区分 農業フィールド科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
自然と生物の専門知識 フィールド生物調査 環境データ解析
自然共生社会
カリキュラム・ポリシーとの関係
教養 分析思考 実践技能
フィールド間連携
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
 フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っている。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されている。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
 本科目は、微生物の基本的な知識を習得することを目的としている。微生物は、生態系において有機物を分解し、栄養素を再利用可能な形に変える「分解者」として極めて重要な役割を担っている。森林や草原では、動植物の死骸や排泄物を土壌中の微生物が分解し、土の中に栄養(窒素やリンなど)が戻り、植物が生育するという循環を支えている。水圏でも、細菌がプランクトンの死骸などを分解し、炭素や窒素の循環を維持している。微生物は、すべての生物の世界(生態系)で、とても重要な働きをしている。もし微生物がいなくなったら、自然のしくみが崩れてしまいます。本講義は、高学年次に開講される「地域産業学」「微生物利用学」「天然物化学」の基礎知識を修得するものとして位置づけられる。

科目の目的
本科目では、微生物の基本的な分類や特性を理解し、それらが環境保全、医療、食品産業などの多様な分野でどのように活用されているかを学びます。微生物学の発展は、17世紀のレーウェンフックによる微生物の発見、19世紀のパスツールによる発酵の解明やコッホの病原体説の確立などを経て大きく進歩してきました。本科目では、こうした歴史的背景を踏まえながら、最新の研究動向や技術を学び、微生物の応用に関する実践的な知識を身につけることを目的とします。
微生物が持つ特性やその多様性を理解し、それらが食品の発酵技術、バイオレメディエーションと呼ばれる環境修復技術、感染症のくすりである抗生物質の発見など、実社会のさまざまな場面でどのように活用されているかを学びます。また、持続可能な社会の形成において微生物が果たす役割についても考察し、理論と実践の両面から微生物の意義を深く理解することを目指します。
さらに、最新のバイオテクノロジーを含む研究動向を取り入れ、微生物が持つ可能性を広く探究し、社会課題の解決にどのように貢献できるかを考える力を養います。本科目の履修を通じて、基礎から応用までの幅広い知識を修得し、高学年次に開講される「地域産業学」や「微生物利用学」へ、スムーズに移行できることを目指します。

到達目標
1. 《基礎》 微生物の基礎的な特性を説明する能力を身につける。
2. 《応用1》 微生物が自然環境の中で、分解者としての役割について実例を交えて解説できる。
3. 《応用2》 食品産業、医療、環境保全における微生物の応用方法を具体的に提案できる。
4. 《発展1》 微生物を活用した持続可能な社会形成に向けた具体的な提案を行う力を養う。
5. 《発展2》 微生物に関する資格取得(例:食品衛生関連など)に必要な知識の基礎を身につける。

科目の概要
本科目では、微生物の基本から応用までを、基礎編・応用編・発展編の3つの段階で学びます。「基礎編(1~5回)」:微生物の種類や構造、環境適応の仕組みを学ぶ。「応用編(6~9回)」:食品発酵や医薬品生産などの応用例を学ぶ。「発展編(10~15回)」:微生物による環境修復やバイオ技術について考察する。このように微生物が私たちの生活や社会にどのように関わっているかを探求します。微生物の種類や特徴、生態系における働きを理解することで、環境問題や医療技術の解決策を考察します。また、発酵食品や抗生物質の開発、環境修復技術などの応用例を通じて、微生物の可能性を幅広く学びます。本講義を通じて、微生物学の基礎知識を習得するとともに、現代社会の課題解決に向けた実践的な応用力を身に付けることを目指します。
科目のキーワード
1. 微生物学の基礎(種類・構造・機能) —— 1回〜3回
2. 微生物の観察(顕微鏡・グラム染色・生息場所) —— 2回
3. 微生物代謝と増殖(栄養摂取・培養) —— 4回〜5回
4. 有用微生物と病原微生物(腸内細菌・感染症・発酵微生物) —— 6回
5. 微生物発酵技術(アルコール発酵、乳酸発酵、酢酸発酵) —— 7回〜9回
6. 微生物研究の歴史(顕微鏡、近代医学) —— 10回
7. 微生物の生産物(抗生物質・有用物質) —— 10回〜11回
8. 応用微生物(農業・バイオリメディエーション・バイオエネルギー) —— 12回〜15回

授業の展開方法
毎回の授業では、Wordで作成したオリジナルテキスト(PDF版)を配布し、その内容に沿って授業を進めていきます。テキストは、コマシラバスの「コマ主題細目」に対応した章立てとなっており、各単元は「解説」「練習問題」「まとめ」の三つの要素で構成されています。
授業の最初の10分間では、当該回で取り扱う内容の全体像を概観し、そのコマで学習すべき重要事項や学習のポイントを明示します。続く60分間では、コマシラバス細項目に沿って、小テーマに関する解説を行い、その内容を踏まえた練習問題を解くことで理解度を確認します。その後、各コマに要点を整理し、まとめを行います。これを繰り返すことで、知識を段階的に積み重ね、系統的な理解へと導きます。
授業の終盤10分間には、その回の内容全体を振り返り、学んだことを整理します。最後に、小テストを実施し、理解度を客観的に確認したうえで、解答と解説を行います。
授業終了後には、次回までに復習を行うことが求められます。配布テキストの解説や練習問題を見直すだけでなく、ChatGPTを活用して、自ら20問程度の練習問題を作成・解答することで理解を深めます。さらに、その解答と解説を確認することで、より確実に知識を定着させることができます。

オフィス・アワー
中島琢自:※指定時間以外に希望する場合、時間を調整するのでメールなどでご連絡ください。
【前期】
環境と微生物
基礎ゼミナールⅠ
微生物利用学
全科目:火曜1限、水曜昼~5限、木曜2限、金曜4限
【後期】
地域産業学
基礎ゼミナールⅡ
基礎微生物学演習
全科目:月曜5限、火曜1限、木曜4・5限、金曜4限
三中信宏:【前期】
万物は進化する月5限
基礎ゼミナールⅠ月5限
環境データ解析の基礎月5限
【後期】
環境データの可視化技法火曜5限
基礎ゼミナールⅡ月曜5限
基礎ゼミナールⅣ月曜5限
環境研究デザイン論火曜5限
後藤益滋:※演習時に疑問に思ったこと、わからなかったこと、気づきは遠慮なく聞いてください。ただし、質問事項を整理したうえで来訪してください。
【前期】
基礎ゼミナールⅠ木曜4・5限
河川生態学水曜4・5限
【後期】
基礎ゼミナールⅡ木曜4・5限
水生動物学木曜4・5限
群衆生態学月曜2限・昼火曜昼

科目コード TF1020
学年・期 1年・前期
科目名 環境と微生物
単位数 2
授業形態 講義
必修・選択 選択
学習時間 【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目
展開科目
関連資格
担当教員名 中島琢自・三中信宏・後藤益滋
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 【微生物の基礎知識(基礎編)】 科目の中での位置付け  本科目では、微生物が私たちの生活や社会とどのように関わっているのかを探求します。微生物の多様な種類や特徴、生態系における働きを理解することで、環境問題や医療技術といった現代社会の課題に対する解決策を考える力を養います。また、発酵食品や抗生物質の開発、環境修復技術などの具体的な事例を通じて、微生物の持つ可能性を幅広く学んでいきます。
この講義を通じて、微生物学の基礎知識を習得するとともに、学んだ知識を社会のさまざまな場面で応用できる実践的な力を身につけることを目指します。
 主題1は、「環境と微生物」という科目の中で、微生物学の基盤を形成する重要な位置付けにあります。本講義では、微生物の基本的な定義や種類、生活環境、そして私たちの身の回りで果たす役割について学びます。これは、応用編や発展編において、微生物が持つ多様な能力を理解し、それらを社会的課題の解決や産業応用に結びつけるための基礎的な知識を提供します。
本コマでは、微生物の分類や構造、極限環境での生息例などを学ぶことで、微生物の驚異的な適応力と進化の背景を探求します。また、微生物が地球環境の維持や人類の健康、産業活動に与える影響を身近な事例と結びつけながら解説します。主題1は全15回の授業の中で、全体の理解を深める土台となる内容を扱い、微生物学を学ぶ上での入口として位置付けられています。この基礎知識をもとに、次回以降の応用的なトピックに進む準備を整えます。(難易度:★ 基礎的内容)

① 微生物はどんな生物?
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第3章 微生物の種類 p.39-55、第4章 地球環境の微生物たち p.57-106
3) 左巻健男(編)「身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本」(明日香出版社、2019年)」、Lesson 1. 「微生物」ってどんな生物なの? p.8-16
4) 中西貴之(著)「菌のふしぎ」(サイエンス・アイ新書、2006年)、第1章 生活環境の細菌 p.9-47

② 微生物の種類
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第3章 微生物の種類 p.39-55

③ 身の回りにいる微生物
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 左巻健男(編)「身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本」(明日香出版社、2019年)」、Lesson 2. 人間と一緒に暮らす「常在菌」. p.18-34、Lesson 3. 「おいしい食品」をつくる微生物. p.36-54、Lesson 5. 「食中毒」を起こす微生物. p.64-78、Lesson 6. 「病気」を起こす微生物. p80-95
コマ主題細目 ① 生物学的微生物の位置付け ② 微生物の種類 ③ 微生物の生息域
細目レベル ①  微生物とは、肉眼では観察できないほど小さな生物の総称です。その大きさはおよそ0.1~10マイクロメートルで、顕微鏡を使用して初めて観察することができます。ひとつひとつの微生物は目で確認できませんが、微生物が増えると目に見えようになります。
 お風呂の黒ずみやサボったリングなど、私たちの身の周りにはたくさんの微生物が存在します。微生物の特徴として、環境適応力の高さが挙げられます。微生物は地球上のほぼすべての環境に存在し、熱泉(ねっせん)、極寒の地、深海、高濃度塩水など、極限環境でも生息可能です。また、代謝能力も非常に多様であり、有機物を分解する能力や、無機物をエネルギー源として利用する能力を持つ種類もあります。
 微生物の生態系での役割は極めて重要です。土壌や水中での有機物の分解、窒素循環や炭素循環などの地球規模の物質循環への貢献、さらには動植物の共生関係を通じた生態系の維持に大きな役割を果たしています。人間にとって微生物は、健康維持、食品の発酵、医薬品の製造などに利用される一方で、病原体として感染症の原因となることもあります。このように、微生物はその小さな姿に反して、地球や人類に多大な影響を及ぼす存在です。
 微生物について理解することは、自然界の仕組みを知るだけでなく、私たちの暮らしや健康、産業を支える基盤を学ぶところまで。

②  微生物にはさまざまな種類があり、それぞれに特有の構造や機能、役割があります。主に細菌、真菌、古細菌、ウイルスなどに分類されます。これらの微生物がどのような特徴を持ち、人間社会や自然環境にどのように関与しているかを理解することは重要です。
 細菌は単細胞の原核生物で、地球上のほとんどすべての環境に生息しています。大腸菌や乳酸菌などは、食品の発酵や健康維持に貢献する一方で、病気を引き起こす病原菌も存在します。
 真菌は真核生物で、酵母やカビが代表的です。酵母はパンやビールの発酵に利用され、カビはチーズの熟成や抗生物質の生産などに使われています。
古細菌は見た目が細菌に似ていますが、遺伝的には異なるグループであり、極限環境と呼ばれる好熱環境や高塩環境などに適応しています。好熱菌や好塩菌がその代表例です。
 ウイルスは細胞構造を持たず、他の生物の細胞内でのみ増殖できる特徴があります。新型コロナウイルスのように、感染症の原因となることもあります。
 微生物はその多様性と機能によって、私たちの生活や自然界の維持に大きな役割を果たしています。それぞれの種類と特徴を正しく理解することが、微生物の本質を捉えるところまで。

③ 微生物は私たちの身の回りにあふれており、生活に欠かせない存在です。例えば、空気中にはカビや細菌の胞子が含まれており、これらは自然界で分解者として働いています。また、水中に生息する微生物は、水質を維持する役割を果たしています。
 食品にも微生物は深く関わっています。ヨーグルトやチーズは乳酸菌、納豆は納豆菌、パンやビールは酵母によって作られます。また、漬物や味噌、醤油などの発酵食品にも微生物の働きが欠かせません。さらに、私たちの体の中にも多くの微生物がいます。特に腸内細菌は、食べ物の消化や免疫システムの維持に重要な役割を果たしています。皮膚にも常在菌が存在し、外部からの感染を防ぐバリアとして働いています。
 一方、微生物は病気の原因にもなり得ます。風邪やインフルエンザのウイルス、食中毒を引き起こす細菌など、健康に影響を与えるものもあります。しかし、適切な衛生管理や予防策をとることで、これらのリスクを軽減することが可能です。このように微生物は、私たちの生活や環境のあらゆる場面に存在し、時に役立ち、時に注意を必要とする存在です。
 微生物は、私たちの生活やさまざまな環境に存在し、役に立つこともあれば、気をつけなければならないこともあります。微生物について正しく知るところまで。

キーワード ① 微生物(形態、種類、特徴) ② 環境適応力(極限環境、熱泉、深海) ③ 食品発酵(乳酸菌、酵母、納豆菌) ④ 人体との関わり(腸内細菌、常在菌、感染症) ⑤ 病原菌(風邪、インフルエンザ、食中毒)◎系譜情報:微生物は肉眼で見えないほど小さな生物で、地球上のあらゆる環境に適応し、物質循環や食品発酵、医薬品生産など多岐にわたり役に立っています。一方、感染症の原因となることもあります。
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 [今回授業の復習]
微生物は肉眼では見えないほど小さな生物で、0.1~10マイクロメートルほどの大きさです。環境適応力が高く、熱泉や極寒、深海などの極限環境にも生息します。微生物は、地球規模の物質循環や生態系の維持に重要な役割を果たし、私たちの生活にも深く関わっています。
微生物には細菌、真菌、古細菌、原生動物、ウイルス、藻類などの種類があり、それぞれ異なる特徴と役割を持っています。例えば、乳酸菌や酵母は食品の発酵に利用され、藻類は酸素の供給や食品として活用されています。一方で、ウイルスや病原菌は感染症や食中毒を引き起こすこともあります。また、微生物は私たちの身の回りにも多く存在し、空気中や水中、食品、そして体内にも見られます。腸内細菌は消化や免疫を助け、皮膚の常在菌は感染を防ぐ役割を果たしています。このように微生物は生活に欠かせない存在であり、適切に活用するとともに、感染症予防のための衛生管理が重要です。

[次回授業の予習]
配布プリントについて、シラバスの細目レベルの内容をよく参照しながら予習します。難しく感じたところは、すぐにわかるように付箋やチェックを入れて、視覚的にわかるようにしておいてください。
微生物がどのような多様な形や特徴を持つのかを理解するために、顕微鏡で観察される微生物の具体的な形状(球形、棒状、らせん状など)について把握してください。また、微生物がどのような環境に生息しているのか、土壌、水中、空気中、さらには極限環境での生存例について調べておくと良いでしょう。さらに、微生物が食物連鎖や食品発酵などを通じて環境や人間社会に与える影響についても具体例を挙げて考えてください。これらを予習することで、授業内容をより深く理解する準備が整います。

