区分 専門科目-統合看護
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力 倫理観 専門性探求
地域社会貢献 グローバル性
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性 広い視野 知識・技術
判断力 探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
カリキュラムの中で統合科目として位置づけられる。これまで学んできた「基礎科目」「専門基礎科目」の知識および、各専門科目で修得した知識、技術を統合的に関連させた科目となる。災害時における看護師の役割は社会的に期待されている。早期から減災、防災にむけた知識を養うことで、発災時の役割を主体的に考えられる学生を養う。
科目の目的
災害は誰にでも起こりうる事象であり、災害看護はあらゆるすべての人々を対象とするものである。災害発生直後から災害サイクルすべての時期において,あらゆる生活の場の人々を対象とした,大切な人の生命と生活を守るための看護である.   災害看護学は看護専門領域の中で、看護統合に位置づけられており、問題解決能力を持ち、地域に貢献することが求められる分野である。社会的意義とその目的は,災害時におこりうる諸問題について理解し、災害時に期待される看護を実践するための基本的な知識・技術を習得すること,減災のために看護者が考えるべきことについて自ら主体的に考察できることを目的とする。
到達目標
災害時におこりうる諸問題について理解し、自ら減災・防災行動をとることができる。災害時における看護者の役割について理解することができる。そのために,災害サイクルについて説明でき,フェーズごとに必要な看護について説明することができる.CSCATTTの概念について詳細に理解し,なぜこの概念が重要であるか,看護者としての役割について説明できる.トリアージ法について具体的な方法が理解でき,事例に対して正しくSTART法で判断できる.被災者の心理的状態,救護者の惨事ストレスについて理解でき,その対処法について説明できる.減災のために看護者が行うことについて説明ができる.現在の自分の居住地域における災害について具体的に想起でき,防災のためのアクションカードを作成することができる.
科目の概要
災害が社会や地域の人々の暮らしと密接に関係しながら、人々の健康や生活に影響を及ぼすことを理解し、さらに災害サイクルにおける被災者の健康や生活ニーズに応じた看護職の果たすべき役割について学ぶ。特に,災害医療におけるトリアージの実際について,事例を用いて学習を深める.具体的には①災害および災害看護に関する基礎的知識 ②災害が人々の健康や生活におよぼす影響 ③個人の備えと地域防災の課題と対策、④災害サイクルに応じた看護支援活動の在り方について学ぶ。⑤こころのケア、トリアージ等については学内模擬演習により体験的に理解する。また,災害対策基本法の性質について理解し,医療者が行う活動に必要な政策についても学ぶ.大学病院の重症・集中治療センターおよび救急外来部門にて看護師として,トリアージ経験のある教員と,東日本大震災等国内における災害発生時,救護活動を担当する医療従事者の惨事ストレスに対応する専門教員が担当する科目である.
科目のキーワード
災害サイクル,トリアージ,CSCATTT 惨事ストレス,防災・減災活動
授業の展開方法
近年発生した様々な自然災害等の映像を使用し,災害の実態を確認するとともに,具体的な看護実践について講義でおさえる.日本国内における,災害対策基本法の法的解釈や,それに基づいた下位に続く法律のしくみ,都道府県の対応の実際について確認する.発災時からの災害サイクルについてその特徴を理解し,発災直後のCSCATTTの概念をつかんだ救助の実際と,看護師の役割について学ぶ.看護独自の役割の他,消防,自衛隊,警察などの他組織との連携の重要性について学ぶ.災害サイクルにおける急性期を脱した後の健康問題について検討し.看護の役割とそのあり方について検討する.防災については,個々にハザードマップを入手し,その地域特性を考慮した上で,避難活動が迅速にいくよう,アクションカードを作成し,その重要性について学ぶ.特に第4回,5回の講義では,日本の大規模災害の対応にあたった医療従事者の心理的ケアに携わる専門家が教員として講義にあたる.
オフィス・アワー
渡部晃:研究室707:火曜2限
E-mail:a-watanabe@uhe.ac.jp
松井豊:授業終了後

科目コード ERQ02
学年・期 3年・前期
科目名 災害看護学
単位数 1
授業形態 講義
必修・選択 必修
学習時間 【講義】16h
【予習・復習】29h
前提とする科目 すべての看護学が前提となる
展開科目 統合科目となるため該当しない
関連資格 看護師資格 保健師資格
担当教員名 渡部晃・松井豊
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 災害の種類,災害サイクルと看護 科目の中での位置付け 本科目では,人々が日々暮らしている場におこりうる,災害についてとりあげる.災害は自然災害けでなく,人為災害,事故や事件をも含み,人命や社会生活,心に甚大な影響を与える.このような災害に対し,災害看護は「災害に関する看護独自の知識や技術を体系的にかつ柔軟に用いるとともに,他の専門分野と協力して災害の及ぼす生命や健康生活への被害を極力少なくするために活動を展開すること(日本災害看護学会)」と定義されている.
誰の身にも起こりうる災害に対し,災害看護はあらゆるすべての人々を対象にする.また,災害にはフェーズがあり,フェーズごとに医療者や看護師に求められることは異なっている.この科目では,第1回目に災害の種類,災害サイクルに沿った看護について検討する.2回目では広域災害における被災者の心理と災害救護者のストレスについて学ぶ,第3回目では惨事ストレスとケアについて学ぶ,第4回目では災害発生時,体系的対応の基本原則としてCSCATTの概念について学ぶ,第5回目では,被災地における初動時から亜急性期の救護活動について学ぶ,第6回目には被災地における復旧復興期の看護活動について学ぶ,第7回目には災害医療に関する法律と政策について学ぶ,第8回目には災害対策基本法では要配慮者について理解しその支援と看護について学修する..全8コマによって構成され,災害と看護の役割について自ら考えることが重要な科目である.そこで第1回目の講義では,災害の種類には,自然災害,人為災害,特殊災害,複合災害と発生原因による分類と災害サイクルは,静穏期,発災,超急性期,急性期,亜急性期,復旧復興期と常に循環するサイクルをもつことを理解する.また,災害時に発生しやすい価値観の違いについて,倫理的な介入の必要性について学修する.

