区分 専門科目-発達看護学-小児看護学
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力 倫理観 専門性探求
地域社会貢献 グローバル性
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性 広い視野 知識・技術
判断力 探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
専門科目の中の「発達看護学」に位置付けられ、2年次前期の小児看護学概論の知識をもとに、さまざまな健康問題や疾病の経過における子どもとその家族に対して、最善の利益を守るために必要な看護の基本的知識や方法を修得する。本科目は、そのあとに続く「小児看護援助論Ⅱ」「小児看護学実習」に応用的に関連する。
科目の目的
本科目では、既習の「小児看護学概論」で理解した「小児は常に成長・発達過程にあること」「子どもの権利を尊重した関わり」「一人の人格を持つ尊い人間である」ことを踏まえ、子どもがそれぞれの健康レベルに応じた各時期の成長発達課題を達成できる支援とは何かを理解し、さまざまな健康問題や疾病経過(急性期・慢性期・終末期)が、小児とその家族に及ぼす影響について理解を深める。すなわち、たとえ病気や障害をもっていても、健康に問題をもつ小児とその家族に対する「最善の利益を守る」ために必要な看護の基本的知識や方法を理解することを目的とする。本科目の社会的意義として、入院する子どもと家族だけでなく、在宅で療養生活を送る慢性疾患をもつ小児や重症心身障害児の増加、それに伴う医療的ケアを行いながら学校に通う小児の理解など、社会の中で健やかに子どもが成長していくために必要な知識についても触れ考えさせることを目的とする。
到達目標
1.病気や障害が子どもと家族に与える影響を理解し、健康問題をもつ子どもと家族への看護を説明することができる。
2.さまざまな療養環境における子どもと家族の特徴を理解し、必要な看護の方向性を説明することができる。
3.子どもの治療・処置・検査体験の意味を理解し、子どもが主体的に取り組むことができる関わり方を理解できる。
4.小児にみられる特徴的な急性症状や代表的な疾患を理解し、子どもと家族への必要な看護を理解できる。
5.さまざまな疾病経過における小児と家族に対する必要な看護が理解できる。

科目の概要
「小児の看護」は生命の誕生から第二次性徴が終わるまで、すなわち成人への移行期までを連続性のある看護の対象として捉え、各時期のニーズに応じた支援を提供するものである。従って、つねに大人への「成長・発達の過程にある存在」と捉えることを前提とする。本来、小児には学ぶ力が備わっており、その将来は、果てしない可能性にあふれている。一方、小児の身体や心の問題が生じた場合、その未熟性によって、ほかのさまざまな問題に波及する危険性がある。そのため、子どもの特徴や成長・発達を十分に理解し、子どもの表現や訴えについての専門的知識をもって観察しアセスメントするとともに、成長・発達を阻害する因子を可能な限り取り除くことによって、子どもが、各時期の発達課題を達成できるよう支援を考えていく。また、療養環境や疾病の経過における小児と家族に対して、「最善の利益」を考えた看護の方法を考えていく。子どもとその家族に対する最善の利益とは何かを、全8回の講義を通して自分なりの答えを模索することで、小児を一人の尊い存在・人格ある存在と認め、命を大切に守り健やかな成長・発達を促す支援の重要性を理解していく。また、小児看護に特徴的である「子どもが治療・処置・検査を受ける」意味を理解するために倫理原則(説明と同意、抑制・拘束、家族との分離、遊びと学習の機会)を踏まえた関わり方や基礎的な知識を習得できるよう講義を展開していく。
具体的には、第1回で、病気に対する子どもの理解の特徴と発達段階に応じた説明の重要性の理解、病気・障害、および入院・外来受診が子どもと家族に及ぼす影響とその看護について理解し、第2回では、状況別にみる子どもと家族の看護として、子どもの治療・処置・検査体験の意味を理解し、子どもが主体的に取り組むことができる関わり方を理解するとともに、子どもにと家族にとって望ましい入院環境や入院生活への適応に向けた子どもと家族の看護について理解していく。第3回目では、手術および薬物療法・リハビリテーションを受ける子どもと家族に対する看護の理解、第4回目では、小児救急外来・集中治療・活動制限や隔離を必要とする子どもと家族への援助のポイントについて理解を深めていく。
第5~7回の3コマでは、小児における解剖学的・生理学的特徴を踏まえながら、子どもに多くみられる発熱・脱水・嘔吐・下痢・呼吸困難・痙攣・発疹などの急性症状についてのアセスメントと必要な看護を学び、臨地実習で受け持つ患児の症状緩和に対応できる基礎的知識を定着していく。第8回目では、在宅療養・成人期に移行する慢性疾患・終末期にある子どもと家族について学修していく。なお、既に学修した小児看護学概論および2年次後期に進行中である疾病・治療論Ⅲ(小児医学)に関する疾患・症状・治療などの知識を結びつけながら理解することができるよう、授業展開する。
本科目は、総合病院で小児病棟での実務経験のある教員が担当し、健康問題をもつ子どもとその家族に対して、「最善の利益」を守るために必要な看護の基本的知識や方法を教授するものである。

科目のキーワード
①病気・障害のある子どもと家族の理解
②病気・障害が子どもと家族に及ぼす影響
③検査・処置を受ける子どもと家族の看護   
④状況別(外来・入院・集中治療・薬物療法・手術期・在宅療養・慢性期・終末期)の子どもと家族の看護
⑤症状別(発熱・脱水・嘔吐・下痢・呼吸困難・痙攣・発疹)にみる子どもと家族の看護

授業の展開方法
本講義では、冒頭に教員が作成した資料を配布し、それに沿って講義を進める。学生は、配布された資料に重要事項を書き込んでいく。毎回、事前に指定した教科書の該当ページを熟読し(事前学習)講義に臨むことが受講の前提条件として求められる。各回の講義は、1)前回の講義内容の理解を問う確認テストと解説を含めた復習、2)当該回の学習内容の教授、3)学習内容に関連した国家試験問題の解答から構成される。また、教員は解答について解説を行う。講義終了時には、リアクションペーパーに講義に関する質問を記載し、次回の講義開始時に、教員からフィードバックを行う。
オフィス・アワー
研究室709:木曜4・5限
E-mail:n-hato@uhe.ac.jp
(メールはいつでも受け付けます)

科目コード ERJ02
学年・期 2年・後期
科目名 小児看護援助論Ⅰ
単位数 1
授業形態 講義
必修・選択 必修
学習時間 【講義】16h
【予習・復習】29h
前提とする科目 小児看護学概論
展開科目 本科目は、小児看護学概論を基盤として小児看護援助論Ⅱ、Ⅲへの展開科目として位置づく。
関連資格 看護師資格 保健師資格、助産師資格、養護教諭
担当教員名 羽藤典子
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 病気・障害のある子どもと家族の看護 科目の中での位置付け 本科目では常に成長・発達過程にある小児に対して、さまざまな健康問題や疾病経過(急性期・周手術期・慢性期・終末期)が、小児とその家族に及ぼす影響について理解を深める。とくに、小児看護の対象である「子ども」は、新生児期・乳児期・幼児期・学童期・思春期など、つまり成人への移行期という連続性と各時期の成長発達段階に応じた発達課題を念頭におきながら、健康問題をもつ子どもとその家族に対して、「最善の利益」を守るために必要な看護の基本的知識や方法を理解する。また、小児看護の重要な役割である医療体験をする子どもすべてに必要な日常的な心理的支援プロセスを学ぶことで、子どもが主体的に検査・処置体験に臨めるような関わりこそが、将来、子どもにとっての自信や医療への信頼につながることを理解し、子どもが主体的に取り組むことができる関わり方を理解できる。具体的には、第1回で、病気に対する子どもの理解の特徴と発達段階に応じた説明の重要性の理解、病気・障害、および入院・外来受診が子どもと家族に及ぼす影響とその看護について理解し、第2回では、状況別にみる子どもと家族の看護として、子どもの治療・処置・検査体験の意味を理解し、子どもが主体的に取り組むことができる関わり方を理解するとともに、子どもにと家族にとって望ましい入院環境や入院生活への適応に向けた子どもと家族の看護について理解していく。第3回目では、手術および薬物療法・リハビリテーションを受ける子どもと家族に対する看護の理解、第4回目では、小児救急外来・集中治療・活動制限や隔離を必要とする子どもと家族への援助のポイントについて理解を深めていく。
第5~7回の3コマでは、小児における解剖学的・生理学的特徴を踏まえながら、子どもに多くみられる発熱・脱水・嘔吐・下痢・呼吸困難・痙攣・発疹などの急性症状についてのアセスメントと必要な看護を学び、臨地実習で受け持つ患児の症状緩和に対応できる基礎的知識を定着していく。第8回目では、在宅療養・成人期に移行する慢性疾患・終末期にある子どもと家族について学修していく。
第1回目では、認知的発達段階に応じた子どもの病気理解の特徴を知り、それぞれに適したかかわりや病気の説明の必要性を学ぶとともに、病気が小児と家族に与える影響(生活や成長発達に及ぼす影響、ストレス、親やきょうだいへの影響)がどのようなものかについて考え、必要となる看護や支援を理解していく。

【教材・コマ用オリジナル資料とコマ主題細目との対応】

コマ主題細目①:
講義用配布資料、
(1)教科書:今野美紀ほか、「小児看護学Ⅱ」,2022 P2-3、
(2)教科書:二宮啓子ほか、「小児看護学Ⅰ」,2022 P81-85.
参考書:「新体系看護学全書 小児看護学 健康障害をもつ小児の看護」P8-12

コマ主題細目②:
講義用配布資料、
(1)教科書:今野美紀ほか、「小児看護学Ⅱ」,2022 P3
参考書:「新体系看護学全書 小児看護学 健康障害をもつ小児の看護」P13

コマ主題細目③:
講義用配布資料、
(1)教科書:今野美紀ほか、「小児看護学Ⅱ」,2022 P3-4
参考書:「新体系看護学全書 小児看護学 健康障害をもつ小児の看護」P8-16

