区分 専門科目-発達看護学-母性看護学
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力 倫理観 専門性探求
地域社会貢献 グローバル性
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性 広い視野 知識・技術
判断力 探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
母性看護援助論Ⅱは、母性看護学概論、母性看護援助論Ⅰで学んだ、正常な妊娠・分娩・産褥・新生児期の健康課題を踏まえ、ウェルネス志向での母性看護過程の展開方法や母性看護に必要な看護技術を習得する科目である。その後に続く母性看護学実習の基盤となる科目である。
科目の目的
女性のライフサイクルの中で、周産期の母子とそのパートナーを中心とした家族の健康に焦点を当て、対象の生理的、心理的、社会的変化と生活への適応、健康逸脱時に必要なケアについて学修する。母性看護援助論Ⅱでは、妊娠期、産褥期、新生児期の母子の看護過程を通して、対象理解とその時期に必要なケアに焦点を当てて学修する。また、妊婦、産婦、褥婦、新生児の観察や援助の際に必要な看護技術と対象の安全・安楽・安心を守るための留意点や配慮を含めて習得する。
到達目標
1.妊娠期、産褥期、新生児期の事例を用いたアセスメントから対象者の全体像を把握し、必要な看護計画の立案に取り組むことで看護過程の展開方法を習得することができる。
2.事例の対象の保健指導案を作成し、個別性に応じた保健指導の必要性を理解できる。
3.モデル人形を使用し、妊娠期、分娩期、産褥期、新生児期に必要な援助について、対象の安全・安楽・安心を守る配慮を考えながら、看護技術を習得することができる。 

科目の概要
母性看護学概論および母性看護援助論Ⅰの講義で学んだ母性看護領域での看護過程の考え方を復習し、実際に事例を用いた演習を行う。母性看護は、健康な人を対象とすることが多く、対象者の健康の維持・増進、あるいは疾病の予防を目的としている点が特徴の1つである。妊娠期、分娩期、産褥期、新生児期の対象のアセスメントを行う際には、主にウェルネス志向型を導入することで、対象の特徴をとらえ、看護診断を明確化することが可能になる。本科目では、妊娠期の事例、産褥期の母子の事例を通して看護過程の展開を行う。
各事例のアセスメントから対象者の全体像を把握し、必要な看護計画の立案に取り組むことで、関連するデータの基礎的知識、情報収集とアセスメント能力の向上、対象者の複合的理解、優先順位を考慮した看護目標と計画案作成を行う。
また実技演習においては、妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期の対象に必要な看護技術を模擬患者やモデル人形の使用により実際の看護技術を習得する。
本科目は、産科病棟を有する病院・診療所および助産所で助産師として臨床実務経験のある教員が、妊娠期および産褥期にある女性と胎児・新生児とその家族の看護過程の展開方法を指導するとともに、母性看護に関わる援助技術の指導を行う科目である。

科目のキーワード
ウェルネス看護診断、看護過程、妊娠期の援助技術、分娩期の援助技術、産褥期の援助技術、新生児期の援助技術
授業の展開方法
第1回・第2回では、母性看護における看護過程の考え方であるウェルネス志向やウェルネス看護診断について解説し、妊娠期、産褥期、新生児期のペーパーペイシェントでの事例を個別でアセスメントを行う課題として提示する。第3回~第14回では、小グループに分かれ、モデル人形を用いて妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期の援助技術について学ぶ。また、同時に妊娠期、産褥期、新生児期の事例展開を行い、各期の保健指導項目を課題として提示し、グループ毎に指導案の作成を行う。第15回はグループごとに作成した保健指導案の発表を行う。
オフィス・アワー
永江真弓:717研究室
(前期):水曜日2限と昼休み、木曜日5限
(後期):木曜日5限、金曜日5限(実習により不在のこともあります)
Email:m-nagae@uhe.ac.jp
(メールはいつでも受け付けます)
髙田律美:研究室705:月曜・火曜・木曜・金曜昼休み
E-mail:n-takata@uhe.ac.jp
面談後や必要時はメ-ルにて対応いたします。

科目コード ERK03
学年・期 3年・前期
科目名 母性看護援助論Ⅱ
単位数 2
授業形態 演習
必修・選択 必修
学習時間 【演習】30h
【予習・復習】60h
前提とする科目 解剖生理学Ⅰ・Ⅱ、 疾病・治療論Ⅲ、看護学原論Ⅰ、看護学原論Ⅱ
展開科目 母性看護学実習
関連資格 看護師国家試験受験資格
担当教員名 永江真弓・髙田律美
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 コースオリエンテーション、母性看護における看護過程の考え方について 科目の中での位置付け 本科目は、母性看護学概論および母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲで学んだ妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期にある対象(とその家族)の特徴を復習しながら、各期の対象の看護過程と看護の実際についての知識と技術を学ぶことを目的としている。
第1回では、母性看護における看護過程の考え方であるウェルネス志向やウェルネス看護診断について学ぶ。第2回では、妊娠期、産褥期、分娩期、新生児期の具体的なアセスメントの視点を学ぶ。第3回では、妊娠期のケアに必要な技術を習得する。第4回では、妊娠期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第5回では、産婦のケア技術について学ぶ。第6回では、妊娠期の事例の看護計画を立案する。第7回では、産褥期のケア技術のうち、退行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第8回では、産褥期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第9回では、産褥期のケア技術のうち、進行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第10回では、産褥期の事例の看護計画を立案する。第11回では、新生児の観察とアセスメントに必要な技術を習得する。第12回では、新生児の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第13回では、新生児のケアのうち、沐浴を中心とした育児技術を習得する。第14回では、産褥期の看護計画に基づいた保健指導案を作成する。第15回では、第14回で作成した保健指導案を発表し、全体で共有するとともに、妊娠期から産褥期・新生児期までの看護過程についてのまとめを行う。
第1回の本時では、母性看護における看護過程の考え方について理解することを目的としている。これまでに学んだ看護過程の基本的な考え方を復習したうえで母性看護における看護過程の考え方、特にウェルネス志向やウェルネス看護診断について理解し、第2回以降の課題であるマタニティサイクルにある対象(ペーパーペイシェント)のアセスメント、看護診断を行うための基礎知識を習得する。

パワーポイント資料
太田操著:ウェルネスの視点にもとづく母性看護過程 第4版、医歯薬出版株式会社、
2024 
①P2~11
②P12~17
③P20~34
コマ主題細目 ① 看護過程 ② 母性看護 ③ ウェルネス看護診断
細目レベル ① これまでの看護過程の講義や基礎看護学実習Ⅱで看護過程を展開した経験を想起し、看護過程の概念や基本的な考え方、看護過程の展開の各段階(アセスメント、看護診断、計画立案、実施、評価)について復習を行う。第1段階のアセスメントでは、対象者の健康に関する情報を収集し、整理し、査定する段階である。第2段階は、看護診断であり、収集したデータを分析し、診断する段階である。各情報の分析・解釈から導き出されたそれぞれの結論を統合し、看護診断を決定する。第3段階は計画立案であり、看護診断が決定したら計画(ケアプラン)を立案する段階である。計画には、決定した看護診断のそれぞれに、目標と看護介入が必要となる。第4段階は実施であり、看護計画の実施を行う。看護計画の実施は、対象の状態や反応を見ながら、同時進行でその都度ケアを評価し、時には計画を修正しながら行う。第5段階は評価であり、提供したケアが対象にどのような成果をもたらしたか、対象の満足度はどうかという点が最終ポイントであるが、それまでの1~4のすべての段階に関係するものである。
② 母性看護の対象や特徴を踏まえ、母性看護で行われるケア、マタニティサイクルにある対象と家族へのケアの特徴を復習し、母性看護における看護過程の特徴の理解に繋げる。
母性看護の対象は女性とその家族のライフサイクルとマタニティサイクルに分けられるが、この科目ではマタニティサイクルにある対象の看護過程について学習する。母性看護の対象は主にマタニティサイクルにある女性とその家族であり、具体的には妊産褥婦と胎児・新生児およびその家族である。妊娠期・分娩期・産褥期におこる変化は生理的なものであり、疾患ではない。妊娠から分娩、産褥の一連の過程は連続した身体機能の大きな変化をたどり、また精神的にもストレスフルな状況にある。したがって少しのきっかけで異常に移行しやすい健康状態にあるといえる。したがって、この時期においては、健康状態を保持増進していくために絶えず細心の注意を払う必要がある。

③ 健康についての概念を理解するとともにウェルネスの定義を確認する。ホイマンの「健康概念のモデル」のなかで、「ウェルネス」は、単に病気ではないということではなく、その人なりのより良い健康状態や満足のいく状態を目指す概念として位置づけられる。また、看護の中の「ウェルネス」は、心身ともに健康であること、健康な状態、満足のいく状態、健全状態を示すが、類義語の「ヘルス」の概念と違う点は、ウェルネスは、その人にとって、つまりその人なりの「良い状態」「満足な状態」「丈夫」といった健康状態を表し、さらにその人が目標に向かっていく行動そのものを意味している点である。対象の持っている力をいかに引き出せるかが看護の鍵であり、そのためには問題志向型ではなくウェルネス志向型での考え方が大切になる。母性看護では健康レベルの高い対象を看護することが多く、ウェルネス志向型の考え方で対象をアセスメントすることで、対象の持っている良好な面を適切に把握することができる。以上のことを踏まえ、ウェルネス看護診断の定義、特徴、意義ついて学び、実際のウェルネス看護診断の表現方法についても理解する。
キーワード ① マタニティサイクル ② ウェルネス ③ ウェルネス志向 ④ ウェルネス看護診断 ⑤ 強み
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:レジュメを熟読し、母性看護の対象のうちマタニティサイクル(妊娠期、分娩期、産褥期、新生児期)にある対象とその家族の特性について再度復習し、説明できるようにする。また、ウェルネスの定義、ウェルネス志向、ウェルネス看護診断についても同様に復習し、母性看護における看護過程の考え方の概要を説明できるようにする。
予習課題:関連科目である母性看護学概論、母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲのレジュメを熟読し、母性看護の対象のうちマタニティサイクル(妊娠期、分娩期、産褥期、新生児期)にある対象とその家族の特性について復習する。また、第1回で学んだ母性看護過程の考え方やウェルネス看護診断について復習してこの回の講義に臨む。

2 妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期の看護過程について 科目の中での位置付け 本科目は、母性看護学概論および母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲで学んだ妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期にある対象(とその家族)の特徴を復習しながら、各期の対象の看護過程と看護の実際についての知識と技術を学ぶことを目的としている。
第1回では、母性看護における看護過程の考え方であるウェルネス志向やウェルネス看護診断について学ぶ。第2回では、妊娠期、産褥期、分娩期、新生児期の具体的なアセスメントの視点を学ぶ。第3回では、妊娠期のケアに必要な技術を習得する。第4回では、妊娠期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第5回では、産婦のケア技術について学ぶ。第6回では、妊娠期の事例の看護計画を立案する。第7回では、産褥期のケア技術のうち、退行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第8回では、産褥期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第9回では、産褥期のケア技術のうち、進行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第10回では、産褥期の事例の看護計画を立案する。第11回では、新生児の観察とアセスメントに必要な技術を習得する。第12回では、新生児の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第13回では、新生児のケアのうち、沐浴を中心とした育児技術を習得する。第14回では、産褥期の看護計画に基づいた保健指導案を作成する。第15回では、第14回で作成した保健指導案を発表し、全体で共有するとともに、妊娠期から産褥期・新生児期までの看護過程についてのまとめを行う。
第2回の本時では、母性看護における看護過程のうち、妊娠期、分娩期、産褥期、新生児期の対象別のアセスメント項目と診断に必要な視点について理解する。第1回で学んだ母性看護における看護過程の考え方、特にウェルネス志向やウェルネス看護診断について復習し、課題として提示したマタニティサイクルにある対象(ペーパーペイシェント)のアセスメント、看護診断を行うための基礎知識を確認し、アセスメントの一部を行う。

パワーポイント資料
太田操著:ウェルネスの視点にもとづく母性看護過程 第4版、医歯薬出版株式会社、
2024
①p36-49
②p61-76
③p77-97
④p125-137
コマ主題細目 ① 妊娠期のアセスメント ② 分娩期のアセスメント ③ 産褥期のアセスメント ④ 新生児期のアセスメント
細目レベル ① 妊娠期のアセスメント項目と診断に必要な視点について学ぶ。妊娠期のアセスメント項目は1.母体の状態、2.胎児及び胎児付属物の状態、3.心理・適応過程、4.家族・適応過程、5.生活・社会環境の5項目であり、各項目の診断に必要な視点についても併せて理解する。また、課題として提示した事例(切迫早産の妊婦)をもとに、アセスメント項目のうち1.母体の状態の1)妊娠週数に応じた身体の生理的変化であるか、2)妊娠経過に影響を及ぼす因子はどうか、2)身体の変化に応じたセルフケア行動はとれているか、という3の視点に沿って、1つ1つの情報のアセスメントおよびアセスメントの結論を導き出す方法を学び、理解する。また、その他2~5の項目についても診断に必要な視点を確認する。
② 分娩期のアセスメント項目と診断に必要な視点について学ぶ。分娩期のアセスメント項目は1.分娩の進行状態、2.母体の状態、3.胎児(新生児)及び胎児付属物の状態、4.心理・適応過程、5.家族・適応過程、6.生活・社会環境の6項目であり、それぞれのアセスメントの視点についても併せて理解する。また、テキストに掲載されている事例について、アセスメント項目のうち1.分娩の進行状態の分娩第1期・2期については1)分娩の時期に応じた進行状態かどうか、2)分娩の進行状態に影響する因子はないかという2つのアセスメントの視点から、3期・4期には1)子宮の復古はどうか、2)子宮の復古に影響する因子はないか、3)軟産道・外陰部の状態はどうか、という3つの視点に変化することを中心に、理解する。
③ 産褥期のアセスメント項目と診断に必要な視点について学ぶ。産褥期のアセスメント項目は1.退行性変化、2.進行性変化、3.心理・適応過程、4.家族・適応過程、5.生活・社会環境の5項目であり、身体面においては妊娠期、分娩期の「母体の状態」にあたる身体面の項目が「退行性変化」と「進行性変化」に変化することを理解する。また、産褥期の各アセスメント項目のアセスメントの視点についても併せて理解する。テキストに掲載されている事例を用いて、アセスメント項目のうち1.退行性変化について、1)生殖器の復古は産褥日数に応じて順調か、2)全身の回復状態は産褥日数に応じて順調か、3)退行性変化に影響する因子はどうか、4)退行性変化を促すためのセルフケア行動はとれているか、の4つのアセスメントの視点に基づいたアセスメント方法を学び、理解する。
④ 新生児期のアセスメント項目と診断に必要な視点について学ぶ。新生児期のアセスメント項目は、1.健康状態、2.成長・発達、3.栄養・養護、4.家族・適応過程、5.生活環境の5項目であり、それぞれのアセスメントの視点についても併せて理解する。分娩期の身体面においては、分娩期のアセスメント項目3. 胎児(新生児)及び胎児付属物の状態から、1.健康状態、2.成長・発達、3.栄養・養護に関連していることを理解する。また、テキストに掲載されている事例を用いて、アセスメント項目のうち1.健康状態について、1)出生直後(2時間)の状態はどうか、2)子宮外生活への適応状態はどうか、の2つの視点に基づいたアセスメント方法を中心に学び、理解する。
キーワード ① 母体の変化・胎児および胎児附属物 ② 退行性変化・進行性変化 ③ 心理・適応過程 ④ 家族・適応過程 ⑤ 生活・社会環境
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:教科書の該当ページを熟読し、妊娠期、分娩期、産褥期、新生児期のアセスメント項目と診断に必要な視点について復習する。それぞれの項目や視点が何を意味するのか、母性看護学概論、母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲの講義資料や使用したテキスト(右記)から調べ、理解しておく。その上で課題として提示した事例(妊娠期、産褥期、新生児期の対象各1事例)のアセスメントを行う。
予習課題:関連科目である母性看護学概論、母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲの妊娠の生理、妊娠期の心身の変化、胎児の発育について復習しておく。また、教科書の第3章をよく読み、P602の動画(1超音波ドップラー法、2超音波断層法、3母体計測、4レオポルド触診法、5ノンストレステスト)を予め視聴しておく。また、母性看護学実習の事前学習ノートの妊娠期の部分を読み返しておく。

