区分 (心)心理学専門領域科目 子ども・発達領域 (犯)犯罪心理学基盤科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
専門的知識と実践的能力 分析力と理解力 地域貢献性
カリキュラム・ポリシーとの関係
課題分析力 課題解決力 課題対応力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
個人・社会・自然が直面する課題に対して専門的な理解を深めると共に、学際的な柔軟性を有し、実践的な能力を有する。
科目の目的
当科目では,福祉心理学に関する法律や制度について学び,暴力被害者や高齢者,障害・疾病のある人,生活困窮・貧困者への心理支援等についての福祉対象者への心理支援の必要性と在り方について学ぶことを目的とする。また,当科目は,児童虐待,認知高齢者,ひきこもり,精神障害者等への心理的支援の実際についても学ぶ。さらに,福祉・介護分野での多職種協働(IPW)と心理職の実際やIPWの実践事例について理解する。最終的に,この科目を学ぶことにより,日常生活における福祉問題においても解決策や対応策を適応できるようになる。
到達目標
福祉心理学についての基本的な知識を習得する。特に,暴力被害者,高齢者,障害・疾病,児童虐待,認知症高齢者,ひきこもり・自殺予防,精神障害者といった福祉ニーズのある対象者の心理的支援について理解できるようになる。また,福祉・介護分野での多職種協働(IPW)における心理職の位置づけについても理解することができるようになる。
科目の概要
本講義は,公認心理師に関する科目である。公認心理師を目指す上で必須となる福祉心理学に関する基本的な知識や,福祉心理学分野におけるさまざまな社会的・臨床的な問題への理解を深めるための講義を行う。具体的に,①社会福祉について,②家庭福祉の心理的支援について,③高齢者福祉の心理的支援,④障害者福祉の心理的支援、⑤家族・職員への心理的支援について学ぶ。各講義においては,第1回で福祉心理学への導入を行った後に,第2回から第7回にかけて子育て支援、虐待、社会的養護、暴力、生活困窮・貧困者、ひきこもり等の心理支援について講義し,第9回から第10回は高齢者の理解と認知症者やその家族の支援、第11回から第13回は障害の理解とその支援について、第14回は家族と職員への支援と多職種連携等について講義していく。なお,第8回と第15回は、これまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。
科目のキーワード
ウェルビーイング,社会的養護,多職種連携,ノーマライゼーション,DV,虐待,地域包括ケアシステム,新オレンジプラン,発達障害
授業の展開方法
本講義では,パワーポイントを使用して講義を進める。講義毎に授業レジュメを配布するため,学生は,授業レジュメの空欄箇所にパワーポイントの内容を記入し,講義ノートを作成する。授業に関する資料がある場合は適宜配布する。授業の内容によっては,事例を検討する。検討後は,検討事項を共有する。
オフィス・アワー
【月曜日】昼休み【水曜日】昼休み・3・4時限目(会議日は除く)【金曜日】1・2時限目
科目コード PSC225
学年・期 3年・前期
科目名 福祉心理学
単位数 2
授業形態 講義
必修・選択 選択
学習時間 【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目 臨床心理学概論 健康・医療心理学
展開科目 総合演習Ⅲ・Ⅳ
関連資格 公認心理師
担当教員名 米澤由実子
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 社会福祉の展開と心理支援 科目の中での位置付け 初回の授業として公認心理師科目の福祉心理学の領域について把握する。本科目は,公認心理師対応科目であるため, 公認心理師試験の内容に対応できるような授業展開を実施することを伝える。具体的には,第1回で福祉心理学への導入を行った上で(第I部),第2回から第7回にかけて子育て、虐待、暴力、社会的養護、生活困窮・貧困者、ひきこもり等の家庭福祉に関する支援について講義し(第II部),第9回から第10回にかけては高齢者福祉に関する支援について(第Ⅲ部)、第11回~13回では障害者福祉に関する支援について(第Ⅳ部)、第14回では家族・職員への支援について(第Ⅴ部)講義していく。なお,第8回は前半部分(第Ⅰ・Ⅱ部)、第15回は後半部分(第Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ部)の内容を復習し,まとめるためのコマとする。これらの講義により,社会福祉学が日常生活においてどのように活用されているのかを理解する。上記のような本科目全体の中で,本コマ(第1回)はオリエンテーションを行い、福祉心理学の意義と基本的事項,科目全体の内容について概観する。
細目①:シラバス参照,
細目②:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 11~18,
細目③:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 18~22
コマ主題細目 ① 科目概要と福祉心理学 ② 社会福祉の展開 ③ 福祉心理学における心理支援の必要性
細目レベル ① シラバスを概観しながら,科目の概要を把握する。本科目は公認心理師対応科目であり,福祉心理学の試験科目に対応することが主題となる。初回の講義では,福祉心理学の科目を概観し,成績評価の方法や講義の最後に実施するリアクションペーパー(質問,感想など)の記入方法などについても説明する。福祉心理学が日本においてどのように発展してきたのか,どのように位置付けられているのかについて講義する。また,公認心理師対応科目であるため,講義の受動的な学習ではなく,能動的な実践活動を求める。事例検討においては,検討した事例の共有なども発表により行う。これらの科目概要および履修上の心得を把握を踏まえて,履修の意志を確認する。
② 現代社会では,安心して暮らせるように「福祉」の重要性が唱えられている。日本では,日本国憲法に「全ての国民は,健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国はすべての生活部面について,社会福祉,社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と記されていることから,「福祉」あるいは「社会福祉」という言葉が正式に用いられるようになった。この「福祉」という言葉の「福」には,「しあわせ」,「祉」にも「さいわい,しあわせ」という言葉の意味がある。つまり,「福祉」という言葉には,「人々のしあわせな心の状態や生活をつくる」ということが示されている。第一回の講義では,このような社会福祉の歴史的展開について講義する。また,現代社会の特徴と社会福祉をめぐる基本理念として,少子高齢化社会,ウェルビーイング,ノーマライゼーションについて説明する。加えて,現在の社会福祉施策の概要として,「制度的福祉」と「臨床的福祉」,福祉領域に関する近年の重要な関係行政論について講義する。
③ 福祉心理学とは,福祉に関する問題を心理学的に研究する科学,あるいは福祉を必要とする人々に対して,心理学的な技法を使って介入,支援を行なっていく学問である。広義の福祉心理学は,全ての人におけるしあわせな心の状態を願い,そのような心持ちで生活することを心理学的に解明したり,援助したりする学問とされる。その一方で,狭義の福祉心理学は,児童,障害者,老人,女性,暴力,貧困,疾病等の福祉ニーズのある人への支援を行なっていくために心理学を活用していく学問とされる。そこで,福祉心理学における心理支援の必要性として,福祉心理学とは何か,福祉心理学の展開,生活支援を重視する福祉心理学,多職種連携・アウトリーチの重要性について説明する。
キーワード ① 福祉心理学 ② ウェルビーイング ③ 多職種連携 ④ アウトリーチ ⑤ ノーマライゼーション
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:シラバス「第1回」の内容をよく読み,配布された資料や講義内で示された内容を理解する。特にシラバス内に示されているキーワードの5つについて、ある程度簡潔に説明できるよう100字~200字程度にまとめておけるとよい。
予習課題:第2回~第7回は「家庭福祉」の中の心理支援について考えていく。予習としては次回のシラバスに書かれているキーワードを調べ、知識として入れておけると理解しやすくなるだろう。また、「福祉」には、私たちが安心して暮らせるような支援が多くある。「福祉」の制度や福祉サービスにはどのようなものがあるのか、福祉対象者への心理支援とはどのようなものか、日々の中でも考えておけるとよい。

2 家庭福祉の心理支援①
子育て支援
科目の中での位置付け 初回の授業として公認心理師科目の福祉心理学の領域について把握する。本科目は,公認心理師対応科目であるため, 公認心理師試験の内容に対応できるような授業展開を実施することを伝える。具体的には,第1回で福祉心理学への導入を行った上で(第I部),第2回から第7回にかけて子育て、虐待、暴力、社会的養護、生活困窮・貧困者、ひきこもり等の家庭福祉に関する支援について講義し(第II部),第9回から第10回にかけては高齢者福祉に関する支援について(第Ⅲ部)、第11回~13回では障害者福祉に関する支援について(第Ⅳ部)、第14回では家族・職員への支援について(第Ⅴ部)講義していく。なお,第8回は前半部分(第Ⅰ・Ⅱ部)、第15回は後半部分(第Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ部)の内容を復習し,まとめるためのコマとする。これらの講義により,社会福祉学が日常生活においてどのように活用されているのかを理解する。上記のような本科目全体の中で,本コマ(第2回)は家庭福祉領域の中でも子育て支援ついて概観する。
細目①:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 113~118,細目②:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 118~127,細目③:参考文献『公認心理師の基本を学ぶテキスト17:福祉心理学「福祉分野での心理職の役割」』pp. 69~86








