区分 水域フィールド科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
自然と生物の専門知識 フィールド生物調査 環境データ解析
自然共生社会
カリキュラム・ポリシーとの関係
教養 分析思考 実践技能
フィールド間連携
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
 フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
 環境問題に関する個人・社会・自然が直面する課題に対して専門的な理解を深めると共に、学際的な柔軟性を有し、実践的な能力を有する。企業・地域社会などのあらゆるコミュニティに寄与する組織的な活動能力を有する。本学科におけるフィールドの多くは野外(野生生物)であるが、動物園や水族館といった飼育施設も動物に関する一つのフィールドである。本科目では、動物の行動を詳細に観察することができる動物園や水族館といった飼育施設のあり方や実際に訪問し観察を行うことで、後年次における「動物行動学」や「海の大型動物生態学」へと発展していく基礎能力となる。

科目の目的
本科目は、調査フィールドの一つとなる飼育施設及び飼育動物について学ぶとともに、動物を調査する記録方法の基礎とレポートの書き方を学ぶ。これらの学びは、3年次以降で取り組む卒業論文の基礎となる。また、本学で動物について学んだことを活かせる就職先のひとつである動物園や水族館の社会的使命を学ぶことは、将来の職業選択にも大きく寄与する。具体的には、飼育施設のあり方、動物福祉、飼育職員の実務、行動観察手法、観察に基づいた科学レポートの作成法を習得する。これらの演習を通して、人と動物の関係の形を考える知識を習得する。また科学的手法だけではなく、その手法に基づいて得られた結果を科学的な日本語表現にて表現するとともに、結果の正しい解釈の仕方や、結果から結論を導く論理的思考力を養うことを目的とする。
到達目標
目標は大きく分けると2つである。①飼育動物に対する人の社会的責任を説明することができる。②動物の調査の基本として、「個体情報の取得、行動評価の手法」を習得するとともに、これらの記録をデータとして解析しまとめる手法を身に着ける。
科目の概要
本講義では、動物を対象とした調査の基本として、動物の行動観察を通した個体情報の取得方法を学びます。飼育動物で観察方法を学ぶことで、野生動物の基礎的な観察手法を習得する。これらの観察で得た記録の解析方法やまとめ方についても学ぶ。調査方法の基礎を実践するために、県内の水族館において動物の行動観察を行います。
第1回から第4回は主に座学による教員の講義、第5と第6回は特別講師による講演を扱い、第7回から第13回は調査手法の習得を目指す、第14回と第15回では調査結果の解析手法やレポートの作成を行う。各踊り場回で振り返りの時間を設ける。

科目のキーワード
① 動物園・水族館(レクリエーション、環境教育)
② 動物福祉(5つの自由、環境エンリッチメント)
③ 行動観察(ティンバーゲンの4つのなぜ、エソグラム)
④ 調査手法(個体識別、行動記録)
⑤ 解析手法(記述統計、引用)
飼育施設のあり方 (1、2)から、実践による観察手法習得 (3、4)、科学レポートの基礎(5)を身につける

授業の展開方法
毎回の授業では、Wordで作成したオリジナルテキスト(PDF版)を配布し、その内容に沿って授業を進めていきます。テキストは、コマシラバスの「コマ主題細目」に対応した章立てとなっており、各コマは「解説」「練習問題」「まとめ」の三つの要素で構成されています。
授業の最初の10分間では、当該回で取り扱う内容の全体像を概観し、そのコマで学習すべき重要事項や学習のポイントを明示します。続く60分間では、コマ主題細目に沿って、細目レベルに関する解説を行い、その内容を踏まえた練習問題を解くことで理解度を確認します。その後、各コマ主題細目に要点を整理し、まとめを行います。これを授業回ごとに繰り返すことで、知識を段階的に積み重ね、系統的な理解へと導きます。
授業の終盤10分間には、その回の内容全体を振り返り、学んだことを整理します。最後に小テストを実施し、理解度を客観的に確認したうえで、解答と解説を行います。
授業終了後には、次回までに復習を行うことが求められます。配布オリジナルテキストの解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深めます。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させることができます。基本的には、教員が文章教材の資料を示しながら解説する。それらの回における配布資料は一部空欄などにした資料を用いる。教員の解説を聞きながら、配布資料に書き込みをすることで、学生は当該箇所を確認しながら授業に参加できる。
本科目は、3部構成とし、第一部は教員による飼育施設とその役割について講義、特別講師(社会人講師)を招いて飼育業務の実態について2回の講義を実施する。第二部は行動観察手法の指導と実践、第三部のレポート指導で構成される。第一回から第四回については、主に講義形式にて授業を展開する。第五回から第十三回までは調査手法を学び、ドルフィンファームしまなみにて実習形式で授業を実施する。第十四回および第十五回においては、得られた結果の解析及びそれらについてのレポート作成を実施する。

オフィス・アワー
吉田弥生:【前期】
自然共生社会
基礎ゼミナールⅠ
海の大型動物生態学
全科目:月曜~金曜の5限
【後期】
動物行動観察演習A・B
基礎ゼミナールⅡ
環境共生型社会のデザイン
動物行動学
全科目:月曜~金曜の5限
甲斐貴光:【前期】
農業基礎演習Ⅰ
農業地理学
基礎ゼミナールⅠ
土壌生態学
インターンシップⅠ
全科目:月曜昼~4限
【後期】
農業基礎演習Ⅱ
基礎ゼミナールⅡ
全科目:月曜1・2限
中村圭太:※できるだけ事前にメールしてください。
【前期】
動物の生態
基礎ゼミナールⅠ
全科目:木曜4・5限、金曜昼・5限
【後期】
人と自然
動物の行動学
全科目:火曜3・4限、水曜昼・3・4限

科目コード TE2020
学年・期 1年・後期
科目名 動物行動観察演習B
単位数 2
授業形態 演習
必修・選択 選択
学習時間 【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目
展開科目
関連資格
担当教員名 吉田弥生・甲斐貴光・中村圭太
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 【ガイダンス(概論 講義の進め方)】 科目の中での位置付け 本科目では、動物を対象とした調査の基本として、動物の行動観察を通した個体情報の取得方法を学ぶ。飼育動物で観察方法を学ぶことで、野生動物の基礎的な観察手法を習得する。これらの観察で得た記録の解析方法やまとめ方についても学ぶ。調査方法の基礎を実践するために、県内の水族館施設において動物の行動観察を行う。本科目は2年次「海の大型動物生態学」や3年次「海洋哺乳類の保全」など水域領域科目と関連する基礎科目として位置付けている。第1部となる第1回から第6回は主に座学による教員の講義を行うとともに、第4と第6回はゲストスピーカーによる特別講義を設けている。第2部の第7回から第13回は行動観察手法の習得を目指した講義と演習を行い調査手法の理論的な意味と技術の習得を目指す。特に第11から13回は実際に水族館を訪問し、自ら作成した観察用紙を用いて飼育動物の行動を記録する。第3部は第14回と第15回で構成され、データ分析とまとめとして調査結果の解析手法やレポートの作成を行う。各踊り場回(第5,10,15回)で振り返りの時間を設ける。
第1回の講義では、コマシラバスを用いて、本科目の目的や授業内容を確認する。主に行動観察手法を修得するための演習であること、行動観察をおこなうにあたり飼育施設を利用することになるため、飼育施設における諸問題について取り扱うことを中心にする。また、実地訪問による実習では交通費および入園料が必要となることから、費用負担に問題がないかの履修意思確認をおこなう。

◆コマ主題細目①
・コマ用オリジナル資料
◆コマ主題細目②
・コマ用オリジナル資料
◆コマ主題細目③
・トリストラム・D・ワイアット(著)『基礎からわかる動物行動学』、ニュートン新書、2022年、10-34頁
コマ主題細目 ① 講義のテーマと概要 ② 実習費と演習にあたっての注意点 ③ 動物行動学とは
細目レベル ① この科目は、動物園や水族館などの飼育施設をフィールドとして、動物行動の観察を通じた調査方法の基礎を学ぶ授業である。飼育下での観察を行うことで、野生動物研究にも応用可能な観察手法を習得し、さらに得られたデータを整理・解析して科学的にまとめる力を養う。授業では、飼育施設の役割や動物福祉、飼育職員の仕事に触れるとともに、行動観察法や科学的レポート作成法を実践的に学び、論理的思考力と正しい科学的表現力を培うことを目的とする。到達目標としては、飼育動物に対する社会的責任を理解・説明できること、個体情報の取得や行動評価の手法を身につけ、それを解析・まとめる能力を修得することが挙げられる。授業は講義、特別講師による講演、動物園・水族館での実習、データ解析とレポート作成を組み合わせ、動物行動学や生態学の発展的学習の基礎を形成する。
② この科目は、前半の座学演習と後半の実習とに分かれている。後半の実習では、ドルフィンファームしまなみに訪問し、飼育されているハンドウイルカを対象に行動観察を行うこととする。移動は貸切のバスを利用していく。実習費としてバス代と入園料として830円が必要となるため、履修を継続するかどうか、一度判断をしてほしい。ドルフィンファームしまなみは屋外施設となっており、半飼育(セミキャプティブ)である。そのため実習は12月の初旬に行う予定であるが、海岸での観察となり潮風と気温により寒冷期であることが想定されている。したがって、服装などは各自で準備をしてもらうことになるため、その点についてもよく考えて履修を決めてほしい。
また、本科目は西川先生が担当する動物行動観察演習Aと並列開講するものである。動物行動観察演習Aでは動物園にて動物の観察をすることになっている。一方、動物行動観察演習Bでは吉田が担当し、水族館の代替としてドルフィンファームしまなみを訪問する。自身が陸域志望なのか水域志望なのかによって、どちらを履修するのかよく考えて履修するようにしてほしい。

③ 動物行動学がどのような学問領域であるかを概観し、動物の行動を自然史的かつ科学的に研究する意義について述べる。さらに、行動研究の基本的視点として知られるティンバーゲンの「4つのなぜ」(至近要因、発達要因、機能要因、進化要因)を取り上げ、それぞれが行動を説明する異なる視点であることを概説する。これにより、単一の観察結果であっても多様な解釈が可能であることを示し、行動学が多面的なアプローチを必要とする学問であることを学修する。ただし、詳細な理論的背景や統計的分析手法にまでは踏み込まず、受講者が今後実際に取り組む観察演習の意義や目的を把握できる程度の紹介にとどめる。受講者は、この導入を通じて動物行動研究の基礎的視点を理解し、以降の実習に主体的かつ積極的に取り組む姿勢を養うことを目標とする。


キーワード ① 行動観察(行動評価、データ解析) ② 飼育施設実習 (動物園水族館、動物福祉) ③ 動物行動学(4つのなぜ、行動)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
今回は本科目の第1回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「動物飼育施設」、第2部「行動観察の手法」、第3部「行動観察の実践とまとめ」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。

【次コマの予習】
予習: 次回は動物園や水族館の役割について扱う。動物園水族館に関する国内の組織に日本動物園水族館協会が存在する。この協会のホームページhttps://www.jaza.jp/ にアクセスをし、動物園水族館協会が掲げる飼育施設のあるべき姿について、関連ページに目を通しておくこと。
また、次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

2 【動物園・水族館の役割】 科目の中での位置付け 本科目では、動物を対象とした調査の基本として、動物の行動観察を通した個体情報の取得方法を学ぶ。飼育動物で観察方法を学ぶことで、野生動物の基礎的な観察手法を習得する。これらの観察で得た記録の解析方法やまとめ方についても学ぶ。調査方法の基礎を実践するために、県内の水族館施設において動物の行動観察を行う。本科目は2年次「海の大型動物生態学」や3年次「海洋哺乳類の保全」など水域領域科目と関連する基礎科目として位置付けている。第1部となる第1回から第6回は主に座学による教員の講義を行うとともに、第4と第6回はゲストスピーカーによる特別講義を設けている。第2部の第7回から第13回は行動観察手法の習得を目指した講義と演習を行い調査手法の理論的な意味と技術の習得を目指す。特に第11から13回は実際に水族館を訪問し、自ら作成した観察用紙を用いて飼育動物の行動を記録する。第3部は第14回と第15回で構成され、データ分析とまとめとして調査結果の解析手法やレポートの作成を行う。各踊り場回(第5,10,15回)で振り返りの時間を設ける。
第2回の講義では、動物園・水族館の社会的役割について、現代的視点から多面的に解説する。これらの施設は、単なる娯楽の場ではなく、種の保存、生物多様性保全の啓発、科学教育の実践、地域社会との連携、そして人と動物との関係性を再構築する場として重要な機能をもっている。特に絶滅危惧種の繁殖や環境教育の実施などで果たす役割は拡大しており、持続可能な社会の形成にも寄与している。講義を通して、動物園・水族館の社会的意義を評価する力を養う。

