区分 専門科目-基礎看護学-基礎看護学
ディプロマ・ポリシーとの関係
コミュニケーション能力 アセスメント能力 判断力
創造力 実践力 自己研鑽力
カリキュラム・ポリシーとの関係

カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ

科目の目的
「生活援助技術」では、看護学部の教育理念や5つの教育目標を達成するために求められる能力として必要な、科学的・専門的な「知識や技術」を確実に獲得するための基本となる基礎看護技術(看護共通基本技術、生活行動の援助技術)の根拠とその方法を学ぶことが目的である。この科目を学ぶことで、看護の対象となる人々がその人らしく生活できるように、対象を尊重し、その人に合った看護を提供するための基礎となることを目的とする。
到達目標
①看護技術の概要を説明できる。
②感染予防の技術について、実施方法とその根拠や留意点を説明できる。
③安楽確保の技術について、実施方法とその根拠や留意点を説明できる。
④環境を整える技術について、実施方法とその根拠や留意点を説明できる。
⑤活動の援助技術について、実施方法とその根拠や留意点を説明できる。
⑥清潔・衣生活の援助技術について、実施方法とその根拠や留意点を説明できる。
⑦休息の援助技術について、実施方法とその根拠や留意点を説明できる。
⑧食生活と栄養摂取の援助技術について、実施方法とその根拠や留意点を説明できる。
⑨排泄の援助技術について、実施方法とその根拠や留意点を説明できる。
⑩根拠と留意点を十分理解して生活行動の援助技術を実施することができる。
⑪看護の対象者を観察し、安全・安楽に配慮して生活行動の援助技術を実施することができる。

科目の概要
生活援助技術では、「からだの仕組みと生活」、「看護学原論」で学修したからだの仕組み、看護および看護技術と、「基礎看護学実習Ⅰ」で見学した看護実践を想起し、看護技術の個への適用方法について学ぶ。具体的には看護を実践する際に必要な看護共通基本技術として、感染予防の技術とボディメカニクスの活用について修得する。また、看護の対象となる人々の生活行動を援助する技術として、安楽な体位保持・体位変換、ベッドメーキング・リネン交換、環境調整、移乗・移送、部分浴、入浴、更衣、整容、全身清拭、睡眠、食事、排泄の援助の根拠や留意点を学ぶ。また、並行して開講される「看護コミュニケーション論」で学習する知識を活用し演習を通して援助の実施方法を修得する。
科目のキーワード
看護技術、個への適用、安楽、看護共通基本技術、生活行動の援助技術
授業の展開方法
講義では、毎回事前に指定した教科書の該当ページを熟読し、教員が制作・配信した動画を閲覧後、教員が作成したオリジナルノートにある事前課題を実施し臨むことが、受講の前提である。授業では、教員が作成したオリジナルノート、PowerPointと教員が制作・配信した動画、テキストに付属している動画、Web上に公開されている動画等を用いて、援助技術の実施方法とその根拠や留意点を教授する。また、看護師として看護実践現場での経験を踏まえ、臨床における看護共通基本技術や生活行動の援助技術の実際についても併せて教授する。学生は教科書、教員が作成したオリジナルノートを常に持参し、そこに重要事項等を書き込んでいく。
演習では、毎回事前に演習する技術項目の講義で学習した教科書該当ページ熟読、教員が制作・配信した動画を閲覧、
オリジナルノート講義部分の見直しをして、ノートにある演習事前課題を実施して臨むことが受講の前提である。受講前にセルフトレーニングして手順を頭に入れておくことが望ましい。演習では3名程度の学生が1グループになり、グループ内で看護師役、患者役、観察者役を体験しながら自己の技術を振り返り、繰り返しセルフトレーニングすることにより、技術の修得を目指す。教員が5~20のグループを指導する。演習時、看護師としての実践で得た経験や事例をもとに、臨床における看護共通基本技術や生活行動の援助技術の実際についても併せて教授する。

オフィス・アワー
服部美穂:(準備中)
山口貴子:(準備中)
栗田愛:(準備中)
榎本明子:(準備中)

科目コード BH11
学年・期 1年・後期
科目名 生活援助技術
単位数 3
授業形態 講義
必修・選択 必修
学習時間 【授業】75h 【予習・復習】60h
前提とする科目 健康と生活支援を理解するための科目であり、
展開科目 基礎看護学実習Ⅰ・Ⅱ、全ての看護援助技術
関連資格 看護師,保健師,養護教諭
担当教員名 服部美穂・山口貴子・栗田愛・原好恵・榎本明子
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 【第1回:講義】看護技術の位置づけと概要 感染予防の技術①感染と感染対策の基礎知識 科目の中での位置付け このコマにおいては、主に2つの主題について理解する。1つは、看護を実践する際に必要な看護共通基本技術と生活行動の援助技術を学ぶにあたって必要となる看護技術の位置づけと概要である。具体的には、からだの仕組みと生活で学修したからだの仕組みや看護学原論で学修した看護理論や看護技術、および基礎看護学実習Ⅰで見学した看護実践を想起し、抽象と具象を結びつけながら、看護とは何か、看護技術とは何か、思考の整理をしていく。さらに技術(客観的)と技能(主観的)の違いや観察の重要性、今後学んでいく看護技術の個への適用についての視点を理解する。また、現在ある根拠に基づき、最善の看護を提供する方法(EBN:Evidence-Based Nursing)や必要性についても理解する。それらを理解するとともに、看護を実践する際の看護専門職として必要な態度について考える。もう1つの主題は、看護を実践する際に必要な看護共通基本技術である感染予防の技術である。ここでは、感染や感染症が成立する要素について理解し、感染を予防する3つの方法について理解する。
・オリジナルノートp29~30
・看護学原論授業資料p1~3、17~22、38~43、58~63
・新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p1~12、240~293
・看護がみえるVol.1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p2~29
コマ主題細目 ① 看護技術と個への適用 ② 感染と感染症 ③ 感染予防の3原則
細目レベル ① ナイチンゲールやヘンダーソン等の看護理論家が提唱した看護や看護技術、日本看護協会や国際看護師協会等の各団体が定義する看護や看護技術を、看護学概論で使用したノートをもとに抽象的なレベルで看護とは何か、看護技術とは何かを表現する。次に基礎看護学実習Ⅰで見学した看護実践を想起し、具体的なレベルで看護とは何か、看護技術とは何かを表現し、抽象的なレベルでの看護や看護技術と結び付けて理解する。それらを整理する過程で看護共通基本技術、生活行動の援助技術、診療の援助技術、看護過程を展開する技術等の看護技術の位置づけを理解する。技術と技能の違いについて理解し、看護専門職として技能を言語化し、技術を反復トレーニングすることで看護実践レベルの向上に取り組む必要性を理解する。また、看護技術の個への適用に必要な視点として対象の観察、対象に合わせた目的と手順の組立直し、実施後の評価を理解し、最善のケアを提供する方法としてEBNについても理解する。
② 普段自分が実施している感染予防行動(手洗い、うがい、マスク着用等)を想起し、なぜそのような行動をとっているか考えながら感染や感染症について理解する。並行して開講されている微生物学について触れながら、感染症を引き起こす身近な病原微生物についても理解を深める。さらに感染症を成立させる6つの要素である感染源、病原体保有の宿主、病原体の出口、感染経路(伝播経路)、病原体の入口、宿主と成立過程について理解する。特に病院などの医療施設には抵抗力の低下(防御機構の未発達、減弱)した人(宿主)が多いため、絶えず感染の可能性があることを理解し、感染予防の意義を考える。同時に医療者自身も自分を感染から守る必要性を理解する。
③ 感染予防の3原則とは、感染症を成立させる要素に対して対策を講じることである。具体的には、1.感染源となる微生物を死滅・減弱させること、2.感染経路(伝播経路)を遮断すること、3.宿主の抵抗力を増強することである。1.感染源となる微生物を死滅・減弱させる方法として滅菌法と消毒法について理解する。消毒薬の濃度計算については確実にできるようにする。さらに環境に潜む病原微生物とその消毒方法や医療廃棄物の処理について理解する。2.感染経路(伝播経路)を遮断する方法として、スタンダードプリコーションの概念と必要な個人防護具を理解する。また、感染経路別予防策として、接触感染・飛沫感染・空気感染をそれぞれ起こす代表的な病原微生物と必要な対策、個人防護具を理解する。3.宿主の抵抗力を増強する方法として栄養、休息、ストレス解消があることを理解する。
キーワード ① 看護技術 ② 個への適用 ③ 技術と技能 ④ 感染経路 ⑤ スタンダードプリコーション
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、看護学原論ノート1~3、17~22、38~43、58~63ページ、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ」の1~12ページを熟読し、看護学原論で学修した看護とは何か、看護技術とは何かをノートにまとめておく。また教員が作成したオリジナルノート講義事前課題1・2ページに、基礎看護学実習Ⅰで見学した看護実践を整理しておく。感染予防の技術については、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ」の240~263、280~288、291~293ページ、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」2~28ページを熟読し、教員が作成したオリジナルノート講義事前課題3・4ページを実施する。復習として、講義時に実施したmanaba小テストで間違えた問題を再度、やり直し、該当箇所の教科書を熟読する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

2 【第2回:講義】感染予防の技術②感染経路への具体的な対策(手指衛生・個人防護具の着脱) 科目の中での位置付け このコマの主題は、看護を実践する際に必要な看護共通基本技術である感染予防の技術(手指衛生・個人防護具の着脱)である。ここでは、感染予防の前提となる清潔・不潔の概念、手指衛生のタイミング、感染経路への具体的な対策として手指衛生(日常的手洗い・衛生学的手洗い・手術時手洗い・擦式消毒薬を使用した手指消毒)の実施方法とその根拠や留意点について理解する。感染予防の前提となる清潔・不潔の概念を踏まえ、感染経路への具体的な対策として個人防護具の着脱(マスク・ゴーグル・フェイスシート・エプロン・ガウン・未滅菌手袋)方法とその根拠や留意点について理解する。また、看護の実践に即した処置別(口腔ケア・陰部洗浄・入浴・排泄介助・おむつ交換・下痢時のおむつ交換・使用後の便尿器の処理・環境整備・血液体液で汚染された場所の清掃・リネン交換・汚染リネン交換・吐物の処理)に必要な個人防護具についても理解する。処置別に必要な個人防護具の着脱については、看護師としての看護実践現場での経験を踏まえて説明する。
・オリジナルノートp31~33
・新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p240~293
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p6~29
コマ主題細目 ① 清潔・不潔の概念と手指衛生のタイミング ② 手指衛生 ③ 個人防護具の着脱
細目レベル ① 普段自分が実施している感染予防行動(手洗い)を想起し、どのように手洗いをしているか考えながら日常的手洗いと衛生学的手洗いおよび手術時手洗いの違いについて理解する。並行して開講されている微生物学について触れながら、一時的に手指に付着する通過細菌と皮膚に常在する常在細菌についても理解を深める。一般的に用いられる清潔・不潔の概念と異なり、感染予防の観点から前提となる清潔(滅菌や消毒により病原微生物がないあるいは少ない状態)・不潔(病原微生物がいるあるいは触れた可能性が高い)の概念について理解する。手指衛生のタイミング(患者に触れる前・清潔/無菌操作の前・体液に曝露された可能性がある時・患者に触れた後・患者周辺の物品に触れた後)を理解する。
② 普段自分が実施している日常的手洗いでは手指のどの部分に汚染箇所が残るかを踏まえ、薬用石けんを用いて皮膚通過菌、皮膚常在菌の一部が除去できるように衛生学的手洗いの実施方法とその根拠や留意点について確実に理解する。具体的には用いる薬用石けんの種類、界面活性剤により汚染を落とすメカニズム、必要な手洗い時間と洗浄箇所や順序について理解する。また、手荒れがあると十分な洗浄効果が得られないため、日頃から手荒れ対策を行う必要性についても理解する。手指衛生の方法として擦式消毒剤を用いた手指消毒の実施方法とその根拠や留意点についても理解する。手指消毒に用いる消毒剤、適量、擦り込む時間と箇所や順序について理解する。
③ 一般的に用いられる清潔・不潔の概念と異なり、感染予防の観点から前提となる清潔(滅菌や消毒により病原微生物がないあるいは少ない状態)・不潔(病原微生物がいるあるいは触れた可能性が高い)の概念と手指衛生のタイミング(患者に触れる前・清潔/無菌操作の前・体液に曝露された可能性がある時・患者に触れた後・患者周辺の物品に触れた後)を踏まえて、個人防護具の着脱方法とその根拠や留意点について確実に理解する。具体的には、マスク・ゴーグル・フェイスシート・エプロン・ガウン・未滅菌手袋について着脱方法とその根拠や留意点について確実に理解する。また、看護の実践に際して必要な処置別(清潔ケア・排泄ケア・清掃)個人防護具について理解する。
キーワード ① 衛生学的手洗い ② 手指消毒 ③ 清潔・不潔 ④ 手指衛生のタイミング ⑤ 個人防護具
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ」の240~293ページを熟読し、p263、265、269、271技術動画を閲覧する。また、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」6~29ページを熟読し、教員が作成したオリジナルノート講義事前課題3・4ページを復習する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「手指衛生ver.3」、「PPE(エプロン)着脱ver.3」、「PPE(ガウン)着脱ver.3」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「感染防止の技術(スタンダードプリコーション)」内にある「手指衛生」、「ガウンテクニック」を閲覧する。復習として、講義時に実施したmanaba小テストで間違えた問題を再度、やり直し、該当箇所の教科書を熟読する。ビデオ等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

3 【第3回:講義】安楽確保の技術(安楽な体位保持・体位変換・ボディメカニクス) 科目の中での位置付け このコマの主題は、安楽確保の技術(安楽な体位保持・体位変換・ボディメカニクス)である。看護における安楽の概念について理解し、様々な体位(仰臥位・座位・立位)が身体に与える影響(呼吸器系・循環器系・体圧・廃用症候群)を学習する。これらを踏まえるとともに、自分自身が風邪で寝込んだ経験やけがや病気で入院していた経験を想起し、安楽な体位保持の必要性および重要性について考え、良肢位についても理解する。ここでは、安楽な体位保持(ポジショニング)・体位変換を実践する際に必要な看護共通基本技術であるボディメカニクスの原則についても理解する。自分自身で荷物を運ぶ際の姿勢や持ち方の体験、寝返りを打つ姿勢の体験を通して、ボディメカニクスの要素(身体の安定をよくする・作業域を考慮する・力を効率よく用いる)を理解する。看護の対象となる人の安楽のみでなく、看護者自身もボディメカニクスを活用する必要性を理解する。ボディメカニクスを踏まえて、安楽な体位保持・体位変換の実施方法とその根拠や留意点について理解する。標準的な技術としての安楽な体位保持・体位変換の個への適用方法について考える。
・オリジナル講義ノートp34~37
・新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p326~342
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p108~130
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p6~28
コマ主題細目 ① 安楽と体位が身体に与える影響 ② ボディメカニクス ③ 安楽な体位保持・体位変換
細目レベル ① 安楽とは単に楽な状態ではなく、身体的にも精神的にも苦痛がなく穏やかで満足した日常生活が送れる状態であること理解する。そして安楽な体位とは、心身ともに満ち足りた姿勢や四肢の位置がとれていることであると理解する。自分自身の動けなかった経験等を想起し、安楽な体位保持や体位変換の必要性、重要性を考える。体位の種類には立位、座位(椅座位・ファーラー位・セミファーラー位・長座位・背面開放座位)、臥位(仰臥位・側臥位)、特殊体位(骨盤高位・戴石位)がある。体位の種類により身体に与える影響を理解する。具体的には、呼吸器系では臥位では座位および立位に比べ呼吸が抑制されるメカニズムや、循環器系では臥位から座位および立位になった際に起こる血圧低下のメカニズムについて理解する。また、体位別による体圧の比較や上記身体への影響を含む廃用症候群の症状についても理解する。
② 自分自身で荷物を持つ、運ぶ際の姿勢や持ち方の体験、寝返りを打つ姿勢の体験を通して、ボディメカニクスの要素(身体の安定をよくする・作業域を考慮する・力を効率よく用いる)を理解する。具体的には、1.身体の安定をよくするためには、支持基底面を広くする、重心を低くする、床と靴の摩擦係数を大きくする、良い姿勢を保つことが必要であることを理解する。2.作業域を考慮するでは、至適作業域を確保すること、3.力を効率よく用いるためには、モーメントを応用する、大きな筋群を使う、利き手・利き足を使う、対象者に声をかけることが必要であると理解する。看護の対象となる人の安楽のみでなく、看護者自身もボディメカニクスを活用する必要性を理解する。
③ ボディメカニクスを踏まえて、安楽な体位保持・体位変換の実施方法とその根拠や留意点について確実に理解する。対象となる人のベッド上の上方移動と仰臥位の保持(ポジショニング)、ファーラー位への体位変換と保持(ポジショニング)、ベッド上の水平移動と側臥位への体位変換・保持(ポジショニング)を理解する。移動時にはボディメカニクスを活用し、対象と身体を近づけ、大きな筋群を用いて移動する。仰臥位の保持(ポジショニング)では、支持基底面を広くとり、尖足予防を行うことを理解する。側臥位の保持(ポジショニング)でも支持基底面を広くとるようにし、下側の上肢、下肢の位置に注意することを理解する。ファーラー位の保持(ポジショニング)では、ベッドの屈曲部に殿部があることを確認し、背抜き・足抜きを行う必要性・重要性を理解する。
キーワード ① 安楽な体位 ② 廃用症候群 ③ ボディメカニクス ④ ポジショニング ⑤ 体位変換
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ」の326~342ページ、「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の108~130ページを熟読し、p121、125~127、129、130技術動画を閲覧する。また、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の68~83ページを熟読し、教員が作成したオリジナルノート講義事前課題5・6ページにある事前課題を実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「安楽な体位と体位変換ver.2」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「活動・休息援助技術」内にある「体位変換」を閲覧する。復習として、講義時に実施したmanaba小テストで間違えた問題を再度、やり直し、該当箇所の教科書を熟読する。ビデオ等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

