区分
専門科目-広域看護学-精神看護学
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力
倫理観
専門性探求
地域社会貢献
グローバル性
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性
広い視野
知識・技術
判断力
探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
専門科目における広域看護学の「精神看護学」に位置づけられる。精神保健看護学概論は、こころの看護学において、精神の健康問題だけでなく健康の増進や予防も対象となり、あらゆるライフステージにある人々が対象となるこころの看護の基礎となる必修科目である。
科目の目的
カリキュラムにおける専門科目・広域看護学に位置づけられる精神看護学の科目である。ストレス社会といわれる現代、人々のメンタルヘルスと精神疾患を持つ対象者を看護する上で必要な精神保健看護学に関連する基礎的知識や理論、人生の各ライフステージに顕在化する精神の健康問題、精神保健看護の歴史的変遷や法制度について学修し、精神疾患を持つ対象者とその家族が地域で生活するための社会資源の基礎的知識を得る。メンタルヘルスの問題は、誰にでも生じるものとして、身近に捉え、知識を基に支援する土台を培うことが目的である。
到達目標
・精神保健における予防概念、WHOにおける精神の健康の定義、精神医学における診断基準、フロイトの心の構造、防衛機制、自我の発達段階、エリクソンの漸成的発達図式、心の危機やストレス等について説明できる。
・各ライフステージにおける精神の健康問題として、小児期では発達障害、思春期・青年期では摂食障害、成人期では嗜癖等について説明できる。
・精神疾患を抱える人を取り巻く法制度として精神保健福祉法における入院形態、処遇等を説明できる。
・精神疾患を抱える人を取り巻く社会資源について、基本的なものを説明できる。
科目の概要
精神保健看護学は精神保健看護と精神科看護から構成される。そのため、心の働きや心の成長発達等の基礎的理論を学び、精神の健康問題は特定の人にだけ生じるものではなく、健康増進や予防も対象となることを学ぶ。また、各ライフステージに顕在化する精神の健康問題、精神保健看護の歴史的変遷、精神障害者を取り巻く法制度と処遇、地域生活を行う上で看護者が知っておくべき社会資源を学ぶ。そういった中で、対象者が体験する苦悩への理解と看護には、学生自身の思考力が必要となる、そのため、授業ごとにリアクションペーパーで自身の考えを記述してもらう。
精神科病院で看護師として実務経験のある教員が、精神保健看護に必要な理論や知識、精神疾患を抱える人々の苦悩や生活のしづらさについて理解を深める科目である。
科目のキーワード
心の働き、心の成長発達、ライフステージ、精神の健康問題、歴史的変遷、法制度と処遇、精神看護学
授業の展開方法
科目担当者は精神看護学の看護師として、精神科の経験を持つ。精神保健看護学概論の科目は、専門科目・広域看護学の精神看護学の導入科目であり、初回に、精神保健看護学を構成する諸要素と本講義の位置づけについて学ぶ。その後、心の働きや成長発達等、こころについての基礎的知識、また、各ライフステージにおける精神の健康問題を扱う。精神疾患をもつ人々への精神保健看護学の歴史的変遷、精神障害者を取り巻く法制度と処遇、精神疾患をもつ人々が地域で生活する上で必要な社会資源について学修する。
オフィス・アワー
研究室710:月曜~金曜お昼休み
E-mail:n-bekku@uhe.ac.jp
(実習中など不在となるため、事前連絡が望ましい)
科目コード
ERP01
学年・期
2年・前期
科目名
精神保健看護学概論
単位数
1
授業形態
講義
必修・選択
必修
学習時間
【講義】16h
【予習・復習】29h
前提とする科目
看護学原論Ⅰ、看護倫理
展開科目
本科目は、精神看護学実習の履修要件であり、また、2年後期の精神看護援助論Ⅰ、3年前期の精神看護援助論Ⅱ、4年前期の精神看護学実習を展開するために必要となる科目である。
関連資格
看護師資格 保健師資格
担当教員名
別宮直子
回
主題
コマシラバス項目
内容
教材・教具
1
精神保健看護の構成
科目の中での位置付け
精神保健看護学は、⼈々の精神の健康増進や予防および精神疾患患者への看護である精神科看護から成る。そのため、本講義では、1回⽬に精神保健看護学概論の授業構成と危機理論やストレス、2回⽬には「こころの働き」や⼼の成⻑発達をおさえ、その後、各ライフステージにおける精神問題として⼩児期(3回⽬)・思春期・⻘年期(4回⽬)・成⼈期(5回⽬)に顕在化しやすい精神問題をおさえる。6回⽬には精神保健看護の歴史的変遷を、7回⽬には精神疾患を抱える⼈々を取り巻く法制度と処遇について、8回目では、統合失調症を抱える対象者への看護を学び、精神疾患を抱える対象者とその家族が体験する苦悩とその看護を学修する。第1回⽬は、精神保健看護学概論の初回の授業であり、また、専⾨科⽬・広域看護学のうちの精神看護学の導⼊として、精神保健看護学を構成する諸要素について、精神の健康の定義、危機とストレス、⽇本における精神科医療の現状を扱う。これにより、精神看護学が対象とする⼈々、学習者⾃⾝の精神の健康についても扱うことを理解する。
①配布資料p.6~14、教科書、精神看護学(1)p.6~7ページ、精神看護学(2)p.62~63
森実恵、潮文社、「心を乗っとられて」17~20頁、中村ユキ、マンガでわかる統合失調症、日本評論社、p.1~5
②教科書、精神看護学(1)p.150~152、ナーシンググラフィカ、精神看護学(1)情緒発達と看護の基本p.38~39
精神看護学(1)p.153~170
精神看護学(2)p.117~120、標準精神医学第7版
③教科書、精神看護学(1)p.2~5
コマ主題細目
① 精神の健康とは ② 日本の精神科医療の現状 ③ こころの健康問題の3つの側面
細目レベル
① 精神保健看護学は精神保健看護と精神科看護からなり、その背景は複雑な現代社会と関連していること、それぞれのライフステージにさまざまなかたちで顕在化していることを押さえる。また、WHOの精神の健康の定義を学び、精神の健康・不健康について、玄関の鍵をかけたかどうか確認することなどの事例やLGBTに対する社会的流れや性別不和という疾患名など、健康・不健康のあいまいさを学修する。そのうえで、精神の健康・不健康についてあいまいであるがゆえ診断基準の必要性があり、その診断基準にはDSMやICDがあることを抑える。さらに精神保健における予防の概念について、一次予防、二次予防、三次予防を学修する。
