区分 フィールド自然共通科目
ディプロマ・ポリシーとの関係

カリキュラム・ポリシーとの関係

カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
 フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究をおこなう学科である。陸域・水域・農業の3つの分野について詳しく学ぶとともに、統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案力を養うため、学科共通の授業や複数の分野にかかわる授業も設けている。これにより、幅広い視野をもち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。   
 本科目では、本学科を構成する三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)のそれぞれについて、フィールド実習の特徴と注意点を解説し、実際にフィールドワーク(野外実習や室内実験)を行なう前に学生が身につけておくべき基本知識、たとえば実習のための服装や装備、実習時の注意点、観察や実験の記録の取り方について解説する。さらに、学生が実習時に遭遇する可能性のあるリスク(ケガや事故など)の回避と対処の方法についても説明する。学生を3班(各班は約20名)に分けて、三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)が計5回の講義を班ごとにローテーションすることにより、受講生はすべての領域のフィールドワークについて学修することができる。このように、本科目は二年次以降に行われる実際のフィールド調査で必要となる知識と技術を学生が修得できるような構成とする。

科目の目的
 本科目は、学生を班分けすることにより、それぞれのフィールドワークに関して少人数での学びを通して身につけることを目指す。各フィールド領域の教員がそれぞれの班で講義と実習をすることで、学生は自身でフィールドワークをする際に必要な知識と技術を習得できる。それとともに、陸域・水域・農業の各フィールド領域でのフィールドワークの類似点と相違点を学ぶことできる。教員が少人数班で教育することで、学生ひとりひとりに対してフィールドワークの楽しさとリスクについての関心や理解を深めることができる。一方、学生にとっては、各領域のフィールドワークを実際に行うことで、学生が自身の適性と興味を見極め、2年次にいずれのフィールドに仮分属するのかを決める見通しを立てること本科目の目的である。
到達目標
本科目では、下記の到達目標を立てる:
(1)学生が陸域・水域・農業の各分野におけるフィールドワークの基本的な知識(服装、装備、記録の取り方、注意点など)を理解し、実践的な技術を身につけることを目指す。
(2)フィールドワーク中に発生しうるリスク(事故やケガ)について理解し、その回避策や対処法を学ぶ。この能力は、安全で効果的なフィールドワークを行うために不可欠である。
(3)陸域・水域・農業のフィールドワークにおける共通点と相違点を理解し、各領域の特性を把握する。この目標は、学生が自分の興味や適性に基づいて選択肢を検討できるようにするために重要である。
(4)実際のフィールドワークを通じて、学生が自ら学び、経験を積むことで、今後のフィールド調査に必要な実践的な技術を身につける。
(5)学生がフィールドワークを通じて、自身の適性や興味を再確認し、2年次以降のフィールド領域選択に向けた見通しを立てる。

科目の概要
本科目は、フィールド自然学科を構成する三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)についての理解を深めること目的とした全15回の講義で構成される。受講生は約20名ずつ3つの班に分ける。班内で学力と関心にばらつきがあるようにする。三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)の教員は、全15コマの講義を5回ずつ(1?5回、6?10回、11?15回)に分けて、班ごとにローテーションする。各コマ(小テストなどの時間を除く実質60分)の講義内容は以下の授業構成で統一されている
【1コマ目】各フィールド領域教員の野外実習の内容紹介(3教員各20分)
①教員1の野外実習  ②教員2の野外実習  ③教員3の野外実習
【2コマ目】各フィールド領域教員の野外実習におけるリスク管理(3教員各20分)
①教員1のリスク管理  ②教員2のリスク管理  ③教員3のリスク管理
【3コマ目】フィールドワーク(主教員A+補助教員B,C、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
【4コマ目】フィールドワーク(主教員B+補助教員C,A、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
【5コマ目】フィールドワーク(主教員C+補助教員A,B、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
この構成を通して、学生は本学科の各フィールド領域の実習・実験についての理解を深めることができ、2年次はじめにいずれのフィールド領域に仮分属するかを選択する上で役立つ。

科目のキーワード
フィールド自然学(生態学・農学・進化学)、霊長類学(生態・ニホンザル・群れ生活)、有機農業(土壌微生物・堆肥・コンポスト)、河川工学(多自然川づくり・ホタル・遺伝的多様性)、微生物学(放線菌・代謝産物・生物活性)、昆虫学(行動生態・防衛行動・害虫防除)、海洋哺乳類学(行動生態・鳴音行動・イルカ)
授業の展開方法
 本科目の授業は、教室でおこなう「講義」、学内外での「実習」から構成される。授業では、オリジナルテキスト(PDF版)を配布し、その内容に沿って授業を進める。テキストは、シラバスの「コマ主題細目」に対応した章立てとなっており、各コマは「解説」「練習問題」「まとめ」の三つの要素で構成されている。受講生は約20名ずつ3つの班に分ける。三フィールド領域(陸域・水域・農業)の教員は、全15コマの講義を5回ずつに分けて、班ごとにローテーションする。授業の最初の10分間では、当該回で取り扱う内容の全体像を概観し、そのコマで学習すべき重要事項や学習のポイントを明示する。続く60分間では、コマ主題細目に沿って、細目レベルに関する解説をおこない、その内容を踏まえた練習問題を解くことで理解度を確認する。その後、各コマ主題細目に要点を整理してまとめをおこなう。これを授業回ごとに繰り返すことで、知識を段階的に積み重ね、系統的な理解へと導く。授業の終盤10分間には、その回の内容全体を振り返り、学んだことを整理する。最後に小テストを実施し、理解度を客観的に確認したうえで、解答と解説をおこなう。授業終了後には、次回までに復習をおこなうことが求められる。テキストの解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させる。
オフィス・アワー
甲斐貴光:【前期】
農業基礎演習Ⅰ
農業地理学
基礎ゼミナールⅠ
土壌生態学
インターンシップⅠ
全科目:月曜昼~4限
【後期】
農業基礎演習Ⅱ
基礎ゼミナールⅡ
全科目:月曜1・2限
三瓶真:【前期】
地球環境学火曜3・4限
基礎ゼミナールⅠ木曜5限
【後期】
海洋と水産の科学月曜5限
海洋学演習金2限・5限
基礎ゼミナールⅡ火曜4・5限
久松定智:【月曜日】昼休み、【火曜日】2時限目
中島琢自:※指定時間以外に希望する場合、時間を調整するのでメールなどでご連絡ください。
【前期】
環境と微生物
基礎ゼミナールⅠ
微生物利用学
全科目:火曜1限、水曜昼~5限、木曜2限、金曜4限
【後期】
地域産業学
基礎ゼミナールⅡ
基礎微生物学演習
全科目:月曜5限、火曜1限、木曜4・5限、金曜4限
三中信宏:【前期】
万物は進化する月5限
基礎ゼミナールⅠ月5限
環境データ解析の基礎月5限
【後期】
環境データの可視化技法火曜5限
基礎ゼミナールⅡ月曜5限
基礎ゼミナールⅣ月曜5限
環境研究デザイン論火曜5限
吉田弥生:【前期】
自然共生社会
基礎ゼミナールⅠ
海の大型動物生態学
全科目:月曜~金曜の5限
【後期】
動物行動観察演習A・B
基礎ゼミナールⅡ
環境共生型社会のデザイン
動物行動学
全科目:月曜~金曜の5限
後藤益滋:※演習時に疑問に思ったこと、わからなかったこと、気づきは遠慮なく聞いてください。ただし、質問事項を整理したうえで来訪してください。
【前期】
基礎ゼミナールⅠ木曜4・5限
河川生態学水曜4・5限
【後期】
基礎ゼミナールⅡ木曜4・5限
水生動物学木曜4・5限
群衆生態学月曜2限・昼火曜昼
松原慧:【前期】
情報リテラシーⅠ金曜5限
農業基礎演習月曜4限
基礎ゼミナールⅠ木曜4限
【後期】
情報リテラシーⅡ金曜5限
農業基礎演習Ⅱ月曜5限
基礎ゼミナールⅡ火曜5限
昆虫生態学水曜5限

科目コード TC2022
学年・期 1年・後期
科目名 基礎ゼミナールⅡ(フィールド実地演習)
単位数 2
授業形態 演習
必修・選択 必修
学習時間 【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目
展開科目
関連資格
担当教員名 甲斐貴光・三瓶真・久松定智・中島琢自・三中信宏・吉田弥生・後藤益滋・松原慧
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 【1-1】陸域フィールドの野外実習の内容紹介 科目の中での位置付け  本科目は、フィールド自然学科を構成する三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)についての理解を深めること目的とした全15回の講義で構成される。受講生は約20名ずつ3つの班に分ける。班内で学力と関心にばらつきがあるようにする。三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)の教員は、全15コマの講義を5回ずつ(1〜5回、6〜10回、11〜15回)に分けて、班ごとにローテーションする。各コマ(小テストなどの時間を除く実質60分)の講義内容は以下の授業構成で統一されている
【1コマ目】各フィールド領域教員の野外実習の内容紹介(3教員各20分)
①教員1の野外実習  ②教員2の野外実習  ③教員3の野外実習
【2コマ目】各フィールド領域教員の野外実習におけるリスク管理(3教員各20分)
①教員1のリスク管理  ②教員2のリスク管理  ③教員3のリスク管理
【3コマ目】フィールドワーク(主教員A+補助教員B,C、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
【4コマ目】フィールドワーク(主教員B+補助教員C,A、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
【5コマ目】フィールドワーク(主教員C+補助教員A,B、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
この構成を通して、学生は本学科の各フィールド領域の実習・実験についての理解を深めることができ、2年次はじめにいずれのフィールド領域に進むかを選択する上で役立つ。

【1-1】の授業では、陸域フィールドを担当する教員の野外実習の内容について学ぶ。まず、陸域フィールドを担当するのは、三中教授、西川准教授、久松准教授である。なお、久松准教授は2025年度より着任予定のため、本年度のみ代わりに松原助教が担当する。陸域フィールドの野外実習は、西川准教授による「毎木調査による樹木相の把握」、松原助教による「ImageJを用いた葉の測定」、三中教授による「データ解析ことはじめ」の一連の流れで実施する。

