区分 陸域フィールド科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
自然と生物の専門知識 フィールド生物調査 環境データ解析
自然共生社会
カリキュラム・ポリシーとの関係
教養 分析思考 実践技能
フィールド間連携
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
 フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究をおこなう学科である。陸域・水域・農業の3つの分野について詳しく学ぶとともに、統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案力を養うため、学科共通の授業や複数の分野にかかわる授業も設けている。これにより、幅広い視野をもち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
 本科目では、人と自然の関係にかんする専門知識を修得するために、人類およびヒトの進化過程や、ヒトの本来の生業活動である狩猟採集について解説する。また、先史時代から現在までのヒトによる自然利用の変遷をたどることで、自然環境を保全する意義について考えるための土台をつくる。また、本科目は二年次以降に開講される関連科目〈環境共生型社会のデザイン〉〈屋久島演習(保全生態学演習)〉〈陸の動物学演習〉などに向けた、人と自然の関係にかんする基礎知識を修得するものとして位置づけられる。

科目の目的
地球史や人類進化の主要過程を整理し、ヒトの身体的・社会的特性を自然環境との相互作用の中で統合的に説明できることを目指す。さらに狩猟採集から農耕・産業化に至る資源利用の歴史的変遷を把握し、自然観や文化的実践を具体例と共に論じられる。近代以降の環境問題や野生動物管理の課題について批判的に考察し、持続可能性や共生のあり方を多角的に検討できる力を養う。
到達目標
本科目の到達目標は以下の5つである。①地球史の主要事象や人類進化の過程を理解し、環境変動が生命やヒトの適応に与えた影響を具体的に説明できる。②ヒトの身体的特性(直立二足歩行・発汗・持久性など)と社会的特性(協働・言語・象徴表現)を統合的に捉え、生態学的意義を論じられる。③狩猟採集から農耕・産業化に至る資源利用の変遷を把握し、自然観や文化的実践を具体例とともに考察できる。④近代以降の環境問題や野生動物利用・保全の事例を整理し、自然利用の課題とその現代的意義を批判的に分析できる。⑤人と自然の関係を歴史的・文化的・生態学的視点から多角的に考察し、持続可能な共生のあり方を論理的に検討できる。
科目の概要
人と自然の関係を長期的な時間軸の中で理解することを目的とする。まず、約700万年前に始まる人類進化の過程を概観し、直立二足歩行や火の利用、社会性や言語の発達といったヒトの普遍的な生態的特徴を整理する。次に、ヒトの本来の生業形態である狩猟採集生活を取り上げ、その生活様式や自然との関わりの特質を明らかにする。さらに、日本列島を事例として縄文時代から弥生時代、古代、中世、近世、近代、そして現代に至るまでの自然利用の変遷を追い、農耕の導入や都市化、産業化などによって人と自然の関係がどのように変化してきたのかを考察する。また、野生動物利用の歴史や現代的な野生動物問題を取り上げ、資源利用と保全の両立という課題についても検討する。これらを通じて、受講者は人と自然の関わりを生態学的・歴史的・文化的に多面的に理解し、持続可能な社会を構想するための基礎的な視点を修得する。
科目のキーワード
①人類進化 ②ホモ・サピエンス ③狩猟採集 ④稲作農耕 ⑤野生動物
授業の展開方法
本科目は三部構成で展開する。第1部「生物としてのヒト」では、人類進化700万年の流れを概観し、直立二足歩行や言語、社会性といったヒトに普遍的な生態的特徴を整理する。第2部「人による自然利用」では、狩猟採集から農耕・牧畜、さらに近代以降の産業化に至るまでの自然利用の歴史を、日本列島の縄文時代から現代までの具体例を交えて考察する。第3部「人による野生動物利用」では、狩猟や家畜化、近代以降の乱獲や保全活動に至る過程を扱い、利用と保全の両立という現代的課題を検討する。各部では考古学資料、民族誌的事例、統計データなど多様な資料を参照し、受講者が人と自然の関係を科学的かつ文化的視点から総合的に理解できるようにする。
オフィス・アワー
中村圭太:※できるだけ事前にメールしてください。
【前期】
動物の生態
基礎ゼミナールⅠ
全科目:木曜4・5限、金曜昼・5限
【後期】
人と自然
動物の行動学
全科目:火曜3・4限、水曜昼・3・4限
三中信宏:【前期】
万物は進化する月5限
基礎ゼミナールⅠ月5限
環境データ解析の基礎月5限
【後期】
環境データの可視化技法火曜5限
基礎ゼミナールⅡ月曜5限
基礎ゼミナールⅣ月曜5限
環境研究デザイン論火曜5限
久松定智:【月曜日】昼休み、【火曜日】2時限目

科目コード TD2010
学年・期 1年・後期
科目名 人と自然
単位数 2
授業形態 講義
必修・選択 必修
学習時間 【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目
展開科目
関連資格
担当教員名 中村圭太・三中信宏・久松定智
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 はじめに ―地球史の中のヒト― 科目の中での位置付け 本科目は、人類史を通じた自然との関わりを多角的に学ぶ3部構成である。第1部「生物としてのヒト」では、地球史におけるヒトの進化や生態的特性を整理し、狩猟採集社会の事例を通じて人と自然の根源的関係を理解する基盤を修得する。第2部「人の自然利用」では、日本列島を対象に縄文から江戸時代までの自然共生の知恵、明治以降の近代化と環境負荷、さらに里山や草原といった半自然的環境の形成と変容をたどり、持続的自然利用の可能性を考察する。第3部「人と野生動物」では、狩猟や家畜化といった野生動物利用の歴史的展開を整理するとともに、現代日本で深刻化する農林業被害や個体数管理の課題を検討し、保全と利用の調和に向けた展望を議論する。全体を通じて、人と自然の関係を歴史的・生態学的・文化的に理解し、現代の環境問題に応用可能な視点を修得する。
第1回は、授業の構成と進め方を確認し、講義を通じて段階的に理解を深める方法を学ぶ。次に、人を地球史的・進化史的文脈に位置づけて理解する。まず地球46億年の歴史を概観し、環境変動が生命進化に与えた影響を整理する。次に、最古の化石人類からホモ・サピエンスの出現と拡散に至る進化史を学び、人類が環境と相互作用し多様化してきた過程を把握する。さらに「ヒト」「人類」「人間」という概念を区別し、生物学的・歴史的・文化的視点から人と自然の関係を多角的にとらえる基盤を修得する。

◆コマ主題細目①
・中村美知夫・森本直記(編)『自然人類学』、昭和堂、2025年、16-19頁
◆コマ主題細目②
・中村美知夫・森本直記(編)『自然人類学』、昭和堂、2025年、34-41頁
◆コマ主題細目③
・中村美知夫・森本直記(編)『自然人類学』、昭和堂、2025年、4-5頁
コマ主題細目 ① 地球史の中のヒト ② 人類の進化史 ③ ヒトを表す用語の使い分け
細目レベル ① ヒトを地球の長大な歴史の文脈に位置づけて理解することを目的とする。まず46億年に及ぶ地球史の流れを概観し、原始地球の形成、海洋の誕生、生命の起源と初期進化、光合成の獲得による大気の酸素化、大陸移動や火山活動、氷期と温暖期の繰り返しなど、地球環境の大規模な変遷について解説する。さらに、これらの環境変化が生物進化に与えた影響を取り上げ、生命史における主要な転換点—カンブリア爆発、大規模絶滅、哺乳類や鳥類の繁栄など—を整理する。そのうえで、霊長類の進化から人類の出現、そしてホモ・サピエンスの出現に至る系統的過程を扱い、ヒトの歴史が地球史的観点からみればごく短時間の出来事にすぎないことを確認する。
② 人類を地球史的視野の中に位置づけ、その進化の歩みを概観することを目的とする。まずアフリカにおける最古の化石人類、サヘラントロプス・チャデンシスやアルディピテクスなどの出現に触れ、二足歩行の萌芽と環境適応の背景を示す。次に、アウストラロピテクスの多様化やホモ属の誕生を取り上げ、ホモ・エレクトス、ネアンデルタール人、デニソワ人などの特徴と分布を整理する。そのうえで、ホモ・サピエンスの出現とアフリカからの拡散過程を概説し、他の人類との共存や交雑の知見についても紹介する。進化史を系統的・時間的に理解することで、人類が自然環境と相互作用しながらどのように多様な形をとり、最終的に現在の人間社会へと至ったのかを把握する基礎を築く。
③ 日常的に混同されやすい「ヒト」「人類」「人間」という語の違いを明確にし、人と自然の関係を考察する際の基盤とする。まず「ヒト」は、生物学的分類におけるホモ・サピエンスを指し、その形態的・生態的特徴を霊長類全体の中で位置づける。次に「人類」は、チンパンジーやボノボの系統と分岐し、二足歩行を開始した後に展開した系統を指す概念であり、サヘラントロプスやアウストラロピテクスなどの多様な化石人類を含むことを解説する。最後に「人間」は、社会的・文化的存在としての個を意味し、言語や倫理、文化的実践といった側面を含む広がりを持つ概念として整理する。これらの区別を理解することにより、人と自然の関係を生物学的・歴史的・文化的な視点から多角的にとらえるための基礎を築くことを目的とする。
キーワード ① 地球史 ② 進化 ③ 人類史 ④ 交雑 ⑤ 二足歩行
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「生物としてのヒト」、第2部「人の自然利用」、第3部「人と野生動物」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