◆コマ主題細目①
・佐渡友陽一『動物園を考える-日本と世界の違いを超えて』、東京大学出版会、2022年、p85-104
◆コマ主題細目②
・佐渡友陽一『動物園を考える-日本と世界の違いを超えて』、東京大学出版会、2022年、p1-20
◆コマ主題細目③
・佐渡友陽一『動物園を考える-日本と世界の違いを超えて』、東京大学出版会、2022年、p107-149
コマ主題細目 ① 動物園および水族館の捉え方 ② 動物園および水族館の意義と役割 ③ 都市と動物園および水族館との関係
細目レベル ① 動物園および水族館を単なる娯楽施設としてではなく、都市社会における教育的・文化的・環境的な拠点として捉える視点を学ぶ。特に、日本とヨーロッパにおける施設の位置づけや役割の違いに注目する。ヨーロッパでは、市民社会と連携した環境教育や野生生物保全への取り組みが強く打ち出され、地域社会に根ざした活動が展開されている。一方、日本では歴史的に家族や観光客のレクリエーションの場としての性格が色濃く、教育や研究の側面は近年になって強調されるようになってきた。この授業では、こうした文化的背景や社会的要請の違いを比較しながら、動物園・水族館のあり方を多角的に理解することを目指す。最終的に、受講者は動物園・水族館を国際的な文脈の中で批判的に捉え、その社会的意義を評価できる力を身につける。
② 動物園および水族館が果たす四つの主要な役割について体系的に学ぶ。第一に「種の保存」として、絶滅危惧種の保護や繁殖の取り組みを通じて次世代へ生物多様性を継承する仕組みを理解する。第二に「教育」として、動物を実際に観察・体験することが環境問題や人間の自然観の形成にどのように寄与するかを考察する。第三に「研究」として、野生動物の捕獲を避けながら飼育下で繁殖や長寿を可能にする生態研究の意義を学ぶ。第四に「レクリエーション」として、都市生活における癒やしや憩いの場としての機能を検討する。これらを通して、動物園・水族館が「種の保存」「教育」「研究」「娯楽」を兼ね備えた複合的施設として、人と自然をつなぐ役割を果たしていることを理解し、その現代的意義を多角的に捉える力を養うことを目標とする。
③ 都市における動物園および水族館の多面的な役割と意義について学ぶ。具体的には、都市に自然環境が乏しい中で動物園・水族館が市民に自然との接点を提供する仕組みを理解する。また、交通や観光の拠点である都市において、多くの来館者を対象に教育・啓発活動が展開され、環境問題や生物多様性に関する理解が社会全体に広がる過程を考察する。さらに、大学や研究機関との連携による動物の生態調査や繁殖研究の実態を学ぶとともに、都市生活におけるレクリエーションや癒しの機能についても検討する。これらを通じて、動物園・水族館が「教育」「研究」「保存」「娯楽」を統合的に担う施設であることを把握し、都市社会におけるその現代的意義を多角的に理解することを目標とする。
キーワード ① 動物園 ② 水族館 ③ 種の保存 ④ レクリエーション ⑤ 都市
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回は本科目の第2回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「動物飼育施設」、第2部「行動観察の手法」、第3部「行動観察の実践とまとめ」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第2回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。
また、次回は動物福祉や動物愛護について紹介し、動物園水族館における取り組みについても紹介する。そこで、アリストテレスやデカルトの「動物観」が、動物への扱いにどのような影響を与えたと考えられるか。また、ピーター・シンガーが提唱した「動物の権利思想」は、どのような現代的実践(例:ビーガン運動など)に結びついているかをノートにまとめる。

3 【動物福祉】 科目の中での位置付け 本科目では、動物を対象とした調査の基本として、動物の行動観察を通した個体情報の取得方法を学ぶ。飼育動物で観察方法を学ぶことで、野生動物の基礎的な観察手法を習得する。これらの観察で得た記録の解析方法やまとめ方についても学ぶ。調査方法の基礎を実践するために、県内の水族館施設において動物の行動観察を行う。本科目は2年次「海の大型動物生態学」や3年次「海洋哺乳類の保全」など水域領域科目と関連する基礎科目として位置付けている。第1部となる第1回から第6回は主に座学による教員の講義を行うとともに、第4と第6回はゲストスピーカーによる特別講義を設けている。第2部の第7回から第13回は行動観察手法の習得を目指した講義と演習を行い調査手法の理論的な意味と技術の習得を目指す。特に第11から13回は実際に水族館を訪問し、自ら作成した観察用紙を用いて飼育動物の行動を記録する。第3部は第14回と第15回で構成され、データ分析とまとめとして調査結果の解析手法やレポートの作成を行う。各踊り場回(第5,10,15回)で振り返りの時間を設ける。
第3回の講義では、動物を飼育する施設の基本は、生命ある動物をどう扱ってゆくのか、動物の生命をどう尊重するのかの視点を問われる。近年、飼育環境の向上と整備を含む「エンリッチメント」に関する議論を避けて通れなくなっている。「動物愛護」とは異なる、「生命の権利」をいかに解釈し飼育施設で生命を取り扱うべきなのか、動物福祉の概念を講義する。

主題細目① 
参考1 動物福祉学 第1章 動物福祉学総論 pp1-16
主題細目② 
参考1 動物福祉学 第1章 動物福祉学総論pp17-21
主題細目③
参考1 動物福祉学 第1章 動物福祉学総論pp22-28
主題細目④,⑤ 
参考2 動物福祉学 第4章 動物園動物の福祉pp225-253
コマ主題細目 ① 動物福祉とは ② 動物への配慮の歴史(世界) ③ 動物への配慮の歴史(日本) ④ 動物福祉の基本原則 ⑤ 動物園水族館の福祉
細目レベル ① 動物福祉とは、動物の身体的・精神的状態を含む「動物の状態」を指し、その生活や死の状況も含めた広い概念である。広辞苑では福祉は「幸福」とされ、英語の“welfare”も「健康で幸福かつ安楽な生活状態」と訳される。中でも世界動物保健機構(WOAH)の定義が最も広く知られ、「動物の生活と死に関連する身体的・心理的状態」と明記されている。この定義に基づけば、動物の立場に立ち、環境・身体・精神を含む連続的な状態を理解し改善することが福祉の向上に繋がる。また、動物福祉は「不快の最小化」「快の最大化」を目指すものであり、必ずしもストレスゼロを意味しない。欲求が満たされたときに得られる多幸感も福祉の一部とされ、画一的な尺度ではなく、連続的な視点で捉える必要があることを理解する。
② 古代ギリシアのアリストテレスは、「動物は、感覚はあるが理性がなく、人間のための資源」と位置づけた。デカルトも動物を「精神を持たぬ機械」とし、動物の苦痛を否定した。このような思想の影響下、西欧では動物虐待が長く続いたが、17〜18世紀に人権思想や平等思想が台頭し、ダーウィンの進化論により人間と動物の連続性が科学的に支持されると、配慮の対象が「苦痛を感じるか否か」へと転換していく。1822年にはイギリスで世界初の動物虐待防止法が成立し、1964年の『アニマルマシーン』が集約畜産を批判し、集約畜産法が社会問題化していく。1965年にイギリスで発表された「ブランベルレポート」では、動物福祉を科学的根拠に基づく身体的・精神的良好な状態と定義し、その後の欧州各国の動物保護法整備に影響を与えた。こうして主観的な倫理観でもあった動物福祉の思想は、欧州で科学的・客観的な概念として確立され、国際的に広がっていった。20世紀に入り、動物への配慮が社会的関心を集め、研究者は動物福祉を、活動家は動物の権利(アニマルライツ)を提唱した。哲学者ピーター・シンガーは、人間と動物を区別するのは差別であり、動物にも命を奪われない権利があると主張した。動物の権利運動は畜産・動物実験・狩猟などの動物利用全般を否定し、現在はビーガンを推奨している。一方、動物福祉は動物の利用を認めた上でその扱いに配慮する立場をとる。
③ 動物福祉は西洋で生まれた概念だが、日本にも「動物愛護」と呼ばれる独自の動物への配慮の思想が存在する。神道では自然や動物に神が宿るとされ、仏教では不殺生を重んじる教えがあり、これが動物愛護の起源とされる。明治以降、西洋の影響を受けた動物愛護団体が誕生し、戦後にはGHQの支援を受けた動物愛護協会や動物福祉協会が設立された。1973年には動物保護法が制定され、現在の「動物の愛護および管理に関する法律」へと発展した。日本の動物愛護は「命あるもの」としての動物に焦点を当て、人間の「かわいがり」や保護の姿勢が特徴である。一方、動物福祉は動物を「意識ある存在」としての状態に注目する。日本の動物愛護は、西洋の動物福祉の考え方を取り込みつつ、今もなお進化し続ける日本独自の思想であることを理解する。
④ 動物福祉の基本理念には「5つの自由」があり、これは動物が健康・快適で、安全に過ごせる状態を示すもので、痛みや恐怖から解放され、重要な行動を発現できることが求められている。これを達成するには、医療や避難所、栄養、環境など複数の観点から配慮が必要とされる。「5つの自由」はイギリスの家畜福祉委員会(FAWC)がブランベルレポートを基に整理したもので、国際的にも広く認知されている。しかし、5つの自由は負の側面にのみ注目したものであるとの指摘もある。近年では、動物の負の側面だけでなく、正の経験にも注目するため、ニュージーランドのメラー博士により「5つの領域」モデルも提案されました。これは栄養・環境・健康・行動という外的要因が、精神的領域に影響を与え、動物福祉の全体像を捉えるという視点であり、より理解しやすい評価手法として認知されている。
⑤ 動物園や水族館は、古くは権力者の誇示のために動物を展示する施設だったが、18世紀以降は研究や教育、保全を目的とする施設へと変化した。現在では動物福祉の重要性が増し、特に1980年代以降、福祉の不備が社会問題化した。EUや英国では厳格な法律が整備され、開設には査察が必要とされている。一方、日本では法整備や専門知識のある管理者の不足が課題となっている。2023年には日本動物園水族館協会(JAZA)が動物福祉監査制度を開始した。福祉上の課題として、栄養、防疫、行動、環境管理、繁殖の5点があり、それぞれに問題がある。解決策として、動物の自然な行動を引き出す「環境エンリッチメント」や、人と動物の関係性を改善するトレーニングの導入がされている。これらの取り組みは福祉の向上に寄与する重要な手段とされており、次回以降の飼育員による講話でも話題となるため、十分に復習をしておいてほしい。
キーワード ① 動物福祉 (5つの自由、WOAH、世界動物保健機構) ② 動物の権利(ピーターシンガー、動物権利運動) ③ 動物愛護(不殺生、動物の愛護及び管理に関する法律) ④ 5つの領域(メラー博士、精神的領域) ⑤ 動物園水族館(環境エンリッチメント、JAZA、日本動物園水族館協会)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
復習:本回では動物福祉と動物愛護の違いを世界の視点と日本の視点から考えた。各思想の違いを理解するために、1)「動物福祉」と「動物の権利」は、どのような点で考え方が異なるか、100文字以内で簡潔に説明する、2)日本における「動物愛護」の思想は、どのような歴史的・宗教的背景をもとに形成されてきたか、150文字以内で簡単に述べる、3)動物園・水族館で導入されている「環境エンリッチメント」の目的と方法について150文字以内で説明する、以上3点についてノートに各自で書き出してください。

