区分
臨床心理学概論科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
SDGs力
科学コミュニケーション力
研究力
カリキュラム・ポリシーとの関係
教養
応用力
実践力
科目間連携
総合心理力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
科目の目的
総合心理学部は心理学を広く深く、総合的に学べる学部である。その中核として、心理学概論と臨床心理学概論という二つの依って立つ柱があり、その他の心理学及び関連科目が放射状に位置づけられているのが本学のカリキュラムの特徴である。その臨床心理学概論の中でも本科目が端緒となる科目であり、学生が臨床心理学と出会うための科目である。
到達目標
本科目の目的は、臨床心理学の必然性と心理療法の現場について理解することである。前半は、人の心に興味を持ち、人をいたわることに興味を持ち、さらには自身をいたわることに興味を持つことを目指す。そうしたことに関連する具体的なトピックを扱いながら、人と自分をいたわることに関する様々な知識と考え方を学ぶ。後半は、人を支援する現場でどのようなことが行われているのかについて学ぶ。公認心理師が活躍する「5領域」を紹介しながら、心理学的支援の実際について学ぶ。
科目の概要
本講義では、「心のケアとは何か」という問いを軸に、臨床心理学の基礎的な視点と実践の全体像を段階的に学ぶ。初回では人が他者と関わりながら生きる存在であることや、ケアする・される関係について理解を深める。続いて、虐待・不登校・いじめといった現代的課題を取り上げ、それぞれの心理的背景と支援の在り方を学ぶとともに、AI時代における人間理解についても考察する。さらに、大人になることやストレスケアを通して自己理解とセルフケアの重要性を学ぶ。後半では、公認心理師が活躍する保健医療、教育、福祉、産業・労働、司法・犯罪の各領域を概観し、心理職の業務であるアセスメント、目標設定・支援、自己研鑽について具体的に理解する。全体を通して、心の理解と支援を結びつけて学ぶ構成となっている。
科目のキーワード
心のケア、他者理解と自己理解、心理学的支援、公認心理師の実践5領域、セルフケア・セルフコンパッション
授業の展開方法
この科目は、主に授業ごとの文字教材を教員が読み上げ、解説を加えながら講義を進める。必要に応じて、パワーポイント、インターネット上でHPやYoutubeを参照したり、コミュニケーションツールとしてSlidoを用いることもある。
講義が中心であるが、心理学的支援にかかわる技法を体験したり、小グループで討論を行うこともある。また、これまでに学んできている知識について質問することもあるかもしれない。いずれにしても強制をすることはないので、自らの学びのために出来ることを楽しんで参加して欲しい。
講義は5回に1回程度復習回を設定するため、丁寧に復習をしながら、ゆっくりと講義を進めていく。
オフィス・アワー
伊藤義徳:※できるだけアポイントを取ってください
前期:火曜3限・4限
木曜1限・2限
後期:火曜3限・4限
木曜1限・2限
高野裕治:前期:火曜1~5限
後期:火曜1~5限
武田知也:前期:火曜1限
後期:火曜1限
横光健吾:前期:金曜4限
後期:金曜4限
科目コード
RT1011
学年・期
1年・前期
科目名
臨床心理学概論I:臨床心理学との出会い
単位数
2
授業形態
講義
必修・選択
必修
学習時間
【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目
展開科目
関連資格
担当教員名
伊藤義徳・高野裕治・武田知也・横光健吾
回
主題
コマシラバス項目
内容
教材・教具
1
オリエンテーション:人をケアするということ、ケアされるということ
科目の中での位置付け
本講義では、「心のケアとは何か」という問いを軸に、臨床心理学の基礎的な視点と実践の全体像を段階的に学ぶ。初回では人が他者と関わりながら生きる存在であることや、ケアする・される関係について理解を深める。続いて、虐待・不登校・いじめといった現代的課題を取り上げ、それぞれの心理的背景と支援の在り方を学ぶとともに、AI時代における人間理解についても考察する。さらに、大人になることやストレスケアを通して自己理解とセルフケアの重要性を学ぶ。後半では、公認心理師が活躍する保健医療、教育、福祉、産業・労働、司法・犯罪の各領域を概観し、心理職の業務であるアセスメント、目標設定・支援、自己研鑽について具体的に理解する。全体を通して、心の理解と支援を結びつけて学ぶ構成となっている。
こうした中で、第1回は、「オリエンテーション:人をケアするということ、ケアされるということ」をテーマに授業を行う。人はケアを必要とする生き物であることを確認し、臨床心理学の必要性について考えてみたい。
Eアロンソン(2014)『ザ・ソ-シャル・アニマル: 人と世界を読み解く社会心理学への招待』サイエンス社.
河合隼雄(編)『心理療法とはなにか』岩波書店.
コマ主題細目
① 人はひとりでは生きられない(社会の成り立ち) ② 人をケアするということ ③ ケアされるということ
細目レベル
① 「人はひとりでは生きられない」という我々人間の「前提」を、多角的な視点から検討することからこの講義を始める。そもそも人間は他の動物と比べて非常に未熟な状態で生まれるため、生まれた後相当期間養育者の庇護がなければ生きながらえることは出来ない。ある程度成長した後、今度は安心できる関係の中で育まれる信頼感や対人関係が、個人の心理的安定に大きな影響を及ぼす。さらに、人が他者との関係や相互作用の中で自己を形づくり、社会の中で役割や規範に支えられて生きている点にも注目する。これらを通して、人が支え合いの中で生きる存在であることを理解し、心のケアの基盤として対人関係がいかに重要であるかについて一緒に考えてみたい。
② 人が他者にケアを提供しようとするのは、困難や苦痛を抱える他者の状態に触れたときに、それを自分のことのように感じる働きが生じるためである。このような感覚は「放っておけない」という動機を生み、援助行動へとつながる。また、人は他者と協力し合う中で生きてきた存在であり、支え合いは集団の維持や安定に寄与してきた。さらに、他者を助けることは自分の役割や存在意義の実感にも結びつく。加えて、「困っている人を助けるべきである」という社会的価値観が内面化されていることも、行動を後押しする要因となる。このように、感情的反応、関係性、価値観などが重なり合い、ケア行動は生じる。こうした、「ケア」を提供する心理を体系化したものが臨床心理学の出発点である。
③ 人がケアを必要とするのは、心身の負担や困難に直面し、一人では対処が難しいと感じるときである。しかし同時に、人はケアを拒否したくなることもある。弱さを見せることへの抵抗や自立へのこだわりに加え、「自分はケアされるに値しない」と感じてしまうことや、他者への不信感がその背景にある。また、関わりが過度であったり意思が尊重されないと感じた場合にも、支援は受け入れにくくなる。こうした相反する気持ちはいずれも自然なものであるが、拒否する傾向が強まるとより孤立し、苦悩が一層の深まる恐れもある。そのため、そうした抵抗感をいかに和らげ、安心してケアを受け入れられるように導くかということも、臨床心理学における重要な課題の一つである。
キーワード
① 生理的早産 ② ソーシャル・アニマル ③ 共感 ④ 同情 ⑤ ケアへの抵抗
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【本講義の復習】
文字教材を今一度よく読んでおくこと。その際、文字教材の太字の箇所は不可欠な知識であるため、太字の箇所を見なくてもその単語が思い出せるか確認しながら読んでみると良い。また、アンダーラインの箇所はそこがなぜアンダーラインが引かれているか説明できるかを確認してほしい。その他、自身が線を引いたりメモをとったことについて、なぜそうしたかが説明できるか確認をしておくこと。そして、ChatGPTにるテストワークを行うこと。
【次回に向けての予習】
次回のコマシラバスを読んでおくこと。そして、気になる用語、不明な用語についてはネットで検索してみるとよい。次回は、臨床心理学が扱うトピックの一つとして、親の子に対する虐待について考える。最近のニュースでどのような事件が取り上げられていたか、思い出したり調べてみるとよいだろう。
2
臨床心理学が扱う問題①親の子に対する虐待について
科目の中での位置付け
本講義では、「心のケアとは何か」という問いを軸に、臨床心理学の基礎的な視点と実践の全体像を段階的に学ぶ。初回では人が他者と関わりながら生きる存在であることや、ケアする・される関係について理解を深める。続いて、虐待・不登校・いじめといった現代的課題を取り上げ、それぞれの心理的背景と支援の在り方を学ぶとともに、AI時代における人間理解についても考察する。さらに、大人になることやストレスケアを通して自己理解とセルフケアの重要性を学ぶ。後半では、公認心理師が活躍する保健医療、教育、福祉、産業・労働、司法・犯罪の各領域を概観し、心理職の業務であるアセスメント、目標設定・支援、自己研鑽について具体的に理解する。全体を通して、心の理解と支援を結びつけて学ぶ構成となっている。
こうした中で、第2回は、「臨床心理学が扱う問題①親の子に対する虐待について」をテーマに授業を行う。虐待のリアルな状況を想像する内容になるため、心して受講して欲しい。
黒田公美 2022 子ども虐待を防ぐ養育者支援ー脳科学、臨床から社会制度まで 岩崎学術出版社
尾形貴臣(監督・脚本) 2013 子宮に沈める(映画) エネサイ https://sunkintothewomb.paranoidkitchen.com/index.html.
