区分 農業フィールド科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
自然と生物の専門知識 フィールド生物調査 環境データ解析
自然共生社会
カリキュラム・ポリシーとの関係
教養 分析思考 実践技能
フィールド間連携
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
 フィールド自然学科は、自然と人間が共存できる社会を目指し、科学的知見に基づいた教育と研究をおこなう学科である。陸域・水域・農業の3つの分野について詳しく学ぶとともに、統計データ解析や幅広い教養を育むカリキュラムを編成している。また、柔軟な考え方や実践的な提案力を養うため、学科共通の授業や複数の分野にかかわる授業も設けている。これにより、幅広い視野をもち、さまざまな課題に対応できる人材を育成する。
  「農業基礎演習Ⅱ」は、「農業基礎演習Ⅰ」で学んだ“育てる農業”の体験をふまえ、それをさらに発展させた内容となっています。この授業では、より多様な作物の栽培や、収穫・加工までを実際に体験することで、農業の流れ全体を深く理解します。たとえば、畑で野菜を育てるだけでなく、収穫した作物を使ったジャムやピクルスの加工、販売方法やパッケージの工夫まで学びます。また、田や果樹園などでの収穫作業や、地域生産者の現場見学をとおして、地域と連携した農業のかたちも学びます。農業における「育てる」「作る」「伝える」「売る」といった一連の流れを実体験を通して学ぶことで、自分たちの手で社会に価値を生み出す感覚を育てます。

科目の目的
農業基礎演習Ⅱは、1年次後期に行われる実習科目であり、農作物の栽培から収穫、さらに病害虫管理や加工に至るまでの一連の作業を体験的に学ぶことを目的としています。前期の「農業基礎演習Ⅰ」で培った基礎的な知識と技術をふまえ、より実践的かつ応用的な内容に踏み込むことで、農業に対する理解と興味を深める機会となります。

この科目は、今後履修する「土壌生態学」や「農業生態学」、「生産環境学」などの専門科目につながる導入的な役割を果たします。実習を通じて土壌や気象、生物環境と農作物の関係を体感的に理解することで、2年次以降の理論的学習の基盤を築きます。

農業を取り巻く環境問題や食料の安定供給、地域農業の持続可能性が問われるなか、学生が実際に土に触れ、作物の成長や農作業の大変さを体験することは、食と環境のつながりを考える上で大きな意義を持ちます。この演習を通じて、将来、農業分野で活躍するための視野と実践力を養います。

到達目標
《1》基礎I 農作物(トマト、イチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモ、水稲、サツマイモ、タマネギ)の栽培に関する最低限の知識と技術を身につけ、説明できる。
《2》基礎II 農作物(トマト、イチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモ、水稲、サツマイモ、タマネギ)の播種から収穫、加工に至るまでの流れを理解し説明できる。
《3》応用I  農業生産に必要な作業を自ら計画・推敲し、自然条件や生育状況に対応できる。
《4》応用II 農作物に発生する様々な病害虫に対して、適切な防除手法を自ら調べて実践できる。

科目の概要
 農業基礎演習Ⅱは、1年次後期に開講される実習科目です。本授業では、春から初夏にかけて播種・定植された作物の栽培管理を継続しつつ、新たに秋まき・秋植えの作物にも取り組みます。作物の播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの一連の実習を通じて、作物の生育段階や環境条件に応じた管理方法を実践的に学びます。さらに、稲刈りや柑橘の収穫など地域農業に根ざした作業体験も取り入れ、農業の多様性を実感します。また、圃場での観察に加え、病害虫に関する基礎講義や顕微鏡観察、農産物の加工実習なども行い、食と農を包括的に捉える力を育てます。年間を通じてグループでの作業を基本とし、協働力や責任感の育成も図ります。前期の農業基礎演習Ⅰでの学びをさらに深め、2年次以降の専門的な学修への橋渡しとなることを目的としています。

 授業の前半では、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。授業の後半では、栽培している様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。演習では、主に学内圃場で作業をするが、一部の回(稲刈り、カンキツ類の管理・収穫)では学外で実習を行う。また、栽培・管理・収穫の学修のなかで、病害虫防除に関するさまざまな知識と技術を修得します。

科目のキーワード
播種、定植、栽培管理、収穫、支柱立て、間引き、施肥、病害虫防除、顕微鏡観察、加工実習、有機物、圃場整理
授業の展開方法
 農業基礎演習Ⅱは、全30回にわたる授業の中で、圃場での実習を中心に展開されます。第1回ではオリエンテーションを行い、本実習の目的や安全管理の基本事項、グループ編成などについて確認します。第2回以降は、播種や定植といった初期の栽培作業から始まり、次第に施肥や病害虫防除、収穫作業、圃場の管理など、栽培の各段階に応じた実践的な内容を学んでいきます。第9回・第10回には稲刈りを、第15回・第16回には柑橘類の収穫を実施し、より応用的かつ地域に根ざした実習も取り入れ、農業の現場とその多様性について体験的に理解を深められる構成となっています。授業では、大学の圃場に加えて、地域の農園や加工施設との連携も積極的に活用します。柑橘類の演習では、地域の果樹農家である瀬戸内ゆうき農場を訪れ、柑橘の収穫作業を体験する予定です。この実習では、果樹の管理方法や収穫の適期、さらに選果や出荷に関する実務的な知識を、現場で直接学ぶ貴重な機会となります。

 また、第23回・第24回には、河原調理専門学校の協力のもと、収穫した農作物を用いた加工実習を行います。この実習では、調理や加工の技術に加え、食品衛生に関する基本的な知識も学習します。農産物の付加価値を高める加工という視点を取り入れることで、生産から流通・消費に至るまでの食と農のつながりを広く理解することを目指します。

オフィス・アワー
甲斐貴光:【前期】
農業基礎演習Ⅰ
農業地理学
基礎ゼミナールⅠ
土壌生態学
インターンシップⅠ
全科目:月曜昼~4限
【後期】
農業基礎演習Ⅱ
基礎ゼミナールⅡ
全科目:月曜1・2限
三瓶真:【前期】
地球環境学火曜3・4限
基礎ゼミナールⅠ木曜5限
【後期】
海洋と水産の科学月曜5限
海洋学演習金2限・5限
基礎ゼミナールⅡ火曜4・5限
松原慧:【前期】
情報リテラシーⅠ金曜5限
農業基礎演習月曜4限
基礎ゼミナールⅠ木曜4限
【後期】
情報リテラシーⅡ金曜5限
農業基礎演習Ⅱ月曜5限
基礎ゼミナールⅡ火曜5限
昆虫生態学水曜5限

科目コード TF2022
学年・期 1年・後期
科目名 農業基礎演習Ⅱ
単位数 4
授業形態 演習
必修・選択 選択
学習時間 【授業】90分×30 【予習】90分以上×30 【復習】90分以上×30
前提とする科目
展開科目
関連資格
担当教員名 甲斐貴光・三瓶真・松原慧
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 オリエンテーション:実習の目的 科目の中での位置付け  本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

 第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第1回の授業では、オリエンテーションとして、本科目全体の基盤を形づくる導入的な位置付けを担っています。本科目は、農業の基礎的な知識と技能を、講義と実習を通じて段階的に身につけることを目的としていますが、その最初のステップとして、この回では「実習に臨む心構え」と「基本操作の習得」を同時に学ぶことを重視しています。具体的には、安全管理や農具の取り扱いといった基本的ルールを理解することで、今後の実習全体を通して事故やトラブルを未然に防ぐ力を養います。あわせて、中玉トマトのポット栽培やイチゴの定植といった比較的取り組みやすい実習課題を導入することで、学生が「農業の作業工程」を体験的に理解し始めるきっかけを提供します。さらに、この回は「育苗」や「定植」といった栽培の出発点に焦点を当てており、植物を育てるうえで欠かせない初期段階の重要性を理解する機会となります。中玉トマトではポットという小さな単位での管理を通して、生育環境の細やかな調整や観察の大切さを学びます。一方、イチゴの定植では植え付けの深さや株間など、後の生育に直結する基礎技術を習得します。これらは今後、畑での本格的な播種・定植・管理作業へと進む際の土台となり、栽培全体を見通す力につながります。したがって、このコマは単なる「導入」ではなく、①安全・協働・環境配慮という実習態度の確立、②育苗や定植の初期作業を通じた栽培の基礎理解、③観察記録や振り返りによる学習習慣づけ、という3つの意義を併せ持つものです。これにより、学生は今後の授業を安心して主体的に進める準備が整い、全体の学びを支える基礎力を養うことができます。

◆コマ主題細目①
・板木利隆『カラー図解 野菜づくり大百科』家の光協会、2018年、pp.20~45「野菜づくりの基本」(農具・土づくり・作業準備)
◆コマ主題細目②
・板木利隆『カラー図解 野菜づくり大百科』家の光協会、2018年、pp.210~225「トマト(中玉トマトを含む)」
◆コマ主題細目③
・板木利隆『カラー図解 野菜づくり大百科』家の光協会、2018年、pp.300~315「イチゴ」
コマ主題細目 ① ガイダンス、実習における諸注意 ② 中玉トマトのポット栽培 ③ イチゴの定植
細目レベル ①  本細目では、農業実習に参加する学生が安全かつ責任ある態度で取り組めるよう、基本的な心得を具体的に指導する。まず、農具(スコップ・鍬・鎌・はさみ等)の正しい使い方と管理方法について、実物を用いたデモンストレーションを交えて説明する。続いて、作業中に想定されるリスク(熱中症・転倒・刃物のけが・虫刺されなど)とその予防法について、事例をもとに解説する。服装(長袖・軍手・帽子・長靴等)やマスク着用、衛生管理の重要性もあわせて確認する。また、協働作業におけるコミュニケーションや、指示の受け方・声かけの仕方といった「チームワークのマナー」も強調する。畑は多人数で使う場であることから、自分勝手な行動が他者の安全に影響することを具体例を挙げながら理解させる。最後に、農地や自然環境は「借りている場所」であるという意識を持たせ、ゴミの持ち帰り、踏み荒らしの防止、水や道具の無駄遣いなど、環境配慮の観点も重視する。全体を通してプリントを配布し、チェックリスト形式で確認しながら進めることで、学生の理解度を可視化・共有し、今後の実習に活かせる土台を形成する。
②  この授業では、中玉トマトの育苗をテーマに、ポット栽培に必要な基本的な知識と技術を、実習を通して身につけていきます。はじめに、育苗の目的や重要性について講義を行い、種からではなく苗から育てる理由や、育苗期間中の管理がその後の収穫量や品質に大きく影響することを説明します。そのうえで、ポットのサイズや材質の違い、通気性・排水性といった性質を観察しながら理解を深め、適切な培養土の配合(排水性・保水性・肥料持ち)について考察します。作業面では、苗の扱い方(本葉の枚数、茎の太さ、根鉢の形成状況の確認)、定植前の仮置きや植え替えの手順について指導します。特に、根を傷めないように持つ方法や、浅植え・深植えによる生育への影響については、実演を交えながら丁寧に学びます。さらに、ポット栽培では水分や肥料が失われやすいため、乾燥の兆候や葉の色・姿勢の変化など、生育状況を見極める観察ポイントを整理します。給水のタイミングや量についても、班ごとに実際に水やりを体験し、土の乾湿の違いを体感的に学びます。また、育苗中の観察記録の取り方についても指導し、今後の比較や考察に活用できるよう、観察ノートの書き方(記録すべき項目:日時、天候、気温、作業内容、気づきなど)を紹介します。育苗は単なる準備段階ではなく、植物の生育リズムを理解し始めるための重要なステップであることを、実体験を通して学んでいきます。
③  この授業では、イチゴの定植作業を中心に、苗の扱い方から植え付け後の管理方法までを実習を通じて丁寧に学びます。まず、イチゴ栽培の年間スケジュールを簡単に紹介し、秋に定植することで翌春の収穫を目指す栽培の特徴について理解を深めます。その上で、イチゴ苗の根の構造や弱点について説明し、苗を傷つけない持ち方や仮置きの注意点を実演を交えて指導します。実際の定植作業では、植え付けの深さや株間を定規などを使って正確に測り、浅すぎたり深すぎたりすることでどのような生育不良が起こるかについても事例を挙げて解説します。特にクラウン部分(土に埋めすぎると腐りやすく、浮きすぎると乾燥する)の位置の適切さを実習の中で繰り返し確認させます。また、植え付け後の水やりのタイミングと量、活着を促すための土の押さえ方についても、実際に手を動かしながら習得します。さらに、イチゴは寒さに当たることで花芽分化が促進される作物であることから、冬越しに向けた管理(マルチング、寒冷紗の利用、敷きワラなど)の考え方についても紹介します。授業の終盤では、苗の植え付け作業において気づいた点や難しかった点を班ごとに共有し、理解の定着と振り返りを行います。観察ノートへの記録を通して、作業と植物の反応を結びつけて考える習慣を養うことを目指します。
キーワード ① 実習の目的 ② 安全管理 ③ 農具の取り扱い ④ ポット育苗 ⑤ イチゴの定植
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
  今回の授業では、「農業基礎演習Ⅱ」の全体像や目的を確認し、実習において注意すべき安全管理 の基本、農具の取り扱い方、そして中玉トマトのポット育苗とイチゴの定植作業について実践を通 して学びました。次回に向けて、農具(スコップ、はさみなど)の正しい使い方を振り返り、事故を 防ぐための注意点や、作業時の服装・マナーについて再確認してください。また、ポット育苗では 苗の扱い方や水やりのタイミングが重要でした。イチゴの定植では、クラウンの位置や株間、植え 付けの深さが生育に与える影響について理解できたか振り返りましょう。観察ノートに記録した内 容をもとに、それぞれの作業の意図やポイントを自分の言葉で説明できるようにしておくと、次回 以降の実習がより深まります。

◆次回授業の予習
  次回の授業では、冬野菜(ハクサイ・ブロッコリーなど)の生育を支える初期管理について学習 を進めていきます。これに向けて、まず今回の授業で扱った畝立て作業の目的と手順を復習し、「な ぜその幅・高さ・向きにしたのか」について、自分の言葉で整理しておきましょう。また、ハクサイ やブロッコリーの定植時に注意すべき点(クラウンの位置、株間、根鉢の状態、土の押さえ方な  ど)を教科書や配布資料で再確認してください。さらに、ハクサイの結球やブロッコリーの頂花蕾 の形成といった作物特性と、それに適した植え方・環境づくりの関係についても理解を深めておく ことが重要です。可能であれば、インターネットや書籍などで「冬野菜の初期生育管理」や「マル チング」「寒冷紗の役割」について調べ、自分なりの疑問点を次回授業に持ち込めるようにしてく ださい。予習内容は観察ノートに簡単にまとめておくと、実習中に役立ちます。

2 冬野菜の栽培環境を整える ― 畝づくりから定植までの基礎を学ぶ 科目の中での位置付け  本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

 第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第2回の授業では、冬野菜づくりの本格的なスタートとして、畝づくりとハクサイ・ブロッコリーの定植作業を中心に展開します。本コマは、「農業基礎演習Ⅱ」の全体構成の中でも、作物栽培の実践段階へと移行する初めの重要な授業であり、以後の生育管理や収穫に直結する「栽培環境の土台づくり」を担う位置づけにあります。ここで学ぶ畝立てや定植作業は、単なる農作業ではなく、「なぜその幅・深さ・向きが必要か」「どのように植えれば作物が健康に育つか」といった思考を伴う技術です。ハクサイやブロッコリーのように寒さに耐えながら成長する冬野菜においては、初期の植え付けの良否が収穫の成否に大きく影響するため、本コマではその重要性を理論と実習の両面から丁寧に学びます。特に、観察力や記録力、環境を読み取る力を育むために、苗の状態や土壌の変化に目を向け、自分の判断を言語化して記録することを重視します。以後の授業で行う草取り・追肥・収穫・加工といった実践活動に向けて、この第2回で「よい栽培の準備とは何か」を理解することが、本科目全体の学びの基盤となります。

◆コマ主題細目①
・第2回テキスト「冬野菜の栽培環境を整える ― 畝づくりから定植までの基礎を学ぶ」 第1節「冬野菜づくりの第一歩 ― 畝づくりと定植作業」
◆コマ主題細目②
・第2回テキスト「冬野菜の栽培環境を整える ― 畝づくりから定植までの基礎を学ぶ」 第2節「ハクサイの特性をふまえた定植と環境づくり」
◆コマ主題細目③
・第2回テキスト「冬野菜の栽培環境を整える ― 畝づくりから定植までの基礎を学ぶ」 第3節「ブロッコリーの健全な初期生育を支える定植作業」
コマ主題細目 ① 冬野菜づくりの第一歩 ― 畝づくりと定植作業 ② ハクサイの特性をふまえた定植と環境づくり ③ ブロッコリーの健全な初期生育を支える定植作業
細目レベル ① この細目では、冬野菜(ハクサイ・ブロッコリーなど)の定植に向けた畝立て作業を中心に学びます。まず、畝立ての目的や効果(排水性の確保、作業効率の向上、病害虫予防など)について講義形式で説明し、その意義を理解したうえで実際の畑作業に入ります。実習では、鍬やスコップなどの農具を使いながら、畝の幅や高さを測って整え、土のかたさや湿り具合を確認させます。あわせて、マルチングの有無や畝の向きといった栽培設計の観点にも触れ、作物ごとに適した畝づくりの方法を考えられるようにします。作業は班ごとに分かれ、役割分担しながら進めることで、共同作業のスキルも育てます。また、作業前後で畝の状態や土壌の様子を記録し、土づくりの変化を可視化することで、栽培環境と作物生育の関係性を考察する力を養います。作業後にはふりかえりシートを用いて、「なぜこの幅・高さで畝を立てたのか」「土の状態はどのようであったか」「苦労した点は何か」などを言語化させ、次の定植作業への意識を高めます。本細目では、畝立てを単なる作業として終わらせるのではなく、作物に合った栽培環境を自ら考えてつくるという視点を持たせることを重視します。これにより、以後の栽培実習においても「なぜこの作業を行うのか」を常に問いながら行動する姿勢を育てます。
② この細目では、ハクサイの定植作業を通じて、作物に応じた植え方と畑の整備の重要性を学びます。まずは、ハクサイの生育特性(結球性、根の張り方、寒さへの適応など)を簡単に講義形式で確認し、なぜ適切な間隔と深さが必要なのかを理解します。実習では、株間40〜50cmの確保や、植え穴の深さ、クラウン部(地上に出る生長点)の位置に注意して苗を定植します。根鉢の崩れや過湿・乾燥の確認も行い、苗の状態を見極める力を養います。また、ハクサイは病害虫(とくにアオムシやヨトウムシ)に弱いため、植え付け後すぐに寒冷紗などの資材で覆う方法も紹介します。マルチングとの併用効果、風対策、資材の固定方法なども実習で体験します。さらに、定植後の初期管理(水やり・土寄せ)や、倒伏を防ぐための畝の構造も確認し、冬季の安定した生育につなげます。作業後には観察記録を取り、自分の判断や工夫を言語化することで、栽培管理に対する理解を深めます。ハクサイ特有の結球期に向けた準備として、環境を整える技術と観察眼を身につけます。
③  この細目では、ブロッコリーの健全な初期生育に必要な定植技術と、畑の管理の基本を実習中心に学びます。まず、ブロッコリーの栽培特性(頂花蕾の形成、寒さに強い性質、根の広がり方など)を確認し、なぜ早期の活着が重要なのかを解説します。続いて、株間40cmを基準に、植え穴を正確に配置する方法や、倒伏しにくい植え付けの工夫(やや深めの植え付け+軽く土を押さえる)を実践します。また、ブロッコリーは根が浅く乾燥に弱いため、定植直後の水やりの量や回数、水分保持のためのマルチの役割についても説明します。さらに、支柱や防虫ネットは基本的に不要とされますが、実習では天候や畑の条件によって必要になるケースも考慮し、対策を検討する場も設けます。作業は班ごとに行い、役割を交代しながら複数回の定植体験を重ねることで、技術を定着させます。作業後には、苗の状態や植え付けの様子を記録・撮影し、「今回の作業が生育にどう影響するか」を予測する内容を観察ノートに記入します。このようにして、ブロッコリーの初期栽培に必要な判断力と実践力をバランスよく修得します。
キーワード ① 畝立て ② 栽培設計 ③ 黒マルチの使用 ④ ハクサイ ⑤ ブロッコリー
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
 今回の授業では、冬野菜の栽培に向けた畝づくりと、ハクサイ・ブロッコリーの定植作業を行いました。次回の授業に向けて、まずは畝立ての目的(排水性の確保、作業効率の向上、病害虫予防など)と、畝の幅・高さ・向きといった栽培設計の基本を振り返っておきましょう。また、黒マルチの効果や張り方のポイントについても再確認しておくと、今後の管理作業に役立ちます。ハクサイの定植ではクラウンの位置と株間(40~50cm)、ブロッコリーではやや深植えと株の安定性が重要でした。それぞれの作物の特性をふまえ、なぜそのような植え方をしたのか、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。観察ノートには、作業中に気づいたことや植えた苗の様子などを具体的に記録し、次回の観察や成長確認につなげてください。

◆次回授業の予習
 次回の授業では、カブ・ダイコン・ニンジンの播種を行い、それぞれの根菜類に適した播種方法や環境条件について学びます。これに向けて、まず前回までに行った畝立てや定植作業の中で学んだ「畝幅の設計」「土壌の観察」「マルチの有無と目的」などを振り返りましょう。特に「なぜ畝をこのように立てたのか」「土の状態はどうだったか」といった記録や気づきが、今回の播種設計に大きく関わります。予習としては、教科書や資料をもとに、カブ・ダイコン・ニンジンの発芽条件や根の生長特性について調べておきましょう。カブは条まき、ダイコンは点まき(2〜3粒ずつ)、ニンジンは特に発芽が難しいため覆土や水分保持に注意が必要です。それぞれの播種法の違いが、発芽率・間引き・収穫作業にどのように影響するかを意識し、予習ノートに簡単なまとめを書いておくと実習中の判断に役立ちます。また、播種後に観察すべきポイント(発芽日数、土の乾燥状態、出芽の揃い方など)も事前に確認し、どのように記録・比較するかをイメージしておくと、学びが深まります。

3 冬野菜の根菜類をまく ― カブ・ダイコン・ニンジンの播種作業とその違いを学ぶ 科目の中での位置付け  本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

 第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第3回の授業では、播種作業を通じて作物栽培の初期段階における計画性と観察力を養う重要な位置づけにあります。本科目は、学生が野菜栽培の一連の工程を実体験しながら、作業の意味や技術的背景を理解し、科学的な視点で農業を捉える力を育てることを目的としています。その中で本コマは、播種という最も基本的かつ繊細な作業を扱うことで、以後の管理(間引き・除草・追肥)や収穫に直結する「初期の精度と判断の重要性」を体感的に学ぶ場となります。さらに、本コマでは3種類の根菜(カブ・ダイコン・ニンジン)を比較対象として扱うことで、作物ごとに播種方法や畝設計、土壌条件に違いがあることを理解させ、「作物特性に応じた技術選択」の考え方を導入します。これは今後の定植、管理、収穫といった実習コマにおいて、「なぜその作業を行うのか」「その作業が生育や品質にどう影響するのか」を常に問いながら実践できる態度づくりにつながるものです。したがって本コマは、技術的な基礎定着だけでなく、農業を学問として捉えるための土台づくりとして、科目全体の中でも非常に重要な導入的役割を果たしています。