2 人類進化の700万年史 科目の中での位置付け 本科目は、人類史を通じた自然との関わりを多角的に学ぶ3部構成である。第1部「生物としてのヒト」では、地球史におけるヒトの進化や生態的特性を整理し、狩猟採集社会の事例を通じて人と自然の根源的関係を理解する基盤を修得する。第2部「人の自然利用」では、日本列島を対象に縄文から江戸時代までの自然共生の知恵、明治以降の近代化と環境負荷、さらに里山や草原といった半自然的環境の形成と変容をたどり、持続的自然利用の可能性を考察する。第3部「人と野生動物」では、狩猟や家畜化といった野生動物利用の歴史的展開を整理するとともに、現代日本で深刻化する農林業被害や個体数管理の課題を検討し、保全と利用の調和に向けた展望を議論する。全体を通じて、人と自然の関係を歴史的・生態学的・文化的に理解し、現代の環境問題に応用可能な視点を修得する。
第2回は、人類進化の主要な段階を学ぶ。まず、サヘラントロプスやアルディピテクスなど初期人類を取り上げ、二足歩行の成立と環境変化への適応を検討する。次に、ホモ属の誕生を扱い、石器や火の利用といった技術革新が食性や社会性に与えた影響、多様な環境への拡散を考察する。最後に、ホモ・サピエンスの出現とネアンデルタール人・デニソワ人との関係を学び、言語や象徴表現、芸術活動に見られる文化的創造性と適応力の高さを理解する。受講生は人類進化の全体像を把握し、現代人の特質を自然史に位置づける視点を修得する。

◆コマ主題細目①
・中村美知夫・森本直記(編)『自然人類学』、昭和堂、2025年、34-41頁
◆コマ主題細目②
・中村美知夫・森本直記(編)『自然人類学』、昭和堂、2025年、37-41頁
◆コマ主題細目③
・中村美知夫・森本直記(編)『自然人類学』、昭和堂、2025年、22-26頁
コマ主題細目 ① 人類の出現 ② ホモ属の誕生と技術革新 ③ ホモ・サピエンスとその近縁種
細目レベル ① 約700万年前に現れたサヘラントロプスをはじめ、アルディピテクスといった初期人類を取り上げ、現生人類に連なる進化の初期段階を詳細に扱う。特に二足歩行の成立過程とその意義に焦点を当て、頭蓋や骨盤、四肢の骨格形態の変化が示す適応の意味を明らかにする。また、森林からサバンナへの環境変化が生活様式や移動パターンに与えた影響についても検討し、人類が環境の制約を受けつつも新たな生存戦略を模索したことを解説する。授業では代表的な化石の発見事例を紹介し、形態学的証拠と環境要因を結びつけて考察することを重視する。受講生は「人類が霊長類からどのように分岐したか」という問いを科学的に把握し、進化の出発点を自然史の文脈に位置づける視点を修得する。
② 約250万年前に登場したホモ属を中心に、人類進化における画期的な転換を扱う。ホモ・ハビリスによるオルドワン石器や、ホモ・エレクトスによるアシュール型石器の使用、さらには火の獲得と利用などを取り上げ、技術革新が人類の食性や社会に与えた影響を考察する。また、ホモ・エレクトスによるアフリカからの拡散とその適応過程を検討し、多様な環境に対して人類がどのように適応力を高めたかを理解させる。授業では考古学的証拠や実験考古学の成果を参照し、技術発展と社会性の関係を立体的に捉えることを重視する。受講生は「技術がヒトを人間たらしめた要因の1つである」という視点から、環境適応と文化形成の基盤を理解することを目的とする。
③ ホモ・サピエンスの出現と他の化石人類との関係を中心に学ぶ。約40万年前にヨーロッパで生息していたホモ・ネアンデルターレンシスや、シベリアで確認されたデニソワ人との共存・交雑の実態を紹介し、現代人のゲノムに残る痕跡から種間交流の意味を探る。さらに、ホモ・サピエンスの特徴である高度な言語能力、象徴的表現、洞窟壁画や装身具などの芸術活動を具体例として取り上げ、文化的創造性の重要性を考察する。また「なぜホモ・サピエンスのみが生き残ったのか」という問いに対し、環境適応力、広域的な社会ネットワーク、資源利用の柔軟性といった観点から検討する。授業では最新のゲノム解析や考古学的発見を参照し、進化の最終段階を多角的に理解させる。受講生は人類進化の全体像を把握し、現代人の特質を歴史的文脈の中に位置づける力を修得する。
キーワード ① 化石人類 ② 二足歩行 ③ 道具使用 ④ 出アフリカ ⑤ 言語
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「生物としてのヒト」、第2部「人の自然利用」、第3部「人と野生動物」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

3 ヒトの生態 科目の中での位置付け 本科目は、人類史を通じた自然との関わりを多角的に学ぶ3部構成である。第1部「生物としてのヒト」では、地球史におけるヒトの進化や生態的特性を整理し、狩猟採集社会の事例を通じて人と自然の根源的関係を理解する基盤を修得する。第2部「人の自然利用」では、日本列島を対象に縄文から江戸時代までの自然共生の知恵、明治以降の近代化と環境負荷、さらに里山や草原といった半自然的環境の形成と変容をたどり、持続的自然利用の可能性を考察する。第3部「人と野生動物」では、狩猟や家畜化といった野生動物利用の歴史的展開を整理するとともに、現代日本で深刻化する農林業被害や個体数管理の課題を検討し、保全と利用の調和に向けた展望を議論する。全体を通じて、人と自然の関係を歴史的・生態学的・文化的に理解し、現代の環境問題に応用可能な視点を修得する。
第3回は、ヒトの生態を身体・社会・文化の側面から学ぶ。まず、直立二足歩行や発汗機能など身体的特性が多様な環境への適応を可能にした点を理解する。次に、役割分担や食料共有、言語による協力が社会的適応を支えたことを考察する。さらに、火や農耕、産業革命以降の技術発展が環境を改変し、資源利用拡大と同時に環境問題を引き起こした過程を検討する。受講生は、人が自然の一部でありながら改変者でもあるという二重性を歴史的・科学的に捉え、持続可能性の視点から人と自然の関係を再考する力を修得する。

◆コマ主題細目①
・中村美知夫・森本直記(編)『自然人類学』、昭和堂、2025年、123-133頁
◆コマ主題細目②
・中村美知夫・森本直記(編)『自然人類学』、昭和堂、2025年、181-192頁
◆コマ主題細目③
・中村美知夫・森本直記(編)『自然人類学』、昭和堂、2025年、211-221頁
コマ主題細目 ① ヒトの身体的特性と環境適応 ② ヒトの社会構造と協働行動の生態学的意義 ③ 文化・技術と環境改変のダイナミク
細目レベル ① ヒトの形態的・生理的特徴を中心に、その生態学的意義を多角的に明らかにする。まず、直立二足歩行がもたらす移動効率やエネルギー消費の低減、汗腺の高度な発達による体温調節機能と高温環境への耐性、さらに脂肪や筋肉の配分が長距離移動や持久走能力に与える影響について詳しく検討する。次に、チンパンジーやゴリラといった他の霊長類との比較を通じて、ヒトが独自に進化させた運動様式や環境適応戦略の特異性を理解させる。さらに旧石器時代から現代に至るまで、ヒトが寒冷地・高地・砂漠などの極限環境を含む多様な生態系に居住し、文化的・技術的工夫とともに生物学的適応を発展させてきた背景を概観する。受講生はヒトの「普遍的な適応力」が人類史の展開に果たした役割を自然科学的に捉え、現代社会における人間理解にも応用できる視点を修得することを目指す。
② ヒトの特徴として際立つ社会的協力の仕組みを中心に取り上げる。小規模な採集・狩猟社会から大規模な農耕社会、さらには国家形成へと至る過程を追いながら、集団生活がどのように資源の効率的利用や多様な環境への適応を可能にしたのかを学ぶ。また、言語の発達や象徴的コミュニケーションが集団内の信頼関係や規範意識を強化し、社会秩序の形成に果たした役割についても議論する。さらに、儀礼や宗教的実践といった文化的要素が協力関係を補強し、社会統合を支えた事例についても触れる。受講生はヒトの社会性を単なる文化的特徴としてではなく、生態的適応戦略の一環として捉え、ヒトと自然との関係を歴史的かつ複眼的に考察する力を修得することを目指す。
③ ヒトが文化や技術を通じて環境と関わってきた過程を検討する。火の利用や石器・骨角器の発達に始まり、農耕・牧畜の導入、さらには産業革命以降の大規模な環境改変に至るまで、ヒトが自然を利用し、そして変容させてきた歴史を解説する。こうした過程により食料生産の拡大や人口増加が可能となった一方で、生態系破壊や資源枯渇といった負の影響も生じたことを整理する。授業では具体的な事例をもとに文化的営為と自然環境との相互作用を考察し、現代の環境問題を歴史的文脈に位置づける。受講生は、「人は自然の一部でありながら自然を改変する存在である」という二重性を理解し、持続可能性の視点から人と自然の関係を再考する力を身につける。
キーワード ① 直立二足歩行 ② 長距離移動 ③ 狩猟採集 ④ 農耕 ⑤ 共同育児
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「生物としてのヒト」、第2部「人の自然利用」、第3部「人と野生動物」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

4 狩猟採集社会 科目の中での位置付け 本科目は、人類史を通じた自然との関わりを多角的に学ぶ3部構成である。第1部「生物としてのヒト」では、地球史におけるヒトの進化や生態的特性を整理し、狩猟採集社会の事例を通じて人と自然の根源的関係を理解する基盤を修得する。第2部「人の自然利用」では、日本列島を対象に縄文から江戸時代までの自然共生の知恵、明治以降の近代化と環境負荷、さらに里山や草原といった半自然的環境の形成と変容をたどり、持続的自然利用の可能性を考察する。第3部「人と野生動物」では、狩猟や家畜化といった野生動物利用の歴史的展開を整理するとともに、現代日本で深刻化する農林業被害や個体数管理の課題を検討し、保全と利用の調和に向けた展望を議論する。全体を通じて、人と自然の関係を歴史的・生態学的・文化的に理解し、現代の環境問題に応用可能な視点を修得する。
第4回は、アマゾン熱帯雨林に暮らすヤノマミを通じて人と自然の関係を学ぶ。まず、シンガに代表される居住形態や採集・狩猟活動を取り上げ、生活が自然環境に根ざしていることを理解する。次に、親族関係や婚姻、儀礼を通じた共同体の仕組みを検討し、社会秩序の維持や結束の在り方を考察する。さらに、神話やシャーマニズムに表れる自然観を学び、自然を霊的存在として尊重する文化を把握する。DVD『ヤノマミ』を活用し、外部社会との接触による変容も考慮しながら、人間社会と自然の多様で普遍的な関係性を総合的に理解する。