2 【微生物の観察(基礎編)】 科目の中での位置付け 主題2は、微生物が私たちの周囲でどのように生活し、どのように影響を与えているのかを具体的に理解するための重要なステップです。主題1で学んだ微生物の基礎知識を土台に、微生物の多様性や生息環境、活動の詳細を探求する内容となっています。
本コマでは、微生物が自然界において果たしている役割や、人類の生活との関係性について、事例を交えながら学びます。例えば、土壌や水中、さらには極限環境における微生物の驚異的な適応力を理解することで、生物としての微生物の特性だけでなく、その可能性を広い視野で捉えられるようになります。科目全体の中で微生物の「真の姿」を具体的にイメージできるようにする段階として位置付けられています。この段階での理解は、後半の応用編や発展編における微生物の社会的・産業的な活用を考えるための視点を養う準備となります。(難易度:★ 基礎的内容)

① 顕微鏡で見る微生物の形
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第3章 微生物の種類 p.39-55

② 微生物を観察する
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第2章 微生物学の歴史 p.21-38
3) 青木健次 (著、編集)「微生物学」(化学同人、2007年)、第2章「微生物の取り扱い方」p 15-28

③ 微生物の生活環境
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第3章 微生物の種類 p.39-55、第4章 生活環境の細菌 p.57-106

[キーワード関連参考書]
① 微生物の形状:微生物ってなに?. p.48
② 微生物の観察:微生物学. p.15-16, 19-20, 21
③ 生活環境:微生物学. p.20
④ 極限環境:微生物学. p.26
⑤ 微生物の役割:微生物ってなに?. p.58-59
コマ主題細目 ① 微生物の観察 ② 微生物の形態 ③ 微生物の機能
細目レベル ①  微生物は肉眼では見えないほど小さいため、顕微鏡を使うことでその形を見ることができます。微生物の形は多様で、種類によって特徴があります。細菌は主に3つの形に分類されます。
 1つ目は球形の「球菌」で、ブドウの房のように集まる黄色ブドウ球菌や、鎖状につながる連鎖球菌が代表例です。2つ目は棒状の「桿菌」で、大腸菌や乳酸菌がこの形をしています。3つ目はらせん状の「らせん菌」で、病原菌であるコレラ菌やスピロヘータなどが含まれます。
 真菌には、単細胞の酵母のような丸い形や、カビのように糸状に伸びる形があります。これらは、食品や環境中で見られることが多いです。顕微鏡で微生物を見ることで、その形状から種類を判別する手がかりになります。形だけでなく、大きさや運動の仕方も観察することで、微生物の特徴をより深く理解できます。このような観察は、微生物学の基礎として重要な役割を果たしていることを理解するところまで。

②  微生物は肉眼では見えないため、観察には特別な技術と道具が必要です。最も基本的な方法は、顕微鏡を使うことです。光学顕微鏡では、微生物の形や大きさを観察でき、細菌の球形、棒状、らせん形などの形態を確認することができます。また、より詳細な構造を観察するためには電子顕微鏡が使用されます。これにより、ウイルスのような極小の微生物や細胞内部の構造も見ることができます。
 微生物を観察する前には、染色法を用いることが一般的です。例えば、グラム染色を行うと、細菌が「グラム陽性菌」と「グラム陰性菌」を識別できます。また、特定の微生物をより見やすくするために蛍光染色や特殊な試薬も使用されます。
 さらに、微生物を顕微鏡で見るだけでなく、培養によって増殖させることも重要です。固体培地や液体培地を使って微生物を増やし、コロニーの形や色、性質を観察することで、それぞれの特徴を調べることができます。これらの観察方法を組み合わせることで、微生物の種類や性質、さらにはその働きを詳しく理解することができます。観察は微生物学の基礎であり、新たな発見や応用に繋がる重要なステップであることを理解するところまで。

③  微生物は地球上のあらゆる環境に生息しており、その生活環境は非常に多様です。一般的な環境から極限的な条件まで、微生物は適応し、繁殖しています。
 一般的な環境である土壌中には多種多様な微生物が存在し、有機物の分解や植物への栄養供給など、生態系の維持に重要な役割を果たしています。河川、湖、海洋などの水域には、藻類や細菌、原生動物などの微生物が生息し、水質の維持や食物連鎖の基盤を支えています。
 空気中にも微生物の胞子や細菌が浮遊しており、これらは風によって広範囲に拡散されます。地球環境には、高温、低温、高塩、アルカリ性など極限環境も存在します。
 例えば、温泉や熱水噴出孔など、摂氏100度を超える高温の環境には、高温耐性の微生物が生息しています。微生物は多様な環境に適応し、生態系の維持や物質循環において不可欠な存在となっています。その適応力は、地球上の生命の多様性と進化を理解する上で重要な鍵となることを理解するところまで。

キーワード ① 微生物の形状(球形、棒状、らせん状) ② 微生物の観察(顕微鏡、染色法、培養) ③ 生活環境(土壌、水中、空気中) ④ 極限環境(高温、低温、高塩濃度) ⑤ 微生物の役割(有機物の分解、植物への栄養供給、食物連鎖)◎系譜情報:微生物はレーウェンフックによる観察で注目され、パスツールが発酵への関与を証明しました。土壌や極限環境に生息し、食品発酵や物質循環で重要な役割を果たしています。顕微鏡技術や培養法により、その多様性が解明されました。
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 [今回授業の復習]
授業で学んだ微生物の形態や種類、生活環境について整理し、それぞれの特徴を具体例とともに説明してください。特に、球菌、桿菌、らせん菌の形態の違いや、土壌や水中、極限環境における微生物の生息例を具体的に挙げてください。また、顕微鏡を用いた観察や培養技術について、その目的や手法を振り返り、微生物の観察で得られる情報の重要性を考察してください。最後に、微生物が物質循環や食品発酵にどのように関与しているかを簡潔にまとめてください。

[次回授業の予習]
配布プリントについて、シラバスの細目レベルの内容をよく参照しながら予習します。難しく感じたところは、すぐにわかるように付箋やチェックを入れて、視覚的にわかるようにしておいてください。
微生物の基本構造を確認してください。例えば、確認細菌や真菌などの主要な微生物の構造を調べ、それぞれの特徴的な部分(核膜や細胞壁など)について理解してください。微生物の役割の多様性を把握していてください。微生物が環境浄化において果たす役割を調査してください。微生物代謝を具体的に理解するために、パンの製造工程を調べておきましょう。

3 【微生物の構造と利用(基礎編)】 科目の中での位置付け 主題3は、科目全体における重要な基礎段階に位置づけられる内容です。この主題は、微生物学における多様性の理解と分類の基本概念を学ぶことを目的としており、後続する応用的な内容(微生物の利用法や制御方法)を学ぶ上での土台を築く役割を果たします。具体的には、「主題1. 微生物って何だろう?」および「主題2. 微生物の世界を覗いてみよう」で学んだ微生物の基本的な定義や形態、環境との関わりについての知識を、より詳しく掘り下げます。この主題では、微生物の種類、特に、細菌と真菌に注目し、分類学的な観点から整理し、それぞれの特徴や生態的な役割を明確にします。
このコマでは、微生物がどのように地球環境や人間社会に影響を与えるのかを具体例を通じて学びます。これにより、微生物が持つ生物学的な特性だけでなく、食品発酵、医薬品製造、環境浄化などの産業応用や、感染症の原因となるリスク要因としての側面についても理解を深めることができます。このコマで得た知識は、次に続く微生物の機能的役割や応用技術の学習(例:バイオテクノロジーや環境保全技術)を支える基盤となります。基礎から応用に向かう学びのプロセスにおいて非常に重要な位置にあり、全体的な学習の流れを形作る上で欠かせない内容となっています。(難易度:★★ 標準的内容)

① 細菌と真菌の違い
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 青木健次 (著、編集)「微生物学」(化学同人、2007年)、第4章「微生物の細胞構造」p 55-76

② 細菌と真菌の利用
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第5章 役に立つ微生物たち p.107-170

③ 特殊な微生物(古細菌や極限微生物)
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第4章 地球環境の微生物たち p.57-106、第5章 役に立つ微生物たち p.107-170
3) 中西貴之(著)「菌のふしぎ」(サイエンス・アイ新書、2006年)、第1章 生活環境の細菌 p.9-47

[キーワード関連参考書]
① 微生物の構造の違い:微生物学. p.55, 61
② 細菌:微生物ってなに?. p.48
③ 真菌:微生物ってなに?. p.50
④ 古細菌:微生物ってなに?. p.49, 菌のふしぎ. p.26
⑤ 微生物の利用:微生物ってなに?. p.119, 125, 161
コマ主題細目 ① 細菌と真菌の違い ② 身のまわりの微生物 ③ 特殊な微生物(古細菌や極限微生物)
細目レベル ①  細菌と真菌は、いずれも微生物ですが、構造や性質においていくつかの顕著な違いがあります。
細菌(バクテリア)は、単細胞の原核生物であり、核膜で囲まれた核を持ちません。細胞内にはミトコンドリアや小胞体などの細胞内小器官も存在しません。細胞壁は主にペプチドグリカンで構成されています。
 真菌(カビや酵母)は、単細胞または多細胞の真核生物で、核膜で囲まれた明確な核を持ち、ミトコンドリアや小胞体などの細胞内小器官を備えています。細胞壁はキチンで構成されています。細菌と真菌は、大きさと形態に違いがあります。
 細菌は、一般的に大きさは約1~5マイクロメートルで、球形(球菌)、棒状(桿菌)、らせん状(らせん菌)など多様な形態を持ちます。真菌は、大きさは細菌よりも大きく、約5マイクロメートル以上です。形態も多様で、糸状の菌糸を形成するものや、球形の酵母などがあります。細菌の特徴は、環境中で有機物の分解、窒素固定など重要な役割を果たし、一部は病原体として人間や動物に感染症を引き起こします。
 真菌の特徴は、有機物の分解者として生態系で重要な役割を担い、食品の発酵や抗生物質の生産にも利用されます。しかし、一部はカンジダ症や水虫などの感染症を引き起こすこともあります。これらの違いにより、細菌と真菌は分類学的にも機能的にも明確に区別されていることを理解するところまで。

②  細菌と真菌は、私たちの生活や産業で幅広く活用されています。それぞれの主な利用例を簡潔にまとめます。細菌の利用について、発酵食品の製造、医薬品の生産、環境浄化があげられます。
 発酵食品の製造の例として、乳酸菌は、ヨーグルトやチーズ、漬物などの発酵に利用され、食品の風味や保存性を高めます。医薬品の生産の例として、放線菌が抗生物質の生産に利用されます。
 環境浄化の例として、特定の細菌が、油や有害物質を分解し、環境の浄化に役立っています。真菌の利用の利用について、食品の発酵、医薬品の生産、酵素の生産があげられます。
 食品の発酵の例として、酵母はパンやビール、ワインの発酵に欠かせません。
 医薬品の生産の例として、アオカビの一種から発見されたペニシリンは、抗生物質として広く使用されています。
 酵素の生産の例として、食品加工や胃腸薬などに使用される酵素の生産にも利用されています。
 このように、細菌と真菌はそれぞれの特性を活かし、食品、医療、環境保全など多様な分野で重要な役割を果たしていることを理解するところまで。

③  古細菌(アーキア)や極限環境微生物は、地球上の過酷な環境に適応して生息する特別な微生物です。これらの微生物は、次のような極限環境で見られます。
高温環境:摂氏80度以上の熱水噴出孔や温泉などに生息する好熱菌。高塩分環境:塩湖や塩田など、塩分濃度が非常に高い場所に生息する好塩菌。酸性環境:強酸性の温泉や鉱山排水など、pHが低い環境に適応した微生物。
 アルカリ環境:自然に発生するアルカリ土壌に生息する微生物。これらの微生物は、独自の細胞膜構造や代謝経路を持ち、極限環境でも生存できる能力を備えています。
 例えば、古細菌の細胞膜は、特殊なリン脂質(細胞膜の脂質)で構成されており、高温や高塩分などの過酷な条件下でも安定性を保ちます。
 また、古細菌は進化の過程で重要な役割を果たしており、生命の起源や進化を理解する上で貴重な手がかりを提供します。さらに、これらの微生物の特性を活かし、産業や環境分野での応用も期待されています。
 このように、古細菌や極限環境微生物は、地球上の多様な環境に適応し、独自の生態系を築いています。その研究は、生命科学や地球科学の発展に大きく貢献していることを理解するところまで。

キーワード ① 微生物の構造の違い(核膜、ペプチドグリカン、キチン) ② 細菌(球菌、桿菌、らせん菌) ③ 真菌(糸状菌、酵母) ④ 古細菌(好熱菌、好塩菌、好アルカリ性菌) ⑤ 微生物の利用(発酵食品、医薬品生産、環境浄化)◎系譜情報:17世紀、顕微鏡で初めて微生物(細菌)を観察したことから微生物学が始まりました。19世紀には発酵と微生物の関係、病原菌の発見と純粋培養法を確立しました。20世紀には古細菌の分類が進み、微生物研究は医療・産業・環境分野へと発展しました。
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 [今回授業の復習]
細菌、真菌、古細菌のそれぞれについて、形態的特徴や生態的役割について、具体例を挙げて説明できるように復習します。例えば、細菌と真菌の違い、細菌の種類とその用途、酵母とカビの用途、極限環境微生物の生息域などを整理します。微生物が自然環境や人間社会において果たす役割を具体例とともに説明できるように整理する。例として、食品発酵(乳酸菌、酵母)、物質循環(分解者としての機能)、感染症の原因(ウイルスや病原菌)などについて、具体例を挙げましょう。微生物の種類ごとの特徴や分類を表や図にまとめることで、理解を深めることができます。特に、細菌と真菌の違いや利用法を視覚的に整理すると効果的です。自分の日常生活の中で微生物が関わっている事例、例えば、食べ物(ヨーグルト、納豆)、健康維持(腸内細菌)、感染予防(ウイルス対策)などを挙げてみてください。

[次回授業の予習]
配布プリントについて、シラバスの細目レベルの内容をよく参照しながら予習します。難しく感じたところは、すぐにわかるように付箋やチェックを入れて、視覚的にわかるようにしておいてください。
微生物は、糖類、アミノ酸、光などをエネルギー源として利用します。それぞれのエネルギー源をどのように代謝してエネルギーを得るのか、具体的な例を挙げて調べてみましょう。また、光合成を行う微生物の特徴にも注目してください。微生物が代謝を通じてどのようにエネルギーを生成するのか、異化と同化の違いを調べておきましょう。同化と異化に関わりますが、土壌中の微生物が有機物を分解して、二酸化炭素や水を生成する仕組みを調べてみましょう。微生物がどのように食品発酵や医薬品製造、環境浄化に利用されているのかを調べ、それが人間社会にどのような貢献をしているのかをまとめてみてください。特に、自分の日常生活で微生物がどのように役立っているかを考えてみましょう。

