区分 専門科目-成人・高齢者看護学-高齢者看護学
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力 倫理観 専門性探求
地域社会貢献 グローバル性
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性 広い視野 知識・技術
判断力 探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
本科目は専門科目の「成人・高齢者看護学」に位置づけられる。高齢者看護学概論で学修した高齢者を取り巻く環境、身体的・心理的・社会的変化や特徴を理解した上で、高齢者に特有な症状とそれによる日常生活への影響、アセスメントの視点を学ぶ。そのためには基礎となる「解剖生理学」、「生活援助方法論」の知識が不可欠である。
科目の目的
本科目は、既習の「解剖生理学」「日常生活援助論」「高齢者看護学概論」を基盤として、高齢者を総合的に理解し、加齢に伴う心身機能の変化が生活行動に及ぼす影響と、その支援のあり方について学ぶ科目である。
本講義では、高齢者に特有の疾患別看護の理解を深めることを目的とするのではなく、加齢に伴う筋力低下や感覚機能の変化、認知機能の変化などが、食事・排泄・移動・清潔などの日常生活行動にどのような影響を及ぼすのかを理解する科目である。
高齢者を、老化や疾病・治療に伴い生活機能が変化・低下するなかにあっても、固有の生活史をもち主体的に生活を営む生活者としての全体的存在としてとらえ、生活機能の視点から総合的にアセスメントする力を養う。さらに、加齢による身体的・心理的・社会的要因が生活に及ぼす影響を踏まえ、高齢者自身の生活の工夫やセルフケアを促進し、その人らしい生活の継続を支えるための具体的な援助方法について学習する。
科目担当教員は、病院における高齢者看護の実務経験を踏まえ、臨床実践と関連づけながら講義を行う。

到達目標
1.高齢者看護における生活機能の視点とその特徴について説明できる。
2.加齢に伴う身体的・心理的・社会的変化が生活行動に及ぼす影響について理解し、説明できる。
3.高齢者のセルフケアを尊重し、その人らしい生活を支えるための基本的なアセスメントの視点および援助の方向性について説明できる。

科目の概要
本科目は、既習の「解剖生理学」「日常生活援助論」「高齢者看護学概論」を基盤として、加齢に伴う心身機能の変化が高齢者の生活行動に及ぼす影響と、その支援のあり方について学ぶ科目である。
本講義では、疾患別看護を中心に扱うのではなく、筋力低下や感覚機能の変化、認知機能の変化など、加齢による身体的・心理的・社会的変化が、食事・排泄・移動・清潔などの日常生活行動にどのような影響を及ぼすのかを理解する。
高齢者を、老化や疾病・治療に伴い生活機能が変化するなかにあっても、固有の生活史をもち主体的に生活を営む生活者としての全体的存在としてとらえ、生活機能の視点から総合的にアセスメントする考え方を学ぶ。
さらに、高齢者自身の生活の工夫やセルフケアを尊重し、その人らしい生活の継続を支えるための基本的な評価方法および援助の方向性について理解する。
科目担当教員は、病院における高齢者看護による実務経験を通して、本科目の高齢者看護の援助について講義を行う。

科目のキーワード
①生活機能の視点 ②ヘルスアセスメント ③健康レベルに応じた生活 ④セルフケア支援 ⑤住み慣れた地域での生活
授業の展開方法
授業内容のパワーポイントに沿って講義を行う。講義以外にもグループワーク、演習を行いながら理解を深める。国家試験を視野に入れて授業後は講義内容の確認テストを行い、知識の確認と定着を図る。
オフィス・アワー
赤松公子:研究室703:木曜4・5限
(メールはいつでも受け付けます)
Email:k-akamatsu@uhe.ac.jp
杉本はるみ:研究室717
Email:h-sugimoto@uhe.ac.jp
(メールはいつでも受け付けます)

科目コード ERM02
学年・期 2年・後期
科目名 高齢者看護援助論Ⅰ
単位数 1
授業形態 講義
必修・選択 必修
学習時間 【講義】30h
【予習・復習】60h
前提とする科目 高齢者看護学概論 疾病治療論Ⅰ,疾病治療論Ⅱ 在宅高齢者看護学実習
展開科目 高齢者看護援助論Ⅱ 高齢者看護学実習 統合実習(高齢者) ヘルスアセスメントⅡ 看護研究
関連資格 看護師 保健師
担当教員名 赤松公子・杉本はるみ
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 ガイダンス 、高齢者のヘルスアセスメント、生活行動(睡眠と休息) 科目の中での位置付け 本科目は、社会の高齢化に対応する科目である。既習の「解剖生理学」「日常生活援助論」「高齢者看護学概論」で学んだ健康障害に対する看護の基礎を踏まえ、加齢に伴う心身機能の変化が高齢者の生活行動に及ぼす影響と、その支援のあり方について学ぶ。
本講義では、加齢による日常生活への影響に焦点を当て、睡眠・休息、活動・覚醒、食事、排泄、身じたく、コミュニケーションといった生活行動ごとに、高齢者の特徴、アセスメントの視点、および基本的な看護について学習する。
第1回は高齢者援助論Ⅰのガイダンスとして位置づける。第3回では高齢者の身体機能の加齢変化について扱い、第5回では摂食嚥下機能に応じた食形態の選択に関する演習を行い、生活支援の具体的方法を学ぶ。
第1回は、本科目全体の導入として、高齢者を生活者としてとらえる視点および生活機能に基づくヘルスアセスメントの基本を学ぶ。また、睡眠・休息に関する高齢者の特徴と加齢が生活に及ぼす影響、その基本的な看護について理解する。

北川公子ほか:系統看護学講座 老年看護、医学書院、2025
山田律子ほか:生活機能からみた老年看護過程、医学書院、2023
コマ主題細目 ① 高齢者のヘルスアセスメント ② 睡眠・休息のリズム、加齢によるホルモンの変化 ③ 睡眠・休息の質 ④ 心身の回復とリセット ⑤ 分析の視点と看護
細目レベル ① 身体機能のアセスメントは、健康障害の種類と経過、身体の構造・機能、治療に関する情報をもとに、生命活動や生活遂行に必要な全身の諸機能の安定性や脆弱さを検討する。また、身体の予備力を評価する中で、今後起こりうる疾病や廃用症候群・老年症候群を予測する。また、高齢者は身体の不調や環境の変化が生じると、生活リズムが容易に崩れ、健康障害が生じやすい。したがって、普段の生活リズムや日常生活活動(ADL)の状態を把握するとともに、環境(物理的、人的、社会的)のアセスメントを行う必要がある。特に環境に対しては、高齢者は自分なりに調和を図っているため、看護師から見て不適切な環境と思われても、高齢者本人にとっては居心地のよい快適な場合もある。どのような環境でも、高齢者自身はどのようにとらえているのか、本人の視点で理解する。
② 睡眠・休息は、心身の回復やエネルギー補充に必要であり、高齢者の生活の質に影響を及ぼす。「睡眠・休息のリズム」「睡眠・休息の質」「心身の回復・リセット」の視点で理解する。睡眠は概日リズムにより調整され、夜に眠くなり昼間は覚醒する。体内時計は25時間周期だが、光や食事などの同調因子によって24時間周期に調整される。生活リズムの乱れは日中の覚醒度低下や睡眠の質の低下を招く。休息は活動をやめ、筋肉の緊張をほぐし、心をくつろげることで次の活動へとつなげる役割を果たし、健康維持に重要である。
高齢者の睡眠リズムは加齢とともに変化し、就床・起床時間が早まり、睡眠時間が短縮、昼寝が増加する。多相性の睡眠・覚醒パターンにより睡眠障害が起こりやすくなる。加齢に伴うホルモンの変化も睡眠に影響を与え、質の低下を招くため、適切な生活習慣の維持が求められることを理解する。

