区分 基盤専門科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
SDGs力 科学コミュニケーション力 研究力
カリキュラム・ポリシーとの関係
教養 応用力 実践力
科目間連携 総合心理力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ

科目の目的
『コミュニケーションの心理学』は、総合犯罪心理学の基礎として、問題を生じさせるコミュニケーションや、その解決を心理学的な観点から学ぶことを目的とする。コミュニケーションの不全は犯罪や対立の誘因となり、良好なコミュニケーションはそれらを抑制するだけでなく有効な支援に不可欠な要素である。本科目では、言語的コミュニケーション・非言語的コミュニケーションといったミクロな視点から対人・集団のコミュニケーションといったマクロな視点まで扱い、コミュニケーション不全による問題・犯罪が生じうるメカニズムやコミュニケーションの問題を防ぐ要因について検討する。コミュニケーションを学ぶことによって、トラブルや犯罪を防ぎ、安全・安心な環境づくりについての理解を促進する。本科目を学んだ後に「葛藤解決の心理学」を受講することによって対人関係の問題をより深く学ぶことができる。
到達目標
1.心理学におけるコミュニケーションのとらえ方を理解する。
2.コミュニケーションが対人関係の構築や破綻とどのように関わっているのか理解する。
3.犯罪の背景にあるコミュニケーション不全および犯罪やトラブルを防ぐためのコミュニケーションについて理解する。

科目の概要
この科目は、総合犯罪心理学の基礎として、問題を生じさせるコミュニケーションや、その解決を心理学的な観点から学ぶことを目的とする。具体的には、言語的コミュニケーション・非言語的コミュニケーションといったミクロな視点から対人・集団のコミュニケーションといったマクロな視点まで扱い、コミュニケーション不全による問題・犯罪が生じうるメカニズムやコミュニケーションの問題を防ぐ要因について検討する。この科目では、担当教員が準備したパワーポイントおよび文字教材を用いて講義を行う。担当教員は、対人援助職を対象としたコミュニケーションに関する研修における講師の経験を有している。また、公認心理師・臨床心理士として、医療機関、教育機関、児童福祉施設における心理的支援の実務経験を有する。この科目では、これらの経験に基づいて講義を行う。
科目のキーワード
言語コミュニケーション、非言語コミュニケーション、説得的コミュニケーション、自己開示、アサーション、犯罪予防
授業の展開方法
本科目では、LMSにアップロードする授業独自の教材(コマ用オリジナル配布資料)を使用して講義を進める。基本的には授業独自の教材をスクリーンに投影しながら、該当箇所の解説を行っていく形式で実施する。
オフィス・アワー
※できるだけ事前にメールで連絡してください。
前期:水曜2限
後期:水曜2限

科目コード SD1020
学年・期 1年・前期
科目名 コミュニケーションの心理学(すれ違いで生じる犯罪とその解決)
単位数 2
授業形態 講義
必修・選択 必修
学習時間 【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目 なし
展開科目 葛藤解決の心理学
関連資格
担当教員名 大井瞳
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 コミュニケーションとは 科目の中での位置付け 本科目では、対人関係の基礎であるコミュニケーションを心理学的観点から学び、犯罪やトラブルの予防にコミュニケーションがどのように関わるのかを理解することを目的とする。具体的には、第1~4回で、コミュニケーションの基礎や捉え方について学び(第Ⅰ部)、第5~7回では、コミュニケーションが対人関係とどのように関わっているのかについて学ぶ(第Ⅱ部)。第9~14回では、犯罪やトラブルとコミュニケーションの関連に焦点を当て、犯罪の予防にコミュニケーションがどのように作用するのかについて考えていく(第Ⅲ部)。なお、第8回は第Ⅰ部、第Ⅱ部の内容を、第15回は第Ⅲ部の内容を復習し、まとめるためのコマとする。
第1回の前半では、講義の進め方についてガイダンスを行う。続いて、本科目の全体像や到達目標についての説明を行う。後半では、本科目の導入として私たちが何気なく使っているコミュニケーションという用語の定義やコミュニケーションのプロセスについて学ぶ。さらに、一概にコミュニケーションと言っても様々な種類のコミュニケーションがあるため、それらについて概観する。

細目レベル③
辻大介・是永論・関谷直也(著)(2019).コミュニケーション論をつかむ p.3-11, 有斐閣

藤田依久子(著)(2022).対人コミュニケーション入門 p.18-21, ナカニシヤ出版

コマ主題細目 ① ガイダンス ② 心理学におけるコミュニケーションの定義と位置づけ ③ コミュニケーションのプロセス ④ コミュニケーションの種類
細目レベル ① 初回であるため、講義の進め方の説明を行う。具体的には、出席要件、講義の進め方、質問の仕方、予習や復習の仕方について説明する。出席要件については、本学のルールに則り出席を管理する。講義が開始してから10分以内にLMS上から出席の手続きを行う。他の科目と同様、15回の出席が求められる(やむを得ない事情を除く)。
講義の進め方として、最初に前回の講義で挙がった質問に対して回答する。当該講義回の本科目の中での位置づけや目標を確認し、その目標を意識して講義に進む。講義の後半には、LMSでの小テストを実施し、講義内容の理解度を確認する。最後に次回講義回の内容紹介を行い、当該講義回と次回講義回のつながりについて説明を行う。各講義回で生じた質問はヨリソルを経由して行う。予習、復習については、コマシラバスおよび各講義で配布される文字教材を用いて行う。

② ここでは、コミュニケーションを理解するための基礎として、定義やコミュニケーションのとらえ方について理解する。巷ではコミュニケーションに関する書籍が数多く出版されたり、メディアで取り上げられたりするなど、コミュニケーションに対する人々の意識は高く、私たちの日常生活と切り離せない要素となっている。そして、コミュニケーションに関する能力を高めることが望ましいことだとされており、コミュニケーションがそれほど社会生活において重要視されていることを示唆している。コミュニケーションは、会話のことであると捉えがちであるが、コミュニケーションには言語だけでなく非言語的なものも含まれる。コミュニケーションの定義は「言語または非言語的手段による情報の伝達」である(APA)。私たちは社会で生活している以上、コミュニケーションを取りながら生活している。コミュニケーションとは、言葉で表現された内容を正確に伝え、理解する事だけを指すものではない。会話ひとつを例にとっても、話し手の表情やしぐさ、あるいはその人のおかれた立場や役割までをも考慮しながら、感情の状態や意図を推察することが聞き手には求められる。相手の心理状態を推測し、社会的役割や状況に配慮することが、良いコミュニケーションの決め手となるのは、どの文化にも多かれ少なかれ共通することである。
心理学において、コミュニケーションは様々な領域と関連がある。社会心理学、知覚心理学、認知心理学、進化心理学、発達心理学、臨床心理学、そして犯罪心理学といった領域にわたって関連の深い概念である。

③ コミュニケーションはどのようなプロセスで成立しているのであろうか。「情報の伝達」と一言で言っても、そのプロセスは複雑であり、コミュニケーションのプロセスを示すモデルはいくつか存在する。ここでは、シャノンとウィーバーによるコードーメッセージ図式などコミュニケーションモデルを紹介する。コミュニケーションのプロセスを理解することにより、コミュニケーションがどのように成り立ち、また、コミュニケーションのエラーにはどのような要因が関係しているのかについて理解することを目的とする。コミュニケーションのエラーに関しては、コードの不一致やノイズの困窮、記号化の誤りといった様々な要因が関係している。
④ ここでは、様々な側面からのコミュニケーションの分類とそれぞれの違いについて理解することを目的とする。一概にコミュニケーションと言っても、いくつかの種類に分けることができる。たとえば、言葉の使用という側面で分類すると、言語(バーバル)コミュニケーション、非言語(ノンバーバル)コミュニケーションに分類できる。言語的コミュニケーションは言葉によるメッセージがあるもので、非言語的コミュニケーションは言葉によるメッセージがないものである。コミュニケーションの動機という点で分類すると、メッセージの伝達など一定の目標を達成することを目的とする道具的コミュニケーションとコミュニケーションを行うことそれ自体が目的化している自己充足的コミュニケーションがある。コミュニケーションの分類方法にはさまざまなものがあり、コミュニケーションを一つの切り口のみから理解することの難しさを示している。
キーワード ① ガイダンス ② コミュニケーション ③ コミュニケーションのプロセス、コード、メッセージ、ノイズ、チャネル ④ 言語コミュニケーション、非言語コミュニケーション、道具的コミュニケーション、自己充足的的コミュニケーション
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、LMS上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】本コマ(第1回)の復習として,LMS上にアップロードされたコマ用オリジナル配布資料を読み返す。第1回においては,コミュニケーションの定義、コミュニケーションのプロセス、コミュニケーションの分類について理解することが重要であるため,これらに関して自分なりの言葉で説明できるようにまとめておく。また、心理学におけるコミュニケーションの位置づけについて、理解できるよう復習する。
【予習】上記の復習をふまえて,予習として第2回のコマシラバスを読んで概要を理解しておく。また、コマシラバスを読むなかで、わからない用語があればあらかじめ下線を引く、関連書籍を読むなどして、講義中で理解できるようにしておく。

2 言語コミュニケーション 科目の中での位置付け 本科目では、対人関係の基礎であるコミュニケーションを心理学的観点から学び、犯罪やトラブルの予防にコミュニケーションがどのように関わるのかを理解することを目的とする。具体的には、第1~4回で、コミュニケーションの基礎や捉え方について学び(第Ⅰ部)、第5~7回では、コミュニケーションが対人関係とどのように関わっているのかについて学ぶ(第Ⅱ部)。第9~14回では、犯罪やトラブルとコミュニケーションの関連に焦点を当て、犯罪の予防にコミュニケーションがどのように作用するのかについて考えていく(第Ⅲ部)。なお、第8回は第Ⅰ部、第Ⅱ部の内容を、第15回は第Ⅲ部の内容を復習し、まとめるためのコマとする。
第2回では、第1回で紹介したコミュニケーションの分類のうち、言語コミュニケーションに焦点を当て、言語コミュニケーションのルール、プロセスについて紹介する。

細目レベル①
辻大介・是永論・関谷直也(著)(2019).コミュニケーション論をつかむ p.12-20, 有斐閣

細目レベル②
岡本真一郎(著)(2010). ことばの社会心理学第4版 p.1-22, ナカニシヤ出版

岡野雅雄(編著)わかりやすいコミュニケーション学ー基礎から応用までー p.1-30, 三和書籍

細目レベル③
岡本真一郎(著)(2010). ことばの社会心理学第4版 p.1-22, ナカニシヤ出版

辻大介・是永論・関谷直也(著)(2019).コミュニケーション論をつかむ p.12-20, 有斐閣
コマ主題細目 ① 言葉とコミュニケーション ② 言語コミュニケーションのルール ③ 言語の機能
細目レベル ① 人以外の動物で、群れでつくる動物では、天敵や捕食者を見つけたとき、警報音声を発して危険を知らせることがある。動物の警報音声は、恐怖から叫び声をあげているのではなく、どのような敵や危険が迫っているかを区別して、情報を伝達している。こういった動物の「ことば」と人の言語の違いは、動物の「ことば」が特定の状況と密着していることが挙げられる。動物の「ことば」は人間の言語に比べると、応用の範囲や柔軟性が限られる。一方で人間の言語は文法を持ち、さまざまな状況で柔軟に言語を使用することができる。
 しかし、人は様々な言語をもっている。対象や概念の間に自然な区別があって、ことばはそれに貼り付けられたラベルのように考えられるかもしれないが、そうではない。ことばには、単なるラベルという以上に対象や概念をどう切り分けて区別するかを決める働きがある。この考え方は構成主義言語学によるものである。ことばを理解することは、その言語文化において世界がどう切り分けられ、捉えられているかを知ることでもある。身に着けた言語が違うと、認知・思考そのものが変わってくるのではないかと考えるのが言語相対性仮説(サピア・ウォーフ仮説)である。この仮説を実証する研究が進められており、いくつか肯定的な知見が示されている一方で、否定的あるいは言語相対性の影響は限定的とする研究も多い。

