区分
陸域フィールド科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
カリキュラム・ポリシーとの関係
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
本科目は、フィールド自然学科のカリキュラムにおける陸域フィールドの科目群の中で重要な位置づけにある。昆虫類は、これまでに約100万種が知られており、全動植物種の約半数を占めている。そのうえ、毎年約2000種以上もの新種記載が発表されており、実際には3000万種以上いるとも推測されており、地球上で最も種多様性の高いグループの一つであると考えられている。つまり、陸域の動植物について研究するうえで、昆虫類は無視できない存在と言えよう。例えば、植物と昆虫の相互作用は、送粉や植食、種子散布など多岐にわたる。また、脊椎動物と昆虫の相互作用も、捕食-被食や寄生、分散など多岐にわたる。したがって、昆虫類に注目することは、陸域生態系の構造と機能、生物多様性の成り立ちを理解することにつながるだろう。本科目は、2年生前期に開講される環境昆虫学(昆虫学I)に続く科目である。環境昆虫学では分類学を基盤として、昆虫の形態や生理について主に扱う。一方、本科目では、生態学を基盤として、昆虫を中心とした様々な生物間相互作用について主に扱う。生態学の基礎的な知識を修得するとともに、昆虫学・応用昆虫学の視点で身の回りの生物間相互作用を学修する。それにより、「環境昆虫学(昆虫学I)」や「生物地理学」、「保全昆虫学演習」で修得した様々な知識を統合して考察し、高学年時に開講される科目につなげるものとして位置づけられる。
科目の目的
本科目では、生態学における基礎的な概念の一つである「多様性」と「進化」について理解し、昆虫類を中心とした様々な「生物間相互作用」を学ぶ。特に、昆虫と昆虫の相互作用、昆虫と植物の相互作用、昆虫と他の動物の相互作用に注目し、昆虫類に見られる様々な行動・形態形質の多様性がどのように進化してきたのかを生態学的な視点で捉え考察することを目指す。また、「環境昆虫学(昆虫学I)」や「生物地理学」、「保全昆虫学演習」で修得した様々な知識を昆虫生態学の視点で振り返り、それらの意義を考察する。
到達目標
《1》 基礎I 生態学における多様性の概念を説明できる。
《2》 基礎II 生態学における進化の概念を説明できる。
《3》 応用I 生態学における生物間相互作用(競争、捕食-被食、社会性など)の概念を説明できる。
《4》 応用II 生態学における生物間相互作用の概念を用いて、昆虫類に見られる様々な行動・形態形質を説明できる。
《5》 発展I 身の回りの自然環境を多角的に考察し、生物多様性の観点から「持続可能な社会」の方向性を検討できる。
科目の概要
本科目では、生態学の基礎的な知識を修得するとともに、陸域生態系において昆虫類を中心としてどのような生物間相互作用が見られるのかを学修する。昆虫と昆虫の相互作用、昆虫と植物の相互作用、昆虫と他の動物の相互作用に注目し、昆虫類に見られる様々な行動・形態形質の多様性がどのように進化してきたのかを生態学的な視点で捉え考察することを目指す。
第1回目の講義では、環境昆虫学(昆虫学I)とのつながりを意識しつつ、昆虫類の分類学的・形態学的な基礎的な知識について概説するとともに、昆虫類を題材とした様々な研究分野がどのように発展しているのかについて紹介する。第2回目から第5回目までの講義では、昆虫の多様性について注目する。特に、生態学における多様性の概念を概説しつつ、種多様性の形成メカニズムについて理解する。第6回目から第10回目までの講義では、昆虫類に見られる様々な行動・形態形質の多様性について注目する。特に、競争や捕食-被食、共生、寄生などの生物間相互作用を介して、それぞれの形質がどのように進化してきたのかについて理解し、陸域生態系の多様性を考察する。第11回目から第15回目までの講義では、それまでに学修した内容を踏まえて、日本を含め世界各地で生じている陸域生態系における様々な事象(外来種問題、環境破壊問題など)について生態学的な視点から考察する。また、昆虫類を昆虫類の研究が我々の生活にどのように関係しているのかについても考察する。
科目のキーワード
《1》 昆虫類の多様性(多様性指数、HSS仮説、種数‐面積曲線)-第1回~第5回
《2》 昆虫類における形質の進化(生物間相互作用、自然選択、性選択)-第6回~第10回
《3》 昆虫生態学の応用(外来種、保全、生態系サービス)-第11回~第15回
授業の展開方法