③ 睡眠・休息の質がよいと、心身の安らぎとリラックスを伴い、筋緊張が緩み、穏やかな呼吸とリラックスした表情が生まれ、疲労回復や覚醒感、意欲的な活動につながる。良質な休息はバイタルサインを安定させ、心身の安寧を図ることができる。日中の活動、特に午前中の太陽光を浴びることと規則的な食事が体内時計をリセットし、睡眠の質にも良い影響を与える。睡眠不足は疲労感や過度の眠気、意欲低下を引き起こし、集中力の低下を招く。睡眠効率は、実際の睡眠時間と就床時間の割合であり、入眠障害や中途覚醒があると低下する。睡眠の質が悪いと、思考の停止や気分、意欲の低下を引き起こす。睡眠は免疫機能を高め、記憶固定や感情整理の役割も果たし、良質な睡眠は生活の質を向上させ、覚醒度の高い生活につながる。
高齢者は、眠くない状況でも早めに布団に入り、睡眠効率が低下し、睡眠の質が悪化する傾向がある。早寝と総睡眠時間の増加が高齢者の睡眠の質低下の原因となることを理解する。

④ 睡眠による心身の回復とリセットは、活動や疾患からの回復を促進し、成長ホルモンの分泌が組織再生を助け、創治癒にも関連する。睡眠中は免疫力が向上し、副交感神経が優位になり、心臓への負担が軽減される。さらに、セロトニンの分泌がストレス解消や心の回復に役立つ。休息は身体の回復を促し、疲労回復や次の活動へのエネルギー補充を目的とする。例えば、散歩中にベンチで休んで呼吸を整えたり、ソファで横になって筋緊張をほぐすことが心身の回復に効果的である。心身の休息はストレスから解放される手段であり、気分転換によって不快な気分を和らげることも含まれる。
高齢者は身体機能が低下し、活動を続けると疲労が蓄積しやすく、環境変化や集団生活によるストレスが心の休息を妨げることがある。また疲労回復に時間がかかるため、活動と休息のバランスを調整することが重要である。以上について理解する。

⑤ 睡眠・休息に関する分析の視点である。分析の根幹は、活動につながる心地よい睡眠と休息が取れているかどうかである。生活習慣をもとに、高齢者の睡眠時間や睡眠環境について分析したうえで、心身の安寧が図られ、筋肉が弛緩し、緊張がなくリラックスした状態で睡眠がとれているかを分析する。加齢や疾患による影響で中途覚醒が多くなったり、寝つきが悪くなったりすることで、昼夜のリズムが乱れ、日中の活動に影響がないか分析する。生活スケジュールに合わせて、疲労を蓄積せず心地よいと感じる休息が取り入れられていることで、高齢者が意欲的にやりたいことを実施できているか、活動と休息のバランスで分析する。休息により気持ちの切り替えができ、休息後にすっきりした、気分転換につながったなど、高齢者が満足できる内容や空間が整っているか分析する。以上について理解する。

キーワード ① 高齢者機能総合評価(CGA) ② 本人の視点 ③ 心身の回復とリセット ④ 活動につながる心地よい睡眠と休息
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 予習:コマシラバスを読み、概要をつかむとともに、わからない言葉や疑問は調べておく。
復習:授業であいまいな点は再度教科書や資料を確認する。

2 生活行動(覚醒・活動) 科目の中での位置付け 本科目は、社会の高齢化に対応する科目である。既習の「解剖生理学」「日常生活援助論」「高齢者看護学概論」で学んだ健康障害に対する看護の基礎を踏まえ、加齢に伴う心身機能の変化が高齢者の生活行動に及ぼす影響と、その支援のあり方について学ぶ。
本講義では、加齢による日常生活への影響に焦点を当て、睡眠・休息、活動・覚醒、食事、排泄、身じたく、コミュニケーションといった生活行動ごとに、高齢者の特徴、アセスメントの視点、および基本的な看護について学習する。
第2回は、覚醒・活動について講義を行う。日常生活を支える運動系の加齢変化について講義を行った後、やりたい活動ができる楽しさ、高齢者の意欲に基づいて充実した活動ができるような支援の大切さなどについて講義を行う。

山田律子ほか:生活機能からみた老年看護過程、医学書院、2023、p10~17.
北川公子ほか:系統看護学講座 老年看護学、医学書院、2025.
コマ主題細目 ① 覚醒・活動 ② サルコペニア、ロコモティブシンドローム、フレイル ③ 転倒予防
細目レベル ① 本講義では、高齢者の覚醒・活動について、個人史、活動の意味、活動の発展の視点から考察する。覚醒とは、睡眠していない状態であり、適切に保たれることが活動の基盤となる。しかし、高齢者は加齢や疾患により覚醒状態を維持しにくく、睡眠障害や薬の影響で日中の眠気が生じることがあるという特徴がある。
高齢者は、活動の継続や変容、新たな活動の開始、あるいは引退を通じて、それぞれの活動に意味を見出す。活動は、身体的・心理的・社会的・霊的な側面が相互に影響しながら発展する活動の発展は、筋力向上や知的機能の刺激、社会的関与の強化、自己存在の探求など多様な側面を持つ。
講義では、これらの視点に基づき、高齢者が活動の楽しさを感じられるような基盤や支援の重要性を強調する。高齢者の意欲や価値観を尊重し、より豊かな活動へとつなげるための情報収集の視点と留意点について学ぶ。

② 本講義では、高齢者の運動機能低下に関する概念として、サルコペニア、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)、フレイルについて学ぶ。
サルコペニア は、加齢による骨格筋量と筋力の低下を指し、加齢のみが原因の一次サルコペニアと、疾患や栄養不足などによる二次サルコペニアに分類される。診断には、歩行速度(0.8m/秒以下)や握力(男性26kg未満、女性18kg未満)が用いられ、重症度による分類も行われる。
ロコモティブシンドローム は、運動器の障害による移動機能の低下を指し、筋力やバランス能力の低下、姿勢変化、関節可動域の制限などが特徴である。進行が徐々に進むため気づきにくく、ロコモーションチェックなどでの評価が推奨される。
フレイル は、臓器機能や予備力の低下によるストレス耐性の減少を指し、ロコモティブシンドロームもその要因となる。体重減少、易疲労感、筋力低下、歩行速度低下、身体活動性低下のうち3項目以上が該当すると診断される。
これらの概念を理解し、高齢者の運動機能の老化について適切な評価と予防策を検討することが重要である。以上について理解する。

