区分
水域フィールド科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
カリキュラム・ポリシーとの関係
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。本科目では、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。
科目の目的
この科目は、陸上生態系にはないユニークな特徴を持つ海洋生態系の中でも、大型動物を対象として高次捕食者のネクトン(小型魚、ウミガメ類、サメ類、海棲哺乳類 等)とベントスの生物生態を扱います。「海洋と水産の科学」を基礎として、海洋生物の種内、種間の相互関係や海洋区分毎の生態系を維持する仕組みを理解することを目的として、講義と演習にて授業を展開します。複雑な生態を持つ海洋生物の中でも、小型魚は成長とともに動物プランクトンからネクトンへと生態的ニッチを変化させます。ウミガメ類は陸と水域を跨く生態をもち海草や動物プランクトンを主食とします。サメ類や多くの海棲哺乳類は最高次捕食者としてその生態系を代表する生物種である一方で、クジラは動物プランクトンを主食としており最高次捕食者ではありません。これらの複雑に絡み合う食物網を生物分類群毎に解説し紐解いていくことで、海洋の健全性を維持することの困難さ、海洋資源の持続的利用について考察していく力を培います。
到達目標
目標は大きく分けると3つである。①海洋生態系と海洋生物学について理解する。②分類群ごとの生態と特徴を理解する。③実技を通して形態的特徴と生息環境との関係を考察する。
科目の概要
本科目では、海洋生態系の基礎として、海洋生態学と海洋生物学を学びます。海洋生態系の複雑系と物理化学的特徴を学ぶことで、海中の生物生息環境の関係を修得します。次に生息する生物の分類とその生態について学びます。生物の体の作りと生息環境を比較し、環境適応への理解を深めるため、貝類及び魚類の採取観察を行います。第1回から第11回は海洋生態系、第12回から第24回は海洋生物学、第25回から第30回は野外採取と実験室観察の実習を行い、最後にまとめのレポート作成を行います。踊り場コマでは、振り返りの時間を設けます。
科目のキーワード
生態学(生物、生物圏、相互作用)― 第1回、第2回、第3回、第4回、第5回、第6回、第7回
海洋生態系(物理化学的性質、海洋循環、プレートテクトニクス)― 第2回、第3回、第4回、第5回、第6回、第7回
海柱環境(光環境、水温構造、混合層、塩分、密度、海流)― 第8回、第9回、第10回、第11回
水産海洋生物(ネクトン、甲殻類、頭足類、爬虫類、哺乳類、鳥類、魚類)― 第12回、第13回、第14回、第15回、第16回、第17回、第18回
幼生期(仔魚、稚魚、鰓、シンプソン指数)― 第18回、第19回、第20回、第21回
底生海洋生物(ベントス、海底環境、デトリタス、分布制御、底質、潮汐)― 第22回、第23回、第24回、第25回、第26回、第27回、第28回、第29回、第30回
授業の展開方法
毎回の授業では、Wordで作成したオリジナルテキスト(PDF版)を配布し、その内容に沿って授業を進めていく。テキストは、コマシラバスの「コマ主題細目」に対応した章立てとなっており、各コマは「解説」「練習問題」「まとめ」の三つの要素で構成されている。
授業の最初の10分間では、当該回で取り扱う内容の全体像を概観し、そのコマで学習すべき重要事項や学習のポイントを明示する。続く60分間では、コマ主題細目に沿って、細目レベルに関する解説を行い、その内容を踏まえた練習問題を解くことで理解度を確認する。その後、各コマ主題細目に要点を整理し、まとめを行う。これを授業回ごとに繰り返すことで、知識を段階的に積み重ね、系統的な理解へと導く。
授業の終盤10分間には、その回の内容全体を振り返り、学んだことを整理する。最後に小テストを実施し、理解度を客観的に確認したうえで、解答と解説を行う。
授業終了後には、次回までに復習を行うことが求められる。配布オリジナルテキストの解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深める。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させることができる
本科目は3部構成とし、第1部は教員による海洋生態系についての講義、第2部は教員による海洋生物学についての講義、第3部は現地および実験室実習から構成される。第1回から第24回については、講義形式で授業を展開する。第25回から28回は、実習形式で授業を展開する。第29回および第30回においては、得られた結果のまとめを実施する。座学における海洋生態学と海洋生物学の基礎を身につけ、それらの分類や詳細な観察記載により、生物の理解と生息環境の関係を理解していく。
オフィス・アワー
吉田弥生:【前期】
自然共生社会
基礎ゼミナールⅠ
海の大型動物生態学
全科目:月曜~金曜の5限
【後期】
動物行動観察演習A・B
基礎ゼミナールⅡ
環境共生型社会のデザイン
動物行動学
全科目:月曜~金曜の5限
三瓶真:【前期】
地球環境学火曜3・4限
基礎ゼミナールⅠ木曜5限
【後期】
海洋と水産の科学月曜5限
海洋学演習金2限・5限
基礎ゼミナールⅡ火曜4・5限
久松定智:【月曜日】昼休み、【火曜日】2時限目
科目コード
TE3030
学年・期
2年・前期
科目名
海の大型動物生態学
単位数
4
授業形態
演習
必修・選択
選択
学習時間
前提とする科目
展開科目
関連資格
担当教員名
吉田弥生・三瓶真・久松定智
回
主題
コマシラバス項目
内容
教材・教具
1
【ガイダンス 海洋生物・生態学概論】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。(難易度:易しい★)
◆コマ主題細目①
西村尚之(著)、『大学生のための生態学入門』、共立出版、2017年、pp.1-4
◆コマ主題細目②
西村尚之(著)、『大学生のための生態学入門』、共立出版、2017年、pp.4-6
◆コマ主題細目③
西村尚之(著)、『大学生のための生態学入門』、共立出版、2017年、pp.6-9
コマ主題細目
① シラバスの内容紹介 ② 生態学と生物学の違い ③ 生態系とは何を指すか
細目レベル
① 本科目の内容紹介と実習費の確認まで。
本科目の授業は、「講義」と「実習」で構成される。授業ではオリジナルの文章教材を用い、シラバスの「コマ主題細目」に沿って進める。本科目は3部構成になっており、第1部では海洋生態系について、第2部では海洋生物学について、第3部では野外採取や実験となっている。各コマは「解説」「まとめ」「予習復習」で構成され、段階的に知識を深める仕組みになっている。授業の冒頭10分間で、その回の内容の全体像や重要ポイントを示し、続く60分間で細目レベルの解説と練習問題を通じて理解を確認する。その後、要点を整理し、まとめをおこなう。授業の終盤10分間には、学んだ内容を振り返り、小テストで理解度を客観的に確認したうえで、解答・解説を実施する。
② 生物学とは、から生態学とは、まで。
生物学は生命活動を探究する学問であり、すべての生物が共通の起源をもつことから、生命の誕生と多様性形成の歴史を理解することが重要である。生態学は、生物とそれを取り巻く環境との相互関係を扱う分野で、チャールズ・エルトンの理論に大きな影響を受けて発展してきた。生物と環境は切り離せず、生物圏の変化は地球環境全体に影響を及ぼす。人間もまた環境と相互作用する存在であり、生態学の理解は地球環境を保全し、人類が持続的に生存するための重要な基盤となる。
③ 地球圏から生物圏まで。
生態系とは、生物が単独で存在するのではなく、複数の生物集団が周囲の環境と相互に関わり合いながら成り立つひとまとまりの体系である。生態系は生物圏の中に多数存在し、生物と大気・水・土壌などの非生物的要素との間で、物質やエネルギーの循環が行われている。この相互作用により、生物は生存や繁殖を可能にしてきた。生態系を理解することは、生物の集団が互いに影響し合いながら地球環境の一部として機能していることを認識し、生物圏と地球システム全体のつながりを把握する上で重要である。
キーワード
① 生態系 ② 生物圏 ③ 生態学 ④ 生物と環境の相互作用 ⑤ 生物学
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
【小テスト】
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第1回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、海洋生態系を特徴づける環境要因について整理しなさい。特に、海水の物理・化学的性質、海洋循環(海流や熱塩循環)、海底地形の変化、生物の多様性がそれぞれどのように関係し合い、海洋生態系を成り立たせているのかを意識すること。また、陸上環境との違いを一つ以上挙げ、自分の言葉で簡潔に説明しなさい。
2
【海洋生態系と海洋生物の分類】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。(難易度:易しい★)
◆コマ主題細目①
日本生態学会(著)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp.1
◆コマ主題細目②
日本生態学会(著)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp.2
◆コマ主題細目③
日本生態学会(著)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp.3
◆コマ主題細目④
日本生態学会(著)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp.4
コマ主題細目
① 海洋生態系の物理化学的な特性 ② ひと繋ぎの循環 ③ 多様な海洋地形と変化 ④ 多様な生物の存在
細目レベル
① 環境特性から物理化学的性質まで。
海洋生態系を特徴づける主要な環境要因は、海水の物理的・化学的性質である。海水は空気に比べて比熱や密度、粘度が高く、温度変化が小さく重力の影響を受けにくい一方、移動時の抵抗は大きい。そのため、陸上植物のような強固な構造をもつ必要はないが、マグロのように高速遊泳が求められる魚類では流線形の体が重要となる。また、光は海中で急激に減衰し、光合成が可能なのは一般に水深約200mまでで、富栄養化した海域ではさらに浅くなる。深海の大部分は光の届かない環境である。
② 海流から深層大循環まで。
海洋の第二の特徴は、海が全体としてつながり、循環している点である。表層には風によって駆動される海流が存在し、北半球では中高緯度に反時計回り、低緯度に時計回りの循環が形成される。日本近海では黒潮や親潮が代表例で、これらは熱や栄養塩、生物を運び、気候や生態系に大きな影響を与える。さらに深層では、低温・高塩分による密度差で生じる熱塩循環があり、深層水は千〜二千年かけて全球を巡る。この循環により深海にも酸素が供給され、生物の生存が可能となっている。
③ 海底地形とプレートテクトニクス理論まで。
海洋は、海水が循環するだけでなく、海の形そのものも長い時間をかけて変化している。海洋底中央には中央海嶺が連なり、ここではマントルの上昇によって新しい海洋地殻が形成され、左右に広がっていく。拡大した海洋プレートは大陸プレートと衝突して沈み込み、海溝が形成される。日本周辺は複数のプレートが接するため地震が多い。こうしたプレート運動により、数億年規模で大陸と海洋の配置は変化してきた。約2.5億年前のパンゲア大陸の分裂を経て、現在の地球の姿が形成された。
④ 生物環境の概要まで。
生物は現在の地球環境を形づくった重要な存在である。約30億年前の大気には酸素がほとんど存在しなかったが、光合成を行うシアノバクテリアの出現により酸素が放出され、好気性生物の進化や鉄鉱床、オゾン層の形成が進んだ。これにより生物は海から陸へと進化し、海洋には深海から表層まで多様な生態系が成立した。海洋生態系は、表層の浮遊・遊泳生物からなる表層生態系と、海底に生息する底生生態系に大別される。両者は一次生産の仕組みや生物構成が異なるが、物質循環や生物の移動を通じて相互に結びつき、プランクトンとネクトンとベントスそれぞれが絡み合い、階層性をもつ複合的な生態系を形成している。
キーワード
① 海洋生態系 ② 海洋循環 ③ 海水の物理科学的性質 ④ プレートテクトニクス ⑤ 生物多様性
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第2回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、地球誕生から原始海洋が形成されるまでの過程を時系列で整理しなさい。特に、地球内部構造の分化、脱ガスによる大気形成、温室効果と降雨、二酸化炭素が海に取り込まれる過程に注目すること。その上で、海の誕生がその後の地球環境や生命誕生にどのような条件を与えたのか、自分の言葉で簡潔にまとめなさい。
3
【海の誕生】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。(難易度:易しい★)
◆コマ主題細目①
ポールピ・R・ピネ(著)、『海洋学』、東海大学出版部、2016年、pp.33-35
◆コマ主題細目②
ポールピ・R・ピネ(著)、『海洋学』、東海大学出版部、2016年、pp.35-40
◆コマ主題細目③
ポールピ・R・ピネ(著)、『海洋学』、東海大学出版部、2016年、pp.40-43
コマ主題細目
① 地球の構造 ② 地球の成り立ち ③ 原始海洋の誕生
細目レベル
① 地球の構造
地球誕生から現在の地球構造まで。
地球は約46億年前に誕生し、初期には表面がマグマの海に覆われていたが、冷却と降雨により地殻が形成され、約43億年前に原始の海が生まれた。さらに約38億年前には生命の起源が出現したと考えられている。地球内部は地殻・マントル・核からなり、マントルが全体の約68%、核が約31%を占める。地殻は最も薄い層で、地表の29%は陸地、71%は海底である。海底地殻は薄く玄武岩質、陸上地殻は厚く花崗岩質で、成分や性質が大きく異なる。
② 原始地球から原始海洋まで。
地球は約46億年前に誕生し、当初は直径約2000kmの超高温の天体であった。微惑星の集積と衝突により成長する過程で内部の熱が高まり、火成活動や衝突による脱ガスによって大気が形成された。マグマの中では軽い岩石成分が表層へ、重い金属成分が中心へ沈み込み、コアが形成されていった。大気の主成分は二酸化炭素と水蒸気で、温室効果により地表は高温状態が続いた。その後、強酸性の雨が降り、冷え固まった地表の低地に水が集まり、川を経て原始の海が形成された。
③ 海ができるまで。
原始海洋は約40億年前に誕生したと考えられている。温室効果による降雨によって地表が冷却され、水が集まって海が形成された。その結果、大気中のガス量が減少し、温室効果は次第に弱まっていった。地表温度の低下に伴い、地球は全体として冷却期に入り、空は青く澄んだ状態になったとされる。また、大気中の二酸化炭素は雨とともに海水へ溶け込み、炭素が海に多く蓄えられるようになった。これにより地球環境は大きく変化し、海を中心とする「水の惑星」としての地球が成立していった。
キーワード
① 地球の誕生 ② 地球内部構造 ③ 脱ガスと原始大気 ④ 原始海洋の形成 ⑤ 水の惑星
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第3回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、かつて存在したパンゲア大陸がどのように分裂し、現在の大陸配置に至ったのかを整理しなさい。あわせて、海洋地形が大陸移動やプレート運動とどのように関係しているかに注目し、中央海嶺・海溝・深海盆の役割を簡潔に説明すること。プレート境界の違いが地形や地震活動に与える影響についても考察しなさい。
4
【海と大陸】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。(難易度:易しい★)
◆コマ主題細目①
ポールピ・R・ピネ(著)、『海洋学』、東海大学出版部、2016年、pp.64-70
◆コマ主題細目②
ポールピ・R・ピネ(著)、『海洋学』、東海大学出版部、2016年、pp.70-80
◆コマ主題細目③
ポールピ・R・ピネ(著)、『海洋学』、東海大学出版部、2016年、pp.81-87
コマ主題細目
① 動く大陸 ② 海洋地形 ③ プレートテクトニクス
細目レベル
① 過去の陸地から現在の陸地形成まで。
かつて地球上の陸地は、パンゲアと呼ばれる一つの巨大大陸であったと考えられている。約2億年前のペルム紀に存在したパンゲアは、約1億5000万年前のジュラ紀以降に分裂を開始し、白亜紀には南アメリカとアフリカの分離や、大陸同士の再接近が進んだ。インド大陸がユーラシア大陸に衝突したことでヒマラヤ山脈が形成され、現在の大陸配置が形づくられた。これらの大陸移動説はアルフレッド・ウェゲナーによって提唱され、化石分布などの証拠から、かつてゴンドワナ大陸などが存在したことが裏付けられている。
② 海洋地形の基本から仕組みまで。
大陸の移動に伴い、海底地形も長い時間をかけて変化してきた。現在の海洋地形は、大陸辺縁部、深海盆、中央海嶺の三つに大別される。大陸辺縁部には大陸棚・大陸斜面・コンチネンタルライズがあり、その先に深海盆が広がる。深海盆には海山や深海平原、海溝など多様な地形が存在する。中央海嶺は新しい海洋地殻が生まれる場所で、断裂や軸谷が見られる。一方、海溝では海洋プレートが沈み込み、古い地層が集まり地震が多発する。このように海洋地形はプレート運動と密接に関係している。
③ 大陸移動が起こる仕組みまで。
地球表面の地形はプレート構造によって成り立っており、陸地も海底も複数のプレートの上に存在している。プレートの境界には、中央海嶺のように互いに離れる発散境界、海溝に代表される沈み込みの起こる収束境界、そして横ずれするトランスフォーム断層がある。プレート運動は、アセノスフェアにおける熱対流によって駆動され、沈み込み帯では地震や火山活動が活発となる。このようなプレートテクトニクスによって、地形や地震帯が形成されている。