①教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版」メディカ出版P.30
②教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版」メディカ出版P.31
③教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版」メディカ出版P.96
コマ主題細目 ① 災害の種類 ② 災害と特徴的な健康障害 ③ 災害サイクルと看護 ④ 災害と倫理
細目レベル ① 災害の種類には,自然災害,人為災害,特殊災害,複合災害と発生原因による分類と,発生場所による災害区分がある.特に自然災害には,地震,津波,風水害,豪雪,竜巻,火山爆発,干ばつがある.人為的災害には,列車事故,爆発事故,大火災,化学物質による災害,放射線事故などがある.いずれにおいても多数の傷病者が発生し,早期の救命活動がとても重要である.この時におこりやすい健康障害の代表的なものには,高エネルギー外傷がもっとも多く,迅速に治療を開始しなければ死に至る確率が高い.災害にともなう被災状況は,時間や発生場所,季節,インフラストラクチャーも強く影響する.近年発生した様々な災害,事故を検証し,その特徴について検討する.
② 自然災害の中でも細分化される.地震,水害等,被災時に身体に高エネルギーが加わる場合が多く,生命維持に重篤な問題をもたらす病態に至ることがある.このような病態をはエネルギー外傷とされており.病態には早期の介入が重要であり,防ぎえた災害死を撲滅するために日本ではDMAT隊が設立されている.また,放射線事故や地震に伴う工場の爆発など,特殊な状況や複合的に被災する場合もあり,医療従事者は,地方自治体,自衛隊,消防,警察,災害ボランティア団体等と綿密に連携していくことが重要である.災害にともない,おこりうる健康障害について考察し,災害時の看護師の役割について検討する.
③ 災害サイクルは,静穏期,発災,超急性期,急性期,亜急性期,復旧復興期と常に循環するサイクルをもつ.ひとたび災害が発生すれば,被災状況の大きさによって,そのサイクルは長期化することも大きい.被災した地域が,災害サイクルのどの段階にあるか,正確にアセスメントすることは重要であり,それにより必要とされる看護も異なってくる.また,被災者の中でも避難行動に支援が必要な人がいる.たとえば,子供(child)女性(woman)高齢者(aged people)貧困者(poor)病人(patient) 障がい者・外国人なども含み,これらの人々のことは災害弱者(CWAP)と呼ばれ、災害発生時には十分な治療が受けられず、虐待され ることも少なくないことから、これらの人々への配慮が重要である。自分では避難できない方を災害時要援護者ともいう.これらの人々に対し,医療ニーズや生活ニーズを理解し,看護師に求められる役割について考察する.
④ 行いや態度は「良いか, 悪いか」,「正しいか,間違っているか」についての価値判断は個人的な価値や信念に左右される. 個人的な価値や信念が個人的な好き嫌い,偏見,無知から生じている場合には,周囲からの信頼は得られ難い. 災害時には価値の対立が生じやすい. 災害看護では,他者の価値を尊重し,価値のバランスをとることが大切となる. 看護師には善いことを行う義務である「善行と無危害」,適正公平に資源を分配することである「正義」,個人が選択した計画に沿って、自分自身の行動を決定する個人的な自由が許されるべきこと「自律」,真実を告げる、うそを言わない、あるいは他者を騙さない義務「誠実」,人の専心したことに誠実であり続ける義務「忠誠」の倫理原則に沿った対応を行い,社会に秩序を守ることが大切になる.
キーワード ① 自然災害と人為災害 ② 特殊災害と複合災害 ③ 災害関連死 ④ 災害サイクル ⑤ 災害と倫理
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 テキストに記載された,「災害サイクル」を確認し,現在の生活がどこに位置しているのか,各自考察してくること.災害サイクル各期に起こりうる健康障害について考察し,その健康障害の病態について復習しておくこと.予習復習を通して,災害の定義,災害看護学と災害看護を学ぶ意味を自分の言葉でのべられるようにしておく必要がある.災害の種類と疾病の特徴には,災害の発生原因による災害区分と,発生場所による災害区分があるので,整理しておくこと.災害関連死と発生機序について,防ぎ得た災害死とはどのようなことであるか,災害関連死を防ぐための介入にはどのようなことがあるか,まとめること.災害サイクルの特徴とその看護について十分に理解する必要があるので,それぞれの時期の特徴について調べておくこと.

2 広域災害における被災者の心理と災害救援者のストレス 科目の中での位置付け 本科目では,人々が日々暮らしている場におこりうる,災害についてとりあげる.災害は自然災害けでなく,人為災害,事故や事件をも含み,人命や社会生活,心に甚大な影響を与える.このような災害に対し,災害看護は「災害に関する看護独自の知識や技術を体系的にかつ柔軟に用いるとともに,他の専門分野と協力して災害の及ぼす生命や健康生活への被害を極力少なくするために活動を展開すること(日本災害看護学会)」と定義されている.誰の身にも起こりうる災害に対し,災害看護はあらゆるすべての人々を対象にする.また,災害にはフェーズがあり,フェーズごとに医療者や看護師に求められることは異なっている.この科目では,第1回目に災害の種類,災害サイクルに沿った看護について検討する.2回目では広域災害における被災者の心理と災害救護者のストレスについて学ぶ,第3回目では惨事ストレスとケアについて学ぶ,第4回目では災害発生時,体系的対応の基本原則としてCSCATTの概念について学ぶ,第5回目では,被災地における初動時から亜急性期の救護活動について学ぶ,第6回目には被災地における復旧復興期の看護活動について学ぶ,第7回目には災害医療に関する法律と政策について学ぶ,第8回目には災害対策基本法では要配慮者について理解しその支援と看護について学修する..全8コマによって構成され,災害と看護の役割について自ら考えることが重要な科目である.
そこで第4回目の講義では,被災者の心的外傷と災害救援者の惨事ストレスについて検討する.

