区分
基盤教養科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
SDGs力
科学コミュニケーション力
研究力
カリキュラム・ポリシーとの関係
教養
応用力
実践力
科目間連携
総合心理力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
科目の目的
この科目は、犯罪心理学概論、心理学概論、発達心理学、臨床心理学概論で学んだこころの働きの学びを土台に、こころの安心・安全について総合的に学習する科目である。まず、安心、安全とは何かを理解した上で、個人の安心・安全、社会の安心・安全、世界の安心・安全について学ぶ。そして、安全・安心を守る方法や予防方法について学ぶ。特に、社会の高齢化や技術の発展や社会のグローバル化によって顕在化してきた問題点を理解し、犯罪の予防や安心・安全の社会の構築を進めるための理論と実践を学ぶ。
到達目標
安心と安全の違いを説明し、それぞれがどのように成立するかを理解できる
信頼が安心・安全の基盤として果たす役割を説明できる
ヒューマンエラーの種類とその発生メカニズムを理解し、事故との関係を説明できる
怒りや衝動が攻撃行動に至る心理過程を説明できる
被害者意識や自己正当化が対人関係や問題行動に与える影響を理解できる
罪悪感や責任感が行動の抑制や関係の修復に果たす役割を説明できる
正義感が社会秩序の維持に寄与する一方で、過剰になると問題を生じることを理解できる
個人として安心・安全を守るための具体的な行動や考え方を説明できる
法律(社会規範・民法・刑法)が社会の安心・安全を支える仕組みであることを理解できる
窃盗罪や詐欺犯罪の特徴と、それらが生じる心理的背景を説明できる
暴行・傷害罪に至る過程を、感情・認知・行動の観点から説明できる
高齢犯罪の背景にある心理的・社会的要因を理解し、支援と責任の観点から説明できる
交通犯罪における過失と責任の関係、および刑法・特別刑法の違いを理解できる
罰、予防、支援、修復といった多様な観点から、社会の安心・安全を守る方法を説明できる
日常生活や社会問題を題材として、安心・安全の観点から自分の考えを論理的に述べることができる
科目の概要
この科目は、心理学概論、犯罪心理学概論と同様に総合犯罪心理学の学びの基盤となる基盤教養科目である。少子高齢化、犯罪の発生件数の増加、世界情勢の変化による国際関係の緊張など現代の社会は、常に危険と隣り合わせである。社会を不安にさせる要因を明らかにする。この科目は、こころの安心・安全について、個人および社会という二つの視点から統合的に理解することを目的とする。安心・安全がどのように成立し、どのような心理的・社会的要因によって促進または妨害されるのかを明らかにするとともに、安心・安全を維持・回復するための方法について総合的に学ぶ。最終的には、人が安心・安全に暮らせる社会を実現するために必要な知識を身につけ、日常生活や社会の出来事をもとに、安心・安全について主体的に考えることができるようになることを目指す。
科目のキーワード
犯罪予防、刑法、事故防止、高齢化社会、サイバー犯罪、万引、罪悪感、感情のコントロール
授業の展開方法
この科目は、各回で文字教材を準備し、その文字教材を使用しながら講義を進める。講義内で用いるその他の参考書や論文等を予習や復習に使用する場合には、その都度、講義内でその旨をアナウンスする。主に各回の文字教材を、教員が読み上げることで講義を進める。必要に応じて、イラストや写真や研究の結果(図と表)を補助教材としてパワーポイント等にまとめて使用する。
オフィス・アワー
前期:月曜1限・4限
火曜1限・2限・3限
水曜1限~3限
木曜1限~4限
後期:月曜1限・2限
火曜1限・2限
木曜1限~昼
金曜1限・2限
科目コード
SB3030
学年・期
2年・前期
科目名
こころの安心・安全学
単位数
2
授業形態
講義
必修・選択
必修
学習時間
【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目
犯罪心理学概論、こころは数値化できるか、心理学概論、犯罪心理学概論
展開科目
サイバー犯罪の心理学、比較発達犯罪心理学、捜査心理学、認知加齢と予防科学
関連資格
担当教員名
野内類
回
主題
コマシラバス項目
内容
教材・教具
1
安心と安全を考える
科目の中での位置付け
この科目は、こころの安心・安全について、個人および社会の二つの水準から心理学的に理解することを目的とする。安心・安全がどのように成立し、どのような要因によって損なわれ、またどのように回復・維持されるのかを、感情・認知・行動・制度の観点から総合的に学ぶ。最終的には、日常生活や社会の出来事をもとに、人が安心・安全に暮らせる社会のあり方について主体的に考えられるようになることを目指す。
第1回では、安心と安全の定義を確認し、自分にとっての安心・安全とは何か、それを阻害する要因には何があるのかを整理する。第2回では、信頼感に注目し、安心・安全を支える心理的基盤としての信頼が、対人関係や社会制度の中で果たす役割を学ぶ。第3回では、ヒューマンエラーと事故を取り上げ、人はなぜミスをするのか、ミスが安心・安全をどのように崩してしまうのかを理解する。第4回から第7回にかけては、個人の内面に焦点を当て、怒りや衝動が攻撃行動へとつながる過程、被害者意識や自己正当化が生じる心理、罪悪感や責任感が行動を抑制・修復する働き、さらに正義感がときに他者への排除や攻撃へ転じる限界について検討する。第8回では、これまでの内容を踏まえ、感情の調整、信頼の回復、助けを求める行動などを通して、個人としてこころの安心・安全を守る方法を整理する。
第9回以降は、社会の安心・安全を支える仕組みに視点を移す。第9回では、法律を取り上げ、社会規範、民法、刑法が果たす役割を整理し、正義を個人ではなく社会に委ねる意味を考える。第10回と第11回では、件数の多い窃盗罪や詐欺犯罪を題材に、犯罪行為に至る心理的背景や、信頼が悪用される仕組みを理解する。第12回では、暴行・傷害罪を通して、感情や衝動がどの段階で犯罪として評価される行為に転じるのかを検討する。第13回では、高齢犯罪に焦点を当て、認知機能の低下や孤立、不安といった要因が犯罪に結びつく背景と、責任と支援のあり方を考える。第14回では、交通犯罪を取り上げ、過失による行為がどのように刑事責任として評価されるのかを学ぶ。第15回では、これまでの講義内容を総合し、罰や制裁だけでなく、予防、支援、修復といった観点から、社会としてどのように安心・安全を守っていくことができるのかを心理学的に考察する。
コマ主題細目
① 安心・安全の定義と歴史 ② 主観的安心と客観的安全のズレ ③ 安心と安全の社会的意義
細目レベル
① 「安心」とは主観的に不安がない状態を指し、「安全」とは客観的に危険が排除されている状態を意味する。この区別は近代以降の社会で明確化されたが、古くは宗教や哲学においても類似の概念が見られる。例えば仏教における「安心」は心の安定を意味し、外的環境よりも内面の調和に重点が置かれていた。一方、近代社会では科学技術や制度の発展により、安全は測定可能なものとして扱われるようになった。しかし現代においては、安全が確保されていても安心が得られない状況が多く存在する。このため、安心と安全は独立した概念でありながら、相互に影響し合うものとして理解する必要がある。
② 現代社会では、安全性が高まっているにもかかわらず、不安が増大していると指摘されることがある。例えば、交通事故の発生件数は減少しているにもかかわらず、人々の事故への不安は必ずしも減っていない。このような現象は、主観的安心と客観的安全のズレによって説明できる。人は確率や統計ではなく、印象的な出来事や報道に影響されやすく、危険を過大評価する傾向がある。また、未知のリスクやコントロールできない状況に対しては、実際の危険度以上に不安を感じやすい。このズレを理解することは、安心・安全を考えるうえで不可欠である。
③ 安心・安全は単に危険がない状態ではなく、複数の要因によって支えられている。その中でも重要なのが、信頼、予測可能性、そしてコントロール感である。信頼とは、他者や制度が自分を害さないという期待であり、社会生活の基盤となる。予測可能性とは、出来事が予測できることであり、予測できる状況では人は安心しやすい。また、コントロール感とは、自分が状況をある程度操作できるという感覚であり、これが失われると強い不安が生じる。これらの要因が揃うことで、人は安心を感じ、安全な生活を営むことが可能になる。
キーワード
① 安心 ② 安全 ③ 信頼 ④ 予測
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:今回のコマシラバスの細目レベルを読み直す。また、教員が準備した文字教材等に目を通し、今回のキーワードを再確認する。ChatGPTを使って、教材の要約を確認し、復習問題を各自で作成し回答する。
予習:次回のコマシラバスの細目レベルを事前に読んでくる。次回のキーワードをインターネットで検索する。また、心理学辞典等を用いてコマシラバスに出てくる用語やキーワードの確認をしておく。
2
信頼と安心の心理
科目の中での位置付け
この科目は、こころの安心・安全について、個人および社会の二つの水準から心理学的に理解することを目的とする。安心・安全がどのように成立し、どのような要因によって損なわれ、またどのように回復・維持されるのかを、感情・認知・行動・制度の観点から総合的に学ぶ。最終的には、日常生活や社会の出来事をもとに、人が安心・安全に暮らせる社会のあり方について主体的に考えられるようになることを目指す。
第1回では、安心と安全の定義を確認し、自分にとっての安心・安全とは何か、それを阻害する要因には何があるのかを整理する。第2回では、信頼感に注目し、安心・安全を支える心理的基盤としての信頼が、対人関係や社会制度の中で果たす役割を学ぶ。第3回では、ヒューマンエラーと事故を取り上げ、人はなぜミスをするのか、ミスが安心・安全をどのように崩してしまうのかを理解する。第4回から第7回にかけては、個人の内面に焦点を当て、怒りや衝動が攻撃行動へとつながる過程、被害者意識や自己正当化が生じる心理、罪悪感や責任感が行動を抑制・修復する働き、さらに正義感がときに他者への排除や攻撃へ転じる限界について検討する。第8回では、これまでの内容を踏まえ、感情の調整、信頼の回復、助けを求める行動などを通して、個人としてこころの安心・安全を守る方法を整理する。