【次コマの予習】
次回は、愛媛県立とべ動物園の専門職員による講話を聴講する。講話に臨むにあたり、動物園の役割や動物福祉の視点について自ら考えを深めておくことが重要である。そこで、以下の問いについて、これまでの経験や自分の考えに基づき、各100字程度でまとめなさい。
1.あなたが動物園で最も印象に残っている展示は何か。その理由も含めて説明しなさい。
2.動物の「福祉」を考えたとき、動物園での飼育にはどのような工夫が必要だと思うか。
3.公営動物園と私営動物園では、どのような違いがあると予想されるか。
この課題を通じて、講話内容をより主体的に理解できるよう準備しておくこと。

4 【とべ動物園 動物飼育現場の声を聞こう】 科目の中での位置付け 本科目は、調査フィールドの1つとなる飼育施設及び飼育動物について学ぶとともに、動物を調査する観察・記録方法とデータのまとめ方を学ぶ。具体的には、飼育施設のあり方、飼育職員の実務、動物福祉、観察・記録手法、観察に基づいた科学レポートの基礎について修得する。本科目の学びは、2年次以降に開講される〈動物行動学〉や〈陸の動物学演習〉の基礎となる。また、動物にかんする学修をいかせる就職先のひとつである動物園や水族館の社会的使命を学ぶことは、将来の職業選択にも大きく寄与する。
第4回では、愛媛県立とべ動物園に勤務する専門職員・宮越聡氏をゲストスピーカーとして迎え、動物園が果たす社会的役割や現場における動物の飼育・管理の実態に関する講話を聴く。これにより、受講者は飼育施設や飼育動物に対する理解を深めることができる。特に、動物福祉の理念やそれに基づく飼育環境の整備、動物の行動特性に応じた日々の対応など、実践的な知見について学ぶ機会となる。


(1) コマ用オリジナル資料①
(2) コマ用オリジナル資料②
(3) コマ用オリジナル資料③
(4) コマ用オリジナル資料④
コマ主題細目 ① 動物園の社会的役割 ② とべ動物園における動物福祉への取り組み ③ とべ動物園で実施している研究例 ④ 飼育員や実習生として求められる人物像
細目レベル ① 現代社会における動物園の主要な社会的役割について、多面的な視点から解説する。まず「種の保存」では、絶滅危惧種を対象とした国際的な繁殖計画や、個体群の遺伝的多様性を長期的に維持するための遺伝管理の手法、さらに野生復帰事業との連携事例を紹介する。「環境教育」では、来園者が動物との出会いを通して自然や生物多様性への関心を高め、行動変容につながる教育プログラムや展示手法を取り上げる。「学術研究」では、行動学・獣医学・生態学など幅広い分野での研究事例や、動物園という半自然環境が提供する独自の観察・実験の場としての価値を論じる。「レクリエーション」では、動物園が地域社会や都市文化に果たす役割、観光資源としての魅力、心身のリフレッシュ効果などに触れる。これらを総合的に理解することで、動物園の多様な機能と学術的意義を把握することを目的とする。
② とべ動物園における動物福祉の実践事例を通じて、現代の動物園に求められる福祉的配慮のあり方を解説する。とべ動物園では、動物が本来備えている行動や能力を十分に発揮できるよう、行動の多様性を促すエンリッチメントを積極的に導入している。これには給餌方法の工夫や遊具の設置、季節や天候に応じた展示場の改変などが含まれる。また、個体ごとの健康状態や性格に応じた細やかな健康管理を行い、ストレス軽減を目的とした静養スペースの確保や音・光環境の調整も実施している。特に、人工保育で育てられたホッキョクグマ「ピース」の長期的なケアや、高齢動物のリハビリ・疼痛管理といった事例は、全国的にも注目を集めてきた。これらの具体的な取り組みについて、飼育記録や行動観察データ、サンプル分析の結果をもとに紹介し、動物福祉の理念がどのように日常の飼育業務に組み込まれているかを紹介する。
③ とべ動物園における近年の研究活動を事例として取り上げ、動物園が担う学術的役割を紹介する。とべ動物園では、飼育員や獣医師などが主体となり、園内外の専門家とも連携しながら多様な研究を継続的に行っている。こうした成果は、年に数回開催される研究活動報告会で共有され、飼育現場での課題解決や技術向上に活かされている。研究テーマは幅広く、哺乳類から昆虫まで多岐にわたる。これらの活動は、飼育動物の健康・福祉の向上のみならず、生態系理解や地域の自然環境保全にも寄与している。本講話では、具体的な研究事例とその方法論を紹介し、動物園が教育・研究機関として果たす役割と、その持続的発展に向けた課題を学術的視点から検討する。
④ 動物園の飼育員や実習生として求められる人物像について、多角的に紹介する。飼育現場では、動物の健康と福祉を守るため、日々の観察から微細な変化を見抜く洞察力と、命を預かる責任感、そして常に知識や技術を更新し続ける学習意欲が不可欠である。また、動物園は来園者にとって学びと楽しみの場であり、解説やイベント対応など教育・普及活動にも携わるため、対人コミュニケーション能力や協働性が強く求められる。さらに、飼育環境の衛生管理や安全管理に関する知識、正確な記録や報告書作成のスキルも重要であり、場合によっては研究活動やデータ収集への参加も期待される。授業では、現役飼育員や園関係者へのインタビュー内容を基に、具体的な業務内容や現場で評価される資質・能力を紹介し、将来この職に就くための準備や心構えについて考える。


キーワード ① 動物園 ② 社会的役割 ③ 動物福祉 ④ 人工飼育 ⑤ 飼育員
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回は本科目の第4回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「動物飼育施設」、第2部「行動観察の手法」、第3部「行動観察の実践とまとめ」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第4回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。
1-4回のまとめを行う。そのため、授業で使用した文章教材を4回分読み込んでおくとともに、今回のとべ動物園ゲストスピーカーの話を聞いて、自身で考えたことや感想を300文字程度でまとめておくこと。次回の授業内で発表する時間を予定している。


5 【おどり場コマ1:飼育動物の管理と研究】 科目の中での位置付け 本科目では、動物を対象とした調査の基本として、動物の行動観察を通した個体情報の取得方法を学ぶ。飼育動物で観察方法を学ぶことで、野生動物の基礎的な観察手法を習得する。これらの観察で得た記録の解析方法やまとめ方についても学ぶ。調査方法の基礎を実践するために、県内の水族館施設において動物の行動観察を行う。本科目は2年次「海の大型動物生態学」や3年次「海洋哺乳類の保全」など水域領域科目と関連する基礎科目として位置付けている。第1部となる第1回から第6回は主に座学による教員の講義を行うとともに、第4と第6回はゲストスピーカーによる特別講義を設けている。第2部の第7回から第13回は行動観察手法の習得を目指した講義と演習を行い調査手法の理論的な意味と技術の習得を目指す。特に第11から13回は実際に水族館を訪問し、自ら作成した観察用紙を用いて飼育動物の行動を記録する。第3部は第14回と第15回で構成され、データ分析とまとめとして調査結果の解析手法やレポートの作成を行う。各踊り場回(第5,10,15回)で振り返りの時間を設ける。
第1回から第4回では、動物園・水族館の社会的役割と動物福祉の実際について学んだ。第2回では、これらの施設が種の保存や環境教育などを通じて持続可能な社会に貢献する重要な場であるとされた。第3回では、動物福祉の視点から、飼育環境の改善や動物の生命尊重のあり方が問われた。第4回では、とべ動物園の実践を通して、飼育員に必要な倫理観や教育的役割への理解を深めた。第5回の講義では、これらの内容を振り返り、飼育動物を対象に研究する上でのメリット・デメリットについて検討する。

◆コマ主題細目①
・佐渡友陽一『動物園を考える-日本と世界の違いを超えて』、東京大学出版会、2022年、p1-149
◆コマ主題細目②
・動物福祉学 第1章 動物福祉学総論 pp1-28
◆コマ主題細目③
・オリジナル資料
コマ主題細目 ① 動物園・水族館の役割 ② 動物福祉 ③ ゲストスピーカーによる講話について
細目レベル ① 動物園・水族館は単なる娯楽施設ではなく、教育・文化・環境面で都市社会に重要な役割を果たす拠点として捉える必要がある。ヨーロッパでは市民社会と連携した環境教育や野生生物保全が重視されるのに対し、日本では観光や家族向けレクリエーションとしての側面が歴史的に強いが、近年教育や研究機能も重視されつつある。これら施設の主要な役割は「種の保存」「教育」「研究」「レクリエーション」の四つに整理され、生物多様性保全や環境意識形成、科学的知見の蓄積、都市生活における癒しといった多面的な意義を有する。さらに都市に自然が乏しい中で、市民に自然との接点を提供し、教育や啓発活動を通じて環境理解を広める拠点ともなる。したがって、動物園・水族館は人と自然を結ぶ複合的施設として都市社会に不可欠な存在であり、その国際的意義を批判的かつ多角的に理解することが求められる。
② 動物福祉とは、動物の身体的・精神的状態を含む広い概念であり、不快の最小化と快の最大化を通じて幸福を追求する立場である。古代ギリシアやデカルトは動物を資源や機械とみなし苦痛を否定したが、17~18世紀以降は人権思想や進化論の影響で「苦痛を感じるか否か」が基準となり、19世紀には動物虐待防止法が制定された。1965年のブランベルレポートは福祉を科学的に定義し、その後欧州を中心に法整備が進んだ。20世紀には動物福祉と動物権利の思想が並立し、シンガーらは動物にも権利を認める立場を提唱した。一方、日本では神道や仏教を起源とする「動物愛護」があり、西洋の影響を受けつつ独自の発展を遂げてきた。動物福祉の基本理念には「5つの自由」があり、さらに正の経験に注目する「5つの領域」モデルも提案されている。動物園・水族館では福祉への配慮が国際的に求められ、日本でもJAZAが監査制度を開始し、環境エンリッチメントやトレーニングによる改善が進められている。
③ 動物園は「種の保存」「環境教育」「学術研究」「レクリエーション」という多様な社会的役割を担い、絶滅危惧種の繁殖計画や野生復帰、遺伝的多様性の維持などに取り組むとともに、市民に自然や生物多様性への理解を促す教育活動を展開している。とべ動物園では、給餌法の工夫や遊具設置、環境調整などエンリッチメントを通じて動物の行動多様性を保障し、個体に応じた健康管理やリハビリなど福祉向上の取り組みを実践している。さらに飼育員・獣医師が主導する研究活動を継続し、その成果を報告・共有することで飼育技術や地域の自然保全にも寄与している。飼育員や実習生に求められる人物像としては、動物の微細な変化に気づく洞察力、命を預かる責任感、知識や技術を学び続ける姿勢、教育普及活動に必要な対人スキル、衛生・安全管理能力、記録作成力などがあり、学術活動への参加も期待される。


キーワード ① 動物園・水族館(種の保存, 環境教育) ② 動物福祉(5つの自由,環境エンリッチメント) ③ 動物園の社会的役割(種の保存,環境教育)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回は本科目の第5回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「動物飼育施設」、第2部「行動観察の手法」、第3部「行動観察の実践とまとめ」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第5回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
予習:次回は水族館の取り組みとして、仙台うみの杜水族館の獣医師の講話を拝聴する。より講話内容の理解を進めるため、以下の問いに対して、自分なりの考えを100字程度でまとめる。
1.あなたが水族館で印象に残っている展示は何ですか?その理由も含めて説明してください。
2.動物の「福祉」を考えたとき、水族館での飼育にはどのような工夫が必要だと思いますか?
3.公営と私営の水族館では、どんな点に違いがあると予想できますか?

【次コマの予習】
予習:次回は水族館の取り組みとして、仙台うみの杜水族館の獣医師の講話を拝聴する。より講話内容の理解を進めるため、以下の問いに対して、自分なりの考えを100字程度でまとめる。
1.あなたが水族館で印象に残っている展示は何ですか?その理由も含めて説明してください。
2.動物の「福祉」を考えたとき、水族館での飼育にはどのような工夫が必要だと思いますか?
3.公営と私営の水族館では、どんな点に違いがあると予想できますか?