◆コマ主題細目①
・国分拓(著)『ヤノマミ』、新潮社、2013年
◆コマ主題細目②
・国分拓(著)『ヤノマミ』、新潮社、2013年
◆コマ主題細目③
・国分拓(著)『ヤノマミ』、新潮社、2013年
コマ主題細目 ① ヤノマミの生活と日常の営み ② 共同体の仕組みと社会関係 ③ 自然観・精神文化と現代社会への示唆
細目レベル ① アマゾン熱帯雨林に暮らすヤノマミの生活環境と日常生活を学ぶ。彼らの住居であるシンガは、複数の家族が共同で暮らす円形の大構造であり、熱帯雨林に適応した独自の居住形態を示す。森から得られる動植物を利用した食生活や、日々の採集・狩猟活動を紹介し、自然環境が生活の基盤をどのように規定しているかを検討する。授業ではDVD『ヤノマミ』を鑑賞し、映像を通じて森と共生する人々の姿を具体的に理解する。さらに、都市的な生活環境との対比を行い、自然との近接した暮らしが人の身体感覚や生活リズムに与える影響を考察する。受講生は、人が環境条件に深く根ざして生活している実態を理解し、人と自然の関係を生態学的かつ文化的に捉える力を修得する。
② ヤノマミ社会の共同体構造と社会関係を取り上げる。シンガを中心とした円形の居住空間は単なる住居ではなく、共同作業や儀礼を通じて人々を結びつける場として機能している。親族関係や婚姻の規則は集団の存続を可能にし、対立や紛争を調整する仕組みは社会秩序を維持する重要な要素である。授業ではDVD『ヤノマミ』の映像から、共同作業の場面や儀礼の様子を観察し、共同体がいかにして結束を維持しているかを学ぶ。さらに、ヤノマミ社会の自律性と外部社会との接触による変化についても考察する。受講生は、自然環境に依拠する社会において人間関係や協働行動が果たす役割を理解し、現代社会との比較を通じて人間社会の多様性と普遍性を認識する。
③ ヤノマミの精神文化と自然観を学び、人と自然の関係を文化的に考察する。彼らの神話やシャーマニズムは森や精霊の存在を重視し、人の営みを自然と不可分なものとして位置づけている。狩猟や儀礼において、動物や植物は単なる資源ではなく霊的存在として扱われ、自然に対する敬意が文化的実践に表れている。授業ではDVD『ヤノマミ』を鑑賞し、儀礼や語られる神話の場面を通じて、自然観が生活と精神文化をどのように支えているかを理解する。また近代的な開発や外部社会との接触が、伝統的な自然観や生活にどのような変化をもたらしたのかを検討する。受講生は、人類が自然を文化的に意味づけてきた多様なあり方を学び、持続可能な社会に向けての示唆を得ることを目的とする。
キーワード ① 狩猟採集社会 ② ヤノマミ ③ 共同体 ④ シャーマニズム ⑤ 儀礼
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「生物としてのヒト」、第2部「人の自然利用」、第3部「人と野生動物」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

5 踊り場コマ(1) 科目の中での位置付け 本科目は、人類史を通じた自然との関わりを多角的に学ぶ3部構成である。第1部「生物としてのヒト」では、地球史におけるヒトの進化や生態的特性を整理し、狩猟採集社会の事例を通じて人と自然の根源的関係を理解する基盤を修得する。第2部「人の自然利用」では、日本列島を対象に縄文から江戸時代までの自然共生の知恵、明治以降の近代化と環境負荷、さらに里山や草原といった半自然的環境の形成と変容をたどり、持続的自然利用の可能性を考察する。第3部「人と野生動物」では、狩猟や家畜化といった野生動物利用の歴史的展開を整理するとともに、現代日本で深刻化する農林業被害や個体数管理の課題を検討し、保全と利用の調和に向けた展望を議論する。全体を通じて、人と自然の関係を歴史的・生態学的・文化的に理解し、現代の環境問題に応用可能な視点を修得する。
第5回は、第1回~第4回の内容を振り返り、人と自然の関係を進化・生態・文化の視点から見直す。地球史における人類の位置づけを整理し、700万年にわたる進化史から二足歩行や石器・火の利用、文化的創造性の意義を理解する。さらに身体的特性や社会的協力、技術による環境改変を検討し、人の適応力と二重性を考察する。アマゾンのヤノマミ事例を通じて、共同体や精神文化と自然観の多様性を学び、持続可能な社会構築への視点を修得する。

◆コマ主題細目①
・中村美知夫・森本直記(編)『自然人類学』、昭和堂、2025年、4-41頁
◆コマ主題細目②
・中村美知夫・森本直記(編)『自然人類学』、昭和堂、2025年、22-41頁
◆コマ主題細目③
・中村美知夫・森本直記(編)『自然人類学』、昭和堂、2025年、123-221頁
◆コマ主題細目④
・国分拓(著)『ヤノマミ』、新潮社、2013年
コマ主題細目 ① 地球史の中のヒト ② 人類進化の700万年史 ③ ヒトの生態 ④ 狩猟採集社会
細目レベル ① ヒトを地球史的・進化史的文脈に位置づけ、人と自然の関係を多角的に理解する基盤を修得する。まず「地球史の中のヒト」では、46億年に及ぶ地球史を概観し、大陸移動や気候変動が生命進化に与えた影響を整理したうえで、霊長類進化からホモ・サピエンス出現に至る過程を扱う。次に「人類の進化史」では、サヘラントロプスやアルディピテクスからアウストラロピテクス、ホモ属の進化を追い、ホモ・サピエンスの拡散や他人類との交雑を紹介し、人類が多様な環境に適応してきた姿を学ぶ。さらに「ヒト」「人類」「人間」という用語を整理し、ホモ・サピエンスを生物学的存在として位置づける一方、人類を進化系統全体として、人を社会的・文化的存在として区別する。これらを通じて、ヒトの存在を生物学的・歴史的・文化的にとらえ、自然との関わりを考察する基礎を築く。
② 人類進化の主要な段階を体系的に学ぶ。まず「人類の出現」では、約700万年前のサヘラントロプスやアルディピテクスを取り上げ、二足歩行の成立や骨格形態の変化を通じて、人類が環境制約下で新たな生存戦略を模索した過程を検討する。次に「ホモ属の誕生と技術革新」では、ホモ・ハビリスやホモ・エレクトスを中心に石器の発達や火の利用といった技術革新が食性や社会性に与えた影響を考察し、アフリカからの拡散と多様な環境適応を学ぶ。そして「ホモ・サピエンスとその近縁種」では、ネアンデルタール人やデニソワ人との交流・交雑を紹介し、言語や象徴表現、芸術活動といった文化的創造性の重要性を探るとともに、現生人類のみが生き残った要因を検討する。最新のゲノム研究や考古学的成果を参照しながら、人類進化の全体像を把握し、現代人の特質を自然史の文脈に位置づけて理解する力を修得する。
③ ヒトがどのように環境と関わり適応してきたかを身体・社会・文化の3つの側面から学ぶ。まず「身体的特性と環境適応」では、二足歩行や発達した発汗機能、脂肪と筋肉の特性が長距離移動や多様な環境での生活を可能にしたことを取り上げ、霊長類との比較を通じてヒトの普遍的適応力を理解する。次に「社会と協働の生態学的意義」では、狩猟採集から農耕社会への展開の中で、役割分担や食料共有、共同育児といった協力行動が個体の生存と種の存続を支えたことを学び、言語や象徴的表現が社会秩序形成に果たした役割を考察する。そして「文化・技術と環境改変」では、火の利用や農耕・牧畜、産業革命以降の技術革新が環境に与えた正負の影響を検討し、人類が自然を利用しつつ改変してきた歴史を把握する。受講者はこれらを通じて、人の適応力と社会性、自然改変者としての二重性を理解し、持続可能な社会構築に資する視点を修得する。
④ アマゾン熱帯雨林に暮らすヤノマミを題材に、人と自然の関係を生態学的・文化的に考察する。まず「生活環境と日常」では、複数家族が共同で暮らす円形住居シンガや、森の資源に依存した採集・狩猟活動を通じて、自然環境が生活を規定する実態を理解する。次に「共同体の仕組み」では、シンガを核とした共同作業や儀礼、親族関係や婚姻規則が社会秩序を維持する仕組みを取り上げ、DVD『ヤノマミ』の映像を通じて結束の実際を学ぶ。さらに「自然観と精神文化」では、神話やシャーマニズムに見られる森や精霊への敬意、動植物を霊的存在とみなす価値観を検討し、自然観が生活や文化に与える影響を考える。同時に、外部社会との接触による変容も議論し、伝統と現代の交錯を考察する。受講生は、ヤノマミの事例を通じて人間社会の多様性と普遍性を理解し、持続可能な社会構築への示唆を得る。
キーワード ① 進化史 ② 環境適応 ③ 文化 ④ 共同体 ⑤ 生態系
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「生物としてのヒト」、第2部「人の自然利用」、第3部「人と野生動物」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

6 人の自然利用(1)縄文時代〜江戸時代 科目の中での位置付け 本科目は、人類史を通じた自然との関わりを多角的に学ぶ3部構成である。第1部「生物としてのヒト」では、地球史におけるヒトの進化や生態的特性を整理し、狩猟採集社会の事例を通じて人と自然の根源的関係を理解する基盤を修得する。第2部「人の自然利用」では、日本列島を対象に縄文から江戸時代までの自然共生の知恵、明治以降の近代化と環境負荷、さらに里山や草原といった半自然的環境の形成と変容をたどり、持続的自然利用の可能性を考察する。第3部「人と野生動物」では、狩猟や家畜化といった野生動物利用の歴史的展開を整理するとともに、現代日本で深刻化する農林業被害や個体数管理の課題を検討し、保全と利用の調和に向けた展望を議論する。全体を通じて、人と自然の関係を歴史的・生態学的・文化的に理解し、現代の環境問題に応用可能な視点を修得する。
第6回は、日本における人と自然の関係を縄文から江戸時代まで通史的に学ぶ。縄文時代には狩猟・採集・漁労を基盤とした生活と自然観を通じて共生の姿を理解する。弥生以降は稲作農耕の導入による森林開発や水利事業の進展、技術革新による効率化と課題を考察する。さらに中世から江戸時代にかけては都市発展や資源利用の拡大と同時に、入会林制度や循環型農業に代表される持続的管理の工夫を学ぶ。受講生は自然利用の歴史的展開を体系的に理解し、現代の環境問題に活かす視点を修得する。