② 日本の精神科医療の現状について、データを用い、日本の精神科医療の現状および課題を押さえる。データとしては、精神障害の有病率の国際比較や国際的な精神科病床数の推移から、日本は世界的にみても精神科病床数が極めて多いこと、精神疾患を有する患者数の推移から、近年大幅に外来受診している人の数は増加していること、疾患別構成割合においては入院患者と外来患者で疾患構成割合が異なることも特徴であり、入院患者の多くが統合失調症の患者が多いこと。精神科病床数および精神病床の平均在院日数の国際比較から、日本の精神疾患患者の入院期間は極めて長く、近年長期入院患者への地域移行が進まず大きな課題となっていることを理解する。
③ 精神障害の3つの側面を学び、どの年代でも危機やストレスが生じ得ること、その危機やストレスについて学修する。また、ハンス・セリエのストレス概念やストレスコーピングとは何か、既習の知識を再確認する。また、心理的ストレスが身体症状となってあらわれ、身体疾患のなかで、その発症や経過に心理的社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害がみとめられる病態、心身症を押さえる。精神を病む人の体験世界を統合失調症の方を例にあげ、また、当事者の手記を読み、想像を絶する病的体験の辛さ(苦悩)生活のしづらさを理解する。精神保健看護学概論で何を、いつ学習するのか学ぶ。また、本概論が広域看護学・精神看護学の最初の科目であり、これからの土台となることを学ぶ。
キーワード
① 精神の健康・不健康 ② 診断基準 ③ 予防 ④ ストレス ⑤ 日本の精神科医療の現状
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
事前学習は、初回授業前に精神保健看護学概論のコマシラバスおよび指定教科書を購入し指定範囲を熟読しておくこと。事後学習は、WHOの精神の健康の定義を説明できる、精神保健における3つの予防概念について、それぞれが説明できる。また、精神保健における3つの予防が実際の精神保健活動としてどのように取り組まれいるかが理解できる。精神医学における診断基準のICDやDSMを述べることができる。また、カプランの危機理論とその定義、ハンス・セリエのストレス概念とストレッサーやストレス反応について、ストレスコーピングについて、さらに、心理的ストレスが身体症状となってあらわれることを心身症ということを復習しておくこと。
2
心の働き
科目の中での位置付け
精神保健看護学は、⼈々の精神の健康増進や予防および精神疾患患者への看護である精神科看護から成る。そのため、本講義では、1回⽬に精神保健看護学概論の授業構成と危機理論やストレス、2回⽬には「こころの働き」や⼼の成⻑発達をおさえ、その後、各ライフステージにおける精神問題として⼩児期(3回⽬)・思春期・⻘年期(4回⽬)・成⼈期(5回⽬)に顕在化しやすい精神問題をおさえる。6回⽬には精神保健看護の歴史的変遷を、7回⽬には精神疾患を抱える⼈々を取り巻く法制度と処遇について、8回目では、精神疾患をもつ人々が社会で生活する上で必要な社会資源を学修する。第2回目は、精神といわれる「こころ」とは何か、その働きを、脳の働きや神経伝達物質について、さまざまな精神機能、フロイトのこころの構造から学ぶ。また、現在の精神医学の考え方や精神力動、防衛機制など精神看護学を学ぶ上で、対象を理解する上で、必要な基本的知識を扱う授業である。さらに、対象を理解するため、心の成長発達について学ぶ。
①配布資料.教科書、精神看護学(1)p.28~45、標準精神医学 第7版、p.39~57
②配布資料.教科書、精神看護学(1)p.45~56、p.68~69、精神看護学(2)p.55~58.
③精神看護学(1)p.54、83~88、92~97、58~68精神看護学(2)p.72~78
コマ主題細目
① 脳の働きや様々な精神機能 ② こころの構造 ③ 心の成長発達
細目レベル
① こころとは何かから始まり、脳の働きと構造、神経伝達物質とは何か、神経伝達物質の中でもドパミンを例にあげ、神経伝達物質が脳の働きに影響すること、その4つの経路について押さえる。精神機能については、意識、認知、注意、知覚、記憶、思考、感情、人格等があり、外界からの刺激を受け入れ、自己を外界に表出する心的機能である意識には、清明、混濁、変容、狭窄があることや知覚の異常の一つとして、幻覚があり幻覚の内容により幻聴、幻視、幻臭、幻触、体感幻覚等とされること、記憶には感覚記憶、短期記憶、長期記憶があり、長期記憶には宣言的記憶、手続き記憶があること、その内容を具体的に押さえ、基本的な定義や知識の理解を図る。
② フロイトのこころの構造、本能的欲求や衝動の源泉であるエス、現実原則による自我、社会的な規範やモラルである超自我とは何か、さらに無意識・前意識・意識を押さえる。さらにこころの性的発達としてフロイトが唱えた5段階、口唇期・肛門期・幼児性器期・潜伏期・性器期、とくにエディプスコンプレックスについて学修する。さらに、フロイトの精神分析の流れをくみつつ、社会心理学的アプローチによる発達理論を提唱したエリクソンの8つの漸成的発達理論について押さえる。漸成的発達理論とは、発達課題と危機、さらに各発達段階を特徴づける葛藤とその結果獲得される強さである【徳】からなり、また、汎用される言葉であるアイデンティティとは何か、アイデンティティの拡散とは何か、モラトリアムとは何かを押さえる。
③ 学習したフロイトのこころの構造とともに、フロイトの精神力動とは、人間の心的現象を理解しようとする概念であり、精神現象はいろいろな外界の環境からの心理的な諸力が作用しあった物であるという仮定にたっており、精神現象の理解に力動的概念を導入した考え方であることを理解する。その上で、防衛機制の抑圧とは何か、否認とは何か、代償とは、反動形成、置き換え、抑制、取り入れ、合理化、投影、取り消し、知性化、退行、昇華、転移や逆転移などの防衛機機制について具体例を交え学修する。防衛機制は国家試験出題頻度も高い問題であり、医療の場において防衛機制を理解することが対象理解、自己理解にもつながることから、重要な要点である。
