区分
農業フィールド科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
自然と生物の専門知識
フィールド生物調査
環境データ解析
自然共生社会
カリキュラム・ポリシーとの関係
教養
分析思考
実践技能
フィールド間連携
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究を行っています。陸域・水域・農業の3つの分野についてくわしく学び、さらに統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成しています。また、柔軟な考え方や実践的な提案をする力を育てるために、学科共通の授業や複数の分野に関わる授業も用意されています。これにより、幅広い視野を持ち、さまざまな課題に対応できる人材を育成します。
「農業基礎演習Ⅰ」は、これから農業について本格的に学んでいくための、いちばん最初の土台となる授業です。この授業では、これまでに学んだ農業の知識を、実際の畑で体験しながら「知っている」から「できる」へと変えていきます。たとえば、高校で習った理科の実験が、実際の現場でどう役立つのかを体験するようなイメージです。大学での農業の学びは、「基礎となる知識」「実際に手を動かす体験」「それを応用して考える力」の3つに分かれていますが、「農業基礎演習Ⅰ」はその中の「実際に体験する」部分にあたります。野菜や果物を育てるだけでなく、虫の対策、収穫した作物の加工まで学びます。
このように、農業を「育てる」だけでなく、「加工する」までの流れを学ぶことで、農業の仕事を知ることができます。また、天気や虫の被害など、農業に起こるトラブルにどう対応するかといった判断力や、地域での農業のあり方、環境を守りながら続けていく農業の大切さも学びます。この授業は、将来農業の仕事に関わりたい人だけでなく、地元を盛り上げたい人、自然の中で学びたい人にもぴったりです。農業を体験することで、「食べものがどう作られているのか」「地域の農業がどう支えられているのか」を学び、将来、地域や社会に貢献できる力を育てる第一歩となる授業です。
科目の目的
「農業基礎演習Ⅰ」は、教室で学んだ農業の知識を、実際の畑で体を動かしながら学び直すことを大切にした授業です。たとえば、野菜や果物の種をまいたり、苗を植えたり、肥料をあげたり、草を取ったり、虫の対策をしたりして、作物が育つまでの一連の作業をひとつひとつ体験していきます。「知っている」から「できる」に変えることがこの授業の大きな目的です。
しかし、この授業はそれだけでは終わりません。収穫した野菜を使ってパスタ、ピザ、ピクルスなどを作る加工実習を行い、農産物が食品として商品になるまでの過程を体験します。加工実習では、食材の扱い方や調理工程、衛生管理の基本を学ぶとともに、「どんな人に買ってもらいたいか」「どんなパッケージにすればよいか」といった商品づくりや販売の視点についても考えます。こうした体験を通して、農業を「作るだけ」の活動ではなく、生産・加工・販売が結び付いた産業として理解していきます。
また、ブドウの袋かけ管理や、田植え体験などを通じて、地元の農業の大切さも知っていきます。自然と向き合いながら働く楽しさやたいへんさを実感し、「地域の農業をどう守るか」、「農業で地域を元気にするにはどうしたらいいか」といったことも考えていきます。
到達目標
《1》実習における安全管理と主体的な参加姿勢を身につける
《2》播種・定植・初期生育管理の基本技術を理解し説明できる
《3》作物特性と栽培管理の関係を理解し説明できる
《4》病害虫の観察・同定・防除の基本的な考え方を理解する
《5》水田農業と果樹栽培を含む農業の多様な生産体系を理解する
《6》農業を生産・加工・販売を含む産業として理解する
科目の概要
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第7回・第8回では病害虫の基礎や調査方法について学び、圃場で発生している害虫を観察しながら、どのような虫が作物に被害を与えるのかを理解します。第11回・第12回および第25回・第26回では、双眼実体顕微鏡を用いて害虫の外部形態を観察し、図鑑や検索表を使って種を見分ける方法を学びます。第23回・第24回では、杖ノ淵公園隣接の水田において田植え(移植)実習を行い、水稲栽培における株間や浅植え、水管理の基本を体験的に理解します。第16回では農業試験場の役割について学び、新品種の開発や病害虫防除など、研究機関が地域農業をどのように支えているのかを知ります。第27回では、収穫した農産物を用いた加工実習を通して6次産業化の仕組みを体験的に理解し、原価や利益の考え方についても学びます。第28回では、6次産業化と地域振興との関係を整理し、食品衛生管理や地域経済とのつながりについて考察します。第29回では、これまでの栽培技術や作物特性、農業経営の視点を総合的に振り返り、農業を体系的に理解します。そして第30回では、病害虫防除や農薬、農業試験場の役割などを含めて授業全体をまとめ、持続可能な農業について総合的に考察します。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
科目のキーワード
《1》播種・定植・活着-第1、2、3回
《2》初期生育管理・間引き・不織布被覆-第2、3、4回
《3》作物特性(直根性・つる性・果菜類・根菜類・葉菜類)-第2、3、4、5、6、7回
《4》支柱立て・誘引・わき芽かき-第3、4、5回
《5》病害虫防除・同定・検索表-第4、5、6、7、8回
《6》双眼実体顕微鏡・外部形態観察-第6、7、8回
《7》農薬・剤型・適用・防除指針-第8、15回
《8》水稲移植・活着・分げつ・水管理-第10、11、12回
《9》落葉果樹・常緑果樹・休眠・生育周期-第7、9、13回
《10》6次産業化・付加価値・原価・食品衛生-第13、14、15回
授業の展開方法
「農業基礎演習Ⅰ」の授業は全30回で構成されており、前半で栽培管理の基本を習得し、中盤で収穫・管理作業を実践、後半で加工までを学ぶ流れとなっています。実習を中心にしながら、必要に応じて講義を交え、理論と実践を結びつけることで、農業に関する総合的な理解を深めます。毎回2コマ連続で授業を行い、前半は講義、後半は校外での現地実習を実施します。どちらもWordで作成されたオリジナルテキスト(配布はPDF版)に沿って進めます。授業冒頭で、テキストと授業内容の概観を行い、そのコマの重要事項と学習上のポイントを示します。前半の講義では、実習の主題となる理論や原理の解説、実習活動の環境及び調査課題の説明、さらに実習で使用する器具の操作方法について説明します。最後に小テストを実施し、解答・解説を行います。
後半の現地実習は、指定の場所に集合した後、事前の説明に従って所定の実習活動を行います。実習ではグループごとに分かれ、現地調査等の実習課題に取り組みます。授業終了後は、次回授業までに復習を行うことが求められます。講義内容や小テストの解答解説、実習課題や調査結果を見直すだけでなく、ChatGPTを活用し、テキストの内容を読み込ませて20問程度の練習問題を作成し、自分で解いて理解を深めます。さらに、その解答・解説を確認することで、より確実に知識を定着させることが求められます。
オフィス・アワー
甲斐貴光:【前期】
農業基礎演習Ⅰ
農業地理学
基礎ゼミナールⅠ
土壌生態学
インターンシップⅠ
全科目:月曜昼~4限
【後期】
農業基礎演習Ⅱ
基礎ゼミナールⅡ
全科目:月曜1・2限
三中信宏:【前期】
万物は進化する月5限
基礎ゼミナールⅠ月5限
環境データ解析の基礎月5限
【後期】
環境データの可視化技法火曜5限
基礎ゼミナールⅡ月曜5限
基礎ゼミナールⅣ月曜5限
環境研究デザイン論火曜5限
松原慧:【前期】
情報リテラシーⅠ金曜5限
農業基礎演習月曜4限
基礎ゼミナールⅠ木曜4限
【後期】
情報リテラシーⅡ金曜5限
農業基礎演習Ⅱ月曜5限
基礎ゼミナールⅡ火曜5限
昆虫生態学水曜5限
科目コード
TF1031
学年・期
1年・前期
科目名
農業基礎演習Ⅰ
単位数
4
授業形態
演習
必修・選択
選択
学習時間
【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目
展開科目
関連資格
担当教員名
甲斐貴光・三中信宏・松原慧
回
主題
コマシラバス項目
内容
教材・教具
1
オリエンテーション:実習の目的
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第1回の実習では、オリエンテーションとして位置づけられ、以降に展開される播種、定植、管理、収穫といった一連の農作業を安全かつ意味のある学びとして進めるための基盤を形成する役割を担う。本コマでは、まず農業実習が教室内学習とは異なり、屋外で身体を動かしながら行う活動であることを理解し、実習に臨むための安全意識と事前準備の重要性を確認する。これにより、学生は受け身で作業を行うのではなく、自らの行動と安全に責任を持つ姿勢を身につける。次に、畝立てを中心とした圃場準備を取り上げ、作物栽培は「植える」前の環境づくりから始まることを学ぶことで、以降の播種・定植作業を理解するための視点を与える。さらに、マルチ張りの実践を通して、生育環境を人の手で整える管理技術の基本を体験的に理解し、雑草対策や地温管理、水分保持といった効果が初期生育に直結することを確認する。本コマは、個々の作業技術を高度に習得することを目的とするのではなく、安全・環境・管理という農業実習の根幹となる考え方を共有し、次回以降の具体的な播種・定植実習へと円滑につなげるための「土台づくり」の回として、科目全体の中で重要な位置を占めている。
◆コマ主題細目①
・第1回テキスト「ガイダンス:作物を育てるための基本作業と考え方」 第1節「実習を安全に行うための心構えと準備」
◆コマ主題細目②
・第1回テキスト「ガイダンス:作物を育てるための基本作業と考え方」 第2節「畑づくりの第一歩 ― なぜ最初に畝を立て、環境を整えるのか ―」
◆コマ主題細目③
・第1回テキスト「ガイダンス:作物を育てるための基本作業と考え方」 第3節「マルチ張りの実践とその効果 ― 水はけ・雑草対策・地温管理の考え方 ―
コマ主題細目
① 実習を安全に行うための心構えと準備 ② 畑づくりの第一歩 ― なぜ最初に畝を立て、環境を整えるのか ― ③ マルチ張りの実践とその効果 ― 水はけ・雑草対策・地温管理の考え方 ―
細目レベル
① 「実習における諸注意」の理解は、農業実習が教室内学習とは異なり、屋外で身体を動かす活動であることを前提として身につけるまで。
注意事項については、動きやすい服装や帽子・手袋の着用、健康保険証コピーの携行、貴重品管理といった事項を単なる決まりとして覚えるのではなく、準備不足が転倒・熱中症・ケガ・紛失などの具体的なリスクにつながることを、想定事例を通して理解する。あわせて、自分の安全と行動に対する責任を自ら管理する意識を持つことを目標とする。また、必ず持参するものについては、水分・帽子・タオル・着替え・メモ帳・小銭・袋・常備薬等が、それぞれ熱中症予防、学習記録、収穫物管理などの役割を持つことを、実物確認やチェックリストを用いて具体的に理解する。実習前には、自分自身で準備状況を点検できる状態を目指す。さらに、農作業に適した服装の一例については、正解を暗記するのではなく、露出を避ける、動きやすい、汚れてもよいという共通原則を中心に理解する。写真や適切例・不適切例の比較を通して、不適切な服装がなぜ危険につながるのかを説明できる力を身につける。圃場での持参必須アイテムについては、圃場特有の水・泥・直射日光・天候変化といった環境条件を具体的に想定する。長靴・手袋・雨具等が「あると便利なもの」ではなく、「作業や安全に不可欠なもの」である理由を理解し、作業内容や天候に応じて自ら準備を判断する。
本細目では、装備の性能比較や専門的な安全管理理論には踏み込まない。農業実習に主体的かつ安全に参加するための基礎的な判断力と準備力を身につける段階に位置づける。
② この細目での理解は、畝立てが作物栽培の出発点となる畑づくりの重要な作業であり、水はけや通気性の改善を通して根の生育環境や作業性に影響することを説明できる段階まで。
具体的には、平畑との比較や簡単な図解を用いて、水の流れや土中の空気の通り道を説明し、なぜ畝が必要なのかをイメージできるようにする。また、畝の高さや幅、列間の取り方が作物の生育や病気の発生に関係することについて、代表的な例を示しながら整理する。方法としては、講義による説明に加え、実際の圃場を観察しながら「もし畝がなかったらどうなるか」を問いかけ、学生自身に考えさせる形をとる。数値的な設計や専門的な土壌物理の理論には踏み込まず、次回以降の播種・定植作業を理解するための基礎的な考え方を身につけるレベルにとどめる。
③ この細目での理解は、マルチ張りが雑草防止や地温管理、水分保持などを通して作物の生育環境を整える重要な管理技術であることを説明できる段階まで。ここでは、マルチ張りによって得られる主な効果として、水はけの改善、雑草発生の抑制、地温の安定、作物の清潔保持といった点を取り上げ、それぞれが作物の初期生育や管理作業にどのように関係するのかを理解する段階までを扱う。方法としては、まず講義でマルチの役割を整理したうえで、圃場において畝の状態とマルチの有無を比較し、土の湿り方や雑草の発生状況を観察する。また、実演を通して、畝立て後の表面ならし、マルチ敷設、固定という基本的な作業手順を確認し、シートのたるみや固定不足が生育や管理に与える影響を具体的に示す。資材の種類や高度な被覆技術の比較には踏み込まず、マルチ張りの基本的な考え方と正しい実施方法を理解し、次回以降の播種・定植作業につなげられるレベルに位置づける。
キーワード
① 安全管理・自己管理 (屋外実習における事故防止と責任意識) ② 事前準備と判断 (服装・持ち物・作業前の点検) ③ 生育環境づくり (畝立て・マルチ張りによる環境調整) ④ 水はけ・通気性・地温 (畝やマルチが果たす基本的な役割) ⑤ 初期生育を支える基礎作業 (播種・定植につながる土台づくり)
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
次回の授業コマに進む前に、これまでの内容を確実に定着させるため、以下の点を復習課題として押さえておくことが重要です。まず、実習における諸注意について、屋外で身体を動かす農業実習の特性を踏まえ、自分自身の安全をどのように確保するかを振り返ってください。動きやすい服装や帽子・手袋、水分補給などが、なぜ必要なのかを具体的な場面(転倒、熱中症、ケガ)と結び付けて説明できるようにしておきましょう。次に、農機具の使い方について、鍬やスコップなどの手道具と、耕運機や噴霧器といった機械的な農機具の違いを整理し、それぞれがどの作業で使われるのかを確認してください。特に、マルチ張り作業の流れ(畝立て→表面ならし→マルチ敷設→固定)と、そこで使う道具、安全上の注意点を言葉で説明できることが求められます。さらに、圃場準備については、畝立て・定植・施肥が単独の作業ではなく、作物の生育を支える一連の流れであることを理解しているかを確認してください。株間や列間、元肥と追肥の違い、土壌微生物の役割を、自分なりの言葉で簡単にまとめておくと、次回の実習内容をより深く理解する助けになります。
◆次回授業の予習
第2回「農業基礎演習Ⅰ」に向けた予習では、次回実習で行う圃場準備(畝立て・マルチ張り)・ニンジンの播種・中玉トマトの定植を、単なる作業としてではなく、「なぜその作業が必要なのか」という視点で整理しておくことが重要です。まず、畝立てについては、畝を作る目的(水はけの改善、根の生育促進、作業性の向上)を理解し、畝の高さや幅、列間が作物の生育にどのような影響を与えるのかを確認してください。あわせて、マルチ張りの効果(雑草防止、土壌水分の保持、地温調整、作物の清潔保持)を整理し、畝立てからマルチ固定までの基本的な作業手順を頭の中でイメージしておきましょう。次に、ニンジンの播種については、種が小さい作物であることを踏まえ、播種の深さや覆土の厚さが発芽に影響する理由を考えておくことが大切です。さらに、間引きが必要になる理由についても調べておきましょう。中玉トマトの定植については、ポット苗を畑に植える際の注意点(植え付け深さ、根鉢の扱い、水やりのタイミング)を確認し、なぜ定植直後の管理が重要なのかを理解しておくと、実習での判断がしやすくなります。これらを踏まえ、教科書や配布資料を見直しながら、「畝立て→播種・定植→初期管理」という一連の流れを自分なりに整理しておいてください。
2
播種・定植の実践とプランター栽培の特徴を学ぶ― ニンジン播種、中玉トマト定植 ―
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第2回の実習では、第1回で確認した安全意識や圃場準備の考え方を土台として、実際に作物を「植える・育て始める」段階へと学びを進める回として位置づけられる。本コマでは、ニンジンの播種と中玉トマトの定植という二つの異なる栽培方法を同時に扱うことで、「種から育てる作物」と「苗を植えて育てる作物」の違いを具体的に理解させることを目的とする。ニンジンでは発芽環境の整え方を通して、初期管理の成否が生育全体に大きく影響することを学び、作物観察と水分管理の重要性を実感する。一方、中玉トマトでは定植後の管理作業を通じて、支柱立てや誘引、わき芽かきといった人の手による管理が生育や収量を左右することを理解する。さらに、プランター栽培を取り上げることで、露地栽培との違いを比較し、限られた環境下で水分や養分を管理する難しさと工夫を学ぶ。本コマは、単なる作業習得にとどまらず、栽培方法や環境条件の違いによって管理の考え方が変わることを理解させ、以降の管理・収穫実習へと発展的に学びをつなげる重要な位置を占めている。
◆コマ主題細目①
・第2回テキスト「播種・定植の実践とプランター栽培の特徴を学ぶ― ニンジン播種、中玉トマト定植 ―」 第1節「ニンジンの播種と発芽環境の整え方― 種から育てる作物の特徴を知る ―」
◆コマ主題細目②
・第2回テキスト「播種・定植の実践とプランター栽培の特徴を学ぶ― ニンジン播種、中玉トマト定植 ―」 第2節「中玉トマトの定植と初期生育の管理― 苗を植えて育てる作物の特徴を知る ―」
◆コマ主題細目③
・第2回テキスト「播種・定植の実践とプランター栽培の特徴を学ぶ― ニンジン播種、中玉トマト定植 ―」 第3節「プランター栽培の特徴と露地栽培との違い― 限られた環境で作物を育てる工夫 ―」
コマ主題細目
① ニンジンの播種と発芽環境の整え方― 種から育てる作物の特徴を知る ― ② 中玉トマトの定植と初期生育の管理― 苗を植えて育てる作物の特徴を知る ― ③ プランター栽培の特徴と露地栽培との違い― 限られた環境で作物を育てる工夫 ―
細目レベル
① この細目での理解は、ニンジンが発芽管理の成否によって生育が大きく左右される作物であることを踏まえ、播種後の水分管理と土寄せの必要性を説明できる段階まで。
特に、ニンジンは「発芽すれば半分は成功」と言われる作物であることに着目し、発芽までの環境づくりの重要性を具体的に学ぶ。播種の深さや覆土の厚さ、播種後の水分管理については、なぜ浅すぎても深すぎても発芽しにくいのかを、図や実例を用いて説明する。また、発芽後の初期管理として、根の上部(肩部)が地上に露出すると緑化が起こり、品質が低下することを取り上げ、カブ元への土寄せが必要となる理由を理解する。方法としては、実際の圃場で播種位置を確認し、発芽後の苗を観察しながら、土寄せの有無による違いを比較する。本細目では、品種間差や収量向上の高度な技術には踏み込まず、発芽成功と根の形を整えるための基本的な考え方と管理方法を身につけるレベルに位置づける。
② この細目での理解は、中玉トマトが定植後の管理によって生育や収量が左右される作物であることを踏まえ、定植・支柱立て・誘引・わき芽かきの基本的な目的と判断基準を説明できる段階まで。
まず定植については、ポット苗の扱い方、植え付け深さ、根鉢を崩さずに植える理由を確認し、活着を促すための水やりの重要性を理解する。次に、初期管理としての支柱立てと誘引について、茎を支える目的が倒伏防止だけでなく、光の当たり方や作業性の確保につながることを具体例から学ぶ。さらに、わき芽かきについては、主枝とわき芽の見分け方については観察を通して確認し、不要なわき芽を除くことで養分が果実に集中する仕組みを理解する。方法としては、実際の株を用いた実演と観察を中心に行い、管理作業の有無による株姿の違いを比較する。本細目では、整枝方法の細かな違いや高収量技術には踏み込まず、定植後に必要となる基本的な管理作業の意味と判断基準を身につけるレベルに位置づける。
③ この細目での理解は、プランター栽培が水分や栄養が減りやすい限られた環境で行われる栽培方法であることを踏まえ、露地栽培との違いと管理上の工夫を説明できる段階まで。
特に、プランターでは土量が限られるため、水分や栄養が失われやすく、管理の良し悪しが作物の生育に直結することを重点的に扱う。水やりについては、過不足が生育不良や根傷みにつながることを具体例で示し、露地との水分保持の違いを理解する。また、肥料については、雨や灌水によって養分が流亡しやすいことを踏まえ、少量ずつ与える必要性を理解するレベルにとどめる。方法としては、同じ作物をプランターと露地で育てた場合の生育差を写真や観察結果で比較し、管理の難しさと工夫点を整理する。家庭菜園で広く利用される栽培方法であることにも触れ、身近な実践例として捉えられるようにする。本細目では、高度な施肥設計や自動灌水技術には踏み込まず、プランター栽培の特性と基本的な管理上の注意点を理解するレベルに位置づける。
キーワード
① 初期管理 (発芽・活着・初期生育がその後を左右する) ② 水分管理 (発芽・定植・プランター栽培すべてに共通) ③ 養分の配分 (間引き・わき芽かき・施肥の考え方) ④ 生育環境の違い (露地栽培とプランター栽培の比較) ⑤ 観察と判断 (作物の状態を見て管理を変える)
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回の授業内容を確実に身につけるため、次の点を復習課題として整理してください。まず、ニンジンの播種と発芽管理について、ニンジンが「発芽すれば半分は成功」と言われる理由を振り返り、播種の深さ、覆土の厚さ、水分管理が発芽にどのように関係するのかを自分の言葉で説明できるようにしましょう。あわせて、発芽後に根の肩部が地上に露出すると緑化が起こる理由と、それを防ぐために土寄せが必要となる理由を確認してください。次に、中玉トマトの定植と初期管理について、定植時の苗の扱い方や植え付け深さ、活着を促す水やりの重要性を整理し、支柱立て・誘引・わき芽かきがそれぞれ何のために行われる作業なのかを説明できるようにしてください。特に、管理の有無による株姿や生育の違いを思い出し、観察を通して判断することの大切さを意識しましょう。さらに、プランター栽培と露地栽培の違いについて、プランターでは水分や栄養が失われやすい理由を整理し、水やりや施肥を少量ずつ行う必要性を理解してください。露地栽培との比較を通して、限られた環境で作物を育てる際にどのような工夫が求められるのかをまとめておくと、今後の管理実習への理解が深まります。
◆次回授業の予習
次回の授業コマではダイコンの播種を行います。実習に臨むにあたり、以下の点を予習課題として整理しておきましょう。まず、ダイコンが直根性の作物であり、根がまっすぐ深く伸びることが品質に大きく関係する点を理解してください。なぜ移植に向かず、直播(じかまき)が基本となるのかを、根の伸び方と結び付けて説明できるようにしておくことが重要です。次に、播種前の土づくりについて、土が硬い場合や肥料が偏っている場合に、根が分かれたり曲がったりする理由を調べておきましょう。播種の深さや覆土の厚さ、株間が発芽や初期生育にどのような影響を与えるのかも確認してください。また、発芽後に行う間引きの目的について、単に株数を減らす作業ではなく、根の形を整え、生育をそろえるために必要であることを理解しておきましょう。さらに、水分管理の重要性について、播種後に土を乾かさない理由や、過湿がもたらす問題点も整理しておくと、実習中の判断に役立ちます。これらを踏まえ、「まっすぐで形の良いダイコンを育てるために、播種時に何に注意すべきか」を自分なりにまとめておいてください。
3
ダイコンの播種と初期生育の考え方― まっすぐで形のよい根を育てるために ―
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第3回の実習では、第2回までに学んだ圃場準備や播種の基礎を踏まえ、播いた後の管理までを含めて作物を育てる視点を確立する回として位置づけられる。本コマでは、ダイコンを題材に、播種前・播種時・播種後の管理を切り離された作業としてではなく、一連の流れとして捉えることを重視する。直根性作物であるダイコンの特性を理解することで、なぜ直播が基本となるのかを改めて確認し、作物の性質に応じて栽培方法を選択する考え方を定着させる。さらに、播種前の土づくりや播種条件が根の形や生育に及ぼす影響を具体的に学ぶことで、作業の良否がその後の生育に直結することを理解させる。加えて、発芽後の水分管理や間引きを通して、播いた後も観察と判断に基づく管理が必要であることを体験的に学ぶ。本コマは、単にダイコン栽培の技術を習得することを目的とするのではなく、初期生育を左右する要因を自ら考え、判断する力を養うことに主眼を置いている。この考え方は、以降に扱うニンジンやトマトなど他作物の管理や、収穫までの栽培全体に応用されるため、第3回は「作物を育て続けるための視点」を確立する重要な位置を占めるコマである。
◆コマ主題細目①
・第3回テキスト「ダイコンの播種と初期生育の考え方― まっすぐで形のよい根を育てるために ―」 第1節「ダイコンの特性と播種方法― 直根性作物と直播栽培の意味を知る ―」