コマ主題細目④:
講義用配布資料、
(1)教科書:今野美紀ほか、「小児看護学Ⅱ」,2022 P4-5
参考書:「新体系看護学全書 小児看護学 健康障害をもつ小児の看護」P16-23
コマ主題細目 ① 子どもの病気に対する理解の特徴 ② インフォームド・アセント ③ 病気や障害が子どもに与える影響 ④ 病気をもつこどものストレス反応と対処行動 ⑤ 病気や障害が兄弟・家族に及ぼす影響
細目レベル ① 成長発達段階を踏まえた子どもの病気の理解の特徴
小児の病気の理解は認知発達段階によるところが大きい。ピアジェ(Piaget,J.)の発達理論において、0~2歳の感覚運動段階、2~6歳の前操作段階、7~11歳の具体的操作段階、11歳以降の形式的操作段階による病気理解の特徴において特に押さえる内容は、2~6歳の具体的操作段階である。この時期の小児は、表面的・感覚的な現象として病気を捉え、病気・治療・療養に伴う不安や不快の感覚をもつ。また、病気や苦痛を伴う治療を、自分が行ったことに対する罰としてとらえ、コントロール感の喪失による自尊感情の低下を招く恐れがある。そのため、それぞれの小児に適切な方法・タイミングで、病気・治療・生活の変化を説明することが大切である。また、それぞれに適したかかわりや病気の説明を行い、安心、納得、セルフケアの促進と主体性、自尊感情をはぐくむかかわりを理解する。

② インフォームド・アセント
小児医療においては、患者である小児が説明内容を理解する能力や方針を判断する能力が未熟である。しかし、「児童の権利に関する条約」で保障されているように、子どもは、最善の利益を得る権利(第3条)、生命・生存・発達の権利(第6条)、意見を表明する権利(第12条)、表現の自由(第13条)、思想・良心および宗教の自由の権利(第14条)、プライバシー保護の権利(第16条)、適切は情報へのアクセスの権利(第17条)がある。アセントとは、「提案や意見などに対して、よく考えた上で、同意する、賛成する、相手の意見や提案に表面的に合意する、相槌を打つ、要求を消極的に承認する」の意味である。つまり、インフォームド・アセントとは、自分になされる行為について理解できるよう十分に説明され、その選択・決断について了解することを意味する。講義では、既習しているインフォームド・コンセント(説明と同意)との違いを考えながら、小児医療で用いられるインフォームド・アセントの理解を深めていく。また、言葉の意味だけにとどまらず、インフォームド・アセントを得る際に気を付けるべき点についても教授する。

③ 小児の病気や診療・入院は、単なる疾病の治療の経験にとどまらず、生活や成長発達に影響を及ぼす経験となりえる。小児は病気や診療・入院から不安・恐怖を体験し、その反応は、認知発達段階(乳児期、幼児前期、幼児後期、学童期、思春期)ごとに特徴がある。乳児期では、母親などの重要他者との分離により不安反応を示すこと、基本的信頼感を築く時期であり、親とのかかわりが重要であることを踏まえ、親とのスキンシップを過度に制限することなく、入院時に親との面会が十分行えるように設定することが重要であることを理解できる。幼児期では、親からの分離不安が強く表れる時期であるため、処置や治療の際には、必要時、親などの子どもが安心できる人と一緒に行えるように支援するなど、子どもが安心できる環境を整える重要性を理解できる。また、この時期は、大人が行っていることを模倣したり好奇心が旺盛になる時期であるため、適切な遊びの提供を行ったり、運動発達・言語発達を促すような支援の必要性を理解する。このように、講義では各年齢での認知発達段階における小児の反応を一つ一つ押さえ、それらに対する支援を考えていく。
④ 病気・障害が子どもに及ぼすストレスには、「病気そのものの苦痛」、「診療行為に伴う苦痛」、「状況の展開がわからないこと」、「病気・障害、治療に伴う身体・容姿の変化、活動制限」、「家族や周囲の人の病気への評価」、「入院・治療によってなじみのある日常生活や生活環境から離れる、人間関係の変化」などがあるといわれている。このようなストレスが加わると、さまざまな身体的(不眠、心拍数増加、血圧上昇など)・情緒的(泣き、激怒、敵意、無関心、疑いなど)・知的反応(学習困難、集中力の低下など)を示すが、それらに対し、自ら調整しようと取り組む特性(対処:コーピング)がみられる。講義では、こどもの発達段階や健康問題を踏まえ、子どものストレスの程度や要因をさぐり、子どものなりの対処方法を理解し、それを支える重要性を学ぶ。
⑤ 家族は1つのユニットとして機能しており、家族員の健康問題は家族全体の機能に影響する。家族構成、家事や就業の調整の必要性、兄弟の世話、経済的な支援の必要性などを情報収集し、家族のだれかに過重な役割負担が生じていないか、家族が葛藤や機能不全を起こしていないかなどアセスメントすることの重要性を理解する。また、とくに小児病棟では、親が付き添う場合が多く、患児へのケア・兄弟の世話・家事・仕事などが過重な役割となって親への心身の負担になる場合がある。また、兄弟においても、面会の年齢制限のため面会が制限され、療養から疎外されやすい側面がある。きょうだいは、親の関心が患児に向かうことに寂しさを覚えることもあるが、一方で「自分が頑張らなくてはと」とプレッシャーを抱えることもあるため、看護者は、兄弟が患児の病状や家族の状況を理解できるよう、きょうだいも情報を得られているか、子どもらしいニーズ(親に甘える、友人と遊ぶなど)を満たしているかなどを査定し、兄弟を含め家族を支援する役割の重要性を理解する。
キーワード ① 子どもの病気の理解 ② インフォームド・アセント ③ 病気や障害が子どもに与える影響 ④ こどものストレス反応と対処行動 ⑤ 子どもの最善の利益
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】今回の講義では、「子どもは絶えず、成長発達していく存在である」ことを基本とし、子どもが病気をどのようにとらえるのか、それらの捉え方には、成長発達段階における様々な理論の理解が重要であることを押さえました。新生児期~思春期までの発達課題や病気の理解がどのように進んでいくかについて、説明できるようにしておくこと。
【予習】教科書「小児看護学Ⅱ」P16~47を読み、小児医療の動向を確認しておくこと。また、第Ⅱ章の「状況別にみる小児の家族の看護」の中の、①検査・処置を受ける子どもと家族の看護(P22~31)と、②の入院における小児と家族の看護(P32~47)を熟読してくること。

2 状況別にみる子どもと家族の看護(1) 【検査・処置、入院治療を必要とする子どもと家族の看護】 科目の中での位置付け 本科目では常に成長・発達過程にある小児に対して、さまざまな健康問題や疾病経過(急性期・周手術期・慢性期・終末期)が、小児とその家族に及ぼす影響について理解を深める。とくに、小児看護の対象である「子ども」は、新生児期・乳児期・幼児期・学童期・思春期など、つまり成人への移行期という連続性と各時期の成長発達段階に応じた発達課題を念頭におきながら、健康問題をもつ子どもとその家族に対して、「最善の利益」を守るために必要な看護の基本的知識や方法を理解する。また、小児看護の重要な役割である医療体験をする子どもすべてに必要な日常的な心理的支援プロセスを学ぶことで、子どもが主体的に検査・処置体験に臨めるような関わりこそが、将来、子どもにとっての自信や医療への信頼につながることを理解し、子どもが主体的に取り組むことができる関わり方を理解できる。具体的には、第1回で、病気に対する子どもの理解の特徴と発達段階に応じた説明の重要性の理解、病気・障害、および入院・外来受診が子どもと家族に及ぼす影響とその看護について理解し、第2回では、状況別にみる子どもと家族の看護として、子どもの治療・処置・検査体験の意味を理解し、子どもが主体的に取り組むことができる関わり方を理解するとともに、子どもにと家族にとって望ましい入院環境や入院生活への適応に向けた子どもと家族の看護について理解していく。第3回目では、手術および薬物療法・リハビリテーションを受ける子どもと家族に対する看護の理解、第4回目では、小児救急外来・集中治療・活動制限や隔離を必要とする子どもと家族への援助のポイントについて理解を深めていく。
第5~7回の3コマでは、小児における解剖学的・生理学的特徴を踏まえながら、子どもに多くみられる発熱・脱水・嘔吐・下痢・呼吸困難・痙攣・発疹などの急性症状についてのアセスメントと必要な看護を学び、臨地実習で受け持つ患児の症状緩和に対応できる基礎的知識を定着していく。第8回目では、在宅療養・成人期に移行する慢性疾患・終末期にある子どもと家族について学修していく。
第2回では、医療における「玄関」ともいえる小児外来の看護師の役割を学ぶとともに、疾患の診断や治療効果の判定のために子どもが体験するさまざまな検査・処置について、子どもにとっての検査・処置がどのような体験であるのかを、子どもの視点に立った理解と、苦痛緩和のために看護が担う役割を理解する。さらに、子どもが主体的に取り組むことができる関わり方とはどのようなものかを理解するとともに、子どもにと家族にとって望ましい入院環境や入院生活への適応に向けた子どもと家族に必要な看護の方向性を考えていく。

【教材・コマ用オリジナル資料とコマ主題細目との対応】

コマ主題細目①:講義用配布資料、(1)教科書:今野美紀ほか、「小児看護学Ⅱ」,2022 P16-21.

コマ主題細目②:講義用配布資料、(1)教科書:今野美紀ほか、「小児看護学Ⅱ」,2022 P22-31.

コマ主題細目③:講義用配布資料、(1)教科書:今野美紀ほか、「小児看護学Ⅱ」,2022 P32-47.