③ 高齢者にとって転倒は心身への影響が大きく、特に大腿部近位部骨折は治療に時間を要し、活動低下による寝たきりのリスクを高める。また、転倒経験による恐怖感や自信喪失から活動を制限し、身体機能の低下を招く「転倒後症候群」に陥ることがある。国民生活基礎調査では、骨折・転倒が介護が必要となる原因の12.2%を占めており、高齢者の健康と自立度に大きな影響を及ぼしている。
転倒の要因は 内的要因(加齢や疾患)と 外的要因(生活環境や履物など)に大別される。内的要因の完全な排除は困難だが、外的要因は改善が可能であり、個別に適切なアセスメントと転倒予防ケアを行うことが重要である。本コマでは、学生が外的要因の具体的な改善策を考えることができる。

④ 廃用症候群とは、不活発な生活や過度な安静によって引き起こされる身体的・精神的諸症状の総称である。高齢者が疾患や障害により活動を制限されると、関節拘縮、筋委縮、起立性低血圧、心肺機能や認知機能の低下などの症状が現れ、悪循環に陥る可能性がある。また、過剰なケアや施設入所による生活パターンの変化も、活動の低下を助長する要因となる。
廃用症候群を防ぐためには、早期から身体的・心理的・社会的に活動性を高めるケアが重要である。特に、適切な環境調整や自発的な活動の促進を通じて、高齢者が生活の質を維持できるよう支援する必要がある。本コマでは、学生が廃用症候群の早期発見と予防のための看護について思考し、適切なケアを学ぶ。

キーワード ① 覚醒・活動 ② サルコペニア・ロコモティブシンドローム・フレイル ③ 転倒予防 ④ 廃用症候群 ⑤ ケアと支援
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 復習:授業であいまいな点は再度教科書や資料を確認する。
予習:コマシラバスを読み、概要をつかむとともに、わからない言葉や疑問は調べておく。

3 高齢者の身体機能の加齢変化(演習) 科目の中での位置付け 本科目は、社会の高齢化に対応する科目である。既習の「解剖生理学」「日常生活援助論」「高齢者看護学概論」で学んだ健康障害に対する看護の基礎を踏まえ、加齢に伴う心身機能の変化が高齢者の生活行動に及ぼす影響と、その支援のあり方について学ぶ。
本講義では、加齢による日常生活への影響に焦点を当て、睡眠・休息、活動・覚醒、食事、排泄、身じたく、コミュニケーションといった生活行動ごとに、高齢者の特徴、アセスメントの視点、および基本的な看護について学習する。
第3回は、日常生活を支える運動系、感覚器の加齢変化について学習するため演習を行う。

北川公子ほか:系統看護学講座 老年看護学、医学書院、2025


コマ主題細目 ① 運動系の加齢変化 ② 高齢者の姿勢と歩行の特徴 ③ サルコペニア、ロコモティブシンドローム、フレイル ④ 転倒予防 ⑤ 廃用症候群を予防するケア
細目レベル ① 加齢に伴い、筋力や柔軟性、持久力、バランス能力が低下し、日常生活に影響を及ぼす。40歳を過ぎると速筋が減少し、特に下肢の筋力低下が顕著となる。握力の低下は日常生活に支障をきたし、女性は閉経後に骨量が減少し、骨粗鬆症や骨折のリスクが高まる。関節の硬化や神経伝達速度の低下により可動域が制限され、反応時間が遅れ、転倒しやすくなる。
高齢者の姿勢は円背傾向が強まり、歩行は速度の減少、歩幅の短縮、すり足、腕の振りの減少などの特徴がみられる。持久力の低下により疲れやすくなり、活動量が減少しがちである。転倒による骨折は寝たきりの原因となり、生活の自立度を低下させるため、予防が重要である。
本演習では、加齢に伴う運動機能の変化を理解し、体験的に学ぶことを目的とする。

② 加齢による視覚・聴覚の機能低下は、日常生活のさまざまな活動に影響を及ぼす。視覚機能の低下により、新聞や本の文字が読みにくくなり、外出時に段差や障害物を認識しづらくなるため、転倒のリスクが高まる。また、暗所での視認性が低下し、運転時の安全確認が難しくなることで事故の危険性が増す。
聴覚の低下は、会話の聞き取りが困難になり、特に騒音下でのコミュニケーションが難しくなる。これにより、会話を避けるようになり、社会的孤立や意欲低下につながることがある。また、電話の呼び出し音や車のクラクション、非常ベルなどの重要な音に気づきにくくなり、安全面にも影響を及ぼす。
本演習では、加齢に伴う視覚・聴覚の機能低下について体験的に学び、生活への影響を理解することを目的とする。視界をぼやけさせるゴーグルの使用や、特定の音を遮るヘッドフォンを装着することで、視覚・聴覚の変化を体験し、支援方法について考察する。また、適切な補助具の活用や環境整備の重要性を学び、高齢者への配慮や支援の方法を検討する。

キーワード ① 筋力・柔軟性・持久力・バランス能力の低下とその影響 ② 視覚低下による日常生活や安全面への影響 ③ 聴覚低下による日常生活や安全面への影響 ④ 転倒リスクの理解と対策 ⑤ 補助具や環境整備を活用した高齢者支援の方法
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 復習:授業であいまいな点は再度教科書や資料を確認する。
予習:コマシラバスを読み授業の概要をつかむ。

4 生活行動(食事) 科目の中での位置付け 本科目は、社会の高齢化に対応する科目である。既習の「解剖生理学」「日常生活援助論」「高齢者看護学概論」で学んだ健康障害に対する看護の基礎を踏まえ、加齢に伴う心身機能の変化が高齢者の生活行動に及ぼす影響と、その支援のあり方について学ぶ。
本講義では、加齢による日常生活への影響に焦点を当て、睡眠・休息、活動・覚醒、食事、排泄、身じたく、コミュニケーションといった生活行動ごとに、高齢者の特徴、アセスメントの視点、および基本的な看護について学習する。
第4回は、食事について食事準備、食思・食欲、姿勢・摂食動作、咀嚼・嚥下機能、栄養状態の5つの視点で講義を行う。

北川公子ほか:系統看護学講座 老年看護学、医学書院、2025.
山田律子ほか:生活機能からみた老年看護過程、医学書院、2023、p18~26.
コマ主題細目 ① 食事とは何か、食事準備 ② 食思・食欲 ③ 姿勢・摂食動作 ④ 咀嚼・嚥下機能 ⑤ 栄養状態
細目レベル ① 食事は生命維持に不可欠な営みであり、食文化や個人の食習慣を反映する。食事準備は、献立作成、買い物、調理、食器選び、盛り付けなど、一連の行為を指し、特に高齢者にとって重要である。病院や施設では、栄養科などが調理することが多いため、高齢者の食事準備が見落とされがちであるが、退院後や在宅支援、認知症高齢者の支援においては、食事準備が食欲や摂食動作に直結するため、重要な行為である。この支援では過去の食事準備歴を把握し、過去の生活史から食事準備の役割を担うことができるように支援することが大切である。
高齢者における特徴として、昭和初期に生まれた男性は家事に関与していないことが多いが、一人暮らしの男性の増加に伴い食事準備を行う男性も増えている。また加齢に伴い、手指の巧緻性、視力や嗅覚の低下、歯の欠損などが影響し、調理や食事の準備に困難を伴うことがある。記憶力や注意力の低下もあり、調理中に注意散漫となり安全性が脅かされることがある。食事準備に関する情報収集では、高齢者の食生活歴や心身の状態に配慮した視点も重要であることを理解する。

