区分 専門科目-基礎看護学-基礎看護学
ディプロマ・ポリシーとの関係
コミュニケーション能力 アセスメント能力 判断力
創造力 実践力 自己研鑽力
カリキュラム・ポリシーとの関係

カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ

科目の目的
「生活援助技術」では、看護学部の教育理念や5つの教育目標を達成するために求められる能力として必要な、科学的・専門的な「知識や技術」を確実に獲得するための基本となる基礎看護技術(看護共通基本技術、生活行動の援助技術)の根拠とその方法を学ぶことが目的である。この科目を学ぶことで、看護の対象となる人々がその人らしく生活できるように、対象を尊重し、その人に合った看護を提供するための基礎となることを目的とする。
到達目標
①看護技術の概要を説明できる。
②感染予防の技術について、実施方法とその根拠や留意点を説明できる。
③安楽確保の技術について、実施方法とその根拠や留意点を説明できる。
④環境を整える技術について、実施方法とその根拠や留意点を説明できる。
⑤活動の援助技術について、実施方法とその根拠や留意点を説明できる。
⑥清潔・衣生活の援助技術について、実施方法とその根拠や留意点を説明できる。
⑦休息の援助技術について、実施方法とその根拠や留意点を説明できる。
⑧食生活と栄養摂取の援助技術について、実施方法とその根拠や留意点を説明できる。
⑨排泄の援助技術について、実施方法とその根拠や留意点を説明できる。
⑩根拠と留意点を十分理解して生活行動の援助技術を実施することができる。
⑪看護の対象者を観察し、安全・安楽に配慮して生活行動の援助技術を実施することができる。

科目の概要
生活援助技術では、「からだの仕組みと生活」、「看護学原論」で学修したからだの仕組み、看護および看護技術と、「基礎看護学実習Ⅰ」で見学した看護実践を想起し、看護技術の個への適用方法について学ぶ。具体的には看護を実践する際に必要な看護共通基本技術として、感染予防の技術とボディメカニクスの活用について修得する。また、看護の対象となる人々の生活行動を援助する技術として、安楽な体位保持・体位変換、ベッドメーキング・リネン交換、環境調整、移乗・移送、部分浴、入浴、更衣、整容、全身清拭、睡眠、食事、排泄の援助の根拠や留意点を学ぶ。また、並行して開講される「看護コミュニケーション論」で学習する知識を活用し演習を通して援助の実施方法を修得する。
科目のキーワード
看護技術、個への適用、安楽、看護共通基本技術、生活行動の援助技術
授業の展開方法
講義では、毎回事前に指定した教科書の該当ページを熟読し、教員が制作・配信した動画を閲覧後、教員が作成したオリジナルノートにある事前課題を実施し臨むことが、受講の前提である。授業では、教員が作成したオリジナルノート、PowerPointと教員が制作・配信した動画、テキストに付属している動画、Web上に公開されている動画等を用いて、援助技術の実施方法とその根拠や留意点を教授する。また、看護師として看護実践現場での経験を踏まえ、臨床における看護共通基本技術や生活行動の援助技術の実際についても併せて教授する。学生は教科書、教員が作成したオリジナルノートを常に持参し、そこに重要事項等を書き込んでいく。
演習では、毎回事前に演習する技術項目の講義で学習した教科書該当ページ熟読、教員が制作・配信した動画を閲覧、
オリジナルノート講義部分の見直しをして、ノートにある演習事前課題を実施して臨むことが受講の前提である。受講前にセルフトレーニングして手順を頭に入れておくことが望ましい。演習では3名程度の学生が1グループになり、グループ内で看護師役、患者役、観察者役を体験しながら自己の技術を振り返り、繰り返しセルフトレーニングすることにより、技術の修得を目指す。教員が5~20のグループを指導する。演習時、看護師としての実践で得た経験や事例をもとに、臨床における看護共通基本技術や生活行動の援助技術の実際についても併せて教授する。

オフィス・アワー
服部美穂:(準備中)
山口貴子:(準備中)
栗田愛:(準備中)
榎本明子:(準備中)

科目コード BH11
学年・期 1年・後期
科目名 生活援助技術
単位数 3
授業形態 講義
必修・選択 必修
学習時間 【授業】75h 【予習・復習】60h
前提とする科目 健康と生活支援を理解するための科目であり、
展開科目 基礎看護学実習Ⅰ・Ⅱ、全ての看護援助技術
関連資格 看護師,保健師,養護教諭
担当教員名 服部美穂・山口貴子・栗田愛・原好恵・榎本明子
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 【第1回:講義】看護技術の位置づけと概要 感染予防の技術①感染と感染対策の基礎知識 科目の中での位置付け このコマにおいては、主に2つの主題について理解する。1つは、看護を実践する際に必要な看護共通基本技術と生活行動の援助技術を学ぶにあたって必要となる看護技術の位置づけと概要である。具体的には、からだの仕組みと生活で学修したからだの仕組みや看護学原論で学修した看護理論や看護技術、および基礎看護学実習Ⅰで見学した看護実践を想起し、抽象と具象を結びつけながら、看護とは何か、看護技術とは何か、思考の整理をしていく。さらに技術(客観的)と技能(主観的)の違いや観察の重要性、今後学んでいく看護技術の個への適用についての視点を理解する。また、現在ある根拠に基づき、最善の看護を提供する方法(EBN:Evidence-Based Nursing)や必要性についても理解する。それらを理解するとともに、看護を実践する際の看護専門職として必要な態度について考える。もう1つの主題は、看護を実践する際に必要な看護共通基本技術である感染予防の技術である。ここでは、感染や感染症が成立する要素について理解し、感染を予防する3つの方法について理解する。
・オリジナルノートp29~30
・看護学原論授業資料p1~3、17~22、38~43、58~63
・新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p1~12、240~293
・看護がみえるVol.1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p2~29
コマ主題細目 ① 看護技術と個への適用 ② 感染と感染症 ③ 感染予防の3原則
細目レベル ① ナイチンゲールやヘンダーソン等の看護理論家が提唱した看護や看護技術、日本看護協会や国際看護師協会等の各団体が定義する看護や看護技術を、看護学概論で使用したノートをもとに抽象的なレベルで看護とは何か、看護技術とは何かを表現する。次に基礎看護学実習Ⅰで見学した看護実践を想起し、具体的なレベルで看護とは何か、看護技術とは何かを表現し、抽象的なレベルでの看護や看護技術と結び付けて理解する。それらを整理する過程で看護共通基本技術、生活行動の援助技術、診療の援助技術、看護過程を展開する技術等の看護技術の位置づけを理解する。技術と技能の違いについて理解し、看護専門職として技能を言語化し、技術を反復トレーニングすることで看護実践レベルの向上に取り組む必要性を理解する。また、看護技術の個への適用に必要な視点として対象の観察、対象に合わせた目的と手順の組立直し、実施後の評価を理解し、最善のケアを提供する方法としてEBNについても理解する。
② 普段自分が実施している感染予防行動(手洗い、うがい、マスク着用等)を想起し、なぜそのような行動をとっているか考えながら感染や感染症について理解する。並行して開講されている微生物学について触れながら、感染症を引き起こす身近な病原微生物についても理解を深める。さらに感染症を成立させる6つの要素である感染源、病原体保有の宿主、病原体の出口、感染経路(伝播経路)、病原体の入口、宿主と成立過程について理解する。特に病院などの医療施設には抵抗力の低下(防御機構の未発達、減弱)した人(宿主)が多いため、絶えず感染の可能性があることを理解し、感染予防の意義を考える。同時に医療者自身も自分を感染から守る必要性を理解する。
③ 感染予防の3原則とは、感染症を成立させる要素に対して対策を講じることである。具体的には、1.感染源となる微生物を死滅・減弱させること、2.感染経路(伝播経路)を遮断すること、3.宿主の抵抗力を増強することである。1.感染源となる微生物を死滅・減弱させる方法として滅菌法と消毒法について理解する。消毒薬の濃度計算については確実にできるようにする。さらに環境に潜む病原微生物とその消毒方法や医療廃棄物の処理について理解する。2.感染経路(伝播経路)を遮断する方法として、スタンダードプリコーションの概念と必要な個人防護具を理解する。また、感染経路別予防策として、接触感染・飛沫感染・空気感染をそれぞれ起こす代表的な病原微生物と必要な対策、個人防護具を理解する。3.宿主の抵抗力を増強する方法として栄養、休息、ストレス解消があることを理解する。
キーワード ① 看護技術 ② 個への適用 ③ 技術と技能 ④ 感染経路 ⑤ スタンダードプリコーション
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、看護学原論ノート1~3、17~22、38~43、58~63ページ、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ」の1~12ページを熟読し、看護学原論で学修した看護とは何か、看護技術とは何かをノートにまとめておく。また教員が作成したオリジナルノート講義事前課題1・2ページに、基礎看護学実習Ⅰで見学した看護実践を整理しておく。感染予防の技術については、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ」の240~263、280~288、291~293ページ、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」2~28ページを熟読し、教員が作成したオリジナルノート講義事前課題3・4ページを実施する。復習として、講義時に実施したmanaba小テストで間違えた問題を再度、やり直し、該当箇所の教科書を熟読する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