コマ主題細目 ① 外来における小児と家族の看護 ② 検査・処置を受ける子どもと家族 ③ 入院における小児と家族の看護
細目レベル ① 外来における看護の役割
小児外来には、さまざまな成長・発達段階、健康レベルの子どもが訪れるため、とくに事故防止や感染予防に留意した環境が求められる。また、外来はいうまでもなく、医療における「玄関」であり、生活の場と医療の場をつなげる場所である。看護師には、苦痛や心配、不安を抱えて外来を受診する小児と家族と、短時間のかかわりのなかで信頼関係を築き、小児と家族が安心・安楽を感じて医療を受けられるように支援することが求められる。とくに、小児を対象とした外来では、待ち時間のなかで症状が急激に変化し、緊急に適切な医療が必要となる状況となる場合も少なくない。成人と異なり、自身の症状や苦痛を適切に表現することができない小児において、早急な対応が必要な小児を把握し判断する能力が重要であることもポイントとして押さえる(緊急性の判断)。また、小児は、何らかのウイルス感染症を伴っていることがあり、外来受診中の他の小児への感染予防対策を講じる必要がある。臨地実習においても、外来実習がスケジュールに組まれているが、感染予防に関する注意喚起のポスターなど掲示している病院がほとんどであるため、このような取り組みを日常的な感染予防対策として行う必要性を学んでもらう。そのほか、外来行われる検査・処置は、小児にとって、緊張・不安・恐怖を伴うため、外来看護師は、小児の緊張感や不安、心の準備状況をアセスメントし、発達段階に応じた分かりやすい説明と、小児が主体的に検査・処置に向かうことができるような支援をしていく重要性を理解する。それらの経験が、小児のその後の治療体験やセルフケアなどに影響を及ぼすことを講義の中でも押さえる。

② 検査・処置を受ける子どもと家族の看護
 小児は、診断や治療効果の判定のために体験するさまざまな検査・処置を体験する。検査・処置は子どもの日常生活にはない体験であり、実際に痛みがなくても,頭部や腕を固定されることや何をされるかわからない状況が,恐怖心や不安を増強させる。また、検査や処置の説明と同意は親に対して行われる場合が多いため,小児の意思が尊重されない場面が多い。看護師は、常に小児の視点に立ち、小児自身が検査や処置を受けることに納得ができるように支援を行う必要がある。したがって、どのような方法で検査・処置が行われるかについて、子どもに分かるような説明を行い、小児中心の視点を大切にしたプレパレーション・ディストラクション・メディカルプレイを講義の中で具体的に学んでいく。遊びを用いた子どもの力を引き出す支援の重要性を学び、子どもなりの心の準備を支えること、子どもの自尊心を尊重し主体的に検査や処置を受けることができるように、気持ちを受け止め、小児に分かりやすく具体的な行動や方法をしめすなど、子どもの頑張りを支える支援の在り方、除痛クリームの活用による不必要ないための軽減の重要性、親へのプレパレーション支援について理解する。

③ 子どもが入院する病棟環境は、単なる治療の場としてではなく、成長に向かう「生活の場」としてとらえようとする視点が必要である。小児科ならではの物理的環境・人的環境とはどのようなものか、臨地実習で目にするであろう情景と講義がリンクするように視覚教材で理解を促していく。とくに、子どもは身体的・精神的・社会的に発達途上で運動・認知・判断力が未発達であるため、危険の予測や対処などが困難であり、身の回りの環境や日常の行動が思わぬ事故につながる場合があるため、子どもの発達段階に応じた病院で起こりやすい事故についても教授していく。一方で、病棟環境はこれまで生活してきた家庭とは大きく異なり、未体験で、見知らぬものが多く、戸惑いや不安を抱きやすい。そのため、入院前に過ごしていた家庭や学校での日常生活に近い日課を組むことや普段家庭で使っていた愛着のあるもの(おもちゃ、タオルケットなど)を持参することなどは、効果的であることを学ぶ。また、入院中の小児にとって、遊びは、成長に欠かせない重要な援助であることを講義の中で押さえる。限られた環境の中であっても、小児の情緒の発達を促進し、社会性をみにつけ、創造性を伸ばすことができるような遊びの援助を行う重要性を理解する。遊びは、単に成長発達に関係するだけでなく、感情表出や意思の伝達にも重要であり、入院中、必要な情報を引き出したり、小児の感情を表出し、病気や治療、入院によって生じるストレスへの対処能力を高めるための援助として意義あるものであるため、治療における遊びの重要性を理解する。さらに、学童期以降の小児では、遊びに加え、学習の継続が重要になる(発達課題)ため、入院中においても、学校や友人からの孤立感を抱くことがないよう、学習が継続できるような環境(院内学級、特別支援学校など)を提供することが重要である点を理解する。
キーワード ① 事故防止 ② 感染予防対策 ③ 緊急時の判断(トリアージ) ④ 入院中の不安の軽減 ⑤ 遊び・学習
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、LMS上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】今回の講義では、現在の日本における小児医療の動向および外来・入院における小児と家族の看護を学んできた。ポイントとしては、外来における緊急度の把握・トリアージの必要性や感染予防対策をはじめとする外来看護師の役割を自身の言葉で説明できるようにしておくことと、検査・処置を受ける子どもの特徴、援助する際の声掛けやメディカルプレイ、必要最小限の抑制の考え方を理解しておくこと。入院中の小児への看護では、成人病棟との物理的環境の違いにおけるその根拠や病院で起こりやすい事故など、重要な内容を説明できるようにしておくこと。
【予習】教科書「小児看護学Ⅱ」P48-65を読み、今回のコマシラバスの内容をしっかり読んでおくこと。また、インターネット上無料サイト「看護roo」のhttps://www.kango-roo.com/kokushi/kako/243/を閲覧し、手術期の看護および疾患・治療を疾病・治療論Ⅲの教科書をみて予習しておくこと。

3 状況別にみる子どもと家族の看護(2) 【手術・薬物療法・リハビリテーションを受ける子どもと家族の看護】 科目の中での位置付け 本科目では常に成長・発達過程にある小児に対して、さまざまな健康問題や疾病経過(急性期・周手術期・慢性期・終末期)が、小児とその家族に及ぼす影響について理解を深める。とくに、小児看護の対象である「子ども」は、新生児期・乳児期・幼児期・学童期・思春期など、つまり成人への移行期という連続性と各時期の成長発達段階に応じた発達課題を念頭におきながら、健康問題をもつ子どもとその家族に対して、「最善の利益」を守るために必要な看護の基本的知識や方法を理解する。また、小児看護の重要な役割である医療体験をする子どもすべてに必要な日常的な心理的支援プロセスを学ぶことで、子どもが主体的に検査・処置体験に臨めるような関わりこそが、将来、子どもにとっての自信や医療への信頼につながることを理解し、子どもが主体的に取り組むことができる関わり方を理解できる。具体的には、第1回で、病気に対する子どもの理解の特徴と発達段階に応じた説明の重要性の理解、病気・障害、および入院・外来受診が子どもと家族に及ぼす影響とその看護について理解し、第2回では、状況別にみる子どもと家族の看護として、子どもの治療・処置・検査体験の意味を理解し、子どもが主体的に取り組むことができる関わり方を理解するとともに、子どもにと家族にとって望ましい入院環境や入院生活への適応に向けた子どもと家族の看護について理解していく。第3回目では、手術および薬物療法・リハビリテーションを受ける子どもと家族に対する看護の理解、第4回目では、小児救急外来・集中治療・活動制限や隔離を必要とする子どもと家族への援助のポイントについて理解を深めていく。
第5~7回の3コマでは、小児における解剖学的・生理学的特徴を踏まえながら、子どもに多くみられる発熱・脱水・嘔吐・下痢・呼吸困難・痙攣・発疹などの急性症状についてのアセスメントと必要な看護を学び、臨地実習で受け持つ患児の症状緩和に対応できる基礎的知識を定着していく。第8回目では、在宅療養・成人期に移行する慢性疾患・終末期にある子どもと家族について学修していく。
第3回では、小児期の手術の特徴をはじめ、手術による影響が大きいとされる術前・術後の子どもと家族の反応について理解を深め、とくに、小児に対する術前プレパレーションの意義と方法を学び、子どもと家族が安心して手術を受けられるような看護の在り方を理解する。また、薬物療法を受ける子どもと家族の看護として、子どもに安全に薬物療法を行うための知識とその援助の基本を学んでいく。さらに、なじみのない子どものリハビリテーションの特徴とその援助について概観していく。

【教材・コマ用オリジナル資料とコマ主題細目との対応】

コマ主題細目①:講義用配布資料、(1)教科書:今野美紀ほか、「小児看護学Ⅱ」,2022 P48-55.

コマ主題細目②:講義用配布資料、(1)教科書:今野美紀ほか、「小児看護学Ⅱ」,2022 P56-60.

コマ主題細目③:講義用配布資料、(1)教科書:今野美紀ほか、「小児看護学Ⅱ」,2022 P61-65.
コマ主題細目 ① 手術を受ける子どもと家族への看護 ② 薬物療法を受ける子どもと家族への看護 ③ リハビリテーションにおける子どもと家族の看護
細目レベル ① 手術を受ける子どもと家族への看護
手術の適応は、疾患・事故を含め多岐に渡るが、なかでも先天性疾患の手術が多いことが特徴であることを理解する。また、手術を受ける子どもは、身体面と心理・社会面の特徴から成人とは異なる反応を示すため、治療と看護の両面において小児期特有の配慮が必要とされるため成人と異なる小児の手術の特徴(緊急・計画手術、多期的手術、全身麻酔による全身管理など)を学ぶとともに、手術が小児に与える身体的・認知・情緒的影響を考えながら、手術前から手術後の小児と家族への看護のポイントについて理解することができる。とくに、麻酔による子どもの身体的影響について成人との解剖学的・機能的差異を比較しながら理解を深められるよう講義していく。また、小児に対する術前からの身体的準備の必要性やプレパレーションの意義と方法を理解することができる。

② 薬物療法を受ける子どもと家族への看護
子どもは、肝臓や腎臓の機能が未発達であるため、薬剤の代謝・排泄に時間がかかり、薬剤の作用や副作用が強く出現することを理解するため、薬物動態の特徴を吸収・分布・代謝・排泄の側面から講義していく。薬用量の計算について実施はしないが、年齢や体重、体表面積によって決定されることについては理解しておく必要があるため、von Harnackの換算表を紹介する。さらに、薬物療法では、内服薬と食品との飲み合わせや食物アレルギーについても注意が必要であるため、代表的な抗生物質・抗菌薬や食物(卵白・牛乳・ゼラチンなど)にアレルギーがないか事前に確認し蕁麻疹やアナフィラキシーを予防する必要性を理解できるよう講義を進める。また、薬物療法には、感染症などの一時的な服用のみならず、1型糖尿病、小児がん、先天性心疾患、転換、喘息などの慢性疾患での疾患治療・管理も含まれるため、子どもや家族に治療内容、薬物の副作用や生活上の注意点について、代表的な疾患の国試問題を用いて説明するとともに、自己コントロールできるよう家族と協働して支援していく必要性を学ぶ。

