区分
高度専門科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
SDGs力
科学コミュニケーション力
研究力
カリキュラム・ポリシーとの関係
教養
応用力
実践力
科目間連携
総合心理力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
科目の目的
児童は発達の途上にあるため、自分自身の感情や体験を、他者にわかりやすく言語化して説明することは困難です。一方、遊びや芸術制作を通して、自分自身の感情や体験が表現されます。そのため、心理学的支援の対象者が児童の場合、遊戯療法や芸術療法を実施する機会が多くなります。そこで本講義では、遊戯療法の原則や流れ、芸術療法の種類や手順等について学ぶことによって、児童を対象にした心理療法への理解を深めることを目的とします。
到達目標
本科目の目的を達成するために、遊戯療法および芸術療法についての基礎知識を身につけてください。遊戯療法においては、特に「制限」についての理解を深め、将来、現場で遊戯療法を実践するに役立てることができるようになることを目標とします。
科目の概要
この科目は、基盤専門科目「発達心理学」、「臨床心理学概論」、公認心理師関連科目「心理学的支援法」、「障害者・障害児心理学」、「福祉心理学」を受け、さまざまな心理的な問題に直面している人(要支援者)に対する臨床心理学的支援法の中でも特に主要な方法について、さらに理解を深めることを目的とします。言語ならびに認知発達の途上にあって自身の体験を言語化することが難しく、こころの不安や葛藤が身体化あるいは行動化しやすい児童に対して、医療保健ならびに福祉領域において遊戯療法や芸術療法が実践されています。そこで本科目では、遊戯療法および芸術療法に焦点をあて、その意義、実践方法、適用等について論じていきます。この科目を受講することによって、「アドバンスト心理療法」諸科目とも連動しながら、公認心理師としての懐深い視野を醸成することができます。
科目のキーワード
遊戯療法、八つの原則、制限、芸術療法、箱庭療法、コラージュ療法
授業の展開方法
この科目では、授業担当教員が準備した教材を使用して授業を進めます。基本的には、教材を中心とした説明を展開しますが、図表などを提示することで理解が深まる場合は、パワーポイント等を使用することがあります。15コマのうちの2コマはまとめのためのコマとし、それまでに学んだ内容を確認し、復習することを目的とします。
担当教員は、児童福祉施設や医療機関、教育機関において心理専門職としての勤務経験があり、その経験に基づいて第1~15回について説明を行います。
オフィス・アワー
※できるだけアポイントを取ってください。
前期:水曜2限・金4限
後期:月曜2・3限
科目コード
RE7250
学年・期
4年・前期
科目名
アドバンスト心理療法Ⅲ(遊戯・芸術療法)
単位数
2
授業形態
講義
必修・選択
選択
学習時間
【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目
展開科目
関連資格
担当教員名
吉本美穂
回
主題
コマシラバス項目
内容
教材・教具
1
遊戯療法の概要
科目の中での位置付け
この科目は、基盤専門科目「発達心理学」、「臨床心理学概論」、公認心理師関連科目「心理学的支援法」、「障害者・障害児心理学」、「福祉心理学」を受け、さまざまな心理的な問題に直面している人(要支援者)に対する臨床心理学的支援法の中でも特に主要な方法について、さらに理解を深めることを目的とします。言語ならびに認知発達の途上にあって自身の体験を言語化することが難しく、こころの不安や葛藤が身体化あるいは行動化しやすい児童に対して、医療保健ならびに福祉領域において遊戯療法や芸術療法が実践されています。そこで本科目では、遊戯療法および芸術療法に焦点をあて、その意義、実践方法、適用等について論じていきます。この科目を受講することによって、「アドバンスト心理療法」諸科目とも連動しながら、公認心理師としての懐深い視野を醸成することができます。
本講義は、第1回目としてオリエンテーションを行った後、遊戯療法の概要および遊戯療法の八つの原則について学びます。
コマ主題細目
① オリエンテーション ② 遊戯療法の概要 ③ アクスラインの八つの原則
細目レベル
① オリエンテーション:
この回は第1回目となるため、カリキュラム全体の中でのこの科目の位置付け、この科目の目的、到達目標、授業の概要などについて、コマシラバスに沿って説明を行います。また、授業の進め方や評価方法などについても説明します。授業の進め方としましては、授業の最初に、前回の授業で実施した小テストの解答について説明をします。そのことによって、前回の授業の振り返りと授業のポイントについての理解の確認を行います。その後、そのコマで予定しているコマ主題細目について、それぞれ概説していきます。最後に、その日の授業の内容に関する小テストを行います。1コマ、1コマの授業におけるポイントを理解し、小テストや振り返りのコマを活用しながら、本科目の学びを深めていただきたいと思います。
② 遊戯療法の概要:
遊戯療法は、子どもを対象とした心理療法です。子どもは発達の途上にあるため、言葉を使用して他者に理解しやすく伝えることが難しいのです。しかし、遊びを通して子どもは内的世界を表現していくことができるため、子どもに対する心理療法には遊戯療法が行われます。遊戯療法は子どもがただ遊びさえすれば問題が解決するとか、遊戯療法が経験未熟なセラピストでもでえきる易しい心理療法であるかのように誤解されやすいですが、遊戯療法はそれほど易しい心理療法ではありません。遊戯療法のパイオニアであるアクスラインは、遊戯療法においてセラピストがとるべき態度として「八つの原則」を示しています。この「八つの原則」をはじめ、その他の基本となる考え方をしっかり学びましょう。
③ アクスラインの八つの原則:
②の遊戯療法の概要でも触れましたが、アクスラインが示した八つの原則は遊戯療法における普遍的な原則を示していることもあり、日本の遊戯療法を行うセラピストの多くがアクスラインの影響を受けているでしょう。遊戯療法を学ぶにあたり、この八つの原則を理解することはとても重要で、基本中の基本となります。八つの原則を簡単に紹介すると、次のようになります。
1)ラポールの形成、2)あるがままの受容、3)おおらかな雰囲気、4)感情の察知と伝え返し、5)子どもの主体性の尊重、6)非指示、7)ゆっくりした進行、8)制限
講義ではこれら八つの原則について、ひとつずつ説明していきますので、履修生の皆さんは、その原則がどうして大切なのかを考えながら聞いていただきたいと思います。
キーワード
① 遊戯療法 ② アクスライン ③ 制限 ④ ラポール ⑤ 八つの原則
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題: 本コマのコマ主題細目である「遊戯療法の概要」、「アクスラインの八つの原則」について理解できているかを確認してください。キーワードである「遊戯療法」、「アクスライン」、「制限」、「ラポール」、「八つの原則」を説明できますか?説明できない場合や理解が不十分なところは教材の該当部分を熟読してください。また、小テストで間違った問題は教材の該当部分を読み直して確認してください。最後に、再度、コマ主題細目およびキーワードについて、それぞれ説明できるかを確かめましょう。
予習課題:第2回のコマシラバスのうち、特に「コマ主題細目」と「細目レベル」を熟読してきてください。また、どのようなキーワードがあるかをあらかじめ知っておくと、授業の理解も進みやすいので、キーワードにも目を通してきてください。
2
遊戯療法への導入
科目の中での位置付け
この科目は、基盤専門科目「発達心理学」、「臨床心理学概論」、公認心理師関連科目「心理学的支援法」、「障害者・障害児心理学」、「福祉心理学」を受け、さまざまな心理的な問題に直面している人(要支援者)に対する臨床心理学的支援法の中でも特に主要な方法について、さらに理解を深めることを目的とします。言語ならびに認知発達の途上にあって自身の体験を言語化することが難しく、こころの不安や葛藤が身体化あるいは行動化しやすい児童に対して、医療保健ならびに福祉領域において遊戯療法や芸術療法が実践されています。そこで本科目では、遊戯療法および芸術療法に焦点をあて、その意義、実践方法、適用等について論じていきます。この科目を受講することによって、「アドバンスト心理療法」諸科目とも連動しながら、公認心理師としての懐深い視野を醸成することができます。
本講義は、第2回目「遊戯療法への導入」として遊戯療法への導入、保護者への対応および親子並行面接について学びます。
コマ主題細目
① 遊戯療法への導入 ② 保護者への対応 ③ 親子並行面接について
細目レベル
① 遊戯療法への導入:
子どもの心理療法では、子ども自身が積極的に相談を希望して来談することは珍しい。、多くの場合、保護者や学校の担任教員のような、その子どもに関係している大人が何らかの問題を感じることによって来談します。したがって、子どもは大人に連れて来られるため、来談に至った経緯を把握することがとても大切になります。たとえば、その子どもは、来談について、大人からどのような説明を受けているのか、その子どもは来談についてどのように感じているのか、どう考えているのか、などを初回面接で、子ども本人に聞いていきます。
また、必ずということではありませんが、子どもを対象にした心理療法だけではなく、保護者等を対象にした並行面接や、学校の担任教員の同席を求める場合もあります。
② 保護者への対応:
前述したように、子どもの心理療法では、多くの場合、大人によって相談の申込みが行われます。大人が来談の申込みをしていることを子どもは知らなかったり、場合によっては来談するまでなんら説明はなく、曖昧なことを言って子どもを連れてくることもあります。
