区分 陸域フィールド科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
自然と生物の専門知識 フィールド生物調査 環境データ解析
自然共生社会
カリキュラム・ポリシーとの関係
教養 分析思考 実践技能
フィールド間連携
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
 フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究をおこなう学科である。陸域・水域・農業の3つの分野について詳しく学ぶとともに、統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案力を養うため、学科共通の科目や複数の分野にかかわる科目も設けている。これにより、幅広い視野をもち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
 本科目では、自然にかんする専門知識を修得するために、私たちにとってなじみのあるニホンザルをはじめとする霊長類の生態について解説する。これにより、野生動物と共生する社会について考えるための土台をつくる。また、本科目は二年次以降に開講される陸域フィールド領域の関連科目〈動物行動学〉〈屋久島演習(保全生態学演習)〉〈陸の動物学演習〉などに向けた、動物の生態にかんする基礎知識を修得するものとして位置づけられる。

科目の目的
野生動物による農業や林業、さらには人間への被害が発生する背景には、人間社会の発展や衰退が関係している。この問題に対処し、野生動物を含む自然環境を保全していくためには、動物が自然の中でどのように生活しているのかという、生態に対する理解を深めることが不可欠である。本科目では、ニホンジカなどの有蹄類を中心として動物の分類、進化、生態について幅広く学ぶことで、動物に関する理解を深める。これにより、人間と野生動物との関係をより適切にとらえ、問題解決へ向けて科学的に考察する力を養うことを目的とする。また、動物の生態や行動を研究する際の調査機器、たとえばノギスなどの使い方も修得する。
到達目標
《1》生物の分類と進化に関する基本的な概念を説明できる
《2》有蹄類がどのように進化し、それにともなう体の特徴や行動の変化を説明できる
《3》偶蹄類と奇蹄類の違いを比較し、それぞれの形態や生態の違いを説明できる
《4》有蹄類の社会構造(単独性や群れの形成、個体間関係)について説明できる
《5》ニホンジカの生活史と食性について説明できる
《6》ニホンジカの性的二型と行動の性差について、その生態的意義について説明できる
《7》ニホンジカの繁殖の生態について説明できる
《8》動物の生態調査の意義を理解し、調査機器の使い方を修得している

科目の概要
本科目の授業は、第一部から第三部に分かれ、各部ごとに異なる側面から動物の生態を探求する。第一部では、分類と進化について学ぶ。分類学や進化学の基本的な概念を学んだうえで、動物、特に有蹄類の分類と進化について学修することで、生物の適応や進化の過程を理解する基盤をつくる。第二部では、社会と生態を学ぶ。有蹄類は、種によって単独で生活する場合や群れを形成する場合があり、それぞれに異なる社会構造をもっている。こうした違いは、捕食リスクや資源利用への適応として理解される。例として、主にニホンジカを取り上げ、その社会構造や生活史、食性などの特徴について学ぶ。第三部では、行動について学ぶ。有蹄類は、音声や行動を通じて個体間で情報を伝達し、繁殖や競争、警戒といった行動を通じて社会関係を形成していることを学修する。
科目のキーワード
分類(生物、細胞、学名)― 第1回、第2回、第3回、第4回
進化(自然選択、適応、分類)― 第2回、第3回、第4回
有蹄類(偶蹄類、奇蹄類)― 第4回
社会システム(配偶システム、社会構造、性差)― 第6回、第7回
生活史(出生、成長、性成熟、繁殖、死亡)― 第8回
食性(草食、反芻、採食戦略)― 第10回、第11回
調査機器(ノギス、センサーカメラ)― 第12回、第13回、第14回

授業の展開方法
本科目の授業は、教室でおこなう「講義」、調査機器の使い方を学ぶ「実習」から構成される。授業は、オリジナルの文字教材をスクリーンに投影して解説する。文字教材はシラバスの「コマ主題細目」に対応した章立てとなっており、各コマは「解説」「練習問題」「まとめ」の3つの要素で構成されている。授業の最初の10分間では、当該回で取り扱う内容の全体像を概観し、そのコマで学習すべき重要事項や学習のポイントを明示する。続く60分間では、コマ主題細目に沿って、細目レベルに関する解説をおこない、その内容を踏まえた練習問題を解くことで理解度を確認する。その後、各コマ主題細目の要点を整理してまとめをおこなう。授業の終盤10分間には、その回の内容全体を振り返り、学んだことを整理する。最後に小テストを実施し、理解度を客観的に確認したうえで、解答と解説をおこなう。これを授業回ごとに繰り返すことで、知識を段階的に積み重ね、系統的な理解へと導く。
オフィス・アワー
中村圭太:※できるだけ事前にメールしてください。
【前期】
動物の生態
基礎ゼミナールⅠ
全科目:木曜4・5限、金曜昼・5限
【後期】
人と自然
動物の行動学
全科目:火曜3・4限、水曜昼・3・4限
三中信宏:【前期】
万物は進化する月5限
基礎ゼミナールⅠ月5限
環境データ解析の基礎月5限
【後期】
環境データの可視化技法火曜5限
基礎ゼミナールⅡ月曜5限
基礎ゼミナールⅣ月曜5限
環境研究デザイン論火曜5限
後藤益滋:※演習時に疑問に思ったこと、わからなかったこと、気づきは遠慮なく聞いてください。ただし、質問事項を整理したうえで来訪してください。
【前期】
基礎ゼミナールⅠ木曜4・5限
河川生態学水曜4・5限
【後期】
基礎ゼミナールⅡ木曜4・5限
水生動物学木曜4・5限
群衆生態学月曜2限・昼火曜昼

科目コード TD1020
学年・期 1年・前期
科目名 動物の生態
単位数 2
授業形態 演習
必修・選択 選択
学習時間 【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目
展開科目
関連資格
担当教員名 中村圭太・三中信宏・後藤益滋
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 生物の分類と進化(1) 科目の中での位置付け 本科目の授業は、第一部から第三部に分かれ、各部ごとに異なる側面から動物の生態を探求する。第一部では、分類と進化について学ぶ。分類学や進化学の基本的な概念を学んだうえで、動物、特に有蹄類の分類と進化について学修することで、生物がどのように多様化し、環境に適応してきたのかを理解する基盤をつくる。第二部では、社会と生態について学ぶ。有蹄類は、種によって単独で生活するものから群れを形成するものまで、さまざまな社会構造をもっている。これらの違いは、捕食者からの回避や食物資源の利用といった環境への適応と深く関係している。例として、主にニホンジカを取り上げ、その群れ構造や食性、生息環境との関係について具体的に学ぶ。第三部では、行動について学ぶ。有蹄類は、日常的な移動に加えて、季節的な移動(季節移動)など広い範囲を利用する行動を示す。また、繁殖期には闘争や縄張り行動などが見られ、オスとメスで行動や役割に大きな違いが生じる。これらの行動がどのように生存や繁殖に関係しているのかを理解する。
第1回は、授業の構成と進め方をガイダンスで確認し、講義と実習を通じて段階的に理解を深める方法を学ぶ。次に、生物の定義と生命の特徴を、細胞構造・遺伝・代謝の観点から学ぶ。細胞の種類については、原核細胞と真核細胞の違いや、それぞれの進化的背景を学ぶ。また、生物分類の歴史的変遷を通じて、科学的知見の発展とともに分類体系が変化してきた過程を学ぶことで、生物学の基礎的な視点を養う。

オリジナルの文字教材

◆コマ主題細目②:生物とは何か
吉里勝利(監修)『新課程二訂版 スクエア最新図説生物』、第一学習者、2023年、1, 20, 22, 24, 25

◆コマ主題細目③:人による生物の認識
吉里勝利(監修)『新課程二訂版 スクエア最新図説生物』、第一学習者、2023年、4, 278頁
コマ主題細目 ① ガイダンス:授業の進め方と構成の確認 ② 生物とは ③ 細胞の種類 ④ 生物の分類の変遷
細目レベル ① 本科目の授業は、「講義」と「実習」で構成される。授業ではオリジナルの文章教材を用い、シラバスの「コマ主題細目」に沿って進める。本科目は三部構成になっており、第一部では動分類と進化、第二部では社会と生態、第三部では行動について解説する。各コマは「解説」「練習問題」「まとめ」の三要素で構成され、段階的に知識を深める仕組みになっている。授業の冒頭10分間で、その回の学習内容の全体像や重要ポイントを示し、続く60分間で細目レベルの解説と練習問題を通じて理解を確認する。その後、要点を整理し、まとめをおこなう。授業の終盤10分間には、学んだ内容を振り返り、小テストで理解度を客観的に確認したうえで、解答・解説を実施する。
② 「生物」と「生命」は一般社会でよく使われる言葉であるが、その意味は文脈によって異なる。本科目では、地球上のすべての生物に共通する3つの特徴をもとに、生物と生命を定義する。1つ目の特徴は、生物が細胞でできていることである。生物は単細胞または多細胞からなり、細胞には原核細胞と真核細胞の2種類がある。2つ目の特徴は、遺伝物質としてDNAをもち、生殖によって子孫を作ることである。生物はDNAを複製し、遺伝情報を子孫に伝えることで種を維持する。生殖には有性生殖と無性生殖がある。3つ目の特徴は、代謝をおこない、外界から栄養分を取り込んでエネルギーを得ることである。植物は光合成を行い、独立栄養生物としてエネルギーを作るが、動物や菌類は従属栄養生物であり、他の生物を食べてエネルギーを得る。これら3つの特徴をすべてもつものを「生物」と定義する。また、増殖、代謝(たいしゃ)、外部環境への適応と調節といった活動すべてを自然におこなっている状態を「生命」と定義する。
③ すべての生物は細胞で構成されており、細胞は生物の基本単位である。細胞には原核細胞と真核細胞があり、主な違いは遺伝情報を持つ染色体(せんしょくたい)が核膜に包まれているか否かである。原核細胞は核を持たず、細胞質基質内に染色体が存在する。真核細胞は核を持ち、その内部に染色体がある。進化的には、原核細胞が先に現れ、真核細胞はその後に進化したとされる。真核細胞の特徴的な構造には、細胞内共生の結果としてミトコンドリアや葉緑体が存在する。真核細胞を構成する細胞には、細胞膜で区切られたさまざまな細胞小器官が存在する。これらはそれぞれ特定の機能を持ち、細胞内で化学反応に必要な物質濃度が維持されている。細胞小器官の中で、核は遺伝情報を保持し、生物の生存や増殖に重要な役割を果たす。
④ 生物の分類は時代によって変遷してきた。顕微鏡の発明(1590年)やDNA構造の解明(1953年)により、肉眼では見えなかった生物や遺伝情報が明らかになり、分類の再考が必要となった。古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、生物を感覚と運動能力を持つ動物と、それらを持たない植物に分類した。この考えは2000年以上続いたが、現代の生物学では異なる見方をしている。18世紀に入って、生物の分類が学問的に検討され、1735年にはリンネが生物を動物界と植物界に分ける二界説を提唱した。1894年にはヘッケルが三界説(動物・植物・菌類)、1982年にはマーグリスが五界説(動物・植物・菌類・原生生物・モネラ)を提唱した。1990年にはウーズがrRNAの分子系統解析に基づき、生物を細菌、古細菌(こさいきん)、真核生物の3つに分け、3ドメイン説を提唱した。菌類は真核生物で、動物に近いが、細胞壁の主成分がキチン質であり、植物細胞とは異なる。
キーワード ① 生物 ② 生命 ③ 細胞 ④ 進化 ⑤ 分類
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回は本科目第1回目の授業をおこなった。授業内でも確認したが、シラバスを再度確認すること。特に、「授業の展開方法」および第1~15回のコマシラバスに一通り目を通し、本科目が三部から構成され、第一部では分類と進化、第二部では社会と生態、第三部では行動ついて扱われるので、講義の全体像をイメージすること。また、文字教材の復習課題を読み、そこに記載されていることが理解できていることを確認し、シラバスの「履修判定指標」との対応を確認すること。また、次回の授業までに第1回の授業の要点や特に押さえておくべきポイントについて各自でノートにまとめ、理解を定着させること。さらに自ら学びを深めたい場合は、シラバスの「参考文献」に挙がっている文献を大学図書館や書店などで入手して自習すること。文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させること。
◆次回授業の予習
次回授業のコマシラバスと文字教材の予習課題を読み、その内容について理解を進めておくことを予習課題とする。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