キーワード
① 脳の働き ② こころの構造 ③ エス(イド)・自我・超自我、 ④ 防衛機制 ⑤ 漸成的発達理論
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習・事後学習は、フロイトのこころの構造、本能的欲求や衝動の源泉であるエス、現実原則による自我、社会的な規範やモラルである超自我とは何か、さらに無意識・前意識・意識を押さえる。人間の心的現象を理解しようとする概念である精神力動について、抑圧、否認、、代償、反動形成、転移や逆転移などの防衛機機制について具体例を交え理解し、それぞれの防衛機制を説明できるように復習することが必要である。また、フロイトが精神力動理論の中で自我の発達段階を性的欲求の満足にかかわる身体部位によって、口唇期、肛門期、男根期、潜伏期、性器期の5段階に分けていること、エリクソンは、フロイトの精神力動理論を土台とし、人間の成長は「身体」「精神」「社会」の3つの次元が相互につながり合い、段階的に組織化されていくプロセスと考え、とくに個人の身体感覚と社会とのつながりを重視した。このエリクソンの理論を漸成的発達理論とよぶ。また、その8つの発達段階を復習すること必要である。次回授業の教科書の指定ページを必ず熟読すること、また、小児期における精神問題にはどのようなものがあるか、それに対する看護の役割を自分なりに考えておくことが望ましい。
3
各ライフステージにおける精神問題(小児期)
科目の中での位置付け
精神保健看護学は、⼈々の精神の健康増進や予防および精神疾患患者への看護である精神科看護から成る。そのため、本講義では、1回⽬に精神保健看護学概論の授業構成と危機理論やストレス、2回⽬には「こころの働き」や⼼の成⻑発達をおさえ、その後、各ライフステージにおける精神問題として⼩児期(3回⽬)・思春期・⻘年期(4回⽬)・成⼈期(5回⽬)に顕在化しやすい精神問題をおさえる。6回⽬には精神保健看護の歴史的変遷を、7回⽬には精神疾患を抱える⼈々を取り巻く法制度と処遇について、8回目では、精神疾患をもつ人々が社会で生活する上で必要な社会資源を学修する。第3回目は、精神看護学を学ぶ土台として各ライフステージにおける精神問題として小児期に顕在化しやすい精神問題について学ぶ。小児期に問題となる不登校について、その定義、また、発達障害について、自閉症スペクトラム障害、アスペルガー障害、ADHD.SLD、知的障害等、小児期に関連の強い精神疾患を学習する。さらに、自閉症スペクトラム障害をもつ児童への看護について学習を深める。
①配布資料、教科書、精神看護学(1)p.182~194、~Newton2010、p90
②配布資料、教科書、精神看護学(2)p.312~317、標準精神医学第7版、佐々木正美編、自閉症のTEACCH実践、岩崎学術出版社、2006、藤原加奈江著、困った行動が教えてくれる自閉症スペクトラムの支援p.3
③配布資料、教科書、精神看護学(2)p.318~322、杉山登志郎編、発達障害へのアプローチp.17精神看護出版、2011
コマ主題細目
① 小児期の精神問題(不登校) ② 自閉症スペクトラム障害およびその診断と療育について ③ その他の発達障害について
細目レベル
① 小児期に顕在化しやすい精神の健康問題について、こどものうつ病が存在すること、不登校、家庭内暴力、引きこもり、自傷行為、児童虐待、学級崩壊、青少年犯罪、その中に発達障害も含まれることを押さえる。それらの精神の健康問題を扱うのが児童精神保健や児童精神医学といわれる領域であることを押さえる。また、不登校の定義や学年別不登校生徒数の図、不登校状態となった直接のきっかけの図から、不安や劣等感、集団不適応、怠学、いじめ、うつ病など不登校の原因の多様性を理解する。さらに、児童虐待について、愛情遮断症候群の幼児の症例から、児童虐待が児童にもたらす影響について理解を深め、さまざまな出来事に心の健康問題が関連することを学ぶ。
② 自閉症スペクトラム障害の特徴とされる(1)対人的相互作用、(2)意思伝達の質的な障害、(3)興味の限局、同一性保持の強迫的欲求、それぞれの特徴を押さえ、心の理論についても押さえる。また、疫学として、有病率は人口の1%であり、近年、自閉症スペクトラム障害と診断される患者が増加していること、その要因には、疾患名の社会的周知が影響していると考えられていることを押さえる。しかしながら、自閉症スペクトラム障害の鑑別診断の難しさには、個体差が大きい乳幼児期の成長や鑑別診断を行える医師の少なさがあるといわれている。治療としては、TEACCHといった早期療育が有用とされていること、有用とされる物理的構造化、視覚的構造化とはどういうことかを学ぶ。
③ その他の発達障害として、アスペルガー障害、ADHD,SLD.行為障害、知的能力障害について、ぞれぞれどのような特徴があるのか、自閉症スペクトラム障害との鑑別の難しいさや、相関性を押さえる。アスペルガー障害とは、言語や認知の発達の遅れはなく、社会性の障害や興味の限局などを認めること、高機能自閉症とは、知的障害がなく、気づかれにくく、青年期に入り対人関係の悩みから、相談や受診につながる例もあることを押さえる。ADHDとは注意欠如多動性障害のことであり、特徴としては、1不注意、2多動性、3衝動性が挙げられる。他、知的能力障害の検査であるがあること、以前は精神遅滞という用語が使用されていたこと、知的能力障害には境界知能、軽度、中等度、重度、最重度があり、その分類を具体的に押さえる。
キーワード
① 発達障害 ② 自閉症スペクトラム障害 ③ 注意欠如多動性障害 ④ 学習障害 ⑤ 早期療育
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習・事後学習は、小児期の精神の健康問題である自閉症スペクトラム障害の主な3つの特徴である1.対人的相互作用の質的な障害、2.意思伝達の質的な障害、3.興味の限局、同一性保持の強迫的欲求を説明することができるよう復習することが重要である。また、治療ではTEACCHプログラムなどの早期療育が有用であること、疾患の特徴にあった支援が必要であることを説明できる。アスペルガー障害や注意欠如多動性障害、学習障害等の特徴、発達障害者への早期療育・早期支援、教育や就労に関する支援、発達障害者支援センターの設置などが定められた発達障害者支援法を述べることができるよう復習が必要である。予習課題として、思春期・青年期における精神問題にはどのようなものがあるか、それに対する看護の役割を自分なりに考えておくことが望ましい。