◆コマ主題細目①
・第3回テキスト「冬野菜の根菜類をまく ― カブ・ダイコン・ニンジンの播種作業とその違いを学ぶ」 第1節「カブの播種」
◆コマ主題細目②
・第3回テキスト「冬野菜の根菜類をまく ― カブ・ダイコン・ニンジンの播種作業とその違いを学ぶ」 第2節「ダイコンの播種」
◆コマ主題細目③
・第3回テキスト「冬野菜の根菜類をまく ― カブ・ダイコン・ニンジンの播種作業とその違いを学ぶ」 第3節「ニンジンの播種」
コマ主題細目 ① カブの播種 ② ダイコンの播種 ③ ニンジンの播種
細目レベル ①  この授業では、カブの播種を通して、条まきの目的とそのメリットについて体験的に理解させます。まず、畝幅や播種間隔など基本的な播種設計について解説し、発芽後の間引きのしやすさや生育の均一性の観点から、なぜカブは「条まき」が適しているのかを説明します。実習では、実際に鍬でまき溝を切り、指で均一に種をまいて覆土し、手で軽く押さえて鎮圧するまでの一連の作業を行います。授業後半では、播種した種の深さ、間隔、土の湿り具合などを記録させ、数週間後の発芽状況や間引き作業と関連づけて考察させる準備をします。学生には「播種方法の違いが後の管理作業や収穫物にどう影響するか」を意識させ、観察記録とふりかえりシートを通じて言語化させます。
②  ダイコンの播種では、「根部が伸びやかに育つための条件」を理解させることを重視します。まず、直根性作物の特徴を解説し、石や障害物のない柔らかい土、十分な深さ、そして適切な株間がダイコン栽培に不可欠であることを講義で説明します。実習では、鍬やスコップを用いて播種穴を20~30cm間隔であけ、1箇所に2~3粒ずつまいて覆土・鎮圧する作業を体験させます。作業中に、土のかたさや石の有無を確認させ、ダイコンが途中で曲がる・割れる原因と結びつけて考えさせます。さらに、畝幅と歩行スペースとの関係、将来の収穫作業のしやすさも含めて構造的に説明します。作業後には、播種の正確さ・深さ・作業のしやすさについて振り返りを行い、「根菜類に適した畝と播種法」を具体的に説明できるよう指導します。
③  ニンジンは発芽に時間がかかり、乾燥や覆土の厚さで発芽率が大きく変わるため、「播種時の注意点と環境条件への理解」が重要です。本授業ではまず、ニンジンの種子の小ささや発芽適温、土壌水分の保持条件について講義し、「なぜニンジンの発芽が難しいのか」を理解させます。実習では、平畝または浅めの高畝に浅いまき溝をつけ、できるだけ均等に条まきさせ、薄く覆土した後、新聞紙や寒冷紗をかけて乾燥を防ぐ方法も体験させます。播種後には、土の水分状態、気温、播種深度を記録させ、数日後の発芽状況と結びつけて考察を促します。発芽不良の原因やその対策(マルチングの効果)も補足的に指導し、栽培管理と環境要因の関係に着目した分析的な視点を養います。
キーワード ① 播種方法(条まき・点まき) ② 畝設計(畝幅・畝高・株間) ③ 土壌環境(かたさ・湿り気・障害物) ④ 発芽条件と管理(温度・湿度・覆土) ⑤ 観察・記録・ふりかえり
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
 今回の授業では、カブ・ダイコン・ニンジンという3種の根菜類について、播種方法の違いとその理由、土壌条件の重要性、そして環境要因との関係について実習と講義を通じて学びました。次回の授業に向けて、以下の点を復習・整理しておきましょう。①播種方法(条まき・点まき)とその目的の違いをそれぞれの作物ごとに言葉で説明できるようにする。②土の状態(かたさ・湿り気・石の有無)*が、発芽や根の生育に与える影響について自分の作業体験と結びつけて振り返る。③ニンジンの播種後の管理で重要となる水分保持・覆土の厚さ・発芽適温など、環境条件に注意が必要な理由を整理しておく。④畝の設計(幅・高さ)や株間が、将来の間引きや収穫作業のしやすさ、作物の品質にどうつながるかを考える。これらのポイントを、ふりかえりシートや観察記録を見直しながら、次回の授業冒頭で共有・確認できるように準備しておいてください。

◆次回授業の予習
 次回の授業では、コマツナの播種、ジャガイモの植え付け、稲刈りという3つの異なる作物・作業を通じて、播種密度、塊茎類の植え付け技術、そして収穫の意義について実践的に学びます。それに備えて、まずはコマツナの特性について確認し、発芽適温や発芽日数、条まきの利点(間引きや生育の均一性)などを整理しておきましょう。また、ジャガイモの植え付けに関しては、塊茎の構造や切り方、切り口の乾燥処理の目的、植え付けの深さなど、基本的な知識を予習しておくことが重要です。どのような環境が発芽に適しているか、他作物との違いも考えながらノートにまとめておきましょう。
 さらに、水田での稲刈りに向けて、登熟の見極め方(穂の垂れ具合、籾の色)や、手刈りの基本的な方法(束ね方、はさがけの意味)、収穫時の安全管理(刃物の扱い、周囲との声かけ)について、資料や農業動画などを活用してイメージを膨らませておくことも効果的です。収穫は「農業の成果」を実感する貴重な機会です。自分がこれから取り組む作業の意味を一つひとつ考えながら、予習ノートに簡単なまとめと疑問点を書いておくと、当日の理解が深まります。


4 根菜と葉菜の播種体験と米づくりの収穫を学ぶ 科目の中での位置付け  本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

 第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第4回の授業では、葉菜類(コマツナ)の播種と、米づくりの最終工程である稲刈りを実施しました。この授業は、「農業基礎演習Ⅱ」における中核的な作業技能の習得と、作物の特性に応じた管理方法を理解するうえで、非常に重要な位置づけにあります。コマツナの播種では、播種密度や覆土の厚さ、水分管理といった生育初期における重要な作業工程を丁寧に学ぶとともに、播種条件の違いが発芽や間引き、収穫にどう影響するかを観察と記録を通じて実感する機会となりました。これにより、今後の間引き・追肥・収穫作業への見通しが得られると同時に、実験的視点での作業評価力も養います。
稲刈りは、稲作の一連の流れの中でも「収穫=成果」としての最終的な達成感を得る貴重な実習であり、収穫作業に必要な技能(刈り方・束ね方・干し方など)の体験に加えて、伝統的な農法や地域文化にふれる時間でもありました。これまでに培った「育てる力」と「観察する力」に加えて、「収穫の意味を考える力」を育てる点で、本コマは農業体験としての学びを一段深める授業となりました。今後は、播種区画での発芽観察や管理作業を通じて、作業と生育の関係を継続的に学びながら、実践的かつ理論的な力を段階的に積み重ねていくことになります。

◆コマ主題細目①
・第4回テキスト「根菜と葉菜の播種体験と米づくりの収穫を学ぶ」 第1節「コマツナの播種」
◆コマ主題細目②
・第4回テキスト「根菜と葉菜の播種体験と米づくりの収穫を学ぶ」 第2節「ジャガイモの植え付け」
◆コマ主題細目③
・第4回テキスト「根菜と葉菜の播種体験と米づくりの収穫を学ぶ」 第3節「稲刈り」
コマ主題細目 ① コマツナの播種 ② ジャガイモの植え付け ③ 稲刈り
細目レベル ① コマツナの播種作業を通じて、「密度管理と播種精度」の重要性について学びます。まず、コマツナの生育特性(発芽適温、発芽日数、生育速度、密植に強いが間引きで品質が左右される点など)を講義形式で確認します。その後、畝幅と条間、まき溝の深さを自分たちで測定し、条まき作業を実施します。播種に使用する種の大きさや形状を観察させ、まきにくさを実感させたうえで、手まきの工夫(親指と人差し指の使い方、均等にまく姿勢やスピード)を実地で習得します。覆土の厚さとその均一性、播種後の鎮圧(手のひらで軽く押さえる)も重要な工程として体験させます。また、播種後の土壌水分の確保(潅水やマルチ、寒冷紗の使用)にも触れ、今後の発芽率と密接に関わる管理作業として意識づけを行います。観察ノートには、播種方法、使用資材、注意点、発芽に関する予測などを記録し、数日後の出芽状況との比較に備えます。
② ジャガイモの植え付けを通して、塊茎類に特有の栽培方法と環境条件への配慮を体験的に学びます。まず、ジャガイモの栽培特性(休眠性・発芽の仕組み・切り種いもの管理方法など)を講義で確認し、特に切り口の乾燥処理や腐敗防止の観点を理解させます。実習では、30cm程度の株間で深さ10~15cmの植え穴を掘り、切り口を下にして種いもを植え付け、土を戻しながら軽く鎮圧する作業を班ごとに行います。植え付け時には肥料との接触を避けること、日当たりや風通しの良い畝の確保、将来的な芽かきや土寄せの計画を意識させ、単なる作業で終わらない栽培設計の視点を養います。観察ノートには、使用した種いもの品種、切り方、植えた位置や深さ、土壌の状態を記録させ、今後の萌芽や生育観察に活かします。さらに、他の班との方法の違いや土壌条件の差が、発芽や収量にどのように影響するかを、比較分析できるよう導きます。
③ 水田における収穫作業の実体験を通して、米づくりの最終段階とその労力、文化的・地域的背景について学びます。まず、収穫の適期(穂の垂れ具合・登熟率など)や、稲刈り作業の目的と手順を簡単に説明します。その後、鎌やバインダーなどの収穫道具の使い方と安全上の注意を確認し、班ごとに協力して収穫を実施します。手作業での稲刈りでは、束ねる量や切る位置、結束の仕方(稲わらでの結び方)など、伝統的技術に触れながら体験的に理解を深めます。収穫した稲は、天日干し(はさがけ)等が可能な場合はその作業も含めて実施し、乾燥工程の意義や時間のかかる農作業の全体像を学びます。作業後には、稲刈りを終えた水田の様子や、収穫量・登熟状態・田の状態について記録を取り、農業の「収穫=成果」の重みと、自然条件の影響の大きさを実感する振り返りを行います。合わせて、地域農業や伝統農法とのつながり、食と暮らしの関係についての意識づけも促します。
キーワード ① 播種密度と条まき ② 覆土と鎮圧 ③ 発芽条件と環境比較 ④ 塊茎の植え付けと腐敗防止 ⑤ 稲刈りと収穫技術
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
 今回の授業では、コマツナの播種、ジャガイモの植え付け、そして稲刈りという、栽培の始まりと終わりに関わる重要な作業を体験しました。まず、コマツナの播種については、条まきの方法や播種密度、覆土の厚さや鎮圧の仕方によって発芽のしやすさが大きく変わることを学びました。自分が播種を行った畝の条件(まき方・使用資材・覆土状態・水分など)を観察ノートに正確に記録し、今後の出芽状況と照らし合わせて比較できるようにしておきましょう。
 また、ジャガイモの植え付けでは、切り口の向きや植え付け深さが発芽や腐敗に影響することを体験的に理解しました。使用した種いもの情報や土壌の状態、作業の工夫について記録し、発芽観察への準備としてください。
 稲刈りについては、収穫のタイミングや刈り方、束ね方などの基本技術だけでなく、収穫作業の労力や米づくりの全体像、地域に根ざした農作業の意味についても考える機会となりました。今後は、収穫量や登熟具合、水田の状態を振り返りながら、「農作業の成果」とは何かについて自分なりの考えを整理しておきましょう。
 
◆次回授業の予習
 次回の授業では、水田の役割と構造、そしてイネの生育に関わる水の管理について理解を深めていきます。予習として、まずはイネの基本的な生育ステージ(出芽・分げつ・穂ばらみ・出穂・登熟など)を確認し、それぞれの段階で水がどのように必要とされているかを整理しておきましょう。また、水田で育てることの意味を考えるために、「なぜイネは畑ではなく水田で栽培されるのか」という問いに対し、自分なりの仮説を持っておくことも大切です。水田土壌が三層構造(表土・耕盤・心土)になっている理由や、それぞれの層が水分保持や根の生育にどう関わるかを資料で調べておくと、授業の理解が深まります。さらに、用水路・排水路・水口・水尻といった水管理設備の役割についても図や写真を使って構造をイメージできるようにしておきましょう。授業ではそれらを実際に観察し、水田のしくみとイネの生育の関係性を構造的に捉える力を養います。予習ノートには、調べた内容や疑問点を書き留めておき、当日の観察・対話に活かしましょう。

5 イネの生育と水田環境のしくみを学ぶ 科目の中での位置付け  本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

 第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第5回の授業では、「農業基礎演習Ⅱ」の中でも、水稲栽培を理論と観察の両面から学ぶ重要な回であり、作物と環境との関係を構造的に捉える視点を身につける出発点となります。イネの生育ステージと水管理の関係を体系的に理解することは、今後の農作業(田植え、かん水、収穫など)の意味づけを深め、実践の裏にある「なぜそうするのか」を自ら説明できる力へとつながります。また、「なぜ水田で育てられるのか」という問いを通して、農地の選び方や作物の適応性、環境制御の考え方について考えることができ、他の作物栽培との比較にも活かせる知見を得ることができます。さらに、実物のイネを観察する活動は、目の前の作物から成長段階や栽培条件を読み取る力を育て、今後の農業体験や進路選択においても応用可能な観察眼の基礎を築きます。知識だけでなく「見る」「考える」「言葉にする」ことを通じて、実践に根ざした学びを深めるこのコマは、「農業を理解する」から「農業を考える」へとステップアップするための大切な機会です。

◆コマ主題細目①
・第5回テキスト「イネの生育と水田環境のしくみを学ぶ」 第1節「イネの生育過程と水の役割を知る」
◆コマ主題細目②
・第5回テキスト「イネの生育と水田環境のしくみを学ぶ」 第2節「水田で育つ理由を理解する ― イネと環境の関係性」
◆コマ主題細目③
・第5回テキスト「イネの生育と水田環境のしくみを学ぶ」 第3節「イネの実物を観察し、生育段階と環境との関係を考える」

コマ主題細目 ① イネの生育過程と水の役割を知る ② 水田で育つ理由を理解する ― イネと環境の関係性 ③ イネの実物を観察し、生育段階と環境との関係を考える
細目レベル ① イネの一生における主要な生育ステージと、それぞれの時期に必要とされる水の管理について、視覚資料を活用してわかりやすく学びます。まず、イネの生育段階を「出芽→分げつ→幼穂形成→穂ばらみ→出穂→登熟→黄化・収穫」の順に整理し、各段階で植物体にどのような変化が起こるのかを、図解や写真、スライドを用いて視覚的に提示します。たとえば、分げつ期には茎数が増えること、出穂期には穂が外に現れること、登熟期には籾が充実してくることを、それぞれの成長特性とともに解説します。次に、各ステージにおける水の役割について、時期ごとの水管理方法と目的を紹介します。冠水(田植え後)、浅水(分げつ期)、間断かん水(幼穂形成期)、落水(登熟後)など、ステージに応じて水深や管理方法がどのように変化するかを具体的に示します。とくに出穂期や登熟期の水管理が収量や品質に及ぼす影響が大きいため、この点を重点的に掘り下げ、例年の水管理の実例や失敗事例なども交えて学習を深めます。また、水管理が不適切な場合に起こりうる問題(水不足による穂揃いの不良、過湿による根腐れなど)にも触れ、単なる知識の習得にとどまらず、「なぜこの時期にこの管理が必要なのか」を論理的に理解できる力を育てます。最後に、生育段階と水管理を図で結びつけた整理表を作成し、授業のまとめとします。これにより、学生は今後の観察や実習において、生育と環境条件をセットで捉える視点を身につけることができます。
② 「なぜイネは畑ではなく水田で栽培されているのか」という問いについて、生態的・環境的・技術的な観点から考察することができます。まず、冠水状態の水田には、雑草の発芽を抑える効果、土壌病害の抑制、水分の安定供給といった複数の利点があることを、資料と板書をもとに理解することができます。また、イネは湿害に強い作物であり、湿地環境に適応していることを、畑作物との比較を通じて認識できます。また、イネの根が酸素を取り入れる仕組み(通気組織による根内通気)や、水田の還元状態でも栄養吸収が可能であることについて、簡単な断面図や説明図を使って理解を深めることができます。たとえば、土壌の酸化還元状態の違いによって、作物の根の働きや肥料の効き方がどのように異なるかを考えることができるため、イネが冠水環境でも健全に育つ科学的な理由を構造的に捉えることができます。さらに、除草剤の使用が最小限に抑えられることや、病虫害リスクの軽減など、水田という環境が農業管理上でも合理的であることに気づくことができます。授業のまとめでは、自分の言葉で「水田で育つ作物としてイネが適している理由」を説明することができ、単に知識として覚えるのではなく、環境と栽培法の結びつきを論理的に考える力を身につけることができます。
③ 実際のイネの株や稲わらを観察しながら、生育ステージごとの植物体の特徴を見極める力を身につけることができます。観察対象としては、出芽後の若い株や、分げつを終えた株、穂ばらみ~登熟期の穂など、異なる段階のイネを用意することで、生育の連続性と各段階の違いを具体的に捉えることができます。分げつの数、節の位置、葉の長さや幅、穂の色や形状など、目に見える特徴を丁寧に観察し、それぞれがどの成長ステージにあるのかを考察することができます。観察は個人作業または小グループで行い、可能であればイネ株を実際に手に取りながら観察できるようにします。資料として、生育ステージを示した図や成長点の位置を示す断面図を配布し、それらと照らし合わせることで理解を深めることができます。また、「この株は出穂前か?登熟期か?なぜそう思うのか」といった問いを立て、自分の観察結果に基づいた説明ができるように誘導します。観察ノートには、見た特徴、気づいたこと、その段階に適した水管理や栄養条件について自分の言葉で記述することで、作物の観察力と環境条件を結びつけて考える力を育てることができます。知識の暗記にとどまらず、自分の目と手で得た情報を根拠として思考を展開できるようになります。
キーワード ① イネの生育段階(出芽・分げつ・出穂・登熟など) ② 水管理の時期別役割(冠水・浅水・間断かん水・落水) ③ 水田環境の利点(除草効果・病害虫抑制・水分安定) ④ 根の構造と酸化還元(通気組織・還元土壌と栄養吸収) ⑤ 生育観察と環境条件
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
 今回の授業では、イネの生育段階とそれぞれの時期に必要とされる水の管理、水田という環境で栽培される理由、そして実物を観察して成長段階を見極める視点を学びました。復習として、まずは「出芽→分げつ→出穂→登熟→収穫」までのステージを順に整理し、その各段階で水の管理方法がどう異なるかを確認してください。たとえば、分げつ期は浅水、登熟期には落水が行われる理由を、成長と環境の関係から自分の言葉で説明できるようにしましょう。また、なぜ畑ではなく水田でイネが育てられるのか、水田の冠水状態がどんな効果をもたらすのかも、具体的に整理しておいてください。最後に、観察したイネの特徴と生育段階、そこから推測できる水管理の状態について、観察ノートをふりかえりながらまとめておくことが、次回以降の実習の理解にもつながります。
 
◆次回授業の予習
 次回の授業では、実際の農作物に発生した病害虫を観察・同定し、被害の特徴やその影響をより具体的に理解していきます。これに向けて、まずは「病害虫とは何か」「なぜ正確な同定が必要なのか」について、教科書や配布資料をもとに整理しておきましょう。あわせて、作物の葉や茎、果実などに見られる代表的な病害虫被害の例(食害痕・変色・うどんこ病・モザイク病など)を写真付きで確認し、被害の見分け方を事前に学んでおくと、観察時の理解が深まります。また、同定に必要な観察項目(触角、翅、体節、口器の種類など)を事前に調べ、観察時にどの点に注目すればよいのかを把握しておくことが重要です。インターネット上の農業研究機関や病害虫図鑑サイトを活用し、2~3種の代表的な農業害虫(例:アブラムシ、コナガ、ヨトウムシなど)について、特徴と主な被害作物を簡単に調べておいてください。観察・同定には「比較する視点」と「調べる力」が必要となるため、自分なりに疑問を持ちながら準備を進めることが次回の実習の質を高めます。

6 病害虫の観察1(観察と同定の基礎) 科目の中での位置付け  本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

 第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

 第6回の授業では、農作物を栽培するうえで重要な「病害虫防除」の基礎について扱います。適切な防除を実施するためには、農作物に発生する様々な病害虫を観察し、発生している病害虫の種を判別する(同定する)必要があります。病害虫の同定に必要な基礎的な知識と技術を修得します。

◆コマ主題細目①
・第6回テキスト「病害虫の観察1(観察と同定の基礎)」 第1節「病害虫を観察する意味」
◆コマ主題細目②
・第6回テキスト「病害虫の観察1(観察と同定の基礎)」 第2節「病害虫の同定方法」
◆コマ主題細目③
・第6回テキスト「病害虫の観察1(観察と同定の基礎)」 第3節「病害虫の観察」
コマ主題細目 ① 病害虫を観察する意味 ② 病害虫の同定方法 ③ 病害虫の観察
細目レベル ① 農業の分野では、「病害虫」による被害を抑えるために、防除の取り組みが欠かせません。しかし、効果的な防除を行うには、被害を引き起こしている「病害虫」が“何であるか”を判別しておく(同定する)必要があります。また、どの時期に、どの程度の被害が発生しているかについても把握しておくことが重要です。ここではまず、農業現場で発生する「病害虫被害」の具体的な事例を、写真などの資料を用いて紹介します。農作物に見られる病害虫被害の様子を写真とともに解説し、軽微な被害から重度な被害まで、さまざまなケースを取り上げます。作物の種類によって問題となる害虫が異なることや、害虫の種類ごとに被害の度合いが変わることについても学習します。農業の現場における病害虫被害の深刻さを理解し、的確な防除策を講じることの重要性について考える機会とします。
② 農地などで採集された害虫がどの種に属するのかを判断するには、採集した個体を丁寧に観察することが欠かせません。ここでは、そのための観察手法について学びます。基本的には、害虫の外部形態(がいぶけいたい:外から確認できる形状や構造)を観察し、図鑑や研究論文などの資料を参照しながら種を識別します。ただし、害虫の中には非常に小さな個体も多く、詳細な観察には顕微鏡による拡大観察が不可欠です。とはいえ、外部形態の観察だけでは種の特定が難しいケースも存在します。そのような場合には、遺伝情報を用いた識別法が有効な手段となります。さまざまな状況に応じて、対象となる害虫の種を的確に見極めるための適切な方法を身につけていきます。