② 食思とは食物を食べたいという思いである。食欲とは摂食中枢と満腹中枢の調整によって生じる生理的欲求である。食欲を司る摂食中枢と満腹中枢の調整によって生じる生理的欲求である。食欲のバランスが崩れると、食欲不振により摂食量が減少して低栄養をもたらす。逆に食欲過剰による過剰栄養では肥満をもたらし、合併症や健康障害を起こすリスクが高まる。食思・食欲不振では、その人が食べたいと思える体内環境や生活環境が整っていることが大切である。食思・食欲過剰による肥満では、加齢に伴うエネルギー消費量の低下に対して、食べること以外に楽しみがない、残っているからもったいない、甘いものは別腹と、つい食べ過ぎるような生活環境におかれていることも多い。丁寧な情報収集により改善可能な生活環境を見出すことが大切である。
高齢者にみられる特徴について、食思・食欲不振と食欲過剰について講義を行った後、情報収集の視点と留意点について理解する。

③ 摂食動作は、食物を認知、選択し、口腔まで運ぶ、一連の動作である。摂食動作には、動作に関連した情報の伝達、上肢の運動機能、これらの前提としての姿勢の保持を含む。たとえば、食べ物をとるために手を伸ばすとき、身体全体のバランスを保つための姿勢制御機構が働かなければ倒れてしまい、摂食動作を実行できない。食べるときの姿勢は、摂食動作や咀嚼・嚥下機能にも影響を及ぼす。
高齢者の姿勢は加齢に伴い骨盤が後傾しやすい。円背や筋力低下に加えて麻痺などの障害を伴うと、姿勢が崩れて疲労しやすくなるという特徴があり、摂食動作や咀嚼・嚥下にも影響を及ぼす。上肢の運動機能の低下も食事に影響する。加齢の伴う握力の低下によって、パッケージを開封する、魚の小骨をとる、食物をこぼすといった摂食動作に影響が及ぶことがある。加齢に伴う感覚機能の低下や眼瞼下垂による食事に関する情報量の減少や、神経伝達速度の遅延のため、摂食動作がゆっくりになることもあることを理解する。

④ 咀嚼機能とは、口腔内に取り込んだ食物を、咀嚼によって唾液と混ぜて食塊を形成し、飲み込みやすい形態に加工する運動機能である。咀嚼を通して、食物の物性や化学的性質が脳に伝わり、食物の安全性やおいしさを確認している。嚥下機能とは、咀嚼運動によってつくられた食塊や飲料水を、口腔から咽頭、食道を経て胃に送り込む運動機能である。嚥下時には、わずか1秒ほどの間に、空気と食物の共通路である咽頭で交通整理も行うほか、気道への食物の侵入を防ぐ機能もあることを理解する。



⑤ 栄養状態の評価とは、食物が体内で消化、代謝、吸収された結果、バランスよく必要な栄養素が体内に取り込まれたかどうかを評価することである。栄養状態の評価では、日々の食事摂取量、回数、内容をもとに食事摂取状況を評価するほか、身体計測や血液検査の結果をもとに低栄養や過剰栄養を評価する。
高齢者にみられる特徴である。高齢者では活動するために必要なエネルギー量は加齢に伴い減少するが、人が生きるために重要な栄養素であるタンパク質の量は年齢にかかわらず不変である。高齢者は、加齢に加えて疾患や障害により食欲が低下し、低栄養に陥りやすい。PEM (protein energy malnutrition) はタンパク質・エネルギー低栄養状態のことであり、高齢者に特徴的な低栄養状態である。低栄養にある高齢者は疾病の回復が遅延し、合併症を発症しやすい。低栄養を早期に発見し、適切な栄養ケアを実施することを栄養ケア・マネジメント (NCR) という。栄養スクリーニングでは、低栄養にある高齢者を早期に発見し、リスクレベルを判定する。リスク判定にはBMI、体重減少率、血清アルブミン値、食事摂取量、栄養補給法・褥瘡の項目で判定する。栄養スクリーニングの結果、低栄養のリスクがあると判断された場合には、食事調査、身体計測、臨床検査、臨床診査から栄養状態を総合的に評価・判定する。高齢者の低栄養の特徴、栄養状態を判定する項目、栄養改善のための多職種連携などを行う。加齢に伴う運動機能や社会生活の変化もあり、運動不足と過食によって、過剰栄養になる高齢者もいることを理解する。食事は栄養素を体内にとりいれるために重要であるが、食べる喜びを大切にする支援も重要であることも理解する。



キーワード ① 食べる喜び ② 食思・食欲 ③ 姿勢・摂食動作 ④ 咀嚼・嚥下機能 ⑤ PEM・過剰栄養
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 復習:授業であいまいな点は再度教科書や資料を確認する。
予習:コマシラバスをよみ授業の概要をつかむ。

5 生活行動(排泄) 科目の中での位置付け 本科目は、社会の高齢化に対応する科目である。既習の「解剖生理学」「日常生活援助論」「高齢者看護学概論」で学んだ健康障害に対する看護の基礎を踏まえ、加齢に伴う心身機能の変化が高齢者の生活行動に及ぼす影響と、その支援のあり方について学ぶ。
本講義では、加齢による日常生活への影響に焦点を当て、睡眠・休息、活動・覚醒、食事、排泄、身じたく、コミュニケーションといった生活行動ごとに、高齢者の特徴、アセスメントの視点、および基本的な看護について学習する。
第5回は、高齢者の排泄ケアの基本と排尿と排便のアセスメントとケアについて講義を行い、快適な排泄を実現するため、できる限りトイレで排泄できることを目指すためのケアについて講義を行う。

北川公子ほか:系統看護学講座 老年看護学、医学書院、2025.
山田律子ほか:生活機能からみた老年看護過程、医学書院、2023、p27~35.
コマ主題細目 ① 高齢者の排泄ケアの基本 ② 排尿のアセスメントとケア ③ 排便のアセスメントとケア ④ トイレで排泄する
細目レベル ① 排泄行動は極めてプライベートな行動である。身体機能の低下や障害などにより人の手を借りて排泄せざるを得なくなることは、羞恥心や他者への気兼ねはもちろん、尊厳を傷つけられる体験にもなりうる。支援者にとって負担感が大きく、排泄の問題は双方に強い葛藤を生む。排泄が快適であることは、高齢者の尊厳と活気ある生活のために重要である。たとえ排泄がコントロールできなくなり失禁や排泄障害があっても問題なく生活できれば、社会的に排泄がコントロールできている社会的禁制となる。排泄障害を持ちながらも、高齢者が望む当たり前の日常生活や社会参加に向けた支援が求められる。排泄行動は尿意・便意がわかるから後始末ができるまでの複数の動作により組み立てられている。この動作や機能を十分に理解し、どこに不具合が生じているかをアセスメントしていく必要がある。その際に高齢者の残存機能を生かす働きかけが重要になる。頻尿や失禁、便秘などで排泄リズムに変調がある場合には、排泄記録をつけてそのリズムを確認し、適切な排尿リズムを再獲得できるように援助したり、排泄と食事生活や運動との関連にも注目して援助する。
排泄は、羞恥心や自尊心に大きく影響する生活行動であるため、高齢者の気持ちを大切に支援する方法を検討する必要がある。また、排泄にまつわる不安や悩みを解消し、安心して生活できることが、いきいきとしたくらしにつながることを念頭に、快適な排泄を実現するための方策が大切である、できる限りトイレで排泄できることを目指すためには、尿意、便意の知覚から始まる一連の排泄行動のどこにあるのかを分析する視点と、膀胱や尿意などの機能障害について分析する視点が必要である。以上を理解する。