4 【第4回:講義】環境を整える技術(環境の諸要素・病床の環境調整) 科目の中での位置付け このコマの主題は、環境を整える技術(環境の諸要素と病床の環境調整)である。看護学原論で学修した看護理論家が提唱した環境の概念について想起し、環境の種類(外的環境:物理的環境・心理的環境・社会的環境と内的環境:ホメオスタシス)について理解する。入院生活における患者のストレス調査結果を踏まえ、自分自身が風邪で寝込んだ経験やけがや病気で入院していた経験を想起し、環境の重要性について考える。望ましい病床環境として、病院の構造や病室の環境について理解する。また、病床にある物品についても様々な種類があることを理解する。ここでは、病床の環境調整としてベッドメーキング、リネン交換、環境調整の実施方法とその根拠や留意点について理解する。環境調整は単に清掃することではなく、対象となる人が安全で快適な入院生活が送れるように転倒転落防止、感染予防、褥瘡予防、安楽の観点から実施することが必要であることを理解する。看護師としての看護実践現場での経験を踏まえて、患者の入院時の環境や望ましい環境について説明する。標準的な技術としてのリネン交換・環境調整の個への適用方法について考える。
・オリジナル講義ノートp38~39
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p2~21
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p42~67
コマ主題細目 ① 環境の意義と望ましい病床環境 ② ベッドメーキングとリネン交換 ③ 環境調整
細目レベル ① 身近な環境(自宅の自分の部屋、自宅のトイレ、駅のトイレ、大学のトイレ)について普段、どのように感じるかを振り返り、同じ環境でも人により感じ方が異なることを知り、環境の意義について考える。看護学原論で学修した様々な看護理論家が提唱した環境を想起し、環境の概念について理解する。外的環境には物理的環境、心理的環境、社会的環境があり、内的環境にはホメオスタシスがあることを理解する。入院生活における患者のストレス調査結果を踏まえ、自分自身が風邪で寝込んだ経験やけがや病気で入院していた経験を想起し、環境は事故や病気を予防したり、抑制したり、進行させたりすること、また、患者の闘病意欲にも影響する重要なものであることを理解する。望ましい病床環境として、具体的には個室と多床室の広さ、ベッド間隔、夏季・冬季の温度・湿度、病床の照度基準、窓の大きさ、日中と夜間の騒音レベル、寝床内気候について理解する。
② 病床にある物品(ベッド、マットレス、寝具、床頭台、オーバーテーブル、椅子、ナースコール等)について理解し、対象に合わせて安全で快適な環境調整をする必要性を理解する。ベッドメーキングでは、対象となる人の状態やマットレスの種類によりシーツの張り方が異なることを理解する。一般的なベッドメーキング、リネン交換、環境調整の実施方法とその根拠や留意点について確実に理解する。第1・2回で学んだ感染予防の技術を活用し、ベッドメーキングやリネン交換時に必要な個人防護具や手指衛生の必要な時を考える。また第3回で学んだボディメカニクスを活用する必要性・重要性を理解する。それらを踏まえて一人で実施するベッドメーキングとシーツ交換、二人で実施するベッドメーキングとリネン交換について理解する。
③ 病床では周囲にある物品(ベッド柵、ベッドフレーム、床頭台、オーバーテーブル、椅子、ナースコール等)や手指が触れる箇所を必ず除菌クロスで拭く。ここでも第1・2回で学んだ感染予防の技術を活用し、環境調整時に必要な個人防護具や手指衛生の必要な時を考える。何枚かの病床写真やイラストを見てもらい、対象となる人を想像してもらう。そこから環境調整とは単に清掃することではなく、対象となる人が安全で快適な入院生活が送れるように転倒転落防止、感染予防、褥瘡予防、安楽の観点から実施することが必要であることを理解する。対象となる人の入院生活や物品から想像される今までの生活を考慮し、上記視点で具体的にどのように環境を整備していくかを理解する。
キーワード ① 環境 ② 病床環境 ③ ベッドメーキング ④ リネン交換 ⑤ 環境調整
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の2~21ページを熟読し、p13、19技術動画を閲覧する。また、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の42~67ページを熟読し、教員が作成したオリジナルノートにある講義事前課題7・8ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「ベッドメーキング・環境整備ver.3」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「環境調整技術」内にある「ベッドメイキング」を閲覧する。復習として、講義時に実施したmanaba小テストで間違えた問題を再度、やり直し、該当箇所の教科書を熟読する。動画等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

5 【第5回:講義】活動の援助技術(運動機能の維持・回復のための援助、歩行の援助) 科目の中での位置付け このコマの主題は、活動・休息の援助技術のうち活動の援助技術(運動機能の維持・回復のための援助、歩行の援助)である。看護学原論で学修した看護理論家ドロセア・オレムが提唱したセルフケア理論について想起し、日常生活行動(ADL)とセルフケアの概念について理解する。また、手段的ADLについても理解する。基礎看護学実習Ⅰで見学した看護実践や自分自身が風邪で寝込んだ経験やけがや病気で入院していた経験を想起し、活動・運動の意義やその援助の必要性(特に早期に離床する)について考える。運動機能の維持・回復のための援助として、まず運動機能を観察・分析(アセスメント)する。観察・分析(アセスメント)に基づいて実施する自動運動・他動運動について理解する。活動の援助技術として歩行援助の実施方法とその根拠や留意点について理解する。歩行に使用する用具(杖、歩行器)と援助時の留意点について理解する。看護師としての看護実践現場での経験を踏まえて、関節可動域訓練や歩行の援助の実際について説明する。標準的な技術としての歩行援助の個への適用方法について考える。
・オリジナル講義ノートp40~42
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p108~143
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p68~105
コマ主題細目 ① 日常生活行動と運動機能の観察・分析(アセスメント) ② 自動運動・他動運動 ③ 歩行の援助
細目レベル ① 身体運動機能(作業機能・姿勢機能・移動機能)と基本動作、日常生活動作(ADL)、手段的日常生活動作(IADL)の関係について理解する。看護学原論で学修した看護理論家ドロセア・オレムが提唱したセルフケア理論を想起し、日常生活行動(ADL)とセルフケアの概念について理解する。そして、セルフケアとは「自分のために」と「自分で行う」という二重の意味をもち、人は誰しも自らのセルフケアについて責任と権利があることを理解する。活動・運動の意義やその援助の必要性(特に早期に離床する)について考える。運動機能の低下した人への援助として、まず運動機能(体位・動作の観察、関節可動域の評価、ADL評価)を観察・分析(アセスメント)する。ADL評価のツールとしてバーセル評価法についても理解する。
② 廃用症候群(筋力低下、筋委縮、関節拘縮、骨量減少、深部静脈血栓症)を予防するために必要な援助として自動運動・他動運動がある。早期から廃用症候群を予防するために実施する必要があることを理解する。自動運動は関節可動域に沿って対象となる人が自ら実施する筋力維持の運動である。他動運動は対象となる人の状態を観察しながら実施する方法とその根拠や留意点について確実に理解する。全身すべての関節を動かすことが望ましいため、手指関節、手関節、肘関節、肩関節、膝関節、股関節の他動運動の実施方法とその根拠や留意点について理解する。適切な運動を実施するため、痛みのない範囲で行い、筋肉の抵抗を観察しながら進めていくことを理解する。
③ 安静臥床をしていると筋力は低下していくことを念頭に置き、早期に離床をすすめる必要性・重要性を理解する。ただし、すぐに歩行できるようにはならないため、座位保持、立位保持、起立動作訓練をして段階的に実施する方法を理解する。第3回で学んだボディメカニクスを活用して身体を起こす、姿勢を安定させる、立ち上がる等の動作を訓練していく。これらの動作が取れるようになってから歩行の援助をしていく。歩行に必要な筋肉(大腿四頭筋、腸腰筋、大殿筋、下腿三頭筋、ハムストリングス、前脛骨筋)がどのような歩行動作に関係しているかを理解する。対象となる人の状態を観察・分析し、歩行を援助する方法とその根拠や留意点について理解する。
キーワード ① 日常生活行動(ADL) ② 手段的日常生活行動(IADL) ③ セルフケア ④ 自動運動・他動運動 ⑤ 歩行の援助
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の108~121、138~143ページを熟読し、p140技術動画を閲覧する。また、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の68~70、101~105ページを熟読し、教員が作成したオリジナルノートにある講義事前課題9・10ページを実施する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「活動・休息援助技術」内にある「関節可動域訓練」「歩行介助」を閲覧する。復習として、講義時に実施したmanaba小テストで間違えた問題を再度、やり直し、該当箇所の教科書を熟読する。動画等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

6 【第6回:講義】活動の援助技術(日常生活行動と運動機能のアセスメント・車椅子とストレッチャーの移乗・移送) 科目の中での位置付け このコマの主題は、活動・休息の援助技術のうち活動の援助技術(日常生活行動と運動機能のアセスメント・移乗・移送①)である。看護学原論で学修した看護理論家ドロセア・オレムが提唱したセルフケア理論について想起し、日常生活行動(ADL)とセルフケアの概念について理解する。また、手段的ADLについても理解する。基礎看護学実習Ⅰで見学した看護実践や自分自身が風邪で寝込んだ経験やけがや病気で入院していた経験を想起し、活動・運動の意義やその援助の必要性(特に早期に離床する)について考える。運動機能の低下した人への援助として、まず運動機能を観察・分析(アセスメント)する。観察・分析(アセスメント)に基づいて実施する自動運動・他動運動、移乗・移送(車椅子・ストレッチャー)について理解する。活動の援助技術として車椅子・ストレッチャー移乗・移送の実施方法とその根拠や留意点について理解する。看護師としての看護実践現場での経験を踏まえて、車椅子移乗やストレッチャーの移乗・移送の実際について説明する。標準的な技術としての車椅子・ストレッチャー移乗・移送の個への適用方法について考える。
・オリジナル講義ノートp43~45
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p108~139
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p68~105
コマ主題細目 ① 日常生活行動と運動機能の観察・分析(アセスメント) ② 車椅子の移乗・移送 ③ ストレッチャーの移乗・移送
細目レベル ① 身体運動機能(作業機能・姿勢機能・移動機能)と基本動作、日常生活動作(ADL)、手段的日常生活動作(IADL)の関係について理解する。看護学原論で学修した看護理論家ドロセア・オレムが提唱したセルフケア理論を想起し、日常生活行動(ADL)とセルフケアの概念について理解する。そして、セルフケアとは「自分のために」と「自分で行う」という二重の意味をもち、人は誰しも自らのセルフケアについて責任と権利があることを理解する。活動・運動の意義やその援助の必要性(特に早期に離床する)について考える。運動機能の低下した人への援助として、まず運動機能(体位・動作の観察、関節可動域の評価、ADL評価)を観察・分析(アセスメント)する。ADL評価のツールとしてバーセル評価法についても理解する。
② 自力で移動困難な患者を目的地へ安全・安楽に移送したり、精神活動の刺激をしたりするために使用するのが車椅子である。また、車椅子の場合は移乗により筋力Upを図るという目的もあることを理解する。車椅子には、目的や自立度に応じて様々な種類があることを理解する。具体的には自走用、介助用、リクライニング、電動等の車椅子がある。車椅子の各部名称や点検方法について正しく理解する。車椅子への移乗については、対象となる人の自立度を考慮し、ボディメカニクスを活用して移乗する方法とその根拠や留意点について確実に理解する。車椅子の移送については、段差のあるところ、坂道、エレベーターで移送する方法とその根拠や留意点について理解する。
③ 自力で移動困難な患者を目的地へ安全・安楽に移送したり、精神活動の刺激をしたりするために使用するのがストレッチャーである。ストレッチャーには、目的に応じていくつか種類があることを理解する。具体的には簡易式ストレッチャー、災害用ストレッチャーがある。ストレッチャーの点検方法について正しく理解する。ストレッチャーへの移乗・移送については、ボディメカニクスを活用して移乗する方法とその根拠や留意点について確実に理解する。ストレッチャーへの移乗については、スライディングシートによる方法以外に看護者複3名で移乗する方法や、看護者4名でバスタオル等を用いて移乗する方法について理解する。ストレッチャーの移送については、平坦なところ、曲がり角、坂道、エレベーターで移送する方法とその根拠や留意点について理解する。
キーワード ① 日常生活行動(ADL) ② 手段的日常生活行動(IADL) ③ セルフケア ④ 車椅子移乗・移送 ⑤ ストレッチャー移乗・移送
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の108~139ページを熟読し、p131、134技術動画を閲覧する。「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の68~105ページを熟読し、教員が作成したオリジナルノートにある講義事前課題11・12ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「車椅子移乗・移送ver.3」、「ストレッチャー移乗・移送ver.3」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「活動・休息援助技術」内にある「車いすの移乗・移送」、「ストレッチャーの移乗・移送」を閲覧する。復習として、講義時に実施したmanaba小テストで間違えた問題を再度、やり直し、該当箇所の教科書を熟読する。動画等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

7 【第7回:講義】清潔・衣生活の援助技術①手浴、足浴、洗髪 科目の中での位置付け このコマの主題は、清潔・衣生活の援助技術のうち手浴と足浴、洗髪の援助技術である。台1・2回感染予防の技術で学んだ清潔・不潔の概念を想起し、身体的な清潔の意義を理解する。また、身体的側面のみでなく、基礎看護学実習Ⅰで見学した看護実践や自分自身の経験を想起し、心理的側面、社会的側面からも清潔の意義やその援助の必要性について考える。
臨床の場で実際に実施されている清潔の援助のうち、部分浴の中の手浴と足浴、洗髪について理解する。皮膚と粘膜は、表皮・真皮、皮下組織の3つの部分からなり、皮膚の伸展方向を示した皮膚割線があることや、皮膚・粘膜の作用として体外保護作用、体温調節作用、分泌排泄作用、感覚受容、経皮吸収、ビタミンD形成があることを理解する。部分浴の目的には、温熱作用、清潔保持、リラックス効果があり、姿勢保持、運動機能、体温、好み、習慣から実施場所や実施方法を選択することを理解する。具体的に理解すべき実施方法のポイントは、必要時安楽枕を使用して体位を整え、湯の温度確認では温度計と看護者の前腕内側での確認をしてから、患者の手や足に少しかけて温度確認を行う。洗髪では、前頭部頭頂部は皮脂腺が多く、前傾姿勢では心筋虚血発作に注意が必要で、後屈姿勢では美容院脳卒中症候群に注意して実施する。洗髪では、ケリーパット、洗髪車、洗髪台を使用する方法があり、各々の利点と欠点から患者に合った方法を選択し、洗浄する。看護師としての看護実践現場での経験を踏まえて、臨床での手浴、足浴、洗髪の実際について説明する。

・オリジナル講義ノートp46~49
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p150~155、160~166、174~177
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p140~142、164~174、184~194
コマ主題細目 ① 皮膚・粘膜の構造と清潔の意義 ② 部分浴の種類・目的と足浴と手浴の援助方法 ③ 洗髪の援助方法
細目レベル ① 皮膚は、表皮・真皮、皮下組織の3つの部分からなり、皮脂腺、汗腺(アポクリン腺、エクリン腺)があることや、皮膚の伸展方向を示した皮膚割線があることについて説明できる。皮膚・粘膜の作用として体外保護作用、体温調節作用、分泌排泄作用、感覚受容、経皮吸収、ビタミンD形成があることを説明できる。
清潔とは、汚れ、新陳代謝による汗・分泌物、皮膚の角化による落屑、垢を取り去った状態をさし、精神的な爽快感や満足感がもてるほか、感染を引き起こさないことを説明できる。一方、清潔を保てないと、皮脂、汗、落屑が皮膚表面に溜まっていき、そこに微生物が付着することで、垢や汚れとなり感染を引き起こす危険性があるため、清潔の援助が必要であると説明できる。

② 部分浴の目的には、温熱作用、清潔保持、リラックス効果があり、姿勢保持、運動機能、体温、好み、習慣から実施場所や実施方法を選択することについて説明できる。特に足浴(手浴)では温湯の浸漬時間によって、垢が落としやすくなるなどの清潔保持、リラクゼーション、睡眠の促進、末梢循環の改善など得られる効果が異なることを説明することができる。足浴と手浴の援助のポイントとして、必要時安楽枕を使用して体位を整えることや、湯の温度確認では温度計と看護者の前腕内側での確認をしてから、患者の手や足に少しかけて温度確認を行うことが説明できる。観察では、皮膚や爪の状態、汚れの状態、対象の訴えについて観察する必要があることや、観察項目を列挙することができる。
③ 洗髪では、前頭部、頭頂部に皮脂腺が多く、しっかりと洗浄することが必要であることや、洗髪時の患者の姿勢が前傾姿勢であると心筋虚血発作が起こりやすく、後屈姿勢であると美容院脳卒中症候群が起こりやすく、注意が必要であることが説明できる。洗髪は、ケリーパット、洗髪車、洗髪台を使用する方法があり、各々の利点と欠点から患者に合った方法について説明できる。洗浄では、毛細血管現象によりタオルが濡れないよう、ケープからフェイスタオルがはみ出ないように巻き、ブラッシングをしてから皮膚割線を意識して洗う。観察項目として、体調(顔色、疲労感、症状)、頭皮・頭髪の状態(汚れ、掻痒感、発赤、湿疹、脱毛、抜毛の量)、外耳道の湿潤、爽快感、満足感、寝衣や寝具の濡れを列挙することができる。
キーワード ① 皮膚の構造と機能 ② 足浴 ③ 手浴 ④ 洗髪 ⑤ 部分浴
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、皮膚の機能と構造は、本コマに関わる重要な解剖生理学の知識であるため、解剖生理学テキスト等を用いて学習をする。教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の150~155、160~166、174~177ページを熟読し、p162、164、175技術動画を閲覧する。また、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の140~142、164~174、184~194ページを熟読し、教員が作成したオリジナルノートにある講義事前課題13・14ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「臥位患者の足浴ver.3」、「座位患者の足浴ver.3」、「ベッド上座位患者の手浴」、「臥位患者の洗髪(洗髪車)ver.3」、「臥位患者の洗髪ver.3」、「座位患者の洗髪(洗髪台)」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「清潔・衣生活生活援助技術」内にある「洗髪」「手浴」「足浴」を閲覧する。復習として、講義時に実施したmanaba小テストで間違えた問題を再度、やり直し、該当箇所の教科書を熟読する。動画等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

8 【第8・9回:演習】感染予防の技術(手指衛生・個人防護具の着脱・感染性廃棄物の取扱い) 科目の中での位置付け このコマの主題は、看護を実践する際に必要な看護共通基本技術である感染予防の技術(手指衛生・個人防護具の着脱)である。ここでは、第1・2回講義で学習した感染予防の前提となる清潔・不潔の概念、手指衛生のタイミング、手指衛生(衛生学的手洗い・擦式消毒剤を使用した手指消毒)の方法とその根拠や留意点を踏まえて、衛生学的手洗いと擦式消毒薬を使用した手指消毒を実際に実施し習得する。また、手指衛生と同様に、「生活援助方法論」で学習した個人防護具の着脱方法とその根拠や留意点を踏まえ、感染経路への具体的な対策としてマスクの着脱、ゴーグル・フェイスシートの着脱、エプロン・ガウンの着脱、未滅菌手袋の着脱を実際に実施し習得する。併せて脱衣した個人防護具の廃棄について、医療廃棄物の中で非感染性廃棄物と感染性廃棄物の分別や適切に処理する方法を習得する。このコマでの学びは、看護共通基本技術であるため、今後のすべてのコマでの技術の習得に関わる。演習時は、看護師としての実践から得た経験や事例をもとに根拠と結びつけて教授する。
・オリジナル演習ノートp30~33、81~84
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅰ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p240~293
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p6~28
コマ主題細目 ① 手指衛生(衛生学的手洗い・擦式消毒剤を使用した手指消毒) ② 個人防護具の着脱 ③ 感染廃棄物の取扱い
細目レベル ① 第1・2回講義で学習した感染予防の観点から前提となる清潔(滅菌や消毒により病原微生物がないあるいは少ない状態)・不潔(病原微生物がいるあるいは触れた可能性が高い)の概念、手指衛生のタイミング(患者に触れる前・清潔/無菌操作の前・体液に曝露された可能性がある時・患者に触れた後・患者周辺の物品に触れた後)を想起し、手指衛生(衛生学的手洗い・擦式消毒剤を使用した手指消毒)を実施する。衛生学的手洗いの前に不要なものはすべて外し、ペーパータオル等を確認する。手洗い後に汚染が残りやすい部位を念頭におき、15秒以上かけて実施する。擦式消毒剤を使用した手指消毒も同様に、手指消毒前に不要なものはすべて外し、15秒以上かけて手指に擦り込むのに十分な量を手に取り、汚染が残りやすい部位を念頭において、完全に乾燥させる。
② 第1・2回講義で学習した感染予防の観点から前提となる清潔(滅菌や消毒により病原微生物がないあるいは少ない状態)・不潔(病原微生物がいるあるいは触れた可能性が高い)の概念、手指衛生のタイミング(患者に触れる前・清潔/無菌操作の前・体液に曝露された可能性がある時・患者に触れた後・患者周辺の物品に触れた後)を想起し、個人防護具の着脱をする。手指消毒後、エプロンまたはガウンが周囲や床につかないように作業域をとり広げる。マスクは裏表、上下を確認し鼻から顎までしっかり覆うようにヒダを伸ばして着用する。ゴーグルまたはフェイスシールドと未滅菌手袋を着用する。脱衣時は、汚染された部分(特に前面)に触れないように未滅菌手袋から外す。手指消毒後にエプロンまたはガウンを外す。ゴーグルまたはフェイスシールド、マスクは耳にかけているところを持って外す。最後に必ず手指消毒を実施する。
③ 第1・2回講義で学習した感染予防の観点から前提となる清潔(滅菌や消毒により病原微生物がないあるいは少ない状態)・不潔(病原微生物がいるあるいは触れた可能性が高い)の概念、手指衛生のタイミング(患者に触れる前・清潔/無菌操作の前・体液に曝露された可能性がある時・患者に触れた後・患者周辺の物品に触れた後)、医療廃棄物の分別方法を想起し、感染性廃棄物の取扱いを実施する。ここでは検査室での処置後という設定を行い、外した個人防護具を感染性廃棄物として取扱う。感染性廃棄物の廃棄ボックス等に貼付するハザードマークを確認し、廃棄ボックスには手を触れないようにして廃棄する。廃棄後には必ず手指消毒を実施する。
キーワード ① スタンダードプリコーション ② 衛生学的手洗い ③ 手指消毒 ④ 個人防護具 ⑤ 感染性廃棄物
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ」の240~293ページ、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」6~28ページ、教員が作成したオリジナルノート30~33ページを熟読し、演習事前課題81~84ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「手指衛生ver.3」、「PPE(エプロン)着脱ver.3」、「PPE(ガウン)着脱ver.3」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。受講前にセルフトレーニングして手順を頭に入れておくことが望ましい。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「感染防止の技術(スタンダードプリコーション)」内にある「手指衛生」、「ガウンテクニック」を閲覧する。復習として、演習後の課題を実施し、セルフトレーニングをして確実に習得する。授業終了時に実施したmanaba小テスト、動画等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

