区分 農業フィールド科目
ディプロマ・ポリシーとの関係

カリキュラム・ポリシーとの関係

カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
 本科目は、人間環境大学総合環境学部のカリキュラムにおいて、①自然科学的基礎(物理・化学・生物)、②生産技術科目(作物学・園芸学等)、③環境・地域連携科目、④応用・実践科目という階層構造の中で、①と②を接続する専門基礎科目として位置づけられる。土壌は作物生産・環境保全・農業経営を支える根幹資源であるが、その理解には物理・化学・生物の統合的視点が不可欠である。本科目では三相構造、団粒構造、土壌生物、養分循環といった基礎概念を体系的に学び、さらに利用形態や社会的課題との関係まで発展させることで、土壌を動的な生態系として捉える力を養う。これにより、後続の〈農業生態学〉〈生産環境学〉〈環境保全型農業〉〈農生物演習〉〈農環境演習〉などにおいて、作物生産や環境問題を統合的に理解するための理論的基盤を形成する。すなわち本科目は、基礎科学の知識を実践的農学へと接続し、持続可能な地域環境と農業を構想するための中核的役割を担う科目である。
科目の目的
本科目は、カリキュラム全体の中で、作物生産や環境保全を支える基盤としての「土壌」を、物理・化学・生物の統合的視点から理解する中核科目に位置づけられる。第1~4回で土壌の本質(構造・生物・時間)を学び、第6~10回で利用形態別の土壌生態を比較し、第12~14回で社会・世界的課題へと視野を拡張する構成により、土壌を自然科学的対象から社会的資源へと段階的に再定義している。本授業は、持続可能な農業、食料安全保障、気候変動対策、資源循環型社会の構築に直結する基礎的学問として社会的意義を有する。土壌を「守りながら活用する」視点を育成することが、本科目の最終的目的である。
到達目標
本科目の到達目標は以下の7点である。①土壌の三相構造、孔隙、団粒構造を統合的に理解し、構造と機能の関係を図示しながら論理的に説明できる。②微生物や土壌動物の働きを踏まえ、有機物の分解から腐植形成、無機化に至る過程を因果関係で説明できる。③窒素循環および炭素循環を酸化還元条件や時間スケールと関連付け、土壌と大気の相互作用を統合的に論述できる。④森林・水田・畑地・樹園地・有機農業を水分条件、有機物循環、管理強度の三軸で比較し、利用形態の違いが土壌機能に及ぼす影響を説明できる。⑤災害、都市化、汚染などの事例を通して、土壌が社会的資源であり、撹乱によって変化する動的環境であることを理解し、保全の視点から論じることができる。⑥気候帯や土壌生成因子を踏まえて世界の土壌分布を理解し、砂漠化や土壌劣化が食料安全保障や炭素循環に与える影響を地球規模で説明できる。⑦土壌保全、資源循環、炭素蓄積の観点から、持続可能な未来農業のあり方を土壌生態学の視点で構想し、論理的に提案できる。
以上を通して、受講者が土壌を単なる生産基盤ではなく、物理・化学・生物・時間が相互作用する統合的生態系として捉え、自らの言葉で再定義できる力を身につけることを最終的到達目標とする。

科目の概要
本科目は、土壌を物理・化学・生物が相互に作用する動的な生態系として理解することを目的とする。前半(第1~4回)では「土壌とは何か」をテーマに、三相構造、団粒構造、土壌生物、分解と腐植形成、炭素・窒素の動きを体系的に学ぶ。第5回は統合回として基礎概念を再整理する。中盤(第6~10回)では森林、水田、畑地・施設、樹園地、有機農業といった利用形態ごとの土壌生態を比較し、水分条件、有機物循環、管理強度の違いが土壌機能に与える影響を考察する。第11回で三軸整理による統合を行う。後半(第12~14回)では災害・都市化・汚染、世界の土壌分布や生成因子、砂漠化、未来農業を扱い、土壌を社会的・地球規模の課題として位置づける。第15回は全体の総括として、土壌と未来社会の関係を統合的に考察する。
科目のキーワード
三相構造(固相・液相・気相)、団粒構造、孔隙(大孔隙・小孔隙)、腐植(腐植形成)、無機化(アンモニア化)、硝化・脱窒、酸化還元環境(Eh)、嫌気的分解、メタン生成、ミコリザ共生(菌根共生)、CEC(陽イオン交換容量)、塩類集積、連作障害、土壌生成因子(ドクチャエフ)、砂漠化/土壌劣化、土壌侵食(水食・風食)、土壌診断・土壌分類、資源循環・炭素蓄積
授業の展開方法
本科目は、土壌を単なる物質ではなく、物理・化学・生物・時間が相互に作用する動的な生態系として理解することを目的に、全15回を三部構成で段階的に展開する。第1部(第1~5回)では、三相構造や団粒構造、土壌生物、分解や炭素・窒素の動きを整理し、「土壌とは何か」を再定義する。第2部(第6~11回)では、森林・水田・畑地・樹園地・有機農業を比較し、利用形態による機能変化を三軸で整理する。第3部(第12~15回)では、災害・都市化・砂漠化・資源循環を通して土壌を社会的・地球規模の課題として捉え直す。暗記ではなく、図示・比較・因果関係で説明できる理解を重視する。
オフィス・アワー
甲斐貴光:【前期】
農業基礎演習Ⅰ
農業地理学
基礎ゼミナールⅠ
土壌生態学
インターンシップⅠ
全科目:月曜昼~4限
【後期】
農業基礎演習Ⅱ
基礎ゼミナールⅡ
全科目:月曜1・2限
吉田弥生:【前期】
自然共生社会
基礎ゼミナールⅠ
海の大型動物生態学
全科目:月曜~金曜の5限
【後期】
動物行動観察演習A・B
基礎ゼミナールⅡ
環境共生型社会のデザイン
動物行動学
全科目:月曜~金曜の5限
後藤益滋:※演習時に疑問に思ったこと、わからなかったこと、気づきは遠慮なく聞いてください。ただし、質問事項を整理したうえで来訪してください。
【前期】
基礎ゼミナールⅠ木曜4・5限
河川生態学水曜4・5限
【後期】
基礎ゼミナールⅡ木曜4・5限
水生動物学木曜4・5限
群衆生態学月曜2限・昼火曜昼

科目コード TF3010
学年・期 2年・前期
科目名 土壌生態学
単位数 2
授業形態 講義
必修・選択 選択
学習時間
前提とする科目
展開科目
関連資格
担当教員名 甲斐貴光・吉田弥生・後藤益滋
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 【土壌とは何か①】土とは何か 科目の中での位置付け  本科目は、土壌を物理・化学・生物が相互に作用する動的な生態系として理解することを目的とする。前半(第1~4回)では「土壌とは何か」をテーマに、三相構造、団粒構造、土壌生物、分解と腐植形成、炭素・窒素の動きを体系的に学ぶ。第5回は統合回として基礎概念を再整理する。中盤(第6~10回)では森林、水田、畑地・施設、樹園地、有機農業といった利用形態ごとの土壌生態を比較し、水分条件、有機物循環、管理強度の違いが土壌機能に与える影響を考察する。第11回で三軸整理による統合を行う。後半(第12~14回)では災害・都市化・汚染、世界の土壌分布や生成因子、砂漠化、未来農業を扱い、土壌を社会的・地球規模の課題として位置づける。第15回は全体の総括として、土壌と未来社会の関係を統合的に考察する。
 第1回は、本科目全体の出発点として「土とは何か」「土壌とは何か」を問い直し、受講者の既存概念を再構成する位置づけにある。まず「土」と「土壌」の違いを整理し、土壌を単なる物質ではなく、水・空気・生物を含む動的な存在として捉える視点を導入する。さらに、母岩の風化や時間の蓄積によって土壌が形成される過程を概観し、土壌が長い歴史の産物であることを理解する。ここで土壌を「時間と生命がつくる生態系」として再定義することで、その後に展開する構造論、生物論、利用形態比較、社会的課題の理解に向けた理論的基盤を確立するコマである。

◆コマ主題細目①
・第1回テキスト【土壌とは何か①】土とは何か 第1節「土ってなに」
◆コマ主題細目②
・第1回テキスト【土壌とは何か①】土とは何か 第2節「土と土壌の違い」
◆コマ主題細目③
・第1回テキスト【土壌とは何か①】土とは何か 第3節「土の誕生(母岩・風化・時間)
コマ主題細目 ① 土ってなに ② 土と土壌の違い ③ 土の誕生(母岩・風化・時間)
細目レベル ① 本細目での理解は、土壌を単なる土ではなく、時間と生命活動がつくり上げた生態系として説明できるまで。本細目では、まず「土」という漢字の成り立ちや意味を手がかりに、人間が古来より土を生命や大地と結び付けて理解してきたことを確認し、その上で「土」と「土壌」の違いを、単なる物質と、生物・水・空気を含む動的な生態系としての存在という観点から整理する。さらに、母岩の風化や時間の経過によって土壌が形成される過程を説明し、土壌が自然の長い歴史の産物であることを理解させる。概念的理解にとどまらず、図解や身近な例を用いて説明できる段階まで掘り下げる。
② この細目での理解は、土壌を単なる土ではなく、生物・水・空気を含む長い時間をかけて形成された生態系として説明できるまで。本細目では、まず「土」という漢字の意味や成り立ちを導入とし、概念的理解を深める。次に「土」と「土壌」の違いを、教科書図(岩石のみの状態と、生物・空気・水を含む状態の比較図)を用いて視覚的に整理し、生命活動の有無が決定的差異であることを説明する。さらに、母岩の風化、気候、生物作用、時間の経過による土壌生成過程を段階的に示し、月には土壌が存在しない理由にも触れて理解を広げる。講義は図解・模式図の板書、身近な例の提示、簡単な確認質問を組み合わせ、定義を暗記する段階ではなく、自ら言葉で説明できる水準まで掘り下げる。
③ この細目での理解は、土壌が岩石の風化と生物の働きによって長い時間をかけて形成される過程を、自ら図にして説明できるまで。本細目では、①岩石が物理的・化学的風化を受けて母材になる段階、②そこに大気・水・微生物が関与する段階、③植物の侵入と有機物の蓄積により土壌へ発達する段階までを扱う。提示された模式図(岩石→母材→土壌の変化、生物遷移の図)を用いて時間軸を明確に示し、特に「生物が関与して初めて土壌になる」点を強調する。講義では図解板書と段階的説明に加え、「月に土壌が存在しない理由」を問いかける対話的手法を用い、暗記ではなく因果関係を論理的に説明できる水準まで掘り下げる。
キーワード ① 土と土壌の違い ② 漢字「土」の意味 ③ 母岩と風化 ④ 生成時間(時間軸) ⑤ 生命と土壌
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
本講義の復習課題では、①土壌の定義と「土」との違いを自分の言葉で200字程度にまとめること、②岩石から土壌が形成される過程を模式図で描き、風化・生物作用・時間の役割を説明できるようにすること、③森林・水田・畑地(施設)・樹園地の土壌の特徴を比較表に整理し、水分条件・生物相・人為管理の違いを書き分けること、④土壌攪乱(侵食・塩害・汚染)とその影響を具体例とともに説明すること、⑤土壌生態学が持続可能な農業や地球環境問題とどのように関係するかを論述することを求める。暗記ではなく、「図で示せる」「比較できる」「因果関係を説明できる」状態を目標とする。

◆次回授業の予習
第1回の内容を踏まえ、次回に向けた予習課題として、①身近な土を観察し、「土の中に水や空気はあるか」を自分の言葉で150字程度にまとめること、②固体・液体・気体という三つの状態が土壌中でどのように存在しているかを想像し、簡単な断面図を描くこと、③乾いた土と湿った土の違いを考え、水が増えると空気はどうなるかを書き出すこと、④砂場の砂と畑の土の違いを思い出し、水のしみ込み方の違いを説明してみること、⑤「根は土のどこを通って伸びるのか」を考え、その理由を文章にすることを求める。土壌の中の“見えない空間”を意識して考えておくことを目標とする。