◆コマ主題細目①
・【1-1】テキスト「陸域フィールドの野外実習の内容紹介」 第1節「毎木調査による樹木相の把握」
◆コマ主題細目②
・【1-1】テキスト「陸域フィールドの野外実習の内容紹介」 第2節「ImageJを用いた葉の測定」
◆コマ主題細目③
・【1-1】テキスト「陸域フィールドの野外実習の内容紹介」 第3節「データ解析ことはじ
コマ主題細目 ① 毎木調査による樹木相の把握 ② ImageJを用いた葉の測定 ③ データ解析ことはじめ
細目レベル ① 毎木調査とは、対象とする森林や緑地に生育する、一定以上の大きさのすべての樹木について、分類学的な種の同定や幹直径・樹高などのサイズを測定する調査である。この手法は、森林資源の管理や緑地評価に不可欠な基礎調査である。特に胸高直径(地上1.3mの位置で測定する幹の直径)は、樹木の成長度や齢級を示す主要な指標であり、動物の餌資源となる果実・種子・葉の生産量とも密接に関係している。これらの生産量は胸高直径に比例するため、その測定結果は一次生産量の推定にも有効である。このように、毎木調査は動物調査と相互に補完し合い、研究や保全計画の基盤を成す重要な調査である。ここでは、松山道後キャンパス内に生育する高さ2m以上かつ胸高直径1cm以上の樹木を対象とした毎木調査をおこなうことで、キャンパス内の樹木相を把握することを目的とする。
② 植物を扱う研究では、葉の長さや幅、面積などを測定することが多い。葉の形態を測定する方法は、ノギスや定規を用いたものが基本であるが、ここでは画像解析ソフトImageJを用いた測定方法について学ぶ。ImageJは、無料で使えるソフトウェアで、OSに依存せず様々な環境で利用できるため、世界中で広く普及している。ImageJだけで画像の前処理、測定、解析、簡単な統計処理まで扱うことができるが、ここでは画像の前処理と測定の技術を修得する。まず、学内で採集した葉をスキャナで画像化する。次に、スキャンした画像を、ImageJで前処理しやすいように加工する。その後、ImageJで測定前の前処理を行い、測定したデータをExcelファイルに出力させる。なお、ImageJを利用した測定は、植物に限らず、昆虫の形態測定や微生物や細胞数の測定などにも応用することができる。
③ 統計データ解析の最初の一歩は、「集められた数値や観察結果を整理して、そこから全体の傾向や特徴を理解すること」である。しかし統計学の考え方を使えば、そのデータの中心がどこにあるのか、全体はばらついているのか、それとも似たような値に集中しているのかを明らかにできる。まず重要なのは、扱うデータの性質を区別することである。血液型や出身地のように分類に属する情報は「質的データ」と呼ばれ、平均や分散といった数値計算には向かない。一方で、身長や体重、試験の点数のように数字で表されるものは「量的データ」と呼ばれ、加減や平均などの計算を行うことができる。自分がどちらのデータを持っているかを意識することが、解析の最初の関門になる。また、グラフに描くことで、データの形が直感的に理解できる。棒グラフはカテゴリーの違いを比べるときに便利であり、ヒストグラムは身長や体重のような連続したデータの分布を示すのに役立つ。さらに、中央値や平均値といった代表値を求めることで「データの中心」が数値として把握できるようになる。
キーワード ① 毎木調査 ② 胸高直径 ③ 葉の測定 ④ ImageJ ⑤ 統計データ解析
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
 今回の授業では、陸域フィールドを担当する教員の野外実習の内容について学んだ。各教員の実習内容について、今回の資料を見なくてもおおまかに実施内容を説明できるように理解を深めておくこと。文章教材を熟読し、実習内容について不明な点がある場合は、実習が行われる日までに担当教員に質問に来ること。また、文章教材等を生成AIに読み込ませ、小テストを自ら作成し、学修内容を確認する。

◆次回授業の予習
 次のコマでは、陸域フィールドを担当する教員の野外調査における様々なリスク管理について扱う。次回の文章教材に目を通して予習しておくこと。また、「日本生態学会 野外調査の安全マニュアル案(https://www.esj.ne.jp/safety/manual/)」に目を通して予習しておくこと。気になった単語や文章について、次回の授業で質問できるように目印を付けておくのも有効である。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効である。

2 【1-2】陸域フィールドの野外実習におけるリスク管理 科目の中での位置付け 本科目は、フィールド自然学科を構成する三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)についての理解を深めること目的とした全15回の講義で構成される。受講生は約20名ずつ3つの班に分ける。班内で学力と関心にばらつきがあるようにする。三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)の教員は、全15コマの講義を5回ずつ(1〜5回、6〜10回、11〜15回)に分けて、班ごとにローテーションする。各コマ(小テストなどの時間を除く実質60分)の講義内容は以下の授業構成で統一されている
【1コマ目】各フィールド領域教員の野外実習の内容紹介(3教員各20分)
①教員1の野外実習  ②教員2の野外実習  ③教員3の野外実習
【2コマ目】各フィールド領域教員の野外実習におけるリスク管理(3教員各20分)
①教員1のリスク管理  ②教員2のリスク管理  ③教員3のリスク管理
【3コマ目】フィールドワーク(主教員A+補助教員B,C、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
【4コマ目】フィールドワーク(主教員B+補助教員C,A、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
【5コマ目】フィールドワーク(主教員C+補助教員A,B、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
この構成を通して、学生は本学科の各フィールド領域の実習・実験についての理解を深めることができ、2年次はじめにいずれのフィールド領域に進むかを選択する上で役立つ。

【1-2】の授業では、陸域フィールドを担当する教員の野外実習におけるリスク管理について学ぶ。まず、野外調査で注意すべき身体作法および危険生物への対処方法について学ぶ。次に、野外調査に行くときにしなければならない事前準備について学ぶ。最後に、野外調査で収集したデータ管理について学ぶ。

◆コマ主題細目①
・【1-2】テキスト「陸域フィールドの野外実習におけるリスク管理」 第1節「山野での調査における身体作法」
◆コマ主題細目②
・【1-2】テキスト「陸域フィールドの野外実習におけるリスク管理」 第2節「野外調査の事前準備」
◆コマ主題細目③
・【1-2】テキスト「陸域フィールドの野外実習におけるリスク管理」 第3節「データ管理」
コマ主題細目 ① 山野での調査における身体作法 ② 野外調査の事前準備 ③ 野外調査で収集したデータの管理
細目レベル ① フィールド経験の少ない人が野外調査をおこなう際には、まず野外での基本的な身体の使い方を習得する必要がある。その核心は「疲労しないこと」に尽きる。疲労は判断力を低下させ、通常なら起こらないようなミスを誘発する。その結果、事故の原因となるだけでなく、調査の精度や信頼性を損なうため、常に体力の温存を意識することが重要である。また、運動を目的とする活動と野外調査との違いを理解しておく必要がある。調査では長時間の行動よりも観察や記録に時間を割くため、同じ服装でも運動時より寒さを感じやすい。したがって、適切な休憩の取り方や体温維持の工夫など、調査特有の身体管理について学ぶ。また、山野での調査中に遭遇する可能性のある危険生物とその対処法について学ぶ。
② 野外調査に行く前には、様々な事前準備をしなくてはならない。まず、野外調査を実施する場所について、どのような経路でたどり着けるのか、道に迷いやすい場所は無いか、滑落の危険がある場所は無いかなどを、地図を参照して調査しておく必要がある。ここでは特に、地図の読み方について最低限の技術を修得する。また、万が一、調査中に怪我や体調不良になった場合に備えて、応急セットを準備すること、最寄りの病院の場所を確認すること、緊急連絡先を確認すること、家族や教員などに野外調査に行くことを伝えておくことなどの重要性について学ぶ。野外調査で最も重要なことは、生きて帰ることである。そのために、度が過ぎるほどに注意深く、事前の準備を怠らないことを心がける。
③ 野外調査で得たデータは、一度失われたり誤って扱われたりすると二度と取り戻せない場合が多いため、管理には特有のリスクが存在する。その時点でしか記録できない「一回限りの情報」である。だからこそ、適切に保存・整理しなければ、貴重な研究成果が無駄になってしまう危険がある。第一のリスクは、データの紛失である。野外調査のデータは「その場限り」でしか取得できないため、バックアップを取っていないと取り返しがつかない。第二のリスクは、記録ミスや入力ミスである。野外で急いで記録する際に、数字を取り違えたり、地点番号を誤って書いたりすることがある。第三のリスクは、整理や標準化が不十分で再利用できなくなることである。第四のリスクは、セキュリティや倫理的な問題である。
キーワード ① 野外調査のリスク ② 安全マニュアル ③ 危険生物 ④ 事前準備 ⑤ データ管理
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
 今回の授業では、陸域フィールドを担当する教員の野外実習に関するリスク管理について学んだ。野外調査における危険生物とその対処法、野外調査に行く前にすべき事前準備、野外調査で収集したデータ管理について、資料を見なくても説明できるように理解を深めておくこと。リスク管理について不明な点がある場合は、実習が行われる日までに担当教員に質問に来ること。「日本生態学会 野外調査の安全マニュアル案(https://www.esj.ne.jp/safety/manual/)」を熟読しておくこと。また、文章教材等を生成AIに読み込ませ、小テストを自ら作成し、学修内容を確認する。

◆次回授業の予習
 次のコマでは、松山道後キャンパス内の樹木を対象に「毎木調査」を行う。「陸域フィールドの野外実習の内容紹介」を扱った回の文章教材を熟読し、実習の流れを頭に入れておくこと。気になった単語や文章について、次回の授業で質問できるように目印を付けておくのも有効である。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効である。

3 【1-3】毎木調査による樹木相の把握 科目の中での位置付け  本科目は、フィールド自然学科を構成する三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)についての理解を深めること目的とした全15回の講義で構成される。受講生は約20名ずつ3つの班に分ける。班内で学力と関心にばらつきがあるようにする。三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)の教員は、全15コマの講義を5回ずつ(1〜5回、6〜10回、11〜15回)に分けて、班ごとにローテーションする。各コマ(小テストなどの時間を除く実質60分)の講義内容は以下の授業構成で統一されている
【1コマ目】各フィールド領域教員の野外実習の内容紹介(3教員各20分)
①教員1の野外実習  ②教員2の野外実習  ③教員3の野外実習
【2コマ目】各フィールド領域教員の野外実習におけるリスク管理(3教員各20分)
①教員1のリスク管理  ②教員2のリスク管理  ③教員3のリスク管理
【3コマ目】フィールドワーク(主教員A+補助教員B,C、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
【4コマ目】フィールドワーク(主教員B+補助教員C,A、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
【5コマ目】フィールドワーク(主教員C+補助教員A,B、60分)
① 実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
この構成を通して、学生は本学科の各フィールド領域の実習・実験についての理解を深めることができ、2年次はじめにいずれのフィールド領域に進むかを選択する上で役立つ。

【1-3】の授業では、松山道後キャンパス内の樹木を対象に毎木調査をおこない、その意義と方法を学ぶ。毎木調査は胸高直径や樹高、種名などを測定・記録し、森林資源の管理や緑地評価に不可欠な手法である。胸高直径は樹木の成長度や果実・葉など餌資源の生産量と関係し、動物調査とも密接に関連する。実習では高さ2m以上かつ胸高直径1cm以上の樹木を対象とした毎木調査の手法を修得する。種同定は図鑑を用いて葉や樹皮、花、果実などの形態的特徴をもとにおこない、記録媒体はデータシートを用いる。

◆コマ主題細目①
・【1-3】 テキスト「毎木調査による樹木相の把握」 第1節「毎木調査の基礎知識」
◆コマ主題細目②
・【1-3】 テキスト「毎木調査による樹木相の把握」 第2節「毎木調査の実践」
◆コマ主題細目③
・【1-3】 テキスト「毎木調査による樹木相の把握」 第3節「データ記録媒体」
コマ主題細目 ① 実習準備(毎木調査の基礎知識) ② 実習内容(毎木調査の実践) ③ 実験ノート(データ記録媒体)
細目レベル ① 毎木調査とは、対象とする森林や緑地に生育する、一定以上の大きさのすべての樹木について、分類学的な種の同定や幹直径・樹高などのサイズを測定する調査である。この手法は、森林資源の管理や緑地評価に不可欠な基礎調査である。特に胸高直径(地上1.3mの位置で測定する幹の直径)は、樹木の成長度や齢級を示す主要な指標であり、動物の餌資源となる果実・種子・葉の生産量とも密接に関係している。これらの生産量は胸高直径に比例するため、その測定結果は一次生産量の推定にも有効である。このように、毎木調査は動物調査と相互に補完し合い、研究や保全計画の基盤を成す重要な調査である。ここでは、松山道後キャンパス内に生育する高さ2m以上かつ胸高直径1cm以上の樹木を対象とした毎木調査をおこなうことで、キャンパス内の樹木相を把握することを目的とする。
② 松山道後キャンパス内の毎木調査では、高さ2m以上かつ胸高直径1cm以上の樹木を対象とし、その位置・種名・胸高直径などを記録する。調査はまず各樹木に番号を付して識別する。胸高直径は地上高1.3mの位置で幹の胸高周囲長をメジャーで測定し、記録する。種同定は葉形・葉序・樹皮の質感や色、花や果実の形態などの形態的特徴をもとにおこない、必要に応じて図鑑を参照する。また、落葉期など同定が難しい場合は、冬芽や樹皮模様、樹形などの特徴も利用する。現地で判断がつかない場合は、葉や果実を採取し、室内で詳細に照合する。これらの手順により、キャンパス内の樹木構成や成長状況を長期的に把握でき、生態学的研究や緑地管理の基礎データとして活用できる。
③ 野外調査でのデータ記録媒体には、主に野帳とデータシートがある。野帳は小型で携帯性に優れ、天候や地形を問わず片手で記入できるため、移動しながらの記録に適する。また、自由記述が可能で現場の状況や気づきを柔軟に書き留められる利点がある。一方で、記載形式が一定でないため、後のデータ整理や集計に時間がかかることや、記入漏れが発生しやすい点が欠点である。データシートはあらかじめ記録項目や書式が定められており、必要情報の漏れを防ぎ、後のデータ入力や統計処理が容易になる。また、複数の調査員による記録の統一性が確保しやすい。しかし、項目外の情報を書き込みにくく、状況変化への対応が制限されるほか、用紙が大きく携帯性に劣る場合がある。毎木調査は記録項目が決まっているので、データシートが適している。
キーワード ① 毎木調査 ② 樹木相 ③ 種同定 ④ 胸高直径 ⑤ データシート
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
 今回の授業では、毎木調査の意義とその実施方法を扱った。毎木調査は、一定以上の大きさの全ての樹木について種名や胸高直径、樹高などを測定し、森林資源の管理や緑地評価に欠かせない基礎的手法である。実習では、松山道後キャンパス内の高さ2m以上かつ胸高直径1cm以上の樹木を対象に胸高周囲長を計測してデータシートに記録し、種同定をおこなった。復習においては、授業で記録したデータを整理し、同定結果を図鑑で再確認すること。また、調査手順や測定方法をノートにまとめ直すことが推奨される。また、文章教材を熟読し、実習内容について不明な点がある場合は、担当教員に質問に来ること。また、文章教材等を生成AIに読み込ませ、小テストを自ら作成し、学修内容を確認すること。