毎回の授業では、Wordで作成したオリジナルテキスト(PDF版)を配布し、その内容に沿って授業を進める。テキストは、コマシラバスの「コマ主題細目」に対応した章立てとなっており、各コマは「解説」「練習問題」「まとめ」の三つの要素で構成されている。授業の最初の10分間では、当該回で取り扱う内容の全体像を概観し、そのコマで学習すべき重要事項や学習のポイントを明示する。続く60分間では、コマ主題細目に沿って細目レベルに関する解説を行い、その内容を含む論文などを紹介することで、「教科書における知識」と「現実に見られる現象」との結びつきを図り、理解を深める。その後、各コマ主題細目に要点を整理し、まとめを行う。これを授業回ごとに繰り返すことで、知識を段階的に積み重ね、系統的な理解へと導く。授業の終盤10分間には、その回の内容全体を振り返り、学んだことを整理し、小テストを実施することで理解度を客観的に確認したうえで、解答と解説を行う。
授業終了後には、次回までに復習をおこなうことが求められる。テキストの解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させる。
オフィス・アワー
松原慧:【前期】
情報リテラシーⅠ金曜5限
農業基礎演習月曜4限
基礎ゼミナールⅠ木曜4限
【後期】
情報リテラシーⅡ金曜5限
農業基礎演習Ⅱ月曜5限
基礎ゼミナールⅡ火曜5限
昆虫生態学水曜5限
三中信宏:【前期】
万物は進化する月5限
基礎ゼミナールⅠ月5限
環境データ解析の基礎月5限
【後期】
環境データの可視化技法火曜5限
基礎ゼミナールⅡ月曜5限
基礎ゼミナールⅣ月曜5限
環境研究デザイン論火曜5限
久松定智:【月曜日】昼休み、【火曜日】2時限目
科目コード
TD4020
学年・期
2年・後期
科目名
昆虫生態学(昆虫学Ⅱ)
単位数
2
授業形態
講義
必修・選択
選択
学習時間
前提とする科目
展開科目
関連資格
担当教員名
松原慧・三中信宏・久松定智
回
主題
コマシラバス項目
内容
教材・教具
1
昆虫生態学の概要説明
科目の中での位置付け
コマ主題細目
① 昆虫生態学の目標と学修内容 ② 昆虫の分類・形態 ③ 昆虫の種多様性
細目レベル
キーワード
① 昆虫 ② 分類 ③ 形態 ④ 多様性
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
2
種多様性の評価
科目の中での位置付け
コマ主題細目
① ”種”の捉え方 ② 多様性指数 ③ 種多様性の形成メカニズム
細目レベル
キーワード
① 個体 ② 個体群 ③ 種 ④ 群集 ⑤ 多様性指数
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
3
種多様性の形成メカニズム
科目の中での位置付け
コマ主題細目
① なぜ世界は「緑」に覆われているのか ② 種多様性と緯度勾配 ③ 種多様性と島
細目レベル
キーワード
① HSS仮説 ② 緯度勾配(LDG) ③ 陸地 ④ 海 ⑤ 島
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
4
個体レベルの多様性
科目の中での位置付け
コマ主題細目
① 個体群の増殖 ② 繁殖行動 ③ 適応度
細目レベル
キーワード
① 密度効果 ② r-K戦略 ③ 性的二型 ④ 包括適応度
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
5
昆虫における種多様性
科目の中での位置付け
コマ主題細目
① 昆虫の基礎知識 ② 種多様性の評価・形成メカニズム ③ 個体レベルの多様性
細目レベル
キーワード
① 分類 ② 種 ③ 多様性指数 ④ 適応度 ⑤ 形質
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
6
生物間相互作用(競争)
科目の中での位置付け
コマ主題細目
① 生態学における「競争」 ② 種間競争 ③ 見かけの競争
細目レベル
キーワード
① 種内競争 ② 種間競争 ③ 種間相互作用 ④ 間接相互作用 ⑤ 直接相互作用
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
7
生物間相互作用(捕食‐被食、共生、寄生)
科目の中での位置付け
コマ主題細目
① 捕食-被食 ② 共生 ③ 寄生
細目レベル
キーワード
① 栄養段階 ② 食物網 ③ ロトカ・ヴォルテラの捕食者-被食者モデル ④ 片利共生・相利共生 ⑤ 捕食寄生
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
8
化学からみた行動・形態形質
科目の中での位置付け
コマ主題細目