①資料を配布する 教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版」メディカP.166
②資料を配布する  教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版」メディカP.167
③資料を配布する  教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版」メディカP.171
コマ主題細目 ① 被災住民の心理と正常性バイアス ② 心理的パニック ③ 東日本大震災でみられた被災住民の心理
細目レベル ① 災害時の被災者の心理状態について理解する.被災直後の行動の特徴,パニックの基本原理について理解する.被災者の心理状態の特徴として,正常性バイアスがある.正常性バイアスとは,以上を正常の範囲内のことと捉える傾向のことと定義される,この中で同化性バイアスとは,異常を背景の中に埋没させてしまう傾向,同調性バイアスとは集団の規範にしたがってしまう傾向のことをいう.これにより避難行動が起きず,見切りが遅れてしまうといわれる.見切りが遅れてしまうことによって被災してしまうことが近年課題となっている.
② パニックの基本的原理には複数の原理が考えられる.パニックの種類としてはまず心理的パニックがあり,これは精神障害にもとづくもの,ききへの対応として生起するものがある.群衆パニック行動としては,逃走パニック,獲得パニックがある.群衆パニックには,物理・社会的環境要因,集団的特性,個人の心理状態が影響して群衆パニックをひきおこす.群衆パニックが事故を引き起こした例として,1972年のキャバレーブレイクタウンの事例,2102年の明石市歩道橋事故があげられる.このような群衆パニックは逃走パニックによってもたらせたものであり,パニックに陥った場合の心理状態では,適切な避難行動がとれず危険となる.授業ではこの群衆パニックの原理について説明する.
③ 東日本大震災でみられた被災住民の心理では,初期の状態では,惨事ストレス,喪失による悲嘆,援助資源の乏しさの他,圧倒的に生活の不自由さがおきた.これによる不安症状として,過敏反応,身体症状として睡眠,過食,疲労感,軽躁状態があり,感情表出の抑制もおきた.被災後しばらくしてから,惨事ストレス,喪失による悲嘆,将来への不安が大きくなり,援助資源の乏しさは初期に比べて低減していく.被災後,さまざまな心理プロセスを経て復旧復興過程をたどる.このように大きく変化する心理プロセスを理解しておくことが,看護者には求められる.
キーワード ① 被災者の心理 ② 心理的パニック ③ 正常性バイアス ④ 惨事ストレス ⑤ PTSD
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 PTSDの定義と対応について整理すること.予習復習を通して,災害時における被災者の心理のみならず,支援者となる医療従事者の心理も理解する必要がある.支援者の心理を理解した上でストレスマネジメントを行う必要があり.授業ではストレスマネジメントの実際について説明するので,自分の言葉で述べることができるよう,十分にノートにまとめておくこと.災害時には,避難行動のスイッチが入りにくく,判断の遅れが存在する.それはなぜなのか,正常性バイアスとななにか,授業で説明するので,ノートにまとめておくこと.災害と心的外傷(トラウマ)の関連性については十分に理解しておく必要がある,被災者をサポートするチームにはDPATなどの役割についても理解しておく必要がある.支援者でありながらも,自分自身も被災している場合がある.このことについて,チームマネジメントとしてはどのように考えるのか,学習を深めておくと良い.
3 惨事ストレスとケア 科目の中での位置付け 本科目では,人々が日々暮らしている場におこりうる,災害についてとりあげる.災害は自然災害けでなく,人為災害,事故や事件をも含み,人命や社会生活,心に甚大な影響を与える.このような災害に対し,災害看護は「災害に関する看護独自の知識や技術を体系的にかつ柔軟に用いるとともに,他の専門分野と協力して災害の及ぼす生命や健康生活への被害を極力少なくするために活動を展開すること(日本災害看護学会)」と定義されている.誰の身にも起こりうる災害に対し,災害看護はあらゆるすべての人々を対象にする.また,災害にはフェーズがあり,フェーズごとに医療者や看護師に求められることは異なっている.この科目では,第1回目に災害の種類,災害サイクルに沿った看護について検討する.2回目では広域災害における被災者の心理と災害救護者のストレスについて学ぶ,第3回目では惨事ストレスとケアについて学ぶ,第4回目では災害発生時,体系的対応の基本原則としてCSCATTの概念について学ぶ,第5回目では,被災地における初動時から亜急性期の救護活動について学ぶ,第6回目には被災地における復旧復興期の看護活動について学ぶ,第7回目には災害医療に関する法律と政策について学ぶ,第8回目には災害対策基本法では要配慮者について理解しその支援と看護について学修する..全8コマによって構成され,災害と看護の役割について自ら考えることが重要な科目である.
そこで3回身の講義では,医療者,救援者の惨事ストレスの実際と,それに対するケアについて考察する.