コマ主題細目 ① すべての子どもと親を対象とした子育て支援 ② ひとり親家庭等への支援 ③ 要保護・要支援ケースへの支援
細目レベル ① すべての子どもと親を対象とした子育て支援では,市区町村の子育て支援事業,保育所・幼稚園・認定こども園における子どもと親への支援,母子保健施策と「子育て世代包括支援センター」について学ぶ。特に,市区町村の子育て支援事業では,乳児全戸訪問事業,ファミリー・サポート・センター事業,一時預かり事業,地域子育て支援拠点事業,利用者支援事業,子育て短期支援事業,養育支援訪問事業,放課後児童健全育成事業について学ぶ。また,母子保健施策と「子育て世代包括支援センター」では,周産期における母子保健事業と子育て世代包括支援センターについて学ぶ。母子保健事業においては,妊婦健康診査(妊婦健診),産後ケア事業,産前・産後サポート事業,乳幼児健康診査(乳幼児検診)について説明する。
② ひとり親家庭の就労状況は,母子家庭が約81%,父子家庭が約91%で,正規の職員としての就労の割合は,母子39%,父子は61%であった。近年,子どもの貧困が社会的問題となっており,特にひとり親家庭の2組に1組は貧困な状況にある。貧困は,生命の安全や教育等の機会均等を損なわせ,暮しと育ちの全体を脅かすものである。そのため,子どもの貧困対策推進法では,生活の支援,教育の支援,保護者に対する就労支援,経済的支援の4つに重点を置いている。ひとり親家庭等への支援では,親の離婚と子どもへの支援,ひとり親家庭への子育て支援,母子生活支援施設による支援,DV被害の親子への支援について学ぶ。特に,DV被害の親子への支援では,婦人相談所(配偶者暴力相談支援センター),婦人保護施設,母子生活支援施設や民間シェルター等について説明する。
③ 市区町村における子育て支援は,一般の子育て支援を推進していく視点と,養育環境等に複数の課題を抱えたハイリスクの家族に対して,より濃密な支援を提供する視点の両面が必要となる。後者の場合,「要保護児童」(保護者のない児童または保護者に監護させることが不適当であると認められる児童)および「要支援児童」(要保護までには至らないが,保護者の養育を支援することが特に必要と認められる児童)とその保護者・家族が該当する。このような要保護・要支援ケースへの支援について学ぶために,市町村子ども家庭総合支援拠点と児童相談所における支援,児童家庭支援センター,要保護・要支援ケースにおける心理職の役割について説明する。特に,児童相談所における支援では,相談機能,一時保護機能,措置機能,市町村援助機能について学ぶ。また,児童福祉施設における親子関係再構築支援,養育里親とファミリーホームにおける支援についても学ぶ。
キーワード ① 子育て支援 ② ひとり親家庭 ③ 婦人相談所 ④ 母子関係再構築支援 ⑤ 里親支援
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:シラバス「第2回」の内容をよく読み,配布された資料や講義内で示された内容を理解する。特にシラバス内に示されているキーワードの5つについて、ある程度簡潔に説明できるよう100字~200字程度にまとめておけるとよい。
予習課題:第2回~第7回は「家庭福祉」の中の心理支援について考えていく。予習としては次回のシラバスに書かれているキーワードを調べ、知識として入れておけると理解しやすくなるだろう。また、「福祉」には、私たちが安心して暮らせるような支援が多くある。「福祉」の制度や福祉サービスにはどのようなものがあるのか、福祉対象者への心理支援とはどのようなものか、日々の中でも考えておけるとよい。

3 家庭福祉の心理支援②
虐待
科目の中での位置付け 初回の授業として公認心理師科目の福祉心理学の領域について把握する。本科目は,公認心理師対応科目であるため, 公認心理師試験の内容に対応できるような授業展開を実施することを伝える。具体的には,第1回で福祉心理学への導入を行った上で(第I部),第2回から第7回にかけて子育て、虐待、暴力、社会的養護、生活困窮・貧困者、ひきこもり等の家庭福祉に関する支援について講義し(第II部),第9回から第10回にかけては高齢者福祉に関する支援について(第Ⅲ部)、第11回~13回では障害者福祉に関する支援について(第Ⅳ部)、第14回では家族・職員への支援について(第Ⅴ部)講義していく。なお,第8回は前半部分(第Ⅰ・Ⅱ部)、第15回は後半部分(第Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ部)の内容を復習し,まとめるためのコマとする。これらの講義により,社会福祉学が日常生活においてどのように活用されているのかを理解する。上記のような本科目全体の中で,本コマ(第3回)は家庭福祉領域の中でも虐待ついて概観する。
細目①:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 99~104,細目②:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 104~112,細目③:参考文献『公認心理師の基本を学ぶテキスト17:福祉心理学「福祉分野での心理職の役割」』pp. 49~68
コマ主題細目 ① 児童相談所における心理診断・支援 ② 児童福祉施設入所や里親委託時の支援 ③ 地域における子ども支援
細目レベル ① 心理診断は,心理学的見地から現状の評価と今後の援助方針を立てるために子どもの発達や心理的状況を見立てるものである。虐待を受けてきた子どもたちは,様々なダメージを受けている。特に,子どもを守るためとはいえ,住み慣れた環境,親から分離され一時保護所に入所した子どもは,不安や緊張感を抱いている。自分が親の言うことを聞かなかったから悪いからこういう状況になったと罪悪感を持っている子も多い。「あなたが悪いのではない」,「安心できる場であること」を伝え,信頼関係を作っていくことがまず必要である。また,面接だけでなく,行動観察,心理検査,関係者からの聴取等の結果を総合的に判断してアセスメントを行うことが必要である。このアセスメントについて学ぶために,知的発達のレベルとその内容,情緒・行動面の特徴とその心的外傷体験の程度,親子関係・家族関係の状況,集団生活(学校,保育所等)での適応状況について説明する。
② 児童養護施設は,保護者のない児童,虐待されている児童,その他の環境上養護を要する児童を入所させて,これを養護し,合わせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする児童福祉施設であり,主に保育士や指導員が生活ケアを行なっている。児童養護施設に心理療法担当職員(心理職)が導入されたのは,1999年度からであるため,心理職の役割はまだ十分に確立されていない段階である。心理職の役割は,被虐待児童の入所が増加していく中で年々増加している。ここでは,心理職に求められる役割として,心理療法,生活場面における心理的援助,コンサルテーション,職員のメンタルヘルス支援,児童相談所の連携について学ぶ。また,乳児院における心理職の役割,児童心理治療施設における心理職の役割,里親やファミリーホームへの委託における心理職の役割について説明する。
③ 児童相談所における児童虐待相談の9割以上は地域で,家族を支援する処遇となる。児童虐待の要因の一つとして,孤立がある。不適切な養育がある家族の場合,祖父母や親戚との関係はもちろん,地域との関わりがほとんどない家族が多い。家族を地域の一員としてどのように支援し,子どもの健康と成長を保証していけるかは地域の課題でもある。親自身の子供時代の愛着関係にまつわる心的外傷体験が子どもの心理発達に大きな影響を及ぼすこと,親子関係の特徴や人との関係性の取り方のパターンが子どもとの間で反復されていくとして,虐待の世代間連鎖があることなどを理解する必要がある。親たちは,子ども時代,ほとんどケアを受けることができずに親となっている。そのため,心理職は,目の前にいる子どもと家族への支援を丁寧に行うことにより世代間連鎖を断ち切っていく必要がある。そのために,心理職としての地域での支援について学ぶ。
キーワード ① 児童相談所 ② 児童虐待防止法 ③ 虐待 ④ 里親委託 ⑤ 児童心理治療施設
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:シラバス「第3回」の内容をよく読み,配布された資料や講義内で示された内容を理解する。特にシラバス内に示されているキーワードの5つについて、ある程度簡潔に説明できるよう100字~200字程度にまとめておけるとよい。
予習課題:第2回~第7回は「家庭福祉」の中の心理支援について考えていく。予習としては次回のシラバスに書かれているキーワードを調べ、知識として入れておけると理解しやすくなるだろう。また、「福祉」には、私たちが安心して暮らせるような支援が多くある。「福祉」の制度や福祉サービスにはどのようなものがあるのか、福祉対象者への心理支援とはどのようなものか、日々の中でも考えておけるとよい。