◆次回授業の予習
 次コマではImageJを用いた葉の測定方法について扱う。次回の文章教材を熟読し、ImageJの基本的な使い方について概観しておく。また、「陸域フィールドの野外実習の内容紹介」を扱った回の文章教材を熟読し、実習の流れを頭に入れておくこと。気になった単語や文章について、次回の授業で質問できるように目印を付けておくのも有効である。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効である。

4 【1-4】ImageJを用いた葉の測定 科目の中での位置付け  本科目は、フィールド自然学科を構成する三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)についての理解を深めること目的とした全15回の講義で構成される。受講生は約20名ずつ3つの班に分ける。班内で学力と関心にばらつきがあるようにする。三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)の教員は、全15コマの講義を5回ずつ(1〜5回、6〜10回、11〜15回)に分けて、班ごとにローテーションする。各コマ(小テストなどの時間を除く実質60分)の講義内容は以下の授業構成で統一されている
【1コマ目】各フィールド領域教員の野外実習の内容紹介(3教員各20分)
①教員1の野外実習  ②教員2の野外実習  ③教員3の野外実習
【2コマ目】各フィールド領域教員の野外実習におけるリスク管理(3教員各20分)
①教員1のリスク管理  ②教員2のリスク管理  ③教員3のリスク管理
【3コマ目】フィールドワーク(主教員A+補助教員B,C、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
【4コマ目】フィールドワーク(主教員B+補助教員C,A、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
【5コマ目】フィールドワーク(主教員C+補助教員A,B、60分)
② 実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
この構成を通して、学生は本学科の各フィールド領域の実習・実験についての理解を深めることができ、2次はじめにいずれのフィールド領域に進むかを選択する上で役立つ。

【1-4】の授業では、葉の測定方法について学ぶ。葉の形態を測定する方法は、ノギスや定規を用いたものが基本であるが、ここでは画像解析ソフトImageJを用いた測定方法について学ぶ。ImageJの基本的な使い方を学び、画像から葉の長さや幅、面積を測定してExcelファイルに出力させる方法を修得する。

◆コマ主題細目①
・【1-4】テキスト「ImageJを用いた葉の測定」 第1節「実習準備(ImageJの基礎知識)」
◆コマ主題細目②
・【1-4】テキスト「ImageJを用いた葉の測定」 第2節「実習内容(ImageJを使った測定)」
◆コマ主題細目③
・【1-4】テキスト「ImageJを用いた葉の測定」 第3節「実験ノート(ImageJを使った測定結果の出力)」
コマ主題細目 ① 実習準備(ImageJの基礎知識) ② 実習内容(ImageJを使った測定) ③ 実験ノート(ImageJを使った測定結果の出力)
細目レベル ① ここでは画像解析ソフトImageJを用いた測定方法について学ぶ。ImageJは、アメリカ国立衛生研究所が開発した無料で使えるソフトウェアである。OSに依存せず、WindowsやMac、Linuxなど様々な環境で利用できるため、世界中で広く普及している。ImageJを利用した測定は、植物に限らず、昆虫の形態測定や微生物や細胞数の測定などにも応用することができ、今後の研究活動にも役に立つ技術である。ImageJだけで、画像の前処理や、測定、解析、簡単な統計処理まで扱うことができるのが特徴である。ここでは、ImageJの基本的な使い方について学ぶ。特に、画像の前処理と測定の技術について詳しく扱う。ImageJでできること、できないことを理解し、どのような研究に利用できるソフトウェアなのかを理解する。
② 前回の授業で実施した「毎木調査」で対象とした樹木中から、1種を選定する。選定した樹木の葉を採集し、ImageJを用いて「葉の長さ」、「葉の幅」、「葉の面積」を測定する技術を学ぶ。実習では、まず学内で採集した葉をスキャナで画像化する。次に、スキャンした画像を、ImageJで前処理しやすいように別の画像処理ソフトを使って加工する。その後、ImageJで測定前の前処理を行い、前述した各部位の測定を行う。一連の操作を通して、ImageJの基本的な使い方を修得する。また、ImageJの測定結果の表示方法、測定結果の見方についても修得する。また、ImageJを用いて長さや面積を測定する前には、必ず「スケール設定」という操作が必要となる。スケール設定の意義や、スケール設定の実施方法についても学ぶ。
③ ImageJで測定した結果は、ImageJ上では1つのウィンドウに表示される。この測定結果を、Rなどの統計解析ソフトなどでも使えるようにするために、Excelに出力する必要がある。ウィンドウに表示されている結果を、コピーしてExcelシートに貼り付けてもよいが、測定データが膨大になった場合には煩雑な作業となり、人為的なミスも生じやすくなる。そこで、ImageJでは測定結果をExcelで扱えるファイルとして出力させる機能がある。ここでは、②で測定した結果をExcelで扱えるファイル(CSVファイル)として出力させる方法を修得する。CSVファイルの概要についても学び、CSVファイルで出力させる意味と手法を理解する。また、出力させた結果を基に、Excelで簡単なグラフ(散布図)を作成する。
キーワード ① ImageJ ② 画像解析ソフト ③ 葉の測定 ④ スケール設定 ⑤ CSV出力
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
 今回の授業では、ImageJを用いた葉の測定方法および測定結果の出力方法について学んだ。文章教材を読み直し、実習内容を自宅で改めて実施し、ImageJの基本的な使い方を復習しておくこと。特に、ImageJを使った測定の手順、スケール設定の意義と実施手順について復習しておくこと。また、授業では扱わなかったImageJのその他の機能についても、Web検索や生成AIを用いて調べ、その使い方を修得するのもよい。文章教材を熟読し、実習内容について不明な点がある場合は、実習が行われる日までに担当教員に質問に来ること。また、文章教材等を生成AIに読み込ませ、小テストを自ら作成し、学修内容を確認すること。

◆次回授業の予習
 次のコマでは、野外調査で収集したデータの管理方法について扱う。次回の文章教材に目を通して予習しておくこと。気になった単語や文章について、次回の授業で質問できるように目印を付けておくのも有効である。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効である。

5 【1-5】統計データ解析の第一歩 科目の中での位置付け  本科目は、フィールド自然学科を構成する三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)についての理解を深めること目的とした全15回の講義で構成される。受講生は約20名ずつ3つの班に分ける。班内で学力と関心にばらつきがあるようにする。三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)の教員は、全15コマの講義を5回ずつ(1〜5回、6〜10回、11〜15回)に分けて、班ごとにローテーションする。各コマ(小テストなどの時間を除く実質60分)の講義内容は以下の授業構成で統一されている
【1コマ目】各フィールド領域教員の野外実習の内容紹介(3教員各20分)
①教員1の野外実習  ②教員2の野外実習  ③教員3の野外実習
【2コマ目】各フィールド領域教員の野外実習におけるリスク管理(3教員各20分)
①教員1のリスク管理  ②教員2のリスク管理  ③教員3のリスク管理
【3コマ目】フィールドワーク(主教員A+補助教員B,C、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
【4コマ目】フィールドワーク(主教員B+補助教員C,A、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
【5コマ目】フィールドワーク(主教員C+補助教員A,B、60分)
③ 実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
この構成を通して、学生は本学科の各フィールド領域の実習・実験についての理解を深めることができ、2次はじめにいずれのフィールド領域に進むかを選択する上で役立つ。

【1-5】の授業では、統計言語「R」のパッケージ「Rコマンダー」をPCにインストールして、外部データファイルの読み込みなど基本操作を学んだ後、読み込んだデータのグラフによる可視化の手順を習得する。さらに、Rを用いたさまざまな解析の記録をレポートとして出力する方法を学び、統計データ解析の再現可能性について解説する。

◆コマ主題細目①
・【1-5】テキスト「統計データ解析の第一歩」 第1節「RとRコマンダーのインストールと作動確認」
◆コマ主題細目②
・【1-5】テキスト「統計データ解析の第一歩」 第2節「外部データファイルからのデータの読み込み」
◆コマ主題細目③
・【1-5】テキスト「統計データ解析の第一歩」 第3節「Rコマンダーを用いたグラフの描画とレポート作成」
コマ主題細目 ① RとRコマンダーのインストールと作動確認 ② 外部データファイルからのデータの読み込み ③ Rコマンダーを用いたグラフの描画とレポート作成
細目レベル ① Windows PCにRとRコマンダーを導入するには、まずR本体をインストールする必要がある。Rのインストール後、Rコマンダー(Rcmdr)を利用するため、Rのコンソールでインターネット経由で必要なパッケージを取得する。その後 library(Rcmdr) と入力すると、Rコマンダーのウィンドウが立ち上がり、メニュー形式で統計解析を行える。作動確認としては、Rコマンダーのメニューからデータを入力し、単純な記述統計やグラフ作成を試みればよい。これが問題なく動けばインストール成功であり、以後はプログラミングの知識がなくても統計解析を進められる。
② RコマンダーでCSVファイルを読み込むには、まずRコマンダーを起動し、メニューバーから「データ」→「データのインポート」→「テキストファイル、CSV、またはCSV2」を選ぶ。ダイアログが開いたら、インポートしたいCSVファイルを指定し、文字コードや区切り記号(通常はカンマ)を確認する。列名が最初の行に含まれている場合は「最初の行を変数名とする」にチェックを入れるとよい。読み込みが完了すると、データセットがRコマンダー上に表示され、変数や観察値を確認できる。その後、統計解析やグラフ作成をすぐに行える。
③ Rコマンダーでは、メニューバーから「グラフ」を選ぶことで棒グラフ、ヒストグラム、散布図、箱ひげ図など多様な図を簡単に描ける。必要な変数を指定し、オプションで色や凡例を設定すれば、自動的にRスクリプトが生成され、再利用も可能である。また、結果をまとめるには「ファイル」→「新規R Markdownレポート」を選び、解析内容や図表を組み込んだ文書を作成する。Markdown形式はテキストに見出しや強調を簡単に加えられ、Rの出力やグラフを自動的に反映できるため、解析過程を整理し再現性のあるレポートとして保存・共有できる。
キーワード ① 統計データ解析 ② R ③ Rコマンダー ④ グラフ描画 ⑤ マークダウンレポート作成
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
Rコマンダーを復習する際のポイントは、まず 基本操作の流れ を確認することである。すなわち「データのインポート → データの確認 → 基本統計量の算出 → グラフ描画 → 結果の保存」の一連の手続きを思い出すとよい。とくにCSVファイルの読み込み手順や、データセットが正しく表示されているかの確認は欠かせない。
次に、記述統計とグラフ機能 の復習が重要である。平均や中央値、標準偏差を求める操作や、ヒストグラムや箱ひげ図の描画手順を繰り返し練習することで、データの特徴をつかむ力が身につく。また、メニュー操作だけでなく、背後で生成されるRスクリプトを確認すると、統計処理の原理理解にもつながる。