第9回以降は、社会の安心・安全を支える仕組みに視点を移す。第9回では、法律を取り上げ、社会規範、民法、刑法が果たす役割を整理し、正義を個人ではなく社会に委ねる意味を考える。第10回と第11回では、件数の多い窃盗罪や詐欺犯罪を題材に、犯罪行為に至る心理的背景や、信頼が悪用される仕組みを理解する。第12回では、暴行・傷害罪を通して、感情や衝動がどの段階で犯罪として評価される行為に転じるのかを検討する。第13回では、高齢犯罪に焦点を当て、認知機能の低下や孤立、不安といった要因が犯罪に結びつく背景と、責任と支援のあり方を考える。第14回では、交通犯罪を取り上げ、過失による行為がどのように刑事責任として評価されるのかを学ぶ。第15回では、これまでの講義内容を総合し、罰や制裁だけでなく、予防、支援、修復といった観点から、社会としてどのように安心・安全を守っていくことができるのかを心理学的に考察する。
コマ主題細目
① 信頼とは何か ② 文化と社会の中の信頼 ③ 現代社会における信頼の課題と実践
細目レベル
① 信頼とは何かを心理学的に整理し、それが実際の行動としてどのように表れるかを考えた。信頼とは、相手に裏切られる可能性を完全には排除できない状況でも、一定のリスクを引き受けて相手に委ねることである。一方、安心とは、制度や過去の関係性によって裏切られる可能性が低く、不安をあまり感じずにすむ状態である。この違いを理解することは、私たちの日常の人間関係を見直すうえで重要である。また、信頼ゲームは、信頼が単なる気持ちではなく、実際にリスクを伴う行動であることを示す実験である。相手にお金を送るかどうかという判断には、相手の性格だけでなく、制度や状況への見通しも影響する。信頼は個人のこころの問題であると同時に、社会の仕組みとも深く結びついているのである。
② 日本社会における信頼の特徴について考えた。日本では、人間関係が安定しているように見えるが、その多くは見知らぬ他者への開かれた信頼というより、仲間内の関係や所属集団によって支えられた「安心」によるものである。たとえば、よく知っている友人や先輩には仕事を任せやすいが、初対面の相手には慎重になりやすい。これは、相手を深く信頼しているというより、過去の経験があるために安心できるからである。しかし、現代社会では多様な他者と関わる機会が増えており、安心できる相手の範囲だけで行動していると、関係の幅が広がりにくい。だからこそ、知らない相手をただ避けるのではなく、制度やルールに支えられながら、一定のリスクを引き受けて関わる力が求められる。
③ 信頼が社会を支える重要な力である一方で、詐欺や裏切りのような犯罪に悪用される危険もあることを学んだ。オレオレ詐欺や恋愛詐欺では、犯人は相手の不安や期待につけこみ、善意があるように見せたり、誠実そうにふるまったりすることで信頼を引き出していく。被害者は「この人は裏切らないだろう」と感じてしまうため、だまされていることに気づきにくい。つまり、信頼はよい人間関係を築く力であると同時に、犯罪にも利用されうる人間の特性なのである。そのため、私たちは単に人を信じることの大切さだけでなく、信頼がどのように悪用されるのかも理解しておく必要がある。安心して暮らせる社会をつくるには、個人の注意だけでなく、制度や教育によって信頼の悪用を防ぐ仕組みも欠かせない。
キーワード
① 信頼 ② 制度的信頼 ③ 信頼ゲーム ④ 信頼の悪用
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:今回のコマシラバスの細目レベルを読み直す。また、教員が準備した文字教材等に目を通し、今回のキーワードを再確認する。ChatGPTを使って、教材の要約を確認し、復習問題を各自で作成し回答する。
予習:次回のコマシラバスの細目レベルを事前に読んでくる。次回のキーワードをインターネットで検索する。また、心理学辞典等を用いてコマシラバスに出てくる用語やキーワードの確認をしておく。
3
ヒューマンエラーが安心・安全を崩す
科目の中での位置付け
この科目は、こころの安心・安全について、個人および社会の二つの水準から心理学的に理解することを目的とする。安心・安全がどのように成立し、どのような要因によって損なわれ、またどのように回復・維持されるのかを、感情・認知・行動・制度の観点から総合的に学ぶ。最終的には、日常生活や社会の出来事をもとに、人が安心・安全に暮らせる社会のあり方について主体的に考えられるようになることを目指す。
第1回では、安心と安全の定義を確認し、自分にとっての安心・安全とは何か、それを阻害する要因には何があるのかを整理する。第2回では、信頼感に注目し、安心・安全を支える心理的基盤としての信頼が、対人関係や社会制度の中で果たす役割を学ぶ。第3回では、ヒューマンエラーと事故を取り上げ、人はなぜミスをするのか、ミスが安心・安全をどのように崩してしまうのかを理解する。第4回から第7回にかけては、個人の内面に焦点を当て、怒りや衝動が攻撃行動へとつながる過程、被害者意識や自己正当化が生じる心理、罪悪感や責任感が行動を抑制・修復する働き、さらに正義感がときに他者への排除や攻撃へ転じる限界について検討する。第8回では、これまでの内容を踏まえ、感情の調整、信頼の回復、助けを求める行動などを通して、個人としてこころの安心・安全を守る方法を整理する。
第9回以降は、社会の安心・安全を支える仕組みに視点を移す。第9回では、法律を取り上げ、社会規範、民法、刑法が果たす役割を整理し、正義を個人ではなく社会に委ねる意味を考える。第10回と第11回では、件数の多い窃盗罪や詐欺犯罪を題材に、犯罪行為に至る心理的背景や、信頼が悪用される仕組みを理解する。第12回では、暴行・傷害罪を通して、感情や衝動がどの段階で犯罪として評価される行為に転じるのかを検討する。第13回では、高齢犯罪に焦点を当て、認知機能の低下や孤立、不安といった要因が犯罪に結びつく背景と、責任と支援のあり方を考える。第14回では、交通犯罪を取り上げ、過失による行為がどのように刑事責任として評価されるのかを学ぶ。第15回では、これまでの講義内容を総合し、罰や制裁だけでなく、予防、支援、修復といった観点から、社会としてどのように安心・安全を守っていくことができるのかを心理学的に考察する。
コマ主題細目
① 人はなぜミスをするのか ② ヒューマンエラーはどのように安心・安全を崩すのか ③ 事故を防ぐにはどうすればよいか
細目レベル
① 、ヒューマンエラーを「一部の不注意な人が起こす失敗」ではなく、注意、記憶、判断といった人間の基本的な心の働きから生じる現象として捉える。まず、安全と安心の違いを整理し、ヒューマンエラーがなぜ両方を揺るがす問題なのかを示す。そのうえで、スリップ、ラプス、ミステイク、バイオレーションといった基本的な分類を学び、それぞれがどのような場面で起こるのかを大学生に身近な例で考える。さらに、注意の限界、記憶の制約、思い込みや判断の偏りなど、人間の情報処理の特徴にも触れ、ヒューマンエラーを個人の性格ではなく、人間一般の特性として理解する視点を身につける。
② ヒューマンエラーがもたらす影響を、安全の崩壊と安心の崩壊に分けながら、一続きの流れとして理解する。まず、実験、医療、交通、大学の事務手続きなどの具体例を通して、エラーが事故、損害、混乱を引き起こし、客観的な危険を高めることを確認する。次に、そのような出来事が「また起こるかもしれない」という不安を生み、予測可能性、統制感、信頼感を低下させることで、主観的な安心まで壊してしまうことを考える。この部では、ヒューマンエラーの問題が単なる失敗ではなく、人と人、人と制度の関係を揺るがす問題であることを理解し、安心と安全の両方を視野に入れる必要性を学ぶ。
③ ヒューマンエラーを防ぐための考え方を、個人の注意力に頼る方法から、仕組みや環境を整える安全設計の発想へと広げていく。中心となるのは、複数の防御層にある弱点が重なったときに事故が起こると考えるスイスチーズモデルである。この視点を用いて、事故は一人のうっかりだけで起こるのではなく、表示の分かりにくさ、確認不足、忙しさ、連絡ミスなどが重なって生じることを理解する。さらに、区別しやすい表示、確認しやすい手順、役割分担、チェックリストといった安全設計の考え方を学び、人を責めるのではなく、人が間違えても重大事故につながりにくい環境をつくることの重要性を考える。
キーワード
① ヒューマンエラー ② ミス ③ 安心・安全 ④ スイスチーズモデル
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:今回のコマシラバスの細目レベルを読み直す。また、教員が準備した文字教材等に目を通し、今回のキーワードを再確認する。ChatGPTを使って、教材の要約を確認し、復習問題を各自で作成し回答する。
予習:次回のコマシラバスの細目レベルを事前に読んでくる。次回のキーワードをインターネットで検索する。また、心理学辞典等を用いてコマシラバスに出てくる用語やキーワードの確認をしておく。
4
怒り・衝動と攻撃行動
科目の中での位置付け
この科目は、こころの安心・安全について、個人および社会の二つの水準から心理学的に理解することを目的とする。安心・安全がどのように成立し、どのような要因によって損なわれ、またどのように回復・維持されるのかを、感情・認知・行動・制度の観点から総合的に学ぶ。最終的には、日常生活や社会の出来事をもとに、人が安心・安全に暮らせる社会のあり方について主体的に考えられるようになることを目指す。