4
各ライフステージにおける精神問題(思春期・青年期)
科目の中での位置付け
精神保健看護学は、⼈々の精神の健康増進や予防および精神疾患患者への看護である精神科看護から成る。そのため、本講義では、1回⽬に精神保健看護学概論の授業構成と危機理論やストレス、2回⽬には「こころの働き」や⼼の成⻑発達をおさえ、その後、各ライフステージにおける精神問題として⼩児期(3回⽬)・思春期・⻘年期(4回⽬)・成⼈期(5回⽬)に顕在化しやすい精神問題をおさえる。6回⽬には精神保健看護の歴史的変遷を、7回⽬には精神疾患を抱える⼈々を取り巻く法制度と処遇について、8回目では、精神疾患をもつ人々が社会で生活する上で必要な社会資源を学修する。第4回目は、各ライフステージにおける精神問題として思春期・青年期に顕在化しやすい精神問題について学ぶ。思春期に顕在化しやすい精神問題として摂食障害をとりあげ、その定義、治療および看護について学習を深める。
①配布資料、教科書、精神看護学(2)p.329、標準精神医学第7版、
②配布資料、教科書、精神看護学(2)p.329~333
③配布資料、教科書、精神看護学(1)p.194~201、笠原嘉著、アパシーシンドローム、岩波書店
コマ主題細目
① 摂食障害について ② 摂食障害の治療と看護 ③ その他の思春期・青年期における精神問題
細目レベル
① 先進諸国の若年女性に多く、社会的なやせを賛美する風潮の影響も受けていると考えられる食行動の異常とされる摂食障害について、体重増加や肥満への恐怖が見られ、正常体重の最低限をも維持することを拒む、実際にはやせているが、まだ太っていると感じるボディイメージの歪み(身体像の障害)があるとされる神経性やせ症を押さえ、また、「むちゃ食い」など食行動のコントロールが制御できなくなる神経性過食症について、疫学から疾患の特徴を学ぶ。摂食障害には、摂食制限型と過食・排出型があり、どちらも身体的影響、低栄養などによる身体合併症により、時に生命を脅かす疾患であること、その病因は明らかでないが、社会的背景とともに、元来のこだわりの強さ等も影響しているとされることなどを押さえる。
② 摂食障害患者の初期の治療とその看護について、治療の導入には家族相談から始まることが多いこと、外来治療が中心となるが、身体症状が重篤な場合や外来治療で症状改善が望めない場合は入院治療に移行することを押さえる。その場合、まず身体面の治療と看護による低栄養による身体合併症の改善がされること、その際には、リフィーディング症候群への注意が必要であること、精神面・行動面の治療と看護では、ボディイメージの歪みとされる身体の認知には自身への低い自尊心があるとされており、それへの支援と認知の改善を図る看護などがされることを事例を用いて押さえる。また、家族内葛藤など家族機能が疾患に影響していることもあり、家族療法も併用されることがあることを押さえる。
③ 摂食障害以外のその他の思春期・青年期における精神問題では、スチューデント・アパシーや引きこもり、自殺が問題となること。無気力症といわれるスチューデント・アパシーは引きこもりに関連する問題行動として重要なもののひとつであること、また引きこもりとは、家庭内の問題や、学校や職場などにおける不適応などが原因とされるが、この時期の引きこもりには精神疾患の好発年齢でもあり注意が必要であること、引きこもりは経過が把握しにくく、治療介入の遅れや時間が経つにつれて社会から遠ざかってしまい、引きこもりの状態が固定してしまう問題などを押さえる。自殺では、若年層の自殺の増加が問題となっており、自殺対策基本法によって基本的施策が出され、自殺総合対策大綱により、地域で実践的な取り組みがされているその内容等を押さえる。
キーワード
① 摂食障害 ② 神経性無食欲症 ③ 神経性過食症 ④ アパシー ⑤ 自殺
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習・事後学習は、思春期・青年期の精神の健康問題について、摂食障害は若年女性に多いこと、神経性やせ症は、実際にはやせているが、まだ太っていると感じる、このことをボディイメージの歪みということ、神経性やせ症は、身体症状として無月経、徐脈、低体温などがみられ、体重は減少しているが活動性は亢進していることを復習すること。神経性やせ症の治療としては、低栄養状態である身体面への治療が行われるが、リフィーディング症候群への注意が必要であることを押さえる。他、自殺対策基本法、自殺総合対策大綱が策定され、取り組みとして、国にのみ義務づけられていた自殺対策の計画策定が、都道府県や市町村にも義務付けられたことを述べらるよう復習する。予習課題として、成人期における精神問題としてアディクションにはどのようなものがあるか、それに対する看護の役割を自分なりに考えておくことが望ましい。
5
各ライフステージにおける精神問題(成人期)
科目の中での位置付け
精神保健看護学は、⼈々の精神の健康増進や予防および精神疾患患者への看護である精神科看護から成る。そのため、本講義では、1回⽬に精神保健看護学概論の授業構成と危機理論やストレス、2回⽬には「こころの働き」や⼼の成⻑発達をおさえ、その後、各ライフステージにおける精神問題として⼩児期(3回⽬)・思春期・⻘年期(4回⽬)・成⼈期(5回⽬)に顕在化しやすい精神問題をおさえる。6回⽬には精神保健看護の歴史的変遷を、7回⽬には精神疾患を抱える⼈々を取り巻く法制度と処遇について、8回目では、精神疾患をもつ人々が社会で生活する上で必要な社会資源を学修する。第5回目は、各ライフステージにおける精神問題として成人期に顕在化しやすい精神問題について学ぶ。特に成人期に顕在化しやすい精神問題として嗜癖をとりあげ、嗜癖の分類や定義、嗜癖に含まれる疾患と、その治療および看護について学習を深める。
①配布資料、標準精神医学第7版、
②配布資料、教科書、精神看護学(1)p.206~209,216~222、松本俊彦・小原圭司監訳、スチュアート・マクミラン、依存症の話をしよう、ラットパークと薬物戦争、星和書店、2019、p.69~86.
