区分
高度専門科目Ⅰ
ディプロマ・ポリシーとの関係
SDGs力
科学コミュニケーション力
研究力
カリキュラム・ポリシーとの関係
教養
応用力
実践力
科目間連携
総合心理力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
科目の目的
本科目の目的は、犯罪捜査において用いられるプロファイリングとその心理学的基盤を理解することである。これは、犯罪の解明には犯人の特定や行動の理解が不可欠であり、そのためには犯罪行動に関する情報から合理的な推論を構築する必要があるためである。そのため、犯罪行動の分析に基づくリンク分析、犯人像推定、地理的プロファイリングといった各種手法について理解を深める必要がある。次に、これらの手法がどのような理論的前提と方法論に基づいているのかを把握し、推論の妥当性や限界についても理解する必要がある。その上で、異なる分析手法を比較し、それぞれの適用場面や有効性を検討する視点を身につける必要がある。これにより、本学科が目指す犯罪理解の一環として、捜査段階における心理学の実践的な活用を学ぶことが可能となる。
到達目標
① プロファイリングの意義と歴史を理解していること
② プロファイリングにおける分析の流れを理解していること
③ リンク分析を理解していること
④ 犯人像推定を理解していること
⑤ 地理的プロファイリングを理解していること
科目の概要
本科目の目的は、犯罪捜査において用いられるプロファイリングおよびその心理学的基盤を理解することである。そのため、犯罪行動をどのように分析し、そこからどのように推論を構築するのかという視点を理解する必要がある。そこで、第1部(第2回から第5回まで)では、複数の犯罪事件の関連性を検討するリンク分析について解説を行う。第1部では、リンク分析の理論的前提を概観した上で、犯罪行動の特徴の把握、データ化、事件間比較の方法、そして推論の限界について体系的に検討する。続いて、第2部(第6回から第10回まで)では、犯罪行動から犯人の人物像を推定する犯人像推定(プロファイリング)について概観する。第2部では、理論的基礎を踏まえ、FBI方式およびリバプール方式といった異なる方法論を比較しながら、罪種別の特徴や統計的知見に基づく人物像の推定について解説する。最後に、第3部(第11回から第15回まで)では、犯罪地点の分布から犯人の活動拠点を推定する地理的プロファイリングについて解説する。ここでは、人間の空間行動や犯罪地理学の理論を基盤とし、推定モデルおよびその応用と評価について概観する。これらを通じて、プロファイリングを科学的な推論過程として理解することを目的とする。
科目のキーワード
プロファイリング、リンク分析、犯人像推定、地理的プロファイリング、個人内一貫性、個人間識別性、類型論、統計分析
授業の展開方法
本科目は、ヨリソルにアップロードされた講義用の文字教材を使用して進行する。文字教材を基に各コマの主題を解説しながら、必要に応じて図版、映像、論文を紹介し、適宜プロジェクターなどを利用する。本科目の担当教員は、科学捜査研究所においてプロファイリングを用いた捜査支援の実務経験を有している。この経験は、全15回の講義内容と密接に関連し、より実践的な講義を行うために活用される。
オフィス・アワー
前期:火曜3限
後期:火曜3限
科目コード
SE5040
学年・期
3年・前期
科目名
捜査心理学(プロファイリングによる犯罪分析)
単位数
2
授業形態
講義
必修・選択
選択
学習時間
【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目
展開科目
関連資格
担当教員名
久保寺俊朗
回
主題
コマシラバス項目
内容
教材・教具
1
プロファイリングの基礎と講義の構成
科目の中での位置付け
本科目の目的は、犯罪捜査において用いられるプロファイリングとその心理学的基盤を理解することである。そのため、犯罪行動をどのように分析し、そこからどのように推論を構築するのかという視点を理解する必要がある。そこで、第1部(第2回から第5回まで)では、複数の犯罪事件の関連性を検討するリンク分析について解説を行う。続いて、第2部(第6回から第10回まで)では、犯罪行動から犯人の人物像を推定する犯人像推定について概観する。最後に、第3部(第11回から第15回まで)では、犯罪地点の分布から犯人の活動拠点を推定する地理的プロファイリングについて解説する。
第1回では、本科目全体の導入として、プロファイリングの基本的な概念と講義の構成について概観する。犯罪捜査においては、断片的な情報をもとに合理的な推論を構築することが求められるが、その前提として、犯罪行動や犯行地点といった情報をどのように分析対象として捉えるかを理解する必要がある。本講義では、プロファイリングがリンク分析、犯人像推定、地理的プロファイリングという三つの領域から構成されることを示し、それぞれが異なる側面から推論を行う手法であることを説明する。また、「情報→データ→分析→推論」という基本的な枠組みを提示し、第2回以降で扱う理論的・方法論的内容に接続するための基盤を形成する。
渡邉 和美・高村 茂・桐生 政幸(編)(2006).犯罪者プロファイリング入門 北大路書房(pp. 1-16)
越智 啓太・桐生 正幸(編)(2017).テキスト 司法・犯罪心理学 北大路書房(pp. 278-293)
コマ主題細目
① プロファイリングとは何かとその発展 ② プロファイリングの分析方法(リンク分析・犯人像推定・地理的プロファイリング) ③ 本講義の構成と推論の枠組み
細目レベル
① 本講義ではまず、プロファイリングとは何かについて、その基本的な定義と発展過程を踏まえて解説する。プロファイリングとは、犯罪現場に残された行動や状況に関する情報をもとに、犯人の特性や行動を推定する手法の総称である。犯罪は時間と空間の中で発生する現象であり、犯行の手順、被害者との関係、さらには犯行地点の分布など、多様な側面から分析することが可能である。これらの情報は単なる記述ではなく、分析可能なデータとして整理されることで、一定の推論を導く基盤となる。本講義では、プロファイリングが行動的情報と空間的情報の双方を対象とする分析手法であることを示し、その基本的な考え方と発展の方向性を理解する。これにより、第2回以降で扱う各分析手法の理論的前提へと接続する導入とする。
② 本講義では、プロファイリングが複数の分析段階から構成される手法であることを理解する。具体的には、まず複数の事件が同一犯によるものであるかを検討するリンク分析が行われ、その結果得られた関連事件の情報をもとに、犯人の人物特性を推定する犯人像推定が行われる。さらに、犯行地点の分布に基づいて犯人の活動拠点や行動範囲を推定する地理的プロファイリングが展開される。本講義では、これら三つの分析がそれぞれ独立した手法であると同時に、捜査の中で段階的かつ相互に関連しながら用いられることを示す。また、それぞれの分析が扱う情報の種類や推論の対象が異なることにも着目し、各手法の役割と位置づけを整理することで、本講義全体の構造を理解することを目的とする。
③ 本講義では、全15回の構成とともに、プロファイリングに共通する推論の基本的枠組みについて説明する。本科目は、リンク分析、犯人像推定、地理的プロファイリングの三部構成で進行し、それぞれの領域において理論、方法、応用、評価の観点から段階的に理解を深めることを目指す。また、プロファイリングは、犯罪行動や犯行地点、時間といった情報を整理し、それらを分析可能なデータとして扱うことから始まる。そして、そのデータに基づいて分析を行い、一定の仮説や推論を導くという過程を経る。本講義では、この「情報→データ→分析→推論」という基本的枠組みを提示し、各領域に共通する思考様式として理解することを目的とする。さらに、講義の進め方や評価方法についても簡潔に説明し、第2回以降の学習内容に円滑に接続するための基盤を形成する。
キーワード
① プロファイリング ② 捜査心理学 ③ リンク分析 ④ 犯人像推定 ⑤ 地理的プロファイリング
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:科目の中でのこのコマの位置付けをよく理解した上で、配布された文字教材を読み直すこと。また、生成AIを用いたテストワークを必ず複数回行い、自分の理解度を確認すること。理解できていない点については、テキスト教材の該当箇所を改めて通読すること。
予習:次回のコマシラバスを通読し、キーワードをインターネットや参考文献を用いて調べておくことが望ましい。
2
リンク分析の理論的基礎
科目の中での位置付け
