区分 基盤スキル科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
SDGs力 科学コミュニケーション力 研究力
カリキュラム・ポリシーとの関係
教養 応用力 実践力
科目間連携 総合心理力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ

科目の目的
本科目は,「心理学統計法 I」で学習した内容に基づき,以下の 2 つの理解が主な目的となる。1 つ目は,手元に得られたデータを要約し可視化する記述統計学から,そのデータが一般化できるの か,という問題を扱う推測統計学の仕組みを理解することである。具体的には,標本から母集団の 推測する過程を理解すること,母集団の推測を応用して意思決定に用いる統計的仮説検定の手続き を理解することを目指す。2 つ目は,3 変数以上の関連について,相関と回帰をベースにして,偏 相関や重回帰分析がデータのどのような側面を切り取っているのかを把握し,単回帰分析や相関係 数との違いを理解することである。その中で,重回帰分析における注意事項や質的変数や交互作用 をどのように重回帰分析の中で扱うのかを学ぶ。

「心理学統計法 II」で学んだ内容は,「心理データ解析法」で実際に自分で分析できるように,「心 理学調査実習」で分析したものをレポートとして書けるようにしていく。そのため,上記の内容の 理解は,他の科目にもつながる基礎的な内容となることを意識しておく必要がある。

到達目標
推測統計学の目的であるデータの一般化がどのように行われているのか,特に,統計的仮説検定
で行っていることを正しく理解し,適切な解釈ができるようになる。データの一般化において,標
本の特徴と母集団の特徴を区別して考えられる。

また,重回帰分析や偏相関分析を行った際に推定される統計量の意味を理解し,それぞれの値の
意味を正しく読み取れるようになる。特に,偏回帰係数と分散説明率については,統計的仮説検定
の結果も踏まえて解釈ができるようになる。

科目の概要
本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統 計量の意味を理解することを目指す。推測統計学を用いたデータの一般化は,心理学をはじめ,社 会科学分野での研究において,数量的なデータを取得する主要なメリットであり,得られたデータ の要約や可視化を目的とする記述統計学だけでは達することが困難である。また,「心理学統計法 I」で学んだ 2 変数の関係の要約方法をベースに,3 変数以上の関連を取り扱う分析である重回帰 分析の理解を目指す。なお,この授業で学習した内容を基盤にして,「心理データ解析法」では実 際にデータ解析を行い,結果を読み取れるように,「心理学調査実習」ではレポートの書き方を学 ぶ中で,データ解析を行った結果を報告できるように学習していく。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も 含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめる ためのコマとする。

科目のキーワード
母集団,標本,確率モデル,偏相関分析,重回帰分析,ダミー変数,多重共線性,交互作用,t 検定,分散分析
授業の展開方法
本講義では,ヨリソルを通してオリジナルの教材をアップロードし,それに沿って講義を進め る。各回の講義は,冒頭にて,その前の講義で提出された受講生からのコメントや質問を紹介し, それに対する教員の回答を行う。その上で,前回までの講義の復習と今回の講義との関係性を説明 する。次に,当該回の学習内容をコマシラバスに沿って解説する。例題や演習問題を授業中,授業 後に行なってもらう。教員による講義と演習問題を解くことが授業の中心となる。各回の復習に関 連した問いに対する回答と,その他の質問やコメントの提出を求める。教員からの回答は,質問の 内容に応じて,個別に行われる場合と,質問内容と回答を記載して受講生全体に行われる場合が ある。

本講義は,4 単位 30 回の授業で構成されるが,基本的に 2 回授業を 1 つの単位で扱っていく。 そのため,シラバスや教材は 2 回分に同様の内容を示し,(1) と (2) と区別していく。

オフィス・アワー
前期:水曜3限・4限
木曜昼~4限
後期:火曜2限~3限
木曜2限~3限

科目コード RC3032
学年・期 2年・前期
科目名 心理学統計法Ⅱ
単位数 4
授業形態 講義
必修・選択 必修
学習時間 【授業】90分×30 【予習】60分以上×15 【復習】60分以上×15
前提とする科目
展開科目
関連資格 公認心理師
担当教員名 新岡陽光
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 推測統計学の概要と必要性(1)−1 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統 計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以 上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も 含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめる ためのコマとする。

本科目全体の中で本コマは第 I 部の 1 週目に位置づけられる。第 I 部では,推測統計学について 学び,得られたデータはどうすると一般化できるのかを解説していく。第 I 部の 1 週目では,心理 学統計法 I で学んできた記述統計学の限界を知るとともに,推測統計学を概観し,特に推測統計学 ではなぜ確率を扱うのかを学ぶ。

1. 馬場 真哉 (2015). 平均・分散から始める一般化線形モデル入門,
2. 清水 裕士 (2021). 心理学統計法 放送大学出版, pp.10–46.
コマ主題細目 ① 心理学統計法 II の概要 ② 記述統計学でわかることとわからないこと ③ 推測統計学を学ぶ道筋 ④ 推測統計学の目的 ⑤ 推測統計の構造(母集団と標本):確率と確率変数
細目レベル ① 心理学統計法 II の概要:心理学統計法 II では,推測統計学と回帰分析を発展させた重回帰分析を学ぶ。心理学統計法 I では,データを要約したり,可視化したりすることを目的とする記述統計を中心に紹介してきた。 そして,データの要約方法として代表値や散布度,相関係数,および単回帰分析を扱った。心理学 統計法 II では,要約されたデータをどの程度一般化できるのか,を扱う推測統計学の考え方を学ぶ。推測統計学において重要なことは,手元に得られた標本やサンプルと呼ばれるデータだけでな く,関心のある集団を全て含む母集団においても同様の効果が見込まれるのかを知ることができる という点にある。また,心理学統計法 II では,心理学統計法 I で学んだ相関係数と回帰分析について,2 つの変数だけでなく 3 つ以上の変数を扱う偏相関係数や重回帰分析について学ぶ。偏相関係数や重回帰分析を用いると,相関係数や単回帰分析を用いた場合と比較してどのような利点があるのか,そしてどのような点に注意すべきなのかを理解できるようにしよう。
② 記述統計学でわかることとわからないこと:記述統計学では,データの要約と可視化が目的とされていた。データを要約する方法として,平 均値や中央値といった代表値や散布度をみることで一変量の特徴を掴むことができ,相関係数を用 いることで二変量の関係性を知ることができることをこれまでに学んできた。これらの方法によって,手元にあるデータの特徴を掴むことはできたが,手元にはないデータを推測することはできな い。例えば,大学生のメンタルヘルスの状態を知るために,総合心理学部の学生にアンケート調査 を実施したとする。手元に得られるデータとは実際に調査の結果,得られたデータのことを指す。 このデータの平均値や標準偏差だけからは,このデータに含まれていない大学生の一般的な傾向を知ることはできない。記述統計学だけではこうした一般化ができないことに留意しておく必要が ある。
③ 推測統計学を学ぶ道筋:推測統計学では,データの背後に母集団と呼ばれる集合について考える。得られたデータが母集 団からたまたま得られたものと考え,同じ母集団から繰り返しデータを得たとしたらどのような データが得られるのか,というサンプリングによるデータの変動について学ぶ。次に,母集団に確 率モデルを導入することによって,サンプリングによるデータの変動を考慮して母集団のデータを 推定することを学ぶ。後述する統計的仮説検定に用いることの多い t 分布,χ2 分布,F 分布の特 徴を知り,必要に応じて確率分布を使い分けられることを目指す。最後に,手元にあるデータが意味のあるものといえるのか,統計的仮説検定が何をしているのか,これまでの推測統計学の知識を応用して考えていく。推測統計学で学ぶ概要をおおまかに理解し,現在学んでいることが,何のためにやっていることなのか,どのような段階にあるのかを意識できるようにしておくことが必要で ある。
④ 推測統計学の目的:推測統計学では,手元に得られたデータの元となる母集団の性質を推測することが目的となる。 例えば,松山市における人間環境大学の印象を知るために大街道で 100 名の通りすがる人に調査を実施したとする。そこで知りたいことは,調査を実施した 100 名がどう思っているかではなく, 松山に住むより多く人が,人間環境大学についてどのような印象を持っているか,というものにな る。こうした推測を可能にするのが,推測統計学である。推測統計学こそ,心理学で統計を用いる意義を持つものであるが,その理論は確率論とよばれる数学の分野に基づいたもので,抽象的な内 容にもなる。データを用いる心理学において,なぜ推測統計学が必要となるのか,その理由を理解しておく必要がある。
⑤ 推測統計の構造(母集団と標本):確率と確率変数:推測統計学では,手元に実際に得られたデータをまとめてサンプルや標本とよび,本来関心のある集団のことを母集団とよぶ。標本は,母集団から標本抽出を行なって得られるものであり,我々は母集団のデータを直接得ることができないため,標本のデータから母集団のデータを推測することになる。

心理学統計法 I では,確率変数を導入し,確率を考えることでデータの得られやすさを考えた。 心理学統計法 II では,実際のデータに対して,確率変数とみなしたものは,母集団から標本抽出によってたまたま得られた標本であり,確率変数の実現値であると考える。推測統計を理解するためには,手元に得られたデータはたまたま得られたものであるから,変動するものであり,絶対ではないことを理解する必要がある。

キーワード ① 記述統計学 ② 推測統計学 ③ 母集団 ④ サンプリング(標本抽出) ⑤ 統計的仮説検定
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

2 推測統計学の概要と必要性(2) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統 計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以 上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も 含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめる ためのコマとする。

本科目全体の中で本コマは第 I 部の 1 週目に位置づけられる。第 I 部では,推測統計学について 学び,得られたデータはどうすると一般化できるのかを解説していく。第 I 部の 1 週目では,心理 学統計法 I で学んできた記述統計学の限界を知るとともに,推測統計学を概観し,特に推測統計学 ではなぜ確率を扱うのかを学ぶ。

1. 馬場 真哉 (2015). 平均・分散から始める一般化線形モデル入門,
2. 清水 裕士 (2021). 心理学統計法 放送大学出版, pp.10–46.
コマ主題細目 ① 心理学統計法 II の概要 ② 記述統計学でわかることとわからないこと ③ 推測統計学の目的 ④ 推測統計の構造(母集団と標本):確率と確率変数
細目レベル ① 心理学統計法 II の概要:心理学統計法 II では,推測統計学と回帰分析を発展させた重回帰分析を学ぶ。心理学統計法 I では,データを要約したり,可視化したりすることを目的とする記述統計を中心に紹介してきた。 そして,データの要約方法として代表値や散布度,相関係数,および単回帰分析を扱った。心理学 統計法 II では,要約されたデータをどの程度一般化できるのか,を扱う推測統計学の考え方を学ぶ。推測統計学において重要なことは,手元に得られた標本やサンプルと呼ばれるデータだけでな く,関心のある集団を全て含む母集団においても同様の効果が見込まれるのかを知ることができる という点にある。また,心理学統計法 II では,心理学統計法 I で学んだ相関係数と回帰分析について,2 つの変数だけでなく 3 つ以上の変数を扱う偏相関係数や重回帰分析について学ぶ。偏相関係数や重回帰分析を用いると,相関係数や単回帰分析を用いた場合と比較してどのような利点があるのか,そしてどのような点に注意すべきなのかを理解できるようにしよう。
② 記述統計学でわかることとわからないこと:記述統計学では,データの要約と可視化が目的とされていた。データを要約する方法として,平 均値や中央値といった代表値や散布度をみることで一変量の特徴を掴むことができ,相関係数を用 いることで二変量の関係性を知ることができることをこれまでに学んできた。これらの方法によって,手元にあるデータの特徴を掴むことはできたが,手元にはないデータを推測することはできな い。例えば,大学生のメンタルヘルスの状態を知るために,総合心理学部の学生にアンケート調査 を実施したとする。手元に得られるデータとは実際に調査の結果,得られたデータのことを指す。 このデータの平均値や標準偏差だけからは,このデータに含まれていない大学生の一般的な傾向を知ることはできない。記述統計学だけではこうした一般化ができないことに留意しておく必要が ある。
③ 推測統計学を学ぶ道筋:推測統計学では,データの背後に母集団と呼ばれる集合について考える。得られたデータが母集 団からたまたま得られたものと考え,同じ母集団から繰り返しデータを得たとしたらどのような データが得られるのか,というサンプリングによるデータの変動について学ぶ。次に,母集団に確 率モデルを導入することによって,サンプリングによるデータの変動を考慮して母集団のデータを 推定することを学ぶ。後述する統計的仮説検定に用いることの多い t 分布,χ2 分布,F 分布の特 徴を知り,必要に応じて確率分布を使い分けられることを目指す。最後に,手元にあるデータが意味のあるものといえるのか,統計的仮説検定が何をしているのか,これまでの推測統計学の知識を応用して考えていく。推測統計学で学ぶ概要をおおまかに理解し,現在学んでいることが,何のためにやっていることなのか,どのような段階にあるのかを意識できるようにしておくことが必要である。
④ 推測統計学の目的:推測統計学では,手元に得られたデータの元となる母集団の性質を推測することが目的となる。 例えば,松山市における人間環境大学の印象を知るために大街道で 100 名の通りすがる人に調査を実施したとする。そこで知りたいことは,調査を実施した 100 名がどう思っているかではなく, 松山に住むより多く人が,人間環境大学についてどのような印象を持っているか,というものにな る。こうした推測を可能にするのが,推測統計学である。推測統計学こそ,心理学で統計を用いる意義を持つものであるが,その理論は確率論とよばれる数学の分野に基づいたもので,抽象的な内 容にもなる。データを用いる心理学において,なぜ推測統計学が必要となるのか,その理由を理解しておく必要がある。
⑤ 推測統計の構造(母集団と標本):確率と確率変数:推測統計学では,手元に実際に得られたデータをまとめてサンプルや標本とよび,本来関心のある集団のことを母集団とよぶ。標本は,母集団から標本抽出を行なって得られるものであり,我々は母集団のデータを直接得ることができないため,標本のデータから母集団のデータを推測することになる。

心理学統計法 I では,確率変数を導入し,確率を考えることでデータの得られやすさを考えた。 心理学統計法 II では,実際のデータに対して,確率変数とみなしたものは,母集団から標本抽出によってたまたま得られた標本であり,確率変数の実現値であると考える。推測統計を理解するためには,手元に得られたデータはたまたま得られたものであるから,変動するものであり,絶対ではないことを理解する必要がある。

キーワード ① 記述統計学 ② 推測統計学 ③ 母集団 ④ サンプリング(標本抽出) ⑤ 統計的仮説検定
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。

【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

3 母集団と標本(1) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統 計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。

本科目全体の中で本コマは第 I 部の 2 週目に位置づけられる。第 I 部では,推測統計学について 学び,得られたデータはどうすると一般化できるのかを解説していく。第 I 部の 2 週目では,母集 団から標本を繰り返し取り出してきたときに,データがどのように変動しうるのかを表した標本分布について学び,標本分布から母集団を推測する営みについて取り扱う。

1. 馬場 真哉 (2015). 平均・分散から始める一般化線形モデル入門,
2. 清水 裕士 (2021). 心理学統計法 放送大学出版, pp.104–139.
コマ主題細目 ① 標本抽出による標本の変動 ② 標本統計量と標本分布(期待値と標準誤差) ③ 母集団分布が未知の場合に適用する確率モデル(正規分布) ④ 正規分布モデルにおける標本分布: 推定量と推定値
細目レベル ① 標本抽出による標本の変動:実際に得られたデータの集団のことを標本やサンプル (sample) と呼び,その背景にある実際に 関心のある集団のことを母集団 (population) と呼ぶ。そして,母集団から標本を抽出することを 標本抽出 (sampling) と呼ぶ。例えば,日本の大学生の精神的健康に関心があったときに,日本に いる大学生 250 万人以上を母集団として考え,数十人から数百人を抜き出して,つまり,それらの 人を対象にデータ収集することが標本抽出にあたる。このときに,誰を対象とするか,どのような タイミングであったかによって,標本の平均値や標準偏差が変わってしまうことは予測できるだろ う。として,この標本の要約統計量は,標本の大きさ (simple size) によっても影響を受ける。つ まり,同じ母集団であっても標本抽出を繰り返すことで,異なる要約統計量となってしまう。標本 のデータというものは,確率的な振る舞いをし,絶対的な値ではないことを理解する必要がある。
② 標本統計量と標本分布(標本平均):標本のデータから,平均値を計算したものを標本平均と呼び,標本のデータから計算された 分散のことを標本分散と呼ぶ。これらの標本から計算される統計量のことを標本統計量 (sample statistic) や統計量と呼ぶ。それに対して,母集団の平均のことを母平均,母集団の分散のことを 母分散と呼ぶ。こうした母集団の特徴を表す値のことを母数と呼ぶ。標本統計量は,標本抽出を繰 り返すたびに異なる値となる確率変数であるため,実際に得られた平均値などを標本統計量の実現 値と呼ぶ。標本抽出を繰り返すと,標本統計量の実現値についての確率分布が出来上がり,そのこ とを標本分布や標本抽出分布 (sampling distribution) と呼ぶ。標本サイズが 100 の標本平均についての標本分布を作成すると,母平均からのずれも小さくなることがわかる。そして,標本平均に ついても母平均と一致しないにしても近似することがわかる。こうした標本分布を知ることで,実 際には得られていない母集団についても推測を可能にするものが推測統計学であることを理解する 必要がある。
③ 母集団分布が未知の場合に適用する確率モデル(正規分布):標本抽出を行う母集団分布は未知である場合,標本抽出に何らかの確率分布を仮定する。これを 確率モデル (probabilistic model) や統計モデル (statistic model) と呼ぶ。確率モデルを仮定する ことで,実際に標本抽出を繰り返さずとも,標本分布がどのようになるのかを数学的に求めること が可能になる。こうして,実際には得ることのできない母集団の情報を推測していくことになる。 確率モデルとしてよく適用されるものに正規分布 (normal distribution) がある。正規分布は,左 右対称の釣鐘状の形状をしており,確率分布の位置を表す平均と,分布の広がりを表す分散の 2 つ のパラメタをもつ。正規分布がどのような形状をしているか,2 つのパラメタが何を意味している かを把握しておく必要がある。この確率モデルに基づいて,母平均を推定することを点推定とよぶ。また,95% の確率で一定の範囲内に母数が含まれる範囲のことを 95% 信頼区間 (confidence interval) と呼び,このような区間を推定することを区間推定と呼ぶ。母数について区間推定を行うことができれば,母数の特徴を一定の不確かさも含めたままで推定することができることになり,社会科学においては非常に有用である。
④ 正規分布モデルにおける標本分布: 推定量と推定値:
標本統計量を用いて母数を推定する際には,推定量 (estimator) を求める必要がある。しかし, 推定量は確率変数であり,実際に標本のデータを計算して得られるものは,推定量の具体値である 推定値 (estimate) となる。標本平均の標本分布の期待値は母数と一致するという性質をもつが, この性質を不偏性と呼ぶ。不偏性をもつ推定量のことを不偏推定量と呼ぶ。つまり,標本平均は不偏推定量となっている。それに対して,標本分散は,その期待値が母分散と一致せず,過小推定さ れてしまう。標本分散から母分散に対する不偏推定量を求めるためには,標本分散を求めるときの ように標本サイズで割らずに,標本サイズから 1 引いた値で割ることで求めることができる。このように求めた分散のことを不偏分散 (unbiased variance) と呼ぶ。自分が計算している統計量が, 記述統計量として標本の統計量を求めているのか,それとも母数を推定しようとしているのか,そ して,母数を推定する際には不偏性を持つ推定量を用いることができているのかを気にかける必要がある。

