区分
専門科目-成人・高齢者看護学-成人看護学
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力
倫理観
専門性探求
地域社会貢献
グローバル性
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性
広い視野
知識・技術
判断力
探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
専門科目の「成人・高齢者看護学」に位置づけ、専門基礎科目や基盤看護学の知識をもとに、周手術期およびクリティカルな状況にある成人期の対象への看護、また慢性期看護の基本的な思考過程を学ぶために必要な専門的知識を習得する。本科目は、その後に続く「成人急性期看護援助論Ⅱ」「成人慢性期看護援助論Ⅱ」「成人看護学実習」に応用的に関連する。
科目の目的
医療は科学・技術の発展の後押しを受けながら、さらに高度化しながら著しい進歩を遂げている。このようななかで、急性期(周手術期及びクリティカルな状態)における臨床現場でも、呼吸・循環・代謝管理を中心とした全身管理に対する治療・看護のスキルを高密度に提供している。急性期の状況にある患者への看護の実践にあたっては、患者の状態に関連した健康問題の反応を的確にアセスメントするための深い知識が求められる。この科目では、急性期な状態にある患者の身体的・心理的・社会的特徴を理解し、基本的な看護、及びアセスメントについて学ぶ。
我が国は超高齢社会を迎えており、高齢化の進展に伴って、がんや糖尿病、高血圧症疾患など慢性疾患を持つ人が益々増加していくことが予測されている。そして、慢性疾患を持つ人の増加は、国民医療費や国民生活に様々な影響を及ぼすと指摘されている。このような状況の中で、慢性疾患を持つ人たちへの質の高い看護実践への期待は益々大きくなっている。このような社会の期待に応えていくためには、慢性疾患を持つ人々の多様な価値観や生き方を理解し、患者自身で病気をマネジメントしていける力を身に付けられるように、看護者は具体的な知識・技術を提供するとともに、様々な役割を持った1人の生活者としてコントロール感覚を獲得できるよう働きかけていくことが重要である。
そこで、慢性期看護の基本的な考え方や慢性期にある患者の特徴や看護について学ぶと伴に、代表的な慢性疾患をもつ患者の特徴、看護を行うために必要な情報や看護問題を明確にするためのアセスメントの視点、看護について理解する。
到達目標
1. 成人期の周手術期およびクリティカルな状態にある患者の身体的・心理的・社会的特徴について説明できる。
2. 成人期の周手術期およびクリティカルな状態にある患者への基本的な看護に繋がるアセスメントについて説明できる。
3. 成人期にある人々の特徴について説明することができる。
4. 慢性疾患が成人の生活におよぼす影響について説明することができる。
5. 慢性疾患と共に生きる成人への看護について説明することができる。
6. 代表的な慢性疾患を持つ患者の特徴について理解できる。
7. 代表的な慢性疾患を持つ患者への看護を行うために必要な情報やアセスメントの視点を理解できる。
8. 代表的な慢性疾患を持つ患者への看護について理解できる。
科目の概要
急性期、特に周術期において外科的治療(手術)を受ける患者は、生体への侵襲を伴う治療を選択したという共通の特徴をもっている。また治療後も期待した結果が得られない場合や、手術によって身体の変容がもたらされる場合もある。手術後の経過によっては、入院期間が延びて社会復帰が遅れたり、予後が左右されたりする事例も少なくない。そのため看護師の果たす役割は非常に大きく、全身管理に対する治療・看護のスキルだけではなく、患者の回復過程を促すために心身の状態を的確に把握しておかなければならない。そのために必要な急性期患者の特徴と身体的・心理的・社会的側面を学修し、術前から術後にかけての看護、生命維持、合併症予防、全身状態改善、退院後の生活、QOL向上に関する看護について理解する。また機能障害(呼吸機能障害、消化機能障害、運動機能障害など)がある患者について、周手術過程に応じた看護の特徴、及びアセスメントについて学修する。
慢性期にある患者の特徴を踏まえて、その患者への看護援助を考え、看護の役割を理解する。成人期に発病する健康障害は、その殆どが肥満、糖尿病、動脈硬化、高血圧症による血管障害、癌(がん)などの、いわゆる生活習慣病とよばれる慢性疾患病である。これらは、初期には自覚症状が殆どないため、病気であることに気付かなかったり、放置している間に進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの突然の発症によって、生命の危機や重大な機能障害に直面する場合が多い。この状況から、医療専門職が予防のための健康教育や早期発見・早期治療、リハビリテーションなどを実施することによって障害を最小限に予防することになる。そこで、代表的な疾患(代謝機能障害、呼吸機能障害、循環機能障害、脳・神経機能障害、栄養摂取・消化機能障害、内部環境調節障害、造血機能・生体防御機能障害)に分けて、患者の特徴や看護に必要な情報、看護アセスメントの視点、看護(実践)について理解する。
科目のキーワード
急性期看護、周術期看護、クリティカルケア、合併症予防、慢性期疾患・看護(実践)、生活習慣病、ヘルスプロモーション、QOL、セルフケア、症状マネジメント
授業の展開方法
教科書「系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論」とコマ用配付資料を使って授業を進める。各回の講義では、まず前回の講義内容のミニテストと振り返りを行い、講義後のリアクションペーパーに書かれた意見や質問にも回答する。その後は当該回の学習内容に沿って教員による講義や講義内容のDVDの閲覧を視聴して授業を展開する。
毎回、予習課題によって事前学習を促し、授業の最後に小テストを実施することによりその理解度を確認する。授業内容は教科書とPowerPointにより資料を用いて解説し、理解を深める。小テストの内容は、授業中に解説を加え、知識の定着を図る。具体的には、慢性の代謝機能障害、呼吸機能障害、循環機能障害、脳・神経機能障害、内部環境機能障害に分けて罹患数の多い代表的な慢性疾患をとりあげ、患者のの特徴や看護を行うために必要なアセスメントの視点、看護(実践)について講義を中心に授業を展開する。
オフィス・アワー
研究室719:水曜日終日
E-mail:s-murakami@uhe.ac.jp(メールはいつでも受け付けます)
科目コード
ERL02
学年・期
2年・後期
科目名
成人看護援助論Ⅰ
単位数
2
授業形態
講義
必修・選択
必修
学習時間
【講義】30h
【予習・復習】60h
前提とする科目
成人看護学概論・解剖生理学・疾病・治療論
展開科目
・成人慢性期看護援助論Ⅱ・成人急性期看護援助論Ⅱ・成人看護学実習・ヘルスアセスメントⅠ・ヘルスアセスメントⅡ・統合実習・看護研究
関連資格
看護師・保健師
担当教員名
村上早苗
回
主題
コマシラバス項目
内容
教材・教具
1
急性期看護とは・周術期看護の概論
科目の中での位置付け
本授業では、成人期にある患者の看護援助について急性期と慢性期を中心に学修する。
急性期看護として、特に周術期における看護を取り上げる。外科的治療(手術)は生体への侵襲を伴い、患者は共通の特徴をもつ。手術後の経過によっては、身体の変容、入院期間の延長、社会復帰の遅れ、さらには予後に影響する場合もある。そのため看護師には、全身管理に関する知識や技術だけでなく、患者の心身の状態を的確に把握する力が求められる。授業では、第1回で急性期患者の特徴と身体的・心理的・社会的側面を学び、第2回から第3回では手術前から手術中の看護を取り上げる。第4回から第6回では手術後の看護を学び、生命維持、合併症予防、全身状態の改善、退院後の生活支援、QOLの向上に向けた援助を理解する。また、呼吸・消化・運動機能に障害のある患者について、周術期の経過に応じた看護の特徴とアセスメントを学修する。さらに第7回では、集中治療を受ける患者を対象に、集中治療における看護の役割を学び、専門的な看護実践の理解を深める。
慢性期看護について学ぶ。成人期に発症する健康障害の多くは、肥満・糖尿病・動脈硬化・高血圧症、癌(がん)など、いわゆる生活習慣病と呼ばれる慢性疾患である。これらは初期には自覚症状が乏しく、気づかないうちに進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの突然の発症によって生命の危機や重大な機能障害に直面することが少なくない。そのため医療専門職は、予防のための健康教育、早期発見と早期治療、さらにはリハビリテーションを通じて、障害の進行を最小限に抑える役割を担う。本授業では、第8回で慢性期看護の基本的な考え方と慢性期患者の特徴、看護師の役割について学ぶ。その後、第9回から第15回にかけて代表的な慢性疾患を取り上げ、患者の特徴、看護に必要な情報、アセスメントの視点、そして具体的な看護について学修を進める。具体的には、第9回で糖尿病(代謝機能障害)、第10回で慢性閉塞性肺疾患(呼吸機能障害)、第11回で慢性心不全(循環機能障害)、第12回で脳梗塞(脳・神経機能障害)、第13回で慢性肝炎・肝硬変(栄養摂取・消化機能障害)、第14回で慢性腎臓病(内部環境調節障害)、第15回で白血病(造血機能障害)を学び、疾患ごとの看護の理解を深める。以上を通して、本授業では、成人期にある急性期・慢性期患者の特徴や看護課題を理解し、看護アセスメントの視点をもって看護援助を考察できる力を養うことを目標とする。
第1回では、急性期患者の特徴を身体的・心理的・社会的側面から理解し、急性期看護の基本的な考え方と特徴を学ぶ。また、周術期の概念を理解し、周術期におけるチーム医療の中で看護師が果たす役割について学修する。
コマ主題細目①系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論P.1〜12
コマ主題細目②系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論P.193〜194
コマ主題細目③系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論P.194〜216
コマ主題細目
① 急性期看護の考え方と特徴 ② 周術期とは ③ 周術期におけるチーム医療と看護師の役割
細目レベル
① 急性期とは生体が健康状態の急激な変化に対応するために様々な反応を起こしている時期であり、健康状態の変化を引き起こすものとして、急病・外傷・手術などの医療行為があげられる。また急性期看護の対象としては、手術を受ける(予定もしくは緊急)周術期患者、突然の病気の発症により救急外来に運ばれてきた救急患者、また手術後や救急外来で処置が終わった後に全身状態を管理するために集中治療室(ICU)に入室する患者があげられる。このように様々な場所で急性期看護が行われているが、急性期看護の考え方と特徴について、患者の生命の維持・悪化防止・苦痛の緩和・合併症の予防・日常生活援助・心理社会的支援・家族援助の視点から説明できる。
② 周術期とは手術前・中・後の全期間を含み、周手術期ともいわれる。周術期は人体に起こる現象が「異常」から「正常」へ推移する過程であり、「正常か異常か」という観点のみではなく、「この推移は標準的かそうでないか」といった変化をとらえる観点が重要である。手術を受ける患者とその家族の心理は、病気が悪性か良性か、治癒可能かどうかという不安、また治療に対する期待と予後への不安、身体機能の低下や障害の不安、シンボルの喪失感、自己概念や身体像の変化、生活様式の変更への不安、近親者が受ける苦痛、費用などへの不安などがある。このことを踏まえ、周術期について、手術を受ける患者と家族の心理面や身体的な変化から患者の状況について理解できる。
③ 現在、医療環境の変遷により、手術を中心とした急性期医療に要する在院日数の短縮、また手術前のオリエンテーションや手術後のリハビリテーションなどを短期間で行わなければならないこと、そしてチームとしての取り組みとして、外来や地域病院との連携や役割分担が重要となっている。また外来看護の業務も高密度化されてきているなか、周術期の経過とチーム医療について、入院前から退院後における医療職者の役割、クリニカルパスへの理解を通して説明できる。周術期における看護師の役割について、手術後の修復過程の促進への支援、精神的な支援、自己決定に対する支援、周術期における安全管理について、医療を取り巻く今日の状況や周術期に発生しやすい危険の視点から説明できる。
キーワード
① 急性期看護 ② 周術期看護 ③ チーム医療 ④ インフォームドコンセント ⑤ 患者安全
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:教科書「系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論 P.1〜10、P.202〜226」、および配付資料の内容について振り返りを行い、重要だと思われる部分をまとめておくこと。特に急性期(周手術期及びクリティカルな状態)にある患者への看護について理解を深め、キーワードにある用語については説明できるようにしておくこと。毎回「小テスト」は実施する。授業前に実施する場合もあるため、授業内容を復習しておくこと。毎回の授業で次回講義の課題を提示するので、その課題をしてくること。課題は授業でディスカッションや発表に活用するだけでなく、授業終了後に提出すること。
予習課題:「系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論」の該当部分P.228〜259を熟読し、手術前患者の看護について分からない語句等があれば事前に調べてから講義に臨むこと。
2
周術期看護①:手術前の看護
科目の中での位置付け
本授業では、成人期にある患者の看護援助について急性期と慢性期を中心に学修する。
急性期看護として、特に周術期における看護を取り上げる。外科的治療(手術)は生体への侵襲を伴い、患者は共通の特徴をもつ。手術後の経過によっては、身体の変容、入院期間の延長、社会復帰の遅れ、さらには予後に影響する場合もある。そのため看護師には、全身管理に関する知識や技術だけでなく、患者の心身の状態を的確に把握する力が求められる。授業では、第1回で急性期患者の特徴と身体的・心理的・社会的側面を学び、第2回から第3回では手術前から手術中の看護を取り上げる。第4回から第6回では手術後の看護を学び、生命維持、合併症予防、全身状態の改善、退院後の生活支援、QOLの向上に向けた援助を理解する。また、呼吸・消化・運動機能に障害のある患者について、周術期の経過に応じた看護の特徴とアセスメントを学修する。さらに第7回では、集中治療を受ける患者を対象に、集中治療における看護の役割を学び、専門的な看護実践の理解を深める。
慢性期看護について学ぶ。成人期に発症する健康障害の多くは、肥満・糖尿病・動脈硬化・高血圧症、癌(がん)など、いわゆる生活習慣病と呼ばれる慢性疾患である。これらは初期には自覚症状が乏しく、気づかないうちに進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの突然の発症によって生命の危機や重大な機能障害に直面することが少なくない。そのため医療専門職は、予防のための健康教育、早期発見と早期治療、さらにはリハビリテーションを通じて、障害の進行を最小限に抑える役割を担う。本授業では、第8回で慢性期看護の基本的な考え方と慢性期患者の特徴、看護師の役割について学ぶ。その後、第9回から第15回にかけて代表的な慢性疾患を取り上げ、患者の特徴、看護に必要な情報、アセスメントの視点、そして具体的な看護について学修を進める。具体的には、第9回で糖尿病(代謝機能障害)、第10回で慢性閉塞性肺疾患(呼吸機能障害)、第11回で慢性心不全(循環機能障害)、第12回で脳梗塞(脳・神経機能障害)、第13回で慢性肝炎・肝硬変(栄養摂取・消化機能障害)、第14回で慢性腎臓病(内部環境調節障害)、第15回で白血病(造血機能障害)を学び、疾患ごとの看護の理解を深める。以上を通して、本授業では、成人期にある急性期・慢性期患者の特徴や看護課題を理解し、看護アセスメントの視点をもって看護援助を考察できる力を養うことを目標とする
第2回目では、術前の患者の身体的・心理的状態を理解し、それに基づいた術前準備や看護(実践)について学修する。
コマ主題細目①系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論P.217〜220
コマ主題細目②系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論P.220〜232
コマ主題細目③系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論P.232〜243
コマ主題細目④系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論P.243〜248
コマ主題細目
① 外来看護師の役割 ② 外来における手術前患者の看護 ③ 手術前の具体的援助 ④ 日帰り手術を受ける患者の看護
細目レベル