①資料を配布する.教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版P.176
②資料を配布する.教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版P.178
③資料を配布する.教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版P.181
コマ主題細目 ① 惨事ストレス ② 惨事ストレスと看護職者  ③ 惨事ストレス対策
細目レベル ① 災害時の被災者の心理状態について理解する.被災直後の行動の特徴,パニックの基本原理について理解する.被災者の心理状態の特徴として,正常性バイアスがある.正常性バイアスとは,以上を正常の範囲内のことと捉える傾向のことと定義される,この中で同化性バイアスとは,異常を背景の中に埋没させてしまう傾向,同調性バイアスとは集団の規範にしたがってしまう傾向のことをいう.これにより避難行動が起きず,見切りが遅れてしまうといわれる.見切りが遅れてしまうことによって被災してしまうことが近年課題となっている.
② パニックの基本的原理には複数の原理が考えられる.パニックの種類としてはまず心理的パニックがあり,これは精神障害にもとづくもの,ききへの対応として生起するものがある.群衆パニック行動としては,逃走パニック,獲得パニックがある.群衆パニックには,物理・社会的環境要因,集団的特性,個人の心理状態が影響して群衆パニックをひきおこす.群衆パニックが事故を引き起こした例として,1972年のキャバレーブレイクタウンの事例,2102年の明石市歩道橋事故があげられる.このような群衆パニックは逃走パニックによってもたらせたものであり,パニックに陥った場合の心理状態では,適切な避難行動がとれず危険となる.授業ではこの群衆パニックの原理について説明する.
③ 東日本大震災でみられた被災住民の心理では,初期の状態では,惨事ストレス,喪失による悲嘆,援助資源の乏しさの他,圧倒的に生活の不自由さがおきた.これによる不安症状として,過敏反応,身体症状として睡眠,過食,疲労感,軽躁状態があり,感情表出の抑制もおきた.被災後しばらくしてから,惨事ストレス,喪失による悲嘆,将来への不安が大きくなり,援助資源の乏しさは初期に比べて低減していく.被災後,さまざまな心理プロセスを経て復旧復興過程をたどる.このように大きく変化する心理プロセスを理解しておくことが,看護者には求められる.
キーワード ① 惨事ストレス ② ストレッサー ③ PTSD ④ ストレスケア ⑤ リスク評価
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習・復習】ストレスの定義について整理する.救護者のストレス対策について整理するこの授業は第4回,5回と続けて講義するので,内容を合わせて学習すること.予習復習を通して,災害時における被災者の心理のみならず,支援者となる医療従事者の心理も理解する必要がある.支援者の心理を理解した上でストレスマネジメントを行う必要があり.授業ではストレスマネジメントの実際について説明するので,自分の言葉で述べることができるよう,十分にノートにまとめておくこと.災害時には,避難行動のスイッチが入りにくく,判断の遅れが存在する.それはなぜなのか,正常性バイアスとななにか,授業で説明するので,ノートにまとめておくこと.災害と心的外傷(トラウマ)の関連性については十分に理解しておく必要がある,被災者をサポートするチームにはDPATなどの役割についても理解しておく必要がある.支援者でありながらも,自分自身も被災している場合がある.このことについて,チームマネジメントとしてはどのように考えるのか,学習を深めておくと良い.災害時支援者のブリーフィングとでブリーフィングはなぜ重要なのか,授業で説明するので,ノートにまとめておくこと.
4 災害発生時,体系的対応の基本原則 科目の中での位置付け 本科目では,人々が日々暮らしている場におこりうる,災害についてとりあげる.災害は自然災害けでなく,人為災害,事故や事件をも含み,人命や社会生活,心に甚大な影響を与える.このような災害に対し,災害看護は「災害に関する看護独自の知識や技術を体系的にかつ柔軟に用いるとともに,他の専門分野と協力して災害の及ぼす生命や健康生活への被害を極力少なくするために活動を展開すること(日本災害看護学会)」と定義されている.誰の身にも起こりうる災害に対し,災害看護はあらゆるすべての人々を対象にする.また,災害にはフェーズがあり,フェーズごとに医療者や看護師に求められることは異なっている.この科目では,第1回目に災害の種類,災害サイクルに沿った看護について検討する.2回目では広域災害における被災者の心理と災害救護者のストレスについて学ぶ,第3回目では惨事ストレスとケアについて学ぶ,第4回目では災害発生時,体系的対応の基本原則としてCSCATTの概念について学ぶ,第5回目では,被災地における初動時から亜急性期の救護活動について学ぶ,第6回目には被災地における復旧復興期の看護活動について学ぶ,第7回目には災害医療に関する法律と政策について学ぶ,第8回目には災害対策基本法では要配慮者について理解しその支援と看護について学修する..全8コマによって構成され,災害と看護の役割について自ら考えることが重要な科目である.
そこで災害発生時,体系的対応の基本原則についてCSCATTTの概念に沿って、災害サイクルに合わせた支援の在り方について概説する.

①教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版」メディカP.104
②教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版」メディカP.108
③教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版」メディカP.110
コマ主題細目 ① 災害サイクルと看護の役割 ② CSCATTT ③ トリアージ ④ START法
細目レベル ① 大地震等で甚大な被害を被った場合,自身の生命や家族の安否が最も優先される.しかし,無事であっても,水や食料,衣食住の確保や倒壊した家屋の片付けや生活費の確保、仕事への復帰など山積する課題に直面することになる.長引く避難生活は疲労の蓄積・不眠等で心身ともに疲弊していく.災害は発災直後だけでなく,中長期にわたり被災者の心身及び被災地の社会に影響を与え続ける.災害サイクルの各期(静穏期・超急性期・急性期・亜急性期・復旧復興期)における的確なアセスメントを行い,被災地域で求められる看護の役割を理解し,多職種連携や心理面への配慮などの適切な看護活動を行うことが,限られた人的,物的資源の効果的な支援につながることを学修する.
② 災害発生時,CSCATTTという概念は,救護活動を行う者すべてが共通理解しておかなければならない基本原則とされる.C(指揮命令系統の確立),S(安全性の確認),C(情報の共有か),A(状況の判断),T(トリアージ),T(応急措置),T(搬送)これらの概念を理解した上で,多職種が共同し,救護活動にあたる必要がある.CSCATTのなかでも,ひとつめのTとしてとくにトリアージは看護師国家試験において出題頻度が高い.トリアージは限られた医療資源で一人でも多くの傷病者を救命するために患者をふるい分けることが目的である.講義では,それぞれの概念の考え方,活用の実際について確認する.
③ 災害発生時は救護要請に対し,必要な医療資機材と人手不足がおきる.このような状況の中で,限られた資機材や人材を最大限に活用するため,傷病者の重症度,緊急度を判断し,搬送の優先順位を決定し対応することをトリアージという.トリアージには災害現場等の病院前救護の場と,救急外来などの院内トリアージがある.トリアージタグの取扱いとして,トリアージタグは災害現場のカルテであり,右手首→左手首→右足首→左足首→首に装着し,衣服、靴などへ装着してはならないトリアージ判定者と記載者の2名1組が原則であり.トリアージは繰り返し行われ、追記・変更がある.
トリアージによる判定区分は4段階である赤,黄,緑,黒に分類される.このことに関する法的な解釈について考察する.

キーワード ① 災害サイクル ② CSCATTT ③ トリアージ ④ START法
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習・復習】
トリアージとはなにか,トリアージに関する報道内容について,各自調べた上で授業に臨むこと.【復習】START法の手順について,確実に理解するようまとめること.予習・復習を通して,体系的対応の基本原則,CSCATTTとは何か,自分の言葉で説明できるようにしておく.それぞれアルファベットの意味について理解しておく必要がある.災害時における指揮.統制,安全,情報伝達,評価の概念を理解しておく必要がある.また,トリアージがなぜ必要なのか,自分の言葉で説明できるように学習する必要がある.災害トリアージの区分,判定方法,タグの装着部位について理解しておく,応急処置,搬送技術の具体的な方法については,授業資料を参考に復習しておくこと.家庭にあるものを使用して,搬送や応急処置に代用できる方法を理解しておくこと.