9 【第10・11回:演習】安楽確保の技術(安楽な体位保持・体位変換)環境を整える技術(ベッドメーキング)・活動の援助技術(他動運動・自動運動・歩行援助) 科目の中での位置付け このコマの主題は3つある。1つ目は、安楽確保の技術(安楽な体位保持・体位変換・ボディメカニクス)である。ここでは、第3回講義で学習した様々な体位(仰臥位・座位・立位)が身体に与える影響(呼吸器系・循環器系・体圧・廃用症候群)、安楽な体位保持(ポジショニング)・体位変換の方法とその根拠や留意点を踏まえて、ベッド上での上方移動と仰臥位のポジショニング、仰臥位からファーラー位への体位変換とポジショニング、ベッド上での水平移動と側臥位への体位変換、側臥位のポジショニングを実際に実施し習得する。このコマでのボディメカニクスを活用した身体の使い方の学びは、今後のすべてのコマでの技術の習得に関わる。
2つ目は、環境を整える技術(シーツ交換と環境調整)である。ここでは、第4回講義で学習した望ましい病床環境を踏まえて、対象となる人が安全で快適な入院生活が送れるように転倒転落防止、感染予防、褥瘡予防、安楽を考慮したベッドメーキング・環境調整を実際に実施し習得する。3つ目は、活動の援助技術(他動運動・自動運動・歩行援助)である。ここでは、第5回講義で学習した運動機能のアセスメントを行い、他動運動、自動運動の方法とその根拠や留意点を踏まえて、肩関節、肘関節、手関節、股関節、膝関節、足関節の他動運動、自動運動を実際に実施し習得する。また、歩行援助についても同様に方法とその根拠と留意点を踏まえて廊下歩行、階段昇降時の援助を実際に実施し習得する。演習時は、看護師としての実践から得た経験や事例をもとに、ボディメカニクスの活用やポジショニング、関節可動域訓練の実際と根拠を結びつけて教授する。

・オリジナル演習ノートp34~42、85~94
・新体系看護学全書 専門分野Ⅰ基礎看護学 基礎看護技術Ⅰ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p326~342
・新体系看護学全書 専門分野Ⅰ基礎看護学 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p118~130、2~21
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p68~83、42~67
コマ主題細目 ① 体位変換 ② 体位保持(ポジショニング) ③ シーツ交換と環境調整 ④ 他動運動・自動運動・歩行援助
細目レベル ① 第3回講義で学習した体位の種類により身体に与える影響や体位変換の実施方法とその根拠や留意点を踏まえて、ベッド上での上方移動、仰臥位からファーラー位への体位変換、ベッド上での水平移動、仰臥位から側臥位への体位変換を実施する。ボディメカニクスを活用し、説明と同意を得て声を掛けながら実施する。ベッド上での上方移動や水平移動では体幹をしっかり支え対象となる人に看護者の身体を近づけて実施する。ファーラー位への体位変換では、ベッドの屈曲部に殿部があることを確認し、ベッドの頭側を挙上する。挙上後は背抜き・足抜きを必ず実施し、ベッドとの接地部分にズレがないようにする。仰臥位から側臥位への体位変換では、対象となる人の身体を可能な限り小さくまとめ、膝を立ててトルクの原理を用いて回転する。
② 第3回講義で学習した体位の種類により身体に与える影響や体位保持(ポジショニング)の実施方法とその根拠や留意点を踏まえて、仰臥位の体位保持(ポジショニング)、ファーラー位の体位保持(ポジショニング)、側臥位の体位保持(ポジショニング)を実施する。ボディメカニクスを活用し、説明と同意を得て声を掛けながら実施する。仰臥位の体位保持(ポジショニング)では、安楽枕を使用し支持基底面を広くとって安定させる。ファーラー位の体位保持(ポジショニング)でも安楽枕を使用し、ベッドとの接地面積を大きくして安定させる。側臥位での体位保持(ポジショニング)では、体幹のねじれがないように安楽枕を使用し身体を安定させる。下側になる腓骨骨頭部は圧迫しないように全体を適した安楽枕等で支える。
③ 第4回講義で学習した望ましい病床環境や一般的なベッドメーキング、リネン交換、環境調整の実施方法とその根拠や留意点を踏まえて、ベッドメーキングと環境調整を実施する。ここでは、二人で実施するベッドメーキングと環境調整を実施する。看護共通基本技術である感染予防の技術を踏まえて必要な個人防護具を選択し、必要時、手指衛生を確実に実施する。二人で実施するため、主・副と役割分担を行い、声を掛けながら実施する。特にシーツを敷く際は、しわがないように注意し、コーナーは三角にして崩れにくくする。包布や枕カバーはベッド上に配置する向き等に注意する。外した個人防護具の廃棄について分別を確実にする。対象となる人が安全で快適な入院生活が送れるように転倒転落防止、感染予防、褥瘡予防、安楽の観点から環境調整を実施する。
④ 第5回講義で学習した運動機能の維持・回復のための援助として、体位・動作の観察、関節可動域の評価、ADLの評価を想起し、他動運動、自動運動の実施方法とその根拠や留意点を踏まえて、肩関節、肘関節、手関節、股関節、膝関節、足関節の他動運動、自動運動をグループ内ペアとなり実施する。正常な関節可動域を理解し、痛みがない範囲で行う。また、看護の対象の表情、筋肉の抵抗をみながら行う。歩行援助についても同様に方法とその根拠と留意点を踏まえて、グループ内ペアとなり廊下歩行、階段昇降時の援助を実施する。その際、歩行場所の廊下等の濡れや障害物を確認し、転倒予防のため、看護者の声かけに注意する。看護の対象のペースに合わせ、視線に注意する。
キーワード ① ボディメカニクス ② 体位変換と体位保持(ポジショニング) ③ シーツ交換と環境調整 ④ 他動運動・自動運動 ⑤ 歩行援助
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ」の326~342ページ、「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の118~130ページ、2~21ページ、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の68~83ページ、42~67ページ、教員が作成したオリジナルノート34~42を熟読し、演習事前課題85~94ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「安楽な体位と体位変換ver.2」、「ベッドメーキング・環境整備ver.3」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「活動・休息援助技術」内にある「体位変換」、「環境調整技術」内にある「ベッドメイキング」を閲覧する。受講前にセルフトレーニングして手順を頭に入れておくことが望ましい。復習として、演習後の課題を実施し、セルフトレーニングをして確実に習得する。授業終了時に実施したmanaba小テスト、動画等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

10 【第12・13回:演習】環境を整える技術(臥床患者のリネン交換) 科目の中での位置付け このコマの主題は、環境を整える技術(臥床患者のリネン交換)である。ここでは、第4回講義で学習した看護理論家が提唱した環境の概念、環境の種類(外的環境:物理的環境・心理的環境・社会的環境と内的環境:ホメオスタシス)を踏まえて学ぶ。また、望ましい病床環境や、病床の環境調整としてベッドメーキング、リネン交換・環境調整の実施方法とその根拠や留意点を踏まえて、対象となる人が安全で快適な入院生活が送れるように二人で臥床患者のリネン交換を実際に実施し習得する。また、環境調整は単に清掃することではなく、対象となる人が安全で快適な入院生活が送れるように転倒転落防止、感染予防、褥瘡予防、安楽の観点から実施することが必要であることも踏まえて実際に実施し習得する。第10回演習環境を整える技術(シーツ交換と環境調整)において二人で実施したベッドメーキングを踏まえ、ここでは一人で臥患者のシーツ交換も行い、確実に習得する。対象となる人の状態に合わせて一人でも二人でも確実に実施できるよう習得する。演習時は、看護師としての実践から得た経験や事例をもとに、ボディメカニクスの活用やベッドメーキング、環境調整について根拠と結びつけて教授する。
・オリジナル演習ノートp38~39、95~97
・新体系看護学全書 専門分野Ⅰ基礎看護学 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p2~21
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p42~67
コマ主題細目 ① 二人で実施する臥床患者のリネン交換・環境調整 ② 一人で実施する臥床患者のシーツ 交換
細目レベル ① 第4回講義、第10回演習で学習した望ましい病床環境や一般的なベッドメーキング、リネン交換、環境調整の実施方法とその根拠や留意点を踏まえて、ここでは、二人で実施する臥床患者のリネン交換と環境調整を実施する。看護共通基本技術である感染予防の技術を踏まえて必要な個人防護具を選択し、必要時、手指衛生を確実に実施する。二人で実施するため、主・副と役割分担を行い、声を掛けながら実施する。患者が臥床しているため、第3回講義で学習した体位の種類により身体に与える影響や体位変換の実施方法とその根拠や留意点を踏まえて、仰臥位から側臥位に体位変換し、片側ずつシーツ交換を実施する。特にシーツを敷く際は、しわがないように注意し、コーナーは三角にして崩れにくくする。包布や枕カバーの交換時は対象を観察しながら実施し、ベッド上に配置する向き等に注意する。外した個人防護具の廃棄について分別を確実にする。対象となる人が安全で快適な入院生活が送れるように転倒転落防止、感染予防、褥瘡予防、安楽の観点から環境調整を実施する。
② 第4回講義、第10回演習で学習した望ましい病床環境や一般的なベッドメーキング、リネン交換、環境調整の実施方法とその根拠や留意点を踏まえて、ここでは、一人で実施する臥床患者のシーツ交換と環境調整を実施する。看護共通基本技術である感染予防の技術を踏まえて必要な個人防護具を選択し、必要時、手指衛生を確実に実施する。一人で実施するため、作業効率を考え、声を掛けながら実施する。患者が臥床しているため、第3回講義で学習した体位の種類により身体に与える影響や体位変換の実施方法とその根拠や留意点を踏まえて、仰臥位から側臥位に体位変換し、片側ずつシーツ交換を実施する。
特にシーツを敷く際は、しわがないように注意し、コーナーは三角にして崩れにくくする。外した個人防護具の廃棄について分別を確実にする。

キーワード ① 環境 ② 病床環境 ③ ベッドメーキング ④ リネン交換 ⑤ 環境調整
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の2~21ページ、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の42~67ページ、教員が作成したオリジナルノート38~39を熟読し、演習事前課題95~97ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「ベッドメーキング・環境整備ver.3」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「環境調整技術」内にある「ベッドメイキング」を閲覧する。受講前にセルフトレーニングして手順を頭に入れておくことが望ましい。復習として、演習後の課題を実施し、セルフトレーニングをして確実に習得する。授業終了時に実施したmanaba小テスト、動画ビデオ等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

11 【第14・15回:演習】活動の援助技術(車椅子とストレッチャーの移乗・移送、歩行援助) 科目の中での位置付け このコマの主題は1つである。活動の援助技術のうち車椅子の移乗・移送とストレッチャーの移乗・移送である。ここでは、第5・6回講義で学習した活動・運動の意義やその援助の必要性(特に早期に離床する)、車椅子・ストレッチャー移乗・移送の実施方法とその根拠や留意点を踏まえて学ぶ。対象となる人の運動機能(体位・動作の観察、関節可動域の評価、ADL評価)を観察・分析(アセスメント)し、自力で移動困難な患者を目的地へ安全・安楽に移送したり、精神活動の刺激をしたりするため、運動機能の低下した人への援助として、車椅子とストレッチャーの移乗・移送を実際に実施し習得する。車椅子移乗では、ベッドから車椅子へ、移送では段差のあるところ、エレベーターでの移送方法とその根拠、留意点を踏まえて実際に実施し習得する。ストレッチャー移乗では、2人でスライディングシートを用いて行う方法を、移送では平坦な廊下、曲がり角を移送する方法とその根拠、留意点を踏まえて実際に実施し習得する。演習時、看護師としての実践から得た経験や事例をもとに、車椅子やストレッチャーの移乗・移送について、根拠と結びつけて教授する。

・オリジナル演習ノートp43~45、99~104
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p108~142、160~166、174~177
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p68~105、164~174、184~194
コマ主題細目 ① 車椅子の移乗・移送 ② ストレッチャー移乗・移送
細目レベル ① 第5・6回講義で学習したセルフケアとは「自分のために」と「自分で行う」という二重の意味をもち、人は誰しも自らのセルフケアについて責任と権利があること、活動・運動の意義やその援助の必要性(特に早期に離床する)を踏まえて、運動機能の低下した人への援助として、車椅子の移乗・移送を実際に実施し習得する。まず運動機能(体位・動作の観察、関節可動域の評価、ADL評価)を観察・分析(アセスメント)し、対象となる人の自立を考慮した方法を習得する。対象の安全・安楽に配慮し、ここでは、ベッド上仰臥位から長座位への体位変換、長座位から端座位への体位変換を行い、車椅子の配置場所に注意し、移乗を実施する。段差、エレベーター内での移送を行う。
② 第5・6回講義で学習したセルフケアとは「自分のために」と「自分で行う」という二重の意味をもち、人は誰しも自らのセルフケアについて責任と権利があること、活動・運動の意義やその援助の必要性(特に早期に離床する)を踏まえて、運動機能の低下した人への援助として、ストレッチャー移乗・移送を実際に実施し習得する。まず運動機能(体位・動作の観察、関節可動域の評価、ADL評価)を観察・分析(アセスメント)し、
対象の安全・安楽に配慮し、ここでは、二人でスライディングシートを用いた方法で実施する。ストレッチャー移乗では、作業域を確保し、ベッドとストレッチャーの高さに注意し対象の安全・安楽に配慮して行う。ストレッチャー移送でも対象の安全・安楽に配慮し、平坦な廊下、曲がり角の移送を実施する。

キーワード ① 運動機能の観察・分析 ② 車椅子の移乗 ③ 車椅子の移送 ④ ストレッチャー移乗 ⑤ ストレッチャー移送
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の108~142、160~166、174~177ページ、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の68~105、164~174、184~194ページ、教員が作成したオリジナルノート43~45を熟読し、演習事前課題99~104ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「車椅子移乗・移送ver.3」、「ストレッチャー移乗・移送ver.3」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「活動・休息援助技術」内にある「車いすの移乗・移送」、「ストレッチャーの移乗・移送」を閲覧する。受講前にセルフトレーニングして手順を頭に入れておくことが望ましい。復習として、演習後の課題を実施し、セルフトレーニングをして確実に習得する。授業終了時に実施したmanaba小テスト、動画等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

12 【第16・17回:演習】清潔・衣生活の援助(洗髪) 科目の中での位置付け このコマの主題は、清潔・衣生活の援助の洗髪である。ここでは、「生活援助方法論」で学習した皮膚・頭皮・粘膜の構造や機能や感染予防の技術で学んだ清潔・不潔の概念を基盤に、身体的、心理的、社会的側面から清潔の意義を考慮して、洗髪の実施方法とその根拠や留意点を踏まえ、洗髪台での洗髪、ベッド上でケリーパッドを使用した洗髪、ベッド上での洗髪車を使用した洗髪を実施し、確実に習得する。具体的には、対象となる人の運動機能や状態を観察・分析(アセスメント)し、洗髪時の患者の姿勢が前傾姿勢であると心筋虚血発作が起こりやすく、後屈姿勢であると美容院脳卒中症候群が起こりやすいことを理解して適切な体位を選択肢、それに合わせた実施方法(ケリーパット、洗髪車、洗髪台)を選択することが出来る。また、洗髪に必要な患者の準備や、実施方法を適切に実施し、実施前後の観察ができるよう技術を修得する。演習時は、看護師としての実践から得た経験や事例をもとに、様々な洗髪の方法について根拠と結びつけて教授する。
・オリジナル演習ノートp46~49、109~116
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p108~142、160~166、174~177
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p68~105、164~174、184~194
コマ主題細目 ① 洗髪(臥位・ケリーパッド) ② 洗髪(臥位・洗髪車) ③ 洗髪(座位・洗髪台)
細目レベル ① 臥位でケリーパットを使用する洗髪は、入浴、シャワーが出来ず、歩行困難または歩行禁止の患者で頸部に障害がある場合に選択することを理解して行い、頭部の振動や頸部への負かがかからないよう患者の準備や洗髪することが出来る。患者の準備では、毛細血管現象によりタオルが濡れないよう、ケープからフェイスタオルがはみ出ないように巻き、ブラッシングをしてから皮膚割線を意識して洗うことができる。また、前頭部、頭頂部に皮脂腺が多いため、しっかりと洗浄することができる。洗髪では、体調(顔色、疲労感、症状)、頭皮・頭髪の状態(汚れ、掻痒感、発赤、湿疹、脱毛、抜毛の量)、外耳道の湿潤、爽快感、満足感、寝衣や寝具の濡れについて、患者への確認や観察ができる。頸部に障害がある患者の場合には、洗髪実施中から実施後まで、頸部に負荷がかからず安静が保てていることも観察し、負担をかけず必要以上に時間をかけないよう配慮ができる。
② 臥位で洗髪車を使用する洗髪は、入浴、シャワーが出来ず、歩行困難または歩行禁止の患者で頸部に障害がある場合に選択することを理解して行い、頭部の振動や頸部への負かがかからないよう患者の準備や洗髪することが出来る。洗髪車の使用方法を理解し、適切な操作ができる。患者の準備において、ベッド柵を外し、洗髪車を頭側に設置する際には、振動に配慮して行うことができる。また、体位変換やベッドの上方移動の際には頸部に負担がかからないよう配慮して行う事が出来、毛細血管現象によりタオルが濡れないよう、ケープからフェイスタオルがはみ出ないように巻き、ブラッシングをしてから皮膚割線を意識して洗うことができる。また、前頭部、頭頂部に皮脂腺が多いため、しっかりと洗浄することができる。洗髪では、体調(顔色、疲労感、症状)、頭皮・頭髪の状態(汚れ、掻痒感、発赤、湿疹、脱毛、抜毛の量)、外耳道の湿潤、爽快感、満足感、寝衣や寝具の濡れについて、患者への確認や観察ができる。頸部に障害がある患者の場合には、洗髪実施中から実施後まで、頸部に負荷がかからず安静が保てていることも観察し、負担をかけないよう必要以上に時間をかけないよう配慮ができる。
③ 洗髪台を使用する洗髪は、入浴、シャワーが出来ず、歩行が可能または座位が可能な患者の場合に選択することを理解できる。また、洗髪時の前傾姿勢では心筋虚血発作が起こりやすく、後屈姿勢では美容院脳卒中症候群に注意が必要であることを理解し、患者を観察しながら洗髪を実施することができる。患者の準備では、毛細管現象によりタオルが濡れないよう、ケープからフェイスタオルがはみ出ないように巻き、ブラッシングをしてから皮膚割線を意識して洗うことができる。また、前頭部、頭頂部に皮脂腺が多いため、しっかりと洗浄することができる。洗髪では、体調(顔色、疲労感、症状)、頭皮・頭髪の状態(汚れ、掻痒感、発赤、湿疹、脱毛、抜毛の量)、外耳道の湿潤、爽快感、満足感、寝衣や寝具の濡れについて、患者への確認や観察ができる。
キーワード ① ケリーパッド ② 洗髪車 ③ 洗髪台 ④ 皮膚割線 ⑤ 毛細管現象
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の108~142、160~166、174~177ページ、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の68~105、164~174、184~194ページ、教員が作成したオリジナルノート46~49を熟読し、演習事前課題109~116ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「臥床患者の洗髪ver.3」、「臥床患者の洗髪(洗髪車)ver.3」、「座位患者の洗髪(洗髪台)」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。
また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「清潔・衣生活援助技術」内にある「洗髪」を閲覧する。受講前にセルフトレーニングして手順を頭に入れておくことが望ましい。復習として、演習後の課題を実施し、セルフトレーニングをして確実に習得する。授業終了時に実施したmanaba小テスト、動画等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