2 【第2回:講義】感染予防の技術②感染経路への具体的な対策(手指衛生・個人防護具の着脱) 科目の中での位置付け このコマの主題は、看護を実践する際に必要な看護共通基本技術である感染予防の技術(手指衛生・個人防護具の着脱)である。ここでは、感染予防の前提となる清潔・不潔の概念、手指衛生のタイミング、感染経路への具体的な対策として手指衛生(日常的手洗い・衛生学的手洗い・手術時手洗い・擦式消毒薬を使用した手指消毒)の実施方法とその根拠や留意点について理解する。感染予防の前提となる清潔・不潔の概念を踏まえ、感染経路への具体的な対策として個人防護具の着脱(マスク・ゴーグル・フェイスシート・エプロン・ガウン・未滅菌手袋)方法とその根拠や留意点について理解する。また、看護の実践に即した処置別(口腔ケア・陰部洗浄・入浴・排泄介助・おむつ交換・下痢時のおむつ交換・使用後の便尿器の処理・環境整備・血液体液で汚染された場所の清掃・リネン交換・汚染リネン交換・吐物の処理)に必要な個人防護具についても理解する。処置別に必要な個人防護具の着脱については、看護師としての看護実践現場での経験を踏まえて説明する。
・オリジナルノートp31~33
・新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p240~293
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p6~29
コマ主題細目 ① 清潔・不潔の概念と手指衛生のタイミング ② 手指衛生 ③ 個人防護具の着脱
細目レベル ① 普段自分が実施している感染予防行動(手洗い)を想起し、どのように手洗いをしているか考えながら日常的手洗いと衛生学的手洗いおよび手術時手洗いの違いについて理解する。並行して開講されている微生物学について触れながら、一時的に手指に付着する通過細菌と皮膚に常在する常在細菌についても理解を深める。一般的に用いられる清潔・不潔の概念と異なり、感染予防の観点から前提となる清潔(滅菌や消毒により病原微生物がないあるいは少ない状態)・不潔(病原微生物がいるあるいは触れた可能性が高い)の概念について理解する。手指衛生のタイミング(患者に触れる前・清潔/無菌操作の前・体液に曝露された可能性がある時・患者に触れた後・患者周辺の物品に触れた後)を理解する。
② 普段自分が実施している日常的手洗いでは手指のどの部分に汚染箇所が残るかを踏まえ、薬用石けんを用いて皮膚通過菌、皮膚常在菌の一部が除去できるように衛生学的手洗いの実施方法とその根拠や留意点について確実に理解する。具体的には用いる薬用石けんの種類、界面活性剤により汚染を落とすメカニズム、必要な手洗い時間と洗浄箇所や順序について理解する。また、手荒れがあると十分な洗浄効果が得られないため、日頃から手荒れ対策を行う必要性についても理解する。手指衛生の方法として擦式消毒剤を用いた手指消毒の実施方法とその根拠や留意点についても理解する。手指消毒に用いる消毒剤、適量、擦り込む時間と箇所や順序について理解する。
③ 一般的に用いられる清潔・不潔の概念と異なり、感染予防の観点から前提となる清潔(滅菌や消毒により病原微生物がないあるいは少ない状態)・不潔(病原微生物がいるあるいは触れた可能性が高い)の概念と手指衛生のタイミング(患者に触れる前・清潔/無菌操作の前・体液に曝露された可能性がある時・患者に触れた後・患者周辺の物品に触れた後)を踏まえて、個人防護具の着脱方法とその根拠や留意点について確実に理解する。具体的には、マスク・ゴーグル・フェイスシート・エプロン・ガウン・未滅菌手袋について着脱方法とその根拠や留意点について確実に理解する。また、看護の実践に際して必要な処置別(清潔ケア・排泄ケア・清掃)個人防護具について理解する。
キーワード ① 衛生学的手洗い ② 手指消毒 ③ 清潔・不潔 ④ 手指衛生のタイミング ⑤ 個人防護具
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ」の240~293ページを熟読し、p263、265、269、271技術動画を閲覧する。また、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」6~29ページを熟読し、教員が作成したオリジナルノート講義事前課題3・4ページを復習する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「手指衛生ver.3」、「PPE(エプロン)着脱ver.3」、「PPE(ガウン)着脱ver.3」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「感染防止の技術(スタンダードプリコーション)」内にある「手指衛生」、「ガウンテクニック」を閲覧する。復習として、講義時に実施したmanaba小テストで間違えた問題を再度、やり直し、該当箇所の教科書を熟読する。ビデオ等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