セラピストのよって、子どもの参加をどのように考えるかはさまざまです。たとえば、申し込みの段階から子どもの参加を勧めるセラピスト、初回は問題意識を持っている大人とだけ会って、2回目以降から子どもに参加してもらうセラピスト、初回だけでなく全体を通じて問題意識のある大人だけを対象にするセラピスト、子どもを連れてくることが前提だけれども子どもの来談を拒否している場合はひとまず大人とだけ面接をするセラピストなどです。本科目では、基本的にできるだけ初回から子どもに参加してもらう立場で概説していきます。
③ 親子並行面接について:
子どもを対象にした心理療法では、親面接も重要です。そのため、親子並行面接を行うことがあります。そのため、どこかのタイミングで親子の分離が行われることになります。子どもが初めての場所で親と別れて過ごすことには不安を感じることでしょう。親とどのような別れ方をするのか、その様子によって、親子関係の様子や子どもの分離不安の状態をしる手がかりとなります。子どもがプレイルームの前まで来ると、どのようにプレイルームに入るのか。たとえば、中にある遊具を見たとたんに中にすんなり入って遊び始める子どもがいます。また、なかなか親から離れようとしない子どももいます。そうした様子をしっかり観察することが、その後の事例理解に役立ちます。ですから、子どもの表情や態度など、些細なことも見逃さずに観察し、記録することが重要です。
キーワード
① 初回面接 ② 保護者対応 ③ 親子並行面接 ④ 分離不安 ⑤ プレイルーム
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題: 本コマのコマ主題細目である「遊戯療法への導入」、「保護者への対応」、「親子並行面接について」について理解できているかを確認してください。キーワードである「児童虐待防止法」、「身体的虐待」、「性的虐待」、「ネグレクト」、「心理的虐待」を説明できますか?説明できない場合や理解が不十分なところは教材の該当部分を熟読してください。また、小テストで間違った問題は教材の該当部分を読み直して確認してください。最後に、再度、コマ主題細目およびキーワードについて、それぞれ説明できるかを確かめましょう。
予習課題:第3回のコマシラバスのうち、特に「コマ主題細目」と「細目レベル」を熟読してきてください。また、どのようなキーワードがあるかをあらかじめ知っておくと、授業の理解も進みやすいので、キーワードにも目を通してきてください。
3
遊戯療法における制限
科目の中での位置付け
この科目は、基盤専門科目「発達心理学」、「臨床心理学概論」、公認心理師関連科目「心理学的支援法」、「障害者・障害児心理学」、「福祉心理学」を受け、さまざまな心理的な問題に直面している人(要支援者)に対する臨床心理学的支援法の中でも特に主要な方法について、さらに理解を深めることを目的とします。言語ならびに認知発達の途上にあって自身の体験を言語化することが難しく、こころの不安や葛藤が身体化あるいは行動化しやすい児童に対して、医療保健ならびに福祉領域において遊戯療法や芸術療法が実践されています。そこで本科目では、遊戯療法および芸術療法に焦点をあて、その意義、実践方法、適用等について論じていきます。この科目を受講することによって、「アドバンスト心理療法」諸科目とも連動しながら、公認心理師としての懐深い視野を醸成することができます。
本講義は、第3回目「遊戯療法における制限」として、制限の意味、制限の内容および制限やぶりについて学びます。
コマ主題細目
① 制限の意味 ② 制限の内容 ③ 制限やぶり
細目レベル
① 制限の意味:
遊戯療法において、プレイルームの中では子どもの自由が保障されていますが、その一方で「制限」があります。子どもが自由に自己表現することを保障するために、なんでも自由でいいかというと、そうではありません。「制限」を与えてはじめて、本当の自由が保障される、という考え方があります。たとえば、制限の中の一つとして、身体的攻撃や物の破壊をしないようにという制限があります。これは、セラピスト側が護られ、落ち着いた気持ちでセラピーに望むことが大切だという視点がありますが、一方で、これは子どもの側を護ることにもなります。子どもに、セラピストや物を傷つけることを禁じることによって、その子どもは、自分が相手を傷つけたという罪悪感に苦しまなくてすむのです。制限があることによって、子どもとセラピストの双方が護られるのです。
② 遊戯療法における制限:
制限には、時間の制限、空間の制限、物のやりとりの制限があります。時間の制限とは、1回のセッションの時間や頻度に関するものです。一般的には、週1回、約50分が適当とされていますが、特に頻度については、保護者や子どもの事情等によって、隔週に設定されることもあります。空間の制限としては、プレイルームを勝手に出入することが制限されています。物のやりとりの制限としては、たとえばプレイルームで制作したものの持ち帰りへの制限があります。プレイルームで制作したものは、プレイルームに置いて帰る約束をします。制限については、いろいろな考え方があるとは思いますが、どのような制限を設定するか、それぞれの制限の限界をどこにおくか、その程度などはそれぞれのセラピストの知識や経験によって変わってきます。
③ 制限やぶり:
遊戯療法には、「制限やぶり」という言葉が使われることがあります。制限破りとは、セッションの終了時間がきてもなかなか終わろうとしない(「退室しぶり」と言います)、プレイルームの中にある物を壊す、セラピストの身体に対して攻撃的な行動をするなどです。つまり、子どもが「制限」を無視する、従わない、抵抗するなどの状態のことです。子どもが制限やぶりをするには、何らかの意図があると考えられますので、その意図をセラピストが汲み取ることが重要になってきます。セラピストが困惑するような状況を、あえて子どもが作り、どこまで受け入れてもらえて、どこからは制限されるのかを試していることがあります。遊戯療法では、子どもと大人が制限をめぐってやりとりをしながら、子ども自身が自分というものの存在を確実なものとしていく側面があります。
キーワード
① 制限 ② 時間の制限 ③ 空間の制限 ④ 物のやりとりの制限 ⑤ 制限やぶり
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題: 本コマのコマ主題細目である「制限の意味」、「制限の内容」、「制限やぶり」について理解できているかを確認してください。キーワードである「制限」、「時間の制限」、「空間の制限」、「物のやりとりの制限」、「制限やぶり」を説明できますか?説明できない場合や理解が不十分なところは教材の該当部分を熟読してください。また、小テストで間違った問題は教材の該当部分を読み直して確認してください。最後に、再度、コマ主題細目およびキーワードについて、それぞれ説明できるかを確かめましょう。
予習課題:第4回のコマシラバスのうち、特に「コマ主題細目」と「細目レベル」を熟読してきてください。また、どのようなキーワードがあるかをあらかじめ知っておくと、授業の理解も進みやすいので、キーワードにも目を通してきてください。
4
初回面接・導入期における問題
科目の中での位置付け
この科目は、基盤専門科目「発達心理学」、「臨床心理学概論」、公認心理師関連科目「心理学的支援法」、「障害者・障害児心理学」、「福祉心理学」を受け、さまざまな心理的な問題に直面している人(要支援者)に対する臨床心理学的支援法の中でも特に主要な方法について、さらに理解を深めることを目的とします。言語ならびに認知発達の途上にあって自身の体験を言語化することが難しく、こころの不安や葛藤が身体化あるいは行動化しやすい児童に対して、医療保健ならびに福祉領域において遊戯療法や芸術療法が実践されています。そこで本科目では、遊戯療法および芸術療法に焦点をあて、その意義、実践方法、適用等について論じていきます。この科目を受講することによって、「アドバンスト心理療法」諸科目とも連動しながら、公認心理師としての懐深い視野を醸成することができます。
本講義は、第4回目「初回面接・導入期における問題」として「初回面接について」、「来談の経緯の確認」および「制限の呈示」について学びます。
コマ主題細目
① 初回面接について ② 来談の経緯の確認 ③ 制限の呈示
細目レベル
① 初回面接について:
初回面接は、通常のセッションよりも時間に余裕をもって長く用意されていることが多く、有料の機関では料金も高く設定されています。その理由として、最初の面接でやり取りされる内容が多いため、通常の時間では足りないということがあります。しかし、それだけではなく、対象者がもっているなんらかの病理や問題点、基本的な対人関係のパターなどが集約されて表出することがあるため、初回面接が重視されているのです。遊戯療法の場合、子どもが親と一緒に来談する場合、挨拶から始まって、相談室やり方の説明、親子並行面接への以降、親子分離後、遊び始める前に、来談に至る経緯の確認やプレイルームについての説明と制限の呈示などを行います。
② 来談の経緯の確認:
子どもの心理療法の場合、保護者が子どもを連れて来談しますが、それまでに保護者が子どもにどのように説明して来談したのかを確認することが大切になります。保護者がきちんと来談の目的を子どもに伝えた上で来談している場合は、子どもも渋々ではあっても納得して来ているかもしれません。しかし、場合によっては、保護者が子どもにいい加減な説明をして連れてくることがあり、子どもとしては騙されたという印象を抱いていることがあります。その場合は、子どもが抵抗を示し、親子でもめていたりするかもしれません。保護者が、来談の目的を子どもに説明してきました、と言ったとしても、プレイルームで遊びに入る前に、セラピストは子どもに直接、どのような説明をされてきたのか、その説明を聞いてどう思ったかなどを聞きます。
③ 制限の呈示:
初回面接では、プレイルームがどんなところであるかを子どもに説明することが大切な課題になります。プレイルームでは、決められた時間の間、子どもが好きなように過ごしてよいこと、プレイルームにある物は何を使って遊んでもいいことを、子どもに伝えます。また、制限について呈示します。たとえば、怪我をするような遊びをしないこと、お互いの身体への攻撃もしないこと、プレイルームにある物をわざと壊すような遊びはしないこと、などです。こうした制限を呈示することなく遊びが始まってしまうと、プレイルームが単なる遊びの場になってしまいかねません。最初に制限について伝えることによって、どの子どもも同じことをしたら同じように制限されることが伝わります。問題となる行動が出現してから伝えると、その子どもだけがいけないと言われているように受け取られかねません。制限の呈示のタイミングについては、いろいろな考え方がありますが、最初に制限を呈示することが、その後のセッションをやりやすくすると思います。
キーワード
① 初回面接 ② 導入期 ③ 親子分離 ④ 来談の経緯 ⑤ 制限の呈示
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題: 本コマのコマ主題細目である「初回面接について」、「来談の経緯の確認」、「制限の呈示」について理解できているかを確認してください。キーワードである「初回面接」、「導入期」、「親子分離」、「来談の経緯」、「制限の呈示」を説明できますか?説明できない場合や理解が不十分なところは教材の該当部分を熟読してください。また、小テストで間違った問題は教材の該当部分を読み直して確認してください。最後に、再度、コマ主題細目およびキーワードについて、それぞれ説明できるかを確かめましょう。
予習課題:第5回のコマシラバスのうち、特に「コマ主題細目」と「細目レベル」を熟読してきてください。また、どのようなキーワードがあるかをあらかじめ知っておくと、授業の理解も進みやすいので、キーワードにも目を通してきてください。
5
展開期・洞察期・終結期における問題
科目の中での位置付け
この科目は、基盤専門科目「発達心理学」、「臨床心理学概論」、公認心理師関連科目「心理学的支援法」、「障害者・障害児心理学」、「福祉心理学」を受け、さまざまな心理的な問題に直面している人(要支援者)に対する臨床心理学的支援法の中でも特に主要な方法について、さらに理解を深めることを目的とします。言語ならびに認知発達の途上にあって自身の体験を言語化することが難しく、こころの不安や葛藤が身体化あるいは行動化しやすい児童に対して、医療保健ならびに福祉領域において遊戯療法や芸術療法が実践されています。そこで本科目では、遊戯療法および芸術療法に焦点をあて、その意義、実践方法、適用等について論じていきます。この科目を受講することによって、「アドバンスト心理療法」諸科目とも連動しながら、公認心理師としての懐深い視野を醸成することができます。
本講義は、第5回目「展開期・洞察期・終結期における問題」として「展開期の問題」、「洞察期の問題」、「終結期の問題」について学びます。
コマ主題細目
① 展開期の問題 ② 洞察期の問題 ③ 終結期の問題
細目レベル
① 展開期の問題:
展開期では、導入期を経過して、子どもとセラピストの関係が深まり、子どもとセラピストの2人だけ過ごすプレイルームが、現実社会とは違う世界であることが理解されるようになります。そうすると、遊びが自律的になっていき、その子どもなりの特徴が表出するようになります。多くの場合は、セッションの回数を重ねるにしたがって遊びが自律的に動き出し、それなりに展開していきます。しかし、回数を重ねてもなかなか進展がなく、関係の深まりが感じられないこともあります。そういう場合は、事例に対する理解が不十分で、子どもが訴えようとしていることを、セラピストがうまく汲み取れていないことがあります。ですから、なかなか関係の深まりが感じられず、展開していかないようなら、事例をきちんと理解できているかどうかを再検討してみるといいでしょう。
② 洞察期の問題:
遊戯療法における洞察は、言語中心のカウンセリングにおける洞察とは異なります。概念化された洞察ではなく、体験的なものなのです。つまり、生きている実感、喜び、自分の存在は受け入れられているのだという基本的な、しかも揺るぎない感覚、同一性の基盤を提供することが大切だと考えられています(村瀬,1981)。この時期、セラピスト自身も充実感を味わうことがあります。それまでの導入期、展開期を経て洞察期に入ると、子どもが自分の課題に立ち向かう時を迎え、その課題に取り組んでいる感じを受けることがあります。そのため、この時期には、導入期の関係の成立や制限の問題のような、その段階特有の課題は少なく、セラピストは、子どもの自律的な動きを妨げないように存在することが大切だと考えられています。
③ 終結期の問題:
洞察期を迎えた子どもは適応が進んでいき、現実生活でのことに関心が高まり、来談が不定期になることがあります。友人との約束で急に来談がキャンセルになったり、学校での活動のために遅刻するなどです。このような現象がみられるようになると、終結期に向かっていることを意味します。遅刻やキャンセルは導入期でも見られますが、終結期にさしかかった時期の遅刻やキャンセルは、子どもが学校や家庭での生活への適応が進んだ結果と考えられます。現実生活のほうがプレイルームよりも充実したものになってきたことを意味していますので、セラピストの支援を必要としなくなってきていると理解します。こうしたことから、上記のような現象がみられるようになると、終結が近いと考え、どのように終結していくかを検討していくことになります。
キーワード
① 展開期 ② 洞察期 ③ 終結期 ④ 適応 ⑤ ぶり返し
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題: 本コマのコマ主題細目である「展開期の問題」、「洞察期の問題」、「終結期の問題」について理解できているかを確認してください。キーワードである「展開期」、「洞察期」、「終結期」、「適応」、「ぶり返し」を説明できますか?説明できない場合や理解が不十分なところは教材の該当部分を熟読してください。また、小テストで間違った問題は教材の該当部分を読み直して確認してください。最後に、再度、コマ主題細目およびキーワードについて、それぞれ説明できるかを確かめましょう。
予習課題:第6回のコマシラバスのうち、特に「コマ主題細目」と「細目レベル」を熟読してきてください。また、どのようなキーワードがあるかをあらかじめ知っておくと、授業の理解も進みやすいので、キーワードにも目を通してきてください。
6
まとめ①
科目の中での位置付け
この科目は、基盤専門科目「発達心理学」、「臨床心理学概論」、公認心理師関連科目「心理学的支援法」、「障害者・障害児心理学」、「福祉心理学」を受け、さまざまな心理的な問題に直面している人(要支援者)に対する臨床心理学的支援法の中でも特に主要な方法について、さらに理解を深めることを目的とします。言語ならびに認知発達の途上にあって自身の体験を言語化することが難しく、こころの不安や葛藤が身体化あるいは行動化しやすい児童に対して、医療保健ならびに福祉領域において遊戯療法や芸術療法が実践されています。そこで本科目では、遊戯療法および芸術療法に焦点をあて、その意義、実践方法、適用等について論じていきます。この科目を受講することによって、「アドバンスト心理療法」諸科目とも連動しながら、公認心理師としての懐深い視野を醸成することができます。
本講義は、第6回目としてまとめ①を行います。「遊戯療法の概要」、「制限について」および「遊戯療法の展開の流れ」について振り返ってみましょう。
コマ主題細目
① 遊戯療法の概要 ② 制限について ③ 遊戯療法の展開の流れ
細目レベル
① 遊戯療法の概要:
遊戯療法は、子どもを対象とした心理療法です。子どもは発達の途上にあるため、言葉を使用して他者に理解しやすく伝えることが難しいのです。しかし、遊びを通して子どもは内的世界を表現していくことができるため、子どもに対する心理療法には遊戯療法が行われます。遊戯療法は子どもがただ遊びさえすれば問題が解決するとか、遊戯療法が経験未熟なセラピストでもでえきる易しい心理療法であるかのように誤解されやすいですが、遊戯療法はそれほど易しい心理療法ではありません。遊戯療法のパイオニアであるアクスラインは、遊戯療法においてセラピストがとるべき態度として「八つの原理」を示しています。この「八つの原理」をはじめ、その他の基本となる考え方をしっかり学びましょう。
② 制限について:
遊戯療法における「制限」は、子どもが自由に自己表現できる環境を保障するために不可欠な要素です。制限があることで、子どもは本当の自由を体験でき、身体的攻撃や物の破壊を禁じることで、セラピストと子ども双方が守られます。これにより、子どもは他者を傷つけたことによる罪悪感から解放されます。制限には、時間、空間、物のやりとりに関するものがあります。時間の制限は、セッションの頻度や時間(一般的には週1回、約50分)に関わり、空間の制限はプレイルームの出入りを制限します。また、物のやりとりの制限として、制作物を持ち帰らずプレイルームに置いて帰る約束があります。これらの制限は、セラピストの知識や経験に基づいて設定されます。「制限やぶり」とは、子どもがセッションの終了時間を無視したり、物を壊したり、攻撃的な行動を取ることを指します。これは、子どもが制限を試す意図を持っていると考えられ、セラピストはその意図を汲み取ることが重要です。遊戯療法では、制限を通じて子どもが自己の存在を確立していく過程が見られます。
③ 遊戯療法の展開の流れ:
遊戯療法の流れは、導入期、展開期、洞察期、終結期の4つの段階に分かれます。まず、初回面接では、通常より長い時間が設けられ、対象者の問題や対人関係のパターンが明らかになります。子どもが親と一緒に来談する場合、挨拶やプレイルームの説明等が行われます。次に、展開期では、子どもとセラピストの関係が深まり、プレイルームが特別な空間であることが理解されます。遊びが自律的になり、子どもの特徴が表れますが、進展が見られない場合は、セラピストが子どもの訴えようとしていることを十分に理解できていない可能性があります。洞察期では、体験的な洞察が重要視され、子どもが自分の課題に立ち向かう時期を迎えます。この段階では、セラピストは子どもの自律的な動きを妨げないように配慮します。最後に、終結期では、子どもが現実生活に適応し、来談が不定期になることが見られます。これは、子どもがセラピストの支援を必要としなくなってきたことを示し、終結に向けた検討が始まります。これらの段階を通じて、子どもは自己理解を深め、成長していきます。
キーワード
① 八つの原理 ② 制限 ③ 導入期 ④ 展開期・洞察期 ⑤ 終結期
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題: 本コマのコマ主題細目である「遊戯療法の概要」、「制限について」、「遊戯療法の展開の流れ」について理解できているかを確認してください。キーワードである「八つの原理」、「制限」、「導入期」、「展開期・洞察期」、「終結期」を説明できますか?説明できない場合や理解が不十分なところは教材の該当部分を熟読してください。また、小テストで間違った問題は教材の該当部分を読み直して確認してください。最後に、再度、コマ主題細目およびキーワードについて、それぞれ説明できるかを確かめましょう。
予習課題:第7回のコマシラバスのうち、特に「コマ主題細目」と「細目レベル」を熟読してきてください。また、どのようなキーワードがあるかをあらかじめ知っておくと、授業の理解も進みやすいので、キーワードにも目を通してきてください。
7
芸術療法の概要
科目の中での位置付け
この科目は、基盤専門科目「発達心理学」、「臨床心理学概論」、公認心理師関連科目「心理学的支援法」、「障害者・障害児心理学」、「福祉心理学」を受け、さまざまな心理的な問題に直面している人(要支援者)に対する臨床心理学的支援法の中でも特に主要な方法について、さらに理解を深めることを目的とします。言語ならびに認知発達の途上にあって自身の体験を言語化することが難しく、こころの不安や葛藤が身体化あるいは行動化しやすい児童に対して、医療保健ならびに福祉領域において遊戯療法や芸術療法が実践されています。そこで本科目では、遊戯療法および芸術療法に焦点をあて、その意義、実践方法、適用等について論じていきます。この科目を受講することによって、「アドバンスト心理療法」諸科目とも連動しながら、公認心理師としての懐深い視野を醸成することができます。
本講義は、第7回目「芸術療法の概要」として「芸術療法の概要」、「芸術療法の意義」および「芸術療法の適応の基準・注意点」について学びます。
コマ主題細目
① 芸術療法の概要 ② 芸術療法の意義 ③ 芸術療法の適応の基準・注意点
細目レベル
① 芸術療法の概要:
芸術療法の種類は多岐にわたりますが、日本芸術療法学会に統合されている種類としては、絵画、音楽、詩歌(俳句・連句)、文芸、ダンス・ムーブメント、箱庭、心理劇、陶芸、園芸などがあります。それぞれの領域は、独自の歴史や特色、理論的アプローチをもっていますが、その基礎的な部分では、共通の理念が存在しています。その共通の理念とは、芸術療法で扱われるイメージは、保護された環境のもとで、クライエント自身の自発的で無意識的な投影が認められることを前提としていることです。そして、芸術を創造する力が持つ自己治癒力の存在を認めています。芸術療法は、言語化が難しい内的世界をイメージで表現することで、自己治癒力を高めていくことを目指します。
② 芸術療法の意義:
芸術療法の意義には、次の3つがあります。まず、表現することそれ自体が包含している意義ですが、描画や箱庭、ダンスといった、非日常的な形式や行為によって自己表現することや、芸術的な創造性には自己治癒的な働きが含まれているのです。次に、表現されたものを通して患者と治療者とが交流することの生み出す意義ですが、制作された作品には言語化が難しいイメージや無意識的な動きが表現されたり、内的世界が象徴的に投影されて表現されることがあります。これらは、一目瞭然に伝わり、対象者への理解や病態を把握することに役立ちます。そして最後に、表現活動や媒体を通して集団内で生じる作用のもつ意義ですが、集団描画や句会、心理劇、合唱など、集団で行う表現活動では、ウォーミングアップがしやすく、集団内におけるシェアリングや対人交流の活発化が生じますが、直接的な言語や態度ではなく、媒体を通した場合はそれが緩衝となって安全性が高まります。
③ 芸術療法の適応の基準・注意点:
芸術療法を行うにあたって、その適応の基準と注意点は次の通りです。対象者の特性(病態レベル、患者・治療者レベル)を把握すること、治療全体をふまえての位置づけ、目的の明確化、安易に始めたり漫然と行わない、効果的かつ適切な技法の選択、患者の好みと意思の尊重、複数の治療者やスタッフによる検討、悪化時のすみやかな中止などです。対象者の特性を把握する上で重要なのが、自我障害の有無とその程度です。自我の力とは、現実認識能力のことです。つまり、現実と非現実、現実と想像、知覚と表象、自我と他我を区別する力のことです。自我障害があれば芸術療法は禁忌ですが、その他でも、自我境界が希薄な場合も、退行を促進するような表現は禁忌となります。
キーワード
① 芸術療法 ② 自己治癒力 ③ 自我障害 ④ 自我境界 ⑤ 退行
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題: 本コマのコマ主題細目である「芸術療法の概要」、「芸術療法の意義」、「芸術療法の適応の基準・注意点」について理解できているかを確認してください。キーワードである「芸術療法」、「自己治癒力」、「自我障害」、「自我境界」、「退行」を説明できますか?説明できない場合や理解が不十分なところは教材の該当部分を熟読してください。また、小テストで間違った問題は教材の該当部分を読み直して確認してください。最後に、再度、コマ主題細目およびキーワードについて、それぞれ説明できるかを確かめましょう。
予習課題:第8回のコマシラバスのうち、特に「コマ主題細目」と「細目レベル」を熟読してきてください。また、どのようなキーワードがあるかをあらかじめ知っておくと、授業の理解も進みやすいので、キーワードにも目を通してきてください。
8
スクイグル・MMSM
科目の中での位置付け
この科目は、基盤専門科目「発達心理学」、「臨床心理学概論」、公認心理師関連科目「心理学的支援法」、「障害者・障害児心理学」、「福祉心理学」を受け、さまざまな心理的な問題に直面している人(要支援者)に対する臨床心理学的支援法の中でも特に主要な方法について、さらに理解を深めることを目的とします。言語ならびに認知発達の途上にあって自身の体験を言語化することが難しく、こころの不安や葛藤が身体化あるいは行動化しやすい児童に対して、医療保健ならびに福祉領域において遊戯療法や芸術療法が実践されています。そこで本科目では、遊戯療法および芸術療法に焦点をあて、その意義、実践方法、適用等について論じていきます。この科目を受講することによって、「アドバンスト心理療法」諸科目とも連動しながら、公認心理師としての懐深い視野を醸成することができます。
本講義は、第1回目「スクイグル・MMSM」として「スクイグルの概要」、「MMSMの実施法」および「ロールプレイ」について学びます。
コマ主題細目
① スクイグルの概要 ② MMSMの実施法 ③ ロールプレイ
細目レベル
① スクイグルの概要:
遊戯療法では、子どもは自由に内的世界を表現し、表現されたものはセラピストによって受容されます。絵を描くことも一つの方法です。あえて言葉をあまり使わないことによって、問題の核心に触れる、触れられることを避けることができ、子どもへの負担を低減できます。絵を描くといってもさまざまありますが、その中のひとつとしてスクイグルがあります。スクイグルはウィニコット(Winnicott)によって確立された技法で、相互に線を描きあうことで描画を完成させていくものです。相手の目の前で画用紙にペンでなぐり描きをし、相手に何に見えるかを聞きます。そして、見えた者になるように色を塗ってもらいます。役割を交代しながら繰り返します。ウィニコットは、子どもとのコンタクトやコミュニケーションを円滑に行うために、スクイグルの技法が有効であると考えました。
② MMSMの実施法:
MMSMは、山中康裕によって創案されました。スクリブルやスクイグルの特徴を取り入れた表現療法の技法の一つです。セラピストがクライエントの目の前で、画用紙の端から5~8ミリ程度の幅のところにサインペンで枠を描き、枠付けされた画用紙をクライエントに渡し、枠の中を5~7コマくらいに区切ってもらいます。どのように区切ってもよく、クライエントが自由に行ってよいことを伝えます。区切られたコマに、交代で絵を描いていきます。セラピストが先行の場合、セラピストは、分割されたコマから自由に一つ選んで、そのコマの中にぐるぐる描きを施し、クライエントに渡します。クライエントは、そのぐるぐる描きを見て、「こんなふうに見える」というものを描き、それにクレパスで彩色して絵にしていきます。これを交代しながら繰り返していきます。最後の一コマには、これまで出てきたアイテムをすべて一度は登場させて、クライエントに物語を作って、書き入れてもらいます。
③ ロールプレイ:
履修生はペアを組んで、セラピストとクライエントになってもらい、MMSMを体験してもらいます。セラピストはクライエントの前で画用紙に枠付けし、クライエントに画用紙を渡して、枠の中を5~7コマくらいに区切ってもらいます。どのように区切ってもよく、クライエントが自由に行ってよいことを伝えます。区切られたコマに、交代で絵を描いていきます。セラピストが先行の場合、セラピストは、分割されたコマから自由に一つ選んで、そのコマの中にぐるぐる描きを施し、クライエントに渡します。クライエントは、そのぐるぐる描きを見て、「こんなふうに見える」というものを描き、それにクレパスで彩色して絵にしていきます。これを交代しながら繰り返していきます。最後の一コマには、これまで出てきたアイテムをすべて一度は登場させて、クライエントに物語を作って、書き入れてもらいます。