杉山 春 2013 ルポ 虐待: 大阪二児置き去り死事件 ちくま新書
認定NPO法人3keys(スリーキーズ)https://3keys.jp/issue/a06/
こども家庭庁 2026 児童相談所に置ける児童虐待相談対応件数 https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/a176de99-390e-4065-a7fb-fe569ab2450c/844e601a/20260130_policies_jidougyakutai_45.pdf
コマ主題細目
① 虐待のデータ ② 虐待の事例(苫小牧幼児死体遺棄事件、野田市児童虐待事件) ③ 虐待の心理と親の責任
細目レベル
① 虐待は、養育者が子どもを虐待する児童虐待、高齢者に対する高齢者虐待、配偶者等に対して行われるドメスティックバイオレンス(DV) 等が含まれる。いずれの虐待も大きな社会的問題となっているが、例えば児童虐待の児童相談所に対する相談件数は、R6年度は223,691件となり、最高だった前年より若干減少しているものの、高止まりの状態が続いている。虐待の種類としては、身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、養育放棄が挙げられる。さらに高齢者に対しては、経済的虐待の問題も指摘される。虐待に対しては、児童福祉法、児童虐待防止法、DV法、高齢者虐待防止法などの法律が整備されてきているにもかかわらず、なぜ虐待は減らないのか。ここでは、虐待を取り巻く歴史、現状、対策等について概説する。虐待について考える土台を整えてほしい。
② 具体的な児童虐待の事例として、二つの事例を紹介する。一つは、苫小牧幼児死体遺棄事件(2007)の山崎愛美受刑者の事例である。これは恐らく、健常な乳幼児を母親が養育放棄して死に至らしめた、本邦では最初の事例ではないかと思われる。もうひとつは、父親が娘に虐待を重ねて死亡させた野田小4女児虐待事件である。どちらも聞き苦しいところもあるかも知れないが、こうした事例を幾分詳しく紹介する。こういた事例通して、虐待、特にここでは子どもの養育と養育放棄の問題、また親の暴力による家族の支配について深く考えてみてほしい。なお、自身もそうした経験を受けており、こうした話は聞きたくないという人もいるであろう。辛い場合には無理をせず、しばらく教室を離れていても構わない。
③ こうした事例を通して、ケアを提供すべき養育者がなぜ養育を放棄したり虐待をしてしまうのか、その問題について深く考え、討論する時間を持つ。様々な観点があると思われるため、自身が関心を持った観点を表明した上で、近い観点に関心を持った者どうしてグループを形成し、議論を行う。正解があるものではないため、てらわずにそれぞれの意見をぶつけてみてほしい。さらに、より広い視点から虐待の心理、親の心理を考える情報提供を適宜行う。虐待の事例を考えるとき、養育者と被害者の個人の問題に関心が寄りがちだが、より社会的な問題として、例えば、経済格差の問題、子どもが減ることによる社会の変化の問題、暴力が容認されることと戦争の関連なども考えられる。議論の状況を見ながら、適宜情報を提供し、さらに全体で議論を深めていきたい。
キーワード
① 虐待 ② 児童相談所 ③ 苫小牧幼児死体遺棄事件 ④ 野田市児童虐待事件 ⑤ 虐待の心理
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【本講義の復習】
文字教材を今一度よく読んでおくこと。その際、文字教材の太字の箇所は不可欠な知識であるため、太字の箇所を見なくてもその単語が思い出せるか確認しながら読んでみると良い。また、アンダーラインの箇所はそこがなぜアンダーラインが引かれているか説明できるかを確認してほしい。その他、自身が線を引いたりメモをとったことについて、なぜそうしたかが説明できるか確認をしておくこと。そして、ChatGPTにるテストワークを行うこと。
【次回に向けての予習】
次回のコマシラバスを読んでおくこと。そして、気になる用語、不明な用語についてはネットで検索してみるとよい。次回は、臨床心理学が扱うトピックの一つとして、不登校について考える。自分自身の経験や、身近に不登校を経験した人がいるなら、そうした経験を振り返っておくとよいかも知れない。
3
臨床心理学が扱う問題②不登校について
科目の中での位置付け
本講義では、「心のケアとは何か」という問いを軸に、臨床心理学の基礎的な視点と実践の全体像を段階的に学ぶ。初回では人が他者と関わりながら生きる存在であることや、ケアする・される関係について理解を深める。続いて、虐待・不登校・いじめといった現代的課題を取り上げ、それぞれの心理的背景と支援の在り方を学ぶとともに、AI時代における人間理解についても考察する。さらに、大人になることやストレスケアを通して自己理解とセルフケアの重要性を学ぶ。後半では、公認心理師が活躍する保健医療、教育、福祉、産業・労働、司法・犯罪の各領域を概観し、心理職の業務であるアセスメント、目標設定・支援、自己研鑽について具体的に理解する。全体を通して、心の理解と支援を結びつけて学ぶ構成となっている。
こうした中で、第3回は、「臨床心理学が扱う問題②不登校について」をテーマに授業を行う。不登校についての様々なデータと、近年の不登校の考え方と支援の実際について紹介する。
神村栄一 編著 2024 教師と支援者のための令和型不登校対応クイックマニュアル ぎょうせい
文部科学省 2020 令和2年度不登校児童生徒の実態調査結果概要 週間教育資料 日本教育新聞社
文部科学省 2025 令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果
和久田 学 2024 令和型不登校の正体―不登校要因調査の結果が示すこと 令和型不登校をあきらめない 神村栄一 編著 pp.12-23. 日本評論社
コマ主題細目
① 不登校という概念 ② 不登校の支援についての考え方 ③ 不登校支援の実際
細目レベル
① このコマでは、不登校という現象がどのように捉えられてきたのか、その概念の変遷を通して理解を深める。1970年頃までは、不登校は「学校恐怖症」として個人の病理として扱われ、主に治療の対象とされていた。その後、1970年代以降には「登校拒否」という表現が用いられ、学校や社会の価値観に対する子どもの主体的な反応として捉える視点が広がった。さらに1991年の文部省通知により「不登校」という用語が導入され、個人の問題に還元せず、多様な背景をもつ現象として理解する方向へと変化した。このような用語の変遷は、社会における子ども観や教育観の変化を反映している。本コマでは、こうした歴史的経緯を踏まえ、不登校をどのように理解するかについて検討する。
② 本コマでは、不登校支援の基本的な考え方について、近年の制度や知見を踏まえて整理する。まず、教育機会確保法や文部科学省による近年の「不登校の児童生徒への支援の在り方に関する通知」を取り上げ、不登校を否定的に捉えるのではなく、多様な学びの機会を保障する視点への転換を確認する。次に、不登校児童生徒を対象とした各種調査結果をもとに、その心理状態や背景にある要因について理解を深める。さらに、近年指摘される「令和型不登校」と呼ばれる新たな傾向にも触れ、現代的特徴を把握する。これらを通して、不登校支援のあり方について多角的に考えるとともに、どのような関わりが望ましいのかについて、自らの視点で想像を広げることを目指す。
③ 本コマでは、不登校支援の具体的な実践を理解するために、担当教員が実際に関わったケースを取り上げる。事例の経過や関係者との関わり、支援の工夫や困難を検討しながら、不登校支援に必要な視点について具体的に学ぶ。特に、本人の心理状態への理解、家族や学校との連携、多様な支援の選択肢をどのように調整するかといった点に注目する。また、単に事例を知るにとどまらず、自分であればこのケースに、あるいは不登校の児童生徒に、どのように関わるかという視点から討論を行い、支援の在り方について主体的に考える機会とする。さらに、多様な立場からの意見交換を通して理解を深める。これにより、理論と実践を結びつけながら、不登校支援に対する理解をより深めることを目指す。
キーワード
① 学校恐怖症 ② 登校拒否 ③ 不登校 ④ 令和型不登校 ⑤ 不登校支援
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【本講義の復習】
文字教材を今一度よく読んでおくこと。その際、文字教材の太字の箇所は不可欠な知識であるため、太字の箇所を見なくてもその単語が思い出せるか確認しながら読んでみると良い。また、アンダーラインの箇所はそこがなぜアンダーラインが引かれているか説明できるかを確認してほしい。その他、自身が線を引いたりメモをとったことについて、なぜそうしたかが説明できるか確認をしておくこと。そして、ChatGPTにるテストワークを行うこと。
【次回に向けての予習】
次回のコマシラバスを読んでおくこと。そして、気になる用語、不明な用語についてはネットで検索してみるとよい。次回は、臨床心理学が扱うトピックの一つとして、いじめについて考える。自分自身の経験や、身近にいじめをしたり受けた経験をした人がいるなら、そうした経験を振り返っておくとよいかも知れない。
4
臨床心理学が扱う問題③いじめについて
科目の中での位置付け
本講義では、「心のケアとは何か」という問いを軸に、臨床心理学の基礎的な視点と実践の全体像を段階的に学ぶ。初回では人が他者と関わりながら生きる存在であることや、ケアする・される関係について理解を深める。続いて、虐待・不登校・いじめといった現代的課題を取り上げ、それぞれの心理的背景と支援の在り方を学ぶとともに、AI時代における人間理解についても考察する。さらに、大人になることやストレスケアを通して自己理解とセルフケアの重要性を学ぶ。後半では、公認心理師が活躍する保健医療、教育、福祉、産業・労働、司法・犯罪の各領域を概観し、心理職の業務であるアセスメント、目標設定・支援、自己研鑽について具体的に理解する。全体を通して、心の理解と支援を結びつけて学ぶ構成となっている。
こうした中で、第4回は、「臨床心理学が扱う問題③いじめについて」をテーマに授業を行う。いじめがなぜ生じるのか、どうすればよいのか、心理学の観点から考えてみたい。
文部科学省 2025 令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要 https://www.mext.go.jp/content/20260305-mxt_jidou02-100002753_3.pdf
ジンバルドー, P. (著) 鬼沢 忍・中山 宥(訳) 2015 ルシファー・エフェクト:ふつうのp人が悪魔に変わるとき 海と月社
Gilbert, P. 2000 The relationship of shame, social anxiety and depression: The role of the evaluation of social rank. Clinical Psychology and Psychotherapy, 7, 174-189.