6 【うみのもり水族館 動物飼育現場の声を聞こう】 科目の中での位置付け 本科目では、動物を対象とした調査の基本として、動物の行動観察を通した個体情報の取得方法を学ぶ。飼育動物で観察方法を学ぶことで、野生動物の基礎的な観察手法を習得する。これらの観察で得た記録の解析方法やまとめ方についても学ぶ。調査方法の基礎を実践するために、県内の水族館施設において動物の行動観察を行う。本科目は2年次「海の大型動物生態学」や3年次「海洋哺乳類の保全」など水域領域科目と関連する基礎科目として位置付けている。第1部となる第1回から第6回は主に座学による教員の講義を行うとともに、第4と第6回はゲストスピーカーによる特別講義を設けている。第2部の第7回から第13回は行動観察手法の習得を目指した講義と演習を行い調査手法の理論的な意味と技術の習得を目指す。特に第11から13回は実際に水族館を訪問し、自ら作成した観察用紙を用いて飼育動物の行動を記録する。第3部は第14回と第15回で構成され、データ分析とまとめとして調査結果の解析手法やレポートの作成を行う。各踊り場回(第5,10,15回)で振り返りの時間を設ける。
第6回はうみの杜水族館で獣医として長年勤めていらっしゃる田中獣医師をゲストスピーカーとして招聘し、オンラインにて現場における飼育管理の実態や飼育環境の整備、環境教育への取り組みなど、飼育動物を取り巻く様々な現状を獣医視点で講義していただく。

主題細目① 
教材1「コマ用オリジナル資料①」
主題細目②
教材2「コマ用オリジナル資料②」
主題細目③ 
教材3「コマ用オリジナル資料③」
主題細目④ 
教材4「コマ用オリジナル資料④」
コマ主題細目 ① うみの杜水族館の歴史とゲストスピーカーの紹介 ② 水族館の社会的役割と環境教育 ③ 動物福祉と飼育環境の工夫 ④ 研究と保全活動の実践例 ⑤ 施設運営の違いと飼育職の多様性
細目レベル ① ① 水族館の歴史とゲストスピーカーの紹介
仙台うみの杜水族館は、かつて日本三景・松島にあったマリンピア松島水族館を前身とし、2011年の震災被害を経て移転・再建された施設である。田中悠介獣医師はマリンピア時代からイルカの飼育と健康管理に尽力し、水族研究にも積極的に取り組んでいる。講義では、まず吉田教員が田中氏と水族館の経緯を紹介し、その後、田中氏による自身の経歴や水族館勤務を選んだ理由、飼育員と獣医師の役割の違いについて理解する。


② 水族館には、レクリエーション以外にも「種の保存」「教育・環境教育」「調査・研究」という重要な社会的役割がある。これは、第2回の動物園水族館の社会的役割について、第4回のとべ動物園の専門職員による講義とも通じている。特にうみの杜水族館では、「教育・環境教育」に力を入れている。絶滅危惧種の飼育や繁殖を通じて生物多様性保全に貢献し、来館者には生き物の生態や環境問題を伝える教育の場にもなる。特に水中生物は野外観察が難しく、水族館はその理解を促す「野生への窓口」として機能する。仙台うみの杜水族館では、SDGs啓発の一環として海洋ゴミの回収やリサイクル土産を通じ、環境保全の大切さを伝える活動も行っており、その工夫や課題についても紹介する。
③ 次に、うみの杜水族館では、動物の心身の健康と幸福を重視する「動物福祉」に基づいた飼育が行われている。特に環境エンリッチメントに力を入れており、水槽内に偽岩やトンネルを配置するなど、生物が本来好む環境を再現する工夫がなされている。これにより生物は自ら快適な場所を選べる。野外の生息環境を模した「オセアナリウム方式」も採用しており、世界基準の動物福祉を意識した飼育が実践されている。講義では写真を用いてその具体例を紹介し、理解を深める。
④ うみの杜水族館は、旧マリンピア松島から続く40年以上の飼育実績を持ち、特に南米原産のイロワケイルカでは国内最長の飼育・繁殖実績がある。現在は5代目の個体が飼育されており、繁殖には健康管理や子育て環境の整備など多くの工夫と努力が求められる。獣医師としての研究成果や現場での経験談も紹介される。また、仙台では希少な海洋生物の保護も行われており、水族館は域外保全のみならず、地域に根差した「域内保全」の拠点としても重要な役割を果たしていることを理解する。


⑤ 水族館は多くが私営であり、公的機関が運営する動物園とは経営や運営の形態が大きく異なる。私営水族館では、飼育や展示に加えて経営面での工夫や課題も多く、独自の対応が求められる。講義では、私営と公営施設の違いや、獣医師と飼育員(例:とべ動物園)の役割や視点の違いについて学び、動物福祉と施設運営の多様性を理解することで、今後の職業選択の参考になる。本回を通して、飼育動物を取り巻く状況を理解することで、飼育動物を観察する際になぜその行動をするのかを考える上で大きな一助とすると共に、飼育動物の自然な行動を観察研究できる環境維持の背景を学んでほしい。
キーワード ① 水族館 ② 環境教育 ③ 動物福祉 ④ 域内保全 ⑤ 私営水族館
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】
復習:仙台うみの杜水族館を事例とした講義内容をふり返り、水族館の機能・動物福祉・職業理解などの観点から、講義で得た知識を整理・定着させるため、次の課題に取り組む。1.飼育員と獣医師の役割の違いについて、80-100文字で自分の言葉で説明する。2.水族館における「教育・環境教育」の具体的な取り組みを1つ挙げ、その意義を100文字程度で述べる。3.この講義を通じて、水族館や動物福祉に対するあなたの考えに変化はありましたか?あればその内容を150文字程度で具体的に書きだす。


【次コマの予習】
予習:次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。


7 【なぜ行動を測るのか、行動へのアプローチ】 科目の中での位置付け 本科目では、動物を対象とした調査の基本として、動物の行動観察を通した個体情報の取得方法を学ぶ。飼育動物で観察方法を学ぶことで、野生動物の基礎的な観察手法を習得する。これらの観察で得た記録の解析方法やまとめ方についても学ぶ。調査方法の基礎を実践するために、県内の水族館施設において動物の行動観察を行う。本科目は2年次「海の大型動物生態学」や3年次「海洋哺乳類の保全」など水域領域科目と関連する基礎科目として位置付けている。第1部となる第1回から第6回は主に座学による教員の講義を行うとともに、第4と第6回はゲストスピーカーによる特別講義を設けている。第2部の第7回から第13回は行動観察手法の習得を目指した講義と演習を行い調査手法の理論的な意味と技術の習得を目指す。特に第11から13回は実際に水族館を訪問し、自ら作成した観察用紙を用いて飼育動物の行動を記録する。第3部は第14回と第15回で構成され、データ分析とまとめとして調査結果の解析手法やレポートの作成を行う。各踊り場回(第5,10,15回)で振り返りの時間を設ける。
第7回の講義では、動物の行動を科学的に理解するための基本枠組みである「ティンバーゲンの4つのなぜ」(機能、至近要因、発達、系統)を中心に、行動への多角的アプローチを解説する。なぜその行動が存在するのか、どのように生じるのかを問い、適応的意義と生理的背景、個体発達、進化的起源を区別する考え方を修得する。行動を測定・記録する目的や手法の選択においても、この理論的枠組みが果たす役割を理解し、観察研究の基盤となる思考法を身につける。

◆コマ主題細目①
・トリストラム・D・ワイアット(著)『基礎からわかる動物行動学』、ニュートン新書、2022年、10-30頁
◆コマ主題細目②
・トリストラム・D・ワイアット(著)『基礎からわかる動物行動学』、ニュートン新書、2022年、10-30頁
◆コマ主題細目③
・井上英治・中川尚史・南正人(著)『野生動物の行動観察法 ―実践 日本の哺乳類学―』、東京大学出版会、2013年、31-34頁
コマ主題細目 ① 動物の行動を科学する ② 行動生態学の枠組み ③ 研究のプロセス
細目レベル ① 動物の行動を生物学的視点から体系的に学ぶ。まず、刺激の受容から反応までの神経系の仕組みを概説し、生得的行動と習得的行動の特徴や違いを理解する。次に、動物行動学の創始者ニコラス・ティンバーゲンの研究を通して、生得的行動の具体例(ハイイロガンの卵転がし運動、ひなの逃避行動など)と「かぎ刺激」「固定的動作パターン」の概念を扱う。また、行動を分析するための枠組みであるティンバーゲンの「4つの問い」(機能・系統発生・メカニズム・個体発生)を学び、行動の進化的・神経的基盤を考察する。さらに、エドワード・ウィルソンの社会生物学やウィリアム・ハミルトンの血縁選択説・包括適応度の理論を取り上げ、動物の社会的行動や利他行動の進化的意義を理解することを目標とする。
② 動物の行動進化を理解するための基本概念である適応度・包括適応度・血縁選択説・共同繁殖について学ぶ。まず、個体が生涯でどれだけ繁殖可能な子孫を残すかを示す「適応度」を取り上げ、生存や繁殖に関わる形質との関係を解説する。次に、個体の利他的行動を説明するために提唱された「包括適応度」の考え方を学び、血縁者を助けることでも遺伝子が伝わるという進化的意義を理解する。さらに、ハミルトンによる「血縁選択説」を通して、社会性昆虫の不妊階級や動物の利他行動が自然選択の枠組みで説明できることを扱う。最後に、鳥類や哺乳類でみられる「共同繁殖」の事例を紹介し、ヘルパー行動が包括適応度の観点からどのように理解されるかを考察する。行動生態学の基礎理論として、遺伝子と行動の進化的関係を体系的に学ぶことを目的とする。
③ 行動研究の基本的な考え方と方法論を体系的に学ぶ。まず、動物の行動観察が生命科学において果たす意義を理解し、行動の記録・分析が認知機能や進化の理解にどのように貢献するかを考察する。次に、研究計画の立案において、対象とする動物・行動・分析水準(個体・群れ・神経など)の明確化、観察条件の設定、倫理的配慮の重要性を学ぶ。さらに、研究の流れとして、予備観察から仮説設定・検証に至る過程を整理し、行動測定の定義づけや解析手法の選択がどのように目的に応じて決定されるかを理解する。加えて、行動調査に用いられる三つの主要手法――記述的方法、分析的・説明的方法、修正・操作的方法――を取り上げ、それぞれの目的、手順、活用例を具体的に扱う。これらを通じて、行動研究を科学的に設計・実践する力を養うことを目的とする。
キーワード ① 動物行動学 ② ティンバーゲンの4つのなぜ ③ 遺伝的基盤 ④ 適応的価値 ⑤ 研究計画法
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回は本科目の第4回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「動物飼育施設」、第2部「行動観察の手法」、第3部「行動観察の実践とまとめ」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第4回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
【次コマの予習】
予習:次回は実際に動物園や水族館で動物の行動を観察する場合の観察方法や記録方法を学ぶ。では、「動物園や水族館で動物の行動を観察する場合」に「野外で野生動物の行動観察する場合」と比べて、どんなメリットとデメリットがあるか?自分の考えをそれぞれ1つずつ書きなさい。
次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

8 【行動観察手法・記録法】 科目の中での位置付け 本科目では、動物を対象とした調査の基本として、動物の行動観察を通した個体情報の取得方法を学ぶ。飼育動物で観察方法を学ぶことで、野生動物の基礎的な観察手法を習得する。これらの観察で得た記録の解析方法やまとめ方についても学ぶ。調査方法の基礎を実践するために、県内の水族館施設において動物の行動観察を行う。本科目は2年次「海の大型動物生態学」や3年次「海洋哺乳類の保全」など水域領域科目と関連する基礎科目として位置付けている。第1部となる第1回から第6回は主に座学による教員の講義を行うとともに、第4と第6回はゲストスピーカーによる特別講義を設けている。第2部の第7回から第13回は行動観察手法の習得を目指した講義と演習を行い調査手法の理論的な意味と技術の習得を目指す。特に第11から13回は実際に水族館を訪問し、自ら作成した観察用紙を用いて飼育動物の行動を記録する。第3部は第14回と第15回で構成され、データ分析とまとめとして調査結果の解析手法やレポートの作成を行う。各踊り場回(第5,10,15回)で振り返りの時間を設ける。
第8回の講義では、自分が明らかにしたいことに関わるデータで、実際にどのようなデータが収集可能なのかを見極める手法を考えていく。テーマを検証するためにデータ収集の項目を増やしすぎても正確にデータを収集できなければ意味がない。収集すべきデータの優先順位を考慮して何をどのように収集するのか、行動の観察手法(アドリブサンプリング、個体追跡サンプリングなど)とデータ記録法(自由、連続、瞬間、ワンゼロ)の違いを理解し、授業内で課される観察テーマに合う観察記録方法を検討する。


