、学校保健における学校感染症の分類について代表的な疾患について、国試問題を例に挙げながら理解を深める。

キーワード ① 小児看護の対象年齢 ② 児童福祉法 子どもの権利条約 健やか親子21 ③ 合計特殊出生率 ④ 子どもの死因
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 事前学習
①については、P4~8の小児看護の対象および小児看護の役割と責務を、②については、P10~12の子どもの権利について、③については、P24~29の合計特殊出生率の意味やその推移を理解してくること。子どもの死因についても成人の死因とどのように違うのかについて、シラバスで提示されている教科書のページを熟読し、各自のノートやレポート用紙に概要やポイント、キーワード等を項目別に事前学習して授業に臨む。
事後学習
授業後は、授業内容の振り返りを行う。国試出題基準(小児)について理解し、関連する国家試験問題についてchat GPTを活用し自身で作成し、回答するとともに、その根拠を理解できるようにしておくこと。

2 子どもの成長・発達の特徴と評価方法 科目の中での位置付け 小児看護学概論では、小児の成長・発達の理論や基本的知識を理解し、あらゆる健康レベルや発達段階に応じた小児と家族への看護援助について理解できることを目指す。小児を取り巻く社会制度や社会情勢の変化を知るとともに、統計データや関連法規、国の施策等を概観し、小児の発達段階、家族との関係について理解を促し、セルフケア能力に応じた必要な援助を行うことにより、小児の成長・発達を促進することの重要性を学ぶ。また、家族看護の視点で家族全体を1つのシステムとして捉えられるよう、多様化した家族の在り方について理解を促す。さらに、小児は常に成長発達していく存在であること、年齢や健康レベルに関わらず健やかに育っていく権利いわゆる「子どもの権利」を学ぶことで、小児看護に携わる看護者の責務である、1人の人として小児を尊重すること、社会の中で健やかに成長し生きていくことができるような看護を提供することの重要性を理解する。具体的には、第1回では、小児看護の対象や子どもの人権やそれを取り巻く家族を理解し、子どもに関する保健統計を概観する。第2回は1回目の講義の続きおよび遊びと教育、小児の成長・発達のプロセスおよび評価方法を学ぶ。第3回から第6回は、新生児期・乳児期・幼児期・学童期・思春期の小児看護に必要な形態的・機能的・心理・社会的発達を中心に具体的に学修する。第7回は、小児医療・看護の変遷、小児医療に必要な基礎的知識、第8回は、身体障害・発達障害および児童虐待を受けた子どもと家族への看護について学修していく。
第2回は、1回目の講義から引き続き、小児の成長・発達の基礎的知識および評価方法について学修する。

教科書:二宮啓子 今野美紀編、『小児看護学Ⅰ 小児看護学概論・小児看護技術 改訂第4版』、南江堂 ISBN:978-4-524-2275-6-3 3600円 
細目レベル①p66-79
細目レベル②p79-85
細目レベル③p86-95
コマ主題細目 ① こどもの成長・発達の概要、形態・機能的発達 ② 心理・社会的発達 ③ 身体・心理・社会的成長・発達の評価
細目レベル ① 児は常に成長・発達している存在である。特に生後1年間の成長・発達は人生の中でも最も大きい。本講義では、成長と発達の意味をおさえ、成長発達の原則(1.方向性・2.順序性、3.連続的であるが、一定の速度ではなく急速な時期と緩慢な時期があるスキャモンの発育曲線、4.臨界期(感受期・敏感期)、5.個人差がある)について理解する。それらを踏まえた上で、形態的発達(体重、身長、頭部、胸部、身体の割合、乳歯と永久歯、骨年齢と発育、第二次性徴)についてポイントを押さえながら理解していく。  機能的発達については、循環器系の特徴としての胎児循環からの移行、呼吸器系として、主に腹式呼吸から胸式呼吸へ移行する過程の理解をはじめ、消化器系、泌尿器系の特徴を理解し、体温、睡眠、免疫、神経・反射、運動機能の発達が成人とどのように異なるのか、それはなぜなのか根拠を押さえながら教授し、小児看護援助論Ⅰ・Ⅱにつなげられるようにする。さらに、子どもの成長発達及び異常の早期発見の際に必要な原始反射の開始・消失時期やその特徴について説明する。
② こどもの心理・社会的発達は、認知・情緒・親子関係、社会性や性の認識など、多彩で複雑な変化である。子どもの心理・社会的発達は、時間軸に沿った変化の推移が順調なだけでなく、それらのバランスがとれていることも重要である。さらに、身体の成長・発達との関連性が高いこと、個人差が大きいことなどの特徴を理解する。以下の「心理・社会的発達」の具体的説明については第3回以降で行うが、それぞれがどのような理論を説いたのかについては、第2回目で触れていく。
愛着の発達については、ボウルヴィの愛着理論から、愛着行動が人間の乳児において発達する過程(4つの段階)を理解していく。認知・思考の発達については、ピアジェの認知発達理論を解説していく。この理論は、とくに子どもの病気の理解がどのように進んでいくのか関連付けていく必要があるため、しっかり理解しておく必要がある。自我の発達については、エリクソンの自我発達理論を8つの発達段階より学んでいく。この理論は成人以降でも重要であるが、小児看護領域では乳児期から青年期までを扱うことから、心理・社会的危機の漸成図式を理解しておくことが重要である。情緒の発達については、ブリッジスの感情分化説を概観する。これらは国家試験問題にも出題されることがあるため、誕生時の未分化な興奮から快・不快などどのように情緒が発達していくのかについて、例を挙げながら解説していく。

③ 小児の健康状態や成長・発達の評価(アセスメント)には、標準値を用いた乳幼児身体発育値によるパーセンタイル値があり、学童になると学校保健統計調査からの平均と標準偏差で評価する。指数を用いた評価は、カウプ指数、ローレル指数、肥満度で判定することを理解し、算出の方法および評価判定について理解する。精神・運動機能の評価は、デンバー発達判定法、遠城寺式乳幼児分析的発達検査等があることを理解し、表の見方や判定方法についても解説していく。この評価法は、各期で栄養の評価や認知発達を評価するうえで重要であるため、確実に覚えておく。
キーワード ① 成長発達の原則 ② スキャモンの発育曲線 ③ 臨界期(感受期・敏感期) ④ 達理論(ボウルヴィ、エリクソン、ブリッジス、ピアジェ) ⑤ カウプ指数、ローレス指数、デンバー発達判定法
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 小テストについては、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 事前学習
シラバスで提示されている教科書のページ(こどもの成長・発達の概要、形態・機能的発達p66-79 、心理・社会的発達p79-85、身体・心理・社会的成長・発達の評価p86-95)を熟読し、各自のノートやレポート用紙に概要やポイント、キーワード等を項目別に事前学習して授業に臨む。
事後学習
授業後は、授業内容の振り返りを行う。国試出題基準(小児)について理解し、関連する国家試験問題についてchat GPTを活用し自身で作成し、回答するとともに、その根拠を理解できるようにしておくこと。