キーワード
① パンゲア大陸 ② 大陸移動説 ③ 海洋地形 ④ プレートテクトニクス ⑤ プレート境界
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
今回は本科目の第4回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、なぜ生命の起源が陸上ではなく原始海洋と考えられているのかを整理しなさい。あわせて、生物を人為分類と系統分類に分ける意義を理解し、共通祖先という考え方に注目すること。また、全球凍結や酸素濃度の上昇が生物進化や陸上進出にどのような影響を与えたのかを、時系列で簡潔にまとめなさい。
5
【海洋生物の進化(1) 地球生物進化】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。(難易度:易しい★)
◆コマ主題細目①
国立科学博物館 (編)、『生命大躍進』、国立科学博物館、2015年、pp.10-16
◆コマ主題細目②
国立科学博物館 (編)、『生命大躍進』、国立科学博物館、2015年、pp.10-16
◆コマ主題細目③
国立科学博物館 (編)、『生命大躍進』、国立科学博物館、2015年、pp.10-16
コマ主題細目
① 生命誕生 生物とは何か ② 生物分類 ③ 生物の上陸
細目レベル
① 原始海洋の特殊性まで。
生命の起源は陸上ではなく海にあると考えられている。原始地球にはオゾン層がなく、有害な紫外線が地表に強く降り注いでいたが、海中では水が紫外線を遮り、熱容量が大きく安定した環境が保たれていた。また水は多様な物質を溶かす溶媒として、生命材料を集積しやすかった。このため生命は海で誕生したとされる。起源の場としては、約38億年前極限環境に強い生物が生息する熱水噴出孔説や、隕石による火星起源説がある。
② 人為分類から系統分類まで。
生物の分類には、人間の利用目的に基づく人為分類と、生物の類縁関係に基づく科学的分類がある。後者は系統分類と呼ばれ、共通のルールに従って界・門・綱・目・属・種の順に分類する。生物分類にはさまざまな説があり、1969年にホイタッカーが提唱した五界説、1977年にウーズが提唱した六界説が代表的である。ウーズは遺伝子情報を用いて生物の進化の道筋を明らかにし、系統樹による分類を示した。現在の系統分類では、すべての生物は一つの共通祖先から進化したと考えられている。
③ 生命誕生から緑藻上陸まで。
生命は約38億年前、過酷な原始海洋で誕生した。その後、約24億年前に全球凍結が起こり、長い停滞期を経て約19億年前に真核生物が誕生した。先カンブリア紀にはエディアカラ生物群が出現し、5.3億年前のカンブリア紀には生物が急増するカンブリア爆発が起こった。続くオルドビス紀・シルル紀には多様な動物群が繁栄し、やがて生物は陸上へ進出する。大気中酸素の増加とオゾン層の形成により陸上環境が整い、緑藻類を起源とする初期陸上植物が出現し、シダ植物へと進化していった。
キーワード
① 原始海洋 ② 生命の起源 ③ 系統分類 ④ カンブリア爆発 ⑤ 生物の陸上進出
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第5回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、動物が陸上および海洋で進化する際に直面した環境条件の違いを整理しなさい。特に、陸上進出に必要であった形態的・生理的適応と、海洋での種分化を引き起こした環境変動との関係に注目すること。また、収斂進化の具体例を一つ挙げ、なぜ似た形が生じるのかを自分の言葉で説明しなさい。
6
【海洋生物の進化(2) 海中の進化】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。(難易度:易しい★)
◆コマ主題細目①
国立科学博物館 (編)、『生命大躍進』、国立科学博物館、2015年、pp.16-19
◆コマ主題細目②
国立科学博物館 (編)、『生命大躍進』、国立科学博物館、2015年、pp.16-19
◆コマ主題細目③
国立科学博物館 (編)、『生命大躍進』、国立科学博物館、2015年、pp.16-19
コマ主題細目
① 陸上動物の進化 ② 海中動物の進化 ③ 海洋での種分化と絶滅
細目レベル
① 動物の陸上進出から大量絶滅まで。
約4億年前のデボン紀に動物の陸上進出が始まり、乾燥に強い外骨格をもつ節足動物が先行した。当時は酸素濃度が高く、巨大化も進んだ。やがて脊椎動物が陸上へ進出し、肺呼吸、重力に耐える骨格、乾燥を防ぐ皮膚、四肢の発達などの適応が進んだ。両生類は陸上生活を始めたが繁殖は水中に依存していた。その後、殻をもつ卵を獲得した爬虫類が完全な陸上生活を可能にし、三畳紀から白亜紀にかけて繁栄した。白亜紀末の大量絶滅後は、鳥類や哺乳類が台頭し、環境変化に適応しながら進化していった。
② 魚類発生から哺乳類の再適応まで。
生物が陸上へ進出していた約4億年前、海中では大型魚類が繁栄し、シーラカンスやチョウザメなど多様な魚類が出現していた。三畳紀から白亜紀にかけては、恐竜が陸上で栄える一方、海ではイカやタコなどの頭足類が繁栄し、現在みられる多くの魚類・海洋生物が出そろった。その後、第三紀には陸上で哺乳類が繁栄する一方、クジラ類やアザラシ類など、陸上哺乳類が再び海へ進出する例も現れた。海洋生物の進化は、多細胞化や左右相称、脱皮や発生様式の違いなどを通じて多様化し、脊索動物では脊索や神経管、鰓などの特徴が分類の基準となっている。
③ 種分化から進化論まで。
海洋で種分化が起こる主な要因の一つは、地殻変動に伴う環境変化である。地殻変動により水温や海流が変化すると、生物は体温調節や体形、生理機能を変化させて環境に適応する必要が生じる。この適応の成否が、生存や絶滅を左右し、結果として種分化が進む。海洋では、サメとイルカのように系統が異なっても似た形態をもつ収斂進化が多く見られる。進化の仕組みとしては、ダーウィンの自然選択説に加え、ハーディ・ワインベルクの法則、中立説、共進化説など多様な理論が提唱され、生物進化の理解が深められてきた。
キーワード
① 動物の陸上進出 ② 適応進化 ③ 海洋生物の多様化 ④ 種分化と絶滅 ⑤ 進化理論
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第6回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、海洋生態系がどのように地球の成り立ちや生物進化と結びついているかを整理しなさい。特に、海洋の物理・化学的性質、プレート運動による地形変化、生命の起源と進化の過程が相互にどのような影響を及ぼしてきたのかに注目すること。また、陸上と海洋という異なる環境が、生物の形態や生活様式に与えた違いについて、自分の言葉で簡潔にまとめなさい。
7
【海洋生物学概論(踊り場)】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。(難易度:易しい★)
◆コマ主題細目①
西村尚之(著)、『大学生のための生態学入門』、共立出版、2017年、pp.1-9
◆コマ主題細目②
ポールピ・R・ピネ(著)、『海洋学』、東海大学出版部、2016年、pp.70-87
◆コマ主題細目③
国立科学博物館 (編)、『生命大躍進』、国立科学博物館、2015年、pp.10-19
コマ主題細目
① 海洋生態学 ② 海洋の構造 ③ 海洋生物の進化
細目レベル
① 生態学概論から海洋生態系まで。
第1回では、海洋生物・生態学概論のガイダンスとして、授業の構成や進め方が示され、生態学と生物学の違い、生態系の基本概念が解説された。生物学は生命活動そのものを探究する学問であるのに対し、生態学は生物と環境との相互作用を対象とする学問であり、生物と環境は切り離せない関係にあることが強調された。また、生態系とは、生物と大気・水・土壌などの非生物的要素が相互に関わり合い、物質やエネルギーを循環させる体系であり、生物圏は地球システムの一部として機能していることが示された。第2回では、海洋生態系の特徴が物理・化学的性質、循環、地形、生物多様性の観点から整理された。海水の性質は生物の形態や生活様式に大きく影響し、海洋は海流や熱塩循環によって全球的につながっている。また、プレートテクトニクスによる海底地形の形成と変化が、生態系の基盤となっていることが示された。さらに、光合成生物の出現による環境変化を背景に、表層から深海まで多様な生物が関わり合う複合的な海洋生態系が成立していることを理解した。
② 地球誕生から海洋の作りまで。
第3回では、地球の誕生から原始海洋の形成までの過程が解説された。地球は約46億年前に誕生し、初期にはマグマの海に覆われていたが、冷却と降雨によって地殻が形成され、約40~43億年前に原始海洋が成立した。微惑星の集積と衝突による内部加熱や脱ガスによって原始大気が形成され、温室効果のもとで強い降雨が続いた。雨によって地表が冷却され、水が集積して海が生まれ、大気中の二酸化炭素が海へ取り込まれたことで、地球は「水の惑星」としての性質を強めていった。第4回では、海と大陸がどのように動き、現在の地形が形成されたかを扱った。かつて陸地はパンゲアという一つの巨大大陸であり、ジュラ紀以降の分裂と移動によって現在の大陸配置が生じた。大陸移動に伴い、海底地形も変化し、大陸辺縁部・深海盆・中央海嶺といった基本構造が形成された。これらの運動はプレートテクトニクスによって説明され、プレート境界では地震や火山活動が集中する。海と大陸の動的な関係が、地球環境の基盤を形づくっていることが示された。
③ 生物陸上進化から海中進化まで。
第5回では、生命がなぜ陸上ではなく海で誕生したのかを起点に、地球生物進化の大枠を扱った。原始地球ではオゾン層が未形成で紫外線が強かったが、海中は遮蔽効果と高い熱容量により安定し、溶媒として物質を集めやすいため生命誕生の場となった。起源説として熱水噴出孔説や火星起源説が紹介され、生物は細胞膜・代謝・自己複製を満たす存在として定義された。さらに、人為分類と系統分類の違い、遺伝情報に基づく系統樹と共通祖先の考え方を確認し、全球凍結や酸素増加、カンブリア爆発を経て生物が多様化し、緑藻類由来の植物が陸上へ進出した流れを整理した。第6回では、陸上と海中での進化を比較し、環境への適応が形態・生理をどう変えたかを学んだ。デボン紀に節足動物が先行して上陸し、脊椎動物は肺呼吸・骨格・皮膚・四肢の発達で陸上適応を進めた。爬虫類は殻卵で完全陸上化し、恐竜繁栄と大量絶滅を経て鳥類・哺乳類が台頭した。一方海では大型魚類や頭足類が繁栄し、第三紀には哺乳類の再海洋進出(鯨類など)も起きた。海洋の種分化は地殻変動による環境変化と適応の成否に左右され、収斂進化や自然選択説など多様な進化理論と結びつけて理解した。
キーワード
① 海洋生態系 ② 地球システム ③ プレートテクトニクス ④ 生命の起源と進化 ⑤ 応進化と生物多様性
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
今回は本科目の第7回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、海洋生態系がどのように空間的に区分されているかを整理しなさい。特に、外洋域と沿岸域、表層と深層の違いに注目し、それぞれの環境条件(水中光、水温、混合)が生物の分布や生活様式にどのような影響を与えるのかを考察すること。また、水温前線や有光層といった物理的境界が、生態系の構造を理解するうえでなぜ重要なのかを自分の言葉でまとめなさい。
8
【海中生態系 非生物的環境(1) 日射と温度】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。(難易度:普通★★)
◆コマ主題細目①
日本生態学会(編)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp.21-22
◆コマ主題細目②
日本生態学会(編)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp.22-27
◆コマ主題細目③
日本生態学会(編)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp.28-30
コマ主題細目
① 海洋生態系の区分 ② 外洋域の水中光環境 ③ 外洋域の水温環境
細目レベル
① 表層から海底まで。
海洋生態系は、海底との関係から表層生態系と海底生態系に、また陸域との関係から外洋域生態系と沿岸域生態系に区分できる。沿岸域は陸からの淡水や物質流入、海底や海岸の影響を強く受けるのに対し、外洋域ではそれらの影響は小さい。外洋域の表層生物は海底を必要としない生活史をもつ一方、沿岸域の生物は海底や海岸を前提とした生態を示す場合が多い。この違いは、海底という固定基盤との関係の強さに由来する。さらに極域では、海氷という固体基盤が加わり、光環境や流動、化学環境に影響を与える特異な生態系が形成されている。
② 懸濁物構成から生物特性まで。
海洋生態系を特徴づける最も重要な環境要因は、水中環境である点にある。水分子は比熱容量が大きく、粘性が高く、さまざまな物質を溶解する性質をもち、海水にはナトリウムや塩素などの電解質が含まれている。また水は光を強く吸収し、とくに赤色光や紫外線は浅い水深で減衰し、青色光が最も深くまで到達する。このため外洋域は青く見え、植物プランクトンが多い海域では緑色、沿岸域では懸濁物の影響で黄褐色に見える。光合成が可能な深さは補償深度で区切られ、外洋では約100〜150m、亜寒帯では10〜70mと浅い。平均水深約3700mの海洋の大部分は光合成ができない従属栄養環境である。さらに、水中の光量により有光層、中心層、深海層などが区分され、生物の体色や眼の発達などの形態は、こうした光環境への適応として形成されている。
③ 水平変動から季節変動まで。
外洋域の水温は、海水の氷結温度である約−1.8℃から、熱帯太平洋でみられる約31℃までの範囲に収まる。亜熱帯・熱帯域や極域では季節変動は小さいが、温帯〜亜寒帯では10〜20℃程度の変動がみられる。それでも陸上に比べれば、海洋は水の大きな比熱容量により温度変化が小さく安定している。表層では水温前線と呼ばれる水平勾配の大きな境界が形成され、生物分布や海流と強く対応する。一方、深層では水温の水平差は小さく、生物分布への影響は限定的である。季節的な加熱・冷却により水温躍層と表層混合層が形成され、冬季には冷却や海氷形成によって高密度の表層水が沈み込み、低温・高酸素の深層水が形成される。これが全球的な海洋循環の原動力となっている。
キーワード
① 海洋生態系の区分 ② 水中光環境 ③ 水温構造 ④ 表層混合層 ⑤ 深層水形成
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第8回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、海水中の塩分がどのように分布し、どの要因によって変動するのかを整理しなさい。特に、蒸発・降水・河川流入が塩分に与える影響と、塩分が生物の浸透圧調整や生息分布に及ぼす役割に注目すること。また、水温・塩分・密度の関係が深層水形成や海洋循環とどのようにつながっているのかを、自分の言葉で簡潔にまとめなさい。
9
【海中生態系 非生物的環境(2) 塩分と密度】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。(難易度:普通★★)
◆コマ主題細目①
長沼敦(訳)、『生物海洋学』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.19-20
◆コマ主題細目②
長沼敦(訳)、『生物海洋学』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.19-21
◆コマ主題細目③
長沼敦(訳)、『生物海洋学』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.22-24
コマ主題細目
① 海水中の塩分 ② 塩分の生物学的重要性 ③ 海水の密度
細目レベル
① 素性から深度変動まで。
塩分とは、海水1kg中に溶解している無機塩類の総量を示す指標であり、実際には電気伝導度を用いて塩分計で測定される。海水中の塩類の大部分はナトリウムイオンと塩化物イオンで構成され、主要成分の比率は生物作用の影響をほとんど受けず一定に保たれるため、保存的性質を示す。塩分は蒸発で高くなり、降水や河川流入、氷雪の融解で低下する。平均塩分は約35だが、緯度20〜30度の蒸発の多い海域で高く、降水の多い赤道域や極域で低い。塩分変動は主に表層で大きく、深層ではほぼ一定である。
② 生物反応まで。
多くの海産無脊椎動物や原始的な魚類では、体液の塩類濃度は海水とほぼ等しい。一方、硬骨魚類の血液塩分濃度は海水の約30〜50%と低く、浸透圧の差により体内の水分が失われやすい。このため硬骨魚類は、尿量を減らし、えらから能動的に塩類を排出するなどの浸透圧調整機構を発達させている。ウミガメや海鳥なども、それぞれ異なる方法で塩分バランスを維持する。塩分変動の大きい環境や回遊生活ではこの調整が特に重要であり、広い塩分範囲に耐える好塩性生物と、限られた範囲にしか耐えられない狭塩性生物が存在する。
③ 密度の水平変動から鉛直変動まで。
海水の密度は、水温・塩分・水圧によって決まり、塩分が高いほど密度は増し、水温が高いほど密度は低下する。これらは独立した要因だが、実際の海洋では地球規模の気候により分布が規定され、特有の水温・塩分特性をもつ水塊が形成される。水塊は形成後、大気との接触を失うと性質をほぼ保ったまま移動し、異なる水深環境や生物群集の生活の場となる。高緯度域では表層水が冷却・高塩分化して高密度となり、深層へ沈み込むことで深層水が形成される。特に南極周辺や北大西洋では深層水が生成され、全球規模で循環する。海水は淡水と異なり、冷却されても氷点まで密度が増し続けるため、深い鉛直混合が可能である。この沈み込みと湧昇による鉛直・水平循環は、酸素や栄養塩の輸送を通じて、海洋生態系の生産を支える重要な仕組みとなっている。