3 妊婦のケア技術演習 科目の中での位置付け 本科目は、母性看護学概論および母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲで学んだ妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期にある対象(とその家族)の特徴を復習しながら、各期の対象の看護過程と看護の実際についての知識と技術を学ぶことを目的としている。
第1回では、母性看護における看護過程の考え方であるウェルネス志向やウェルネス看護診断について学ぶ。第2回では、妊娠期、産褥期、分娩期、新生児期の具体的なアセスメントの視点を学ぶ。第3回では、妊娠期のケアに必要な技術を習得する。第4回では、妊娠期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第5回では、産婦のケア技術について学ぶ。第6回では、妊娠期の事例の看護計画を立案する。第7回では、産褥期のケア技術のうち、退行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第8回では、産褥期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第9回では、産褥期のケア技術のうち、進行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第10回では、産褥期の事例の看護計画を立案する。第11回では、新生児の観察とアセスメントに必要な技術を習得する。第12回では、新生児の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第13回では、新生児のケアのうち、沐浴を中心とした育児技術を習得する。第14回では、産褥期の看護計画に基づいた保健指導案を作成する。第15回では、第14回で作成した保健指導案を発表し、全体で共有するとともに、妊娠期から産褥期・新生児期までの看護過程についてのまとめを行う。
第3回の本時では、妊娠期の看護に必要な知識、技術を習得することを目的としている。妊婦および胎児が妊娠期間を健康に経過し、安全かつ安楽な分娩~産褥期を経過するための援助として、主に妊娠期における母体と胎児のアセスメントのための各種測定方法(腹囲・子宮底長の測定、レオポルド触診法、NST)とその目的や判断基準の根拠を理解し、安全・安楽に実施するための手技や留意点を学び、修得する。

パワーポイント資料
コマ用オリジナル資料、プリント
テキスト
森恵美他:系統看護学講座 母性看護学各論 母性看護学②、医学書院、2025 第3章
P62~182(特に、P98~111、602が重要)
①日常生活活動の姿勢p131,157-158
②腹囲・子宮底長の測定p102-103,118,p602(動画)
③レオポルド触診法p103-104,117,602(動画)
④胎児心音聴取p117-118,602(動画)
⑤NST/分娩監視装置の装着方法p106-108,602(動画)
モデル人形(腹部触診モデル、妊婦ジャケット、分娩監視装置装着モデル)
コマ主題細目 ① 妊婦の日常生活活動の姿勢 ② 腹囲・子宮底長測定 ③ レオポルド触診法 ④ 胎児心音聴取 ⑤ 分娩監視装置の装着方法
細目レベル ① 妊娠期の身体の変化を理解する目的で、妊婦ジャケットの装着を行い、正しい姿勢のとり方や日常生活上の留意点を学ぶ。妊娠したことで日常生活が大きく制限されることはないが、妊娠による身体変化から、家事などの日常生活動作においては、安全や腰痛予防のために良い姿勢を心がけ、転倒予防や腹圧をかけないことが望まれる。さらには、疲労を蓄積しないことなどを、妊婦自身が日常生活活動で配慮できるようにする必要がある。具体的には、台所に立つ時の姿勢は台に向かって片足を前に出して斜めに立つことで疲労を予防し、掃除などの作業は腰を落としてすることで転倒を予防したり、腹圧の上昇を防ぐ。これらのシミュレーションを踏まえ、妊婦に対する日常生活活動に関する保健指導の必要性を理解する。
② 妊婦のヘルスアセスメントを行う際の,問診,視診,聴診,触診,計測診の基本について理解する。妊婦体験ジャケットを装着した学生を妊婦が妊婦役となり、看護師役の学生が計測診(腹囲・子宮底長測定)を行う。腹囲・子宮底長測定の目的は、胎児の発育状態や羊水量などの胎内環境を把握し、妊娠週数を推定することである。超音波検査が普及した近年では、母体の計測が軽視される傾向があるが、スクリーニング検査としては有用である。腹囲は、メジャーを外診台に垂直になるようにして妊婦の臍の高さの周囲を測定し、呼気時に目盛りを読む。子宮底長は、恥骨結合上縁中央から子宮体部最高点までの長さを腹壁に沿って測定する。計測の際は、正確に測定するための留意点とともに、安全・安楽やプライバシー保護、羞恥心への配慮を守りながら実施する。
③ 腹部触診モデルまたは妊婦体験ジャケットを着用した学生がモデルとなり、レオポルド触診法により胎児の各部位(頭部・臀部、大部分・小部分)を判断する。レオポルド触診法の目的は、胎児の位置や大きさをみることである。第1段法では、検者は妊婦と対面し、両手の少指側を子宮体部にあて、両手指を屈曲させることにより、子宮底の高さや胎児部分を触診する。第2段法では、子宮底にあてた両手を下方に移し、子宮の両側壁にあて、子宮の形状を観察し、また胎向や羊水量を診断する。第3段法では、一手の母指と他指により、恥骨上に存在する胎児部分を触診する。これによって、胎児下降部や可動性をみる。第4段法では、検者は、妊婦の足方に向いて両手を鼠径靭帯に並行して進め、胎児下降部と恥骨との間に静かに指尖を圧入する。胎児下降部の状態ならびに骨盤腔との関係をより詳細にみることができる。
④ 腹部触診モデルまたは妊婦体験ジャケットでのレオポルド触診法にて明らかになった胎位・胎向に基づき、胎児心音の最良聴取部位を確認する。胎児心音は超音波ドップラー法を用いて聴取する。胎児心拍数の正常範囲は、毎分110~160回である。レオポルド触診法の第1段法および第2段法を用いて胎位と胎向を確認した後、妊婦に足をのばしてもらい、胎児心音の最良聴取部位にドップラー装置などをあてて聴取する。腹部の聴診では、胎児心音の他に臍帯雑音、母体大動脈音、母体腸雑音、胎動音などが聴取される。母体大動脈音は母体の脈拍数と同じであるため、胎児心拍数との鑑別が必要である。胎児心音は、超音波ドップラー法では早ければ妊娠9週から、12週では全例で聴取可能である。
⑤ 分娩監視装着トレーニング用モデル人形を用いて、分娩監視装置装着の方法や留意点、検査時の看護の必要性を理解する。分娩監視装置を用いて得られた胎児心拍数陣痛図は、胎児の健康状態を即時に知ることができる方法である。胎児心拍数ならびに子宮収縮を、母体の腹壁に装着されたトランスデューサを介して20~30分以上にわたり持続的に記録する。妊婦が胎動に合わせてマーカーを押すことにより、胎動による胎児心拍数の変化を観察することができる。正常な心拍パターンは、基線が110~160bpmの間にあり、1分間に2~6回の周期をもつ微細な変動をみとめる(基線の細変動)。基線の細変動とともに、胎動や子宮収縮に一致して、胎児心拍数の上昇をみとめる。ノンストレステスト(NST)では、20分間に2回以上、15bpm以上15秒以上の一過性頻脈がみとめられれば胎児の状態が良好であると判断する。
キーワード ① 妊娠期の身体変化 ② 腹囲・子宮底長 ③ レオポルド触診法 ④ NST ⑤ CTG
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:この回で学んだ援助技術について振り返りを行い、ワークシートを記入する。援助者、妊婦両方の立場で振り返りを行い、各技術を実施する際の目的、手順、留意点とその根拠について理解する。不明点は、演習で配布した資料と教科書の第3章を読み、追加学習を行う。
予習課題:関連科目である母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲの妊娠期の異常と看護の部分を復習しておく。また、第1回、第2回の講義内容を振り返り、母性看護過程の特徴、妊娠期にある対象のアセスメント項目、アセスメントの視点について復習し、第2回で提示した事例(入院中の切迫早産の妊婦)について、個人ワークにて可能な限りアセスメントを進め、アセスメントの結論や看護課題についてグループで話し合いができるように準備をしておく。

4 妊娠期の事例のアセスメント、看護診断 科目の中での位置付け 本科目は、母性看護学概論および母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲで学んだ妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期にある対象(とその家族)の特徴を復習しながら、各期の対象の看護過程と看護の実際についての知識と技術を学ぶことを目的としている。
第1回では、母性看護における看護過程の考え方であるウェルネス志向やウェルネス看護診断について学ぶ。第2回では、妊娠期、産褥期、分娩期、新生児期の具体的なアセスメントの視点を学ぶ。第3回では、妊娠期のケアに必要な技術を習得する。第4回では、妊娠期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第5回では、産婦のケア技術について学ぶ。第6回では、妊娠期の事例の看護計画を立案する。第7回では、産褥期のケア技術のうち、退行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第8回では、産褥期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第9回では、産褥期のケア技術のうち、進行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第10回では、産褥期の事例の看護計画を立案する。第11回では、新生児の観察とアセスメントに必要な技術を習得する。第12回では、新生児の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第13回では、新生児のケアのうち、沐浴を中心とした育児技術を習得する。第14回では、産褥期の看護計画に基づいた保健指導案を作成する。第15回では、第14回で作成した保健指導案を発表し、全体で共有するとともに、妊娠期から産褥期・新生児期までの看護過程についてのまとめを行う。
第4回の本時では、第2回の講義内で提示した妊娠期にある対象母子とその家族の事例のアセスメントのために必要な情報の整理を行い、妊娠期のアセスメント項目ごとに必要な視点を確認し、具体的なアセスメント方法を学んで理解する。その後、各自で事例のアセスメントを進め、第6回の演習時までにすべての項目のアセスメントの結論を出し、第6回でそれらを統合して看護診断に繋げるための準備を行う。

事例資料、レジュメ
テキスト
森恵美他:系統看護学講座 母性看護学各論 母性看護学②、医学書院、2025 第3章
①~⑤P92~132
太田操編著:ウェルネスの視点にもとづく母性看護過程 第4版、医歯薬出版株式会社、
2024 
①~⑤p36-49
コマ主題細目 ① 母体の状態 ② 胎児および付属物の状態 ③ 心理・適応過程 ④ 家族・適応過程 ⑤ 生活・社会環境
細目レベル ① 母体の状態のアセスメントを行う際1)妊娠週数に応じた身体の生理的変化であるか、2)妊娠経過に影響を及ぼす因子はどうか、3)身体の変化に応じたセルフケア行動はとれているか、という3つの視点に基づき事例の情報を整理する。1)妊娠週数に応じた身体の生理的変化であるか、のアセスメントでは、呼吸器系、循環器系、血液データ、消化器系、代謝系、筋骨格系、腎・泌尿器系、子宮、膣、外陰部、乳房、皮膚、体重、マイナートラブルの情報が必要である。2)妊娠経過に影響を及ぼす因子はどうか、のアセスメントでは、年齢、身長・非妊時の体重、既往歴・合併症、妊娠・分娩歴、月経歴、家族歴、感染症の情報が必要である。3)身体の変化に応じたセルフケア行動はとれているか、のアセスメントでは、食事・栄養、排泄、動静と活動などの日常生活行動、身体の変化に関する判断力、対処行動の情報が必要である。以上の視点それぞれについてアセスメントを行い、アセスメント内容の結論と看護診断を導き出す。
② 胎児および胎児付属物の状態のアセスメントを行う際、1)胎児の数と胎位・胎向・胎勢はどうか、2)妊娠週数に応じた胎児の発育であるか、3)胎児の健康状態はどうか、4)胎児付属物の状態はどうか、という4つの視点に基づき事例の情報を収集し、整理する。1)胎児の数と胎位・胎向・胎勢はどうか、のアセスメントでは、レオポルド触診法や超音波断層法で得られたデータから情報を収集し、整理する。また、2)妊娠週数に応じた胎児の発育であるか、のアセスメントでは、腹囲、子宮底長、腹部触診、超音波断層法での胎嚢、頭殿長、児頭大横径、推定胎児体重などの情報を収集し、整理する。3)胎児の健康状態はどうか、のアセスメントでは、胎動、胎児心拍数、胎児奇形、バイオフィジカルプロファイルスコアの情報を収集し、整理する。4)胎児付属物の状態はどうか、のアセスメントでは、羊水量、胎盤の位置や機能、卵膜、臍帯についての情報を収集し、整理する。以上の視点それぞれについてアセスメントを行い、アセスメント内容の結論と看護診断を導き出す。
③ 心理・適応過程のアセスメントを行う際、1)心理状態はどうか、2)母親への適応過程はどうか、3)心理・適応過程に影響する因子はどうか、という3つの視点に基づき事例の情報を収集し、整理する。1)心理状態はどうか、のアセスメントでは、心理状態、妊娠に対する気持ち、ボディーイメージの変化、ストレス対処行動の情報を収集し、整理する。2)母親への適応過程はどうか、のアセスメントでは、胎児に対する気持ち、受診行動、クラスの受講やバースプランなどの出産・育児準備行動の情報を収集し、整理する。3)心理・適応過程に影響する因子はどうか、のアセスメントでは、今回の妊娠過程や妊娠・分娩歴、育児経験などの妊娠に関する因子、胎児の健康状態などの胎児に関する因子などの情報を収集し、整理する。以上の視点それぞれについてアセスメントを行い、アセスメント内容の結論と看護診断を導き出す。
④ 家族・適応過程のアセスメントを行う際、1)家族関係はどうか、2)新しい家族関係への適応過程はどうか、3)家族の協力体制はどうか、という3つの視点に基づき事例の情報を収集し、整理する。1)家族関係はどうか、のアセスメントでは、家族構成、家族間の関係、家族の健康状態について情報収集し、整理する。2)新しい家族関係への適応過程はどうか、のアセスメントでは、妊娠に対する気持ち(受容など)、妊婦に対する家族の気持ち、胎児に対する家族の気持ち、出産に向けての準備、育児に向けての準備についての情報を収集し、整理する。3)家族の協力体制はどうか、のアセスメントでは、夫(パートナー)や両親や義理の両親をはじめとする家族の協力体制について情報収集し、整理する。以上の視点それぞれについてアセスメントを行い、アセスメント内容の結論と看護診断を導き出す。
⑤ 生活・社会環境のアセスメントを行う際、1)生活環境はどうか、2)社会資源・諸制度を活用できるか、3)就労状況はどうか、4)社会活動はどうか、という4つの視点に基づき情報を収集し、整理する。1)生活環境はどうか、のアセスメントでは、住居、病院までの距離の情報を収集し、整理する。2)社会資源・諸制度を活用できるか、のアセスメントでは、保健・医療サービスなどの活用、地域の子育てネットワークなどの活用状況の情報収集を行い、整理する。3)就労状況はどうか、のアセスメントでは、就労内容、時間、各種制度の利用(産前・産後休業、妊娠・出産等を理由とする不利益取り扱いの禁止など)、職場の福利厚生の状況、職場環境について情報収集し、整理する。4)社会活動はどうか、のアセスメントでは、社会とのつながりについて情報収集し、整理する。以上の視点それぞれについてアセスメントを行い、アセスメント内容の結論と看護診断を導き出す。
キーワード ① 母体の状態 ② 胎児および付属物の状態 ③ 心理・適応過程 ④ 家族・適応過程 ⑤ 生活・社会環境
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:第2回で提示した事例(正常妊婦)について、アセスメントの結論や看護診断について、教員からの助言を参考に、個人ワークを行う。教員が提示した締め切りまでにアセスメント結果と看護診断を教員に提出する。
予習課題:関連科目である母性看護学概論、母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲの分娩の生理、分娩期の心身の変化、胎児に及ぼす影響について復習しておく。また、教科書の第4章の特にP227~260をよく読み、P602 ~603の動画[6圧迫法(ツボ療法)、7分娩時のマッサージ法、8分娩時の安楽な体位]を予め視聴しておく。