キーワード ① サンプル(標本) ② 標本分布 ③ 標本統計量 ④ 正規分布 ⑤ 不偏分散
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。

【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

4 母集団と標本(2) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統 計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。

本科目全体の中で本コマは第 I 部の 2 週目に位置づけられる。第 I 部では,推測統計学について 学び,得られたデータはどうすると一般化できるのかを解説していく。第 I 部の 2 週目では,母集 団から標本を繰り返し取り出してきたときに,データがどのように変動しうるのかを表した標本分布について学び,標本分布から母集団を推測する営みについて取り扱う。

1. 馬場 真哉 (2015). 平均・分散から始める一般化線形モデル入門,
2. 清水 裕士 (2021). 心理学統計法 放送大学出版, pp.104–139.
コマ主題細目 ① 標本抽出による標本の変動 ② 標本統計量と標本分布(期待値と標準誤差) ③ 母集団分布が未知の場合に適用する確率モデル(正規分布) ④ 正規分布モデルにおける標本分布: 推定量と推定値
細目レベル ① 標本抽出による標本の変動:実際に得られたデータの集団のことを標本やサンプル (sample) と呼び,その背景にある実際に 関心のある集団のことを母集団 (population) と呼ぶ。そして,母集団から標本を抽出することを 標本抽出 (sampling) と呼ぶ。例えば,日本の大学生の精神的健康に関心があったときに,日本に いる大学生 250 万人以上を母集団として考え,数十人から数百人を抜き出して,つまり,それらの 人を対象にデータ収集することが標本抽出にあたる。このときに,誰を対象とするか,どのような タイミングであったかによって,標本の平均値や標準偏差が変わってしまうことは予測できるだろ う。として,この標本の要約統計量は,標本の大きさ (simple size) によっても影響を受ける。つ まり,同じ母集団であっても標本抽出を繰り返すことで,異なる要約統計量となってしまう。標本 のデータというものは,確率的な振る舞いをし,絶対的な値ではないことを理解する必要がある。
② 標本統計量と標本分布(標本平均):標本のデータから,平均値を計算したものを標本平均と呼び,標本のデータから計算された 分散のことを標本分散と呼ぶ。これらの標本から計算される統計量のことを標本統計量 (sample statistic) や統計量と呼ぶ。それに対して,母集団の平均のことを母平均,母集団の分散のことを 母分散と呼ぶ。こうした母集団の特徴を表す値のことを母数と呼ぶ。標本統計量は,標本抽出を繰 り返すたびに異なる値となる確率変数であるため,実際に得られた平均値などを標本統計量の実現 値と呼ぶ。標本抽出を繰り返すと,標本統計量の実現値についての確率分布が出来上がり,そのこ とを標本分布や標本抽出分布 (sampling distribution) と呼ぶ。標本サイズが 100 の標本平均についての標本分布を作成すると,母平均からのずれも小さくなることがわかる。そして,標本平均に ついても母平均と一致しないにしても近似することがわかる。こうした標本分布を知ることで,実 際には得られていない母集団についても推測を可能にするものが推測統計学であることを理解する 必要がある。
③ 母集団分布が未知の場合に適用する確率モデル(正規分布):標本抽出を行う母集団分布は未知である場合,標本抽出に何らかの確率分布を仮定する。これを 確率モデル (probabilistic model) や統計モデル (statistic model) と呼ぶ。確率モデルを仮定する ことで,実際に標本抽出を繰り返さずとも,標本分布がどのようになるのかを数学的に求めること が可能になる。こうして,実際には得ることのできない母集団の情報を推測していくことになる。 確率モデルとしてよく適用されるものに正規分布 (normal distribution) がある。正規分布は,左 右対称の釣鐘状の形状をしており,確率分布の位置を表す平均と,分布の広がりを表す分散の 2 つ のパラメタをもつ。正規分布がどのような形状をしているか,2 つのパラメタが何を意味している かを把握しておく必要がある。この確率モデルに基づいて,母平均を推定することを点推定とよぶ。また,95% の確率で一定の範囲内に母数が含まれる範囲のことを 95% 信頼区間 (confidence interval) と呼び,このような区間を推定することを区間推定と呼ぶ。母数について区間推定を行うことができれば,母数の特徴を一定の不確かさも含めたままで推定することができることになり,社会科学においては非常に有用である。
④ 正規分布モデルにおける標本分布: 推定量と推定値:
標本統計量を用いて母数を推定する際には,推定量 (estimator) を求める必要がある。しかし, 推定量は確率変数であり,実際に標本のデータを計算して得られるものは,推定量の具体値である 推定値 (estimate) となる。標本平均の標本分布の期待値は母数と一致するという性質をもつが, この性質を不偏性と呼ぶ。不偏性をもつ推定量のことを不偏推定量と呼ぶ。つまり,標本平均は不偏推定量となっている。それに対して,標本分散は,その期待値が母分散と一致せず,過小推定さ れてしまう。標本分散から母分散に対する不偏推定量を求めるためには,標本分散を求めるときの ように標本サイズで割らずに,標本サイズから 1 引いた値で割ることで求めることができる。このように求めた分散のことを不偏分散 (unbiased variance) と呼ぶ。自分が計算している統計量が, 記述統計量として標本の統計量を求めているのか,それとも母数を推定しようとしているのか,そ して,母数を推定する際には不偏性を持つ推定量を用いることができているのかを気にかける必要がある。

キーワード ① サンプル(標本) ② 標本分布 ③ 標本統計量 ④ 正規分布 ⑤ 不偏分散
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

5 正規分布以外の確率モデルと意味(1) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化について学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。

本科目全体の中で,本コマは第 I 部の 3 週目に位置付けられる。第 I 部では,推測統計の概要について触れ,どのように母集団を推定するのかを学ぶ。本コマでは,正規分布の利便性を確認した上で,正規分布を直接用いることができない場合や,正規分布に関連したパラメタの推定に関する 分布の特徴を確認していく。確率モデル自体を理解することは高度な数学的知識を要求されることになるが,本コマでは,そうした確率モデルの数学的な挙動の理解を目指すというよりも,それぞれの確率モデルがなぜ必要とされるのか,どのような場面で必要されるのかの理解を目指し,紹介 していく。本コマの内容は,第 I 部の 4 週目に学ぶ統計的仮説検定を理解するために必要な内容として位置付けられる。

1. 皆本 晃弥 (2015). すっきりわかる確率統計—定理のくわしい証明つき— 近代科学社, pp.173–200.(コマ主題細目○1 , ○2 , ○3 )
2. 清水 裕士 (2021). 心理学統計法 放送大学出版, 135–149.
3. 馬場 真哉 (2015). 平均・分散から始める一般化線形モデル入門 プレアデス出版, 204–215.
コマ主題細目 ① 正規分布以外のよく使う確率モデル 1:t 分布 ② 正規分布以外のよく使う確率モデル 2:χ2 分布 ③ 正規分布以外のよく使う確率モデル 3:F 分布
細目レベル ① 正規分布以外のよく使う確率モデル 1:t 分布:母集団分布や標本抽出分布に対する確率モデルに,正規分布が適用できると母集団の特徴は推定 しやすくなるが,母集団に関して,母平均や母分散がわかっている場合は少ない。母平均について は,標本分布の期待値を用いることで望ましい推定量を推定できるが,分散についてはバイアスを 受けることがわかっている。母分散がわかっている場合であっても,標本抽出によってバイアスを 受けることから,不偏分散を用いるを紹介した。母分散に関する情報がない場合,正規分布のときよりも分散を大きく推定する t 分布を用いることで,標本分布についてより精度の高い情報を得る ことができる。t 分布は第 4 週の授業で紹介する統計的仮説検定でも使用されることの多い分布である。t 分布や t 分布から求められた t 値をみた時に,これは標準正規分布に似た,そして標準正規分布よりも裾の広い分布から求められたものであること,そして,分散が未知の場合に用いる分布であることを理解する必要がある。
② 正規分布以外のよく使う確率モデル 2:χ2 分布:χ2 分布 (かいにじょうぶんぷ・かいじじょうぶんぷ) は,標準正規分布にしたがう確率変数を 2 乗したものを合計した値の標本分布である。2乗するという処理は,分散や共分散,χ2 値の計算 など多くの統計量の計算に用いられている。χ2 分布を用いると,分散が従う標本分布を表すこと が可能となる。不偏分散の標本分布の推定には欠かせない分布となっている。χ2 分布のパラメタ は,自由度のみであり,自由度によって,さまざまな形をとる。例えば,自由度が 1 であれば,指 数関数のような形をとり,自由度を大きくしていくと分布の形は正規分布の形に近づいていくとい う性質がある。χ2 分布は,クロス集計表の χ2 値や分散という統計量でみてきたように,ある基準からのずれの大きさを評価する際に用いることが多いことを覚えておく必要がある。
③ 正規分布以外のよく使う確率モデル 3:F 分布:F 分布は,正規分布に従う確率変数から計算された分散の比の確率分布である。つまり,分散を 比較したいときに用いる分布であるといえる。分散の比をとる統計量として,これまでに学んだも のとしては,回帰分析における分散説明率がある。分散説明率は,目的変数の偏差 2 乗和と残差の偏差 2 乗和の比をとったもの,つまり,これら 2 つの分散を比較したものであった。このような統 計量の母集団について考えるときに必要となる確率モデルが F 分布であるという点を理解しておく必要がある。また,正規分布を出発点として,母分散について考える χ2 分布があり,2 つの分 散について母集団の比較,つまり,2 つの χ2 分布を比較しているものが,F 分布となっているというイメージを持ち,分布同士を関連づけられるようにしておこう。
キーワード ① 確率モデル ② t分布 ③ χ2分布 ④ F分布
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。

【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

6 正規分布以外の確率モデルと意味(2) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化について学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。

本科目全体の中で,本コマは第 I 部の 3 週目に位置付けられる。第 I 部では,推測統計の概要について触れ,どのように母集団を推定するのかを学ぶ。本コマでは,正規分布の利便性を確認した上で,正規分布を直接用いることができない場合や,正規分布に関連したパラメタの推定に関する 分布の特徴を確認していく。確率モデル自体を理解することは高度な数学的知識を要求されることになるが,本コマでは,そうした確率モデルの数学的な挙動の理解を目指すというよりも,それぞれの確率モデルがなぜ必要とされるのか,どのような場面で必要されるのかの理解を目指し,紹介 していく。本コマの内容は,第 I 部の 4 週目に学ぶ統計的仮説検定を理解するために必要な内容として位置付けられる。

1. 皆本 晃弥 (2015). すっきりわかる確率統計—定理のくわしい証明つき— 近代科学社, pp.173–200.(コマ主題細目○1 , ○2 , ○3 )
2. 清水 裕士 (2021). 心理学統計法 放送大学出版, 135–149.
3. 馬場 真哉 (2015). 平均・分散から始める一般化線形モデル入門 プレアデス出版, 204–215.
コマ主題細目 ① 正規分布以外のよく使う確率モデル 1:t 分布 ② 正規分布以外のよく使う確率モデル 2:χ2 分布 ③ 正規分布以外のよく使う確率モデル 3:F 分布
細目レベル ① 正規分布以外のよく使う確率モデル 1:t 分布:母集団分布や標本抽出分布に対する確率モデルに,正規分布が適用できると母集団の特徴は推定 しやすくなるが,母集団に関して,母平均や母分散がわかっている場合は少ない。母平均について は,標本分布の期待値を用いることで望ましい推定量を推定できるが,分散についてはバイアスを 受けることがわかっている。母分散がわかっている場合であっても,標本抽出によってバイアスを 受けることから,不偏分散を用いるを紹介した。母分散に関する情報がない場合,正規分布のときよりも分散を大きく推定する t 分布を用いることで,標本分布についてより精度の高い情報を得る ことができる。t 分布は第 4 週の授業で紹介する統計的仮説検定でも使用されることの多い分布である。t 分布や t 分布から求められた t 値をみた時に,これは標準正規分布に似た,そして標準正規分布よりも裾の広い分布から求められたものであること,そして,分散が未知の場合に用いる分布であることを理解する必要がある。
② 正規分布以外のよく使う確率モデル 2:χ2 分布:χ2 分布 (かいにじょうぶんぷ・かいじじょうぶんぷ) は,標準正規分布にしたがう確率変数を 2 乗したものを合計した値の標本分布である。2乗するという処理は,分散や共分散,χ2 値の計算 など多くの統計量の計算に用いられている。χ2 分布を用いると,分散が従う標本分布を表すこと が可能となる。不偏分散の標本分布の推定には欠かせない分布となっている。χ2 分布のパラメタ は,自由度のみであり,自由度によって,さまざまな形をとる。例えば,自由度が 1 であれば,指 数関数のような形をとり,自由度を大きくしていくと分布の形は正規分布の形に近づいていくとい う性質がある。χ2 分布は,クロス集計表の χ2 値や分散という統計量でみてきたように,ある基準からのずれの大きさを評価する際に用いることが多いことを覚えておく必要がある。
③ 正規分布以外のよく使う確率モデル 3:F 分布:F 分布は,正規分布に従う確率変数から計算された分散の比の確率分布である。つまり,分散を 比較したいときに用いる分布であるといえる。分散の比をとる統計量として,これまでに学んだも のとしては,回帰分析における分散説明率がある。分散説明率は,目的変数の偏差 2 乗和と残差の偏差 2 乗和の比をとったもの,つまり,これら 2 つの分散を比較したものであった。このような統 計量の母集団について考えるときに必要となる確率モデルが F 分布であるという点を理解しておく必要がある。また,正規分布を出発点として,母分散について考える χ2 分布があり,2 つの分 散について母集団の比較,つまり,2 つの χ2 分布を比較しているものが,F 分布となっているというイメージを持ち,分布同士を関連づけられるようにしておこう。
キーワード ① 確率モデル ② t分布 ③ χ2分布 ④ F分布
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

7 統計的仮説検定(1) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統 計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以 上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も 含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。

本科目全体の中で,本コマは第 I 部の 4 週目に位置付けられる。第 I 部では,推測統計の概要について触れ,どのように母集団を推定するのかを学ぶ。本コマでは,統計的仮説検定という意思決定の方法を学ぶ。統計的仮設検定の背景には,これまでに学んできた母集団の特徴を推測するための標本分布を応用することになる。