本科目の目的は、犯罪捜査において用いられるプロファイリングとその心理学的基盤を理解することである。そのため、犯罪行動をどのように分析し、そこからどのように推論を構築するのかという視点を理解する必要がある。そこで、第1部(第2回から第5回まで)では、複数の犯罪事件の関連性を検討するリンク分析について解説を行う。続いて、第2部(第6回から第10回まで)では、犯罪行動から犯人の人物像を推定する犯人像推定について概観する。最後に、第3部(第11回から第15回まで)では、犯罪地点の分布から犯人の活動拠点を推定する地理的プロファイリングについて解説する。
第2回では、リンク分析の理論的基礎を扱う。リンク分析は、複数の犯罪事件が同一犯によるものかを判断するための手法であり、その成立には行動の一貫性や識別性といった理論的前提が必要である。本回では、犯罪行動を分析対象として捉える視点を導入し、行動の構造や意思決定の観点から犯罪行動を理解することで、以降の分析手法の基盤を形成する。また、なぜ行動から推論が可能となるのかという根拠についても整理し、理論と実践の関係を意識した理解を深める。
コマ主題細目
① リンク分析の目的と対象 ② 犯罪行動の理論 ③ 犯罪行動の理解
細目レベル
① 本講義では、リンク分析の基本的目的と分析対象について解説する。リンク分析とは、複数の犯罪事件が同一犯によるものかどうかを犯罪行動の特徴から推論する分析手法であり、主に連続犯罪の特定を目的として用いられる。犯罪捜査では、複数の事件が関連している可能性を早期に把握することにより、捜査資源の集中や捜査方針の決定に重要な役割を果たす。本講義ではまず、連続犯罪の概念を整理し、リンク分析がどのような状況で用いられるのかを説明する。また、同一犯推定の考え方を取り上げ、犯罪行動の比較によって事件間の関連性を評価するというリンク分析の基本的枠組みを理解することを目的とする。さらに、犯罪行動を分析対象とすることの意義についても触れ、物的証拠だけでなく行動的特徴が捜査において重要な手がかりとなり得ることを確認する。
② リンク分析が成立するためには、犯罪行動に関するいくつかの理論的前提が存在する。本講義では、その中でも特に重要な二つの観点として、個人内での一貫性と個人間の識別性を中心に解説する。個人内での一貫性とは、同一人物が複数の犯罪を行う場合、犯行の方法や被害者への接近の仕方、犯行の手順などに一定の共通した行動パターンが繰り返し現れる傾向を指す。一方、個人間の識別性とは、犯罪者ごとに行動の特徴や選択される行動パターンに差異が存在し、他の犯罪者とは異なる特徴が観察され得るという考え方である。リンク分析は、複数の事件に見られる犯罪行動を比較し、これら二つの観点から行動の類似性と差異を評価することによって、事件間の関連性や同一犯の可能性を推定する分析手法である。本講義では、これらの概念を通じて、犯罪行動の比較がどのような理論的根拠に基づいて行われるのかを理解する。
③ リンク分析を行うためには、犯罪行動がどのような構造を持つのかを理解することが重要である。本講義では、犯罪行動を一連の行動過程として捉え、犯罪がどのような段階を経て実行されるのかを検討する。具体的には、犯行の準備、被害者への接近、犯行の実行、犯行後の行動といった犯罪過程の構造について説明する。また、犯罪意思決定の観点から、犯罪者がどのような状況判断や機会認識に基づいて行動を選択するのかについても考察する。さらに、犯罪行動には個人差が存在することを示し、経験や技能、動機などの要因が行動パターンに影響を与える可能性についても検討する。これらの観点を通じて、犯罪行動を分析対象として理解するための基礎的視点を身につけることを目的とする。
キーワード
① リンク分析 ② 同一犯推定 ③ 個人内一貫性 ④ 個人間識別性 ⑤ 犯罪行動の構造
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:科目の中でのこのコマの位置付けをよく理解した上で、配布された文字教材を読み直すこと。また、生成AIを用いたテストワークを必ず複数回行い、自分の理解度を確認すること。理解できていない点については、テキスト教材の該当箇所を改めて通読すること。
予習:次回のコマシラバスを通読し、キーワードをインターネットや参考文献を用いて調べておくことが望ましい。
3
犯罪行動の分析とデータ化
科目の中での位置付け
本科目の目的は、犯罪捜査において用いられるプロファイリングとその心理学的基盤を理解することである。そのため、犯罪行動をどのように分析し、そこからどのように推論を構築するのかという視点を理解する必要がある。そこで、第1部(第2回から第5回まで)では、複数の犯罪事件の関連性を検討するリンク分析について解説を行う。続いて、第2部(第6回から第10回まで)では、犯罪行動から犯人の人物像を推定する犯人像推定について概観する。最後に、第3部(第11回から第15回まで)では、犯罪地点の分布から犯人の活動拠点を推定する地理的プロファイリングについて解説する。
第3回では、犯罪行動の分析とデータ化を扱う。犯罪行動を観察し、その特徴やパターンを整理することにより、分析可能な情報として扱う方法を学ぶ。さらに、行動変数の設定やコーディングといったデータ化の手続きについて理解し、複数事件の比較が可能となる基礎的枠組みを身につける。本回はリンク分析の実践的基盤を形成する重要な回であり、後続の推論過程に直接接続する内容として位置づけられる。
越智 啓太(2015).犯罪捜査の心理学 新曜社(pp. 42-45)
越智 啓太(2008).犯罪捜査の心理学 化学同人(pp. 35-68)
コマ主題細目
① 犯罪行動の観察と分析対象 ② 犯罪行動の特徴と行動パターン ③ 犯罪行動の変数化とデータ化
細目レベル
① 本講義では、犯罪捜査において犯罪行動をどのように分析対象として捉えることができるのかについて解説する。リンク分析では、指紋やDNAなどの物理的手がかりだけでなく、犯行の方法、被害者への接近の仕方、犯行の進め方、犯行後の行動など、犯罪の過程において観察される行動の特徴が重要な情報となる。これらの行動特徴は、犯罪者が犯行の際に選択した行動の結果として現れるものであり、犯罪の進行過程を理解するための手がかりとなる。本講義では、犯罪現場や犯行過程に現れる行動の特徴をどのように記述し整理するのかを説明し、犯罪行動を体系的に観察・分析する視点について検討する。また、複数の事件に見られる行動の特徴を比較することによって、事件間の関連性を検討するというリンク分析の基本的な考え方についても理解することを目的とする。
② リンク分析では、犯罪者がどのような方法や手順で犯行を実行するのかという行動の特徴を把握することが重要となる。本講義では、犯罪行動に現れる特徴的な行動要素や行動パターンについて解説する。犯罪者は犯行の際に、被害者への接近の仕方、犯行に至る手順、使用する手段、犯行後の行動など、一定の方法や行動の選択を行う。これらの行動は状況に応じて変化することもあるが、同一人物による犯行では類似した行動の傾向が見られる場合も多い。本講義では、犯罪行動の具体的な要素を整理し、それらがどのように行動パターンとして把握されるのかを検討する。また、複数の事件において共通して観察される行動特徴が、事件間の関連性を判断する際にどのような手がかりとなり得るのかについても説明する。これにより、犯罪行動の特徴を体系的に理解し、事件比較における分析視点を身につけることを目的とする。
③ リンク分析を行うためには、犯罪行動を単なる出来事として捉えるのではなく、比較可能なデータとして整理する必要がある。本講義では、犯罪行動を分析可能な情報へと整理するための方法として、行動変数の設定や犯罪行動のコーディングについて解説する。具体的には、被害者の属性、犯行場所、犯行時間、接近方法、暴力の程度など、犯罪行動を構成する要素を分析単位として整理する方法を取り上げる。このような行動変数を用いることで、複数の犯罪事件を体系的に比較することが可能となる。また、犯罪行動データをデータベースとして蓄積することの意義についても説明し、犯罪行動を統計的・比較的に分析するための基礎的な方法を理解することを目的とする。
キーワード
① 犯罪行動 ② 行動特徴 ③ 行動パターン ④ 行動変数 ⑤ 犯罪行動コーディング
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:科目の中でのこのコマの位置付けをよく理解した上で、配布された文字教材を読み直すこと。また、生成AIを用いたテストワークを必ず複数回行い、自分の理解度を確認すること。理解できていない点については、テキスト教材の該当箇所を改めて通読すること。
予習:次回のコマシラバスを通読し、キーワードをインターネットや参考文献を用いて調べておくことが望ましい。
4
リンク分析の方法と推論
科目の中での位置付け