③ リハビリテーションにおける子どもと家族の看護
 子どものリハビリテーションは、子どもが病気や障害の影響によって受けた成長・発達の遅れを取り戻すこと、子どもが必要な医療や理学療法・作業療法・言語療法などを受けることによって心身機能が改善・向上すること、病気や障害があっても子どもの活動や参加が制限されないこと、およびそれらを支援することである。リハビリテーションを受ける子どもの疾患には、脳性麻痺・二分脊椎・知的障害・自閉症スペクトラム障害、注意欠如・多動性障害など生まれつきの障害がある子どもや、脳炎脳症・脳外傷・脳血管障害・脊髄損傷などによる後天性の障害がある子どもさんなど様々であり、リハビリテーション専門施設(療育施設とよばれることもある)で、入院や入所による集中的なリハビリテーションをはじめ外来通院によるリハビリが行われている。重要な内容として、リハビリテーションは、リハビリ専門職のみで提供するものではなく、チームアプローチ(医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・技師装具士・公認心理士など)により提供されることや、患児もチームの一員としてリハビリテーションに加わる必要性について講義の中で押さえる。

キーワード ① 小児の手術の特徴 ② 手術を受ける小児の家族への看護 ③ 小児の薬物動態 ④ 内服薬と食品との飲み合わせ ⑤ 小児リハビリテーションの特徴
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、LMS上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】子どもの手術の特徴や麻酔による子どもへの身体的影響については、子どもの呼吸・循環・腎・肝機能を解剖学的・機能学的視点から根拠を押さえておくこと。薬物療法については、内服薬と食品との飲み合わせによる薬効の変化の部分をまとめておくこと。小児リハビリテーションについては、成人におけるリハビリテーションとの違いについて、自分の言葉で説明できるようにしておく。
【予習】教科書「小児看護学Ⅱ」P66-85を読み、今回のコマシラバスの内容をしっかり読んでおくこと。また、近年、少子化・核家族化が進み、育児に関する知識の世代間継承ができなくなってきていることに伴う家族の特徴を説明できるように教科書を読んでくること。さらに、PICUとNICUの区別をし、集中治療を必要とする患児の特徴について、概要を読んでくること。

4 状況別にみる子どもと家族の看護(3) 【救急外来・集中治療を受ける子どもと家族の看護】 【活動制限・隔離が必要な子どもと家族の看護】 科目の中での位置付け 本科目では常に成長・発達過程にある小児に対して、さまざまな健康問題や疾病経過(急性期・周手術期・慢性期・終末期)が、小児とその家族に及ぼす影響について理解を深める。とくに、小児看護の対象である「子ども」は、新生児期・乳児期・幼児期・学童期・思春期など、つまり成人への移行期という連続性と各時期の成長発達段階に応じた発達課題を念頭におきながら、健康問題をもつ子どもとその家族に対して、「最善の利益」を守るために必要な看護の基本的知識や方法を理解する。また、小児看護の重要な役割である医療体験をする子どもすべてに必要な日常的な心理的支援プロセスを学ぶことで、子どもが主体的に検査・処置体験に臨めるような関わりこそが、将来、子どもにとっての自信や医療への信頼につながることを理解し、子どもが主体的に取り組むことができる関わり方を理解できる。具体的には、第1回で、病気に対する子どもの理解の特徴と発達段階に応じた説明の重要性の理解、病気・障害、および入院・外来受診が子どもと家族に及ぼす影響とその看護について理解し、第2回では、状況別にみる子どもと家族の看護として、子どもの治療・処置・検査体験の意味を理解し、子どもが主体的に取り組むことができる関わり方を理解するとともに、子どもにと家族にとって望ましい入院環境や入院生活への適応に向けた子どもと家族の看護について理解していく。第3回目では、手術および薬物療法・リハビリテーションを受ける子どもと家族に対する看護の理解、第4回目では、小児救急外来・集中治療・活動制限や隔離を必要とする子どもと家族への援助のポイントについて理解を深めていく。
第5~7回の3コマでは、小児における解剖学的・生理学的特徴を踏まえながら、子どもに多くみられる発熱・脱水・嘔吐・下痢・呼吸困難・痙攣・発疹などの急性症状についてのアセスメントと必要な看護を学び、臨地実習で受け持つ患児の症状緩和に対応できる基礎的知識を定着していく。第8回目では、在宅療養・成人期に移行する慢性疾患・終末期にある子どもと家族について学修していく。
第4回では、小児救急外来・集中治療を受ける子どもと家族の特徴と必要な技術・対応を学ぶ。また、子どもにおける活動の意味をとらえたうえで、活動制限や隔離を必要とする子どもと家族の援助のポイントを理解することを目的とする。

【教材・コマ用オリジナル資料とコマ主題細目との対応】

コマ主題細目①:講義用配布資料、(1)教科書:今野美紀ほか、「小児看護学Ⅱ」,2022 P66-77.

コマ主題細目②:講義用配布資料、(1)教科書:今野美紀ほか、「小児看護学Ⅱ」,2022 P78-81.

コマ主題細目③:講義用配布資料、(1)教科書:今野美紀ほか、「小児看護学Ⅱ」,2022 P82-85.


コマ主題細目 ① 救急外来・集中治療を受ける子どもと家族の特徴と支援 ② 活動制限が必要な子どもと家族の看護 ③ 隔離が必要な子どもと家族の看護
細目レベル ① 救急外来・集中治療を受診する子どもと家族の特徴と支援
 救急外来を受診する子どもの主訴で最も多いのは「発熱」であり、これらの症状の原因疾患は細気管支炎や肺炎、ウイルス性の胃腸炎など季節性の感染症出ることが多いとされる。また、外傷、誤飲、熱傷、溺水、骨折など、事故による受診、そのほか虐待や育児不安などの事例もある。本コマでは、通常の外来診療ではなく、小児救急外来で必要なトリアージの特徴や患者評価の過程を学ぶとともに、子どもの症状の緊急性や重症度を客観的に判断することの難しさの理由に、子どもが成人とは異なった特徴を持っていることを具体的に学んでいく。さらに、事例として誤飲の事故報告例を取り上げ、子どもの誤飲による症状や合併症を知り、誤飲時の処置について理解を深める。また、重篤な状態にあるこどもの家族への援助(わかりやすい説明、傾聴的対応、環境の整備)にも触れ、小児救急外来で必要な技術や対応について学んでいく。
集中治療を受ける子どもは、新生児期から思春期とその年齢は幅広く、出生直後から生命及び予後に対する危険が高いと予測される。出生後のある一定期間観察を必要とするハイリスク新生児は、新生児集中治療室(NICU)で治療を受けるが、NICUを退院した子どもや、意識障害、呼吸不全、大手術後、外傷などで集中治療が必要な子どもは、小児集中治療室(PICU)やICUで治療されるため、その特徴を押さえていく。とくに、NICUにおけるディベロップメンタルケアについては、母性看護学でも学ぶ内容であるが、タッチケアやポジショニングとともに重要な内容であるため、講義の中でその意味と方法について押さえていく。

② 活動制限が必要な子どもと家族の看護
 小児は、からだを動かすことで運動機能の発達のみならず、認知機能の発達も促進される。しかし、ひとたび治療や検査のために活動制限が必要となった場合、子ども自身でコントロール感をもつことは難しく、その認知発達段階の特徴から、抑制や固定を「自分が悪いことをした罰である」と捉える場合もある。したがって、必要な治療や検査が受けられる権利を保障すること、小児の尊厳を尊重することという2つの視点から考え、子どもにとって分かりやすい説明と小児が最善の利益を得られるような支援とはどのようなものかを学んでいく。講義では、活動制限の目的(安静、転倒転落予防、感染予防など)および具体的方法(牽引、ギプス、シーネ、ベルト、ミトンなど)を写真等で示しながら、小児にとって、活動を制限され動けないことは、「自由に動きたい」「遊びたい」という、本来小児が持つ根源的な思いを奪われる体験であり、小児の自信やコントロール感を揺るがされる体験であることをしっかり理解する。また、子どもの安全のために、一時的にやむを得ず身体の抑制などの拘束を行う場合は、子どもの理解の程度に応じて十分に説明すること、あるいは、保護者に対しても十分に説明すること、その活動制限は必要最低限にとどめ、その中でも「できること」を子どもと家族に看護師として提案しつつ、「子どもがしたいこと」を一緒に考えていく姿勢や、子どもの状態に応じて活動制限を早期に解除できるよう努力すべきであることを講義のなかで強調する。

③ 隔離が必要な子どもと家族の看護
 感染予防策としての隔離(isolation)とは、病気の原因となる病原微生物やその汚染物を人から隔てて離すことであり、子どもの隔離は、他の子どもへの感染を予防するための隔離と、子ども自身を感染から守るための隔離の大きく2つの目的・方法があることを理解できるようにする。また、いずれの場合も、対象の子どもを入院および個室隔離するだけでなく、感染を予防するための感染防護具の使用も含まれていることを理解する。隔離される子どもの特徴としては、①慣れない環境、②限られた生活空間による活動制限、③限られたひととのかかわり、④家族との分離、さらに、隔離室の構造としての⑤子どものプライバシー確保の不十分さなどがある。従って、活動制限を受ける子どもと同様、隔離される子どもの認知や発達に合わせて、理解できる言葉、方法で、子どもとその家族に隔離に関する理由や、隔離期間、感染予防のために行われる処置、隔離中の生活などを説明し、こどものなりの理解と納得が得られるようにかかわることの重要性を理解していく。また、臨地実習先でも目にすると思われる病棟保育士やチャイルドライフスペシャリストを含む病棟スタッフとの接触機会を増やすような心がけが重要であることも講義の中で押さえていく。