① 現在、超少子高齢社会の医療ニーズに合わせた医療提供体制が再構築されつつある。疾患をかかえる患者であっても、そのほとんどの時間は地域で過ごし、入院しなければ治療ができない状況になったときだけ入院する時代がやってきている。最近では、入院期間の短縮に伴って、以前ならば入院後に行われていた検査や治療が外来診療に移行しているため、外来看護が重要な位置を占めるようになっている。以前は入院中に完結した医療の一部を、現在では外来が担う時代になったことで、外来看護の内容として、受診する患者の健康上の問題から、手術や治療を受けたあとの患者の社会復帰などにおける問題まで、幅広い対応が必要とされている。また患者に必要な看護をその場で判断し、すみやかに提供しなければならない。そのために外来看護師には、より主体的・専門的で高度な看護実践能力が必要となっている。このような治療法の進歩と在院日数の短縮、入院から外来間の流れの変化、外来への業務への移行等、現在の外来診療がおかれている状況について説明できる。
② 患者は外来を、身体になんらかの不調や異変を自覚し「病気ではないか」と心配して訪れる場合と、自覚症状はないが健康診断などで異常を指摘され、より詳しい検査を求めて訪れる場合とがある。どちらにしても体調不良や異常な検査データの身体的背景がなにか、まずは原因を明らかにすること(診断)から診療は開始される。そして検査がすんだあと看護師は、検査の結果を聞きに来院した患者や家族は、不安と緊張感をかかえていることをよく理解し、患者に相対することが重要である。そして患者がみずからの身体状況を正しく受けとめ、治療の意思決定ができるように支援していく必要がある。このような外来における手術前患者の看護について、診断過程における援助、心の整理と意思決定の支援、全身状態を整えるための支援、手術に向けた患者教育と指導、外来と病棟間の連携の視点から説明できる。
③ 入院後は限られた時間のなかで、患者情報に基づいた看護計画の立案、入院オリエンテーション、手術前のオリエンテーション、さらに個々の手術に対する準備などを行わなければならない。患者は、外来で手術の概要を説明され、手術までに整えるべき生活内容や術前訓練の説明・指導を受けて入院してくるが、手術が決まってから入院するまでの期間や外来で受けるオリエンテーション・指導の内容などは、個々の患者で違いがある。看護師は、入院してきた患者の手術に対する準備状態が個々に異なっているということを念頭におく必要がある。また入院後は、外来でどこまで説明を受け、理解の状態はどうであるかを把握し、患者が本当に知りたいことや、手術を目前にして解決のできていない不安・問題などについて、細かく対応していくことが大切である。このような手術前の具体的援助について、患者の主体的な参画を促す援助、手術前のオリエンテーション、心理面・全身状態を整えるという視点を通して、手術前日および当日の看護を説明できる。
④ 日帰り手術とは、文字どおり手術後の在院期間が24時間未満の手術である。わが国において日帰り手術は小児外科の領域で始まったが、手術および麻酔技術の進歩に伴って急速に発展・普及してきた。医療費が増大し、保険医療財政が悪化するなか、日帰り手術の経済性が評価されている。日帰り手術における看護では、安全な手術看護の提供と、術後の自己管理に結びつけられる的確な患者教育の実施が重要である。日帰り手術にかかわる看護師は、ケアコーディネーター、もしくは手術コーディネーターとよばれる。コーディネーターは日帰り手術が決定した時点から手術が終了して帰宅するにいたるまで、一貫した調整役を託される。そのため、手術・麻酔に関する知識、術前・術後の管理、医事会計・入院手続きなどの幅広い知識が必要となる。また、日帰り手術の適応の可否や帰宅時の状態の判断にも深くかかわるため、アセスメント能力、患者・家族への指導能力、他部門との調整能力、危機管理能力が必要となる。このような日帰り手術の適応基準や術式例、看護師の役割について説明できる。
キーワード
① 外来看護 ② 外来診療の変化 ③ 意思決定支援 ④ 術前オリエンテーション ⑤ 日帰り手術
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:教科書「系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論 P.228〜259」、および配付資料の内容について振り返りを行い、重要だと思われる部分をまとめておくこと。特に手術前の看護:術前の患者の身体・心理状態から術前の準備について理解を深め、キーワードにある用語については説明できるようにしておくこと。毎回「小テスト」は実施する。授業前に実施する場合もあるため、授業内容を復習しておくこと。毎回の授業で次回講義の課題を提示するので、その課題をしてくること。課題は授業でディスカッションや発表に活用するだけでなく、授業終了後に提出すること。
予習課題:「系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論」の該当部分P.262〜304を熟読し、手術中患者の看護について分からない語句等があれば事前に調べてから講義に臨むこと。
3
周術期看護②:手術中の看護
科目の中での位置付け
本授業では、成人期にある患者の看護援助について急性期と慢性期を中心に学修する。
急性期看護として、特に周術期における看護を取り上げる。外科的治療(手術)は生体への侵襲を伴い、患者は共通の特徴をもつ。手術後の経過によっては、身体の変容、入院期間の延長、社会復帰の遅れ、さらには予後に影響する場合もある。そのため看護師には、全身管理に関する知識や技術だけでなく、患者の心身の状態を的確に把握する力が求められる。授業では、第1回で急性期患者の特徴と身体的・心理的・社会的側面を学び、第2回から第3回では手術前から手術中の看護を取り上げる。第4回から第6回では手術後の看護を学び、生命維持、合併症予防、全身状態の改善、退院後の生活支援、QOLの向上に向けた援助を理解する。また、呼吸・消化・運動機能に障害のある患者について、周術期の経過に応じた看護の特徴とアセスメントを学修する。さらに第7回では、集中治療を受ける患者を対象に、集中治療における看護の役割を学び、専門的な看護実践の理解を深める。
慢性期看護について学ぶ。成人期に発症する健康障害の多くは、肥満・糖尿病・動脈硬化・高血圧症、癌(がん)など、いわゆる生活習慣病と呼ばれる慢性疾患である。これらは初期には自覚症状が乏しく、気づかないうちに進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの突然の発症によって生命の危機や重大な機能障害に直面することが少なくない。そのため医療専門職は、予防のための健康教育、早期発見と早期治療、さらにはリハビリテーションを通じて、障害の進行を最小限に抑える役割を担う。本授業では、第8回で慢性期看護の基本的な考え方と慢性期患者の特徴、看護師の役割について学ぶ。その後、第9回から第15回にかけて代表的な慢性疾患を取り上げ、患者の特徴、看護に必要な情報、アセスメントの視点、そして具体的な看護について学修を進める。具体的には、第9回で糖尿病(代謝機能障害)、第10回で慢性閉塞性肺疾患(呼吸機能障害)、第11回で慢性心不全(循環機能障害)、第12回で脳梗塞(脳・神経機能障害)、第13回で慢性肝炎・肝硬変(栄養摂取・消化機能障害)、第14回で慢性腎臓病(内部環境調節障害)、第15回で白血病(造血機能障害)を学び、疾患ごとの看護の理解を深める。以上を通して、本授業では、成人期にある急性期・慢性期患者の特徴や看護課題を理解し、看護アセスメントの視点をもって看護援助を考察できる力を養うことを目標とする
第3回では、手術室看護とその具体的援助、及び手術や麻酔による身体侵襲について学修する。
コマ主題細目①系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論P.249〜253
コマ主題細目②系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論P.253〜272
コマ主題細目③系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論P.273〜391
コマ主題細目
① 手術中の看護の要点 ② 手術室における看護の展開 ③ 手術室の環境管理
細目レベル
① 手術において最も重要な点は、手術の侵襲を最小限にとどめ、かつ、患者の意思にそった手術の結果を導くことである。外科医(執刀医・介助医)、麻酔科医、看護師(手術室看護師・病棟看護師・外来看護師)、臨床工学技士、放射線技師などがチームとなり、それぞれの専門的な技術を発揮・結集することによって、手術の円滑な進行が可能となる。手術中の看護は、この手術全体の進行を視野に入れて行うことが肝要である。なお、手術室看護師は術者の介助をおもに行う器械出し(直接介助)看護師と、患者や手術室全体のサポートをおもに行う外まわり(間接介助)看護師に分けられる。このことを踏まえ、手術中の看護の要点について、手術療法と患者の状況、患者の確認や手術部位の確認・安全な移送・機械や器具類の確認・無菌操作等の手術室の安全管理の視点で説明できる。
② 手術は、外科医・麻酔科医・看護師・臨床工学技士など、多職種専門医療者の協働によって安全かつ効率的に進行する。手術における看護師の役割は、各職種の機能を最大限に引き出し、協働によって手術に期待される最良の結果が達成できるように調整し、手術進行を円滑にすることである。また手術中の患者は、麻酔、手術手技などによって、呼吸・循環などの全身状態に大きな影響を受ける。看護師は、患者の状態の変化から必要な対応をいち早く判断し、最善の看護を提供しなければならない。そのためには、麻酔、疾患、手術術式、医療機器など多岐にわたる知識と技術が要求される。このような手術室における看護の展開について、入室時や麻酔導入時の看護、手術体位や器械出し看護師・外回り看護師の役割を通して理解する。
③ 手術中の患者は、感染防御機構が破綻し、感染の危険にさらされているうえ、麻酔や手術操作によって内部環境が乱されて自己調整機能は低下し、ほとんど無防備の状態にある。その間、患者の生命はすべて医療者の手にゆだねられる。このような状況をふまえて、手術中の看護において重要な役割は、患者の「生命をまもる」ことを第一としながら、患者が手術によって受ける侵襲が極力少なくなるように手術環境を整えるということである。手術環境の整え方について、微生物の侵入を防ぐこと、手術に直接、間接に使用する薬物や、器械・器具類その他の設備が、安全かつ確実に機能するように管理すること、手術時間を極力短縮するように、手術の円滑な進行に向けた合理的な、システム化した運営を行うこと、以上の視点を中心に考える。このような手術室の環境管理について、清浄度クラスや消毒・滅菌、構造・設備の視点から説明できる。
キーワード
① 安全管理 ② 麻酔導入時の看護 ③ 手術体位 ④ 環境管理
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:教科書「系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論 P.262〜304」、および配付資料の内容について振り返りを行い、重要だと思われる部分をまとめておくこと。特に手術中の看護:手術室看護とその具体的援助、及び手術や麻酔による身体侵襲について理解を深め、キーワードにある用語については説明できるようにしておくこと。毎回「小テスト」は実施する。授業前に実施する場合もあるため、授業内容を復習しておくこと。毎回の授業で次回講義の課題を提示するので、その課題をしてくること。課題は授業でディスカッションや発表に活用するだけでなく、授業終了後に提出すること。
予習課題:「系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論」の該当部分P.306〜353、および「系統看護学講座 専門分野Ⅱ 成人看護学[2] 呼吸器」の該当部分P124~136、P231~235を熟読し、手術後の呼吸機能障害について分からない語句等があれば事前に調べてから講義に臨むこと。
4
周術期看護③:手術後の看護:呼吸機能障害
科目の中での位置付け
本授業では、成人期にある患者の看護援助について急性期と慢性期を中心に学修する。
急性期看護として、特に周術期における看護を取り上げる。外科的治療(手術)は生体への侵襲を伴い、患者は共通の特徴をもつ。手術後の経過によっては、身体の変容、入院期間の延長、社会復帰の遅れ、さらには予後に影響する場合もある。そのため看護師には、全身管理に関する知識や技術だけでなく、患者の心身の状態を的確に把握する力が求められる。授業では、第1回で急性期患者の特徴と身体的・心理的・社会的側面を学び、第2回から第3回では手術前から手術中の看護を取り上げる。第4回から第6回では手術後の看護を学び、生命維持、合併症予防、全身状態の改善、退院後の生活支援、QOLの向上に向けた援助を理解する。また、呼吸・消化・運動機能に障害のある患者について、周術期の経過に応じた看護の特徴とアセスメントを学修する。さらに第7回では、集中治療を受ける患者を対象に、集中治療における看護の役割を学び、専門的な看護実践の理解を深める。
慢性期看護について学ぶ。成人期に発症する健康障害の多くは、肥満・糖尿病・動脈硬化・高血圧症、癌(がん)など、いわゆる生活習慣病と呼ばれる慢性疾患である。これらは初期には自覚症状が乏しく、気づかないうちに進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの突然の発症によって生命の危機や重大な機能障害に直面することが少なくない。そのため医療専門職は、予防のための健康教育、早期発見と早期治療、さらにはリハビリテーションを通じて、障害の進行を最小限に抑える役割を担う。本授業では、第8回で慢性期看護の基本的な考え方と慢性期患者の特徴、看護師の役割について学ぶ。その後、第9回から第15回にかけて代表的な慢性疾患を取り上げ、患者の特徴、看護に必要な情報、アセスメントの視点、そして具体的な看護について学修を進める。具体的には、第9回で糖尿病(代謝機能障害)、第10回で慢性閉塞性肺疾患(呼吸機能障害)、第11回で慢性心不全(循環機能障害)、第12回で脳梗塞(脳・神経機能障害)、第13回で慢性肝炎・肝硬変(栄養摂取・消化機能障害)、第14回で慢性腎臓病(内部環境調節障害)、第15回で白血病(造血機能障害)を学び、疾患ごとの看護の理解を深める。以上を通して、本授業では、成人期にある急性期・慢性期患者の特徴や看護課題を理解し、看護アセスメントの視点をもって看護援助を考察できる力を養うことを目標とする
第4回では手術後(肺切除術)における、術後合併症と合併症予防のための看護(実践)について学修する。
コマ主題細目①系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論P.394〜311
コマ主題細目②系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論P.311〜329
コマ主題細目③系統看護学講座 専門分野Ⅱ 成人看護学[2] 呼吸器P114~125、P221~234
コマ主題細目
① 手術後の回復を促進するための看護 ② 術後合併症について ③ 肺切除術後の合併症および看護のポイント
細目レベル
① 手術は、一時的に苦痛をもたらし、生活の自立度を低下させはするが、あくまで生体のもつ自然治癒力を見こして行われる治療である。したがって、手術後の看護においては、術後合併症を予防し、患者のもつ自然治癒力が最大限に発揮されるように援助することが重要である。また、患者・家族が状況を正しく認識し、みずから治療に参画する意欲がもてるように、根拠に基づいてわかりやすく丁寧に説明をし、患者・家族の心情に配慮して対応することが大切である。近年の高度化・複雑化した手術と手術後の管理、在院期間の短縮に対応して、患者の安全を確保し、手術後の回復をたすけて生活の質(QOL)を高く維持するためには、より専門的な看護の知識と高度な技術、および円滑なチーム医療を可能にするマネジメント能力が必要とされる。このような手術後の情報収集・観察のポイントや呼吸・循環に関するアセスメントの視点を通して、手術後の回復を促進するための看護について理解できる。また早期離床の意義について説明できる。
② 手術は、身体に対しなんらかの侵襲を与える手段であるため、偶発症・合併症のリスクがある。外科医は、手術を行う際に個々の患者に対し、リスクとベネフィット(便益)を総合的に判断して、手術適応を最終決定する。術後合併症とは、周術期において手術に関連して発生する有害事象を総称したものである。原因からみると、手術操作に起因するもの、麻酔に関連するもの、術後管理に関連するもの、などに大別される。また、手術前から存在する併存疾患が術後増悪した場合と、正常な臓器が手術侵襲により機能不全に陥った場合とに分類することもできる。このことを踏まえ、術後出血や呼吸器・循環器、術後感染等の術後合併症の発生機序と予防・対応について理解する。
③ 肺がんでは、診断・治療法が確定するまでの不安な時期を経て、手術適応となった場合には侵襲により健康状態が急激に変化する急性期(周術期)にいたる。術後には身体の回復過程(回復期)に入り、社会復帰への準備を行う。このような経過の全体を頭の片隅におきつつ、各経過において質の高い看護を提供していく必要がある。急性期(周術期)では、患者の安楽と安全のニーズは看護師の責任において充足をはかる。看護師は生命維持を中心とした援助を行いながらも、患者の苦痛となる原因を取り除くように努める。また、家族が病状を理解でき、治療に参加できるように援助する。肺がん術後の回復期では、手術による生命の危機的状態から脱し、身体の回復過程にある。生死の問題から呼吸機能障害をもちながらの生き方の問題へと移行する時期ともいえる。回復期の看護の目標は、手術侵襲と呼吸機能の喪失や低下に伴う身体・心理・社会的な影響を最小限にすることである。手術による苦痛が緩和され、変化している身体を整え、早期に社会生活を営むことができるように援助する。また、術後の身体の状態が安定することに伴い、心理・社会的不安の内容は変化する。こうした心身の急激な変化を乗り切れるように援助する。このように呼吸器外科手術に伴う主な合併症や胸腔鏡手術、胸腔ドレナージの目的や観察のポイントを理解し、肺切除術後の合併症および看護のポイントについて説明できる。