本科目の目的は、犯罪捜査において用いられるプロファイリングとその心理学的基盤を理解することである。そのため、犯罪行動をどのように分析し、そこからどのように推論を構築するのかという視点を理解する必要がある。そこで、第1部(第2回から第5回まで)では、複数の犯罪事件の関連性を検討するリンク分析について解説を行う。続いて、第2部(第6回から第10回まで)では、犯罪行動から犯人の人物像を推定する犯人像推定について概観する。最後に、第3部(第11回から第15回まで)では、犯罪地点の分布から犯人の活動拠点を推定する地理的プロファイリングについて解説する。
第4回では、リンク分析の方法と推論過程を扱う。複数事件の行動特徴を比較し、類似性や差異を評価することで同一犯推定を行う方法を理解する。また、行動データの分析方法とともに、推論に伴う不確実性や判断上の課題について検討する。本回では、分析結果をどのように解釈するかという点にも焦点を当て、単なる比較ではなく推論としての位置づけを明確にする。
越智 啓太(2015).犯罪捜査の心理学 新曜社(pp. 42-45)
越智 啓太(2008).犯罪捜査の心理学 化学同人(pp. 35-68)
コマ主題細目
① 事件間比較とリンク推論 ② 犯罪行動データの分析方法 ③ リンク分析の限界と判断の課題
細目レベル
① 本講義では、複数の犯罪事件に見られる行動特徴をどのように比較し、事件間の関連性を検討するのかについて解説する。リンク分析では、各事件において観察された行動の特徴を整理し、それらの共通点や相違点を検討することによって、事件が同一人物による犯行である可能性を推定する。この過程では、犯行方法、被害者への接近の仕方、犯行場所や時間など、さまざまな行動要素を比較し、事件間の行動の類似性や差異を評価することが重要となる。本講義では、犯罪行動の比較という視点から、複数の事件を体系的に検討する方法について説明する。また、行動特徴の比較がどのように同一犯推定の判断材料となり得るのかを検討し、事件間の関連性を推論する際の基本的な考え方を理解することを目的とする。
② リンク分析では、犯罪行動を整理したデータを用いて事件間の関係を検討する。本講義では、犯罪行動データを分析するための基本的な方法について解説する。具体的には、複数の事件において観察された行動変数を比較し、それらの共通性や相違を体系的に評価する方法を取り上げる。また、犯罪行動の特徴を複数の観点から整理し、事件間の行動パターンを把握するための分析的視点についても説明する。さらに、犯罪行動データを用いた比較分析がどのように事件の分類やグループ化につながるのかについても検討する。これにより、犯罪行動をデータとして扱い、複数の事件の関係を客観的に検討するための基本的な分析の考え方を理解することを目的とする。
③ リンク分析は犯罪行動の比較を通じて事件間の関連性を推定する有用な手法であるが、その判断には一定の限界が存在する。本講義では、犯罪行動の比較に基づく推論の不確実性や判断上の課題について検討する。犯罪行動は状況や環境の影響を受けて変化する可能性があり、同一人物による犯行であっても行動が必ずしも一致するとは限らない。また、異なる犯罪者が類似した行動をとる場合もあり、行動の類似性だけで事件の関連性を断定することはできない。本講義では、このような判断上の問題点を整理し、犯罪行動の比較結果をどのように慎重に解釈すべきかについて考察する。これにより、リンク分析を用いる際の適切な理解と批判的視点を身につけることを目的とする。
キーワード
① 事件間比較 ② 同一犯推定 ③ 行動データ分析 ④ 類似性評価 ⑤ 推論の限界
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:科目の中でのこのコマの位置付けをよく理解した上で、配布された文字教材を読み直すこと。また、生成AIを用いたテストワークを必ず複数回行い、自分の理解度を確認すること。理解できていない点については、テキスト教材の該当箇所を改めて通読すること。
予習:次回のコマシラバスを通読し、キーワードをインターネットや参考文献を用いて調べておくことが望ましい。
5
リンク分析の整理と総括
科目の中での位置付け
本科目の目的は、犯罪捜査において用いられるプロファイリングとその心理学的基盤を理解することである。そのため、犯罪行動をどのように分析し、そこからどのように推論を構築するのかという視点を理解する必要がある。そこで、第1部(第2回から第5回まで)では、複数の犯罪事件の関連性を検討するリンク分析について解説を行う。続いて、第2部(第6回から第10回まで)では、犯罪行動から犯人の人物像を推定する犯人像推定について概観する。最後に、第3部(第11回から第15回まで)では、犯罪地点の分布から犯人の活動拠点を推定する地理的プロファイリングについて解説する。
第5回では、リンク分析の総括として理論・方法・分析視点を整理する。第2回から第4回までで扱った内容を統合し、犯罪行動の分析から推論に至る一連の流れを再確認することで、リンク分析の全体構造を理解する。また、実務における活用可能性や限界についても検討し、分析手法としての位置づけを明確にすることで、次の犯人像推定パートへの橋渡しを行う。
第1回から第4回までに挙げたもの
コマ主題細目
① リンク分析の理論の整理 ② 犯罪行動の特徴と分析視点の整理 ③ リンク分析の方法と判断上の課題の整理
細目レベル
① 本講義では、第2回で扱ったリンク分析の理論的前提を整理し、その基本的な考え方を改めて確認する。リンク分析は、複数の犯罪事件に見られる行動の特徴を比較することによって、事件間の関連性や同一犯の可能性を推定する分析手法である。その理論的基盤として重要となるのが、同一人物の行動には一定の共通した傾向が見られるという個人内での一貫性と、犯罪者ごとに行動の特徴が異なる可能性があるという個人間の識別性である。本講義では、これらの概念がどのようにリンク分析の論理的基盤を形成しているのかを整理し、犯罪行動の比較がなぜ同一犯推定につながり得るのかを再確認する。また、犯罪行動を分析対象として捉えることの意義についても改めて検討し、リンク分析の理論的枠組みを総合的に理解することを目的とする。
② 本講義では、第3回で扱った犯罪行動の特徴とその分析視点について整理する。リンク分析では、犯罪行動を単なる出来事としてではなく、一定の行動過程として理解することが重要となる。具体的には、犯行の準備、被害者への接近、犯行の実行、犯行後の行動といった犯罪過程における行動の特徴を観察し、それらを体系的に把握することが求められる。また、犯罪者が犯行において選択する行動には、接近方法、犯行の手順、犯行場所や時間など、さまざまな要素が含まれる。本講義では、これらの行動要素を整理し、犯罪行動の特徴や行動パターンをどのように理解するのかについて改めて検討する。さらに、犯罪行動の観察や記述が、事件比較やリンク分析の基礎となることを確認し、犯罪行動を分析対象として扱うための視点を整理する。
③ 本講義では、第4回で扱ったリンク分析の方法とその判断上の課題について整理する。リンク分析では、各事件において観察された犯罪行動の特徴を整理し、それらの共通点や相違点を比較することによって事件間の関連性を検討する。この過程では、犯罪行動を分析可能な形で整理し、行動変数として比較することが重要となる。本講義では、犯罪行動データの比較や分析の基本的な考え方を改めて確認するとともに、複数事件の行動特徴をどのように評価するのかについて整理する。また、犯罪行動は状況や環境の影響を受けて変化する可能性があるため、行動の類似性だけで事件の関連性を断定することには限界がある。本講義では、このような推論の不確実性や判断上の課題についても再確認し、リンク分析を適切に理解するための視点をまとめる。
キーワード
① リンク分析 ② 同一犯推定 ③ 個人内一貫性 ④ 個人間識別性 ⑤ 犯罪行動分析
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:科目の中でのこのコマの位置付けをよく理解した上で、配布された文字教材を読み直すこと。また、生成AIを用いたテストワークを必ず複数回行い、自分の理解度を確認すること。理解できていない点については、テキスト教材の該当箇所を改めて通読すること。
予習:次回のコマシラバスを通読し、キーワードをインターネットや参考文献を用いて調べておくことが望ましい。
6
犯人像推定の理論的基礎
科目の中での位置付け
本科目の目的は、犯罪捜査において用いられるプロファイリングとその心理学的基盤を理解することである。そのため、犯罪行動をどのように分析し、そこからどのように推論を構築するのかという視点を理解する必要がある。そこで、第1部(第2回から第5回まで)では、複数の犯罪事件の関連性を検討するリンク分析について解説を行う。続いて、第2部(第6回から第10回まで)では、犯罪行動から犯人の人物像を推定する犯人像推定について概観する。最後に、第3部(第11回から第15回まで)では、犯罪地点の分布から犯人の活動拠点を推定する地理的プロファイリングについて解説する。