2 【土壌とは何か②】土壌の構造と物理性 科目の中での位置付け  本科目は、土壌を物理・化学・生物が相互に作用する動的な生態系として理解することを目的とする。前半(第1~4回)では「土壌とは何か」をテーマに、三相構造、団粒構造、土壌生物、分解と腐植形成、炭素・窒素の動きを体系的に学ぶ。第5回は統合回として基礎概念を再整理する。中盤(第6~10回)では森林、水田、畑地・施設、樹園地、有機農業といった利用形態ごとの土壌生態を比較し、水分条件、有機物循環、管理強度の違いが土壌機能に与える影響を考察する。第11回で三軸整理による統合を行う。後半(第12~14回)では災害・都市化・汚染、世界の土壌分布や生成因子、砂漠化、未来農業を扱い、土壌を社会的・地球規模の課題として位置づける。第15回は全体の総括として、土壌と未来社会の関係を統合的に考察する。
 第2回は、土壌を理解するための物理的基盤を確立するコマである。第1回で導入した「土壌は時間と生命の産物である」という概念を受け、本コマでは三相構造(固相・液相・気相)、孔隙、大孔隙・小孔隙、団粒構造を扱い、土壌の空間構造と機能の関係を明確にする。土壌中の“すきま”が水や空気の保持・移動を左右し、根の伸長や微生物活動の場となることを理解することで、後続の土壌生物や養分循環の議論を支える理論的土台を形成する位置づけにある。構造と機能を結び付けて説明できる段階に到達させる基礎コマである。

◆コマ主題細目①
・第2回テキスト【土壌とは何か②】土壌の構造と物理性 第1節「土・水・空気(三相構造)」
◆コマ主題細目②
・第2回テキスト【土壌とは何か②】土壌の構造と物理性 第2節「間隙(孔隙)と根が伸びる空間」
◆コマ主題細目③
・第2回テキスト【土壌とは何か②】土壌の構造と物理性 第3節「単粒構造と団粒構造」
コマ主題細目 ① 土・水・空気(三相構造) ② 間隙(孔隙)と根が伸びる空間 ③ 単粒構造と団粒構造
細目レベル ① この細目での理解は、土壌が固相・液相・気相から成る三相構造であり、その体積バランスが機能を左右すると説明できるまで。本細目では、三相分布図を用いて土壌の全体像を示し、固相(鉱物粒子と有機物)、液相(土壌水)、気相(土壌空気)の内容を具体的に整理する。水分量の変化によって気相が減少する関係を板書で図示し、三相が固定的ではなく動的であることを説明する。さらに粒径の違いが三相バランスに影響することも確認する。数値を暗記する段階ではなく、三相の相互関係を図で示して説明するところまで理解する。
② この細目での理解は、水と空気が存在する空間が孔隙であり、その大きさの違いが排水性と保水性を決定すると説明できるまで。三相構造の確認後、固相の間に存在する空間を孔隙と定義する。図を用いて大孔隙は排水・通気に関与し、小孔隙は水を保持することを示す。さらに、根の伸長や微生物活動が孔隙構造に依存することを関連づける。砂質土と粘土質土の水の動きの違いを比較し、孔隙=機能空間であることを具体的に説明する段階まで理解する。
③ この細目での理解は、団粒構造が大小の孔隙を形成し、水と空気のバランスを生む理由を因果関係で説明できるまで。単粒構造と団粒構造を模式図で比較し、団粒が有機物や微生物の働きによって形成されることを示す。単粒構造では孔隙が偏在しやすく機能が不安定であること、団粒構造では大小の孔隙が共存することを整理する。最後に「団粒形成→孔隙発達→三相バランス改善→根の生育」という流れを板書で連結し、構造と機能を統合して説明する段階まで理解する。
キーワード ① 三相構造(固相・液相・気相) ② 孔隙(大孔隙・小孔隙) ③ 団粒構造 ④ 排水性と保水性 ⑤ 根が伸びる空間
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
第2回の復習課題として、①土壌の三相構造(固相・液相・気相)を図で描き、それぞれの内容と役割を説明すること、②水分量の変化によって気相がどのように変わるかを文章で説明すること、③孔隙とは何かを定義し、大孔隙と小孔隙の違いを排水性・保水性の観点から整理すること、④単粒構造と団粒構造を比較し、どちらが根の生育に適しているか理由を含めて述べること、⑤「良い土壌とはどのような構造か」を三相・孔隙・団粒の関係を用いて説明することを求める。用語の暗記ではなく、図示と因果関係の説明ができる状態を目標とする。

◆次回授業の予習
第2回の内容(三相構造・孔隙・団粒構造)を踏まえ、第3回に向けた予習課題として、①「土の中に生き物はいるか」を自分の言葉で100~150字でまとめること、②落ち葉が時間とともに形を変えて消えていく理由を考え、その過程を簡単な図で描くこと、③ミミズ・ダニ・トビムシなど知っている土壌動物を挙げ、それぞれ何を食べているかを予想すること、④微生物と土壌動物の役割の違いを文章で整理すること、⑤植物→動物→分解者→植物という流れを想像し、どこで土壌が関わるかを書き出すことを求める。土壌の中に「見えない生き物の世界」が広がっていることを意識し、構造と生物を結び付けて考える状態を目標とする。

3 【土壌とは何か③】土壌生物の世界 科目の中での位置付け  本科目は、土壌を物理・化学・生物が相互に作用する動的な生態系として理解することを目的とする。前半(第1~4回)では「土壌とは何か」をテーマに、三相構造、団粒構造、土壌生物、分解と腐植形成、炭素・窒素の動きを体系的に学ぶ。第5回は統合回として基礎概念を再整理する。中盤(第6~10回)では森林、水田、畑地・施設、樹園地、有機農業といった利用形態ごとの土壌生態を比較し、水分条件、有機物循環、管理強度の違いが土壌機能に与える影響を考察する。第11回で三軸整理による統合を行う。後半(第12~14回)では災害・都市化・汚染、世界の土壌分布や生成因子、砂漠化、未来農業を扱い、土壌を社会的・地球規模の課題として位置づける。第15回は全体の総括として、土壌と未来社会の関係を統合的に考察する。
 第3回は、土壌を「生きている場」として捉える視点を確立するコマである。第2回までに学んだ三相構造や団粒構造という物理的基盤の上に、微生物や土壌動物といった生物的要素を位置づけ、土壌生態系の実体を可視化する役割を担う。分解者が有機物を無機養分へと変換する過程や、食物連鎖を通じた養分のめぐりを整理することで、土壌が単なる支持基盤ではなく、物質変換の中心であることを理解する。本コマは、物理構造と化学変化を生物活動によって結び付ける橋渡しの位置づけにあり、次回以降の養分循環や利用形態比較を支える理論的転換点となる。

◆コマ主題細目①
・第3回テキスト【土壌とは何か③】土壌生物の世界 第1節「微生物(細菌・菌類)」
◆コマ主題細目②
・第3回テキスト【土壌とは何か③】土壌生物の世界 第2節「土壌動物」
◆コマ主題細目③
・第3回テキスト【土壌とは何か③】土壌生物の世界 第3節「土壌生物のつながり(分解と循環)」
コマ主題細目 ① 微生物(細菌・菌類) ② 土壌動物 ③ 土壌生物のつながり(分解と循環)
細目レベル ① この細目での理解は、土壌微生物が有機物を分解し養分循環を担う存在であると説明できるまで。本細目では、細菌・糸状菌・放線菌の存在量と大きさの違いを示し、土壌が「微生物の宝庫」であることを理解する。次に、分解者として有機物を無機養分へ変換する役割を図で示す。単なる名称暗記ではなく、「落ち葉が消えるのはなぜか」を説明できる段階まで掘り下げる。方法は食物連鎖図と分解循環図を板書でつなぐ。
② この細目での理解は、土壌動物が分解を促進し土壌構造形成に関与することを説明できるまで。ミミズ・トビムシ・ダニなどの種類と密度を示し、大きさと役割の違いを整理する。土壌動物が有機物を細片化し微生物の働きを助けること、団粒形成に関与することまで触れる。方法は図解と「ミミズが多い土はなぜ良いか」という問いかけを用いる。生物量の大小と機能の関係を論理的に説明する段階まで理解する。
③ この細目での理解は、土壌生物が物質循環の基盤となる生態系を形成していると説明できるまで。食物連鎖と分解の流れを図示し、植物→動物→分解者→無機養分→植物という循環を統合する。さらに農地と森林で循環が異なることにも触れる。方法は模式図を一枚にまとめ、「土壌がなければ循環は止まるか」という問いで統合する。個別知識ではなく、生態系全体として語れる段階まで理解する。
キーワード ① 微生物(細菌・菌類) ② 土壌動物(ミミズ・ダニなど) ③ 分解者 ④ 養分循環 ⑤ 食物連鎖(食物網)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
第3回の復習として、①土壌中に存在する主な生物(微生物・土壌動物)を分類し、それぞれの役割を説明すること、②「分解者」とは何かを定義し、落ち葉が土に還るまでの過程を文章で整理すること、③植物→動物→分解者→無機養分→植物という物質循環の流れを図で示すこと、④ミミズなどの土壌動物が土壌構造に与える影響を述べること、⑤土壌生物がいなくなった場合に何が起こるかを自分の言葉で考察することを求める。用語の暗記ではなく、生物同士のつながりと循環の因果関係を説明できる状態を目標とする。

◆次回授業の予習
第3回の内容(土壌生物の働き)を踏まえ、第4回に向けた予習課題として、①落ち葉や作物残さが土の中でどのように変化していくかを段階的に想像し、簡単な図で整理すること、②「分解」とは何かを自分の言葉で説明すること、③窒素肥料を施した後、土の中でどのように形が変わるかを予想すること、④水田と畑では空気の量が異なることを思い出し、それが窒素の動きにどう影響しそうかを書くこと、⑤植物が取り込んだ炭素が最終的にどこへ行くのかを、大気・植物・土壌を結んだ矢印図で示すことを求める。土壌生物の働きが養分の変化や炭素の動きにつながることを意識して整理しておくことを目標とする。

4 【土壌とは何か④】養分循環と炭素循環 科目の中での位置付け  本科目は、土壌を物理・化学・生物が相互に作用する動的な生態系として理解することを目的とする。前半(第1~4回)では「土壌とは何か」をテーマに、三相構造、団粒構造、土壌生物、分解と腐植形成、炭素・窒素の動きを体系的に学ぶ。第5回は統合回として基礎概念を再整理する。中盤(第6~10回)では森林、水田、畑地・施設、樹園地、有機農業といった利用形態ごとの土壌生態を比較し、水分条件、有機物循環、管理強度の違いが土壌機能に与える影響を考察する。第11回で三軸整理による統合を行う。後半(第12~14回)では災害・都市化・汚染、世界の土壌分布や生成因子、砂漠化、未来農業を扱い、土壌を社会的・地球規模の課題として位置づける。第15回は全体の総括として、土壌と未来社会の関係を統合的に考察する。
 第4回は、土壌内で起こる物質変換の仕組みを体系的に理解する中核的なコマである。第1~3回で整理した三相構造や団粒構造、土壌生物の基礎の上に、有機物の分解、腐植形成、窒素の無機化・硝化・脱窒、炭素の固定と放出を一連の流れとして統合する役割を担う。本コマでは「分解=消失」ではなく、「形を変えて残る」過程であることを強調し、土壌が養分循環と炭素循環の結節点であることを明確にする。さらに、水田や畑など利用形態による分解様式の違いにも触れ、後続の利用形態比較への理論的橋渡しを行う位置づけにある。物理・生物・化学を結び付けて説明できる段階へ到達させる、前半部の総仕上げとなる重要コマである。