13 【第18回:講義】清潔・衣生活の援助技術②更衣・整容・入浴 科目の中での位置付け このコマの主題は、清潔・衣生活の援助技術のうち更衣、整容、入浴の援助技術である。
第1・2回感染予防の技術で学んだ清潔・不潔の概念を想起し、身体的な清潔の意義を理解する。また、身体的側面のみでなく、基礎看護学実習Ⅰで見学した看護実践や自分自身の経験を想起し、心理的側面、社会的側面からも清潔の意義やその援助の必要性について考える。臨床の場で実際に実施されている清潔の援助(口腔ケア・更衣・整容・入浴・部分浴・清拭)を知り、皮膚・頭皮・粘膜の構造や機能について理解する。衣生活の援助(更衣)として対象となる人に合った寝衣の選択、和式寝衣とかぶりタイプの寝衣の交換方法とその根拠や留意点について理解する。整容の援助では、整髪、結髪、髭剃り、爪切り、耳掃除の実施方法とその根拠や留意点について理解する。入浴の援助では、入浴が身体に与える影響や入浴・シャワー浴の特徴、援助方法とその根拠や留意点について理解する。看護師としての看護実践現場での経験を踏まえて、入浴、更衣、整容の実際について説明する。標準的な技術としての更衣、整容、入浴の個への適用方法について考える。

・オリジナル講義ノートp50~51
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p150~160、181~191
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p140~149、195~217
コマ主題細目 ① 皮膚の構造と機能 ② 更衣と整容 ③ 入浴
細目レベル ① 第1・2回感染予防の技術で学んだ清潔・不潔の概念を想起し、身体的な清潔の意義を理解する。また、身体的側面のみでなく、基礎看護学実習Ⅰで見学した看護実践や自分自身の清潔ケア経験を想起し、心理的側面、社会的側面からも清潔の意義やその援助の必要性について考える。特に皮膚への温刺激はA10神経を刺激し快感情や安心を引き起こすことを理解し、身体的な刺激が心理的側面に与える影響を考慮して清潔の援助を実施する。皮膚・頭皮・粘膜の構造(表皮・真皮・皮下組織)や機能(体外保護作用、体温調節作用、分泌排泄作用、感覚受容、経皮吸収、ビタミンD形成)について理解する。また、皮膚の伸展方向(ランゲル割線)や冷点・温点分布についても理解し、清潔の援助に活用できるようにする。
② 対象となる人の寝衣には、状態により発汗や皮膚の落屑で汚染されている。これらを取り除くことで清潔を保ち、心理的にも爽快感を得ることを目的としている。衣生活の援助として、更衣(寝衣交換)について理解する。療養に適した寝衣の条件である素材(含気性、通気性、保湿性、吸湿性、透湿性、吸着性、帯電性)や形状(前開き、上下別式、脇開き等)について理解し、対象に合った寝衣を選択できるようにしていく。具体的には和式寝衣の交換とかぶりタイプ二部式寝衣の交換方法とその根拠や留意点について確実に理解する。和式寝衣は臥床している人の着用が多いため、仰臥位で片側ずつ交換する方法について理解する。麻痺側や点滴等治療している上肢があれば、「脱健着患」を原則とすることをおさえる。かぶりタイプ二部式寝衣(上位・ズボン)の交換方法とその根拠や留意点についても確実に理解する。
③ 病床にいる人は治療や療養が優先されることが多く、整容はあまり重要視されていない現状を知る。整容とは、整髪、結髪、髭剃り、爪切り、耳掃除が含まれるが、自分自身がこれらのことができなくなった状況を想像し、整容の意義を考える。実際に整容を実施することで闘病意欲が高まった事例等を提示し、病床でできる整容について考える。整髪、結髪では、髪を梳く、対象となる人の好みを確認し結ぶ等の方法があることを理解する。髭剃りでは感染予防の観点からなるべく対象となる人に電気カミソリを準備していただくことを原則とする。爪切りは深爪を避け、スクエアオフとしやすりをかけ安全を考慮することを理解する。耳掃除も同様に鼓膜等を傷つけることがないように安全に配慮して実施する方法を理解する。
キーワード ① 皮膚の構造と機能 ② 脱健着患 ③ 温熱作用 ④ 静水圧作用 ⑤ 浮力作用
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の150~160、181~191ページを熟読し、技術動画を閲覧する。また、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の140~151、195~217ページを熟読し、教員が作成したオリジナルノートにある講義事前課題15・16ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「全身清拭・寝衣交換」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「清潔・衣生活生活援助技術」内にある「寝衣交換」「入浴介助」を閲覧する。復習として、講義時に実施したmanaba小テストで間違えた問題を再度、やり直し、該当箇所の教科書を熟読する。動画等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
自身の着替え(かぶりタイプ、羽織りタイプ、パンツ)の際に、着衣に首や腕、足をどの順で、どのように通したら着脱しやすいか、無理のない関節の角度なども含めて確認し、患者に安楽に援助する方法について考える。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

14 【第19・20回:演習】清潔・ 衣生活の援助(足浴) 科目の中での位置付け このコマの主題は清潔・衣生活の援助(足浴)である。ここでは、第7回講義で学習した皮膚・頭皮・粘膜の構造や機能、第1・2回感染予防の技術で学んだ清潔・不潔の概念を想起し、身体的な清潔の意義を理解したうえで、足浴の実施方法とその根拠や留意点を踏まえ、ベッド上での足浴、椅座位での足浴を実施し、確実に習得する。具体的には、部分浴は、温熱作用、清潔保持、リラックス効果があり、目的に合わせて洗浄方法や温湯の浸水時間などを決定することができる。また、姿勢保持、運動機能、体温、好み、習慣について観察し、アセスメントして、座位と臥位の足浴を選択することがで
きる。患者の準備では、必要時安楽枕を使用して体位を整え、バスタオルで保温することができる。湯の温度確認では温度計と看護者の前腕内側での確認をしてから、患者の手や足に少しかけて温度確認を行い、皮膚割線があることを理解して、皮膚割線に沿って洗浄することが出来る。演習時は、看護師としての実践から得た経験や事例をもとに、様々な足浴の方法について、根拠と結びつけて教授する。

・オリジナル演習ノートp46~49,105~107
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p108~142、160~166、174~177
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p68~105、164~174、184~194
コマ主題細目 ① 足浴(臥位) ② 足浴(座位) ③ 足浴における観察
細目レベル ① 臥位の足浴では、温熱作用、清潔保持、リラックス効果があり、目的に合わせて洗浄方法や温湯の浸水時間などを決定することができる。また、姿勢保持、運動機能、体温、好み、習慣について観察し、座位がとれない患者に臥位の足浴を選択し、ベッド上で足浴をすることが出来る。患者の準備では、必要時安楽枕を下肢に使用し、腹部の緊張緩和や安定した体位に整え、下肢の露出している部分を必要時バスタオルで保温することができる。湯の温度確認では温度計と看護者の前腕内側での確認をしてから、患者の足に少しかけて温度確認を行ってから、下肢を温湯に浸し、洗浄することが出来る。足浴では実施時間と得られる効果が異なることを理解し、姿勢保持、運動機能、体温、好み、習慣、足浴の目的から、温湯に下肢を浸す時間など実施時間を調整して実施できる。
② 座位の足浴では、温熱作用、清潔保持、リラックス効果があり、目的に合わせて洗浄方法や温湯の浸水時間などを決定することができる。また、姿勢保持、運動機能、体温、好み、習慣について観察し、座位がとれる患者に対して、ベッドサイドで椅子に座って行う足浴を実施することが出来る。患者の準備では、椅子に移乗して安定した体位に整え、下肢の露出している部分を必要時バスタオルで保温することができる。湯の温度確認では温度計と看護者の前腕内側での確認をしてから、患者の足に少しかけて温度確認を行ってから、下肢を温湯に浸し、洗浄することが出来る。足浴では実施時間と得られる効果が異なることを理解し、姿勢保持、運動機能、体温、好み、習慣、足浴の目的から、温湯に下肢を浸す時間など実施時間を調整して実施できる。
③ 足浴では、皮膚および清潔に関する観察項目として、皮膚や爪の状態、汚れの状態、掻痒感、発赤の有無、対象の訴え、終了時に泡がすべて流し切れているかについて患者への確認や観察ができる。また、温熱作用やリラックス効果が得られているか、下肢の温度や皮膚の色味、患者の表情や訴えを観察できる。湯の温度が下がった場合や、患者の温度の好み、対象の末梢循環やリラックス効果を得るために必要であれば、湯量を増やしたり、湯の温度を上げたりして(湯を足す際には湯の温度や熱傷に注意する)、対象に合わせた足浴を実施する。
運動機能が低下している患者の場合には、姿勢を整える際にバスタオルや安楽枕などを使用して患者に負担のない体位に整えられているか観察しながら体位を整え、足浴実施中は疲労感がないか観察しながら、疲労感が強くなる前に足浴を実施し終えられるよう配慮して行う。

キーワード ① 足浴(臥位) ② 足浴(座位) ③ 温熱作用 ④ リラックス効果 ⑤ 皮膚や爪の観察
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の108~142、160~166、174~177ページ、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の68~105、164~174、184~194ページ、教員が作成したオリジナルノート46~49を熟読し、演習事前課題105~107ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「臥床患者の足浴ver.3」、「座位患者の足浴ver.3」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「清潔・衣生活援助技術」内にある「足浴」を閲覧する。受講前にセルフトレーニングして手順を頭に入れておくことが望ましい。復習として、演習後の課題を実施し、セルフトレーニングをして確実に習得する。授業終了時に実施したmanaba小テスト、動画等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

15 【第21回:講義】清潔・衣生活の援助技術③全身清拭 科目の中での位置付け このコマの主題は、清潔・衣生活の援助技術のうち全身清拭の援助技術である。全身清拭とは、身体をタオルで拭くことであり、入浴シャワー浴ができない場合、入浴、シャワー浴ができても回数が少ない場合に実施することを理解する。全身清拭の目的は、温熱作用、清潔保持、リラックス効果、リハビリ、全身の皮膚の観察であり、清拭には、簡便な温湯を使用しない方法と温熱作用やリラックス効果が高い温湯を使用する方法があることを理解する。温湯を使用した清拭では洗浄剤を使用することがあり、洗浄剤には固形石けん、液体石けん、沐浴剤、オリーブ油の種類があり、各々の効果や注意点について理解する。また、羞恥心やプライバシーに配慮して環境を整え、準備する温湯の温度(洗面器:50~55℃、差し湯:60℃以上)や、タオルの持ち方(タオルの端が皮膚に触れないように持ち、面で拭く)と注意点(毎回看護者の前腕内側でタオルの温度を確認すること)、拭き方(皮膚割線を考慮して、30cmを1秒の速さ)や押さえ拭きの注意点(拭いた後3~5秒以内に行う)、各部位の拭き方について理解する。看護師としての看護実践現場での経験を踏まえて、全身清拭の実際について説明する。
・オリジナル講義ノートp52~54
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p168~117、182~191
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p140~142、152~163、195~206
コマ主題細目 ① 清拭の目的と種類 ② 洗浄剤の種類と選択 ③ 全身清拭の援助方法と観察
細目レベル ① 清拭とは、身体をタオル等で拭くことであり、入浴やシャワー浴が出来ない場合や、入浴やシャワーができても回数が少ない場合に実施することを説明できる。清拭の目的には、温熱作用、清潔保持(感染予防)、リラックス効果があり、その他には効果的に全身を動かすことによる自動・他動運動(=リハビリ)の機会となることや、全身の皮膚の観察があることを説明できる。清拭には、簡便な温湯を使用しない方法(蒸したタオルやディスポーザブルタオルでの清拭)と、温熱作用やリラックス効果が高い温湯を使用する方法があり、温湯を使用する清拭には、洗浄剤を使用して拭き取る方法と、熱めのタオルを1~2分あてることで温熱作用、リラックス効果、汚れの除去の効果をより高める熱布清拭があることを説明できる。
② 温湯を使用する清拭では、洗浄剤を用いる方法がある。使用する洗浄剤の種類には、アルカリ性で皮膚の除去に良いが皮膚への刺激が強い「固形石けん」、アルカリ性~弱酸性の「液体石けん」、角質の融解や油脂成分で皮膚の保護作用がある「沐浴剤」、汚れを浮かび上がらせ乾燥防止になる「オリーブ油」があることを説明できる。固形石けんは、アルカリ性で皮脂の除去に優れているため汚れや皮脂が多い皮膚に適しているが、皮膚への刺激が強く石けん剤が残ると掻痒感や発赤を起こし、石けんを塗れたままにすると細菌が繁殖する危険性があるなどのデメリットあることについて説明できる。また、皮膚が弱い場合には、弱酸性の液体石けんや、角質が厚い場合や刺激に弱い皮膚の場合には沐浴剤を選択すると良いことを説明できる。
③ 全身清拭の実施方法として、羞恥心やプライバシーに配慮してドアやカーテンを閉めることや、準備する湯の温度(洗面器:50~55℃、差し湯:60℃以上)を説明できる。また、タオルは端が皮膚に触れないようにたたみ、熱傷をしないようタオルを絞る度、毎回、看護者の前腕内側でタオルの温度を確認する必要があると説明できる。タオルでの拭き方は、皮膚割線に考慮して密着させて面で拭き、30cmを1秒程度の速さでふき、拭いた後は3~5秒以内に押さえ拭きを行って保温することを説明できる。そして、各部位の拭き方のポイントとして、二面が接する場合は皮膚を伸展させて拭き、指や指間を拭くときはタオルを広げて1本ずつ拭くなどの部位によるポイントについて説明できる。全身清拭時の観察項目として、ADL、体調(顔色、気分不快、症状、バイタルサイン)、皮膚の状態(汚染、乾燥、発赤、腫脹、創傷)、実施前の尿意便意の有無(必要時排泄を促す)を列挙できる。
キーワード ① 全身清拭 ② BB ③ 洗浄剤(固形石けん・液体石けん・沐浴剤・オリーブ油) ④ アルカ リ性・弱酸性 ⑤ 熱布清拭
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、皮膚の機能と構造は、本コマに関わる重要な解剖生理学の知識であるため、解剖生理学テキスト等を用いて学習をする。教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の168~117、182~191ページを熟読し、p170技術動画を閲覧する。また、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の140~142、152~163、195~206ページを熟読し、教員が作成したオリジナルノートにある講義事前課題17・18ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「全身清拭・寝衣交換(1人ver.)」「全身清拭・寝衣交換(2人ver.一部泡清拭・熱布清拭)」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「清潔・衣生活生活援助技術」内にある「全身清拭」「寝衣交換」を閲覧する。復習として、講義時に実施したmanaba小テストで間違えた問題を再度、やり直し、該当箇所の教科書を熟読する。動画等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

16 【第22・23回:演習】清潔・衣生活の援助(全身清拭・寝衣交換) 科目の中での位置付け このコマの主題は、清潔・衣生活の援助の全身清拭と寝衣交換である。全身清拭とは、身体をタオルで拭くことであり、入浴シャワー浴ができない場合、入浴、シャワー浴ができても回数が少ない場合に、温熱作用、清潔保持、リラックス効果、リハビリ、全身の皮膚の観察を目的に実施する。清拭には、簡便な温湯を使用しない方法と温熱作用やリラックス効果が高い温湯を使用する方法があることを学ぶ。また、温湯を使用した清拭では洗浄剤を使用することがあり、洗浄剤には固形石けん、液体石けん、沐浴剤、オリーブ油の種類があり、各々の効果や注意点を学んだうえで、温湯を用いた清拭、泡清拭、熱布清拭の演習を行い、技術を確実に習得する。清拭では、羞恥心やプライバシーに配慮して環境を整え、準備する温湯の温度(洗面器:50~55℃、差し湯:60℃以上)や、タオルの持ち方(タオルの端が皮膚に触れないように持ち、面で拭く)と注意点(毎回看護者の前腕内側でタオルの温度を確認すること)、拭き方(皮膚割線を考慮して、30cmを1秒の速さ)や押さえ拭きの注意点(拭いた後3~5秒以内に行う)、各部位の拭き方について学び、技術を習得する。また、衣生活の援助(更衣)として対象となる人に合った寝衣の選択、和式寝衣とかぶりタイプの寝衣の交換方法、その根拠や留意点に注意して寝衣交換を確実に習得する。演習時は、看護師としての実践から得た経験や事例をもとに、全身清拭や更衣について根拠と結びつけて教授する。
・オリジナル演習ノートp52~54、117~124
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p150~160、168~173、181~191
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p140~163、195~217
コマ主題細目 ① 熱布・石けん清拭 ② 温湯清拭 ③ 寝衣交換(和式寝衣、かぶりタイプ)
細目レベル ① 清拭には、簡便な温湯を使用しない方法と、温熱作用やリラックス効果が高い温湯を使用する方法があり、温湯を使用する方法には温湯のみで清拭する方法と洗浄剤を使用して清拭する方法、熱布清拭があることを理解した上で、対象の汚染状態に合わせて、泡沫洗浄剤を使用した方法、熱布清拭を選択肢、実施することができる。また、洗浄剤の種類には、アルカリ性で皮膚の除去に良いが皮膚への刺激が強い固形石けん、アルカリ性~弱酸性の液体石けん、角質の融解や油脂成分で皮膚の保護作用がある沐浴剤、汚れを浮かび上がらせ乾燥防止になるオリーブ油があり、各洗浄剤の利点と欠点について学び、使用する石鹸の特性を理解して泡沫洗浄剤を使用した清拭を行うことができる。
② 全身清拭の実施方法として、羞恥心やプライバシーに配慮してドアやカーテンを閉めることや、準備する湯の温度(洗面器:50~55℃、差し湯:60℃以上)を説明できる。また、タオルは端が皮膚に触れないようにたたみ、毎回看護者の前腕内即でタオルの温度を確認することが確実に実施できる。タオルでの拭き方は、皮膚割線に考慮して密着させて面で拭き、30cmを1秒程度の速さでふき、拭いた後は3~5秒以内に押さえ拭きを行って保温することができる。そして、各部位の拭き方のポイントとして、二面が接する場合は皮膚を伸展させて拭き、指や指間を拭くときはタオルを広げて1本ずつ拭くなどの部位に合わせた適切な清拭を実施することができる。なお、本演習では、2人で温湯を用いて全身清拭・熱布清拭・一部石けん清拭が実施できる。
③ 衣生活の援助として、療養に適した寝衣の条件である素材(含気性、通気性、保湿性、吸湿性、透湿性、吸着性、帯電性)や形状(前開き、上下別式、脇開き等)について理解し、対象に合った寝衣を選択することができる。具体的に、和式寝衣は臥床している人の着用が多いため、仰臥位で片側ずつ交換し、麻痺側や点滴等治療している上肢があれば、「脱健着患」によって寝衣交換を実施することができる。また、かぶりタイプ二部式寝衣(上位・ズボン)においても、麻痺側や点滴等治療している上肢があれば「脱健着患」によって袖を抜いて交換する方法、その根拠や留意点を留意して寝衣交換を実施できる。演習では、どちらの患者の寝衣の患者についても、臥床した状態で寝衣交換をすることが出来る。
キーワード ① 熱布清拭 ② 石けん清拭 ③ 温湯清拭 ④ 和式寝衣の交換 ⑤ 丸首寝衣・ズボンの交換
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、皮膚の機能と構造は、本コマに関わる重要な解剖生理学の知識であるため、解剖生理学テキスト等を用いて学習をする。教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の150~160、168~173、181~191ページ、教員が作成したオリジナルノート52~54を熟読し、技術動画を閲覧する。また、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の140~163、195~217ページを熟読し、演習事前課題117~124ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「全身清拭・寝衣交換(1人ver.)」「全身清拭・寝衣交換(2人ver.・一部泡清拭・熱布清拭)」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「清潔・衣生活生活援助技術」内にある「全身清拭」「寝衣交換」を閲覧する。これらで学習した点に注意して、セルフトレーニングを行う。
復習として、演習で気づいた点、改善点や観察学生や教員から受けたフィードバックをもとに、自身の改善する点について検討し、さらにセルフトレーニングを行い技術を習得する。セルフトレーニングにおいても、テキストや動画、授業終了時に実施したmanaba小テスト等で実施方法とその根拠や留意点について復習しながら行う。
自身の着替え(かぶりタイプ、羽織りタイプ、パンツ)の際に、着衣に首や腕、足をどの順で、どのように通したら着脱しやすいか、無理のない関節の角度なども含めて確認し、患者に安楽に援助する方法について考える。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

