区分 学部共通科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
(心)専門的知識と実践的能力 (心)分析力と理解力 (心)地域貢献性
(環)専門性 (環)理解力 (環)実践力
カリキュラム・ポリシーとの関係
(心)課題分析力 (心)課題解決力 (心)課題対応力
(環)専門知識 (環)教養知識 (環)思考力 (環)実行力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
グローバルな視野を持ち、国際社会に貢献できる力を有する。
科目の目的
本科目は、学部共通科目の中の選択科目の一つであり、前期「ドイツ語I」から展開される。本科目では、前期に引き続き、英語以外のヨーロッパ語の一つとして、ドイツ語を第二外国語として学習することにより、単にドイツ語の知識を身につけるにとどまらず、英語の文法構造を相対化し、ヨーロッパ語を広く学んでいくための基本的な視座を獲得することを目指す。今後大学で専門の学びを深めていく上で、ドイツ語圏の一次資料を読むことができる、ということは、学術的な素養の一つとして大きなアドバンテージになるだろう。また、講義の中では、ドイツの歴史、社会、文化に関する話題も、適宜取り入れていく。そうすることで、自国の社会や文化の〈外部〉からの視点を自らの内に取り入れ、より広い視野から社会全体を見渡すことのできる力を涵養することを目指す。
到達目標
前期の「ドイツ語I」を受けて学習する、基本的な言語規則を理解し、活用できる。発音ルールに基づき、テキストを音読することができる。助動詞・前置詞・形容詞の用いられたドイツ語の文章の内容を把握できる。基礎的な語彙や表現を用いて簡単なコミュニケーションができる。ドイツ語圏の文化、社会、歴史について理解している。具体的な文法事項の到達目標については、履修判定指標を参照のこと。
科目の概要
前期に「ドイツ語I」を履修した者を主な対象とし、「ドイツ語I」よりも高度な言語規則、基礎的語彙や表現を学び、ドイツ語の基礎力を確かなものにする。またそれと同時に、ドイツ語圏の文化、社会、歴史についての理解をさらに深める。特に文法事項について、後期の本科目「ドイツ語II」では、具体的には次の事項を学ぶ。すなわち、不定冠詞および不定冠詞類の格変化、人称代名詞3格・4格の種類と用法(および3人称の人称代名詞の用法)、前置詞の種類と格変化、助動詞の用法と人称変化、形容詞の用法と格変化などである。なお、前期に引き続き、随時、ドイツの歴史や文化に関するトピックを、ドイツの新聞記事の紹介などを通して講義に取り入れていく予定である。また、変化表等の暗記は単調になりがちであるので、こちらで暗記に役立つ補助教材等を用意して、受講生の学習を補助することも、前期と同様である。
科目のキーワード
不定冠詞、否定冠詞、所有冠詞、人称代名詞の3格、人称代名詞の4格、3人称の人称代名詞、前置詞、分離動詞、格支配、助動詞、形容詞
授業の展開方法
AL. 基本的な展開方法は前期と同様であり、講義は基本的に教科書に沿って進行する。受講生が各回に該当する教科書の内容を一読してきていることを前提に、教員は基本的な文法事項を解説する。その上で受講生は、講義時間中に練習問題に取り組み、文法の基礎を押さえると同時に、とくにALの記載があるコマでは、ペアでの会話を行うことでドイツ語の基本的な会話を習得できるようにする。動詞の変化形や冠詞の格変化などについては、講義後に受講生各自が復習し、確実に暗記しておく必要がある(後期は文法事項の説明に時間を要する回も増えると想定されるため、その場合、各自が復習課題として練習問題に取り組むことになる)。なお、予習してきた際に生じた疑問点については、それが講義内での教員による解説によって未だ解決しなかった場合、前期と同様、講義終了後あるいはオフィスアワーの時間に教員に質問するように。
オフィス・アワー
(岡崎キャンパス)【水曜日】3時限目・4時限目、【木曜日】昼休み
(大府・松山・道後キャンパス)講義前後、メール(j-shirota@uhe.ac.jp)にて質問に対応する。なお、メールの場合は大学発行のアドレスからのみとする

科目コード COM207
学年・期 1年・後期
科目名 ドイツ語Ⅱ
単位数 2
授業形態 講義
必修・選択 選択
学習時間 【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目 ドイツ語Ⅰ
展開科目 なし
関連資格 なし
担当教員名 城田純平
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 前期の復習 科目の中での位置付け 本科目は、次のような順序で展開される。まず、第一回に前期「ドイツ語I」の内容を総復習した後に、第二回から第四回にかけては、第I部として、不定冠詞と、それに類する変化をする冠詞(不定冠詞類)の格変化と用法について学ぶ。続いて、第五回から第七回にかけては、第II部として、前期「ドイツ語I」で学んだ人称代名詞の1格の用法に加えて、人称代名詞の3格・4格の用法について学ぶ。その際には、とくに人称代名詞の三人称の用法に関する英語との相違がポイントになる。さらに、第八回から第十回にかけては、第III部として、前置詞について、その格支配と用法とを英語とも比較しつつ学び、十一回から第十三回にかけては、第IV部として、ドイツ語の助動詞のうちの重要なものについて、その人称変化を押さえた上で、実際の文中での用法を学ぶ(助動詞を用いた文については、その語順が問題になる)。最後に、第V部として、教科書の内容にはない発展的な文法事項として、形容詞を取り上げると共に、これまでの講義の内容を総括し、ドイツ語文法の基礎を確たるものにする。なお、第四回・第七回・第十回・第十三回は、「復習コマ」であり、受講生の疑問点を解消しつつ、これまでの内容を復習し、まとめるためのコマとする(前期「ドイツ語I」よりも学習内容が高度になることを受け、より短いスパンで「復習コマ」を挿入し、既習事項の定着を図っていく)。本コマは、後期「ドイツ語II」の初回のコマであり、本講義の学習の前提となるドイツ語Iの内容について、前期期末試験の問題を用いて総復習し、ポイントをあらためて確認していく。
【コマ主題細目①】
・「ドイツ語Ⅰ」期末試験問題。

【コマ主題細目②】
・溝井高志・細川裕史・Martina Wegener『ドイツ語で話してみよう!』(以下「教科書」と略記)、三修社、2017年、12-28頁。

【コマ主題細目③】
・教科書29-34頁。
コマ主題細目 ① 肯定文・疑問文・命令文と語順 ② 動詞の人称変化 ③ 冠詞の格変化 ④ ― ⑤ ―
細目レベル ① ドイツ語Iの期末試験の問題を復習し、ドイツ語の基本的な語順について、肯定文・疑問文・命令文における動詞の位置を確認する。肯定文の場合、動詞は2番目に置かれ、英語とは異なり第1番目には主語以外のものが置かれることも多い。疑問文については、ja/neinで答えられる疑問文(決定疑問文)の場合には、動詞は1番目に置かれる(なお、英語とは異なりsein動詞(英語のbe動詞)以外の動詞でも同様である)。また、Ja/Neinで答えられない疑問文の場合、動詞は2番目に置かれる(なお、英語とは異なりsein動詞(英語のbe動詞)以外の動詞でも同様である)。さらに、命令文については、duへの命令、ihrへの命令、Sieへの命令の場合ごとに理解する必要がある。とりわけ、duへの命令では不規則動詞の不規則変化が生じる点を押さえる。具体的には、duへの命令の場合、動詞の語尾stを落とす、もしくは、動詞に語尾eを付す(さらに語幹の母音変化が伴う不規則動詞の中で、母音eがi(ie)に変化するパターンのものについては、語幹が上のように変化する)ことになる。また、ihrへの命令の場合、動詞に語尾tを付すことになる。さらに、Sieへの命令の場合、動詞に語尾enを付し、しかも主語Sieを添える必要がある。以上のような、肯定文・疑問文・命令文の語順に関する基本的な原則について確認して復習する。
② ドイツ語Iの期末試験の問題を復習し、sein動詞・規則動詞・不規則動詞の用法と人称変化を確認する。sein動詞について、ドイツ語の動詞には、英語のbe動詞に相当するsein動詞が存在する。これは、コプラ動詞と呼ばれるもので、主語と述語を結び付ける働きをするものである。英語の場合も、主語の人称(1人称・2人称・3人称)と数(単数・複数)によって、be動詞は変化したが、ドイツ語も同じく、人称と数によってsein動詞が変化する。以下のように、英語と対照させつつ、ドイツ語のsein動詞を復習する。1人称単数:bin/am, 2人称単数:bist/are, 3人称単数:ist/is, 1人称複数:sind/are, 2人称複数:seid/are, 3人称複数:sind/are. また、規則動詞について、動詞lernenの人称変化について復習する。英語の場合には、そもそも規則動詞においては、人称変化という概念が関わらないように思われるが、実際にはそうではなく、三人称単数(現在形)の際に、動詞の語尾に(e)sが付されるという形で、人称変化の名残が見られる。ドイツ語の場合には、これが、三人称単数だけでなく、一人称/二人称/三人称の各人称と、単数/複数の数によって、計6パターンの語尾変化が見られる、ということであった。具体的には、一人称単数:-e, 二人称単数:-st, 三人称単数:-t, 一人称複数:-en, 二人称複数:-t, 三人称複数(二人称敬称(単数・複数)も同じ):-enという語尾が付されることになる。最後に、主語の人称や数によって、語幹も変化のある動詞、すなわち不規則動詞について復習する。具体的には、こうしたタイブの不規則動詞においては、2人称単数(親称)・3人称単数のみで母音に変化が見られ、変化のパターンには、①語幹の母音がaからäに変わるもの、②語幹の母音がeからiに変わるもの、③語幹の母音がeからieに変わるものの三つが見られる。①に属する不規則動詞にはfahren, schlafenなどがあり、②に属する不規則動詞にはessen, geben, helfen, sprechenなどがあり、③に属する不規則動詞にはsehenなどがあるのであった。なお、不規則動詞には、haben, werden, wissenといった、使用頻度が高く、しかも、単に、主語の人称によっては語幹の母音にも変化がある、というのみならず、語幹が基本形から大きく異なった形をとったり、語尾に不規則な変化が生じたりするものもある。これらの変化形も復習する。
③ 本コマの最後に、やはり前期期末試験の問題を確認しながら、定冠詞・定冠詞類に関する内容を総復習する。定冠詞とは、英語のtheにあたるものであり、すでに話題にのぼっている名詞や、一般的に人が知っていることを表す名詞の前について、「あの…」、「その…」、「例の…」などの意味を表すものであるが、ドイツ語の定冠詞では、上のような基本性格を英語の定冠詞theと共有しているものの、他方で、おのれの修飾すべき後続する名詞の性・数・格によって(具体的には、〈「男性・単数」/「女性・単数」/「中性・単数」/「(性に関わらず)複数」の4パターン〉×〈1格/2格/3格/4格の4パターン〉=16パターンで)、異なった形に変化する、という特徴がある。具体的には、定冠詞の場合には、男性名詞は、1格der, 2格des, 3格dem, 4格den, 女性名詞は、1格die, 2格der, 3格der, 4格die, 中性名詞は、1格das, 2格 des, 3格dem, 4格das、(性に関わらず)複数形は、1格die, 2格der, 3格den, 4格dieという形をとるのであった。以上の点を、定冠詞の格変化表の暗記の確認、練習問題の確認をしつつ、再度押さえていく。さらに、定冠詞類のポイントについても確認する。ポイントは、主に二つある。一つは、定冠詞類の格変化についてである。これは、定冠詞の変化と類似するものであり、やはり、名詞の性・数の4パターン×名詞の格の4パターンで、16通りの変化形があるのだが、変化語尾のみを見ていくと、実は、中性1・4格の-asが-esになっていることと、女性および複数1・4格の-ieが-eになっていることの二点を別にして、残りは全て定冠詞の変化語尾と同様である。定冠詞類の中で、本講義で学ぶものには、dieser(「この」の意、英語のthisに相当)、welcher(「どの~?」の意、英語のwhichに相当)、jeder(「どの~も」の意、英語のeveryに相当)、aller(「すべての」の意、英語のallに相当)の四つがあったが、各定冠詞類の語尾部分は、全て同一の変化をする。具体的には、例えば、dieserを例にとると、男性名詞を修飾する場合、1格dieser, 2格dieses, 3格diesem, 4格diesen, 中性名詞を修飾する場合、1格dieses, 2格dieses, 3格diesem, 4格dieses, 女性名詞を修飾する場合、1格diese, 2格dieser, 3格dieser, 4格diese, 複数形を修飾する場合、1格diese, 2格dieser, 3格diesen, 4格diese, という形の変化をするのであった。以上の点まで、前期期末試験を確認しつつ、復習する。
④ ―
⑤ ―
キーワード ① 語順 ② 動詞の人称変化 ③ 冠詞の格変化 ④ ― ⑤ ―
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:前期の期末試験の問題をあらためて解いておくこと。復習:ドイツ語の語順、動詞の人称変化、名詞・冠詞・代名詞の格変化について、忘れていたものを中心に暗記を確実にする。具体的には、語順について、(i)肯定文、(ii)疑問文(ja/neinで答えられるものと、そうでないものとの違いにも留意しつつ)、(iii)命令文の語順を、とくに動詞の位置に気をつけながら復習する。また、動詞の人称変化について、sein動詞、規則動詞、不規則動詞(語幹の母音のみ変化するパターンのものと、語幹の母音のみではなく語幹全体が不定形とは大きく異なった形に変化するパターンのものとの、それぞれについて)変化形を暗唱しておく。さらに、冠詞の格変化について、定冠詞、定冠詞類の格変化を確認しておく。
2 不定冠詞と否定冠詞 科目の中での位置付け 本科目は、次のような順序で展開される。まず、第一回に前期「ドイツ語I」の内容を総復習した後に、第二回から第四回にかけては、第I部として、不定冠詞と、それに類する変化をする冠詞(不定冠詞類)の格変化と用法について学ぶ。続いて、第五回から第七回にかけては、第II部として、前期「ドイツ語I」で学んだ人称代名詞の1格の用法に加えて、人称代名詞の3格・4格の用法について学ぶ。その際には、とくに人称代名詞の三人称の用法に関する英語との相違がポイントになる。さらに、第八回から第十回にかけては、第III部として、前置詞について、その格支配と用法とを英語とも比較しつつ学び、十一回から第十三回にかけては、第IV部として、ドイツ語の助動詞のうちの重要なものについて、その人称変化を押さえた上で、実際の文中での用法を学ぶ(助動詞を用いた文については、その語順が問題になる)。最後に、第V部として、教科書の内容にはない発展的な文法事項として、形容詞を取り上げると共に、これまでの講義の内容を総括し、ドイツ語文法の基礎を確たるものにする。なお、第四回・第七回・第十回・第十三回は、「復習コマ」であり、受講生の疑問点を解消しつつ、これまでの内容を復習し、まとめるためのコマとする(前期「ドイツ語I」よりも学習内容が高度になることを受け、より短いスパンで「復習コマ」を挿入し、既習事項の定着を図っていく)。本コマは、第I部の1コマ目であり、不定冠詞と否定冠詞の格変化と用法の基本について学ぶ。
【コマ主題細目①】
・教科書29-34頁。