◆コマ主題細目②
・第3回テキスト「ダイコンの播種と初期生育の考え方― まっすぐで形のよい根を育てるために ―」 第2節「播種前の土づくりと播種条件― 根の形を左右する土壌環境と播き方 ―」
◆コマ主題細目③
・第3回テキスト「ダイコンの播種と初期生育の考え方― まっすぐで形のよい根を育てるために ―」 第3節「発芽後の管理と間引きの考え方― 生育をそろえ、根の形を整える ―」
コマ主題細目
① ダイコンの特性と播種方法― 直根性作物と直播栽培の意味を知る ― ② 播種前の土づくりと播種条件― 根の形を左右する土壌環境と播き方 ― ③ 発芽後の管理と間引きの考え方― 生育をそろえ、根の形を整える ―
細目レベル
① この細目での理解は、ダイコンが直根性作物であり根の伸び方が品質や形状を左右することを踏まえ、なぜ移植ではなく直播が基本となるのかを説明できる段階まで。ここでは、ダイコンの根が発芽直後からまっすぐ深く伸びる性質を持つことに着目し、なぜ移植を行うと根が曲がったり分かれたりしやすいのかを、図や実物写真を用いて説明する。あわせて、直播栽培が基本となる理由を、根の生育過程と結び付けて理解する。播種方法については、条まきや点まきといった具体的な方法の違いに軽く触れつつ、播種時に根の生育を妨げないことが重要である点を強調する。方法としては、過去の不良事例(股根や曲がり根)の写真や模型を示し、「なぜこの形になったのか」を学生自身に考えさせる形をとる。本細目では、品種選択や高度な栽培技術には踏み込まず、ダイコンの特性を理解したうえで、播種方法を選ぶための基本的な考え方を身につけるレベルに位置づける。
② この細目での理解は、播種前の土づくりと播種条件がダイコンの根の形や生育を左右することを踏まえ、土の状態や播き方の良否を判断できる段階まで。ここでは、土が硬い場合や未熟な有機物、肥料が局所的に偏っている場合に、根が分岐したり曲がったりする理由について具体例を用いて説明する。また、播種深や覆土の厚さについて、浅すぎると乾燥しやすく、深すぎると発芽に必要な力を使い果たしてしまうことを図解で示し、適切な深さの重要性を理解する。株間については、近すぎると根の太りが悪くなり、広すぎると土地利用効率が下がることを整理する。方法としては、実際の圃場で土の硬さを触って確認したり、播種位置を見比べたりしながら、「なぜこの条件が必要なのか」を問いかける形で進める。本細目では、土壌分析値や施肥設計といった高度な内容には踏み込まず、まっすぐで形のよいダイコンを育てるために必要な基本的な土壌環境と播き方を判断できるレベルに位置づける。
③ この細目での理解は、発芽後の水分管理と間引きの目的を踏まえ、生育をそろえ根の形を整えるための初期管理を判断できる段階まで。特に、水分管理と間引き作業を初期管理の中心として取り上げ、発芽直後から本葉が展開するまでの時期に、土を乾かしすぎないことが重要である理由を具体的に学ぶ。水分が不足すると根の伸長が阻害され、逆に過湿になると根腐れや生育不良を招くことを、実例や図を用いて説明する。また、間引きについては、単に株数を減らす作業ではなく、残す株の根がまっすぐ太るための空間と養分を確保する作業であることを理解する。方法としては、発芽後の苗を観察し、葉の大きさや勢いを比較しながら「どの株を残すか」を考えさせる活動を行う。本細目では、間引き回数や収量調整といった高度な管理技術には踏み込まず、生育をそろえ、根の形を整えるための基本的な判断ができるレベルに位置づける。
キーワード
① 直根性 (根がまっすぐ伸びる性質と品質との関係) ② 直播栽培 (移植せずに播く理由と播種方法の基本) ③ 土壌環境 (土の硬さ・肥料の偏り・播種床の状態) ④ 播種条件 (播種深・覆土・株間が生育に与える影響) ⑤ 初期管理 (水分管理と間引きによる生育調整)
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回の授業内容を踏まえ、ダイコン栽培における播種前から発芽後までの一連の流れを整理してください。まず、ダイコンが直根性作物であり、根がまっすぐ伸びることが品質や形状に大きく関係する理由を振り返り、なぜ移植ではなく直播が基本となるのかを説明できるようにしておきましょう。次に、播種前の土づくりについて、土が硬い場合や肥料が偏っている場合に根が分かれたり曲がったりする理由を整理し、播種深・覆土の厚さ・株間が発芽や初期生育にどのような影響を与えるのかを確認してください。さらに、発芽後の管理については、水分管理と間引きが単なる作業ではなく、生育をそろえ根の形を整えるための重要な判断であることを意識し、水分過不足がもたらす影響や、どの株を残すべきかの基準を自分の言葉でまとめてください。最後に、「まっすぐで形のよいダイコンを育てるために、播種から初期管理までで最も重要だと感じた点」を一つ挙げ、その理由を簡潔に整理しておくと、次回以降の実習理解が深まります。
◆次回授業の予習
次回の授業コマでは、ミニトマト・ナス・ピーマンの定植を行います。実習に臨むにあたり、以下の点を予習課題として整理しておきましょう。まず、これらの作物はいずれも苗を植えて育てる果菜類であり、定植時の作業がその後の生育や収量に大きく影響することを理解してください。なぜ播種ではなく定植を行うのかを、育苗期間中の苗の生育や初期管理のしやすさと結び付けて説明できるようにしておくことが重要です。次に、定植時の注意点として、植え付け深さ、根鉢の扱い方、植え穴への水やりの目的について確認してください。特に、根鉢を崩さずに植える理由や、定植直後に十分な水分を与えることが活着を促す仕組みを整理しておきましょう。また、ミニトマト・ナス・ピーマンは生育が進むと草丈が高くなり、支柱立てや誘引、わき芽かきといった管理作業が必要になる作物です。定植段階でこれらの管理を見据えて株間を確保する理由についても考えておくと、実習中の判断がしやすくなります。これらを踏まえ、「果菜類の定植で失敗しやすいポイント」と「うまく活着させるために気を付ける点」を自分なりに整理しておいてください。
4
果菜類(ミニトマト・ナス・ピーマン)の定植と初期生育を見据えた管理の考え方
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第4回の実習では、「農業基礎演習Ⅰ」において、野菜栽培の基礎作業を理解し、実際の作業と結びつけて考える力を養う段階に位置づけられる。前回までの授業では、播種や苗づくりなど作物の生育の出発点を学び、作物によって栽培方法が異なることを理解してきた。本コマではその学習を踏まえ、果菜類であるミニトマト・ナス・ピーマンを題材として、なぜ播種ではなく定植栽培が基本となるのかを理解するとともに、苗の活着を促すための基本的な定植作業を実践的に学ぶ。また、株間や条間などの株配置が、今後行う支柱立て・誘引・わき芽かきといった管理作業に関わることを理解し、定植とその後の管理を一体的に考える視点を身につける。したがって本コマは、以降の支柱立てや整枝などの管理作業を理解するための基礎となる、果菜類栽培の導入的実習として科目全体の中で重要な役割を担う。
◆コマ主題細目①
・第4回テキスト「果菜類(ミニトマト・ナス・ピーマン)の定植と初期生育を見据えた管理の考え方」 第1節「果菜類(ミニトマト・ナス・ピーマン)の特性と定植の意味― なぜ「苗を植える」のかを理解する ―」
◆コマ主題細目②
・第4回テキスト「果菜類(ミニトマト・ナス・ピーマン)の定植と初期生育を見据えた管理の考え方」 第2節「定植作業の実際と活着を促すポイント― 植え付け深さ・根鉢の扱い・水やり ―」
◆コマ主題細目③
・第4回テキスト「果菜類(ミニトマト・ナス・ピーマン)の定植と初期生育を見据えた管理の考え方」 第3節「定植後の管理を見据えた株配置と初期管理― 支柱立て・誘引・わき芽かきにつなげる ―」
コマ主題細目
① 果菜類(ミニトマト・ナス・ピーマン)の特性と定植の意味― なぜ「苗を植える」のかを理解する ― ② 定植作業の実際と活着を促すポイント― 植え付け深さ・根鉢の扱い・水やり ― ③ 定植後の管理を見据えた株配置と初期管理― 支柱立て・誘引・わき芽かきにつなげる ―
細目レベル
① この細目での理解は、ミニトマト・ナス・ピーマンが果菜類として初期生育管理を重視する作物であり、播種ではなく定植栽培が基本となる理由を説明できる段階まで。
ここでは、果菜類が発芽から初期生育に時間を要し、幼植物期の管理がその後の生育や収量に大きく影響することに着目し、なぜ畑に直接種をまくのではなく、育苗された苗を定植するのかを整理する。具体的には、育苗によって生育のそろった苗を選べることや、初期の環境ストレスを軽減できる点を、播種栽培との比較を通して理解する。方法としては、実際の苗を観察し、葉数や茎の太さ、根の張り具合を確認しながら、「良い苗」とはどのような状態かを考えさせる。また、ミニトマト・ナス・ピーマンに共通する生育特性と、それぞれの違いについては概要にとどめ、品種比較や高度な育苗技術には踏み込まない。本細目は、以降の定植作業や初期管理を理解するための基礎として、果菜類栽培における定植の位置づけを把握するレベルに位置づける。
② この細目での理解は、植え付け深さ・根鉢の扱い・水やりの意味を踏まえ、苗の活着を促すための定植作業を判断できる段階まで。
ここでは、定植時の基本操作として、植え付け深さ、根鉢の扱い方、水やりの意味と役割に焦点を当てる。植え付け深さについては、浅すぎると倒伏や乾燥を招き、深すぎると生育不良につながることを具体例で示し、適切な位置に植える重要性を理解する。根鉢の扱いについては、崩さずに植える理由を根の損傷や活着不良と結び付けて説明し、丁寧な作業が必要であることを確認する。水やりについては、定植後に十分な水分を与えることが、土と根を密着させ活着を促す役割を持つことを理解する。方法としては、実演を中心に、正しい作業と不適切な作業を比較しながら確認する。本細目では、活着後の追肥や高度な管理技術には踏み込まず、定植時に押さえるべき基本操作と判断の要点を身につけるレベルに位置づける。
③ この細目での理解は、定植時の株配置が支柱立て・誘引・わき芽かきなど今後の管理作業に影響することを踏まえ、定植と管理を一体として考えられる段階まで。
ここでは、株間や条間の取り方が、将来的な支柱立てや誘引、わき芽かきといった管理作業のしやすさや生育の安定に影響する点に着目する。具体的には、株間が狭すぎると風通しが悪くなり病害が発生しやすくなることや、作業スペースが確保できず管理が困難になることを事例で示す。また、支柱立てや誘引は倒伏防止だけでなく、光の当たり方を改善し、果実の品質を保つための作業であることを理解する。わき芽かきについては、主枝とわき芽の役割を整理し、養分の分配を調整する管理である点を押さえる。方法としては、実際の圃場で株配置を確認し、将来の株姿を想像させながら説明を行う。本細目では、仕立て方の細かな違いや高度な整枝技術には踏み込まず、定植時から管理を意識するための基本的な考え方を身につけるレベルに位置づける。
キーワード
① 定植 (果菜類は苗を植えて育てることが基本である) ② 初期生育管理 (活着から初期生育がその後を左右する) ③ 活着 (植え付け直後に根が土に定着する過程) ④ 株配置(株間・条間) (将来の生育と管理作業を見据えた配置) ⑤ 将来管理の見通し (支柱立て・誘引・わき芽かきを想定した考え方)
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回の授業内容を踏まえ、果菜類であるミニトマト・ナス・ピーマンの定植と初期管理の考え方を整理してください。まず、これらの作物が播種ではなく定植栽培を基本とする理由について、育苗によって生育のそろった苗を選べることや、幼植物期の環境ストレスを軽減できる点に着目し、播種栽培との違いを自分の言葉でまとめてください。次に、定植作業の実際について、植え付け深さ、根鉢を崩さずに植える理由、定植直後の水やりが活着に果たす役割を振り返り、どの点が不適切だと活着不良につながるのかを整理してください。さらに、株間や条間の取り方が、その後の支柱立て・誘引・わき芽かきといった管理作業や生育の安定にどのように関係するのかを確認し、定植時から将来の管理を見据える必要性を考えてください。最後に、「良い定植とは何か」をテーマに、今回の実習で特に重要だと感じたポイントを一つ挙げ、その理由を簡潔にまとめておくことで、今後の管理実習への理解を深めましょう。
◆次回授業の予習
次回の授業コマでは、エダマメとインゲンの播種を行います。実習に臨むにあたり、以下の点を予習課題として整理しておきましょう。まず、エダマメとインゲンはいずれもマメ科作物であり、根に根粒を形成して空気中の窒素を利用する性質を持つことを理解してください。この特性が施肥量や初期生育の考え方にどのように関係するのかを確認しておくことが重要です。次に、播種方法について、種子が比較的大きい作物である点に着目し、播種深や覆土の厚さが発芽に与える影響を整理してください。浅すぎる場合と深すぎる場合で、どのような発芽不良が起こり得るのかを考えておきましょう。また、株間や条間の取り方が、その後の生育や収穫量にどのように関係するのかも確認してください。さらに、播種後の水分管理について、発芽まで土を乾かさないことの重要性と、過湿による問題点を整理しておくと、実習中の判断に役立ちます。これらを踏まえ、「エダマメとインゲンを健全に発芽させるために、播種時に特に注意すべき点は何か」を自分なりにまとめておいてください。
5
マメ科作物の播種(エダマメ・インゲン)と初期生育を支える環境づくり― 根粒菌と防除を意識した播種管理 ―
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第5回の実習では、「農業基礎演習Ⅰ」において、作物の生育特性を理解しながら播種作業と初期管理を学ぶ段階に位置づけられる。前回の第4回では、ミニトマト・ナス・ピーマンなどの果菜類を題材に、苗を用いた定植栽培と初期活着の重要性を学んだ。本コマではそれと対比し、エダマメ・インゲンといったマメ科作物を例に、畑に直接種子を播く直播栽培の特徴と基本技術を理解することを目的とする。具体的には、根粒菌との共生による窒素利用の仕組みを学び、施肥と作物特性の関係を理解するとともに、播種深・覆土・水分条件などが発芽に与える影響を整理する。また、播種後の鳥害などを防ぐための不織布による初期保護の方法を学び、発芽期の管理の重要性を確認する。したがって本コマは、作物によって栽培方法が異なることを理解し、定植栽培と直播栽培の違いを比較しながら初期生育管理を考えるための基礎的実習として、科目全体の中で重要な位置を占める。
◆コマ主題細目①
・第5回テキスト「マメ科作物の播種(エダマメ・インゲン)と初期生育を支える環境づくり― 根粒菌と防除を意識した播種管理 ―」 第1節「エダマメ・インゲンの特性と根粒菌の働き― 根に共生する微生物と窒素固定を知る ―」
◆コマ主題細目②
・第5回テキスト「マメ科作物の播種(エダマメ・インゲン)と初期生育を支える環境づくり― 根粒菌と防除を意識した播種管理 ―」 第2節「播種方法と発芽を安定させる条件― 直播栽培における播き方と初期環境 ―」
◆コマ主題細目③
・第5回テキスト「マメ科作物の播種(エダマメ・インゲン)と初期生育を支える環境づくり― 根粒菌と防除を意識した播種管理 ―」 第3節「播種後の管理と鳥害対策― 不織布を用いた初期保護の考え方 ―」
コマ主題細目
① エダマメ・インゲンの特性と根粒菌の働き― 根に共生する微生物と窒素固定を知る ― ② 播種方法と発芽を安定させる条件― 直播栽培における播き方と初期環境 ― ③ 播種後の管理と鳥害対策― 不織布を用いた初期保護の考え方 ―
細目レベル
① この細目での理解は、エダマメ・インゲンが根粒菌との共生によって窒素を利用し、肥料に過度に頼らずに生育できる作物であることを説明できる段階まで。
ここでは、マメ科作物が他の作物と異なり、根粒菌の働きによって空気中の窒素を利用できる仕組み(窒素固定)を持つことに着目し、なぜ肥料に過度に頼らずに生育できるのかを理解する。具体的には、根粒の写真や図を用いて、根と微生物が相互に助け合う関係を説明し、施肥量が多すぎると根粒が形成されにくくなる点にも触れる。方法としては、実際に根粒の付いた株を観察したり、過去の栽培例を示したりしながら、「肥料を減らしても育つ理由」を学生自身に考えさせる。本細目では、根粒菌の種類や化学的反応式といった専門的内容には踏み込まず、マメ科作物の生育特性と施肥の考え方を結び付けて理解するための基礎的な知識を身につけるレベルに位置づける。
② この細目での理解は、播種深・覆土・水分条件の違いがエダマメ・インゲンの発芽の成否に影響することを踏まえ、直播栽培における適切な播き方と初期環境を判断できる段階まで。
ここでは、種子を直接畑に播く作物では、播種深、覆土の厚さ、水分条件が適切でないと発芽不良や欠株が生じやすいことに着目する。具体的には、播種が浅すぎる場合には乾燥や鳥害を受けやすく、深すぎる場合には発芽に必要な力を使い果たして地上に出られないことを、図や実例を用いて説明する。また、覆土については、土粒の大きさや押さえ方によって発芽のしやすさが変わる点を整理する。水分条件については、発芽まで土を乾かさないことの重要性と、過湿による腐敗リスクを対比して理解する。方法としては、実際の圃場で播種位置を確認し、条件の違いによる発芽状況を観察させる。本細目では、発芽率の数値比較や高度な播種機械の扱いには踏み込まず、直播栽培における基本的な播き方と環境条件を判断できるレベルに位置づける。
③ この細目での理解は、播種後から発芽直後にかけての時期に鳥害などの被害を防ぐ管理が必要であり、不織布を用いた初期保護の目的と方法を説明できる段階まで。
特に、種子を直接播く直播栽培では、発芽直後の芽や未発芽の種子が鳥類などの食害を受けやすい点に着目し、被害を防ぐための初期管理の必要性を学ぶ。ここでは、不織布を用いた被覆が、鳥害防止だけでなく、地表の乾燥防止や地温の安定にも効果があることを整理する。方法としては、被覆の有無による発芽状況や欠株の違いを写真や実例で比較し、不織布の設置方法や注意点(すき間を作らない、発芽後の外し方)を実演を通して確認する。本細目では、忌避剤や防鳥ネットなど他の高度な防除技術には踏み込まず、播種後の初期段階で不織布を活用し、生育を守るための基本的な管理判断ができるレベルに位置づける。
キーワード
① マメ科作物 (エダマメ・インゲンに共通する作物特性) ② 根粒菌 (根に共生する微生物) ③ 根粒菌 (根に共生する微生物) ④ 直播栽培 (播種深・覆土・水分管理が重要な栽培方法) ⑤ 初期管理・鳥害対策 (不織布による発芽直後の保護)
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回の授業内容を踏まえ、エダマメ・インゲンの播種から発芽初期までの管理について、作物の特性・播き方・播種後管理の三点を整理してください。まず、マメ科作物が根粒菌と共生し、窒素固定によって肥料に過度に頼らずに生育できる理由を振り返り、施肥量が多すぎると根粒形成が阻害される可能性がある点を確認しましょう。次に、播種方法について、播種深・覆土の厚さ・水分条件の違いが発芽の成否にどのように影響するのかを整理し、浅播き・深播きそれぞれの問題点を説明できるようにしてください。さらに、播種後から発芽直後にかけての管理について、鳥害が起こりやすい理由と、不織布を用いた被覆がどのように生育を守るのかを確認しましょう。最後に、「発芽を安定させるために最も重要だと感じた管理ポイント」を一つ挙げ、その理由を自分の言葉でまとめておくと、次回以降の管理実習への理解がより深まります。
◆次回授業の予習
次回の授業コマでは、カブの播種、キュウリの定植、キャベツの植え付けを行います。実習に臨むにあたり、以下の点を予習課題として整理しておきましょう。まず、カブはダイコンと同様に根の肥大部を利用する作物であり、播種時の土の状態や播種深、株間が根の形や品質に影響する点を確認してください。次に、キュウリとキャベツは苗を植えて育てる作物であることから、播種作物との違いに着目し、なぜ定植栽培が用いられるのかを整理しておくことが重要です。特に、定植時の植え付け深さや根鉢の扱い方、水やりの役割が活着にどのように関係するのかを確認しておきましょう。また、キュウリはつる性、キャベツは結球性という生育特性の違いを持つ作物であるため、株間や配置がその後の管理や生育に影響する点にも注目してください。これらを踏まえ、「播種作物と定植作物では、植える前後に何を意識すべきか」を比較しながら自分なりに整理しておくことで、次回の実習理解がより深まります。
次回は、「畝立て(うねたて)」と「肥料まき」の作業を行います。畝とは、作物を植えるために土を高く盛ってつくる、長い土の山のようなものです。畝を作ることで、水はけがよくなり、根がしっかり育ちやすくなります。畝の高さや幅には理由があるので、教科書やプリントを使って「どんな作物にどんな畝が向いているか」を調べておきましょう。
6
作物特性に応じた播種・定植と初期保護の考え方(カブ播種、キュウリ定植、キャベツ植え付け)― 根菜・果菜・葉菜を育てる基本を学ぶ ―
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第6回の実習では、「農業基礎演習Ⅰ」において、作物の種類ごとの生育特性に応じた初期管理を理解する段階に位置づけられる。前回までの授業では、果菜類の定植栽培やマメ科作物の直播栽培など、作物によって栽培方法が異なることを学んできた。本コマでは、カブ・キュウリ・キャベツを題材として、播種後の初期保護、つる性作物の支柱利用、セルトレイ苗の扱いなど、それぞれの作物特性に応じた管理の基本を理解することを目的とする。具体的には、カブでは不織布トンネルによる発芽期の保護、キュウリでは支柱を前提とした定植と生育環境の整備、キャベツではセルトレイ苗の特性を踏まえた丁寧な植え付け作業の重要性を学ぶ。これにより、作物ごとに適した管理方法を考える視点を養うとともに、播種・定植からその後の管理へと学習内容を発展させる実習として位置づけられる。したがって本コマは、初期生育管理の理解を広げ、今後の栽培管理を学ぶ基礎となる重要な段階を担っている。
◆コマ主題細目①
・第6回テキスト「作物特性に応じた播種・定植と初期保護の考え方(カブ播種、キュウリ定植、キャベツ植え付け)― 根菜・果菜・葉菜を育てる基本を学ぶ ―」 第1節「カブの播種と初期生育の整え方― 根菜類における播種と不織布トンネルの役割 ―」
◆コマ主題細目②
・第6回テキスト「作物特性に応じた播種・定植と初期保護の考え方(カブ播種、キュウリ定植、キャベツ植え付け)― 根菜・果菜・葉菜を育てる基本を学ぶ ―」 第2節「キュウリの定植と支柱立ての基礎― つる性作物の生育を支える環境づくり ―」
◆コマ主題細目③
・第6回テキスト「作物特性に応じた播種・定植と初期保護の考え方(カブ播種、キュウリ定植、キャベツ植え付け)― 根菜・果菜・葉菜を育てる基本を学ぶ ―」 第3節「キュウリの定植と支柱立ての基礎― つる性作物の生育を支える環境づくり ―」
コマ主題細目
① カブの播種と初期生育の整え方― 根菜類における播種と不織布トンネルの役割 ― ② キュウリの定植と支柱立ての基礎― つる性作物の生育を支える環境づくり ― ③ キャベツの植え付けと苗の扱い方― セルトレイ苗を活かす定植のポイント ―
細目レベル
① この細目での理解は、カブの播種後から初期生育までの管理が根の形や生育のそろいを左右することを踏まえ、不織布トンネルを含めた初期管理の必要性を説明できる段階まで。
ここでは、カブが直播栽培を基本とする作物であり、播種深や覆土の厚さ、水分条件が発芽の安定性に関係する点を整理する。また、発芽直後の苗が低温や乾燥、害虫・鳥害などの影響を受けやすいことに着目し、不織布のトンネル掛けが初期生育を守る有効な方法であることを学ぶ。不織布については、保温・防風・防虫といった基本的な効果を理解するレベルにとどめ、資材の種類や数値的な効果比較には踏み込まない。方法としては、実際の圃場で播種位置を確認し、不織布を掛けた区と掛けない区を比較しながら、生育状況の違いを観察させる。本細目では、高度な被覆技術や収量調整には触れず、播種作物の初期管理として不織布を活用する基本的な考え方と判断ができるレベルに位置づける。
② この細目での理解は、キュウリがつる性作物であることを踏まえ、定植時から支柱立てを意識する理由とその効果を説明できる段階まで。
ここでは、キュウリはつる性作物であり、支えがないと地面をはうように生育する。支柱を用いて上方へ誘引することで、倒伏防止だけでなく、光の受け方の改善や病害の抑制、収穫・管理作業のしやすさにつながる点を整理する。定植作業については、苗の植え付け深さや根鉢の扱い、水やりの基本を確認したうえで、なぜ定植直後から支柱の位置や向きを考えておく必要があるのかを理解する。方法としては、実際の圃場で支柱を立てた場合と立てていない場合の株姿を比較し、将来のつるの伸び方を想像させながら説明を行う。本細目では、誘引方法の細かな違いや収量を高める高度な整枝技術には踏み込まず、定植時から生育環境を整えるための基本的な考え方を身につけるレベルに位置づける。
③ この細目での理解は、セルトレイ苗の特性を踏まえ、苗の質と植え付け作業がキャベツの活着や生育に影響することを説明できる段階まで。
ここでは、セルトレイ苗が根鉢の形状や根量が均一であること、植え傷みが少なく活着しやすいことといった利点を整理し、なぜ苗の扱い方が重要になるのかを確認する。植え付け作業については、植え穴の深さや根鉢の収まり具合、定植後の水やりが活着を促す役割を持つことを具体例で示す。また、苗を強く押し込んだり、浅植え・深植えになった場合に起こりやすい生育不良についても触れる。方法としては、良い苗と不適切な苗を比較観察し、実際の定植作業を実演しながらポイントを確認する。本細目では、結球サイズの調整や高度な栽培技術には踏み込まず、セルトレイ苗の特性を活かした基本的な植え付け作業と判断ができるレベルに位置づける。
