区分 基盤専門科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
SDGs力 科学コミュニケーション力 研究力
カリキュラム・ポリシーとの関係
教養 応用力 実践力
科目間連携 総合心理力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
基礎科目として位置づけられる。
科目の目的
本講義は、人間の発達を生涯にわたる変化の過程として理解し、その背景にある理論や概念を多面的に学ぶことを目的とする。まず発達とは何かを問い直し、生物・社会・技術などの視点からその意味の多様性を理解する。次に主要な発達理論を整理し、それぞれがどのように人の変化を説明しているかを学ぶ。さらに、胎児期から高齢期までの各発達段階における特徴的な現象を取り上げ、理論と結びつけて理解することで、発達を総合的に捉える力を養う。最終的には、発達を単なる成長ではなく、環境との相互作用の中で生じる柔軟な過程として説明できることを目指す。
到達目標
本講義では、発達とは何かを多面的に理解し、主要な発達理論の特徴と違いを説明できることを目標とする。さらに、胎児期から高齢期までの各発達段階の特徴と重要な現象を理解し、それらを理論と結びつけて解釈できる力を養う。発達を環境との相互作用の中で捉え、個人差や多様性についても考察できるようになることを目指す。

発達とは何かについて、生物・社会・心理学の複数の視点から説明できる
発達心理学の主要理論(ピアジェ、ヴィゴツキー、エリクソン、現代理論)の特徴と違いを理解し、説明できる
胎児期から高齢期までの各発達段階の特徴(身体・認知・社会)を体系的に理解できる
心の理論、愛着、アイデンティティなどの重要な発達現象を具体例とともに説明できる
各発達段階の現象を適切な理論と結びつけて解釈できる
発達を単なる成長ではなく、環境との相互作用による変化として捉えることができる
発達における個人差や多様性について理解し、多角的に考察できる

科目の概要
本講義は、人間の発達を生涯にわたる変化として体系的に理解することを目的とする。第1・2回では発達とは何かを問い直し、生物・社会・技術の観点からその意味を多面的に捉える。第3回以降は心理学の成立を踏まえ、ピアジェ、ヴィゴツキー、エリクソンおよび現代理論を学び、発達を説明する枠組みを整理する。第7回で理論を総括した後、胎児期から高齢期までの各発達段階について、特徴的な現象と理論を結びつけて理解する。最終回では全体を統合し、発達を環境との相互作用の中で生じる過程として総合的に捉える力を養う。
科目のキーワード
発達、 生涯発達、 質的変化、 量的変化、 適応、 成長、 成熟、 学習、 多様性、 発達理論、 発達段階、 発達心理学、 子ども、 乳児、 幼児、 児童、 青年、 成人、 高齢者、 遺伝、 環境、 相互作用、 生物、 社会、 文化、 技術、 心理学、 ブント、 ホール、 ピアジェ、 ヴィゴツキー、 エリクソン、 情報処理、 コア知識、 愛着、 最近接発達領域、 同化、 調節、 均衡化、 ライフスパン、 可塑性、 臨界期、 敏感期、 胎児、 新生児、 神経発達、 反射、 知覚、 対象の永続性、 共同注意、 心の理論、 自己制御、 言語発達、 自己意識、 学習、 仲間関係、 メタ認知、 道徳性、 アイデンティティ、 自立、 リスク行動、 親密性、 世代性、 加齢、 記憶、 幸福感、 統合、 SOC理論
授業の展開方法

オフィス・アワー
前期:月曜1限・4限
火曜1限・2限・3限
水曜1限~3限
木曜1限~4限
後期:月曜1限・2限
火曜1限・2限
木曜1限~昼
金曜1限・2限

科目コード RD1010
学年・期 1年・後期
科目名 発達心理学
単位数 2
授業形態 講義
必修・選択 必修
学習時間 【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目 なし
展開科目
関連資格 公認心理師
担当教員名 野内類
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 発達とは何か① 科目の中での位置付け 本講義は、心理学の基礎科目の一つとして、人間のこころと行動の変化を生涯にわたって理解するための基盤を形成するものである。発達心理学は、臨床心理学、教育心理学、社会心理学など多くの分野と関係しており、人を理解する上での中心的な位置を占める。本講義ではまず、第1回・第2回において、発達とは何かという根本的な問いから出発し、生物・社会・技術といった多様な視点から発達の意味を捉えることで、単一の定義に還元できない概念としての発達を理解する。

続いて、第3回では心理学がどのように発達を科学的に扱ってきたのかを歴史的に学び、第4回・第5回ではピアジェ、ヴィゴツキー、エリクソンといった古典的理論を扱う。さらに第6回では、情報処理やコア知識、ライフスパン発達などの現代理論を取り上げ、発達を説明する複数の枠組みを整理する。第7回では前半の内容について模擬テストと解説を行い、理論の理解を確認する。

後半では、第8回から第14回にかけて、胎児期・新生児期、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、高齢期といった各発達段階を順に取り上げる。それぞれの回では、身体的変化、認知的変化、社会的変化を具体的に学ぶとともに、愛着、心の理論、メタ認知、アイデンティティ、親密性、世代性など、その時期に特徴的な心理現象を扱う。各回ではこれらの現象を単に記述するのではなく、学んだ理論を用いて説明することで、理論と実際の人間行動とを結びつけて理解する力を養う。

最終回である第15回では、講義全体の内容について模擬テストと総括を行い、理論と発達段階の両面から理解を統合する。最終的には、発達を単なる成長や進歩としてではなく、環境との相互作用の中で生じる柔軟で多様な過程として捉え、人間理解に応用できる視点を身につけることを目指す。

コマ主題細目 ① 発達の定義と概念 ② 発達は進歩か変化か ③ 発達研究の基本的問い
細目レベル ① 発達とは何かを考えるとき、まず「成長」「成熟」「学習」との違いを知ることが大切である。成長とは身長や体重が増えるような量の変化、成熟とは遺伝的に決まった機能が自然に現れること、学習とは経験によってできるようになることである。たとえば、身長が伸びるのは成長、歩けるようになるのは成熟、勉強して英単語を覚えるのは学習である。発達はこれらすべてを含みながら、人のこころや行動が変わっていく全体の過程を指す。さらに重要なのは、発達には「質の変化」があることである。単に知識が増えるだけでなく、考え方そのものが変わることがある。このように発達とは、量と質の両方の変化を含む広い概念である。
② 多くの人は、発達とは「成長して良くなること」だと考えがちである。しかし本当にそうだろうか。たとえば、子どもは自由な発想や豊かな想像力を持っているが、大人になるとそれが弱くなることもある。また、高齢になると記憶力は低下するが、人間関係の経験や落ち着いた判断力はむしろ高まることもある。このように発達は単純に良くなるだけではなく、「得るもの」と「失うもの」の両方を含んでいる。発達を別の見方で考えると、「環境に合わせて変わること」とも言える。子どもが学校に適応し、大人が社会の中で役割を果たすようになるのも発達である。つまり発達とは、常に進歩することではなく、状況に応じて変化していく過程である。
③ 発達心理学では、人がどのように変わるのかを考えるが、そのときにはいくつかの基本的な問いがある。まず「何が変わるのか」という問いである。これは記憶、考え方、感情、人との関わり方など、どの部分が発達するのかを考える問題である。次に「なぜ変わるのか」という問いがある。これは遺伝の影響なのか、経験や環境の影響なのかを考えることである。さらに「どのように変わるのか」という問いも重要である。発達は少しずつ変わるのか、それともある時期に大きく変わるのかという問題である。これらの問いは、後に学ぶピアジェやヴィゴツキーなどの理論によって異なる答えが与えられる。本講義では、これらの問いを手がかりに発達を理解していく。
キーワード ① 成長 ② 成熟 ③ 学習 ④ 発達
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト
復習・予習課題
2 発達とは何か②:人間以外から考える 科目の中での位置付け 本講義は、心理学の基礎科目の一つとして、人間のこころと行動の変化を生涯にわたって理解するための基盤を形成するものである。発達心理学は、臨床心理学、教育心理学、社会心理学など多くの分野と関係しており、人を理解する上での中心的な位置を占める。本講義ではまず、第1回・第2回において、発達とは何かという根本的な問いから出発し、生物・社会・技術といった多様な視点から発達の意味を捉えることで、単一の定義に還元できない概念としての発達を理解する。