5 急性期における医療 科目の中での位置付け 本科目では,人々が日々暮らしている場におこりうる,災害についてとりあげる.災害は自然災害けでなく,人為災害,事故や事件をも含み,人命や社会生活,心に甚大な影響を与える.このような災害に対し,災害看護は「災害に関する看護独自の知識や技術を体系的にかつ柔軟に用いるとともに,他の専門分野と協力して災害の及ぼす生命や健康生活への被害を極力少なくするために活動を展開すること(日本災害看護学会)」と定義されている.誰の身にも起こりうる災害に対し,災害看護はあらゆるすべての人々を対象にする.また,災害にはフェーズがあり,フェーズごとに医療者や看護師に求められることは異なっている.この科目では,第1回目に災害の種類,災害サイクルに沿った看護について検討する.2回目では広域災害における被災者の心理と災害救護者のストレスについて学ぶ,第3回目では惨事ストレスとケアについて学ぶ,第4回目では災害発生時,体系的対応の基本原則としてCSCATTの概念について学ぶ,第5回目では,被災地における初動時から亜急性期の救護活動について学ぶ,第6回目には被災地における復旧復興期の看護活動について学ぶ,第7回目には災害医療に関する法律と政策について学ぶ,第8回目には災害対策基本法では要配慮者について理解しその支援と看護について学修する..全8コマによって構成され,災害と看護の役割について自ら考えることが重要な科目である.
そこで

①教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版」メディカP.130
①教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版」メディカP.135
①教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版」メディカP.138
コマ主題細目 ① トリアージ ② 医療救護所における看護活動 ③ 避難所における看護活動
細目レベル ① 災害発生のことを発災という.発災後から72時間は,超急性期とよばれ,被災者は生存できる可能性が高く,できるだけ早期の医療介入をすることで災害死を減少させることが可能となる.この時期に重要なことは,人命救助と初動体制の確立,災害医療の実践,「心」への配慮を怠らない,亜急性期医療への円滑な引継ぎ 以上のことが重要であり,看護者はあらゆる組織との連携が重要な時期である.このような時期には高エネルギーが発症しやすく,迅速な救出と治療の開始が重要である.具体的な健康問題には,窒息頭部外傷(頭蓋骨骨折,硬膜外血腫,急性硬膜下血腫),胸部外傷,(ろっ骨骨折,気胸,血胸,心タンポナーゼ),腹部外傷 (肝損 傷、腎損傷、腸管破裂など),脊椎損傷,多発外傷,出血性ショック,挫滅症候群、コンパートメント症候群,挫創,裂傷,打撲,熱傷があげられる.看護者はこれらの病態について十分に理解した上で,迅速な治療の遂行に共同することが求められる.そのためには,発災現場での医療活動が必要とされる.この時期に必要な医療活動の実際と,看護師の役割について考察する.
② 災害発生のことを発災という.発災後から72時間は,超急性期とよばれ,被災者は生存できる可能性が高く,できるだけ早期の医療介入をすることで災害死を減少させることが可能となる.この時期に重要なことは,人命救助と初動体制の確立,災害医療の実践,「心」への配慮を怠らない,亜急性期医療への円滑な引継ぎ 以上のことが重要であり,看護者はあらゆる組織との連携が重要な時期である.このような時期には高エネルギーが発症しやすく,迅速な救出と治療の開始が重要である.具体的な健康問題には,窒息頭部外傷(頭蓋骨骨折,硬膜外血腫,急性硬膜下血腫),胸部外傷,(ろっ骨骨折,気胸,血胸,心タンポナーゼ),腹部外傷 (肝損 傷、腎損傷、腸管破裂など),脊椎損傷,多発外傷,出血性ショック,挫滅症候群、コンパートメント症候群,挫創,裂傷,打撲,熱傷があげられる.看護者はこれらの病態について十分に理解した上で,迅速な治療の遂行に共同することが求められる.そのためには,発災現場での医療活動が必要とされる.この時期に必要な医療活動の実際と,看護師の役割について考察する.
③ 避難所とは,災害のために自宅から避難した人々が一時的に生活を行う場である.避難所には役割による分類がある.たとえば「指定緊急避難所」は切迫した災害の危険から逃れるための施設である.「指定避難所」は避難した住民の一時的な生活の場である.「福祉避難所」は災害時要援護者を支援入院するに至らない程度の病態・障害をもつ人の支援の場となる.急に災害に見舞われた場合,もともとかかっていた疾患の急性増悪や,心身のストレスから健康障害を引き起こし,災害関連死に見舞われることもある.講義では,避難所における看護活動の実際と,避難所に存在する人々の健康問題について考察する.避難所から復興期には仮設住宅に移行することになる.このことについての看護の必要性についても検討する.
キーワード ① 医療救護所 ② 指定避難所 ③ トリアージ
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習・復習】
医療救護所,避難所の種類と特徴について整理しておくこと.予習復習を通し,災害サイクルや発災からの時間的経過に応じた看護活動にはどのようなことがあるか,説明できるようにしておく必要がある.初動時には,現場での救助活動が必要であり,がれきのしたの医療が必要となる.現場ではどの組織との連携が必要となるか,報道などを通して具体的にイメージできるよう学習をする.発災後,急性期には看護の場が医療救護所や病院などにかわってくる.被災者が集まる医療救護所,指定避難所など,災害時に頻出するキーワードを正しく使用できるよう学習する.応急仮説住宅や自宅で避難生活を送っている人など,生活の場に応じた看護とはなにか,説明できるよう学習をまとめる.