キーワード
① 初期生育管理 (播種・定植直後の管理が生育のそろいを左右する) ② 直播栽培と定植栽培 (作物特性に応じた植え方の違い) ③ 不織布トンネル (保温・防風・防虫による初期保護) ④ つる性作物と支柱立て (キュウリの生育特性と環境づくり) ⑤ 苗の質と活着 (セルトレイ苗の扱いと植え付け作業)
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回の実習内容を振り返り、播種作物と定植作物の初期管理の違いと共通点を整理してください。まず、カブの播種について、播種深や覆土の厚さ、水分条件が発芽や初期生育にどのような影響を与えるのかを確認し、不織布トンネルを用いることで低温・乾燥・鳥害から苗を守る理由を自分の言葉でまとめてください。次に、キュウリの定植について、つる性作物としての生育特性を踏まえ、定植時から支柱立てを意識することが、その後の生育や管理作業のしやすさにどのようにつながるのかを整理しましょう。特に、支柱の有無による株姿や病害発生の違いを思い出し、環境づくりの重要性を確認してください。さらに、キャベツの植え付けについては、セルトレイ苗の特性を踏まえ、苗の質や根鉢の扱い方、植え付け深さが活着や初期生育に与える影響を整理してください。最後に、「初期管理が生育全体に与える影響」という視点から、今回扱った三つの作物に共通する重要なポイントを一つ挙げ、その理由を簡潔にまとめておくと、次回以降の管理実習への理解が深まります。
◆次回授業の予習
次回の授業では、病害虫の基礎について学びます。まず、「害虫」と呼ばれるものの中にどのような生物が含まれるのかを概説し、その上で、農業における害虫について学びます。また、「害虫が何という種であるのか」を調べることが病害虫防除の上で重要となることを学びます。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。
7
病害虫の基礎
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第7回の授業では、病害虫の基礎について学びます。まず、「害虫」と呼ばれるものの中にどのような生物が含まれるのかを概説し、その上で、農業における害虫について学びます。また、「害虫が何という種であるのか」ということが病害虫防除の上で重要となることを学びます。
◆コマ主題細目①
・第7回テキスト「病害虫の基礎」第1節「様々な分野における害虫」
◆コマ主題細目②
・第7回テキスト「病害虫の基礎」第2節「害虫の種類・被害」
◆コマ主題細目③
・第7回テキスト「病害虫の基礎」第3節「害虫の観察」
コマ主題細目
① 様々な分野における害虫 ② 害虫の種類・被害 ③ 害虫の観察
細目レベル
① 「害虫」とは、「人間の生活に直接的に、間接的に害を与える虫の総称」と定義することができます。私たちの生活の中で「害虫」と呼ばれる生き物は非常に多種多様であり、その被害の内容や影響を及ぼす場面もさまざまです。例えば、農作物に被害を与える「農業害虫」、建物や家具などに被害をもたらす「家屋害虫」、人間の健康を脅かす「衛生害虫」、見た目や存在自体が不快感を与える「不快害虫」などが挙げられます。ここでは、特に農業害虫(以下は害虫と表記)について学びます。害虫は、作物の生育を妨げたり、収穫量を大きく減少させたりすることもあるため、その対策は常に重要な課題となっています。農業分野における害虫との歴史について知り、古くから人間と深い関わりを持ってきたことを学びます。ここで学修するのは、「害虫」の定義と種類を整理したうえで、とくに農業害虫に焦点を当て、人間の生活や農業との関わりや歴史的重要性を理解することまで。
② 農業分野において、「病害虫」の被害を抑えるためは、何らかの防除をする必要があります。しかし、効率的な防除を実施するためには、被害をもたらす「病害虫」が“何”なのかを判明させておかなければなりません。また、どの程度の被害が、どの時期に発生しているのかについても判明させておかなければなりません。ここでは、まず、農業分野における「病害虫被害」の具体例を、写真などの資料を使って概説します。農業の現場で見られる病害虫被害の様子について、写真を使って説明します。病害虫被害の程度について、軽微なものから重度なものまで様々な例を示します。農作物の種類によって、問題となる害虫の種が変わることや、害虫の種類によって被害程度が変わることなどを学びます。農業分野における病害虫の被害の深刻度について理解し、その防除対策を講じることの重要性について考察します。ここで学修するのは、農業分野における病害虫被害の具体例と被害の程度や発生時期を理解し、作物や害虫の種類によって被害状況が異なることと防除対策の重要性を把握することまで。
③ 問題となっている病害虫の防除対策を講じるためには、その病害虫を詳細に観察する必要があります。②では、様々な種類の病害虫がいることを学びましたが、ここでは、それらの種類が“何”なのかを判明させるための基礎知識について学びます。農業分野における害虫の具体例を、写真などの資料を使って概説します。特に、キャベツやスイートコーン、ナス等における鱗翅目害虫、半翅目害虫、鞘翅目害虫に注目します。また、ブドウやカンキツなど果樹における害虫にも注目します。対象作物種と被害状況から、対象害虫をどこまで判別できるか、判別できないのかについて学びます。また、実際に学内圃場において発生している病害虫を観察してもらいます。病害虫の多様性を理解し、被害をもたらした病害虫種を判明させることの難しさについて理解します。ここで学修するのは、農業分野における主要な害虫の種類と特徴を理解し、作物や被害状況から害虫種を判別するための基礎知識とその難しさを把握することまで。
キーワード
① 害虫 ② 害虫被害 ③ 病害虫防除 ④ 害虫種の同定
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
本コマでは、農業における病害虫に関してどのような調査が実施されているのかについて学びます。まず、全国で実施されている「病害虫発生予察事業」について簡単に説明します。次に、キャンパス内の圃場にてどのような害虫が発生しているのかを調査します。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。文章教材を十分に読み直し、生成AIを用いた復習方法を実施し、授業内容の理解を深めてください。
◆次回授業の予習
次回の授業では、農業における病害虫に関してどのような調査が実施されているのかについて学びます。まず、全国で実施されている「病害虫発生予察事業」について簡単に説明します。次に、キャンパス内の圃場にてどのような害虫が発生しているのかを調査します。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。
8
病害虫の調査
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第8回の授業では、農業における病害虫に関してどのような調査が実施されているのかについて学びます。まず、全国で実施されている「病害虫発生予察事業」について簡単に説明します。次に、キャンパス内の圃場にてどのような害虫が発生しているのかを調査します。
◆コマ主題細目①
・第8回テキスト「病害虫の調査」第1節「病害虫の調査」
◆コマ主題細目②
・第8回テキスト「病害虫の調査」第2節「病害虫発生予察事業」
◆コマ主題細目③
・第8回テキスト「病害虫の調査」第3節「キャンパス内の害虫」
コマ主題細目
① 病害虫の調査 ② 病害虫発生予察事業 ③ キャンパス内の害虫
細目レベル
① 農業において、様々な場面で病害虫が問題となります。播種の前後、生育初期、生育中期、生育後期、収穫期、収穫後いずれの場面においても病害虫が発生しないように何らかの防除(対策)を実施しなければなりません。効率的な防除が実施できるように、農業の現場では病害虫に関する様々な調査が実施されています。生産者の方々が個人で実施している調査もあれば、都道府県や国が責任をもって実施している調査もあります。ここでは、特に都道府県や国が責任をもって実施している調査の一つである「病害虫発生予察事業」について学びます。どのような目的で、どのような時期に、どのような病害虫を対象に、どのような機関が実際に調査しているのかについて理解します。ここで学修するのは、農業の各生育段階で実施される病害虫防除の必要性を踏まえ、都道府県や国が行う病害虫発生予察事業の目的・対象・実施時期・実施機関について理解することまで。
② 「病害虫発生予察事業」は、農林水産省が管轄している事業で、全国の都道府県で毎年実施されています。この調査の目的は、広い地域で発生し、農作物に大きな被害を与えるおそれのある病害虫について、発生の様子を調べ、その情報を農家の方々に伝えることです。これにより、適切な防除(対策)を行うことができます。この事業は1952年から始まったとされ、長い歴史があります。調査の方法や、調べる病害虫の種類は時代に合わせて変わってきましたが、これからも続けていくことが重要な調査です。ここでは、予察調査でどのような病害虫を調べているのか、また、どのような方法で調査しているのかを学びます。愛媛県と北海道を例に挙げ、具体的にどのような病害虫が対象となっているのかを学びます。ここで学修するのは、病害虫発生予察事業の目的や歴史を理解したうえで、全国で実施されている調査の内容や方法、具体的な対象病害虫の例を把握することまで。
③ キャンパス内に整備された小さな圃場であっても、作物を栽培すると様々な病害虫の発生を確認することができます。前期には、ミニトマト・ナス・ピーマン・ジャガイモなどのナス科作物、カブ・キャベツなどのアブラナ科作物、エダマメ・インゲンなどのマメ科作物、キュウリ・カボチャなどのウリ科作物などには、それぞれ様々な害虫が発生しますが、作物の科ごとにおおまかに種類が異なります。それぞれの作物に、どのような害虫が発生しているのかについて、実際に圃場で観察・採集をして学びます。第7回目の講義で扱った「病害虫の基礎」の学修内容を活用し、何目の害虫が発生しているのかを記録します。また、害虫の種によって、作物に被害を及ぼす部位(葉や根や茎など)が異なることも、観察を通して学びます。ここで学修するのは、学内圃場で栽培される各種作物に発生する害虫を実際に観察・採集し、作物の科ごとの害虫の違いや害虫の目・被害部位の特徴を理解することまで。
キーワード
① 病害虫発生予察事業 ② 害虫 ③ 同定 ④ 観察
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回の授業では、病害虫発生予察事業の基礎的な知識を身につけました。また、キャンパス内の圃場で害虫を観察し、発生する病害虫が作物の科ごとにおおまかに異なることを学びました。また、病害虫の種によって、作物に被害を及ぼす部位が異なることも学びました。どのような作物種で、どのような害虫種文章教材を十分に読み直したうえで、生成AIを用いた復習方法を実施してください。生成AIに作成させた小テストについて、自分で回答し、自分で解説ができるようになるまで理解を深めておいてください。
◆次回授業の予習
次回は、「トウモロコシ」の播種作業を行います。トウモロコシの栽培上の注意点や、播種作業において他の作物と同じ点、異なる点について十分に理解することが求められます。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。
9
トウモロコシの播種と受粉・収穫を見据えた栽培の考え方― 花のつき方から学ぶ作物特性 ―
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第9回の実習では、「農業基礎演習Ⅰ」において、作物の生殖特性と収穫判断を結び付けて理解する段階に位置づけられる。これまでの実習では、播種や定植、初期生育の管理など、作物を育てるための基本作業を中心に学んできた。本コマではトウモロコシを題材に、作物がどのように受粉し、どのような過程を経て収穫に至るのかという、生育後期の重要な仕組みに目を向ける。具体的には、雄花と雌花の位置関係や風による受粉の仕組みを理解し、播種方法や株配置が受粉の安定に影響する理由を整理する。また、雌花の絹糸の色の変化を手がかりとして収穫適期を判断する方法を学び、生育観察と収穫判断を結び付けて考える視点を養う。したがって本コマは、栽培管理から受粉・収穫へと学習内容を発展させ、作物の一生を通して栽培を理解するための重要な実習として、科目全体の中で重要な役割を担っている。
◆コマ主題細目①
・第9回テキスト「トウモロコシの播種と受粉・収穫を見据えた栽培の考え方― 花のつき方から学ぶ作物特性 ―」 第1節「トウモロコシの花の特徴と受粉のしくみ― 雌花と雄花が同じ株にある風媒花 ―」
◆コマ主題細目②
・第9回テキスト「トウモロコシの播種と受粉・収穫を見据えた栽培の考え方― 花のつき方から学ぶ作物特性 ―」 第2節「播種方法と受粉を意識した株配置― なぜトウモロコシはまとめて植えるのか ―」
◆コマ主題細目③
・第9回テキスト「トウモロコシの播種と受粉・収穫を見据えた栽培の考え方― 花のつき方から学ぶ作物特性 ―」 第3節「絹糸の変化から考える収穫適期― 絹糸が出てから約3週間後が収穫の目安 ―」
コマ主題細目
① トウモロコシの花の特徴と受粉のしくみ― 雌花と雄花が同じ株にある風媒花 ― ② 播種方法と受粉を意識した株配置― なぜトウモロコシはまとめて植えるのか ― ③ 絹糸の変化から考える収穫適期― 絹糸が出てから約3週間後が収穫の目安 ―
細目レベル
① この細目での理解は、トウモロコシが同じ株に雄花と雌花を持つ風媒花であり、花の位置関係と風による受粉のしくみが収量や品質に影響することを説明できる段階まで。
ここでは、雄花が茎の先端に、雌花が葉腋に形成され、同じ株にありながら別々の位置につくという特徴に着目し、花粉が風によって雌花の絹糸に付着することで受粉が成立する仕組みを理解する。特に、なぜ虫に頼らず風による受粉が可能なのかを、花の構造や花粉量の多さと結び付けて説明する。方法としては、実際の株や写真、図を用いて雄花・雌花・絹糸の位置関係を確認し、「もし風が弱い場合に何が起こるか」といった問いを通して考えさせる。本細目では、花粉の生理学的な詳細や品種間差には踏み込まず、トウモロコシが風媒によって受粉する作物であることと、その特性が栽培方法に影響するという基本的な理解を身につけるレベルに位置づける。
② この細目での理解は、トウモロコシが風媒花であることを踏まえ、播種方法や株配置の違いが受粉の成否に影響する理由を説明できる段階まで。
ここでは、トウモロコシが風媒花であることを前提に、花粉が風によって周囲に飛散し、近くの雌花に付着することで受粉が成立する点に着目する。特に、1列だけで植えた場合と、複数列をまとめて植えた場合を比較し、なぜ単独植えでは受粉不良が起こりやすいのかを説明する。播種方法については、点まきや条まきといった基本的な播き方に触れつつ、株間や列間が花粉の飛び方や受粉の確率に影響することを理解する。方法としては、模式図や写真を用いて花粉の移動を可視化し、「もし周囲に株がなかったらどうなるか」を問いかけながら考えさせる。本細目では、最適な株数や密植度の数値的議論には踏み込まず、受粉を安定させるために「まとめて植える」必要性を理解し、播種時の配置を判断できるレベルに位置づける。
③ この細目での理解は、絹糸の色の変化と受粉後の経過日数を手がかりに、トウモロコシの収穫適期を判断できる段階まで。
ここでは、雌花の一部である絹糸が受粉の成立を示す重要な指標であり、絹糸が出始めてからおよそ3週間後が食用としての適期になることに着目する。特に、絹糸の色が白色から褐色へと変化していく過程を観察し、この変化が粒の充実や糖分の蓄積と関係していることを理解する。方法としては、実際の株や写真を用いて絹糸の状態を比較し、「まだ白い状態」「茶色くなり始めた状態」「完全に乾いた状態」の違いを確認する。また、収穫が早すぎた場合や遅れた場合に、食味や粒の状態がどのように変わるのかを具体例で示し、適期収穫の重要性を整理する。本細目では、糖度測定や品種ごとの詳細な成熟差には踏み込まず、絹糸の見た目の変化を手がかりに収穫時期を判断するための基本的な考え方を身につけるレベルに位置づける。
キーワード
① 風媒花 (風によって受粉する作物の特徴) ② 雄花・雌花 (同じ株の別々の位置につく花の役割) ③ 受粉 (花粉が絹糸に付着して成立する仕組み) ④ 株配置(まとめ植え) (受粉を安定させるための播種配置) ⑤ 絹糸と収穫適期 (絹糸の色変化を手がかりにした収穫判断)
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回の授業内容を踏まえ、トウモロコシ栽培における受粉のしくみから収穫までの流れを整理してください。まず、トウモロコシが同じ株に雄花と雌花を持つ風媒花であることを振り返り、雄花と雌花の位置関係や、花粉が風によって雌花の絹糸に付着することで受粉が成立する理由を確認しましょう。次に、播種方法と株配置について、なぜトウモロコシは1列ではなく複数列をまとめて植える必要があるのかを、花粉の飛び方や受粉の確率と結び付けて説明できるようにしてください。さらに、収穫適期については、絹糸が出てから約3週間後が目安となる理由を整理し、絹糸の色が白色から茶色へ変化する過程と粒の成熟との関係を確認してください。最後に、もし受粉が不十分だった場合や収穫が早すぎた・遅すぎた場合に、どのような問題が生じるかを具体的に挙げておくと、トウモロコシ栽培全体を見通した理解が深まります。
◆次回授業の予習
次回の授業コマでは、カボチャの植え付けを行います。実習に臨むにあたり、以下の点を予習課題として整理しておきましょう。まず、カボチャはつる性で地面を這うように広がる作物であり、生育に広いスペースを必要とする点を理解してください。なぜ株間を十分に確保する必要があるのかを、つるの伸び方や葉の広がりと結び付けて説明できるようにしておくことが重要です。次に、植え付け時の注意点として、苗の向きや植え付け深さ、根鉢の扱い方、水やりの目的を確認してください。特に、つるの伸びる方向を考慮して植えることが、その後の管理や作業のしやすさにどのようにつながるのかを整理しておきましょう。また、カボチャは初期生育期に低温や過湿の影響を受けやすい作物であるため、植え付け後の環境管理についても確認しておくとよいでしょう。さらに、今後行うつる返しや整枝、着果管理といった作業を見据え、植え付け段階で何を意識すべきかを考えておくことが大切です。これらを踏まえ、「カボチャを健全に育てるために、植え付け時に最も重要だと考えるポイント」を自分なりにまとめておいてください。
10
カボチャの植え付けとつる性作物の育て方の基本― 広がる作物をどう植え、どう管理するか ―
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第10回の実習では、「農業基礎演習Ⅰ」において、作物の生育特性を踏まえて栽培管理を計画的に考える段階に位置づけられる。これまでの実習では、播種や定植、初期生育の管理など、作物を育てるための基本作業を中心に学んできた。本コマではカボチャを題材として、つる性・匍匐性作物が広い空間を使って生育する特性に着目し、植え付け段階から株配置や将来の管理を見通して考える必要性を理解することを目的とする。具体的には、つるが広がって生育する特徴と、それに応じた株間の確保、苗の向きや植え付け深さ、水やりといった基本的な定植操作を確認するとともに、つる返しや整枝など後の管理作業との関係を整理する。したがって本コマは、単なる植え付け作業の習得にとどまらず、作物の生育全体を見通して栽培管理を考える視点を養う実習として位置づけられ、科目全体の中で栽培理解を一段深める重要な役割を担っている。
◆コマ主題細目①
・第10回テキスト「カボチャの植え付けとつる性作物の育て方の基本― 広がる作物をどう植え、どう管理するか ―」 第1節「カボチャの特性と植え付けの考え方― つる性・匍匐性作物の生育特性を知る ―」
◆コマ主題細目②
・第10回テキスト「カボチャの植え付けとつる性作物の育て方の基本― 広がる作物をどう植え、どう管理するか ―」 第2節「植え付け作業の実際と初期生育のポイント― 苗の向き・植え付け深さ・水やり ―」
◆コマ主題細目③
・第10回テキスト「カボチャの植え付けとつる性作物の育て方の基本― 広がる作物をどう植え、どう管理するか ―」 第3節「将来のつるの伸びを見据えた株配置と管理の見通し― つる返し・整枝につなげる考え方 ―」
コマ主題細目
① カボチャの特性と植え付けの考え方― つる性・匍匐性作物の生育特性を知る ― ② 植え付け作業の実際と初期生育のポイント― 苗の向き・植え付け深さ・水やり ― ③ 将来のつるの伸びを見据えた株配置と管理の見通し― つる返し・整枝につなげる考え方 ―
細目レベル
① この細目での理解は、カボチャがつる性・匍匐性作物として広がって生育する特性を踏まえ、植え付け時から株配置や将来の管理方法を考える必要性を説明できる段階まで。
ここでは、カボチャが主茎・側枝を長く伸ばし、広い範囲に葉を展開することで光を効率よく受ける作物である点に着目し、なぜ十分なスペースを確保して植え付ける必要があるのかを整理する。また、つるが無秩序に伸びると重なり合って通風や採光が悪くなり、病害が発生しやすくなることにも触れる。方法としては、実際の圃場や写真を用いて、株間が狭い場合と広い場合のつるの広がり方を比較し、「つるがどこまで伸びるか」を具体的にイメージさせる。本細目では、品種ごとのつる長や着果習性の細かな違いには踏み込まず、カボチャが広がって育つ作物であることを前提に、植え付け段階から生育空間を考えるための基本的な視点を身につけるレベルに位置づける。
② この細目での理解は、カボチャがつる性・匍匐性作物として地面を這って生育する特性を踏まえ、植え付け時から株配置やその後の管理方法を考える必要性を説明できる段階まで。
ここでは、苗の向き、植え付け深さ、水やりの三点を中心に扱い、それぞれが活着やその後の生育にどのように影響するかを整理する。苗の向きについては、つるが伸びる方向を意識して植えることで、その後のつるの配置や管理がしやすくなる点を理解する。植え付け深さについては、浅すぎると乾燥や倒伏を招き、深すぎると生育不良につながることを具体例で示し、適切な位置に植える重要性を確認する。水やりについては、植え付け直後に十分な水分を与えることが、根と土を密着させ活着を促す役割を持つことを理解する。方法としては、実際の苗を用いた実演を行い、正しい作業と不適切な作業を比較しながら説明する。本細目では、追肥や高度な初期管理技術には踏み込まず、植え付け時に押さえるべき基本操作と判断の要点を身につけるレベルに位置づける。
③ この細目での理解は、植え付け時の株配置が将来のつる返しや整枝などの管理作業に影響することを踏まえ、初期段階から生育全体を見通した管理の考え方を説明できる段階まで。
ここでは、カボチャが生育とともにつるを長く伸ばし、放任すると絡み合いや過密状態が生じやすい作物である点に着目し、株配置がその後の管理のしやすさや生育の安定に大きく関係することを整理する。具体的には、株間が狭すぎる場合に通風や採光が悪化し、病害の発生や着果不良につながる可能性があることを示す。また、つる返しや整枝は、つるの向きを整え、果実への養分配分を調整するための管理作業であることを理解する。方法としては、圃場での株配置を確認し、将来のつるの伸び方を図や写真で示しながら、「この配置でつるはどこまで伸びるか」を考えさせる。本細目では、着果数の制限や高度な整枝技術には踏み込まず、植え付け段階から管理を意識するための基本的な見通しを持つレベルに位置づける。
キーワード
① つる性・匍匐性作物 ② 株配置(株間・生育空間) ③ 初期生育と活着 ④ 苗の扱いと植え付け操作 ⑤ つる返し・整枝
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回の実習内容を振り返り、カボチャの生育特性と植え付け時の判断が、その後の管理にどのようにつながるかを整理してください。まず、カボチャがつる性・匍匐性作物であり、主茎や側枝を長く伸ばして広がることで生育する作物である点を確認し、なぜ植え付け時に十分な株間や生育空間を確保する必要があるのかを自分の言葉で説明できるようにしましょう。次に、植え付け作業について、苗の向き、植え付け深さ、水やりが活着や初期生育に与える影響を整理し、不適切な作業がどのような生育不良につながる可能性があるかを振り返ってください。さらに、株配置が将来のつる返しや整枝、通風・採光の確保にどのように関係するのかを確認し、植え付け段階から管理を見通すことの重要性を整理しましょう。最後に、「カボチャの植え付けで最も重要だと感じた判断ポイント」を一つ挙げ、その理由を簡潔にまとめておくことで、今後の管理作業への理解を深めてください。
◆次回授業の予習
次回の授業では、害虫を採集し、観察し、種を同定することの重要性について学びます。まず、病害虫防除において、問題となっている種が、どの時期に、どの作物で、どの部位で、被害を及ぼしているのかを判別することの重要性について理解します。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。
11
害虫を観察する、見分ける (1)
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第12回の授業では、害虫を採集し、観察し、種を同定することの重要性について学びます。まず、病害虫防除において、対象種が“何”であるのかを判別することの重要性について理解します。