【コマ主題細目②】
・教科書35-37頁。

【コマ主題細目③】
・教科書35-37頁。
コマ主題細目 ① 定冠詞類の格変化 ② 不定冠詞・否定冠詞の格変化 ③ 不定冠詞・否定冠詞の用法 ④ ― ⑤ ―
細目レベル ① 不定冠詞および否定冠詞について学んでいくにあたり、次のコマ主題細目②では、それぞれの格変化について学ぶ。それに先立って、前期に学んだ定冠詞類の変化表が参考になるので、これを思い出しておく。具体的には、定冠詞類は、次のように変化するのであった。例えば、定冠詞類の一つであるdieserを例にとると、男性名詞を修飾する場合、1格dieser, 2格dieses, 3格diesem, 4格diesen, 中性名詞を修飾する場合、1格dieses, 2格dieses, 3格diesem, 4格dieses, 女性名詞を修飾する場合、1格diese, 2格dieser, 3格dieser, 4格diese, 複数形を修飾する場合、1格diese, 2格dieser, 3格diesen, 4格diese, という形で変化する。(定冠詞の語尾が-asの部分は-esとなる、という点と、定冠詞の語尾が-ieの部分は-eとなる、という点を除いて、定冠詞と同様の語尾変化をする。)
② コマ主題細目①で復習した定冠詞類dieserの格変化に対して、不定冠詞einは、男性名詞を修飾する場合、1格ein, 2格eines, 3格einem, 4格einen, 中性名詞を修飾する場合、1格ein, 2格eines, 3格einem, 4格ein, 女性名詞を修飾する場合、1格eine, 2格einer, 3格einer, 4格eine, という形で変化する。否定冠詞keinは、男性名詞・中性名詞・女性名詞を修飾する場合の変化形は、不定冠詞einと全く同様の語尾をとり、不定冠詞einの場合には原理的に存在しない、複数形を修飾する場合には、1格keine, 2格keiner, 3格keinen, 4格keine, という形で変化する。つまり、不定冠詞einおよび否定冠詞keinは、実は、定冠詞類とほとんど同様の変化をしており、定冠詞類と異なるのは、男性1格・中性1格・中性4格においては変化語尾がつかない((k)einの形をとる)という点のみなのである。この点に留意しつつ、不定冠詞ein・否定冠詞keinの格変化を暗記する。
③ 不定冠詞と否定冠詞の用法について理解するにあたって、まずは、前期に学んだ定冠詞と、不定冠詞とを対照させ、その用法の相違を押させる。定冠詞は、英語のtheにあたるものであり、原則として、特定のものを表し(「あの○○、その○○、例の○○」)、既に言及されたものに再び触れる場合などに用いられる。それに対して、不定冠詞は、英語のa(n)にあたるものであり、原則として、数えられる名詞につき、多数のもののうちの一つを表し(「ひとつの○○、ある○○」)、初めて何かに言及する場合などに用いられる。以上のように不定冠詞の用法を、定冠詞と対照させつつ押さえた上で、最後に否定冠詞について押さえる。否定冠詞は、英語のnoにあたるものであり、まずは不定冠詞の否定形として理解するとよい。なお、否定冠詞の用法については次コマでさらに詳しく補足する。
④ ―
⑤ ―
キーワード ① 定冠詞類の格変化 ② 不定冠詞・否定冠詞の格変化 ③ 不定冠詞・否定冠詞の用法 ④ ― ⑤ ―
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書35-37頁を読み、不定冠詞・否定冠詞を用いた例文について、音声教材を用いて繰り返しこれを聴き、発音しておく。
復習:次の練習問題に取り組み、不定冠詞・否定冠詞の格変化と用法について習熟する。対応する日本語訳に合わせて、不定冠詞あるいは否定冠詞を、格変化に注意しつつ当てはめること。
①Haben Sie (    ) Fahrschein?(あなたがたは、1枚の乗車券(男)を持っていますか?)
②Leider ist (    ) Zimmer mehr frei.(残念ながら、もうひとつも部屋(中)が空いていません。)
③(    ) Eis, bitte!(アイスクリーム(中)をひとつください!)
④Kathrin hat (    ) Schwester, aber (    ) Bruder.
(カトリンは、ひとりの姉妹(女)を持っているが、ひとりも兄弟(男)を持っていない。)
⑤Kathrin gibt (    ) Katze (    ) Ball.(カトリンは一匹のネコ(女)にひとつのボール(男)をあげる。)

3 所有冠詞 科目の中での位置付け 本科目は、次のような順序で展開される。まず、第一回に前期「ドイツ語I」の内容を総復習した後に、第二回から第四回にかけては、第I部として、不定冠詞と、それに類する変化をする冠詞(不定冠詞類)の格変化と用法について学ぶ。続いて、第五回から第七回にかけては、第II部として、前期「ドイツ語I」で学んだ人称代名詞の1格の用法に加えて、人称代名詞の3格・4格の用法について学ぶ。その際には、とくに人称代名詞の三人称の用法に関する英語との相違がポイントになる。さらに、第八回から第十回にかけては、第III部として、前置詞について、その格支配と用法とを英語とも比較しつつ学び、十一回から第十三回にかけては、第IV部として、ドイツ語の助動詞のうちの重要なものについて、その人称変化を押さえた上で、実際の文中での用法を学ぶ(助動詞を用いた文については、その語順が問題になる)。最後に、第V部として、教科書の内容にはない発展的な文法事項として、形容詞を取り上げると共に、これまでの講義の内容を総括し、ドイツ語文法の基礎を確たるものにする。なお、第四回・第七回・第十回・第十三回は、「復習コマ」であり、受講生の疑問点を解消しつつ、これまでの内容を復習し、まとめるためのコマとする(前期「ドイツ語I」よりも学習内容が高度になることを受け、より短いスパンで「復習コマ」を挿入し、既習事項の定着を図っていく)。本コマは、第I部の2コマ目であり、前コマに学んだ、不定冠詞・否定冠詞の格変化と用法を復習した上で、否定冠詞の用法を否定文の作り方という観点から補足し、さらに、不定冠詞類の一つである所有冠詞について、その種類と格変化を学んでいく。
【コマ主題細目①】
・教科書35-37頁。

【コマ主題細目②】
・教科書35-39頁。

【コマ主題細目③】
・教科書35-39頁。
コマ主題細目 ① 前回の復習 ② 否定冠詞の用法の補足 ③ 所有冠詞の種類と格変化 ④ ― ⑤ ―
細目レベル ① 前回学んだ不定冠詞・否定冠詞の格変化と用法を復習する。不定冠詞einおよび否定冠詞keinは、定冠詞類とほとんど同様の変化をしており、定冠詞類と異なるのは、男性1格・中性1格・中性4格においては変化語尾がつかない((k)einの形をとる)という点のみであった。また、用法の面から見ると、不定冠詞は、(定冠詞が、原則として、特定のものを表し、既に言及されたものに再び触れる場合などに用いられるのに対して、不定冠詞は、原則として、数えられる名詞につき、多数のもののうちの一つを表し、初めて何かに言及する場合などに用いられる、ということであった。また否定冠詞については、本コマの次のコマ主題細目②において補足を行うが、基本的には不定冠詞の否定形として理解しておく。
② 前コマで学んだ否定冠詞の用法について補足的な内容(否定文を作る際のnichtとkeinの使い分け)について学ぶ。否定文に関連して、前期にはnichtを用いた否定文を学んだわけであるが、前コマで用いた否定冠詞keinを用いて否定文を作ることもできる、という点を押さえる。では、否定文を作る際、どのような場合にnichtを用い、どのような場合にkeinを用いるのか、ということであるが、基本的な考え方としては、不定冠詞einのついている名詞を否定する際にはkeinを用いるのに対して、不定冠詞ein以外のものがついている名詞を否定する際(例えば定冠詞・所有代名詞などがついて特定のものを表す場合)にはnichtを用いる、と理解するのがよい。
③ 不定冠詞のなかま(これを不定冠詞類と呼ぶ)としては、否定冠詞の他にも所有冠詞を挙げることができる。所有冠詞には、人称と数に応じて(1人称の代名詞と対応させると共に、英語の人称代名詞所有格とも対照させつつ覚えるとよい)、次のようなものがある。一人称単数:mein(「私の」の意味、ichに対応、英語のmyに該当)、二人称単数:dein(「君の」の意味、duに対応、英語のyourに該当)、三人称単数(男性):sein(「彼の」の意味、erに対応、英語のhisに該当)、三人称単数(中性):sein(「それの」の意味、esに対応、英語のitsに対応)、三人称単数(女性):ihr(「彼女の」の意味、sieに対応、英語のherに該当)、一人称複数:unser(「私たちの」、wirに対応、英語のour)、二人称複数:euer(「君たちの」、euerに対応、英語のyour)、三人称複数:ihr(「彼らの/それらの/彼女らの」、sieに対応、英語のtheir)。また、所有冠詞の人称変化については、不定冠詞ein・否定冠詞keinの人称語尾と同一である。具体的には、所有冠詞meinを例にとると、男性名詞を修飾する場合、1格mein, 2格meines, 3格meinem, 4格meinen, 中性名詞を修飾する場合、1格mein, 2格meines, 3格meinem, 4格mein, 女性名詞を修飾する場合、1格meine, 2格meiner, 3格meiner, 4格meine, 複数形を修飾する場合には、1格meine, 2格meiner, 3格meinen, 4格meine, という形で変化する。
④ ―
⑤ ―
キーワード ① 否定文 ② 不定冠詞の用法 ③ 所有冠詞の種類と格変化 ④ ― ⑤ ―
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書35-37頁を読み、不定冠詞・否定冠詞を用いた例文について、音声教材を用いて繰り返しこれを聴き、発音しておく。
復習:次の練習問題に取り組み、所有冠詞の格変化と用法について習熟する。対応する日本語訳に合わせて、適切な不定冠詞類を当てはめること。
①(   )Bruder ist sehr groß.
(私の兄弟(男)はとても大きいよ。)
-Wie groß ist(   )Bruder?
(君の兄弟(男)はどれくらい大きいんだい?)
②Ist(   )Lehrer freundlich?
(君たちの教師(男)はフレンドリーかい?)
-Nein.(   )Lehrer ist nicht freundlich.
(いいや。私たちの教師(男)はフレンドリーじゃないよ。)
③Kennst du(   )Familie?
(君は彼女の家族(女)を知っているのかい?)
-Ich kenne nur(   )Kind.
(私は彼女の子ども(中)だけを知っているよ。)
④Ich habe leider(   )Freundin.
(私は、残念ながらガールフレンド(女)を持っていない。)
 -Wie findest du(   )Schwester?
(君は、私の姉妹(女)をどう思う?)
⑤Wir schenken(   )Lehrerin(   )Blume. 
(私たちは、私たちの(女性)教師(女)にひとつの花(女)を贈る。)
⑥Ich mag Fassbinder und(   )Filme.
(私はファスビンダー監督と彼の映画(複)を好む。)
-Ich kenne(   )Filme von Fassbinder.
(私はファスビンダーの映画(複)を一つも知らない。)
⑦Kathrin und(   )Tante besuhen heute(   )Freunde.
(カトリンと彼女のおば(女)は今日、彼らの友人たち(複)を訪ねる。)

4 復習コマ⑴ 科目の中での位置付け 本科目は、次のような順序で展開される。まず、第一回に前期「ドイツ語I」の内容を総復習した後に、第二回から第四回にかけては、第I部として、不定冠詞と、それに類する変化をする冠詞(不定冠詞類)の格変化と用法について学ぶ。続いて、第五回から第七回にかけては、第II部として、前期「ドイツ語I」で学んだ人称代名詞の1格の用法に加えて、人称代名詞の3格・4格の用法について学ぶ。その際には、とくに人称代名詞の三人称の用法に関する英語との相違がポイントになる。さらに、第八回から第十回にかけては、第III部として、前置詞について、その格支配と用法とを英語とも比較しつつ学び、十一回から第十三回にかけては、第IV部として、ドイツ語の助動詞のうちの重要なものについて、その人称変化を押さえた上で、実際の文中での用法を学ぶ(助動詞を用いた文については、その語順が問題になる)。最後に、第V部として、教科書の内容にはない発展的な文法事項として、形容詞を取り上げると共に、これまでの講義の内容を総括し、ドイツ語文法の基礎を確たるものにする。なお、第四回・第七回・第十回・第十三回は、「復習コマ」であり、受講生の疑問点を解消しつつ、これまでの内容を復習し、まとめるためのコマとする(前期「ドイツ語I」よりも学習内容が高度になることを受け、より短いスパンで「復習コマ」を挿入し、既習事項の定着を図っていく)。本コマは、第I部の3コマ目であり、第I部の復習コマに相当する。これまでに学んだ、不定冠詞・否定冠詞・所有冠詞について、その変化形を復習すると共に、その用法・種類についても再確認し、前期に学んだ定冠詞・定冠詞類と併せて、冠詞の学習を完了する。
【コマ主題細目①】
・教科書35-39頁。