③配布資料、教科書、精神看護学(1)p.209~215、松本俊彦・小原圭司監訳、スチュアート・マクミラン、依存症の話をしよう、ラットパークと薬物戦争、星和書店、2019、p.87~102.
コマ主題細目
① 嗜癖と依存 ② 物質依存の問題、薬物依存症とその治療と看護 ③ その他の依存症とその治療と看護
細目レベル
① 嗜癖とは、社会現象としてみられる嗜癖的習慣であるアルコール依存、過剰喫煙、薬物依存、ギャンブル癖、過食癖、盗癖など、これらはいずれも不適切な習慣行動により、身体的・精神的・社会的にもよくないと知りながらも身についてしまった習慣であり、個人の利益にそぐわない状態となっていることである。嗜癖に代わってWHOが提唱した概念が依存であり、ギャンブル依存、買い物依存などの行動のコントロール喪失に対しても「アディクション」の用語が使われていることを押さえる。さらに、嗜癖の種類には、薬物依存などの物質依存やギャンブルや買い物などの行動プロセス依存、人間関係に対する依存に関する関係依存などがあることを押さえる。
② 物質依存の問題は、使用者本人の精神的問題や身体的問題だけでなく、感染症や急性薬物中毒、交通事故、暴力、自殺などにも関係することが多く、精神医療現場のみならず救命救急現場においても物質使用の評価を行うことは重要であること、法的にも使用を規制されていることが多く、犯罪とも関連し、様々な社会的問題を引き起こすといった背景を押さえる。さらに、問題となる薬物や薬物依存症の病理や治療、看護として重要なことを学ぶ。薬物依存症は「孤立の病」でもあり、排除ではなく包摂の考え方がされ始めたことを理解する。治療では、代表的な自助グループとしてダルクがあること、薬物・アルコール依存症克服のためのプログラムとしてSMARPPがあること、その回復段階ではスリップである再使用があることを押さえる。
③ 行為嗜癖であるギャンブル依存症(病的賭博)とは、基本的特徴は、本人、家族、または職務の遂行を破壊する。持続的で反復的な不適応賭博行動であり、2大症状は「嘘」と「借金」といわれるように、家族も含めた社会生活の問題をもつ疾患であることを押さえる。また、スクリーニングでは、ギャンブルに関する10の質問があり、ギャンブル依存症の治療プログラムについては、SMARPPを元に開発されたSAT―G(島根ギャンブル障がい回復トレーニングプログラム)があることを押さえる。他に行為障害としては盗癖であるクレプトマニアや2018年よりICD―11で疾病となったゲーム障害について、定義や症状を押さえ、身近なゲームも依存につながること、学生自身も付き合い方を今一度見直す必要性を学修する。
キーワード
① 嗜癖(アディクション) ② 孤立 ③ ダルク ④ ギャンブル依存症(病的賭博) ⑤ ゲーム障害
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習・事後学習は、成人期の精神の健康問題について、ある物質接種に対する渇望や衝動があまりに強く、その人にとって何よりも優先されるようになる一群の生理的、行動的、認知的現象を依存ということ、身体的、社会的に問題となるような精神作用物質の不適切な使用(有害な使用)を乱用ということ、依存(嗜癖)の3つの種類、物質依存、行為依存、関係依存について述べることができるように復習する。他、薬物依存の治療には薬物依存症リハビリ施設のダルクやジャンブル依存症やゲーム依存症などの疾患の特徴を復習しておくことが必要である。予習課題として、次回の授業では精神保健看護学の歴史的変遷を扱う。そのため、提示したページを授業前には熟読しておくことが必要である。また、治療の移り変わりによる看護の役割を自分なりに考えておくことが望ましい。
6
精神保健看護の歴史的変遷
科目の中での位置付け
精神保健看護学は、⼈々の精神の健康増進や予防および精神疾患患者への看護である精神科看護から成る。そのため、本講義では、1回⽬に精神保健看護学概論の授業構成と危機理論やストレス、2回⽬には「こころの働き」や⼼の成⻑発達をおさえ、その後、各ライフステージにおける精神問題として⼩児期(3回⽬)・思春期・⻘年期(4回⽬)・成⼈期(5回⽬)に顕在化しやすい精神問題をおさえる。6回⽬には精神保健看護の歴史的変遷を、7回⽬には精神疾患を抱える⼈々を取り巻く法制度と処遇について、8回目では、精神疾患をもつ人々が社会で生活する上で必要な社会資源を学修する。第6回目は、精神疾患を抱える人々を取り巻く社会や環境について、精神保健看護の歴史的変遷を学び、精神疾患を抱える人々が、疾患だけでなく、差別や偏見・スティグマといった問題からも苦しみを抱えていることを学ぶ。精神疾患を抱える人々を看護する上で、疾患だけでない苦悩を知り、看護者として倫理的な側面からの対象理解は非常に重要である。本講義、精神保健看護学概論の中でも、重要な回となる。
①配布資料、教科書、精神看護学(1)p.226~236,、ナーシンググラフィカ精神看護学(1)情緒発達と看護の基本、メディカ出版、p.122~126
②配布資料、精神看護学(1)p.236~239、ナーシンググラフィカ精神看護学(1)情緒発達と看護の基本、メディカ出版、p.127~129
③配布資料、精神看護学(1)p.239~244、ナーシンググラフィカ精神看護学(1)情緒発達と看護の基本、メディカ出版、p.129~14
コマ主題細目
① 欧米の歴史 ② 日本の歴史 ③ 治療の移り変わりによる看護の役割
細目レベル
① 欧米の精神保健看護学の歴史として、古代ギリシャ時代の「医学の祖」とされるヒポクラテスが、精神障害を脳と結びついた自然の病であるとしたころから、中世では精神の病を神の呪いによるものとし悪魔や悪霊に憑かれて起きるという宗教的な魔女思想と結びついていたこと、ベルギーのゲールの集落では、家庭保護、家庭看護が行われコロニーデーゲールと言われていること、近代精神医学の父と称されるピネルの精神病の人格や人権に配慮し、病者として遇し、拘束から解放した、非拘束運動を押さえる。モラルトリートメントについてやピアーズの「わが魂にあうまで」を紹介し、病院改革からアメリカに精神衛生協会が設立され、世界精神衛生連盟が結成した流れを押さえる。その1900年代の治療や看護から脱施設化までを押さえる。