2 生物の分類と進化(2) 科目の中での位置付け 本科目の授業は、第一部から第三部に分かれ、各部ごとに異なる側面から動物の生態を探求する。第一部では、分類と進化について学ぶ。分類学や進化学の基本的な概念を学んだうえで、動物、特に有蹄類の分類と進化について学修することで、生物がどのように多様化し、環境に適応してきたのかを理解する基盤をつくる。第二部では、社会と生態について学ぶ。有蹄類は、種によって単独で生活するものから群れを形成するものまで、さまざまな社会構造をもっている。これらの違いは、捕食者からの回避や食物資源の利用といった環境への適応と深く関係している。例として、主にニホンジカを取り上げ、その群れ構造や食性、生息環境との関係について具体的に学ぶ。第三部では、行動について学ぶ。有蹄類は、日常的な移動に加えて、季節的な移動(季節移動)など広い範囲を利用する行動を示す。また、繁殖期には闘争や縄張り行動などが見られ、オスとメスで行動や役割に大きな違いが生じる。これらの行動がどのように生存や繁殖に関係しているのかを理解する。
第2回は、生物を形態や系統に基づいて種・属・科・目・綱・門といった階層に整理する分類の考え方を学ぶ。分類の基本単位である「種」の定義や、属名と種小名からなる学名のルールについても学ぶ。次に、生物の進化について学び、すべての生物が共通の祖先から時間をかけて多様化してきた過程を理解する。進化の仕組みを学ぶことで、生物の多様性の成り立ちや環境との関係について体系的に考える。

オリジナルの文字教材

◆コマ主題細目①:分類とは
・馬渡峻輔(著)生物を分類するとはどういうことか、情報の科学と技術、2008年、58(2): 52-56頁

◆コマ主題細目②:生物の分類
・吉里勝利(監修)『新課程二訂版 スクエア最新図説生物』、第一学習者、2023年、279頁

◆コマ主題細目③:生物の進化
・吉里勝利(監修)『新課程二訂版 スクエア最新図説生物』、第一学習者、2023年、255頁
コマ主題細目 ① 分類とは ② 生物の分類 ③ 生物の進化
細目レベル ① 私たちは、日常生活の中で多くのものを見分けながら生きている。例えば、食べられるものと食べられないもの、仲間とそうでないものを区別している。このような行動は、無意識のうちに行われているが、実は「分類」と深く関係している。分類とは、似ているものをまとめ、異なるものを分けることである。例えば、犬やネコを「動物」というグループにまとめたり、木や花を「植物」という別のグループに分けたりすることが分類である。このように、ものをいくつかのグループに分けることで、私たちは世界を理解しやすくしている。重要なのは、分類は「分ける」だけでなく、「まとめる」ことでもあるという点である。目の前にあるすべてのものを1つずつ覚えるのは大変であるが、似ているものを同じグループとしてまとめることで、効率よく理解することができる。このような分類の能力は、生物にとって生きるために必要なものである。例えば、食べられるものとそうでないものを見分けることができなければ、生きていくことは難しい。また、仲間や敵を見分けることも重要である。このように、生物は外界を分類することで、環境に適応している。人間も同じように、世界を理解するために分類を行っている。生物を分類することも、その一つである。生物をいくつかのグループに分けることで、多様な生物を整理し、理解しやすくしている。このように、生物を科学的に分類する学問を生物分類学という。
② 生物を、その共通する特徴にもとづいてグループに分けることを分類という。生物は、「種(しゅ)」を基本単位として、似ているものどうしがまとめられている。種とは、「実際にあるいは潜在的に互いに交配する自然集団であり、他の集団とは生殖的に隔離されているもの」である(Mayr, 1942)。簡単にいうと、種とは形や特徴が共通しており、交配によって子どもを残すことができる生物のまとまりである。このような種をもとに、生物はより大きなまとまりへと体系的に分類される。生物の分類は、種の上に属(ぞく)、科(か)、目(もく)、綱(こう)、門(もん)、界(かい)があり、さらにその上位にはドメインがある。生物には、世界中で共通して使われる名前があり、これを学名という。学名は、属名と種小名を組み合わせた二名法で表される。

③ 地球上のすべての生物は共通の祖先を持ち、長い時間をかけて少しずつ変化し、さまざまな種へと分かれてきた。現在、種として記載されている生物は約200万種であるが、実際に地球上に存在する生物種は約800万種にのぼると推定されている。このような生物の多様性は、進化というプロセスを通じて生み出されてきたものである。生物の進化とは、集団において遺伝的な特徴が世代を通じて変化していくことである。この変化は、突然変異などによって生じた違いが、環境との関係の中で広がることによって起こる。進化の仕組みを理解することで、生物どうしの関係や分類の意味をより正確にとらえることができる。また、現在見られる生物の多様性がどのように生じたのかを説明することが可能になる。
キーワード ① 分類 ② 学名 ③ 進化 ④ 形質 ⑤ 適応
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回は本科目第2回目の授業をおこなった。授業内でも確認したが、シラバスを再度確認すること。特に、「授業の展開方法」および第1~15回のコマシラバスに一通り目を通し、本科目が三部から構成され、第一部では分類と進化、第二部では社会と生態、第三部では行動ついて扱われるので、講義の全体像をイメージすること。また、文字教材の復習課題を読み、そこに記載されていることが理解できていることを確認し、シラバスの「履修判定指標」との対応を確認すること。また、次回の授業までに第1回の授業の要点や特に押さえておくべきポイントについて各自でノートにまとめ、理解を定着させること。さらに自ら学びを深めたい場合は、シラバスの「参考文献」に挙がっている文献を大学図書館や書店などで入手して自習すること。文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させること。
◆次回授業の予習
次回授業のコマシラバスと文字教材の予習課題を読み、その内容について理解を進めておくことを予習課題とする。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

3 有蹄類の分類と進化(1) 科目の中での位置付け 本科目の授業は、第一部から第三部に分かれ、各部ごとに異なる側面から動物の生態を探求する。第一部では、分類と進化について学ぶ。分類学や進化学の基本的な概念を学んだうえで、動物、特に有蹄類の分類と進化について学修することで、生物がどのように多様化し、環境に適応してきたのかを理解する基盤をつくる。第二部では、社会と生態について学ぶ。有蹄類は、種によって単独で生活するものから群れを形成するものまで、さまざまな社会構造をもっている。これらの違いは、捕食者からの回避や食物資源の利用といった環境への適応と深く関係している。例として、主にニホンジカを取り上げ、その群れ構造や食性、生息環境との関係について具体的に学ぶ。第三部では、行動について学ぶ。有蹄類は、日常的な移動に加えて、季節的な移動(季節移動)など広い範囲を利用する行動を示す。また、繁殖期には闘争や縄張り行動などが見られ、オスとメスで行動や役割に大きな違いが生じる。これらの行動がどのように生存や繁殖に関係しているのかを理解する。
第3回では、哺乳類の分類と進化、および有蹄類の特徴について学ぶ。哺乳類は有袋類・単孔類・真獣類の3つに分類され、子の育て方や繁殖様式に違いがあることを学ぶ。また、哺乳類の進化が約2億年前に始まり、恒温性を獲得することで多様な環境に適応し、恐竜絶滅後に急速な多様化を遂げたことを学ぶ。さらに、有蹄類(奇蹄類および偶蹄類)に共通する身体的特徴や、草原環境への適応としての進化的意義について学ぶことで、哺乳類の多様性とその背景にある進化のプロセスを理解する。

オリジナルの文字教材

◆コマ主題細目①:哺乳類の分類
・吉里勝利(監修)『新課程二訂版 スクエア最新図説生物』、第一学習者、2023年、272頁

◆コマ主題細目②:霊長類のもつ特徴
・吉里勝利(監修)『新課程二訂版 スクエア最新図説生物』、第一学習者、2023年、274頁

◆コマ主題細目③:霊長類の分類
・吉里勝利(監修)『新課程二訂版 スクエア最新図説生物』、第一学習者、2023年、274頁
コマ主題細目 ① 哺乳類の分類 ② 哺乳類の進化 ③ 有蹄類の特徴
細目レベル ① 生物はさまざまな環境の中で生活しており、それぞれの環境に適した特徴をもっている。このような特徴はどのようにして生まれ、広がっていくのだろうか。生物の進化とは、集団の中で遺伝的な違いが世代を通じて変化していくことである。このとき、特定の特徴が広がる代表的なしくみの一つが自然選択である。自然選択とは、生存や繁殖に有利な特徴をもつ個体がより多く子どもを残すことで、その特徴が集団の中に広がっていく現象である。このようにして有利な特徴が集団に広がると、生物はその環境に合った特徴をもつようになる。この結果として見られる状態を適応という。適応とは、ある環境において生存や繁殖に有利になるような特徴や性質をもつことである。また、環境が変化すると、有利な特徴も変化することがある。その結果、集団の中で増える特徴も変わっていく。例えば、工業化によって環境が変化した地域では、ガの体の色の割合が変化したことが知られている。このような例から、生物の特徴は環境との関係の中で変化していくことがわかる。このように、自然選択というしくみによって進化が起こり、その結果として生物はそれぞれの環境に適応している。この章では、この関係を理解することで、生物の多様性がどのように生じているのかを考える基礎を身につける。
② 哺乳類とは、体毛をもち、乳で子を育てる動物のグループである。多くの哺乳類は子を体内で育てて産む胎生であり、子に多くのエネルギーを投資して育てる特徴をもつ。哺乳類は進化の過程で、さまざまな環境に適応してきた生物である。その大きな特徴のひとつが、体温を一定に保つことができる恒温性である。恒温性によって、昼夜や気温の変化に関係なく活動することができ、多様な環境で生きることが可能になった。しかし、体温を一定に保つためには、多くのエネルギーが必要になる。そのため、哺乳類の体のつくりや行動の多くは、効率よくエネルギー(食物)を得ることに関係している。例えば、歯の形は食べ物に応じて変化し、体の大きさや動き方も、それぞれの環境でエネルギーを得やすいように進化している。このような特徴の多くは、自然選択によって有利なものが集団に広がった結果である。また、哺乳類は子に対する投資が大きいことも特徴である。乳で育てることや、長い育児期間をもつことによって、子の生存率を高めている。このような戦略も、生き残るうえで有利な特徴として進化してきたものである。哺乳類の進化は約2億年前に始まり、初期の哺乳類は比較的小型で、恐竜が優占する環境の中で生活していた。その後、約6500万年前に恐竜が絶滅すると、それまで使われていなかった環境に進出する機会が生まれた。この変化をきっかけとして、哺乳類はさまざまな環境に適応しながら急速に多様化した。このように、多くの種類に分かれて広がることを適応放散という。その結果、現在では陸上・水中・空中といったさまざまな環境に適応した哺乳類が存在しており、「哺乳類の時代」ともいわれるほど繁栄している。

③ 有蹄類は、シカやウマなどに代表される、ひづめをもつ哺乳類のグループである。このような環境では、捕食者から逃げるために速く走ることができる個体ほど生き残りやすかった。そのため、速く走るのに有利な特徴をもつ個体が自然選択によって増えていった。これらのグループはどちらも進化の過程で繁栄してきたが、現在では偶蹄類は多くの種類が存在する一方で、奇蹄類はわずかな種類しか残っていない。この違いがなぜ生まれたのかについては、次の授業で考える。

キーワード ① 自然選択 ② 適応 ③ 恒温性 ④ 子に対する投資 ⑤ 有蹄類
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回は本科目第3回目の授業をおこなった。授業内でも確認したが、シラバスを再度確認すること。特に、「授業の展開方法」および第1~15回のコマシラバスに一通り目を通し、本科目が三部から構成され、第一部では分類と進化、第二部では社会と生態、第三部では行動ついて扱われるので、講義の全体像をイメージすること。また、文字教材の復習課題を読み、そこに記載されていることが理解できていることを確認し、シラバスの「履修判定指標」との対応を確認すること。また、次回の授業までに第1回の授業の要点や特に押さえておくべきポイントについて各自でノートにまとめ、理解を定着させること。さらに自ら学びを深めたい場合は、シラバスの「参考文献」に挙がっている文献を大学図書館や書店などで入手して自習すること。文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させること。
◆次回授業の予習
次回授業のコマシラバスと文字教材の予習課題を読み、その内容について理解を進めておくことを予習課題とする。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

