区分 専門基礎科目-健康と生活支援
ディプロマ・ポリシーとの関係
コミュニケーション能力 アセスメント能力 判断力
創造力 実践力 自己研鑽力
カリキュラム・ポリシーとの関係

カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ

科目の目的
心理学は、多くの人がどのような学問かよく分かっておらず勘違いされがちな科目ですが、この心理学の授業では、心理学とは何なのかを学ぶことから始まり、心理学で取り扱う様々なトピック(脳の働きや社会的要因、人間関係など)に関する理論や研究結果について学習することによって、将来看護に役立てることができるようになることが目標です。これらのことを学ぶこととともに、クリティカルシンキング能力を養っていくことが目標となります。これらの目標のために、心理学の基礎的なトピックである、脳の基本的な機能、感覚と知覚、記憶、学習などから学習し始めることによって、その後学習する発達心理、社会心理、愛情と性、攻撃性、ストレスと心理的障害、精神障害などの比較的応用力が必要な概念を理解しやすくする。また、すべてのコマで学習する内容は医療や看護に関係の深いトピックばかりなので、授業を受けながら看護師になったときに役に立てることを考えながら学んでいきましょう。
到達目標

科目の概要
この心理学の授業では、様々な心理学のトピックに焦点を当て、学習したことを将来看護に活かせるようになることが目標となります。心理学とはどのような学問なのかを学習するところから始まり、すべての心の働きと行動の起源ともいえる脳の機能を学習したり、生物のブループリントと言われるDNAやその科学的変化であるエピジェネティックスについて学習します。また、ヒトが生きる上で欠かせない意識、記憶、感覚と知覚などについても学んでいきます。そして、新しい知識や方法を身につける過程である学習、学習とも深いつながりのある言語についてのトピックを取り上げます。さらに、ヒトと他の動物を最も明確に分けることができる特徴である思考、ヒトのサバイバルには欠かせない情動、ヒトの生涯においての変化に焦点を当てた発達心理、ヒトの社会的動物としての側面から心や行動を理解する社会心理、人間の社会的生活には欠かすことのできない恋愛と性、様々な生物に共通する特徴である攻撃性、現代社会を生きる上では避けることのできないストレスと心理的障害、そして様々な心理的問題について学習します。
科目のキーワード
脳と行動、意識、知覚、記憶、学習、言語、思考、感情、発達、社会的行動、愛情、性、攻撃性、ストレス、精神障害
授業の展開方法
講義において、教科書として新版 心理学 Psychology: Science of heart and mind, 2nd ed.、無藤隆、森敏昭、遠藤由美、玉瀬耕治 著と使用し、その教科書の内容に基づいて心理学の概念を学習する。この教科書ではカバーされていない授業内容が、7コマ目(言語)、10コマ目(発達心理)、12コマ目(愛情と性)、13コマ目(攻撃性)、14コマ目(ストレスと心理的障害)、15コマ目(精神障害)に出てくるが、その部分については講義用のパワーポイントでカバーする。

オフィス・アワー
月曜日・火曜日13:00-14:00
科目コード BG13
学年・期 1年・前期
科目名 心理学
単位数 2
授業形態 講義
必修・選択 必修
学習時間 【授業】30h 【予習・復習】60h
前提とする科目 健康と生活支援を理解するための科目であり、他の科目の履修を必要としない
展開科目 臨床心理学、各看護学概論、ストレスマネジメント論、精神看護学の科目
関連資格 看護師,保健師,養護教諭
担当教員名 正司孝太郎
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 授業概要・心理学とは 科目の中での位置付け この第1回目の講義では、今後授業を進めるにあたり大切なポイントを説明します。まずは、講師の連絡先、オフィスアワー(月曜日14:00〜16:00)、毎回の講義の進め方、15回すべてのトピック、成績のつけ方(期末テスト70%、出欠+フィードバック30%)、LiveQの使い方(無料オンラインサービス。無記名で授業について質問できます。授業中に質問しにくい学生もたくさんいるので、LiveQを使えば気軽に質問できます。ただし、誰かを中傷したりふざけあう場所ではないので、そのような行為は禁止です。)第1回目の講義内容は、心理学が、心と行動を研究する学問分野であることを学ぶことから始めます。そして、科学としての心理学がどのように研究を行うのか(仮説を立て、科学的手法を用いて研究を行い、科学的理論を作る。)を学習します。これらの概念は今後の講義の全てにおいて重要で、今後の講義においても研究の話題などが出てくるので、覚えておきましょう。
講義用パワーポイント
コマ主題細目 ① 授業概要 ② 心理学とは ③ 心理学の歴史
細目レベル ① まず初めにこの講義では、授業の進め方などをお話します。講師のメールアドレスとオフィスアワー(月曜日14:00〜16:00)について確認し、全15回の講義のトピックを確認します。さらに、一回の講義の進め方は、途中中程に5分間の休憩を挟むことを確認します。人が集中して他の人の話を聞ける時間は短いので、この5分間休憩で気分をリフレッシュしましょう。その次に成績の付け方を確認します。この授業では毎回の講義の最後5分間で行うフィードバックが30%と期末テストが70%という割合です。期末テストは全て選択問題です。フィードバックは毎回の出欠確認も兼ねて、google formsを使って行います。最後に、講義中に無記名で質問ができるLiveQの使い方を確認します。
② 次にこの講義では、心理学とはどのような学問なのかを学びます。心理学の定義は「心と行動を研究する科学の分野」です。心理学が生まれる前までは物理学などの観察可能な現象を対象にしていた科学の定義を、心理学は直接観察することが難しい心というトピックにも拡大させました。では心とは何でしょうか?ここで言う心とは、思考・意思・感情・理性・知性・記憶・意識・知覚などのことを指します。そしてここで言う行動とは、態度・振る舞い・習性・身体の動きのことを指します。更に、心理学は科学なので、科学的手法を用いてこれらのことを研究します。それにはまず、科学的な仮説を立てることから始まります。仮説とは、ある現象がどのようにして起こるのかを説明したものであり、科学的理論に基づいたものである必要があります。さらに、研究を進めることで科学的な理論を確立することを目指します。
③ 次にこの講義では、心理学の歴史を学習し、心理学にはどのような分野があるのかを学びます。まず、最初に心理学を学問として初めた、ヴィルヘルム ヴントの構造主義、そして、同じ頃にアメリカで心理学を始めたウィリアム ジェイムスの機能主義を学びます。次にジークムント フロイトの精神分析理論、現在でも認知心理学に影響のあるゲシュタルト心理学、そして、主にアメリカで1900年台に流行った行動主義などについて学習します。さらに、その行動主義に相反する理論を唱えたアブラハム マズローやカール ロジャースらが始めた人間性心理学について学びます。最後に、近年の発展とともに起こった認知革命やフェミニスト心理学についても学びます。
キーワード ① 授業概要 ② 心理学とは ③ 科学としての心理学 ④ 心理学の歴史 ⑤ 心理学の分野
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:教科書の1〜32ページを読み、講義用パワーポイントを見直して、構造主義(ヴィルヘルム ヴント)、機能主義(ウィリアム ジェイムズ)、精神分析理論(ジークムント フロイト)、ゲシュタルト心理学(マックス ヴェルトハイマー)、行動主義(スキナー)、人間性心理学(アブラハム マズロー)、認知心理学(ノーム チョムスキー)、認知革命、フェミニズム心理学(ナオミ ワインスタイン)などについて、それぞれの違いなどを明らかにしておきましょう。さらに、現代の心理学分野について、どのような分野があるのかを確認しておきましょう。これらの心理学分野(社会心理、認知心理、発達心理など)はこの授業で学んでいきます。