4 【微生物代謝(基礎編)】 科目の中での位置付け 主題4では、微生物がどのように生息し、増殖し、周囲の環境と関わっているのかを具体的に学びます。科目全体の中では、微生物の生活サイクルや環境への適応能力を理解することで、微生物学の基盤をさらに強固にする重要な位置付けを持っています。
本コマでは、微生物の栄養摂取やエネルギー代謝、繁殖方法について詳しく解説します。また、極限環境や特殊な条件下で生活する微生物の驚異的な適応能力を紹介し、それが地球環境や人類の活動にどのように影響しているのかを考えます。さらに、微生物同士の相互作用や環境中での役割(分解者や窒素固定など)についても触れます。
この主題を通じて、微生物を単なる小さな生物ではなく、環境の一部として捉え、その「くらし」が人間や地球全体に与える影響を深く理解することを目指します。ここでの学びは、応用編で扱う微生物の実践的な利用や社会課題への貢献を考える上で欠かせないものです。(難易度:★★ 標準的内容)

① 微生物の栄養摂取と増殖の仕組み
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 青木健次 (著、編集)「微生物学」(化学同人、2007年)、第2章「微生物の取り扱い方」p 15-28、第5章「微生物の取り扱い方」p 67-76

② 微生物のエネルギー代謝
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 青木健次 (著、編集)「微生物学」(化学同人、2007年)、第7章「微生物の代謝」p 117-138

③ 微生物の代謝で生み出されるもの
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 青木健次 (著、編集)「微生物学」(化学同人、2007年)、第8章「微生物の応用」p 139-170
コマ主題細目 ① 微生物の栄養摂取と増殖の仕組み ② 微生物のエネルギー代謝 ③ 微生物の代謝で生み出されるもの
細目レベル ①  微生物は、その種類によって異なる栄養源を利用して成長・増殖します。多くの微生物は、糖類やアミノ酸などの有機物をエネルギー源として取り込み、細胞内で分解してエネルギーを得ます。有機物とは、炭素元素を含む物質のことです。私たちの身のまわりには、たくさんの有機物があります。
 例えば、木や紙、食べ物などです。これらは燃やすと黒く焦げ(こげ)たり、二酸化炭素や水が出たりします。一方、光合成を行う微生物は、光エネルギーを利用して二酸化炭素から有機物を合成します。
 また、硫黄や鉄などの無機物を酸化してエネルギーを得る微生物も存在します。これらの栄養源を取り込む際、微生物は細胞膜に存在する機能を介して物質を細胞内に取り入れます。取り込まれた栄養素は代謝経路で分解され、得られたエネルギーを用いて細胞の成長や分裂を行います。
 増殖の速度や効率は、温度、pH、水分などの環境条件によって大きく影響を受けます。適切な環境下では、微生物は活発に増殖し、数を増やしていきます。しかし、栄養源の不足や環境条件が不適切になると、増殖が抑制されるか、停止することがあることを理解するところまで。

②  微生物は、私たちの目には見えない小さな生き物で、成長や活動のためにエネルギーを必要とします。このエネルギーを得るために、微生物は「代謝」という化学反応の集まりを行っています。
代謝は大きく分けて、エネルギーを生み出す「異化」と、エネルギーを使って体の成分を作る「同化」の2つの過程があります。
 例えば、微生物が糖(グルコース)を分解してエネルギーを得る過程は「異化」にあたります。このとき、グルコースは「解糖系」と呼ばれる反応を経て、ピルビン酸という物質に分解されます。この過程で、ATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーを蓄える物質が作られます。ATPは、微生物が成長したり、動いたりする際のエネルギー源として使われます。
 一方、「同化」では、微生物は外部から取り入れた簡単な物質を使って、自分の体を構成する複雑な物質(例えば、タンパク質やDNA)を合成します。この合成にはエネルギーが必要で、先ほどの「異化」で得られたATPが利用されます。
 このように、微生物は「異化」でエネルギーを生み出し、そのエネルギーを「同化」で利用して成長や活動を行っています。これらの代謝反応は、微生物が生きていくために欠かせない仕組みを理解するところまで。

③  微生物は、私たちの目には見えない小さな生き物で、成長や活動のためにエネルギーを必要とします。このエネルギーを得るために、微生物は「代謝」という化学反応を行い、さまざまな物質を生み出します。
 例えば、パンを作るときに使われる酵母という微生物は、糖を分解してアルコールと二酸化炭素を作り出します。この二酸化炭素が生地を膨らませ、ふわふわのパンができるのです。また、ヨーグルトやチーズの製造に使われる乳酸菌は、糖を分解して乳酸を生産します。この乳酸が、食品に独特の酸味を与え、保存性を高める役割を果たします。
 さらに、土壌中の微生物は、植物や動物の死骸や落ち葉などの有機物を分解し、二酸化炭素や水などの無機物に変えます。この働きにより、栄養分が土に戻り、植物が再びそれを利用できるようになります。
このように、微生物の代謝によって生み出される物質は、私たちの生活や自然界の循環において重要な役割を担っていることを理解するところまで。

キーワード ① 微生物のエネルギー源(糖類、脂肪酸、アミノ酸) ② 微生物増殖の環境因子(温度、pH、酸素) ③ エネルギー代謝(異化、同化、ATP) ④ 代謝(糖、アルコール、二酸化炭素) ⑤ 土壌中の微生物(有機物分解、二酸化炭素、水)◎系譜情報:微生物の代謝経路は、生命の進化とともに多様化し、環境への適応や新たな物質の生産に繋がっています。
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 [今回授業の復習]
有機物とはなにかをよく理解し、微生物が利用するエネルギー源について、具体例を挙げて説明してください。また、異化と同化の違いや、ATPがどのように生成され、エネルギーとして活用されるかを振り返りましょう。微生物の増殖に必要な条件(温度、pH、水分)について、授業で扱った具体例を基に整理してください。
微生物の代謝により生成される糖、アルコール、二酸化炭素などの産物が、自然界や人間社会にどのように利用されているかを整理してください。特に、食品発酵や環境保全での役割を考えてみましょう。
授業で学んだ内容を基に、微生物が食品発酵、医薬品の製造、環境浄化などで果たしている役割を具体的に説明してください。
また、自分の日常生活で微生物がどのように役立っているかを振り返り、それを踏まえた考察を簡単にまとめると理解しやすい。微生物のくらしに関する知識を基に、授業中に取り扱った事例(食品発酵、環境中の分解活動など)を活用し、新たに考えられる応用例や、今後調べてみたいトピックを考えてみてください。

[次回授業の予習]
主題1から主題4までに学んだ内容を復習し、微生物の形状、種類、くらし、代謝についてそれぞれの主要なポイントを整理してください。特に、微生物の多様性や、それが環境や人間社会に与える影響について再確認しましょう。
微生物が他の生物と比較してどのような独自の特性を持つのかを考えてみてください。例えば、極限環境への適応能力や代謝の多様性などについて調べてください。
微生物が自然環境の食物連鎖にどのように関与しているか、具体例を基に整理してください。また、微生物が生態系内で果たす役割を広い視点で考えてみましょう。
これまでに学んだ内容を基に、微生物が食品発酵、医薬品製造、環境保全などでどのように利用されているかを簡単にまとめてください。
微生物の特性や役割について、自分が感じた疑問やもっと深く知りたい内容を考えてみてください。それを基に授業でポイントを把握する準備をしておきましょう。
これまでに学んだ知識を基に、「微生物の世界」を想像してみてください。例えば、顕微鏡下の微生物の活動や、極限環境での生存戦略など、微生物視点で考えることでその魅力をより深く感じられます。

5 【目に見えない生物「微生物」(基礎編のまとめ)】 科目の中での位置付け 主題5は、基礎編(主題1~4)の学びを振り返り、微生物の多様性や役割についての理解を総括する位置付けにあります。ここでは、これまでに学んだ微生物の基本的な性質や生活環境、種類ごとの特徴を整理し、全体像を再確認します。
特に、微生物が環境や人間社会にどのような影響を及ぼしているかを具体的な事例とともに振り返り、基礎知識が現実世界とどのようにつながっているかを考察します。また、微生物の驚異的な能力や生態系における重要性を総合的に理解することで、微生物学の魅力を実感し、次の応用編への意欲を高めることを目指します。
この主題は、基礎知識の定着だけでなく、学生が主体的に微生物の役割を探求する視点を養うための重要なステップです。応用編や発展編に進む上での橋渡しとして、学びの土台をさらに強固にする役割を果たします。(難易度:★★ 基礎的内容)

① 微生物の概念
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第3章 微生物の種類 p.39-55、第4章 地球環境の微生物たち p.57-106

② 微生物の観察
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 青木健次 (著、編集)「微生物学」(化学同人、2007年)、第2章「微生物の取り扱い方」p 15-28

③ 細菌と真菌の違い
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 青木健次 (著、編集)「微生物学」(化学同人、2007年)、第4章「微生物の細胞構造」p 55-76

④ 微生物の機能
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第4章 地球環境の微生物たち p.57-106、第5章 役に立つ微生物たち p.107-170
3) 中西貴之(著)「菌のふしぎ」(サイエンス・アイ新書、2006年)、第1章 生活環境の細菌 p.9-47
4) 青木健次 (著、編集)「微生物学」(化学同人、2007年)、第3章「微生物の種類と分類」p 29-53
コマ主題細目 ① 微生物の世界 ② 微生物の生息環境とくらし ③ 微生物の代謝とはたらき
細目レベル ①  微生物とは、肉眼では観察できないほど小さな生物の総称であり、特定の分類群を指す言葉ではありません。細菌、真菌(カビや酵母)、古細菌、ウイルスなど、構造や性質の異なる多様な存在が含まれます。細菌は原核生物で、シンプルな構造を持ちながら高い環境適応力を示します。一方、真菌は真核生物で、食品発酵や医薬品生産に利用されています。古細菌は極限環境に適応した生物群であり、ウイルスは細胞を持たず宿主に依存して増殖します。この細目では、「微生物=ばいきん」という一面的な見方を改め、微生物の多様性とその位置付けを整理するところまで。
②  微生物は、土壌、水中、空気中、人の体内、さらには極限環境にまで広く分布し、それぞれの環境に適応しながら生きています。多くの微生物は有機物を分解してエネルギーを得ますが、光合成や化学合成を行う種類も存在します。また、微生物の増殖は温度、pH、水分、酸素などの環境条件に強く影響されます。条件が整えば急速に増殖しますが、栄養不足や老廃物の蓄積によって増殖は自然に制御されます。この細目では、微生物を「環境の中でくらす生物」として捉え、その生活のしくみを整理するところまで。
③  微生物は代謝を通じてエネルギーを得ながら、地球環境や人間社会に大きな影響を与えています。異化と同化による代謝のしくみは、すべての生物に共通しており、その中心にはATPがあります。発酵は、微生物にとってのエネルギー獲得手段であると同時に、人間にとっては食品製造や保存に欠かせない技術です。また、微生物は分解者として有機物を分解し、炭素循環や窒素循環などの物質循環を支えています。この細目では、「なぜ微生物がいないと困るのか」を具体的に理解するところまで。
キーワード ① 微生物の多様性(細菌、真菌、古細菌) ② 微生物の観察(肉眼観察、顕微鏡、グラム染色) ③ 微生物の生息域(土壌、水中、極限環境) ④ 細菌と真菌の違い(核膜、ペプチドグリカン、キチン) ⑤ 微生物の能力(発酵、環境浄化、感染症)◎系譜情報:微生物は細菌、真菌、古細菌など多様な種類があり、形状や環境適応に特徴があります。代謝では、異化でエネルギーを得て、同化で物質を合成します。炭素循環や窒素循環に貢献し、食品発酵や環境保全など人間社会でも重要な役割を果たします。これらの特性は、微生物が進化や適応を通じて培った不思議な世界を構成しています。
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 [今回授業の復習]
細菌、真菌、古細菌のそれぞれの特徴や具体例を挙げ、どのような環境に生息し、どんな役割を果たしているかをまとめてください。微生物の代謝について、異化と同化の違いを簡単に整理し、それぞれの異化と同化の流れをつかんでください。微生物が人間社会(食品発酵、医薬品製造、環境保全)において果たしている役割を具体的な事例を挙げて考察してください。
好熱菌などを例に、極限環境で生息する微生物の特性や適応の仕組みを、授業で学んだ内容を基にまとめてください。基礎編を通じて学んだ微生物の不思議な性質や人間社会への影響について、自分の言葉で簡単に400字程度にまとめてください。また、新たに興味を持った点や疑問点を記録しておきましょう。

[次回授業の予習]
微生物と人間の関係を理解するために、まず微生物の基本概念を確認しましょう。腸内細菌の役割や発酵食品との関係を調べ、善玉菌・悪玉菌のバランスが健康に与える影響を整理するとよいです。また、細菌・ウイルス・真菌・寄生虫の違いを把握し、代表的な感染症とその予防策を学びましょう。さらに、発酵食品や抗生物質、環境浄化技術など、微生物の利用事例を具体的に調べると、授業の内容をより深く理解できます。持続可能な社会に向けた微生物の応用にも注目し、最新の研究や実用化の例にも目を向けておくと、発展的な学習につながるでしょう。

6 主題6 【微生物と人間の関係(応用編)】 科目の中での位置付け 主題6は、微生物が人間の生活や社会にどのような影響を及ぼしているかを探求するもので、科目全体の中では応用編の中心的な内容として位置付けられています。ここでは、微生物が私たちの日常や産業、健康において果たしている多様な役割を学びます。
発酵食品(ヨーグルト、味噌、パン)や医療(抗生物質、ワクチン開発)、さらには環境保全(バイオリメディエーション、堆肥化)といった実際の事例を通じて、微生物が人間の生活にどれほど密接に関わっているかを明らかにします。また、腸内細菌が健康維持に果たす役割や、病原菌が引き起こす感染症についても取り上げ、微生物の「味方」としての側面と「脅威」としての側面をバランスよく理解します。
この主題は、基礎で学んだ微生物の性質を応用例に結びつける重要な段階であり、微生物学がどのように現代社会に貢献しているのかを実感するための鍵となります。発酵に関しては、主題8と9でさらに詳しく掘り下げます。この学びを通じて、微生物を利用した持続可能な社会構築や健康問題解決への視野を広げることが期待されます。(難易度:★★ 標準的内容)

① 健康に役立つ微生物(腸内細菌など)
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 左巻健男(編)「身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本」(明日香出版社、2019年)」、Lesson 2. 人間と一緒に暮らす「常在菌」. p.18-34
3) 中西貴之(著)「菌のふしぎ」(サイエンス・アイ新書、2006年)、第1章 そして人体も菌であふれている p.141-199

② 微生物が関与する病気
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第5章 役に立つ微生物たち p.107-170
3) 左巻健男(編)「身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本」(明日香出版社、2019年)」、Lesson 6. 「病気」を起こす微生物. p80-95