4 家庭福祉の心理支援③
暴力被害
科目の中での位置付け 初回の授業として公認心理師科目の福祉心理学の領域について把握する。本科目は,公認心理師対応科目であるため, 公認心理師試験の内容に対応できるような授業展開を実施することを伝える。具体的には,第1回で福祉心理学への導入を行った上で(第I部),第2回から第7回にかけて子育て、虐待、暴力、社会的養護、生活困窮・貧困者、ひきこもり等の家庭福祉に関する支援について講義し(第II部),第9回から第10回にかけては高齢者福祉に関する支援について(第Ⅲ部)、第11回~13回では障害者福祉に関する支援について(第Ⅳ部)、第14回では家族・職員への支援について(第Ⅴ部)講義していく。なお,第8回は前半部分(第Ⅰ・Ⅱ部)、第15回は後半部分(第Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ部)の内容を復習し,まとめるためのコマとする。これらの講義により,社会福祉学が日常生活においてどのように活用されているのかを理解する。上記のような本科目全体の中で,本コマ(第4回)は家庭福祉領域の中でも暴力被害ついて概観する。
細目①:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 39~46,細目②:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 46~47,細目③:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 47~50
コマ主題細目 ① 夫婦間暴力 ② DVと子どもの虐待 ③ その他の暴力
細目レベル ① ドメステックバイオレンスとは,配偶者や恋人等の親密な関係にある者,またはあった者から振るわれる暴力という意味で使われることが多いが,家庭内の女児に対する性的虐待や児童虐待を含める場合もある。しかし,夫婦間でこのようなDVがあっても,離婚に至るまでには多くの問題を解決しなければならない。加害者は家族として助け合うはずの相手であり,子どもにとっては親である。また,家族という密室で結婚の制度と重なると力の強い方が判断の基準を作ることになりやすい。加害者は暴力を正当化し,被害者は自分が至らないために事態を引き起こしているのかもしれないと自信を失い,被害者であるにも関わらず暴力の責任を引き受け,被害と加害が逆転する。このような夫婦間暴力について,統計的実態やDVの構造,暴力による被害,支援の方法,支援の留意点について学ぶ。
② DVを夫婦間の問題と捉えると,子どもの虐待は見えなくなる。社会福祉の動向によると,児童虐待の加害者は,実母が48%であるが,その背景には夫婦間暴力が起きていることも多くある。そのため,DV=児童虐待という視点も重要である。また,親の側がしつけや愛情といっても,子どもにとって心身を傷つけ成長や発達の妨げになっていたら,その行為は虐待となる。「暴力の目撃は,0歳児より子どもにとって強いトラウマ体験となる。」そのため,安全で安心した良好な親子関係を構築することが重要となる。安全で安心した適切な刺激のある豊かな生活は,親子の良好な関係や脳の発達を促進し,知能を向上させる。そのため,ここでは,DVと子どもの虐待について学ぶ。
③ その他の暴力として,高齢者虐待,障害者虐待について学ぶ。高齢者虐待では,関連する法律と統計的実態について学ぶ。また,障害者虐待においても,関連する法律と統計的実態について学ぶ。さらに,犯罪被害として,犯罪被害者基本法についても説明する。犯罪被害は,他人によってもたらされた理不尽な出来事であり,被害者がこれまで持っていた世界観を破壊し,世界に対する安心感や信頼感の喪失,自己認識の変化,自己非難,屈辱感,侮辱感,自信の喪失,不信,復讐,依存などの怒りや悲しみ,絶望感などの感情により被害者を圧倒する。周囲からの二次被害や孤立感からも社会生活全般の機能低下が起きる。このような犯罪被害と心理的支援について理解する。
キーワード ① ドメステックバイオレンス ② 虐待 ③ トラウマケア ④ 暴力被害 ⑤ 二次被害
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:シラバス「第4回」の内容をよく読み,配布された資料や講義内で示された内容を理解する。特にシラバス内に示されているキーワードの5つについて、ある程度簡潔に説明できるよう100字~200字程度にまとめておけるとよい。
予習課題:第2回~第7回は「家庭福祉」の中の心理支援について考えていく。予習としては次回のシラバスに書かれているキーワードを調べ、知識として入れておけると理解しやすくなるだろう。また、「福祉」には、私たちが安心して暮らせるような支援が多くある。「福祉」の制度や福祉サービスにはどのようなものがあるのか、福祉対象者への心理支援とはどのようなものか、日々の中でも考えておけるとよい。

5 家庭福祉の心理支援④
社会的養護
科目の中での位置付け 初回の授業として公認心理師科目の福祉心理学の領域について把握する。本科目は,公認心理師対応科目であるため, 公認心理師試験の内容に対応できるような授業展開を実施することを伝える。具体的には,第1回で福祉心理学への導入を行った上で(第I部),第2回から第7回にかけて子育て、虐待、暴力、社会的養護、生活困窮・貧困者、ひきこもり等の家庭福祉に関する支援について講義し(第II部),第9回から第10回にかけては高齢者福祉に関する支援について(第Ⅲ部)、第11回~13回では障害者福祉に関する支援について(第Ⅳ部)、第14回では家族・職員への支援について(第Ⅴ部)講義していく。なお,第8回は前半部分(第Ⅰ・Ⅱ部)、第15回は後半部分(第Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ部)の内容を復習し,まとめるためのコマとする。これらの講義により,社会福祉学が日常生活においてどのように活用されているのかを理解する。上記のような本科目全体の中で,本コマ(第5回)は家庭福祉領域の中でも社会的養護ついて概観する。
細目①:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 99~104,細目②:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 104~112,細目③:参考文献『公認心理師の基本を学ぶテキスト17:福祉心理学「福祉分野での心理職の役割」』pp. 49~68
コマ主題細目 ① 児童相談所における心理診断・支援 ② 児童福祉施設入所や里親委託時の支援 ③ 地域における子ども支援
細目レベル ① 心理診断は,心理学的見地から現状の評価と今後の援助方針を立てるために子どもの発達や心理的状況を見立てるものである。虐待を受けてきた子どもたちは,様々なダメージを受けている。特に,子どもを守るためとはいえ,住み慣れた環境,親から分離され一時保護所に入所した子どもは,不安や緊張感を抱いている。自分が親の言うことを聞かなかったから悪いからこういう状況になったと罪悪感を持っている子も多い。「あなたが悪いのではない」,「安心できる場であること」を伝え,信頼関係を作っていくことがまず必要である。また,面接だけでなく,行動観察,心理検査,関係者からの聴取等の結果を総合的に判断してアセスメントを行うことが必要である。このアセスメントについて学ぶために,知的発達のレベルとその内容,情緒・行動面の特徴とその心的外傷体験の程度,親子関係・家族関係の状況,集団生活(学校,保育所等)での適応状況について説明する。
② 児童養護施設は,保護者のない児童,虐待されている児童,その他の環境上養護を要する児童を入所させて,これを養護し,合わせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする児童福祉施設であり,主に保育士や指導員が生活ケアを行なっている。児童養護施設に心理療法担当職員(心理職)が導入されたのは,1999年度からであるため,心理職の役割はまだ十分に確立されていない段階である。心理職の役割は,被虐待児童の入所が増加していく中で年々増加している。ここでは,心理職に求められる役割として,心理療法,生活場面における心理的援助,コンサルテーション,職員のメンタルヘルス支援,児童相談所の連携について学ぶ。また,乳児院における心理職の役割,児童心理治療施設における心理職の役割,里親やファミリーホームへの委託における心理職の役割について説明する。
③ 児童相談所における児童虐待相談の9割以上は地域で,家族を支援する処遇となる。児童虐待の要因の一つとして,孤立がある。不適切な養育がある家族の場合,祖父母や親戚との関係はもちろん,地域との関わりがほとんどない家族が多い。家族を地域の一員としてどのように支援し,子どもの健康と成長を保証していけるかは地域の課題でもある。親自身の子供時代の愛着関係にまつわる心的外傷体験が子どもの心理発達に大きな影響を及ぼすこと,親子関係の特徴や人との関係性の取り方のパターンが子どもとの間で反復されていくとして,虐待の世代間連鎖があることなどを理解する必要がある。親たちは,子ども時代,ほとんどケアを受けることができずに親となっている。そのため,心理職は,目の前にいる子どもと家族への支援を丁寧に行うことにより世代間連鎖を断ち切っていく必要がある。そのために,心理職としての地域での支援について学ぶ。
キーワード ① 児童相談所 ② 児童虐待防止法 ③ 虐待 ④ 里親委託 ⑤ 児童心理治療施設
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:シラバス「第5回」の内容をよく読み,配布された資料や講義内で示された内容を理解する。特にシラバス内に示されているキーワードの5つについて、ある程度簡潔に説明できるよう100字~200字程度にまとめておけるとよい。
予習課題:第2回~第7回は「家庭福祉」の中の心理支援について考えていく。予習としては次回のシラバスに書かれているキーワードを調べ、知識として入れておけると理解しやすくなるだろう。また、「福祉」には、私たちが安心して暮らせるような支援が多くある。「福祉」の制度や福祉サービスにはどのようなものがあるのか、福祉対象者への心理支援とはどのようなものか、日々の中でも考えておけるとよい。

6 家庭福祉の心理支援⑤
生活困窮・貧困
科目の中での位置付け 初回の授業として公認心理師科目の福祉心理学の領域について把握する。本科目は,公認心理師対応科目であるため, 公認心理師試験の内容に対応できるような授業展開を実施することを伝える。具体的には,第1回で福祉心理学への導入を行った上で(第I部),第2回から第7回にかけて子育て、虐待、暴力、社会的養護、生活困窮・貧困者、ひきこもり等の家庭福祉に関する支援について講義し(第II部),第9回から第10回にかけては高齢者福祉に関する支援について(第Ⅲ部)、第11回~13回では障害者福祉に関する支援について(第Ⅳ部)、第14回では家族・職員への支援について(第Ⅴ部)講義していく。なお,第8回は前半部分(第Ⅰ・Ⅱ部)、第15回は後半部分(第Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ部)の内容を復習し,まとめるためのコマとする。これらの講義により,社会福祉学が日常生活においてどのように活用されているのかを理解する。上記のような本科目全体の中で,本コマ(第6回)は家庭福祉領域の中でも生活困窮・貧困ついて概観する。
細目①:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 83~94,細目②:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 95~96,細目③:参考文献『公認心理師の基本を学ぶテキスト17:福祉心理学「福祉分野での心理職の役割」』pp. 177~181
コマ主題細目 ① 生活困窮・貧困の実態と心理支援 ② 公認心理師の役割と期待 ③ 子どもの貧困への支援
細目レベル ① 生活保護や生活困窮・ワーキングプア,ホームレス,ニート・ひきこもり,生活困窮・貧困女性について学ぶ。生活保護では,生活保護の制度,適切な受給と不適切な受給,貧困ビジネス,若者の受給の難しさ,使いやすい制度改善と心理支援について説明する。特に,貧困ビジネスでは,届出のない法定外施設について説明する。特に,無料低額宿泊室は,無料または低額で住む所を提供する施設であるが,老朽化したアパートの一室に数人を居住させて極めて高額な料金を設定して生活保護費を吸い上げる貧困ビジネスについて説明する。また,ホームレスについては,ホームレスの実態やネットカフェ難民との関わりについても学ぶ。さらに,貧困女性については,売春などについても学ぶ。
② 生活保護に関しては,制度を知らない人・知っていても制度の世話にはなりたくないと思っている人もおり,それゆえに心理面も含めた生活が不安定になっている人がいる。一方,制度としての生活保護を受給できれば安定しているかというとそういうわけではなく,原因を自分に帰属し,できない自分・ダメな自分に悩んでうつ状態に陥っている人もいる。彼らの生活を支援するためには,生活支援という大きな視点をもち,支援対象者の生活全体を捉える視点を持つことが重要である。支援対象者の多くは孤立しており,他者に対する不信感も持っている。そのような人に対しては,単に話を聞いて心理面を支えるだけでは不十分であり,困っていることに対する現実的な支援をする包括的な支援が必要である。公認心理師の役割においては,このような全体的な支援における役割と期待について学ぶ。
③ 日本において,子どもの貧困が着目され始めたのは,2000年以降である。特に近年注目されているのが相対的貧困である。これは,一般の人々が享受する普通の習慣や行為を行うことができない状態であり,子どもにおいては,周囲の友達が経験している社会的活動や文化的活動が制限されることを意味する。政府によって発表された子どもの相対的貧困率は改善はしているものの,子どもの約7人に1人が相対的貧困下で生活している。このような現状から,子どもの貧困対策の推進に関する法律が定められ,教育の支援や生活の支援,保護者に対する就労の支援などの対策が行われた。しかし,心理的支援の必要性など多くの問題が残っている。そのため,貧困の背景にある問題点や心理支援に必要な視点について説明する。
キーワード ① 生活保護 ② 生活困窮・ワーキングプア ③ ホームレス ④ ニート・ひきこもり ⑤ 生活困窮・貧困女性
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:シラバス「第6回」の内容をよく読み,配布された資料や講義内で示された内容を理解する。特にシラバス内に示されているキーワードの5つについて、ある程度簡潔に説明できるよう100字~200字程度にまとめておけるとよい。
予習課題:第2回~第7回は「家庭福祉」の中の心理支援について考えていく。予習としては次回のシラバスに書かれているキーワードを調べ、知識として入れておけると理解しやすくなるだろう。また、「福祉」には、私たちが安心して暮らせるような支援が多くある。「福祉」の制度や福祉サービスにはどのようなものがあるのか、福祉対象者への心理支援とはどのようなものか、日々の中でも考えておけるとよい。