続いて、第3回では心理学がどのように発達を科学的に扱ってきたのかを歴史的に学び、第4回・第5回ではピアジェ、ヴィゴツキー、エリクソンといった古典的理論を扱う。さらに第6回では、情報処理やコア知識、ライフスパン発達などの現代理論を取り上げ、発達を説明する複数の枠組みを整理する。第7回では前半の内容について模擬テストと解説を行い、理論の理解を確認する。

後半では、第8回から第14回にかけて、胎児期・新生児期、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、高齢期といった各発達段階を順に取り上げる。それぞれの回では、身体的変化、認知的変化、社会的変化を具体的に学ぶとともに、愛着、心の理論、メタ認知、アイデンティティ、親密性、世代性など、その時期に特徴的な心理現象を扱う。各回ではこれらの現象を単に記述するのではなく、学んだ理論を用いて説明することで、理論と実際の人間行動とを結びつけて理解する力を養う。

最終回である第15回では、講義全体の内容について模擬テストと総括を行い、理論と発達段階の両面から理解を統合する。最終的には、発達を単なる成長や進歩としてではなく、環境との相互作用の中で生じる柔軟で多様な過程として捉え、人間理解に応用できる視点を身につけることを目指す。

コマ主題細目 ① 生物の発達 ② 社会・制度の発達 ③ 機械・技術の発達
細目レベル ① 生物学における発達とは、受精から成長し、成熟していくまでの身体や機能の変化を指す。たとえば、胎児が形づくられ、やがて歩けるようになる過程は発達である。ここでは発達は主に遺伝子によってある程度決められており、多くの人に共通した順序で進むと考えられている。実際に、首がすわる、はいはいをする、歩くといった順番は多くの子どもで似ている。このように生物の発達は「決まったプログラムに従って進む変化」として理解されることが多い。また、正常か異常かの基準も比較的はっきりしている。しかし、人間のこころや考え方の変化も、同じように決められたものとして説明できるのだろうか。この疑問が心理学の発達研究につながっていく。
② 「発達」という言葉は、人間の個人だけでなく、社会や制度にも使われる。たとえば都市の発展や、教育制度の変化なども「発達」と呼ばれる。この場合の発達は、時間の中で社会の仕組みや人々の関係が変わっていくことを意味する。昔と比べて働き方や家族のあり方が変わっているのもその一例である。ここでは発達は遺伝ではなく、人々の活動や文化、歴史の影響によって作られるものと考えられる。また、何をもって「発達している」とするかは、社会の価値観によって変わる。便利さを重視する社会もあれば、環境を守ることを重視する社会もある。このように社会の発達は、人間の選択や価値と深く関わっている。
③ 機械や技術についても「発達」という言葉が使われる。たとえば、携帯電話がスマートフォンへと進化し、さらにAI技術が広がっていることは、技術の発達といえる。この場合の発達は、より速く、より便利に、より正確になるといった「進歩」と強く結びついている。つまり、前のものよりも性能が良くなることが発達と考えられている。しかし、この考え方をそのまま人間に当てはめてよいのだろうか。人間の発達は、単純に能力が上がり続けるわけではなく、状況によって変化し、時には低下することもある。ここから、発達とは必ずしも進歩だけを意味するのではないということが見えてくる。この問いは、人間の発達を考えるうえで重要な出発点となる。
キーワード ① 発生 ② 制度 ③ 技術
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト
復習・予習課題
3 発達心理学の成立 科目の中での位置付け 本講義は、心理学の基礎科目の一つとして、人間のこころと行動の変化を生涯にわたって理解するための基盤を形成するものである。発達心理学は、臨床心理学、教育心理学、社会心理学など多くの分野と関係しており、人を理解する上での中心的な位置を占める。本講義ではまず、第1回・第2回において、発達とは何かという根本的な問いから出発し、生物・社会・技術といった多様な視点から発達の意味を捉えることで、単一の定義に還元できない概念としての発達を理解する。

続いて、第3回では心理学がどのように発達を科学的に扱ってきたのかを歴史的に学び、第4回・第5回ではピアジェ、ヴィゴツキー、エリクソンといった古典的理論を扱う。さらに第6回では、情報処理やコア知識、ライフスパン発達などの現代理論を取り上げ、発達を説明する複数の枠組みを整理する。第7回では前半の内容について模擬テストと解説を行い、理論の理解を確認する。

後半では、第8回から第14回にかけて、胎児期・新生児期、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、高齢期といった各発達段階を順に取り上げる。それぞれの回では、身体的変化、認知的変化、社会的変化を具体的に学ぶとともに、愛着、心の理論、メタ認知、アイデンティティ、親密性、世代性など、その時期に特徴的な心理現象を扱う。各回ではこれらの現象を単に記述するのではなく、学んだ理論を用いて説明することで、理論と実際の人間行動とを結びつけて理解する力を養う。

最終回である第15回では、講義全体の内容について模擬テストと総括を行い、理論と発達段階の両面から理解を統合する。最終的には、発達を単なる成長や進歩としてではなく、環境との相互作用の中で生じる柔軟で多様な過程として捉え、人間理解に応用できる視点を身につけることを目指す。

コマ主題細目 ① 心理学成立以前の人間観 ② 科学としての心理学 ③ 発達研究の誕生(
細目レベル ① 心理学が生まれる前、人間のこころや発達は主に哲学の中で考えられていた。たとえばロックは、人のこころは生まれたときには何も書かれていない「白紙(タブラ・ラサ)」のようなものであり、経験によって内容が書き込まれていくと考えた。一方、ルソーは、人間は本来よい性質を持って生まれており、自然の中で育つことでそれが発揮されると考えた。このように、人間は経験によって作られるのか、それとも生まれつきの性質を持つのかという対立があった。また、子どもは未熟な大人とみなされることも多く、独自の存在として研究されることは少なかった。このような考え方が、後に心理学が発達を扱う際の出発点となる。
② 19世紀後半になると、こころを科学的に研究しようとする動きが生まれた。その中心となったのがブントであり、彼は実験を用いて感覚や反応を測定し、心理学を独立した学問として成立させた。ここでは、観察や測定が重視され、主観的な考えだけでなく、客観的なデータに基づいてこころを理解しようとした。しかし当時の心理学は主に成人を対象としており、子どもの発達については十分に扱われていなかった。また、こころを細かい要素に分けて分析する方法が中心であり、発達のような時間的変化を捉えるには限界もあった。それでも、この時期に確立された「科学としてこころを研究する」という姿勢が、後の発達心理学の基盤となった。
③ 発達を本格的に研究対象としたのは、スタンレー・ホールなどの研究者である。彼は子どもの行動や意識を調査し、発達には一定の順序があると考えた。また、子どもを単なる未熟な存在ではなく、独自の発達過程を持つ存在として捉えた点が重要である。この頃から、子どもの観察や質問紙を用いた研究が行われるようになり、発達心理学が一つの分野として形づくられていった。ただし、この段階では発達の仕組みを説明する理論はまだ十分ではなかった。つまり、「子どもはどのように変わるか」はわかり始めたが、「なぜそう変わるのか」はまだ明確ではなかったのである。この問題に本格的に答えたのが、次回扱うピアジェである。
キーワード ① タブラ・ラサ ② 実験 ③ 子ども
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
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小テスト
復習・予習課題
4 ピアジェの研究 科目の中での位置付け 本講義は、心理学の基礎科目の一つとして、人間のこころと行動の変化を生涯にわたって理解するための基盤を形成するものである。発達心理学は、臨床心理学、教育心理学、社会心理学など多くの分野と関係しており、人を理解する上での中心的な位置を占める。本講義ではまず、第1回・第2回において、発達とは何かという根本的な問いから出発し、生物・社会・技術といった多様な視点から発達の意味を捉えることで、単一の定義に還元できない概念としての発達を理解する。