【コマ主題細目②】
・教科書35-39頁。

【コマ主題細目③】
・教科書35-39頁。
コマ主題細目 ① 不定冠詞・否定冠詞・所有冠詞の格変化 ② 不定冠詞・否定冠詞・所有冠詞の用法と種類 ③ 不定冠詞・否定冠詞・所有冠詞に関する確認問題 ④ ― ⑤ ―
細目レベル ① 不定冠詞・否定冠詞・所有冠詞の格変化は、それぞれ互いに類似しており、またこれらの格変化は、定冠詞類の格変化とは、男性1格・中性1格・中性4格で異なる(変化語尾が付されない)のみである。具体的には、例えば、否定冠詞keinの変化形を例にとると、1格kein, 2格keines, 3格keinem, 4格keinen, 中性名詞を修飾する場合、1格kein, 2格keines, 3格keinem, 4格kein, 女性名詞を修飾する場合、1格keine, 2格keiner, 3格keiner, 4格keine, 複数形を修飾する場合には、1格keine, 2格keiner, 3格keinen, 4格keine, という形で変化する。なお、所有冠詞の格変化語尾についても、これと全く同様なのであるが、ただし、1人称複数のunserおよび2人称複数のeuerにおいては、変化語尾が付いたときにはrの直前のeが脱落することがしばしばあるため、注意が必要である。例えば、unserの男性2格はunsres, また、euerの女性1格はeureといったようになる。
② 不定冠詞・否定冠詞・所有冠詞の用法について、復習する。定冠詞が、原則として、特定のものを表し、既に言及されたものに再び触れる場合などに用いられるのに対して、不定冠詞は、原則として、数えられる名詞につき、多数のもののうちの一つを表し、初めて何かに言及する場合などに用いられる、ということであった。また否定冠詞については、基本的には不定冠詞の否定形として理解しておけばよいが、ただし、否定文を作る際に、この不定冠詞keinを用いるのか、それともnichtを用いるのか、という点では、注意が必要である。その際の基本的な考え方としては、不定冠詞einのついている名詞を否定する際にはkeinを用いるのに対して、不定冠詞ein以外のものがついている名詞を否定する際(例えば定冠詞・所有代名詞などがついて特定のものを表す場合)にはnichtを用いる、ということであった。なお、所有冠詞については、英語の人称代名詞所有格に相当するものであり、具体的には、一人称単数:mein(「私の」の意味、ichに対応、英語のmyに該当)、二人称単数:dein(「君の」の意味、duに対応、英語のyourに該当)、三人称単数(男性):sein(「彼の」の意味、erに対応、英語のhisに該当)、三人称単数(中性):sein(「それの」の意味、esに対応、英語のitsに対応)、三人称単数(女性):ihr(「彼女の」の意味、sieに対応、英語のherに該当)、一人称複数:unser(「私たちの」、wirに対応、英語のour)、二人称複数:euer(「君たちの」、euerに対応、英語のyour)、三人称複数:ihr(「彼らの/それらの/彼女らの」、sieに対応、英語のtheir)があり、それぞれがコマ主題細目①で学んだ格変化をする、ということであった。以上の点を復習する。
③ 本コマのコマ主題細目①および②で復習してきた、不定冠詞・否定冠詞・所有冠詞の活用・用法・種類を踏まえて、これまでに第I部で取り組んできた練習問題(第二回の復習課題および第三回の復習課題)に再度取り組む。それは、具体的には次のような問題である。それぞれの問題について、日本語訳を参考に、不定冠詞・否定冠詞・所有冠詞のうちの適切なものを、名詞の性と格に注意して格変化させつつ当てはめること。なお、具体的な問題の解法としては、次のような仕方が考えられる。まず、日本語訳を参考に、当てはめる冠詞が不定冠詞・否定冠詞・所有冠詞のいずれであるのかを確かめる。(例えば、「一つの」・「一個の」などの日本語には不定冠詞einが対応し、また「(一つも)~ない」などの日本語には否定冠詞keinが対応し、さらに「私の」・「君の」といった所有を表す日本語表現にはそれぞれの人称・数の所有冠詞が対応する。)つぎに、その当てはめるべき冠詞が修飾する名詞について、その名詞の性(および数)と格を確かめる。性については、対応する日本語訳の直後に今回は(男)・(中)・(女)・(複)というように示してあるので、それを参考にし、格については、前期に学んだように、「は(が)」は1格、「の」は2格、「に」は3格、「を」は4格に対応しているものと考え、各文の名詞の直後の日本語の助詞を参考にして判別する。以上によって、不定冠詞・否定冠詞・所有冠詞のうちの適切なものを、それが修飾している名詞の性・数・格にあわせて適切に語尾変化させつつ当てはめることができるようになる。ただし、その前提として活用表自体の暗記は必要になるので、活用表の暗記を徹底するように。
④ ―
⑤ ―
キーワード ① 不定冠詞 ② 否定冠詞 ③ 所有冠詞 ④ ― ⑤ ―
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書35-39頁を読み、不定冠詞・否定冠詞・所有冠詞を用いた例文を発音しておくと共に、第二回講義・第三回講義のレジュメを読み直し、不明な点がないかどうかを確かめておく。その上で、第二回講義・第三回講義の復習課題に再度取り組み、それぞれの冠詞の活用語尾を正確に覚えているかどうか、また用法と種類を正確に理解しているかどうかを確認しておく。なお、問題を解いて、答えが分からなかった場合には、講義の中で質問できるように準備しておくこと。
復習:今回の講義レジュメを読み直し、不定冠詞・否定冠詞・所有冠詞に関するポイントを再確認し、さらに、前期に学んだ定冠詞・定冠詞類の活用・用法・種類についても復習することで、各冠詞の活用の類似点と相違点、用法の対照的な点をまとめておくこと。

5 人称代名詞の3格・4格の用法と種類 科目の中での位置付け 本科目は、次のような順序で展開される。まず、第一回に前期「ドイツ語I」の内容を総復習した後に、第二回から第四回にかけては、第I部として、不定冠詞と、それに類する変化をする冠詞(不定冠詞類)の格変化と用法について学ぶ。続いて、第五回から第七回にかけては、第II部として、前期「ドイツ語I」で学んだ人称代名詞の1格の用法に加えて、人称代名詞の3格・4格の用法について学ぶ。その際には、とくに人称代名詞の三人称の用法に関する英語との相違がポイントになる。さらに、第八回から第十回にかけては、第III部として、前置詞について、その格支配と用法とを英語とも比較しつつ学び、十一回から第十三回にかけては、第IV部として、ドイツ語の助動詞のうちの重要なものについて、その人称変化を押さえた上で、実際の文中での用法を学ぶ(助動詞を用いた文については、その語順が問題になる)。最後に、第V部として、教科書の内容にはない発展的な文法事項として、形容詞を取り上げると共に、これまでの講義の内容を総括し、ドイツ語文法の基礎を確たるものにする。なお、第四回・第七回・第十回・第十三回は、「復習コマ」であり、受講生の疑問点を解消しつつ、これまでの内容を復習し、まとめるためのコマとする(前期「ドイツ語I」よりも学習内容が高度になることを受け、より短いスパンで「復習コマ」を挿入し、既習事項の定着を図っていく)。本コマは、第II部の1コマ目であり、ドイツ語の人称代名詞について、前期に学んだ1格の形に加えて、新たに人称代名詞の3格・4格を学ぶ。今回は、とくにその種類を全て覚えると共に、用法の基本を押さえていく。
【コマ主題細目①】
・教科書12-13頁。

【コマ主題細目②】
・教科書41-42頁。

【コマ主題細目③】
・教科書41-42頁。
コマ主題細目 ① 人称代名詞の1格の復習 ② 人称代名詞の3格・4格の用法 ③ 人称代名詞の3格・4格の種類 ④ ― ⑤ ―
細目レベル ① 人称代名詞の3格・4格について学ぶにあたって、前期に学んだ人称代名詞の1格について復習しておく。それぞれの人称・数によって、人称代名詞の1格には次のものがあった。すなわち、一人称単数はIch, 二人称単数(親称)はdu, 三人称単数(男性)はer, 三人称単数(女性)はsie, 三人称単数(中性)はes, 一人称複数はwir, 二人称複数はihr, 三人称複数は(その性にかかわらず)sieを用いるのであった。なお、二人称単数・複数には、敬称のSieも存在し、ドイツ語の人称代名詞の中で、文のどの位置に置かれても常に大文字書きするのは、この敬称のSieのみである(英語では一人称単数のIを常に大文字書きするわけであるが)。まずは、以上の人称代名詞の1格(日本語の「私は」、「君は」などに相当)の種類を再確認する。
② コマ主題細目①にて人称代名詞の1格について復習したことを踏まえて、ここからは人称代名詞の3格・4格について新しく学んでいく。人称代名詞の目的格について、英語と比較しつつ考えてみると、実は英語の場合、人称代名詞の目的格について、3格(英語では間接目的語と呼ばれる)と4格(英語では直接目的語と呼ばれる)とで同じ形が用いられている、ということが分かる。例えば、英語では、一人称(「わたし」)の目的格meは、「わたしに」・「わたしを」のどちらの意味でも用いられる、ということである。このように、英語では区別されないところの人称代名詞の目的格が、ドイツ語では、3格(~に)と4格(~をとで別々の形をとる。例えば、先ほどの、一人称・目的格(英語ではme)は、ドイツ語では、「わたしに」の意味を表す場合(3格)には、mirを、「わたしを」の意味を表す場合(4格)にはmichを用いる、という具合である。英語ではmeという同じ語で済まされていた「わたしに」・「わたしを」の表現が、ドイツ語では、前者についてはmirを、後者についてはmichを用いることで表されるという点を押さえる。
③ コマ主題細目②までに人称代名詞の3格・4格の用法について学んできたことを踏まえて、本コマの最後に、人称代名詞の3格・4格の種類を学ぶ。具体的には、まず人称代名詞の3格については、一人称単数:mir, 二人称単数:dir, 三人称単数(男性):ihm, 三人称単数(中性):ihm, 三人称単数(女性):ihr, 一人称複数:uns, 二人称複数:euch, 三人称複数:ihnenである。また、人称代名詞の4格については、一人称単数:mich, 二人称単数:dich, 三人称単数(男性):ihn, 三人称単数(中性):es, 三人称単数(女性):sie, 一人称複数:uns, 二人称複数:euch, 三人称複数:sieである。なお、二人称の敬称については、人称代名詞の3格はIhnen, 人称代名詞の4格はSieの形をとる。以上の種類を暗記する。
④ ―
⑤ ―
キーワード ① 人称代名詞の1格 ② 人称代名詞の3格・4格の用法 ③ 人称代名詞の3格・4格の種類 ④ ― ⑤ ―
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書41頁の会話文及び42頁の例文について、音声教材を用いて発音を確かめつつ音読しておく。併せて、人称代名詞の3格と4格の用法と種類について予習し、不明な点がないかどうか確かめておく。
復習:人称代名詞の用法と種類について、今回の講義レジュメを読んで復習した上で、とくに人称代名詞の3格・4格の種類については、人称代名詞の1格の種類と併せて、人称代名詞の表を完成できるように暗記を完全なものにしておく。暗記のコツとしては、とくに人称代名詞の3格・4格は、三人称単数(男性・中性・女性)形および三人称複数形において、定冠詞の男性・中性・女性・複数それぞれの3格・4格と類似した形をとる、という点を挙げることができる。これも参考にしながら、人称代名詞を漏れなく暗記しておくこと。

6 人称代名詞の3格・4格と語順 科目の中での位置付け 本科目は、次のような順序で展開される。まず、第一回に前期「ドイツ語I」の内容を総復習した後に、第二回から第四回にかけては、第I部として、不定冠詞と、それに類する変化をする冠詞(不定冠詞類)の格変化と用法について学ぶ。続いて、第五回から第七回にかけては、第II部として、前期「ドイツ語I」で学んだ人称代名詞の1格の用法に加えて、人称代名詞の3格・4格の用法について学ぶ。その際には、とくに人称代名詞の三人称の用法に関する英語との相違がポイントになる。さらに、第八回から第十回にかけては、第III部として、前置詞について、その格支配と用法とを英語とも比較しつつ学び、十一回から第十三回にかけては、第IV部として、ドイツ語の助動詞のうちの重要なものについて、その人称変化を押さえた上で、実際の文中での用法を学ぶ(助動詞を用いた文については、その語順が問題になる)。最後に、第V部として、教科書の内容にはない発展的な文法事項として、形容詞を取り上げると共に、これまでの講義の内容を総括し、ドイツ語文法の基礎を確たるものにする。なお、第四回・第七回・第十回・第十三回は、「復習コマ」であり、受講生の疑問点を解消しつつ、これまでの内容を復習し、まとめるためのコマとする(前期「ドイツ語I」よりも学習内容が高度になることを受け、より短いスパンで「復習コマ」を挿入し、既習事項の定着を図っていく)。本コマは、第II部の2コマ目であり、ドイツ語の人称代名詞の3格・4格について、前回学んだ基本的な事柄に加えて、その用法に関する注意事項を、英語との違いを意識しつつ学んでいく。
【コマ主題細目①】
・教科書41-42頁。

【コマ主題細目②】
・教科書43-46頁。

【コマ主題細目③】
・教科書43-46頁。
コマ主題細目 ① 前回の復習 ② 人称代名詞の三人称の用法の注意 ③ 人称代名詞及び名詞の3格・4格の語順 ④ ― ⑤ ―
細目レベル ① 今回も、前回に引き続き人称代名詞の3格・4格について学んでいく。それにあたって、まずは、前回のコマ主題細目③で学んだ、人称代名詞の3格・4格の種類(併せて1格の種類も)について、小テストを通して確認する。小テストで自らが誤ったものについては、再度暗記する。また、この人称代名詞の3格・4格については、前回のコマ主題細目②で学んだように、これは英語の間接目的語・直接目的語に対応するものであるわけであるが、英語の場合、この両目的語は同形であるのに対して、ドイツ語では、これが3格と4格とで異なる形をとる、ということであった。このような、人称代名詞の3格・4格の用法の基本的な事柄と、その種類について、前回の内容をあらためて押さえる。
② ここまでに学んできたことに加えて、ここでは、人称代名詞の三人称の用法で注意すべき点(1格・3格・4格を問わず当てはまること)を学ぶ。具体的には、人称代名詞の三人称単数(男性・女性・中性)形の用法が問題になる。英語では、三人称単数の代名詞he / she / itについて、heとsheが人(前者は男性、後者は女性)を受ける(ただし例外的に、名詞shipのように、人ではないにもかかわらずsheで受ける場合も稀にある)のに対して、itは物や事柄を受ける。しかし、ドイツ語の三人称単数の代名詞er / sie / esは、これとは大きく異なり、er / sieが物や事柄を受けることもあれば、逆にesが人を受けることもある。つまり、er / sie/ esは、いずれも、人・物・事柄のどれでも受けることができる、ということになる。では、この三つの代名詞はどのように使い分けられるのか、というと、それは、その代名詞が受ける名詞の性によってである。すなわち、男性名詞を受ける場合にはer, 女性名詞を受ける場合にはsie, 中性名詞を受ける場合にはesを用いる、ということになる。当然、前期に学んだように、男性名詞や女性名詞には、人だけでなく物や事柄も含まれ、また中性名詞には、物や事柄だけでなく人も含まれるため、結果的に上のようなことになる、というわけである。以上のように、英語と対照しつつ、ドイツ語の人称代名詞の三人称の用法で注意すべき点を、このレベルまで押さえる。
③ 人称代名詞の3格・4格についての学習内容の最後のものとして、ここでは、人称代名詞及び名詞の3格・4格の語順について学ぶ。この語順が問題になるのは、「○○に△△を…する」というパターンの表現のときであり、こうした表現は英語と同様にドイツ語でも見られる。(なお、こうしたパターンの表現を形成する動詞のうち、典型的なものとして、①geben(あげる)、②schenken(プレゼントする)、③schicken(送る)、④empfehlen(勧める)の四つの動詞をここでは暗記する。)これらの動詞を用いる際の人称代名詞や名詞の3格・4格の語順は、英語では「give 人に 物を」というように固定されており、「give 物を 人に」といった語順になることはない。それに対して、ドイツ語では、3格と4格で、人称代名詞の形や、名詞を修飾する冠詞の形が異なり、3格と4格を形の上から判別することができるため、「動詞 人に 物を」の語順と、「動詞 物を 人に」の語順の両方を自由に用いることができる、という点を押さえる。(ただし、ドイツ語の場合にも、この語順には一定の慣習があるのだが、それは本講義では深く立ち入らないことにする。発展的にそこまで学びたいという者は、教員に相談すること。)
④ ―
⑤ ―
キーワード ① 人称代名詞の3格・4格の種類 ② 人称代名詞の三人称の用法 ③ 人称代名詞・名詞の3格・4格の語順 ④ ― ⑤ ―
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書42-45頁を読み、内容を押さえつつ、音声教材を利用して、当該ページの例文を聴き、音読しておく。なお、今回は人称代名詞の3格・4格に関する小テストを実施するので、それに備えて暗記を完全なものにしておくこと。
復習:ここまでに学んだ人称代名詞の3格・4格の種類・用法の総まとめとして、以下の問題に取り組む。いずれの問題も、日本語訳を参考にして(  )内に適当な代名詞を当てはめるものである。