コマ主題細目
① いじめとは何か ② いじめの心理学的メカニズム ③ いじめの対策と支援
細目レベル
① 昨今、小、中、高校等におけるいじめの認知件数は、コロナ影響下のR2年度を例外として、右肩上がりに増加している。しかし、このことは、直ちに学校でいじめの状況が酷くなっていることを意味するわけではない。H25年のいじめ防止対策推進法施行後、いじめの定義が変わり、特定の行為や状況では無く、被害者が苦痛を感じたらいじめと定義することとなったが、これが現場に浸透し、被害者目線で問題を認知し、積極的に改善しようという風潮が、特に小学校で強くなってきていることが、このデータに大きく影響している。とはいえ、現場でいじめが減ったという印象があるわけでもない。昨今も、いじめが背景にあると考えられる自殺がニュースで取り上げられている。いじめについての歴史と現状について概説するので、まずはいじめを取り巻く状況の大枠を理解してほしい。
② いじめは、加害者と被害者の間だけで起こるものではない。加害者にも様々な役割があり、またその周辺にいる傍観者も大きな影響を与える。また、被害者もまた、知らず知らずのうちに「被害者」として振る舞うようになる。こうした状況におけるそれぞれの心理的変化について、Zimbardoの「悪魔効果」を参照して解説を行う。さらに、同種族の集団の中でいじめのような現象が生じるのは人間だけではない。進化心理学的視点を取り入れたGilbertの「社会的階級理論」に基づき、いじめを取り巻くそれぞれの変化についての仮説を展開する。ここで紹介される考え方は、実証されたものではなく、あくまで一つの試論であるが、いじめについて心理学的にアプローチする一つの視点として、関心を持ってほしい。
③ 以上の情報提供も参考に、皆で討論を行う。いじめは悪いことなのかそうではないのか?いじめを無くすことは本当に出来るのか?本当に実現可能ないじめ対策とはどのような事なのか?等について、それぞれの意見をたたかわせてみてほしい。その上で、これまた試論であるが、担当講師が考えるいじめに対する対策法を紹介する。Gilbertのコンパッション理論に基づくアプローチであるが、そうした対策法についてどのように考えるか、また自分自身はどのようにすればいじめ対策が出来るか、さらに議論を重ねてみてほしい。いじめの対策は難しい問題であり、ここで絶対的な正解が出るわけではない。ここで一度考える機会を持つということが、この先の臨床実践によい影響を与えることを期待している。
キーワード
① いじめ防止対策推進法 ② 生徒指導提要 ③ 監獄実験 ④ 社会的階級理論 ⑤ コンパッション
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【本講義の復習】
文字教材を今一度よく読んでおくこと。その際、文字教材の太字の箇所は不可欠な知識であるため、太字の箇所を見なくてもその単語が思い出せるか確認しながら読んでみると良い。また、アンダーラインの箇所はそこがなぜアンダーラインが引かれているか説明できるかを確認してほしい。その他、自身が線を引いたりメモをとったことについて、なぜそうしたかが説明できるか確認をしておくこと。そして、ChatGPTにるテストワークを行うこと。
【次回に向けての予習】
次回のコマシラバスを読んでおくこと。そして、気になる用語、不明な用語についてはネットで検索してみるとよい。次回はここまでの話を総括する復習回となる。期末試験の模擬試験を実施するため、第1回~第4回の内容を通してしっかり復習をしておいて欲しい。
5
復習回1
科目の中での位置付け
本講義では、「心のケアとは何か」という問いを軸に、臨床心理学の基礎的な視点と実践の全体像を段階的に学ぶ。初回では人が他者と関わりながら生きる存在であることや、ケアする・される関係について理解を深める。続いて、虐待・不登校・いじめといった現代的課題を取り上げ、それぞれの心理的背景と支援の在り方を学ぶとともに、AI時代における人間理解についても考察する。さらに、大人になることやストレスケアを通して自己理解とセルフケアの重要性を学ぶ。後半では、公認心理師が活躍する保健医療、教育、福祉、産業・労働、司法・犯罪の各領域を概観し、心理職の業務であるアセスメント、目標設定・支援、自己研鑽について具体的に理解する。全体を通して、心の理解と支援を結びつけて学ぶ構成となっている。
こうした中で、第5回は、第1回から第4回の授業についての復習と模擬テストを行う。これまでの学びを落ち着いて振り返り、定着させる機会として欲しい。
第1回~第4回文字教材
コマ主題細目
① 人をケアするということ、ケアされるということ ② 親の子に対する虐待について ③ 不登校について ④ いじめについて
細目レベル
① 第1回の講義では、「心のケアとは何か」という本講義全体の問いを出発点に、人が他者との関わりの中で生きる存在であることを確認した。人は未熟な状態で生まれ、他者に支えられながら発達し、成長後も対人関係の中で自己を形成し続ける存在であることを踏まえ、対人関係が心の基盤となることを理解した。また、人が他者にケアを提供する心理について、共感や社会的価値観などの観点から整理した。さらに、人はケアを必要とする一方で、それを拒む心理も併せ持つこと、その背景には自尊心や他者不信が関わることを確認した。そのうえで、ケアへの抵抗をどのように和らげるかということも、臨床心理学の重要な課題の一つであるということに言及した。
② 第2回では、虐待の定義や種類、児童相談所への相談件数の推移などの基礎的知識を整理し、虐待が依然として深刻な社会問題である現状を確認した。次に、具体的事例を通して、養育者による養育放棄や暴力がどのように生じるのか、その背景や経過について理解を深める機会を設けた。さらに、虐待を個人の問題としてのみ捉えるのではなく、経済格差や社会構造、価値観などの広い視点から検討するよう促した。加えて、受講者同士で意見を共有し合う討論の時間を設け、多様な視点に触れる機会とした。これらを通して、虐待の心理や親の責任について多角的に考え、自分なりの視点を形成することを目指す講義を実施した。また、社会的支援の在り方についても考える契機とした。
③ 第3回の講義では、不登校という現象について、その概念の変遷を手がかりに理解を深める内容を扱った。かつては「学校恐怖症」として個人の病理と捉えられていたものが、社会現象としての「登校拒否」を経て「不登校」という概念へと変化してきた経緯を確認し、社会における子ども観や教育観の変化との関連を考察した。さらに、教育機会確保法や近年の通知を踏まえ、不登校を否定的に捉えず多様な学びを保障する視点について整理した。また、調査結果や近年の傾向を通して不登校児童生徒の心理を理解し、具体的事例の検討と討論を通して、支援の在り方について主体的に考える機会を設けた。加えて、不登校支援の多様な可能性についても視野を広げる内容とした。
④ 第4回の講義では、いじめという現象について、その定義や現状を踏まえつつ、多角的に理解することを目的とした。まず、いじめの認知件数の推移や定義の変化を確認し、被害者の苦痛を基準とする現在の捉え方について整理した。次に、いじめは加害者と被害者だけでなく、周囲の傍観者も含めた集団の中で生じる現象であることを理解し、状況の中で人の行動が変化する過程について検討した。また、集団内の序列や評価に関わる視点から、いじめの生起メカニズムについても考察した。さらに、討論を通して、いじめはなぜ起こるのか、なくすことは可能なのかといった問いについて主体的に考える機会を設け、対策や支援の在り方について多面的に検討する講義を実施した。
キーワード
① ケア ② 虐待 ③ 不登校 ④ いじめ ⑤ 心理
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【本講義の復習】
文字教材を今一度よく読んでおくこと。その際、文字教材の太字の箇所は不可欠な知識であるため、太字の箇所を見なくてもその単語が思い出せるか確認しながら読んでみると良い。また、アンダーラインの箇所はそこがなぜアンダーラインが引かれているか説明できるかを確認してほしい。その他、自身が線を引いたりメモをとったことについて、なぜそうしたかが説明できるか確認をしておくこと。そして、ChatGPTにるテストワークを行うこと。
【次回に向けての予習】
次回のコマシラバスを読んでおくこと。そして、気になる用語、不明な用語についてはネットで検索してみるとよい。次回は臨床心理学に必要な視点として、AI社会について考える機会を持つ。日頃どのようにAI搭載機器やアプリを使用しているか、日常生活を振り返ってみて欲しい。
6
臨床心理学に必要な視点①社会について考える(AI社会について)
科目の中での位置付け
本講義では、「心のケアとは何か」という問いを軸に、臨床心理学の基礎的な視点と実践の全体像を段階的に学ぶ。初回では人が他者と関わりながら生きる存在であることや、ケアする・される関係について理解を深める。続いて、虐待・不登校・いじめといった現代的課題を取り上げ、それぞれの心理的背景と支援の在り方を学ぶとともに、AI時代における人間理解についても考察する。さらに、大人になることやストレスケアを通して自己理解とセルフケアの重要性を学ぶ。後半では、公認心理師が活躍する保健医療、教育、福祉、産業・労働、司法・犯罪の各領域を概観し、心理職の業務であるアセスメント、目標設定・支援、自己研鑽について具体的に理解する。全体を通して、心の理解と支援を結びつけて学ぶ構成となっている。
こうした中で、第6回は、「臨床心理学に必要な視点①社会について考える(AI社会について)」をテーマに授業を行う。AIに依存した現代社会をどのように生きていくのか、メタな視点から考える機会とする。
Rドーキンス 2006 利己的遺伝子 紀伊國屋書店
Rカーツワイル 2016 シンギュラリティは近い NHK出版
コマ主題細目
① 利己的遺伝子とミーム説 ② 情報の進化と脅威 ③ AI時代をどう生きるか
細目レベル
① リチャード・ドーキンス(1976)は、「利己的な遺伝子」という著書の中で、「生物は、遺伝子の乗り物に過ぎない」という考え方を提唱した。ダーウィンによる「生物が遺伝子を利用して種の存続と繁栄をもたらしている」という考え方とは真逆である。ドーキンスはさらにこの著書の中で、遺伝子に限らず生物を利用していると考えることが出来るものとして、「情報や文化(ミーム)」を取り上げた。近年、遺伝子以上に人間という種を脅かしているのは、このミームである。ここでは、現代社会の特徴であるIT社会を普段とは異なる観点から検討する材料として、利己的遺伝子とミーム説を紹介する。50年前の古い考え方であるが、発想を転換することで異なる視点から物事を捉える一例として、興味を持ってみてほしい。