3 【第3回:講義】安楽確保の技術(安楽な体位保持・体位変換・ボディメカニクス) 科目の中での位置付け このコマの主題は、安楽確保の技術(安楽な体位保持・体位変換・ボディメカニクス)である。看護における安楽の概念について理解し、様々な体位(仰臥位・座位・立位)が身体に与える影響(呼吸器系・循環器系・体圧・廃用症候群)を学習する。これらを踏まえるとともに、自分自身が風邪で寝込んだ経験やけがや病気で入院していた経験を想起し、安楽な体位保持の必要性および重要性について考え、良肢位についても理解する。ここでは、安楽な体位保持(ポジショニング)・体位変換を実践する際に必要な看護共通基本技術であるボディメカニクスの原則についても理解する。自分自身で荷物を運ぶ際の姿勢や持ち方の体験、寝返りを打つ姿勢の体験を通して、ボディメカニクスの要素(身体の安定をよくする・作業域を考慮する・力を効率よく用いる)を理解する。看護の対象となる人の安楽のみでなく、看護者自身もボディメカニクスを活用する必要性を理解する。ボディメカニクスを踏まえて、安楽な体位保持・体位変換の実施方法とその根拠や留意点について理解する。標準的な技術としての安楽な体位保持・体位変換の個への適用方法について考える。
・オリジナル講義ノートp34~37
・新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p326~342
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p108~130
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p6~28
コマ主題細目 ① 安楽と体位が身体に与える影響 ② ボディメカニクス ③ 安楽な体位保持・体位変換
細目レベル ① 安楽とは単に楽な状態ではなく、身体的にも精神的にも苦痛がなく穏やかで満足した日常生活が送れる状態であること理解する。そして安楽な体位とは、心身ともに満ち足りた姿勢や四肢の位置がとれていることであると理解する。自分自身の動けなかった経験等を想起し、安楽な体位保持や体位変換の必要性、重要性を考える。体位の種類には立位、座位(椅座位・ファーラー位・セミファーラー位・長座位・背面開放座位)、臥位(仰臥位・側臥位)、特殊体位(骨盤高位・戴石位)がある。体位の種類により身体に与える影響を理解する。具体的には、呼吸器系では臥位では座位および立位に比べ呼吸が抑制されるメカニズムや、循環器系では臥位から座位および立位になった際に起こる血圧低下のメカニズムについて理解する。また、体位別による体圧の比較や上記身体への影響を含む廃用症候群の症状についても理解する。
② 自分自身で荷物を持つ、運ぶ際の姿勢や持ち方の体験、寝返りを打つ姿勢の体験を通して、ボディメカニクスの要素(身体の安定をよくする・作業域を考慮する・力を効率よく用いる)を理解する。具体的には、1.身体の安定をよくするためには、支持基底面を広くする、重心を低くする、床と靴の摩擦係数を大きくする、良い姿勢を保つことが必要であることを理解する。2.作業域を考慮するでは、至適作業域を確保すること、3.力を効率よく用いるためには、モーメントを応用する、大きな筋群を使う、利き手・利き足を使う、対象者に声をかけることが必要であると理解する。看護の対象となる人の安楽のみでなく、看護者自身もボディメカニクスを活用する必要性を理解する。
③ ボディメカニクスを踏まえて、安楽な体位保持・体位変換の実施方法とその根拠や留意点について確実に理解する。対象となる人のベッド上の上方移動と仰臥位の保持(ポジショニング)、ファーラー位への体位変換と保持(ポジショニング)、ベッド上の水平移動と側臥位への体位変換・保持(ポジショニング)を理解する。移動時にはボディメカニクスを活用し、対象と身体を近づけ、大きな筋群を用いて移動する。仰臥位の保持(ポジショニング)では、支持基底面を広くとり、尖足予防を行うことを理解する。側臥位の保持(ポジショニング)でも支持基底面を広くとるようにし、下側の上肢、下肢の位置に注意することを理解する。ファーラー位の保持(ポジショニング)では、ベッドの屈曲部に殿部があることを確認し、背抜き・足抜きを行う必要性・重要性を理解する。
キーワード ① 安楽な体位 ② 廃用症候群 ③ ボディメカニクス ④ ポジショニング ⑤ 体位変換
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ」の326~342ページ、「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の108~130ページを熟読し、p121、125~127、129、130技術動画を閲覧する。また、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の68~83ページを熟読し、教員が作成したオリジナルノート講義事前課題5・6ページにある事前課題を実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「安楽な体位と体位変換ver.2」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「活動・休息援助技術」内にある「体位変換」を閲覧する。復習として、講義時に実施したmanaba小テストで間違えた問題を再度、やり直し、該当箇所の教科書を熟読する。ビデオ等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

4 【第4回:講義】環境を整える技術(環境の諸要素・病床の環境調整) 科目の中での位置付け このコマの主題は、環境を整える技術(環境の諸要素と病床の環境調整)である。看護学原論で学修した看護理論家が提唱した環境の概念について想起し、環境の種類(外的環境:物理的環境・心理的環境・社会的環境と内的環境:ホメオスタシス)について理解する。入院生活における患者のストレス調査結果を踏まえ、自分自身が風邪で寝込んだ経験やけがや病気で入院していた経験を想起し、環境の重要性について考える。望ましい病床環境として、病院の構造や病室の環境について理解する。また、病床にある物品についても様々な種類があることを理解する。ここでは、病床の環境調整としてベッドメーキング、リネン交換、環境調整の実施方法とその根拠や留意点について理解する。環境調整は単に清掃することではなく、対象となる人が安全で快適な入院生活が送れるように転倒転落防止、感染予防、褥瘡予防、安楽の観点から実施することが必要であることを理解する。看護師としての看護実践現場での経験を踏まえて、患者の入院時の環境や望ましい環境について説明する。標準的な技術としてのリネン交換・環境調整の個への適用方法について考える。
・オリジナル講義ノートp38~39
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p2~21
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p42~67
コマ主題細目 ① 環境の意義と望ましい病床環境 ② ベッドメーキングとリネン交換 ③ 環境調整
細目レベル ① 身近な環境(自宅の自分の部屋、自宅のトイレ、駅のトイレ、大学のトイレ)について普段、どのように感じるかを振り返り、同じ環境でも人により感じ方が異なることを知り、環境の意義について考える。看護学原論で学修した様々な看護理論家が提唱した環境を想起し、環境の概念について理解する。外的環境には物理的環境、心理的環境、社会的環境があり、内的環境にはホメオスタシスがあることを理解する。入院生活における患者のストレス調査結果を踏まえ、自分自身が風邪で寝込んだ経験やけがや病気で入院していた経験を想起し、環境は事故や病気を予防したり、抑制したり、進行させたりすること、また、患者の闘病意欲にも影響する重要なものであることを理解する。望ましい病床環境として、具体的には個室と多床室の広さ、ベッド間隔、夏季・冬季の温度・湿度、病床の照度基準、窓の大きさ、日中と夜間の騒音レベル、寝床内気候について理解する。
② 病床にある物品(ベッド、マットレス、寝具、床頭台、オーバーテーブル、椅子、ナースコール等)について理解し、対象に合わせて安全で快適な環境調整をする必要性を理解する。ベッドメーキングでは、対象となる人の状態やマットレスの種類によりシーツの張り方が異なることを理解する。一般的なベッドメーキング、リネン交換、環境調整の実施方法とその根拠や留意点について確実に理解する。第1・2回で学んだ感染予防の技術を活用し、ベッドメーキングやリネン交換時に必要な個人防護具や手指衛生の必要な時を考える。また第3回で学んだボディメカニクスを活用する必要性・重要性を理解する。それらを踏まえて一人で実施するベッドメーキングとシーツ交換、二人で実施するベッドメーキングとリネン交換について理解する。
③ 病床では周囲にある物品(ベッド柵、ベッドフレーム、床頭台、オーバーテーブル、椅子、ナースコール等)や手指が触れる箇所を必ず除菌クロスで拭く。ここでも第1・2回で学んだ感染予防の技術を活用し、環境調整時に必要な個人防護具や手指衛生の必要な時を考える。何枚かの病床写真やイラストを見てもらい、対象となる人を想像してもらう。そこから環境調整とは単に清掃することではなく、対象となる人が安全で快適な入院生活が送れるように転倒転落防止、感染予防、褥瘡予防、安楽の観点から実施することが必要であることを理解する。対象となる人の入院生活や物品から想像される今までの生活を考慮し、上記視点で具体的にどのように環境を整備していくかを理解する。
キーワード ① 環境 ② 病床環境 ③ ベッドメーキング ④ リネン交換 ⑤ 環境調整
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の2~21ページを熟読し、p13、19技術動画を閲覧する。また、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の42~67ページを熟読し、教員が作成したオリジナルノートにある講義事前課題7・8ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「ベッドメーキング・環境整備ver.3」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「環境調整技術」内にある「ベッドメイキング」を閲覧する。復習として、講義時に実施したmanaba小テストで間違えた問題を再度、やり直し、該当箇所の教科書を熟読する。動画等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