キーワード
① スクイグル ② ウィニコット ③ MMSM ④ 内的世界 ⑤ 枠付け
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題: 本コマのコマ主題細目である「スクイグルの概要」、「MMSMの実施法」、「ロールプレイ」について理解できているかを確認してください。キーワードである「スクイグル」、「ウィニコット」、「MMSM」、「内的世界」、「枠付け」を説明できますか?説明できない場合や理解が不十分なところは教材の該当部分を熟読してください。また、小テストで間違った問題は教材の該当部分を読み直して確認してください。最後に、再度、コマ主題細目およびキーワードについて、それぞれ説明できるかを確かめましょう。
予習課題:第9回のコマシラバスのうち、特に「コマ主題細目」と「細目レベル」を熟読してきてください。また、どのようなキーワードがあるかをあらかじめ知っておくと、授業の理解も進みやすいので、キーワードにも目を通してきてください。
9
コラージュ療法①
科目の中での位置付け
この科目は、基盤専門科目「発達心理学」、「臨床心理学概論」、公認心理師関連科目「心理学的支援法」、「障害者・障害児心理学」、「福祉心理学」を受け、さまざまな心理的な問題に直面している人(要支援者)に対する臨床心理学的支援法の中でも特に主要な方法について、さらに理解を深めることを目的とします。言語ならびに認知発達の途上にあって自身の体験を言語化することが難しく、こころの不安や葛藤が身体化あるいは行動化しやすい児童に対して、医療保健ならびに福祉領域において遊戯療法や芸術療法が実践されています。そこで本科目では、遊戯療法および芸術療法に焦点をあて、その意義、実践方法、適用等について論じていきます。この科目を受講することによって、「アドバンスト心理療法」諸科目とも連動しながら、公認心理師としての懐深い視野を醸成することができます。
本講義は、第9回目「コラージュ療法①」として「コラージュ療法の概要」、「治療的意義」および「コラージュ療法の方法」について学びます。
コマ主題細目
① コラージュ療法の概要 ② 治療的意義 ③ コラージュ療法の方法
細目レベル
① コラージュ療法の概要:
コラージュ療法は、芸術療法の一種で、主に視覚的な表現を通じて自己理解や感情の整理を促進する手法です。この療法では、雑誌や写真、布、紙などの素材を使って、個々のテーマや感情を表現するコラージュ作品を作成します。日本におけるコラージュ療法は、美術のコラージュから出てきたのではなく、箱庭療法があってこそ、コラージュ療法が生まれたと考えられています。箱庭療法はフィギュアなどのアイテムを箱庭の中に置いていくが、これはいわば三次元です。一方、コラージュ療法は、雑誌などの切り抜きを画用紙に貼り付けていくもので、二次元になります。三次元である箱庭は、どこにでも持ち歩けるわけではありませんが、二次元であれば、比較的簡単に持ち運べるという利点があります。また、箱庭の各種アイテムを用意するには高額の費用がかかりますが、コラージュは雑誌の切り抜きなので、それほど費用はかからないという利点もあります。
② 治療的意義:
コラージュ療法の治療的意義として、まず、他の表現技法に比べて、コラージュ療法は実施が簡便で、なおかつ適応の幅が広いことがあげられます。次に、夢の生成過程とコラージュ表現との間に、強い類似性があることがあげられます。第三に、手順などが構造化された技法を用いることによって、接近の難しい精神病水準の方との関係を作りやすいことがあげられます。第四に、規制の映像表現を素材に用いるため、クライエントの抱えている問題が具体的に表現されて主題歌されやすいため、セラピストもその理解をしやすいことがあげられます。第五として、クライエントのかなり深い内的表現が盛り込まれていても、切り貼り絵としておさめることができることです。遊びの要素が大きく、侵襲性をかなり中和しやすいと考えられます。
③ コラージュ療法の方法:
先にも述べましたが、コラージュ療法では、雑誌や写真、布、紙などの素材を切り抜いて、好きなように台紙(画用紙)に貼り付けて制作します。そのため、実施のための準備では、切り抜いてもよい雑誌やパンフレット、ハサミや糊などを用意します。台紙の大きさに一定の決まりはありません。私がコラージュ療法実施する場合、いくつかの大きさの画用紙を用意して、クライエントの方に選んでもらっています。手順としては、雑誌などから心惹かれるイメージや言葉を選び、それらを好きな形に切り抜きます。切り抜いた素材を集め、台紙の上で構成し、構成が決まったら台紙に糊で貼り付けていきます。その他では、筆記用具で言葉を書き込んだり、好きな絵を描き足したりすることもできます。
キーワード
① コラージュ療法 ② 箱庭療法 ③ 映像表現 ④ 切り抜き ⑤ 侵襲性
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題: 本コマのコマ主題細目である「コラージュ療法の概要」、「治療的要意義」、「コラージュ療法の方法」について理解できているかを確認してください。キーワードである「コラージュ療法」、「箱庭療法」、「映像表現」、「切り抜き」、「侵襲性」を説明できますか?説明できない場合や理解が不十分なところは教材の該当部分を熟読してください。また、小テストで間違った問題は教材の該当部分を読み直して確認してください。最後に、再度、コマ主題細目およびキーワードについて、それぞれ説明できるかを確かめましょう。
予習課題:第10回のコマシラバスのうち、特に「コマ主題細目」と「細目レベル」を熟読してきてください。また、どのようなキーワードがあるかをあらかじめ知っておくと、授業の理解も進みやすいので、キーワードにも目を通してきてください。
10
コラージュ療法②
科目の中での位置付け
この科目は、基盤専門科目「発達心理学」、「臨床心理学概論」、公認心理師関連科目「心理学的支援法」、「障害者・障害児心理学」、「福祉心理学」を受け、さまざまな心理的な問題に直面している人(要支援者)に対する臨床心理学的支援法の中でも特に主要な方法について、さらに理解を深めることを目的とします。言語ならびに認知発達の途上にあって自身の体験を言語化することが難しく、こころの不安や葛藤が身体化あるいは行動化しやすい児童に対して、医療保健ならびに福祉領域において遊戯療法や芸術療法が実践されています。そこで本科目では、遊戯療法および芸術療法に焦点をあて、その意義、実践方法、適用等について論じていきます。この科目を受講することによって、「アドバンスト心理療法」諸科目とも連動しながら、公認心理師としての懐深い視野を醸成することができます。
本講義は、第10回目「コラージュ療法②」として「マガジン・ピクチャー・コラージュ法とコラージュ・ボックス法」、「コラージュの制作」について学びます。
コマ主題細目
① マガジン・ピクチャー・コラージュ法とコラージュ・ボックス法 ② コラージュの制作1 ③ コラージュの制作2
細目レベル
① マガジン・ピクチャー・コラージュ法とコラージュ・ボックス法:
コラージュ療法には、マガジン・ピクチャー・コラージュ法とコラージュ・ボックス法という二種類のアプローチがあります。マガジン・ピクチャー・コラージュ法は、クライエントが切り抜いてもよい雑誌やパンフレットなどからイラストや写真、絵、文字など、好きな対象を好きなように切り抜き、台紙に自由に構成して貼り付ける方法です。一方、後者は事前にセラピストがクライエントのために雑誌等なら素材を切り抜いておき、それらを箱の中に入れておきます。クライエントはその箱の中の切り抜きから素材を選び、台紙に自由に構成して貼り付ける方法です。この方法では、事前にセラピストが素材を用意するため、ある程度、クライエントの心情に合う素材を用意できるかが課題となるかもしれません。
② コラージュの制作1:
今回は、マガジン・ピクチャー・コラージュ法によるコラージュの制作を体験していただきます。履修生の皆さんには、それぞれご自分で切り抜いてもよい雑誌やパンフレットなどを持参してもらいますので、ご自分の好みや心情に合った素材を使うことができやすいと思います。海外のコラージュ療法は、TATから出てきたこともあり、クライエントにテーマを与えますが、日本では箱庭療法から出てきたこともあって、クライエントが心惹かれるイメージを自然な形で集めてもらいます。ご自分で用意してきた雑誌やパンフレットから自由に素材を切り抜き、素材が集まったら台紙の上で、貼り付ける構成を考えてもらいます。構成が決まったら、糊で貼り付けていきます。個々人での作業になりますが、友人と雑誌を交換したり、友人の持参した雑誌の中の素材をもらったりしてもかまいません。
③ コラージュの制作2:
今回は、マガジン・ピクチャー・コラージュ法によるコラージュの制作を体験していただきます。履修生の皆さんには、それぞれご自分で切り抜いてもよい雑誌やパンフレットなどを持参してもらいますので、ご自分の好みや心情に合った素材を使うことができやすいと思います。海外のコラージュ療法は、TATから出てきたこともあり、クライエントにテーマを与えますが、日本では箱庭療法から出てきたこともあって、クライエントが心惹かれるイメージを自然な形で集めてもらいます。ご自分で用意してきた雑誌やパンフレットから自由に素材を切り抜き、素材が集まったら台紙の上で、貼り付ける構成を考えてもらいます。構成が決まったら、糊で貼り付けていきます。個々人での作業になりますが、友人と雑誌を交換したり、友人の持参した雑誌の中の素材をもらったりしてもかまいません。
キーワード
① コラージュ療法 ② マガジン・ピクチャー・コラージュ法 ③ コラージュ・ボックス法 ④ 箱庭療法