③ 微生物を利用した技術と製品
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第5章 役に立つ微生物たち p.107-170
3) 青木健次 (著、編集)「微生物学」(化学同人、2007年)、第8章「微生物の応用」p 139-170
4) 左巻健男(編)「身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本」(明日香出版社、2019年)」、Lesson 3. 「おいしい食品」をつくる微生物. p.36-54
コマ主題細目 ① 健康に役立つ微生物(腸内細菌など) ② 微生物が関与する病気 ③ 微生物を利用した技術と製品
細目レベル ①  私たちの体内には、目に見えない多くの微生物が存在し、その中でも腸内細菌は健康に大きな役割を果たしています。腸内には約100兆個もの細菌が生息しており、これらは大きく「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌(ひよりみきん)」の3つに分類されます。
 善玉菌は、消化を助け、ビタミンを作り、免疫力を高めるなど、体に良い働きをします。一方、悪玉菌は、有害物質を作り出し、体調不良の原因となることがあります。日和見菌は、普段は特に悪さをしませんが、善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れると、悪玉菌の味方をしてしまうことがあります。
 健康を維持するためには、腸内で善玉菌が優勢な状態を保つことが重要です。そのためには、ヨーグルトやチーズ、納豆など、善玉菌を含む発酵食品を積極的に摂取することが効果的です。また、野菜や果物に多く含まれる食物繊維は、善玉菌のエサとなり、これらの菌を増やす助けとなります。このように、腸内細菌のバランスを整えることで、消化の促進や免疫力の向上など、私たちの健康に良い影響を与えることができることを理解するところまで。

②  微生物は、目に見えない小さな生物で、私たちの体に侵入して病気を引き起こすことがあります。このような病気を「感染症」と呼びます。
 感染症の原因となる微生物には、主に細菌、ウイルス、真菌(カビ)、寄生虫などがあります。細菌は、単細胞の生物で、自分で増えることができます。
 例えば、結核や食中毒の原因となることがあります。ウイルスは、細菌よりも小さく、自分だけでは増えることができません。人や動物の細胞に入り込んで増殖します。インフルエンザや風邪、新型コロナウイルス感染症などがウイルスによる病気です。
 真菌(カビ)は、水虫やカンジダ症などの原因になります。寄生虫は、他の生物に寄生して生活する生物で、マラリアなどの病気を引き起こします。
これらの微生物は、空気中の飛沫(ひまつ)や、汚れた食べ物・水、直接の接触などを通じて体内に侵入します。
 感染を防ぐためには、手洗いやうがい、マスクの着用、食品の十分な加熱などが効果的です。また、ワクチン接種も特定の感染症を予防する手段として重要です。
このように、微生物が関与する病気は多岐にわたりますが、日常生活での予防策をしっかりと行うことで、感染のリスクを減らすことができることを理解するところまで。

③  微生物は、私たちの生活や社会で多くの技術や製品に利用されています。例えば、食品の分野では、ヨーグルトやチーズ、パン、味噌、醤油、納豆などの発酵食品は、微生物の働きによって作られています。
 これらの食品は、微生物が原料を発酵させることで、独特の風味や栄養価が生まれます。医療の分野でも、微生物は重要な役割を果たしています。抗生物質のペニシリンは、青カビから発見され、多くの細菌感染症の治療に使われています。
 環境保護の面でも、微生物は活躍しています。例えば、油を分解する微生物を利用して、石油流出などの環境汚染を浄化する技術があります。また、下水処理施設では、微生物が汚水中の有機物を分解し、水をきれいにしています。
 さらに、エネルギーの分野では、微生物を使ってバイオエタノールを生産する研究が進められています。例えば、酵母を利用してバイオエタノールを燃料として作る試みなどがあります。
 このように、微生物は食品、医療、環境、エネルギーなど、さまざまな分野で私たちの生活を支える技術や製品に利用されていることを理解するところまで。

キーワード ① 発酵食品(ヨーグルト、納豆、チーズ) ② 腸内細菌(善玉菌、悪玉菌、バランス) ③ 感染症(結核、インフルエンザ、水虫) ④ 発酵食品(パン、味噌、納豆) ⑤ 微生物製品(抗生物質、バイオ燃料)◎系譜情報:19世紀にパスツールが「病原体説」を提唱し、微生物が病気や発酵に関与することが明らかになりました。その後、コッホが感染症の原因菌を特定し、20世紀には腸内細菌や抗生物質、発酵技術が応用され、微生物は健康・医療・産業に欠かせない存在として発展してきました。
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 [今回授業の復習]
授業で取り上げた発酵食品(ヨーグルト、納豆、チーズ、パン、ビールなど)について、それぞれに関与する微生物とその役割を復習してください。
腸内フローラやプロバイオティクスが人間の健康にどのように影響を与えるかを復習し、授業で学んだ具体例(例:腸内細菌による免疫調節や栄養吸収の補助)を整理してください。
微生物によって引き起こされる感染症(例:細菌感染症、ウイルス感染症)について、その原因、症状、治療法、予防法を復習してください。また、抗生物質やワクチンの効果と限界についても考察してください。
微生物が環境保全(環境汚染の浄化や下水処理)にどのように利用されているかを復習してください。授業で学んだ微生物と人間社会の関係を振り返り、微生物が生活や産業に与えているポジティブな影響を簡潔にまとめてください。また、新たに興味を持った点や疑問点を記録してください。

[次回授業の予習]
発酵食品は、微生物の働きを利用して作られる食品であり、私たちの食生活に欠かせない存在です。この授業では、発酵の仕組みや、食品製造への微生物の活用について学びます。
発酵の基本概念を理解する。発酵とは何かを調べ、微生物が関与する代表的な発酵プロセス(乳酸発酵、アルコール発酵など)について簡潔にまとめてください。ヨーグルト、納豆、味噌、チーズ、パン、ビールなどの発酵食品に使用される微生物(乳酸菌、納豆菌、酵母など)の種類とその役割を整理してください。
例えば、パンの製造には酵母が使用され、生地を膨らませる効果など。各食品の発酵過程で、どのような成分が生成されるのか(例:酵母からアルコール)を調査してください。麹について調べておきましょう。

7 【微生物の力でできる発酵食品1(応用編)】 科目の中での位置付け 主題7は、微生物の働きが私たちの食文化にどのように貢献しているかを学ぶもので、科目全体の中では応用編の具体例を深める重要な位置付けにあります。特に、発酵食品という身近なテーマを通じて、微生物の驚異的な能力を実感し、科学的視点からその仕組みを理解することを目的とします。
本コマでは、乳酸菌や酵母、麹菌など、発酵に関わる主要な微生物を取り上げます。それぞれの微生物が食品の製造過程でどのような役割を果たしているかを、ヨーグルト、味噌、パンなどの具体的な事例を通じて解説します。また、発酵食品が風味や保存性を高めるだけでなく、健康にもたらす影響についても詳しく考察します。
微生物の基礎知識を応用事例に結びつける内容であり、日常生活と微生物の関係を具体的に理解する助けとなります。発酵食品という身近な話題を扱うことで、次回以降の応用例や発展的な学びへ繋がる講義です。(難易度:★★ 標準的内容)

① 発酵食品の作り方と微生物の役割
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第5章 役に立つ微生物たち p.107-170
3) 左巻健男(編)「身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本」(明日香出版社、2019年)」、Lesson 3. 「おいしい食品」をつくる微生物. p.36-54

② 酵母が作る発酵食品
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第5章 役に立つ微生物たち p.107-170
3) 左巻健男(編)「身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本」(明日香出版社、2019年)」、Lesson 3. 「おいしい食品」をつくる微生物. p.36-54

③ 麹菌が作り出す発酵食品
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 青木健次 (著、編集)「微生物学」(化学同人、2007年)、第8章「微生物の応用」p 139-170
3) 左巻健男(編)「身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本」(明日香出版社、2019年)」、Lesson 3. 「おいしい食品」をつくる微生物. p.36-54
コマ主題細目 ① 発酵食品の作り方と微生物の役割 ② 酵母が作る発酵食品 ③ 麹菌が作り出す発酵食品
細目レベル ①  発酵食品は、微生物の働きによって原料が変化し、新たな風味や栄養価を持つ食品のことです。 発酵に関わる微生物は、主に「カビ」「酵母」「細菌」の3つに分類されます。
 例えば、パンの製造では、酵母が糖を分解してアルコールと二酸化炭素を生成します。この二酸化炭素が生地を膨らませ、ふわふわのパンが出来上がります。
 また、ヨーグルトやチーズの製造では、乳酸菌が糖を分解して乳酸を作り出し、独特の酸味や風味を生み出します。
 さらに、味噌や醤油の製造では、麹菌(カビの一種)が原料のデンプンやタンパク質を分解し、旨味成分を生成します。このように、微生物は発酵の過程で原料を分解・変化させ、食品の保存性を高めたり、風味や栄養価を向上させたりする重要な役割を担っていることを理解するところまで。

②  酵母は、私たちの食生活に欠かせない発酵食品の製造に重要な役割を果たしています。
 酵母は糖を分解してアルコールと二酸化炭素を生み出す「アルコール発酵」を行います。酵母が使用される発酵食品には、パン、ビールやワイン、日本酒などがあります。
 パン作りでは、酵母が生地中の糖を分解し、二酸化炭素を発生させます。この気体が生地を膨らませ、ふんわりとした食感のパンが出来上がります。
 ビールやワインの製造では、酵母が糖をアルコールと二酸化炭素に変えることで、アルコール飲料が作られます。ビールの泡やシャンパンの炭酸も、酵母が生み出す二酸化炭素によるものです。
 日本酒の醸造でも、酵母が米のデンプンから得られる糖を発酵させ、アルコールを生成します。この過程で生まれる香りや風味が、日本酒の特徴を形作ります。
 このように、酵母はさまざまな発酵食品の製造に欠かせない存在であり、私たちの食卓を豊かに彩っていることを理解するところまで。

③  麹菌は、カビの一種で、日本の伝統的な発酵食品の製造に欠かせない微生物です。
 麹菌は、米や麦、大豆などの穀物に生育し、これらの成分を分解する酵素を作り出します。この働きにより、食品に甘みや旨味が生まれます。麹菌が使用される発酵食品には、味噌、醤油、日本酒などがあります。
 大豆と米や麦に麹菌を加えて発酵させることで作られます。麹菌の酵素が大豆のタンパク質を分解し、独特の風味と旨味を生み出します。大豆と小麦に麹菌を加えて発酵させ、その後、乳酸菌や酵母の働きも加わって作られます。
 麹菌の酵素が原料を分解し、深いコクと香りを持つ調味料が生まれます。蒸した米に麹菌を加えて「米麹(こめこうじ)」を作り、これをさらに酵母と一緒に発酵させることでアルコールを含む飲み物ができます。麹菌の酵素が米のデンプンを糖に変え、その糖を酵母がアルコールに変換します。
 このように、麹菌は食品の成分を分解して新たな風味や栄養を生み出し、私たちの食生活を豊かにしていることを理解するところまで。

キーワード ① 乳酸発酵食品(ヨーグルト、チーズ、キムチ) ② パン(酵母、二酸化炭素、生地の膨張) ③ アルコール発酵食品(パン、ビール、ワイン) ④ 麹を使った発酵食品(味噌、醤油、日本酒) ⑤ 味噌(麹菌、大豆、旨味成分)◎系譜情報:紀元前5000年頃:メソポタミア文明でビール製造が始まる。古代エジプト:パンが食生活の中心となる。奈良時代:日本に麹文化が伝わり、味噌や醤油が普及しました。
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 [今回授業の復習]
この復習課題を通じて、発酵食品における微生物の役割や重要性について理解を深め、次回の授業への準備に役立ててください。
発酵とは何かを簡潔に説明し、乳酸発酵やアルコール発酵などの種類と、それぞれの特徴をまとめてください。
各微生物が生成する成分(例:乳酸、アルコール、アミノ酸)とその効果について理解を深めましょう。授業で取り上げられた発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌、ビールなど)をそれぞれ比較し、共通点と相違点を表や図で整理してください。
自分が日常的に摂取している発酵食品をリストアップし、それらに使われている微生物を調べてみてください。

[次回授業の予習]
微生物が関与する発酵技術の応用例や、より高度な発酵プロセスを学びます。以下の項目について予習を行い、授業への準備を進めてください。
特定の発酵食品(例:酢、チーズ、ヨーグルト)の製造工程において微生物がどのような役割を果たしているかを具体的に調べてください。
酢酸発酵など、乳酸発酵やアルコール発酵以外の発酵プロセスについて調査し、それらがどのように食品や飲料の製造に利用されているかを整理してください。
世界各地の伝統的な発酵食品(例:チーズ、キムチ、ナタデココなど)について、それぞれに使用される微生物や製造方法を調べ、文化的背景を理解してください。
納豆製造について調べ、伝統的な発酵と現代の工業的発酵の違いについて考察してください。また、特定の発酵食品が持つ健康効果(例:納豆のナットウキナーゼ生成、チーズのカルシウム補給)について調査し、日常生活での摂取の意義を考えてください。

8 【微生物の力でできる発酵食品2(応用編)】 科目の中での位置付け 主題8は、微生物が関与する発酵食品の多様性や応用可能性についてさらに深掘りするもので、科目全体の中では応用編の発展的な内容として位置付けられています。主題8で学んだ発酵の基本メカニズムを基に、より複雑で地域や文化に根差した発酵食品の事例に焦点を当てます。
本コマでは、醤油、日本酒、チーズ、キムチなど、世界各地の発酵食品を取り上げ、それぞれの製造過程で働く微生物の役割を詳しく解説します。麹菌や酵母が食品の風味や香り、保存性にどのように寄与するかを学ぶと同時に、発酵過程が栄養価や健康効果に与える影響についても考察します。さらに、現代社会における発酵食品の意義や、微生物技術を活用した新たな食品開発の可能性についても触れ、微生物の応用力が持つ未来の可能性を探ります。
微生物と人間の文化的・科学的関係をより深く理解するための重要な段階です。また、微生物学の基礎から応用への理解を拡大することで、発酵食品を通じた微生物の可能性を多角的に捉えられる力を養います。(難易度:★★★ 発展的内容)

① 乳酸菌が作り出す発酵食品
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 青木健次 (著、編集)「微生物学」(化学同人、2007年)、第8章「微生物の応用」p 139-170
3) 左巻健男(編)「身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本」(明日香出版社、2019年)」、Lesson 3. 「おいしい食品」をつくる微生物. P.36-54

② 酢酸菌が作り出す発酵食品
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 左巻健男(編)「身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本」(明日香出版社、2019年)」、Lesson 3. 「おいしい食品」をつくる微生物. P.36-54
3) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第5章 役に立つ微生物たち p.107-170

③ その他の発酵食品(納豆)
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 左巻健男(編)「身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本」(明日香出版社、2019年)」、Lesson 3. 「おいしい食品」をつくる微生物. P.36-54