② 言語を伝えるために、会話は話し手、聞き手の協同作業とも捉えることができる。言語哲学者のグライスは協調の原理を提唱している。協調の原理とは、「あなたの会話を、それが生じる会話の段階において会話の目的や方向が要求するようなものであるようにせよ」というものである。この協調の原理に基づいて、会話には基本的な原則があらわれることになる。コミュニケーションが共同作業だとすると、そこには伝達に関するなんらかのルールが、理解され共有されている必要がある。このコミュニケーションのルールについてグライスは、以下のような会話の原則を指摘している。その会話の原則は(1)量の原則、(2)質の原則、(3)関係の原則、(4)話し方の原則である。コミュニケーションは、相手がこれらのルールを守りながら情報のやり取りをしているはずだという互いの信頼と推論のうえに成り立っている。

③ 言語の機能は情報伝達だけではない。ここでは、言語の機能について言語行為論を中心に説明していく。言語行為論では、ことばを行為として考察する。従来の考え方では、ことばはもっぱら外界の物事を写し取ったり、内面の思考や概念、感情を表現したりするものと考えられてきた。一方で、ことばの意味をその使用・用法という観点から捉えなおしたのはウィトゲンシュタインであった。のちに哲学者のオースティンがその観点を引き継ぎながらより体系だった言語行為論を展開していった。
言語行為論では、発話がどのような事柄・内容を表しているかとは別に、どのような行為として行われているかに着目する。同じ内容を表す発話であっても、状況が異なると別の行為になりうる。このように、行為としてのことばはコミュニケーションの場面と密接に関係するものであり、コミュニケーションを分析するための基本的な視座の一つとなっている。言語行為論における分析の基礎を成すのは、発話行為、発話内行為、発話媒介行為という3つの位相の区別である。また、人の言語は、文字通りの言葉を伝えていない場合があり、このような、文脈に依存した言語現象を扱う領域を「語用論」とよぶ。

キーワード ① 構成主義言語学、言語相対性仮説(サピア・ウォーフ仮説) ② 協調の原理、推論 ③ 言語行為論、語用論
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】本コマ(第2回)の復習として,LMS上にアップロードされたコマ用オリジナル配布資料を読み返す。第2回においては,言語コミュニケーションのルール、言語の機能について理解することが重要であるため,これらに関する説明を自分なりの言葉で説明できるようにまとめておく。特に、言語がコミュニケーションにおいてどのような機能を果たしているのかについて復習しておくことが望ましい。
【予習】この復習をふまえて,予習として第3回のコマシラバスを読んで概要を理解しておく。また、コマシラバスを読むなかで、わからない用語があればあらかじめ下線を引く、関連書籍を読むなどして、講義中で理解できるようにしておく。

3 非言語コミュニケーション(1) 科目の中での位置付け 本科目では、対人関係の基礎であるコミュニケーションを心理学的観点から学び、犯罪やトラブルの予防にコミュニケーションがどのように関わるのかを理解することを目的とする。具体的には、第1~4回で、コミュニケーションの基礎や捉え方について学び(第Ⅰ部)、第5~7回では、コミュニケーションが対人関係とどのように関わっているのかについて学ぶ(第Ⅱ部)。第9~14回では、犯罪やトラブルとコミュニケーションの関連に焦点を当て、犯罪の予防にコミュニケーションがどのように作用するのかについて考えていく(第Ⅲ部)。なお、第8回は第Ⅰ部、第Ⅱ部の内容を、第15回は第Ⅲ部の内容を復習し、まとめるためのコマとする。
第3回では、第1回で紹介したコミュニケーションの分類のうち、非言語コミュニケーションに焦点を当て、非言語コミュニケーションの重要性や特徴について紹介する。続いて、非言語コミュニケーションのうち、動作行動、身体特徴、接触行動について学ぶ。

細目レベル①
岡本真一郎(編)(2023).コミュニケーションの社会心理学 p.29-42, ナカニシヤ出版

細目レベル②
岡本真一郎(編)(2023).コミュニケーションの社会心理学 p.29-42, ナカニシヤ出版

大坊郁夫(著)(1998).しぐさのコミュニケーションー人は親しみをどう伝えあうかー p.29-60サイエンス社

細目レベル③
V・P・リッチモンド、J・C・マクロスキー(著)山下耕二(編訳)(2006).非言語行動の心理学ー対人関係とコミュニケーション理解のためにー p.15-36, 北大路書房

細目レベル④
V・P・リッチモンド、J・C・マクロスキー(著)山下耕二(編訳)(2006).非言語行動の心理学ー対人関係とコミュニケーション理解のためにー p.145-163, 北大路書房
コマ主題細目 ① 非言語コミュニケーションの重要性と種類 ② 身体動作 ③ 身体特徴 ④ 接触行動
細目レベル ① コミュニケーションというと、会話や言語の印象を持つかもしれないが、コミュニケーションにおいては非言語のメッセージも重要となる。ここでは、非言語コミュニケーションとはどのようなものがあるか、どのような機能を持っているのか、なぜ重要なのかについて理解する。非言語行動は、私たちの祖先が言語を使用する前から存在する、コミュニケーションの起源といえる。非言語行動は、人間の多様な行動の一部であり、伝達的なメッセージを形成する可能性をもつ。他者がその行動をメッセージとして解釈し、それに意味を帰属させた場合、非言語行動は非言語コミュニケーションとなる。非言語コミュニケーションは、言語コミュニケーションに比べて自動的に生起しやすく、意識的な制御が難しいと言われる。
② ここでは、非言語コミュニケーションの一つである動作行動について紹介する。動作行動とは、ジェスチャー、顔の表情、目の動き、身体や手足の動きのようなものを指す。野球選手でいえば、ピッチャーが大事な場面で三振を獲ったときにみせるガッツポーズ、会話のなかで話題に対する驚きを表すために、目を大きく見開く動作、あるいは、ありふれたOKサインや写真を撮るときのVサインも、動作行動である。顔の表情は感情伝達の重要なチャネルである。エクマンらは、国際比較研究から、喜び・悲しみ・怒り・嫌悪・・恐怖・驚きの6つの感情を基本感情と呼び、対応する表情は世界中の様々な国で正確に認識される、普遍的な表情だと報告している。また、「目は口ほどにものを言う」ということわざにもあるとおり、視線はコミュニケーションにおいて大きな影響力をもつ。バロン・コーエンらは他者の複雑な心理状態を判断する際に非言語でも目が有効だと指摘している。ナップらは視線の機能として、「コミュニケーションの流れの制御」「フィードバックのモニタリング」「認知活動の反映」「感情表出」「対人関係の性質の伝達」を挙げている。
③ ここでは、非言語コミュニケーションの一つである身体特徴について紹介する。身体特徴というのは、体型、身長、体重、頭髪、皮膚の色などのことを指す。髪を染める、スキンヘッドにする、タトゥーをいれるといったことなどは、そのことだけで周りに何らかのメッセージを発していることになる。また、多くの場合はすぐに変化させることができないような身長や体重、皮膚の色も非言語コミュニケーションとなる。例えば、身長は権力や支配と関係があり、身長が高い人は、他人の上に立ち、支配しているかのように見える。その人の外見は、一つのメッセージである。皮膚の色に関しては、偏見との結びつきが強いことが指摘されており、当事者がメッセージを伝える意図がなくとも偏見によって誤ったメッセージが伝わってしまう可能性をはらんでいる。
④ ここでは、非言語コミュニケーションの一つである接触行動について紹介する。また、接触行動の具体的な例について考え、これらが発するメッセージの影響について学んでいく。接触行動とは、子どもの頭をなでる、久しぶりに会った人同士が挨拶として抱き合う、握手する、といった身体的な接触が伴う動作を指す。接触は、コミュニケーションのための豊かで強力なツールとなり、動物や人の生存や通常の発達にとって、きわめて重大なものである。さらに、接触は気持ちや感情を伝えるための効果的な手段であるため、非常に重要である。身体接触は、好意や受容の信号である。これに対して、接触を抑制することは否定的なメッセージを伝えることがあり、状況や相手に応じて用いる必要がある。講義では、私たちが日常生活で接触行動を行う場面について振り返っていく。
キーワード ① 非言語コミュニケーション ② 動作行動、ジェスチャー、視線、表情 ③ 身体特徴 ④ 接触行動
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、LMS上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】本コマ(第3回)の復習として,LMS上にアップロードされたコマ用オリジナル配布資料を読み返す。第3回においては,非言語コミュニケーションの概要、動作行動、身体特徴、接触行動について理解することが重要であるため,それぞれを日常生活で用いる場面について振り返って書き出す。第四回でも非言語コミュニケーションについて扱うため、非言語コミュニケーションの重要性や種類について理解しておくことが第4回の講義においても重要である。
【予習】この復習をふまえて,予習として第4回のコマシラバスを読んで概要を理解しておく。また、コマシラバスを読むなかで、わからない用語があればあらかじめ下線を引く、関連書籍を読むなどして、講義中で理解できるようにしておく。

4 非言語コミュニケーション(2) 科目の中での位置付け 本科目では、対人関係の基礎であるコミュニケーションを心理学的観点から学び、犯罪やトラブルの予防にコミュニケーションがどのように関わるのかを理解することを目的とする。具体的には、第1~4回で、コミュニケーションの基礎や捉え方について学び(第Ⅰ部)、第5~7回では、コミュニケーションが対人関係とどのように関わっているのかについて学ぶ(第Ⅱ部)。第9~14回では、犯罪やトラブルとコミュニケーションの関連に焦点を当て、犯罪の予防にコミュニケーションがどのように作用するのかについて考えていく(第Ⅲ部)。なお、第8回は第Ⅰ部、第Ⅱ部の内容を、第15回は第Ⅲ部の内容を復習し、まとめるためのコマとする。
第4回では、第1回で紹介したコミュニケーションの分類のうち、非言語コミュニケーションに焦点を当て、パラ言語、近接学、人工品について学ぶ。さらに、これらの非言語コミュニケーションは言語コミュニケーションや複数の非言語コミュニケーションを組み合わせて使用されていること、非言語コミュニケーションに関する能力に個人差があることを理解する。

細目レベル①
マジョリー・F・ヴァ―ガス(著)石丸正(訳)(1987). 非言語コミュニケーション p.96-107, 新潮選書

細目レベル②
マジョリー・F・ヴァ―ガス(著)石丸正(訳)(1987). 非言語コミュニケーション p.135-169, 新潮選書

細目レベル③
V・P・リッチモンド、J・C・マクロスキー(著)山下耕二(編訳)(2006).非言語行動の心理学ー対人関係とコミュニケーション理解のためにー p.37-49, 北大路書房