キーワード
① 早期離床 ② 疼痛管理 ③ 術後合併症 ④ 肺切除術 ⑤ 胸腔ドレナージ
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:教科書「系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論 P.306〜353」「系統看護学講座 専門分野Ⅱ 成人看護学[2] 呼吸器 P124~136、P231~235」、および配付資料の内容について振り返りを行い、重要だと思われる部分をまとめておくこと。特に手術後(肺切除術)における、術後合併症と合併症予防のための看護について理解を深め、キーワードにある用語については説明できるようにしておくこと。毎回「小テスト」は実施する。授業前に実施する場合もあるため、授業内容を復習しておくこと。毎回の授業で次回講義の課題を提示するので、その課題をしてくること。課題は授業でディスカッションや発表に活用するだけでなく、授業終了後に提出すること。
予習課題:「系統看護学講座 専門分野Ⅱ 成人看護学[5] 消化器」の該当部分P.152〜172、P.354〜367を熟読し、手術後の消化器障害について分からない語句等があれば事前に調べてから講義に臨むこと。
5
周術期看護④:手術後の看護:消化機能障害
科目の中での位置付け
本授業では、成人期にある患者の看護援助について急性期と慢性期を中心に学修する。
急性期看護として、特に周術期における看護を取り上げる。外科的治療(手術)は生体への侵襲を伴い、患者は共通の特徴をもつ。手術後の経過によっては、身体の変容、入院期間の延長、社会復帰の遅れ、さらには予後に影響する場合もある。そのため看護師には、全身管理に関する知識や技術だけでなく、患者の心身の状態を的確に把握する力が求められる。授業では、第1回で急性期患者の特徴と身体的・心理的・社会的側面を学び、第2回から第3回では手術前から手術中の看護を取り上げる。第4回から第6回では手術後の看護を学び、生命維持、合併症予防、全身状態の改善、退院後の生活支援、QOLの向上に向けた援助を理解する。また、呼吸・消化・運動機能に障害のある患者について、周術期の経過に応じた看護の特徴とアセスメントを学修する。さらに第7回では、集中治療を受ける患者を対象に、集中治療における看護の役割を学び、専門的な看護実践の理解を深める。
慢性期看護について学ぶ。成人期に発症する健康障害の多くは、肥満・糖尿病・動脈硬化・高血圧症、癌(がん)など、いわゆる生活習慣病と呼ばれる慢性疾患である。これらは初期には自覚症状が乏しく、気づかないうちに進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの突然の発症によって生命の危機や重大な機能障害に直面することが少なくない。そのため医療専門職は、予防のための健康教育、早期発見と早期治療、さらにはリハビリテーションを通じて、障害の進行を最小限に抑える役割を担う。本授業では、第8回で慢性期看護の基本的な考え方と慢性期患者の特徴、看護師の役割について学ぶ。その後、第9回から第15回にかけて代表的な慢性疾患を取り上げ、患者の特徴、看護に必要な情報、アセスメントの視点、そして具体的な看護について学修を進める。具体的には、第9回で糖尿病(代謝機能障害)、第10回で慢性閉塞性肺疾患(呼吸機能障害)、第11回で慢性心不全(循環機能障害)、第12回で脳梗塞(脳・神経機能障害)、第13回で慢性肝炎・肝硬変(栄養摂取・消化機能障害)、第14回で慢性腎臓病(内部環境調節障害)、第15回で白血病(造血機能障害)を学び、疾患ごとの看護の理解を深める。以上を通して、本授業では、成人期にある急性期・慢性期患者の特徴や看護課題を理解し、看護アセスメントの視点をもって看護援助を考察できる力を養うことを目標とする
第5回では手術後(胃切除術)における、術後合併症と合併症予防のための看護(実践)について学修する。
コマ主題細目①系統看護学講座 専門分野Ⅱ 成人看護学[5] 消化器P.156〜163
コマ主題細目②系統看護学講座 専門分野Ⅱ 成人看護学[5] 消化器P.362〜372
コマ主題細目③系統看護学講座 専門分野Ⅱ 成人看護学[5] 消化器P.370〜372
コマ主題細目
① 胃切除術について ② 胃がん患者の看護 -術前〜術後急性期- ③ 胃がん患者の看護 -術後回復期-
細目レベル
① 胃がんは、壁深達度により早期がんと進行がんとに分けられる。症状としては、早期がんの場合は、上腹部痛・腹部膨満感・食欲不振などがみられるが、無症状であることも多い。一方、進行がんの場合は、体重減少・消化管出血による貧血や吐きけ・嘔吐、嚥下困難などがあらわれる。治療は、日本胃癌学会の「胃癌治療ガイドライン」に基づいて胃がんの進行度や患者の QOL を考慮して選択される。リンパ節転移の可能性がほとんどない早期胃がんに対しては、内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)などの内視鏡的治療法が行われる。外科的手術は、病巣切除と周囲リンパ節郭清を目的として、幽門側胃切除術・噴門側胃切除術・胃全摘術などが行われる。進行度がⅡ型またはⅢ型の場合は、再発予防の目的で、手術後に補助化学療法が行われる。切除不能または再発胃がん患者に対する治療は化学療法である。このような胃がんの原因や分類、治療法(内視鏡的切除・手術)を理解し、治療法に応じた術後合併症について説明できる。
② 手術前の患者は、食欲不振、吐きけ・嘔吐、嚥下障害などの症状に伴って、食事を十分に摂取できないことにより、栄養状態が低下している可能性がある。また中心静脈カテーテルの挿入や経鼻胃管の挿入など、苦痛を伴う検査や処置が多いことに加え、手術や麻酔という未知のできごとに対する不安も大きい。そこで手術前の看護は、患者の栄養状態、病気に伴う不快症状を改善して、心身ともに最良の状態で手術を受けられるようにすることを目標とする。術後急性期は、麻酔や手術による機械的刺激により腸管が麻痺しており、創部痛のために離床が遅延すると、麻痺性腸閉塞(イレウス)などの術後合併症をおこす可能性がある。また食事が開始されると、胃切除に伴う消化・吸収障害やダンピング症候群などの合併症をおこす可能性があるため、長期的な食生活の変更をしいられる。そこで手術後の看護は、術後合併症を予防し、異常の早期発見に努めること、食生活を手術によって変化した消化管の構造に合うように再調整すること、さらに患者が主体的に取り組めるように援助することが重要である。このことを踏まえ、胃切除術を受ける患者に対する手術前の看護、また手術後早期の合併症を理解し、術後の経過や観察ポイントについて説明できる。
③ 術後回復期は患者が手術による身体的な変化を理解し、退院後に向けて食生活の再調整を行うこと、退院後におこると予測される合併症を知り、予防的な行動をとることができるように援助することが重要である。消化管の形態・機能的変化に合わせて、ダンピング症候群や腸閉塞などの合併症の予防のために、入院中に習得した食事の摂取方法を退院後も継続して行う必要がある。腸蠕動運動を促して腸閉塞を予防するためには、食事に注意するだけでなく、適度な運動も重要である。ウォーキングなどの適度な有酸素運動を日常生活のなかに取り入れるようにするような指導が大切である。また胃切除後になんらかの症状がついてまわることは避けられないということを受けとめ、生活行動と症状との関係を自己分析して、なにがいけなかったのか、どうすればよいのかを考えて適切に対処しながら、自分のからだとじょうずに付き合っていくことが大切である。このような胃切除術後の患者に対する手術後後期の合併症を理解し、予防や異常の早期発見、退院後の生活を踏まえた指導について説明できる。
キーワード
① 胃切除術 ② 術後合併症 ③ 術後のドレーン管理 ④ 吻合部の縫合不全 ⑤ ダンピング症候群
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:教科書「系統看護学講座 専門分野Ⅱ 成人看護学[5] 消化器 P.152〜172、P.354〜367」、および配付資料の内容について振り返りを行い、重要だと思われる部分をまとめておくこと。特に手術後(胃切除術)における、術後合併症と合併症予防のための看護について理解を深め、キーワードにある用語については説明できるようにしておくこと。毎回「小テスト」は実施する。授業前に実施する場合もあるため、授業内容を復習しておくこと。毎回の授業で次回講義の課題を提示するので、その課題をしてくること。課題は授業でディスカッションや発表に活用するだけでなく、授業終了後に提出すること。
予習課題:「系統看護学講座 専門分野Ⅱ 成人看護学[10] 運動器」の該当部分P.80〜81、P.188〜273を熟読し、手術後の運動機能障害について分からない語句等があれば事前に調べてから講義に臨むこと。
6
周術期看護⑤:手術後の看護:運動機能障害
科目の中での位置付け
本授業では、成人期にある患者の看護援助について急性期と慢性期を中心に学修する。
急性期看護として、特に周術期における看護を取り上げる。外科的治療(手術)は生体への侵襲を伴い、患者は共通の特徴をもつ。手術後の経過によっては、身体の変容、入院期間の延長、社会復帰の遅れ、さらには予後に影響する場合もある。そのため看護師には、全身管理に関する知識や技術だけでなく、患者の心身の状態を的確に把握する力が求められる。授業では、第1回で急性期患者の特徴と身体的・心理的・社会的側面を学び、第2回から第3回では手術前から手術中の看護を取り上げる。第4回から第6回では手術後の看護を学び、生命維持、合併症予防、全身状態の改善、退院後の生活支援、QOLの向上に向けた援助を理解する。また、呼吸・消化・運動機能に障害のある患者について、周術期の経過に応じた看護の特徴とアセスメントを学修する。さらに第7回では、集中治療を受ける患者を対象に、集中治療における看護の役割を学び、専門的な看護実践の理解を深める。
慢性期看護について学ぶ。成人期に発症する健康障害の多くは、肥満・糖尿病・動脈硬化・高血圧症、癌(がん)など、いわゆる生活習慣病と呼ばれる慢性疾患である。これらは初期には自覚症状が乏しく、気づかないうちに進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの突然の発症によって生命の危機や重大な機能障害に直面することが少なくない。そのため医療専門職は、予防のための健康教育、早期発見と早期治療、さらにはリハビリテーションを通じて、障害の進行を最小限に抑える役割を担う。本授業では、第8回で慢性期看護の基本的な考え方と慢性期患者の特徴、看護師の役割について学ぶ。その後、第9回から第15回にかけて代表的な慢性疾患を取り上げ、患者の特徴、看護に必要な情報、アセスメントの視点、そして具体的な看護について学修を進める。具体的には、第9回で糖尿病(代謝機能障害)、第10回で慢性閉塞性肺疾患(呼吸機能障害)、第11回で慢性心不全(循環機能障害)、第12回で脳梗塞(脳・神経機能障害)、第13回で慢性肝炎・肝硬変(栄養摂取・消化機能障害)、第14回で慢性腎臓病(内部環境調節障害)、第15回で白血病(造血機能障害)を学び、疾患ごとの看護の理解を深める。以上を通して、本授業では、成人期にある急性期・慢性期患者の特徴や看護課題を理解し、看護アセスメントの視点をもって看護援助を考察できる力を養うことを目標とする
第6回では手術後(大腿骨骨幹部骨折)の早期回復に向けた看護について学修する。
コマ主題細目①系統看護学講座 専門分野Ⅱ 成人看護学[10] 運動器P.86〜94、P.98〜100
コマ主題細目②系統看護学講座 専門分野Ⅱ 成人看護学[10] 運動器P.229〜230
コマ主題細目③系統看護学講座 専門分野Ⅱ 成人看護学[10] 運動器P.188〜193、P249~265
コマ主題細目
① 大腿部骨幹部骨折について ② 骨折(外傷)がもたらす出血性ショック ③ 大腿骨骨幹部骨折患者の看護
細目レベル
① 骨折はさまざまな原因によっておこり、骨組織自体は正常であるが、組織の抵抗力以上の外力が作用することによっておこる外傷性骨折、骨に脆弱性をもたらすような原疾患(原発性あるいは転移性骨腫瘍・骨髄炎・骨軟化症・骨粗鬆症など)があって骨折を生じる病的骨折、それ自体では骨折をおこすほどではない比較的弱い外力が繰り返し加えられた結果生じる疲労骨折に分けられる。大腿骨骨幹部骨折は、交通事故や転落などの高エネルギー外傷でおこることが多い。小児(幼児)の場合には虐待を疑う必要もある。臨床症状としては、大腿部の激しい仏痛、腫脹、変形をみとめる。臨床症状および単純X線像から診断は容易であるが、隣接する股関節や膝関節の骨折を見逃さないように注意が必要となる。成人では閉鎖(皮下)骨折であっても 500~1、000 mL の内出血があるため、出血性ショックなど全身状態に注意する。成人では整復や整復位の維持が困難な場合が多いため、積極的に観血的整復固定術が行われる。固定には、髄内釘やプレートが用いられる。このような大腿部骨幹部骨折の原因や特徴について説明できる。
② 外傷性ショックでは、大量の内・外出血による循環血液量減少性の出血性ショックが最も多く、緊急度・重症度が高い。骨折を伴う外傷では、開放骨折で組織の損傷が高度で著しい出血がある場合、大腿骨骨幹部骨折や骨盤骨折に伴う近傍血管の損傷がある場合、出血性ショックに陥る可能性がある。また、高エネルギー外傷では、骨折が軽微であっても内臓損傷など他臓器の損傷によりショックに陥る可能性もある。ショックの5徴候である蒼白、冷汗、虚脱、微弱な頻脈、呼吸不全に加え、意識障害、不穏、末梢冷感、乏尿など、バイタルサインの観察を確実かつ定期的に実施し、その状態や変化に注意する必要がある。また、注意深いアセスメントに加え、手術による整復、固定、リハビリテーションなどの治療に伴う合併症を予防し、すみやかな回復に向けた支援が求められる。このような骨折(外傷)がもたらす出血性ショックについて、分類や骨折部位から推定される出血量等を踏まえてその危険性を説明できる。
③ 大腿骨骨幹部骨折の経過について、外傷では非常に強い症状から始まり、集中的な治療が開始されるのが特徴である。救急処置を行いながら、患者の生命危機に関係する異常を見逃していないか、全スタッフの意識が集中する時期である。手術を行ったあとは、患部の疼痛をはじめとした症状は軽減し、創傷のケアと感染管理、合併症の予防を行っていく。回復期においてはリハビリテーションの割合が増え、日常生活動作も拡大していく。患者の関心は、「この症状・疾患は治癒するだろうか」から「もとの生活に戻るためにはどうすればよいだろうか」と変化していく。ここでのアセスメントにおいては、患部を観察するだけではなく、全身に目を向けることを忘れてはならない。出血性ショックや肺塞栓、患者の既往疾患が生命危機をまねくかもしれないと予測し、注意深く観察しなければならない。また、外傷を受けた患者は突然のできごとに混乱し、みずからの症状を的確に伝えられない場合もある。患者への状況説明を適宜行い、混乱の収束に努めることも、看護師の大きな役割である。さらに、時間の経過とともに事故に対する後悔や将来への不安が患者をおびやかすこともあるため、生命危機を乗りこえたあとも、注意深く患者とかかわりながら退院へ導くことが求められる。このことを踏まえ、事例を通して急性期における大腿骨骨幹部骨折患者の看護、牽引療法、術後の経過や観察ポイントについて説明できる。また回復期における大腿骨骨幹部骨折患者の看護、リハビリテーションについて説明できる。
キーワード
① 出血性ショック ② 牽引療法 ③ 腓骨神経麻痺 ④ 深部静脈血栓症 ⑤ リハビリテーション
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:教科書「系統看護学講座 専門分野Ⅱ 成人看護学[10] 運動器 P.80〜81、P.188〜273」、および配付資料の内容について振り返りを行い、重要だと思われる部分をまとめておくこと。特に手術後(大腿骨骨幹部骨折)の早期回復に向けた看護について理解を深め、キーワードにある用語については説明できるようにしておくこと。毎回「小テスト」は実施する。授業前に実施する場合もあるため、授業内容を復習しておくこと。毎回の授業で次回講義の課題を提示するので、その課題をしてくること。課題は授業でディスカッションや発表に活用するだけでなく、授業終了後に提出すること。
予習課題:「系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論」の該当部分P.356〜380を熟読し、集中治療を受ける患者の看護について分からない語句等があれば事前に調べてから講義に臨むこと。
7
集中治療を受ける患者の看護
科目の中での位置付け
本授業では、成人期にある患者の看護援助について急性期と慢性期を中心に学修する。