◆コマ主題細目①
・第11回テキスト「害虫を観察する、見分ける (1)」第1節「害虫を判別することの重要性」
◆コマ主題細目②
・第11回テキスト「害虫を観察する、見分ける (1)」第2節「害虫の観察と種の判別」
◆コマ主題細目③
・第11回テキスト「害虫を観察する、見分ける (1)」第3節「害虫の種を判別した後のこと」
コマ主題細目
① 害虫を判別することの重要性 ② 害虫の観察と種の判別 ③ 害虫の種を判別した後のこと
細目レベル
① 効率的な病害虫防除を実施するためには、どの作物にどのような病害虫が発生しているのかを正確に把握することが不可欠です。農業現場では化学農薬をはじめとする多様な防除資材(ぼうじょしざい)が開発・使用されていますが、それぞれの資材には適用できる病害虫の種類や効果の範囲に違いがあります。そのため、単一の防除資材ですべての病害虫を防ぐことは現実的ではなく、発生している病害虫の種類に応じて適切な防除資材を選択する必要があります。ここでは、具体的な事例を基に、防除資材ごとの特性や適用範囲について学びます。また、各資材の適用範囲が限られていることを理解し、事前に圃場の状況を的確に把握しながら防除計画を立案することの重要性について考察します。ここで学修するのは、発生している病害虫の種類に応じた防除資材の選択の重要性を理解し、防除資材ごとの特性や適用範囲を踏まえた計画的な防除の考え方を把握することまで。
② 農地などから採集した害虫が何という種であるのかを判別するためには、採集した個体を詳細に観察することが必要となります。ここでは、その観察方法について学びます。基本的には、採集した害虫の外部形態(がいぶけいたい:外から見てわかる形や構造など)を観察し、図鑑や論文などの文献を見ながら種を区別します。しかし、害虫個体は、非常に体の小さい種も多く、対象害虫の外部形態を詳細に観察するためには、顕微鏡を用いて拡大して観察することが主となります。しかし、場合によっては、外部形態を観察するだけでは種を判別することができない場合もあります。このような場合、遺伝情報を用いた種の判別方法も有効な手段となります。様々な場合において、対象害虫の種を判別するために適切な手法を学びます。ここで学修するのは、採集した害虫の種を判別するために、外部形態の観察や顕微鏡の利用、文献参照、必要に応じた遺伝情報を用いる方法など適切な観察・判別手法を理解することまで。
③ 病害虫防除において、問題となっている害虫が「なんという種であるのか」を同定することは非常に重要な意味を持ちます。しかし、害虫の種を同定するだけでは病害虫防除を実施したことにはなりません。同定した種、問題となっている作物に対応する適切な防除法を、選択し、計画し、実施しなければなりません。ここでは、数ある病害虫防除法の中から、適切な防除法を選択するために必要な知識と技術を修得します。各都道府県が公表している「〇〇年度病害虫防除指針」といった資料を基に、問題となっている病害虫、作物の情報を活用して防除法を選択してもらいます。また、選択した防除法を実施するために、「防除計画を立てる」ことの重要性も学びます。ここで学修するのは、病害虫の種同定を踏まえて作物に適した防除法を選択し、公表資料を活用しながら計画的に防除を実施するための知識と技術を理解することまで。
キーワード
① 害虫種の判別 ② 観察方法 ③ 外部形態の観察 ④ 交尾器形態の観察
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
本コマでは、病害虫防除において害虫種の判別が重要であることを学びました。特に、なぜ病害虫の種の判別が、防除において必要な情報となるのかについて説明できるように、理解を深めてください。また、害虫種の判別に用いられる様々な手法の特性について学びました。種を判別する上で、どのような害虫の種ではどのような点に注意して観察するべきなのかについて理解を深めておいてください。文章教材を十分に読み直し、生成AIを用いた復習方法を実施し、授業内容の理解を深めてください。
◆次回授業の予習
次回の授業では、害虫を採集し、観察し、種を同定することの重要性について学びます。まず、病害虫防除において、対象種が“何”であるのかを判別することの重要性について理解します。次に、採集した害虫を、双眼実体顕微鏡を用いて観察し、種を同定する手法について学びます。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。
12
双眼実体顕微鏡の使い方 (1)
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第12回の授業では、害虫を採集し、観察し、種を同定することの重要性について学びます。まず、病害虫防除において、対象種が“何”であるのかを判別することの重要性について理解します。次に、採集した害虫を、双眼実体顕微鏡を用いて観察し、種を同定する手法について学びます。
◆コマ主題細目①
・第12回テキスト「双眼実体顕微鏡の使い方 (1)」第1節「双眼実体顕微鏡の使い方」
◆コマ主題細目②
・第12回テキスト「双眼実体顕微鏡の使い方 (2)」第2節「害虫の種判別に必要な知識」
◆コマ主題細目③
・第12回テキスト「双眼実体顕微鏡の使い方 (1)」第3節「害虫の観察および種判別」
コマ主題細目
① 双眼実体顕微鏡の使い方 ② 害虫の種判別に必要な知識 ③ 害虫の観察および種判別
細目レベル
① 害虫の多くは非常に小さな体を持ち、詳細な外部形態を観察するためには拡大観察が必要となります。特に農業分野では、害虫の種類を正確に特定し防除対策を講じるために、双眼実体顕微鏡(そうがんじったいけんびきょう)を用いた観察が重要な手段となります。ここでは、双眼実体顕微鏡の基本的な構造や特性について学び、実際に使用しながらその操作方法を習得します。また、双眼実体顕微鏡は精密機器であるため、取り扱いに注意が必要です。適切な使用方法を身につけることで、機器を損傷させることなく長期的に活用することができます。授業では、観察対象である害虫の特徴を的確に捉えるための操作技術と、顕微鏡の適切な取り扱い方法の両方について理解を深めます。ここで学修するのは、双眼実体顕微鏡の基本構造と特性を理解し、害虫観察に必要な操作技術および精密機器としての適切な取り扱い方法を習得することまで。
② 農地で採集された害虫を、双眼実体顕微鏡を用いて観察し、害虫の外部形態から種を判別するために必要な前提知識について学びます。害虫の種を正確に判別するためには、外部形態のどの部分に着目すべきかを理解することが重要です。文献を参照しながら観察のポイントを概説します。どのような種の害虫の場合は、どのような部位の外部形態に注目すべきなのかについて説明します。また、対象となる害虫の種が判明しない場合、どのような文献を参照するべきなのかについても説明します。説明した内容について、その都度実際に双眼実体顕微鏡を用いた観察を交えしつつ、知識を定着させます。観察の際には、事前に説明した双眼実体顕微鏡の使用方法や注意点を踏まえ、適切な操作を心がけます。ここで学修するのは、双眼実体顕微鏡を用いて害虫の外部形態から種を判別するための観察ポイントと文献の参照方法を理解し、適切な操作を行いながら実践的に観察することまで。
③ ここでは、実際に双眼実体顕微鏡を用いて、農地で採集された害虫を観察します。これまでに修得した、害虫の種を判別するための知識と技術を活用し、観察対象の害虫の種を判別します。例えば、触角や脚、翅、体色、斑紋などの形態的特徴を丁寧に観察し、それらの違いを手がかりとして種を判別する方法を身につけます。観察の途中で、文献を参照しながら観察のポイントを改めて整理し、具体的な判別手法について知識を定着させます。また、双眼実体顕微鏡を扱う上で注意しなければならない点についても、ここで改めて整理します。外部形態の観察と種の判別技術は、害虫防除の現場においても欠かせないスキルであり、ここで修得する知識と技術は、今後の研究活動において大いに役立つものとなります。ここで学修するのは、双眼実体顕微鏡を用いて害虫の外部形態を詳細に観察し、形態的特徴と文献情報を手がかりに種を判別する実践的な技術と注意点の理解まで。
キーワード
① 顕微鏡 ② 双眼実体顕微鏡 ③ 外部形態の観察 ④ 種判別のポイント
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
本コマでは、害虫種の判別に用いられる双眼実態顕微鏡の特性と使用方法について学びました。また、害虫を実際に双眼実態顕微鏡で観察し、使用方法を修得しました。さらに、害虫の種判別の際に必要な観察方法についても学びました。特に、双眼実体顕微鏡を扱ううえでの注意点について理解を深めてください。また、害虫の種を判別する上でどのような点に注意して観察するべきなのかについて理解を深めておいてください。文章教材を十分に読み直し、生成AIを用いた復習方法を実施し、授業内容の理解を深めてください。
◆次回授業の予習
次回の授業では、タマネギの収穫について扱います。タマネギの収穫適期の見分け方、収穫する際の作業で気を付けなければならない点などについて、十分に理解することが求められます。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。
13
タマネギの生育特性を踏まえた植え付けと収穫の考え方 ― 苗選びから収穫適期までを理解する ―
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第13回の実習では、「農業基礎演習Ⅰ」において、作物の生育段階に応じた植え付けと収穫判断を結び付けて理解する段階に位置づけられる。これまでの実習では、播種や定植、初期管理、受粉や生育特性など、作物を育てる過程を段階的に学んできた。本コマではタマネギを題材として、苗の質や植え付け方法がその後の生育にどのように影響するのかを理解するとともに、生育の終盤に見られる葉の倒伏を手がかりとして収穫適期を判断する考え方を学ぶ。具体的には、苗の太さや成長点の位置を踏まえた浅植えの重要性を確認し、植え付け操作と生育結果の関係を整理する。また、葉の倒伏や天候条件を観察しながら収穫のタイミングを判断することで、栽培管理と収穫を一体的に捉える視点を養う。したがって本コマは、植え付けから収穫までの生育過程を総合的に理解する実習として、科目全体の中で栽培理解をさらに深める重要な位置を担っている。
◆コマ主題細目①
・第13回テキスト「タマネギの生育特性を踏まえた植え付けと収穫の考え方― 苗選びから収穫適期までを理解する ―」 第1節「タマネギの苗の選び方と植え付けの基本― 生育を左右する苗の太さと浅植えの意味 ―」
◆コマ主題細目②
・第13回テキスト「タマネギの生育特性を踏まえた植え付けと収穫の考え方― 苗選びから収穫適期までを理解する ―」 第2節「タマネギの生育と成長点の位置― なぜ深植えすると生育不良になるのか ―」
◆コマ主題細目③
・第13回テキスト「タマネギの生育特性を踏まえた植え付けと収穫の考え方― 苗選びから収穫適期までを理解する ―」 第3節「タマネギの収穫適期の見極め方― 葉の倒伏と天候を手がかりに判断する ―」
コマ主題細目
① タマネギの苗の選び方と植え付けの基本― 生育を左右する苗の太さと浅植えの意味 ― ② タマネギの生育と成長点の位置― なぜ深植えすると生育不良になるのか ― ③ タマネギの収穫適期の見極め方― 葉の倒伏と天候を手がかりに判断する ―
細目レベル
① この細目での理解は、苗の太さや成長点の位置を踏まえて、タマネギの植え付け方法がその後の生育や収穫に影響する理由を説明できる段階まで。
ここでは、植え付けに適した苗として、株元の太さが4~5mm程度のものが望ましい理由を取り上げ、細すぎる苗では生育が遅れやすく、太すぎる苗ではとう立ちの原因となる可能性があることを整理する。また、植え付け時に成長点(葉の分岐部)を土で埋めてしまうと、葉が十分に伸びず生育不良につながる点に着目し、浅植えが重要となる理由を理解する。具体的には、白い部分が全体の約3分の1地上に見える植え方を例に示し、適切な深さの感覚を身につけさせる。方法としては、実際の苗を用いて良い苗と不適切な苗を比較観察し、植え付け位置の違いを実演で確認する。本細目では、品種差や高度な育苗技術には踏み込まず、適切な苗を選び、成長点を意識して植え付けるという基本的な判断ができるレベルに位置づける。
② この細目での理解は、成長点の位置を踏まえて浅植えが必要となる理由と、そのことが葉の伸長や球の肥大に影響する仕組みを説明できる段階まで。
ここでは、タマネギの成長点が葉の分岐部付近に位置し、地上部に近いところで機能している点に着目し、なぜ成長点を土で深く覆ってしまうと葉の伸びが抑えられ、生育不良につながるのかを整理する。具体的には、深植えによって成長点が過湿状態になりやすく、酸素不足や腐敗を招く可能性があることを、図や模式図を用いて説明する。また、葉が十分に伸びないことで光合成量が低下し、その結果として球の肥大が進まなくなる関係についても触れる。方法としては、浅植えと深植えの苗を写真や実物で比較し、葉の伸び方や株姿の違いを観察させる。本細目では、成長点の細胞分裂の詳細や生理学的な解析には踏み込まず、成長点の位置を意識した植え付けが健全な生育につながるという基本的な理解を身につけるレベルに位置づける。
③ この細目での理解は、葉の倒伏の程度と天候を手がかりに、タマネギの収穫適期を判断できる段階まで。
ここでは、葉が自然に倒伏する現象に着目し、これは生育がほぼ完了し、球の肥大が止まったことを示す重要なサインであることを理解する。特に、全体の葉の7~8割が倒れた状態が収穫の目安となる理由を、養分の転流や生育の終盤段階と結び付けて整理する。また、収穫時の天候について、雨天時や湿った状態での収穫が病害や腐敗の原因となりやすいことを踏まえ、晴れた日の午前中に収穫する意義を理解する。方法としては、圃場で実際のタマネギの葉の状態を観察し、倒伏の程度や葉色の変化を確認しながら、「今が収穫適期かどうか」を判断させる。本細目では、保存期間や乾燥処理の詳細、品種ごとの差異には踏み込まず、葉の状態と天候を手がかりに収穫時期を判断するための基本的な考え方を身につけるレベルに位置づける。
キーワード
① 苗の質(苗選び) ② 成長点 ③ 浅植え ④ 球の肥大と葉の生育 ⑤ 倒伏と収穫適期
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回の実習内容を振り返り、タマネギ栽培における植え付けから収穫までの一連の判断の流れを整理してください。まず、植え付けに適した苗として株元の太さが4~5mm程度のものが望ましい理由を確認し、細すぎる苗や太すぎる苗を用いた場合にどのような生育上の問題が起こり得るのかをまとめてください。次に、成長点の位置に着目し、なぜ浅植えが必要となるのか、深植えによって葉の伸長や球の肥大にどのような影響が生じるのかを整理しましょう。さらに、収穫適期について、葉の倒伏がどのような生育段階を示しているのかを確認し、全体の7~8割が倒れた頃を目安とする理由を理解してください。また、収穫時の天候が品質や保存性に影響する理由についても振り返りましょう。最後に、「良いタマネギを収穫するために最も重要だと感じた判断ポイント」を一つ挙げ、その理由を自分の言葉でまとめておくと、今後の作物管理への理解がより深まります。
◆次回授業の予習
次回の授業コマでは、オクラの植え付けとニンジンの収穫を行います。実習に臨むにあたり、以下の点を予習課題として整理しておきましょう。まず、オクラは高温を好む果菜類であり、初期生育が順調であるかどうかが、その後の草勢や収量に影響する作物です。植え付け時には、苗の大きさや根鉢の状態、植え付け深さ、水やりの役割を確認し、なぜ活着が重要なのかを理解しておいてください。また、オクラは直立性の作物であるため、株間の取り方が風通しや管理作業のしやすさに関係する点にも注目しましょう。次に、ニンジンの収穫については、播種からこれまでの管理を振り返り、収穫適期の判断が品質にどのように関係するのかを整理してください。根の太り具合や地上部の様子から、なぜ「早すぎても遅すぎてもよくない」のかを説明できるようにしておくことが重要です。これらを踏まえ、「植え付け作物」と「収穫作物」を同じ回で扱う意味について考え、作物の生育段階に応じて管理や判断の視点がどのように変わるのかを自分なりにまとめておいてください。
14
直根性作物の植え付け(オクラ)と果樹の基礎理解― 作物の特性から栽培方法の違いを考える ―
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第14回の実習では、「農業基礎演習Ⅰ」において、野菜栽培で学んできた知識を踏まえ、作物の生育特性や栽培年数の違いを比較しながら農業全体を理解する段階に位置づけられる。これまでの実習では、播種・定植・初期管理・収穫判断などを通して、主に一年生野菜の栽培の基本を段階的に学んできた。本コマでは、オクラの植え付けを通して直根性作物の根の特性と苗の扱い方を理解するとともに、野菜と果樹の生育年数の違いや、落葉果樹と常緑果樹の生育周期の違いに着目し、作物ごとの管理の考え方を比較的に整理する。具体的には、果樹が長期的な樹体管理を必要とする作物であることや、落葉・常緑の違いが年間管理に影響することを学ぶ。したがって本コマは、野菜栽培の個別技術の理解から、作物の種類や生育周期の違いを踏まえて農業を広く捉える視点へと学習を発展させる実習として、科目全体の中で重要なまとめの役割を担っている。
◆コマ主題細目①
・第14回テキスト「直根性作物の植え付け(オクラ)と果樹の基礎理解― 作物の特性から栽培方法の違いを考える ―」 第1節「オクラの植え付けと初期管理の基本― 直根性作物の扱い方を知る ―」
◆コマ主題細目②
・第14回テキスト「直根性作物の植え付け(オクラ)と果樹の基礎理解― 作物の特性から栽培方法の違いを考える ―」 第2節「果樹と野菜の違い― 多年生と一年生の栽培の考え方 ―」
◆コマ主題細目③
・第14回テキスト「直根性作物の植え付け(オクラ)と果樹の基礎理解― 作物の特性から栽培方法の違いを考える ―」 第3節「落葉果樹と常緑果樹の違い― 葉の落ち方と生育周期を比較する ―」
コマ主題細目
① オクラの植え付けと初期管理の基本― 直根性作物の扱い方を知る ― ② 果樹と野菜の違い― 多年生と一年生の栽培の考え方 ― ③ 落葉果樹と常緑果樹の違い― 葉の落ち方と生育周期を比較する ―
細目レベル
① この細目での理解は、オクラが直根性作物であることを踏まえ、主根を傷つけない植え付けと初期管理の重要性を説明できる段階まで。ここでは、オクラが1本の太い主根(直根)を中心に生育する作物であり、この根が傷つくと水分や養分の吸収が妨げられ、枯死や生育不良につながる可能性があることを整理する。具体的には、根鉢を崩した場合や無理に引き抜いた場合の影響を事例で示し、丁寧な苗の扱いが重要であることを理解する。また、植え付け深さや植え穴の準備が直根の伸長に影響する点にも触れる。方法としては、実際の苗を観察し、直根の位置や長さを確認しながら説明する。本細目では、根の生理学的な詳細や品種差には踏み込まず、直根性という特性を踏まえて慎重に植え付ける必要性を理解し、基本的な取り扱いができるレベルに位置づける。
② この細目での理解は、果樹(多年生)と野菜(一年生)の生育年数の違いを踏まえ、収穫までの期間や管理・更新の考え方の違いを説明できる段階まで。ここでは、果樹が同じ樹体を何年も維持しながら収穫を続ける作物であるのに対し、多くの野菜は播種や定植から収穫までを1年以内に終える作物である点を整理する。また、果樹では樹形づくりや長期的な生育管理が重要であるのに対し、野菜では短期間での生育促進や収量確保が重視される具体例を通して理解する。さらに、果樹では「更新剪定」や世代交代の考え方があること、野菜では毎年播き直すことで更新することを比較する。方法としては、代表的な果樹(ミカン、リンゴなど)と野菜(ダイコン、トマトなど)を例に挙げ、栽培年数や管理作業の違いを表にまとめさせる。本細目では、経済的な経営比較や高度な樹体管理技術には踏み込まず、作物の生育年数の違いが管理方法に与える影響を理解する基礎的レベルに位置づける。
③ この細目での理解は、落葉果樹と常緑果樹の葉の落ち方と年間の生育周期の違いを踏まえ、それぞれの管理方法が異なる理由を説明できる段階まで。ここでは、落葉果樹が冬季に葉を落とし休眠期を迎えるのに対し、常緑果樹は葉を保ったまま緩やかに生育を続けるという基本的な違いを整理する。また、落葉果樹では休眠期に剪定や整枝を行う管理が重要であること、常緑果樹では年間を通じて樹勢や葉の状態を見ながら管理する必要があることを具体例で示す。代表例として、リンゴやナシ(落葉)とミカンやレモン(常緑)を取り上げ、生育リズムの違いを図や年間カレンダーで比較する。方法としては、写真や模式図を用いて葉の有無や枝の状態を確認し、季節ごとの管理作業を整理させる。本細目では、品種ごとの細かな休眠特性や高度な剪定技術には踏み込まず、葉の落ち方の違いが生育周期と管理の考え方に影響するという基礎的理解を身につけるレベルに位置づける。
キーワード
① 直根性作物 (オクラの主根の特性と苗の扱い) ② 生育年数(多年生・一年生) (果樹と野菜の違いの基礎) ③ 生育周期 (年間を通した成長のリズム) ④ 休眠と管理時期 (落葉果樹の休眠期と剪定) ⑤ 作物特性と管理方法の関係 (特性を理解して栽培方法を考える)
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回の授業内容を踏まえ、実習と講義で扱った内容を関連づけて整理してください。まず、オクラが直根性作物であることを振り返り、主根を傷つけると生育不良につながる理由を確認し、植え付け時にどのような点に注意すべきかを自分の言葉でまとめてください。次に、果樹と野菜の違いについて、多年生と一年生という生育年数の違いが管理方法や更新の考え方にどのように影響するのかを整理してください。さらに、落葉果樹と常緑果樹の違いについて、葉の落ち方と年間の生育周期の違いが、剪定や日常管理の時期にどのように関係するのかを確認しましょう。最後に、「作物の生育特性を理解することが、なぜ管理方法の違いにつながるのか」という視点から、今回学んだ三つの内容を関連づけてまとめておくと、今後の実習への理解がより深まります。
◆次回授業の予習
次回の授業では、農薬に関する様々な知識を身につけます。農薬が我々の生活にどのような形で影響を及ぼしているのかについて学び、農業における農薬の重要性について理解します。また、農薬の種類についても学び、適切な使用方法を選択できるようになります。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。
15
農薬の種類と使用法
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第15回の授業では、農薬に関する様々な知識を身につけます。農薬が我々の生活にどのような形で影響を及ぼしているのかについて学び、農業における農薬の重要性について理解します。また、農薬の種類についても学び、適切な使用方法を選択できるようになります。
◆コマ主題細目①
・第15回テキスト「農薬の種類と使用法」第1節「農薬とは」
◆コマ主題細目②
・第15回テキスト「農薬の種類と使用法」第2節「農薬の歴史」
◆コマ主題細目③
・第15回テキスト「農薬の種類と使用法」第3節「農薬の種類と使用法」
コマ主題細目
① 農薬とは ② 農薬の歴史 ③ 農薬の種類と使用法
細目レベル
① 現代の農業において、農薬の使用は病害虫防除の手段として欠かすことができません。授業では、化学的防除が農業生産において果たしてきた役割や、農薬の使用がもたらす効果について理解を深めます。しかし近年、農薬の使用が生態系や周囲の環境、さらには人の健康に与える影響が懸念されるようになり、農業における持続可能性が強く求められています。そのため、単に農薬を使用するだけでなく、被害状況や防除の必要性を的確に判断し、農薬使用量の削減や環境負荷の軽減を意識した防除方法の選択が重要となっています。ここでは、持続可能な農業の実現に向けて、今後どのような農薬の使用方法や防除計画が求められるのかについて考察し、環境と調和した農業生産のあり方を探ります。ここで学修するのは、農薬が病害虫防除に果たす役割とその影響を理解し、環境や人の健康に配慮した持続可能な農業に向けた農薬使用と防除計画の考え方を把握することまで。
② 農薬の歴史は、紀元前2000年前の古代メソポタミアまでさかのぼると言われています。当時から現代にかけて、農薬に関して様々な研究が積み重ねられてきています。農薬の使用せずに現代の80億を超える人口の食料需要を支えることはできず、我々の安定した生活の中で農薬が果たしている役割が如何に重要であるのかを理解する必要があります。現代の農薬は、適切に使用する限りは人体に短期的な害は及ぼさないと考えられていますが、これまで使用されてきた農薬のすべてがそうであったわけではありません。農薬が、人体だけでなく、農地内外の様々な生物に対して悪影響を及ぼしてきた過去も無視することはできません。ここでは、農薬の歴史を概説し、各時代に農薬が及ぼしてきた正負の影響について学びます。ここで学修するのは、古代から現代に至る農薬の歴史を概観し、食料生産を支えてきた役割とともに、各時代における農薬の正負の影響を理解することまで。