◆コマ主題細目①
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、1-6頁
◆コマ主題細目②
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、7-15頁
◆コマ主題細目③
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、16-23頁
コマ主題細目 ① 縄文時代における自然との共生 ② 弥生時代における農耕と自然利用 ③ 中世から江戸時代における資源管理と持続性
細目レベル ① 日本列島における縄文時代の人々が自然環境を基盤としてどのような生活を営んでいたのかを学ぶ。狩猟・採集・漁労を中心とした生業を取り上げ、森林や河川、海洋といった多様な資源が利用されていたことを具体的に整理する。縄文土器や石器、貝塚や竪穴住居などの考古学的遺物を通じて、当時の食生活や生活文化を復元的に理解する。また、気候変動や植生の変化に人々がどのように適応してきたのかを検討し、自然環境に対する柔軟な対応力を評価する。さらに祭祀や自然観に触れ、生活と精神文化が一体化して自然との共生を支えていた点を学ぶ。授業では、縄文社会を「持続可能性」の観点から再解釈し、現代社会における自然利用の在り方を考える基盤とする。
② 日本に稲作農耕が導入された弥生時代は、人間の自然利用を根本的に変革した時代である。本授業では、その過程を具体的に学ぶ。水田農耕の普及により、森林伐採や灌漑施設の整備が進み、定住集落が発展していったことを扱う。さらに古墳時代から律令国家の成立に至る過程では、条里制や大規模な水利事業が導入され、自然環境が政治制度や社会構造の中に組み込まれた点を検討する。また農具の発達や鉄器の使用といった技術革新が資源利用の効率化を推進した一方で、環境への負荷や社会格差の拡大といった課題を生んだ側面についても整理する。授業では遺跡資料や歴史的記録を参照しながら、農耕の導入が人間と自然の関係をどのように変化させたのかを総合的に考察する。受講生は農耕社会成立の意義と課題を理解し、自然利用の歴史的展開を体系的に把握する。
③ 中世から江戸時代にかけての自然利用の拡大と資源管理の工夫を学ぶ。戦国期以降の開発や城下町・都市の発展は森林伐採や土地開発を加速させ、資源の利用圧力を高めた。その一方で、農村社会では入会林や共同利用地が存在し、資源を共有しながら持続的に利用する仕組みが整えられた。江戸時代に入ると人口増加と経済発展に対応するため、治水・灌漑事業や新田開発が積極的に行われ、森林資源の保全や薪炭林の管理も制度化された。また循環型農業が発展し、肥料利用や堆肥循環によって資源の再利用が徹底された。授業では具体的な史料や研究成果を取り上げ、江戸時代社会に見られる持続的自然利用の知恵を理解する。受講生は近世社会の自然利用の特徴を把握し、現代の環境問題に応用可能な視点を修得する。
キーワード ① 狩猟採集 ② 定住集落 ③ 稲作 ④ 森林伐採 ⑤ 人口増加
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「生物としてのヒト」、第2部「人の自然利用」、第3部「人と野生動物」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

7 人の自然利用(2)明治〜昭和前期 科目の中での位置付け 本科目は、人類史を通じた自然との関わりを多角的に学ぶ3部構成である。第1部「生物としてのヒト」では、地球史におけるヒトの進化や生態的特性を整理し、狩猟採集社会の事例を通じて人間と自然の根源的関係を理解する基盤を修得する。第2部「人の自然利用」では、日本列島を対象に縄文から江戸時代までの自然共生の知恵、明治以降の近代化と環境負荷、さらに里山や草原といった半自然的環境の形成と変容をたどり、持続的自然利用の可能性を考察する。第3部「人と野生動物」では、狩猟や家畜化といった野生動物利用の歴史的展開を整理するとともに、現代日本で深刻化する農林業被害や個体数管理の課題を検討し、保全と利用の調和に向けた展望を議論する。全体を通じて、人と自然の関係を歴史的・生態学的・文化的に理解し、現代の環境問題に応用可能な視点を修得する。
第7回は、明治維新以降から昭和前期までの日本における自然利用の変遷を学ぶ。明治〜大正期には殖産興業やインフラ整備が進み、森林伐採や鉱毒問題など環境負荷が拡大した。昭和前期には戦時体制下で木材・金属・食料などの資源が国家的に統制・動員され、国内外で自然利用が拡大した。戦後は復興と高度経済成長により森林伐採や農地拡大、ダム建設などが進み、資源需要が急増するとともに公害問題が顕在化した。受講生は、経済発展と環境負荷の関係を歴史的に理解し、現代の課題への示唆を得る。

◆コマ主題細目①
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、28-38頁
◆コマ主題細目②
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、39-43頁
◆コマ主題細目③
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、44-46頁
コマ主題細目 ① 近代化と自然資源の利用(明治〜大正期) ② 戦時体制と資源動員(昭和前期) ③ 戦後復興と高度経済成長
細目レベル ① 明治維新以降の近代化が自然利用の在り方を大きく変容させた過程を学ぶ。殖産興業政策の推進により、鉱山開発、製糸・製鉄業の発展が急速に進み、森林伐採や鉱毒問題といった深刻な環境負荷が各地で生じた。特に足尾銅山鉱毒事件は近代化に伴う自然利用の負の側面を象徴する事例として取り上げる。また鉄道敷設や港湾整備などインフラ整備による自然改変、開墾や農地拡大が地域社会や景観をどのように変えたのかを検討する。さらに近代国家建設の一環として、森林行政や治水事業が進められ、自然環境が「資源」として制度的に管理されるようになった点を整理する。授業では史料や研究成果を参照し、近代化が自然利用を拡大・深化させたことを多角的に理解させる。受講生は、経済発展と環境負荷の関係を歴史的に把握し、現代社会への示唆を得る。
② 昭和初期から第二次世界大戦期に至るまでの資源動員体制を学ぶ。戦時下において木材、金属、石油、食料といった資源は国家的に統制され、軍需を中心とした大量利用が進んだ。その結果、森林伐採や農地の酷使が進展し、農村社会や地域環境に深刻な影響が及んだことを整理する。加えて、日本の植民地支配は外地資源の大規模な開発を伴い、国内にとどまらない自然利用の拡大をもたらした。授業では政策文書や当時の資料を参照し、戦争が自然利用の仕組みをいかに変質させたのかを具体的に検討する。さらに戦時動員が人々の生活をどのように変え、戦後の資源利用にもどのような影響を残したかを考察する。受講生は、戦争と自然利用が密接に結びつく構造を理解し、社会的要請が環境に及ぼす影響の大きさを学ぶ。
③ 戦後復興期から高度経済成長期にかけての自然利用の変化を扱う。戦後直後には住宅再建や燃料確保のための森林伐採、食料増産のための農地拡大が進められ、資源の過剰利用が深刻化した。1950年代以降は工業化と都市化が急速に進み、石炭や石油、鉄鉱石などの資源需要が飛躍的に増大したことを学ぶ。また水力発電を目的としたダム建設や河川改修、港湾整備など大規模なインフラ開発が各地で行われ、地域の自然環境は大きく変貌した。同時に、四大公害病に代表される環境問題の兆候がこの時期に現れ、経済成長の陰で自然利用の限界が顕在化した点も整理する。授業では統計資料や政策史料を用い、復興と成長が環境に与えた影響を多角的に考察する。受講生は、戦後日本の自然利用の特質を理解し、現代環境問題の歴史的背景を把握する力を修得する。
キーワード ① 森林伐採 ② 鉱毒問題 ③ 軍需 ④ 燃料 ⑤ 公害
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「生物としてのヒト」、第2部「人の自然利用」、第3部「人と野生動物」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

8 人がつくる半自然的環境(1)里山 科目の中での位置付け 本科目は、人類史を通じた自然との関わりを多角的に学ぶ3部構成である。第1部「生物としてのヒト」では、地球史におけるヒトの進化や生態的特性を整理し、狩猟採集社会の事例を通じて人間と自然の根源的関係を理解する基盤を修得する。第2部「人の自然利用」では、日本列島を対象に縄文から江戸時代までの自然共生の知恵、明治以降の近代化と環境負荷、さらに里山や草原といった半自然的環境の形成と変容をたどり、持続的自然利用の可能性を考察する。第3部「人と野生動物」では、狩猟や家畜化といった野生動物利用の歴史的展開を整理するとともに、現代日本で深刻化する農林業被害や個体数管理の課題を検討し、保全と利用の調和に向けた展望を議論する。全体を通じて、人と自然の関係を歴史的・生態学的・文化的に理解し、現代の環境問題に応用可能な視点を修得する。
第8回は、里山を人と自然が相互作用して形成した半自然的環境として学ぶ。まず、里山は農地や二次林、水田などが複合する空間で、生活資源を供給し地域景観を形づくってきた歴史的役割を理解する。次に、薪炭や山菜利用、物質循環の仕組みを通じて多様な生態系が維持され、持続的利用の実践モデルとなった点を考察する。最後に、近代以降の衰退と現代における再評価・保全活動を事例から学び、里山の価値と持続可能な活用の可能性を総合的に理解する。