2 生物心理学(心と脳) 科目の中での位置付け 2コマ目のこの講義では、生物心理学について学習します。生物心理学は、主にニューロンの働きや脳の各部位の働き、また、最近進展が著しいDNAや遺伝子の仕組みなどについて学んでいきます。生物心理学で学習することは今後の講義の中でもたくさん出てきます。3コマ目の意識の講義では脳の部位が意識とどのように関連しているのかや、ニューロンがどのように関連しているのかを学習します。4コマ目の感覚と知覚でも感覚器官からで受け取った刺激がどのようにニューロンによって伝達されるのかや、脳のどの部分で処理されるのかを学びます。5コマ目の学習でも、新しいことを学習する上で重要な脳の部位などを学習します。6コマ目と7コマ目の学習と言語についても脳の働きが深く関係しています。8コマ目の思考の講義でも、脳の働きについて学びます。10コマ目の発達心理の講義でも脳の発達や、発達とDNA、エピジェネティックスの関係を学習します。12コマ目と13コマ目の愛情と性、攻撃性についても脳やDNAとの関係を学習します。
教科書:新版 心理学 Psychology: Science of heart and mind, 2nd ed.、無藤隆、森敏昭、遠藤由美、玉瀬耕治 著 ②34〜38③41〜55
講義用パワーポイント
コマ主題細目 ① 遺伝子 ② ニューロン ③ 脳
細目レベル ① この講義ではまず初めに遺伝子について学習します。遺伝子はDNAの中に含まれており、化学物質で構成されていて生物の性質や体質を形作ります。また遺伝子は親から子への遺伝的情報を伝える需要な要素です。そして、DNAは地球上全ての生物の細胞の核の中に収納されいます。DNAからRNAを作り出す工程を転写といい、RNAからタンパク質を作り出す工程を翻訳といいます。また、郵政遺伝子と劣勢遺伝子の概念を学習し、それがヒトの病気とどのように関わっているのかを学びます。そして、DNAに科学物質が付着することなどで起こるエピジェネティックスについても学習し、エピジェネティックスがどのようにヒトの病気と関わっているのかを学びます。
② 次にニューロンの働きと構造について学習します。ニューロンは脳神経細胞のことで、様々な部位(樹状突起、軸索丘、軸索、軸索終末など)があります。ニューロンは脳内の情報伝達を行う役割を担っています。外界から期間を通して入ってきた視覚情報などは、ニューロン間では神経伝達物質という化学物質を使って行われます。ニューロン内での情報の伝達は電気信号を使って行われます。神経伝達物質という形でやってきた情報がニューロン内に取り込まれ、その情報が十分な強さのときに活動電位と言われる電気の反応が起こり、ニューロン内の樹状突起から軸索終末の方向に電気信号が流れます。電気信号が軸索終末までたどり着くと、そこから神経伝達物質が放出されるという仕組みになっています。
③ 次に脳の部位とその働きについて学習します。まず、脳葉は前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉に分けることができ、それぞれ異なった役割を果たしています。また、他の主な脳の部位として、視床という箇所について学びます。嗅覚を除くすべての感覚は、脳の他の領域で処理される前に、視床を通過していきます。また、小脳は記憶、特に運動に関する記憶を処理するための重要な部位で、運動にも深く関わっています。左脳にはブローカ野とウェルニッケ野と呼ばれる部位があり、両方共言語に深く関わっている部位だと言われています。他には、体制感覚皮質と呼ばれる概念があり、手や顔などの感覚が敏感な部位に関わる脳の表面の面積も大きくなっています。
キーワード ① DNA ② RNA ③ エピジェネティックス ④ ニューロン ⑤ 脳
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書の33〜56ページを読み、遺伝子、ニューロン、脳の働きなどについて理解しておきましょう。復習:教科書の33〜56ページを読み、講義用パワーポイントを見直して、遺伝子、ニューロン、脳の働き、神経の働き、ホルモンの働き、薬物の影響などについて理解しておきましょう。とくに、DNAの働き、RNAの働き、転写と複写のメカニズム、優勢遺伝子と劣勢遺伝子の違い、メチル化などのエピジェネティックスの仕組み、ニューロンの情報伝達の仕組み、脳の視床や小脳、各脳葉の働きなどは複雑なので間違いのないようにしましょう。また、Manabaの小テストを受けてこれらのことが理解できているかを確認しておきましょう。
3 意識 科目の中での位置付け 3コマ目のこの講義では、意識とは何かを学習します。意識には様々な種類があり、はっきりと起きているときと昏睡状態のときのスペクトラム上では捉えきれないものが多くあります。この講義では大きく分けて、睡眠、昏睡状態、様々な意識の状態について学習します。睡眠と昏睡状態については、脳の状態や脳の部位の働きについて学ぶため、2コマ目の生物心理学の内容を復習しておくとわかりやすいでしょう。また、様々な意識の種類を学習するところでは、記憶喪失などの記憶に関する障害が出てきます。このトピックは5コマ目の記憶の講義に関連していて、記憶がどのように形成されるのかを学ぶことで記憶喪失のメカニズムについても学習することができます。また、乖離性遁走と解離性同一性障害は14コマ目のストレスについての講義でこれらの精神障害の主な原因にストレスが関わっていることを学習します。さらに、これらの障害は15コマ目の精神障害についての講義にも関連します。
教科書:新版 心理学 Psychology: Science of heart and mind, 2nd ed.、無藤隆、森敏昭、遠藤由美、玉瀬耕治 著 ①38〜40
講義用パワーポイント
コマ主題細目 ① 睡眠 ② 昏睡状態 ③ 様々な意識のステージ
細目レベル ① まずこの講義では、意識とは何かを学び、そのうちのステージの一つである睡眠について取り上げます。睡眠は概日リズムによってコントロールされていて、その概日リズムをコントロールするのが、脳の松果体という部分です。概日リズムは時差ボケなどによってリズムが崩れることがあります。そのために睡眠が十分に取れなかった場合、睡眠負債という状態に陥ります。動物が睡眠を取る理由はまだよくわかっていませんが、ホメオスタシスを保つためだとか、日中の活動に適応するためであるとか、暗闇で捕食されるリスクを軽減するためであるとか言われています。また、この講義では睡眠の5段階について学習します。ノンレム睡眠には4段階あり、その後にレム睡眠が訪れます。
② 次にこの授業では昏睡状態が代謝の減少(特に大脳皮質の代謝活動)と脳の異なる部位の情報伝達の遮断を特徴としていることを学習します。しかし、昏睡状態にも様々あり、昏睡状態にあっても脳が反応する事例があることを、交通事故で昏睡状態になってしまった23歳の女性の事例を使って説明します。この事例研究ではfMRIが使われています。fMRIにこの女性を入れたあと、この女性の場合、テニスをすることが好きだったので、テニスをしているところを想像してください、とお願いしました。すると、脳の運動機能をコントロールする部位の活動が活発になったのです。さらに、家の周りを散歩しているところを想像してみてください、とお願いすると空間認識と運動機能に関連する脳の部位の活動が活発になりました。
③ 次にこの授業では他の様々な意識の状態について学習します。まずは、記憶喪失について説明します。記憶喪失は大きく分けると以前の記憶を失うものと、これから起こることを記憶できなくなる症状に分けられます。次に乖離性遁走についてお話します。乖離性遁走はある日突然これまで生活していたところから姿を消し、数カ月後に発見されたときには別の誰かとして生活していて、以前の記憶がないという症状です。また、解離性同一性障害についても学習します。この精神障害は多重人格として知られているものです。そして、最後に精神興奮剤を服用したときの意識の変化についても学習します。LSDなどの薬を摂取すると、時間の感覚が変化したり、見えるものが華やかになったりするなど、意識に様々な変化が起きることを学習します。
キーワード ① 睡眠 ② 概日リズム ③ レム睡眠 ④ ノンレム睡眠 ⑤ 昏睡
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:講義用パワーポイントを読み、睡眠、睡眠の理由、概日リズム、睡眠の段階、昏睡状態、他の意識状態(記憶喪失、乖離性遁走、解離性同一性障害など)などについて理解しておきましょう。復習:講義用パワーポイントを読み、睡眠、松果体の働き、睡眠の理由(ホメオスタシス、適応機能、暗闇で増加する捕食されるリスクへの適応)、概日リズム、睡眠の段階(レム睡眠の特徴とノンレム睡眠の特徴)、睡眠障害(夢遊病など)、昏睡状態とその特徴、他の意識状態(記憶喪失、乖離性遁走、解離性同一性障害など)などについて理解しておきましょう。また、Manabaの小テストを受けてこれらのことが理解できているかを確認しておきましょう。
4 感覚と知覚 科目の中での位置付け この講義では感覚と知覚について学習します。自然界にある刺激を感覚器官で受け取るところから始まり、後頭葉や側頭葉など、脳の様々な場所で処理されることで知覚となります。感覚器官は様々ありますが、特に研究が進んでいる視覚系と聴覚系を学習していきます。どちらも脳の部位と関連があるので、2コマ目で学習する脳の働きや部位の名前について復習しておくと、この講義の内容がわかりやすくなるでしょう。また、5コマ目の記憶に関する講義でもこれらの感覚刺激をどのように記憶として保持するのかをお話します。さらに、9コマ目の情動のトピックでも、感覚機関で受け取った刺激が、その時の情動の影響を受けて人によってことなる知覚や記憶として保持されることを学習します。10コマ目の発達心理のトピックでは、知覚などの発達の過程を学習します。また、3コマ目のトピックの一つである、薬物による知覚の変化がどのように起こるのかを学んでいきます。
教科書:新版 心理学 Psychology: Science of heart and mind, 2nd ed.、無藤隆、森敏昭、遠藤由美、玉瀬耕治 著 ①59〜62 ②62〜63 ③63〜66
講義用パワーポイント
コマ主題細目 ① 視覚系 ② 聴覚系 ③ 形の知覚
細目レベル ① この講義では、まず、視覚系の仕組みについて学習します。視覚系は可視光線と言われる光のスペクトラムを刺激として目で受け取り、それを脳の後頭葉に伝達して感覚として処理する働きをすることを学習します。このとき、右の視野は左目で、そして左の視野は右目で刺激を受け取ります。光は瞳孔を通って眼球内に入り、水晶体による焦点調節によって屈折し、網膜上に像を結ぶ。網膜上には錐体と杆体という細胞があり、それぞれが光を電気的なインパルスに変換します。インパルスに変換された光刺激は、視神経を通じて視交差と視神経が視放線とシナプス結合している場所である外側膝状体を経由し、視放線を通じて後頭葉にある視覚野へ投射されることで視知覚となります。
② 次にこの講義では聴覚系の働きについて学習します。聴覚系は大きく分けて、外耳、中耳、内耳に分類されています。外耳には耳介と外耳道があります。そして、中耳には鼓膜と耳小骨があります。耳小骨は外耳からの入力刺激を約22倍に増幅させる働きがあり、つち骨、きぬた骨、あぶみ骨で成り立っています。内耳には蝸牛とよばれるカタツムリに似た形の部位があり、前庭窓、前庭階、鼓室階、蝸牛管で成り立っています。内耳に音のインパルスが入ってくると、あぶみ骨の震動が前庭窓を押すことにより、前庭階と鼓室階の内部のリンパ液が震動します。このリンパ液の震動に伴って、蝸牛管もその内部にある基底板も震動すると、コルチ器の内部の有毛細胞が倒れます。毛が倒れると細胞内のイオン濃度が急激に変化し電気活動が発生します。この電気活動が聴神経から中脳を経由して大脳皮質に伝えられ、音として知覚されます。
③ 次にこの講義では形の知覚について学習します。何らかの形を知覚するときは、図と地があることが必要です。図は知覚される形を表しており、地はそのバックグラウンドとなるものです。図がまとまって見えるには様々な要因があります。近接の要因は距離が近いものは一つにまとまって見えるというものです。閉合の要因によって、閉じた領域を作るものはまとまって見えます。また、奥行きを地アックするためにも、様々要素が必要です。陰影をつけると奥行きを感じるし、ある対象が別の対象の一部を覆っている場合には、覆っている対象の方が覆われている対象よりも手前にあるように知覚されます。また、静止している画像でも動いているように見える模様を使って、錯視についても学習します。このような錯視画は機械学習を使っても動いて見えているということがわかっています。
キーワード ① 感覚の仕組み ② 視覚系 ③ 聴覚系 ④ 形の知覚 ⑤ 錯視
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書の57〜82ページを読み、感覚器官の種類、視覚系の働き、聴覚の働き、形の知覚、奥行きの知覚、錯視、選択的注意などについて理解しておきましょう。復習:教科書の57〜82ページを読み、講義用パワーポイントを見直して、感覚器官の種類(触覚、痛覚、味覚、筋肉運動感覚、平衡感覚、内蔵感覚など)、瞳孔・水晶体・網膜・錐体・杆体などを含む視覚系の働き、あぶみ骨・前庭窓・鼓室階・蝸牛管・基底版などを含めた聴覚の働き、形の知覚(図と地、図のまとまり方の要因など)、奥行きの知覚(陰影、重なりなど)、錯視、選択的注意(カクテルパーティー効果についてなど)を理解しておきましょう。また、Manabaの小テストを受けてこれらのことが理解できているかを確認しておきましょう。
5 記憶 科目の中での位置付け この講義では記憶のメカニズムについて学習します。自然界にある刺激を感覚器官で受け取るところから始まり、それを意味のあるものと認識するところから記憶の過程が始まります。記憶の過程、短期記憶について、長期記憶について、そして忘却について学んでいきます。これらのメカニズムは脳の様々な部位に関連しているため、2コマ目で学習する脳の働きや部位の名前について復習しておくと、この講義の内容がわかりやすくなるでしょう。また、4コマ目の感覚と知覚に関する講義とも、感覚器官で受け取った刺激が記憶になるにはどのような過程を経なければならないか、という意味で関連があります。さらに、9コマ目の情動のトピックでも、感覚機関で受け取った刺激が、その時の情動の影響を受けて人によって異なる記憶として保持されることを学習します。15コマ目の精神障害のトピックでは、記憶に関する障害を学習し、14コマ目のストレスのトピックでは、ストレスの記憶への影響を学んでいきます。
教科書:新版 心理学 Psychology: Science of heart and mind, 2nd ed.、無藤隆、森敏昭、遠藤由美、玉瀬耕治 著 ①84〜86 ②86〜90 ③90〜98
講義用パワーポイント
コマ主題細目 ① 記憶の過程 ② 短期記憶 ③ 長期記憶
細目レベル ① この講義では、まず、記憶の過程について学習します。感覚器官から入ってきた刺激を記憶として保持するためには、符号化、貯蔵、検索の3つの要素が不可欠です。符号化は、入力された感覚刺激を「意味」のあるものに変換し、記憶表象として貯蔵するまでの一連の情報処理過程のことを指します。感覚器官から入ってきた刺激は感覚記憶として数秒間だけ保持できます。例えば、視覚刺激は1秒以内で消えてしまいます。入ってきた刺激を保持するためには、その刺激を何らかの意味のあるものにしなければいけません。貯蔵とは、感覚記憶を数秒以上保持するための過程です。入ってきた刺激の「意味」を保持するため、事実がそのまま保持されることはありません。そして、検索とは貯蔵した情報を思い出す過程のことを指します。
② 次にこの講義では、短期記憶について学習します。短期記憶とは、情報を使い終わるまで一時的に保持しておくことを指します。その容量には限りがあり、7個前後のアイテムしか覚えることができないと言われています。また、保持できる時間にも限りがあり、10〜30秒ほどしかありません。その中でも、初頭性効果と親近性効果と呼ばれる傾向がみられます。これらはそれぞれ、リストにあるアイテムの最初の最後の方にあるものは記憶されやすい、というものです。近年では、ワーキングメモリという概念が主流で、短期記憶はたんなる情報の一時的な「貯蔵庫」ではなく、会話、読書、計算、推理など種々の認知課題の遂行中に、情報の変換や復唱などの情報処理を行うための「作業場」としての機能を果たすとされています。
③ 次にこの講義では、長期記憶について学習します。長期記憶とは、膨大な容量の永続的な記憶を指します。長期記憶には、宣言的記憶と手続き的記憶があります。さらに、宣言的記憶はエピソード記憶と意味記憶に分類されます。また、長期記憶は潜在的記憶と顕在的記憶の2種類に分けられることもあります。また、この講義では、長期記憶の構造として、階層的ネットワークモデルと意味ネットワークモデルについて学習します。最後に、長期記憶から抜け落ちてしまう記憶、忘却についてもバートレットの幽霊たちの戦いの物語を用いた研究をもとに学習していきます。さらに、このことから、スキーマ(過去の経験を構造化した認知的枠組み)の重要性を学びます。
キーワード ① 符号化 ② 貯蔵 ③ 検索 ④ 短期記憶 ⑤ 長期記憶
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書の83〜108ページを読み、符号化、貯蔵、検索、短期記憶の容量、短期記憶の保持時間、ワーキングメモリー、長期記憶の種類、長期記憶の構造、忘却と保持時間、忘却と干渉、忘却と検索などについて理解しておきましょう。復習:教科書の83〜108ページを読み、講義用パワーポイントを見直して、符号化、貯蔵、検索、短期記憶の容量(7個前後)、短期記憶の保持時間(10〜30秒)、ワーキングメモリーの概念、長期記憶の種類(宣言的記憶、手続き的記憶など)、長期記憶の構造、忘却と保持時間、忘却と干渉、忘却と検索を理解しておきましょう。また、Manabaの小テストを受けてこれらのことが理解できているかを確認しておきましょう。
6 学習 科目の中での位置付け この講義では学習のメカニズムについて学習します。学習については様々な理論がありますが、この講義では特に連合理論、認知理論、社会認知理論の学習観についてお話していきます。これらのメカニズムは脳の様々な部位に関連しているため、2コマ目で学習する脳の働きや部位の名前について復習しておくと、この講義の内容がわかりやすくなるでしょう。また、4コマ目の感覚と知覚に関する講義とも、感覚器官で受け取った刺激を学習するにはどのような過程を経るのか、という意味で関連があります。5コマ目の記憶の講義とも、新しい刺激を保持するためのメカニズムという点で似ている講義となります。さらに、7コマ目の言語の講義でも、言語の学習について学んでいきます。8コマ目には思考についてお話しますが、ここでも学習が密接に関わっています。10コマ目の発達心理でも、学習能力の発達についてのトピックをお話します。15コマ目の精神障害のトピックでは、学習に関する障害を学びます。
教科書:新版 心理学 Psychology: Science of heart and mind, 2nd ed.、無藤隆、森敏昭、遠藤由美、玉瀬耕治 著 ①110〜113, 115〜116 ②113〜114, 117〜121
講義用パワーポイント
コマ主題細目 ① 連合理論 ② 認知理論 ③ 社会認知理論
細目レベル ① この講義では、まず、学習の理論のなかの連合理論について学習します。連合理論には大きく分けて古典的条件付とオペラント条件付がの2つがあります。古典的条件付けでは、有名なパヴロフの犬を用いた実験を紹介しながら、条件刺激、無条件刺激、無条件反応、条件反応の概念を説明します。また、古典的条件付の、般化、分化、消去、自発的回復の概念についても説明します。さらに、オペラント条件付では、スキナーのネズミや鳩を使った実験を参考にしながら、ポジティブ強化(望ましい行動の頻度増加目的)、ネガティブ強化、ポジティブ弱化(望ましくない行動の頻度減少目的)、ネガティブ弱化、内発的動機づけ、外発的動機づけなどについてお話します。
② また次にこの講義では、認知心理学の枠組みから学習を考えていきます。認知心理学では、学習(知識獲得)= 知識の構造自体の変化と捉えています。また、知識には宣言的知識(事実についての知識)と手続き的知識(何かを行う方法についての知識)の2種類があります。認知心理学によると、新しい宣言的知識の獲得は、すでに持っている知識との関係性の中で行われると考えられています。たとえば、ビタミンCの働きについて新しく学習しようとするとき、すでに持っている免疫などの知識と結びつけて学習します。また、新しい手続き的知識の獲得には、if ... thenルールが用いられるとされています。これは、もし... すると...となるという過程の繰り返しでなにか新しいことの方法が身につくと言うことを指します。
③ また次にこの講義では、社会認知心理学の枠組みから学習を考えていきます。社会認知心理学では、意図的ではなく無意識的な学習プロセスに着目しています。これを暗示的学習といいます。また、新しい技能を習得する際には認知的段階、体制化の段階、自動化の段階という工程を経るとしています。認知的段階とは、技能の特徴を認知的に把握する段階で、頭でその方法を把握しようとします。頭でひとつひとつ確認しながら実行するためにスピードが遅くエラーも多い段階です。体制化の段階は、認知的段階で形成された運動プログラムに従って、個々の動作を一連の運動として体制化する段階です。動作はしだいにスムーズになり、無駄な力も使わなくなるので、疲労も少なくなってきます。そして、自動化の段階では、動作はさらにスムーズになり、意識のコントロールなしにほとんど自動的に運動を遂行できるようになります。
キーワード ① 古典的条件付け ② オペラント条件付け ③ 宣言的知識 ④ 手続き的知識 ⑤ 暗示的学習
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書の109〜132ページを読み、条件づけによる学習、古典的条件付け、オペラント条件付け、ゲシュタルト心理学の学習観、認知理論の学習、知識の獲得、技能の獲得、社会・文化的学習、正の転移と負の転移、形式陶治、実質陶治、転移と熟達などについて理解しておきましょう。復習:教科書の109〜132ページを読み、講義用パワーポイントを見直して、条件づけによる学習、古典的条件付け、オペラント条件付け、ゲシュタルト心理学の学習観、認知理論の学習、知識の獲得、技能の獲得、社会・文化的学習、正の転移と負の転移、形式陶治、実質陶治、転移と熟達を理解しておきましょう。また、Manabaの小テストを受けてこれらのことが理解できているかを確認しておきましょう。