◆次回授業の予習
今後の統計データ解析ではRを用いる機会があるだろう。その際、マークダウンによるレポート作成の練習をしておきたい。R Markdownを用いて解析過程と結果を記録すれば、再現性のあるレポートが作成できる。授業や実習で得たデータを題材に、自分で一通りの流れを再現することが復習の近道である。

6 【2-1】水域フィールド野外実習の内容紹介 科目の中での位置付け フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究をおこなう学科である。陸域・水域・農業の3つの分野について詳しく学ぶとともに、統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案力を養うため、学科共通の授業や複数の分野にかかわる授業も設けている。これにより、幅広い視野をもち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。   
本科目では、本学科を構成する三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)のそれぞれについて、フィールド実習の特徴と注意点を解説し、実際にフィールドワーク(野外実習や室内実験)を行なう前に学生が身につけておくべき基本知識、たとえば実習のための服装や装備、実習時の注意点、観察や実験の記録の取り方について解説する。さらに、学生が実習時に遭遇する可能性のあるリスク(ケガや事故など)の回避と対処の方法についても説明する。学生を3班(各班は約20名)に分けて、三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)が計5回の講義を班ごとにローテーションすることにより、受講生はすべての領域のフィールドワークについて学修することができる。このように、本科目は二年次以降に行われる実際のフィールド調査で必要となる知識と技術を学生が修得できるような構成とする。
第1回は、河川環境における魚類・水生昆虫の生態や分布、環境との関係性を現地で学ぶことで、生物多様性や環境保全への理解を深め、科学的探究力と実践的調査技術を養うことを目的とする。

コマ主題細目 ① 海洋観測に向けた基礎知識 ② 河川生態系の構造と水生生物の基礎知識 ③ 河川環境の実地調査と生物採集・同定技術の習得 ④ データ解析と生物群集を通じた環境評価の実践
細目レベル ① 一つ目のフィールドとして海岸にて海洋観測の基礎を体験することとなる。海洋観測は、地球環境や気候変動の理解、資源の持続的利用や生態系保全、防災・減災に欠かせない基盤的活動である。そのため観測の全過程には正確性と安全性が求められる。不測の事態に対応するため教員の指示に従い、伝達は復唱で確認し、機器の固定や声かけで安全を確保する。観測では水色や透明度、気温、風速、雲量などを目視で記録し、さらに塩分や水温、pHを採水によって測定する。講義内では観測項目の説明を中心に行う。機器を実際に確認し、フィールドで何をどのように観測するのかを含めて手順をイメージしてもらいたい。
② 本講義および実習では、河川生態系の理解を基盤に、魚類や水生昆虫を対象とした観察・分析を体系的に学ぶ。まず講義では、河川生態系の基本的な構造と機能、さらに魚類と水生昆虫の分類や生態に関する基礎知識を習得する。地形・水文・気象といった河川環境の要素が水生生物に与える影響や、環境変化に対する魚類と水生昆虫の応答の違いを解説し、両者を環境指標として活用する事例を紹介する。特に、EPT種(カゲロウ・トビケラ・カワゲラ)や冷水性魚類といった代表的な指標生物の特徴や分布を学ぶことで、実習での観察や分析の視点を明確化する。
③ 続く野外調査では、大学周辺の大川水系をフィールドに、上流・中流・下流といった多様な環境条件下で魚類・水生昆虫の採集・観察・分類を行う。採集はタモ網や投網、ドレッジ、キックサンプリングなどを用い、併せて流速、水温、pH、導電率、底質などの環境計測を実施する。さらに、採集した生物の同定や標本処理、記録の方法(スケッチ、チェックリスト、フィールドノート)を実践的に学び、科学的データ収集の基礎を身につける。あわせて、安全管理や過剰採取を避ける倫理的配慮も重視し、生態系を読み解く実践力を養うことを目指す。
④ 水生昆虫・プランクトン・底生生物など多様な水生動物を対象に、分類・標本処理・倫理的探究姿勢を体系的に学ぶ。まず、分類技術の基礎として、界・門・綱・目・科・属・種といった分類階級や形態学的特徴の見方を理解し、顕微鏡を用いた観察を通じて分類群を特定する視点を養う。さらに図鑑や検索表を活用し、科・属・種レベルでの同定力を育成する。同定の際には、発育段階や環境条件による形態の変化を踏まえ、複数個体を比較観察することで正確性を高める。次に、採集された水生動物を研究資源として保存・活用するため、適切な保存液の選択や標本処理・ラベリング・データベース管理を実習する。これにより、後の解析や研究者間での共有に対応できる資料管理能力を習得する。同時に、採集から観察・解析に至る科学的手法を体系的に学び、客観性に基づいた科学的態度を養うとともに、生物を「研究材料」ではなく「生きもの」として扱う倫理観を重視する。3Rs(Replacement, Reduction, Refinement)の原則や環境保全への配慮を学び、不要な犠牲を避ける研究姿勢を身につける。最後に実習全体を振り返り、観察結果を整理することで科学的思考力と責任ある態度を培い、将来の研究や技術に活かす基盤を形成する。
キーワード ① 野外実習(海、河川) ② 海洋観測(採水、目視観測、気象海象) ③ 河川生態系(指標生物、水生昆虫、環境評価)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】
本実習の復習は、第一に各フィールドで行う内容を授業資料を用いて確認し、実際の現場での作業を明確にイメージしておくことである。また、各自が調査時に記録したフィールドノートや採集データをもとに、出現種の分類・生態的特徴を整理し、調査地点ごとの環境条件と生物群集の違いを考察する。さらに、実習を通して得た気づきや課題を振り返り、今後の研究や学習への展望を記述することで、野外科学調査の意義と応用力を総合的に確認する。また、配布オリジナルテキストの解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させる。


【予習】
水域フィールドにおける野外実習を安全かつ効果的に行うためには、自然環境に潜むリスクを正しく理解し、適切に対処する知識と姿勢が必要である。実習に参加する前に、近年発生した河川での水難事故や生物に関連する事故の事例を1つ調べ、その概要と原因、回避できたと考えられる対策を簡潔にまとめてください(A4用紙1枚以内、書式自由)。また、気象や水位の変化に関連する情報源(例:気象庁、川の防災情報サイトなど)を各自で調べ、どのような情報が確認できるかを実際に閲覧しておくこと。

7 【2-2】水域フィールド野外実習におけるリスク管理 科目の中での位置付け フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究をおこなう学科である。陸域・水域・農業の3つの分野について詳しく学ぶとともに、統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案力を養うため、学科共通の授業や複数の分野にかかわる授業も設けている。これにより、幅広い視野をもち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。   
本科目では、本学科を構成する三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)のそれぞれについて、フィールド実習の特徴と注意点を解説し、実際にフィールドワーク(野外実習や室内実験)を行なう前に学生が身につけておくべき基本知識、たとえば実習のための服装や装備、実習時の注意点、観察や実験の記録の取り方について解説する。さらに、学生が実習時に遭遇する可能性のあるリスク(ケガや事故など)の回避と対処の方法についても説明する。学生を3班(各班は約20名)に分けて、三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)が計5回の講義を班ごとにローテーションすることにより、受講生はすべての領域のフィールドワークについて学修することができる。このように、本科目は二年次以降に行われる実際のフィールド調査で必要となる知識と技術を学生が修得できるような構成とする。
第2回は、実習におけるリスク管理能力の習得を目的とし、自然環境下での安全確保と倫理的調査態度の涵養を図るものである。事前準備から実施・事後対応までの一連の安全対策を体系的に学ぶことで、実習における危機回避能力と環境への配慮を兼ね備えた行動力を養成する。

コマ主題細目 ① 実習におけるリスクの理解と分類(気象・水位・地形・生物・感染症・心理的要因など) ② 実習前後における安全管理体制の構築と緊急時対応の基礎知識 ③ 調査活動における倫理的配慮と生態系保全の視点からの行動規範
細目レベル ① 水域フィールドにおける野外実習は、自然との直接的な接触を通して生物多様性や環境変化を理解する貴重な機会である一方、多様かつ複雑なリスクを伴う活動でもある。このコマでは、河川実習中に発生し得るリスクを体系的に理解し、それらを分類・整理する力を養うことを目的とする。具体的には、気象・水位の急変(例:ゲリラ豪雨、落雷)、地形的リスク(例:急深部、滑落)、生物との接触による危険(毒蛇・蜂・ヒル・アレルギー反応など)、衛生リスク(レプトスピラ症や水質汚染)、心理的リスク(焦り・過信・判断ミス)といった各カテゴリーに分けて説明を行う。また、過去の事故例を用いて、リスクが現実の事故につながるメカニズムを分析し、単なる知識習得に留まらず、危険を予測し回避する視点を身につけさせる。さらに、リスクには地域特有の要素もあることを理解し、土地ごとの自然条件や風土への配慮も重要であることを学ぶ。これらの知識は、安全なフィールド活動を行ううえで不可欠であり、今後の実習において参加者が自律的かつ冷静に状況を判断する力の基盤となる。
② このコマでは、実習の事前・実施中・事後における安全管理の具体的手順を学び、緊急時にも適切に対応できる能力を育てることを目指す。まず事前段階では、天候・水位・流量データの確認、現地での下見、装備品(長靴、ライフジャケット、防水バッグなど)の準備、安全講習の実施が重要となる。特に、気象変化の読み方や、上流域の降雨による下流の急な増水リスクについて、データの見方と判断基準を具体的に解説する。実習中は、グループでの行動を基本とし、単独行動を禁止。定期的な人数確認や、現地でのルール(流れの速い場所に入らない、急な動きを避ける)を守ることの大切さを指導する。また、負傷や溺水が発生した際の応急手当の基本(止血・骨折固定・ポイズンリムーバー使用法など)や、緊急連絡フロー(教員→消防→病院)も習得する。実習後には装備品と身体状況のチェックを行い、ヒルやダニの付着、切創の有無などを確認することが再発防止に不可欠である。安全管理は単なる「マニュアル遵守」ではなく、自然環境の変化を自ら観察し、危険を先取りする行動力と判断力に支えられるという理解を深める。
③ このコマでは、実習における倫理的行動と環境への配慮について学ぶ。調査活動では、生物を対象とした採集・観察・標本作成を行う場面が多く見られるが、これらは一歩間違えば生物個体や生態系に大きな影響を与えかねない。例えば、魚類や水生昆虫の無秩序な捕獲、外来種の意図せぬ移動、棲息地の物理的破壊(石の移動や中洲の踏み荒らしなど)は、調査対象を損ねるばかりか、地域全体の環境劣化にもつながる。本コマでは、「採集は必要最小限に」「元の場所に正確に戻す」「採集前に教員の許可を得る」といった基本行動規範を学ぶ。また、漁業権や自然公園法等、地域によって異なる規制や許認可(例:特別採捕許可書、水産事務所・漁協の同意)についても触れ、法令順守の重要性を理解する。さらに、危険生物に対する過度な駆除や過剰反応を避け、共存する姿勢を持つことも重要である。倫理的配慮とは、調査の正確性や客観性を担保するうえでも欠かせない要素であり、科学的・持続的なフィールド調査を行う研究者としての基礎的態度を育てる学びでもある。
キーワード ① リスク管理 ② 野外実習 ③ 安全対策 ④ 生態系保全 ⑤ 緊急対応能力
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】
本実習を通じて、自分がどのようなリスクを認識し、どのように対応したかを具体的に振り返るとともに、実習前に学んだ安全管理の知識や行動規範が現場でどのように活かされたか、または不十分であったかを考察し、例えば滑りやすい川底での転倒リスクや、気温上昇による熱中症への備え、毒をもつ生物との接触に対する警戒、そして実際の緊急対応に関する理解と実践力の不足などについて、自身の行動や観察をもとに分析し、生態系への配慮の観点からは、生物を扱う際の丁寧な操作や元の環境への正確な戻し方、外来種や希少種に対する注意などについての自覚を深め、さらに今後の野外活動においては、リスクを未然に察知し、冷静に判断・行動できる力を高めていく必要がある。また、配布オリジナルテキストの解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させる。