◆コマ主題細目①
・第4回テキスト【土壌とは何か④】養分循環と炭素循環 第1節「分解と腐植形成」
◆コマ主題細目②
・第4回テキスト【土壌とは何か④】養分循環と炭素循環 第2節「窒素の動き(窒素循環)」
◆コマ主題細目③
・第4回テキスト【土壌とは何か④】養分循環と炭素循環 第3節「土壌と炭素(貯留と放出)」
コマ主題細目 ① 分解と腐植形成 ② 窒素の動き(窒素循環) ③ 土壌と炭素(貯留と放出)
細目レベル ① この細目での理解は、有機物の分解が窒素の無機化と炭素の放出・蓄積の出発点であると因果関係で説明できるまで。本細目では、落葉や作物残渣が土壌生物によって段階的に分解される過程を図で確認する。第1段階の分解(低分子化)、第2段階の再合成、第3段階の腐植形成という流れを整理し、「分解=消失」ではなく「形を変えて残る」ことを強調する。さらに、分解に伴って窒素が無機化され、炭素の一部はCO₂として放出されることを関連づける。方法は模式図を板書で再構成し、分解→無機化→腐植蓄積の流れを学生自身が図示できる段階まで理解する。
② この細目での理解は、アンモニア化・硝化・脱窒の過程を通して土壌と大気が窒素でつながっていると説明できるまで。有機態窒素がアンモニア化によりNH₄⁺へ変わり、硝化でNO₃⁻へ、さらに脱窒でN₂として大気へ戻る流れを図で確認する。水田では還元条件下で脱窒が進み、畑では硝化が進みやすいなど、環境条件による違いにも触れる。単なる反応名の暗記ではなく、「酸素条件が変わると窒素の形も変わる」という因果関係を理解する。方法は矢印図を板書で再現し、各段階の微生物の役割を説明できる段階まで理解する。
③ この細目での理解は、土壌が炭素を固定しつつ呼吸により放出する場であることを地球規模の視点で説明できるまで。植物による光合成で固定された炭素がリターとして土壌へ入り、分解と呼吸によりCO₂として大気へ戻る流れを図で確認する。同時に、腐植として長期的に貯留される炭素の存在にも触れる。森林と農地で炭素収支が異なることも紹介する。方法は大気―植物―土壌を一枚図にまとめ、貯留と放出が同時に起こることを説明する。炭素の動きを時間スケールで整理し、土壌の役割を統合的に語れる段階まで理解する。
キーワード ① 分解 ② 腐植(腐植形成) ③ 無機化(アンモニア化) ④ 硝化・脱窒 ⑤ 炭素の貯留と放出
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
第4回の復習課題として、①有機物が土壌中でどのような段階を経て分解され、最終的に腐植となるのかを図で整理すること、②分解に伴い窒素がどのように無機化(アンモニア化)され、その後硝化・脱窒によって形を変えるのかを矢印で示すこと、③酸素条件の違いが窒素の動きにどのような影響を与えるかを文章で説明すること、④炭素が光合成によって固定され、呼吸や分解により放出される流れをまとめること、⑤「土壌は分解する場であり、ためる場でもある」という視点から、炭素の貯留と放出の両面を説明することを求める。名称暗記ではなく、過程を因果関係で説明できる状態を目標とする。

◆次回授業の予習
第4回の内容を踏まえ、第5回まとめコマに向けた予習課題として、①第1回から第4回までの各回のキーワードを5つずつ書き出し、それぞれを一文で説明すること、②「土壌とは何か」という問いに対して、構造(物理性)・生物・分解・養分の動きの観点を入れて300字程度でまとめること、③三相構造・孔隙・団粒構造・分解・窒素の動き・炭素の貯留を一枚の模式図に整理すること、④土壌がなければ植物はどうなるかを因果関係で説明すること、⑤自分が最も重要だと思う土壌の機能を一つ選び、その理由を書くことを求める。知識を並べるのではなく、つながりを整理して説明できる状態を目標とする。

5 【土壌とは何か⑤】踊り場コマ(構造・生物・分解をつなぐ) 科目の中での位置付け  本科目は、土壌を物理・化学・生物が相互に作用する動的な生態系として理解することを目的とする。前半(第1~4回)では「土壌とは何か」をテーマに、三相構造、団粒構造、土壌生物、分解と腐植形成、炭素・窒素の動きを体系的に学ぶ。第5回は統合回として基礎概念を再整理する。中盤(第6~10回)では森林、水田、畑地・施設、樹園地、有機農業といった利用形態ごとの土壌生態を比較し、水分条件、有機物循環、管理強度の違いが土壌機能に与える影響を考察する。第11回で三軸整理による統合を行う。後半(第12~14回)では災害・都市化・汚染、世界の土壌分布や生成因子、砂漠化、未来農業を扱い、土壌を社会的・地球規模の課題として位置づける。第15回は全体の総括として、土壌と未来社会の関係を統合的に考察する。
 第5回は、前半で学んだ基礎理論を再構造化し、個別知識を統合的理解へと高める転換点のコマである。第1~4回で扱った三相構造、団粒構造、土壌生物、分解と腐植形成、炭素・窒素の動きを一枚の模式図に整理し、物理・化学・生物が相互に連関する系として再構成する。本コマでは、分解と無機化、腐植としての蓄積という二面性を対比し、土壌が「養分を供給しつつ炭素を蓄える場」であることを明確にする。また、「土壌がなければ植物はどうなるか」という問いを通して、土壌を生命活動の基盤として再定義する。暗記の確認ではなく、因果関係を説明できる段階へ到達させる、前半部の統合的到達点に位置づくコマである。

◆コマ主題細目①
・第5回テキスト【土壌とは何か⑤】踊り場コマ(構造・生物・分解をつなぐ) 第1節「分解と腐植形成」
◆コマ主題細目②
・第5回テキスト【土壌とは何か⑤】踊り場コマ(構造・生物・分解をつなぐ) 第2節「窒素の動き(窒素循環)」
◆コマ主題細目③
・第5回テキスト【土壌とは何か⑤】踊り場コマ(構造・生物・分解をつなぐ) 第3節「土壌と炭素(貯留と放出)」
コマ主題細目 ① 土壌の三層構造(物理・生物・化学の統合) ② 土壌は“分解する場”であり“ためる場” ③ 土壌は“見えない生態系”である
細目レベル ① この細目での理解は、土壌を物理性・生物・養分の動きが相互に結びついた統合的な系として説明できるまで。第1回~第4回の内容を一枚図に整理する。三相構造(物理)、土壌生物(生物)、分解と窒素・炭素の動き(化学)を板書で重ね、個別知識を統合する。方法は空欄図を配布し、学生自身に矢印を書き込ませる形式とする。単元ごとの暗記確認ではなく、「団粒構造がなぜ分解に影響するか」など相互関係を説明する段階まで掘り下げる。
② この細目での理解は、土壌が養分を供給しつつ炭素を蓄える二面性を持つと説明できるまで。分解→無機化→植物吸収という流れと、腐植としての蓄積を対比的に整理する。窒素の動きと炭素の貯留を一つの模式図にまとめ、「動くもの」と「残るもの」を区別する。方法は比較表と因果関係図を用い、分解=消失ではないことを強調する。農地と森林での違いにも触れ、環境条件で機能が変わることまで理解する。
③ この細目での理解は、土壌が生命活動を支える基盤的な生態系であると総合的に説明できるまで。三相構造、孔隙、団粒、生物、分解、養分の動きを一本の流れで再構成する。方法は「土壌がなければ植物はどうなるか」という問いを用い、逆算的に整理する討論形式を取り入れる。最終的に「土壌とは何か」を300字で書かせ、構造・生物・時間の視点が含まれているかで確認する。知識の羅列ではなく、統合的概念として語れる段階まで掘り下げる。
キーワード ① 三相構造 ② 団粒構造 ③ 土壌生物 ④ 分解と腐植 ⑤ 土壌の機能(支える・ためる)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
第5回の復習として、①第1回から第4回までの内容を一枚の図にまとめ、三相構造・孔隙・団粒構造・土壌生物・分解の関係を矢印で示すこと、②「土壌とは何か」という問いに対し、物理性・生物・養分の動きの三つの視点を入れて300字程度で記述すること、③分解が窒素の動きと炭素の貯留にどのようにつながるかを説明すること、④土壌がなければ植物はどうなるかを因果関係で述べること、⑤自分が最も重要だと考える土壌の機能を一つ挙げ、その理由を書くことを求める。個別知識ではなく、つながりを整理して説明できる状態を目標とする。

◆次回授業の予習
第5回のまとめ内容を踏まえ、第6回に向けた予習課題として、①自宅周辺や公園の林床を観察し、落葉がどのように積もっているか、土の色やにおいがどう違うかを記録すること、②森林と畑を思い浮かべ、地表の有機物の量や見え方の違いを書き出すこと、③落葉が時間とともにどのように変化するかを段階的に図で整理すること、④森林では肥料を入れなくても木が育つ理由を予想すること、⑤「根のまわりには何がいるか」を考え、菌や微生物との関係を想像して文章にすることを求める。地表から地下へと視点を広げ、「落ち葉→分解→吸収」という流れを意識して考えておくことを目標とする。

6 【利用形態ごとの土壌生態①】森林土壌 科目の中での位置付け  本科目は、土壌を物理・化学・生物が相互に作用する動的な生態系として理解することを目的とする。前半(第1~4回)では「土壌とは何か」をテーマに、三相構造、団粒構造、土壌生物、分解と腐植形成、炭素・窒素の動きを体系的に学ぶ。第5回は統合回として基礎概念を再整理する。中盤(第6~10回)では森林、水田、畑地・施設、樹園地、有機農業といった利用形態ごとの土壌生態を比較し、水分条件、有機物循環、管理強度の違いが土壌機能に与える影響を考察する。第11回で三軸整理による統合を行う。後半(第12~14回)では災害・都市化・汚染、世界の土壌分布や生成因子、砂漠化、未来農業を扱い、土壌を社会的・地球規模の課題として位置づける。第15回は全体の総括として、土壌と未来社会の関係を統合的に考察する。
 第6回は、前半で確立した理論的基盤を初めて具体的な利用形態に適用する転換点のコマである。ここでは森林土壌を対象に、リター層やO層の形成、有機物の蓄積、内部循環の特徴を通して、自然状態に近い土壌生態の姿を確認する。さらに、分解と腐植形成の過程を農地と比較し、「閉じた循環」と「開いた循環」の違いを明確にする。また、菌根菌との共生関係を取り上げ、地上の落葉と地下の共生ネットワークが結び付く構造を理解する。本コマは、理論から事例へと学習を発展させる最初の応用回であり、その後の水田・畑地・樹園地との比較を行うための基準点となる位置づけにある。