② 排尿障害には、過活動膀胱、頻尿、尿失禁がある。過活動膀胱は、膀胱の活動が過ぎている状態であり、尿意切迫感を主症状とし、通常は頻尿・夜間頻尿を随伴症状とし、ときには切迫性尿失禁をともなう症状症候群である。対処としては膀胱訓練、骨盤底筋体操がある。頻尿は尿が近いことであり、一般的に日中8回以上の排尿、夜間2回以上排尿のために起きることをいう。夜間頻尿は転倒や自尊心が傷つくなどの問題にもつながるため、飲水のコントロールや夜間の良眠を促すケアが有効な場合もある。尿失禁は無意識あるいは不随意な尿漏れのことであり、切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁、溢流性尿失禁、機能性尿失禁がある。高齢者には、女性に多い腹圧性尿失禁や過活動膀胱による畜尿障害、前立腺肥大症による尿排出障害が多い。排尿のタイミングを先読みした随時排尿誘導、適切な自助具を用いての活動性の維持、環境調整が重要である。高齢者の排尿障害の種類や要因、ケアについて理解する。
③ 便秘は、本来体外へ排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態である。腹痛、腹部膨満、過度の努責、残便感があり、加えて日常生活に支障をきたしている状態や排便が順調に行われない苦痛が考えられる。ブリストル便性状スケールでタイプ1~2の便が出にくい状態であれば便秘の可能性がある。便秘はその原因によって器質性便秘と機能性便秘に分けられる。また、便秘に付随して発症する嵌入便がある。また、排便障害には下痢、便失禁もある。下痢は急性感染性下痢と非感染性下痢に分類され、便失禁は漏出性便失禁、切迫性便失禁、機能性便失禁に分類される。高齢者は長年培った排便習慣を持っていることが多いので、その習慣やこだわりを聴取して、ケアに取り入れていく。その他下剤に頼らない排便や排便の際の場所や姿勢、朝食後に定時に便器に座る、洗浄便器の温水刺激を利用するなどの援助をする。高齢者の機能変化による便秘、下痢、便失禁の種類やケアについて理解する。
④ 快適な排泄を実現するためには、患者ができる限り自立してトイレで排泄できるよう支援することが重要である。そのためには、身体的な援助だけでなく、心理的なサポートも必要である。まず、患者の身体機能や排泄の状態を把握し、トイレへの移動が可能かどうか、または補助が必要かを判断する。例えば、車椅子の使用や移動の際に手すりを使うなど、環境の整備も重要となる。また、患者に排泄のタイミングを知らせることや、プライバシーを尊重することで、心理的な負担を軽減し、排泄に対する不安を減らすことができる。さらに、排泄の自立を促すために、リハビリテーションや筋力強化を行うことも効果的である。看護師は、患者の状態を適切に評価し、個別の支援計画を立てることで、快適な排泄環境を提供することができることを理解する。
キーワード ① 尊厳 ② 排泄行動 ③ 排泄リズム ④ 快適な排泄
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 復習:授業であいまいな点は再度教科書や資料を確認する。
予習:コマシラバスを読み授業の概要をつかむ。

6 生活行動(身じたく) 科目の中での位置付け 本科目は、社会の高齢化に対応する科目である。既習の「解剖生理学」「日常生活援助論」「高齢者看護学概論」で学んだ健康障害に対する看護の基礎を踏まえ、加齢に伴う心身機能の変化が高齢者の生活行動に及ぼす影響と、その支援のあり方について学ぶ。
本講義では、加齢による日常生活への影響に焦点を当て、睡眠・休息、活動・覚醒、食事、排泄、身じたく、コミュニケーションといった生活行動ごとに、高齢者の特徴、アセスメントの視点、および基本的な看護について学習する。
第6回は、身じたくを清潔、身だしなみ、おしゃれの視点から理解し、身じたくを生活リズムと自己表現の視点から講義を行った後、入浴に影響する呼吸と循環の加齢変化、高齢者の皮膚と特徴的な皮膚障害、および予防策について講義を行う。

北川公子ほか:系統看護学講座 老年看護学、医学書院、2025.
山田律子ほか:生活機能からみた老年看護過程、医学書院、2023、p36~43.
コマ主題細目 ① 身じたくとは何か ② 入浴に影響する呼吸と循環の加齢変化 ③ 高齢者の皮膚と特徴的な皮膚障害、および予防策
細目レベル ① 身じたくは、清潔保持、身だしなみ、おしゃれの3要素に分かれ、各人の文化や生活習慣に影響される。清潔保持は感染予防と健康維持に寄与し、入浴は温熱・静水圧・浮力作用があるが、高齢者には転倒防止や心肺負担への配慮が必要である。口腔ケアでは、唾液分泌の低下による誤嚥性肺炎や義歯管理が重要視される。身だしなみは、清潔感を保ち、交流を円滑にし、生活リズムを整える。おしゃれは自己表現や自尊心の維持に関わり、心理的な活力を生む。高齢者には、身体機能の低下により更衣が困難になることもあるが、支援により関心を維持することが望ましい。身じたくの分析では、生活リズムと自己表現が重要な視点となり、睡眠・休息の観点と合わせた看護的アプローチが求められることを理解する。
② 加齢に伴い、呼吸器系と循環器系の機能は低下し、入浴時の負担が大きくなる。呼吸器では、肺の弾力性が低下し、換気量が減少することで酸素供給が低下しやすい。また、呼吸筋の衰えや気道の狭窄により、深呼吸が困難になり、息切れしやすくなる。循環器では、心筋の柔軟性が低下し、血圧調整が遅れることで立ちくらみやふらつきが生じやすくなる。さらに、動脈硬化により血流が悪化し、入浴時の温熱作用で血管が拡張すると、急激な血圧低下を引き起こし失神や転倒のリスクが高まる。静水圧の影響で血流が心臓に戻りやすくなり、心不全のある高齢者では心臓への負担が増すため注意が必要である。入浴時には湯温を適切に保ち、急な体位変換を避け、入浴前後の水分補給を行うことが重要である。これらの配慮により、安全で快適な入浴を支援することが求められることを理解する。
③ 高齢者の皮膚は、水分保持能力の低下により乾燥しやすく、かゆみや皮膚障害を引き起こしやすい。過度な洗浄や保湿不足により症状が悪化し、老人性皮膚瘙痒症などの疾患につながる。また、皮膚の菲薄化や浸軟により損傷を受けやすく、感染リスクも高まるため、適切なスキンケアが重要である。
特に高齢者に多いスキン-テアは、摩擦やずれによる皮膚裂傷で、絆創膏の剥離やベッド柵の接触などで発生しやすい。予防には、皮膚を保護する衣類の着用や低刺激の絆創膏の使用、ずれや摩擦を最小限にする体位変換が必要である。
また、褥瘡は圧迫やずれにより血流が低下し、皮膚組織が壊死することで発生する。特に骨の突出部にできやすく、寝たきりの人では仙骨部、座位時間が長い人では坐骨結節部が危険部位となる。予防には、体位変換や体圧分散寝具の活用、ズレの防止、適切な栄養管理や保湿ケアが重要であり、ブレーデンスケールなどを用いたリスクアセスメントも有効であることを理解する。