5 【第5回:講義】活動の援助技術(運動機能の維持・回復のための援助、歩行の援助) 科目の中での位置付け このコマの主題は、活動・休息の援助技術のうち活動の援助技術(運動機能の維持・回復のための援助、歩行の援助)である。看護学原論で学修した看護理論家ドロセア・オレムが提唱したセルフケア理論について想起し、日常生活行動(ADL)とセルフケアの概念について理解する。また、手段的ADLについても理解する。基礎看護学実習Ⅰで見学した看護実践や自分自身が風邪で寝込んだ経験やけがや病気で入院していた経験を想起し、活動・運動の意義やその援助の必要性(特に早期に離床する)について考える。運動機能の維持・回復のための援助として、まず運動機能を観察・分析(アセスメント)する。観察・分析(アセスメント)に基づいて実施する自動運動・他動運動について理解する。活動の援助技術として歩行援助の実施方法とその根拠や留意点について理解する。歩行に使用する用具(杖、歩行器)と援助時の留意点について理解する。看護師としての看護実践現場での経験を踏まえて、関節可動域訓練や歩行の援助の実際について説明する。標準的な技術としての歩行援助の個への適用方法について考える。
・オリジナル講義ノートp40~42
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p108~143
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p68~105
コマ主題細目 ① 日常生活行動と運動機能の観察・分析(アセスメント) ② 自動運動・他動運動 ③ 歩行の援助
細目レベル ① 身体運動機能(作業機能・姿勢機能・移動機能)と基本動作、日常生活動作(ADL)、手段的日常生活動作(IADL)の関係について理解する。看護学原論で学修した看護理論家ドロセア・オレムが提唱したセルフケア理論を想起し、日常生活行動(ADL)とセルフケアの概念について理解する。そして、セルフケアとは「自分のために」と「自分で行う」という二重の意味をもち、人は誰しも自らのセルフケアについて責任と権利があることを理解する。活動・運動の意義やその援助の必要性(特に早期に離床する)について考える。運動機能の低下した人への援助として、まず運動機能(体位・動作の観察、関節可動域の評価、ADL評価)を観察・分析(アセスメント)する。ADL評価のツールとしてバーセル評価法についても理解する。
② 廃用症候群(筋力低下、筋委縮、関節拘縮、骨量減少、深部静脈血栓症)を予防するために必要な援助として自動運動・他動運動がある。早期から廃用症候群を予防するために実施する必要があることを理解する。自動運動は関節可動域に沿って対象となる人が自ら実施する筋力維持の運動である。他動運動は対象となる人の状態を観察しながら実施する方法とその根拠や留意点について確実に理解する。全身すべての関節を動かすことが望ましいため、手指関節、手関節、肘関節、肩関節、膝関節、股関節の他動運動の実施方法とその根拠や留意点について理解する。適切な運動を実施するため、痛みのない範囲で行い、筋肉の抵抗を観察しながら進めていくことを理解する。
③ 安静臥床をしていると筋力は低下していくことを念頭に置き、早期に離床をすすめる必要性・重要性を理解する。ただし、すぐに歩行できるようにはならないため、座位保持、立位保持、起立動作訓練をして段階的に実施する方法を理解する。第3回で学んだボディメカニクスを活用して身体を起こす、姿勢を安定させる、立ち上がる等の動作を訓練していく。これらの動作が取れるようになってから歩行の援助をしていく。歩行に必要な筋肉(大腿四頭筋、腸腰筋、大殿筋、下腿三頭筋、ハムストリングス、前脛骨筋)がどのような歩行動作に関係しているかを理解する。対象となる人の状態を観察・分析し、歩行を援助する方法とその根拠や留意点について理解する。
キーワード ① 日常生活行動(ADL) ② 手段的日常生活行動(IADL) ③ セルフケア ④ 自動運動・他動運動 ⑤ 歩行の援助
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の108~121、138~143ページを熟読し、p140技術動画を閲覧する。また、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の68~70、101~105ページを熟読し、教員が作成したオリジナルノートにある講義事前課題9・10ページを実施する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「活動・休息援助技術」内にある「関節可動域訓練」「歩行介助」を閲覧する。復習として、講義時に実施したmanaba小テストで間違えた問題を再度、やり直し、該当箇所の教科書を熟読する。動画等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

6 【第6回:講義】活動の援助技術(日常生活行動と運動機能のアセスメント・車椅子とストレッチャーの移乗・移送) 科目の中での位置付け このコマの主題は、活動・休息の援助技術のうち活動の援助技術(日常生活行動と運動機能のアセスメント・移乗・移送①)である。看護学原論で学修した看護理論家ドロセア・オレムが提唱したセルフケア理論について想起し、日常生活行動(ADL)とセルフケアの概念について理解する。また、手段的ADLについても理解する。基礎看護学実習Ⅰで見学した看護実践や自分自身が風邪で寝込んだ経験やけがや病気で入院していた経験を想起し、活動・運動の意義やその援助の必要性(特に早期に離床する)について考える。運動機能の低下した人への援助として、まず運動機能を観察・分析(アセスメント)する。観察・分析(アセスメント)に基づいて実施する自動運動・他動運動、移乗・移送(車椅子・ストレッチャー)について理解する。活動の援助技術として車椅子・ストレッチャー移乗・移送の実施方法とその根拠や留意点について理解する。看護師としての看護実践現場での経験を踏まえて、車椅子移乗やストレッチャーの移乗・移送の実際について説明する。標準的な技術としての車椅子・ストレッチャー移乗・移送の個への適用方法について考える。
・オリジナル講義ノートp43~45
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p108~139
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p68~105
コマ主題細目 ① 日常生活行動と運動機能の観察・分析(アセスメント) ② 車椅子の移乗・移送 ③ ストレッチャーの移乗・移送
細目レベル ① 身体運動機能(作業機能・姿勢機能・移動機能)と基本動作、日常生活動作(ADL)、手段的日常生活動作(IADL)の関係について理解する。看護学原論で学修した看護理論家ドロセア・オレムが提唱したセルフケア理論を想起し、日常生活行動(ADL)とセルフケアの概念について理解する。そして、セルフケアとは「自分のために」と「自分で行う」という二重の意味をもち、人は誰しも自らのセルフケアについて責任と権利があることを理解する。活動・運動の意義やその援助の必要性(特に早期に離床する)について考える。運動機能の低下した人への援助として、まず運動機能(体位・動作の観察、関節可動域の評価、ADL評価)を観察・分析(アセスメント)する。ADL評価のツールとしてバーセル評価法についても理解する。
② 自力で移動困難な患者を目的地へ安全・安楽に移送したり、精神活動の刺激をしたりするために使用するのが車椅子である。また、車椅子の場合は移乗により筋力Upを図るという目的もあることを理解する。車椅子には、目的や自立度に応じて様々な種類があることを理解する。具体的には自走用、介助用、リクライニング、電動等の車椅子がある。車椅子の各部名称や点検方法について正しく理解する。車椅子への移乗については、対象となる人の自立度を考慮し、ボディメカニクスを活用して移乗する方法とその根拠や留意点について確実に理解する。車椅子の移送については、段差のあるところ、坂道、エレベーターで移送する方法とその根拠や留意点について理解する。
③ 自力で移動困難な患者を目的地へ安全・安楽に移送したり、精神活動の刺激をしたりするために使用するのがストレッチャーである。ストレッチャーには、目的に応じていくつか種類があることを理解する。具体的には簡易式ストレッチャー、災害用ストレッチャーがある。ストレッチャーの点検方法について正しく理解する。ストレッチャーへの移乗・移送については、ボディメカニクスを活用して移乗する方法とその根拠や留意点について確実に理解する。ストレッチャーへの移乗については、スライディングシートによる方法以外に看護者複3名で移乗する方法や、看護者4名でバスタオル等を用いて移乗する方法について理解する。ストレッチャーの移送については、平坦なところ、曲がり角、坂道、エレベーターで移送する方法とその根拠や留意点について理解する。
キーワード ① 日常生活行動(ADL) ② 手段的日常生活行動(IADL) ③ セルフケア ④ 車椅子移乗・移送 ⑤ ストレッチャー移乗・移送
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の108~139ページを熟読し、p131、134技術動画を閲覧する。「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の68~105ページを熟読し、教員が作成したオリジナルノートにある講義事前課題11・12ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「車椅子移乗・移送ver.3」、「ストレッチャー移乗・移送ver.3」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「活動・休息援助技術」内にある「車いすの移乗・移送」、「ストレッチャーの移乗・移送」を閲覧する。復習として、講義時に実施したmanaba小テストで間違えた問題を再度、やり直し、該当箇所の教科書を熟読する。動画等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