◆コマ主題細目①
・第6回テキスト【利用形態ごとの土壌生態①】森林土壌 第1節「分解と腐植形成」
◆コマ主題細目②
・第6回テキスト【利用形態ごとの土壌生態①】森林土壌 第2節「窒素の動き(窒素循環)」
◆コマ主題細目③
・第6回テキスト【利用形態ごとの土壌生態①】森林土壌 第3節「土壌と炭素(貯留と放出)」
コマ主題細目 ① リター層と表層構造 ② 分解と腐植形成(森林型) ③ 樹木と菌根菌の共生系
細目レベル ① この細目での理解は、森林土壌の表層構造が厚いリター層と有機物の蓄積によって特徴づけられると説明できるまで。森林土壌では落葉や枯枝が地表に堆積し、明瞭なO層が形成されることを図で確認する。鉱質土がすぐに露出する農地とは異なり、森林では表層に有機物が厚く重なる構造が基本であることを理解する。リター層は単なる堆積物ではなく、水分保持・温度緩和・分解の場として機能することまで踏み込む。断面図を板書で再構成し、O層・A層の違いを自ら説明できる段階まで理解する。
② この細目での理解は、森林土壌における分解と腐植形成の特徴を農地と比較して説明できるまで。森林では外部施肥がなくても、落葉の分解によって養分が循環することを整理する。分解速度は気温や水分条件に左右され、結果として腐植が蓄積し、土壌が酸性化しやすいことにも触れる。農地では収穫により養分が持ち出される点との違いを比較し、「閉じた循環」と「開いた循環」の差を説明する。模式図で分解→腐植蓄積→養分供給の流れを再現できる段階まで理解する。
③ この細目での理解は、菌根菌が樹木の養分吸収を支え森林生態系の基盤となると説明できるまで。樹木の根と菌根菌の共生関係を図で確認する。菌根菌はリンなどの難溶性養分を吸収し、代わりに光合成産物を受け取る相利共生関係にあることを理解する。単なる“菌がいる”という説明ではなく、地下でネットワークを形成し森林全体を支える機能にまで踏み込む。地上の落葉と地下の菌根が結び付く構造を統合的に語れる段階まで理解する。
キーワード ① リター層 ② O層 ③ 腐植蓄積 ④ 内部循環 ⑤ 菌根菌共生
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
第6回の復習課題として、①森林土壌の断面図を描き、リター層(O層)と鉱質土の位置関係を示すこと、②リターがどのように分解され腐植へと変化するのかを段階的に説明すること、③森林では外部から肥料を入れなくても養分が森の中でめぐる理由を述べること、④農地と比較し、養分の持ち出しの有無が土壌に与える影響を整理すること、⑤菌根菌が樹木の養分吸収にどのように関わるかを図で示すことを求める。単に用語を覚えるのではなく、「落ち葉が積もる→分解される→再び吸収される」という時間の流れを因果関係で説明できる状態を目標とする。
◆次回授業の予習
第6回(森林土壌)を踏まえ、第7回(水田土壌)に向けた予習課題として、①森林土壌では地表に有機物が蓄積していたことを振り返り、水を張った場合に土壌中の空気はどう変化するかを予想すること、②「水で満たされた土の中に酸素はどれくらいあるか」を考え、その理由を書くこと、③落ち葉の分解が酸素の有無でどう変わるかを想像すること、④水田と畑の違いを三相構造の視点から比較すること、⑤イネの根が水中で呼吸できる理由を予想し、根の周囲で何が起こっているかを図で示すことを求める。水が入ることで土壌環境がどのように変わるかを因果関係で考えておくことを目標とする。

7 【利用形態ごとの土壌生態②】水田土壌 科目の中での位置付け  本科目は、土壌を物理・化学・生物が相互に作用する動的な生態系として理解することを目的とする。前半(第1~4回)では「土壌とは何か」をテーマに、三相構造、団粒構造、土壌生物、分解と腐植形成、炭素・窒素の動きを体系的に学ぶ。第5回は統合回として基礎概念を再整理する。中盤(第6~10回)では森林、水田、畑地・施設、樹園地、有機農業といった利用形態ごとの土壌生態を比較し、水分条件、有機物循環、管理強度の違いが土壌機能に与える影響を考察する。第11回で三軸整理による統合を行う。後半(第12~14回)では災害・都市化・汚染、世界の土壌分布や生成因子、砂漠化、未来農業を扱い、土壌を社会的・地球規模の課題として位置づける。第15回は全体の総括として、土壌と未来社会の関係を統合的に考察する。
 第7回は、利用形態ごとの土壌生態を比較する中で、「水」が土壌機能を大きく規定することを明確にする転換点のコマである。森林土壌で確認した自然循環型の構造を基準に、水田における湛水管理が三相構造や酸化還元環境をどのように変化させるかを体系的に整理する。湛水による気相の減少、微生物呼吸による酸素消費、還元環境の形成、さらに嫌気的分解とメタン生成へ至る流れを因果関係で理解させる。また、根圏に形成される酸化層との対比を通じ、水田土壌が一様ではなく動的なモザイク構造を持つことを示す。本回は、物理・化学・生物の相互作用を具体的な事例で再確認し、次回以降の畑地や施設栽培との比較に向けた理論的基準点となる位置づけにある。

◆コマ主題細目①
・第7回テキスト【利用形態ごとの土壌生態②】水田土壌 第1節「湛水と還元環境の形成」
◆コマ主題細目②
・第7回テキスト【利用形態ごとの土壌生態②】水田土壌 第2節「還元条件下での分解とメタン生成」
◆コマ主題細目③
・第7回テキスト【利用形態ごとの土壌生態②】水田土壌 第3節「酸化還元境界と根圏構造」
コマ主題細目 ① 湛水と還元環境の形成 ② 還元条件下での分解とメタン生成 ③ 酸化還元境界と根圏構造
細目レベル ① この細目での理解は、湛水が土壌中の気相を減少させ、微生物呼吸による酸素消費を通して還元環境が形成される過程を、因果関係と断面構造の両面から説明できるまで。本細目では、まず水田に水を張ることで土壌中の孔隙が水で満たされ、空気の拡散が著しく制限されることを確認する。次に、残存する酸素が微生物呼吸によって消費され、酸化状態から還元状態へと移行する流れを整理する。酸化還元電位(Eh)の概念にも触れ、数値そのものではなく「酸素があるかないか」で化学環境が大きく変化することを理解する。水田土壌断面図を用いて、表層から下層へと還元が進む様子を再構成し、酸素供給と酸素消費のバランスという視点から、湛水が土壌環境を動的に変化させる仕組みを説明できる段階まで理解する。
② この細目での理解は、還元条件下における有機物分解の段階的変化を踏まえ、最終的にメタン生成が起こる仕組みを環境条件と結びつけて説明できるまで。酸素が枯渇すると、微生物はよりエネルギー効率の高い電子受容体から順に利用し、硝酸還元、鉄還元、硫酸還元を経て、最終段階でメタン生成菌が働くことを段階的に整理する。単なる反応名の列挙ではなく、「利用できる電子受容体が変化することで分解様式が変わる」という流れを理解する。水田でのメタン発生経路、特に植物体を通じた大気への放出経路を図で確認し、還元環境が温室効果ガス発生に直結することも示す。環境条件(酸素の有無)と分解過程の対応関係を説明できる段階まで理解する。
③ この細目での理解は、水田土壌が一様な還元環境ではなく、酸化層と還元層が共存するモザイク状の空間構造を持つことを、根圏の働きと関連づけて説明できるまで。イネの根が通気組織を通して酸素を下方へ輸送し、根の周囲に局所的な酸化層を形成することを整理する。これにより、還元土壌中でも根圏では酸化反応が進み、鉄の沈着や土色の変化が生じることを断面図で確認する。水田は全面が還元状態になるわけではなく、酸化還元境界が時間的・空間的に変動する動的構造を持つことを強調する。層構造・根圏・境界という空間的視点から、水田土壌の特徴を統合的に説明できる段階まで理解する。
キーワード ① 湛水 ② 還元環境 ③ 嫌気的分解 ④ メタン生成 ⑤ 酸化還元境界
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
第7回の復習課題として、①湛水によって土壌中の酸素がどのように減少し、還元環境が形成されるのかを図で説明すること、②酸化状態と還元状態の違いを整理し、なぜ水田では還元が進みやすいのかを述べること、③嫌気的条件下での有機物分解の流れを段階的にまとめ、最終的にメタンが生成される理由を書くこと、④イネの根の周囲に酸化層が形成される仕組みを図示すること、⑤水田土壌が一様な還元環境ではなく、酸化還元境界をもつモザイク状の構造であることを説明することを求める。名称暗記ではなく、「水が入る→酸素が減る→分解様式が変わる→境界が生まれる」という因果関係を説明できる状態を目標とする。

◆次回授業の予習
第7回(水田土壌)を踏まえ、第8回(畑地・施設土壌)に向けた予習課題として、①水田では湛水により還元環境が形成されたことを振り返り、「水を抜いた場合、土壌中の酸素や分解様式はどう変わるか」を予想すること、②乾燥と降雨を繰り返す畑地で団粒構造がどのように変化しそうかを図で示すこと、③耕うんが土壌にどのような良い影響・悪い影響を与えるかを二面性で整理すること、④ビニールハウス内で雨が入らない場合、肥料成分はどのように動くかを想像すること、⑤同じ作物を続けて栽培したときに土壌生物相や養分バランスに何が起こり得るかを書き出すことを求める。水田との対比を意識し、「水がない管理型土壌」で何が変わるかを因果関係で考えておくことを目標とする。

8 【利用形態ごとの土壌生態③】畑地土壌と施設栽培土壌 科目の中での位置付け  本科目は、土壌を物理・化学・生物が相互に作用する動的な生態系として理解することを目的とする。前半(第1~4回)では「土壌とは何か」をテーマに、三相構造、団粒構造、土壌生物、分解と腐植形成、炭素・窒素の動きを体系的に学ぶ。第5回は統合回として基礎概念を再整理する。中盤(第6~10回)では森林、水田、畑地・施設、樹園地、有機農業といった利用形態ごとの土壌生態を比較し、水分条件、有機物循環、管理強度の違いが土壌機能に与える影響を考察する。第11回で三軸整理による統合を行う。後半(第12~14回)では災害・都市化・汚染、世界の土壌分布や生成因子、砂漠化、未来農業を扱い、土壌を社会的・地球規模の課題として位置づける。第15回は全体の総括として、土壌と未来社会の関係を統合的に考察する。
 第8回は、利用形態比較の中で「人為管理が強く働く土壌」の特性を明確にする位置づけのコマである。森林や水田で確認した自然条件の違いを基準に、畑地および施設栽培土壌における乾湿変動や耕うん、塩類集積、連作障害を通して、人為的操作が土壌構造・養分動態・生物相に与える影響を体系的に整理する。本回では、乾湿変動と耕うんが団粒構造や炭素蓄積に及ぼす影響を理解し、さらに施設栽培に特有の塩類集積や連作による微生物相の偏りを統合的に捉える。物理・化学・生物の三側面を横断して、管理強度と土壌機能の関係を説明できる段階へ導く、利用形態比較の中核的コマである。