【予習】
第3回目は、沿岸に訪問し、実際に海洋の観測を行う。予習課題として、まず「観測準備」に関しては、現場での復唱やロープ固定が安全確保にどのように役立つのかを自分の言葉で説明せよ。次に「海洋観測の内容確認」について、海洋観測が社会に果たす役割を二つ挙げ、その中で表面観測に含まれる目視観測と採水観測の違いを整理しなさい。さらに「観測後の処理」について、観測後の機器の洗浄やデータ整理を怠った場合にどのような問題が起こり得るかを考察せよ。以上を踏まえ、観測前から観測後までの一連の流れを安全性・正確性・持続性の三つの観点でまとめ、レポート(400字程度)にまとめること。

8 【2-3】フィールドワーク(1)海洋観測の基本 科目の中での位置付け フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究をおこなう学科である。陸域・水域・農業の3つの分野について詳しく学ぶとともに、統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案力を養うため、学科共通の授業や複数の分野にかかわる授業も設けている。これにより、幅広い視野をもち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。   
本科目では、本学科を構成する三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)のそれぞれについて、フィールド実習の特徴と注意点を解説し、実際にフィールドワーク(野外実習や室内実験)を行なう前に学生が身につけておくべき基本知識、たとえば実習のための服装や装備、実習時の注意点、観察や実験の記録の取り方について解説する。さらに、学生が実習時に遭遇する可能性のあるリスク(ケガや事故など)の回避と対処の方法についても説明する。学生を3班(各班は約20名)に分けて、三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)が計5回の講義を班ごとにローテーションすることにより、受講生はすべての領域のフィールドワークについて学修することができる。このように、本科目は二年次以降に行われる実際のフィールド調査で必要となる知識と技術を学生が修得できるような構成とする。
第3回は海洋フィールドの実習・調査で必要とされる海の様子を観測するための、基本観測項目を取り扱う。実際に海岸へ行き、観測項目に従って観測機器を用いて、データを取得する。

【参考資料】
コマ主題細目1
ポール・R・ピネ 著、海洋学 第4班、東海大学出版部、p1-29

コマ主題細目2
東海大学海洋学部編、海洋実習ハンドブック、東海大学出版会、p1-14
ポール・R・ピネ 著、海洋学 第4班、東海大学出版部、p1-29

コマ主題細目3
東海大学海洋学部編、海洋実習ハンドブック、東海大学出版会、p1-14
ポール・R・ピネ 著、海洋学 第4班、東海大学出版部、p1-29
コマ主題細目 ① 観測準備 ② 海洋観測の内容確認 ③ 観測後の処理
細目レベル ① 観測作業では、まず時計を日本標準時に合わせ、機器や服装を整え、すぐに作業を開始できる状態にする。現場では不測の事態に備え、教員の指示に従い臨機応変に対応することが求められる。伝達ミス防止のため復唱を徹底し、機器のロープは必ず固定、引き上げ時は見張りと声かけで安全を確保する。観測記録である野帳は唯一の原本で訂正不可のため、その場で正確に記入し、記憶に頼った後書きは禁止される。誤記の際は訂正線を引いて記し、消しゴムや塗りつぶしは行わない。作業は担当ごとに分担し、目視観測や採水観測を行い、野帳に記録する。観測が全て終了したのち、最後に全員で復唱しデータを照合する。水際作業では落水の危険があるため、安全確保と相互の注意が重要である。また、採水を実際に行う人は必ずライフジャケットを着用する。
② 地球は表面の約71%を水に覆われ、水の惑星と呼ばれる。その大部分98%は海水であり、海洋は気候を支える基盤として重要であるとされる。したがって海洋観測は、地球環境や気候変動の理解、資源の持続的利用や生態系保全、防災・減災に不可欠である。観測により海水温や海流、生物動態を把握し、異常気象や津波予測、資源管理に役立てることができ、国際協力や社会の安全にも貢献する。ここでは基本の海洋観測としてまず海面である表面観測を行う。表面観測は、眼による目視観測と採水観測に分けられる。目視観測では水色と透明度の測定を行う。また天候記録となる気温・湿度・風向・風速・天候・雲量・雲形・波浪を測定記録する。次に採水観測では塩分、水温、pHを専用の機器を用いて測定する。これらのデータを野帳に記録する。
③ 海洋観測においては、観測後の測器の処理とデータ整理が極めて重要である。海水には塩分が含まれるため、機器をそのまま放置すると錆や劣化が進み、次回の観測に使用できなくなる。したがって観測終了後は、採水器や透明度板などを十分に洗浄し、水分を拭き取って乾燥させ、適切に収納することが不可欠である。機器を常に良好な状態に保つことは、観測の継続性と精度を確保する上で欠かせない。また、観測後のデータ整理も同様に重要である。野帳に記録した内容を整理し、必要に応じてデータ交換を行うことで、記録の不備や誤りを防ぐことができる。さらに、これらの観測資料は定量的な分析や報告書作成の基礎となるため、正確な日時や内容を確認し、体系的にまとめておく必要がある。測器の適切な処理とデータ整理は、観測成果を確実に活かし、次の調査や研究につなげるための基本である。
キーワード ① 海洋観測(表面観測、気象海象) ② 準備と安全(服装、伝達) ③ 機器の処理(洗浄、データ整理)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】
本課題では海洋観測の基本的理解を確認する。まず用語理解として、①海洋観測、②野帳、③表面観測とは何かを簡潔に説明し、それぞれ200文字程度でノートに書き出すこと。次に、海洋観測が社会にとって重要である理由は何かを、200文字程度でノートに書き出す。本実習が何に役に立つのか、科学的および社会的な重要性を理解することで、高学年での実習及び就職時に必ず役にたつはずである。さらに、観測後に機器を洗浄・乾燥させたが、なぜそのような処理が必要だったかを理由についても同様に書き出しておくこと。最後に今回の観測で記入した野帳はレポートの代わりとして回収するため、次回まで大切に保管しておくこと。また、配布オリジナルテキストの解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させる。

【予習】
次回は、中小河川をフィールドに、魚類(コイ科・ハゼ科・カジカ科等)および水生昆虫(カゲロウ・カワゲラ・トビケラ等)を対象として、瀬・淵・岸辺・落葉帯といった多様な微小環境における生物相の違いや、環境要因(水温・pH・溶存酸素・電気伝導度・流速など)との関係性を調査・解析することを目的とし、タモ網・キックネットなどを用いた採集、生物の同定・測定、簡易水質調査機器による現地測定、水槽や容器による一時保管、データ整理・考察・発表を通じて、淡水生態系における指標生物の生態的役割とその保全的価値、科学的思考力、フィールドにおける安全管理およびチームワークの重要性を体得することが求められるため、当日は野外活動に適した服装・用具を整えた上で、実習の背景・目的・方法を十分に理解したうえで参加すること

9 【2-4】フィールドワーク(2)河川実習 科目の中での位置付け フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究をおこなう学科である。陸域・水域・農業の3つの分野について詳しく学ぶとともに、統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案力を養うため、学科共通の授業や複数の分野にかかわる授業も設けている。これにより、幅広い視野をもち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。   
本科目では、本学科を構成する三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)のそれぞれについて、フィールド実習の特徴と注意点を解説し、実際にフィールドワーク(野外実習や室内実験)を行なう前に学生が身につけておくべき基本知識、たとえば実習のための服装や装備、実習時の注意点、観察や実験の記録の取り方について解説する。さらに、学生が実習時に遭遇する可能性のあるリスク(ケガや事故など)の回避と対処の方法についても説明する。学生を3班(各班は約20名)に分けて、三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)が計5回の講義を班ごとにローテーションすることにより、受講生はすべての領域のフィールドワークについて学修することができる。このように、本科目は二年次以降に行われる実際のフィールド調査で必要となる知識と技術を学生が修得できるような構成とする。
第4回の本実習は、講義で学んだ淡水生態系に関する基礎知識や環境保全の概念を、実際のフィールドにおいて実践的に応用・深化させることを目的とする。魚類や水生昆虫を対象とした現地調査を通じて、生物多様性の理解、環境要因との関係性の分析、調査技術や分類の基礎的技能の習得を図るとともに、科学的な思考力・観察力・課題解決能力を養う。

①、②国土交通省、河川水辺の国勢基本調査調査マニュアル【河川編】 H28年度版 調査マニュアル https://www.nilim.go.jp/lab/fbg/ksnkankyo/mizukokuweb/system/manual.htm
コマ主題細目 ① 河川環境における魚類・水生昆虫の採集と同定 ② 簡易水質調査と生物分布との関係分析 ③ 調査結果の解析と生態学的考察
細目レベル ① 本実習では、河川の瀬・淵・岸辺・水草帯など多様なハビタットを対象として、タモ網やキックネットを用いた魚類および水生昆虫の採集を行い、採集後は白トレイや観察容器を用いて外部形態や行動を観察したうえで、魚類図鑑や昆虫検索表に基づいて正確な種の同定を試み、体長測定や個体数記録を通じて河川環境における生物多様性を定量的に把握するとともに、それぞれの生物がどのような微小環境を好んで生息していたかを比較検討し、異なるハビタットでの種構成の違いを明らかにすることで、河川内の空間的な多様性や環境条件と生物分布の関連性を体感的に学ぶことを目的とし、あわせて、生物採集における倫理的配慮や安全管理の重要性も理解する。
② 魚類および水生昆虫の分布や種多様性を理解するうえで、河川の物理化学的環境がいかに重要であるかを実感的に学ぶため、現地において水温・pH・溶存酸素・電気伝導度・流速といった基本的な水質項目を簡易測定機器で計測し、得られた数値をもとに各調査地点の環境特性を把握したうえで、それぞれの地点で採集された生物との対応関係を考察し、例えば高い溶存酸素濃度が魚類や感受性の高い水生昆虫の多様性と正の相関を示す傾向や、電気伝導度の上昇が流域の人為的影響(農業や生活排水)を反映している可能性などについて議論を深めることで、生物データと環境データの統合的な解釈の重要性を理解し、環境評価の視点を育成することを目指す。
③ 調査を通じて得た生物データおよび環境データを整理・集計・可視化し、地点間やハビタット間での種組成の違いや環境要因との相関を分析して、生態学的視点からの考察を加えたうえで、班単位で口頭発表やポスター発表を行うことにより、実地調査に基づく科学的な報告能力を養うとともに、仮説設定と検証、論理的思考、結果の意味づけといった研究活動の基本的な手順を体得することを目的とし、さらに他班の発表との比較や討論を通じて、調査設計や分析方法の工夫点・改善点を見出す力を養い、フィールドに根ざした生態学的思考と協働による問題解決能力を高めることを目指す。
キーワード ① 淡水生態系 ② 指標生物 ③ 水生昆虫 ④ 環境要因 ⑤ 野外調査技法
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】
本実習を通じて得られた魚類および水生昆虫の採集結果と、各調査地点で測定した水温・pH・溶存酸素・電気伝導度・流速などの環境データを対応させ、生物の分布や種構成が環境要因とどのように関係していたかを考察するとともに、特定の種が好んで生息していたハビタットの特徴や、人為的な改変が確認された地点の生物相との違いについて分析を行い、得られた知見をもとに、河川の健全性を評価する上で有効であった指標種や測定項目、採集手法について振り返ること、さらに予習段階で理解していた内容と現場での実体験との差異や新たな気づきを明確にし、野外調査における観察力・柔軟な対応・チームでの協働の重要性についても、自身の行動や役割をふり返りながら、今後の環境調査や保全活動にどう活かすべきかを具体的にまとめること。また、配布オリジナルテキストの解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させる。