続いて、第3回では心理学がどのように発達を科学的に扱ってきたのかを歴史的に学び、第4回・第5回ではピアジェ、ヴィゴツキー、エリクソンといった古典的理論を扱う。さらに第6回では、情報処理やコア知識、ライフスパン発達などの現代理論を取り上げ、発達を説明する複数の枠組みを整理する。第7回では前半の内容について模擬テストと解説を行い、理論の理解を確認する。

後半では、第8回から第14回にかけて、胎児期・新生児期、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、高齢期といった各発達段階を順に取り上げる。それぞれの回では、身体的変化、認知的変化、社会的変化を具体的に学ぶとともに、愛着、心の理論、メタ認知、アイデンティティ、親密性、世代性など、その時期に特徴的な心理現象を扱う。各回ではこれらの現象を単に記述するのではなく、学んだ理論を用いて説明することで、理論と実際の人間行動とを結びつけて理解する力を養う。

最終回である第15回では、講義全体の内容について模擬テストと総括を行い、理論と発達段階の両面から理解を統合する。最終的には、発達を単なる成長や進歩としてではなく、環境との相互作用の中で生じる柔軟で多様な過程として捉え、人間理解に応用できる視点を身につけることを目指す。

コマ主題細目 ① 子どもの思考の特徴 ② 認知発達のメカニズム ③ 段階説とその意義
細目レベル ① 子どもは大人と同じように考えているわけではない。このことを示したのがピアジェである。たとえば、同じ量の水を形の違うコップに移すと、子どもは背の高いコップの方が量が多いと答えることがある。これは保存課題と呼ばれるもので、子どもが見た目に強く影響されていることを示している。また、子どもは自分の視点を中心に物事を考えやすく、他者の立場を理解するのが難しい。このような特徴は自己中心性と呼ばれる。ピアジェは、子どもは単に知識が少ないのではなく、大人とは異なる考え方の枠組みを持っていると考えた。つまり、子どもは未熟なのではなく、独自の世界の捉え方をしている存在である。
② ピアジェは、子どもの思考がどのように変化していくのかを説明するために、「同化」と「調節」という概念を提案した。同化とは、新しい出来事をこれまでの考え方に当てはめて理解することである。たとえば、犬を見て「ワンワン」と覚えた子どもが、猫を見ても同じように呼ぶ場合がこれにあたる。一方、調節とは、新しい経験に合わせて考え方を変えることであり、「これは犬ではなく猫だ」と理解し直すことである。この同化と調節のバランスがとれることで、より安定した理解が生まれる。ピアジェはこの過程を均衡化と呼び、発達はこの繰り返しによって進むと考えた。つまり発達とは、子どもが自ら世界を理解し直していく過程である。
③ ピアジェは、子どもの認知発達がいくつかの段階を経て進むと考えた。感覚運動期、前操作期、具体的操作期、形式的操作期といった段階があり、それぞれで特徴的な思考の仕方が見られる。たとえば前操作期の子どもは直感的に考えるが、具体的操作期になると論理的な思考ができるようになる。このように、発達は連続的に少しずつ変わるのではなく、あるまとまりを持って変化すると考えられた。この段階説の意義は、子どもを単なる未熟な存在ではなく、独自の発達過程を持つ存在として捉えた点にある。一方で、子どもの能力を過小評価しているのではないかという批判もあり、この点は後の理論につながっていく。
キーワード ① ピアジェ ② 自己中心性 ③ 認知発達 ④ 発達段階
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小テスト
復習・予習課題
5 ヴィゴツキーとエリクソンの研究 科目の中での位置付け 本講義は、心理学の基礎科目の一つとして、人間のこころと行動の変化を生涯にわたって理解するための基盤を形成するものである。発達心理学は、臨床心理学、教育心理学、社会心理学など多くの分野と関係しており、人を理解する上での中心的な位置を占める。本講義ではまず、第1回・第2回において、発達とは何かという根本的な問いから出発し、生物・社会・技術といった多様な視点から発達の意味を捉えることで、単一の定義に還元できない概念としての発達を理解する。

続いて、第3回では心理学がどのように発達を科学的に扱ってきたのかを歴史的に学び、第4回・第5回ではピアジェ、ヴィゴツキー、エリクソンといった古典的理論を扱う。さらに第6回では、情報処理やコア知識、ライフスパン発達などの現代理論を取り上げ、発達を説明する複数の枠組みを整理する。第7回では前半の内容について模擬テストと解説を行い、理論の理解を確認する。

後半では、第8回から第14回にかけて、胎児期・新生児期、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、高齢期といった各発達段階を順に取り上げる。それぞれの回では、身体的変化、認知的変化、社会的変化を具体的に学ぶとともに、愛着、心の理論、メタ認知、アイデンティティ、親密性、世代性など、その時期に特徴的な心理現象を扱う。各回ではこれらの現象を単に記述するのではなく、学んだ理論を用いて説明することで、理論と実際の人間行動とを結びつけて理解する力を養う。

最終回である第15回では、講義全体の内容について模擬テストと総括を行い、理論と発達段階の両面から理解を統合する。最終的には、発達を単なる成長や進歩としてではなく、環境との相互作用の中で生じる柔軟で多様な過程として捉え、人間理解に応用できる視点を身につけることを目指す。

コマ主題細目 ① 社会文化的発達 ② 発達課題とライフスパン ③ 個人と社会の統合
細目レベル ① ピアジェは子どもが自ら世界を理解していく過程を重視したが、ヴィゴツキーは発達には他者との関わりが不可欠であると考えた。子どもは一人で成長するのではなく、大人や周囲の人とのやり取りの中で新しいことを学んでいく。特に重要なのが「最近接発達領域(ZPD)」である。これは、一人ではできないが、援助があればできる範囲を指す。たとえば、少し難しい課題でも大人が手助けするとできるようになる経験である。このときの支援を足場かけと呼ぶ。ヴィゴツキーは、このような社会的な関わりを通して、外側の活動が内面化され、思考が発達すると考えた。つまり発達は、社会の中で作られていく過程である。
② 分け、それぞれに達成すべき「発達課題」があると考えた。たとえば青年期では、自分が何者であるかを確立する「アイデンティティ」が重要な課題となる。また成人期では、他者との深い関係を築くこと、高齢期では人生を振り返って受け入れることが課題となる。このように発達は単なる能力の向上ではなく、その時期ごとの課題にどう向き合うかという過程でもある。エリクソンの理論は、人の発達を社会との関係や人生全体の流れの中で理解する視点を与えている。
③ ピアジェとヴィゴツキー、そしてエリクソンの理論を比べると、発達の捉え方には違いがあることがわかる。ピアジェは個人の認知の変化を中心に考えたのに対し、ヴィゴツキーは社会との関わりを重視した。またエリクソンは、社会の中での役割や人生全体の課題に注目した。このように発達は、個人の内面的な変化だけでなく、他者や社会との関係の中でも進むものである。どの理論も一部を説明しているが、それだけで発達のすべてを説明することはできない。そのため、複数の理論を組み合わせて考えることが重要になる。この視点は、後に学ぶ現代理論の理解にもつながっていく。
キーワード ① 最近接発達領域 ② 発達課題 ③ ライフスパン
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
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小テスト
復習・予習課題
6 現代理論 科目の中での位置付け 本講義は、心理学の基礎科目の一つとして、人間のこころと行動の変化を生涯にわたって理解するための基盤を形成するものである。発達心理学は、臨床心理学、教育心理学、社会心理学など多くの分野と関係しており、人を理解する上での中心的な位置を占める。本講義ではまず、第1回・第2回において、発達とは何かという根本的な問いから出発し、生物・社会・技術といった多様な視点から発達の意味を捉えることで、単一の定義に還元できない概念としての発達を理解する。