第6回では、犯人像推定の理論的基礎を扱う。犯罪行動から人物特性を推定するという考え方の前提と論理構造を理解し、推論の成立条件について検討する。また、行動と特性の関係が必ずしも単純ではないことを踏まえ、推論に伴う不確実性や限界についても考察する。本回は犯人像推定の出発点として、後続の方法論理解の基盤を形成する。
渡邉 和美・高村 茂・桐生 政幸(編)(2006).犯罪者プロファイリング入門 北大路書房(pp. 31-41)
コマ主題細目
① 犯人像推定とは何か ② 犯罪行動から人物特性を推定する論理 ③ 犯人像推定の限界と基本的課題
細目レベル
① 本講義では、犯人像推定の基本的な概念とその目的について解説する。犯人像推定とは、犯罪現場における行動や状況に関する情報をもとに、犯人の年齢、性別、生活背景、社会的特性、さらには心理的傾向などの人物像を推論する分析手法である。これは、直接的な物的証拠が十分に得られない場合や、捜査の方向性を定める必要がある場面において、捜査仮説の形成を支援するための補助的手段として用いられる。本講義では、犯人像推定がどのような捜査状況で活用されるのかを整理するとともに、捜査心理学における位置づけについて検討する。また、犯罪行動の分析を通じて人物特性を推定するという基本的な枠組みを理解し、犯人像推定の役割と限界についても考えるための基礎を築くことを目的とする。
② 犯人像推定は、犯罪行動に現れる特徴から犯人の人物像を推論するという前提に基づいている。本講義では、犯罪行動と人物特性の関係について、その論理構造を中心に解説する。犯罪者は犯行において、被害者の選択、接近方法、犯行の手順、犯行場所や時間の選択など、さまざまな意思決定を行うが、これらの行動には個人の経験や能力、動機が反映される可能性がある。本講義では、こうした行動の選択がどのように人物特性の推定につながるのかを具体的に検討する。また、行動から特性を導く際にはどのような仮定や推論過程が存在するのかを整理し、推論の根拠とその限界についても考察することで、犯人像推定の論理的基盤を理解することを目的とする。
③ 犯人像推定は捜査において有用な示唆を与える一方で、その推論には本質的な限界と課題が伴う。本講義では、犯罪行動から人物特性を推定する際に生じる不確実性について検討する。犯罪行動は状況的要因や機会構造の影響を受けて変化する可能性があり、同一人物による犯行であっても常に同一の行動パターンが現れるとは限らない。また、異なる犯罪者が類似した行動をとる場合もあり、行動の類似性から人物像を直接的に導くことには慎重さが求められる。本講義では、このような問題点を整理するとともに、推論の過程において生じ得るバイアスや誤判断のリスクについても検討する。これにより、犯人像推定を過度に信頼することなく、適切に活用するための批判的視点を身につけることを目的とする。
キーワード
① 犯人像推定 ② 人物特性 ③ 犯行特徴 ④ 状況要因 ⑤ 推論の限界
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:科目の中でのこのコマの位置付けをよく理解した上で、配布された文字教材を読み直すこと。また、生成AIを用いたテストワークを必ず複数回行い、自分の理解度を確認すること。理解できていない点については、テキスト教材の該当箇所を改めて通読すること。
予習:次回のコマシラバスを通読し、キーワードをインターネットや参考文献を用いて調べておくことが望ましい。
7
FBI方式による犯人像推定
科目の中での位置付け
本科目の目的は、犯罪捜査において用いられるプロファイリングとその心理学的基盤を理解することである。そのため、犯罪行動をどのように分析し、そこからどのように推論を構築するのかという視点を理解する必要がある。そこで、第1部(第2回から第5回まで)では、複数の犯罪事件の関連性を検討するリンク分析について解説を行う。続いて、第2部(第6回から第10回まで)では、犯罪行動から犯人の人物像を推定する犯人像推定について概観する。最後に、第3部(第11回から第15回まで)では、犯罪地点の分布から犯人の活動拠点を推定する地理的プロファイリングについて解説する。
第7回では、FBI方式による犯人像推定を扱う。類型論に基づくアプローチの特徴を理解し、犯罪行動の解釈を通じて人物像を推定する方法を学ぶ。過去事例を基盤とした推論の仕組みや、その有用性と限界についても検討する。本回は臨床的・経験的アプローチの理解を目的とし、第8回の統計的手法との対比を意識した内容となる。
渡邉 和美・高村 茂・桐生 政幸(編)(2006).犯罪者プロファイリング入門 北大路書房(pp. 45-57)
越智 啓太(2008).犯罪捜査の心理学 化学同人(pp. 11-29)
コマ主題細目
① FBI方式の成立と背景 ② 類型論的アプローチと行動解釈 ③ FBI方式の有用性と限界
細目レベル
① 本講義では、FBI方式による犯人像推定の成立とその歴史的背景について解説する。FBI方式は、アメリカ連邦捜査局において発展した分析手法であり、特に連続殺人や性犯罪といった重大事件の捜査において活用されてきた。この手法は、過去の犯罪事例の分析や収監された犯罪者への面接調査を通じて得られた知見を基盤としており、犯罪行動と人物特性の関係を経験的に整理する点に特徴がある。本講義では、FBI方式がどのような捜査上の必要性から生まれ、どのように体系化されてきたのかを概観する。また、事例に基づく知識がどのように犯人像推定に応用されるのかについても検討し、その基本的枠組みを理解することを目的とする。
② FBI方式の中心的特徴は、犯罪行動をいくつかの類型に分類し、それぞれに対応する人物特性を推定するという類型論的アプローチにある。本講義では、このアプローチの考え方と具体的な行動解釈の方法について解説する。犯罪者は犯行において、被害者への接近方法、犯行の計画性、現場での行動、犯行後の対応などにおいて特徴的な行動を示すことがある。FBI方式では、これらの行動特徴を総合的に評価し、既存の類型と照らし合わせることで人物像を推定する。本講義では、こうした行動解釈のプロセスを整理するとともに、類型に基づく推論がどのように行われるのかを検討することで、類型論的犯人像推定の基本的な仕組みを理解することを目的とする。
③ FBI方式は捜査実務において有用な示唆を提供する一方で、その方法論にはいくつかの限界が存在する。本講義では、FBI方式の利点と問題点の双方について検討する。この手法は、過去の事例に基づく知識を活用することで、比較的迅速に犯人像の仮説を提示できる点に特徴があり、捜査の初期段階において方向性を示す役割を果たす可能性がある。しかしその一方で、類型に依存した推定は個別事例の多様性を十分に反映できない場合があり、また分析過程において主観的判断が入りやすいという問題も指摘されている。本講義では、これらの点を整理し、FBI方式を過度に一般化せず、適切に位置づけるための批判的視点を身につけることを目的とする。
キーワード
① FBI ② 類型論 ③ 秩序型/無秩序型 ④ 事例分析 ⑤ 臨床的プロファイリング
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:科目の中でのこのコマの位置付けをよく理解した上で、配布された文字教材を読み直すこと。また、生成AIを用いたテストワークを必ず複数回行い、自分の理解度を確認すること。理解できていない点については、テキスト教材の該当箇所を改めて通読すること。
予習:次回のコマシラバスを通読し、キーワードをインターネットや参考文献を用いて調べておくことが望ましい。
8
リバプール方式による犯人像推定
科目の中での位置付け
本科目の目的は、犯罪捜査において用いられるプロファイリングとその心理学的基盤を理解することである。そのため、犯罪行動をどのように分析し、そこからどのように推論を構築するのかという視点を理解する必要がある。そこで、第1部(第2回から第5回まで)では、複数の犯罪事件の関連性を検討するリンク分析について解説を行う。続いて、第2部(第6回から第10回まで)では、犯罪行動から犯人の人物像を推定する犯人像推定について概観する。最後に、第3部(第11回から第15回まで)では、犯罪地点の分布から犯人の活動拠点を推定する地理的プロファイリングについて解説する。
第8回では、リバプール方式による犯人像推定を扱う。犯罪行動データの統計的分析に基づくアプローチを理解し、行動パターンの構造から人物特性を推定する方法を学ぶ。最小空間分析などの手法を通じて、行動の関係性を可視化する考え方を理解する。本回は科学的プロファイリングの理解を目的とし、第7回との方法論的差異を明確にする。