問題(1)
①Kennt dich die Frau?(君を、その女性は知っているのかい?)
 -Ja, sie kennt(   )gut.(うん、彼女は私をよく知っているよ。)
②Kennst du den Film schon?(君は、その映画(男)をすでに知っているのかい?)
 -Ja, ich kennne(   )schon.(うん、私はそれをすでに知っているよ。)
③Magst du dieses Brot?(君は、このパン(中)を好むかい?)
-Ja, ich mag(   )sehr.(うん、私はとてもそれを好むよ。)
④Besuchst du diese Woche die Freunde?(君は今週、その友人たち(複)を訪ねるのかい?)
-Ja, ich besuche(   ).(うん、私は彼らを訪ねるよ。)
⑤Ich kaufe das Buch von Goehte.(私はゲーテのその本(中)を買うよ。)
-Ach so! Ich habe(   )schon.(おや、そうなの! 私はもうそれを持っているよ。)

問題(2)
①Ich schicke meinem Sohn einen Brief.(私は、私の息子(男)に一通の手紙(男)を送る。)
 -Wann schickst du(   )den Brief? (いつ君は、彼にその手紙を送るんだ?)
②Was schenkst du deiner Freundin?(なにを君は君の女友達(女)にプレゼントするのか?)
 -Ich schenke(   )eine Uhr.(私は彼女に一つの時計(女)をプレゼントするよ。)
③Ich schenke unserer Freundin das Buch „Faust“.(私は、私たちの女友達(女)に『ファウスト』という本をプレゼントする。)
-Oh! Ich schenke(   )(   )auch.(おっと!私もそれを彼女にプレゼントするんだ。)

7 復習コマ⑵ 科目の中での位置付け 本科目は、次のような順序で展開される。まず、第一回に前期「ドイツ語I」の内容を総復習した後に、第二回から第四回にかけては、第I部として、不定冠詞と、それに類する変化をする冠詞(不定冠詞類)の格変化と用法について学ぶ。続いて、第五回から第七回にかけては、第II部として、前期「ドイツ語I」で学んだ人称代名詞の1格の用法に加えて、人称代名詞の3格・4格の用法について学ぶ。その際には、とくに人称代名詞の三人称の用法に関する英語との相違がポイントになる。さらに、第八回から第十回にかけては、第III部として、前置詞について、その格支配と用法とを英語とも比較しつつ学び、十一回から第十三回にかけては、第IV部として、ドイツ語の助動詞のうちの重要なものについて、その人称変化を押さえた上で、実際の文中での用法を学ぶ(助動詞を用いた文については、その語順が問題になる)。最後に、第V部として、教科書の内容にはない発展的な文法事項として、形容詞を取り上げると共に、これまでの講義の内容を総括し、ドイツ語文法の基礎を確たるものにする。なお、第四回・第七回・第十回・第十三回は、「復習コマ」であり、受講生の疑問点を解消しつつ、これまでの内容を復習し、まとめるためのコマとする(前期「ドイツ語I」よりも学習内容が高度になることを受け、より短いスパンで「復習コマ」を挿入し、既習事項の定着を図っていく)。本コマは、第II部の3コマ目であり、ドイツ語の人称代名詞の3格・4格についての復習を行う。具体的には、人称代名詞の3格・4格の種類、およびその用法について、とくに英語との違いがある点を中心に復習し、練習問題の解法のポイントについてもレクシャーし、本講義第II部の仕上げとする。
【コマ主題細目①】
・教科書12-13頁、41-46頁。

【コマ主題細目②】
・教科書41-46頁。

【コマ主題細目③】
・教科書41-46頁。
コマ主題細目 ① 人称代名詞の種類 ② 人称代名詞の3格・4格の用法 ③ 人称代名詞の3格・4格に関する確認問題 ④ ― ⑤ ―
細目レベル ① 前期に学んだ人称代名詞の1格と併せて、この後期の第II部で学んだ人称代名詞の3格・4格について、まずはその種類を再確認する。その際には、ドイツ語では、英語とは異なり、3格・4格(英語では間接目的語・直接目的語)で異なった人称代名詞が用いられる、という点をあらためて押さえた上で、具体的に、人称代名詞の3格については、一人称単数:mir, 二人称単数:dir, 三人称単数(男性):ihm, 三人称単数(中性):ihm, 三人称単数(女性):ihr, 一人称複数:uns, 二人称複数:euch, 三人称複数:ihnenがあり、また、人称代名詞の4格については、一人称単数:mich, 二人称単数:dich, 三人称単数(男性):ihn, 三人称単数(中性):es, 三人称単数(女性):sie, 一人称複数:uns, 二人称複数:euch, 三人称複数:sieがある、ということを確認する。なお、二人称の敬称については、人称代名詞の3格はIhnen, 人称代名詞の4格はSieの形をとるのであった。また、上のように一つ一つの人称代名詞の3格・4格を暗記するにあたっては、とくに三人称単数(男性・中性・女性)形および三人称複数形において、定冠詞の男性・中性・女性・複数それぞれの3格・4格と類似した形をとる、という点に注意すると暗記が容易になる、ということまであらためて押さえる。
② 人称代名詞の3格・4格は、基本的には、前者は英語の間接目的語、後者は英語の直接目的語に相当し、意味としては、前者は「私に」・「君に」・「彼に」・「彼女に」といった意味、後者は「私を」・「君を」・「彼を」・「彼女を」といった意味を表すものである。ただし、人称代名詞の用法として、英語と比較した場合、次の二点については大いに注意が必要なのであった。一つは、人称代名詞の三人称単数形の用法である。ドイツ語の場合、人称代名詞の三人称単数形は、男性・女性・中性の別があり、男性は1格:er, 3格:ihm, 4格:ihn, 女性は1格:sie, 3格:ihr, 4格:sie, 中性は1格:es, 3格:ihm, 4格:esといった形をとるのであったが、これは、英語の人称代名詞の三人称単数形が、男性を指す場合にはhe-him, 女性を表す場合にはshe-her, 事物を表す場合にはit-itの形をとることに、概ね相当している。ただし、英語と比較した場合、ドイツ語では、er-ihm-ihnは必ずしも人の男性を受けるとは限らず、sie-ihr-sieも必ずしも人の女性を受けるとは限らず、さらにes-ihm-esが必ずしも人以外の事物を受けるとは限らないのであった。むしろ、これらは、名詞の性に対応して、er-ihm-ihnは男性名詞全般(その中には人以外の事物も含まれる)、sie-ihr-sieは女性名詞全般(その中には人以外の事物も含まれる)、es-ihm-esは中性名詞全般(その中には事物以外の人も含まれる)を受けるものである。この点を、英語との違いとしてまずは押さえる。ドイツ語の人称代名詞の用法として注意の必要なことの二つ目として、3格・4格の語順がある。ドイツ語でも、英語と同様、「○○に△△を…する」という表現が可能であり、その際には、3格と4格の〈名詞もしくは人称代名詞〉が同時に用いられることになる。このとき、英語であれば、例えば、「give 人に 物を」というように、間接目的語と直接目的語の語順は固定されていた(語順によって間接目的語と直接目的語が示されていた)わけであるが、それに対して、ドイツ語の場合、3格と4格の語順に厳密な規則はなく(一定の慣習はあるのだが)、比較的自由に両者を配することができる。この点を、用法のうちの注意すべきことの二点目として確認する。以上二点について、ここまでのレベルをあらためて押さえる。
③ この復習コマの最後に、人称代名詞の3格・4格の種類と用法についての理解をあらためて確認するために、前回の復習課題となっていた問題に、再度取り組み、受講生からの質問も受けつつ、間違いの多かった問題の考え方をレクチャーする。一般的な解法としては、これらの問題では、日本語訳に、一人称単数「私」・二人称単数(親称)「君」・三人称単数(男性)「彼」・三人称単数(女性)「彼女」・三人称単数(中性)「それ」・一人称複数「私たち」・二人称複数(親称)「君たち」・三人称複数「彼(女)ら」・二人称単数および複数(敬称)「あなた(がた)」という表現があれば、それに対応する人称・数・性の人称代名詞を選択すればよく、また、上の日本語表現に「に」という助詞が結びついていれば該当する人称代名詞の3格を、「を」という助詞が結びついていれば該当する人称代名詞の4格を選べばよい。ただし、十分に注意が必要なのは、先のコマ主題細目②の注意の1点目に関連して、ドイツ語の場合、三人称単数の人称代名詞に関しては、「彼」・「彼女」・「それ」が必ずしも、er-ihm-ihn, sie-ihr-sie, es-ihm-esに対応してはいない、ということである。むしろ、日本語訳に「それ」と出てきている場合であっても、その「それ」が男性名詞・女性名詞・中性名詞のどれを指しているか、という点が、三人称単数のどの人称代名詞を当てはめるかの指針となる。つまり、「それ」が男性名詞を受けていれば、er-ihm-ihnを、「それ」が女性名詞を受けていれば、sie-ihr-sieを、「それ」が中性名詞を受けていれば、sie-ihr-sieを選ぶ、というわけである。この点にとくに注意しつつ、練習問題のポイントを確認する。

⑤ ―
キーワード ① 人称代名詞の3格・4格の種類 ② 人称代名詞の三人称の用法 ③ 人称代名詞・名詞の3格・4格の語順 ④ ― ⑤ ―
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書41-46頁を読み、人称代名詞の3格および4格を用いた例文を発音しておくと共に、第五回講義・第六回講義のレジュメを読み直し、不明な点がないかどうかを確かめておく。その上で、第六回講義の復習課題に再度取り組み、人称代名詞の3格・4格の種類を全て暗記することができているかどうか、また人称代名詞の3格・4格の用法を正確に理解できているかどうかを確認しておく。なお、問題を解いて、答えが分からなかった場合には、講義の中で質問できるように準備しておくこと。
復習:今回の講義レジュメを読み直し、人称代名詞の3格および4格に関するポイントを再確認し、併せて、前期に学んだ人称代名詞の1格についてもあらためて復習することで、ドイツ語の人称代名詞についての基本的な知識を完全なものにする。

8 前置詞の用法その格支配 科目の中での位置付け 本科目は、次のような順序で展開される。まず、第一回に前期「ドイツ語I」の内容を総復習した後に、第二回から第四回にかけては、第I部として、不定冠詞と、それに類する変化をする冠詞(不定冠詞類)の格変化と用法について学ぶ。続いて、第五回から第七回にかけては、第II部として、前期「ドイツ語I」で学んだ人称代名詞の1格の用法に加えて、人称代名詞の3格・4格の用法について学ぶ。その際には、とくに人称代名詞の三人称の用法に関する英語との相違がポイントになる。さらに、第八回から第十回にかけては、第III部として、前置詞について、その格支配と用法とを英語とも比較しつつ学び、十一回から第十三回にかけては、第IV部として、ドイツ語の助動詞のうちの重要なものについて、その人称変化を押さえた上で、実際の文中での用法を学ぶ(助動詞を用いた文については、その語順が問題になる)。最後に、第V部として、教科書の内容にはない発展的な文法事項として、形容詞を取り上げると共に、これまでの講義の内容を総括し、ドイツ語文法の基礎を確たるものにする。なお、第四回・第七回・第十回・第十三回は、「復習コマ」であり、受講生の疑問点を解消しつつ、これまでの内容を復習し、まとめるためのコマとする(前期「ドイツ語I」よりも学習内容が高度になることを受け、より短いスパンで「復習コマ」を挿入し、既習事項の定着を図っていく)。本コマは、第III部の一コマ目であり、前置詞について、まずはドイツ語にこだわらず前置詞という品詞がそもそもどのような働きをもつものであるのかを押さえた上で、ドイツ語の前置詞の特徴を学んでいく。
【コマ主題細目②】
・教科書47-49頁。

【コマ主題細目③】
・教科書47-49頁。
コマ主題細目 ① 前置詞と修飾 ② 前置詞の用法 ③ 前置詞の種類とその格支配 ④ ― ⑤ ―
細目レベル ① ここからドイツ語の前置詞を学んでいくにあたって、英語にもあった前置詞(例:in, of, with, to, fromなど)というものが、そもそもどのような働きをするものであるのかを押さえる。前置詞は、名詞(代名詞)の前に置かれて、名詞・動詞・形容詞等を修飾する句(ひとかたまりのフレーズ)をつくったり、述語句をつくったりする働きをもつ。このとき、とくに前者で言われている「修飾」ということに関して、名詞を修飾するものは「形容詞」、名詞以外のもの(動詞・形容詞等)を修飾するものは「副詞」と呼ばれるが、その意味で、前置詞句(前置詞とその後におかれた名詞等からなるフレーズ)は、名詞を修飾する形容詞的な働きをすることもあれば、名詞以外のもの(動詞・形容詞)を修飾する副詞的な働きをすることもある、ということである。まずは前置詞のもっている以上の働きを押さえる。
② コマ主題細目①で、前置詞という品詞とその機能について、基本的なことを学んだのを踏まえて、ここではさらに、ドイツ語の前置詞の特徴を押さえていく。ドイツ語には「格」が存在し、これまでに学んだところでは、1格は日本語の「は(が)」、2格は日本語の「の」、3格は日本語の「に」、4格は日本語の「を」に概ね対応している、ということで理解してきた。それに対して、ドイツ語の前置詞は、名詞(代名詞)のどの格と結びつくのかが決まっているものの、「前置詞+名詞(代名詞)」というフレーズが形成する意味は、日本語の「は(が)」・「の」・「に」・「を」とは関わりがないので注意が必要である。つまり、例えば、次に説明するように、ドイツ語の前置詞には、名詞の2格と結びつく(前置詞自らの後に2格の名詞を要求する)グループがあるが、「このグループの前置詞+2格の名詞」が形成する意味は、日本語の「の」とは全く関わりがない。なお、ドイツ語の前置詞の中で、上のように、名詞の2格と結びつく前置詞は、「2格支配の前置詞」と呼ばれる。それと類比的に、名詞の3格と結びつく前置詞は、「3格支配の前置詞」、4格と結びつく前置詞は「4格支配の前置詞」、3格・4格の両方と結びつく前置詞は、「3・4格支配の前置詞」と呼ばれる。ドイツ語の前置詞を「格支配」(どの格の名詞を自らの直後に要求するのか)という点から分類する場合、上のような四種類(「2格支配」・「3格支配」・「4格支配」・「3・4格支配」)があることまで、ここでは押さえる。(ここはドイツ語特有で、とりわけ理解の難しい箇所であるので、質疑応答の時間を十分に確保し、受講生各自の疑問が解消されるまで丁寧に説明を行う予定である。)
③ コマ主題細目②で学んだように、ドイツ語の前置詞には、どの格の名詞と結びつくのかがそれぞれの前置詞ごとに決まっている(何格支配の前置詞であるかが決まっている)。ドイツ男を習得する上では、代表的な前置詞が何格支配の前置詞であるのかを暗記する必要がある。講義の中では、暗記用カードを用意し、どの前置詞が何格支配であるのかを暗記していく。まず、2格支配の前置詞としては、wegen(~のゆえに)、während(~のあいだ(期間)に)の二つが重要である。つぎに、3格支配の前置詞としては、aus(~(の中)から)、bei(~のさいに/~のところで)、mit(~といっしょに/~を使って)、nach(~のあとで/~[地名など]へ/~によれば)、seit(~以来)、von(~の/~から)、zu(~[場所/人物など]へ)というものを覚える必要がある。さらに、4各支配の前置詞としては、durch(~を通って)、für(~のために)、gegen(~に対して)、ohne(~なしで)、um(~のまわりに/~(時)に)を暗記する。最後に、3・4格支配の前置詞として、an(~に接して)、auf(~の上で/上へ)、hinter(~の後で/後へ)、in(~の中で/中へ)、neben(~の横で/横へ)、über(~の上方で/上方へ)、unter(~の下で/下へ)、vor(~の前で/前へ)、zwischen(~の間で/間へ)といったものを覚える。これらの各前置詞が、何格支配であるのかは、暗記に時間を要する。講義内でも、カードを用いた暗記などの方法をレクチャーし、暗記の時間をとるが、各自自宅で十分に暗記を徹底する必要がある。
④ ―
⑤ ―
キーワード ① 前置詞 ② 形容詞的用法と副詞的用法 ③ 格支配 ④ ― ⑤ ―
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書47-49頁を読み、掲載されている会話文・例文について、音声教材を用いて発音を確認した上で、実際にこれを自分で読んでおく。また、前置詞について、該当頁の説明を読み、理解できる点と理解できない点を明確にしておく。
復習:今回学んだ前置詞と格支配の問題について、各前置詞が何格支配であるのかの対応関係の暗記を完全なものにしておく。また、各前置詞の日本語の意味についても暗記しておく。例えば、次の二つのようなパターンの質問に答えられるようにしておく必要がある。一つは、wegenという前置詞は何格支配で、どのような意味をもっているのか、というタイプの問い(前置詞の意味と格支配を答えるもの)であり、もう一つは、「~なしで」という意味を表すドイツ語の単語(前置詞)は何であり、またその前置詞は何格支配であるのか、というタイプの問い(日本語の意味に対応するドイツ語の前置詞と、その格支配を答えるもの)である。