続いて、第3回では心理学がどのように発達を科学的に扱ってきたのかを歴史的に学び、第4回・第5回ではピアジェ、ヴィゴツキー、エリクソンといった古典的理論を扱う。さらに第6回では、情報処理やコア知識、ライフスパン発達などの現代理論を取り上げ、発達を説明する複数の枠組みを整理する。第7回では前半の内容について模擬テストと解説を行い、理論の理解を確認する。

後半では、第8回から第14回にかけて、胎児期・新生児期、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、高齢期といった各発達段階を順に取り上げる。それぞれの回では、身体的変化、認知的変化、社会的変化を具体的に学ぶとともに、愛着、心の理論、メタ認知、アイデンティティ、親密性、世代性など、その時期に特徴的な心理現象を扱う。各回ではこれらの現象を単に記述するのではなく、学んだ理論を用いて説明することで、理論と実際の人間行動とを結びつけて理解する力を養う。

最終回である第15回では、講義全体の内容について模擬テストと総括を行い、理論と発達段階の両面から理解を統合する。最終的には、発達を単なる成長や進歩としてではなく、環境との相互作用の中で生じる柔軟で多様な過程として捉え、人間理解に応用できる視点を身につけることを目指す。

コマ主題細目 ① 情報処理アプローチ ② コア知識と新ピアジェ派 ③ ライフスパンと動的システム
細目レベル ① ピアジェは発達を段階として捉えたが、情報処理アプローチでは、発達を「情報の扱い方の変化」として考える。人のこころをコンピュータにたとえ、入力された情報をどのように記憶し、処理し、利用するかに注目するのである。たとえば、子どもは成長するにつれて記憶容量が増え、注意を向けられる範囲も広がる。また、処理速度が速くなることで、より複雑な課題にも対応できるようになる。この立場では、発達は急に変わるのではなく、少しずつ連続的に変化すると考える。つまり、子どもと大人の違いは、考え方の質が全く異なるというよりも、処理能力の違いとして説明されるのである。
② ピアジェは子どもが経験を通して知識を構成すると考えたが、その後の研究では、乳児の段階からある程度の知識を持っている可能性が示されている。これがコア知識理論であり、物の動きや数の感覚、他者の行動の理解などの基本的な知識は生得的に備わっていると考える。また、新ピアジェ派は、ピアジェの段階説を修正し、発達は段階だけでなく、記憶容量や処理能力の増加によっても説明できるとした。これにより、段階的な変化と連続的な変化の両方を考慮する視点が生まれた。このように現代の発達理論は、ピアジェの考えを基礎としながらも、それを補い、より柔軟に発達を理解しようとしている。
③ 現代の発達心理学では、発達は子どもだけの問題ではなく、生涯にわたるものと考えられている。ライフスパン発達理論では、発達は成長だけでなく、維持や衰退も含むとされる。また、人の発達は一つの要因だけで決まるのではなく、身体、環境、経験などが複雑に関わり合って生じると考えられる。これを説明するのが動的システムの考え方である。たとえば、歩行は筋力だけでなく、環境や経験の影響も受ける。さらに、発達には遺伝と環境の相互作用があり、特定の時期に経験が重要となる臨界期や敏感期の概念もある。このように発達は、多くの要因が関係する柔軟なプロセスとして理解されている。
キーワード ① 情報処理 ② ライフスパン ③ 遺伝と環境
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト
復習・予習課題
7 模擬テストと復習 科目の中での位置付け 本講義は、心理学の基礎科目の一つとして、人間のこころと行動の変化を生涯にわたって理解するための基盤を形成するものである。発達心理学は、臨床心理学、教育心理学、社会心理学など多くの分野と関係しており、人を理解する上での中心的な位置を占める。本講義ではまず、第1回・第2回において、発達とは何かという根本的な問いから出発し、生物・社会・技術といった多様な視点から発達の意味を捉えることで、単一の定義に還元できない概念としての発達を理解する。

続いて、第3回では心理学がどのように発達を科学的に扱ってきたのかを歴史的に学び、第4回・第5回ではピアジェ、ヴィゴツキー、エリクソンといった古典的理論を扱う。さらに第6回では、情報処理やコア知識、ライフスパン発達などの現代理論を取り上げ、発達を説明する複数の枠組みを整理する。第7回では前半の内容について模擬テストと解説を行い、理論の理解を確認する。

後半では、第8回から第14回にかけて、胎児期・新生児期、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、高齢期といった各発達段階を順に取り上げる。それぞれの回では、身体的変化、認知的変化、社会的変化を具体的に学ぶとともに、愛着、心の理論、メタ認知、アイデンティティ、親密性、世代性など、その時期に特徴的な心理現象を扱う。各回ではこれらの現象を単に記述するのではなく、学んだ理論を用いて説明することで、理論と実際の人間行動とを結びつけて理解する力を養う。

最終回である第15回では、講義全体の内容について模擬テストと総括を行い、理論と発達段階の両面から理解を統合する。最終的には、発達を単なる成長や進歩としてではなく、環境との相互作用の中で生じる柔軟で多様な過程として捉え、人間理解に応用できる視点を身につけることを目指す。

コマ主題細目 ① 発達概念の整理 ② 理論の比較 ③ 理論の適用
細目レベル ① 第1回と第2回では、発達とは何かについて多面的に考えてきた。発達は単なる成長ではなく、質的な変化を含む過程であり、必ずしも進歩だけを意味するものではない。また、生物・社会・技術など異なる分野では、「発達」という言葉の意味が異なることも確認した。ここでは、それらを整理し、発達という概念の広がりを再確認することが重要である。さらに、発達には個人の内部要因と環境との相互作用が関わっていることも押さえておく必要がある。このような基本概念をしっかり理解することで、後半の発達段階の内容がより深く理解できるようになる。本テーマでは、模擬テストを通してこれらの点を確認し、理解の定着を図る。
② 第3回から第6回では、さまざまな発達理論を学んできた。ピアジェは個人の認知の変化を段階的に捉え、ヴィゴツキーは社会的相互作用を重視した。また、エリクソンは人生全体の発達課題を示し、現代理論では情報処理や生得的知識、ライフスパンの視点などが加えられた。本テーマでは、これらの理論を個別に覚えるのではなく、どのような違いがあるのかを比較して理解することが重要である。たとえば、発達を個人中心に見るのか、社会との関係で見るのか、段階的に変わるのか連続的に変わるのかといった点で整理できる。模擬テストを通して、理論の特徴と違いを明確にしていく。
③ 発達理論は、単に知識として覚えるだけでなく、実際の現象を説明するために用いることが重要である。たとえば、子どもが他者の視点を理解できない場面はピアジェの自己中心性で説明できるし、大人の支援によってできることが増える場面はヴィゴツキーの最近接発達領域で理解できる。このように、具体的な行動や出来事に対してどの理論が適用できるかを考えることが、理解を深める鍵となる。本テーマでは、模擬テストの問題を通して、理論を実際の事例に当てはめる練習を行う。これにより、後半の発達段階の学習でも、理論を使って考える力を身につけることができる。
キーワード ① 発達 ② 認知 ③ ライフスパン
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト
復習・予習課題
8 胎児期・新生児期 科目の中での位置付け 本講義は、心理学の基礎科目の一つとして、人間のこころと行動の変化を生涯にわたって理解するための基盤を形成するものである。発達心理学は、臨床心理学、教育心理学、社会心理学など多くの分野と関係しており、人を理解する上での中心的な位置を占める。本講義ではまず、第1回・第2回において、発達とは何かという根本的な問いから出発し、生物・社会・技術といった多様な視点から発達の意味を捉えることで、単一の定義に還元できない概念としての発達を理解する。