1. 清水 裕士 (2021). 心理学統計法 放送大学出版, pp.23–37. (コマ主題細目○1 , ○2 , ○3 )
2. 山田 剛史・村井 潤一郎 (2004). よくわかる心理統計 ミネルヴァ書房, pp.18–29. (コマ主
題細目○1 , ○2 , ○3 )
コマ主題細目 ① 統計的仮説検定の概要 ② 統計的仮説検定の手順 ③ 統計的仮説検定と検出力 ④ 統計的仮説 検定の実際の手順
細目レベル ① 統計的仮説検定の概要:統計的仮説検定とは,手元に得られたデータから母集団を考えたときに,関連があるといえるの か,効果があるといえるのかなどについて,統計的に検討する方法である。前回までは,標本の データからどのような確率モデルを適用することで標本分布を通して母集団の特徴を推定する方法 を紹介してきた。そして,こうして求められた推定量がどのくらいずれうるのか,標本分布の分布 の標準偏差を標準誤差 (standard error) として紹介した。それに対して,統計的仮説検定では,こうして求められた推定量が,意味のある数値であるといえるのか否かについて,2 値的な判断をする意思決定の問題に落とし込む。特に,意味や効果がないと考えられる帰無仮説を立てて,この帰無仮説が成立しそうかを確かめることを通じて,帰無仮説が正しくなさそうである,つまり,帰無仮説を棄却することによって,間接的に,意味や効果のあると考えられる対立仮説が正しいと考える点に特徴がある。
② 統計的仮説検定の手順:統計的仮説検定の手順を確認する。まず最初に,主張したい対立仮説と対立仮説を否定する帰無 仮説を設定する。例えば,身長と体重は関連するというものや身長と体重の相関係数は 0 とはいえ ないというものが対立仮説となり,身長と体重は関連しない,身長と体重の相関係数は 0 である, というものが帰無仮説となる。なお,帰無仮説として関連がある,対立仮説として関連しないとい う設定はできないことに留意する必要がある。次に,帰無仮説が成立するという仮定のもとでの標 本分布を考える。相関係数であれば,母相関係数の期待値が 0 となるという t 分布のもとで,標本の相関係数の推定値は,得られた標本の大きさであれば,どの程度の確率で生じうるかを求める。 ここで求められた確率である p 値が 5% 未満であれば,帰無仮説を棄却し,対立仮説を採択する。 身長と体重の関連の例であれば,身長と体重は関連しないという帰無仮説が棄却され,身長と体重 は関連するという対立仮説を採択する,もしくは,身長と体重の相関係数は 0 であるという帰無仮説を棄却し,身長と体重の相関係数は 0 とはいえないという対立仮説を採択することになる。対立仮説を採択する場合に「統計的に有意である」と表現する。
③ 統計的仮説検定と検出力:統計的仮説検定では,帰無仮説が正しいという統計モデルのもとで,得られた標本の統計量がど の程度の確率で得られるかを計算する。そして,標本の統計量が得られる確率が 5% 未満である, つまり,滅多に生じないのであれば,帰無仮説を棄却する。しかし,滅多に生じないということは, まれに生じることもある,つまり,帰無仮説が正しい可能性もありうるということである。統計的仮説検定では,こうした可能性のことを危険率と呼ぶ。危険率は,帰無仮説が正しいにもかか わらず棄却して対立仮説を採択してしまう第 1 種の誤りとも呼ばれる。そして,帰無仮説が正しく ないにもかかわらず採択してしまう確率のことを第 2 種の誤りと呼ぶ。なお,1 から第 2 種の誤りの確率を引いた確率,つまり,帰無仮説が正しくないときに,正しく帰無仮説を棄却できる確率の ことを検定力と呼ぶ。危険率を一定以下 (多くの場合,5%) に保った状態で,検定力を一定以上に保つことが研究では求められる。
④ 統計的仮説検定の実際の手順:回帰分析を例に,統計的仮説検定の実際の手順を確認していく。回帰分析では,切片,回帰係数,分散説明率の 3 種類について統計的仮説検定が行われる。帰無仮説は,いずれの統計量も 0 で ある,というものになり,対立仮説は 0 とはいえない,というものになる。回帰係数と切片の帰無 仮説は,期待値が 0 で,分散はわからないので,t 分布を用いて算出される t 値が有意が否かを検 討する。回帰係数の場合,t 値が有意であれば,説明変数による目的変数の変化は意味のあるものとして解釈できる。また,分散説明率は,目的変数の偏差 2 乗和と残差の偏差 2 乗和を比較して求 められる値であることから F 分布を用いて算出される F 値が有意か否かを検討する。F 値が有意 であれば,分散説明率は意味のある値であり,目的変数の値は説明変数によって説明できるものとなっていると解釈できる。
キーワード ① 統計的仮説検定 ② 標準誤差 ③ 帰無仮説 ④ p値 ⑤ 検出力
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

8 統計的仮説検定(2) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統 計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以 上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も 含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。

本科目全体の中で,本コマは第 I 部の 4 週目に位置付けられる。第 I 部では,推測統計の概要について触れ,どのように母集団を推定するのかを学ぶ。本コマでは,統計的仮説検定という意思決定の方法を学ぶ。統計的仮設検定の背景には,これまでに学んできた母集団の特徴を推測するための標本分布を応用することになる。

1. 清水 裕士 (2021). 心理学統計法 放送大学出版, pp.23–37. (コマ主題細目○1 , ○2 , ○3 )
2. 山田 剛史・村井 潤一郎 (2004). よくわかる心理統計 ミネルヴァ書房, pp.18–29. (コマ主
題細目○1 , ○2 , ○3 )
コマ主題細目 ① 統計的仮説検定の概要 ② 統計的仮説検定の手順 ③ 統計的仮説検定と検出力 ④ 統計的仮説 検定の実際の手順
細目レベル ① 統計的仮説検定の概要:統計的仮説検定とは,手元に得られたデータから母集団を考えたときに,関連があるといえるの か,効果があるといえるのかなどについて,統計的に検討する方法である。前回までは,標本の データからどのような確率モデルを適用することで標本分布を通して母集団の特徴を推定する方法 を紹介してきた。そして,こうして求められた推定量がどのくらいずれうるのか,標本分布の分布 の標準偏差を標準誤差 (standard error) として紹介した。それに対して,統計的仮説検定では,こうして求められた推定量が,意味のある数値であるといえるのか否かについて,2 値的な判断をする意思決定の問題に落とし込む。特に,意味や効果がないと考えられる帰無仮説を立てて,この帰無仮説が成立しそうかを確かめることを通じて,帰無仮説が正しくなさそうである,つまり,帰無仮説を棄却することによって,間接的に,意味や効果のあると考えられる対立仮説が正しいと考える点に特徴がある。
② 統計的仮説検定の手順:統計的仮説検定の手順を確認する。まず最初に,主張したい対立仮説と対立仮説を否定する帰無 仮説を設定する。例えば,身長と体重は関連するというものや身長と体重の相関係数は 0 とはいえ ないというものが対立仮説となり,身長と体重は関連しない,身長と体重の相関係数は 0 である, というものが帰無仮説となる。なお,帰無仮説として関連がある,対立仮説として関連しないとい う設定はできないことに留意する必要がある。次に,帰無仮説が成立するという仮定のもとでの標 本分布を考える。相関係数であれば,母相関係数の期待値が 0 となるという t 分布のもとで,標本の相関係数の推定値は,得られた標本の大きさであれば,どの程度の確率で生じうるかを求める。 ここで求められた確率である p 値が 5% 未満であれば,帰無仮説を棄却し,対立仮説を採択する。 身長と体重の関連の例であれば,身長と体重は関連しないという帰無仮説が棄却され,身長と体重 は関連するという対立仮説を採択する,もしくは,身長と体重の相関係数は 0 であるという帰無仮説を棄却し,身長と体重の相関係数は 0 とはいえないという対立仮説を採択することになる。対立仮説を採択する場合に「統計的に有意である」と表現する。
③ 統計的仮説検定と検出力:統計的仮説検定では,帰無仮説が正しいという統計モデルのもとで,得られた標本の統計量がど の程度の確率で得られるかを計算する。そして,標本の統計量が得られる確率が 5% 未満である, つまり,滅多に生じないのであれば,帰無仮説を棄却する。しかし,滅多に生じないということは, まれに生じることもある,つまり,帰無仮説が正しい可能性もありうるということである。統計的仮説検定では,こうした可能性のことを危険率と呼ぶ。危険率は,帰無仮説が正しいにもかか わらず棄却して対立仮説を採択してしまう第 1 種の誤りとも呼ばれる。そして,帰無仮説が正しく ないにもかかわらず採択してしまう確率のことを第 2 種の誤りと呼ぶ。なお,1 から第 2 種の誤りの確率を引いた確率,つまり,帰無仮説が正しくないときに,正しく帰無仮説を棄却できる確率の ことを検定力と呼ぶ。危険率を一定以下 (多くの場合,5%) に保った状態で,検定力を一定以上に保つことが研究では求められる。
④ 統計的仮説検定の実際の手順:回帰分析を例に,統計的仮説検定の実際の手順を確認していく。回帰分析では,切片,回帰係数,分散説明率の 3 種類について統計的仮説検定が行われる。帰無仮説は,いずれの統計量も 0 で ある,というものになり,対立仮説は 0 とはいえない,というものになる。回帰係数と切片の帰無 仮説は,期待値が 0 で,分散はわからないので,t 分布を用いて算出される t 値が有意が否かを検 討する。回帰係数の場合,t 値が有意であれば,説明変数による目的変数の変化は意味のあるものとして解釈できる。また,分散説明率は,目的変数の偏差 2 乗和と残差の偏差 2 乗和を比較して求 められる値であることから F 分布を用いて算出される F 値が有意か否かを検討する。F 値が有意 であれば,分散説明率は意味のある値であり,目的変数の値は説明変数によって説明できるものとなっていると解釈できる。
キーワード ① 統計的仮説検定 ② 標準誤差 ③ 帰無仮説 ④ p値 ⑤ 検出力
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

9 復習コマ I—推測統計学の営み—(1) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化について学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以 上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。

本科目全体の中で,本コマは第 I 部の 5 週目に位置付けられる。第 I 部では,推測統計の概要について触れ,どのように母集団を推定するのかを学ぶ。本コマは第 I 部の 5 コマ目に位置付けられ る。本コマでは,第 I 部の内容について復習する。

1. 清水 裕士 (2021). 心理学統計法 放送大学出版, pp.23–37. (コマ主題細目○1 , ○2 , ○3 )
2. 山田 剛史・村井 潤一郎 (2004). よくわかる心理統計 ミネルヴァ書房, pp.18–29. (コマ主
題細目○1 , ○2 , ○3 )
コマ主題細目 ① 推測統計学の目的 ② 標本と母集団 ③ 確率モデルによる母集団の推測 ④ 統計的仮説検定
細目レベル ① 推測統計学の目的:推測統計学では,手元に得られたデータの元となる母集団の性質を推測することが目的となる。 心理学統計法 I で学んできた記述統計学は,手元に得られたデータの要約や可視化が目的であっ た。要約されたデータはあくまで手元に偶然得られたデータの特徴を示したものであり,もう一度 データを取得としたときに同じデータが得られるわけではない。もう一度データを得たときにどの ようにデータが得られるのか,手元のデータは再現されるものなのかといったことを検討するのが 推測統計学である。

推測統計学こそ,心理学で統計を用いる意義を持つものであるが,その理論は確率論とよばれる数学の分野に基づいたもので,抽象的な内容にもなる。データを用いる心理学において,なぜ推測統計学が必要となるのか,その理由を理解しておく必要がある。

② 標本と母集団:推測統計学において,手元に得られたデータのことを標本と呼び,データが得られていない対象も含めた関心のある集団のことを母集団と呼ぶ。推測統計学では,標本から母集団を推測しようとするため,標本と母集団を区別して考えることが重要である。標本は母集団からランダムに抽出された結果得られた,つまり,確率的に得られたものと考えることで,母集団の推測が可能となる。

記述統計学で行っていたデータの要約は可視化は,標本について行っていたものであり,平均や分散といった指標は,標本平均や標本分散と呼ばれる。それに対して,母集団の平均や分散は,母平均や母分散と呼ばれる。標本は母集団からランダムに抽出されるものであるので,標本抽出をくり返すことで,母平均や母分散の推定が可能となる。また,標本サイズが大きくなれば,母集団から多くのデータを抽出することになるので,母集団の特徴をより反映したものとなる。

③ 確率モデルによる母集団の推測: 標本から母集団を推測する際,実際に標本抽出をくり返すことができれば,母集団の推測をすることは可能になるが,実際には標本抽出を十分に繰り返すことはできないことが多い。

そこで,標本抽出に対して確率モデルを適用することで,母集団を推測していくことになる。よ く使われる確率モデルには正規分布があり,正規分布は平均と分散の 2 つのパラメタにより特徴づけられる。母集団の平均と分散が明らかな場合には,正規分布を適用することにより,母集団の特徴を推測することが可能となる。

母集団の分散がわからない場合や,標本のサイズが小さいとき,正規分布の代わりに t 分布が用いられることが多い。また,偏差や残差の2乗和を扱える確率分布として χ2 分布があり,2 つの残差を比較したいときには F 分布が用いられる。これらは回帰分布でも使用されているため,どのような統計量を対象した確率モデルなのかを理解しておく必要がある。

④ 統計的仮説検定: 統計的仮説検定とは,手元に得られたデータから母集団を考えたときに,関連があるといえるのか,効果があるといえるのかなどについて,統計的に検討する方法である。

統計的仮設検定では,まず,主張したい対立仮説と対立仮説を否定する帰無仮説を設定する。次に,帰無仮説が成立するという仮定のもとでの標本分布を考える。ここで求められた検定統計量の 得られる確率,つまり,p値が 5% 未満であれば,帰無仮説を棄却し,対立仮説を採択する。対立 仮説を採択する場合に「統計的に有意である」と表現する。帰無仮説が棄却できなかった場合,積 極的に帰無仮説を支持することにはならないことに留意する必要がある。

また,統計的仮説検定では,確率的な観点から対立仮説を採択しているため,一定の確率で誤った判断をすることにもなる。誤って対立仮説を採択してしまうことを危険率や第1種の誤りと呼び,誤って帰無仮説を採択してしまうことを第2種の誤りと呼ぶ,第2種の誤りを一定の確率に抑えようする確率のことを検出力や検定力と呼ぶ。

キーワード ① 推測統計学 ② 母集団と標本 ③ 標本抽出 ④ 確率モデル ⑤ 統計的仮説検定
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

10 復習コマ I—推測統計学の営み—(2) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化について学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以 上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。

本科目全体の中で,本コマは第 I 部の 5 週目に位置付けられる。第 I 部では,推測統計の概要について触れ,どのように母集団を推定するのかを学ぶ。本コマは第 I 部の 5 コマ目に位置付けられ る。本コマでは,第 I 部の内容について復習する。

1. 清水 裕士 (2021). 心理学統計法 放送大学出版, pp.23–37. (コマ主題細目○1 , ○2 , ○3 )
2. 山田 剛史・村井 潤一郎 (2004). よくわかる心理統計 ミネルヴァ書房, pp.18–29. (コマ主
題細目○1 , ○2 , ○3 )
コマ主題細目 ① 推測統計学の目的 ② 標本と母集団 ③ 確率モデルによる母集団の推測 ④ 統計的仮説検定
細目レベル ① 推測統計学の目的:推測統計学では,手元に得られたデータの元となる母集団の性質を推測することが目的となる。 心理学統計法 I で学んできた記述統計学は,手元に得られたデータの要約や可視化が目的であっ た。要約されたデータはあくまで手元に偶然得られたデータの特徴を示したものであり,もう一度 データを取得としたときに同じデータが得られるわけではない。もう一度データを得たときにどの ようにデータが得られるのか,手元のデータは再現されるものなのかといったことを検討するのが 推測統計学である。

推測統計学こそ,心理学で統計を用いる意義を持つものであるが,その理論は確率論とよばれる数学の分野に基づいたもので,抽象的な内容にもなる。データを用いる心理学において,なぜ推測統計学が必要となるのか,その理由を理解しておく必要がある。

② 標本と母集団:推測統計学において,手元に得られたデータのことを標本と呼び,データが得られていない対象も含めた関心のある集団のことを母集団と呼ぶ。推測統計学では,標本から母集団を推測しようとするため,標本と母集団を区別して考えることが重要である。標本は母集団からランダムに抽出された結果得られた,つまり,確率的に得られたものと考えることで,母集団の推測が可能となる。

記述統計学で行っていたデータの要約は可視化は,標本について行っていたものであり,平均や分散といった指標は,標本平均や標本分散と呼ばれる。それに対して,母集団の平均や分散は,母平均や母分散と呼ばれる。標本は母集団からランダムに抽出されるものであるので,標本抽出をくり返すことで,母平均や母分散の推定が可能となる。また,標本サイズが大きくなれば,母集団から多くのデータを抽出することになるので,母集団の特徴をより反映したものとなる。

③ 確率モデルによる母集団の推測: 標本から母集団を推測する際,実際に標本抽出をくり返すことができれば,母集団の推測をすることは可能になるが,実際には標本抽出を十分に繰り返すことはできないことが多い。

そこで,標本抽出に対して確率モデルを適用することで,母集団を推測していくことになる。よ く使われる確率モデルには正規分布があり,正規分布は平均と分散の 2 つのパラメタにより特徴づけられる。母集団の平均と分散が明らかな場合には,正規分布を適用することにより,母集団の特徴を推測することが可能となる。

母集団の分散がわからない場合や,標本のサイズが小さいとき,正規分布の代わりに t 分布が用いられることが多い。また,偏差や残差の2乗和を扱える確率分布として χ2 分布があり,2 つの残差を比較したいときには F 分布が用いられる。これらは回帰分布でも使用されているため,どのような統計量を対象した確率モデルなのかを理解しておく必要がある。

④ 統計的仮説検定: 統計的仮説検定とは,手元に得られたデータから母集団を考えたときに,関連があるといえるのか,効果があるといえるのかなどについて,統計的に検討する方法である。

統計的仮設検定では,まず,主張したい対立仮説と対立仮説を否定する帰無仮説を設定する。次に,帰無仮説が成立するという仮定のもとでの標本分布を考える。ここで求められた検定統計量の 得られる確率,つまり,p値が 5% 未満であれば,帰無仮説を棄却し,対立仮説を採択する。対立 仮説を採択する場合に「統計的に有意である」と表現する。帰無仮説が棄却できなかった場合,積 極的に帰無仮説を支持することにはならないことに留意する必要がある。