【予習】
予習課題として、まず水生昆虫やプランクトン、底生生物の分類に関する基礎を整理し、分類階級(界・門・綱・目・科・属・種)の意味を自分なりにまとめなさい。また、顕微鏡観察で確認すべき形態的特徴(触角、体節、鰓、翅脈、尾毛など)を調べ、図鑑や検索表の使い方を確認しておくこと。

10 【2-5】フィールドワーク(3)水生生物の種同定 科目の中での位置付け フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究をおこなう学科である。陸域・水域・農業の3つの分野について詳しく学ぶとともに、統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案力を養うため、学科共通の授業や複数の分野にかかわる授業も設けている。これにより、幅広い視野をもち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。   
本科目では、本学科を構成する三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)のそれぞれについて、フィールド実習の特徴と注意点を解説し、実際にフィールドワーク(野外実習や室内実験)を行なう前に学生が身につけておくべき基本知識、たとえば実習のための服装や装備、実習時の注意点、観察や実験の記録の取り方について解説する。さらに、学生が実習時に遭遇する可能性のあるリスク(ケガや事故など)の回避と対処の方法についても説明する。学生を3班(各班は約20名)に分けて、三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)が計5回の講義を班ごとにローテーションすることにより、受講生はすべての領域のフィールドワークについて学修することができる。このように、本科目は二年次以降に行われる実際のフィールド調査で必要となる知識と技術を学生が修得できるような構成とする。
第5回は、水生動物の採集から実験室での処理・同定までの一連のプロセスを体験することにより、分類学的手法、生理・生態的解析、分子レベルの観察技術を実践的に学ぶことを目的としています。特に、水生昆虫・プランクトン・底生生物の種同定を通して、生物多様性の把握や環境評価に必要な知識と技術を習得するとともに、生物の命を尊重する倫理観や自然への敬意を育むことを重視しています。講義で得た知識を実地で応用し、科学的観察力と論理的思考力を養う。

①、②、③国土交通省、河川水辺の国勢基本調査調査マニュアル【河川編】 H28年度版 調査マニュアル https://www.nilim.go.jp/lab/fbg/ksnkankyo/mizukokuweb/system/manual.htm、日本産水生昆虫 第二版: 科・属・種への検索、2005、川合 禎次 (著), 谷田 一三 (著)
コマ主題細目 ① 水生動物の分類と種同定の基本技術 ② 標本処理とラベリング・データ管理の実際 ③ 科学的探究のプロセスと倫理的配慮
細目レベル ① 水生昆虫・プランクトン・底生生物など、さまざまな水生動物の種を識別し分類するための基本技術を習得することを目的とする。分類の基礎として、まず分類階級(界・門・綱・目・科・属・種)や形態学的特徴の見方について学ぶ。次に、実体顕微鏡や生物顕微鏡を用いた観察方法に習熟し、観察ポイント(触角の構造、体節、鰓の形状、翅脈、尾毛など)を理解することで、分類群の絞り込みに必要な視点を養う。図鑑や検索表(検索キー)の使用方法にも重点を置き、『日本の水生昆虫』『淡水プランクトン図鑑』『日本近海産無脊椎動物図鑑』などの信頼性の高い資料を活用しながら、科・属・種のレベルで同定できる力を身につける。分類作業には時間と経験を要するが、同一種でも生息環境や発育段階によって形態が異なる場合があることも理解し、同定結果の正確性と客観性を高めるために複数個体の比較観察や反復確認を行うことの重要性を学ぶ。同定技術は、自然環境の変化や人為的影響を検出する上での基礎データとなる
② 採集された水生動物を研究資源として活用するために必要な、標本処理・保存・管理の技術を実習する。まず、生物の種類や解析目的に応じて保存液(70%エタノール、5%中性ホルマリン、ルゴール液など)を適切に使い分ける方法を学ぶ。保存処理は、形態の劣化を防ぎ、後の顕微鏡観察や分子解析に対応するために極めて重要である。次に、標本操作の基本として、ピンセットや解剖針による取り扱い方、観察トレイ・スライドグラスの準備と使用、スムーズな観察のための並べ方や液量の調整法を実地で学ぶ。ラベリングでは、採集地点・日付・種名・保存液・同定者名など、後の検証に不可欠な情報を耐薬品性ラベルに明記し、標本瓶やデータシートと正確に照合させる。さらに、観察記録や種リスト、同定結果をパソコン上のデータベースに整理する方法も学び、将来的な再解析や他研究者との情報共有に対応できる資料管理能力を育成する。
③ 水生動物を対象とした科学的探究を進めるうえで欠かせない、実証的手法の理解と倫理的態度の涵養を目指す。まず、フィールドでの採集から実験室での観察、記録、解析に至る一連の流れが、科学的知見を得るためのプロセスとしてどのように構成されているかを体系的に学ぶ。自然界の構造や生物間相互作用の理解には、正確な観察とデータに基づいた分析が必要であり、主観や思い込みを排除した客観的姿勢が求められる。また、命ある生物を対象とする実習であるため、単なる「研究材料」としてではなく、それぞれの個体を「生きもの」として丁寧に扱う倫理観を持つことが重要である。不要な犠牲を避け、必要最小限の個体を用いる「3Rs(Replacement, Reduction, Refinement)」の考え方や、採集地での環境保全・生態系への影響配慮も取り上げる。実習の最後には、作業を振り返り、観察結果や気づきをまとめることで、科学的思考力と責任ある研究姿勢を身につける。このような倫理的かつ科学的な態度は、将来の研究者や技術者としての基盤となる。
キーワード ① 種同定 ② 分類学 ③ 標本処理 ④ 生物多様性 ⑤ 研究倫理
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】
実習で学んだ水生動物の分類・同定技術および標本処理の手順を復習し、自分が扱った標本のうち、特に印象に残った1種について詳細なレポートを作成してください。レポートには、以下の項目を含めること:①対象種の分類階級(門・綱・目・科・属・種)、②観察した形態的特徴(大きさ、色、体の構造、特徴的な器官など)、③種同定に至るまでの過程(使用した検索表・図鑑、比較した他種との違い)、④その種の生態的特徴(生息環境、行動、食性、繁殖特性など)、⑤採集時の環境条件(場所、水温、水深、基質など)、⑥作業中に感じた疑問や困難、今後調べてみたいこと。記述はA4用紙1〜2枚程度とし、写真やスケッチを添付することが望ましい。図や表を用いる場合には、出典を明記してください。この課題を通じて、単なる観察にとどまらず、調べた情報を統合・整理して自らの言葉で説明する力を養うとともに、生物を科学的に記述する技術と、自然に対する関心・理解をさらに深めることを目的とする。また、配布オリジナルテキストの解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させる。

11 【3-1】農業フィールド研究紹介[担当:甲斐・松原・中島] 科目の中での位置付け  本科目は、フィールド自然学科を構成する三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)についての理解を深めること目的とした全15回の講義で構成される。受講生は約20名ずつ3つの班に分ける。班内で学力と関心にばらつきがあるようにする。三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)の教員は、全15コマの講義を5回ずつ(1〜5回、6〜10回、11〜15回)に分けて、班ごとにローテーションする。各コマ(小テストなどの時間を除く実質60分)の講義内容は以下の授業構成で統一されている
【1コマ目】各フィールド領域教員の野外実習の内容紹介(3教員各20分)
①教員1の野外実習  ②教員2の野外実習  ③教員3の野外実習
【2コマ目】各フィールド領域教員の野外実習におけるリスク管理(3教員各20分)
①教員1のリスク管理  ②教員2のリスク管理  ③教員3のリスク管理
【3コマ目】フィールドワーク(主教員A+補助教員B,C、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
【4コマ目】フィールドワーク(主教員B+補助教員C,A、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
【5コマ目】フィールドワーク(主教員C+補助教員A,B、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
この構成を通して、学生は本学科の各フィールド領域の実習・実験についての理解を深めることができ、2年次はじめにいずれのフィールド領域に進むかを選択する上で役立つ。
本講義では、微生物の多様な機能とその応用について、作物栽培・管理や発酵食品まで農業フィールドで取り扱う分野を「ダイズ」を通じて学ぶことを目的とする。とりわけ、土壌微生物の働きを通じて、農作物の有機農業への応用といったテーマを扱い、環境と調和した持続可能な農業の実現における微生物の役割を理解する。その一環として、有機農業における大豆栽培から顕微鏡観察による病害虫被害および対策を取り上げ、農薬に代わる生物資材や栽培管理の可能性について考察する。また、農と食をつなぐ実例として、日本の伝統的な発酵食品「納豆」に注目し、納豆菌(バチルス サブチリス ナットウ)による発酵のしくみと製造技術、安全管理についても学習する。納豆菌は、枯草菌系統に属するグラム陽性菌であり、土壌由来の微生物としても知られる。これにより、農業(土壌)、害虫防御(抑制)、食品(発酵)という3つの分野を有機的に結びつけ、微生物を活用した環境調和型の産業のあり方、害虫による被害防御策、穀物を利用した食品を総合的に理解する。

コマ主題細目 ① 有機農業 ② 病害虫被害と防除 ③ 納豆に学ぶ発酵微生物のはたらきと食文化
細目レベル ① この授業では、まずダイズの基本的な栽培手順や生育に必要な条件を理解することを重視します。特に有機農業の観点から、化学肥料や化学合成農薬に頼らずに栽培を行うための工夫を取り上げます。学生は種子の特徴や発芽の仕組みを理解し、プランターにおける土づくりの基本、有機質肥料や堆肥の利用方法、水やりの工夫などを具体的に学びます。また、ただ作業を行うのではなく、「なぜこの作業が必要なのか」を自分の言葉で説明できるようにすることを重視します。観察方法としては、発芽までの日数や双葉の展開といった基本的な指標に絞り、記録を日誌にまとめることで「作物の成長を追う」体験を得ます。こうしたプロセスを通じて、学生は有機農業の基本的な考え方を実践的に理解し、栽培の基礎を生活や学びに結びつける力を育てることを目指します。
② ダイズには様々な病害虫が発生し、収量を不安定にさせる要因の一つとなっています。農作物の収量を安定させ、持続可能な農業を実現するためには、なんらかの病害虫防除が求められます。しかし、病害虫防除にも様々な種類があり、問題となっている病害虫に対して適切な手法を選択しなければなりません。そのときに、病害虫の被害状況を詳細に観察し、発生している病害虫を同定する必要があります。本講義では、双眼実体顕微鏡を用いて、ダイズの葉や茎、根に生じている病害虫被害を観察する技術を学びます。また、ダイズで発生している病害虫の一部も観察します。演習を通して、双眼実体顕微鏡の使い方や観察手法について学び、病害虫防除のために必要な最も基礎的な知識と技術を修得します。
③ 日本の伝統的発酵食品である納豆を題材に、発酵に関与する微生物のはたらきと、それが食文化に与えてきた影響について学びます。納豆菌(バチルス サブチリス ナットウ)は枯草菌の一種で、たんぱく質や脂質を分解し、納豆独特の風味や粘りを生み出す微生物です。本講義では、納豆の歴史や地域性に触れながら、納豆菌の性質、発酵のメカニズム、製造工程、温度・衛生管理の重要性についても理解を深めます。さらに、納豆から発酵がもつ保存・健康・文化的意義を多面的に考察します。微生物の力を活かすことの可能性と、正しく制御することの重要性を学ぶことを通じて、発酵食品を支える科学と暮らしとのつながりを実感することを目指します。
キーワード ① 有機農業 ② 病害虫防除 ③ 発酵食品
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で学んだ有機農業・害虫管理・発酵食品の特徴を整理し、どのような過程で行われているのかを自分の言葉でまとめる。講義で紹介された事例やデータを振り返り、有機農業(害虫被害)から食品製造までについて考察する。
12 【3-2】農業フィールドにおけるリスク管理[担当:甲斐・松原・中島] 科目の中での位置付け 本科目は、フィールド自然学科を構成する三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)についての理解を深めること目的とした全15回の講義で構成される。受講生は約20名ずつ3つの班に分ける。班内で学力と関心にばらつきがあるようにする。三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)の教員は、全15コマの講義を5回ずつ(1〜5回、6〜10回、11〜15回)に分けて、班ごとにローテーションする。各コマ(小テストなどの時間を除く実質60分)の講義内容は以下の授業構成で統一されている
【1コマ目】各フィールド領域教員の野外実習の内容紹介(3教員各20分)
①教員1の野外実習  ②教員2の野外実習  ③教員3の野外実習
【2コマ目】各フィールド領域教員の野外実習におけるリスク管理(3教員各20分)
①教員1のリスク管理  ②教員2のリスク管理  ③教員3のリスク管理
【3コマ目】フィールドワーク(主教員A+補助教員B,C、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
【4コマ目】フィールドワーク(主教員B+補助教員C,A、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
【5コマ目】フィールドワーク(主教員C+補助教員A,B、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
この構成を通して、学生は本学科の各フィールド領域の実習・実験についての理解を深めることができ、2年次はじめにいずれのフィールド領域に進むかを選択する上で役立つ。
本講義では、農業フィールド分野における実践的な活動を通じて、自然との関わりや農業技術の基礎を学ぶと同時に、現場で直面する多様なリスクについても理解を深めることを目的とします。特に、有機栽培における化学合成農薬不使用の実践に伴うリスク管理や、農作業を安全に行うための予防策に焦点を当てます。
また、現場で起こりうる虫刺され(スズメバチ・マダニなど)や接触皮膚炎などのリスクについて解説し、その原因・予防・対処法を学びます。
あわせて、食品由来の感染症(食中毒)にも着目します。大腸菌O157やサルモネラなどの病原菌は、衛生管理が不十分な状態で栽培・収穫・加工されると人への感染リスクとなり得ます。本講義では、それら感染症に対する予防策にも言及し、農業現場から食卓までの安全性を支える基礎的な知識を習得します。
フィールド活動における適切な服装、作業環境、応急処置、衛生意識の育成にも触れ、実践的な安全管理のスキルを身につけることを目指します。