7 家庭福祉の心理支援⑥
ひきこもり・自殺予防
科目の中での位置付け 初回の授業として公認心理師科目の福祉心理学の領域について把握する。本科目は,公認心理師対応科目であるため, 公認心理師試験の内容に対応できるような授業展開を実施することを伝える。具体的には,第1回で福祉心理学への導入を行った上で(第I部),第2回から第7回にかけて子育て、虐待、暴力、社会的養護、生活困窮・貧困者、ひきこもり等の家庭福祉に関する支援について講義し(第II部),第9回から第10回にかけては高齢者福祉に関する支援について(第Ⅲ部)、第11回~13回では障害者福祉に関する支援について(第Ⅳ部)、第14回では家族・職員への支援について(第Ⅴ部)講義していく。なお,第8回は前半部分(第Ⅰ・Ⅱ部)、第15回は後半部分(第Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ部)の内容を復習し,まとめるためのコマとする。これらの講義により,社会福祉学が日常生活においてどのように活用されているのかを理解する。上記のような本科目全体の中で,本コマ(第7回)は家庭福祉領域の中でもひきこもりや自殺予防ついて概観する。
細目①:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 140~142,細目②:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 142~146,細目③:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 146~152










コマ主題細目 ① ひきこもりの心理支援 ② ひきこもりと集団支援 ③ 自殺予防の心理支援
細目レベル ① 厚生労働省は,2009年度から「ひきこもり対策推進事業」を創設し,ひきこもり支援の基本スタンスとして,ひきこもりの多様性について,住み慣れた地域における包括的な支援について,家族支援の重要性についての考え方を示し,各都道府県・指定都市にひきこもりに特化した第一次相談窓口としての機能を有する「ひきこもり地域支援センター」整備等を進め,2013年度からは「ひきこもりサポーター養成研修,派遣事業」が加えられた。現在は,平成25年に施行された生活困窮者自立支援法の対象として,ひきこもる人の社会的孤立を防ぐ施策として就労支援等を行うと同時に,ひきこもり地域支援センターと連携して支援するとされる。この内容について学ぶために,ひきこもりの定義及び評価の留意点,支援の方法,支援の実際について説明する。
② ひきこもりの集団支援は,一定以上の社会交流への意欲がある対象者に行われる。集団支援は,居場所型と就労型に区別することができる。居場所型の支援では,支援者が運営する場に当事者が集まって交流がもたれる。そこでは,雑談やゲーム,レクリエーション等の活動が行われ,他の当事者にも自分と近い境遇や体験があるため,安心感や仲間意識が育まれやすい。就労型の支援では,就労を当面の目標として就労に必要なスキルや経験を身につけていく。具体的な例は,支援機関が運営する喫茶店などの飲食店の接客,調理や調理の仕込み,清掃,HPやチラシ作成の広報等である。ただし,これらの支援を支援者一人で実施することは不可能であるため,どのように実施しているか等について,地域の支援資源との有機的なつながりなどについて学ぶ。
③ 1988年に自殺者が急増したが,その対策は,労働者のうつ病対策の観点からであった。労働省は,2000年に「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」を発して,事業場のメンタルヘルスを労働者自身による「セルフケア」,管理監督者による「ラインによるケア」,事業場内の健康管理担当者による「事業場内産業保険スタッフ等によるケア」,事業場外の専門家による「事業場外資源によるケア」を推進するように求めた。続いて,2001年には中央労働災害防止協会による「職場における自殺の予防と対応」が公表され,自殺の予兆,日常の配慮と相談対応,相談体制,自殺後に残された人への対応など具体的な対策が示された。その後,職場のメンタルヘルス対策は,2度の労働安全衛生法改正等によってストレスチェック制度の創設につながる。このような自殺予防支援について,自作対策基本法や地域自殺対策緊急強化事業について説明する。
キーワード ① 社会的孤立 ② 家族支援 ③ 追い込まれた末の死 ④ ゲートキーパー ⑤ 遺族支援
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:シラバス「第7回」の内容をよく読み,配布された資料や講義内で示された内容を理解する。特にシラバス内に示されているキーワードの5つについて、ある程度簡潔に説明できるよう100字~200字程度にまとめておけるとよい。
予習課題:次回は第1回~第7回で学んだ「福祉心理学」の概要と「家庭福祉」についてのまとめの回となる。これまでの配布プリントやシラバス、キーワードをよく読み、重要な箇所を重点的に復習しておけるとよい。また、「福祉」には、私たちが安心して暮らせるような支援が多くある。「福祉」の制度や福祉サービスにはどのようなものがあるのか、福祉対象者への心理支援とはどのようなものか、日々の中でも考えておけるとよい。

8 福祉心理学のまとめ1 科目の中での位置付け 初回の授業として公認心理師科目の福祉心理学の領域について把握する。本科目は,公認心理師対応科目であるため, 公認心理師試験の内容に対応できるような授業展開を実施することを伝える。具体的には,第1回で福祉心理学への導入を行った上で(第I部),第2回から第7回にかけて子育て、虐待、暴力、社会的養護、生活困窮・貧困者、ひきこもり等の家庭福祉に関する支援について講義し(第II部),第9回から第10回にかけては高齢者福祉に関する支援について(第Ⅲ部)、第11回~13回では障害者福祉に関する支援について(第Ⅳ部)、第14回では家族・職員への支援について(第Ⅴ部)講義していく。なお,第8回は前半部分(第Ⅰ・Ⅱ部)、第15回は後半部分(第Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ部)の内容を復習し,まとめるためのコマとする。これらの講義により,社会福祉学が日常生活においてどのように活用されているのかを理解する。上記のような本科目全体の中で,本コマ(第8回)は授業前半部分である第1回~第7回までの学びを振り返り、さらなる理解につなげる。
細目①:参考文献『公認心理師の基本を学ぶテキスト17:福祉心理学「福祉分野での心理職の役割」』pp. 1~42,細目②:『公認心理師の基本を学ぶテキスト17:福祉心理学「福祉分野での心理職の役割」』pp.49~86, 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp.113~127,細目③: 参考文献『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp.83~98,pp140~153.
コマ主題細目 ① 福祉心理学の基礎知識 ② 子どもの福祉と支援 ③ 貧困やひきこもりの支援
細目レベル ① 福祉心理学の前半部分(第1回~第7回)までの講義の復習とまとめを3つに分けて行う。①では「福祉心理学」の基礎的な概念を確認する。現代社会では,安心して暮らせるように「福祉」の重要性が唱えられている。日本では,日本国憲法に「全ての国民は,健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国はすべての生活部面について,社会福祉,社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と記されていることから,「福祉」あるいは「社会福祉」という言葉が正式に用いられるようになった。この「福祉」という言葉の「福」には,「しあわせ」,「祉」にも「さいわい,しあわせ」という言葉の意味がある。福祉の概念について復習を行う。
② 福祉心理学の前半部分(第1回~第7回)までの講義の復習とまとめを3つに分けて行う。②では家庭福祉の「子どもの支援」の基礎的な概念を確認する。すべての子どもと親を対象とした子育て支援では,市区町村の子育て支援事業,保育所・幼稚園・認定こども園における子どもと親への支援,母子保健施策と「子育て世代包括支援センター」、周産期における母子保健事業と子育て世代包括支援センター等がある。だが、安定した家庭ばかりではない。家庭の中で生じる問題として虐待や暴力等がある。その場合の福祉の支援として社会的養護についても学んだ。乳児院、児童養護施設、児童心理治療施設等の役割やそこでの心理職の役割についても振り返る。
③ 福祉心理学の前半部分(第1回~第7回)までの講義の復習とまとめを3つに分けて行う。③では家庭福祉の「生活困窮・貧困」「ひきこもりと自殺予防」の基礎的な概念を確認する。生活保護では,生活保護の制度,適切な受給と不適切な受給,貧困ビジネス,若者の受給の難しさ,子どもの貧困について学び、その心理支援について考えてきた。また、現代の日本の深刻な問題として「ひきこもり」と「自殺」の増加がある。ひきこもりの背景にある社会的な問題、当事者、長くなるひきこもりではその支援者である家族も「高齢」となり、先の不安が高まるとされている。これらの心理支援、そして自殺後に残された家族への対応などについても振り返る。
キーワード ① 虐待 ② DV ③ 社会的養護 ④ ひきこもり ⑤ 自殺予防
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:福祉心理学に関する理論について復習する。シラバス「第8回」の内容をよく読み,配布された資料や講義内で示された内容を理解する。特にシラバス内に示されているキーワードの5つについて、ある程度簡潔に説明できるよう100字~200字程度にまとめておけるとよい。
予習課題:第9回~第10回までは「高齢者福祉」について考えていく。予習としては次回のシラバスに書かれているキーワードを調べ、知識として入れておけると理解しやすくなるだろう。また、「福祉」には、私たちが安心して暮らせるような支援が多くある。「福祉」の制度や福祉サービスにはどのようなものがあるのか、福祉対象者への心理支援とはどのようなものか、日々の中でも考えておけるとよい。