◆コマ主題細目①
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、47-56頁
◆コマ主題細目②
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、56-63頁
◆コマ主題細目③
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、64-75頁
コマ主題細目 ① 里山の成立と歴史的背景 ② 里山の生態系と資源利用 ③ 里山の変容と現代的意義
細目レベル ① 日本の農村景観を特徴づける里山がどのように成立し、歴史的にどのような役割を果たしてきたのかを学ぶ。里山は農地、二次林、水田、ため池、草地などが複合的に存在する空間であり、人々が生活資源を持続的に利用する中で形成されてきた。中世以降、薪炭材や落ち葉、草資源は農業生産や生活に不可欠であり、里山は人間生活と自然環境をつなぐ基盤であった。また、近世から近代にかけての人口増加や農業技術の発展に伴い、利用形態が拡大・多様化し、地域ごとに特色ある景観が生み出された。授業では歴史資料や環境史研究を参照し、自然環境と人間活動が相互作用することで半自然的な環境が成立した経緯を理解する。受講生は里山の成立過程を体系的に把握し、人と自然の共生の歴史的意義を考察する。
② 里山の生態系構造と資源利用の特徴を詳細に検討する。里山には薪炭林や雑木林、草地、水田、ため池がモザイク状に広がり、多様な動植物が生息することで高い生物多様性を支えてきた。人々は木材、薪炭、山菜、きのこなどの食料や生活資源を利用し、落ち葉や草を肥料として農地へ還元することで物質循環を維持した。これにより、人為的利用と自然的プロセスが相互に補完し合い、持続可能な利用体系が成立したのである。授業では植生調査や土地利用の事例研究を紹介し、里山が自然利用の場であると同時に生態系サービスを提供する場であることを学ぶ。受講生は、人間活動と生態系が共存する仕組みを理解し、里山を持続的自然利用の実践的モデルとして捉える力を培う。
③ 近代以降の社会変化が里山に及ぼした影響と、現代におけるその意義を考察する。燃料革命によってエネルギー源が薪炭から化石燃料へ転換し、農業が機械化したことで、里山は生活資源の供給地としての役割を失い、放置や荒廃が進行した。その結果、生物多様性の低下や景観の劣化といった課題が顕在化した。しかし近年、里山は文化的景観の保存や生態系保全、地域振興、環境教育の場として再評価されている。各地で里山再生プロジェクトや市民参加型の保全活動が展開され、地域社会の再構築や持続可能な社会づくりに資する試みが進んでいる。授業では具体的事例を取り上げ、里山が現代社会において果たし得る役割を多角的に検討する。受講生は、里山を歴史的・生態的・社会的観点から総合的に理解し、その現代的価値を認識することを目指す。
キーワード ① 里山 ② 薪炭材 ③ 生態系 ④ 生物多様性 ⑤ 燃料革命
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「生物としてのヒト」、第2部「人の自然利用」、第3部「人と野生動物」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

9 人がつくる半自然的環境(2)草地 科目の中での位置付け 本科目は、人類史を通じた自然との関わりを多角的に学ぶ3部構成である。第1部「生物としてのヒト」では、地球史におけるヒトの進化や生態的特性を整理し、狩猟採集社会の事例を通じて人間と自然の根源的関係を理解する基盤を修得する。第2部「人の自然利用」では、日本列島を対象に縄文から江戸時代までの自然共生の知恵、明治以降の近代化と環境負荷、さらに里山や草地といった半自然的環境の形成と変容をたどり、持続的自然利用の可能性を考察する。第3部「人と野生動物」では、狩猟や家畜化といった野生動物利用の歴史的展開を整理するとともに、現代日本で深刻化する農林業被害や個体数管理の課題を検討し、保全と利用の調和に向けた展望を議論する。全体を通じて、人と自然の関係を歴史的・生態学的・文化的に理解し、現代の環境問題に応用可能な視点を修得する。
第9回は、日本の草原を「人がつくる半自然的環境」として捉え、その成立、生態系、現代的意義を学ぶ。まず、草原は火入れや採草など人為的管理で維持され、古代から生活資源を供給する場として機能してきたことを確認する。次に、草原は多様な動植物の生息地であり、採草地や放牧地として地域社会を支えた利用形態を整理する。最後に、近代以降の利用衰退による森林化や景観喪失と、近年の保全活動や再評価の動きを検討し、持続的管理の意義を考察する。

◆コマ主題細目①
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、91-93頁
◆コマ主題細目②
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、98-103頁
◆コマ主題細目③
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、104-111頁
コマ主題細目 ① 草地の成立と歴史的背景 ② 草地の生態系と利用の多様性 ③ 草地の変容と現代的意義
細目レベル ① 日本各地に存在する草地が、自然に生じた環境ではなく、人間活動によって維持されてきた「半自然的環境」であることを学ぶ。日本の気候条件では本来森林が優占するが、火入れ、放牧、採草などの人為的営為が継続的に行われることによって、森林化を抑制し草地が保たれてきた。古代から近世にかけて、草地は農耕や家畜飼養に不可欠な資源供給地であり、肥料や建材、燃料など地域生活を支える基盤であった。また、草地は共同利用地として維持され、村落社会の協働や規範と結びついて存在してきた。授業では歴史資料や環境史研究を参照し、草地が人と自然の相互作用によって成立したことを理解させる。受講生は草地の成立過程を把握し、自然環境を人間がどのように改変し、利用可能な形で維持してきたかを考察する力を修得する。
② 草地に特有の生態系と人間による多様な利用形態を学ぶ。草地は希少な草本植物や多種多様な昆虫類、鳥類の生息地となり、森林とは異なる高い生物多様性を支えてきた。人々は採草地として利用し、牛馬の飼養や肥料資源の確保を行い、さらに茅葺き屋根の材料や生活用品の原料を得ていた。加えて、火入れや刈り取りといった管理が生態系に作用し、種多様性の維持に寄与してきた点も重要である。授業では植生調査や民俗学的事例を紹介し、草地利用がどのように地域社会の暮らしを支えてきたのかを整理する。受講生は、草地が自然と人為の相互作用によって成立し続ける環境であることを理解し、半自然的環境の生態的・文化的価値を多面的に把握する。
③ 近代以降における草地の変容と現代社会における意義を考察する。エネルギー源の薪炭から石油・電気への転換、農業の機械化と化学肥料の普及により、草地利用は急速に衰退した。その結果、多くの草地は放棄され森林化が進み、従来の景観や生態系が失われていった。これに伴い、草地に依存していた生物群集の減少や文化的景観の喪失が深刻な課題となった。一方で近年は、草地が生物多様性保全、伝統的景観の維持、観光資源や環境教育の場として再評価されている。阿蘇や霧ヶ峰など各地で火入れや保全活動が行われ、地域住民や市民団体が主体的に関与する取り組みも進んでいる。授業ではこれらの事例を取り上げ、草地の現代的意義と持続的管理の可能性を検討する。受講生は、草地の歴史的変遷を踏まえ、現代社会における半自然的環境の役割を理解する。
キーワード ① 草地 ② 火入れ ③ 放牧 ④ 採草 ⑤ 生物多様性
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「生物としてのヒト」、第2部「人の自然利用」、第3部「人と野生動物」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

10 踊り場コマ(2) 科目の中での位置付け 本科目は、人類史を通じた自然との関わりを多角的に学ぶ3部構成である。第1部「生物としてのヒト」では、地球史におけるヒトの進化や生態的特性を整理し、狩猟採集社会の事例を通じて人間と自然の根源的関係を理解する基盤を修得する。第2部「人の自然利用」では、日本列島を対象に縄文から江戸時代までの自然共生の知恵、明治以降の近代化と環境負荷、さらに里山や草原といった半自然的環境の形成と変容をたどり、持続的自然利用の可能性を考察する。第3部「人と野生動物」では、狩猟や家畜化といった野生動物利用の歴史的展開を整理するとともに、現代日本で深刻化する農林業被害や個体数管理の課題を検討し、保全と利用の調和に向けた展望を議論する。全体を通じて、人と自然の関係を歴史的・生態学的・文化的に理解し、現代の環境問題に応用可能な視点を修得する。
第10回では、第6回~第9回の内容を振り返り、日本における人と自然の関係を歴史と環境の両面から確認する。縄文から江戸期までの共生的な自然利用、明治以降の近代化や戦争、経済成長に伴う環境負荷と公害を整理する。また、里山や草原といった半自然的環境の成立と利用、生態系の多様性や資源循環の仕組みを理解し、利用衰退による森林化や景観劣化の課題を検討する。さらに、近年の保全活動や再評価の動きを踏まえ、現代社会における持続可能な自然利用のモデルとして捉える力を修得する。