6 災害時のこころのケアと生活環境 科目の中での位置付け 響を与える.このような災害に対し,災害看護は「災害に関する看護独自の知識や技術を体系的にかつ柔軟に用いるとともに,他の専門分野と協力して災害の及ぼす生命や健康生活への被害を極力少なくするために活動を展開すること(日本災害看護学会)」と定義されている.誰の身にも起こりうる災害に対し,災害看護はあらゆるすべての人々を対象にする.また,災害にはフェーズがあり,フェーズごとに医療者や看護師に求められることは異なっている.この科目では,第1回目に災害の種類,災害サイクルに沿った看護について検討する.2回目では広域災害における被災者の心理と災害救護者のストレスについて学ぶ,第3回目では惨事ストレスとケアについて学ぶ,第4回目では災害発生時,体系的対応の基本原則としてCSCATTの概念について学ぶ,第5回目では,被災地における初動時から亜急性期の救護活動について学ぶ,第6回目には被災地における復旧復興期の看護活動について学ぶ,第7回目には災害医療に関する法律と政策について学ぶ,第8回目には災害対策基本法では要配慮者について理解しその支援と看護について学修する..全8コマによって構成され,災害と看護の役割について自ら考えることが重要な科目である.
そこで

①教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版」P.156
②教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版」P.157
③教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版」P.158
コマ主題細目 ① 災害時の傷の快癒とこころのケア ② 閉じこもり防止とコミュニティーの形成  ③ 生活環境の改善と健康づくり
細目レベル ① 復旧期には,喪失体験や自責の念に対する心理的なケアの必要性が高まる.特に被災者自身の変化として,被災のショック,喪失感による過度のストレス,食事摂取量の低下,変化,集団生活に伴う遠慮が常に身近に感じられ,自分の大切な家族や重要他者の喪失によって,生きていること,助かったことに対して意味を見出せず,新たな生活の構築が困難,新たな人間関係の形成を求めないことがある.災害サイクルにおいて考えてみると,復旧復興期には被災の程度によって,災害サイクルをまわすことができず,静音期にすすめない場合もある.災害によって受けた傷を癒していくことは簡単なことではない.看護者はこの時期の役割に貢献する.このケアの実際について考察する.
② 災害の復旧復興期において,被災者は支援を受ける受動的な側面だけれはなく,能動的な側面ももつ.被災とは,生活の根源に関わる.これを医・衣・食・職・住・育という考え方にまとめると,医は病気を予防・重症・関連死予防,衣は津波と衣との関係,職は職場がなくなる,職業を失う,食は避難所の格差 おにぎり パン 弁当,住 は食堂,寝室,着換え,遊び場,娯楽室の欠如,育は勉強室,宿題をみるといった生活上あたりまえの行動や場が失われる.災害からの復旧は,医療だけでなく行政や教育期間との連携が欠かせない.看護者はこの一部である「医」の部分を担うことになるが,それ以外の部分にも着目し,必要であれば支援に繋げて行く必要がある.一方において,被災者はレジリエンスをもちえる存在でもある.授業では,これらの医・衣・食・職・住・育に欠かせないコミュニティの形成に視点をむけて,災害後に再構築されたコミュニティーの結びつきを強化し,コミュニティー活動への参加を促すとりくみについて学ぶ.
③ レジリエンス=しなやかな力,復元力,ばねという考え方を含む.復旧や復興には,ビジョン,プロセス,パワーの三要素が重要とされており,復旧,復興にむけた能力として,被災者にはレジリエンスを持ち合わせている.被災者自身は弱い側面だけではない.立ち直ろう,立ち直そう,立ち上がろうとする・レジリエンスをもちあわせている.このレジリエンスをいかに活用するかによって,復旧にむけた生活環境の改善や心身の健康に重要な影響を与えるものともいえる.行政の支援とともに,看護者は心身の健康に向かうために,積極的な支援を担う必要もある.看護が被災者のレジリエンスを積極的に支援する取り組みとして,健康な体力づくり,安心な新しい環境やコミュニティの形成への支援があげられる.
健康な体力づくりや安心な環境づくりにむけて,健康相談のとりくみについて学ぶ

キーワード ① 閉じこもり防止 ② 継続性 ③ 捕捉性 ④ 協働性 ⑤ 補完性
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習・復習】
復旧,復興期の看護の役割,災害ボランティアについて確認しておく.予習復習を通して,応急仮設住宅での看護活動のありようについて,学習を深めること.たとえば復興期には,「医・職・住・育・連・治」や「医・衣・食・職・育・住」などの要素が復旧し,もとの生活に戻っていくプロセスには重要であるが,それはどのようなことであるのか,説明できるように学習する必要がある.また,看護者の役割に,継続性,補足性,協働性,補完性によって説明ができるが,それは具体的にはどのようなことであるのか,のべられるようにしておくと良い.災害初期から中長期にかけて.必要な看護ニーズは変化していくので,看護の役割とともに,その役割をどのように担うことができるのか,考える必要がある.

7 災害医療に関する法律と政策 科目の中での位置付け 本科目では,人々が日々暮らしている場におこりうる,災害についてとりあげる.災害は自然災害けでなく,人為災害,事故や事件をも含み,人命や社会生活,心に甚大な影響を与える.このような災害に対し,災害看護は「災害に関する看護独自の知識や技術を体系的にかつ柔軟に用いるとともに,他の専門分野と協力して災害の及ぼす生命や健康生活への被害を極力少なくするために活動を展開すること(日本災害看護学会)」と定義されている.誰の身にも起こりうる災害に対し,災害看護はあらゆるすべての人々を対象にする.また,災害にはフェーズがあり,フェーズごとに医療者や看護師に求められることは異なっている.この科目では,第1回目に災害の種類,災害サイクルに沿った看護について検討する.2回目では広域災害における被災者の心理と災害救護者のストレスについて学ぶ,第3回目では惨事ストレスとケアについて学ぶ,第4回目では災害発生時,体系的対応の基本原則としてCSCATTの概念について学ぶ,第5回目では,被災地における初動時から亜急性期の救護活動について学ぶ,第6回目には被災地における復旧復興期の看護活動について学ぶ,第7回目には災害医療に関する法律と政策について学ぶ,第8回目には災害対策基本法では要配慮者について理解しその支援と看護について学修する..全8コマによって構成され,災害と看護の役割について自ら考えることが重要な科目である.
そこで、7回目の今講義では災害医療に関する法律と政策について学修する.