◆コマ主題細目①
・第8回テキスト【利用形態ごとの土壌生態③】畑地土壌と施設栽培土壌 第1節「乾湿変動と耕うんの影響」
◆コマ主題細目②
・第8回テキスト【利用形態ごとの土壌生態③】畑地土壌と施設栽培土壌 第2節「塩類集積と養分の偏在」
◆コマ主題細目③
・第8回テキスト【利用形態ごとの土壌生態③】畑地土壌と施設栽培土壌 第3節「連作障害と土壌生物相の変化」
コマ主題細目 ① 乾湿変動と耕うんの影響 ② 塩類集積と養分の偏在 ③ 連作障害と土壌生物相の変化
細目レベル ① この細目での理解は、乾湿変動と耕うんが団粒構造・有機物量・微生物活動に影響を与え、畑地土壌の物理性と生物環境を動的に変化させることを因果関係で説明できるまで。畑地では降雨と乾燥が周期的に繰り返され、膨張と収縮によって団粒が崩壊・再形成を繰り返すことを理解する。耕うんは一時的に通気性や排水性を改善し根の伸長を助けるが、同時に団粒を破壊し、有機物の分解を加速させる側面ももつことを整理する。乾湿変動と耕うんの相互作用により、炭素蓄積が減少しやすい構造になることにも触れる。森林の「不耕起型」と水田の「湛水型」と対比し、畑地が人為管理に強く依存する土壌であることを説明できる段階まで理解する。
② この細目での理解は、施設栽培における塩類集積の仕組みと、それが作物生育および土壌環境に与える影響を三相構造と水移動の観点から説明できるまで。施設内では降雨による洗脱が起こらず、施肥成分が土壌中に残留しやすいことを図で確認する。蒸発が進むと毛管水の上昇移動により塩類が表層へ集積し、浸透圧ストレスや養分吸収阻害を引き起こすことを理解する。さらに、三相構造の変化やEC上昇が根圏環境を変化させる点にも触れる。畑地では降雨による希釈・移動が起こるが、施設では閉鎖的環境のため偏在が進みやすいことを比較し、管理方法との関係まで説明できる段階まで理解する。
③ この細目での理解は、連作により土壌生物相が偏り、物理・化学・生物的要因が複合して作物生育障害を引き起こすことを統合的に説明できるまで。同一作物の継続栽培により、特定の病原菌や線虫が増加し、根圏微生物群集の多様性が低下することを理解する。有機物の減少や養分の偏在がこれを助長することも整理する。連作障害は単一要因ではなく、土壌構造の劣化、塩類集積、微生物相の偏りが相互に影響する結果であることを示す。輪作や有機物施用がなぜ改善につながるのかを生態学的視点で説明し、物理・化学・生物の三側面を統合して語れる段階まで理解する。
キーワード ① 乾湿変動 ② 耕うん ③ 塩類集積 ④ 連作障害 ⑤ 土壌生物相
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
第8回の復習課題として、①乾湿変動と耕うんが団粒構造や有機物量にどのような影響を与えるかを図で説明すること、②耕うんが通気性改善と有機物分解促進の両面をもつ理由を整理すること、③施設栽培で塩類が表層に集積する仕組みを水の上昇移動と蒸発の観点から説明すること、④塩類集積が根の吸水や養分吸収に及ぼす影響を書くこと、⑤連作障害が起こる要因を物理・化学・生物の三側面から整理し、輪作や有機物施用がなぜ改善につながるのかを述べることを求める。個別現象の暗記ではなく、管理方法と土壌変化の因果関係を説明できる状態を目標とする。

◆次回授業の予習
第8回(畑地・施設土壌)を踏まえ、第9回(樹園地土壌)に向けた予習課題として、①一年生作物と多年生作物の違いを整理し、「同じ場所で長年育つこと」が土壌にどのような影響を与えるかを予想すること、②落葉や剪定枝が地表に残る場合と除去される場合で、土壌有機物量がどう変わるかを考えること、③果樹園では耕うんが少ない理由を想像し、それが団粒構造や微生物に与える影響を書き出すこと、④「根は単独で養分を吸収しているのか」という問いに対する自分の考えをまとめること、⑤樹園地土壌が畑地土壌とどこが異なるかを、時間軸・有機物・地下生物の視点から比較表に整理することを求める。管理の違いが地下環境をどう変えるかを意識して考えておくことを目標とする。

9 【利用形態ごとの土壌生態④】樹園地(果樹園)土壌 科目の中での位置付け  本科目は、土壌を物理・化学・生物が相互に作用する動的な生態系として理解することを目的とする。前半(第1~4回)では「土壌とは何か」をテーマに、三相構造、団粒構造、土壌生物、分解と腐植形成、炭素・窒素の動きを体系的に学ぶ。第5回は統合回として基礎概念を再整理する。中盤(第6~10回)では森林、水田、畑地・施設、樹園地、有機農業といった利用形態ごとの土壌生態を比較し、水分条件、有機物循環、管理強度の違いが土壌機能に与える影響を考察する。第11回で三軸整理による統合を行う。後半(第12~14回)では災害・都市化・汚染、世界の土壌分布や生成因子、砂漠化、未来農業を扱い、土壌を社会的・地球規模の課題として位置づける。第15回は全体の総括として、土壌と未来社会の関係を統合的に考察する。
 第9回は、利用形態比較の中で「時間軸」と「共生」を軸に土壌を再考する位置づけのコマである。森林・水田・畑地に続き、樹園地(土壌)を取り上げることで、多年生作物が長期的に同一地点で生育することが土壌構造や有機物蓄積にどのような影響を与えるかを整理する。本コマでは、落葉や剪定枝の還元による内部循環と、ミコリザ菌との共生関係を通して、地下のネットワークが土壌機能を支える仕組みを理解する。耕うん頻度が低いことによる攪乱の小ささや、有機物の持続的供給が団粒形成や生物多様性の維持に寄与する点を明確にする。時間の蓄積と共生関係を重視する視点を導入することで、有機農業や管理強度の議論へと接続する理論的橋渡しのコマである。

◆コマ主題細目①
・第9回テキスト【利用形態ごとの土壌生態④】樹園地(果樹園)土壌 第1節「多年生作物と時間軸」
◆コマ主題細目②
・第9回テキスト【利用形態ごとの土壌生態④】樹園地(果樹園)土壌 第2節「落葉循環と表層有機物の蓄積」
◆コマ主題細目③
・第9回テキスト【利用形態ごとの土壌生態④】樹園地(果樹園)土壌 第3節「ミコリザ共生(菌根共生)と不耕起的管理」
コマ主題細目 ① 多年生作物と時間軸 ② 落葉循環と表層有機物の蓄積 ③ ミコリザ共生(菌根共生)と不耕起的管理
細目レベル ① この細目での理解は、樹園地土壌が多年生作物の栽培によって長期的に形成・変化する土壌であると説明できるまで。一年生作物中心の畑とは異なり、樹園地では同一個体が長期間同じ場所で生育するため、根系が深層まで発達し、土壌構造が時間をかけて安定化することを理解する。常緑果樹と落葉果樹の違いにも触れ、地上部の生育周期が地下環境に影響することを整理する。耕うん頻度が低く、土壌攪乱が小さいことが有機物蓄積や団粒形成にどう関わるかを説明できる段階まで理解する。
② この細目での理解は、落葉や剪定枝の還元が樹園地における養分供給と土壌改良の基盤であると説明できるまで。落葉や枝葉が地表に堆積し、分解を経て腐植となる過程を整理する。外部施肥に依存するだけでなく、内部での有機物循環が土壌肥沃度を維持することを理解する。落葉量や管理方法(除草・草生栽培)の違いが土壌有機物量に影響する点にも触れる。畑地と比較し、表層有機物が比較的安定して存在する理由を因果関係で説明できる段階まで理解する。
③ この細目での理解は、ミコリザ菌との共生関係が樹園地土壌の養分吸収と生態系安定に重要であると説明できるまで。果樹の根とミコリザ菌の相利共生関係を整理し、リンなど難溶性養分の吸収促進機構を理解する。不耕起的管理が菌糸ネットワークを維持しやすい理由にも触れる。耕うんが少ないことで地下の共生系が安定することを示し、物理性・化学性・生物性が統合された土壌環境であると説明できる段階まで理解する。
キーワード ① 多年生作物 ② 深根性 ③ 落葉循環 ④ ミコリザ共生(菌根共生) ⑤ 不耕起的管理
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
①多年生作物の栽培が土壌構造にどのような長期的影響を与えるかを説明すること、②落葉や剪定枝がどのように分解され土壌有機物として蓄積するかを図で整理すること、③樹園地と畑地の管理方法の違いを比較し、不耕起的管理の意味を述べること、④ミコリザ共生の役割を養分吸収の視点から説明すること、⑤樹園地土壌が「半自然型土壌」である理由を物理・化学・生物の三側面からまとめること。個別現象ではなく、時間軸と共生関係を含めて統合的に説明できる状態を目標とする。

◆次回授業の予習
第9回(樹園地土壌)で学んだ落葉循環や不耕起的管理を振り返り、次回の有機農業と土壌生態に備えて、①団粒構造とは何かを再確認し、有機物や腐植がどのように土壌粒子を結び付けるかを図で整理すること、②堆肥や緑肥が分解される過程で微生物が果たす役割を考え、窒素やリンがどのように植物に利用可能な形へ変化するかを予想すること、③CECや土壌コロイドの働きを復習し、養分保持との関係を説明できるようにすること、④化学肥料中心の管理と有機物中心の管理を物理・化学・生物の三側面から比較すること、⑤有機農業の利点と課題をそれぞれ三点ずつ挙げ、自分の立場を簡潔にまとめることを求める。理念ではなく、土壌の仕組みから有機農業を考える姿勢を準備することを目標とする。

10 【利用形態ごとの土壌生態⑤】有機農業と土壌生態 科目の中での位置付け  本科目は、土壌を物理・化学・生物が相互に作用する動的な生態系として理解することを目的とする。前半(第1~4回)では「土壌とは何か」をテーマに、三相構造、団粒構造、土壌生物、分解と腐植形成、炭素・窒素の動きを体系的に学ぶ。第5回は統合回として基礎概念を再整理する。中盤(第6~10回)では森林、水田、畑地・施設、樹園地、有機農業といった利用形態ごとの土壌生態を比較し、水分条件、有機物循環、管理強度の違いが土壌機能に与える影響を考察する。第11回で三軸整理による統合を行う。後半(第12~14回)では災害・都市化・汚染、世界の土壌分布や生成因子、砂漠化、未来農業を扱い、土壌を社会的・地球規模の課題として位置づける。第15回は全体の総括として、土壌と未来社会の関係を統合的に考察する。
 第10回は、利用形態比較の集大成として、有機農業を土壌生態学の視点から再評価する位置づけのコマである。第6~9回で整理した森林・水田・畑地・樹園地の特性を踏まえ、有機物施用が団粒構造を形成し三相構造を改善する仕組みを物理的側面から確認する。次に、微生物活性化による養分保持と供給の安定化を化学・生物的側面から統合する。さらに、有機農業の利点と課題を対比し、理念ではなく土壌機能に基づく評価を行う。本コマは、自然型と管理型の中間に位置する体系として有機農業を位置づけ、物理・化学・生物の三側面を横断的に結び付ける応用的到達点となる回である。