③ 現在、市場で入手可能な農薬には非常に多くの種類があり、農業の現場では作物の種類や栽培形態、発生している病害虫の種類に応じて適切な薬剤を選択することが求められます。農薬を効果的に活用するためには、その分類や特性を理解することが重要です。ここでは、農薬の分類について、有効成分の違いによる分類、剤型(薬剤の形状)の違いによる分類、用途の違いによる分類を学びます。それぞれの分類によって農薬の特性や使用方法が異なるため、どのような場面でどの種類の農薬が適しているのかを判断できる知識を身につけます。農薬の種類や特性を理解し、農業現場で直面する病害虫被害に対して適切な防除手法を選択するための基礎知識を修得します。ここで学修するのは、農薬を有効に活用するために、有効成分・剤型・用途の違いによる農薬の分類と特性を理解し、状況に応じた適切な防除手法を判断するための基礎知識を修得することまで。
キーワード
① 農薬 ② 農薬の役割 ③ 農薬の種類 ④ 有効成分 ⑤ 農薬の種類
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
本コマでは、農薬が病害虫防除においてどのような役割を担っているのかを学びました。農薬が我々人間社会に及ぼしてきた正の影響と負の影響の両面を理解し、説明できるように理解を深めてください。また、農薬の種類についての知識を深めました。特に、農薬の種類(有効成分の違い、剤型の違い、用途の違い)について説明できるように理解を深めてください。文章教材を十分読み直し、生成AIを用いた復習方法を実施し、授業内容の理解を深めてください。
◆次回授業の予習
次回は、各自治体に設置されている農業試験場について学びます。まず、農業試験場とはどのような機関なのかについて学びます。次に、農業試験場が行っている業務について学び、農業の現場とどのようなかかわりがあるのかについて学びます。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。
16
農業試験場の役割
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第16回の授業では、各自治体に設置されている農業試験場について学びます。まず、農業試験場とはどのような機関なのかについて学びます。次に、農業試験場が行っている業務について学び、農業の現場とどのようなかかわりがあるのかについて学びます。
◆コマ主題細目①
・第16回テキスト「農業試験場について」第1節「農業試験場とは」
◆コマ主題細目②
・第16回テキスト「農業試験場について」第2節「農業試験場が果たす役割(新品種、栽培技術)」
◆コマ主題細目③
・第16回テキスト「農業試験場について」第3節「農業試験場が果たす役割(病害虫防除)」
コマ主題細目
① 農業試験場とは ② 農業試験場が果たす役割(新品種、栽培技術) ③ 農業試験場が果たす役割(病害虫防除)
細目レベル
① 農業試験場とは、農業に関する技術の開発や品種改良、病害虫防除などの研究を行う公的な研究機関です。農業生産の安定や向上を目的とし、地域の気候や土壌条件に適した栽培技術の開発、新品種の育成、病害虫の発生状況調査、防除技術の開発など、幅広い分野での研究活動が行われています。また、農業現場で直面する課題に対応するため、試験場で得られた研究成果を生産者へ提供する役割も担っています。これにより、生産者は最新の技術や知見を活用し、効率的な生産活動や安定的な農作物の供給を実現することができます。ここでは、農業試験場の主な役割や取り組み内容について理解を深めるとともに、試験場が果たす社会的役割や地域農業への貢献についても考察します。ここで学修するのは、農業試験場の主な役割や研究内容を理解し、農業生産の安定・向上に向けた社会的役割や地域農業への貢献について考察することまで。
② 農業試験場の果たす役割について、具体例を交えながら学びます。まずは、新品種の育成、栽培技術の開発などについて解説します。現在、スーパーマーケットなどで売られている野菜や果物、お米などの農作物には、様々な品種があります。その様々な品種を開発している組織の一つが、各自治体に設置されている農業試験場です。その土地の土壌や気候、生産者の好む栽培形態、収量、生産性など、様々な情報を考慮して、その土地に適した品種を開発します。また、品種の開発だけでなく、各品種に適した栽培技術の開発なども行っています。何年もかけた長期間の研究の成果として、私たちが様々な農作物を購入し、美味しく食べることができているということを学びます。ここで学修するのは、農業試験場が新品種の育成や栽培技術の開発を通じて地域に適した農業を支え、長期的な研究成果によって私たちの食生活を支えている役割を理解することまで。
③ 農業試験場の果たす役割について、具体例を交えながら学びます。次に、病害虫防除技術の確立の研究例を学びます。スーパーマーケットなどでの野菜や果物、お米などの農作物は、害虫に食べられていない、形がきれいで、美味しいものが並べられています。このような農作物を生産するためには、その土地に適した病害虫防除技術を駆使する必要があります。そのための病害虫防除技術を開発している組織の一つが、各自治体に設置されている農業試験場です。その土地の土壌や気候、生産者の好む栽培形態、収量、生産性など、様々な情報を考慮して、その土地に適した病害虫防除技術を開発します。これらの研究成果は、生産者のもとへ普及され、地域農業の発展に大きく寄与しています。ここで学修するのは、農業試験場が地域条件に応じた病害虫防除技術を研究・開発し、その成果を生産者へ普及することで地域農業の発展に貢献している役割を理解することまで。
キーワード
① 農業試験場 ② 予察業務 ③ 新品種の育成 ④ 栽培技術の開発 ⑤ 病害虫防除技術の開発
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
本コマでは、各都道府県に設置されている農業試験場について、どのような役割を担っているのかを学びました。農業試験場においてどのような業務があるのかについて、具体的に例を挙げながら知識を習得しました。それぞれの業務について、自分の言葉で説明できるように理解を深めておきましょう。文章教材を十分読み直し、生成AIを用いた復習方法を実施し、授業内容の理解を深めてください。
◆次回授業の予習
次回は、サツマイモの植え付け作業について学びます。サツマイモを植え付けるときに注意しなければならない点について十分に予習をしておいてください。特に、他の作物の植え付けと異なる点と同じ点について理解を深めておきましょう。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。
17
地下部作物の植え付け(サツマイモ)・収穫(ジャガイモ)と果樹管理の考え方
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第17回の実習では、「農業基礎演習Ⅰ」において、作物の収穫部位や生育形態の違いを比較しながら、栽培管理と収穫の考え方を総合的に理解する段階に位置づけられる。これまでの授業では、播種・定植・初期生育管理など栽培の基本操作を中心に学び、作物の生育特性に応じた管理方法を理解してきた。本コマでは、地下部を収穫する作物(サツマイモ・ジャガイモ)と果実を収穫する果樹(ブドウ)を取り上げ、収穫対象となる部位の違いが栽培管理や収穫方法にどのように影響するかを整理する。具体的には、サツマイモでは節から形成される塊根、ジャガイモでは地下茎が肥大した塊茎の特性を理解し、それぞれの収穫適期の判断や安全な掘り取り方法を学ぶ。また、ブドウでは袋掛けを通して果実品質を守る管理の考え方を理解する。したがって本コマは、地下部作物と果樹という異なる作物群を比較しながら栽培と収穫の関係を体系的に整理する実習として、科目全体の理解を深める重要な位置を担っている。
◆コマ主題細目①
・第17回テキスト「地下部作物の植え付け(サツマイモ)・収穫(ジャガイモ)と果樹管理の考え方」 第1節「サツマイモの植え付けと収穫の基本― さし苗と塊根形成の仕組みを理解する ―」
◆コマ主題細目②
・第17回テキスト「地下部作物の植え付け(サツマイモ)・収穫(ジャガイモ)と果樹管理の考え方」 第2節「ジャガイモの収穫と塊茎の特性― 種イモ・収穫適期・掘り取り方法を整理する ―」
◆コマ主題細目③
・第17回テキスト「地下部作物の植え付け(サツマイモ)・収穫(ジャガイモ)と果樹管理の考え方」 第3節「落葉果樹ブドウの袋掛けの目的― 果実を守る管理技術を学ぶ ―」
コマ主題細目
① サツマイモの植え付けと収穫の基本― さし苗と塊根形成の仕組みを理解する ― ② ジャガイモの収穫と塊茎の特性― 種イモ・収穫適期・掘り取り方法を整理する ― ③ 落葉果樹ブドウの袋掛けの目的― 果実を守る管理技術を学ぶ ―
細目レベル
① この細目での理解は、サツマイモがさし苗の節から出た根が塊根として肥大する作物であることを踏まえ、適切な苗選びと収穫適期の判断ができる段階まで。ここでは、節の数が多い苗ほど地下で形成される塊根の数が増える可能性があることに着目し、苗選びが収量に直結する理由を整理する。また、植え付け時に節が十分に土中に入るように配置する意味を確認する。収穫については、つるの一部が黄色くなり始めることが成熟の目安となる理由を、生育の終盤における養分転流と関連付けて説明する。収穫方法では、地上部のつるを鎌で切り取り、鍬やスコップで周囲を緩めたうえで株元を持って引き抜く手順を示し、イモを傷つけない重要性を理解する。方法としては、実際の株を用いて節の位置を確認し、収穫時の道具の使い分けを実演する。本細目では、品種間差や貯蔵管理の詳細には踏み込まず、塊根形成の基本原理と安全な収穫方法を理解するレベルに位置づける。
② この細目での理解は、ジャガイモが地下茎(塊茎)を収穫部位とする作物であることを踏まえ、種いもから収穫適期の判断および適切な掘り取り方法を説明できる段階まで。まず、種いもはおよそ40~50g以上を目安に半分に切ることができる理由を確認し、切断面の乾燥や腐敗防止の必要性に触れる。次に、植え付けから約3ヶ月後、地上部の葉が黄色くなってきた頃が収穫の目安となる理由を、生育の終盤で塊茎への養分転流が完了することと結び付けて理解する。収穫方法については、スコップで周囲の土を掘って柔らかくしてから株元を持って引き抜く手順を示し、塊茎を傷つけない重要性を確認する。また、地中に残ったいもを手で丁寧に掘り出す理由も整理する。方法としては、実際の株を用いて葉の状態と地下部の関係を観察させ、掘り取りの実演を行う。本細目では、品種ごとの収量差や貯蔵技術には踏み込まず、塊茎の特性と安全な収穫方法を理解する基礎的レベルに位置づける。
③ この細目での理解は、ブドウが落葉果樹であることを踏まえ、袋掛けが病害虫防除や日焼け防止など果実品質を守るための管理技術であることを説明できる段階まで。ここでは、ブドウが多年生の落葉果樹であり、果実の品質が収益や評価に直結する作物であることを前提に、袋掛けが病害虫防除、日焼け防止、農薬付着の軽減、外観品質の向上などに果たす役割を整理する。また、袋を掛けることで果実表面が安定した環境に保たれることに触れる。方法としては、袋掛けを行った果房と行わなかった果房の比較写真を示し、外観や被害の違いを観察させる。さらに、地下部を収穫するサツマイモやジャガイモとの違いを整理し、地下部作物では地上部管理が間接的であるのに対し、果樹では果実そのものを直接保護する管理が重要であることを理解させる。本細目では、高度な防除体系や品種ごとの袋の種類比較には踏み込まず、果実保護という基本的な管理思想を理解するレベルに位置づける。
キーワード
① 収穫部位の違い (塊根:サツマイモ/塊茎:ジャガイモ/果実:ブドウ) ② 栄養の転流と成熟 (つるの黄化・葉の黄化・成熟のサイン) ③ 収穫適期の判断 (地上部の変化を手がかりに見極める) ④ 収穫・管理技術 (傷をつけない掘り取り/袋掛けによる保護) ⑤ 作物特性に応じた管理思想 (地下部作物は掘り取り重視/果樹は品質保護重視)
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
◆今回授業の復習
今回の授業内容を振り返り、地下部作物と果樹の管理の違いという視点で整理してください。まず、サツマイモについては、さし苗の節から出た根が塊根として肥大する仕組みを確認し、なぜ節の多い苗を選ぶことが重要なのかを説明できるようにしてください。また、つるの一部が黄色くなることが収穫の目安となる理由を、生育終盤の養分転流と関連付けて整理しましょう。次に、ジャガイモについては、地下茎(塊茎)を収穫する作物であることを踏まえ、葉の黄化が収穫適期の判断材料となる理由と、傷をつけない掘り取り方法の重要性を確認してください。さらに、ブドウの袋掛けについては、病害虫防除や日焼け防止など果実品質を守るための管理技術であることを整理し、地下部作物との管理思想の違いを比較してください。最後に、「収穫部位の違いが管理方法の違いを生む」という視点で、今回扱った三つの作物を関連づけてまとめておくと理解が深まります。
◆次回授業の予習
次回の授業コマでは「果樹の講義」を行います。予習として、まず落葉果樹とは何かを整理してください。落葉果樹は冬に葉を落として休眠期を迎える作物であり、ブドウもその代表例であることを確認し、年間の生育周期(芽吹き・開花・結実・落葉)を簡単にまとめておきましょう。次に、隔年結果(隔年変化)について調べ、なぜ果樹では豊作の翌年に収量が減ることがあるのかを、養分の配分や花芽形成との関係から説明できるようにしておいてください。また、果実は収穫後も呼吸しているという点に着目し、呼吸がどのように品質や保存性に影響するのかを整理してください。例えば、温度管理がなぜ重要なのかを考えておくと理解が深まります。これらを踏まえ、「果樹は一年生野菜と何が違うのか」という観点から、生育年数・管理方法・収穫後の扱いの違いを自分なりにまとめておくことを予習課題とします。
復習・予習課題
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
18
果樹の生育特性と収穫後管理の考え方― 落葉果樹ブドウを中心に理解する ―
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第18回の実習では、「農業基礎演習Ⅰ」において、果樹栽培の年間管理と収穫後の品質管理までを含めて農業を総合的に理解する段階に位置づけられる。これまでの授業では、播種や定植、初期生育管理、収穫判断などを通して主に野菜栽培の基礎を学び、さらに果樹と野菜の生育年数や管理方法の違いについても整理してきた。本コマではブドウを例として、落葉果樹の年間生育周期を軸に、芽吹きから休眠期までの流れと管理作業の関係を理解するとともに、結実量と花芽形成の関係から隔年結果が起こる理由を学ぶ。また、果実が収穫後も呼吸を続けることに着目し、保存条件や温度管理が品質維持に与える影響について理解する。したがって本コマは、栽培管理だけでなく収穫後の品質管理まで視野に入れて果樹生産を捉える実習として、科目全体の学習内容を発展的に整理する重要な位置を担っている。
◆コマ主題細目①
・第18回テキスト「果樹の生育特性と収穫後管理の考え方― 落葉果樹ブドウを中心に理解する ―」 第1節「落葉果樹の生育周期と管理の基本」
◆コマ主題細目②
・第18回テキスト「果樹の生育特性と収穫後管理の考え方― 落葉果樹ブドウを中心に理解する ―」 第2節「隔年結果(隔年変化)のしくみ」
◆コマ主題細目③
・第18回テキスト「果樹の生育特性と収穫後管理の考え方― 落葉果樹ブドウを中心に理解する ―」 第3節「果実の成熟と収穫後の呼吸」
コマ主題細目
① 落葉果樹の生育周期と管理の基本 ② 隔年結果(隔年変化)のしくみ ③ 果実の成熟と収穫後の呼吸
細目レベル
① この細目での理解は、落葉果樹の年間生育周期と休眠期の意義を踏まえ、ブドウを例に各時期に応じた基本的な管理作業を説明できる段階まで。芽吹き・開花・結実・肥大・落葉・休眠という年間の流れを時系列で整理し、それぞれの時期に行われる基本的な管理作業との関係を把握する。特に、冬季の休眠期が翌年の生育に備える重要な期間であることに着目し、なぜ剪定や樹形管理がこの時期に実施されるのかを理解する。また、ブドウを具体例として取り上げ、萌芽期・開花期・着色期などの主要な生育段階と管理作業を年間カレンダーに照らして整理する。模式図や年間作業表を用いて流れを視覚的に確認し、各時期の管理が生育に与える影響を論理的に捉える。本細目では、植物ホルモンの詳細な作用や高度な生理学的機構には踏み込まず、年間の生育周期と基本管理の対応関係を理解する基礎的なレベルに位置づける。
② この細目での理解は、結実量と翌年の花芽形成の関係を踏まえ、養分配分と樹勢のバランスが隔年結果に影響する理由を説明できる段階まで。ある年に多くの果実を着けた樹が翌年に花芽の形成量を減らし、結果として収量が減少する現象を取り上げ、結実量と翌年の花芽形成の関係を整理する。特に、果実の肥大に多くの養分が使われることで、翌年の花芽分化に必要な養分が不足しやすくなる点に着目し、樹勢とのバランスが重要であることを理解する。豊作年と不作年の枝の状態や花芽数の違いを写真や模式図で比較し、翌年に花数が減少する理由を論理的に捉える。また、摘果などの管理作業が隔年結果の軽減につながることにも触れる。本細目では、植物ホルモンの詳細な作用や高度な生理機構には踏み込まず、養分配分と花芽形成の関係という基本的な考え方を理解する基礎的レベルに位置づける。
③ この細目での理解は、果実が収穫後も呼吸を続けることを踏まえ、その働きが保存性や品質の変化に影響する理由を説明できる段階まで。ここでは、呼吸とは果実内の糖分を分解してエネルギーを得る働きであり、その過程で水分や有機物が消費されることを整理する。呼吸が活発であるほど鮮度が低下しやすく、しおれや軟化が進む理由を具体例とともに示す。また、温度が高いと呼吸が促進され、低温管理によって呼吸を抑制できることに触れ、収穫後の適切な温度管理の重要性を理解する。保存条件の違いによる果実の変化を写真や事例で比較し、冷蔵保存が必要となる理由を論理的に捉える。本細目では、呼吸速度の詳細な数値比較やエチレン作用の専門的な機構には踏み込まず、呼吸が品質保持に与える基本的な影響を理解する基礎的レベルに位置づける。
キーワード
① 生育周期 ② 休眠期 ③ 隔年結果 ④ 養分配分 ⑤ 果実の呼吸
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回の講義内容を踏まえ、果樹の生育と管理の関係を整理してください。まず、落葉果樹の年間生育周期(芽吹き・開花・結実・落葉・休眠)の流れを確認し、なぜ休眠期に剪定などの管理作業が行われるのかを説明できるようにしてください。次に、隔年結果について、豊作年と翌年の花芽形成との関係を整理し、養分配分や樹勢のバランスがどのように影響するのかをまとめましょう。さらに、果実は収穫後も呼吸を続けていることを振り返り、そのことが保存性や品質にどのように関係するのかを整理してください。特に、温度管理の重要性を具体的に説明できるようにしておくことが大切です。最後に、「果樹はなぜ長期的な視点で管理する必要があるのか」という問いに対し、自分の考えを簡潔にまとめておきましょう。
◆次回授業の予習
次回の実習では、水稲作の講義を行います。予習として、まず株間×列間の意味を整理してください。水稲作(移植栽培)の一般的な目安として、株間15cm × 列間30cmが基準的な配置です。この配置が分げつや通風、収量にどのように関係するのかを考えておきましょう。次に、水稲では深い植え方をしない理由を確認してください。深植えすると分げつが抑えられたり、生育が遅れたりする可能性があります。さらに、用水路と排水路の役割を整理し、入水と排水の管理がなぜ重要なのかをまとめてください。また、田面の均平度±5cmが求められる理由について調べ、田面がでこぼこだと水深が不均一になり、生育差や雑草発生などのリスクが生じることを理解しておきましょう。これらを踏まえ、「水稲作はなぜ水管理の農業といえるのか」を自分なりに整理しておいてください。
19
水稲作における植え付けと水管理の基本構造
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第19回の実習では、これまで扱ってきた畑作物の栽培技術に加え、水田農業の基礎的な生産環境と管理の考え方を理解する段階に位置づけられる。これまでの実習では、野菜や果樹を題材に、播種・定植・初期管理・収穫判断など、作物の生育特性に応じた栽培技術を学んできた。本コマでは水稲栽培を取り上げ、株間配置や浅植えの意義、代かきによる田面の均平化、用水路と排水路による水管理など、水田特有の生産環境と管理技術を理解することを目的とする。具体的には、株配置が分げつや倒伏に影響すること、田面の凹凸が水深や生育差を生むこと、さらに用排水管理が生育・収量・品質に関わることを整理し、水田農業の基本原理を学ぶ。したがって本コマは、畑作物中心の栽培理解を水田へと広げ、日本の主要作物である水稲栽培の基礎を理解する実習として、科目全体の理解をより広い農業体系へと発展させる重要な位置を担っている。
◆コマ主題細目①
・第19回テキスト「水稲作における植え付けと水管理の基本構造」 第1節「水稲の植え方と株配置の考え方― 株間15cm × 列間30cmの意味と浅植えの重要性 ―」
◆コマ主題細目②
・第19回テキスト「水稲作における植え付けと水管理の基本構造」 第2節「田面整備と代かきの目的― 均平度±5cmの意味 ―」
◆コマ主題細目③
・第19回テキスト「水稲作における植え付けと水管理の基本構造」 第3節「用水路と排水路の役割― 水を制することが稲を制する ―」
コマ主題細目
① 水稲の植え方と株配置の考え方― 株間15cm × 列間30cmの意味と浅植えの重要性 ― ② 田面整備と代かきの目的― 均平度±5cmの意味 ― ③ 用水路と排水路の役割― 水を制することが稲を制する ―
細目レベル
① この細目での理解は、株間15cm × 列間30cmの意味と浅植えの重要性を踏まえ、株配置や植え方が分げつや倒伏リスクに影響する理由を説明できる段階まで。ここでは、標準的な株間15cm × 列間30cmという配置が、十分な分げつを確保しつつ通風や日照を保つための目安であることを整理する。また、苗を過密に植えると光や養分の競合が強まり、倒伏や病害の発生リスクが高まる点を確認する。さらに、深植えをすると分げつが抑制され、生育が遅れる理由を、分げつ芽の位置や水深との関係から説明する。方法としては、異なる株間配置の模式図や写真を比較し、どのような生育差が生じるかを整理する。本細目では、品種別の詳細な密植限界や機械植えの技術的差異には踏み込まず、適正な株配置と浅植えが健全な初期生育を支える基本条件であることを理解する基礎的レベルに位置づける。
② この細目での理解は、代かきの目的と均平度±5cmの意味を踏まえ、田面の凹凸が水深や生育差に影響する理由を説明できる段階まで。ここでは、代かきの目的として、土塊の細粒化、雑草種子の埋没、そして水持ちの向上を整理する。また、均平度±5cmという基準が、水深を均一に保つための目安であることを理解する。田面がでこぼこであると、深水部では苗が沈み浅水部では乾燥や雑草発生が進み、生育差が生じる可能性があることを具体例で示す。水深の不均一が分げつ数や初期生育に影響する仕組みを図や模式図で確認する。方法としては、均平な田面と不均平な田面の比較写真や水深の差を示す図を用いて、水管理の安定性を視覚的に理解する。本細目では、レーザーレベラーなど高度な整地技術には踏み込まず、均平な田面が安定した生育を支える基本条件であることを理解する基礎的レベルに位置づける。
③ この細目での理解は、用水路と排水路の役割の違いを踏まえ、水管理が水稲の生育・収量・品質に影響する理由を説明できる段階まで。ここでは、用水路が田に必要な水を供給する仕組みであるのに対し、排水路は過剰な水を速やかに排出するための仕組みであることを整理する。入水管理と排水管理の違いを明確にし、過湿状態では根の酸素不足や生育不良が起こりやすく、逆に水不足では分げつ抑制や品質低下が生じることを具体例で示す。特に、分げつ期・中干し・登熟期といった生育段階に応じた水管理の考え方を簡潔に整理する。方法としては、水深の違いによる生育差の模式図や事例を提示し、水管理の成否が生育に与える影響を論理的に確認する。本細目では、用排水施設の設計論や高度な水利工学には踏み込まず、水管理の基本原理とその意義を理解する基礎的レベルに位置づける。
キーワード
① 株間15cm × 列間30cm ② 浅植え ③ 代かき ④ 均平度±5cm ⑤ 用水路・排水路
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回の講義内容を踏まえ、水稲作における「植え方・田面整備・水管理」の三点を関連づけて整理してください。まず、株間15cm × 列間30cmの意味を振り返り、なぜ過密植えや深植えが分げつや倒伏に影響するのかを説明できるようにしましょう。次に、代かきの目的と均平度±5cmの意義を確認し、田面がでこぼこであるとどのような生育差や雑草発生のリスクが生じるのかを整理してください。さらに、用水路と排水路の役割の違いをまとめ、水管理が過湿や乾燥を防ぎ、収量や品質にどのように関係するのかを説明できるようにしてください。最後に、「水を制することが稲を制する」とはどういう意味かを、自分の言葉で簡潔にまとめておきましょう。
◆次回授業の予習
次回は「6次産業化」について学びます。予習として、まず「1次(つくる)×2次(加工する)×3次(売る)=6次」という“かけ算の意味”を自分の言葉で整理してください。農家が生産だけでなく加工や販売まで行うことで、どのように利益構造が変わるのかを具体例(例:みかんとジュース)で考えてみましょう。その際、「売上=利益ではない」ことに注意し、原価(材料費・容器代・人件費・光熱費など)を挙げて、利益がどのように計算されるのかを簡単に書き出してください。また、なぜ6次産業化が地域経済や雇用に関係するのかも整理しておきましょう。さらに、食品を扱う以上、衛生管理が不可欠である理由(手洗い・温度管理・消費期限・HACCPなど)についても調べておいてください。最後に、「成功は習慣から生まれる」という視点で、毎日続けることの大切さを自分なりにまとめておくことを課題とします。