4 有蹄類の分類と進化(2) 科目の中での位置付け 本科目の授業は、第一部から第三部に分かれ、各部ごとに異なる側面から動物の生態を探求する。第一部では、分類と進化について学ぶ。分類学や進化学の基本的な概念を学んだうえで、動物、特に有蹄類の分類と進化について学修することで、生物がどのように多様化し、環境に適応してきたのかを理解する基盤をつくる。第二部では、社会と生態について学ぶ。有蹄類は、種によって単独で生活するものから群れを形成するものまで、さまざまな社会構造をもっている。これらの違いは、捕食者からの回避や食物資源の利用といった環境への適応と深く関係している。例として、主にニホンジカを取り上げ、その群れ構造や食性、生息環境との関係について具体的に学ぶ。第三部では、行動について学ぶ。有蹄類は、日常的な移動に加えて、季節的な移動(季節移動)など広い範囲を利用する行動を示す。また、繁殖期には闘争や縄張り行動などが見られ、オスとメスで行動や役割に大きな違いが生じる。これらの行動がどのように生存や繁殖に関係しているのかを理解する。
第4回では、有蹄類の分類と進化、生息環境、多様性について学ぶ。まず、有蹄類が奇蹄類(きているい)と偶蹄類(ぐうているい)に大別されることを確認し、それぞれの消化器官の違いなどの形態的特徴や進化の歴史について理解する。次に、熱帯から寒冷地まで多様な環境に生息する有蹄類に注目し、なぜ現代では偶蹄類の方が奇蹄類よりも多様性が高いのかを考える。この違いについて、草原の拡大などの環境の変化と、反芻という消化のしくみの獲得との関係から学ぶ。さらに、体の大きさと食性の関係を説明する法則であるジャーマン・ベル原理について学ぶ。この原理を理解することで、体サイズと食物利用の関係を整理し、偶蹄類の多様化の背景についての理解を深める。

オリジナルの文字教材

◆コマ主題細目①:霊長類の分類と進化
・日本霊長類学会(編集)『霊長類の百科事典』、丸善出版、2023年、50-53, 76-79頁

◆コマ主題細目①:霊長類の生息環境
・山極寿一(著)『人類進化論:霊長類学からの展開』、裳華房、2008年、30-45頁

◆コマ主題細目①:霊長類の多様性
参考文献なし

コマ主題細目 ① 有蹄類の分類と進化 ② 有蹄類の生息環境 ③ 有蹄類の多様性
細目レベル ① 現在、地球上には約6500種の哺乳類が存在している。この多様性は、約6600万年前の恐竜の絶滅をきっかけとして大きく拡大したと考えられている。この時期、巨大隕石の衝突などによって環境が急激に変化し、それまで恐竜が占めていた生態的地位(すみかや食物資源)が空いた。その結果、すでに存在していた哺乳類がこれらの環境に進出し、急速に多様化した。このように、1つのグループがさまざまな環境に適応しながら多くの種類に分かれていく現象を適応放散という。現在の哺乳類の多様性は、このような環境変化と適応の積み重ねによって生じたものである。また、この多様化はすべてのグループで均等に起こったわけではなく、特に齧歯類や翼手目(コウモリ類)など、一部のグループで顕著に進んでいる点も重要である。

② 有蹄類は、ひづめをもつ哺乳類をまとめた呼び方である。前回の授業で学んだように、「有蹄類」は現在の正式な分類単位ではなく、主にウマやサイなどを含む奇蹄目と、ウシ、シカ、ブタ、ラクダなどを含む鯨偶蹄目をまとめて扱うときの呼び方である。ただし、鯨偶蹄目にはクジラやイルカも含まれるため、この章では主に陸上で生活する有蹄類に注目する。有蹄類は、草原、森林、砂漠、山岳地帯、寒冷地など、さまざまな環境に分布している。たとえば、ウマの仲間は開けた草原に、シカの仲間は森林や草原に、ヤギやヒツジの仲間は山岳地帯に適応している。また、ラクダの仲間は乾燥した砂漠環境に適応している。このように、有蹄類はそれぞれの環境に合った体のつくりや生活のしかたをもつようになった。現在では、奇蹄目よりも鯨偶蹄目の方が多くの種を含んでいる。この違いを考えるうえで重要なのが、食物をどのように消化するかである。奇蹄類は主に後腸発酵によって植物を消化する。一方、偶蹄類の中には反芻を行うグループが現れ、硬く繊維の多い植物から効率よく栄養を得られるようになった。この違いは、草原が広がった時代に偶蹄類が多様化した理由を考えるうえで重要である。

③ 偶蹄類の多様化を理解するうえで重要なのは、体の大きさと食物の利用方法との関係である。体の大きさによって、利用できる食物の種類や量が異なり、その違いが生息環境や生活様式に影響を与えている。例えば、小型の動物は栄養価の高い食物を選んで食べる必要があるのに対し、大型の動物は繊維の多い植物を大量に利用することができる。このような関係を説明する考え方の一つがジャーマン・ベル原理である。本章では、偶蹄類に注目し、体の大きさと消化のしくみの関係を整理する。
キーワード ① 有蹄類 ② 偶蹄類 ③ 奇蹄類 ④ ジャーマン・ベル原理 ⑤ 多様性
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回は本科目第4回目の授業をおこなった。授業内でも確認したが、シラバスを再度確認すること。特に、「授業の展開方法」および第1~15回のコマシラバスに一通り目を通し、本科目が三部から構成され、第一部では分類と進化、第二部では社会と生態、第三部では行動ついて扱われるので、講義の全体像をイメージすること。また、文字教材の復習課題を読み、そこに記載されていることが理解できていることを確認し、シラバスの「履修判定指標」との対応を確認すること。また、次回の授業までに第1回の授業の要点や特に押さえておくべきポイントについて各自でノートにまとめ、理解を定着させること。さらに自ら学びを深めたい場合は、シラバスの「参考文献」に挙がっている文献を大学図書館や書店などで入手して自習すること。文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させること。
◆次回授業の予習
次回授業のコマシラバスと文字教材の予習課題を読み、その内容について理解を進めておくことを予習課題とする。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

5 踊り場コマ(1) 科目の中での位置付け 本科目の授業は、第一部から第三部に分かれ、各部ごとに異なる側面から動物の生態を探求する。第一部では、分類と進化について学ぶ。分類学や進化学の基本的な概念を学んだうえで、動物、特に有蹄類の分類と進化について学修することで、生物がどのように多様化し、環境に適応してきたのかを理解する基盤をつくる。第二部では、社会と生態について学ぶ。有蹄類は、種によって単独で生活するものから群れを形成するものまで、さまざまな社会構造をもっている。これらの違いは、捕食者からの回避や食物資源の利用といった環境への適応と深く関係している。例として、主にニホンジカを取り上げ、その群れ構造や食性、生息環境との関係について具体的に学ぶ。第三部では、行動について学ぶ。有蹄類は、日常的な移動に加えて、季節的な移動(季節移動)など広い範囲を利用する行動を示す。また、繁殖期には闘争や縄張り行動などが見られ、オスとメスで行動や役割に大きな違いが生じる。これらの行動がどのように生存や繁殖に関係しているのかを理解する。
第5回では、第一部のまとめの回として、生物の分類と進化、および有蹄類の分類と進化ついての知識の定着を図る。

オリジナルの文字教材

◆コマ主題細目①:生物の分類と進化(1)
・吉里勝利(監修)『新課程二訂版 スクエア最新図説生物』、第一学習者、2023年、1, 20, 22, 24, 25
・吉里勝利(監修)『新課程二訂版 スクエア最新図説生物』、第一学習者、2023年、4, 278頁

◆コマ主題細目②:生物の分類と進化(2)
・馬渡峻輔(著)生物を分類するとはどういうことか、情報の科学と技術、2008年、58(2): 52-56頁
・吉里勝利(監修)『新課程二訂版 スクエア最新図説生物』、第一学習者、2023年、279頁
・吉里勝利(監修)『新課程二訂版 スクエア最新図説生物』、第一学習者、2023年、255頁

◆コマ主題細目③:霊長類の分類と進化(1)
・吉里勝利(監修)『新課程二訂版 スクエア最新図説生物』、第一学習者、2023年、272頁
・吉里勝利(監修)『新課程二訂版 スクエア最新図説生物』、第一学習者、2023年、274頁
・吉里勝利(監修)『新課程二訂版 スクエア最新図説生物』、第一学習者、2023年、274頁

◆コマ主題細目④:霊長類の分類と進化(2)
・日本霊長類学会(編集)『霊長類の百科事典』、丸善出版、2023年、50-53, 76-79頁
・山極寿一(著)『人類進化論:霊長類学からの展開』、裳華房、2008年、30-45頁
コマ主題細目 ① 生物の分類と進化(1) ② 生物の分類と進化(2) ③ 有蹄類の分類と進化(1) ④ 有蹄類の分類と進化(2)
細目レベル ① 第1回の内容として、生物とは何かを、生物に共通する三つの特徴――①細胞から構成されていること、②DNAをもち生殖によって子孫を残すこと、③代謝によってエネルギーを得ること――をもとに整理する。また、これらの活動を自然に行っている状態を「生命」と定義し、生物と生命の違いについて理解する。さらに、細胞の構造として原核細胞と真核細胞の違いを確認し、生物分類の歴史的変遷についても振り返ることで、生物観がどのように発展してきたかを理解する。
② 第2回の内容として、生物の分類と進化の基本概念を整理する。分類とは、似ているものをまとめ、異なるものを分けることであり、生物は「種」を基本単位として体系的に分類される。また、生物には学名があり、共通の基準で理解されていることを確認する。さらに、進化とは、集団において遺伝的な特徴が世代を通じて変化していく現象であることを理解し、生物の多様性がどのように生じたのかを整理する。
③ 第3回の内容として、進化のしくみである自然選択と適応について整理する。自然選択とは、生存や繁殖に有利な特徴をもつ個体が多く子どもを残すことで、その特徴が集団に広がる現象であり、その結果として見られる状態が適応である。また、哺乳類の特徴(恒温性・子への投資)と進化の過程を確認し、恐竜の絶滅後に環境へ進出することで多様化したこと、有蹄類が走行に適応して進化してきたことを理解する。
④ 第4回の内容として、哺乳類と有蹄類の多様化について整理する。哺乳類は恐竜の絶滅によって空いた環境に進出し、適応放散によって多様化した。また、有蹄類は奇蹄類と偶蹄類に分かれ、消化のしくみの違い(後腸発酵と反芻)によって利用できる食物が異なることを確認する。さらに、中新世以降の草原の拡大と反芻の獲得が偶蹄類の多様化に関係したことを理解する。加えて、体の大きさと食物の関係についてジャーマン・ベル原理をもとに整理し、小型の動物は栄養価の高い食物を選び、大型の動物は繊維の多い食物を大量に利用するという一般的な傾向を理解する。
キーワード ① 生物 ② 細胞 ③ 分類 ④ 進化 ⑤ 有蹄類
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回は本科目第5回目の授業をおこなった。授業内でも確認したが、シラバスを再度確認すること。特に、「授業の展開方法」および第1~15回のコマシラバスに一通り目を通し、本科目が三部から構成され、第一部では分類と進化、第二部では社会と生態、第三部では行動ついて扱われるので、講義の全体像をイメージすること。また、文字教材の復習課題を読み、そこに記載されていることが理解できていることを確認し、シラバスの「履修判定指標」との対応を確認すること。また、次回の授業までに第1回の授業の要点や特に押さえておくべきポイントについて各自でノートにまとめ、理解を定着させること。さらに自ら学びを深めたい場合は、シラバスの「参考文献」に挙がっている文献を大学図書館や書店などで入手して自習すること。文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させること。
◆次回授業の予習
次回授業のコマシラバスと文字教材の予習課題を読み、その内容について理解を進めておくことを予習課題とする。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