9 前置詞の用例と分離動詞 科目の中での位置付け 本科目は、次のような順序で展開される。まず、第一回に前期「ドイツ語I」の内容を総復習した後に、第二回から第四回にかけては、第I部として、不定冠詞と、それに類する変化をする冠詞(不定冠詞類)の格変化と用法について学ぶ。続いて、第五回から第七回にかけては、第II部として、前期「ドイツ語I」で学んだ人称代名詞の1格の用法に加えて、人称代名詞の3格・4格の用法について学ぶ。その際には、とくに人称代名詞の三人称の用法に関する英語との相違がポイントになる。さらに、第八回から第十回にかけては、第III部として、前置詞について、その格支配と用法とを英語とも比較しつつ学び、十一回から第十三回にかけては、第IV部として、ドイツ語の助動詞のうちの重要なものについて、その人称変化を押さえた上で、実際の文中での用法を学ぶ(助動詞を用いた文については、その語順が問題になる)。最後に、第V部として、教科書の内容にはない発展的な文法事項として、形容詞を取り上げると共に、これまでの講義の内容を総括し、ドイツ語文法の基礎を確たるものにする。なお、第四回・第七回・第十回・第十三回は、「復習コマ」であり、受講生の疑問点を解消しつつ、これまでの内容を復習し、まとめるためのコマとする(前期「ドイツ語I」よりも学習内容が高度になることを受け、より短いスパンで「復習コマ」を挿入し、既習事項の定着を図っていく)。本コマは、第III部の二コマ目であり、前置詞についての学習をさらに進めていく。今回は、具体的な用例に着目することで、ドイツ語に特有の前置詞の格支配に習熟していくが、とりわけ、3・4格支配の前置詞が、どのような場合に3格を要求し、どのような場合に4格を要求するのか、という点に注意していく。なお、前置詞と混同しやすいものとして、分離動詞(正確には、前置詞と混同しやすいものは、分離動詞の分離前綴りの部分なのであるが)についても基本的なことを学ぶ。
【コマ主題細目①】
・教科書47-49頁。

【コマ主題細目②】
・教科書47-49頁。

【コマ主題細目③】
・教科書50-52頁。
コマ主題細目 ① 前回の復習 ② 前置詞の用例 ③ 分離動詞 ④ ― ⑤ ―
細目レベル ① 前置詞は、名詞(代名詞)の前に置かれて、名詞・動詞・形容詞等を修飾する句をつくったり、述語句をつくったりする働きをもつものであり、前者の用法の場合の前置詞句は、名詞を修飾する形容詞的な働きをすることもあれば、名詞以外のもの(動詞・形容詞)を修飾する副詞的な働きをすることもあるのであった。また、ドイツ語の前置詞の特徴として、「格支配」というものがあった。前置詞の格支配とは、前置詞の直後に置かれる名詞(代名詞)の格が何格であるのかを各前置詞が決定している、ということを指す。つまり、ドイツ語の格前置詞の後には何格(代名詞)の名詞が置かれるのかが、その前置詞ごとに定まっているということである。具体的には、その前置詞自らの直後に2格の名詞(代名詞)を要求するもの(「2格支配の前置詞」)、3格の名詞(代名詞)を要求するもの(「3格支配の前置詞」)、4格の名詞(代名詞)を要求するもの(「4格支配の前置詞」)、3・4格の名詞(代名詞)を要求するもの(「3・4格支配の前置詞」)があり、前コマでは、一つ一つの前置詞がこの四つのグループのいずれに属するものであるのかを確認したのであった。ここでは、その暗記の小テストも実施し、各前置詞が何格支配であるか、という点の暗記を強固なものにする。
② 前回学んだドイツ語の前置詞の特徴である、格支配に注意しつつ、具体的な例文を読み、(  )内に入る定冠詞を考える(性と格に応じた適切な格変化を考える)ことで、実際の文中でドイツ語の前置詞句がどのような形をとるのかを確認していく。(なお、前回学んだ「3・4格支配の前置詞」については、前置詞句の形成する意味の中で、前置詞の後にくる名詞(代名詞)の「移動」が表現されない場合(例えば、「~で」・「~に」といった日本語の意味の場合)には「3格」、逆に、「移動」がされる場合には「4格」を要求する、という点も、例文を見つつ確認していく。)具体的には、「2格支配の前置詞」の用例としては、次の文を見る。Wegen(   )Krankheit ist Atsushi während(   )Unterrichts zu Hause.(その病気(女)のゆえにアツシは授業(男)のあいだ家にいる。)また、「3格支配の前置詞」の用例としては、次の三つの文を見る。1. Er fährt nach(   )Essen mit(   )Zug nach München.(彼は食事(中)のあとで電車(男)を使ってミュンヘンへ行く。)2. Das ist das Buch von meinem Freund und ich gehe bald zu ihm.(それは私の友人(男)の本で、私はすぐに彼のところへ行く。)3. Er wohnt seit drei Jahren bei seinen Eltern.(彼は3年(複)まえから彼の両親(複)のところに住んでいる。)さらに、「4格支配の前置詞」については、次の三つの文を見る。1. Die Mutter arbeitet ohne Pause für(   )Familie.(その母親(女)は休み(女)なしでその家族(女)のために働く。)2. Um 8 Uhr spaziert der Mann um(   )See.(8時(女)にその男(男)はその湖(男)のまわりを散歩する。)3. Das Kind geht ohne(   )Lehrer durch(   )Park.(その子どもはその先生(男)なしでその公園(男)を通って行く。)最後に、「3・4格支配の前置詞」については、次の二つのものを比較し、どのような場合に3格支配となり、どのような場合に4格支配となるのかを確認していく。 1. Die Studenten warten in(   )Zimmer.(その学生たちは、その部屋(中)の中で待っている。)2. Der Professor kommt in(   )Zimmer.(その教授は、(部屋の外から)その部屋(中)の中へ来る。)
③ 本コマの最後に、これまでに学んできた前置詞との混同を注意すべきものとして、ドイツ語に特有の「分離動詞」について学ぶ。ドイツ語の動詞の中には、分離動詞と呼ばれる特殊な動詞が存在し、分離動詞は、「(a)前綴り+(b)基礎動詞」という二つの要素から成る。ところで、ドイツ語の動詞と語順について復習すると、(1)肯定文およびja/neinで答えられない疑問文の(多くの)ときには、動詞は文の2番目に置かれるのに対して、(2)ja/neinで答えられる疑問文のときには、動詞は文の1番目に置かれるのであった。それに対して、今回学んでいる分離動詞の場合には、上の動詞の位置の原則は、常に(b)の「基礎動詞」の部分に適用され、(a)の「前綴り」の部分は常に文末に移動する((a)と(b)が分離する)。なお、この(a)の「前綴り」の部分については、例えばan, auf, mitのように、前置詞と同じ形をしているものもあるため、前置詞と混同してしまいがちである。しかし、上のように、文の末尾に、前置詞と同じ形をしたものが置かれている場合には、それは分離動詞の二要素のうちの(a)「前綴り」の部分である、ということを理解することが求められる。(それを分離動詞として理解できない場合には、動詞の意味自体を正確に理解できないことになる。例えば、ankommenという分離動詞の、分離して文末に置かれた前綴りanを見逃してしまうと、その動詞はkommenという動詞のように見えてしまうため、意味に違いが生じてしまう、とういことである。)分離動詞について、以上の点まで押さえる。
④ ―
⑤ ―
キーワード ① 前置詞の用例 ② 3・4格支配の前置詞 ③ 分離動詞 ④ ― ⑤ ―
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書47-51頁を読み、前回の予習課題と同じように、音声教材を用いながら例文を発音できるようにしておく。また、47頁の会話文を読み、分離動詞の用法について、実際の文を見て理解しておく。(あるいは、理解できない場合には、どの点の理解が困難であるのかを明確にしておく。)
復習:次の各問題に取り組んでおく。問題(1)は(   )の中に前置詞を入れて文を完成させるもの、問題(2)は(   )の中に定冠詞を入れて文を完成さえるものである。
問題(1)
①Ich wohne(   )meinen Eltern.(私は私の両親(複)のところに住んでいる。)
②(   )dem Unterricht habe ich Zeit.(その授業(男)のあと私は時間(女)を持っている。)
③Der Student kommt(   )dem Zimmer.(その学生(男)はその部屋(中)の中から来る。)
④Ich gehe(   )meinem Freund.(私は私の友達(男)のところへ行く。)
⑤Ich lerne(   )meiner Freundin Deutsch.(私は私の女友達(女)とドイツ語を学ぶ。)
⑥Ich lege das Buch (   )den Tisch.(私はその本(中)をその机(男)の上へ置く。)
⑦Wir essen(   )einem Restaurant.(私たちはあるレストラン(中)の中で食べている。)
⑧Das Rathaus ist(   )dem Marktplatz.(その市庁舎(中)はその中央広場男に接している。)

問題(2)
①Ich gehe in(   )Zimmer.(私はその部屋(中)の中へ行く。)
②Ich bin jetzt in(   )Zimmer.(私はいまその部屋(中)の中にいる。)
③Das Buch ist jetzt auf(   )Tisch.(その本(中)はいまその机(男)の上にある。)
④Was gibt es unter(   )Tisch?(なにがその机(男)の下にあるんだ?)
⑤Ich komme mit(   )U-Bahn.(私はその地下鉄(女)を使って来る。)
⑥Ich gehe um(   )Marktplatz.(私はその中央広場(男)のまわりを行く。)
⑦Die Post ist vor(   )Bahnhof.(その郵便局(女)はその駅(男)の前にある。)
⑧Die Schule ist zwischen(   )Café und(   )Post.(その学校(女)はそのカフェ(中)とその郵便局(女)の間にある。)

10 復習コマ⑶ 科目の中での位置付け 本科目は、次のような順序で展開される。まず、第一回に前期「ドイツ語I」の内容を総復習した後に、第二回から第四回にかけては、第I部として、不定冠詞と、それに類する変化をする冠詞(不定冠詞類)の格変化と用法について学ぶ。続いて、第五回から第七回にかけては、第II部として、前期「ドイツ語I」で学んだ人称代名詞の1格の用法に加えて、人称代名詞の3格・4格の用法について学ぶ。その際には、とくに人称代名詞の三人称の用法に関する英語との相違がポイントになる。さらに、第八回から第十回にかけては、第III部として、前置詞について、その格支配と用法とを英語とも比較しつつ学び、十一回から第十三回にかけては、第IV部として、ドイツ語の助動詞のうちの重要なものについて、その人称変化を押さえた上で、実際の文中での用法を学ぶ(助動詞を用いた文については、その語順が問題になる)。最後に、第V部として、教科書の内容にはない発展的な文法事項として、形容詞を取り上げると共に、これまでの講義の内容を総括し、ドイツ語文法の基礎を確たるものにする。なお、第四回・第七回・第十回・第十三回は、「復習コマ」であり、受講生の疑問点を解消しつつ、これまでの内容を復習し、まとめるためのコマとする(前期「ドイツ語I」よりも学習内容が高度になることを受け、より短いスパンで「復習コマ」を挿入し、既習事項の定着を図っていく)。本コマは、第III部の三コマ目であり、前置詞についての復習コマである。ドイツ語の前置詞に特有の「格支配」の考え方を復習し、それぞれの前置詞が何格支配であるのか、という点の暗記を確実なものにした上で、最後に確認問題に取り組むことで、前置詞についての学習の総仕上げとする。
【コマ主題細目①】
・教科書47-49頁。