3 新生児期の子どもの特徴と支援 科目の中での位置付け 小児看護学概論では、小児の成長・発達の理論や基本的知識を理解し、あらゆる健康レベルや発達段階に応じた小児と家族への看護援助について理解できることを目指す。小児を取り巻く社会制度や社会情勢の変化を知るとともに、統計データや関連法規、国の施策等を概観し、小児の発達段階、家族との関係について理解を促し、セルフケア能力に応じた必要な援助を行うことにより、小児の成長・発達を促進することの重要性を学ぶ。また、家族看護の視点で家族全体を1つのシステムとして捉えられるよう、多様化した家族の在り方について理解を促す。さらに、小児は常に成長発達していく存在であること、年齢や健康レベルに関わらず健やかに育っていく権利いわゆる「子どもの権利」を学ぶことで、小児看護に携わる看護者の責務である、1人の人として小児を尊重すること、社会の中で健やかに成長し生きていくことができるような看護を提供することの重要性を理解する。具体的には、第1回では、小児看護の対象や子どもの人権やそれを取り巻く家族を理解し、子どもに関する保健統計を概観する。第2回は1回目の講義の続きおよび遊びと教育、小児の成長・発達のプロセスおよび評価方法を学ぶ。第3回から第6回は、新生児期・乳児期・幼児期・学童期・思春期の小児看護に必要な形態的・機能的・心理・社会的発達を中心に具体的に学修する。第7回は、小児医療・看護の変遷、小児医療に必要な基礎的知識、第8回は、身体障害・発達障害および児童虐待を受けた子どもと家族への看護について学修していく。
第3回目は、新生児期の小児看護に必要な形態的・機能的・心理・社会的発達を中心に具体的に学修する。

教科書:『小児看護学概論 改訂第3版』二宮啓子 今野美紀編、南江堂 ISBN:978-4-524-25982-3
細目レベル①p96-101
細目レベル②p101-102
細目レベル③p102-105
コマ主題細目 ① 新生児期の身体的発育状態や特徴 ② 新生児期の認知発達 ③ 新生児期の愛着形成
細目レベル ① 身体的発育状態として(身長・体重・頭囲・胸囲)、出生時身長標準曲線と出生時体重標準曲線、生理的体重減少、低出生体重児、大泉門・小泉門について用語の意味について確実に理解する。特に、新生児は、アプガースコアにおいて呼吸と循環を評価(心拍数・呼吸・筋緊張・反射・皮膚の色)することや、その他、新生児の特徴である胎児循環から肺呼吸の確立、呼吸数と心拍数、体温の変動しやすい理由、新生児黄疸とその異常の鑑別、原始反射(哺乳反射・モロー・緊張性頸反射・把握反射・自動歩行反射・足底反射)ついて理解できるよう解説する。
② 新生児期の認知発達としては、ピアジェの認知発達理論によると、感覚―運動器の第1段階にあたり、この時期には、唇がものに触れると吸い付くといった行為が起こるように、生得的に持っている反射による活動である。この感覚―運動器の第1段階と原始反射を関連付けて理解していく。情緒の発達については、空腹やおむつが濡れていること等を「不快」とし、啼泣することで表現していることから、ブリッジスの「興奮」から「不快」・「快」への移行と関連付けて理解できる。啼泣することで不快な状況を訴え、母親をはじめとした他者に要求を示し、要求が満たされると泣き止むという表現は、相互的なコミュニケーションであるということを理解していく。これらの母子相互作用を通して母子間の愛着が形成されていることを結びつけながら新生児期の発達を理解していく。
③ 愛着形成が築けない母親側の要因として、望まない妊娠、出産後の母親の身体的健康問題、産後うつ病などの精神的問題、母親自身が受けた別離体験や被虐待体験などがある。また、子ども側の要因として、なかなか泣き止まないなどの難しい気質、先天性疾患や低出生体重児、出産直後からの母子分離などがある。さらに、夫婦関係の問題や経済的問題、社会的な孤立などの要因があると、児童虐待の危険性がある。そのため、医療職は、母親だけでなく、父おやにも同様に子どもとのスキンシップを促進し、子どもとの関係性を促進するとともに、両親で協力しあって育児ができるよう職場環境や社会の理解の必要性を認識しておく必要がある。
キーワード ① 新生児 ② 生理的体重減少 ③ 原始反射 ④ 発達理論 ⑤ 愛着形成
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 小テストについては、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習・予習課題
事前学習:シラバスで提示されている教科書のページ(① 新生児期の形態的・機能的発達の特徴  P96 ~101、②新生児期の心理・社会的発達の特徴 P101~102、③新生児期に起こりやすい健康問題と支援 P102~105)を熟読し、各自のノートに概要やポイント、キーワード等を項目別に事前学習して授業に臨む。

事後学習:授業後は、授業内容の振り返りを行う。国試出題基準(小児)について理解し、関連する国家試験問題についてchat GPTを活用し自身で作成し、回答するとともに、その根拠を理解できるようにしておくこと。