② 日本の精神保健看護学の歴史として、古代、中世においては、悪魔や悪霊、動物に憑かれたものという考え方であったこと、平安時代の岩倉村における日本のゲールについて紹介し、近世に入っての癲狂院の設立や相馬事件を学修し、1900年代では精神病者監護法の制定により、私宅における座敷牢を合法化、精神病院における監置を強化することとなったこと、呉秀三による日本における拘束器の使用の厳禁、治療や看護の改革を行った。そのころの治療である特殊療法にはマラリア療法、インスリンショック療法や前頭葉切除術であるロボトミー、現在も治療として残っている電気けいれん療法があることを押さえる。1950年代後半から1960年代初めに日本に向精神薬として導入されたクロルプロマジンによる治療の変化、第二次世界大戦後、公衆衛生思想の普及、厚生福祉が向上し、私宅監置制度の廃止等が行われたこと、ライシャワー事件が景気となり精神衛生法の改正がされたこと等の歴史的変遷を押さえる。
③ 近世に入っての癲狂院の設立や相馬事件を学修し、その頃の治療や看護の役割を押さえる。1900年代では精神病者監護法の制定により、私宅における座敷牢を合法化、精神病院における監置を強化することとなったこと、呉秀三による日本における拘束器の使用の厳禁、治療や看護の改革を押さえる。そのころの治療である特殊療法とその頃の看護の役割を押さえる。1950年代後半から1960年代初めに日本に向精神薬として導入されたクロルプロマジンによる治療と看護が変化したこと、その頃では生活指導、作業療法、レクリエーション療法といった生活療法のアプローチを看護者が行っていたこと、宇都宮事件により、日本の精神医療政策の貧困が明らかとなり、不十分な精神科看護教育が明らかとなったことを押さえる。歴史的経過とともに変化する看護の役割を押さえるとともに、歴史的背景と合わせ、差別やスティグマの存在を押さえる。
キーワード
① 無拘束運動 ② 呉秀三 ③ 精神病者観護法 ④ 生活療法 ⑤ スティグマ
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習・事後学習は、モラルトリートメントは人道的ケアであり、向精神薬の開発移行、、ホスピタリズム、入院自体が疾患に与える弊害と人権侵害を問題視し、脱施設化が進んだことを復習する。日本の歴史では、岩倉村における日本のゲールの存在、相馬事件を復習するとともに、1900年の精神病者監護法により私宅における座敷牢が合法化され、精神病院のおける監置を強化したこと、巣鴨病院の呉秀三院長による病院内の手かせ、足かせなどの患者の拘束器の使用を厳禁、焼却し、治療と看護の改革を行ったことを復習する。さらに、その後の1919年の精神病院法の制定により、福祉への医療・保護対策の芽生え、特殊療法の内容と看護、1950年の精神衛生法の制定内容、ライシャワー事件や宇都宮事件の概要を理解し、1987年の精神保健法制定、1995年の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律、障害者プランーノーマライゼーション7か年戦力」等の流れを復習する必要がある。予習課題として、次回の授業では精神障害者を取り巻く法制度と処遇についてを扱う、提示したページを熟読し、自分なりに要約しておくことが望ましい。
7
精神疾患を抱える人々を取り巻く法制度と処遇について
科目の中での位置付け
精神保健看護学は、⼈々の精神の健康増進や予防および精神疾患患者への看護である精神科看護から成る。そのため、本講義では、1回⽬に精神保健看護学概論の授業構成と危機理論やストレス、2回⽬には「こころの働き」や⼼の成⻑発達をおさえ、その後、各ライフステージにおける精神問題として⼩児期(3回⽬)・思春期・⻘年期(4回⽬)・成⼈期(5回⽬)に顕在化しやすい精神問題をおさえる。6回⽬には精神保健看護の歴史的変遷を、7回⽬には精神疾患を抱える⼈々を取り巻く法制度と処遇について、8回目では、精神疾患をもつ人々が社会で生活する上で必要な社会資源を学修する。第7回目は、精神疾患を抱える人々を取り巻く法制度と処遇について、基本となる精神保健福祉法について、その目的や法改正の変遷、入院形態や処遇について学ぶ。また、精神医療看護における倫理的課題やアドボカシーの必要性を学ぶ。このことにより、精神疾患を抱える人々への治療や看護における倫理観の必要性を学ぶ重要な回となる。
①配布資料p.2~7、精神看護学(1)p.245~263
②配布資料p.8~22、精神看護学(1)p.264~273
③配布資料p.23~34、精神看護学(2)p.264~270
コマ主題細目
① 精神保健福祉における入院形態 ② 精神保健福祉における行動制限 ③ 精神科病棟における治療環境と保護室における看護
細目レベル
① 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(最終改正:平成28年)は、精神障害者の福祉の増進および国民の精神保健の向上を図ることを目的としていることをまず押さえる。その精神保健福祉法で入院形態が定められていること、それには、本人の同意に基づく入院である任意入院、本人の同意に基づく入院が行われる状態になく、精神保健指定医が入院の必要性があると認め、家族等のうちいずれかのものの同意が得られた場合の入院である医療保護入院、2名以上の精神保健指定医が自傷他害のおそれがあると認めた場合の入院である措置入院、すぐに入院しなければ自傷他害のおそれが著しいと精神保健指定医一人が認めた場合の72時間に限られた緊急措置入院などがあることを押さえる。さらに精神保健指定医、特定医師を概説する。