また,統計的仮説検定では,確率的な観点から対立仮説を採択しているため,一定の確率で誤った判断をすることにもなる。誤って対立仮説を採択してしまうことを危険率や第1種の誤りと呼び,誤って帰無仮説を採択してしまうことを第2種の誤りと呼ぶ,第2種の誤りを一定の確率に抑えようする確率のことを検出力や検定力と呼ぶ。

キーワード ① 推測統計学 ② 母集団と標本 ③ 標本抽出 ④ 確率モデル ⑤ 統計的仮説検定
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

11 相関係数と単回帰分析の統計的仮説検定(1) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統 計量の意味を理解することを目指す。
本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以 上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。
本科目全体の中で,本コマは第 II 部の 1 コマ目に位置付けられる。第 II 部では,変数間の関連の検討方法について学び,主に 3 変数以上の関連について検討する重回帰分析について取り扱う。 本コマは第 II 部の 1 コマ目に位置付けられる。本コマでは,「心理学統計法 I」で学習した相関係数や回帰分析について復習しながら,これらの分析における統計的仮説検定について取り扱う。

1. 南風原 朝和 (2002). 心理統計学の基礎—統合的理解のために— pp.191–222. (コマ主題細 目 ○1 , ○2 , ○3 )
2. 清水 裕士 (2021). 心理学統計法 放送大学出版, pp.150–162. (コマ主題細目○1 , ○2 , ○3 )
コマ主題細目 ① 相関係数の復習 ② 相関係数の統計的仮説検定 ③ 単回帰分析の復習 ④ 単回帰分析の統計的仮説検定
細目レベル ① 相関係数の復習:相関係数は 2 つの変数の直線的な関連性を数値化した統計量である。相関係数は,共分散を 2 つ の標準偏差の積によって割ることによって求められる。共分散の理論的な最大値は,2 つの標準偏 差の積であることから,相関係数は,共分散の理論的な最大値に対して,実際の共分散がどのくら いの割合で一致しているか,という指標でもあるといえる。まったく関連がない場合は相関係数は 0 に近づき,片方の変数が大きくなるともう一方の変数も大きくなる関係にあると相関係数は正の値をとり,片方の変数が大きくなるともう一方の変数は小さくなる関係にあると相関係数は負の値をとるという性質がある。相関係数や共分散について,散布図を書いて相関係数をグラフィカルに 理解できるようにしておく必要がある。
② 相関係数の統計的仮説検定:母集団の相関係数に考える場合,手元に得られたデータで計算された相関係数は標本の相関係数 ということになる。母集団の相関係数について考える場合,大きく 2 つの方法がある。1 つは,標本の相関係数から母集団の相関係数を 95% 信頼区間などによって区間推定する方法である。もう 1 つは,統計的仮説検定を用いる方法であり,標本の相関係数が,母集団の相関係数が 0 と仮定し た場合に滅多に得られない値となっているかを検討し,滅多に得られないと考えられるのであれ ば,今回得られた相関係数は 0 であるとはいえないと判断する。この時に仮定して用いられるのはほとんどの場合,t 分布であり,t 値によって相関係数の有意性を判断することになる。t 分布の形は,自由度によって影響を受ける。自由度は標本の大きさから計算されるものであり,自由度を大きくしていくと t 分布は正規分布の形に近づく。相関係数についての統計的仮説検定を行った結果について,解釈できるようにする必要がある。
③ 単回帰分析の復習:単回帰分析は,相関係数と同様に,2 つの変数の直線的な関連を検討する分析である。相関係数とは異なる点としては,説明変数と呼ばれる変数が 1 変わることで,従属変数と呼ばれる変数がい くつ変動するかを,回帰式によって予測させるような形で,2 つの変数の関連を関連を示す。この 説明変数の変化に伴う従属変数の変化の大きさに関する指標を,回帰係数とよぶ。回帰係数が 0 の ときに,従属変数がいくつとなるのか,つまり,説明変数によって平均的に説明できない要素は, 切片と呼ばれる。また,従属変数の変化を説明変数によって予測する回帰式が,どの程度データに あてはまっているのかを,分散説明率によって考慮できるようになる。分散説明率は,従属変数の 偏差 2 乗和と残差の偏差 2 乗和の割合をもとに計算できる。単回帰分析については,このコマシラバスに書かれた内容を読んだときに,それぞれの指標がどのようなものか,散布図と回帰式はどのように描けるのかをイメージできるようにしておく必要がある。
④ 単回帰分析の統計的仮説検定:単回帰分析では,切片,回帰係数,分散説明率の 3 つの統計量が推定される。相関係数の時と同様に,手元に得られたデータから母集団の統計量について考えていく。相関係数のときと同様に, 回帰係数などの信頼区間を推定していく場合と,各統計量について統計的仮説検定を行っていく場 合がある。今回は,統計的仮説検定による方法を概説していく。心理学統計法 II の第 4 週に扱っ た細目レベル④の統計的仮説検定の実際の手順で紹介したように,回帰係数や切片については t 分布を仮定することが多い。実際には正規分布でも推定は可能であるが,心理学で扱う小さな標本の 大きさであることを考慮すると t 分布を用いた方が望ましい推定が可能となる。分散説明率については,F 分布を用いる。それぞれの統計量について,帰無仮説と対立仮説がどのようになるのか, 具体的には単回帰分析の結果をどのように解釈できるのかを理解しておく必要がある。
キーワード ① 相関係数の有意性 ② 回帰係数の有意性 ③ 分散説明率の有意性 ④ t分布 ⑤ F分布
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

12 相関係数と単回帰分析の統計的仮説検定(2) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統 計量の意味を理解することを目指す。
本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以 上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。
本科目全体の中で,本コマは第 II 部の 1 コマ目に位置付けられる。第 II 部では,変数間の関連の検討方法について学び,主に 3 変数以上の関連について検討する重回帰分析について取り扱う。 本コマは第 II 部の 1 コマ目に位置付けられる。本コマでは,「心理学統計法 I」で学習した相関係数や回帰分析について復習しながら,これらの分析における統計的仮説検定について取り扱う。

1. 南風原 朝和 (2002). 心理統計学の基礎—統合的理解のために— pp.191–222. (コマ主題細 目 ○1 , ○2 , ○3 )
2. 清水 裕士 (2021). 心理学統計法 放送大学出版, pp.150–162. (コマ主題細目○1 , ○2 , ○3 )
コマ主題細目 ① 相関係数の復習 ② 相関係数の統計的仮説検定 ③ 単回帰分析の復習 ④ 単回帰分析の統計的仮説検定
細目レベル ① 相関係数の復習:相関係数は 2 つの変数の直線的な関連性を数値化した統計量である。相関係数は,共分散を 2 つ の標準偏差の積によって割ることによって求められる。共分散の理論的な最大値は,2 つの標準偏 差の積であることから,相関係数は,共分散の理論的な最大値に対して,実際の共分散がどのくら いの割合で一致しているか,という指標でもあるといえる。まったく関連がない場合は相関係数は 0 に近づき,片方の変数が大きくなるともう一方の変数も大きくなる関係にあると相関係数は正の値をとり,片方の変数が大きくなるともう一方の変数は小さくなる関係にあると相関係数は負の値をとるという性質がある。相関係数や共分散について,散布図を書いて相関係数をグラフィカルに 理解できるようにしておく必要がある。
② 相関係数の統計的仮説検定:母集団の相関係数に考える場合,手元に得られたデータで計算された相関係数は標本の相関係数 ということになる。母集団の相関係数について考える場合,大きく 2 つの方法がある。1 つは,標本の相関係数から母集団の相関係数を 95% 信頼区間などによって区間推定する方法である。もう 1 つは,統計的仮説検定を用いる方法であり,標本の相関係数が,母集団の相関係数が 0 と仮定し た場合に滅多に得られない値となっているかを検討し,滅多に得られないと考えられるのであれ ば,今回得られた相関係数は 0 であるとはいえないと判断する。この時に仮定して用いられるのはほとんどの場合,t 分布であり,t 値によって相関係数の有意性を判断することになる。t 分布の形は,自由度によって影響を受ける。自由度は標本の大きさから計算されるものであり,自由度を大きくしていくと t 分布は正規分布の形に近づく。相関係数についての統計的仮説検定を行った結果について,解釈できるようにする必要がある。
③ 単回帰分析の復習:単回帰分析は,相関係数と同様に,2 つの変数の直線的な関連を検討する分析である。相関係数とは異なる点としては,説明変数と呼ばれる変数が 1 変わることで,従属変数と呼ばれる変数がい くつ変動するかを,回帰式によって予測させるような形で,2 つの変数の関連を関連を示す。この 説明変数の変化に伴う従属変数の変化の大きさに関する指標を,回帰係数とよぶ。回帰係数が 0 の ときに,従属変数がいくつとなるのか,つまり,説明変数によって平均的に説明できない要素は, 切片と呼ばれる。また,従属変数の変化を説明変数によって予測する回帰式が,どの程度データに あてはまっているのかを,分散説明率によって考慮できるようになる。分散説明率は,従属変数の 偏差 2 乗和と残差の偏差 2 乗和の割合をもとに計算できる。単回帰分析については,このコマシラバスに書かれた内容を読んだときに,それぞれの指標がどのようなものか,散布図と回帰式はどのように描けるのかをイメージできるようにしておく必要がある。
④ 単回帰分析の統計的仮説検定:単回帰分析では,切片,回帰係数,分散説明率の 3 つの統計量が推定される。相関係数の時と同様に,手元に得られたデータから母集団の統計量について考えていく。相関係数のときと同様に, 回帰係数などの信頼区間を推定していく場合と,各統計量について統計的仮説検定を行っていく場 合がある。今回は,統計的仮説検定による方法を概説していく。心理学統計法 II の第 4 週に扱っ た細目レベル④の統計的仮説検定の実際の手順で紹介したように,回帰係数や切片については t 分布を仮定することが多い。実際には正規分布でも推定は可能であるが,心理学で扱う小さな標本の 大きさであることを考慮すると t 分布を用いた方が望ましい推定が可能となる。分散説明率については,F 分布を用いる。それぞれの統計量について,帰無仮説と対立仮説がどのようになるのか, 具体的には単回帰分析の結果をどのように解釈できるのかを理解しておく必要がある。
キーワード ① 相関係数の有意性 ② 回帰係数の有意性 ③ 分散説明率の有意性 ④ t分布 ⑤ F分布
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

13 偏相関係数(1) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統 計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以 上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。

本科目全体の中で,本コマは第 II 部の 2 コマ目に位置付けられる。第 II 部では,変数間の関連の検討方法について学び,主に 3 変数以上の関連について検討する重回帰分析について取り扱う。 本コマでは,3 変数以上を同時に扱う必要性について考え,別の変数の影響を統制した相関係数である部分相関係数や偏相関係数について取り扱う。

1. 南風原 朝和 (2002). 心理統計学の基礎—統合的理解のために— pp.223–236. (コマ主題細 目 ○1 , ○2 , ○3 )
2. 清水 裕士 (2021). 心理学統計法 放送大学出版, pp.87–103. (コマ主題細目○1 , ○2 , ○3 )
コマ主題細目 ① 擬似相関 ② 部分相関係数 ③ 偏相関係数
細目レベル ① 擬似相関:2 つの変数の関連があったときに,メカニズムとして共変関係や因果関係にあるのか,それとも共通する別の変数の関連によって間接的に関連しているのか,もしくは別の変数によって関連があ るように見えているだけであったりと,単に関連があったといってもいくつかのケースが考えられ る。特に,2 つの変数の原因となるような共通する別の要因によって,2 つの変数が関連している ように見えるケースのことを擬似相関と呼ぶ。そして,擬似相関を生じさせるような 2 つの変数に共通する原因となる変数のことを,交絡変数 (confounding) や共変量 (covariate) と呼ぶ。仮説検 証型の実験や調査を行う際には,交絡変数や共変量の影響ではなく,正しく検証したい仮説を検証できていることを保証できるような研究デザインを設計する必要がある。交絡や共変が研究遂行上,どのように場合に大きな悪影響を及ぼすのか理解しておく必要がある。
② 部分相関係数:擬似相関を防ぐためには,交絡変数や共変量との相関関係だけでは説明できない独自の成分間に 関連があるかを検討する必要がある。そのためには,共変量との相関では説明できない,つまり, 共変量から回帰したときの残差に着目する必要がある。残差は,回帰式によって説明できない,共 変量とは完全に無相関の成分である。この残差と他の変数との相関係数のことを,部分相関係数 (part correlation coefficient) と呼ぶ。部分相関係数は,回帰分析によって得られる残差を用いても算出可能であるが,3 つの変数の相関係数を用いて算出することも可能である。部分相関係数は,心理学統計法 I の 14 回目の回帰分析で扱った残差に注目する意義の内容と重なるものであり, それを具体的に統計量として数値化したものであることを理解する必要がある。
③ 偏相関係数:擬似相関を防ぐ方法として,統計量の計算段階で用いられるメジャーな対処の一つに,偏相関係 数を求めるというものがある。偏相関係数は,2 つの変数の相関係数を求めたものであるが,それ ぞれの変数と共変量の残差同士の相関係数であるといえる。共変量との残差を用いることで,それ ぞれの変数から共変量の影響を除外することができるようになる。部分相関係数と同様に,3 つの 変数のそれぞれの相関係数を用いて算出することも可能である。部分相関係数は,共変量の影響を 統制した変数と何も処理を行っていない変数との相関係数であるのに対して,偏相関係数は,相関 係数を算出する 2 つの変数はどちらも共変量の影響が統制されている,という点に違いがある。偏 相関係数を算出することによる利点を説明できる水準まで理解しておく必要がある。
キーワード ① 擬似相関 ② 共変量 ③ 交絡 ④ 部分相関係数 ⑤ 偏相関係数
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

14 偏相関係数(2) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統 計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以 上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。

本科目全体の中で,本コマは第 II 部の 2 コマ目に位置付けられる。第 II 部では,変数間の関連の検討方法について学び,主に 3 変数以上の関連について検討する重回帰分析について取り扱う。 本コマでは,3 変数以上を同時に扱う必要性について考え,別の変数の影響を統制した相関係数である部分相関係数や偏相関係数について取り扱う。

1. 南風原 朝和 (2002). 心理統計学の基礎—統合的理解のために— pp.223–236. (コマ主題細 目 ○1 , ○2 , ○3 )
2. 清水 裕士 (2021). 心理学統計法 放送大学出版, pp.87–103. (コマ主題細目○1 , ○2 , ○3 )
コマ主題細目 ① 擬似相関 ② 部分相関係数 ③ 偏相関係数
細目レベル ① 擬似相関:2 つの変数の関連があったときに,メカニズムとして共変関係や因果関係にあるのか,それとも共通する別の変数の関連によって間接的に関連しているのか,もしくは別の変数によって関連があ るように見えているだけであったりと,単に関連があったといってもいくつかのケースが考えられ る。特に,2 つの変数の原因となるような共通する別の要因によって,2 つの変数が関連している ように見えるケースのことを擬似相関と呼ぶ。そして,擬似相関を生じさせるような 2 つの変数に共通する原因となる変数のことを,交絡変数 (confounding) や共変量 (covariate) と呼ぶ。仮説検 証型の実験や調査を行う際には,交絡変数や共変量の影響ではなく,正しく検証したい仮説を検証できていることを保証できるような研究デザインを設計する必要がある。交絡や共変が研究遂行上,どのように場合に大きな悪影響を及ぼすのか理解しておく必要がある。
② 部分相関係数:擬似相関を防ぐためには,交絡変数や共変量との相関関係だけでは説明できない独自の成分間に 関連があるかを検討する必要がある。そのためには,共変量との相関では説明できない,つまり, 共変量から回帰したときの残差に着目する必要がある。残差は,回帰式によって説明できない,共 変量とは完全に無相関の成分である。この残差と他の変数との相関係数のことを,部分相関係数 (part correlation coefficient) と呼ぶ。部分相関係数は,回帰分析によって得られる残差を用いても算出可能であるが,3 つの変数の相関係数を用いて算出することも可能である。部分相関係数は,心理学統計法 I の 14 回目の回帰分析で扱った残差に注目する意義の内容と重なるものであり, それを具体的に統計量として数値化したものであることを理解する必要がある。
③ 偏相関係数:擬似相関を防ぐ方法として,統計量の計算段階で用いられるメジャーな対処の一つに,偏相関係 数を求めるというものがある。偏相関係数は,2 つの変数の相関係数を求めたものであるが,それ ぞれの変数と共変量の残差同士の相関係数であるといえる。共変量との残差を用いることで,それ ぞれの変数から共変量の影響を除外することができるようになる。部分相関係数と同様に,3 つの 変数のそれぞれの相関係数を用いて算出することも可能である。部分相関係数は,共変量の影響を 統制した変数と何も処理を行っていない変数との相関係数であるのに対して,偏相関係数は,相関 係数を算出する 2 つの変数はどちらも共変量の影響が統制されている,という点に違いがある。偏 相関係数を算出することによる利点を説明できる水準まで理解しておく必要がある。
キーワード ① 擬似相関 ② 共変量 ③ 交絡 ④ 部分相関係数 ⑤ 偏相関係数
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

15 重回帰分析(1) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統 計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。

本科目全体の中で,本コマは第 II 部の 3 コマ目に位置付けられる。第 II 部では,変数間の関連の検討方法について学び,主に 3 変数以上の関連について検討する重回帰分析について取り扱う。 本コマでは,3 変数以上を同時に扱えるようになる重回帰分析について取り扱う。