7 【第7回:講義】清潔・衣生活の援助技術①手浴、足浴、洗髪 科目の中での位置付け このコマの主題は、清潔・衣生活の援助技術のうち手浴と足浴、洗髪の援助技術である。台1・2回感染予防の技術で学んだ清潔・不潔の概念を想起し、身体的な清潔の意義を理解する。また、身体的側面のみでなく、基礎看護学実習Ⅰで見学した看護実践や自分自身の経験を想起し、心理的側面、社会的側面からも清潔の意義やその援助の必要性について考える。
臨床の場で実際に実施されている清潔の援助のうち、部分浴の中の手浴と足浴、洗髪について理解する。皮膚と粘膜は、表皮・真皮、皮下組織の3つの部分からなり、皮膚の伸展方向を示した皮膚割線があることや、皮膚・粘膜の作用として体外保護作用、体温調節作用、分泌排泄作用、感覚受容、経皮吸収、ビタミンD形成があることを理解する。部分浴の目的には、温熱作用、清潔保持、リラックス効果があり、姿勢保持、運動機能、体温、好み、習慣から実施場所や実施方法を選択することを理解する。具体的に理解すべき実施方法のポイントは、必要時安楽枕を使用して体位を整え、湯の温度確認では温度計と看護者の前腕内側での確認をしてから、患者の手や足に少しかけて温度確認を行う。洗髪では、前頭部頭頂部は皮脂腺が多く、前傾姿勢では心筋虚血発作に注意が必要で、後屈姿勢では美容院脳卒中症候群に注意して実施する。洗髪では、ケリーパット、洗髪車、洗髪台を使用する方法があり、各々の利点と欠点から患者に合った方法を選択し、洗浄する。看護師としての看護実践現場での経験を踏まえて、臨床での手浴、足浴、洗髪の実際について説明する。

・オリジナル講義ノートp46~49
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p150~155、160~166、174~177
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p140~142、164~174、184~194
コマ主題細目 ① 皮膚・粘膜の構造と清潔の意義 ② 部分浴の種類・目的と足浴と手浴の援助方法 ③ 洗髪の援助方法
細目レベル ① 皮膚は、表皮・真皮、皮下組織の3つの部分からなり、皮脂腺、汗腺(アポクリン腺、エクリン腺)があることや、皮膚の伸展方向を示した皮膚割線があることについて説明できる。皮膚・粘膜の作用として体外保護作用、体温調節作用、分泌排泄作用、感覚受容、経皮吸収、ビタミンD形成があることを説明できる。
清潔とは、汚れ、新陳代謝による汗・分泌物、皮膚の角化による落屑、垢を取り去った状態をさし、精神的な爽快感や満足感がもてるほか、感染を引き起こさないことを説明できる。一方、清潔を保てないと、皮脂、汗、落屑が皮膚表面に溜まっていき、そこに微生物が付着することで、垢や汚れとなり感染を引き起こす危険性があるため、清潔の援助が必要であると説明できる。

② 部分浴の目的には、温熱作用、清潔保持、リラックス効果があり、姿勢保持、運動機能、体温、好み、習慣から実施場所や実施方法を選択することについて説明できる。特に足浴(手浴)では温湯の浸漬時間によって、垢が落としやすくなるなどの清潔保持、リラクゼーション、睡眠の促進、末梢循環の改善など得られる効果が異なることを説明することができる。足浴と手浴の援助のポイントとして、必要時安楽枕を使用して体位を整えることや、湯の温度確認では温度計と看護者の前腕内側での確認をしてから、患者の手や足に少しかけて温度確認を行うことが説明できる。観察では、皮膚や爪の状態、汚れの状態、対象の訴えについて観察する必要があることや、観察項目を列挙することができる。
③ 洗髪では、前頭部、頭頂部に皮脂腺が多く、しっかりと洗浄することが必要であることや、洗髪時の患者の姿勢が前傾姿勢であると心筋虚血発作が起こりやすく、後屈姿勢であると美容院脳卒中症候群が起こりやすく、注意が必要であることが説明できる。洗髪は、ケリーパット、洗髪車、洗髪台を使用する方法があり、各々の利点と欠点から患者に合った方法について説明できる。洗浄では、毛細血管現象によりタオルが濡れないよう、ケープからフェイスタオルがはみ出ないように巻き、ブラッシングをしてから皮膚割線を意識して洗う。観察項目として、体調(顔色、疲労感、症状)、頭皮・頭髪の状態(汚れ、掻痒感、発赤、湿疹、脱毛、抜毛の量)、外耳道の湿潤、爽快感、満足感、寝衣や寝具の濡れを列挙することができる。
キーワード ① 皮膚の構造と機能 ② 足浴 ③ 手浴 ④ 洗髪 ⑤ 部分浴
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、皮膚の機能と構造は、本コマに関わる重要な解剖生理学の知識であるため、解剖生理学テキスト等を用いて学習をする。教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の150~155、160~166、174~177ページを熟読し、p162、164、175技術動画を閲覧する。また、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の140~142、164~174、184~194ページを熟読し、教員が作成したオリジナルノートにある講義事前課題13・14ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「臥位患者の足浴ver.3」、「座位患者の足浴ver.3」、「ベッド上座位患者の手浴」、「臥位患者の洗髪(洗髪車)ver.3」、「臥位患者の洗髪ver.3」、「座位患者の洗髪(洗髪台)」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「清潔・衣生活生活援助技術」内にある「洗髪」「手浴」「足浴」を閲覧する。復習として、講義時に実施したmanaba小テストで間違えた問題を再度、やり直し、該当箇所の教科書を熟読する。動画等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