急性期看護として、特に周術期における看護を取り上げる。外科的治療(手術)は生体への侵襲を伴い、患者は共通の特徴をもつ。手術後の経過によっては、身体の変容、入院期間の延長、社会復帰の遅れ、さらには予後に影響する場合もある。そのため看護師には、全身管理に関する知識や技術だけでなく、患者の心身の状態を的確に把握する力が求められる。授業では、第1回で急性期患者の特徴と身体的・心理的・社会的側面を学び、第2回から第3回では手術前から手術中の看護を取り上げる。第4回から第6回では手術後の看護を学び、生命維持、合併症予防、全身状態の改善、退院後の生活支援、QOLの向上に向けた援助を理解する。また、呼吸・消化・運動機能に障害のある患者について、周術期の経過に応じた看護の特徴とアセスメントを学修する。さらに第7回では、集中治療を受ける患者を対象に、集中治療における看護の役割を学び、専門的な看護実践の理解を深める。
慢性期看護について学ぶ。成人期に発症する健康障害の多くは、肥満・糖尿病・動脈硬化・高血圧症、癌(がん)など、いわゆる生活習慣病と呼ばれる慢性疾患である。これらは初期には自覚症状が乏しく、気づかないうちに進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの突然の発症によって生命の危機や重大な機能障害に直面することが少なくない。そのため医療専門職は、予防のための健康教育、早期発見と早期治療、さらにはリハビリテーションを通じて、障害の進行を最小限に抑える役割を担う。本授業では、第8回で慢性期看護の基本的な考え方と慢性期患者の特徴、看護師の役割について学ぶ。その後、第9回から第15回にかけて代表的な慢性疾患を取り上げ、患者の特徴、看護に必要な情報、アセスメントの視点、そして具体的な看護について学修を進める。具体的には、第9回で糖尿病(代謝機能障害)、第10回で慢性閉塞性肺疾患(呼吸機能障害)、第11回で慢性心不全(循環機能障害)、第12回で脳梗塞(脳・神経機能障害)、第13回で慢性肝炎・肝硬変(栄養摂取・消化機能障害)、第14回で慢性腎臓病(内部環境調節障害)、第15回で白血病(造血機能障害)を学び、疾患ごとの看護の理解を深める。以上を通して、本授業では、成人期にある急性期・慢性期患者の特徴や看護課題を理解し、看護アセスメントの視点をもって看護援助を考察できる力を養うことを目標とする
第7回では生命が危機的状況にある患者の特徴、及び集中治療における看護の役割について理解する。
コマ主題細目①系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論P.333〜337
コマ主題細目②系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論P.337〜340
コマ主題細目③系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論P.340~357
コマ主題細目
① 集中治療・看護の概念と役割 ② 集中治療室(ICU)について ③ 集中治療における看護の実際
細目レベル
① 大手術、感染、がんや血管変性の進行などによって大きな侵襲が生体に加わると、侵襲が直接加わった臓器が障害されるだけでなく、全身の臓器の機能が低下し、あるいは影響を受ける。その結果、生体の機能は不安定となり、生命は危機に直面し、集中的で高濃度な介入を持続的に必要とするようになる。このような状態にある患者を一時的に集中治療室などに収容し、身体機能の安定化や合併症の予防などを目的として、専門家からなる医療チームが行う全身管理が集中治療(クリティカルケア)である。小手術の場合には、手術終了後、患者はすぐに病棟に戻るが、大手術のあとなどには、ICUへと収容される。すなわち、周術期におけるICUとは、手術後、病棟への帰室が問題のない状態に落ち着くまでの間、術後の危機をのりきるために暫定的に過ごす高度な医療環境である。生命が危機的状況にある患者は、状態の変化を監視するモニタリング装置につながれ、また救命のための多くの機器類が装着され、ベッドの周囲は雑然とした雰囲気に包まれている。また繰り返される医療行為や、機器類の発するさまざまな騒音などを伴った特殊な環境下に置かれ、睡眠も妨害されやすい状況にある。集中治療を受ける患者の看護にあたる看護師は、このような状況におかれた患者のもつ特徴を十分にふまえた専門的な看護を実践し、患者を生命の危機から脱却させる、救命というきわめて重要な役割を担っている。集中治療の領域では専門の看護職である集中ケア認定看護師、急性・重症患者看護専門看護師が看護実践・指導・教育、家族ケアなどに関与し、高度な看護の提供を行っている。このように集中治療とは何かを学び、生命が危機的な状況にある患者の身体的特徴、および心理・社会的特徴を理解する。また集中治療における看護の役割について、専門的な看護の実践の内容を通して理解する。
② 集中治療を受ける患者の多くが収容される集中治療室(集中治療部、ICU)とは、「内科系、外科系を問わず呼吸・循環・代謝、そのほかの重篤な急性機能不全の患者を収容し強力かつ集中的に治療看護を行うことにより、その効果を期待する部門である」(日本集中治療医学会)と定義されている。すなわち、ICUに収容される患者は、急性機能不全によって生命に危険が及んでいる者、あるいは危険が予測されると判断された者である。ICUでは、各専門分野の医師と訓練された看護師、臨床工学技士、薬剤師らからなるメンバーが協働し、豊富な設備や機器類を駆使して 24 時間を通した連続的で高度な治療・援助を行うことによって、収容された患者の生命をまもり、あるいは生命が危険に陥ることを未然に防いでいる。このようにICUとは、医療スタッフが総力をあげて力を結集させ、手をつくして高濃度の治療と看護を行う場である。ICUは、病院全体としての中央診療部門の1つであると同時に、重症患者を治療する病棟としての重要な役割を担っている。そのため、一般の病室とは異なった管理体制がとられ、専門家たちが横断的、有機的に連繋しながら医療が実施されている。またICUは原疾患に対する原因治療というよりも、生命の維持に重大な影響のある呼吸・循環・代謝などの機能の不全状態に対して、全身的な治療・看護を行うものである。ただし、その状態は急性のものであって、かつ集中的に加療すれば回復する見込みがあることが原則である。このことを踏まえ、集中治療室(ICU)について、種類や適応病態・疾患、管理・運営上の条件、設備的条件等を通して理解する。
③ 集中治療は、患者の予後やQOLに大きく影響を与える。また、集中治療中の患者は、呼吸器・循環器系などの重症疾患や機能不全を負い、あるいは侵襲度の高い手術を受けているため、一般の手術後患者とは異なった理解と対応が必要である。集中治療を必要とする患者は、呼吸器・循環器系を中心とした疾患や、侵襲の大きな手術、外傷などのさまざまな原因によって生理機能が障害され、治療や処置・環境によって状態が刻々と変化する。このような患者に対しては、全身の酸素化と循環の維持が適切に行われているかどうか、アセスメントをたえず行うことが必要である。また、集中治療を受ける患者は、身体機能が不安定なうえに、病態の変化が急激である。そのため、患者の状態変化を系統的に観察し、アセスメントすることが、今後おこりうる事態の予測や、治療・看護ケアの方針・方法を決定するうえで重要である。注意深い観察やアセスメントは、異常の早期発見のみならず、合併症を回避し患者の早期回復を促すためにも不可欠である。 そして集中治療を受けている患者は、局所のみならず全身の炎症反応、感染、廃用症候群などの危険にさらされている。回復に向けた看護援助の課題は、みずからの生体反応とたたかう患者の消耗を最小限に抑えながら、廃用症候群や合併症を予防していくことである。看護師は、急性期の段階から治療効果と状態を評価しながら、治療によってもたらされる二次的障害を予防することが重要である。このような集中治療の看護の実際について、映像を見てイメージすることができ、患者のアセスメントや呼吸・循環管理、家族ケア等について説明できる。
キーワード
① 集中治療 ② 専門・認定看護師 ③ 集中治療室 ④ 二次合併症 ⑤ 術後せん妄
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:教科書「系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論 P.356〜380」、および配付資料の内容について振り返りを行い、重要だと思われる部分をまとめておくこと。特に生命が危機的状況にある患者の特徴、及び集中治療における看護の役割について理解を深め、キーワードにある用語については説明できるようにしておくこと。毎回「小テスト」は実施する。授業前に実施する場合もあるため、授業内容を復習しておくこと。毎回の授業で次回講義の課題を提示するので、その課題をしてくること。課題は授業でディスカッションや発表に活用するだけでなく、授業終了後に提出すること。
予習課題:「成人看護学 慢性期看護論」の該当部分である第1〜3章を熟読し、慢性期疾患の特徴、慢性疾患患者の特徴と看護について分からない語句等があれば事前に調べてから講義に臨むこと。
8
授業のオリエンテーション 慢性期看護の基本的な考え方や慢性期にある患者の特徴や看護の役割
科目の中での位置付け
本授業では、成人期にある患者の看護援助について急性期と慢性期を中心に学修する。
急性期看護として、特に周術期における看護を取り上げる。外科的治療(手術)は生体への侵襲を伴い、患者は共通の特徴をもつ。手術後の経過によっては、身体の変容、入院期間の延長、社会復帰の遅れ、さらには予後に影響する場合もある。そのため看護師には、全身管理に関する知識や技術だけでなく、患者の心身の状態を的確に把握する力が求められる。授業では、第1回で急性期患者の特徴と身体的・心理的・社会的側面を学び、第2回から第3回では手術前から手術中の看護を取り上げる。第4回から第6回では手術後の看護を学び、生命維持、合併症予防、全身状態の改善、退院後の生活支援、QOLの向上に向けた援助を理解する。また、呼吸・消化・運動機能に障害のある患者について、周術期の経過に応じた看護の特徴とアセスメントを学修する。さらに第7回では、集中治療を受ける患者を対象に、集中治療における看護の役割を学び、専門的な看護実践の理解を深める。
慢性期看護について学ぶ。成人期に発症する健康障害の多くは、肥満・糖尿病・動脈硬化・高血圧症、癌(がん)など、いわゆる生活習慣病と呼ばれる慢性疾患である。これらは初期には自覚症状が乏しく、気づかないうちに進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの突然の発症によって生命の危機や重大な機能障害に直面することが少なくない。そのため医療専門職は、予防のための健康教育、早期発見と早期治療、さらにはリハビリテーションを通じて、障害の進行を最小限に抑える役割を担う。本授業では、第8回で慢性期看護の基本的な考え方と慢性期患者の特徴、看護師の役割について学ぶ。その後、第9回から第15回にかけて代表的な慢性疾患を取り上げ、患者の特徴、看護に必要な情報、アセスメントの視点、そして具体的な看護について学修を進める。具体的には、第9回で糖尿病(代謝機能障害)、第10回で慢性閉塞性肺疾患(呼吸機能障害)、第11回で慢性心不全(循環機能障害)、第12回で脳梗塞(脳・神経機能障害)、第13回で慢性肝炎・肝硬変(栄養摂取・消化機能障害)、第14回で慢性腎臓病(内部環境調節障害)、第15回で白血病(造血機能障害)を学び、疾患ごとの看護の理解を深める。以上を通して、本授業では、成人期にある急性期・慢性期患者の特徴や看護課題を理解し、看護アセスメントの視点をもって看護援助を考察できる力を養うことを目標とする
第8回目は、慢性期看護の基本的な考え方や慢性疾患を引き起こす疾患や治療の特徴と理解、慢性期にある人とその家族の身体的、心理・社会的特徴を捉え、慢性期にある人へのQOLを高めセルフケア支援を行い、行動変容を促し、生涯にわたるセルフケアマネジメント支援について学修する。
・授業の展開は、コマ用の独自作成の資料を配布して行う。
・成人看護学「慢性期看護論」/ ヌーヴェルヒロカワ P3~34(第Ⅰ章)慢性期看護の考え方、P35~98(第Ⅱ章)慢性期にある人の特徴と理解、 P99~169(第Ⅲ章)慢性期にある人への看護援助
コマ主題細目
① 慢性期の概念 ② 慢性疾患にある疾患・治療の特徴 ③ 慢性期にある患者とその家族の特徴 ④ 慢性疾患患者への看護援助 ⑤ 生活習慣病の予防とヘルスプロモーションの促進
細目レベル
① 慢性とは、ある病気の症状が激しくなく、良くも悪くもならない状態が長時間持続した状態である。慢性期にある人への看護は、健康状態が慢性化し、自己管理や生活の再常態化が必要な状況や、生活行動障害が残存した状態で自己の可能性を発揮することが必要な状況、症状マネジメントが必要な状況など、おかれている常態の維持・増進が困難な人を対象とする。慢性期にある人々は、その営みの過程においては、(1)医学的な危機をできるだけ予防し、いったん再燃すればすみやかに対処すること、(2) 症状を調整しながら生活すること、(3)指示された療法を実践することにともなう問題を処理すること、(4)他の人々と接触が少なくなることによって生じる社会的疎外をできるだけ予防し、いったん起これば、それに耐えて生きること、(5)病気が悪化しようと、低迷しようと、疾病によって生じる変化に適応すること、(6)他の人々とのつき合いや生活様式をできるだけ普通にすること、(7)失業したり、減給になったりしても、治療のためにそして生きるために、どこからか必要な経費をねん出すること、⑧身体的な問題だけでなく、心理的な問題や家族問題、夫婦間の問題などが生じることを覚悟しておくこと、の8つの課題が示されている。
② 慢性疾患は長期間にわたって医療が必要であり、治癒することが困難な慢性の経過をとる疾患である。「慢性疾患とは、次の特徴のうち1つあるいはそれ以上を融資、すべての機能の減退の状態、あるいは正常からの偏りの状態を意味する。」と定義される。その特徴として、(1)永久的な障害、(2)機能障害を残すもの、(3)非可逆的な病理的変容に起因するもの,(4)患者のリハビリテーションのために特別な訓練を必要とするもの、(5)長期間の管理、観察あるいは治療、看護の必要性がよそくされるものの5つがあげられる。また、慢性疾患は、疾患によりその経過は異なるが、緩(寛)解期と増悪期を繰り返しながら徐々に進行し、疾病の進行にともなって全身にさまざまな影響を及ぼし合併症を併発させる。
③ 多くの慢性疾患患者が経験している身体症状には、痛みや全身倦怠感、呼吸困難、睡眠障害やエネルギー衰退による活動制限、身体機能障害などがある。また、慢性疾患患者は、長期の経過の中で、慢性疾患の診断や病状の悪化、自己概念の障害、身体コントロール感や自立した生活の喪失、人生設計の変更を余儀なくされることなど、さまざまな喪失感を体験する。さらに、社会的には、患者を取り巻く人々との関係の親密さや得られる支援の有無、またそれらの人間関係から派生する種々の問題などが、患者のQOLに影響を及ぼす。
④ 慢性疾患患者が、慢性疾患と共に生きるということは、長期にわたってよりよい生活を送れるよう患者自らが変化に対応できる力を得ていくプロセスでもある。その力は患者の問題を医療者が解決し、医療者の指示に患者を従わせるといった一方的なやり取りではなく、患者の目標に向かう両者のパートナーシップによって培われる力である。看護師は、患者の自律性を重視し、患者自身が「できる」という確信をもって行動変容することを促進するパートナーになることが求められる。慢性疾患患者の行動変容に影響する概念として、自己効力感とエンパワーメントを説明し、慢性期にある人へのQOLを高め、セルフケア支援を行い、行動変容を促し、生涯にわたるセルフケアマネジメント支援について理解する。
⑤ 生活習慣と健康との関連を研究したブレスローは、健康の維持・増進に好ましい7つの健康習慣をあげている。それは、(1)適切な睡眠時間をとる(7~8時間)、(2)喫煙をしない、(3)適正体重を維持する、(4)過度の飲酒をしない、(5)定期的にかなり激しいスポーツをする、(6)朝食を毎日食べる、(7)間食をしないである。慢性疾患の中には、生活習慣の改善によりある程度の予防が可能であることが明らかになり、疾病の発症に深く関与している生活習慣を改善することによって疾病の発症を予防し、進行を防ぐという考えが重視されるようになった。1次予防対策では1人ひとりが生活習慣を改善し、健康増進につとめることが基本となる。国民に生活習慣の重要性を啓発し、健康に対する自発性を促し、生涯を通じた健康増進のための個人の努力を社会全体が支援する体制の整備が求められる。
キーワード
① 慢性期 ② 病みの軌跡 ③ 生活習慣病の予防 ④ 患者教育 行動変容 ⑤ ヘルスプロモーション
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:今回配布したレジュてノートを作成する。その際には、「成人看護学 慢性期看護論」のテキストで、特に第1章、第2章、第3章を読んで、慢性期疾患の特徴、慢性疾患患者の特徴と看護について等を確認して整理するとよい。今回のミニテストおよび慢性期看護に関する国家試験過去問題を学習し、知識の定着を図る。
予習課題:解剖生理学、疾病治療論で既習の代謝機能障害、特に糖尿病について、テキストの該当ページを参照し、糖代謝については理解しておこう。また、糖尿病患者の看護アセスメント、療養を支援するための看護について予習し、糖尿病をもつ患者・家族の気持ちを考えてみよう。さらに、疑問点や理解があいまいな点について質問を考えておき、授業中に解決しよう。