◆コマ主題細目①
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、91-93頁
◆コマ主題細目②
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、98-103頁
◆コマ主題細目③
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、104-111頁
コマ主題細目 ① 人の自然利用(1)縄文時代〜江戸時代 ② 人の自然利用(2)明治〜昭和前期 ③ 人がつくる半自然的環境(1)里山 ④ 人がつくる半自然的環境(2)草地
細目レベル ① 日本列島における人と自然の関係を歴史的にたどり、持続可能性の観点から再考する。まず縄文時代では、狩猟・採集・漁労を中心とした生業と森林・河川・海洋資源の利用を整理し、遺物から生活文化を復元する。気候変動への柔軟な適応や祭祀・自然観を通じ、生活と精神文化が結びついた自然共生の姿を理解する。次に弥生から古代社会では、水田稲作の普及による森林伐採や灌漑整備、条里制や大規模水利事業の展開を検討し、農具や鉄器による効率化と同時に環境負荷や社会格差を生んだ点を学ぶ。さらに中世から江戸時代では、都市発展に伴う資源圧力とともに、入会林や共同利用地、循環型農業などの持続的資源管理が展開されたことを確認する。治水・灌漑や森林保全制度も進み、自然利用の知恵が形成された。受講生はこれらを通じて、日本における自然利用の変遷と持続性を体系的に理解し、現代の環境問題への示唆を得る。
② 近代から高度経済成長期までの日本における自然利用の変遷を学ぶ。明治〜大正期には殖産興業政策の推進により鉱山開発や製糸・製鉄業が発展し、森林伐採や鉱毒被害など深刻な環境負荷が生じた。足尾銅山鉱毒事件はその象徴であり、鉄道や港湾整備、農地拡大なども地域景観を大きく変容させた。昭和前期には戦時体制の下で木材・金属・石油・食料が統制され、軍需を中心に資源が大量動員された。森林伐採や農地酷使により農村社会は疲弊し、植民地開発を通じて国外にも資源利用が拡大した。戦後復興から昭和前期にかけては住宅再建や食料増産のため資源利用が急増し、その後の工業化・都市化で石炭や石油、鉄鉱石の需要が拡大した。ダム建設や河川改修など大規模開発も進み、環境は大きく改変された。同時に四大公害病などが発生し、経済成長の陰で自然利用の限界が顕在化した。受講生はこれらを通じ、経済発展と環境負荷の関係を歴史的に把握し、現代環境問題の背景を理解する。
③ 日本の農村景観を特徴づける里山の歴史的成立、生態系と資源利用、そして現代的意義を多角的に学ぶ。まず成立過程では、農地や二次林、水田、ため池、草地などが複合した里山空間が、人々の持続的な生活資源利用を通じて形成され、中世以降は薪炭材や落ち葉、草資源の供給を通じて生活と自然を結ぶ基盤となったことを整理する。次に生態系と利用では、薪炭林や雑木林、水田などがモザイク状に広がり、多様な動植物を育む場となったこと、木材・薪炭・山菜・きのこの利用や落ち葉の肥料化による物質循環が、人為と自然の相互補完関係を支えたことを学ぶ。そして変容と意義では、近代以降の燃料革命や機械化により里山の利用が減退し、放棄や荒廃が進み生態系劣化が顕在化した一方で、近年は文化的景観や生物多様性保全、地域振興、環境教育の場として再評価されていることを考察する。受講生は、里山を歴史・生態・社会の観点から総合的に理解し、現代社会における持続的自然利用のモデルとしてその価値を捉える力を修得する。
④ 日本の草地を「半自然的環境」として歴史・生態・現代的意義の三側面から学ぶ。まず成立過程では、日本本来の森林優占環境において、火入れや放牧、採草といった人為的営みが継続されることで草地が維持されてきたことを確認する。古代から近世にかけて草地は肥料や燃料、建材を供給し、農耕や家畜飼養を支える基盤であり、共同利用地として村落社会の協働と規範の場でもあった。次に生態系と利用では、希少植物や昆虫、鳥類を育む高い生物多様性をもち、採草や牛馬飼養、茅葺き材の供給など人々の暮らしに直結していたことを学ぶ。さらに火入れや刈り取りによる管理が生態系を維持し、多様性を支えてきた点を検討する。そして近代以降はエネルギー転換や農業機械化により利用が衰退し、草地は森林化と景観・生態系の喪失に直面したが、近年は生物多様性保全や文化的景観の維持、観光・教育資源として再評価されている。阿蘇や霧ヶ峰などの保全活動を事例に、持続的管理の可能性を考察する。
キーワード ① 農耕 ② 産業化 ③ 里山 ④ 半自然草地 ⑤ 持続可能性
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「生物としてのヒト」、第2部「人の自然利用」、第3部「人と野生動物」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

11 人の自然利用(3)戦後~現代 科目の中での位置付け 本科目は、人類史を通じた自然との関わりを多角的に学ぶ3部構成である。第1部「生物としてのヒト」では、地球史におけるヒトの進化や生態的特性を整理し、狩猟採集社会の事例を通じて人間と自然の根源的関係を理解する基盤を修得する。第2部「人の自然利用」では、日本列島を対象に縄文から江戸時代までの自然共生の知恵、明治以降の近代化と環境負荷、さらに里山や草原といった半自然的環境の形成と変容をたどり、持続的自然利用の可能性を考察する。第3部「人と野生動物」では、狩猟や家畜化といった野生動物利用の歴史的展開を整理するとともに、現代日本で深刻化する農林業被害や個体数管理の課題を検討し、保全と利用の調和に向けた展望を議論する。全体を通じて、人と自然の関係を歴史的・生態学的・文化的に理解し、現代の環境問題に応用可能な視点を修得する。
第11回では、人による野生動物利用の歴史とその文化的・社会的意義を学ぶ。まず、哺乳類利用については、食料や衣料資源としての狩猟の役割や、共同性・儀礼と結びついた文化的側面を考察する。次に、鳥類利用では、食料や羽毛の実用性に加え、伝書鳩や鷹狩りなど象徴的・文化的価値を検討する。最後に、近代以降の乱獲や絶滅事例を踏まえ、法制度や保全活動の進展を取り上げ、利用と保全の両立という課題を批判的に考察する。

◆コマ主題細目①
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、111-114頁
◆コマ主題細目②
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、115-118頁
◆コマ主題細目③
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、118-124頁
コマ主題細目 ① 戦後混乱期・復興期における自然利用 ② 高度経済成長期・安定成長期における自然利用 ③ 低成長期における自然利用
細目レベル ① 戦後混乱期(1945~1950)および復興期(1950~1954)における日本の自然利用のあり方を取り上げる。終戦直後の深刻な食料・燃料不足のもとで、農地の拡大や水田の復旧、薪炭林の集中的利用、草地や河川・湖沼の利用がどのように進められたのかを整理し、人々の生活と自然資源との関係を具体的に理解する。また、こうした利用が森林や草地、生態系に与えた影響について、過剰利用という観点から基礎的に解説する。あわせて、復興期に進められた農業技術の導入や土地利用の変化が、その後の高度経済成長期の自然利用へどのようにつながったのかについても概観する。一方で、高度経済成長期以降に顕在化する過小利用や国際的な資源依存の問題、具体的な環境政策の評価については本授業では詳しく扱わず、後続の回における学習への導入として位置づける。
② 高度経済成長期(1955~1972)および安定成長期(1973~1990)における日本の自然利用の変化を扱う。高度経済成長期には、工業化と都市化の進展により、土地開発や資源の集約的利用が進み、公害や自然破壊が深刻な社会問題となったことを整理する。同時に、化石燃料への転換や食料・木材の輸入拡大によって、国内の草地や二次林、農地などが利用されなくなる「過小利用」が進行した点に注目する。安定成長期には、人口増加率の鈍化や産業構造の変化を背景として、耕作放棄地や管理放棄された人工林が増加し、生物多様性や国土保全に新たな課題が生じたことを取り上げる。本授業では、これらの現象を過剰利用と過小利用の両面から概観し、自然利用のあり方が社会経済構造とどのように結びついているかを理解することを目的とする。
③ 低成長期(1990年代以降)における日本の自然利用の特徴と課題を扱う。経済成長の鈍化、人口減少・高齢化の進行、産業構造の変化を背景として、農地や森林の過小利用が一層進展した点に注目する。具体的には、耕作放棄地の拡大、管理放棄された人工林の増加、里山の維持機構の崩れが、生物多様性や国土保全に与える影響を基礎的に整理する。また、外来種問題や生態系サービスの劣化など、低成長期に顕在化した新たな環境課題についても概観する。本授業では、低成長期の自然利用を「衰退」としてのみ捉えるのではなく、持続可能な資源利用への転換期として位置づける。
キーワード ① 過剰利用 ② 過少利用 ③ 人口増加率 ④ 耕作放棄地 ⑤ 産業構造
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「生物としてのヒト」、第2部「人の自然利用」、第3部「人と野生動物」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

12 日本列島における野生生物と人 科目の中での位置付け 本科目は、人類史を通じた自然との関わりを多角的に学ぶ3部構成である。第1部「生物としてのヒト」では、地球史におけるヒトの進化や生態的特性を整理し、狩猟採集社会の事例を通じて人間と自然の根源的関係を理解する基盤を修得する。第2部「人の自然利用」では、日本列島を対象に縄文から江戸時代までの自然共生の知恵、明治以降の近代化と環境負荷、さらに里山や草原といった半自然的環境の形成と変容をたどり、持続的自然利用の可能性を考察する。第3部「人と野生動物」では、狩猟や家畜化といった野生動物利用の歴史的展開を整理するとともに、現代日本で深刻化する農林業被害や個体数管理の課題を検討し、保全と利用の調和に向けた展望を議論する。全体を通じて、人と自然の関係を歴史的・生態学的・文化的に理解し、現代の環境問題に応用可能な視点を修得する。
第13回は、人による家畜利用の歴史と現代的課題を学ぶ。まず、1万年前の農耕・牧畜革命以降、イヌ・ヒツジ・ウシなどが家畜化され、定住や文明形成を支えた過程を理解する。次に、家畜が食料・労働力・衣料資源として生活を支えるとともに、宗教儀礼や文化的象徴として社会を形づけたことを検討する。さらに、近代以降の大規模畜産による食料安定化と同時に生じた環境問題や動物福祉の課題を考察し、持続可能な家畜利用の在り方を探る。