7 言語 科目の中での位置付け この講義では、言語について学習します。特に、言語習得に関する理論と脳の機能について学習し、さらに、第二言語の習得についても学んでいきます。第二言語を学習することの利益なども学習するので、第二言語を学ぶことに興味のある学生には楽しい講義かもしれません。これら言語の習得については脳の様々な部位に関連しているため、2コマ目で学習する脳の働きや部位の名前について復習しておくと、この講義の内容がわかりやすくなるでしょう。また、6コマ目の学習についての講義でもお話しした、行動主義の理論が言語についての学習でも出てくるので、もう一度復習しておくといいでしょう。さらに、言語は、8コマ目のトピックである思考とも密接に関連しています。言語が思考にも影響を与え、思考が言語にも影響を与えるとされています。10コマ目の発達心理の講義でも、言語の習得を発達の視点から学びます。最後に、11コマ目の社会心理の講義では社会的交わりが学習に与える影響について学びます。
講義用パワーポイント
コマ主題細目 ① 言語の習得 ② 脳と言語 ③ 第二言語の習得
細目レベル ① この授業ではまず、言語の習得について学習します。言語がどのように習得されるのかについての説には大きく分けて、模倣説と
生得説があります。模倣説とは、親の言葉がけを中心として周囲に子どもが聞くことのできる音刺激がある場合、子どもがそれを模倣することによって習得する得説です。生得説は、言語を獲得するには遺伝的に規定された仕組みがあるというものです。生得説の例として、言語に関連する遺伝子のの例として、FOXP2に関する研究を紹介します。また、模倣説の例として、共同注視について説明します。そして、言語習得の理論の例として、行動主義とチョムスキーの言語習得装置についてお話します。そして、最後に統計的学習と、社会的な関係性の必要性について学んでいきます。