第1回では、安心と安全の定義を確認し、自分にとっての安心・安全とは何か、それを阻害する要因には何があるのかを整理する。第2回では、信頼感に注目し、安心・安全を支える心理的基盤としての信頼が、対人関係や社会制度の中で果たす役割を学ぶ。第3回では、ヒューマンエラーと事故を取り上げ、人はなぜミスをするのか、ミスが安心・安全をどのように崩してしまうのかを理解する。第4回から第7回にかけては、個人の内面に焦点を当て、怒りや衝動が攻撃行動へとつながる過程、被害者意識や自己正当化が生じる心理、罪悪感や責任感が行動を抑制・修復する働き、さらに正義感がときに他者への排除や攻撃へ転じる限界について検討する。第8回では、これまでの内容を踏まえ、感情の調整、信頼の回復、助けを求める行動などを通して、個人としてこころの安心・安全を守る方法を整理する。
第9回以降は、社会の安心・安全を支える仕組みに視点を移す。第9回では、法律を取り上げ、社会規範、民法、刑法が果たす役割を整理し、正義を個人ではなく社会に委ねる意味を考える。第10回と第11回では、件数の多い窃盗罪や詐欺犯罪を題材に、犯罪行為に至る心理的背景や、信頼が悪用される仕組みを理解する。第12回では、暴行・傷害罪を通して、感情や衝動がどの段階で犯罪として評価される行為に転じるのかを検討する。第13回では、高齢犯罪に焦点を当て、認知機能の低下や孤立、不安といった要因が犯罪に結びつく背景と、責任と支援のあり方を考える。第14回では、交通犯罪を取り上げ、過失による行為がどのように刑事責任として評価されるのかを学ぶ。第15回では、これまでの講義内容を総合し、罰や制裁だけでなく、予防、支援、修復といった観点から、社会としてどのように安心・安全を守っていくことができるのかを心理学的に考察する。
コマ主題細目
① 怒りと攻撃行動の定義と理論 ② 衝動と自己制御 ③ 日常における攻撃行動
細目レベル
① 怒りは不満や不公平感に対する感情反応であり、攻撃行動は他者に害を与える行動を指す。心理学では、フラストレーション攻撃仮説が古くから知られており、欲求が妨げられると攻撃が生じると考えられてきた。その後、認知的評価や社会的学習の観点から、怒りと攻撃は単純な因果関係ではなく、多様な要因によって影響されることが明らかになっている。現在では、怒りは必ずしも攻撃行動に結びつくわけではなく、状況や個人の特性によってその表れ方が変わると理解されている。
② 衝動とは、十分な熟慮を経ずに行動を起こしてしまう傾向であり、怒りと結びつくと攻撃的行動を引き起こしやすい。自己制御はこの衝動を抑える能力であり、疲労やストレス、アルコールの影響によって低下する。例えば、疲れているときや焦っているときには、普段なら抑えられる怒りが表に出やすくなる。このように、攻撃行動は個人の性格だけでなく、状況や身体状態にも大きく影響される。安心・安全を考えるうえでは、自己制御の限界を理解することが重要である。
③ 攻撃行動と犯罪は同じではない。攻撃行動は他者に身体的・心理的な害を与えようとする行動であり、犯罪は法律で禁止され刑罰の対象となる行為である。ただし、暴行、傷害、脅迫、DV、虐待、ストーカー行為などでは、怒りや敵意、衝動性、支配欲が犯罪行動と結びつくことがある。攻撃が犯罪に発展する背景には、相手の意図の誤った解釈、自己制御の低下、飲酒、ストレス、暴力を容認する仲間関係などが関わる。犯罪としての攻撃行動を理解することは、加害者を罰するだけでなく、被害者の安心を回復し、再発防止を考えるうえでも重要である。
キーワード
① 怒り ② 攻撃行動 ③ 衝動 ④ 自己制御
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:今回のコマシラバスの細目レベルを読み直す。また、教員が準備した文字教材等に目を通し、今回のキーワードを再確認する。ChatGPTを使って、教材の要約を確認し、復習問題を各自で作成し回答する。
予習:次回のコマシラバスの細目レベルを事前に読んでくる。次回のキーワードをインターネットで検索する。また、心理学辞典等を用いてコマシラバスに出てくる用語やキーワードの確認をしておく。
5
被害者意識と自己正当化
科目の中での位置付け
この科目は、こころの安心・安全について、個人および社会の二つの水準から心理学的に理解することを目的とする。安心・安全がどのように成立し、どのような要因によって損なわれ、またどのように回復・維持されるのかを、感情・認知・行動・制度の観点から総合的に学ぶ。最終的には、日常生活や社会の出来事をもとに、人が安心・安全に暮らせる社会のあり方について主体的に考えられるようになることを目指す。
第1回では、安心と安全の定義を確認し、自分にとっての安心・安全とは何か、それを阻害する要因には何があるのかを整理する。第2回では、信頼感に注目し、安心・安全を支える心理的基盤としての信頼が、対人関係や社会制度の中で果たす役割を学ぶ。第3回では、ヒューマンエラーと事故を取り上げ、人はなぜミスをするのか、ミスが安心・安全をどのように崩してしまうのかを理解する。第4回から第7回にかけては、個人の内面に焦点を当て、怒りや衝動が攻撃行動へとつながる過程、被害者意識や自己正当化が生じる心理、罪悪感や責任感が行動を抑制・修復する働き、さらに正義感がときに他者への排除や攻撃へ転じる限界について検討する。第8回では、これまでの内容を踏まえ、感情の調整、信頼の回復、助けを求める行動などを通して、個人としてこころの安心・安全を守る方法を整理する。
第9回以降は、社会の安心・安全を支える仕組みに視点を移す。第9回では、法律を取り上げ、社会規範、民法、刑法が果たす役割を整理し、正義を個人ではなく社会に委ねる意味を考える。第10回と第11回では、件数の多い窃盗罪や詐欺犯罪を題材に、犯罪行為に至る心理的背景や、信頼が悪用される仕組みを理解する。第12回では、暴行・傷害罪を通して、感情や衝動がどの段階で犯罪として評価される行為に転じるのかを検討する。第13回では、高齢犯罪に焦点を当て、認知機能の低下や孤立、不安といった要因が犯罪に結びつく背景と、責任と支援のあり方を考える。第14回では、交通犯罪を取り上げ、過失による行為がどのように刑事責任として評価されるのかを学ぶ。第15回では、これまでの講義内容を総合し、罰や制裁だけでなく、予防、支援、修復といった観点から、社会としてどのように安心・安全を守っていくことができるのかを心理学的に考察する。
コマ主題細目
① 犯罪と被害者意識 ② 加害者の中に生じる被害者意識 ③ 被害者の被害者意識と安心・安全
細目レベル
① 被害者意識とは、自分が不当に扱われた、傷つけられた、不利益を受けたと認識する心理状態である。この心理は、実際の被害に基づく場合もあれば、過去の経験や主観的な意味づけによって強まる場合もある。犯罪場面では、被害者が自分の被害を認識し、支援や回復につなげる働きをもつ一方で、加害者が「自分こそ被害者だ」と感じ、攻撃や支配を正当化する働きももつ。したがって、犯罪と被害者意識を考える際には、被害を訴える声を軽視せず、同時に「傷ついたから相手を傷つけてもよい」という論理を認めない視点が重要である。
② 加害者の中に生じる被害者意識とは、他者を傷つけた側の人が、自分を「被害者」「追い詰められた人」「反撃せざるを得なかった人」として理解する心理である。この背景には、Banduraの道徳的離脱やFestingerの認知的不協和が関係する。人は「自分は悪い人間ではない」という自己像と「相手を傷つけた」という行動の矛盾を減らすために、自分の行動を「防衛」「仕方のない行動」と意味づけることがある。その結果、相手の苦痛や自分の責任が見えにくくなる。加害者の被害者意識を理解することは、加害を許すことではなく、再発防止や責任理解のために必要である。
③ 被害者の被害者意識とは、実際に暴力、犯罪、いじめ、ハラスメントなどを受けた人が、「自分は傷つけられた」と認識する心理である。この認識は、支援を求め、安全を確保し、回復に向かうための出発点となる。一方で、被害者意識が長く続き、生活全体を支配すると、孤立や不信感を深めることもある。そのため、安心・安全につなげるには三つの整理が必要である。実際の被害に基づく被害者意識は支援する。過去の被害に縛られる被害者意識は、安全な関係の中で調整する。そして、加害や攻撃を正当化する被害者意識には、感情を認めつつも行動の責任を明確にする必要がある。
キーワード
① 被害者意識 ② 自己正当化 ③ 道徳的離脱 ④ 認知的不協和
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:今回のコマシラバスの細目レベルを読み直す。また、教員が準備した文字教材等に目を通し、今回のキーワードを再確認する。ChatGPTを使って、教材の要約を確認し、復習問題を各自で作成し回答する。
予習:次回のコマシラバスの細目レベルを事前に読んでくる。次回のキーワードをインターネットで検索する。また、心理学辞典等を用いてコマシラバスに出てくる用語やキーワードの確認をしておく。
6
罪悪感
科目の中での位置付け
この科目は、こころの安心・安全について、個人および社会の二つの水準から心理学的に理解することを目的とする。安心・安全がどのように成立し、どのような要因によって損なわれ、またどのように回復・維持されるのかを、感情・認知・行動・制度の観点から総合的に学ぶ。最終的には、日常生活や社会の出来事をもとに、人が安心・安全に暮らせる社会のあり方について主体的に考えられるようになることを目指す。
第1回では、安心と安全の定義を確認し、自分にとっての安心・安全とは何か、それを阻害する要因には何があるのかを整理する。第2回では、信頼感に注目し、安心・安全を支える心理的基盤としての信頼が、対人関係や社会制度の中で果たす役割を学ぶ。第3回では、ヒューマンエラーと事故を取り上げ、人はなぜミスをするのか、ミスが安心・安全をどのように崩してしまうのかを理解する。第4回から第7回にかけては、個人の内面に焦点を当て、怒りや衝動が攻撃行動へとつながる過程、被害者意識や自己正当化が生じる心理、罪悪感や責任感が行動を抑制・修復する働き、さらに正義感がときに他者への排除や攻撃へ転じる限界について検討する。第8回では、これまでの内容を踏まえ、感情の調整、信頼の回復、助けを求める行動などを通して、個人としてこころの安心・安全を守る方法を整理する。