◆コマ主題細目①
・井上英治・中川尚史・南正人(著)野生動物の行動観察法、東京大学出版会 第2章 pp19-34
◆コマ主題細目②
・井上英治・中川尚史・南正人(著)野生動物の行動観察法、東京大学出版会 第2章 pp19-34
◆コマ主題細目③
・井上英治・中川尚史・南正人(著)野生動物の行動観察法、東京大学出版会 第2章 pp34-46
◆コマ主題細目④
・井上英治・中川尚史・南正人(著)野生動物の行動観察法、東京大学出版会 第2章 pp34-46
コマ主題細目 ① 観察を始める前(動物の観察・発見の方法) ② 行動の定義と記録方法 ③ 記録収集法(アドリブサンプリング、個体追跡サンプリング) ④ 記録収集法(スキャンサンプリング、全生起サンプリング)
細目レベル ① 野生動物の行動観察では、まず動物を発見する必要がある。発信機の有無や行動圏の広さに応じて発見方法は異なり、調査対象や地形に応じた工夫が求められる。観察には人に慣れた動物を用いることが多く、餌付けや人付けにより慣らすが、行動に影響を与えないよう配慮が必要である。動物園などでは発見の手間が省ける利点がある。観察の際には、群れや個体の識別が重要で、マーキングや外見の特徴を活用する。慣れれば特徴の少ない個体も識別可能であり、性年齢クラスの区別も行動研究に有効である。
② 行動記録は一見簡単そうでいて実際には難しく、まず調査目的に応じて適切な行動指標を選ぶ必要がある。例えば「仲の良さ」を測るには、近接やグルーミングなどの行動が指標となる。行動の距離や記録単位(バウトやセッション)も目的に応じて事前に定義し、再現性のある記録方法を確立しておくことが重要である。観察者間のばらつきを減らすためにも、行動定義を明確にし、予備観察の段階で行動目録を作成しておくとよい。記録媒体にはフィールドノートやデータシート、ビデオカメラ、ボイスレコーダーなどがあり、それぞれの特性に応じた使い分けが求められる。ビデオカメラやボイスレコーダーはデータの紛失を防ぐため、定期的な整理やバックアップも欠かせない。
③ 科学研究では客観性と再現性が重要であり、そのためには体系的かつ一貫した行動データの収集が求められる。記録法には連続記録、ワンゼロ記録、瞬間記録があり、目的に応じて使い分ける。連続記録は行動が発生するたびに記録し、詳細な分析が可能だが、対象を見失うリスクがある。ゼロ記録は時間内に行動があったかを記録する方法で、複数人でも安定したデータが得られる。瞬間記録は一定間隔ごとに行動を記録するもので、活動時間の割合を調べるのに適している。観察法には、アドリブサンプリングや個体追跡サンプリングなどがある。まずは2つ紹介する。アドリブサンプリングは自由な観察で、予備調査や希少行動の記録に有効だが、定量的解析には不向きである。次に、個体追跡サンプリングは特定の個体を追跡して詳細な行動を記録する方法で、正確な頻度や前後関係が把握できる反面、対象の偏りに注意が必要である。調査目的に応じた様々な観察・記録法の選択があることを理解してほしい。
④ スキャンサンプリングは、群れで生活する動物や一時的に集まる動物を対象に、一定間隔で全体を見回し、個体の行動や距離を記録する方法である。多くの個体の同時観察が可能で、行動の同調性の分析に適しているが、観察のしやすい個体や行動に偏るリスクがあるため、性年齢などの偏りにも注意が必要である。記録には瞬間記録法を用い、データシートの活用が一般的である。4つ目の全生起サンプリングは、群れ内すべての個体による特定行動を網羅的に記録する方法で、開けた環境での観察に適しており、行動の頻度や社会的相互作用の把握に効果的である。ただし、多地点で同時に発生する行動の記録には限界がある。頻繁な行動にはワンゼロ記録を併用することも有効であり、記録媒体にはビデオカメラやフィールドノートが用いられる。いずれの方法も、観察精度や追試可能性を高めるため、研究目的に応じた適切な選択が求められることを理解する。これらの観察法と記録法を組み合わせて、飼育施設にて実際に観察を行う。
キーワード ① 行動観察(個体識別、餌付け、人付け) ② 行動記録法(連続記録、ワンゼロ記録、瞬間記録) ③ 観察法(アドリブサンプリング、個体追跡サンプリング、スキャンサンプリング、全生起サンプリング)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します
復習・予習課題 【本コマの復習】
復習:あなたが動物園で「ある哺乳類の社会的行動」を研究する場合、以下の条件で観察・記録を行うと仮定する。1)個体は識別可能 2)群れで暮らしており、活動が活発 3)行動頻度や社会的相互作用を記録したい
この場合、あなたはどの観察法・記録法を選ぶか。その理由も含めて200字以内でノートに書き出す。

【次コマの予習】
予習: 次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

9 【行動観察法】 科目の中での位置付け 本科目では、動物を対象とした調査の基本として、動物の行動観察を通した個体情報の取得方法を学ぶ。飼育動物で観察方法を学ぶことで、野生動物の基礎的な観察手法を習得する。これらの観察で得た記録の解析方法やまとめ方についても学ぶ。調査方法の基礎を実践するために、県内の水族館施設において動物の行動観察を行う。本科目は2年次「海の大型動物生態学」や3年次「海洋哺乳類の保全」など水域領域科目と関連する基礎科目として位置付けている。第1部となる第1回から第6回は主に座学による教員の講義を行うとともに、第4と第6回はゲストスピーカーによる特別講義を設けている。第2部の第7回から第13回は行動観察手法の習得を目指した講義と演習を行い調査手法の理論的な意味と技術の習得を目指す。特に第11から13回は実際に水族館を訪問し、自ら作成した観察用紙を用いて飼育動物の行動を記録する。第3部は第14回と第15回で構成され、データ分析とまとめとして調査結果の解析手法やレポートの作成を行う。各踊り場回(第5,10,15回)で振り返りの時間を設ける。
第9回の講義では、行動観察における記録媒体として、データシート、センサーカメラ、ビデオ記録などの手法を概説し、それぞれの特徴と活用場面を理解する。講義では、ニホンザルの行動を記録した映像を用い、直接観察を疑似体験し、データシートに記録する手法を学ぶ。映像資料を通じて、行動の識別、定義の明確化、記録手法の基本を実践的に学び、行動観察の精度と客観性を検討する。あわせて、記録媒体を選ぶ背景にある研究目的や倫理的配慮についても検討する。

◆コマ主題細目①
・井上英治・中川尚史・南正人(著)『野生動物の行動観察法 ―実践 日本の哺乳類学―』、東京大学出版会、2013年、31-34頁
◆コマ主題細目②
・井上英治・中川尚史・南正人(著)『野生動物の行動観察法 ―実践 日本の哺乳類学―』、東京大学出版会、2013年、31-34頁
◆コマ主題細目③
・井上英治・中川尚史・南正人(著)『野生動物の行動観察法 ―実践 日本の哺乳類学―』、東京大学出版会、2013年、31-34頁
コマ主題細目 ① ①記録媒体 ② 行動観察の練習:ハンドウイルカのエソグラム ③ 行動観察の練習:ハンドウイルカの観察と記録
細目レベル ① 動物の行動観察における基本的な記録媒体の特徴と使用方法について学ぶ。対象とするのはデータシート、フィールドノート、ボイスレコーダー、ビデオカメラの4種類である。まず、行動観察を定量的に整理するためのデータシートの作成方法や記録形式の選択について説明する。次に、観察状況や環境要因を柔軟に記録できるフィールドノートの役割と効果的な記述法を扱う。さらに、リアルタイムでの観察内容を音声として残すボイスレコーダーの利点と注意点を検討し、最後に、行動の詳細を反復的に解析できるビデオカメラの活用法を紹介する。各媒体の長所と限界を比較し、研究目的や現場状況に応じた適切な選択と組み合わせ方を理解することを目指す。受講者は、記録媒体を用いた観察法の基礎を身につけ、実践的研究に応用できる素地を形成する。
② 動物行動学における基本的な観察技法を習得することを目的とする。特に、行動研究の基盤となるエソグラム(行動目録)の概念と作成方法を学び、実践的な演習を通じて理解を深める。まず、エソグラムとは何かを解説し、動物の行動を系統的かつ客観的に記録するために不可欠な手法であることを確認する。次に、観察対象としてハンドウイルカを取り上げ、採食、移動、休息、接触、遊び、攻撃行動などの代表的な行動カテゴリーを整理する。その際、各行動を識別するための具体的な観察指標を明確にし、行動の開始・終了の判定方法や、複数個体を対象とする際の留意点についても学ぶ。受講者は行動観察の基礎的スキルを確実に身につけることを目指す。
③ 動物飼育施設での実習に備えるため、事前練習として映像資料を用いた観察手法とデータ記録の実践を行う。具体的には、イルカを対象とした映像教材を使用し、動物行動学で広く用いられる個体追跡やスキャンサンプリングといった代表的手法を学ぶ。その際、採食・移動・休息・接触・遊び・攻撃といった基本的な行動カテゴリーを整理し、各行動の開始と終了をどの基準で判断するかを明確にしたうえで記録を行う。また、複数個体を対象とする場合の記録方法や、観察の混乱を避けるための注意点についても確認する。これらの演習を通して、受講者は動物行動を客観的かつ定量的に記録する基礎的スキルを習得し、飼育施設での実習や今後のフィールドワークに応用できる実践力を養うことを目標とする。
キーワード ① データシート ② フィールドノート ③ エソグラム ④ 個体追跡 ⑤ スキャンサンプリング
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回は本科目の第9回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「動物飼育施設」、第2部「行動観察の手法」、第3部「行動観察の実践とまとめ」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第9回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。

◆次回授業の予習
次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。

10 【飼育動物の行動観察】 科目の中での位置付け 本科目では、動物を対象とした調査の基本として、動物の行動観察を通した個体情報の取得方法を学ぶ。飼育動物で観察方法を学ぶことで、野生動物の基礎的な観察手法を習得する。これらの観察で得た記録の解析方法やまとめ方についても学ぶ。調査方法の基礎を実践するために、県内の水族館施設において動物の行動観察を行う。本科目は2年次「海の大型動物生態学」や3年次「海洋哺乳類の保全」など水域領域科目と関連する基礎科目として位置付けている。第1部となる第1回から第6回は主に座学による教員の講義を行うとともに、第4と第6回はゲストスピーカーによる特別講義を設けている。第2部の第7回から第13回は行動観察手法の習得を目指した講義と演習を行い調査手法の理論的な意味と技術の習得を目指す。特に第11から13回は実際に水族館を訪問し、自ら作成した観察用紙を用いて飼育動物の行動を記録する。第3部は第14回と第15回で構成され、データ分析とまとめとして調査結果の解析手法やレポートの作成を行う。各踊り場回(第5,10,15回)で振り返りの時間を設ける。
第10回の講義では、第7-9回について復習した後、学生が自ら記録用紙(データシート)の作成をおこない、第9回で使用した動画を用いて室内で予備観察をおこなう。また、第11~13回でおこなう現地実習時の持ち物や服装等の確認もおこなう。