1. 南風原 朝和 (2002). 心理統計学の基礎—統合的理解のために— pp.223–258. (コマ主題細 目 ○1 , ○2 , ○3 )
コマ主題細目 ① 重回帰分析の概要 ② 偏回帰係数と標準偏回帰係数の解釈 ③ 独立変数間の相関と決定係数の関係
細目レベル ① 重回帰分析の概要:説明変数が 2 つ以上ある回帰分析のことを重回帰分析と呼ぶ。重回帰分析は y = α + β1x1 + β2x2 + · · · + βpxp + ε という数式で表現できる線形モデルを考える。単回帰分析の時と同様に,残 差 ε は,説明変数によって説明されなかった分散成分であり,平均 0,分散 σε2 という正規分布に 従うという前提がある。β は偏回帰係数と呼ばれ,x1と y の単なる関連を示す回帰係数ではなく, x1 以外の全ての説明変数を共変量として統制された x1と y の関連を回帰係数の形で示すものであ る。心理学統計法II第7回の細目レベル○2 部分相関係数,○3 偏相関係数の回帰係数版として理解 しておくと良い。また,重回帰分析における分散説明率は,全ての説明変数を含めた線形モデルに おける分散説明率となり,偏回帰係数とは異なり,線形モデルとしての適合度を示す指標であるこ とがより明確となっている。単回帰分析と重回帰分析で何が異なるのかを説明できる水準になるま で理解しておく必要がある。

実際に重回帰分析を実施する方法は,心理データ解析法の第 9 回から第 11 回で習得を目指す。

② 偏回帰係数と標準偏回帰係数の解釈:偏回帰係数は重回帰分析で推定される統計量であり,説明変数間の残差変数に基づく回帰係数で あるといえる。説明変数間の残差に基づく説明変数の 1 単位の変化に伴い,目的変数がどの程度 変化するか,がわかるものが偏回帰係数である。予測に用いる説明変数以外を統制した目的変数を 用いて,偏相関係数により近い状態で偏回帰係数を求めた場合と,目的変数の値をそのまま用い て,部分相関係数に近い状態で偏回帰係数を求めたとしても,値はどちらも変わらない。偏回帰係数は,単回帰分析における回帰係数と同様に,測定単位に大きな影響をうけるため,その数値の みで影響の大小を決めることはできない。各変数のデータについて,標準偏差が同じ値になるよ うに,変換すれば,測定単位の影響を受けない標準偏回帰係数 (standardized partial regression coefficient) という統計量を用いることもできるようになる。測定単位の影響を排除することで, 偏回帰係数間の比較も可能になる。偏回帰係数は,残差得点による目的変数の予測となるため,もともとの変数における関連とは意味が異なる点を理解しておく必要があある。
③ 独立変数間の相関と決定係数の関係:単回帰分析のときに決定係数や分散説明率と呼ばれた指標は,重回帰分析においても存在する。
これは,単独の説明変数がいかに目的変数の変化に影響を及ぼすかという観点ではなく,複数の説明変数を用いた場合,目的変数の予測にどの程度有用なものとして機能するかを指標化したものである。また,類似する指標として,目的変数の値と目的変数の予測値の相関係数でも表現でき,重相関係数 (multiple correlation coefficient) と呼ばれる。分散説明率や重相関係数は標本の統計量であり,残差の 2 乗和や目的変数の偏差 2 乗和について,それぞれ不偏推定量を用いて推定したものを自由度調整済み決定係数や自由度調整済み重相関係数などと呼ばれ,R2adj と表記される。不偏推定量とすることで,分散を過小推定する程度が補正される。また,標本の大きさに対して,相対的に説明変数の数が大きいほど,分散の過小推定傾向が大きくなることについても知っておく必要がある。

キーワード ① 重回帰分析 ② 偏回帰係数 ③ 標準偏回帰係数 ④ 重相関係数 ⑤ 自由度調整済み決定係数
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

16 重回帰分析(2) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統 計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。

本科目全体の中で,本コマは第 II 部の 3 コマ目に位置付けられる。第 II 部では,変数間の関連の検討方法について学び,主に 3 変数以上の関連について検討する重回帰分析について取り扱う。 本コマでは,3 変数以上を同時に扱えるようになる重回帰分析について取り扱う。

1. 南風原 朝和 (2002). 心理統計学の基礎—統合的理解のために— pp.223–258. (コマ主題細 目 ○1 , ○2 , ○3 )
コマ主題細目 ① 重回帰分析の概要 ② 偏回帰係数と標準偏回帰係数の解釈 ③ 独立変数間の相関と決定係数の関係
細目レベル ① 重回帰分析の概要:説明変数が 2 つ以上ある回帰分析のことを重回帰分析と呼ぶ。重回帰分析は y = α + β1x1 + β2x2 + · · · + βpxp + ε という数式で表現できる線形モデルを考える。単回帰分析の時と同様に,残 差 ε は,説明変数によって説明されなかった分散成分であり,平均 0,分散 σε2 という正規分布に 従うという前提がある。β は偏回帰係数と呼ばれ,x1と y の単なる関連を示す回帰係数ではなく, x1 以外の全ての説明変数を共変量として統制された x1と y の関連を回帰係数の形で示すものであ る。心理学統計法II第7回の細目レベル○2 部分相関係数,○3 偏相関係数の回帰係数版として理解 しておくと良い。また,重回帰分析における分散説明率は,全ての説明変数を含めた線形モデルに おける分散説明率となり,偏回帰係数とは異なり,線形モデルとしての適合度を示す指標であるこ とがより明確となっている。単回帰分析と重回帰分析で何が異なるのかを説明できる水準になるま で理解しておく必要がある。

実際に重回帰分析を実施する方法は,心理データ解析法の第 9 回から第 11 回で習得を目指す。

② 偏回帰係数と標準偏回帰係数の解釈:偏回帰係数は重回帰分析で推定される統計量であり,説明変数間の残差変数に基づく回帰係数で あるといえる。説明変数間の残差に基づく説明変数の 1 単位の変化に伴い,目的変数がどの程度 変化するか,がわかるものが偏回帰係数である。予測に用いる説明変数以外を統制した目的変数を 用いて,偏相関係数により近い状態で偏回帰係数を求めた場合と,目的変数の値をそのまま用い て,部分相関係数に近い状態で偏回帰係数を求めたとしても,値はどちらも変わらない。偏回帰係数は,単回帰分析における回帰係数と同様に,測定単位に大きな影響をうけるため,その数値の みで影響の大小を決めることはできない。各変数のデータについて,標準偏差が同じ値になるよ うに,変換すれば,測定単位の影響を受けない標準偏回帰係数 (standardized partial regression coefficient) という統計量を用いることもできるようになる。測定単位の影響を排除することで, 偏回帰係数間の比較も可能になる。偏回帰係数は,残差得点による目的変数の予測となるため,もともとの変数における関連とは意味が異なる点を理解しておく必要があある。
③ 独立変数間の相関と決定係数の関係:単回帰分析のときに決定係数や分散説明率と呼ばれた指標は,重回帰分析においても存在する。
これは,単独の説明変数がいかに目的変数の変化に影響を及ぼすかという観点ではなく,複数の説明変数を用いた場合,目的変数の予測にどの程度有用なものとして機能するかを指標化したものである。また,類似する指標として,目的変数の値と目的変数の予測値の相関係数でも表現でき,重相関係数 (multiple correlation coefficient) と呼ばれる。分散説明率や重相関係数は標本の統計量であり,残差の 2 乗和や目的変数の偏差 2 乗和について,それぞれ不偏推定量を用いて推定したものを自由度調整済み決定係数や自由度調整済み重相関係数などと呼ばれ,R2adj と表記される。不偏推定量とすることで,分散を過小推定する程度が補正される。また,標本の大きさに対して,相対的に説明変数の数が大きいほど,分散の過小推定傾向が大きくなることについても知っておく必要がある。

キーワード ① 重回帰分析 ② 偏回帰係数 ③ 標準偏回帰係数 ④ 重相関係数 ⑤ 自由度調整済み決定係数
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

17 カテゴリカルデータを用いた重回帰分析(1) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以 上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も 含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。

本科目全体の中で,本コマは第 II 部の 4 コマ目に位置付けられる。第 II 部では,変数間の関連の検討方法について学び,主に 3 変数以上の関連について検討する重回帰分析について取り扱う。 本コマでは,重回帰分析の説明変数に質的変数を扱えるようにするダミーコーディングについて取り扱う。

1. 南風原 朝和 (2002). 心理統計学の基礎—統合的理解のために— pp.43–51. (コマ主題細目 ○1 , ○2 , ○3 )
2. 清水 裕士 (2021). 心理学統計法 放送大学出版, pp.53–69. (コマ主題細目○1 , ○2 , ○3 )
コマ主題細目 ① 質的データとダミー変数 ② ダミー化の方法 ③ ダミー変数を導入した重回帰分析
細目レベル ① 質的データとダミー変数:回帰分析では,説明変数と目的変数のどちらも量的変数を扱ってきた。回帰分析では,質的デー タを説明変数に扱う方法がある。質的データは,心理学統計法 I のそれだけでは性別や地域といっ た区別するためだけのデータであったり,順位や服のサイズといった順位に関する情報が分類する データに加えられたものである。単に分類されたデータの状態では,説明変数に加えて重回帰分析 をすることはできないため,特定の分類にだけ 1 とコーディングし,それ以外の分類には 0 とコー ディングするなどして,01 形式の 2 値データに変換することで,説明変数に加えられるようにすることができる。このような変換方法をダミーコーディング (dummy coding) と呼び,変換された変数のことをダミー変数 (dummy variable) と呼ぶ。ダミー変数の作り方としては,01 形式の 2 値データに変換するダミーコーディングが一般的であるが,その他にも効果コーディング (effect coding) や直交コーディング (orthoogonal coding) などの方法がある。特にダミーコーディング について理解しておく必要がある。
② ダミー化の方法:ダミー変数を作る方法としては,01 形式の 2 値データに落とし込むダミーコーディング,ダミーコーディングのときに全てのダミー変数で 0 となるコーディングされるセルには-1 を入力する効果コーディング,コーディングしたときにそれらが相関 0 となって直交するようにコーディングする直交コーディング,偏回帰係数がすべて 1 となるようにコーディングする平均値コーディングな どがある。分類が 2 つしかない場合のダミーコーディングは,片方に分類される場合を 0,もう片方に分類される場合を 1 として,1 つの変数の中でコーディングする。分類が 3 つ以上ある場合 は,特定の分類にだけ 1 とコーディングし,他の分類の場合には 0 とコーディングする。そして, 基準として考える分類を用意し,その分類にだけ 1 とコーディングする列は削除する。ダミーコーディングの場合のダミー変数は,質的データのカテゴリの数から 1 引いた数の列が作成されることを理解する必要がある。
③ ダミー変数を導入した重回帰分析:ダミーコーディングを行ったダミー変数を説明変数に加えると,全てのダミー変数の中で 0 と入 力されている分類が基準となり,その分類と,1 と入力されている分類の差がわかるようになる。 男性を 1,女性を 0 とコーディングした性別のダミー変数を説明変数とした回帰分析を行った場合,切片の値は女性の場合に目的変数がどのくらいの値となるかを意味し,ダミー変数の回帰係数 は,女性から男性に変化した場合に,目的変数がどのくらい変化するかを意味する。つまり,男性の場合の目的変数の予測値を求めるには,切片に回帰係数の値を合計した値を求めることが必要となる。また,3 つ以上のカテゴリがある変数から 2 つ以上のダミー変数を作成した場合,重回帰分 析では,特定のダミー変数だけを説明変数に加えるだけだと,切片の値は基準として考えた分類の値ではなくなる。このような複数のダミー変数がある場合は,全てのダミー変数を説明変数に加えて検討することが一般的である。
キーワード ① ダミーコーディング ② ダミー変数
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

18 カテゴリカルデータを用いた重回帰分析(2) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以 上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も 含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。

本科目全体の中で,本コマは第 II 部の 4 コマ目に位置付けられる。第 II 部では,変数間の関連の検討方法について学び,主に 3 変数以上の関連について検討する重回帰分析について取り扱う。 本コマでは,重回帰分析の説明変数に質的変数を扱えるようにするダミーコーディングについて取り扱う。

1. 南風原 朝和 (2002). 心理統計学の基礎—統合的理解のために— pp.43–51. (コマ主題細目 ○1 , ○2 , ○3 )
2. 清水 裕士 (2021). 心理学統計法 放送大学出版, pp.53–69. (コマ主題細目○1 , ○2 , ○3 )
コマ主題細目 ① 質的データとダミー変数 ② ダミー化の方法 ③ ダミー変数を導入した重回帰分析
細目レベル ① 質的データとダミー変数:回帰分析では,説明変数と目的変数のどちらも量的変数を扱ってきた。回帰分析では,質的デー タを説明変数に扱う方法がある。質的データは,心理学統計法 I のそれだけでは性別や地域といっ た区別するためだけのデータであったり,順位や服のサイズといった順位に関する情報が分類する データに加えられたものである。単に分類されたデータの状態では,説明変数に加えて重回帰分析 をすることはできないため,特定の分類にだけ 1 とコーディングし,それ以外の分類には 0 とコー ディングするなどして,01 形式の 2 値データに変換することで,説明変数に加えられるようにすることができる。このような変換方法をダミーコーディング (dummy coding) と呼び,変換された変数のことをダミー変数 (dummy variable) と呼ぶ。ダミー変数の作り方としては,01 形式の 2 値データに変換するダミーコーディングが一般的であるが,その他にも効果コーディング (effect coding) や直交コーディング (orthoogonal coding) などの方法がある。特にダミーコーディング について理解しておく必要がある。
② ダミー化の方法:ダミー変数を作る方法としては,01 形式の 2 値データに落とし込むダミーコーディング,ダミーコーディングのときに全てのダミー変数で 0 となるコーディングされるセルには-1 を入力する効果コーディング,コーディングしたときにそれらが相関 0 となって直交するようにコーディングする直交コーディング,偏回帰係数がすべて 1 となるようにコーディングする平均値コーディングな どがある。分類が 2 つしかない場合のダミーコーディングは,片方に分類される場合を 0,もう片方に分類される場合を 1 として,1 つの変数の中でコーディングする。分類が 3 つ以上ある場合 は,特定の分類にだけ 1 とコーディングし,他の分類の場合には 0 とコーディングする。そして, 基準として考える分類を用意し,その分類にだけ 1 とコーディングする列は削除する。ダミーコーディングの場合のダミー変数は,質的データのカテゴリの数から 1 引いた数の列が作成されることを理解する必要がある。
③ ダミー変数を導入した重回帰分析:ダミーコーディングを行ったダミー変数を説明変数に加えると,全てのダミー変数の中で 0 と入 力されている分類が基準となり,その分類と,1 と入力されている分類の差がわかるようになる。 男性を 1,女性を 0 とコーディングした性別のダミー変数を説明変数とした回帰分析を行った場合,切片の値は女性の場合に目的変数がどのくらいの値となるかを意味し,ダミー変数の回帰係数 は,女性から男性に変化した場合に,目的変数がどのくらい変化するかを意味する。つまり,男性の場合の目的変数の予測値を求めるには,切片に回帰係数の値を合計した値を求めることが必要となる。また,3 つ以上のカテゴリがある変数から 2 つ以上のダミー変数を作成した場合,重回帰分 析では,特定のダミー変数だけを説明変数に加えるだけだと,切片の値は基準として考えた分類の値ではなくなる。このような複数のダミー変数がある場合は,全てのダミー変数を説明変数に加えて検討することが一般的である。
キーワード ① ダミーコーディング ② ダミー変数
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

19 重回帰分析における交互作用の検討方法(1) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統 計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。
本科目全体の中で,本コマは第 II 部の 5 コマ目に位置付けられる。第 II 部では,変数間の関連 の検討方法について学び,主に 3 変数以上の関連について検討する重回帰分析について取り扱う。 本コマでは,交互作用について学び,重回帰分析という線形モデルの中で交互作用を検討する方法について取り扱う。

1. Jaccard, J., Turrisi, R. (2003). Interaction effects in multiple regression (2nd edition). , pp.1–43. (コマ主題細目○1 , ○2 , ○3 , ○4 )
2. 前田 和寛 (2008). 重回帰分析の応用的手法—交互作用項ならびに統制変数を含む分析— 比 治山大学短期大学紀要, pp.69–73. (○1 , ○2 , ○3 )
コマ主題細目 ① 交互作用とは何か ② 重回帰分析における交互作用検討の仕組み ③ 量的変数 × 量的変数の方法 ④ 量的変数 × 質的変数の方法
細目レベル ① 交互作用とは何か
2 つ以上の変数の組み合わせを考えた時に,組み合わせ方によって異なる影響をもつことを交互作用 (interaction effect) と呼ぶ。例えば,季節と気温の交互作用が,アイスの売上に及ぼす影響 考えてみる。この交互作用で考える変数の組み合わせとは,春の気温,夏の気温,秋の気温,そして,冬の気温といったように季節ごとに気温を考えていくことになる。気温とアイスの売上の関係をベースにして考えた時に,季節によって気温とアイスの売上の影響が異なる,例えば,春や夏は 気温が高くなればアイスの売上が上がるが,秋や冬には気温とアイスの売上の関連は見られないといった交互作用のことを調整効果 (moderation effect) と呼ぶ。調整効果は交互作用の中でも,特 定の因果関係 (例えば,気温とアイスの売上) が,別の変数 (季節) がその関連を調整していると考 えるような一定のメカニズムを想定するものとなる。交互作用を考えると,1 つの変数の影響だけを想定したときと異なるメカニズムが想定できることを理解する必要がある。