③ 学内圃場で栽培している様々な農作物には、一部で病害虫が発生していることが確認されています。ここでは、学内圃場でこれまでに確認された病害虫を紹介します。大部分は、写真を表示するとともに、その病害虫に関して文献などでどのような記述がされているのかを紹介します。また、一部の病害虫は、実際に圃場から採集して直接観察してもらいます。さらに、直接観察した病害虫を、図鑑や論文、インターネット上の情報などを用いて同定してもらいます。この時間を通して、①および②で学んだ同定作業に関する知識を技術として定着させます。どのような作物で、どのような病害虫が発生しうるのかについて学び、それらの病害虫に関する基礎的な知識を修得します。
キーワード ① 病害虫防除 ② 同定 ③ 顕微鏡 ④ 文献 ⑤ 外部形態
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
 本コマでは、病害虫防除において害虫種の同定が重要であることを学びました。特に、適切な病害虫防除を選択するために、なぜ病害虫種を同定する必要があるのかについて説明できるように理解を深めておいてください。また、授業で紹介した様々な病害虫の同定方法について、どのような場合にどのような手法を用いるべきなのかを説明できるようにしてください。文章教材を十分に読み直したうえで、生成AIを用いた復習方法を実施してください。生成AIに作成させた小テストについて、自分で回答し、自分で解説ができるようになるまで理解を深めておいてください。

◆次回授業の予習
 次回は、病害虫の観察するうえで必要な「標本作成」について学びます。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。

7 病害虫の観察2(害虫の標本作成) 科目の中での位置付け  本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

 第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、ツケナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第7回の授業では、病害虫を同定するときに必要となる標本作成技術について学びます。病害虫のなかには、外部形態をおおまかに観察するだけでは同定できない種も少なくありません。そのような場合には、適切に標本を作製したうえで観察する必要があります。様々な病害虫の標本作成に関わる知識を修得します。特に、昆虫の標本作成については、その技術も修得します。

◆コマ主題細目①
・第7回テキスト「病害虫の観察2(害虫の標本作成)」 第1節「標本についての基礎知識」
◆コマ主題細目②
・第7回テキスト「病害虫の観察2(害虫の標本作成)」 第2節「病害虫の標本について」
◆コマ主題細目③
・第7回テキスト「病害虫の観察2(害虫の標本作成)」 第3節「害虫の標本作成」
コマ主題細目 ① 標本についての基礎知識 ② 病害虫の標本について ③ 害虫の標本作成
細目レベル ① 病害虫の中には、外部形態をおおまかに観察するだけでは同定できない種もいます。模様や角などの顕著な外部形態を有する害虫であれば簡単に同定できますが、多くの場合はそうではありません。脚先や頭部の微細構造について顕微鏡を用いて観察しなければ同定できないことが多くあります。また、場合によっては、外部形態だけでの同定が困難で、DNAの塩基配列情報を用いた分子同定が必要となることもあります。これらのような場合、適切な手法で標本を作製する必要があります。標本を作製する際の基本的な技術について概説します。また、サンプルを標本として保存するために必要な情報や保管方法についても概説します。これらを知識として修得し、適切な標本作成手法を選択し、適切に標本の保管ができるようになります。
② 病害虫の標本には、様々な種類があります。病害の場合は、その原因となる細菌やカビ類、ウイルスなどを標本として保存することがあります。また、発病した作物の写真を標本として保存する場合もあります。これは、発病した作物そのものを標本として保存することが難しいためです。害虫の場合においても、その害虫そのものを標本として保存することがあります。乾燥標本やエタノール液浸標本など、様々な種類があります。また、食害された作物の写真を標本として保存する場合もあります。病害の場合と同じく、食害された作物そのものを標本として保存することが難しいためです。標本と言っても様々な手法があることを学び、どのような場合にどのような手法で標本を作製するべきなのかを選択できるようにします。
③ ここでは、害虫の標本作成を実際に実施してもらい、その技術を修得します。事前に、圃場内外で各自害虫を採集してもらいます。その採集した害虫を用いて、昆虫の乾燥標本を作製します。乾燥標本を作製する際に必要な知識を修得します。特に、どのような点に注意して作成すべきか、どのような情報を記録しておかなければならないかを重点的に扱います。また、乾燥標本を作製する際には、一般的な作り方のルールが存在します。このルールに従って作成することで、効率的に同定作業を進めることができます。そのルールについても概説します。①と②で修得した知識と共に、この③で修得する技術を合わせて、適切に害虫を同定する手法を身につけます。なお、ここで作成した害虫標本を用いて、第19回の同定演習を実施します。
キーワード ① 標本 ② 乾燥標本 ③ エタノール液浸標本 ④ 同定 ⑤ 分子同定
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
 本コマでは、病害虫の標本についての基礎知識について学びました。また、害虫の標本作成技術についても修得しました。標本としてサンプルを保存するときに必要な情報について、説明できるように理解を深めておいてください。また、標本を保存するうえで必要な知識についても、説明できるように理解を深めておいてください。文章教材を十分に読み直したうえで、生成AIを用いた復習方法を実施してください。生成AIに作成させた小テストについて、自分で回答し、自分で解説ができるようになるまで理解を深めておいてください。

◆次回授業の予習
 次回は、効率的な病害虫防除を実施するために必要な様々な調査や研究について概説します。特に、予察調査と農薬の効果試験について重点的に扱います。どのような調査・研究がどのような手順で進められるのかについて予習を進めてください。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。

8 病害虫防除に関する調査 科目の中での位置付け  本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

 第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、ツケナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

 第8回の授業では、病害虫防除に必要な様々なデータについて概説します。本科目では、「病害虫発生予察事業」と「新規農薬の効果試験」に注目します。それぞれ、何の目的で、どのような調査を実施しているのかを学びます。また、我々の生活にどのように関係している調査なのかも学びます。

◆コマ主題細目①
・第8回テキスト「病害虫防除に関する調査」 第1節「病害虫防除に関わる様々な調査」
◆コマ主題細目②
・第8回テキスト「病害虫防除に関する調査」 第2節「病害虫発生予察事業」
◆コマ主題細目③
・第8回テキスト「病害虫防除に関する調査」 第3節「新規農薬の効果試験」
コマ主題細目 ① 病害虫防除に関わる様々な調査 ② 病害虫発生予察事業 ③ 新規農薬の効果試験
細目レベル ① 全国の農業試験場などの研究機関では、国の事業として「病害虫発生予察事業」を毎年実施しています。どの地域にどの作物でどの害虫がどの程度発生しているのかを調査し、その年に注意すべき病害虫に迅速に対処するよう生産者の方々に向けて情報公開しています。また、新規農薬を「登録農薬」として流通させるために必要な、効果試験も毎年行っています。このように、適切な病害虫防除を実施するために必要な最低限の情報について、全国の農業試験場などの研究機関が毎年様々なデータを収集し、分析し、後悔しています。ここでは、「病害虫発生予察事業」と「新規農薬の効果試験」に関わるデータに注目し、概説します。なぜこの二つの調査が必要なのかを理解し、実際にどのような手順で調査が実施されているのかを学びます。
② 「病害虫発生予察事業」は、農林水産省が管轄し、植物防疫法に基づいて実施されている調査の一つです。広域に発生し農作物に重大な被害を与える病害虫について、その発生動向を調査し、防除を実施するために重要となる様々な情報を生産者に提供することを目的としています。この調査の歴史は古く、1952年から始まったと言われています。調査方法や調査対象種は時代によって変化するものの、今後も続けられる重要な調査の一つです。ここでは、予察調査としてどのような病害虫が調査されているのか、どのような手法で調査されているのかについて学びます。第12回の授業では、学内の圃場で栽培されている作物とそこで発生している害虫を対象に「予察調査」を実施します。その際の調査方法とデータのまとめ方についても学びます。
③ 「新規農薬の効果試験」は、各農薬メーカーが開発した農薬の効果を検証する試験で、全国の農業試験場などの研究機関で毎年実施されています。農薬を開発しても、「登録農薬」に登録されなければ製品として流通させることはできず、農地で使用することもできません。新規農薬の効果は、各農薬メーカーが社内で検証していますが、第三者として研究機関が農地で効果を改めて検証する必要があります。この第三者としての効果検証の結果を基に、「登録」するかしないかを議論することになります。流通している農薬がどのような検証実験を経て製品として成り立っているのかを学びます。また、第14回の授業では、学内の圃場で栽培されている作物とそこで発生している害虫を対象に簡易版の「農薬の効果試験」を実施します。その際の調査方法とデータのまとめ方についても学びます。
キーワード ① 病害虫発生予察事業 ② 植物防疫法 ③ 病害虫防除所 ④ 登録農薬 ⑤ 農薬取締法
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
 本コマでは、全国の研究機関で実施されている病害虫防除に関する様々な調査について学びました。特に、病害虫発生予察事業がどのような病害虫を対象に実施されているのかについて説明できるように理解を深めておいてください。また、新規農薬を「登録農薬」として流通させるために必要なプロセスについても、説明できるように理解を深めておいてください。文章教材を十分に読み直したうえで、生成AIを用いた復習方法を実施してください。生成AIに作成させた小テストについて、自分で回答し、自分で解説ができるようになるまで理解を深めておいてください。

◆次回授業の予習
 次回は、杖野淵公園で稲刈りを行います。初夏に定植した稲を手刈りで収穫します。どのような手順で収穫するのか、水稲を刈ったあとにどのような作業工程があるのかについて予習を進めてください。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。

9 水田土壌のしくみを理解する ― 水を保ち、作物を支える構造を学ぶ 科目の中での位置付け  本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

 第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第9回の授業では、「農業基礎演習Ⅱ」における水稲栽培の理解を土壌環境の視点から深める基礎的かつ重要な授業です。農業は作物だけでなく「土」と「水」という自然資源との関係性の上に成り立っており、その意味でこのコマは作物栽培の「足元」を見つめ直す回ともいえます。ここでは水田の三層構造(表土層・耕盤層・心土層)を中心に、構造的に水を保持できる理由や、土層ごとの機能を体系的に学び、イネがなぜ水田で育つのかを構造と作物生理の両面から考察します。

◆コマ主題細目①
・第9回テキスト「水田土壌のしくみを理解する ― 水を保ち、作物を支える構造を学ぶ」 第1節「水田の基本構造を知る ― 三層構造の全体像」
◆コマ主題細目②
・第9回テキスト「水田土壌のしくみを理解する ― 水を保ち、作物を支える構造を学ぶ」 第2節「各層の役割を比較する ― 水と作物を支える機能を考える」
◆コマ主題細目③
・第9回テキスト「水田土壌のしくみを理解する ― 水を保ち、作物を支える構造を学ぶ」 第3節「構造と栽培環境の関係を読み解く ― なぜ水田でイネが育つのか」
コマ主題細目 ① 水田の基本構造を知る ― 三層構造の全体像 ② 各層の役割を比較する ― 水と作物を支える機能を考える ③ 構造と栽培環境の関係を読み解く ― なぜ水田でイネが育つのか
細目レベル ① 水田土壌の三層構造(表土層・耕盤層・心土層)について、構造的な全体像を資料を通じて理解することができます。まず、水田と畑との土壌構造の違いを比較しながら、それぞれの層の位置・厚さ・性質を断面図や模式図から把握します。表土層は耕作が行われる柔らかい層であり、イネの根が広がりやすいこと、耕盤層は硬く締まった不透水層で、水を保つ役割があること、心土層は地下水や排水性と関わる層であることを順に確認し、各層の名称・構造・機能のつながりを論理的に整理します。また、土壌の粒径や透水性の違いによって各層の性質が変化することにも注目し、粘土質や砂質の水田の断面図を比較することで、土質と構造の関係も理解できます。模式図の読み取りだけでなく、表形式や用語整理、場合によってはペアで層構造の要点を口頭で説明し合う活動を通して、定着を図ります。さらに、授業の最後には「なぜ水田では水をためることができるのか?」という問いに対して、三層構造それぞれの役割をふまえて、自分の言葉で説明できるようになることを目標とします。これにより、土の構造を単なる知識としてではなく、水稲栽培の基盤として意味づけて理解する力を身につけることができます。
② 水田の三層構造(土壌断面)を構成する「表土層」「耕盤層」「心土層」のそれぞれがどのような役割を担っているかを、比較しながら理解することができます。まず、図解を使って三層の配置とつながりを視覚的に確認したうえで、それぞれの層の物理的性質(かたさ、粒子の大きさ、透水性)に注目します。表土層はイネの根が張りやすく、栄養や酸素が届きやすい作土であること、耕盤層は不透水性が高く、水をせき止めるために重要であること、心土層は地下水との関わりがあり、過剰な浸水や排水に関わる層であることを個別に整理します。各層が水の保持や流れ、根の伸び方にどう影響しているかを、作物の視点から考えることで、水稲が水田で育つ理由を構造的に捉えることができます。また、異なる土壌条件(粘土質・砂質・耕盤が形成されていない場合など)を想定したケーススタディを通じて、土壌構造が変化した場合にどのような問題が起こるかを自分で考えることもできます。グループでの意見交換や、簡単な比較表の作成を通して、各層の違いを言葉で説明できるようになり、単に知識を得るだけでなく、それを応用して判断する力を育てることができます。
③ 「なぜイネは水田で育つのか」という問いに対して、水田の構造的特性とイネの生理的な適応の関係を論理的に考えることができます。まず、水田の三層構造(表土層・耕盤層・心土層)によって水が保持される仕組みを確認し、その上でイネが湿潤な環境でも生育できる理由(通気組織を通じた根の酸素供給、湿害への強さなど)を理解することができます。また、水田の冠水状態が雑草や病害虫の発生を抑える効果を持つことも整理し、水田という環境が生育だけでなく農業管理上も合理的であることに気づくことができます。次に、実際の圃場や地域によって土壌条件・傾斜・排水性が異なることに着目し、そうした違いが水田の機能やイネの生育にどのように影響するかを考えることができます。授業では、想定されるさまざまな圃場条件を事例として提示し、それぞれの地形や土質が水管理や耕作にどのように関係するかを、比較・分析しながら学ぶことができます。まとめとして、「なぜ水田でなければならないのか」という問いに、自らの言葉で多角的に説明できることを目標とします。
キーワード ① 水田の三層構造(表土層・耕盤層・心土層) ② 水保持と透水性 ③ 土壌とイネの適応性 ④ 栽培環境の地域差 ⑤ 「なぜ水田でイネが育つのか」という構造的説明
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
 今回の授業では、水田の三層構造(土壌断面)について学び、それぞれの層(表土層・耕盤層・心土層)が持つ機能と、水稲の生育における役割について理解を深めました。復習として、まずは各層の名称・位置・厚さ・性質(透水性、粒径、根の張りやすさなど)を整理し、水を保持できる仕組みについて自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。表形式で要点をまとめたり、図解を写しておくと、次回以降の実習や比較学習に役立ちます。また、耕盤が形成されていない場合や、土質(粘土質・砂質など)が異なるときに生じる問題についても振り返り、栽培環境の違いによって水管理がどのように変わるかを考察してください。予習としては、「イネが湿潤な水田でなぜよく育つのか」という点に関して、通気組織、湿害耐性、除草効果、病害虫抑制などの観点から再確認しておきましょう。授業で紹介された圃場事例や地域差についても、再度資料を読み返しながら理解を深め、次回の応用的な考察に備えましょう。

◆次回授業の予習
 次回の授業では、水田の水管理について、設備・構造・圃場での観察・イネの生育との関係を包括的に学びます。予習としてまず、水口・水尻・用水路・排水路といった水管理設備の名称とその役割を整理しておきましょう。これらがどのように連携して水を「入れる・保つ・抜く」をコントロールしているかを理解しておくと、授業内での模式図の読み取りがスムーズになります。併せて、水田は地形や傾斜に沿って設計されており、水の入り方や滞留が高低差に影響されることを、図や写真資料を活用して確認しておくと、現地での観察力が高まります。
 また、イネの生育段階(出芽・分げつ・出穂・登熟など)ごとに水管理がどのように変わるのかについても予習しておくとよいでしょう。特に「なぜ分げつ期は浅水管理なのか」「登熟期に落水が必要なのはなぜか」といった問いに自分なりの仮説を持って授業に臨めると、学びが深まります。過湿による根腐れや、水不足による穂揃い不良といった水管理の失敗例も調べておき、水管理の重要性を実感しておきましょう。観察時には「なぜこの位置に水口があるのか」「水はどこへ流れているのか」といった構造と流れの関係性を読み取る視点を持つことも大切です。簡単な用語整理や図の模写、問いのメモを予習ノートに残しておくと、授業中のワークや発表にも役立ちます。

10 水田の水を操る ― 用水・排水のしくみと生育管理の基礎を学ぶ 科目の中での位置付け  本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

 第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第10回の授業では、「農業基礎演習Ⅱ」における水稲栽培に関する理解を深めるうえで重要な実践的・構造的な授業です。水稲は他の作物とは異なり、水を保持・調整しながら栽培する作物であり、その特性を活かすための「水の管理」は、農業技術の中でも特に重要な技能とされます。本コマでは、水田の水管理設備の基本構造とそれぞれの役割を整理したうえで、実際の圃場で水の動きを観察し、構造と水の流れの関係を自らの視点で理解することができます。また、イネの成長段階ごとに異なる水管理の手法を時系列で整理し、それが生育や収穫にどのように関係しているのかを考察することで、知識の暗記にとどまらない「状況に応じた管理判断」ができる力を育てます。これは、農作業において「なぜ今これをするのか」を説明できる実践力に直結するものであり、他作物の管理にも応用可能な視点です。さらに、水田と地域のインフラ(用水・ため池)との関係にも目を向けることで、農業を単なる作業ではなく、環境・社会とつながった営みとして捉える土台をつくります。

◆コマ主題細目①
・第10回テキスト「水田の水を操る ― 用水・排水のしくみと生育管理の基礎を学ぶ」 第1節「水田の水管理に必要な設備と構造を知る」
◆コマ主題細目②
・第10回テキスト「水田の水を操る ― 用水・排水のしくみと生育管理の基礎を学ぶ」 第2節「圃場で水の流れを観察し、管理の工夫を考える」
◆コマ主題細目③
・第10回テキスト「水田の水を操る ― 用水・排水のしくみと生育管理の基礎を学ぶ」 第3節「水管理とイネの生育との関係を理解する」
コマ主題細目 ① 水田の水管理に必要な設備と構造を知る ② 圃場で水の流れを観察し、管理の工夫を考える ③ 水管理とイネの生育との関係を理解する
細目レベル ① 水田で使用される水管理設備の名称・構造・配置と、その役割について視覚的に理解を深めることができます。まず、授業では水口(導水設備)、水尻(排水口)、用水路(給水経路)、排水路(排水経路)といった基本的な設備について、名称と構造を模式図や平面図を用いて整理します。それぞれの設備がどこに設置され、どのように連携して水の流れを制御しているのかを把握することで、水田が一つの水循環システムとして機能していることに気づくことができます。理解をさらに深めるために、設備同士の位置関係(例:水口が高く、水尻が低い構造)や、水の導入・保持・排出の流れを図上でなぞりながら学習します。代表的な水田平面図の読み取り練習を行い、班ごとに水の流れを言葉で説明できるように整理させることで、構造と機能をつなげて考える力が身につきます。また、灌漑用のため池や分水工など地域的な施設とのつながりについても、写真や事例を用いて補足し、水管理が農業だけでなく地域インフラの一部であることにも目を向けることができます。
② 実際の圃場における水の流れや滞留の様子を観察し、水管理と構造の関係を理解することができます。観察の中心となるのは、水口・水尻・用排水路といった設備の位置と構造です。まず、水がどこから入ってどこへ流れるのか、水深が場所によってどのように違うか、また水がたまりやすい・抜けにくい場所がどこにあるかなどに注目しながら、圃場を歩いて見て回ります。そのうえで、「なぜ水口がここにあり、水尻があちらにあるのか」といった構造的な意図を読み取ることができます。水の入り方や流れ方が、土地の傾斜や水路の設計とどう関係しているのかを、実際の地形や土壌の状態とあわせて観察します。例えば、わずかな高低差が水の流れに大きな影響を与えていることを発見し、平面図や水位の違いの説明図をもとに、それを言葉で整理することができます。スケッチの代わりに、チェックシートや観察項目リストを用いて、構造と水の動きの関連を記録・整理し、班内で共有します。最終的には、自分が見た水の動きについて、「この配置によってどのように水を管理しているのか」「水が滞っている理由は何か」などを具体的に説明できることを目指します。実際の観察を通じて、理論と現場を結びつけ、農業における水の扱いの繊細さや工夫に気づくことができます。
③ イネの生育ステージ(出芽・分げつ・幼穂形成・出穂・登熟・黄化など)に応じて水管理の方法がどのように変化するのかを理解することができます。まずは、各ステージの生理的特徴を整理し、それぞれの時期に適切な水の深さや管理の工夫(冠水、浅水、間断かん水、落水など)を、模式図と時系列表を用いて確認します。それにより、なぜ特定の時期に水をためたり抜いたりする必要があるのかを構造的に説明する力を身につけることができます。あわせて、水管理が不適切であった場合に起こる問題(水不足による穂揃いの不良、過湿による根腐れや病害発生など)の具体例を紹介し、「管理の差が収量や品質にどうつながるか」を考えることができます。映像教材がない場合でも、写真資料や失敗事例の図を使って比較し、視覚的に違いを捉えることができます。また、「なぜこのタイミングで水を切るのか」「なぜこの時期は浅水にするのか」といった問いに対して、自分の言葉で理由を説明できるように、ワークシートや整理表に書き込む活動を行います。最終的には、イネの成長と水管理の関連性を段階的に理解し、単なる知識の暗記ではなく、状況に応じた判断や説明ができるようになることを目指します。
キーワード ① 水管理設備の構造(水口・水尻・用水路・排水路) ② 圃場の地形と水の流れ(高低差・傾斜と水の動きの関係) ③ 生育ステージ別の水管理(冠水・浅水・間断かん水・落水) ④ 水管理の失敗事例とリスク(過湿・水不足・病害・収量低下) ⑤ 水と生育の因果関係の言語化(構造・管理・結果をつなぐ説明力)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
 今回の授業では、水田における水管理の設備・構造・現場での観察、そしてイネの生育段階ごとの水管理の工夫について学びました。復習としてまず、用語の整理を行いましょう。水口・水尻・用水路・排水路といった各設備の名前とその役割、どのように連携して水の流れを制御していたのかを、ノートや配布資料を見ながら言葉で説明できるようにしてください。また、実際に見た圃場の構造と水の流れ方(たまりやすい場所、抜けやすい場所)を振り返り、なぜそのようになっていたのかを地形や構造の視点から考えてみましょう。
 イネの生育段階ごとの水管理については、時系列表に沿って管理方法を整理し、なぜその水深・管理法が必要なのかを論理的にまとめてください。失敗事例(根腐れ、登熟不良など)も含めて、管理の良し悪しがどのように生育や収量に影響するかを再確認しておくことが、次回の実習や評価活動にもつながります。