② 次にこの授業では、言語と脳の機能の関係について学習します。この授業では特に、ブローカ野とウェルニッケ野という脳の部位についてお話します。ブローカ野は、言語を発する際の口の筋肉の動きなどをコントロールする脳の部位であるとされています。ブローカ野は手話の生成にも関与しています。この部分に損傷を負ってしまうと、ブローカ失語と呼ばれる失語症が起こります。ブローカ失語を患った人は、文法的に複雑な文章を作り出すことが不可能で、電文体のみで構成された言葉しか発せないようになります。ウェルニッケ野は、言語の理解の中心的役割を果たしているとされています。この部分に損傷を負うと、ウェルニッケ失語を患うことになります。この失語症は、話し相手の言ったことを理解することが困難になるという特徴があります。

③ 次にこの授業では、第二言語の習得について学習します。まず、言語に関する臨界期とは、言語を学習するのが難しくなってくるある一定の年齢のことを指します。この臨界期についての研究をハンガリー人の移民コミュニティーについての研究を紹介しながら見ていきます。さらに、年齢が高くなるにつれて第二言語の習得が難しくなる原因の一つとして、神経コミットという概念を紹介します。乳幼児初期にニューロンの繋がりや全体構造が構築されていきます。このことで、特定の言語の話し言葉の音声や子音と母音の配列などを検出できるようになります。この仕組みによって乳幼児が経験する言葉を理解することに最大限に効率的になるわけです。しかし、その代わり、他の言語のパターンを検出することを阻害することにもなるのです。