キーワード ① 小児救急 ② トリアージ ③ NICU ④ ディベロップメンタルケア ⑤ 活動制限・隔離
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、LMS上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】救急外来におけるトリアージの意味や救急外来で処置を受ける子どもに多い事故についてまとめておくこと。また、活動制限および隔離を必要とする小児の入院場面をイメージし、どのような小児感染症に隔離が必要であるか、また隔離をされる子どもが受ける影響にはどのようなものがあるかについて、自分の言葉で説明できるようまとめておくこと。
【予習】教科書「小児看護学Ⅰ」のP230~247を読み、子どもの形態的発達、機能的発達から体温、腎機能、免疫について2年次前期の小児看護学概論で学んだ内容を再度確認してくること。また、P230~235の「痛み」、 P237~242の「発熱」およびP242~247の「脱水」を読み、今回のコマシラバスの内容をしっかり読んでおくこと。

5 子どもに特徴的な症状と看護(1)【痛み・発熱・脱水】 科目の中での位置付け 本科目では常に成長・発達過程にある小児に対して、さまざまな健康問題や疾病経過(急性期・周手術期・慢性期・終末期)が、小児とその家族に及ぼす影響について理解を深める。とくに、小児看護の対象である「子ども」は、新生児期・乳児期・幼児期・学童期・思春期など、つまり成人への移行期という連続性と各時期の成長発達段階に応じた発達課題を念頭におきながら、健康問題をもつ子どもとその家族に対して、「最善の利益」を守るために必要な看護の基本的知識や方法を理解する。また、小児看護の重要な役割である医療体験をする子どもすべてに必要な日常的な心理的支援プロセスを学ぶことで、子どもが主体的に検査・処置体験に臨めるような関わりこそが、将来、子どもにとっての自信や医療への信頼につながることを理解し、子どもが主体的に取り組むことができる関わり方を理解できる。具体的には、第1回で、病気に対する子どもの理解の特徴と発達段階に応じた説明の重要性の理解、病気・障害、および入院・外来受診が子どもと家族に及ぼす影響とその看護について理解し、第2回では、状況別にみる子どもと家族の看護として、子どもの治療・処置・検査体験の意味を理解し、子どもが主体的に取り組むことができる関わり方を理解するとともに、子どもにと家族にとって望ましい入院環境や入院生活への適応に向けた子どもと家族の看護について理解していく。第3回目では、手術および薬物療法・リハビリテーションを受ける子どもと家族に対する看護の理解、第4回目では、小児救急外来・集中治療・活動制限や隔離を必要とする子どもと家族への援助のポイントについて理解を深めていく。
第5~7回の3コマでは、小児における解剖学的・生理学的特徴を踏まえながら、子どもに多くみられる発熱・脱水・嘔吐・下痢・呼吸困難・痙攣・発疹などの急性症状についてのアセスメントと必要な看護を学び、臨地実習で受け持つ患児の症状緩和に対応できる基礎的知識を定着していく。第8回目では、在宅療養・成人期に移行する慢性疾患・終末期にある子どもと家族について学修していく。
第5回では、子どもに特徴的な症状のうち、とくに外来や入院に移行しやすい代表的な症状(痛み・発熱・脱水)について取り上げ、子どもの解剖学的特徴を踏まえた症状のメカニズムから特徴を説明し、症状のアセスメントの視点や症状に対する必要な看護を学んでいく。

【教材・コマ用オリジナル資料とコマ主題細目との対応】

コマ主題細目①:講義用配布資料、(1)教科書:二宮啓子ほか、「小児看護学Ⅰ」,2022 P230-235.
参考書:(1)小林京子、高橋孝雄 メジカルフレンド社「新体系看護学全書 小児看護学② 健康障害を持つ小児の看護」2019年 P102 ~105(痛み)

コマ主題細目②:講義用配布資料、(1)教科書:二宮啓子ほか、「小児看護学Ⅰ」,2022 P237-239.

コマ主題細目③:講義用配布資料、(1)教科書:二宮啓子ほか、「小児看護学Ⅰ」,2022 P240-241.

コマ主題細目④:講義用配布資料、(1)教科書:二宮啓子ほか、「小児看護学Ⅰ」,2022 P242-247.
コマ主題細目 ① 子どもの痛みの特徴および痛みの緩和への援助 ② 小児における体温調節機能の理解 ③ 小児における発熱の特徴と看護 ④ 小児における脱水の特徴と看護
細目レベル ① 痛みを言葉でうまく表現できない小児の場合は、大人と同じような方法で、痛みの存在、痛みの部位・性質・程度・持続時間などを医療職者に伝えることが難しい。また、子どもの痛みにまつわる誤解(眠れているから大丈夫、遊んでいる子どもは痛くない)があり、それらはすべて誤りであることは明確な事実である。ゆえに、子ども特有の痛みに対する生理学的特徴や認知発達の特徴を正しく把握する必要性を押さえる。また、痛みを持つ小児は、大人と同様に体験をし、発達段階に応じた何らかの方法で痛みを表現もしくは伝えようとしている。したがって、小児の痛みのアセスメントにおいては、小児の訴えに耳を傾け、小児の訴えを読み取り、小児が訴えやすくなるようなコミュニケーションが必要である。また、医療者同士が同じ指標で痛みをアセスメントできるように、痛みのスケール(例:Wong & Baker FACES pain scale, VAS)を使用することも有効である。発達段階に応じた小児の痛みの表現の特徴を理解するとともに、痛みの緩和における様々なアプローチ方法(薬物療法、非薬物療法)をはじめ、親の存在や参加が子どもの痛みの緩和に重要な役割を担う大切なポイントであることも学ぶ。
② ②小児における体温調節機能の理解
まず、小児の発熱を学ぶ前に、子どものバイタルサインの正常について確認を行う。成人とは異なり、体温、呼吸数、脈拍、血圧の値には、発達年齢ごとに違いが大きく、なぜ体温は成人に比べて高いのか、呼吸数や脈拍は多いのか、血圧は低いのかなど解剖学的視点をもって理解することが基本となる。従って、症状に入る前に基本的なバイタルサインの値等にも触れ、次年度に続く小児看護援助論Ⅱにスムーズに移行できるように講義を進める。また、「発熱」に入る前提理解として、体温調節中枢の理解を問う。小児では、乳児は体温調節中枢の未熟さに加え、1)体表面積が大きく、皮膚からの熱放散が大きい、2)体温喪失を防ぐ皮下脂肪組織が少ない、3)発汗機能が未熟である特徴を踏まえ、発熱を理解していく。

③ 発熱は、非常に多い症状の1つであり、乳児~思春期のどの時期においても、発熱の原因として細菌やウイルスなどによる感染症が最も多いことを理解する。また、発熱を伴う子どもの情報収集とアセスメントにおいて、既往歴(熱性けいれんの時期・回数)、基礎疾患・発熱者との接触の有無(家族の最近の罹患状況、保育所、幼稚園、託児所、学校における伝染性疾患の流行)や予防接種状況などがとくに重要な情報であることも押さえる。先に述べた、小児は体温調節機能が不十分であるため成人と異なり正常な体温を維持することが難しく、予備能力等が低く、脱水にも移行しやすい特徴を理解し、発熱に対する援助(クーリング・水分や電解質の補給、安静)の必要性を理解する。
④ 小児期によくみられる脱水症状の特徴とその看護
小児において、脱水をおこしやすい身体的な特徴【体重当たりの基礎代謝量、体表面積、腎機能、体液(細胞外液・細胞内液)】を理解する。とくに、小児では成人と比較して体液の割合に違いが大きいことを、図を用いて理解できるようにする。また、この時期は、感染や胃腸炎などの脱水の原因疾患にかかりやすく、疾病にかかると経口水分摂取量の減少、嘔吐・下痢による多量の水分量の喪失による脱水が問題となる。体重減少率から分類した脱水の程度(軽度・中等度・重度)を計算から導き出すとともに、脱水の臨床症状(ツルゴール、大泉門の状態、涙、バイタルサイン測定値)を理解する。また、減少した水分量を補給するための必要水分量の計算、脱水時の看護の実際を理解する。

キーワード ① 小児のバイタルサインの正常値(体温、呼吸、脈拍、血圧) ② 小児における発熱 ③ 小児における脱水 ④ 脱水の重症度 ・ツルゴール ⑤ 子どもの痛み
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、LMS上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】小児の発熱・脱水の特徴は、国家試験への出題頻度も高く、臨床現場でもアセスメント能力や的確なケアの実施が重要である。小児の体温の特徴、発熱による二次的な症状(脱水など)も併せてアセスメントできるように理解を深めておくこと。また、小児の脱水については、解剖学的・生理学的特徴の理解がとても大事であるため、体液の占める割合や脱水の重症度の計算ができるように復習しておくこと。
【予習】教科書「小児看護学Ⅰ」のP248~252(嘔吐)およびP253~259(下痢)、P260~266(発疹)を読み、今回のコマシラバスの内容をしっかり読んでおくこと。

6 子どもに特徴的な症状と看護(2)【嘔吐・下痢・発疹】 科目の中での位置付け 本科目では常に成長・発達過程にある小児に対して、さまざまな健康問題や疾病経過(急性期・周手術期・慢性期・終末期)が、小児とその家族に及ぼす影響について理解を深める。とくに、小児看護の対象である「子ども」は、新生児期・乳児期・幼児期・学童期・思春期など、つまり成人への移行期という連続性と各時期の成長発達段階に応じた発達課題を念頭におきながら、健康問題をもつ子どもとその家族に対して、「最善の利益」を守るために必要な看護の基本的知識や方法を理解する。また、小児看護の重要な役割である医療体験をする子どもすべてに必要な日常的な心理的支援プロセスを学ぶことで、子どもが主体的に検査・処置体験に臨めるような関わりこそが、将来、子どもにとっての自信や医療への信頼につながることを理解し、子どもが主体的に取り組むことができる関わり方を理解できる。具体的には、第1回で、病気に対する子どもの理解の特徴と発達段階に応じた説明の重要性の理解、病気・障害、および入院・外来受診が子どもと家族に及ぼす影響とその看護について理解し、第2回では、状況別にみる子どもと家族の看護として、子どもの治療・処置・検査体験の意味を理解し、子どもが主体的に取り組むことができる関わり方を理解するとともに、子どもにと家族にとって望ましい入院環境や入院生活への適応に向けた子どもと家族の看護について理解していく。第3回目では、手術および薬物療法・リハビリテーションを受ける子どもと家族に対する看護の理解、第4回目では、小児救急外来・集中治療・活動制限や隔離を必要とする子どもと家族への援助のポイントについて理解を深めていく。
第5~7回の3コマでは、小児における解剖学的・生理学的特徴を踏まえながら、子どもに多くみられる発熱・脱水・嘔吐・下痢・呼吸困難・痙攣・発疹などの急性症状についてのアセスメントと必要な看護を学び、臨地実習で受け持つ患児の症状緩和に対応できる基礎的知識を定着していく。第8回目では、在宅療養・成人期に移行する慢性疾患・終末期にある子どもと家族について学修していく。
第6回では、子どもに特徴的な症状のうち、とくに外来や入院に移行しやすい代表的な症状(嘔吐・下痢、発疹)について取り上げ、子どもの解剖学的特徴を踏まえた症状のメカニズムから特徴を説明し、症状のアセスメントの視点や症状に対する必要な看護を学んでいく。

【教材・コマ用オリジナル資料とコマ主題細目との対応】

コマ主題細目①:講義用配布資料、(1)教科書:二宮啓子ほか、「小児看護学Ⅰ」,2022 P248-252.