続いて、第3回では心理学がどのように発達を科学的に扱ってきたのかを歴史的に学び、第4回・第5回ではピアジェ、ヴィゴツキー、エリクソンといった古典的理論を扱う。さらに第6回では、情報処理やコア知識、ライフスパン発達などの現代理論を取り上げ、発達を説明する複数の枠組みを整理する。第7回では前半の内容について模擬テストと解説を行い、理論の理解を確認する。

後半では、第8回から第14回にかけて、胎児期・新生児期、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、高齢期といった各発達段階を順に取り上げる。それぞれの回では、身体的変化、認知的変化、社会的変化を具体的に学ぶとともに、愛着、心の理論、メタ認知、アイデンティティ、親密性、世代性など、その時期に特徴的な心理現象を扱う。各回ではこれらの現象を単に記述するのではなく、学んだ理論を用いて説明することで、理論と実際の人間行動とを結びつけて理解する力を養う。

最終回である第15回では、講義全体の内容について模擬テストと総括を行い、理論と発達段階の両面から理解を統合する。最終的には、発達を単なる成長や進歩としてではなく、環境との相互作用の中で生じる柔軟で多様な過程として捉え、人間理解に応用できる視点を身につけることを目指す。

コマ主題細目 ① 身体と神経の初期発達 ② 初期の知覚と学習 ③ 生得性と環境の相互作用
細目レベル ① 胎児期から新生児期にかけては、人の発達の基盤が形成される重要な時期である。胎児は母体の中で急速に成長し、心臓や脳などの基本的な器官がつくられる。また神経系も発達し、外界からの刺激に反応するようになる。出生後の新生児は、泣く、吸う、握るといった反射を持っており、これらは生存に必要な基本的機能である。さらに、視覚や聴覚もすでに働いており、人の顔や声に反応することが知られている。このように、この時期の発達は主に生物学的な成熟に支えられているが、環境からの刺激も徐々に影響を与え始める。発達は生まれた後に始まるのではなく、胎児期からすでに進行していることが重要である。
② 新生児は何もわからない存在のように見えるが、実際にはさまざまな認知能力や学習能力を持っている。たとえば、生まれてすぐの段階でも母親の声を聞き分けたり、人の顔に似た刺激を好んで見ることが知られている。また、同じ刺激を繰り返し提示すると飽きるが、新しい刺激には注意を向けるといった反応も見られる。これは、単純な学習や記憶がすでに働いていることを示している。さらに、簡単な模倣行動が見られるという研究もある。このような発見は、乳児が受動的な存在ではなく、環境から情報を取り入れながら能動的に学習する存在であることを示している。発達は生まれてから徐々に始まるのではなく、初期からすでに認知的な活動が存在している。
③ この時期の発達をどのように理解するかについては、理論によって考え方が異なる。ピアジェは、乳児は感覚と運動を通して世界を理解していくと考え、最初は物の存在を完全には理解していないとした。一方、コア知識理論では、乳児は生まれつき物理法則や数量に関する基本的な知識を持っていると考える。また、生得的な能力と経験の影響をどのように捉えるかも重要な問題である。発達は遺伝によって決まるのか、それとも環境によって作られるのかという問いは、この時期の研究からも見えてくる。このように、同じ乳児の行動でも理論によって異なる説明が可能であり、発達を多面的に理解する必要がある。
キーワード ① 胎児 ② 新奇性 ③ 感覚
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
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復習・予習課題
9 乳児期 科目の中での位置付け 本講義は、心理学の基礎科目の一つとして、人間のこころと行動の変化を生涯にわたって理解するための基盤を形成するものである。発達心理学は、臨床心理学、教育心理学、社会心理学など多くの分野と関係しており、人を理解する上での中心的な位置を占める。本講義ではまず、第1回・第2回において、発達とは何かという根本的な問いから出発し、生物・社会・技術といった多様な視点から発達の意味を捉えることで、単一の定義に還元できない概念としての発達を理解する。

続いて、第3回では心理学がどのように発達を科学的に扱ってきたのかを歴史的に学び、第4回・第5回ではピアジェ、ヴィゴツキー、エリクソンといった古典的理論を扱う。さらに第6回では、情報処理やコア知識、ライフスパン発達などの現代理論を取り上げ、発達を説明する複数の枠組みを整理する。第7回では前半の内容について模擬テストと解説を行い、理論の理解を確認する。

後半では、第8回から第14回にかけて、胎児期・新生児期、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、高齢期といった各発達段階を順に取り上げる。それぞれの回では、身体的変化、認知的変化、社会的変化を具体的に学ぶとともに、愛着、心の理論、メタ認知、アイデンティティ、親密性、世代性など、その時期に特徴的な心理現象を扱う。各回ではこれらの現象を単に記述するのではなく、学んだ理論を用いて説明することで、理論と実際の人間行動とを結びつけて理解する力を養う。

最終回である第15回では、講義全体の内容について模擬テストと総括を行い、理論と発達段階の両面から理解を統合する。最終的には、発達を単なる成長や進歩としてではなく、環境との相互作用の中で生じる柔軟で多様な過程として捉え、人間理解に応用できる視点を身につけることを目指す。

コマ主題細目 ① 愛着と対人関係の形成 ② 対象の永続性と共同注意 ③ 愛着理論と認知発達の理解
細目レベル ① 乳児期は、身体的にも心理的にも急速な発達が見られる時期である。運動面では、首すわり、寝返り、はいはい、歩行といった変化が順に現れる。また、養育者との関係も深まり、特定の人に対して安心感を持つようになる。このような情緒的な結びつきは愛着と呼ばれ、乳児の発達において重要な役割を果たす。さらに、この時期には人見知りや分離不安といった行動も見られるようになる。これは、特定の人とそうでない人を区別し、安心できる存在を認識していることを示している。乳児期は、身体の発達だけでなく、他者との関係を基盤としたこころの発達が大きく進む時期である。
② 乳児期には、発達心理学的に重要な現象がいくつか見られる。その一つが対象の永続性である。これは、物が見えなくなっても存在し続けるという理解であり、ピアジェはこれが徐々に獲得されると考えた。また、共同注意も重要な現象である。これは、他者と同じ対象に注意を向ける能力であり、言語や社会性の発達の基盤となる。さらに、愛着の形成もこの時期の中心的な課題である。エインズワースの研究では、安定型や回避型など、愛着にはいくつかのパターンがあることが示されている。ストレンジ・シチュエーション法は、その違いを観察する方法として知られている。これらの現象は、乳児が他者や環境とどのように関わるかを理解する手がかりとなる。
③ 乳児期の発達は、さまざまな理論によって説明されている。ピアジェは、乳児が感覚と運動を通して世界を理解し、徐々に対象の永続性を獲得すると考えた。一方、愛着理論では、乳児と養育者との情緒的な結びつきがその後の対人関係に影響を与えるとされる。また、コア知識理論の立場では、乳児はすでに基本的な認知能力を持っており、それが経験によって発展すると考えられる。このように、乳児の行動は単なる未熟さではなく、発達の過程にある意味のある変化として理解される。複数の理論を通して見ることで、乳児期の発達をより立体的に捉えることができる。
キーワード ① 愛着 ② 永続性 ③ 共同注視
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復習・予習課題
10 幼児期 科目の中での位置付け 本講義は、心理学の基礎科目の一つとして、人間のこころと行動の変化を生涯にわたって理解するための基盤を形成するものである。発達心理学は、臨床心理学、教育心理学、社会心理学など多くの分野と関係しており、人を理解する上での中心的な位置を占める。本講義ではまず、第1回・第2回において、発達とは何かという根本的な問いから出発し、生物・社会・技術といった多様な視点から発達の意味を捉えることで、単一の定義に還元できない概念としての発達を理解する。