◆次回授業の予習
 次回の授業では、サツマイモの収穫と、タマネギの植え付けおよびその後の栽培管理について学びます。予習としてまず、サツマイモの栽培管理と収穫との関係を振り返っておきましょう。さし苗の植え方(角度や深さ)、元肥の量やタイミング、土寄せの有無などが、イモの形や大きさにどう影響するのかを考え、自分のノートに記録しておくと、収穫時の観察が深まります。
 タマネギについては、まず良苗の条件として「株元の太さが4~5mm」である理由を整理しておいてください。これは生育の安定性や抽苔防止に重要なポイントです。また、霜柱対策としての植え付け深さや、活着を促すための植え方の工夫についても予習しておくと、実習での技術習得につながります。さらに、タマネギの追肥や収穫に関する基本的な知識も確認しておきましょう。追肥のタイミングが早すぎても遅すぎても玉の肥大に影響が出るため、その判断の難しさと意味を資料や講義ノートを読み返して理解しておくと、授業への準備として十分です。全体として、植え付けから収穫までの作業がどのようにつながっているかを意識して、予習に取り組んでください。

11 収穫と植え付けから考える作物ごとの育て方 科目の中での位置付け  本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

 第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第11回の授業では、「農業基礎演習Ⅱ」の中でも“作業の結果から学び、次の作業に活かす”というサイクルを実感する重要な位置付けにあります。サツマイモの収穫では、実際に掘り上げたイモの状態から、さし苗の植え方や土寄せ、元肥の量が収穫にどう影響したかを振り返ることができ、栽培と成果のつながりを実感できます。これは単なる作業で終わるのではなく、農業技術を「考える営み」としてとらえる意識を育てます。一方、タマネギの植え付けでは、苗の見極めや霜柱への対応といった冬越しの基礎管理を学び、さらに追肥や収穫期の判断という「先を読む力」にも触れます。収穫物を生み出すには、計画的かつ段階的な管理が必要であるという視点を、この1コマを通じて多面的に学ぶことができます。このように、本コマは「収穫・植え付け・その後の管理」という複数の時期をまたいだ実践を一度に体験できる貴重な学習機会であり、作物ごとの特性を踏まえた農作業の理解をより深め、次回以降の管理作業や評価活動に向けた基盤をつくる内容となっています。

◆コマ主題細目①
・第11回テキスト「収穫と植え付けから考える作物ごとの育て方」 第1節「サツマイモの収穫」
◆コマ主題細目②
・第11回テキスト「収穫と植え付けから考える作物ごとの育て方」 第2節「良い苗を見極めて植え付ける ― タマネギ栽培のスタート」
◆コマ主題細目③
・第11回テキスト「収穫と植え付けから考える作物ごとの育て方」 第3節「追肥と収穫を見据えた管理 ― タマネギ栽培の先を読む」
コマ主題細目 ① サツマイモの収穫 ② 良い苗を見極めて植え付ける ― タマネギ栽培のスタート ③ 追肥と収穫を見据えた管理 ― タマネギ栽培の先を読む
細目レベル ① サツマイモの収穫作業を通じて、栽培全体の流れと収穫のポイントをふりかえりながら、作物の特性と栽培管理の関係性を理解することができます。まず、収穫前に育成環境や生育状況を観察し、「どのように育てた結果、この収穫につながったのか」を考える視点を持ちます。実習では、つるを切ってから地中のイモを掘り上げ、傷つけないよう手作業で収穫します。その中で、イモの太り方や形に個体差がある理由を、さし苗の植え方(角度や深さ)、元肥の量、土寄せの仕方などと関連づけて理解することができます。元肥を控えめにする理由(つるボケを防ぐため)、植え床は高くして排水を良くする必要があること、植え付けは地温が12度以上になってから行うことが望ましいことなど、植え付け時の判断が収穫結果にどう影響するかを掘り下げます。また、収穫作業の効率や保管方法にも簡単に触れ、実際の作業だけでなく、収穫後の工程にも関心を広げます。収穫の際には、形のよいイモとそうでないイモの違いを比較しながら、「なぜこうなったのか」を考える活動を取り入れ、自分たちの栽培管理の振り返りにつなげます。最終的には、「サツマイモの収穫から見える栽培の成功と課題」を自ら言葉にしてまとめることを目標とし、単なる作業ではなく、作物の性質をふまえた農業技術の理解へとつなげます。
② タマネギの植え付け作業の前段階として、適切な苗の選び方と基本的な植え方を理解することができます。特に重視するのは「苗の株元の太さが4~5mm程度」であることです。これは生育初期に過剰な肥大や抽苔を防ぐうえで極めて重要な指標であり、育成の成功に直結する基準として扱います。講義では、良苗と不良苗の具体例を写真や実物を用いて比較し、学生が自分の目で判断できるようにします。実習では、選んだ苗を1本ずつ丁寧に植え付け、根をまっすぐ下に伸ばせるように深さや植え込み角度に注意しながら作業を行います。地上部は風や寒さに耐えられるように軽く土で押さえます。特に冬季に霜柱で苗が浮き上がることを防ぐために、適切な深さと土の密着が重要であることも説明します。圃場の土壌条件や気象をふまえた管理が必要であることを理解した上で、観察ノートに苗の状態・気づいたこと・植え付けの注意点を記録し、翌週以降の活着状況と結びつけて振り返ることができるようにします。
③ 植え付け後の栽培管理について理解を深め、タマネギの生長過程を見据えた追肥や収穫時期の判断について考えることができます。講義では、植え付け後しばらくは根の活着を優先するため追肥は控えるが、春以降の生育初期における追肥(特に2月・3月の窒素肥料)が玉の太りを左右する重要なポイントであることを紹介します。また、追肥のタイミングが早すぎると葉ばかりが育ち玉が肥大しない「葉肥え」状態になるリスクがあることや、遅すぎると収穫までに肥大が間に合わないことを、生育ステージ別の図とあわせて学びます。あわせて、収穫期の判断基準(葉の倒伏、首のしまる様子)や収穫時の注意点(掘り取り・乾燥・保存)についても解説し、1年を通じた栽培スケジュールの中で、植え付け作業がどこに位置しているのかを俯瞰する視点を持ちます。また、追肥のタイミングが早すぎると葉ばかりが育ち玉が肥大しない「葉肥え」状態になるリスクがあることや、遅すぎると収穫までに肥大が間に合わないことを、生育ステージ別の図とあわせて学びます。あわせて、収穫期の判断基準(葉の倒伏、首のしまる様子)や収穫時の注意点(掘り取り・乾燥・保存)についても解説し、1年を通じた栽培スケジュールの中で、植え付け作業がどこに位置しているのかを俯瞰する視点を持ちます。
キーワード ① さし苗と植え付けの条件 ② 収穫と栽培管理の関係 ③ タマネギ苗の見極め ④ 追肥のタイミングと方法 ⑤ 収穫の判断基準と保存
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
 今回の授業では、サツマイモの収穫作業を通じて、植え付けからの栽培管理が収穫の結果にどのように影響するのかを振り返る機会となりました。イモの形状や大きさに個体差があることを観察しながら、さし苗の角度や深さ、元肥の量、土寄せの方法がどのように関係していたのかを改めて整理しておきましょう。加えて、タマネギの植え付けでは、苗の株元の太さや霜柱への対応など、冬越しに向けた管理の重要性を学びました。復習としては、自分が選んだ苗の状態、植え方の工夫、植えた場所の土壌条件などを記録し、観察ノートに残しておくことが大切です。また、タマネギの追肥や収穫時期の見極めについても、講義内容を振り返りながら、「いつ、どのように管理することが良い結果につながるのか」を考えておくと、今後の観察・収穫時に活かすことができます。

◆次回授業の予習
 次回の授業では、「病害虫発生予察事業」における調査対象種・調査手順・結果のまとめ方について学びます。予察調査は、植物防疫法に基づいて全国の都道府県で毎年行われており、地域ごとに指定された有害動植物(病害虫)が調査対象とされています。予習として、まず「予察調査とは何か」「なぜ実施されているのか」という基本的な位置づけを確認してください。また、「指定有害動植物」とはどういったものかを調べ、愛媛県や北海道で実際にどのような病害虫が対象となっているかを例として確認しておきましょう。
 加えて、「発生予察情報」として公表される内容には「予報」「注意報」「警報」「特殊報」などの区分があるため、それぞれがどのようなタイミングで発表され、どのように生産者の病害虫防除に活かされているのかを、農水省や県の農業技術センター等のサイトで実際の資料を参照しながら理解を深めてください。さらに、調査結果は「半旬(約5日)」単位でまとめられることも多いため、この用語の意味やその活用方法についても確認しておくと、次回の講義内容がより理解しやすくなります。

12 害虫の予察調査 科目の中での位置付け  本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

 第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、ツケナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

 第12回の授業では、病害虫発生予察事業で実施されているような「予察調査」を実施します。どのような手順で調査を行い、どのようなデータを収集し、どのようにデータをまとめているのかについて学びます。また、予察調査の結果がどのような形で生産者の方々に公開されているのかについても学びます。

◆コマ主題細目①
・第12回テキスト「害虫の予察調査」 第1節「予察調査の対象種」
◆コマ主題細目②
・第12回テキスト「害虫の予察調査」 第2節「予察調査の実施手順」
◆コマ主題細目③
・第12回テキスト「害虫の予察調査」 第3節「予察調査のまとめ方」
コマ主題細目 ① 予察調査の対象種 ② 予察調査の実施手順 ③ 予察調査のまとめ方
細目レベル ① 植物防疫法第二十二条、第二十三条、および第三十一条に基づき、全国の都道府県で予察調査が毎年実施されています。対象となる病害虫種は、広域に発生しているもしくは発生しうる種で、その地域の農業に大きな被害を及ぼしうる種です(指定有害動植物)。そのため、地域によって少しずつ対象種が異なることもあります。愛媛県と北海道の対象種を例に挙げ、どのような病害虫種が対象となっているのかを確認します。各都道府県で多くの調査が毎年実施され、毎年結果が公表されていることを学びます。調査結果の公表方法として、「予報」、「警報」、「注意報」、「特殊報」などがあり、それらの公表された結果が生産者の方々の効率的な病害虫防除の実施につながっていることを学びます。
② 予察調査は、全国の都道府県で毎年実施されているものです。そのため、都道府県をまたいで調査結果を比較したり、年をまたいで調査結果を比較したりできるように、その調査方法がある程度定められています。キャベツのモンシロチョウに関する調査は「〇〇〇〇」という手順で、水稲のウンカ類に関する調査は「△△△△△△」という手順で、様々な作物を食害するガ類に関する調査は「□□□□□」という手順で、といったように定められた手法で毎年調査を実施しています。具体的にどのような病害虫に対してはどのような手法が用いられているのかを学びます。実際に、学内圃場で栽培されている作物とそこで発生している害虫を対象に調査を行い、データを収集する技術を修得します。
③ 予察調査は、全国の都道府県で毎年実施されているものです。そのため、都道府県をまたいで調査結果を比較したり、年をまたいで調査結果を比較したりできるように、その分析方法がある程度定められています。キャベツのモンシロチョウに関する調査は「〇〇〇〇」という手順で、水稲のウンカ類に関する調査は「△△△△△△」という手順で、様々な作物を食害するガ類に関する調査は「□□□□□」という手順で、といったように定められた手法で毎年調査結果がまとめられています。具体的にどのような病害虫はどのような手法で結果をまとめられるのかについて学びます。②で収集したデータを使い、実際に予察調査の結果のまとめる技術を修得します。
キーワード ① 病害虫発生予察事業 ② 予察調査 ③ 指定有害動植物 ④ 発生予察情報 ⑤ 半旬
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
 本コマでは、予察調査の具体的な対象種、手法、およびその結果のまとめかたについて学びました。特に、今回扱った病害虫の調査手法について説明できるように理解を深めておいてください。また、予察調査の結果に基づく情報をどのような形で生産者に提供しているのかについても説明できるように理解を深めておいてください。文章教材を十分に読み直したうえで、生成AIを用いた復習方法を実施してください。生成AIに作成させた小テストについて、自分で回答し、自分で解説ができるようになるまで理解を深めておいてください。

◆次回授業の予習
 次回は、タマネギの植え付けについて扱います。特に、タマネギの植え付けの際に注意しなければならない点について予習を進めてください。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。

13 レモンを知り、果樹園での収穫に備える ― 常緑果樹の基礎と管理 科目の中での位置付け  本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

 第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第13回の授業では、「農業基礎演習Ⅱ」のなかで果樹(特にレモン)に関する理解を体系的に深めるための準備段階として位置づけられます。これまでに野菜類(畑作物)の栽培管理や収穫を体験してきた学生にとって、本コマは常緑果樹という新たな作物群に目を向け、栽培対象の多様性と作物ごとの管理手法の違いを学ぶ機会となります。野菜とは異なり、果樹園では1年を通じた計画的な管理が必要であり、栽培環境(地形、排水性)、作業内容(剪定、防除、支柱など)、さらには収穫時の安全性や加工・出荷といった実際の流通まで含めた知識が求められます。特にレモンは常緑果樹であり、葉を落とさず光合成を継続するため、病害虫が滞留しやすいという特徴があり、そうした特性に応じた管理が必要です。このような基礎知識を事前に講義で身につけることで、第15回・16回のレモン収穫実習では、ただ作業をこなすのではなく、「なぜこの時期にこの作業を行うのか」「どうすれば品質を保てるか」といった視点を持って参加できるようになります。したがって、このコマは実習と理論をつなぐ橋渡しとして極めて重要であり、果樹栽培を理解するうえでの土台づくりとなる授業です。

◆コマ主題細目①
・第13回テキスト「レモンを知り、果樹園での収穫に備える ― 常緑果樹の基礎と管理」 第1節「レモンという作物を知る ― 特性と生育のしくみ」
◆コマ主題細目②
・第13回テキスト「レモンを知り、果樹園での収穫に備える ― 常緑果樹の基礎と管理」 第2節「果樹園のしくみと管理の基本を学ぶ」
◆コマ主題細目③
・第13回テキスト「レモンを知り、果樹園での収穫に備える ― 常緑果樹の基礎と管理」 第3節「レモンの収穫を理解する ― 時期・方法・判断のポイント」
コマ主題細目 ① レモンという作物を知る ― 特性と生育のしくみ ② 果樹園のしくみと管理の基本を学ぶ ③ レモンの収穫を理解する ― 時期・方法・判断のポイント
細目レベル ① レモンを代表とする常緑果樹の特性について理解を深め、畑作物や落葉果樹と比較しながら、その生育のしくみを構造的に学ぶことができます。まず、分類(ミカン科ミカン属)、主要な品種(リスボン、ユーレカ、ビアフランカなど)、原産地、栽培地域などの基本情報を講義形式で整理します。その上で、レモンが常緑果樹であることから、年中葉を保ち、光合成を継続しながら果実を着けるという特性について、図解や写真を用いて視覚的に理解を深めます。また、常緑果樹ならではの管理上の特徴(剪定のタイミング、寒害リスク、施肥の時期など)についても触れ、落葉果樹との管理上の違いに着目しながら整理します。果実の成熟サイクルについては、花が咲いてから収穫に至るまでの月別の流れをカレンダー形式で示し、気温や降水量との関係を資料から読み解くことで、温暖な気候を好むレモンの生育環境への適応性を論理的に考えることができます。さらに、実際の圃場写真を見ながら、葉の色や果実のつき方、枝の伸び方などを観察し、視覚的なイメージを持ちながら理解を深めることができます。最後に、学習内容を確認するワークとして、「レモンが常緑果樹であることの利点と課題は何か」「落葉果樹との栽培上の違いを一つ以上説明できるか」といった問いを通じて、自分の言葉で要点をまとめることができるようにします。
② レモンを中心とした果樹園の管理について、栽培環境や基本的な作業内容を体系的に理解することができます。まず、果樹園では樹木が長期間にわたり同じ場所に定植されるため、年間を通じた計画的な管理が必要であることを前提に、土壌管理(施肥や排水対策)、剪定(風通し・採光・樹形の調整)、病害虫防除、支柱設置、草刈りなどの基本的な管理作業について、写真資料や図解を使って視覚的に学びます。特に、常緑果樹であるレモンは葉が1年中茂っているため、病害虫が滞留しやすいという特徴があります。そのため、防除の頻度や剪定による風通しの確保が重要であることを具体的に説明します。また、レモン園は傾斜地や段畑での栽培が多く見られるため、雨水の排水性、土壌の流亡防止、安全な作業動線の確保など、畑の地形に応じた管理上の工夫についても触れます。加えて、収穫作業の前段階として、果実への傷つき防止や作業時の安全性(斜面での転倒防止、脚立の使い方など)にも目を向け、安全管理の重要性を理解することができます。学生はそれぞれの管理作業がレモンの健全な生育と収穫の効率にどうつながるかを考えながら、「果樹園という環境で作物を育てる」ことの意味を捉えることができます。最後に、具体的な管理項目とその目的・効果を表にまとめ、作業と成果の因果関係を言葉で説明できることを目標とします。
③ レモンの収穫に必要な基礎知識を整理し、「いつ・どのように・なぜ収穫するのか」を総合的に理解することができます。まず、収穫適期の判断については、果実の大きさ、色づき、香り、果皮の厚みといった外観的・感覚的な要素を具体的に学びます。講義では、複数のレモンの写真や実物(可能であれば)を比較しながら、完熟前、適熟、過熟の違いを見極める視点を養います。あわせて、地域や品種によって収穫時期に幅があることや、収穫のタイミングが果汁量や酸味、保存性に与える影響についても資料を通じて理解を深めます。収穫方法に関しては、果実を傷つけないためのハサミの使い方、果梗の切り方、摘み取り時の力加減、安全に作業するための姿勢や手順など、実習前に確認すべきポイントを整理します。傾斜地での作業や収穫かごの扱い方など、安全面の配慮も含めて具体的に説明し、次回の収穫実習に備えた心構えができるようにします。さらに、収穫した果実がどのように選別・出荷されるのか、傷果や形状によって等級が変わること、B級品の加工利用(レモンジャム・ピール・レモネードなど)の事例にも触れることで、農作業と流通・加工・消費がつながっていることに気づくことができます。講義のまとめとして、「適期でない収穫が何に影響するか」「収穫後の扱いが品質にどう関係するか」といった問いに、自分の言葉で答えられることを目標とします。
キーワード ① 常緑果樹としてのレモンの特性 ② 果樹園の管理作業と環境 ③ 収穫適期の判断基準 ④ 収穫作業の方法と安全管理 ⑤ 流通・加工とのつながり
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
 今回の授業では、レモンという作物の特性、果樹園での管理作業の基本、そして収穫に必要な判断と技術について講義を受けました。復習として、まずはレモンが常緑果樹であることの特徴(葉が落ちない、光合成が続くなど)と、落葉果樹との違いを自分の言葉で説明できるよう整理してください。次に、果樹園での基本的な管理作業(剪定、防除、支柱設置、草刈りなど)とその目的を表にまとめ、管理が収穫にどのように関わっているかを考えてみましょう。また、収穫適期の見極めに必要な判断要素(果実の大きさ、色、香り、果皮の状態など)や、果梗の切り方・作業時の注意点についてもノートを振り返っておくことが大切です。加工や選別の視点もあわせて、収穫が単なる作業ではなく、食や流通とどうつながっているかについても考察を深めておくと、次回の実習での理解がより深まります。

◆次回授業の予習
 次回は、農薬の効果試験を学内圃場で栽培している作物とそこで発生している害虫に対して実施します。どのような目的で、どのような手法を用いて調査を行うのかについて予習を進めてください。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。

14 農薬の効果試験 科目の中での位置付け  本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

 第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、ツケナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

 第14回の授業では、全国の農業試験場などで実施されている「農薬の効果試験」を実施します。どのような手順で調査を行い、どのようなデータを収集し、どのようにデータをまとめているのかについて学びます。また、農薬の効果試験の結果がどのような形で私たちの生活に関係しているのかについても学びます。

◆コマ主題細目①
・第14回テキスト「農薬の効果試験」 第1節「農薬の効果試験の意義」
◆コマ主題細目②
・第14回テキスト「農薬の効果試験」 第2節「農薬の効果試験の実施手順」
◆コマ主題細目③
・第14回テキスト「農薬の効果試験」 第3節「農薬の効果試験のまとめ方」
コマ主題細目 ① 農薬の効果試験の意義 ② 農薬の効果試験の実施手順 ③ 農薬の効果試験のまとめ方
細目レベル ① 農薬の効果試験は、全国の農業試験場などの研究機関で毎年実施されています。各農薬メーカーが開発した新しい化学物質を「登録農薬」として製品化するために必要な試験の一つです。また、すでに登録されている農薬についても、別の作物や別の害虫にも使用できるように「適用拡大」するのに必要な試験です。効果試験の対象種となるのは、農業の現場で問題となっており、農薬登録後に十分な需要が見込まれる病害虫種に限られます。その地域の重要病害虫を適切に防除するためにも、農薬の登録および適用拡大は必要です。ここでは、実際にどのような病害虫種に対して効果試験が実施されているのかを学びます。また、どの種が重要病害虫なのかを判断するために、農業試験場などが実施している調査研究が重要な役割を果たしていることを学びます。
② 農薬の効果試験は、様々な作物で様々な病害虫に対して実施されています。その試験方法は、ある程度は「一般社団法人 日本植物防疫協会」によって定められています。作物種や病害虫種によって、様々な手法や基準が設けられていることを学びます。しかし、地域によって病害虫は異なり、作物の栽培形式や栽培規模も異なるため、それぞれ臨機応変に対応する必要があります。これまでどのような基準でどのような試験が実施されてきたのか、実例を踏まえて学びます。また、本学の圃場で栽培されている作物とそこで発生している害虫を対象に、農薬の効果試験を実施します。どのような手法を用いるべきなのかを自ら考えて実施できるように、知識と技術を修得します。
③ 農薬の効果試験の結果は、その農薬が登録されるか否か、適用拡大が認められるか否かを左右する非常に重要なデータとして扱われます。そのため、そのデータのまとめ方にもある程度ルールが定められています。効果試験の結果をまとめる際に付記しなければならない情報が何か、どのような体裁でデータを示す必要があるのかを学びます。②で収集したデータを使い、実際にデータをまとめる技術を修得します。この演習では、パソコンを用いて各自でMicrosoft WordとMicrosoft Excelを使ってデータをまとめます。また、データをまとめた後に、そのデータを科学的に分析する技術についても学びます。その農薬が対象となる害虫種に有効に機能するのか否かを適切に分析できるようになります。
キーワード ① 農薬 ② 効果試験 ③ 登録農薬 ④ 適用拡大 ⑤ データ分析
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
 本コマでは、予察調査の具体的な対象種、手法、およびその結果のまとめかたについて学びました。特に、今回扱った病害虫の調査手法について説明できるように理解を深めておいてください。また、予察調査の結果に基づく情報をどのような形で生産者に提供しているのかについても説明できるように理解を深めておいてください。文章教材を十分に読み直したうえで、生成AIを用いた復習方法を実施してください。生成AIに作成させた小テストについて、自分で回答し、自分で解説ができるようになるまで理解を深めておいてください。