4 乳児期の子どもの特徴と支援 科目の中での位置付け 小児看護学概論では、小児の成長・発達の理論や基本的知識を理解し、あらゆる健康レベルや発達段階に応じた小児と家族への看護援助について理解できることを目指す。小児を取り巻く社会制度や社会情勢の変化を知るとともに、統計データや関連法規、国の施策等を概観し、小児の発達段階、家族との関係について理解を促し、セルフケア能力に応じた必要な援助を行うことにより、小児の成長・発達を促進することの重要性を学ぶ。また、家族看護の視点で家族全体を1つのシステムとして捉えられるよう、多様化した家族の在り方について理解を促す。さらに、小児は常に成長発達していく存在であること、年齢や健康レベルに関わらず健やかに育っていく権利いわゆる「子どもの権利」を学ぶことで、小児看護に携わる看護者の責務である、1人の人として小児を尊重すること、社会の中で健やかに成長し生きていくことができるような看護を提供することの重要性を理解する。具体的には、第1回では、小児看護の対象や子どもの人権やそれを取り巻く家族を理解し、子どもに関する保健統計を概観する。第2回は1回目の講義の続きおよび遊びと教育、小児の成長・発達のプロセスおよび評価方法を学ぶ。第3回から第6回は、新生児期・乳児期・幼児期・学童期・思春期の小児看護に必要な形態的・機能的・心理・社会的発達を中心に具体的に学修する。第7回は、小児医療・看護の変遷、小児医療に必要な基礎的知識、第8回は、身体障害・発達障害および児童虐待を受けた子どもと家族への看護について学修していく。
第4回目は、乳児期の小児看護に必要な形態的・機能的・心理・社会的発達、子どもと家族の日常生活への支援、健康問題と支援 について学修する。

教科書:『小児看護学概論 改訂第4版』二宮啓子 今野美紀編、南江堂 ISBN:978-4-524-25982-3
細目レベル①p107-113
細目レベル②p113-114
細目レベル③p114-120
コマ主題細目 ① 乳児期の形態的・機能的発達 ② 乳児期の心理・社会的発達の特徴 ③ 乳児期の子どもと家族の日常生活への支援、健康問題と支援
細目レベル ① 乳児とは生後1歳未満のことをいい、胎児期につづき一生のうちで2番目に身体発育の速度が速く、成長が著しいと言われている。しかし、個人差も大きいことから多面的な評価が重要であることを押さえる。身長は、とくに乳児期前半に著しく増加し、1歳ころには出生時の身長の約1.5倍(75㎝)となる。体重は、新生児期の生理的体重減少により一過性の減少がみられるものの、生後7~10日には出生時の体重に戻り、その後は順調に増加する。生後3か月ころまでは、1日平均約30gの体重増加がみられ、生後3~4か月で出生時体重の約2倍となる。1歳ごろの体重は出生時体重の約3倍(約9㎏)となる。この数値は基本であり、必ず理解する必要がある。
大泉門と小泉門(図Ⅲ-3-1)については、閉鎖時期(大泉門は生後1歳半ごろまでに閉鎖、小泉門は生後3か月ごろまでに閉鎖)が国家試験問題でも問われることがあるが、頭囲の増加≒脳の重量の発達も非常に重要な考え方であり、出生後約400gであった脳の重量は、3歳で約3倍になり、脳の発達も関連して理解する必要がある。
胸囲は出生時、頭囲より小さいが、2歳を過ぎると胸囲が大きくなっていく。乳児期の胸郭は大人と異なり樽状であり、肋骨も平行に並んでいる。従って、乳児期は胸式呼吸が難しく、腹式呼吸が主な呼吸法となることを根拠として理解する。
 乳歯については、生後6~8か月頃から生え始め、2~3歳で20本が生えそろう。乳児期の身体的発育は10年ごとに行われる乳幼児身体発育調査の結果をもとに行われることが多く、その他にカウプ指数がある。
機能的発達として、特に運動能力の発達が著しいため月齢に伴いできるようになる運動(首がすわる、寝返り、はいはい、つかまり立ち、一人立ち)この5つの動作は必ず理解しておく必要があるため、動作の順序と月齢について説明を加えていく。感覚機能としては、音に反応するモロー反射のほか、子どもの視野の狭さを知っておく必要がある。それらが、幼児期以降の「不慮の事故」に結び付いていく根拠となる。

② 乳児期の心理・社会的発達については、a.認知―対象を理解する力として、ピアジェの「感覚―運動期」であることを理解する。b.情緒―感じるこころでは、ブリッジスの情緒の分化として「快」「不快」の区別ができるようになることや、それらに「怒り」「嫌悪」「おそれ」といった感情が分化することを理解する。c.コミュニケーション―伝える力、読み取る力については、乳児期では泣くことや表情、行動などにより表現することから、家族が、子どもの反応を読み取り子どものニーズを満たすことや話しかけたり積極的にかかわる相互作用のなかでコミュニケーションが成り立つことを理解する。「アー」「ウー」といった発声を喃語(なんご)という。また、1歳半ごろまでの間に、「マンマ」「ワンワン」といった意味のある言葉を話すことができるようになり、これを初語(しょご)という。この言葉の意味の違いを理解する。
③ 日常生活への支援については、a.乳児期の食事では、母乳・人工乳栄養から離乳食への移行期であることを理解する。授乳に関する知識としては、母乳としては「消化吸収や代謝に優れており、分泌型IgAを代表とした感染防御物質が含まれている」ということを押さえる。一方、育児用ミルクにおいても、その成分は母乳栄養に近づいてきていることを知識として入れ、母乳栄養を実施できない母親がストレスに感じないような支援も重要である。
 離乳の開始と離乳の完了については、その定義を理解できるよう説明していく。すなわち、離乳の開始とは、滑らかにすりつぶした状態の食物を初めて与えたときをいう。その時期としては、5,6か月頃が適当とされており、離乳の完了とは、形のある食物を嚙み潰すことができるようになり、エネルギーや栄養素の大部分が母乳または育児用ミルク以外の食物からとれるようになった状態をいう。その時期は生後12か月から18か月頃であると言われている。
c.排泄については、反射的排尿であることや1日15~20回と頻回の排尿が起こることを理解していく。E.遊びについては、感覚遊びや運動遊びが中心となるため、月齢によりどのような玩具の選定が適切であるのかを考えることが重要である。g.感染予防と予防接種の理解は、乳児期に非常に重要であるため、生後2か月になったらはじめる予防接種の種類や予防接種の間隔なども合わせて講義をしていく。その際、P119の免疫力の低下についても触れていく。h.事故防止については、運動機能の発達に伴う窒息や誤飲、転倒転落の原因や具体的な事故の状況をイメージしやすいよう教授していく。



キーワード ① 乳児 ② カウプ指数 ③ 原始反射 ④ 発達理論 ⑤ 喃語・初語
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 小テストについては、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習・予習課題
事前学習:シラバスで提示されている教科書のページ(① 乳児期の形態的・機能的発達の特徴  P107 ~113、②乳児期の心理・社会的発達の特徴 P113~114、③乳児期に起こりやすい健康問題と支援 P114~120)を熟読し、各自のノートに概要やポイント、キーワード等を項目別に事前学習して授業に臨む。