主題細目① 
井上英治・中川尚史・南正人(著)『野生動物の行動観察法 ―実践 日本の哺乳類学―』、東京大学出版会、2013年、31-34頁
主題細目②
井上英治・中川尚史・南正人(著)『野生動物の行動観察法 ―実践 日本の哺乳類学―』、東京大学出版会、2013年、31-34頁
主題細目③ 
井上英治・中川尚史・南正人(著)『野生動物の行動観察法 ―実践 日本の哺乳類学―』、東京大学出版会、2013年、31-34頁
コマ主題細目 ① 動物の行動を科学する ② 行動観察法・行動記録法 ③ 実習前の準備
細目レベル ① ティンバーゲンの「4つのなぜ」は動物行動学の基本枠組みであり、行動を多角的に理解するために重要である。「至近要因」は神経系やホルモンなど行動の直接的仕組みを説明し、「発達要因」は学習や経験を通じた成長過程での行動形成を扱う。「機能要因」はその行動が生存や繁殖にどのように寄与するかという適応的価値を明らかにし、「進化要因」は祖先種との比較を通じて行動の起源や系統的連続性を探る。この四視点を統合することで、動物行動をより深く理解できる。さらに、研究のプロセスとしては、テーマ設定から計画立案、仮説設定、対象種や調査方法の選定、データ収集・整理・分析、成果発表までの流れを把握することが重要である。本講義では特に研究計画の立て方に重点を置き、行動研究の基礎的思考法と方法論を習得することを目指す。
② 動物行動観察では、まず対象を発見し識別することが重要で、餌付けや人付け、マーキングや特徴把握が有効である。記録に際しては、観察目的に応じて行動を定義し、距離や記録単位を事前に設定することで再現性を確保する。記録法には連続記録・ワンゼロ記録・瞬間記録があり、目的に応じて使い分ける。観察法としては、自由観察のアドリブサンプリング、特定個体を追跡する個体追跡サンプリング、多個体を一定間隔で記録するスキャンサンプリング、特定行動を網羅的に記録する全生起サンプリングがある。さらに、行動観察に用いる記録媒体にはデータシート、フィールドノート、ボイスレコーダー、ビデオカメラがあり、それぞれの特性を理解し使い分ける必要がある。エソグラム(行動目録)は系統的・客観的記録の基盤であり、代表的な行動カテゴリーを整理して観察指標を明確にする。演習ではニホンザルを対象に記録法を実践し、客観的・定量的な観察スキルを養うことを目指す。
③ 次回の実習に向けてまず服装の注意点を示す。観察は野外環境(砂浜)で行うため、防寒防風の素材のものが望ましい。また寒さに応じた防寒具を各自で準備する必要がある。持ち物は筆記用具、バインダー、時計、帽子を最低限とする。これらの持ち物をカバンに入れるが、場所の頻繁な移動や観察のしやすさ、防犯を考え両手のあくリュックを推奨する。水際で観察する場面も出るため、海にものを落とさないような工夫も必要である。飼育施設では公共の施設であることを念頭に、一般客に邪魔にならないよう周囲に気を配るマナーも必要とする。大声で話さない、通路で固まらないなどの大学生として必要な振る舞いを心がけること。そのほかに、講義内では集合時間や場所の確認も行う。これらを行ったのちに現地で使用するデータシートを各自で作成し、当日に印刷をして持参することとする。
キーワード ① ティンバーゲンの4つのなぜ(至近要因,適応的価値), ② 行動観察(エソグラム,スキャンサンプリング)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回は本科目の第10回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「動物飼育施設」、第2部「行動観察の手法」、第3部「行動観察の実践とまとめ」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第10回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。


11 【飼育動物の行動観察(1)12/6 実施】 科目の中での位置付け 本科目では、動物を対象とした調査の基本として、動物の行動観察を通した個体情報の取得方法を学ぶ。飼育動物で観察方法を学ぶことで、野生動物の基礎的な観察手法を習得する。これらの観察で得た記録の解析方法やまとめ方についても学ぶ。調査方法の基礎を実践するために、県内の水族館施設において動物の行動観察を行う。本科目は2年次「海の大型動物生態学」や3年次「海洋哺乳類の保全」など水域領域科目と関連する基礎科目として位置付けている。第1部となる第1回から第6回は主に座学による教員の講義を行うとともに、第4と第6回はゲストスピーカーによる特別講義を設けている。第2部の第7回から第13回は行動観察手法の習得を目指した講義と演習を行い調査手法の理論的な意味と技術の習得を目指す。特に第11から13回は実際に水族館を訪問し、自ら作成した観察用紙を用いて飼育動物の行動を記録する。第3部は第14回と第15回で構成され、データ分析とまとめとして調査結果の解析手法やレポートの作成を行う。各踊り場回(第5,10,15回)で振り返りの時間を設ける。
第11回の講義では、ドルフィンファームしまなみを訪問し、第10回で作成したデータシートを用いて行動観察を行う。観察にあたっては、複数いる個体からどの個体を対象とするのか、対象個体の個体識別、観察場所の確保、観察道具の準備を迅速に準備する必要がある。観察のための時間を逆算し、行動観察を開始し、終了させる。行動観察中は一般の観覧客にも気を配り、安全にデータを収集する。

主題細目① 
参考1 野生動物の行動観察法 東京大学出版会 第一部方法編 pp.1-46
主題細目② 
参考1 野生動物の行動観察法 東京大学出版会 第一部方法編 pp.1-46
主題細目③
参考1 野生動物の行動観察法 東京大学出版会 第一部方法編 pp.1-46
主題細目④ 
参考1 野生動物の行動観察法 東京大学出版会 第一部方法編 pp.1-46
主題細目⑤ 
参考1 野生動物の行動観察法 東京大学出版会 第一部方法編 pp.1-46
コマ主題細目 ① 観察時の注意点 ② 個体識別(背びれによる個体識別) ③ 対象個体 ハンドウイルカについて
細目レベル ① この回では「ドルフィンファームしまなみ」を訪問し、準備をしてきた行動観察を実際に行う。ドルフィンファームしまなみは、野外の生け簀でハンドウイルカを飼育している。観察に際しては、動物の自然な行動を妨げないことが最も重要であり、対象を追って近づきすぎるのではなく、全体を見渡せる位置から観察する必要がある。また、一般客の迷惑にならないよう、立ち止まって長話をしたり、しゃがみ込んだりする行為は避けるべきである。観察中は他者と話をせず、自分の観察に集中することが求められる。データは専用のデータシートに記録し、誤りが疑われても消さずにメモとして残すことが大切である。加えて、施設環境や天候など外的要因も記録し、観察後には感想を具体的に記すことが推奨される。データシートは後に解析に用いられるため、そのときの考えや感じた理由を備考欄に丁寧に残しておくことが重要である。
② 動物の行動観察において、観察対象となる個体を識別することは基本である。ドルフィンファームしまなみでは5頭のハンドウイルカが飼育されており、観察前に各個体を識別し、自分が担当する個体を確認する。イルカの個体識別に最も有効な特徴は背びれである。ハンドウイルカの背びれは鎌状で、形や大きさ、欠け方や傷の位置が個体ごとに異なる。一般的に野外で鯨類を観察する際には、水面からの情報のみが利用できる。つまり背びれのみを頼りに観察することも多い。個体識別は性別や年齢、繁殖状態などの情報と結びつけて研究に活用できる重要な基盤である。また、観察時には背びれの形状、色、曲線、付け根の太さなどを手がかりに判別し、スケッチや特徴の記録を行う。配布される観察シートには背びれをスケッチし、欠けや傷の位置を記入することで識別精度を高める。個体識別は行動観察の予備観察も兼ねるため、約1時間かけて実施する予定である。
③ ハンドウイルカは沿岸性で、世界中で飼育展示されており、テレビや広告などに頻繁に登場するので、おそらく小型鯨類の中でも最も馴染みのある種類であろう。本種は大型で、かなりがっしりとした体型であり、吻は短めでずんぐりしているが、メロンとの境界には段があってはっきり仕切られている。背鰭は高く、鎌状で、背のほぼ中央に位置する。他のイルカに比べると生態はよくわかっている。群れのサイズは通常20頭以下だが、沖合では数百頭の群れが発見されることも多い。他のイルカと混泳することが多く、多種との混血が野生のイルカでも飼育科でも知られている。沿岸の個体群の調査によると、ハンドウイルカはかなり開放的な社会構造で生活している。海域によってはかなり限られたホームレンジに生息している場合もあるし、広範囲を回遊する場合もある。
キーワード ① 行動観察(自然な行動、記録) ② 個体識別(背びれの特徴、個体情報) ③ ハンドウイルカ(飼育、生態)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します
復習・予習課題 【本コマの復習】
復習:本回は実習地で実際に観察した。観察データが取得できていることが最も大切であるが、動物の行動観察を行う上での必要な力や行動の背景を理解していることが最も必要とされる学修内容である。したがって、次の点についてノートにまとめること。1)行動観察を行う際に最も注意すべきことは何か。2)イルカの個体識別において、背びれが有効な理由を説明せよ。それぞれについて、実習を通して学んだ内容を次回14回までに200文字程度でまとめてください。
【次コマの予習】
予習:次回は、今回得られたデータをもとにデータのエクセルへの入力と解析を行なっていく。データシートを用いて行う。エクセルの使用が必須となるため、個々のノートパソコンで簡単にエクセルが使えるよう準備しておくこと。また、基本統計量として平均値やサンプル数、標準偏差の計算をするためどのような式を入力するのか予習しておいてほしい。

12 【飼育動物の行動観察(2)12/6 実施】 科目の中での位置付け 本科目では、動物を対象とした調査の基本として、動物の行動観察を通した個体情報の取得方法を学ぶ。飼育動物で観察方法を学ぶことで、野生動物の基礎的な観察手法を習得する。これらの観察で得た記録の解析方法やまとめ方についても学ぶ。調査方法の基礎を実践するために、県内の水族館施設において動物の行動観察を行う。本科目は2年次「海の大型動物生態学」や3年次「海洋哺乳類の保全」など水域領域科目と関連する基礎科目として位置付けている。第1部となる第1回から第6回は主に座学による教員の講義を行うとともに、第4と第6回はゲストスピーカーによる特別講義を設けている。第2部の第7回から第13回は行動観察手法の習得を目指した講義と演習を行い調査手法の理論的な意味と技術の習得を目指す。特に第11から13回は実際に水族館を訪問し、自ら作成した観察用紙を用いて飼育動物の行動を記録する。第3部は第14回と第15回で構成され、データ分析とまとめとして調査結果の解析手法やレポートの作成を行う。各踊り場回(第5,10,15回)で振り返りの時間を設ける。
第11回の講義では、ドルフィンファームしまなみを訪問し、第10回で作成したデータシートを用いて行動観察を行う。観察にあたっては、複数いる個体からどの個体を対象とするのか、対象個体の個体識別、観察場所の確保、観察道具の準備を迅速に準備する必要がある。観察のための時間を逆算し、行動観察を開始し、終了させる。行動観察中は一般の観覧客にも気を配り、安全にデータを収集する。