9 高齢者福祉の心理支援①
高齢者福祉
科目の中での位置付け 初回の授業として公認心理師科目の福祉心理学の領域について把握する。本科目は,公認心理師対応科目であるため, 公認心理師試験の内容に対応できるような授業展開を実施することを伝える。具体的には,第1回で福祉心理学への導入を行った上で(第I部),第2回から第7回にかけて子育て、虐待、暴力、社会的養護、生活困窮・貧困者、ひきこもり等の家庭福祉に関する支援について講義し(第II部),第9回から第10回にかけては高齢者福祉に関する支援について(第Ⅲ部)、第11回~13回では障害者福祉に関する支援について(第Ⅳ部)、第14回では家族・職員への支援について(第Ⅴ部)講義していく。なお,第8回は前半部分(第Ⅰ・Ⅱ部)、第15回は後半部分(第Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ部)の内容を復習し,まとめるためのコマとする。これらの講義により,社会福祉学が日常生活においてどのように活用されているのかを理解する。上記のような本科目全体の中で,本コマ(第9回)は高齢者福祉領域の中でも高齢者の心身の変化、高齢者支援の福祉ついて概観する。
細目①:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 51~52,細目②:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 52~55,細目③:参考文献『公認心理師の基本を学ぶテキスト17:福祉心理学「福祉分野での心理職の役割」』pp. 151~162
コマ主題細目 ① 高齢者の現状と生活課題 ② 高齢者福祉関連の法律 ③ 高齢者福祉における心理的支援の重要性
細目レベル ① 日本では「高齢者」の人口が増え、子どもの数が減るという「少子高齢化」の問題を抱えている。高齢者の一人暮らしや、老夫婦だけの世帯を合わせると、全世帯数の半分以上を占めているとされている。いつまでも健康で長生きすることができればよいが、年を重ね、心身の変化も生じてくる。例えば、病気やケガ、腰痛、関節の痛みなど、慢性的な苦痛を伴う人が多いとされている。また、高血圧や糖尿病などの「生活習慣病」など、定期的な通院も続けている高齢者も多く、経済的な負担や精神的な負担は大きいことを理解する必要がある。また、高齢者が一人で暮らすことが難しい場合には家族や福祉サービスを利用し、「介護」をうけることもある。まずは高齢者に関する理解を深めていく。
② 高齢者福祉関連の法律について説明する。まず,老人の福祉に関する原理を明らかにするとともに,老人に対し,その心身の健康の保持および生活の安定のために必要な措置を講じ,もって老人の福祉を図ることという老人福祉法について説明する。次に,介護保険に関する全般的な法律であり,介護が必要になった高齢者の生活を支える法律である介護保険法についても説明する。最後に,高齢者の虐待防止と早期発見・早期対応を主眼に,家庭内だけでなく,施設・事業所の従事者等による虐待も対象として,市町村を虐待防止の主たる担い手として位置付けている高齢者虐待防止法について説明する。これらの法律について学ぶことにより,高齢者を支援する法制度について理解することができる。そのほか,地域包括ケアシステムや新オレンジプランについても学ぶ。
③ 高齢者福祉では,社会福祉士や介護福祉士などの他に,医師や看護師,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士などが多職種協働で支援にあたっている。高齢者やその家族を対象とした心理的支援が重要なのはいうまでもないが,高齢者領域に心理師が専門職として配置されているところがほとんどなかった現代において,心理的支援はこれまで他の職種の人たちが担ってきた。特に,高齢者領域で活躍する心理師は,アセスメントや心理療法などの心理学の知識や専門技能だけを身につけていれば良いわけでなく,高齢期の体の変化や心の変化,高齢期に多く見られる疾患,薬などに対する医学的知識,公的なサービスやインフォーマルなサービスなどの知識,他の専門職たちの仕事の内容や技能などを幅広く理解している必要がある。これらのことを理解している心理師が,多職種協働の元に高齢者福祉領域で心理的支援にあたることが様々な職種の人たちにとって有益なことであり,何より高齢者や家族の福祉に貢献することになる。このような心理師の役割について学ぶために,在宅高齢者に対する支援,高齢者福祉施設における高齢者支援,高齢者のケアにあたるスタッフへの支援,地域住民に対する支援について説明する。
キーワード ① 高齢者福祉関連法 ② 地域包括ケアシステム ③ 新オレンジプラン ④ パーソンセンタードケア ⑤ 認知機能検査
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:シラバス「第9回」の内容をよく読み,配布された資料や講義内で示された内容を理解する。特にシラバス内に示されているキーワードの5つについて、ある程度簡潔に説明できるよう100字~200字程度にまとめておけるとよい。
予習課題:第9回~第10回までは「高齢者福祉」について考えていく。予習としては次回のシラバスに書かれているキーワードを調べ、知識として入れておけると理解しやすくなるだろう。また、「福祉」には、私たちが安心して暮らせるような支援が多くある。「福祉」の制度や福祉サービスにはどのようなものがあるのか、福祉対象者への心理支援とはどのようなものか、日々の中でも考えておけるとよい。

10 高齢者福祉の心理支援②
認知症者と家族への支援
科目の中での位置付け 初回の授業として公認心理師科目の福祉心理学の領域について把握する。本科目は,公認心理師対応科目であるため, 公認心理師試験の内容に対応できるような授業展開を実施することを伝える。具体的には,第1回で福祉心理学への導入を行った上で(第I部),第2回から第7回にかけて子育て、虐待、暴力、社会的養護、生活困窮・貧困者、ひきこもり等の家庭福祉に関する支援について講義し(第II部),第9回から第10回にかけては高齢者福祉に関する支援について(第Ⅲ部)、第11回~13回では障害者福祉に関する支援について(第Ⅳ部)、第14回では家族・職員への支援について(第Ⅴ部)講義していく。なお,第8回は前半部分(第Ⅰ・Ⅱ部)、第15回は後半部分(第Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ部)の内容を復習し,まとめるためのコマとする。これらの講義により,社会福祉学が日常生活においてどのように活用されているのかを理解する。上記のような本科目全体の中で,本コマ(第10回)は高齢者福祉領域の中でも認知症について学び、認知症者やその家族の支援を概観する。
細目①:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 128~130,細目②:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 130~139,細目③:参考文献『公認心理師の基本を学ぶテキスト17:福祉心理学「福祉分野での心理職の役割」』pp. 129~149