6 有蹄類の社会(1) 科目の中での位置付け 本科目の授業は、第一部から第三部に分かれ、各部ごとに異なる側面から動物の生態を探求する。第一部では、分類と進化について学ぶ。分類学や進化学の基本的な概念を学んだうえで、動物、特に有蹄類の分類と進化について学修することで、生物がどのように多様化し、環境に適応してきたのかを理解する基盤をつくる。第二部では、社会と生態について学ぶ。有蹄類は、種によって単独で生活するものから群れを形成するものまで、さまざまな社会構造をもっている。これらの違いは、捕食者からの回避や食物資源の利用といった環境への適応と深く関係している。例として、主にニホンジカを取り上げ、その群れ構造や食性、生息環境との関係について具体的に学ぶ。第三部では、行動について学ぶ。有蹄類は、日常的な移動に加えて、季節的な移動(季節移動)など広い範囲を利用する行動を示す。また、繁殖期には闘争や縄張り行動などが見られ、オスとメスで行動や役割に大きな違いが生じる。これらの行動がどのように生存や繁殖に関係しているのかを理解する。
第6回では、霊長類の社会を「社会組織」「配偶システム」「社会構造」の3つの側面から学ぶ。霊長類は社会的な動物であり、同種の個体同士が関係を築きながら生活している。社会組織では、集団の規模や構成、性比、まとまり方の違いから単独型・ペア型・集団型に分類される。配偶システムは、一夫一妻や一夫多妻など繁殖形態の多様性を示し、個体の繁殖戦略やメスの分布に影響される。社会構造では、血縁関係や順位、協力や競争といった個体間の相互作用が注目される。これらの視点から霊長類の社会の多様性と進化的背景を理解する。

オリジナルの文字教材

◆コマ主題細目①:社会組織
・日本霊長類学会(編集)『霊長類の百科事典』、丸善出版、2023年、466-467頁

◆コマ主題細目②:配偶システム
・日本霊長類学会(編集)『霊長類の百科事典』、丸善出版、2023年、467-468頁

◆コマ主題細目③:社会構造
・日本霊長類学会(編集)『霊長類の百科事典』、丸善出版、2023年、374-379, 386-387頁

コマ主題細目 ① 動物の社会の3つの側面:社会組織 ② 単独性と群れ社会について:ホーンの法則 ③ 群れることの利益の2つの側面:対捕食者効果と採餌効果
細目レベル ① 本章では、動物の社会について学ぶ。動物の社会とは、同じ種の個体どうしが関係をもちながら生活しているまとまりのことである。社会組織には、単独型、ペア型、集団型があり、それぞれ生活のしかたが異なる。また、動物が単独で生活するか、群れで生活するかは、食べ物の分布と深く関係している。この関係を説明する考え方がホーンの法則である。動物の行動も、環境に適応した結果であると考えられている。
② 群れで生活することには、さまざまな利益がある。そのため、多くの動物では集団型の社会組織(しゃかいそしき)が見られる。群れ社会の利益は、大きく「対捕食者効果(たいほしょくしゃこうか)」と「採餌効果(さいじこうか)」に分けられる。
対捕食者効果とは、捕食者(ほしょくしゃ)に食べられる危険を小さくする効果のことである。例えば、群れが大きいほど、1頭あたりが捕食される危険が小さくなる希釈効果(きしゃくこうか)などがある。また、群れで生活することには、食べ物を利用しやすくなる採餌効果もある。例えば、他の個体についていくことで、食べ物がある場所を見つけやすくなる場合などがある。
しかし、群れ社会にはデメリットも存在する。多くの個体が同じ場所で生活すると、食べ物をめぐる競争が強くなる。また、病気や寄生虫(きせいちゅう)が広がりやすくなる場合もある。さらに、群れの中では、食べ物や休む場所をめぐる争いが起こることもある。このように、群れ社会には利益とデメリットの両方があり、動物はそのバランスの中で生活していると考えられている。

③ 有蹄類(ゆうているい)の多くは群れをつくって生活しているが、社会組織(しゃかいそしき)は種や環境によって異なっている。前の章で学んだホーンの法則では、食べ物の分布によって社会組織が変わると考えられている。有蹄類の多くは草原環境に適応してきたため、広い範囲に大量に分布する草を利用しやすく、群れをつくりやすい。また、草原では身を隠す場所が少ないため、「多くの目効果」や「希釈効果」などの対捕食者効果も大きい。そのため、シマウマやヌー、ウシなどでは大きな群れが見られる。一方、森林では食べ物が分散しているため、小さな群れや単独生活が見られる場合もある。また、食べ物の分布は配偶(はいぐう)システムにも影響を与える。食べ物がまとまって存在する環境ではメスが集まりやすく、1頭のオスが複数のメスと交尾する場合がある。一方、食べ物が分散している環境では、オスとメスが1対1で生活する場合もある。このように、食べ物の分布は社会組織や繁殖のしくみに大きく関係している。
キーワード ① 社会組織 ② ホーンの法則 ③ 対捕食者効果 ④ 採餌効果 ⑤ 配偶システム
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回は本科目第6回目の授業をおこなった。授業内でも確認したが、シラバスを再度確認すること。特に、「授業の展開方法」および第1~15回のコマシラバスに一通り目を通し、本科目が三部から構成され、第一部では分類と進化、第二部では社会と生態、第三部では行動ついて扱われるので、講義の全体像をイメージすること。また、文字教材の復習課題を読み、そこに記載されていることが理解できていることを確認し、シラバスの「履修判定指標」との対応を確認すること。また、次回の授業までに第1回の授業の要点や特に押さえておくべきポイントについて各自でノートにまとめ、理解を定着させること。さらに自ら学びを深めたい場合は、シラバスの「参考文献」に挙がっている文献を大学図書館や書店などで入手して自習すること。文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させること。
◆次回授業の予習
次回授業のコマシラバスと文字教材の予習課題を読み、その内容について理解を進めておくことを予習課題とする。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

7 有蹄類の社会(2) 科目の中での位置付け 本科目の授業は、第一部から第三部に分かれ、各部ごとに異なる側面から動物の生態を探求する。第一部では、分類と進化について学ぶ。分類学や進化学の基本的な概念を学んだうえで、動物、特に有蹄類の分類と進化について学修することで、生物がどのように多様化し、環境に適応してきたのかを理解する基盤をつくる。第二部では、社会と生態について学ぶ。有蹄類は、種によって単独で生活するものから群れを形成するものまで、さまざまな社会構造をもっている。これらの違いは、捕食者からの回避や食物資源の利用といった環境への適応と深く関係している。例として、主にニホンジカを取り上げ、その群れ構造や食性、生息環境との関係について具体的に学ぶ。第三部では、行動について学ぶ。有蹄類は、日常的な移動に加えて、季節的な移動(季節移動)など広い範囲を利用する行動を示す。また、繁殖期には闘争や縄張り行動などが見られ、オスとメスで行動や役割に大きな違いが生じる。これらの行動がどのように生存や繁殖に関係しているのかを理解する。
第7回では、ニホンジカの社会組織・配偶システム・社会構造を通じてその社会を学ぶ。

オリジナルの文字教材

◆コマ主題細目①:ニホンザルの社会組織
・高槻成紀、山極寿一(編集)『日本の哺乳類学』、東京大学出版会、2008年、200-220頁

◆コマ主題細目②:ニホンザルの配偶システム
・高槻成紀、山極寿一(編集)『日本の哺乳類学』、東京大学出版会、2008年、200-220頁

◆コマ主題細目①:ニホンザルの社会組織
・高槻成紀、山極寿一(編集)『日本の哺乳類学』、東京大学出版会、2008年、200-220頁
コマ主題細目 ① 有蹄類の社会組織 ② 有蹄類の配偶システム ③ 有蹄類の社会構造
細目レベル ① オスとメスは見た目ではなく、つくる配偶子によって区別され、精子をつくる個体がオス、卵をつくる個体がメスである。精子は小さく多数つくられ、自ら動いて受精の機会を高める。一方、卵は大きく栄養を多く含むため数は少ない。この違いは自然選択による進化の結果であり、それぞれ繁殖に有利な特徴となっている。また、メスは卵の形成に加え、哺乳類では妊娠や授乳も担うため、繁殖に必要なエネルギーは一般にオスより大きい。これらの違いは繁殖行動や生態にも影響している。
② 繁殖成功度とは、個体がどれだけ多くの子どもを残し、その子どもが成長してさらに次の世代を残せるかを示す指標である。自然選択は、生存に有利な特徴だけでなく、繁殖成功度を高める行動や特徴にも働くため、そのような性質は世代を通じて集団内に広がる。オスとメスでは繁殖に必要なエネルギーが異なり、メスは卵の生産に加えて妊娠や授乳にも多くのエネルギーを使うため、子どもを安全に育てることが繁殖成功度の向上につながる。一方、オスは小さな精子を多数つくることができるため、多くのメスと交尾して子どもを残すことが繁殖成功度を高める有効な方法となる。そのため、繁殖期にはメスをめぐるオス同士の競争が起こる。特に、実際に繁殖に参加する個体数の比率である実効性比がオスに偏る場合、競争はさらに激しくなる。有蹄類では角や体格を用いた争いが見られ、一部のオスに繁殖機会が集中することで、繁殖成功度に大きな差が生じる。
③ 性選択とは、異性をめぐる競争や配偶者からの選択によって、繁殖に有利な特徴が進化する仕組みである。これは生存に有利かどうかではなく、より多くの子どもを残せるかどうかによって特徴が広がる点に特徴がある。例えば有蹄類では、オス同士が角や体格を用いて争い、競争に勝ったオスが多くのメスと交尾する機会を得る。その結果、大きな体や発達した角をもつ特徴が集団内に広がる。このような性選択によって、オスとメスで体の特徴が異なる性的二型が生じる。シカのようにオスだけが大きな角をもつ例はその代表である。また、動物がどのように交尾し子どもを残すかという繁殖の仕組みを配偶システムという。配偶システムは、オスとメスの繁殖戦略だけでなく、餌の分布とも深く関係している。メスは餌や安全な環境を求めて行動し、オスはメスのいる場所に集まるため、餌の分布がメスの分布を決め、さらにオスの分布や配偶の形態にも影響を与える。これらは有蹄類の社会や繁殖行動を理解する上で重要な考え方である。
キーワード ① オスとメスとはなにか? ② オスとメスの繁殖へのエネルギーコストの違い ③ 実効性比 ④ 性選択 ⑤ 配偶システム
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回は本科目第7回目の授業をおこなった。授業内でも確認したが、シラバスを再度確認すること。特に、「授業の展開方法」および第1~15回のコマシラバスに一通り目を通し、本科目が三部から構成され、第一部では分類と進化、第二部では社会と生態、第三部では行動ついて扱われるので、講義の全体像をイメージすること。また、文字教材の復習課題を読み、そこに記載されていることが理解できていることを確認し、シラバスの「履修判定指標」との対応を確認すること。また、次回の授業までに第1回の授業の要点や特に押さえておくべきポイントについて各自でノートにまとめ、理解を定着させること。さらに自ら学びを深めたい場合は、シラバスの「参考文献」に挙がっている文献を大学図書館や書店などで入手して自習すること。文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させること。
◆次回授業の予習
次回授業のコマシラバスと文字教材の予習課題を読み、その内容について理解を進めておくことを予習課題とする。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

8 ニホンジカの生態(1) 科目の中での位置付け 本科目の授業は、第一部から第三部に分かれ、各部ごとに異なる側面から動物の生態を探求する。第一部では、分類と進化について学ぶ。分類学や進化学の基本的な概念を学んだうえで、動物、特に有蹄類の分類と進化について学修することで、生物がどのように多様化し、環境に適応してきたのかを理解する基盤をつくる。第二部では、社会と生態について学ぶ。有蹄類は、種によって単独で生活するものから群れを形成するものまで、さまざまな社会構造をもっている。これらの違いは、捕食者からの回避や食物資源の利用といった環境への適応と深く関係している。例として、主にニホンジカを取り上げ、その群れ構造や食性、生息環境との関係について具体的に学ぶ。第三部では、行動について学ぶ。有蹄類は、日常的な移動に加えて、季節的な移動(季節移動)など広い範囲を利用する行動を示す。また、繁殖期には闘争や縄張り行動などが見られ、オスとメスで行動や役割に大きな違いが生じる。これらの行動がどのように生存や繁殖に関係しているのかを理解する。
第8回では、有蹄類とニホンジカの生活史を通じて、個体の発達や社会的役割の変化を理解する。