8 【第8・9回:演習】感染予防の技術(手指衛生・個人防護具の着脱・感染性廃棄物の取扱い) 科目の中での位置付け このコマの主題は、看護を実践する際に必要な看護共通基本技術である感染予防の技術(手指衛生・個人防護具の着脱)である。ここでは、第1・2回講義で学習した感染予防の前提となる清潔・不潔の概念、手指衛生のタイミング、手指衛生(衛生学的手洗い・擦式消毒剤を使用した手指消毒)の方法とその根拠や留意点を踏まえて、衛生学的手洗いと擦式消毒薬を使用した手指消毒を実際に実施し習得する。また、手指衛生と同様に、「生活援助方法論」で学習した個人防護具の着脱方法とその根拠や留意点を踏まえ、感染経路への具体的な対策としてマスクの着脱、ゴーグル・フェイスシートの着脱、エプロン・ガウンの着脱、未滅菌手袋の着脱を実際に実施し習得する。併せて脱衣した個人防護具の廃棄について、医療廃棄物の中で非感染性廃棄物と感染性廃棄物の分別や適切に処理する方法を習得する。このコマでの学びは、看護共通基本技術であるため、今後のすべてのコマでの技術の習得に関わる。演習時は、看護師としての実践から得た経験や事例をもとに根拠と結びつけて教授する。
・オリジナル演習ノートp30~33、81~84
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅰ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p240~293
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p6~28
コマ主題細目 ① 手指衛生(衛生学的手洗い・擦式消毒剤を使用した手指消毒) ② 個人防護具の着脱 ③ 感染廃棄物の取扱い
細目レベル ① 第1・2回講義で学習した感染予防の観点から前提となる清潔(滅菌や消毒により病原微生物がないあるいは少ない状態)・不潔(病原微生物がいるあるいは触れた可能性が高い)の概念、手指衛生のタイミング(患者に触れる前・清潔/無菌操作の前・体液に曝露された可能性がある時・患者に触れた後・患者周辺の物品に触れた後)を想起し、手指衛生(衛生学的手洗い・擦式消毒剤を使用した手指消毒)を実施する。衛生学的手洗いの前に不要なものはすべて外し、ペーパータオル等を確認する。手洗い後に汚染が残りやすい部位を念頭におき、15秒以上かけて実施する。擦式消毒剤を使用した手指消毒も同様に、手指消毒前に不要なものはすべて外し、15秒以上かけて手指に擦り込むのに十分な量を手に取り、汚染が残りやすい部位を念頭において、完全に乾燥させる。
② 第1・2回講義で学習した感染予防の観点から前提となる清潔(滅菌や消毒により病原微生物がないあるいは少ない状態)・不潔(病原微生物がいるあるいは触れた可能性が高い)の概念、手指衛生のタイミング(患者に触れる前・清潔/無菌操作の前・体液に曝露された可能性がある時・患者に触れた後・患者周辺の物品に触れた後)を想起し、個人防護具の着脱をする。手指消毒後、エプロンまたはガウンが周囲や床につかないように作業域をとり広げる。マスクは裏表、上下を確認し鼻から顎までしっかり覆うようにヒダを伸ばして着用する。ゴーグルまたはフェイスシールドと未滅菌手袋を着用する。脱衣時は、汚染された部分(特に前面)に触れないように未滅菌手袋から外す。手指消毒後にエプロンまたはガウンを外す。ゴーグルまたはフェイスシールド、マスクは耳にかけているところを持って外す。最後に必ず手指消毒を実施する。
③ 第1・2回講義で学習した感染予防の観点から前提となる清潔(滅菌や消毒により病原微生物がないあるいは少ない状態)・不潔(病原微生物がいるあるいは触れた可能性が高い)の概念、手指衛生のタイミング(患者に触れる前・清潔/無菌操作の前・体液に曝露された可能性がある時・患者に触れた後・患者周辺の物品に触れた後)、医療廃棄物の分別方法を想起し、感染性廃棄物の取扱いを実施する。ここでは検査室での処置後という設定を行い、外した個人防護具を感染性廃棄物として取扱う。感染性廃棄物の廃棄ボックス等に貼付するハザードマークを確認し、廃棄ボックスには手を触れないようにして廃棄する。廃棄後には必ず手指消毒を実施する。
キーワード ① スタンダードプリコーション ② 衛生学的手洗い ③ 手指消毒 ④ 個人防護具 ⑤ 感染性廃棄物
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ」の240~293ページ、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」6~28ページ、教員が作成したオリジナルノート30~33ページを熟読し、演習事前課題81~84ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「手指衛生ver.3」、「PPE(エプロン)着脱ver.3」、「PPE(ガウン)着脱ver.3」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。受講前にセルフトレーニングして手順を頭に入れておくことが望ましい。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「感染防止の技術(スタンダードプリコーション)」内にある「手指衛生」、「ガウンテクニック」を閲覧する。復習として、演習後の課題を実施し、セルフトレーニングをして確実に習得する。授業終了時に実施したmanaba小テスト、動画等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

9 【第10・11回:演習】安楽確保の技術(安楽な体位保持・体位変換)環境を整える技術(ベッドメーキング)・活動の援助技術(他動運動・自動運動・歩行援助) 科目の中での位置付け このコマの主題は3つある。1つ目は、安楽確保の技術(安楽な体位保持・体位変換・ボディメカニクス)である。ここでは、第3回講義で学習した様々な体位(仰臥位・座位・立位)が身体に与える影響(呼吸器系・循環器系・体圧・廃用症候群)、安楽な体位保持(ポジショニング)・体位変換の方法とその根拠や留意点を踏まえて、ベッド上での上方移動と仰臥位のポジショニング、仰臥位からファーラー位への体位変換とポジショニング、ベッド上での水平移動と側臥位への体位変換、側臥位のポジショニングを実際に実施し習得する。このコマでのボディメカニクスを活用した身体の使い方の学びは、今後のすべてのコマでの技術の習得に関わる。
2つ目は、環境を整える技術(シーツ交換と環境調整)である。ここでは、第4回講義で学習した望ましい病床環境を踏まえて、対象となる人が安全で快適な入院生活が送れるように転倒転落防止、感染予防、褥瘡予防、安楽を考慮したベッドメーキング・環境調整を実際に実施し習得する。3つ目は、活動の援助技術(他動運動・自動運動・歩行援助)である。ここでは、第5回講義で学習した運動機能のアセスメントを行い、他動運動、自動運動の方法とその根拠や留意点を踏まえて、肩関節、肘関節、手関節、股関節、膝関節、足関節の他動運動、自動運動を実際に実施し習得する。また、歩行援助についても同様に方法とその根拠と留意点を踏まえて廊下歩行、階段昇降時の援助を実際に実施し習得する。演習時は、看護師としての実践から得た経験や事例をもとに、ボディメカニクスの活用やポジショニング、関節可動域訓練の実際と根拠を結びつけて教授する。