キーワード ① 言語の習得 ② ブローカ野 ③ ウェルニッケ野 ④ 臨界期 ⑤ 神経コミット
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書の153〜156ページを読み、母語の習得と外国語の習得について理解しておきましょう。復習:教科書の153〜156ページを読み、講義用パワーポイントを見直して、言語の習得、模倣説、生得説、言語に関する遺伝子、親子のコミュニケーション、行動主義の言語習得に関する理論、ノーム チョムスキーの理論(言語習得装置)、統計的学習、対人的交わりの重要性、ブローカ野の働き、ウェルニッケ野の働き、臨界期と臨界期に関する研究、神経コミット、第二言語習得に関する遺伝子、バイリンガルの利益と不利益などを理解しておきましょう。また、Manabaの小テストを受けてこれらのことが理解できているかを確認しておきましょう。
8 思考 科目の中での位置付け この講義では思考のメカニズムと種類について学習します。この講義では特に、問題解決の過程、帰納的推論、演繹的推論、意思決定、創造的思考についてお話していきます。特に創造的思考のところでは、実際に想像力が試される問題を一緒にときながら学習していくので、楽しいと思います。これら思考のメカニズムは脳の様々な部位に関連しているため、2コマ目で学習する脳の働きや部位の名前について復習しておくと、この講義の内容がわかりやすくなるでしょう。また、5コマ目の記憶と6コマ目の学習についての講義とも、外界から受け取った刺激を処理して考えるという意味で、密接に関わりのあるトピックです。さらに、9コマ目の情動の講義でも、思考能力と感情の関係についてお話します。同じように、13コマ目の攻撃性と思考の関係性についても、脳の働きの側面からみていきます。さらに、7コマ目の言語の講義でも、思考と言語の関係性についてのトピックを紹介します。
教科書:新版 心理学 Psychology: Science of heart and mind, 2nd ed.、無藤隆、森敏昭、遠藤由美、玉瀬耕治 著 ①160〜163 ②164〜170 ③171〜174
講義用パワーポイント
コマ主題細目 ① 問題解決 ② 推論 ③ 意思決定
細目レベル ① この講義ではまず、問題解決の方法について学習します。問題解決の方法の一つには試行錯誤することがあります。この試行錯誤について、ソーンダイクの問題箱を用いた研究を参照にしながら紹介します。試行錯誤には、練習の法則(ある事態で同じ反応が何度も行われると、その反応は同じ事態に再び遭遇したときに行われやすくなる)や効果の法則(問題解決に役立つ効果がある反応を行うと、その反応を引き出した刺激とその反応との間の連合が強められる)などがあります。また、問題解決の方法には洞察もあります。このことをケーラーの実験を参照にしながらお話します。さらに、方略という方法にはアルゴリズム(問題解決のために行う規則的な手続き)やヒューリスティックス(これまでに学習したことや推論などを使って思考を進め、問題解決を試みる)といった方法もあります。
② 次にこの講義では、推論について学習します。推論には帰納的推論と演繹的推論があります。帰納的推論は、仮説検証において観察した事実や事象に基づいて、それらの事実や事象を生じさせている原因や法則性を推理することを指します。帰納的推論は現在の科学でも用いられている推論ですが、仮説検証の思考を阻害する要因も存在します。素朴理論や確証バイアスなどはその例です。演繹的推論とは、ある主張や仮説が正しいことを前提としたときに、その前提から論理的に正しい結論を導き出す際の推論のことを指します。まず、主張や仮説が正しいことが前庭になっているため、それらに誤りがあると推論的には正しくても、導き出される結果が間違っているといったことが起きます。
③ 次にこの講義では、意思決定について学習します。特にこの講義では意思決定に影響する要因について学んでいきます。まず、フレーミング効果とは、意思決定を行う際の心理的枠組み(フレーム)が異なることが意思決定の結果に影響する現象のことを指します。例えば、「これまでに手術した100人の患者のうちの95人が5年後も生存している」と言われた場合と、「これまでに手術した100人の患者のうちの5人が5年未満に死亡した」と言われた場合ではこの手術を受けたいと思う人の確率が異なることがわかっています。そして、基礎確率の無視では、もともとの絶対数が少ないことを無視して意思決定を行ってしまう傾向のことを指します。これは、ベイズ理論にも通じるものです。
キーワード ① 試行錯誤 ② 洞察 ③ 方略 ④ 推論 ⑤ 基礎的確率の無視
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書の159〜184ページを読み、試行錯誤、洞察、問題解決の過程、方略、アルゴリズム、ヒューリスティック、帰納的推論、演繹的推論、仮説検証の思考を阻害する要因、演繹的推論の歪み、意思決定の思考、創造的思考などについて理解しておきましょう。復習:教科書の159〜184ページを読み、講義用パワーポイントを見直して、試行錯誤、洞察、問題解決の過程、方略、アルゴリズム、ヒューリスティック、帰納的推論、演繹的推論、仮説検証の思考を阻害する要因、演繹的推論の歪み、意思決定の思考、創造的思考を理解しておきましょう。また、Manabaの小テストを受けてこれらのことが理解できているかを確認しておきましょう。
9 情動 科目の中での位置付け この講義では情動のメカニズムについて学習します。情動と表情の関係性や情動が起こるメカニズム、情動のモデルなどを学習していきます。これら情動のメカニズムは脳の様々な部位や遺伝にも関連しているため、2コマ目で学習する脳の働きや部位の名前、または遺伝について復習しておくと、この講義の内容がわかりやすくなるでしょう。また、4コマ目の感覚と知覚にも情動は深く関わってきます。情動によって知覚が影響されるためです。5コマ目の記憶と6コマ目の学習についての講義とも、情動がこれらに影響するため、密接に関わりのあるトピックです。さらに、12コマ目の愛情と性の講義でも、情動との関係性について学習します。同じように、13コマ目の攻撃性と情動の関係性についても、脳の働きの側面からみていきます。14コマ目のストレスについての抗議デモストレスと情動の関連性をお話します。最後に、15コマ目の精神障害では、情動に影響を与える障害についていくつか取り上げます。
教科書:新版 心理学 Psychology: Science of heart and mind, 2nd ed.、無藤隆、森敏昭、遠藤由美、玉瀬耕治 著 ①188〜190 ②190〜192 ③193〜198
講義用パワーポイント
コマ主題細目 ① 情動と表情 ② 情動のモデル ③ 情動の制御
細目レベル ① まずこの講義では、情動と表情との関係性について学習します。情動とは、急激に生起し、短時間で終わる比較的強力な感情のことを指します。情動は主観的な内的経験であるとともに、行動的・運動的反応として表出され、また内分泌腺や内臓反応の変化などの生理的活動を伴うものです。情動を持つということは何らかの身体的反応もあるということです。そのうちの一つが表情です。頻繁に表情に出てくる情動としては、驚き、悲しみ、怒り、恐怖、幸せ、蔑みなどがあります。ただ、全ての情動が表情として表れるわけではなく、表情に出ない感情もあります。また、その反対に表情では情動を表していても、特に感情を持っていない場合もあります。ということは、表情=感情ではないということになります。
② 次にこの講義では、情動のモデルについて学習します。まず、ラッセルとバレットによる情動の円環モデルを紹介します。このモデルでは、核となる情動(基本情動)自体と、それを含めた「原型的な情動的エピソード」 に注目して、情動を整理しようとしています。核となる情動とは最も基本となり意識できる情動とその神経生理的過程を指しています。 快ー不快、緊張ー緩和、抑うつー上機 嫌といったものでに当たります。特定の対象に対して感じることもあるしそうでないこともあります。 よく 「気分」 と呼ばれるものに当たります。 原型的な情動的エピソードとは、多くの人が、それによってどういった情動が起こるのかが明確であると思われるエピソードを指しています。

③ 次にこの講義では、情動の制御と共感性について学習します。まず、共感性とは、相手の情動的状態や状況について理解したり、心配したりして、そこから生まれる情動的反応で、相手の情動と同様であるものを指します。似たような概念に同情があります。同情とは、相手の情動への共感があるが、必ずしも相手と同じ情動ではなく、相手への心配や関心の情動を指します。さらに、個人的苦しみとは、相手の情動を心配しつつ、その気持ちに対する嫌悪的な情動的反応であり、自己に向いているものを指します。相手を助けるというより、逃げ出したり、無視したり、あるいは攻撃することさえあるものです。情動の感じやすさは個人が持つ情動的な反応しやすさが一つの要因となっています。そしてもう一つは情動的な反応を制御して情動やその情動を換気する刺激に対して行動的に対処する技能も影響します。
キーワード ① 情動と表情 ② 円環モデル ③ 情動の二要因理論 ④ 共感性 ⑤ 情動の制御
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書の185〜204ページを読み、感情と情動、基本情動、表情と感情の種類、表情と情動の不一致、円環モデル、共感、同情、苦しみ、情動的喚起の規定因、社会的機能などについて理解しておきましょう。復習:教科書の185〜204ページを読み、講義用パワーポイントを見直して、感情と情動(それぞれの定義)、基本情動(怒り、悲しみ、幸せ、驚きなど)、表情と感情の種類、表情と情動の不一致(デュシェンヌスマイルなど)、円環モデル、共感・同情・苦しみの違い、情動的喚起の規定因、社会的機能などについて理解しておきましょう。また、Manabaの小テストを受けてこれらのことが理解できているかを確認しておきましょう。

10 発達心理学 科目の中での位置付け この講義では発達のメカニズムについて学習します。まずはじめに発達の要因となるものと発達の原理について説明して、乳幼児期の発達の特徴と児童期の発達の特徴についてお話します。これら発達のメカニズムは脳の様々な部位や遺伝にも関連しているため、2コマ目で学習する脳の働きや部位の名前、または遺伝について復習しておくと、この講義の内容がわかりやすくなるでしょう。特にエピジェネティックスは複雑な分野なので、復習しておくと良いと思います。また、5コマ目の記憶の講義もその発達について学習するので、関連が深くなっています。さらに、6コマ目の学習についての講義とも、発達による学習の違いを学ぶため、関連しています。さらに、7コマ目の言語の講義でも取り上げたように、言語の発達も関連のあるトピックです。さらに、12コマ目の愛情と性の講義でも、乳幼児期におけるアタッチメントの発達がどのように恋愛関係を築くことに関連しているのかを学習します。

教科書:新版 心理学 Psychology: Science of heart and mind, 2nd ed.、無藤隆、森敏昭、遠藤由美、玉瀬耕治 著
講義用パワーポイント
コマ主題細目 ① 発達の要因と原理 ② 乳幼児期 ③ 児童期
細目レベル ① この講義ではまず、発達の主な要因と原理について学習します。まず、遺伝と環境の影響について一卵性双生児と二卵性双生児の様々な特徴の違いについて学ぶことで、発達には遺伝の要因と環境の要因の両方が影響することを理解しましょう。次に、環境がどのように遺伝子の発現に影響を及ぼすのかを知るために、エピジェネティックスの仕組みについて学習します。さらに、この講義では成熟と学習の違いについてお話します。そして、発達の原理として、順序性(頭部から下へ部、中心から末端部へ)、発達の進度の起伏(発達の速度は一定ではない)、臨界期(発達に最適な時期)、分化と統合の過程(シナプス刈り込みなど)、発達の個人差について学習します。