事後学習:授業後は、授業内容の振り返りを行う。国試出題基準(小児)について理解し、関連する国家試験問題についてchat GPTを活用し自身で作成し、回答するとともに、その根拠を理解できるようにしておくこと。

5 幼児期の子どもの特徴と支援 科目の中での位置付け 小児看護学概論では、小児の成長・発達の理論や基本的知識を理解し、あらゆる健康レベルや発達段階に応じた小児と家族への看護援助について理解できることを目指す。小児を取り巻く社会制度や社会情勢の変化を知るとともに、統計データや関連法規、国の施策等を概観し、小児の発達段階、家族との関係について理解を促し、セルフケア能力に応じた必要な援助を行うことにより、小児の成長・発達を促進することの重要性を学ぶ。また、家族看護の視点で家族全体を1つのシステムとして捉えられるよう、多様化した家族の在り方について理解を促す。さらに、小児は常に成長発達していく存在であること、年齢や健康レベルに関わらず健やかに育っていく権利いわゆる「子どもの権利」を学ぶことで、小児看護に携わる看護者の責務である、1人の人として小児を尊重すること、社会の中で健やかに成長し生きていくことができるような看護を提供することの重要性を理解する。具体的には、第1回では、小児看護の対象や子どもの人権やそれを取り巻く家族を理解し、子どもに関する保健統計を概観する。第2回は1回目の講義の続きおよび遊びと教育、小児の成長・発達のプロセスおよび評価方法を学ぶ。第3回から第6回は、新生児期・乳児期・幼児期・学童期・思春期の小児看護に必要な形態的・機能的・心理・社会的発達を中心に具体的に学修する。第7回は、小児医療・看護の変遷、小児医療に必要な基礎的知識、第8回は、身体障害・発達障害および児童虐待を受けた子どもと家族への看護について学修していく。
 第5回目は、幼児期の小児看護に必要な形態的・機能的・心理・社会的発達、子どもと家族の日常生活への支援、健康問題と支援 について学修する。

教科書:『小児看護学概論 改訂第4版』二宮啓子 今野美紀編、南江堂 ISBN:978-4-524-25982-3
細目レベル①P121-124
細目レベル②p124-126
細目レベル③p126-131
コマ主題細目 ① 幼児期の形態的・機能的発達の特徴 ② 幼児期の心理・社会的発達の特徴 ③ 幼児期の日常生活への支援・起こりやすい健康問題と支援
細目レベル ① 幼児期とは満1歳~6歳の就学前をさす。形態的発達では、国試問題として1歳で出生時体重の約3倍(約9㎏)となり、2歳6か月では約4倍(約12㎏)を問うなど時期と体重増加の割合についての設問があるため、数値を理解しておく必要がある。また、身長についても同様に1歳で約1.5倍、3歳半~4歳で約2倍(100cm)の数値を押さえ確実に理解できることが求められる。また、幼児期の胸郭の変化(円柱状から成人と同じ楕円形)や平行に並んでいた肋骨が下方へ走行する状況が、腹式呼吸から胸式呼吸への移行と関係することを理解するとよい。
脳の発達については、3歳児では出生時の約3倍の重さ、5~6歳で成人の90%の重さに達することを理解する。歯については、生後6か月頃から生え始めた(乳児)ものが、2~3歳ごろに上下10本ずつ計20本の入試が生えそろうこと、6歳ごろより乳歯が抜け始め、永久歯が生え始めることを押さえる。
幼児期の機能的発達の特徴については、とくに教科書p.123図4-1の「日常生活の習得の目安」を参考に確認していく。運動能力についても国試問題として成長発達段階と具体的運動の内容の組み合わせなどが出題されることから、階段の上り下り、ブランコや三輪車に乗ること、スキップができるようになる時期等を押さえていく。日常生活動作の確立については、幼児期の子供の成長発達過程において大事なものであるため「食事・排泄・清潔・衣服の着脱・睡眠」の自立がどの時期に確立するかについては、図を参考に覚えることが求められる。

② 2~7歳ごろは、ものごとを頭の中で再現し、あるものを別のものであらわすといった象徴機能を獲得する。この機能の獲得により、何かに見立てて遊ぶ模倣遊び(ごっこ遊び)ができるようになることを理解する。また、幼児期は「自己中心的に対象を理解する」ため、他者の視点から事象をとらえることが難しいと言われている。これは、「自分の見えているものと同じように相手にも見えていると思い込み、相手の視点に立った考え方はできないため、偏った見方になる」こと、また「物にも自分と同じような命や感情があると捉えるアニミズム的思考を持っている」特徴があることを理解する。さらに、対象の理解が視覚により左右されるのもこの幼児期の特徴である。コミュニケーションについては、1歳6か月~2歳頃には「パパ、カイシャ」「クック、ハク」などの二語文を話すようになる。遊びでは上記で触れた模倣遊びのほか、物を作ったり絵を描く、積み木をつくるといった「構成遊び」が盛んとなることも説明していく。この遊びを社会性の視点からみていくと、1歳6か月~2歳頃はひとり遊びが主流であり、3歳ころまでは平行遊び、連合遊び、協同遊びへと移行していくため、その違いについても講義の中で説明していく。
③ 日常生活乳児期に反射的に行われていた排尿、排便は諸機能の発達に伴って幼児期には尿意や便意を感じて自分の意志でトイレに行って排泄するようになる。排尿の自立は3歳半、排便の自立は4歳半ごろが標準であるが、個人差があることを理解する。衣服の着脱は、知的機能、姿勢の保持、手先の微細運動の発達に伴い、脱ぐ動作から始まり、ボタンかけなどの細かい動作を含めひとりで着られるのは5~6歳である。4歳ごろに歯みがき、うがい、洗顔ができるようになり、5歳で入浴に関する行動は確立する。3歳半から4歳でほぼひとりで食事ができるようになることから、食事行動の発達の目安を理解する。これらの日常生活習慣の確立のために、幼児期の子どもが失敗をしながらも自らできるように、遊びを取り入れるなど工夫して支援することの大切さを理解する。
キーワード ① 幼児期 ② 幼児期の形態的・機能的発達 ③ 幼児期の心理・社会的発達 ④ 日常生活動作の確立
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 小テストについては、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 事前学習:シラバスで提示されている教科書のページ(①幼児期の形態的・機能的発達の特徴  P121~124 ②幼児期の心理・社会的発達の特徴 P124~126、③幼児期の日常生活への支援・起こりやすい健康問題と支援 P126~131)を熟読し、各自のノートに概要やポイント、キーワード等を項目別に事前学習して授業に臨む。
事後学習:授業後は、授業内容の振り返りを行う。国試出題基準(小児)について理解し、関連する国家試験問題についてchat GPTを活用し自身で作成し、回答するとともに、その根拠を理解できるようにしておくこと。