② 重回帰分析における交互作用検討の仕組み:重回帰分析において交互作用を検討する場合は,説明変数に交互作用項という交互作用を検討す るための説明変数を新たに加えた重回帰分析を実行することとなる。例えば,2 つの説明変数があ る場合の重回帰分析を考えると,回帰式としては,Y = a + b1X1 + b2X2 + b3X1X2 + e となる。 b3 の効果が交互作用を意味する。X1X2 は,X1と X2 の組み合わせを意味する変数であり,多く の場合,X1と X2 の変数の積を求めた変数を交互作用項として用いる。交互作用項を含む回帰式 は,Y = a + (b1 + b3X2 )X1 + b2 X2 + e としてまとめることができ,X1 の影響が,b1 だけでなく, b3X2 の影響も含まれていることがわかる。こうした場合,X2 は調整効果として機能し,X1 の影 響を X2 が調整していると表現する。重回帰分析において交互作用を検討する時には,交互作用項 という組み合わせの効果を表現する説明変数を作成する必要があることを理解する必要がある。
③ 量的変数 × 量的変数の方法:Y = a + b1X + b2Z + b3XZ + e という重回帰分析の場合で,X と Z がどちらも量的変数の 場合を考える。交互作用項は,X と Z の積によって作られるが,単に積を求めた交互作用項 XZ は,X と Z の両方をもとにしているために,これら両方と高く相関してしまう。説明変数間の相 関が高くなってしまうと,多重共線性(詳しくは,データ解析法の第 9 回や心理学統計法 II の第 11 回で扱う)という問題を抱えてしまう。この問題を回避するために,交互作用項を作成するとき には,それぞれの変数の値から平均値を引く中心化と呼ばれる手続きが必要となる。また,交互作用の影響が大きいか否かについては,分散説明率の変化によって検討されることが多い。交互作用 項の回帰係数をみるだけでは,具体的にどのような影響がみられるのかはわからないため,X と Z について,実際に平均値 ±1SD の値を代入して目的変数の予測値の違いを可視化したり,調整変 数の値を変化させたときの説明変数の回帰係数の変化を検討する方法がある。
④ 量的変数 × 質的変数の方法: 量的変数と質的変数の交互作用を検討する場合について考えていく。量的変数については,量的変数同士の交互作用項を作る時と同様に,中心化を行う。そして,中心化を行った量的変数と質的変数のダミー変数の積によって交互作用項を作成する。量的変数と質的変数のどちらを調整変数として扱うかによって,結果の可視化の方法が異なってくる。質的変数を調整変数としてみなした場合は,それぞれの場合(例えば,男女)について,回帰直線を示すことになる。量的変数を調整変数をみなす場合,量的変数のいくつかのポイントで,質的変数のそれぞれにおける目的変数の値を示していくことになる。交互作用が目的変数の値にどのような値を示すかだけを検討するのであれば,量的変数同士の交互作用項のときと同様に,説明変数に具体的な値を代入して,目的変数の予測値を可視化する方法がよくとられる。
キーワード ① 交互作用 ② 調整効果 ③ 交互作用項 ④ 中心化
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

20 重回帰分析における交互作用の検討方法(2) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統 計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。
本科目全体の中で,本コマは第 II 部の 5 コマ目に位置付けられる。第 II 部では,変数間の関連 の検討方法について学び,主に 3 変数以上の関連について検討する重回帰分析について取り扱う。 本コマでは,交互作用について学び,重回帰分析という線形モデルの中で交互作用を検討する方法について取り扱う。

1. Jaccard, J., Turrisi, R. (2003). Interaction effects in multiple regression (2nd edition). , pp.1–43. (コマ主題細目○1 , ○2 , ○3 , ○4 )
2. 前田 和寛 (2008). 重回帰分析の応用的手法—交互作用項ならびに統制変数を含む分析— 比 治山大学短期大学紀要, pp.69–73. (○1 , ○2 , ○3 )
コマ主題細目 ① 交互作用とは何か ② 重回帰分析における交互作用検討の仕組み ③ 量的変数 × 量的変数の方法 ④ 量的変数 × 質的変数の方法
細目レベル ① 交互作用とは何か
2 つ以上の変数の組み合わせを考えた時に,組み合わせ方によって異なる影響をもつことを交互作用 (interaction effect) と呼ぶ。例えば,季節と気温の交互作用が,アイスの売上に及ぼす影響 考えてみる。この交互作用で考える変数の組み合わせとは,春の気温,夏の気温,秋の気温,そして,冬の気温といったように季節ごとに気温を考えていくことになる。気温とアイスの売上の関係をベースにして考えた時に,季節によって気温とアイスの売上の影響が異なる,例えば,春や夏は 気温が高くなればアイスの売上が上がるが,秋や冬には気温とアイスの売上の関連は見られないといった交互作用のことを調整効果 (moderation effect) と呼ぶ。調整効果は交互作用の中でも,特 定の因果関係 (例えば,気温とアイスの売上) が,別の変数 (季節) がその関連を調整していると考 えるような一定のメカニズムを想定するものとなる。交互作用を考えると,1 つの変数の影響だけを想定したときと異なるメカニズムが想定できることを理解する必要がある。

② 重回帰分析における交互作用検討の仕組み:重回帰分析において交互作用を検討する場合は,説明変数に交互作用項という交互作用を検討す るための説明変数を新たに加えた重回帰分析を実行することとなる。例えば,2 つの説明変数があ る場合の重回帰分析を考えると,回帰式としては,Y = a + b1X1 + b2X2 + b3X1X2 + e となる。 b3 の効果が交互作用を意味する。X1X2 は,X1と X2 の組み合わせを意味する変数であり,多く の場合,X1と X2 の変数の積を求めた変数を交互作用項として用いる。交互作用項を含む回帰式 は,Y = a + (b1 + b3X2 )X1 + b2 X2 + e としてまとめることができ,X1 の影響が,b1 だけでなく, b3X2 の影響も含まれていることがわかる。こうした場合,X2 は調整効果として機能し,X1 の影 響を X2 が調整していると表現する。重回帰分析において交互作用を検討する時には,交互作用項 という組み合わせの効果を表現する説明変数を作成する必要があることを理解する必要がある。
③ 量的変数 × 量的変数の方法:Y = a + b1X + b2Z + b3XZ + e という重回帰分析の場合で,X と Z がどちらも量的変数の 場合を考える。交互作用項は,X と Z の積によって作られるが,単に積を求めた交互作用項 XZ は,X と Z の両方をもとにしているために,これら両方と高く相関してしまう。説明変数間の相 関が高くなってしまうと,多重共線性(詳しくは,データ解析法の第 9 回や心理学統計法 II の第 11 回で扱う)という問題を抱えてしまう。この問題を回避するために,交互作用項を作成するとき には,それぞれの変数の値から平均値を引く中心化と呼ばれる手続きが必要となる。また,交互作用の影響が大きいか否かについては,分散説明率の変化によって検討されることが多い。交互作用 項の回帰係数をみるだけでは,具体的にどのような影響がみられるのかはわからないため,X と Z について,実際に平均値 ±1SD の値を代入して目的変数の予測値の違いを可視化したり,調整変 数の値を変化させたときの説明変数の回帰係数の変化を検討する方法がある。
④ 量的変数 × 質的変数の方法: 量的変数と質的変数の交互作用を検討する場合について考えていく。量的変数については,量的変数同士の交互作用項を作る時と同様に,中心化を行う。そして,中心化を行った量的変数と質的変数のダミー変数の積によって交互作用項を作成する。量的変数と質的変数のどちらを調整変数として扱うかによって,結果の可視化の方法が異なってくる。質的変数を調整変数としてみなした場合は,それぞれの場合(例えば,男女)について,回帰直線を示すことになる。量的変数を調整変数をみなす場合,量的変数のいくつかのポイントで,質的変数のそれぞれにおける目的変数の値を示していくことになる。交互作用が目的変数の値にどのような値を示すかだけを検討するのであれば,量的変数同士の交互作用項のときと同様に,説明変数に具体的な値を代入して,目的変数の予測値を可視化する方法がよくとられる。
キーワード ① 交互作用 ② 調整効果 ③ 交互作用項 ④ 中心化
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

21 重回帰分析における前提と対処方法(1) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。

本科目全体の中で,本コマは第 II 部の 4 コマ目に位置付けられる。第 II 部では,変数間の関連の検討方法について学び,主に 3 変数以上の関連について検討する重回帰分析について取り扱う。 本コマでは,重回帰分析の前提条件や注意すべき事項について取り扱う。

1. 南風原 朝和 (2002). 心理統計学の基礎—統合的理解のために— pp.236–262. (コマ主題細 目 ○1 , ○2 , ○3 )
2. Cohen, J., Cohen, P., West, S. G., Aiken, L. S. (2003). Applied multiple regres- sion/correlation analysis for the behavioral sciences (3rd ed.). pp.390–430, Routledge: New York.
コマ主題細目 ① 重回帰分析で確認すべき前提 ② 重回帰分析を行う時の注意事項:多重共線性 ③ 独立変数の増加に伴う決定係数の変化と自由度調整済み決定係数 ④ 水準数が多い場合の対処
細目レベル ① 重回帰分析で確認すべき前提:重回帰分析は,単回帰分析と同様にいくつかの前提の上になりなっていることを知っておく必要がある。誤差が正規分布に従っていることが前提となる。誤差が正規分布に従っていることは,目的変数を説明変数により分散成分と,説明変数では説明できない分散成分である誤差に分割できていることを意味する。誤差の分布や誤差と目的変数の相関を確認することで確認できる。また,結 果をプロットすることで,外れ値によって結果が影響を受けていないかも確認しておく必要がある。相関係数と同様に,回帰分析もまた,外れ値がデータに含まれると結果が変動してしまう。そして,分析の結果が信頼に足るものかどうかは,説明変数同士の相関の高さによっても変化し,このことを多重共線性と呼ぶ。

重回帰分析は使用されることの多い分析であるが,結果を解釈するときには,分析には前提があり,その前提が成り立つという仮定のもとで解釈を行っているということを意識する必要がある。

② 重回帰分析を行う時の注意事項:多重共線性:多重共線性の問題については,心理データ解析法の第 9 回や心理学統計法 II の第 9 回でも扱っ ており,ここでは,多重共線性の問題はどのようなときに生じ,何が問題なのかを概説する。説明変数間の相関が高すぎると,多重共線性の問題が生じてしまう。多重共線性の問題が生じている状態では,偏回帰係数の推定が不安定になってしまう。偏回帰係数の推定が不安定になってしまうこ とは,サンプリングの小さな差異にも影響を受けてしまい,同じ母集団からデータを取ったとしたときに,いつも回帰係数の推定結果が大きく異なってしまい,分析の結果が信頼できなくなってしまうことを意味する。また,この状態は,説明変数の独自の成分が非常に小さくなってしまい,回 帰係数がたとえ有意であっても,実際には目的変数をほとんど説明できてもおらず,意味を持たないことを理解しておく必要がある。多重共線性の問題を,数式もしくはベン図によるイメージのどちらかで説明できる水準で理解しておく必要がある。
③ 独立変数の増加に伴う決定係数の変化と自由度調整済み決定係数:心理学統計法 I の 14 回目に扱った分散説明率や決定係数と呼ばれる統計量は,標本の統計量で あった。ここでは,不偏推定量としての分散説明率や決定係数を扱う。決定係数の算出には,目的変数の予測値が目的変数の値からどの程度ずれているか,という残差と,目的変数の偏差をもとに 算出していた (決定係数 = 1 − (残差の 2 乗和 ÷ 目的変数の偏差 2 乗和))。残差の分散を求める場 合,標本の残差の標準偏差であれば,標本のサイズで割ればよいが,母集団の残差の標準偏差,つ まり,不偏推定量としての残差の分散を求める場合には,残差の自由度である標本のサイズから説明変数の数と 1 を引いた値を用いる。つまり,残差の分散は,説明変数が多いと大きな値となりや すく,標本の残差の分散は,過小推定されてしまう傾向がある。また,決定係数の算出に必要な目的変数の分散の不偏推定量は,標本のサイズから 1 引いた値の自由度で割ることになる。目的変数の残差と偏差に関する不偏推定量としての分散は,バイアスの受け方が異なるため,不偏推定量としての決定係数を求める際にも,それぞれの不偏推定量を用いる必要がある。こうして求められた決定係数を自由度調整済み決定係数と呼ばれる。説明変数が多い場合の残差分散では,標本の残差分散は,母集団の残差分散と比較して過小推定され,結果的に,標本の決定係数は母集団の決定係数よりも過大推定されることになってしまうことを理解する必要がある。
④ 水準数が多い場合の対処:心理学統計法 II の第 9 回で扱ったダミー変数にはさまざまな作成方法があるが,質的変数の水 準数が多い場合,重回帰分析で扱うのが困難になることがある。特に,01 の 2 値に変換するダミー コーディングでは,4 水準ある場合は 3 つのダミー変数が作成され,5 水準ある場合は 4 つのダ ミー変数が作成されることになる。基準となる水準がある場合は,ダミーコーディングを行い重回 帰分析を行えばよいが,基準として考える水準がない場合は,どの水準を基準にダミーコーディン グを行うか決定するのが難しい。また,元の変数としては 1 変数であるにもかかわらず,ダミーコーディングを行うと,変数の水準が多くなればなるほど,ダミー変数が増加してしまう。こうし た場合には,重回帰分析を行うよりも,分散分析を行うほうがデータを扱いやすく,解釈もしやすいケースがある。分散分析については,心理学統計法 II の第 14 回や心理学実験 II で扱う。
キーワード ① 外れ値 ② 多重共線性 ③ 誤差の正規性 ④ 自由度調整済み決定係数 ⑤ 水準数が多い場合のダミー変数
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

22 重回帰分析における前提と対処方法(2) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。

本科目全体の中で,本コマは第 II 部の 4 コマ目に位置付けられる。第 II 部では,変数間の関連の検討方法について学び,主に 3 変数以上の関連について検討する重回帰分析について取り扱う。 本コマでは,重回帰分析の前提条件や注意すべき事項について取り扱う。

1. 南風原 朝和 (2002). 心理統計学の基礎—統合的理解のために— pp.236–262. (コマ主題細 目 ○1 , ○2 , ○3 )
2. Cohen, J., Cohen, P., West, S. G., Aiken, L. S. (2003). Applied multiple regres- sion/correlation analysis for the behavioral sciences (3rd ed.). pp.390–430, Routledge: New York.
コマ主題細目 ① 重回帰分析で確認すべき前提 ② 重回帰分析を行う時の注意事項:多重共線性 ③ 独立変数の増加に伴う決定係数の変化と自由度調整済み決定係数 ④ 水準数が多い場合の対処
細目レベル ① 重回帰分析で確認すべき前提:重回帰分析は,単回帰分析と同様にいくつかの前提の上になりなっていることを知っておく必要がある。誤差が正規分布に従っていることが前提となる。誤差が正規分布に従っていることは,目的変数を説明変数により分散成分と,説明変数では説明できない分散成分である誤差に分割できていることを意味する。誤差の分布や誤差と目的変数の相関を確認することで確認できる。また,結 果をプロットすることで,外れ値によって結果が影響を受けていないかも確認しておく必要がある。相関係数と同様に,回帰分析もまた,外れ値がデータに含まれると結果が変動してしまう。そして,分析の結果が信頼に足るものかどうかは,説明変数同士の相関の高さによっても変化し,このことを多重共線性と呼ぶ。

重回帰分析は使用されることの多い分析であるが,結果を解釈するときには,分析には前提があり,その前提が成り立つという仮定のもとで解釈を行っているということを意識する必要がある。

② 重回帰分析を行う時の注意事項:多重共線性:多重共線性の問題については,心理データ解析法の第 9 回や心理学統計法 II の第 9 回でも扱っ ており,ここでは,多重共線性の問題はどのようなときに生じ,何が問題なのかを概説する。説明変数間の相関が高すぎると,多重共線性の問題が生じてしまう。多重共線性の問題が生じている状態では,偏回帰係数の推定が不安定になってしまう。偏回帰係数の推定が不安定になってしまうこ とは,サンプリングの小さな差異にも影響を受けてしまい,同じ母集団からデータを取ったとしたときに,いつも回帰係数の推定結果が大きく異なってしまい,分析の結果が信頼できなくなってしまうことを意味する。また,この状態は,説明変数の独自の成分が非常に小さくなってしまい,回 帰係数がたとえ有意であっても,実際には目的変数をほとんど説明できてもおらず,意味を持たないことを理解しておく必要がある。多重共線性の問題を,数式もしくはベン図によるイメージのどちらかで説明できる水準で理解しておく必要がある。
③ 独立変数の増加に伴う決定係数の変化と自由度調整済み決定係数:心理学統計法 I の 14 回目に扱った分散説明率や決定係数と呼ばれる統計量は,標本の統計量で あった。ここでは,不偏推定量としての分散説明率や決定係数を扱う。決定係数の算出には,目的変数の予測値が目的変数の値からどの程度ずれているか,という残差と,目的変数の偏差をもとに 算出していた (決定係数 = 1 − (残差の 2 乗和 ÷ 目的変数の偏差 2 乗和))。残差の分散を求める場 合,標本の残差の標準偏差であれば,標本のサイズで割ればよいが,母集団の残差の標準偏差,つ まり,不偏推定量としての残差の分散を求める場合には,残差の自由度である標本のサイズから説明変数の数と 1 を引いた値を用いる。つまり,残差の分散は,説明変数が多いと大きな値となりや すく,標本の残差の分散は,過小推定されてしまう傾向がある。また,決定係数の算出に必要な目的変数の分散の不偏推定量は,標本のサイズから 1 引いた値の自由度で割ることになる。目的変数の残差と偏差に関する不偏推定量としての分散は,バイアスの受け方が異なるため,不偏推定量としての決定係数を求める際にも,それぞれの不偏推定量を用いる必要がある。こうして求められた決定係数を自由度調整済み決定係数と呼ばれる。説明変数が多い場合の残差分散では,標本の残差分散は,母集団の残差分散と比較して過小推定され,結果的に,標本の決定係数は母集団の決定係数よりも過大推定されることになってしまうことを理解する必要がある。
④ 水準数が多い場合の対処:心理学統計法 II の第 9 回で扱ったダミー変数にはさまざまな作成方法があるが,質的変数の水 準数が多い場合,重回帰分析で扱うのが困難になることがある。特に,01 の 2 値に変換するダミー コーディングでは,4 水準ある場合は 3 つのダミー変数が作成され,5 水準ある場合は 4 つのダ ミー変数が作成されることになる。基準となる水準がある場合は,ダミーコーディングを行い重回 帰分析を行えばよいが,基準として考える水準がない場合は,どの水準を基準にダミーコーディン グを行うか決定するのが難しい。また,元の変数としては 1 変数であるにもかかわらず,ダミーコーディングを行うと,変数の水準が多くなればなるほど,ダミー変数が増加してしまう。こうし た場合には,重回帰分析を行うよりも,分散分析を行うほうがデータを扱いやすく,解釈もしやすいケースがある。分散分析については,心理学統計法 II の第 14 回や心理学実験 II で扱う。
キーワード ① 外れ値 ② 多重共線性 ③ 誤差の正規性 ④ 自由度調整済み決定係数 ⑤ 水準数が多い場合のダミー変数
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