② 次にこの講義では、乳幼児期の発達について学習します。乳児期の初期の運動の特徴としては、全身的な団塊運動と反射(バビンスキー反射、モロー反射、ダーウィン反射)があります。また、アカゲザルを使ったハーロウによる有名な実験を参照に、初期の対人行動において乳幼児にとってぬくもりが必要であることを学習します。さらに、乳幼児期の知的行動の特徴である、自己中心性、アニミズム、人工論、実在論などについて学びます。乳幼児期の情緒の発達の特徴としては、単純で短時間継続し、爆発的、移り変わりやすく、行動として表現されるものから(興奮、快ー不快など)、徐々に細分化されて様々な感情(不満足、怒り、恐怖、愛情など)となっていくことを学びます。

③ 次にこの講義では、児童期の発達について学習します。児童期の対人関係の特徴としては、親子関係が主であった対人行動が、友人関係へと徐々に移行していきます。このとき、友達となった児童動詞でギャング集団と呼ばれる非公式な集団を形成することがよくあります。子供はこのギャング集団の中でルールや社会的行動などを学んでいきますが、反対に時として反社会的行動を取るようになることもあります。また、思考の発達もめざましく、様々なものの概念を理解していくようになり、実際になにかの対象物が眼の前になくてもそれについて論理的思考が少しづつできるようになってきます。このことはピアジェの発達段階を参考にして学習していきます。

キーワード ① 遺伝と環境 ② エピジェネティックス ③ 成熟と学習 ④ 乳幼児期 ⑤ 児童期
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書の257〜320ページを読み、認知発達、記憶の発達、実行機能の発達、模倣、概念の発達、因果関係の発達、心の理論、社会的発達などについて理解しておきましょう。復習:教科書の257〜320ページを読み、講義用パワーポイントを見直して、ピアジェの理論、乳幼児期の発達、短期記憶と長期記憶の発達、ワーキングメモリーの発達、前頭前野の発達、社会情緒的実行機能の発達、乳児期、幼児期、児童期、概念の発達、因果関係に関する理論、就学前の発達、社会科への親の影響、友人関係の影響などについて理解しておきましょう。また、Manabaの小テストを受けてこれらのことが理解できているかを確認しておきましょう。

11 社会心理 科目の中での位置付け この11コマ目の講義では社会心理学の分野のトピックをいくつか紹介します。社会心理学は幅広いトピックを扱っているので、ここではトピックをいくつかに絞って、進化論の視点から、なぜヒトが社会的な動物になったのか、社会的である利便性と利益、協力・信頼・愛他性、ステレオタイプと偏見、同調と服従について学習します。この講義では、進化の過程で脳の発達があったことを学ぶので、2コマ目の生物心理学の講義とも関連があります。また、進化論の説明をする際にはDNAが深く関わっているので、ここでも生物心理学で扱ったトピックが深く関わってきます。12コマ目の愛情と性では、社会心理学でも頻繁に扱われるトピックである人間関係、特に恋愛関係に焦点を当てます。そして、13コマ目の攻撃性の講義では、社会心理学の視点から攻撃性とはどういうものなのか、なぜ動物は攻撃的になるのか、などのトピックを学んでいきます。さらに、14コマ目のストレスと心理的障害の講義では、社会的なつながりがどのようにストレスと軽減するのかを学びます。
教科書:新版 心理学 Psychology: Science of heart and mind, 2nd ed.、無藤隆、森敏昭、遠藤由美、玉瀬耕治 著 ①322〜329 ②339〜343 ③359〜370
講義用パワーポイント
コマ主題細目 ① 人間の進化 ② 協力、信頼、愛他性 ③ ステレオタイプと偏見
細目レベル ① この講義ではまず、人間の進化がどのように社会性と関連しているのかを学習します。霊長類は約65000万年前に誕生した分類群で、約500~600万年前に人とチンパンジーは分岐しました。人は現在でも霊長類の特徴である樹上生活に適した手先の器用さと優れた視覚を備えているのです。ヒトの特徴であり、他の動物との一番の違いを挙げるとすると、ヒトは二足歩行であるということです。二足歩行は、大脳の発達に貢献しました。大脳は神経の束であるため重いので、人間は立ち上がることで脳の重量を背骨に分散することで解決してきたのです。マキャベリ的知能仮説によると、大規模な社会での関係が複雑化が、知能に対する淘汰圧として働き、そこで大脳、特に新皮質が増大したと考えられています。

② 次にこの講義では、協力と信頼がどのように成り立っているのかを学習します。まず、社会的ジレンマとは、自己の利益を図る個々人の合理的選択の集積的結果として、究極的に集団全体が窮することをいいます。これには段階があり、個々人は協力または非協力行動のどちらかを選択することができる。個々人にとっては協力行動よりも非協力行動をとる方が望ましい結果を得ることができる。しかし全員が自分にとって有利な非協力行動をとると、そろって協力行動をとった場合よりも望ましくない結果が生じる、というものです。このような協力と信頼の関係は、しばしば囚人のジレンマとして表されます。これは、社会的不確実性の高い状況において、相互協力が得策だとわかっていても、自分だけ協力し相手が協力しない事態が発生して馬鹿をみることを回避しようとし、結局多くの人が 自分の利益を考え協力しない方を選択することをいいます。

③ 次にこの講義では、ステレオタイプと偏見について学習します。ステレオタイプとは、社会的カテゴリーや集団に属する人たちに対して、人々が持っている信念のことを言います。ステレオタイプの要因としては、内集団と外集団と、それに関する内集団バイアス、外集団均質化効果、錯誤相関などがあります。また、ステレオタイプに関するコミュニケーションへの現れ方としては、内集団と外集団に関して記述する言葉に違いが出てくることが知られています。内集団成員には具体的な記述をする傾向があり、外集団成員には比較的抽象的な表現で記述する傾向にあるとされています。このことはそれを聞いた人も外集団成員に関してはないzぁ位する安定した特性を表しているものだと理解してしまう傾向があるのです。

キーワード ① 人間の進化 ② マキャベリ的知能仮説 ③ 互恵性 ④ 社会的ジレンマ ⑤ ステレオタイプ
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書の322〜329、339~345、359~370、402~407ページを読み、人間の発達、協力・信頼・愛他性、ステレオタイプと偏見、同調と服従などについて理解しておきましょう。復習:教科書の322〜329、339~345、359~370、402~407ページを読み、講義用パワーポイントを見直して、人間の進化、二足歩行の利益、マキャベリ的知能仮説、群れと適応、群れで生活する利益、互恵性、社会的ジレンマ、囚人のジレンマ、ステレオタイプ、偏見、内集団と外集団、錯誤相関などについて理解しておきましょう。また、Manabaの小テストを受けてこれらのことが理解できているかを確認しておきましょう。
12 愛情と性 科目の中での位置付け この12コマ目の講義では恋愛関係と性について学習します。この講義では、愛の4要因理論を中心に、恋愛関係が始まる、または保たれるために大切な4つの要因が、魅力、繋がり・共鳴、信頼、リスペクトについて学びます。また、子供の頃の過酷な環境がアタッチメント形成にもたらす影響と成長後の人間関係にもたらす影響についても学んでいきます。この講義では、愛情がどのように強く感じられるのかを、脳の働きやホルモンなどの内分泌系の側面からも学ぶので、2コマ目の生物心理学の講義と深く関連があります。6コマ目の学習の講義にも出てくるように、大脳辺縁系のリワードシステムと魅力や繋がりと言った要因が深く関係しています。さらに、恋愛感情は他の人に対する強い肯定的な感情でもあるので、9コマ目の情動の講義で、このような感情が社会生活を送る上でどのような役割を果たすのかを学びましょう。11コマ目の社会心理の中で、ヒトが社会的な生き物であると学びましたが、恋愛関係はこのような社会的な関係性を築く上で役に立っていることも学びます。そして、14コマ目のストレスと心理的障害では、ストレス、特に心理的トラウマと呼ばれるものと深く関係のあるPTSDについても学習します。この障害は、子供時代に過酷な環境下で生活することで発症したり、おとなになってもその影響が続いたりします。
講義用パワーポイント
コマ主題細目 ① 愛の4要因理論 ② 4要因 ③ アタッチメント
細目レベル ① まず、この講義では愛情とは何かを学習します。愛とは、他人のことを肯定的に考えたり、感じたり、そのような態度を取ることを指します。そのうえで、愛の4要因理論を学びます。以前は3つの大きな要因によって成り立っていると考えられていましたが、最近ではこの4要因理論のほうが主流になってきていることから、この授業ではこちらの理論を学んでいきましょう。愛の4要因理論の中にある、恋愛関係を成り立たせるための4つの要因とは、魅力(身体的特徴、人格、富、価値観など)、繋がり・共鳴(類似性、親近性、共通体験など)、信頼(相互自己開示、親近性、共通体験など)、リスペクト(相互感謝、敬愛、幸福への気遣いなど)を指します。