② 精神保健福祉法においては、入院形態だけでなく、行動制限についても定められていることを押さえる。行動制限とは、患者の症状からみて、本人または周囲の者に危険が及ぶ可能性が著しく高く、隔離以外の方法ではその危険を回避することが困難であると判断される場合に、その危険を最小限に減らし、患者本人の医療または保護を図ることを目的として行わることであり、12時間を超える隔離については、精神保健指定医の判断を要すること、12時間を超えない場合にあっても、その要否の判断は医師によって行わること、隔離や身体拘束を行う旨はその理由とともに当該患者に告知し、開始した日時を診療録に記載することが義務づけられていること、面会、電話、通信においては、原則自由に行われなければならないことを押さえる。
③ 精神科病棟における治療環境は、開放病棟と閉鎖病棟、さらに保護室があり、患者の保護と危険性を防止するため治療環境があること、保護室では、自傷行為や他害への暴力行為、患者の心身を保護し安全を確保する目的で使用されるが、長期的な使用には拘禁反応や精神的退行を引き起こすことがあり、保護室における看護が重要となることを押さえる。また、身体拘束だけでなく、言葉による心理的拘束や薬物療法も化学的拘束であることを押さえる。その上で、保護室での看護としては、安全の確保、人権の尊重、安心できるよう配慮、セルフケアの援助が必要であることを学修する。日本における精神病院における重大な権利侵害として、ジュネーブ大学法医学研究所のティモシー、ハーディングの言葉を紹介し、患者の人権擁護とその促進は看護専門職の具体的な目標であることを押さえる。
キーワード
① 精神保健福祉法 ② 入院形態 ③ 行動制限 ④ 安全の確保 ⑤ プライバシー
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習・事後学習は、精神障害者の福祉の増進および国民の精神保健の向上を図ることを目的とする法制度は精神保健福祉法であること、入院形態には、本人の同意に基づく入院である任意入院、本人の同意に基づく入院が行われる状態になく、精神保健指定医が必要性があると認め、家族等のうちいずれかの者の同意が得られた場合の入院である医療保護入院、二人以上の精神保健指定医が自傷他害のおそれがあると認めた場合の入院である措置入院等、入院形態を必ず復習することが必要である。さらに、隔離について、拘束について押さえ復習する。予習課題は、次回の授業より、精神疾患をもつ人への看護として統合失調症の急性期をあつかう、そのため、提示した教科書のページを熟読しておくこと、既習内容である陽性症状や陰性症状を復習しておくこと。
8
精神疾患を抱える人々を取り巻く社会資源
科目の中での位置付け
精神保健看護学は、⼈々の精神の健康増進や予防および精神疾患患者への看護である精神科看護から成る。そのため、本講義では、1回⽬に精神保健看護学概論の授業構成と危機理論やストレス、2回⽬には「こころの働き」や⼼の成⻑発達をおさえ、その後、各ライフステージにおける精神問題として⼩児期(3回⽬)・思春期・⻘年期(4回⽬)・成⼈期(5回⽬)に顕在化しやすい精神問題をおさえる。6回⽬には精神保健看護の歴史的変遷を、7回⽬には精神疾患を抱える⼈々を取り巻く法制度と処遇について、8回目では、精神疾患をもつ人々が社会で生活する上で必要な社会資源を学修する。最終授業の本回では、精神疾患をもつ人々が地域生活を行う上で利用することの多い社会資源を中心に、医療・保健・福祉領域に分け概説する。第8回で学修した法制度による入院から退院、地域生活という具体的な流れや地域ケア支援活動について理解を深める。
①配布資料、精神看護学(2)p.352~391目で見る精神看護Vol.3病院から地域社会へ知っておきたい社会資源(医学映像教育センター)
②配布資料、精神看護学(2)p.392~407目で見る精神看護Vol.3病院から地域社会へ知っておきたい社会資源(医学映像教育センター)
③これまでの授業範囲の教科書および配布資料
コマ主題細目
① 地域生活を支援する社会資源 ② 地域生活を支援する医療、ACT,オープンダイアローグ ③ 科目のまとめ
細目レベル
① 日本の精神科医療の特徴である、長期入院患者数や再入院率、退院困難例、社会的受け皿の不足等、精神疾患を持つ人にも地域包括ケアの必要性を理解する。さらに、入院の長期化がもたらす弊害から、長期入院患者への退院支援について経過を追って学修し、入院患者の退院支援時のアセスメント、支援内容を理解する。退院後の生活を看護師がイメージできることは、入院時からのケアに大きく影響する。そのため、精神疾患を持つ人々の社会資源を保健領域、福祉領域、職業領域、自助活動、さらに精神障害者保健福祉手帳制度等の社会保障等について、精神疾患をもつ人々と関連の深い社会資源を中心に概説し、理解する。
② また、医療における地域生活における支援としては、デイケアや訪問看護等がある。デイケアは地域生活に向けたリハビリの役目があり、利用者によって、その目的も異なる。また医療機関である病院における訪問看護は、退院直後の対象者にとっては、入院時より関係が構築されているスタッフからの訪問を受けることができる。さらに、グループホーム(共同生活援助)とは、複数の障害者がサポートを受けながら自律的な共同生活を送る居住プログラムのことであり、精神医療の継続利用、何らかの形である程度一人で食事ができること、ある程度の病識があり服薬管理できることなどの入居条件が存在し、国家試験問題の状況設定問題では、事例のアセスメントと併せて利用する社会資源を選択する問題があることを理解する。
③ 精神疾患を持つ対象者や精神看護学に関連するこころの健康問題について、第1回目の危機理論やストレス、2回⽬にはフロイトやエリクソンが提唱する各自の⼼の成⻑発達、国家試験問題で頻出される防衛機制をおさえ、その後、各ライフステージにおける精神問題として⼩児期(3回⽬)では発達障害、思春期・⻘年期(4回⽬)は摂食障害、成⼈期(5回⽬)は依存症といったそのステージに顕在化しやすい精神問題をおさえる。どの年代においてもこころの健康問題は存在することを理解する。また、7回⽬の精神疾患を抱える⼈々を取り巻く法制度と処遇については、入院形態や行動制限について精神保健福祉法に基づき行われていること等、精神看護学の基礎的知識として重要な箇所を再度理解する。