23 復習コマII(1) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統 計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以 上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も 含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめる ためのコマとする。

本科目全体の中で,本コマは第 II 部の 4 コマ目に位置付けられる。第 II 部では,変数間の関連 の検討方法について学び,主に 3 変数以上の関連について検討する重回帰分析について取り扱う。 本コマでは,第 II 部の復習をする。

1. Cohen, J., Cohen, P., West, S. G., Aiken, L. S. (2003). Applied multiple regres- sion/correlation analysis for the behavioral sciences (3rd ed.). Routledge, 390–430.
コマ主題細目 ① 偏相関係数 ② 重回帰分析 ③ 重回帰分析を行う時の注意事項
細目レベル ① 偏相関係数:偏相関係数は,共変量の影響が統制された相関係数であるといえる。3 つ以上の変数を同時に 扱って相関係数を求めるときに,相関を求める 2 つの変数と共変量との残差同士の相関係数が変相関係数である。偏相関を用いることで,2 変数の関連を示す相関関係が,共変量の影響による擬似相関であったのか,そうではなく共変量とは関係のない独自の関係性を示すのかを検討できる。

多くの心理学研究では,変数同士の関連を検討することが多く,この関連が独自なものなのか,単に関連があるようにみえるだけなのかを知ることには大きな意味がある。しかし,共変量の影響が統制された偏相関で示される 2 つの変数の関連性とは,一体どのようなものなのか,解釈には注意が必要である。

② 重回帰分析:説明変数が 2 つ以上ある回帰分析のことを重回帰分析と呼ぶ。重回帰分析は y = α + β1x1 + β2x2 + · · · + βpxp + ε という数式で表現できる線形モデルである。単回帰分析の時と同様に,残差 ε は,説明変数によって説明されなかった分散成分であり,平均 0,分散 σε2 という正規分布に従うという前提がある。β は偏回帰係数と呼ばれ,x1と y の単なる関連を示す回帰係数ではなく, x1 以外の全ての説明変数を共変量として統制された x1と y の関連を回帰係数の形で示すものであ る。また,重回帰分析における分散説明率は,全ての説明変数を含めた線形モデルにおける分散説 明率となり,偏回帰係数とは異なり,線形モデルとしての適合度を示す指標であることがより明確 となっている。単回帰分析と重回帰分析で何が異なるのかを説明できる水準になるまで理解しておく必要がある。
③ 重回帰分析を行う時の注意事項:重回帰分析を行うときには,多重共線性の問題が生じていないか,誤差は正規分布しているか, 外れ値によって結果が影響をうけていないか,交互作用を線形モデルに加える必要がないか,ダ ミーコーディングは仮説を評価できるように行われているか,を確認する必要がある。特に,多重共線性の問題が生じている場合や,誤差が正規分布していない場合は,推定が安定していなかった り,うまくいっておらず,重回帰分析の結果を信頼できない可能性があるため,気を付ける必要がある。多重共線性の問題が生じていないかを検討する指標として,VIF (variance inflation factor) という指標があり,VIF が 10 以上であれば,深刻な多重共線性が発生しており,説明変数の投入 について再考する必要があるとされる。
キーワード ① 偏相関係数 ② 重回帰分析 ③ 偏回帰係数 ④ 自由度調整済み決定係数 ⑤ 多重共線性
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

24 復習コマII(2) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統 計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以 上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も 含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめる ためのコマとする。

本科目全体の中で,本コマは第 II 部の 4 コマ目に位置付けられる。第 II 部では,変数間の関連 の検討方法について学び,主に 3 変数以上の関連について検討する重回帰分析について取り扱う。 本コマでは,第 II 部の復習をする。

1. Cohen, J., Cohen, P., West, S. G., Aiken, L. S. (2003). Applied multiple regres- sion/correlation analysis for the behavioral sciences (3rd ed.). Routledge, 390–430.
コマ主題細目 ① 偏相関係数 ② 重回帰分析 ③ 重回帰分析を行う時の注意事項
細目レベル ① 偏相関係数:偏相関係数は,共変量の影響が統制された相関係数であるといえる。3 つ以上の変数を同時に 扱って相関係数を求めるときに,相関を求める 2 つの変数と共変量との残差同士の相関係数が変相関係数である。偏相関を用いることで,2 変数の関連を示す相関関係が,共変量の影響による擬似相関であったのか,そうではなく共変量とは関係のない独自の関係性を示すのかを検討できる。

多くの心理学研究では,変数同士の関連を検討することが多く,この関連が独自なものなのか,単に関連があるようにみえるだけなのかを知ることには大きな意味がある。しかし,共変量の影響が統制された偏相関で示される 2 つの変数の関連性とは,一体どのようなものなのか,解釈には注意が必要である。

② 重回帰分析:説明変数が 2 つ以上ある回帰分析のことを重回帰分析と呼ぶ。重回帰分析は y = α + β1x1 + β2x2 + · · · + βpxp + ε という数式で表現できる線形モデルである。単回帰分析の時と同様に,残差 ε は,説明変数によって説明されなかった分散成分であり,平均 0,分散 σε2 という正規分布に従うという前提がある。β は偏回帰係数と呼ばれ,x1と y の単なる関連を示す回帰係数ではなく, x1 以外の全ての説明変数を共変量として統制された x1と y の関連を回帰係数の形で示すものであ る。また,重回帰分析における分散説明率は,全ての説明変数を含めた線形モデルにおける分散説 明率となり,偏回帰係数とは異なり,線形モデルとしての適合度を示す指標であることがより明確 となっている。単回帰分析と重回帰分析で何が異なるのかを説明できる水準になるまで理解しておく必要がある。
③ 重回帰分析を行う時の注意事項:重回帰分析を行うときには,多重共線性の問題が生じていないか,誤差は正規分布しているか, 外れ値によって結果が影響をうけていないか,交互作用を線形モデルに加える必要がないか,ダ ミーコーディングは仮説を評価できるように行われているか,を確認する必要がある。特に,多重共線性の問題が生じている場合や,誤差が正規分布していない場合は,推定が安定していなかった り,うまくいっておらず,重回帰分析の結果を信頼できない可能性があるため,気を付ける必要がある。多重共線性の問題が生じていないかを検討する指標として,VIF (variance inflation factor) という指標があり,VIF が 10 以上であれば,深刻な多重共線性が発生しており,説明変数の投入 について再考する必要があるとされる。
キーワード ① 偏相関係数 ② 重回帰分析 ③ 偏回帰係数 ④ 自由度調整済み決定係数 ⑤ 多重共線性
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

25 回帰分析とt検定の関係(1) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化について学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。

本科目全体の中で,本コマは第 III 部の 1 コマ目に位置付けられる。第 III 部では,回帰分析と似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連性について取り扱う。本コマでは,t 検定と回帰分析の関連性について取り扱う。

山田剛・村井潤一郎(2003)よくわかる心理統計 ミネルヴァ書房,pp.144-pp.161.
コマ主題細目 ① 対応のない平均値の群間比較をする検定(t 検定) ② 対応のある平均値の群間比較をする検定(t 検定) ③ 回帰分析と t 検定の関係性
細目レベル ① 対応のない平均値の群間比較をする検定(t 検定):2 つの異なるグループの平均値が異なるか否かを検討する方法の一つに t 検定がある。心理学統 計法 II の第 3 回に学習した t 分布と第 4 回に学習した統計的仮説検定の枠組みが用いられる。つ まり,2 つのグループの母平均が等しいという帰無仮説を棄却できるか否かを検討する。素朴には,2 つのグループの平均値を比較するときは,データの散らばりである分散や,標本のサイズも考慮する必要がある。これらを t 値という 1 つの統計量にまとめ,2 つのグループの母平均が等しいという帰無仮説が成り立つと考えられるのかを検討することになる。2 つのグループの母平均が等しいことを仮定するため,母平均の期待値は 0 であると考えられる。そして,母分散については特に情報がなく,未知であると考える。こうしたことから正規分布を適用するよりも t 分布が用いることが適していると考えられる。
② 対応のある平均値の群間比較をする検定(t 検定):2 つのグループの平均値を比較する際に,同じ標本に対して 2 回調査をしてデータのことを対応のあるデータと呼ぶ。こうした対応のあるデータについて t 検定を行う場合を,対応のある t 検定 と呼ばれる。なお,異なる標本の 2 群は,対応のない 2 群であったり,独立な 2 群と呼ばれ,その 2 群を比較する場合は,対応のない t 検定を用いることになる。対応のないデータは,無作為抽出 されていれば 2 つのグループに関連はないことが仮定されるが,その一方で,対応のあるデータ は,同じ標本からデータを取るため,2 つのグループに相関があることが仮定される。具体的には, 対応のあるデータの場合,標本の大きさや母分散が同じであると考えられる点が,対応のないデー タでの比較と異なってくる。どのようなデータに対応がある,対応がないと考えられるのかまでは理解する必要がある。
③ 回帰分析と t 検定の関係性:対応のない t 検定で行っていることは,回帰分析では,ダミー変数を用いて分析を実施すること と同じことである。ダミー変数の影響が有意であるかということが,t 検定の検定結果に対応する。 そして,ダミー変数の回帰係数の値と切片の値の合計すると,ダミー変数が 1 のときに該当するグ ループの平均値となり,切片の値は,ダミー変数が 0 のときに該当するグループの平均値となる。 回帰分析では,説明変数がいくつであっても同じ分散であることが仮定されるため,グループ間で分散が大きく異なる場合は,回帰分析の結果と t 検定の結果が異なるケースもありうることには留意しておく必要がある。

対応のある t 検定で行っていることは,片方のグループを目的変数,もう片方のグループを説明変数とする回帰分析と同じことになる。回帰係数の値が,2 つのグループの平均値差を意味し,その有意性は,t 検定での検定結果と対応する。

異なる分析に見えても,実際には同じことを異なる方法で分析する方法があることを理解すること,どの点が一致するのかを理解しておくことが求められる。

キーワード ① 対応のない平均値の比較 ② 対応のある平均値の比較 ③ t値 ④ t分布 ⑤ 自由度
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

26 回帰分析とt検定の関係(2) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化について学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。

本科目全体の中で,本コマは第 III 部の 1 コマ目に位置付けられる。第 III 部では,回帰分析と似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連性について取り扱う。本コマでは,t 検定と回帰分析の関連性について取り扱う。

山田剛・村井潤一郎(2003)よくわかる心理統計 ミネルヴァ書房,pp.144-pp.161.
コマ主題細目 ① 対応のない平均値の群間比較をする検定(t 検定) ② 対応のある平均値の群間比較をする検定(t 検定) ③ 回帰分析と t 検定の関係性
細目レベル ① 対応のない平均値の群間比較をする検定(t 検定):2 つの異なるグループの平均値が異なるか否かを検討する方法の一つに t 検定がある。心理学統 計法 II の第 3 回に学習した t 分布と第 4 回に学習した統計的仮説検定の枠組みが用いられる。つ まり,2 つのグループの母平均が等しいという帰無仮説を棄却できるか否かを検討する。素朴には,2 つのグループの平均値を比較するときは,データの散らばりである分散や,標本のサイズも考慮する必要がある。これらを t 値という 1 つの統計量にまとめ,2 つのグループの母平均が等しいという帰無仮説が成り立つと考えられるのかを検討することになる。2 つのグループの母平均が等しいことを仮定するため,母平均の期待値は 0 であると考えられる。そして,母分散については特に情報がなく,未知であると考える。こうしたことから正規分布を適用するよりも t 分布が用いることが適していると考えられる。
② 対応のある平均値の群間比較をする検定(t 検定):2 つのグループの平均値を比較する際に,同じ標本に対して 2 回調査をしてデータのことを対応のあるデータと呼ぶ。こうした対応のあるデータについて t 検定を行う場合を,対応のある t 検定 と呼ばれる。なお,異なる標本の 2 群は,対応のない 2 群であったり,独立な 2 群と呼ばれ,その 2 群を比較する場合は,対応のない t 検定を用いることになる。対応のないデータは,無作為抽出 されていれば 2 つのグループに関連はないことが仮定されるが,その一方で,対応のあるデータ は,同じ標本からデータを取るため,2 つのグループに相関があることが仮定される。具体的には, 対応のあるデータの場合,標本の大きさや母分散が同じであると考えられる点が,対応のないデー タでの比較と異なってくる。どのようなデータに対応がある,対応がないと考えられるのかまでは理解する必要がある。
③ 回帰分析と t 検定の関係性:対応のない t 検定で行っていることは,回帰分析では,ダミー変数を用いて分析を実施すること と同じことである。ダミー変数の影響が有意であるかということが,t 検定の検定結果に対応する。 そして,ダミー変数の回帰係数の値と切片の値の合計すると,ダミー変数が 1 のときに該当するグ ループの平均値となり,切片の値は,ダミー変数が 0 のときに該当するグループの平均値となる。 回帰分析では,説明変数がいくつであっても同じ分散であることが仮定されるため,グループ間で分散が大きく異なる場合は,回帰分析の結果と t 検定の結果が異なるケースもありうることには留意しておく必要がある。

対応のある t 検定で行っていることは,片方のグループを目的変数,もう片方のグループを説明変数とする回帰分析と同じことになる。回帰係数の値が,2 つのグループの平均値差を意味し,その有意性は,t 検定での検定結果と対応する。

異なる分析に見えても,実際には同じことを異なる方法で分析する方法があることを理解すること,どの点が一致するのかを理解しておくことが求められる。

キーワード ① 対応のない平均値の比較 ② 対応のある平均値の比較 ③ t値 ④ t分布 ⑤ 自由度
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

27 回帰分析と分散分析の関係(1) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以 上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。

本科目全体の中で,本コマは第 III 部の 1 コマ目に位置付けられる。第 III 部では,回帰分析と似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連性について取り扱う。本コマで は,分散分析と回帰分析の関連性について取り扱う。

山田剛・村井潤一郎(2003)よくわかる心理統計 ミネルヴァ書房,pp.162-pp.177.
コマ主題細目 ① 分散成分を分解することによる 3 群以上の比較(分散分析) ② 分散分析の回帰分析的理解 ③ 回帰分析の利点と分散分析の利点
細目レベル ① 分散成分を分解することによる 3 群以上の比較(分散分析):従属変数が量的変数であり,独立変数が質的変数であり,1 つの独立変数に 3 つ以上の水準があ るときに,その独立変数間の平均値に差があるかを検討したいときには,ダミー変数を用いた回帰 分析ではなく,分散分析 (analysis of variance: ANOVA) を用いることがある。分散分析では,そ の名前の通りに分散を利用した分析である。具体的には,データのばらつきについて,各水準が全 体の平均からどの程度離れているか (群間の平均平方 = 群間の平方和 ÷ 自由度) という水準間の 差に関する分散成分と,それぞれのデータが所属する水準の平均からどの程度離れているか (群内 の平均平方 = 群内の平方和 ÷ 自由度) という誤差に関する分散成分に分解し,水準間の差に関す る分散成分が誤差に関する分散成分と比較して十分に大きいかを検討する分析である。分散に関す る統計量 2 つの比を検討するため,この統計量は F 分布に従うと考える。そして,F 分布に従う値であることから,分散分析で用いられる検定統計量は F 値と呼ばれる。独立変数の水準間に差がないと仮定したときに得られる F 分布に対して,実際に得られた F 値の実現値がめったに得られ ないかが,統計的仮説検定では検討される。
② 分散分析の回帰分析的理解:分散分析と回帰分析は数理的には等価なモデルであり,回帰分析を特殊な形に整理したものが分 散分析であるといえる。ただし,用いられることの多い 01 型のダミーコーディングされた変数を 説明変数にする回帰分析と,分散分析では異なるように感じられる点もある。特に,分散分析では, 要因の効果を検討してから,その要因に含まれる水準のどこに差異があるのかを多重比較によって 検討する。それに対して,ダミーコーディングを適用した回帰分析では,要因の効果を検出するという手順を経ずに,多重比較から行っているようにみえる。また,分散分析の多重比較では,水準間の全ての組み合わせについて検討することが多いが,ダミーコーディングを用いた回帰分析では,特定の水準との差異について検討することになるといった違いがある。
③ 回帰分析の利点と分散分析の利点
回帰分析は,分散分析も含めた多くの分析を線形モデルによって表現する包括的な分析であり, さまざまな応用が可能となる。特に,説明変数が量的変数だけでなく,質的な変数が含まれていて も同時に分析することができる。心理学統計法 III で学ぶ内容になるが,回帰分析を発展させることで,従属変数についても量的変数だけでなく質的変数であっても分析可能になる。ただし,質的変数のコーディング方法にはさまざまな方法があったり,交互作用を検討する手順が煩雑であるという難しさもある。