17 【第24回:講義】清潔・衣生活の援助技術④陰部洗浄 科目の中での位置付け このコマの主題は、清潔・衣生活の援助技術のうち陰部洗浄の援助技術である。陰部洗浄は部分浴の1つであり、部分浴の目的には、温熱作用、清潔保持、リラックス効果があることを理解する。また、陰部の構造上、男性と女性で汚れが溜まりやすい部位が異なり、女性の場合には尿道が短く尿路感染が生じやすいことを理解する。具体的な援助方法のポイントとして、羞恥心を配慮した環境を整え、38~40℃程度の湯を準備し、安全性に配慮して湯の温度は温度計と前腕内側で確認してから、患者の鼠径部にかけて確認する必要性があることについて理解する。また、陰部の洗い方では、尿路感染症を予防するために尿道口を最初に洗浄し、清潔度が高いところから順に肛門に向かって洗浄をすることが重要であると理解する。女性の場合は小陰唇を開いて洗浄し、男性の場合は包皮を反転させて洗浄し(洗浄後反転を戻す)、泡を流すときには750~1000mlの温湯を十分に流し洗浄成分が残らないように洗浄することを理解する。陰部洗浄時の観察項目が、皮膚や粘膜の汚れ、臭い、分泌物の有無、掻痒感、痛み、発赤や出血の有無であることを理解する。看護師としての看護実践現場での経験を踏まえて、陰部洗浄の実際について説明する。
・オリジナル講義ノートp55・56
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p166~168
・看護がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p175~183
コマ主題細目 ① 部分浴の種類と目的 ② 陰部の構造と特徴 ③ 陰部洗浄
細目レベル ① 部分浴とは、一部分をお湯に浸すことであり、温熱作用、清潔保持(感染予防)、リラックス効果の目的で実施されることを説明が出来る。陰部洗浄とは、陰部に湯をかけ、石けんを使用して洗浄することで、主に陰部の汚染を除去し、感染などを予防するために行われることを説明できる。しかし、陰部には膀胱に繋がる尿道口があり、陰部洗浄の実施方法を誤ると、尿路感染などを起こす危険性があるため、清潔・不潔に配慮した援助技術が必要である。また、陰部とは粘膜や排泄物が付着をしている部位であるため、スタンダードプリコーションに則り、感染源を広げない技術が必要であることについて説明できる
② 陰部の構造は男性と女性で異なり、男性は亀頭部を覆う包皮の裏や、陰茎の根元、陰嚢の裏に汚れがたまりやすいと説明できる。一方、女性は大陰唇と小陰唇の間に汚れがたまりやすいことや、女性の場合は尿道が短い上に、外尿道口から腟・肛門との距離が近く、尿路感染が生じやすいという特徴について説明することが出来る。このことから、陰部洗浄を行う際には、男性の場合は包皮を反転させて洗浄し、女性の場合は小陰唇を開いて洗浄し、尿道口から肛門まで清潔な部位から不潔な部位に向かって洗浄する必要性について説明することが出来る。なお、汚れが溜まりやすく、おむつなどを着用している場合には、陰部が蒸れやすい状態であるため、陰部洗浄をする際には、排泄物の観察だけでなく、陰部の皮膚や粘膜の状態も観察することが重要であることを説明できる。
③ 陰部洗浄の援助の実際では、温湯は38~40℃を準備し、温度計と看護者の前腕内側の両方で確認したうえで、患者の鼠径部に少しかけて温度確認をすることが熱傷などを防ぐために必要であることを説明できる。また、尿路感染を予防するための洗浄方法(女性は小陰唇を開いて、男性は包皮を反転させ、尿道口から清潔度の高いところから順に肛門に向かって洗浄する洗浄の順番)と、洗浄剤を温湯で流す際には750~1000ml程度(陰部洗浄ボトル1本分)の温湯を使用して洗浄成分を残らないように洗浄することについて説明できる。スタンダードプリコーションに沿った必要なPPEや着脱のタイミング、手指消毒と手袋交換のタイミングについて適切な援助方法について考え、理解することが出来る。また、観察項目として皮膚や粘膜の汚れ、臭い、分泌物の有無、掻痒感、痛み、発赤や出血の有無の観察の必要性と観察項目を列挙できる。
キーワード ① 陰部洗浄 ② 尿路感染 ③ 陰部 ④ 会陰部 ⑤ 肛門部
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、陰部の機能と構造は、本コマに関わる重要な解剖生理学の知識であるため、解剖生理学テキスト等を用いて学習をする。教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の166~168ページ、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の175~183ページを熟読する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「おむつ交換と陰部洗浄ver.4」「便・尿器援助と陰部洗浄ver.3」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo!」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「清潔・衣生活援助技術」内にある「陰部洗浄」を閲覧する。そして、教員が作成したオリジナルノートにある講義事前課題19・20ページを実施する。
復習として、講義時に実施したmanaba小テストで間違えた問題を再度、やり直し、該当箇所の教科書を熟読し、講義ノート53・54ページを復習する。また、該当する動画で実施方法とその根拠や留意点について復習する。なお、第2回「感染予防の技術」の講義(講義ノートp.28-31)を復習し、陰部洗浄での手袋の着脱、手指消毒の適切なタイミングについて復習し、整理する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

18 【第25・26回:演習】清潔・衣生活の援助(足浴・手浴) 科目の中での位置付け このコマの主題は清潔・衣生活の援助(足浴)である。ここでは、第7回講義で学習した皮膚・頭皮・粘膜の構造や機能、第1・2回感染予防の技術で学んだ清潔・不潔の概念を想起し、身体的な清潔の意義を理解したうえで、足浴の実施方法とその根拠や留意点を踏まえ、ベッド上での足浴、椅座位での足浴を実施し、確実に習得する。具体的には、部分浴は、温熱作用、清潔保持、リラックス効果があり、目的に合わせて洗浄方法や温湯の浸水時間などを決定することができる。また、姿勢保持、運動機能、体温、好み、習慣について観察し、アセスメントして、座位と臥位の足浴を選択することができる。患者の準備では、必要時安楽枕を使用して体位を整え、バスタオルで保温することができる。湯の温度確認では温度計と看護者の前腕内側での確認をしてから、患者の手や足に少しかけて温度確認を行い、皮膚割線があることを理解して、皮膚割線に沿って洗浄することが出来る。
このコマのもう一つの主題は清潔・衣生活の援助の手浴である。ここでも第7回講義で学習した皮膚・頭皮・粘膜の構造や機能、第1・2回感染予防の技術で学んだ清潔・不潔の概念を想起し、身体的な清潔の意義を理解したうえで、手浴の実施方法とその根拠や留意点を踏まえ、ベッド上臥位での手浴、ベッドサイドの椅子に移動した坐位での手浴を実施し、確実に習得する。具体的には、部分浴は、温熱作用、清潔保持、リラックス効果があり、目的に合わせて洗浄方法や温湯の浸水時間などを決定することができる。また、姿勢保持、運動機能、体温、好み、習慣について観察し、アセスメントして、座位と臥位の手浴を選択することができる。患者の準備では、必要時安楽枕を使用して体位を整え、バスタオルで保温することができる。湯の温度確認では温度計と看護者の前腕内側での確認をしてから、患者の手に少しかけて温度確認を行い、皮膚割線に沿って洗浄することが出来る。演習時は、看護師としての実践から得た経験や事例をもとに、様々な手浴、足浴の方法について根拠と結びつけて教授する。

・オリジナル演習ノートp46~49,105~107、125~128
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p108~142、50~166、168~177、181~191
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2018、p40~163、164~174、184~217
コマ主題細目 ① 足浴(臥位) ② 足浴(座位) ③ 手浴(坐位) ④ 手浴(臥位)
細目レベル ① 臥位の足浴では、温熱作用、清潔保持、リラックス効果があり、目的に合わせて洗浄方法や温湯の浸水時間などを決定することができる。また、姿勢保持、運動機能、体温、好み、習慣について観察し、座位がとれない患者に臥位の足浴を選択し、ベッド上で足浴をすることが出来る。患者の準備では、必要時安楽枕を下肢に使用し、腹部の緊張緩和や安定した体位に整え、下肢の露出している部分を必要時バスタオルで保温することができる。湯の温度確認では温度計と看護者の前腕内側での確認をしてから、患者の足に少しかけて温度確認を行ってから、下肢を温湯に浸し、洗浄することが出来る。足浴では実施時間と得られる効果が異なることを理解し、姿勢保持、運動機能、体温、好み、習慣、足浴の目的から、温湯に下肢を浸す時間など実施時間を調整して実施できる。観察項目として、皮膚や爪の状態、汚れの状態、対象の訴えについて患者への確認や観察ができる。
② 座位の足浴では、温熱作用、清潔保持、リラックス効果があり、目的に合わせて洗浄方法や温湯の浸水時間などを決定することができる。また、姿勢保持、運動機能、体温、好み、習慣について観察し、座位がとれる患者に対して、ベッドサイドで椅子に座って行う足浴を実施することが出来る。患者の準備では、椅子に移乗して安定した体位に整え、下肢の露出している部分を必要時バスタオルで保温することができる。湯の温度確認では温度計と看護者の前腕内側での確認をしてから、患者の足に少しかけて温度確認を行ってから、下肢を温湯に浸し、洗浄することが出来る。足浴では実施時間と得られる効果が異なることを理解し、姿勢保持、運動機能、体温、好み、習慣、足浴の目的から、温湯に下肢を浸す時間など実施時間を調整して実施できる。観察項目として、皮膚や爪の状態、汚れの状態、対象の訴えについて患者への確認や観察ができる。
③ 臥位の手浴では、温熱作用、清潔保持、リラックス効果があり、目的に合わせて洗浄方法や温湯の浸水時間などを決定することができる。また、姿勢保持、運動機能、体温、好み、習慣について観察し、椅子で座位がとれる患者に対して、ベッドサイドの椅子に移乗して手浴をすることが出来る。患者の準備では、患者を椅子に移乗し、必要時安楽枕を使用して上肢をオーバーテーブル上の洗面器に入れる際に負担が少なく安定した体位に整える。湯の温度確認では温度計と看護者の前腕内側での確認をしてから、患者の手に少しかけて温度確認を行ってから、手を温湯に浸し、洗浄することが出来る。手浴では実施時間と得られる効果が異なることを理解し、姿勢保持、運動機能、体温、好み、習慣、足浴の目的から、温湯に手を浸す時間など実施時間を調整して実施できる。観察項目として、皮膚や爪の状態、汚れの状態、対象の訴えについて患者への確認や観察ができる。
④ 臥位の手浴では、温熱作用、清潔保持、リラックス効果があり、目的に合わせて洗浄方法や温湯の浸水時間などを決定することができる。また、姿勢保持、運動機能、体温、好み、習慣について観察し、椅子で座位がとれない患者に対して、ベッド上で足浴をすることが出来る。患者の準備では、ベッドをギャッジアップしてファーラー位や坐位に整え、必要時安楽枕を使用して上肢をオーバーテーブル上の洗面器に入れる際に負担が少なく安定した体位に整える。湯の温度確認では温度計と看護者の前腕内側での確認をしてから、患者の手に少しかけて温度確認を行ってから、手を温湯に浸し、洗浄することが出来る。手浴では実施時間と得られる効果が異なることを理解し、姿勢保持、運動機能、体温、好み、習慣、足浴の目的から、温湯に手を浸す時間など実施時間を調整して実施できる。観察項目として、皮膚や爪の状態、汚れの状態、対象の訴えについて患者への確認や観察ができる。
キーワード ① 足浴 ② 手浴 ③ 洗浄剤 ④ 皮膚の観察 ⑤ 爪の観察
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の108~142、150~156、160~163ページ、160~166、174~177ページ、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の68~105、140~142、164~174、184~194ページ、教員が作成したオリジナルノート46~49を熟読し、演習事前課題105~107、125~128ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「臥床患者の足浴ver.3」、「座位患者の足浴ver.3」、「臥床患者の手浴」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「清潔・衣生活援助技術」内にある「足浴」、「手浴」を閲覧する。受講前にセルフトレーニングして手順を頭に入れておくことが望ましい。復習として、演習後の課題を実施し、セルフトレーニングをして確実に習得する。授業終了時に実施したmanaba小テスト、動画等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

19 【第27回:講義】休息の援助技術 休息の意義・睡眠の援助 科目の中での位置付け このコマの主題は、活動・休息の援助技術のうち、睡眠の援助技術である。休息と睡眠の関係性について理解し、普段の自分自身の生活を振り返り、休息の意義を考える。人の生体リズムの種類やそのリズムを整える必要性・重要性を理解する。特に睡眠リズム(レム睡眠・ノンレム睡眠)について知り、様々な条件(年齢・性別・個人差・季節)により差があることを理解する。また、睡眠が身体に与える影響についても理解する。現代社会において多くの人が休息・睡眠に関する問題を抱えていることを踏まえ、病床において少しでも睡眠の援助ができるようになることは非常に重要である。睡眠障害の種類(不眠症、過眠症、睡眠時無呼吸症候群等)と症状について知り、特に不眠の症状やその原因、援助方法とその根拠や留意点について理解する。臨床の場で実際に実施されている睡眠の援助や他の人が持っている就寝儀式ついても理解する。看護師としての看護実践現場での経験を踏まえて、睡眠の援助の実際について説明する。標準的な技術としての睡眠援助の個への適用方法について考える。
・オリジナル講義ノートp57~58
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p142~148
コマ主題細目 ① 生体リズムとレム睡眠・ノンレム睡眠 ② 睡眠障害 ③ 睡眠を促す援助
細目レベル ① 休息と睡眠の関係性について理解し、普段の自分自身の生活を振り返り、休息の意義を考える。人の生体リズムの種類やそのリズムを整える必要性・重要性を理解する。特に睡眠リズムには、脳は活動していても身体が休んでいる浅い眠りのレム睡眠と、脳が休んでいる深い眠りのノンレム睡眠があることを理解する。睡眠は誰にとっても必要不可欠であ
るが、様々な条件(年齢・性別・個人差・季節)により差があることを理解する。年齢では、発達に伴いリズムができてくるが高齢になるとノンレム睡眠が減少し浅い眠りとなりやすいこと、性別では女性は生理周期があることや睡眠時無呼吸症候群は男性に多いことなどが影響し睡眠に差があることを理解する。

② 多くの人が抱えている睡眠障害は、睡眠障害国試分類によると80種類を超えているが、大別すると不眠症、過眠症、概日リズム睡眠障害、睡眠時随伴症、精神障害に関する睡眠障害、身体的疾患に関連する睡眠障害、薬物に関連する睡眠障害があることを理解する。ここでは特に不眠症について理解を深める。不眠症状には、寝付くのに2時間以上かかる入眠障害、夜間に2回以上覚醒する中途覚醒、ぐっすり眠った感じがない熟眠障害、2時間以上早く覚醒する早朝覚醒があることを理解する。その原因として、痛みやかゆみ等による身体的要因、明るさや騒音等による生理的要因、ストレスや悩みによる心理的要因、精神疾患や薬物による要因があることを理解する。
③ 対象となる人に睡眠障害がある場合、入眠障害、中途覚醒、熟眠障害、早朝覚醒のいずれかであるのか、その原因は身体的要因、生理的要因、心理的要因、精神疾患や薬物による要因のどこにあるのか、観察・分析(アセスメント)する必要性を理解する。臨床の場で実際に実施されている睡眠の援助や他の人が持っている就寝儀式ついても理解する。睡眠は個人差が大きいため、要因に合わせて援助を考える必要性を理解する。標準的な技術としての睡眠の援助方法は、環境を整えること、サーカディアンリズムを整えること、入眠しやすい心身の準備を整えることである。特に寝る前のブルーライトは避け、起床時は日光を浴びること、入眠前に体温を上げておくことを理解する。
キーワード ① サーカディアンリズム ② レム睡眠・ノンレム睡眠 ③ 睡眠障害 ④ 不眠症状 ⑤ 就寝儀 式
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の142~148ページを熟読し、教員が作成したオリジナルノートにある講義事前課題21・22ページを実施する。
復習として、講義時に実施したmanaba小テストで間違えた問題を再度、やり直し、該当箇所の教科書を熟読する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

20 【第28回:講義】食生活と栄養摂取の援助技術①:食事・栄養摂取の意義としくみ・ アセスメント 科目の中での位置付け 人間が生きていく上で欠かすことのできない行為である食事・栄養摂取であるが、看護の対象となる人々は、食事・栄養摂取に問題を抱えている人が多い。また、問題を抱えていなくても、対象者を全人的に捉えるためには、栄養状態の評価が必須となる。そのため、生活援助技術として、栄養状態の評価・食事の援助を安全・安楽に行うことは、看護をするうえで必須の内容となる。
食事栄養摂取の意義には、生命維持に必要な栄養素・エネルギーを摂取する生理的意義、食事によって満足感を得る心理的意義、食事を共にして人間関係を促進する社会的・文化的意義がある。それら意義を踏まえ、食事・栄養摂取のアセスメントを的確に行い、食事の援助につなげていく必要がある。本コマにおいては、食事・栄養摂取のアセスメントの方法を健康な人を対象にした内容と入院患者を対象にした内容と分けて学び、それぞれの特徴を捉えていく。看護師としての看護実践現場での経験を踏まえて、食事のアセスメントやNST活動の実際について説明する。