20
6次産業化の本質と農業経営の考え方
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第20回の実習では、これまで学んできた栽培技術を農業経営や地域経済の視点へと広げて理解する段階に位置づけられる。これまでの授業では、播種・定植・初期管理・収穫など、作物の生育特性に応じた栽培技術を中心に学び、農作物がどのように生産されるかを理解してきた。本コマでは、農産物が生産された後の加工や販売に目を向け、1次(生産)・2次(加工)・3次(販売)を組み合わせる6次産業化の考え方を学ぶ。具体的には、加工や販売を行うことで付加価値が生まれ、利益構造や地域内の経済循環がどのように変化するかを理解するとともに、原価と利益の関係や、食品衛生管理・記録の習慣化が継続的な事業運営に不可欠であることを整理する。したがって本コマは、農業を単なる生産活動としてではなく、経営・流通・地域社会と結び付いた産業として捉える視点を養う実習として、科目全体の学習内容を発展的にまとめる重要な位置を担っている。
◆コマ主題細目①
・第20回テキスト「6次産業化の本質と農業経営の考え方」 第1節「6次産業化とは何か― 1次 × 2次 × 3次=6次を“かけ算”で理解する ―」
◆コマ主題細目②
・第20回テキスト「6次産業化の本質と農業経営の考え方」 第2節「なぜ6次産業化を行うのか― 原価・利益・地域経済の視点 ―」
◆コマ主題細目③
・第20回テキスト「6次産業化の本質と農業経営の考え方」 第3節「6次産業化を支える力― 習慣と食品衛生が成功を決める ―」
コマ主題細目
① 6次産業化とは何か― 1次 × 2次 × 3次=6次を“かけ算”で理解する ― ② なぜ6次産業化を行うのか― 原価・利益・地域経済の視点 ― ③ 6次産業化を支える力― 習慣と食品衛生が成功を決める ―
細目レベル
① この細目での理解は、1次・2次・3次の役割を踏まえ、かけ算としての6次産業化が付加価値を生み利益構造を変える仕組みを説明できる段階まで。ここでは、農家が生産のみを行う場合と、生産に加えて加工や販売まで担う場合とで、利益構造がどのように変化するかを具体例で整理する。例えば、みかんを出荷するだけの場合と、ジャムやジュースに加工して自ら販売する場合を比較し、付加価値がどの段階で生まれるのかを確認する。また、「売上=利益ではない」という前提に触れ、原価の存在を意識した考え方の必要性を示す。方法としては、簡単な計算例や図を用いて、かけ算の構造と利益の増え方を視覚的に整理する。本細目では、詳細な経営分析や高度な財務指標には踏み込まず、6次産業化の仕組みと付加価値の基本的な考え方を理解する基礎的レベルに位置づける。
② この細目での理解は、原価と利益の違いを踏まえ、6次産業化が農家の収入向上と地域経済の循環にどのように関係するかを説明できる段階まで。ここでは、まず「売上=利益ではない」ことを前提に、原価(材料費・容器代・人件費・光熱費など)を差し引いたものが利益であるという基本的な仕組みを整理する。みかんをそのまま販売した場合と、ジュースに加工して販売した場合を例に取り、価格が上がっても原価が増えれば利益が減る可能性があることを確認する。また、6次産業化によって加工や販売を地域内で行うことで、お金が地域に循環し、雇用が生まれる構造を説明する。「農家が儲からないと地域は続かない」という考え方を、収益と地域経済の関係から理解する。方法としては、簡単な損益計算例や地域内循環の模式図を用いて整理する。本細目では、詳細な財務分析や高度な経営理論には踏み込まず、原価・利益・地域経済の関係を理解する基礎的レベルに位置づける。
③ この細目での理解は、6次産業化の継続的な成功には習慣化と食品衛生管理が不可欠であることを踏まえ、その理由を説明できる段階まで。ここでは、成功している事例に共通する特徴として、毎日の記録、改善、情報発信といったハビット(習慣化)の重要性を整理する。才能や一時的な工夫ではなく、継続的な行動の積み重ねが成果につながる構造を確認する。また、加工・販売を行う以上、食品衛生管理が事業の基盤であることを理解する。手洗い、温度管理、消費期限表示、HACCP(ハサップ)の基本的な考え方を取り上げ、衛生管理が信用と直結することを整理する。方法としては、実際の加工現場の事例や衛生事故の例を示し、なぜ記録と管理が必要かを具体的に確認する。本細目では、HACCPの詳細な制度設計や法規の専門的内容には踏み込まず、習慣と安全管理が経営の土台であるという基礎的理解に位置づける。
キーワード
① 6次産業化(1×2×3のかけ算) ② 付加価値 ③ 原価と利益 ④ 地域経済循環 ⑤ 食品衛生管理(HACCP・温度管理)
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回の講義内容を踏まえ、6次産業化の仕組みと目的を整理してください。まず、「1次(つくる)×2次(加工する)×3次(売る)=6次」という“かけ算”の意味を、自分の言葉で説明できるようにまとめましょう。次に、売上と利益の違いに着目し、原価(材料費・容器代・人件費・光熱費など)を差し引いたものが利益であることを確認してください。みかんをそのまま販売する場合と、ジュースに加工して販売する場合を例に、付加価値がどこで生まれるのかを整理してみましょう。また、6次産業化が地域経済や雇用にどのように関係するのかをまとめてください。さらに、食品衛生管理(手洗い、温度管理、HACCPなど)がなぜ重要なのかを確認し、「なぜ継続的な記録と管理が成功につながるのか」という視点で自分の考えを簡潔にまとめておきましょう。
◆次回授業の予習
次回は宮本農園にて、シャインマスカットの袋掛け実習を行います。予習として、まずブドウが落葉果樹であり、果房を保護しながら品質を高める管理が重要であることを整理してください。特に、袋掛けの目的(病害虫防除、日焼け防止、農薬付着の軽減、外観品質の向上)を確認し、なぜ果実を直接守る必要があるのかを考えておきましょう。次に、シャインマスカットが高付加価値品種である理由(外観・糖度・無核性など)を調べ、品質管理が価格に直結する構造を理解してください。また、袋を掛ける時期やタイミングがなぜ重要なのか、早すぎる場合や遅すぎる場合にどのような影響が出るのかも整理しておきましょう。さらに、実習では果房を傷つけない丁寧な作業が求められます。果実を扱う際の基本姿勢や衛生面への配慮についても確認し、「袋掛けは単なる作業ではなく品質管理である」という視点を持って臨めるよう準備してください。
21
落葉果樹とは何かを理解する― 葉を落とす意味と管理の基本 ―
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第21回の実習では、「農業基礎演習Ⅰ」において、果樹の生育特性を整理しながら、作物の生育周期と環境適応の考え方を理解する段階に位置づけられる。これまでの授業では、野菜や水稲を中心に播種・定植・管理・収穫といった栽培技術を学び、作物の生育特性に応じた管理方法の違いを理解してきた。本コマでは果樹に焦点を当て、落葉果樹が冬季に葉を落として休眠し、春に芽吹くという年間の生育周期を整理するとともに、落葉が寒さや水分不足から樹体を守るための生存戦略であることを理解する。また、ブドウ・リンゴ・ナシを代表例として取り上げ、落葉果樹に共通する生育特性を確認し、常緑果樹との違いを比較する。したがって本コマは、作物の栽培技術だけでなく、生育周期や環境適応の仕組みから農業を理解する視点を養う実習として、科目全体の学習内容を生態的観点から整理する重要な位置を担っている。
◆コマ主題細目①
・第21回テキスト「落葉果樹とは何かを理解する― 葉を落とす意味と管理の基本 ―」 第1節「落葉果樹とは何か」
◆コマ主題細目②
・第21回テキスト「落葉果樹とは何かを理解する― 葉を落とす意味と管理の基本 ―」 第2節「なぜ葉を落とすのか」
◆コマ主題細目③
・第21回テキスト「落葉果樹とは何かを理解する― 葉を落とす意味と管理の基本 ―」 第2節「なぜ葉を落とすのか」
コマ主題細目
① 落葉果樹とは何か ② なぜ葉を落とすのか ③ 落葉果樹の代表例
細目レベル
① この細目での理解は、落葉果樹が冬に葉を落として休眠し、春に芽吹くという年間の生育の流れを説明できる段階まで。ここでは、落葉果樹とは冬になると葉を落とし、休眠期を経て春に再び芽吹く樹木であることを整理する。葉を落とすことは枯れることではなく、寒い時期に水分の蒸散を抑え、エネルギーを節約するための生理的な仕組みであることを確認する。また、休眠期は翌年の生育に備える重要な期間であり、春になると気温の上昇とともに芽が動き出すという年間の流れを時系列で整理する。方法としては、冬の枝の状態と春の芽吹きの写真を比較し、葉の有無の違いを視覚的に確認する。専門的なホルモン作用や低温要求量の詳細には踏み込まず、「冬に葉を落とし、春に再び成長を始める樹」という基本的な理解を確実に身につける基礎的レベルに位置づける。
② この細目での理解は、落葉が寒さや水分不足から身を守りエネルギーを節約するための生存戦略であることを説明できる段階まで。ここでは、気温が低下する冬季には水分の吸収が難しくなり、葉をつけたままだと蒸散によって水分が失われやすくなることを整理する。葉を落とすことで蒸散を抑え、寒さや乾燥から樹体を守る仕組みであることを理解する。また、光合成を行う葉を維持するにはエネルギーが必要であり、生育に適さない時期には葉を落としてエネルギー消費を抑えるという合理的な適応であることにも触れる。方法としては、冬の落葉樹と常緑樹の写真を比較し、葉の有無と環境条件の違いを視覚的に確認する。植物ホルモンの詳細な作用には踏み込まず、「落葉は弱さではなく、生き残るための戦略である」という基本的理解を確実にする基礎的レベルに位置づける。
③ この細目での理解は、ブドウ・リンゴ・ナシを落葉果樹の代表例として挙げ、その共通する生育特性を説明できる段階まで。ここでは、ブドウ・リンゴ・ナシを代表例として取り上げ、いずれも冬に葉を落とし、休眠期を経て春に芽吹くという共通した生育特性を持つことを確認する。まず、それぞれの果実の特徴を簡単に整理し、そのうえで「葉を落とす樹である」という共通点に着目する。方法としては、各果樹の冬季と生育期の写真を提示し、葉の有無を比較する。また、落葉果樹と常緑果樹の例(ミカンなど)を並べて示し、違いを明確にする。本細目では、品種の細かな違いや栽培技術の詳細には踏み込まず、代表例の名称を挙げ、その共通する生育特性を説明できる基礎的レベルに位置づける。
キーワード
① 落葉 ② 休眠 ③ 生育周期 ④ 蒸散 ⑤ 代表例(ブドウ・リンゴ・ナシ)
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回の実習内容を振り返り、落葉果樹の特徴とその意味を整理してください。まず、落葉果樹が冬に葉を落とし休眠期に入る理由を確認し、葉を落とすことが枯れることではなく、生き残るための戦略であることを説明できるようにまとめましょう。次に、蒸散の抑制やエネルギー節約という観点から、なぜ冬に葉を保たない方が有利なのかを整理してください。また、ブドウ・リンゴ・ナシを代表例として挙げ、それぞれが落葉果樹である共通点を確認しましょう。最後に、「落葉果樹と常緑果樹の違いは何か」という問いに対し、葉の有無・休眠の有無・生育周期の違いを簡潔にまとめておくことが重要です。これらを自分の言葉で説明できるように整理しておきましょう。
◆次回授業の予習
次回は、引き続き、宮本農園でブドウの袋掛け実習を行うとともに、常緑果樹について学びます。予習として、まず落葉果樹であるブドウと、常緑果樹の違いを整理してください。落葉果樹は冬に葉を落とし休眠しますが、常緑果樹は冬でも葉を保ち、年間を通して光合成を続けます。この違いが生育や管理方法にどのような影響を与えるのかを考えておきましょう。次に、常緑果樹が主に暖かい地域で栽培される理由を調べ、寒さに弱いという性質との関係を整理してください。また、代表例としてミカンやレモンを挙げ、それぞれが常緑果樹である理由を説明できるようにしておきましょう。最後に、「葉を落とす樹」と「葉を落とさない樹」の違いを、自分の言葉で簡潔にまとめておくことが重要です。
22
常緑果樹とは何かを理解する― 葉を落とさない樹の特徴 ―
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第22回の実習では、果樹の生育特性を落葉果樹と常緑果樹の比較から理解し、作物と気候条件との関係を整理する段階に位置づけられる。前回の授業では、ブドウ・リンゴ・ナシなどの落葉果樹を例に、冬季に葉を落として休眠し春に芽吹くという年間の生育周期と、その環境適応の仕組みを学んだ。本コマではそれと対比する形で、ミカン・レモン・チャなどの常緑性作物を取り上げ、冬でも葉を保ちながら光合成を続ける生育特性と、温暖な気候に適応している理由を理解する。具体的には、葉を落とさないことが年間の生育や管理方法にどのように関係するかを整理するとともに、作物の分布や栽培地域が気候条件と深く関わっていることを確認する。したがって本コマは、作物の生育特性を気候環境との関係から理解する視点を養い、落葉果樹と常緑果樹の比較によって農業の多様性を整理する実習として、科目全体の理解を深める重要な位置を担っている。
◆コマ主題細目①
・第22回テキスト「常緑果樹とは何かを理解する― 葉を落とさない樹の特徴 ―」 第1節「常緑果樹とは何か」
◆コマ主題細目②
・第22回テキスト「常緑果樹とは何かを理解する― 葉を落とさない樹の特徴 ―」 第2節「なぜ葉を落とさないのか」
◆コマ主題細目③
・第22回テキスト「常緑果樹とは何かを理解する― 葉を落とさない樹の特徴 ―」 第3節「常緑果樹の代表例」
コマ主題細目
① 常緑果樹とは何か ② なぜ葉を落とさないのか ③ 常緑果樹の代表例
細目レベル
① この細目での理解は、常緑果樹が冬でも葉を保ち一年中光合成を続ける作物であることを踏まえ、落葉果樹との違いを説明できる段階まで。ここでは、常緑果樹が冬でも葉を保ち、一年を通して光合成を続ける樹木であることを基本として整理する。落葉果樹と比較しながら、葉を落とさないことが生育の継続性や管理方法にどのように関係するかを確認する。また、常緑果樹は温暖な地域で栽培されることが多く、寒さに弱い特性を持つ点にも触れる。代表例としてミカンやレモンを挙げ、地元の栽培と結び付けながら具体的に理解する。方法としては、冬季の落葉果樹と常緑果樹の写真を比較し、葉の有無や枝の状態の違いを視覚的に確認する。本講義では、詳細な生理学的機構や品種ごとの特性には踏み込まず、「葉を落とさない樹」であることと、その特徴が管理に影響するという基礎的理解に位置づける。
② この細目での理解は、常緑果樹が温暖な気候に適応し寒さに弱い特性を持つことを踏まえ、葉を落とさない理由を気候との関係から説明できる段階まで。ここでは、常緑果樹が主に温暖な地域で栽培される作物であり、冬季の気温が比較的高く、凍結や強い乾燥の影響を受けにくい環境で生育していることを整理する。寒さが厳しい地域では葉を保ったままだと凍害や水分不足のリスクが高まるため、常緑果樹は低温に弱い特性を持つことを確認する。また、葉を落とさず光合成を継続できることは、生育の安定や果実肥大に有利に働く点にも触れる。方法としては、温暖地域と寒冷地域の気候条件を比較し、落葉果樹との分布の違いを図や写真で確認する。本細目では、耐寒性の分子機構や詳細な生理学には踏み込まず、常緑性と気候条件との関係を理解する基礎的レベルに位置づける。
③ この細目での理解は、ミカン・レモン・チャ(茶)を常緑性作物の代表例として挙げ、その共通する生育特性と地域との関係を説明できる段階まで。ここでは、ミカン、レモン、チャを代表例として取り上げ、いずれも冬でも葉を保ち、年間を通して光合成を続ける常緑性の作物であることを確認する。まず、それぞれの作物の利用目的(果実・飲料原料)や栽培地域を簡単に整理し、そのうえで「葉を落とさない」という共通点に着目する。特に、愛媛県のミカン、温暖地域のレモン、そして茶産地におけるチャ栽培を例に挙げ、地域の気候と常緑性の関係を理解する。方法としては、冬季の園地やチャ園の写真を提示し、落葉果樹との違いを視覚的に確認する。本細目では、品種特性や高度な栽培技術には踏み込まず、代表例を挙げて常緑性作物の特徴を説明できる基礎的レベルに位置づける。
キーワード
① 常緑果樹 ② 光合成の継続 ③ 気候適応(温暖地域) ④ 落葉果樹との比較 ⑤ 代表例(ミカン・レモン・チャ)
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回の講義内容を振り返り、常緑果樹の特徴を整理してください。まず、常緑果樹が冬でも葉を保ち、一年を通して光合成を続ける作物であることを確認しましょう。次に、落葉果樹との違いを整理し、なぜ常緑果樹が主に温暖な地域で栽培されるのかを説明できるようにしてください。寒さに弱いという特性と、葉を落とさないことの関係をまとめることが重要です。また、代表例としてミカン・レモン・チャを挙げ、それぞれが常緑性作物である理由と地域との関係を整理してください。最後に、「葉を落とす樹」と「葉を落とさない樹」の違いを、生育周期・気候との関係・管理の考え方の観点から簡潔にまとめておきましょう。
◆次回授業の予習
次回は杖ノ淵公園隣りの田で田植え(移植)実習を行います。予習として、まず田植えとは何かを整理してください。水稲は育苗箱で育てた苗を田に移植する作物であり、直播とは異なる栽培方法であることを確認しましょう。次に、なぜ深植えをしてはいけないのかを考え、分げつや初期生育との関係をまとめてください。また、株間や列間が生育や収量にどのように影響するのかも確認しておきましょう。さらに、田面の均平度が重要である理由や、水深管理が苗の活着にどのように関係するのかを整理してください。加えて、実習では泥の中での作業になりますので、安全面や体調管理についても意識しておくことが大切です。最後に、「なぜ水田では水を張るのか」という問いに対して、自分なりの考えをまとめておいてください。
23
水稲の移植と水管理の実践― 田植えから活着までを理解する ―
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第23回の実習では、「農業基礎演習Ⅰ」において、水田農業における代表的な作業である田植えの意義と基本技術を理解する段階に位置づけられる。これまでの授業では、畑作物や果樹を中心に播種・定植・初期生育管理などの基本的な栽培技術を学び、さらに水稲栽培における株配置や水管理の基礎についても整理してきた。本コマでは、水稲の移植栽培を題材に、育苗によって均一な苗を確保し移植することで生育を安定させる仕組みを理解するとともに、株間の確保や浅植えなど田植えの基本動作が分げつや倒伏に影響する理由を学ぶ。また、田面の均平や適切な水深管理が苗の活着や初期生育を左右する重要な条件であることを確認する。したがって本コマは、水稲栽培の代表的な作業である田植えを通して、水田の生産環境と栽培管理の関係を総合的に理解する実習として、科目全体の中で水田農業の理解を深める重要な位置を担っている。
◆コマ主題細目①
・第23回テキスト「水稲移植の基本技術を理解する― 正しい植え方と初期条件 ―」 第1節「水稲の移植栽培の意味― なぜ苗を植えるのか ―」
◆コマ主題細目②
・第23回テキスト「水稲移植の基本技術を理解する― 正しい植え方と初期条件 ―」 第2節「田植えの基本動作― 株間・浅植え・姿勢 ―」
◆コマ主題細目③
・第23回テキスト「水稲移植の基本技術を理解する― 正しい植え方と初期条件 ―」 第3節「田面と水深の基礎条件― 均平と初期水管理 ―」
コマ主題細目
① 水稲の移植栽培の意味― なぜ直播ではなく移植なのか ② 田植えの基本動作― 株間・浅植え・姿勢 ― ③ 田面と水深の基礎条件― 均平と初期水管理 ―
細目レベル
① この細目での理解は、水稲の移植栽培が育苗によって均一な生育を確保するための方法であることを踏まえ、直播との違いを説明できる段階まで。ここでは、まず育苗の目的として、苗を一定期間育苗箱で管理することで発芽率を安定させ、均一で健全な苗を確保できる点を整理する。直播との違いにも触れ、種子を直接田にまく場合は雑草や水管理の影響を受けやすいことを確認する。また、育苗によって生育のそろった苗を選んで移植することで、田面全体の生育が均一になり、分げつや収量の安定につながることを理解する。方法としては、直播水田と移植水田の写真や模式図を比較し、それぞれのメリットと課題を整理する。本細目では、機械移植の技術的な詳細や品種別の適応性には踏み込まず、移植栽培が生育の安定と管理のしやすさを目的として行われることを理解する基礎的レベルに位置づける。
② この細目での理解は、株間と浅植えの意味を踏まえ、田植えの基本動作が分げつや倒伏リスクに影響する理由を説明できる段階まで。まず、株間の意味を整理し、適切な間隔を保つことで分げつの確保や通風の改善につながることを理解する。株間が狭すぎる場合には光や養分の競合が強まり、過密状態から倒伏や病害のリスクが高まることを確認する。次に、深植えを避ける理由を説明し、分げつ芽の位置や水深との関係から、生育遅延や活着不良が起こる可能性を整理する。また、苗を扱う際に根を折らないこと、束を強く握りすぎないことなど、苗を傷めない基本姿勢の重要性にも触れる。方法としては、適正植えと深植えの比較写真や模式図を示し、生育差を視覚的に確認する。本細目では、機械植えの高度な調整や品種別の最適密植には踏み込まず、正しい植え方の基本を理解する基礎的レベルに位置づける。
③ この細目での理解は、田面の均平と水深管理が苗の活着と生育差に影響する理由を説明できる段階まで。まず、水深の目安を確認し、浅すぎると乾燥や雑草発生のリスクが高まり、深すぎると苗が沈み分げつが抑制される可能性があることを整理する。次に、田面に凹凸がある場合、水深が不均一になり、深水部では生育不良、浅水部では乾燥や雑草増加が生じることを具体例で示す。また、均平な田面が水深を一定に保ち、苗の活着を安定させる基礎条件であることを理解する。方法としては、均平な田と凹凸のある田の模式図や写真を比較し、水深の差が生育差につながる過程を視覚的に確認する。本細目では、水利施設の設計や高度な水管理技術には踏み込まず、均平と水深管理が初期生育を左右する基本条件であることを理解する基礎的レベルに位置づける。
キーワード
① 移植栽培 ② 育苗 ③ 株間・浅植え ④ 均平 ⑤ 水深管理
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回の実習内容を振り返り、水稲の移植栽培の意義と田植えの基本条件を整理してください。まず、なぜ水稲は直播ではなく移植を行うのかを確認し、育苗によって生育のそろった苗を確保する意味を説明できるようにしましょう。次に、株間や浅植えが分げつや倒伏リスクにどのように関係するのかをまとめてください。また、田面の均平と水深管理が苗の活着や生育差に影響する理由を整理し、凹凸のある田で起こる問題を具体的に挙げてください。最後に、「植え方・田面整備・水管理」の三つがどのようにつながって水稲の収量を支えているのかを、自分の言葉で簡潔にまとめておくことが重要です。
◆次回授業の予習
次回も杖ノ淵公園隣りの田で田植え(移植)作業を行います。予習として、まず「活着」とは何かを整理してください。苗が田に植えられた後、根が土にしっかりと張ることが活着であり、その後の分げつや生育の基礎になることを確認しましょう。次に、なぜ深植えを避ける必要があるのかを復習し、分げつ芽の位置との関係をまとめてください。また、水深管理が活着や初期生育にどのように影響するのかを整理し、浅水・深水それぞれのリスクを挙げておきましょう。さらに、株間が適切でない場合に起こる問題(過密による倒伏や生育不良)についても確認してください。最後に、「田植え後に最も重要な管理は何か」という問いに対し、自分なりの考えをまとめておくことが大切です。
24
移植後の生育観察と水管理の判断― 活着・分げつ・水深の関係 ―
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第24回の実習では、田植え後の水稲の初期生育を観察し、生育状態と栽培管理を結び付けて理解する段階に位置づけられる。前回の授業では、移植栽培における田植えの基本操作や株間、浅植え、水深管理の意義を学び、水田の生産環境と初期生育の関係を理解した。本コマではその続きとして、移植後の苗がどのように活着し生育を再開するのかを観察し、活着不良の兆候を判断する視点を養う。また、分げつの発生が穂数の確保や収量に関係することを理解し、株間や生育環境との関係を整理する。さらに、生育段階に応じた水深調整や用排水管理の基本を確認し、水管理が生育に与える影響を理解する。したがって本コマは、田植え作業の理解を発展させ、水稲の初期生育と水管理を実際の観察を通して結び付けて学ぶ実習として、水田農業の栽培理解を深める重要な位置を担っている。
◆コマ主題細目①
・第24回テキスト「移植後の生育観察と水管理の判断― 活着・分げつ・水深の関係 ―」 第1節「活着とは何か― 根が張るということ ―」
◆コマ主題細目②
・第24回テキスト「移植後の生育観察と水管理の判断― 活着・分げつ・水深の関係 ―」 第2節「分げつの始まり― 株数が増えるしくみ ―」
◆コマ主題細目③
・第24回テキスト「移植後の生育観察と水管理の判断― 活着・分げつ・水深の関係 ―」 第3節「水管理の調整― 用水と排水の判断 ―」