オリジナルの文字教材

◆コマ主題細目①:霊長類の生活史
・日本霊長類学会(編集)『霊長類の百科事典』、丸善出版、2023年、454-457頁

◆コマ主題細目②:ニホンザルの生活史
・高槻成紀、山極寿一(編集)『日本の哺乳類学』、東京大学出版会、2008年、62-73頁

◆コマ主題細目③:老化
・日本霊長類学会(編集)『霊長類の百科事典』、丸善出版、2023年、406-407頁
コマ主題細目 ① ニホンジカの分布 ② ニホンジカの生活史 ③ ベルクマンの法則
細目レベル ① ニホンジカの分布や歴史、行動圏について学ぶ。ニホンジカは日本列島を中心として東アジアに広く分布しており、地域によって体の大きさや毛色などの特徴が異なる。例えば、北海道のエゾジカは大型であり、沖縄県のケラマジカは小型である。また、化石の研究から、ニホンジカの祖先は少なくとも20万年以上前から日本列島に生息していたことがわかっている。さらに、ニホンジカは一定の範囲を移動しながら生活しており、その範囲を行動圏という。現在ではGPS首輪を用いた調査によって、行動圏や移動の様子が詳しく調べられている。
② 本章では、ニホンジカの食性について学ぶ。ニホンジカは植物を食べる草食動物であるが、草だけを食べているわけではない。葉、木の芽、果実、樹皮などさまざまな植物を利用しており、季節によって利用する植物も変化する。例えば、春から夏には栄養価の高い草や若い葉を利用し、冬には樹皮や常緑樹の葉を利用することがある。糞分析の結果からも、季節によって食べる植物が変化することが確認されている。また、草食動物は主に草を利用するグレイザーと、主に木の葉や枝を利用するブラウザーに分けられる。ニホンジカはイネ科植物やササを多く利用する一方で、葉や果実、樹皮も利用するため、グレイザーとブラウザーの中間的な特徴をもつ草食動物と考えられている。ただし、多くの地域では草本植物の利用割合が高く、グレイザー寄りの食性を示すことが知られている。
③ 本章では、ニホンジカの個体数が増加している理由について学ぶ。1978年から2018年の間に、ニホンジカの分布域は大きく拡大し、個体数も増加した。その背景には、ニホンジカがもともと増えやすい生活史をもつことが関係している。ニホンジカでは1歳未満の死亡率は高いが、その後は生存率が高く、メスは2歳頃から繁殖を始め、条件が良ければ毎年1頭の子どもを出産する。さらに近年では、ニホンオオカミの絶滅や人間による狩猟圧の低下によって捕食圧が減少し、多くの個体が生き残りやすくなった。また、地球温暖化による積雪量の減少も分布拡大を促進している。このように、ニホンジカの増加は、繁殖しやすい生活史と、捕食者の減少、人間社会の変化、気候変動などの複数の要因が重なった結果である。
キーワード ① 生活史 ② 食性 ③ ベルクマンの法則 ④ グレイザー ⑤ ブラウザー
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回は本科目第8回目の授業をおこなった。授業内でも確認したが、シラバスを再度確認すること。特に、「授業の展開方法」および第1~15回のコマシラバスに一通り目を通し、本科目が三部から構成され、第一部では分類と進化、第二部では社会と生態、第三部では行動ついて扱われるので、講義の全体像をイメージすること。また、文字教材の復習課題を読み、そこに記載されていることが理解できていることを確認し、シラバスの「履修判定指標」との対応を確認すること。また、次回の授業までに第1回の授業の要点や特に押さえておくべきポイントについて各自でノートにまとめ、理解を定着させること。さらに自ら学びを深めたい場合は、シラバスの「参考文献」に挙がっている文献を大学図書館や書店などで入手して自習すること。文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させること。
◆次回授業の予習
次回授業のコマシラバスと文字教材の予習課題を読み、その内容について理解を進めておくことを予習課題とする。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

9 踊り場コマ(2) 科目の中での位置付け 本科目の授業は、第一部から第三部に分かれ、各部ごとに異なる側面から動物の生態を探求する。第一部では、分類と進化について学ぶ。分類学や進化学の基本的な概念を学んだうえで、動物、特に有蹄類の分類と進化について学修することで、生物がどのように多様化し、環境に適応してきたのかを理解する基盤をつくる。第二部では、社会と生態について学ぶ。有蹄類は、種によって単独で生活するものから群れを形成するものまで、さまざまな社会構造をもっている。これらの違いは、捕食者からの回避や食物資源の利用といった環境への適応と深く関係している。例として、主にニホンジカを取り上げ、その群れ構造や食性、生息環境との関係について具体的に学ぶ。第三部では、行動について学ぶ。有蹄類は、日常的な移動に加えて、季節的な移動(季節移動)など広い範囲を利用する行動を示す。また、繁殖期には闘争や縄張り行動などが見られ、オスとメスで行動や役割に大きな違いが生じる。これらの行動がどのように生存や繁殖に関係しているのかを理解する。
第9回では、第二部のまとめの回として、有蹄類の社会とニホンジカの生態ついての知識の定着を図る。

オリジナルの文字教材

◆コマ主題細目①:霊長類社会の3つの側面
・日本霊長類学会(編集)『霊長類の百科事典』、丸善出版、2023年、466-467頁
・日本霊長類学会(編集)『霊長類の百科事典』、丸善出版、2023年、467-468頁
・日本霊長類学会(編集)『霊長類の百科事典』、丸善出版、2023年、374-379, 386-387頁

◆コマ主題細目②:ニホンザルの社会
・高槻成紀、山極寿一(編集)『日本の哺乳類学』、東京大学出版会、2008年、200-220頁
・高槻成紀、山極寿一(編集)『日本の哺乳類学』、東京大学出版会、2008年、200-220頁
・高槻成紀、山極寿一(編集)『日本の哺乳類学』、東京大学出版会、2008年、200-220頁

◆コマ主題細目③:ニホンザルのの生活史
・日本霊長類学会(編集)『霊長類の百科事典』、丸善出版、2023年、454-457頁
・高槻成紀、山極寿一(編集)『日本の哺乳類学』、東京大学出版会、2008年、62-73頁
・日本霊長類学会(編集)『霊長類の百科事典』、丸善出版、2023年、406-407頁
コマ主題細目 ① 群れ ② 配偶システム ③ ニホンジカの生態
細目レベル ① ここでは、動物の社会組織と群れ形成について学ぶ。動物には単独で生活するもの、ペアで生活するもの、群れをつくって生活するものがおり、このような生活のしかたの違いを社会組織という。社会組織には単独型、ペア型、集団型があり、それぞれ異なる特徴をもつ。動物がどのような社会組織をもつかは、食べ物の分布と深く関係している。この関係を説明する考え方がホーンの法則であり、食べ物が分散している環境では単独生活が見られやすく、食べ物が集中している環境では群れ生活が見られやすい。さらに、群れで生活することには利益とデメリットの両方が存在する。利益には、希釈効果、多くの目効果、混乱効果、共同防衛などの対捕食者効果や、餌発見の向上などの採餌効果がある。一方で、食物競争や病気・寄生虫の広がりといったデメリットも存在する。そのため、群れは大きければ良いわけではなく、利益とコストのバランスが最も良くなる最適な群れサイズが存在すると考えられている。また、有蹄類の多くは群れをつくって生活しており、その背景には草原環境への適応や食べ物の分布が関係していることを学ぶ。
② ここでは、オスとメスの違い、繁殖成功度、性選択、配偶システムについて学ぶ。オスとメスは見た目ではなく、つくる配偶子によって区別される。精子をつくる個体がオス、卵をつくる個体がメスである。精子は小さく多数つくられる一方で、卵は大きく栄養を多く含み、この違いは自然選択によって進化してきた。また、メスは卵の形成に加え、妊娠や授乳にも多くのエネルギーを使うため、繁殖コストは一般にメスの方が大きい。その結果、オスとメスでは繁殖成功度を高める方法が異なる。メスは子どもを安全に育てることが重要であり、オスは多くのメスと交尾することが重要になる。この違いから、繁殖期にはオス同士の競争が起こる。さらに、繁殖成功度を高める特徴や行動が広がる進化を性選択といい、その結果としてオスとメスで体の特徴が異なる性的二型が生じる。シカの大きな角はその代表例である。また、配偶システムとは、オスとメスがどのように交尾し子どもを残すかという繁殖のしくみであり、餌の分布がメスの分布を決め、さらにオスの分布や配偶システムにも影響することを学ぶ。
③ ここでは、ニホンジカの分布、歴史、行動圏、食性、そして個体数増加の要因について学ぶ。ニホンジカは日本列島だけでなく、中国東部や朝鮮半島、ロシア沿海地方を含む東アジアに広く分布している。また、地域によって体の大きさや毛色などの特徴が異なり、北海道のエゾジカは大型、沖縄県のケラマジカは小型である。この違いはベルクマンの法則によって説明される。化石の研究から、ニホンジカの祖先は少なくとも20万年以上前から日本列島に生息していたこともわかっている。さらに、ニホンジカは一定の範囲を移動しながら生活しており、その範囲を行動圏という。現在ではGPS首輪を用いて行動圏や移動経路が調査されている。また、ニホンジカは植物を食べる草食動物であるが、草だけでなく葉や果実、樹皮なども利用する。グレイザーとブラウザーの両方の特徴をもち、中間型採食者と考えられている。さらに、メスは2歳頃から繁殖を開始し、条件が良ければ毎年出産できるため、個体数は増加しやすい。近年ではニホンオオカミの絶滅による捕食圧の低下、人間による狩猟圧の低下、温暖化による積雪量の減少などが重なり、分布域と個体数が大きく増加していることを学ぶ。
キーワード ① 社会組織 ② 配偶システム ③ 実効性比 ④ ベルクマンの法則 ⑤ 性選択
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回は本科目第9回目の授業をおこなった。授業内でも確認したが、シラバスを再度確認すること。特に、「授業の展開方法」および第1~15回のコマシラバスに一通り目を通し、本科目が三部から構成され、第一部では分類と進化、第二部では社会と生態、第三部では行動ついて扱われるので、講義の全体像をイメージすること。また、文字教材の復習課題を読み、そこに記載されていることが理解できていることを確認し、シラバスの「履修判定指標」との対応を確認すること。また、次回の授業までに第1回の授業の要点や特に押さえておくべきポイントについて各自でノートにまとめ、理解を定着させること。さらに自ら学びを深めたい場合は、シラバスの「参考文献」に挙がっている文献を大学図書館や書店などで入手して自習すること。文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させること。
◆次回授業の予習
次回授業のコマシラバスと文字教材の予習課題を読み、その内容について理解を進めておくことを予習課題とする。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

10 ニホンジカの生態(2) 科目の中での位置付け 本科目の授業は、第一部から第三部に分かれ、各部ごとに異なる側面から動物の生態を探求する。第一部では、分類と進化について学ぶ。分類学や進化学の基本的な概念を学んだうえで、動物、特に有蹄類の分類と進化について学修することで、生物がどのように多様化し、環境に適応してきたのかを理解する基盤をつくる。第二部では、社会と生態について学ぶ。有蹄類は、種によって単独で生活するものから群れを形成するものまで、さまざまな社会構造をもっている。これらの違いは、捕食者からの回避や食物資源の利用といった環境への適応と深く関係している。例として、主にニホンジカを取り上げ、その群れ構造や食性、生息環境との関係について具体的に学ぶ。第三部では、行動について学ぶ。有蹄類は、日常的な移動に加えて、季節的な移動(季節移動)など広い範囲を利用する行動を示す。また、繁殖期には闘争や縄張り行動などが見られ、オスとメスで行動や役割に大きな違いが生じる。これらの行動がどのように生存や繁殖に関係しているのかを理解する。
第10回では、ニホンジカの配偶システムとその進化的・生態的意義について学ぶ。ニホンジカは一夫多妻であり、一部の優位なオスが多くのメスを獲得する。さらにメスの分布などでオスがメスを獲得する戦術が異なることを学ぶ。