コマ主題細目 ① 有機栽培 ② 体調管理 ③ 食品由来の感染症
細目レベル ① この授業では、有機栽培におけるリスク管理を理解するために、堆肥の活用と化学合成農薬の使用不可という2つの重要な視点を段階的に学びます。特に「堆肥を活用すること」と「化学合成農薬を使用しないこと」という2つの原則を中心に学びます。堆肥については、家畜ふん堆肥や落ち葉堆肥などの種類や、肥料成分が作物の生育にどう関わるかを簡単に整理します。また、化学合成農薬が使えないために発生する病害虫リスクと、それに代わる有機栽培における工夫(防虫ネットやフェロモン材、天敵など)を具体例で紹介します。学生には、農業フィールドで「なぜ有機栽培では農薬を避けるのか」を理解させ、自分なりに整理できる力を身につけさせます。これらを通して、有機栽培の基本的なリスクと利点を整理し、初歩的な視点から有機栽培のあり方を考察します。
② ここでは、圃場での調査で起こりうる体調に関する様々なリスクについて学びます。野外での調査では、気温や湿度、日射量、風速などの要因によって熱中症のリスクが高まります。どのような条件下で熱中症を発症しやすいのかについて学び、予防法と対処法を身につけます。また、野外にはカやアブ、ハチ、ムカデ、ヘビなど様々な危険な生物が生息しています。そのような生物に刺されたり嚙まれたりして怪我を負わないためにどのような予防法が有効であるのかについて学びます。また、万が一の場合に備えて、対処法についても学びます。野外で起こりうる様々なリスクを想定し、入念な準備をしたうえで調査を実施することの重要性について考察します。
③ この授業では、食べ物を通じて人に感染する病気、「食品由来感染症(食中毒)」について学びます。大腸菌O157やサルモネラ、ノロウイルスなど、聞いたことのある名前の病原微生物が、どんな食品に潜んでいて、どんな状況で増えるのかをわかりやすく紹介します。食中毒は、調理のしかたや保存方法、手の洗い方など、ちょっとした不注意で起こることがあります。ここでは、なぜ食中毒が起きるのかを科学的に理解し、自分たちでできる予防策を考えます。また、食品をつくる工場やお店では、食中毒を防ぐために温度や清潔さをしっかり管理するしくみが使われています。そうした「食の安全を守るためのしくみ」がどのように管理されているのかも紹介し、食の安心がどのように支えられているのかを理解することができます。ふだん何気なく口にしている食品について、「安全に食べるとはどういうことか」を考察していきましょう。
キーワード ① 納豆 ② バチルスと栄養価 ③ 納豆の製造 ④ 熱中症 ⑤ 虫刺症・咬症
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で学んだリスクを整理し、どのようなリスクに対してどのような対策があるのかを自分の言葉でまとめる。講義で紹介された事例やデータを振り返り、農業フィールドにおけるリスク管理を考察する。
13 【3-3】ダイズのプランター有機栽培に学ぶ基礎知識と管理法[担当:甲斐貴光] 科目の中での位置付け 本科目は、フィールド自然学科を構成する三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)についての理解を深めること目的とした全15回の講義で構成される。受講生は約20名ずつ3つの班に分ける。班内で学力と関心にばらつきがあるようにする。三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)の教員は、全15コマの講義を5回ずつ(1〜5回、6〜10回、11〜15回)に分けて、班ごとにローテーションする。各コマ(小テストなどの時間を除く実質60分)の講義内容は以下の授業構成で統一されている
【1コマ目】各フィールド領域教員の野外実習の内容紹介(3教員各20分)
①教員1の野外実習  ②教員2の野外実習  ③教員3の野外実習
【2コマ目】各フィールド領域教員の野外実習におけるリスク管理(3教員各20分)
①教員1のリスク管理  ②教員2のリスク管理  ③教員3のリスク管理
【3コマ目】フィールドワーク(主教員A+補助教員B,C、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
【4コマ目】フィールドワーク(主教員B+補助教員C,A、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
【5コマ目】フィールドワーク(主教員C+補助教員A,B、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
この構成を通して、学生は本学科の各フィールド領域の実習・実験についての理解を深めることができ、2年次はじめにいずれのフィールド領域に進むかを選択する上で役立つ。
本実習では、プランターを用いてダイズを有機栽培し、作物の生育を支える基礎的な管理技術と知識を体験的に学びます。特に、プランター栽培に特有の肥料や水分管理の難しさを理解し、適切な調整を行う力を養います。また、播種の深さが発芽に与える影響を実際に観察し、作業の精度が収量や品質に直結することを学びます。さらに、ダイズの根に共生する根粒菌の働きを確認し、窒素固定の仕組みと有機栽培の特徴を理解します。これらの学びを通じて、学生は有機栽培の基礎を身近に体験し、持続可能な農業への理解と実践につなげる力を身につけます。

コマ主題細目 ① プランター栽培における肥料と水分管理 ② 播種の深さと発芽率の関係 ③ 根粒菌による窒素固定とダイズの生育
細目レベル ① プランターは畑と比べて土の容量が小さいため、土壌中の養分や水分が急激に変化しやすい特徴を持っています。そのため、作物が健全に生育するためには、肥料と水分の管理をより細やかに行う必要があります。有機栽培では化学肥料を使用できないため、堆肥や油かすなどの有機質肥料を適切に施し、プランターの限られた環境であっても土壌の地力を維持する工夫が求められます。また、肥料分が不足すると生育が停滞し、多すぎると根を傷める原因になるため、適正な量や時期を考えることも重要な学びとなります。さらに、水分についても過剰に与えると根腐れを起こしやすく、逆に乾燥させすぎるとしおれや落花の原因になります。特に梅雨時期は排水性、夏季は蒸発による乾燥に注意が必要です。学生は日々の観察を通じて、土壌の状態や葉の色、茎の様子から肥料や水分の過不足を判断する力を養います。こうした実践を通じて、プランター栽培における肥料と水分管理の重要性を理解し、適切な対応力を培います。
② ダイズは播種の深さによって発芽の成否が大きく左右される作物です。浅すぎる場合には、表土が乾燥しやすいために発芽が不安定になったり、鳥や小動物に食べられやすくなるというリスクがあります。一方で、深すぎると土の抵抗が大きくなり、発芽しても芽が地表まで出にくく、成長が遅れてしまいます。そのため、適切な播種深度を守ることは、栽培初期の生育を安定させるうえで極めて重要です。一般的にダイズは種子の径の2〜3倍の深さで均一に播くのが良いとされますが、プランター栽培においては土壌の乾燥や水分保持の状況も考慮して深さを調整する必要があります。本実習では実際に異なる深さで播種を行い、その後の発芽率や芽の出方を比較観察します。学生はこの体験を通じて、わずかな作業精度の差が発芽に大きな影響を及ぼすことを学び、農業における基本作業の重要性を理解します。さらに、データとして記録することで、実践に基づいた根拠ある学びを深めます。
③ ダイズはマメ科植物の代表であり、その根には根粒菌が共生していることが大きな特徴です。根粒菌は空気中の窒素を固定し、植物が利用できる形に変換して供給します。これにより、化学肥料に頼らなくても一定の窒素栄養を確保できるため、有機栽培における大きな利点となります。また、窒素固定は単に作物の生育を助けるだけでなく、周囲の土壌環境を豊かにし、後作物の栽培にも良い影響を与えます。本実習では、実際にダイズの根を観察し、根粒が形成されているかどうかを確認します。さらに、根粒がある個体とない個体で生育の違いを比較し、葉の色や茎の太さの変化を通して窒素栄養の効果を理解します。学生は微生物と植物が共生する仕組みを体感的に学ぶとともに、その農業的意義や持続可能な栽培への応用可能性を考えることができます。これにより、作物生産を支える生態的メカニズムを理解し、有機栽培における基盤的な知識を深めます。
キーワード ① プランターでの有機栽培 ② 肥料と水分管理 ③ 播種の深さ ④ 根粒菌 ⑤ 窒素固定
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】本実習の復習課題として、まずプランター栽培の特徴を整理してください。露地の畑と異なり土の容量が小さいため、肥料と水分が不足しやすく、また過剰にもなりやすいという性質を振り返り、それぞれがダイズの生育にどう影響するかを考えましょう。次に、播種の深さと発芽率の関係について確認してください。種子の径の2〜3倍の深さが適切とされる理由を自分の言葉で説明できるようにし、浅すぎる場合と深すぎる場合のリスクを比較して整理しましょう。さらに、ダイズと根粒菌の共生関係についても復習が必要です。根粒菌が空気中の窒素を固定し、化学肥料に頼らず栄養を供給できる仕組みを図やメモでまとめ、農業における意義を理解してください。これらの復習を通じて、有機栽培における管理上の要点を確認し、次回の授業でさらに深い学びにつなげる準備を整えてください。
14 【3-4】ダイズの病害虫とその観察手法[担当:松原慧] 科目の中での位置付け 本科目は、フィールド自然学科を構成する三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)についての理解を深めること目的とした全15回の講義で構成される。受講生は約20名ずつ3つの班に分ける。班内で学力と関心にばらつきがあるようにする。三つのフィールド領域(陸域・水域・農業)の教員は、全15コマの講義を5回ずつ(1〜5回、6〜10回、11〜15回)に分けて、班ごとにローテーションする。各コマ(小テストなどの時間を除く実質60分)の講義内容は以下の授業構成で統一されている
【1コマ目】各フィールド領域教員の野外実習の内容紹介(3教員各20分)
①教員1の野外実習  ②教員2の野外実習  ③教員3の野外実習
【2コマ目】各フィールド領域教員の野外実習におけるリスク管理(3教員各20分)
①教員1のリスク管理  ②教員2のリスク管理  ③教員3のリスク管理
【3コマ目】フィールドワーク(主教員A+補助教員B,C、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
【4コマ目】フィールドワーク(主教員B+補助教員C,A、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
【5コマ目】フィールドワーク(主教員C+補助教員A,B、60分)
①実習準備  ②実習内容  ③フィールドノートあるいは実験ノート
この構成を通して、学生は本学科の各フィールド領域の実習・実験についての理解を深めることができ、2年次はじめにいずれのフィールド領域に進むかを選択する上で役立つ。
本講義では、ダイズに発生しうる病害虫について概説します。また、これまでどのような病害虫防除手法が開発されているのかについても触れます。学内圃場にて栽培しているダイズについて、葉や茎、根などを双眼実体顕微鏡を用いてどのような病害虫被害が生じているのかを観察します。また、学内圃場で採集されたダイズ害虫の一部も観察します。一連の演習を通して、病害虫観察技術の基礎を身につけます。