[キーワード関連参考書]
① 乳酸菌の発酵食品:身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本. P.46, 48, 49, 54
② キムチ:身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本. P.54
③ 酢酸菌の発酵食品:身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本. P.44
④ 酢:微生物ってなに?. P.115-116
⑤ 納豆:身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本. P.50-51
コマ主題細目 ① 乳酸菌が作り出す発酵食品 ② 酢酸菌が作り出す発酵食品 ③ その他の発酵食品(納豆)
細目レベル ①  乳酸菌は、糖を分解して乳酸を作り出す微生物で、さまざまな発酵食品の製造に利用されています。これらの食品は、乳酸菌の働きによって独特の風味や保存性が高まります。乳酸菌が使用される発酵食品には、ヨーグルト、チーズ、漬物、キムチなどがあります。
 ヨーグルトは、牛乳に乳酸菌を加えて発酵させることで作られます。乳酸菌が牛乳中の乳糖を分解し、乳酸を生成することで、酸味のある独特の風味ととろみが生まれます。
 チーズは、牛乳やヤギの乳などに乳酸菌を加えて発酵させ、さらに凝固させて作ります。乳酸菌の働きで乳が固まり、熟成させることで多様な風味や食感のチーズが生まれます。
 漬物は、野菜を塩漬けにし、自然に存在する乳酸菌が発酵することで作られます。乳酸菌が野菜中の糖を分解し、乳酸を生成することで、酸味が加わり、保存性も高まります。
 キムチは、韓国の伝統的な発酵食品で、主に白菜を塩漬けにし、唐辛子やニンニクなどとともに乳酸菌で発酵させます。乳酸菌の働きで酸味と深い旨味が生まれます。
 このように、乳酸菌はさまざまな食品の発酵に利用され、私たちの食生活に豊かな味わいや健康効果をもたらしていることを理解するところまで。

②  酢酸菌は、アルコールを酢酸(お酢の主成分)に変える働きを持つ微生物で、さまざまな発酵食品の製造に利用されています。酢酸菌は自然界の空気中や果物、蜂蜜などに存在しています。
 酢酸菌の代表的な発酵食品は酢(お酢)です。米や麦、果物などを原料にアルコール発酵を行い、その後、酢酸菌がアルコールを酢酸に変えることで酢が作られます。伝統的な製法では、酢酸菌が木桶(きおけ)やかめ壺に染み付いており、独特の風味を生み出します。
 ナタデココも酢酸菌が作ります。フィリピン発祥のデザートで、ココナッツ水を酢酸菌の一種であるナタ菌で発酵させることで作られます。発酵の過程で生成されるゼリー状の物質(バクテリアセルロース)が、独特の食感を持つナタデココとなります。
 コンブチャ(紅茶キノコ)は、甘い紅茶に酢酸菌と酵母を加えて発酵させた飲み物です。発酵により、さわやかな酸味と独特の風味が生まれます。
 このように、酢酸菌はアルコールを酢酸に変える発酵を通じて、さまざまな食品や飲み物の製造に利用され、私たちの食生活に多彩な味わいを提供していることを理解するところまで。

③  納豆菌は、枯草菌(こそうきん)という細菌の一種で、納豆を作るのに欠かせない微生物です。 納豆菌は、田んぼや畑、特に稲わらに多く生息しています。
 納豆は、蒸した大豆に納豆菌を加えて発酵させることで作られます。発酵の過程で、納豆菌は大豆のたんぱく質を分解し、アミノ酸を生成します。このとき、グルタミン酸が特殊なつながり方をした高分子であるポリグルタミン酸が生成され、これが納豆特有のネバネバの正体です。
 納豆菌の種類によって、納豆のネバネバ具合や味、においなどの特性が変わります。納豆菌は、乾燥や熱、酸性条件にも強く、胃酸に負けることなく生きたまま腸内にたどり着き、腸内環境を改善する働きがあります。
 また、納豆菌は発酵の過程で「ナットウキナーゼ」というたんぱく質分解酵素を生成し、これは血栓を溶かして血液をサラサラにする働きがあります。さらに、骨の形成促進に関わる「ビタミンK2」も多く生み出します。
 このように、納豆菌は納豆の風味や食感を生み出すだけでなく、私たちの健康にも貢献していることを理解するところまで。

キーワード ① 乳酸菌の発酵食品(ヨーグルト、チーズ、漬物、キムチ) ② キムチ(唐辛子、漬物、乳酸菌発酵) ③ 酢酸菌の発酵食品(酢、ナタデココ、コンブチャ) ④ 酢(酢酸菌、アルコール酸化、保存効果) ⑤ 納豆(ポリグルタミン酸、腸内環境の改善、ナットウキナーゼ)◎系譜情報:紀元前3000年頃:古代エジプトやメソポタミアで酢が保存料として利用される。江戸時代:日本で米酢が普及し、寿司などの料理に利用される。朝鮮半島:唐辛子が普及した17世紀以降、現代的なキムチが誕生。平安時代(源義家):納豆作りが広まり、伝統食として定着する。良時代:日本に麹文化が伝わり、味噌や醤油が普及。19世紀:ルイ・パスツールが発酵の科学的基礎を確立しました。
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 [今回授業の復習]
ここれらの復習項目を通じて、発酵食品の多様性や微生物の役割、さらにはその応用可能性について理解を深めてください。授業で学んだ乳酸発酵と酢酸発酵の発酵プロセスについて、それぞれの特徴や食品への応用を具体的にまとめてください。
ヨーグルト、お酢、納豆の製造方法や使用される微生物を整理してください。授業で取り上げられた発酵食品が持つ健康効果について復習し、それぞれが体に与える具体的な影響を整理してください。

[次回授業の予習]
この予習を通じて、微生物と人類の共生関係を深く理解し、授業内での議論や考察をより充実させる準備を進めてください。生物の誕生とその根拠となるミラーの実験およびタンパク質生成プロセスを復習しておいてください。
微生物が健康、食糧、環境に与えるポジティブな影響(例:腸内細菌による健康維持、発酵食品の製造、環境浄化技術)を具体的に整理してください。
微生物が脅威となるケース(感染症や病原菌)についても簡潔に調べ、両者のバランスを理解する準備をしてください。
伝統的な発酵食品(味噌、チーズ、ビールなど)の製造における微生物の役割を復習し、発酵技術が現代の食品産業や医薬品開発にどのように活用されているかを調べ、納豆の製造と効果の内容を整理してください。

9 【微生物と人類の共生(応用編のまとめ)】 科目の中での位置付け 主題9は、応用編で学んだ微生物の働きと人類との関係を総括し、微生物がいかにして人類の生活を支え、未来に向けた可能性を持っているかを振り返る重要な位置付けにあります。これまでの学びを統合し、微生物の力が現代社会にどのように活用されているか、そしてその応用が私たちの生活や地球環境にどのように貢献しているかを再確認します。
発酵食品など、微生物が人類にもたらす恩恵を振り返り、食文化も違いや発酵文化の恩恵を考えます。また、微生物の活用における倫理的課題や、未来の技術革新に向けた課題についても触れ、科学的な視点だけでなく、微生物応用において社会的意義についての視野を持つことを目指します。
応用編で得た知識を統合し、次の発展編に進むための準備を整える役割を果たします。同時に、微生物を通じて人類と自然の共生関係を深く理解することで、学びの意義を再確認する時間となります。(★★ 標準的内容)

① 微生物は人間の関係
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 左巻健男(編)「身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本」(明日香出版社、2019年)」、Lesson 2. 人間と一緒に暮らす「常在菌」. p.18-34
3) 中西貴之(著)「菌のふしぎ」(サイエンス・アイ新書、2006年)、第1章 そして人体も菌であふれている p.141-199

② 微生物の能力でできる発酵食品
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 青木健次 (著、編集)「微生物学」(化学同人、2007年)、第8章「微生物の応用」p 139-170
3) 左巻健男(編)「身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本」(明日香出版社、2019年)」、Lesson 3. 「おいしい食品」をつくる微生物. P.36-54
4) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第5章 役に立つ微生物たち p.107-170

③ 微生物の能力による発酵食品
1) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第5章 役に立つ微生物たち p.107-170
2) 青木健次 (著、編集)「微生物学」(化学同人、2007年)、第8章「微生物の応用」p 139-170
3) 左巻健男(編)「身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本」(明日香出版社、2019年)」、Lesson 3. 「おいしい食品」をつくる微生物. p.36-54
コマ主題細目 ① 微生物は人間の関係 ② 微生物の能力でできる発酵食品 ③ 発酵の科学
細目レベル ①  私たちの体にはたくさんの微生物がいて、特に腸内細菌は健康に大切な役割を果たします。腸内細菌は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」に分かれ、善玉菌を増やすことで健康を保つことができます。発酵食品や食物繊維を食べると良いです。
 また、微生物は感染症の原因にもなりますが、手洗いやワクチンで予防できます。さらに、微生物はヨーグルトや薬の製造、環境浄化やエネルギー生産など、私たちの生活を支える技術にも活用されています。
 一方で、微生物の中には人に害を及ぼす病原菌も存在します。例えば、大腸菌O157は食中毒を引き起こし、サルモネラ菌は十分に加熱されていない食品を介して感染し、腹痛や発熱を伴う症状を引き起こすことを理解するところまで。

②  発酵食品は、微生物の働きによって原料が変化し、新たな風味や栄養価を持つ食品です。発酵に関わる微生物は「カビ」「酵母」「細菌」の3つに分類されます。
 酵母は糖を分解し、二酸化炭素とアルコールを生成するため、パンの膨らみやビール・ワイン・日本酒の醸造に利用されます。乳酸菌は糖を分解して乳酸を作り、ヨーグルトやチーズ、漬物の酸味や保存性を向上させます。麹菌は味噌や醤油、日本酒の製造に不可欠で、穀物のデンプンやタンパク質を分解し、甘みや旨味を生み出します。
 これらの微生物の働きによって、発酵食品は風味が増し、栄養価や保存性も向上します。発酵は私たちの食生活を支える重要な技術であり、微生物の力を活用した食品は世界中で親しまれてることを理解するところまで。

③  乳酸菌は糖を分解して乳酸を生成し、ヨーグルト、チーズ、漬物、キムチなどの発酵食品に利用されます。
 ヨーグルトは乳酸菌が乳糖を分解することで酸味ととろみが生まれ、チーズは発酵と熟成により多様な風味が生まれます。漬物やキムチも乳酸菌による発酵で酸味と保存性が向上します。酢酸菌はアルコールを酢酸に変え、酢、ナタデココ、コンブチャなどの製造に利用されます。納豆菌は納豆の発酵に関与し、ネバネバ成分(ポリグルタミン酸)を生成し、腸内環境の改善や血液をサラサラにするナットウキナーゼ、骨形成を助けるビタミンK2を生み出します。
 このように、乳酸菌・酢酸菌・納豆菌はそれぞれの発酵食品に独特の風味や機能を与え、健康にも貢献していることを理解するところまで。
 応用編全体のポイントは、主題6から主題9までの復習を通じて、生物の誕生から微生物の機能を理解します。微生物と人との関わりと発酵食品について、簡潔に200字程度で説明できる。

キーワード ① 腸内細菌(善玉菌・悪玉菌・日和見菌) ② 発酵食品(ヨーグルト・チーズ・漬物・キムチ) ③ 酢酸菌(酢・ナタデココ・コンブチャ) ④ 納豆菌(ポリグルタミン酸・ナットウキナーゼ・ビタミンK2) ⑤ 病原菌(食中毒・大腸菌O157・サルモネラ菌)◎系譜情報:微生物と人間の関係は、古くから発酵技術を通じて築かれてきました。ヨーロッパでは古代ギリシャ・ローマ時代からチーズやワインの発酵が行われ、日本では奈良時代から味噌や醤油、奈良漬などの発酵食品が発展しました。19世紀にはルイ・パスツールが微生物の発酵を科学的に解明し、これが乳酸菌や酵母の応用につながりました。20世紀に入ると、腸内細菌の研究が進み、プロバイオティクスの概念が登場しました。現在では、乳酸菌を利用した機能性ヨーグルトや、納豆菌による健康効果の研究が進められ、医療やバイオテクノロジーの分野でも微生物の応用が拡大しています。
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 [今回授業の復習]
この復習を通じて、微生物が人類の生活や社会にどのように貢献しているかを全体的に理解し、次の学びや課題に活かしてください。応用編全体で学んだ微生物の役割を振り返り、健康、産業、環境の各分野で微生物が果たしている役割を具体例とともに整理してください。
特に、微生物が人類にとっての「味方」となる場面(発酵食品、医薬品、環境保全など)と「脅威」となる場面(感染症、病原菌)を比較し、それぞれの特徴をまとめましょう。また、どのような微生物が産業に用いられているかを振り返り、表や図で整理してください。

[次回授業の予習]
微生物学の発展には、多くの研究者の功績が大きく寄与しています。本授業では、微生物研究の歴史と重要な研究者の業績を振り返り、それらが現代の微生物学や社会に与えた影響を学びます。微生物学がどのように発展してきたかを簡単に整理してください。
特に、顕微鏡の発明や細菌学の基礎が築かれた時代の主要な出来事を確認しましょう。次の研究者を中心に、それぞれの貢献や業績について調べてください。1)アントニー・ファン・レーウェンフック、2)ルイ・パスツール、3)ロベルト・コッホ、4)北里柴三郎。過去の研究が現在の微生物学の発展にどのように寄与しているかを調べてください。

10 【微生物研究に貢献した研究者(発展編)】 科目の中での位置付け 主題10は、微生物学の発展に大きく寄与した研究者たちの功績を学ぶもので、科目全体の中では発展編への導入として、微生物学の歴史や意義を再認識する重要な位置付けにあります。微生物学の基礎を築いた研究者たちの発見を通じて、現代の微生物研究がどのように支えられているかを理解します。
ルイ・パスツール(発酵と自然発生説の否定)、ロベルト・コッホ(病原菌の発見とコッホの原則)の代表的な研究者の業績を紹介します。また、日本における微生物学の発展に寄与した研究者である北里柴三郎の事例も取り上げ、微生物研究の観点や発想について解説します。
この主題を通じて、微生物学の歴史的背景を学び、過去の研究がいかにして現代社会の医療、農業、環境保全に結びついているかを理解します。また、未来の微生物研究に向けたヒントを得ることで、自らの学びの意義を再確認し、次の発展編への興味を深めるきっかけとします。(★★ 標準的内容)

① レーウェンフックの微生物の発見
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第2章「微生物学の歴史」 p.21-38
3) 青木健次 (著、編集)「微生物学」(化学同人、2007年)、第1章「微生物学の歴史」p.3-10

② 微生物学を発展させた研究者ルイ・パスツールとロベルト・コッホ
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第2章「微生物学の歴史」 p.21-38