◆コマ主題細目①
・第10回テキスト【利用形態ごとの土壌生態⑤】有機農業と土壌生態 第1節「有機物施用と団粒構造の形成」
◆コマ主題細目②
・第10回テキスト【利用形態ごとの土壌生態⑤】有機農業と土壌生態 第2節「土壌生物の活性化と養分供給機構」
◆コマ主題細目③
・第10回テキスト【利用形態ごとの土壌生態⑤】有機農業と土壌生態 第3節「有機農業の土壌生態学的意義と課題」
コマ主題細目 ① 有機物施用と団粒構造の形成 ② 土壌生物の活性化と養分供給機構 ③ 有機農業の土壌生態学的意義と課題
細目レベル ① この細目での理解は、有機物施用が土壌粒子を結合させ団粒構造を形成し、その結果として三相構造のバランスが改善される仕組みを因果関係で説明できるまで。本細目では、堆肥や緑肥などの有機物が分解過程で生成する腐植や多糖類が、粘土粒子やシルト粒子を結合させ団粒を形成する仕組みを整理する。団粒構造が発達すると、大孔隙と小孔隙が適度に共存し、通気性・保水性・透水性が安定することを三相構造の観点から説明する。また、有機物が単なる養分供給源ではなく、物理構造を改善する材料であることを強調する。化学肥料中心の管理と比較し、短期的な肥効と長期的な構造形成の違いを明確にし、「土を育てる管理」としての有機物施用の意義を統合的に説明できる段階まで理解する。
② この細目での理解は、有機物投入が微生物の活動を高め、その結果として養分の保持と供給が安定化する仕組みを因果関係で説明できるまで。本細目では、堆肥や緑肥などの有機物が微生物のエネルギー源となり、微生物バイオマスが増加する過程を整理する。微生物の分解活動により有機態窒素が無機化され、植物が吸収可能な形に変換されること、さらに有機酸の生成や酵素作用によって難溶性リンが可溶化されることを説明する。また、土壌コロイドやCECとの関係を示し、無機化された養分が一時的に保持され、流亡せずに徐々に供給される仕組みを理解する。単に「多様性が高い」という評価にとどまらず、微生物活動が養分循環を支える機能的役割を持つことを統合的に説明できる段階まで理解する。
③ この細目での理解は、有機農業の土壌生態学的利点と現実的課題を比較し、その特徴を多面的に説明できるまで。本細目では、有機農業が化学合成肥料や農薬の使用を抑え、有機物施用を通して土壌生物の多様性を高め、炭素蓄積や団粒構造の形成を促進するなど、土壌生態系の安定化に寄与する側面を整理する。また、外部投入資材を減らすことで環境負荷を軽減し、地域資源を循環的に利用する点も意義として位置づける。一方で、養分供給の調整が難しく収量が不安定になりやすいこと、雑草・病害虫管理に労力を要すること、技術的熟練が求められることなどの課題にも触れる。理念や印象論に偏らず、土壌の物理・化学・生物の三側面から利点と課題を対比し、「万能ではないが一つの管理体系」であると説明できる段階まで理解する。
キーワード ① 有機物施用 ② 団粒構造 ③ 微生物活性 ④ 養分保持(CEC) ⑤ 環境負荷と持続性
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
第10回の復習課題として、①有機物施用がどのように団粒構造を形成し、三相構造を改善するのかを図で整理すること、②有機物が微生物のエネルギー源となり、窒素の無機化やリンの可溶化を通じて養分供給が安定する仕組みを説明すること、③CECや土壌コロイドとの関係を踏まえ、養分の保持と供給がどのように両立するかを述べること、④有機農業の利点(環境負荷低減・生物多様性維持・炭素蓄積)と課題(収量変動・労力増大など)を対比表にまとめること、⑤「有機農業はどのような土壌管理体系か」を物理・化学・生物の三側面から300字程度で記述することを求める。理念ではなく、土壌生態学の視点から整理できる状態を目標とする。

◆次回授業の予習
第10回(有機農業と土壌生態)までに学んだ森林・水田・畑地・施設栽培・樹園地の特徴を整理し、①各利用形態の水分条件と酸化還元環境を比較表にまとめること(自然降水依存・湛水・乾湿変動・灌水管理など)、②それぞれにおける有機物の供給様式(落葉・施用・分解様式)と微生物活動の違いを図で示すこと、③管理強度(耕うん頻度・水管理・施肥量)を軸に並べ、生物多様性や炭素蓄積への影響を考察することを求める。単元ごとの暗記ではなく、「水・有機物・管理強度」の三視点で再構造化する準備をしてくることを目標とする。

11 【利用形態ごとの土壌生態⑥】踊り場コマ(水・有機物・管理の三軸整理) 科目の中での位置付け  本科目は、土壌を物理・化学・生物が相互に作用する動的な生態系として理解することを目的とする。前半(第1~4回)では「土壌とは何か」をテーマに、三相構造、団粒構造、土壌生物、分解と腐植形成、炭素・窒素の動きを体系的に学ぶ。第5回は統合回として基礎概念を再整理する。中盤(第6~10回)では森林、水田、畑地・施設、樹園地、有機農業といった利用形態ごとの土壌生態を比較し、水分条件、有機物循環、管理強度の違いが土壌機能に与える影響を考察する。第11回で三軸整理による統合を行う。後半(第12~14回)では災害・都市化・汚染、世界の土壌分布や生成因子、砂漠化、未来農業を扱い、土壌を社会的・地球規模の課題として位置づける。第15回は全体の総括として、土壌と未来社会の関係を統合的に考察する。
 第11回は、利用形態ごとの学習内容を横断的に再構造化する統合回であり、本科目の中盤を締めくくる重要な位置づけにある。第6~10回で扱った森林・水田・畑地・施設・樹園地・有機農業を、水分条件、有機物循環、管理強度という三軸で比較し、それぞれの違いを単なる事例としてではなく、原理的枠組みとして整理する。本回では、湛水や乾湿変動が分解様式を変えること、有機物供給の違いが団粒構造や微生物相に影響すること、さらに管理強度が土壌の安定性や炭素蓄積に及ぼす影響を因果関係で説明できる段階へ到達させる。個別知識を統合し、後半の社会的・地球規模課題へ接続する橋渡しとなるコマである。

◆コマ主題細目①
・第11回テキスト【利用形態ごとの土壌生態⑥】踊り場コマ(水・有機物・管理の三軸整理) 第1節「水分条件と酸化還元環境の比較」
◆コマ主題細目②
・第11回テキスト【利用形態ごとの土壌生態⑥】踊り場コマ(水・有機物・管理の三軸整理) 第2節「有機物の流れと土壌生物の働きの比較」
◆コマ主題細目③
・第11回テキスト【利用形態ごとの土壌生態⑥】踊り場コマ(水・有機物・管理の三軸整理) 第3節「人為管理の強度と土壌生態の安定性」
コマ主題細目 ① 水分条件と酸化還元環境の比較 ② 有機物の流れと土壌生物の働きの比較 ③ 人為管理の強度と土壌生態の安定性
細目レベル ① この細目での理解は、森林・水田・畑地・施設栽培・樹園地の土壌を水分条件と酸化還元環境の違いから比較し、水の存在形態が土壌生態を規定する要因であると説明できるまで。本細目では、まず各利用形態の水分環境を整理する。森林は自然降水に依存し、表層は湿潤だが通気性が保たれる。水田は湛水により還元環境が形成される。畑地は降雨と乾燥を繰り返し、乾湿変動が大きい。施設栽培では灌水管理が人為的に行われ、塩類集積が生じやすい。樹園地は比較的安定した水分状態を保つことが多い。これらを三相構造や酸化還元環境の視点で対比し、「水の入り方・抜け方・滞留の仕方」が微生物活動や分解様式を左右することを因果関係で説明できる段階まで理解する。
② この細目での理解は、各利用形態における有機物の供給様式と分解様式の違いを比較し、その違いが土壌構造や微生物相に与える影響を説明できるまで。本細目では、まず森林における落葉中心の内部循環を整理し、地表に堆積した有機物が分解され再び樹木に吸収される仕組みを確認する。水田では嫌気的条件下で分解が進み、メタン生成を伴う独特の分解様式が見られることを示す。畑地では耕うんにより分解が促進され、有機物減少が進みやすいことを整理する。樹園地では落葉とミコリザ共生が安定的な有機物循環を支える。有機農業では外部からの有機物施用が重要な役割を果たす。これらを対比し、有機物の供給・分解・保持の違いが団粒構造や微生物多様性にどのように影響するかを統合的に説明できる段階まで理解する。
③ この細目での理解は、利用形態ごとの人為管理の強度を比較し、その違いが土壌生態の安定性・生物多様性・炭素蓄積にどのように影響するかを説明できるまで。本細目では、森林から樹園地、畑地、施設、水田へと管理強度が高まる順に整理し、耕うん頻度や水管理、施肥量などの違いを比較する。攪乱の頻度が高いほど土壌構造が不安定になりやすく、有機物の持続性や生物多様性が変化することを理解する。一方で、生産性向上のために一定の管理が必要であることにも触れ、「自然度」と「生産性」の間に存在するトレードオフを考察する。炭素蓄積や養分保持の観点も加え、管理強度と土壌機能の関係を総合的に説明できる段階まで理解する。
キーワード ① 水分条件 ② 酸化還元環境 ③ 有機物の流れ ④ 管理強度 ⑤ 土壌生態の安定性
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
①森林・水田・畑地・施設・樹園地を水分条件の違いから比較し、それぞれの酸化還元環境の特徴を説明すること、②各利用形態における有機物の供給と分解様式を整理し、土壌構造や微生物相への影響を図で示すこと、③管理強度の違いを軸に並べ、生物多様性や炭素蓄積への影響を述べること、④「自然度」と「生産性」の関係を自分の言葉でまとめること、⑤利用形態ごとの土壌生態を三つの視点(水・有機物・管理)から統合的に300字程度で記述することを求める。個別回の暗記ではなく、比較と構造化ができる状態を目標とする。

◆次回授業の予習
第11回で整理した「水・有機物・管理強度」の三視点を踏まえ、①津波や豪雨が発生した場合、土壌の三相構造や団粒構造がどのように変化するかを予想し、塩類濃度上昇や表土流亡との関係を図で整理すること、②都市化により圧密や不透水化が進んだ場合、地下水や微生物活動にどのような影響が出るかを考えること、③重金属や農薬が土壌中にとどまる理由をコロイドや粘土鉱物との関係から復習すること、④「撹乱」という視点から、自然災害と人為活動の共通点をまとめることを求める。土壌が社会と密接に関わる動的な環境であることを意識して準備することを目標とする。

12 【社会・世界と土壌①】土壌と人間社会(災害・都市・汚染) 科目の中での位置付け  本科目は、土壌を物理・化学・生物が相互に作用する動的な生態系として理解することを目的とする。前半(第1~4回)では「土壌とは何か」をテーマに、三相構造、団粒構造、土壌生物、分解と腐植形成、炭素・窒素の動きを体系的に学ぶ。第5回は統合回として基礎概念を再整理する。中盤(第6~10回)では森林、水田、畑地・施設、樹園地、有機農業といった利用形態ごとの土壌生態を比較し、水分条件、有機物循環、管理強度の違いが土壌機能に与える影響を考察する。第11回で三軸整理による統合を行う。後半(第12~14回)では災害・都市化・汚染、世界の土壌分布や生成因子、砂漠化、未来農業を扱い、土壌を社会的・地球規模の課題として位置づける。第15回は全体の総括として、土壌と未来社会の関係を統合的に考察する。
 第12回は、これまで自然科学的に整理してきた土壌生態を、社会との接点へと拡張する転換点のコマである。津波や豪雨による塩害・侵食を通して、土壌が災害によって大きく変化する動的資源であることを確認する。また、都市化による圧密や不透水化が三相構造や水循環を改変することを理解し、人為的管理が土壌環境に与える影響を再検討する。さらに、重金属や農薬、放射性物質の挙動を扱い、土壌が汚染物質を保持する媒体であると同時に、社会的管理の対象であることを示す。本コマは、土壌を自然環境の一部から社会的資源へと位置づけ直す理論的転換点であり、次回以降の世界規模の議論へ接続する基盤となる。