5 産婦のケア技術演習 科目の中での位置付け 本科目は、母性看護学概論および母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲで学んだ妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期にある対象(とその家族)の特徴を復習しながら、各期の対象の看護過程と看護の実際についての知識と技術を学ぶことを目的としている。
第1回では、母性看護における看護過程の考え方であるウェルネス志向やウェルネス看護診断について学ぶ。第2回では、妊娠期、産褥期、分娩期、新生児期の具体的なアセスメントの視点を学ぶ。第3回では、妊娠期のケアに必要な技術を習得する。第4回では、妊娠期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第5回では、産婦のケア技術について学ぶ。第6回では、妊娠期の事例の看護計画を立案する。第7回では、産褥期のケア技術のうち、退行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第8回では、産褥期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第9回では、産褥期のケア技術のうち、進行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第10回では、産褥期の事例の看護計画を立案する。第11回では、新生児の観察とアセスメントに必要な技術を習得する。第12回では、新生児の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第13回では、新生児のケアのうち、沐浴を中心とした育児技術を習得する。第14回では、産褥期の看護計画に基づいた保健指導案を作成する。第15回では、第14回で作成した保健指導案を発表し、全体で共有するとともに、妊娠期から産褥期・新生児期までの看護過程についてのまとめを行う。
第5回の本時では、分娩期の援助技術を学ぶことを目的とする。分娩のDVDを視聴して分娩経過を復習し、産婦と家族のニード(安全分娩のニード、安楽な分娩へのニード、基本的ニード、母親になるニード、家族発達のニード)や、そのニードに沿った援助の必要性を学ぶ。また、母子が安全かつ安楽に分娩期を経過するための援助の必要性と方法、留意点を理解する。具体的には産痛緩和のための身体ケアとして、分娩時の安楽な体位のとり方、タッチングとマッサージ、圧迫法を学ぶ。

パワーポイント資料
コマ用オリジナル資料、プリント
テキスト
森恵美他:系統看護学講座 母性看護学各論 母性看護学②、医学書院、2025
①産婦と家族のニードp227-228、243-245
②産痛緩和のための身体ケアp232-243,602-603(動画)
その他動画教材
LDRベッド、バースボール、アクティブチェア、硬式テニスボール(産痛緩和に使用)
コマ主題細目 ① 産婦と家族のニード ② 産痛緩和のための身体ケア ③ CTGの判読
細目レベル ① 母性看護援助論Ⅰの講義で学んだ内容を想起し、講義・動画の視聴により、産婦と家族の分娩に関するニード(安全分娩のニード、安楽な分娩へのニード、基本的ニード、母親になるニード、家族発達のニード)について再確認し、産婦と家族のニードに沿った、援助の必要性について理解する。分娩期の看護では、出産体験が肯定的になる(よいお産になる)ための看護も重要である。産婦が出産に対して主体的に対処し、出産という苦難を乗り越えた自信は、女性の強さ・自信につながり、母親といての能力の発揮につながるものと考えられる。したがって、分娩期の看護として、①産婦が出産にできるだけ主体的に対処して自己コントロール力を維持できるよう援助すること、②医療者や出産に立ち会う人々との相互作用の中でわだかまりを感じることを予防すること、③産婦の予想と実際の体験との落差が大きいときには、それを受容できるようにする援助をすることが重要であることを再確認する。
② 安楽な分娩への看護の中で、主に産痛緩和のための身体的ケア、産婦が主体的に行う産痛緩和法を学ぶ。LDRベッド、一般用のベッド、ベッドのないマットを敷いた床などで分娩中に安楽に過ごせる体位を実際に経験する。また、分娩の進行を促しつつ安楽を得る方法に用いる器具であるアクティブチェアやバースボールを用いた体位をとる。学生が産婦役、看護師役となって分娩時の腰部や臀部のマッサージやツボ療法の圧迫法(腎兪、志室、次髎、合谷)を互いに実施し、その手技や留意点について考察する。産婦が主体的に行う産痛緩和法としての呼吸法を実施し、産婦がその人なりに出産現象に対処することができていることを肯定的に評価し、認める声かけなど、自己効力感を高める看護援助について考察する。
③ 第3回で経験した分娩監視装着トレーニング用モデル人形を用いて、分娩監視装置装着の方法や留意点、検査時の看護の必要性を復習する。分娩監視装置を用いて得られた胎児心拍数陣痛図は、胎児の健康状態を即時に知ることができる方法である。胎児心拍数ならびに子宮収縮を、母体の腹壁に装着されたトランスデューサを介して20~30分以上にわたり持続的に記録する。妊婦が胎動に合わせてマーカーを押すことにより、胎動による胎児心拍数の変化を観察することができる。正常な心拍パターンは、基線が110~160bpmの間にあり、1分間に2~6回の周期をもつ微細な変動をみとめる(基線の細変動)。基線の細変動とともに、胎動や子宮収縮に一致して、胎児心拍数の上昇をみとめる。ノンストレステスト(NST)では、20分間に2回以上、15bpm以上15秒以上の一過性頻脈がみとめられれば胎児の状態が良好であると判断する。正常な波形を理解した後、分娩時に起こる代表的な波形の判読方法を学ぶ。
キーワード ① 産婦と家族のニード ② 基本的ニード ③ 自己効力感 ④ 産痛緩和法 ⑤ CTG
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:この回で学んだ援助技術について振り返りを行い、ワークシートを記入する。援助者、産婦両方の立場で振り返りを行い、各技術を実施する際の目的、手順、留意点とその根拠について理解する。特に産婦のニード、産痛とは何か、また産痛を増強する因子は何か、産痛緩和法について理解しておく。不明点は、演習で配布した資料と教科書の第4章を読み、追加学習を行う。
予習課題:関連科目である母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲの妊娠期の異常と看護の部分を復習しておく。事例のアセスメントについて教員から返却されたコメントにより、修正し、不明点を明確にする。事例について、グループで看護計画の立案ができるように、教科書を用いて事前学習をしておく。

6 妊娠期の事例の看護計画の立案 科目の中での位置付け 本科目は、母性看護学概論および母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲで学んだ妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期にある対象(とその家族)の特徴を復習しながら、各期の対象の看護過程と看護の実際についての知識と技術を学ぶことを目的としている。
第1回では、母性看護における看護過程の考え方であるウェルネス志向やウェルネス看護診断について学ぶ。第2回では、妊娠期、産褥期、分娩期、新生児期の具体的なアセスメントの視点を学ぶ。第3回では、妊娠期のケアに必要な技術を習得する。第4回では、妊娠期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第5回では、産婦のケア技術について学ぶ。第6回では、妊娠期の事例の看護計画を立案する。第7回では、産褥期のケア技術のうち、退行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第8回では、産褥期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第9回では、産褥期のケア技術のうち、進行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第10回では、産褥期の事例の看護計画を立案する。第11回では、新生児の観察とアセスメントに必要な技術を習得する。第12回では、新生児の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第13回では、新生児のケアのうち、沐浴を中心とした育児技術を習得する。第14回では、産褥期の看護計画に基づいた保健指導案を作成する。第15回では、第14回で作成した保健指導案を発表し、全体で共有するとともに、妊娠期から産褥期・新生児期までの看護過程についてのまとめを行う。
第6回の本時では、妊娠期にある母子とその家族の事例のアセスメントをもとに、第3回または4回にアセスメントの結果決定した看護診断についての看護目標の設定、看護計画の立案を行う。計画の内容については教科書や提示した参考書をもとに作成し、事例のアセスメント結果を反映した個別性に応じた内容とする。第6回の授業時間内には看護目標設定の方法や計画の方向性を確認し、個人での看護計画の立て方を理解できるようにする。

事例資料
テキスト
太田操編著:ウェルネスの視点にもとづく母性看護過程 第4版 医歯薬出版株式会社、
2024 
①~③P36-49
森恵美他:系統看護学講座 母性看護学各論 母性看護学②、医学書院、2025 第3章
①P133~168
②p168~177
③p177~182
コマ主題細目 ① 母体の状態、胎児および胎児付属物の状態 ② 心理・適応過程 ③ 家族の役割調整、生活・社会環境
細目レベル ① まず、母体の状態と胎児の状態のアセスメントの結論を明らかにする。特に、妊娠週数に応じた身体変化であるかどうか、また妊娠経過に影響を及ぼすリスク因子はないか、身体の変化に応じたセルフケア行動がとれているかどうかの視点に基づいて、看護診断を挙げ、ウェルネスの診断であれば「母体の状態は妊娠週数に応じて順調である」となる。次回の妊婦健康診査の時期である妊娠32週までの目標を挙げ、現在の妊娠週数を考慮した看護計画を立案する。OPとして妊娠32週の妊婦健康診査で健診する内容とともに、マイナートラブル、日常生活行動について確認する。また、胎児(および付属物)の状態についても併せて看護診断を挙げ、同じく在胎週数を考慮した目標、計画を立案する。OPでは、胎児の発育状態、健康状態、胎児附属物の状態についてどのような項目を見る必要があるかを挙げる。それらをふまえ、妊娠週数に応じた保健指導をEPに挙げる。
② 心理・適応過程のアセスメント結果より、母親役割への適応状況についての看護診断を挙げ、妊娠30週の時期に応じた看護目標と看護計画を立案する。妊娠後期に入り分娩が近づいている時期であるため、主には児や出産についての思いを整理し、心身の準備を整えることが必要となる。児や出産に対しての思いを表出すること、産休中の生活調整について理解すること、家族とともに出産や育児の準備を進めることなどが重要である。
具体的にはOPとして出産や自己の身体への思い、家族関係への思い、児に対する思いを確認し、健診の際に表情や態度、不安や感情表出、産前産後の生活状況の変化、母親学級などで学んだ内容、出産・育児への準備状況、家族との役割調整状況を確認し、TPやEPでは、愛着形成が促進するような環境・機会づくり、気持ちを表出しやすい環境・機会を作り、思いを傾聴することが大切である。また、次の健診を待たずすぐに受診すべき状況や、後期のマイナートラブル予防、バースプランの作成、乳房の手当て、産休中の生活、分娩経過と過ごし方等について説明を行う。

③ 家族・適応過程、生活・社会環境のアセスメント結果より看護診断を挙げ、現在の状態に応じた範囲での出産、育児のための心理・社会的準備を整えることも必要である。家族の役割調整がうまくいかず、支援が必要な場合は看護診断を挙げ、具体的な計画を立案する必要がある。たとえば、出産後の生活が育児に専念できない可能性がある、という看護診断が挙がる場合、妊娠中から対象に必要で利用可能な社会資源としての育児サービス等を確認し、利用できるように情報提供することが大切である。
キーワード ① ウェルネスの看護診断 ② 看護目標 ③ 看護計画
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:第6回終了後に看護計画を個人で作成する。授業回の後半に実施するグループワーク時に自分の計画を発表できるように準備しておく。教員が講義した内容をふまえて教科書や参考書をもとに自分なりに計画をたて、分からないことがあれば担当教員に質問し、その後必要時追記・修正を行う。ここで作成した看護計画が後期開講の母性看護学実習で活用できるものになるようにしておく。事例のアセスメント結果に沿ったものになっているかを確認し、追記・修正し、よりよい計画になるようにする。
予習課題:関連科目である母性看護学概論、母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲの産褥の生理、産褥期の身体変化、心理・社会的変化、褥婦のアセスメントについて復習しておく。また、教科書の第6章をよく読んでおく。