② ミーム説に基づいて、古代から現代に至る時代の変化を振り返ってみる。古代人は、集団で狩猟を行うためコミュニケーションを発達させ、声や音だけで無く、絵から文字を発達させた。文字を書ける紙が発明され、さらに印刷の技術が開発されることで、多くの人に情報を伝達することが可能となった。近代のマスコミュニケーションの発展は、情報が伝達される力を何倍にも膨れ上がらせた。そして、PC、インターネットの登場から、ミームはさらなる力を手にした。SNSによって、誰もが手軽に世界中の人に情報を届けられるようになった。情報が拡散する量とスピードは、ミームの力の強さを表す。ミームはここ20年の間に、恐るべき力を手にしたことになる。このように、ミーム説の観点から現状を振り返ってみることがここで行う事である。
③ 昨今は、ミームが人間の能力を上回りはじめている。その革命的変化をもたらしたのは、AI技術の発達である。囲碁や将棋等は、もはや人間では太刀打ちできない。作文の能力も、ChatGPT等の方が短時間で質の高い作文を仕上げるようになっている。ミームが力を持つことで、人間はどうなったか?ミームに対する依存心が強くなり、ミームに「利用される」場面が増えてきた。このままミームの力を野放しにしていると、人間のコントロールの範囲を超えてミームが独自に成長しだし、本当に人間の世界が凌駕されるかも知れない。このような転換点を「シンギュラリティ」と呼ぶが、それがもう間近に迫っていると警鐘を鳴らす研究者もいる。こうした状況の中で君たちはどう生きるか、考える機会を持ってみてほしい。
キーワード
① 利己的な遺伝子 ② ミーム説 ③ IT化 ④ AI技術 ⑤ シンギュラリティ
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【本講義の復習】
文字教材を今一度よく読んでおくこと。その際、文字教材の太字の箇所は不可欠な知識であるため、太字の箇所を見なくてもその単語が思い出せるか確認しながら読んでみると良い。また、アンダーラインの箇所はそこがなぜアンダーラインが引かれているか説明できるかを確認してほしい。その他、自身が線を引いたりメモをとったことについて、なぜそうしたかが説明できるか確認をしておくこと。そして、ChatGPTにるテストワークを行うこと。
【次回に向けての予習】
次回のコマシラバスを読んでおくこと。そして、気になる用語、不明な用語についてはネットで検索してみるとよい。次回は臨床心理学に必要な視点として、大人になるということについて考えてみたい。皆さんにとって大人とはどのようなものだろうか。いつから、どんなときに大人になるのだろうか。自分なりの大人像について考えておこう。
7
臨床心理学に必要な視点②大人になるということ
科目の中での位置付け
本講義では、「心のケアとは何か」という問いを軸に、臨床心理学の基礎的な視点と実践の全体像を段階的に学ぶ。初回では人が他者と関わりながら生きる存在であることや、ケアする・される関係について理解を深める。続いて、虐待・不登校・いじめといった現代的課題を取り上げ、それぞれの心理的背景と支援の在り方を学ぶとともに、AI時代における人間理解についても考察する。さらに、大人になることやストレスケアを通して自己理解とセルフケアの重要性を学ぶ。後半では、公認心理師が活躍する保健医療、教育、福祉、産業・労働、司法・犯罪の各領域を概観し、心理職の業務であるアセスメント、目標設定・支援、自己研鑽について具体的に理解する。全体を通して、心の理解と支援を結びつけて学ぶ構成となっている。
こうした中で、第7回は、「臨床心理学に必要な視点②大人になるということ」をテーマに授業を行う。これから大人に向かう皆さんにとって、自分自身に関わるテーマであると感じてもらえたら幸いである。
刈谷剛彦編著 2006 いまこの国で大人になるということ 紀伊國屋書店
コマ主題細目
① 大人の定義 ② 大人になることについての一考察 ③ 大人になるということ
細目レベル
① 大人とは何かについては、法制度や社会的基準、心理的側面など多様な観点から定義が試みられている。多くの国では成人年齢を18歳とし、日本でも2022年に成人年齢が引き下げられたが、これは法的に権利と責任が付与される基準であるに過ぎない。また、小浜逸郎は大人を「生理的・社会的・心理的」という三側面から捉え、身体的成熟だけでなく、経済的自立や社会的責任、さらに感情の安定や状況に応じた判断力を含むものとしている。さらに歴史的には、元服や労働能力など明確な基準が存在していたが、現代ではその境界は曖昧になっている。このように、大人の定義は一義的ではなく、多層的かつ相対的に理解される必要がある。ここでは、大人について考える上で必要な言説やデータを紹介する。
② 次に、大人になることをどのように考えるべきか、一つの例を紹介する。菅野仁は、大人になることを単なる年齢や役割の到達ではなく、「生の可能性」と向き合う過程として捉えている。近代以降、社会における役割や身分が固定的でなくなり、個人が自らの生き方を選択する自由と同時に責任を負うようになった。その結果、大人になることは自然な通過点ではなく、自らを形成していく課題となっている。また、豊かな社会の到来により、役割を担わない生き方も可能となり、「大人にならない」選択も現実的となった。しかし菅野は、大人になることには「ビターな生の味わい」を楽しむ価値があるとし、自分自身を主体的に磨き上げていこうとする姿勢の重要性を指摘している。こうした論説も参考にしながら、自身が大人になることについて考える客観的な視点を持って欲しい。
③ 最後に、僭越ながら私の大人についての考察も紹介する。大人になることの一側面とは、単に自由や権利を得ることではなく、自らの生き方に責任を持ち、一定の役割を引き受ける決意をすることである。すなわち、「こうありたい自分」という理想だけでなく、「こうである自分」という現実を受け入れ、その中で生を形づくっていく営みである。また、人との関わりの中で何かを育み、他者と関係を築きながら生きていくこと、さらに次の世代へと価値や経験を伝えていくことも大人の重要な側面である。大人になることは負担や制約を伴うが、その過程でこそ生きる深みや充実が得られる。最終的には、自らがどのような大人でありたいのかを問い続ける姿勢そのものが、大人であることの核心といえる。これが正答というわけでは全くないが、こうした「大人の側からの意見」も聞いた上で、自分にとって大人になるということはどういうことか、相互に討論する時間を持つ。
キーワード
① 成人年齢 ② 希望 ③ 元服 ④ アイデンティティの確立 ⑤ 自由と責任
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【本講義の復習】
文字教材を今一度よく読んでおくこと。その際、文字教材の太字の箇所は不可欠な知識であるため、太字の箇所を見なくてもその単語が思い出せるか確認しながら読んでみると良い。また、アンダーラインの箇所はそこがなぜアンダーラインが引かれているか説明できるかを確認してほしい。その他、自身が線を引いたりメモをとったことについて、なぜそうしたかが説明できるか確認をしておくこと。そして、ChatGPTにるテストワークを行うこと。
【次回に向けての予習】
次回のコマシラバスを読んでおくこと。そして、気になる用語、不明な用語についてはネットで検索してみるとよい。次回は臨床心理学に必要な視点として、自分自身のストレスケアの話をする。自分はどんなときにストレスをためており、そんなとき自分に対してどのように関わっているのか、普段の自分を振り返っておこう。
8
臨床心理学に必要な視点③ストレスケアー自分を大切にするということ
科目の中での位置付け
本講義では、「心のケアとは何か」という問いを軸に、臨床心理学の基礎的な視点と実践の全体像を段階的に学ぶ。初回では人が他者と関わりながら生きる存在であることや、ケアする・される関係について理解を深める。続いて、虐待・不登校・いじめといった現代的課題を取り上げ、それぞれの心理的背景と支援の在り方を学ぶとともに、AI時代における人間理解についても考察する。さらに、大人になることやストレスケアを通して自己理解とセルフケアの重要性を学ぶ。後半では、公認心理師が活躍する保健医療、教育、福祉、産業・労働、司法・犯罪の各領域を概観し、心理職の業務であるアセスメント、目標設定・支援、自己研鑽について具体的に理解する。全体を通して、心の理解と支援を結びつけて学ぶ構成となっている。
こうした中で、第8回は、臨床心理学に必要な視点③自分を大切にするということ(ストレスケア)」をテーマに授業を行う。自分が自分を大切にするとはどういうことなのか、一緒に考えてみよう。
Mウェルフォード 2016 実践 セルフ・コンパッション 誠信書房
コマ主題細目
① ストレスとは何か ② セルフ・コンパッションの意義 ③ セルフケアの実践
細目レベル
① 本コマでは、現代社会が「ストレス社会」と呼ばれる背景について、各種調査データを踏まえて確認し、私たちの日常生活においてストレスがいかに身近なものであるかを理解する。そのうえで、ストレスの基本的な理論として、外的な出来事そのものではなく、それをどのように評価し受け止めるかという認知的過程が重要であるとするストレスに対する認知的評価理論を紹介する。さらに、ストレスが身体に及ぼす影響について、心理、生理、社会的メカニズムの観点から整理する。こうした知識を学ぶことで、ストレスは誰にでもあること、またストレスを単なる否定的なものとして捉えるのではなく、適切に理解し対処していくべき現象として捉える視点を養う。
② 本コマでは、ストレスケアにおける最も重要な概念として、セルフ・コンパッションについて、NeffやGilbertの理論をもとに詳しく紹介する。セルフ・コンパッションとは、困難や失敗に直面した際に、自分に対して批判的になるのではなく、思いやりをもって接する態度を指すものであり、「自分への優しさ」「共通の人間性の理解」「マインドフルネス」といった要素から構成される。また、自己批判や過度な自己否定が心身に与える影響についても触れ、それと対比する形でセルフ・コンパッションの心理的意義や効果について検討する。これにより、自分を大切にすることが結果として他者理解や対人関係の安定にもつながるという視点を理解する。
③ 本コマでは、セルフ・コンパッションを体験的に理解するための具体的な実践方法を紹介する。いずれも、コンパッショネイト・マインド・トレーニングの中で実践される技法である。まず、「大切な人から来た手紙」というワークを通して、自分自身に対して温かく受容的な言葉を向ける体験を行い、自己への見方を見直す機会とする。さらに、「スージングタッチ」と呼ばれる身体への穏やかな働きかけを実践し、安心感や落ち着きを身体感覚から得る方法について学ぶ。これらの体験を通して、セルフ・コンパッションが単なる理論ではなく、日常生活の中で実践可能なスキルであること、さらには、自分自身のストレス状態を、自分自身でケアするうことが出来るということを知って欲しい。
キーワード
① ストレス ② ストレスの認知的評価理論 ③ セルフ・コンパッション ④ 大切な人から来た手紙 ⑤ スージングタッチ
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【本講義の復習】