渡邉 和美・高村 茂・桐生 政幸(編)(2006).犯罪者プロファイリング入門 北大路書房(pp. 61-68)
越智 啓太(2008).犯罪捜査の心理学 化学同人(pp. 35-68)
コマ主題細目
① リバプール方式の成立と理論的背景 ② 犯罪行動データと統計的分析 ③ 行動パターンと人物特性の関連
細目レベル
① 本講義では、リバプール方式と呼ばれる犯人像推定の枠組みについて、その成立と理論的背景を解説する。このアプローチは、イギリスのリバプール大学を中心として発展したものであり、従来の経験的・類型論的手法とは異なり、犯罪行動を科学的に分析することを重視する点に特徴がある。特に、犯罪行動を人間行動の一形態として捉え、心理学的理論や統計的手法を用いてそのパターンを明らかにしようとする立場をとる。本講義では、このアプローチがどのような問題意識から生まれたのかを整理するとともに、犯人像推定を実証的研究として位置づける考え方について検討する。これにより、リバプール方式の基本的な枠組みとその理論的意義を理解することを目的とする。
② リバプール方式では、犯罪行動をデータとして収集・整理し、そのパターンを統計的に分析することが重視される。本講義では、このアプローチの中心となる犯罪行動データの扱い方と分析方法について解説する。具体的には、複数の犯罪事件における行動特徴を変数として整理し、それらの関係性を最小空間分析などの手法を用いることで明らかにし、犯罪行動の構造を把握する方法を取り上げる。このような分析により、特定の行動パターンと人物特性の関連について統計的に検討することが可能となる。本講義では、犯罪行動を客観的なデータとして扱うことの意義を確認するとともに、統計的分析が犯人像推定にどのように寄与するのかについて理解することを目的とする。
③ 本講義では、犯罪行動のパターンと犯人の人物特性との関連について、リバプール方式の視点から解説する。リバプール方式では、犯罪行動を個別の特徴としてではなく、複数の行動要素の関係性として捉え、その構造を分析することで行動パターンを明らかにする。こうした分析により、特定の行動の組み合わせや傾向が、犯人の生活様式、対人関係、犯罪経験、さらには心理的特性とどのように関連する可能性があるのかを検討することができる。本講義では、統計的手法によって抽出された行動パターンがどのように解釈され、人物特性の推定に結びつけられるのかを具体的に説明する。また、行動と特性の関係は一対一で対応するものではなく、複数の可能性を含むことにも留意しながら、推論の妥当性と限界についても考察することで、実証的アプローチに基づく犯人像推定の理解を深めることを目的とする。
キーワード
① リバプール方式 ② 多変量解析 ③ 行動科学 ④ 統計分析 ⑤ 統計的プロファイリング
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:科目の中でのこのコマの位置付けをよく理解した上で、配布された文字教材を読み直すこと。また、生成AIを用いたテストワークを必ず複数回行い、自分の理解度を確認すること。理解できていない点については、テキスト教材の該当箇所を改めて通読すること。
予習:次回のコマシラバスを通読し、キーワードをインターネットや参考文献を用いて調べておくことが望ましい。
9
犯人像推定の応用と事例分析
科目の中での位置付け
本科目の目的は、犯罪捜査において用いられるプロファイリングとその心理学的基盤を理解することである。そのため、犯罪行動をどのように分析し、そこからどのように推論を構築するのかという視点を理解する必要がある。そこで、第1部(第2回から第5回まで)では、複数の犯罪事件の関連性を検討するリンク分析について解説を行う。続いて、第2部(第6回から第10回まで)では、犯罪行動から犯人の人物像を推定する犯人像推定について概観する。最後に、第3部(第11回から第15回まで)では、犯罪地点の分布から犯人の活動拠点を推定する地理的プロファイリングについて解説する。
第9回では、犯人像推定の応用と事例分析を扱う。罪種ごとの特徴や記述統計に基づく典型像を理解するとともに、具体的事例を通じて分析の実際を学ぶ。また、FBI方式とリバプール方式による推定の違いを比較することで、方法論が結果に与える影響を理解する。本回は理論と実務を結びつける応用回として位置づけられる。
越智 啓太・桐生 正幸(編)(2017).テキスト 司法・犯罪心理学 北大路書房(pp. 2-18)
越智 啓太・桐生 正幸(編)(2017).テキスト 司法・犯罪心理学 北大路書房(pp. 316-334)
コマ主題細目
① 主要犯罪における犯人像 ② 記述統計に基づく犯人像 ③ 方法論による推定の違い(FBI方式とリバプール方式の比較)
細目レベル
① 本講義では、主要な犯罪類型における犯人像の特徴について解説する。犯人像推定は犯罪の種類によってその内容や焦点が異なり、殺人、性犯罪、放火などの罪種ごとに特徴的な行動傾向や犯人特性が指摘されている。例えば、被害者との関係性や犯行の計画性、犯行後の行動などは罪種によって異なるパターンを示すことがある。本講義では、これらの犯罪における典型的な行動特徴を整理し、それらがどのように犯人の年齢、性別、社会的背景、心理的特性の推定に結びつくのかを検討する。また、罪種ごとの違いを理解することで、犯人像推定がどのように具体的な犯罪分析に応用されるのかを把握し、行動特徴と人物特性の関係について理解を深めることを目的とする。
② 本講義では、犯罪データに基づく記述統計を用いた犯人像の把握について解説する。多数の犯罪事例を集約し、年齢、性別、被害者との関係、犯行場所、再犯傾向などの要素を統計的に整理することで、特定の犯罪における典型的な犯人像を把握することが可能となる。このような方法は、個別事例の分析とは異なり、犯罪者集団全体の傾向を把握することを目的としており、捜査における基礎的な判断材料として活用される。本講義では、記述統計に基づく犯人像の意義とその活用方法について説明するとともに、平均的傾向が個別事例に必ずしも当てはまるわけではないという点にも留意し、統計的情報をどのように適切に解釈すべきかについて考察することを目的とする。
③ 本講義では、同一の犯罪事例を対象とした場合に、異なる方法論によって犯人像の推定結果がどのように変化するのかについて検討する。FBI方式は、過去の事例や経験に基づく類型論的アプローチを用いて人物像を推定するのに対し、リバプール方式は犯罪行動データの統計的分析に基づいて行動パターンを抽出し、そこから推論を行う。本講義では、これら二つの方法が同じ行動情報をどのように解釈し、それぞれどのような人物像を導き出すのかを比較することで、方法論の違いが推論結果に与える影響を明らかにする。また、どのような条件下でどの方法が有効であるのかについても検討し、犯人像推定における多様なアプローチの理解を深めることを目的とする。
キーワード
① 罪種 ② 犯人特性 ③ 犯行テーマ ④ 記述統計 ⑤ 方法論的差異
コマの展開方法
社会人講師
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教科書
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コマ用プリント配布資料
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該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:科目の中でのこのコマの位置付けをよく理解した上で、配布された文字教材を読み直すこと。また、生成AIを用いたテストワークを必ず複数回行い、自分の理解度を確認すること。理解できていない点については、テキスト教材の該当箇所を改めて通読すること。
予習:次回のコマシラバスを通読し、キーワードをインターネットや参考文献を用いて調べておくことが望ましい。
10
犯人像推定の整理と総括
科目の中での位置付け
本科目の目的は、犯罪捜査において用いられるプロファイリングとその心理学的基盤を理解することである。そのため、犯罪行動をどのように分析し、そこからどのように推論を構築するのかという視点を理解する必要がある。そこで、第1部(第2回から第5回まで)では、複数の犯罪事件の関連性を検討するリンク分析について解説を行う。続いて、第2部(第6回から第10回まで)では、犯罪行動から犯人の人物像を推定する犯人像推定について概観する。最後に、第3部(第11回から第15回まで)では、犯罪地点の分布から犯人の活動拠点を推定する地理的プロファイリングについて解説する。