コマ主題細目②:講義用配布資料、(1)教科書:二宮啓子ほか、「小児看護学Ⅰ」,2022 P253-259.

コマ主題細目③:講義用配布資料、(1)教科書:二宮啓子ほか、「小児看護学Ⅰ」,2022 P260-266.
コマ主題細目 ① 子どもにおける嘔吐の特徴と看護 ② 子どもにおける下痢の特徴と看護 ③ 子どもにおける発疹の特徴と看護
細目レベル ① 子どもによくみられる嘔吐の特徴とその看護
嘔吐(Vomiting)とは、胃内容物が食道を通って逆流し、口から体外へ排出される現象のことであり、感覚刺激や消化管などを介しての刺激が延髄の嘔吐中枢に伝わり、幽門が収縮し、横隔膜や腹直筋の急激で強力な収縮が起こるため、嘔吐が生じる。小児期の嘔吐の原因は、年齢や随伴症状によって異なり、新生児・乳児では器質的原因が多く、幼児から学童になると、胃腸炎などの外界刺激などの原因によるものが多いことを理解する。とくに、子どもの特徴的な吐き方(噴水様嘔吐)や吐物の性状(泡沫状唾液)など先天性の疾患に結び付く症状もあるため、アセスメントを詳細に行うことが重要である。また、嘔吐による電解質の喪失は脱水に移行することがあるため、前回に学んだ脱水時の特徴やケアを思い出しながら、子どもの苦痛の緩和に努めた嘔吐時のケア(誤嚥・窒息の予防、水分・電解質の補給)を理解する。

② 子どもによくみられる下痢の特徴とその看護
下痢とは、水分の多いかゆ状または水様の便を排泄し、便の量や回数の増加を伴う複合的な症状である。下痢症の急性と慢性の区別は、下痢の持続期間によるものであり、2~3週間を超えて下痢が続く場合を慢性下痢症、それより短い期間に改善する場合を急性下痢症といい、多くは発症より72時間以内に改善がみられるといわれている。下痢の原因には、ウイルス性・細菌性のほか、アレルギー性、炎症性腸疾患など様々あることを理解する。とくに、急性胃腸炎のなかでも代表的疾患としてロタウイルス下痢症について、発症時期や発症年齢、症状(白色下痢便と嘔吐)について、講義の中で押さえる。その他、腸管アデノウイルス・ノロウイルスなど、小児が下痢を起こしやすい特徴を学び、下痢時の小児の看護(腸管の安静、輸液療法、二次感染の予防など)を理解する。

③ 子どもの発疹の特徴と看護
 小児期にあらわれる発疹の代表的な原因として、ウイルス感染症、伝染性膿痂疹などの細菌性皮膚疾患、アトピー性皮膚炎やおむつなどの接触皮膚炎、汗疹などがあげられる。川崎病やリウマチ性疾患でも発疹が現れることを理解する。小児期は免疫機能の未熟さ、保育所・幼稚園、学校といった集団生活の場を通して細菌やウイルスによる感染力の強い発疹性の感染症にかかりやすい特徴がある。小児同士の接触から流行性に伝播することもあるため、講義では、予防接種や手洗い等の感染予防行動の励行の重要性、二次感染や院内感染の防止の重要性を理解する。また、発疹を伴う小児感染症(麻疹・風疹・水痘など)では、伝播可能期間と感染者に接触した場合の対応の理解も重要であるため、感染症の理解(発疹の特徴を写真で示しながら、発疹の特徴と違い・潜伏期間・治療など)を押さえる。

キーワード ① 嘔吐 ② 肥厚性幽門狭窄症・食道閉鎖症 ③ 排泄物の適切な処理方法 ④ 発疹(麻疹・風疹・水痘など) ⑤ 下痢
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、LMS上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】年齢別にみた嘔吐の主な原因については、並行して開講されている疾病・治療論Ⅲの消化器疾患の学修内容を確認しておくこと。また、嘔吐・下痢では、単独で発症することもあるが、同時に起こることもあるため関連して理解しておくことが重要である。排泄物の処理については、スタンダードプリコーションに則って、適切な処理方法を理解しておくこと。また、成人との違いとして皮膚が敏感な小児の場合、容易に皮膚の発赤やびらんを生じることもあるため、皮膚の保清の重要性も理解しておくこと。
【予習】教科書「小児看護学Ⅰ」のpp.267~272(けいれん)およびpp.273~280(呼吸困難)を読み、今回のコマシラバスの内容をしっかり読んでおくこと。

7 子どもに特徴的な症状と看護(3)【呼吸困難・けいれん】 科目の中での位置付け 本科目では常に成長・発達過程にある小児に対して、さまざまな健康問題や疾病経過(急性期・周手術期・慢性期・終末期)が、小児とその家族に及ぼす影響について理解を深める。とくに、小児看護の対象である「子ども」は、新生児期・乳児期・幼児期・学童期・思春期など、つまり成人への移行期という連続性と各時期の成長発達段階に応じた発達課題を念頭におきながら、健康問題をもつ子どもとその家族に対して、「最善の利益」を守るために必要な看護の基本的知識や方法を理解する。また、小児看護の重要な役割である医療体験をする子どもすべてに必要な日常的な心理的支援プロセスを学ぶことで、子どもが主体的に検査・処置体験に臨めるような関わりこそが、将来、子どもにとっての自信や医療への信頼につながることを理解し、子どもが主体的に取り組むことができる関わり方を理解できる。具体的には、第1回で、病気に対する子どもの理解の特徴と発達段階に応じた説明の重要性の理解、病気・障害、および入院・外来受診が子どもと家族に及ぼす影響とその看護について理解し、第2回では、状況別にみる子どもと家族の看護として、子どもの治療・処置・検査体験の意味を理解し、子どもが主体的に取り組むことができる関わり方を理解するとともに、子どもにと家族にとって望ましい入院環境や入院生活への適応に向けた子どもと家族の看護について理解していく。第3回目では、手術および薬物療法・リハビリテーションを受ける子どもと家族に対する看護の理解、第4回目では、小児救急外来・集中治療・活動制限や隔離を必要とする子どもと家族への援助のポイントについて理解を深めていく。
第5~7回の3コマでは、小児における解剖学的・生理学的特徴を踏まえながら、子どもに多くみられる発熱・脱水・嘔吐・下痢・呼吸困難・痙攣・発疹などの急性症状についてのアセスメントと必要な看護を学び、臨地実習で受け持つ患児の症状緩和に対応できる基礎的知識を定着していく。第8回目では、在宅療養・成人期に移行する慢性疾患・終末期にある子どもと家族について学修していく。
第7回では、子どもに特徴的な症状のうち、とくに外来や入院に移行しやすい代表的な症状(呼吸困難・けいれん)について取り上げ、子どもの解剖学的特徴を踏まえた症状のメカニズムから特徴を説明し、症状のアセスメントの視点や症状に対する必要な看護を学んでいく。

【教材・コマ用オリジナル資料とコマ主題細目との対応】

コマ主題細目①:講義用配布資料、(1)教科書:二宮啓子ほか、「小児看護学Ⅰ」,2022 P267-272.

コマ主題細目②:講義用配布資料、(1)教科書:二宮啓子ほか、「小児看護学Ⅰ」,2022 P273-276.

コマ主題細目③:講義用配布資料、(1)教科書:二宮啓子ほか、「小児看護学Ⅰ」,2022 P276-280.
コマ主題細目 ① 子どもにおける呼吸困難の特徴と看護 ② 子どものけいれんの特徴 ③ 子どもにおけるけいれん時のアセスメントと看護
細目レベル ① 子どもによくみられる呼吸困難の特徴とその看護
小児は解剖学的・生理学的特徴から、成人に比べ急速に呼吸困難をきたしやすいという理由(気道のサイズが小さい=浮腫や分泌物・異物により容易に閉塞しやすいこと、頸部の屈曲や伸展により気道の閉塞が起こりやすいこと。胸郭がやわらかく陰圧がかかることにより、容易に胸壁が内側に動き、陥没呼吸がおこりやすいこと)を理解する。また、成人と異なり、乳幼児は、不快感や息苦しさを自覚していても、訴えることが難しいため、日頃から子どもをみている保護者への問診や客観的指標の把握の重要性学ぶ。さらに、呼吸困難の程度から、体位の工夫、気道の確保、水分補給、輸液管理を行い、呼吸困難の軽減をはかる援助方法を理解する。