第9回以降は、社会の安心・安全を支える仕組みに視点を移す。第9回では、法律を取り上げ、社会規範、民法、刑法が果たす役割を整理し、正義を個人ではなく社会に委ねる意味を考える。第10回と第11回では、件数の多い窃盗罪や詐欺犯罪を題材に、犯罪行為に至る心理的背景や、信頼が悪用される仕組みを理解する。第12回では、暴行・傷害罪を通して、感情や衝動がどの段階で犯罪として評価される行為に転じるのかを検討する。第13回では、高齢犯罪に焦点を当て、認知機能の低下や孤立、不安といった要因が犯罪に結びつく背景と、責任と支援のあり方を考える。第14回では、交通犯罪を取り上げ、過失による行為がどのように刑事責任として評価されるのかを学ぶ。第15回では、これまでの講義内容を総合し、罰や制裁だけでなく、予防、支援、修復といった観点から、社会としてどのように安心・安全を守っていくことができるのかを心理学的に考察する。
コマ主題細目
① 罪悪感とは何か――他者への影響に気づく感情 ② 罪悪感と似た感情の違い――恥・恐怖・後悔との区別 ③ 罪悪感とこころの安心・安全――自己否定ではなく行動修正へ
細目レベル
① 罪悪感とは,自分の行為が他者に不利益,損害,苦痛を与えたと認識したときに生じる感情である。単なる「嫌な気分」や「自分が苦しい」という内面的な反応ではなく,自分の行為によって相手に何が起きたのかを考える感情である。友人の秘密をうっかり話してしまったり,誰かに負担をかけてしまったりしたとき,人は自分の行為を相手の立場から見直す。このように,罪悪感は対人関係の中で生じ,他者への影響を認識することで成立する道徳感情である。
② 罪悪感は,恥,恐怖,後悔と混同されやすい。しかし,それぞれ焦点が異なる。罪悪感は「自分の行為」に焦点が向き,相手に悪い影響を与えたかもしれないと考える感情である。恥は「自分自身」に焦点が向き,自分はだめな人間だと思われたかもしれないと感じる。恐怖は,怒られる,罰を受けるなど将来の不利益への不安である。後悔は,別の選択をすればよかったという過去の選択への悔いである。これらを区別することで,自分が何に苦しんでいるのかを理解しやすくなる。
③ 罪悪感は,こころの安心・安全と深く関わる。罪悪感が適切に働くと,人は外から罰されなくても自分の行動を見直し,同じことを繰り返さないようにする。これは,対人関係や社会生活を支える内的ブレーキである。一方で,罪悪感が強すぎると,自分に責任がないことまで背負い込み,自己否定や回避につながる。大切なのは,罪悪感をなくすことではなく,自分にどの範囲の責任があるのかを見極め,謝罪,説明,償い,再発防止などの具体的な行動につなげることである。
キーワード
① 罪悪感 ② 道徳感情 ③ 超自我 ④ 恥 ⑤ 行動修正
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:今回のコマシラバスの細目レベルを読み直す。また、教員が準備した文字教材等に目を通し、今回のキーワードを再確認する。ChatGPTを使って、教材の要約を確認し、復習問題を各自で作成し回答する。
予習:次回のコマシラバスの細目レベルを事前に読んでくる。次回のキーワードをインターネットで検索する。また、心理学辞典等を用いてコマシラバスに出てくる用語やキーワードの確認をしておく。
7
正義感の心理と限界
科目の中での位置付け
この科目は、こころの安心・安全について、個人および社会の二つの水準から心理学的に理解することを目的とする。安心・安全がどのように成立し、どのような要因によって損なわれ、またどのように回復・維持されるのかを、感情・認知・行動・制度の観点から総合的に学ぶ。最終的には、日常生活や社会の出来事をもとに、人が安心・安全に暮らせる社会のあり方について主体的に考えられるようになることを目指す。
第1回では、安心と安全の定義を確認し、自分にとっての安心・安全とは何か、それを阻害する要因には何があるのかを整理する。第2回では、信頼感に注目し、安心・安全を支える心理的基盤としての信頼が、対人関係や社会制度の中で果たす役割を学ぶ。第3回では、ヒューマンエラーと事故を取り上げ、人はなぜミスをするのか、ミスが安心・安全をどのように崩してしまうのかを理解する。第4回から第7回にかけては、個人の内面に焦点を当て、怒りや衝動が攻撃行動へとつながる過程、被害者意識や自己正当化が生じる心理、罪悪感や責任感が行動を抑制・修復する働き、さらに正義感がときに他者への排除や攻撃へ転じる限界について検討する。第8回では、これまでの内容を踏まえ、感情の調整、信頼の回復、助けを求める行動などを通して、個人としてこころの安心・安全を守る方法を整理する。
第9回以降は、社会の安心・安全を支える仕組みに視点を移す。第9回では、法律を取り上げ、社会規範、民法、刑法が果たす役割を整理し、正義を個人ではなく社会に委ねる意味を考える。第10回と第11回では、件数の多い窃盗罪や詐欺犯罪を題材に、犯罪行為に至る心理的背景や、信頼が悪用される仕組みを理解する。第12回では、暴行・傷害罪を通して、感情や衝動がどの段階で犯罪として評価される行為に転じるのかを検討する。第13回では、高齢犯罪に焦点を当て、認知機能の低下や孤立、不安といった要因が犯罪に結びつく背景と、責任と支援のあり方を考える。第14回では、交通犯罪を取り上げ、過失による行為がどのように刑事責任として評価されるのかを学ぶ。第15回では、これまでの講義内容を総合し、罰や制裁だけでなく、予防、支援、修復といった観点から、社会としてどのように安心・安全を守っていくことができるのかを心理学的に考察する。
コマ主題細目
① 正義感の基礎 ② 正義感の二面性 ③ 正義感を社会につなぐ
細目レベル
① 第1部では、正義とは何か、そして正義感がどのように発達し、どのような人に強く表れやすいのかを学ぶ。正義とは、何が正しく、何が不正であるかを判断する基準であり、心理学では「これは不公平だ」「許せない」「責任を取るべきだ」と感じる心の働きとして扱われる。正義感は、不正や犯罪を見逃さず、被害者を守る力になる一方で、怒りや嫌悪と結びつく危うさも持つ。また、子どもの正義感は、単なるルール遵守から、ルールの目的や公平性、相手の意図や背景を考える判断へと発達する。さらに、正義感が高い人は、不正への感受性、共感性、責任感、道徳的アイデンティティを持ち、制度や環境の問題にも気づきやすい。
② 正義感のポジティブな面とネガティブな面を対比的に理解する。正義感は、自分に向かう場合には、自己反省、責任感、謝罪、再発防止につながる。自分の行動が相手を傷つけていないかを考える心理的ブレーキとして働くため、加害や犯罪の予防にも関係する。他者や社会に向かう場合には、不正の指摘、被害者支援、犯罪抑止、制度改善を促す。しかし、正義感が過剰になると、自分に向かう正義は自己否定や孤立につながり、他者に向かう正義は私刑、排除、誹謗中傷、過剰制裁へと変わる。重要なのは、正義感の強さそのものではなく、その感情を反省・支援・修復へ向けられるかである。
③ 犯罪や不正に対する正義感を、どのように安心・安全な社会へつなげるかを考える。犯罪は誰かの安心・安全を壊す行為であるため、「許せない」「責任を取るべきだ」と感じることは自然である。しかし、対応を個人の怒りに任せると、誤情報による攻撃、過剰な処罰、別の加害を生む危険がある。そこで、警察、裁判、学校の懲戒制度、職場の相談窓口、被害者支援制度などが必要になる。特に重要なのが手続き的公正であり、結果だけでなく、説明の機会、判断基準の一貫性、関係者への尊重、情報確認の十分さが問われる。正義感はなくすものではなく、法律、制度、支援、再発防止へ結びつけることで、こころと社会の安心・安全を支える力になる。
キーワード
① 正義感 ② 道徳判断 ③ 罪悪感 ④ 手続き的公正
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:今回のコマシラバスの細目レベルを読み直す。また、教員が準備した文字教材等に目を通し、今回のキーワードを再確認する。ChatGPTを使って、教材の要約を確認し、復習問題を各自で作成し回答する。
予習:次回のコマシラバスの細目レベルを事前に読んでくる。次回のキーワードをインターネットで検索する。また、心理学辞典等を用いてコマシラバスに出てくる用語やキーワードの確認をしておく。
8
個人の安心・安全を守る
科目の中での位置付け
この科目は、こころの安心・安全について、個人および社会の二つの水準から心理学的に理解することを目的とする。安心・安全がどのように成立し、どのような要因によって損なわれ、またどのように回復・維持されるのかを、感情・認知・行動・制度の観点から総合的に学ぶ。最終的には、日常生活や社会の出来事をもとに、人が安心・安全に暮らせる社会のあり方について主体的に考えられるようになることを目指す。
第1回では、安心と安全の定義を確認し、自分にとっての安心・安全とは何か、それを阻害する要因には何があるのかを整理する。第2回では、信頼感に注目し、安心・安全を支える心理的基盤としての信頼が、対人関係や社会制度の中で果たす役割を学ぶ。第3回では、ヒューマンエラーと事故を取り上げ、人はなぜミスをするのか、ミスが安心・安全をどのように崩してしまうのかを理解する。第4回から第7回にかけては、個人の内面に焦点を当て、怒りや衝動が攻撃行動へとつながる過程、被害者意識や自己正当化が生じる心理、罪悪感や責任感が行動を抑制・修復する働き、さらに正義感がときに他者への排除や攻撃へ転じる限界について検討する。第8回では、これまでの内容を踏まえ、感情の調整、信頼の回復、助けを求める行動などを通して、個人としてこころの安心・安全を守る方法を整理する。
第9回以降は、社会の安心・安全を支える仕組みに視点を移す。第9回では、法律を取り上げ、社会規範、民法、刑法が果たす役割を整理し、正義を個人ではなく社会に委ねる意味を考える。第10回と第11回では、件数の多い窃盗罪や詐欺犯罪を題材に、犯罪行為に至る心理的背景や、信頼が悪用される仕組みを理解する。第12回では、暴行・傷害罪を通して、感情や衝動がどの段階で犯罪として評価される行為に転じるのかを検討する。第13回では、高齢犯罪に焦点を当て、認知機能の低下や孤立、不安といった要因が犯罪に結びつく背景と、責任と支援のあり方を考える。第14回では、交通犯罪を取り上げ、過失による行為がどのように刑事責任として評価されるのかを学ぶ。第15回では、これまでの講義内容を総合し、罰や制裁だけでなく、予防、支援、修復といった観点から、社会としてどのように安心・安全を守っていくことができるのかを心理学的に考察する。