③ 北里柴三郎が千円札になった理由
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 小熊惠二、堀田博、若宮伸隆(編)「シンプル微生物学 改訂第6版」(南江堂、2018年)、第1編「微生物学序論」 p.1-7
コマ主題細目 ① レーウェンフックの微生物の発見 ② 微生物学を発展させた研究者ルイ・パスツールとロベルト・コッホ ③ 北里柴三郎が千円札になった理由
細目レベル ①  微生物学の歴史は、人類の知識と科学の進歩に大きな影響を与えてきた。微生物研究の主要な事項を解説する。ファン・レーウェンフックは、オランダで小さな布地店を営む商人でした。
 レーウェンフックは、趣味でレンズを磨いていたところ、ある日、雨上がりの池の水を一滴、自作の顕微鏡で観察しました。驚いたことに、水の中には小さな動く点が数え切れないほど存在していたのです。彼は、この小さな動く点に強い興味を持ち、様々な液体を観察し続けました。レーウェンフックは、異なる種類の微生物が、形状や動きが異なることに気づき、それぞれの微生物を描きました。
 彼の観察記録は、当時の科学者たちを驚かせ、生物学に新たな世界を開きました。このように細菌や原生動物など、当時は知られていなかった存在を明らかにして、後の医学の発展に大きく貢献しました。赤血球などの細胞の発見・観察によって、生物が細胞で構成されていることが示され、細胞学の基礎となりました。レーウェンフックが作製した顕微鏡の仕組みを解説し、微生物がどのように観察できたか説明するところまで。

②  19世紀末、2名の研究者が微生物学を発展させました。ルイ・パスツールとロベルト・コッホです。パスツールは、「近代微生物学の祖」とされ、自然発生説を否定する実験で知られています。彼は「白鳥の首フラスコ」を用いて、微生物の発生には親となる微生物が必要であることを証明しました。
 この実験は「すべての生物は生物から発生する」という現代の生物学の基本原理を確立し、当時の科学常識を大きく変えました。また、ワクチン開発や発酵の研究にも大きな貢献を果たしました。
 コッホは、「細菌学の父」として知られ、病原体の発見に大きな功績を残しました。結核菌を発見し、結核が人から人へ広がる伝染病であることを証明しました。また、肉汁をゼラチンで固めた培地を用いることで、1つの細菌をコロニーとして育てる方法を考案し、病原体と疾患の因果関係を明らかにしました。
 これらの業績は、現代医学の基礎となっていることを理解するところまで。

③  日本における感染症研究は、「近代医学の父」と呼ばれる北里柴三郎によって大きく発展しました。北里はドイツに留学し、病気の原因となる微生物を研究する学問である病原微生物学の第一人者、ロベルト・コッホに学びました。そこで、病気と微生物の関係を科学的に調べる方法を身につけました。
 帰国後、北里は当時多くの人の命を奪っていた破傷風という病気の研究に取り組みました。破傷風は、傷口から侵入した破傷風菌が体内で毒素を作り、全身の筋肉を激しくけいれんさせる恐ろしい病気です。当時は有効な治療法がほとんどありませんでした。
 破傷風菌は酸素を嫌う性質を持っているため、普通の方法では育てることができませんでした。北里は酸素の量を調整する特別な培養方法を考え出し、破傷風菌を増やすことに成功しました。その結果、病気の原因が菌そのものではなく、菌が作る毒素であること、そしてその毒素を弱める物質(抗体)が体内で作られることを明らかにしました。
 さらに北里は、毒素を弱めて体に入れることで、病気を防ぐ力を身につけさせる血清療法を開発しました。この研究は、現在のワクチンや免疫の考え方につながる重要な成果であり、微生物研究が人の命を守る力になることを示していることを理解するところまで。

キーワード ① レーウェンフック(顕微鏡、微生物観察、発見) ② 19世紀の微生物研究(自然発生説の否定、病原菌、培養技術) ③ ルイ・パスツール(発酵、白鳥の首フラスコ、発酵微生物) ④ ロバート・コッホ(コッホの原則、結核菌、炭疽菌) ⑤ 北里柴三郎(破傷風菌、血清療法、日本の微生物学)◎系譜情報:レーウェンフックが1674年に自作の単純顕微鏡を用いて微生物を初めて観察し、その存在を発見。レーウェンフックの顕微鏡技術と観察は、後の科学者による微生物研究の基盤を築く。1861年:ルイ・パスツールが白鳥の首フラスコ実験を行い、微生物が空気中から侵入することで発酵や腐敗が起こることを証明。自然発生説を最終的に否定。1870年代:ロバート・コッホが純粋培養技術を確立し、特定の微生物が特定の病気を引き起こすことを証明する(コッホの原則)。1890年:破傷風に対する血清療法を開発。
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 [今回授業の復習]
この復習項目を通じて、微生物学の発展に寄与した研究者の功績をより深く理解し、現代および未来への影響を考える力を養ってください。微生物学がどのように発展してきたか、特に重要な転機となった出来事(例:顕微鏡の発明、病原体の発見など)を整理してください。
微生物研究が医療や産業に与えた影響について具体的な事例を挙げて説明できるようにしましょう。微生物研究に寄与した主要な研究者(例:レーウェンフック、パスツール、コッホ)の業績を簡潔にまとめてください。
それぞれが微生物学の発展にどのように貢献したのかを具体例とともに振り返りましょう。日本人研究者 北里柴三郎が果たした役割の重要性を自分の言葉で説明できるようにしましょう。

[次回授業の予習]
微生物は医薬品の開発において重要な役割を果たしてきました。本授業では、抗生物質がどのように発見され、私たちの健康にどのように貢献しているかを学びます。ペニシリン(アレクサンダー・フレミングによる発見)やストレプチオマイシン(セルマン・ワクスマンによる発見)の歴史を調べ、どのようにして医療の革命を起こしたかを理解してください。
ペニシリンの発見過程におけるフレミングの気づきについて、答えられるようにしてください(何をみて、微生物が抗生物質を生産していることに気づいたか?)。エバーメクチンについて、その対象疾患を調べてください。

11 【微生物が作るくすり(発展編)】 科目の中での位置付け 主題11は、微生物が医療分野で果たしてきた重要な役割を探求するもので、科目全体の中では発展編の核となる内容として位置付けられています。特に、微生物が生み出す薬の仕組みやその社会的意義を学び、現代医療における微生物の貢献を深く理解することを目的としています。
抗生物質の発見とその進化について取り上げます。アレクサンダー・フレミングによるペニシリンの発見をはじめ、ストレプトマイシンやエバーメクチンなど、病気治療に革命をもたらした薬剤と、それを生み出した微生物の仕組みを解説します。
微生物学の応用分野の中でも特に医療に焦点を当て、微生物がいかに人類の健康を支えているかを実感する機会を提供します。また、微生物が医療課題の解決におけるカギとなる可能性を理解することで、科学技術の社会的役割に目を向けるきっかけをつくります。(★★★ 発展的内容)

① 抗生物質の発見(ペニシリン)
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 小熊惠二、堀田博、若宮伸隆(編)「シンプル微生物学 改訂第6版」(南江堂、2018年)、第2編「原虫学・蠕虫学」p. 9-83
3) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第5章 役に立つ微生物たち p.107-170
4) 青木健次 (著、編集)「微生物学」(化学同人、2007年)、第8章「微生物の応用」p 139-170

② 結核が治るくすり(ストレプトマイシン)
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 小熊惠二、堀田博、若宮伸隆(編)「シンプル微生物学 改訂第6版」(南江堂、2018年)、第2編「原虫学・蠕虫学」p. 9-83
3) 小熊惠二、堀田博、若宮伸隆(編)「シンプル微生物学 改訂第6版」(南江堂、2018年)、第8編「原虫学・蠕虫学」p. 381-395
4) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第5章 役に立つ微生物たち p.107-170
5) 青木健次 (著、編集)「微生物学」(化学同人、2007年)、第8章「微生物の応用」p 139-170

③ 顧みられない熱帯病へ挑戦(エバーメクチン)
1)小熊惠二、堀田博、若宮伸隆(編)「シンプル微生物学 改訂第6版」(南江堂、2018年)、第8編「原虫学・蠕虫学」p. 381-395
コマ主題細目 ① 抗生物質の発見(ペニシリン) ② 結核が治るくすり(ストレプトマイシン) ③ 顧(かえり)みられない熱帯病へ挑戦(エバーメクチン)
細目レベル ① ポイント:抗生物質ペニシリンの発見について、100字程度で説明できる。
抗生物質の発見は、1928年に科学者アレクサンダー・フレミングによって行われました。彼は偶然、黄色ブドウ球菌を培養していたシャーレに青カビ(ペニシリウム属)が生えているのを発見しました。驚くべきことに、カビの周囲では細菌が増殖しておらず、これが細菌を殺す物質がカビから放出されている証拠であると気づきました。この物質は「ペニシリン」と名付けられました。
フレミングの発見から12年後の1940年、フローリーとチェインという2人の研究者が、伝染病の治療薬としてペニシリンの開発(ペニシリンの再発見)と大量生産に成功しました。ペニシリンは奇跡のくすりと呼ばれ、戦時中の傷の感染や肺炎、梅毒など多くの病気の治療に革命をもたらしました。この発見は現代医学の大きな転換点となり、抗生物質の研究が活発化するきっかけとなりました。
ペニシリンの最初の発見者であるフレミングと、再発見者であるフローリーとチェインは、その功績をたたえられ、1945年にノーベル医学・生理学賞を受賞したところまで。

② ポイント:土壌微生物から発見されたストレプトマイシンについて、100字程度で説明できる。
結核治療に効果を発揮したストレプトマイシンは、1943年に微生物学者セルマン・ワクスマンと彼の研究チームによって発見されました。この抗生物質は、放線菌の一種であるストレプトマイセス属の細菌から作られます。
ストレプトマイシンは、細菌のタンパク質合成を阻害することで結核菌を殺し、特にペニシリンが効かない細菌にも効果を発揮しました。これにより、当時治療法が限られていた結核に対する初の有効な薬となり、結核患者の生存率を大きく向上させました。
この発見は結核治療の歴史において画期的な進展をもたらし、ワクスマンはその功績により1952年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。ストレプトマイシンは現在も抗結核薬の一部として使用されることを理解するところまで。

③ ポイント:抗寄生虫薬の特効薬エバーメクチンについて、100字程度で説明できる。
エバーメクチンは、顧みられない熱帯病(NTDs)の治療に大きな貢献をした薬剤です。1970年代後半に、大村智博士が発見した放線菌ストレプトマイセス・アベルミチリスが産生する物質をもとに開発されました。
エバーメクチンは、オンコセルカ症(川盲症)やリンパ系フィラリア症といった寄生虫疾患に非常に効果的です。この薬は、寄生虫の神経や筋肉に作用して麻痺させることで駆除します。1980年代以降、エバーメクチンの成分を改良したイベルメクチンが広く使用され、熱帯地域の多くの人々の命を救いました。
これらの功績により、大村博士は2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。エバーメクチンは今もなお、多くの熱帯病対策の柱として活用されていることを理解するところまで。

キーワード ① 抗生物質(ペニシリン、ストレプトマイシン、エバーメクチン) ② ペニシリン(青カビ、細胞壁合成阻害、フレミング) ③ ストレプトマイシン(結核治療、ストレプトマイセス属、タンパク質合成阻害) ④ エバーメクチン(放線菌、オンコセルカ症、抗寄生虫) ⑤ くすりを作る微生物(カビ、放線菌、細菌)◎系譜情報:1928年、アレクサンダー・フレミングが青カビからペニシリンを発見。細菌感染症治療に革命をもたらす。1943年、セルマン・ワクスマンとその研究チームが放線菌からストレプトマイシンを発見。結核治療に画期的な効果を示す。1970年代:大村智らが放線菌からエバーメクチンを発見。オンコセルカ症(河川盲目症)やフィラリア症の治療に効果を発揮。
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 [今回授業の復習]
この復習項目を通じて、微生物が生み出す薬の重要性やその応用の可能性を深く理解し、現代医療や未来への貢献を考察してください。授業で学んだ微生物が薬を生み出すことを発見した人物と薬の名前を復習し、それらがどのように薬効を発揮するかを整理してください。
例えば、ペニシリンは1928年アレキサンダー・フレミングが、青カビから発見した最初の抗生物質である。ペニシリンの効果は、傷の感染や肺炎、梅毒など多くの感染症の治療に用いられた。図表を用いてまとめるとより効果的です。ストレプトマイシンやエバーメクチンは病原菌にどのように作用(作用機作もしくは作用メカニズムといいます)して、死滅させるか復習してください。

[次回授業の予習]
次の予習項目に基づいて、微生物が農業に果たす多様な役割についての理解を深めてください。農業における微生物の役割について、微生物が土壌の栄養循環や肥沃度の向上にどのように寄与しているかを調査してください。
堆肥化の過程における微生物の変遷について整理してください。根粒菌とマメ科植物の共生について、その仕組みと植物生育への影響を調べてください。乳酸菌や酵母などの微生物を利用して発酵させた家畜用の飼料の効果についてキーワードを抽出してください。窒素固定菌について調べてください。

12 【農業と微生物(発展編)】 科目の中での位置付け 主題12は、微生物が農業分野で果たす多様な役割を学ぶもので、科目全体の中では発展編の重要な応用テーマとして位置付けられています。微生物の力を活用して持続可能な農業を実現する方法を理解し、現代社会が直面する食糧問題や環境問題への解決策を考える基盤を築くことを目的としています。
窒素固定細菌や菌根菌などの微生物が土壌の肥沃度を高め、作物の成長を支える仕組みを学びます。また、バイオ肥料や堆肥化プロセスにおける微生物の役割を解説し、化学肥料や農薬の使用を抑えるための代替手段としての可能性を探ります。さらに、微生物を活用した生物的防除の事例を紹介し、農業の環境負荷を軽減する方法についても考察します。
微生物学の知識を農業分野に応用する視点を養うとともに、食糧生産の持続可能性を支える科学的な理解を深める役割を果たします。微生物を通じて農業の課題解決に貢献する新たな可能性を見出し、科学の実社会への応用力を身につける機会が得られます。(★★★ 発展的内容)

① 堆肥を作る微生物
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第4章 地球環境の微生物たち p.57-106、第5章 役に立つ微生物たち p.107-170
3) 左巻健男(編)「身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本」(明日香出版社、2019年)」、Lesson 4. 「分解者」としての微生物 p.56-62

② 発酵飼料は栄養満点
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 左巻健男(編)「身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本」(明日香出版社、2019年)」、Lesson 4. 「分解者」としての微生物 p.56-62