② 次にこの授業では、愛の4要因の四つの要因を詳しく学習します。まず、魅力とは、性的魅力(美、外見的アピール、富など)と非性的魅力(性格、社会的地位、誠実さ、優しさなど)に分けられます。繋がり・共鳴は、子供のころに親と形成するアタッチメントに似ています。献身度と満足度、親密度を増加させる働きがあります。また、性的行為もこれに含まれます。信頼は親密性と介助のカギであり、お互いをよく知っていることは信頼度の強化につながります。介助とは、パートナーの欲求と福祉を大切にし、パートナーも同じようにするという期待感のことです。最後にリスペクトとはお互いに尊敬し敬愛しあうということを指し、長期の恋愛関係には不可欠な要因です。

③ 次にこの授業では、子供時代のアタッチメントの影響について学習します。子供時代の過酷な環境は、子供時代の適切なアタッチメントの形成を阻害し、それが成長しても他人と適切な人間関係を形成することが困難になる要因ともなります。このような人は、しばしば、未解決・混乱型といわれるアタッチメント型を持っています。特徴としては、現実の直視・合理的な判断が困難、責任を自分に転嫁、過去に起こったことを否定するといった傾向があります。子供時代の過酷な環境の影響からの脱却は、時として可能です。それには、自分の体験を共有できる新しい恋愛相手・セラピストからの感情的サポートが不可欠なものとなります。ほかのアタッチメント型としては、安定ー自律型、とらわれ型、愛着軽視型があります。

キーワード ① 魅力 ② 繋がり・共鳴 ③ 信頼 ④ リスペクト ⑤ アタッチメント
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:講義用パワーポイントを読み、愛の定義、愛の4要因理論(魅力、繋がり・共鳴、信頼、リスペクト)、子供の頃の過酷な環境の影響などについて理解しておきましょう。復習:講義用パワーポイントを見直して、愛の定義、愛の4要因理論、魅力、性的魅力、非性的魅力、性行為の効果、繋がり・共鳴、献身性、類似性、アタッチメント、近接性、性的行為の長期的効果、嫉妬の効果、遠距離恋愛、信頼、介助、大脳辺縁系とリワードシステム、リスペクト、リスペクト喪失の結果、恋愛の終わりに来る4つの悪、子供時代の過酷な環境の影響などについてを理解しておきましょう。また、Manabaの小テストを受けてこれらのことが理解できているかを確認しておきましょう。

13 攻撃性 科目の中での位置付け この13コマ目の講義では攻撃性について学習します。この講義では、性と攻撃性、メディアと攻撃性、気候と攻撃性、攻撃性と統制・抑制、攻撃性と脳の関係について学びます。この講義では、攻撃性と脳の働きがどのような関係になっているのかを学ぶので、2コマ目の生物心理学の講義と深く関連があります。6コマ目の学習の講義にも出てくるように、大脳辺縁系のリワードシステムの機能不全と攻撃性も深く関係していることを学びます。さらに、攻撃性は身体的な興奮とともに強い情動を伴うため、9コマ目の情動の講義で、このような感情が社会生活を送る上でどのような役割を果たすのかを学びましょう。11コマ目の社会心理の中で、ヒトが社会的な生き物であると学びましたが、攻撃性がヒトが社会的に生きていく上で役に立っているとも考えられています。そして、このコマで学習するサイコパスは、よく使われる診断ツールであるDSM-Vには載っていないものの、精神障害のような特徴を多数持っています。

教科書:新版 心理学 Psychology: Science of heart and mind, 2nd ed.、無藤隆、森敏昭、遠藤由美、玉瀬耕治 著 ①434〜439 ②439〜441
講義用パワーポイント
コマ主題細目 ① 性・メディア・気候 ② 統制・抑制と攻撃性 ③ 脳と攻撃性
細目レベル ① まずこの講義では攻撃性と性・気候・メディアの関係について学習します。殺人、強盗、障害、暴行、恐喝などの暴力犯罪のうち、女性犯の割合は殺人で23.4%(日本)、他は10%未満(日本)となっています。また配偶者間で行われた暴力犯罪の被害者の多くは女性であり、夫や事実上の夫が妻に対して暴行や殺傷するケースが多くなっています。夫が家庭内暴力の被害者になることは少数なのです。また、年齢2歳の時点で男児は女児より身体的攻撃性が高い事がわかっています。近年では、メディアの攻撃性への影響についても問題になってきています。サイバーブリングと呼ばれる、インターネット上でのいじめが取り沙汰されるようになってきました。

② 次にこの講義では、攻撃性の統制と抑制について学んでいきます。戦争などの暴力を動機付けるために、非人格化が行われることがあります。これは、攻撃性を向ける相手に対して、人ではなく攻撃に値するものであると周りの人の認知を変えることを指します。戦争や紛争が起こるときに度々行われてきました。例えば、第1次湾岸戦争の時のアメリカの議会では、イラン軍がNICUのインキュベーターを破壊して中の赤ちゃんを死にいたら締めている、という虚偽の報告がなされました。また、ルワンダ虐殺際には攻撃対象となったグループのことをゴキブリと呼んで、人ではないものという捉え方をしたのです。没個性化とは、匿名性、責任所在の混乱などが要因となる、個人の特性が集団の中に埋もれてしまうことを指します。これが暴動やインターネットでのいじめに発展しやすい要因の一つだと考えられています。
③ 次にこの講義では、攻撃性と脳の機能の関係について学んでいきます。まず、脳と攻撃性の関係性をサイコパスの研究から見ていきましょう。サイコパスとは、うわべの愛嬌、自己価値の過大評価、うわべのみの感情、後悔の欠如、共感の欠如などの性格的特徴と衝動性、行動抑制の欠如、寄生的生活、若年非行、多方面にわたる犯罪などの生活様式などの特徴を持っている人のことです。これらの研究の中で分かったことは、脳の縮小と前頭葉の活動低下と反社会的、暴力的行為にはプラスの相関関係があるということです。また、脳の縮小と前頭葉の活動低下と反社会的、暴力的行為の相関関係や、大脳辺縁系のリワードシステムの異常(罰への鈍感化、褒美への異常な敏感化)などが見られます。

キーワード ① 性と攻撃性 ② 気候と攻撃性 ③ メディアと攻撃性 ④ 統制と抑制 ⑤ 脳の働き
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:講義用パワーポイントを読み、性と攻撃性、メディアと攻撃性、気候と攻撃性、攻撃性と統制・抑制、攻撃性と脳の働きなどについて理解しておきましょう。復習:講義用パワーポイントを見直して、性と攻撃性、性と攻撃性に関する理論(進化論、攻撃性モデリング)、メディアと攻撃性、サイバーブリング、メディア内の暴力描写の影響、気候と攻撃性、ヒート仮説、攻撃性と統制・抑制、非人格化、没個性化、没個性化と戦争、聖戦、攻撃性と脳の働き、サイコパスの研究、大脳辺縁系との関係、前頭前皮質との関係、PET, fMRI, SPECTを使った研究などを理解しておきましょう。また、Manabaの小テストを受けてこれらのことが理解できているかを確認しておきましょう。

14 ストレスと心理的障害 科目の中での位置付け この14コマ目の講義ではストレスと心理的障害について学習します。ストレスは様々な側面から健康に影響します。まず、ストレスとは何なのか、身体のストレス反応、ストレスの長期化の影響、ストレスと免疫の関係、ストレスとコーピング、ストレスと老化の関係などを学びます。この講義では、ストレス反応が脳から始まることやホルモンなどの内分泌系が深くかかわっていることを学ぶので、2コマ目の生物心理学の講義と深く関連があります。ストレスは記憶の生成ともつながっていたり、思考とも関係しているので、5コマ目の記憶と8コマ目の思考とも関連があります。さらに、ストレスは情動とも強く関連しており、ストレスを感じているときには怒りなどの感情が出やすくなることで知られています。11コマ目の社会心理の中で、ヒトが社会的な生き物であると学びましたが、社会的なサポートがストレスを軽減することも学習します。そして、15コマ目の精神障害では、ストレス、特に心理的トラウマと呼ばれるものと深く関係のあるPTSDについても学習します。
講義用パワーポイント
コマ主題細目 ① ストレスとは ② ストレス反応 ③ ストレスと免疫
細目レベル ① この講義ではまず、ストレスとはどのようなものなのかを学習します。ストレッサーとは、ホメオスタシスのバランスを崩す、外の世界の物事のことで、ストレス反応はホメオスタシスのバランスを取り戻すために、体が行うことを指します。ホメオスタシスとは、身体が生理的なバランスを保つために自動的に行う調節機能のことです。ヒト以外の動物では、命の危機などに直面しているとき以外は、命の危機があるかもしれないことを考えてストレス反応を見せることはありませんが、人はストレスのことを考えるだけでもストレス反応を見せるという違いがあります。このようなストレスのことを心理的・社会的ストレスといいます。ストレスが動物に与える影響を最初にモデルにしたのが汎適応症候群です。