コマ主題細目
① 活着とは何か― 根が張るということ ― ② 分げつの始まり― 株数が増えるしくみ ― ③ 水管理の調整― 用水と排水の判断 ―
細目レベル
① この細目での理解は、活着の意味と活着不良の兆候を踏まえ、移植後の苗の状態を観察して判断できる段階まで。ここでは、活着とは苗が新しい環境に適応し、根を伸ばして土壌と密着し、水分や養分を安定的に吸収できる状態になることを指すと整理する。移植直後の苗は根が切断されているため、一時的に吸水力が弱くなり、生育が停滞することがある点にも触れる。その後、新根が伸長し始めることで地上部の葉色が回復し、生育が再開する流れを確認する。また、活着不良の兆候として、葉色の退色、萎(しお)れ、生育停滞などが見られることを具体例で示す。方法としては、活着が順調な株と不良な株の写真や観察例を比較し、外観から判断できるポイントを整理する。本細目では、根の生理学的な詳細や細胞レベルの反応には踏み込まず、活着の基本的な意味と判断基準を理解する基礎的レベルに位置づける。
② この細目での理解は、分げつの役割と株間との関係を踏まえ、分げつ数が収量に影響する理由を説明できる段階まで。ここでは、分げつとは主茎の基部から新しい茎が発生し、株数が増える現象であることを整理する。分げつが増えることで穂数が確保され、最終的な収量に大きく関係する点を確認する。また、株間との関係にも触れ、株間が狭すぎる場合には光や養分の競合が強まり分げつが抑制される可能性があることを説明する。逆に、適切な株間を確保することで通風や日照が確保され、健全な分げつが促進されることを理解する。方法としては、分げつが多い株と少ない株の写真や模式図を比較し、株間の違いと分げつ数の関係を視覚的に整理する。本細目では、分げつのホルモン制御や品種別の分げつ特性には踏み込まず、分げつが収量構成要素の一つであることを理解する基礎的レベルに位置づける。
③ この細目での理解は、水深を変える理由と過湿・乾燥のリスクを踏まえ、生育段階に応じた用水と排水の判断ができる段階まで。ここでは、用水は田に必要な水を供給する役割を持ち、排水は過剰な水を外へ出す役割を持つことを整理する。水深は一定ではなく、移植直後は浅水で活着を促し、分げつ期には適度な水深を保ち、中干しでは一時的に排水するなど、生育に応じて変化させる必要があることを確認する。また、過湿状態では根の酸素不足や生育不良が起こり、乾燥状態では分げつ抑制や品質低下のリスクがあることを具体例で示す。方法としては、水深の違いによる苗の生育差を模式図や写真で比較し、適切な水管理の判断基準を整理する。本細目では、水利施設の設計や詳細な水理学には踏み込まず、水深調整が生育に直結するという基本的理解に位置づける。
キーワード
① 活着 ② 新根の伸長 ③ 分げつ ④ 株間 ⑤ 水深管理
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回の実習内容を振り返り、水稲の初期生育を支える三つの要素を整理してください。まず、活着とは何かを確認し、移植直後の苗がどのように新しい根を伸ばして回復するのかを説明できるようにしましょう。活着不良の兆候(葉色の退色、萎れ、生育停滞)についても整理してください。次に、分げつの役割を確認し、株間との関係から、なぜ適切な間隔が必要なのかをまとめてください。最後に、水管理について、水深を変える理由と過湿・乾燥のリスクを整理し、生育段階に応じて入水と排水を判断する重要性を確認しましょう。「活着・分げつ・水管理」がどのようにつながって収量を左右するのかを、自分の言葉で簡潔にまとめておくことが重要です。
◆次回授業の予習
次回の授業では、害虫を観察して同定するための基礎知識と技術について理解を深めます。まず、害虫の外部形態を詳しく観察するときに用いる標本の取り扱い方について学びます。次に、種を同定する際に利用する「検索表」について学びます。また、検索表が記載されている資料にはどのようなものがあるのかについても学びます。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。
25
害虫を観察する、見分ける (2)
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第25回の授業では、害虫を観察して同定するための基礎知識と技術について理解を深めます。まず、害虫の外部形態を詳しく観察するときに用いる標本の取り扱い方について学びます。次に、種を同定する際に利用する「検索表」について学びます。また、検索表が記載されている資料にはどのようなものがあるのかについても学びます。
◆コマ主題細目①
・第25回テキスト「害虫を観察する、見分ける (2)」第1節「同定に用いる標本」
◆コマ主題細目②
・第25回テキスト「害虫を観察する、見分ける (2)」第2節「検索表を用いた同定」
◆コマ主題細目③
・第25回テキスト「害虫を観察する、見分ける (2)」第3節「同定に用いる資料」
コマ主題細目
① 同定に用いる標本 ② 検索表を用いた同定 ③ 同定に用いる資料
細目レベル
① 害虫の外部形態を観察して同定する際には、「標本」を観察することが多いです。害虫、特に昆虫の害虫を観察する際に用いられる「標本」には、乾燥標本やプレパラート標本など様々な種類があることも知られています。では、どのような昆虫にはどのような標本が適しているのでしょうか。また、それぞれの「標本」の種類について、適切な取り扱いをしなければ、用意に破損し、同定作業を進めることはできません。ここでは、害虫の「標本」の種類について概説し、どのような場合にどのような種類の標本が適切なのかを学びます。また、それぞれの標本の取り扱い上の注意点についても概説します。そのうえで、適切に標本を観察するための基礎知識と技術を修得します。ここで学修するのは、害虫同定に用いられる標本の種類(乾燥標本・プレパラート標本など)とその適切な使い分けを理解し、標本の正しい取り扱い方法と観察に必要な基礎知識・技術を修得することまで。
② 昆虫の外部形態を基にした同定作業において、「検索表」の利用が重要となります。「検索表」とは、生物の科や属、種などの分類群を同定する際に用いられるものです。文章や図で示される二者択一の選択肢を選ぶことで分類群を特定することができます。しかし、誤った使い方をすると、「検索表」を用いても分類群を同定することはできません。むしろ、間違った同定をしてしまう恐れもあり、適切な病害虫の実施につながらない可能性もあります。ここでは、「検索表」を利用する際の注意点について概説し、実際に例を示しながらその使い方を修得します。また、どのような資料に「検索表」が記載されているのかについても概説し、同定に用いるべき資料の選び方についても触れます。ここで学修するのは、昆虫同定における「検索表」の役割と正しい使い方を理解し、誤同定を防ぐための注意点や適切な資料の選び方を身につけることまで。
③ 同定に用いる資料として、「図鑑」、「論文」、「インターネット上の資料」などが挙げられます。それぞれの特徴について理解し、注意深く利用しなければ、同定するまでに過大な労力を払うことになり、最悪の場合は誤った同定結果を導いてしまうこともあります。ここでは、それぞれの資料の特徴について概説し、どのような場面でどのような資料を利用するべきなのかについて学びます。特に、「図鑑」や「論文」ではなく、「インターネット上の資料」を利用する際には、その情報の精確性を熟慮する必要があります。どのような資料が「信頼性が高く」、どのような資料が「信頼性が低い」のかについても学修します。また、実際に図書館やインターネットを利用して資料を探し、害虫を同定する際に必要となる文献検索の技術を修得します。ここで学修するのは、害虫同定に用いる図鑑・論文・インターネット資料の特徴と使い分けを理解し、情報の信頼性を判断しながら適切な文献検索を行うための技術を修得することまで。
キーワード
① 同定 ② 検索表 ③ 図鑑 ④ 論文 ⑤ 情報の信頼性
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
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教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
【復習・予習課題】
◆今回授業の復習
今回の授業では、害虫の同定を進めるときに必要となる基礎知識と技術について学びました。特に、論文や図鑑で見られる「検索表」の使い方と注意点について理解を深めておきましょう。また、同定を進めるときに利用する資料・文献の探し方についても十分に復習しておきましょう。文章教材を十分読み直し、生成AIを用いた復習方法を実施し、授業内容の理解を深めてください。
◆次回授業の予習
次回の授業では、顕微鏡を用いて害虫の種の判別をする手法について学びます。まず、双眼実態顕微鏡の使い方について復習します。次に、双眼実態顕微鏡を用いて害虫を観察する技術を学びます。以前に実施した回とは、次期や作物が異なるために、発生している害虫種が異なることを確認し、時期によって害虫防除手法を変える必要があることを理解します。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。
26
双眼実体顕微鏡の使い方 (2)
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第26回の授業では、顕微鏡を用いて害虫の種の判別をする手法について学びます。まず、双眼実態顕微鏡の使い方について復習します。次に、双眼実態顕微鏡を用いて害虫を観察する技術を学びます。以前に実施した回とは、次期や作物が異なるために、発生している害虫種が異なることを確認し、時期によって害虫防除手法を変える必要があることを理解します。
◆コマ主題細目①
・第26回テキスト「双眼実体顕微鏡の使い方 (2)」第1節「双眼実体顕微鏡の使い方」
◆コマ主題細目②
・第26回テキスト「双眼実体顕微鏡の使い方 (2)」第2節「時期・作物の違いによる害虫種の違い」
◆コマ主題細目③
・第26回テキスト「双眼実体顕微鏡の使い方 (2)」第3節「害虫の観察および種の判別」
コマ主題細目
① 双眼実体顕微鏡の使い方 ② 時期・作物の違いによる害虫種の違い ③ 害虫の観察および種の判別
細目レベル
① 害虫の多くは非常に小さな体を持ち、詳細な外部形態を観察するためには拡大観察が必要となります。特に農業分野では、害虫の種類を正確に特定し防除対策を講じるために、双眼実体顕微鏡を用いた観察が重要な手段となります。ここでは、双眼実体顕微鏡を実際に使用しながらその操作方法を習得します。第12回および第16回で修得した知識と技術を定着させます。また、双眼実体顕微鏡の取り扱いについて、注意すべき点などを改めて解説します。また、害虫種を判別するために注目すべき外部形態についても改めて解説します。授業では、観察対象である害虫の特徴を的確に捉えるための操作技術と、顕微鏡の適切な取り扱い方法の両方について理解を深めます。ここで学修するのは、双眼実体顕微鏡を実際に用いた操作を通して既習内容を定着させ、害虫種判別に必要な外部形態の観察ポイントと顕微鏡の適切な取り扱い方法を理解することまで。
② 害虫の観察は、第12回と第16回でも行いました。しかし、第28回の本コマの時期では、栽培されている作物が異なることもあります。また、同じ作物が栽培されていたとしても、その生育程度は全く異なります。害虫発生の観点において、時期と栽培されている作物の種類は非常に重要な情報です。なぜなら、時期や作物が異なれば、発生しうる害虫種が大きく異なるからです。ここでは、具体例を交えながら、時期や作物が異なることが、害虫種の発生状況に大きく影響することを学びます。また、学内・学外圃場において実際に発生している害虫についても解説し、その理解を深めます。また、発生時期や発生しうる作物種についての情報が、図鑑などの文献においてどこに記載されているのかについても確認します。ここで学修するのは、時期や作物の違いが害虫発生に与える影響を具体例から理解し、実際の圃場事例や文献情報を通して発生時期・寄主作物と害虫種の関係を把握することまで。
③ 農地で採集された害虫を、実際に双眼実体顕微鏡を用いて観察し、害虫の詳細な外部形態を把握する技術を修得します。第16回に実施した観察とは、異なる種類の害虫を対象に行います。時期によって、作物によって発生する害虫の種類が異なることもここで理解します。観察の際には、事前に説明した双眼実体顕微鏡の使用方法や注意点を踏まえ、適切な操作を心がけます。文献を参照しながら観察のポイントを整理し、具体的な判別手法を学びます。例えば、触角や脚、翅、体色、斑紋などの形態的特徴を丁寧に観察し、それらの違いを手がかりとして種を特定する方法を身につけます。外部形態の観察と種の判別技術は、害虫防除の現場においても欠かせないスキルであり、ここで修得する知識と技術は、今後の研究活動において大いに役立つものとなります。ここで学修するのは、双眼実体顕微鏡を用いて時期や作物の違いによって発生する害虫の外部形態を詳細に観察し、文献を参照しながら形態的特徴にもとづいて種を判別する実践的技術を修得することまで。
キーワード
① 顕微鏡 ② 双眼実体顕微鏡 ③ 外部形態の観察 ④ 害虫の発生時期と種類
コマの展開方法
社会人講師
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教科書
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その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
本コマでは、害虫種の判別に用いられる双眼実態顕微鏡の特性と使用方法について学びました。また、害虫を実際に双眼実態顕微鏡で観察し、使用方法を修得しました。さらに、時期や作物種によって発生する害虫の種類も異なることを学びました。特に、双眼実体顕微鏡を扱ううえでの注意点について理解を深めてください。また、害虫の種を判別する上でどのような点に注意して観察するべきなのかについて理解を深めておいてください。文章教材を十分読み直し、生成AIを用いた復習方法を実施し、授業内容の理解を深めてください。
◆次回授業の予習
次回の授業では、加工実習を実施します。河原調理専門学校で加工・調理を実践します。文章教材に目を通し、加工で学ぶ内容(食材の切り方、火の通し方、瓶詰めの注意点など)を整理しておきましょう。また、気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。
27
6次産業化の構造を理解する加工実習― 1次×2次×3次のかけ算を体験する ―
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第27回実習では、農産物の生産から加工・販売までの流れを理解し、農業を経済活動として捉える段階に位置づけられる。これまでの授業では、播種・定植・水管理・収穫などの栽培技術を通して、農産物がどのように生産されるかを学んできた。本コマでは視点を広げ、農産物が加工や販売を経て消費者に届くまでの過程を整理し、1次(生産)・2次(加工)・3次(販売)の役割と、それぞれの段階で生まれる付加価値について理解する。具体的には、加工によって価格が変化する仕組みや、材料費・人件費などの原価を踏まえた利益の考え方を学ぶとともに、加工工程の手間や時間、安全管理が商品価値の形成に関わることを確認する。したがって本コマは、農業を単なる生産活動としてではなく、加工・流通・経営と結び付いた産業として総合的に理解するための実習として、科目全体の学習内容を経済的視点から発展させる重要な位置を担っている。
◆コマ主題細目①
・第27回テキスト「6次産業化の構造を理解する加工実習― 1次×2次×3次のかけ算を体験する ―」 第1節「6次産業化の基本構造― 1次・2次・3次の役割整理 ―」
◆コマ主題細目②
・第27回テキスト「6次産業化の構造を理解する加工実習― 1次×2次×3次のかけ算を体験する ―」 第2節「加工工程の体験と記録― 作ることの意味を理解する ―」
◆コマ主題細目③
・第27回テキスト「6次産業化の構造を理解する加工実習― 1次×2次×3次のかけ算を体験する ―」 第3節「6次産業化の基本構造― 1次・2次・3次の役割整理 ―」
コマ主題細目
① 6次産業化の基本構造― 1次・2次・3次の役割整理 ― ② 原価と利益の関係― 売上=利益ではない ― ③ 加工工程の体験と記録― 作ることの意味を理解する ―
細目レベル
① この細目での理解は、1次・2次・3次それぞれの役割を踏まえ、付加価値がどの段階で生まれるのかを説明できる段階まで。まず、生産とは農産物を育て収穫する段階であり、加工とは形を変えて商品価値を高める段階、販売とは消費者に届け対価を得る段階であることを整理する。次に、それぞれの段階で付加価値がどのように生まれるかを具体例で確認する。例えば、みかんを出荷するだけの場合と、ジュースやジャムに加工して販売する場合を比較し、価格が変化する理由を考える。方法としては、簡単な価格比較や図を用いて、どの段階で価値が加わるのかを視覚的に整理する。本細目では、詳細な経営分析や高度なマーケティング理論には踏み込まず、1次・2次・3次の役割と付加価値の関係を理解する基礎的レベルに位置づける。
② この細目での理解は、材料費や人件費などの原価を踏まえ、売上と利益の違いを説明できる段階まで。ここでは、売上とは商品の販売額であり、利益とは売上から原価を差し引いた残りであることを整理する。原価には材料費だけでなく、容器代やラベル代、人件費、光熱費などが含まれることを具体例で確認する。例えば、みかん1kgを300円で販売する場合と、ジュース1本600円で販売する場合を比較し、価格が上がっても加工費や資材費が増えれば利益が必ずしも増えないことを理解する。方法としては、簡単な損益計算の例を板書や資料で示し、売上-原価=利益という基本式を確認する。本細目では、詳細な財務分析や複雑な経営指標には踏み込まず、原価を意識して利益を考える基礎的レベルに位置づける。
③ この細目での理解は、加工工程の手間や時間コスト、安全確認の重要性を踏まえ、加工が付加価値を生む理由を説明できる段階まで。ここでは、材料の下処理、加熱、充填、包装といった一連の工程を整理し、それぞれの作業に時間と労力が必要であることを確認する。単に完成品を見るのではなく、工程ごとの作業量を体験することで、時間コストが価格に影響する理由を理解する。また、作業中の衛生確認や温度管理など、安全確保の重要性にも触れる。方法としては、工程表を用いて作業の流れを可視化し、各工程に要した時間を記録する。本細目では、高度な加工技術や商品開発論には踏み込まず、加工の手間と時間、安全確認が価値形成の一部であることを理解する基礎的レベルに位置づける。
キーワード
① 6次産業化(1×2×3) ② 付加価値 ③ 原価と利益 ④ 加工工程 ⑤ 時間コスト
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回の加工実習を振り返り、6次産業化の仕組みと経営の基本を整理してください。まず、1次(生産)・2次(加工)・3次(販売)の役割を確認し、どの段階で付加価値が生まれるのかを説明できるようにまとめましょう。次に、「売上=利益ではない」ことを踏まえ、原価(材料費・容器代・人件費・光熱費など)を差し引いたものが利益であることを整理してください。また、加工工程を体験したことを振り返り、どの作業に時間や手間がかかるのかを確認し、時間コストが価格に影響する理由をまとめましょう。最後に、加工には安全確認や衛生管理が必要である理由を整理し、「作ること」と「売ること」がどのように利益構造につながるのかを自分の言葉で簡潔にまとめておきましょう。
◆次回授業の予習
次回は、6次産業化を継続させるための力について学びます。予習として、まず「地域内循環」とは何かを整理してください。加工や販売を地域で行うことが、どのように雇用創出や地域経済の活性化につながるのかを考えておきましょう。次に、食品を扱ううえでなぜ衛生管理が不可欠なのかを確認してください。手洗い、温度管理、消費期限表示、HACCPの基本的な考え方が、なぜ信用を守る仕組みとなるのかを整理しましょう。また、「売れる商品」と「安全な商品」は同じ意味ではないことも意識してください。さらに、事業を続けるうえで毎日の記録や改善がなぜ重要なのかを考え、成功が一度きりではなく継続の積み重ねである理由を自分なりにまとめておきましょう。
28
6次産業化を継続させる力を理解する
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第28回の実習では、農業生産が地域社会や地域経済とどのように結び付くのかを理解する段階に位置づけられる。これまでの授業では、播種・定植・水管理・収穫などの栽培技術を学び、さらに6次産業化を通して農産物の加工や販売の仕組みについて理解してきた。本コマではその発展として、6次産業化が地域経済に与える影響に着目し、地域内で加工や販売を行うことで収益が地域内に循環し、雇用創出や地域活性化につながる仕組みを整理する。また、食品加工を行う上で不可欠な衛生管理の基本(手洗い、温度管理、消費期限、HACCP)を確認し、食品安全が事業の継続と信頼を支える基盤であることを理解する。さらに、直売や体験型農業、農泊などの事例を通して、農業が観光や地域文化と結び付く可能性を学ぶ。したがって本コマは、農業を地域振興や社会との関係から捉える視点を養い、科目全体の学習内容を社会的・地域的な観点から発展させる実習として重要な位置を担っている。
◆コマ主題細目①
・第28回テキスト「6次産業化を継続させる力を理解する」 第1節「地域経済と6次産業化」
◆コマ主題細目②
・第28回テキスト「6次産業化を継続させる力を理解する」 第2節「食品衛生の基本」
◆コマ主題細目③
・第28回テキスト「6次産業化を継続させる力を理解する」 第3節「6次産業化と地域振興の広がり」
コマ主題細目
① 地域経済と6次産業化 ② 食品衛生の基本 ③ 6次産業化と地域振興の広がり
細目レベル
① この細目での理解は、地域内循環と雇用創出の視点から、6次産業化が地域経済に与える影響を説明できる段階まで。ここでは、農産物を生産するだけでなく、地域内で加工・販売まで行うことで、お金が地域の外へ流出せず、地域内で循環する仕組みを整理する。例えば、生産物を外部企業に出荷する場合と、地元で加工し地元で販売する場合を比較し、収益が地域に残る割合がどのように変わるかを確認する。また、加工や販売の工程が増えることで、地域内に新たな雇用が生まれる可能性があることを理解する。方法としては、簡単な模式図を用いて「地域外流出」と「地域内循環」の違いを可視化し、雇用創出との関係を整理する。本細目では、詳細な地域経済分析や統計資料の読み込みには踏み込まず、6次産業化が地域経済の活性化に結び付くという基本的理解に位置づける。
② この細目での理解は、手洗い・温度管理・消費期限・HACCPの基本を踏まえ、食品衛生管理が信用を守る仕組みであることを説明できる段階まで。ここでは、手洗いの徹底が食中毒予防の基本であることを確認し、目に見えない微生物の存在を意識する。また、温度管理については、加熱不足や常温放置が品質低下や腐敗の原因になることを整理する。さらに、消費期限表示の意味を理解し、期限設定が安全性と直結していることを確認する。HACCPについては、「危害要因をあらかじめ予測し、重要な管理点を記録・確認する仕組み」であることを基礎レベルで整理する。方法としては、実際の加工工程を振り返りながら、どの場面で衛生確認が必要かを具体的に確認する。本細目では、法令の詳細や高度な微生物学には踏み込まず、衛生管理が信用と継続経営を支える基本であることを理解する基礎的レベルに位置づける。
③ この細目での理解は、直売や体験型農業、農泊などを例に、6次産業化が地域振興へ広がる仕組みを説明できる段階まで。ここでは、直売所での販売、収穫体験や体験型農業、農家民宿や古民家を活用した農泊(農村滞在型旅行)などを具体例として取り上げる。これらはいずれも地域資源(農産物、景観、文化、人材)を活用して付加価値を生み出す取り組みであることを整理する。加工に限らず、「農業+観光」「農業+体験」といった形で価値が広がることを理解する。方法としては、地域内での成功事例や模式図を示し、農産物がどのように地域経済の循環に結び付くかを視覚的に整理する。本細目では、観光政策や制度設計の詳細には踏み込まず、6次産業化が地域活性化へ展開する可能性を理解する基礎的レベルに位置づける。
キーワード
① 地域内循環 ② 雇用創出 ③ 食品衛生管理 ④ HACCP ⑤ 地域資源活用
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回の講義内容を振り返り、6次産業化が地域経済とどのように結び付くのかを整理してください。まず、地域内で加工・販売まで行うことでお金が地域に循環する仕組みを説明できるようにまとめましょう。次に、雇用創出との関係を確認し、工程が増えることが地域にどのような影響を与えるのかを整理してください。また、食品衛生管理の基本(手洗い・温度管理・消費期限・HACCP)がなぜ信用を守る仕組みとなるのかをまとめてください。さらに、直売や体験型農業、農泊などの取り組みが、どのように地域振興へ広がるのかを自分の言葉で説明できるようにしておくことが重要です。6次産業化が単なる加工ではなく、地域全体の活性化につながる構造を理解しておきましょう。
◆次回授業の予習