◆コマ主題細目①
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、56-58頁
◆コマ主題細目②
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、56-58頁
◆コマ主題細目③
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、56-58頁
コマ主題細目 ① 人と動植物の多様な関係 ② 先史時代から近現代の野生生物と人の関係 ③ 現代社会と野生生物
細目レベル ① 日本列島に生息する動植物と人間との関係を、生物種ごとの違いと時代的変化に着目して概観する。日本には多様な動植物が存在するが、人々の生活と深く結びついて利用されてきた種もあれば、人間社会とほとんど関わりをもたない種もあることを確認し、その背景にある社会的・文化的要因を整理する。具体的には、ヒグマ、ツキノワグマ、ニホンジカ、ニホンカモシカ、ニホンザル、イノシシといった大型動物について、狩猟対象であると同時に山の神の恵みとして捉えられてきた点を取り上げ、採集活動とは異なる宗教観や価値観が形成されたことを扱う。また、日本では野生動物の家畜化がほとんど進まなかったことを示し、その理由について基礎的に触れる。一方、植物資源については、山菜やキノコ類が栽培化され、広く利用・商品化されてきた事例を紹介する。さらに、江戸時代から明治期にかけての商品経済の進展により、自然資源が自給品から商品へと位置づけを変えていった過程を概観する。
② 日本列島における人と動植物の関係を、時代・地域・生物種ごとの違いに注目しながら概観する。まず、クマ類・シカ・カモシカ・サル・イノシシといった大型動物について、狩猟対象であると同時に山の神の恵みとして捉えられてきた点を取り上げ、採集文化とは異なる宗教観や価値観が形成されたことを整理する。また、これらの動物が本格的に家畜化されなかった理由についても基礎的に扱う。一方、植物資源については、山菜やキノコの栽培化・商品化に着目し、江戸から明治期にかけて自然資源の商品価値が高まり、毛皮や木の実などが交易品となった過程を概観する。さらに、先史時代から近代に至るまで、狩猟対象や利用形態が社会構造や生業の変化とともにどのように変遷したかを整理する。近代以降の産業化と乱獲による野生生物の減少、戦後以降の都市住民による自然利用の拡大についても概説するが、個別事例の詳細分析には踏み込まず、人と野生生物の関係史の全体像を理解することを目的とする。
③ 近年の日本における獣害問題と希少生物保護をめぐる課題を取り上げ、現代社会における人と野生生物の関係を考察する。獣害については、イノシシ、ニホンジカ、クマ、ニホンザルといった在来種に加え、ハクビシンやタイワンザルなどの外来種も対象として、被害の拡大状況とその背景を整理する。また、個体識別や行動追跡などの科学的手法を用いた対策の進展について概説する一方で、獣害の要因が人間活動や土地利用の変化と複雑に関係していることを確認する。あわせて、レッドデータブックに基づく希少生物の保護制度を取り上げ、トキ、コウノトリ、ヤンバルクイナ、ジュゴンなどを例に、保護の考え方とその意義を概観する。さらに、地域開発と自然保護をめぐる対立構造について、干潟開発や鯨類観光、基地建設問題などの事例を通して整理し、「開発か保護か」という単純な二分法では捉えきれない点を理解する。
キーワード ① 狩猟文化 ② 採集文化 ③ 栽培 ④ 獣害問題 ⑤ 外来種
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「生物としてのヒト」、第2部「人の自然利用」、第3部「人と野生動物」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

13 人と自然の軋轢(1)過剰利用と過小利用 科目の中での位置付け 本科目は、人類史を通じた自然との関わりを多角的に学ぶ3部構成である。第1部「生物としてのヒト」では、地球史におけるヒトの進化や生態的特性を整理し、狩猟採集社会の事例を通じて人間と自然の根源的関係を理解する基盤を修得する。第2部「人の自然利用」では、日本列島を対象に縄文から江戸時代までの自然共生の知恵、明治以降の近代化と環境負荷、さらに里山や草原といった半自然的環境の形成と変容をたどり、持続的自然利用の可能性を考察する。第3部「人と野生動物」では、狩猟や家畜化といった野生動物利用の歴史的展開を整理するとともに、現代日本で深刻化する農林業被害や個体数管理の課題を検討し、保全と利用の調和に向けた展望を議論する。全体を通じて、人と自然の関係を歴史的・生態学的・文化的に理解し、現代の環境問題に応用可能な視点を修得する。
第13回では、人による自然利用の両極端とその影響を学ぶ。まず、森林伐採や乱獲など過剰利用が社会崩壊や現代の生物多様性喪失・気候変動を招いた事例を検討する。次に、里山や草原の放棄など過少利用が森林化や景観消失を引き起こすことを整理し、伝統的利用の意義を再評価する。最後に、森林管理や漁業資源の適正利用、地域参加型保全、エコツーリズムなどの実践を紹介し、持続可能な資源利用の条件を考察する。

◆コマ主題細目①
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、56-58頁
◆コマ主題細目②
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、56-58頁
◆コマ主題細目③
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、56-58頁
コマ主題細目 ① 自然資源の過剰利用とその影響 ② 自然環境の過少利用と景観変化 ③ 持続可能な資源利用への示唆
細目レベル ① 人が歴史的に行ってきた自然資源の過剰利用とその帰結を学ぶ。森林伐採、過放牧、漁業資源の乱獲、水資源の過剰利用などを具体的事例として取り上げ、これらが生態系や社会にどのような影響を与えてきたのかを整理する。たとえばメソポタミア文明の塩害やイースター島の森林破壊は、資源の過剰利用が社会崩壊を招いた典型例である。また現代においても、熱帯林の大規模伐採や海洋資源の乱獲が進み、生物多様性の喪失、土壌劣化、砂漠化、気候変動など深刻な問題を引き起こしている。授業では統計資料や最新の研究成果を用いて、過剰利用がもたらす影響の広がりとその背景にある人口増加や市場経済の拡大を理解させる。受講生は、人間活動が自然環境に与える負荷の大きさを歴史的・現代的視点から把握し、持続可能な資源利用を考える基盤を培う。
② 近代以降に顕著となった「自然の過少利用」が引き起こす環境変化について学ぶ。里山や草原、湿地は人間の利用を通じて維持されてきた半自然的環境であるが、エネルギー源の転換や生活様式の変化によって利用が減退し、放棄や荒廃が進行した。その結果、草原は森林化し、耕作放棄地は荒廃し、特有の生態系や文化的景観の消失が進んでいる。授業では、阿蘇や霧ヶ峰に代表される草原の森林化、里山の荒廃、農地の放棄などの事例を取り上げ、過少利用が生物多様性や景観形成に与える影響を具体的に検討する。また、これまで「自然保護」とされてきた利用停止が必ずしも望ましい結果を生まないことを示し、伝統的利用の再評価の必要性を考察する。受講生は、利用の不足もまた環境問題を招くことを理解し、人間と自然との関係を多面的にとらえる力を修得する。
③ 自然の過剰利用と過少利用の双方を踏まえ、持続可能な資源利用の方向性を考察する。授業ではまず、資源利用のバランスを欠いた歴史的・現代的事例を比較し、そこから導かれる教訓を整理する。そのうえで、森林管理や漁業資源の適正利用、農地の持続的利用、里山や草原の再生など、国内外で行われている実践を紹介する。特に地域住民や市民が主体となった保全活動や、国際的な環境政策に基づく資源管理の枠組みに注目する。また、利用と保全を両立させる新しい取り組みとして、エコツーリズムや生態系サービス評価の概念を扱う。受講生は、自然利用における「過剰」と「過少」の両極端を超えて、持続可能性を実現するための条件を理解し、人と自然の関係を総合的に構想する力を培う。
キーワード ① 過剰利用 ② 森林破壊 ③ 乱獲 ④ 過少利用 ⑤ 生態系サービス
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「生物としてのヒト」、第2部「人の自然利用」、第3部「人と野生動物」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

14 人と自然の軋轢(2)現代の野生動物問題 科目の中での位置付け 本科目は、人類史を通じた自然との関わりを多角的に学ぶ3部構成である。第1部「生物としてのヒト」では、地球史におけるヒトの進化や生態的特性を整理し、狩猟採集社会の事例を通じて人間と自然の根源的関係を理解する基盤を修得する。第2部「人の自然利用」では、日本列島を対象に縄文から江戸時代までの自然共生の知恵、明治以降の近代化と環境負荷、さらに里山や草原といった半自然的環境の形成と変容をたどり、持続的自然利用の可能性を考察する。第3部「人と野生動物」では、狩猟や家畜化といった野生動物利用の歴史的展開を整理するとともに、現代日本で深刻化する農林業被害や個体数管理の課題を検討し、保全と利用の調和に向けた展望を議論する。全体を通じて、人と自然の関係を歴史的・生態学的・文化的に理解し、現代の環境問題に応用可能な視点を修得する。
第14回は、現代日本における野生動物問題を多角的に学ぶ。まず、シカやイノシシ等による農林業被害や都市近郊での出没など、社会・環境要因と結びついた軋轢を整理する。次に、政府の個体数削減偏重の管理政策を検討し、その基準が人による生息地破壊によって動物数が減少していた特殊な時代に依拠している問題点を明らかにする。最後に、数百~数千年規模の自然変動幅を踏まえた持続的管理の必要性を議論し、生息環境保全や住民参加を含む共生の道を探る。

◆コマ主題細目①
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、56-58頁
◆コマ主題細目②
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、56-58頁
◆コマ主題細目③
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、56-58頁
コマ主題細目 ① 野生動物と人間社会の軋轢 ② 個体数管理政策とその問題点 ③ 生態系管理
細目レベル ① 現代日本で深刻化している野生動物と人間社会の軋轢について学ぶ。ニホンジカ、イノシシ、ニホンザルなどの中大型哺乳類は、農林業被害や森林生態系への影響を拡大させ、社会問題として認識されている。特に耕作放棄地の拡大や過疎化に伴う人間活動の減退は、野生動物の生息域拡大と人里への侵入を促進してきた。授業では、農業被害額の推移や森林植生への影響を示す統計資料を参照し、その背景を整理する。また、交通事故や市街地への出没といった新しい軋轢にも着目し、都市化との関係を考察する。受講者は、野生動物問題が単なる「数の増加」ではなく、社会・経済・環境条件の変化と相互に作用した複合的現象であることを理解し、問題の構造的把握を目指す。
② 日本政府が推進する野生動物管理計画を検討する。現在の個体数管理は捕獲による削減を最重要視しており、その基準は中世から昭和前期にかけての森林伐採による生息地破壊で野生動物の個体数が大きく減少していた時代の水準を前提としている。しかし、これは数千年単位の自然史の中では極めて特殊な時代背景に基づくものであり、本来の自然変動幅を反映していない点に問題がある。授業では、シカやイノシシを対象とした管理計画を具体的に取り上げ、捕獲偏重の政策が短期的な被害抑制にとどまり、長期的な生態系の安定や持続的な共生にはつながらないことを整理する。さらに、過剰な捕獲が食物網や植生など他の生態系要素に及ぼす潜在的リスクについても議論する。受講者は、現行政策の限界を理解し、科学的根拠に基づいた包括的な個体群管理の必要性を認識する。
③ 持続可能な野生動物管理の新しい方向性を探る。重要なのは、数十年という短期的基準ではなく、過去数百年から数千年にわたる自然の変動幅を考慮することである。例えば、氷期後の植生変化や農耕文化の展開に伴う長期的な野生動物の個体群動態を参照することで、より現実的な基準が見出せる。授業では、海外の事例や国内の長期モニタリング研究を紹介し、個体数削減だけに頼らない管理の枠組みを検討する。生息環境の保全や地域住民の協働、市民科学を活用したモニタリングなど多面的アプローチを提示し、人と野生動物の共生を実現する道を考える。受講者は、自然変動を前提にした管理の意義を理解し、持続可能な社会における「人と自然の関係」の再構築に向けた視点を修得する。
キーワード ① 農業被害 ② 人身被害 ③ 個体数管理 ④ 自然変動幅 ⑤ 個体群動態
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「生物としてのヒト」、第2部「人の自然利用」、第3部「人と野生動物」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