③ 特殊能力を持つ微生物によるバイオ肥料
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第5章 役に立つ微生物たち p.107-170
コマ主題細目 ① 堆肥を作る微生物 ② 発酵飼料は栄養満点 ③ エンドファイト
細目レベル ①  堆肥を作る微生物は、有機物を分解して土壌改良材として利用できる堆肥を生成する重要な役割を担っています。主に働く微生物は、細菌、放線菌、真菌(カビや酵母)の3種類に分類されます。これらの微生物は、堆肥化の過程で異なる段階で活躍します。
 最初の段階では、細菌が糖類やタンパク質などの分解しやすい有機物を分解します。その後、中温性や好熱性の細菌や放線菌が増え、堆肥化が進むにつれてセルロースやリグニンといった難分解性の物質も分解されます。
 放線菌は特に難分解性の物質の処理が得意で、堆肥の熟成段階で重要な役割を果たします。さらに、カビや酵母は分解を補助しながら、堆肥の栄養価を高めます。これらの微生物は、適切な水分、酸素、温度(50~70℃)を確保することで活性が最大化されます。微生物の働きによって、堆肥は栄養豊富で安定した有機質肥料となり、土壌の改良や農業生産の向上に役立つことを理解するところまで。

②  発酵飼料は、乳酸菌や酵母などの微生物を利用して発酵させた家畜用の飼料で、栄養価が高く、家畜の健康や成長に多くの利点をもたらします。
 発酵の過程で、微生物が飼料中の糖分やデンプンを分解して乳酸や酵素を生成し、飼料の消化吸収を助けます。この結果、家畜のエネルギー源として利用しやすい形に変化します。さらに、発酵により飼料のpHが低下し、病原菌の増殖が抑制されるため、家畜の腸内環境を整える効果もあります。
 また、発酵飼料には、ビタミンやアミノ酸などの栄養素が豊富に含まれており、成長促進や免疫力の向上にも寄与します。加えて、発酵飼料は保存性が高く、長期的な使用が可能です。これらの特長により、発酵飼料は家畜の健康維持や生産性向上に貢献していることを理解するところまで。

③  エンドファイトは、植物の内部に共生する微生物(主に菌類や細菌)の総称です。これらは植物の細胞間や組織内に生息し、多くの場合、宿主植物に有益な影響を与えます。
 例えば、病原菌の感染を防ぐ抗菌物質を生産したり、植物の成長を促進するホルモンを合成したりすることが知られています。また、ストレス耐性の向上にも関与し、乾燥や塩分ストレス、高温などの環境変化に対する植物の適応を助けます。
 一方で、一部のエンドファイトは特定の条件下で病原性を示すこともあります。農業やバイオテクノロジー分野では、エンドファイトの利用による作物の生産性向上や病害抑制が注目されていることを理解するところまで。

キーワード ① 根粒菌(マメ科植物、共生、窒素供給) ② 窒素固定菌(根粒菌、根粒菌、アゾトバクター) ③ 土壌肥沃度(養分供給、植物成長促進、農地管理) ④ エンドファイト(根粒菌、共生微生物、窒素固定) ⑤ エンドファイトの効果(抗菌物質、ホルモン、ストレス耐性)◎系譜情報:古代、堆肥や有機物を利用した土壌改良が行われる(例:日本の堆肥文化)。19世紀、科学的な土壌改良技術が発展し、有機物分解に関与する微生物の研究が進む。19世紀後半、根粒菌とマメ科植物の共生が発見され、窒素固定の仕組みが解明される。20世紀、窒素固定菌の分離と利用が進み、バイオ肥料としての研究が進展。
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 [今回授業の復習]
微生物が土壌に果たす役割を整理してください。例えば、微生物が窒素固定やリン吸収促進を通じて土壌の肥沃度を高める仕組みを振り返り、窒素固定菌やリン酸溶解菌の具体的な働きとその重要性を整理しましょう。
微生物と植物の関係を理解するため、内生菌根と外生菌根の違いを復習し、それぞれが植物にどのように養分を供給するかを確認してください。土壌改良における微生物の役割を考察するため、堆肥化(コンポスト化)プロセスでの微生物の働きを確認してください。生物的防除や害虫管理を簡単に整理してください。これらを踏まえて、農業における微生物研究の未来の展望を考えてみてください。

[次回授業の予習]
予習項目を通じて、微生物が環境保全や持続可能な社会にどのように貢献しているかについての理解を深めてください。
環境中での微生物の役割を理解するため、微生物が自然環境でどのように機能しているか(分解や浄化など)を調べてください。環境浄化や修復に用いられるバイオリメディエーションについて調べてください。微生物を利用した環境浄化技術の仕組みや実際の事例を調べると理解しやすい。廃棄物管理と微生物の関与について、水質浄化のプロセスについて調べてください。

13 【環境で頑張る微生物(発展編)】 科目の中での位置付け 主題13は、微生物が環境保全や修復に果たしている重要な役割を学ぶもので、科目全体の中では発展編における応用事例の集大成として位置付けられています。微生物の力を活用した環境問題の解決策を考えることで、持続可能な社会に向けた具体的な視点を養うことを目的としています。
バイオリメディエーション(微生物による汚染物質の分解)の事例を通じて、土壌や水質の汚染を浄化する微生物の働きを学びます。例えば、石油流出事故で油を分解する細菌や、有害金属を吸着・無害化する微生物の活用について解説します。また、下水処理施設における微生物の働きや、廃棄物処理を通じた循環型社会への貢献についても触れます。
微生物学が環境問題の解決にどのように役立つかを深く理解するための重要な内容です。微生物の力を通じて環境保全の新たな可能性を学び、現代社会が直面する課題に対する科学的なアプローチを考える力を身につけることが期待されます。(★★ 標準的内容)

① バイオリメディエーションでの微生物の活躍
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第5章 役に立つ微生物たち p.107-170
3) 青木健次 (著、編集)「微生物学」(化学同人、2007年)、第10章「微生物の環境保全への利用」p.185-203

② 油汚染やプラスチック分解に挑む微生物
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第5章 役に立つ微生物たち p.107-170
3) 左巻健男(編)「身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本」(明日香出版社、2019年)」、Lesson 4. 「分解者」としての微生物 p.56-62

③ 微生物による水質浄化
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 左巻健男(編)「身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本」(明日香出版社、2019年)」、Lesson 4. 「分解者」としての微生物 p.56-62
コマ主題細目 ① バイオリメディエーションでの微生物の活躍 ② 油汚染やプラスチック分解に挑む微生物 ③ 微生物による水質浄化
細目レベル ①  バイオレメディエーションは、微生物等の働きを利用して汚染物質を分解等することによって土壌や地下水等の環境汚染の浄化を図る技術のことをいいます。
 環境汚染浄化の技術的手法としては、物理的手法、化学的手法及び微生物機能の活用等生物学的手法が存在します。しかし、微生物を利用するバイオレメディエーションは、多様な汚染物質への適用できる可能性があり、一般的に浄化費用も低く済むため、将来の主要技術の一つと考えられています。
 バイオレメディエーションには、微生物を利用する技術として、栄養物質や酸素を加えて浄化場所に生息している微生物を活性化することにより浄化を行う「バイオスティミュレーション」と外部で培養した微生物を導入することにより浄化を行う「バイオオーグメンテーション」があります。そのほか、植物を利用して土壌の浄化等を行う技術である「ファイトレメディレーション」が含まれます。
 微生物を利用するバイオレメディエーションの中でも、特に、バイオオーグメンテーションについては、主に難分解性化学物質の汚染に対して、近年、環境汚染浄化技術としての注目が高まっており、今後の利用拡大が期待されていることを理解するところまで。

②  油汚染やプラスチック分解において、微生物は環境問題の解決に向けた重要な役割を果たしています。
 油汚染では、特定の細菌や菌類が油の成分を分解する働きを持っています。例えば、アルカンを分解する細菌や芳香族化合物を分解する細菌が、原油や燃料の汚染を無害化します。これらの微生物は油をエネルギー源として利用し、炭酸ガスや水に変えます。
 また、プラスチック分解では、ペット分解酵素を持つ細菌や、特定の真菌が注目されています。これらの微生物は、ペットボトルの主成分であるポリエチレンテレフタレート(PET)を分解し、再利用可能な原料に変える能力を持っています。
 これらの技術は、海洋汚染やごみ問題の解決にも役立つと期待されています。微生物を活用することで、環境負荷を軽減し、持続可能な未来を目指す取り組みが進んでいることを理解するところまで。

③  微生物は水質浄化において重要な役割を担っています。下水処理施設では、微生物が汚水中の有機物を分解し、水を浄化します。
 例えば、活性汚泥法では、細菌や原生動物が有機物をエネルギー源として利用し、無害な物質に変えるプロセスが行われます。この過程で発生する副産物は、分離・除去されます。さらに、湖沼や河川での浄化にも微生物が活用されています。
 窒素やリンなどの栄養塩を分解する微生物は、富栄養化による水質悪化を防ぎます。特定の微生物は、有害物質や重金属を吸着したり分解したりする能力も持っています。人工湿地など自然由来の浄化システムでは、植物と微生物が連携して水質改善を行います。
 微生物の力を利用した水質浄化は、環境に優しく、持続可能な技術として注目されていることを理解するところまで。

キーワード ① バイオリメディエーション(微生物浄化技術、バイオスティミュレーション、バイオオーグメンテーション) ② バイオオーグメンテーション(汚染現場、微生物添加、微生物による分解) ③ 難分解性物質の分解(油汚染分解、プラスチック分解、環境修復) ④ プラスチック分解(細菌、真菌、再利用可能な原料) ⑤ 水質浄化(下水処理施設、活性汚泥法、有機物分解)◎系譜情報:1970年代、油分解菌の利用が研究され始める。1980年代、土壌や水質浄化技術として重金属除去が実用化される。現代、環境負荷軽減のためのマイクロバイオーム技術(微生物の集合体の持つ力(遺伝子や機能)を、様々な分野に応用する技術)が進化し、商業化が進む。
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 [今回授業の復習]
微生物が環境保全や汚染浄化に果たす重要な役割を体系的に理解してください。バイオリメディエーションの仕組みを整理するため、バイオリメディエーションとは何かを説明し、バイオスティミュレーションとバイオオーグメンテーションの違いを理解してください。
油汚染やプラスチック分解に挑む微生物の役割を振り返るため、油汚染を分解する微生物がどのように汚染を無害化するか、プラスチック分解微生物が持つ機能とその応用例について復習してください。水質浄化における微生物の働きを再確認するため、下水処理施設での活性汚泥法の仕組みを復習し、有機物分解に関与する微生物の役割を整理してください。

[次回授業の予習]
次回のコマは、環境と微生物というタイトルで行ってきた最終回で、全体の総括を行います。このコマに備えるために、以下のポイントを予習してください。
① 過去の微生物との関わり:発酵食品の歴史:ビール、ワイン、パン、ヨーグルト、チーズなどの発酵技術の発展について調べる。ルイ・パスツールの業績:発酵の仕組みを解明し、微生物の重要性を科学的に証明した経緯を確認する。ロベルト・コッホの業績:病原菌理論の確立と感染症の原因究明について学ぶ。20世紀の抗生物質の発展:ペニシリンの発見とその後の感染症治療の発展を整理する。
② 現在の微生物と産業:食品産業:乳酸菌や酵母を活用したヨーグルト、パン、酒類の製造プロセスについて復習する。医薬品分野:微生物を利用した抗生物質やワクチンの製造、さらにはバイオ医薬品の現状を調査する。環境分野:バイオリメディエーション技術(油汚染浄化、プラスチック分解など)の具体例を整理する。エネルギー分野:バイオ燃料(メタン生成菌や藻類利用)の開発状況について学ぶ。
③ 微生物とともに生きる未来:健康分野:腸内細菌の役割、個別化医療の可能性について予習する。農業分野:バイオ肥料や生物的防除による持続可能な農業の実現可能性について調べる。環境保全:微生物を利用した汚染物質の分解やリサイクル技術について具体的な事例を調べる。持続可能な社会の構築:微生物を活用したエネルギー生産や環境浄化がどのように未来社会に貢献できるかを考察する。

14 【微生物とともに生きる未来を考えよう(発展編のまとめ)】 科目の中での位置付け 主題14は、発展編の学びを総括し、微生物と人間、そして地球環境がどのように共生していけるかを未来志向で考える重要な位置付けにあります。これまでに学んだ微生物の多様性、応用事例、社会的意義を統合し、現代社会の課題に対する微生物学の可能性を総合的に検討します。
これまでの学びを振り返り、微生物が果たしてきた役割を整理した上で、医療、農業、環境、エネルギーといった多様な分野での未来の利用可能性について議論します。また、微生物を活用する上での倫理的課題や、持続可能な社会の実現に向けた技術革新の方向性についても考察します。
この主題を通じて、微生物学を単なる知識として学ぶのではなく、社会や地球規模の問題解決に貢献する視点を得ることができます。科目全体の締めくくりとして、微生物とともに生きる未来像を具体的に描き、科学的な思考力と応用力をさらに高めることを目指します。(★★★ 発展的内容)

① 過去の微生物との関わり
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第2章「微生物学の歴史」 p.21-38
3) 青木健次 (著、編集)「微生物学」(化学同人、2007年)、第1章「微生物学の歴史」p.3-10

② 現在の微生物と産業
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第5章 役に立つ微生物たち p.107-170
3) 青木健次 (著、編集)「微生物学」(化学同人、2007年)、第8章「微生物の応用」p 139-170、第10章「微生物の環境保全への利用」p.185-203

③ 微生物とともに生きる未来
1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年)、第5章 役に立つ微生物たち p.107-170、第6章 バイオ研究の課題 p.171-194
コマ主題細目 ① 微生物学の過去 ② 微現在の微生物利用 ③ 未来における微生物と人間の関わり
細目レベル ①  微生物は人間が誕生した瞬間からの関係です。人間が反映するための産業においても、微生物は深い関わりを持っていました。古代文明では、微生物の存在が知られていない中で、発酵を利用した食品や飲料(例:ビール、ワイン、パン)が製造されていました。
 紀元前6000年頃には中東でヨーグルトやチーズが作られ、発酵技術が保存性や風味の向上に役立っていました。19世紀にはルイ・パスツールにより発酵が微生物による現象であることを解明し、科学的な食品製造の基盤を築きました。また、19世紀後半にロベルト・コッホが病原菌理論を確立したことで、医療分野でも微生物の利用が進み、ワクチンや消毒技術が発展しました。20世紀には抗生物質の発見(例:ペニシリン)が感染症治療に革命をもたらし、農業では根粒菌を利用した窒素固定が進められました。
 これらの進展は、微生物が産業革命や近代科学の発展において重要な役割を果たしてきたことを示していることを理解するところまで。

②  現在、微生物はさまざまな産業で重要な役割を果たしています。食品産業では、乳酸菌や酵母がヨーグルト、チーズ、パン、酒類などの発酵食品の製造に利用されています。また、医薬品分野では、抗生物質やワクチンなどのバイオ医薬品が微生物由来で生産されています。さらに、環境分野では、バイオリメディエーション技術により、微生物が土壌や水質の浄化を行っています。特に、油汚染やプラスチック廃棄物の分解で注目されています。
 エネルギー産業でも、メタン生成菌や藻類や穀物を活用したバイオ燃料の開発が進められています。これらの応用は、持続可能な社会の実現や環境保全に向けた重要なステップとなっています。
 今後、遺伝子工学やマイクロバイオーム技術の発展により、微生物の産業利用はさらに広がることが期待されていることを理解するところまで。