7 褥婦のケア技術演習1(子宮底の高さ・硬度の観察方法およびアセスメントと子宮復古を促すケア) 科目の中での位置付け 本科目は、母性看護学概論および母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲで学んだ妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期にある対象(とその家族)の特徴を復習しながら、各期の対象の看護過程と看護の実際についての知識と技術を学ぶことを目的としている。
第1回では、母性看護における看護過程の考え方であるウェルネス志向やウェルネス看護診断について学ぶ。第2回では、妊娠期、産褥期、分娩期、新生児期の具体的なアセスメントの視点を学ぶ。第3回では、妊娠期のケアに必要な技術を習得する。第4回では、妊娠期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第5回では、産婦のケア技術について学ぶ。第6回では、妊娠期の事例の看護計画を立案する。第7回では、産褥期のケア技術のうち、退行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第8回では、産褥期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第9回では、産褥期のケア技術のうち、進行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第10回では、産褥期の事例の看護計画を立案する。第11回では、新生児の観察とアセスメントに必要な技術を習得する。第12回では、新生児の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第13回では、新生児のケアのうち、沐浴を中心とした育児技術を習得する。第14回では、産褥期の看護計画に基づいた保健指導案を作成する。第15回では、第14回で作成した保健指導案を発表し、全体で共有するとともに、妊娠期から産褥期・新生児期までの看護過程についてのまとめを行う。
第7回の本時では、産褥期の援助技術を学ぶことを目的とする。特に、産褥期にある女性の退行性変化の観察および退行性変化を促すケアについて、安全・安楽に実施するための手技を根拠とともに理解し、修得する。退行性変化の観察については、モデル人形を用いて子宮底の触診や高さ・硬さの観察、外陰部や肛門部の観察を行い、退行性変化を促すケアの1つとして、輪状マッサージの方法を理解する。

パワーポイント資料
コマ用オリジナル資料、プリント
テキスト
森恵美他:系統看護学講座 母性看護学各論 母性看護学②、医学書院、2025
①~③第6章P322~378(特にP322~341)
モデル人形(褥婦の子宮触診モデル、新生児人形)
平澤恵美子他監修、新訂版 写真でわかる母性看護技術 アドバンス 、インターメディカ、 2020 産褥復古の観察(動画教材)
コマ主題細目 ① 退行性変化の観察方法 ② 退行性変化のアセスメント ③ 退行性変化を促すケア
細目レベル ① 産褥期のモデル人形を使用して褥婦にみられる全身や子宮の復古過程、悪露、外陰部・肛門部における創部の観察方法を学ぶ。モデル人形を用いて退行性変化の観察をする際の視診、問診、子宮底の高さや硬さの触診、外陰部・肛門の視診を行う一連の流れを実施し、得られた(提示された)情報を整理する。演習の際にはこれまで看護過程の課題として提示された事例の産褥期の状態の状況が設定されている。各事例の情報をふまえてアセスメントできるように、必要な情報を収集することが求められる。また、褥婦の観察やケアを実施する際は、羞恥心やプライバシーへの配慮等の必要性を理解し、環境面の配慮や声掛けなど、よりよいケアのための方法についてグループメンバーとディスカッションし、考察する。
② モデル人形を用いて退行性変化の観察をする際の視診、問診、子宮底の高さや硬さの触診、外陰部・肛門の視診を行う一連の流れを実施し、得られた(提示された)情報を整理した後、これまで看護過程の課題として提示された事例の産褥期の状態として、各事例の情報をふまえてアセスメント項目「退行性変化」のアセスメントを行う。事前に得られていた母体因子、妊娠・分娩に関する因子の情報からの、退行性変化に影響する因子はどうか、についてのアセスメント結果を踏まえ、演習で設定された場面での観察から得られた情報から、生殖器の復古は産褥日数に応じて順調か、全身の回復状態は産褥日数に応じて順調か、という視点に基づいてアセスメントを行う。
③ 子宮の復古過程、子宮復古を促進や阻害する因子、産褥期の復古を促す意義について理解し、子宮復古を促すケアの方法を学ぶ。具体的には、子宮底の輪状マッサージ、適切な栄養摂取、排尿や排便を整えるセルフケア、全身および外陰部の清潔のためのセルフケア、適切な休息と活動(産褥体操)、直接授乳の促しなどがある。実際の褥婦のアセスメントを行う際には、これらのセルフケア行動がとれているか、という視点から、現状だけでなく、今後の復古が順調に進むかどうかについてもアセスメントすることが必要である。この回の演習においては、モデル人形を用いて子宮底の輪状マッサージの方法を学ぶ。その他のケアについては母性看護援助論Ⅰの講義内容を想起し、それぞれの援助の根拠を再確認する。特に、直接授乳を行うことによって分泌されるホルモンであるプロラクチン、オキシトシンの働きについて復習する。プロラクチンは脳下垂体前葉から分泌され、乳汁産生と分泌を促すホルモンである。オキシトシンは脳下垂体後葉から分泌され、筋収縮を促す働きがあるため、射乳を引き起こすだけでなく子宮筋にも働きかけ、子宮収縮を促す。
キーワード ① 退行性変化 ② 子宮底の触診 ③ 輪状マッサージ ④ セルフケア ⑤ オキシトシン
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:この回で学んだ援助技術について振り返りを行い、ワークシートを記入する。援助者、褥婦両方の立場で振り返りを行い、各技術を実施する際の目的、手順、留意点とその根拠について理解する。不明点は、演習で配布した資料と教科書の第6章を読み、追加学習を行う。
予習課題:関連科目である母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲの産褥期の生理と看護の部分を復習しておく。また、第1回、第2回の講義内容を振り返り、母性看護過程の特徴、産褥期にある対象のアセスメント項目、アセスメントの視点について復習し、第4回で提示した事例(正常褥婦)について、個人ワークにて可能な限りアセスメントを進め、自分なりのアセスメントの結論や看護診断について考えておく。

8 褥婦のアセスメント・看護診断 科目の中での位置付け 本科目は、母性看護学概論および母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲで学んだ妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期にある対象(とその家族)の特徴を復習しながら、各期の対象の看護過程と看護の実際についての知識と技術を学ぶことを目的としている。
第1回では、母性看護における看護過程の考え方であるウェルネス志向やウェルネス看護診断について学ぶ。第2回では、妊娠期、産褥期、分娩期、新生児期の具体的なアセスメントの視点を学ぶ。第3回では、妊娠期のケアに必要な技術を習得する。第4回では、妊娠期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第5回では、産婦のケア技術について学ぶ。第6回では、妊娠期の事例の看護計画を立案する。第7回では、産褥期のケア技術のうち、退行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第8回では、産褥期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第9回では、産褥期のケア技術のうち、進行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第10回では、産褥期の事例の看護計画を立案する。第11回では、新生児の観察とアセスメントに必要な技術を習得する。第12回では、新生児の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第13回では、新生児のケアのうち、沐浴を中心とした育児技術を習得する。第14回では、産褥期の看護計画に基づいた保健指導案を作成する。第15回では、第14回で作成した保健指導案を発表し、全体で共有するとともに、妊娠期から産褥期・新生児期までの看護過程についてのまとめを行う。
第8回の本時では、事前に提示した産褥期にある対象母子とその家族の事例(正常分娩後の事例)について、産褥期のアセスメント項目に沿ってアセスメントを進めていく。アセスメント項目のうち、身体的な状態を示す1.退行性変化、2.進行性変化を中心にアセスメントに必要な視点を再確認し具体的なアセスメント方法を学ぶ。また、アセスメントの結論を統合し、各アセスメント項目に関する看護診断を導き出す方法を理解する。

事例資料
テキスト
太田操編著:ウェルネスの視点にもとづく母性看護過程 第4版、医歯薬出版株式会社、
2024
①~⑤p77-96
森恵美他:系統看護学講座 母性看護学各論 母性看護学②、医学書院、2025 第6章
①~⑤P322-345
コマ主題細目 ① 退行性変化 ② 進行性変化 ③ 心理・適応過程 ④ 家族・適応過程 ⑤ 生活・社会環境
細目レベル ① 退行性変化のアセスメントを行う際、1)生殖器の復古は産褥日数に応じて順調か、2)全身の回復状態は産褥日数に応じて順調か、3)退行性変化に影響する因子はどうか、4)退行性変化を促すためのセルフケアはとれているか、という4つの視点に基づいて情報を収集し、整理する。1)生殖器の復古は産褥日数に応じて順調か、のアセスメントでは、子宮の復古状態、外陰・会陰部の状態、肛門部の状態の情報を収集し、整理する。また、2)全身の回復状態は産褥日数に応じて順調か、のアセスメントでは、バイタルサイン、血液所見、排泄、体重などの情報を収集し、整理する。3)退行性変化に影響する因子はどうか、のアセスメントでは、母体因子、妊娠に関する因子、分娩に関する因子についての情報を確認し、整理する。4)退行性変化を促すためのセルフケア行動はとれているか、のアセスメントでは、必要な日常生活行動、退行性変化に関する判断力、対処行動に関する情報を収集し、整理する。以上の視点それぞれについてアセスメントを行い、アセスメント内容の結論を導き出し、それらを統合して看護診断を導き出す。
② 進行性変化のアセスメントを行う際、1)乳房の形態はどうか、2)授乳状態はどうか、3)乳汁分泌や授乳に影響する因子はどうか、4)進行性変化を促すためのセルフケア行動はとれているかという4つの視点に基づき情報を収集し、整理する。1)乳房の形態はどうか、のアセスメントでは、乳房の形態、乳汁の産生・分泌状態、乳房トラブルの情報を収集し、整理する。また、2)授乳状態はどうか、のアセスメントでは、授乳開始時期・間隔、ポジショニング、ラッチ・オン、授乳環境の情報を収集し、整理する。進行性変化(授乳)に関する看護課題を明確にする。3)乳汁分泌や授乳に影響する因子はどうか、のアセスメントでは、母乳育児への意欲などの母親に関する因子、哺乳機能などの新生児に関する因子の情報を収集し、整理する。4)進行性変化を促すためのセルフケア行動はとれているか、のアセスメントでは、母乳育児の意義に対する理解状況や、進行性変化に関する判断力、対処行動についての情報を収集し、整理する。以上の視点それぞれについてアセスメントを行い、アセスメント内容の結論を導き出し、それらを統合して看護診断を導き出す。
③ 心理・適応過程のアセスメントを行う際、1)産後の心理的変化はどうか、2)母親への適応過程はどうか、3)産後の心理・適応過程に影響する因子はどうか、という3つの視点に基づき情報を収集し、整理する。1)産後の心理的変化はどうか、のアセスメントでは、心理状態、ストレス対処行動の情報を収集し、整理する。また、2)母親への適応過程はどうか、のアセスメントでは、児の受容・養育態度、育児に必要な知識の有無、技術の習得度についての情報を収集し、整理する。3)産後の心理・適応過程に影響する因子はどうか、のアセスメントでは、今回の妊娠の希望や分娩体験、早期母子接触体験などの母親に関する因子、児の健康状態などの新生児に関する因子、その他家族の情報などを収集し、整理する。以上の視点それぞれについてアセスメントを行い、アセスメント内容の結論を導き出し、それらを統合して看護診断を導き出す。
④ 家族・適応過程のアセスメントを行う際、1)父親の適応過程はどうか、2)家族の適応過程はどうか、3)家族計画が立てられるか、という3つの視点に基づき情報を収集し、整理する。1) 父親の適応過程はどうか、のアセスメントでは、父親の児の受容、養育態度、育児に必要な知識の有無、技術の習得度についての情報を収集し、整理する。2)家族の適応過程はどうか、のアセスメントでは、家族構成や家族間の関係、家族の健康状態、家族の心理的受容、家族の協力体制についての情報を収集し、整理する。3)家族計画が立てられるか、のアセスメントでは、家族計画に関する知識、夫婦間の話し合いの状況についての情報を収集し、整理する。以上の視点それぞれについてアセスメントを行い、アセスメント内容の結論を導き出し、それらを統合して看護診断を導き出す。
⑤ 生活・社会環境のアセスメントを行う際、1)出産後の生活の変化を理解しているか、2)社会資源・諸制度を活用できるか、という2つの視点に基づき情報収集し、整理する。1) 出産後の生活の変化を理解しているか、のアセスメントでは、出産後の生活行動の拡大状況、児との生活リズムへの同調、退院後の環境についての情報を収集し、整理する。また、2)社会資源・諸制度を活用できるか、のアセスメントでは、出産給付金や産後ケア事業などの保健・医療サービスなどの活用状況、就労状況、育児休業制度や育児時短勤務制度などの各種制度の利用はできているか、職場環境や職場の福利厚生の情報を収集し、整理する。以上の視点それぞれについてアセスメントを行い、アセスメント内容の結論を導き出し、それらを統合して看護診断を導き出す。
キーワード ① 退行性変化 ② 進行性変化 ③ 心理・適応過程 ④ 家族・適応過程 ⑤ 生活・社会環境
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:第8回の講義や質疑応答で確認した内容について個人ワークに追記・修正を加え、各アセスメント項目のアセスメントを完成させてアセスメントの結論を導き出し、看護診断を明確にしたうえで、教員が指定した日時までに提出する。講義中の説明で不明点があれば講義後個別に確認したうえで修正し、提出してもよい。
予習課題:関連科目である母性看護学概論、母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲの産褥の生理、産褥期の身体変化、心理・社会的変化、褥婦のアセスメントについて復習しておく。また、教科書の第6章をよく読み、P609 の動画「24乳頭・乳輪マッサージ」を見ておく。

9 褥婦のケア技術演習2(母乳育児確立のための援助方法) 科目の中での位置付け 本科目は、母性看護学概論および母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲで学んだ妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期にある対象(とその家族)の特徴を復習しながら、各期の対象の看護過程と看護の実際についての知識と技術を学ぶことを目的としている。
第1回では、母性看護における看護過程の考え方であるウェルネス志向やウェルネス看護診断について学ぶ。第2回では、妊娠期、産褥期、分娩期、新生児期の具体的なアセスメントの視点を学ぶ。第3回では、妊娠期のケアに必要な技術を習得する。第4回では、妊娠期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第5回では、産婦のケア技術について学ぶ。第6回では、妊娠期の事例の看護計画を立案する。第7回では、産褥期のケア技術のうち、退行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第8回では、産褥期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第9回では、産褥期のケア技術のうち、進行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第10回では、産褥期の事例の看護計画を立案する。第11回では、新生児の観察とアセスメントに必要な技術を習得する。第12回では、新生児の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第13回では、新生児のケアのうち、沐浴を中心とした育児技術を習得する。第14回では、産褥期の看護計画に基づいた保健指導案を作成する。第15回では、第14回で作成した保健指導案を発表し、全体で共有するとともに、妊娠期から産褥期・新生児期までの看護過程についてのまとめを行う。
第9回の本時では、産褥期のケア技術のうち、母乳育児支援の技術を学ぶことを目的とする。特に、産褥期にある女性の進行性変化に関わる観察や、ラッチオンやポジショニングなどの授乳状態の観察、搾乳などの技術を安全・安楽に実施するための手技を習得する。