・オリジナル講義ノートp59~64、p123~127
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p24~37
・看護がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p106~139
コマ主題細目 ① 食事・栄養摂取の意義 ② 健康な人の栄養状態の評価 ③ 入院している人の栄養状態の評 価
細目レベル ① 食事栄養摂取の意義には、生命維持に必要な栄養素・エネルギーを摂取する生理的意義、食事によって満足感を得る心理的意義、食事を共にして人間関係を促進する社会的・文化的意義がある。つまり自分の生活において考えると、食事をするという行為はどういうことなのか、改めて考えることができるようにする。食事・栄養摂取のしくみとして食欲→物を食べる→嚥下→消化吸収→栄養が摂取される、という流れがある。消化は食物を栄養素として吸収しやすいように分解し、吸収される臓器に運び、吸収は消化管内において消化された栄養素を胃・腸粘膜から取り入れ、血液またはリンパ液中に移行させることであり、消化吸収がされることで栄養が摂取できるということを踏まえると、栄養状態を評価するうえでは、摂食・嚥下の問題だけでなく、消化吸収障害がないか、疾患の理解も必要となる。
② 健康な人を対象とした場合、バランスよく栄養素・エネルギーを摂取できているか、整った食生活リズムか、食事で満足感を得ているか、食事を共にして人間関係を促進しているか、適正体重に見合った食事量・エネルギー摂取量か、という視点でアセスメントを行う。その中で、BMIの算出ができるようにし、また日本人の食事摂取基準より、推定エネルギー必要量を算出できるようにする。また、エネルギー産生栄養素である三大栄養素:炭水化物・脂質・タンパク質の適正バランスとアトウォーター指数より、1日の推定必要エネルギー量から適正三大栄養素の量を算出できるようにする。その他、身体計測、血液検査データ、外見より総合的に栄養状態の評価を行うことについて理解する。
③ 入院している人を対象とした場合、②の栄養状態の評価に加え、入院中における栄養評価が必要であることを理解する。すべての患者を、まずは栄養障害があるかないかふるいにかけ、栄養障害の可能性のある患者を抽出することを目的とすることを栄養スクリーニングという。入院中の栄養評価には、主観的包括的栄養評価(SGA)と客観的栄養評価(ODA)があり、SGAで問題ありと判定された場合に、客観的栄養評価を行い、栄養障害の程度を具体的に評価する。また栄養サポートチームという多職種で適正な栄養補給や栄養食事指導、栄養や食事の相談などを実施し栄養状態を改善していることについて学ぶ。また、患者の推定エネルギー必要量を算出する場合は、その治療や手術に合わせ算出する必要があること、嚥下機能障害や消化機能障害の有無を評価していくことについて理解する。
キーワード ① BMI ② 食事摂取基準 ③ 推定エネルギー必要量 ④ アトウォーター ⑤ 栄養評価
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」p24~37、「看護がみえるVol1」p106~139を熟読し、教員が作成したオリジナルノート内にある講義事前課題p.23・24を行う。本コマに関わる重要な解剖生理学の知識については、解剖生理学テキスト等を用い調べて事前課題を行う。また、栄養摂取のアセスメントにおいて、他者を評価する前にまずは自身の栄養状態を評価できる必要がある。事前課題では自分なりに自身の栄養状態について評価して本コマに臨む。
復習:授業内で行うmanaba小テストを復習する。講義で得た知識を活用し、事前課題で出した自身の栄養状態について再評価を行い、色ペンで評価内容を追加記載する。また、国家試験との関連にあるように、日本人の食事摂取基準より、1日の推定エネルギー必要量や三大栄養素の摂取量などの計算問題については、出題形式が違っても答えることができるよう復習をする。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

21 【第29回:講義】食生活と栄養摂取の援助技術②:食事の援助と口腔ケア 科目の中での位置付け 前コマ(食事・栄養摂取の意義としくみ・アセスメント)を踏まえたうえで、実際の食事の援助について学ぶ。実際の食事の援助の方法を学ぶ前提として、口腔・咽頭・喉頭の解剖、摂食・嚥下のメカニズムや誤嚥について理解することが必要である。なぜなら、食事摂取に関わる器官の障害がある対象者、また嚥下機能低下が起こりやすい高齢者を対象にすることが多いことから、食事の援助をする際はそれら器官の構造と機能を正しく理解し、安全に食事の援助をする必要があるからである。それら構造と機能の理解をし、実際の食事援助の方法について学ぶ。実際の食事援助の方法では、誤嚥しないための体位や介助の留意点を学び、食事の援助については常に誤嚥のリスクがあることを念頭において援助する必要がある。また、口腔ケアについては、食後に口腔ケアをするだけでなく、絶食中においても誤嚥性肺炎の発症リスクを低減するため、必要となるケアである。本コマでは口腔ケアの基本的な方法を学び、安全に実施するための留意点を理解し、演習につなげていく。看護師としての看護実践現場での経験を踏まえて、食事の援助の実際について説明する。
・オリジナル講義ノートp65~69
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p32~37,177~181
・看護がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p106~139
コマ主題細目 ① 摂食・嚥下のメカニズム ② 誤嚥 ③ 食事の援助 ④ 口腔ケア
細目レベル ① 食べるためには、様々な機能が必要とされる。摂食・嚥下を説明するための5期モデルでは、先行期・口腔準備期・口腔送り込み期・咽頭期・食道期に分かれる。講義内では、嚥下モデルの図を見ながら解説するが、摂食・嚥下に関わる器官の解剖図を立体的に捉え、摂食・嚥下のメカニズムを理解する必要がある。嚥下をする際の口腔・咽頭・喉頭の動きを立体的に理解するため、嚥下の動画をみながら理解できるようにする。また、実際にこの5期モデルを意識しながら、つまり舌の動き、軟口蓋や喉頭蓋などを意識しながら持参した食べ物を摂取する時間を設ける。自身で嚥下について意識しながら嚥下することで、正常に働く嚥下機能について理解を深める。また、嚥下には脳神経も密接に関連していることについても理解する。さらに、嚥下機能低下が起こりやすい高齢者はどういう機序で嚥下機能低下が起こっているのか理解する。
② 誤嚥とは、食べ物や水分、唾液などが、何らかの理由により声門を越えて気管に侵入することであり、通常は、気道防御機能や咳嗽反射が誤嚥を防いでいる。誤嚥性肺炎とは、咳、痰、発熱を主症状とし、食物、口腔・咽頭分泌物、胃液などとともに口腔内や胃内の常在菌を誤嚥することにより生じる肺炎の総称である。誤嚥すると必ず誤嚥性肺炎になるというわけではなく、口腔内細菌の増殖や免疫力の低下が組み合わさることで発症する。
ただし、高齢者や入院患者においては免疫力が低下している場合が多く、誤嚥した場合誤嚥性肺炎になるリスクが高いこと、また、絶食中においても正しく口腔ケアを行い、口腔内細菌の増殖を予防しなければ、誤嚥した場合容易に誤嚥性肺炎を発症することがあることを理解する。

③ 看護師は安全で円滑な食事摂取の援助をしなければならない。食事形態では、患者の病状、消化吸収能力、咀嚼力、嚥下機能などによって、食事形態が決定される。また、水分はさらさらしていて咽頭にすばやく流入するため、嚥下障害のある患者にとって1番むせやすい形態である。水分にとろみをつけることで咽頭通過の時間を少し遅くすることができ、誤嚥を予防できる。実際にとろみ(増粘剤)を使用している人は多く、その調整の方法について学び、演習で実践できるようにする。食事環境の準備の方法、また患者の準備として、誤嚥を招きやすい体位とならないよう、食事しやすい安楽で安定した体位を選択できるようにする。特に頸部の姿勢調整においては、前屈位であることが誤嚥を予防できることを体感してもらうため、実際に飲料水を飲む際に後屈位で飲むことを体験する。これらのことを通して、演習では実際に誤嚥に注意しながら援助できるようにする。
④ 口腔ケアは、歯垢や口腔内残渣などの汚れを除去し、口腔内の細菌繁殖を予防し、爽快感 を得ること、また口腔内の感覚を高め、口腔機能の維持・向上を図ることを目的に行う。口腔ケアは日常生活上欠かせないケアであり、臨床の場でも実施することが多い。絶食中であっても、口腔内の細菌繁殖を予防することから誤嚥性肺炎の予防にもつながるため、丁寧に毎日実施されるべき、重要なケアであることを理解する。
実際の口腔ケアの方法を学ぶ際にも重要となるのは、ケアそのものに誤嚥のリスクがあるということである。誤嚥を招かない体位の調整、口腔ケア物品の使用方法について理解する。ブラッシング方法や口腔粘膜清掃の方法、ガーグルベースンを用いたベッド上での含嗽の方法、その際の声のかけ方について学び、演習で活かすことができるようにする。

キーワード ① 摂食・嚥下5期モデル ② 誤嚥 ③ 誤嚥予防 ④ 食事援助 ⑤ 口腔ケア
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」p32~37、177~181、「看護がみえるVol1」p106~139を熟読し、教員が作成したオリジナルノート内にある講義事前課題p.23・24を行う。摂食・嚥下に関わる器官は、本コマに関わる重要な解剖生理学の知識であるため、解剖生理学テキスト等を用い調べて事前課題を行う。
復習:授業内で行うmanaba小テストを復習する。摂食・嚥下のしくみについて理解を深めるため、本コマ授業資料やテキストだけでなく、嚥下の動画についても活用をする。言葉で理解するのではなく、解剖図を思い浮かべながら嚥下について理解できるようにする。安全・安楽に食事の援助や口腔ケアを実施するために必要な事項について復習する。特に誤嚥につながらないようにする方法については国家試験で問われている内容である。演習で行う食事介助と口腔ケアの手順について復習し、実施の根拠について説明できるようにして演習に臨む。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

22 【第30回:講義】排泄の援助技術①排泄の意義としくみ・アセ スメント 科目の中での位置付け このコマの主題は、排泄の援助技術である。「排泄」とは、日常生活動作(activities of daily living; ADL)の一部であり、正常な排泄を細かく分解すると排泄の“機能”と“動作”によって成り立ち、この過程に障害がおこると援助が必要となることを理解する。また、排泄の生理的な意味として不要物を排出し体内の恒常性を保つだけでなく、心理・社会的な意味として自尊感情や自立心に深く影響することから羞恥心をいだきやすいという特性があることも理解する。このことから、排泄の援助では、プライバシーを整え、安心できる清潔な環境を整えることが必要であることや、自尊心を傷つけない言葉がけや配慮の必要性、限界まで排泄を我慢している場合が多いことからすぐに排泄できるよう準備することの必要性を理解する。排泄を援助するにあたり、基本的知識である排泄の仕組みとして尿と便の生成や性状、排便反射と排尿反射について理解する。副交感神経が優位になると、排尿・排便反射が起こることから、生理的な面においても患者がリラックスして排泄が出来る環境の重要性について理解する。また、「排泄(機能)障害」には「排出機能障害」と「貯留機能障害」があり、生活援助方法論では貯留機能障害である「尿失禁」「便失禁」「下痢」について学ぶ。そして、排泄を援助するためには、生理的な面だけでなく心理的社会的な面から生活全体を把握し、排泄の機能と動作のどの部分に問題があるかアセスメントする必要性やアセスメントの方法について理解する。看護師としての看護実践現場での経験を踏まえて、排泄のアセスメントの実際について説明する。
・オリジナル講義ノートp70~79
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p60~106
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p218~243
コマ主題細目 ① 排泄 ② 排泄の仕組みと排泄障害 ③ 排泄のアセスメント
細目レベル ① 排尿・排便とは、日常生活動作(activities of daily living; ADL)の一部であり、“機能”と“動作”によって成り立つことを説明できる。排泄の生理的な意味として、体内環境の恒常性を保つ役割があることから、排泄物を観察することで体内の恒常性が保たれているか、体内で起こっている問題を知ることができ、このことから排泄物の観察が重要であることが説明できる。心理的社会的な意味として発達の過程や文化的背景、生殖器と密接に関連することから、自尊感情や自立心に深く影響し、羞恥心を抱きやすいことが説明できる。また、援助の基本としてプライバシーの配慮や安心できる清潔な場所でゆっくりと排泄できる環境を作ること、自尊心を傷つけ内言葉がけやデリケートな部位をケアする配慮、限界まで排泄を我慢している患者に対してすぐに排泄できるよう準備する必要があることを述べることができる。
② 排泄の基本的な知識として、尿は血液から腎臓の腎小体で血液成分が濾過され、濾過された原尿が髄質の尿細管を通過しながら再吸収と分泌を受けて生成されることや、便は口腔から摂取した食物が消化され、吸収された残渣から生成される仕組みについて説明が出来る。また、生成された尿・便の正常な状態と、異常な状態について列挙でき、特に異常な尿量である、無尿、乏尿、多尿については、その定義についても説明することが出来る。さらに、生成された排泄物は一時的に膀胱や腸で貯留し、排泄出来るタイミング下で排尿反射・排便反射によって排泄される。この排便反射と排尿反射のメカニズムについて、関連する器官(膀胱、尿道、直腸、外・内括約筋)と神経系(仙随、脊髄、大脳皮質、骨盤内臓神経、下腹神経、陰部神経)、自律神経(交感神経、副交感神経)との関連も含めて、説明することが出来る。排便反射、排尿反射は副交感神経が優位になった際に起こることから、生理学的にもリラックスできプライバシーを配慮した排泄環境を整える必要があることについて説明できる。
そのうえで、排泄障害には、排出機能障害と貯留機能障害があり、貯留機能障害には尿失禁(腹圧性、切迫性、溢流性、反射性)、下痢、便失禁があり、その原因や症状について述べることができる。

③ 排泄のアセスメントでは、生理的(排泄機能・排泄動作)項目として排泄物の性状、排泄の状況、排泄動作・行動(体位変換、移動動作、体位保持、着脱動作、腹圧、排泄後の後始末、手洗いなど)、生活習慣(日常生活リズム、排泄リズム、食習慣運動など)についてアセスメントし、心理社会的項目として、生活習慣(生理的項目と重複する部分が多い)、心理・社会的問題(羞恥心、排泄に関する価値観など)についてアセスメントし、これらを総合してどの排泄援助が必要であるか選択することについて説明できる。このとき、このコマの最初に学んだ「排泄とは排泄機能と排泄行動から成り立つ」ことと結び付け、どの部分に問題がるかアセスメントすることで、適切な援助を選択できることについても説明できる。具体的なアセスメントと援助の選択では、便意や尿意が分からない・伝えられないなど貯留機能に障害がある場合はおむつを選択し、行動面に障害がある場合はADLに合わせて移動動作の選択をしたうえで、ポータブルトイレ、床上便器・尿器を選択することを説明できる。
キーワード ① 排泄(排尿・排便) ② 排出機能障害 ③ 尿失禁 ④ 下痢・便失禁 ⑤ アセスメント項目 (排泄物の性状、排泄の状況、排泄動作、生活習慣、心理・社会的側面)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、排泄の機能と構造は、本コマに関わる重要な解剖生理学の知識であるため、解剖生理学テキスト等を用いて、消化器系と泌尿器系の器官の名称、尿と便の生成過程、排尿と排便のメカニズムについて学習をする。また、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の60~106ページ、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の218~243ページを熟読し、排泄の定義、正常な排泄過程(機能+動作で成り立つ)、排泄の生理的、心理的、社会的な意義、排泄の仕組み、排泄障害(排泄機能障害:尿閉、便秘、貯留機能障害:尿失禁、便失禁、下痢)、排泄のアセスメントについて予習し、教員が作成したオリジナルノートにある講義事前課題25・26ページを実施する。復習として、講義時に実施したmanaba小テストで間違えた問題を再度、やり直し、該当箇所の講義ノートの68-77ページ、教科書を熟読する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

23 【第31回:講義】排泄の援助技術②排泄の援助 科目の中での位置付け このコマの主題は、排泄の援助技術である。排泄をするトイレとは、国によって様式が異なり、国内においても年代や習慣によって使用方法が異なるため、対象の習慣や価値観に配慮をした援助が必要であることを学ぶ。その上で、貯留機能障害および行動面に障害がある患者に対する排泄の援助として「おむつ」「ポータブルトイレ」「床上での尿器・便器」の援助があり、対象に合わせてどの援助方法や物品を選択したら良いか学ぶ。具体的には、ポータブルトイレの種類とADLに合わせた種類の選択と麻痺がある患者の設置場所、おむつの種類とサイズやADLに合わせた選択方法、おむつ交換の留意点(おむつのあてかた、ギャザーの立て方、テープの止め方、パットのあて方)、観察項目(腹部の状態や全身状態、皮膚の状態、排泄物の量・性状)、尿器・便器の周囲と殿部挙上や体格、排泄物に合わせた便器の選択方法、性別によって異なる尿器の種類、便器・尿器のあて方、観察項目(残尿感、残便感、腹部症状、気分不快・疲労感、排泄物の性状・量、皮膚の状態)について学ぶ。また、おむつの着用や排泄後の拭き方によって尿路感染症が起こる危険性があることを学び、観察の必要性や拭き方の順序(陰部、殿部、肛門部の順)について学ぶ。看護師としての看護実践現場での経験を踏まえて、排泄の援助の実際について説明する。
・オリジナル講義ノートp70~79
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p60~106
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p218~243
コマ主題細目 ① ポータブルトイレでの排泄援助 ② 臥床患者のおむつ交換 ③ 臥床患者の便・尿器援助
細目レベル ① トイレとは、各国によって便器の形や個室の定義が異なることや、日本においても和式トイレや洋式トイレの使用方法が年代によっても異なることを知ることができる。このことから、排泄を援助する際には、対象の文化や価値観に合わせた配慮や援助方法を考えることが重要であると述べることが出来る。ポータブルトイレには、メンテナンスがしやすく軽量で移動させやすいプラスチック製標準型、普段は椅子として使用でき、重量感があって安定している木製椅子型、軽量で折りたたみが出来る金属製コモード型があり、使用する場所やADLに合わせてどのタイプのポータブルトイレを選択したら良いか説明することができる。また。半身麻痺の患者の場合には、基本的には健側の足側にポータブルトイレを設置すると、健側の半身を使用して手すりにつかまることができるため、トイレへ移動しやすいことについて説明することができる。
② おむつは、外側のおむつと内側のパットを組み合わせて使用し、外側のおむつには臥床患者に用いるテープ式、座位や歩行可能な患者に用いるパンツ式、臥床と座位や歩行の両パターンで使用可能な2way式があり、患者のADLに合わせてどのおむつを選択するのが適切であるか説明することが出来る。内側のパットには、尿取りパットと軟便パットがあり、排泄物の内容と量によって選択することが説明できる。おむつ交換では、尿路感染予防のために、陰部、殿部、肛門部の順に拭くことが重要であり、おむつの左右中央を脊柱にあて、ギャザーを立て、テープを左右対称にとめることが重要である。おむつを着用している患者の観察項目として、腹部の状態や全身状態、排泄物の量や性状、皮膚の状態を列挙することができる。また、おむつを使用すると、褥瘡、皮膚炎、尿路感染症などを起こす危険性が上昇するため、安易におむつを使用せず、使用する場合には排泄物や皮膚の観察、清潔の保持が重要であることが説明できる。おむつは、外側のおむつと内側のパットを組み合わせて使用し、外側のおむつには臥床患者に用いるテープ式、座位や歩行可能な患者に用いるパンツ式、臥床と座位や歩行の両パターンで使用可能な2way式があり、患者のADLに合わせてどのおむつを選択するのが適切であるか説明することが出来る。内側のパットには、尿取りパットと軟便パットがあり、排泄物の内容と量によって選択することが説明できる。おむつ交換では、尿路感染予防のために、陰部、殿部、肛門部の順に拭くことが重要であり、おむつの左右中央を脊柱にあて、ギャザーを立て、テープを左右対称にとめることが重要である。おむつを着用している患者の観察項目として、腹部の状態や全身状態、排泄物の量や性状、皮膚の状態を列挙することができる。また、おむつを使用すると、褥瘡、皮膚炎、尿路感染症などを起こす危険性が上昇するため、安易におむつを使用せず、使用する場合には排泄物や皮膚の観察、清潔の保持が重要であることが説明できる。
③ 適した尿器・便器の選択、尿器・便器援助時の観察項目と方法について理解できる。具体的には、尿器には男性用、女性用の尿器があり、便器には和式便器、洋式便器、和洋折衷型便器、ゴム製便器があり、患者の殿部挙上の状態や体格、排泄物の量に合わせてどのように選択するか説明できる。排尿時は、女性の場合には会陰部に尿器を密着させ、男性の場合は陰茎を尿器に入れるなど、尿器の正しい使用方法について説明できる。排便時は便器を使用し、便器の受け口中央に肛門部がくるようにあてるあて方や、さらに女性の場合には尿が便器に流れるように陰部から便器内にかけてトイレットペーパーをあて、男性の場合には便器だけでなく尿器をあてて便器を使用することについて説明できる。また、自然排泄を促進するために、患者の状態や安静度から可能であれば、足底をベッドに付けた半座位に整えることについて説明ができる。排泄後は、尿路感染予防のため、陰部、殿部、肛門部の順に拭くことについて説明でき、観察項目として残尿感・残便感、腹部症状、気分不快・疲労感、排泄物の量・性状、皮膚の状態などを列挙することができる。
キーワード ① ポータブルトイレ ② おむつ ③ 尿器・便器 ④ 尿路感染症 ⑤ 褥瘡
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の60~106ページ、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の218~243ページを熟読する。グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「おむつ交換と陰部洗浄ver.4」「便・尿器援助ver.3」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo!」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「排泄援助技術」内にある「排泄の援助」「おむつ交換」と、同時に陰部洗浄も実施できるよう「清潔・衣生活援助技術」内にある「陰部洗浄」についても閲覧する。
復習として、講義時に実施したmanaba小テストで間違えた問題を再度、やり直し、該当箇所のオリジナルノートの68-77ページ、教科書を熟読する。動画等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。また、第1回と第2回講義内容を復習し、排泄の援助、おむつ交換および陰部洗浄での手袋の着脱、手指消毒の適切なタイミングについて復習し、整理する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