主題細目① 
参考1 野生動物の行動観察法 東京大学出版会 第一部方法編 pp.1-46
主題細目② 
参考1 野生動物の行動観察法 東京大学出版会 第一部方法編 pp.1-46
主題細目③
参考1 野生動物の行動観察法 東京大学出版会 第一部方法編 pp.1-46
主題細目④ 
参考1 野生動物の行動観察法 東京大学出版会 第一部方法編 pp.1-46
主題細目⑤ 
参考1 野生動物の行動観察法 東京大学出版会 第一部方法編 pp.1-46
コマ主題細目 ① 双眼鏡による観察 ② ハンドウイルカという種 ③ 呼吸回数の観察
細目レベル ① 4頭のイルカを対象に、それぞれの呼吸回数を記録し、個体ごとの差や全体の平均を算出することが目的である。観察は砂浜の段差に腰掛け、準備された双眼鏡を用いて実施する。観察に必要な時計や筆記用具はすぐに使用できるよう手元に置いておくことが望ましい。ただし風が強い際には、観察用紙が飛ばされないように注意をする。双眼鏡は接眼レンズと対物レンズから構成されており、まずは自分の目幅に合わせ、両眼の視野が一つに重なるよう調整する。次に視度調整リングのついていない接眼レンズ側で遠くの水平線を見ながらピントリングを回して焦点を合わせ、その後、視度調整リングを使って反対側の微調整を行う。太陽を直接覗くことは目を傷める危険があるため厳禁である。ピントの調整ができたら、イルカのいけすに焦点を合わせ、水面での呼吸の瞬間を見逃さないよう注意深く観察する。
② ハンドウイルカと他種との識別は、地域によって幾つかの種類と混同されることがある。大西洋の熱帯域ではタイセイヨウマダライルカ、南アメリカの沿岸ではコビトイルカ属のイルカ、インド-太平洋海域と西アフリカ沖ではウスイロイルカ類と混同されることがよくある。遠くから見るとハナゴンドウやシワハイルカと間違えることもある。このような混乱はイルカがよく見えない時に起こり、多くの場合ハンドウイルカは識別がしやすい種である。ハンドウイルカは飼育されている種類のうちでもっともポピュラーなものの1種である。適応能力があり、トレーニングしやすい。一般的なイルカに関する生態の知識は野生あるいは飼育下のハンドウイルカの研究によるところが大きい。時に非常に活動的でしばしば尾鰭で海面を叩いたり、跳躍あるいはその他の空中でのパフォーマンスをよく見せる。
③ 上記の特徴を掴んだ上で、ハンドウイルカの呼吸回数観察を行う。目的は、個体識別したイルカの呼吸時刻を記録し、呼吸間隔の時間を測定することである。対象は4頭で、まず2個体を15分ずつ個別に観察し、その後残りの2頭を同時に30分間観察する。観察中は専用の呼吸観察用データシートを用い、呼吸のたびに「分」と「秒」を正確に記録することが重要である。また、特別な行動が見られた際には、必ずその時刻と内容をメモ欄に記入する。呼吸回数は活動状態に応じて変化し、活発に泳いだりトレーニングを行うと酸素消費量が増加し、呼吸回数も増える。一方で、ゆったりと泳ぐ場合は休息、目を閉じて周回遊泳する場合は睡眠と判断できる。運動量が低下すると酸素消費量が抑えられるため、呼吸回数は減少すると考えられる。このように、行動の背景と呼吸回数の変化を関連づけて観察することが重要である。
キーワード ① 呼吸回数(活動状態、時刻と間隔) ② 個体識別(背びれの特徴、個体情報)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します
復習・予習課題 【本コマの復習】
復習:本回は実習地で実際に観察した。観察データが取得できていることが最も大切であるが、動物の行動観察を行う上での必要な力や行動の背景を理解していることが最も必要とされる学修内容である。したがって、次の点についてノートにまとめること。1)行動観察を行う際に最も注意すべきことは何か。2)イルカの個体識別において、背びれが有効な理由を説明せよ。それぞれについて、実習を通して学んだ内容を次回14回までに200文字程度でまとめてください。
【次コマの予習】
予習:次回は、今回得られたデータをもとにデータのエクセルへの入力と解析を行なっていく。データシートを用いて行う。エクセルの使用が必須となるため、個々のノートパソコンで簡単にエクセルが使えるよう準備しておくこと。また、基本統計量として平均値やサンプル数、標準偏差の計算をするためどのような式を入力するのか予習しておいてほしい。

13 【飼育動物の行動観察(3)12/6 実施】 科目の中での位置付け 本科目では、動物を対象とした調査の基本として、動物の行動観察を通した個体情報の取得方法を学ぶ。飼育動物で観察方法を学ぶことで、野生動物の基礎的な観察手法を習得する。これらの観察で得た記録の解析方法やまとめ方についても学ぶ。調査方法の基礎を実践するために、県内の水族館施設において動物の行動観察を行う。本科目は2年次「海の大型動物生態学」や3年次「海洋哺乳類の保全」など水域領域科目と関連する基礎科目として位置付けている。第1部となる第1回から第6回は主に座学による教員の講義を行うとともに、第4と第6回はゲストスピーカーによる特別講義を設けている。第2部の第7回から第13回は行動観察手法の習得を目指した講義と演習を行い調査手法の理論的な意味と技術の習得を目指す。特に第11から13回は実際に水族館を訪問し、自ら作成した観察用紙を用いて飼育動物の行動を記録する。第3部は第14回と第15回で構成され、データ分析とまとめとして調査結果の解析手法やレポートの作成を行う。各踊り場回(第5,10,15回)で振り返りの時間を設ける。
第11回の講義では、ドルフィンファームしまなみを訪問し、第10回で作成したデータシートを用いて行動観察を行う。観察にあたっては、複数いる個体からどの個体を対象とするのか、対象個体の個体識別、観察場所の確保、観察道具の準備を迅速に準備する必要がある。観察のための時間を逆算し、行動観察を開始し、終了させる。行動観察中は一般の観覧客にも気を配り、安全にデータを収集する。

主題細目① 
参考1 井上英治・中川尚史・南正人(著)野生動物の行動観察法 東京大学出版会 第一部方法編 pp.1-46
主題細目② 
参考1 井上英治・中川尚史・南正人(著)野生動物の行動観察法 東京大学出版会 第一部方法編 pp.1-46
主題細目③
参考1 井上英治・中川尚史・南正人(著)野生動物の行動観察法 東京大学出版会 第一部方法編 pp.1-46
主題細目④ 
参考1 井上英治・中川尚史・南正人(著)野生動物の行動観察法 東京大学出版会 第一部方法編 pp.1-46
主題細目⑤ 
参考1 井上英治・中川尚史・南正人(著)野生動物の行動観察法 東京大学出版会 第一部方法編 pp.1-46
コマ主題細目 ① 個人テーマによる観察 ② テーマの再設定 ③ 観察法の再設定
細目レベル ① これまでの第7回から第9回の授業で、それぞれオリジナルのテーマ設定を行ってきた。最後に、ドルフィンファームしまなみのハンドウイルカを対象に、自ら立てた仮説やテーマに沿った観察を実施する。行動研究の手順は、1)テーマと仮説の設定、2)予備観察、3)対象種・調査地・調査時期の決定、4)データ収集法の選択、5)先行研究の参照、そして6)データ収集へと進む。個体識別や予備観察、呼吸の観察を通して、基礎的な準備を終えているが、準備したテーマによっては方法を変更する必要が生じる場合もある。野外の動物観察では、その場の状況に応じた柔軟な対応が求められるため、自らのテーマに沿ったデータをどう収集するかを、現場で考えることも時には必要である。観察は90分間を使って行うが、事後の分析やレポート作成を見据え、整理しやすい形で記録することが求められる。作成してきたデータシートが使えない場合は、その場で白紙に自作する工夫も必要である。この実習を通じて、動物行動観察の手順、準備、実践を身につけ、有意義なデータ収集の力を修得してほしい。
② テーマを現場で再設定する際には次のことに留意する。テーマ設定には、第7回で学んだ行動学の基本を思い出してほしい。ティンバーゲンの「4つのなぜ」は動物行動を多面的に理解する枠組みであった。「至近要因」は神経・ホルモンや刺激など行動を引き起こす直接的仕組みを、「発達要因」は成長や学習など経験を通じた行動形成を扱う。「機能要因」は行動の適応的価値を、「進化要因」は行動の起源と系統的背景を探る視点である。これらを統合的に学ぶことで、行動の仕組み・発達・機能・進化を体系的に説明できる。テーマ設定において、視点をどこに置くのかを明確にし、観察を行うことが大切である。自らたてたテーマの視点を再確認しよう。
③ また、観察法を再設定する場合には、次のことに留意する。動物行動観察の記録に関しては第8回で学んだことを思い出してほしい。観察目的に応じて行動を定義し、距離や記録単位を事前に設定することで再現性を確保する必要ある。記録法には連続記録・ワンゼロ記録・瞬間記録があり、目的に応じて使い分ける。観察法としては、自由観察のアドリブサンプリング、特定個体を追跡する個体追跡サンプリング、多個体を一定間隔で記録するスキャンサンプリング、特定行動を網羅的に記録する全生起サンプリングがある。さらに、行動観察に用いる記録媒体にはデータシート、フィールドノート、ボイスレコーダー、ビデオカメラがあり、それぞれの特性を理解し使い分ける必要がある。エソグラム(行動目録)は系統的・客観的記録の基盤であり、代表的な行動カテゴリーを整理して観察指標を明確にする。これらを基本に、テーマに沿ったデータ採取を心がけよう。
キーワード ① 自由観察(テーマ設定、再設定) ② 行動観察(エソグラム、スキャンサンプリング) ③ 4つのなぜ(至近要因、究極要因)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します
復習・予習課題 【本コマの復習】
復習:本回は実習地で実際に観察した。観察データが取得できていることが最も大切であるが、動物の行動観察を行う上での必要な力や行動の背景を理解していることが最も必要とされる学修内容である。したがって、次の点についてノートにまとめること。3)呼吸回数が増加するのはどのような状態の時か。実習を通して学んだ内容を次回14回までに200文字程度でまとめてください。
【次コマの予習】
予習:次回は、今回得られたデータをもとにデータのエクセルへの入力と解析を行なっていく。データシートを用いて行う。エクセルの使用が必須となるため、個々のノートパソコンで簡単にエクセルが使えるよう準備しておくこと。また、基本統計量として平均値やサンプル数、標準偏差の計算をするためどのような式を入力するのか予習しておいてほしい。

14 【行動データの解析と分析】 科目の中での位置付け 本科目では、動物を対象とした調査の基本として、動物の行動観察を通した個体情報の取得方法を学ぶ。飼育動物で観察方法を学ぶことで、野生動物の基礎的な観察手法を習得する。これらの観察で得た記録の解析方法やまとめ方についても学ぶ。調査方法の基礎を実践するために、県内の水族館施設において動物の行動観察を行う。本科目は2年次「海の大型動物生態学」や3年次「海洋哺乳類の保全」など水域領域科目と関連する基礎科目として位置付けている。第1部となる第1回から第6回は主に座学による教員の講義を行うとともに、第4と第6回はゲストスピーカーによる特別講義を設けている。第2部の第7回から第13回は行動観察手法の習得を目指した講義と演習を行い調査手法の理論的な意味と技術の習得を目指す。特に第11から13回は実際に水族館を訪問し、自ら作成した観察用紙を用いて飼育動物の行動を記録する。第3部は第14回と第15回で構成され、データ分析とまとめとして調査結果の解析手法やレポートの作成を行う。各踊り場回(第5,10,15回)で振り返りの時間を設ける。
第14回の講義では、動物園で実際に収集した行動データを表計算ソフト(エクセル)に入力し、基礎的な集計作業を実践する。データの整理、カテゴリの統一などの基本操作を通じて、行動記録を定量的に分析するための基礎的技能を身につける。また、データの信頼性や再現性を確保するための注意点についても理解を深め、観察研究におけるデータ処理の重要性を解説する。

◆コマ主題細目①
・井上英治・中川尚史・南正人(著)『野生動物の行動観察法 ―実践 日本の哺乳類学―』、東京大学出版会、2013年、47-50頁
◆コマ主題細目②
・井上英治・中川尚史・南正人(著)『野生動物の行動観察法 ―実践 日本の哺乳類学―』、東京大学出版会、2013年、50-56頁
◆コマ主題細目③
・井上英治・中川尚史・南正人(著)『野生動物の行動観察法 ―実践 日本の哺乳類学―』、東京大学出版会、2013年、47-56頁
コマ主題細目 ① データ整理と入力 ② 基礎的な記述統計 ③ 行動データの可視化
細目レベル ① ドルフィンファームしまなみで収集した動物行動の観察記録を分析に適した形に整える過程を実習的に学ぶ。まず、データシートやフィールドノートを見直し、行動カテゴリーや観察単位が一貫しているかを確認する。現場で生じやすい欠測値や記録の不一致に対しては、補完や除外といった対応方法を検討する。整理後には表計算ソフトを用い、数値データとして入力を行い、行や列の構造を整備することで、後の分析に活用しやすい形へと変換する。ここでは単なる入力作業にとどまらず、変数名の付け方やコード化の工夫、データ構造の基本設計といった研究データ管理に不可欠な視点も扱う。受講者は、データの整理と入力を通じて、分析の出発点となる基盤的スキルを修得することを目標とする。
② 整理・入力した行動データを用い、まず頻度や割合を算出することで観察結果の全体的傾向を把握する。次に、度数分布を用いて行動の出現パターンを確認し、平均値や中央値といった代表値、分散や標準偏差といった散布度の計算を行う。これにより、行動データを数値として定量的に記述する基本的手法を学ぶ。授業では、複雑な統計モデルや推論的分析は扱わず、入門的な水準に限定して実習を行う。分析には表計算ソフトを活用し、簡便な操作を通じて記述統計の意味を理解できるようにする。受講者は、動物行動データを定量化し、研究的に整理するための基礎を習得し、記述統計の役割や限界を理解することを目標とする。