文字教材を今一度よく読んでおくこと。その際、文字教材の太字の箇所は不可欠な知識であるため、太字の箇所を見なくてもその単語が思い出せるか確認しながら読んでみると良い。また、アンダーラインの箇所はそこがなぜアンダーラインが引かれているか説明できるかを確認してほしい。その他、自身が線を引いたりメモをとったことについて、なぜそうしたかが説明できるか確認をしておくこと。そして、ChatGPTにるテストワークを行うこと。
【次回に向けての予習】
次回のコマシラバスを読んでおくこと。そして、気になる用語、不明な用語についてはネットで検索してみるとよい。次回はここまでの話を総括する復習回となる。期末試験の模擬試験を実施するため、第6回~第8回の内容を通してしっかり復習をしておいて欲しい。
9
復習回2
科目の中での位置付け
本講義では、「心のケアとは何か」という問いを軸に、臨床心理学の基礎的な視点と実践の全体像を段階的に学ぶ。初回では人が他者と関わりながら生きる存在であることや、ケアする・される関係について理解を深める。続いて、虐待・不登校・いじめといった現代的課題を取り上げ、それぞれの心理的背景と支援の在り方を学ぶとともに、AI時代における人間理解についても考察する。さらに、大人になることやストレスケアを通して自己理解とセルフケアの重要性を学ぶ。後半では、公認心理師が活躍する保健医療、教育、福祉、産業・労働、司法・犯罪の各領域を概観し、心理職の業務であるアセスメント、目標設定・支援、自己研鑽について具体的に理解する。全体を通して、心の理解と支援を結びつけて学ぶ構成となっている。
こうした中で、第9回は、第6回から第8回の授業についての復習と模擬テストを行う。これまでの学びを落ち着いて振り返り、定着させる機会として欲しい。
第6回~第8回文字教材
コマ主題細目
① AI社会について ② 大人になるということ ③ ストレスケア
細目レベル
① 第6回の講義では、AI社会における人間のあり方について、多角的な視点から考察する機会を設けた。まず、ドーキンスの利己的遺伝子論とミーム説を手がかりに、人間が情報や文化の担い手であるだけでなく、それらに影響を受ける存在であることを確認した。次に、コミュニケーションや情報伝達の発展の歴史を振り返り、IT化やSNSの普及によって情報が急速に拡散する現代の特徴を整理した。さらに、AI技術の発展により、情報が人間の能力を超えて拡張されつつある現状を踏まえ、人間が情報に依存し、逆に影響を受ける可能性、それに対する対策についても検討した。これらを通して、AI時代において主体的に生きるための視点について考える機会を提供した。
② 第7回の講義では、「大人になるということ」をテーマに、大人の定義とその意味について多角的に考察した。まず、成人年齢や社会的責任といった制度的側面に加え、生理的・社会的・心理的側面から大人を捉える視点を整理し、その定義が一義的ではないことを確認した。次に、菅野仁の論説を手がかりに、大人になることが単なる通過点ではなく、自らの生の可能性と向き合い主体的に形成していく過程であることを学んだ。さらに、講義提供者の考え方として、大人になるとは自由だけでなく責任を引き受け、自身の現実を受け入れながら生きていく営みであることについて検討した。これらを踏まえ、自分にとっての「大人」とは何かを問い直す機会を設けた。
③ 第8回の講義では、「自分を大切にするということ」をテーマに、ストレスとその対処について多角的に学ぶ講義を行った。まず、現代社会におけるストレスの広がりをデータに基づいて確認し、ストレスが特別なものではなく誰にでも生じる現象であることを理解した。そのうえで、出来事そのものではなく、それをどのように認知し評価するかがストレス反応に影響するという理論を学び、ストレスの捉え方の重要性について考察した。さらに、ストレスを自身でケアするために、セルフ・コンパッションの概念を通して、自分に対して思いやりを向けることの意義を理解した。加えて、具体的なワークを体験することで、自分自身をケアする方法を実感的に学び、日常生活に活かす視点を養う講義を実施した。
キーワード
① AI社会 ② シンギュラリティ ③ 大人になるということ ④ ストレス ⑤ セルフ・コンパッション
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【本講義の復習】
文字教材を今一度よく読んでおくこと。その際、文字教材の太字の箇所は不可欠な知識であるため、太字の箇所を見なくてもその単語が思い出せるか確認しながら読んでみると良い。また、アンダーラインの箇所はそこがなぜアンダーラインが引かれているか説明できるかを確認してほしい。その他、自身が線を引いたりメモをとったことについて、なぜそうしたかが説明できるか確認をしておくこと。そして、ChatGPTにるテストワークを行うこと。
【次回に向けての予習】
次回のコマシラバスを読んでおくこと。そして、気になる用語、不明な用語についてはネットで検索してみるとよい。次回は心理実践の現場として保健医療領域、教育領域を紹介する。具体的にどんな人がどんな仕事をしていそうか、想像してみよう。
10
心理実践の現場1:保健医療、教育
科目の中での位置付け
本講義では、「心のケアとは何か」という問いを軸に、臨床心理学の基礎的な視点と実践の全体像を段階的に学ぶ。初回では人が他者と関わりながら生きる存在であることや、ケアする・される関係について理解を深める。続いて、虐待・不登校・いじめといった現代的課題を取り上げ、それぞれの心理的背景と支援の在り方を学ぶとともに、AI時代における人間理解についても考察する。さらに、大人になることやストレスケアを通して自己理解とセルフケアの重要性を学ぶ。後半では、公認心理師が活躍する保健医療、教育、福祉、産業・労働、司法・犯罪の各領域を概観し、心理職の業務であるアセスメント、目標設定・支援、自己研鑽について具体的に理解する。全体を通して、心の理解と支援を結びつけて学ぶ構成となっている。
こうした中で、第10回、第11回は、心理職が働く現場をイメージしてもらう機会を提供する。第10回は、医療保健領域と教育領域について紹介する。
宮脇 稔・大野太郎・藤本 豊・松野俊夫 2018 健康・医療心理学 医歯薬出版株式会社 pp.56-149.
下山晴彦・佐藤隆夫・本郷一夫(監修) 2021 教育・学校心理学 ミネルヴァ書房 pp.15-20.
コマ主題細目
① 公認心理師が活躍する現場 ② 保健医療臨床現場 ③ 教育臨床現場
細目レベル
① 心理職として働くために必要な資格として、臨床心理士と公認心理師がある。特に公認心理師は国家資格であり、この資格が出来たことで心理職の社会的知名度や待遇が大きく改善されてきている。両資格にも共通することだが、特に公認心理師が働く現場は「5領域」にまとめられる。保健医療領域、教育領域、福祉領域、産業・労働領域、司法・犯罪領域である。第10回と第11回を通して、この5領域の現場にはどのような施設があり、どのように活躍しており、何を求められているのかを概説するために前提となる知識を、このコマでは概説する。臨床心理学を学ぶということの第一の目的は、こうした現場で適切にケアを提供するためである。心理臨床現場を知ることで、臨床心理学を学ぶモチベーションを高めて欲しい。
② 医療臨床現場とは,基本的には病院や保健施設を指す。そこには、単科精神科病院、総合病院、精神科や心療内科のクリニック等、様々なタイプの病院がある。またその中で、心理職が活躍する診療科としては、精神科や心療内科だけでなく、小児科、外科,産婦人科等、近年活躍の幅がどんどん広がっている。ここでは、それぞれにおいて心理職がどのような仕事をしているのかを概説し、また講師自身が経験した医療臨床におけるエピソードも紹介しながら、医療臨床の特長について論じる。さらに、医療臨床の特徴として、病院における全ての活動は必ず主事の医師がいるため、心理職も医療にかかわる患者に支援を行う際には、必ず主事の医師の指示を受けなくてはならない。医師の下で働くコメディカルとしての役割と、多職種連携の意義についても解説しながら、病院の中で働く心理職をリアルに感じてもらいたい。
③ 教育領域の心理職といえば、多くの人がスクールカウンセラーをイメージするかもしれない。しかし、スクールカウンセラーは多くの場合会計年度職員(非常勤)であり、生活待遇は必ずしもよいよく行とは言えない。もとろん、教育を支える心理職の活躍の場はそれだけではない。市町村教育委員会には教育支援センターが設置されており、不登校児童生徒の居場所づくりと登校支援のために働く心理職もいる。また、放課後児童デイサービスやフリースクール等で働く心理職もいる。教育を支える専門職として、心理職はなくてはならない存在となっている。講師の適応指導教室員、スクールカウンセラー時代の経験も紹介しながら、教育臨床の現場とそこにおける心理職の役割について、具体的にイメージしてもらえるよう論じる。
キーワード
① 臨床心理士 ② 公認心理師 ③ 5領域 ④ 医療保健領域 ⑤ 教育領域
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【本講義の復習】
文字教材を今一度よく読んでおくこと。その際、文字教材の太字の箇所は不可欠な知識であるため、太字の箇所を見なくてもその単語が思い出せるか確認しながら読んでみると良い。また、アンダーラインの箇所はそこがなぜアンダーラインが引かれているか説明できるかを確認してほしい。その他、自身が線を引いたりメモをとったことについて、なぜそうしたかが説明できるか確認をしておくこと。そして、ChatGPTにるテストワークを行うこと。
【次回に向けての予習】
次回のコマシラバスを読んでおくこと。そして、気になる用語、不明な用語についてはネットで検索してみるとよい。次回は心理実践の現場として福祉領域、産業・労働領域、司法・犯罪領域を紹介する。具体的にどんな人がどんな仕事をしていそうか、想像してみよう。
11
心理実践の現場2:福祉、産業・労働、司法・犯罪
科目の中での位置付け
本講義では、「心のケアとは何か」という問いを軸に、臨床心理学の基礎的な視点と実践の全体像を段階的に学ぶ。初回では人が他者と関わりながら生きる存在であることや、ケアする・される関係について理解を深める。続いて、虐待・不登校・いじめといった現代的課題を取り上げ、それぞれの心理的背景と支援の在り方を学ぶとともに、AI時代における人間理解についても考察する。さらに、大人になることやストレスケアを通して自己理解とセルフケアの重要性を学ぶ。後半では、公認心理師が活躍する保健医療、教育、福祉、産業・労働、司法・犯罪の各領域を概観し、心理職の業務であるアセスメント、目標設定・支援、自己研鑽について具体的に理解する。全体を通して、心の理解と支援を結びつけて学ぶ構成となっている。
こうした中で、第10回、第11回は、心理職が働く現場をイメージしてもらう機会を提供する。第11回は、福祉領域、産業・労働領域、司法・犯罪領域について紹介する。
川畑直人(監修) 2020 福祉心理学:福祉分野での心理職の役割 ミネルヴァ書房 pp.29-78. pp101-150.