オリジナルの文字教材

◆コマ主題細目①:霊長類の食性
・日本霊長類学会(編集)『霊長類の百科事典』、丸善出版、2023年、430-431頁

◆コマ主題細目②:霊長類の食物選択
・日本霊長類学会(編集)『霊長類の百科事典』、丸善出版、2023年、432-433頁

◆コマ主題細目③:食物選択の進化的背景
・日本霊長類学会(編集)『霊長類の百科事典』、丸善出版、2023年、438-439頁
コマ主題細目 ① なわばり ② 配偶システムの具体例 ③ ニホンジカの配偶システム
細目レベル ① なわばりとは、動物が食べ物や繁殖相手などの資源を確保するために、同種の他個体の侵入を排除しながら防衛する地域のことである。一方、行動圏は動物が日常的に利用する範囲を指し、必ずしも防衛されているわけではない。このように、行動圏が「利用する範囲」であるのに対し、なわばりは「防衛する地域」である点が重要である。また、動物が防衛しているのは資源そのものではなく、それらが存在する地域である。さらに、なわばりを維持するためには、見張りやマーキング、侵入者との争いなどによる時間やエネルギーの消費が必要となる。しかし、防衛によって食べ物や繁殖機会を優先的に利用できるという利益も得られる。そのため、なわばりは利益がコストを上回る場合に形成される。一方で、なわばりが広すぎたり侵入者が多すぎたりすると、防衛にかかるコストが利益を上回り、なわばりは維持できなくなる。また、防衛しなくても十分な資源を利用できる環境では、なわばりをもたない方が有利な場合もある。このように、なわばりは防衛によって得られる利益と、防衛に必要なコストのバランスによって成立している。
② 配偶システムとは、オスとメスがどのように交尾し、子どもを残すかという繁殖のしくみである。第7回の授業で学んだように、配偶システムは餌の分布と深く関係しており、餌の分布がメスの分布を決め、さらにメスの分布がオスの分布を決めることで、さまざまな配偶システムが成立する。代表的な配偶システムには、一夫一妻、一夫多妻、一妻多夫がある。一夫一妻は、餌が分散しているためメスも分散し、オスが複数のメスを防衛できない場合に見られる。例えばディクディクでは、1頭のオスと1頭のメスが繁殖する。一方、一夫多妻は、餌が集中しているためメスも集まり、オスが複数のメスを防衛できる場合に見られる。アカシカでは有力なオスがハレムを形成し、多くのメスと繁殖する。一妻多夫は比較的まれであり、オスが抱卵や子育てを担当する場合に成立しやすい。タマシギではメスが複数のオスと繁殖し、オスが子育てを行う。このように、配偶システムは環境条件や子育ての負担の違いによって変化し、多様な繁殖戦略が見られる。
③ ニホンジカは一夫多妻の配偶システムをもち、一部の優位なオスが複数のメスと繁殖する。そのため、繁殖期にはオスどうしの激しい競争が見られ、オス間の繁殖成功度には大きな差が生じる。しかし、一夫多妻といっても、オスが繁殖機会を獲得する方法は常に同じではない。メスが特定の場所を繰り返し利用する環境では、オスはその場所を防衛する交尾なわばり型をとる。一方、メスがまとまって行動する環境では、オスは複数のメスを囲い込むハレム型をとる。このように、ニホンジカの繁殖戦略はメスの分布や利用する環境によって変化する。これは、第7回で学んだ「餌の分布→メスの分布→オスの分布→配偶システム」という考え方の具体例であり、動物の繁殖行動が環境との関係の中で形成されていることを示している。
キーワード ① なわばり ② 一夫一妻 ③ 一夫多妻 ④ 一妻多夫 ⑤ ハレム型、交尾なわばり型
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回は本科目第10回目の授業をおこなった。授業内でも確認したが、シラバスを再度確認すること。特に、「授業の展開方法」および第1~15回のコマシラバスに一通り目を通し、本科目が三部から構成され、第一部では分類と進化、第二部では社会と生態、第三部では行動ついて扱われるので、講義の全体像をイメージすること。また、文字教材の復習課題を読み、そこに記載されていることが理解できていることを確認し、シラバスの「履修判定指標」との対応を確認すること。また、次回の授業までに第1回の授業の要点や特に押さえておくべきポイントについて各自でノートにまとめ、理解を定着させること。さらに自ら学びを深めたい場合は、シラバスの「参考文献」に挙がっている文献を大学図書館や書店などで入手して自習すること。文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させること。
◆次回授業の予習
次回授業のコマシラバスと文字教材の予習課題を読み、その内容について理解を進めておくことを予習課題とする。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

11 ニホンジカの生態(3) 科目の中での位置付け 本科目の授業は、第一部から第三部に分かれ、各部ごとに異なる側面から動物の生態を探求する。第一部では、分類と進化について学ぶ。分類学や進化学の基本的な概念を学んだうえで、動物、特に有蹄類の分類と進化について学修することで、生物がどのように多様化し、環境に適応してきたのかを理解する基盤をつくる。第二部では、社会と生態について学ぶ。有蹄類は、種によって単独で生活するものから群れを形成するものまで、さまざまな社会構造をもっている。これらの違いは、捕食者からの回避や食物資源の利用といった環境への適応と深く関係している。例として、主にニホンジカを取り上げ、その群れ構造や食性、生息環境との関係について具体的に学ぶ。第三部では、行動について学ぶ。有蹄類は、日常的な移動に加えて、季節的な移動(季節移動)など広い範囲を利用する行動を示す。また、繁殖期には闘争や縄張り行動などが見られ、オスとメスで行動や役割に大きな違いが生じる。これらの行動がどのように生存や繁殖に関係しているのかを理解する。
第11回では、捕食–被食関係と恐怖の景観、さらに人間が野生動物やニホンジカの行動に与える影響について学修する。

オリジナルの文字教材

◆コマ主題細目①:生態調査の基本と道具の役割
・山本俊明(著)『はじめて学ぶ哺乳類』、文一総合出版、2024年、116-125頁

◆コマ主題細目②:食物の形態計測:ノギス
参考文献なし

◆コマ主題細目③:食物の詳細観察:ルーペ
参考文献なし

コマ主題細目 ① 生捕食–被食関係 ② 恐怖の景観 ③ 人間が野生動物やニホンジカの行動に与える影響
細目レベル ① 捕食–被食関係とは、捕食者が被食者を食べることによって成り立つ関係であり、生態学において古くから研究されてきた重要なテーマである。これまで、捕食–被食関係は個体数の変動や捕食者の餌の選び方などを中心に研究されてきた。しかし近年では、捕食者は被食者を実際に食べることだけでなく、その存在によって被食者の行動を変えることが明らかとなり、「恐怖の景観(Landscape of Fear)」という考え方が提唱された。恐怖の景観とは、被食者が捕食される危険を空間的に認識し、その危険に応じて行動や利用する場所を変えるという考え方である。イエローストーン国立公園では、オオカミの再導入によってワピチの行動が変化し、植物や生態系が回復したことが知られている。この研究は、捕食者が被食者を食べることだけでなく、その存在が生態系全体に大きな影響を与えることを示した代表的な事例である。
② 本章では、人間が野生動物の行動に与える影響について学ぶ。人間は狩猟(しゅりょう)や管理捕獲(かんりほかく)によって多くの野生動物を捕獲しており、その捕獲のしかたは野生の捕食者とは大きく異なる。人間は健康な成獣も効率よく捕獲でき、広い範囲で短期間に多数の個体を捕獲できることから、生態学では「スーパープレデター(Super Predator)」と呼ばれている。
また、近年では、人間は野生動物を実際に捕獲するだけでなく、その存在によって動物の行動を変えることも明らかになっている。人間が野生動物にとって重要な捕食リスクとなり、恐怖の景観を形成していることを示している。このように、人間は野生動物の個体数だけでなく、その行動にも大きな影響を与えている。本章では、人間がどのように野生動物の行動を変えているのかを理解し、次章で学ぶニホンジカの行動変化へとつなげていく。

③ 本章では、人間による捕獲圧がニホンジカの行動にどのような影響を与えているのかについて学ぶ。日本では、増加したニホンジカによる農林業被害や生態系への影響を抑えるため、狩猟(しゅりょう)や管理捕獲(かんりほかく)が行われており、現在では年間70万頭以上のニホンジカが捕獲されている。そのため、ニホンジカにとって人間は重要な捕食リスクとなっている。
近年の研究では、ニホンジカは人間による捕獲圧に応じて行動を柔軟に変化させることが明らかになっている。代表的な変化として、昼間の活動を減らして夜間の活動を増やす夜行性への変化、採食中でも周囲を見回す時間が長くなる警戒行動の増加、さらに人間の活動が多い場所を避けて森林の奥などを利用する空間利用の変化が知られている。
このような行動の変化は、人間による捕食リスクを避けるために生じるものであり、ニホンジカでも「恐怖の景観(Landscape of Fear)」が形成されていることを示している。本章では、時間・行動・空間という3つの視点から、人間がニホンジカの行動に与える影響について理解する。

キーワード ① 生捕食–被食関係 ② イエローストーン国立公園 ③ 恐怖の景観 ④ ニホンジカの行動変化 ⑤ 人間が野生動物やニホンジカの行動に与える影響
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回は本科目第11回目の授業をおこなった。授業内でも確認したが、シラバスを再度確認すること。特に、「授業の展開方法」および第1~15回のコマシラバスに一通り目を通し、本科目が三部から構成され、第一部では分類と進化、第二部では社会と生態、第三部では行動ついて扱われるので、講義の全体像をイメージすること。また、文字教材の復習課題を読み、そこに記載されていることが理解できていることを確認し、シラバスの「履修判定指標」との対応を確認すること。また、次回の授業までに第1回の授業の要点や特に押さえておくべきポイントについて各自でノートにまとめ、理解を定着させること。さらに自ら学びを深めたい場合は、シラバスの「参考文献」に挙がっている文献を大学図書館や書店などで入手して自習すること。文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させること。
◆次回授業の予習
次回授業のコマシラバスと文字教材の予習課題を読み、その内容について理解を進めておくことを予習課題とする。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

12 動物の生態調査法(1) 科目の中での位置付け 本科目の授業は、第一部から第三部に分かれ、各部ごとに異なる側面から動物の生態を探求する。第一部では、分類と進化について学ぶ。分類学や進化学の基本的な概念を学んだうえで、動物、特に有蹄類の分類と進化について学修することで、生物がどのように多様化し、環境に適応してきたのかを理解する基盤をつくる。第二部では、社会と生態について学ぶ。有蹄類は、種によって単独で生活するものから群れを形成するものまで、さまざまな社会構造をもっている。これらの違いは、捕食者からの回避や食物資源の利用といった環境への適応と深く関係している。例として、主にニホンジカを取り上げ、その群れ構造や食性、生息環境との関係について具体的に学ぶ。第三部では、行動について学ぶ。有蹄類は、日常的な移動に加えて、季節的な移動(季節移動)など広い範囲を利用する行動を示す。また、繁殖期には闘争や縄張り行動などが見られ、オスとメスで行動や役割に大きな違いが生じる。これらの行動がどのように生存や繁殖に関係しているのかを理解する。
第12回では、動物の生態調査に必要な基本的手法と、ノギスやルーペといった調査機器の役割と使用方法について学ぶ。

オリジナルの文字教材

◆コマ主題細目①:音声の種類と機能
・香田啓貴(著)『発生の霊長類的基盤:情動と社会集団における音声交換とその役割についての考察』、日本音響学会誌、2023年、79号1巻、34-40頁

◆コマ主題細目②:音声によるコミュニケーション
・高畑由起夫、山極寿一(編著)『ニホンザルの自然社会』、京都大学出版会、2000年、129-158頁

◆コマ主題細目③:音声の環境への適応
・高畑由起夫、山極寿一(編著)『ニホンザルの自然社会』、京都大学出版会、2000年、129-158頁
コマ主題細目 ① 動物をどのように計測するのか ② ニホンジカの角を知る ③ ニホンジカの角を観察・計測する
細目レベル ① 生物学では、動物の特徴を客観的に比較するために、長さや重さなどを数字として記録することが重要である。例えば、同じ種であっても体の大きさや角の形などには個体差があり、それらを正確に比較するためには適切な方法で計測する必要がある。また、研究では同じ場所を同じ方法で測定し、測定誤差をできるだけ小さくすることも重要である。
本章では、動物を計測する意義と、正確なデータを得るための基本的な考え方について学ぶ。また、実習で使用するメジャー、ノギス、吊るしばかり、ルーペの使い方や役割について理解し、ニホンジカの角を実際に観察・計測しながら、生物学における調査の基本を体験する。

② 本章では、ニホンジカの角の基本的な特徴について学ぶ。ニホンジカの角はオスだけに見られる特徴であり、毎年生え変わる骨である。また、年齢や栄養状態などによって、大きさや形にはさまざまな違いが見られる。
さらに、生物学では、このような角の特徴を長さや太さ、重さなどの数値として記録し、個体どうしを比較することで、その役割や特徴について調べている。しかし、角の役割は見た目だけで判断できるものではなく、計測したデータを他の情報と比較しながら考える必要がある。
本章では、ニホンジカの角について理解した上で、なぜ角を計測するのかを学び、次章の実習へとつなげる。