キーワード
① 塩分 ② 浸透圧調整 ③ 好塩性生物 ④ 海水密度 ⑤ 水塊形成
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第9回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、海洋における水圧・海流・潮汐という三つの物理環境要因が、生物の分布や生活様式にどのような影響を与えているのかを整理しなさい。特に、深海生物の高圧適応、表層海流による物質輸送、沿岸域における潮汐流や離岸流の役割に注目すること。これらの要因が、海洋生態系の空間構造を理解するうえでなぜ重要なのかを、自分の言葉でまとめなさい。
10
【海中生態系 非生物的環境(3) 圧力と表面海流】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。(難易度:普通★★)
◆コマ主題細目①
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.24-25
◆コマ主題細目②
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.25-26
◆コマ主題細目③
長沼敦(訳)、『海洋生態学』、共立種出版、2016年、pp.47-53
コマ主題細目
① 水圧 ② 表面海流 ③ 沿岸域の海流
細目レベル
① 水圧の概念と深度変化まで。
水圧(静水圧)は、海洋生物に影響を与える重要な物理的環境要因であり、水深に応じて増加する。本来は海水密度の変化も関与するが、概念的には水深10mごとに約1気圧増加すると考えられる。深海では数百〜千気圧を超える高圧環境となり、生物は大きな圧力変化にさらされる。高圧下では気体が大きく収縮するため、浮袋などガスを含む構造は圧力変化に弱い。一方、深海生物の多くはガスを含まず、生化学的に高圧へ適応していると考えられる。生息深度の広い生物は高圧性、狭い生物は狭圧性と呼ばれ、深海生物の中には高圧環境でのみ正常に生存・発生できる種も存在する。
② 北半球から南半球まで。
主要な表層海流は、洋上で卓越する風によって駆動され、地球の自転による効果を受けて循環を形成する。北半球では流れが右に偏向し時計回り、南半球では左に偏向し反時計回りの大循環(ジャイア渦)が生じる。北大西洋・北太平洋では、北赤道海流が西へ流れ、大陸に当たって北上し、メキシコ湾流や黒潮となる。これらは偏西風により東向きに転じ、さらに南下する寒流とつながって循環が完結する。西岸境界流は幅が狭く流速が速いのが特徴で、海流は循環の過程で混合しながら性質を変えていく。
③ 潮汐から離岸流まで。
沿岸域は主に大陸棚上の浅い海域で、河川や地下水からの淡水流入により外洋より塩分が低く、密度成層など独特の物理環境が形成される。沿岸生態系は陸域・海底からの影響を強く受け、とくに潮汐の作用が顕著である。潮汐は月と太陽の引力および地球‐月系の遠心力によって生じ、満潮と干潮を繰り返すことで干潟など特有の環境を生み出す。潮汐に伴う流動は物質輸送や生物の分散、繁殖周期に影響を与える。また海岸では、波による遡上と戻りによって沿岸流や離岸流が形成され、砂泥の堆積や侵食を左右し、海岸地形の形成や底生生物・魚類の移動にも重要な役割を果たしている。
キーワード
① 水圧(静水圧) ② 深海適応 ③ 表層海流 ④ ジャイア渦 ⑤ 沿岸流
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第10回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、第8回から10回の資料をもう一度読み込み、海洋の非生物的環境要因である光・温度・塩分・密度・水圧・海流が、それぞれどのように海洋生態系の空間構造を決めているのかを整理しなさい。特に、有光層と深層の違い、水塊形成と循環、深海生物の高圧適応、表層海流や沿岸流による物質輸送が、生物分布や生産に果たす役割に注目し、自分の言葉で簡潔にまとめなさい。
11
【海中環境概論(踊り場)】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。(難易度:普通★★)
◆コマ主題細目①
長沼敦(訳)、『海洋生態学』、共立種出版、2016年、pp.21-36
◆コマ主題細目②
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.24-26
◆コマ主題細目③
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.19-24
コマ主題細目
① 海中生態系の光と温度 ② 海中生態系の塩分と密 ③ 海中生態系の水圧と海流
細目レベル
① 光から温度まで。
第8回では、海中生態系の非生物的環境として「日射(光)」と「温度」を中心に、海洋生態系の枠組みを整理した。まず海洋生態系は、海底との関係から表層生態系と海底生態系に、陸域との関係から外洋域生態系と沿岸域生態系に区分できることを学んだ。沿岸域は河川水や物質流入、海底・海岸の影響を強く受け、外洋域はその影響が比較的小さい。さらに極域では海氷という固体基盤が加わり、光・流動・化学環境を変える特異な生態系が成立する。光環境では、水が赤色光や紫外線を強く吸収し、青色光が深くまで届くため外洋が青く見えること、植物プランクトンや懸濁物の増加が海色を緑色や黄褐色へ変えることを確認した。光合成可能域は補償深度で区切られ、外洋で約100〜150m、亜寒帯では10〜70mと浅く、海洋の大部分は従属栄養環境となる。温度については、海水の大きな比熱により陸上より変動が小さく、表層には水温前線が形成され生物分布の境界になりやすい一方、深層では水平差が小さいことを学んだ。季節変化により水温躍層・表層混合層が発達し、冬季の冷却や海氷形成は高密度水の沈み込みを促して深層水形成へつながり、全球循環の原動力となる点が要点である。
② 塩分から密度まで。
第9回では、海中生態系の非生物的環境として「塩分」と「密度」を扱い、海水の性質が生物と海洋循環を同時に規定することを理解した。塩分は海水1kg中に溶ける無機塩類の総量を表す指標で、実際には電気伝導度から塩分計で換算して求める。海水塩類の大部分はナトリウムイオンと塩化物イオンで構成され、主要成分比は生物作用の影響をほとんど受けない「保存的性質」を示す。塩分は蒸発で高く、降水・河川流入・氷雪融解で低くなるため、緯度20〜30度の乾燥海域で高塩分、降水の多い赤道域や極域で低塩分となり、変動は深層より表層で大きい。生物学的には、多くの無脊椎動物や原始的魚類は体液濃度が海水に近い一方、硬骨魚類は血液塩分が海水の30〜50%と低く浸透圧差で水分を失いやすいため、尿量を減らし鰓から能動輸送で塩類を排出するなど浸透圧調整を発達させる。塩分変動の大きい環境では、広い範囲に耐える好塩性生物と、狭い範囲にしか耐えない狭塩性生物の差が分布を左右する。密度は水温・塩分・水圧で決まり、塩分増加で上昇、水温上昇で低下する。地球規模の気候の下で特有の水温・塩分特性をもつ水塊が形成され、水塊は移動しても性質を保ちつつ生物群集の生活空間を作る。高緯度域では冷却と海氷形成による高塩分化で高密度水が沈み込み、深層水が生成されて全球循環を駆動し、湧昇は栄養塩供給を通じて生産を支える。
③ 水圧から沿岸流まで。
第10回では、海中生態系の非生物的環境として「圧力」と「海流」を扱い、海の“縦方向(深度)”と“横方向(水平移動)”の力学が生物の分布・生活史を形づくることを学んだ。水圧(静水圧)は水深に応じて増加し、概念的には水深10mごとに約1気圧増えると考えられる。深海では数百〜千気圧を超える高圧となり、生物は大きな圧力環境に置かれる。しかし深海生物を加圧状態のまま採取・飼育することは難しく、圧力の影響を低温や暗黒と切り分ける研究は容易ではない。物理的には気体は高圧で大きく収縮するため、浮袋などガスを含む構造は圧力変化に弱い。一方、深海生物の多くはガスを持たず、生化学的な高圧適応を進めていると考えられる。生息深度域が広い生物は高圧性、狭い生物は狭圧性と呼ばれ、発生や生存に高圧が必要な種も存在する。次に表層海流は、洋上の卓越風によって駆動され、地球自転により北半球では右偏向して時計回り、南半球では左偏向して反時計回りの大循環(ジャイア渦)を形成する。北赤道海流が西進して大陸に当たり、黒潮やメキシコ湾流として北上し、偏西風で東進、寒流として南下して循環が完結する。西岸境界流は幅が狭く速い点が特徴で、移動と混合を通じて水塊特性も変化する。さらに沿岸域では、大陸棚上の浅海で淡水流入により外洋より低塩分となり、密度成層など独特の物理環境が生じる。潮汐は月・太陽の引力と地球月系の遠心力で起こり、干潟などの生息環境を作るだけでなく、物質輸送や卵・稚仔の分散、繁殖周期にも影響する。加えて波浪により沿岸流や離岸流が形成され、砂泥の堆積・侵食、海岸地形、ベントスや魚類の移動にも大きく関わる。
キーワード
① 有光層 ② 水温 ③ 密度構造 ④ 深層循環 ⑤ 水圧
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第11回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、遊泳性甲殻類および遊泳性頭足類が海洋食物網の中でどのような位置を占めているのかを整理しなさい。特に、一次生産者と高次捕食者をつなぐ中間消費者としての役割、オキアミ類やイカ類の資源量の大きさ、漁業利用が生態系に与える影響に注目すること。また、持続的利用のためにどのような管理が必要かを、自分の言葉で簡潔にまとめなさい。
12
【ネクトンと水産海洋学(1) 遊泳性甲殻類と頭足類】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。
第12-18回は、第2部の海洋生物学となる。海洋生態系の特徴を踏まえた上で、それぞれの生物群について理解を深めていく。(難易度:普通★★)
◆コマ主題細目①
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.113
◆コマ主題細目②
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.113
◆コマ主題細目③
ポール・R・ピネ、『海洋学』、東海大学出版部、2016年、pp.482-483
◆コマ主題細目④
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.113-114
コマ主題細目
① 遊泳性甲殻類 生態的役割 ② 遊泳性甲殻類 分類群と漁業の現状 ③ 遊泳性頭足類 分類と生態的特徴 ④ 遊泳性頭足類 漁業利用
細目レベル
① 生態的役割から資源量まで。
ネクトンの大部分は魚類であるが、海域によっては大型甲殻類、頭足類、ウミガメ類、海産哺乳類、海鳥類が主要なネクトンとなる場合もある。遊泳性甲殻類は甲殻亜門に属し、主にカイアシ類、オキアミ類、アミ類、遊泳性エビ類、外洋性端脚類などから構成される。これらは海洋食物網において、一次生産者と高次捕食者をつなぐ重要な中間消費者として機能している。これらは捕食を通じて海洋生物群集に大きな影響を及ぼし、また多くが食料資源として利用されてきた。現在の漁獲対象の中心は魚類であるが、イカ類の漁獲も増加している。一方、海産哺乳類やウミガメ類の漁獲は保全意識の高まりにより減少している。
甲殻類の漁獲の約95%は底生種であるが、近年は資源量が極めて豊富なオキアミ類への関心が高まっている。南極オキアミはヒゲクジラの主要餌生物であり、1960年代以降に漁業が始まった。現在の漁獲量は自然界で消費される量に比べれば少ないが、推定される潜在的漁獲量は世界の魚類漁獲量の約3分の1に相当する。オキアミは主に飼料として利用されるが、南極海生態系の中心的存在であるため、漁獲拡大には慎重な管理が求められている。
② カイアシから単脚まで。
カイアシ類は甲殻類の中で最も個体数が多く、多くは遊泳性プランクトンとして植物プランクトンを摂食する。オキアミ類は強い遊泳能力をもち、プランクトンとネクトンの中間的存在で、南極オキアミはクジラ・魚類・海鳥の主要な餌資源である。アミ類はエビ状の体をもち群泳する種が多く、沿岸から外洋の表層・中層に分布し、底生と遊泳性の中間的性質を示す。エビ類は十脚目に属し、成体が遊泳性を示す種や浮遊幼生期が長い種があり、ネクトン的役割を担う。
③ 分類から生態まで。
イカ類は軟体動物門・頭足綱に属する生物で、タコ類やコウイカ類、オウムガイ類と同じ仲間である。頭足類の中でも高度に分化しており、発達した脳、鋭い視覚、水中の微量な化学物質を感知する化学感覚をもつ。ジェット噴射による高速遊泳が可能で、秒速10mに達する種も存在する。多くのイカ類は夜行性で、日中は海底付近に潜み、夜間に甲殻類や小型魚類、他のイカ類を捕食する。成長速度は非常に速く、水温の影響を強く受ける。幼生期は浮遊生活を送り、成体になると遊泳性捕食者として海洋食物網の中核を担い、大型魚類や海産哺乳類の重要な餌資源ともなっている。
④ 漁業から人間活動の影響まで。
イカ類には数センチの小型種から、全長20mを超える巨大イカまで多様な種類が存在し、巨大イカは無脊椎動物の中でも最大級である。深海に生息するため直接観察は困難で、主にマッコウクジラの食性調査などを通じて研究されてきた。イカ類は水産資源としても重要で、頭足類の水揚げの約70%を占め、世界で年間100万トン以上の漁獲が可能とされている。一方、過去に行われた流し網漁では、海鳥や海産哺乳類など多くの非対象生物が混獲され、深刻な問題となった。現在は国際的な規制と選択的漁法が進み、日本ではスルメイカなどが持続的利用の対象として重要な漁業資源となっている。
キーワード
① 遊泳性甲殻類 ② 中間消費者 ③ オキアミ類 ④ 遊泳性頭足類 ⑤ 漁業利用
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第12回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、海洋環境に適応した爬虫類がどのような分類群から成り、どのような生態的特徴をもつのかを整理しなさい。特に、ウミガメの長距離回遊と母浜回帰性、ウミヘビの完全海生生活への適応に注目すること。また、人間活動がこれらの生物に与えてきた影響と、現在行われている保全対策の意義について、自分の言葉で簡潔にまとめなさい。
13
【ネクトンと水産海洋学(2) 海産爬虫類】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。
第12-18回は、第2部の海洋生物学となる。海洋生態系の特徴を踏まえた上で、それぞれの生物群について理解を深めていく。(難易度:普通★★)
◆コマ主題細目①
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.114
◆コマ主題細目②
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.114-115
◆コマ主題細目③
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.115
コマ主題細目
① 海産爬虫類 分類群 ② 海産爬虫類 ウミガメの繁殖と資源量 ③ 海産爬虫類 ウミヘビの生態
細目レベル
① 分類と生息域まで。
海洋環境に適応した爬虫類は多くないが、その代表としてウミガメ類、ウミヘビ類、海生イグアナ、沿岸性ワニ類が知られている。ウミガメはアオウミガメ、アカウミガメ、タイマイ、ヒメウミガメ、ケンプヒメウミガメ、オサガメ、ヒラタウミガメの7種が現生し、熱帯海域を中心に分布するが、その体は流線形で、長距離回遊に適した構造をしているため、長距離回遊によって温帯域に達することもある。食性は多様で、外洋でクラゲや魚を食べる種、沿岸で海藻や海草を食べる種などが存在する。すべてのウミガメは成長後に出生地近くの特定の砂浜へ戻って産卵するという共通した生活史をもつ。成体は数千kmに及ぶ回遊を行い、生まれた砂浜付近に戻って産卵する「母浜回帰性」を示す。
② 繁殖から資源まで。
ウミガメの産卵地は必ずしも安全ではない。卵や孵化直後の幼体は海鳥やカニに捕食されやすく、海に到達した後も魚類の捕食圧を受ける。卵から孵化した幼体は、海へ向かう過程で多くが捕食され、生残率は非常に低い。形態的特徴として、前肢はヒレ状に変化し、体は流線形で、高い遊泳能力をもつ。肺呼吸を行い、長時間の潜水が可能である。種によって食性が異なり、クラゲ・甲殻類・魚類・海藻・海草などを摂食する。クラゲや海草を食べることで生態系のバランスを維持している。これらの摂餌行動は海草藻場の更新や栄養循環に貢献する。
かつては肉・卵・甲羅(べっ甲)目的で乱獲され、現在は全種が絶滅危惧種である。成体は、肉や装飾用の甲羅を目的とした乱獲により個体数を大きく減少させてきた。また、混獲、海洋プラスチック、沿岸開発、気候変動も深刻な脅威となっている。その結果、現在ではウミガメ全種が絶滅危惧種または絶滅危機種とされ、国際取引の禁止や産卵地保護、卵の保護・放流といった対策が各地で進められている。これらの保全措置の効果については、今後も継続的な観察が必要である。
③ 繁殖から生態まで。
一方、ウミヘビ類は約60種が知られ、鼻腔と肺で呼吸する完全な爬虫類でありながら、沿岸域やサンゴ礁、熱帯外洋に生息する。その形態は側扁した尾をもち、推進力の高い遊泳に適応した形状をしている。肺が細長く体の大部分に広がり、浮力調整とガス交換に寄与している。また、皮膚からの酸素吸収も可能で、これにより長時間潜水が可能となっている。毒牙をもち、毒は非常に強力(神経毒)とされる、毒を用いる捕食者であるが、通常は人に対して攻撃的ではない。
多くの種は海中で出産し、群れを形成して小魚やイカを捕食する。主な捕食者は大型魚類やサメ、海鳥などである。ウミヘビの分布はインド洋・太平洋の熱帯域に限られ、大西洋には及んでいない。分布がインド洋・太平洋に限られる理由の一つは、パナマ地峡・運河の淡水域が分散障壁となっているためと考えられている。