9
代謝機能障害をもつ患者への看護(糖尿病)
科目の中での位置付け
本授業では、成人期にある患者の看護援助について急性期と慢性期を中心に学修する。
急性期看護として、特に周術期における看護を取り上げる。外科的治療(手術)は生体への侵襲を伴い、患者は共通の特徴をもつ。手術後の経過によっては、身体の変容、入院期間の延長、社会復帰の遅れ、さらには予後に影響する場合もある。そのため看護師には、全身管理に関する知識や技術だけでなく、患者の心身の状態を的確に把握する力が求められる。授業では、第1回で急性期患者の特徴と身体的・心理的・社会的側面を学び、第2回から第3回では手術前から手術中の看護を取り上げる。第4回から第6回では手術後の看護を学び、生命維持、合併症予防、全身状態の改善、退院後の生活支援、QOLの向上に向けた援助を理解する。また、呼吸・消化・運動機能に障害のある患者について、周術期の経過に応じた看護の特徴とアセスメントを学修する。さらに第7回では、集中治療を受ける患者を対象に、集中治療における看護の役割を学び、専門的な看護実践の理解を深める。
慢性期看護について学ぶ。成人期に発症する健康障害の多くは、肥満・糖尿病・動脈硬化・高血圧症、癌(がん)など、いわゆる生活習慣病と呼ばれる慢性疾患である。これらは初期には自覚症状が乏しく、気づかないうちに進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの突然の発症によって生命の危機や重大な機能障害に直面することが少なくない。そのため医療専門職は、予防のための健康教育、早期発見と早期治療、さらにはリハビリテーションを通じて、障害の進行を最小限に抑える役割を担う。本授業では、第8回で慢性期看護の基本的な考え方と慢性期患者の特徴、看護師の役割について学ぶ。その後、第9回から第15回にかけて代表的な慢性疾患を取り上げ、患者の特徴、看護に必要な情報、アセスメントの視点、そして具体的な看護について学修を進める。具体的には、第9回で糖尿病(代謝機能障害)、第10回で慢性閉塞性肺疾患(呼吸機能障害)、第11回で慢性心不全(循環機能障害)、第12回で脳梗塞(脳・神経機能障害)、第13回で慢性肝炎・肝硬変(栄養摂取・消化機能障害)、第14回で慢性腎臓病(内部環境調節障害)、第15回で白血病(造血機能障害)を学び、疾患ごとの看護の理解を深める。以上を通して、本授業では、成人期にある急性期・慢性期患者の特徴や看護課題を理解し、看護アセスメントの視点をもって看護援助を考察できる力を養うことを目標とする。
第9回目は、代謝疾患の代表的な慢性疾患として糖尿病を取り上げ、糖尿病患者の看護アセスメント、療養を支援するための看護について理解する。代謝とは、生命維持活動に必須なエネルギーの獲得や、成長に必要な材料を合成するために生体内でおこるすべての生化学反応の総称である。食物を摂取することで、糖質、たんぱく質、脂質といった栄養素を胃や小腸などの消化管で消化・吸収し、エネルギーを生成し、そのエネルギーが細胞の成長や維持、活動のために使われる。代謝異常は、循環器や消化器疾患と違って必ずしも特定の臓器障害を起こすわけではなく、その疾患のもっている代謝異常が種々の臓器の障害を引き起こし、それに基づく症状があらわれる。
・授業の展開は、コマ用の独自作成の資料を配布して行う。
・成人看護学「慢性期看護論 」/ヌーヴェルヒロカワ P299~312(第Ⅷ章)慢性の代謝機能を持つ患者の看護
・成人看護学[6] 内分泌・代謝 ,医学書院 P 67~75(第4章)代謝疾患の検査、 P132~163(第5章)代謝疾患、①糖尿病、P238~271(第6章)代謝疾患患者の看護、事例による看護過程の展開 P296~307(第7章)B 2型糖尿病患者の看護
コマ主題細目
① 代謝機能障害の種類と病態生理 ② 代謝性機能障害を持つ患者の治療 ③ 代謝性機能障害を持つ患者のアセスメントの要件 ④ 糖尿病患者の看護アセスメント ⑤ 糖尿病患者への看護
細目レベル
① 代謝機能障害の種類は、糖代謝異常、脂質代謝異常、たんぱく代謝異常、尿酸代謝異常がある。
糖代謝異常(糖尿病):ブドウ糖は生体にとって最も重要なエネルギー源である。したがって生体では血糖の動揺をできるだけ少なくして、各臓器にブドウ糖を恒常的に供給するとともに、尿中に無駄に排泄されないような機構が働いている。血糖を安定させる機構はインスリンを中心としたホルモンの支配を受けている。インスリンの作用が不足すると、細胞内にブドウ糖がすみやかに入っていかなくなり、細胞内代謝が障害され、細胞外ではブドウ糖が余る状態になる。これが、糖尿病である。健常者では食事をすると小腸からブドウ糖が吸収され、門脈内に流入する。この上昇したブドウ糖により、インスリン分泌が促進され、門脈を介して肝臓に達し、さらに全身の組織に送られる。門脈から肝臓に流入したブドウ糖は一部肝臓内に取り込まれ、インスリンの働きによりグリコーゲンとして蓄積される。また、大循環に入ったブドウ糖は、インスリンの働きで骨格筋と脂肪細胞に取り込まれ、骨格筋ではエネルギーとして利用されたりグリコーゲンとして蓄積されたりし、脂肪細胞では中性脂肪として蓄積される。ところが、インスリン分泌が低下したりインスリンが効きにくくなれば(インスリン抵抗性)、インスリンの作用不足に陥り、肝臓での糖の利用低下、骨格筋、脂肪組織での糖の取り込みや利用の低下が起こり、細胞内はブドウ糖不足、逆に細胞外、血管内が高血糖という状態になる。
② 代謝障害の診断のきっかけは代謝産物の測定(糖尿病:血糖の上昇、脂質異常症:血中脂質の増加、痛風:尿酸値の上昇)であることが多いが、疾患の成因を追及するためには、血球や組織での酵素活性の測定、細胞の培養による代謝異常の確認、さらには遺伝子診断などが必要になる。
・血糖検査:糖尿病の検査で最も重要な検査である。通常、8~10時間程度の絶食後の静脈血漿を採取して検査する。早朝空腹時の正常値は、70~100㎎/dLである。
・ヘモグロビンA1c(HbA1c): HbA1cは、赤血球中のヘモグロビン分子にブドウ糖が非酵素的に結合したもので、採決前1~2か月間の血糖値の平均を反映する。HbA1cが6.5%以上で糖尿病型と判定される。
・尿糖
・ケトン体
・Cペプチド検査
・経口ブドウ糖負荷試験
・血清脂質:中性脂肪、LDLコレステロール、HDLコレステロール
・尿酸
③ 糖尿病は長期間の自己コントロールが必要である。合併症の不安や生活上の困難を伴うが、生き生きと充実した生活を送れるように援助することが重要となる。
(1)患者の病気の体験を理解する。
(2)糖尿病のコントロール状態をアセスメントする。
(3)慢性合併症(糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害)の有無と生活への影響をアセスメントする。
(4)生活習慣を患者と一緒にアセスメントする。
(5)セルフケアを維持できるサポート体制をアセスメントする。
④ 糖尿病患者の療養を支援するための看護について理解できる。
【看護目標】
(1)患者が自分の身体の状態を理解し、健康を維持・増進するセルフケア行動が実行できるようになる。
(2)患者が食事療法、運動療法、薬物療法を生活の中に組み入れた療養生活が継続できるようになる。
(3)患者が糖尿病の合併症の予防と管理ができるようになる。
【看護活動】
(1)症状マネジメント: 口渇・多飲・多尿、易疲労感、体重減少
2型糖尿病患者は急激な高血糖状態を呈することは少なく、持続的、慢性的な高血糖状態にあるが、一般的に自覚症状に乏しいといわれている。2型糖尿病患者は「自販機を見るたびに缶コーヒーを買っていた。暑くて喉が渇くと思っていた。」と生活を通して身体の様子を感じているが、血糖状態と缶コーヒーを買う意味が関連づけて捉えられないため、看護師は患者が高血糖状態にある自分の身体に気づくよう働きかけたり、身体への関心を持つように促したり、患者が自分の身体を大切にする方向を示すかかわりが大切であり、身体が楽になった体験をすることで、療養生活への関心が高まる。
(2)日常生活への援助:食生活を整える、運動と休息
血糖コントロールのための食事療法、運動療法は生活そのものである。今までの生活を見直し、より健康的な生活として無理なく食事療法、運動療法を生活の中に組み込めるよう患者と共に生活を調整する。
(3)教育支援:糖尿病の患者は血糖コントロールすることによって健常者と同じ生活を送ることができるが、血糖コントロールを放置するとさまざまな症状が出現し致命的となる。
a、危機状態の予防と管理:糖尿病ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群、シックデイ、糖尿病足病変の病態と治療、看護について理解する。
b、インスリン療法習得の援助:インスリン注射の必要性を理解し、インスリン製剤の種類、インスリン自己注射の方法、低血糖の予防と対処について理解する。
(4)理社会的支援:糖尿病患者の心理的問題がもっともよく起こるのは、糖尿病と診断された時であり、治療法が変更された時である。また、医療者や家族からの支援が得られない時、合併症が認められた時、将来への希望が失われたときに心理的葛藤が生じる。療養生活を継続していくためには、家族や職場の協力などが大きく影響する。家族が糖尿病について理解をし、一緒に栄養相談に参加できるように調整することも大切である。患者が職場の人に病気について話し、協力を得られるように働きかけていくことができるよう支持していくことや、独居者の場合は地域の支援が受けられるように調整していくことも必要である。
キーワード
① 代謝機能障害と代謝機能紹介を持つ患者 ② 代謝性機能障害のアセスメント ③ 糖尿病の治療 ④ 糖尿病患者の療養支援 ⑤ インスリン自己注射
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:今回配布したレジュメをもとにノートを作成する。その際には、「成人看護学 慢性期看護論」のテキストで、特に第Ⅷ章を読んで、糖尿病の患者の看護、医学書院のテキストの参照ページ等を確認して整理するとよい。今回のミニテストおよび糖尿病の看護に関する国家試験過去問題を学習し、知識の定着を図る。
予習課題:解剖生理学、疾病治療論で既習の呼吸機能障害、特にCOPDについて、テキストの該当ページを参照し、肺のガス交換、酸塩基平衡については理解しておこう。また、COPD患者の看護アセスメント、療養を支援するための看護について予習し、糖尿病をもつ患者・家族の気持ちを考えてみよう。さらに、疑問点や理解があいまいな点について質問を考えておき、授業中に解決しよう。
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呼吸機能障害をもつ患者への看護(慢性閉塞性肺疾患:COPD)
科目の中での位置付け
本授業では、成人期にある患者の看護援助について急性期と慢性期を中心に学修する。
急性期看護として、特に周術期における看護を取り上げる。外科的治療(手術)は生体への侵襲を伴い、患者は共通の特徴をもつ。手術後の経過によっては、身体の変容、入院期間の延長、社会復帰の遅れ、さらには予後に影響する場合もある。そのため看護師には、全身管理に関する知識や技術だけでなく、患者の心身の状態を的確に把握する力が求められる。授業では、第1回で急性期患者の特徴と身体的・心理的・社会的側面を学び、第2回から第3回では手術前から手術中の看護を取り上げる。第4回から第6回では手術後の看護を学び、生命維持、合併症予防、全身状態の改善、退院後の生活支援、QOLの向上に向けた援助を理解する。また、呼吸・消化・運動機能に障害のある患者について、周術期の経過に応じた看護の特徴とアセスメントを学修する。さらに第7回では、集中治療を受ける患者を対象に、集中治療における看護の役割を学び、専門的な看護実践の理解を深める。
慢性期看護について学ぶ。成人期に発症する健康障害の多くは、肥満・糖尿病・動脈硬化・高血圧症、癌(がん)など、いわゆる生活習慣病と呼ばれる慢性疾患である。これらは初期には自覚症状が乏しく、気づかないうちに進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの突然の発症によって生命の危機や重大な機能障害に直面することが少なくない。そのため医療専門職は、予防のための健康教育、早期発見と早期治療、さらにはリハビリテーションを通じて、障害の進行を最小限に抑える役割を担う。本授業では、第8回で慢性期看護の基本的な考え方と慢性期患者の特徴、看護師の役割について学ぶ。その後、第9回から第15回にかけて代表的な慢性疾患を取り上げ、患者の特徴、看護に必要な情報、アセスメントの視点、そして具体的な看護について学修を進める。具体的には、第9回で糖尿病(代謝機能障害)、第10回で慢性閉塞性肺疾患(呼吸機能障害)、第11回で慢性心不全(循環機能障害)、第12回で脳梗塞(脳・神経機能障害)、第13回で慢性肝炎・肝硬変(栄養摂取・消化機能障害)、第14回で慢性腎臓病(内部環境調節障害)、第15回で白血病(造血機能障害)を学び、疾患ごとの看護の理解を深める。以上を通して、本授業では、成人期にある急性期・慢性期患者の特徴や看護課題を理解し、看護アセスメントの視点をもって看護援助を考察できる力を養うことを目標とする。
第10回目は、呼吸機能障害の代表的な慢性疾患として慢性閉塞性肺疾患(COPD)を取り上げ、COPDの看護アセスメント、看護について理解する。呼吸とは、各組織に酸素を供給し、栄養素を燃焼して生命維持のために必要なエネルギーを得て、二酸化炭素を排出することであり、鼻腔から肺胞にいたる呼吸器系の最も重要な機能である。呼吸機能障害とは、通常外呼吸の異常をいう。すなわち、空気を肺胞内に取り入れ、肺胞においてガス交換を行って酸素を血中に取り込み、二酸化炭素を排出する過程に何らかの障害が生じている場合をいう。
・授業の展開は、コマ用の独自作成の資料を配布して行う。
・成人看護学「慢性期看護論」/ヌーヴェルヒロカワ P173~192(第Ⅳ章)慢性の呼吸機能障害を持つ患者の看護、
・成人看護学[2] 呼吸器 ,医学書院 P8(第1章)呼吸器疾患の動向と看護 、P172~177(第5章)慢性閉塞性肺疾患の理解 、 P305~317(第6章)慢性閉塞性肺疾患患者の看護、 P338~348(第7章)慢性閉塞性肺疾患の急性増悪により緊急入院した患者の看護
コマ主題細目
① 呼吸機能障害の種類と病態生理 ② 呼吸機能障害をもつ患者の治療 ③ 呼吸機能障害をもつ患者のアセスメントの要件 ④ COPD患者の看護アセスメントと看護援助
細目レベル
① 呼吸機能障害とは、通常外呼吸の異常をいう。すなわち、空気を外界から肺胞内に取り入れ、ガス交換を行って酸素を血中に取り込み、二酸化炭素を排出する過程に何らかの障害が生じることをいう。呼吸機能障害をきたす代表的な疾患として、慢性閉塞性肺疾患、拘束性肺疾患、肺がんを取り上げる。
(1)慢性閉塞性肺疾患(COPD):「タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患」と定義され、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病で、進行性、不可逆性である。臨床症状は、徐々に生じる体動時の呼吸困難、慢性の咳嗽、喀痰である。
(2)拘束性肺疾患とは、%肺活量(%VC)が80%未満の拘束性換気障害をきたす疾患であり、代表的な疾患として間質性肺炎や肺結核後遺症、肺線維症などがある。
(3)肺がんとは、肺に発生する悪性腫瘍の総称であり、気管、気管支、肺胞の一部の細胞が何らかの原因でがん化したものである。原発性肺がんは胃がんを抜いて日本人の悪性腫瘍による死亡の第一位である。
② 呼吸機能のアセスメントは、フィジカルアセスメントを中心に行われる。看護師は、患者の身体的な苦痛や不安などを察知し、スムーズに診察や検査が行われるよう援助する必要がある。問診は、身体状況についての患者の訴えを聞き、同時に専門的な視点で現病歴や既往歴などについて情報を得る。咳、痰、呼吸困難(息切れ)の3大症候について問診を行う。視診では、患者の主観的な訴えを客観的に評価するため、多角的な視診が必要となる。意識レベル、体位・姿勢、頸部、頭部、呼吸の状態、胸部、四肢を観察する。
触診では、気管の偏位、声音伝達(声音振盪)などの観察を行う。聴診では、きかれるべき音が正常な位置で聴取できるか、その音の大きさはどうか、聴こえるはずのない音が聴かれないか、左右で音の大きさや性状に差がないかなどに注意しながら聴取する。打診では、音響の性質から、直下にある物体の密度を知り、臓器の位置、大きさ、形、組織の病変の有無と性質を判断する。密度の大きいものは鈍い短い音(濁音)、密度の小さいものは響く長い音(鼓音)である。
③ 病変の種類の確認のために種々の検査が行われる。胸部X線検査は、簡便で侵襲性が低く、安価で情報量が多いため、画像診断の第一歩として重要であり、スクリーニングとしても有用である。慢性閉塞性肺疾患の特徴的な所見としては、肺気腫で肺の過膨張所見、肺野の透過性亢進、末梢血管影の狭小化がみられる。呼吸機能検査には、以下のような意義がある。(1)疾病によって起こる呼吸機能障害の有無、そのパターン、程度を知ることができる。(2)呼吸機能障害を客観的に評価することによって、疾病の経過、治療の効果および予後を推定できる。(3)手術の適応の決定や術後および呼吸不全患者の活動能力、活動範囲の判定ができる。(4)患者の自覚症状の多角的評価ができる。(5)機能上の鑑別診断ができる。
治療は、禁煙指導、酸素療法、薬物治療、呼吸リハビリテーションなどがある。