川畑直人(監修) 2020 産業・組織心理学:個人と組織の心理的支援を学ぶために ミネルヴァ書房
川畑直人(監修) 2020 司法・犯罪心理学:社会と個人の安全と共生をめざす ミネルヴァ書房 pp.67-148.
コマ主題細目
① 福祉臨床現場 ② 産業・労働臨床現場 ③ 司法・犯罪臨床現場
細目レベル
① 福祉の現場は、心理職が最も古くから活躍した場所の一である。児童相談所における児童心理司は、児童福祉法第にも規定される専門職であり、かつては心理判定員と呼ばれていた。近年児童相談所の対応件数はうなぎ登りで、人員不足が大きな課題となっている。この他、児童養護施設や児童心理治療施設等、多くの福祉施設で心理職の重要性が高まっている。さらに、発達障害を含めた様々な障害を抱える児童が生活訓練を受けたり、放課後の居場所を得るための障害児入所施設や障害児通所施設、放課後等デイサービス等においても心理職が活躍している。福祉領域には多様な施設が整えられているが、あまり知られていないのが実情であろう。各施設の詳細は別の講義に譲るとして、本講義では、その活動の一例を紹介し、福祉臨床業務の特徴をつかんでもらうことを目指す。
② 1998年以降の急速な自殺率高騰の影響を受け、職場メンタルヘルスへの対応は2006年頃から急速に進められてきた。労働者の心の健康の保持増進のための指針、いわゆる「メンタルヘルス指針」の策定により、企業におけるメンタルヘルス担当の配置やメンタルヘルス教育、休職者に対する復職支援等が充実してきた。さらに、こうしたメンタルヘルス対策を担う企業も登場し、ビジネスマンとしてEAP(従業員支援プログラム)を提供する心理職も増えている。また、休職者の復職を支援する復職支援プログラムを提供する病院、クリニック、企業もあり、各企業の産業メンタルヘルス部門と連携しながら労働者の支援を行っている。企業や個々の労働者の状態に応じた支援を、効率よく、システマティックに提供することが求められる点が、産業・労働領域の臨床活動の特徴と言える。他の領域との異同を理解しつつ、本領域の特徴をつかんでもらいたい。
③ 司法・犯罪領域の臨床現場には、少年鑑別所、少年院、刑務所等が含まれる。この領域も、児童相談所と並んで古くから心理職が活躍する領域である。少年鑑別所では、非行や触法行為を行った少年の処遇を決定するための鑑別が行われる。短期間に少年の生育環境、行動傾向、パーソナリティ等をアセスメントし、最適な処遇についての意見を家庭裁判所に提出する。また、家庭裁判所から保護処分として送致された少年に対し、その健全な育成を図ることを目的に、矯正教育や社会復帰支援等を行う法務省所管の施設が少年院である。さらに、近年刑務所においても心理職が活躍するケースが増えてきた。従来の刑務作業中心の服役では再犯防止が進まないことから、特別改善指導として積極的に心理的処遇が取り入れられるようになり、心理職が活躍する機会がさらに広がっている。古くて新しい司法・犯罪領域の実際の活動の一例を紹介しながら、この領域の心理支援の「面白さ」を伝えたい。
キーワード
① 児童心理司 ② メンタルヘルス指針 ③ EAP ④ 少年鑑別所 ⑤ 少年院
コマの展開方法
社会人講師
AL
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PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【本講義の復習】
文字教材を今一度よく読んでおくこと。その際、文字教材の太字の箇所は不可欠な知識であるため、太字の箇所を見なくてもその単語が思い出せるか確認しながら読んでみると良い。また、アンダーラインの箇所はそこがなぜアンダーラインが引かれているか説明できるかを確認してほしい。その他、自身が線を引いたりメモをとったことについて、なぜそうしたかが説明できるか確認をしておくこと。そして、ChatGPTにるテストワークを行うこと。
【次回に向けての予習】
次回のコマシラバスを読んでおくこと。そして、気になる用語、不明な用語についてはネットで検索してみるとよい。次回は心理職が臨床現場でどのような仕事をしているのかをイメージできるような講義を提供する。次回のテーマはアセスメントである。アセスメントとは日本語にするとどのような意味だろう?調べてみよう。
12
心理職の業務1:アセスメント
科目の中での位置付け
本講義では、「心のケアとは何か」という問いを軸に、臨床心理学の基礎的な視点と実践の全体像を段階的に学ぶ。初回では人が他者と関わりながら生きる存在であることや、ケアする・される関係について理解を深める。続いて、虐待・不登校・いじめといった現代的課題を取り上げ、それぞれの心理的背景と支援の在り方を学ぶとともに、AI時代における人間理解についても考察する。さらに、大人になることやストレスケアを通して自己理解とセルフケアの重要性を学ぶ。後半では、公認心理師が活躍する保健医療、教育、福祉、産業・労働、司法・犯罪の各領域を概観し、心理職の業務であるアセスメント、目標設定・支援、自己研鑽について具体的に理解する。全体を通して、心の理解と支援を結びつけて学ぶ構成となっている。
こうした中で、第12回~第14回は、心理職の業務についてイメージしてもらう機会を提供する。第12回は、アセスメントについて紹介する。
下山晴彦・佐藤隆夫・本郷一夫(監修) 2020 臨床心理学概論 ミネルヴァ書房 pp.14-24.
下山晴彦(編著) 2021 公認心理師のための「心理査定」講義(臨床心理フロンティア) pp.18-22.
下山晴彦(編著) 2021 公認心理師のための「心理査定」講義(臨床心理フロンティア) pp.17-18.