パワーポイント資料
コマ用オリジナル資料、プリント
テキスト
森恵美他:系統看護学講座 母性看護学各論 母性看護学②、医学書院、2025 
①~②第6章P324-325,341-343
③p357-363
動画教材「平澤恵美子他監修、新訂版 写真でわかる母性看護技術 アドバンス 、インターメディカ、 2020」吸着(ラッチ・オン)、手による搾乳の実際
モデル人形(装着用乳房モデル、乳汁分泌モデル、新生児人形)
コマ主題細目 ① 乳房と乳頭の観察 ② 乳房の触診方法 ③ 母乳育児支援
細目レベル ① 乳房の解剖生理を復習したうえで、進行性変化の観察として、乳房・乳頭の形態の観察と判断基準、乳房・乳頭の柔らかさ、伸展性、乳管開通数、乳汁分泌などを観察するための触診方法と判断基準について、動画の視聴やモデル人形を用いた演習にて必要な知識・技術を学ぶ。
乳房の大きさは、乳頭を中心にして上・下に分け、上・下の比率によって1~Ⅲ型に分類される。大きさ・型の把握は、乳汁分泌の予測や授乳時の児の抱き方を助言する際に役に立つ。乳頭・乳輪のやわらかさや乳頭の形・大きさは、児が直接乳頭・乳輪をくわえ、舌を使ってそれを口蓋に押しつけ乳汁をしごきだし、口腔内を陰圧にして吸い出すことに影響する。乳頭が、突出、扁平、陥没(仮性陥没・真性陥没)のどのタイプであるか、また児の舌でとらえることが可能な大きさであるかを、直接授乳の方法や援助のための情報として収集する。さらに、乳頭・乳輪部の伸展性のよいことが児の吸啜のしやすさにつながるため、伸びの目安となるやわらかさについても把握する。乳頭部の亀裂や痛みは、直接授乳が褥婦にとって苦痛となるため、その有無や程度の確認・観察が必要である。

② 母乳分泌の機序をプロラクチン、オキシトシンなど関連するホルモンの作用も含めて復習したうえで、乳房の触診方法と判断基準について、動画の視聴やモデル人形を用いた演習にて、必要な知識と技術を学ぶ。乳房のはりや緊張の度合いの触診は、乳房内の乳汁の産生や排出の状態を把握するために行う。乳頭緊満は、血液とリンパが乳腺や周囲組織に増加し、乳房がかたく触れ、熱感や圧痛を伴う状態をいい、通常産褥3~4日目ごろに生じる。これは、乳汁を作り出す作用が急激におきているための反応であり、分泌された乳汁が排出されず、乳管内に乳汁がたまった状態を示す乳汁うっ滞とは異なる。乳房緊満や、乳管の閉塞による乳汁うっ滞、乳腺炎は乳房の痛みを生じるため、痛みの部位・程度・症状を把握する。乳汁の分泌状態については、乳輪部を圧迫して乳汁の排出の状態や乳管の開口数、授乳前後の乳房のはりや緊張の度合いを比較することで、分泌状態や乳管の開通状態を推測する。直接授乳を行っている場合は、児の授乳回数や授乳間隔により、児の要求する量を分泌できているかを判断することができる。
③ 授乳時の抱き方や乳房に対する児の位置(ラッチオンとポジショニング)について、モデル人形を用いて演習を行う。授乳にあたっては、まず母児にあった授乳方法を決定することが必要である。直接授乳では、母親が児を乳房に対して正しい位置に抱くことができるようにする。正しく位置している児の口唇は朝顔の花びらのように外側に開いている。正しい位置に抱くことは、吸啜力を強めて圧を十分に加えることができるため、哺乳量を増加させることにつながる。さらに乳頭が児の口腔の奥に位置するため、乳頭の先に偏った圧が加わることがなく、乳頭の亀裂が生じにくくなる。また、乳房の形態によって、飲ませやすい抱き方があること、抱き方によって吸啜時の圧の加わり方が異なることから、母児の状況に合わせて抱き方を検討して助言する必要がある。
また、直接授乳できない場合には、搾乳(母乳をしぼる)を行う。搾乳には、用手搾乳法と搾乳ポンプを用いる方法がある。動画の視聴にて用手搾乳法を学び、手の当て方や圧のかけ方についてはモデル人形を用いて演習を行う。

キーワード ① 進行性変化 ② 乳房・乳頭の型 ③ 母乳育児支援 ④ ラッチオン ⑤ ポジショニング
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:この回で学んだ援助技術について振り返りを行い、ワークシートを記入する。援助者、褥婦両方の立場で振り返りを行い、乳房・乳頭の触診、授乳介助、搾乳法の技術を実施する際の目的、手順、留意点とその根拠について理解する。不明点は、演習で配布した資料と教科書の該当ページをよく読み、追加学習を行う。また、オフィスアワーなどに個別に質問に来るなどして解決しておく。
予習課題:関連科目である母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲの産褥の生理と看護の部分を復習し、テキスト「系統看護学講座 母性看護学各論 母性看護学②」の第6章を読んでおく。事例のアセスメントについて教員から返却されたコメントにより、修正し、不明点を明確にする。事例(正常褥婦)について、グループで看護計画の立案ができるように、教科書を用いて事前学習をしておく。

10 褥婦の看護計画の立案,保健指導案作成 科目の中での位置付け 本科目は、母性看護学概論および母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲで学んだ妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期にある対象(とその家族)の特徴を復習しながら、各期の対象の看護過程と看護の実際についての知識と技術を学ぶことを目的としている。
第1回では、母性看護における看護過程の考え方であるウェルネス志向やウェルネス看護診断について学ぶ。第2回では、妊娠期、産褥期、分娩期、新生児期の具体的なアセスメントの視点を学ぶ。第3回では、妊娠期のケアに必要な技術を習得する。第4回では、妊娠期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第5回では、産婦のケア技術について学ぶ。第6回では、妊娠期の事例の看護計画を立案する。第7回では、産褥期のケア技術のうち、退行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第8回では、産褥期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第9回では、産褥期のケア技術のうち、進行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第10回では、産褥期の事例の看護計画を立案する。第11回では、新生児の観察とアセスメントに必要な技術を習得する。第12回では、新生児の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第13回では、新生児のケアのうち、沐浴を中心とした育児技術を習得する。第14回では、産褥期の看護計画に基づいた保健指導案を作成する。第15回では、第14回で作成した保健指導案を発表し、全体で共有するとともに、妊娠期から産褥期・新生児期までの看護過程についてのまとめを行う。
第10回では、第8回までにアセスメントを行った産褥期の事例の看護診断を確定し、グループでディスカッションして看護目標を立て、看護計画を立案する。看護目標及び看護計画は、アセスメント結果をもとに個別性に応じたものになるように工夫する。また、正常褥婦のアセスメント・看護計画を振り返りつつ、帝王切開術後の褥婦のアセスメント・看護計画のポイントを学ぶ。

事例資料
テキスト
太田操編著:ウェルネスの視点にもとづく母性看護過程 第4版、医歯薬出版株式会社、
2024
①~④p95-97
⑤P115-124
森恵美他:系統看護学講座 母性看護学各論 母性看護学②、医学書院、2025
①~④第6章P322~378、
⑤第7章P472~482
コマ主題細目 ① 退行性変化を促す看護計画 ② 母乳育児支援に関する看護計画 ③ 母親役割の獲得に関する看護計画 ④ 保健指導案の作成 ⑤ 帝王切開術後の褥婦のアセスメントと看護計画のポイント
細目レベル ① 退行性変化に関する看護診断に対し、事例の状態に応じた看護目標をたて、必要な観察計画(OP)、退行性変化を促すケア計画(TP)、退行性変化を促進するためのセルフケアに関する教育計画(EP)を立案する。観察計画(OP)では、1)産褥期の復古は産褥日数に応じて順調か2)全身の回復状態は産褥日数に応じて順調か3)退行性変化に影響する因子はどうか4)退行性変化を促すためのセルフケア行動はとれているか、の4つのアセスメントの視点うち、日々変化しうる状態の観察項目を計画に入れる。その他、アセスメントで明らかになった個別性を考慮し、特に詳しく観察すべき点を明らかにする。退行性変化を促すケア計画(TP)では、共に実施したり、声かけを行ったり、訴えを傾聴するなど、褥婦のセルフケア能力を活かし、高める内容を意識する。また、退行性変化を促進するためのセルフケアに関する教育計画(EP)では、褥婦の状態にあった内容で、かつ具体的で実行可能な教育計画を立案する。また、入院中だけでなく退院後の生活を見据えた内容とする。
② 進行性変化に関する看護診断に対し、事例の状態に応じた看護目標を立て、母乳育児支援のために必要な母子の観察計画(OP)、進行性変化を促進するケアと授乳支援に関するケア(TP)、授乳に関するセルフケアを促す教育計画(EP)を立案する。観察計画(OP)では、1)乳房の状態はどうか2)授乳状況はどうか3)乳汁分泌や授乳に影響する因子はどうか4)進行性変化を促すためのセルフケア行動はとれているかの4つのアセスメントの視点うち、日々変化しうる状態の観察項目を計画に入れる。その他、アセスメントで明らかになった個別性を考慮し、特に詳しく観察すべき点を明らかにする。進行性変化を促すケアと授乳支援に関するケア(TP)については、授乳介助の他、声かけや、訴えの傾聴や共感など、褥婦のセルフケア能力を活かし、高める内容や、褥婦の自己肯定感を高める関わりを意識する。また、退行性変化を促進するためのセルフケアに関する教育計画(EP)では、褥婦の状態にあった内容で、かつ具体的で実行可能な教育計画を立案する。また、入院中だけでなく退院後の児の成長や生活の中での母乳育児を見据えた内容とする。
③ 母親役割の獲得に関する看護診断に対し、事例の状態に応じた看護目標を立て、母親役割獲得のために必要な母子の観察計画(OP)、母親役割獲得を促進するためのケア計画(TP)、母親役割獲得を支援する教育計画(EP)を立案する。観察計画(OP)では、1)産後の心理状態2)母親への適応過程、3)心理・適応過程に影響する因子、4)父親や家族の適応過程、5)出産後の生活の変化の理解度、6)社会資源や制度の理解度や活用状況などのうち日々変化しうる状態の観察項目を計画に入れる。その他、アセスメントで明らかになった個別性を考慮し、特に詳しく観察すべき点を明らかにする。母親役割獲得を促進するためのケア計画(TP)では、声かけや、訴えの傾聴や共感などで褥婦に寄り添い、褥婦や家族のセルフケア能力を活かし、自己肯定感を高める関わりを意識する。(EP)では、褥婦や家族の状態、退院後の環境にあった内容で、かつ具体的で実行可能な教育計画を立案する。また、入院中だけでなく退院後の児の成長や生活の中での育児を見据えた内容とする。
④ 立案した看護計画のうち対象事例にとって必要度の高い保健指導テーマをグループでディスカッションし、保健指導案を立案する。保健指導案は所定の様式を用いてテーマ、設定時間、対象、場所、使用媒体、指導方法、指導上の留意点、指導時の確認事項などを明確にして具体的に立案する。例として、退行性変化に関する看護計画の一部である「産褥早期(入院中)の退行性変化を促すセルフケア」や「退院後の褥婦の生活指導」、母乳育児支援に関する看護計画の一部である「授乳時の抱き方・含ませ方」「母乳不足の見分け方」「母乳育児に良い食事」「乳房・乳頭トラブル時の対応」、母親役割獲得に関する看護計画の一部である育児に関する指導として「新生児の生理」、「沐浴について」などのテーマが挙げられる。第10回でテーマを決定して保健指導案の作成を開始し、第15回の保健指導案の発表とデモストレーションに向けての準備を行う。
⑤ 帝王切開術後の褥婦のアセスメントは、正常褥婦と同様のアセスメント項目(退行性変化、進行性変化、心理・適応過程、家族・適応過程、生活・社会環境)でアセスメントを行う。アセスメントの視点についても同様である。しかし、帝王切開術は母体側か胎児側、あるいは母子双方に経腟分娩できない原因があるか、経腟分娩では胎児・産婦の生命の危機がある場合に適応されるため、妊娠中、術前、術中、術後の経過について母子のアセスメントする必要がある。また、術前の看護で重要なことは、手術による分娩を受け入れ、心身の準備をすることである。そのために十分な術前オリエンテーション(手術前の処置準備、麻酔、帝王切開の流れ、手術前後の過ごし方、スケジュールなど)を行い妊婦が安心して帝王切開による出産に臨めるようにする。また、帝王切開術後の合併症予防に努める。一般の開腹手術後の合併症とほぼ同様に、再出血、縫合不全、創部感染、肺塞栓症、腸閉塞、肺水腫、麻酔に伴う合併症、子宮復古不全などがある。特に妊婦は開腹手術により血栓症のリスクが高まるため、母体死亡に繋がる肺塞栓症(血栓、羊水、脂肪などによる)は最も注意すべきであり、その予防が重要となる。術後の身体回復への看護としては、早期離床、排尿の確認と便秘予防、創部の管理と感染予防、疼痛緩和を行う。また、母子の愛着形成のためできるだけ早期に母子接触を行い、母子のスキンシップやアイコンタクトなどの愛着行動を推進する。また、帝王切開術は、経腟分娩と違って陣痛がなく、自分がいきんで産んだという体験がないことから、「自分で産んだ実感がない」という母親も多く、思い描いていた出産とはかなり異なる帝王切開になってしまったことで落胆をし、「自分のせいである」と自責の念や無力感にとらわれる母親もいる。出産体験の振り返りと統合を行う事で、褥婦が出産体験の意味を見出し、母親として、我が子の安全な誕生のために帝王切開を選択して、子どもを産んだと思えるように関わることが重要である。また、母乳育児については、手術による侵襲や疲労からの回復状況をアセスメントしたうえで開始し、創部を圧迫しない姿勢(半座位、フットボール抱きなど)で授乳を行えるよう介助する。
キーワード ① 看護計画 ② 退行性変化 ③ 母乳育児支援 ④ 母親役割獲得 ⑤ 帝王切開術後の褥婦
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:第10回終了時に完成した看護計画および保健指導案のテーマを提出する。看護計画については第11回または12回に教員がコメントと共に返却するため、必要時追記・修正を行う。保健指導案については第12回、第14回に完成させ、第15回までに保健指導案の発表とデモストレーションができるようにグループで課題を進める。提示した帝王切開術後の事例について、後期の母性看護学実習オリエンテーション時までに各自でアセスメント、看護計画の立案を行う。
予習課題:関連科目である母性看護学概論、母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲの新生児の生理、アセスメントについて復習しておく。また、教科書の第5章をよく読み、特に各新生児の観察項目の正常値を押さえておく。また、P603~605の動画[9新生児の原始反射][10新生児黄疸の経皮ビリルビン測定法][11バイタルサインの測定技術(人形)][12バイタルサインの測定技術][13身体計測技術(人形)][14身体計測技術][15新生児の全身観察(人形)][16新生児の全身観察][17オルトラーニ法による股関節の診断]を予め視聴しておく。