キーワード ① 身じたくの3要素 ② 入浴時の配慮 ③ 呼吸・循環の加齢変化 ④ 高齢者の皮膚障害 ⑤ スキンケア
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 復習:授業であいまいな点は再度教科書や資料を確認する。
予習:コマシラバスを読み授業の概要をつかむ。

7 摂食嚥下機能に応じた食形態の選択(演習) 科目の中での位置付け 本科目は、社会の高齢化に対応する科目である。既習の「解剖生理学」「日常生活援助論」「高齢者看護学概論」で学んだ健康障害に対する看護の基礎を踏まえ、加齢に伴う心身機能の変化が高齢者の生活行動に及ぼす影響と、その支援のあり方について学ぶ。
本講義では、加齢による日常生活への影響に焦点を当て、睡眠・休息、活動・覚醒、食事、排泄、身じたく、コミュニケーションといった生活行動ごとに、高齢者の特徴、アセスメントの視点、および基本的な看護について学習する。
第7回は、摂食嚥下機能に応じた食形態の選択ととろみ調整食品の活用に関して講義と演習を行う。

北川公子ほか:系統看護学講座 老年看護学、医学書院、2025.
山田律子ほか:生活機能からみた老年看護過程、医学書院、2023、p229~256.
コマ主題細目 ① 高齢者の摂食嚥下機能低下に対する食事支援
細目レベル ① 摂食嚥下機能が低下した高齢者では、食形態の工夫が必要となる。特に水分や汁物でむせる場合、とろみ調整食品を用いることで飲み込みやすくし、誤嚥のリスクを軽減できる。しかし、不適切な粘度の調整は、むせやすさや窒息事故の原因となるため注意が必要である。とろみの粘度は、対象者の嚥下機能に応じて適切に調整することが求められる。
演習では、とろみの種類(薄い・中間・濃い)の違いや、飲みやすさ、誤嚥しにくい粘度を体験する。また、実際にとろみ調整食品を用いた飲料を試し、美味しく安全に飲める工夫を考察する。さらに、飲み込みの動作や口腔内でのとろみの広がり方を確認しながら、適切な粘度の判断方法を学ぶ。
とろみ調整食品の活用は、単にとろみをつけるだけでなく、個々の嚥下能力に適した調整が重要である。演習を通じて、安全で快適な食事支援の方法を理解し、実践に生かせる知識を身につけることを目的とする。

キーワード ① 摂食嚥下機能低下 ② とろみ調整食品 ③ 粘度の違い ④ 嚥下動作の確認 ⑤ 安全な食事支援
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 予習:コマシラバスを読み授業の概要をつかむ。
復習:授業であいまいな点は再度教科書や資料を確認する。

8 生活行動(コミュニケーション) 科目の中での位置付け 本科目は、社会の高齢化に対応する科目である。既習の「解剖生理学」「日常生活援助論」「高齢者看護学概論」で学んだ健康障害に対する看護の基礎を踏まえ、加齢に伴う心身機能の変化が高齢者の生活行動に及ぼす影響と、その支援のあり方について学ぶ。
本講義では、加齢による日常生活への影響に焦点を当て、睡眠・休息、活動・覚醒、食事、排泄、身じたく、コミュニケーションといった生活行動ごとに、高齢者の特徴、アセスメントの視点、および基本的な看護について学習する。
第8回は、身体的変化により社会生活や人間関係に影響するコミュニケーションについて講義を行う。高齢者が安心してコミュニケーションができるように、高齢者にとって意味のある豊かなコミュニケーションとなるように、高齢者の視点から分析する視点について講義を行う。