続いて、第3回では心理学がどのように発達を科学的に扱ってきたのかを歴史的に学び、第4回・第5回ではピアジェ、ヴィゴツキー、エリクソンといった古典的理論を扱う。さらに第6回では、情報処理やコア知識、ライフスパン発達などの現代理論を取り上げ、発達を説明する複数の枠組みを整理する。第7回では前半の内容について模擬テストと解説を行い、理論の理解を確認する。

後半では、第8回から第14回にかけて、胎児期・新生児期、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、高齢期といった各発達段階を順に取り上げる。それぞれの回では、身体的変化、認知的変化、社会的変化を具体的に学ぶとともに、愛着、心の理論、メタ認知、アイデンティティ、親密性、世代性など、その時期に特徴的な心理現象を扱う。各回ではこれらの現象を単に記述するのではなく、学んだ理論を用いて説明することで、理論と実際の人間行動とを結びつけて理解する力を養う。

最終回である第15回では、講義全体の内容について模擬テストと総括を行い、理論と発達段階の両面から理解を統合する。最終的には、発達を単なる成長や進歩としてではなく、環境との相互作用の中で生じる柔軟で多様な過程として捉え、人間理解に応用できる視点を身につけることを目指す。

コマ主題細目 ① 言語と自己の発達 ② 心の理論と自己制御 ③ 認知発達と社会的相互作用
細目レベル ① 幼児期は、言語や自己意識が大きく発達する時期である。語彙が急速に増え、自分の考えや感情を言葉で表現できるようになる。また、「自分」という存在を意識し始め、自己主張が強くなるのも特徴である。この時期の子どもは「自分でやりたい」という気持ちが強くなる一方で、感情のコントロールが未熟であるため、かんしゃくを起こすことも多い。さらに、遊びの中で想像力が豊かに働き、ごっこ遊びなどを通して社会的な役割を学んでいく。このように幼児期は、言語、感情、社会性が大きく発達し、他者との関わり方の基礎が形成される重要な時期である。
② 幼児期の重要な発達の一つに「心の理論」がある。これは、他者が自分とは異なる考えや気持ちを持っていると理解する能力である。たとえば、他人が間違った情報を信じていることを理解できるかどうかを調べる課題が用いられる。また、この時期には自己制御の発達も見られる。欲求を我慢したり、順番を守ったりする能力は、社会生活において重要である。しかし幼児期ではまだ十分に発達していないため、衝動的な行動が見られることも多い。さらに、心の理論の発達には個人差があり、自閉スペクトラム症ではこの能力の発達が遅れることが知られている。このように、幼児期は他者理解と自己コントロールが大きく発達する時期である。
③ 幼児期の発達は、複数の理論によって説明されている。ピアジェは、この時期を前操作期とし、子どもはまだ論理的思考が十分にできず、自己中心的に物事を捉えると考えた。一方、ヴィゴツキーは、言語や他者とのやり取りを通して思考が発達するとし、社会的な影響を重視した。また、情報処理アプローチでは、記憶や注意、実行機能の発達によって自己制御や問題解決能力が高まると考える。このように同じ行動でも、理論によって異なる視点から説明される。幼児期の発達を理解するためには、これらの理論を組み合わせて考えることが重要である。
キーワード ① 自己 ② 心の理論 ③ 自己制御
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11 児童期 科目の中での位置付け 本講義は、心理学の基礎科目の一つとして、人間のこころと行動の変化を生涯にわたって理解するための基盤を形成するものである。発達心理学は、臨床心理学、教育心理学、社会心理学など多くの分野と関係しており、人を理解する上での中心的な位置を占める。本講義ではまず、第1回・第2回において、発達とは何かという根本的な問いから出発し、生物・社会・技術といった多様な視点から発達の意味を捉えることで、単一の定義に還元できない概念としての発達を理解する。

続いて、第3回では心理学がどのように発達を科学的に扱ってきたのかを歴史的に学び、第4回・第5回ではピアジェ、ヴィゴツキー、エリクソンといった古典的理論を扱う。さらに第6回では、情報処理やコア知識、ライフスパン発達などの現代理論を取り上げ、発達を説明する複数の枠組みを整理する。第7回では前半の内容について模擬テストと解説を行い、理論の理解を確認する。

後半では、第8回から第14回にかけて、胎児期・新生児期、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、高齢期といった各発達段階を順に取り上げる。それぞれの回では、身体的変化、認知的変化、社会的変化を具体的に学ぶとともに、愛着、心の理論、メタ認知、アイデンティティ、親密性、世代性など、その時期に特徴的な心理現象を扱う。各回ではこれらの現象を単に記述するのではなく、学んだ理論を用いて説明することで、理論と実際の人間行動とを結びつけて理解する力を養う。

最終回である第15回では、講義全体の内容について模擬テストと総括を行い、理論と発達段階の両面から理解を統合する。最終的には、発達を単なる成長や進歩としてではなく、環境との相互作用の中で生じる柔軟で多様な過程として捉え、人間理解に応用できる視点を身につけることを目指す。

コマ主題細目 ① 学習と社会性の発達 ② メタ認知と道徳性 ③ 認知発達と社会的理解
細目レベル ① 児童期は、学校生活を中心に発達が進む時期であり、学習や対人関係が大きな意味を持つ。読み書きや計算などの基礎的な学力が形成され、教師や友人との関わりの中で社会的なルールを学んでいく。また、集団の中での役割や自分の位置を意識するようになり、他者との比較を通して自己評価も形成される。この時期には、努力すれば成果が得られるという経験が重要であり、それが学習への意欲にもつながる。一方で、うまくいかない経験が続くと、自信を失うこともある。児童期は、知識の習得だけでなく、社会の中で自分を位置づける力が育つ時期である。
② 児童期には、自分の考え方や学び方を振り返る「メタ認知」が発達する。たとえば、どうすれば覚えやすいかを考えたり、間違いに気づいて修正したりする力である。また、道徳性の発達も重要であり、単にルールに従うだけでなく、その理由や意味を理解するようになる。さらに、他者の気持ちを考えた行動が増え、協力や公平さといった価値が重視されるようになる。一方で、この時期には注意の持続や学習の困難さといった問題も見られることがあり、注意欠如・多動症(ADHD)や学習障害(LD)といった発達の特性が理解される必要がある。児童期は、思考と社会性の両面が大きく発達する時期である。
③ 環境的要因:感情を語る活動を支える言語的環境も重要である。幼児がどのように自己の体験や出来事を報告するかには,母親の発話スタイルの影響があるとされる。フィヴァッシュらの研究によれば,例えば,精緻化をより多く行う母親(新しい情報を提供したり,相手の発話を拡張したり,因果関係について述べることの多い母親)の子どもは,そうでない母親の子どもよりも,より詳細に過去の出来事を提供した。対話における感情表現を調べたダンらの研究でも同様のことが見られる。ダンらの研究では,内的状態に言及する頻度の高い母親の子どもほど,内的状態に言及したり,後に他者の感情をよりよく理解することができた。
キーワード ① 社会のルール ② メタ認知 ③ 道徳性
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12 青年期 科目の中での位置付け 本講義は、心理学の基礎科目の一つとして、人間のこころと行動の変化を生涯にわたって理解するための基盤を形成するものである。発達心理学は、臨床心理学、教育心理学、社会心理学など多くの分野と関係しており、人を理解する上での中心的な位置を占める。本講義ではまず、第1回・第2回において、発達とは何かという根本的な問いから出発し、生物・社会・技術といった多様な視点から発達の意味を捉えることで、単一の定義に還元できない概念としての発達を理解する。