それに対して,分散分析は,従属変数は量的変数であり,独立変数は質的変数の場合にしか適用できない。しかし,要因に含まれる水準数が多くなっても,水準数が少ないときとほとんど同様な方法で多重比較が実施できることや,交互作用の検討についても比較的容易である点が利点といえるだろう。

それぞれの分析についての利点を正しく理解し,目的に応じた分析を用いることができるようになること,別の分析手法を用いると何を重視したものになるのかを理解することが重要である。

キーワード ① 分散分析 ② F分布 ③ 主効果 ④ 多重比較
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

28 回帰分析と分散分析の関係(2) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化に ついて学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以 上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。

本科目全体の中で,本コマは第 III 部の 1 コマ目に位置付けられる。第 III 部では,回帰分析と似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連性について取り扱う。本コマで は,分散分析と回帰分析の関連性について取り扱う。

山田剛・村井潤一郎(2003)よくわかる心理統計 ミネルヴァ書房,pp.162-pp.177.
コマ主題細目 ① 分散成分を分解することによる 3 群以上の比較(分散分析) ② 分散分析の回帰分析的理解 ③ 回帰分析の利点と分散分析の利点
細目レベル ① 分散成分を分解することによる 3 群以上の比較(分散分析):従属変数が量的変数であり,独立変数が質的変数であり,1 つの独立変数に 3 つ以上の水準があ るときに,その独立変数間の平均値に差があるかを検討したいときには,ダミー変数を用いた回帰 分析ではなく,分散分析 (analysis of variance: ANOVA) を用いることがある。分散分析では,そ の名前の通りに分散を利用した分析である。具体的には,データのばらつきについて,各水準が全 体の平均からどの程度離れているか (群間の平均平方 = 群間の平方和 ÷ 自由度) という水準間の 差に関する分散成分と,それぞれのデータが所属する水準の平均からどの程度離れているか (群内 の平均平方 = 群内の平方和 ÷ 自由度) という誤差に関する分散成分に分解し,水準間の差に関す る分散成分が誤差に関する分散成分と比較して十分に大きいかを検討する分析である。分散に関す る統計量 2 つの比を検討するため,この統計量は F 分布に従うと考える。そして,F 分布に従う値であることから,分散分析で用いられる検定統計量は F 値と呼ばれる。独立変数の水準間に差がないと仮定したときに得られる F 分布に対して,実際に得られた F 値の実現値がめったに得られ ないかが,統計的仮説検定では検討される。
② 分散分析の回帰分析的理解:分散分析と回帰分析は数理的には等価なモデルであり,回帰分析を特殊な形に整理したものが分 散分析であるといえる。ただし,用いられることの多い 01 型のダミーコーディングされた変数を 説明変数にする回帰分析と,分散分析では異なるように感じられる点もある。特に,分散分析では, 要因の効果を検討してから,その要因に含まれる水準のどこに差異があるのかを多重比較によって 検討する。それに対して,ダミーコーディングを適用した回帰分析では,要因の効果を検出するという手順を経ずに,多重比較から行っているようにみえる。また,分散分析の多重比較では,水準間の全ての組み合わせについて検討することが多いが,ダミーコーディングを用いた回帰分析では,特定の水準との差異について検討することになるといった違いがある。
③ 回帰分析の利点と分散分析の利点
回帰分析は,分散分析も含めた多くの分析を線形モデルによって表現する包括的な分析であり, さまざまな応用が可能となる。特に,説明変数が量的変数だけでなく,質的な変数が含まれていて も同時に分析することができる。心理学統計法 III で学ぶ内容になるが,回帰分析を発展させることで,従属変数についても量的変数だけでなく質的変数であっても分析可能になる。ただし,質的変数のコーディング方法にはさまざまな方法があったり,交互作用を検討する手順が煩雑であるという難しさもある。

それに対して,分散分析は,従属変数は量的変数であり,独立変数は質的変数の場合にしか適用できない。しかし,要因に含まれる水準数が多くなっても,水準数が少ないときとほとんど同様な方法で多重比較が実施できることや,交互作用の検討についても比較的容易である点が利点といえるだろう。

それぞれの分析についての利点を正しく理解し,目的に応じた分析を用いることができるようになること,別の分析手法を用いると何を重視したものになるのかを理解することが重要である。

キーワード ① 分散分析 ② F分布 ③ 主効果 ④ 多重比較
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

29 復習コマIII(1) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化について学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以 上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。

本科目全体の中で,本コマは第 III 部の 1 コマ目に位置付けられる。第 III 部では,回帰分析と似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連性について取り扱う。本コマでは,第 III 部の復習をし,分析の選択方法について取り扱う。

コマ主題細目 ① 回帰分析と t 検定 ② 回帰分析と分散分析 ③ 分析方法の選択
細目レベル ① 回帰分析と t 検定:2 つのグループで平均値に差があるかを検討する場合,01 型のダミーコーディングを行なってグ ループのダミー変数を説明変数とする回帰分析,または,t 検定が適用できる。回帰分析と t 検定 のどちらであっても,対応のあるデータなのか対応のないデータなのかによって,データの入力方 法や分析の細部が異なってくるため,注意が必要である。回帰分析の場合,2 つのグループの平均値差は,ダミー変数の回帰係数の値とその有意性を検討することによって検討できる。また,説明変数がダミー変数の 1 つだけならば,分散説明率の有意性によっても 2 つのグループに差があるかも検討できる。検定統計量の値の大きさは効果の大きさを示さないため,t 検定では差があるかは検討できるが,差の大きさについては言及できないことに留意する必要がある。また,目的変数や従属変数はどちらも量的変数である必要がある。
② 回帰分析と分散分析:3 つ以上のグループで平均値に差があるかを検討する場合,ダミー変数を作成して,それらを説明変数とする回帰分析,または,分散分析が適用できる。2 つのグループの比較の時と同様に,対応のあるデータなのか,対応のないデータなのかは分析の仕方が異なり,結果の見方も変わるた め,注意が必要である。回帰分析と分散分析は,一見まったく異なる分析方法にみえるが,実際には等価な分析である。しかし,回帰分析で 3 つ以上のグループを扱う場合,ダミー変数の作り方が複数あり,コーディングの方法によって結果の見え方も異なってくる。簡便なコーディングである 01 型のダミーコーディングを用いた回帰分析で,グループ間の差異を検討する場合は,分散分析では下位検定の多重比較に類似していると考えられる。
③ 分析方法の選択:t 検定と回帰分析や,分散分析と回帰分析のように同じようなことを検討する分析方法は,複数 あるケースがある。2 つのグループを比較するならダミー変数を利用した回帰分析と t 検定のどちらでも,3 つ以上のグループを比較するならダミー変数を用いた回帰分析と分散分析のどちらでも 検討可能である。それぞれの分析は,前提としている条件が異なっていたり,細かく結果をみたときにわかることが少し異なることがある。例えば,t 検定や分散分析のままでは,グループ間に差があるかないかを統計的に検討できるが,差の大きさについては言及できない。さらに,量的な変数の共変量の影響を統制できないため,擬似相関の可能性についても,一部しか検討できない。その一方で,回帰分析では,差がどの程度あると考えられるのかということまで検討できるが,水準数が多くなると変数のコーディングが困難になることがある。
キーワード ① t分布 ② 分散分析 ③ 回帰分析 ④ ダミーコーディング
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

30 復習コマIII(2) 科目の中での位置付け 本科目は,手元に得られたデータを一般化するための推測統計学の概要と,「心理学統計法 I」で 学んだ記述統計学をもとにした,複数の変数の関連性を検討する重回帰分析で推定される各種の統計量の意味を理解することを目指す。

本科目の 1 週目から 4 週目までが第 I 部であり,推測統計学に基づく得られたデータの一般化について学ぶ。第 6 週目から第 11 週目までが第 II 部であり,推測統計学を適用しながら,3 変数以 上の関連を検討する偏相関分析や重回帰分析について学ぶ。そして,第 13 週目と第 14 週目は,重 回帰分析とは異なる分析で,似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連も含めて学ぶ。なお,第 5 週目,第 12 週目,および第 15 週目はそれまでの内容を復習し,まとめるためのコマとする。

本科目全体の中で,本コマは第 III 部の 1 コマ目に位置付けられる。第 III 部では,回帰分析と似たことを検討する t 検定と分散分析について,回帰分析との関連性について取り扱う。本コマでは,第 III 部の復習をし,分析の選択方法について取り扱う。

コマ主題細目 ① 回帰分析と t 検定 ② 回帰分析と分散分析 ③ 分析方法の選択
細目レベル ① 回帰分析と t 検定:2 つのグループで平均値に差があるかを検討する場合,01 型のダミーコーディングを行なってグ ループのダミー変数を説明変数とする回帰分析,または,t 検定が適用できる。回帰分析と t 検定 のどちらであっても,対応のあるデータなのか対応のないデータなのかによって,データの入力方 法や分析の細部が異なってくるため,注意が必要である。回帰分析の場合,2 つのグループの平均値差は,ダミー変数の回帰係数の値とその有意性を検討することによって検討できる。また,説明変数がダミー変数の 1 つだけならば,分散説明率の有意性によっても 2 つのグループに差があるかも検討できる。検定統計量の値の大きさは効果の大きさを示さないため,t 検定では差があるかは検討できるが,差の大きさについては言及できないことに留意する必要がある。また,目的変数や従属変数はどちらも量的変数である必要がある。
② 回帰分析と分散分析:3 つ以上のグループで平均値に差があるかを検討する場合,ダミー変数を作成して,それらを説明変数とする回帰分析,または,分散分析が適用できる。2 つのグループの比較の時と同様に,対応のあるデータなのか,対応のないデータなのかは分析の仕方が異なり,結果の見方も変わるた め,注意が必要である。回帰分析と分散分析は,一見まったく異なる分析方法にみえるが,実際には等価な分析である。しかし,回帰分析で 3 つ以上のグループを扱う場合,ダミー変数の作り方が複数あり,コーディングの方法によって結果の見え方も異なってくる。簡便なコーディングである 01 型のダミーコーディングを用いた回帰分析で,グループ間の差異を検討する場合は,分散分析では下位検定の多重比較に類似していると考えられる。
③ 分析方法の選択:t 検定と回帰分析や,分散分析と回帰分析のように同じようなことを検討する分析方法は,複数 あるケースがある。2 つのグループを比較するならダミー変数を利用した回帰分析と t 検定のどちらでも,3 つ以上のグループを比較するならダミー変数を用いた回帰分析と分散分析のどちらでも 検討可能である。それぞれの分析は,前提としている条件が異なっていたり,細かく結果をみたときにわかることが少し異なることがある。例えば,t 検定や分散分析のままでは,グループ間に差があるかないかを統計的に検討できるが,差の大きさについては言及できない。さらに,量的な変数の共変量の影響を統制できないため,擬似相関の可能性についても,一部しか検討できない。その一方で,回帰分析では,差がどの程度あると考えられるのかということまで検討できるが,水準数が多くなると変数のコーディングが困難になることがある。
キーワード ① t分布 ② 分散分析 ③ 回帰分析 ④ ダミーコーディング
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、ヨリソル上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回の教材として配布された資料を熟読した上で,その資料内容を再度確認し,どの部分の理解が足りていなかったのかを把握し,理解できるようにしておく,もしくは何が理解できないかを整理し,担当教員に伝えること。
【次コマの予習】
次回のコマシラバスを読み,重要だと感じたところと,難しく感じたところを異なる色もしくは直線や破線などで分けて視覚的に把握できるようにしておくこと。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
母集団の推測 推測統計学では,母集団の特徴を手元に得られた標本のデータから推測していく。この時に,標本のデータと母集団の違いを説明できる。確率変数や標本抽出という言葉を理解し,標本のデータから母集団を推測する際に,確率変数や標本抽出がどのように関わるのかを説明できる。標本分布を理解し,標本統計量や期待値,標準誤差が,標本分布のどのようなものか,標本の大きさによってどのような影響を受けるかを説明できる。不偏性とはどのようなものかを理解し,不偏分散と標本分散の違いを理解し,不偏分散を用いる必要性を説明できる。 推測統計学, 母集団, 標本, 確率変数, 標本抽出, 標本統計量, 標本分布, 期待値, 標準誤差 20 1-4
確率モデル 正規分布がどのような形の分布であるかを理解し,正規分布を特徴づけるパラメタが変化すると,正規分布の形がどのように変わるか理解し,説明できる。特に,標準正規分布が,正規分布の中でもどのような特徴を持つのか理解している。また,t分布は,正規分布と比較して,どのような時に適用される分布なのか,どういった条件でなら正規分布に近似するのかを理解している。χ2分布は,どのような時に使う分布であるかを,クロス集計表の期待値やχ2値と関連づけながら簡単に説明できる。F分布と$\chi^2分布$の関連について理解し,分散説明率ではなぜF値が算出されるのかを理解している。 正規分布, t分布, χ2分布, F分布 10 2-6
統計的仮説検定 統計的仮説検定によって何が検討できるのかを理解し,説明できる。そして,どのような手続きによって仮説を統計的に検証するのかを,帰無仮説,対立仮説,検定統計量,有意水準,棄却域,臨界値,有意確率という言葉を使って説明することができる。また,統計的仮説検定では,常に誤った仮説を採択してしまう危険性があるが,この危険性についての名称を理解し,その理由を説明できる。また,統計的仮説検定では,対立仮説の正しさを積極的に証明することができないが,その理由を説明できる。 帰無仮説,対立仮説,検定統計量,有意水準,棄却域,臨界値,有意確率,検定力,危険率 10 5-8
関連の推測 2つの変数の関連について,相関係数という統計量によって検討できる。相関係数では因果関係を明らかにできない理由について,擬似相関という観点から説明できる。3つ以上の変数の関連について,部分相関係数と偏相関係数が何をどのように検討したものかを説明できるともに,部分相関係数や偏相関係数を用いる利点について,具体例を伴って説明できる。部分相関係数と偏相関係数の違いについて,統制という言葉を使って説明することができる。 相関係数, 擬似相関, 部分相関係数, 偏相関係数 20 11-14
重回帰分析 重回帰分析と単回帰分析の違いについて説明できる。重回帰分析において,偏回帰係数の意味を,共変量の統制された説明変数として,正しく解釈することができる。偏回帰係数と標準偏回帰係数の値が持つ意味の違いについて理解し,それぞれを正しく解釈できる。自由度調整済み決定係数と決定係数の値は,同じモデルで重回帰分析を行った時に,どのような場合にその値の差異が大きくなるか,2つの観点から説明できる。01型のダミー変数の作り方を理解し,回帰分析の中で質的変数をどのように扱うかを説明できる。交互作用とは何を理解し,重回帰分析のときにはどのように検討するかを理解している。重回帰分析を行うときに多重共線性の問題が生じている状態はどのような場合かを説明できる。 重回帰分析, 偏回帰係数, 標準偏回帰係数, 自由度調整済み決定係数, ダミー変数, 交互作用, 多重共線性 30 15-22
回帰分析以外の比較 t検定や分散分析はどのような場合に適用できるのか,独立変数と従属変数の特徴という観点から説明できる。t検定や分散分析における統計的仮説検定の流れを具体的に説明できる。そして,対応のあるデータのt検定と対応のないデータのt検定では,何が違うのか,具体的な例を伴って説明できる。また,回帰分析とはどのような関係にあり,t検定や分散分析と類似したことを回帰分析を行うには,どのようなモデルで回帰分析を行えばよいかを理解している。それぞれの分析の利点を理解し,分析を選択する基準を持つことができている。 t検定, 分散分析, 対応のあるデータ, 対応のないデータ 10 25-28
評価方法 期末試験(100%)によって評価する。
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 使用しない
参考文献 馬場 真哉 (2015). 平均・分散から始める一般化線形モデル入門 プレアデス出版, Cohen, J., Cohen, P., West, S. G., & Aiken, L. S. (2003). Applied multiple regression/correlation analysis for the behavioral sciences (3rd ed.), Routledge: New York, 南風原 朝和 (2002). 心理統計学の基礎---統合的理解のために---. ミネルヴァ書房, 小杉 考司 (2018). 言葉と数式で理解する多変量解析入門 北大路書房, 皆本 晃弥 (2015). すっきりわかる確率統計---定理のくわしい証明つき---. , Jaccard, J., & Turrisi, R. (2003). Interaction effects in multiple regression (2nd edition), Sage Pabulications, 清水 裕士 (2021). 心理学統計法 放送大学出版, 山田 剛史・村井 潤一郎 (2004). よくわかる心理統計 ミネルヴァ書房.
実験・実習・教材費