細目レベル④
岡野雅雄(編著)わかりやすいコミュニケーション学ー基礎から応用までー p.50-53, 三和書籍
コマ主題細目 ① パラ言語 ② 近接学 ③ 人工品 ④ 非言語コミュニケーション能力
細目レベル ① ここでは、非言語コミュニケーションの一つであるパラ言語について学ぶ。言語的な意味内容を伴わない音声情報、たとえば声の大きさや高さ、抑揚、テンポ、さらには「間」の置き方から咳払いやため息に至るまで、意味や意図を伝える手段はたくさんある。これらはパラ言語または近言語と呼ばれ、特に感情表出の道具として重要である。声は聞こえているが相手が見えない電話の場合でも、その電話の声で相手の性別や年齢、感情が推測できる。これは、パラ言語を聞いて人々がそれらを判断しているかである。会話には、言葉によるメッセ―ジとパラ言語によるメッセージがあり、両者が食い違うこともある。講義では、同じ言語メッセージであっても、パラ言語の用い方によって解釈のされ方が異なることを学ぶ。
② ここでは、非言語コミュニケーションの一つである近接学について学ぶ。人は他人と空間を共有する必要があり、理解していてもいなくても、人は多くの時間をその空間の交渉に使っている。人が空間とともにコミュニケートする方法に関する研究は、近接学(proxemics)と呼ばれる。具体的な例を挙げると、座席の決め方や会話の時の距離などのことを指す。状況や相手との関係性によって拡大・収縮する、人を囲む不可視の空間をパーソナルスペースとよぶ。ホールによれば、相手との関係性によってどのくらい他者に近づくかという空間行動が異なる。より親密な関係にある者がとる距離から順番に、密接距離、個体距離、社会距離、公衆距離に分類される。空間やテリトリーの使い方は、文化と強い関係がある。
③ ここでは、非言語コミュニケーションの一つである人工品について学ぶ。人工品とは、メガネ、かつら、衣服、口紅、香水、持ち物などのことを指し、これらは非言語メッセージとなりうる。例えば、強い香水をつけて街を歩いていると、それだけでメッセージを発していることになる。服装も一つのメッセージである。スーツにネクタイという服装をしていれば、ビジネスマンであるといったメッセージを周りの人に対して与えていることになる。また、衣服の着方も多くの情報を与える。衣服についてのメッセージの大部分は、無意識のうちに伝達される。同様に、他人の服装が意味を持つということに気づくことなく、他人から多くのメッセージを受け取っている。
④ 非言語コミュニケーションのまとめとして、非言語コミュニケーション能力とその個人差について学ぶ。非言語コミュニケーションによって、あるメッセージを送ったときに、そのメッセージを正しく理解する人もいるが、全く気付かない人もいる。さらに、非言語コミュニケーションが上手な人とそうでない人がいる。つまり、非言語コミュニケーション能力には個人差がある。具体的には、非言語コミュニケーション能力は、ノンバーバル感受性、ノンバーバル表出性、ノンバーバルコントロールに分けられる。また、最後に身体特徴や人工品などの非言語コミュニケーションからその人のすべてを理解しようとすること、非言語的メッセージのみで判断することの危険性についても説明する。
キーワード ① パラ言語 ② 近接学(proxemics)、パーソナルスペース ③ 人工品 ④ 非言語コミュニケーションスキル
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、LMS上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】本コマ(第4回)の復習として,LMS上にアップロードされたコマ用オリジナル配布資料を読み返す。第4回においては,パラ言語、近接学、人工品、環境要因、非言語コミュニケーションスキルについて理解することが重要であるため,これらに関する説明を自分なりの言葉で説明できるようにまとめておく。また、親密な対人関係を構築したい場合に、どのような非言語コミュニケーションを用いているか、どのような非言語コミュニケーションを用いることが効果的であるかについて振り返っておく。
【予習】この復習をふまえて,予習として第5回のコマシラバスを読んで概要を理解しておく。また、コマシラバスを読むなかで、わからない用語があればあらかじめ下線を引く、関連書籍を読むなどして、講義中で理解できるようにしておく。

5 コミュニケ―ションと対人関係 科目の中での位置付け  本科目では、対人関係の基礎であるコミュニケーションを心理学的観点から学び、犯罪やトラブルの予防にコミュニケーションがどのように関わるのかを理解することを目的とする。具体的には、第1~4回で、コミュニケーションの基礎や捉え方について学び(第Ⅰ部)、第5~7回では、コミュニケーションが対人関係とどのように関わっているのかについて学ぶ(第Ⅱ部)。第9~14回では、犯罪やトラブルとコミュニケーションの関連に焦点を当て、犯罪の予防にコミュニケーションがどのように作用するのかについて考えていく(第Ⅲ部)。なお、第8回は第Ⅰ部、第Ⅱ部の内容を、第15回は第Ⅲ部の内容を復習し、まとめるためのコマとする。
 第5回では、第1~4回で学んだコミュニケーションの基礎をもとに、対人関係におけるコミュニケーションについて取り上げる。具体的には、コミュニケーションの同期、対人関係の親密化プロセスについて紹介する。

細目レベル①
大坊郁夫(著)(1998).しぐさのコミュニケーションー人は親しみをどう伝えあうかー p.136-155, サイエンス社

細目レベル②
相川充・高井次郎(編著)(2010). コミュニケーションと対人関係 p.98-109, 誠信書房

細目レベル③
相川充・高井次郎(編著)(2010). コミュニケーションと対人関係 p.190-210, 誠信書房
コマ主題細目 ① コミュニケーションの同調 ② 対人関係の親密化プロセス ③ ソーシャルサポート
細目レベル ① 対人関係において、コミュニケーションは欠かせない要素であり、私たちはコミュニケーションを通じて、対人関係を形成していく。対人コミュニケーションの過程では、相手が自分の発言をどう受け取ったのかを知ることによって、後の発言は大きく影響される。そのような例として、対人関係が良好な時な対人関係を進展させたい時に現れる、会話者間の非言語行動の協調現象がある。この現象は、同調傾向(シンクロニー)とよばれ、主に二者間でのコミュニケーションにおいて非言語行動のリズムやタイミングが収束することを指す。話すスピードや発話量が自分と他者でだんだん似たようなパターンになることは普段の会話でも経験しうることである。また、コミュニケーションの中で相手と同じ感情が生じることは情動伝染とよばれる。これらの現象は、コミュニケーションが一方向的なものではなく、相互作用によって進行していることを指している。
② 対人関係はまず出会う段階から始まり、さらにそこから親密になっていくためにはいくつのかの要因が関係している。対人関係の親密化に関してはコミュニケーションのスキル、すなわちソーシャルスキルが重要な役割を果たしている。関係を深めるには相手での言動を解読して意図や動機を推測し、その相手との関係を継続するかどうかの意思決定を行い、対人反応を実行することが求められる。そして具体的に必要とされるコミュニケーションスキルは対人関係の段階によってことなる。各段階で必要なソーシャルスキルが適切に発揮されれば、その関係は進化して次の段階に進んでいく。コミュニケーションは対人関係の進展と大きくかかわっているといえる。
③ 対人関係に関連した概念としてソーシャルサポートがある。ソーシャルサポートは他者から得られるさまざまな援助のことを指す。ソーシャルサポートの内容には、共感するなどの情緒的サポート、お金や物を貸してあげるなどの道具的サポート、情報や知識を提供する情報的サポート、行動や業績にふさわしい評価を与える評価的サポートがある。ソーシャルサポートが心身の健康に及ぼす影響については数多くの研究が行われており、もっとも注目を集めてきたのはストレス緩衝効果である。ストレッサーが小さい場合にはソーシャルサポートの影響は少ないが、ストレッサーが大きい場合にはソーシャルサポートの影響が大きくなるというものである。つまり、ストレッサーを多く経験した場合にソーシャルサポートが不十分であれば疾病や不健康状態のリスクが高まり、ソーシャルサポートが十分にあれば疾病や不健康状態に陥りにくくなる。

キーワード ① 同町傾向(シンクロニー)、情動伝染 ② ソーシャルスキル ③ ソーシャルサポート、ストレス緩衝効果
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、LMS上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】本コマ(第5回)の復習として,LMS上にアップロードされたコマ用オリジナル配布資料を読み返す。第5回においては,コミュニケーションの同調、対人関係の親密化プロセス,、ソーシャルサポートについて理解することが重要であるため,これらに関する説明を自分なりの言葉で説明できるようにまとめておく。第六回では、対人関係の構築おいて重要なコミュニケーションである自己開示を扱うため、親密化のプロセスについて理解しておくことが望ましい。
【予習】この復習をふまえて,予習として第6回のコマシラバスを読んで概要を理解しておく。また、コマシラバスを読むなかで、わからない用語があればあらかじめ下線を引く、関連書籍を読むなどして、講義中で理解できるようにしておく。

6 自己開示・自己呈示 科目の中での位置付け  本科目では、対人関係の基礎であるコミュニケーションを心理学的観点から学び、犯罪やトラブルの予防にコミュニケーションがどのように関わるのかを理解することを目的とする。具体的には、第1~4回で、コミュニケーションの基礎や捉え方について学び(第Ⅰ部)、第5~7回では、コミュニケーションが対人関係とどのように関わっているのかについて学ぶ(第Ⅱ部)。第9~14回では、犯罪やトラブルとコミュニケーションの関連に焦点を当て、犯罪の予防にコミュニケーションがどのように作用するのかについて考えていく(第Ⅲ部)。なお、第8回は第Ⅰ部、第Ⅱ部の内容を、第15回は第Ⅲ部の内容を復習し、まとめるためのコマとする。
 第6回では、第1~4回で学んだコミュニケーションの基礎、第5回で学んだ対人関係におけるコミュニケーションの役割をもとに、対人関係で重要な役割を果たす自己開示、自己呈示を取り上げる。自己についてのメッセージを発信することが対人関係においてどのような意味を持つのかについて学んでいく。

細目レベル①
藤田依久子(著)(2022).対人コミュニケーション入門 p.91-96, ナカニシヤ出版

齊藤勇(著)(2023). イラストレート社会心理学 p.158-162, 誠信書房

細目レベル②③
藤田依久子(著)(2022).対人コミュニケーション入門 p.96-99, ナカニシヤ出版

齊藤勇(著)(2023). イラストレート社会心理学 p.56-60, 誠信書房

コマ主題細目 ① 自己開示 ② 主張的自己呈示 ③ 防衛的自己呈示
細目レベル ① 対人関係の形成・発展には自己開示のメカニズムが深く影響を及ぼしている。自己開示とは、自分の印象を操作することなく、他者に自分のことを打ち明けることである。ここでは、この自己開示に焦点を当て、自己開示の機能や対人関係への影響について紹介する。自己開示をされると、自分も自己開示をする傾向があり、これを自己開示の返報性という。お互いに自己開示をすることにより相手との関係性は親密度を増していく。自己開示の機能として、カタルシス(感情浄化)機能、自己明確化機能、社会的妥当化機能、二者関係発展機能、社会的統制機能を紹介する。また、社会的浸透理論を紹介しながら、自己開示と対人関係との関連について学んでいく。