6 学童期・思春期の子どもの特徴と支援 科目の中での位置付け 小児看護学概論では、小児の成長・発達の理論や基本的知識を理解し、あらゆる健康レベルや発達段階に応じた小児と家族への看護援助について理解できることを目指す。小児を取り巻く社会制度や社会情勢の変化を知るとともに、統計データや関連法規、国の施策等を概観し、小児の発達段階、家族との関係について理解を促し、セルフケア能力に応じた必要な援助を行うことにより、小児の成長・発達を促進することの重要性を学ぶ。また、家族看護の視点で家族全体を1つのシステムとして捉えられるよう、多様化した家族の在り方について理解を促す。さらに、小児は常に成長発達していく存在であること、年齢や健康レベルに関わらず健やかに育っていく権利いわゆる「子どもの権利」を学ぶことで、小児看護に携わる看護者の責務である、1人の人として小児を尊重すること、社会の中で健やかに成長し生きていくことができるような看護を提供することの重要性を理解する。具体的には、第1回では、小児看護の対象や子どもの人権やそれを取り巻く家族を理解し、子どもに関する保健統計を概観する。第2回は1回目の講義の続きおよび遊びと教育、小児の成長・発達のプロセスおよび評価方法を学ぶ。第3回から第6回は、新生児期・乳児期・幼児期・学童期・思春期の小児看護に必要な形態的・機能的・心理・社会的発達を中心に具体的に学修する。第7回は、小児医療・看護の変遷、小児医療に必要な基礎的知識、第8回は、身体障害・発達障害および児童虐待を受けた子どもと家族への看護について学修していく。
第6回目は、学童期・思春期の小児看護に必要な形態的・機能的・心理・社会的発達、子どもと家族の日常生活への支援、健康問題と支援 について学修する。

教科書:『小児看護学概論 改訂第4版』二宮啓子 今野美紀編、南江堂 ISBN:978-4-524-25982-3
細目レベル①P132~134、P144~147  
細目レベル②P134~137、P147~150  
細目レベル③P137~143、P150~157
コマ主題細目 ① 学童期・思春期の形態的・機能的発達の特徴 ② 学童期・思春期の心理・社会的発達の特徴 ③ 学童期・思春期、の日常生活への支援・起こりやすい健康問題と支援
細目レベル ① 学童期の形態的発達では、身体的発育と学童期後半に第二発育急進期があり、永久歯28本が生えそろう、身体的発育の評価はローレル指数と肥満度で判定することと判定値について理解する。
思春期の形態的発達では、女子は男子より2年ほど早い9歳ごろから身体的発育は急進期を迎え、14歳頃には男子の方が大きく、男女とも第二次性徴の発現とともに骨密度が上昇し20歳でピークとなる。男子は11歳頃から発育急進期に入り、13歳で身長増加率ピークを迎え、1年間で訳10㎝伸びる。そのため、11歳では、女子の方が男子より全体的に大きいが、14歳では男子の方が大きくなる。その他の特徴としては、男子は思春期になると筋肉や骨が著しく発達し、女子は皮下脂肪の蓄積が盛んになり、いわゆる肩幅の広い男性らしい体つき、丸みを帯びた女性らしい体つきが出現してくる、その違いを理解する。歯については、思春期では永久歯32本が生えそろう時期となる。
身体的発育の評価として学童期、思春期では身長と体重から判定するローレル指数を用いる方法と肥満度を用いる方法がある。肥満度については、例年国家試験問題にさまざまな形式で出題されていることから、評価方法のみならず肥満の原因や時期についても理解しておく必要がある。また、思春期においては成人でも用いられるBMI(Body mass index)についても理解しておく必要がある。

② 学童期における心理・社会的発達については、ピアジェの具体的操作機の施行への変化を理解することが重要である。例えば、同じ量の液体を形の異なる容器に移し替えたり、複数の容器に分けたとしても、その量は変わらないという数と液量の保存の概念を獲得し、その後、長さや重さ、そして11~12歳頃に「保存の概念」を獲得する。
一方、思春期における心理・社会性の発達については、ピアジェの認知発達理論では、「形式的操作期」にあたり、仮説演繹的な思考能力を獲得する時期とされている。これは、実際に見ることができる現象にとらわれず、目に見えない現象についても抽象的に、論理的に思考できる点がこの段階の特徴である。この認知発達により、他の人の立場から異なる視点でみたらどう見えるかがわかるようになる。
さらに、思春期は、エリクソンによると「自分が自分として、生き生きとした社会的存在として生き続けている」という自己意識であるアイデンティティの達成が課題とされ、「自分とは何か」「自分は何になりたいのか」などを自分に向かって問い、過去からの自分を認め、現実の自己をしり、さらに未来における自分を求めて試行錯誤する時期といわれている。学生もこの時期にある若者が多く、自分自身に問いかけながら達成あるいは拡散について考える機会をつくっていく。


③ 学童期に起こりやすい健康問題には、虫歯や近視がある。近年では、近視の者が増えてきており、その背景には、コンピュータを使った学習、テレビや動画の視聴、コンピュータゲームで遊ぶ機会の増加などが挙げられる。また、肥満傾向児の出現率も年々増加しており、その背景として朝食の欠食、過食や栄養バランスの偏り、睡眠不足、運動不足などの生活習慣が挙げられる。その他、いじめや不登校貧困なども問題となっている。
また、思春期の心理・社会性の発達で重要な事柄の一つに「心理的離乳」がある。これは、親や家族との心理的依存関係から抜け出して、心理・社会的に自立独立を目指す過程をいう。母親への依存関係から自立する離乳と類似していることから、ホリングワース(Hollingworth)によって命名された。心理的離乳は強い分離不安を伴うとされている。思春期は、第二次性徴の出現とともに、「異性に近づきたい」「身体に触れたい」などの性的欲求が高まってくる。また、2014年に文部科学省が実施した学校における性同一障害にかかる対応に関する調査では、性同一性障害に関する教育相談等が600件程度あり、今後、ますます性的多様性について理解し、子どもが自分らしく生きるためにセクシュアリティに関する支援が必要である。このように学童期・思春期の特徴および健康問題等について理解していく。