【コマ主題細目②】
・教科書47-49頁。

【コマ主題細目③】
・教科書50-52頁。
コマ主題細目 ① 前置詞の用法 ② 各前置詞の格支配の暗記 ③ 前置詞に関する確認問題 ④ ― ⑤ ―
細目レベル ① 第八回のコマ主題細目①において、ドイツ語ということにこだわらず前置詞一般の機能について学んだことを踏まえた上で、ドイツ語の前置詞の用法の中でも特徴的な「格支配」について再度ポイントを押さえていく。そもそも格支配とは、ある要素が、名詞(代名詞)の格を規定(制限)することを言う。その意味で、前置詞の格支配とは、一つ一つの前置詞が、その後に置かれる名詞の格を規定(制限)する、ということを表している。そして、ドイツ語の前置詞には、自らの後に、2格の名詞(代名詞)を要求するもの(「2格支配の前置詞」)、3格の名詞(代名詞)を要求するもの(「3格支配の前置詞」)、4格の名詞(代名詞)を要求するもの(「4格支配の前置詞」)、3・4格の名詞(代名詞)を要求するもの(「3・4格支配の前置詞」)、という四つのグループがあるのであった。重要なのは、このとき、「前置詞+名詞(代名詞)」というフレーズが形成する意味は、日本語の「は(が)」・「の」・「に」・「を」とは関わりがない、という点であった。つまり、「2格支配の前置詞+名詞」という前置詞句が意味するところには、日本語の「の」の意味が含まれる必然性はない、ということである。以上のように、前置詞の用法について、「格支配」を中心に、例文をあらためて読みながら、理解を確かなものにする。
② コマ主題細目①で確認したように、ドイツ語の前置詞には「格支配」という特徴が見られる。この点に関して、暗記事項として要求されるのが、一つ一つの前置詞が何格支配の前置詞であるのかに答えられる、ということである。この点を暗記することが、コマ主題細目③であらためて取り上げる、第九回の復習課題を解くための条件となる。具体的に暗記せねばならないのは、wegen, währendが2格支配の前置詞であるということ、aus, bei, mit, nach, seit, von, zuが3格支配の前置詞であるということ、durch, für, gegen, ohne, umが4格支配の前置詞であるということ、an, auf, hinter, in, neben, über, unter, vor, zwischenが3・4格支配の前置詞であるということ、および、以上の各前置詞と日本語の意味との対応関係である。この点を、暗記カードの活用、表の穴埋めなどを通して、再確認し、暗記を完全なものにする。
③ 前置詞に関する復習の最後に、前回(第九回)の復習課題とした確認問題の(2)をあらためて取り上げ、これを皆で解きつつ、前置詞の用法についての学習を仕上げていく。第九回の復習課題を解く手順は、次のようなものである。まず、(   )の前の前置詞が何格支配であるのか(2格支配・3格支配・4格支配/3・4格支配のいずれであるのか)を確かめる(そのためには、コマ主題細目②の暗記事項に習熟している必要がある)。このとき、当該の前置詞が3・4格支配だった場合には、3格の用法(静止を表す)か4格の用法(移動を表す)かを日本語より判断せねばならない。具体的に言えば、(あくまでこの問題を解く上では、ということになるが、)日本語訳が「~に」・「~で」というようになっていれば、3格の用法であり、日本語訳が「~へ」というようになっていれば、4格の用法である、と考えてよい。ここまでで格については確認できたので、次に、 (    )の後の名詞の性・数が何であるのか(男性(単数)・女性(単数)・中性(単数)・複数のどれであるのか)を確認する。以上によって、格と性が分かったので、あとは該当する定冠詞をあてはめる、ということになる。(なお、最後に適切な定冠詞を当てはめるためには、前期に学び、後期の第一回のコマ主題細目①でも復習した、定冠詞の格変化の暗記が必須となる。)
④ ―
⑤ ―
キーワード ① 前置詞の用法 ② 前置詞の格支配 ③ 3・4格支配の前置詞 ④ ― ⑤ ―
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書47-51頁に掲載されている例文・会話文を、音声教材を用いつつ音読しておく。また第八回・第九回のコマシラバスを読みなおし、不明な点がないかどうかを確かめ、もし分からないことがあった場合には、さらに当該回の当該コマ主題細目に対応する、講義レジュメの部分を読み、疑問点を解消しておく。それでも疑問が残る場合には、自分がどの点が分からないのかを明確にした上で、教員に質問できるよう準備しておく。
復習:今回の講義レジュメを読み直し、ドイツ語の前置詞に特有の「格支配」の考え方について300文字程度で説明できるようにしておくと共に、それぞれの前置詞が何格支配であるのかという点、またその前置詞はどのような意味であるのかという点について、暗記を確実にした上で、コマ主題細目③で復習した確認問題にあらためて取り組むことで、ドイツ語の前置詞についての基本的な知識を完全なものにする。

11 助動詞の人称変化 科目の中での位置付け 本科目は、次のような順序で展開される。まず、第一回に前期「ドイツ語I」の内容を総復習した後に、第二回から第四回にかけては、第I部として、不定冠詞と、それに類する変化をする冠詞(不定冠詞類)の格変化と用法について学ぶ。続いて、第五回から第七回にかけては、第II部として、前期「ドイツ語I」で学んだ人称代名詞の1格の用法に加えて、人称代名詞の3格・4格の用法について学ぶ。その際には、とくに人称代名詞の三人称の用法に関する英語との相違がポイントになる。さらに、第八回から第十回にかけては、第III部として、前置詞について、その格支配と用法とを英語とも比較しつつ学び、十一回から第十三回にかけては、第IV部として、ドイツ語の助動詞のうちの重要なものについて、その人称変化を押さえた上で、実際の文中での用法を学ぶ(助動詞を用いた文については、その語順が問題になる)。最後に、第V部として、教科書の内容にはない発展的な文法事項として、形容詞を取り上げると共に、これまでの講義の内容を総括し、ドイツ語文法の基礎を確たるものにする。なお、第四回・第七回・第十回・第十三回は、「復習コマ」であり、受講生の疑問点を解消しつつ、これまでの内容を復習し、まとめるためのコマとする(前期「ドイツ語I」よりも学習内容が高度になることを受け、より短いスパンで「復習コマ」を挿入し、既習事項の定着を図っていく)。本コマは、第IV部の一コマ目であり、ドイツ語の助動詞についての学習をスタートするコマである。具体的に今回は、助動詞について学んでいくための準備として、動詞の人称変化について全般的に復習した上で、ドイツ語の助動詞の用法の基本を英語と対照しつつ押さえ、最後に、ドイツ語の助動詞の具体的な種類と、その人称変化について学ぶ。
【コマ主題細目①】
・教科書12-28頁。

【コマ主題細目②】
・教科書53-54頁。

【コマ主題細目③】
・教科書53-54頁。
コマ主題細目 ① 動詞の人称変化の復習 ② ドイツ語の助動詞 ③ 助動詞の種類と人称変化 ④ ― ⑤ ―
細目レベル ① 今回から学んでいく助動詞は、動詞のなかまである。後期の講義では、冠詞、人称代名詞、前置詞についてここまで学んできており、前期に集中して学んだ動詞に関する内容からはしばらく離れていたため、ここでは、まず動詞の人称変化について、あらためて復習しておく。具体的には、sein動詞・規則動詞・不規則動詞の用法と人称変化を中心に確認する。まずはsein動詞について、以下のように、英語と対照させつつ、変化表を復習する。1人称単数:bin/am, 2人称単数:bist/are, 3人称単数:ist/is, 1人称複数:sind/are, 2人称複数:seid/are, 3人称複数:sind/are. 続いて、規則動詞の人称変化について復習する。すなわち、こうである。一人称単数:-e, 二人称単数:-st, 三人称単数:-t, 一人称複数:-en, 二人称複数:-t, 三人称複数(二人称敬称(単数・複数)も同じ):-enという語尾が付されることになる。最後に、主語の人称や数によって、語幹も変化のある動詞、すなわち不規則動詞について復習する。こうしたタイブの不規則動詞においては、2人称単数(親称)・3人称単数のみで母音に変化が見られ、変化のパターンには、①語幹の母音がaからäに変わるもの、②語幹の母音がeからiに変わるもの、③語幹の母音がeからieに変わるものの三つが見られる、ということであった。また、不規則動詞には、haben, werden, wissenといった、使用頻度が高く、しかも、単に、主語の人称によっては語幹の母音にも変化がある、というのみならず、語幹が基本形から大きく異なった形をとったり、語尾に不規則な変化が生じたりするものもある、ということであった。動詞の人称変化を中心に、以上の点をあらためて押さえる。
② コマ主題細目①で動詞全般の人称変化を再確認したことを踏まえて、ここからはドイツ語の助動詞について学んでいく。ドイツ語にも、英語と同様に助動詞があるが、ただし、ドイツ語の助動詞は、英語のそれとは、次の二点で大きく異なる。第一に、ドイツ語の助動詞は、これまでに学んできたsein動詞や一般動詞のときと同様に、主語の人称と数によって変化する。一般に英語の助動詞は、主語の人称や数にかかわらず同じ形をとるため、ここは両者の大きな違いである。第二に、ドイツ語の助動詞は、英語の助動詞のように、助動詞の直後に本動詞が置かれる、というのではなく、これとは異なった語順を形成する。具体的にどのような語順をとるのか、という点については、次回詳しく学ぶこととする。
③ コマ主題細目②において、ドイツ語の助動詞の概要を学んだことを踏まえて、ここでは、具体的にドイツ語にはどのような助動詞があり、それはどのような人称変化をするのか、という点を学んでいく。まず。ドイツ語の助動詞の種類についてであるが、本講義で扱うものは、次のようなものである。すなわち、dürfen(~してもよい)、können(~できる、~かもしれない)、müssen(~する必要がある、~にちがいない)、sollen(~するべきだ、~だそうだ)、wolllen(~するつもりだ)等である。まずは、この五つのものを、その意味と併せて暗記する。その上で、これらの助動詞がどのような変化をするか、という点であるが、例えば、具体的に、dürfenの変化を見てみると、この助動詞では、一人称単数:darf, 二人称単数:darfst, 三人称単数:darf, 一人称複数:dürfen, 二人称複数:dürft, 三人称複数(二人称敬称(単数・複数)も同じ):dürfenという人称変化が生じる。(他の助動詞については教科書53頁下の表を参照のこと。)これらの助動詞の人称変化には、次の三つの要点がある。(1)複数形は一般動詞のときと同様の語尾が付される。(2)単数形は母音が変化する(単数形のときは「語幹」が異なると考えるとよい)。(3)(2)の「単数形の語幹」に、1人称単数・3人称単数では語尾が付されず、2人称単数では(一般動詞と同様に)stの語尾が付される。この三点が、助動詞の人称変化のポイントである。ドイツ語の助動詞の種類および人称変化について、以上の点まで押さえる。
④ ―
⑤ ―
キーワード ① 動詞の人称変化 ② ドイツ語の助動詞 ③ 助動詞の種類と人称変化 ④ ― ⑤ ―
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書53頁の会話文を、音声教材で聴いた上で、実際に自分でも発音できるようにしておく。とりわけ、今回新しく学ぶ、ドイツ語の助動詞がどのように用いられているかを意識しながら発音練習しておくこと。
復習:今回の講義で学んだドイツ語の助動詞の概要・種類・人称変化について、まずドイツ語の助動詞の概要に関しては、これが英語の助動詞とどのような点が異なるかという観点から、300文字程度で説明できるようにしておくこと。また、助動詞の種類については、dürfen(~してもよい)、können(~できる、~かもしれない)、müssen(~する必要がある、~にちがいない)、sollen(~するべきだ、~だそうだ)、wolllen(~するつもりだ)の五つのものを、その意味と共に暗記しておくこと。最後に、助動詞の人称変化については、今回のコマのコマ主題細目③に書かれている三つのポイントに留意しつつ、教科書53頁下の表を暗記しておくこと(人称変化については次回小テストを実施予定である。)。

12 ドイツ語の助動詞と語順 科目の中での位置付け 本科目は、次のような順序で展開される。まず、第一回に前期「ドイツ語I」の内容を総復習した後に、第二回から第四回にかけては、第I部として、不定冠詞と、それに類する変化をする冠詞(不定冠詞類)の格変化と用法について学ぶ。続いて、第五回から第七回にかけては、第II部として、前期「ドイツ語I」で学んだ人称代名詞の1格の用法に加えて、人称代名詞の3格・4格の用法について学ぶ。その際には、とくに人称代名詞の三人称の用法に関する英語との相違がポイントになる。さらに、第八回から第十回にかけては、第III部として、前置詞について、その格支配と用法とを英語とも比較しつつ学び、十一回から第十三回にかけては、第IV部として、ドイツ語の助動詞のうちの重要なものについて、その人称変化を押さえた上で、実際の文中での用法を学ぶ(助動詞を用いた文については、その語順が問題になる)。最後に、第V部として、教科書の内容にはない発展的な文法事項として、形容詞を取り上げると共に、これまでの講義の内容を総括し、ドイツ語文法の基礎を確たるものにする。なお、第四回・第七回・第十回・第十三回は、「復習コマ」であり、受講生の疑問点を解消しつつ、これまでの内容を復習し、まとめるためのコマとする(前期「ドイツ語I」よりも学習内容が高度になることを受け、より短いスパンで「復習コマ」を挿入し、既習事項の定着を図っていく)。本コマは、第IV部の二コマ目であり、前回に続いてドイツ語の助動詞について学んでいく。今回は、前回ドイツ語の助動詞の概要を知った上で、その種類や人称変化について確認したことを踏まえて、さらに、助動詞の含まれるドイツ語文の語順を中心に学習していく。
【コマ主題細目①】
・教科書53-54頁。

【コマ主題細目②】
・教科書55-58頁。

【コマ主題細目③】
・教科書55-58頁。
コマ主題細目 ① 前回の復習 ② 助動詞の用法 ③ 助動詞と語順 ④ ― ⑤ ―
細目レベル ① 前回学んだ助動詞についての基本的な内容を復習する。まず、助動詞の人称変化について見てみると、これは具体的には、例えば助動詞dürfenの場合、一人称単数:darf, 二人称単数:darfst, 三人称単数:darf, 一人称複数:dürfen, 二人称複数:dürft, 三人称複数(二人称敬称(単数・複数)も同じ):dürfenという人称変化が生じるのであった。その要点は、次の三点であった。(1)複数形は一般動詞のときと同様の語尾が付される。(2)単数形は母音が変化する(単数形のときは「語幹」が異なると考えるとよい)。(3)(2)の「単数形の語幹」に、1人称単数・3人称単数では語尾が付されず、2人称単数では(一般動詞と同様に)stの語尾が付される。このように、ドイツ語の助動詞は、英語とは異なり、主語の人称・数によって異なる形をとる、ということであった。なお、ドイツ語の助動詞の、英語のそれとの大きなもう一つの違いである、語順の形成の仕方について、今回のコマ主題細目③で詳しく学ぶことになる。まずは、前回の復習として、ここまでのことを押さえる。
② 前回のコマ主題細目②で、ドイツ語の助動詞の特徴について、これを英語の助動詞と比較しつつ学んだが、そこでもふれたドイツ語の助動詞の形態に関して、あらためて掘り下げて考えていく。ドイツ語の助動詞は、英語の助動詞と同様に、本動詞(普通の動詞のこと)と共に用いられるものである。また、英語の場合であれば、助動詞と共に用いられる動詞は、その「原形」の形をとるわけであるが、これについても、ドイツ語の助動詞と共に用いられる動詞は、その「不定詞」(英語の「原形」にあたる)の形をとるので、ドイツ語でも同様である。なお、ドイツ語の「不定詞」は、一人称複数・三人称複数(及び二人称敬称単数・複数)のときの変化と同じく、-enの語尾になる。まずは上の点を押さえる。
③ 次に今回は、ドイツ語の助動詞の形成する語順について学ぶ。このコマ主題細目③が、今回の講義で、最も重要なポイントである。ドイツ語の助動詞の形成する語順は、英語の場合とは異なる。英語の場合、例えば、「私は日本語を話すことができます」は、I can speak Japaneseという語順の文で表現される。つまり、英語では、助動詞+動詞(の原形)が、この語順でセットになって用いられるわけである。それに対して、ドイツ語では、通常の場合の動詞の原則(第九回講義のコマ主題細目③を参照のこと)は、助動詞のみに適用され、動詞(の不定形)は文の最後に移動することになる。そのためドイツ語の場合、例えば、「私は日本語を話すことができます」は、Ich kann japanisch sprechenというように表現されることになる。助動詞とセットで用いられる動詞が文末に移動し、かつ、助動詞は通常の動詞の位置の原則通りの位置に置かれる、という点は、疑問文でも同様である。つまり、例えば、「君は日本語を話すことができますか?」は、Kannst du sprechen Japanisch?と表現されることになり、「どのように君は日本語を話すことができますか?」は、Wie kannst du Japanisch sprechen?と表されるわけである。以上の点まで、英語との違いを意識しつつ、助動詞の含まれるドイツ語の文の語順について習熟する。
④ ―
⑤ ―
キーワード ① 助動詞の人称変化 ② 不定詞 ③ 助動詞と語順 ④ ― ⑤ ―
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書53-55頁に掲載されている会話文・例文を、今回はとりわけ、助動詞の用いられているこれらの文の語順に注意しつつ、音声教材を活用しつつ音読しておくこと。
復習:以下の例文①~⑧について、日本語訳に対応するように、(    )内に動詞または助動詞を適切に人称変化させた上で当てはめられるようにしておくこと。なお、動詞については、※の後に不定形を示してあるので、それを参考にすること。