◆コマ主題細目①
・第12回テキスト【社会・世界と土壌①】土壌と人間社会(災害・都市・汚染) 第1節「自然災害と土壌環境の変化」
◆コマ主題細目②
・第12回テキスト【社会・世界と土壌①】土壌と人間社会(災害・都市・汚染) 第2節「都市化と土壌改変」
◆コマ主題細目③
・第12回テキスト【社会・世界と土壌①】土壌と人間社会(災害・都市・汚染) 第3節「土壌汚染とその管理」
コマ主題細目 ① 自然災害と土壌環境の変化 ② 都市化と土壌改変 ③ 土壌汚染とその管理
細目レベル ① 津波による海水流入が塩類濃度を上昇させ、ナトリウムによる分散や作物枯死を引き起こす過程を整理する。豪雨による表土流亡や侵食が団粒構造と有機物層を破壊することを理解する。洪水による堆積が肥沃度を高める場合もあることに触れ、災害が一様に悪影響ではないことも示す。土壌は固定された存在ではなく、撹乱によって大きく変化する動的環境であると説明できる段階まで理解する。
② この細目での理解は、都市化が土壌構造や水循環をどのように改変するかを説明できるまで。埋立地や造成地では土壌が人工的に再構成されることを整理する。圧密により孔隙が減少し、通気性や透水性が低下することを理解する。アスファルトやコンクリートによる不透水化が地下水涵養や地温に影響することを示す。都市土壌は自然土壌とは性質が異なり、管理対象としての側面が強いことを説明する。自然土壌との比較を通して、人間活動が土壌環境を大きく変化させることを統合的に理解する。
③ この細目での理解は、重金属や農薬、放射性物質が土壌中でどのように挙動し、どのように管理されるかを説明できるまで。重金属や農薬が土壌に残留する仕組みを整理し、環境基準が設けられている理由を理解する。放射性セシウムが粘土鉱物に吸着し移動が抑制される過程を模式図から確認する。土壌は汚染物質を保持する能力も持つ一方で、完全な浄化は困難であることを理解する。汚染は化学的現象であると同時に社会問題でもあると説明できる段階まで理解する。
キーワード ① 塩害 ② 表土流亡 ③ 不透水化 ④ 重金属汚染 ⑤ 土壌修復
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
①津波や豪雨が土壌に与える影響を物理・化学・生物の三側面から整理すること、②都市化による圧密や不透水化が水循環にどのような影響を与えるかを説明すること、③重金属や農薬が土壌中に残留する仕組みをまとめること、④放射性セシウムが粘土鉱物に吸着する理由を説明すること、⑤土壌汚染が単なる自然現象ではなく社会問題である理由を自分の言葉で述べること。土壌が自然資源であると同時に社会的資源であることを理解できる状態を目標とする。

◆次回授業の予習
第12回で扱った災害・都市化・汚染という「人為的・外的撹乱」の視点を踏まえ、①世界地図を見ながら、気候帯(寒帯・温帯・熱帯・乾燥帯)ごとにどのような土壌が分布していそうかを予想し、降水量や気温との関係を書き出すこと、②チェルノーゼム・ラトソル・ポドゾルの特徴を簡単に調べ、それぞれの生成環境を整理すること、③ドクチャエフの土壌生成因子(気候・生物・地形・母材・時間)を復習し、人間活動も因子に含まれる理由を考えること、④砂漠化や土壌劣化がなぜ乾燥地域で進みやすいのかを予想することを求める。土壌を地域現象から地球規模の動的資源へと視野を広げる準備をすることを目標とする。

13 【社会・世界と土壌②】世界の土壌生態 科目の中での位置付け  本科目は、土壌を物理・化学・生物が相互に作用する動的な生態系として理解することを目的とする。前半(第1~4回)では「土壌とは何か」をテーマに、三相構造、団粒構造、土壌生物、分解と腐植形成、炭素・窒素の動きを体系的に学ぶ。第5回は統合回として基礎概念を再整理する。中盤(第6~10回)では森林、水田、畑地・施設、樹園地、有機農業といった利用形態ごとの土壌生態を比較し、水分条件、有機物循環、管理強度の違いが土壌機能に与える影響を考察する。第11回で三軸整理による統合を行う。後半(第12~14回)では災害・都市化・汚染、世界の土壌分布や生成因子、砂漠化、未来農業を扱い、土壌を社会的・地球規模の課題として位置づける。第15回は全体の総括として、土壌と未来社会の関係を統合的に考察する。
 第13回は、土壌生態を地域的事例から地球規模へと拡張する理論的転換点のコマである。第12回で扱った災害・都市化・汚染といった社会的撹乱を踏まえ、本コマでは世界の土壌分布を気候帯・地形・母材との関係から整理し、土壌が地域環境の総合的結果として成立することを理解する。さらに、ドクチャエフの土壌生成因子を通して、土壌が長い時間と複数要因の相互作用によって形成される歴史的存在であることを確認する。加えて、砂漠化や土壌劣化を取り上げ、食料安全保障や炭素循環と結びつく地球規模課題として位置づける。本回は、土壌を自然科学的対象から地球環境問題の中核資源へと視野を広げる橋渡しのコマである。

◆コマ主題細目①
・第13回テキスト【社会・世界と土壌②】世界の土壌生態 第1節「世界の土壌分布と多様性」
◆コマ主題細目②
・第13回テキスト【社会・世界と土壌②】世界の土壌生態 第2節「土壌生成の要因と時間スケール」
◆コマ主題細目③
・第13回テキスト【社会・世界と土壌②】世界の土壌生態 第3節「砂漠化と地球規模の土壌問題」
コマ主題細目 ① 世界の土壌分布と多様性 ② 土壌生成の要因と時間スケール ③ 砂漠化と地球規模の土壌問題
細目レベル ① この細目での理解は、気候帯・地形・母材の違いが世界の土壌型の分布を規定し、土壌が地域ごとに異なる性質をもつことを説明できるまで。本細目では、世界の主要な土壌型であるチェルノーゼム(黒土)、ラトソル(赤黄色土)、ポドゾル(灰白色土)などの分布図を確認し、それぞれがどの気候帯に多く見られるかを整理する。温帯草原では有機物蓄積が進み黒色土が形成され、熱帯多雨地域では強い風化により鉄やアルミニウムが集積することを理解する。さらに、地形条件や母材の違いが土壌の厚さや鉱物組成に影響することを示し、土壌は単一の存在ではなく、地域環境の総合的結果として成立する多様な自然資源であると説明できる段階まで理解する。
② この細目での理解は、土壌が気候・生物・地形・母材・時間、そして人為の相互作用によって長期的に形成される動的な存在であると説明できるまで。本細目では、ドクチャエフが提唱した土壌生成因子の枠組みを確認し、気候(降水量・気温)、生物(植生・微生物)、地形(排水条件)、母材(岩石の種類)、時間が相互に作用して土壌を形成することを整理する。さらに、土壌の形成には数百年から数千年という長い時間が必要であり、短期間では容易に再生できない資源であることを理解する。加えて、耕作や都市化などの人間活動も生成因子の一つとして位置づけ、土壌が固定された物質ではなく、歴史的・社会的背景を含む変化し続ける自然体であると説明できる段階まで理解する。
③ この細目での理解は、砂漠化や土地劣化が自然条件と人為活動の相互作用によって進行し、食料生産や炭素循環に深刻な影響を与えることを説明できるまで。本細目では、世界の砂漠化分布図を確認し、乾燥・半乾燥地域を中心に土地劣化が拡大している現状を整理する。過放牧や過耕作、森林伐採などの人為的要因が植生の減少を招き、表土流亡や有機物減少を引き起こす過程を理解する。さらに、人口増加と土地利用圧の高まりが土壌劣化を加速させることを示し、劣化した土壌では炭素蓄積が低下し温暖化にも影響する点に触れる。砂漠化は地域問題にとどまらず、食料安全保障と気候変動に関わる地球規模課題であると説明できる段階まで理解する。
キーワード ① チェルノーゼム ② ラトソル ③ 土壌生成因子 ④ 砂漠化 ⑤ 土壌劣化
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
第13回の復習として、①チェルノーゼム・ラトソル・ポドゾルなど世界の主要土壌型を挙げ、それぞれの分布を気候条件(降水量・気温)と関連付けて整理すること、②ドクチャエフの土壌生成因子(気候・生物・地形・母材・時間)を説明し、相互作用の視点でまとめること、③土壌形成に必要な時間スケールが数百年から数千年に及ぶ理由を述べること、④砂漠化の原因を自然要因(乾燥化など)と人為要因(過放牧・過耕作など)に分けて整理すること、⑤土壌劣化が食料生産や炭素循環に与える影響を因果関係で説明することを求める。土壌を地域的現象ではなく地球規模の課題として統合的に理解できる状態を目標とする。

◆次回授業の予習
第13回で学んだ世界の土壌分布や土壌生成因子、砂漠化・土壌劣化の問題を踏まえ、①土壌が数百年から数千年かけて形成される資源であることを再確認し、「失われた土壌はどのように回復できるのか」を自分なりに考えること、②砂漠化や土壌劣化を防ぐためにどのような農業管理が有効かを三つ挙げること、③炭素蓄積や侵食防止の観点から、どのような栽培方法が持続可能かを整理すること、④地域内で養分や有機物を循環させる仕組みを簡単な図で示すことを求める。世界規模の課題を踏まえ、未来農業を土壌生態の視点から構想する準備を目標とする。

14 【社会・世界と土壌③】土壌生態と未来農業 科目の中での位置付け  本科目は、土壌を物理・化学・生物が相互に作用する動的な生態系として理解することを目的とする。前半(第1~4回)では「土壌とは何か」をテーマに、三相構造、団粒構造、土壌生物、分解と腐植形成、炭素・窒素の動きを体系的に学ぶ。第5回は統合回として基礎概念を再整理する。中盤(第6~10回)では森林、水田、畑地・施設、樹園地、有機農業といった利用形態ごとの土壌生態を比較し、水分条件、有機物循環、管理強度の違いが土壌機能に与える影響を考察する。第11回で三軸整理による統合を行う。後半(第12~14回)では災害・都市化・汚染、世界の土壌分布や生成因子、砂漠化、未来農業を扱い、土壌を社会的・地球規模の課題として位置づける。第15回は全体の総括として、土壌と未来社会の関係を統合的に考察する。
 第14回は、これまでに整理してきた理論と比較の知見を、未来志向の管理と社会設計へと発展させる実践的転換点のコマである。本回では、侵食防止や炭素蓄積を通じた土壌保全の必要性を確認し、土壌が有限資源であることを再認識する。また、土壌断面観察や分類を通じて農地評価と管理改善がどのように結びつくかを整理し、理論を具体的判断へ接続する。さらに、食料・肥料・炭素循環を地域単位で再設計する視点を提示し、資源を「使う」だけでなく「戻す」農業体系の構築を考察する。本コマは、土壌生態学を持続可能な未来農業の基盤へと昇華させる橋渡しの回である。

◆コマ主題細目①
・第14回テキスト【社会・世界と土壌③】土壌生態と未来農業 第1節「土壌保全と持続可能な管理」
◆コマ主題細目②
・第14回テキスト【社会・世界と土壌③】土壌生態と未来農業 第2節「土壌診断と生産力評価」
◆コマ主題細目③
・第14回テキスト【社会・世界と土壌③】土壌生態と未来農業 第3節「食料・資源循環と未来農業」
コマ主題細目 ① 土壌保全と持続可能な管理 ② 土壌診断と生産力評価 ③ 食料・資源循環と未来農業
細目レベル ① この細目での理解は、水食や風食の仕組みを踏まえ、侵食防止と炭素蓄積を両立させる管理の必要性を説明できるまで。本細目では、降雨強度や地表被覆の有無が水食を左右し、強風や裸地化が風食を加速させる仕組みを整理する。表土が失われると有機物や団粒構造が減少し、生物多様性や保水性が低下することを理解する。被覆作物の導入、不耕起栽培、草生管理などが侵食抑制と炭素蓄積の双方に寄与する点を示し、短期的収量だけでなく長期的土壌機能を維持する視点の重要性を確認する。土壌は再生に長い時間を要する有限資源であり、守りながら利用する管理こそが持続可能な農業の基盤であると説明できる段階まで理解する。
② この細目での理解は、土壌断面観察と土壌分類に基づく評価が、農地の生産力や管理方針の決定に直結することを説明できるまで。本細目では、スコップ掘りによる土壌断面の観察方法を確認し、表層・心土の厚さ、土色、団粒構造、根の分布、礫の有無などを指標として土壌状態を判断する視点を整理する。さらに、土壌分類が土地利用や作物適性の評価に活用されてきた歴史的背景を踏まえ、分類が単なる名称付けではなく、生産力評価や施肥設計、排水改善などの具体的管理に結びつくことを理解する。土壌診断は分析値の羅列ではなく、観察と分類を通じて課題を見つけ改善策を導くための基礎情報であると説明できる段階まで理解する。
③ この細目での理解は、食料・肥料・炭素の循環を地域単位で再設計することが、持続可能な未来農業の基盤であると説明できるまで。