・オリジナル演習ノートp34~42、85~94
・新体系看護学全書 専門分野Ⅰ基礎看護学 基礎看護技術Ⅰ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p326~342
・新体系看護学全書 専門分野Ⅰ基礎看護学 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p118~130、2~21
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p68~83、42~67
コマ主題細目 ① 体位変換 ② 体位保持(ポジショニング) ③ シーツ交換と環境調整 ④ 他動運動・自動運動・歩行援助
細目レベル ① 第3回講義で学習した体位の種類により身体に与える影響や体位変換の実施方法とその根拠や留意点を踏まえて、ベッド上での上方移動、仰臥位からファーラー位への体位変換、ベッド上での水平移動、仰臥位から側臥位への体位変換を実施する。ボディメカニクスを活用し、説明と同意を得て声を掛けながら実施する。ベッド上での上方移動や水平移動では体幹をしっかり支え対象となる人に看護者の身体を近づけて実施する。ファーラー位への体位変換では、ベッドの屈曲部に殿部があることを確認し、ベッドの頭側を挙上する。挙上後は背抜き・足抜きを必ず実施し、ベッドとの接地部分にズレがないようにする。仰臥位から側臥位への体位変換では、対象となる人の身体を可能な限り小さくまとめ、膝を立ててトルクの原理を用いて回転する。
② 第3回講義で学習した体位の種類により身体に与える影響や体位保持(ポジショニング)の実施方法とその根拠や留意点を踏まえて、仰臥位の体位保持(ポジショニング)、ファーラー位の体位保持(ポジショニング)、側臥位の体位保持(ポジショニング)を実施する。ボディメカニクスを活用し、説明と同意を得て声を掛けながら実施する。仰臥位の体位保持(ポジショニング)では、安楽枕を使用し支持基底面を広くとって安定させる。ファーラー位の体位保持(ポジショニング)でも安楽枕を使用し、ベッドとの接地面積を大きくして安定させる。側臥位での体位保持(ポジショニング)では、体幹のねじれがないように安楽枕を使用し身体を安定させる。下側になる腓骨骨頭部は圧迫しないように全体を適した安楽枕等で支える。
③ 第4回講義で学習した望ましい病床環境や一般的なベッドメーキング、リネン交換、環境調整の実施方法とその根拠や留意点を踏まえて、ベッドメーキングと環境調整を実施する。ここでは、二人で実施するベッドメーキングと環境調整を実施する。看護共通基本技術である感染予防の技術を踏まえて必要な個人防護具を選択し、必要時、手指衛生を確実に実施する。二人で実施するため、主・副と役割分担を行い、声を掛けながら実施する。特にシーツを敷く際は、しわがないように注意し、コーナーは三角にして崩れにくくする。包布や枕カバーはベッド上に配置する向き等に注意する。外した個人防護具の廃棄について分別を確実にする。対象となる人が安全で快適な入院生活が送れるように転倒転落防止、感染予防、褥瘡予防、安楽の観点から環境調整を実施する。
④ 第5回講義で学習した運動機能の維持・回復のための援助として、体位・動作の観察、関節可動域の評価、ADLの評価を想起し、他動運動、自動運動の実施方法とその根拠や留意点を踏まえて、肩関節、肘関節、手関節、股関節、膝関節、足関節の他動運動、自動運動をグループ内ペアとなり実施する。正常な関節可動域を理解し、痛みがない範囲で行う。また、看護の対象の表情、筋肉の抵抗をみながら行う。歩行援助についても同様に方法とその根拠と留意点を踏まえて、グループ内ペアとなり廊下歩行、階段昇降時の援助を実施する。その際、歩行場所の廊下等の濡れや障害物を確認し、転倒予防のため、看護者の声かけに注意する。看護の対象のペースに合わせ、視線に注意する。
キーワード ① ボディメカニクス ② 体位変換と体位保持(ポジショニング) ③ シーツ交換と環境調整 ④ 他動運動・自動運動 ⑤ 歩行援助
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学② 基礎看護技術Ⅰ」の326~342ページ、「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の118~130ページ、2~21ページ、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の68~83ページ、42~67ページ、教員が作成したオリジナルノート34~42を熟読し、演習事前課題85~94ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「安楽な体位と体位変換ver.2」、「ベッドメーキング・環境整備ver.3」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「活動・休息援助技術」内にある「体位変換」、「環境調整技術」内にある「ベッドメイキング」を閲覧する。受講前にセルフトレーニングして手順を頭に入れておくことが望ましい。復習として、演習後の課題を実施し、セルフトレーニングをして確実に習得する。授業終了時に実施したmanaba小テスト、動画等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

10 【第12・13回:演習】環境を整える技術(臥床患者のリネン交換) 科目の中での位置付け このコマの主題は、環境を整える技術(臥床患者のリネン交換)である。ここでは、第4回講義で学習した看護理論家が提唱した環境の概念、環境の種類(外的環境:物理的環境・心理的環境・社会的環境と内的環境:ホメオスタシス)を踏まえて学ぶ。また、望ましい病床環境や、病床の環境調整としてベッドメーキング、リネン交換・環境調整の実施方法とその根拠や留意点を踏まえて、対象となる人が安全で快適な入院生活が送れるように二人で臥床患者のリネン交換を実際に実施し習得する。また、環境調整は単に清掃することではなく、対象となる人が安全で快適な入院生活が送れるように転倒転落防止、感染予防、褥瘡予防、安楽の観点から実施することが必要であることも踏まえて実際に実施し習得する。第10回演習環境を整える技術(シーツ交換と環境調整)において二人で実施したベッドメーキングを踏まえ、ここでは一人で臥患者のシーツ交換も行い、確実に習得する。対象となる人の状態に合わせて一人でも二人でも確実に実施できるよう習得する。演習時は、看護師としての実践から得た経験や事例をもとに、ボディメカニクスの活用やベッドメーキング、環境調整について根拠と結びつけて教授する。
・オリジナル演習ノートp38~39、95~97
・新体系看護学全書 専門分野Ⅰ基礎看護学 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p2~21
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p42~67
コマ主題細目 ① 二人で実施する臥床患者のリネン交換・環境調整 ② 一人で実施する臥床患者のシーツ 交換
細目レベル ① 第4回講義、第10回演習で学習した望ましい病床環境や一般的なベッドメーキング、リネン交換、環境調整の実施方法とその根拠や留意点を踏まえて、ここでは、二人で実施する臥床患者のリネン交換と環境調整を実施する。看護共通基本技術である感染予防の技術を踏まえて必要な個人防護具を選択し、必要時、手指衛生を確実に実施する。二人で実施するため、主・副と役割分担を行い、声を掛けながら実施する。患者が臥床しているため、第3回講義で学習した体位の種類により身体に与える影響や体位変換の実施方法とその根拠や留意点を踏まえて、仰臥位から側臥位に体位変換し、片側ずつシーツ交換を実施する。特にシーツを敷く際は、しわがないように注意し、コーナーは三角にして崩れにくくする。包布や枕カバーの交換時は対象を観察しながら実施し、ベッド上に配置する向き等に注意する。外した個人防護具の廃棄について分別を確実にする。対象となる人が安全で快適な入院生活が送れるように転倒転落防止、感染予防、褥瘡予防、安楽の観点から環境調整を実施する。
② 第4回講義、第10回演習で学習した望ましい病床環境や一般的なベッドメーキング、リネン交換、環境調整の実施方法とその根拠や留意点を踏まえて、ここでは、一人で実施する臥床患者のシーツ交換と環境調整を実施する。看護共通基本技術である感染予防の技術を踏まえて必要な個人防護具を選択し、必要時、手指衛生を確実に実施する。一人で実施するため、作業効率を考え、声を掛けながら実施する。患者が臥床しているため、第3回講義で学習した体位の種類により身体に与える影響や体位変換の実施方法とその根拠や留意点を踏まえて、仰臥位から側臥位に体位変換し、片側ずつシーツ交換を実施する。
特にシーツを敷く際は、しわがないように注意し、コーナーは三角にして崩れにくくする。外した個人防護具の廃棄について分別を確実にする。

キーワード ① 環境 ② 病床環境 ③ ベッドメーキング ④ リネン交換 ⑤ 環境調整
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の2~21ページ、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の42~67ページ、教員が作成したオリジナルノート38~39を熟読し、演習事前課題95~97ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「ベッドメーキング・環境整備ver.3」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「環境調整技術」内にある「ベッドメイキング」を閲覧する。受講前にセルフトレーニングして手順を頭に入れておくことが望ましい。復習として、演習後の課題を実施し、セルフトレーニングをして確実に習得する。授業終了時に実施したmanaba小テスト、動画ビデオ等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