第10回では、犯人像推定の総括を行う。理論、方法、応用を整理し、それぞれの関係を統合的に理解する。特に、異なる方法論の前提と限界を比較し、どのような状況で適切な手法を選択すべきかを検討する。本回は第6回から第9回までの内容を再構造化し、推論の妥当性に関する理解を深める。
第6回から第9回までに挙げたもの
コマ主題細目
① 犯人像推定の理論の整理 ② 犯人像推定の方法とデータの整理 ③ 犯人像推定の応用と評価
細目レベル
① 本講義では、第6回で扱った犯人像推定の理論的基盤について整理する。犯人像推定は、犯罪行動や犯行状況に関する情報をもとに、犯人の人物特性を推論する分析手法であり、その根底には「行動から特性を推定できる」という前提が存在する。本講義では、この推論がどのような論理に基づいているのかを改めて確認するとともに、犯罪行動と人物特性の関係をどのように理解すべきかを検討する。また、犯罪行動は状況的要因の影響を受けるため、行動と特性の関係が必ずしも一対一で対応するわけではないことにも留意する。これにより、犯人像推定の理論的枠組みを再確認し、その前提と限界を踏まえた理解を深めることを目的とする。
② 本講義では、第7回および第8回で扱った犯人像推定の方法と、それを支えるデータの扱いについて整理する。犯人像推定には、FBI方式に代表される類型論的アプローチと、リバプール方式に代表される統計的・実証的アプローチという異なる方法論が存在する。前者は過去の事例や経験に基づいて迅速に仮説を提示できる一方で、主観的判断に依拠する側面を持つ。後者は犯罪行動データを体系的に分析し、客観的な根拠に基づく推論を可能とするが、その解釈には慎重さが求められる。本講義では、これら二つの方法の特徴と前提、限界を比較整理するとともに、記述統計に基づく典型像の把握も含め、犯人像推定におけるデータの役割について総合的に理解することを目的とする。
③ 本講義では、第9回で扱った内容を踏まえ、犯人像推定の応用とその評価について整理する。犯人像推定は、殺人や性犯罪などの具体的な事件において、犯罪行動の特徴や統計的傾向をもとに人物像を推定する形で活用される。しかし、その適用には限界があり、推論結果はあくまで仮説の一つとして扱う必要がある。本講義では、罪種ごとの犯人像の特徴や、方法論による推定結果の違いを整理するとともに、犯人像推定をどのように捜査に活用すべきかについて検討する。また、推論の不確実性や誤判断のリスクについても再確認し、犯人像推定を適切に評価するための視点を身につけることを目的とする。
キーワード
① 犯人像推定 ② 犯罪行動 ③ FBI方式 ④ リバプール方式 ⑤ 記述統計による犯人像
コマの展開方法
社会人講師
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PowerPoint・Keynote
教科書
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コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:科目の中でのこのコマの位置付けをよく理解した上で、配布された文字教材を読み直すこと。また、生成AIを用いたテストワークを必ず複数回行い、自分の理解度を確認すること。理解できていない点については、テキスト教材の該当箇所を改めて通読すること。
予習:次回のコマシラバスを通読し、キーワードをインターネットや参考文献を用いて調べておくことが望ましい。
11
地理的プロファイリングの基礎と行動地理学
科目の中での位置付け
本科目の目的は、犯罪捜査において用いられるプロファイリングとその心理学的基盤を理解することである。そのため、犯罪行動をどのように分析し、そこからどのように推論を構築するのかという視点を理解する必要がある。そこで、第1部(第2回から第5回まで)では、複数の犯罪事件の関連性を検討するリンク分析について解説を行う。続いて、第2部(第6回から第10回まで)では、犯罪行動から犯人の人物像を推定する犯人像推定について概観する。最後に、第3部(第11回から第15回まで)では、犯罪地点の分布から犯人の活動拠点を推定する地理的プロファイリングについて解説する。
第11回では、地理的プロファイリングの基礎と行動地理学を扱う。人間の空間行動や活動空間の概念を理解し、犯罪地点の分布がどのように形成されるかを学ぶ。また、アンカーポイントやメンタルマップといった概念を通じて、空間的行動の特徴を把握する。本回は地理プロファイリングの理論的基盤として重要である。
D キム ロスモ 渡辺 昭一(監訳)(2002).地理的プロファイリング 北大路書房(pp. 91-100)
コマ主題細目
① 地理的プロファイリングとは何か ② 人間の空間行動と活動空間 ③ 空間分布の基礎分析
細目レベル
① 本講義では、地理的プロファイリングの基本的な概念とその目的について解説する。地理的プロファイリングとは、複数の犯罪地点の分布から犯人の活動拠点や居住地の位置を推定する分析手法であり、連続犯罪の捜査において重要な役割を果たす。犯罪は無作為に発生するのではなく、犯人の生活圏や行動範囲に影響を受けて空間的な偏りを持って発生する傾向がある。本講義では、このような空間的視点から犯罪を捉えることの意義を説明し、地理的プロファイリングがどのような問題を解決しようとするのかを明らかにする。また、リンク分析や犯人像推定との関係にも触れ、捜査心理学における位置づけを理解することを目的とする。
② 地理的プロファイリングを理解するためには、人間の空間行動の特性を理解することが不可欠である。本講義では、行動地理学の観点から、人がどのように空間を移動し、どのような範囲で日常活動を行うのかについて解説する。人間の行動は無制限に広がるものではなく、自宅や職場などの拠点を中心とした一定の範囲内で行われる傾向があり、この範囲は活動空間と呼ばれる。また、人は空間を主観的に認知しており、その認知構造はメンタルマップとして表現される。本講義では、アンカーポイントや活動空間の概念を通じて、人間の移動や行動範囲の特徴を理解し、これらが犯罪の空間的分布にどのように影響するのかを検討する。
③ 本講義では、犯罪地点の空間分布を把握するための基礎的な分析方法について解説する。地理的プロファイリングでは、複数の犯罪地点がどのように分布しているかを理解することが重要であり、そのための初歩的な手法としてセントログラフィや最近隣分析などが用いられる。セントログラフィでは、犯罪地点の中心を把握することができ、最近隣分析では、点の分布が集中しているのか分散しているのかを評価することができる。本講義では、これらの手法を通じて、犯罪地点の空間的特徴をどのように記述し理解するのかを学ぶとともに、これらの分析が地理的プロファイリングの基礎としてどのように位置づけられるのかを理解することを目的とする。
キーワード
① 地理的プロファイリング ② メンタルマップ ③ アンカーポイント ④ セントログラフィー ⑤ 最近隣分析
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:科目の中でのこのコマの位置付けをよく理解した上で、配布された文字教材を読み直すこと。また、生成AIを用いたテストワークを必ず複数回行い、自分の理解度を確認すること。理解できていない点については、テキスト教材の該当箇所を改めて通読すること。
予習:次回のコマシラバスを通読し、キーワードをインターネットや参考文献を用いて調べておくことが望ましい。
12
犯罪地理学
科目の中での位置付け
本科目の目的は、犯罪捜査において用いられるプロファイリングとその心理学的基盤を理解することである。そのため、犯罪行動をどのように分析し、そこからどのように推論を構築するのかという視点を理解する必要がある。そこで、第1部(第2回から第5回まで)では、複数の犯罪事件の関連性を検討するリンク分析について解説を行う。続いて、第2部(第6回から第10回まで)では、犯罪行動から犯人の人物像を推定する犯人像推定について概観する。最後に、第3部(第11回から第15回まで)では、犯罪地点の分布から犯人の活動拠点を推定する地理的プロファイリングについて解説する。
第12回では、犯罪地理学の理論を扱う。犯行行程、ルーチンアクティビティ理論、合理的選択理論、犯罪パターン理論を通じて、犯罪の空間的発生メカニズムを理解する。これらの理論が犯罪地点の分布や選択にどのように影響するのかを検討し、地理的プロファイリングの理論的枠組みを形成する。
D キム ロスモ 渡辺 昭一(監訳)(2002).地理的プロファイリング 北大路書房(pp. 101-126)
コマ主題細目
① 犯行行程(Journey to Crime)と移動パターン ② 犯罪機会と意思決定(ルーチンアクティビティ理論と合理的選択理論) ③ 犯罪パターン理論と空間的構造