コマ主題細目
① 安心・安全と信頼の心理 ② 安心・安全が崩れるとき ③ 正義感を安心・安全につなげる
細目レベル
① 第1部では、「安心」と「安全」の違いを出発点として、こころの安心・安全がどのように成立するのかを学ぶ。安心は、心配や不安が少なく、本人が「大丈夫だ」と感じられる主観的な心理状態である。一方、安全は、危険が少ないという客観的な状態を指す。したがって、客観的には安全でも本人が不安を感じる場合もあれば、反対に危険な状況なのに安心してしまう場合もある。このズレは、詐欺や災害時の判断を理解するうえで重要である。また、安心を支える心理的基盤として信頼を扱う。信頼とは、裏切られる可能性があるにもかかわらず、相手に行動や判断を委ねることである。コンビニでの買い物のように制度によって裏切りの可能性が低い場面は「安心」に近く、友人にお金を貸すようなリスクを伴う場面は「信頼」に近い。第1部では、安心・安全・信頼の関係を整理し、なぜ人が他者や制度に身を委ねることができるのかを考える。
② 第2部では、安心・安全がどのように損なわれるのかを、ヒューマンエラー、怒り、被害者意識の観点から考える。ヒューマンエラーには、判断や計画そのものが誤るミステイク、実行段階で意図と異なる行動をしてしまうスリップ、記憶の抜けによるラプスがある。ミスは訂正されれば安全上の問題は解消されることがあるが、「また間違われるのではないか」という不安を残し、安心を崩すことがある。次に、怒りや衝動が攻撃行動に発展する過程を扱う。怒りは、自分の権利や大切なものが脅かされていることを知らせる警報のような感情であるが、認知的評価や自己制御の低下によって、暴言や暴力へとつながることがある。さらに、被害者意識と自己正当化を検討する。被害者意識は、実際の被害から回復する出発点にもなる一方で、「自分が傷ついたから相手を攻撃してよい」という自己正当化にもつながりうる。第2部では、安心・安全の崩壊を一つの原因ではなく、認知、感情、行動、状況が重なって生じる過程として理解する。
③ 第3部では、罪悪感、恥、正義感を中心に、こころの安心・安全を回復し、社会へつなげる心理を学ぶ。罪悪感は、自分の行動が他者に悪い影響を与えたと感じる感情であり、謝罪、報告、修復、再発防止につながりやすい。一方、恥は「自分は悪い人間だ」と自己全体を否定する感情であり、強くなりすぎると、隠す、逃げる、孤立するといった行動につながる。フロイトの超自我の考え方では、社会の規範が個人の内側に取り込まれることで、誰にも見られていなくても「これはしてはいけなかった」と感じる。さらに、正義感は、不正や危害を「おかしい」と感じ、社会をよりよくしようとする働きである。しかし、正義感が怒りと結びつきすぎると、SNSでの過剰批判や私刑のように、新たな加害を生むことがある。そこで重要になるのが手続き的公正である。関係者の話を聞き、判断基準を示し、説明の機会を与えることで、正義感を個人の攻撃ではなく、社会的な安心・安全へとつなげることができる。
キーワード
① 安心・安全 ② 信頼 ③ ヒューマンエラー ④ 被害者意識と自己正当化 ⑤ 正義感と手続き的公正
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:今回のコマシラバスの細目レベルを読み直す。また、教員が準備した文字教材等に目を通し、今回のキーワードを再確認する。ChatGPTを使って、教材の要約を確認し、復習問題を各自で作成し回答する。
予習:次回のコマシラバスの細目レベルを事前に読んでくる。次回のキーワードをインターネットで検索する。また、心理学辞典等を用いてコマシラバスに出てくる用語やキーワードの確認をしておく。
9
法律と安心・安全
科目の中での位置付け
この科目は、こころの安心・安全について、個人および社会の二つの水準から心理学的に理解することを目的とする。安心・安全がどのように成立し、どのような要因によって損なわれ、またどのように回復・維持されるのかを、感情・認知・行動・制度の観点から総合的に学ぶ。最終的には、日常生活や社会の出来事をもとに、人が安心・安全に暮らせる社会のあり方について主体的に考えられるようになることを目指す。
第1回では、安心と安全の定義を確認し、自分にとっての安心・安全とは何か、それを阻害する要因には何があるのかを整理する。第2回では、信頼感に注目し、安心・安全を支える心理的基盤としての信頼が、対人関係や社会制度の中で果たす役割を学ぶ。第3回では、ヒューマンエラーと事故を取り上げ、人はなぜミスをするのか、ミスが安心・安全をどのように崩してしまうのかを理解する。第4回から第7回にかけては、個人の内面に焦点を当て、怒りや衝動が攻撃行動へとつながる過程、被害者意識や自己正当化が生じる心理、罪悪感や責任感が行動を抑制・修復する働き、さらに正義感がときに他者への排除や攻撃へ転じる限界について検討する。第8回では、これまでの内容を踏まえ、感情の調整、信頼の回復、助けを求める行動などを通して、個人としてこころの安心・安全を守る方法を整理する。
第9回以降は、社会の安心・安全を支える仕組みに視点を移す。第9回では、法律を取り上げ、社会規範、民法、刑法が果たす役割を整理し、正義を個人ではなく社会に委ねる意味を考える。第10回と第11回では、件数の多い窃盗罪や詐欺犯罪を題材に、犯罪行為に至る心理的背景や、信頼が悪用される仕組みを理解する。第12回では、暴行・傷害罪を通して、感情や衝動がどの段階で犯罪として評価される行為に転じるのかを検討する。第13回では、高齢犯罪に焦点を当て、認知機能の低下や孤立、不安といった要因が犯罪に結びつく背景と、責任と支援のあり方を考える。第14回では、交通犯罪を取り上げ、過失による行為がどのように刑事責任として評価されるのかを学ぶ。第15回では、これまでの講義内容を総合し、罰や制裁だけでなく、予防、支援、修復といった観点から、社会としてどのように安心・安全を守っていくことができるのかを心理学的に考察する。
コマ主題細目
① 法の定義と歴史 ② 民法・刑法・社会規範 ③ 正義を社会に委ねる意味
細目レベル
① 法律とは、社会における行動の基準を定め、秩序を維持するための規範である。古代社会では慣習や宗教が規範の役割を果たしていたが、近代国家の成立とともに成文化された法律が整備されるようになった。刑法はその中でも、社会に重大な害を及ぼす行為を犯罪として定義し、罰を与える仕組みである。法律は個人の自由を制限する側面を持つが、その目的は社会全体の安心・安全を確保することにある。
② 社会には複数の規範が存在する。社会規範はマナーや慣習といった非公式なルールであり、違反しても法的罰則はないが、社会的非難を受ける。民法は個人間の関係を調整し、損害賠償などを通じて問題解決を図る。一方、刑法は社会全体に重大な影響を与える行為を犯罪として処罰する。これらの規範はそれぞれ役割が異なり、相互に補完しながら社会の安心・安全を支えている。
③ 個人の正義感だけでは、公平な判断を維持することは難しい。感情や立場によって判断が偏るため、他者との衝突が生じやすい。そのため、社会は法律という共通の基準を設け、正義の判断を個人から切り離している。これにより、一定の公平性と予測可能性が確保される。法律に基づく判断は完全ではないが、個人の判断に任せるよりも安定した社会秩序を維持することができる。
キーワード
① 法律 ② 自由 ③ 民法 ④ 刑法 ⑤ 社会のルール
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:今回のコマシラバスの細目レベルを読み直す。また、教員が準備した文字教材等に目を通し、今回のキーワードを再確認する。ChatGPTを使って、教材の要約を確認し、復習問題を各自で作成し回答する。
予習:次回のコマシラバスの細目レベルを事前に読んでくる。次回のキーワードをインターネットで検索する。また、心理学辞典等を用いてコマシラバスに出てくる用語やキーワードの確認をしておく。
10
窃盗罪と万引き
科目の中での位置付け
この科目は、こころの安心・安全について、個人および社会の二つの水準から心理学的に理解することを目的とする。安心・安全がどのように成立し、どのような要因によって損なわれ、またどのように回復・維持されるのかを、感情・認知・行動・制度の観点から総合的に学ぶ。最終的には、日常生活や社会の出来事をもとに、人が安心・安全に暮らせる社会のあり方について主体的に考えられるようになることを目指す。
第1回では、安心と安全の定義を確認し、自分にとっての安心・安全とは何か、それを阻害する要因には何があるのかを整理する。第2回では、信頼感に注目し、安心・安全を支える心理的基盤としての信頼が、対人関係や社会制度の中で果たす役割を学ぶ。第3回では、ヒューマンエラーと事故を取り上げ、人はなぜミスをするのか、ミスが安心・安全をどのように崩してしまうのかを理解する。第4回から第7回にかけては、個人の内面に焦点を当て、怒りや衝動が攻撃行動へとつながる過程、被害者意識や自己正当化が生じる心理、罪悪感や責任感が行動を抑制・修復する働き、さらに正義感がときに他者への排除や攻撃へ転じる限界について検討する。第8回では、これまでの内容を踏まえ、感情の調整、信頼の回復、助けを求める行動などを通して、個人としてこころの安心・安全を守る方法を整理する。