11 新生児ケア技術演習1       (新生児の身体計測、バイタルサイン測定、全身観察) 科目の中での位置付け 本科目は、母性看護学概論および母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲで学んだ妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期にある対象(とその家族)の特徴を復習しながら、各期の対象の看護過程と看護の実際についての知識と技術を学ぶことを目的としている。
第1回では、母性看護における看護過程の考え方であるウェルネス志向やウェルネス看護診断について学ぶ。第2回では、妊娠期、産褥期、分娩期、新生児期の具体的なアセスメントの視点を学ぶ。第3回では、妊娠期のケアに必要な技術を習得する。第4回では、妊娠期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第5回では、産婦のケア技術について学ぶ。第6回では、妊娠期の事例の看護計画を立案する。第7回では、産褥期のケア技術のうち、退行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第8回では、産褥期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第9回では、産褥期のケア技術のうち、進行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第10回では、産褥期の事例の看護計画を立案する。第11回では、新生児の観察とアセスメントに必要な技術を習得する。第12回では、新生児の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第13回では、新生児のケアのうち、沐浴を中心とした育児技術を習得する。第14回では、産褥期の看護計画に基づいた保健指導案を作成する。第15回では、第14回で作成した保健指導案を発表し、全体で共有するとともに、妊娠期から産褥期・新生児期までの看護過程についてのまとめを行う。
第11回の本時では、新生児の観察とアセスメントに必要な技術を習得する。新生児のモデル人形を用いての身体計測、バイタルサインの測定、全身観察の演習を行い、新生児のケアを行う際の原則や留意点などを理解し、アセスメントに必要な知識と技術を習得する。

パワーポイント資料
コマ用オリジナル資料、プリント
テキスト
森恵美他:系統看護学講座 母性看護学各論 母性看護学②、医学書院、2025
①p281-286,306,308
②p294,296-297
③p297-305
動画教材「平澤恵美子他監修、新訂版 写真でわかる母性看護技術 アドバンス 、インターメディカ、 2020」健康な新生児の全身観察、新生児の身体計測
モデル人形(新生児)
コマ主題細目 ① 新生児の身体的特徴とケアの留意点 ② 新生児の身体計測 ③ 新生児のバイタルサイン測定 ④ 新生児の全身観察
細目レベル ① 新生児は、言語で自分の気持ちや苦痛を伝えることができないため、侵襲に対して敏感でストレスを感じやすい。看護師は、その生理的特徴、身体的・心理的特徴を理解して、ケアを行う必要がある。たとえば、体温調節機能が未熟であり、低体温になりやすいため、観察やケアの際に環境温度や保温に気を付ける必要がある。新生児の感情は泣きの強弱に現れており、泣きによってコミュニケーションが徐々に成り立っていく。新生児に関わる際は、おおらかで優しい気持ちで関わることが大切である。また、泣き声を観察することは、異常の早期発見に繋がる。わずかな変化でも重症化につながることがあるため、何か変だと感じる場面は注意深く観察し、適切な対応が必要となる。
② 出生直後に行われる新生児の身体計測の目的を理解し、モデル人形を用いて体重、身長、頭囲、胸囲の計測を安全に実施する方法を習得し、各計測結果についてのアセスメント方法を理解する。特に体重については生理的体重減少率の計算を行ったうえでアセスメントを行う。新生児の身体計測は、出生時の発育基準を知り、その後の発育異常を観察する重要な指標となる。また測定値と標準値の比較によって、異常の早期発見や危険の予測ができる。出生時に計測した体重、身長、頭囲は、在胎週数に応じて胎児発育曲線に記入し、胎児発育を評価する。
体重は、哺乳前の安静時に、原則として全裸にして測定する。体重計は0位を確認し、体重計の中央に児を乗せ、指針が静止してから目盛りを読む。計測単位は1g単位まで計測する。
身長は、児の仰臥位にして計測する。2人1組になり、補助者は新生児の眼窩点と耳珠点とを結んだ直線が台板(水平面)に垂直になるよう頭頂部を固定版につけ、顔が正面に向くように保つ。計測者は、新生児の頭に近いほうの手で新生児の顔が正面を向くように保つ。計測者は新生児の頭に近いほうの手で新生児の両膝を軽く台板に抑えて下肢を伸展させ、もう一方の手で測定に移動板をあて、1㎜単位まで計測する。
胸囲は、上半身を裸にし、仰臥位にて計測する。巻き尺を後ろに回し、両肩甲骨のすぐ下を通るようにし、前は乳頭のすぐ上あるいは左右の乳頭を通る周囲径を1㎜単位で計測する。
頭囲は、仰臥位で前方の左右の眉の直上(眼窩上縁)、後方は後頭部の一番突出している点(後頭結節)を通る周径を巻尺で、1㎜単位まで計測する。

③ 新生児の全身観察の目的を理解し、保温に留意しながら安全に全身観察を行うための手技を習得する。新生児の観察では、視診を行いながら聴診や触診を行うのが良い。新生児に過度な負担をかけないように、聴診、触診、うつぶせにして背部の視診、あおむけにして反射の観察、全身の視診、の順序で行う。いずれの観察も観察項目と照らし合わせながら実施し、見落としがないように注意する。また、外表奇形、とくに小奇形の有無もよく観察する。
聴診では、聴診器により呼吸・心拍数やリズム、雑音の有無を測定する。新生児が泣いていないときに行う。看護師が行う日々の観察では、呼吸・心拍数に加え、腋窩または頸部にて体温の測定を行う。呼吸数の測定については、聴診の前に胸部と腹部の同調する動きを見て測定する方法もある。触診では、頭部、頸部、腹部の触診を行う。うつぶせ寝での視診は、背部の観察を行う。あおむけでの反射の観察では、引き起こし反射やモロー反射の確認を行う。全身の視診では、姿勢、顔面、手足の動かし方、性器を観察する。
以上の手技をモデル人形にて演習し、得られたデータを各自でアセスメントする。

キーワード ① 出生直後の新生児の観察とケア ② 新生児の身体計測 ③ 新生児のヘルスアセスメント
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:この回で学んだ援助技術について振り返りを行い、ワークシートを記入する。援助者、客観的評価者両方の立場で振り返りを行い、各技術を実施する際の目的、手順、留意点とその根拠について理解する。特に、新生児看護で留意すべき点である保温については、その根拠とともに押さえておく。不明点は、演習で配布した資料と教科書の第5章を読み、追加学習を行う。
予習課題:関連科目である母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲの新生児の生理と看護の部分、について復習しておく。また、第1回、第2回の講義内容を振り返り、母性看護過程の特徴、新生児期にある対象のアセスメント項目、アセスメントの視点について復習し、事前に提示した産褥期にある対象母子とその家族の事例(正常分娩後の事例)について、新生児を中心とした視点で個人ワークにて可能な限りアセスメントを進め、アセスメントの結論や看護診断についてグループで話し合いができるように準備をしておく。

12 新生児のアセスメントと看護診断の明確化、看護計画の立案 科目の中での位置付け 本科目は、母性看護学概論および母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲで学んだ妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期にある対象(とその家族)の特徴を復習しながら、各期の対象の看護過程と看護の実際についての知識と技術を学ぶことを目的としている。
第1回では、母性看護における看護過程の考え方であるウェルネス志向やウェルネス看護診断について学ぶ。第2回では、妊娠期、産褥期、分娩期、新生児期の具体的なアセスメントの視点を学ぶ。第3回では、妊娠期のケアに必要な技術を習得する。第4回では、妊娠期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第5回では、産婦のケア技術について学ぶ。第6回では、妊娠期の事例の看護計画を立案する。第7回では、産褥期のケア技術のうち、退行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第8回では、産褥期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第9回では、産褥期のケア技術のうち、進行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第10回では、産褥期の事例の看護計画を立案する。第11回では、新生児の観察とアセスメントに必要な技術を習得する。第12回では、新生児の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第13回では、新生児のケアのうち、沐浴を中心とした育児技術を習得する。第14回では、産褥期の看護計画に基づいた保健指導案を作成する。第15回では、第14回で作成した保健指導案を発表し、全体で共有するとともに、妊娠期から産褥期・新生児期までの看護過程についてのまとめを行う。
第12回の本時では、新生児の事例のアセスメント方法を学ぶ。第8回、第9回で看護過程を展開している事例の新生児について、新生児のアセスメント項目と必要な視点を再確認し具体的なアセスメント方法を学ぶ。また、アセスメントの結論を統合し、各アセスメント項目に関する看護診断を導き出す。

事例資料
テキスト
太田操編著:ウェルネスの視点にもとづく母性看護過程 第4版、医歯薬出版株式会社、
2024 
①~⑤P129-137
森恵美他:系統看護学講座 母性看護学各論 母性看護学②、医学書院、2025
①~⑤第5章P262~320
コマ主題細目 ① 健康状態のアセスメント ② 成長・発達のアセスメント ③ 栄養・養護のアセスメント ④ 家族・適応過程、生活環境のアセスメント ⑤ 看護計画の立案
細目レベル ① 健康状態のアセスメントでは、1)出生直後(2時間)の状態はどうか、2)子宮外生活への適応状態はどうか、の2つの視点に基づきアセスメントを行う。1)出生直後(2時間)の状態はどうか、のアセスメントでは、出生直後の状態に影響する因子(妊娠・分娩経過など)、呼吸・循環動態の確立に関する情報(アプガースコアやバイタルサインなど)、奇形・分娩外傷の有無と程度についての情報を収集し、整理する。2)子宮外生活への適応状態はどうか、のアセスメントでは、呼吸・循環動態(日々のバイタルサインの変化や皮膚色・冷感など)、消化・吸収の状態(排泄、哺乳機能、哺乳状況)、水分代謝・腎機能(排尿、体重の変化、浮腫)、ビリルビン代謝(肉眼的皮膚黄染、経皮的ビリルビン値、血清ビリルビン値)、生理的特徴(全身の外観、皮膚、頭部・顔面、頸部、胸・腹部、臍帯、背部、外陰部・肛門、四肢など)などの情報を収集し、整理する。以上の視点それぞれについてアセスメントを行い、アセスメント内容の結論を導き出し、それらを統合して看護診断を導き出す。
② 成長・発達のアセスメントでは、1)身体の発育状態・成熟状態はどうか、2)精神・運動発達状態はどうか、3)成長・発達に影響する因子はないか、の3つの視点に基づきアセスメントを行う。1)身体の発育状態・成熟状態はどうか、のアセスメントでは、身体計測値(身長、体重、頭囲、胸囲)、成熟度(在胎週数、身体所見、デュボビッツ法)、感覚器官、性別の情報を収集し、整理する。2)精神・運動発達の状態はどうか、のアセスメントでは、原始反射、姿勢、筋緊張、四肢・全身の動き、顔つき、泣き声、意識レベルについての情報を収集し、整理する。3)成長・発達に影響する因子はないか、のアセスメントでは、母体因子・家族歴(遺伝疾患など)、妊娠・分娩経過、先天性代謝異常の有無の情報を収集し、整理する。以上の視点それぞれについてアセスメントを行い、アセスメント内容の結論を導き出し、それらを統合して看護診断を導き出す。
③ 栄養・養護のアセスメントでは、1)栄養状態はどうか、2)適切な養護を受けているか、の2つの視点に基づきアセスメントを行う。1)栄養状態はどうか、のアセスメントでは、哺乳状態(哺乳機能、哺乳を阻害する因子)、授乳状況(哺乳の開始時期、哺乳間隔、回数、哺乳時間、哺乳量、栄養の種類、覚醒状態)、全身状態(体重の変化、脱水症状の有無など)についての情報を収集し、整理する。2)適切な養護を受けているか、のアセスメントでは、保温(温度・湿度などの環境、寝具・衣類による調整)、清潔(沐浴、清拭、臍処置、衣類)、事故防止の状況(母子標識、感染、熱傷、転落、誤嚥・窒息など)、母親の養育態度、反応や応答性についての情報を収集し、整理する。以上の視点それぞれについてアセスメントを行い、アセスメント内容の結論を導き出し、それらを統合して看護診断を導き出す。
④ 家族・適応過程のアセスメントでは、1)母子関係はどうか、2)父子関係はどうか、3)家族関係はどうか、の3つの視点に基づきアセスメントを行う。1)母子関係はどうか、のアセスメントでは、愛着行動(泣く、吸う、目で追うなど)、母親の養育行動(児の基本的欲求を満たす行動)についての情報を収集し、整理する。2)父子関係はどうか、のアセスメントでは、父親と児の愛着行動、父親の養育行動についての情報を収集し、整理する。3)家族関係はどうか、のアセスメントでは、児の受容、役割の変化、家族の協力体勢についての情報を収集し、整理する。以上の視点それぞれについてアセスメントを行い、アセスメント内容の結論を導き出し、それらを統合して看護診断を導き出す。
生活環境のアセスメントでは、1)入院中の環境は適切か、2)退院後の環境はどうか、の2つの視点に基づきアセスメントを行う。1)入院中の環境は適切か、のアセスメントでは、母子同室か異室か、室内の清潔・整頓の状況、室温・湿度、照明・採光についての情報を収集し、整理する。2)退院後の環境はどうか、のアセスメントでは、退院後に生活する場は自宅か実家か、それぞれの生活環境として住居環境、地域環境についての情報を収集し、整理する。新生児のアセスメントでは、すべての項目において母親や家族との関連が深いため、褥婦のアセスメントを行った内容を参考に、新生児側の視点でアセスメントを行う。以上の視点それぞれについてアセスメントを行い、アセスメント内容の結論を導き出し、それらを統合して看護診断を導き出す。