◆次回授業の予習
 次回は、レモンの収穫作業について扱います。レモンの収穫作業は、学外演習となります。地域生産者の方々が管理されている圃場にて実施させていただきます。レモンをはじめとするカンキツ類の収穫に関する知識について予習を進めてください。また、学外の圃場に病害虫を持ち込まないように、長靴や手袋などの作業道具を洗浄しておきましょう。現地でも、病害虫防除の観点から管理作業に十分に気を付けて取り組みましょう。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。

15 レモンの収穫に挑む ― 観察・作業・記録を通して理解を深める 科目の中での位置付け  本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

 第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第15回の授業では、「農業基礎演習Ⅱ」における果樹栽培実習の中でも、栽培と収穫のつながりを体験的に理解する実践的な授業として非常に重要な位置を占めます。前回の第13回では、レモンという作物の特性や果樹園の管理、収穫適期の判断基準などについて講義を通じて学びましたが、本コマでは実際に果実を観察し、収穫作業を行い、その後の記録・分析まで一連のプロセスを体験します。つまり、「知識として得たことを現場で活かす」ステップにあたります。単なる収穫体験ではなく、「なぜ今収穫するのか」「どのように収穫するのがよいのか」「収穫物はどのように評価・活用されるのか」といった視点で作業に取り組むことは、農業を単なる作業としてではなく、観察・判断・記録・共有という学びのサイクルの中で捉える機会になります。また、常緑果樹としてのレモンの特性や、傾斜地での安全な作業手順など、果樹栽培特有の技術や注意点に触れることで、野菜栽培との違いや作物ごとの管理の難しさを体感できます。

◆コマ主題細目①
・第15回テキスト「レモンの収穫に挑む ― 観察・作業・記録を通して理解を深める」 第1節「レモン果実の成熟と収穫適期の見極め方」
◆コマ主題細目②
・第15回テキスト「レモンの収穫に挑む ― 観察・作業・記録を通して理解を深める」 第2節「収穫作業の基本技術と安全管理」
◆コマ主題細目③
・第15回テキスト「レモンの収穫に挑む ― 観察・作業・記録を通して理解を深める」 第3節「果実の状態を記録する ― 収穫データのとり方」

コマ主題細目 ① レモン果実の成熟と収穫適期の見極め方 ② 収穫作業の基本技術と安全管理 ③ 果実の状態を記録する ― 収穫データのとり方
細目レベル ① 常緑果樹であるレモンの果実が、どのような経過を経て成熟するのかを実際の果実を使って観察し、収穫のタイミングを判断するための視点を養います。果皮の色(緑から黄色への変化)、大きさ、香り、果皮の厚さ、果梗の状態など、視覚・触覚・嗅覚を使って観察し、適熟・未熟・過熟の違いを自分の目で確認できるようにします。大学1年生向けとして、常緑果樹では収穫が葉の落葉や休眠に伴わないこと、果実が枝に長くとどまる特性があることを簡潔に解説し、落葉果樹(例:リンゴやナシ)との違いにも言及します。
② 収穫はさみを使ったレモンの正しい切り取り方や、果梗を残す意味、果実を傷つけないための持ち方など、基本的な収穫技術を実践の中で体得します。傾斜地や段畑での作業が多いことから、滑りやすい足場や転倒の危険、脚立の使い方といった安全面についても指導します。大学1年生が安心して作業に取り組めるよう、事前にチェックリストを用いた注意事項の確認や、作業前の器具点検、声かけの重要性などにも触れ、単に「作業ができる」だけでなく、「安全に行える」ことを重視します。班で協力して役割を分担し、指導者の指示を守りながら作業を進めます。
③ 収穫したレモンの状態を評価し、データとして記録する方法を学びます。果実の重さ、直径、形状(整形・歪み)、色の濃淡、果皮の状態などを簡易的に測定し、班ごとに記録用紙にまとめます。記録データから「形のよい果実」「未熟な果実」「傷のある果実」などを分類し、なぜそのような差が出たのかを考察することで、果実の成熟や環境要因との関係性を理解できます。大学1年生には、測定の正確さよりも「観察→記録→振り返り」の基本的な学習サイクルを体験することを重視し、次回の収穫物比較や加工用途選定にもつなげます。
キーワード ① レモンの成熟サイン(果皮の色・香り・果皮の厚み) ② 常緑果樹と落葉果樹の違い(収穫タイミング・休眠) ③ 収穫の基本技術と安全管理(収穫ばさみ・果梗・脚立) ④ 果実状態の観察と分類(形・重さ・色・傷) ⑤ 観察→記録→振り返りのサイクル(学びの定着)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
 今回の授業では、レモンの成熟度の見極め方、収穫時の技術と安全管理、そして収穫後のデータ記録と観察方法について学びました。復習として、まずレモンの果実が成熟する過程を振り返り、どのような視点で適熟を判断したかを再確認しましょう。果皮の色、香り、果皮の厚み、大きさ、果梗の状態など、それぞれの観察項目がどのように収穫適期の判断につながるのか、自分なりに整理してください。また、実際の収穫作業を通じて、収穫はさみの使い方や脚立の扱い、班内での連携や安全確認の重要性を体験したと思います。振り返りノートに、収穫作業で注意した点や改善点、安全面で意識した行動を書き出しておくと、次回以降の作業がより安全かつ円滑になります。さらに、果実を観察・記録する中で、班内で分類した基準や、その違いが生まれた原因についても共有し、「収穫の評価」がどのように次の栽培や活用につながるかを考察しておくと、次回の加工・振り返り授業への理解が深まります。

◆次回授業の予習
 次回の授業では、レモン収穫の総まとめとして、収穫した果実の選別体験、加工用途の検討、そして実習全体のふりかえりを行います。予習として、まずは前回までに収穫したレモンの状態を思い出し、「どのような果実があったか」「大きさや形に差があった理由は何か」「傷果や未熟果はなぜ発生したのか」といった点をノートに整理しておきましょう。また、加工品としてのレモンの使われ方(例:レモネード、ピール、ジャムなど)について、1〜2品目を調べておくと、B品や規格外品の活用について具体的に考えることができます。インターネットやレシピサイトで加工方法や商品例を見て、「この果実ならこう使えるのでは?」というアイデアを持って授業に臨んでください。

16 収穫したレモンを評価する ― 選別・観察・ふりかえりから学ぶ 科目の中での位置付け  本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

 第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第1回の授業では、「農業基礎演習Ⅱ」における収穫実習の総仕上げに位置付けられる重要な回です。これまで学生は、野菜や果樹の栽培管理、収穫方法を実習と講義の両面から学び、実際にレモンの収穫作業を体験してきました。今回はその収穫物を用いて、果実の等級を評価し、収穫の成果を言語化するプロセスに取り組むことで、「収穫=終わり」ではなく、「収穫=次につながる評価と考察の起点」であることを実感します。また、レモンという常緑果樹の特性をふまえたふりかえりにより、「果実の品質に差が出る理由」「判断の難しさ」「作業中の工夫が結果にどう影響したか」といった観点から、作業の意味を深く捉える力が育ちます。大学1年生にとって、単に収穫して終えるのではなく、「観察する」「評価する」「ふりかえる」という流れを体験的に学ぶことは、農業の実践と思考をつなぐ大きなステップとなります。さらに、今後の栽培・収穫・評価実習にも応用できる視点を養うことで、農業における一連の作業の意味づけと総合的理解が深まる授業回となります。

◆コマ主題細目①
第16回テキスト「収穫したレモンを評価する ― 選別・観察・ふりかえりから学ぶ」 第1節「収穫果の選別と等級分けを体験する」
◆コマ主題細目②
第16回テキスト「収穫したレモンを評価する ― 選別・観察・ふりかえりから学ぶ」 第2節「出荷や評価を想定したレモンの観察と記録」
◆コマ主題細目③
第16回テキスト「収穫したレモンを評価する ― 選別・観察・ふりかえりから学ぶ」 第3節「収穫から見えた課題と次につながるふりかえり」
コマ主題細目 ① 収穫果の選別と等級分けを体験する ② 出荷や評価を想定したレモンの観察と記録 ③ 収穫から見えた課題と次につながるふりかえり
細目レベル ① 前回収穫したレモン果を使い、市場出荷を想定した簡易的な選別作業を体験します。果実のサイズ、色、形状、傷の有無などを基準に「A品(良品)」「B品(規格外)」などに分類し、実際の流通現場でも使用される視点をもとに評価します。選別の基準を学生にもわかりやすい表形式で提示し、「どの程度の違いが品質に関係するか」「見た目のどの部分に注目すべきか」などを学びながら、判断の難しさや農家の選果作業の大変さを実感します。大学1年生でも無理なく取り組めるよう、少人数の班ごとに選別を行い、分類の理由を記録し、班内で共有することで観察力と評価力を高めます。
② 選別したレモンの果実を詳細に観察し、出荷や品質評価に必要な視点を学びます。具体的には、果実の直径、重さ、色の濃淡、表皮の質感(滑らかさ・ごつごつ感)、傷や変形の有無などを簡単に測定し、観察記録シートに記入します。また、「なぜこのような状態になったのか」を考えることで、収穫時の取り扱いや栽培管理(風あたり、日照、剪定など)との因果関係を想像することができます。測定の正確さよりも、「観察 → 判断 → 記録 →共有」の流れを重視し、記録をもとに自分の言葉で評価できるようになることを目指します。
③ レモン収穫実習の内容をふりかえり、作業中に感じたこと・学んだこと・改善点を言語化することを目標とします。たとえば、「適熟果が少なかった理由」「傷果が多かった要因」「作業分担や連携での工夫」などを班ごとに共有しながら整理し、次回以降に活かせる改善点を考えます。加えて、講義で学んだ「常緑果樹の特性」や「果実の長期着果性」などと実体験をつなげて考えることで、知識と実践の往復を意識した学びができます。最終的には、「自分たちがどのような作業をし、その結果どのような果実が収穫されたのか」を自らの言葉でふりかえることで、農作業の意味をより深く理解する機会となります。
キーワード ① レモンの等級と選別基準(サイズ・色・傷・形状) ② 果実の観察と記録の方法(直径・重さ・表皮・色の濃淡) ③ 流通を意識した品質評価(A品/B品/市場との関係) ④ 栽培と成果の因果関係(取り扱い・剪定・気象との関連) ⑤ 作業のふりかえりと改善点の共有(連携・判断・次回への活用)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回の授業では、レモンの収穫後に行う選別作業と、品質評価に必要な観察・記録の方法について学びました。復習として、まず自分たちが収穫した果実をどう選別したかをふりかえり、「どの基準でA品・B品を分けたのか」「判断が迷った点は何だったか」を整理しておきましょう。また、観察項目(重さ、直径、色、表皮の状態など)ごとに、果実の違いがなぜ生まれたのかを考え、栽培中の管理(剪定、日当たり、風通し、病害)と結びつけて説明できるように準備してください。さらに、収穫実習の中で感じた課題(作業の分担、効率、安全面など)を思い出し、次回以降の作業にどう生かすかを記述しておくと、ふりかえり活動で深い対話が可能になります。自分の言葉で「今回の成果と課題」を明確にしておきましょう。

17 ブロッコリ-・ハクサイ・カブ・ニンジンの収穫、イチゴの理解を深める 科目の中での位置付け 本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第17回の授業では、「農業基礎演習Ⅱ」における冬季野菜栽培の集大成として位置づけられる重要なコマです。ここでは、ブロッコリー・ハクサイ・カブ・ニンジンといった秋から育ててきた作物を収穫し、収穫作業を「成果の確認」としてだけでなく、「栽培管理のふりかえりと分析」として深く学ぶ機会とします。栽培中に実施した播種・定植・間引き・追肥・病害虫対策などの各作業が、最終的にどのような品質・形状・収量に影響したのかを、観察・記録・考察を通じて言語化する力を養います。また、収穫という作業を通じて、「作物の生長を最終的にどう評価するか」「どんな管理が成功や課題につながったか」を体系的に学ぶ重要な場となります。さらに、次回以降のイチゴ収穫実習への導入として、イチゴという果実の特性や管理方法を講義で学ぶことで、野菜との違いや果実栽培の基礎的な理解を得る機会にもなっています。農作業の「終わり」ではなく、「次への学びの入り口」としての意味を持つコマです。

◆コマ主題細目①
第18回テキスト「ブロッコリ-・ハクサイ・カブ・ニンジンの収穫、イチゴの理解を深める」 第1節「冬野菜の収穫を通して成果を確認する ― ブロッコリー・ハクサイ・カブ・ニンジン」
◆コマ主題細目②
第18回テキスト「ブロッコリ-・ハクサイ・カブ・ニンジンの収穫、イチゴの理解を深める」 第2節「収穫物の観察と記録 ― 生育環境と成果の関係をふりかえる」
◆コマ主題細目③
第18回テキスト「ブロッコリ-・ハクサイ・カブ・ニンジンの収穫、イチゴの理解を深める」 第3節「イチゴという作物を知る ― 特性と管理のしくみ」
コマ主題細目 ① 冬野菜の収穫を通して成果を確認する ― ブロッコリー・ハクサイ・カブ・ニンジン ② 収穫物の観察と記録 ― 生育環境と成果の関係をふりかえる ③ イチゴという作物を知る ― 特性と管理のしくみ
細目レベル ① 冬野菜(ブロッコリー、ハクサイ、カブ、ニンジン)の収穫を通じて、生育状態の違いや品質の差を観察し、栽培の成果を自ら評価する力を養います。まず、収穫時には各作物のサイズ、重さ、形状、色、病害の有無などを班ごとに観察・記録します。たとえば、ブロッコリーの頂花蕾の締まり具合、ハクサイの結球の様子、カブやニンジンの根の太り方や分岐の有無など、作物ごとの「成果の見え方」に注目します。そのうえで、これらの成果がどのような栽培管理の影響を受けたかを掘り下げて考察します。たとえば、播種や定植の時期、間引きの適否、追肥のタイミングと量、マルチや寒冷紗の使用有無、雨や寒さの影響などをふり返り、管理と成果の因果関係を言語化できるようにします。作業は、収穫→観察→記録→考察という流れで進め、記録用紙や観察ノートを活用して個別・班単位でまとめます。観察項目はシンプルに整理し、「よくできた理由」「うまくいかなかった要因」を自分の言葉で説明できるレベルを目指します。最終的には、収穫が単なる「終わりの作業」ではなく、「学びを振り返る機会」であることを体感し、今後の栽培活動に活かせるような視点を身につけることを目標とします。
② 収穫した冬野菜(ブロッコリー、ハクサイ、カブ、ニンジン)を個別に観察し、それぞれの生育成果を記録・整理しながら、その背景にある環境や栽培管理との関係性を考える力を育てます。観察項目は、作物ごとの特徴を踏まえて設定します。たとえば、ブロッコリーは頂花蕾の直径や締まり具合、ハクサイは結球の有無や葉の厚み、カブやニンジンは根の太り方や形状、分岐の有無、皮の色や艶などを記録します。記録用紙には、サイズや重さを数字で記入するほか、見た目の印象や収穫時の手ごたえ(抜きやすさ、硬さなど)もメモできる欄を設け、五感を使った観察ができるようにします。そのうえで、記録した内容をもとに、「なぜこのような結果になったのか」を個人・班で考察し、間引きのタイミング、追肥の有無、土壌の湿り気、日当たり、霜の影響など、管理作業や天候要因との関連を言語化します。数字を測ることよりも、「どのような視点で見れば違いがわかるか」「観察したことをどう説明できるか」を重視し、単なる作業の記録ではなく、次の栽培につなげる分析的な姿勢を身につけることを目指します。最終的には、観察→記述→考察→共有という流れの中で、農業における観察力とふりかえり力の基礎を育てることが本細目の目的です。
③ イチゴ収穫(第21回)に向けた導入講義として、イチゴの栽培特性や管理の基本について体系的に学ぶことができます。講義の冒頭では、イチゴの植物学的な位置づけ(多年草・バラ科・偽果であること)を紹介し、「野菜と果実の中間的な存在」としての特徴に触れます。そのうえで、開花から結実、着色、収穫までのサイクルをスライドと栽培カレンダーを使って説明し、収穫のタイミングや判断基準(果実の色づき・へたの立ち具合・香りなど)にも簡単に触れておきます。栽培管理に関しては、マルチングによる地温調整と病害抑制、摘花による着果数の調整、適切な追肥のタイミングや方法(特に春先の窒素管理)、うどんこ病・灰色かび病などの主要病害への対応策などを写真資料を用いて視覚的に示し、初心者にも理解しやすくします。また、株元の観察、ランナー処理、土壌水分の管理といった日常的な手入れの意義を押さえ、「なぜこの作業が必要か」という根拠を示すことを重視します。加えて、イチゴの流通の特徴(鮮度保持の難しさ・収穫から出荷までのスピード感)にも簡単に触れ、「育てる」だけでなく「届ける」という視点を導入します。講義の最後には、育て方・管理方法・出荷や流通までの知識をふまえて「イチゴが育つにはどのような環境と作業が必要か?」をペアでまとめ、自分の言葉で説明できる状態にすることを目標とします。特に大学1年生にとっては、果実栽培の基本的な理解を持つ良い機会となり、今後の観察や収穫実習に対する興味や主体性を引き出す役割を果たします。
キーワード ① 冬野菜の収穫と成果の確認 ② 栽培管理と収穫結果の関係 ③ 五感を活かした観察・記録 ④ イチゴの栽培特性と管理 ⑤ 野菜と果実の中間作物としてのイチゴ
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
今回の授業では、冬野菜(ブロッコリー・ハクサイ・カブ・ニンジン)の収穫を通じて、栽培管理と成果の関係を観察・記録・考察しました。次回に向けては、それぞれの作物について、どのような点が「よくできた」と感じたか、あるいは「うまくいかなかった」と思ったかを自分の言葉で整理しておきましょう。たとえば、「ハクサイの結球が甘かったのはなぜか?」「ニンジンの形がゆがんだ理由は何か?」など、観察した結果から推測できる理由を考えておくと、次の作物栽培や評価につながります。特に、観察・記録・共有のプロセスを通して得た視点を、今後の実習やふりかえりに活用できるよう、観察ノートを振り返っておいてください。また、イチゴの栽培管理に入る前に、冬野菜との共通点と違いを整理しておくこともおすすめです。

◆次回授業の予習
次回の授業では、病害虫の発生を未然に防ぐための「予察調査」と、病害虫対策としての「農薬の効果試験」の意義と手法を学びます。これに備えて、事前に自分の居住地または関心のある都道府県の「病害虫発生予察情報(例:〇〇県病害虫防除所のWebサイト)」を検索し、最新の「注意報」または「警報」が出ている病害虫名を1種調べ、その病害虫がどの作物に、どの時期に発生しているのかをメモしておいてください。また、「農薬登録情報提供システム」(農林水産省)などを使って、登録農薬が作物ごと・病害虫ごとにどのように整理されているかを確認し、病害虫ごとの対策が農薬の種類によってどのように異なるのかにも注目しておきましょう。予察と防除は単にデータを集めるだけではなく、「いつ・どこで・どれくらい・何に」発生するのかを的確に判断し、必要な対策を立てるためにあることを意識しながら調べ学習を行ってください。

18 病害虫の観察・同定・調査 科目の中での位置付け 本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第18回の授業では、踊り場コマとしてこれまでに学修した内容について改めて概説します。病害虫にはどのような種類があるのか、病害虫を同定するときに注意すべき点、予察調査や農薬の効果試験を実施する際に気を付けるべき点などについて修得します。

◆コマ主題細目①
第18回テキスト「病害虫の観察・同定・調査」 第1節「病害虫を同定する」
◆コマ主題細目②
第18回テキスト「病害虫の観察・同定・調査」 第2節「病害虫を調査する(予察調査)」
◆コマ主題細目③
第18回テキスト「病害虫の観察・同定・調査」 第3節「病害虫を調査する(農薬の効果試験)」
コマ主題細目 ① 病害虫を同定する ② 病害虫を調査する(予察調査) ③ 病害虫を調査する(農薬の効果試験)
細目レベル ① 農業の分野では、「病害虫」による被害を抑えるために、防除の取り組みが欠かせません。しかし、効果的な防除を行うには、被害を引き起こしている「病害虫」が“何であるか”を判別しておく(同定する)必要があります。また、どの時期に、どの程度の被害が発生しているかについても把握しておくことが重要です。病害虫種を同定する際に、どの地域で、どの作物で、どの時期に発生したのかという情報が重要な手掛かりとなることを理解します。様々な病害虫種について、同定するために必要な観察手法や標本作成技術についても修得します。どのような点に注目して同定作業を進めるべきなのかを理解し、自ら様々な文献を基に病害虫種を同定できるように技術と知識を定着させます。
② 農業の分野では、「病害虫」による被害を抑えるために、防除の取り組みが欠かせません。しかし、効果的な防除を行うには、被害を引き起こしている「病害虫」が“何であるか”を判別しておく(同定する)必要があります。また、どの時期に、どの程度の被害が発生しているかについても把握しておくことが重要です。病害虫種を同定する際に、どの地域で、どの作物で、どの時期に発生したのかという情報が重要な手掛かりとなることを理解します。様々な病害虫種について、同定するために必要な観察手法や標本作成技術についても修得します。どのような点に注目して同定作業を進めるべきなのかを理解し、自ら様々な文献を基に病害虫種を同定できるように技術と知識を定着させます。
③ 農薬の効果試験は、全国の農業試験場などの研究機関で毎年実施されています。各農薬メーカーが開発した新しい化学物質を「登録農薬」として製品化するために必要な試験の一つです。農薬を農地で使用するためには、農薬として「登録」される必要があります。また、すでに登録されている農薬についても、別の作物や別の害虫にも使用できるように「適用拡大」するのに必要な試験です。実際にどのような病害虫種に対して効果試験が実施されているのかを学び、どのような手法で試験するべきなのかを自ら判断し実施できるようになります。また、農薬の効果試験の結果をまとめる際に必要な情報、適切なデータの示し方などを学び、自らデータを収集してまとめて分析できるようにするための知識と技術を修得します。
キーワード ① 病害虫 ② 防除 ③ 同定 ④ 予察 ⑤ 農薬の効果試験
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
本コマでは、踊り場コマとしてこれまでに学修した内容について改めて概説しました。特に、病害虫にはどのような種類があるのか、病害虫を同定するときに注意すべき点、予察調査や農薬の効果試験を実施する際に気を付けるべき点などについて説明できるように理解を深めておいてください。文章教材を十分に読み直したうえで、生成AIを用いた復習方法を実施してください。生成AIに作成させた小テストについて、自分で回答し、自分で解説ができるようになるまで理解を深めておいてください。