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題: 本コマのコマ主題細目である「マガジン・ピクチャー・コラージュ法とコラージュ・ボックス法」について理解できているかを確認してください。キーワードである「コラージュ療法」、「マガジン・ピクチャー・コラージュ法」、「コラージュ・ボックス法」、「箱庭療法」を説明できますか?説明できない場合や理解が不十分なところは教材の該当部分を熟読してください。また、小テストで間違った問題は教材の該当部分を読み直して確認してください。最後に、再度、コマ主題細目およびキーワードについて、それぞれ説明できるかを確かめましょう。
予習課題:第11回のコマシラバスのうち、特に「コマ主題細目」と「細目レベル」を熟読してきてください。また、どのようなキーワードがあるかをあらかじめ知っておくと、授業の理解も進みやすいので、キーワードにも目を通してきてください。
11
コラージュ療法③
科目の中での位置付け
この科目は、基盤専門科目「発達心理学」、「臨床心理学概論」、公認心理師関連科目「心理学的支援法」、「障害者・障害児心理学」、「福祉心理学」を受け、さまざまな心理的な問題に直面している人(要支援者)に対する臨床心理学的支援法の中でも特に主要な方法について、さらに理解を深めることを目的とします。言語ならびに認知発達の途上にあって自身の体験を言語化することが難しく、こころの不安や葛藤が身体化あるいは行動化しやすい児童に対して、医療保健ならびに福祉領域において遊戯療法や芸術療法が実践されています。そこで本科目では、遊戯療法および芸術療法に焦点をあて、その意義、実践方法、適用等について論じていきます。この科目を受講することによって、「アドバンスト心理療法」諸科目とも連動しながら、公認心理師としての懐深い視野を醸成することができます。
本講義は、第11回目「コラージュ療法③」として、前回の講義で制作した作品の発表を行い、コラージュ作品の解釈仮説について学びます。
コマ主題細目
① 作品の発表1 ② 作品の発表2 ③ コラージュ作品の解釈仮説
細目レベル
① 作品の発表1:
前回の授業で、履修生の皆さんがそれぞれに制作したコラージュ作品を発表していただきます。本来でしたら、一人ずつ発表してもらいたいところですが、時間の関係上、複数ずつ、ご自分の作品を持って前に出ていただき、作品のタイトルや制作中に工夫したこと、気に入っているところなどを発表していただきます。フロアに残っている履修生の皆さんは、発表者の作品をしっかり味わっていただきます。この時、時間が許すならば、発表された作品について、フロアから感想等の発言をしてもらいたいと思います。作品への感想等を発言する場合、発表者が一生懸命に制作した作品ですから、発表者を支えるという視点から、ポジティブな発言に心がけてください。
② 作品の発表2:
前回の授業で、履修生の皆さんがそれぞれに制作したコラージュ作品を発表していただきます。本来でしたら、一人ずつ発表してもらいたいところですが、時間の関係上、複数ずつ、ご自分の作品を持って前に出ていただき、作品のタイトルや制作中に工夫したこと、気に入っているところなどを発表していただきます。フロアに残っている履修生の皆さんは、発表者の作品をしっかり味わっていただきます。この時、時間が許すならば、発表された作品について、フロアから感想等の発言をしてもらいたいと思います。作品への感想等を発言する場合、発表者が一生懸命に制作した作品ですから、発表者を支えるという視点から、ポジティブな発言に心がけてください。
③ コラージュ作品の解釈仮説:
コラージュ作品をアセスメントする場合、作品の内容的側面と形式的側面の二つの軸でみていきます。内容的側面では、表現内容に人が含まれるかどうかで「対人」カテゴリーと「対物」カテゴリーに分類します。「対人」カテゴリーは、対人関係の中での意味づけを推測します。一方で、「対物」カテゴリーは、非対人的状況での意味づけを求めます。「対人」カテゴリーには、「友好」、「存在」、「主張」、「情動」という4つの下位カテゴリーがあります。「対物」カテゴリーには、「敵意」、「食物」、「物体」、「風景」、「抽象」の5つの下位カテゴリーがあります。形式的側面は、「表出」、「葛藤」、「後退」の3つのカテゴリーに分類します。「表出」カテゴリーには、「切片数」、「重ね貼り」、「くりぬき」、「創出」の4つの下位カテゴリーがあり、「葛藤」には、「べた貼り」、「分割」、「はみだし」、「文字挿入」の4つの下位カテゴリーがあります。「後退」には、「余白大」、「矩形」の2つの下位カテゴリーがあります。
キーワード
① コラージュ療法 ② マガジン・ピクチャー・コラージュ法 ③ 解釈仮説 ④ 内容的側面 ⑤ 形式的側面
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題: 本コマのコマ主題細目である「コラージュ作品の解釈仮説」について理解できているかを確認してください。キーワードである「コラージュ療法」、「マガジン・ピクチャー・コラージュ法」、「解釈仮説」、「内容的側面」、「形式的側面」を説明できますか?説明できない場合や理解が不十分なところは教材の該当部分を熟読してください。また、小テストで間違った問題は教材の該当部分を読み直して確認してください。最後に、再度、コマ主題細目およびキーワードについて、それぞれ説明できるかを確かめましょう。
予習課題:第12回のコマシラバスのうち、特に「コマ主題細目」と「細目レベル」を熟読してきてください。また、どのようなキーワードがあるかをあらかじめ知っておくと、授業の理解も進みやすいので、キーワードにも目を通してきてください。
12
箱庭療法①
科目の中での位置付け
この科目は、基盤専門科目「発達心理学」、「臨床心理学概論」、公認心理師関連科目「心理学的支援法」、「障害者・障害児心理学」、「福祉心理学」を受け、さまざまな心理的な問題に直面している人(要支援者)に対する臨床心理学的支援法の中でも特に主要な方法について、さらに理解を深めることを目的とします。言語ならびに認知発達の途上にあって自身の体験を言語化することが難しく、こころの不安や葛藤が身体化あるいは行動化しやすい児童に対して、医療保健ならびに福祉領域において遊戯療法や芸術療法が実践されています。そこで本科目では、遊戯療法および芸術療法に焦点をあて、その意義、実践方法、適用等について論じていきます。この科目を受講することによって、「アドバンスト心理療法」諸科目とも連動しながら、公認心理師としての懐深い視野を醸成することができます。
本講義は、第12回目「箱庭療法①」として「箱庭療法の概要」、「箱庭療法の治療的要因」および「箱庭療法の準備」について学びます。
コマ主題細目
① 箱庭療法の概要 ② 箱庭療法の治療的要因 ③ 箱庭療法の準備
細目レベル
① 箱庭療法の概要:
箱庭療法は、1929年にローエンフェルトによって世界技法として生まれました。その後、アメリカの客観化、数量化の傾向と結びついて、診断を重視した世界テストへと発展していく流れと、治療に重点が置かれる流れに分かれました。治療に重点が置かれる流れでは、スイスのカルフによってユング分析心理学と結びついて、これが箱庭療法となりました。カルフは自己表現の過程をノイマンの考えに基づいて、(1)動・植物段階、(2)戦いの段階、(3)統合の段階、と仮定しました。これは自我の発達過程であり、自己と自我の関係の改善であり、社会性の発達でもあり、対人関係の改善の過程を示すものです。日本では、1969年に河合隼雄が箱庭療法を紹介しました。
② 箱庭療法の治療的要因:
箱庭療法は遊戯療法の一技法で、他の遊びと箱庭療法が並用されることが多いようです。箱庭療法の治療的要因として、次の4つが考えられます。第1に、治療的人間関係です。クライエントとセラピストとの治療的人間関係がベースにあります。カルフはこの関係を、「母・子一体性」といっています。この関係が箱庭を制作する原動力になります。第2として、カタルシスです。砂という素材と「母・子一体性」という関係から、抑圧されていたものが発散されるようになります。第3に、自己表現です。箱庭を制作することによって無意識にある創造性を発揮して自己表現をします。自己表現をしっかりすることによって、心理的障害を克服していくのです。そして第4として、自己治癒力です。我々は誰しもが、よりよい状態へ回復する力、成長する力を備えています。箱庭療法では、「母・子一体性」という関係の守られた空間のなかで、自己治癒力が発揮されてくると考えられています。
③ 箱庭療法の準備:
箱庭療法で使用される素材は、箱、砂、玩具です。箱の大きさは、縦✕横✕高さが57×72✕7 cmとなっていて、この大きさは世界共通です。この箱の中に細かい砂を入れます。砂は色や粗さなどによって二種類用意することもあります。箱が二つあれば、種類の異なる砂を入れておき、クライエントが好みの砂を選ぶこともできますが、プレイルームの中に箱は一つ置かれていることが多いのではないかと思います。以前は、サラサラの触感の砂が使用されていたこともあり、砂を固めたりして使いたい場合は、水を箱の中に加えて砂を湿らせて、形を作っていました。しかし、箱や砂が一つしかない場合、クライエントが水で湿らせてしまうと、次のクライエントがサラサラの砂を使いたい場合、困ってしまいます。近年では、水で湿らさなくても、形を作ることのできる砂が販売されています。
キーワード
① 箱庭療法 ② ローエンフェルト ③ カルフ ④ 母・子一体性 ⑤ 自己治癒力
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題: 本コマのコマ主題細目である「箱庭療法の概要」、「箱庭療法の治療的要因」、「箱庭療法の準備」について理解できているかを確認してください。キーワードである「箱庭療法」、「ローエンフェルト」、「カルフ」、「母・子一体性」、「自己治癒力」を説明できますか?説明できない場合や理解が不十分なところは教材の該当部分を熟読してください。また、小テストで間違った問題は教材の該当部分を読み直して確認してください。最後に、再度、コマ主題細目およびキーワードについて、それぞれ説明できるかを確かめましょう。