キーワード
① 海産爬虫類 ② 母浜回帰性 ③ 長距離回遊 ④ 生態的役割 ⑤ 形態適応
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第13回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、海洋哺乳類がどのような分類群に分けられ、それぞれがどのような摂餌様式や生活史をもっているのかを整理しなさい。特に、ヒゲクジラとハクジラの形態的・生態的な違いに注目すること。また、海洋哺乳類が高次捕食者として海洋生態系に果たす役割と、人間活動(捕鯨・混獲・環境汚染)が個体群に与える影響について、自分の言葉でまとめなさい。
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【ネクトンと水産海洋学(3) 海洋哺乳類1】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。
第12-18回は、第2部の海洋生物学となる。海洋生態系の特徴を踏まえた上で、それぞれの生物群について理解を深めていく。(難易度:普通★★)
◆コマ主題細目①
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.117-118
◆コマ主題細目②
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.117-118
◆コマ主題細目③
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.117-118
コマ主題細目
① 海洋哺乳類概論 ② ヒゲクジラ亜目の生態 ③ ハクジラ亜目の生態
細目レベル
① 分類から人為的影響まで。
海洋哺乳類は、大きくクジラ類、鰭脚類(アシカ・アザラシ・セイウチなど)、海牛類(ジュゴン・マナティー)に分けられる。もともと異なる陸上哺乳類から進化し、独立に海洋環境へ適応した生物群である。いずれも恒温性で、肺呼吸を行い、授乳によって子を育てるという哺乳類の基本的特徴を備えている。中でもクジラ目(鯨偶蹄目)は、約5500万年前に陸上哺乳類から進化したと考えられ、現生ではクジラとイルカを含め約80種前後が知られている。海洋哺乳類は海洋生態系において高次捕食者として重要な役割を果たし、膨大な量の海洋生物生産を消費している。一方、人間による捕鯨や混獲、環境汚染などにより、多くの種が深刻な影響を受けてきた。
② 繁殖から生態まで。
ヒゲクジラ亜目は約14種からなり、頭頂部に2つの噴気孔をもち、歯をもたず、上顎に垂れ下がるヒゲ板を用いて餌を濾し取ることを特徴とする。ヒゲ板は角質でできたブラシ状の構造で、主にオキアミなどの動物プランクトンを捕食する。シロナガスクジラは体長30mを超え、地球史上最大の動物として知られるが、シロナガスクジラもまた動物プランクトンを主食とする。一方、ナガスクジラ科の多くは群衆性の小型魚類を主食とし、ザトウクジラなどはバブルネットフィーディングと呼ばれる群れ協力摂餌を行うことが知られている。また、コクジラは海底の底生動物を吸い込んで食べるなど、種によって摂餌様式は多様である。多くの大型ヒゲクジラは、冬季に低緯度域で繁殖し、夏季に高緯度域で摂餌する季節回遊を行う。捕鯨以前には、ヒゲクジラ類は南極海で膨大な量のオキアミを消費していたと推定されており、その生態的影響は極めて大きい。
③ 繁殖から生態まで。
ハクジラ亜目には約70種が含まれ、すべて歯をもち、頭頂部に1つの噴気孔をもつ点がヒゲクジラ亜目との大きな違いである。俗に言うイルカやマッコウクジラなどが含まれ、魚類やイカ類を捕食する能動的な捕食者である。中にはアザラシや他のクジラ類を襲うシャチのようなトッププレデターも存在する。ハクジラ類は深い潜水能力をもち、マッコウクジラは2200m以上まで潜水した記録がある。また、多くの種でエコーロケーション(音響定位)を用いて獲物を探索し、群れで協調行動を行うことも知られている。生息海域はほぼ全海洋に何らかの分布が確認されており、北極のみに生息するイッカクやシロイルカ、アマゾン川のみに生息するアマゾンカワイルカなど、限定された海域に生息するものも存在する。沿岸域や河川に生息する小型鯨類もおり、それらは現在も混獲や環境汚染の影響を強く受けており、捕鯨規制後も保全上の課題が残されている。
キーワード
① 海洋哺乳類 ② ヒゲクジラ亜目 ③ ハクジラ亜目 ④ トッププレデター ⑤ 人為的影響
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第14回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、海洋哺乳類のうち鰭脚類と海牛類が、どのような生活様式や食性によって海洋環境に適応しているのかを整理しなさい。特に、鰭脚類が陸上・氷上で繁殖する点や、海牛類が完全な草食性で沿岸域に分布する点に注目すること。また、乱獲や漁業との軋轢など、人間活動が個体群に与えてきた影響について、自分の言葉でまとめなさい。
15
【ネクトンと水産海洋学(4) 海洋哺乳類2】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。
第12-18回は、第2部の海洋生物学となる。海洋生態系の特徴を踏まえた上で、それぞれの生物群について理解を深めていく。(難易度:普通★★)
◆コマ主題細目①
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.115
◆コマ主題細目②
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.115
◆コマ主題細目③
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.115-117
コマ主題細目
① 鰭脚類 分類と生態 ② 鰭脚類 人為的影響 ③ 海牛類
細目レベル
① 分類から生態まで。
海洋哺乳類の第2のグループとして、四本のヒレ状の足をもつ鰭脚類がある。鰭脚類にはアシカ科、アザラシ科、セイウチ科が含まれる。クジラ類とは対照的に、鰭脚類は陸上や氷上で繁殖集団を形成し、そこで出産や休息を行う。現生種は世界中の海域に約32種が分布し、さらに淡水域であるバイカル湖には1種が知られている。ただし、種数・個体数ともにその大半は両極の寒冷域に集中している。多くの鰭脚類は魚類やイカ類を主食とするが、セイウチは例外的で、二枚貝などの軟体動物やその他の底生動物を捕食する。鰭脚類は群れを作って移動することが多く、種によっては長距離回遊を行う。顕著な性的二型を示す種が多く、雄が雌の隊長の2倍以上であったり、雌の体色が茶色〜灰色であるのに対し、雄は黒の模様を持つ、特殊な形態を持つなどの特徴を示す種もある。アザラシ科で最大体長を持つ種はゾウアザラシ類、アシカ科ではトドもしくはオタリアが知られている。
② 乱獲から管理まで。
鰭脚類はかつて、毛皮や脂肪、あるいはセイウチの牙を目的として大規模に乱獲されてきた。しかし、現在では国際的な保護措置や管理により、その乱獲は次第に収まりつつある。人為的影響が深刻な結果をもたらした例も存在する。カリブ海に生息していたカリブモンクアザラシはすでに絶滅しており、ハワイ産や地中海産のモンクアザラシも、絶滅の危機に瀕していると考えられている。このように、鰭脚類は比較的陸上に近い場所で繁殖・休息するという生態的特徴をもつため、人間活動の影響を受けやすく、過去の乱獲や現在の生息環境の変化が個体群に大きな影響を与えてきた。一方で、沿岸に生息する種は、養殖網や定置網の中に入り込み、漁獲されるはずの魚類を採食してしまう事例もあり、大きな漁業被害が出ている。網に絡まることによる混獲や漁業被害を防ぐための駆除が行われることもあり、保護と人間活動の軋轢が問題となっている。
③ 分類から生態まで。
海洋哺乳類の第3のグループとして、海牛類があり、現生ではマナティー3種とジュゴン1種が含まれる。海洋哺乳類の中で、海牛類だけが完全な草食性であり、動物ではなく海草などの大型植物を栄養源としている。この食性の制約により、分布域は沿岸浅海域や河口域、河川などに限られ、陸上には上がらない。現生の海牛類は4種が知られ、そのすべてが淡水または汽水域を含む環境に生息している。過去の記録によれば、乱獲によって個体数が激減する以前には、マナティーやジュゴンが大きな集団を形成していたとされ、海牛類には高度な社会性があった可能性も示唆されている。しかし、動作が緩慢で沿岸域に生息するため、人間にとって捕獲しやすい存在であり、肉・脂・皮は文化的にも重視されてきた。その結果、ジュゴンの分布はかつて大西洋まで広がっていたとされるが、現在ではインド洋と太平洋に限られている。マナティーは3種が知られ、いずれも熱帯域に分布している。
海牛類に属していた第5の種として、すでに絶滅したステラー海牛が知られている。この巨大な海獣は、1741年のベーリング探検航海において博物学者ステラーによって報告された。体長は約10m、体重は10トンにも達し、小群を形成して昆布などの大型藻類を食べる温和な動物であったと記録されている。発見後、冬季食料として急速に捕獲が進み、推定約2000頭いた個体群は、わずか27年後の1768年に完全に絶滅した。考古学的証拠からは、ステラー海牛が先史時代から人類に容易に捕獲されていた可能性も示唆されている。
キーワード
① 鰭脚類 ② 氷上繁殖 ③ 乱獲と人為的影響 ④ 海牛類 ⑤ ステラー海牛
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第15回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、第12回から15回までの資料を再度読み込み、ネクトンを構成する主要な生物群(遊泳性甲殻類、頭足類、海産爬虫類、海洋哺乳類)が、海洋食物網の中でどのような役割を担っているのかを整理しなさい。特に、中間消費者と高次捕食者の違い、長距離回遊や摂餌様式の特徴に注目すること。また、漁業利用や混獲、乱獲といった人間活動が、これらの生物群と海洋生態系全体に与える影響について、自分の言葉で簡潔にまとめなさい。
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【ネクトン概論(踊り場)】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。
第12-18回は、第2部の海洋生物学となる。海洋生態系の特徴を踏まえた上で、それぞれの生物群について理解を深めていく。(難易度:普通★★)
◆コマ主題細目①
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.113-114
◆コマ主題細目②
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.114-115
◆コマ主題細目③
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.115-117
コマ主題細目
① 遊泳性甲殻類と頭足類 ② 海産爬虫類 ③ 海洋哺乳類
細目レベル
① 遊泳性甲殻類から頭足類まで。
第12回は、第2部「海洋生物学」の導入として、ネクトンを支える主要生物群である遊泳性甲殻類と遊泳性頭足類(主にイカ類)を扱った。ネクトンの中心は魚類だが、海域によっては大型甲殻類や頭足類、さらには海産爬虫類・海鳥・海産哺乳類が重要な位置を占める。遊泳性甲殻類はカイアシ類、オキアミ類、アミ類、遊泳性エビ類、外洋性端脚類などからなり、一次生産者と高次捕食者を結ぶ「中間消費者」として食物網の要である。とくにオキアミ類は資源量が極めて大きく、南極オキアミはヒゲクジラや魚類・海鳥の主要餌生物である一方、1960年代以降に漁業利用が進み、主に飼料として利用されてきた。現状の漁獲量は自然界で消費される量に比べれば小さいが、潜在的漁獲量は世界の魚類漁獲量の約3分の1に相当するとされ、南極海生態系への影響を踏まえた慎重な管理が求められる。イカ類は発達した脳・鋭い感覚とジェット推進による高い遊泳能力を持つ捕食者で、成長が速く水温の影響を強く受ける。水産資源としても重要で、頭足類漁獲の大半を占めるが、過去の流し網漁のように混獲問題を生んだ漁法もあり、現在は規制と選択的漁法へ移行している。
② 海産爬虫類まで。
第13回は、海洋に適応した爬虫類という「少数精鋭」の生物群を整理し、ウミガメとウミヘビを中心に、生態と保全を結びつけて理解する回である。海産爬虫類にはウミガメ類・ウミヘビ類のほか、海生イグアナ、沿岸性ワニ類が含まれる。ウミガメは現生7種で、熱帯海域を中心に分布するが、流線形の体とヒレ状の前肢により長距離回遊が可能で、温帯域に達することもある。食性は多様で、外洋でクラゲや魚を食べる種、沿岸で海藻・海草を食べる種などがいる。最大の特徴は、成長後に生まれた砂浜付近へ戻って産卵する「母浜回帰性」であり、数千km規模の回遊と繁殖地への依存が生活史の骨格となる。一方、産卵地は安全とは限らず、卵や孵化直後の幼体は海鳥やカニに捕食されやすく、生残率は低い。さらに人為的には、肉・卵・甲羅(べっ甲)目的の乱獲に加え、混獲、海洋プラスチック、沿岸開発、気候変動が脅威となり、全種が絶滅危惧に位置づけられている。これに対し、国際取引の禁止、産卵地保護、卵の保護・放流などの対策が進む。ウミヘビは約60種で、肺呼吸を行いながら完全海生生活を営む。側扁した尾や細長い肺、皮膚呼吸によって潜水に適応し、毒牙を用いて小魚やイカを捕食する。分布はインド洋・太平洋の熱帯域に限られ、大西洋へ広がらない点も重要な地理的特徴である。
③ 鯨類から海牛類まで。
第14〜15回は、海洋哺乳類を「海に適応した哺乳類」という共通点から整理し、分類・生態・人為影響までを一続きで学ぶ回であった。海洋哺乳類はクジラ類・鰭脚類・海牛類に大別され、恒温性・肺呼吸・授乳という哺乳類の特徴を保ったまま海で暮らす。クジラ類はヒゲクジラ亜目とハクジラ亜目に分かれ、ヒゲクジラは噴気孔が2つで歯をもたず、ヒゲ板でオキアミなどを濾し取る。史上最大のシロナガスクジラもプランクトン食だが、魚群を協力して捕る種や底生動物を吸い込む種もおり、摂餌様式は多様で、季節回遊を行う大型種が多い。ハクジラは噴気孔が1つで歯をもち、魚類・イカ類を能動的に捕食する。シャチのようなトッププレデターも含まれ、深潜水やエコーロケーション、群れでの協調行動が特徴となる。鰭脚類(アシカ・アザラシ・セイウチ)は陸上や氷上で繁殖・休息し、寒冷域に多く、魚やイカを主食とするがセイウチは底生二枚貝も食べる。海牛類(ジュゴン・マナティー)は唯一の完全草食性で河川もしくは沿岸浅海域に生息は限られる。これらは乱獲、混獲、環境改変・汚染など人間活動の影響を強く受け、絶滅例(カリブカイモンクアザラシ、ステラー海牛)も含め、保全と利用の両立が重要課題である。
キーワード
① ネクトン ② 中間消費者 ③ 生活史 ④ 高次捕食者 ⑤ 人為的影響と保全管理
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第16回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、海鳥類が海洋環境に適応する過程で獲得した形態的・行動的特徴を整理しなさい。特に、摂食様式の違いが分布や繁殖地の形成にどのように関係しているかに注目すること。また、オオウミスズメの絶滅や近年の汚染・混獲の事例から、人為的影響が海鳥類に及ぼす影響の特徴を考察し、ペンギン類を含む海鳥の保全に必要な視点を自分の言葉でまとめなさい。
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【ネクトンと水産海洋学(5) 海鳥類】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。
第12-18回は、第2部の海洋生物学となる。海洋生態系の特徴を踏まえた上で、それぞれの生物群について理解を深めていく。(難易度:普通★★)
◆コマ主題細目①
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.118-119
◆コマ主題細目②
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.119-121
◆コマ主題細目③
ポール・R・ピネ、『海洋学』、東海大学出版部、2016年、pp.470-471
コマ主題細目
① 海鳥の生態と分布 ② 人為的影響と保全 ③ ペンギンの進化と生態的特徴
細目レベル
① 生態から分布まで。
海鳥類は、海産爬虫類や海洋哺乳類と同様に、陸上の祖先から進化して海洋環境に高度に適応した鳥類であり、定義によって異なるが約260〜285種が含まれる。これは世界の鳥類全体の約3%に相当する。ウミスズメ類、アホウドリ類、ミズナギドリ類、ペンギン類、カツオドリ類などは、生活の大半を海上や海中で過ごし、形態や行動は海洋生活に特化している。一方、シギ・チドリ類のように海浜で採食するが遊泳しない鳥も存在する。外洋性の海鳥は、くちばしや翼の形態の違いに応じて多様な摂食様式を発達させ、表層から餌をすくい取る種、急降下して魚類やイカを捕らえる種、翼や足を使って水中を泳ぎながら採食する種などがいる。これらの海鳥は、生産性の高い湧昇域や海洋前線域に集中して分布し、南極や南米西岸沖では巨大な繁殖集団が形成される。また、多くの海鳥は季節的な海洋環境の変化に応じて分布を変え、渡りを行う。香芭シギのように、特定の時期に高栄養な餌資源を利用して体重を大きく増加させ、長距離移動と繁殖を成功させる例も知られている。しかし近年では、気候変動や人為的環境改変により餌資源が不安定化し、繁殖や生存に新たなリスクが生じている。
② 海産爬虫類まで。