①Kathrin (    ) Japanisch (    ). (カトリンは日本語を話すことができる。
※話す:sprechen
②Wir (    ) ein bisschen Deutsch (    ).(私たちは少しだけドイツ語を話すことができる。)
③Heute Abend (    ) Emi und Atsushi ins Kino (    ).(今日の夕方、エミとアツシは映画館へ行くつもりだ。)
※行く:gehen
④Ich (    ) gut Karaoke (    ).(私はうまくカラオケを歌うことができる。)
※歌う:singen
⑤Peter (    ) bis zum Abend (    ).(ペーターは夕方まで働く必要がある。)
※働く:arbeiten
⑥Sie (    ) Ihren Pass (    ).(あなたはパスポートを示すべきだ。)
※示す:zeigen
⑦Emi und Atsushi (    ) noch in Deutschland (    ).(エミとアツシはまだドイツにとどまるつもりだ。)
※とどまる:bleiben
⑧Ihre Kinder (    ) schon allein (    ).(彼女の子どもたちは、もう、ひとりで旅行することができる。)
※旅行する:reisen

13 復習コマ⑷ 科目の中での位置付け 本科目は、次のような順序で展開される。まず、第一回に前期「ドイツ語I」の内容を総復習した後に、第二回から第四回にかけては、第I部として、不定冠詞と、それに類する変化をする冠詞(不定冠詞類)の格変化と用法について学ぶ。続いて、第五回から第七回にかけては、第II部として、前期「ドイツ語I」で学んだ人称代名詞の1格の用法に加えて、人称代名詞の3格・4格の用法について学ぶ。その際には、とくに人称代名詞の三人称の用法に関する英語との相違がポイントになる。さらに、第八回から第十回にかけては、第III部として、前置詞について、その格支配と用法とを英語とも比較しつつ学び、十一回から第十三回にかけては、第IV部として、ドイツ語の助動詞のうちの重要なものについて、その人称変化を押さえた上で、実際の文中での用法を学ぶ(助動詞を用いた文については、その語順が問題になる)。最後に、第V部として、教科書の内容にはない発展的な文法事項として、形容詞を取り上げると共に、これまでの講義の内容を総括し、ドイツ語文法の基礎を確たるものにする。なお、第四回・第七回・第十回・第十三回は、「復習コマ」であり、受講生の疑問点を解消しつつ、これまでの内容を復習し、まとめるためのコマとする(前期「ドイツ語I」よりも学習内容が高度になることを受け、より短いスパンで「復習コマ」を挿入し、既習事項の定着を図っていく)。本コマは、第IV部の復習コマである。ドイツ語の助動詞の種類・人称変化・用法・(それの用いられる文の)語順について、確認問題を解きつつ総復習する。
【コマ主題細目①】
・教科書53-54頁。

【コマ主題細目②】
・教科書54-55頁。

【コマ主題細目③】
・教科書56頁。
コマ主題細目 ① 助動詞の種類と人称変化 ② 助動詞の用法と語順 ③ 助動詞に関する確認問題 ④ ― ⑤ ―
細目レベル ① 助動詞の種類と人称変化について復習する。本講義で用法に習熟する必要のあるものは、次のような基本的な助動詞、すなわち、dürfen(~してもよい)、können(~できる、~かもしれない)、müssen(~する必要がある、~にちがいない)、sollen(~するべきだ、~だそうだ)、wolllen(~するつもりだ)である。この五つのものを、その意味と併せて暗記する。その上で、助動詞の人称変化についても、再度確認する。具体的には、前回のコマ主題細目①および教科書53頁下の表を参照のこと。助動詞の人称変化を理解する上でのポイントとしては、(1)複数形は一般動詞のときと同様の語尾が付される、という点、(2)単数形は母音が変化する(単数形のときは「語幹」が異なると考えるとよい)、という点、(3)(2)の「単数形の語幹」に、1人称単数・3人称単数では語尾が付されず、2人称単数では(一般動詞と同様に)stの語尾が付される、という点の三つを押さえておくこと。
② 助動詞の用法と語順について復習する。ドイツ語の助動詞は、英語と同様、助動詞と共に用いられる動詞が、その「不定詞」(英語の「原形」にあたる)の形(-enの語尾)をとる。ただし、当の助動詞自体が、主語の人称・数によって、コマ主題細目①で見たような変化をする、という点は、英語とは大いに異なる点である。また、もう一点、ドイツ語では、助動詞の用いられる文の語順、という点で、英語との相違が見られる。具体的には、ドイツ語では、通常の場合の動詞の位置の原則(第九回講義のコマ主題細目③を参照のこと)は、助動詞のみに適用され、動詞(の不定形)は文の最後に移動することになる。文のタイプごとにまとめると、次のようになる。(a)肯定文(及びja/neinで答えられない疑問文のいくつか)の場合には、助動詞は文の第二番目に置かれて人称変化し、動詞は文末に置かれ不定形をとる。(b)ja/neinで答えられる疑問文の場合には、助動詞は文の第一番目に置かれて人称変化し、動詞は文末に置かれ不定形をとる。助動詞の用法と語順について、以上の点まで押さえる。
③ 前回の復習課題を、再度クラス全体で確認しながら振り返っていく。その際のポイントは、コマ主題細目②で復習したように、助動詞の用いられているドイツ語文において、助動詞は、助動詞の用いられない文で動詞が置かれていたのと同じ位置に置かれ、かつ、人称変化をするのに対して、他方で(本)動詞は、常に文末に置かれ、かつ、不定詞の形をとる、ということである。なお、時間があれば、教科書に掲載されている以下の練習問題にも取り組む。これは、日本語訳に合うように(    )内に適切な助動詞を入れ、人称変化させる、という問題であり、先の復習課題と比べると、本動詞がすでに記されている分だけ容易いものである。

①Du (    ) nicht oft ins Kaufhaus gehen.(君はあまり頻繁にデパートへ行くべきではない。)
② Der Lehrer ist gut.(その教師は良い。)
Er (    ) uns helfen.(彼は私たちに手を貸すことができる。)
③ Herr Luther (    ) noch viel schreiben.(ルターさんはまだ、たくさん書く必要がある。)
④ Der Igel ist süß. (ハリネズミはかわいい。
Wir (    ) einen Igel haben.(私たちは、一匹のハリネズミを持つつもりだ。)
⑥ (    ) wir hier etwas essen?(私たちはここで、なにか食べることができますか?)
⑦ Was (    ) Sie uns empfehlen?(あなたは私たちに、何をすすめることができますか?)
⑧ Bertha ist krank. Sie (    ) gesund essen.(ベァタは病気だ。彼女は健康的に食事すべきだ。)
⑨ Atsushi (    ) heute nur wenig essen.(アツシは今日、少しだけ食べるつもりだ。)

④ ―
⑤ ―
キーワード ① 助動詞の種類と人称変化 ② 助動詞の用法と語順 ③ 不定詞 ④ ― ⑤ ―
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書53-58頁に掲載されている例文・会話文を、音声教材を用いつつ音読しておく。また第十一回・第十二回のコマシラバスを読みなおし、不明な点がないかどうかを確かめ、もし分からないことがあった場合には、さらに当該回の当該コマ主題細目に対応する、講義レジュメの部分を読み、疑問点を解消しておく。それでも疑問が残る場合には、自分がどの点が分からないのかを明確にした上で、教員に質問できるよう準備しておく。
復習:コマ主題細目③で復習した前回の復習課題、および、コマ主題細目③に掲載している練習問題にあらためて取り組むことで、ドイツ語の助動詞の種類・人称変化・用法・(それを用いた文の)語順に習熟する。これらの問題を解く上では、助動詞の種類と人称変化表を暗記した上で、今回のコマ主題細目③のポイントを押さえられていることが求められる。

14 形容詞 科目の中での位置付け 本科目は、次のような順序で展開される。まず、第一回に前期「ドイツ語I」の内容を総復習した後に、第二回から第四回にかけては、第I部として、不定冠詞と、それに類する変化をする冠詞(不定冠詞類)の格変化と用法について学ぶ。続いて、第五回から第七回にかけては、第II部として、前期「ドイツ語I」で学んだ人称代名詞の1格の用法に加えて、人称代名詞の3格・4格の用法について学ぶ。その際には、とくに人称代名詞の三人称の用法に関する英語との相違がポイントになる。さらに、第八回から第十回にかけては、第III部として、前置詞について、その格支配と用法とを英語とも比較しつつ学び、十一回から第十三回にかけては、第IV部として、ドイツ語の助動詞のうちの重要なものについて、その人称変化を押さえた上で、実際の文中での用法を学ぶ(助動詞を用いた文については、その語順が問題になる)。最後に、第V部として、教科書の内容にはない発展的な文法事項として、形容詞を取り上げると共に、これまでの講義の内容を総括し、ドイツ語文法の基礎を確たるものにする。なお、第四回・第七回・第十回・第十三回は、「復習コマ」であり、受講生の疑問点を解消しつつ、これまでの内容を復習し、まとめるためのコマとする(前期「ドイツ語I」よりも学習内容が高度になることを受け、より短いスパンで「復習コマ」を挿入し、既習事項の定着を図っていく)。本コマは、ここまでに教科書の内容を全て終えられた場合に、教科書にはない発展的な文法事項として形容詞について学ぶものである。ドイツ語の形容詞の三つの用法を英語と比較しつつ理解した上で、形容詞の格変化について押さえていく。
【コマ主題細目②】
・教科書69-70頁。

【コマ主題細目③】
・教科書69-70頁。
コマ主題細目 ① 形容詞の用法 ② 形容詞の格変化(強変化) ③ 形容詞の格変化(弱変化・混合変化) ④ ― ⑤ ―
細目レベル ① 本コマでは、発展的な内容として、ドイツ語の形容詞について概要を学んでいく。ドイツ語の形容詞には、次のような三つの用法がある。一つは、sein動詞などとともに用いられる「述語的用法」であり、例えば、Er ist fleißig(彼は熱心である)といったように用いられる。二つ目に、格変化をして名詞を修飾する「付加語的用法」(英語の形容詞の「限定用法」に相当する)があり、例えば、Er arbeitet fleißig(彼は熱心に働く)というように使用される。さらに三つ目として、無変化で名詞以外のもの(動詞・形容詞など)を修飾する「副詞的用法」があり、その例としては、Er ist ein fleißiger Mann(彼は熱心な人だ)といったものが考えられる。以上のような、三つのドイツ語の形容詞の用法のうち、上の二つ(「述語的用法」・「付加語的用法」)については、英語にも、同様の用法(文法用語には相違があるものの)が見られる。それに対して、三つ目の副詞的用法はドイツ語の形容詞特有のものであると言える。ドイツ語の形容詞の用法について、以上の点まで押さえる。
② コマ主題細目①で見た、ドイツ語の形容詞の三つの用法のうち、ここではとくに三つ目に挙げた「付加語的用法」について詳しくみていく。これまでに見てきた定冠詞・定冠詞類・不定冠詞・不定冠詞類の格変化と大いに異なるのは、形容詞については、(1)形容詞がそれ単独で用いられる場合、(2)形容詞が定冠詞(および定冠詞類)と共に用いられる場合、(3)形容詞が不定冠詞(および不定冠詞類)と共に用いられる場合の三つの場合で、それぞれに異なった格変化をする、という点である。この(1)・(2)・(3)の場合別に、形容詞の格変化を押さえていく必要があるが、まず重要なのは(1)の場合、つまり、形容詞が(冠詞を伴わず)それ単独で用いられて名詞を修飾する場合、である。このような場合の形容詞の格変化を、「強変化」と呼ぶ。具体的には、例えば形容詞gutは、次のように変化する。男性1格:guter, 2格:guten, 3格:gutem, 4格:guten, 女性1格:gute, 2格guter, 3格guter, 4格gute, 中性1格:gutes, 2格:guten, 3格:gutem, 4格:gutes, 複数1格:gute, 2格:guter, 3格:guten, 4格guteといったようである。まずは以上の、形容詞の強変化を押さえる。
③ コマ主題細目②で形容詞の強変化について学んだことを受け、ここでは、形容詞が定冠詞と共に用いられた場合の変化(形容詞の「弱変化」)・形容詞が不定冠詞と共に用いられた場合の変化(形容詞の「混合変化」)に習熟する。まずは、形容詞の「弱変化」については、次のようなものである。男性1格:(der) gute, 2格:(des) guten, 3格:(dem) guten, 4格:(den) guten, 女性1格:(die) gute, 2格:(der) guten, 3格:(der) guten, 4格:(die) gute, 中性1格:(das) gute, 2格:(des) guten, 3格:(dem) guten, 4格:(die )gute, 複数1格:(die) gute, 2格:(der) guten, 3格:(den) guten, 4格:(die) guteといったようである。つまり、男性1格、女性1・4格、中性1・4格には-eを、残りは全て-enを付す、ということになる。つぎに、形容詞の「混合変化」についてであるが、これは次のようなものである。男性1格:(ein) guter, 2格:(eines) guten, 3格:(einem) guten, 4格:(einen) guten, 女性1格:(eine) gute, 2格:(einer) guten, 3格:(einer) guten, 4格:(eine) gute, 中性1格:(ein) gutes, 2格:(eines) guten, 3格:(einem) guten, 4格:(ein) gutes, 複数1格:(eine) gute, 2格:(einer) guten, 3格:(einen) guten, 4格:(eine) guteというようになる。つまり、冠詞に語尾の付されない男性1格および中性1・4格では、形容詞が強変化し、その他の箇所では、形容詞が弱変化する、というのが、この形容詞の「混合変化」の特徴である。以上の点まで、形容詞の格変化について押さえる。
④ ―
⑤ ―
キーワード ① 形容詞の用法 ② 形容詞の格変化 ③ 形容詞の強変化・弱変化・混合変化 ④ ― ⑤ ―
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:教科書69-70頁の形容詞についての簡単な説明を読み、これを参考にして、形容詞の「強変化」(形容詞+名詞のとき)・「弱変化」(定冠詞(類)+形容詞+名詞のとき)・「混合変化」(不定冠詞(類)+形容詞+名詞のとき)それぞれの格変化表(4つの性・数(男性・女性・中性・複数)×4つの格(1格・2格・3格・4格)の16パターン)を自分で作成してまとめてみること。また、事前に配布する、形容詞の用いられたドイツ語の例文を見て、意味の分からない単語を調べておくと共に、例文を発音できるようにしておくこと。
復習:今回のコマシラバスおよび講義レジュメを丁寧に読み直し、形容詞の三つの用法とはどのようなものであるかを、例文を交えつつ300字程度で説明できるようにしておくこと。また、形容詞の「強変化」・「弱変化」・「混合変化」の格変化表を、それぞれ何も見ずに完成できるようにしておくこと。