24 【第32・33回:演習】食生活と栄養摂取の援助技術 :食事の援助と口腔ケア 科目の中での位置付け 人間が生きていく上で欠かすことのできない行為である食事・栄養摂取であるが、看護の対象となる人々は、食事・栄養摂取に問題を抱えている人、例えば食事摂取に関わる器官の障害がある対象者、また嚥下機能低下が起こりやすい高齢者が対象となることが多いため、食事の援助を実施することは重要である。よって演習では、第28・29回講義で学んだ摂食・嚥下に関する器官の構造と機能を正しく理解し、誤嚥しないための体位や介助の留意点についての知識を活かし、実践する。また、口腔ケアについては、食後に口腔ケアをするだけでなく、絶食中においても誤嚥性肺炎の発症リスクを低減するため必要となるケアであり、食事と同様、毎日行われるケアとして修得するべき生活援助技術である。演習では口腔ケアの基本的な方法かつ安全に実施するための留意点を理解しながら実践する。演習時、看護師としての実践から得た経験や事例をもとに、食事の援助や口腔ケアについて根拠と結びつけて教授する。学生同士で看護師役・患者役をすることにより、演習後のフィードバックで実践して良かった点、悪かった点について学ぶ。
・オリジナル演習ノートp59~69、129~133
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p32~37,164~167、177~181
・看護がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p106~139
コマ主題細目 ① 食事の準備 ② 食事の介助 ③ 口腔ケア
細目レベル ① 演習事前課題において、食事の援助における手順、留意点・根拠、個別性について考え、記載する。その手順により実践する。実践するにあたり、提示した事例に基づき援助を行うが、事例では、ベッド上で自己摂取できるようセッティングができること、またベッドを倒した状態で看護者が食事の援助をしなければならない。それまでに演習で学習した体位の調整や手指消毒の実施も必要となる。特に、体位は誤嚥予防の観点より正しく調整できることが求められる。さらに食事の準備を行うにあたり、食事栄養摂取の意義について改めて振り返る。生命維持に必要な栄養素・エネルギーを摂取する生理的意義、食事によって満足感を得る心理的意義、食事を共にして人間関係を促進する社会的・文化的意義について考慮した食事環境となっているかアセスメントして、環境を整えることができるようにする。
② 演習事前課題において、食事の援助における手順、留意点・根拠、個別性について考え、記載する。その手順により実践する。実践するにあたり、提示した事例に基づき援助を行うが、事例では、ベッド上で自己摂取できるようセッティングができること、またベッドを倒した状態で看護者が食事の介助を行う。各自準備したゼリー等を、誤嚥しないよう摂取してもらうにはどのようにしたら良いか、体位や頸部の調整、またスプーンの出し入れの方法、一口量、介助者の位置・姿勢等、講義で学んできた内容を活かして実践する。また、実際にとろみ(増粘剤)を使用し、飲む体験をすることで、患者への理解を深める。演習後は患者役からフィードバックをもらい、実践した内容を振り返る。
③ 演習事前課題において、口腔ケアにおける手順、留意点・根拠、個別性について考え、記載する。その手順により実践する。実践するにあたり、提示した事例に基づき援助を行うが、事例では、ベッドを倒した状態で看護者が口腔ケアを行う。その中で、特に誤嚥しないよう口腔ケアをするにはどうしたら良いか、またガーグルベースンを用いたベッド上での含嗽について、講義で学んできた内容を活かして実践する。ブラッシング方法には、スクラビング法・バス法・ローリング法・フォーンズ法があり、各方法を意識してブラッシングできるようにする。演習後は患者役からフィードバックをもらい、実践した内容を振り返る。さらに、自宅でプラークテスターを用いて、家族等へ口腔ケアを実践し、その評価を行う。
キーワード ① 嚥下機能 ② 頸部前屈 ③ 食事援助 ④ 口腔ケア ⑤ 誤嚥予防
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:本コマで行う食事援助と口腔ケアでは、誤嚥のリスクがあるということを念頭において演習に取り組む必要がある。そのため、事前に教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」p32~37、177~181、「看護がみえるVol1」p106~13、教員が作成したオリジナルノートp.59~69、p129~133を熟読、記入し、配信した動画の視聴により手順、留意点等をおさえ、演習事前課題の事例に合った個別性のある看護を考えたうえで演習に臨む。
復習:演習後課題により技術の振り返りを行う。患者役からのフィードバックを通して、自身で気付けなかった点について振り返る。様々なテキストや動画(配信した動画だけでなく他の動画も含む)を確認し、それぞれ方法・手順の異なる点はあるものの、共通する看護には何があるか、自身の意見をまとめる。さらにプラークテスターを用いて、口腔ケアを実施し口腔ケアの改善点について意見をまとめる。またできなかった内容や実施不足と感じた内容についてはセルフトレーニングを行い、確実に食事の援助と口腔ケアが行えるようにする。授業終了時に実施したmanaba小テストも復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

25 【第34・35回:演習】排泄の援助技術(便尿器援助と陰部洗浄) 科目の中での位置付け このコマの主題は、清潔・衣生活の援助の陰部洗浄と排泄援助の便尿器の援助の2点である。貯留機能障害および行動面に障害がある患者に対する排泄の援助としておむつ交換、ポータブルトイレの使用、床上での尿器・便器の援助があることを学んだ。今回の演習では、尿器・便器の周囲と殿部挙上や体格、排泄物に合わせた便器の選択方法、性別によって異なる尿器の種類、便器・尿器のあて方、観察項目(残尿感、残便感、腹部症状、気分不快・疲労感、排泄物の性状・量、皮膚の状態)について演習を行い、技術を確実に習得する。なお、排泄後の拭き方によって尿路感染症が起こる危険性があることを学び、観察の必要性や拭き方の順序(陰部、殿部、肛門部の順)を習得する。また、排泄援助と同時に行うことが多い陰部洗浄の援助方法では、羞恥心を配慮した環境を整え、38~40℃程度の湯を準備するが、湯の温度は温度計と前腕内側で確認してから、患者の鼠径部にかけて確認することを学ぶ。また、陰部の洗い方として、陰部の構造上、男性と女性で汚れが溜まりやすい部位を意識した洗い方や、尿路感染症を予防するために尿道口を最初に洗浄し、清潔度が高いところから順に肛門に向かって洗浄をしていくことを、演習で技術として習得する。女性の場合は小陰唇を開いて洗浄し、男性の場合は包皮を反転させて洗浄し(洗浄後反転を戻す)、泡を流すときには750~1000mlの温湯を十分に流し洗浄成分が残らないように洗浄できる。また、陰部洗浄時の観察項目は、皮膚や粘膜の汚れ、臭い、分泌物の有無、掻痒感、痛み、発赤や出血の有無であることも学び、援助の前後で観察や患者への確認をすることを習得する。演習時、看護師としての実践から得た経験や事例をもとに、排泄の援助や陰部洗浄の実際について根拠と結びつけて教授する。
・オリジナル演習ノートp70~79,135~137
・新体系看護学全書 専門分野Ⅰ基礎看護学 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2018、p60~106、166~168
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p175~183、218~243
コマ主題細目 ① 便器援助 ② 尿器援助 ③ 陰部洗浄
細目レベル ① 排泄の援助の基本として、プライバシーの配慮や安心できる清潔な場所でゆっくりと排泄できる環境を作ること、自尊心を傷つけない言葉がけやデリケートな部位をケアする配慮、限界まで排泄を我慢している患者に対してすぐに排泄できるよう、便器の援助の準備をすることができる。便器には、和式便器、様式便器、和洋折衷便器、ゴム製便器があることを理解し、演習では挿入しやすく適度に安定しある程度容積のある和洋折衷便器を使用する。事前準備では、便秘専用カバーを付け、便器の中にトイレットペーパーを敷き、便器カバーで覆うなど、物品の準備が出来る。患者の準備では、保温やプライバシーに配慮して下肢を保温しながら、防水シーツを敷いた後、便器を適切な(便器の中央が肛門部に来る)位置に挿入することが出来る。便器を設置したら、自然排便しやすいよう足底をベッドに接地した半座位に整えることができる。女性が排尿する場合には、陰部からトイレットペーパーを便器内に垂らしてあて、男性が排尿する場合には尿器をあてることができる。排泄後は、尿路感染予防のため、陰部、殿部、肛門部の順に拭くことができ、排泄前後は腹部症状、気分不快、疲労の有無、皮膚の状態を観察し、排便後には、排泄物の量や性状、残便感、残尿感を観察することが出来る。
② 尿器には男性用、女性用の尿器があることを理解し、対象に合わせて選択することが出来る。尿器を当てる際には、男性の場合は陰茎を尿器に入れ、女性の場合は会陰に尿器をあてて排尿を促すことが出来る。また、自然排泄を促進するために、可能であれば足底をベッドに付けた半座位に整えることができる。排便をする際には、女性は尿器を使用せず、陰部からトイレットペーパーを便器内に垂らして排尿するよう援助することが出来、男性の場合は排便の有無にかかわらず排尿をする際には尿器を使用して援助することが出来る。排泄後は、尿路感染予防のため、陰部、殿部、肛門部の順に拭くことができ、観察項目として残尿感・残便感、腹部症状、気分不快・疲労感、排泄物の量・性状、皮膚の状態を観察することができる。
③ 陰部洗浄では、温湯は38~40℃を準備したら、温度計と看護者の前腕内即で確認してから患者の鼠径部に少しかけて温度確認ができる。また、男性・女性の構造に合わせて汚れが溜まりやすい部位を意識して洗い、尿路感染を予防するための洗浄方法(女性は小陰唇を開いて、男性は包皮を反転させ、尿道口から清潔度の高いところから順に肛門に向かって洗浄する洗浄の順番)と、洗浄剤を温湯で流す際には750~1000ml程度(陰部洗浄ボトル1本分)の温湯を使用して洗浄成分が残らないように洗浄することができる。手指消毒と手袋交換のタイミングを適切に実施して汚染を広げずに援助でき、観察項目として皮膚や粘膜の汚れ、臭い、分泌物の有無、掻痒感、痛み、発赤や出血の有無を観察できる。
キーワード ① 排泄援助 ② 便器 ③ 尿器 ④ 陰部洗浄 ⑤ 尿路感染
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、皮膚の機能と構造は、本コマに関わる重要な解剖生理学の知識であるため、解剖生理学テキスト等を用いて学習をする。教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の60~106、166~168ページを熟読し、技術動画を閲覧する。また、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の175~183、218~243ページ、教員が作成したオリジナルノート70~79を熟読し、演習事前課題135~137ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「便・尿器援助」「便・尿器援助と陰部洗浄」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kangoroo.com/mv/にアクセスして、「排泄援助技術」内にある「排泄の援助」と、同時に陰部洗浄も実施できるよう「清潔・衣生活生活援助技術」内にある「陰部洗浄」を閲覧する。これらテキスト動画の学習をしたうえで、セルフトレーニングを行ってから演習に参加する。
復習として、演習後の課題を実施し、セルフトレーニングをして確実に習得する。授業終了時に実施したmanaba小テスト、動画等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。また、第1回と第2回講義内容を復習し、排泄の援助および陰部洗浄での手袋の着脱、手指消毒のタイミングについてよかったか振り返り、適切な実施のタイミングについて検討し、整理する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

26 【第36・37回:演習】排泄の 援助技術(おむつ交換 ・陰部洗浄)・事例への介入(個人ワーク) 科目の中での位置付け このコマの主題は、清潔・衣生活の援助の陰部洗浄と排泄援助のおむつ交換の2点である。貯留機能障害および行動面に障害がある患者に対する排泄の援助としておむつ交換、ポータブルトイレの使用、床上での尿器・便器の援助があることを学んだ。今回の演習では、臥床する患者に用いるテープ型おむつと尿取りパットを交換する演習を行い、患者に合ったサイズのものを選択することができる。おむつ交換の援助では、尿路感染予防のため陰部、殿部、肛門部の順に拭くことが重要であり、おむつをあてる際には左右中央が脊柱に来るようにあて、ギャザーを立ててテープを左右対称にとめること、おむつを着用している患者の観察項目として、腹部の状態や全身状態、排泄物の量や性状、皮膚の状態を観察することを確実に習得する。また、排泄援助と同時に行うことが多い陰部洗浄の援助方法では、羞恥心を配慮した環境を整え、38~40℃程度の湯を準備するが、湯の温度は温度計と前腕内側で確認してから、患者の鼠径部にかけて確認することを学ぶ。また、陰部の洗い方として、陰部の構造上、男性と女性で汚れが溜まりやすい部位を意識した洗い方や、尿路感染症を予防するために尿道口を最初に洗浄し、清潔度が高いところから順に肛門に向かって洗浄をしていくことを、演習で技術として習得する。女性の場合は小陰唇を開いて洗浄し、男性の場合は包皮を反転させて洗浄し(洗浄後反転を戻す)、泡を流すときには750~1000mlの温湯を十分に流し洗浄成分が残らないように洗浄できる。また、陰部洗浄時の観察項目は、皮膚や粘膜の汚れ、臭い、分泌物の有無、掻痒感、痛み、発赤や出血の有無であることも学び、援助の前後で観察や患者への確認をすることを習得する。演習時、看護師としての実践から得た経験や事例をもとに、おむつ交換や陰部洗浄について根拠と結びつけて教授する。
第44・45回SP(模擬患者)セッションに向けて、事例への介入(事前課題)を個人で実施する。看護の対象となる人がその人らしく生活できるように、対象を尊重し、その人に合った看護を提供するための基礎となるように、標準的な技術としての個への適用方法について考える。

・オリジナル演習ノートp70~79、138~142、143~158
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p60~106、166~168
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p175~183、218~243
コマ主題細目 ① おむつ交換 ② 尿取りパットの交換 ③ 陰部洗浄 ④ 事例への介入(個人ワーク)
細目レベル ① おむつには、外側のおむつと内側のパットがあり、サイズとADLに合わせて選択することができる。演習では、殿部挙上が困難な対象のおむつ交換をするため、テープ式のおむつを使用しておむつ交換をすることが出来る。おむつ交換をする際には、プライバシーや保温に留意して環境を整え、掛け物や寝衣が汚染しないよう露出することができる。おむつをあけたら、皮膚を傷つけないようテープのマジックテープ部分を内側におり、排泄物で汚れている部分をずらし(尿取りパットのみ汚れている場合は、尿取りパットを外し)、尿路感染に注意して陰部、殿部、肛門部の順に拭くことが出来る。側臥位に体位交換し、古いおむつを外し、新しいおむつを左右中央が脊柱にくるようにあてたら、テープを左右対称にとめ、寝衣を整えることができる。また、全体を通してスタンダードプリコーションに沿って、清潔、不潔に留意して、手袋の交換、PPE着脱、手指消毒、物品の取り扱いをすることが出来る。おむつ交換では、腹部の状態や全身状態、皮膚の状態、排泄物の量や性状を観察することが出来る。
② おむつには、外側のおむつと内側のパットがあり、性別、排便の量・性状、ADLに合わせて内側のパットを選択することができる。演習では、殿部挙上が困難で下痢がない対象のおむつ交換をするため、テープ式のおむつに尿取りパットを使用することができる。おむつ交換をする際には、プライバシーや保温に留意して環境を整え、掛け物や寝衣が汚染しないよう露出することができる。おむつをあけたら、排泄物で汚れている尿取りパットを外し、尿路感染に注意して陰部、殿部、肛門部の順に拭くことが出来る。尿取りパットは、女性の場合は陰部から殿部にかけておむつの内側に敷いて使用し、男性の場合は陰茎に巻いてあてることが出来る。また、全体を通してスタンダードプリコーションに沿って、清潔、不潔に留意して、手袋の交換、PPE着脱、手指消毒、物品の取り扱いをすることが出来る。
③ 陰部洗浄では、温湯は38~40℃を準備したら、温度計と看護者の前腕内即で確認してから患者の鼠径部に少しかけて温度確認ができる。また、男性・女性の構造に合わせて汚れが溜まりやすい部位を意識して洗い、尿路感染を予防するための洗浄方法(女性は小陰唇を開いて、男性は包皮を反転させ、尿道口から清潔度の高いところから順に肛門に向かって洗浄する洗浄の順番)と、洗浄剤を温湯で流す際には750~1000ml程度(陰部洗浄ボトル1本分)の温湯を使用して洗浄成分を残らないように洗浄することができる。手指消毒と手袋交換のタイミングを適切に実施して汚染を広げずに援助でき、観察項目として皮膚や粘膜の汚れ、臭い、分泌物の有無、掻痒感、痛み、発赤や出血の有無を観察できる。
④ 第44・45回SP(模擬患者)セッションに向けて、事例への介入(事前課題)を個人で実施する。具体的にはシーツ交換と環境調整、足浴、洗髪、全身清拭と寝衣交換の援助計画を立案する。看護の対象となる人がその人らしく生活できるように、対象を尊重し、その人に合った看護を提供するための基礎となるように、標準的な技術としての個への適用方法について考える。
キーワード ① おむつ・尿取りパッド ② ギャザー ③ シーツ交換・環境調整 ④ 部分浴(足浴・洗髪) ⑤ 全身清拭・寝衣交換
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、皮膚の機能と構造は、本コマに関わる重要な解剖生理学の知識であるため、解剖生理学テキスト等を用いて学習をする。教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の60~106、166~168ページを熟読し、技術動画を閲覧する。また、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の175~183、218~243ページ、教員が作成したオリジナルノート70~79を熟読し、演習事前課題138~142ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「おむつ交換と陰部洗浄ver.4」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「排泄援助技術」内にある「おむつ交換」と、同時に陰部洗浄も実施できるよう「清潔・衣生活生活援助技術」内にある「陰部洗浄」を閲覧する。これらテキスト動画の学習をしたうえで、セルフトレーニングを行ってから演習に参加する。
復習として、演習後の課題を実施し、セルフトレーニングをして確実に習得する。授業終了時に実施したmanaba小テスト、動画等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。また、第1回と第2回講義内容を復習し、排泄の援助、おむつ交換および陰部洗浄での手袋の着脱、手指消毒のタイミングについてよかったか振り返り、適切な実施のタイミングについて検討し、整理する。
「事例への介入」の予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ」、「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」、教員が作成したオリジナルノートの該当ページを熟読し、演習事前課題143~158ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が作制作した動画を何度も閲覧して手順、留意点を見直す。セルフトレーニングをして確実に習得する。
「事例への介入」の復習として、グループで事前課題について話し合った後、追加・修正を自分の事前課題に加える。不足していた部分の教科書該当ページを熟読し、動画等で手順や留意点を見直す。セルフトレーニングをして確実に習得する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