オオウミスズメは陸上での防御能力が極めて低く、哺乳類捕食者のいない岩島に営巣することで生存してきた海鳥である。しかし人為的に持ち込まれた猫やネズミ、豚などにより繁殖地が攪乱され、個体群は急激に減少した。さらに人間による食肉、羽毛、油脂目的の過剰な捕獲が加わり、北大西洋にのみ生息していたオオウミスズメは1844年に絶滅した。本種は飛翔能力を失い、潜水によって餌を得る点で、南半球のペンギンに相当する生態的地位を占めていた。現在のウミドリ類も、石油流出事故による被害、農薬やPCB、水銀などの有害物質の生物濃縮、沿岸開発による生息地喪失、流し網による混獲、漁業による餌資源の減少といった複合的な人為的脅威にさらされている。ウミドリ類は繁殖能が低く成熟に時間を要するため、急激な環境変化に適応しにくい。したがって、法的保護、繁殖地と餌資源の保全を含む包括的な対策が、種の存続に不可欠である。
③ 進化から生態まで。
ツノメドリ、アホウドリ、ミズナギドリ、ペンギンなど多くの海鳥は、魚類やイカ類を主要な餌資源としている。中でもペンギンは、飛翔能力を失う代わりに、遊泳と潜水に特化した進化を遂げた海鳥である。体は大型で重く、骨は太く、断熱のために厚い脂肪層をもち、水を弾く油状の羽毛と流線型の体形、短く太い翼を備えている。コウテイペンギンは巡航速度時速7キロ、最大で約15キロに達し、約560メートルの深度まで2〜3分間潜水する能力をもつ。ペンギンは南半球のみに分布し、18種が知られている。うち4種は南極大陸沿岸に繁殖地をもち、種によって繁殖戦略は異なる。特にコウテイペンギンは極寒の冬季に氷上で集団行動により卵を保温する。ペンギン類全体では年間約3500万トンもの餌を海から得ており、海洋生態系において重要な捕食者として機能している。また、オーストラリアやニュージーランド沿岸に生息するコガタペンギンは、同じ巣穴を使い、安定したつがい関係を維持する特徴をもつ。
キーワード
① 海鳥類 ② 摂餌様式 ③ 湧昇流 ④ 乱獲 ⑤ ペンギン
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第17回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、魚類がどのように分類され、それぞれが異なる食性・繁殖様式・生息深度に適応しているのかを整理しなさい。特に、表層魚と深層魚の生態の違い、生物発光の役割、遊泳形態と捕食戦略の関係に注目すること。また、回遊行動や漁獲圧が魚類資源に与える影響についても考察し、自分の言葉で簡潔にまとめなさい。
18
【ネクトンと水産海洋学(6) 海産魚類】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。
第12-18回は、第2部の海洋生物学となる。海洋生態系の特徴を踏まえた上で、それぞれの生物群について理解を深めていく。(難易度:普通★★)
◆コマ主題細目①
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.121-125
◆コマ主題細目②
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.121-125
◆コマ主題細目③
ポール・R・ピネ、『海洋学』、東海大学出版部、2016年、pp.321-324
コマ主題細目
① 分類と食性の多様性 ② 深層魚類の多様性 ③ 魚類の遊泳戦略と形態適応
細目レベル
① 分類から食性まで。
魚類は海産脊椎動物の中で最も多様で繁栄した分類群であり、無顎類、軟骨魚類、硬骨魚類の三つに大別される。無顎類にはヤツメウナギやメクラウナギが含まれ、約5億5千万年前に出現した原始的な魚類で、現在は約50種に限られる。軟骨魚類はサメやエイからなり、約4億5千万年前に進化し、約300種が知られる。大型のサメの中にはプランクトン食者も多く、必ずしも凶暴な捕食者ではない。一方、硬骨魚類は約3億年前に出現し、現在の海産魚類の大多数を占め、2万種以上に達する。これらは体サイズや生息環境、餌資源に応じて多様な食性を示し、プランクトン食から魚食まで幅広い。魚類の成長や資源量は餌生物の変動に強く影響され、回遊によって季節的な食物変化に対応する種も多い。人為的にはサメの乱獲や混獲、水産資源の変動が大きな課題となっている。
② 発光から回遊まで。
深層は表層に比べて魚類の種数が少なく、水産的利用も限定的であるが、特徴的な生態をもつ魚類が多く存在する。中層魚類約1000種のうち、特に種数・個体数が多いのはトカゲギス類(約300種以上)とハダカイワシ類(200〜250種)であり、いずれも生物発光を行う。発光は共生バクテリアによるもので、餌の誘引や配偶者探索に利用される。これらの魚は小型種が多いが、大型化する種も存在し、体色や形態は生息深度に応じて変化する。ハダカイワシ類は日周鉛直移動を行い、マグロやイカ、イルカなどの重要な餌資源となる。一方、深層では繁殖機会が少ないため、アンコウ類のように雄が雌に寄生する特異な繁殖様式も見られる。多くの硬骨魚類は体外受精・多産で、浮遊幼生期を経るため、軟骨魚類より漁獲の影響を受けにくい。
③ 流体力学から捕食成功まで。
魚類は三次元的な水中空間を遊泳する生物であり、捕食者と被食者の双方が高い運動能力を必要とする。水中移動では摩擦抵抗・形状抵抗・乱流抵抗という三つの抵抗を克服する必要があり、魚の体形はこれらを最小化するよう進化してきた。多くの魚は球体と細長い鉛筆形の中間である流線型の円筒形をもち、効率的な遊泳を可能にしている。特にマグロ類のような高速遊泳魚は魚雷型の体と高いアスペクト比をもつ尾びれを備え、持続的な高速移動に適応している。一方、カワカマス類は瞬発的な加速と高い捕食成功率を特徴とし、低アスペクト比の尾びれで待ち伏せ型の捕食を行う。チョウチョウウオ類は機動性に優れ、低速で正確な遊泳を得意とする。多くの魚はこれらの中間的であり、状況に応じて多様な遊泳様式を使い分ける。遊泳形態と捕食成功率には明確な関係があり、魚類の多様な生活戦略を支えている。
キーワード
① 魚類三大分類 ② 食性 ③ 回遊 ④ 生物発光 ⑤ アスペクト比
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第18回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、海洋生物の生活史がどのような段階から成り立ち、どの段階で死亡リスクが高いのかを整理しなさい。特に、卵サイズと産卵数のトレードオフ、少卵多産戦略が海洋環境で有利となる理由に注目すること。また、仔魚期から稚魚期への移行や変態・着底が、生息場所や餌の変化とどのように結びついているのかを、自分の言葉で簡潔にまとめなさい。
19
【海洋生物の生活史特性】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。
第19回は、第2部の海洋生物学を行なう。海洋生態系の特徴を踏まえた上で、それぞれの生物群について理解を深めていく。(難易度:普通★★)
◆コマ主題細目①
日本生態学会(編)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp.171
◆コマ主題細目②
日本生態学会(編)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp.171-174
◆コマ主題細目③
日本生態学会(編)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp.174-186
コマ主題細目
① 海洋生物の生活史特性 ② 海洋生物の繁殖戦略 ③ 初期生活史
細目レベル
① 出生から死亡まで。
生物個体が出生してから死亡するまでにたどる過程のことを生活史という 成熟年齢、成熟サイズ、産卵数、卵サイズ、核発子育段階や年齢ごとの成長率、生存率などの量的形質は生活種パラメータと呼ばれる。 これらの生活種パラメータは次世代に残す子孫の数、つまり適応度に影響することから、 生活種の特性は生息環境の特性と関連して進化してきたと考えられる。 特に適応度と関連した生活種の特性は生活種戦略と呼ばれる。 ここでは海洋生態系において高次栄養段階に位置する水産動物の主な生活種の特性を紹介し、 それらがどのような適応的意味を持つか述べる。
② 卵サイズから産卵数まで。
多くの水産動物は卵から生まれ、卵は水に浮く浮性卵と沈む沈性卵に大別される。海洋生物の多くは直径1mm前後の小さな卵を大量に産む「少卵多産」戦略をとり、例えばクロマグロは1回に数千万個もの卵を産卵する。一方、大きな卵は卵黄が多く、孵化後の飢餓耐性や遊泳能力が高く、捕食回避や餌利用の点で有利である。しかし卵を大きくすると産卵数が減少するため、卵サイズと産卵数はトレードオフの関係にある。この中で適応度を最大化する最適卵サイズが進化的に決まると考えられている。海洋では幼生期から利用できる微小プランクトンが豊富で、餌が斑状に分布するため、小卵を多く産むことで飢餓リスクを分散できる。ただし深海や極域、冬季など餌条件が厳しい環境では卵サイズが大きくなる傾向がある。また一部の魚類では胎生や卵胎生が見られ、環境や進化史に応じた多様な繁殖戦略が存在する。
③ 仔魚から稚魚まで。
水産動物の多くは卵から孵化するが、孵化直後の個体は発達が未熟で、親とは大きく異なる形態を示すことが多い。魚類では、親と異なる形態の段階を「仔魚」、親と同じ形態になった段階を「稚魚」と呼ぶ。代表的な幼生形態には、ウナギ類のレプトセファルス幼生、イワシ類のシラス幼生、甲殻類のノープリウス・ゾエア幼生、貝類のトロコフォア・ベリジャー幼生などがある。これらの形態は体積に対する表面積を大きくし、浮遊生活に適応した結果と考えられる。幼生は遊泳力が弱く、主に動物プランクトンを餌とする。一方、マグロ類やカジキ類では稚魚期に大きな顎を持ち、餌の乏しい外洋で共食いを行う戦略が進化している。孵化後の成長過程で形態や生活様式が大きく変化する現象を変態といい、ヒラメ類では浮遊生活から底生生活への移行(着底)とともに餌も変化する。また、孵化直後から親と同じ形態を示す直達発生の種も存在する。初期生活史における重要な転換点は、孵化、初回摂餌、変態、着底の4段階であるが、すべての種に共通するわけではない。
キーワード
① 生活史 ② 適応度 ③ トレードオフ ④ 小卵多産 ⑤ 初期生活史
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第19回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、魚類の初期生活史における「仔魚」と「稚魚」の違いを整理しなさい。特に、シラス幼生と外洋性魚類幼生(例:マグロ類)で見られる形態差が、どのような生息環境や摂餌様式と関係しているのかに注目すること。また、日周鉛直移動や浮遊生活が仔魚の生存戦略としてどのような意味をもつのかを、自分の言葉でまとめなさい。
20
【海産魚類実習(1) 仔魚観察】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。
第20回は、第2部の海洋生物学の中でも魚類の仔魚観察を行なう。海洋生態系の特徴を踏まえた上で、それぞれの生物群について理解を深めていく。(難易度:普通★★)
◆コマ主題細目①
日本生態学会(編)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp.171-186
◆コマ主題細目②
日本生態学会(編)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp.171-186
◆コマ主題細目③
矢部衞ほか(編)、『魚類学』、恒星社厚生閣、2024年、pp.179-198
コマ主題細目
① 仔魚実験の内容 ② 仔魚の観察 ③ シラス期魚類の行動生態
細目レベル
① ソートから分類まで。
前回、水産動物の多くは卵から孵化し、孵化直後の個体は発達が未熟で、親とは大きく異なる形態を示すことが多いことを学んだ。魚類では、親と異なる形態の段階を「仔魚」、親と同じ形態になった段階を「稚魚」と呼び、代表的な幼生形態には、ウナギ類のレプトセファルス幼生、イワシ類のシラス幼生を紹介した。今回は「仔魚」の観察を行う。シラス類仔魚の中に含まれる、様々な種のソーティングを行い、含まれる生物種の簡易同定を行う。それらに含まれる生物種数と各個体数を計測する。また、分類した個体ごとノギスを用いて、体長の計測も行う。種数と個体数の数値を用いて多様度指数を求める。体長の計測は、後にレポートにおいて種ごとに平均値と分散を求めるため、実験ノートに間違いなく記録していく。
② スケッチから観察まで。
ソーティングが終了した後、2種を選定し、顕微鏡を用いて詳細頭部と全身のスケッチを行う。魚類の体は構造によって幾つかの部位に区分けされる。外から見た頭部は、多くの魚類の場合、口の先から鰓を覆っている骨(鰓蓋骨)の後端までを指す。頭部前部を吻部、頭部後端から肛門までを胴部、肛門から尾鰭の付け根までを尾部と呼ぶ。口の開口部が上向か下向きか、注意深く観察してほしい。また、成魚には明瞭な鰭があるが、仔魚期には発達の見られない鰭もある。背鰭、胸鰭、腹鰭、臀鰭、尾鰭、脂鰭などがあり、胸鰭と腹鰭は左右に一対持つ。また、尾鰭は種類によって形態が異なる。仔魚期形態と成魚形態の違いも観察する。
次に、前回に学んだ通り、仔魚の形態を決定つける要因の一つに、幼生期の生活環境が挙げられていた。動物プランクトンの多い沿岸域にて幼生期を過ごすシラス幼生と外洋域にて幼生期を過ごすマグロ幼生では、口角(顎)の発達に違いが見られる。ここでは、頭部と全身をスケッチしたのち、それらの生息域に関して考えていく。
③ 行動生態から生息環境まで。
シラスとは、ニシン目に属するカタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシの体が透明な後期稚魚から初期稚魚段階を指し、外見が類似するアユやイカナゴなども含めて扱われる。カタクチイワシはやや沖合で産卵するが、シラス期の主な生息場は濁りのある沿岸域であり、ここに重要なシラス漁場が形成される。カタクチシラスは短距離の日周鉛直移動を行い、昼間は中層から海底付近にパッチ状に分布して活発に摂餌し、夜間は表層近くに分散して摂餌を行わず浮遊する。飼育実験から、シラスは濁りや高照度に誘引され、夜間はエネルギー消費を抑えるためエラを膨張させて浮力を維持すること、空気を飲み込んでエラを膨らませる行動をとることが明らかになっている。我が国では魚類初期生活史研究が早くから進められ、形態と生態的位置づけの対応関係が体系化されてきた。幼魚の形態的特徴には、防御や摂餌効率を高める擬態や消化管の伸長など、生存率を高めるための適応的意味があると考えられている。
キーワード
① 仔魚 ② 稚魚 ③ 種同定 ④ 鰭 ⑤ 行動生態
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第20回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、大学レポートにおける「報告型レポート」と「論文」の違いを整理しなさい。あわせて、引用がなぜ必要なのか、直接引用と間接引用の使い分けを確認すること。また、図と表の役割の違い、シンプソンの多様度指数がどのようなデータに適している指標なのかを理解し、実習データをどのように考察へつなげるかを考えて、自分の言葉で書き出しておく。
21
【海産魚類実習(2)】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。
第21回は、第2部の海洋生物学の中でも魚類の稚魚判別を行なう。前回の観察を元にレポートの作成を中心に行い、海洋生態系の特徴を踏まえた上で、それぞれの生物群について理解を深めていく。(難易度:普通★★)
◆コマ主題細目①
大学生学のハンドブック 世界思想社 p.34-4
◆コマ主題細目②
大学生学のハンドブック 世界思想社 p.34-4
◆コマ主題細目③
M.Begonほか(著)、『生態学』、京都大学学術出版会、2013年、pp.341-342
コマ主題細目
① レポートの種類 ② 文体と図表 ③ シンプソンの多様度指数
細目レベル
① 報告レポートから論文まで。
大学のレポートには「報告型レポート」と「論文」があり、前者は調査内容を客観的にまとめ、後者は自分の主張を論理的に展開する点が特徴です。いずれも表紙、序論、本論、結論、引用文献で構成されます。引用にはルールがあり、守らないと剽窃となって処分の対象になります。また、レポートでは感想ではなく根拠に基づく主張を書くことが求められます。基本的な構成と引用ルールを守り、論理的に文章を組み立てることが重要です。レポートや論文では、他者の文章を無断で使用するコピー&ペーストや剽窃が厳禁であり、著作権侵害となる可能性があります。これを避けるためには「引用」を正しく用い、自分の主張と他者の主張を明確に区別することが必要です。引用には、原文をそのまま使う直接引用と、自分の言葉で言い換える間接引用の2種類があり、どちらも必ず出典を明記しなければなりません。間接引用では、内容を正確に理解し要約する力が求められます。また、本文で引用したすべての資料は引用文献リストに記載します。書籍、論文、ウェブサイトなど、情報源の種類に応じて記載方法や必要項目が異なるため、適切な形式で整理する
② 文体表現から図表の書き方まで。
レポートや論文では常体(〜だ・〜である)を用い、敬体や話し言葉を避けることが基本です。曖昧さをなくすために専門用語や漢語を正しく使い、一文を短くして主語と述語、修飾関係を明確にすることが重要です。また、「こと」「ついに」などは読みやすさを考慮してひらがな表記にします。さらに、論理的な文章には接続詞の適切な使用が欠かせません。順接の「そして」「つまり」、逆接の「しかし」「一方」などを正確に用いることで論旨が明瞭になります。これらの基準を守ることが、質の高いレポート作成につながります。また、図表は科学レポートで情報を分かりやすく示すための重要な要素です。図(Figure)はグラフや写真、表(Table)は数値を行列で整理した一覧を指します。科学的なグラフでは補助線を消し、主軸の追加、タイトルや軸ラベルの編集などを行い、見やすく整形します。表では縦線を使わず、必要最小限の横線のみを用います。タイトル位置にも決まりがあり、図は左下、表は左上に配置します。これらの基本ルールを守ることで、読み手にとって理解しやすいレポートになります。