第9回以降は、社会の安心・安全を支える仕組みに視点を移す。第9回では、法律を取り上げ、社会規範、民法、刑法が果たす役割を整理し、正義を個人ではなく社会に委ねる意味を考える。第10回と第11回では、件数の多い窃盗罪や詐欺犯罪を題材に、犯罪行為に至る心理的背景や、信頼が悪用される仕組みを理解する。第12回では、暴行・傷害罪を通して、感情や衝動がどの段階で犯罪として評価される行為に転じるのかを検討する。第13回では、高齢犯罪に焦点を当て、認知機能の低下や孤立、不安といった要因が犯罪に結びつく背景と、責任と支援のあり方を考える。第14回では、交通犯罪を取り上げ、過失による行為がどのように刑事責任として評価されるのかを学ぶ。第15回では、これまでの講義内容を総合し、罰や制裁だけでなく、予防、支援、修復といった観点から、社会としてどのように安心・安全を守っていくことができるのかを心理学的に考察する。
コマ主題細目
① 万引きという身近な犯罪を理解する ② 人はなぜ万引きをするのか―犯罪心理学から考える ③ 安心・安全な社会のために万引きをどう防ぐか
細目レベル
① 犯罪という言葉からは、殺人や強盗、特殊詐欺などの重大事件を思い浮かべる人が多い。しかし、日本で最も多く発生している犯罪の一つは窃盗であり、その中でも万引きは私たちの日常生活に最も身近な犯罪である。本章では、まず窃盗と万引きの基本的な定義を確認し、万引きが他の窃盗犯罪とどのように異なるのかを学ぶ。特に、万引きはスーパーやコンビニなど日常的な空間で発生すること、一件当たりの被害額は小さくても社会全体では大きな損失になること、そして再犯率が高いという特徴を持つことを理解する。また、万引きは単なる経済的損失だけでなく、人々の信頼関係や社会の安心・安全にも影響を与える問題であることを考える。
② 万引きは犯罪であると誰もが知っているにもかかわらず、なぜ繰り返し発生するのだろうか。本章では、犯罪白書や心理学研究をもとに、万引きの背景にある心理的要因を検討する。生活困窮や節約、自分で使用するための窃盗といった現実的な理由だけでなく、ストレスや衝動性、自己統制の弱さがどのように犯罪行動と結びつくのかを学ぶ。また、自己統制理論を用いて、目先の利益と長期的な不利益の葛藤について理解する。さらに、一般的な万引きとは異なり、盗む必要がないにもかかわらず衝動的に盗みを繰り返す窃盗症(クレプトマニア)についても取り上げる。犯罪心理学は犯罪者を特別な存在として捉えるのではなく、人間がどのような状況でルールを破りやすくなるのかを理解しようとする学問である。
③ 万引きを防ぐためには、犯人を捕まえることだけではなく、犯罪が起こりにくい社会をつくる視点が重要である。本章では、防犯カメラや商品管理システムなどの防犯技術の役割を確認するとともに、それだけでは十分ではない理由について考える。心理学の観点からは、規範意識の形成や衝動をコントロールする力を育てる心理教育の重要性が指摘されている。また、社会心理学者・山岸俊男の信頼研究を手がかりに、安心・安全な社会の基盤としての「信頼」に注目する。万引きが増えると、人々は互いを疑い、監視や管理が強化される。一方で、信頼が維持される社会では、過度な監視に頼らずとも安心して生活することができる。本章では、万引き問題を通して、犯罪予防と社会的信頼の関係を理解し、人々が安心して暮らせる社会のあり方について考察する。
キーワード
① 窃盗 ② 自己統制 ③ 万引 ④ 規範意識 ⑤ 信頼
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:今回のコマシラバスの細目レベルを読み直す。また、教員が準備した文字教材等に目を通し、今回のキーワードを再確認する。ChatGPTを使って、教材の要約を確認し、復習問題を各自で作成し回答する。
予習:次回のコマシラバスの細目レベルを事前に読んでくる。次回のキーワードをインターネットで検索する。また、心理学辞典等を用いてコマシラバスに出てくる用語やキーワードの確認をしておく。
11
詐欺犯罪
科目の中での位置付け
この科目は、こころの安心・安全について、個人および社会の二つの水準から心理学的に理解することを目的とする。安心・安全がどのように成立し、どのような要因によって損なわれ、またどのように回復・維持されるのかを、感情・認知・行動・制度の観点から総合的に学ぶ。最終的には、日常生活や社会の出来事をもとに、人が安心・安全に暮らせる社会のあり方について主体的に考えられるようになることを目指す。
第1回では、安心と安全の定義を確認し、自分にとっての安心・安全とは何か、それを阻害する要因には何があるのかを整理する。第2回では、信頼感に注目し、安心・安全を支える心理的基盤としての信頼が、対人関係や社会制度の中で果たす役割を学ぶ。第3回では、ヒューマンエラーと事故を取り上げ、人はなぜミスをするのか、ミスが安心・安全をどのように崩してしまうのかを理解する。第4回から第7回にかけては、個人の内面に焦点を当て、怒りや衝動が攻撃行動へとつながる過程、被害者意識や自己正当化が生じる心理、罪悪感や責任感が行動を抑制・修復する働き、さらに正義感がときに他者への排除や攻撃へ転じる限界について検討する。第8回では、これまでの内容を踏まえ、感情の調整、信頼の回復、助けを求める行動などを通して、個人としてこころの安心・安全を守る方法を整理する。
第9回以降は、社会の安心・安全を支える仕組みに視点を移す。第9回では、法律を取り上げ、社会規範、民法、刑法が果たす役割を整理し、正義を個人ではなく社会に委ねる意味を考える。第10回と第11回では、件数の多い窃盗罪や詐欺犯罪を題材に、犯罪行為に至る心理的背景や、信頼が悪用される仕組みを理解する。第12回では、暴行・傷害罪を通して、感情や衝動がどの段階で犯罪として評価される行為に転じるのかを検討する。第13回では、高齢犯罪に焦点を当て、認知機能の低下や孤立、不安といった要因が犯罪に結びつく背景と、責任と支援のあり方を考える。第14回では、交通犯罪を取り上げ、過失による行為がどのように刑事責任として評価されるのかを学ぶ。第15回では、これまでの講義内容を総合し、罰や制裁だけでなく、予防、支援、修復といった観点から、社会としてどのように安心・安全を守っていくことができるのかを心理学的に考察する。
コマ主題細目
① 詐欺とは何か:信頼を悪用する現代的犯罪 ② 詐欺師とはどのような人か:若者・組織化・心理操作 ③ 詐欺を防ぐには:だまされない・だます側に回らないために
細目レベル
① 詐欺とは、人を欺いて財物を交付させる犯罪であり、窃盗や強盗とは異なり、相手を信じ込ませて「自分から渡した」ように見せる点に特徴がある。詐欺は単なるうそではなく、相手の判断を誤らせ、その判断に基づいて金銭や物を渡させる行為である。近年、詐欺は犯罪全体の中でも重要な位置を占め、被害額も大きい。さらに、電話、メール、SNS、マッチングアプリ、投資サイトなど、手口は社会の変化に合わせて多様化している。詐欺を学ぶことは、法律上の犯罪を理解するだけでなく、なぜ人は信じてしまうのか、信頼がどのように悪用されるのかを考えることにつながる。
② 詐欺師という言葉からは、話術に長けた一人の悪人を想像しやすい。しかし実際の詐欺犯罪では、若者が加害側に巻き込まれることや、複数の人物が役割を分担することが多い。特殊詐欺では、指示役、リクルーター、架け子、受け子、出し子などが分業し、組織的に犯罪が行われる。こうした構造では、一人ひとりが「自分は一部を担当しただけ」と考え、責任を小さく感じやすい。さらに、詐欺師は相手の感情を読み取り、信頼される人物を演じ、不安や希望を利用して判断を操作する。詐欺師の心理を理解することは、犯罪を正当化するためではなく、どのような心理がだます行動を支えるのかを知るために重要である。
③ 詐欺を防ぐためには、「注意しましょう」という一般的な呼びかけだけでは不十分である。詐欺師は、信頼、焦り、孤独、希望といった人間なら誰もが持つ自然な心理を利用する。そのため、不安になったときほど確認する、うれしい話ほど立ち止まる、急がされたときほど誰かに相談することが重要である。また、詐欺予防は被害者にならないためだけの問題ではない。若者が闇バイトやSNS上の勧誘を通じて、受け子や出し子として加害側に巻き込まれる危険もある。詐欺に強い社会とは、人々が孤立せず、困ったときに相談でき、危険な誘いに対して立ち止まれる社会である。詐欺を学ぶことは、こころの安心・安全を守る知識を身につけることでもある。
キーワード
① 詐欺 ② 信頼 ③ 詐欺師 ④ 心理操作
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:今回のコマシラバスの細目レベルを読み直す。また、教員が準備した文字教材等に目を通し、今回のキーワードを再確認する。ChatGPTを使って、教材の要約を確認し、復習問題を各自で作成し回答する。
予習:次回のコマシラバスの細目レベルを事前に読んでくる。次回のキーワードをインターネットで検索する。また、心理学辞典等を用いてコマシラバスに出てくる用語やキーワードの確認をしておく。
12
暴行・傷害罪
科目の中での位置付け
この科目は、こころの安心・安全について、個人および社会の二つの水準から心理学的に理解することを目的とする。安心・安全がどのように成立し、どのような要因によって損なわれ、またどのように回復・維持されるのかを、感情・認知・行動・制度の観点から総合的に学ぶ。最終的には、日常生活や社会の出来事をもとに、人が安心・安全に暮らせる社会のあり方について主体的に考えられるようになることを目指す。
第1回では、安心と安全の定義を確認し、自分にとっての安心・安全とは何か、それを阻害する要因には何があるのかを整理する。第2回では、信頼感に注目し、安心・安全を支える心理的基盤としての信頼が、対人関係や社会制度の中で果たす役割を学ぶ。第3回では、ヒューマンエラーと事故を取り上げ、人はなぜミスをするのか、ミスが安心・安全をどのように崩してしまうのかを理解する。第4回から第7回にかけては、個人の内面に焦点を当て、怒りや衝動が攻撃行動へとつながる過程、被害者意識や自己正当化が生じる心理、罪悪感や責任感が行動を抑制・修復する働き、さらに正義感がときに他者への排除や攻撃へ転じる限界について検討する。第8回では、これまでの内容を踏まえ、感情の調整、信頼の回復、助けを求める行動などを通して、個人としてこころの安心・安全を守る方法を整理する。