③ 本章では、ニホンジカの角を用いて、生物学の調査で実際に行われている基本的な調査方法を体験する。まず、ルーペを用いて角の形や表面の特徴を観察し、スケッチを行う。スケッチは絵を上手に描くことが目的ではなく、角の特徴を正確に記録することを目的とする。
次に、メジャー、ノギス、吊るしばかりを用いて、角の長さや太さ、重さなどを計測する。生物学では、異なる個体どうしを比較するために、同じ項目を同じ方法で計測し、データとして記録することが重要である。本実習でも、測定方法を統一し、正確なデータを記録することを目標とする。
最後に、計測した結果をもとに、ニホンジカの角にはどのような役割があるのかについて考える。今回集めたデータや自分の考えは、次回の授業で利用し、ニホンジカの角の機能についてさらに理解を深めていく。

キーワード ① ニホンジカ ② 角 ③ 袋角 ④ 測定誤差 ⑤ ノギス
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回は本科目第12回目の授業をおこなった。授業内でも確認したが、シラバスを再度確認すること。特に、「授業の展開方法」および第1~15回のコマシラバスに一通り目を通し、本科目が三部から構成され、第一部では分類と進化、第二部では社会と生態、第三部では行動ついて扱われるので、講義の全体像をイメージすること。また、文字教材の復習課題を読み、そこに記載されていることが理解できていることを確認し、シラバスの「履修判定指標」との対応を確認すること。また、次回の授業までに第1回の授業の要点や特に押さえておくべきポイントについて各自でノートにまとめ、理解を定着させること。さらに自ら学びを深めたい場合は、シラバスの「参考文献」に挙がっている文献を大学図書館や書店などで入手して自習すること。文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させること。
◆次回授業の予習
次回授業のコマシラバスと文字教材の予習課題を読み、その内容について理解を進めておくことを予習課題とする。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

13 動物の生態調査法(2) 科目の中での位置付け 本科目の授業は、第一部から第三部に分かれ、各部ごとに異なる側面から動物の生態を探求する。第一部では、分類と進化について学ぶ。分類学や進化学の基本的な概念を学んだうえで、動物、特に有蹄類の分類と進化について学修することで、生物がどのように多様化し、環境に適応してきたのかを理解する基盤をつくる。第二部では、社会と生態について学ぶ。有蹄類は、種によって単独で生活するものから群れを形成するものまで、さまざまな社会構造をもっている。これらの違いは、捕食者からの回避や食物資源の利用といった環境への適応と深く関係している。例として、主にニホンジカを取り上げ、その群れ構造や食性、生息環境との関係について具体的に学ぶ。第三部では、行動について学ぶ。有蹄類は、日常的な移動に加えて、季節的な移動(季節移動)など広い範囲を利用する行動を示す。また、繁殖期には闘争や縄張り行動などが見られ、オスとメスで行動や役割に大きな違いが生じる。これらの行動がどのように生存や繁殖に関係しているのかを理解する。
オリジナルの文字教材

◆コマ主題細目①:毛づくろいの機能
・高槻成紀、山極寿一(編集)『日本の哺乳類学』、東京大学出版会、2008年、200-220頁

◆コマ主題細目②:喧嘩の原因と社会的影響
・高槻成紀、山極寿一(編集)『日本の哺乳類学』、東京大学出版会、2008年、200-220頁

◆コマ主題細目③:社会行動と群れ内の秩序
・高槻成紀、山極寿一(編集)『日本の哺乳類学』、東京大学出版会、2008年、200-220頁
コマ主題細目 ① スケッチ ② 角の役割 ③ 計測データ
細目レベル ① 生物スケッチは、美しい絵を描くことではなく、生物の特徴を正確に観察し、記録するための重要な研究手法である。写真では見落としがちな特徴も、スケッチを行うことで細部まで観察し、新たな発見や疑問につながる。良いスケッチを描くためには、全体をよく観察し、輪郭から描き始め、特徴的な部分を重点的に記録することが重要である。また、ラベルやスケールを付けることで研究記録としての価値が高まる。一方で、小さく描く、陰影を付ける、想像で補うなどの誤りは、正確な記録を妨げる。生物学では「上手に描くこと」よりも、「正確に観察し記録すること」が最も重要であり、観察・スケッチ・計測を組み合わせることで、生物の特徴やその役割を科学的に理解することができる。
② 生物学の研究は、最初から答えが分かっているわけではない。「この特徴にはどのような役割があるのだろうか」という疑問をもち、それに対する仮説を立てることから研究は始まる。そして、その仮説を確かめるために、どのようなデータを集めればよいのかを考え、実際に観察や計測を行うことで検証していく。第12回の実習では、ニホンジカの角を観察・計測しただけでなく、「角にはどのような役割があると思うか」「その役割を調べるためには何を測ればよいか」「さらに調べてみたいことは何か」についても考えてもらった。これらの問いに対する答えには正解・不正解はなく、それぞれが一つの仮説である。本章では、まず皆さんが考えた仮説を整理し、その後、生態学の研究ではそれらの仮説をどのように検証していくのかを考えていく。
③ 生物学では、データを集めること自体が目的ではない。重要なのは、集めたデータから生物の特徴や役割について考えることである。そのためには、個々の値を見るだけではなく、複数の項目を比較し、それらの関係を調べることが重要となる。例えば、「体が大きい個体ほど角も大きいのか」「角が長い個体ほど根元も太いのか」「左右の角は同じように成長するのか」といった疑問は、一つの測定値だけでは答えることができない。しかし、二つの項目をグラフにして比較すると、それらの間に関係があるのか、あるいは関係がないのかを視覚的に理解することができる。また、グラフを見るときには、関係がある部分だけでなく、予想と異なる点や個体ごとの違いにも注目することが重要である。以下では、今回の実習で得られた計測データを用いて、角の特徴どうしの関係を確認し、そこからどのようなことが読み取れるのかを考えてみよう。
キーワード ① スケッチ ② 角の役割 ③ 計測データ ④ 仮説 ⑤ 予測
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回は本科目第13回目の授業をおこなった。授業内でも確認したが、シラバスを再度確認すること。特に、「授業の展開方法」および第1~15回のコマシラバスに一通り目を通し、本科目が三部から構成され、第一部では分類と進化、第二部では社会と生態、第三部では行動ついて扱われるので、講義の全体像をイメージすること。また、文字教材の復習課題を読み、そこに記載されていることが理解できていることを確認し、シラバスの「履修判定指標」との対応を確認すること。また、次回の授業までに第1回の授業の要点や特に押さえておくべきポイントについて各自でノートにまとめ、理解を定着させること。さらに自ら学びを深めたい場合は、シラバスの「参考文献」に挙がっている文献を大学図書館や書店などで入手して自習すること。文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させること。
◆次回授業の予習
次回授業のコマシラバスと文字教材の予習課題を読み、その内容について理解を進めておくことを予習課題とする。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

14 動物の生態調査法(3) 科目の中での位置付け 本科目の授業は、第一部から第三部に分かれ、各部ごとに異なる側面から動物の生態を探求する。第一部では、分類と進化について学ぶ。分類学や進化学の基本的な概念を学んだうえで、動物、特に有蹄類の分類と進化について学修することで、生物がどのように多様化し、環境に適応してきたのかを理解する基盤をつくる。第二部では、社会と生態について学ぶ。有蹄類は、種によって単独で生活するものから群れを形成するものまで、さまざまな社会構造をもっている。これらの違いは、捕食者からの回避や食物資源の利用といった環境への適応と深く関係している。例として、主にニホンジカを取り上げ、その群れ構造や食性、生息環境との関係について具体的に学ぶ。第三部では、行動について学ぶ。有蹄類は、日常的な移動に加えて、季節的な移動(季節移動)など広い範囲を利用する行動を示す。また、繁殖期には闘争や縄張り行動などが見られ、オスとメスで行動や役割に大きな違いが生じる。これらの行動がどのように生存や繁殖に関係しているのかを理解する。
オリジナルの文字教材

◆コマ主題細目①:睡眠行動
・Mochida, K., & Nishikawa, M. (2014). Sleep duration is affected by social relationships among sleeping partners in wild Japanese macaques. Behavioural Processes, 103, 102-104.

◆コマ主題細目②:夜間の種間関係
・Nishikawa, M., & Mochida, K. (2010). Coprophagy-related interspecific nocturnal interactions between Japanese macaques (Macaca fuscata yakui) and sika deer (Cervus nippon yakushimae). Primates, Volume 51, pages 95–99

◆コマ主題細目③:泊まり場の選択
・Tsuji, Y. (2011). Sleeping-site preferences of wild Japanese macaques (Macaca fuscata): the importance of nonpredatory factors. Journal of Mammalogy, 92(6), 1261-1269.
コマ主題細目 ① 直接観察 ② センサーカメラ ③ 人為的攪乱
細目レベル ① 野生動物の研究では、直接観察は最も基本的な調査方法であるが、観察時間の制約や動物との遭遇率の低さ、人間の存在による行動への影響、安全上の問題などから、それだけでは十分なデータを得られないことが多い。そのため、生態学では研究目的に応じてさまざまな調査方法が用いられており、その代表的な調査機器がセンサーカメラである。センサーカメラは、人がいなくても昼夜を問わず長期間にわたり野生動物を記録できるため、現在では生態学や野生動物管理に欠かせない調査手法となっている。一方で、センサーカメラは設置するだけでよいわけではなく、何を明らかにしたいのかによって、撮影方法や設置場所、画角などを適切に選択する必要がある。生物学では、調査機器を使うこと自体が目的ではなく、研究目的に応じて最も適した調査方法を選び、必要なデータを効率よく収集することが重要である。今回の実習では、このような研究者の視点を意識しながらセンサーカメラを設置し、生態調査の基本的な考え方を体験してほしい。
② センサーカメラは、動物の姿を記録するだけの機械ではなく、生態学におけるさまざまな疑問に答えるための重要な研究機器である。例えば、撮影された日時や動画を解析することで、ニホンジカが人間を避けて夜間に活動したり、警戒行動を増やしたりすることが明らかとなり、恐怖の景観を客観的に評価できるようになった。また、近年では、RESTモデルなどの解析手法の発展により、個体を識別しなくても生息密度を推定できるようになり、センサーカメラは個体数を把握するための研究にも利用されている。このように、センサーカメラは行動、生態、進化、生息密度など、これまで調べることが難しかった現象を定量的に解析できるようにした、生態学に欠かせない調査機器となっている。
③ センサーカメラによる調査では、機器を設置して終わりではなく、安全に回収し、撮影されたデータを整理・解析するまでが一連の研究である。回収時には、データを失わないよう適切な手順で機器を取り扱い、撮影結果を確認することが重要である。また、写真や動画は、そのままでは研究データにはならない。撮影された動物の種類や頭数、撮影日時、行動などを整理・記録することで、活動時間や利用場所、行動パターン、生息環境との関係などを科学的に解析できるようになる。今回の実習では、自分たちが設置したセンサーカメラや野外で撮影された動画を観察し、研究者と同じように情報を記録・整理する作業を体験した。生態学では、一つ一つの観察記録は小さなデータにすぎないが、多くのデータを積み重ねることで、生物の行動や生態の特徴が見えてくる。研究とは、データを集めることではなく、集めたデータを整理・比較・考察し、新しい発見につなげることである。今回の実習を通して、野外調査からデータ解析までの研究の流れを体験し、生態学における調査とデータ解析の重要性を理解してほしい。
キーワード ① 直接観察 ② センサーカメラ ③ 人為的攪乱 ④ RESTモデル ⑤ 生息密度
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回は本科目第14回目の授業をおこなった。授業内でも確認したが、シラバスを再度確認すること。特に、「授業の展開方法」および第1~15回のコマシラバスに一通り目を通し、本科目が三部から構成され、第一部では分類と進化、第二部では社会と生態、第三部では行動ついて扱われるので、講義の全体像をイメージすること。また、文字教材の復習課題を読み、そこに記載されていることが理解できていることを確認し、シラバスの「履修判定指標」との対応を確認すること。また、次回の授業までに第1回の授業の要点や特に押さえておくべきポイントについて各自でノートにまとめ、理解を定着させること。さらに自ら学びを深めたい場合は、シラバスの「参考文献」に挙がっている文献を大学図書館や書店などで入手して自習すること。文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させること。
◆次回授業の予習
次回授業のコマシラバスと文字教材の予習課題を読み、その内容について理解を進めておくことを予習課題とする。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