④ 看護アセスメントの視点としては、呼吸機能障害の原因・誘因、主訴と随伴症状、緊急度の判断が重要である。
看護目標は、(1)換気障害の改善、(2)呼吸困難による日常生活の制限の軽減、(3)病状の悪化を防ぐために必要な療養行動がとれるである。看護活動としては、薬物療法の継続に向けた支援、呼吸困難軽減のための支援、酸素療法の実施がある。また、心理社会的支援では、不安軽減への援助や制限された中でも旅行や娯楽を楽しめるような支援がある。さらに、COPD患者は、長期にわたって病気と付き合っていかなければならず、病状の悪化を防ぐことが重要な課題である。疾患に関する教育、感染予防に関する教育、日常生活動作に関する教育、禁煙教育、薬物療法に関する教育、運動療法に関する教育、食生活に関する教育、急性増悪時の対応に関する教育が重要である。
キーワード
① 呼吸機能障害と呼吸機能障害を持つ患者 ② 呼吸機能障害のアセスメント ③ COPDの治療 ④ COPD患者の療養支援
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:今回配布したレジュメをもとにノートを作成する。その際には、「成人看護学 慢性期看護論」のテキストで、特に第Ⅳ章を読んで、COPDの患者の看護、医学書院のテキストの参照ページ等を確認して整理するとよい。今回のミニテストおよびCOPDの看護に関する国家試験過去問題を学習し、知識の定着を図る。
予習課題:解剖生理学、疾病治療論で既習の循環機能障害、特に心不全について、テキストの該当ページを参照し、左心不全、右心不全、酸塩基平衡については理解しておこう。また、心不全患者の看護アセスメント、療養を支援するための看護について予習し、糖尿病をもつ患者・家族の気持ちを考えてみよう。さらに、疑問点や理解があいまいな点について質問を考えておき、授業中に解決しよう。
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循環機能障害をもつ患者への看護(慢性心不全)
科目の中での位置付け
本授業では、成人期にある患者の看護援助について急性期と慢性期を中心に学修する。
急性期看護として、特に周術期における看護を取り上げる。外科的治療(手術)は生体への侵襲を伴い、患者は共通の特徴をもつ。手術後の経過によっては、身体の変容、入院期間の延長、社会復帰の遅れ、さらには予後に影響する場合もある。そのため看護師には、全身管理に関する知識や技術だけでなく、患者の心身の状態を的確に把握する力が求められる。授業では、第1回で急性期患者の特徴と身体的・心理的・社会的側面を学び、第2回から第3回では手術前から手術中の看護を取り上げる。第4回から第6回では手術後の看護を学び、生命維持、合併症予防、全身状態の改善、退院後の生活支援、QOLの向上に向けた援助を理解する。また、呼吸・消化・運動機能に障害のある患者について、周術期の経過に応じた看護の特徴とアセスメントを学修する。さらに第7回では、集中治療を受ける患者を対象に、集中治療における看護の役割を学び、専門的な看護実践の理解を深める。
慢性期看護について学ぶ。成人期に発症する健康障害の多くは、肥満・糖尿病・動脈硬化・高血圧症、癌(がん)など、いわゆる生活習慣病と呼ばれる慢性疾患である。これらは初期には自覚症状が乏しく、気づかないうちに進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの突然の発症によって生命の危機や重大な機能障害に直面することが少なくない。そのため医療専門職は、予防のための健康教育、早期発見と早期治療、さらにはリハビリテーションを通じて、障害の進行を最小限に抑える役割を担う。本授業では、第8回で慢性期看護の基本的な考え方と慢性期患者の特徴、看護師の役割について学ぶ。その後、第9回から第15回にかけて代表的な慢性疾患を取り上げ、患者の特徴、看護に必要な情報、アセスメントの視点、そして具体的な看護について学修を進める。具体的には、第9回で糖尿病(代謝機能障害)、第10回で慢性閉塞性肺疾患(呼吸機能障害)、第11回で慢性心不全(循環機能障害)、第12回で脳梗塞(脳・神経機能障害)、第13回で慢性肝炎・肝硬変(栄養摂取・消化機能障害)、第14回で慢性腎臓病(内部環境調節障害)、第15回で白血病(造血機能障害)を学び、疾患ごとの看護の理解を深める。以上を通して、本授業では、成人期にある急性期・慢性期患者の特徴や看護課題を理解し、看護アセスメントの視点をもって看護援助を考察できる力を養うことを目標とする。
第11回目は、循環機能障害の代表的な慢性疾患として慢性心不全を取り上げ、慢性心不全の看護アセスメント、看護援助について理解する。人が生命活動を維持していくためには、循環機能の中枢としての心臓が働き、血管系を介して全身の臓器や組織に必要とされる血液を供給し、再び代謝により生じた老廃物を心臓に還流させる。循環機能障害は、この一連のプロセスが何らかの原因により障害された状態である。
・授業の展開は、コマ用の独自作成の資料を配布して行う。
・成人看護学「慢性期看護論 」/ヌーヴェルヒロカワ P206~229(第Ⅴ章)慢性の循環機能障害を持つ患者の看護
・ 成人看護学[3] 循環器 ,医学書院 P158~171(第5章)心不全 、P328~339(第6章)心不全患者の看護 、 P392~403(第7章)事例による看護過程の展開「心不全患者の看護」
コマ主題細目
① 循環機能障害の種類と病態生理 ② 循環機能障害を持つ患者の治療 ③ 循環機能障害を持つ患者のアセスメントの要件 ④ 慢性心不全の看護アセスメントと援助
細目レベル
① 人が生命を維持していくためには、循環機能の中枢としての心臓が働き、血管系を介して全身の臓器や組織に必要とされる血液を供給し、再び代謝により生じた老廃物を心臓に還流させる。循環機能障害は、この一連のプロセスが何らかの原因により障害された状態である。
循環機能障害は、各種心臓疾患をはじめ、さまざまな要因によって生じる。そのため循環機能障害は、心臓の原因に基づく心機能障害から心拍出量の低下をきたす心不全と、心臓以外の原因によって生じる末梢循環機能障害とに大別される。さらに、体循環系の血圧異常として高血圧について学ぶ。
心不全は、心機能の代償機構が働くなった結果、心拍出量の低下から全身の臓器や組織に血液の供給不足を生じた状態である。すなわち、心不全はあらゆる心臓疾患から引き起こされ、心機能障害をもたらす原因により分類される。心臓のポンプ機能は、心筋の収縮力、前負荷、後負荷、心拍数の4因子が密接に関連することによって心拍出量を調整している。そこで循環機能に障害が生じると、生体は心拍数の増加、血管の収縮、および心拡大などの代償機構が働いて、安静時に臓器や組織の代謝に必要な血液を供給することになる。しかし、このような過剰な負荷が長く続くと心不全を生じることになる。
② 循環機能に障害をもつ患者は、心身にさまざまな影響を受けるので、循環機能のアセスメントにおいては心機能を多面的に評価し、総合的に判定することが重要である。看護者は、問診や観察、検査に際しては、患者に目的、内容、実施方法についてわかりやすく、ていねいに説明し、患者の過度の不安や心配を取り除く必要がある。病歴、心機能分類および指標、バイタルサインの変化、症状の観察、検査データのアセスメントに加え、安静療法、食事療法、薬物療法、心臓リハビリテーションへの理解が重要である。
③ 看護アセスメントにあたっては、患者の現在の心機能状態を把握し、循環機能障害による影響が患者や生活にどのような影響を及ぼしているかについて、身体的、心理・精神的、社会・経済的、日常生活、家族の各側面についてアセスメントする。看護目標は、(1)心機能の程度に応じて日常生活を維持・拡大できる、(2)心機能の悪化を防止できるようにセルフケア能力を習得する、(3)生活の質の維持・向上をはかるである。看護援助は、症状マネジメントが重要であり、症状の発症機序および背景とその対処方法について理解する。
④ 日常生活への援助として、患者が残された心機能を最大限に生かしながら、日常生活行動を維持・拡大していけるように調整する。食事(塩分制限、水分制限、アルコール)、排泄(便秘)、運動と休息、清潔、性生活について理解する。患者のQOLの維持・向上に向け、仕事と仕事以外の活動に対する援助について理解する。さらに、患者は、治療や日常生活の自己管理を行ったとしても発症前の健康状態にまで回復させることは困難であることから不安定な精神状態に置かれている。そこで、自己調整力の向上に向けて教育的支援が重要となる。
キーワード
① 循環機能障害と循環機能障害を持つ患者 ② 循環機能障害のアセスメント ③ 慢性心不全の治療 ④ 慢性心不全患者の療養支援
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:今回配布したレジュメをもとにノートを作成する。その際には、「成人看護学 慢性期看護論」のテキストで、特に第Ⅴ章を読んで、心不全の患者の看護、医学書院のテキストの参照ページ等を確認して整理するとよい。今回のミニテストおよび心不全の看護に関する国家試験過去問題を学習し、知識の定着を図る。
予習課題:解剖生理学、疾病治療論で既習の脳・神経機能障害、特に脳梗塞について、テキストの該当ページを参照し、意識障害の観察、脳梗塞の分類については理解しておこう。また、脳梗塞患者の看護アセスメント、療養を支援するための看護について予習し、脳・神経障害をもつ患者・家族の気持ちを考えてみよう。さらに、疑問点や理解があいまいな点について質問を考えておき、授業中に解決しよう。
12
脳・神経機能障害をもつ患者への看護(脳梗塞)
科目の中での位置付け
本授業では、成人期にある患者の看護援助について急性期と慢性期を中心に学修する。
急性期看護として、特に周術期における看護を取り上げる。外科的治療(手術)は生体への侵襲を伴い、患者は共通の特徴をもつ。手術後の経過によっては、身体の変容、入院期間の延長、社会復帰の遅れ、さらには予後に影響する場合もある。そのため看護師には、全身管理に関する知識や技術だけでなく、患者の心身の状態を的確に把握する力が求められる。授業では、第1回で急性期患者の特徴と身体的・心理的・社会的側面を学び、第2回から第3回では手術前から手術中の看護を取り上げる。第4回から第6回では手術後の看護を学び、生命維持、合併症予防、全身状態の改善、退院後の生活支援、QOLの向上に向けた援助を理解する。また、呼吸・消化・運動機能に障害のある患者について、周術期の経過に応じた看護の特徴とアセスメントを学修する。さらに第7回では、集中治療を受ける患者を対象に、集中治療における看護の役割を学び、専門的な看護実践の理解を深める。
慢性期看護について学ぶ。成人期に発症する健康障害の多くは、肥満・糖尿病・動脈硬化・高血圧症、癌(がん)など、いわゆる生活習慣病と呼ばれる慢性疾患である。これらは初期には自覚症状が乏しく、気づかないうちに進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの突然の発症によって生命の危機や重大な機能障害に直面することが少なくない。そのため医療専門職は、予防のための健康教育、早期発見と早期治療、さらにはリハビリテーションを通じて、障害の進行を最小限に抑える役割を担う。本授業では、第8回で慢性期看護の基本的な考え方と慢性期患者の特徴、看護師の役割について学ぶ。その後、第9回から第15回にかけて代表的な慢性疾患を取り上げ、患者の特徴、看護に必要な情報、アセスメントの視点、そして具体的な看護について学修を進める。具体的には、第9回で糖尿病(代謝機能障害)、第10回で慢性閉塞性肺疾患(呼吸機能障害)、第11回で慢性心不全(循環機能障害)、第12回で脳梗塞(脳・神経機能障害)、第13回で慢性肝炎・肝硬変(栄養摂取・消化機能障害)、第14回で慢性腎臓病(内部環境調節障害)、第15回で白血病(造血機能障害)を学び、疾患ごとの看護の理解を深める。以上を通して、本授業では、成人期にある急性期・慢性期患者の特徴や看護課題を理解し、看護アセスメントの視点をもって看護援助を考察できる力を養うことを目標とする。
第12回目は、脳・神経機能障害の代表的な慢性疾患として脳梗塞を取り上げ、脳梗塞の看護アセスメント、看護について理解する。脳・神経機能障害を理解するための基礎知識として、障害の種類と病態生理、機能障害の評価方法とその結果の解釈および看護への活かし方、治療方法とそれに伴う看護、機能障害がもたらす生活への影響を理解することが重要となる。
・授業の展開は、コマ用の独自作成の資料を配布して行う。
・成人看護学「慢性期看護論」/ ヌーヴェルヒロカワ P231~252(第Ⅵ章)慢性の脳・神経機能障害をもつ患者の看護
・成人看護学[7] 脳・神経 ,医学書院 P137~150(第5章)脳梗塞、 P335~337(第6章)薬物療法を受ける患者の看護 、 P355~361(第6章)脳梗塞患者の看護
コマ主題細目
① 脳・神経機能障害の種類と病態生理 ② 脳・神経機能障害を持つ患者の治療 ③ 脳・神経機能障害を持つ患者のアセスメントの要件 ④ 脳梗塞の看護アセスメント、援助
細目レベル
① 中枢神経の脳は「指令を出す」コントロール中枢であり、末梢神経はそれを「伝達する」あるいは受容器からの情報を脳に「伝える」役割をもっている。これらの末梢神経の一部である脊髄神経は、脊髄の前根、後根から出入りしており、中枢神経である脊髄は、指令の経路であると同時に、独立の脊髄反射の中枢である。そして、筋・骨格系は刺激の受容器であると同時に、身体の動きを作り出して「指令を実行する」役割をはたす。したがって、これらの指令中枢や伝達経路のいずれかに損傷が生じた場合、共通して現れる症状は運動障害(麻痺、振戦、不随意運動、失調など)、感覚障害(麻痺、鈍麻、異常知覚など)、自律神経障害(発汗低下、起立性低血圧、排泄障害など)である。さらに、脳および脳神経が障害された場合には、「情報を受け取り指令を出す」機能が障害されるために、意識障害、認知障害、言語障害、嚥下障害など特有の症状が出現する。運動障害は、中枢神経の脳・脊髄、末梢神経、骨、関節、筋肉の障害により、随意運動障害(麻痺)、失調、不随意運動がある。感覚障害は、運動の成立と同様に、感覚受容器である眼、鼻、舌、皮膚の感覚器官で受け取った刺激を末梢神経によって求心性に伝達され、それぞれの感覚を司る大脳皮質の感覚野に伝えられ、痛い、熱いなどの感覚として認知される。これらの機関、経路のいずれかに損傷を負うことによって発生する。意識障害、認知障害、言語障害、嚥下障害についても学修する。
② 脳・神経機能障害の検査には、画像診断検査、電気生理学的検査、脳脊髄検査、神経学的検査がある。意識レベルのアセスメントには、JCS,GCSがある。運動機能のアセスメントには、体格、姿勢、身体の動かし方などの観察と、ブルンストームステージ、徒手筋力テスト(MMT)、関節可動域テスト(ROMテスト)がある。さらに、感覚機能、精神・認知機能、日常生活自立度(FIM)などのツールを用いてアセスメントを行う。
③ 看護アセスメントは、健康時とどのようにニーズの充足の仕方が変化しているか、標準からの逸脱がないか、変化や逸脱の原因・関連因子は何か、保たれている機能・能力は何か、患者・家族は援助を求めているか、それぞれを判断する。最終的に看護の方向性や援助の必要かどうかの判断は、患者・家族の意志や思いを優先に、年齢、予後、家族の状況などから総合的に判断する。
看護目標は、(1)これまでに再獲得した日常生活行動を維持・拡大できる、(2)基礎疾患の自己管理ができるである。
④ 日常生活への援助では、家庭や社会生活への適応準備を行い、社会参加を促す。また、緊急時の対応について本人・家族によく周知しておく。後遺症を残す場合は、障害の程度によって身体障碍者手帳の交付や介護保険の申請とうの社会資源の活用を行う。さらに、患者・家族の心理社会的支援が重要である。特に家族の健康を支える援助や、家族の自立を支えるための介助の仕方についての支援について理解する。
キーワード
① 脳・神経機能障害 ② 脳・神経機能障害を持つ患者 ③ 脳・神経機能障害のアセスメント ④ 脳梗塞の治療 ⑤ 脳梗塞患者の療養支援
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:今回配布したレジュメをもとにノートを作成する。その際には、「成人看護学 慢性期看護論」のテキストで、特に第Ⅵ章を読んで、脳梗塞の患者の看護、医学書院のテキストの参照ページ等を確認して整理するとよい。今回のミニテストおよび脳梗塞の看護に関する国家試験過去問題を学習し、知識の定着を図る。
予習課題:解剖生理学、疾病治療論で既習の栄養摂取・消化機能障害、特に肝硬変について、テキストの該当ページを参照し、肝臓の機能、肝硬変の症状、治療については理解しておこう。また、肝硬変患者の看護アセスメント、療養を支援するための看護について予習し、肝機能障害をもつ患者・家族の気持ちを考えてみよう。さらに、疑問点や理解があいまいな点について質問を考えておき、授業中に解決しよう。
13
栄養摂取・消化機能障害をもつ患者への看護(慢性肝炎・肝硬変症)
科目の中での位置付け
本授業では、成人期にある患者の看護援助について急性期と慢性期を中心に学修する。