⑤ 看護計画の立案として、例えば健康状態に関するウェルネスの看護診断であれば、「子宮外生活への適応は順調である」という診断を挙げ、看護目標には今後も生理的経過が順調に進むことだけでなく、主な養育者である母親を主語とした目標を挙げて看護計画を立案する。例えば、母親が児の子宮外生活への適応状態を観察できる、母子同室での環境調整が適切にできる、などである。看護計画では新生児の身体的な観察だけでなく、母親の育児状況や養育環境も観察し、EPは沐浴をはじめとした育児技術など、母親や父親その他の家族に向けての教育計画を立案する。
キーワード ① 子宮外生活への適応 ② 成長・発達 ③ 栄養・養護 ④ 母子関係 ⑤ 父子・家族関係
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:第12回終了後に新生児のアセスメントを教員が指定した期限までに提出する。講義で解説した内容を考慮して実習までに追記・修正を行う。また、不明点は教員との質疑応答にて解決する。看護計画については、正常褥婦の看護計画と関連付け、グループワークまでに個人で案を作成しておく。
予習課題:関連科目である母性看護学概論、母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲの新生児の生理、アセスメントについて復習しておく。また、教科書の第5章、特にP305~317をよく読み、新生児の看護における医療・育児指導と育児支援の視点、新生児の出生後から退院までの看護内容を復習する。また、各看護項目の手順と留意点を抑え、P607~609の動画[18おむつ交換(人形)][20沐浴の手順(人形)][21沐浴の手順][22新生児の抱き方(人形)][23新生児の抱き方][25排気法(人形)][26排気法]を予め視聴しておく。

13 新生児ケア技術演習2            新生児の育児技術 科目の中での位置付け 本科目は、母性看護学概論および母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲで学んだ妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期にある対象(とその家族)の特徴を復習しながら、各期の対象の看護過程と看護の実際についての知識と技術を学ぶことを目的としている。
第1回では、母性看護における看護過程の考え方であるウェルネス志向やウェルネス看護診断について学ぶ。第2回では、妊娠期、産褥期、分娩期、新生児期の具体的なアセスメントの視点を学ぶ。第3回では、妊娠期のケアに必要な技術を習得する。第4回では、妊娠期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第5回では、産婦のケア技術について学ぶ。第6回では、妊娠期の事例の看護計画を立案する。第7回では、産褥期のケア技術のうち、退行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第8回では、産褥期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第9回では、産褥期のケア技術のうち、進行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第10回では、産褥期の事例の看護計画を立案する。第11回では、新生児の観察とアセスメントに必要な技術を習得する。第12回では、新生児の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第13回では、新生児のケアのうち、沐浴を中心とした育児技術を習得する。第14回では、産褥期の看護計画に基づいた保健指導案を作成する。第15回では、第14回で作成した保健指導案を発表し、全体で共有するとともに、妊娠期から産褥期・新生児期までの看護過程についてのまとめを行う。
第13回の本時では、新生児のケアのうち、沐浴を中心とした育児技術を習得する。新生児のモデル人形を用いて、沐浴、おむつ交換、哺乳瓶を用いた授乳を安全に行うための演習を行い、その留意点や根拠を含めた知識・技術を習得する。

パワーポイント資料
コマ用オリジナル資料、プリント
テキスト
森恵美他:系統看護学講座 母性看護学各論 母性看護学②、医学書院、2025
①p315-316,p609(排気法の動画)
②p363,p607(おむつ交換の動画)
③p308-314,363,607(沐浴の動画)
④第5章P305~317、607~609
動画教材「平澤恵美子他監修、新訂版 写真でわかる母性看護技術 アドバンス 、インターメディカ、 2020」新生児の清潔ケアー沐浴、着替え、おむつ交換
モデル人形(新生児)
コマ主題細目 ① 新生児の栄養(授乳) ② 新生児のおむつ交換 ③ 新生児の清潔ケア(沐浴)
細目レベル ① 調乳の留意点と方法、搾乳した母乳やミルクの哺乳瓶による授乳における留意点を確認し、モデル人形を用いて安全に授乳の手技を習得する。また、授乳後の排気方法を実践し、安全に実施できる手技を習得する。新生児の栄養方法としては、母乳・人工栄養・混合栄養がある。本来、児は母乳で哺育されるのが自然であるが、母乳哺育が困難な場合は人工栄養を行う。安易に人工栄養を行うのではなく、出生直後には母乳での哺育確立に努めることが重要であることを踏まえて、今回の演習では、搾乳した母乳の哺乳瓶での授乳や、人工栄養が必要な場合の授乳の手技を学ぶ。
まず授乳前に母親の状態および意思を確認したうえで栄養法を決定する。哺乳前に新生児のおむつが汚れていないか確認し、汚れていれば交換してから授乳を行う。児の熱傷予防のために搾乳またはミルクの温度が適温かを前腕で確認し、ディスポーザブル手袋を装着してから授乳を行う。授乳の際は、新生児を抱いて首元にガーゼハンカチを置き、乳首を新生児の口元付近にあて、探索反射に合わせて舌の上に乳首を乗せて、新生児が吸啜するのを確認する。また、新生児ができるだけ空気を飲み込まないようにするため、哺乳瓶を45度程度に傾けて授乳し、ミルクがなくなったら看護師の指で新生児の顎を少し下げるか、哺乳瓶を水平または垂直にするようにして新生児の口腔内の陰圧を解除して乳首を外す。授乳終了後は溢乳・嘔吐の予防のために十分な排気を行う。排気が十分でない場合は、溢乳・嘔吐物を誤嚥しないように、新生児の顔を横に受けるか、側臥位にする。また、コットの頭部を少し挙上して寝かせる。

② 新生児の排泄について復習し、おむつ交換の時期、方法、留意点を確認し、モデル人形を用いて安全に実施するための技術を習得する。おむつ交換の目的は、排泄状態に異常がないかを観察するとともに、便や尿の汚染によるおむつ皮膚炎(かぶれ)を防ぐことにある。排便や排尿がみられた時や、哺乳前や啼泣している時はおむつ内を確認して排泄していた時に交換を行う。
まず、室温・湿度や空調の風の向きなどの環境を整え、看護師は衛生学的手洗いを行い、ディスポーザブル手袋を装着しておむつ(紙おむつまたは布おむつとおむつカバー)、おしり拭き、ナイロン袋を用意する。新生児(母子同室の場合は母親と新生児)におむつ交換することを伝えてから、掛け物を取り除いて長着と肌着をたくし上げておむつを手前に広げる。排泄された便や尿、外陰部や肛門周辺の皮膚の状態の観察を行い、陰部をきれいにふき取る。拭き取ったおしり拭きを汚れたおむつの中に入れて丸め、もう1方の手で新生児の殿部を持ち上げて汚れたおむつを抜き取る。新しいおむつの上に新生児の殿部をのせ、臍の下でまとまるようにして指が1~2本入る程度の強さで当てる。おむつ交換の際には、保温、感染防止、股関節に負担をかけないように注意する。

③ 沐浴の目的、準備物品、留意点を確認し、モデル人形を用いて安全に実施するための手技を習得する。また、新しい沐浴方法やドライテクニック等様々な清潔ケアの方法、その利点や留意点も含めて理解し、一部実施する。ドライテクニックは、沐浴より熱の喪失が少なく皮膚感染症を防ぐことなどが利点である。新生児の状態を十分にアセスメントしたうえで、どの方法を選択するかを判断することが重要である。
沐浴の目的は、身体の清潔、血行の促進、全身の観察である。必要物品を過不足なく揃え、湯の温度、室温・湿度を調整し、湯上り時に使用するタオル、衣類なども準備しておく。新生児の保温、身体的負担を軽減するために、沐浴時間は5分以内とする。新生児の熱傷予防のために、湯の温度は沐浴直前に湯温計または実施者の肘関節内側の皮膚で確認する。また、沐浴中には新生児を十分観察し、事故防止に細心の注意を払う。汚れやすい頸部、腋窩などのくびれ部分や殿部を意識的に丁寧に洗い、沐浴時間を延長させない。手順は、新生児を足からゆっくりと湯につけて、仰臥位で顔面→頭部→頸部→腋窩→上肢→胸腹部→下肢の順に手早く洗う。その後、新生児を腹ばいにして背部、殿部を洗う。再び仰臥位に戻し、最後に陰部・肛門を洗い、肩まで湯につかって温まった後、上がり湯をして沐浴を終了する。湯上りはバスタオルで抑えるように拭き、おむつをあて、臍処置をし、衣類を着せる。頭髪を整え、耳・鼻を綿棒で拭く。沐浴後は湯さましや母乳を与え、保温に注意する。

キーワード ① 哺乳瓶による授乳 ② 排気法 ③ おむつ交換 ④ 沐浴
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:この回で学んだ援助技術について振り返りを行い、ワークシートを記入する。援助者、客観的評価者両方の立場で振り返りを行い、各技術を実施する際の目的、手順、留意点とその根拠について復習する。演習時の不明点は、演習で配布した資料と教科書の第5章を読み、追加学習を行うとともに、担当教員に質問するなどして解決しておく。
予習課題:これまで事例展開して看護計画を立案している内容のEPに加え、母性看護援助論Ⅰの講義や母性看護援助論Ⅱの演習にて学んだ褥婦と新生児の生理や援助技術の実際について復習しておく。褥婦への退院指導のうち、褥婦の生活指導、産褥体操、新生児の生理と観察、沐浴について、指導に必要な内容を整理する。またその内容を具体的にどのような方法で保健指導を行うかについても考える。

14 褥婦の保健指導案の作成、発表準備 科目の中での位置付け 本科目は、母性看護学概論および母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲで学んだ妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期にある対象(とその家族)の特徴を復習しながら、各期の対象の看護過程と看護の実際についての知識と技術を学ぶことを目的としている。
第1回では、母性看護における看護過程の考え方であるウェルネス志向やウェルネス看護診断について学ぶ。第2回では、妊娠期、産褥期、分娩期、新生児期の具体的なアセスメントの視点を学ぶ。第3回では、妊娠期のケアに必要な技術を習得する。第4回では、妊娠期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第5回では、産婦のケア技術について学ぶ。第6回では、妊娠期の事例の看護計画を立案する。第7回では、産褥期のケア技術のうち、退行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第8回では、産褥期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第9回では、産褥期のケア技術のうち、進行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第10回では、産褥期の事例の看護計画を立案する。第11回では、新生児の観察とアセスメントに必要な技術を習得する。第12回では、新生児の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第13回では、新生児のケアのうち、沐浴を中心とした育児技術を習得する。第14回では、産褥期の看護計画に基づいた保健指導案を作成する。第15回では、第14回で作成した保健指導案を発表し、全体で共有するとともに、妊娠期から産褥期・新生児期までの看護過程についてのまとめを行う。
第14回の本時では、グループにて産褥期の看護計画に基づいた保健指導案を作成し、第15回で全体共有のための発表ができるよう準備を整える。産褥期の母子とその家族に行う保健指導のうち、退院後も含めた褥婦の生活指導、産褥体操、新生児の生理と観察法、沐浴のついての保健指導内容と効果的な指導方法についての案を作成する。

テキスト
森恵美他:系統看護学講座 母性看護学各論 母性看護学②、医学書院、2025
①p345-378
②p347-349
③p262-281,317-320,363
④p308-315
各自のパソコン
コマ主題細目 ① 産褥期の生活指導 ② 産褥体操 ③ 新生児の生理と観察 ④ 沐浴指導
細目レベル ① 産褥期には、褥婦の健康管理に関する産褥期の生活指導や産褥体操の他、母乳育児支援、新生児の育児を行う上で必要な新生児の生理と観察、沐浴等の育児技術について保健指導を行う。産褥期の生活指導では、褥婦が自らの身体的変化を理解し、退院後も含めて褥婦自身の健康管理が行えるように、退行性変化を促すセルフケアや日常生活の留意点、異常時の受診、乳房管理などの母乳育児に関すること、家族計画などについての保健指導を行う。退院後の生活指導であるこれらの項目や新生児の生理と観察、沐浴のうち1項目について、事例展開を行った事例の状態を踏まえた具体的な保健指導案をグループで協力して作成する。保健指導案作成にあたっては、実際の場面を想定し、対象者に合わせた実施場所とそのレイアウト、使用物品・媒体、実施時間、実施時の確認事項、留意点などを明確にする。パンフレットなどの媒体を利用して保健指導を行う際は、媒体も作成する。
② 産褥期に意識的に運動を取り入れることによって、産褥期の回復を促すことが可能である。産褥期に行う適度な運動として産褥体操がある。しかし、入院中および退院後に、このような運動をどのように日常に取り入れて行うかは、褥婦の意欲に任される。したがってどのように取り入れて実施するかを褥婦と検討し、継続できるような方法や生活の調整について援助することが重要である。産褥体操の保健指導項目を選んだグループは、事例展開を行った事例の状態を踏まえた産褥体操についての具体的な保健指導案をグループで協力して作成する。保健指導案作成にあたっては、実際の場面を想定し、対象者に合わせた実施場所とそのレイアウト、使用物品・媒体、実施時間、実施時の確認事項、留意点などを明確にする。パンフレットなどの媒体を利用して保健指導を行う際は、それを保健指導案に明記し、パンフレットを別途作成する。
③ 褥婦とその家族が今後育児を行っていく際に、新生児の生理を理解し、適切な健康管理が行えるように新生児の生理と観察方法や異常時の受診の目安についての保健指導を行う。新生児の生理と観察の保健指導項目を選んだグループは、事例展開を行った事例の状態を踏まえた新生児の生理と観察方法についての具体的な保健指導案をグループで協力して作成する。保健指導案作成にあたっては、実際の場面を想定し、対象者に合わせた実施場所とそのレイアウト、使用物品・媒体、実施時間、実施時の確認事項、留意点などを明確にする。パンフレットや新生児モデル人形などの媒体を利用して保健指導を行う際は、それらを明記し、パンフレットを別途作成する。
④ 新生児の特徴や育児にかかわる知識を提供し、育児技術に関しては看護師がその行為を示しながら、褥婦・家族が実際に児に対して行うのを援助する。ぎこちない動作であっても、看護師がそれを保証して援助することが、親の自信や、育児することの喜びにつながる。沐浴の保健指導項目を選んだグループは、事例展開を行った事例の褥婦と新生児の状態を踏まえ、具体的な沐浴の保健指導案をグループで協力して作成する。保健指導案作成にあたっては、実際の場面を想定し、対象者に合わせた実施場所とそのレイアウト、使用物品・媒体、実施時間、実施時の確認事項、留意点などを明確にする。パンフレットや新生児モデル人形などの媒体を利用して保健指導を行う際は、それらを明記し、パンフレットを別途作成する。
キーワード ① 退行性変化 ② 母乳育児支援 ③ 産褥体操 ④ 新生児の生理 ⑤ 沐浴指導
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:グループで話し合った内容を持ち帰り、各自の担当部分や不明点などについてさらに学習を深める。また、深めた内容を充実させ、教科書や図書館の参考書、インターネットを参考にしたパンフレット作製を行う。資料の提出、発表練習など、第15回の発表準備を進める。
予習課題:褥婦の退院指導のうち、褥婦の生活指導、産褥体操、新生児の生理と観察、沐浴について、指導に必要な内容を整理する。第14回にグループで話し合った内容を持ち帰り、各自の担当部分や不明点などについてさらに学習を深める。また、深めた内容を充実させ、教科書や図書館の参考書、インターネットを参考にしたパンフレット作製を行う。資料の提出、発表練習など、第15回の発表準備を進める。