② 次にこの講義では、ストレス反応が身体の中でどのように起きるのかを学習します。ストレス反応は脳から始まります。大脳新皮質でストレスを感知すると視床下部にその情報が伝達され、視床下部からCRHというホルモンが分泌されます。このホルモンが視床下部のすぐ下にある下垂体にたどり着くと、下垂体からACHTというホルモンが分泌されます。ACTHが血流にのって体内を循環し、副腎皮質にたどり着くと、副腎皮質がコルチゾールというストレスホルモンを分泌します。さらに、このコルチゾールが血流にのって体内を循環し、身体に様々なストレス反応を引き起こします。このようなストレス反応を戦うか逃げるか反応といいます。この戦うか逃げるか反応には心肺機能の強化などがあります。
③ 次にこの講義では、ストレス反応と免疫の関係について学習します。ストレスホルモンであるコルチゾールを含むグルココルチコイドは胸腺を収縮し、リンパ球の生成を阻害、そして、リンパ球を血流から放出させたりリンパ球の破壊などを引き起こします。このことから、ストレスが免疫力を低下させるように思うかもしれませんが、実はその逆で、ストレス反応の初期では免疫力を増強させることが知られています。リンパ球の血流からの放出はリンパ球がケガや感染個所にたどり着くのを効率的にします。さらに、リンパ球の破壊は、古くなったリンパ球を破壊することで免疫の効率化を上げることになります。しかし、長期間のストレスとなると状況が異なってきます。繰り返すストレスの影響は身体の様々なところに及びます。

キーワード ① ストレッサー ② ホメオスタシス ③ 汎適応症候群 ④ コルチゾール ⑤ ストレスと免疫
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書の529〜543ページを読み、心の健康、心の不健康と心の障害、汎適応症候群、ストレッサーとなる出来事、コーピング、ストレスと活動の効率、過度のストレスとその後遺症などについて理解しておきましょう。復習:教科書の529〜543ページを読み、講義用パワーポイントを見直して、ストレッサー、ホメオスタシス、アロスタシス、ストレス反応、心理的・社会的ストレス、汎適応症候群、ホルモンの働き、戦うか逃げるか反応、ストレス反応の長期化の影響、グルココルチコイドの免疫系への影響などについて理解しておきましょう。また、Manabaの小テストを受けてこれらのことが理解できているかを確認しておきましょう。

15 精神障害 科目の中での位置付け 最後の15コマ目の講義では精神障害、とくに、統合失調症、うつ病、双極性障害、知的障害、発達障害について学習します。まず、統合失調症の主な症状、統合失調症に関する養子研究、統合失調症に関する遺伝子、統合失調症に関する仮説、うつ病の主な症状、うつ病に関する主な仮説、双極性障害に関する遺伝の影響、ダウン症、ADHDの症状、自閉症スペクトラムの症状などを学びます。この講義では、これらの精神障害が脳や遺伝子とどのように関係しているのかを学ぶので、2コマ目の生物心理学の講義と深く関連があります。統合失調症の症状は意識の変化とも関わっているので、3コマ目の意識の講義とも関連があります。さらに、精神障害が記憶(5コマ目)に及ぼす影響なども学習します。6コマ目の講義では学習に関して学ぶので、学習障害との関連性があります。精神障害には感情に影響を及ぼすいくつもあり、9コマ目の情動の講義とも深く関わっています。
講義用パワーポイント
コマ主題細目 ① 統合失調症 ② うつ・双極性障害 ③ 知的障害・発達障害
細目レベル ① この講義ではまず、統合失調症について学びます。統合失調症には主に3つの症状(陽性症状、陰性症状、認知機能障害)があります。陽性症状には思考障害(まとまりのない会話、抽象概念の理解の困難)と妄想や幻覚といった症状が含まれます。陰性症状には、感情の平坦化、思考の貧困化、ことわざの理解の困難、意欲の欠如、社会的引きこもりなどの症状が含まれます。また、認知機能障害には、記憶力の低下、注意・集中力の低下、判断力の低下などの症状が含まれます。Copenhagen Studyという養子研究では、世界で初めて統合失調症が生物学的な要素の強い精神障害であると報告しました。また、統合失調症には、ドーパミンに関わる遺伝子など、様々な遺伝子が関わっているということが分かっています。

② 次にこの講義では、うつ病と双極性障害について学びます。うつ病の主な症状には、快感消失、抑うつ気分、罪悪感・無価値感、自殺願望、睡眠パターンの変化、体重/食欲の変化、思考・集中力の低下、精神運動系の低下などがあります。世界的に見て6%の人がうつ病になっており、一生のうちで一回はうつ病になる人の割合は15−18%となっています。12ヶ月以内に回復することが多いですが、回復期間が長くなると完治する人の割合も低くなってくる傾向にあります。また、双極性障害の主な症状としては、うつの症状と躁の症状が繰り返すことが特徴です。躁状態とは、極度の興奮、陽気な気分が持続することをいいます。双極性障害は生物学的な要因が大きいと言われています。

③ 次にこの講義では、知的障害と発達障害について学びます。知的障害は、行動や思考の深さや複雑さなどの点で年齢相応の能力を持っていないと考えられる、知的能力の水準が同年代の平均的水準と比べて著しく未熟であることを特徴とする障害のことです。原因としては、けが、病気、脳の問題などがあります。発達障害には、注意欠陥/多動性障害(ADHD)、広汎性発達障害(PDD)、限局性学習障害(SLD)などがあります。注意欠陥/多動性障害(ADHD)の症状には、不注意、多動性、衝動性などがあります。この講義では、広汎性発達障害(PDD)の例として、自閉症スペクトラムを取り上げます。そして、限局性学習障害(SLD)とは、全般的な知的発達の遅れがないにもかかわらず、学習に必要な読む、聞く、話す、計算する、推論する能力のうち、特定の技能や使用に著しい困難が認められることをいいます。この2つの障害は混同されがちなので違いを明確にしておきましょう。

キーワード ① 統合失調症 ② うつ ③ 双極性障害 ④ 知的障害 ⑤ 発達障害
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:講義用パワーポイントを読み、統合失調症、うつ病、双極性障害、知的障害、発達障害などについて理解しておきましょう。復習:講義用パワーポイントを見直して、統合失調症、統合失調症の陽性症状・陰性症状・認知機能障害、Copenhagen Study、統合失調症に関する遺伝子、ドーパミン作動性仮説、NMDA受容体仮説、脳研究の問題点、DOHaD仮説、統合失調症とみミュニケーション、うつ病の症状、うつ病の有病率、モノアミン仮説、HPA軸の変化、神経可逆性の阻害、脳の変化、双極性障害の症状などについてを理解しておきましょう。また、Manabaの小テストを受けてこれらのことが理解できているかを確認しておきましょう。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
★★期末試験 学期末試験はこの学期に学習した範囲全てが含まれます。この期末テストでは、過去15コマ分の授業内容が含まれる。具体的には、科学としての心理学、遺伝子、エピジェネティックス、ニューロン、脳、ホルモン、末梢神経、睡眠、昏睡状態、感覚器官、視覚系、聴覚系、形の知覚、大きさ・奥行きの知覚、錯視、選択的注意、記憶の過程、短期記憶、長期記憶、忘却、学習の理論、言語の習得、脳と言語、第二言語の習得、問題解決、推論、意思決定、創造的思考、表情と情動、情動の円環モデル、情動の制御と共感性、発達の要因と原理、乳幼児期、児童期、青年期、人間の進化、信頼・協力・愛他性、ステレオタイプと偏見、同調と服従、愛、愛の4要因理論、子供時代のアタッチメントの影響、脳と愛情、性と攻撃性、メディアと攻撃性、気候と攻撃性、攻撃性と統制・抑制、攻撃性と脳、ストレッサー、ストレッサーに対する反応、汎適応症候群、ストレス反応、戦うか逃げるか反応、ストレス反応と長期化、ストレスと免疫、テストステロンの影響、コーピング、PTSD、統合失調症、うつ病、双極性障害、知的障害、発達障害のトピックの中から出題される。 科学としての心理学、意識、感覚と知覚、記憶、学習、言語、思考、情動、社会心理、発達心理、愛、攻撃性、ストレス、精神障害 100 1~15
評価方法 期末試験100%
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 無藤隆、森敏昭、遠藤由美、玉瀬耕治 著『新版 心理学 Psychology: Science of heart and mind, 2nd ed』有斐閣 ¥4620(キンドルバージョン¥4389)
参考文献
実験・実習・教材費