27 【第38・39回:実技試験】実技試験・事例への介入(個人ワーク) 科目の中での位置付け このコマの主題は、生活行動の援助技術の実技試験である。第1~36回までに習得した生活行動の援助技術(安楽確保の技術、環境を整える技術、活動の援助技術、清潔・衣生活の援助技術、食生活と栄養摂取の援助技術、排泄の援助技術)について、その根拠と留意点を十分理解して実施する。また、並行して開講される「看護コミュニケーション論」の知識と技術を活用して、看護の対象となる人とコミュニケーションをとり、実施前・実施中・実施後を通して看護の対象となる人の観察を行い、安全・安楽に配慮して実施する。
第44・45回SP(模擬患者)セッションに向けて、看護の対象となる人がその人らしく生活できるように、対象を尊重し、その人に合った看護を提供するための基礎となるように、標準的な技術としての個への適用方法について考える。

・オリジナル演習ノートp27~28、143~158
・新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021
コマ主題細目 ① 実技試験 ② 事例への介入(個人ワーク)
細目レベル ① 第1~36回までに習得した生活行動の援助技術について、実技試験前日に決定した技術項目の根拠や留意点を十分理解して、規定時間内で実施する。また、患者役を実施する学生とコミュニケーションをとり、観察しながら安全・安楽に配慮してについて理解する。事例設定に基づいて、患者役、看護師役を実施する。第1~3回で習得した看護共通基本技術である感染予防の技術(衛生学的手洗い・擦式消毒剤を使用した手指消毒)、ボディメカニクスを活用して、実技試験前日に決定した技術項目を確実に実施する。
② ここでは、第44・45回SP(模擬患者)セッションに向けて、課題であった設定された事例に対して生活行動の援助技術、具体的にはシーツ交換と環境調整、足浴、洗髪、全身清拭・寝衣交換の個への適用を個人で考え援助計画を立案する。看護の対象となる人がその人らしく生活できるように、対象を尊重し、その人に合った看護を提供するための基礎となるように、標準的な技術としての個への適用方法について考える。
キーワード ① 全身清拭・寝衣交換 ② 症状排泄・陰部洗浄 ③ おむつ交換 ④ 部分浴(足浴・洗髪)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ」、「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」、教員が作成
したオリジナルノートの該当ページを熟読し、演習事前課題27・28ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画を何度も閲覧して手順、留意点を見直す。セルフトレーニングをして確実に習得する。復習として、実技試験の自己評価表を記載し、不足していた部分の教科書該当ページを熟読し、授業終了時に実施したmanaba小テスト、動画等で手順や留意点を見直す。セルフトレーニングをして確実に習得する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

28 【第40・41回:実技試験】実技試験・事例への介入(グループワーク) 科目の中での位置付け このコマの主題は、生活行動の援助技術の実技試験である。第1~36回までに習得した生活行動の援助技術(安楽確保の技術、環境を整える技術、活動の援助技術、清潔・衣生活の援助技術、食生活と栄養摂取の援助技術、排泄の援助技術)について、その根拠と留意点を十分理解して実施する。また、並行して開講される「看護コミュニケーション論」の知識と技術を活用して、看護の対象となる人とコミュニケーションをとり、実施前・実施中・実施後を通して看護の対象となる人の観察を行い、安全・安楽に配慮して実施する。第44・45回SP(模擬患者)セッションに向けて、看護の対象となる人がその人らしく生活できるように、対象を尊重し、その人に合った看護を提供するための基礎となるように、標準的な技術としての個への適用方法について個人で考えた援助計画を持ち寄りグループで最善の援助計画を考える。
・オリジナル演習ノートp27~28
・新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021
コマ主題細目 ① 実技試験 ② 事例への介入(グループワーク)
細目レベル ① 第1~36回までに習得した生活行動の援助技術について、実技試験前日に決定した技術項目の根拠や留意点を十分理解して、規定時間内で実施する。また、患者役を実施する学生とコミュニケーションをとり、観察しながら安全・安楽に配慮してについて理解する。
事例設定に基づいて、患者役、看護師役を実施する。第1~3回で習得した看護共通基本技術である感染予防の技術(衛生学的手洗い・擦式消毒剤を使用した手指消毒)、ボディメカニクスを活用して、実技試験前日に決定した技術項目を確実に実施する。

② ここでは、第44・45回SP(模擬患者)セッションに向けて、個人で考えた事例への介入(事前課題)を持ち寄り、設定された事例に対して援助計画をグループメンバーで話し合い、より良い援助計画にする。具体的にはシーツ交換と環境調整、足浴、洗髪、全身清拭と寝衣交換の援助計画をグループワークする。また、グループ内で患者役、看護師役の役割分担をし、実際に技術練習をする。設定された事例に対して、その根拠や留意点について再確認する。看護の対象となる人がその人らしく生活できるように、対象を尊重し、その人に合った看護を提供するための基礎となるように、標準的な技術としての個への適用方法について考える。
キーワード ① 全身清拭・寝衣交換 ② 症状排泄・陰部洗浄 ③ おむつ交換 ④ 部分浴(足浴・洗髪)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ」、「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」、教員が作成したオリジナルノートの該当ページを熟読し、演習事前課題27・28ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画を何度も閲覧して手順、留意点を見直す。セルフトレーニングをして確実に習得する。復習として、実技試験の自己評価表を記載し、不足していた部分の教科書該当ページを熟読し、授業終了時に実施したmanaba小テスト、動画等で手順や留意点を見直す。セルフトレーニングをして確実に習得する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

29 【第42・43回:演習】実技試験フィードバック・事例への介入(グループワーク・技術練習) 科目の中での位置付け このコマの主題は、実技試験フィードバックと事例への介入(グループワーク・技術練習)である。実技試験フィードバックでは、第38~41回で実施した生活行動の援助技術の実
技試験について、担当教員から個別でフィードバックを受け、自分自身の試験結果を見直す。併せて実技試験では実施しなかった技術項目である第1~36回までに習得した生活行動の援助技術(安楽確保の技術、環境を整える技術、活動の援助技術、清潔・衣生活の援助技術、食生活と栄養摂取の援助技術、排泄の援助技術)について見直し、その根拠と留意点を再度確認する。実技試験フィードバック時間以外は、第44・45回SP(模擬患者)セッションに向けて、事例への介入(事前課題)をグループで話し合う。また、グループ内で患者役、看護師役の役割分担をし、実際に技術練習をする。看護の対象となる人がその人らしく生活できるように、対象を尊重し、その人に合った看護を提供するための基礎となるように、標準的な技術としての個への適用方法について考える。

・オリジナル演習ノートp143~158
・新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021
コマ主題細目 ① 実技試験フィードバック ② 事例への介入(グループワーク・技術練習)
細目レベル ① ここでは、実技試験のフィードバックを行う。実技試験フィードバックでは、第38~41回で実施した生活行動の援助技術の実技試験について、担当教員から個別でフィードバックを受ける。担当教員から試験結果を聞いて、自分自身の自己評価を見直す。併せて実技試験では実施しなかった技術項目である第1~36回までに習得した生活行動の援助技術(安楽確保の技術、環境を整える技術、活動の援助技術、清潔・衣生活の援助技術、食生活と栄養摂取の援助技術、排泄の援助技術)について見直し、その根拠と留意点を再度確認する。また、対象となる人の安全・安楽に配慮して実施する方法について再度確認する。確認後、セルフトレーニングをして確実に習得する。
② ここでは、第44・45回SP(模擬患者)セッションに向けて、事例への介入(事前課題)を持ち寄り、設定された事例に対して援助計画をグループメンバーで話し合い、より良い援助計画にする。具体的にはシーツ交換と環境調整、足浴、洗髪、全身清拭と寝衣交換の援助計画をグループワークする。また、グループ内で患者役、看護師役の役割分担をし、実際に技術練習をする。設定された事例に対して、実際に技術練習をすることでその根拠や留意点について再確認する。看護の対象となる人がその人らしく生活できるように、対象を尊重し、その人に合った看護を提供するための基礎となるように、標準的な技術としての個への適用方法について考える。
キーワード ① 全身清拭・寝衣交換 ② 床上排泄・陰部洗浄 ③ おむつ交換 ④ シーツ交換・環境調整 ⑤ 部分浴(足浴・洗髪)
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ」、「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」、教員が作成したオリジナルノートの該当ページを熟読し、演習事前課題143~158ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画を何度も閲覧して手順、留意点を見直す。セルフトレーニングをして確実に習得する。復習として、グループで事前課題について話し合った後、追加・修正を自分の事前課題に加える。不足していた部分の教科書該当ページを熟読し、授業終了時に実施したmanaba小テスト、動画等で手順や留意点を見直す。セルフトレーニングをして確実に習得する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

30 【第44・45回:演習】SP(模擬患者)セッション 科目の中での位置付け このコマの主題は、SP(模擬患者)セッションである。代表グループが第1~3回で習得した看護共通基本技術である感染予防の技術(衛生学的手洗い・擦式消毒剤を使用した手指消毒)、ボディメカニクスを活用し、第4~36回までに習得した生活行動の援助技術(安楽確保の技術、環境を整える技術、清潔・衣生活の援助技術)を模擬患者に対して実際に実施する。見学するグループは、評価表に沿って見学し、実施グループに対してフィードバックを行う。具体的には、2事例について援助計画を実施する。原因不明の発熱、倦怠感のため検査入院中である患者を設定し、患者の状態(微熱程度となり倦怠感は軽快、病室内トイレに歩行できる)を考慮し、病棟シーツ交換日のため、担当学生がシーツ交換・環境調整を担当するセッションと、足浴、洗髪、全身清拭・寝衣交換を担当するセッションの2つである。看護の対象となる人がその人らしく生活できるように、対象を尊重し、その人に合った看護を提供する。
・オリジナル演習ノートp143~164
・新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021
コマ主題細目 ① SPセッション(シーツ交換・環境調整) ② SPセッション(全身清拭・寝衣交換) ③ SPセッション(足浴・洗髪)
細目レベル ① ここでは、当日決定した代表グループが第1~3回で習得した看護共通基本技術である感染予防の技術(衛生学的手洗い・擦式消毒剤を使用した手指消毒)、ボディメカニクスを活用し、第4~15回までに習得した生活行動の援助技術(安楽確保の技術、環境を整える技術、活動の援助技術)を模擬患者に対して実際に実施する。設定された事例に合わせて実施するグループは援助の準備から片付けまでを実施する。見学するグループは、評価表に沿って見学し、実施グループに対してフィードバックを行う。模擬患者、担当教員からフィードバックをもらう。実施したグループメンバーは自己評価とフィードバックを合わせて、看護の対象となる人がその人らしく生活できるように、対象を尊重し、その人に合った看護を提供できたかを振り返る。見学したグループも見学内容、フィードバック内容から自己の援助計画を振り返る。
② ここでは、当日決定した代表グループが第1~3回で習得した看護共通基本技術である感染予防の技術(衛生学的手洗い・擦式消毒剤を使用した手指消毒)、ボディメカニクスを活用し、第4~26回までに習得した生活行動の援助技術(安楽確保の技術、環境を整える技術、活動の援助技術、清潔・衣生活の援助技術)を模擬患者に対して実際に実施する。設定された事例に合わせて実施するグループは援助の準備から片付けまでを実施する。見学するグループは、評価表に沿って見学し実施グループに対してフィードバックを行う。模擬患者、担当教員からフィードバックをもらう。実施したグループメンバーは自己評価とフィードバックを合わせて、看護の対象となる人がその人らしく生活できるように、対象を尊重しその人に合った看護を提供できたかを振り返る。見学したグループも見学内容、フィードバック内容から自己の援助計画を振り返る。
③ ここでは、当日決定した代表グループが第1~3回で習得した看護共通基本技術である感染予防の技術(衛生学的手洗い・擦式消毒剤を使用した手指消毒)、ボディメカニクスを活用し、第4~26回までに習得した生活行動の援助技術(安楽確保の技術、環境を整える技術、活動の援助技術、清潔・衣生活の援助技術)を模擬患者に対して実際に実施する。設定された事例に合わせて実施するグループは援助の準備から片付けまでを実施する。見学するグループは、評価表に沿って見学し実施グループに対してフィードバックを行う。模擬患者、担当教員からフィードバックをもらう。実施したグループメンバーは自己評価とフィードバックを合わせて、看護の対象となる人がその人らしく生活できるように、対象を尊重しその人に合った看護を提供できたかを振り返る。見学したグループも見学内容、フィードバック内容から自己の援助計画を振り返る。
キーワード ① シーツ交換・環境調整 ② 部分浴(足浴) ③ 部分浴(洗髪) ④ 全身清拭 ⑤ 寝衣交換
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ」、「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」、教員が作成したオリジナルノートの該当ページを熟読し、演習事前課題143~158ページを追加・修正して持参する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画を何度も閲覧して手順、留意点を見直す。セルフトレーニングをして確実に習得する。復習として、追加・修正した事前課題にSP(模擬患者)セッションを実施あるいは見学してさらに追加・修正を加える。不足していた部分の教科書該当ページを熟読し、授業終了時に実施したmanaba小テスト、動画等で手順や留意点を見直す。セルフトレーニングをして確実に習得する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
筆記試験
感染予防の技術
標準予防策であるスタンダードプリコーションの概念を理解し、その対象物となる湿生生体物質が説明できる。★
感染予防の基本となる手指衛生(衛生学的手洗いと擦式消毒剤による手指消毒)のタイミングが説明できる。★
経路別感染予防策が説明できる。★★
医療施設から出る廃棄物について理解し、感染性廃棄物の正しい分別や処理方法が説明できる。★★★
ケア・処置別に必要な個人防護具(PPE)と着脱方法について説明できる。★★★
消毒薬の濃度や希釈に関する計算が確実にできる。★★
スタンダードプリコーション
感染性廃棄物、衛生的手洗い、個人防護具(PPE)
10 第1・2・8・9回
筆記試験
安楽確保の技術
体位の種類と身体に及ぼす影響、長期安静臥床による廃用症候群について説明できる。★★
廃用症候群を予防するための方法や良肢位について説明できる。★★
ボディメカニクスの原則について説明できる。★
仰臥位、側臥位、ファーラー位やセミファーラー位の安楽な体位保持に必要な条件や留意点について説明できる。★★★
廃用症候群、良肢位、ボディメカニクス、体位保持(ポジショニング) 2 第3・10回
筆記試験
環境を整える技術
望ましい病床環境として、医療法施行規則に規定されている環境基準(個室・多床室の広さ)、ベッド間隔、夏季・冬季の温度・湿度、病床の照度基準、窓の大きさ、日中と夜間の騒音レベル、寝床内気候、について説明できる。★
ベッド周囲の環境調整時に必要な視点(転倒転落防止、感染予防、褥瘡予防、安楽)について説明できる。★★★
望ましい病床環境(温度・湿度・照度・静穏・広さ・窓の大きさ)、安楽・安全な環境 3 第4・10・11・12回
筆記試験
活動の援助技術
運動機能の観察・分析(アセスメント)に必要な項目や評価スケールについて説明できる。★★
車椅子の移乗・移送の方法と留意点について説明できる。★
特に片麻痺にある対象に対する移乗方法とその留意点は説明できるようにする。★★★
車椅子移送についても平坦なところ以外の段差や坂道、エレベーター内での方法や留意点について説明できる。★★
ストレッチャーの移乗・移送の方法や留意点について説明できる。★
特に2人の看護者で実施する方法や平坦なところ以外の移送方法とその留意点について説明できる。★★★
ADL評価、車椅子の移乗・移送、ストレッチャーの移乗・移送 3 第5・6・13・14・15回
筆記試験
清潔・衣生活の援助技術
温湯が身体に与える影響が説明できる。★
入浴、シャワー浴の適用や禁忌について説明できる。★★
入浴やシャワー浴を援助する方法とその留意点について説明できる。★★
部分浴(手浴・足浴・洗髪)の効果と援助方法や留意点について説明できる。★★★
陰部洗浄時の観察項目と援助方法や留意点について説明できる。★★★
全身清拭・寝衣交換時の観察項目と援助方法や留意点について説明できる。★★★
整容(整髪・髭剃り・爪切り・耳掃除)の援助方法や留意点について説明できる。★
温熱作用、静水圧作用、浮力作用、尿路感染予防、脱健着患 10 第7・16~23・25・26回
筆記試験
休息の援助技術
生体リズムの種類について説明できる。★★
睡眠リズム(レム睡眠とノンレム睡眠)について説明できる。★
睡眠障害の種類と特徴について説明できる。★★★
特に不眠症状(早朝覚醒、熟眠障害、中途覚醒、入眠障害)とその要因(身体的要因、生理的要因、心理的要因、精神疾患、薬物の影響)について説明できる。★★★
睡眠を促す援助方法(環境を整える、生活リズムを整える、入眠準備をすること)や留意点について説明できる。★★
サーカディアンリズム、レム睡眠とノンレム睡眠、就寝儀式 2 第27回
筆記試験
食生活と栄養摂取の
援助技術
栄養状態のアセスメントに必要な項目について理解する。★
特に、日本人の食事摂取基準に基づき、BMI算出や必要な栄養素の摂取量を算出できる。★★
摂食・嚥下に関わる器官の構造と機能について説明できる。★
摂食・嚥下の過程と障害に合わせた援助実施時のポイントが説明できる。★★
特に誤嚥を予防するための姿勢や目線、スプーンの出し入れの方法を説明できる。★★★
口腔ケアも同様に誤嚥を予防する方法、また口腔ケアの効果を説明できる。★★★
食事摂取基準、アトウォーター、栄養評価、摂食・嚥下、誤
嚥予防
10 第28・29・32・33回
筆記試験
排泄の援助技術
排泄のアセスメントに必要な観察項目(生理的側面、心理・社会的側面)について説明できる。★
排泄機能障害(排出機能障害と貯留機能障害)の種類と特徴について説明できる。★★
特に排出機能障害では尿閉、便秘、下痢とその特徴、貯留機能障害では、切迫性尿失禁、溢流性尿失禁、腹圧性尿失禁、反射性尿失禁と便失禁各々の特徴が説明できる。★★
床上排泄・おむつ交換の援助方法と実施時のポイントについて説明できる。★★★
また、排泄援助時に必要な感染対策についても併せて説明できる。★★★
排泄評価、尿路感染予防、ポータブルトイレ、尿器・便器、おむつ 10 第24・30・31・34・35・36回
実技試験
生活行動の援助技術
第1回~36回までの講義・演習で習得した生活行動の援助技術(シーツ交換・環境調整、車椅子移乗・移送、足浴、手浴、洗髪、全身清拭・寝衣交換、食事援助、便尿器援助・陰部洗浄、おむつ交換)のうち、一項目について実技試験を実施する。★★★
実施する援助技術に設定された患者(学生)に対して、看護共通基本技術である感染対策を適切に行い、ボディメカニクスを活用し、根拠や留意点を踏まえ、安全、安楽を考慮して、援助の目的を達成するような看護技術の実施ができる。★★★
手指衛生、個人防護具、安全、安楽、個への適用 50 第1回~ 36回
評価方法 期末試験(50%)、実技試験(50%)で評価する。評価の前提条件:講義事前課題、演習課題(事前・事後)、各回終了時に実施するmanaba小テストを実施・提出し、セルフトレーニングに励む。第42~45回事例への介入(グループワーク・技術練習)、SP(模擬患者)セッションに出席する。単位認定の前提条件:期末試験、実技試験ともに学習目標の最低限を満たす必要がある。
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 ・新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020 ・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020 ・看護がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021
参考文献 講義時に紹介する。
実験・実習・教材費 演習初回に未滅菌手袋を配布するが、なくなり次第個人で購入する。