◆次回授業の予習
次回は、病害虫を観察して同定する作業について扱います。第7回に作成した標本を用いて、様々な文献を使いながら同定してもらいます。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。


19 病害虫の観察3(害虫の同定) 科目の中での位置付け 本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第19回の授業では、病害虫を観察して同定する手法について扱います。第7回に作成してもらった標本を使い、様々な文献を参照しながら種を同定する技術を学びます。同定するときに用いる検索表の使い方、観察するべき重要な形質について学びます。

◆コマ主題細目①
第19回テキスト「病害虫の観察3(害虫の同定)」 第1節「害虫の標本の取り扱いかた」
◆コマ主題細目②
第19回テキスト「病害虫の観察3(害虫の同定)」 第2節「文献の選び方」
◆コマ主題細目③
第19回テキスト「病害虫の観察3(害虫の同定)」 第3節「害虫の同定」
コマ主題細目 ① 害虫の標本の取り扱いかた ② 文献の選び方 ③ 害虫の同定
細目レベル ① 問題となっている病害虫を同定し、適切な病害虫管理を実施するためにも、標本の取り扱い方の最低限の知識と技術を習得する必要があります。作成した標本は、適切に取り扱わなければ容易に破損してしまいます。破損してしまうと、同定するときに観察しなければならない重要な形質が失われてしまうかもしれません。乾燥標本やエタノール液浸標本など、標本の種類によって取り扱い方が異なります。それぞれの標本の種類によって適切な取り扱い方法を修得します。また、標本を適切に保管しなければ、カビが生えたりカツオブシムシ類のような害虫に標本が食害されたりします。保管方法を誤ってカビや害虫の被害を受けた場合、同じ場所に保管している他の標本にも大きな被害を及ぼす可能性があります。適切な保管方法についても学び、資料保存の基礎知識を修得します。
② 病害虫を同定するときには、図鑑や論文などの文献を参照する必要があります。しかし、そのような文献は数えきれないほど出版されており、その中から適切なものを選択して参照しなければなりません。その選択のときには、対象としている害虫をおおまかに分類することが求められます。一般的には、目レベルもしくは科レベルで同定した後、図鑑や論文などの文献を使うという手順になります。目レベルや科レベルの同定に必要な知識と、図鑑や論文を用いた種レベルの同定に必要な知識を修得します。このコマを通して、対象としている害虫を同定するために適切な文献を自ら選択できるようになります。また、図鑑や論文などの同定に用いる文献は、小説や教科書などの一般的な書籍とは構成が異なります。図鑑の使い方を修得し、効率的に病害虫の同定を行えるようになります。
③ 第7回の演習で、害虫の標本を各自作成してもらっています。その標本を用いて、同定をする作業を実施してもらいます。まずは、②で学んだ手順通りに、目レベルおよび科レベルの同定をします。その後、適切な図鑑や論文などの文献を選択します。選択した文献に従い、種を同定する作業を進めます。場合によっては検索表を用いて同定します。これら一連の作業を通して、①で学んだ標本の取り扱い方法についても技術として修得します。なお、害虫種を同定することは、適切な病害虫防除の実施には必須の作業です。その重要性について学んだ第18回の内容について改めて触れます。最後に、作成してもらった標本は標本箱などの保管容器に移します。①で学んだ標本の適切な保管方法についての知識を定着させ、その重要性を再確認します。
キーワード ① 標本 ② 資料保存 ③ 同定 ④ 図鑑・論文 ⑤ 病害虫防除
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
本コマでは、病害虫を観察して同定する手法について扱いました。特に、標本の取り扱い方と保管方法、同定に用いる文献の選び方について説明できるように理解を深めておいてください。文章教材を十分に読み直したうえで、生成AIを用いた復習方法を実施してください。生成AIに作成させた小テストについて、自分で回答し、自分で解説ができるようになるまで理解を深めておいてください。

◆次回授業の予習
次回は、双眼実体顕微鏡の取り扱いおよび観察について行います。特に、双眼実体顕微鏡の基本的な使用方法について予習を進めておいてください。また、双眼実体顕微鏡を使用する上での注意点について予習しておいてください。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。

20 病害虫の観察4(双眼実体顕微鏡の使用) 科目の中での位置付け 本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第20回の授業では、双眼実体顕微鏡を用いて病害虫を観察・同定する手法について扱います。双眼実体顕微鏡の特徴、顕微鏡を扱ううえでどのような点に注意しなければならないのか、害虫種の判別をするためにどのような点に注目して観察するべきなのかについて学びます。

◆コマ主題細目①
第20回テキスト「病害虫の観察4(双眼実体顕微鏡の使用)」 第1節「双眼実体顕微鏡を扱うときの注意点」
◆コマ主題細目②
第20回テキスト「病害虫の観察4(双眼実体顕微鏡の使用)」 第2節「双眼実体顕微鏡の使い方」
◆コマ主題細目③
第20回テキスト「病害虫の観察4(双眼実体顕微鏡の使用)」 第3節「双眼実体顕微鏡を使った害虫の観察」
コマ主題細目 ① 双眼実体顕微鏡を扱うときの注意点 ② 双眼実体顕微鏡の使い方 ③ 双眼実体顕微鏡を使った害虫の観察
細目レベル ① 害虫の多くは非常に小型であるため、その外部形態を詳しく観察するには拡大して見ることが求められます。特に農業の現場では、害虫の種類を正確に見分けて適切な防除対策を立てるために、双眼実体顕微鏡(そうがんじったいけんびきょう)を使った観察が非常に重要な手段となります。本授業では、双眼実体顕微鏡の基本構造や特性について学び、実際に機器を操作しながらその使い方を修得します。双眼実体顕微鏡は高精度な機器であるため、丁寧な取り扱いが求められます。正しい取り扱い方法を身につけることで、機器を破損させることなく、長く有効に活用することが可能になります。授業を通して、観察対象である害虫の特徴を的確に把握するための操作スキルと、顕微鏡の正しい扱い方の両面について理解を深めていきます。
② 双眼実体顕微鏡は、両目で対象物を立体的に観察することができる顕微鏡です。しかし、適切な使い方をしなければ、その性能を生かして観察することができません。顕微鏡の使い方は非常に単純ですが、正しく使うことができている人は多くありません。微小な害虫を正しく同定するためには、双眼実体顕微鏡を正しく用いて害虫の微細構造を詳細に観察する必要があります。ここでは、双眼実体顕微鏡の正しい使用手順を学びます。また、使用する際に双眼実体顕微鏡を破損させないために注意すべき点についても学びます。双眼実体顕微鏡に限らず、顕微鏡は基本的に精密機械です。乱暴に使用したり誤った手順で使用すると、容易に破損します。知識を修得するだけではなく、実際に双眼実体顕微鏡を使用してその技術も修得します。
③ 学内圃場で採集された害虫を中心に、双眼実体顕微鏡を用いた同定作業を実施します。②で学んだ取り扱い方法を実践し、その知識と技術を定着させます。また、第19回で学んだ害虫の同定方法についても、繰り返し実践して知識と技術を定着させます。観察・同定の作業の途中には、適切な文献の選び方にも注視し、効率的に正しい同定ができるようになります。これらの一連の作業を通して、どのようなグループの害虫は体のどの部分の形質に注目して同定を進めるのかについても学びます。また、標本を作製する際にどの部位が観察しやすいように意識して作製するべきなのかについても触れ、第7回の修得内容とも関連付けて考察します。害虫の観察と種の同定技術は、害虫防除の現場においても欠かせないスキルであり、ここで修得する知識と技術は、今後の研究活動において大いに役立つものとなります。
キーワード ① 同定 ② 顕微鏡 ③ 双眼実体顕微鏡 ④ 標本 ⑤ 検索表
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
本コマでは、双眼実体顕微鏡を用いて害虫を観察して同定する手法について扱いました。特に、双眼実体顕微鏡の取り扱い上の注意点について説明できるように理解を深めておいてください。文章教材を十分に読み直したうえで、生成AIを用いた復習方法を実施してください。生成AIに作成させた小テストについて、自分で回答し、自分で解説ができるようになるまで理解を深めておいてください。

◆次回授業の予習
次回は、イチゴの収穫を行います。特に、イチゴの収穫適期を判断する際に重要なポイントとなる点について予習を進めておいてください。また、イチゴの栽培方法についての基礎的な知識についても復習しておいてください。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。

21 農業と食をつなぐ ― 6次産業化の基本を学ぶ 科目の中での位置付け 本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第21回の授業では、農業基礎演習Ⅱの中でも後半に位置し、これまで学生が体験してきた「栽培=1次産業」の実習内容を土台にしながら、農業の社会的な広がりと将来の展望を考える重要なタイミングとなります。実際に野菜や果実を育てる経験を積んだ今だからこそ、その成果物が「どのように加工されるのか」「誰に、どんな方法で届くのか」という2次・3次の産業領域に意識を向けることができます。また、6次産業化の考え方を通じて、「農業は作って終わりではない」という視点や、「育てる・加工する・届ける」が一体化した現代の農業の姿を実感することができます。このように、本コマは、学生の学びを実体験から社会の仕組みへと接続させる“橋渡し”の役割を担い、農業に対する多面的な関心や職業観を育むことを目的としています。また、第23回・24回の加工実習に向けた事前学習としても位置づけられ、実践の場で「なぜ加工するのか」「どのような価値が生まれるのか」という視点を持って参加するための土台をつくる役割も果たします。

◆コマ主題細目①
第21回テキスト「農業と食をつなぐ ― 6次産業化の基本を学ぶ」 第1節「1次産業とは何か ― 生産現場の価値を知る」
◆コマ主題細目②
第21回テキスト「農業と食をつなぐ ― 6次産業化の基本を学ぶ」 第2節「加工という視点で農業を見る ― 2次産業の役割を理解する」
◆コマ主題細目③
第21回テキスト「農業と食をつなぐ ― 6次産業化の基本を学ぶ」 第3節「6次産業化を考える ― 農業の可能性を広げる発想力」
コマ主題細目 ① 1次産業とは何か ― 生産現場の価値を知る ② 加工という視点で農業を見る ― 2次産業の役割を理解する ③ 6次産業化を考える ― 農業の可能性を広げる発想力
細目レベル ① まず「1次産業」とは何かを明確に定義し、農業・林業・漁業のうち本授業で扱う「農業」を中心に、作物を育てて収穫するという基本的な営みの意味を掘り下げて考えます。特に、大学の栽培実習で育ててきた野菜や果実を題材に、「種をまく・苗を植える・水をやる・収穫する」といった日常的な作業のひとつひとつが、実は社会に価値を生み出していることに気づく構成とします。作物には「A品」「B品」「規格外」といった流通上の基準があることも紹介し、「形が不ぞろいでも食べられる野菜」がなぜ市場からはじかれるのか、その裏にある消費者の視点や流通の論理にも触れます。これにより、見た目や効率だけでは測れない「農業の価値」を多面的にとらえる力を養います。さらに、実習で栽培した野菜を振り返る時間を設け、「なぜこの野菜を育てたのか」「自分が育てた作物にはどんな意味があったのか」などを個人ワークとして言語化させ、食の出発点=生産活動の本質を自分ごととして理解できるようにします。実際の農作業が「労働」だけでなく、「価値を生む営み」であることを実感できるように導きます。
② 農作物を「育てる」だけでなく、「加工して価値を高める」という2次産業の視点を取り入れることで、農業の役割の広がりを理解します。まず講義では、イチゴをジャムやケーキに、ニンジンをジュースやピクルスに、ブロッコリーを冷凍食品に加工するなど、実際に販売されている身近な加工例を紹介し、学生にもなじみのある具体的なイメージを持たせます。つぎに、「なぜ加工するのか?」という問いを中心に、保存性の向上、見た目や味の変化による付加価値、規格外品の活用(フードロス削減)といった加工の利点を解説します。また、農産加工が「生産量の安定しない農業」におけるリスクヘッジの手段でもあることを取り上げ、「生で売る」以外の農業の可能性を論理的に整理します。さらに、次回予定されている河原調理専門学校での加工実習が、まさに2次産業の現場を体験する機会であることを紹介し、「加工の前提として、どんな野菜が選ばれるのか」「自分が育てた作物はどのように活かされるのか」を考えるワークも取り入れます。具体的には、自分の栽培してきた作物を1つ選び、「どんな加工品に変身するか」「どうすれば美味しく、価値あるものとして使ってもらえるか」といった視点で短くまとめさせ、加工の意義を自分の言葉で表現できることを目指します。
③ 「6次産業化」という言葉の意味を明確にし、1次産業(生産)× 2次産業(加工)× 3次産業(販売・サービス)による複合的な価値創出について体系的に学びます。まず、農家が単に作物を生産するだけでなく、自ら加工・販売までを担う具体的な事例を紹介します。たとえば、イチゴ農家がイチゴをジャムに加工し、農園併設のカフェや直売所、オンラインショップなどで販売する例を取り上げ、消費者との距離を縮める農業の新しい形をイメージさせます。講義の中では、6次産業化が地域農業にもたらすメリット(収入の安定化、雇用の創出、地域ブランド化、観光との連携など)について整理し、同時に、加工設備や販売ルート、食品表示や法規制など、実際に取り組む上での課題にも触れます。これにより、単なる理想論ではなく、実践の難しさや準備の必要性についても現実的に考える力を育てます。最終的には、「生産物をどう活かすか」「農業が社会とどうつながるか」を主体的に考える姿勢を育むことが、この細目の最大の目標です。農業に対する関心が「育てる」から「活かす」へと広がるきっかけとなるよう、発想力を刺激する展開を意識します。
キーワード ① 1次産業(生産) ② 2次産業(加工) ③ 6次産業化 ④ 付加価値とフードロス ⑤ 農業と社会の接点
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
これまでの栽培実習で自分が関わった作物の成長や収穫の過程を振り返り、「その作物はどのような価値をもっていたか」「生のまま出荷した場合と、加工品にした場合で何が変わるか」を自分の言葉で整理してください。とくに、形が不ぞろいでも味に問題のない“B品”や“規格外品”を、どうすれば無駄にせず活かせるかという観点をもつことが大切です。また、地域の農産物がどのような加工品として販売されているか(例:直売所・道の駅・地元スーパーなど)も調べておくと、授業の理解が深まります。農業を「作るだけで終わらない営み」として捉える準備をしておきましょう。

◆次回授業の予習
次回の授業では、生物顕微鏡を用いた害虫の観察と同定を行います。そのための予習として、まずは双眼実体顕微鏡と生物顕微鏡の違いについて整理しておきましょう。たとえば、「どのような標本を観察するときに、どちらを使うのが適しているのか」「光の使い方や倍率にどんな違いがあるのか」といった基本的な特性を比較しておくことが大切です。また、生物顕微鏡は高精度な精密機器であり、扱い方を誤ると簡単に破損してしまうため、基本構造(鏡筒・接眼レンズ・対物レンズ・ステージ・ピント調節ノブなど)の名称と役割についてもあらかじめ復習しておきましょう。加えて、「ピント合わせの基本的な手順」「プレパラートを動かすときの注意点」「レンズの掃除方法」など、使用時の注意事項にも目を通しておくと、当日の実習がスムーズになります。最後に、害虫の同定作業に必要な検索表の使い方や、同定のためにどの部位に注目するのか(例:触角、脚の節、交尾器など)について、これまでの授業で扱った内容を振り返っておくと、実習での観察と理解が深まります。正確な同定のためには「観察の精度」だけでなく、「知識と文献の活用力」が欠かせないことを意識して準備を進めてください。

22 病害虫の観察5(生物顕微鏡の使用) 科目の中での位置付け 本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第22回の授業では、生物体顕微鏡を用いて病害虫を観察・同定する手法について扱います。生物顕微鏡の特徴、顕微鏡を扱ううえでどのような点に注意しなければならないのか、害虫種の判別をするためにどのような点に注目して観察するべきなのかについて学びます。

◆コマ主題細目①
第22回テキスト「病害虫の観察5(生物顕微鏡の使用)」 第1節「生物顕微鏡を扱うときの注意点」
◆コマ主題細目②
第22回テキスト「病害虫の観察5(生物顕微鏡の使用)」 第2節「生物顕微鏡の使い方」
◆コマ主題細目③
第22回テキスト「病害虫の観察5(生物顕微鏡の使用)」 第3節「生物顕微鏡を使った害虫の観察」
コマ主題細目 ① 生物顕微鏡を扱うときの注意点 ② 生物顕微鏡の使い方 ③ 生物顕微鏡を使った害虫の観察
細目レベル ① 害虫の多くは非常に小型であるため、その外部形態を詳しく観察するには拡大して見ることが求められます。特に微小な昆虫や、外部形態での種同定が難しい場合などでは害虫の交尾器を観察することが求められます。そのようなときには、双眼実体顕微鏡ではなく生物顕微鏡が適しています。本授業では、生物顕微鏡の基本構造や特性について学び、実際に機器を操作しながらその使い方を修得します。生物顕微鏡は高精度な機器であるため、丁寧な取り扱いが求められます。正しい取り扱い方法を身につけることで、機器を破損させることなく、長く有効に活用することが可能になります。授業を通して、双眼実体顕微鏡と生物顕微鏡の違いについて、構造やその特性から理解します。
② 生物顕微鏡は、高倍率での観察が可能で、特に光を透過する標本(細胞や交尾器などのプレパラート標本)の観察に適しています。しかし、適切な使い方をしなければ、その性能を生かして観察することができません。顕微鏡の使い方は非常に単純ですが、正しく使うことができている人は多くありません。微小な害虫を正しく同定するためには、生物顕微鏡を正しく用いて害虫の微細構造を詳細に観察する必要があります。ここでは、生物顕微鏡の正しい使用手順を学びます。また、使用する際に生物顕微鏡を破損させないために注意すべき点についても学びます。生物顕微鏡に限らず、顕微鏡は基本的に精密機械です。乱暴に使用したり誤った手順で使用すると、容易に破損します。知識を修得するだけではなく、実際に生物顕微鏡を使用してその技術も修得します。
③ 学内圃場で採集された害虫を中心に、生物顕微鏡を用いた同定作業を実施します。②で学んだ取り扱い方法を実践し、その知識と技術を定着させます。また、第19回で学んだ害虫の同定方法についても、繰り返し実践して知識と技術を定着させます。観察・同定の作業の途中には、適切な文献の選び方にも注視し、効率的に正しい同定ができるようになります。これらの一連の作業を通して、どのようなグループの害虫は体のどの部分の形質に注目して同定を進めるのかについても学びます。また、標本を作製する際にどの部位が観察しやすいように意識して作製するべきなのかについても触れ、第7回の修得内容とも関連付けて考察します。害虫の観察と種の同定技術は、害虫防除の現場においても欠かせないスキルであり、ここで修得する知識と技術は、今後の研究活動において大いに役立つものとなります。
キーワード ① 双眼実体顕微鏡 ② 生物顕微鏡 ③ 同定 ④ 検索表 ⑤ 標本
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
本コマでは、生物顕微鏡を用いて害虫を観察して同定する手法について扱いました。特に、生物顕微鏡の取り扱い上の注意点について説明できるように理解を深めておいてください。また、双眼実体顕微鏡と生物顕微鏡の違いについて、その構造と特性の違いから説明できるように理解を深めておいてください。文章教材を十分に読み直したうえで、生成AIを用いた復習方法を実施してください。生成AIに作成させた小テストについて、自分で回答し、自分で解説ができるようになるまで理解を深めておいてください。

◆次回授業の予習
次回は、本学の圃場で収穫された農作物を用いて加工実習を行います。加工実習は、かわはらちょう李専門学校で実施します。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。

23 収穫物を社会につなぐ ― 農業の価値と活かし方を考える 科目の中での位置付け 本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第23回の授業では、「農業基礎演習Ⅱ」における1次産業(栽培・収穫)と2次産業(加工)の接点を体験的に理解するための橋渡しとなるコマです。これまで学生たちは大学の圃場において、種まきから栽培管理、収穫に至るまでの農業実習を積み重ねてきましたが、その成果物(=収穫物)を社会にどう届けるかという視点は、農業の本質をより深く捉えるうえで不可欠です。本コマでは、まず「育てる」段階での品質や規格の差を客観的に見直すとともに、それらの作物が「食材」としてどのように評価されるのかを、調理や加工という次のフェーズにつなげて考える視点を養います。また、6次産業化という複合的価値創出の概念を再確認し、農業を社会的価値に結びつける発想を促進します。このプロセスを通して、「作ること」と「届けること」の両面から農業を捉える姿勢が育ち、次回の加工実習における主体性や学びの深まりにも直結します。