キーワード ① 学童期の形態的・機能的発達 ② 思春期の形態的・機能的発達 ③ ピアジェの認知発達理論 ④ 学童期に起こりやすい健康問題 ⑤ 第二次性徴
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 小テストについては、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 事前学習:シラバスで提示されている教科書のページ(P132~157)を熟読し、各自のノートやレポート用紙に概要やポイント、キーワード等を項目別に事前学習して授業に臨む。授業後は、授業内容の振り返りを行う。
事後学習:授業後は、授業内容の振り返りを行う。国試出題基準(小児)について理解し、関連する国家試験問題についてchat GPTを活用し自身で作成し、回答するとともに、その根拠を理解できるようにしておくこと。

7 小児医療と小児看護の基本 科目の中での位置付け 小児看護学概論では、小児の成長・発達の理論や基本的知識を理解し、あらゆる健康レベルや発達段階に応じた小児と家族への看護援助について理解できることを目指す。小児を取り巻く社会制度や社会情勢の変化を知るとともに、統計データや関連法規、国の施策等を概観し、小児の発達段階、家族との関係について理解を促し、セルフケア能力に応じた必要な援助を行うことにより、小児の成長・発達を促進することの重要性を学ぶ。また、家族看護の視点で家族全体を1つのシステムとして捉えられるよう、多様化した家族の在り方について理解を促す。さらに、小児は常に成長発達していく存在であること、年齢や健康レベルに関わらず健やかに育っていく権利いわゆる「子どもの権利」を学ぶことで、小児看護に携わる看護者の責務である、1人の人として小児を尊重すること、社会の中で健やかに成長し生きていくことができるような看護を提供することの重要性を理解する。具体的には、第1回では、小児看護の対象や子どもの人権やそれを取り巻く家族を理解し、子どもに関する保健統計を概観する。第2回は1回目の講義の続きおよび遊びと教育、小児の成長・発達のプロセスおよび評価方法を学ぶ。第3回から第6回は、新生児期・乳児期・幼児期・学童期・思春期の小児看護に必要な形態的・機能的・心理・社会的発達を中心に具体的に学修する。第7回は、小児医療・看護の変遷、小児医療に必要な基礎的知識、第8回は、身体障害・発達障害および児童虐待を受けた子どもと家族への看護について学修していく。
第7回目は小児医療・看護の変遷、小児医療に必要な基礎的知識について学修する。


教科書:『小児看護学Ⅰ 小児看護学概論・小児看護技術 改訂第4版』二宮啓子 今野美紀編、南江堂 ISBN:978-4-524-22756-3
細目レベル①P160~171
細目レベル②P172~181 
細目レベル③P182~193
コマ主題細目 ① 小児医療・小児看護の変遷と課題 ② 小児医療における子どもへの倫理的配慮 ③ 小児医療における子どもの遊び・学習・安全管理について
細目レベル ① 小児医療がどのような経緯をたどって発展してきたかについて理解する。中でも、児童憲章や児童福祉法の制定をはじめ、母子保健法の制定により、新生児医療のめざましい発展
(新生児死亡率の低下、日本の小児医療が世界最高水準に達した)とともに、感染症対策中心から慢性疾患対策中心への変化したことを学んでいく。これまで助からなかった命が救命できるようになり、さらに疾病や障害があってもその子らしく健やかにはぐくまれる環境が保証される必要性があること、生命の危機に直面する病気や障害をもつこども・家族の苦痛の緩和を図るために、レスパイト利用や家族・仲間との交流の場としても緩和ケア病棟
が利用されている現実を理解していく。

②  インフォームドコンセントは、「説明と同意」と訳され、これらの対象者には、説明を理解する能力、選択する能力、決定する能力、決定に対して責任をとる能力の4つが備わっていることが条件とされている。一方、子どもはこの4つの能力が未熟である為、インフォームド・アセントいわゆる「提案や意見などに対して、よく考えた上で、同意する、賛成する、相手の意見や提案に表面的に合意する、相槌を打つ、要求を消極的に承認する」の意味であり、つまり、自分になされている行為について理解できるように十分説明され、その選択・決断について了解することにより倫理的配慮を行っていく必要があることを理解する。医療の現場では、「児童の権利に関する条約」に批准した1990年代後半から「子どもの権利」「子どもの最善の利益」が少しずつ意識されるようになり、小児医療における子どもの権利が見直され、子どもへの日常の治療・処置、ケアにおいて、子どもへの説明や意思確認を必ず行う看護師や意思が増えてきている。また、1988年には、病院のこどもヨーロッパ協会が子どもの病院が備えるべき環境の必要要件を10か条にまとめ、「病院の子ども憲章(EACH)憲章」として発表しており、この内容と現在の日本の病院での状況を比較しながら、子どもの権利を保障した環境を整えられているのか、考えていく必要がある。
③ 子どもにとっての遊びは、生活そのものであり、心理的安定や成長発達を促すものである。これは、入院している子どもにとっても例外ではなく、ストレスや不安の高い病院の中での遊びは、不安やストレスの軽減、検査・処置・治療に向けた心理的準備、精神的なQOLの向上、安静を保つこと、病気からの回復の促進にも有用であることを理解する。
また、教育も同様であり、入院している子どもの学習の継続は、単に勉強の機会の保障という意味のみならず、心理的安定や生活意欲の向上、治療効果の向上などに深い意義があることを理解し、仲間と共に学習できる環境づくりは看護師の重要な役割であることを理解する。小児医療における医療安全(事故防止・感染対策)については、例年国家試験問題にも出題されているため、下記の内容をしっかり理解する必要がある。新生児期のうつ伏せ、嘔吐などによる窒息、乳幼児の玩具などによる誤飲、窒息、幼児期に入ってからの転倒、転落、溺水の事故、学童期における河川での溺水、自転車などによる交通事故。その他、病院における医療事故についても、ヒヤリハット事例をもとに、「小児の輸液の血管外漏出」「小児への薬剤量の間違い」「小児用ベッドからの転落」など、具体的にその理由や予防法について説明していく。また、小児医療における予防接種と感染管理については、小児感染症予防のためのワクチン接種や学校感染症における感染症の種類と出席停止の基準について理解していく。