② 子どもによくみられるけいれんの特徴
けいれんとは、突発的に繰り返して起こる身体の一部あるいはすべての筋の不随意な収縮のことをいい、脳内における神経細胞の病的な電気的放電によるものである。子どもは、けいれんを起こす頻度が成人に比して高く、子どもの約10%が何らかのけいれんを経験するといわれている。この理由として、小児期には中枢神経系が未熟で年少であるほど痙攣をおこしやすいことや、脱水や髄膜炎といった感炎症など、けいれんの原因となる要因にであう機会が多いことが考えられている。小児期のけいれんの原因には、頭蓋内出血、細菌性髄膜炎、代謝性異常、頭部外傷などが挙げられる。また、けいれんの種類には、それぞれ強直性・間代性・強直間代性のけいれん、ミオクローヌス発作、弛緩発作、欠神発作、けいれん重積、熱性けいれんなどがあり、2年次後期に並行して開講されている疾病・治療論Ⅲでの熱性けいれんの理解は重要であるため、再度、定義や症状の特徴、発症年齢を講義の中で押さえる。

③ けいれんのアセスメント項目を説明するとともに、けいれんの看護については、以下の通り、気道の確保、安全の確保・安静保持(衣服を緩める、身体をゆすったり大声で叫ぶなどの刺激を与えない)、家族への援助、服薬教育の重要性、「睡眠」:睡眠不足や睡眠パターンの変調は、けいれんの誘因となる、「食事」:基本的に食事制限はないこと、「排泄」:便秘はけいれんの誘因となること(抗けいれん薬の影響)、「運動と休息」:疲労が強くなるとけいれんを誘発するため、過度の激しい運動、精神的緊張を避ける、を確実に理解できる。このように、痙攣を伴う子どものケアでは、適切な治療によって、早期にけいれんを抑えるようにするとともに、子どもの安全を図り、素早く適切に対応することが必要となることを理解する。さらに、けいれん痙攣を伴う子どもの身体的苦痛を最小限にし、転倒・打撲などによる二次的障害を防止する必要性を学ぶ。また、けいれんは急に生じることが多い症状であるため、家族の動揺や不安が大きいことを理解し、家族に対する栄進的なサポートの重要性も理解する。
キーワード ① 小児の呼吸困難時の特徴と看護 ② 呼吸器系の解剖学的・生理的学的特徴 ③ 小児におけるけいれんの種類 ④ 熱性けいれんの特徴 ⑤ けいれん時の児および家族への支援方法
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、LMS上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】小児の呼吸困難については、解剖学的・生理学的特徴の理解が重要であるとともに、不快感や息苦しさを自覚していても表現が困難なことがあるため、他覚症状で判断し、発見が遅れないように注意深く観察する重要性を理解しておくこと。
小児のけいれん発作は、突発的で予期しない状況や非日常的な形態で出現することが多く、けいれん発作に遭遇した場合、動揺して衝動的な対応を取ってします可能性がある。落ち着いて冷静な対応や判断ができるように講義で押さえたけいれん発作時の観察、安全・安楽への援助、抗けいれん薬の投与、内服継続の意義をしっかりと理解しておくこと。
【予習】教科書「小児看護学Ⅱ」のP86~101(在宅療養を必要とする慢性疾患をもつ子どものと家族の看護)およびP102~108(終末期における小児と家族の看護)を読み、今回のコマシラバスの内容をしっかり読んでおくこと。
死の概念の発達には、アニミズム的感覚が重要であるため、教科書P28~29を再度読み、理解を深めておくこと。また、終末期の子どもから「私、死んじゃうのかな?」「どうして治療しないで、外泊ばかりしているの?」と聞かれた時、どのように対応するのがよいか、自身の言葉で説明できるようにしておくこと。また対応だけでなく、その理由も考えておくこと。

8 在宅療養・成人期に移行する慢性疾患を持つ子どもと家族の看護 終末期にある子どもと家族の看護 科目の中での位置付け 本科目では常に成長・発達過程にある小児に対して、さまざまな健康問題や疾病経過(急性期・周手術期・慢性期・終末期)が、小児とその家族に及ぼす影響について理解を深める。とくに、小児看護の対象である「子ども」は、新生児期・乳児期・幼児期・学童期・思春期など、つまり成人への移行期という連続性と各時期の成長発達段階に応じた発達課題を念頭におきながら、健康問題をもつ子どもとその家族に対して、「最善の利益」を守るために必要な看護の基本的知識や方法を理解する。また、小児看護の重要な役割である医療体験をする子どもすべてに必要な日常的な心理的支援プロセスを学ぶことで、子どもが主体的に検査・処置体験に臨めるような関わりこそが、将来、子どもにとっての自信や医療への信頼につながることを理解し、子どもが主体的に取り組むことができる関わり方を理解できる。具体的には、第1回で、病気に対する子どもの理解の特徴と発達段階に応じた説明の重要性の理解、病気・障害、および入院・外来受診が子どもと家族に及ぼす影響とその看護について理解し、第2回では、状況別にみる子どもと家族の看護として、子どもの治療・処置・検査体験の意味を理解し、子どもが主体的に取り組むことができる関わり方を理解するとともに、子どもにと家族にとって望ましい入院環境や入院生活への適応に向けた子どもと家族の看護について理解していく。第3回目では、手術および薬物療法・リハビリテーションを受ける子どもと家族に対する看護の理解、第4回目では、小児救急外来・集中治療・活動制限や隔離を必要とする子どもと家族への援助のポイントについて理解を深めていく。
第5~7回の3コマでは、小児における解剖学的・生理学的特徴を踏まえながら、子どもに多くみられる発熱・脱水・嘔吐・下痢・呼吸困難・痙攣・発疹などの急性症状についてのアセスメントと必要な看護を学び、臨地実習で受け持つ患児の症状緩和に対応できる基礎的知識を定着していく。第8回目では、在宅療養・成人期に移行する慢性疾患・終末期にある子どもと家族について学修していく。
第8回目では、在宅療養を必要とする慢性疾患をもつこどもの理解、小児慢性特定疾病対策の理解をし、慢性状態が子どもと家族に与える影響を考えながら、小児と家族が病気を受容し、症状のマネジメント、セルフケアを獲得でき小児と家族がその人らしく生活していけるように必要な看護を学んでいく。また、終末期における小児と家族への看護として、子どもや家族の希望に寄り添う姿勢、子どもらしさ、家族らしさが尊重されるようなケアのあり方、子どもにとって最善の選択ができるような環境づくりとはどのようなものなのかを考察するものである。

【教材・コマ用オリジナル資料とコマ主題細目との対応】

コマ主題細目①:講義用配布資料、(1)教科書:今野美紀ほか、「小児看護学Ⅱ」,2022 P86-97.

コマ主題細目②:講義用配布資料、(1)教科書:今野美紀ほか、「小児看護学Ⅱ」,2022 P98-101.

コマ主題細目③:講義用配布資料、(1)教科書:今野美紀ほか、「小児看護学Ⅱ」,2022 P102-104.

コマ主題細目④:講義用配布資料、(1)教科書:今野美紀ほか、「小児看護学Ⅱ」,2022 P104-108.

奈良間美保 他 系統看護学講座 小児看護学概論 小児臨床看護総論 pp.248~251
コマ主題細目 ① 慢性期における小児と家族の特徴と看護 ② 慢性疾病をもつ子どもの支援制度と移行支援 ③ こどもの死の概念の理解 ④ 終末期におけるこどもとその家族の体験と看護 ⑤ 子どもを看取るとは
細目レベル ① 慢性疾患は、病状は比較的安定しているが、再発・増悪の予防や身体機能の維持・改善を目指しながら、継続的な療養や症状に対するマネジメントが必要な状態とされる。小児における慢性状態は、腎疾患や血液疾患など、臓器の機能障害を主とする内部疾患や、肢体不自由などの身体機能に影響を及ぼすもの、精神発達遅滞などの精神・認知機能に障害を及ぼすものなど、さまざまである。それぞれの疾患や障害の特徴に加えて、治療の継続性や、痛みを伴うなどの身体的な負担の有無、死の恐怖などの体験があるなどが、成長・発達に大きな影響を与える。子どもが慢性的に健常な子どもとは異なる生活を強いられたり、身体的・精神的につらい日々を送ることは、家族にも多大な影響を与えることを理解する。とくに、慢性状態が子どもに与える影響は、それぞれの発達段階(新生児期、幼児期、学童期、思春期)で異なってくるため、講義では具体的に影響および適切なかかわり方を押さえていく。
② 小児の慢性期疾患において「小児慢性特定疾病に対する負担軽減のための制度」の理解を深める。慢性期の小児と家族への支援の目標としては、「病気をコントロールしながら、身体状態と成長・発達に見合った日常生活や意思決定を小児と家族が主体的に行う」こととし、トータルケアの視点とQOLの維持・向上を図りながら自立を支援するよう、学習支援・復学支援、発達に応じたセルフケア能力の獲得への支援、地域との連携・調整の必要性を理解する。
さらに、思春期から成人期へと発達段階が進むにつれて子どもと家族は多面的な移行を経験するため、成人期の移行を目指した支援:1)意思決定の主体者が親から子どもへ移行すること、2)病状・治療の変化、3)生活や治療の場などの状況的移行の必要性を理解する。

③ こどもの死の概念の理解
終末期とは、いかなる医療技術を駆使して治療を行っても治癒に導くことができない状態であり、死を避けられずに死期の近いことが良きできる状態のことである。死に至る小児の疾患は、先天性疾患や悪性疾患のように終末期を送りながらゆっくりと死に向かう場合と不慮の事故のように突然死を迎える場合など多様である。小児の死は、成人や高齢者の死とは異なり、親にとってわが子と別れること以上の苦痛はない。小児の死の概念の発達には、年齢、認知発達、死別体験などを含む社会的・文化的要因が影響することを理解する。講義では、ナギ-(Nagy、M.H.)の年齢による小児の死の概念を示し説明し、認知発達に伴う死の概念の発達に、アニミズム的思考が影響を受けていることを理解する。

④ 終末期におけるこどもとの体験と看護
終末期に小児の苦痛とは、身体面のみならず、心理面・社会面・スピリチュアルの4側面が相互に関連しあった「全人的な苦痛」を体験しているということを理解する。また、その苦痛は子どもだけでなく、終末期の小児を持つ家族にも存在することを理解する。終末期ケアでは、小児と家族のQOLの向上、小児の穏やかな最期を目指す。そのため、あらゆる苦痛(倦怠感・痛み・消化器症状・呼吸困難・不安・孤独感)から解放されることが必要となるため、タイミングよく苦痛緩和ケアの提供することや、どのようなケアが小児にとって最善なのかを医療者同士の連携によって十分共有し、小児と家族の希望が叶うよう最大限の配慮が重要となることを理解する。また、年少な子どもであっても、子ども自身が、やりたいこと、楽しいと思うこと、いやなことなどの希望や意向をもっているため、どのような状況であってもつねに尊重されるよう子どもと話し合う機会を持つなど、調整する必要性を理解する。