② 自己開示と似たコミュニケーションの一つとして、自己呈示というものがある。自己開示は、ありのままの自分を開示することによって、自分自身をより深く知ってもらおうとする動機に基づくが、自己呈示は、自分をこのように見せたい、見てもらいたいという目的をもって印象を操作することである。対人関係においてわれわれは、相手に対し自分を良く見せたいとか、自分の悪い面は見せたくないと思うため、自分自身を演出することがある。われわれはいわば「仮面」を被った自己の姿を他者に見せることを意識的、無意識的に行っている。ここでは、自己呈示について日常的な対人場面に基づいて理解を深めていく。自己呈示を行う場面において、自分が自己呈示をしている、ということをそれほど意識していないかもしれないが、明らかにその行為は自己呈示であり、われわれの日常生活のなかで、ごく当たり前に行われている。
自己呈示は、主張的自己呈示と防衛的自己呈示に分離される。主張的自己呈示とは、それによって他者から何らかの利益を得ることを目的として行われる自己呈示である。講義では、ジョーンズらの印象操作の分類に基づき、取り入り、自己宣伝、示範、威嚇、哀願についてそれぞれ紹介する。取り入りとは、相手に好感をもたれることを目的として、相手の意見に同調したり、お世辞を言ったりすることである。自己宣伝とは、自分が有能な人間であると見られることを目的として、自慢したりすることである。示範とは、自分が人格者であると見られることを目的として自己犠牲をしてでも献身的に振る舞うことである。威嚇とは、したがわなければ攻撃される、といった恐怖感を相手に与えることによって、自分には力があるということを示すことである。哀願は、自分は不幸な人間であると見られることを目的として自ら失敗して見せ、相手の同情を得ようとすることである。なかでも、特に威嚇は相手に恐怖感を与えるコミュニケーションの一つであり、恐喝といった犯罪と関連する。

③ ここでは、自己呈示のもう一つの分類である防衛的自己呈示について取り上げる。防衛的自己呈示は、自分にとって都合が悪い状況やそれが予想される場合に、自分の評価を守るために行われる自己呈示である。防衛的自己呈示には、謝罪、弁解、正当化、セルフ・ハンディキャッピングが含まれる。自己呈示行動の典型としてセルフ・ハンディキャッピングを紹介する。自分が成功するか失敗するかわからないような場合に、その結果が出る前に、自分に不利な条件があることを他者に伝えたり、不利な条件をわざと作りだしたりすることである。例えば、テストの前に「昨日は風邪をひいて準備が全然できなかった」などの主張をすることがセルフ・ハンディキャッピングである。これは、他者に対して事前にハンディキャップとなるような状況を意図的に作り出すことによって、他者からの悪い印象や評価を回避しようとすることである。セルフ・ハンディキャッピングは適切な範囲で行って入ればそれほど問題ではないが、過度に使用すると、円滑な人間関係の妨げとなることがある。

キーワード ① 自己開示、ジョハリの窓、返報性、社会的交換理論 ② 自己呈示、主張的自己呈示 ③ 防衛的自己呈示、セルフ・ハンディキャッピング
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、LMS上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】本コマ(第6回)の復習として,LMS上にアップロードされたコマ用オリジナル配布資料を読み返す。第6回においては,自己開示、自己呈示について理解することが重要であるため、これらに関する説明を自分なりの言葉で説明できるようにまとめておく。さらに、印象操作がどのように犯罪と関わるのかについて振り返る。また、親密な対人関係を構築したい場合に、どのように自己開示あるいは自己呈示を用いているかについて振り返っておく。
【予習】この復習をふまえて,予習として第7回のコマシラバスを読んで概要を理解しておく。また、コマシラバスを読むなかで、わからない用語があればあらかじめ下線を引く、関連書籍を読むなどして、講義中で理解できるようにしておく。

7 アサーション 科目の中での位置付け 本科目では、対人関係の基礎であるコミュニケーションを心理学的観点から学び、犯罪やトラブルの予防にコミュニケーションがどのように関わるのかを理解することを目的とする。具体的には、第1~4回で、コミュニケーションの基礎や捉え方について学び(第Ⅰ部)、第5~7回では、コミュニケーションが対人関係とどのように関わっているのかについて学ぶ(第Ⅱ部)。第9~14回では、犯罪やトラブルとコミュニケーションの関連に焦点を当て、犯罪の予防にコミュニケーションがどのように作用するのかについて考えていく(第Ⅲ部)。なお、第8回は第Ⅰ部、第Ⅱ部の内容を、第15回は第Ⅲ部の内容を復習し、まとめるためのコマとする。
第7回では、第1~4回で学んだコミュニケーションの基礎をもとに、特に言語コミュニケーションにおいてメッセージを送り手から聞き手が受け取る際の受け止め方である「きく」ということや共感について取り上げる。また、主張や気持ちの表明において重要な考え方となるアサーションについて紹介する。

細目レベル②
平木典子(2021)三訂版アサーション・トレーニングーさわやかな自己表現のためにー p.16-105, 日本・精神技術研究所

細目レベル③
平木典子(2021)三訂版アサーション・トレーニングーさわやかな自己表現のためにー p.110-191, 日本・精神技術研究所
コマ主題細目 ① 「きく」とは ② 共感 ③ アサーション ④ アサーショントレーニング
細目レベル ① ここでは、コミュニケーションの受け手の行為として、「きく」という行為について取り上げる。「きく」には聞く、訊く、聴くの3つの違いがあると言われている。新聞の「聞」という字を使う「聞く」は、新聞や雑誌を読むのと同じように、たくさんある情報の中から重要なところだけに注目して情報を拾う聞き方のことを指す。「訊く」は、特定のあることに限定して、質問する場合の訊き方のことを指す。なかでも心の支援に用いられる「聴く」は傾聴の聴である。しっかり人と関わる際に、その人の心に寄り添い、耳を傾け、能動的に聴くときの聴き方を指す。私たちは、無意識にこの3つの「きく」を取り入れながら、日常でコミュニケーションをとっている。それは、きき方としてそれぞれの目的に沿った行為といえる。さらに、どのように「きいているか」について、きき方を伝えるメッセージについても考えていく。
② ここでは、円滑なコミュニケーションを行ううえで重要となる「共感」について学ぶ。共感とは、自分がその人だったら、または、自分がこの人の立場だったらこんな場面でこんな気持ちになるんだろうななどとその人の思いを理解することによってもたらされる感情的な反応である。共感は、同調や同情とは異なり、自分の立場から、話し手のことを理解することであり、感情の源は自分自身のものではない。対人援助職、例えば相談員においては、共感が重要となるが、共感疲労や燃え尽き症候群になってしまうことがあり、そのような共感のネガティブな側面についても学んでいく。また、犯罪者は共感性が欠如していること、一方で共感性が高いからこそ犯罪に至ることも報告されており、犯罪と共感性との関連についても紹介する。
③ ここでは、自身の考えや気持ちを表明し、伝えるスキルであるアサーションについて学ぶ。アサーションとは、たとえ価値観や状況、環境などが違う相手とも、対等な気持ちで対話をすることを意味する。対等とは、相手を尊重し、思いや考え方をしっかり聴き受けた上で、自分の思いもしっかり伝え合う関係である。もし自分と意見が違ったり、同意できないことがあった場合にも、相手を敬い、不快な思いにさせないように、自分の考えを伝える技術である。自分の意見だけを強く主張してしまったら、相手とはよい関係にはなれない。また、お互いが自己の主張ばかりしている場合は、折り合いもつかずよい関係を築くことはできない。反対に、相手の言い分を聞き受けすぎて、本音では同意できていなくても、いつも我慢して相手の主張ばかり聞き受けていたら、これは非主張型のコミュニケーションとなる。アサーティブなコミュニケーションでは、自分も他者も大切にした考え方にもとづいてコミュニケーションが行われる。
④ 細目レベル③で学ぶアサーションを実生活で活用し、円滑な対人関係の構築を目指すためのトレーニングをアサーション・トレーニングとよぶ。アサーション・トレーニングでは、自己表現を3つのタイプに分けて理解する。3つとは、「非主張的な自己表現」「攻撃的な自己表現」「アサーティブな自己表現」である。これら3つの自己表現があることをふまえて、アサーション・トレーニングでは、相互尊重のコミュニケーションの考え方と進め方を体験する。それによって、日ごろの人づきあいを見直し、自分らしさ、相手らしさをみとめ合って、親密で豊かな人間関係を結ぶ道を探っていく。アサーション・トレーニングは学校領域や医療領域、そして司法領域でも活用されている。ここでは、具体的なアサーション・トレーニングのスキルとしてDESC法について紹介する。
キーワード ① 傾聴 ② 共感 ③ アサーション ④ アサーショントレーニング、DESC法
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、LMS上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】本コマ(第7回)の復習として,LMS上にアップロードされたコマ用オリジナル配布資料を読み返す。第7回においては,傾聴、共感、アサーションについて理解することが重要であるため、これらに関する説明を自分なりの言葉で説明できるようにまとめておく。共感のネガティブな側面とはどのような面か、自己表現にはどのような種類があるか、アサーショントレーニングとはどのような考え方に基づいているかについて理解していることが望ましい。
【予習】この復習をふまえて,予習として第9回のコマシラバスを読んで概要を理解しておく。また、コマシラバスを読むなかで、わからない用語があればあらかじめ下線を引く、関連書籍を読むなどして、講義中で理解できるようにしておく。

8 まとめ(1) 科目の中での位置付け 本科目では、対人関係の基礎であるコミュニケーションを心理学的観点から学び、犯罪やトラブルの予防にコミュニケーションがどのように関わるのかを理解することを目的とする。具体的には、第1~4回で、コミュニケーションの基礎や捉え方について学び(第Ⅰ部)、第5~7回では、コミュニケーションが対人関係とどのように関わっているのかについて学ぶ(第Ⅱ部)。第9~14回では、犯罪やトラブルとコミュニケーションの関連に焦点を当て、犯罪の予防にコミュニケーションがどのように作用するのかについて考えていく(第Ⅲ部)。なお、第8回は第Ⅰ部、第Ⅱ部の内容を、第15回は第Ⅲ部の内容を復習し、まとめるためのコマとする。
 第8回では、第Ⅰ部コミュニケーションの基礎、第Ⅱ部コミュニケーションと対人関係の内容を復習し、さらに理解を深める。また、これまでの内容の応用として、文化とコミュニケーションの関わり、異文化コミュニケーションについて学んでいく。