③  微生物は私たちの生活に深く関わり、その活用は未来の持続可能な社会の実現に貢献します。微生物は、腸内環境を整えるなど健康の維持に欠かせない存在です。さらに、バイオテクノロジーの進化により、抗生物質の開発や腸内細菌を活用した個別化医療が進むことで、より健康で長寿な生活が可能になります。
 また、農業分野ではバイオ肥料や生物的防除による環境に優しい作物生産が期待され、化学肥料や農薬への依存を減らすことができます。さらに、環境保全の分野では、微生物を利用した汚染物質の分解やリサイクル技術が進化し、自然環境を修復する力となります。私たちは微生物との共生を通じて、健康で豊かな生活を実現し、地球環境の保全や次世代に向けた持続可能な社会の構築を目指すべきです。
 微生物の可能性を活かした未来は、人類と地球双方にとって明るいものとなることを理解するところまで。

キーワード ① 微生物と産業の歴史(発酵、病原菌、抗生物質) ② 現在の産業における微生物の利用(食品産業、医薬品、環境技術) ③ 微生物の未来の可能性(個別化医療、バイオ肥料、環境修復) ④ 微生物と持続可能な社会(エネルギー、リサイクル、技術革新) ⑤ 微生物研究の未来(微生物の役割、環境浄化、持続可能な社会)◎系譜情報:19世紀、ルイ・パスツールが発酵の仕組みを解明。ロベルト・コッホが病原菌理論を確立。20世紀:ペニシリンの発見により感染症治療が進展。20世紀後半:微生物利用が食品、医薬品、環境分野で実用化される。21世紀:バイオリメディエーションやバイオ燃料技術が普及し、環境問題の解決策として注目される。個別化医療や環境修復技術が進化し、微生物が持続可能な社会構築に貢献。
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 [今回授業の復習]
これまでの学びを総合的に振り返り、微生物学の社会的意義や未来の可能性について深く理解してください。過去の微生物との関わりを整理するため、微生物が古代からどのように人間の生活に影響を与えてきたか(例:発酵食品、病原菌の発見、抗生物質の発展)を振り返ってください。
また、ルイ・パスツールやロベルト・コッホが微生物学の基礎を築いた具体的な業績を再確認してください。現在の微生物と産業を振り返るため、微生物が食品産業(発酵食品製造)、医薬品(抗生物質など)、環境分野(バイオリメディエーション)でどのように利用されているかを整理してください。
過去と現在の微生物研究や産業を通じて、微生物とともに生きる未来を考えてみましょう。微生物が健康維持(腸内細菌、個別化医療)や持続可能な農業(バイオ肥料、生物的防除)にどのように役立つかを考察してください。環境分野における微生物の貢献(汚染物質分解、プラスチック廃棄物削減)について、説明できるようにしてください。
微生物がどのように持続可能な社会構築に貢献するか、未来像を具体的に描いてみましょう。

15 【環境と微生物(総まとめ)】 科目の中での位置付け 主題15は、本科目「環境と微生物」における最終回に位置づけられ、これまでの学びを統合し、微生物学が持つ社会的・環境的意義を総括する重要な役割を担います。本主題では、微生物学の基礎知識、応用事例、発展的活用法を総合的に振り返りながら、微生物と人間社会の未来の関わり方について復習します。
これまでに学んできた微生物の多様性、応用技術、環境保全における役割を整理し、現代社会の課題解決に向けた微生物の可能性を考察します。本主題を通じて、微生物学を単なる知識として学ぶだけでなく、社会の一員として科学技術をどのように活用し、貢献していけるかを主体的に考える力を養います。科目全体の締めくくりとして、微生物との共生を視野に入れた持続可能な未来を具体的に描き、科学的思考力と応用力をさらに高めることを目指します。(難易度:★★★ 発展的内容)
系譜情報は下記キーワードに記載。

1) 文章教材「コマ用オリジナル資料」
2) 『微生物ってなに?』(日科技連, 2006年)
3) 『身近にあふれる微生物』(明日香出版社, 2019年)
4) 『微生物学』(化学同人、2007年)
コマ主題細目 ① 微生物学のまとめと重要ポイントの整理 ② 微生物研究の発見と応用 ③ 微生物と持続可能な社会
細目レベル ① この講義では、これまでの学びを総括し、微生物学の科学的・社会的意義を明確にすることを目指します。微生物の基本的な役割から最新の応用技術までを体系的に整理し、持続可能な未来に向けた微生物の活用方法について考察する力を養います。
微生物学の学習を総括し、これまでに学んだ微生物の基本概念、環境適応の仕組み、社会への応用を整理します。微生物の基礎分類(細菌、真菌、ウイルス、古細菌)や、それぞれの特徴を100字程度で説明できるようにします。また、微生物の環境における役割(分解者)について、環境との相互作用を踏まえて整理し、理解を深めます。これらの基礎知識を振り返ることで、微生物学の全体像を明確にすることを理解するところまで。

② 発酵技術と微生物研究の歴史を整理し、微生物が食品、医薬品、環境技術にどのように貢献してきたかを学びます。発酵食品(パン、ヨーグルト、味噌、醤油など)における微生物の役割と発酵のメカニズムを100字程度で説明できるようにします。また、ルイ・パスツールによる発酵研究の発展や、アレクサンダー・フレミングによる抗生物質(ペニシリン)の発見など、微生物学の進化を支えた重要な研究者とその業績を整理します。加えて、現代の発酵技術(バイオエタノール生産、プロバイオティクス)や微生物の遺伝子改変技術の発展についても理解を深めるところまで。
③ 微生物が持続可能な社会の形成にどのように貢献できるかを整理し、社会への応用可能性を考えます。食品、医療、エネルギー、環境保全の各分野において、微生物がどのような役割を果たしているかを具体的に説明します。特に、堆肥を作る微生物菌やエンドファイトについて100字程度で説明できるようにします。土壌微生物を活用した持続可能な農業技術(バイオ肥料、バイオ農薬)の効果と課題について整理します。
バイオレメディエーション(微生物を用いた環境修復技術)について、土壌や水質の浄化を目的とした微生物の活用方法について100字程度で説明できるようにします。バイオレメディエーションの具体例として、バイオスティミュレーション(生息微生物の活性化)とバイオオーグメンテーション(外部微生物の導入)の手法を説明できるようにしましょう。最後に、科目全体の学びを振り返り、微生物の可能性を生かした未来の技術や研究について、考察するところまで。

キーワード ① 発酵(ルイ・パスツール、アルコール発酵、乳酸発酵、酢酸発酵)◎系譜情報: 発酵は古代から食品加工に利用されてきたが、19世紀にルイ・パスツールは発酵が微生物による生化学反応であることを証明した。これにより、発酵食品の安全性が向上し、工業的な発酵技術が発展した。 ② バイオレメディエーション(油分解細菌、重金属吸着菌、バイオスティミュレーション、バイオオーグメンテーション)◎系譜情報: 1980年代から環境修復の手法として研究が進み、特に産業廃棄物や石油流出事故の対策として微生物の活用が広がった。近年では、微生物を活性化する方法(バイオスティミュレーション)や外部から導入する方法(バイオオーグメンテーション)が実用化されている。 ③ 農業微生物(堆肥菌、エンドファイト、根粒菌、菌根菌、バイオ肥料)◎系譜情報: 19世紀末に根粒菌による窒素固定が発見され、20世紀に入ってから土壌微生物を活用した農業技術が発展。近年では、エンドファイト(植物と共生する微生物)の研究が進み、持続可能な農業への応用が期待されている。 ④ 微生物研究の歴史(顕微鏡発明、細菌の発見、抗生物質開発、遺伝子解析)◎系譜情報: 17世紀のレーウェンフックによる顕微鏡の発明を契機に微生物の存在が明らかになった。その後、19世紀にパスツールやコッホが病原菌の研究を進め、20世紀にはフレミングによる抗生物質の発見が医療分野を革新した。21世紀には、ゲノム解析技術の進歩により、微生物の機能がより詳細に解明されている。 ⑤ 持続可能な社会と微生物(バイオエネルギー、メタン発酵、カーボンリサイクル、微生物発電、水質浄化)◎系譜情報: 20世紀後半から、化石燃料に依存しないエネルギー技術が求められるようになり、微生物を利用したバイオエネルギー技術が発展。特に、メタン発酵によるバイオガス生産や、微生物燃料電池による発電技術が実用化されつつある。
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、LMS上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 [今回授業の復習]
本主題では、これまでの学びを総括し、微生物学の科学的・社会的意義を明確にすることを目指します。これまで学んできた微生物の基礎知識や応用技術を振り返り、それらがどのように社会や環境と関わっているのかを整理しましょう。
微生物の基本概念について復習します。微生物は細菌、真菌、ウイルス、古細菌に分類され、それぞれ異なる特徴を持っています。これらの微生物がどのように環境に適応し、炭素循環や窒素循環などの生態系の維持に貢献しているのかを確認しましょう。また、微生物の環境における役割の一つとして、分解者としての機能が挙げられます。これまでに学んだ分解プロセスを整理し、微生物が物質循環に果たす役割を説明できるようにしましょう。
微生物研究の歴史と発酵技術について復習します。ルイ・パスツールが発見した発酵の仕組みや、アレクサンダー・フレミングによる抗生物質(ペニシリン)の発見が微生物学にどのような影響を与えたのかを振り返りましょう。また、伝統的な発酵食品(ヨーグルト、パン、味噌、醤油など)における微生物の働きを理解し、発酵のメカニズムを説明できるようにしましょう。さらに、現代における発酵技術の進展として、バイオエタノールの生産やプロバイオティクスの活用など、微生物がどのように社会に貢献しているのかを整理しましょう。
微生物が持続可能な社会の実現にどのように関わるかを復習します。農業分野では、堆肥を作る微生物菌やエンドファイトの役割を理解し、根粒菌や菌根菌が作物の成長をどのように助けるのかを確認しましょう。また、土壌微生物を活用したバイオ肥料やバイオ農薬の効果や課題について整理し、持続可能な農業の実現に向けた微生物の活用方法を考えましょう。さらに、バイオレメディエーションの基本概念を復習し、微生物が土壌や水質の浄化にどのように貢献しているのかを確認しましょう。特に、バイオスティミュレーション(生息微生物の活性化)とバイオオーグメンテーション(外部微生物の導入)という技術について、具体的な例を挙げながら説明できるようにしましょう。
本主題の復習を通じて、微生物が持つ多様な機能とその応用の幅広さを理解し、持続可能な社会の実現に向けた微生物の可能性について考えを深めましょう。最後に、これまで学んだ内容を総括し、微生物の未来技術や研究について自分の意見をまとめられるようにしましょう。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
1. 微生物の種類(基礎編)
難易度:★やさしい
微生物の分類(原核生物、真核生物、ウイルスの違い)について理解し、600文字以上で説明できる。基礎水準では,原核生物である真正細菌や古細菌と,真核生物である酵母や糸状菌の特徴を区別し、それぞれの生物学的な特性を説明できる.中度水準では,微生物の観察方法について説明できる。高度水準では、環境における微生物役割おける分解者としての機能について具体例を挙げて説明できる。この指標により、微生物の分類、進化、役割および微生物学の発展について幅広い理解が必要とされる。 微生物の分類と形態、分解者としての役割,進化の過程、タンパク質合成プロセス 20 1-5
2. 微生物の誕生と人間との関わり(応用編)
難易度:★やさしい
微生物と人間の関わりについて個々の事例を列挙し、600字以上で説明できる。基礎水準は、発酵微生物が発酵食品の製造に関与する仕組みを説明し、腸内フローラのバランスが健康に及ぼす影響について説明できる。中度水準は、極限環境微生物の特性や生息環境を説明し、酵素の産業応用における具体的な利用例を挙げることができる。高度水準は、発酵微生物や極限環境微生物の特性を比較し、それらを応用した発酵食品や酵素の産業利用の可能性について、自らの考察を交えて論じることができる。この指標により、微生物と人間の関わりの基礎から応用までの幅広い理解が必要とされる。 発酵微生物,発酵食品,極限環境微生物,酵素の産業応用,腸内フローラのバランス 20 6-10
3. 発酵微生物(応用編)
難易度:★やさしい
微生物が関与する発酵食品の多様性やその科学的意義について400字程度で説明できる。基礎水準では、発酵食品に使用される微生物(酵母、麹菌、乳酸菌など)とその役割について具体例を挙げて説明できる。中度水準では、発酵食品の製造過程における微生物の働きや、その科学的メカニズムを理解し、ヨーグルトや味噌などの応用例を論じることができる。高度水準では、発酵技術の社会的・文化的意義を考察し、微生物の活用と食品技術の未来に関する簡潔に説明できる。この指標により、微生物学の応用と発酵食品の役割を多角的に理解する力を養うことができる。 発酵、発酵微生物、発酵食品、食品技術、栄養 20 8-10
4. 応用微生物学(発展編)
難易度:★★★難しい
微生物の機能を医療と農業分野でそのように活用されているのかを400字程度で説明できる。基礎水準は、放線菌や窒素固定菌などの微生物が、医療と農業の両分野で果たす役割を理解し、抗生物質の発見経緯や、発酵を利用した堆肥・発酵飼料の生成に関わる微生物の種類と機能を説明できる。中度水準は、医療分野では抗生物質が感染症治療や公衆衛生に果たした役割、農業分野では窒素固定菌や根粒菌が農作物の成長促進に与える影響について具体例を挙げて説明できる。高度水準は、微生物が抗生物質や発酵の技術を通じて持続可能な社会に貢献する可能性を評価し、エンドファイトや生物的防除の活用を含めた医療・農業の革新について考察できる。この指標により、微生物の応用を統合的に学び、基礎から応用、さらには持続可能な社会への貢献という視点で発展的な考察力を養うことができる。 抗生物質、放線菌、窒素固定菌、発酵、エンドファイト 20 11-12
5. 微生物産産業の将来(発展編)
難易度:★★普通
微生物を活用した産業技術の現状と将来展望について、400字以上で説明できる。基礎水準は、微生物の基本的な役割や特性、またそれを応用した農業への関わり、発酵技術やバイオマス利用技術について説明できる。応用水準は、発酵食品の製造や環境保全におけるバイオレメディエーション技術の仕組みや具体例を説明できる。高度水準は、微生物技術が持続可能な社会に与える影響を多角的に議論することができる。この指標により、微生物の多様性や応用技術の進展が未来の社会や環境にどのような価値をもたらすかを総合的に理解できる力を養うことができる。 発酵技術、農業と微生物、有機農業、バイオスティミュレーション、持続可能性 20 13-15
評価方法 期末試験を実施します。
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 決まった教科書は使用しません。適宜オリジナル資料とスライドを使用します。なお,参考書は下記を勧めます。
参考文献 2) 日本微生物生態学会教育研究部会(編)「微生物ってなに?」(日科技連、2006年、2000円)、2) 左巻健男(編)「身近にあふれる「微生物」が3時間でわかる本」(明日香出版社、2019年、2400円)
実験・実習・教材費 なし