①教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版」P.48
②教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版」P.49
③教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版」P.62
コマ主題細目 ① 法制度と災害医療 ② 防災計画と医療計画 ③ 被災者の生活支援のための法律
細目レベル ① 災害対策基本法における災害とは第2条第1項において,竜巻,豪雨,洪水,崖崩れ,土石流,高潮,地震,津波,噴火,地すべり その他の異常な自然現象又は大規模な火事,若しくは爆発その他,その及ぼす被害の程度においてこれらに類する※政令で定める原因により生ずる被害を定義されている,住民の責務について第7条第3項には,公共団体の住民は,基本理念に則り,食品,飲料水その他の生活必需物資の備蓄,その他自ら災害に備えるための手段を講ずるとともに,防災訓練その他の自発的な防災活動の参加,過去の災害から得られた教訓の伝承その他の取り組みにより,防災に寄与するよう努めなければならない.このような災害の特徴に応じた生じうる健康問題や,その救護活動の実際に関する法的な根拠を理解し,対策基本法,医療法のなかでも,医療救護活動に関する法律について確認する.
② 災害を考える上で,重要な防災の3分野がある.その分野とは,災害を未然に防止する「災害予防」,災害が発生した場合における被害の拡大を防ぐ「災害応急対策」,災害の復旧を図る「災害復旧」の3つが重要となる.災害対策基本法はこの3分野すべてを含む法律となり.それぞれの分野ごとに小分野の法律がつながっている.特に,防災基本計画とは,国の中央防災会議によって計画され.防災業務計画は指定行政期間,指定公共機関によって計画される.都道府県地域防災計画は都道府県,市町村地域防災計画は市町村によって計画され,いずれも上位の防災基本計画に基づいて作成されるものであり.上位の計画に矛盾してはならない性質をもつ.授業では防災計画の多重構造について確認する.
③ 災害対策基本法に基づく被災者の支援には,災害から身をまもるための「指定緊急避難所」の設置,自宅に帰れない人の「指定避難所」の指定と設置,被災者への「罹災証明」の交付がある.災害救助法には経済的理由で避難所から出られない被災者に「応急仮設住宅」を提供,災害弔意金の支給に関する法律では,死亡者の遺族に「災害弔意金」,重い障害をおった人には「災害障害見舞金」が出る.東日本大震災では弔意金を2万人,見舞金を92人に支給されている.災害によって奪われた生活を立て直す法律として,司祭者生活再建支援法がある.このような支援金が必要の場合,行政が窓口となる.災害のために喪失した生活によって,健康障害を発症することも多く,看護者はこのような法律や政策があることを知ることは重要である.授業では被災者の生活支援のためにある各種制度について確認する.
キーワード ① 災害対策基本法 ② 防災基本計画 ③ 自助 ④ 公助 ⑤ 共助
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習・復習】災害対策基本法について確認し,関係法規について整理する.予習復習を通して,災害医療に関する法律の関係性を整理しておく.たとえば,災害対策基本法のもとに,災害時における被災者と医療従事者の関係性,看護師の法的地位,救急業務とトリアージに関する法律上の課題,説明義務,安否確認に対する回答,遺体への対応などの超急性期に関係する法律の他,被災者が災害から復旧,復興していくまでに関係する法律など,災害医療をとりまく国の政策について理解しておく必要がある.講義ではその政策に関する法律の上位下位を説明するので,ノートにまとめておくとよい,また,防災計画はどのようにつくられる必要があるのかについて,講義で説明するので,医療者としての責務と,市民としての責務について考えておく必要がある,
8 要配慮者とその支援と看護 科目の中での位置付け 本科目では,人々が日々暮らしている場におこりうる,災害についてとりあげる.災害は自然災害けでなく,人為災害,事故や事件をも含み,人命や社会生活,心に甚大な影響を与える.このような災害に対し,災害看護は「災害に関する看護独自の知識や技術を体系的にかつ柔軟に用いるとともに,他の専門分野と協力して災害の及ぼす生命や健康生活への被害を極力少なくするために活動を展開すること(日本災害看護学会)」と定義されている.誰の身にも起こりうる災害に対し,災害看護はあらゆるすべての人々を対象にする.また,災害にはフェーズがあり,フェーズごとに医療者や看護師に求められることは異なっている.この科目では,第1回目に災害の種類,災害サイクルに沿った看護について検討する.2回目では広域災害における被災者の心理と災害救護者のストレスについて学ぶ,第3回目では惨事ストレスとケアについて学ぶ,第4回目では災害発生時,体系的対応の基本原則としてCSCATTの概念について学ぶ,第5回目では,被災地における初動時から亜急性期の救護活動について学ぶ,第6回目には被災地における復旧復興期の看護活動について学ぶ,第7回目には災害医療に関する法律と政策について学ぶ,第8回目には災害対策基本法では要配慮者について理解しその支援と看護について学修する..全8コマによって構成され,災害と看護の役割について自ら考えることが重要な科目である.
そこで8回目の講義では,