③ 記述統計によって得られた数値をもとに、データを直感的に理解できる形で表現する方法を学ぶ。授業では、棒グラフや円グラフを用いた行動割合の提示、折れ線グラフによる時間変化の描写など、基礎的な図表作成を中心に扱う。さらに、図表の種類を適切に選択することで、研究対象の行動特性をより明確に伝えられることを理解する。また、グラフのデザインやラベル付けの工夫が、結果のわかりやすさや誤解の回避につながることも解説する。高度な統計グラフや多変量的可視化は扱わず、入門的水準に限定する。受講者は、数値データを視覚的に提示する基礎的技術を習得し、動物行動研究の成果を整理・共有するための基盤を身につけることを目標とする。
キーワード ① データ ② 表計算ソフト ③ 変数 ④ 記述統計 ⑤ グラフ
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復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回は本科目の第14回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「動物飼育施設」、第2部「行動観察の手法」、第3部「行動観察の実践とまとめ」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第14回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の授業範囲に対応する文字教材を事前に読み、基本的な用語や概念を確認しておくこと。特に不明な点や疑問点があれば、授業中に質問できるよう整理しておくと効果的である。これにより授業内容の理解が深まり、能動的な学びにつながる。また、シラバスの「履修判定指標」を読み、授業における要点を自ら確認しておくこと。
次回最終回は、レポートの作成について扱います。予習として、「引用文献リストを正しく書くには、どのような情報が必要か?(書籍・論文・ウェブサイトの違いに注目)」「エクセルでグラフを作るときに注意すべき点は何か?(例:軸ラベル、単位、タイトルなど)」について、chatGPTを用いて調べてまとめてください。

15 【おどり場コマ3 :レポートの作成】 科目の中での位置付け 本科目では、動物を対象とした調査の基本として、動物の行動観察を通した個体情報の取得方法を学ぶ。飼育動物で観察方法を学ぶことで、野生動物の基礎的な観察手法を習得する。これらの観察で得た記録の解析方法やまとめ方についても学ぶ。調査方法の基礎を実践するために、県内の水族館施設において動物の行動観察を行う。本科目は2年次「海の大型動物生態学」や3年次「海洋哺乳類の保全」など水域領域科目と関連する基礎科目として位置付けている。第1部となる第1回から第6回は主に座学による教員の講義を行うとともに、第4と第6回はゲストスピーカーによる特別講義を設けている。第2部の第7回から第13回は行動観察手法の習得を目指した講義と演習を行い調査手法の理論的な意味と技術の習得を目指す。特に第11から13回は実際に水族館を訪問し、自ら作成した観察用紙を用いて飼育動物の行動を記録する。第3部は第14回と第15回で構成され、データ分析とまとめとして調査結果の解析手法やレポートの作成を行う。各踊り場回(第5,10,15回)で振り返りの時間を設ける。
第15回の講義では、第14回の授業で入力したデータを用いて、エクセルで分析を行う。グラフを作成するための基本統計(平均、標準偏差、中央値など)を算出する。算出した数値を使用し、適切なグラフを選択し、観察したデータを示す。グラフ作成時にはタイトル、軸、凡例などを記載することを指導する。最後にデータの見方(分析)について、例を使用し解説する。

主題細目① 
参考1 大学生 学びのハンドブック 4章 pp20-25
主題細目② 
参考1 大学生 学びのハンドブック 4章 pp20-25
主題細目③
参考2 大学生 学びのハンドブック 5章 pp26-33
主題細目④ 
参考2 大学生 学びのハンドブック 5章 pp26-33

コマ主題細目 ① 大学生のレポート ② 引用と文献の扱いに関するルールとマナー ③ 正確な文章表現
細目レベル ① 大学におけるレポートには主に「報告型レポート」と「論文」の2種類がある。報告型レポートは、与えられたテーマについて調査し、その内容を自分の言葉でまとめ、客観的データや根拠に基づいて報告する。一方、論文は独自の視点から主張を展開し、その根拠を論理的に述べる必要がある。構成要素は共通しており、表紙、序論、本論、結論、引用文献の5つからなる。タイトルは論点を明確に示し、他者の意見を取り入れる場合は「引用」のルールに従う必要がある。コピー&ペーストは「剽窃」となり、大学では不正行為として厳しく処分される。また、レポートでは個人的な感想ではなく、主張とその根拠を明確に書くことが求められる。
② レポートや論文では、他者の文章を無断で使用する「コピー&ペースト」や「剽窃」は厳禁であり、著作権侵害にあたる可能性もある。これを回避するためには「引用」が必要であり、自身の主張と他人の主張を明確に区別しなければならない。引用には、文章をそのまま用いる「直接引用」と、自分の言葉で言い換える「間接引用」の2種類がある。どちらも出典を明記する必要があり、特に間接引用では内容を正確に要約する力が求められる。さらに、本文で引用した資料は、引用文献リストに全て記載しなければならない。書籍や論文、ウェブサイトなどの情報源によって記載項目や順序が異なるため、それぞれに応じた適切な形式で記載することが重要である。
③ レポートや論文では、常体(〜だ・〜である)で書き、敬体や話し言葉は避け、文語表現を用いることが基本である。曖昧さを排除するため、専門用語や漢語を正しく使えるようにすることも重要である。また、一文を短くし、主語と述語の対応や修飾関係に注意することで、誤解を避け、伝わりやすい文章になる。表記にも注意が必要で、「こと」などの形式名詞や、「ついに」「ゆえに」といった語は平仮名で書くのが一般的である。さらに、論理的な文章を書くには接続詞の使い方が重要である。順接には「そして」「つまり」など、逆接には「しかし」「一方」などがあり、適切な場所で効果的に使うことで、論理構成を明確にできる。こうした表現力の向上が、質の高いレポート作成につながる。これらの指標を正確に守って、レポート提出を課す。
キーワード ① レポート(報告方レポート、論文) ② 引用と剽窃(直接引用、間接引用)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します
復習・予習課題 復習:最後に行動観察データをまとめるためのレポートの書き方を教えた。では、以下の口語表現を、レポート・論文にふさわしい書き言葉に直しなさい。
① あんまりやってないけど、まあまあ分かった。
② すごく大事なことだと思います。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
①動物園・水族館および動物福祉の基礎的理解
動物園・水族館や動物福祉の意義を理解する。実習時に必要とする準備や配慮を説明できる。

★★
動物園・水族館の基本的役割を説明でき、日本と欧州の違いを挙げられる。動物福祉の歴史的経緯を理解し、説明することができる。動物行動学を学ぶ意義を理解する。

★★★
動物園・水族館の社会的役割(保存・教育・研究・レクリエーション)を国際比較の観点から批判的に説明でき、動物福祉の理念(WOAHの定義、5つの自由/5つの領域)を具体事例と結びつけて論じられる。
レクリエーション、環境教育、動物福祉、5つの自由、動物行動学 20 1,2,3
②動物園・水族館の社会的役割と動物福祉の実践的理解、現場知見の応用力
動物飼育施設の役割や福祉概念の理解をした上で、事例や講話内容と関連付けて説明できる。

★★
動物園・水族館の役割を四大機能に沿って説明でき、現代の動物福祉の現状を理解する。ゲスト講話の内容を整理し、飼育管理や教育活動の具体的事例を把握できる。実習に活かす姿勢を持ち、飼育職の役割や課題について理解する。

★★★
動物園・水族館の四大機能(種の保存・教育・研究・レクリエーション)を批判的に整理し、国内外の事例比較を踏まえて社会的役割を説明できる。さらに、動物福祉の理念(5つの自由/5つの領域)を理解し、環境エンリッチメントや個体管理の具体例と関連付けて論じられる。ゲスト講義内容を踏まえ、飼育員・獣医師の専門性や施設運営の多様性を把握する。
種の保存、
環境エンリッチメント、飼育員・獣医師、公営と私営の違い
20 4,5,6
③行動研究設計と観察・記録の統合的実践力
ティンバーゲンの「四つのなぜ」や研究プロセスの基本を理解する。観察法・記録法の選択根拠を理解し、エソグラムやデータシートの作成・運用ができる。

★★
「四つのなぜ」を区別して説明でき、目的に合う基本的指標・行動定義を作成可能。主要な観察法・記録法の長短を理解し、少なくとも二法を適切に実施してデータを記録・整理できる。エソグラムとデータシートの雛形を作成し、記録媒体を状況に応じ使い分けられる。

★★★
行動研究の目的を「四つのなぜ」に対応づけて明確化し、仮説・指標・記録単位(バウト/セッション)を設定できる。対象と環境に応じて観察法(フォーカル/スキャン/全生起/アドリブ)と記録法(連続/ワンゼロ/瞬間)を根拠を示して選択し、エソグラムと自作データシートで高い再現性の記録を遂行する準備ができる。
ティンバーゲンの4つのなぜ、エソグラム、スキャンサンプリング、フォーカルサンプリング、データシート 20 7,8,9,10
④イルカ個体を対象とした行動観察の計画性・実践力・記録の正確性
観察マナーや配慮を心がけた振る舞いができる。背びれによる個体識別が明確に記録できる。

★★
観察マナーや基本的配慮を守り、行動観察を大きな支障なく実施できる。背びれの個体識別が記録のみで可能であり、呼吸回数の記録も概ね正確である。個人テーマや仮説に沿った観察を遂行する。

★★★
個体識別では背びれの特徴を正確に把握し、スケッチや記録を通じて他者とも共有可能。双眼鏡を適切に調整し、呼吸回数を活動状態と関連付けて正確に記録できる。個人テーマに基づく仮説や観察計画を柔軟に調整し、予期せぬ状況にも対応して整理可能なデータを収集する力を示す。記録は解析やレポート作成に耐える高い再現性を持つ。
個体識別、背びれ、呼吸回数、行動観察、データ記録 20 11,12,13
⑤行動データの処理・可視化から学術レポート作成までの統合実践力
データの整理と入力ができる。結果の解釈を客観的に行い、レポートの基本構成と学術的マナーに則り、レポート作成ができる。

★★
基本的なデータ整理(欠測の把握、カテゴリ統一、変数名の付与)が概ねでき、Excelで頻度・割合・平均・標準偏差などを算出し、柱状図や折れ線図で妥当な可視化が行える。本文と引用の区別、最小限の書誌情報記載、常体での記述は守れているが、図表の体裁や解釈の妥当性、引用形式を統一できる。

★★★
現地で得た行動データを整形(欠測処理・コード化・記録単位の統一)し、記述統計(度数・割合・代表値・散布度)を根拠つきで算出できる。Excel で適切な図表(軸・単位・凡例・タイトル)を作成し、可視化に基づく解釈を簡潔に述べる。報告型レポートの構成に従い、直接・間接引用を区別して出典を完全表記、剽窃を回避。常体・論理的接続で明確に記述し、読み手が追試可能な再現性の高い稿に仕上げる。
データ整理、記述統計、可視化(図表)、引用と剽窃、再現性 20 14,15
評価方法 定期試験100%で評価する
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 指定の教科書はありません
参考文献 井上英治・中川尚史・南正人(著)『野生動物の行動観察法 ―実践 日本の哺乳類学―』、東京大学出版会
実験・実習・教材費 現地訪問の交通費と入園代して830円、昼食代(各自)が必要となる。