◆コマ主題細目①
第23回テキスト「収穫物を社会につなぐ ― 農業の価値と活かし方を考える」 第1節「生産から加工へ ― 自分たちの育てた作物を見直す」
◆コマ主題細目②
第23回テキスト「収穫物を社会につなぐ ― 農業の価値と活かし方を考える」 第2節「加工を想定した野菜の評価 ― 食材としての視点を持つ」
◆コマ主題細目③
第23回テキスト「収穫物を社会につなぐ ― 農業の価値と活かし方を考える」 第3節「6次産業化の発想法 ― 作物を社会に届ける仕組みを学ぶ」
コマ主題細目 ① 生産から加工へ ― 自分たちの育てた作物を見直す ② 加工を想定した野菜の評価 ― 食材としての視点を持つ ③ 6次産業化の発想法 ― 作物を社会に届ける仕組みを学ぶ
細目レベル ① これまで大学の圃場で栽培・収穫してきた秋野菜(ニンジン、ダイコン、サツマイモなど)を実際に観察・記録しながら、生産活動の成果を客観的に評価する視点を育てます。観察対象とするのは、サイズ(長さ・太さ・重さ)、形状(直線的・曲がり・裂け・奇形など)、色、皮の状態、傷や病害の有無などです。記録は班ごとに用意された観察シートに数値とコメントの両方で記入させ、「どのような見た目の違いが、どういった管理や環境の差に起因するのか」を推測できるように指導します。特に注目するのは「規格外品」の存在です。市場で一般的に求められる「形のそろった、きれいな野菜」とは異なる、曲がりや大小のばらつきのある作物がどの程度発生しているかを可視化します。これを単なる「不良品」として扱うのではなく、「加工用途に活用できる食材」としてどう見直せるかという視点で、分類・記述させます。学生には「なぜこのような作物になったのか」「この作物は加工に活かせるか?」という問いを立て、チーム内で共有しながら、言語化する時間を設けます。最終的には、自分たちの育てた作物の価値を「流通」「加工」「消費」の視点で再評価することで、1次産業としての農業が、他産業とどう連携できるのかを考える導入とし、次回以降の加工実習や6次産業化の学びにつなげることを目標とします。
② 「野菜を調理・加工の材料としてどのように評価するか」という視点に立ち、自分たちが育てた秋野菜(ニンジン、ダイコン、サツマイモなど)の食材としての可能性を観察・整理します。まずは、甘み(糖度)、水分量、色(鮮やかさや変色のしやすさ)、香り、形状(サイズの揃い・切りやすさ)など、加工に関わる具体的な評価項目を設定し、それらに沿って収穫物を観察します。数値測定(糖度計など)やにおい・見た目・手触りなど五感を使った評価を通じて、食材の特性を定性的・定量的に理解することを目指します。作業はペアワークまたは小グループで実施し、それぞれの野菜について「どのような加工(煮物、スープ、ピクルス、スイーツなど)に向くか」「なぜその調理法がよいか」を話し合い、記録用紙にまとめます。評価結果は全体で共有し、野菜ごとの適性や多用途性についての理解を深めると同時に、「規格外品でも活用可能なケース」を見出す視点も育てます。この実習は、加工現場を体験する前段階として重要な導入となり、「生産者が消費者・加工者のニーズをどう意識するか」「作物を“育てる”だけでなく“活かす”視点を持てるか」という農業の多面的理解を促す役割を担います。最終的には、次回の加工実習において「自分の野菜がどう使われるか」を意識しながら行動できるようになることを目標とします。
③ すでに第20回で学んだ「6次産業化(=1次(生産)×2次(加工)×3次(販売)=6次)」の考え方を再確認しながら、自分たちの育てた野菜を社会につなげる流れを可視化・構造化する力を養います。はじめに、農業の枠を越えた活動としての6次産業化を復習し、「なぜ農家が加工・販売まで行うのか」「どのような工夫や課題があるのか」について講義形式で整理します。具体的には、農園カフェや地元加工場、直売所やEC販売などの事例を図や写真で示し、野菜が単なる“生産物”ではなく“商品”や“体験価値”にもなることを伝えます。そのうえで、今後の加工実習(河原調理専門学校)を「6次産業の入口」として捉え、自分たちがこれまで関わってきた野菜がどう加工され、どう人に届く可能性があるのかを考えます。この実習を通して、学生は農業を「作って終わり」ではなく、「誰かの生活につなげる営み」として捉える視点を持つようになり、加工実習に向けての意識も高まります。最終的には、「6次産業化=特別なこと」ではなく、「身近な行動や発想の延長線である」と感じられるよう導くことを目標とします。
キーワード ① 規格外品の活用 ② 食材評価(甘み・水分量・色など) ③ 加工適性 ④ 6次産業化 ⑤ 農業と社会との接点
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
次回の授業では、実際に河原調理専門学校で秋野菜の加工実習を行います。そのため、これまで自分たちが育ててきた野菜について、どのような特性があり、どのような形で「食材」として活かされる可能性があるのかをあらためて考えておくことが重要です。予習として、自分たちの班で収穫した野菜(例:サツマイモ、ダイコン、ニンジンなど)のうち1種類を選び、「この野菜はどう加工するとよさそうか」「どのような調理法が合いそうか」「見た目や味、硬さなどで注意すべき点はあるか」といった視点でメモを作成してきてください。また、加工しやすさ・しにくさ、形やサイズのそろい方、味や香りなども観察しておくと、当日の実習がより意味のあるものになります。

◆次回授業の予習
次回の授業では、第23回に引き続き、河原調理専門学校において加工実習を行います。この実習は、私たちが大学の圃場で育ててきた秋野菜(例:サツマイモ、ニンジン、ダイコンなど)を食材として活用する貴重な機会です。予習として、自分が栽培に関わった野菜のうち1つを選び、その野菜が調理や加工の現場でどのように扱われるかを具体的に想像してみてください。たとえば、「サイズが大きすぎて切りにくい」「皮が厚くむきにくい」「傷が変色の原因になりやすい」など、食材としての扱いやすさ、衛生面での配慮が必要なポイントは何か、作業効率を損なう要因はないかなどに着目してください。また、調理現場ではチームでの作業が基本となるため、自分の行動が他者にどう影響するかを考えることも大切です。道具の受け渡しや声かけ、衛生管理(手洗い、マスク、身だしなみなど)など、協働作業に必要な配慮についても整理しておきましょう。あわせて、「調理」と「加工」の違い(目的・規模・保存性・流通との関係など)について簡単に調べ、まとめておくと授業理解がより深まります。これらの準備を通して、「どうすれば加工実習をより有意義なものにできるか」を自分なりに考えて臨んでください。

24 加工実習 ― 食材の理解と調理現場への心構え 科目の中での位置付け 本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第24回の授業では、「農業基礎演習Ⅱ」の中でも、栽培実習と社会との接点(加工・流通)をつなぐ重要な転換点に位置します。これまでの演習では、種まき、間引き、定植、収穫といった“生産者”としての作業に重きを置いてきましたが、ここでは自分たちの育てた作物がどのように“使われるか”という“受け手の視点”へと意識を切り替える機会を提供します。加工実習に向けて、食材としての特性を見直すとともに、加工現場での協働・衛生・安全といった実践的な学びも得られます。これは、6次産業化という広い文脈(生産×加工×販売)の一部を実体験として理解するうえで非常に有効です。農業が社会とどのようにつながっているのか、そしてその中で自分たちがどのように関われるのかを実感的に学ぶことができるこのコマは、農業を“社会に届ける営み”として理解するための準備段階にあたり、以後の地域農業や食の循環を考えるうえでの基盤となります。

◆コマ主題細目①
第24回テキスト「加工実習 ― 食材の理解と調理現場への心構え」 第1節「加工の基本を知る ― 調理と加工の違いを理解する」
◆コマ主題細目②
第24回テキスト「加工実習 ― 食材の理解と調理現場への心構え」 第2節「使われる立場から野菜を見る ― 加工現場に向けた準備」
◆コマ主題細目③
第24回テキスト「加工実習 ― 食材の理解と調理現場への心構え」 第3節「加工現場での安全・衛生管理とチーム行動を確認する」
コマ主題細目 ① 加工の基本を知る ― 調理と加工の違いを理解する ② 使われる立場から野菜を見る ― 加工現場に向けた準備 ③ 加工現場での安全・衛生管理とチーム行動を確認する
細目レベル ① 調理と加工の違いを明確にし、加工が単なる「料理」ではなく、目的・スケール・保存性・流通・衛生管理などにおいて独自の要素をもつことを理解します。講義ではまず、家庭での調理と工場等での食品加工の違いを図解で示し、両者がそれぞれ何を重視しているのかを比較します。たとえば、加工では長期保存・規格化・安全基準が求められる一方、調理は味や見た目・即時性が重視されるといった視点です。実例として、サツマイモを「焼き芋」「大学いも」「冷凍ポテト」として使う際の加工方法・目的の違いを紹介します。また、加工に求められる衛生管理(HACCP)や製造ラインでの役割分担などにも簡単に触れ、加工の社会的な役割や経済的な広がりを理解させます。学生には「加工とは何か」を自分の言葉で説明できるようにさせ、次の実習に向けた知識の土台を築きます。
② 「自分たちが育てた野菜が、調理・加工される現場でどう扱われるか」という“使われる側”の視点を体験的に学びます。これまでの授業では生産者視点が中心でしたが、ここでは「調理者・加工者」の目線に立ち、見た目、傷の有無、サイズの均一性、皮の硬さ、切りやすさといった要素が実際の加工にどのように影響するかを考察します。実際に収穫した野菜のうちいくつかを選び、加工・調理現場での使いやすさという観点から分類・評価するワークを行います。たとえば、サイズが揃っていないニンジンは加熱の際に火の通り方に差が出ること、硬すぎるダイコンは下処理に時間がかかること、サツマイモの皮の傷は見た目だけでなく変色の原因となり得ることなどを整理します。学生には「この野菜が加工される立場だったら、どうしてほしいか?」「調理する人は何を気にするか?」という問いを投げかけ、実際にその視点でコメントをつけた記録用紙を作成させます。ワークは個人作業での記述と、班内での共有の両方を取り入れ、観点の多様性を広げます。特に「収穫された野菜をどう届けるか」「どうやって大切に扱ってもらえる状態にするか」といった観点で、次回の加工実習に向けた準備意識を高めることがねらいです。最終的には、農業が“作って終わり”ではないこと、加工や調理という次の工程に思いを寄せることが、1次産業のあり方として重要であるという気づきを得ることを目標とします。この相手視点の導入が、6次産業化の考え方へと自然に接続していく土台となります。
③ 「自分たちが育てた野菜が、調理・加工される現場でどう扱われるか」という“使われる側”の視点を体験的に学びます。これまでの授業では生産者視点が中心でしたが、ここでは「調理者・加工者」の目線に立ち、見た目、傷の有無、サイズの均一性、皮の硬さ、切りやすさといった要素が実際の加工にどのように影響するかを考察します。実際に収穫した野菜のうちいくつかを選び、加工・調理現場での使いやすさという観点から分類・評価するワークを行います。たとえば、サイズが揃っていないニンジンは加熱の際に火の通り方に差が出ること、硬すぎるダイコンは下処理に時間がかかること、サツマイモの皮の傷は見た目だけでなく変色の原因となり得ることなどを整理します。学生には「この野菜が加工される立場だったら、どうしてほしいか?」「調理する人は何を気にするか?」という問いを投げかけ、実際にその視点でコメントをつけた記録用紙を作成させます。ワークは個人作業での記述と、班内での共有の両方を取り入れ、観点の多様性を広げます。特に「収穫された野菜をどう届けるか」「どうやって大切に扱ってもらえる状態にするか」といった観点で、次回の加工実習に向けた準備意識を高めることがねらいです。最終的には、農業が“作って終わり”ではないこと、加工や調理という次の工程に思いを寄せることが、1次産業のあり方として重要であるという気づきを得ることを目標とします。この相手視点の導入が、6次産業化の考え方へと自然に接続していく土台となります。
キーワード ① 調理と加工の違い ② 食材 ③ 衛生管理と安全意識 ④ チーム行動と協働作業 ⑤ 加工適性(サイズ・形・傷など)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
これまで育ててきた秋野菜を実際に調理・加工する体験を通じて、「育てる」から「活かす」へと視点を広げる学びが求められます。実習前に復習しておくべきこととして、まず第24回の講義で学んだ「調理と加工の違い」や「使われる立場から野菜を見る視点」をノートや配布資料で振り返りましょう。自分が育てた野菜(例:サツマイモ、ニンジン、ダイコンなど)について、見た目・サイズ・皮の状態などが加工のしやすさにどう影響するかを再確認し、その特徴を他人に説明できるよう準備しておくと実習がスムーズになります。また、衛生管理やチームでの協力に関する注意点ももう一度読み直し、「自分が安全で丁寧な作業を行うには何が必要か」を自分なりに整理しておきましょう。

25 ジャガイモの栽培をふりかえる ― 生育から収穫までの観察と実感 科目の中での位置付け 本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第25回の授業では、「農業基礎演習Ⅱ」の終盤に位置づけられる実践的な収穫体験のひとつであり、春先にタネイモの準備・植え付けから始まったジャガイモ栽培の総まとめの回でもあります。本コマでは、作物の地中での成長を「収穫」という工程を通じて直接確認し、過去の栽培管理と目の前の結果をつなぐ思考力を育てることを目的とします。春に学んだ「タネイモの切り方・植え方」「芽かき」「追肥と土寄せ」などの工程が、実際にどのような収穫結果を生んだかを、観察・評価・ふりかえりを通して可視化します。これは単なる作業の実習ではなく、科学的な観察力と論理的なふりかえりの訓練となる重要なステップです。また、栽培の「正解」はひとつではなく、環境や管理の仕方によって多様な結果が生まれることを実感する機会でもあります。こうした体験を通じて、学生たちは農業における実験的・経験的学びの大切さを実感し、次の栽培や研究、地域連携活動へのモチベーションを高めることが期待されます。

◆コマ主題細目①
第27回テキスト「ジャガイモの栽培をふりかえる ― 生育から収穫までの観察と実感」 第1節「収穫作業から見えるジャガイモの成長プロセスを読み解く」
◆コマ主題細目②
第27回テキスト「ジャガイモの栽培をふりかえる ― 生育から収穫までの観察と実感」 第2節「イモの品質を見極める ― 外観・重量・配置から探る収穫評価」
◆コマ主題細目③
第27回テキスト「ジャガイモの栽培をふりかえる ― 生育から収穫までの観察と実感」 第3節「栽培管理をふりかえる ― 「土を太らせる」工夫の実感」
コマ主題細目 ① 収穫作業から見えるジャガイモの成長プロセスを読み解く ② イモの品質を見極める ― 外観・重量・配置から探る収穫評価 ③ 栽培管理をふりかえる ― 「土を太らせる」工夫の実感
細目レベル ① 実際の収穫作業を通じて、地上部では見えなかったジャガイモの成長を掘り起こす形で確認します。収穫はスコップや手作業を基本とし、ジャガイモの配置、数、太り具合、皮の状態、緑化の有無などを観察します。そのうえで、「なぜこのような育ち方になったのか」を栽培初期の手入れや環境条件と結びつけて考察します。たとえば、芽かきを適切に行ったか、土寄せが十分だったか、日照や降雨が生育にどう影響したかなどを振り返り、収穫をもとにした“逆算的理解”を深めます。学生には記録用紙に観察結果とともに、気づきや振り返りポイントを簡潔に記述させ、自分たちの作業と成果の関係を言語化する習慣を身につけさせます。
② 収穫されたジャガイモを「どのように評価するか」という観点で観察・分析します。観察項目としては、形状(丸・楕円・不整形)、サイズのばらつき、皮の硬さや色、病斑や傷の有無、緑化・発芽の兆候などを設定します。特に「どの部位に多くのイモがついているか」「1株あたりの重量と個数の関係」などを記録し、土壌中での養分分布や茎数との関係にも注目します。また、育成管理(追肥の時期や回数、芽かきの適否)との相関を読み取る作業を通じて、「作業の差がどのように現れるのか」を可視化します。記録は個人作業→班内共有→全体フィードバックという流れで整理し、データに基づく農作物評価の初歩を学びます。
③ ジャガイモ栽培における栽培管理の技術を、収穫結果と照らし合わせながら復習・考察します。特に芽かきによる茎数の調整、追肥・土寄せによる地中部の発育促進、イモの緑化防止などがどの程度実践できていたかを振り返ります。実際に収穫したイモの様子から「もっと土寄せすべきだった」「芽かきをしなかったために小粒ばかりだった」などの具体的な分析ができるように導きます。また、タネイモの準備段階での切り口の状態や配置が、発芽や成長にどう影響したかにも触れます。学生には、今後ジャガイモを育てるならどの工程にもっと注意を向けるべきかを振り返らせ、次につながる学びとすることを目標とします。
キーワード ① 芽かきと茎数調整 ② 追肥・土寄せとイモの太り ③ 緑化とイモの品質 ④ 収穫評価(形・数・重さ) ⑤ 栽培管理と収穫結果の因果関係
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
ジャガイモの収穫を通じて、栽培管理と結果の関係性をふりかえります。そのため、復習としてこれまでのジャガイモ栽培の過程を思い出し、自分たちがどのような作業をしてきたかを整理しておきましょう。具体的には、「芽かきはどの時期に行ったか」「追肥や土寄せはどのくらいの頻度で行ったか」「雨や日照は生育にどのように影響したか」などを振り返って、簡単にノートにまとめてください。また、タネイモの植え付け時に注意したこと(切り口の乾燥処理、植え深さ、切り方など)が収穫結果にどうつながっていそうかも、自分なりに予測しておくと観察時の視点が深まります。可能であれば、畝の場所や班内の管理記録なども確認しておくと、実習当日の分析がよりスムーズに進みます。

◆次回授業の予習
次回の授業では、「農業試験場職員」「農業普及指導員」「生産者」の3者がどのように連携し、日本の農業を支えているのかを学びます。そのため、予習としてまず「農業試験場とは何か」について調べてみましょう。都道府県の農業試験場のホームページなどを閲覧し、どのような研究が行われているか(品種改良、病害虫対策、土壌改良など)、どんな成果があるかを簡単にメモしてください。また、「農業普及指導員」についても、どのような仕事をしているのか、農業試験場との関係や、生産者とのやりとりの実例がないかを探してみましょう。特に、普及員がどのように技術や情報を現場に届けているのかという“橋渡し”の役割を意識しておくと、授業での理解が深まります。可能であれば、「農業試験場」「普及指導員」「生産者」のうち、自分が最も興味を持った立場について、理由とともに一言コメントをノートに書いておきましょう。

26 地域生産者と普及員と農業試験場 科目の中での位置付け 本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第26回の授業では、農業を支える職場で働く方々について概説します。農業は、現場で働いている生産者の方々のおかげで成立しています。しかし、その生産者の方々を支える立場の人間も多くいます。ここでは、農業の発展に寄与する研究をしている農業試験場の職員、そして農業試験場職員と生産者の橋渡しとなる立場である普及員について注目します。

◆コマ主題細目①
第26回テキスト「地域生産者と普及員と農業試験場」 第1節「農業試験場の仕事」
◆コマ主題細目②
第26回テキスト「地域生産者と普及員と農業試験場」 第2節「普及員の仕事」
◆コマ主題細目③
第26回テキスト「地域生産者と普及員と農業試験場」 第3節「農業試験場職員と普及員と生産者」
コマ主題細目 ① 農業試験場の仕事 ② 普及員の仕事 ③ 農業試験場職員と普及員と生産者
細目レベル ① 農業試験場は、農業に関する技術開発や品種改良、病害虫防除などの研究を行う公的な研究機関です。農業の生産性や安定性を高めることを目的に、地域の気候や土壌条件に適した栽培方法の開発や、新しい品種の育成、病害虫の発生状況の把握とその対策技術の研究など、幅広い分野で活動が行われています。また、現場の農業者が抱える課題に対応するため、試験場で得られた研究成果を生産者へと提供し、実際の農業に役立ててもらう役割も担っています。これにより、生産者は最新の技術や知識を活用しながら、効率的かつ安定的な農作物の生産を可能にしています。ここでは、農業試験場の基本的な役割や具体的な取り組みに加え、地域農業への貢献や社会における位置づけについても理解を深めていきます。
② 普及員は、正式には「農業普及指導員」と呼ばれます。都道府県に所属し、協同農業普及事業に従事しています。一部の職員は、農業改良助長法に基づく国家資格を取得している方もおられます。主な業務は、生産者の方々と直接関わり、農業技術の指導や経営相談の対応をします。また、農業試験場などの公的な研究機関の成果(新品種や栽培・病害虫防除の新技術など)を生産者の方々に普及する活動をします。生産者と農業試験場職員の橋渡しとなる立場であり、農業の発展には欠かせない存在です。愛媛県などの実例を踏まえながら、普及員の方々が農業の現場で果たしている役割について学びます。また、普及員として働くためにどのような知識と技術が必要とされているのかについても学びます。
③ 農業は、現場で働いている生産者の方々のおかげで成立しています。しかし、その生産者の方々を支える立場の人間も多くいます。各都道府県に設置されている農業試験場では、農業の発展に寄与するために様々な研究をしています。その土地に適した新しい品種や、新しい栽培方法、新しい病害虫防除の手法を開発しています。しかし、農業試験場が実施する研究によって得られた成果を、農業の現場に伝える立場の方々が必要となります。それが、農業普及指導員と呼ばれる方々です。この授業を通じて、この3つの立場の方々が、どのように農業に貢献し、農業を成立させているのかを理解します。北海道や愛媛県などの実例を踏まえながら、この3つの立場の方々がどのような関係にあるのかについて学びます。
キーワード ① 生産者 ② 農業試験場職員 ③ 農業普及指導員 ④ 都道府県職員 ⑤ 国家資格
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
本コマでは、農業に携わる方々の仕事について扱いました。特に、生産者と農業試験場職員と農業普及指導員の3つの立場の方々がどのような関係にあるのか、説明できるように理解を深めておいてください。また、農業普及指導員になるためにはどのような知識と技術が求められるのかについても復習しておいてください。文章教材を十分に読み直したうえで、生成AIを用いた復習方法を実施してください。生成AIに作成させた小テストについて、自分で回答し、自分で解説ができるようになるまで理解を深めておいてください。

◆次回授業の予習
次回は、現在の農業現場で進められている病害虫防除の考え方について扱います。特に、総合的病害虫管理(IPM:Integrated Pest Management)について予習を進めておいてください。文章教材に目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。

27 病害虫防除の考え方(IPMについて) 科目の中での位置付け 本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第27回の授業では、現代の農業分野で重要とされている病害虫防除の考え方について学びます。総合的病害虫管理(IPM:Integrated Pest Management)と呼ばれる管理手法が一般的に実施されています。IPMの歴史や基本的な考え方について概説します。

◆コマ主題細目①
第27回テキスト「病害虫防除の考え方(IPMについて)」 第1節「IPMの基本的な考え方」
◆コマ主題細目②
第27回テキスト「病害虫防除の考え方(IPMについて)」 第2節「IPMの歴史と活用場所」
◆コマ主題細目③
第27回テキスト「病害虫防除の考え方(IPMについて)」 第3節「IPMの各水準」
コマ主題細目 ① IPMの基本的な考え方 ② IPMの歴史と活用場所 ③ IPMの各水準
細目レベル ① 現代の農業において、発生する病害虫を1匹残らず駆除するような徹底防除の考え方は一般的ではありません。利用可能なすべての防除技術について経済性を考慮しつつ慎重に検討し、病害虫の発生増加を抑えるための適切な手段を総合的に判断して実施するという考え方が主流となっています。この考え方を、総合的病害虫管理(IPM:Integrated Pest Management)と呼びます。農林水産省も、日本の農業においてIPMの実施を推奨しています。IPMでは、「圃場内に全く病害虫が発生しないようにする」ことを目標としていません。防除にかかるコストと、防除を実施して商品として農作物を出荷したときに生じる利益を考慮し、「経済的な被害が出ないレベルに病害虫の発生量を抑える」ことを目標としています。この基本的なIPMの考え方を修得し、それが具体的にどのように運用されるのかについて学びます。
② IPMの歴史は1960年代にさかのぼります。当時のアメリカにおいて、農業の現場で大量の農薬が使用されており、環境への負の影響や薬剤抵抗性の発達などが生じ、病害虫防除が成立しなくなるという深刻な事態に陥っていました。これを打開するために、国際連合食糧農業機関(FAO:Food and Agriculture Organization of the United Nations)が現代のIPMの根幹となる考え方を提唱しました。その後、1970年頃に日本にIPMの概念が導入され始め、1980年代から様々な研究機関でIPMに基づく技術開発と実証研究が始まりました。また、IPMは農業現場で直面した問題を解決するために提唱された考え方ですが、その後様々な分野に応用・活用されています。現在では、博物館の資料保存における病害虫管理や、食品工場における病害虫管理などにもIPMは応用されています。以上のIPMの歴史と応用例を学び、私たちの生活にどのように関わっている概念であるのかを考察します。
③ IPMの中心的な概念の一つに「経済的被害許容水準(EIL:Economic Injury Level)」があります。防除にかかる費用など(防除コスト)と、防除を実施することによる利益増加分(防除利益)を考えたとき、防除コストと防除利益が等しくなる時の病害虫発生密度を経済的被害許容水準と呼びます。この経済的被害許容水準が意味するものについて学び、IPMの考え方について理解します。②で学んだように、IPMは農業以外の分野でも応用されている重要な考え方の一つです。ここでは、農業や博物館資料保存などの現場での実例を踏まえながらIPMを概説し、その重要性について学びます。また、それぞれの現場でIPMを実施するときに注意しなければならない点について学び、IPMで用いられる各水準についての理解を深めます。
キーワード ① 総合的病害虫管理(IPM) ② 国際連合食糧農業機関(FAO) ③ 経済的被害許容水準 ④ 病害虫防除 ⑤ 徹底防除
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
本コマでは、現代の農業で主流となっている病害虫防除の考え方について扱いました。特に、総合的病害虫管理(IPM)について説明できるように理解を深めておいてください。また、IPMの中心的概念の一つである経済的被害許容水準についても説明できるように復習しておいてください。文章教材を十分に読み直したうえで、生成AIを用いた復習方法を実施してください。生成AIに作成させた小テストについて、自分で回答し、自分で解説ができるようになるまで理解を深めておいてください。