第9回以降は、社会の安心・安全を支える仕組みに視点を移す。第9回では、法律を取り上げ、社会規範、民法、刑法が果たす役割を整理し、正義を個人ではなく社会に委ねる意味を考える。第10回と第11回では、件数の多い窃盗罪や詐欺犯罪を題材に、犯罪行為に至る心理的背景や、信頼が悪用される仕組みを理解する。第12回では、暴行・傷害罪を通して、感情や衝動がどの段階で犯罪として評価される行為に転じるのかを検討する。第13回では、高齢犯罪に焦点を当て、認知機能の低下や孤立、不安といった要因が犯罪に結びつく背景と、責任と支援のあり方を考える。第14回では、交通犯罪を取り上げ、過失による行為がどのように刑事責任として評価されるのかを学ぶ。第15回では、これまでの講義内容を総合し、罰や制裁だけでなく、予防、支援、修復といった観点から、社会としてどのように安心・安全を守っていくことができるのかを心理学的に考察する。
コマ主題細目
① 暴行・傷害の定義と法的整理 ② 暴力行動の心理 ③ 日常から犯罪への移行
細目レベル
① 暴行とは、人に対して有形力を行使する行為であり、傷害とはその結果として身体や精神に損傷を与えることを指す。刑法では、傷害の結果が生じた場合は傷害罪、結果が生じなければ暴行罪として区別される。この区別は結果に基づくものであり、同じ行為であっても結果によって評価が変わる点に特徴がある。暴行・傷害は日常的な対人関係の延長線上で生じることが多く、特別な人物によるものではなく、誰にでも起こりうる犯罪として理解する必要がある。
② 暴力行動は、怒りや不満といった感情だけでなく、状況や関係性によっても引き起こされる。例えば、相手に軽視されたと感じた場合や、自尊心が傷つけられたときには、攻撃的な反応が生じやすい。また、アルコールの摂取や集団状況では抑制が弱まり、暴力行動が起こりやすくなる。重要なのは、これらの行動が特別な人の問題ではなく、日常的な心理過程の延長として生じる点である。
③ 多くの暴行・傷害事件は、些細なトラブルから始まる。口論や誤解がエスカレートし、感情が制御できなくなることで行動に移る。この過程では、被害者意識や正当化が働き、「自分は悪くない」という認識が強化される。その結果、行為の重大性が軽視され、犯罪に至る。日常の中でこのようなプロセスを理解することは、安心・安全を維持するために重要である。
キーワード
① 暴行 ② 傷害 ③ 怒り ④ 攻撃行動 ⑤ 自尊心
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:今回のコマシラバスの細目レベルを読み直す。また、教員が準備した文字教材等に目を通し、今回のキーワードを再確認する。ChatGPTを使って、教材の要約を確認し、復習問題を各自で作成し回答する。
予習:次回のコマシラバスの細目レベルを事前に読んでくる。次回のキーワードをインターネットで検索する。また、心理学辞典等を用いてコマシラバスに出てくる用語やキーワードの確認をしておく。
13
高齢犯罪
科目の中での位置付け
この科目は、こころの安心・安全について、個人および社会の二つの水準から心理学的に理解することを目的とする。安心・安全がどのように成立し、どのような要因によって損なわれ、またどのように回復・維持されるのかを、感情・認知・行動・制度の観点から総合的に学ぶ。最終的には、日常生活や社会の出来事をもとに、人が安心・安全に暮らせる社会のあり方について主体的に考えられるようになることを目指す。
第1回では、安心と安全の定義を確認し、自分にとっての安心・安全とは何か、それを阻害する要因には何があるのかを整理する。第2回では、信頼感に注目し、安心・安全を支える心理的基盤としての信頼が、対人関係や社会制度の中で果たす役割を学ぶ。第3回では、ヒューマンエラーと事故を取り上げ、人はなぜミスをするのか、ミスが安心・安全をどのように崩してしまうのかを理解する。第4回から第7回にかけては、個人の内面に焦点を当て、怒りや衝動が攻撃行動へとつながる過程、被害者意識や自己正当化が生じる心理、罪悪感や責任感が行動を抑制・修復する働き、さらに正義感がときに他者への排除や攻撃へ転じる限界について検討する。第8回では、これまでの内容を踏まえ、感情の調整、信頼の回復、助けを求める行動などを通して、個人としてこころの安心・安全を守る方法を整理する。
第9回以降は、社会の安心・安全を支える仕組みに視点を移す。第9回では、法律を取り上げ、社会規範、民法、刑法が果たす役割を整理し、正義を個人ではなく社会に委ねる意味を考える。第10回と第11回では、件数の多い窃盗罪や詐欺犯罪を題材に、犯罪行為に至る心理的背景や、信頼が悪用される仕組みを理解する。第12回では、暴行・傷害罪を通して、感情や衝動がどの段階で犯罪として評価される行為に転じるのかを検討する。第13回では、高齢犯罪に焦点を当て、認知機能の低下や孤立、不安といった要因が犯罪に結びつく背景と、責任と支援のあり方を考える。第14回では、交通犯罪を取り上げ、過失による行為がどのように刑事責任として評価されるのかを学ぶ。第15回では、これまでの講義内容を総合し、罰や制裁だけでなく、予防、支援、修復といった観点から、社会としてどのように安心・安全を守っていくことができるのかを心理学的に考察する。
コマ主題細目
① 高齢者犯罪と認知機能の変化 ② 高齢者が加害者になる場合 ③ 高齢者が被害者になる場合と予防
細目レベル
① 高齢者犯罪を理解するためには、まず高齢者を一面的に見ないことが重要である。高齢者は「危ない人」でも「守られるだけの弱い人」でもなく、加害者にも被害者にもなりうる存在である。本項目では、高齢者の定義を確認したうえで、記憶、注意、判断、衝動の抑制といった認知機能の変化が、日常生活の中でどのような困難につながるのかを学ぶ。セルフレジ、ATM、スマートフォンなどの新しい技術への不慣れも取り上げ、認知機能の変化が万引きや特殊詐欺被害の背景になりうることを理解する。
② 高齢者が加害者になる場合として、特に万引きと対人トラブルを取り上げる。高齢者犯罪では、窃盗、とくに万引きが重要な位置を占めている。ただし、万引きを「悪い高齢者が増えた」という形で単純に理解してはいけない。背景には、生活不安、孤立、認知機能の低下、買い物手順の混乱、セルフレジや電子マネーへの不慣れが関係することがある。また、店員や家族、近隣住民とのトラブルでは、怒りや不安、思い込みが暴言や威圧的行動につながる場合がある。責任をあいまいにせず、再発防止のための支援を考える視点を学ぶ。
③ 高齢者が被害者になる場合として、特殊詐欺を中心に取り上げる。特殊詐欺は、単にうそをつく犯罪ではなく、警察官、役所、銀行などへの信頼を悪用し、焦りや不安を利用して本人にお金や情報を渡させる犯罪である。本項目では、認知機能の変化、孤立、相談しにくさ、ATMやスマートフォンへの不慣れが、特殊詐欺被害につながる仕組みを理解する。さらに、被害や加害を防ぐためには、本人だけに注意を求めるのではなく、家族、地域、店舗、金融機関、福祉、行政、警察が連携し、高齢者が一人で判断しなくてよい仕組みを作ることが重要であることを学ぶ。
キーワード
① 高齢者犯罪 ② 認知機能 ③ 孤立 ④ 特殊詐欺 ⑤ 責任と支援
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:今回のコマシラバスの細目レベルを読み直す。また、教員が準備した文字教材等に目を通し、今回のキーワードを再確認する。ChatGPTを使って、教材の要約を確認し、復習問題を各自で作成し回答する。
予習:次回のコマシラバスの細目レベルを事前に読んでくる。次回のキーワードをインターネットで検索する。また、心理学辞典等を用いてコマシラバスに出てくる用語やキーワードの確認をしておく。
14
交通犯罪
科目の中での位置付け
この科目は、こころの安心・安全について、個人および社会の二つの水準から心理学的に理解することを目的とする。安心・安全がどのように成立し、どのような要因によって損なわれ、またどのように回復・維持されるのかを、感情・認知・行動・制度の観点から総合的に学ぶ。最終的には、日常生活や社会の出来事をもとに、人が安心・安全に暮らせる社会のあり方について主体的に考えられるようになることを目指す。
第1回では、安心と安全の定義を確認し、自分にとっての安心・安全とは何か、それを阻害する要因には何があるのかを整理する。第2回では、信頼感に注目し、安心・安全を支える心理的基盤としての信頼が、対人関係や社会制度の中で果たす役割を学ぶ。第3回では、ヒューマンエラーと事故を取り上げ、人はなぜミスをするのか、ミスが安心・安全をどのように崩してしまうのかを理解する。第4回から第7回にかけては、個人の内面に焦点を当て、怒りや衝動が攻撃行動へとつながる過程、被害者意識や自己正当化が生じる心理、罪悪感や責任感が行動を抑制・修復する働き、さらに正義感がときに他者への排除や攻撃へ転じる限界について検討する。第8回では、これまでの内容を踏まえ、感情の調整、信頼の回復、助けを求める行動などを通して、個人としてこころの安心・安全を守る方法を整理する。
第9回以降は、社会の安心・安全を支える仕組みに視点を移す。第9回では、法律を取り上げ、社会規範、民法、刑法が果たす役割を整理し、正義を個人ではなく社会に委ねる意味を考える。第10回と第11回では、件数の多い窃盗罪や詐欺犯罪を題材に、犯罪行為に至る心理的背景や、信頼が悪用される仕組みを理解する。第12回では、暴行・傷害罪を通して、感情や衝動がどの段階で犯罪として評価される行為に転じるのかを検討する。第13回では、高齢犯罪に焦点を当て、認知機能の低下や孤立、不安といった要因が犯罪に結びつく背景と、責任と支援のあり方を考える。第14回では、交通犯罪を取り上げ、過失による行為がどのように刑事責任として評価されるのかを学ぶ。第15回では、これまでの講義内容を総合し、罰や制裁だけでなく、予防、支援、修復といった観点から、社会としてどのように安心・安全を守っていくことができるのかを心理学的に考察する。
コマ主題細目
① 交通犯罪における過失責任と事故リスクの基礎 ② 危険運転を生起させる認知・感情過程と責任回避 ③ 加害者の責任受容と多層的な交通事故予防
細目レベル