③ 多様度指数から考察まで。
レポートでは、シンプソンの多様度指数(Simpson’s diversity index)を用いて、サンプル内の多様度を求める。求められるシンプソン指数は、サンプルサイズの影響を受けにくく、仔魚群集やプランクトン群集など、個体数の多いデータの比較に特に適した指標である。観察した一次データから、解析を行う。シンプソンの多様度指数は、ある群集における種の多様性を、種数と個体数の偏りの両方から評価する指標である。特に、少数の種に個体が集中しているかどうかを敏感に反映する点が特徴で、生態学や環境評価で広く用いられている。基本となる指標は D = Σ(nᵢ / N)² で表される。ここで nᵢ は第 i 種の個体数、N は群集全体の個体数である。この式は「任意に2個体を抽出したとき、それらが同じ種である確率」を意味し、値が大きいほど特定の種への偏りが強く、多様性は低いことを示す。実際の解析では解釈しやすくするため、1 − D や 1 / D が用いられることが多い。1 − D は値が大きいほど多様性が高いことを示し、1 / D は“実効的な種数”として直感的に理解しやすい。計算手順としては、まず各種の個体数を数え、全個体数に対する比を求めて平方し、それらを合計する。
キーワード
① レポートの基本構成 ② 引用 ③ 学術的文体 ④ 図表ルール、 ⑤ シンプソン指数
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第21回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、海底環境が水深・光・底質・潮汐といった物理条件によってどのように区分されるかを整理しなさい。特に、潮間帯から深海帯にかけて生息する底生生物や底生植物の違いに注目すること。また、底生植物による一次生産がデトリタスとしてどのように生態系へ供給されるのか、光の波長と藻類分布の関係とあわせて理解して、書き出しておくこと。
22
【底生生物(ベントス) 底生植物】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。
第22回は、第2部の海洋生物学を行なう。海洋生態系の特徴を踏まえた上で、それぞれの生物群について理解を深めていく。(難易度:普通★★)
◆コマ主題細目①
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.138-138
◆コマ主題細目②
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.138-139
◆コマ主題細目③
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.138-140
コマ主題細目
① 海底環境の多様性 ② 底生植物群集と一次生産 ③ 微細底生藻類と光環境
細目レベル
① 海底深度から生態系の特性まで。
海底の生息環境は、水中に比べて水深、水温、光、潮汐、底質などの物理条件が多様であり、それに応じて多様な底生生物が生息している。硬い岩盤にはフジツボやイガイなどの付着生物が定着し、その隙間や窪みには移動性動物が隠れ場所として利用する。一方、砂泥底などの軟質底は、底生動物にとって隠れ家であると同時に餌場ともなり、底生動物の種数は動物プランクトンや魚類、海洋哺乳類の合計を上回る。
海底環境は潮位や水深に基づいていくつかの生態区分に分けられる。高潮時のみ冠水する上満潮帯は、海と陸の移行帯であり、生物種は限られる。満潮と干潮を繰り返す潮間帯では、光が届くため底生藻類が生育し、それを利用する多様な動物群集が形成される。常に水没する亜潮間帯から大陸棚外縁にかけては生物が豊富だが、深くなるにつれて光が失われ、生物数は減少する。さらに大陸斜面、深海帯、超深海帯へと進むにつれ、低温・高圧環境が支配的となり、調査例の少ない未知の生態系が広がっている。
② 植物ベントスの生息域から一時生産量まで。
底生植物(植物ベントス)は、海底表面や堆積物中に生息する海産植物であるが、その分布は有光層内に限られる。したがって、底生生産者が存在するのは、潮間帯から亜潮間帯、浅い大陸棚にかけての範囲である。これらの環境では、大型の底生植物が優占する場合があり、比較的静穏で堆積物が多く、植物が根や支持構造を固定できる場所に限られる。代表例として、熱帯のマングローブ林、河口域の塩性湿地、亜潮間帯下部の藻場などが挙げられる。これらの大型底生植物は生産性が高いが、その主要成分は多くの海産動物にとって消化しにくいため、直接摂食される割合は低い。その結果、大量のデトリタスが生成され、潮流によって沿岸域や外洋へ運ばれる。このデトリタスは微生物によって分解され、沿岸生態系の高い生産性を支える重要な栄養源となる。
③ 環境から分布制御まで。
底生生産者には、大型植物だけでなく、微細底生藻類(マイクロフィトベントス)も含まれる。これらは砂泥表面にマットを形成する単細胞藻類や、砂粒表面に付着する着生藻類であり、サイズは小さいものの現存量は非常に大きく、沿岸域の一次生産に重要な役割を果たしている。代表的な分類群には、珪藻類、渦鞭毛藻類、鞭毛藻類などがあり、多くは滑走運動などの運動性をもつ。一部の底生藻類は、底生動物の体内に共生しており、最も有名な例がサンゴと共生する褐虫藻である。また、西オーストラリアやバハマ諸島に見られるストロマトライトは、微生物による炭酸塩沈着構造であり、生物進化の観点からも重要である底生植物の分布深度は、それぞれの種が効率よく吸収できる光の波長によって大きく左右される。緑藻類は比較的浅所に分布し、褐藻類はフコキサンチンをもつためより深部まで分布できる。紅藻類はクロロフィルでは吸収されにくい青緑光を効率よく利用できるため、さらに深い場所にも生育可能である。ただし、乾燥耐性、波浪、食害、基質条件などの影響も大きく、必ずしも色素組成だけで分布が決まるわけではない。これらの要因が重なり合うことで、底生植物群集の多様な分布様式が形成されている。
キーワード
① 底生生物 ② 海底環境 ③ 底生植物 ④ デトリタス ⑤ 分布制御
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第22回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、底生動物が「表在性」と「埋在性」に分けられる理由を、底質との関係から整理しなさい。あわせて、底生動物群集の構造が物理的要因(底質・潮汐・波浪)と生物的要因(競争・捕食・発生様式)によってどのように決まるのかを理解すること。特に、浮遊幼生の分散距離と加入率が群集の年変動に与える影響について、自分の言葉で説明できるようにしておきなさい。
23
【底生生物(ベントス) 底生動物】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。
第23回は、第2部の海洋生物学を行なう。海洋生態系の特徴を踏まえた上で、それぞれの生物群について理解を深めていく。(難易度:難しい★★★)
◆コマ主題細目①
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.140-141
◆コマ主題細目②
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.141-150
◆コマ主題細目③
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.150-152
コマ主題細目
① 生態分類 ② 底生動物群集の多様性 ③ 群衆構造を決める要因
細目レベル
① 生態分類からサイズ構成まで。
底生動物(動物ベントス)は、生息の仕方によって大きく二つの生態分類群に分けられる。一つは「埋在動物」で、二枚貝類や多毛類などのように、体の全部または一部を砂泥などの底質中に埋めて生活する動物群である。これらは柔らかい泥底に多く、特に亜潮間帯から大陸棚域で現存量や多様性が高い。一部には、硬い基盤中に生息する埋在性二枚貝も存在する。もう一つは「表在動物」で、海底表面に付着または露出して生活する動物群であり、底生動物全体の約8割を占める。サンゴ、フジツボ、イガイ、ヒトデ、海綿などが代表例で、特に岩礁やサンゴ礁のような硬質基盤で多様性と現存量が高い。また、海底付近を一時的に遊泳する生物は近底性生物と呼ばれる。底生動物は体サイズによっても分類され、ふるいの目の大きさを基準に、マクロベントス(1mm以上)、メイオベントス(0.1〜1mm)、ミクロベントス(0.1mm未満)に区分される。これらはそれぞれ異なる生態的役割を担い、海底生態系を支えている。
② 単細胞動物から多細胞動物まで。
底生動物(動物ベントス)群集には、海洋に特有で極めて多様な分類群が含まれ、近縁の陸生種や淡水種をもたない海産専有群も多い。代表的な底生動物として、まず単細胞性の原生動物である有孔虫類が挙げられる。有孔虫類は数千種が知られ、表在性・埋在性の両方が存在し、浅海から深海まで広く分布する。最大の原生動物であるゼノフィオフォリアは深海に生息し、有機物を捕獲する構造をもつ。最も原始的な多細胞動物である海綿類は、ろ過食によって微小粒子やバクテリアを摂取する固着性動物で、多孔質な体は他生物の隠れ家にもなる。刺胞動物門にはイソギンチャク、サンゴ、ヒドロ虫類が含まれ、放射相称の体制と刺胞を用いた懸濁食・捕食を行う。特にイシサンゴ類は熱帯海域で礁形成に重要である。さらに、線虫類やヒラムシ類、生口動物、ユムシ類、多毛類など多様な無脊椎動物が底生群集を構成する。多毛類は1万種以上が知られ、堆積物食・懸濁食・肉食など多様な食性を示し、底生バイオマスの中核をなす。甲殻類ではフジツボ類が代表的で、固着性甲殻類として懸濁物を採食し、自然環境から人工構造物まで幅広く分布する。これら多様な底生動物は、海底食物網を支える重要な構成要素である。
③ 底質から生活史まで。
底生動物群集の種組成は、さまざまな物理的・生物的要因によって規定されている。物理的要因の中で最も重要なのは底質の種類であり、海底が岩質・砂質・泥質のいずれであるかによって、表在性種と埋在性種の比率が大きく変化する。一方で、生物自身が底質環境に影響を与えることもあり、埋在生物は掘削や摂食活動によって堆積物を攪乱し、固着生物は地形そのものを変化させる場合がある。沿岸域では、潮汐、波浪、塩分や水温の変動といった要因も、底生群集の構造や現存量に強く影響する。生物的要因としては、競争や捕食、発生様式が重要である。限られた資源をめぐる競争や、選択的捕食による被食者の減少は、群集内の種多様性を変化させる。また、多くの底生動物は浮遊幼生期を経る間接発生を行い、卵黄栄養型とプランクトン栄養型の二つの幼生型が知られている。前者は分散距離が短く、後者は海流によって広範囲に分散するが、死亡率も高い。幼生の分散と着生の成否は個体群への加入率を左右し、年ごとの群集構造の変動を引き起こす重要な要因となっている。
キーワード
① 底生動物 ② 表在性 ③ 埋在性 ④ 底質 ⑤ 間接発生
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第23回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、魚類の生活史と底生生物の群集構造を関連づけて整理しなさい。特に、卵サイズと産卵数のトレードオフが初期生活史の死亡率や分散にどのように影響するのかを説明すること。また、底生生物において底質や浮遊幼生の分散様式が群集構造の年変動を生み出す理由を、自分の言葉でまとめなさい。
24
【海洋生物学総論(踊り場)】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。
第24回は、第2部の海洋生物学のまとめを行う。海洋生態系の特徴を踏まえた上で、それぞれの生物群について理解を深めていく。(難易度:難しい★★★)
◆コマ主題細目①
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.121-125
日本生態学会(編)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp.171-186
◆コマ主題細目②
日本生態学会(編)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp.171-186
M.Begonほか(著)、『生態学』、京都大学学術出版会、2013年、pp.341-342
◆コマ主題細目③
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.140-152
コマ主題細目
① ネクトンと水産海洋学 魚類の生活史特性 ② 魚類実習まとめ ③ 底生生物
細目レベル
① 魚類の分類から初期生活史まで。
第18回では、ネクトンの中核をなす海産魚類について、分類、生態、深層魚類の特徴、そして遊泳戦略と形態適応の観点から総合的に学んだ。魚類は海産脊椎動物の中で最も多様かつ繁栄した分類群であり、無顎類・軟骨魚類・硬骨魚類の三群に大別された。無顎類は原始的な魚類で、現生種は少数であった。軟骨魚類にはサメやエイが含まれ、捕食者のイメージが強いが、実際にはプランクトン食の大型種も存在した。硬骨魚類は現生魚類の大多数を占め、食性・生息環境・生活史において極めて多様であった。
深層魚類では、トカゲギス類やハダカイワシ類が代表的で、生物発光や日周鉛直移動といった特徴的な生態をもっていた。これらは上位捕食者にとって重要な餌資源である一方、繁殖機会が限られる深海では、アンコウ類に見られるような特異な繁殖様式も進化してきた。さらに、魚類の遊泳能力は水中の抵抗を最小化する体形や尾鰭の形態によって決まり、マグロ類のような高速遊泳型、カワカマス類のような待ち伏せ型、チョウチョウウオ類のような機動性重視型など、捕食戦略と密接に結びついていることが示された。
第19回では、海洋生物の生活史に焦点を当て、繁殖戦略と初期生活史の適応的意味を理解することを目的とした。生活史とは、出生から死亡までの一連の過程であり、成熟年齢、産卵数、卵サイズ、成長率、生存率などの生活史パラメータは、生物の適応度を左右する重要な要因である。これらの特性は、生息環境の条件と密接に関係しながら進化してきた。海洋生物の多くは卵生であり、浮性卵と沈性卵に分けられる。海洋環境では微小プランクトンが豊富なため、小さな卵を大量に産む「少卵多産」戦略が一般的である。一方、大きな卵は孵化後の生存に有利だが、産卵数が減るため、卵サイズと産卵数の間にはトレードオフが存在する。深海や極域など餌条件が厳しい環境では、卵サイズが大きくなる傾向が見られる。また、胎生や卵胎生といった例外的な繁殖様式も存在する。初期生活史では、多くの種が親とは異なる形態の仔魚期を経て成長し、変態や着底を通じて生活様式や餌が大きく変化する。孵化、初回摂餌、変態、着底は重要な転換点であり、これらの段階で死亡リスクが高い。初期生活史の成否が個体群動態や水産資源量に大きく影響することが強調された。
② 仔魚の計測から解析まで。
第20回は、魚類の初期生活史を理解するために、仔魚(とくにシラス類)の観察と計測を行う実習回であった。まず、シラスを含む混合サンプルから仔魚をソーティングし、簡易同定によって種を区別する。その後、種数と個体数を計測し、多様度指数を算出するための基礎データを得る。また、ノギスを用いて体長を測定し、後のレポートで平均値や分散を求める準備を行う。観察では、選定した2種について顕微鏡下で頭部と全身をスケッチし、仔魚期特有の形態(鰭の未発達、口の向き、体の区分)を詳細に確認する。さらに、幼生期の生活環境が形態に与える影響として、沿岸域で育つシラス幼生と外洋域で育つ魚類幼生の顎の発達の違いを比較する。加えて、カタクチイワシのシラス期に見られる昼夜で異なる分布や行動(日周鉛直移動)を学び、形態と行動が生存戦略として結びついていることを理解する。実習を通して、観察結果を数量化し、考察につなげる基礎力を養うことが目的であった。
第21回は、第20回の実習結果をもとに、科学的なレポートとしてまとめる方法を学ぶ回であった。まず、大学レポートには調査結果を客観的に示す「報告型レポート」と、自らの主張を展開する「論文」があることを整理し、いずれにおいても構成(序論・本論・結論・引用文献)と正しい引用が不可欠であることを確認する。直接引用・間接引用の使い分けや、剽窃を避けるための基本的な考え方が強調される。次に、文体は常体を用い、簡潔で論理的な文章を書くこと、接続詞を適切に使って論旨を明確にすることを学んだ。図表の扱いについては、図と表の役割の違いや、見やすい配置・表記の基本ルールを確認する。最後に、解析指標としてシンプソンの多様度指数を取り上げ、種数と個体数の偏りを同時に評価できる点、その計算方法と解釈(D、1−D、1/D)を学んだ。第21回は、実習データを「学術的に伝わる成果物」へと仕上げるための、文章力・解析力・表現力を統合する回であった。
③ 海底環境から植物動物まで。
第22回では、海底環境の多様性と、それを基盤とする底生植物(植物ベントス)と一次生産について学んだ。海底は水深、光、潮汐、底質などの物理条件が場所ごとに大きく異なり、それに応じて多様な生物群集が成立する。岩盤には付着生物、砂泥底には埋在動物が多く、底生動物の種数は他の生物群を上回る。底生植物は有光層内に限って分布し、マングローブ林や藻場などの大型植物は高い生産性をもつが、直接摂食されにくく、多くはデトリタスとして生態系に供給される。また、微細底生藻類は小型ながら現存量が大きく、沿岸域の一次生産を支える重要な存在である。底生植物の分布は光の波長利用能に加え、波浪や食害、基質条件など複数要因によって決定されていた。
第23回では、底生動物(動物ベントス)の生態分類、多様性、群集構造を規定する要因を扱った。底生動物は、底質中に生息する埋在動物と、海底表面に付着・露出して生活する表在動物に大別され、後者が全体の約8割を占める。さらに体サイズに基づき、マクロ・メイオ・ミクロベントスに分類され、それぞれ異なる役割を担う。群集には有孔虫類、海綿類、刺胞動物、多毛類、線虫類、甲殻類など極めて多様な分類群が含まれ、底生食物網の基盤を形成する。群集構造は底質の違いに最も強く影響されるほか、潮汐や波浪、競争・捕食、生物の発生様式にも左右される。特に浮遊幼生期の分散距離や加入率の変動が、年ごとの群集構造変化を生み出す重要な要因であった。