次回は農業基礎演習Ⅰの総まとめを行います。予習として、これまで学んだ内容を「栽培技術」「水管理」「果樹の違い」「6次産業化」の4つの視点で整理してください。まず、水稲の移植や分げつ、水管理の基本を振り返り、なぜ植え方や水深が収量に影響するのかを説明できるようにしましょう。次に、落葉果樹と常緑果樹の違いを整理し、葉の落ち方や生育周期の違いをまとめてください。また、6次産業化については、1次×2次×3次の意味と、原価・利益・地域内循環の関係を確認してください。最後に、「農業は作るだけではない」という視点から、栽培・経営・地域とのつながりを自分の言葉で簡潔にまとめておくことが重要です。
29
農業を“作業”から“考える営み”へ
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第29回実習では、これまでの授業で学んできた栽培技術・作物特性・農業経営の視点を総合的に整理し、農業を体系的に理解する段階に位置づけられる。これまでの実習では、水稲や野菜の播種・定植・水管理・収穫などの栽培技術、落葉果樹と常緑果樹の生育特性の違い、さらに6次産業化による付加価値創出や地域経済との関係について段階的に学んできた。本コマではそれらを振り返りながら、水稲の栽培管理の基本原理、一年生作物と多年生作物の管理思想の違い、そして生産・加工・販売を組み合わせた農業経営の仕組みを改めて整理する。栽培技術の理由や作物特性の違い、経営の視点を結び付けて理解することで、農業が自然環境・技術・経済の複合的な要素によって成り立つ産業であることを把握する。したがって本コマは、個別に学んできた知識を統合し、農業の全体像を体系的に整理する総まとめの実習として、科目全体の理解を完成させる重要な位置を担っている。
◆コマ主題細目①
・第29回テキスト「農業を“作業”から“考える営み”へ」 第1節「栽培技術の総整理」
◆コマ主題細目②
・第29回テキスト「農業を“作業”から“考える営み”へ」 第2節「果樹と野菜の違い」
◆コマ主題細目③
・第29回テキスト「農業を“作業”から“考える営み”へ」 第3節「6次産業化と農業経営」
コマ主題細目
① 栽培技術の総整理 ② 果樹と野菜の違い ③ 6次産業化と農業経営
細目レベル
① この細目での理解は、移植・分げつ・水管理・株間の意味を踏まえ、主要な栽培技術の理由を説明できる段階まで。ここでは、水稲の移植と直播の違いを確認し、なぜ移植によって均一な生育を確保するのかを整理する。また、活着とは何か、分げつが収量にどのように関係するのかを改めて確認し、水管理が生育を左右する仕組みを整理する。さらに、深植えを避ける理由や株間を確保する意味を、倒伏や生育競合の観点から説明できるようにする。方法としては、模式図や写真を用いて「正しい管理」と「誤った管理」の比較を行い、それぞれの結果の違いを論理的に整理する。本細目では、専門的な生理学や品種別特性には踏み込まず、主要な栽培技術の目的と効果を説明できる基礎的レベルに位置づける。
② この細目での理解は、一年生と多年生の違いを踏まえ、落葉果樹と常緑果樹の特徴および果実を守る管理思想の違いを説明できる段階まで。まず、野菜の多くは播種や定植から収穫までを1年以内に終える一年生作物であり、毎年更新されることを確認する。一方、果樹は同じ樹体を何年も維持しながら収穫を続ける多年生作物であり、長期的な樹勢管理が重要であることを整理する。また、落葉果樹と常緑果樹の違いにも触れ、休眠の有無や年間の生育リズムが管理方法に影響することを理解する。さらに、袋掛けなど果実を守る管理技術が品質や価格に直結する点を確認する。方法としては、野菜と果樹の栽培期間・管理内容を表にまとめ、違いを視覚的に整理する。本細目では、専門的な樹体生理や経営論には踏み込まず、作物ごとの管理思想を説明できる基礎的レベルに位置づける。
③ この細目での理解は、1次×2次×3次の構造と原価・利益・地域内循環の関係を踏まえ、農業を経営として説明できる段階まで。ここでは、6次産業化の基本構造である「1次(生産)×2次(加工)×3次(販売)」を整理し、作るだけでは十分な利益が確保できない場合があることを確認する。さらに、原価と利益の関係を振り返り、売上から材料費や人件費などを差し引いた残りが利益であることを再確認する。また、加工や販売を地域内で行うことでお金が地域に循環し、雇用創出につながる構造を理解する。方法としては、具体例や簡単な模式図を用いて、農産物がどのように価値を高め、地域経済に影響を与えるかを整理する。本細目では、詳細な経営戦略や財務分析には踏み込まず、農業を経営として考える基礎的な視点を持つことに位置づける。
キーワード
① 移植・分げつ・水管理 ② 株間・浅植え ③ 一年生と多年生 ④ 落葉果樹と常緑果樹 ⑤ 6次産業化(原価・地域内循環)
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回の授業では、これまでの学習内容を三つの視点で整理してください。まず、栽培技術について、移植や分げつ、水管理、株間の意味を振り返り、「なぜその方法で育てるのか」を説明できるようにまとめましょう。次に、果樹と野菜の違いを整理し、一年生と多年生、落葉果樹と常緑果樹の違い、果実を守る管理の意味を確認してください。最後に、6次産業化の構造を復習し、1次×2次×3次の関係、原価と利益の違い、地域内循環の考え方を整理しましょう。「農業は生産だけではなく、管理と経営を含む営みである」という視点を、自分の言葉で簡潔にまとめておくことが重要です。
◆次回授業の予習
次回は病害虫と農薬に関する内容の総まとめを行います。予習として、まず「害虫」とは何かを整理し、昆虫だけでなくどのような生物が農業に被害を及ぼすのかを確認してください。次に、害虫防除では「何という種か」を正確に知ることがなぜ重要なのかをまとめましょう。どの時期に、どの作物のどの部位に被害が出るのかを判断する視点を整理してください。また、害虫の観察や同定に必要な外部形態の特徴や検索表の役割についても復習してください。さらに、農薬の種類(殺虫剤・殺菌剤など)と適切な使用方法、農薬が生活や環境に与える影響を整理しましょう。気になった用語は事前に調べ、講義で質問できるよう準備することが重要です。
30
農業における病害虫への対策
科目の中での位置付け
「農業基礎演習Ⅰ」は、農業についての基本的な知識と技術を学びながら、実際の体験を通して「作る」、「加工する」という農業の一連の流れを学ぶ授業です。この授業では、野菜などの作物を育てるために必要な、種まき(播種)や苗の植え付け(定植)、肥料をまく(施肥)、病気や虫の対策(病害虫防除)、そして収穫までの作業を実際に体験していきます。さらに、収穫した作物を加工して商品にしたり、売るための工夫を考えたりもします。授業では、地域に合った農業の方法を学び、将来にわたって続けられる「持続可能な農業」の考え方や、「6次産業化」と呼ばれる、生産・加工・販売を一体で考えるやり方についても理解を深めます。
たとえば、第12回、第16回では顕微鏡を使って虫を観察し、どんな害虫が作物に悪さをするのかを調べ、防ぐ方法を学びます。第7回では、愛媛県の特産であるミカン(カンキツ)を育てている和泉農園に行き、木の手入れや肥料まき、害虫対策などを体験します。第15回から第27回では、エダマメやミニトマト、ナス、キュウリなどの収穫を行いながら、農薬の使い方やルール(農薬取締法)について学びます。第11回では、杖ノ淵公園にある田んぼで田植えを行い、お米作りの基礎を学びます。第12回では、農業試験場について学び、新しい品種の開発や病気・害虫への対策がどのように行われているかを知ります。第25回、第26回では、調理専門学校に行き、収穫した野菜を使ってパスタ、ピザやピクルスを作る実習を行います。商品にするためのパッケージ作りや販売のアイデアも考えます。第28回では、最後の収穫や畑の片づけをしながら、再び害虫の観察と分類を行います。第30回では、これまでの作業を振り返りながら、畑をきれいに整え、授業のまとめをします。
このように「農業基礎演習Ⅰ」では、野菜や果物を育てるだけでなく、それをどう活かして売るかまでを体験できます。農業の経営や、未来に向けて続けられる農業の形について考える、とても大切な授業です。実習のときには、30人以下の少人数でグループに分かれて作業を進めるため、協力しながらじっくり学ぶことができます。
第30回の授業では、これまでに修得してきた病害虫防除に関わる内容について改めて概説します。農業における病害虫の基礎知識を学び、観察し同定するために必要な知識と技術を修得します。また、農薬に関する正しい知識を身につけ、我々の生活に農薬が果たしている役割について考察します。さらに、農業の現場で問題となっている様々な事象に対して、日々調査・研究を行っている農業試験場の業務についても学び、持続可能な農業の実現にむけて考察します。
◆コマ主題細目①
・第30回テキスト「農業における病害虫への対策」第1節「病害虫の基礎知識」
◆コマ主題細目②
・第30回テキスト「農業における病害虫への対策」第2節「農薬の基礎知識」
◆コマ主題細目③
・第30回テキスト「農業における病害虫への対策」第3節「農業試験場の基礎知識」
コマ主題細目
① 病害虫の基礎知識 ② 農薬の基礎知識 ③ 農業試験場の基礎知識
細目レベル
① 「病害虫」が農業に及ぼしている影響は多大なるものです。日本の1億を超える人口の食料需要をまかなうためには、病害虫防除の実施は欠かせません。しかし、いたずらに防除を実施しても、非効率・非経済的になるだけではなく、場合によってはこれまで構築されてきた防除のシステムそのものが成立しなくなるような事態を招く恐れもあります。持続可能な農業の実現のためには、効率的に適切な病害虫防除を計画し、実施していかなければなりません。そのための第一歩として、問題となっている害虫の種を観察し、同定し、適切な防除法を選択することの重要性を学びます。特に、害虫の目レベルでの同定を修得し、種レベルでの同定に必要な観察技術と適切な文献選びについて学びます。ここで学修するのは、持続可能な農業に向けた効率的な病害虫防除の重要性を理解し、害虫の目レベルから種レベルでの同定に必要な観察技術と適切な防除法選択の基礎を修得することまで。
② 現在の農業において、「農薬」の使用は欠かせません。「農薬」の使用を全面的に廃止した場合、多くの人間の命が失われることになるでしょう。しかし、「農薬」は我々人間を含む生態系に正と負の大きな影響を及ぼしていることも無視することはできません。ここでは、農薬の歴史を学びながら、農薬が農業に果たしてきた役割について学びます。また、農薬の種類についても基礎知識として修得します。農薬には様々な種類(粉剤、液剤、水和剤など)があり、それぞれで使用方法が大きく異なります。用法・用量を守らなかった場合に、どのような影響が考えられるのかについても深く理解します。農薬に関する正しい知識を身につけることで、農薬が及ぼす様々な影響を科学的に判断し、持続可能な農業の実現に向けて農薬の今後の利活用について考察します。ここで学修するのは、農薬の歴史と農業に果たしてきた役割を理解し、農薬の種類や正しい使用方法、用法・用量を守らない場合の影響を踏まえて、持続可能な農業に向けた農薬の適切な利活用について考察することまで。
③ 農業の現場では、日々いろいろな問題が生じています。病害虫の問題だけではなく、栽培方法などの問題も含まれます。そのような種々の問題を解決し、持続可能な農業を実現していくためには様々な調査・研究が必要となります。生産者の方々が自ら調査・研究されている場面もありますが、それだけでは不十分なことも少なくありません。日本では、国や都道府県が管轄する「農業試験場」が設置されており、そのなかで農業の発展に寄与するために様々な調査・研究が実施されています。ここでは、「農業試験場」の業務内容について理解し、どのような形で生産者の方々を支援しているのかについて学びます。また、「農業試験場」が業務として実施しているような基礎的な調査・研究を、生産者ではなく公的な機関が実施することの意義を理解し、持続可能な農業の実現に必要な考え方について学びます。ここで学修するのは、農業試験場の業務内容と生産者支援の役割を理解し、公的機関が基礎的な調査・研究を担う意義を踏まえて、持続可能な農業の実現に必要な考え方を学ぶことまで。
キーワード
① 病害虫 ② 同定 ③ 農薬 ④ 農業試験場 ⑤ 持続可能な農業
コマの展開方法
社会人講師
AL
ICT
PowerPoint・Keynote
教科書
コマ用オリジナル配布資料
コマ用プリント配布資料
その他
該当なし
小テスト
「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題
◆今回授業の復習
今回の授業では、これまでに修得してきた病害虫防除に関する様々な知識と技術について振り返りました。この科目を通して、実際に農作物を栽培することの難しさを実感してもらえたのではないでしょうか。スーパーマーケットなどに陳列されている農作物のように、「商品」として出荷するためには生産者の方々が多大な労力をかけていることも理解できたのではないでしょうか。農作物における様々な害虫に関する基礎的な知識を深め、同定することが適切な病害虫防除の一歩であることを復習しましょう。また、現代の農業において「農薬」が重要な役割を果たしていることも重要なポイントです。農薬に関する正しい知識をつけ、現代の農薬にまつわる様々な問題について科学的な判断を下し、考察できるように理解を深めましょう。また、農業に関する様々な問題を解決するために、公的な機関として調査・研究を行っている「農業試験場」の果たす役割についても理解しておきましょう。文章教材を十分読み直し、生成AIを用いた復習方法を実施し、授業内容の理解を深めてください。
履修判定指標
履修指標
履修指標の水準
キーワード
配点
関連回
①安全管理と実習参加の基本姿勢
【★初級】農業実習が教室内の座学とは異なり、屋外で身体を動かし、天候・地面・道具・周囲の人の動きに注意しながら行う学習であることを理解している段階である。具体的には、帽子・手袋・長靴・飲料・タオルなどを持参する理由を説明でき、危険防止や体調管理と結び付けて理解していることが求められる。また、遅刻や忘れ物が単なる態度の問題ではなく、実習全体の安全や進行に影響することを理解し、指示を聞いて基本的な行動がとれる状態を「基礎」を身につけた水準とみなす。
【★★中級】安全管理を「注意されたから守ること」ではなく、自分で危険を予測して行動を調整する力として理解している段階である。たとえば、暑熱時にこまめな水分補給を判断できる、ぬかるみや農具の置き方に注意できる、共同作業の中で他者との距離や動線を考えられる、などが含まれる。また、実習前に必要物を自分で確認し、不適切な服装や準備不足がどのような事故や学習機会の損失につながるかを具体的に説明できることが重要である。基礎を土台にして、自律的な安全行動へ進んでいる水準である。
【★★★上級】自分自身の安全確保にとどまらず、実習全体を安全かつ円滑に進めるために、周囲の学生にも配慮した行動がとれる段階である。たとえば、危険な道具の扱い方や通行の妨げになる物の置き方に気づいて声をかけられる、天候や体調の変化を踏まえて休憩や水分補給の必要性を判断できる、共同作業の中で役割分担や確認を促せる、などである。つまり「安全の基礎」を、知識として知るだけでなく、現場の状況に応じて実践し、他者と協力しながら維持できる水準であり、実習者として高い責任感を持って参加できている状態である。
安全管理、自己管理、服装・持ち物、実習準備、協働作業
-
1
②播種・定植・初期生育管理の基礎技術
【★初級】播種と定植の違いを理解し、作物によって「種をまく」のか「苗を植える」のかが異なる理由を基本的に説明できる段階である。さらに、播種では播種深・覆土・水分管理が発芽に関わり、定植では植え付け深さ・根鉢の扱い・定植後の水やりが活着に関わることを理解していることが求められる。ここでいう「基礎」とは、作業名を覚えるだけではなく、なぜその作業が必要なのかを、ニンジン、ダイコン、トマト、キュウリ、キャベツなどの具体例と結び付けて説明できる状態を指す。
【★★中級】作物の特性を踏まえて、播種や定植の方法を選び、その後の初期管理の要点を判断できる段階である。たとえば、直根性作物は直播が向く、果菜類は育苗苗を用いた定植が有利、セルトレイ苗は根鉢を崩さずに扱う必要がある、といった判断ができることが含まれる。また、不織布による初期保護、支柱立てを見据えた株配置、活着不良の兆候なども理解し、単なる作業手順ではなく「初期生育を安定させるための考え方」として説明できることが重要である。基礎技術を作物別に使い分けられる水準である。
【★★★上級】播種・定植・初期管理を一連の流れとして捉え、作物の生育特性、圃場条件、今後の管理作業まで見通して判断できる段階である。たとえば、株間や条間が後の誘引・わき芽かき・つる返し・収穫作業にどう影響するかを説明でき、発芽不良や活着不良が生じた場合に、原因を播種深、過湿、乾燥、根傷みなどから推定できることが求められる。ここでの上級は、高度な専門技術を意味するのではなく、「なぜその植え方なのか」「その後どう管理につながるのか」を因果関係で説明し、実習場面で適切に応用できる状態を指す。
播種、定植、活着、覆土、水分管理、初期生育
-
2、3、4、5、6、10、13、14、17
③作物特性の理解と栽培管理の説明力
【★初級】作物にはそれぞれ異なる生育特性があり、その違いによって栽培方法や管理方法が変わることを理解している段階である。たとえば、ダイコンやニンジンは直根性、キュウリやカボチャはつる性、トマトやナスは果菜類、タマネギは浅植えが重要、水稲は分げつと水管理が重要、といった基本事項を説明できることが求められる。ここでいう「基礎」とは、作物名と作業名を結び付けて丸暗記することではなく、「その作物がどう育つから、その管理が必要になるのか」を一つひとつ関連づけて理解している状態を指す。
【★★中級】作物特性を栽培管理や収穫判断に結び付けて説明できる段階である。たとえば、トウモロコシでは風媒花であることが株配置や受粉に関わる、タマネギでは葉の倒伏が収穫適期の目安になる、サツマイモやジャガイモでは地下部の肥大が収穫時期の判断に関わる、などである。また、果樹と野菜、一年生と多年生、落葉果樹と常緑果樹の違いを、単なる定義ではなく、管理時期・管理方法・収穫後の扱いの違いと関連づけて説明できることが重要である。作物理解が管理判断に結び付いている水準である。
【★★★上級】複数の作物を比較しながら、作物特性と栽培管理の違いを体系的に説明できる段階である。たとえば、根を収穫する作物、果実を収穫する作物、果樹のように多年にわたって管理する作物を比較し、収穫部位・生育年数・生育周期・環境適応の違いが管理思想を変えることを論理的に説明できる。また、収穫適期や管理作業を個別の知識としてではなく、「生育のどの段階にいるか」をもとに判断できることも含まれる。基礎知識が断片ではなくつながっており、農業を「作物ごとの違いを見て考える営み」として理解できている状態である。
作物特性、根菜・果菜・葉菜、つる性、直根性、生育周期、収穫適期
①②③で30
9、18、21、22
④水田・果樹を含む農業の多様性理解
【★初級】畑作物だけでなく、水田作物や果樹には、それぞれ固有の生育環境と管理方法があることを理解している段階である。具体的には、水稲では移植・株間・浅植え・水深が重要であり、果樹では一年生野菜と異なり、長い生育年数や年間管理が必要であることを説明できることが求められる。また、落葉果樹は冬に葉を落とし、常緑果樹は葉を保つという基本的な違いを理解していることも含まれる。ここでの「基礎」は、農業を畑作だけで捉えず、多様な作物体系があることを把握できている状態を指す。
【★★中級】水田と果樹について、生育特性の違いが具体的な管理の違いを生むことを説明できる段階である。たとえば、水田では田面の均平、用排水管理、活着や分げつの観察が重要であり、果樹では休眠期、花芽形成、果実品質保持、収穫後管理が重要になることを説明できる。また、落葉果樹と常緑果樹の違いを、葉の有無だけでなく、気候適応、生育周期、管理時期と結び付けて説明できることが求められる。つまり、多様な農業形態の違いを管理論として理解できている水準である。
【★★★上級】水田農業と果樹農業を比較しながら、作物の生育周期・生育環境・収穫対象・管理目的の違いを体系的に説明できる段階である。たとえば、水稲では均一な生育と穂数確保のための植え方と水管理が重要であり、果樹では樹体維持と品質保持のための長期的管理が重要であることを論理的に説明できる。また、落葉・常緑、多年生・一年生、収穫前管理・収穫後管理の違いも一つの枠組みで整理できる。個別知識を越えて、「作物の生き方が違うから、管理の思想も違う」と説明できる状態を上級水準とする。
水稲、移植、分げつ、水管理、落葉果樹、常緑果樹、多年生
-
19、23、24
⑤6次産業化・加工・地域経済の基礎理解
【★初級】農業が「作って終わり」ではなく、生産・加工・販売まで含めて成り立つ産業であることを理解している段階である。具体的には、1次=生産、2次=加工、3次=販売という区分を説明でき、加工や販売を加えることで付加価値が生まれることを理解していることが求められる。また、「売上=利益ではない」ことを知り、材料費や容器代などの原価が必要であることを説明できることも重要である。ここでいう「基礎」とは、農業経営を難しい専門知識ではなく、作物が商品になる流れとして理解できる状態を指す。
【★★中級】6次産業化が利益構造や地域経済にどのような影響を与えるかを具体例で説明できる段階である。たとえば、みかんをそのまま販売する場合と、ジュースやジャムに加工して販売する場合とを比較し、価格だけでなく原価や手間の違いを踏まえて利益を考えられることが求められる。また、加工や販売を地域内で行うことで、地域内循環や雇用創出につながることも理解している必要がある。さらに、加工工程の手間や時間、安全確認が価値形成に関わることを説明できることが、中級水準の目安である。
【★★★上級】6次産業化を、経営・衛生・地域振興を統合した視点から説明できる段階である。具体的には、付加価値の創出だけでなく、原価管理、継続的な改善、食品衛生、HACCP的発想、消費者からの信用、地域資源活用、体験型農業や農泊への展開までを関連づけて説明できることが求められる。ここでの上級は、単に「加工すると高く売れる」と考えるのではなく、「安全で、継続でき、地域にも利益をもたらす形で価値を作ること」が重要だと理解できている状態である。農業を経営と地域社会の双方から捉えられている水準である。
6次産業化、付加価値、原価と利益、食品衛生、地域内循環、地域振興
④⑤で40
20、27、28、29
⑥病害虫防除の基礎と実践的な観察力の習得
【★初級】
・病害虫防除において、病害虫を同定する意義を理解している。
・病害虫防除について、どのような種類があるのかを理解している。
【★★中級】
・病害虫について、どのような種類があるのかを理解している。
【★★★上級】
・病害虫防除において、発生している病害虫から適切な農薬などの防除手法を選択できる。
病害虫防除、農薬、病害虫の同定、害虫の分類群
-
8, 2,, 25, 30
⑦病害虫防除における農薬の役割
【★初級】
・病害虫防除において、どのような種類の農薬が使用されているのかを理解している。
【★★中級】
・農薬を使用する上での注意点を理解している。
【★★★上級】
・農薬が生態系と我々の生活に及ぼしてきた影響について、正と負の両面を理解している。
農薬、農薬取締法、薬害、効果、適用病害虫
-
15, 16
⑧病害虫の調査技術の習得
【★初級】
・顕微鏡について、双眼実体顕微鏡の特性を理解している。
・顕微鏡について、その使い方や使用上の注意を説明できる。
・農業試験場が全国に設置されている意義を理解している。
【★★中級】
・様々な病害虫のサンプルの観察について、適切な器具と手法を選択できる。
【★★★上級】
・観察方法について、農業の現場で実施されている手法を理解している。
顕微鏡、標本、農業試験場、予察、観察
⑥⑦⑧で30
7, 12, 26
評価方法
期末試験100%とします。
評価基準
評語
学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・
S (100~90点)
学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・
A (89~80点)
学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・
B (79~70点)
学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・
C (69~60点)
学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・
D (60点未満)
教科書
解説教材
参考文献
① 農山漁村文化協会 編『農業技術大系 野菜編(基礎)』、農山漁村文化協会、3,080円、② 木嶋利男『野菜づくり大図鑑』、家の光協会、3,080円、③ 藤崎憲治『昆虫学 基礎と応用』、朝倉書店、4,180円、④ 日本植物防疫協会 編『農薬ハンドブック2023年版』、日本植物防疫協会、3,300円、⑤ 斎藤修 編『6次産業化の理論と実践』、農林統計出版、2,860円、⑥ 農山漁村文化協会 編『現代農業(雑誌)』、農山漁村文化協会、1,000円(1冊)
実験・実習・教材費
本実習では、実習費として 9,000円 を徴収します。 この実習費は、種子・苗・農業資材の購入費をはじめ、実習で使用する設備・備品の維持管理費などに充てられます。 実習は屋外での作業が中心となるため、各自、動きやすく汚れてもよい服装で参加し、タオルおよび飲料水を必ず持参してください。 なお、天候や作物の生育状況によっては、実習内容や作業の順序がコマシラバスと異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。