続いて、第3回では心理学がどのように発達を科学的に扱ってきたのかを歴史的に学び、第4回・第5回ではピアジェ、ヴィゴツキー、エリクソンといった古典的理論を扱う。さらに第6回では、情報処理やコア知識、ライフスパン発達などの現代理論を取り上げ、発達を説明する複数の枠組みを整理する。第7回では前半の内容について模擬テストと解説を行い、理論の理解を確認する。

後半では、第8回から第14回にかけて、胎児期・新生児期、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、高齢期といった各発達段階を順に取り上げる。それぞれの回では、身体的変化、認知的変化、社会的変化を具体的に学ぶとともに、愛着、心の理論、メタ認知、アイデンティティ、親密性、世代性など、その時期に特徴的な心理現象を扱う。各回ではこれらの現象を単に記述するのではなく、学んだ理論を用いて説明することで、理論と実際の人間行動とを結びつけて理解する力を養う。

最終回である第15回では、講義全体の内容について模擬テストと総括を行い、理論と発達段階の両面から理解を統合する。最終的には、発達を単なる成長や進歩としてではなく、環境との相互作用の中で生じる柔軟で多様な過程として捉え、人間理解に応用できる視点を身につけることを目指す。

コマ主題細目 ① 身体変化と心理的自立 ② アイデンティティとリスク行動 ③ 発達課題と脳の成熟
細目レベル ① 青年期は、子どもから大人へと移行する重要な時期であり、身体的・心理的な大きな変化が見られる。第二次性徴によって身体が成熟し、それに伴って自己意識も高まる。また、親から心理的に自立しようとする動きが強まり、友人関係や集団への所属が重要になる。この時期は、自分の考えや価値観を模索する過程でもあり、不安や葛藤を感じやすい。進路や将来について考える機会も増え、自分の生き方を選択する必要に直面する。このように青年期は、身体の変化だけでなく、こころや社会的な関係の変化が重なり合う時期である。
② 青年期の中心的な課題は、アイデンティティの形成である。これは「自分は何者か」という問いに対する答えを見つける過程であり、職業や価値観、人間関係などを通して形成される。マーシャは、この過程をいくつかの状態に分けて説明している。また、この時期にはリスク行動も増えることが知られている。たとえば、危険な行動や衝動的な選択をしやすくなることがある。これは単なる問題行動ではなく、新しい経験を求める発達的な特徴とも考えられる。一方で、その行動が大きな問題につながることもあるため、理解と支援が重要である。青年期は自己を確立する一方で、不安定さも伴う時期である。
③ 青年期の発達は、主にエリクソンの理論によって説明される。彼はこの時期の課題を「同一性の確立」とし、これに成功すると安定した自己を持つことができるとした。一方で、確立できない場合には混乱が生じるとされる。また、近年の研究では、青年期の脳の発達も注目されている。特に前頭前野は意思決定や衝動のコントロールに関わるが、この部分の成熟は比較的遅い。一方で感情に関わる領域は早く発達するため、感情が行動を強く左右することがある。このように青年期は、心理的な課題と生物学的な変化が重なり合いながら進む発達段階として理解される。
キーワード ① アイデンティティ ② リスク行動 ③ 同一性の確立
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復習・予習課題
13 成人期 科目の中での位置付け 本講義は、心理学の基礎科目の一つとして、人間のこころと行動の変化を生涯にわたって理解するための基盤を形成するものである。発達心理学は、臨床心理学、教育心理学、社会心理学など多くの分野と関係しており、人を理解する上での中心的な位置を占める。本講義ではまず、第1回・第2回において、発達とは何かという根本的な問いから出発し、生物・社会・技術といった多様な視点から発達の意味を捉えることで、単一の定義に還元できない概念としての発達を理解する。

続いて、第3回では心理学がどのように発達を科学的に扱ってきたのかを歴史的に学び、第4回・第5回ではピアジェ、ヴィゴツキー、エリクソンといった古典的理論を扱う。さらに第6回では、情報処理やコア知識、ライフスパン発達などの現代理論を取り上げ、発達を説明する複数の枠組みを整理する。第7回では前半の内容について模擬テストと解説を行い、理論の理解を確認する。

後半では、第8回から第14回にかけて、胎児期・新生児期、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、高齢期といった各発達段階を順に取り上げる。それぞれの回では、身体的変化、認知的変化、社会的変化を具体的に学ぶとともに、愛着、心の理論、メタ認知、アイデンティティ、親密性、世代性など、その時期に特徴的な心理現象を扱う。各回ではこれらの現象を単に記述するのではなく、学んだ理論を用いて説明することで、理論と実際の人間行動とを結びつけて理解する力を養う。

最終回である第15回では、講義全体の内容について模擬テストと総括を行い、理論と発達段階の両面から理解を統合する。最終的には、発達を単なる成長や進歩としてではなく、環境との相互作用の中で生じる柔軟で多様な過程として捉え、人間理解に応用できる視点を身につけることを目指す。

コマ主題細目 ① 社会的役割と人生の安定 ② 親密性と世代性 ③ ライフスパン発達の視点
細目レベル ① 成人期は、社会の中でさまざまな役割を担いながら生活する時期である。仕事に就き、家庭を築き、親としての役割を持つなど、複数の責任を同時に果たすことが求められる。また、社会の一員として周囲と協力しながら生活することが重要になる。この時期は、青年期のような急激な変化は少ないが、環境や状況に応じて柔軟に対応する力が求められる。さらに、中年期に入ると、これまでの人生を振り返り、自分の生き方を見直す機会も増える。このように成人期は、安定と変化が同時に存在し、社会との関係の中で発達が続く時期である。
② 成人期の重要な課題として、親密性と世代性が挙げられる。親密性とは、他者と深い関係を築く力であり、恋愛や結婚、友情などを通して発達する。一方、世代性とは、次の世代に対して関わりを持ち、社会に貢献しようとする姿勢である。子育てや仕事を通して他者に影響を与えることが、その一例である。これらはエリクソンの発達課題として位置づけられており、達成されることで充実した生活につながる。しかし、これらがうまくいかない場合には孤立感や停滞感を感じることもある。成人期は、自分だけでなく他者との関係の中で意味を見出していく時期である。
③ 成人期の発達は、エリクソンの理論やライフスパン発達理論によって説明される。エリクソンは、成人期において親密性や世代性といった課題が重要であるとした。一方、ライフスパン発達理論では、発達は成長だけでなく、維持や調整の過程も含むと考える。たとえば、加齢によって身体機能が低下する場合でも、それに合わせて生活の仕方を工夫することが発達とされる。また、個人差が大きいのも成人期の特徴であり、同じ年齢でも経験や環境によって発達のあり方は異なる。このように成人期は、単なる安定した時期ではなく、変化に適応しながら続く発達の一段階として理解される。
キーワード ① 仕事 ② 親密性 ③ 世代性
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復習・予習課題
14 高齢期 科目の中での位置付け 本講義は、心理学の基礎科目の一つとして、人間のこころと行動の変化を生涯にわたって理解するための基盤を形成するものである。発達心理学は、臨床心理学、教育心理学、社会心理学など多くの分野と関係しており、人を理解する上での中心的な位置を占める。本講義ではまず、第1回・第2回において、発達とは何かという根本的な問いから出発し、生物・社会・技術といった多様な視点から発達の意味を捉えることで、単一の定義に還元できない概念としての発達を理解する。