本細目では、日本の食料輸入構造を整理し、輸入飼料や化学肥料に依存することで養分が地域外から流入し、消費地に偏在する不均衡が生じている現状を理解する。家畜排せつ物や有機性資源が十分に循環せず、土壌に過不足が生じる問題点を示す。さらに、炭素循環の観点から、土壌への有機物還元が気候変動対策にも寄与することを整理する。地域内循環型農業の必要性を提示し、土壌生態の視点から資源を「使う」だけでなく「戻す」仕組みを構築することが未来農業の鍵であると説明できる段階まで理解する。

キーワード ① 土壌侵食 ② 土壌保全 ③ 土壌診断 ④ 資源循環 ⑤ 持続可能性
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
第14回の復習として、①水食・風食がどのような条件で発生し、表土や団粒構造にどのような影響を与えるかを説明し、その防止策(被覆作物、不耕起、草生管理など)を整理すること、②土壌断面観察により層構造・土色・根の分布を確認することが、排水性や肥沃度の評価にどのように役立つかをまとめること、③土壌分類が土地利用計画や作物適性判断にどのように活用されるかを述べること、④日本の食料輸入構造が養分循環の不均衡を生み出している現状を整理すること、⑤未来農業において土壌生態が果たす役割を物理・化学・生物の三側面から300字程度で記述することを求める。土壌を保全すべき資源であると同時に、持続可能な社会を設計する基盤として理解できる状態を目標とする。

◆次回授業の予習
第14回までの内容を踏まえ、①三相構造・団粒構造・土壌生物・分解・炭素・窒素の動きを一枚の模式図にまとめ、土壌を「動的生態系」として説明できるよう整理すること、②森林・水田・畑地・樹園地・有機農業を水分条件・有機物循環・管理強度の三軸で比較表に再構成すること、③災害・都市化・汚染・砂漠化が土壌機能に与える影響を因果関係で書き出すこと、④土壌が食料生産・炭素循環・資源循環に果たす役割を300字程度でまとめることを求める。知識の再確認ではなく、全体を構造化し自らの言葉で再定義する準備を目標とする。

15 まとめ(土壌生態学の統合理解) 科目の中での位置付け  本科目は、土壌を物理・化学・生物が相互に作用する動的な生態系として理解することを目的とする。前半(第1~4回)では「土壌とは何か」をテーマに、三相構造、団粒構造、土壌生物、分解と腐植形成、炭素・窒素の動きを体系的に学ぶ。第5回は統合回として基礎概念を再整理する。中盤(第6~10回)では森林、水田、畑地・施設、樹園地、有機農業といった利用形態ごとの土壌生態を比較し、水分条件、有機物循環、管理強度の違いが土壌機能に与える影響を考察する。第11回で三軸整理による統合を行う。後半(第12~14回)では災害・都市化・汚染、世界の土壌分布や生成因子、砂漠化、未来農業を扱い、土壌を社会的・地球規模の課題として位置づける。第15回は全体の総括として、土壌と未来社会の関係を統合的に考察する。
 第15回は、本科目全体の到達点として、理論・比較・社会的課題を統合し、「土壌とは何か」を再定義する総括のコマである。第1~4回で学んだ三相構造、団粒構造、土壌生物、分解と腐植形成、炭素・窒素の動きを再統合し、土壌を動的生態系として再確認する。さらに、森林・水田・畑地・樹園地・有機農業を三軸で比較し、利用形態の違いが土壌機能に与える影響を総合的に整理する。その上で、災害・都市化・砂漠化・資源循環の課題を踏まえ、土壌が未来社会の持続可能性を支える基盤資源であることを確認する。本コマは、知識の総復習ではなく、土壌生態学の視点を自らの言葉で構築し直す最終統合回である。

◆コマ主題細目①
・第15回テキストまとめ(土壌生態学の統合理解) 第1節「土壌とは何か ― 構造・生物・時間の統合」
◆コマ主題細目②
・第15回テキストまとめ(土壌生態学の統合理解) 第2節「利用形態による土壌生態の比較」
◆コマ主題細目③
・第15回テキストまとめ(土壌生態学の統合理解) 第3節「土壌と社会・未来」
コマ主題細目 ① 土壌とは何か ― 構造・生物・時間の統合 ② 利用形態による土壌生態の比較 ③ 土壌と社会・未来
細目レベル ① この細目での理解は、三相構造・団粒構造・土壌生物・分解と腐植形成・炭素と窒素の動きを統合し、土壌を動的な生態系として再定義できるまで。本細目では、第1回から第4回までに学んだ内容を再整理する。まず固相・液相・気相からなる三相構造と、それを安定させる団粒構造の意義を確認する。次に、土壌生物が有機物を分解し腐植を形成する過程を通して、炭素と窒素の動きが土壌内でどのように循環しているかを統合する。さらに、これらの過程が数百年から数千年という時間の積み重ねの上に成立していることを示し、土壌を単なる物質の集合ではなく、構造・生物・時間が相互作用する動的生態系として説明できる段階まで理解する。
② この細目での理解は、森林・水田・畑地・樹園地・有機農業といった利用形態の違いが、土壌機能にどのような影響を与えるかを「水分条件・有機物循環・管理強度」の三軸から因果関係をもって説明できるまで。本細目では、まず各利用形態を水分条件の観点から整理し、湛水による還元環境、乾湿変動、自然降水依存などの違いを比較する。次に、有機物の供給様式と分解様式の違いを整理し、団粒構造や微生物相への影響を確認する。さらに、耕うん頻度や施肥、水管理などの管理強度を軸に並べ、攪乱の程度が土壌の安定性や炭素蓄積、生物多様性に及ぼす影響を検討する。各利用形態の長所と課題を対比し、「自然度」と「生産性」の関係を説明できる段階まで統合的に理解する。
③ この細目での理解は、土壌が食料生産・環境保全・資源循環を支える基盤資源であり、未来社会の持続可能性に直結する存在であると説明できるまで。本細目では、これまで扱ってきた災害による土壌変化、都市化による不透水化や圧密、重金属や農薬による汚染、さらには砂漠化や土壌劣化の進行といった課題を総合的に振り返る。そのうえで、土壌保全が食料安全保障や炭素循環、気候変動対策とどのように結びついているかを整理する。土壌は再生に長い時間を要する有限資源であることを再確認し、保全と利用を両立させる管理の必要性を理解する。土壌生態学の視点から、地域循環型農業や環境負荷低減型農業など、未来農業の方向性を自ら構想できる段階まで理解する。
キーワード ① 三相構造 ② 団粒構造 ③ 利用形態比較 ④ 土壌劣化 ⑤ 持続可能性
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業時間内に、ヨリソル上において当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 ◆今回授業の復習
第1回から第14回までの内容を踏まえ、①「土壌とは何か」を物理(構造・三相)、化学(養分の動き)、生物(微生物・分解)、時間(生成過程)の四視点から300字程度で記述すること、②森林・水田・畑地・樹園地・有機農業を水分条件・有機物循環・管理強度の三軸で比較表に整理すること、③土壌劣化や災害・都市化が社会に与える影響を因果関係でまとめること、④未来農業において土壌生態が果たす役割を具体的に述べること、⑤講義全体を通して最も重要だと感じた視点を一つ挙げ、その理由を書くことを求める。単なる知識の暗記ではなく、内容を再構造化し、自分の言葉で統合的に説明できる状態を目標とする。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
① 土壌の基礎構造を理解している 【★初級】三相構造(固相・液相・気相)を説明できる。孔隙や団粒構造の意味を理解し、保水性・通気性との関係を概念的に述べられる。

【★★中級】団粒構造が大孔隙・小孔隙の形成に関わり、三相バランスを改善する仕組みを因果関係で説明できる。乾湿や耕うんとの関連を述べられる。

【★★★上級】三相構造・孔隙・団粒形成を統合し、「良い土壌構造」を自ら定義できる。構造と機能の関係を図示し、論理的に説明できる。
三相構造、孔隙、団粒構造、保水性、通気性 1, 2
② 土壌生物と分解機構を説明できる 【★初級】微生物や土壌動物が有機物を分解することを説明できる。腐植や無機化の意味を理解している。

【★★中級】分解→腐植形成→無機化の流れを因果関係で説明できる。食物連鎖との関係を述べられる。

【★★★上級】土壌生物の役割を炭素・窒素の動きと関連付けて統合的に説明できる。模式図を用いて論理的に説明できる。
微生物、分解、腐植形成、無機化、食物連鎖 3, 4
③ 養分循環と炭素循環を因果関係で説明できる 【★初級】窒素循環や炭素循環の基本的な流れを説明できる。硝化・脱窒やCO₂放出の意味を理解している。

【★★中級】酸化還元条件と硝化・脱窒の関係を説明できる。炭素の放出と貯留の違いを因果関係で述べられる。

【★★★上級】窒素循環と炭素循環を統合し、分解過程を起点に土壌と大気の関係を論理的に説明できる。時間スケールも含めて論述できる。
窒素循環、硝化・脱窒、炭素貯留、酸化還元、CO₂放出 ①②③で30点 5
④ 利用形態ごとの土壌特性を比較できる 【★初級】森林・水田・畑地・樹園地・有機農業の特徴を挙げ、それぞれの水分条件や管理方法の違いを説明できる。

【★★中級】湛水や乾湿変動、内部循環の違いが分解様式や土壌構造に与える影響を因果関係で比較できる。

【★★★上級】水分条件・有機物循環・管理強度の三軸で各利用形態を統合的に整理し、自然度と生産性の関係まで論理的に説明できる。
湛水、乾湿変動、内部循環、管理強度、不耕起 40点 6, 7, 8, 9, 10, 11
⑤ 土壌と人間社会の関係を理解している 【★初級】塩害や侵食、不透水化、土壌汚染の内容を説明できる。土壌が災害や都市化の影響を受けることを理解している。

【★★中級】災害や都市化が三相構造や団粒構造に与える影響を因果関係で説明できる。撹乱という概念で整理できる。

【★★★上級】自然災害と人為的撹乱を統合的に比較し、土壌が社会的資源であることを論理的に説明できる。管理や保全の視点まで述べられる。
塩害、侵食、不透水化、土壌汚染、撹乱 12
⑥ 世界規模の土壌問題を説明できる 【★初級】気候帯と土壌型の関係を説明できる。砂漠化や土壌劣化の意味を理解している。

【★★中級】土壌生成因子と気候帯の関係を整理し、砂漠化の原因を自然要因と人為要因に分けて説明できる。

【★★★上級】土壌劣化が食料安全保障や炭素循環に与える影響を統合的に説明できる。地球規模課題として論理的に論述できる。
土壌生成因子、砂漠化、土壌劣化、気候帯、食料安全保障 13
⑦ 土壌生態学の視点から未来農業を構想できる 【★初級】土壌保全や資源循環の重要性を説明できる。持続可能性の概念を理解している。

【★★中級】炭素蓄積や侵食防止の視点から、土壌管理が未来農業に必要である理由を説明できる。

【★★★上級】土壌保全・資源循環・生産性を統合し、持続可能な未来農業の具体像を土壌生態学の視点から論理的に構想できる。
土壌保全、資源循環、炭素蓄積、持続可能性、未来農業 ⑤⑥⑦で30点 14, 15
評価方法 期末試験100%とします。
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 指定なし
参考文献 松中照夫『土壌学の基礎』社団法人農山漁村文化協会 3,950円(税込)、松中照夫『新版 土壌学の基礎』社団法人農山漁村文化協会 4,620円(税込)
実験・実習・教材費 なし