15 グループごとの看護計画と保健指導案の発表 科目の中での位置付け 本科目は、母性看護学概論および母性看護援助論Ⅰ、疾病・治療論Ⅲで学んだ妊娠期・分娩期・産褥期・新生児期にある対象(とその家族)の特徴を復習しながら、各期の対象の看護過程と看護の実際についての知識と技術を学ぶことを目的としている。
第1回では、母性看護における看護過程の考え方であるウェルネス志向やウェルネス看護診断について学ぶ。第2回では、妊娠期、産褥期、分娩期、新生児期の具体的なアセスメントの視点を学ぶ。第3回では、妊娠期のケアに必要な技術を習得する。第4回では、妊娠期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第5回では、産婦のケア技術について学ぶ。第6回では、妊娠期の事例の看護計画を立案する。第7回では、産褥期のケア技術のうち、退行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第8回では、産褥期の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第9回では、産褥期のケア技術のうち、進行性変化の観察とケアについての技術を習得する。第10回では、産褥期の事例の看護計画を立案する。第11回では、新生児の観察とアセスメントに必要な技術を習得する。第12回では、新生児の事例のアセスメントの方法を学ぶ。第13回では、新生児のケアのうち、沐浴を中心とした育児技術を習得する。第14回では、産褥期の看護計画に基づいた保健指導案を作成する。第15回では、第14回で作成した保健指導案を発表し、全体で共有するとともに、妊娠期から産褥期・新生児期までの看護過程についてのまとめを行う。
第15回の本時では、第14回までにグループで作成した保健指導案を発表し、全体で共有する。産褥期の母子とその家族に行う保健指導のうち、退院後も含めた褥婦の生活指導、産褥体操、新生児の生理と観察法、沐浴についての保健指導内容と効果的な指導方法についての案を発表する。発表の際は保健指導案の概要と事例のアセスメントを踏まえて工夫した点、留意点についても説明を行う。発表に使用した保健指導案やパンフレットは、全員で共有し、よりよいものにするための意見交換を行う。また、妊娠期から産褥期・新生児期までの看護過程についてのまとめを行い、そのポイントについて復習する。

各グループの発表資料、データ(USBに入れる)
(PPT、印刷資料等)
テキスト
森恵美他:系統看護学講座 母性看護学各論 母性看護学②、医学書院、2025
①p345-378
②p347-349
③p262-281,317-320,363
④p308-315
各自のパソコン(資料は、ヨリソルにアップするため、そこから閲覧する)
コマ主題細目 ① 褥婦の生活指導案 ② 産褥体操指導案 ③ 新生児の生理と観察についての指導案 ④ 沐浴指導案
細目レベル ① 産褥期には、褥婦の健康管理に関する産褥期の生活指導や産褥体操の他、新生児の育児を行う上で必要な新生児の生理と観察、沐浴等の育児技術について保健指導を行う。産褥期の生活指導では、褥婦が自らの身体的変化を理解し、退院後も含めて褥婦自身の健康管理が行えるように、退行性変化を促すセルフケアや日常生活の留意点、異常時の受診、乳房管理などの母乳育児に関すること、家族計画などについての保健指導を行う。退院後の生活指導であるこれらの項目や新生児の生理と観察、沐浴のうち1項目について、事例展開を行った事例の状態を踏まえた具体的な保健指導案をグループで協力して発表する。保健指導案の発表にあたっては、実際の場面を想定し、対象者に合わせた実施場所とそのレイアウト、使用物品・媒体、実施時間、実施時の確認事項、留意点などを明確にする。パンフレットなどの媒体を利用して保健指導を行う際は、それを保健指導案に明記し、別途作成したパンフレットを提示する。発表後には、保健指導案やパンフレットの内容について、良かった点や、改善すべき点について意見交換を行う。
② 産褥期に意識的に運動を取り入れることによって、産褥期の回復を促すことが可能である。産褥期に行う適度な運動として産褥体操がある。しかし、入院中および退院後に、このような運動をどのように日常に取り入れて行うかは、褥婦の意欲に任される。したがってどのように取り入れて実施するかを褥婦と検討し、継続できるような方法や生活の調整について援助することが重要である。産褥体操の保健指導項目を選んだグループは、事例展開を行った事例の状態を踏まえた産褥体操についての具体的な保健指導案をグループで協力して発表する。保健指導案発表にあたっては、実際の場面を想定し、対象者に合わせた実施場所とそのレイアウト、使用物品・媒体、実施時間、実施時の確認事項、留意点などを明確にする。パンフレットなどの媒体を利用して保健指導を行う際は、それを保健指導案に明記し、別途作成したパンフレットを提示する。発表後には、保健指導案やパンフレットの内容について、良かった点や、改善すべき点について意見交換を行う。
③ 褥婦とその家族が今後育児を行っていく際に、新生児の生理を理解し、適切な健康管理が行えるように新生児の生理と観察方法や異常時の受診の目安についての保健指導を行う。新生児の生理と観察の保健指導項目を選んだグループは、事例展開を行った事例の状態を踏まえた新生児の生理と観察方法についての具体的な保健指導案をグループで協力して発表する。保健指導案発表にあたっては、実際の場面を想定し、対象者に合わせた実施場所とそのレイアウト、使用物品・媒体、実施時間、実施時の確認事項、留意点などを明確にする。パンフレットや新生児モデル人形などの媒体を利用して保健指導を行う際は、それらを明記し、別途作成したパンフレットを提示する。発表後には、保健指導案やパンフレットの内容について、良かった点や、改善すべき点について意見交換を行う。
④ 新生児の特徴や育児にかかわる知識を提供し、育児技術に関しては看護師がその行為を示しながら、褥婦・家族が実際に児に対して行うのを援助する。ぎこちない動作であっても、看護師がそれを保証して援助することが、親の自信や、育児することの喜びにつながる。沐浴の保健指導項目を選んだグループは、事例展開を行った事例の褥婦と新生児の状態を踏まえ、具体的な沐浴の保健指導案をグループで協力して発表する。保健指導案作成にあたっては、実際の場面を想定し、対象者に合わせた実施場所とそのレイアウト、使用物品・媒体、実施時間、実施時の確認事項、留意点などを明確にする。パンフレットや新生児モデル人形などの媒体を利用して保健指導を行う際は、それらを明記し、別途作成したパンフレットを提示する。発表後には、保健指導案やパンフレットの内容について、良かった点や、改善すべき点について意見交換を行う。
キーワード ① 褥婦の生活指導 ② 産褥体操 ③ 新生児の生理と観察 ④ 沐浴指導
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:グループで担当した指導案やパンフレットについて、他のグループや教員からの意見を踏まえて、より具体的で実践可能なものになるよう追記・修正をする。また、担当しなかった項目の指導案やパンフレットについても、資料や発表の学びを参考にその内容を整理する。後期の母性看護学実習までに、すでに提示している事前学習項目とあわせ、この科目で看護過程の展開を行った正常妊婦の事例、正常褥婦と新生児のアセスメントと看護計画を見直し、修正しておく。また、第10回に提示した帝王切開術後の褥婦と新生児の事例についても母性看護学実習開始前までにアセスメントと計画立案をしておく。また、講義・演習全体を振り返り、履修判定指標に記載した内容を復習する。この授業展開したアセスメント、看護計画やパンフレットは、後期の母性看護学実習で活用できるように授業直前にヨリソル上にアップするため、活用する。
履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
母性看護過程の特徴の理解 母性看護の対象や特徴を踏まえ、母性看護で行われるケア、特にマタニティサイクルにある対象と家族へのケアの特徴を踏まえ、母性看護における看護過程の特徴を説明できる。また、健康についての概念を理解するとともにウェルネスの定義を確認し、看護の中でのウェルネスという対象把握の視点、問題志向型と比較したウェルネス志向型の考え方を説明できる。それらを踏まえ、ウェルネス看護診断の定義、特徴、意義、実際のウェルネス看護診断の表現方法について説明できる。 ウェルネス、ウェルネス志向、ウェルネス看護診断、強み 1,2
妊婦のアセスメントと看護の理解 正常妊婦事例における母体の状態、胎児及び付属物、心理・適応過程、家族・適応過程、社会・生活環境についてアセスメントすることができる。母体の状態、胎児および付属物の状態については妊娠の生理や胎児の発育状況、健康状態の他、胎児附属物のアセスメントを行うことができる。また、特に妊婦健康診査において観察すべき項目や検査データについて説明できる。などのウェルネスの部分にも着目することができる。また、心理・適応過程では母親役割への適応状況をアセスメントし、適応を促進する支援について説明することができる。 母体の状態、胎児および付属物の状態、心理・適応過程、家族・適応過程、生活・社会環境 10 2,3,4,6
褥婦のアセスメントと看護の理解 正常褥婦事例における退行性変化、進行性変化、心理・適応過程、家族・適応過程、社会・生活環境についてアセスメントすることができる。アセスメントを行う際はウェルネス志向でアセスメントし、アセスメントの結果良好な状態と判断できた場合は、看護診断においてもウェルネス看護診断の表現を用いることができる。また、特に退行性変化、進行性変化、心理・適応過程における母親役割獲得についての看護診断を挙げ、それぞれの看護計画の概要(観察項目、ケア項目、保健指導項目)について説明することができる。また、帝王切開術後の褥婦のアセスメントで着目すべき点について述べることができる。 正常褥婦、退行性変化、進行性変化、心理・適応過程、家族・適応過程、生活・社会環境、帝王切開術後の褥婦 15 7,8,9,10,12,14,15
新生児のアセスメントと看護の理解 正常新生児における健康状態、成長・発達、栄養・養護、家族・適応過程、生活環境についてアセスメントすることができる。アセスメントを行う際はウェルネス志向でアセスメントし、アセスメントの結果良好な状態と判断できた場合は、看護診断においてもウェルネス看護診断の表現を用いることができる。また、特に健康状態や成長・発達、栄養・養護に関連したアセスメントを行う際はウェルネス志向でアセスメントし、アセスメントの結果良好な状態と判断できた場合は、看護診断においてもウェルネス看護診断の表現を用いることができる。看護診断を挙げ、それぞれの看護計画の概要(観察項目、ケア項目、両親をはじめとした家族への保健指導項目)について説明することができる。 正常新生児、健康状態、成長・発達、栄養・養護、家族・適応過程、生活環境 10 11,13,14,15
妊娠期の看護技術の理解 妊娠期の身体の変化を踏まえ、正しい姿勢のとり方や日常生活上の留意点を説明できる。妊婦のヘルスアセスメントとしての,問診,視診,聴診,触診,計測診の基本について説明できる。計測方法(腹囲・子宮底長の測定)の目的・方法や安全・安楽やプライバシー保護、羞恥心への配慮について説明できる。妊婦のヘルスアセスメントとしての,問診,視診,聴診,触診,計測診の基本について説明できる。レオポルド触診法の目的、方法、胎位・胎向と胎児心音の最良聴取部位の関係について説明できる。分娩監視装置装着の方法や留意点、検査時の看護の必要性を説明できる。 妊娠期の身体変化、腹囲・子宮底長、レオポルド触診法、NST,CTG 15 3
分娩期の看護技術の理解 産婦と家族のニード(安全分娩のニード、安楽な分娩へのニード、基本的ニード、母親になるニード、家族発達のニード)について、また産婦と家族のニードに沿った、援助の必要性について説明できる。産婦と家族にとって満足するお産とはどのようなものかを考察し、述べることができる。また、母子が安全かつ安楽に分娩期を経過するための援助(分娩時の安楽な体位のとり方、タッチングとマッサージ、圧迫法)の必要性について述べることができる。また、CTG波形の読み取りにおいて必要な視点を述べることができる。 基本的ニーズ、安楽な体位、産痛緩和法、CTGの判読 15 5
産褥期の看護技術の理解 褥婦にみられる全身や子宮の復古過程、悪露、外陰部・肛門部における創部の観察方法と留意点を説明できる。また、子宮の復古過程、子宮復古促進や阻害因子や産褥期の復古を促す意義や、子宮底輪状マッサージ等の子宮復古に関わるケアについて説明できる。退行性変化のアセスメントに必要な指標について説明できる。また、羞恥心やプライバシーへの配慮等、褥婦の観察やケアの際に必要な配慮の方法について考察し、述べることができる。母乳分泌の機序をプロラクチン、オキシトシンなど関連するホルモンも含めて説明できる。進行性変化の観察(乳房・乳頭の形態、柔らかさ、伸展性、乳管開通数、乳汁分泌など)の必要性、方法を説明できる。新生児の哺乳について理解し、その観察方法やアセスメントの指標を説明できる。母乳育児を確立するための方法としてポジショニングやラッチオンのポイントについて説明できる。また、授乳時の羞恥心やプライバシーへの配慮の方法について考察し、述べることができる。 退行性変化、進行性変化、母乳育児支援、ラッチオン、ポジショニング 15 7,9,14,15
新生児期の看護技術の理解 新生児に関わる際の心構えと留意点(保温、感染防止、事故防止など)について述べることができる。新生児の身体計測(体重測定)、新生児の全身観察、新生児のバイタルサイン測定の方法と留意点について述べることができる。また、それぞれの観察項目のアセスメントの指標(基準値・正常値等)について説明できる。育児技術のうち、哺乳瓶を用いた授乳、おむつ交換、沐浴の目的、安全に実施するための方法と留意点について説明できる。 保温、感染防止、事故防止、新生児の身体計測、新生児のヘルスアセスメント、授乳、おむつ交換、沐浴 15 11,13,14,15
評価方法 定期試験(100%)によって評価する。
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 1.太田操編著:ウェルネスの視点にもとづく母性看護過程 第4版、医歯薬出版株式会社、2024、2,640円(税込み) 2.森恵美他著:系統看護学講座 専門分野Ⅱ 母性看護学② 母性看護学各論、医学書院、2025,3,410円(税込み)
参考文献 1.佐世正勝、石村由利子編、ウェルネスからみた母性看護過程+病態関連図 第4版、医学書院、4,180円(税込み) 2.石村由利子編、根拠と事故防止からみた母性看護技術 第3版、医学書院、4,400円(税込み) 3.荒木奈緒他偏、ナーシンググラフィカ 母性看護学(3):母性看護技術 第4版、メディカ出版、2,860円(税込み)
実験・実習・教材費 なし