① 化学生態学 ② フェロモンとアレロケミカル ③ 「匂い」を介した生物間相互作用
細目レベル
キーワード
① 化学物質 ② 体表炭化水素 ③ 擬態 ④ 植食者 ⑤ 捕食者
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
9
行動・形態形質の進化
科目の中での位置付け
コマ主題細目
① 遺伝的浮動と自然選択 ② 総合説と中立説 ③ 小進化と大進化
細目レベル
キーワード
① 突然変異 ② 遺伝 ③ 適応度 ④ ボトルネック効果 ⑤ ランダムウォーク
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
10
昆虫における行動・形態形質の進化
科目の中での位置付け
コマ主題細目
① 生物間相互作用 ② 化学物質からみた昆虫 ③ 進化のメカニズム
細目レベル
キーワード
① 競争 ② 相互作用 ③ 共生・寄生 ④ 化学生態学 ⑤ 進化
コマの展開方法
社会人講師
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ICT
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教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
11
外来種による様々な影響
科目の中での位置付け
コマ主題細目
① 外来種の定義 ② 外来種が問題となる状況 ③ 外来種問題の解決策
細目レベル
キーワード
① 侵略的外来種 ② 攪乱 ③ 遺伝的多様性 ④ 絶滅
コマの展開方法
社会人講師
AL
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教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
12
気候変動が昆虫に及ぼす影響
科目の中での位置付け
コマ主題細目
① 気候変動の背景 ② なぜ気候変動が昆虫に影響を及ぼすのか ③ 生態系機能における昆虫
細目レベル
キーワード
① 温暖化 ② フェノロジー ③ ニッチ保守性 ④ 絶滅 ⑤ 生態系サービス
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
13
生物多様性がもたらすもの
科目の中での位置付け
コマ主題細目
① 生態系サービス ② 昆虫が人の生活を支える ③ 昆虫が人の文化の形成に寄与する
細目レベル
キーワード
① 物質供給サービス ② 調節サービス ③ 文化サービス ④ 支持基盤サービス ⑤ 生物多様性
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
14
生態学と生態系の保全
科目の中での位置付け
コマ主題細目
① 生物多様性の低下がもたらすもの ② 「保全」は科学か否か ③ 生態学の視点で見る生物多様性
細目レベル
キーワード
① 保全 ② キーストーン種 ③ 固有種 ④ 意思決定 ⑤ 経済
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
15
生態系における昆虫
科目の中での位置付け
コマ主題細目
① 外来種・気候変動による影響 ② 昆虫生態学と生態系の保全 ③ 持続可能な社会の実現にむけて
細目レベル
キーワード
① 侵略的外来種 ② 温暖化 ③ 攪乱 ④ 保全 ⑤ SDGs
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
復習・予習課題
履修判定指標
評価方法
評価基準
評語
学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・
S (100~90点)
学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・
A (89~80点)
学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・
B (79~70点)
学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・
C (69~60点)
学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・
D (60点未満)
教科書
参考文献
日本生態学会編「生態学入門 第2版」東京化学同人、日本生態学会ほか 編集「未来を生きるすべての人の教養の生態学」東京化学同人、中筋房夫ほか 著「応用昆虫学の基礎」朝倉書店
実験・実習・教材費