コマ主題細目
① 心理職の業務 ② 心理アセスメントとは ③ 心理検査体験
細目レベル
① 第12回から第14回にかけては、心理職が現場で実際にどんな業務を行っているのか、具体的にイメージしてもらえるような講義を行いたい。心理職の業務について、公認心理師法第2条では、「アセスメント」「心理学的支援」「コンサルテーション」「心の健康教育」の4つが規定されている。ここではまず、公認心理師に求められる4つの業務について概説し、それぞれがどのような役割を担っているのかを整理する。そのうえで、単なる業務説明に終始しては講義としてつまらないので、実際のケースを題材とし、心理支援がどのように展開されるのかを具体的に追っていく。まず初めにケースの概要を紹介することで、この先の業務の紹介のための流れを作りたい。
② 本コマでは、心理アセスメントの必要性と、その多様な方法について紹介することを主眼とする。観察法、面接法、検査法といった代表的手法を取り上げ、それぞれがどのような情報をもたらすのかを具体的に示すとともに、実際の事例を通して現場での活用のされ方を理解してもらう。あわせて、クライエントの問題や特性に応じて複数の方法を組み合わせ、多面的に情報を収集する必要性についても検討する。また、各手法には固有の長所と限界があり、実施者の技能や関係性、状況要因が結果に影響する点にも触れる。これらを踏まえ、多様なアセスメントを適切に扱うための視点と留意点について理解を深める講義を行う。さらに、その重要性を具体的に考察する。
③ 本コマでは、前回の講義で学んだ心理アセスメントの多様な方法を踏まえ、実際に体験を通して理解を深めることを目的とする。具体的には、投影法の例としてロールシャッハテストの試行版を実施し、曖昧な刺激に対する反応からどのように心理状態を捉えるのかを体験的に学ぶ。また、質問紙法の例としてBig5尺度を用い、自身の性格特性を測定する過程を経験する。これらの体験を通して、各アセスメント法がもつ特徴や得られる情報の違いについて理解を深めるとともに、結果の解釈には限界や注意点が伴うことを実感する。さらに、体験を振り返りながら、心理アセスメントの意義と実践上の課題について考察する講義を行う。加えて、今後の学習への関心を高める契機とする。
キーワード
① 公認心理師法第2条 ② 心理アセスメント ③ 心理検査法 ④ ロールシャッハテスト ⑤ Big5
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【本講義の復習】
文字教材を今一度よく読んでおくこと。その際、文字教材の太字の箇所は不可欠な知識であるため、太字の箇所を見なくてもその単語が思い出せるか確認しながら読んでみると良い。また、アンダーラインの箇所はそこがなぜアンダーラインが引かれているか説明できるかを確認してほしい。その他、自身が線を引いたりメモをとったことについて、なぜそうしたかが説明できるか確認をしておくこと。そして、ChatGPTにるテストワークを行うこと。
【次回に向けての予習】
次回のコマシラバスを読んでおくこと。そして、気になる用語、不明な用語についてはネットで検索してみるとよい。次回は心理職が臨床現場でどのような仕事をしているのかをイメージできるような講義を提供する。次回のテーマは目標設定・処遇である。ケース・フォーミュレーションという言葉について、調べてみよう。
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心理職の業務2:目標設定・心理学的支援
科目の中での位置付け
本講義では、「心のケアとは何か」という問いを軸に、臨床心理学の基礎的な視点と実践の全体像を段階的に学ぶ。初回では人が他者と関わりながら生きる存在であることや、ケアする・される関係について理解を深める。続いて、虐待・不登校・いじめといった現代的課題を取り上げ、それぞれの心理的背景と支援の在り方を学ぶとともに、AI時代における人間理解についても考察する。さらに、大人になることやストレスケアを通して自己理解とセルフケアの重要性を学ぶ。後半では、公認心理師が活躍する保健医療、教育、福祉、産業・労働、司法・犯罪の各領域を概観し、心理職の業務であるアセスメント、目標設定・支援、自己研鑽について具体的に理解する。全体を通して、心の理解と支援を結びつけて学ぶ構成となっている。
こうした中で、第12回~第14回は、心理職の業務についてイメージしてもらう機会を提供する。第13回は、もケースフォーミュレーション、心理学的支援、コンサルテーション、心の健康教育について紹介する。
下山晴彦(編著) 2021 公認心理師のための「心理査定」講義(臨床心理フロンティア) pp.2-4.
下山晴彦・佐藤隆夫・本郷一夫(監修) 2020 臨床心理学概論 ミネルヴァ書房 pp.18-20.
下山晴彦・佐藤隆夫・本郷一夫(監修) 2020 臨床心理学概論 ミネルヴァ書房 pp.15-16.
コマ主題細目
① ケースフォーミュレーション ② 心理学的支援 ③ コンサルテーションと心の健康教育
細目レベル
① 心理アセスメントにより情報を集めたら、すぐに支援が行えるわけではない。その情報を束ねて、クライエントの何が問題でどうしたら解決するのかについての地図を描く必要がある。こうしたプロセスをケースフォーミュレーション(事例定式化)と呼ぶ。集められた情報を整理し、吟味して仮説を立て、その仮説を可能な限り検証しながら、最適で実行可能な処遇を検討する。処遇にはもちろん心理療法が代表的なものだが、それだけではない。規則正しい生活を求めたり、家族への理解を求めると言った、生理的、社会的働きかけも含まれる。まずは、一つのケースの中で行われるケースフォーミュレーションの実際を紹介し、得られた情報が処遇に紡がれていくプロセスを確認することで、ケースフォーミュレーションこそが心理療法の醍醐味であることを感じてもらいたい。
② 心理学的支援を検討する際、心理療法は重要な選択肢の一つであるが、その内容は理論や技法において多岐にわたる。臨床心理学概論2の冒頭で多様な心理療法について紹介されているため、本講義では心理療法については復習的な紹介に留める。一方で、治療者には多様な療法に関する知識と訓練が求められ、近年では複数の技法を組み合わせる折衷的アプローチも用いられているため、そうした現状についても概説する。さらに、支援は心理療法のみに限定されるものではない。Bio-Psycho-Socioモデルに基づき、心理面だけでなく、生活習慣の調整や家族関係の改善といった多面的な働きかけが重要となる。現実の支援場面では、実行可能性を踏まえつつ関係者と連携し、多角的に関わることが求められる。こうした心理学的支援の現場を具体的にイメージできるよう論じる。
③ 本コマでは、公認心理師の業務の一つであるコンサルテーションと心の健康教育について、その意味と意義、具体的方法を理解することを目的とする。コンサルテーションとは、クライエント本人だけでなく、家族や教師、関係機関の職員などに対して助言や支援を行うことを通して、要支援者に対して間接的に支援を提供する取り組みである。一方、心の健康教育は、心理的問題の予防や理解促進を目的として、知識や対処法を広く伝える活動である。講義では、これらが個別支援を補完し、より広い範囲に働きかける重要な役割を持つことを解説する。また、具体的な実践例を通して、関係者との連携や情報提供の工夫についても検討し、現場での活用のあり方を考える機会とする。
キーワード
① ケースフォーミュレーション ② 心理療法 ③ BPSモデル ④ コンサルテーション ⑤ 心の健康教育
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【本講義の復習】
文字教材を今一度よく読んでおくこと。その際、文字教材の太字の箇所は不可欠な知識であるため、太字の箇所を見なくてもその単語が思い出せるか確認しながら読んでみると良い。また、アンダーラインの箇所はそこがなぜアンダーラインが引かれているか説明できるかを確認してほしい。その他、自身が線を引いたりメモをとったことについて、なぜそうしたかが説明できるか確認をしておくこと。そして、ChatGPTにるテストワークを行うこと。
【次回に向けての予習】
次回のコマシラバスを読んでおくこと。そして、気になる用語、不明な用語についてはネットで検索してみるとよい。次回は心理職が臨床現場でどのような仕事をしているのかをイメージできるような講義を提供する。次回のテーマは自己研鑽である。公認心理師の自己研鑽義務とはどのようなものだろうか?調べてみよう。
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心理職の業務3:自己研鑽
科目の中での位置付け
本講義では、「心のケアとは何か」という問いを軸に、臨床心理学の基礎的な視点と実践の全体像を段階的に学ぶ。初回では人が他者と関わりながら生きる存在であることや、ケアする・される関係について理解を深める。続いて、虐待・不登校・いじめといった現代的課題を取り上げ、それぞれの心理的背景と支援の在り方を学ぶとともに、AI時代における人間理解についても考察する。さらに、大人になることやストレスケアを通して自己理解とセルフケアの重要性を学ぶ。後半では、公認心理師が活躍する保健医療、教育、福祉、産業・労働、司法・犯罪の各領域を概観し、心理職の業務であるアセスメント、目標設定・支援、自己研鑽について具体的に理解する。全体を通して、心の理解と支援を結びつけて学ぶ構成となっている。
こうした中で、第12回~第14回は、心理職の業務についてイメージしてもらう機会を提供する。第14回は、自己研鑽義務、心理職の倫理について紹介し、ロールプレイを体験してもらいたい。
下山晴彦・佐藤隆夫・本郷一夫(監修) 2020 臨床心理学概論 ミネルヴァ書房 pp.32-34.
下山晴彦・佐藤隆夫・本郷一夫(監修) 2020 公認心理師の職責 ミネルヴァ書房 pp.4-6.
公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会 2014 臨床心理士とは(ホームページ) http://fjcbcp.or.jp/about/
下山晴彦・佐藤隆夫・本郷一夫(監修) 2020 公認心理師の職責 ミネルヴァ書房 pp.6-9.