キーワード ① 小児医療の変遷 ② 学習と遊びの重要性 ③ 倫理的配慮・意思決定 ④ 子どもの権利 ⑤ 小児医療における医療安全
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 小テストについては、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 事前学習:シラバスで提示されている教科書のページ(P160~193)を熟読し、各自のノートやレポート用紙に概要やポイント、キーワード等を項目別に事前学習して授業に臨む。授業後は、授業内容の振り返りを行う。
事後学習:授業後は、授業内容の振り返りを行う。国試出題基準(小児)について理解し、関連する国家試験問題についてchat GPTを活用し自身で作成し、回答するとともに、その根拠を理解できるようにしておくこと。

8 健康問題を抱える子どもと家族への支援 科目の中での位置付け 小児看護学概論では、小児の成長・発達の理論や基本的知識を理解し、あらゆる健康レベルや発達段階に応じた小児と家族への看護援助について理解できることを目指す。小児を取り巻く社会制度や社会情勢の変化を知るとともに、統計データや関連法規、国の施策等を概観し、小児の発達段階、家族との関係について理解を促し、セルフケア能力に応じた必要な援助を行うことにより、小児の成長・発達を促進することの重要性を学ぶ。また、家族看護の視点で家族全体を1つのシステムとして捉えられるよう、多様化した家族の在り方について理解を促す。さらに、小児は常に成長発達していく存在であること、年齢や健康レベルに関わらず健やかに育っていく権利いわゆる「子どもの権利」を学ぶことで、小児看護に携わる看護者の責務である、1人の人として小児を尊重すること、社会の中で健やかに成長し生きていくことができるような看護を提供することの重要性を理解する。具体的には、第1回では、小児看護の対象や子どもの人権やそれを取り巻く家族を理解し、子どもに関する保健統計を概観する。第2回は1回目の講義の続きおよび遊びと教育、小児の成長・発達のプロセスおよび評価方法を学ぶ。第3回から第6回は、新生児期・乳児期・幼児期・学童期・思春期の小児看護に必要な形態的・機能的・心理・社会的発達を中心に具体的に学修する。第7回は、小児医療・看護の変遷、小児医療に必要な基礎的知識、第8回は、身体障害・発達障害および児童虐待を受けた子どもと家族への看護について学修していく。
第8回は、身体障害・発達障害および児童虐待を受けた子どもと家族への看護について学修していく。

教科書:『小児看護学Ⅰ 小児看護学概論・小児看護技術 改訂第4版』二宮啓子 今野美紀編、南江堂 ISBN:978-4-524-22756-3
細目レベル①P196-200 
細目レベル②P211-215
細目レベル③P216-218
コマ主題細目 ① 身体障害のある子どもと家族の特徴と支援 ② 児童虐待を受けた子どもと家族への支援 ③ 児童虐待を受けた子どもと家族への支援
細目レベル ① 身体障害者福祉法による身体障がいの定義「視覚障害、聴覚又は平衡機能の障害、音声機能・言語機能または咀嚼機能の障害、肢体不自由、心臓・腎臓または呼吸器の機能の障害など身体上の障害のあるもの」とその特徴、日本における割合について理解する。また、重症心身障害児の障害のレベルを運動機能と知能指数から分類した「大島の分類」について理解できる。気管切開部や人工呼吸器の管理、酸素療法、経管栄養、吸引などを必要としている「医療的ケア児」は年々増加傾向にあり、2018年は約19,000人いる。身体障害のある子どもは年齢により特徴がある。乳幼児期は免疫力が低く自律神経機能も未熟なため、体調が悪化しやすい。学童期になると免疫力がつき身体機能も安定してくるが、多くの子どもは全身の筋緊張の異常により嚥下障害、呼吸障害、胃食道逆流症、栄養障害、骨粗鬆症などの合併症を有している場合が多いことを理解する。子どもに障害があると分かった時の親の受容過程について、ドローターの先天性奇形を伴った子どもの親の受容過程では、「第1段階:ショック」「第2段階:拒否・否認」「第3段階:悲しみと怒り」「第4段階:順応・適応」「第5段階:再起」の5段階で示されることを理解する。
身体障害のある子どもと家族を支える社会資源には、医療費の助成や手当、障害福祉サービスがある。医療費助成としては、小児慢性特定疾病医療費助成、自立支援医療(育成医療)、心身障害者医療費助成、こども医療費助成があり、手当としては障害児童福祉手当、特別児童扶養手当などがある。また、身体障害者手帳の交付により、日常生活用具の助成、外出時電車・バス利用時の運賃割引、公共・民間の博物館、映画館の入館料割引サービスを受けることができる。福祉サービスとして、放課後等デイサービス等の通所支援、居宅介護支援事業所(ホームヘルプ)、短期入所(ショートステイ)、相談支援などがある、短期入所の利用目的は家族の休息(レスパイト)や冠婚葬祭、きょうだい児の行事(入学式や卒業式、運動会など)に参加する場合など様々なサービスを利用できることを理解する。

② 児童虐待(じどうぎゃくたい、child abuse)とは、保護者が子どもに対して暴力などの有害行為を行うことや、子どもが当然受けるべき必要な養護を行わないことを指す。児童虐待はどの家庭にも起こり得ることを理解するとともに、児童虐待には身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待の4つがある。日本では心理的虐待(54.0%)が最も多く、身体的虐待(24.8%)、ネグレクト(20.0%)、性的虐待(1.2%)と続く(厚生労働省)ことを理解する。特に、「虐待による死亡事例等の検証」で表面化した死亡事例72例のうち、子どもの年齢で最も多かったのは0歳児(28例)であり新生児期から乳児期に起こりやすい原因なども合わせて説明していく。児童虐待がおこるハイリスク要因として、周産期の因子(望まない妊娠・出産、低出生体重児、若年妊娠など)、子どもの因子(発育・発達の遅れ、慢性疾患、病気にかかりやすい)、親の因子(被虐待歴、精神疾患、薬物やアルコール依存症など)、家庭環境の因子は(家族に疾患があり育児負担増、夫婦不和、貧困、経済的不安定)であることが理解でき、虐待により身体的影響、心理的影響、長期的影響を及ぼすことから早期発見と早期対応について考えられることが重要である。
③ 児童虐待の防止等に関する法律〈児童虐待防止法〉に基づいて行う通告については、直接または児童委員を介して市町村、「福祉事務所・児童相談所」に通告しなければならない。「警察」と安易に回答する者もいるが、警察署は通告先には含めれていない為注意することが大事である。また、虐待を受けた児童を発見した場合に通告を行うことは、守秘義務違反にあたらないと示されている(児童虐待防止法第6条)こともしっかりと押さえておく必要がある。虐待を受けた子どもと親への支援として、医療機関における対応の基本、虐待を受けた子どもへの包括的ケア(子どもが安全で安心を感じられる環境、子どもへの受容的なかかわりで、全面的に受容される体験、子どもが安心できる日常生活ケア、子どもの問題行動や情緒的反応に対するケアなど)がある。親に対する援助は、「児童虐待には2人の犠牲者がいる」ことを念頭に、親の気持ちの受容と現実的な育児支援、育児負担等のケアについて理解する。