① 交通事故が起きたからといって、そのすべてが交通犯罪になるわけではない。本部では、交通犯罪の基本的な考え方を確認し、事故を起こす意思がなくても、必要な注意を怠れば責任を問われる場合があることを学ぶ。特に重要なのは、「わざとではなかった」ことと「責任がない」ことを区別することである。また、初心運転者は経験の少なさから危険を予測しにくく、高齢運転者は視力や注意、情報処理速度などの変化が運転に影響することがある。ただし、年齢だけで危険性を判断することはできない。運転経験、健康状態、運転頻度、道路環境などを踏まえ、事故に至るまでに必要な注意が払われていたかを具体的に検討する必要がある。
② 事故を起こす意思がなくても、認知や感情の変化によって危険な運転行動が生じることがある。本部では、その心理過程を、危険そのものに気づけなくなる場合と、危険を認識しながら危険な行動を選択する場合に分けて考える。スマートフォンへの注意、疲労、睡眠不足は、周囲の変化への気づきや反応を遅らせる。一方、焦りや怒りは、安全よりも早く到着することや、相手に対抗することを優先させる。また、事故後には、被害を小さく考える否認、原因を他者や状況に求める責任転嫁、危険な行為を普通のこととして扱う正当化が生じる場合がある。これらの心理を理解することは、責任を免除するためではなく、危険な行動と責任回避が生じる仕組みを明らかにするために重要である。
③ 事故の責任を受け止めるとは、自分を全面的に否定することでも、謝罪だけで終わらせることでもない。事故前の速度、安全確認、疲労、感情、スマートフォンの使用などを具体的に振り返り、同じ状況で安全な行動を選べるように修正することである。そのためには、実車講習、医療機関での検査、家族との相談などの支援も必要になる。また、交通事故は、運転者個人の注意だけでは防ぎきれない。運転能力や体調を整える人側の対策、安全装置によってミスを補う機械側の対策、標識や照明、道路構造を改善する環境側の対策を組み合わせる必要がある。人は誤りを起こすという前提に立ち、その誤りを重大な被害へ発展させない多層的な安全対策を構築することが重要である。
キーワード
① 交通犯罪 ② 過失責任 ③ 危険運転行動 ④ 責任受容 ⑤ 交通事故予防
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:今回のコマシラバスの細目レベルを読み直す。また、教員が準備した文字教材等に目を通し、今回のキーワードを再確認する。ChatGPTを使って、教材の要約を確認し、復習問題を各自で作成し回答する。
予習:次回のコマシラバスの細目レベルを事前に読んでくる。次回のキーワードをインターネットで検索する。また、心理学辞典等を用いてコマシラバスに出てくる用語やキーワードの確認をしておく。
15
社会の安心・安全を守る
科目の中での位置付け
この科目は、こころの安心・安全について、個人および社会の二つの水準から心理学的に理解することを目的とする。安心・安全がどのように成立し、どのような要因によって損なわれ、またどのように回復・維持されるのかを、感情・認知・行動・制度の観点から総合的に学ぶ。最終的には、日常生活や社会の出来事をもとに、人が安心・安全に暮らせる社会のあり方について主体的に考えられるようになることを目指す。
第1回では、安心と安全の定義を確認し、自分にとっての安心・安全とは何か、それを阻害する要因には何があるのかを整理する。第2回では、信頼感に注目し、安心・安全を支える心理的基盤としての信頼が、対人関係や社会制度の中で果たす役割を学ぶ。第3回では、ヒューマンエラーと事故を取り上げ、人はなぜミスをするのか、ミスが安心・安全をどのように崩してしまうのかを理解する。第4回から第7回にかけては、個人の内面に焦点を当て、怒りや衝動が攻撃行動へとつながる過程、被害者意識や自己正当化が生じる心理、罪悪感や責任感が行動を抑制・修復する働き、さらに正義感がときに他者への排除や攻撃へ転じる限界について検討する。第8回では、これまでの内容を踏まえ、感情の調整、信頼の回復、助けを求める行動などを通して、個人としてこころの安心・安全を守る方法を整理する。
第9回以降は、社会の安心・安全を支える仕組みに視点を移す。第9回では、法律を取り上げ、社会規範、民法、刑法が果たす役割を整理し、正義を個人ではなく社会に委ねる意味を考える。第10回と第11回では、件数の多い窃盗罪や詐欺犯罪を題材に、犯罪行為に至る心理的背景や、信頼が悪用される仕組みを理解する。第12回では、暴行・傷害罪を通して、感情や衝動がどの段階で犯罪として評価される行為に転じるのかを検討する。第13回では、高齢犯罪に焦点を当て、認知機能の低下や孤立、不安といった要因が犯罪に結びつく背景と、責任と支援のあり方を考える。第14回では、交通犯罪を取り上げ、過失による行為がどのように刑事責任として評価されるのかを学ぶ。第15回では、これまでの講義内容を総合し、罰や制裁だけでなく、予防、支援、修復といった観点から、社会としてどのように安心・安全を守っていくことができるのかを心理学的に考察する。
コマ主題細目
① 社会的安心・安全の概念 ② 罰・予防・支援の役割 ③ 修復的正義と社会設計
細目レベル
① 社会の安心・安全とは、個人の努力だけでなく、制度や環境によって支えられるものである。歴史的に見ると、社会はさまざまな方法で危険を管理し、秩序を維持してきた。法律、警察、福祉制度などはその代表例であり、これらが機能することで人々は安心して生活することができる。
② 安心・安全を守るためには、罰だけでなく予防や支援が重要である。刑罰は違反行為を抑止する役割を持つが、それだけでは問題の根本的解決にはならない。教育や環境整備、支援制度を通じて、問題が発生する前に防ぐことが必要である。また、問題が生じた場合には、再発を防ぐための支援も重要である。
③ 近年、修復的正義という考え方が注目されている。これは、加害者と被害者の関係を修復し、社会全体の調和を回復することを目指すものである。単に罰するのではなく、対話や理解を通じて問題を解決するアプローチである。このような考え方を取り入れることで、より持続可能な安心・安全な社会を構築することが可能になる。
キーワード
① 社会的安心・安全 ② 法律 ③ 刑罰 ④ 予防
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:今回のコマシラバスの細目レベルを読み直す。また、教員が準備した文字教材等に目を通し、今回のキーワードを再確認する。ChatGPTを使って、教材の要約を確認し、復習問題を各自で作成し回答する。
予習:次回のコマシラバスの細目レベルを事前に読んでくる。次回のキーワードをインターネットで検索する。また、心理学辞典等を用いてコマシラバスに出てくる用語やキーワードの確認をしておく。
履修判定指標
履修指標
履修指標の水準
キーワード
配点
関連回
安心と安全の定義
安心と安全の特徴と相違点を理解し、具体的例を説明できるようになること。
安心、安全
4
1
こころの安心・安全の基盤と日常生活の例
信頼感に関する心理学の理論を理解していること。ヒューマンエラーの仕組みとその原因について説明できること。
スリップ、ミステイク、信頼感
8
2,3
こころの安心・安全に関係する個人内要因
怒りや衝動が攻撃行動へとつながる過程、被害者意識や自己正当化が生じる心理、罪悪感や責任感が行動を抑制・修復する働き、さらに正義感がときに他者への排除や攻撃へ転じる限界について理解し、節女記できること
攻撃行動、罪悪感、正義感、被害者意識
32
4、5,6,7
社会のルールと法律の関係
社会のルールと法律の関係について理解し、民法と刑法の違いを理解できていること。
道徳、倫理、損害賠償、犯罪、民法、刑法
6
9
窃盗・万引きの特徴と予防策
万引きという身近な窃盗犯罪の特徴を理解できること。
万引きのの心理的背景を理解できていること
万引きの予防方法についての説明ができること
万引きと窃盗の定義、窃盗症、万引きの特徴、衝動性、動機
10
10
詐欺犯罪の特徴と予防
詐欺犯罪の特徴を理解できていること。
詐欺師(詐欺加害者)の特徴を理解できていること。
ダーク・トライアドについて説明できること
詐欺の定義、信頼、詐欺犯罪の現代的特徴、若者の関与、詐欺グループの組織化と分業、ダーク・トライアド
10
11
暴行・傷害罪の特徴と予防
暴行・傷害罪の違いを近いできること
暴行犯罪の現状と発生場面を理解できること
暴行犯の心理的特徴を理解できていること
暴行と傷害罪の違い、怒り、暴行犯罪の現状、身近な生活空間での暴行、暴行班の心理的特徴
10
12
高齢犯罪の特徴と予防
高齢者の認知機能の変化を理解できていること
高齢者の心理・行動的変化を理解できていること
高齢者が加害者になる背景を理解できていること
高齢者が被害者になる背景を理解できていること
高齢者の定義、加齢による認知機能の変化、高齢者の万引き、特殊詐欺、対人トラブル
10
13
交通犯罪の特徴と予防
交通犯罪の特徴が理解できていること
交通犯罪における故意と過失について理解できていること
交通犯罪における注意と疲労、怒りと焦りの影響について理解できていること
交通犯罪の人・機械・環境による予防方法を理解できていること
交通犯罪、過失責任、危険運転行動、責任受容
交通事故予防
10
14
評価方法
評価基準
評語
学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・
S (100~90点)
学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・
A (89~80点)
学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・
B (79~70点)
学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・
C (69~60点)
学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・
D (60点未満)
教科書
参考文献
実験・実習・教材費