細目レベル
① 本講義では、犯罪者がどのように移動し犯行地点を選択するのかを理解するために、犯行行程(Journey to Crime)の概念について解説する。犯行行程とは、犯罪者が居住地や活動拠点から犯行地点まで移動する過程を指し、その距離や移動パターンには一定の傾向が見られることが知られている。一般に、犯罪は犯人の生活圏の近くで発生しやすい一方で、拠点の直近を避ける傾向も指摘されている。本講義では、距離と犯行頻度の関係や移動の制約について検討し、犯罪者の空間行動がどのようなパターンを持つのかを理解する。また、これらの知見が地理的プロファイリングにおける基礎的な前提となることを確認し、犯罪の空間的分布を理解するための視点を身につけることを目的とする。
② 本講義では、犯罪がどのような条件のもとで発生するのかを説明する理論として、ルーチンアクティビティ理論および合理的選択理論を取り上げる。ルーチンアクティビティ理論では、犯罪は「動機づけられた犯罪者」「適切な対象」「有効な監視の欠如」という三要素が空間的・時間的に重なったときに発生するとされる。一方、合理的選択理論は、犯罪者がリスクや利益を考慮した上で行動を選択する主体であると捉える。本講義では、これらの理論を通じて、犯罪が偶発的に起こるのではなく、特定の機会構造と意思決定のもとで生じることを理解する。また、これらの視点が犯罪地点の分布やターゲット選択にどのように影響するのかを検討し、犯罪の空間的発生メカニズムを把握することを目的とする。
③ 本講義では、犯罪パターン理論を中心に、犯罪がどのような空間的構造の中で発生するのかについて解説する。犯罪パターン理論では、人々の日常活動が行われる空間構造の中で犯罪機会が形成されると考え、拠点となる場所(ノード)、それらを結ぶ移動経路(パス)、および行動範囲の境界(エッジ)といった概念を用いて説明する。この理論により、犯罪は特定の場所に集中する傾向や、移動経路に沿って発生しやすいことが理解される。本講義では、これらの概念を整理し、犯罪の空間的分布がどのような構造によって形成されるのかを検討する。また、これらの知見が地理的プロファイリングにおいてどのように活用されるのかについても理解することを目的とする。
キーワード
① 犯行行程 ② 距離減衰 ③ ルーチンアクティビティ理論 ④ 合理的選択理論 ⑤ 犯罪パターン理論
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:科目の中でのこのコマの位置付けをよく理解した上で、配布された文字教材を読み直すこと。また、生成AIを用いたテストワークを必ず複数回行い、自分の理解度を確認すること。理解できていない点については、テキスト教材の該当箇所を改めて通読すること。
予習:次回のコマシラバスを通読し、キーワードをインターネットや参考文献を用いて調べておくことが望ましい。
13
地理的プロファイリングのモデルと拠点推定
科目の中での位置付け
本科目の目的は、犯罪捜査において用いられるプロファイリングとその心理学的基盤を理解することである。そのため、犯罪行動をどのように分析し、そこからどのように推論を構築するのかという視点を理解する必要がある。そこで、第1部(第2回から第5回まで)では、複数の犯罪事件の関連性を検討するリンク分析について解説を行う。続いて、第2部(第6回から第10回まで)では、犯罪行動から犯人の人物像を推定する犯人像推定について概観する。最後に、第3部(第11回から第15回まで)では、犯罪地点の分布から犯人の活動拠点を推定する地理的プロファイリングについて解説する。
第13回では、地理的プロファイリングの推定モデルを扱う。サークル仮説や重心、確率距離法などの手法を通じて、犯罪地点から拠点位置を推定する方法を理解する。また、拠点型・通勤型といった行動分類との関係についても検討し、モデルの適用条件を明確にする。本回は理論から方法への橋渡しとなる重要回である。
D キム ロスモ 渡辺 昭一(監訳)(2002).地理的プロファイリング 北大路書房(pp. 193-232)
越智 啓太(2008).犯罪捜査の心理学 化学同人(pp. 73-112)
コマ主題細目
① サークル仮説と犯罪者タイプ ② 犯罪地点分布に基づく拠点推定 ③ 確率的地理プロファイリング
細目レベル
① 本講義では、地理的プロファイリングにおける初期モデルとしてサークル仮説を取り上げるとともに、それに関連する犯罪者の空間行動タイプについて解説する。サークル仮説は、複数の犯罪地点を円で囲んだ場合、その内部に犯人の居住地が存在する可能性が高いとする考え方であり、犯罪地点の分布から拠点位置を推定する基本的枠組みである。この仮説と関連して、犯罪者の行動様式は大きく拠点型と通勤型に分類される。拠点型は犯行領域の内部に居住地を持つのに対し、通勤型は領域外から移動して犯行を行う。本講義では、これらのタイプの違いがサークル仮説の適用可能性にどのように影響するのかを検討し、犯罪地点分布の解釈における基本的視点を理解することを目的とする。
② 本講義では、複数の犯罪地点の分布から犯人の拠点位置を推定するための基本的な手法について解説する。地理的プロファイリングにおいては、犯罪地点の位置関係から拠点を推定するために、円中心、空間平均、重心といった手法が用いられる。円中心は、犯罪地点を囲む円の中心に拠点が存在すると考える方法であり、サークル仮説の具体的な適用例である。また、空間平均や重心は、複数の地点の平均的な位置を算出することで拠点を推定する方法である。さらに、疑惑領域は、これらの推定結果を基に一定の範囲を設定し、犯人が存在する可能性の高い領域として捉える考え方である。本講義では、これらの手法の考え方と特徴を整理し、犯罪地点分布から拠点位置を推定する基本的な枠組みを理解することを目的とする。
③ 本講義では、犯罪地点の分布に基づいて犯人の拠点の存在確率を推定する確率的アプローチについて解説する。確率距離法は、犯罪地点と距離の関係に基づき、ある地点が犯人の拠点である可能性を確率的に評価する手法であり、距離減衰の考え方を基盤としている。この方法では、単一の地点を特定するのではなく、空間上の各地点に確率を割り当てることで、犯人の存在可能性を地図上に表現することが可能となる。本講義では、確率的手法の基本的な考え方を説明するとともに、幾何学的手法との違いを明確にし、より精緻な推定方法としての意義を理解することを目的とする。
キーワード
① サークル仮説 ② 拠点型/通勤型 ③ 空間平均・重心 ④ 疑惑領域 ⑤ 確率距離法
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:科目の中でのこのコマの位置付けをよく理解した上で、配布された文字教材を読み直すこと。また、生成AIを用いたテストワークを必ず複数回行い、自分の理解度を確認すること。理解できていない点については、テキスト教材の該当箇所を改めて通読すること。
予習:次回のコマシラバスを通読し、キーワードをインターネットや参考文献を用いて調べておくことが望ましい。
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地理的プロファイリングの応用と評価
科目の中での位置付け
本科目の目的は、犯罪捜査において用いられるプロファイリングとその心理学的基盤を理解することである。そのため、犯罪行動をどのように分析し、そこからどのように推論を構築するのかという視点を理解する必要がある。そこで、第1部(第2回から第5回まで)では、複数の犯罪事件の関連性を検討するリンク分析について解説を行う。続いて、第2部(第6回から第10回まで)では、犯罪行動から犯人の人物像を推定する犯人像推定について概観する。最後に、第3部(第11回から第15回まで)では、犯罪地点の分布から犯人の活動拠点を推定する地理的プロファイリングについて解説する。
第14回では、地理的プロファイリングの応用と評価を扱う。クライムマッピングや犯罪予測の手法を理解し、捜査支援における活用方法を検討する。また、推定精度や妥当性の評価についても扱い、分析手法としての有効性を検証する。本回は実務と研究の双方を扱う応用回である。
D キム ロスモ 渡辺 昭一(監訳)(2002).地理的プロファイリング 北大路書房(pp. 193-232)
越智 啓太(2008).犯罪捜査の心理学 化学同人(pp. 73-112)
越智 啓太・桐生 正幸(編)(2017).テキスト 司法・犯罪心理学 北大路書房(pp. 338-354)
コマ主題細目
① 地理的プロファイリングの実務的活用 ② 犯罪予測とクライムマッピング ③ 地理的プロファイリングの妥当性と評価
細目レベル