急性期看護として、特に周術期における看護を取り上げる。外科的治療(手術)は生体への侵襲を伴い、患者は共通の特徴をもつ。手術後の経過によっては、身体の変容、入院期間の延長、社会復帰の遅れ、さらには予後に影響する場合もある。そのため看護師には、全身管理に関する知識や技術だけでなく、患者の心身の状態を的確に把握する力が求められる。授業では、第1回で急性期患者の特徴と身体的・心理的・社会的側面を学び、第2回から第3回では手術前から手術中の看護を取り上げる。第4回から第6回では手術後の看護を学び、生命維持、合併症予防、全身状態の改善、退院後の生活支援、QOLの向上に向けた援助を理解する。また、呼吸・消化・運動機能に障害のある患者について、周術期の経過に応じた看護の特徴とアセスメントを学修する。さらに第7回では、集中治療を受ける患者を対象に、集中治療における看護の役割を学び、専門的な看護実践の理解を深める。
慢性期看護について学ぶ。成人期に発症する健康障害の多くは、肥満・糖尿病・動脈硬化・高血圧症、癌(がん)など、いわゆる生活習慣病と呼ばれる慢性疾患である。これらは初期には自覚症状が乏しく、気づかないうちに進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの突然の発症によって生命の危機や重大な機能障害に直面することが少なくない。そのため医療専門職は、予防のための健康教育、早期発見と早期治療、さらにはリハビリテーションを通じて、障害の進行を最小限に抑える役割を担う。本授業では、第8回で慢性期看護の基本的な考え方と慢性期患者の特徴、看護師の役割について学ぶ。その後、第9回から第15回にかけて代表的な慢性疾患を取り上げ、患者の特徴、看護に必要な情報、アセスメントの視点、そして具体的な看護について学修を進める。具体的には、第9回で糖尿病(代謝機能障害)、第10回で慢性閉塞性肺疾患(呼吸機能障害)、第11回で慢性心不全(循環機能障害)、第12回で脳梗塞(脳・神経機能障害)、第13回で慢性肝炎・肝硬変(栄養摂取・消化機能障害)、第14回で慢性腎臓病(内部環境調節障害)、第15回で白血病(造血機能障害)を学び、疾患ごとの看護の理解を深める。以上を通して、本授業では、成人期にある急性期・慢性期患者の特徴や看護課題を理解し、看護アセスメントの視点をもって看護援助を考察できる力を養うことを目標とする。
第13回目は、栄養摂取・消化機能障害の代表的な慢性疾患として慢性肝炎・肝硬変症を取り上げ、慢性肝炎・肝硬変症の看護アセスメント、看護について理解する。消化機能障害は、青年期、壮年期から老年期という幅広い年代の人々が提供するこのと多い障害の1つである。消化機能は、「食べる」「エネルギーを生み出す」「老廃物を排泄する」という働きをもっている。正常な消化管活動が障害されることは、日常的にはよくある。排便頻度の変化、腹部膨満、腹痛、悪心などが、単独あるいは組み合わさって成人の約15%に起こるとされている。この主な原因は、閉塞部の直接的な影響によるもの、あるいは原発性の粘膜異常により放出される物質による間接的な作用によるものがある。
・授業の展開は、コマ用の独自作成の資料を配布して行う。
・成人看護学「慢性期看護論」/ヌーヴェルヒロカワ P253~297(第Ⅶ章)慢性の栄養摂取・消化機能障害をもつ患者の看護
・成人看護学 [5] 消化器 ,医学書院 P205~234(第5章)肝臓・胆嚢の疾患、 P402~429(第6章)肝臓・胆嚢疾患患者の看護、P455~468(第7章)事例による看護過程の展開「肝硬変患者の看護」
コマ主題細目
① 栄養摂取・消化機能障害の病態生理 ② 栄養摂取・消化機能障害の治療と看護 ③ 栄養摂取・消化機能障害を持つ患者のアセスメントの要件 ④ 慢性肝炎・肝硬変症の看護アセスメント、援助
細目レベル
① 食物から栄養素を取り込むために、分解するのが消化の機能である。食物は咀嚼運動、腸管の分節運動、蠕動運動などの移送機能により、消化管内を移動し、次に消化酵素による化学反応により消化されていく。吸収機能では、消化された物質を栄養素として体内に取り入れる。消化・吸収障害は、移送機能の障害、消化機能の障害、吸収機能の障害に分けて考えることができる。消化性潰瘍とは、胃庭腺粘膜から分泌される胃液・ペプシンの消化作用により形成される消化管粘膜の粘膜下層より深い両性の粘膜欠損であり、胃・十二指腸潰瘍の総称である。肝硬変は、あらゆる慢性進行性肝疾患の終末像であり、多くは不可逆的である。肝機能から、1)代償性肝硬変、2)非代償性肝硬変に分類される。
② 消化・吸収機能に関する検査には、消化管の形態や運動をX線撮影して観察するものと、内視鏡を用いて、直接粘膜を観察するものがある。消化器疾患の患者の場合、身体計測、血液検査、尿検査、単純X線検査、心電図などの一般検査を行い、肝臓や腎臓、心臓、肺などに基礎疾患をもっていないか、さらに糖尿病の合併、凝固機能異常やB型、C型肝炎ウイルス感染の有無なども確認する。様々な疾患を念頭におき、症状に合わせて各種検査を指向することにより、診断・治療が行われていく。
経口摂取が困難でも、消化管の使用が可能で、十分な消化機能が期待できる場合は、栄養チューブの挿入・留置もしくは消化管瘻の造設が行われる。
③ 食物を消化し、栄養素を吸収する機能に障害が起こると、患者は栄養状態が不良になり生命の危機に陥ることになる。しかし、栄養機能は、栄養を貯えたり、相互に補完・協働する代謝機能があるために、消化機能が障害されたからといってすぐに命の危険に至ることはない。
④ 慢性肝炎患者への看護は、慢性肝炎から肝硬変、肝細胞がんへの進行を抑制するために、慢性肝炎の段階では患者が適切な治療法を選択することができるように支援することが重要である。肝硬変の段階では、代償期、非代償期の各期に応じて、食事療法や安静などの意義を患者に理解してもらい、肝予備能を維持できるよう援助することが重要である。
看護目標は、(1)患者が、自分の肝予備力を正しく理解し、肯定的な見通しをもつことにより、不安やストレスに適切に対処できる、(2)肝機能の障害の程度に応じて、適切に生活調整が行える、(3)医療者と協力しながら、安全に治療を継続できる、(4)苦痛な症状をコントロールでき、安楽に過ごすことができるである。
キーワード
① 栄養摂取・消化機能障害と栄養摂取・消化機能障害を持つ患者 ② 栄養摂取・消化機能障害のアセスメント ③ 慢性肝炎・肝硬変症の治療 ④ 慢性肝炎・肝硬変症患者の療養支援
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:今回配布したレジュメをもとにノートを作成する。その際には、「成人看護学 慢性期看護論」のテキストで、特に第Ⅶ章を読んで、肝硬変の患者の看護、医学書院のテキストの参照ページ等を確認して整理するとよい。今回のミニテストおよび肝硬変の看護に関する国家試験過去問題を学習し、知識の定着を図る。
予習課題:解剖生理学、疾病治療論で既習の内部環境調節機能障害、特に慢性腎臓病について、テキストの該当ページを参照し、腎臓の機能、慢性腎臓病の症状、治療については理解しておこう。また、慢性腎臓病患者の看護アセスメント、療養を支援するための看護について予習し、腎機能障害をもつ患者・家族の気持ちを考えてみよう。さらに、疑問点や理解があいまいな点について質問を考えておき、授業中に解決しよう。
14
内部環境調節障害をもつ患者への看護(慢性腎臓病)
科目の中での位置付け
本授業では、成人期にある患者の看護援助について急性期と慢性期を中心に学修する。
急性期看護として、特に周術期における看護を取り上げる。外科的治療(手術)は生体への侵襲を伴い、患者は共通の特徴をもつ。手術後の経過によっては、身体の変容、入院期間の延長、社会復帰の遅れ、さらには予後に影響する場合もある。そのため看護師には、全身管理に関する知識や技術だけでなく、患者の心身の状態を的確に把握する力が求められる。授業では、第1回で急性期患者の特徴と身体的・心理的・社会的側面を学び、第2回から第3回では手術前から手術中の看護を取り上げる。第4回から第6回では手術後の看護を学び、生命維持、合併症予防、全身状態の改善、退院後の生活支援、QOLの向上に向けた援助を理解する。また、呼吸・消化・運動機能に障害のある患者について、周術期の経過に応じた看護の特徴とアセスメントを学修する。さらに第7回では、集中治療を受ける患者を対象に、集中治療における看護の役割を学び、専門的な看護実践の理解を深める。
慢性期看護について学ぶ。成人期に発症する健康障害の多くは、肥満・糖尿病・動脈硬化・高血圧症、癌(がん)など、いわゆる生活習慣病と呼ばれる慢性疾患である。これらは初期には自覚症状が乏しく、気づかないうちに進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの突然の発症によって生命の危機や重大な機能障害に直面することが少なくない。そのため医療専門職は、予防のための健康教育、早期発見と早期治療、さらにはリハビリテーションを通じて、障害の進行を最小限に抑える役割を担う。本授業では、第8回で慢性期看護の基本的な考え方と慢性期患者の特徴、看護師の役割について学ぶ。その後、第9回から第15回にかけて代表的な慢性疾患を取り上げ、患者の特徴、看護に必要な情報、アセスメントの視点、そして具体的な看護について学修を進める。具体的には、第9回で糖尿病(代謝機能障害)、第10回で慢性閉塞性肺疾患(呼吸機能障害)、第11回で慢性心不全(循環機能障害)、第12回で脳梗塞(脳・神経機能障害)、第13回で慢性肝炎・肝硬変(栄養摂取・消化機能障害)、第14回で慢性腎臓病(内部環境調節障害)、第15回で白血病(造血機能障害)を学び、疾患ごとの看護の理解を深める。以上を通して、本授業では、成人期にある急性期・慢性期患者の特徴や看護課題を理解し、看護アセスメントの視点をもって看護援助を考察できる力を養うことを目標とする。
第14回目は、内部環境調節障害の代表的な慢性疾患として慢性腎臓病を取り上げ、慢性腎臓病の看護アセスメント、患者への看護について理解する。生体の内部環境を調節する主な器官は、腎臓・肺・脳下垂体である。内部環境とは、体液(血液、組織液、リンパ液)を指す。そして、体を一定に保つために、体液の働きは酸素・栄養分の運搬、二酸化炭素・老廃物の排出、体温調節をして、恒常性の維持(ホメオスタシス)を行っている。
・授業の展開は、コマ用の独自作成の資料を配布して行う。
・成人看護学「慢性期看護論 」/ヌーヴェルヒロカワ P313~336(第Ⅸ章)慢性の内部環境調節障害をもつ患者の看護
・成人看護学 [8] 腎・泌尿器」,医学書院 P105~116(第5章)腎不全とAKI・CKD、P249~252(第6章)慢性腎臓病患者の看護、P282~302(第6章)、P304~311(第7章)糖尿病性腎症から透析導入となった患者の看護
コマ主題細目
① 内部環境調節-腎臓の機能について ② 内部環境調節-腎臓の機能:臨床症状のアセスメント ③ 内部環境調節-腎臓の機能障害患者への看護 ④ 慢性腎臓病の治療、援助
細目レベル
① 腎臓の機能は、(1)体内で行われる代謝過程で生じた最終代謝産物(クレアチニン、尿素窒素など)を糸球体で濾過し尿中に排泄し、(2)体液量と組成を一定に保ち体内の恒常性を維持する。また、(3)ホルモンの産生(エリスロポエチン、レニン)や調整(ビタミンDの活性化)を行う。一次性腎疾患とは、原因が腎臓自体に起因するもので、二次性腎疾患とは、腎臓以外の疾患に付随し腎機能が障害されるものでる。慢性腎臓病は、様々な腎疾患を総称した病名である。その定義は、(1)尿異常、画像診断、血液、病理で腎障害の存在が明らか、特に0.15gⅭr以上のアルブミン尿)の存在が重要、(2)糸球体濾過量が60mL/分/1.73㎡未満、(1)、(2)のいずれか、または両方が3か月以上持続する状態をいう。
② 臨床症状は、尿検査、糸球体濾過量(GFR)、血液生化学・末梢血液・血液ガス検査、画像検査、腎生検の結果により判断される。慢性腎臓病の重症度分類を用いて、各ステージの臨床症状を呈する。慢性腎臓病の治療は、生活習慣の改善、食事療法、薬物療法が基本となる。ステージG5に至りさまざまな尿毒症症状が出現すると、生命を維持するには透析療法(腎代替療法)が必要になる。
③ 慢性腎臓病の患者へのアセスメントは、(1)患者の身体の状態をアセスメントする、(2)患者が自分の病気をどのようにとらえているかをアセスメントする、(3)患者の日常生活を確認する、(4)患者を取り囲む環境を確認するである。看護目標は、患者が自分の状態を理解し、食事、薬物、透析(腎代替療法)を組み込んだ療養生活が継続できることであり、患者の状態・療養生活をアセスメントし患者と共に立案する。
④ 慢性腎臓病患者へのおもな看護活動は、(1)透析導入前の保存期、(2)透析導入期、(3)透析導入後の維持期の3つに分けられる。保存期においては、受診の継続を支援し、適切な食生活の継続と服薬状況を確認し継続できる状況を整え、疾患や腎機能の維持についてわかりやすく説明する。心理社会的支援では、腎代替療法について意思決定しようとする気持ちに寄り添い、具体的な情報提供を行い、家族とともに十分に話し合う援助が重要である。
キーワード
① 恒常性(ホメオスタシス) ② 慢性腎不全と慢性腎臓病の定義 ③ 慢性腎臓病の患者への看護アセスメント ④ 慢性腎臓病患者の療養支援
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:今回配布したレジュメをもとにノートを作成する。その際には、「成人看護学 慢性期看護論」のテキストで、特に第Ⅸ章を読んで慢性腎臓病の患者の看護、医学書院のテキストの参照ページ等を確認して整理するとよい。今回のミニテストおよび慢性腎臓病の看護に関する国家試験過去問題を学習し、知識の定着を図る。
予習課題:解剖生理学、疾病治療論で既習の造血機能障害、特に白血病について、テキストの該当ページを参照し、血液の機能、白血病の症状、治療については理解しておこう。また、白血病患者の看護アセスメント、療養を支援するための看護について予習し、血液造血機能障害をもつ患者・家族の気持ちを考えてみよう。さらに、疑問点や理解があいまいな点について質問を考えておき、授業中に解決しよう。
15
造血機能の障害をもつ患者への看護(白血病)
科目の中での位置付け
本授業では、成人期にある患者の看護援助について急性期と慢性期を中心に学修する。
急性期看護として、特に周術期における看護を取り上げる。外科的治療(手術)は生体への侵襲を伴い、患者は共通の特徴をもつ。手術後の経過によっては、身体の変容、入院期間の延長、社会復帰の遅れ、さらには予後に影響する場合もある。そのため看護師には、全身管理に関する知識や技術だけでなく、患者の心身の状態を的確に把握する力が求められる。授業では、第1回で急性期患者の特徴と身体的・心理的・社会的側面を学び、第2回から第3回では手術前から手術中の看護を取り上げる。第4回から第6回では手術後の看護を学び、生命維持、合併症予防、全身状態の改善、退院後の生活支援、QOLの向上に向けた援助を理解する。また、呼吸・消化・運動機能に障害のある患者について、周術期の経過に応じた看護の特徴とアセスメントを学修する。さらに第7回では、集中治療を受ける患者を対象に、集中治療における看護の役割を学び、専門的な看護実践の理解を深める。
慢性期看護について学ぶ。成人期に発症する健康障害の多くは、肥満・糖尿病・動脈硬化・高血圧症、癌(がん)など、いわゆる生活習慣病と呼ばれる慢性疾患である。これらは初期には自覚症状が乏しく、気づかないうちに進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの突然の発症によって生命の危機や重大な機能障害に直面することが少なくない。そのため医療専門職は、予防のための健康教育、早期発見と早期治療、さらにはリハビリテーションを通じて、障害の進行を最小限に抑える役割を担う。本授業では、第8回で慢性期看護の基本的な考え方と慢性期患者の特徴、看護師の役割について学ぶ。その後、第9回から第15回にかけて代表的な慢性疾患を取り上げ、患者の特徴、看護に必要な情報、アセスメントの視点、そして具体的な看護について学修を進める。具体的には、第9回で糖尿病(代謝機能障害)、第10回で慢性閉塞性肺疾患(呼吸機能障害)、第11回で慢性心不全(循環機能障害)、第12回で脳梗塞(脳・神経機能障害)、第13回で慢性肝炎・肝硬変(栄養摂取・消化機能障害)、第14回で慢性腎臓病(内部環境調節障害)、第15回で白血病(造血機能障害)を学び、疾患ごとの看護の理解を深める。以上を通して、本授業では、成人期にある急性期・慢性期患者の特徴や看護課題を理解し、看護アセスメントの視点をもって看護援助を考察できる力を養うことを目標とする。
第15回目は、造血機能障害の代表的な慢性疾患として白血病を取り上げ、白血病の看護アセスメント、患者への看護について理解する。造血とは、体内で血液をつくりだすことで、造血幹細胞、造血微小環境、造血因子の3要素が整った状況で成立する。造血機能障害とは、薬物療法や放射線療法、遺伝子異常によって正常な造血が行われなくなったことをいう。造血機能障害が生じると、成熟した血液細胞が不足し、貧血、感染、出血などの症状が出現する。
・授業の展開は、コマ用の独自作成の資料を配布して行う。
・「成人看護学 慢性期看護論」,ヌーヴェルヒロカワ P337~364(第Ⅹ章)慢性の造血機能障害をもつ患者の看護
・「成人看護学[4] 血液・造血器」,医学書院 P 44~76(第4章)検査と治療、 P98~121(第5章)造血器腫瘍、P146~152(第6章)疾患をもつ患者の経過と看護、P224~234(第7章)急性骨髄性白血病患者の寛解導入時の看護
コマ主題細目
① 造血機能障害の種類と病態生理 ② 造血機能障害の治療とその看護 ③ 白血病患者のアセスメント ④ 白血病患者への看護実践
細目レベル