授業の最後に、次回の野外採取調査について、時間、服装などの連絡をする。
キーワード
① 生活史特性 ② 小卵多産戦略 ③ 初期生活史 ④ 多様度指数 ⑤ ベントス
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第24回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、砂浜および磯における生物調査の手法について、事前に整理しなさい。特に、埋在生物調査における砂の採取深度やふるい分けの目的、得られた生物の計測項目(殻長・体長)の意味を確認すること。また、磯調査における調査ラインの設定方法と、生物分布を距離とともに記録する意義を理解しなさい。さらに、漂着物調査では「生物調査」とは異なる視点が必要である点に注目し、漂着物の記録が海洋環境問題の把握にどのように役立つかを自分の言葉でまとめておくこと。
25
【底生動物実習(1) 野外採取】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。
第25回から30回までは、第3部の「海洋生物実習」を行なう。実際の海岸にて採取を行い、底生生物種の分布様式や底生動物の構造について理解を深めていく。(難易度:難しい★★★)
◆コマ主題細目①
予め配布した資料をもとに、実際の調査を実施しながら説明を行う。
◆コマ主題細目②
予め配布した資料をもとに、実際の調査を実施しながら説明を行う。
◆コマ主題細目③
予め配布した資料をもとに、実際の調査を実施しながら説明を行う。
コマ主題細目
① 砂浜での採取調査にあたって ② 砂浜での採取調査の事前準備 ③ 砂浜での表在生物調査
細目レベル
① 服装から個人の持ち物まで。
この回では、砂浜及び岩礁での現地調査を実施する。採取調査にあたって、準備すべきものや服装についての注意点を挙げておく。野外での海岸・磯観察では、安全確保のための服装と携行品の準備が不可欠である。冬季を除き最も重要なのは日焼け対策であり、帽子の着用、日焼け止めの使用、サングラスによる眼の保護を徹底する必要がある。帽子は首や耳まで覆えるつばの広いものが望ましく、気温が高くても熱中症防止の観点から、通気性の良い長袖・長ズボンの着用が推奨される。足元と手元の安全にも十分注意し、素足での行動は避ける。水辺では皮膚が傷つきやすく、貝殻や木片による怪我の危険が高まるため、軍手や手袋を着用し、足元は膝下まで覆える長靴を用いることが望ましい。サンダルやくるぶし丈のマリンブーツは、エイなどの危険生物への防御として不十分である。また、応急処置用に消毒液や絆創膏、止血用ガーゼを携行する。悪天候時の調査は極力避け、雨天では傘ではなくカッパを着用する。さらに、水分や軽食、携帯電話を必ず携帯し、防水対策を施したうえで、海上保安庁の緊急番号「118番」を事前に確認しておくことが重要である。
② 熱中症対策から調査道具まで。
磯観察などの野外調査を安全に行うためには、事前準備が極めて重要である。特に暑い時期の観察では大量の発汗により熱中症のリスクが高まるため、水分と塩分の補給方法に注意しなければならない。多くの場合、水やジュースを携帯するが、重要なのは「汗をかく前」から体内に十分な水分と塩分を取り込んでおくことである。大量に汗をかいた後に水分を摂取しても、短時間で吸収できる量には限界があり、補給が追いつかない場合がある。そのため、調査前にコップ一杯程度の水分を摂取し、喉の渇きを感じる前から少量ずつ水分・塩分を補給する習慣が重要である。また、調査前には必ず天候と潮汐の情報を確認し、悪天候が予想される場合は調査を延期または中止する判断が必要である。磯観察は満潮時より干潮時、特に潮位が大きく下がる大潮の時期に適しているが、観察に夢中になるあまり潮が満ちて帰路を失う危険もある。普段の陸上生活では意識しにくい潮の干満を常に意識し、時間の経過と海況の変化に注意を払うことが、安全な調査につながる。
次に、調査のための道具を準備する必要がある。以下細目③及び第26回の内容を確認しておいてほしい。道具は大学より運搬することとなるが、メジャー、コドラード(方形枠)、スコップ、バケツ、ふるい、プラバット、野帳を使用するため、調査地点までの荷物運搬は全員で協力して行ってほしい。
③ 生物調査、砂浜から汀まで。
まず、砂浜及び岩礁での現地調査を実施する。天候や潮汐等の環境条件を配慮した上で行う。まず、砂浜での表在生物調査を実施する。砂浜での表在生物調査においては、主軸となるラインをとり、主軸上に等間隔にて5つの各調査ラインの始点を決める。主軸に対して垂直となるように調査ラインの終点を決定し、調査ライン終点から3mおきに方形枠を用いて5箇所の調査地点を設ける。なお、調査ラインおよび調査地点の設定の際には、調査区画となる砂浜表面にできるだけ足跡を残さないように注意する。各調査地点では、コドラード (方形枠)内の表面に肉眼にて観察できる生物の種名・数の記録を行う。なお、天候等の条件によっては、適宜、本実習内容を安全な範囲でできる内容に変更する場合がある。
キーワード
① 安全管理 ② 日焼け熱中症対策 ③ 潮汐 ④ 表在生物 ⑤ コドラート法
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第25回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、砂浜および磯における生物調査の手法について、事前に整理しなさい。特に、埋在生物調査における砂の採取深度やふるい分けの目的、得られた生物の計測項目(殻長・体長)の意味を確認すること。また、磯調査における調査ラインの設定方法と、生物分布を距離とともに記録する意義を理解しなさい。さらに、漂着物調査では「生物調査」とは異なる視点が必要である点に注目し、漂着物の記録が海洋環境問題の把握にどのように役立つかを自分の言葉でまとめておくこと。
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【底生動物実習(2) 野外採取】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。
第25回から30回までは、第3部の「海洋生物実習」を行なう。実際の海岸にて採取を行い、底生生物種の分布様式や底生動物の構造について理解を深めていく。(難易度:難しい★★★)
◆コマ主題細目①
予め配布した資料をもとに、実際の調査を実施しながら説明を行う
◆コマ主題細目②
予め配布した資料をもとに、実際の調査を実施しながら説明を行う
◆コマ主題細目③
予め配布した資料をもとに、実際の調査を実施しながら説明を行う。
コマ主題細目
① 砂浜での埋在生物調査 ② 磯での生物調査 ③ 砂浜と磯での漂着物調査
細目レベル
① 砂泥採取から記録まで。
次に、砂浜での埋在生物調査を実施する。砂浜での埋在生物調査においては、第25回細目レベル③「砂浜での表在生物調査」にて示した、調査ラインを利用し、調査点を決定する。それぞれの調査地点では、深さ10cmまでの砂をバケツに採取する。調査箇所は5箇所とする。採取した砂は、その後、ふるいにかけ海水で生物のみをふるいに残す。ふるいに残った生物を同定し、計数する。採取された生物は、貝類においては、殻長を、エビ類などの甲殻類においては、体長等を全ての個体について計測・記録を行う。次回の実験室における観察のために、一部個体を取り置くこととする。なお、天候等の条件によっては、適宜、本実習内容を安全な範囲でできる内容に変更する場合がある。
② 記録から採取まで。
次に、天候や潮汐等の環境条件を配慮した上で、磯での生物調査を実施する。磯での生物調査においては、砂浜ではなく、磯に移動して調査を行う。高潮線から低潮線までを結ぶ調査ラインを決定し(各班が重ならない程度に適当なラインを設定すること)、ライン上に出現する生物種・数、調査ラインの始点からの距離の記録を行う(適宜、写真を撮っておくこと)。記録では、調査・環境に関する事項として、調査日、天候、調査の開始・終了時刻、調査ラインの始点・終点の位置情報等の記録を行う。観察した生物に関する事項としては、生物種名、観測地点(調査ラインの始点からの距離)について記録を行う。次回の実験室における観察のために、一部個体を取り置くこととする。なお、天候等の条件によっては、適宜、本実習内容を安全な範囲でできる内容に変更する場合がある。
③ 生物調査、砂浜から汀まで。
最後に、天候や潮汐等の環境条件を配慮した上で、漂着物の調査を実施する。漂着物調査においては、班単位にて砂浜や磯周辺を探索し(危険な場所に行ってはならない)、漂着物を見つけた場合、その漂着物の写真を撮影するとともに(写真を撮影する際は、適宜スケールとともに撮影すること)、名称や素材、状態などの情報をできるだけ詳しく記載し、GPSにてその採取地点名の記録を行う。本実習では、漂着物とは、いわゆるゴミとして扱われるような、所有者の分からない人工物とすることとする。砂浜や磯周辺で見つけた漂着物については、分別し、収集する。なお、天候等の条件によっては、適宜、本実習内容を安全な範囲でできる内容に変更する場合がある。
キーワード
① 埋在生物調査 ② 篩い分け ③ 磯調査 ④ 固着生物 ⑤ 漂着物
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第26回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の潮間帯における「磯」と「砂浜」の環境条件の違いを整理しなさい。特に、底質の違い(岩質・砂質)が生物の生活様式(表在性・埋在性)や群集構造にどのような影響を与えているのかに注目すること。また、マクロベントスとメイオベントスの役割の違いについて、自分の言葉で簡潔に説明できるよう準備しなさい。
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【底生動物実習 砂浜の生物】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。
第25回から30回までは、第3部の「海洋生物実習」を行なう。実際の海岸にて採取を行い、底生生物種の分布様式や底生動物の構造について理解を深めていく。(難易度:難しい★★★)
◆コマ主題細目①
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.154-154
◆コマ主題細目②
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.154-162
◆コマ主題細目③
長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』、講談社サイエンティフィク、2005年、pp.162-163
コマ主題細目
① 潮間帯の環境特性と生物群衆 ② 潮間帯砂浜の環境特性 ③ 砂浜におけるマクロベントスとメイオベントス
細目レベル
① 潮間帯の環境特性と生物群衆
潮汐から生物特性まで。
前回行った採取調査において、砂浜の表在埋在生物の記録を行った。それらの記録を元に、整理したデータから以下の特徴が見られるか、考察を行うことを目的とする。
まず、潮間帯の特性から紹介する。潮汐によって周期的に干出と冠水を繰り返す海と陸の移行帯であり、磯場、砂浜、泥干潟など多様な生息環境を含む。磯場では付着性生物が優占し、砂泥底や軟泥底では埋在性底生動物が多く見られる。潮間帯は全海洋に占める面積は小さいが、植物、無脊椎動物、鳥類、沿岸魚類など多様で生産性の高い生物群集が形成されている。潮汐は月・太陽の引力と地球自転による遠心力の相互作用によって生じ、多くの沿岸では1日2回の干満が起こる。月と太陽が一直線に並ぶ大潮では潮位差が最大となり、直角に並ぶ小潮では最小となる。潮間帯の範囲は潮位差や海底勾配、海岸線の形状に左右され、地域差が大きい。潮間帯は温度、塩分、乾燥、波浪、流氷など環境変動が極めて激しく、ここに生息する生物はこれらの厳しい条件に適応した特殊な形態や行動、生理的特性を備えている。
砂質・泥質底に生息する動物は、乾燥や温度・塩分変動、波浪から身を守るために穴を掘って生活する。一方、磯場の生物は多様な適応を示す。二枚貝やフジツボは殻を閉じて乾燥や淡水を防ぎ、巻貝は殻内に引きこもる。藻類の中には体内水分の大部分を失っても耐えられる種もある。強い波浪環境では、殻を厚くしたり、セメント質や付着糸、吸盤状の足で岩に固着することで流失を防ぐ。移動性動物は岩の割れ目や潮だまりを避難場所として利用し、過酷な環境に適応している。
② 環境から生物特性まで。
潮間帯の砂浜は、岩場の磯に比べて生物生産性が低く、一見すると生物がほとんど存在しないように見えることがある。しかし実際には、砂浜は生物が砂中に埋在して生活する環境であり、生物が外から観察しにくいため調査が困難なだけである。砂浜に生息する生物は小型のものが多く、砂粒との識別が難しいうえ、分類にも高度な技術を要する。砂浜の底質は主に石英砂からなり、そこに貝殻片や幼生、陸源デトリタスが混在する。砂粒の大きさは波浪条件に強く支配され、波が穏やかな場所ほど細粒化し、荒い波の環境では細粒分が懸濁して沖へ運ばれるため粗粒化する。さらに粒径が大きくなると礫となり、水分保持力が低く、生息可能な生物は限定される。砂浜は勾配が緩やかで、干潮時には堆積物中の水が早く抜ける。表層は酸素に富むが、砂中では微生物呼吸により酸素が消費され、深部には硫化物を含む無酸素層が形成される。この層には化学合成細菌が存在する。物理的に不安定で有機物も少ない砂浜では、大型の固着生物は生息できないが、砂中に埋在することで温度・塩分変動や乾燥、強い日射から身を守る適応が可能となる。磯のような明瞭な帯状分布は砂浜では見られず、環境勾配に応じた緩やかな生物分布が特徴である。
③ マクロからメイオまで。
砂浜における生物群集は、一次生産者、マクロベントス、メイオベントスに区分される。マクロベントスは比較的大型の底生動物であるが、砂浜では磯や泥底に比べ多様性は低く、ゴカイ類、二枚貝類、甲殻類がバイオマスの大半を占める。上部潮間帯では腐食性の短脚類やスナガニが優占し、昼間は砂中に潜み夜間に海藻を摂食する。中部から下部では二枚貝類の多様性が高まり、穴掘り能力に優れた種が多い。砂浜にはタマガイのような捕食性巻貝も生息し、二枚貝類を捕食することで群集構造に大きな影響を与える。砂中に形成された巣穴は不安定だが、ゴカイ類の巣穴は粘液で補強され比較的長期間維持される。
砂浜環境では、メイオベントスが最も多様で、砂粒間の空間に生息する「間隙動物」が群集の中心をなす。これらは砂粒に付着するか、砂を動かさずに間隙を移動し、砂浜に特化した種も多い。体は数ミリ以下と小さく、細長く平たい形態や硬い外殻、強い収縮力など、砂の圧力や機械的攪乱に耐える適応を示す。食性は藻類食、デトリタス食、捕食性まで多様である。多くの種は繁殖力が低く、浮遊幼生期を持たず、卵や個体が波や砂、海鳥などによって受動的に分散する。
野外調査で採取した生物にどのような生活史の特徴があるのかを調べるとともに、その種のスケッチを通して体の構造をよく観察する。
キーワード
① 潮間帯 ② 環境変動 ③ 砂浜底質 ④ マクロベントス ⑤ メイオベントス
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第27回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、磯場における生物の鉛直方向の帯状分布について整理しなさい。特に、上部潮間帯・中部潮間帯・下部潮間帯・潮下帯の各区分において、代表的な動物(フジツボ類、イガイ類、タマキビ類など)や海藻(アオサ類、ヒバマタ類、コンブ類)がどのような環境条件(乾燥、波浪、冠水時間)に適応して分布しているのかを、自分の言葉で簡潔にまとめなさい。また、砂泥の堆積が岩礁生態系に与える影響についても確認しておくこと。
28
【底生動物実習 磯の生物】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。
第25回から30回までは、第3部の「海洋生物実習」を行なう。実際の海岸にて採取を行い、底生生物種の分布様式や底生動物の構造について理解を深めていく。(難易度:難しい★★★)
◆コマ主題細目①
日本生態学会(編)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp.70-71
◆コマ主題細目②
日本生態学会(編)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp.71-73
◆コマ主題細目③
日本生態学会(編)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp.73-74
コマ主題細目
① 磯場の環境特性と生物群衆 ② 上部潮間帯と生物群衆 ③ 下部潮間帯と潮溜り
細目レベル
① 潮汐から生物特性まで。
前回行った採取調査において、磯の表在生物の記録を行った。それらの記録を元に、整理したデータから以下の特徴が見られるか、考察を行うことを目的とする。
まず、磯の環境特性から紹介する。岩礁海岸の最大の特徴は、地殻変動時を除けば岩盤がほとんど動かないという基質の高い安定性にある。この安定した基盤により、大型海藻が群落を形成でき、フジツボや貝類などの固着性動物も生息可能となる。岩盤や岩石の形状、そこに形成される多様な藻類・動物群集は複雑な海底地形を生み、魚介類に多様な生息環境を提供する。岩礁は海流や波浪によって砂泥が堆積しにくい場所に成立しており、流動環境が変化して砂泥が堆積すると、岩礁は次第に砂泥底へと変化し、生態系は維持できなくなる。実際、砂泥の堆積は浮遊幼生の着底や変態を阻害することが実験的にも示されている。一方、人工基質を設置すると一時的に群落は形成されるが、最終的には砂泥の堆積により消失する。さらに波当たりの強い岩礁では、生物が潮位に対応して鉛直方向に帯状分布を示し、これを基準とした複数の生態区分が提唱されている。