細目レベル③
相川充・高井次郎(編著)(2010). コミュニケーションと対人関係 p.59-74, 誠信書房

細目レベル④
岡野雅雄(編著)わかりやすいコミュニケーション学ー基礎から応用までー 三和書籍
コマ主題細目 ① コミュニケーションの基礎 ② コミュニケーションと対人関係 ③ コミュニケーションと文化 ④ 異文化コミュニケーション
細目レベル ① 第1~4回の内容に基づき、コミュニケーションの定義やモデル、言語コミュニケーション、非言語コミュニケーションについて復習を行う。コミュニケーションとは、言葉で表現された内容を正確に伝え、理解する事だけを指すものではない。会話ひとつを例にとっても、言語コミュニケーションと非言語コミュニケーション、あるいはその人のおかれた立場や役割までをも考慮しながら、感情の状態や意図を推察することが聞き手には求められる。コミュニケーションは「情報の伝達」と一言で言っても、そのプロセスは複雑であり、コミュニケーションのプロセスを示すモデルはいくつか存在する。ここでは、シャノンとウィーバーによるコードーメッセージ図式などについて復習する。また、コミュニケーションに関する心理学的研究ではどのような手法が用いられているのかについて、論文をもとに紹介していく。
② 第5~7回の内容に基づき、コミュニケーションと対人関係、自己開示・自己呈示、アサーション、共感について復習を行う。対人関係におけるコミュニケーションは、非言語行動の同調(シンクロニー)や感情の共有(情動伝染)を通じて相互的に進展し、関係の深化にはソーシャルスキルが重要となる。さらに、他者からの援助であるソーシャルサポートは、特にストレスの多い状況下で心身の健康を支える効果がある。対人関係の深化には自己開示も欠かせず、返報性によって親密さが増す。対して、自己を意図的に演出する自己呈示には、主張的自己呈示と防衛的自己呈示の2種類がある。自己と相手を尊重しながら自分の意見を表現するアサーションは、対等な関係を築くための技術であり、アサーション・トレーニングによって円滑で豊かな人間関係の構築が目指される。
③ ここでは、文化とコミュニケーションの関わりについて説明をしていく。ホールは、コミュニケーションにおける文化的コンテクストへの依存に着目し、世界にある様々な文化を「高コンテクスト(High Context: HC)」あるいは「低コンテクスト(Low Context: LC)」なコミュニケーションをもつと分類している。例えば高コンテクストの文化になるほど、言語コードではなくその会話がなされた状況や文脈、非言語行為等に一層依存することになる。「あれとって」「この間あそこに行ったんだって」「いつものでお願いします」のように主語を脱落させたり、対象語(指示対象)を曖昧にしたりしても、意思が疎通できてしまうよな関係性に依存するコミュニケーションである。一方、低コンテクストになるほど、意味の伝達や解釈がコンテクストによってではなく、言語コードに一層依拠することになる。例えば主語を脱落させることはなく、指示対象となるものについても「あれ」「それ」よりは具体的に言語化することで、より誤解をなくし、仲間内以外の誰にでもある程度伝わるようなコミュニケーションである。文化によってコミュニケーションの様相が異なることが知られている。ここでは、コミュニケーションにおいてどのような文化差があるのかについて学ぶ。例えば、個人主義社会では低コンテクストのコミュニケーション様式が顕著にみられる。個人主義社会はその背景に民族や流動性による多様性があるため、共通のコードでお互いに話す必要があるのに対し、集団主義社会はお互いが共有している情報が多く、コンテクストに依存したコードが使われる。また、より具体的な視点で考えると、ジャスチャー一つとっても文化によって伝えるメッセージの意味が異なる。
④ ここでは、異なる文化背景をもつもの同士が接触する際にどのようなことが起こるのかについて説明をしていく。これまで学んできたように、文化が異なるとコミュニケーションの様式も異なる。異文化コミュニケーションで発生するコミュニケーション・ギャップの多くは文化的な価値観や世界観の相違から生じる。異文化コミュニケーションで起こる問題を解決するためには、コミュニケーションを行う相手がどのような価値観をもってコミュニケーションを行っているのか、コミュニケーター同士の文化的価値観にはどのような違いがあるのかを理解する必要がある。このような課題を乗り越えるための方略として、異文化間能力という研究分野がある。異文化間能力とは、自らとは異なる基準や文化背景を持つ人と関係を築くことができる能力や資質の総称である。
キーワード ① コミュニケーション、言語コミュニケーション、非言語コミュニケーション ② 自己開示、自己呈示、アサーション、共感 ③ 文化、コンテクスト ④ 異文化コミュニケーション
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、LMS上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】本コマ(第8回)の復習として,LMS上にアップロードされたコマ用オリジナル配布資料を読み返す。第8回においては,第1~7回で学んだ内容について復習し理解を深めることが重要である。また、応用的内容として文化とコミュニケーションの関係、異文化間でのコミュニケーションについて、専門用語を中心にまとめる。
【予習】この復習をふまえて,予習として第9回のコマシラバスを読んで概要を理解しておく。また、コマシラバスを読むなかで、わからない用語があればあらかじめ下線を引く、関連書籍を読むなどして、講義中で理解できるようにしておく。

9 コミュニケーションの破綻 科目の中での位置付け 科目の中での位置付け 本科目では、対人関係の基礎であるコミュニケーションを心理学的観点から学び、犯罪やトラブルの予防にコミュニケーションがどのように関わるのかを理解することを目的とする。具体的には、第1~4回で、コミュニケーションの基礎や捉え方について学び(第Ⅰ部)、第5~7回では、コミュニケーションが対人関係とどのように関わっているのかについて学ぶ(第Ⅱ部)。第9~14回では、犯罪やトラブルとコミュニケーションの関連に焦点を当て、犯罪の予防にコミュニケーションがどのように作用するのかについて考えていく(第Ⅲ部)。なお、第8回は第Ⅰ部、第Ⅱ部の内容を、第15回は第Ⅲ部の内容を復習し、まとめるためのコマとする。
 第9回では、第1~8回で学んだコミュニケーションの基礎をもとに、コミュニケーションのずれや対人関係の破綻について学ぶ。コミュニケーションのプロセスや言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションの理解を土台とする。さらに、望ましくないコミュニケーションの例として、攻撃や暴力について紹介する。これらを学ぶことにより、コミュニケーションと犯罪・トラブルとの関わりについての学習につなげることができる。

細目レベル①
岡本真一郎(編)(2011). ミス・コミュニケーション なぜ生ずるかどう防ぐか p.3-24, ナカニシヤ出版

細目レベル②
相川充・高井次郎(編著)(2010). コミュニケーションと対人関係 p.109-115, 誠信書房

大坊郁夫(著)(1998).しぐさのコミュニケーションー人は親しみをどう伝えあうかー サイエンス社

細目レベル③
相川充・高井次郎(編著)(2010). コミュニケーションと対人関係 p.154-169, 誠信書房
コマ主題細目 ① ミスコミュニケーション ② 対人関係の崩壊 ③ 暴力とコミュニケーション
細目レベル ① ここでは、コミュニケーションのずれを理解するために、コミュニケーションが失敗に至る場合、すなわちミスコミュニケーションについて考える。ミスコミュニケーションの例としては、伝えようとしたことが適切に伝わらなかった、実際とは異なった形で受け手に認識された、などがある。こうしたミスコミュニケーションは、さまざまなレベル、過程で生じうるものである。レベルでいうと、聞き間違いといった音声レベルから言葉の意味を誤解する意味レベルなどである。ミスコミュニケーションは、対人関係のトラブルから医療事故、航空機事故といった人命にかかわる事故にまでも関係しており、ミスコミュニケーションを防ぐことは良好な人間関係や安全な社会づくりにもつながる。

② 対人関係において、親密になるということは関係の相互依存性が高まることを意味している。そして、関係が親密になるにしたがって、対立や葛藤が生じる可能性も高まっていく。対人関係の崩壊に関しては、特に夫婦関係や恋人関係において多くの知見が示されている。例えば、関係性のよい夫婦は、互いに相手を肯定する発言が多く、円滑なコミュニケーションを行っている。崩壊していく段階のコミュニケーションでは、相手を監視し、統制しようとする支配的な機能が優先される。一方で、関係性がよくない夫婦は、あいまいな、矛盾したメッセージを送る傾向がある。対人関係における葛藤の対処方法としては話し合い行動、忠誠行動、別れ行動、無視行動があり、別れ行動や無視行動は対人関係の破綻につながりやすい。
③ ここまでの講義を踏まえると、暴力をはじめとする攻撃もコミュニケーションの一つと捉えることができる。攻撃はしばしば怒りと結びつけられるが、怒りを感じた時に必ずしも攻撃をするわけではなく、攻撃の背景に必ずしも怒りがあるわけでもない。ここでは攻撃が生じる過程を説明したモデルを紹介する。攻撃のなかでも特に身体的なものは暴力と呼ばれる。暴力が対人関係の破綻と結びつく例として、DVがある。DVの被害者は、怪我や慢性的な痛みといった身体的な症状だけでなく、不安や自殺念慮、さらにはうつ病やPTSDといった精神的な問題を呈しやすい。DVでは、暴力や暴言がありながらも対人関係が継続する構造が見られる。講義では、具体的にDVに観られる対人関係のパターンについてコミュニケーションの観点から紐解いていく。

キーワード ① ミスコミュニケーション ② 対人関係の崩壊 ③ 攻撃、暴力、DV
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、LMS上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】本コマ(第9回)の復習として,LMS上にアップロードされたコマ用オリジナル配布資料を読み返す。第9回においては,コミュニケーションのずれが生じるメカニズムについてコミュニケーションの成立するプロセスから理解すること、対人関係の崩壊とそれにともなうコミュニケーションの変化について理解すること、攻撃や暴力とコミュニケーションの関係について理解することが重要であるため,これらに関する説明をキーワードを用いて自分なりの言葉で説明できるようにまとめておく。
【予習】この復習をふまえて,予習として第10回のコマシラバスを読んで概要を理解しておく。また、コマシラバスを読むなかで、わからない用語があればあらかじめ下線を引く、関連書籍を読むなどして、講義中で理解できるようにしておく。

10 詐欺とコミュニケーション 科目の中での位置付け 本科目では、対人関係の基礎であるコミュニケーションを心理学的観点から学び、犯罪やトラブルの予防にコミュニケーションがどのように関わるのかを理解することを目的とする。具体的には、第1~4回で、コミュニケーションの基礎や捉え方について学び(第Ⅰ部)、第5~7回では、コミュニケーションが対人関係とどのように関わっているのかについて学ぶ(第Ⅱ部)。第9~14回では、犯罪やトラブルとコミュニケーションの関連に焦点を当て、犯罪の予防にコミュニケーションがどのように作用するのかについて考えていく(第Ⅲ部)。なお、第8回は第Ⅰ部、第Ⅱ部の内容を、第15回は第Ⅲ部の内容を復習し、まとめるためのコマとする。
第10回は、犯罪とコミュニケーションのテーマとして詐欺犯罪を取り上げる。詐欺犯罪の種類やその背景にあるコミュニケーションについて理解することを目的とする。具体的には、説得する、だますといったコミュニケーションについて学んでいく。

細目レベル①
警察庁 特殊詐欺対策ページ 
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/case/

細目レベル②③
深田博己(編著)(2002). 説得心理学ハンドブック 説得コミュニケーション研究の最前線 p.2-44, 北大路書房

北村英哉・内田由紀子(編)(2016). 社会心理学概論 p.111-117, ナカニシヤ出版

細目レベル④
岡本真一郎(編)(2023).コミュニケーションの社会心理学 p.123-134, ナカニシヤ出版

大坊郁夫(著)(1998).しぐさのコミュニケーションー人は親しみをどう伝えあうかー p.123-135, サイエンス社
コマ主題細目 ① 詐欺犯罪の現状 ② 説得的コミュニケ―ション ③ 説得と情報処理過程 ④ 欺瞞のコミュニケーション
細目レベル ① 詐欺はコミュニケーションによって相手をだます犯罪の一つである。ここでは、近年増加傾向にある特殊詐欺に焦点を当て、その背景にある「だます」「嘘をつく」というコミュニケーションについて学ぶ。
特殊詐欺とは、被害者に電話をかけるなどして対面することなく信頼せ、指定した預貯金口座への振り込みその他の方法により、不特定多数の者から現金等をだまし取る犯罪の総称である。特殊詐欺には、オレオレ型特殊詐欺、架空料金請求詐欺、還付金詐欺などが含まれる。令和4年の特殊詐欺の認知件数は17,570件、被害額は370.8億円と、前年に比べて認知件数および被害額はともに増加した。1日あたりの被害額は約10,159万円であった。被害者をだます手段として犯行の最初に用いられたツールは、電話が86.3%、電子メールが8.1%、はがき・封書等は0.08%と電話を用いるケースが9割近くを占めている。主な手口別では、オレオレ詐欺型特殊詐欺及び還付金詐欺は、約99%が電話、架空料金請求詐欺は、電子メールが約47&、電話が約24%であった。特殊詐欺は、コミュニケーションによって相手をだます犯罪の一種である。さらに、新しい詐欺の形として、SNSを使った詐欺がある。SNSを用いた新たな詐欺として、SNS型投資詐欺、SNS型ロマンス詐欺について紹介する。