コマ主題細目
① 心理職における自己研鑽の重要性 ② 心理職と倫理 ③ ロールプレイ体験
細目レベル
① 一つのケースが終わると心理職はほっとする。しかし、それでこのケースを忘れてよいわけではない。一つのケースには、様々な失敗や成功を含んでいるし、多くの場合、そのことを実施者本人は気づいていない。そのケースからより多くのことを学び、自身の成長へとつなげるためには、この成果を公表し、第三者から意見をもらうことが有効である。公認心理師には、自己研鑽義務が法律により義務づけられているのである。公表をする場はとしては、学会や研修会等における事例報告会、論文等による事例研究発表、スーパーバイザーとの間での個人スーパービジョンなどがある。ケースを公表する際には、必ずケース当事者から書面で許可を得ると共に、発表時には個人が特定できないよう個人情報に配慮する必要がある。心理職が成長するために必要な視点について検討を行う。
② 本コマでは、公認心理師の職責に関わる基本的なルールについて、公認心理師法に基づいて概観する。具体的には、他職種との連携義務、秘密保持義務、信用失墜行為の禁止、自己研鑽義務の四つを取り上げ、それぞれの内容と重要性を整理する。これらの規定は単なる形式的なものではなく、実際の支援の質や信頼関係に大きな影響を与えるものであることを理解させるため、ルールを守る場合と守らない場合でどのような違いが生じるのかを具体的なエピソードを通して考察する。また、日本公認心理師協会の倫理綱領にも触れ、心理職に求められる倫理の厳しさを実感させる。さらに、こうした規範は心理職に限らず、社会で働く上で共通に求められるものであることについても理解を深める。
③ これま本講義を通して学んで来たことを、実際に人に適用するということはどういうことだろう。心理支援に必要なコミュニケーションスキルや技法を身につけるための練習方法として、ロールプレイ(role play)は欠かせない。ロールプレイとは、直訳すれば「役割演技」となる。現実に起こる場面を想定して、複数の人がそれぞれ役を演じ、疑似体験を通じて、ある事柄が実際に起こったときに適切に対応できるようにする学習方法の一つである。支援者役だけでなく、要支援者役や観察者役等、多様な役割を担うことで、一つの支援に対して多様な視点から検討できることもロールプレイの魅力の一つといえる。ここでは、本講義の集大成として、ロールプレイを通した実践的学習を行う。これが、今後より専門的な心理療法を学ぶための橋渡しともなれば幸いである。
キーワード
① 自己研鑽義務 ② 個人情報 ③ 公認心理師の職責 ④ 倫理 ⑤ ロールプレイ
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【本講義の復習】
文字教材を今一度よく読んでおくこと。その際、文字教材の太字の箇所は不可欠な知識であるため、太字の箇所を見なくてもその単語が思い出せるか確認しながら読んでみると良い。また、アンダーラインの箇所はそこがなぜアンダーラインが引かれているか説明できるかを確認してほしい。その他、自身が線を引いたりメモをとったことについて、なぜそうしたかが説明できるか確認をしておくこと。そして、ChatGPTにるテストワークを行うこと。
【次回に向けての予習】
次回のコマシラバスを読んでおくこと。そして、気になる用語、不明な用語についてはネットで検索してみるとよい。次回はここまでの話を総括する復習回となる。期末試験の模擬試験を実施するため、第10回~第14回の内容を通してしっかり復習をしておいて欲しい。
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復習回3
科目の中での位置付け
本講義では、「心のケアとは何か」という問いを軸に、臨床心理学の基礎的な視点と実践の全体像を段階的に学ぶ。初回では人が他者と関わりながら生きる存在であることや、ケアする・される関係について理解を深める。続いて、虐待・不登校・いじめといった現代的課題を取り上げ、それぞれの心理的背景と支援の在り方を学ぶとともに、AI時代における人間理解についても考察する。さらに、大人になることやストレスケアを通して自己理解とセルフケアの重要性を学ぶ。後半では、公認心理師が活躍する保健医療、教育、福祉、産業・労働、司法・犯罪の各領域を概観し、心理職の業務であるアセスメント、目標設定・支援、自己研鑽について具体的に理解する。全体を通して、心の理解と支援を結びつけて学ぶ構成となっている。
こうした中で、第15回は、第9回から第14回の授業についての復習と模擬テストを行う。これまでの学びを落ち着いて振り返り、定着させる機会として欲しい。
第10回~14回文字教材
コマ主題細目
① 心理実践の現場 ② 心理職の業務 ③ 自己研鑽
細目レベル
① 第10回および第11回の講義では、公認心理師が活躍する多様な現場について具体的に学び、心理職の実践を立体的に理解する機会を得た。保健医療領域では、医師の指示のもとで多職種と連携しながら支援を行う特徴を理解し、教育領域では学校内外における多様な支援のあり方について考察した。さらに、福祉領域では児童相談所や各種施設における支援の実際、産業・労働領域ではメンタルヘルス対策やEAPの役割、司法・犯罪領域では鑑別や矯正教育における心理職の関与について学んだ。これらを通して、心理職は対象や環境に応じて柔軟に役割を変えながら、多職種と協働して支援を行う専門職であることを理解した。また各領域の違いや共通点についても整理した。
② 第12回および第13回の講義では、心理職の具体的な業務について、実際の支援過程を踏まえながら体系的に学んだ。まず、公認心理師法に規定される4つの業務を概観し、心理支援がどのように展開されるのかを理解した。アセスメントでは、多様な方法を組み合わせて情報を収集し解釈する重要性を学び、体験を通してその特徴と限界を実感した。さらに、ケースフォーミュレーションを通して情報を統合し、仮説を立てながら支援方針を構築する過程を理解した。加えて、心理療法に限らない多面的支援の必要性や、コンサルテーションと心の健康教育が支援を広げる役割についても具体例を通して学び、実践的な視点を深めた。これらを通して、心理職の業務が相互に関連しながら実践されることを理解した。
③ 第14回の講義では、心理職に求められる自己研鑽と倫理について学ぶとともに、ロールプレイを通した実践的理解を深めた。まず、心理職は一つ一つのケースから学び続ける専門職であり、そのために事例検討やスーパービジョン、研究発表などを通して自己研鑽を行う必要があることを理解した。また、公認心理師法に定められた職責として、秘密保持義務や連携義務などの倫理的規範が支援の質や信頼関係に直結することを確認し、さらに公認心理師が矜持として胸に刻むべき倫理にういて学んだ。最後に集大成として、ロールプレイを通して、実際の支援場面における関わりの難しさや多様な視点の重要性を体験的に学んだ。これらを通して、心理職として成長し続ける姿勢と実践力の必要性について理解を深めた。
キーワード
① 5領域 ② アセスメント ③ ケースフォーミュレーション ④ 自己研鑽 ⑤ 倫理
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【本講義の復習】
文字教材を今一度よく読んでおくこと。その際、文字教材の太字の箇所は不可欠な知識であるため、太字の箇所を見なくてもその単語が思い出せるか確認しながら読んでみると良い。また、アンダーラインの箇所はそこがなぜアンダーラインが引かれているか説明できるかを確認してほしい。その他、自身が線を引いたりメモをとったことについて、なぜそうしたかが説明できるか確認をしておくこと。そして、ChatGPTにるテストワークを行うこと。
【全体の復習】
講義はこれで終了となり、いよいよ残すは期末テストである。履修判定指標を確認しながらテスト勉強の対策を練ろう。そして、特に文字教材のまとめの箇所を理解しているか、自分自身に問い直してみよう。総仕上げとして、ドリルを活用するとよいだろう。さらに、ChatGPTによるテストワークを繰り返し行う事で、万全の状態で期末テストに臨んで欲しい。
履修判定指標
履修指標
履修指標の水準
キーワード
配点
関連回
人はケアを必要とする存在であり、ケアする・される関係が臨床心理学の基盤であることを理解している
人間が他者との関係の中で生きる存在であることを説明できる。さらに、ケアを提供する心理と、ケアを受けることへの抵抗の両面を区別して述べられる。
生理的早産、ソーシャル・アニマル、共感、同情、対人関係、信頼感、ケア、ケアされること、ケアへの抵抗、臨床心理学
8
第1回
虐待という問題の定義・種類・背景を理解し、多角的に考えることができる
児童虐待を中心に、虐待の種類や現状を説明できる。加えて、虐待を個人だけの問題ではなく、家族・社会・経済・文化の文脈からも捉えられる。
虐待、児童虐待、身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、養育放棄、児童相談所、虐待の心理、親の責任、社会構造
8
第2回
不登校の概念の変遷と、近年の支援の考え方を理解している
社会の変化に伴う不登校理解の変遷について説明できる。さらに、不登校を否定的にのみ捉えず、多様な学びの保障という観点から支援を考えられる。
学校恐怖症、登校拒否、不登校、概念の変遷、教育機会確保法、多様な学び、令和型不登校、不登校支援、通知、心理的背景
8
第3回
いじめの定義・現状・心理学的メカニズムを理解している
いじめの定義の変化と認知件数増加の意味を説明できる。さらに、加害者・被害者・傍観者を含む集団現象としていじめを理解し、支援や対策の考え方を整理できる。
いじめ、防止対策推進法、生徒指導提要、被害者の苦痛、加害者、被害者、傍観者、監獄実験、社会的階級理論、コンパッション
8
第4回
AI社会における人間のあり方を、臨床心理学に必要な視点として考察できる
利己的遺伝子論やミーム説の概要を理解し、情報技術・SNS・AIの発展が人間に与える影響を説明できる。さらに、AI社会で主体的に生きる課題を考えられる。
利己的遺伝子、ミーム、情報の進化、IT化、SNS、AI技術、依存、情報拡散、シンギュラリティ、主体性
8
第6回
大人になることの意味を、制度的・社会的・心理的観点から理解している
成人年齢などの制度面だけでなく、責任・役割・自己形成といった観点から「大人」を説明できる。加えて、自分なりの大人像を講義内容に即して考察できる。
成人年齢、大人の定義、生理的成熟、社会的責任、心理的成熟、元服、アイデンティティ、自由、責任、生の可能性
8
第7回
ストレスとセルフケアの基本を理解し、自分を大切にする視点を持てる
ストレスの基本的な考え方と認知的評価理論を説明できる。さらに、セルフ・コンパッションの構成要素と意義を理解し、日常のセルフケアに結びつけて考えられる。
ストレス、ストレス社会、認知的評価理論、セルフ・コンパッション、自分への優しさ、共通の人間性、マインドフルネス、大切な人から来た手紙、スージングタッチ、セルフケア
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第8回
公認心理師が活躍する5領域と、それぞれの現場の特徴を理解している
保健医療、教育、福祉、産業・労働、司法・犯罪の5領域を区別して説明できる。さらに、それぞれの典型的な施設、現場で心理職に求められる役割や、多職種連携の必要性を理解している。
公認心理師、臨床心理士、5領域、保健医療、教育、福祉、産業・労働、司法・犯罪、多職種連携、支援現場
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第10回、第11回
心理職の業務としてのアセスメントと支援の流れを理解している
公認心理師法第2条にある業務を理解し、観察・面接・検査などのアセスメントから、ケースフォーミュレーション、心理学的支援へ至る流れを説明できる。
公認心理師法第2条、アセスメント、観察法、面接法、検査法、心理検査、ロールシャッハテスト、Big5、ケースフォーミュレーション、BPSモデル
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第12回、第13回
心理職に求められる倫理と自己研鑽の重要性を理解している
秘密保持義務、連携義務、信用失墜行為の禁止、自己研鑽義務の内容を説明できる。さらに、心理職が学び続ける専門職であることを理解し、その必要性を述べられる。
自己研鑽義務、秘密保持義務、連携義務、信用失墜行為の禁止、倫理、個人情報、事例検討、スーパービジョン、ロールプレイ、公認心理師の職責
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第14回
評価方法
評価基準
評語
学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・
S (100~90点)
学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・
A (89~80点)
学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・
B (79~70点)
学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・
C (69~60点)
学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・
D (60点未満)
教科書
参考文献
実験・実習・教材費