15 まとめ 科目の中での位置付け 本科目は、次のような順序で展開される。まず、第一回に前期「ドイツ語I」の内容を総復習した後に、第二回から第四回にかけては、第I部として、不定冠詞と、それに類する変化をする冠詞(不定冠詞類)の格変化と用法について学ぶ。続いて、第五回から第七回にかけては、第II部として、前期「ドイツ語I」で学んだ人称代名詞の1格の用法に加えて、人称代名詞の3格・4格の用法について学ぶ。その際には、とくに人称代名詞の三人称の用法に関する英語との相違がポイントになる。さらに、第八回から第十回にかけては、第III部として、前置詞について、その格支配と用法とを英語とも比較しつつ学び、十一回から第十三回にかけては、第IV部として、ドイツ語の助動詞のうちの重要なものについて、その人称変化を押さえた上で、実際の文中での用法を学ぶ(助動詞を用いた文については、その語順が問題になる)。最後に、第V部として、教科書の内容にはない発展的な文法事項として、形容詞を取り上げると共に、これまでの講義の内容を総括し、ドイツ語文法の基礎を確たるものにする。なお、第四回・第七回・第十回・第十三回は、「復習コマ」であり、受講生の疑問点を解消しつつ、これまでの内容を復習し、まとめるためのコマとする(前期「ドイツ語I」よりも学習内容が高度になることを受け、より短いスパンで「復習コマ」を挿入し、既習事項の定着を図っていく)。本コマは、講義全体のまとめのコマであり、これまでに学んできた不定冠詞・否定冠詞類の格変化、人称代名詞の3・4格とその用法、前置詞とその用法、助動詞の種類と語順のそれぞれについて、期末試験に向けての最終確認をしていく。
【コマ主題細目①】
・教科書35-39頁。

【コマ主題細目②】
・教科書41-46頁。

【コマ主題細目③】
・教科書47-52頁。

【コマ主題細目④】
・教科書53-58頁。
コマ主題細目 ① 不定冠詞・不定冠詞類の格変化 ② 人称代名詞の種類と用法 ③ 前置詞の種類と用法 ④ 助動詞の人称変化と用法 ⑤ ―
細目レベル ① ドイツ語の冠詞について、前期に定冠詞および定冠詞類について学んだことを踏まえて、後期には、不定冠詞および不定冠詞類について学習した。これについて総復習する。定冠詞類の変化表は、こうであった。例えば、定冠詞類の一つであるdieserを例にとると、男性名詞を修飾する場合、1格dieser, 2格dieses, 3格diesem, 4格diesen, 中性名詞を修飾する場合、1格dieses, 2格dieses, 3格diesem, 4格dieses, 女性名詞を修飾する場合、1格diese, 2格dieser, 3格dieser, 4格diese, 複数形を修飾する場合、1格diese, 2格dieser, 3格diesen, 4格diese, という形で変化するのであった。これを踏まえて、不定冠詞・不定冠詞類の変化表を見てみると、これは、所有冠詞meinを例にとると、男性名詞を修飾する場合、1格mein, 2格meines, 3格meinem, 4格meinen, 中性名詞を修飾する場合、1格mein, 2格meines, 3格meinem, 4格mein, 女性名詞を修飾する場合、1格meine, 2格meiner, 3格meiner, 4格meine, 複数形を修飾する場合には、1格meine, 2格meiner, 3格meinen, 4格meine, という形で変化する。つまり、不定冠詞類は、実は、定冠詞類とほとんど同様の変化をしており、定冠詞類と異なるのは、男性1格・中性1格・中性4格においては変化語尾がつかない(ein・kein・meinなどの形をとる)という点のみなのである。この点に留意しつつ、不定冠詞類の格変化をあらためて確実に押さえる。
② 人称代名詞の3格・4格の種類と用法について、総復習する。種類については、具体的には、人称代名詞の3格については、一人称単数:mir, 二人称単数:dir, 三人称単数(男性):ihm, 三人称単数(中性):ihm, 三人称単数(女性):ihr, 一人称複数:uns, 二人称複数:euch, 三人称複数:ihnenがあり、また、人称代名詞の4格については、一人称単数:mich, 二人称単数:dich, 三人称単数(男性):ihn, 三人称単数(中性):es, 三人称単数(女性):sie, 一人称複数:uns, 二人称複数:euch, 三人称複数:sieがある、ということを確認する。なお、二人称の敬称については、人称代名詞の3格はIhnen, 人称代名詞の4格はSieの形をとるのであった。また、前期に学んだ1格も含む、人称代名詞の用法については、英語と比較した場合、次の二点については注意が必要なのであった。一つは、人称代名詞の三人称単数形の用法である。ドイツ語の場合、人称代名詞の三人称単数形は、男性・女性・中性の別があるわけであったが、これは、英語の人称代名詞の三人称単数形が、男性を指す場合にはhe-him, 女性を表す場合にはshe-her, 事物を表す場合にはit-itの形をとることに、概ね相当している。ただし、英語と比較した場合、ドイツ語では、er-ihm-ihnは必ずしも人の男性を受けるとは限らず、sie-ihr-sieも必ずしも人の女性を受けるとは限らず、さらにes-ihm-esが必ずしも人以外の事物を受けるとは限らないのであった。むしろ、これらは、名詞の性に対応して、er-ihm-ihnは男性名詞全般(その中には人以外の事物も含まれる)、sie-ihr-sieは女性名詞全般(その中には人以外の事物も含まれる)、es-ihm-esは中性名詞全般(その中には事物以外の人も含まれる)を受けるものである。この点を、英語との違いとしてまずは押さえる。また、ドイツ語の人称代名詞の用法として注意の必要なことの二つ目として、3格・4格の語順がある。ドイツ語でも、英語と同様、「○○に△△を…する」という表現が可能であり、その際には、3格と4格の〈名詞もしくは人称代名詞〉が同時に用いられることになる。このとき、英語とは異なり、ドイツ語の場合、3格と4格の語順に厳密な規則はなく(一定の慣習はあるのだが)、比較的自由に両者を配することができる。この点を、用法のうちの注意すべきことの二点目として確認する。以上の人称代名詞の種類と用法について、あらためて押さえる。
③ ドイツ語の前置詞について、その種類と用法を再確認する。ドイツ語の前置詞には、自らの後に、2格の名詞(代名詞)を要求するもの(「2格支配の前置詞」)、3格の名詞(代名詞)を要求するもの(「3格支配の前置詞」)、4格の名詞(代名詞)を要求するもの(「4格支配の前置詞」)、3・4格の名詞(代名詞)を要求するもの(「3・4格支配の前置詞」)、という四つのグループがあるのであった。そして、重要なことに、このとき、「前置詞+名詞(代名詞)」というフレーズが形成する意味は、日本語の「は(が)」・「の」・「に」・「を」とは関わりがない。このことを押さえつつ、以下の具体的な前置詞の暗記をあらためて確認する。2格支配の前置詞としては、wegen, während, 3格支配の前置詞としては、aus, bei, mit, nach, seit, von, zu, 4格支配の前置詞としては、durch, für, gegen, ohne, um, 3・4格支配の前置詞としては、an, auf, hinter, in, neben, über, unter, vor, zwischenを、その格支配と併せて確実に暗記しておくこと。
④ 講義全体の総復習の最後に、ドイツ語の助動詞について、その人称変化と用法をあらためて確認する。ドイツ語の助動詞には、dürfen(~してもよい)、können(~できる、~かもしれない)、müssen(~する必要がある、~にちがいない)、sollen(~するべきだ、~だそうだ)、wolllen(~するつもりだ)等の種類があり、これらの人称変化には、次のような特徴があるのであった。(1)複数形は一般動詞のときと同様の語尾が付される。(2)単数形は母音が変化する(単数形のときは「語幹」が異なると考えるとよい)。(3)(2)の「単数形の語幹」に、1人称単数・3人称単数では語尾が付されず、2人称単数では(一般動詞と同様に)stの語尾が付される。このように、人称変化をするという点で、ドイツ語の助動詞は英語の助動詞とは大いに異なるわけであるが、それに加えて、語順という観点から見る場合にも、両者には大きな相違が見られる。端的に言えば、ドイツ語では、通常の場合の動詞の位置の原則(第九回講義のコマ主題細目③を参照のこと)は、助動詞のみに適用され、動詞(の不定詞)は文の最後に移動する、という点が、ドイツ語の助動詞の用いられる文の語順の特徴ということであった。助動詞について、以上の点まで押さえる。
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キーワード ① 不定冠詞・不定冠詞類の格変化 ② 人称代名詞の種類と用法 ③ 前置詞の種類と用法 ④ 助動詞の人称変化と用法 ⑤ ―
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:本講義のコマシラバスを最初から最後まで、一通り読んでおく。その際に、理解が不十分であると思われた点については、講義レジュメおよび教科書の該当範囲を確認して、復習しておく。それでも疑問が解消されない場合には、講義内あるいは講義後に教員に積極的に質問すること。
復習:今回の講義までに配布する総復習問題に取り組んでおく。具体的には、(1)助動詞の人称変化表、(2)およびそれに関連する練習問題、(3)不定冠詞・否定冠詞・所有冠詞の格変化表、(4)およびそれに関連する練習問題、(5)形容詞の格変化表、(6)およびそれに関連する練習問題、(7)前置詞と格支配の表、(8)およびそれに関連する練習問題、(9)人称代名詞の3格・4格の表、(10)およびそれに関連する練習問題、 (11)重要単語を回答する問題、(12)独文和訳(ドイツ語文を日本語に訳すこと)の問題に取り組み、履修判定指標の水準に達することができるよう、総復習すること。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
助動詞の人称変化 ドイツ語の助動詞のうち、dürfen(~してもよい)、können(~できる、~かもしれない)、müssen(~する必要がある、~にちがいない)、sollen(~するべきだ、~だそうだ)、wolllen(~するつもりだ)について、各助動詞の意味を理解していると共に、その人称変化表を、例えば、dürfenの場合で言えば、一人称単数:darf, 二人称単数:darfst, 三人称単数:darf, 一人称複数:dürfen, 二人称複数:dürft, 三人称複数(二人称敬称(単数・複数)も同じ):dürfenというように完成させることができる。また、第十二回の復習課題や第十三回のコマ主題細目③のような問題に答えることができる。 助動詞の種類、助動詞の人称変化、助動詞の用いられる文の語順 10 1, 11~13, 15
不定冠詞、否定冠詞、所有冠詞の格変化 不定冠詞、否定冠詞、所有冠詞について、その格変化表を冠詞ごとに完成させることができる。具体的に、所有冠詞meinを例にとると、男性名詞を修飾する場合、1格mein, 2格meines, 3格meinem, 4格meinen, 中性名詞を修飾する場合、1格mein, 2格meines, 3格meinem, 4格mein, 女性名詞を修飾する場合、1格meine, 2格meiner, 3格meiner, 4格meine, 複数形を修飾する場合、1格meine, 2格meiner, 3格meinen, 4格meine, というように、格変化表を完成させることができる。また、第二回の復習課題・第三回の復習課題のような問題に答えることができる。 不定冠詞の意味と格変化、否定冠詞の意味と格変化、所有冠詞の意味と格変化 20 1~4, 14, 15
前置詞の用法 ドイツ語の前置詞について、与えられた日本語の意味から、それに該当するドイツ語の前置詞を答え、またその前置詞が何格支配であるのかを答えることができる。具体的には、2格支配の前置詞としては、wegen, während, 3格支配の前置詞としては、aus, bei, mit, nach, seit, von, zu, 4格支配の前置詞としては、durch, für, gegen, ohne, um, 3・4格支配の前置詞としては、an, auf, hinter, in, neben, über, unter, vor, zwischenについて、与えられた日本語の意味から、それ該当するものを答えると共に、その格支配を答えることができる。また、第九回の復習課題のような問題に答えることができる。 前置詞の用法と格支配、2格支配、3格支配、4格支配、3・4格支配 15 8~10, 15
人称代名詞の3格・4格 人称代名詞の3格および4格について、その種類を答えることができる。具体的には、人称代名詞の3格については、一人称単数:mir, 二人称単数:dir, 三人称単数(男性):ihm, 三人称単数(中性):ihm, 三人称単数(女性):ihr, 一人称複数:uns, 二人称複数:euch, 三人称複数:ihnenがあり、また、人称代名詞の4格については、一人称単数:mich, 二人称単数:dich, 三人称単数(男性):ihn, 三人称単数(中性):es, 三人称単数(女性):sie, 一人称複数:uns, 二人称複数:euch, 三人称複数:sieがある、ということを答えることができる。また、3人称の人称代名詞の用法に注意しながら、第六回の復習課題のような問題に答えることができる。 人称代名詞の3格、人称代名詞の4格、3人称の人称代名詞の用法 15 5~7, 15
単語 本講義でこれまでに登場した基本的な単語を答えられる。例えば、次のような意味を表す単語である。すなわち、「車」、「新しい」、「甘い/かわいい」、「親切な」、「フレンドリーな」、「乗車券」、「残念ながら」、「アイスクリーム」、「~ください!」、「ボール」、「あげる」、「プレゼントする」、「送る」、「すすめる」、「タバコを吸う」、「歌う」、「~まで」、「とどまる」、「ひとりで」、「旅行する」、「デパート」、「昼食をとる」、「なにかあるもの」、「病気の」、「健康的な」、「~だけ」、「少し」、「支払う」、「一緒に/合計で」といった意味を表す単語(あるいは熟語)などである。ただし、名詞については、(名詞の性が分かるように)定冠詞の1格を付して答えられるようにしておくこと。 基本単語、名詞の性、形容詞 25 1~15
独文和訳 次のようなドイツ語文を日本語訳することができる。例えば、「Ich sehe schon ein Haus.」、「Ich auch. Da ist eine Frau.」、「Ist sie villeicht Bertha?」、「Mein Freund Hassan hat heute Geburtstag.」、「Wir kennen ihn auch. Schenkst du ihm etwas?」、「Ja, ich schenke ihm ein Buch.」、「Dieser Zug fährt leider nicht direct nach München.」、「In Mannheim steigen wir um, oder?」、「Wann kommen wir dann in München an?」などのドイツ語文を日本語に訳すことができる。その際には、文の種類(肯定文なのか、ja/neinで答えられる疑問文なのか、ja/neinで答えられない疑問文なのか)を確かめた後に、文の主語と動詞を確認し、具体的に翻訳していくとよい。なお、前置詞と紛らわしいものとして、分離動詞にはとくに注意すること。 独文和訳、文の種類、動詞の位置、分離動詞 15 1~15
評価方法 期末試験(100%)によって評価する。 *成績発表後、教務課にて試験・レポートに関する総評が閲覧できます。
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 溝井高志・細川裕史・Martina Wegener『ドイツ語で話してみよう!』(三修社)
参考文献 中島悠爾・平尾浩三・朝倉巧『必携ドイツ文法総まとめ』(白水社)
実験・実習・教材費 教科書購入費2200円+税(ただし、前期に教科書を購入した者は、購入の必要なし)