コマ主題細目 ① 認知症とは何か ② 認知症による症状の特徴と様々な心理問題 ③ 認知症高齢者の心理支援の実際
細目レベル ① 認知症とは,正常に発達した記憶などの認知機能をはじめとする知的活動の能力が持続的に低下する状態であり,さらに日常生活や社会生活に支障をきたす特徴がある。記憶の低下は,誰もが加齢により出現することはめずらしくない。しかし,認知症による記憶障害は,体験全体の記憶の低下と比較的最近の記憶である近時記憶の低下が同時に起きるという特徴がある。この講義では,認知症の定義について説明し,認知症の原因となる疾患,認知症に類似した疾患について説明する。特に,認知症の主な原因疾患では,脳血管性の疾患や変性疾患,内分泌・代謝性中毒性疾患,感染性疾患,外傷性疾患等について説明する。また,中核症状,行動・心理症状,生活上の問題といったプロセスにより,症状や能力の低下に応じた生活環境の必要性について説明する。
② 認知症による症状は,中核症状と行動・心理症状に大別される。さらに,それらの出現が日常生活における様々な問題を引き起こすことに特徴がある。認知症による症状の特徴と様々な心理問題では,中核症状として,認知機能の低下について説明する。中核症状の特徴は,認知機能障害であり,特に記憶障害が代表的である。また,記憶障害と同様に見当識障害も代表である。さらに,中核症状の出現として,心理的な混乱,精神的な不安定さの出現を示す行動・心理症状についても説明する。行動・心理症状には,不安や焦燥感,攻撃的な言葉や行動,自発性の低下,失禁,性的逸脱行動などが含まれる。これらの症状は,介護に関する負担,ストレスなどの原因になりやすい。そのため,これらの症状について説明する。
③ 認知症が社会に問題として認識されたのは,1972年に発表された有吉佐和子氏の小説がきっかけの一つとされている。この小説は,社会に認知症の問題について関心を高めることになったが,一方,その具体的な行動についての表現は,「ボケ」は大変,なってしまったらおしまい,などのマイナスイメージなどの偏見を増長することとなった。認知症に対する具体的な支援やサービスは,1984年の厚生労働省における「痴呆性老人処遇研修事業」の開始により,特別養護老人ホームにおける介護に従事する寮母食に対する研修が始まった。その後,特別養護老人ホームや老人保健施設における痴呆専門棟,痴呆性老人を対象とする痴呆専門の老人病などの福祉・医療サービスが広がった。2000年にスタートした介護保険制度では,認知症高齢者に対する有効な介護サービスとして整備されたグループホームとユニットケアが主流となった。認知症高齢者の心理支援の実際では,認知症と支援環境,認知症高齢者の心理特性等について説明する。
キーワード ① アルツハイマー型認知症 ② グループホーム ③ ユニットケア ④ 認知機能障害 ⑤ リアリティ・オリエンテーション
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:シラバス「第10回」の内容をよく読み,配布された資料や講義内で示された内容を理解する。特にシラバス内に示されているキーワードの5つについて、ある程度簡潔に説明できるよう100字~200字程度にまとめておけるとよい。
予習課題:第11回~第13回までは「障害者福祉」について考えていく。予習としては次回のシラバスに書かれているキーワードを調べ、知識として入れておけると理解しやすくなるだろう。また、「福祉」には、私たちが安心して暮らせるような支援が多くある。「福祉」の制度や福祉サービスにはどのようなものがあるのか、福祉対象者への心理支援とはどのようなものか、日々の中でも考えておけるとよい。

11 障害者福祉の心理支援①
障害者福祉
科目の中での位置付け 初回の授業として公認心理師科目の福祉心理学の領域について把握する。本科目は,公認心理師対応科目であるため, 公認心理師試験の内容に対応できるような授業展開を実施することを伝える。具体的には,第1回で福祉心理学への導入を行った上で(第I部),第2回から第7回にかけて子育て、虐待、暴力、社会的養護、生活困窮・貧困者、ひきこもり等の家庭福祉に関する支援について講義し(第II部),第9回から第10回にかけては高齢者福祉に関する支援について(第Ⅲ部)、第11回~13回では障害者福祉に関する支援について(第Ⅳ部)、第14回では家族・職員への支援について(第Ⅴ部)講義していく。なお,第8回は前半部分(第Ⅰ・Ⅱ部)、第15回は後半部分(第Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ部)の内容を復習し,まとめるためのコマとする。これらの講義により,社会福祉学が日常生活においてどのように活用されているのかを理解する。上記のような本科目全体の中で,本コマ(第11回)は障害者福祉領域の中でも障害の特徴と、障害者への福祉について概観する。
細目①:参考文献『公認心理師の基本を学ぶテキスト17:福祉心理学「福祉分野での心理職の役割」』pp. 92~93,細目②:参考文献『公認心理師の基本を学ぶテキスト17:福祉心理学「福祉分野での心理職の役割」』pp. 94~95,細目③:参考文献『公認心理師の基本を学ぶテキスト17:福祉心理学「福祉分野での心理職の役割」』pp. 96~97
コマ主題細目 ① 障害のある人の福祉 ② 障害を受容する過程 ③ 障害福祉の制度
細目レベル ① 障害の有無にかかわらず、全ての人がお互いの人格と個性を尊重する共生社会の実現が求められている。だが、障害のある人に対する偏見や差別は、過去の事件などからも読み取れるように長く続いている。ここでは障害のある人への福祉について考えていく。また、心理的な援助をより効果的にするためには、関連する法律等を知っておく必要がある。障害福祉の法律、制度は、そのときの社会情勢によって改訂されてきている。それらの変遷をたどりながら、2012年には障害者総合支援法が公布された。この法律の目的は、「障害者及び障害児が基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活又は社会生活を営む」ための総合的な支援を行うことにある。この法律を通して障害福祉について考える。
② 障害の受容は、障害をもつ当事者だけではない。それは障害をもつ保護者(家族)にとっても深刻なことである。幼い子どもが障害を自覚して医療や福祉の支援に一人でつながるというよりは、子どもの保護者(家族)が子どもの特性や障害を自覚し、その支援の必要性に至って医療や福祉につながる。そこには親が子どもの障害を受容するという過程がある。障害受容の過程には、ドローターらの「段階説」があり、「ショック」→「否認」→「悲しみや怒り、不安」→「適応」→「再起」の段階に到達するという。オルシャンスキーが提唱した「慢性的悲哀説」では、親の悲しみは子どもの成長に伴う転換期において繰り返し経験され続け、終わりはないという。福祉の中での心理支援について考える。
③ 法的根拠にもとづく障害福祉の制度やサービスは、申請すれば誰でも取得できるというわけではない。その対象者の範囲が決められているため「判定」を行う必要がある。心理職はその判定の過程で「知能検査」や「発達検査」を行うが、さらに当事者やその家族がどのような思いで制度の利用申請に至ったのか、その後の判定結果を受け入れることができるのかといったことにも気を配る必要がある。障害者手帳には3つの種類(「身体障害者手帳」、「療育手帳」、「精神障害者保健福祉手帳」)がある。これらの障害者手帳をもつことによって、さまざまな支援や福祉サービスを受けやすくなる。また、就労に関しても「障害者雇用枠」の適用となること等についてもここでは学んでいく。
キーワード ① 障害者総合支援法 ② 障害受容 ③ 慢性的悲哀説 ④ 心理検査 ⑤ 障害者手帳
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:シラバス「第11回」の内容をよく読み,配布された資料や講義内で示された内容を理解する。特にシラバス内に示されているキーワードの5つについて、ある程度簡潔に説明できるよう100字~200字程度にまとめておけるとよい。
予習課題:第11回~第13回までは「障害者福祉」について考えていく。予習としては次回のシラバスに書かれているキーワードを調べ、知識として入れておけると理解しやすくなるだろう。また、「福祉」には、私たちが安心して暮らせるような支援が多くある。「福祉」の制度や福祉サービスにはどのようなものがあるのか、福祉対象者への心理支援とはどのようなものか、日々の中でも考えておけるとよい。

12 障害者福祉の心理支援②
知的障害・発達障害など
科目の中での位置付け 初回の授業として公認心理師科目の福祉心理学の領域について把握する。本科目は,公認心理師対応科目であるため, 公認心理師試験の内容に対応できるような授業展開を実施することを伝える。具体的には,第1回で福祉心理学への導入を行った上で(第I部),第2回から第7回にかけて子育て、虐待、暴力、社会的養護、生活困窮・貧困者、ひきこもり等の家庭福祉に関する支援について講義し(第II部),第9回から第10回にかけては高齢者福祉に関する支援について(第Ⅲ部)、第11回~13回では障害者福祉に関する支援について(第Ⅳ部)、第14回では家族・職員への支援について(第Ⅴ部)講義していく。なお,第8回は前半部分(第Ⅰ・Ⅱ部)、第15回は後半部分(第Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ部)の内容を復習し,まとめるためのコマとする。これらの講義により,社会福祉学が日常生活においてどのように活用されているのかを理解する。上記のような本科目全体の中で,本コマ(第12回)は障害者福祉領域の中でも身体障害、知的障害等の福祉支援について概観する。
細目①:参考文献『公認心理師の基本を学ぶテキスト17:福祉心理学「福祉分野での心理職の役割」』pp. 101~113,細目②:参考文献『公認心理師の基本を学ぶテキスト17:福祉心理学「福祉分野での心理職の役割」』pp. 87~99,細目③:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 67~82
コマ主題細目 ① 療育手帳について ② 発達支援と親子関係の調整 ③ その他の障害への支援
細目レベル ① 療育手帳は,知的障害児・者に対して一貫した指導・相談を実施し,各種の援護措置を受けやすくすることを目的として交付されるものである。法律上の明確な定義や基準が定められておらず,国からの通知による各都道府県および政令指定都市独自の制度であるため,「愛の手帳」や「みどりの手帳」のように異なる名称を用いる自治体もある。さらに,名称だけでなく,障害の程度区分やそれによって受けられるサービス内容にも違いがある。この療育手帳は,各自治体に申請さえすれば,誰にでも手にすることができるわけではなく,必ず判定を受ける必要がある。対象者が18歳未満であれば児童相談所,18歳以上であれば知的障害者更生相談所がその役割を担う。判定に至るまでの手続きや流れについては,各自治体独自の制度であることから当然,異なっている。ここでは,18歳以上の大人を対象とした場合と18歳未満の子どもを対象とした場合の療育手帳の交付業務の取り組みの違いや心理支援について学ぶ。
② これまで,障害児の支援は,「療育」と呼ばれていた。それは,障害児通園施設において,就学前に行われた日常生活動作や基本的生活習慣の獲得のための諸訓練・教育等を示すことが多い。その他,認知能力や言葉,コミュニケーション,対人関係,社会性等を促す指導も主要なテーマである。この「療育」は,法改正により,実施する施設の名称が障害児通園施設から児童デイサービス事業,さらには児童発達支援センターへと変更されたことに伴い,「本人への発達支援」となった。そして,「発達支援(広義)」の中に,この「本人への発達支援(狭義の発達支援,すなわち療育)」と「家族支援」,「地域支援」が位置づけられて,現在の児童発達支援センターの主要な役割となった。発達支援と親子関係の調整では,事例に対する発達支援の実際,親子一緒の合同面接と親子関係の調整について学ぶ。
③ その他の障害への支援では,それぞれの身体障害に応じた心理的支援の特徴や実際の手立てを説明し,この領域の心理職に求められる心構えや態度について説明する。まず,重症心身障害児では,受身的な反応を促すだけでなく,外界に向けて働きかけるように支援し,それに対する周囲の応答的な環境を整えることを学ぶ。そのために,重症心身障害児の特徴とアセスメント,支援について説明する。次に,視覚障害者・児が経験する様々な喪失や傷つきをふまえて,寄り添った生活サポートが必要であることを学ぶ。そのために,視覚障害者を取り巻く現状,視覚障害者の20の喪失と心理的な影響,視覚障害者への心理社会的支援について説明する。最後に,聴覚障害児・者の健康を守り,ありのままを受け入れた愛着形成や対等なコミュニケーション等に向けた支援を行について学ぶ。
キーワード ① 乳幼児健診 ② 発達障害 ③ ファミリーマップ ④ ペアレント・プログラム ⑤ アウトリーチ
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:シラバス「第12回」の内容をよく読み,配布された資料や講義内で示された内容を理解する。特にシラバス内に示されているキーワードの5つについて、ある程度簡潔に説明できるよう100字~200字程度にまとめておけるとよい。
予習課題:第11回~第13回までは「障害者福祉」について考えていく。予習としては次回のシラバスに書かれているキーワードを調べ、知識として入れておけると理解しやすくなるだろう。また、「福祉」には、私たちが安心して暮らせるような支援が多くある。「福祉」の制度や福祉サービスにはどのようなものがあるのか、福祉対象者への心理支援とはどのようなものか、日々の中でも考えておけるとよい。