② 詐欺犯罪にかかわるコミュニケーションとして説得がある。説得とは、他者の態度を変化させる方法である。ここでは、説得的コミュニケーションについての、理論や研究について紹介をする。説得に関する古典的なアプローチの一つがホヴランドらによって提唱されたメッセージ学習理論である。彼らは、説得性をもった情報(メッセージ)が、学習の過程を通して受け手の態度に残ることこそが、説得の決め手であると考えた。そして、学習がなされるためには、説得メッセージに対して注意を払い、これを理解して記憶し、納得することが必要条件だと述べた。この理論をもとに、学習の規定要因として盛んに研究されたのが、説得の4要因である。すなわち、メッセージの送り手、内容、受け手、経路(媒体)のそれぞれかがもつ特徴によって、説得の効果が左右されるという考え方である。
しかし、実証的な研究を積み重ねると、こうした単純な予測は役に立たないことが明らかになった。たとえば、魅力的な送り手や専門家からのメッセージだからといって必ずしも注意が払われているわけではないし、説得内容をよく記憶しているとも限らないことが実験で示された。メッセージ内容についても同様で、理解や記憶の程度と説得効果がつねに対応するわけではない。そこで、説得メッセージがどのように処理されるのかを考慮した、より精緻な理論モデルが必要となった。これについては、次の細目レベル③において紹介する。

③ ここでは説得メッセージを受け取ったメッセージのの受け手がどのように情報処理を行うのかについて紹介をしていく。説得メッセージの受け手は、受動的にこれを学習するだけではなく、既存の知識や動機づけを働かせながら能動的に情報処理をしようとする存在であることを示す研究結果がある。その一例が、接種効果と呼ばれる現象である。あることがらについて弱い説得メッセージを受け取った後で、さらに強い説得を受ける場合、単純に考えれば「繰り返し説得された」ことの影響によってなおさら説得されやすくなると思われるかもしれない。しかし実験の結果によると、むしろ後からくる強い説得にも動じない、確固とした態度が作られる。最初の弱い説得が、あたかも予防接種のように働いて、後の説得に対する免疫ができたかのような結果である。それどころか、「後で強い説得メッセージがくる」と予告しただけで、十分な自衛が行われて説得されにくくなる。つまり、人は説得を受ける可能性にさらされると、メッセージ内容が正しいのかを十分に吟味し、ときには反論をも用意するような積極的な反応を見せる。では、説得メッセージに従って態度を変化させるか、それとも反論してもとの態度を守ろうとするかは、どのような要因で決まるのだろうか。精緻化見込みモデル(ELM)を提唱したペティとカシオッポによると、それは、メッセージ内容が妥当かどうかを吟味しようとする動機づけの程度と、吟味できるだけの認知的能力があるか、の2点である。前者を決定づけるのは、主に説得されていることがらが受け手によってどれくらいの関心事であるかという要因である。また後者については、情報処理能力の高い人、低い人と言った個人差だけでなく、誰もが多かれ少なかれ影響を受けるような状況要因も含まれる。例えば、ほかに同時並列でこなさなければならない認知課題や、思考を妨害する要因があるかどうかといった、認知容量の制約が認知的能に影響する。
④ 詐欺犯罪は、相手を説得するというコミュニケーションの要素だけでなく、だます、あざむくという要素が含まれる。何かを隠すために、他者をあざむく、だますという行為は日常の対人コミュニケーションでもしばしばみられる。他者から何かを隠したいという心の働きによって生じる行為に着目することは、対人コミュニケーションの特徴を理解するうえで重要である。他者をあざむく、だますなど、他者から何かを隠したいという心の働きに基づいたコミュニケーションを欺瞞のコミュニケーションとよぶ。ここでは、欺瞞のコミュニケーションを行う側を送り手、送り手を観察する側を受け手とし、欺瞞に関する概念の位置づけを整理する。多くの研究者は、送り手が伝えている情報が誤っているという虚偽性、送り手が誤った情報を意図的に伝えているという意図性に着目し、送り手の視点から欺瞞を定義している。欺瞞の方法として、意図的に誤ったことを言う/行動で示す、すなわち嘘をつくこと、情報を意図的に他者に伝えないこと(隠ぺい・曖昧化)が挙げられる。あざむく、だますと呼ばれる行為を包含する広い概念が欺瞞である。そして、偽装の一形態が嘘をつくという行為であり、嘘をつくときに発せられる言葉が嘘である。
一方、受け手の視点から見て、送り手の発言内容が嘘っぽいと感じることもある。受け手が、情報の送り手の発言内容が欺瞞的であると感じることは、欺瞞性認知と呼ばれ、欺瞞のコミュニケーションに関する一つの研究テーマとされている。

キーワード ① 詐欺犯罪、特殊詐欺、SNS型投資詐欺、SNS型ロマンス詐欺 ② 説得的コミュニケーション ③ 精緻化見込みモデル、ヒューリスティック・システマティックモデル ④ 欺瞞のコミュニケーション、欺瞞性認知
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、LMS上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】本コマ(第10回)の復習として,LMS上にアップロードされたコマ用オリジナル配布資料を読み返す。第10回においては,詐欺犯罪の現状、説得や欺瞞に関するコミュニケーションについて理解することが重要であるため,これらに関する説明をキーワードを用いて自分なりの言葉で説明できるようにまとめておく。また、なぜ近年SNSを用いた犯罪が増えているのかについて、コミュニケーションの特徴をもとに考える。
【予習】この復習をふまえて,予習として第11回のコマシラバスを読んで概要を理解しておく。また、コマシラバスを読むなかで、わからない用語があればあらかじめ下線を引く、関連書籍を読むなどして、講義中で理解できるようにしておく。

11 ネットコミュニケーション 科目の中での位置付け 本科目では、対人関係の基礎であるコミュニケーションを心理学的観点から学び、犯罪やトラブルの予防にコミュニケーションがどのように関わるのかを理解することを目的とする。具体的には、第1~4回で、コミュニケーションの基礎や捉え方について学び(第Ⅰ部)、第5~7回では、コミュニケーションが対人関係とどのように関わっているのかについて学ぶ(第Ⅱ部)。第9~14回では、犯罪やトラブルとコミュニケーションの関連に焦点を当て、犯罪の予防にコミュニケーションがどのように作用するのかについて考えていく(第Ⅲ部)。なお、第8回は第Ⅰ部、第Ⅱ部の内容を、第15回は第Ⅲ部の内容を復習し、まとめるためのコマとする。
第11回では、第1~4回で学んだコミュニケーションの基礎、第5~7回で学んだ対人関係とコミュニケーションの関連をもとに、インターネット上のコミュニケーションについて学ぶ。特に、トラブルや犯罪につながりやすいソーシャルメディア上のコミュニケーションに焦点を当てる。

細目レベル①
岡本真一郎(編)(2023).コミュニケーションの社会心理学 p.190-203, ナカニシヤ出版

李光鎬・渋谷明子(編著)鈴木万希枝・李津娥・志岐 裕子(著)(2022).メディア・オーディエンスの社会心理学 改訂版 p.336-361, 新曜社

細目レベル②
岡本真一郎(編)(2011). ミス・コミュニケーション なぜ生ずるかどう防ぐか p.83-101, ナカニシヤ出版

細目レベル③
岡本真一郎(編)(2011). ミス・コミュニケーション なぜ生ずるかどう防ぐか p.83-101, ナカニシヤ出版

岡本真一郎(編)(2023).コミュニケーションの社会心理学 p.190-205, ナカニシヤ出版
コマ主題細目 ① CMCの特徴 ② CMCとコミュニケーションのずれ ③ ソーシャルメディアにおける攻撃
細目レベル ① オンラインでのコミュニケーションは私たちの生活に欠かせないものとなっている。オンラインでのコミュニケーション、すなわちコンピュータを介したコミュニケーションはCMC(Computer Mediated Communication)として研究が行われてきた。ここでは、CMCの特徴とCMCとしてよく用いられるソーシャルメディアに関する現状について紹介する。ソーシャルメディアの利用者数は、2022年時点で世界で45億9000万人に上っており、2028年にはさらに増加して60億3000万人が利用すると予測されている。日本での利用者数は2022年で1億200万人である。ソーシャルメディアの中でも、LINE、YouTube、X、Instagramが利用率の上位を占めている。こうしたCMCは、離れた場所に置いてもコミュニケーションができる、コミュニケーションを交わすための金銭的コスト(交通費など)が発生しない、時間や場所にとらわれない非同期的なやり取りができる、匿名でコミュニケーションが行われる、といった点が対面コミュニケーションと異なる(例外もある)。これらの点から、現代人には便利で欠かせないコミュニケーションの一つとなっている。
② ここでは、CMCの特徴を踏まえ、CMCのデメリットや課題について学んでいく。まず、CMCには、非言語手がかりの欠如がコミュニケーションを阻害する。オンライン上では主に文字でのやり取りが行われ、コミュニケーションが進行していくためである。CMCにおいてはしぐさや表情といった非言語的手がかりが伝達されにくいため、対面のコミュニケーション以上にあいまいなものとなる。そのため、送り手が相手に伝わったと考えていても受け手には適切につたわっていないということが起こりうる。ここでは、自己中心性バイアスを紹介し、CMCでのミスコミュニケーションについて学んでいく。CMCを適切に行うためには、インターネットリテラシーを身に着けることが重要である。
③ 近年は、ソーシャルメディアを利用した犯罪が増加している。その背景には、インターネットの普及と細目レベル①②で紹介したCMCの特性が大きく関わっている。また、インターネット上でのコミュニケーションのトラブルの一つに、炎上がある。研究においては、フレーミング(flaming)とよばれる。ここでは、炎上が起こるメカニズムやその背景にある攻撃的なコミュニケーション、逸脱したコミュニケーションについて学んでいく。炎上への参加は攻撃的な投稿も少なくなく、インターネットの匿名性によって生じる脱抑制的行動とみなされることも少なくない。だが、匿名でない人は匿名の人に比べてより攻撃的であるという知見もある。炎上への参加は脱抑制的行動というよりはむしろ、他の人たちの多くがやっていることが行動の標準となるという社会・集団規範に準拠した行動であるとも考えられている。
キーワード ① CMC、匿名性、視覚的匿名性 ② 自己中心性バイアス、インターネットリテラシー ③ 炎上、フレーミング、オンライン脱抑制
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、LMS上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】本コマ(第11回)の復習として,LMS上にアップロードされたコマ用オリジナル配布資料を読み返す。第11回においては,CMCの特性をふまえてCMCの課題について理解することが重要であるため,これらに関する説明をキーワードを用いて自分なりの言葉で説明できるようにまとめておく。また、CMCにおけるトラブルを防ぐためにはどのようなことが重要であるかについて今回の講義内容をふまえて考える。
【予習】この復習をふまえて,予習として第12回のコマシラバスを読んで概要を理解しておく。また、コマシラバスを読むなかで、わからない用語があればあらかじめ下線を引く、関連書籍を読むなどして、講義中で理解できるようにしておく。

12 犯罪・災害とマスメディア 科目の中での位置付け 本科目では、対人関係の基礎であるコミュニケーションを心理学的観点から学び、犯罪やトラブルの予防にコミュニケーションがどのように関わるのかを理解することを目的とする。具体的には、第1~4回で、コミュニケーションの基礎や捉え方について学び(第Ⅰ部)、第5~7回では、コミュニケーションが対人関係とどのように関わっているのかについて学ぶ(第Ⅱ部)。第9~14回では、犯罪やトラブルとコミュニケーションの関連に焦点を当て、犯罪の予防にコミュニケーションがどのように作用するのかについて考えていく(第Ⅲ部)。なお、第8回は第Ⅰ部、第Ⅱ部の内容を、第15回は第Ⅲ部の内容を復習し、まとめるためのコマとする。
第12回では、第1~4回で学んだコミュニケーションの基礎、第5~7回で学んだ対人関係とコミュニケーションの関連をもとに、マスメディアについて学ぶ。特に、犯罪や災害の報道が私たちにどのような心理的影響を与えているのかについて学んでいく。