15 踊り場コマ(4) 科目の中での位置付け 本科目は、人類史を通じた自然との関わりを多角的に学ぶ3部構成である。第1部「生物としてのヒト」では、地球史におけるヒトの進化や生態的特性を整理し、狩猟採集社会の事例を通じて人間と自然の根源的関係を理解する基盤を修得する。第2部「人の自然利用」では、日本列島を対象に縄文から江戸時代までの自然共生の知恵、明治以降の近代化と環境負荷、さらに里山や草原といった半自然的環境の形成と変容をたどり、持続的自然利用の可能性を考察する。第3部「人と野生動物」では、狩猟や家畜化といった野生動物利用の歴史的展開を整理するとともに、現代日本で深刻化する農林業被害や個体数管理の課題を検討し、保全と利用の調和に向けた展望を議論する。全体を通じて、人と自然の関係を歴史的・生態学的・文化的に理解し、現代の環境問題に応用可能な視点を修得する。
第15回は、第11回~第14回の内容を振り返り、人と動物・自然の関わりを歴史から現代まで多角的に見直す。野生動物利用では、狩猟の生活資源・文化的役割や近代の乱獲と保全制度を整理する。家畜利用では、農耕・牧畜革命以降の文明形成への寄与や宗教的意義、近代畜産の環境・倫理課題を考察する。さらに自然利用の過剰と過少の問題、現代日本の個体数管理の課題を検討し、長期的変動を踏まえた科学的管理と地域参加型保全の重要性を議論する。受講者は人と自然の関係を多角的に理解し、持続可能な未来を構想する視点を修得する。

◆コマ主題細目①
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、56-58頁
◆コマ主題細目②
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、56-58頁
◆コマ主題細目③
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、56-58頁
◆コマ主題細目④
・宮下直・西廣淳(編)『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、朝倉書店、2017年、56-58頁
コマ主題細目 ① 戦後から現代の野生生物と人の関係 ② 人と自然の軋轢(1)現代の野生動物問題 ③ 人と自然の軋轢(2)過剰利用と過小利用
細目レベル ① 日本列島における人と自然の関係を、時代区分と生物資源の利用形態の変化に着目して概観する。具体的には、戦後混乱期・復興期における食料・燃料不足下での農地拡大や薪炭林利用といった過剰利用、高度経済成長期・安定成長期に進行した開発・公害と同時並行的な過小利用、さらに低成長期以降の耕作放棄地や管理放棄林の拡大と生物多様性への影響を扱う。また、人と動植物の関係史として、大型野生動物の狩猟と信仰、植物資源の栽培化・商品化、近代以降の乱獲と減少、現代の獣害問題や希少生物保護、地域振興との関係についても整理する。個別事例の詳細分析には踏み込まず、自然利用が社会経済構造や価値観の変化と密接に結びついてきたことを理解することを目的とする。
② 人による自然利用の両極端とその影響について検討する。過剰利用としては森林伐採や過放牧、漁業資源の乱獲、水資源の過度利用などがあり、メソポタミア文明の塩害やイースター島の森林破壊などは資源利用が文明崩壊を招いた典型的事例である。現代でも熱帯林伐採や過剰漁獲が生物多様性喪失や気候変動の要因となっている。一方、近代以降には「過少利用」も問題となり、里山や草原、湿地が放棄されることで森林化や景観消失が進行し、生態系や文化的景観の劣化を招いた。これまでの「自然保護」が必ずしも望ましい結果を生んでいないことも示唆される。授業では、こうした過剰利用と過少利用の事例を比較し、森林管理や漁業資源の適正利用、里山や草原の再生、地域参加型保全やエコツーリズムといった実践例を紹介する。受講者は、利用と保全を両立させるための条件を考察し、持続可能な自然利用の方向性を理解する。
③ 現代日本における野生動物問題を多角的に検討する。近年、シカやイノシシなどの増加が農林業被害や森林生態系の改変を引き起こし、都市近郊での出没や交通事故といった新たな軋轢も発生している。これに対し政府は個体数削減を中心とした管理政策を進めているが、その基準は中世から昭和前期にかけて森林伐採により野生動物の個体数が激減していた特殊な時代に依拠しており、自然本来の変動幅を反映していない点に問題がある。授業では、捕獲偏重の管理が短期的効果に留まり、長期的な生態系の安定や共生に結びつかないことを整理する。その上で、数百〜数千年単位の自然変動幅を考慮した科学的な個体群管理の必要性を議論する。さらに、生息環境の保全、地域住民参加型の取り組み、市民科学の活用、エコツーリズムなど多様な方法を紹介し、人と野生動物が共存する社会の実現に向けた展望を考察する。
キーワード ① 狩猟 ② 耕作放棄地 ③ 過剰利用 ④ 個体群管理 ⑤ 生態系保全
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施する。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「生物としてのヒト」、第2部「人の自然利用」、第3部「人と野生動物」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆期末試験にむけて
本科目は、コマシラバス「評価方法」にある通り、筆記試験にて評価を実施する。コマシラバスの履修判定指標を良く確認し、試験にそなえること。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
①地球史と人類進化の理解 ★★★地球史の主要事象(大陸移動・気候変動・大規模絶滅など)を整理し、それらが生命や人類進化に与えた影響を具体的に説明できる。サヘラントロプスからホモ・サピエンスに至る進化過程を正確に把握し、技術革新や文化的創造性と環境適応を関連づけて論じられる。

★★人類進化の基本的段階を年代順に説明でき、主要な技術革新や環境適応の関係をおおまかに理解している。

★主要な化石人類の名称や特徴を挙げることができ、進化の流れの概要を把握している。
地球史、進化史、二足歩行、技術革新、ホモ・サピエンス 1, 2
②ヒトの生態と環境適応の理解 ★★★ヒトの身体的特性(直立二足歩行、骨盤・脊柱の形状、脳容量)と社会的特性(協働・言語・象徴表現)を統合的に説明できる。さらに火の利用や農耕、産業革命以降の技術革新が環境に与えた正負の影響について、具体例を交えて論じられる。

★★身体的・社会的・文化的特性の基本的内容を整理し、それぞれの役割を概ね理解している。

★ヒトが環境に多様な適応を示してきたことを認識し、基本的な特徴をいくつか説明できる。
身体特性、環境適応、協働、言語、出アフリカ ①②で30点 3, 4, 5
③日本列島における自然利用史の理解(1) ★★★先史時代~中世における狩猟採集・農耕・資源管理の歴史的変遷を具体的に説明できる。遺物や制度を根拠に自然利用と社会構造の関係を論理的に考察し、持続可能性の観点から現代的意義を導き出せる。

★★各時代の自然利用の特徴(狩猟採集、稲作普及、古代建築など)を理解し、社会や環境との関わりを説明できる。持続可能性の視点に触れることができる。

★先史時代〜中世の自然利用の特徴を挙げ、時代ごとの違いを基本的に把握している。
縄文、弥生、稲作、古代建築、森林資源 6, 7, 8
④日本列島における自然利用史の理解(2) ★★★近世~現代における狩猟採集・農耕・資源管理の歴史的変遷を具体的に説明できる。遺物や制度を根拠に自然利用と社会構造の関係を論理的に考察し、持続可能性の観点から現代的意義を導き出せる。

★★各時代の自然利用の特徴(城郭建築、植林、入会林など)を理解し、社会や環境との関わりを説明できる。持続可能性の視点に触れることができる。

★近世~現代の自然利用の特徴を挙げ、時代ごとの違いを基本的に把握している。
人口増加、奥山、入会林、エネルギー革命、 ③④で50点 9, 10, 11
⑤半自然的環境(里山・草原)の理解 ★★★里山と草原の成立過程、生態系的特徴、資源利用、近代以降の変容を具体的に説明できる。加えて、現代における再評価や保全活動を踏まえ、持続可能な自然利用モデルとしての意義を多角的に考察できる。

★★里山・草原の基本的な歴史的成立や利用形態を理解し、近代以降の衰退や再評価の動きを説明できる。

★里山・草原が人為的営みで維持される半自然的環境であることを理解している。
里山、草原、生物多様性、燃料革命、保全 12, 13
⑥自然の過剰利用と過少利用の理解 ★★★過剰利用・過少利用の事例を比較し、問題点を批判的に分析できる。さらに、自然変動幅を踏まえた個体群管理や住民参加型保全、市民科学など多様な取り組みを整理し、人と野生動物の共生の条件を具体的に論じられる。

★★資源利用の両極端や個体数管理の課題を理解し、利用と保全の両立の重要性を説明できる。

★野生動物管理に課題があることを認識し、人間と自然が共存する必要性を理解している。
森林伐採、耕作放棄、乱獲、高齢化、保全 ⑤⑥で20点 14, 15
評価方法 期末試験(100%)
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 指定なし
参考文献 『自然人類学』、中村美知夫・森本直記、昭和堂、『人と生態系のダイナミクス②森林の歴史と未来』、宮下直・西廣淳、朝倉書店、『人と生態系のダイナミクス①農地・草原の歴史と未来』、宮下直・西廣淳、朝倉書店
実験・実習・教材費 なし