13 障害者福祉の心理支援③
精神保健福祉
科目の中での位置付け 初回の授業として公認心理師科目の福祉心理学の領域について把握する。本科目は,公認心理師対応科目であるため, 公認心理師試験の内容に対応できるような授業展開を実施することを伝える。具体的には,第1回で福祉心理学への導入を行った上で(第I部),第2回から第7回にかけて子育て、虐待、暴力、社会的養護、生活困窮・貧困者、ひきこもり等の家庭福祉に関する支援について講義し(第II部),第9回から第10回にかけては高齢者福祉に関する支援について(第Ⅲ部)、第11回~13回では障害者福祉に関する支援について(第Ⅳ部)、第14回では家族・職員への支援について(第Ⅴ部)講義していく。なお,第8回は前半部分(第Ⅰ・Ⅱ部)、第15回は後半部分(第Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ部)の内容を復習し,まとめるためのコマとする。これらの講義により,社会福祉学が日常生活においてどのように活用されているのかを理解する。上記のような本科目全体の中で,本コマ(第13回)は障害者福祉領域の中でも精神障害と精神保健福祉について概観する。
細目①:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 153~156,細目②:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 157~158,細目③:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 159~167
コマ主題細目 ① 精神保健福祉とは ② 精神障害者を支える制度 ③ クラブハウス活動
細目レベル ① 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)では、精神障害者とは、脳及び心の機能や器質の障害によって起きる精神疾患によって、日常生活に制約がある状態とされ、「統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する」と定義されている。その中には、うつ病、躁うつ病などの気分障害、てんかん、高次脳機能障害、その他の精神疾患なども含まれる。また2011年には「発達障害」も含まれるようになった。心理職は3つの障害(身体障害、知的障害、精神障害)のうち、精神障害(発達障害を含む)の当事者と関わることが多いとされる。ここでは精神障害者の特徴とその心理支援について考えていく。
② 精神障害者を支える制度とサービスとして,障害者基本法,精神保健福祉法,障害者総合支援法について説明する。障害には多様な障害がありそれぞれの特徴があるが,公認心理師は精神障害および精神障害がある人への困難の特殊性について理解を深めておく必要がある。精神障害者は,本人や家族が精神疾患についての理解不足や社会の偏見や差別等により,医療機関への受診が遅くなり,早期発見早期治療が難しい場合が多い。精神障害の障害とは何なのか。生活する上で障害を受け入れることができると福祉サービス等を受けやすくなる。一つ目には,疾病の影響による症状が継続することで,障害と認定されるものがある。二つ目には,社会的環境からもたらされる障害、偏見や差別などによる生活のしづらさがある。精神障害者の生活のしづらさと疾病の症状からくる障害を併せ持っているとされる。
③ 精神障害者支援については,障害者総合支援法を基本として,公的なサービス提供が行われているが,公的なサービス以外のサービス(支援)も精神障害者を支える大きな役割を担っている。その一つの取り組みとして,クラブハウス活動がある。このようなクラブハウスを精神障害者が精神科病院を退院し,安心した地域生活を送るための一つとして利用している。クラブハウスには,メンバー登録が必要であり,登録したら仲間として迎えられ,ともに活動する環境が整えられる。このようなクラブハウスでは,フォーマルな医療サービスや福祉サービスなどを補完するインフォーマルなサービスが行われ,メンバーの地域生活を支えている。クラブハウス活動では,このような内容について学ぶ。
キーワード ① 障害者総合支援法 ② 精神保健福祉法 ③ 精神障害 ④ 権利擁護 ⑤ コンサルテーション
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:シラバス「第13回」の内容をよく読み,配布された資料や講義内で示された内容を理解する。特にシラバス内に示されているキーワードの5つについて、ある程度簡潔に説明できるよう100字~200字程度にまとめておけるとよい。
予習課題:第14回は「家族・職員への心理的支援」について考えていく。予習としては次回のシラバスに書かれているキーワードを調べ、知識として入れておけると理解しやすくなるだろう。また、「福祉」には、私たちが安心して暮らせるような支援が多くある。「福祉」の制度や福祉サービスにはどのようなものがあるのか、福祉対象者への心理支援とはどのようなものか、日々の中でも考えておけるとよい。

14 家族・職員への心理支援 科目の中での位置付け 初回の授業として公認心理師科目の福祉心理学の領域について把握する。本科目は,公認心理師対応科目であるため, 公認心理師試験の内容に対応できるような授業展開を実施することを伝える。具体的には,第1回で福祉心理学への導入を行った上で(第I部),第2回から第7回にかけて子育て、虐待、暴力、社会的養護、生活困窮・貧困者、ひきこもり等の家庭福祉に関する支援について講義し(第II部),第9回から第10回にかけては高齢者福祉に関する支援について(第Ⅲ部)、第11回~13回では障害者福祉に関する支援について(第Ⅳ部)、第14回では家族・職員への支援について(第Ⅴ部)講義していく。なお,第8回は前半部分(第Ⅰ・Ⅱ部)、第15回は後半部分(第Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ部)の内容を復習し,まとめるためのコマとする。これらの講義により,社会福祉学が日常生活においてどのように活用されているのかを理解する。上記のような本科目全体の中で,本コマ(第14回)は福祉を利用している当事者やその家族、福祉に従事している職員への心理支援について概観する。
細目①:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 168~174,細目②:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 174~180,細目③:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 181~195










コマ主題細目 ① 高齢者,障害児の家族の心理支援の必要性 ② 福祉施設職員等への心理支援 ③ 多職種協働とチームアプローチ
細目レベル ① 高齢者の介護はあらかじめ計画を立てることができない。日々,その都度,介護者となった家族は,自らの家族観や人生観が試されるかのような困難に遭遇することになる。福祉サービスの一層の充実が図られるとしても,家族の疲弊感は,親子関係や夫婦関係での役割が入れ替わることによる心理的困惑のみならず,介護の年限の見通しがつかないことや介護の終着点が死であることに由来する心理的な孤立感や閉塞感と重なり合って,介護者が自ら解きほぐすことのできない心理的ほつれとなってしまう。このほつれは,養育や家事の経験のない男性介護者の場合には,断ち切るほかないという事態に陥りやすい。このような家族の心理支援の必要性について考えるために,介護をめぐる心情や家族支援ニーズのアセスメント,体験を語り合う家族会の実践例について理解する。
② 介護に関する課題は,福祉関連職種の現場の労働環境などの課題だけではなく,福祉施設職員が抱えざるを得ない特有の課題である。これは,利用児・者との関係性の中で起きてくるストレスであり,また,養育方針の違いや支えが不十分であることによる孤立感,疎外感,無力感など,同僚や上司との関係の中で起きてくるストレスである。これらのことに心理職の専門性としてどのように取り組んでいくのかについて理解する必要がある。そこで,心理職の専門性について学ぶために,バーンアウト,二次的トラウマティック・ストレス,共感疲労,代理トラウマ,感情労働,共感満足,ポストトラウマティック・グロース(心的外傷後成長)について理解する。さらに,支援者支援の具体的な方法についても学ぶ。
③ 個人が「個」として存在することは明らかであり,家庭,学校,騎乗,地域など社会のいずれかの集団の中の一要員としての位置づけがある。仮に社会からの孤立が認められたとしても,その個人は社会という集団の中に帰属していることには変わりない。その個人は「人」である。人への支援を考えた場合,帰属する集団の持つ特性,特徴,地域性などは様々であり,一つの括りとして捉えることは可能であるが,ここへの支援についてまとめることは困難である。なぜなら,人は,個々に欲求や解決すべき課題が異なり,また,それらは身体的,心理的,社会的支援が複合的かつ複雑に絡み合っているからである。そのため,多職種支援がなければ,これらの問題の解決は望めないといえる。ここでは,このような問題の解決を求めるために,多職種協働に関わる専門職とその役割や多職種協働とチームアプローチについて学ぶ。
キーワード ① セルフヘルプ・グループ ② 二次的トラウマティック・ストレス ③ 共感満足 ④ 心的外傷後成長 ⑤ 多職種協働
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:シラバス「第14回」の内容をよく読み,配布された資料や講義内で示された内容を理解する。特にシラバス内に示されているキーワードの5つについて、ある程度簡潔に説明できるよう100字~200字程度にまとめておけるとよい。
予習課題:次回は第9回~第10回で学んだ「高齢者福祉」、第11回~第13回で学んだ「障害者福祉」、第14回で学んだ「家族・職員」への支援についてのまとめの回となる。これまでの配布プリントやシラバス、キーワードをよく読み、重要な箇所を重点的に復習しておけるとよい。また、「福祉」には、私たちが安心して暮らせるような支援が多くある。「福祉」の制度や福祉サービスにはどのようなものがあるのか、福祉対象者への心理支援とはどのようなものか、日々の中でも考えておけるとよい。