細目レベル①
李光鎬・渋谷明子(編著)鈴木万希枝・李津娥・志岐 裕子(著)(2022).メディア・オーディエンスの社会心理学 改訂版 新曜社

細目レベル②
辻大介・是永論・関谷直也(著)(2019).コミュニケーション論をつかむ p.151-160, 有斐閣

相川充・高井次郎(編著)(2010). コミュニケーションと対人関係 p.44-50, 誠信書房

細目レベル③
辻大介・是永論・関谷直也(著)(2019).コミュニケーション論をつかむ p.218-227, 有斐閣
コマ主題細目 ① マスメディア ② 暴力、犯罪とマスメディア ③ 災害とコミュニケーション
細目レベル ① コミュニケーションの観点でみると、マスメディアは情報の送り手であり、視聴者は情報の受け手といえる。私たちは、日々マスメディアから多くの情報を得ている。直接的にテレビや新聞に接していなかったとしても、マスメディアからの情報は多くの人々の社会に対する認識、価値観に影響を与えるもので、他者を介して私たちは影響を受ける。印刷技術が進歩し、ラジオ放送が始まった19世紀後半から20世紀前半までは、マスメディアのもつ強大な情報伝達力や大衆に働きかける力を強調したマスコミュニケーションの強力効果説が主流であった。しかしながら、その後、コミュニケーションの二段階流れ仮説が検証され、マスメディアは人々の態度を変えることにおいては限られた影響力しかもっていないという限定効果論が提唱されるようになった。さらにその後、マスメディアには社会において重要な課題に対する人々の認識に多大な影響を及ぼすという、議題設定機能論が提唱されるようになった。
② 国家的な犯罪である戦争においてもマスメディアは大きな影響力をもっていた。例えば、ナチスのヒトラーはラジオや新聞によって、支持を集めていたり、アメリカのルーズベルト元大統領はラジオを使って国民の大戦中の士気を高めていた。1960年代から1970年代にかけて、アメリカではベトナム戦争やロバート・ケネディの暗殺など社会的混乱の激しい時期であり、テレビでの暴力シーンが人々に悪影響を与えているのではないかと問題視されるようになった。こういった背景を受け、ガーブナーらは、テレビが映し出している偏った現実に沿って、人々の社会的認識が培養されているとする培養効果を示した。他にも、メディアと暴力の関係について、暴力映像に接するほど慣れてしまうという脱感作効果、暴力映像に接することで自分自身の攻撃行動が和らぐというカタルシス効果、暴力映像を見て暴力行動を学習してしまう観察学習効果が示されている。また、ある犯罪が世間で報道されることによって、少数者がその犯罪をまねして模倣犯が犯罪を引き起こすことも問題となっている。
③ 災害時・危機時には、人々のコミュニケーションのニーズが急増する。身体・生命の危機が迫っている場合には、災害による被害を避けるために避難する必要があり、そのために災害の情報を知ろうとしたり、家族や友人の安否を確認するためにコミュニケーションを取ろうとしたりする。重大な災害のおそれがあるときには警報が発令され、自治体から避難勧告・避難指示が出される。災害研究より、消防団、警察、自治体、町内会など直接的な周囲の人々とのコミュニケーションが避難を促進するもっとも大きな要因となることがわかっている。つまり、地域の防災力向上や、地域の災害文化の醸成が重要となってくる。
 しかしながら、人は自身の危機に鈍感であり、危機を危機としてとらえない傾向がある。このようなリスク認知のゆがみを正常化バイアスとよぶ。逆に、危機を過度に恐れる傾向をカタストロフィ・バイアスという。これは災害後に顕著である。災害後には人々は不安になり、コミュニケーションが活発化し、うわさやさまざまな混乱が生じることになる。

キーワード ① 強力効果説、限定効果説、議題設定効果 ② 培養効果、脱感作効果、カタルシス効果、観察学習効果 ③ 災害、正常性バイアス、カタストロフィ・バイアス
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、LMS上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】本コマ(第12回)の復習として,LMS上にアップロードされたコマ用オリジナル配布資料を読み返す。第12回においては,マスメディアの影響力や人々への影響の与え方、犯罪や災害とマスメディアの関係について理解することが重要であるため,これらに関する説明をキーワードを用いて自分なりの言葉で説明できるようにまとめておく。また、暴力や戦争、災害に関する報道の適切なあり方について今回の講義内容をふまえて考える。
【予習】この復習をふまえて,予習として第13回のコマシラバスを読んで概要を理解しておく。また、コマシラバスを読むなかで、わからない用語があればあらかじめ下線を引く、関連書籍を読むなどして、講義中で理解できるようにしておく。

13 犯罪予防とコミュニケーション(1) 科目の中での位置付け 本科目では、対人関係の基礎であるコミュニケーションを心理学的観点から学び、犯罪やトラブルの予防にコミュニケーションがどのように関わるのかを理解することを目的とする。具体的には、第1~4回で、コミュニケーションの基礎や捉え方について学び(第Ⅰ部)、第5~7回では、コミュニケーションが対人関係とどのように関わっているのかについて学ぶ(第Ⅱ部)。第9~14回では、犯罪やトラブルとコミュニケーションの関連に焦点を当て、犯罪の予防にコミュニケーションがどのように作用するのかについて考えていく(第Ⅲ部)。なお、第8回は第Ⅰ部、第Ⅱ部の内容を、第15回は第Ⅲ部の内容を復習し、まとめるためのコマとする。
 第13回では、まず導入として犯罪予防の考え方について学ぶ。続いて、犯罪予防とコミュニケーションの観点からシステミックモデルや集合的効力感について紹介する。最後に、説得的コミュニケーションによる犯罪予防行動について学んでいく。

細目レベル①
小俣謙二・島田貴仁(編著)(2011). 犯罪と市民の心理学 p.126-129, 北大路書房

松浦直己(著)(2015). 非行・犯罪心理学 p.195-203, 明石書店

細目レベル③
小俣謙二・島田貴仁(編著)(2011). 犯罪と市民の心理学 p.104-125, 北大路書房
コマ主題細目 ① 犯罪予防 ② 犯罪の一次予防:犯罪を予防する対人関係 ③ 犯罪の一次予防:説得的コミュニケーションによる行動変容
細目レベル ① 犯罪予防に関して、これまで様々な考え方が提唱されてきた。さまざまな犯罪予防の考え方をふまえて島田は、①警察や自治体のような公的主体にとどまらず私的な主体を含む、②パトロールや逮捕といった法執行以外の活動を含む、③犯罪者のみならず自傷としての犯罪にも注目する、④犯罪行為のみではなく、犯罪に対する人々への懸念や不安をも介入対象とする、⑤実践を重視する、を犯罪予防の特徴としてまとめている。具体的な犯罪予防の区分は、疾病予防の考え方を援用して、一次予防、二次予防、三次予防に分けられる。一次予防では、広範の人々を対象とし、地域の防犯パトロールや環境デザインによる犯罪予防、警察官がコミュニティに入り住民からの信頼を高めるコミュニティ警察活動、広報誌や電子メール、SNSによる犯罪・防犯情報の発信が挙げられる。二次予防としては、少年の問題行動や親密な関係者間暴力、犯罪リスクが高い地区での警察活動が挙げられる。三次予防としては、犯罪や非行を行ったものに対する矯正教育や更生保護、被害者が再度同一の加害者から被害にあわないようにする再被害防止、犯罪被害者に対する心理的、経済的支援が挙げられる。以降の細目レベルでは、それぞれのレベルでの予防について、特にコミュニケーションに関連する犯罪予防について紹介していく。

② 犯罪の一次予防におけるコミュニケーションの役割に関して、犯罪を予防する対人関係やコミュニティに着目する。犯罪のシステミックモデルでは、住民の対人ネットワーク密度が高いほど、各種の犯罪統制機能が働きやすくなり、その帰結として犯罪が抑制されると考える。その後の研究において、集合的効力感という概念が提唱された。集合的効力感とは「公共のために介入する意思と結びついた近隣住民の社会的凝集性」と定義される。集合的効力感を提唱したサンプソンは、仮に近隣の人と強い絆がなかったとしても、ごみ問題や公共サービスの維持など地区で起きるさまざまな問題に対して住民が対処できるという相互信頼があれば、各自が社会統制を行使でき、その帰結として犯罪が抑制されると主張した。

③ 続いて、犯罪を予防するための説得的コミュニケーションについて学ぶ。犯罪は、被害者にとって望ましくない不快な結果をもたらす脅威である。このため、犯罪予防の現場では、犯罪の持つ脅威と脅威を削減するための行動とを伝えることが幅広く行われている。犯罪予防行動を促進するためのコミュニケーションでは、説得的コミュニケーションが重要である。脅威アピールとは、説得の下位概念の一つであり、「予防行動の勧告を受け入れなかった場合におきる不快な事象を叙述することに依る説得的なメッセージ」「送り手がある特定の話題について受け手を説得するときに、脅威の危険性を強調して受け手を脅すことによって、その脅威に対処するための特定の予防行動の勧告に対する受け手の受容を促進させようと意図された説得的コミュニケーション」と定義される。すなわち、災厄の脅威に関する情報と脅威を低減するための対処行動に関する情報とを対提示し、対処行動をとるよう勧告するものである。脅威情報の提示は受け手の犯罪予防行動意図を高めることが示されている。
キーワード ① 犯罪予防、一次予防、二次予防、三次予防 ② 集合的効力感 ③ 説得的コミュニケーション、脅威アピール
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、LMS上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】本コマ(第13回)の復習として,LMS上にアップロードされたコマ用オリジナル配布資料を読み返す。第13回においては,まず犯罪予防の考え方、一次予防、二次予防、三次予防の違いについて理解しておくことが重要であるため,これらに関する説明をキーワードを用いて自分なりの言葉で説明できるようにまとめておく。また、必要に応じて第10回の説得的コミュニケーションに関する文字教材を読み返しておく。
【予習】この復習をふまえて,予習として第14回のコマシラバスを読んで概要を理解しておく。また、コマシラバスを読むなかで、わからない用語があればあらかじめ下線を引く、関連書籍を読むなどして、講義中で理解できるようにしておく。

14 犯罪予防とコミュニケーション(2) 科目の中での位置付け 本科目では、対人関係の基礎であるコミュニケーションを心理学的観点から学び、犯罪やトラブルの予防にコミュニケーションがどのように関わるのかを理解することを目的とする。具体的には、第1~4回で、コミュニケーションの基礎や捉え方について学び(第Ⅰ部)、第5~7回では、コミュニケーションが対人関係とどのように関わっているのかについて学ぶ(第Ⅱ部)。第9~14回では、犯罪やトラブルとコミュニケーションの関連に焦点を当て、犯罪の予防にコミュニケーションがどのように作用するのかについて考えていく(第Ⅲ部)。なお、第8回は第Ⅰ部、第Ⅱ部の内容を、第15回は第Ⅲ部の内容を復習し、まとめるためのコマとする。
 第14回では、犯罪予防とコミュニケーションの後半として、犯罪とコミュニケーションスキルの関連、加害者に対するコミュニケーショントレーニング、加害者の変化を動機づけるアプローチについて学んでいく。犯罪を予防するにあたって、コミュニケーションがどのような役割を果たせるのかについて理解を深める。