続いて、第3回では心理学がどのように発達を科学的に扱ってきたのかを歴史的に学び、第4回・第5回ではピアジェ、ヴィゴツキー、エリクソンといった古典的理論を扱う。さらに第6回では、情報処理やコア知識、ライフスパン発達などの現代理論を取り上げ、発達を説明する複数の枠組みを整理する。第7回では前半の内容について模擬テストと解説を行い、理論の理解を確認する。

後半では、第8回から第14回にかけて、胎児期・新生児期、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、高齢期といった各発達段階を順に取り上げる。それぞれの回では、身体的変化、認知的変化、社会的変化を具体的に学ぶとともに、愛着、心の理論、メタ認知、アイデンティティ、親密性、世代性など、その時期に特徴的な心理現象を扱う。各回ではこれらの現象を単に記述するのではなく、学んだ理論を用いて説明することで、理論と実際の人間行動とを結びつけて理解する力を養う。

最終回である第15回では、講義全体の内容について模擬テストと総括を行い、理論と発達段階の両面から理解を統合する。最終的には、発達を単なる成長や進歩としてではなく、環境との相互作用の中で生じる柔軟で多様な過程として捉え、人間理解に応用できる視点を身につけることを目指す。

コマ主題細目 ① 加齢に伴う変化と適応 ② 記憶の変化と幸福感 ③ 統合と適応の理論
細目レベル ① 高齢期は、身体的・認知的な変化が顕著になる時期である。体力の低下や視覚・聴覚の衰えが見られ、日常生活にも影響が出ることがある。また、記憶力や処理速度の低下など、認知機能にも変化が現れる。一方で、長年の経験に基づく判断力や知恵は保たれることが多い。さらに、退職や配偶者との死別など、社会的な役割や人間関係の変化も起こりやすい。このように高齢期は、さまざまな喪失を経験する時期であるが、それにどのように適応するかが重要となる。単なる衰えの時期としてではなく、変化に対応しながら生きる発達段階として理解することが必要である。
② 高齢期には、記憶の働きに変化が見られる。特に新しい情報を覚える力や処理速度は低下しやすいが、長年の経験に基づく知識は比較的保たれることが多い。また、感情の面では、若い頃よりも安定しやすく、日常の小さな出来事に満足を感じる傾向もある。このように、認知機能の低下が必ずしも生活の質の低下につながるわけではない。むしろ、人間関係や生活の工夫によって、幸福感を維持することができる場合も多い。高齢期の発達を考える際には、能力の低下だけでなく、どのように生活の満足を保つかという視点も重要である。
③ 高齢期の発達は、エリクソンの理論やライフスパン発達理論によって説明される。エリクソンは、この時期の課題を「統合」とし、自分の人生を受け入れることが重要であるとした。一方で、それができない場合には後悔や絶望を感じるとされる。また、ライフスパン発達理論では、加齢による変化に対して「選択・最適化・補償(SOC)」という考え方が示されている。これは、自分にとって重要な活動を選び、能力を最大限に活かし、不足する部分を補うという戦略である。このように高齢期は、失われるものに注目するだけでなく、それにどう適応するかという視点から理解される。
キーワード ① 老化 ② 幸福感 ③ 選択・最適化・補償
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復習・予習課題
15 最終模擬テストと総まとめ 科目の中での位置付け 本講義は、心理学の基礎科目の一つとして、人間のこころと行動の変化を生涯にわたって理解するための基盤を形成するものである。発達心理学は、臨床心理学、教育心理学、社会心理学など多くの分野と関係しており、人を理解する上での中心的な位置を占める。本講義ではまず、第1回・第2回において、発達とは何かという根本的な問いから出発し、生物・社会・技術といった多様な視点から発達の意味を捉えることで、単一の定義に還元できない概念としての発達を理解する。

続いて、第3回では心理学がどのように発達を科学的に扱ってきたのかを歴史的に学び、第4回・第5回ではピアジェ、ヴィゴツキー、エリクソンといった古典的理論を扱う。さらに第6回では、情報処理やコア知識、ライフスパン発達などの現代理論を取り上げ、発達を説明する複数の枠組みを整理する。第7回では前半の内容について模擬テストと解説を行い、理論の理解を確認する。

後半では、第8回から第14回にかけて、胎児期・新生児期、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、高齢期といった各発達段階を順に取り上げる。それぞれの回では、身体的変化、認知的変化、社会的変化を具体的に学ぶとともに、愛着、心の理論、メタ認知、アイデンティティ、親密性、世代性など、その時期に特徴的な心理現象を扱う。各回ではこれらの現象を単に記述するのではなく、学んだ理論を用いて説明することで、理論と実際の人間行動とを結びつけて理解する力を養う。

最終回である第15回では、講義全体の内容について模擬テストと総括を行い、理論と発達段階の両面から理解を統合する。最終的には、発達を単なる成長や進歩としてではなく、環境との相互作用の中で生じる柔軟で多様な過程として捉え、人間理解に応用できる視点を身につけることを目指す。

コマ主題細目 ① 理論のまとめ ② 発達段階のまとめ ③ 発達の全体像
細目レベル ① これまでの講義では、発達を説明するさまざまな理論を学んできた。ピアジェは個人の認知の変化を段階的に捉え、ヴィゴツキーは社会との関わりを重視した。また、エリクソンは人生全体の課題として発達を捉え、現代理論では情報処理や生得的知識、ライフスパンといった視点が加えられた。重要なのは、どの理論も一部の側面を説明しているにすぎないという点である。発達は一つの理論だけでは十分に理解できず、複数の視点を組み合わせて考える必要がある。本テーマでは模擬テストを通して、各理論の特徴や違いを整理し、どのような場面でどの理論が有効かを確認する。
② 後半では、胎児期から高齢期までの発達を段階ごとに見てきた。それぞれの時期には、身体的変化、心理的変化、社会的変化があり、特徴的な課題や現象が存在する。乳児期では愛着、幼児期では心の理論、児童期では学習や社会性、青年期ではアイデンティティ、成人期では親密性や世代性、高齢期では人生の統合といったテーマが中心であった。これらは独立したものではなく、前の段階の経験が次の段階に影響を与える形でつながっている。本テーマでは模擬テストを通して、各発達段階の特徴とそのつながりを整理し、全体像として理解することを目指す。
③ 最初に「発達とは何か」という問いから出発し、さまざまな視点から発達を考えてきた。発達は単なる成長や進歩ではなく、環境との関係の中で変化していく過程であり、獲得と喪失の両方を含むものである。また、人間の発達は生物的な変化だけでなく、社会や文化の影響を受けながら進む。さらに、発達は子どもだけでなく生涯にわたって続くものである。このような視点を踏まえると、発達とは一つの決まった形に向かうものではなく、多様で柔軟な過程であるといえる。本テーマでは、講義全体を振り返りながら、発達をどのように理解するかを自分なりに整理することを目指す。
キーワード ① ライフスパン ② 発達段階 ③ 発達の全体像
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト
復習・予習課題
履修判定指標
評価方法 期末試験(100%)によって評価する。
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 指定なし
参考文献 指定なし
実験・実習・教材費 なし