① 血液細胞は、造血幹細胞から骨髄系監査御坊とリンパ系幹細胞に分かれ、骨髄系幹細胞は成熟した赤血球、白血球、血小板へと分化する。リンパ系幹細胞からは免疫応答に関係しているBリンパ球、Tリンパ球へと分化する。どの血液細胞が減少するかによって、出現する症状は異なる。①造血幹細胞が減少すると、それに伴って成熟した種々の血液細胞の数が減少する。造血幹細胞から成熟した血液細胞に分化するまでに約14日かかるため、その間に重症の貧血や幹線、出血が生じる。②骨髄の造血能が障害を受けた場合、造血幹細胞や骨髄芽球細胞、前赤芽球が減少し、成熟した赤血球の補給ができなくなるたに、正常の赤血球数が減る。赤血球の寿命は120日と長いため、赤血球減少は、白血球減少や血小板減少に比べ穏やかに出現する。赤血球減少による身体への影響は貧血である。③白血球は顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)、単球、リンパ球で構成されている。顆粒球の寿命は1日以内と短く、赤血球や血小板などの他の細胞に比べて早期に影響が出やすい。白血球は生体防御機構に関与している珠、成熟した白血球が減ることによって、容易にかんせん(炎症)を起こす。リンパ球は特異的防御機構に関与しており、交代の産生や他の免疫細胞との調整を行っている。そのため、正常のリンパ球が減少することによって、易感染状態となる。④血小板の寿命は7~10日であり、血小板の減少は、好中球減少に比べると頻度は少なく、程度も軽いことが多い。血小板は止血・凝固に関与しているため、血小板が減少すると出血がおこる。決勝なんの減少の程度によって、止血に時間がかかったり、皮膚や消化管などから出血が見られたりする。血小板数が1万/μL以下になると脳出血など、致命的な臓器出血を起こし、死に至ることもある。
② 白血病は、幼弱な白血球が骨髄の中で形質転換(がん化)し、自律的に異常増殖し、骨髄が過密になることによって、正常な造血細胞の産生が不可能になる疾患である。病状が進行すると、脾臓、肝臓およびリンパ節へ白血病細胞が浸潤し、脾腫、肝腫大、リンパ節腫大などがみられる。白血病は進行の程度から「急性」と「慢性」に分けられ、さらに、細胞の種類別に「骨髄性」と「リンパ性」に分類される。白血病は造血器腫瘍の中で、悪性リンパ腫に続いて罹患率が高く、そのうち60~70%が急性白血病である。急性白血病のうち50%以上が急性骨髄性白血病で、70歳以上の高齢者に多い。急性白血病は進行が速いため、症状の出現から治療開始までの期間がとても短く、白血病と診断されると同時に治療が開始されることになる。
③ 急性白血病は、早期に治療を開始しないと数週間から数か月で死に至る。治療は、total cell killの治療理念に基づき、完全寛解を目指して行われる。白血病の看護は、白血病によって出現する症状の緩和と、化学療法による副作用症状のコントロールが中心で、完解を目指して確実に治療が受けられるように支援していくことが重要である。また、白血病の治療は診断直後から半年以上続くため、患者は治療による副作用症状の出現や、個室管理されることによって身体的・心理的ストレスが非常に高い状態になる。副作用を最小限にとどめ、患者の不安を緩和する支援が必要である。
④ 【看護目標】白血病の治療の第一選択は化学療法であり、治療を正確で安全に最後まで継続で切るように支援することが看護目標である。白血病の病態や治療は、患者や家族にとって理解するのが非常に難しいが、長期間の治療過程を乗り越えていくためには、患者自身が病気や治療を理解し、闘病意欲やセルフケアを継続させることがじゅうようである。患者が十分に状況を理解できるように指導をおこなうこと、疾患や治療による苦痛症状を緩和することが看護師の役割である。
【看護活動】白血病患者の看護で最も重要なことは、患者の病態や症状の出現、精神症状、セルフケア能力、家族のサポート状況などを十分に観察し、変化してくる患者の状況(診断時、治療期、晩期)に合わせた看護支援を行うことである。
(1)白血病治療の第一選択は多剤併用化学療法である。抗がん剤の種類や投与方法によって異なるが、骨髄抑制(感染、出血、貧血)、悪心・嘔吐、脱毛、倦怠感、口内炎などの副作用がある。これらの症状に対して、輸血、制吐薬、抗菌薬、口腔ケア、スキンケアなどの対症療法を行い、重症化を避けることが重要である。
(2)造血幹細胞移植は治癒を目指した治療法で、患者の生存期間を延長させる利点がある一方で、感染症や移植片対宿主病(GVHD)などの合併症による死亡例も少なくない。また、移植前治療の大量化学療法や放射線療法は患者の造血能や免疫能を高度に障害するため、移植された骨髄幹細胞が生着し、機能が回復するまでに長期間かかる。そのため、骨髄・免疫抑制期の感染症の予防と感染発生時の早期対応が重要である。
キーワード
① 造血幹細胞、造血因子 ② 化学療法と副作用 ③ 白血病患者への看護アセスメント ④ 白血病患者の療養支援
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題:今回配布したレジュメをもとにノートを作成する。その際には、「成人看護学 慢性期看護論」のテキストで、特に第Ⅹ章を読んで白血病患者の看護、医学書院のテキストの参照ページ等を確認して整理するとよい。今回の小テストおよび白血病患者の看護に関する国家試験過去問題を学習し、知識の定着を図る。
予習課題:第1回から第15回の授業について、履修判定指標に沿って学修を行い、期末試験に備える。小テストの確認は必須である。授業中に解説された解剖生理学、疾病治療論、各機能障害をもつ患者の看護について十分な復習が必要である。
履修判定指標
履修指標
履修指標の水準
キーワード
配点
関連回
周術期看護・集中治療看護の理解
急性期看護の考え方と特徴について、生命の維持・悪化防止・苦痛の緩和・合併症の予防・日常生活援助・心理社会的支援・家族援助の視点から説明できる。周術期について、手術を受ける患者と家族の心理や医療環境の変遷と看護業務の変化から患者の状況について理解できる。周術期の経過とチーム医療について、入院前から退院後における医療職者の役割、クリニカルパスへの理解を通して説明できる。集中治療とは何か、また生命が危機的な状況にある患者の身体的特徴、および心理・社会的特徴について説明できる。集中治療における看護の役割について、専門的な看護の実践の内容を通して説明できる。集中治療室(ICU)に収容される患者の特徴を踏まえ、集中治療室(ICU)について、種類や適応病態・疾患、管理・運営上の条件、設備的条件等を通して説明できる。
急性期看護、生命維持、患者・家族支援、周術期看護、チーム医療、インフォームドコンセント、集中治療、集中治療室、二次合併症、せん妄
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第1回、第7回
手術前と手術中の看護
外来における手術前患者の看護について、診断過程における援助、心の整理と意思決定の支援、全身状態を整えるための支援、手術に向けた患者教育と指導、外来と病棟間の連携の視点から説明できる。手術前の具体的援助について、患者の主体的な参画を促す援助、手術前のオリエンテーション、心理面・全身状態を整えるという視点を通して、手術前日および当日の看護を説明できる。手術中の看護の要点について、手術療法と患者の状況、患者の確認や手術部位の確認・安全な移送・機械や器具類の確認・無菌操作等の手術室の安全管理の視点で説明できる。手術室における看護の展開について、入室時や麻酔導入時の看護、手術体位や器械出し看護師・外回り看護師の役割を通して理解する。
外来看護、意思決定支援、術前オリエンテーション、安全管理、麻酔導入時の看護、手術体位、環境管理
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第1〜3回
手術後の看護:呼吸機能障害
救急処置法の原則である気道確保、人工呼吸(呼吸の確保・維持)、心臓マッサージ、静脈確保や薬剤投与、その他必要な救急処置の基本を理解し、シミュレーターを用いて実際に実践できる。意識障害の評価としてジャパン・コーマ・スケール、グラスゴー・コーマ・スケールの説明および実際に評価ができる。救急看護の役割について、情報収集や救急医療の場のマネジメント、患者や家族への心理的援助、地域医療における救急医療の役割や課題について説明できる。心肺機能停止(CPA)患者に対する心肺蘇生(CPR)について、一次救命処置(BLS)と二次救命処置(ACLS、ALS)の違いを説明できる。
早期離床、疼痛管理、術後合併症、肺切除術、胸腔ドレナージ
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第1回、第4回
手術後の看護:消化機能障害
手術後の情報収集・観察のポイントや呼吸・循環に関するアセスメントの視点を通して、手術後の回復を促進するための看護について理解できる。手術後における術後合併症予防の重要性を説明できる。また早期離床の意義について説明できる。呼吸器外科手術に伴う合併症、特に術後出血や呼吸器合併症・循環器合併症、術後感染等の術後合併症の発生機序と予防・対応や胸腔鏡手術、胸腔ドレナージの目的や観察のポイントを理解し、肺切除術後の合併症および看護のポイントについて説明できる。
術後のドレーン管理、吻合部の縫合不全、ダンピング症候群
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第1回、第5回
手術後の看護:運動機能障害
手術後の情報収集・観察のポイントや呼吸・循環に関するアセスメントの視点を通して、手術後の回復を促進するための看護について理解できる。また胃切除術を受ける患者に対する手術前の看護、手術後早期の合併症、特に麻酔や手術による麻痺性腸閉塞(イレウス)、消化・吸収障害やダンピング症候群などの術後合併症を理解し、術後の経過や観察ポイントについて説明できる。胃切除術後の患者に対する手術後後期の合併症を理解し、予防や異常の早期発見、退院後の生活を踏まえた指導について説明できる。
出血性ショック、牽引療法、腓骨神経麻痺、深部静脈血栓症、リハビリテーション
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第1回、第6回
慢性疾患と共に生きる成人への看護
慢性とは、ある病気の症状が激しくなく、良くも悪くもならない状態が長時間持続した状態である。慢性期にある人への看護は、健康状態が慢性化し、自己管理や生活の再常態化が必要な状況や、生活行動障害が残存した状態で自己の可能性を発揮することが必要な状況、症状マネジメントが必要な状況など、おかれている常態の維持・増進が困難な人を対象とすることが説明できる。慢性状態を引き起こす代表的な疾患や治療の特徴を理解し、慢性期看護の基本的な考え方や慢性期にある患者の看護について説明できる。慢性疾患の中には、生活習慣の改善によりある程度の予防が可能であることが明らかになり、疾病の発症に深く関与している生活習慣を改善することによって疾病の発症を予防し、進行を防ぐという考えが重視されることを説明できる。
慢性期看護の考え方,慢性疾患の特徴,慢性期にある患者の特徴,生活習慣病の予防,ヘルスプロモーション,チーム医療
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第8回
代謝機能障害と呼吸機能障害をもつ患者・家族の特徴と看護
糖代謝異常(糖尿病):ブドウ糖は生体にとって最も重要なエネルギー源である。したがって生体では血糖の動揺をできるだけ少なくして、各臓器にブドウ糖を恒常的に供給するとともに、尿中に無駄に排泄されないような機構が働いている。血糖を安定させるインスリンの作用が不足すると、細胞内にブドウ糖がすみやかに入っていかなくなり、細胞内代謝が障害され、細胞外ではブドウ糖が余る状態になるのが糖尿病である。呼吸機能障害とは、空気を外界から肺胞内に取り入れ、ガス交換を行って酸素を血中に取り込み、二酸化炭素を排出する過程に何らかの障害が生じることをいう。COPDの看護アセスメントの視点として、呼吸機能障害の原因・誘因、主訴と随伴症状、緊急度の判断が重要で、COPDに対する治療を理解したうえで、患者への看護のポイントを理解し説明できる。
代謝機能障害患者の特徴,代謝性機能障害を持つ患者のアセスメント,糖尿病患者の看護,糖尿病患者の療養支援(教育的支援),呼吸機能障害のアセスメント,COPDの治療,COPD患者の療養支援(教育的支援)
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第8回、第9回、第10回
循環機能障害と脳・神経機能障害をもつ患者・家族の特徴と看護
代表的な循環機能障害の慢性心不全を取り上げ、看護アセスメントにあたっては、患者の現在の心機能を把握し、循環機能障害による影響が患者や生活にどのような影響を及ぼしているか把握し、慢性心不全に対する治療を理解したうえで、患者への看護のポイントを理解し説明できる。
中枢神経の脳と末梢神経の機能をふまえ 代表的な慢性疾患として脳梗塞を取り上げ、急性発症し救命後には麻痺などの重大で永久的な障害を残など脳梗塞に対する治療を理解したうえで、患者への看護のポイントを理解し説明できる。
循環機能障害をもつ患者のアセスメント,慢性心不全患者の療養支援(教育的支援)、脳・神経機能障害をもつ患者のアセスメント,脳梗塞患者の療養支援
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第8回、第11回、第12回
栄養摂取・消化機能障害
内部環境調節障害をもつ患者の特徴と看護
代表的な慢性疾患として慢性肝炎・肝硬変症を取り上げ、肝硬変症の段階では、代償期、非代償期の各期に応じて、食事療法や安静などの必要性を患者に理解してもらい、肝予備能を維持できるよう援助することが重要である。慢性肝炎・肝硬変症に対する治療を理解したうえで、患者への看護のポイントを理解し説明できる。
腎臓の機能は、①体内で行われる代謝過程で生じた最終代謝産物を糸球体で濾過し尿中に排泄し、②体液量と組成を一定に保ち体内の恒常性を維持する。また、③ホルモンの産生や調整を行う。慢性腎臓病に対する治療を理解したうえで、患者が自分の状態を理解し、治療を組み込んだ療養生活が継続できるような患者への看護のポイントを理解し説明できる。
栄養摂取・消化機能障害患者のアセスメント,肝硬変症患者の療養支援(教育的支援),慢性腎臓病の患者への看護アセスメント,慢性腎臓病患者の療養支援(教育的支援)
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第8回、第13回、第14回
造血機能・生体防御機能の障害をもつ患者・家族の特徴と看護
血液細胞は、造血幹細胞から骨髄系監査御坊とリンパ系幹細胞に分かれ、骨髄系幹細胞は成熟した赤血球、白血球、血小板へと分化する。リンパ系幹細胞からは免疫応答に関係しているBリンパ球、Tリンパ球へと分化する。どの血液細胞が減少するかによって、出現する症状は異なる。 代表的な慢性疾患として白血病を取り上げ、白血病は進行速度から分類され、さらに起源細胞の種類からも分類される。組織型によって、経過や症状の出現形態が異なり、治療方法や治療効果、生存率なども異なるため、それぞれの特徴を理解したうえで、白血病の看護のポイントを理解し説明できる。
造血機能障害の種類,造血機能障害の病態生理,造血機能障害のアセスメント,造血機能障害の治療とその看護,白血病患者への看護
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第8回、第15回
評価方法
期末試験 100%
評価基準
評語
学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・
S (100~90点)
学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・
A (89~80点)
学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・
B (79~70点)
学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・
C (69~60点)
学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・
D (60点未満)
教科書
矢永勝彦他編「系統看護学講座 別巻 臨床外科看護総論」医学書院 ISBN:978-4-260-02769-4、3,080円①鈴木志津枝他編「慢性期看護論 第3版」、ヌーヴェルヒロカワ、ISBN:978-4-86174-061-9、2,860円②小松浩子他著「成人看護学[2] 呼吸器」、医学書院、ISBN:978-4-260-01991-0、2,530円③松田直樹他著「成人看護学[3] 循環器」、医学書院、ISBN:978-4-260-01987-3、2,640円④飯野京子他著「成人看護学[4] 血液・造血器」、医学書院、ISBN:978-4-260-02001-5、1,760円⑤黒江ゆり子他著「成人看護学[6] 内分泌・代謝」、医学書院、ISBN:978-4-260-01988-0、2,310円⑥今井亜矢子他著「成人看護学[8] 腎・泌尿器」、医学書院、ISBN:978-4-260-01996-5,2,530円、「NANDA-I看護診断 定義と分類 2018-2020 原書第12版」医学書院 ISBN:978-4-260-04628-2、3,520円(新版に変更の可能性あり)*上記教科書は、成人急性期および成人慢性期の看護援助論Ⅰ・Ⅱ、成人看護学実習でも使用します。
参考文献
実験・実習・教材費