コマ主題細目 ① ダイズにおける病害虫 ② ダイズにおける病害虫防除技術 ③ ダイズの病害虫被害の観察
細目レベル ① ダイズは日本全国で栽培されており、各地で様々な病害虫が発生しています。ここでは、病害虫被害によりダイズ生産・加工の安定性に大きな影響が及んでいる現状について学びます。日本におけるダイズ生産量第1位の北海道、および本学が位置する愛媛県において発生しうるダイズの病害虫(ガ類やカメムシ類など)について概説します。論文や書籍などの様々な文献から、ダイズの病害虫被害の写真を引用します。どの時期に、どのような病害虫が、どのような被害をもたらしうるのかについて学びます。また、適切な病害虫防除を実施するためには、なんという種の病害虫が発生しているのかを見極める必要があることも学び、病害虫を観察することの重要性を理解します。
② ダイズ圃場で実施することができる病害虫防除手法は、これまで様々なものが開発されてきました。病害虫防除と聞いて最もイメージしやすいのは、化学合成農薬を用いた防除法でしょう。しかし、化学合成農薬を用いたものだけではなく、周囲の環境への負荷が小さいとされる多くの病害虫防除手法が開発されています。近年では、そのような新たな病害虫防除手法が農業の現場で実施され始めています。ここでは、慣行栽培で実施されるメインとなる病害虫防除手法の紹介をした後、有機農業でも実施可能な様々な病害虫防除手法についても紹介します。それぞれの病害虫防除手法の特性について理解し、新たな病害虫防除手法を開発し続けることの重要性について考察します。
③ 数多くある病害虫防除手法のなかから、その土地、その時期、その病害虫に応じて最も適切なものを選択して実施する必要があります。病害虫防除手法の選択のためには、まずは問題となっている病害虫被害の状況を把握し、病害虫そのものを詳細に観察しなければなりません。観察には、双眼実体顕微鏡などの利用が有効です。ここでは、双眼実体顕微鏡の使用法と病害虫の観察手法、さらには病害虫の種を同定する技術について学びます。学内の圃場で栽培されているダイズの葉や茎、根などについて、双眼実体顕微鏡を用いて観察し、病害虫被害の状況を把握します。また、一部の病害虫も観察し、図鑑や論文などの文献資料を用いて同定する技術を身につけます。
キーワード ① 病害虫防除 ② 観察 ③ 双眼実体顕微鏡 ④ 同定 ⑤ 農薬
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で学んだダイズにおける病害虫について、どの病害虫がどのような被害をもたらすのかについて説明できるように理解を深めておいてください。また、紹介した病害虫防除の手法についても、それぞれ説明できるように理解を深めておいてください。また、病害虫の観察手法として重要な、双眼実体顕微鏡の使い方についても文章教材を熟読し、復習をしておいてください。
15 【3-5】納豆に学ぶ発酵微生物のはたらきと食文化[担当:中島琢自] 科目の中での位置付け 本講義では、微生物が生産する代謝産物の有用性とその応用について学ぶことを目的とする。とりわけ、納豆菌(バチルス サブチリス ナットウ)をはじめとするグラム陽性の細菌が発酵によって生み出す物質が、食品の保存性や栄養性、機能性にいかに貢献しているかを科学的に理解することを重視する。
納豆菌は枯草菌の一種であり、自然環境中に広く存在する土壌細菌に近い系統を持つ。胞子形成能、好気性増殖、たんぱく質分解酵素の産生などの特徴を有しており、発酵食品である納豆の製造に活用されてきた。食品分野では、納豆菌が生成するポリグルタミン酸やアミノ酸、さらにはナットウキナーゼといった生理活性物質の研究も進んでおり、発酵と健康、微生物と食品機能性との関係を考えるうえで重要なモデルである。
このコマでは、まず納豆という食品の歴史と日本の食文化との関わりを確認したうえで、納豆菌の生理的特徴と発酵のしくみを理解し、最終的にはその発酵プロセスをいかに制御し、衛生的に製品化しているのかという産業応用や安全管理の観点からも発酵微生物の価値を学ぶ。
これにより、発酵微生物の応用の幅広さや制御の重要性について、総合的な理解を深めることを目指す。

コマ主題細目 ① 納豆の歴史と日本文化とのかかわり ② 納豆菌の特徴と発酵のしくみ ③ 納豆の製造工程と衛生管理の重要性
細目レベル ① 納豆は、日本の伝統的な発酵食品の中でも最も身近な存在の一つです。起源については諸説ありますが、弥生時代から続くとされ、大豆と藁(わら)という自然素材の組み合わせから偶然生まれたと考えられています。特に、東北から関東地方にかけての寒冷な気候は、納豆菌の働きと保存に適しており、地域ごとの食文化として定着していきました。戦後には工業的な大量生産が始まり、現在ではスーパーマーケットで広く流通する発酵食品となっています。納豆は、保存食でありながら健康志向の食品としても評価されており、日本人の食卓に深く根ざしています。
② 納豆の発酵には、「納豆菌(バチルス サブチリス ナットウ)」という枯草菌の一種が使われます。この菌は空気を好む好気性であり、酸素がある状態でよく増殖します。発酵に関与する納豆菌は、「栄養細胞」と呼ばれる状態で大豆に働きかけ、たんぱく質や脂質を分解してアミノ酸や有機酸を作り出します。その過程で生まれるポリグルタミン酸というねばり成分が、納豆独特の粘りや風味を生み出します。
納豆菌の発酵が活発になる温度はおよそ37〜42℃で、これが至適温度帯とされています。また、40〜45℃前後の温度では、納豆菌が他の微生物よりも優位に働くため、家庭や工場での納豆づくりにはこの温度がよく使われます。ただし、温度が高すぎると納豆菌自身の活動も鈍くなり、異常発酵や風味の劣化につながることがあるため、温度管理は非常に重要です。納豆菌はまた、発芽前の「芽胞(がほう)」という状態では高い耐熱性を持ちます。このため、蒸した大豆に接種されたあとでも加熱処理に耐えることができ、安定して発酵を行うことができます。

③ 納豆は、次のような工程で製造されます。まず大豆をよく洗って18〜20時間かけて浸水させ、その後高温・高圧で蒸すことで、納豆菌が増殖しやすい状態にします。蒸しあがった大豆に納豆菌を接種し、一定温度・湿度のもとで発酵させます。発酵時間は20〜24時間程度が一般的で、この間に微生物が活性化して納豆が完成します。発酵終了後は冷却し、一定期間の熟成を経て出荷されます。製造工場では、納豆をつくるときの温度や湿度、空気の流れをしっかりとコントロールしたり、使う道具や作業場所を清潔に保ったりしています。こうした工夫によって、食中毒や異常発酵を防ぎながら、安心でおいしい納豆を毎日たくさん作ることができるようになっています。
キーワード ① 納豆 ② バチルスと栄養価 ③ 納豆の製造
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で学んだ納豆菌の特徴を整理し、どのような製造工程で作られているのかを自分の言葉でまとめる。講義で紹介された事例やデータを振り返り、納豆菌の有用性を考察する。
履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
フィールド実習の基本理解 【★初級】
・陸域・水域・農業のいずれの領域でも、実習の目的や手法を理解し、説明できること。
フィールドワーク、実習準備、観察、記録、実験ノート - 1-1(野外実習紹介)、2-1(水域実習基礎)、3-1(農業実習基礎)
リスク管理能力 【★初級】
・自然環境での事故・ケガを想定し、予防や対処を実践できること。
リスク管理、安全マニュアル、危険生物、事前準備、緊急対応 - 1-2(陸域リスク管理)、2-2(水域リスク管理)、3-2(農業リスク管理)
実習時の協働と役割分担 【★初級】
・少人数班での調査活動において、役割を果たし協働できること。
班活動、協働、役割分担、グループワーク、相互補助 - 1-3(陸域実習)、2-4(水域実習)、3-3(農業実習)
倫理的配慮と安全意識 【★初級】
・生物や環境に配慮した行動をとり、倫理的調査態度を身につけること。
倫理、安全、過剰採取回避、環境配慮、調査規範 ここまでで40 1-2(陸域リスク管理)、2-2(水域リスク管理)、3-2(農業リスク管理)
森林調査の基礎理解 【★初級】
・毎木調査の目的と手順を理解し、胸高直径を安全に測定できること。
【★★中級】
・ImageJを用いて葉の長さや面積を測定できること。
【★★★上級】
・松山道後キャンパス内の樹木相と樹木種ごとの形態的特徴を説明できること。

毎木調査、胸高直径、ImageJ、葉面積、種同定、葉形・樹皮・果実 - 1-1(野外実習紹介)、1-2(リスク管理)、1-3(毎木調査の実践)、1-4(葉の測定)
陸域データの整理と統計的解析 【★初級】
・陸域調査で得られるデータを処理する様々なツールを使い分けられること。
【★★中級】
・毎木調査や葉の測定で得たデータを統計解析ソフトで処理し、傾向を説明できること。
R、統計解析、データ整理、代表値、グラフ描画、Rコマンダー ここまでで20 1-3(データ記録)、1-4(測定結果出力)、1-5(統計データ解析)
水域生態系の基礎理解 【★初級】
・河川の構造や機能を理解し、水生生物を通じて生態系を把握できること。
【★★中級】
・図鑑を用いた正確な種同定及びその記載ができること。
【★★★上級】
・採集データを整理・解析し、環境の健全性や人為的影響を評価できること
EPT種、水生生物、生物多様性、種同定、観察記録 - 2-1(水域生態系と指標生物)、2-3(生物同定)、2-5(種構成)
水環境計測の実践 【★初級】
・計測する機器と内容を把握し、指標数値の意味を理解できること。
【★★中級】
・水温、pH、流速などの環境要因を計測し、観測データの正しい記載ができること。
【★★★上級】
・水環境を計測する手法とその意義を理解し、生物分布との関係を説明できること。
水温、電気伝導度、流速、指標生物、水質調査 ここまでで20 2-1(環境測定と調査)、2-2(環境要因と生物群集)、2-4(現地調査)
農業分野における調査研究の基礎理解 【★初級】
・農業分野の調査研究における様々なリスク管理について説明できること。
【★★中級】
・栽培・病害虫管理・微生物利用の各分野の知見を統合し、自然環境や農業・食文化に関する課題を多角的に考察できる。
リスク管理、多角的視点、環境問題、持続可能性 - 3-1(農業フィールド紹介)、3-2(リスク管理)
ダイズの栽培・管理・加工にまつわる研究 【★初級】
・ダイズの栽培・管理手法について説明できること。
・ダイズ栽培における病害虫観察の手法について説明できること。
・ダイズを加工した発酵食品の製造について説明できること。
【★★★上級】
・ダイズの栽培から病害虫管理、食品加工までに関わる様々な調査研究について説明できる。
ダイズ、栽培技術、有機栽培、病害虫管理、病害虫観察、発酵、微生物 ここまでで20 3-3(栽培実習)、3-4(病害虫調査)、3-5(加工実習)
評価方法 試験(100%)により評価する。
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 なし
参考文献 なし
実験・実習・教材費 講義回により異なる