北川公子ほか:系統看護学講座 老年看護学、医学書院、2025.
山田律子ほか:生活機能からみた老年看護過程、医学書院、2023、p44~51.
コマ主題細目 ① 高齢者のコミュニケーションの特徴とケア ② 難聴の高齢者とのコミュニケーション ③ 言語障害の高齢者とのコミュニケーション ④ 分析の視点と看護
細目レベル ① 高齢者との会話においての伝わりにくさの背景には、加齢による視力・聴力などの感覚機能の低下や、注意力・記憶力などの認知機能の低下がある。さらに、高齢期には自身の病気や老い、喪失体験が増え抑うつ状態などの心理的問題もコミュニケーションがうまくいかない要因の一つである。コミュニケーションに不具合を生じた高齢者は、不安感や疎外感、怒りや不満を感じるようになる。また、人との交流そのものへの意欲を失ってしまうことがある。個々の患者の置かれた物理的・心理的状況を理解し、適切に対応する必要がある。高齢者とのコミュニケーションの原則には、安らげる環境の提供、意欲を引きだす、的確なコミュニケーション手段の選択、ベッドサイドで会話を楽しむことである。高齢者が生きてきた時代の「古い日本語」や共通する話題を取り上げたり、趣味などの話題を取り入れるのも一つの方法である。高齢者は難聴、視力障害、コミュニケーション障害などにより他者とコミュニケーションが図りづらい状況になりやすいこと、それにより人間関係や心理面に大きな影響を及ぼすこと、コミュニケーションをとる時の注意点について理解する。
② 加齢に伴い内耳の感覚細胞、聴(蝸牛)神経、中枢神経などの生理的機能低下が起こる。老人性難聴は、それらが原因となって生じる感音(性)難聴である。高齢になると小さい音が聞こえにくくなる(純音聴力の低下)が、特に高音域での低下が著しい。また聞こえているが何を言っているのかわからないという語音弁別能の低下もあり、特に人ごみなどの騒音下での聞き取りが困難になる。難聴がある場合のコミュニケーション方法では、伝導性難聴の原因である耳垢塞栓がないかの確認、声をかけて注意を向けてもらってから話す、静かな環境でゆっくりと話す、正面で口型や表情を見せながら話す、「はい」「いいえ」で答えられるような質問形式や二者択一の質問形式などを工夫するなど、高齢者の難聴の特徴、難聴の時のコミュニケーションの取り方について理解する。
③ 失語症は大脳の言語野の損傷により生じるコミュニケーション障害であり、大脳皮質の言語機能を担う領域が損傷を受けることによって生じる言語の障害である。一般には、話す・聞く・読む・書くのすべての言語様式に障害が生じ、加えて計算能力にも問題が見られる。失語症の原因は、脳梗塞や脳出血が最も多い。通常は左大脳半球の損傷で生じる。失語症のタイプは流暢タイプと非流暢タイプに大別される。流暢タイプの代表的なものはウエルニッケ失語で、音声言語も文字言語も含め、理解面、表出全般の障害が著しい。非流暢タイプの代表的なものはブローカ失語で、聴覚的理解は比較的保たれるが、発語失行や失文法が見られ、短い分野単語のみの発語になる。構音障害は生理学的レベルにあたる発話に必要な神経や筋の損傷により生じるコミュニケーション障害である。状態に応じて適した方法でコミュニケーションをとる必要がある。失語症の特徴、失語症と構音障害の違い、それぞれに応じたコミュニケーションの取り方について理解する。
④ 分析の視点として、コミュニケーションの状況は、伝える、受け取るに関連する身体能力の障害だけでなく、周囲への遠慮や気遣いといった心理的・社会的背景の影響を受けることを押さえる。高齢者が思うようにいかないと感じている場合は、安心してコミュニケーションできるように、その要因について身体的・心理的・社会的側面、環境要因など多面的に分析する。他者との関わり合いが望みどおりにできているかどうかは、コミュニケーションの場と相手に大きく影響される。高齢者の生活史や意向もふまえ、どのように環境を整えると相互作用が維持・促進され、本人にとって意味のある豊かなかかわり合いとなるのか、コミュニケーションの場や相手の視点から分析する。この先も保ちたいつながりや、新しいつながりを高齢者が大切にできるように、培ってきた経験や知恵を活かしつつ、新たな手段や資源を取り入れられる可能性について分析する。分析の根幹は、かかわり合える安心感であることを理解する。
キーワード ① 伝える ② 受け取る ③ 相互作用 ④ 安心感 ⑤ 望み
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 復習:授業であいまいな点は再度教科書や資料を確認する。
履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
高齢者看護のヘルスアセスメント ヘルスアセスメントでは、身体的健康(フィジカルアセスメント、心理・社会的健康、日常生活の遂行(自立)状態、環境、生活史にかかる情報を系統的にまんべんなく収集し、その人にとって望ましい状態か、今後どのような変化が予測されるのかを総合的に査定することが必要である。したがって身体的健康の具体的なアセスメント項目、生活の自立状態の具体的なアセスメント項目、心理・社会的及び環境の具体的アセスメント項目、生活史の具体的なアセスメント項目を理解する。また、高齢者総合機能評価(CGA)が、高齢者医療において高齢者と家族(介護者)の視点に立って疾病および生活機能障害を評価し、全人的アプローチをする必要があるために、高齢者を身体的、精神心理的、社会的環境の側面から包括的に理解するための方法として開発されたことを理解する。 ヘルスアセスメント、高齢者と家族の視点に立つ、疾病・生活機能障害を評価、全人的・包括的アプローチ、高齢者総合機能評価(CGA) 5 第1回
生活行動:身じたく、
呼吸、循環の加齢変化
身だしなみによってもたらされる清潔感は、品位やその人らしさを表現して他者との交流や活動への参加を円滑にする、整容は、1日の始まりや時間の経過を認識するのを助けて生活リズムを生む。身だしなみを意識することは、清潔やおしゃれへの関心を高めながら、人の心理・社会的側面に大きな影響を及ぼす。衣服や装飾品、化粧だけでなく、立ち居振る舞い、生き方におしゃれを見出す人もいる。おしゃれが自己と他者への関心や意識を強め、健康な暮らしを支えるという側面を持つことを重要視することが大切であることを理解する。
心臓の加齢による心筋細胞の減少や弾性繊維の減少、繊維化の進行による運動時の収縮機能や心拍出量の低下、収縮期血圧の上昇などについて理解する。また、血管の弾力性が低下し、かたくなるという変化、その結果各臓器への血流の供給量が低下すること、血管内腔が狭くなるため、収縮期血圧の上昇がみられる一方、血管の弾性が失われることで拡張期血圧が下がり、脈圧の開大が著しくなることを理解する。
高齢者は、入浴時に循環動態の変化、転倒、火傷、溺水、脱水などを引き起こしやすいこと、また、入浴は温熱作用、静水圧、浮力により生体に及ぼす影響が大きいことを理解する。
肺弾力性収縮力の低下や呼吸筋の筋力低下などによる肺活量や1秒量・1秒率の減少、残気量の増加など肺の加齢変化が説明できる。また、高齢者は気管支粘膜の繊毛運動の低下に伴い、気管支分泌の運搬能力が低下し気道浄化能力(クリアランス)が低下し、分泌物がたまりやすく炎症を起こしやすくなること、免疫能が低下することで病原体に対する防御機能が低下して、呼吸器感染症を起こしやすくなることを理解する。
身だしなみ、おしゃれ、生活リズム、自己表現、
心拍出量の低下、収縮期血圧の上昇、拡張期血圧低下、脈圧の開大、肺活量・1秒量・1秒率の減少、残気量の増加、気道浄化能力(クリアランス)が低下
15 第6回
生活行動:活動、
運動器等の障害の種類と特徴、歩行の特徴、転倒のリスク
分析の根幹はやりたい活動ができる楽しさを感じることである。本人の意欲に基づいて充実した活動ができる基盤があるか、その人の活動史や活動に見出している価値が活動内容に反映されているか、現在の活動をより豊かにするため現在の活動に対する意欲や考えを大切にすること重要であることを理解する。