予習課題:第13回のコマシラバスのうち、特に「コマ主題細目」と「細目レベル」を熟読してきてください。また、どのようなキーワードがあるかをあらかじめ知っておくと、授業の理解も進みやすいので、キーワードにも目を通してきてください。
13
箱庭療法②
科目の中での位置付け
この科目は、基盤専門科目「発達心理学」、「臨床心理学概論」、公認心理師関連科目「心理学的支援法」、「障害者・障害児心理学」、「福祉心理学」を受け、さまざまな心理的な問題に直面している人(要支援者)に対する臨床心理学的支援法の中でも特に主要な方法について、さらに理解を深めることを目的とします。言語ならびに認知発達の途上にあって自身の体験を言語化することが難しく、こころの不安や葛藤が身体化あるいは行動化しやすい児童に対して、医療保健ならびに福祉領域において遊戯療法や芸術療法が実践されています。そこで本科目では、遊戯療法および芸術療法に焦点をあて、その意義、実践方法、適用等について論じていきます。この科目を受講することによって、「アドバンスト心理療法」諸科目とも連動しながら、公認心理師としての懐深い視野を醸成することができます。
本講義は、第13回目「箱庭療法②」として「箱庭制作の実施」、「ケース1 共感しにくいケース」および「ケース2 砂だけの表現」について学びます。
コマ主題細目
① 箱庭制作の実施 ② ケース1 共感しにくいケース ③ ケース2 砂だけの表現
細目レベル
① 箱庭制作の実施:
箱庭療法を実施する際、教示は「これらのおもちゃを使って、ここに何か作ってください」と言います。クライエントが質問したら、セラピストの指示や意図を表さないように、「自由に作ってください」とか「好きなように作ってください」などと答えます。ただし、禁止されているようなことについて、制限します。水の使用については、セラピストや環境によると思います。箱や砂が一つしかない場合や、箱庭が置かれている部屋の床にカーペットなどが敷かれている場合、水が床にこぼれるとカーペットが濡れてしまいます。次のクライエントが入室するまでにカーペットが乾かないと困るので、そういう環境であれば水の使用は禁止するかもしれません。セラピストは制作される作品を受容的に観察します。制作後、少し質問します。「作ってどんな感じでしたか」とか、「何か説明はありませんか」などです。
② ケース1 共感しにくいケース:
実際に箱庭療法を実施する以外で、箱庭の制作過程を観察する機会はなかなかありません。本キャンパスには、箱庭療法に関する動画がありますので、それを観ながら箱庭療法というものを疑似体験していただきたいと思います。このケース1は、小学生の児童が、たくさんの動物や爬虫類を使った世界を制作していきます。セラピスト自らの許容範囲の限界が課題となっているケースです。箱庭制作に使用するアイテムが棚にたくさん並べられていますが、昆虫や爬虫類、お化けなど、人によっては苦手な対象がアイテムとして並んでいます。児童は、昆虫や爬虫類を好んで使うことが珍しくありません。もし、それが玩具だとわかっていても触ることができないセラピストは、後片付けをすることすらできませんから、箱庭療法の実施は難しいと思います。
③ ケース2 砂だけの表現:
このケース2は、成人女性がクライエントで、玩具を使用せず、砂の触感を十分に味わい、砂だけで表現したケースです。砂を触ることの意味を考えさせられるケースだと思います。今回は成人女性のケースですが、児童であっても、砂の触感を長い時間味わうことがあります。「気持ちいい~」とか「お砂糖みたい」、「お塩みたい」などと感じたことを自発的に言語化してくれることが多いです。砂を触ることによって、普段の自分のこころの防衛線が少し下がって、退行が生じることがあります。退行が生じると、たとえばそれまで少し硬い表情だったクライエントの表情が和らいだり、言葉数の少なかったクライエントの自主的な発語が増えたりすることがあります。特に、成人になると、なかなか砂に触れる機会は少なくなると思いますので、貴重な体験になるでしょう。
キーワード
① 箱庭療法 ② 苦手なアイテム ③ 共感 ④ 砂 ⑤ 退行
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題: 本コマのコマ主題細目である「箱庭制作の実施」、「ケース1 共感しにくいケース」、「ケース2 砂だけの表現」について理解できているかを確認してください。キーワードである「箱庭療法」、「苦手なアイテム」、「共感」、「砂」、「退行」を説明できますか?説明できない場合や理解が不十分なところは教材の該当部分を熟読してください。また、小テストで間違った問題は教材の該当部分を読み直して確認してください。最後に、再度、コマ主題細目およびキーワードについて、それぞれ説明できるかを確かめましょう。
予習課題:第14回のコマシラバスのうち、特に「コマ主題細目」と「細目レベル」を熟読してきてください。また、どのようなキーワードがあるかをあらかじめ知っておくと、授業の理解も進みやすいので、キーワードにも目を通してきてください。
14
箱庭療法③
科目の中での位置付け
この科目は、基盤専門科目「発達心理学」、「臨床心理学概論」、公認心理師関連科目「心理学的支援法」、「障害者・障害児心理学」、「福祉心理学」を受け、さまざまな心理的な問題に直面している人(要支援者)に対する臨床心理学的支援法の中でも特に主要な方法について、さらに理解を深めることを目的とします。言語ならびに認知発達の途上にあって自身の体験を言語化することが難しく、こころの不安や葛藤が身体化あるいは行動化しやすい児童に対して、医療保健ならびに福祉領域において遊戯療法や芸術療法が実践されています。そこで本科目では、遊戯療法および芸術療法に焦点をあて、その意義、実践方法、適用等について論じていきます。この科目を受講することによって、「アドバンスト心理療法」諸科目とも連動しながら、公認心理師としての懐深い視野を醸成することができます。
本講義は、第14回目「箱庭療法③」として「ケース3 不登校児のケース(初期、中期)」、「ケース3 不登校児のケース(後期)」、「箱庭作品の考え方」について学びます。
コマ主題細目
① ケース3 不登校児のケース(初期、中期) ② ケース3 不登校児のケース(後期) ③ 箱庭作品の考え方
細目レベル
① ケース3 不登校児のケース(初期、中期):
このケースは、不登校の状態にある中学生のケースです。長期に継続しているセッション中に制作された箱庭作品を、初期、中期、後期によく制作された作品が、それぞれ再現されています。思春期にあるクライエントは、なかなか言葉でのコミュニケーションがとりにくいことがあります。そういう場合、箱庭療法やその他の芸術療法を用いることによって、クライエントとの関係を構築しやすくなります。まずは、面接のために来談し始めたころに制作された箱庭作品の制作過程や、セラピストがクライエントにどう声をかけているのか、クライエントとセラピストの会話がどのように進んでいくのかなどに注目してみてください。また、初期の箱庭作品が、不登校の状態にあるこどもの典型的な作品として紹介されていますが、中期に制作された作品がどのように変化したのか、その特徴についても注目してみてください。
② ケース3 不登校児のケース(後期):
後期に制作された箱庭作品が、初期、中期に制作された作品と比べて、どのように変化しているか、その変化に注目してみてください。後期の作品が制作されたころは、クライエントとセラピストの関係も変化しています。ラポールが築けると、どのように変化しているでしょうか。クライエントとセラピストの会話の様子やセラピストの動きなどにも注目して、その変化を感じてみましょう。この作品を制作したころ、クライエントは学校行事やボランティア活動に参加するようになっていたようです。後期の作品には、戦いの場面がなくなっています。未だ、領域は二つに分割されていますが、そこには橋が架かっていて、電車が自由に往来できるようになっています。
③ 箱庭作品の考え方:
カルフはユングの考えを取り入れ、箱庭作品を自己(セルフ)を表現していく過程と考えました。象徴としてマンダラを重視し、マンダラが出現するときは転換点となり、安定に向かうこともあれば混乱が深まることもあるとされます。またカルフはノイマンの理論をもとに、自己(セルフ)への過程を「動・植物段階」「戦いの段階」「統合の段階」の三つに分けました。第1段階では本能的なエネルギーが表れ、第2段階では自我と自己の葛藤が「戦い」として表現されます。そして第3段階では両者の新たな関係が築かれ、社会性が回復し、統合が達成されます。治療後も新たな刺激によりバランスが崩れることがあり、さらなる統合への努力が必要となります。
キーワード
① 箱庭療法 ② 砂 ③ 不登校 ④ 自己像 ⑤ マンダラ
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題: 本コマのコマ主題細目である「ケース3 不登校児のケース(初期、中期)」、「ケース3 不登校児のケース(後期)」、「箱庭作品の考え方」について理解できているかを確認してください。キーワードである「箱庭療法」、「砂」、「不登校」、「自己像」、「マンダラ」を説明できますか?説明できない場合や理解が不十分なところは教材の該当部分を熟読してください。また、小テストで間違った問題は教材の該当部分を読み直して確認してください。最後に、再度、コマ主題細目およびキーワードについて、それぞれ説明できるかを確かめましょう。
予習課題:第15回のコマシラバスのうち、特に「コマ主題細目」と「細目レベル」を熟読してきてください。また、どのようなキーワードがあるかをあらかじめ知っておくと、授業の理解も進みやすいので、キーワードにも目を通してきてください。
15
まとめ②
科目の中での位置付け