② 上部潮間帯から中部潮間帯まで。
上部潮間帯である潮上帯は海水に没しない区域で、陸上に近い環境条件のため、耐乾性・耐塩性をもつ生物が生息する。潮上帯下縁部は大潮最高高潮線を挟んだ区域で、海水飛沫の強い影響を受ける場所である。潮上帯下縁部はフナムシ類やタマキビ類などが代表種である。これより下の中潮間帯では、干出と冠水が繰り返される厳しい環境の中で、フジツボ類やイガイ類、カキ類などの固着性懸濁物食者が高密度な群集を形成する。これらの群集は、小型無脊椎動物にとって避難場所や餌供給源として機能し、生物多様性を高めている。波当たりの違いにより、アオサ類やアマノリ類などの小型海藻から、ヒバマタ類など比較的大型の海藻まで、多様な植物群集が形成される。
③ 下部潮間帯から藻場まで。
下部潮間帯である潮間帯上縁部では、干出時間が短く安定した環境が広がり、大型褐藻類や多様な固着生物が生息する。下部潮間帯上縁部ではコンブ類やホンダワラ類が生育し、岩盤上には石灰藻類が発達する。これに伴い、海綿類、コケムシ類、ホヤ類などの懸濁物食者や、ヒトデ・肉食性巻貝類などの捕食者が共存する。
また干潮時の潮間帯には潮溜まりが形成され、閉鎖的で極端な高温・高塩分環境となるため、耐性の高い生物のみが生息可能である。さらに潮下帯では、アラメ場やカジメ場、コンブ藻場などの大規模な海中林が形成され、岩礁生態系の生産と多様性を支える重要な基盤となっている。
野外調査で記録した磯場の分布変化を確認すること、また採取した生物のスケッチを通して体の構造をよく観察し、どの分布区分に当たるのか、体の構造と分布環境の関係を考察する。
キーワード
① 基質安定性 ② 岩礁 ③ 固着性生物 ④ 潮間帯分布 ⑤ 潮溜り
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第28回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の予習として、岩礁海岸における帯状分布がどのような要因によって形成されるのかを整理しなさい。特に、分布の上限と下限で支配的となる要因が異なる点に注目し、物理的要因(乾燥・温度・波浪など)と生物的要因(競争・捕食・着底選択)の役割を区別して説明できるようにすること。また、幼生の着底基質選択が成体の分布にどのような影響を与えるのかを考えなさい。あわせて、野外調査で観察した磯場の現状が一次遷移と二次遷移のどちらに近いのか、自分の考えを簡潔にまとめておくこと。
29
【底生動物実習(3) 分布図の作成】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。
第25回から30回までは、第3部の「海洋生物実習」を行なう。実際の海岸にて採取を行い、底生生物種の分布様式や底生動物の構造について理解を深めていく。(難易度:難しい★★★)
◆コマ主題細目①
日本生態学会(編)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp.73-75
◆コマ主題細目②
日本生態学会(編)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp. 73-75
◆コマ主題細目③
日本生態学会(編)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp. 73-75
コマ主題細目
① 帯状分布を規定する物理的・生物的要因 ② 行動様式と幼生の着底選択がつくる分布 ③ 岩礁海岸における群集遷移
細目レベル
① 環境勾配から種間競争まで。
前回の実験室作業にて、分布様式に違いがあることや、生物の体の構造に特徴が現れることは確認できた。では、調査地の分布様式を規定する要因は何であろうかを考える。
岩礁海岸では、生物群集が鉛直方向に帯状に分布する「帯状分布」がしばしば観察される。この分布構造は、各生物種が環境勾配に沿って分布の上限と下限をもつことで成立するが、その要因は単純に潮位や干満といった物理的条件だけではない。特に分布下限は物理要因の影響が比較的小さく、生物間の競争や捕食といった生物的要因が大きく関与する。例えば海藻では、付着基質をめぐる種間競争や植食動物による摂食が分布下限を決める場合が多い。フジツボ類など固着動物では、捕食者の存在や他の固着生物との空間競争が分布限界を左右する。一方、分布上限については、潮間帯上部では乾燥や高温などの物理的制約が強く、中部から下部では競争や捕食圧の影響が増大する。
野外調査で得たデータから、優占種の分布遷移を明らかにし、分布要因の考察を進める。
② 分布の違いから行動様式まで。
採取し、観察した生物の中には移動能力を持つ生物が含まれている場合もある。移動能力のある動物の分布は、その行動様式によっても異なる。
移動能力をもつ動物種の分布上限や下限は、個体の行動様式によって柔軟に変化する。こうした行動は、温度や波浪などの物理条件と、捕食や競争といった生物的相互作用の双方から影響を受けている。また、浮遊幼生期をもつ無脊椎動物では、幼生の着底場所選択が帯状分布の形成に重要な役割を果たす。サザエやアワビなどでは、幼生が特定の海藻類や微細藻類の被膜、あるいは同種個体の体表などに選択的に着底することが知られている。このような着底基質の選択性は、幼生の生残率を高めるだけでなく、結果として成体の分布範囲を制限し、岩礁海岸における帯状構造の成立に寄与していると考えられる。
これらの特徴を参考に、移動能力のある生物種の分布について、考察を進める。
③ 一次遷移から二次遷移まで。
生態学では、生物群集が時間の経過とともに変化し、最終的に安定した状態へ至る過程を「遷移」と呼ぶ。陸上生態系では森林遷移がよく研究されてきたが、海洋でも付着生物を中心に遷移が観察される。岩礁海岸は基質の安定性が高いため、群集の発達が比較的連続的に進行し、遷移の過程を観察しやすい。岩盤の剥離や人工構造物の設置、海底火山の噴火による新島形成などでは、生物が全く存在しない状態から始まる一次遷移が生じる。このような場では、先駆種の定着から群集の成熟に至る過程を比較的短期間で追跡でき、岩礁生態系の成立機構を理解する上で重要な研究対象となっている。
野外調査で記録した磯場の分布変化を確認し、現状がいかなる遷移状態であるのかを考察してほしい。
キーワード
① 帯状分布 ② 物理的要因 ③ 生物的要因 ④ 一次遷移 ⑤ 二次遷移
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第29回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
◆次回授業の予習
次回の砂浜および磯における底生動物の生活様式と分布の違いを整理しなさい。特に、底質(砂質・岩質)の違いが、表在性生物と埋在性生物の生息様式や形態にどのような影響を与えるのかを確認すること。また、潮汐による干出・冠水の周期が生物の分布や行動に与える影響についても理解しておくこと。あわせて、野外調査における調査ラインやコドラート法の目的を復習し、得られたデータがどのように分布図や群集構造の理解につながるのか、自分の言葉で整理しておくこと。
30
【海洋動物生態系 総括】
科目の中での位置付け
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
本学科における主要なフィールドの一つである水域領域の中心となる海洋生態学について、プランクトンを除く大型動物(一部植物含む)を対象に海洋生態学と海洋生物学の両面から学ぶものである。詳しくは、座学と実習を行う演習科目として位置付けられており、ネクトンとベントスについて学ぶとともに、現地採取、分類と記載を行う実習を通して海洋生物の多様性を理解する。これにより、体系的な観察力や分析力を養い、後年次に開講される「海洋学演習」や「海洋哺乳類の保全」へと発展していくための基盤を培うことを目的とする。
第25回から30回までは、第3部の「海洋生物実習」を行なう。実際の海岸にて採取を行い、底生生物種の分布様式や底生動物の構造について理解を深めていく。(難易度:難しい★★★)
◆コマ主題細目①
日本生態学会(編)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp.70
◆コマ主題細目②
日本生態学会(編)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp. 70-73
◆コマ主題細目③
日本生態学会(編)、『海洋生態学』、共立出版、2016年、pp. 73-75
コマ主題細目
① 底生動物実習 野外採取 ② 行動様式と幼生の着底選択がつくる分布 ③ 岩礁海岸における群集遷移
細目レベル
① 野外調査から採取まで。
第3部「海洋生物実習」の導入として、砂浜・岩礁での野外調査の安全管理と、砂浜表在生物調査の基本手順を学んだ。日焼け・熱中症対策(つば広帽子、日焼け止め、サングラス、通気性のよい長袖長ズボン)を徹底し、素足を避け軍手・長靴で防護する。応急処置具、飲料・軽食、携帯電話(防水)と緊急番号118を準備。調査前に天候・潮汐を確認し、干潮や大潮を意識して行動することが重要であった。
調査は主軸ラインと複数ラインを設定し、コドラートで調査点を設け、足跡を抑えつつ枠内の生物種・個体数を記録した。砂浜の埋在生物調査、磯での生物調査、漂着物調査を実施した。埋在調査では、既設ラインの調査点で深さ10cmまで砂を採取し、ふるいと海水で分離して生物を同定・計数した。貝類は殻長、甲殻類は体長などを全個体で計測し、一部は室内観察用に保存した。磯調査では高潮線から低潮線へラインを設定し、生物種・数と始点からの距離を対応させて記録し、天候・時刻・位置情報も残した。漂着物は人工物を対象に写真(スケール付)、素材・状態、GPS地点を記録し分別回収もした。
② 分布の違いから行動様式まで。
砂浜調査データをもとに、潮間帯の環境特性と砂浜生態系、主要底生生物群を整理し考察した。潮間帯は干出・冠水を周期的に繰り返し、温度・塩分・乾燥・波浪など変動が大きい。砂浜は生物が砂中に埋在するため一見乏しく見えるが、調査は識別・分類が難しい。底質粒径は波浪で変化し、砂中は酸素が減って無酸素層が形成されうる。群集は一次生産者・マクロベントス・メイオベントスに区分され、ゴカイ・二枚貝・甲殻類が主要で、捕食者(例タマガイ)が構造に影響する。間隙動物中心のメイオベントスは微小で特殊適応をもつなど、生物分類に応じた構造特徴を学んだ。
岩礁海岸の環境特性と、潮位に対応した帯状分布・潮溜まりの生物を理解する。岩盤は基質が安定し、大型海藻群落やフジツボ・貝類など固着生物の定着を可能にし、複雑な地形と多様な生息場を生む。反面、砂泥が堆積すると幼生の着底・変態が阻害され生態系が維持されにくい。上部潮間帯は耐乾・耐塩性のフナムシ・タマキビが代表で、中部ではフジツボ・イガイ・カキが高密度群集を形成し、小動物の避難場所にもなる。下部では大型褐藻・石灰藻や懸濁物食者、捕食者が共存。潮溜まりは高温高塩分化し耐性種が残る。潮下帯は海中林が発達する。潮間帯岩礁特有の群落形成について学んだ。
③ 一次遷移から二次遷移まで。
野外データを整理して分布図を作成し、帯状分布を規定する要因と群集遷移を考察した。帯状分布は物理条件だけでなく生物的相互作用が重要で、分布下限は特に競争・捕食の影響が大きい。海藻では付着場所をめぐる種間競争や植食が、固着動物では捕食者や空間競争が限界を左右しやすい。一方、上限は上部で乾燥・高温など物理制約が強いが、中下部では競争・捕食圧が増す。移動性動物は行動で分布が変わり、物理・生物要因の両方に左右される。浮遊幼生をもつ種では着底基質選択が分布を制限しうる。さらに一次・二次遷移の概念を用い、調査地の遷移段階を推定した。
キーワード
① 潮間帯 ② 底質 ③ ベントス ④ 帯状分布 ⑤ 群衆
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回は本科目の第30回授業を実施した。授業内でも確認したが、改めてシラバスを確認しておくこと。特に「授業の展開方法」および第1~15回の内容に一通り目を通し、本科目が第1部「海洋生態学」、第2部「海洋生物学」、第3部「海洋生物実習」という3部構成で進行することを把握し、講義全体の流れをイメージしておくことが重要である。
復習については、文字教材の復習課題を読み、内容が理解できているかを確認するとともに、シラバスに示された「履修判定指標」と照らし合わせて自己点検すること。さらに、第1回の要点や重要なポイントを各自でノートに整理し、理解を定着させることを求める。加えて、学びを深めたい場合は、シラバスに記載されている「参考文献」を大学図書館などで借りて読み込むことを推奨する。また、文字教材の解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して自ら約20問の練習問題を作成・解答し、その後に解答や解説を確認することで、知識をより確実に定着させることができる。
履修判定指標
履修指標
履修指標の水準
キーワード
配点
関連回
海洋生態学の基礎的理解
★
授業の流れや3部構成を理解し、生態学と生物学の違い、生態系の意味を自分の言葉で説明できる。海洋生態系の特徴や地球・海・生命の誕生の大まかな流れを整理し、基本用語を正しく使える。
★★
海水の性質や海洋循環、プレート運動と生物の進化を結びつけ、「なぜそうなるのか」を説明できる。環境変化と適応の関係を具体例とともに語れ、概念同士のつながりを意識してまとめられる。
★★★
学んだ内容を組み合わせて、新しい問いにも筋道立てて答えられる。海洋生態系を地球全体のしくみの中で捉え、進化や種分化を複数の要因から考察し、自分の考えを根拠とともに説明できます。
海洋生態系、海洋循環、プレートテクトニクス、生命の起源、適応進化
20
1,2,3,4,5,6,7
海洋生態系の物理的特性を理解
★
海洋生態系を「外洋と沿岸」「表層と海底」などに区分できる。光・水温・塩分・密度・水圧・海流といった基本用語を、教科書の説明に沿って言い換えられる。
★★
光の減衰や補償深度、水温前線や混合層、塩分と浸透圧調整、密度と水塊形成などを結びつけて、生物分布の理由を説明できる。外洋と沿岸の違いを、物質流入や流動の差として整理できる。
★★★
光・温度・塩分・密度・水圧・海流を組み合わせ、環境が変わったときに生態系がどう変化しうるか根拠を示して考察できる。深層水形成や表層海流の役割を、生産や物質輸送と関連づけて説明できる。
海洋生態系区分、水中光環境、水温構造、塩分と密度、水圧と海流
20
8,9,10,11
海洋生物ネクトンの多様性と生態系ニッチの理解
★
ネクトンの例を挙げられ、遊泳性甲殻類・頭足類・海産爬虫類・海洋哺乳類の大まかな分類を説明できる。中間消費者/高次捕食者、回遊、混獲・乱獲などの用語を正しく使える。
★★
オキアミやイカが食物網で果たす役割(一次生産者と高次捕食者をつなぐ等)を説明できる。ウミガメの母浜回帰性、ヒゲクジラとハクジラの違い、鰭脚類・海牛類の生活様式を比較できる。
★★★
資源利用と保全の両面から、漁獲拡大や漁法の変更が生態系へ与える影響を、根拠を示して考察できる。混獲・沿岸開発・汚染・気候変動など複数要因を整理し、管理の視点を自分の言葉で提案できる。
ネクトン、中間消費者、生活史、高次捕食者、人為的影響
20
12,13,14,15,16
海鳥と魚類の生活史特性と人為的影響の理解と考察
★
海鳥と魚類の基礎事項(海鳥の摂餌様式と分布集中域、魚類三大分類と食性、生活史と初期生活史の用語)を説明できる。実習で扱う仔魚・稚魚の区別、体部位と鰭の名称、基本的な観察・計測・記録手順を理解している。
★★
形態と生態の対応を論理的に説明できる(海鳥の嘴・翼と採餌、深層魚の発光・鉛直移動、遊泳形態と捕食戦略、卵サイズと産卵数のトレードオフ)。仔魚データから種数・個体数・体長を整理し、多様度指数など基礎解析へつなげられる。
★★★
人為影響(外来捕食者、油流出、汚染物質、生息地喪失、混獲、餌資源減少、漁獲圧)と生活史特性(低繁殖・成熟遅い等)を統合し、資源変動や保全策を提案できる。報告型レポートを学術文体・引用規則・図表作法で構成し、多様度指数としてシンプソン指数の解釈を踏まえ考察できる。
摂餌様式、分布集中、深層生態、生活史戦略、多様度指数
20
17,18,19,20,21
ベントス生態系の基礎的理解とデータの処理・可視化から学術レポート作成までの統合実践力
★
海底環境の区分と、底生植物・底生動物の基本概念を説明できる。砂浜・磯調査の目的と手順を理解する。
★★
底質・光・波浪・潮汐などの物理条件と、群集構造の関係を整理し、砂浜と磯で優占群や生活様式が異なる理由を説明できる。野外データを整理し、分布図を作成して帯状分布の特徴を読み取れる。
★★★
帯状分布の上限/下限を、物理要因と生物的要因に分けて因果関係を説明できる。幼生の分散・着底選択と加入率、遷移を統合し、調査地の状態評価と保全上の論点を提案できる。
環境勾配、ベントス、帯状分布、群衆構造、コドラート法
20
22,23,24,25,26,27,28,29,30
評価方法
定期試験100%で評価する
評価基準
評語
学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・
S (100~90点)
学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・
A (89~80点)
学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・
B (79~70点)
学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・
C (69~60点)
学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・
D (60点未満)
教科書
指定の教科書はありません
参考文献
日本生態学会(編)『海洋生態学』、長沼敦(訳)、『生物海洋学入門』
実験・実習・教材費
実験室サンプル購入代として¥200が必要