①教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版」メディカP.186~188
②教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版」メディカP.189~238
③教科書:「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版」メディカ 全般
コマ主題細目 ① 要配慮者 ② 要配慮者の支援と看護 ③ まとめ
細目レベル ① 災害対策基本法では要配慮者とは,「高齢者,障害者,乳幼児,その他の特に配慮を要する者」と定義している.また,「その他の特に配慮を要する者」として,子ども,妊産婦,傷病患者,難病患者,地理に疎い外国人や旅行者などが想定される.要配慮者は被災時において,必要な情報を迅速かつ的確に把握し,災害から自らを守るために安全な場所へ避難するなどの一連の行動をとるのに支援を要する人々とされる.また,災害による住環境の変化や避難行動,避難所での生活が困難となることが推測される.ここでは,災害によって生じる新しい環境への適応が困難な要配慮者の特性を理解し,実際に災害時に福祉避難所等に要配慮者を受け入れるにあったって,求められる体制整備や人員確保について学修する.そして,対象者の支援と看護につて学ぶ.
② 前述した要配慮者は「高齢者,障害者,乳幼児,その他の特に配慮を要する者」と定義される.要配慮者の対象である高齢者・障害者・乳幼児について学修する.高齢者は被災地全体の死亡者の内65歳以上の高齢者は6割を占めている.高齢者は加齢に伴う身体的・心理精神的・社会的な変化や様々な喪失感に適応しながら、これまでの人生や生活を振り返り最後の時に向けて準備をする時期である.災害によってそれまでの人生を形成するさまざまな人や物の喪失する体験によるストレスが与える影響は大きい.高齢者に必要な支援と看護を急性期・亜急性期と復旧復興期の2つに分け学修する.障害者に必要な支援及び看護については、知的障害,発達障害,身体障害,精神障害について概説を行い学修する.
③ 災害看護学の科目の授業の総まとめを行う.災害の種類(自然災害・人為災害・複合災害)を循環する災害サイクルともに理解し,被災した人々の医療ニーズや生活ニーズを理解する.また,災害時に生じやすい価値観の対立に適正公正に対処するための倫理について復習する.災害時の被災者の心理状態について理解する.被災直後の行動の特徴,パニックの基本原理についてとパニックに陥った場合の心理について理解を深める.災害発生時の基本原則となるCSCATTTの概念について理解し、トリアージの基本について復習する.災害時に設置される医療救護所における医療・看護について理解を深める.災害時のこころのケアについて支援や看護の在り方を復習する.災害時の対策の指針となる法制度について理解を深める.災害対策基本法で定められる要配慮者について対象理解をおこなう.
キーワード ① 要配慮者 ② 要配慮者の支援 ③ CSCATTT ④ 災害サイクル
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習・復習】
災害対策基本法では要配慮者について,「高齢者,障害者,乳幼児,その他の特に配慮を要する者」と定義していること確認し、その要配慮者は被災時において,必要な情報を迅速かつ的確に把握し,災害によって生じる新しい環境への適応が困難な要配慮者の特性を理解し,実際に災害時に福祉避難所等に要配慮者を受け入れるにあったって,求められる体制整備や人員確保について学修する.そして,対象者の支援と看護について復習しておく.定期試験に向けた学修を行う.

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
災害サイクルと看護 災害の種類について説明でき,その種類によって発生しやすい健康問題を説明できる.またその病態と特徴について説明できる.災害サイクルである静穏期,発災,超急性期,急性期,亜急性期,復旧復興期の状況について説明でき,それぞれの時期に必要となる医療上の支援を説明できる.また,医療上の支援において,看護独自の役割について考え,自分の考えを100字で説明することができる.それぞれのフェーズにおける医療ニーズや生活ニーズに沿った看護について自分の言葉で論じることができる.災害サイクル各期の特徴と時間経過を説明できる.災害関連死についてはその要因とそれを防ぐためになにが必要なのか,自分の言葉で説明できる. 災害サイクル フェーズ 災害関連死 災害の種類と看護 高エネルギー外傷 15 1
災害発生時の体系的対応の基本原則 災害発生時に救護活動を行う上で重要となるCSCATTTの概念について説明でき,それぞれの根拠を明確にできる.CSCATTTは災害救護活動の基本であり,発災現場,医療救護所だけでなく,病院・病棟内を想定して説明できる.CSCATTTについては,その具体的内容について100字で説明でき.概念のひとつひとつがなぜ重要であるか,自分の言葉で考えることができる.またトリアージについては,START法を正しく理解し手順と評価方法を活用した上で,事例に対して正しく判断することができる. CSCATTT
トリアージ START法
15 4
被災地における初動時から亜急性期の救護活動 初動時の救護活動に必要な医療活動の実際について,確認しトリアージ法のルールがわかる.トリアージ法はSTART法とPAT法の目的と使い分けがわかる.特にSTART法については,事例に基づき,識別,色別にすることができる.またなぜトリアージが必要なのか,災害という状況の特徴から説明することができ,院内トリアージと災害トリアージの違いについて説明できる.医療救護所と各避難所の種類と役割を理解することができ,そこで求められる看護について自分の言葉で100字程度で説明できる. START法
黒タグ 避難所
10 4,5
被災者の心理と災害救援者のストレス 災害時の被災者の心理状態について理解し,自分の言葉で説明できる.被災体験にともなうPTSDとそれに対するケアについて理解し,自分の言葉で説明できる.災害時救援者に惨事ストレスがあることを理解し,自分の言葉で100字で説明できる.災害時には,避難行動のスイッチが入りにくく,判断の遅れが存在する理由はなにか,正常性バイアスとななにか説明することができる.災害と心的外傷(トラウマ)の関連性について説明できる.被災者をサポートするチームにはDPATなどの役割について説明できる. PTSD 正常性バイアス DPAT 10 2,3
惨事ストレスとケア 日本において発生した様々な災害で,発生した惨事ストレスの実態について理解し,災害の特性が惨事ストレスにどのように影響するか,説明できる.惨事ストレスを低減するための介入について理解でき自分の言葉で説明できる.支援者の心理を理解した上でストレスマネジメントを行う必要があり.ストレスマネジメントの実際について説明することができる.支援者でありながらも,自分自身も被災している場合,チームマネジメントとしてはどのように考えるのか,説明できる. 惨事ストレス チームマネジメント 支援者の心理 10 2,3
被災地における復旧復興期の看護活動 復旧期の心理的なケアの必要性について,自分の言葉で論じることができ.災害後に再構築されたコミュニティーの結びつきを強化し,コミュニティー活動への参加を促すとりくみについて説明できる.健康な体力づくりや安心な環境づくりにむけて,健康相談のとりくみについて説明できる.看護者の役割として,継続性,補足性,協働性,補完性によって説明ができる「医・職・住・育・連・治」や「医・衣・食・職・育・住」などの要素とはなにか説明できる. 復興期 レジリエンス コミュニティ こころのケア 10 6,7
災害に備えた防災・減災活動 災害対策基本法における国の政策と医療従事者の法的関係性について理解できる.災害拠点病院の指定要件とその理由について説明できる.地域における災害拠点病院と,その他医療施設に求められる災害対応の実際について理解し,避難所にはさまざまな種類と役割がある. 災害拠点病院 避難所 災害対策基本法 要配慮者 30 7,8
評価方法 筆記試験100%
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 「ナーシンググラフィカ 看護の統合と実践③ 災害看護 第5版」メディカ出版
参考文献
実験・実習・教材費