細目レベル②
相川充(著)新版 人づきあいの技術ーソーシャルスキルの心理学ー p.141-166, p.238-272, サイエンス社

コマ主題細目 ① コミュニケーションスキル ② 犯罪者に対するコミュニケーショントレーニング ③ 犯罪者の変化を動機づけるアプローチ
細目レベル ① 犯罪者が再び犯罪を犯さないようにするために、コミュニケーションスキルを身に着けることが望ましいとされている。コミュニケーションスキルには、自分の感情や行動をうまくコントロールする「自己統制」、自分の考えや気持ちをうまく表現する「表現力」、相手の伝えたい考えや気持ちを正しく読み取る「解読力」、自分の意見や立場を相手に受け入れてもらえるように主張する「自己主張」、相手を尊重して相手の意見や立場を理解する「他者受容」、周囲の人間関係にはたらきかけ良好な状態に調整する「関係調整」が含まれる。また、ここでは、犯罪とコミュニケーションスキルについて、ストーキングや暴力などには、適切なコミュニケーションが取れていないことが背景にある場合がある。
② 暴力やDVといった犯罪、トラブルを防止するために、コミュニケーションスキルが重要な役割を果たすことから、犯罪加害者に対する更生プログラムの一つにコミュニケーショントレーニングが含まれている。代表的なコミュニケーショントレーニングがソーシャルスキルの獲得を目的とした、ソーシャルスキルトレーニングである。ソーシャルスキルとは、対人場面において、個人が相手の反応を解読し、それに応じて対人目標と対人反応を決定し、感情を統制したうえで対人反応を実行するまでの循環的な過程である。トレーニングには、自分を主張するスキルや対人葛藤に対処するスキルのトレーニングが含まれており、言語的教示、オペラント条件づけ、モデリング、リハーサルという学習原理に基づいてトレーニングを行っていく。日本においては、1990年代から少年院などの矯正領域において導入されるようになった。

③ 犯罪者に対するコミュニケーショントレーニングについて紹介をしてきたが、司法領域における治療においては、変化に対する動機づけが乏しいケースも数多く存在する。犯罪者は、命令されて治療に来たり、行動を変えることを拒んだりすることがある。こういった場合に、一方的に変化を強制するよりも犯罪者の変化に対する動機づけを高めることに重きが置かれる動きがある。ここでは、動機づけを高めるコミュニケーションの一つである動機づけ面接法について紹介する。動機づけ面接法では、変わりたい気持ちと変わりたくない気持ちがあることを前提として、変わりたい気持ちを引き出して、行動の変容を目指していく。実践例として、薬物乱用や性犯罪の文脈でどのように用いられているのかについて説明する。

キーワード ① コミュニケーションスキル ② ソーシャルスキル、ソーシャルスキルトレーニング ③ 動機づけ面接法
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、LMS上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】本コマ(第14回)の復習として,LMS上にアップロードされたコマ用オリジナル配布資料を読み返す。第十四回においては,犯罪予防におけるコミュニケーションスキルの重要性、犯罪者に対するコミュニケーションのアプローチについて理解しておくことが重要であるため,これらに関する説明をキーワードを用いて自分なりの言葉で説明できるようにまとめておく。また、必要に応じて第7回のアサーションに関する文字教材を読み返しておく。
【予習】この復習をふまえて,予習として第15回のコマシラバスを読んで概要を理解しておく。また、コマシラバスを読むなかで、わからない用語があればあらかじめ下線を引く、関連書籍を読むなどして、講義中で理解できるようにしておく。

15 まとめ(2) 科目の中での位置付け  本科目では、対人関係の基礎であるコミュニケーションを心理学的観点から学び、犯罪やトラブルの予防にコミュニケーションがどのように関わるのかを理解することを目的とする。具体的には、第1~4回で、コミュニケーションの基礎や捉え方について学び(第Ⅰ部)、第5~7回では、コミュニケーションが対人関係とどのように関わっているのかについて学ぶ(第Ⅱ部)。第9~14回では、犯罪やトラブルとコミュニケーションの関連に焦点を当て、犯罪の予防にコミュニケーションがどのように作用するのかについて考えていく(第Ⅲ部)。なお、第8回は第Ⅰ部、第Ⅱ部の内容を、第15回は第Ⅲ部の内容を復習し、まとめるためのコマとする。
 最終回となる第15回では、第Ⅲ部犯罪とコミュニケーションの内容を復習し、さらに理解を深める。ここでの復習をふまえて、犯罪とコミュニケーションはどのような関連があるのか、犯罪予防のためにコミュニケーションが重要となるのはなぜか、について理解を深めることを目的とする。

コマ主題細目 ① 対人トラブルとコミュニケーション ② 犯罪に利用されるコミュニケーション ③ 犯罪予防とコミュニケーション
細目レベル ① 第9回の内容に基づき、コミュニケーションの破綻について復習を行う。ミスコミュニケーションとは、伝えたいことが正しく伝わらなかったり、誤って理解されることで、音声や意味のレベルなど様々な段階で起こりうる。このような誤解は、対人関係のトラブルや重大な事故にもつながるため、防ぐことが大切である。人間関係が親密になると相互依存が高まり、同時に対立や葛藤の可能性も増える。関係が良好な夫婦は肯定的なやり取りが多いが、関係が悪化すると支配的な発言や矛盾したメッセージが増える。葛藤への対応としては、話し合い、忠誠、別れ、無視といった行動がある。さらに、暴力もコミュニケーションの一形態と考えられ、特にDVは身体的・精神的な被害をもたらしながらも関係が継続する特徴がある。
② 第10~12回の内容に基づき、犯罪に利用されるコミュニケーションについて復習を行う。詐欺はコミュニケーションによって相手をだます犯罪の一つである。詐欺犯罪には、相手を「説得する」というコミュニケーションの要素や「だます」「あざむく」という要素が含まれる。一方で、コミュニケーションの受け手が「情報の送り手の発言内容が欺瞞的である」と感じることは、「欺瞞性認知」と呼ばれる。近年では、詐欺を含めCMCを用いた犯罪が増加している。CMCは対面と異なり、コミュニケーションの情報量が少ないなどの特徴がある。さらに、模倣犯や正常性バイアスといった点から犯罪や災害に関する報道のあり方についても慎重に考える必要がある。
③ 第13~14回の内容に基づき、犯罪予防とコミュニケーションについて復習を行う。詐欺などにおいて犯罪者が被害者をだますためのコミュニケーションとして説得的コミュニケーションがあるが、説得的コミュニケーションは犯罪を防ぐためにも重要な役割を果たしている。例えば、自転車の盗難を防ぐために所有者に施錠を呼びかける、といった説得的コミュニケーションに基づいた取り組みが挙げられる。特に、犯罪の被害者にならないように働きかけることが典型的である。一方で、犯罪者に対しては、コミュニケーションのトレーニングを用いて、犯罪の再犯を防ぐ取り組みがある。犯罪者や犯罪のリスクがある者が行動の変化に抵抗を示す場合には、動機づけ面接法が用いられることもある。
キーワード ① ミスコミュニケーション ② 説得的コミュニケーション、CMC、マスメディア ③ 犯罪予防、説得的コミュニケーション、コミュニケーショントレーニング、動機づけ面接法
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、LMS上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】本コマ(第15回)の復習として,LMS上にアップロードされたコマ用オリジナル配布資料を読み返す。第15回においては,どのようなコミュニケーションが対人トラブル、対人関係の破綻につながるか、犯罪を防ぐためにはどのようなコミュニケーションが重要であるか、それに関するトレーニング法にはどのようなものがあるか、について理解を深めることが重要である。
【予習】本コマが最終回であるため、次回の予習課題はない。試験に向けて、前コマの文字教材を読み返しておくこと。本講義の内容を理解することにより、「葛藤解決の心理学」につなげることができる。また、「サイバー犯罪の心理学」「被害者の心理学」といったより専門度の高い科目の理解にもつながる。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
コミュニケーションの基礎的知識 コミュニケーションがどのようなプロセスで成り立っているのかについて、モデルに沿って説明できること。言語コミュニケーション、非言語コミュニケーションが何を指すか説明できること。特に、非言語コミュニケーションにはどのような種類があるのか説明できること。コミュニケーションと文化の関わり、具体的には文化がコミュニケーションにどのような影響を与えているのか、異文化コミュニケーションの課題は何かについても説明できることが望ましい。 言語コミュニケーション、非言語コミュニケーション、メッセージ、チャネル、ノイズ、文化、異文化コミュニケーション 30 1,2,3,4,8
コミュニケーションと対人関係 対人コミュニケーションにおける同調傾向、自己開示、自己呈示、アサーション、それぞれについてどのようなことを指すのか説明できること。自己開示が対人関係にどのような影響を及ぼすのかについて理解していること。対人関係はどのように親密化していき、反対に崩壊していくのかというプロセスについて理解していることが望ましい。ミスコミュニケーションがどのような要因で生じるのかについて、コミュニケーションのプロセスに基づいて説明できること。 自己開示、自己呈示、アサーション、同調傾向、ミスコミュニケーション 24 5,6,7,8,9
インターネットとコミュニケーション CMCにはどのような特徴があるか、ネットコミュニケーションにはどのような課題やデメリットがあるか、ネットコミュニケーションを使った犯罪にはどのようなものがあるか、インターネットリテラシーとは何を指しているのかについて説明できること。また、近年ネットコミュニケーションを使った犯罪が増加しているのはなぜか、について社会の変化も考慮して説明できること。 CMC、インターネットリテラシー、匿名性、炎上 12 10,11,15
詐欺とコミュニケーション 詐欺犯罪の種類や近年の傾向について説明できること。説得的コミュニケーションとはどのようなコミュニケーションを指すか、どのようなモデルで説明されているかについて理解していること。欺瞞のコミュニケーションや欺瞞性認知に関して、研究ではどのようなことが示されているのか、についても理解していることが望ましい。 特殊詐欺、説得的コミュニケーション、精緻化見込みモデル、欺瞞のコミュニケーション、欺瞞性認知 6 10,15
犯罪・災害とコミュニケーション マスメディアが大衆に与える影響について、強力効果説、限定効果説、議題設定効果を中心に説明できること。暴力とマスメディアの関連についてこれまでの研究で明らかにされてきたことについて説明できること。また、災害時に生じやすい認知バイアスについて理解していること。自殺や災害、犯罪の報道が及ぼすネガティブな影響について理解し、望ましい報道のあり方について説明できることが望ましい。 強力効果説、限定効果説、議題設定効果、培養効果、脱感作効果、カタルシス効果、観察学習効果、正常性バイアス、カタストロフィ・バイアス 10 12,15
犯罪予防とコミュニケーション 犯罪予防の考え方について、一次予防、二次予防、三次予防の違いを理解していること。それぞれについて、例示できることが望ましい。犯罪予防の文脈において、説得的コミュニケーションがどのように用いられているのかについて説明できること。また、犯罪者や犯罪のリスクが高い者が犯罪を起こさないようにするためには、どのようなトレーニングや面接法が用いられているのかについて説明できること。 一次予防、二次予防、三次予防、説得的コミュニケーション、脅威アピール、ソーシャルスキルトレーニング、動機づけ面接法 18 13,14,15
評価方法 期末試験(100%)で評価する。
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書
参考文献
実験・実習・教材費