① 本講義では、地理的プロファイリングが実際の捜査においてどのように活用されるのかについて解説する。地理的プロファイリングは、連続犯罪における犯人の居住地や活動拠点の候補を絞り込むための手法として用いられ、捜査資源の配分や重点的な聞き込みの対象地域の設定などに寄与する。本講義では、犯罪地点の分布から得られた分析結果がどのように捜査判断に反映されるのかを検討するとともに、他の分析手法(リンク分析や犯人像推定)との併用の重要性についても考察する。また、地理的プロファイリングが単独で結論を導くものではなく、捜査仮説の一部として位置づけられるべきであることを理解し、実務における適切な活用方法を考えることを目的とする。
② 本講義では、犯罪の空間分布を可視化し将来の発生を予測する手法として、クライムマッピングと犯罪予測について解説する。クライムマッピングは、犯罪地点を地図上にプロットすることで、犯罪の集中する領域やパターンを把握する方法であり、ホットスポットの特定に用いられる。また、過去の犯罪データをもとに将来の犯罪発生確率を推定する試みは、予測的警察活動の一環として発展してきた。本講義では、これらの手法の基本的な考え方とその応用可能性について検討するとともに、地理的プロファイリングとの関係を整理する。さらに、犯罪予測の有効性とその社会的影響についても考察し、空間分析の応用範囲を理解することを目的とする。
③ 本講義では、地理的プロファイリングの妥当性および精度について、研究的観点から検討する。地理的プロファイリングは、犯罪地点の分布に基づいて犯人の拠点位置を推定する手法であるが、その推定結果の正確性や有効性は、さまざまな条件によって影響を受ける。本講義では、推定結果が実際の居住地とどの程度一致するのかといった精度の問題や、異なるモデルや手法による推定結果の比較について取り上げる。また、犯行地点数や分布の偏り、犯罪者の移動様式などが推定精度に与える影響についても検討する。さらに、地理的プロファイリングの評価方法や研究の蓄積について概観し、分析手法としての妥当性をどのように検証するのかを理解することを目的とする。
キーワード
① 捜査支援 ② 犯行予測 ③ クライムマッピング ④ ホットスポット ⑤ 推定精度
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:科目の中でのこのコマの位置付けをよく理解した上で、配布された文字教材を読み直すこと。また、生成AIを用いたテストワークを必ず複数回行い、自分の理解度を確認すること。理解できていない点については、テキスト教材の該当箇所を改めて通読すること。
予習:次回のコマシラバスを通読し、キーワードをインターネットや参考文献を用いて調べておくことが望ましい。
15
地理的プロファイリングの整理と総括
科目の中での位置付け
本科目の目的は、犯罪捜査において用いられるプロファイリングとその心理学的基盤を理解することである。そのため、犯罪行動をどのように分析し、そこからどのように推論を構築するのかという視点を理解する必要がある。そこで、第1部(第2回から第5回まで)では、複数の犯罪事件の関連性を検討するリンク分析について解説を行う。続いて、第2部(第6回から第10回まで)では、犯罪行動から犯人の人物像を推定する犯人像推定について概観する。最後に、第3部(第11回から第15回まで)では、犯罪地点の分布から犯人の活動拠点を推定する地理的プロファイリングについて解説する。
第15回では、地理的プロファイリングの総括を行う。理論、モデル、応用を統合し、全体構造を再確認することで理解を深化させる。また、各手法の関係性を整理し、地理的プロファイリングの位置づけを明確にする。本回は本科目全体の締めくくりとして、統合的理解を目指す。
第11回から第14回までに挙げたもの
コマ主題細目
① 空間行動と犯罪地理学の整理 ② 地理的プロファイリングの推定モデルの整理 ③ 地理的プロファイリングの応用と評価
細目レベル
① 本講義では、第11回および第12回で扱った空間行動と犯罪地理学の理論について整理する。地理的プロファイリングは、人間の空間行動に関する理解を基盤としており、活動空間やアンカーポイントといった概念は、犯罪地点の分布を理解する上で重要な視点を提供する。また、犯罪地理学では、犯行行程(Journey to Crime)やルーチンアクティビティ理論、合理的選択理論、犯罪パターン理論などを通じて、犯罪がどのような空間的条件のもとで発生するのかが説明される。本講義では、これらの理論を相互に関連づけながら整理し、犯罪の空間的発生メカニズムを総合的に理解することを目的とする。さらに、各理論がどのように実際の犯罪分布の理解や捜査実務に応用されるのかについても確認し、理論と実践の接続について理解を深める。
② 本講義では、第13回で扱った地理的プロファイリングの推定モデルについて整理する。犯罪地点の分布から犯人の拠点を推定するためには、サークル仮説のような初期モデルに加え、空間平均や重心に基づく位置推定、さらに疑惑領域の設定など、複数の手法が用いられる。また、確率距離法に代表される確率的アプローチは、距離減衰の考え方に基づき、空間上の各地点に対して拠点である可能性を評価する方法である。本講義では、これらのモデルの特徴と相違点を整理し、犯罪地点分布からどのようにして拠点位置の推定が行われるのかを体系的に理解することを目的とする。さらに、それぞれの手法の前提条件や適用範囲、推定結果の解釈の仕方についても整理し、分析の実践的理解を深める。
③ 本講義では、第14回で扱った地理的プロファイリングの応用とその評価について整理する。地理的プロファイリングは、クライムマッピングやホットスポット分析を通じて犯罪の空間分布を可視化し、捜査支援や資源配分に活用される。また、犯罪予測の文脈においても重要な役割を果たす可能性がある。一方で、その推定結果の妥当性や精度は条件に依存しており、異なるモデルや手法による結果の比較や検証が求められる。本講義では、これらの応用と評価の観点を統合的に整理し、地理的プロファイリングをどのように理解し活用すべきかについて総括することを目的とする。さらに、実務と研究の双方の観点からその意義を再確認し、適切な評価の視点を身につける。
キーワード
① 地理的プロファイリング ② 犯罪地理学 ③ 空間行動 ④ 拠点推定 ⑤ 犯行予測
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
復習:科目の中でのこのコマの位置付けをよく理解した上で、配布された文字教材を読み直すこと。また、生成AIを用いたテストワークを必ず複数回行い、自分の理解度を確認すること。理解できていない点については、テキスト教材の該当箇所を改めて通読すること。
予習:次回のコマシラバスを通読し、キーワードをインターネットや参考文献を用いて調べておくことが望ましい。
履修判定指標
履修指標
履修指標の水準
キーワード
配点
関連回
プロファイリングの意義と歴史の理解
プロファイリングの基本概念およびその発展について説明できる。
プロファイリング、捜査心理学、犯罪行動
5
1
プロファイリングにおける分析の流れの理解
犯罪行動の情報をデータ化し、分析・推論へと至る基本的枠組みを説明できる。
行動変数、コーディング、分析手順
5
1,5,10,15
リンク分析の理解
事件間の行動特徴を比較し、同一犯推定に至る理論および方法を説明できる。
リンク分析、同一犯推定、個人内一貫性、個人間識別性、行動変数
20
2-5
犯人像推定の理解
犯罪行動から人物特性を推定する方法およびFBI方式とリバプール方式の違いを説明できる。
犯人像推定、FBI方式、リバプール方式、類型論、統計的プロファイリング
35
6-10
地理的プロファイリングの理解
犯罪地点の分布に基づく拠点推定の理論および方法を説明できる。
地理的プロファイリング、犯罪地理学、拠点推定、犯行予測、サークル仮説、確率距離法
35
11-15
評価方法
期末試験(100%)で評価する。
評価基準
評語
学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・
S (100~90点)
学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・
A (89~80点)
学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・
B (79~70点)
学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・
C (69~60点)
学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・
D (60点未満)
教科書
参考文献
実験・実習・教材費