この科目は、基盤専門科目「発達心理学」、「臨床心理学概論」、公認心理師関連科目「心理学的支援法」、「障害者・障害児心理学」、「福祉心理学」を受け、さまざまな心理的な問題に直面している人(要支援者)に対する臨床心理学的支援法の中でも特に主要な方法について、さらに理解を深めることを目的とします。言語ならびに認知発達の途上にあって自身の体験を言語化することが難しく、こころの不安や葛藤が身体化あるいは行動化しやすい児童に対して、医療保健ならびに福祉領域において遊戯療法や芸術療法が実践されています。そこで本科目では、遊戯療法および芸術療法に焦点をあて、その意義、実践方法、適用等について論じていきます。この科目を受講することによって、「アドバンスト心理療法」諸科目とも連動しながら、公認心理師としての懐深い視野を醸成することができます。
本講義は、第15回目「まとめ②」として、第6回のまとめ①以降に学んだことの振り返りをします。
コマ主題細目
① スクイグル・MMSM ② コラージュ療法 ③ 箱庭療法
細目レベル
① スクイグル・MMSM:
遊戯療法では、子どもは自由に内的世界を表現し、表現されたものはセラピストによって受容されます。絵を描くことも一つの方法です。あえて言葉をあまり使わないことによって、問題の核心に触れる、触れられることを避けることができ、子どもへの負担を低減できます。絵を描くといってもさまざまありますが、その中のひとつとしてスクイグルがあります。スクイグルはウィニコット(Winnicott)によって確立された技法で、相互に線を描きあうことで描画を完成させていくものです。相手の目の前で画用紙にペンでなぐり描きをし、相手に何に見えるかを聞きます。そして、見えた者になるように色を塗ってもらいます。役割を交代しながら繰り返します。ウィニコットは、子どもとのコンタクトやコミュニケーションを円滑に行うために、スクイグルの技法が有効であると考えました。
② コラージュ療法:
コラージュ療法は、芸術療法の一種で、主に視覚的な表現を通じて自己理解や感情の整理を促進する手法です。この療法では、雑誌や写真、布、紙などの素材を使って、個々のテーマや感情を表現するコラージュ作品を作成します。日本におけるコラージュ療法は、美術のコラージュから出てきたのではなく、箱庭療法があってこそ、コラージュ療法が生まれたと考えられています。箱庭療法はフィギュアなどのアイテムを箱庭の中に置いていくが、これはいわば三次元です。一方、コラージュ療法は、雑誌などの切り抜きを画用紙に貼り付けていくもので、二次元になります。三次元である箱庭は、どこにでも持ち歩けるわけではありませんが、二次元であれば、比較的簡単に持ち運べるという利点があります。また、箱庭の各種アイテムを用意するには高額の費用がかかりますが、コラージュは雑誌の切り抜きなので、それほど費用はかからないという利点もあります。
③ 箱庭療法:
箱庭療法は、1929年にローエンフェルトによって世界技法として生まれました。その後、アメリカの客観化、数量化の傾向と結びついて、診断を重視した世界テストへと発展していく流れと、治療に重点が置かれる流れに分かれました。治療に重点が置かれる流れでは、スイスのカルフによってユング分析心理学と結びついて、これが箱庭療法となりました。カルフは自己表現の過程をノイマンの考えに基づいて、(1)動・植物段階、(2)戦いの段階、(3)統合の段階、と仮定しました。これは自我の発達過程であり、自己と自我の関係の改善であり、社会性の発達でもあり、対人関係の改善の過程を示すものです。日本では、1969年に河合隼雄が箱庭療法を紹介しました。
キーワード
① スクイグル ② ウィニコット ③ コラージュ療法 ④ 箱庭療法 ⑤ カルフ
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
復習課題: 本コマのコマ主題細目である「スクイグル・MMSM」、「コラージュ療法」、「箱庭療法」について理解できているかを確認してください。キーワードである「スクイグル」、「ウィニコット」、「コラージュ療法」、「箱庭療法」、「カルフ」を説明できますか?説明できない場合や理解が不十分なところは教材の該当部分を熟読してください。また、小テストで間違った問題は教材の該当部分を読み直して確認してください。最後に、再度、コマ主題細目およびキーワードについて、それぞれ説明できるかを確かめましょう。
履修判定指標
履修指標
履修指標の水準
キーワード
配点
関連回
遊戯療法の概要
遊戯療法は、子どもを対象とした心理療法です。子どもは発達の途上にあるため、言葉を使用して他者に理解しやすく伝えることが難しいのです。しかし、遊びを通して子どもは内的世界を表現していくことができるため、子どもに対する心理療法には遊戯療法が行われます。しかし、子どもがただ遊びさえすれば問題が解決するというものではありません。遊戯療法の基本的な考え方、アクスラインの八つの原則や保護者への対応、親子並行面接について、それぞれ300字程度で説明できるようになってください。
遊戯療法、八つの原則、保護者対応、親子並行面接、分離不安
10点
1、2
遊戯療法における制限
遊戯療法において、プレイルームの中では子どもの自由が保障されていますが、その一方で「制限」があります。子どもが自由に自己表現することを保障するために、なんでも自由でいいかというと、そうではありません。「制限」を与えてはじめて、本当の自由が保障される、という考え方があります。遊戯療法を行う場合、この「制限」についてしっかり理解しておく必要があります。制限の意味、制限の内容、制限やぶり等について、300字程度で説明できるようになってください。
制限、時間の制限、空間の制限、物のやりとりの制限、制限やぶり
15点
3
遊戯療法の流れ
遊戯療法において、初回面接はとても大切です。子どもが親と一緒に来談する場合、挨拶から始まって、相談室やり方の説明、親子並行面接への以降、親子分離後、遊び始める前に、来談に至る経緯の確認やプレイルームについての説明と制限の呈示などを行います。初回面接を含む導入期を経て、子どもとセラピストの関係が深まっていく展開期、そして子どもが自分の課題に立ち向かう時を迎える洞察期、子どもが学校や家庭での生活への適応が進んでキャンセルや遅刻が増えてくる終結期へと進んでいきます。遊戯療法における、それぞれの時期の特徴について、200字程度で説明できるようになってください。
初回面接(導入期)、親子分離、制限の呈示、展開期、洞察期、終結期
15点
4、5
芸術療法の概要
芸術療法にはさまざまな領域がありますが、共通する理念として、芸術を創造する力が持つ自己治癒力の存在を認め、言語化が難しい内的世界をイメージで表現することで、自己治癒力を高めていくことを目指します。芸術療法の3つの意義について、それぞれ200字程度で説明できるようになってください。さらに、芸術療法の適応の基準・注意点を心得ておくことも大切ですので、適応の基準について、また、注意点について、それぞれ300字程度で説明できるようになってください。
芸術療法 自己治癒力 自我境界 退行
12点
7
スクイグル
遊戯療法において、言葉をあまり使わないことによって、問題の核心に触れる、触れられることを避けることができ、子どもへの負担を低減できるため、絵を描いてクライエントとやりとりすることもあります。その一つがスクイグルです。スクイグルはウィニコット(Winnicott)によって確立された技法です。また、MMSMは山中康裕によって創案されたもので、スクリブルやスクイグルの特徴を取り入れた表現療法の技法の一つです。スクイグルやMMSMについて200字程度で説明できるようになってください。
スクイグル ウィニコット MMSM 内的世界 枠付け
8点
8
コラージュ療法
コラージュ療法では、雑誌や写真、布、紙などの素材を使って、個々のテーマや感情を表現します。日本におけるコラージュ療法は、美術のコラージュから出てきたのではなく、箱庭療法があってこそ、コラージュ療法が生まれたと考えられています。コラージュ療法には、マガジン・ピクチャー・コラージュ法とコラージュ・ボックス法 があります。これら2つの方法について200字程度で説明できるようになってください。また、コラージュ療法の治療的意義について300字程度で説明できるようになってください。さらに、コラージュ作品の解釈にはどのような側面があるかについて200字程度で説明できるようになってください。
コラージュ療法、マガジン・ピクチャー・コラージュ法、コラージュ・ボックス法 、内容的側面、 形式的側面
20点
9、10、11
箱庭療法
箱庭療法は、1929年にローエンフェルトによって世界技法として生まれ、その後、カルフによってユング分析心理学と結びついて箱庭療法となりました。自我の発達過程であり、社会性の発達でもあり、対人関係の改善の過程を示す、(1)動・植物段階、(2)戦いの段階、(3)統合の段階について、それぞれ200字程度で説明できるようになってください。また、箱庭療法の治療的要因について400字程度で説明できるようになってください。
箱庭療法、ローエンフェルト、カルフ、 母・子一体性 自己治癒力
20点
12、13、14
評価方法
期末試験100%
評価基準
評語
学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・
S (100~90点)
学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・
A (89~80点)
学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・
B (79~70点)
学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・
C (69~60点)
学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・
D (60点未満)
教科書
各回の授業までに配布される文字教材を使用します。
参考文献
実験・実習・教材費