11 【第14・15回:演習】活動の援助技術(車椅子とストレッチャーの移乗・移送、歩行援助) 科目の中での位置付け このコマの主題は1つである。活動の援助技術のうち車椅子の移乗・移送とストレッチャーの移乗・移送である。ここでは、第5・6回講義で学習した活動・運動の意義やその援助の必要性(特に早期に離床する)、車椅子・ストレッチャー移乗・移送の実施方法とその根拠や留意点を踏まえて学ぶ。対象となる人の運動機能(体位・動作の観察、関節可動域の評価、ADL評価)を観察・分析(アセスメント)し、自力で移動困難な患者を目的地へ安全・安楽に移送したり、精神活動の刺激をしたりするため、運動機能の低下した人への援助として、車椅子とストレッチャーの移乗・移送を実際に実施し習得する。車椅子移乗では、ベッドから車椅子へ、移送では段差のあるところ、エレベーターでの移送方法とその根拠、留意点を踏まえて実際に実施し習得する。ストレッチャー移乗では、2人でスライディングシートを用いて行う方法を、移送では平坦な廊下、曲がり角を移送する方法とその根拠、留意点を踏まえて実際に実施し習得する。演習時、看護師としての実践から得た経験や事例をもとに、車椅子やストレッチャーの移乗・移送について、根拠と結びつけて教授する。

・オリジナル演習ノートp43~45、99~104
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p108~142、160~166、174~177
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p68~105、164~174、184~194
コマ主題細目 ① 車椅子の移乗・移送 ② ストレッチャー移乗・移送
細目レベル ① 第5・6回講義で学習したセルフケアとは「自分のために」と「自分で行う」という二重の意味をもち、人は誰しも自らのセルフケアについて責任と権利があること、活動・運動の意義やその援助の必要性(特に早期に離床する)を踏まえて、運動機能の低下した人への援助として、車椅子の移乗・移送を実際に実施し習得する。まず運動機能(体位・動作の観察、関節可動域の評価、ADL評価)を観察・分析(アセスメント)し、対象となる人の自立を考慮した方法を習得する。対象の安全・安楽に配慮し、ここでは、ベッド上仰臥位から長座位への体位変換、長座位から端座位への体位変換を行い、車椅子の配置場所に注意し、移乗を実施する。段差、エレベーター内での移送を行う。
② 第5・6回講義で学習したセルフケアとは「自分のために」と「自分で行う」という二重の意味をもち、人は誰しも自らのセルフケアについて責任と権利があること、活動・運動の意義やその援助の必要性(特に早期に離床する)を踏まえて、運動機能の低下した人への援助として、ストレッチャー移乗・移送を実際に実施し習得する。まず運動機能(体位・動作の観察、関節可動域の評価、ADL評価)を観察・分析(アセスメント)し、
対象の安全・安楽に配慮し、ここでは、二人でスライディングシートを用いた方法で実施する。ストレッチャー移乗では、作業域を確保し、ベッドとストレッチャーの高さに注意し対象の安全・安楽に配慮して行う。ストレッチャー移送でも対象の安全・安楽に配慮し、平坦な廊下、曲がり角の移送を実施する。

キーワード ① 運動機能の観察・分析 ② 車椅子の移乗 ③ 車椅子の移送 ④ ストレッチャー移乗 ⑤ ストレッチャー移送
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習として、教科書「新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ」の108~142、160~166、174~177ページ、「看護がみえるVol.1基礎看護技術」の68~105、164~174、184~194ページ、教員が作成したオリジナルノート43~45を熟読し、演習事前課題99~104ページを実施する。また、グーグルドライブ共有フォルダに配信している教員が制作した動画「車椅子移乗・移送ver.3」、「ストレッチャー移乗・移送ver.3」を何度も閲覧して手順、留意点を予習する。また、インターネット上無料サイト「看護roo」の動画でわかる看護技術https://www.kango-roo.com/mv/にアクセスして、「活動・休息援助技術」内にある「車いすの移乗・移送」、「ストレッチャーの移乗・移送」を閲覧する。受講前にセルフトレーニングして手順を頭に入れておくことが望ましい。復習として、演習後の課題を実施し、セルフトレーニングをして確実に習得する。授業終了時に実施したmanaba小テスト、動画等で実施方法とその根拠や留意点について復習する。
【予習学習時間目安:1h/復習学習時間目安:1h】

12 【第16・17回:演習】清潔・衣生活の援助(洗髪) 科目の中での位置付け このコマの主題は、清潔・衣生活の援助の洗髪である。ここでは、「生活援助方法論」で学習した皮膚・頭皮・粘膜の構造や機能や感染予防の技術で学んだ清潔・不潔の概念を基盤に、身体的、心理的、社会的側面から清潔の意義を考慮して、洗髪の実施方法とその根拠や留意点を踏まえ、洗髪台での洗髪、ベッド上でケリーパッドを使用した洗髪、ベッド上での洗髪車を使用した洗髪を実施し、確実に習得する。具体的には、対象となる人の運動機能や状態を観察・分析(アセスメント)し、洗髪時の患者の姿勢が前傾姿勢であると心筋虚血発作が起こりやすく、後屈姿勢であると美容院脳卒中症候群が起こりやすいことを理解して適切な体位を選択肢、それに合わせた実施方法(ケリーパット、洗髪車、洗髪台)を選択することが出来る。また、洗髪に必要な患者の準備や、実施方法を適切に実施し、実施前後の観察ができるよう技術を修得する。演習時は、看護師としての実践から得た経験や事例をもとに、様々な洗髪の方法について根拠と結びつけて教授する。
・オリジナル演習ノートp46~49、109~116
・新体系看護学全書 基礎看護学③ 基礎看護技術Ⅱ:深井喜代子編、メヂカルフレンド社、2020、p108~142、160~166、174~177
・看護技術がみえるVol1 基礎看護技術:医療情報科学研究所編、メディックメディア、2021、p68~105、164~174、184~194
コマ主題細目 ① 洗髪(臥位・ケリーパッド) ② 洗髪(臥位・洗髪車) ③ 洗髪(座位・洗髪台)
細目レベル ① 臥位でケリーパットを使用する洗髪は、入浴、シャワーが出来ず、歩行困難または歩行禁止の患者で頸部に障害がある場合に選択することを理解して行い、頭部の振動や頸部への負かがかからないよう患者の準備や洗髪することが出来る。患者の準備では、毛細血管現象によりタオルが濡れないよう、ケープからフェイスタオルがはみ出ないように巻き、ブラッシングをしてから皮膚割線を意識して洗うことができる。また、前頭部、頭頂部に皮脂腺が多いため、しっかりと洗浄することができる。洗髪では、体調(顔色、疲労感、症状)、頭皮・頭髪の状態(汚れ、掻痒感、発赤、湿疹、脱毛、抜毛の量)、外耳道の湿潤、爽快感、満足感、寝衣や寝具の濡れについて、患者への確認や観察ができる。頸部に障害がある患者の場合には、洗髪実施中から実施後まで、頸部に負荷がかからず安静が保てていることも観察し、負担をかけず必要以上に時間をかけないよう配慮ができる。
② 臥位で洗髪車を使用する洗髪は、入浴、シャワーが出来ず、歩行困難または歩行禁止の患者で頸部に障害がある場合に選択することを理解して行い、頭部の振動や頸部への負かがかからないよう患者の準備や洗髪することが出来る。洗髪車の使用方法を理解し、適切な操作ができる。患者の準備において、ベッド柵を外し、洗髪車を頭側に設置する際には、振動に配慮して行うことができる。また、体位変換やベッドの上方移動の際には頸部に負担