キーワード ① 重症心身障害児 ② 医療費助成 ③ 児童虐待 ④ 通告 ⑤ 児童虐待における関係機関との連携
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 小テストについては、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 事前学習:シラバスで提示されている教科書のページ(P196~218)を熟読し、各自のノートやレポート用紙に概要やポイント、キーワード等を項目別に事前学習して授業に臨む。授業後は、授業内容の振り返りを行う。
事後学習:授業後は、授業内容の振り返りを行う。国試出題基準(小児)について理解し、関連する国家試験問題についてchat GPTを活用し自身で作成し、回答するとともに、その根拠を理解できるようにしておくこと。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
小児看護の対象と子どもの健康な生活を支える法・制度の理解★★ 小児の権利に関する条約の意義と子どもにとっての遊びや教育の意義について、法律制定の年と内容を理解しておくことが重要である。また、出生や世帯に関する統計とくに合計特殊出生率について、出生数と合わせて年次推移を理解しておくこと。乳児死亡と新生児死亡の違いや我が国の乳児死亡率が世界的にも有数の低率水準を維持できている理由なども併せて理解しておくと良い。小児慢性特定疾病医療費助成や自立支援医療については、言葉の理解をしておくこと。 ① 小児看護の対象年齢  ② 児童福祉法 子どもの権利条約 健やか親子21 ③合計特殊出生率 ④子どもの死因 ⑤小児慢性特定疾病医療費助成 10 第1回
子どもの成長・発達の特徴と評価方法★★ 成長発達の原則(1.方向性・2.順序性、3.連続的であるが、一定の速度ではなく急速な時期と緩慢な時期があるスキャモンの発育曲線、4.臨界期(感受期・敏感期)、5.個人差がある)について理解する。また、形態的・機能的発達の根拠を押さえておくこと。理論については、確実に覚えておくこと。 ① 成長発達の原則 ② スキャモンの発育曲線  ③ 臨界期(感受期・敏感期) ④発達理論(ボウルヴィ、エリクソン、ブリッジス、ピアジェ)⑤カウプ指数、ローレス指数、デンバー発達判定法 10 第2回
新生児期の子どもの特徴と支援 ★★★ 原始反射(哺乳反射・モロー・緊張性頸反射・把握反射・自動歩行反射・足底反射)ついて理解できること。ピアジェの認知発達理論、ブリッジスの感情の分化、愛着形成について理解しておくこと。 ① 新生児 ②生理的体重減少、③原始反射④ 発達理論 ⑤ 愛着形成 10 第3回
乳児期の子どもの特徴と支援★★ 乳児期の体重、身長の増加について、大泉門・小泉門の閉鎖時期や脳の発達との関連、胸郭と呼吸の関係、歯牙について形態的発達の理解をしておくこと。機能的発達として、特に運動能力の発達が著しいため月齢に伴いできるようになる運動(首がすわる、寝返り、はいはい、つかまり立ち、一人立ち)この5つの動作は必ず理解しておこう。コミュニケーションの取り方について、喃語・初語の違い、離乳の開始やその内容について理解しておくこと。 ① 乳児 ②カウプ指数、 ③原始反射 ④ 発達理論 ⑤ 喃語・初語 20 第4回
幼児期の子どもの特徴と支援★★★ 幼児期の機能的発達の特徴については、とくに教科書p.123図4-1の「日常生活の習得の目安」を参考に理解しておくこと。運動能力についても国試問題として成長発達段階と具体的運動の内容の組み合わせなどが出題されることから、階段の上り下り、ブランコや三輪車に乗ること、スキップができるようになる時期等を押さえておいてください。幼児期の心理・社会的発達の特徴を理解する。日常生活動作の確立についても幼児期はとても著しいため、講義で押さえた部分はしっかり覚えておくこと。 ① 幼児期 ② 形態的・機能的発達 ③ 心理・社会的発達 ④ 日常生活 ⑤ 健康問題 20 第5回
学童期・思春期の子どもの特徴と支援 ★★
第二発育急進期と第二次性徴の理解。ピアジェの具体的操作期、形式的操作期の理解、エリクソンの学童期‐勤勉性、思春期-アイデンティティの達成の理解、その他用語としての「心理的離乳」とはどういったことなのか、自身の言葉で説明できるようになっておくこと。 ① 学童期 ② 思春期 ③ 形態的発達 ④ 機能的発達 ⑤ 心理・社会的発達 10 第6回
小児医療と小児看護の基本★★ 児童憲章や児童福祉法の制定をはじめ、母子保健法の制定により、新生児医療のめざましい発展(新生児死亡率の低下、日本の小児医療が世界最高水準に達した)を遂げた内容を理解しておくこと。また、インフォームドコンセントとインフォームドアセントの違いを言葉で説明できるようになっておいてください。「病院の子ども憲章(EACH)憲章」とはなにか。小児医療における子どもの遊び・学習・安全管理については、講義で示した主な内容について復習しておくこと。 ① 小児医療の変遷 ②学習と遊びの重要性③ 倫理的配慮・意思決定 ④ 子どもの権利⑤小児医療における医療安全 10 第7回
健康問題を抱える子どもと家族への支援★ 重症心身障害児(者)の定義、診断する際の大島分類とはなにか、医療的ケア児が利用できる社会資源には何があるかについて理解しておいて下さい。また、児童虐待については、定義やどの虐待は多いか、誰による虐待が多いのか、通告はどこにすべきなのか、主な法律には何があるのかなど基本的な問題を出題する予定なので、ポイントを押さえながら理解しておくこと。 ① 重症心身障害児 ②医療費助成③児童虐待 ④ 通告 10 第8回
評価方法 試験100%
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 教科書:二宮啓子 今野美紀編、『小児看護学Ⅰ 小児看護学概論・小児看護技術 改訂第4版』、南江堂 ISBN:978-4-524-2275-6-3 3600円
参考文献
実験・実習・教材費