⑤ 子どもを看取るとは
講義では、実際に終末期にある子どもとその家族の動画(「わが子を看取る」)を視聴することで、終末期にある子どもの苦痛や家族(父親、母親、きょうだい)がそれぞれどのような気持ちにあるのか、そして、私たち看護職は子どもの緩和ケアや死にゆく子どもと家族に対し、どのような看取りができるのかについて考察していく。病院での積極的な治療から緩和ケアに移行するまでの子どもと家族の苦悩、緩和ケアで得られる家族との時間の重要性、兄弟との遊びの時間、家族が子どもに死を伝えること、思い出作りなど、様々な場面から「生きること」と「死ぬこと」を考えることで、医療職として子どもを看取ること、その家族を支援することを学ぶ。

キーワード ① 小児慢性特定疾病・自立支援医療 ② 学習支援・復学支援 ③ こどもの死の概念の理解 ④ 終末期におけるこどもとその家族の体験と看護 ⑤ 子どもを看取るとは
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、LMS上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】 小児慢性特定疾病対策について、根拠となる法律をしっかりと理解するとともに、医療費助成に関する基準(疾病数や対象年齢など)について自身の言葉で説明できるようにしておくこと。慢性疾患を持つ子どもの移行支援について、看護者がどのような役割を果たしていく必要があるのか、しっかり復習しておいてください。また、小児における死の概念、子どもの死の捉え方について、講義内容をもとに理解しておくこと。さらに「わが子を看取る」の動画視聴をして、今後、看護者として子どもとその家族に対しどのような看護が必要と考えるか、こどもの最善の利益とはどういうことなのか、自身の言葉で説明できるようにしてください。
履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
病気・障害のある子どもと家族の看護
★★
ピアジェ(Piaget,J.)の発達理論に基づいた認知的発達段階に応じた子どもの病気理解の特徴を説明できるようになること。とくに、発達段階によっては、病気や苦痛を伴う治療を、自分が行ったことに対する罰としてとらえ、コントロール感の喪失による自尊感情の低下を招く恐れがある時期があるため、それぞれの小児に適切な方法・タイミングで、病気・治療・生活の変化を説明することそれぞれに適したかかわりや病気の説明の必要性を理解しておくこと、病気が小児と家族に与える影響(生活や成長発達に及ぼす影響、ストレス、親やきょうだいへの影響)がどのようなものかについて自分の言葉で説明ができるように理解しておくこと。 ① 子どもの病気の理解
② インフォームド・アセント
③ 病気や障害が子どもに与える影響
④ こどものストレス反応と対処行動
⑤ 子どもの最善の利益
5 第1回
状況別にみる子どもと家族の看護(1)
【検査・処置、入院治療を必要とする子どもと家族の看護】
★★
医療の玄関である、小児外来における看護師の役割を簡潔に述べることができること。また、さまざまな検査・処置が、子どもにとってどのような体験であるのか、成長・発達段階に応じた子どもの視点に立った理解と、苦痛緩和のために看護が担う役割を理解すること。さらに、子どもが主体的に取り組むことができる関わり方とはどのようなものかについて、講義中に解いた国試問題をしっかり理解しておくこと。また、子どもの入院環境として、事故防止の視点や遊び(プレパレーション)を用いた環境や検査・治療への説明の重要性を考え、どのような環境を整えていくことが必要であるかを自身の言葉で説明できること。 ① 事故防止
② 感染予防対策
③ 緊急時の判断
④ 入院中の不安の軽減
⑤ 遊び・学習
10 第2回
状況別にみる子どもと家族の看護(2)
【手術・薬物療法・リハビリテーションを受ける子どもと家族の看護】
★★
子どもの手術を必要とする疾患の特徴(先天性疾患)を理解するとともに、成人における手術との違いを説明できることが重要である。また、呼吸循環・腎機能の未熟性による麻酔による身体的影響をどのように受けるかについても理解しておくこと。薬物療法を受ける子どもと家族の看護では、子どもの肝・腎機能の未熟性から薬物動態の特徴を述べることができることが重要である。小児リハビリテーションにおける子どもと家族の看護では、まず、どのような子どもさんがリハビリを受ける対象となっているか、小児リハビリの目標について自身の言葉で説明できるとともに、チームアプローチの重要性やそれを遂行するための共有できる枠組みについて理解しておくこと。 ① 小児の手術の特徴
② 手術を受ける小児の家族への看護
③ 小児の薬物動態
④ 内服薬と食品との飲み合わせ
⑤ 小児リハビリテーションの特徴
10 第3回
状況別にみる子どもと家族の看護(3)
【救急外来・集中治療を受ける子どもと家族の看護】 【活動制限・隔離が必要な子どもと家族の看護】
★★
救急外来におけるトリアージの意味や救急外来で処置を受ける子どもに多い事故について自分の言葉で説明できるようにしておくこと。また、子どもにおける集中治療の現場について、NICUおよびPICUの区別をしておくこと。さらに、検査・治療に伴う活動制限および隔離を必要とする小児の入院場面をイメージし、どのような小児感染症に隔離が必要であるか、また隔離をされる子どもが受ける影響にはどのようなものがあるかについて、自分の言葉で説明できるようにしておくこと。 ① 小児救急 ② トリアージ ③ NICU ・PICU
④ ディベロップメンタルケア
⑤ 活動制限・隔離
10 第4回
子どもに特徴的な症状と看護(1)
【痛み・発熱・脱水】
★★★
講義時に説明した、これまでの子どもの痛みに対する誤解とはどのような内容であったかを想起するとともに、子ども特有の痛みに対する生理学的特徴や認知的特徴とはどのようなものなのかを、自分の言葉で説明できること。また、痛みの緩和における様々なアプローチ法には、薬物療法・非薬物療法のほかに、親の存在や参加が子どもの痛みの緩和に重要な役割を担っているというポイントを押さえておくこと。子どもの体温調節機能の特徴(未熟性)について、項目だけでなく、その根拠をしっかり押さえておくことが重要である。また、子どもの発熱に伴う脱水についても、脱水を起こしやすい解剖・機能学的特徴を理解するとともに、脱水の重症度に関する計算や脱水の診断を行う際に観察するポイントについても理解しておくこと。 ① 小児のバイタルサインの正常値(体温、呼吸、脈拍、血圧)
② 小児における発熱 ③ 小児における脱水
④ 脱水の重症度 ・ツルゴール
⑤ 子どもの痛み
20 第5回
子どもに特徴的な症状と看護(2)
【嘔吐・下痢・発疹】
★★★
子どもの嘔吐をおこしやすい特徴について、解剖学的視点を押さえておくこと。また、嘔吐・下痢では、同時に起こることも多いため、関連して理解しておくこと。嘔吐・下痢によっておこる脱水や電解質異常の特徴を理解しておくこと。とくに、感染性の嘔吐・下痢症が生じた際の排泄物の処理については、スタンダードプリコーションに則った、適切な処理方法を理解しておくこと。発疹については、小児期における発疹を生じる代表的な感染症を列挙できることや、該当感染症の発疹の出現・消失時期が関連した学校停止期間の理解も深めておくこと。 ① 嘔吐
② 肥厚性幽門狭窄症・食道閉鎖症
③ 排泄物の適切な処理方法 ④ 発疹(麻疹・風疹・水痘など)
⑤ 下痢
20 第6回
子どもに特徴的な症状と看護(3)
【呼吸困難・けいれん】★★★
小児の呼吸困難について、解剖学的・生理学的特徴の理解およびや症状の表現が困難であるため、客観的な観察の重要性を理解しておくことが重要である。また、呼吸困難を軽減するための看護ケアの方法とそのメカニズムについても、自身の言葉で説明できるようにしておくこと。小児のけいれん発作の特徴およびけいれん時の対応方法とその根拠を押さえておくこと(けいれん発作時の観察、安全・安楽への援助、抗けいれん薬の投与、内服継続の意義)。 ① 小児の呼吸困難時の特徴② 呼吸器系の解剖学的・生理的学的特徴
③ 熱性けいれんの特徴
④ けいれん発作時の看護
⑤けいれん発作後の看護
15 第7回
在宅療養・成人期に移行する慢性疾患を持つ子どもと家族の看護
終末期にある子どもと家族の看護
★★
小児の慢性疾患においては、小児慢性特定疾病に対する負担軽減のための制度の理解をしておくことが重要である。特に、基本となる法律や対象年齢、疾病数についてもしっかりと押さえておくこと。さらに、成人期の移行を目指した支援が円滑に進むために必要な支援について、自身の言葉で説明ができること。終末期における子どもと家族の支援については、まず、子どもの死の概念が成人と異なることを理解し、発達段階に応じた死の理解がどのように変化するかについても、理解を深めておくこと。 ① 小児慢性特定疾病
② 学習支援・復学支援
③ こどもの死の概念の理解 ④ 終末期におけるこどもとその家族の体験と看護
⑤ 子どもを看取るとは
10 第8回
評価方法 期末試験:100%
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 今野美紀・二宮啓子編、 「小児看護学Ⅱ 小児看護支援論 子どもと家族の主体性を支える」 改訂版第4版 、南江堂、2022年 3,400円 二宮啓子・今野美紀編、「小児看護学Ⅰ 小児看護学概論・小児看護技術 子どもと家族を理解し力を引き出す」 南江堂 2022年 3,600円
参考文献 1)小林京子・高橋孝雄 新体系看護学全書 小児看護学② 健康障害をもつ小児の看護 、メジカルフレンド社 4,800円+税         2)奈良間美保編、系統看護学講座 専門分野Ⅱ 小児看護学概論・小児臨床看護総論 小児看護学①医学書院 2,900円+税
実験・実習・教材費 なし