15 踊り場コマ(3) 科目の中での位置付け 本科目の授業は、第一部から第三部に分かれ、各部ごとに異なる側面から動物の生態を探求する。第一部では、分類と進化について学ぶ。分類学や進化学の基本的な概念を学んだうえで、動物、特に有蹄類の分類と進化について学修することで、生物がどのように多様化し、環境に適応してきたのかを理解する基盤をつくる。第二部では、社会と生態について学ぶ。有蹄類は、種によって単独で生活するものから群れを形成するものまで、さまざまな社会構造をもっている。これらの違いは、捕食者からの回避や食物資源の利用といった環境への適応と深く関係している。例として、主にニホンジカを取り上げ、その群れ構造や食性、生息環境との関係について具体的に学ぶ。第三部では、行動について学ぶ。有蹄類は、日常的な移動に加えて、季節的な移動(季節移動)など広い範囲を利用する行動を示す。また、繁殖期には闘争や縄張り行動などが見られ、オスとメスで行動や役割に大きな違いが生じる。これらの行動がどのように生存や繁殖に関係しているのかを理解する。
第15回は、第三部で学んだ音声、毛づくろい、睡眠行動ついての知識の定着を図る。また、この科目の総括の回として、全体のまとめをおこなう。

オリジナルの文字教材

◆コマ主題細目①:音声
・香田啓貴(著)『発生の霊長類的基盤:情動と社会集団における音声交換とその役割についての考察』、日本音響学会誌、2023年、79号1巻、34-40頁
・高畑由起夫、山極寿一(編著)『ニホンザルの自然社会』、京都大学出版会、2000年、129-158頁

◆コマ主題細目②③④:コミュニケーション、毛づくろい、喧嘩
・高槻成紀、山極寿一(編集)『日本の哺乳類学』、東京大学出版会、2008年、200-220頁
・高槻成紀、山極寿一(編集)『日本の哺乳類学』、東京大学出版会、2008年、200-220頁
・高槻成紀、山極寿一(編集)『日本の哺乳類学』、東京大学出版会、2008年、200-220頁

◆コマ主題細目①:睡眠
・Mochida, K., & Nishikawa, M. (2014). Sleep duration is affected by social relationships among sleeping partners in wild Japanese macaques. Behavioural Processes, 103, 102-104.
・Nishikawa, M., & Mochida, K. (2010). Coprophagy-related interspecific nocturnal interactions between Japanese macaques (Macaca fuscata yakui) and sika deer (Cervus nippon yakushimae). Primates, Volume 51, pages 95–99
・Tsuji, Y. (2011). Sleeping-site preferences of wild Japanese macaques (Macaca fuscata): the importance of nonpredatory factors. Journal of Mammalogy, 92(6), 1261-1269.
コマ主題細目 ① 霊長類の音声 ② 毛づくろいの機能 ③ 睡眠行動と泊まり場選択
細目レベル ① ニホンザルを中心とした霊長類の音声コミュニケーションについて、多角的に学ぶ。霊長類は社会的な動物であり、音声を通じて他個体と関係を築き、群れの秩序や協調性を保っている。特にニホンザルは多様な音声を使い分けており、それぞれが特定の社会的状況に対応している。授業の前半では、警戒音や親和音などの音声の種類とその機能を分類し、情報伝達や社会的絆の形成における役割を解説する。次に、音声によるコミュニケーションがどのように群れの社会構造を反映し、血縁関係や順位関係の表現手段として機能しているのかを具体例を交えて考察する。たとえば、高順位の個体が他個体を制する際や、親子間の信頼形成などに音声が果たす役割について詳しく扱う。さらに後半では、音声がどのように生息環境に適応してきたかに注目し、森林や開けた環境といった音響条件の違いに応じた音声の進化や使い分けについて掘り下げる。これらを通して、音声という行動を通じた社会的・生態的な適応の仕組みを理解する。
② 本授業では、ニホンザルを中心とした霊長類の社会的相互行動として、毛づくろいと喧嘩という一見対照的な行動が、群れ内の秩序形成と維持にどのように関与しているかについて学ぶ。毛づくろいは衛生的な役割だけでなく、社会的絆を強める親和的行動として重要であり、特にメス同士や親子間で頻繁に観察される。この行動は、社会的関係の強化や緊張の緩和に寄与し、群れの安定を支えている。一方で、霊長類の群れ内では、食物や交尾機会、順位をめぐる争いから喧嘩が発生する。喧嘩は単なる敵対行動ではなく、個体間の優劣を明確にし、社会的順位を確認・維持する手段として機能する側面もある。授業では、毛づくろいと喧嘩という行動がどのように補完し合いながら、群れ内の秩序を動的に調整しているかを掘り下げ、霊長類の社会の複雑さとその適応的意義について理解を深める。
③ ニホンザルの睡眠行動を中心に、夜間における行動や環境との関係を通して、彼らの社会的・生態的適応を理解することを目的とする。ニホンザルは昼行性で、夜間は血縁関係のある個体同士が小集団を形成して眠る。睡眠中の姿勢や時間、場所の選択には社会的順位が反映され、上位個体は群れの中心に位置し、下位個体は周辺に位置する傾向がある。こうした行動は天敵回避や気候条件への対応など、環境要因とも密接に関係している。また、夜間でも外的刺激や他個体の行動によって活動が生じることがあり、これが睡眠の質や時間に影響を与える。特に、気温の低下や捕食者の存在などの刺激は、夜間行動や泊まり場の選択に影響を及ぼす重要な要因となる。さらに、泊まり場の選択においては、木の高さや密度、風よけの有無といった地理的条件に加え、気候や湿度といった環境要因も重要である。これらを踏まえ、ニホンザルがどのようにして睡眠の質と安全性を確保しているのか、そしてその行動が社会的関係や生存戦略とどう結びついているのかを多角的に学ぶ。
キーワード ① 音声 ② コミュニケーション ③ 毛づくろい ④ 喧嘩 ⑤ 睡眠
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回は本科目第14回目の授業をおこなった。授業内でも確認したが、シラバスを再度確認すること。特に、「授業の展開方法」および第1~15回のコマシラバスに一通り目を通し、本科目が三部から構成され、第一部では分類と進化、第二部では社会と生態、第三部では行動ついて扱われるので、講義の全体像をイメージすること。また、文字教材の復習課題を読み、そこに記載されていることが理解できていることを確認し、シラバスの「履修判定指標」との対応を確認すること。また、次回の授業までに第1回の授業の要点や特に押さえておくべきポイントについて各自でノートにまとめ、理解を定着させること。さらに自ら学びを深めたい場合は、シラバスの「参考文献」に挙がっている文献を大学図書館や書店などで入手して自習すること。文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させること。
 本科目は、コマシラバス「評価方法」にある通り、筆記試験にて評価を実施する。コマシラバスの履修判定指標を良く確認し、試験にそなえること。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
生物の分類と進化に関する基本的な概念を説明できる ・生物の共通性についての理解★
生物に共通する特徴(細胞からなること、DNAをもち生殖を行うこと、代謝によってエネルギーを得ること)を理解し、生物と非生物の違いを説明できる。

・生物を分類する意義についての理解★
生物を分類する目的を理解し、生物を共通した特徴にもとづいて分類することの意義を説明できる。

・生物の進化についての理解★★
進化とは何かを理解し、生物は世代を重ねる中で変化してきたことを説明できる。

・自然選択についての理解★★★
自然選択の仕組みを理解し、個体差・遺伝・繁殖成功との関係を説明できる。

・適応についての理解★★★
適応とは何かを理解し、生物の形態や行動が環境との関係の中で形成されることを説明できる。
生物、生命、細胞、DNA、分類、進化、自然選択、適応 16 1,2.3
哺乳類および有蹄類の進化と多様化について説明できる ・哺乳類の多様化についての理解★★
哺乳類が恐竜の絶滅後の環境変化をきっかけに適応放散し、多様化した過程を説明できる。

・有蹄類の進化についての理解★★
有蹄類が環境への適応を通して進化し、走行への適応や蹄などの特徴を獲得したことを説明できる。

・奇蹄類と偶蹄類についての理解★★★
奇蹄類と偶蹄類の消化のしくみの違いを理解し、それぞれの特徴や多様化の違いについて説明できる。

・偶蹄類の多様化についての理解★★★
草原の拡大や反芻という消化のしくみが、偶蹄類の多様化にどのように関係したのかを説明できる。

・ジャーマン・ベル原理についての理解★★
ジャーマン・ベル原理を理解し、体の大きさと利用する食物との関係について説明できる。
適応放散、哺乳類、有蹄類、奇蹄類、偶蹄類、反芻、ジャーマン・ベル原理 10 4
有蹄類の社会構造、繁殖戦略について説明できる ・有蹄類の社会構造についての理解★★
動物の社会組織(単独型・ペア型・集団型)を理解し、群れ形成が食物の分布や環境条件とどのように関係しているのかを説明できる。

・群れ形成の利益とコストについての理解★★
群れ生活の利益(対捕食者効果・採餌効果)とコスト(競争・病気など)を理解し、最適な群れサイズが利益とコストのバランスによって決まることを説明できる。

・繁殖戦略についての理解★★★
繁殖成功度、性選択、性的二型、配偶システムの考え方を理解し、オスとメスの繁殖戦略の違いや、その生態学的な意味を説明できる。

・ニホンジカの生態についての理解★★
ニホンジカの分布、食性、生活史、行動圏などの特徴を理解し、それらが環境とどのように関係しているのかを説明できる。

・ニホンジカの繁殖戦略についての理解★★★
なわばりや配偶システムを理解し、ニホンジカの繁殖戦略が環境条件やメスの分布によって変化することを説明できる。
ホーンの法則、社会組織、群れ形成、繁殖成功度、性選択、性的二型、配偶システム、ニホンジカ、なわばり 34 6・7・8・10
捕食–被食関係と恐怖の景観について説明できる ・捕食–被食関係についての理解★
捕食–被食関係の基本的な考え方を理解し、捕食者と被食者が互いに影響しながら生活していることを説明できる。

・恐怖の景観についての理解★★★
恐怖の景観の考え方を理解し、捕食者の存在が被食者の行動や利用場所を変化させることを説明できる。

・人間が野生動物に与える影響についての理解★★
人間も野生動物にとって重要な捕食者(スーパープレデター)であることを理解し、人間活動が野生動物の行動に与える影響を説明できる。

・ニホンジカにおける恐怖の景観についての理解★★★
ニホンジカにおける夜行性への変化、警戒行動の増加、空間利用の変化などを理解し、それらが人間による捕食リスクへの適応であることを説明できる。
捕食–被食関係、恐怖の景観、スーパープレデター、夜行性、警戒行動、空間利用 14 11
動物の生態調査の意義と方法について説明できる ・生物を計測する意義についての理解★
生物学では、動物の特徴を数字として記録し、個体どうしを客観的に比較することで、生物の特徴や役割を明らかにしていくことを説明できる。

・正確な計測方法についての理解★
正確なデータを得るためには、同じ場所を同じ方法で計測し、測定誤差を小さくするとともに、適切な測定器具を用いて単位を付けて記録することの重要性を説明できる。

・観察・スケッチ・計測についての理解★★
生物スケッチは特徴を正確に記録するための研究手法であることを理解し、観察・スケッチ・計測が生物学研究の基礎となることを説明できる。

・仮説とデータにもとづく考察についての理解★★★
研究は疑問をもち、仮説を立て、観察・計測によってデータを収集し、そのデータをもとに生物の特徴や役割を科学的に考察する過程であることを説明できる。

・生態調査法についての理解★★★
野生動物は直接観察だけでは十分なデータを得ることが難しいことを理解し、研究目的に応じてセンサーカメラなどの調査機器を用いる意義や、写真・動画を整理・解析して研究データとして利用する重要性を説明できる。
計測、測定誤差、生物スケッチ、観察、仮説、データ、考察、センサーカメラ、RESTモデル 26 12・13・14
評価方法 期末試験100%
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 指定しない
参考文献 『新課程二訂版 スクエア最新図説生物』、吉里勝利(監修)、第一学習者、2023年 『霊長類学の百科事典』、日本霊長類学会(編)、丸善出版、2023年
実験・実習・教材費 なし