◆次回授業の予習
次回は、病害虫防除に関わる様々な仕事と考え方について改めて概説します。また、病害虫の同定作業に必要な顕微鏡の取り扱い方についても改めて概説します。特に、農業試験場職員と農業普及指導員の農業における役割、現代の病害虫防除の根幹となる総合的病害虫管理(IPM)の考え方、双眼実体顕微鏡と生物顕微鏡のちがいについて、これまでの文章教材にも目を通して予習しておいてください。次回の文章教材にも目を通し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。

28 顕微鏡の使い方・農業試験場・IPM(踊り場コマ) 科目の中での位置付け 本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第28回の授業では、踊り場コマとしてこれまでに学修した内容について改めて概説します。また、病害虫の同定作業に必要な顕微鏡の取り扱い方についても改めて概説します。農業試験場職員と農業普及指導員の農業における役割、現代の病害虫防除の根幹となる総合的病害虫管理(IPM)の考え方、双眼実体顕微鏡と生物顕微鏡のちがいについて修得します。

◆コマ主題細目①
第28回テキスト「顕微鏡の使い方・農業試験場・IPM」 第1節「双眼実体顕微鏡と生物顕微鏡」
◆コマ主題細目②
第28回テキスト「顕微鏡の使い方・農業試験場・IPM」 第2節「農業試験場職員と農業普及指導員」
◆コマ主題細目③
第28回テキスト「顕微鏡の使い方・農業試験場・IPM」 第3節「総合的病害虫管理(IPM)」

コマ主題細目 ① 双眼実体顕微鏡と生物顕微鏡 ② 農業試験場職員と農業普及指導員 ③ 総合的病害虫管理(IPM)
細目レベル ① 害虫の多くは非常に小型であるため、その外部形態を詳しく観察するには顕微鏡を用いて拡大して見ることが求められます。また、微小な昆虫や外部形態での種同定が難しい場合などでは、害虫の交尾器を観察することが求められます。顕微鏡には様々な種類があり、そのなかに「双眼実体顕微鏡」と「生物顕微鏡」があります。それぞれの基本構造と特性について学びます。また、それぞれの基本的な使用方法、取り扱い時の注意点についても改めて概説します。本授業では、実際に各種顕微鏡を操作して、それぞれの使用方法についての知識と技術を定着させます。また、これまでに修得している害虫の同定に関わる知識と技術についても繰り返し触れ、理解を深めます。
② 農業を支える職場で働く方々について概説します。農業は、現場で働いている生産者の方々のおかげで成立しています。しかし、その生産者の方々を支える立場の人間も多くいます。ここでは、農業の発展に寄与する研究をしている農業試験場の職員、そして農業試験場職員と生産者の橋渡しとなる立場である普及員について改めて概説します。それぞれの立場の方々が、具体的にどのような業務を行い、どのように農業の発展に寄与しているのかについて学びます。また、それぞれの仕事がどのように関係しており、農業の現場で働く生産者の方々の作業にどのような影響を与えているのかについても理解を深めます。また、農業試験場職員と農業普及指導員の方々が求められる知識と技術についても学びます。
③ 現代の農業において、発生する病害虫を1匹残らず駆除するような徹底防除の考え方は一般的ではありません。利用可能なすべての防除技術について経済性を考慮しつつ慎重に検討し、病害虫の発生増加を抑えるための適切な手段を総合的に判断して実施するという考え方が主流となっています。この考え方を、総合的病害虫管理(IPM:Integrated Pest Management)と呼びます。IPMがどのような場面で生まれ、提唱されてきたのかという歴史を学びます。また、IPMの基本的な考え方を修得し、農業分野以外の博物館における資料保存など様々な場面でも応用されていることを学びます。IPMの中心的概念である経済的被害許容水準についても学び、どのようにIPMを運用していくべきなのかについて理解します。
キーワード ① 双眼実体顕微鏡 ② 生物顕微鏡 ③ 農業試験場職員 ④ 農業普及指導員 ⑤ 総合的病害虫管理(IPM)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
本コマでは、踊り場コマとしてこれまでに学修した内容について改めて概説しました。また、病害虫の同定作業に必要な顕微鏡の取り扱い方についても改めて概説しました。特に、農業試験場職員と農業普及指導員の農業における役割、現代の病害虫防除の根幹となる総合的病害虫管理(IPM)の考え方、双眼実体顕微鏡と生物顕微鏡のちがいについて説明できるように理解を深めておいてください。文章教材を十分に読み直したうえで、生成AIを用いた復習方法を実施してください。生成AIに作成させた小テストについて、自分で回答し、自分で解説ができるようになるまで理解を深めておいてください。

◆次回授業の予習
次回は、これまでに修得してきた各作物の播種方法、定植方法、栽培・管理方法、収穫方法について改めて概説します。次回の文章教材だけではなく、これまでの文章教材にも目を通して予習し、その内容について理解を進めておいてください。気になった単語や文章について、講義で質問できるように目印を付けておくのも有効です。また、気になった単語について、Web検索や生成AIを用いて調べてみることも有効です。

29 育てた作物をふりかえる ― 栽培から収穫、加工までの実践を総括する 科目の中での位置付け 本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第29回の授業は、「農業基礎演習Ⅱ」の総まとめにあたる授業であり、これまでの栽培実習・観察・講義・加工体験などの学びを体系的に整理し、学生自身がその意味を見つめ直す重要な位置にあります。本科目では、作物ごとの特性を理解し、適切な管理を実践する技術と、それを支える観察力・記録力・振り返り力を育ててきました。第29回では、それらを単発の活動として終わらせず、「自分は何を経験し、何を学び取ったのか」「農業のどこに価値を感じたか」を講義・記述中心に再確認する構成とします。また、水稲と畑作という異なる作物体系を並行して経験してきたことにより、比較的視点から環境と作物との関係性や管理技術の意味を再考する機会となります。さらに、農業が食・暮らし・社会につながる営みであるという視点を最後に強調し、「農業を自分ごととして捉える」態度の定着を図ります。この授業を通して、学生が自身の経験に自信を持ち、次の学びや社会との関わりへと視野を広げられるよう導くことが、本コマの教育的意義です。

◆コマ主題細目①
第29回テキスト「育てた作物をふりかえる ― 栽培から収穫、加工までの実践を総括する」 第1節「畑作物の特徴をふりかえる ― 栽培管理と作物反応を整理する」
◆コマ主題細目②
第29回テキスト「育てた作物をふりかえる ― 栽培から収穫、加工までの実践を総括する」 第2節「イネ栽培をふりかえる ― 水稲ならではの特性と管理の工夫を確認する」
◆コマ主題細目③
第29回テキスト「育てた作物をふりかえる ― 栽培から収穫、加工までの実践を総括する」 第3節「農業を自分ごとに ― 食、暮らし、社会とのつながりを考える」
コマ主題細目 ① 畑作物の特徴をふりかえる ― 栽培管理と作物反応を整理する ② イネ栽培をふりかえる ― 水稲ならではの特性と管理の工夫を確認する ③ 農業を自分ごとに ― 食、暮らし、社会とのつながりを考える
細目レベル ① 中玉トマト、イチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、サツマイモ、タマネギ、レモンなどの畑作物について、栽培管理の工夫と作物の反応を時系列でふりかえります。発芽・定植・間引き・追肥・マルチ・防虫・収穫などの工程を一覧化し、「どの作業が成功に貢献したか」「うまくいかなかった原因は何か」を班ごとに話し合います。特に、同じ環境下で育てた他班の作物との比較により、個々の作業内容の違いが結果にどう影響したのかを可視化することを重視します。また、実際の観察記録や写真資料を使って、作物ごとの生育の様子や管理時期の違いを再確認します。最終的には、自分が育てた作物について「どの時期に、どの作業が鍵だったか」「次回育てるなら何を改善したいか」をまとめることで、栽培技術の定着と次への応用力を養います。
② 水稲(イネ)の栽培について、畑作物との違いに注目しながら、一連の管理工程を整理します。田植えから出穂・登熟・収穫に至るまでの生育ステージを時系列で振り返り、各段階における水管理の役割(冠水・間断かん水・落水など)を理解します。とくに、収穫時に見られた穂の状態や登熟の程度を手がかりに、水の深さ・排水タイミング・日照・天候といった環境要因がどのように生育に影響したかを考察します。講義で学んだ「耕盤」「表土」「水口・水尻」などの構造知識と、実際の圃場経験を結びつけることで、水田栽培の合理性と難しさを実感させます。また、稲刈りやはさがけなどの手作業を通じて得た身体的な記憶と、作物を育てる営みの文化的な意味(祭り・儀礼・農村風景など)にも言及し、水稲栽培の多面的な価値を理解することを目指します。班ごとのふりかえりでは、「水の使い方がどう成長に影響したか」「収穫のタイミングは適切だったか」などを整理し、次年度への改善点を共有します。
③ これまでの栽培・収穫・加工・評価などの一連の体験を通して、「農業が社会や暮らしとどうつながっているか」を、講義を通じて再確認します。とくに、自分が育てた作物が家庭で食べられたこと、贈り物にされたこと、加工実習の食材として使われたことなど、農作業が人と人とのつながりを生み出していた事例を提示し、農業が「作るだけ」ではないことを実感できるように導きます。講義では、これまで取り上げてきたテーマ(食品ロス、規格外品の活用、消費者の視点、6次産業化など)を再度整理しながら、1次産業としての農業の社会的な役割と現代的な課題を振り返ります。たとえば、「形の悪い野菜がなぜ売れにくいのか」「自分が育てた野菜がどんな価値を持っていたか」といった問いを提示し、板書やスライドを通じて考えを深めていきます。最後に、自分なりの視点で「自分にとって農業とは何か」「この授業で最も印象に残った学びは何か」を記述する時間を設け、思考の整理と学習の締めくくりを行います。文章の完成度ではなく、気づきや意識の変化を言語化することを重視し、農業を「自分ごと」としてとらえる姿勢を育むことがこの細目の目標です。
キーワード ① 栽培管理の工程(播種・定植・追肥・収穫) ② 畑作と水稲の違い ③ 技術と環境の関係 ④ 食と農のつながり ⑤ 自分ごとの農業
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
① 畑作物の栽培管理を整理しよう
これまでに育てた作物(中玉トマト、ダイコン、ブロッコリー、ハクサイ、カブ、ニンジン、コマツナ、サツマイモ、タマネギ、イチゴ、レモン)について、播種~収穫までの管理工程を時系列で振り返りました。それぞれの作物の生育反応(成功・失敗・天候や管理の影響)を講義で再確認し、「何が成果につながったのか」「改善すべき点は何か」を自分の言葉でまとめました。

② イネ(水稲)の特性を再確認
水稲特有の水管理(冠水・間断かん水・落水など)の意義を復習し、畑作との違いを講義で整理しました。圃場での田植え・水位調整・収穫(稲刈り・はさがけ)などの体験を通して、「文化」「季節」「地域性」に根ざした農業の奥深さについて再認識しました。

③ 農業と社会のつながりを考える
自分が育てた作物が誰かの食卓に届いたこと、加工に使われたことなど、実体験をふまえて「農業が社会とどうつながっているのか」を講義を通じて考えました。食品ロスや規格外品、6次産業化などのトピックを再確認し、1次産業としての農業の可能性や課題について理解を深めました。

◆次回授業の予習
① 自分が体験した病害虫の例を思い出す
これまでの栽培実習や観察活動の中で、印象に残った病気や害虫の例を1つ取り上げてください。その病害虫がどのように作物に影響を与えていたのか、どんな対策が取られたのかを簡単に振り返っておきましょう。

② 農薬を使うことの利点と課題を整理する
農薬を使うことには「被害の軽減」「収量の確保」といった利点がありますが、一方で「環境への負荷」「抵抗性の問題」などもあります。農業基礎演習Ⅰで学んだ内容を思い出し、農薬との上手な付き合い方について、自分なりの考えをまとめてみましょう。

③「持続可能な農業」とはどのような農業か?
単に「環境にやさしい」というだけではなく、生産者が無理なく続けられる農業とはどんな姿かを考えてみましょう。キーワードは「経済性」「環境保全」「技術の継承」「消費者の理解」などです。農業と自然環境のつながりを意識しながら、自分の言葉で表現してみてください。

30 適切な病害虫防除の実施について 科目の中での位置付け 本科目では、春から初夏に播種・定植された作物の管理を継続しつつ、秋まき・秋植え作物にも取り組みます。播種、定植、支柱立て、草取り、施肥、水管理、病害虫防除、収穫、調整などの実習を通じて、生育段階や環境に応じた栽培管理を実践的に学びます。また、稲刈りや柑橘の収穫といった地域農業に根ざした作業体験を取り入れ、農業の多様性を体感します。さらに、圃場での観察に加え、病害虫の基礎講義や顕微鏡観察、農産物加工の実習も行い、食と農を広く学びます。グループ作業を基本とし、協働力や責任感を育みながら、前期の農業基礎演習Ⅰでの学びを発展させ、2年次以降の専門学修への基礎を築くことを目指します。

第1回目から第5回目は、中玉トマトとイチゴ、ハクサイ、ブロッコリー、カブ、ダイコン、ニンジン、コマツナ、ジャガイモの播種や定植、管理に関する知識と技術を修得します。第6回目から第8回目は、農作物に発生する病害虫を観察し、種を判別する知識と技術を修得します。また、予察調査や農薬の効果試験などの病害虫防除に関するデータの取り扱いについて学びます。第9回目から第26回目では、それまでに栽培していた様々な農作物の収穫作業に関する知識と技術を修得します。第15回目、第16回目では、カンキツ類の栽培・管理・収穫に関する知識を学びます。また、授業の第12、14、18、19、20、22、26回目の7回分では農作物の管理において重要な病害虫防除に関する知識と技術を修得します。第23回目と第24回目では、学内圃場で収穫した農作物を用いて、河原調理専門学校にて加工実習を行います。第27回目と第28回目では、病害虫防除における総合的病害虫管理(IPM)についての知識を修得します。第29回目と第30回目では、本科目でそれまでに修得した知識と技術を振り返りながら、次回以降の作付けに向けた圃場の管理・片付け作業について学びます。

第30回の授業では、これまでに修得してきた病害虫防除に関わる内容について改めて概説し、適切な病害虫管理を実施するために必要なことについて学びます。病害虫防除に関する様々な内容について修得してきましたが、この授業ではそれらを統合して、持続可能な農業の実現に向けた病害虫管理について考察します。

◆コマ主題細目①
第30回テキスト「適切な病害虫防除の実施について」 第1節「病害虫防除の基礎」
◆コマ主題細目②
第30回テキスト「適切な病害虫防除の実施について」 第2節「病害虫防除に必要な調査・研究」
◆コマ主題細目③
第30回テキスト「適切な病害虫防除の実施について」 第3節「持続可能な農業の実現に向けて」
コマ主題細目 ① 病害虫防除の基礎 ② 病害虫防除に必要な調査・研究 ③ 持続可能な農業の実現に向けて
細目レベル ① 農業として運営する圃場はもちろん、家庭菜園としての圃場であっても、農作物を安定的に得るためには「病害虫防除」は欠かせません。キャンパス内に整備した圃場の規模であっても、様々な病害虫が発生しうることはこれまでの授業でも詳しく取り扱い説明してきました。ここでは、これまでに修得した知識と技術について振り返り、病害虫防除を実施するうえで必要なことについて改めて概説します。特に、適切な防除法を選択するために、様々な病害虫を観察し同定することが求められることについて理解を深めます。また、農業基礎演習Iで詳しく取り扱った農薬に関する知識についても説明し、農業の現場でどのような手順で、どのような考えのもとで病害虫防除を計画し実施していくべきなのかについて学びます。
② 病害虫防除は、一つの手段であらゆる病害虫に対して効果を示すというものではありません。発生している病害虫の種を同定し、その土地、その作物に適用できる病害虫防除の手法を選択する必要があります。また、ここ数年の気候変動の影響は大きく、病害虫の発生地域が大きく変動したり、これまでの病害虫防除手法では対応できない事例が生じたりしています。そのような目まぐるしく変化する農業の現場において、安定的に農作物を得るためには、病害虫防除に関する様々な調査研究が求められています。これまで学んだ様々な調査研究の手法について振り返り、どのような場合にどのような調査方法を実施すべきなのかを自ら考えて計画できるようになるために理解を深めます。
③ これまで学んできた農業に関する様々な知識と技術は、農業の現場で実践されてきたものばかりです。しかし、ここ数年の農業を取り巻く環境は激変しており、これまでの知識と技術だけでは対応できない事例も生じています。ここでは、これまでの知識と技術を生かしつつ、これから農業をさらに発展させるためにどのような考え方が求められているのかについて学びます。「持続可能な農業」とは、経済性と生産性を維持しつつも、環境への負荷を低減する農業です。農業が周囲の環境からどのような影響を受け、周囲の環境にどのような影響を及ぼしているのかについて触れ、農業と生態系の関係について考察します。農業の発展のために、研究者としてはどのような調査研究が求められており、消費者としてはどのような視点・考え方が求められているのかについて学びます。
キーワード ① 病害虫防除 ② 予察調査 ③ 農薬 ④ 同定 ⑤ 持続可能な農業
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
本コマでは、農業基礎演習IIを締めくくる時間として、これまでに学修した内容について改めて概説しました。また、持続可能な農業の実現に向けてどのような視点が我々研究者と消費者に求められているのかについても概説しました。これまでの文字教材を熟読し、重要な語句については自分の言葉で説明できるように十分に理解を深めておいてください。また、授業で扱った様々な調査の手法については、どのような手順でどのような目的で実施するのかを説明できるように理解を深めておいてください。文章教材を十分に読み直したうえで、生成AIを用いた復習方法を実施してください。生成AIに作成させた小テストについて、自分で回答し、自分で解説ができるようになるまで理解を深めておいてください。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
畑作物における栽培・収穫・処理の理解 【★初級】
・畑作物について、生育段階の基本的特徴を理解している。
・支柱立て・誘引・追肥・かん水といった基礎作業の流れを理解している。

【★★★上級】
・畑作物の生育段階を観察し、作付計画と照らし合わせて適切な管理作業を理解している。
・支柱立て・誘引・芽かき・病害虫観察などを安全に行う上での留意点を理解している。
・外観・固さ・色・地上部の変化など複数の観点を組み合わせて収穫適期を判断する方法を理解している。
・収穫後の処理において、選別・洗浄・一時保管(温度・時間管理)の手順と意義を理解している。
支柱・誘引・追肥・かん水、衛生管理


収穫適期、収穫後処理、病害虫観察と管理
- 1, 2, 3, 4, 11, 17, 25, 29
イネとレモン(果樹)における栽培・収穫・処理の習得

【★初級】
・水稲やレモンの生育段階の基本的な特徴を理解している。
・田植え後の管理作業(水管理・追肥・除草)や果樹の基本作業(剪定・施肥・摘果)の流れを理解している。

【★★★上級】
・稲の登熟度・穂の成熟状態、レモンの外観・色・果皮の固さを組み合わせて収穫適期を判断する方法を理解している。
・収穫後の処理において、調製・選別・洗浄・一時保管(低温・湿度管理)の手順とその意義を理解している。

生育段階、基本管理作業、作業の流れ(栽培から収穫までの基礎手順)

収穫適期、収穫後処理、保管管理
- 5, 9, 10, 13, 15, 16, 29
2次産業(加工)と衛生管理の応用 【★初級】
・「調理」と「加工」の違いを理解している。
・1次産業・2次産業・3次産業・6次産業化の違いを理解している。


【★★中級】
・加工の基本的な目的(保存性の向上・付加価値化・地域資源の活用)を理解している。
・GHP(一般的衛生管理)やHACCPの考え方を理解している。
・残渣処理や排水管理が衛生管理と環境保全の両立に重要であることを理解している。
調理、加工、1次産業・2次産業・3次産業・6次産業化

加工の目的(保存性・付加価値・地域資源活用)、GHP、HACCP、衛生、環境保全

ここまでで50点 21, 23, 24, 29
病害虫防除の基礎の理解 【★初級】
・病害虫防除において、病害虫を同定する意義を理解している。
・病害虫防除について、どのような種類があるのかを理解している。

【★★中級】
・病害虫の同定について、観察結果から病害虫を同定できる。

【★★★上級】
・病害虫防除において、発生している病害虫から適切な農薬などの防除手法を選択できる。
病害虫防除、農薬、病害虫の同定 - 6, 14, 18, 30
実践的な調査技術の習得 【★初級】
・顕微鏡について、双眼実体顕微鏡と生物顕微鏡の特性の違いを理解している。
・顕微鏡について、その使い方や使用上の注意を説明できる。
・標本について、サンプルの種類によって適切な標本作成方法を選択できる。
・予察業務の病害虫防除における意義を理解している。
・予察業務で実施される内容を理解している。

【★★中級】
・予察について、現場で実施されている様々な調査の手法を列挙することができる。

【★★★上級】
・観察方法について、予察や農薬の効果試験で実施されている手法を理解している。
顕微鏡、標本、予察、観察 - 7, 8, 12, 14, 19, 20, 22
病害虫防除の応用 ★初級】
・普及員について、農業の発展における役割を理解している。
・農業試験場について、農業の発展における役割を理解している。
・総合的病害虫管理(IPM)の基本的な考え方について理解している。

【★★中級】
・普及員と農業試験場と生産者の関係性を説明できる。

【★★★上級】
・総合的病害虫管理(IPM)の考えに基づき、病害虫防除手段を適切に選択できる。
普及員、農業試験場、総合的病害虫管理(IPM) ここまでで50点 26, 27, 28, 30
評価方法
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書
参考文献
実験・実習・教材費 実習費として9,000円を徴収します。これは、種子・苗・農業資材の購入費や、設備・備品の維持管理費などに充てられます。なお、屋外での作業が中心となるため、各自、動きやすく汚れてもよい服装、タオル、飲料水を必ず持参してください。