キーワード
① 地域包括ケアシステム ② デイケア ③ 自立支援医療、 ④ ACT ⑤ オープンダイアローグ
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習・事後学習は、入院した患者が退院する際の支援および地域生活を行う上で活用できる社会資源を復習する。精神医療の特徴から地域包括ケアシステムの必要性および地域包括ケアシステムについて理解し、精神疾患をもつ人が地域生活において利用できる資源を各社会資源とその目的を必ず復習する。さまざまな法制度に関連して社会資源も存在するため、各支援活動の関係法規を押さえながら、社会資源を理解することが必要である。復習に時間が取れれば、学生自身の居住区において、ここで学修した社会資源がどこにあるのか、通所する際の交通手段は何か、通所するには便利であるか、どのような活動をしているかなどを調べると、具体的に各社会資源を知ることができる。
履修判定指標
履修指標
履修指標の水準
キーワード
配点
関連回
精神看護学の構成・心の危機とストレス
精神保健における3つの予防概念である、①精神障害の発生を防ぐ(一次予防)、②精神障害の早期発見と早期治療をはかる(二次予防)、③再発防止といった(三次予防)について具体的に説明・記述できる。また、WHOの精神の健康の定義について、精神疾患を加えた「5大疾病」は何かについて、精神医学における診断基準の必要性およびICD-10やDSM-5といった診断基準について、また、心の危機として、カプランの危機理論アギュララの問題解決型モデルについて、ストレスについて、ストレスとは何か、ストレス反応、ストレスコーピングについて説明できる。
予防概念、健康、ICD,DSM,ストレス,危機理論
20
1
心の働き
フロイトの心の構造、エス(イド)・自我・超自我について説明できる。防衛機制を理解することが対象理解、自己理解につながるため、代表的な防衛機制である退行や転移、抑制などについてを説明できる。心の成長発達として、エリクソンの漸成的発達図式の各段階における課題と危機について、アイデンティ、モラトリアムについて説明できる。フロイトの成長発達である口唇期、肛門期、男根期、潜伏期、性器期の5つを述べることができる。
心の構造、自我の発達段階、漸成的発達図式、
20
2
各ライフステージにおける精神の健康問題
各ライフステージにおける精神の健康問題で取り上げた疾患と看護についての理解が必要である。小児期では発達障害、特に自閉症スペクトラム障害の特徴や心の理論、早期療育について説明できる。アスペルガー障害やADHD(注意欠如多動性障害)など他の発達障害についても、その特徴を説明できる。思春期・青年期では摂食障害について、疫学から疾患の特徴をおさえ、経過に沿った治療と看護を説明できる。成人期では嗜癖等について嗜癖の種類や薬物依存症の治療と看護について説明できる。
自閉症スペクトラム障害、発達障害、摂食障害、自殺、嗜癖
26
3-5
法制度と処遇
日本国憲法第11条において基本的人権の享有が定められている我が国において、精神疾患を抱える人を取り巻く重要な法制度として、精神保健福祉法(精神保健および精神障害に関する法律)における入院形態や処遇等を理解する必要がある。精神保健福祉法の目的、任意入院、医療保護入院、措置入院、緊急措置入院、応急入院といった入院形態の種類、精神保健指定医、特定医師について説明できる。隔離・拘束については、行動制限や身体拘束、面会、電話、通信等における法的根拠および法に基づく処遇を説明できる。
精神保健福祉法、入院形態、処遇、隔離、精神保健指定医
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6-7
精神疾患を抱える人々を取り巻く社会資源
社会資源である、保健所、保健センター、精神保健福祉センターについて、福祉事業である障害者総合支援法における自立支援事業の内容、例えば就労継続支援事業A型、B型、福祉ホーム、自立支援医療費等、また、就労関連としてハローワークにおける窓口や一定の事業所に課せられる雇用促進法における雇用率制度、生活保護、障害者手帳といった社会資源、医療におけるデイケアや訪問看護、「壁のない病院」と称されるACT等について説明できる。
精神保健福祉センター、自立支援事業、雇用率制度、障害者手帳、デイケア、ACT
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8
評価方法
期末試験100%
評価基準
評語
学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・
S (100~90点)
学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・
A (89~80点)
学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・
B (79~70点)
学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・
C (69~60点)
学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・
D (60点未満)
教科書
・著者代表、岩崎弥生、新体系看護学全書 精神看護学① 精神看護学概論/精神保健、メヂカルフレンド社、2300円(税別)・著者代表、岩崎弥生、新体系看護学全書 精神看護学② 精神障害をもつ人の看護、メヂカルフレンド社、4000円(税別)
参考文献
実験・実習・教材費