15 福祉心理学のまとめ2 科目の中での位置付け 初回の授業として公認心理師科目の福祉心理学の領域について把握する。本科目は,公認心理師対応科目であるため, 公認心理師試験の内容に対応できるような授業展開を実施することを伝える。具体的には,第1回で福祉心理学への導入を行った上で(第I部),第2回から第7回にかけて子育て、虐待、暴力、社会的養護、生活困窮・貧困者、ひきこもり等の家庭福祉に関する支援について講義し(第II部),第9回から第10回にかけては高齢者福祉に関する支援について(第Ⅲ部)、第11回~13回では障害者福祉に関する支援について(第Ⅳ部)、第14回では家族・職員への支援について(第Ⅴ部)講義していく。なお,第8回は前半部分(第Ⅰ・Ⅱ部)、第15回は後半部分(第Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ部)の内容を復習し,まとめるためのコマとする。これらの講義により,社会福祉学が日常生活においてどのように活用されているのかを理解する。上記のような本科目全体の中で,本コマ(第15回)は授業後半部分である第9回~第14回までの学びを振り返り、さらなる理解につなげる。
細目①:参考文献 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp. 51~66,細目②参考文献『公認心理師の基本を学ぶテキスト17:福祉心理学「福祉分野での心理職の役割」』pp. 87~128,細目③: 参考文献『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』pp.168~202.
コマ主題細目 ① 高齢者福祉とは ② 障害者福祉とは ③ 家族・職員への支援
細目レベル ① 福祉心理学の後半部分(第9回~第14回)までの講義の復習とまとめを3つに分けて行う。①では「高齢者福祉」の基礎的な概念を確認する。日本では「高齢者」の人口が増え、子どもの数が減るという「少子高齢化」の問題を抱えている。高齢者の一人暮らしや、老夫婦だけの世帯も増えている。高齢者は、病気やケガ、腰痛、関節の痛みなど、慢性的な苦痛を伴う人も多いとされ、高血圧や糖尿病などの「生活習慣病」など、定期的な通院も続けている高齢者も多い。高齢者福祉に関する支援として「介護保険法」がある。「認知症」や高齢者の虐待防止と早期発見・早期対応を主眼にした「高齢者虐待防止法」、地域支援の要となる「地域包括ケアシステム」や「新オレンジプラン」についても振り返る。
② 福祉心理学の後半部分(第9回~第14回)までの講義の復習とまとめを3つに分けて行う。②では「障害者福祉」の基礎的な概念、「障害者総合支援法」、障害者手帳(「身体障害者手帳」、「療育手帳」、「精神障害者保健福祉手帳」)、「障害者雇用枠」等について振り返り、知的障害・発達障害、身体障害、精神障害等についての基礎的な理解を促す。特に精神障害者の生活のしづらさと疾病の症状からくる障害を併せ持っているとされる。精神障害者支援では,障害者総合支援法を基本に公的なサービス提供が行われているが,公的なサービス以外の支援(クラブハウス活動)も精神障害者を支える大きな役割を担っている。精神科病院を退院した後に,安心した地域生活を送るためにはどのようなことが支援されているのかを学ぶ。
③ 福祉心理学の後半部分(第9回~第14回)までの講義の復習とまとめを3つに分けて行う。③では「家族と職員への心理支援」の基礎的な概念を振り返る。例えば、介護は、福祉サービスの一層の充実が図られるとしても,介護する家族の疲弊感は,親子関係や夫婦関係での役割が入れ替わることによる心理的困惑のみならず,介護の終わりの見通しがつかないことや介護の終着点が死であることに由来する心理的な孤立感や閉塞感があるとされる。介護をめぐる心情や家族支援ニーズのアセスメント,体験を語り合う家族会の実践例について理解する。また、介護に関する課題は,福祉関連職種の現場の労働環境などの課題だけではなく,福祉施設職員が抱えざるを得ない特有の課題でもある。バーンアウト,二次的トラウマティック・ストレス,共感疲労,代理トラウマ,感情労働,共感満足などについて理解し、職員への心理支援についても考える。
キーワード ① 認知症 ② 障害 ③ 障害者総合支援法 ④ バーンアウト ⑤ 多職種協働
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:これまでの講義内容、配布プリントを振り返っておくこと。また、「第8回(第1回~第7回まで)のまとめ①」「第15回(第9回~第14回まで)のまとめ②」で振り返った重要な箇所や、シラバスの内容をよく理解しておくこと。そして、用語と内容が一致できるようにしておくこと。
予習課題:次回は「定期試験」となる。そのため第1回「福祉心理学」の概要、第2回~第7回「家庭福祉(子育て支援、虐待、暴力被害、社会的養護、生活困窮・貧困、ひきこもり等)」、第9回~第10回「高齢者福祉」、第11回~第13回「障害者福祉」、第14回「家族・職員」への心理的支援、第8回・第15回のまとめで示された内容やキーワード、授業内で配布されたプリントを基に振り返っておけるとよい。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
社会福祉の展開と心理支援 福祉心理学とは何か,福祉心理学の歴史的展開,基本理念,福祉施策,福祉心理学の生活支援について理解することができる。また,社会福祉学が日常生活においてどのように活用されているのか,社会福祉における制度的福祉と臨床的福祉,少子高齢化・貧困の問題,関係行政・法的制度,多職種連携におけるチームアプローチの必要性について理解することができる。さらに,福祉の制度と心理職,対象者別の心理的支援,地域福祉における心理支援と予防的支援について理解を深めることができる。 福祉心理学,ウェルビーイング,多職種連,アウトリーチ,ノーマライゼーション 10 1,8,15
家庭福祉の心理支援 子どもの虐待,DV,夫婦間暴力,その他の暴力について理解を深めることができる。また,児童相談所における心理診断・支援,児童福祉施設入所や里親委託時の支援,地域における子ども支援についての理解を深めることができる。さらに,すべての子どもと親を対象とした子育て支援,ひとり親家庭等への支援,要保護・要支援ケースへの支援について理解と,生活困窮・貧困、ひきこもりと自殺予防についての理解を深めることができる。 虐待、ドメステックバイオレンス,トラウマケア,暴力被害,二次被害、社会的養護 40 3~8
高齢者福祉の心理支援 高齢者福祉関連の法律と制度,高齢期の認知症,高齢者福祉における心理的支援の重要性について理解を深めることができる。また,高齢者の生活課題,高齢者関連の制度や法律,認知症の原因疾患と症状,新オレンジプラン,パーソンセンタードケア,認知機能検査についての理解も深めることができる。さらに,認知症の原因となる疾患の特徴,認知症高齢者の利用できる介護サービス,認知症の中核症状と行動・心理症状,認知症高齢者の心理特性,公認心理師に期待される認知症高齢者の心理支援についての学びを深めることができる。 高齢者福祉関連法,地域包括ケアシステム,新オレンジプラン,認知機能検査,アルツハイマー型認知症,グループホーム 20 9,10,15
障害者福祉の心理支援 障害・疾病のある人への福祉心理学の実際,発達支援と親子関係の調整,福祉サービスの併用と効果について理解を深めることができる。また,障害・疾病のある人に関わる福祉的サービスの流れや法律,発達支援(狭義,広義),連携,親子の関係調整,重複障害への支援についての学びも深めることができる。さらに,精神障害者の困難さ,クラブハウス活動について理解を深めることができる。 障害者総合支援法,精神保健福祉法,障害受容,権利擁護,コンサルテーション,乳幼児健診,発達障害,アウトリーチ 20 11~13,15
家族・職員への心理支援 介護する側の家族の苦悩や心身の疲労、福祉サービスを利用することの想いについて理解を深めることができる。また,当事者や家族が福祉的サービスを受けるまでの流れや法律、当事者やその家族を支援する施設職員側に生じやすいとされる対人援助職の苦悩や心身の疲労(バーンアウト,二次的トラウマティック・ストレス,共感疲労,代理トラウマ,感情労働)と、対人援助職の成長に繋がるものについても理解を深めることができる。 多職種連携,地域包括ケアシステム,児童福祉施設,チーム医療,バーンアウト,二次的トラウマティック・ストレス,心的外傷後成長 10 14,15
評価方法 期末試験(100%)によって評価する。
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 なし
参考文献 野島一彦・繁桝算男(監修)中島健一(編著) 『公認心理師の基礎と実践17:福祉心理学』 遠見書房 (\2600+税)・川畑直人・大島剛・郷式徹(監修)川畑隆・笹川宏樹・宮井研治(編著) 『公認心理師の基本を学ぶテキスト17:福祉心理学「福祉分野での心理職の役割」』 ミネルヴァ書房 (\2200+税)
実験・実習・教材費 なし