女性は閉経とともにエストロゲンが急激に下降し、骨量が著しく減少して骨粗鬆症を起こし、骨折しやすい状態になることを理解する。また、カルシウム代謝にかかわるカルシトニンが低下すると、骨のカルシウム遊離(骨吸収)が促進されるため、骨量の減少につながることを理解する。高齢者は速筋の減少、特に下肢の筋力が低下しやすいこと、握力が低下する、姿勢は円背になることを理解する。また歩行の特徴を述べられるようにする。運動器の障害により移動機能の低下をきたした状態であるロコモティブシンドローム、加齢に伴う骨格筋量の減少と骨格筋力の低下であるサルコペニア、高齢者が筋力や活力が低下した段階であるフレイル、不活発な日常生活や過度な安静などによって引き起こされる身体的・精神的諸症状である廃用症候群の定義と症状を理解する。また転倒の要因を理解する。
やりたい活動、活動を楽しむ、
ロコモティブシンドローム、サルコペニア、フレイル、廃用症候群、高齢者の歩行の特徴、転倒の要因、性ホルモン(エストロゲン)
20 第2回、第3回
生活行動:排泄、
泌尿器系の加齢変化、排尿障害、排便障害
排泄は、羞恥心や自尊心に大きく影響する生活行動であるため、高齢者の気持ちを大切に支援する方法を検討する必要がある。また、排泄にまつわる不安や悩みを解消し、安心して生活できることが、いきいきとしたくらしにつながることを念頭に、快適な排泄を実現するための方策が大切である、できる限りトイレで排泄できることを目指すためには、尿意、便意の知覚から始まる一連の排泄行動のどこにあるのかを分析する視点と、膀胱や尿意などの機能障害について分析する視点が必要である。
抗利尿ホルモンが(バソプレシン)の分泌が減少すると、尿濃縮機能が低下し夜間の頻尿が起こることを理解する。加齢に伴い膀胱の弾力性が低下するため残尿が多くなること、膀胱の萎縮により膀胱容量が減少すること、「如道括約筋の弛緩により尿失禁が書字やすいことを理解する。高齢者におこりやすい排尿障害には、過活動膀胱、頻尿、尿失禁などがあることを理解する。また尿失禁の種類(切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁、溢流性尿失禁、機能性尿失禁)とその特徴、原因となること、ケアについて理解する。特に女性は出産などの影響により骨盤底筋群の脆弱化によって尿道括約筋緩んで腹圧性尿失禁を起こしやすいこと、そのケアでは骨盤底筋体操による筋力強化があることを理解する。また男性では前立腺肥大により溢流性尿失禁を起こしやすいことを理解する。②便秘の分類である器質性便秘、機能性便秘、嵌入便についてとブリストル便性状スケールについて理解する。
快適な排泄、
排尿障害、過活動膀胱、尿失禁、便秘、下痢、抗利尿ホルモン(バソプレシン)
15 第5回
生活行動:食事、
消化器系の加齢変化、摂食嚥下障害の特徴、誤嚥の種類と予防
食事とは、人間が生命を維持するために不可欠な営みであるばかりでなく、食習慣や思考など個々人が築いてきた食文化を反映した営みでもある。おいしいものを食べたときに幸せを感じるように、食事は人々の生活に潤いや幸せをもたらす広がりをもった営みである。
加齢に伴い骨盤が後傾しやすい、さらに、円背や筋力低下に加えて麻痺などの障害を伴うと、姿勢が崩れて疲労しやすくなるほか、摂食動作や咀嚼・嚥下にも影響を及ぼす。また、加齢の伴う握力の低下によって、パッケージを開封する、魚の小骨をとる、食物をこぼすといった摂食動作に影響が及ぶことがある。
高齢者は唾液分泌量の低下により口腔内が乾燥し、味覚の低下につながること、舌圧などの低下や歯の欠損などにより咀嚼機能の低下をまねくこと、舌・舌骨・喉頭が下垂するために誤嚥が起きやすくなることを理解する。摂食嚥下過程である先行期、準備期、口腔期、咽頭期、食道期の過程と加齢による変化を理解する。誤嚥(顕性誤嚥、不顕性誤嚥)の特徴と誤嚥を予防するための姿勢の補正、食形態や内容の調整、体位の工夫による咽頭残留物の除去、食事時間など予防について理解する。また、誤嚥性肺炎のための口腔ケアについて理解する。栄養状態の指標は体重減少率や血清アルブミン値などがあることや低栄養の基準について理解する。また、高齢者に特徴的な低栄養であるPEMはタンパク質・エネルギー低栄養状態であることを理解する。
食事とは何か、姿勢の保持、上肢の機能、摂食嚥下過程、摂食嚥下機能能力、誤嚥、口腔ケア、誤嚥予防、低栄養 15 第4回
高齢者の皮膚の特徴、スキンーテア予防、褥瘡予防、褥瘡ケア 高齢者の皮膚はターンオーバー時間の延長により表皮が菲薄化すること、表皮の菲薄化、表皮真皮結合部が脆弱になることによりスキン-テア(皮膚裂傷)が生じやすいこと、エクリン汗腺の発汗機能が低下するため発汗量が減少すること、保護機能・体温調節機能・知覚機能は低下することを理解する。高齢者は角質の水分保持機能の低下により乾燥しやすいが、その乾燥が悪化して老人性皮膚搔痒症や皮脂欠乏性湿疹が起きやすいことを理解する。また瘙痒感の増強要因、皮膚の保湿と乾燥予防その他ケアについて理解する。
褥瘡予防について理解する。
高齢者の皮膚の特徴、スキンーテア予防、褥瘡予防 10 第7回
生活行動:睡眠・休息 睡眠に影響を及ぼすものとして深部体温と、メラトニンがある。松果体で分泌されるメラトニンは、夜間の睡眠中に多く分泌され、朝になるについて低下することから生体リズムの調整に関与すること、加齢に伴い高度照度にあたる機会が少なくなり、昼夜のメラトニン血中濃度の差が少なくなり、睡眠障害が起こりやすくなることを理解する。また加齢に伴って深い眠りが減少する(夜中に何度も目覚める)、浅い眠りと中途覚醒が増加する、体内時計の乱れ、日中の居眠り、多相性への変化(成人は単相性)など高齢者の睡眠と覚醒の変化について理解する。また、高齢者の睡眠障害である不眠の4タイプ(入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害)と特徴について理解する。日中の活動が睡眠・休息に影響を与えることを理解する。 睡眠の特徴、睡眠障害の種類、メラトニン、深部体温、日中の活動との関係 10 第1回
生活行動:コミュニケーション コミュニケーションに影響を及ぼす障害に、老人性難聴、視覚障害、失語症、構音障害がある。それぞれの障害の原因と特徴について理解する。老人性難聴は感音性難聴であり、高音域から障害されること、難聴により語音の分別能力が低下すること、母音よりも子音が聞き取りにくいことなどを理解する。視覚障害は明暗順応の低下や青色感度の低下がみられること、視野が狭くなること、老視や白内障などが見られることや、その原因などを理解する。失語症は流暢タイプと非流暢タイプに分かれるが、流暢タイプの代表的なものはウエルニッケ失語であり、非流暢タイプの代表的なものはブローカ失語であること、失語症と構音障害の違い、その特徴と適切なコミュニケーション方法について理解する。
コミュニケーションは、伝える、受け取るに関連する身体能力の障害だけでなく、周囲への遠慮や気遣いといった心理的・社会的背景の影響を受ける。高齢者が思うようにいかないと感じている場合は、安心してコミュニケーションできるように、その要因について身体的・心理的・社会的側面、環境要因など多面的に分析する。他者との関わり合いが望みどおりにできているかどうかは、コミュニケーションの場と相手に大きく影響される。高齢者の生活史や意向もふまえ、どのように環境を整えると相互作用が維持・促進され、本人にとって意味のある豊かなかかわり合いとなるのか、コミュニケーションの場や相手の視点から分析する。この先も保ちたいつながりや、新しいつながりを高齢者が大切にできるように、培ってきた経験や知恵を活かしつつ、新たな手段や資源を取り入れられる可能性について分析する。分析の根幹は、かかわり合える安心感である。
難聴、失語症、構音障害、老視、伝える、受け取る、相互作用、安心感、望み 10 第8回
評価方法 原則期末試験100%で評価します。
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 北川公子ほか:系統看護学講座 老年看護、医学書院、2023.
参考文献 山田律子ほか:生活機能から見た老年看護過程(第4版)、医学書院、2020.
実験・実習・教材費